JP2005317659A - 集積型半導体光デバイス及びその製造方法 - Google Patents

集積型半導体光デバイス及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 デバイスの特性および性能を向上することのできる集積型半導体光デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】 バンドギャップ波長が導波方向に連続的に変化する領域を介して接合された少なくとも2つの光導波層を有する集積型半導体光デバイスの製造方法において、上記2つの光導波層の一方が形成される第1の領域と他方が形成される第2の領域に跨って誘電体マスクを形成する第1の工程と、上記誘電体マスクを用いて選択成長により上記2つの光導波層を同時に形成する第2の工程とを含む。誘電体マスクは、上記第1の領域におけるパターン幅が上記第2の領域におけるパターン幅より狭い、該第1および第2の領域を規定する一対の誘電体膜2a、2bと、上記第1の領域において、誘電体膜2a、2bの両側に設けられた誘電体膜4a、4bとからなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、集積型半導体光デバイス及びその製造方法に関し、特に選択成長により集積された光導波層を含む集積型半導体光デバイス及びその製造方法に関する。
集積型半導体光デバイスは、単機能の光半導体デバイスを組み合わせて機能を実現するものと比較してサイズの縮小などにおいてメリットがあり、近年盛んに開発されている。集積型半導体光デバイスにおいて、「光導波層」は、単に光を導波するためのコア部分を指すわけではなく、集積された各領域の動作の根幹をなす領域の総称として用いられる。例えば、集積された各領域の動作・役割によって光活性層や光変調層なども光導波層の1つである。
光導波層を作製する技術の一つとして、有機金属気相成長法(MOVPE)によるストライプ状誘電体膜(誘電体マスク)を用いた選択成長技術がある。図17は、選択成長で使用するストライプ状誘電体膜(誘電体マスク)の一例を示す図であって、(a)は上面図、(b)は断面図である。
誘電体マスクは、図17(a)に示すように、ある間隔で配置された幅Wmの一対の誘電体膜2よりなる。一対の誘電体膜2に挟まれた領域が、光導波層となる選択成長部1である。この誘電体マスクを用いて選択成長により光導波層を形成すると、図17(b)に示すように、選択成長部1において、断面形状が台形の光導波層を得られる。この場合、一対の誘電体膜2の幅Wmおよびその間隔を変えることで、選択成長部1において成長される半導体結晶の組成及び層厚を変化させることができる。非特許文献1には、分布帰還型半導体レーザ(以下DFBレーザと称する)領域と光変調領域を集積した変調器集積DFBレーザの作製に、そのような誘電体マスクを用いた選択成長を適用した例、およびその作製したデバイスの特性が記載されている。
一方、選択成長を用いない光集積素子の作製方法としては、例えばバットジョイント成長(以下BJ成長と称する)技術を用いる方法がある。非特許文献2には、このBJ成長方法を変調器集積DFBレーザの作製に用いた結果について記載されている。
以下、変調器集積DFBレーザを例に、BJ成長により光導波層を作製した場合と選択成長により光導波層を作製した場合のそれぞれの特徴について説明する。
図18に、非特許文献2に報告されているBJ成長を利用して作製された変調器集積DFBレーザの光導波層の、導波方向における断面図を示す。まず、n−InP基板99のレーザ側領域に回折格子88を設けた後、全面に光ガイド層81、エッチングストッパー層82、レーザ活性層83を結晶成長させる。次いで、誘電体マスクなどによりレーザ部の活性層83を保護しながら変調器を構成する領域にあるレーザ活性層83を選択エッチングで除去し、その除去した部分に埋め込み再成長により光変調層84を成長させる。このとき、レーザ活性層83と光変調層84はBJ成長により接合される。接合後、クラッド層85、素子分離誘電体層86、電極87が順次形成される。
BJ成長によるレーザ活性層83および光変調層84の形成においては、選択成長を用いる方法とは異なり、両層83、84における光発光や吸収の特性を決めるMQWバンドギャップ波長と光閉じ込めの特性を決める層構造および層厚とを比較的自由に独立設計することができる、という利点がある。しかし、レーザ活性層83や光変調層84といった本質的に異なる構造を持つ2つの領域をBJ成長によって接合すると、両領域間で光結合損が生じる。このため、光閉じ込め層構造については、レーザ活性層83と光変調層84を完全には独立設計することはできない。また、BJ成長プロセスにおけるエッチングおよび再成長では、空隙や異常成長が生じないよう極めて高精度で複雑なプロセスが必要で再現性の確保や低コスト化が難しいという問題があった。
図19に、非特許文献1に報告されている選択成長を利用して作製された変調器集積DFBレーザの光導波層の、導波方向における断面図を示す。まず、n−InP基板99のレーザ側領域に回折格子88を設けた後、選択成長用の誘電体マスクを形成する。次いで、誘電体マスクを用いてレーザ活性層83および光変調層84を選択成長により形成する。その後、誘電体マスクを除去し、クラッド層85、素子分離誘電体層86、電極87を順次形成する。
選択成長では、図20に示すような一対の誘電体膜2よりなる誘電体マスクを用いる。一対の誘電体膜2に挟まれた成長領域は、例えば約1.5〜2.0μmの幅とされており、ここにレーザ活性層83および光変調層84が選択成長により形成される。この場合、選択成長により形成されるレーザ活性層83と光変調層84のそれぞれのバンドギャップ波長および層厚は、誘電体膜2の幅Wmに応じて変化する。よって、レーザ活性層83と光変調層84のそれぞれで必要なバンドギャップ波長差になるように幅Wmを設定することで、選択成長により両層を同時に形成することができる。
また、選択成長により形成されるレーザ活性層83と光変調層84の接合部においては、光導波路が連続的に接合するようになっている。よって、接合部の光導波方向におけるMQWバンドギャップ波長や層厚の変化が緩やかになるように、誘電体マスクのパターンを設計すれば、接合部で大きな光結合損が生じないようにすることができる、という利点がある。
これまでに、変調器集積DFBレーザにおいては、光変調領域とDFBレーザ領域のMQWバンドギャップ波長差の最適化や変調器領域のアンドープ層厚の最適化等が検討されており、ある程度の良好な消光比(動的消光比>11dB)と光出力特性(ファイバ出力>3dBm)を得られている。
上述した選択成長技術は、変調器集積DFBレーザ以外の集積型半導体光デバイスにも適用することができる。必要なバンドギャップ波長差を実現するために生じる層厚変化を許容することができ、かつ、各領域の格子歪みを許容することができる集積型半導体光デバイスであれば、選択成長技術を適用することで、上述した利点を享受できる。なお、誘電体マスクの成長領域の幅は、最大で50μm程度までであり、この範囲内であれば、選択成長によるバンドギャップ波長を制御することができる。
T. Kato et. al.、エレクトロニクス・レターズ(Electronics Letters)、「DFB-LD / MODULATOR INTEGRATED LIGHT SOURCE BY BANDGAP ENERGY CONTROLLED SELECTIVE MOVPE」、第28巻、第2号、153頁〜154頁、1992年1月16日(発行) H. Soda et. al.、エレクトロニクス・レターズ(Electronics Letters)、「HIGH-POWER AND HIGH-SPEED SEMI-INSULATING BH STRUCTURE MONOLITHIC ELECTROABSORPTION MODULATOR / DFB LASER LIGHT SOURCE」、第26巻、第1号、9頁〜10頁、1990年1月4日(発行)
変調器集積DFBレーザは、さらなる伝送距離の長距離化への対応の必要性から、無電界時の光吸収損失の低減と低電圧動作、レーザの内部損失の低減と高出力化などが要求されている。この要求を達成するためには、光変調領域とDFB領域のそれぞれにおいて、適切なMQWバンドギャップ波長を実現すると同時に、最適な光閉じこめ率やアンドープ層厚などを実現する必要がある。また、変調器集積DFBレーザ以外の集積型半導体光デバイスにおいても、集積される各機能領域の光導波層における光閉じ込め率などを最適設計するためには、各領域において適切なバンドギャップ波長と層厚を実現することが重要である。
BJ成長により光導波層を形成する場合は、上述したように各領域間の接合部で光結合損が生じるという問題がある。加えて、BJ成長プロセスにおけるエッチングおよび再成長において、空隙や異常成長が生じないよう極めて高精度で複雑なプロセスが必要で再現性の確保や低コスト化が難しい。
一方、選択成長により光導波層を形成する場合は、接合部での光結合損を低減することができる。加えて、一度の選択成長で、複数の領域に一括して、各々の領域の機能に対応した活性層、導波層を作製できることから、製造の容易さという観点で有望である。しかしながら、選択成長の場合には、以下のような問題があるため、上記の要求を達成することは困難である。
例えば、同一ウェハ上に機能の異なる2つの領域R1、R2を同時に形成する場合で、領域R1のMQWバンドギャップ波長およびMQW層厚がその機能に最適となるようにした場合に、同時に作製される領域R2において不具合を生じる。具体的には、各領域R1、R2のMQWバンドギャップ波長の差が最適となるように誘電体マスクのパターン幅を設定した場合に、MQWバンドギャップ波長差は最適となるが、領域R2のMQW層厚が最適値から外れることになる。反対に、各領域R1、R2のMQW層厚差が最適となるように誘電体マスクのパターン幅を設定すると、MQW層厚差は最適となるが、領域R2のMQWバンドギャップ波長が最適値から外れることになる。MQW層厚やMQWバンドギャップ波長差が最適値から外れると、集積型半導体光デバイスの特性劣化を招く。このように、選択成長においては、複数の領域を同時に作製する場合に、バンドギャップ波長と層厚を、各領域で独立に最適化することは極めて困難である。
以下、バンドギャップ波長と層厚の関係についてさらに詳細に説明する。
図21に、同一ウェハ内の領域R1、R2に図20に示したようなマスク幅の異なる誘電体マスクを作製し、領域R1、R2を同時に選択成長により形成した場合のバンドギャップ波長と層厚の関係を示す。領域R1、R2の層厚をそれぞれd1、d2(d2≧d1)、バンドギャップ波長をそれぞれλ1、λ2(nm)とする。規格化したバンドギャップ波長差Δλを
Δλ=(λ1−λ2)/λ2
と定義し、規格化した層厚差Δdを
Δd=(d1−d2)/d2
と定義する。縦軸は規格化バンドギャップ波長差Δλ、横軸は規格化層厚差Δdである。領域R1、R2を同時に選択成長させると、マスク幅の変化に伴ってバンドギャップ波長および層厚が変化する。この場合の、規格化バンドギャップ波長差Δλと規格化層厚差Δdの関係を示すグラフは、図21に示すような直線に近い曲線を描くことになる。図21では、簡単のため、バンドギャップ波長と層厚の関係を直線近似で表している。近似した直線がグラフの原点(領域R2を特徴づける点)を通る場合は、Δλ/Δdが傾きに相当し、その値は、単位バンドギャップ波長の変化に伴って生じる層厚の変化量を表す。既存の1.3um帯や1.55um帯の光デバイスで一般的に用いられているInGaAsP系材料においては、Δλ/Δdは、導波層構造や発光波長にも因るが、おおよそ6〜15程度とされている。
Δλ/Δdが6〜15程度と大きな場合は、選択成長による集積化の際に、上述したデバイスの特性劣化を招く。例えば、変調器集積分布帰還型半導体レーザでは、最適な逆バイアス電圧で適切な消光比を得られるように変調器部において適切なMQWバンドギャップ波長、アンドープ層厚及び適切な光閉じこめ率を得るための導波層構造を設定すると、DFBレーザ領域の層厚が最適設計よりも厚くなりすぎてしまい、内部損失の増加などにより光出力が低下してしまう。また、受動導波路集積型の半導体レーザでは、レーザ部で最適な層厚や光閉じ込め率、内部損失になるように設計すると、発光波長に対して十分に波長の短い受動導波路では、層厚が薄くなりすぎて、十分な光閉じ込め効果を得られない。このため、導波路を曲げる場合に、曲率半径を大きくとる必要があり、その結果、素子サイズが大きくなってしまう。
本発明の目的は、上記のような問題点を軽減し、デバイスの特性および性能を向上することのできる集積型半導体光デバイス及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の第1の集積型半導体光デバイスは、バンドギャップ波長が導波方向に連続的に変化する領域を介して接合された少なくとも2つの光導波層を有し、
前記2つの光導波層は、一方の光導波層の層厚をd1、バンドギャップ波長をλ1とし、他方の光導波層の層厚をd2(ただし、d2≧d1)、バンドギャップ波長をλ2とするとき、
Δλ=(λ1−λ2)/λ2
で与えられる規格化バンドギャップ波長差Δλと、
Δd=(d1−d2)/d2
で与えられる規格化層厚差Δdとの比Δd/Δλが、
0≦Δd/Δλ<5
の条件を満たすように構成されていることを特徴とする。
本発明の第2の集積型半導体光デバイスは、バンドギャップ波長が導波方向に連続的に変化する領域を介して接合された少なくとも2つの光導波層を有し、
前記2つの光導波層は、一方の光導波層の層厚をd1、バンドギャップ波長をλ1とし、他方の光導波層の層厚をd2、バンドギャップ波長をλ2とするとき、d2≧d1、かつ、λ1<λ2の条件を満たすように構成されていることを特徴とする。
本発明の第3の集積型半導体光デバイスは、バンドギャップ波長が導波方向に連続的に変化する領域を介して接合された少なくとも2つの光導波層を有し、
前記2つの光導波層は、一方の光導波層の層厚をd1、バンドギャップ波長をλ1とし、他方の光導波層の層厚をd2、バンドギャップ波長をλ2とするとき、50nm≦λ2−λ1≦80nm、かつ、0.8≦d1/d2≦1の条件を満たすように構成されていることを特徴とする。
上記の本発明の第1から第3の集積型半導体光デバイスにおいては、以下のような作用を奏する。
変調器集積型分布帰還型半導体レーザの場合、一般的にバンドギャップ波長変化に対する層厚の変化は小さいことが望ましい。すなわち、Δd/Δλの値は、小さい方が望ましい。一般的には、Δd/Δλの値が0に近いほどレーザ領域と光変調領域の光閉じ込めの差による光学的反射が小さくなることから有利である。これまでの研究の結果から、素子特性の最適化を考えた場合、Δd/Δλの値がおおむね5を下回ると、大幅な特性改善が見られることが解った。図16に、素子特性の改善が可能な範囲を示す。縦軸は規格化バンドギャップ波長差Δλ、横軸は規格化層厚差Δdである。図16中、一点鎖線で示したものは、図21に示した従来のInGaAsP系選択成長の例である。ΔλおよびΔdの値が斜線で示した領域A、Bに収まると、大幅な素子特性の改善を見込める。しかし、従来は、ΔλおよびΔdの値が領域A、Bの範囲から外れているため、素子特性の改善は見込めない。
本発明の第1の集積型半導体光デバイスは、ΔλおよびΔdの値が領域Aに収まるようになっているので、素子特性の改善を期待できる。また、本発明の第2の集積型半導体光デバイスは、ΔλおよびΔdの値が領域Bに収まるようになっているので、素子特性の改善を期待できる。
本発明の第3の集積型半導体光デバイスにおいては、「50nm≦λ2−λ1≦80nm」および「0.8≦d1/d2≦1」という条件を満たすことで、変調器の層厚とレーザ領域の層厚との差に起因するさまざまな特性劣化が改善される。この条件を満たすデバイス構造は、従来の選択成長技術では作製不可能とされていた。
本発明の第1の集積型半導体光デバイスの製造方法は、バンドギャップ波長が導波方向に連続的に変化する領域を介して接合された少なくとも2つの光導波層を有する集積型半導体光デバイスの製造方法において、前記2つの光導波層の一方が形成される第1の領域と他方が形成される第2の領域に跨って誘電体マスクを形成する第1の工程と、前記誘電体マスクを用いて選択成長により前記2つの光導波層を同時に形成する第2の工程とを含み、前記第1の工程は、前記第1の領域におけるパターン幅が前記第2の領域におけるパターン幅より狭い、該第1および第2の領域を規定する一対の第1の誘電体膜と、前記第1の領域において、前記第1の誘電体膜の両側に設けられ、隣接する誘電体膜との間隔が前記選択成長による結晶成長時の原料種の最短拡散長より短い複数の第2の誘電体膜とからなるパターンを、前記誘電体マスクとして形成する工程を含むことを特徴とする。
上記の本発明の第1の集積型半導体光デバイスの製造方法においては、以下のような作用を奏する。
これまで公知となっていたInGaAsP/InP系材料を用いた選択成長では、MQWバンドギャップ波長と層厚は1対1で対応しており、自由に設計することは不可能であった。本発明の第1の集積型半導体光デバイスの製造方法によれば、第1の領域におけるパターン幅が第2の領域におけるパターン幅より狭い、該第1および第2の領域を規定する一対の第1の誘電体膜と、前記第1の領域において、前記第1の誘電体膜の両側に設けられ、隣接する誘電体膜との間隔が前記選択成長による結晶成長時の原料種の最短拡散長より短い複数の第2の誘電体膜とからなる誘電体マスクを用いることで、従来は不可能とされていたバンドギャップ波長と層厚の個別の制御に、ある程度の自由度を持たせることを可能としている。よって、必要なバンドギャップ波長差を実現した場合でも、変調器領域において、変調器動作において必要な動作電圧(できるだけ低い方が望ましく、2V以下が必要)と消光比(できるだけ大きい方が望ましく、動的に15dB以上が必要)から求められる望ましいアンドープ層厚とするとともに、レーザ領域において最適なアンドープ層厚とすることができる。また、変調器集積分布帰還型半導体レーザにおいて、最適な逆バイアス電圧で適切な消光比を得られるように変調器部において適切なMQWバンドギャップ波長、アンドープ層厚及び適切な光閉じこめ率を得るための導波層構造を設定した場合に、DFBレーザ領域の層厚が厚くなり過ぎることはない。さらに、受動導波路集積型の半導体レーザにおいて、レーザ部で最適な層厚や光閉じ込め率、内部損失になるように設定した場合でも、受動導波路の層厚が薄くなり過ぎることもない。
本発明の第2の集積型半導体光デバイスの製造方法は、バンドギャップ波長が導波方向に連続的に変化する領域を介して接合された少なくとも2つの光導波層を有する集積型半導体光デバイスの製造方法において、前記2つの光導波層の形成領域を規定する誘電体マスクを形成する第1の工程と、前記誘電体マスクを用いて選択成長により前記2つの光導波層を同時に形成する第2の工程とを含み、前記選択成長による結晶成長時の原料種として、少なくともIn、Ga、Alを用いることを特徴とする。III族構成元素であるAlを添加した場合のMQWバンドギャップの変化に対する層厚の変化量は、Alを添加しない場合よりも小さくなる。よって、この製造方法においても、上記本発明の第1の集積型半導体光デバイスの製造方法と同様な作用を奏する。
上記の第1および第2の集積型半導体光デバイスの製造方法のいずれによっても、上述した本発明の第1から第3の集積型半導体光デバイスの作製が可能である。
以上説明したように、本発明の集積型半導体光デバイスによれば、従来の選択成長技術では作製が不可能とされていたデバイス構造、すなわち、最適なMQWバンドギャップ波長および層厚を有するデバイス構造を実現することができ、素子特性の改善を図ることができる。
本発明の集積型半導体光デバイスの製造方法によれば、例えば、変調器集積DFBレーザにおいて、適切な逆バイアス電圧によって適切な消光比を得るために必要な変調器領域の設計と内部損失低減などを得るために必要なDFBレーザ部領域の設計の両立が可能になっているので、従来のものと比べて、大幅な素子特性の改善を図ることができる。また、光活性領域及び光導波領域を有する導波路集積型半導体レーザにおいて、MQWバンドギャップ波長を離しつつ、層厚を大きく変えない設計が可能であるので、導波路の曲げ半径(曲率半径)を小さくしても十分な光閉じ込め効果を得られるとともに、素子サイズを小さくすることができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態である集積型半導体光デバイスの製造方法において用いられる誘電体マスクの一部を示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)の一点鎖線A−Aにおける断面図である。
図1を参照すると、誘電体マスクは、幅Wm1の一対の誘電体膜2a、2bと、この一対の誘電体膜2a、2bを挟むようにその両側に配置された、幅Wm2(>Wm1)の誘電体膜4a、4bとを有する。誘電体膜2a、2bはストライプ状のパターンであって、ほぼ平行に配置されている。誘電体膜4a、4bもストライプ状のパターンであって、誘電体膜2a、2bとほぼ平行になるように配置されている。
一対の誘電体膜2a、2bによって挟まれた選択成長部1が、光導波層が形成される領域である。誘電体膜2aと誘電体膜4aとで挟まれた選択成長部3aおよび誘電体膜2bと誘電体膜4bとで挟まれた選択成長部3bは、いずれも光導波路として用いられることのない、III族原料の濃度を制御するための領域である。選択成長部3a、3bの幅は、ともにWsである。この幅Wsは、選択成長による結晶成長時の原料種(III族原料)の最短拡散長より短い。
図1に示した誘電体マスクを用いて選択成長により半導体基板上に光導波層を形成する場合、選択成長部3a、3bの幅Wsを変化させることで、選択成長部1に形成される光導波層のIII族原料の濃度を制御することができ、これによりバンドギャップ波長および層厚を変化させることができる。この場合のバンドギャップ波長および層厚の変化は、従来の誘電体マスク(図1の構成における、一対の誘電体膜2a、2bのみで構成されたもの)を用いた場合のバンドギャップ波長および層厚の変化と異なる。
図2に、InGaAsP材料を用いた1.5μm帯のバルクを成長した場合のバンドギャップ波長と層厚の関係について、図1に示した誘電体マスクを用いた場合と図17に示した誘電体マスクを用いた場合のグラフを示す。選択成長により形成された光導波層の層厚(nm)を縦軸、バンドギャップ波長(nm)を横軸にとっている。図2中、丸印でプロットしたものが、図1に示した誘電体マスクを用い、選択成長部3a、3bの幅Wsを変化させた場合のバンドギャップ波長と層厚の関係を示したものである。また、三角印でプロットしたものが、図17に示した誘電体マスクを用い、幅Wmを変化させた場合のバンドギャップ波長と層厚の関係を示したものである。
図2のグラフから分かるように、図1に示した誘電体マスクを用いた場合は、図17に示した誘電体マスクを用いた場合に対して、層厚140nm付近でおおよそ50nmのPL(フォトルミネッセンス)波長差を持たせることができる。本実施形態の製造方法では、この効果に着目し、選択成長により同時形成される2つの領域のうちの一方に図1に示した誘電体マスクを適用し、他方に図17に示した誘電体マスクを適用することで、従来は不可能とされていたバンドギャップ波長と層厚の個別の制御に、ある程度の自由度を持たせることを可能としている。なお、この層厚及びPL波長の絶対値は、InとGaの比及びAsとPの比で変更することが可能である。InとGaの比が変化すると、上記効果の程度は変化するが、概して同様の効果を得ることができる。
本実施形態の製造方法によれば、例えば、選択成長により同時形成される2つの領域について、バンドギャップ波長差を持たせ、かつ、層厚をほぼ一定とする、といった、従来は不可能とされていた構造を実現することが可能である。よって、本実施形態の製造方法を変調器集積分布帰還型半導体レーザに適用すれば、最適な逆バイアス電圧で適切な消光比を得られるように変調器部において適切なMQWバンドギャップ波長、アンドープ層厚及び適切な光閉じこめ率を得るための導波層構造を設定した場合に、DFBレーザ領域の層厚を最適設計の範囲内に収めることができる。また、本実施形態の製造方法を受動導波路集積型の半導体レーザに適用すれば、レーザ部で最適な層厚や光閉じ込め率、内部損失になるように設計した場合に、受動導波路の層厚を最適設計の範囲内に収めることができる。
以下、本実施形態の製造方法の一例として、InGaAsP/InP系選択成長に適用し、1.55μm帯変調器集積型DFBレーザを作製した例について説明する。図3は、本実施例に用いる誘電体マスクを示す模式図、図4及び図5の(a)〜(h)は、製造手順を説明するための図である。
図3を参照すると、誘電体マスクは、光変調領域(MOD)およびレーザ領域(DFB−LD)の両領域に亘って形成された一対の誘電体膜12a、12bと、光変調領域(MOD)において、この一対の誘電体膜12a、12bを挟むようにその両側に配置された誘電体膜14a、14bとからなる。誘電体膜12a、12bは、平行に配置されたストライプ状のパターンであって、レーザ領域における幅WmDFBは光変調領域における幅WmMより広くなっている。誘電体膜12a、12bによって挟まれた選択成長部11が、光導波層として用いられる領域である。選択成長部11の幅は、光変調領域およびレーザ領域の両領域に亘って一定である。
誘電体膜14a、14bは、誘電体膜12a、12bと平行に配置されたストライプ状のパターンであって、その幅はともにWmM2とされている。誘電体膜12aと誘電体膜14aとで挟まれた選択成長部13aおよび誘電体膜12bと誘電体膜4bとで挟まれた選択成長部13bは、いずれも光導波路として用いられることのない、III族原料の濃度を制御するための領域である。選択成長部13a、13bの幅は、ともにWsである。
誘電体膜12a、12bの、光変調領域とレーザ領域の境界部(接合部)付近の部分は、幅WmDFBから幅WmMとなるように幅が連続的に減少するテーパ形状になっている。誘電体膜14a、14bの、光変調領域とレーザ領域の境界部(接合部)付近の部分は幅が連続的に減少している。
次に、図4及び図5の(a)〜(h)を参照して製造手順を具体的に説明する。
まず、半導体基板99のレーザ領域(DFB−LD)に、ウェットエッチングにより回折格子88を形成する(図4(a)参照)。DFBレーザの発振波長を1.55μmとするため、ここでは、回折格子88の周期(グレーティング周期)は240nmとしている。
続いて、回折格子88が形成された半導体基板99上に、図3に示した誘電体マスクを形成する(図4(b)参照)。この誘電体マスクは、SiO2膜をCVD法によって堆積し、パターニングすることにより作製する。選択成長部11の幅は1.7μmである。変調器領域のPL波長を1.49μmとし、この波長になるように、誘電体膜12a、12bの幅Ws及びWmM、誘電体膜14a、14bの幅WmM2の値を設定する。具体的には、幅Wsは10μm、幅WmMは4μm、幅WmM2は10μmである。誘電体膜12a、12bの幅WmDFBは10μmである。
続いて、誘電体マスクを形成した半導体基板99に対して、成長圧力98.6kPa、成長温度625℃で、8層のMQW層(井戸は1.5μm組成圧縮歪InGaAsP、障壁は1.2μm組成InGaAsP)を選択成長する。この選択成長後の結晶層構造(光導波路部の構造)は、図4(c)に示すように、光ガイド層81、レーザ活性層83および光変調層84、クラッド層85が基板側から順次積層されたものとなる。
上記のようにして選択成長した後、SiO2膜を堆積し、選択成長部11上にのみSiO2膜100が残るように残りの領域のSiO2膜をエッチングで除去する(図4(d)参照)。
その後、光導波路部の両側に層厚1.5μmのFe-InP埋め込み電流ブロック層90を成長する(図4(e)参照)。図4(e)には、光導波路部分を導波方向に垂直な方向に切断した場合の断面構造が示されている。電流ブロック層90の形成後、SiO2膜100をエッチングで除去し、厚さ2μmのp−InPクラッド層92、厚さ0.3μmのp+−InGaAsコンタクト層91を成長圧力10kPaで成長する(図5の(f)および(g)参照)。図5(f)は、光導波路部を導波方向に沿って切断した断面図、図5(g)は、光導波路部を導波方向に垂直な方向に切断した断面図である。
コンタクト層91の形成後、レーザ領域と変調器領域を電気的に分離するため、コンタクト層91を一部除去し、そこにプロトン注入を行い、全面にSiO2膜を成膜し、電流注入用窓を形成する。さらに、Cr/Au上部p電極102およびAuGeNi下部n電極103をスパッタ法で成膜する(図5(h)参照)。最後に、レーザ領域長が450μm、変調器領域長が200μmとなるようにへき開し、光出射側端面となるへき開面に低反射コーティングを施す。
以上の手順で1.55μm帯変調器集積型DFBレーザを作製する。図6は、作製した変調器集積型DFBレーザの外観図である。光導波層110が、変調器領域およびレーザ領域(DFB−LD)の両領域に亘って形成されており、レーザ領域における層厚は、変調器領域における層厚より少し厚くなっている。光導波層110は、変調器領域においては、最適な逆バイアス電圧で適切な消光比を得られるように、適切なMQWバンドギャップ波長及びアンドープ層厚と適切な光閉じこめ率を得るための導波層構造とされており、レーザ領域における層厚は最適設計の範囲内とされている。
上述した製造方法における特徴は、図3に示した誘電体マスクを用いた選択成長による光導波層の形成にある。この選択成長によれば、変調器領域とレーザ領域のバンドギャップ波長差を最適化するとともに、変調器領域における層厚の変化を低く抑えることができる。
図3に示した誘電体マスクと図20に示した従来の誘電体マスクについて、ウェハに対して成長圧力98.6kPa、成長温度625℃で、8層のMQW層(井戸は1.5μm組成圧縮歪InGaAsP、障壁は1.2μm組成InGaAsP)で選択成長した場合のPL波長と層厚を調べた。図3に示した誘電体マスクを用いた場合は、変調器領域のPL波長を約75nm変化させた場合で、レーザ領域の層厚の変化を約16%に抑えることができた。図20に示した従来の誘電体マスクを用いた場合は、層厚の変化は約24%であった。これらの結果を規格化波長差Δλと規格化層厚差Δdの比Δd/Δλで表すと、それぞれおおよそ3.6、5.2となる。
変調器集積型DFBレーザを考えた場合、一般的にバンドギャップ波長変化に対して、層厚の変化は小さいことが望ましい。すなわち、Δd/Δλの値は、小さい方が望ましく、一般的には0に近いほどレーザ領域と光変調器領域の光閉じ込めの差による光学的反射が小さくなることから有利である。素子特性の最適化を考えた場合、Δd/Δλの値がおおむね5を下回ると、大幅な特性改善が見られることがこれまでの実験結果から得られている。
図7に、図3に示した誘電体マスクを用いた場合のΔd/Δλの値と図20に示した従来の誘電体マスクを用いた場合のΔd/Δλの値を示す。縦軸は規格化層厚差Δdで、横軸は規格化波長差Δλである。図7中、破線(大)が図3に示した誘電体マスクを用いた場合の例、一点鎖線が従来の誘電体マスクを用いた場合の例である。図3に示した誘電体マスクを用いた場合は、Δd/Δλの値が「5」を下回るため、特性改善を図ることが可能である。一方、従来の誘電体マスクを用いた場合は、Δd/Δλの値が「5」を大きく超えるため、本発明のような特性改善を見込むことはできない。
本実施形態の製造方法により作製した変調器集積型半導体レーザにおいては、閾値5mAで発振し、変調器に1.5Vの逆バイアスをかけることで、光出力を−21dB変化させることができ、最大光出力30mWという良好な特性を示した。従来の変調器集積型半導体レーザと比較して、閾値を−2mA分低減でき、最大光出力で10mW程度の改善を達成することができ、素子特性が大幅に向上した。
(実施形態2)
Δd/Δλの値が「5」を下回るようにする方法として、図3に示した誘電体マスクを用いる方法以外に、III族構成元素として、In、Ga以外にAlを用いる方法がある。図8に、InGaAlAs活性層およびInGaAsP活性層のそれぞれについて、導波層のMQWバンドギャップ波長と規格化層厚のマスク幅依存性を示す。縦軸は規格化層厚、横軸はPL波長(nm)である。図8中、菱形の印でプロットしたものがInGaAlAs活性層のもの、丸印でプロットしたものがInGaAsP活性層のものである。図8の例から、Alを添加することによって、MQWバンドギャップの変化に対して、層厚の変化量が十分小さな値にとどまっていることがわかる。これは、InGaAsP活性層を用いる場合と比較して、Alを添加したInGaAlAs活性層を用いた場合は、Δd/Δλの値が小さくなることを意味している。ここでは、III族構成元素として、In、Ga以外にAlを用いる製造方法について説明する。
図9の(a)〜(h)は、本発明の第2の実施形態である集積型半導体光デバイスの製造方法を説明するための図である。この実施形態は、InGaAlAs/InP系選択成長に適用し、1.3μm帯変調器集積型DFBレーザを作製した例である。
まず、半導体基板99のレーザ領域(DFB−LD)に、ウェットエッチングにより回折格子88を形成する(図9(a)参照)。DFBレーザの発振波長を1.3μmとするため、ここでは、回折格子88の周期(グレーティング周期)は200nmとしている。さらに、回折格子88の段差を1.13μm組成のInGaAsP成長で埋め、グレーティング層を完成する(図9(b)参照)。InGaAsP成長で埋めた層が、光ガイド層81となる。
続いて、回折格子88が形成された半導体基板99上に、図20に示した誘電体マスクを形成する(図9(c)参照)。この誘電体マスクは、SiO2膜をCVD法によって堆積し、パターニングすることにより作製する。選択成長部の幅は1.5μmである。変調器領域およびレーザ領域のPL波長の目標値は、それぞれ1.25μm、1.32μmである。InGaAlAs材料では、減圧MOVPE法を用いる場合であっても、Al添加の効果で、マスク幅を大きく変化させなくてもバンドギャップ波長を変化させることができる。このことを考慮し、目標の波長を得られるように、変調器領域における誘電体膜の幅WmMを6μm、レーザ領域における誘電体膜の幅WmDFBを13μmとした。
続いて、誘電体マスクを形成した半導体基板99に対して、成長圧力10.0kPaで8層のMQW層(井戸は圧縮歪InAlGaAs、障壁はInGaAlAs)を選択成長により形成する。この選択成長後の結晶層構造(光導波路部の構造)は、図9(d)に示すように、光ガイド層81、レーザ活性層83および光変調層84、クラッド層85が基板側から順次積層されたものとなる。
上記のようにして選択成長した後、SiO2膜を堆積し、選択成長部11上にのみSiO2膜100が残るように残りの領域のSiO2膜をエッチングで除去する(図9(e)参照)。
その後、光導波路部の両側に層厚1.5μmのFe-InP埋め込み電流ブロック層90を成長する(図9(f)参照)。図9(f)には、光導波路部分を導波方向に垂直な方向に切断した場合の断面構造が示されている。電流ブロック層90の形成後、SiO2膜100をエッチングで除去し、厚さ2μmのp−InPクラッド層92、厚さ0.3μmのp+−InGaAsコンタクト層91を成長圧力10kPaで成長する(図9の(g)および(h)参照)。図9(g)は、光導波路部を導波方向に沿って切断した断面図、図9(h)は、光導波路部を導波方向に垂直な方向に切断した断面図である。
コンタクト層91の形成後、レーザ領域と変調器領域を電気的に分離するため、コンタクト層91を一部除去し、そこにプロトン注入を行い、全面にSiO2膜を成膜し、電流注入用窓を形成する。さらに、Cr/Au上部p電極およびAuGeNi下部n電極をスパッタ法で成膜する。最後に、レーザ領域長が300μm、変調器領域長が150μmとなるようにへき開し、光出射側端面となるへき開面に低反射コーティングを施すことで、1.3μm帯変調器集積型DFBレーザが完成する。
上述した製造方法によれば、変調器領域のPL波長を約70nm変化させた場合の層厚の変化を約19%程度に抑えることができる。これを規格化波長差Δλと規格化層厚差Δdの比Δd/Δλで表すと、おおよそ3.6である。このように、Alを含む導波層材料を用いることで、従来の誘電体マスクを用いた場合であっても、従来に比べて層厚の変化量をさらに小さくすることができる。よって、変調器領域とレーザ領域のバンドギャップ波長差を最適化するとともに、変調器領域における層厚の変化を低く抑えることができる。
図10に、本実施形態によるInGaAlAs系選択成長におけるΔd/Δλの値と従来のInGaAsP系選択成長におけるのΔd/Δλの値を示す。縦軸は規格化層厚差Δdで、横軸は規格化波長差Δλである。図10中、実線がInGaAlAs系選択成長の例、一点鎖線が従来のInGaAsP系選択成長の例(図7と同じ)である。InGaAlAs系選択成長の場合は、Δd/Δλの値が「5」を下回るため、特性改善を図ることが可能である。一方、従来のInGaAsP系選択成長の場合は、Δd/Δλの値が「5」を大きく超えるため、本発明のような特性改善を見込むことはできない。
本実施形態の製造方法により作製した変調器集積型半導体レーザにおいては、閾値4mAで発振し、変調器に2Vの逆バイアスをかけることで、光出力を−18dB変化させることができ、良好な特性を示した。
(実施形態3)
図11は、本発明の第3の実施形態である集積型半導体光デバイスの製造方法において用いられる誘電体マスクを示す図である。この誘電体マスクは、受動導波路集積DFBレーザに適用されるものであり、受動導波路領域およびレーザ領域(DFB−LD)の両領域に亘って形成された一対の誘電体膜12a、12bと、受動導波路領域において、この一対の誘電体膜12a、12bを挟むようにその両側に配置された誘電体膜14a、14bとからなる。レーザ領域における誘電体膜12a、12bのパターンは、基本的には図3に示したもの同じものである。受動導波路領域においては、誘電体膜12a、12bの間の選択領域11が湾曲しており、この湾曲に合せて誘電体膜12a、12b、14a、14bのパターンも湾曲している。湾曲したパターンとしている以外は、基本的には図3に示したものと同様である。
本実施形態の製造方法では、上記のように構成された誘電体マスクを用いた選択成長により受動導波路領域およびレーザ領域の両領域に同時に光導波層を形成する。以下、本実施形態の製造方法の一例として、InGaAsP/InP系選択成長により作製される1.55μm帯受動導波路集積DFBレーザの製造手順を説明する。
まず、半導体基板のレーザ領域(DFB−LD)に、ウェットエッチングにより回折格子を形成する。DFBレーザの発振波長を1.56μmとするため、ここでは、回折格子の周期(グレーティング周期)は231.5nmとしている。さらに、この回折格子の段差を1.13μm組成のInGaAsP成長で埋め、グレーティング層を完成する。
続いて、回折格子が形成された半導体基板上に、図11に示した誘電体マスクを形成する。この誘電体マスクは、SiO2膜をCVD法によって堆積し、パターニングすることにより作製する。選択成長部11の幅は3.0μmである。受動導波路領域のバンドギャップ波長を1.40μm、レーザ領域のバンドギャップ波長を1.57μmと設定し、この設定波長になるように、誘電体膜12a、12bの幅Ws、WmM、幅WmDFBと誘電体膜14a、14bの幅WmM2の値を設定する。具体的には、幅Wsは15μm、幅WmMは4μm、幅WmDFBは21μm、幅WmM2は10μmである。
続いて、誘電体マスクを形成した半導体基板に対して、成長圧力98.6kPa、成長温度625℃で、8層のMQW層(井戸は1.5μm組成圧縮歪InGaAsP、障壁は1.2μm組成InGaAsP)を選択成長する。この選択成長により、受動導波路領域およびレーザ領域の両領域に同時に光導波路部(受動導波路およびレーザ活性層部)が形成される。
上記のようにして選択成長した後、SiO2膜を堆積し、選択成長部11上にのみSiO2膜が残るように残りの領域のSiO2膜をエッチングで除去する。
その後、光導波路部の両側に層厚1.5μmのFe−InP埋め込み電流ブロック層を成長する。電流ブロック層形成後、SiO2膜をエッチングで除去し、厚さ2μmのp−InPクラッド層、厚さ0.3μmのp+−InGaAsコンタクト層を成長圧力10kPaで成長する。
コンタクト層の形成後、レーザ領域と受動導波路領域を電気的に分離するため、コンタクト層を一部除去し、全面にSiO2膜を成膜し、電流注入用窓を形成する。さらに、Cr/Au上部p電極およびAuGeNi下部n電極をスパッタ法で成膜する。最後に、レーザ領域長が900μmとなるようにへき開し、光出射側端面となるへき開面に低反射コーティングを施す。
以上の手順で1.55μm帯受動導波路集積DFBレーザを作製する。図12は、作製した受動導波路集積DFBレーザの外観図である。光導波層120が、受動導波路領域およびレーザ領域(DFB−LD)の両領域に亘って連続的に形成されており、レーザ領域における層厚は、受動導波路領域における層厚より少し厚くなっている。光導波層120の受動導波路領域の部分は湾曲している。
上述した製造方法における特徴は、図11に示した誘電体マスクを用いた選択成長による光導波層の形成にある。この選択成長によれば、レーザ部で最適なバンドギャップ波長および層厚や光閉じ込め率および内部損失を得られるように設計した場合でも、受動導波路領域における層厚の変化を低く抑えることができる。具体的には、図11に示した誘電体マスクを形成したウェハに対して、成長圧力98.6kPa、成長温度625℃で、3層のMQW層(井戸は1.5μm組成圧縮歪InGaAsP、障壁は1.2μm組成InGaAsP)を選択成長した場合、受動導波路領域のPL波長を約175nm変化させた場合の層厚の変化を約54%に抑えることができた。これを、規格化波長差Δλと規格化層厚差Δdの比Δd/Δλで表すと、おおよそ4.1であった。このように、図11に示した誘電体マスクを用いる本実施形態の製造方法においては、Δd/Δλの値が「5」を下回るため、素子特性の改善を図ることが可能であるとともに、受動導波路領域においても十分な光閉じ込め効果を得られる。また、受動導波路領域において、導波路を曲げる場合にも、曲率半径をより小さくすることができ、その結果、素子サイズも小さくなる。本実施形態の製造方法により作製した受動導波路集積型半導体レーザは、閾値30mAで発振し、最高出力250mWを得ることができた。また、導波路の曲率半径を800μmとしても、光損失を1dB以下にすることができた。
(実施形態4)
上述した第1および第2の実施形態を組み合わせることも可能である。具体的には、第2の実施形態の製造手順において、誘電体マスクとして図3に示した誘電体マスクを用いる。こうすることで、さらなる素子特性の改善を図ることができる。
図13に、InP基板上に形成したInGaAlAs導波層のMQWバンドギャップと規格化層厚のマスク幅依存性を示す。縦軸は層厚(nm)で、横軸はPL波長(nm)である。図13中、菱形印でプロットしたものが、図17に示した誘電体マスクを用いた場合のマスク幅依存性、三角の印でプロットしたものが、図1に示した誘電体マスクを用いた場合のマスク幅依存性である。これから分かるように、連続的に接合される2つの領域の一方に図1に示した誘電体マスクを、他方に図17に示した誘電体マスクを用いるとともに、Alを添加した導波層材料を用いることで、両領域の間でMQWバンドギャップ波長を34nm程度変化させても、層厚が変化しない、という製造条件を実現することが可能となる。よって、第2の実施形態のものよりも、バンドギャップ波長と層厚の個別制御の自由度がより高くなる。
以下、InGaAlAs/InP系選択成長により作製される1.3μm帯変調器集積型DFBレーザを例に、本実施形態の製造方法を具体的に説明する。製造手順については、図3に示した誘電体マスクを使用する以外は、第2の実施形態で説明した手順と同じであるので、ここでは、誘電体マスクのパターン幅の設定値と、それにより得られるΔd/Δλの値について簡単に説明する。
変調器領域のPL波長を1.49μmとして、この波長となるように誘電体膜12a、12bの幅Ws、WmM、幅WmDFBと誘電体膜14a、14bの幅WmM2の値を設定する。具体的には、幅Wsは30μm、幅WmMは4μm、幅WmDFBは13μm、幅WmM2は20μmである。また、選択成長部11の幅は1.5μmである。この誘電体マスクについて、ウェハに対して成長圧力10.0kPaで8層のMQW層(井戸は圧縮歪InAlGaAs、障壁はInGaAlAs)を選択成長により形成する。この場合、変調器領域のPL波長を約70nm変化させた場合の層厚の変化を約12%程度に抑えることができた。これを規格化波長差Δλと規格化層厚差Δdの比Δd/Δλで表すと、おおよそ2.2である。このように、Alを含む導波層材料を用い、かつ、図3に示した誘電体マスクを用いることで、層厚の変化量をさらに小さくすることができる。よって、変調器領域とレーザ領域のバンドギャップ波長差を最適化するとともに、変調器領域における層厚の変化を低く抑えることができる。本実施形態の製造方法により作製した変調器集積型半導体レーザは、閾値4mAで発振し、変調器に逆バイアスをかけることで、光出力を−20dB変化させることができ、良好な特性を示した。また、最大光出力も5mW程度高くなった。
(実施形態5)
第1乃至第4の実施形態の説明では、ウェハ上に1つのレーザ素子を形成するようになっているが、同一ウェハ上に複数のレーザ素子を形成することも可能である。
以下、InGaAlAs/InP系選択成長により作製される1.3μm帯受動導波路集積DFBレーザを例に、第4の実施形態の製造方法で、同一ウェハ上に複数のレーザ素子を形成する場合の手順を簡単に説明する。
まず、半導体基板上の各レーザ領域(DFB−LD)に、ウェットエッチングにより回折格子を形成する。ここでは、第1乃至第3のレーザ素子を作るものとする。第1、第2、第3のレーザ素子の発振波長は、それぞれ1.28μm、1.3μm、1.32μmとする。これに対応し、グレーティング周期を、197nm、200nm、203nmと設定し、各レーザ領域にウェットエッチングで回折格子を形成する。その後、回折格子の段差を1.13μm組成のInGaAsP成長で生めてグレーティング層を完成する。
続いて、グレーティング層上の、各レーザ素子の変調器領域に図3に示した誘電体マスクを形成する。この誘電体マスクは、SiO2膜をCVD法によって堆積し、パターニングすることにより作製する。第1、第2、第3のレーザ素子の変調器領域のPL波長(目標値)は、それぞれ1.23μm、1.25μm、1.27μmとする。また、第1、第2、第3のレーザ素子のレーザ領域のPL波長(目標値)は、それぞれ1.30μm、1.32μm、1.34μmとする。この設定波長になるように、誘電体膜12a、12bの幅Ws、WmM、幅WmDFBと誘電体膜14a、14bの幅WmM2の値を設定する。具体的には、第1のレーザ素子においては、幅Wsは30μm、幅WmMは4μm、幅WmM2は20μm、幅WmDFBは12.8μmとし、第2のレーザ素子においては、幅Wsは20μm、幅WmMは4μm、幅WmM2は20μm、幅WmDFBは15μmとし、第3のレーザ素子においては、幅Wsは14μm、幅WmMは4μm、幅WmM2は20μm、幅WmDFBは17.5μmとする。
続いて、誘電体マスクを形成した半導体基板に対して、成長圧力98.6kPaで、8層のMQW層(井戸は圧縮歪InAlGaAs、障壁はInGaAlAs)を選択成長する。この選択成長により、第1乃至第3のレーザ素子のそれぞれにおいて、変調器領域およびレーザ領域の両領域に同時に光導波路部(変調層およびレーザ活性層部)が形成される。
上記のようにして選択成長した後、SiO2膜を堆積し、選択成長部11上にのみSiO2膜が残るように残りの領域のSiO2膜をエッチングで除去する。
その後、光導波路部の両側に層厚1.5μmのFe−InP埋め込み電流ブロック層を成長する。電流ブロック層形成後、SiO2膜をエッチングで除去し、厚さ2μmのp−InPクラッド層、厚さ0.3μmのp+−InGaAsコンタクト層を成長圧力10kPaで成長する。
コンタクト層の形成後、レーザ領域と受動導波路領域を電気的に分離するため、コンタクト層を一部除去し、全面にSiO2膜を成膜し、電流注入用窓を形成する。さらに、Cr/Au上部p電極およびAuGeNi下部n電極をスパッタ法で成膜する。最後に、第1乃至第3のレーザ素子のそれぞれについて、レーザ領域長が300μm、変調器領域長が150μmとなるようにへき開し、光出射側端面となるへき開面に低反射コーティングを施す。
上述した製造方法によれば、第1乃至第3のレーザ素子のそれぞれにおいて、変調器領域のPL波長を約70nm変化させた場合の層厚の変化を約10〜13%程度に抑えることができる。これを規格化波長差Δλと規格化層厚差Δdの比Δd/Δλで表すと、おおよそ1.8〜2.3である。よって、本実施形態においても、素子特性の改善を図ることができる。
以上説明した各実施形態の製造方法を用いることで、従来の選択成長技術では作製が不可能とされていた、Δd/Δλの値が「5」を下回るようなデバイス、具体的には、ΔdおよびΔλの値が図14に示す特性図の斜線で示した領域A、B内に収まるようなデバイスを実現することができ、これにより素子特性の改善を図ることができる。
ここで、ΔdおよびΔλの値が領域A、B内に収まる条件について簡単に説明する。選択成長により形成される少なくとも2つの光導波層、すなわち、バンドギャップ波長が導波方向に連続的に変化する領域を介して接合された少なくとも2つの光導波層において、一方の光導波層の層厚をd1、バンドギャップ波長をλ1とし、他方の光導波層の層厚をd2(ただし、d2≧d1)、バンドギャップ波長をλ2とするとき、規格化バンドギャップ波長差Δλと規格化層厚差Δdの比Δd/Δλが、「0≦Δλ/Δd<5」の条件を満たす場合、ΔdおよびΔλの値が領域A内に収まる。また、「d2≧d1、λ1<λ2」の条件を満たす場合、ΔdおよびΔλの値が領域B内に収まる。よって、これらの条件のいずれかを満たせば、素子特性の改善を図ることができる。
また、各実施形態の製造方法を用いることで、「50nm≦λ2−λ1≦80nm」、「0.8≦d1/d2≦1」という条件を満たす、従来は作製不可能とされていたデバイス構造を実現することができる。変調器集積型分布帰還型半導体レーザを考えた場合、「λ2−λ1」が「50nm」より小さくなる場合は、変調器を無バイアスにしたときのロスが大きく、光出力が減少することになる。反対に、「λ2−λ1」が「80nm」を超えると、十分な消光を得ることができない。実験的には、「0.8≦d1/d2≦1」の条件を満たすことで、変調器の層厚とレーザ領域の層厚との差に起因するさまざまな特性劣化が見え難くなる。よって、素子特性の改善を図ることができる。
さらに、実施形態1もしくは4の製造方法を用いることで、λ2−λ1<50nmであってもd2≧d1を満たす、従来は作製不可能とされていた変調器集積型分布帰還型半導体レーザを実現できる。このときレーザを高出力化し変調器を無バイアス化した際のロスを無視できる場合、レーザ部の井戸層厚が薄く大きな歪を導入した井戸層が実現できることから、微分利得が大きく線幅増大係数の小さいレーザ部を実現できる。これにより反射戻り光耐性の大きい変調器集積型分布帰還型半導体レーザを実現することもできる。
以上、各実施形態で説明した製造手順および誘電体マスクの構成は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、誘電体マスクとして、光導波層の成長領域を規定する一対の誘電体膜の外側に設けられる誘電体膜の数が複数であってもよい。
図15は、一対の誘電体膜の外側に複数の誘電体膜を有する誘電体マスクを示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)の一点鎖線A−Aの断面図である。幅Wm1の一対の誘電体膜2a、2bと、この一対の誘電体膜2a、2bを挟むようにその両側に配置された、幅Wm2の複数の誘電体膜4a、4bとを有する。これら誘電体膜2a、2b、4a、4bはストライプ状のパターンであって、ほぼ平行に配置されている。誘電体膜2a、2bの間の選択成長部1が、光導波層が形成される領域である。各誘電体膜4a間の選択成長部3aおよび各誘電体膜4b間の選択成長部3bは、いずれも光導波路として用いられることのない、III族原料の濃度を制御するための領域である。選択成長部3a、3bの幅は、選択成長による結晶成長時の原料種(III族原料)の最短拡散長より短い。このような選択成長部3a、3bを複数用意することによって、バンドギャップ波長および層厚の個別制御の自由度をより高くすることが可能となる。
また、本発明の製造方法では、MOVPE成長時に異なる拡散長を持つIII族原料の組み合わせで効果が認められると考えられるので、選択成長により形成される光導波層はIn、Ga、AlのIII族原料以外の材料を含むものとしてもよい。望ましくは、光導波層は、導波層材料がIII−V族半導体であり、III族原子として少なくともIn、Ga、Alの3つを含み、かつ、III族原子に占める平均のAl原子組成が10%以上、50%以下である。Al原子組成が10%以上であれば、バンドギャップ波長および層厚の個別制御の自由度が従来に比べて高くなる、という効果がより顕著なものとなり、デバイスに適用する上で十分な効果(特性改善)を期待できる。Al原子組成が50%を超えた場合は、InPに対して必ず伸長歪となり、デバイスへの適用が困難となる。Al原子組成が大きいほど、より大きな効果を得られることから、この観点からすれば、Al原子組成の上限は特に限定されるものではない。
さらに、図1、3及び15に示した誘電体マスクを用いる製造方法においては、In,GaのIII族原料以外を含むものであっても有効である。例えば、本発明の製造方法は、InGaAsN/GaAs系、InGaAlAsP/InP系においても有効である。また、本発明の製造方法は、変調器集積型DFBレーザをはじめとして、選択成長で作製する大部分の集積型半導体光デバイスの特性を改善することができる。
また、本発明では、選択成長部の幅が0.5μm〜50μm程度の範囲において、上述した作用効果が顕著となる。特に、選択成長部の幅が0.5μm〜4.0μmの範囲においては、半導体エッチングをすることなく導波路形成ができる。これにより、集積型光デバイスの作製がさらに容易になる。また、この場合は、導波路作製工程において、エッチング中や、その後のプロセスで、活性層材料が大気中に暴露されることがないため、酸化等により特性変化し易い元素(例えばAl系材料)で活性層を形成する場合に極めて有望である。
本発明の第1の実施形態である集積型半導体光デバイスの製造方法において用いられる誘電体マスクの一部を示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)の一点鎖線A−Aにおける断面図である。 本発明の第1の実施形態である集積型半導体光デバイスの製造方法において用いられる誘電体マスクを用いた場合のバンドギャップ波長と層厚の関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態である集積型半導体光デバイスの製造方法において用いられる誘電体マスクの一例を示す図である。 (a)〜(e)は、本発明の第1の実施形態である集積型半導体光デバイスの製造方法を説明するための図である。 (f)〜(h)は、本発明の第1の実施形態である集積型半導体光デバイスの製造方法を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態である集積型半導体光デバイスの製造方法により作製された変調器集積型DFBレーザの光導波層の斜視図である。 本発明の第1の実施形態である集積型半導体光デバイスの製造方法を適用した場合の規格化層厚差Δdと規格化波長差Δλの関係を示す特性図である。 InGaAlAs活性層とInGaAsP活性層におけるMQWバンドギャップ波長と規格化層厚のマスク幅依存性を示す特性図である。 (a)〜(h)は、本発明の第2の実施形態である集積型半導体光デバイスの製造方法を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態である集積型半導体光デバイスの製造方法を適用した場合の規格化層厚差Δdと規格化波長差Δλの関係を示す特性図である。 本発明の第3の実施形態である集積型半導体光デバイスの製造方法において用いられる誘電体マスクを示す図である。 本発明の第2の実施形態である集積型半導体光デバイスの製造方法により作製された変調器集積型DFBレーザの光導波層の斜視図である。 InGaAlAs導波層のMQWバンドギャップと規格化層厚のマスク幅依存性を示す特性図である。 素子特性の改善が可能なΔdおよびΔλの値の範囲を示す特性図である。 本発明の集積型半導体光デバイスの製造方法に適用可能な他の誘電体マスクを示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)の一点鎖線A−Aの断面図である。 素子特性の改善が可能なΔdおよびΔλの値の範囲と従来の選択成長技術で得られるΔd/Δλの値を示す特性図である。 従来の選択成長技術で用いられるストライプ状誘電体膜(誘電体マスク)の一例を示す図であって、(a)は上面図、(b)は断面図である。 従来のBJ成長を利用して作製された変調器集積DFBレーザの光導波層の断面図である。 従来の選択成長を利用して作製された変調器集積DFBレーザの光導波層の断面図である。 従来の選択成長で使用される誘電体マスクを示す図である。 従来の選択成長技術を適用した場合の規格化層厚差Δdと規格化波長差Δλの関係を示す特性図である。
符号の説明
1、3a、3b、11、13a、13b、 選択成長部
2、2a、2b、4a、4b、12a、12b、14a、14b 誘電体膜
81 光ガイド層
82 エッチングストッパ層
83 レーザ活性層
84 光変調層
85 クラッド層
87 電極
88 回折格子
90 電流ブロック層
91 InGaAsコンタクト層
92 p−InPクラッド層
99 半導体基板
100 SiO2
102 p電極
103 n電極
110、120 光導波層

Claims (11)

  1. バンドギャップ波長が導波方向に連続的に変化する領域を介して接合された少なくとも2つの光導波層を有し、
    前記2つの光導波層は、一方の光導波層の層厚をd1、バンドギャップ波長をλ1とし、他方の光導波層の層厚をd2(ただし、d2≧d1)、バンドギャップ波長をλ2とするとき、
    Δλ=(λ1−λ2)/λ2
    で与えられる規格化バンドギャップ波長差Δλと、
    Δd=(d1−d2)/d2
    で与えられる規格化層厚差Δdとの比Δd/Δλが、
    0≦Δd/Δλ<5
    の条件を満たすように構成されていることを特徴とする集積型半導体光デバイス。
  2. バンドギャップ波長が導波方向に連続的に変化する領域を介して接合された少なくとも2つの光導波層を有し、
    前記2つの光導波層は、一方の光導波層の層厚をd1、バンドギャップ波長をλ1とし、他方の光導波層の層厚をd2、バンドギャップ波長をλ2とするとき、d2≧d1、かつ、λ1<λ2の条件を満たすように構成されていることを特徴とする集積型半導体光デバイス。
  3. バンドギャップ波長が導波方向に連続的に変化する領域を介して接合された少なくとも2つの光導波層を有し、
    前記2つの光導波層は、一方の光導波層の層厚をd1、バンドギャップ波長をλ1とし、他方の光導波層の層厚をd2、バンドギャップ波長をλ2とするとき、50nm≦λ2−λ1≦80nm、かつ、0.8≦d1/d2≦1の条件を満たすように構成されていることを特徴とする集積型半導体光デバイス。
  4. 前記他方の光導波層により分布帰還型半導体レーザが構成され、前記一方の光導波層により、前記分布帰還型半導体レーザから発振したレーザ光を光変調する光変調器が構成される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の集積型半導体光デバイス。
  5. 前記一方の光導波層が光導波領域、前記他方の光導波層が光活性領域である、請求項1に記載の集積型半導体光デバイス。
  6. 前記2つの光導波層は、導波層材料がIII−V族半導体であり、III族原子として少なくともIn、Ga、Alの3つを含み、かつ、III族原子に占める平均のAl原子組成が10%以上、50%以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の集積型半導体光デバイス。
  7. バンドギャップ波長が導波方向に連続的に変化する領域を介して接合された少なくとも2つの光導波層を有する集積型半導体光デバイスの製造方法において、
    前記2つの光導波層の一方が形成される第1の領域と他方が形成される第2の領域に跨って誘電体マスクを形成する第1の工程と、
    前記誘電体マスクを用いて選択成長により前記2つの光導波層を同時に形成する第2の工程とを含み、
    前記第1の工程は、前記第1の領域におけるパターン幅が前記第2の領域におけるパターン幅より狭い、該第1および第2の領域を規定する一対の第1の誘電体膜と、前記第1の領域において、前記第1の誘電体膜の両側に設けられ、隣接する誘電体膜との間隔が前記選択成長による結晶成長時の原料種の最短拡散長より短い複数の第2の誘電体膜とからなるパターンを、前記誘電体マスクとして形成する工程を含むことを特徴とする集積型半導体光デバイスの製造方法。
  8. 前記一対の第1の誘電体膜の間隔が0.5μm以上、50.0μm以下である、請求項7に記載の集積型半導体光デバイスの製造方法。
  9. 前記原料種が、III−V族半導体であり、III族原子として少なくともIn、Ga、Alを含み、かつ、III族原子に占める平均のAl原子組成が10%以上、50%以下である、請求項7または8に記載の集積型半導体光デバイスの製造方法。
  10. バンドギャップ波長が導波方向に連続的に変化する領域を介して接合された少なくとも2つの光導波層を有する集積型半導体光デバイスの製造方法において、
    前記2つの光導波層の形成領域を規定する誘電体マスクを形成する第1の工程と、
    前記誘電体マスクを用いて選択成長により前記2つの光導波層を同時に形成する第2の工程とを含み、
    前記選択成長による結晶成長時の原料種として、少なくともIn、Ga、Alを含むことを特徴とする、集積型半導体光デバイスの製造方法。
  11. 前記原料種がIII−V族半導体であり、III族原子に占める平均のAl原子組成が10%以上、50%以下である、請求項10に記載の集積型半導体光デバイスの製造方法。

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