JPH11154775A - 半導体レーザの製造方法 - Google Patents

半導体レーザの製造方法

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JPH11154775A
JPH11154775A JP26194398A JP26194398A JPH11154775A JP H11154775 A JPH11154775 A JP H11154775A JP 26194398 A JP26194398 A JP 26194398A JP 26194398 A JP26194398 A JP 26194398A JP H11154775 A JPH11154775 A JP H11154775A
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JP
Japan
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layer
semiconductor laser
optical waveguide
manufacturing
forbidden band
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JP26194398A
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English (en)
Inventor
Takeshi Fujimoto
毅 藤本
Yumi Naito
由美 内藤
Atsushi Okubo
敦 大久保
Yoshikazu Yamada
義和 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流ブロック層の窓を精度良く形成でき、他
層への影響を回避して製造歩留まりの向上が図れる半導
体レーザの製造方法を提供する。 【解決手段】 活性層25の両面側に、活性層25の禁
制帯幅以上の禁制帯幅を有する一対の光導波層23、2
8を設け、活性層25および光導波層23、28を挟む
ように、光導波層23、28の禁制帯幅以上の禁制帯幅
を有する一対のクラッド層22、29をそれぞれ設け、
活性層25と光導波層23、28との間に、活性層25
および該光導波層23、28の各禁制帯幅以上の禁制帯
幅を有する一対のキャリアブロック層24、26をそれ
ぞれ設け、光導波層23、28の少なくとも一方にスト
ライプ状の窓を有する電流ブロック層27を埋め込んだ
自己整合型半導体レーザにおいて、電流ブロック層27
を選択成長によって形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信、レーザプリ
ンタ、レーザ医療、レーザ加工等で好適に用いられ、高
出力動作が可能な半導体レーザの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、分離閉じ込めヘテロ構造(sepa
rate confinement heterostructure)による自己整合型
(self-aligned structure)半導体レーザ(以下、SCH
−SAS型LDと称する)の一例を示す構成図であり、
これは論文(IEEE JournalQuantum.Electronics., Vol.
29, No.6,(1993) p1889〜1993)に報告されたものであ
る。
【0003】図6において、n型GaAs基板1の上
に、順次、n型AlGaAsから成るクラッド層2、G
aAs/AlGaAsから成る量子井戸活性層5、p型
AlGaAsから成るクラッド層9、p型GaAsから
成るコンタクト層10が形成されており、クラッド層9
にはn型AlGaAsから成る電流ブロック層7が埋め
込まれる。
【0004】図6のような自己整合型半導体レーザで
は、ストライプ状の窓を有し、且つクラッド層9の禁制
帯幅以上の禁制帯幅、すなわちクラッド層よりも屈折率
の低い電流ブロック層7が埋め込まれている。このため
量子井戸活性層5に平行な方向(横方向)にも屈折率差
が形成されるため、レーザ光はストライプの横方向にも
閉じ込め可能となり、単一横モード発振が得られる。
【0005】さらに、特開昭62−73687号公報に
は、活性層の両面側に上クラッド層および下クラッド層
を形成し、上クラッド層の上に電流ブロック層を形成し
た後、この電流ブロック層の中央部をストライプ状に除
去することによって溝を形成し、さらに第3のクラッド
層を埋込み成長させた自己整合型半導体レーザが記載さ
れている。
【0006】また、特開平4−370993号公報に
は、クラッド層よりも屈折率の低い電流ブロック層によ
ってストライプの横方向にも屈折率差を形成し、且つ電
流ブロック層のストライプ状窓部の再成長を容易にする
ために、活性層と電流ブロック層の間に光ガイド層を設
けた自己整合型半導体レーザが記載されている。
【0007】さらに、論文(Applied Physics Letter
s.,Vol.37,No.3,(1980),p262〜263)には、電流ブロッ
ク層を活性層の禁制帯幅よりも小さい材料で形成し、電
流ブロック層の光吸収によってレーザ光をストライプの
横方向に閉じ込めた自己整合型半導体レーザが報告され
ている。
【0008】図7は、完全分離閉じ込めヘテロ構造(per
fect SCH)による自己整合型半導体レーザ(以下、PS
CH−SAS型LDと称する)の一例を示す構成図であ
り、これは本出願人による国際公開WO96/1232
8号公報に記載されたものである。
【0009】図7において、n型GaAs基板1の上
に、順次、n型AlGaAsから成るクラッド層2、n
型AlGaAsから成る光導波層3、n型AlGaAs
から成るキャリアブロック層4、GaAs/AlGaA
sから成る量子井戸活性層5、p型AlGaAsから成
るキャリアブロック層6、p型AlGaAsから成る光
導波層8、p型AlGaAsから成るクラッド層9、p
型GaAsから成るコンタクト層10が形成されてお
り、光導波層8にはn型AlGaAsから成る電流ブロ
ック層7が埋め込まれる。
【0010】こうしたPSCH−SAS型LDにおいて
も、電流ブロック層7の存在によって横方向にも屈折率
差が形成されるため、単一横モード発振が得られる。
【0011】図8は、SCH−SAS型LDの従来の製
造方法の一例を示す説明図である。まず図8(a)に示
すように、n型GaAs基板1の上に、n型AlGaA
sから成るクラッド層2、GaAs/AlGaAsから
成る量子井戸活性層5、p型AlGaAsから成るクラ
ッド層9の一部を順次結晶成長し、さらに電流ブロック
層7となるn型AlGaAs層7aを一様に結晶成長す
る。
【0012】次に図8(b)に示すように、中央のスト
ライプ窓となる領域の両側にマスクを形成して、結晶へ
のダメージが無いウェットエッチングによってn型Al
GaAs層7aにストライプ状の窓を開けて電流ブロッ
ク層7を形成した後、マスクを除去する。
【0013】次に図8(c)に示すように、残りのクラ
ッド層9を結晶成長し、さらにp型GaAsから成るコ
ンタクト層10を結晶成長している。
【0014】図9は、PSCH−SAS型LDの従来の
製造方法の一例を示す説明図である。まず図9(a)に
示すように、n型GaAs基板1の上に、n型AlGa
Asから成るクラッド層2、n型AlGaAsから成る
光導波層3、n型AlGaAsから成るキャリアブロッ
ク層4、GaAs/AlGaAsから成る量子井戸活性
層5、p型AlGaAsから成るキャリアブロック層
6、p型AlGaAsから成る光導波層8の一部を順次
結晶成長し、さらに電流ブロック層7となるn型AlG
aAs層7aを一様に結晶成長する。
【0015】次に図9(b)に示すように、中央のスト
ライプ窓となる領域の両側にマスクを形成して、結晶へ
のダメージが無いウェットエッチングによってn型Al
GaAs層7aにストライプ状の窓を開けて電流ブロッ
ク層7を形成した後、マスクを除去する。
【0016】次に図9(c)に示すように、残りの光導
波層8を結晶成長し、さらにp型AlGaAsから成る
クラッド層9、およびp型GaAsから成るコンタクト
層10を順次結晶成長している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】こうしたSCH−SA
S型LDやPSCH−SAS型LDにおいて、横方向の
光閉じ込めと電流広がりの抑制を実現して良好な単一横
モード発振を得るためには、電流ブロック層を活性層の
できるだけ近傍に配置するとともに、電流が通過する窓
の幅も設計値どおり精度良く形成する必要がある。
【0018】しかしながら、従来の製造方法では、電流
ブロック層にストライプ状の窓を形成するエッチング工
程において、活性層までエッチングされてしまうオーバ
ーエッチングがしばしば発生するため、高い歩留まりが
得られないという問題がある。
【0019】このようなオーバーエッチングを防ぎつつ
所望の深さにエッチングを制御する手法として、エッチ
ングを化学的に自動停止させるためのエッチングストッ
プ層を電流ブロック層の下層側に形成する方法がある。
しかしながら、この方法では、深さ方向のエッチング制
御性が向上するのみであって、横方向、すなわち電流ブ
ロック層の窓幅の制御性は向上しない。電流ブロック層
の窓幅は、発振閾値および横モードの安定性に影響する
ため、エッチングストップ層を用いた方法では不十分で
あった。
【0020】本発明の目的は、自己整合型半導体レーザ
における電流ブロック層の窓を精度良く形成でき、他層
への影響を回避して製造歩留まりの向上、信頼性の向上
が図れる半導体レーザの製造方法を提供することであ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、活性層の両面
側に、該活性層の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有する一対
のクラッド層をそれぞれ設け、該クラッド層の少なくと
も一方にストライプ状の窓を有する電流ブロック層を埋
め込んだ自己整合型半導体レーザの製造方法において、
前記電流ブロック層を選択成長によって形成することを
特徴とする半導体レーザの製造方法である。
【0022】本発明に従えば、電流ブロック層を選択成
長によって形成することによって、加工精度の低いエッ
チング工程を無くすことが可能になる。そのため活性層
などの他層へのオーバーエッチングを確実に解消できる
とともに、ストライプ窓の高さ方向および幅方向の寸法
を高い精度で再現性良く制御することが可能になる。こ
うして発振閾値および横モードの安定性に優れた半導体
レーザを高い歩留まりで製造することができる。
【0023】また本発明は、活性層の片面側または両面
側に、該活性層の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有する光導
波層を設け、活性層および光導波層を挟むように、該光
導波層の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有する一対のクラッ
ド層をそれぞれ設け、少なくとも一方の光導波層とクラ
ッド層の間にストライプ状の窓を有する電流ブロック層
を埋め込んだ自己整合型半導体レーザの製造方法におい
て、前記電流ブロック層を選択成長によって形成するこ
とを特徴とする半導体レーザの製造方法である。
【0024】本発明に従えば、電流ブロック層を選択成
長によって形成することによって、加工精度の低いエッ
チング工程を無くすことが可能になる。そのため活性層
などの他層へのオーバーエッチングを確実に解消できる
とともに、ストライプ窓の高さ方向および幅方向の寸法
を高い精度で再現性良く制御することが可能になる。こ
うして発振閾値および横モードの安定性に優れた半導体
レーザを高い歩留まりで製造することができる。
【0025】また本発明は、活性層の片面側または両面
側に、該活性層の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有する光導
波層を設け、活性層および光導波層を挟むように、該光
導波層の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有する一対のクラッ
ド層をそれぞれ設け、該光導波層の少なくとも一方にス
トライプ状の窓を有する電流ブロック層を埋め込んだ自
己整合型半導体レーザの製造方法において、前記電流ブ
ロック層を選択成長によって形成することを特徴とする
半導体レーザの製造方法である。
【0026】本発明に従えば、電流ブロック層を選択成
長によって形成することによって、加工精度の低いエッ
チング工程を無くすことが可能になる。そのため活性層
などの他層へのオーバーエッチングを確実に解消できる
とともに、ストライプ窓の高さ方向および幅方向の寸法
を高い精度で再現性良く制御することが可能になる。こ
うして発振閾値および横モードの安定性に優れた半導体
レーザを高い歩留まりで製造することができる。
【0027】また本発明は、活性層の両面側に、該活性
層の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有する一対の光導波層を
設け、活性層および光導波層を挟むように、該光導波層
の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有する一対のクラッド層を
設け、活性層と光導波層との間に、該活性層および該光
導波層の各禁制帯幅以上の禁制帯幅を有するキャリアブ
ロック層をそれぞれ設け、該光導波層の少なくとも一方
にストライプ状の窓を有する電流ブロック層を埋め込ん
だ完全分離閉じ込め構造の自己整合型半導体レーザの製
造方法において、前記電流ブロック層を選択成長によっ
て形成することを特徴とする半導体レーザの製造方法で
ある。
【0028】本発明に従えば、電流ブロック層を選択成
長によって形成することによって、加工精度の低いエッ
チング工程を無くすことが可能になる。そのため活性層
や光導波層、キャリアブロック層などの他層へのオーバ
ーエッチングを確実に解消できるとともに、ストライプ
窓の高さ方向および幅方向の寸法を高い精度で再現性良
く制御することが可能になる。こうして発振閾値およ
び、横モードの安定性に優れた半導体レーザを高い歩留
まりで製造することができる。
【0029】本発明において、電流ブロック層を、Al
組成xが0≦x≦0.35から成るAlxGa1-xAsま
たは、Alを含まない半導体材料で形成することが好ま
しい。
【0030】選択成長においては、電流ブロック層のA
l組成をできるだけ低く抑えることが極めて重要であ
る。Al組成が高い場合には、Alが化学的に活性であ
るため、選択成長マスク上にも成長が起こり、選択成長
が極めて困難になる。特にAlxGa1-xAsの選択成長
では、Al組成xが0.35を超えると選択成長マスク
上にも成長が起こるようになるため、選択成長が困難に
なる。
【0031】本発明によれば、電流ブロック層をAl組
成xが0≦x≦0.35から成るAlxGa1-xAsまた
は、Alを含まない半導体材料で形成することによっ
て、電流ブロック層の選択成長が容易になる。したがっ
て、容易な選択成長により電流ブロック層を形成し、発
振閾値および、横モードの安定性に優れた半導体レーザ
を高い歩留まりで容易に製造することができる。
【0032】なおAlを含まない半導体材料として、選
択成長の容易性の点でGaAs、InGaP、InGa
AsP等が好ましい。
【0033】また本発明において、光導波層を、Al組
成xが0<x≦0.3から成るAlxGa1-xAsで形成
することが好ましい。
【0034】実屈折率導波型の自己整合型半導体レーザ
では、活性層に平行な方向におけるストライプの内側と
外側との間で屈折率差が必要である。GaAs基板と自
動格子整合するために、結晶成長が容易なAlxGa1-x
Asを用いて自己整合型半導体レーザを製造する場合に
は、電流ブロック層のAl組成を光導波層よりも高くす
ることによって屈折率差を形成できる。なおAlxGa
1-xAsではAl組成が高いほど屈折率は低くなる。
【0035】逆に、光導波層をAl組成の低いAlx
1-xAsで形成すれば、結果的にAlxGa1-xAsか
ら成る電流ブロック層のAl組成を低く抑えることが可
能になる。電流ブロック層のAl組成の低減化は、電流
ブロック層の選択成長において極めて重要である。Al
組成が高い場合には、Alが化学的に活性であるため、
選択成長マスク上にも成長が起こり、選択成長が極めて
困難になる。たとえばAlxGa1-xAsの選択成長で
は、Al組成xが0.35を超えると選択成長マスク上
にも成長が起こるようになるため、選択成長が困難にな
る。
【0036】本発明によれば、光導波層のAl組成xを
0<x≦0.3の範囲で形成することが好ましく、これ
によって電流ブロック層のAl組成を低減できる。した
がって、容易な選択成長により電流ブロック層を形成
し、発振閾値および、横モードの安定性に優れた半導体
レーザを高い歩留まりで容易に製造することができる。
【0037】特に、完全分離閉じ込め構造ではキャリア
ブロック層を有することによって、光導波層の設計自由
度がさらに拡がるため広い範囲の半導体材料を用いるこ
とが可能である。またAlxGa1-xAsを用いた場合に
は、より低いAl組成xで光導波層や電流ブロック層を
構成することが可能になる。
【0038】さらに、完全分離閉じ込め構造の光導波層
をAl組成xが0<x≦0.3の範囲で形成した場合、
選択成長の容易なAl組成x≦0.35の範囲内にある
電流ブロック層であっても横方向に充分な屈折率差を得
ることが可能である。したがって、容易な選択成長によ
り電流ブロック層を形成し、発振閾値および、横モード
の安定性に優れた半導体レーザを高い歩留まりで容易に
製造することができる。
【0039】また本発明において、光導波層をAlを含
まない半導体材料で形成することが好ましい。
【0040】自己整合型半導体レーザでは、光導波層の
上に選択成長される電流ブロック層およびこれ以降に成
長される各層の結晶性が低下すると、半導体レーザ素子
の信頼性が低下する。さらに、電流注入ストライプの窓
部においては、以降に成長される各層の結晶性の低下を
抑制しつつ、成長界面におけるバリア形成を防ぐことに
よって、電流注入を容易にする必要がある。
【0041】本発明に従えば、光導波層をAlを含まな
い半導体材料で形成することによって、製造プロセス中
に発生する光導波層表面での酸化劣化を抑制できる。し
かも、電流ブロック層およびこれ以降に成長される各層
の結晶性が向上する。また、電流注入ストライプ窓部で
のバリア形成を回避することができる。したがって、選
択成長が容易で信頼性が高く、発振閾値および横モード
の安定性に優れた半導体レーザを高い歩留まりで容易に
製造することができる。
【0042】また本発明において、光導波層を形成する
Alを含まない半導体材料がGaAsであることが好ま
しい。
【0043】本発明に従えば、光導波層をGaAsで形
成することによって、製造プロセス中に発生する光導波
層表面での酸化劣化を確実に抑制できる。しかも、電流
ブロック層およびこれ以降に成長される各層の結晶性が
向上する。また、電流注入ストライプ窓部でのバリア形
成を回避することができる。また、前述したように、電
流ブロック層の選択成長が容易になる。したがって、選
択成長が容易で信頼性が高く、発振閾値および横モード
の安定性に優れた半導体レーザを高い歩留まりで容易に
製造することができる。
【0044】また本発明において、基板がGaAsから
成り、光導波層を形成するAlを含まない半導体材料が
GaAsと格子整合するInGaPまたはInGaAs
Pであることが好ましい。
【0045】本発明に従えば、光導波層をInGaPま
たはInGaAsPで形成することによって、GaAs
と同様に、製造プロセス中での酸化劣化を回避すること
が可能になる。その結果、ストライプ窓部の再成長界面
において電流注入に支障をきたすバリア形成を回避する
ことができる。また、光導波層の上に成長される電流ブ
ロック層等の各層の結晶性が向上する。また、GaAs
から成る基板との格子整合性も良好になり、素子全体の
結晶安定性が向上する。したがって、信頼性が高く、発
振閾値および横モードの安定性に優れた半導体レーザを
高い歩留まりで容易に製造することができる。
【0046】また本発明において、光導波層と電流ブロ
ック層の間に、Alを含まない半導体材料から成る保護
層を形成することが好ましい。
【0047】本発明に従えば、光導波層と電流ブロック
層の間に、Alを含まない半導体材料から成る保護層を
形成することによって、製造プロセス中での酸化劣化を
回避することが可能になる。その結果、ストライプ窓部
の再成長界面において電流注入に支障をきたすバリア形
成を回避することができる。また、光導波層の上に成長
される電流ブロック層等の各層の結晶性が向上する。し
たがって、信頼性が高く、発振閾値および横モードの安
定性に優れた半導体レーザを高い歩留まりで容易に製造
することができる。
【0048】また本発明において、保護層を形成するA
lを含まない半導体材料がGaAsであることが好まし
い。
【0049】本発明に従えば、光導波層と電流ブロック
層の間に、GaAsから成る保護層を形成することによ
って、GaAsの優れた結晶成長性に加えて、上述した
ように、製造プロセス中での酸化劣化やストライプ窓部
のバリア形成などの問題を確実に回避できる。また、光
導波層の上に成長される電流ブロック層等の各層の結晶
性が向上する。したがって、信頼性が高く、発振閾値お
よび横モードの安定性に優れた半導体レーザを高い歩留
まりで容易に製造することができる。
【0050】また本発明において、基板がGaAsから
成り、保護層を形成するAlを含まない半導体材料がG
aAsと格子整合するInGaPまたはInGaAsP
であることが好ましい。
【0051】本発明に従えば、光導波層と電流ブロック
層の間に、GaAsと格子整合するInGaPまたは、
InGaAsPから成る保護層を形成することによっ
て、製造プロセス中での酸化劣化を回避することが可能
になる。その結果、ストライプ窓部の再成長界面におい
て電流注入に支障をきたすバリア形成を回避することが
できる。また、光導波層の上に成長される電流ブロック
層等の各層の結晶性が向上する。また、GaAsから成
る基板との格子整合性も良好になり、素子全体の結晶安
定性が向上する。したがって、信頼性が高く、発振閾値
および横モードの安定性に優れた半導体レーザを高い歩
留まりで容易に製造することができる。
【0052】また本発明において、活性層をGaAs量
子井戸で形成することが好ましい。
【0053】本発明に従えば、Al組成が0〜0.3か
ら成るAlxGa1-xAsで形成された光導波層が光吸収
を起こさない波長を持った高効率な量子井戸を形成する
ことが可能である。したがって、発振閾値および横モー
ドの安定性に優れた半導体レーザを高い歩留まりで容易
に製造することができる。
【0054】また本発明において、活性層をInGaA
s量子井戸で形成することが好ましい。
【0055】本発明に従えば、GaAsで形成する光導
波層が光吸収を起こさない波長を持った高効率な量子井
戸を形成することが可能である。したがって、発振閾値
および横モードの安定性に優れた半導体レーザを高い歩
留まりで容易に製造することができる。
【0056】また本発明において、選択成長として、M
OCVD(有機金属化学気相成長法)、MOMBE(有
機金属分子ビーム成長法)、MBE(分子ビーム成長
法)のいずれかを用いることが好ましい。
【0057】本発明に従えば、ストライプ状窓の領域に
マスクを予め形成しておいて、MOCVD、MOMB
E、MBE法を用いて電流ブロック層を形成した後、マ
スクを除去する手法が採られる。こうした手法によっ
て、ストライプ窓の高さ方向および幅方向の寸法を高い
精度で再現性良く制御することが可能になる。
【0058】また本発明において、前記選択成長が、選
択成長用マスクを電流ブロック層を形成する層の上に形
成する工程、前記選択成長用マスクを前記ストライプ状
の窓の部分を残して除去する工程、前記ストライプ状の
窓の部分以外に電流ブロック層を結晶成長させる工程、
前記ストライプ状の窓の部分の選択成長マスクを除去す
る工程から成ることが好ましい。
【0059】本発明に従えば、エッチング工程を無くす
ことが可能になり、ストライプ状窓の寸法を高い精度で
再現性良く制御することができる。
【0060】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態の
各工程を示す断面図である。まず図1(a)に示すよう
に、n型GaAs基板21の上にn型Al0.55Ga0.45
As(厚み1.5μm)から成るクラッド層22、Ga
As/Al0.45Ga0.55As量子井戸活性層(発振波
長:780nm)25、p型Al0.55Ga0.45As(厚
み0.20μm)から成るクラッド層29の一部をMO
CVD等を用いて順次結晶成長させる。
【0061】AlGaAs系材料では、Al組成が増加
するにつれて禁制帯幅も増加する傾向にある。本実施形
態においては、量子井戸活性層25の禁制帯幅よりクラ
ッド層22,29の禁制帯幅の方が大きい。
【0062】こうして結晶成長した基板を結晶成長装置
から取出して、たとえば電子ビーム蒸着装置に投入し
て、図1(b)に示すように、たとえばSiO2から成
るマスク31を厚さ0.1μmで全面に形成した後、フ
ォトリソグラフィ技術を用いてストライプ状窓となる中
央領域以外のマスクを除去して、ストライプ状のマスク
31を形成する。このマスク31は極めて薄いため、従
来のフォトリソグラフィ技術でも高い精度で再現性良く
形成可能である。
【0063】次に、マスク31付の基板を結晶成長装置
に戻して、クラッド層29の上にn型GaAs(厚み
0.80μm)から成る電流ブロック層27を選択成長
させると、図1(b)に示すように、マスク31が付着
した領域では結晶成長が行われない層構成が得られる。
【0064】次に、マスク31をたとえばフッ酸水溶液
で除去した後、図1(c)に示すように、クラッド層2
9の残りの部分(厚さ1.5μm)を結晶成長させ、さ
らにp型GaAs(厚み2.0μm)から成るコンタク
ト層30を順次結晶成長させる。
【0065】こうしてストライプ状窓部となる部分にマ
スク31を形成した後、選択成長により電流ブロック層
27を形成し、その後マスク31を除去する手法を用い
ることによって、活性層25など他層への影響を抑制し
つつ、電流ブロック層27のストライプ窓の高さ方向お
よび幅方向の寸法を高い精度で再現性良く制御すること
が可能になる。こうした電流ブロック層27の選択成長
によって発振閾値および横モードの安定性に優れた自己
整合型半導体レーザを高い歩留まりで製造できる。
【0066】なお、マスク31の材料はSiO2に限ら
ず、たとえばSiNなど選択成長が可能となる材料であ
ればかまわない。
【0067】図2は、本発明の第2実施形態の各工程を
示す断面図である。まず図2(a)に示すように、n型
GaAs基板21の上にn型Al0.45Ga0.55As(厚
み1.5μm)から成るクラッド層22、GaAs/A
0.20Ga0.80As量子井戸活性層(発振波長:860
nm)25、p型Al0.30Ga0.70As(厚み0.10
μm)から成る光導波層28をMOCVD等を用いて順
次結晶成長させる。
【0068】AlGaAs系材料では、Al組成が増加
するにつれて禁制帯幅も増加する傾向にある。本実施形
態においては、量子井戸活性層25の禁制帯幅よりクラ
ッド層22および後述のクラッド層29の禁制帯幅の方
が大きい。
【0069】こうして結晶成長した基板を結晶成長装置
から取出して、たとえば電子ビーム蒸着装置に投入し
て、図2(b)に示すように、たとえばSiO2から成
るマスク31を厚さ0.1μmで全面に形成した後、フ
ォトリソグラフィ技術を用いてストライプ状窓となる中
央領域以外のマスクを除去して、ストライプ状のマスク
31を形成する。このマスク31は極めて薄いため、従
来のフォトリソグラフィ技術でも高い精度で再現性良く
形成可能である。
【0070】次に、マスク31付の基板を結晶成長装置
に戻して、クラッド層29の上にn型GaAs(厚み
0.80μm)から成る電流ブロック層27を選択成長
させると、図2(b)に示すように、マスク31が付着
した領域では結晶成長が行われない層構成が得られる。
【0071】次に、マスク31をたとえばフッ酸水溶液
で除去した後、図2(c)に示すように、クラッド層2
9(厚さ1.5μm)を結晶成長させ、さらにp型Ga
As(厚み2.0μm)から成るコンタクト層30を順
次結晶成長させる。
【0072】こうしてストライプ状窓部となる部分にマ
スク31を形成した後、選択成長により電流ブロック層
27を形成し、その後マスク31を除去する手法を用い
ることによって、活性層25など他層への影響を抑制し
つつ、電流ブロック層27のストライプ窓の高さ方向お
よび幅方向の寸法を高い精度で再現性良く制御すること
が可能になる。こうした電流ブロック層27の選択成長
によって発振閾値および横モードの安定性に優れた自己
整合型半導体レーザを高い歩留まりで製造できる。
【0073】なお、マスク31の材料はSiO2に限ら
ず、たとえばSiNなど選択成長が可能となる材料であ
ればかまわない。
【0074】図3は、本発明の第3実施形態の各工程を
示す断面図である。まず図3(a)に示すように、n型
GaAs基板21の上にn型Al0.24Ga0.76As(厚
み1.1μm)から成るクラッド層22、n型Al0.20
Ga0.80As(厚み0.88μm)から成る光導波層2
3、In0.20Ga0.80As/GaAs量子井戸活性層
(発振波長:980nm)25、p型Al0.20Ga0.80
As(厚み0.10μm)から成る光導波層28の一部
をMOCVD等を用いて順次結晶成長させる。
【0075】AlGaAs系材料では、Al組成が増加
するにつれて禁制帯幅も増加する傾向にある。本実施形
態においては、量子井戸活性層25の禁制帯幅より光導
波層23、28の禁制帯幅の方が大きく、さらに光導波
層23、28よりクラッド層22および後述のクラッド
層29の禁制帯幅の方が大きい。
【0076】また本実施形態においては、光導波層23
が従来のSCH−SAS型半導体レーザよりも厚くなる
ように形成されている。さらに、光導波層28の禁制帯
幅が量子井戸活性層25より充分に大きくなるように設
定することによって、活性層25から光導波層23、2
8へのキャリアの溢れ出しを防いでいる。
【0077】こうして結晶成長した基板を結晶成長装置
から取出して、たとえば電子ビーム蒸着装置に投入し
て、図3(b)に示すように、たとえばSiO2から成
るマスク31を厚さ0.1μmで全面に形成した後、フ
ォトリソグラフィ技術を用いてストライプ状窓となる中
央領域以外のマスクを除去して、ストライプ状のマスク
31を形成する。このマスク31は極めて薄いため、従
来のフォトリソグラフィ技術でも高い精度で再現性良く
形成可能である。
【0078】次に、マスク31付の基板を結晶成長装置
に戻して、光導波層28の上にn型Al0.33Ga0.67
s(厚み0.1μm)から成る電流ブロック層27を選
択成長させると、図3(b)に示すように、マスク31
が付着した領域では結晶成長が行われない層構成が得ら
れる。
【0079】次に、マスク31をたとえばフッ酸水溶液
で除去した後、図3(c)に示すように、光導波層28
の残りの部分(厚さ0.78μm)を結晶成長させ、さ
らにp型Al0.24Ga0.76As(厚み1.1μm)から
成るクラッド層29、およびp型GaAs(厚み2.0
μm)から成るコンタクト層30を順次結晶成長させ
る。ここでストライプ状窓部の光導波層28の厚さは、
従来のSCH−SAS型半導体レーザのそれよりも厚い
0.2μm以上が好ましい。
【0080】こうしてストライプ状窓部となる部分にマ
スク31を形成した後、選択成長により電流ブロック層
27を形成し、その後マスク31を除去する手法を用い
ることによって、活性層25など他層への影響を抑制し
つつ、電流ブロック層27のストライプ窓の高さ方向お
よび幅方向の寸法を高い精度で再現性良く制御すること
が可能になる。こうした電流ブロック層27の選択成長
によって発振閾値および横モードの安定性に優れた自己
整合型半導体レーザを高い歩留まりで製造できる。
【0081】なお、マスク31の材料はSiO2に限ら
ず、たとえばSiNなど選択成長が可能となる材料であ
ればかまわない。
【0082】図4は、本発明の第4実施形態の各工程を
示す断面図である。まず図4(a)に示すように、n型
GaAs基板21の上にn型Al0.24Ga0.76As(厚
み1.1μm)から成るクラッド層22、n型Al0.20
Ga0.80As(厚み0.88μm)から成る光導波層2
3、n型Al0.50Ga0.50As(厚み0.025μm)
から成るキャリアブロック層24、GaAs/Al0.20
Ga0.80As量子井戸活性層(発振波長:860nm)
25、p型Al0.50Ga0.50As(厚み0.025μ
m)から成るキャリアブロック層26、p型Al0.20
0.80As(厚み0.10μm)から成る光導波層28
の一部をMOCVD等を用いて順次結晶成長させる。
【0083】AlGaAs系材料では、Al組成が増加
するにつれて禁制帯幅も増加する傾向にある。本実施形
態においては、量子井戸活性層25の禁制帯幅より光導
波層23,28の禁制帯幅の方が大きく、さらに光導波
層23,28よりクラッド層22,29およびキャリア
ブロック層24,26の各禁制帯幅の方が大きい。
【0084】こうして結晶成長した基板を結晶成長装置
から取出して、たとえば電子ビーム蒸着装置に投入し
て、図4(b)に示すように、たとえばSiO2から成
るマスク31を厚さ0.1μmで全面に形成した後、フ
ォトリソグラフィ技術を用いてストライプ状窓となる中
央領域以外のマスクを除去して、ストライプ状のマスク
31を形成する。このマスク31は極めて薄いため、従
来のフォトリソグラフィ技術でも高い精度で再現性よく
形成可能である。
【0085】次に、マスク31付の基板を結晶成長装置
に戻して、光導波層28の上にn型Al0.33Ga0.67
s(厚み0.1μm)から成る電流ブロック層27を選
択成長させると、図4(b)に示すように、マスク31
が付着した領域では結晶成長が行われない層構成が得ら
れる。
【0086】次に、マスク31をたとえばフッ酸水溶液
で除去した後、図4(c)に示すように、光導波層28
の残りの部分(厚さ0.78μm)を結晶成長させ、さ
らにp型Al0.24Ga0.76As(厚み1.1μm)から
成るクラッド層29およびp型GaAs(厚み2.0μ
m)から成るコンタクト層30を順次結晶成長させる。
【0087】こうしてストライプ状窓部となる部分にマ
スク31を形成した後、選択成長により電流ブロック層
27を形成し、その後マスク31を除去する手法を用い
ることによって、活性層25やキャリアブロック層26
などへの影響を抑制しつつ、電流ブロック層27のスト
ライプ窓の高さ方向および幅方向の寸法を高い精度で再
現性良く制御することが可能になる。こうした電流ブロ
ック層27の選択成長によって発振閾値および横モード
の安定性に優れた自己整合型半導体レーザを高い歩留ま
りで製造できる。
【0088】なお、マスク31の材料はSiO2に限ら
ず、たとえばSiNなど選択成長が可能となる材料であ
ればかまわない。
【0089】次に、本発明の第5実施形態の各工程を示
す。本実施形態においても図4を参照して説明する。ま
ず図4(a)に示すように、n型GaAs基板21の上
にn型Al0.17Ga0.83As(厚み1.7μm)から成
るクラッド層22、n型GaAs(厚み0.55μm)
から成る光導波層23、n型Al0.30Ga0.70As(厚
み0.030μm)から成るキャリアブロック層24、
In0.2Ga0.8As/GaAs量子井戸活性層(発振波
長:980nm)25、p型Al0.30Ga0.70As(厚
み0.030μm)から成るキャリアブロック層26、
p型GaAs(厚み0.10μm)から成る光導波層2
8の一部をMOCVD等を用いて順次結晶成長させる。
【0090】AlGaAs系材料では、Al組成が増加
するにつれて禁制帯幅も増加する傾向にある。本実施形
態においては、量子井戸活性層25の禁制帯幅より光導
波層23,28の禁制帯幅の方が大きく、さらに光導波
層23,28よりクラッド層22,29およびキャリア
ブロック層24,26の各禁制帯幅の方が大きい。
【0091】こうして結晶成長した基板を結晶成長装置
から取出して、たとえば電子ビーム蒸着装置に投入し
て、図4(b)に示すように、たとえばSiO2から成
るマスク31を厚さ0.1μmで全面に形成した後、フ
ォトリソグラフィ技術を用いてストライプ状窓となる中
央領域以外のマスクを除去して、ストライプ状のマスク
31を形成する。このマスク31は極めて薄いため、従
来のフォトリソグラフィ技術でも高い精度で再現性良く
形成可能である。
【0092】次に、マスク31付の基板を結晶成長装置
に戻して、光導波層28の上にn型Al0.08Ga0.92
s(厚み0.15μm)から成る電流ブロック層27を
選択成長させると、図4(b)に示すように、マスク3
1が付着した領域では結晶成長が行われない層構成が得
られる。
【0093】次に、マスク31をたとえばフッ酸水溶液
で除去した後、図4(c)に示すように、光導波層28
の残りの部分(厚さ0.45μm)を結晶成長させ、さ
らにp型Al0.17Ga0.83As(厚み1.7μm)から
成るクラッド層29およびp型GaAs(厚み2.0μ
m)から成るコンタクト層30を順次結晶成長させる。
【0094】こうしてストライプ状窓部となる部分にマ
スク31を形成した後、選択成長により電流ブロック層
27を形成し、その後マスク31を除去する手法を用い
ることによって、活性層25やキャリアブロック層26
などへの影響を抑制しつつ、電流ブロック層27のスト
ライプ窓の高さ方向および幅方向の寸法を高い精度で再
現性良く制御することが可能になる。こうした電流ブロ
ック層27の選択成長によって発振閾値および横モード
の安定性に優れた自己整合型半導体レーザを高い歩留ま
りで製造できる。また、GaAs導波層によって酸化劣
化の影響を回避することが可能になる。その結果、バリ
ア形成が無く信頼性の高い半導体レーザ素子が製造、実
現できる。
【0095】なお、マスク31の材料はSiO2に限ら
ず、たとえばSiNなど選択成長が可能となる材料であ
ればかまわない。
【0096】図5は、本発明の第6実施形態の各工程を
示す断面図である。まず図5(a)に示すように、n型
GaAs基板21の上にn型Al0.24Ga0.76As(厚
み1.1μm)から成るクラッド層22、n型Al0.20
Ga0.80As(厚み0.88μm)から成る光導波層2
3、n型Al0.50Ga0.50As(厚み0.025μm)
から成るキャリアブロック層24、GaAs/Al0.20
Ga0.80As量子井戸活性層(発振波長:860nm)
25、p型Al0.50Ga0.50As(厚み0.025μ
m)から成るキャリアブロック層26、p型Al0.20
0.80As(厚み0.10μm)から成る光導波層2
8、p型In0.49Ga0.51P(厚み0.02μm)から
成る保護層32をMOCVD等を用いて順次結晶成長さ
せる。
【0097】AlGaAs系材料では、Al組成が増加
するにつれて禁制帯幅も増加する傾向にある。本実施形
態においては、量子井戸活性層25の禁制帯幅より光導
波層23,28の禁制帯幅の方が大きく、さらに光導波
層23,28よりクラッド層22,29およびキャリア
ブロック層24,26の各禁制帯幅の方が大きい。
【0098】また、保護層32はAlを含まない材料で
形成しているため、酸化劣化を抑制できる。
【0099】こうして結晶成長した基板を結晶成長装置
から取出して、たとえば電子ビーム蒸着装置に投入し
て、図5(b)に示すように、たとえばSiO2から成
るマスク31を厚さ0.1μmで全面に形成した後、フ
ォトリソグラフィ技術を用いてストライプ状窓となる中
央領域以外のマスクを除去して、ストライプ状のマスク
31を形成する。このマスク31は極めて薄いため、従
来のフォトリソグラフィ技術でも高い精度で再現性よく
形成可能である。
【0100】次に、マスク31付の基板を結晶成長装置
に戻して、光導波層28の上にn型Al0.33Ga0.67
s(厚み0.1μm)から成る電流ブロック層27を選
択成長させると、図5(b)に示すように、マスク31
が付着した領域では結晶成長が行われない層構成が得ら
れる。
【0101】次に、マスク31をたとえばフッ酸水溶液
で除去した後、図5(c)に示すように、光導波層28
の残りの部分(厚さ0.78μm)を結晶成長させ、さ
らにp型Al0.24Ga0.76As(厚み1.1μm)から
成るクラッド層29およびp型GaAs(厚み2.0μ
m)から成るコンタクト層30を順次結晶成長させる。
【0102】こうしてストライプ状窓部となる部分にマ
スク31を形成した後、選択成長により電流ブロック層
27を形成し、その後マスク31を除去する手法を用い
ることによって、活性層25やキャリアブロック層26
などへの影響を抑制しつつ、電流ブロック層27のスト
ライプ窓の高さ方向および幅方向の寸法を高い精度で再
現性良く制御することが可能になる。こうした電流ブロ
ック層27の選択成長によって発振閾値および横モード
の安定性に優れた自己整合型半導体レーザを高い歩留ま
りで製造できる。
【0103】また、In0.49Ga0.51Pから成る保護層
32によって、酸化劣化の影響を回避することができ
る。その結果、バリア形成が無く信頼性の高い半導体レ
ーザを製造、実現できる。
【0104】なお、マスク31の材料はSiO2に限ら
ず、たとえばSiNなど選択成長が可能となる材料であ
ればかまわない。
【0105】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、電
流ブロック層を選択成長によって形成することによっ
て、加工精度の低いエッチング工程を無くすことが可能
になる。そのため活性層などの他層への影響を確実に解
消でき、しかもストライプ窓の高さ方向および幅方向の
寸法を高い精度で再現性良く制御することが可能にな
る。こうして発振閾値および横モードの安定性に優れた
半導体レーザを高い歩留まりで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の各工程を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の第2実施形態の各工程を示す断面図で
ある。
【図3】本発明の第3実施形態の各工程を示す断面図で
ある。
【図4】本発明の第4および第5実施形態の各工程を示
す断面図である。
【図5】本発明の第6実施形態の各工程を示す断面図で
ある。
【図6】SCH−SAS型LDの一例を示す構成図であ
る。
【図7】PSCH−SAS型LDの一例を示す構成図で
ある。
【図8】SCH−SAS型LDの従来の製造方法の一例
を示す説明図である。
【図9】PSCH−SAS型LDの従来の製造方法の一
例を示す説明図である。
【符号の説明】
21 基板 22,29 クラッド層 23,28 光導波層 24,26 キャリアブロック層 25 量子井戸活性層 27 電流ブロック層 30 コンタクト層 31 マスク 32 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 義和 千葉県袖ケ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層の両面側に、該活性層の禁制帯幅
    以上の禁制帯幅を有する一対のクラッド層をそれぞれ設
    け、 該クラッド層の少なくとも一方にストライプ状の窓を有
    する電流ブロック層を埋め込んだ自己整合型半導体レー
    ザの製造方法において、 前記電流ブロック層を選択成長によって形成することを
    特徴とする半導体レーザの製造方法。
  2. 【請求項2】 活性層の片面側または両面側に、該活性
    層の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有する光導波層を設け、 活性層および光導波層を挟むように、該光導波層の禁制
    帯幅以上の禁制帯幅を有する一対のクラッド層をそれぞ
    れ設け、 少なくとも一方の光導波層とクラッド層の間にストライ
    プ状の窓を有する電流ブロック層を埋め込んだ自己整合
    型半導体レーザの製造方法において、 前記電流ブロック層を選択成長によって形成することを
    特徴とする半導体レーザの製造方法。
  3. 【請求項3】 活性層の片面側または両面側に、該活性
    層の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有する光導波層を設け、 活性層および光導波層を挟むように、該光導波層の禁制
    帯幅以上の禁制帯幅を有する一対のクラッド層をそれぞ
    れ設け、 該光導波層の少なくとも一方にストライプ状の窓を有す
    る電流ブロック層を埋め込んだ自己整合型半導体レーザ
    の製造方法において、 前記電流ブロック層を選択成長によって形成することを
    特徴とする半導体レーザの製造方法。
  4. 【請求項4】 活性層の両面側に、該活性層の禁制帯幅
    以上の禁制帯幅を有する一対の光導波層を設け、 活性層および光導波層を挟むように、該光導波層の禁制
    帯幅以上の禁制帯幅を有する一対のクラッド層を設け、 活性層と光導波層との間に、該活性層および該光導波層
    の各禁制帯幅以上の禁制帯幅を有するキャリアブロック
    層をそれぞれ設け、 該光導波層の少なくとも一方にストライプ状の窓を有す
    る電流ブロック層を埋め込んだ完全分離閉じ込め構造の
    自己整合型半導体レーザの製造方法において、前記電流
    ブロック層を選択成長によって形成することを特徴とす
    る半導体レーザの製造方法。
  5. 【請求項5】 電流ブロック層を、Al組成xが0≦x
    ≦0.35から成るAlxGa1-xAsまたは、Alを含
    まない半導体材料で形成することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の半導体レーザの製造方法。
  6. 【請求項6】 光導波層を、Al組成xが0<x≦0.
    3から成るAlxGa1-xAsで形成することを特徴とす
    る請求項2〜5のいずれかに記載の半導体レーザの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 光導波層をAlを含まない半導体材料で
    形成することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記
    載の半導体レーザの製造方法。
  8. 【請求項8】 光導波層を形成するAlを含まない半導
    体材料がGaAsであることを特徴とする請求項7に記
    載の半導体レーザの製造方法。
  9. 【請求項9】 基板がGaAsから成り、光導波層を形
    成するAlを含まない半導体材料がGaAsと格子整合
    するInGaPまたはInGaAsPであることを特徴
    とする請求項7に記載の半導体レーザの製造方法。
  10. 【請求項10】 光導波層と電流ブロック層の間に、A
    lを含まない半導体材料から成る保護層を形成すること
    を特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の半導体レ
    ーザの製造方法。
  11. 【請求項11】 保護層を形成するAlを含まない半導
    体材料がGaAsであることを特徴とする請求項10に
    記載の半導体レーザの製造方法。
  12. 【請求項12】 基板がGaAsから成り、保護層を形
    成するAlを含まない半導体材料がGaAsと格子整合
    するInGaPまたはInGaAsPであることを特徴
    とする請求項10に記載の半導体レーザの製造方法。
  13. 【請求項13】 活性層をGaAsで形成することを特
    徴とする請求項6、7、10のいずれかに記載の半導体
    レーザの製造方法。
  14. 【請求項14】 活性層をInGaAsで形成すること
    を特徴とする請求項6、7、10のいずれかに記載の半
    導体レーザの製造方法。
  15. 【請求項15】 選択成長として、MOCVD(有機金
    属化学気相成長法)、MOMBE(有機金属分子ビーム
    成長法)、MBE(分子ビーム成長法)のいずれかを用
    いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    半導体レーザの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記選択成長が、選択成長用マスクを
    電流ブロック層を形成する層の上に形成する工程、前記
    選択成長用マスクを前記ストライプ状の窓の部分を残し
    て除去する工程、前記ストライプ状の窓の部分以外に電
    流ブロック層を結晶成長させる工程、前記ストライプ状
    の窓の部分の選択成長マスクを除去する工程から成るこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体
    レーザの製造方法。
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