JP2004199761A - 光ディスク基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スタンパ上に形成された凹凸を射出成形法により基板に転写させる際に生じる変形を抑制できる光ディスク基板の製造方法を提供する。
【解決手段】一対の嵌合する金型(1,2)の少なくとも一方にスタンパ(3)を装着し、金型(1,2)内のキャビティに溶融樹脂を充填し、冷却固化後に金型(1,2)を開いて成型された基板(17)を取り出す製造方法であって、速度3mm/sを超えて金型を開くと光ディスク基板(17)上のピットまたは溝の凹みの外周側に盛上りを生じる場合に、速度3mm/s以下で金型(1,2)を開くことでスタンパ(3)と基板(17)とを剥離する。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スタンパに形成した凹凸を転写させる光ディスク基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクの基板は、熱可塑性樹脂を射出成形して作製される。そのための金型は、大きく分けると一対の嵌合する部材からなり、嵌合した部材間で形成されるキャビティに溶融樹脂を充填し、冷却固化後、金型から取り出す。図8に示す射出成形機の断面図を参照して、光ディスク基板の成形方法を説明する。
【0003】
図8において、101は射出成形機の台座であり、射出系102と型締系103とが設置されている。射出系102には乾燥した樹脂を一旦貯めるミニホッパ104を有し、ここからスクリュ105にペレット状の樹脂が供給される。スクリュ105の周囲にはヒータ106が配置され、この熱で樹脂は溶融し、スクリュ105が回転することにより樹脂を混練しながら、スクリュ105を後退させて計量が行われる。スクリュ105の根元には射出ピストン107が設けられ、計量した溶融樹脂を射出する。従来の光ディスク基板の射出成形に用いられるスクリュ105はインラインスクリュで、計量と射出を同一スクリュで行っている。これは、樹脂のヤケ等を防止するためである。
【0004】
型締系103では、2枚の大プレート108a、108bに、一対の嵌合する金型がボルトで取り付けられる。一方が固定金型109であり、他方が可動金型110である。この固定金型109と可動金型110とが閉じた状態で両者の間に形成されるキャビティ111に、溶融樹脂が充填される。型締系103は、タイバー112を有し、大プレート108a、108bが平行に向き合ったまま、可動側が移動するように構成されている。直圧方式では、可動側の大プレート108bを型締ピストン113で押圧する。溶融樹脂は、金型内で型締圧をかけたまま冷却固化した後、取り出し機(図示せず)で金型の外に取り出される。
【0005】
図1に金型の断面図を示す。金型は上記のように固定金型1と可動金型2の1対から構成される。ここでは、情報の凹凸を形成したスタンパ3を、固定金型1に装着する場合を示す。固定金型1には、溶融樹脂が流入するスプル部をもつスプルブッシュ4が配置される。スプルブッシュ4の周りにはスタンパホルダー5が設置され、スタンパ3の内周部に係合して、固定側鏡面盤6上に保持する。固定側鏡面盤6は固定側基盤7に取り付けられている。固定金型1の最外周には、固定側突き当てリング8が配置され、可動側突き当てリング9と嵌合し突き当たることで、位置出しが行われる。
【0006】
可動金型2は、内側から順に配置された、エジェクタピン10、カットパンチ11、エジェクタスリーブ12、可動側固定ブッシュ13、可動側鏡面盤14を有する。可動側鏡面盤14の外周側には、ディスクの外周を規定する外周リング15が配置される。この外周リング15は可動金型2側に装着され、可動金型2と固定金型1とが閉じた際に、バネ力で固定金型1側に押し当てられる構造になっている。可動側鏡面盤14と可動側突き当てリング9とは、可動側基盤16に取り付けられている。20はキャビティである。
【0007】
カットパンチ11は、樹脂が固化する前に突き出されて成形基板に内孔を形成する。エジェクタピン10とエジェクタスリーブ12は固化後、成形基板17を金型から取り出す際に、それぞれ、コールドスラグ部と成形基板部を突き出すために用いられる。また、成形基板を取り出す際は、固定金型1ではエア通路Aがスプルブッシュ4とスタンパホルダー5との間に通じ、可動金型2ではエア通路Bが可動側固定ブッシュ13と可動鏡面盤14との間に通じ、それぞれ、エアを吹き出す。
【0008】
上記のような射出成形機において、従来は、金型の開き速度は、取り出しが安定に行える最大速度に設定していた。これは基板の取り出しに要する時間を短縮して成形サイクルを短縮するためである。
これに対して、成形基板の折れ曲がりを抑制するために、固定金型からエアを吹きつけながら金型を低速で開く技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。これは固定金型から成形基板が剥離しないうちに強制的に金型が開くことを抑止するものであり、スタンパが固定金型側に装着されているか可動金型側に装着されているかに関わりなく行われる。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−154359号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスクの高密度化が進むと、ピットや溝の幅や長さなどの間隔を狭くする必要が高まる。この状態でピットの平面部を広くする方が信号としてのコントラストが大きくなるため、端面の傾斜角度をより垂直に立てる必要がある。
【0011】
しかし、ピットや溝の端面の傾斜角度が垂直に近いほど、図7(a)に示すように、スタンパから成形基板を剥離する際に、スタンパ側のピットや溝の壁面において、転写した成形基板側のピットや溝の壁面を擦ることになる。そのため図7(d)に示すように、ピットや溝の片側の傾きが緩くなると共に、ピットの周辺で、盛り上がりの変形が発生する。
【0012】
従って、高密度の成形基板を得ようとすると、エアによって成形基板をスタンパから剥離した状態でも、ピットや溝の片側の傾きが緩くなったり、ピットや溝の周辺で盛り上がるという微細な変形が起こり、信号品質の良い成形基板が得られないという課題がある。
【0013】
本発明は、かかる課題に鑑み、スタンパに形成されたピットまたは溝が成形基板に転写された後剥離する際に生じる変形が抑制される、光ディスク基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1番目の光ディスク基板の製造方法は、一対の嵌合する金型の少なくとも一方にスタンパを装着し、前記金型内に溶融樹脂を充填し、冷却固化後に金型を開いて成形品を取り出す光ディスク基板の製造方法であって、速度3mm/sを超えて金型を開くと光ディスク基板上のピットまたは溝の凹みの外周側に盛上りが生じる場合に、速度3mm/s以下で金型を開いてスタンパと成形品とを剥離することを特徴とする。
【0015】
本発明の第2番目の光ディスク基板の製造方法は、一対の嵌合する金型の少なくとも一方にスタンパを装着し、前記金型内に溶融樹脂を充填し、冷却固化後に金型を開いて成形品を取り出す光ディスク基板の製造方法であって、速度3mm/s以下で金型を開く際の光ディスク基板の冷却速度を2K/s以上としてスタンパと成形品とを剥離することを特徴とする。
【0016】
本発明の第3番目の光ディスク基板の製造方法は、一対の嵌合する金型の少なくとも一方にスタンパを装着し、前記金型内に溶融樹脂を充填し、冷却固化後に金型を開いて成形品を取り出す光ディスク基板の製造方法であって、金型を樹脂のガラス転移温度より40K以上低い温度に設定し、速度3mm/s以下で金型を開いてスタンパと成形品とを剥離することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明方法は、射出成形の際に、速度3mm/sを超えて金型を開くと光ディスク基板上のピットまたは溝の凹みの外周側に盛上りが生じる場合に、速度3mm/s以下で金型を開いてスタンパと成形品とを剥離することを特徴とする。
【0018】
速度3mm/sを超えて金型を開くと光ディスク基板上のピットまたは溝の凹みの外周側に盛上りを生じさせる手段は、1つには金型を樹脂のガラス転移温度より40K以上低い温度に設定することであり、1つには金型を開く際の光ディスク基板の冷却速度を2K/s以上とすることである。
【0019】
本発明方法においては、低速で型開きを行う1段目の速度で移動する距離を0.5mm以上とし、2段目の速度を1段目の速度より速くすることが好ましい。
【0020】
本発明の実施の形態について、以下に図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態に用いる光ディスク用金型の構成は、図1に示した従来の金型と同じである。図2に、金型を開き始めた直後の様子の模式図を示す。カットパンチ11は、樹脂が溶融している間に突き出されて内孔を形成している。金型を開いても、外周リング15の開き幅限界が0.5mmであればそこまでは外周リング15はバネで固定金型1側に押しつけられているため移動しない。この状態において、可動側鏡面盤14とスタンパ3表面とを比べると、スタンパ3表面の方に凹凸が多く存在し樹脂が入り込んでいるため、スタンパ3からの基板17の剥離により力を必要とし、容易には剥離されない。従って、エア通路Aにエアを供給しないと、基板17はスタンパ3に貼り付いた状態になる。しかし、基板17の内孔部はカットパンチ11と嵌合した状態のため、摩擦により可動金型2側に引っ張られた状態になる。
【0022】
ここで、エア通路Aよりエアを供給すると、金型内に流入したエアがスタンパ3と基板17との間に導かれて、スタンパ3と基板17とを剥離させるように働く。図2には、基板17の変形の様子が誇張して図示されている。
【0023】
スタンパ3側の内周からのエア吹き出しを、金型を開く前または直後から行うことで、スタンパ3と基板17とが剥離していく境界の位置が、内周から外周に向かって徐々に移動する。
【0024】
トラックピッチが200nm、ピットの幅が100nm、ピットの長さが80から160nm、ピットの間隔が240nm、ピット深さが65nmのSCIPER(Signal Carrier Independent Parallel Edge Recording)記録によるランダムピットが形成された、壁面角度が83度のスタンパ3を用いて成形を行った。基板形状は、内径が15mm、外径が120mm、厚みが1.1mmであった。基板上に形成されるピットは凹みの形で形成されるものを用いた。基板材料としては、ポリカーボネート樹脂である帝人化成の商品名“AD5503”を用いた。金型温度は120℃、最大型締め力は30トン、充填時間は0.1秒とした。スタンパ3が装着された固定金型1からのエア吹き出しは、金型が開く前から、スタンパ3が装着されていない可動金型2からのエア吹き出しは、スタンパ3と基板17との剥離が終了してからに設定した。図1に示す可動金型2からのエア吹き出しをスタンパ3と基板とが剥離する前に行うと、一旦スタンパ3から剥離した基板17の部分が再度スタンパ側に押し付けられて基板17上に形成されたピットに当接して変形を発生する恐れがあるためである。金型の最初に開く速度を20mm/sに固定した。
【0025】
これらの条件の下で、本発明者は基板上に形成されたピット形状を原子間力顕微鏡を用いて詳細に調べた。この結果、ピットの変形は大きく分けて内周側に発生する場合と、外周側に発生する場合と、その中間の場合の3通りあることがわかった。大きく基板全体で見ると、ピットの変形は一周で内周側に発生する場合、一周で外周側に発生する場合、および一周では基板中心を挿んで一方が内周側で他方が外周側にあり、ちょうど中間では周方向にあるか全くないという場合の3つの状態があることがわかった。
【0026】
このピット変形が基板上に発生するメカニズムとしては2つのメカニズムの合わさったものであると考えられる。第1番目は図7(a)に示すように、基板17とスタンパ3との剥離の際に角度を持って抜けることにより、壁面が擦れるものである。第2番目は図7(b)(c)に示すように、基板17とスタンパ3との収縮の速度差によってピットの壁面が擦れるものである。
【0027】
図1の通路Aからのエア吹き出しによって基板17とスタンパ3とは基板17の内周から剥離するため、第1番目のメカニズムによれば基板17上のピット周辺の盛上り変形はピットの凹みの外側に生じる。
【0028】
しかし、第2番目のメカニズムによれば、基板17とスタンパ3との間の力は、場合によって内側にも外側にも作用するため、基板17上のピット周辺の盛上り変形は、ピットの凹みの内側にも外側にも生じる。基板17とスタンパ3とでは熱可塑性樹脂からできた基板17の方が熱膨張率は大きいが、実際には基板17には圧縮力が働いて縮まっているため、基板17とスタンパ3との剥離時においては、基板17は圧縮力が開放されて生じる膨張と冷却によって生じる収縮とが合成されたものになり、スタンパ3との相対作用になるためである。
【0029】
基板17上のピットが形成された最内周の半径26mmにおいて、一周内のピットの盛上り変形のある方向と金型温度との関係を調べた。表1に結果を示す。型締力に対する影響を見るために10トン、20トン、30トンと変えて比較したが差が見られなかった。
【0030】
【表1】
Figure 2004199761
【0031】
次にピットの盛上り変形を抑制する検討をした。図7(a)から基板17とスタンパ3とを剥離する際に、両者を垂直に剥離すれば、ピットの壁面同士を擦る量が減少すると考えられる。そこで、金型の開き速度を遅くすればピット変形が抑制されると考えて、金型の開き速度を変えてピット周辺での盛上り変形の高さを調べた。ここで、盛上り変形の方向の影響も調べるために、金型温度が異なる場合について実験を行った。金型温度が100℃の場合の金型の開き速度と盛上りの変形高さとの関係を図3に、金型温度が120℃の場合の金型の開き速度と盛上りの変形高さとの関係を図4に示す。図3と図4から、ピット周辺の盛上り変形が凹みの内側にある場合は、金型の開き速度を遅くしても変形は抑制されないが、ピット周辺の盛上り変形が凹みの外側にある場合は、金型の開き速度が3mm/s以下になると変形が抑制されることがわかった。金型温度が110℃の場合も同様に成形をしたが、基板の一周で見た場合に金型の開き速度によってピット周辺の盛上り変形が抑制されることはなかった。
【0032】
ピット周辺の盛上り変形が凹みの外側にある場合に抑制されるという結果と、表1の結果とポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が145℃近傍にあることから、樹脂のガラス転移温度より40K以上低い金型温度であれば金型の開き速度が3mm/sより大きい場合にピット周辺の盛上り変形が凹みの外側に生じることになり、変形の抑制が可能であることになる。そして、ピット変形が抑制されるためには金型の開き速度を3mm/s以下にすれば良い。
【0033】
金型の開き速度が極低速の場合に基板17上のピットの変形が抑制されるため、金型を開くのに時間がかかる。そこで、開き速度を2段にして1段目を1mm/s、2段目を40mm/sとして1段目の速度で開く距離を変えてピットの変形が抑制される効果がある最小値を調べた。その結果、1段目速度での移動距離は0.5mm以上あれば良いことがわかった。
【0034】
(実施の形態2)
ピット周辺に変形が生じうるメカニズムの2つ目は実施の形態1の中で説明したように基板17とスタンパ3との収縮の速度差によってピットの壁面が擦れるものである。したがって、基板17とスタンパ3との剥離する瞬間の両者の冷却速度が基板17上のピット変形量と関係があると考えられる。
【0035】
基板17の冷却速度が速くなると基板17はスタンパ3より熱膨張率が大きいのでスタンパ3に対して基板17の方が内側に縮む速度が増すことになるため図7(c)に示すようになって基板17上にあるピットの凹みの外側に盛上り変形が発生することになる。反対に基板17の冷却速度が遅いと図7(b)に示すようになってピットの凹みの内側に盛上り変形が発生することになる。
【0036】
スタンパ3と基板17とが剥離する際の基板17の冷却速度を上げるためには、基板17から多くの熱を奪う必要がある。このためには、金型内に充填された溶融樹脂は当初遅く冷え、固化後は早く冷えるようにする必要がある。具体的実現手段の第1番目としては、図5に示すようにスタンパ3と固定鏡面盤6との間に低熱伝導板18を設け、金型温度を低く設定すればよい。また具体的実現手段の第2番目としては、スタンパ3と固定鏡面盤6との間に誘導加熱手段を設けるなどして、キャビティ表面の少なくとも一部を加熱した後に、低い温度に制御した金型で冷却すればよい。両者とも固化後に樹脂と金型との温度差が大きくなるため基板17の冷却速度が大きくなる。
【0037】
スタンパ3と固定側鏡面盤6との間に低熱伝導板18を設けた構造の金型と、低熱伝導板18を設けない構造の金型を用いて成形した基板17でのピット変形の状態を、原子間力顕微鏡で調べた。この際の金型の開き速度は20mm/sとした。また、スタンパ3から基板17を剥離する際の基板17の冷却速度を、シミュレーションにより計算した。そして、基板17の冷却速度とピット変形との関係を求めた。結果をまとめると表2のようになった。低熱伝導板18を設けた金型の場合は冷却速度が1.5K/s以上であり、低熱伝導板18を設けない金型の場合派冷却速度が2.0K/s以下であった。
【0038】
【表2】
Figure 2004199761
【0039】
表2から基板17の冷却速度が2.0K/s以上の場合に、基板17上に生じるピット周辺の盛上り変形は外側になることがわかる。
【0040】
次に実施の形態1と同様に、基板17とスタンパ3とを剥離する際に両者を垂直に剥離するように、金型の開き速度を遅くすることが効果あるかを調べるため、金型の開き速度を変えてピット周辺での盛上り変形の高さを調べた。ここで、盛上り変形の方向の影響も調べるために、基板17の冷却速度が異なる場合について実験を行った。冷却速度は1.0K/s、1.8K/s、3.0K/sの3通りを選んだ。
【0041】
ピット周辺の盛上り変形が凹みの内側にある場合、および方向が不定の場合は金型の開き速度によって変形は抑制されず、盛上り変形が凹みの外側にある場合のみが、図6のように金型の開き速度が3mm/s以下になると変形が抑制されることがわかった。ピット周辺の盛上り変形が凹みの外側にある場合のみ金型の開き速度が3mm/s以下になるという結果は、実施の形態1の場合と同じである。
【0042】
以上から基板17がスタンパ3から剥離する際の基板17の冷却速度が2.0K/s以上の場合に、金型の開き速度を3mm/s以下にすると基板17上に形成されたピットの周辺の変形が抑制される。
【0043】
金型の開き速度が極低速の場合に、基板17上のピットの変形が抑制されるため、金型を開くのに時間がかかる。そこで、開き速度を2段にして1段目を1mm/s、2段目を40mm/sとして、1段目の速度で開く距離を変えてピットの変形が抑制される効果がある最小値を調べた。その結果、1段目速度での移動距離は0.5mm以上あれば良いことがわかった。
【0044】
以上はスタンパにピットが凹みで形成された場合について記したが、スタンパのピットは凸であっても、また、溝であっても同様に成り立つ。
【0045】
【発明の効果】
本発明により、スタンパ上に形成されたピットや溝を射出成形法で成形基板に転写する際に生じる変形が抑制される。この結果、信号品質の改善が可能となり、製品歩留まりの向上ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1および従来例に用いる金型の構成を示す概略断面図
【図2】本発明の実施の形態1のスタンパと基板とが剥離する様子を示した断面図
【図3】本発明の実施の形態1における金型温度100℃でのピット周辺の盛上り変形量と金型の開き速度との関係図
【図4】本発明の実施の形態1における金型温度120℃でのピット周辺の盛上り変形量と金型の開き速度との関係図
【図5】本発明の実施の形態2に用いる金型の構成を示す概略断面図
【図6】本発明の実施の形態2における剥離時の基板の冷却速度3.0K/sでのピット周辺の盛上り変形量と金型の開き速度との関係図
【図7】スタンパと基板とが剥離する際の基板表面の様子を示した断面模式図
【図8】従来の成形機構造を示す断面図
【符号の説明】
3 スタンパ
4 スプルブッシュ
5 スタンパホルダー
6 固定側鏡面盤
7 固定側基盤
8 固定側突き当てリング
9 可動側突き当てリング
10 エジェクタピン
11 カットパンチ
12 エジェクタスリーブ
13 可動側固定ブッシュ
14 可動側鏡面盤
15 外周リング
16 可動側基盤
17 基板
18 低熱伝導板
20 キャビティ
101 台座
102 射出系
103 型締系
104 ミニホッパ
105 スクリュ
106 ヒータ
107 射出ピストン
108a,108b 大プレート
109 固定金型
110 可動金型
111 キャビティ
112 タイバー
113 型締ピストン

Claims (4)

  1. 一対の嵌合する金型の少なくとも一方にスタンパを装着し、前記金型内に溶融樹脂を充填し、冷却固化後に金型を開いて成形品を取り出す光ディスク基板の製造方法であって、
    速度3mm/sを超えて金型を開くと光ディスク基板上のピットまたは溝の凹みの外周側に盛上りが生じる場合に、速度3mm/s以下で金型を開いてスタンパと成形品とを剥離することを特徴とする光ディスク基板の製造方法。
  2. 一対の嵌合する金型の少なくとも一方にスタンパを装着し、前記金型内に溶融樹脂を充填し、冷却固化後に金型を開いて成形品を取り出す光ディスク基板の製造方法であって、
    速度3mm/s以下で金型を開く際の光ディスク基板の冷却速度を2K/s以上としてスタンパと成形品とを剥離することを特徴とする光ディスク基板の製造方法。
  3. 一対の嵌合する金型の少なくとも一方にスタンパを装着し、前記金型内に溶融樹脂を充填し、冷却固化後に金型を開いて成形品を取り出す光ディスク基板の製造方法であって、
    金型を樹脂のガラス転移温度より40K以上低い温度に設定し、速度3mm/s以下で金型を開いてスタンパと成形品とを剥離することを特徴とする光ディスク基板の製造方法。
  4. 低速で型開きを行う1段目の速度で移動する距離を0.5mm以上とし、2段目の速度を1段目の速度より速くする請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク基板の製造方法。
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