JP2003154343A - 有機性廃棄物の処理方法およびそのシステム - Google Patents

有機性廃棄物の処理方法およびそのシステム

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JP2003154343A
JP2003154343A JP2001357281A JP2001357281A JP2003154343A JP 2003154343 A JP2003154343 A JP 2003154343A JP 2001357281 A JP2001357281 A JP 2001357281A JP 2001357281 A JP2001357281 A JP 2001357281A JP 2003154343 A JP2003154343 A JP 2003154343A
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protein
methane fermentation
waste
ammonia
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JP2001357281A
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Hiroshi Mizutani
洋 水谷
Nobuo Suzuki
信男 鈴木
Kinya Fujita
謹也 藤田
Naoki Ogawa
尚樹 小川
Tomoaki Omura
友章 大村
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタン発酵における阻害物質であるアンモニ
アの発生を有効に防止して、メタン発酵の処理効率を高
めるとともに、有用物質の回収率が高まりリサイクルが
促進される処理方法を提供する。 【解決手段】 タンパク質を含有する有機性廃棄物の処
理において、メタン発酵の前段にて、有機性廃棄物の一
部もしくは全部からタンパク質抽出を行った後、該タン
パク質抽出後の有機性廃棄物、または、残りの有機性廃
棄物と該タンパク質抽出後の有機性廃棄物を混合した廃
棄物、について、メタン発酵を行うことを特徴とする有
機性廃棄物の処理方法、並びに、タンパク質を含有する
有機性廃棄物の処理システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高濃度にタンパク
質を含有する有機性廃棄物の処理方法に関し、さらに詳
しくは、メタン発酵を高効率に行い、かつ、種々の廃棄
物成分を有効に資源として回収できる有機性廃棄物の処
理方法およびそのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種廃棄物処理においてもリサイ
クルが行われてきており、有機性廃棄物の処理において
も、単に無害化して廃棄するのではなく、エネルギー源
として回収すること、あるいは、再生物として回収して
循環使用すること、などが推進されてきている。炭素化
合物に関しても、例えばメタン発酵やコンポスト処理に
よって、エネルギー回収や再生物の循環利用が可能とな
っている。
【0003】食品廃棄物や畜産廃棄物等の有機性廃棄物
のリサイクル技術としては、従来から、例えば図2に示
すようなシステムにて、メタン発酵によるバイオガスの
回収が行われている。処理対象である有機性廃棄物につ
いては、通常、夾雑物除去装置11などを経てから、メ
タン発酵槽3に投入されていた。しかしながら、メタン
発酵槽3においては、アンモニアが菌の活性を低下させ
るため、発酵の阻害物質となる。高濃度にタンパク質を
含有する、高タンパク質の有機性廃棄物を処理する場合
には、このタンパク質の分解によって発生するアンモニ
アによって、発酵処理に支障をきたす場合がある。この
ため、メタン発酵槽3内のアンモニア濃度を低濃度化す
るために、多量の希釈水が必要とされており、運転操作
が煩雑化・複雑化するとともに、排水が増大してしまう
といった問題があった。また、必要な滞留時間を確保の
ため、槽3自体が大型化し、処理システム全体も大型化
してしまうといった問題があった。
【0004】一方、このようなメタン発酵における発酵
阻害防止のため、メタン発酵の前段において、アンモニ
ア回収装置12を設けることも考えられる。しかしなが
ら、アンモニアストリッピングでは、アンモニア成分の
みしか除去できないため、タンパク質等の有機態窒素が
メタン発酵槽内に流入し、メタン発酵による分解で槽内
のアンモニア濃度が高まってしまう場合には、対応でき
なかった。また、メタン発酵槽3内に残留するアンモニ
ア態窒素は、メタン発酵槽の後段において水処理を行う
場合、C/N比が極端に低い排水となり、通常の微生物
処理での脱窒素等による浄化は困難となってしまってい
た。
【0005】他方、有機性廃棄物の処理におけるリサイ
クルの観点からは、高濃度でタンパク質が含まれる場合
には、これらを分離回収することは、抽出されるタンパ
ク質が家畜飼料や医療分野等への利用が可能な付加価値
の高い産物であることからも、極めて有利な方法と考え
られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点に鑑み、有機性廃棄物の処理において、メタン発酵
における阻害物質であるアンモニアの発生を有効に防止
して、メタン発酵の処理効率を高めるとともに、有用物
質の回収率が高まりリサイクルが促進される廃棄物の処
理方法を開発すべく、鋭意検討した。その結果、本発明
者らは、メタン発酵とタンパク質抽出を組み合わせ、メ
タン発酵の前段でタンパク質抽出を行い、廃棄物からア
ンモニアとともに付加価値の高いタンパク質を分離回収
することによって、メタン発酵の阻害要因であるアンモ
ニアの発生が低減され、かかる問題点が解決されること
を見い出した。本発明は、かかる見地より完成されたも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、タ
ンパク質を含有する有機性廃棄物の処理において、メタ
ン発酵の前段にて、有機性廃棄物の一部もしくは全部か
らタンパク質抽出を行った後、該タンパク質抽出後の有
機性廃棄物、または、残りの有機性廃棄物と該タンパク
質抽出後の有機性廃棄物を合わせた廃棄物、について、
メタン発酵を行うことを特徴とする有機性廃棄物の処理
方法を提供するものである。ここで、前記タンパク質抽
出には、部分分解工程およびアルカリ抽出工程を含む態
様が好適である。タンパク質抽出を行うのは有機性廃棄
物のうち、高タンパク質含有廃棄物であり、タンパク質
抽出装置には、廃棄物が高タンパク質含有廃棄物のみか
らなる場合には全部、廃棄物の一部である場合にはその
一部を投入することがよい。
【0008】メタン発酵においては、処理対象物の性状
によって、発酵処理の程度が異なり、高タンパク質含有
廃棄物はメタン発酵においては、アンモニア阻害によっ
て完全な処理が困難な場合がある。本発明ではかかる性
状の廃棄物について、メタン発酵による処理を行うに
は、前処理として、タンパク質抽出工程を経ることによ
って、メタン発酵による処理を容易にすることができ
る。
【0009】前記タンパク質抽出を行った後の有機性廃
棄物については、前記メタン発酵の前段にて、アンモニ
アストリッピング処理によりアンモニアを回収除去する
ことができる。これにより、メタン発酵工程の阻害物質
であるアンモニアを事前に除去して、メタン発酵を安定
的に実施することができる。また、前記メタン発酵を行
った後の有機性排水についても、アンモニアストリッピ
ング処理によりアンモニアを回収除去することができ
る。廃棄物中にアンモニアは残留しているが阻害物質に
なる程の量ではない場合、メタン発酵によってアンモニ
ア濃度が増加するので、アンモニアを多く回収する観点
からは、メタン発酵の後段でアンモニアを回収する方法
が好ましい。さらに、本発明では、前記メタン発酵の後
段において、発酵後の消化汚泥を固液分離し、固形物を
脱水および乾燥処理するとともに、分離液を生物学的脱
窒素処理により浄化する態様が好適である。さらに、本
発明では、前記分離液から晶析法によるリン回収を行う
こともできる。
【0010】本発明は、タンパク質を含有する有機性廃
棄物の処理システムであって、前段に、廃棄物中に含ま
れるタンパク質を抽出除去するタンパク抽出装置が設け
られており、その後段に、バイオガスを発生させるメタ
ン発酵槽が設けられていることを特徴とする有機性廃棄
物の処理システムを提供するものである。ここで、前記
タンパク質抽出装置では、部分分解およびアルカリ抽出
を行う。タンパク質成分は固液分離して取り出す方法が
好ましい。また、前記メタン発酵槽の前段あるいは後段
に、アンモニアを回収除去するアンモニア回収装置が備
えられていてもよい。そして、固液分離した分離液につ
いては、生物学的脱窒素処理するシステムが好適に挙げ
られる。
【0011】加えて本発明は、有機性廃棄物からタンパ
ク質を抽出する方法であって、タンパク質を含有する有
機性廃棄物を、酸および消化酵素によって部分分解する
工程の後、アルカリ抽出によってタンパク質成分の沈殿
物を形成した後、固液分離によってタンパク質を固形分
として抽出回収することを特徴とするタンパク質の抽出
方法をも提供するものである。
【0012】以上のような本発明によれば、メタン発酵
工程の前段において、タンパク質の回収、必要に応じて
アンモニアストリッピングによるアンモニアの成分回収
を行うため、メタン発酵槽内のアンモニア濃度を抑制で
き、メタン発酵処理が安定化する。また、抽出されるタ
ンパク質は付加価値の高い副産物として、家畜飼料、医
療分野等への利用が可能となる。つまり本発明は、有機
性廃棄物を効率的に無害化するだけでなく、より付加価
値の高い産品として、再利用あるいはエネルギー源とし
て回収することが可能な資源回収方法でもある。また本
発明では、メタン発酵とタンパク質の回収を組み合わせ
ることで、抽出の過程で必要な乾燥等の熱源として、発
生したメタンガスを利用できるという効果もある。そし
て、メタン発酵の後段において水処理を行う場合、水処
理入口でのC/N比を高くすることができ、生物学的脱
窒素処理等の水処理の安定化を図ることができる。
【0013】なお、本発明のメタン発酵工程では、メタ
ン発酵により上記廃棄物からバイオガス(主成分はメタ
ン、二酸化炭素)が得られる。ここで、メタン発酵工程
の直後で得られるバイオガスには、メタン(CH4)約50
〜70%、および二酸化炭素(CO2)約30〜50%程度
が含まれている。本発明にアンモニアストリッピング工
程を設ける場合には、該工程によってアンモニアがアン
モニア水として回収される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る液状有機性廃
棄物の処理方法について、添付図面を参照しながら、そ
の具体的な実施形態を詳細に説明する。図1は有機性廃
棄物の処理全体に関するものであり、図3は処理システ
ム中のタンパク質抽出工程およびメタン発酵工程の一例
を示すものである。
【0015】本実施の形態では、最初に、有機性廃棄物
中の高タンパク質含有廃棄物を、タンパク質抽出装置1
に投入する。一般に、有機性廃棄物には、以下に示すよ
うな高タンパク質含有廃棄物以外に、低タンパク質含有
廃棄物、あるいはタンパク質を含まない廃棄物がある。
よって、本発明の処理においては、有機性廃棄物が高タ
ンパク質含有廃棄物のみからなる場合には、その全部を
装置1に投入し、高タンパク質含有廃棄物と他の廃棄物
との混合物の場合には、その一部を装置1に投入するの
がよい。
【0016】ここで、高濃度にタンパク質を含有する有
機性廃棄物(高タンパク質含有廃棄物)としては、具体
的には、食品産業廃棄物中の例えば動植物性残渣、市場
野菜くず、魚腸骨、厨芥の一部などが挙げられる。動植
物性残渣は主に、食品製造業から廃棄されるものが多
く、おからや魚腸骨などの高タンパクで分別されている
ものである。市場野菜くずや魚腸骨は主に、食品流通業
から廃棄されることが多い。厨芥には一般に低タンパク
質のものも含まれるが、食品流通業や飲食業、さらには
ホテルや旅館等からの廃棄物についても、量の多少はあ
るものの高タンパク質含有廃棄物が存在する。その他、
一般には低タンパク質含有廃棄物に分類される廃棄物で
あっても、分別収集の方法によっては、高タンパク質含
有廃棄物として分類されるものも存在し、例えば野菜作
の野菜くず、稲作の稲わら・籾殻、畜産業の家畜糞尿、
一般家庭や事務所の厨芥、し尿・工場処理施設の汚泥、
などについても本発明の処理方法の適用に際して、何ら
制限されるものではない。
【0017】タンパク質抽出装置1では、主に、部分分
解工程およびアルカリ抽出工程からなるタンパク質抽出
工程が実施される。図3に示すタンパク質抽出工程21
では、破砕、部分分解(酸や消化酵素による)、必要に
応じて重金属除去、アルカリ抽出、固液分離を行う。固
化物は粗タンパク質として回収する。排水はメタン発酵
工程22に送られる。タンパク質抽出工程21によって
得られたタンパク質は、家畜の飼料や医療用途に使用で
きるなど、付加価値の高い副産物として利用できる。
【0018】図4には、タンパク質抽出工程21の具体
的な操作プロセスの一例を示す。タンパク質抽出工程
は、バッチ式でも連続式でも可能であり、部分分解工程
は第1反応槽31内において行われ、アルカリ抽出工程
は第2反応槽33内において行われる。タンパク質抽出
工程では、第1段の部分分解工程において、対象有機性
廃棄物から消化酵素によってタンパク質を部分分解して
溶液中に可溶化する。消化酵素は、撹拌器32の付いた
第1反応槽31内に粉末で添加するか、あるいは直前に
溶解したものを添加する。この消化酵素としてはタンパ
ク質分解酵素が用いられ、具体的には、例えばトリプシ
ン,ペプシン,タカジアスターゼ,プロテアーゼなどが
用いられる。第1反応槽31で得られた溶解液は、第2
反応槽33に送られる。
【0019】第2段のアルカリ抽出工程では、溶解した
タンパク質を等電点の違いによって析出させる。ここで
は、pHをアルカリにすることによって沈殿と変性によ
る不溶化を促進する。生成した沈殿は、第2反応槽33
底部から回収することができる。また、溶解しているタ
ンパク質を強曝気することにより発泡させ、泡として回
収することもできる(プロテインスキマー)。
【0020】タンパク質の抽出効果は対象とする物質に
よって異なるが、酵素の一例として牛乳のカゼインを使
用した場合、タンパク質可溶化率は、図5のような結果
となる。酵素の添加量0.1%(原料量に対して)とし
て、1日で80%のタンパク質が可溶化される。一方、
可溶化したタンパクの曝気による除去では、溶解してい
るタンパク質は通常90%以上回収できる。抽出効果
(抽出率)は、(可溶化率)×(アルカリでの沈殿生成
率)で表されるので、上記の場合、80%×90%=7
2%の効率で分離できることになる。
【0021】上記したタンパク質抽出工程を経た高タン
パク質含有廃棄物は、他の低タンパク質含有廃棄物等が
ある場合には、それら残りの有機性廃棄物と混合した
後、メタン発酵を行う。その際、図3に示すように、タ
ンパク質抽出工程の固液分離から得られた排水と、低タ
ンパク質含有廃棄物等を粉砕したものを水分調整を行い
ながら調整することがよい。本実施の形態においては、
メタン発酵槽3内には、メタン生成菌を一定濃度以上存
在させるために、槽内のTS濃度を4〜5%以上として
有機性廃棄物を効果的にメタン発酵させることが好まし
い。本発明では発酵槽3内に、メタン発酵における阻害
物質であるアンモニアが生成し難いので、処理効率が向
上する。ここで、メタン発酵による廃棄物の投入から排
出までの処理時間(水理学的滞留時間)は、通常、高温
発酵(55℃程度)では約15日間、中温発酵(35℃
程度)では約30日間程度である。
【0022】処理対象である有機性廃棄物をメタン発酵
すると、難分解性物質が未分解成分として残留する。有
機物分解率は有機性廃棄物の種類により異なるが、汚泥
・家畜糞尿等で通常30〜50%程度、生ゴミで通常7
0〜85%程度である。本実施の形態においては、投入
される各廃棄物について十分に分解されるまで、メタン
発酵槽3内に留めておくこともできる。特に、難分解性
廃棄物を含む場合には、易分解性廃棄物と同様に分解が
行われて、メタンガスが回収されるまで、発酵槽内にお
いて処理を行うこともできる。これにより、汚泥であっ
ても十分にメタンガスとしての資源回収が可能になると
ともに、メタン発酵槽から排出される排液については、
未分解成分が減少する。メタン発酵して発生したバイオ
ガスは、エネルギー源として回収できるのは勿論である
が、かなりの熱エネルギーを有するので、システム内に
おける固形分を乾燥処理、例えばタンパク質抽出工程2
1において分離した粗タンパク質の乾燥エネルギーとし
て利用するのが好適である。この際、発酵ガスについて
は必要に応じてボイラー加熱を介して、タンパク質抽出
工程へ送ることも可能であり、これによりシステム全体
として有効に熱エネルギーを利用できる。
【0023】一方、メタン発酵した後の消化液について
は、一種の汚泥として排出されるので、必要に応じて液
肥と分離後に、再度、固液分離装置4によって固液分離
できる。本実施の形態では、メタン発酵後の消化汚泥を
固液分離し、固形物を脱水および乾燥処理して堆肥化す
るとともに、分離液を生物学的脱窒素処理により浄化す
る。この際、リン回収装置5を設けることによって、分
離液から晶析法によるリン回収を行うこともできる。こ
の固液分離装置4では、遠心分離等の方法によって固形
物と水分とに分けて、固形物については、その後の乾燥
処理等を経てコンポスト(肥料)にするのがよい。固液
分離工程で用いられる装置4は特に限定されるものでは
なく、固形分と液とに分離できる装置であれば広く用い
ることができる。具体的には、例えば遠心分離装置、ス
クリュープレス、フィルタープレス、ローラープレスな
どの固液分離装置を用いることができる。
【0024】固液分離装置4からの分離液の水処理とし
て、除去するものには生物学的酸化処理を受ける有機化
合物(BOD成分)や化学的酸化処理を受ける有機化合
物(COD成分)、窒素化合物、リン化合物などが挙げ
られる。このような液の処理では、先ず生物処理を行
い、次いで凝集沈殿や活性炭吸着などの高度処理におい
て、生物処理で残留した有機物や色度(発色成分)、リ
ンなどの除去を行う処理方式が一般的である。ここで生
物処理では、例えば活性汚泥法や生物学的硝化脱窒法な
どの各種の方法が行われる。本発明の処理システムによ
れば、前段のメタン発酵槽3において適正なC/N比で
処理が実施できるので、廃水中の色度成分や難分解性成
分の除去を、外部からの栄養素補給の必要もなく、比較
的容易な操作で行うことができる。
【0025】一方、本発明においては、タンパク質抽出
を行った後の有機性廃棄物については、上記メタン発酵
の前段にて、アンモニアストリッピング処理によりアン
モニアを回収除去することができる。また、メタン発酵
を行った後の有機性排水についても、アンモニアストリ
ッピング処理によりアンモニアを回収除去することがで
きる。アンモニアストリッピングにおいては、窒素化合
物をアンモニアの形態のままで回収する。アンモニア回
収は、通常10〜20%のアンモニア水として回収さ
れ、回収したアンモニアは、中和剤として使用したり、
硫酸と混ぜて硫安等の肥料成分として使用できる。
【0026】ここで、アンモニアストリッピング処理は
アンモニア回収装置12、例えば蒸留塔によって実施で
きる。この蒸留塔(アンモニアストリッパ)では、複数
段に亘る棚状の段に高温の水蒸気を下部から通し、上部
から導入される有機性廃水(原液)と接触させる。この
接触により、塔の下部からは排水が回収され、上部から
はアンモニアを含む水蒸気が回収できる。この水蒸気を
凝縮させることによって、アンモニア水が得られる。
【0027】タンパク質抽出工程21およびメタン発酵
工程22を含む本発明の処理システムにおいて、アンモ
ニアストリッピングは、例えば図3のA1,A2,A3
のいずれか1つの場所で実施することが好ましい。図1
の処理システムでは、一例としてアンモニア回収装置2
の後にメタン発酵槽3を設置している。これは、メタン
発酵処理においては、アンモニアがメタン発生の阻害物
質となるためであり、廃棄物中のアンモニアを事前に除
去することで、メタン発酵を安定的に行うことができ、
メタンの回収効率も向上する。アンモニアストリッピン
グにおいては、温度が高いほど、アンモニアの回収効率
は向上する。したがって場合によっては、メタン発酵処
理において発生した発酵ガスを熱源として利用できる。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る処理方法およびシステムに
よれば、メタン発酵における阻害物質であるアンモニア
の発生を有効に防止して、メタン発酵の処理効率を高め
るとともに、有用物質の回収率が高まりリサイクルが促
進される。本発明では、高タンパク質含有廃棄物につい
て、メタン発酵前での液の窒素分が多いので、タンパク
質抽出工程によって液の窒素分を一定量以下に低下さ
せ、メタン発酵が良好に行えるようなC/N比に変換す
る。ここで、高タンパクのものをアンモニア阻害のない
レベルにまで希釈した場合のメタン発酵と比較すると、
メタンガスの発生量自体は低下するが、より付加価値の
高いタンパク質が回収できるのでリサイクルの観点から
も有利である。また、タンパク質抽出を行っても、廃棄
物の汚濁物処理の負荷と比較すれば、容易にメタン発酵
処理可能な液に変換できる。つまり、窒素分の濃度をメ
タン発酵の前段で低下させて、適正なC/N比の処理物
を投入することで、メタン発酵の阻害物質であるアンモ
ニアの発生を抑制し、メタン発酵における菌の活性を保
持できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理システムの一例を模式的に示す構
成図である。
【図2】従来の処理システムの一例を模式的に示す構成
図である。
【図3】タンパク質抽出工程およびメタン発酵工程の一
例を示す工程図である。
【図4】本発明に用いられるタンパク質抽出装置の一例
を模式的に示す図である。
【図5】酵素添加量を変化させて、タンパク質可溶化率
を時間に対してプロットした図である。
【符号の説明】
1 タンパク質抽出装置 2、12 アンモニア回収装置 3 メタン発酵槽 4 固液分離装置 5 リン回収装置 11 夾雑物除去装置 21 タンパク質抽出工程 22 メタン発酵工程 31 第1反応槽 32 撹拌器 33 第2反応槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/58 C02F 3/28 Z 4D037 3/28 3/34 101A 4D038 3/34 101 11/00 C 4D040 11/00 J 4D056 11/04 A 4D059 11/04 11/12 Z 4H061 11/12 C05F 17/00 C05F 17/00 17/02 17/02 C12M 1/00 H C12M 1/00 C12N 1/20 D C12N 1/20 F A23K 1/10 Z // A23K 1/10 B09B 3/00 ZABC (72)発明者 藤田 謹也 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 小川 尚樹 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 大村 友章 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社横浜研究所内 Fターム(参考) 2B150 CD37 CJ07 4B029 AA02 BB02 CC01 4B065 AA01X BB40 BC50 CA03 CA49 CA55 4D004 AA01 AA02 AA03 AA04 AC05 BA03 BA04 BA10 CA13 CA18 CA35 4D011 AA15 AB04 4D037 AA11 AB12 BA23 CA07 4D038 AA08 AB43 4D040 AA01 BB02 BB14 BB33 4D056 AB11 AC21 CA01 CA13 4D059 AA01 AA07 AA08 BA12 BA21 BD00 BE16 BE26 BE27 BH02 BH05 BK15 CA22 CC01 CC02 CC10 4H061 AA02 AA03 CC36 CC42 CC47 CC55 GG19 GG21 GG48 GG70

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンパク質を含有する有機性廃棄物の処
    理において、メタン発酵の前段にて、有機性廃棄物の一
    部もしくは全部からタンパク質抽出を行った後、 該タンパク質抽出後の有機性廃棄物、または、残りの有
    機性廃棄物と該タンパク質抽出後の有機性廃棄物を混合
    した廃棄物、について、メタン発酵を行うことを特徴と
    する有機性廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記タンパク質抽出が、部分分解工程お
    よびアルカリ抽出工程を含むことを特徴とする請求項1
    に記載の有機性廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記タンパク質抽出を行った後の有機性
    廃棄物について、前記メタン発酵の前段にて、アンモニ
    アストリッピング処理によりアンモニアを回収除去する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機性廃棄物
    の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記メタン発酵を行った後の有機性排水
    について、アンモニアストリッピング処理によりアンモ
    ニアを回収除去することを特徴とする請求項1又は2に
    記載の有機性廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記メタン発酵の後段において、発酵後
    の消化汚泥を固液分離し、固形物を脱水および乾燥処理
    するとともに、分離液を生物学的脱窒素処理により浄化
    することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    有機性廃棄物の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記分離液から晶析法によるリン回収を
    行うことを特徴とする請求項5に記載の有機性廃棄物の
    処理方法。
  7. 【請求項7】 タンパク質を含有する有機性廃棄物の処
    理システムであって、前段に、廃棄物中に含まれるタン
    パク質を抽出除去するタンパク抽出装置が設けられてお
    り、その後段に、バイオガスを発生させるメタン発酵槽
    が設けられていることを特徴とする有機性廃棄物の処理
    システム。
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