JP2005144361A - 有機廃棄物処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 a)原料供給ポンプにより、有機性廃棄物を、有機性廃棄物に含まれる有機物を分解する設備(分解設備)に供給する工程;b)分解設備において、60℃以上の嫌気性雰囲気下で、該有機物を超高温嫌気性可溶化菌により分解する工程;c)工程b)において得られた分解物をメタン発酵設備に供給する工程;d)該分解物をメタン発酵設備において嫌気性雰囲気下でメタン発酵する工程;及びe)工程d)において得られたメタン発酵処理物の少なくとも一部を、分解設備より上流側に返送する工程、を含む有機性廃棄物の連続処理方法。
【選択図】 図1
Description
項1. a)原料供給ポンプにより、有機性廃棄物を、有機性廃棄物に含まれる有機物を分解する設備(分解設備)に供給する工程、
b)分解設備において、60℃以上の嫌気性雰囲気下で、該有機物を超高温嫌気性可溶化菌により分解する工程、
c)工程b)において得られた分解物をメタン発酵設備に供給する工程、
d)該分解物をメタン発酵設備において嫌気性雰囲気下でメタン発酵する工程、及び
e)工程d)において得られたメタン発酵処理物の少なくとも一部を、分解設備より上流側に返送する工程、
を含む有機性廃棄物の連続処理方法。
項2. 工程e)において、メタン発酵処理物の少なくとも一部を原料供給ポンプより上流側に返送し、有機性廃棄物と該メタン発酵処理物の少なくとも一部との混合物を原料供給ポンプにより分解設備に供給する、上記項1に記載の方法。
項3. 前記有機性廃棄物が易分解性廃棄物である、上記項1又は2に記載の方法。
項4. 原料供給ポンプ;60℃以上の嫌気性雰囲気下で有機性廃棄物に含まれる有機物を分解する設備(分解設備);メタン発酵設備;及びメタン発酵処理物の少なくとも一部を分解設備より上流側に返送する手段(返送手段)を備える、有機性廃棄物処理装置。
項5. 前記返送手段が、メタン発酵処理物の少なくとも一部を原料供給ポンプより上流側に返送する、上記項4に記載の装置。
項6. a)原料供給ポンプにより、有機性廃棄物を、有機性廃棄物に含まれる有機物を分解する設備(分解設備)に供給する工程、
b)分解設備において、60℃以上の嫌気性雰囲気下で、該有機物を超高温嫌気性可溶化菌により分解する工程、
c)工程b)において得られた分解物をメタン発酵設備に供給する工程、
d)該分解物をメタン発酵設備において嫌気性雰囲気下でメタン発酵する工程、及び
f)工程d)において得られたメタン発酵処理物の少なくとも一部を固液分離し、固液分離後の液体画分の少なくとも一部を、分解設備より上流側に返送する工程、
を含む有機性廃棄物の連続処理方法。
項7. 工程f)において、固液分離後の液体画分の少なくとも一部を原料供給ポンプより上流側に返送し、有機性廃棄物と該固液分離後の液体画分の少なくとも一部との混合物を原料供給ポンプにより分解設備に供給する、上記項6に記載の方法。
項8. 前記有機性廃棄物が難分解性廃棄物である、上記項6又は7に記載の方法。
項9. 原料供給ポンプ;60℃以上の嫌気性雰囲気下で有機性廃棄物に含まれる有機物を分解する設備(分解設備);メタン発酵設備;メタン発酵処理物の少なくとも一部を固液分離する設備;及び固液分離後の液体画分の少なくとも一部を分解設備より上流側に返送する手段(返送手段)を備える、有機性廃棄物処理装置。
項10. 前記返送手段が、固液分離後の液体画分の少なくとも一部を原料供給ポンプより上流側に返送する、上記項9に記載の装置。
以下、本願発明の方法及び装置について説明する。本願明細書以下において、便宜上、上記項1、2又は3の方法を方法A、上記項6、7又は8の方法を方法Bと呼ぶことがある。同様に、上記項4又は5の装置を装置A、上記項9又は10の装置を装置Bと呼ぶことがある。
本発明である有機性廃棄物の連続的処理方法(方法A)は、図1を参照して説明されるが、これに限定されない。
(2)方法Bについて
本発明である有機性廃棄物の連続的処理方法(方法B)は、図2を参照して説明されるが、これに限定されない。
以下、本発明の有機性廃棄物を処理するための方法及び装置に用いられる各設備等について詳述する。
原料供給ポンプは、原料(有機性廃棄物)を分解設備に供給するために使用される。原料(有機性廃棄物)中の固形分濃度は、通常、10〜25重量%程度である。原料供給ポンプより上流側にメタン発酵設備からの希釈水を以下に説明されるように返送することによって、原料供給ポンプにおける固形分濃度を10重量%程度以下に希釈することが好ましい。10重量%程度以下であると、小型で安価な原料供給ポンプが使用可能となるためである。
(2)分解設備(可溶化設備)について
分解設備は、有機性廃棄物を分解する設備であり、有機性廃棄物が固形有機性廃棄物の場合、有機物を分解して可溶化、液状化する設備である(有機性廃棄物が固形有機性廃棄物である場合には、分解設備のことを「可溶化設備」という場合がある。)。本発明の分解設備(可溶化設備)では、有機性廃棄物(炭水化物、蛋白質、脂質)が当該設備内の嫌気性微生物の加水分解により,(例えば、糖、アミノ酸、ペプチドなどまで)低分子量化され、さらにその一部又は大部分は酸分解を受けてプロピオン酸、酪酸等の有機酸まで分解されていると思われるが、詳細は完全には解明されていない。
本発明の一般的な方法では、まず、分解設備(可溶化設備)の運転に必要な量の超高温嫌気性可溶化菌を蓄積する。具体的には、超高温嫌気性可溶化菌を分解設備に接種した後、有機性廃棄物(この場合の有機性廃棄物は、本発明の方法で処理すべき有機性廃棄物ではなく、超高温嫌気性可溶化菌を蓄積するために用いる有機性廃棄物を指す。)を供給する直前の分解設備の内容物のMLVSSが0〜20%、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは1〜5%の範囲となるように、徐々に有機性廃棄物の添加量を増やして調整しながら、適当な期間馴致することで超高温嫌気性可溶化菌蓄積することができる。必要量の超高温嫌気性可溶化菌が蓄積した後は、本発明の方法で処理すべき有機性廃棄物を連続的に又は間欠的に添加すればよい。MLVSSは、廃棄物の種類により異なるものであり、特に限定されるものではないが、処理すべき有機性廃棄物投入する直前のMLVSSが、通常2%程度である。
また、分解設備には、分解の進行に従って汚泥(余剰汚泥)が発生するので、該汚泥を適宜引き抜くのが好ましい。引き抜き汚泥の処理は種々の方法がある。そのまま、液肥として農地還元する、脱水後コンポスト化して農地還元をする、脱水して廃棄する、脱水後焼却する、脱水+乾燥後廃棄する、脱水+乾燥後焼却する等の処理が行われる。また、乾燥には低温廃熱を有効利用することができ、メタンガスをガスエンジンやマイクロガスタービン、ボイラー等で利用する場合、その廃熱を利用して乾燥することが可能である。なお、脱水ろ液はその水質と排水基準によりそのまま放流できる場合もあり、そうでない場合は再度水処理設備に返送すればよい。また後段に活性汚泥処理設備などの水処理設備を設けた場合は、該処理設備に供給してもよい。有機物の分解は嫌気性雰囲気で行われるので、水処理が活性汚泥処理などの好気性雰囲気で行われる処理である場合、分解設備で分解できなかった有機物であっても、水処理設備で分解できる場合がある。この場合、廃棄すべき余剰汚泥の量が減少するので好ましい。分解設備の内容物の固液分離を行う場合には、固形分(濃縮汚泥)の一部として、余剰汚泥を引き抜くこともできる。この場合の引き抜き汚泥と返送汚泥の割合は、システム全体のバランスを考慮して、適宜設定すればよい。
(3)メタン発酵設備について
分解設備(可溶化設備)での処理に次いでメタン発酵処理を行う場合、メタン発酵設備としては、従来公知のメタン発酵菌を用いたメタン発酵設備を用いることができる。メタン発酵設備では、分解設備(可溶化設備)から送られる有機物の分解物を、メタンと二酸化炭素に分解する。メタン発酵設備の運転温度は、用いるメタン発酵菌の種類に応じて広い温度範囲から適宜設定することができ、特に限定されるものではないが、一般には20〜60℃程度、例えば、35℃程度のいわゆる中温でも、55℃程度のいわゆる高温でもよい。分解設備(可溶化設備)へ投入した有機性廃棄物に含まれる窒素含量が少なく、分解設備(可溶化設備)において後述するアンモニア除去装置を用いない場合は、メタン発酵がアンモニア阻害を受けにくい35℃程度の中温のほうが好ましい。分解設備(可溶化設備)においてアンモニア除去装置を用いる場合は、運転速度が高まるという点から、55℃程度の高温のほうが好ましい。また、メタン発酵設備へ流入する有機物は液体であるので、メタン発酵設備のメタン発酵ではUASB(Upflow Anaerobic Sludge Bed、上向流嫌気性汚泥床)を用いることもできる。メタン発酵設備で発生する汚泥(余剰汚泥)は、有機性廃棄物を直接メタン発酵する従来の方法では廃棄されていたが、本発明の方法では、定期的に分解設備(可溶化設備)へ返送することが可能であり、再度分解せしめ、全体としての有機物分解率を向上させることができる。
(4)水処理設備について
本発明の方法では、分解設備の後段に水処理設備を設け、分解設備で得られた有機物の分解物を処理することができる。
水処理設備として活性汚泥処理設備を利用する場合には余剰汚泥が発生する。余剰汚泥は、適宜引き抜くのが好ましく、引き抜き汚泥は焼却等の処理をしてもよいし、分解設備(可溶化設備)へ返送してもよい。
引き抜き汚泥を返送することにより、再度分解設備(可溶化設備)で有機物を分解せしめ、システム全体としての有機物分解率を向上させることができる。即ち、活性汚泥処理は好気性雰囲気で行い、分解設備での処理は嫌気性雰囲気で行うため、活性汚泥処理設備で分解できなかった有機物であっても、分解設備で分解できる場合がある。従って、下水汚泥などの余剰汚泥の減量化も可能となる。このように引き抜き汚泥を返送することにより、システム全体として汚泥の量が減少するので好ましい。
(5)アンモニア回収装置について
分解槽設備(可溶化設備)の次にメタン発酵設備(メタン発酵処理設備)を設け、窒素含量の高い生ゴミ(たとえば蛋白質を多く含むホテルの残飯等)を高分解率で処理する場合、メタン発酵をアンモニア阻害を受け難い35℃付近の温度で行っても、アンモニアの阻害を受ける可能性がある。また、分解設備(可溶化設備)の次に活性汚泥処理を設けた場合、処理水(排水)にアンモニア(窒素)が含まれているのは環境保全の点から好ましくない。本発明では、分解設備(可溶化設備)からアンモニアを回収できるよう、分解設備(可溶化設備)の上部、分解設備(可溶化設備)とメタン発酵設備又は水処理設備との間のスペースにアンモニア回収装置を設置することにより、アンモニアによりメタン発酵が阻害される、処理水(排水)に窒素が含まれるという問題を回避することができる。即ち、本発明の分解設備(可溶化設備)をpH7以上、60℃以上で運転する場合には、アンモニアの揮発性が55℃に比べて格段に向上し(Journal of Hazardous Materials 37 (1994)191-206)、気体を吹き込むことによりアンモニアを揮発させて回収するアンモニアストリッピング法を用いることが可能となる。また、揮発したアンモニアを硫酸等の酸と反応させて回収する代わりに、触媒燃焼して窒素としたのち回収する方法でもよい。ただし、投入する有機性廃棄物中の窒素含量が少なくアンモニア発生量が少ない場合、また発生アンモニアを河川放流しても問題のない場合、或いはメタン発酵設備や活性汚泥処理設備の後段に硝化脱窒設備等の処理装置を設けた方が安価である場合などは、アンモニア回収装置は必ずしも必要ではない。
(6)超高温嫌気性可溶化菌生産設備について
分解設備の後段にメタン発酵設備、水処理設備を順次設けたシステムの場合、メタン発酵設備と水処理設備の間に、超高温嫌気性可溶化菌生産設備を設けて、得られた超高温嫌気性可溶化菌を分解設備に供給することができる。このようなシステムでは、メタン発酵設備から排出される廃液中の有機物を利用して超高温嫌気性可溶化菌が生産される。従って、廃液中のBODが低下するため、水処理の負荷が軽減される。また、分解設備からメタン発酵設備の内容物を供給する際、超高温嫌気性可溶化菌が流出してしまうが、超高温嫌気性可溶化菌生産設備を設けることにより、流出した超高温嫌気性可溶化菌を補充することができる。
(7)トータルシステム及び装置について
処理システムとしては、処理する有機性廃棄物の種類および量、処理場の立地条件、処理コストの設定等に応じて、種々の組み合わせが可能である。メタン発酵設備の形式も回分式、固定床式、UASB式等、メタン発酵設備として利用されている公知のいずれの形式であってもよい。有機物を処理するための分解設備(可溶化設備)、メタン発酵設備での滞留時間を短くした方がシステム全体として有利である場合は、最終排水中に有機物が残留する程度の分解率となるよう設計し、これを活性汚泥設備やリン酸処理設備などの水処理設備により処理してもよい。
分解設備で、60℃以上の嫌気性雰囲気下に有機性廃棄物に含まれる有機物を超高温嫌気性可溶化菌により分解する工程、
分解設備で得られた分解物をメタン発酵設備に供給する工程、及び該分解物をメタン発酵設備で嫌気性雰囲気でメタン発酵する工程を含む有機性廃棄物処理システムが挙げられ、より詳しくは、該システムにおいて、
分解設備内の温度を60℃以上に保つ加温設備と、コジェネレーション設備とを備え、
(i)有機性廃棄物を分解設備に供給する有機性廃棄物供給機構と、(ii)メタン発酵設備内で発生するメタンをコジェネレーション設備に供給するメタン供給機構と、(iii)コジェネレーション設備から排出される60℃以上の排熱保有媒体が前記加温手段を循環して前記分解設備を60℃以上の温度に維持する温度維持機構と、(iv)メタン発酵設備の余剰汚泥を分解設備に供給する汚泥供給機構とを備えたシステムが挙げられる。
A)機械的に問題が起こらない程度まで希釈する
ポンプ類や攪拌機等は濃度が低い(=希釈率が高い、循環比が大きい)ほど問題が少ないが循環比が大きいほど各設備の容量や消費エネルギーも大となるので、これらを考慮した上で適当な値を決める。
B)アンモニア濃度が生物阻害が起こらない濃度以下になる様に希釈する
この場合の希釈率はアンモニア除去装置の除去効率や水処理設備の窒素除去効率(図3の場合)等に依存する。
C)図1のフローの場合、要求される残渣削減率、メタンガス発生量から希釈率を決定する
図1のフローの場合循環比が高いほど残渣発生量は減少し、ガス発生量は増大する方向に向かう。これは、メタン発酵残査が再度分解設備に投入されるからである。ただし、循環比を高くとることのデメリットとして、ポンプ類の容量や消費エネルギーが大となることがあるので、これらも考慮した上で希釈率を決定する。
プ上流側やメタン発酵タンク上流側に返送しても良い。この操作により、残渣がさらに徹底的に分解されるので、残渣発生量がさらに低減でき、メタンガス発生量も増大するというメリットが得られるとともに、メタン細菌が系内に返送されるので、メタン発酵の安定度が向上するというメリットも得られる。ただし、返送比を大とすると、系内の固形物濃度が上昇するため、タンク内の攪拌やポンプ輸送の面では不利となる面もあるので、これらを総合的に判断した上で、返送量を決める。
(超高温嫌気性可溶化菌の作製:)
泉温が90℃以上の兵庫県下の温泉において、源泉に堆積している土壌または温泉水を採取し、ブチルゴム栓により密閉できるガラス製瓶(容積1L)中で嫌気条件下、80℃程度の温度、pH6.5〜8に維持しながらモデル生ゴミ(セルロース0.3%、でんぷん2%;なお、モデル生ゴミは下記表1に示す人工生ゴミとは異なる)を供給しつつ7日程度維持した。ガラス製血清瓶底には土壌由来の超高温嫌気性可溶化菌が得られた。この超高温嫌気性可溶化菌は、80℃での有機物分解が可能であった。
(人工生ゴミの作製:)
以下の材料をそれぞれ5mm角に切り、各材料をよく攪拌する。1回の粉砕操作に指定の割合で全種類が含まれるように秤量し、フードカッターを用いて砕き混ぜる(10000rpm, 5min.)。含水率を測定しTS(固形物重量)を求める(保存する場合はディープフリーザへ)。
オレンジ(皮) 7.5%
バナナ(皮) 10%
・野菜類(36%)キャベツ 10%
ジャガイモ 10%
ニンジン 10%
大根 10%
白菜 10%
・肉(14%) 挽肉 2.5%
・魚介類 魚 3.5%
骨 1.5%
・卵類 卵 2.5%
・残飯類(20%)米飯 10%
パン 2.5%
麺類 7.5%。
(分解槽及びメタン発酵槽の作製)
上記の超高温嫌気性可溶化菌(超高温嫌気性可溶化菌を含む汚泥として150ml)に上記の人工生ゴミ3gと水150mlを加え、実効容積1Lの密閉容器で80℃に保温したものを分解槽(可溶化槽)とした。培養初期は、人工生ゴミの分解量やpHの変化を見ながら、適宜人工生ゴミを添加していき、最終的(2ヶ月後)には、1日あたり200gの生ゴミを継続的に添加した。また、55℃メタン発酵施設の汚泥5Lを実効容積5Lの密閉容器で55℃に保温したものをメタン発酵槽とした。
(本願方法A)
1日1回、55℃タンク(メタン発酵タンク)から175mlの汚泥を引き抜き、この引き抜き汚泥の半分の87.5mlはアンモニア濃度測定後、人工生ゴミ87.5ml(87.5g相当)を混合したのち、80℃タンク(分解タンク)に投入した。引き抜き汚泥の残り87.5mlは最終廃棄物とし、遠心分離により固液分離した後、沈殿の有機物量を測定した(MLVSS)。結果を図5に表わす。
実施例2
(本願方法B)
実施例1と同様にして分解槽(80℃タンク)およびメタン発酵槽(55℃タンク)を作製した。1日1回、55℃タンクから175mlの汚泥を引き抜き、うち半分の87.5mlはアンモニア濃度測定後、固液分離(遠心分離)し、上清を人工生ゴミ87.5mlを混合したのち、80℃タンクに投入した。遠心分離後の沈殿と、残りの87.5mlは最終廃棄物とし、遠心分離(固液分離)後、沈殿の有機物量を測定した(MLVSS)。結果を図5に表わす。
比較例1
実施例1と同様にしてメタン発酵槽を作製した。有効体積5Lの55℃タンクを用意し、55℃タンクには高温メタン発酵汚泥を投入し、メタン発酵タンクとした。1日1回、メタン発酵タンクから175mlの汚泥を引き抜き、そのアンモニア濃度を測定した後、遠心分離(固液分離)後、沈殿の有機物量を測定した(MLVSS)。蒸留水87.5mlと人工生ゴミ87.5mlを混合したのち、80℃タンクに投入した。結果を図5に表わす。
結果
図5から明らかであるように、本発明の方法によれば、メタン発酵槽中のアンモニア濃度が低い・有機性廃棄物の分解率が高い。
Claims (10)
- a)原料供給ポンプにより、有機性廃棄物を、有機性廃棄物に含まれる有機物を分解する設備(分解設備)に供給する工程、
b)分解設備において、60℃以上の嫌気性雰囲気下で、該有機物を超高温嫌気性可溶化菌により分解する工程、
c)工程b)において得られた分解物をメタン発酵設備に供給する工程、
d)該分解物をメタン発酵設備において嫌気性雰囲気下でメタン発酵する工程、及び
e)工程d)において得られたメタン発酵処理物の少なくとも一部を、分解設備より上流側に返送する工程、
を含む有機性廃棄物の連続処理方法。 - 工程e)において、メタン発酵処理物の少なくとも一部を原料供給ポンプより上流側に返送し、有機性廃棄物と該メタン発酵処理物の少なくとも一部との混合物を原料供給ポンプにより分解設備に供給する、請求項1に記載の方法。
- 前記有機性廃棄物が易分解性廃棄物である、請求項1又は2に記載の方法。
- 原料供給ポンプ;60℃以上の嫌気性雰囲気下で有機性廃棄物に含まれる有機物を分解する設備(分解設備);メタン発酵設備;及びメタン発酵処理物の少なくとも一部を分解設備より上流側に返送する手段(返送手段)を備える、有機性廃棄物処理装置。
- 前記返送手段が、メタン発酵処理物の少なくとも一部を原料供給ポンプより上流側に返送する、請求項4に記載の装置。
- a)原料供給ポンプにより、有機性廃棄物を、有機性廃棄物に含まれる有機物を分解する設備(分解設備)に供給する工程、
b)分解設備において、60℃以上の嫌気性雰囲気下で、該有機物を超高温嫌気性可溶化菌により分解する工程、
c)工程b)において得られた分解物をメタン発酵設備に供給する工程、
d)該分解物をメタン発酵設備において嫌気性雰囲気下でメタン発酵する工程、及び
f)工程d)において得られたメタン発酵処理物の少なくとも一部を固液分離し、固液分離後の液体画分の少なくとも一部を、分解設備より上流側に返送する工程、
を含む有機性廃棄物の連続処理方法。 - 工程f)において、固液分離後の液体画分の少なくとも一部を原料供給ポンプより上流側に返送し、有機性廃棄物と該固液分離後の液体画分の少なくとも一部との混合物を原料供給ポンプにより分解設備に供給する、請求項6に記載の方法。
- 前記有機性廃棄物が難分解性廃棄物である、請求項6又は7に記載の方法。
- 原料供給ポンプ;60℃以上の嫌気性雰囲気下で有機性廃棄物に含まれる有機物を分解する設備(分解設備);メタン発酵設備;メタン発酵処理物の少なくとも一部を固液分離する設備;及び固液分離後の液体画分の少なくとも一部を分解設備より上流側に返送する手段(返送手段)を備える、有機性廃棄物処理装置。
- 前記返送手段が、固液分離後の液体画分の少なくとも一部を原料供給ポンプより上流側に返送する、請求項9に記載の装置。
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