JP2003152279A - 半導体レーザ素子 - Google Patents

半導体レーザ素子

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JP2003152279A JP2002249386A JP2002249386A JP2003152279A JP 2003152279 A JP2003152279 A JP 2003152279A JP 2002249386 A JP2002249386 A JP 2002249386A JP 2002249386 A JP2002249386 A JP 2002249386A JP 2003152279 A JP2003152279 A JP 2003152279A
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Kiyobumi Muro
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 選択成長によって形成される屈折率制御層の
膜厚制御性が高く、実効屈折率差の再現性が良く、製造
歩留まりの高い半導体レーザ素子を提供する。 【解決手段】 活性層25の少なくとも一方側に活性層
25の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有する光導波層27を
設け、光導波層27の外側に光導波層27の禁制帯幅以
上の禁制帯幅を有するクラッド層28を設け、光導波層
27に選択成長によって埋め込まれた帯状の窓R21を
有する屈折率制御層31を設けた実屈折率導波型半導体
レーザ素子において、屈折率制御層31が埋め込まれた
光導波層27に屈折率制御層31に先行して選択成長さ
れた半導体層30を設け、半導体層30および屈折率制
御層31を含む積層部分では、半導体層30の膜厚変化
による実効屈折率の変化量が、屈折率制御層31の膜厚
変化による実効屈折率の変化量よりも小さくしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信、レーザプリ
ンタ、レーザ医療、レーザ加工等で好適に用いられ、高
出力動作が可能な実屈折率導波型半導体レーザ素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】図4は、たとえば特開平11−1547
75号公報に示されるような完全分離閉じ込め構造によ
る実屈折率導波型の半導体レーザ素子(以下、DCH−
SAS型LDと称する。)の構造およびその製造方法を
示す断面図である。
【0003】図4(a)において、n型GaAs基板1
上に、n型AlGaAsクラッド層2と、n型AlGa
As光導波層3と、n型AlGaAsキャリアブロック
層4と、GaAs/AlGaAs量子井戸活性層5と、
p型AlGaAsキャリアブロック層6と、p型AlG
aAs光導波層7の一部とを順次結晶成長によって作成
する。次に、図4(b)に示すように、成長したエピ基
板上、具体的にはp型AlGaAs光導波層7a上の所
定の領域に、蒸着およびフォトリソグラフィー技術を用
いてSiOストライプマスク8を形成する。次に、図
4(b)に示すように、SiOストライプマスク8の
形成領域以外の領域に、選択成長によってn型AlGa
As屈折率制御層9を作成する。次に、SiOストラ
イプマスク8を除去した後、図4(c)に示すように、
残りのp型AlGaAs光導波層7bと、p型AlGa
Asクラッド層10と、p型HGaAsコンタクト層1
1とを順次結晶成長によって作成する。これによって、
DCH−SAS型LDが製造される。なお、p型AlG
aAs光導波層7aとp型AlGaAs光導波層7bと
によって1つの光導波層7が形成される。
【0004】このようなDCH−SAS型LDでは、屈
折率制御層9として光導波層7よりも屈折率の低い半導
体材料を光導波層7に埋め込むことによって、光導波層
7内で屈折率制御層9が形成されていない帯状の領域
(以下、「窓」ということもある。)R1において活性
層5に平行な方向(帯状の窓R1の幅方向)にも実効屈
折率差が形成されている。これによって、レーザ光は帯
状の窓R1の幅方向にも閉じ込められて低閾値で高効率
な単一横モード発振が得られる。
【0005】また、図4に示すような選択成長を用いた
製造方法では、加工精度が低いエッチング工程を無く
し、MOCVD、MOMBE、MBE等の結晶成長法が
有する高い制御性を用いて屈折率制御層9を形成するこ
とが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、結晶成長技術
は高い制御性を有している。しかしながら、大気に曝さ
れた基板への成長開始直後は特異的に不安定となり、た
とえば成長開始直後においては、成長速度の低下およ
び、甚だしい場合には成長が起こらない空走時間の発生
が生じる。前述したような選択成長を用いた半導体レー
ザ素子の製造方法においては、大気に曝されたエピ基板
上に直接屈折率制御層9を成長している。このため、空
走時間の発生等によって屈折率制御層9の膜厚が不安定
となり、結果として帯状の窓R1の幅方向の実効屈折率
差の再現性が良くないという問題がある。特に、屈折率
制御層9の膜厚が薄く設計された場合、この問題はより
深刻である。
【0007】本発明の目的は、選択成長によって形成さ
れる屈折率制御層の膜厚制御性が高く、実効屈折率差の
再現性が良く、製造歩留まりの高い半導体レーザ素子を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、活性層の少な
くとも一方側に活性層の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有す
る光導波層を設け、光導波層の外側に光導波層の禁制帯
幅以上の禁制帯幅を有するクラッド層を設け、光導波層
または光導波層とクラッド層との間に選択成長によって
埋め込まれたストライプ状の窓を有する屈折率制御層を
設けた実屈折率導波型半導体レーザ素子において、埋め
込まれる屈折率制御層に先行して選択成長された半導体
層を設け、前記半導体層の材料として、半導体層および
屈折率制御層を含む積層部分における半導体層の膜厚変
化による実効屈折率の変化量が、屈折率制御層の膜厚変
化による実効屈折率の変化量よりも小さくなるような材
料を選択したことを特徴とする半導体レーザ素子であ
る。
【0009】本発明に従えば、屈折率制御層に先行して
半導体層が選択成長されている。このため半導体層の成
長中に成長を安定化させて引き続き成長される屈折率制
御層の膜厚制御性を向上させることができる。また、半
導体層および屈折率制御層を含む積層部分では、半導体
層の膜厚変化による実効屈折率の変化量は、屈折率制御
層の膜厚変化による実効屈折率の変化量よりも小さい。
このため空走時間の発生等によって半導体層の膜厚減少
が生じても、前記積層部分における実効屈折率への影響
は、半導体層を用いない場合よりも小さく抑えられる。
したがって、半導体層および屈折率制御層を含む2箇所
の積層部分の実効屈折率と、2箇所の積層部分に挟まれ
ている窓を含む積層部分の実効屈折率との差のバラツキ
は、半導体レーザ素子間で小さくなる。
【0010】これによって、選択成長によって形成され
る屈折率制御層の膜厚制御性が高く、実効屈折率差の再
現性が良く、製造歩留まりの向上した半導体レーザ素子
を実現することが可能である。
【0011】また本発明は、前記半導体層および前記屈
折率制御層を含む積層部分における実効屈折率と、前記
屈折率制御層の窓を含む積層部分における実効屈折率と
の差を実効屈折率差としたとき、前記半導体層の膜厚変
化による実効屈折率差の変化量が5×10−6/nm以
下であることが好ましい。
【0012】本発明に従えば、光導波層内に低屈折率な
半導体層を導入することによる実効屈折率の低減効果と
光導波層全体厚の増加による実効屈折率の上昇効果をほ
ぼ相殺している。結晶成長は、10nm〜50nmに相
当する成長によって安定する。このため、半導体層の膜
厚変化による実効屈折率差の変化量が5×10−6/n
m以下となるよう設計することで、実効屈折率差は実質
的に半導体層の膜厚には影響を受けず、所望の膜厚に形
成された屈折率制御層によって制御される。したがっ
て、選択成長によって形成される屈折率制御層の膜厚制
御性が高く、実効屈折率差の再現性が良く、製造歩留ま
りの向上した半導体レーザ素子を実現することが可能で
ある。
【0013】また本発明は、屈折率制御層の膜厚が30
0nm以下においてより効果的であるので、この範囲が
あることが好ましい。
【0014】本発明に従えば、屈折率制御層を薄く形成
し、空走時間の発生等が実効屈折率差に大きく影響を与
える場合であってもその膜厚を正確に再現することがで
きる。したがって、選択成長によって形成される屈折率
制御層の膜厚制御性を高め、実効屈折率差を再現性良く
形成し、製造歩留まりの向上を実現することが可能であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施の形態で
ある半導体レーザ素子の構造を示す断面図である。本実
施形態では、半導体バッファ層を用いたDCH−SAS
型レーザ素子を例にとり説明する。半導体レーザ素子
は、n型GaAs基板21上に、n型Al0.09Ga
0.91Asクラッド層22と、n型GaAs光導波層
23と、n型Al0.40Ga0.60Asキャリアブ
ロック層24と、In0.18Ga0.82As/Ga
As量子井戸活性層25と、p型Al0.40Ga
0.6 Asキャリアブロック層26と、p型GaAs
光導波層27と、p型Al0. 09Ga0.91Asク
ラッド層28と、p型GaAsコンタクト層29とが、
順次積層されて構成されている。
【0016】半導体レーザ素子では、活性層25で発光
した光が半導体レーザ素子の2つの端面(図1紙面に平
行な2つの端面)間で共振して一方の端面(反射率を低
くした方の端面)から出射するが、共振方向(図1紙面
に垂直な方向)に垂直な面(図1紙面と平行な面)で
は、縦方向(図1紙面では上下方向)は、屈折率が活性
層25および光導波層23,27よりも小さい上下のク
ラッド層22,28に挟まれ、横方向(図1紙面では左
右方向)は、実効屈折率が光導波層27よりも小さい屈
折率制御層31で挟まれた共振方向に帯状に延びる領域
(以下、「窓」という。)R21に閉じ込められる。屈
折率制御層31は、周囲とは逆の導電型(本実施形態で
はn型)を持たせるため、キャリアの注入が妨げられ、
活性層25での発光自体が窓R21近傍に制限される
が、光学的にさらに閉じ込めるために、実効屈折率の差
を持たせている。
【0017】なお、実効屈折率とは、屈折率が異なる複
数の層から成る部分で光が実質的に感じる屈折率をい
う。本実施形態において、実効屈折率の差を持たせると
は、半導体レーザ素子の導波部分(図1においては、概
ね二点鎖線Aで囲まれた部分)の実効屈折率と、導波部
分の両側(図1では左右両側)に位置する2つの積層部
分の実効屈折率とに差を持たせることを意味している。
【0018】本発明は、屈折率制御層31の下に半導体
層30を設け、この半導体層30の厚さが、半導体レー
ザ素子間で変動しても、半導体層30を含む積層部分の
実効屈折率が変動しないような半導体層30の材料(組
成)を採用したことがポイントである。本件発明者は、
屈折率制御層31をエピ成長させるのが大気にさらされ
た後では成長初期の膜厚制御が困難なので、膜厚が変動
しても積層体32の実効屈折率が変動しないような半導
体層30が存在すること見出した。本発明は、この半導
体層30を屈折率制御層31に先立って初期にエピ成長
させて形成し、半導体層30を含む積層部分の実効屈折
率の安定化を図るものである。
【0019】また、p型GaAs光導波層27内には、
n型Al0.06Ga0.94As半導体層30上にn
型Al0.09Ga0.91As屈折率制御層31を積
層して成る積層体32が設けられている。この積層体3
2は、ストライプ領域R21を有している。ストライプ
領域とは、半導体層30および屈折率制御層31が設け
られていない領域である。
【0020】図2は、図1に示す半導体レーザ素子の積
層構造において、AlGa1−XAsからなる半導体
層30のAl組成(X)を変えた時の、半導体層30の
厚さと実効屈折率との関係を示すグラフである。図2か
ら、Al組成をX=0.06とすることで、半導体層3
0の膜厚が変化しても実効屈折率は一定であることが分
かる。
【0021】このように、半導体レーザ素子の積層構造
が決まれば、それに応じて光導波層内に設けられる半導
体層の組成(屈折率)と膜厚を変化させた時の実効屈折
率とをシミュレーションすることによって、半導体層の
組成を最適化することができる。なお実効屈折率は、BP
M#CAD(Optiwave Corporation製)などによって、求め
ることができる。
【0022】本実施形態では、光導波層27内にこの光
導波層27よりも屈折率が低い半導体層30を導入する
ことによる実効屈折率の低減効果と光導波層27の全体
厚の増加による実効屈折率の上昇効果とを相殺するよう
な半導体層30を用いているため、図2に示したように
半導体層30の膜厚が変化した場合であっても窓R21
の外側の実効屈折率を一定とすることが可能である。し
たがってストライプ領域R21の幅方向の実効屈折率差
も、半導体層30の膜厚に関係無く一定となる。
【0023】図3は、図1に示すレーザ素子の製造方法
を示す断面図である。まず図3(a)に示すように、n
型GaAs基板21上に、n型Al0.09Ga
0.91Asから成る厚さ2.6μmのクラッド層22
と、n型GaAsから成る厚さ0.48μmの光導波層
23と、n型Al0.40Ga0.60Asから成る厚
さ0.03μmのキャリアブロック層24と、In
0.18Ga0.82As/GaAs量子井戸活性層2
5と、p型Al0.40Ga0.60Asから成る厚さ
0.03μmのキャリアブロック層26と、p型GaA
sから成る光導波層の一部27aとを、MOCVDなど
を用いて順次結晶成長させる。
【0024】AlGaAs系材料では、Al組成が増加
するにつれて禁制帯幅も増加する傾向にある。本実施形
態においては、量子井戸活性層25の禁制帯幅より光導
波層23,27の禁制帯幅の方が大きく、さらに光導波
層23,27よりクラッド層22,28およびキャリア
ブロック層24,26の各禁制帯幅の方が大きい。
【0025】こうして結晶成長した基板を結晶成長装置
から取出して、たとえば電子ビーム蒸着装置に投入し
て、図3(b)に示すように、たとえばSiOから成
るマスク18を厚さ0.1μmで全面に形成した後、フ
ォトリソグラフィ技術を用いてストライプ状窓となる中
央領域以外のマスクを除去して、ストライプ状のマスク
8を形成する。このマスク18は極めて薄いため、従来
のフォトリソグラフィ技術でも高い精度で再現性よく形
成可能である。
【0026】次に、マスク18付の基板を結晶成長装置
に戻して、光導波層27の一部27a上に、n型AL
0.06Ga0.94Asから成る厚さ0.01μmの
半導体層30と、n型Al0.09Ga0.91Asか
ら成る厚さ0.08μmの屈折率制御層31とを選択成
長させると、図3(b)に示すように、マスク18が付
着した領域では結晶成長が行われない層構成が得られ
る。
【0027】次に、マスク18をたとえばフッ酸水溶液
で除去した後、図3(c)に示すように、光導波層27
の残りの部分27bを結晶成長させ、p型GaAsから
成る厚さ0.48μmの光導波層27を形成する。さら
に、p型Al0.09Ga .91Asから成る厚さ
0.83μmのクラッド層28と、p型GaAsから成
る厚さ0.3μmのコンタクト層29とを順次結晶成長
させる。
【0028】こうして帯状の窓R21となる部分にマス
ク18を形成した後、選択成長により半導体層30およ
び屈折率制御層31から成る積層体32を形成し、その
後マスク18を除去する手法を用いることによって、半
導体層30および屈折率制御層31から成る積層体32
に挟まれる窓R21の高さ方向および幅方向の寸法を高
い精度で再現性良く制御することが可能になる。こうし
た半導体層30および屈折率制御層31から成る積層体
32の選択成長によって、発振閾値および横モードの安
定性に優れた半導体レーザ素子を高い歩留まりで製造で
きる。
【0029】なお、マスク18の材料はSiO2に限ら
ず、たとえばSiNなど選択成長が可能となる材料であ
ればかまわない。
【0030】以上のように本実施形態によれば、屈折率
制御層31に先行して半導体層30が選択成長されてい
るので、半導体層30の成長中に成長を安定化させて引
き続き成長される屈折率制御層31の膜厚制御性を向上
させることができる。また、半導体層30および屈折率
制御層31を含む積層部分では、半導体層30の膜厚変
化による実効屈折率の変化量は、屈折率制御層31の膜
厚変化による実効屈折率の変化量よりも小さい。このた
め空走時間の発生等によって半導体層30の膜厚減少が
生じても、前記積層部分における実効屈折率への影響
は、半導体層30を用いない場合よりも小さく抑えられ
る。したがって、半導体層30および屈折率制御層31
を含む2箇所の積層部分の実効屈折率と、2箇所の積層
部分に挟まれている窓R21を含む積層部分の実効屈折
率との差のバラツキは、半導体レーザ素子間で小さくな
る。
【0031】これによって、選択成長によって形成され
る屈折率制御層31の膜厚制御性が高く、実効屈折率差
の再現性が良く、製造歩留まりの向上した半導体レーザ
素子を実現することが可能である。
【0032】また、半導体層30および屈折率制御層3
1を含む積層部分における実効屈折率と、屈折率制御層
31の窓を含む積層部分における実効屈折率との差を実
効屈折率差としたとき、半導体層30の膜厚変化による
実効屈折率差の変化量が5×10−6/nm以下である
ことが好ましい。
【0033】上記の半導体レーザ素子では、光導波層2
7内に低屈折率な半導体層30を導入することによる実
効屈折率の低減効果と光導波層27全体厚の増加による
実効屈折率の上昇効果をほぼ相殺している。結晶成長
は、10nm〜50nmに相当する成長によって安定す
る。このため、半導体層30の膜厚変化による実効屈折
率差の変化量が5×10−6/nm以下となるよう設計
することで、実効屈折率差は実質的に半導体層30の膜
厚には影響を受けず、所望の膜厚に形成された屈折率制
御層31によって制御される。したがって、選択成長に
よって形成される屈折率制御層31の膜厚制御性が高
く、実効屈折率差の再現性が良く、製造歩留まりの向上
した半導体レーザ素子を実現することが可能である。
【0034】さらに、屈折率制御層31の膜厚は、30
0nm以下でより効果的であるので、この範囲であるこ
とが好ましい。
【0035】上記のように屈折率制御層31を薄く形成
すれば、空走時間の発生等が実効屈折率差に大きく影響
を与える場合であっても、その膜厚を正確に再現するこ
とができる。したがって、選択成長によって形成される
屈折率制御層31の膜厚制御性を高め、実効屈折率差を
再現性良く形成し、製造歩留まりの向上を実現すること
が可能である。
【0036】また、本実施形態では、キャリアブロック
層24,26を用いているが、キャリアブロック層2
4,26が無い場合であっても同様に半導体層30の組
成(屈折率)を適宜定めることによって半導体層30の
膜厚が変化しても窓R21の実効屈折率を一定とするこ
とが可能である。さらに、本実施形態では、半導体層3
0および屈折率制御層31を光導波層27内に形成した
が、光導波層27とクラッド層28との間に形成しても
よい。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、実効屈折
率への影響が小さく抑えられた半導体層の成長中に結晶
成長を安定化し、引き続き成長する屈折率制御層の膜厚
制御性を向上することによって、窓の横方向での実効屈
折率差を再現性良く制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である半導体レーザ素子
の構造を示す断面図である。
【図2】図1に示す半導体レーザ素子の積層構造におい
て、AlGa1−XAsからなる半導体層30のAl
組成(X)を変えた時の、半導体層30の厚さと実効屈
折率との関係を示すグラフである。
【図3】図1に示す半導体レーザ素子の製造方法を示す
断面図である。
【図4】従来技術を説明するための断面図である。
【符号の説明】
21 基板 22,28 クラッド層 23,27 光導波層 24,26 キャリアブロック層 25 活性層 29 コンタクト層 30 半導体層 31 屈折率制御層 32 マスク R21 窓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小磯 武 千葉県袖ケ浦市長浦580−32 エムシーフ ァイテル株式会社内 Fターム(参考) 5F073 AA20 AA51 AA74 CA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層の少なくとも一方側に活性層の禁
    制帯幅以上の禁制帯幅を有する光導波層を設け、光導波
    層の外側に光導波層の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有する
    クラッド層を設け、光導波層または光導波層とクラッド
    層との間に選択成長によって埋め込まれたストライプ状
    の窓を有する屈折率制御層を設けた実屈折率導波型半導
    体レーザ素子において、 埋め込まれる屈折率制御層に先行して選択成長された半
    導体層を設け、 前記半導体層の材料として、半導体層および屈折率制御
    層を含む積層部分における半導体層の膜厚変化による実
    効屈折率の変化量が、屈折率制御層の膜厚変化による実
    効屈折率の変化量よりも小さくなるような材料を選択し
    たことを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 前記半導体層および前記屈折率制御層を
    含む積層部分における実効屈折率と、前記屈折率制御層
    の窓を含む積層部分における実効屈折率との差を実効屈
    折率差としたとき、前記半導体層の膜厚変化による実効
    屈折率差の変化量が5×10−6/nm以下であること
    を特徴とする請求項1記載の半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 屈折率制御層の膜厚が300nm以下で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の半導体レ
    ーザ素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006019617A (ja) * 2004-07-05 2006-01-19 Sony Corp 半導体レーザ
JP2010161427A (ja) * 2010-04-26 2010-07-22 Sony Corp 半導体レーザ
JP2012033706A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Kyoto Univ 2次元フォトニック結晶レーザの製造方法

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