JP3929294B2 - 光ディスク基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スタンパに形成した凹凸を転写させる光ディスク基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクの基板は、熱可塑性樹脂を射出成形して作られている。射出成形用の金型は大きく捉えれば一対の嵌合する部材からなり、嵌合した部材間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填し、冷却固化後、金型から取り出す。図10に示す射出成形機の断面図を参照して、光ディスク基板の成形方法を説明する。図10において、101は射出成形機の台座であり、射出系102と型締系103とが載置されている。射出系102には、乾燥した樹脂を一旦貯めるミニホッパ104が含まれ、ここからスクリュ105にペレット状の樹脂が供給される。スクリュ105の周囲にはヒータ106が配置され、その熱で樹脂は溶融し、スクリュ105が回転することで樹脂を混練しながら、スクリュ105が後退して計量が行われる。スクリュ105の根元には射出ピストン107が設けられ、計量した溶融樹脂を射出する。従来の光ディスク基板に用いられるスクリュ105はインラインスクリュで、計量と射出を同一スクリュで行っている。これは、樹脂のヤケ等を防止するためである。
【0003】
型締系103は、2枚の大プレート108を含み、一対の嵌合する金型がボルトで取り付けられる。一方が固定金型109であり、他方が可動金型110である。この固定金型109と可動金型110とが閉じた状態で、両者の間にできるキャビティ111に溶融樹脂が充填される。この型締系103にはタイバー112が用いられ、大プレート108が平行に対向したまま可動側が移動できるように支持している。直圧方式では可動側の大プレート108を、型締ピストン113で押圧する。溶融樹脂は、金型内で型締圧をかけられたまま冷却固化した後、取り出し機(図示せず)で金型の外に取り出される。
【0004】
図1に金型の断面図を示す。金型は上記のように固定金型1と可動金型2の1対から構成される。ここでは、情報の凹凸を形成したスタンパ3を固定金型1に装着する場合を示す。
【0005】
固定金型1は、溶融樹脂が流入するスプル部をもつスプルブッシュ4を有する。スプルブッシュ4の周りにはスタンパホルダー5が配置され、スタンパ3の内側を保持して、固定側鏡面盤6上に固定する。固定側鏡面盤6は、固定側基盤7に取り付けられている。固定金型1の最外周には固定側突き当てリング8が配置され、可動側突き当てリング9と嵌合し当接することにより、位置決めを行う。
【0006】
可動金型2には、内側から、エジェクタピン10、カットパンチ11、エジェクタスリーブ12、可動側固定ブッシュ13、可動側鏡面盤14が配置されている。さらに可動側鏡面盤14の外周側には、ディスクの外周を規定する外周リング15が配置されている。この外周リング15は可動金型2側に装着され、可動金型2と固定金型1とが閉じた際に、バネ力で固定金型1側に押し当てられる構造になっている。可動側鏡面盤14と可動側突き当てリング9とは、可動側基盤16に取り付けられている。また、固定金型1では、エア通路Aがスプルブッシュ4とスタンパホルダー5との間に通じ、可動金型2では、エア通路Bが可動側固定ブッシュ13と可動鏡面盤14との間に通じている。
【0007】
カットパンチ11は、樹脂が固化する前に突き出して成形基板に内孔を形成する。エジェクタピン10とエジェクタスリーブ12は固化後、成形基板を金型から取り出す際に、それぞれ、コールドスラグ部と成形基板部を突き出す。また、成形基板を取り出す際は、固定金型1ではエア通路Aから、可動金型2ではエア通路Bから、それぞれエアを吹き出す。
【0008】
以上のような構成において、従来は、金型の開き速度は、取り出しが安定に行える最大速度に設定されていた。これは基板の取り出しに要する時間を短縮して成形サイクルを短縮するためである。
【0009】
特開平10−154359号公報には、成形基板の折れ曲がりを抑制するために、固定金型からエアを吹きながら金型を低速で開く技術が開示されている。これは、固定金型から成形基板が剥離しないうちに強制的に金型が開くことを防止するものであり、スタンパが固定金型側に装着されているか可動金型側に装着されているかとは無関係である。
【0010】
エア圧は、供給元の圧力が0.5MPa程度であるので、0.5MPa以下で、離型時にクラウド等の光学的な不良が生じないように、できるだけに高く設定されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスクの高密度化が進むと、ピットや溝の幅や長さなどの間隔を狭くする必要がある。この状態で平面部を広くする方が信号としてのコントラストが大きくなるため、端面の傾斜角度をより垂直に立てる必要がある。しかし、ピットや溝の端面の傾斜角度が垂直に近い程、図11(a)に示すように、剥離角度θをもってスタンパ114から成形基板115を剥離する際に、転写した成形基板側のピットや溝の端面をスタンパ側のピットや溝の端面により擦ることになる。それにより、図11(b)に示すようにピットや溝の片側の傾きが寝ると共に、周辺で盛り上がりの変形Dが発生する。
【0012】
従って、高密度の成形基板を得ようとすると、エアによって成形基板をスタンパから剥離した状態でも、ピットや溝の片側の傾きが寝たり、ピットや溝の周辺で盛り上がるという微細な変形が起こり、信号品質の良い成形基板が得られないという課題がある。
【0013】
本発明は、かかる課題に鑑み、スタンパに形成されたピットまたは溝が成形基板に転写された後、成形基板がスタンパから剥離される際に生じる変形が抑制される光ディスク基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ディスク基板の製造方法は、少なくとも一方に凹凸を記録したスタンパを装着した、相互に嵌合する一対の金型を用い、前記一対の金型を閉じた状態で前記金型間に形成されるキャビティに溶融樹脂を流入し、その樹脂が冷却固化した後に、成形された基板を前記金型の外に取り出す製造方法を前提とする。
【0015】
上記課題を解決するために、第1の基本構成の光ディスク基板の製造方法は、前記基板を前記金型の外に取り出す際に、前記金型を開く初期の速度を3mm/s以下とするとともに、前記スタンパ側から前記基板に向けて吹き出すエアの圧力を0.3MPa以下とする。
【0016】
第2の基本構成の光ディスク基板の製造方法は、前記基板を前記金型の外に取り出す際に、前記金型を開く初期の速度を3mm/s以下とするとともに、前記スタンパ側から前記基板に向けて吹き出すエアの圧力を前記スタンパから前記基板が剥離し始める前後で高圧から低圧に切り替えて、前記スタンパから前記基板が剥離し始めてからのエアの圧力を0.3MPa以下とする。
【0017】
この方法において、エア吹き出しの圧力を切り換える際に、0.1秒以上1秒以下の時間、圧力を実質的にゼロの状態にしてもよい。
【0018】
第3の基本構成の光ディスク基板の製造方法は、前記基板を前記金型の外に取り出す際に、金型を開く初期の速度を3mm/s以下とするとともに、前記スタンパ側から前記基板に向けて吹き出すエアの圧力を一定とし、前記スタンパから基板が剥離し始めるまでは連続したエア吹き出しを行い、剥離し始めてからはパルス状のエア吹き出しを行う。
【0019】
この製造方法において、相互に嵌合した環状部材と円柱部材とを含む開閉手段を用い、前記円柱部材および前記環状部材には、相互の回動位置を合わせると連通する径方向の貫通孔を各々設け、前記開閉手段をエア通路中に介在させて、前記円柱部材を回転させて前記貫通孔に連なったエア通路の開閉を行うことにより、パルス状のエア吹き出しを行うことができる。
【0020】
また上記の製造方法において好ましくは、パルス状のエア吹き出しの周期を0.5秒以下とする。
【0021】
また上記の製造方法において、パルス状のエア吹き出しの吹き出し時間と吹き出し休止時間との比を調整することにより、金型内で吹き出すエアの平均圧力を調整することができる。パルス状のエア吹き出し時におけるエア吹き出しの平均圧力を0.3MPa以下とすることが好ましい。
【0022】
また上記の製造方法において、エアの吹き出しが連続からパルス状に変わる際の休止間隔を、0.5秒以上1秒以下とすることが好ましい。
【0023】
上記いずれかの基本構成の製造方法において、金型内のキャビティに樹脂を充填後、金型を少なくとも2mm開いた後に金型を開く速度を上昇させることが好ましい。
【0024】
また、スタンパを装着していない側の金型面でエア吹き出しを行う場合のエア圧を、スタンパ側の金型面でのエア圧以下とすることが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、以下に図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
(実施の形態1)
実施の形態1における光ディスク基板の製造方法に用いる光ディスク用金型の構成は、図1に示した従来の金型と同様である。図2に、金型を開き始めた直後の様子の模式図を示す。カットパンチ11は、樹脂が溶融している間に突き出して内孔を形成している。金型を開いても、外周リング15はバネで固定金型1側に押しつけられているため移動しない。また、可動側鏡面盤14表面とスタンパ3表面とを比べると、スタンパ3表面には凹凸が存在し、樹脂が入り込んでいるため、図2の状態で基板17をスタンパ3表面から剥離するにはより大きな力が必要であり、容易には剥離されない。従って、エア通路Aとエア通路Bにエアを供給して、基板17を、スタンパ3に貼り付いた状態から剥離する力を付与する。一方、基板17の内孔部はカットパンチ11と嵌合した状態のため、摩擦により可動金型1側に引っ張られた状態になる。ここで、エア通路Aよりエアを供給すると、金型内に流入したエアがスタンパ3と基板17との間に導かれてスタンパ3と基板17とを剥離するように働く。図2では、基板17の変形の様子が誇張して描かれている。
【0027】
スタンパ3側の内周からのエア吹き出しを、金型を開く前または直後から行い、かつ、金型を低速で開くと、スタンパ3と基板17との剥離角が抑制された状態で、剥離していく境界の位置が内周から外周に向かって徐々に移動するものと考えられる。また、この際のエア圧が低い方が、剥離の速度は緩やかになり、基板17のピットや溝の端面を擦る力が小さくなるものと考えられる。従って、基板17に転写されたスタンパ3上の凹凸の変形が抑制されるものと推定される。
【0028】
金型を開く速度、およびエア吹き出しの条件について調べるための実験を以下のとおりに行った。すなわち、トラックピッチは283nm、ピットの幅は140nm、ピットの長さは231nm、ピットの間隔は546nm、ピット深さは63nmの単一ピットが形成された、壁面角度が78度のスタンパを用いて成形を行った。基板形状は内径が15mm、外径が120mm、厚みが0.6mmであった。基板材料には、ポリカーボネート樹脂(帝人化成製のAD5503)を用いた。金型温度は120℃、最大型締め力は20トン、充填時間は0.1秒で行った。
【0029】
スタンパ3を装着した固定金型1からのエア吹き出しは、金型が開く前から、スタンパ3を装着しない可動金型2からのエア吹き出しは、スタンパ3と基板17との剥離が終了してからに設定した。これは、可動金型2からのエア吹き出しをスタンパ3と基板17とが剥離する前に行うと、基板17における一旦スタンパ3から剥離した部分が再度スタンパ3側に押し付けられて、基板上に形成されたピットが変形を生じる恐れがあるためである。
【0030】
金型に樹脂を充填し、樹脂が基板の形に冷却固化して、金型から取り出す際の、金型を開く速度を変えた場合の図11(b)に示したピット周辺の盛り上がり変形による高さを原子間力顕微鏡で測定した結果を、図3に示す。図3から判るように、ピット周辺の盛り上がり変形高さは、高速で金型を開いた場合は約6nmで変わらなかったが、金型を3mm/s以下の速度で開いた場合は減少することが明らかになった。また、金型を最初は低速で開き、次に装置の最大速度で開くようにして、上記の効果を得るために金型を低速で開くことが必要な距離について調べた。するとその距離は1mm以上、好ましくは2mm以上であった。
【0031】
次に金型の型開き速度を1mm/sとし、スタンパ3を装着した固定金型1側のエア通路Aからのエア圧を変化させた場合に、基板17上に形成されたピットの径方向外側における壁面角度が、スタンパ3上のピットの壁面角度から変化した様子についてAFMで測定した結果を図4に示す。ここで、ピットの壁面角度を、各ピットの半値深さの位置での径方向における壁面の角度の最大値と定義し、複数ピットに対してその中の最小値、最大値、平均値を求めた。同様に、金型の型開き速度が3mm/sの場合の、ピットの径方向外側における壁面角度の変化を図5に示す。この図4と図5に示した結果から、スタンパを装着した側のエア圧は0.3MPa以下であれば、基板上のピットの壁面角度がスタンパのピットの壁面角度に近い基板が得られることが分かる。
【0032】
この結果、金型の最初の開き速度が3mm/s以下で、スタンパ装着側のエア圧が0.3MPa以下の場合に、ピットの外周側壁面の角度とピット周辺の盛り上がり変形が抑制され、信号品質の良い基板が得られることが判った。
【0033】
本実施の形態ではスタンパ3を固定金型1に装着する場合について示したが、スタンパ3を可動金型2に装着する場合でも、スタンパ3と基板17との剥離は、同様の関係になる。従って、スタンパ3を可動金型2に装着する場合にも、同様の条件を適用することにより、同様の結果が得られる。
【0034】
また、本実施の形態ではスタンパ3にピットが形成された場合について記述したが、スタンパ3に溝が形成された場合、あるいは、スタンパ3にピットと溝が混在している場合であっても、上記の製造方法を適用できる。
【0035】
更に、本実施の形態では外周リング15を可動金型2側に取り付けた場合について示したが、外周リング15を固定金型1側に取り付けた場合でも同様の効果が得られる。
【0036】
(実施の形態2)
実施の形態2における光ディスク基板の製造方法に用いられる金型の構造は、図1に示した実施の形態1のものと同様である。実施の形態1との相違は、スタンパ3を装着している固定金型1側からのエアの圧力を変化させることである。図6(a)に、エア圧の時間変化のパターンを示す。図6(a)に示した変化パターンは、金型を開く直前まで高圧に保ち、金型を開くと同時に急激に低圧に切り換えるものである。高圧エアの圧力は0.5MPa以上とする。基板とスタンパとの剥離は、金型を開くのと略同時に開始する。
【0037】
図7(a)および図7(b)に、本実施の形態に用いられるエア圧を切り換える方法を示す。図7(a)の場合には、エアの流路に切換器18を設け、それぞれ高圧エアと低圧エアの2つの入口を接続する。切換器18からの出口は1つで、常に入口の一方と出口とが繋がる構成である。図7(b)の場合には、高圧エアと低圧エアの2つの入口が、それぞれ開閉器19を介して出口と繋がった2つの系統を設ける。出口で2つの系統が繋がっていて、開閉器19の一方を開から閉に、他方を閉から開に同時に切り換える。出口は図1のエア通路Aに繋がっている。
【0038】
金型を3mm/s以下の速度で開いてからの、固定金型1側のエア圧は0.3MPa以下とする。金型を低速で開く距離は1mm以上、好ましくは2mm以上である。基板17をスタンパ3から剥離させるためのエア圧を最初に大きくすることで、基板17から剥離しにくいスタンパ3でも容易に剥離するようになる。しかも、内周から剥離が進行している状態ではエア圧が低くいので、ピット周辺の盛り上がり変形が抑制されるだけでなく、ピットの外周側の壁面角度もスタンパ3の壁面角度に近づく。
【0039】
なお、図1に示したようにスタンパ3を固定金型1に装着する場合に限らず、スタンパ3を可動金型2に装着する場合でも、スタンパ3と基板17との剥離は、同様の関係になる。従って、スタンパ3を可動金型2に装着する場合にも、本実施の形態と同様の条件を適用することにより、同様の結果が得られる。
【0040】
また、外周リング15を可動金型2側に取り付けた場合に限らず、外周リング15を固定金型1側に取り付けた場合でも同様の効果が得られる。
【0041】
(実施の形態3)
実施の形態3における光ディスク基板の製造方法は、実施の形態2とは、スタンパ3を装着している固定金型1側からのエアの圧力変化のパターンが相違する。図6(b)にエア圧の時間変化のパターンを示す。図6(b)に示した変化パターンは、金型を開く直前まで高圧に保ち、金型を開くと同時に急激に一時的にエア圧をゼロ近傍まで下げ 、次に低圧に切り換えるものである。高圧エアの圧力は0.5MPa以上とする。基板とスタンパとの剥離は、金型を開くのと略同時に開始する。
【0042】
エア圧を切り換える方法は、例えば図7(b)に示したように、高圧エアと低圧エアの2つの入口が、それぞれ開閉器19を介して出口と繋がった2つの系統を設け、出口で2つの系統を繋げた構成を用いる。開閉器19の一方を開から閉に、他方を閉から開に同時に切り換える際、一旦両方の開閉器19を同時に閉じた状態を設ける。出口は図1のエア通路Aに繋がっている。
【0043】
エア圧をゼロ近傍にする時間は、0.1秒以上1秒以下で、好ましくは0.2秒から0.5秒とすることにより、良好な結果が得られた。金型を3mm/s以下の速度で開き始めてからの固定金型1側のエア圧は、0.3MPa以下とする。金型を低速で開く距離は1mm以上、好ましくは2mm以上である。
【0044】
基板17をスタンパ3から剥離する最初のエア圧を大きくすることで、基板17から剥離しにくいスタンパ3でも容易に剥離するようになる。しかも、内周から剥離が進行している状態ではエア圧が低くいので、ピット周辺の盛り上がり変形が抑制されるだけでなく、ピットの外周側の壁面角度もスタンパ3の壁面角度に近づく。
【0045】
エア圧の切り換え時にエア圧を一旦ゼロ近傍に下げるのは、エア開閉器19とエアが吹き出す金型表面とは距離があることと、エアが圧縮性流体であることから、初期の高圧のエアを逃がして急速に次のエア圧まで下げるためである。
【0046】
なお、図1に示したようにスタンパ3を固定金型1に装着する場合に限らず、スタンパ3を可動金型2に装着する場合でも、スタンパ3と基板17との剥離は、同様の関係になる。従って、スタンパ3を可動金型2に装着する場合にも、本実施の形態と同様の条件を適用することにより、同様の結果が得られる。
【0047】
また、外周リング15を可動金型2側に取り付けた場合に限らず、外周リング15を固定金型1側に取り付けた場合でも同様の効果が得られる。
【0048】
(実施の形態4)
実施の形態4における光ディスク基板の製造方法に用いられる金型の構造は、図1に示した実施の形態1のものと同じである。実施の形態1との相違は、スタンパ3を装着している固定金型1側からのエア供給の仕方である。
【0049】
図8に、エア圧の時間変化パターンを示す。金型を開く直前まで連続した一様の圧力で、金型を開くのと略同時に、連続したパルス圧となる。この結果、基板17をスタンパ3から剥離する力は、金型が開くまでは大きく、金型が開き始めて基板17がスタンパ3から剥離し始めると、パルス圧に変化するため、小さくなる。エアは圧縮性流体のため、エアの供給がパルス状でも金型から吹き出す際は連続圧になりえる。そこで、エアの1パルスの周期は、0.5秒以下が好ましい。パルス状のエア供給を行う場合は、吹き出し時間と吹き出し休止時間との比を適当に設定することにより、金型内で吹き出すエアの平均圧力を調整することができる。連続エアの圧力は0.5MPa以上とする。
【0050】
基板17をスタンパ3から剥離する際における初期の金型の開き速度は、3mm/s以下が良い。基板17がスタンパ3から剥離し始めてからのパルス状のエア圧の平均は、0.3MPa以下となるように設定するのが良い。金型を開く速度を途中から速くする場合、初期における3mm/s以下の低速で開く距離は、1mm以上好ましくは2mm以上であった。この場合には、基板17上に形成されたピットや溝は周辺の盛り上がり変形が抑制され、壁面角度もスタンパ3の壁面角度と略同一の値を示した。
【0051】
上記のようにエアを供給するためには、図7(c)に示すように、エアの高圧供給源を、エア供給の開閉を行う開閉器20を介して金型のエア供給回路に導く構成とすれば良い。パルス状のエアの供給のためには、図7(c)の開閉器20を、電磁石によって往復運動で開閉する構成とすれば良い。あるいは、図9に示すように、エア供給の有無を選択する開閉器21と、エア通路を断続的に開閉する回転シャッター22とを直列に接続した構成としても良い。
【0052】
回転シャッター22は、図9に示すように、嵌合する円柱部材23と環状部材24からなる。円柱部材23と環状部材24には、位置を合わせると貫通する穴が設けられており、この円柱部材23を回転させて、穴に連なったエア通路の開閉を行うことで、パルス状のエア吹き出しを行う。図8に示したエア圧の時間変化は、開閉器20または開閉器21の出口におけるものである。
【0053】
また、エア供給を連続からパルス状に切り換える際には、エアの開閉器20または21により、パルス状エア供給時より長くエア供給を休止させても良い。この休止時間は、0.5秒以上1秒以下とすると良好であった。これにより、基板17からスタンパ3を剥離する力を、急激に低下させることができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、基板上に形成された凹凸がスタンパから剥離される際に変形することが抑制されるため、良好で安定な信号の再生が可能な光ディスク基板を成形することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1および従来例における光ディスク基板の製造方法に用いられる金型の構成を示す断面図
【図2】実施の形態1におけるスタンパと基板とが剥離する様子を示す断面図
【図3】実施の形態1における、基板に形成されたピット周辺の盛り上がり変形量と型開き速度との関係を示す図
【図4】実施の形態1における型開き速度が1mm/sの場合の、基板外周側のピット壁面角度と固定金型側のエア圧との関係を示す図
【図5】実施の形態1における型開き速度が3mm/sの場合の、基板外周側のピット壁面角度と固定金型側のエア圧との関係を示す図
【図6】実施の形態2の光ディスク基板の製造方法におけるエア圧の時間変化のパターンを示す図
【図7】(a)実施の形態2における固定金型側のエア供給回路の構成を示す図
(b)実施の形態3における固定金型側のエア供給回路の構成を示す図
(c)実施の形態4における固定金型側のエア供給回路の構成を示す図
【図8】実施の形態4の光ディスク基板の製造方法におけるエア圧の時間変化のパターンを示す図
【図9】実施の形態4におけるエア供給回路の構成例を示す図
【図10】従来の光ディスク基板の製造方法における成形機構造を示す断面図
【図11】スタンパと基板とが剥離する際の基板表面の変形の様子を示す断面模式図
【符号の説明】
1 固定金型
2 可動金型
3 スタンパ
4 スプルブッシュ
5 スタンパホルダー
6 固定側鏡面盤
7 固定側基盤
8 固定側突き当てリング
9 可動側突き当てリング
10 エジェクタピン
11 カットパンチ
12 エジェクタスリーブ
13 可動側固定ブッシュ
14 可動側鏡面盤
15 外周リング
16 可動側基盤
17 基板
18 切換器
19、20、21 開閉器
22 回転シャッター
23 円柱部材
24 環状部材
101 台座
102 射出系
103 型締系
104 ミニホッパ
105 スクリュ
106 ヒータ
107 射出ピストン
108 大プレート
109 固定金型
110 可動金型
111 キャビティ
112 タイバー
113 型締ピストン
114 スタンパ
115 成形基板

Claims (11)

  1. 少なくとも一方に凹凸を記録したスタンパを装着した、相互に嵌合する一対の金型を用い、前記一対の金型を閉じた状態で前記金型間に形成されるキャビティに溶融樹脂を流入し、その樹脂が冷却固化した後に、成形された基板を前記金型の外に取り出す光ディスク基板の製造方法において、
    前記基板を前記金型の外に取り出す際に、前記金型を開く初期の速度を3mm/s以下とするとともに、前記スタンパ側から前記基板に向けて吹き出すエアの圧力を0.3MPa以下とする光ディスク基板の製造方法。
  2. 少なくとも一方に凹凸を記録したスタンパを装着した、相互に嵌合する一対の金型を用い、前記一対の金型を閉じた状態で前記金型間に形成されるキャビティに溶融樹脂を流入し、その樹脂が冷却固化した後に、成形された基板を前記金型の外に取り出す光ディスク基板の製造方法において、
    前記基板を前記金型の外に取り出す際に、前記金型を開く初期の速度を3mm/s以下とするとともに、前記スタンパ側から前記基板に向けて吹き出すエアの圧力を前記スタンパから前記基板が剥離し始める前後で高圧から低圧に切り替えて、前記スタンパから前記基板が剥離し始めてからのエアの圧力を0.3MPa以下とする光ディスク基板の製造方法。
  3. エア吹き出しの圧力を切り換える際に、0.1秒以上1秒以下の時間、圧力を実質的にゼロの状態にする請求項2記載の光ディスク基板の製造方法。
  4. 少なくとも一方に凹凸を記録したスタンパを装着した、相互に嵌合する一対の金型を用い、前記一対の金型を閉じた状態で前記金型間に形成されるキャビティに溶融樹脂を流入し、その樹脂が冷却固化した後に、成形された基板を金型の外に取り出す光ディスク基板の製造方法において、
    前記基板を前記金型の外に取り出す際に、金型を開く初期の速度を3mm/s以下とするとともに、前記スタンパ側から前記基板に向けて吹き出すエアの圧力を一定とし、前記スタンパから基板が剥離し始めるまでは連続したエア吹き出しを行い、剥離し始めてからはパルス状のエア吹き出しを行う光ディスク基板の製造方法。
  5. 相互に嵌合した環状部材と円柱部材とを含む開閉手段を用い、前記円柱部材および前記環状部材には、相互の回動位置を合わせると連通する径方向の貫通孔を各々設け、前記開閉手段をエア通路中に介在させて、前記円柱部材を回転させて前記貫通孔に連なったエア通路の開閉を行うことにより、パルス状のエア吹き出しを行う請求項4記載の光ディスク基板の製造方法。
  6. パルス状のエア吹き出しの周期を0.5秒以下とする請求項4記載の光ディスク基板の製造方法。
  7. パルス状のエア吹き出しの吹き出し時間と吹き出し休止時間との比を調整することにより、金型内で吹き出すエアの平均圧力を調整する請求項4記載の光ディスク基板の製造方法。
  8. パルス状のエア吹き出し時におけるエア吹き出しの平均圧力を0.3MPa以下とする請求項7記載の光ディスク基板の製造方法。
  9. エアの吹き出しが連続からパルス状に変わる際の休止間隔を、0.5秒以上1秒以下とする請求項4記載の光ディスク基板の製造方法。
  10. 金型内のキャビティに樹脂を充填後、金型を少なくとも2mm開いた後に金型を開く速度を上昇させる請求項1、2または4に記載の光ディスク基板の製造方法。
  11. スタンパを装着していない側の金型面でエア吹き出しを行う場合のエア圧を、スタンパ側の金型面でのエア圧以下とする請求項1、2、または4に記載の光ディスク基板の製造方法。
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