JP3777027B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体レーザ装置、特にAlGaInP系半導体を用いた赤色半導体レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクやDVD(Digital Versatile Disk:デジタル・ヴァーサタイル・ディスク)といった情報処理分野での高密度化が進み、それに伴い光による書き込み・読みとりに用いられる情報処理用半導体レーザのより一層の短波長化が要求されている。半導体レーザの波長・構成材料もこれまでの780mm帯AlGaAs系半導体レーザから685nm帯AlGaInP系半導体レーザへ開発・量産が移行し始めている。今後、さらにAlGaInP系半導体レーザも685nm帯から650nmあるいは635nm帯へ短波長化が要求されている。
【0003】
AlGaInP系半導体レーザを作製する場合の一般的手法として、有機金属気相成長法(Metalorganic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)がある、この手法は、例えばAlGaInP系半導体材料では、III族元素であるアルミニウム(Al),ガリウム(Ga)とインジウム(In)の原料としてそれぞれトリメチルアルミニウム(Trimethylalminium:TMA)、トリエチルガリウム(Triethylgallium:TEG)、トリメチルインジウム(Trimethylindium:TMI)を用い、V族元素であるリン(P)の原料としてフォスフィン(Phosphine:PH3)を用い、これらを熱分解させ結晶格子定数がほぼ同じであるGaAs基板上に結晶を成長させる手法である。AlGaInP系半導体材料では、光を発生・伝搬する活性層((Al)GaInP層)を活性層よりもエネルギー禁制帯幅(バンドギャップ)の広いn型とp型のAlGaInP層で挟み込んだダブルヘテロ(Doublehetero:DH)構造を作製する。このようなDH構造を用いてレーザを作製するときには、このDH構造の両側にp型とn型のオーミック性電極を形成する。オーミック性電極を形成するためには、高濃度にドーピングでき、比抵抗の小さなGaAs層が電極形成層として一般的に用いられる。
【0004】
しかしながら、AlGaInP層を備えた半導体レーザでは、特に、p型GaAs層とp型AlGaInP層との間には大きなバンドギャップ差が存在し、かつ、p型AlGaInP層はバンドギャップが大きく、高濃度のドーピングが難しいことからp型GaAs層との間にバンド不連続によるポテンシャルバリアが形成される。このため、レーザ駆動時に正孔(hole)の注入がうまくいかず動作電圧の上昇および素子抵抗の上昇を引き起こし、実使用上大きな問題となる。そこで、このような問題を解決するために一般的に良く用いられているのがp型GaAs層とp型AlGaInP層の間にその中間的なバンドギャップを有するp型GaInP層を挿入し、バンド不連続を緩和する構造が提案されている。
【0005】
図8は、このようなp型GaInPバンド不連続緩和層が形成された従来例のAlGaInP系半導体レーザの構成を模式的に示す断面図である。この従来例のAlGaInP系半導体レーザは、n型GaAs基板1上に図8に示す各層が、MOCVD法で成長形成されて構成される。
ここで、図8において、
2は、n型GaAsバッファ層(2×1018cm-3,0.5μm)、
3は、n型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層3(4×1017cm-3,1.5μm、
4は、650nm帯アンドープ(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P/GaInP三重量子井戸活性層(井戸層6nm×3、障壁層4nm×2,光ガイド層35nm×2の計96nm)、
5は、p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P第1クラッド層5(4×1017cm-3,0.2μm)、
6は、p型Ga0.5In0.5Pエッチングストッパ層(1×1018cm-3,5nm)、7は、p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P第2クラッド層(7×1017cm-3,1.25μm)、
8は、p型Ga0.5In0.5Pバンド不連続緩和層(1.5×1018cm-3,0.1μm)、
9は、p型GaAsキャップ層(2×1019cm-3,0.4μm)、
12は、アンドープGaAsブロック層(0.3μm)、
13は、n型GaAsブロック層(4×1018cm-3,0.7μm)、
14は、p型GaAsコンタクト層(2×1019cm-3,2.5μm)である。
【0006】
ここで、n型GaAs基板1の上面の面方向は、(001)から[110]方向に10°傾斜するように形成されている。また、p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P第2クラッド層7、p型Ga0.5In0.5Pバンド不連続緩和層8、p型GaAsキャップ層9によって、峰状のリッジ部11が形成され、リッジ部11の底部は、例えば5.5μmの幅に設定される。尚、リッジ部11は、その長手方向が[110]方向に一致するように形成される。その後、表・裏面に電極が形成され、所定の長さに劈開された後、端面がコーティングされて従来例の半導体レーザが作製される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例のバンド不連続緩和層を挿入した半導体レーザでは、素子抵抗を十分低減することはできなかった。素子抵抗を低減するためにはp型AlGaInPクラッド層のキャリア濃度を高くすることも考えられるが、p型不純物であるZnを高ドーピングした場合には、活性層へのZnの拡散が進み、レーザ特性が悪化するという新たな問題を生じる。そのため、p型AlGaInP層のキャリア濃度は7×1017cm-3が限界であり、このZnを高ドーピングする方法でも素子抵抗を十分低下させることはできなかった。
【0008】
本発明の目的は、以上の問題点を解決して、レーザ特性を悪化させることなく、素子抵抗を低減できる半導体レーザ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記p型AlGaInPクラッド層上にp型GaInPバンド不連続緩和層を介してp型GaAsキャップ層が形成された半導体レーザ装置において、中間的なバンドギャップエネルギーを有する複数のAlGaInP半導体ポテンシャルバリヤ抑制層を形成することにより、活性層へのホールの注入をスムースにでき、かつ該バリヤ抑制層の膜厚をバンド不連続緩和層より薄くすることにより発生したレーザ光を吸収しないようにできることを見いだして完成させたものである。
すなわち、本発明に係る半導体レーザ装置は、p型AlGaInP半導体クラッド層とn型AlGaInP半導体クラッド層との間に活性層を備え、上記p型AlGaInP半導体クラッド層上にp型GaInPバンド不連続緩和層を介してp型GaAsキャップ層が形成され、リッジ導波路を有する半導体レーザ装置であって、
上記リッジ導波路を構成するリッジ部分において、上記p型AlGaInP半導体クラッド層と上記p型GaInPバンド不連続緩和層との間にさらに、バンドギャップエネルギーが段階的に変化するように複数のAlGaInP半導体ポテンシャルバリヤ抑制層を形成し、上記各AlGaInP半導体ポテンシャルバリヤ抑制層の膜厚を上記p型GaInPバンド不連続緩和層の膜厚より薄く設定し、かつ上記p型GaInPバンド不連続緩和層と上記複数のAlGaInP半導体ポテンシャルバリヤ抑制層の合計の膜厚を、0.1μm以下とし、かつ上記p型AlGaInP半導体クラッド層及び上記各AlGaInP半導体ポテンシャルバリヤ抑制層のAlの含有量を、上記p型GaInPバンド不連続緩和層の近くに形成される層ほど少なくしたことを特徴とする。ここで、AlGaInP半導体とは、一般式(AlxGax-1)yIny-1Pで表される半導体のことである。但し、0<x<1、0<y<1である。以上の本発明に係る半導体レーザ装置では、上記p型AlGaInP半導体クラッド層と上記p型GaInPバンド不連続緩和層の間のポテンシャル障壁を段階的に変化するようにできる。
【0010】
また、本発明に係る半導体レーザ装置においては、上記AlGaInP半導体ポテンシャルバリヤ抑制層として、p型(Al 0.5 Ga 0.5 ) 0.5 In 0.5 Pにより構成され、上記p型AlGaInP半導体クラッド層側に位置する第1ポテンシャルバリア抑制層と、p型(Al 0.3 Ga 0.7 ) 0.5 In 0.5 Pにより構成され、上記p型GaInPバンド不連続緩和層側に位置する第2ポテンシャルバリア抑制層とを含むようにしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。
本発明は、それぞれ一般式(AlxGax-1)yIny-1Pで表されるp型クラッド層とn型クラッド層との間に活性層を備え、p型クラッド層上にp型GaInPバンド不連続緩和層を介してp型GaAsキャップ層が形成された半導体レーザ装置において、
(1)上記p型クラッド層と上記p型GaInPバンド不連続緩和層との間に、上記p型クラッド層と上記p型GaInPバンド不連続緩和層との中間的なバンドギャップエネルギーを有する複数のAlGaInP系半導体からなるポテンシャルバリヤ抑制層を形成することにより、p型クラッド層と不連続緩和層との間のバンドギャップエネルギーが段階的に変化するようにし、かつ
(2)上記各AlGaInP系半導体ポテンシャルバリヤ抑制層の膜厚を上記p型GaInPバンド不連続緩和層の膜厚より薄く設定することにより、リッジ部の高さを従来と実質的に同等に保ち、リッジ部の高さが高くなることによるデバイス作製上の問題の発生を防止している。
これによって、p型クラッド層のキャリヤ濃度を高くすることなく、素子抵抗を低減、言い換えると、レーザ発振特性を損なうことなく、素子抵抗を低減することができる。
【0012】
ここで、AlGaInP系半導体は、Alの含有量を減少させることによりバンドギャップエネルギーを大きくできる。従って、本願発明では、第1ポテンシャルバリヤ抑制層の半導体の組成を(Alx1Gax1-1)yIny-1P、第2ポテンシャルバリヤ抑制層の半導体の組成を(Alx2Gax2-1)yIny-1P、…第nポテンシャルバリヤ抑制層の半導体の組成を(AlxnGaxn-1)yIny-1Pとし、p型クラッド層の半導体の組成を(Alx0Gax0-1)yIny-1Pとしたときに、x0>x1>x2…>xnとなるように設定することにより、p型クラッド層と不連続緩和層との間のバンドギャップエネルギーが段階的に変化するようにできる。
【0013】
本実施の形態では、リッジ部を形成する上でのデバイス製作上の制約もあり、p型GaInPバンド不連続緩和層及び上記複数のAlGaInPポテンシャルバリヤ抑制層の合計の膜厚を、0.1μm以下に設定することが好ましい。
【0014】
図1は本発明に係る一実施の形態の半導体レーザの構成を示す模式断面図であり、図8の従来例の半導体レーザに比較して、p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P第2クラッド層7とp型Ga0.5In0.5Pバンド不連続緩和層8との間に、p型(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P第1ポテンシャルバリア抑制層15及び、p型(Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P第2ポテンシャルバリア抑制層16を形成したことを特徴とし、これによって従来例に比較して素子抵抗が低減される。尚、 本発明に係る実施の形態のAlGaInP系半導体レーザは、従来例と同様、ダブルヘテロ(DH)構造であって、図1において、従来例と同様のものには同様の符号を付して示している。
【0015】
以下、図1のAlGaInP系半導体レーザの製造方法について説明する。該製造方法においてはまず、図2に示すように、n型GaAs基板1の面方位が(001)から[110]方向に10°傾斜した上面に、例えばn型GaAsバッファ層2(2×1018cm-3)を0.5μm、n型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層3(4×1017cm-3)を1.5μm、650nm帯アンドープ(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P/GaInP三重量子井戸活性層4(井戸層6nm×3、障壁層4nm×2,光ガイド層35nm×2の計96nm)、p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P第1クラッド層5(4×1017cm-3)を0.2μm、p型Ga0.5In0.5Pエッチングストッパ層6(1×1018cm-3)を5nm、p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P第2クラッド層7a(7×1017cm-3)を1.25μm、p型(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P第1ポテンシャルバリア抑制層15a(8×1017cm-3)を0.02μm、p型(Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P第2ポテンシャルバリア抑制層16a(1×1018cm-3)を0.02μm、P−Ga0.5In0.5Pバンド不連続緩和層8a(1.5×1018cm-3)を0.06μm、p型GaAsキャップ層9a(2×1019cm-3)を0.4μm順次MOCVD法などにより成長する。
【0016】
次に、[110]方向に例えばSiONからなる選択成長マスク10を所定の幅(例えば、幅3.0μm)に形成する。この選択成長マスク10をエッチングマスクとして用いて、選択成長マスク10の両側の各層を、例えばH2SO4:H2Oなどのエッチング液を用いたウェットプロセスによってp型Ga0.5In0.5Pエッチングストッパ層6上面まで除去することにより、リッジ部11を[110]方向に形成する(図3)。ここで、リッジ部11の底部の幅は例えば5.5μmに設定する。
次に、リッジ部11の両側に、それぞれ埋込成長層と呼ばれるアンドープGaAsブロック層12を例えば0.3μm、n型GaAsブロック層13(4×1018cm-3)を例えば0.7μm順次成長させる(図4)。さらに、SiONからなる選択成長マスク10を除去した後(図5)、p型GaAsコンタクト層14(2×1019cm-3)を2.5μmの厚さに成長することにより、図1に示す各層が形成される。その後、表・裏面に電極を形成し、所定の共振器長になるように、リッジ部11の長手方向に垂直な面で劈開し、劈開面をコーティングすることにより本実施の形態の半導体レーザを作製する。
【0017】
以上のように構成された実施の形態の半導体レーザは、p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P第2クラッド層7とp型Ga0.5In0.5Pバンド不連続緩和層8との間に、p型(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P第1ポテンシャルバリア抑制層15及び、p型(Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P第2ポテンシャルバリア抑制層16が形成されている。これによって、p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P第2クラッド層7とp型Ga0.5In0.5Pバンド不連続緩和層8との間のポテンシャル障壁を段階的に変化させることができるので、第2クラッド層7とバンド不連続緩和層8間の抵抗を小さくでき、半導体レーザ全体の素子抵抗を小さくできる。
【0018】
このようにして作製したDH構造でのバンド不連続緩和層8からp型クラッド層7までのポテンシャルバリアをC−V測定を用いて測定した結果を図6に示す。比較のため図8の従来例のポテンシャルバリアの測定例も図7に合わせて示す。図6、図7から明らかなように、従来例では非常に高く幅の広いポテンシャルバリアが存在しているが、本発明によればポテンシャルバリア高さも低く、幅も狭くなっていることがわかる。
次に、実際に作製した図1のAlGaInP系半導体レーザのレーザ特性を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
表1に示すように、本願発明では、素子抵抗が従来の7〜8Ωから1Ω程度低減されていることがわかる。さらに、素子抵抗低減効果により、他のレーザ特性、例えば発振閾電流値(Ith)や駆動電流(Iop)も若干下がっていることがわかる。
【0021】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る半導体レーザ装置は、上記p型AlGaInP系半導体クラッド層と上記p型GaInPバンド不連続緩和層との間に、複数のAlGaInP系半導体ポテンシャルバリヤ抑制層を形成しているので、上記p型AlGaInP系半導体クラッド層と上記p型GaInPバンド不連続緩和層との間のポテンシャル障壁が段階的に変化するようにでき、素子抵抗を低減できる。すなわち、本発明によれば、p型クラッド層のキャリヤ濃度を高くすることなく素子抵抗を低減できるので、レーザ特性が良好でかつ素子抵抗の低い半導体レーザ装置を提供することができる。
【0022】
また、本発明に係る半導体レーザ装置においては、上記p型AlGaInP系半導体クラッド層及び上記各AlGaInP系半導体ポテンシャルバリヤ抑制層のAlの含有量を、上記p型GaInPバンド不連続緩和層の近くに形成される層ほど少なくなるように設定することにより、上記p型AlGaInP半導体クラッド層と上記p型GaInPバンド不連続緩和層の間のポテンシャル障壁を容易に段階的に変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施の形態の半導体レーザの構成を示す模式断面図である。
【図2】 実施の形態の半導体レーザの製造方法において、各層が形成された後の模式断面図である。
【図3】 実施の形態の半導体レーザの製造方法において、リッジ部が形成された後の模式断面図である。
【図4】 実施の形態の半導体レーザの製造方法において、リッジ部の両側に埋め込み層が形成された後の模式断面図である。
【図5】 実施の形態の半導体レーザの製造方法において、リッジ部の両側に埋め込み層が形成し、選択成長マスクを除去した後の模式断面図である。
【図6】 図1の半導体レーザにおけるC−V測定結果を示すグラフである。
【図7】 従来例の半導体レーザにおけるC−V測定結果を示すグラフである。
【図8】 従来例の半導体レーザの構成を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 n型GaAs基板、2 n型GaAsバッファ層、3 n型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層、4 (Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P/GaInP三重量子井戸活性層、5 p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P第1クラッド層、6 p型Ga0.5In0.5Pエッチングストッパ層、7 p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P第2クラッド層、8 p型Ga0.5In0.5Pバンド不連続緩和層、9 p型GaAsキャップ層、10 SiONからなる選択成長マスク、11 リッジ部分、12 アンドープGaAsブロック層、13 n型GaAsブロック層、14 p型GaAsコンタクト層、15 p型(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P第1ポテンシャルバリア抑制層、16 p型(Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P第2ポテンシャル抑制層。
Claims (2)
- p型AlGaInP半導体クラッド層とn型AlGaInP半導体クラッド層との間に活性層を備え、上記p型AlGaInP半導体クラッド層上にp型GaInPバンド不連続緩和層を介してp型GaAsキャップ層が形成され、リッジ導波路を有する半導体レーザ装置であって、
上記リッジ導波路を構成するリッジ部分において、上記p型AlGaInP半導体クラッド層と上記p型GaInPバンド不連続緩和層との間にさらに、バンドギャップエネルギーが段階的に変化するように複数のAlGaInP半導体ポテンシャルバリヤ抑制層を形成し、上記各AlGaInP半導体ポテンシャルバリヤ抑制層の膜厚を上記p型GaInPバンド不連続緩和層の膜厚より薄く設定し、かつ上記p型GaInPバンド不連続緩和層と上記複数のAlGaInP半導体ポテンシャルバリヤ抑制層の合計の膜厚を、0.1μm以下とし、かつ上記p型AlGaInP半導体クラッド層及び上記各AlGaInP半導体ポテンシャルバリヤ抑制層のAlの含有量を、上記p型GaInPバンド不連続緩和層の近くに形成される層ほど少なくしたことを特徴とする半導体レーザ装置。 - 上記AlGaInP半導体ポテンシャルバリヤ抑制層として、
p型(Al 0.5 Ga 0.5 ) 0.5 In 0.5 Pにより構成され、上記p型AlGaInP半導体クラッド層側に位置する第1ポテンシャルバリア抑制層と、
p型(Al 0.3 Ga 0.7 ) 0.5 In 0.5 Pにより構成され、上記p型GaInPバンド不連続緩和層側に位置する第2ポテンシャルバリア抑制層とを含む請求項1記載の半導体レーザ装置。
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