JP3715638B2 - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば半導体光増幅器や波長可変光源装置等に用いられる半導体発光素子に係り、光出力が高く且つ信頼性の高い半導体発光素子の製造方法に関するものである。
従来、AlGaAs,InGaAlP等のAl組成を含んだ半導体レーザを作製する場合は、再成長時の結晶表面の酸化の問題があるため、主としてリッジ構造や内部ストライプ構造、リッジ埋込構造が採用されている。これらの構造によって半導体レーザを作製する場合、エッチングにより活性層を切断すると、活性層への酸化の影響で信頼性を損なう問題が生じるため、通常は活性層の上部にエッチング阻止層を設けている。そして、その際のエッチング阻止層の膜厚は、レーザ特性や光密度分布に影響を与えないように30nm以下の薄い層で形成することが通常であった。
ところで、光密度分布に影響を与えないようにエッチング阻止層を形成した場合、光密度分布が通常発光部に近い部分で最大となり、活性層における劣化発生の原因となっていた。この問題を解決するため、光密度調整層を設ける方法が考えられていた。この光密度調整層として、レーザ光の光密度を下げるためのビーム拡大層をエッチストップ層上に独立して設けた半導体レーザが下記特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示される半導体レーザの一実施例について、その製造方法の手順に沿って説明すると、図4に示すように、まずn−GaAs基板51上にn−Al0.5 Ga0.5 Asクラッド層52(2μm)、GaAs活性層53(0. 04μm)、p−Al0.5 Ga0.5 Asクラッド層54(0. 25μm)、p−Ga0.5 In0.5 Pエッチストップ層55(5nm)、p−Al0.4 Ga0.6 Asビーム拡大層56(0. 25μm)、p−Al0.55Ga0.45As第2クラッド層57(1. 5μm)、p−GaAsコンタクト層58(0. 25μm)を順次結晶成長させる。
次に、幅約5μmのSiO2 膜をマスクとしてp−GaAsコンタクト層58、p−Al0.55Ga0.45As第2クラッド層57、及びp−Al0.4 Ga0.6 Asビーム拡大層56を硫酸系のエッチング液によりエッチングする。さらに、有機金属気相成長法によりn−GaAsブロック層59をSiO2 膜のない領域に選択的に成長する。そして、SiO2 膜を除去した後、素子の直列抵抗低減のため、p−GaAs埋込層60を形成しウエハの表面及び裏面に電極(図示せず)を形成する。これにより、図4に示す断面構造の半導体レーザが形成される。
ところで、半導体レーザを作製する場合、エッチング阻止層の機能としては、エッチングを止めることが本来の目的である。このため、大きな選択性を有する材料を用いるのが通例であった。
例えば下記特許文献2に開示される半導体レーザ素子では、図5に示すように、n−GaAs基板71上に、分子線エピタキシャル(MBE)法、有機金属気相エピタキシャル(OM−VPE)法等の手法により、n−Alx Ga1-x As(x=0→0. 5)混晶比傾斜バッファ層72(0. 2μm厚)、n−Aly Ga1-y Asクラッド層73(1. 5μm厚)、無添加の多重量子井戸活性層74、p−GaAsエッチング停止層75(20Å厚)、p−Aly Ga1-y Asクラッド層76(1. 2μm厚)、及びp−GaAsコンタクト層77(1. 0μm厚)を順次成長させている。図5において、エッチング停止層75は、エッチング速度がその上層であるp−Aly Ga1-y Asクラッド層76の1/10以下であるエッチング材を用いて活性層74の上部に形成される。
また、他の例として、下記特許文献3に開示される半導体発光素子は、図6に示すように、基板81上に、バッファ層82、下側クラッド層83、活性層84、第1上側クラッド層85、エッチング阻止層86、電流阻止層87、キャップ層88、第2上側クラッド層89、コンタクト層90が順次配置され、基板81とコンタクト層90の外側に一対の電極111と電極112が配置される。これらの各層は、エピタキシャル薄膜として形成される。エッチング阻止層86とキャップ層88がMAs(Mは IIIb族元素、一種又は二種以上)で構成され、電流阻止層87がMPで構成される。また、電流阻止層87に形成されるグルーブ91の各壁面に主として{111}面を露出させる。この半導体発光素子を作製する場合、エッチング剤としては、MP結晶面が主に現れている面を除く他の面を選択的にエッチングし得るエッチング剤が使用される。
このように、下記特許文献2及び特許文献3に開示される従来の半導体発光素子では、エッチング阻止層の機能として、エッチングを止めることが本来の目的であることから大きな選択性を有する材料を用いており、エッチング阻止層と上層部との間の境界面で鋭角にエッチングが停止していた。
特開平6−291407号公報 特開平1−96980号公報 特開平7−221406号公報
特許文献1に開示される半導体レーザは、ビーム拡大層56をエッチストップ層55上に形成し、ビーム拡大層56の上部に第2クラッド層57とコンタクト層58を形成していた。このため、エッチング液の種類によっては各層のエッチング速度の違いにより、形状にバラツキが生じるおそれがあった。また、ビーム拡大層56によって光密度を調整できるが、ビーム拡大層56の側面がエッチングにより除去され、リッジ幅の制御性が悪化し、光密度分布の形状が複雑化しやすい問題があった。
特許文献2及び特許文献3に開示される半導体発光素子は、大きな選択性を有する材料(例えば特許文献2ではエッチング速度比が10倍以上)を用いてエッチングを行っており、エッチング阻止層(特許文献2ではエッチング停止層75)と上層部との間の境界面で鋭角にエッチングが停止していた。このため、リッジ埋込構造や内部ストライプ構造を採用した場合、上記鋭角なエッチングの停止による不連続点をきっかけとして成長がリッジ形成層の側面までかからず、異常成長部が生じることがあった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、光密度の中心をリッジ形成層側に引き寄せて活性層の光密度を低減すること、また成長初期の成長種を付着しやすくしてリッジ形成層の側面まで成長させることができる半導体発光素子の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記した目的を達成するために、請求項1記載の半導体発光素子の製造方法は、GaAs基板1上に、第1クラッド層2、活性層3、第2クラッド層4、InGaAsPからなるエッチング阻止層6、第3クラッド層7を含む複数の層が順次形成され、前記第3クラッド層の側部に電流ブロック層8が配置されている、AlGaAs系半導体発光素子の製造方法であって、
GaAs基板上に、第1クラッド層、活性層、第2クラッド層、エッチング阻止層、第3クラッド層を順次結晶成長させる段階と、
前記第3クラッド層の所定箇所にマスクを形成する段階と、
前記マスクを用いて、前記マスクが無い部分の前記第3クラッド層を前記エッチング阻止層が表面に出るまで除去するとともに前記エッチング阻止層の表面をエッチングして、前記エッチング阻止層と前記第3クラッド層との間の境界部から前記エッチング阻止層側に延びる緩やかな傾斜面を含むリッジ形成層を形成する段階と
記緩やかな傾斜面を含む前記リッジ形成層の側部に、異常成長が生じずに電流ブロック層を形成する段階と
前記マスクを除去する段階とを含むことを特徴とする。
請求項2記載の半導体発光素子の製造方法は、請求項1記載の半導体発光素子の製造方法において、
前記第3クラッド層及び前記エッチング阻止層の表面のエッチングに使用するエッチング液として、前記エッチング阻止層の前記第3クラッド層に対する選択比が3〜10の材料を用いることを特徴とする。
請求項3記載の半導体発光素子の製造方法は、GaAs基板1上に、AlGaAs系材料からなる、第1クラッド層2、活性層3、及び第2クラッド層4、InGaAsPからなるエッチング阻止層6、AlGaAs系材料からなる電流ブロック層8を含む複数の層が順次形成され、前記電流ブロック層の一部が選択的に除去された部分およびその表面側に、第3クラッド層7を含む複数の層が形成された構造からなる半導体発光素子の製造方法であって
GaAs基板上に、第1クラッド層、活性層、第2クラッド層、エッチング阻止層、電流ブロック層を順次結晶成長させる段階と、
前記電流ブロック層の所定箇所にマスクを形成する段階と、
前記マスクを用いて、前記マスクが無い部分の電流ブロック層を前記エッチング阻止層が表面に出るまで除去するとともに前記エッチング阻止層の表面をエッチングして、前記エッチング阻止層と前記電流ブロック層との間の境界部からエッチング阻止層側に延びる緩やかな傾斜面を含むストライプ部を形成する段階と、
前記マスクを除去する段階と、
前記緩やかな傾斜面を含む前記ストライプ部に、異常成長が生じずに第3クラッド層を形成する段階とを含むことを特徴とする。
請求項4記載の半導体発光素子の製造方法は、請求項3記載の半導体発光素子の製造方法において、
前記電流ブロック層及び前記エッチング阻止層の表面のエッチングに使用するエッチング液として、前記エッチング阻止層の前記電流ブロック層に対する選択比が3〜10の材料を用いることを特徴とする。
請求項5記載の半導体発光素子の製造方法は、請求項2又は4記載の半導体発光素子の製造方法において、
前記エッチング液が酒石酸系または燐酸系からなることを特徴とする。
請求項6記載の半導体発光素子の製造方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、
前記エッチング阻止層の膜厚が30nm以上で形成されることを特徴とする。
本発明の半導体発光素子の製造方法によれば、エッチング阻止層に周囲のクラッド層より屈折率の高い材料を用いるので、光密度の中心がリッジ形成層側の中心に引き寄せられ、活性層の光密度が低減される。これにより、光密度分布の最大部を発光部から外すことが可能となる。また、活性層とエッチング阻止層との間にグレーティング形成層や導波路層を設けた場合、活性層からリッジ形成層やドープ層までの距離を一定に保ったまま光密度を調整することが容易となる。
エッチング阻止層、リッジ形成層、リッジ形成層を形成するためのエッチング液の組み合わせによって決まる選択比を3〜10とし、選択性が完全でない材料を用いてエッチング阻止層を形成することにより、エッチング時のエッチング阻止層と上部層との間の鋭角がある程度緩和され、成長初期の成長種が付着しやすくなる。これにより、リッジ形成層の側面まで成長し、従来の異常成長が生じる問題が改善される。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明に係る半導体発光素子の第1実施の形態を示す断面図、図2は本発明に係る半導体発光素子の第2実施の形態を示す断面図、図3は本発明に係る半導体発光素子の第3実施の形態を示す断面図である。
図1に示すように、第1実施の形態の半導体発光素子は、基板1、第1クラッド層2、量子井戸活性層3、グレーティング形成層5を間に挟んだ第2クラッド層4(4a,4b)、エッチング阻止層6、第3クラッド層(リッジ形成層)7、第3クラッド層7の側部7aに埋め込まれる埋込成長層としての電流ブロック層8、第4クラッド層9、コンタクト層10の順に不図示の一対の電極間に配置されたものである。なお、グレーティング形成層5に代えて導波路層を形成することもできる。
ここで、エッチング阻止層6は、その周囲のクラッド層(第2クラッド層4(4b)、第3クラッド層7)より屈折率の高い材料が用いられる。また、エッチング阻止層6は、第3クラッド層7によるメサストライプ状のリッジ形成層の形成時に使用する特定のエッチング液(水または水+過酸化水素水を含む酒石酸系または燐酸系)と第3クラッド層(リッジ形成層)7との組み合わせによって決まる選択比(エッチング液によるエッチング阻止層6のエッチング速度と第3クラッド層7のエッチング速度との速度比)が3〜10程度でエッチングされる材料が用いられる。具体的には、InGaAsP(0<In<0.45、0<P<0.9)が用いられ、膜厚を30nm以上に調整している。
次に、上記構成による半導体発光素子の製造方法について説明する。まず、n−GaAs基板1上に、n−Al0.45Ga0.55As第1クラッド層(1.5μm)2、GaAs/Al0.3 Ga0.7 As量子井戸活性層(0.12μm)3、p−Al0.2 Ga0.8 Asグレーティング形成層(0.1μm)5を間に挟んだ状態のp−Al0.45Ga0.55As第2クラッド層(0.25μm)4a,4b、p−In0.2 Ga0.8 As0.6 0.4 エッチング阻止層(0.1μm)6、p−Al0.45Ga0.55As第3クラッド層(0.5μm)7を順次結晶成長させる。
上記結晶成長において、エッチング阻止層6は、第3クラッド層7によるリッジ形成層の形成に用いるエッチング液と、エッチング阻止層6と、第3クラッド層7との組み合わせによって決まる選択比が3〜10程度の範囲内となる材料が選択される。そして、p−Al0.45Ga0.55As第3クラッド層7の所定箇所にSiNx 膜のマスクを用いてエッチング処理を施し、p−Al0.45Ga0.55As第3クラッド層(0.5μm)7にメサストライプ状に切除されたリッジ形成層を形成する。このエッチング処理時には、水または水+過酸化水素水を含む酒石酸系又は燐酸系のエッチング液を用いる。
エッチング処理によりメサストライプ状のリッジ形成層がエッチング阻止層6上に形成されると、有機金属気相成長法によりn−Al0.55Ga0.45As電流ブロック層(0.5μm)8をリッジ形成層7の側部7aに埋込成長層として結晶成長させる。その後、マスクのSiNx 膜を除去し、リッジ形成層7および電流ブロック層8上にp−Al0.45Ga0.55As第4クラッド層(1μm)9と、p+ −GaAsコンタクト層(1.0μm)10とを順次結晶成長させる。そして、基板1とコンタクト層10の外側に一対の電極(不図示)を設けて半導体発光素子が完成する。
次に、第2実施の形態の半導体発光素子について図2を参照しながら説明する。なお、第1実施の形態の半導体発光素子と同一の構成要素には同一番号を付している。
第2実施の形態の半導体発光素子は、上述した第1実施の形態の半導体発光素子におけるp−Al0.2 Ga0.8 Asグレーティング形成層5がp−Al0.45Ga0.55As第2クラッド層4aとp−Al0.45Ga0.55As第2クラッド層4bとの間に形成されたものに対し、図2に示すように、p−Al0.2 Ga0.8 Asグレーティング形成層5がなく、pーAl0.45Ga0.55As第2クラッド層4が2つに分割せず一つのクラッド層で形成した構成であり、他の構成は第1実施の形態と同一である。
すなわち、第2実施の形態の半導体発光素子は、基板1、第1クラッド層2、量子井戸活性層3、第2クラッド層4、エッチング阻止層6、第3クラッド層(リッジ形成層)7、第3クラッド層7の側部7aに埋め込まれる埋込成長層としての電流ブロック層8、第4クラッド層9、コンタクト層10の順に不図示の一対の電極間に配置されたものである。
ここで、上述した各実施の形態の半導体発光素子を作製するにあたって、エッチング処理時の選択比を10以上にすると、エッチング液による第3クラッド層7のエッチングがエッチング阻止層6の表面で停止するので、第3クラッド層7がエッチング阻止層6に対して鋭角を成してエッチングされてしまう。
そこで、本例では、選択比が3〜10の範囲内でエッチングされる材料、すなわちInGaAsPを用いてエッチング阻止層6を形成している。これにより、第3クラッド層7にメサストライプ状のリッジ形成層を形成する場合、GaAs/Al0.3 Ga0.7 As量子井戸活性層3の表面がエッチングされないようにp−In0.2 Ga0.8 As0.6 0.4 エッチング阻止層6を含めてp−Al0.45Ga0.55As第3クラッド層7をエッチングされることになる。
その結果、p−In0.2 Ga0.8 As0.6 0.4 エッチング阻止層6とp−Al0.45Ga0.55As第3クラッド層7との間の境界面に形成されていた鋭角部分がある程度緩やかな傾斜面となってエッチングされる。これにより、光密度の中心がリッジ形成層7側の中心に引き寄せられ、GaAs/Al0.3 Ga0.7 As量子井戸活性層3の光密度が低減されるとともに、成長初期の成長種が付着しやすく成長が安定するようになる。これにより、グレーティング形成層5上への成長も安定し、素子としての信頼性も増す。
このように、本例の半導体発光素子は、エッチング阻止層6として周囲のクラッド層(第2クラッド層4、第3クラッド層7)より屈折率の高い材料を用いるので、光密度の中心がリッジ形成層7側の中心に引き寄せられ、量子井戸活性層3の光密度が低減される。これにより、光密度分布の最大部を発光部から外すことが可能となる。また、量子井戸活性層3とエッチング阻止層6との間のクラッド層(第2クラッド層4)にグレーティング形成層5(図1の構成)や導波路層を設けた場合、量子井戸活性層3からリッジ形成層7やドープ層までの距離を一定に保ったまま光密度を調整することが容易となる。
また、本例では、エッチング阻止層6、リッジ形成層7、リッジ形成層7を形成するためのエッチング液の組み合わせによって決まる選択比が3〜10の範囲内となるようにエッチング阻止層6の材料を選択し、選択性が完全でない材料を用いている。具体的には、InGaAsP(0<In<0.45、0<P<0.9)をエッチング阻止層6の材料として用い、膜厚を30nm以上としている。これにより、エッチング時のエッチング阻止層6と上部層(リッジ形成層7)との間の境界面の鋭角がある程度緩和され、成長初期の成長種が付着しやすくなる。これにより、リッジ形成層の側面まで埋込成長層としての電流ブロック層8が成長し、従来の異常成長の問題が改善される。その結果、光出力が高く且つ信頼性の高い半導体発光素子を高歩留りで作製することができる。
次に、第3実施の形態の半導体発光素子について、図3を参照しながら説明する。この第3実施の形態の半導体発光素子は、前述した第1及び第2実施の形態のリッジ埋め込み構造とは異なり、内部ストライプ構造となっている。
図3に示すように、第3実施の形態の半導体発光素子は、基板1、第1クラッド層2、量子井戸活性層3、第2クラッド層4、エッチング阻止層6、電流ブロック層8、第3クラッド層7、コンタクト層10の順に積層されていて、その両端に不図示の電極が配置されている。
次に、この第3実施の形態の半導体発光素子の製造方法について説明する。まず、n−GaAs基板1上に、n−Al0.45Ga0.55As第1クラッド層(1.5μm)2と、GaAs/Al0.3 Ga0.7 As量子井戸活性層(0.12μm)3と、p−Al0.45Ga0.55As第2クラッド層(0.25μm)4と、p−In0.2 Ga0.8 As0.6 0.4 エッチング阻止層(0.1μm)6と、n−Al0.55Ga0.45As電流ブロック層(0.5μm)8を順次エピタキシャル成長にて形成する。
上記結晶成長において、エッチング阻止層6は、電流ブロック層8のストライプ部分の形成に用いるエッチング液と、エッチング阻止層6と、電流ブロック層8との組み合わせによって決まる選択比が3〜10程度の範囲内となる材料が選択される。
続いて、電流ブロック層8表面にプラズマCVD法によりSiNx 膜を堆積し、フォトリソグラフィ法によりストライプ部分のSiNx 膜を窓開けする。そして、ストライプ部分の電流ブロック層8を酒石酸系エッチング液により選択エッチングしてストライプ部を形成した後、SiNx 膜を除去する。その後、第3クラッド層7、コンタクト層10をエピタキシャル成長させる。そして、基板1とコンタクト層10の外側に一対の電極(不図示)を設けて半導体発光素子が完成する。
以上述べたように、この第3実施の形態の半導体発光素子においては、第1及び第2実施の形態の半導体発光素子と同様、選択比が3〜10の範囲内でエッチングされる材料、すなわちInGaAsPを用いてエッチング阻止層6を形成している。これにより、電流ブロック層8にストライプ部分を形成する場合、GaAs/Al0.3 Ga0.7 As量子井戸活性層3の表面がエッチングされないようにp−In0.2 Ga0.8 As0.6 0.4 エッチング阻止層6を含めてn−Al0.55Ga0.45As電流ブロック層8がエッチングされることになる。
その結果、p−In0.2 Ga0.8 As0.6 0.4 エッチング阻止層6とn−Al0.55Ga0.45As電流ブロック層8との境界面に形成されていた鋭角部分がある程度丸みを帯びた緩やかな傾斜面となってエッチングされる。これにより、光密度の中心が第3クラッド層7側の中心に引き寄せられ、GaAs/Al0.3 Ga0.7 As量子井戸活性層3の光密度が低減される。しかも、成長初期の成長種が付着しやすく成長が安定するようになる。これにより、第2クラッド層4の間にグレーティング形成層を挟んだ構造とした場合でも、グレーティング形成層上への成長も安定し、素子としての信頼性も増す。
ところで、本例では、リッジ埋込構造や内部ストライプ構造の半導体発光素子の構成を図示して説明したが、リッジ構造の半導体発光素子にも適用することができる。リッジ構造の半導体発光素子の場合、エッチング阻止層として周囲のクラッド層より屈折率の高い材料を用いれば、光密度の中心がリッジ形成層側の中心に引き寄せられ、量子井戸活性層の光密度を低減することができる。これにより、光密度分布の最大部を発光部から外すことが可能となる。また、上述した内部ストライプ構造の半導体発光素子の場合には、上述したリッジ埋込構造の半導体発光素子と同様の効果を奏する。
本発明に係る第1実施の形態の半導体発光素子を示す部分断面図である。 本発明に係る第2実施の形態の半導体発光素子を示す部分断面図である。 本発明に係る第3実施の形態の半導体発光素子を示す部分断面図である。 特許文献1に開示される従来の半導体発光素子を示す部分断面図である。 特許文献2に開示される従来の半導体発光素子を示す部分断面図である。 特許文献3に開示される従来の半導体発光素子を示す部分断面図である。
符号の説明
1 基板
2 第1クラッド層
3 量子井戸活性層
4(4a,4b) 第2クラッド層
5 グレーティング形成層
6 エッチング阻止層
7 第3クラッド層(リッジ形成層)
8 電流ブロック層(埋込成長層)
9 第4クラッド層
10 コンタクト層

Claims (6)

  1. GaAs基板(1)上に、第1クラッド層(2)、活性層(3)、第2クラッド層(4)、InGaAsPからなるエッチング阻止層(6)、第3クラッド層(7)を含む複数の層が順次形成され、前記第3クラッド層の側部に電流ブロック層(8)が配置されている、AlGaAs系半導体発光素子の製造方法であって、
    GaAs基板上に、第1クラッド層、活性層、第2クラッド層、エッチング阻止層、第3クラッド層を順次結晶成長させる段階と、
    前記第3クラッド層の所定箇所にマスクを形成する段階と、
    前記マスクを用いて、前記マスクが無い部分の前記第3クラッド層を前記エッチング阻止層が表面に出るまで除去するとともに前記エッチング阻止層の表面をエッチングして、前記エッチング阻止層と前記第3クラッド層との間の境界部から前記エッチング阻止層側に延びる緩やかな傾斜面を含むリッジ形成層を形成する段階と
    記緩やかな傾斜面を含む前記リッジ形成層の側部に、異常成長が生じずに電流ブロック層を形成する段階と
    前記マスクを除去する段階とを含むことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記第3クラッド層及び前記エッチング阻止層の表面のエッチングに使用するエッチング液として、前記エッチング阻止層の前記第3クラッド層に対する選択比が3〜10の材料を用いることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子の製造方法
  3. GaAs基板(1)上に、AlGaAs系材料からなる、第1クラッド層(2)、活性層(3)、及び第2クラッド層(4)、InGaAsPからなるエッチング阻止層(6)、AlGaAs系材料からなる電流ブロック層(8)を含む複数の層が順次形成され、前記電流ブロック層の一部が選択的に除去された部分およびその表面側に、第3クラッド層(7)を含む複数の層が形成された構造からなる半導体発光素子の製造方法であって
    GaAs基板上に、第1クラッド層、活性層、第2クラッド層、エッチング阻止層、電流ブロック層を順次結晶成長させる段階と、
    前記電流ブロック層の所定箇所にマスクを形成する段階と、
    前記マスクを用いて、前記マスクが無い部分の電流ブロック層を前記エッチング阻止層が表面に出るまで除去するとともに前記エッチング阻止層の表面をエッチングして、前記エッチング阻止層と前記電流ブロック層との間の境界部からエッチング阻止層側に延びる緩やかな傾斜面を含むストライプ部を形成する段階と、
    前記マスクを除去する段階と、
    前記緩やかな傾斜面を含む前記ストライプ部に、異常成長が生じずに第3クラッド層を形成する段階とを含むことを特徴とする半導体発光素子の製造方法
  4. 前記電流ブロック層及び前記エッチング阻止層の表面のエッチングに使用するエッチング液として、前記エッチング阻止層の前記電流ブロック層に対する選択比が3〜10の材料を用いることを特徴とする請求項3記載の半導体発光素子の製造方法
  5. 前記エッチング液が酒石酸系または燐酸系からなることを特徴とする請求項2又は4記載の半導体発光素子の製造方法
  6. 前記エッチング阻止層の膜厚が30nm以上で形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法
JP2004076564A 2004-03-17 2004-03-17 半導体発光素子の製造方法 Expired - Fee Related JP3715638B2 (ja)

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