JP2003152208A - フタロシアニン系色素を用いた光電変換素子および太陽電池 - Google Patents

フタロシアニン系色素を用いた光電変換素子および太陽電池

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JP2003152208A
JP2003152208A JP2001350472A JP2001350472A JP2003152208A JP 2003152208 A JP2003152208 A JP 2003152208A JP 2001350472 A JP2001350472 A JP 2001350472A JP 2001350472 A JP2001350472 A JP 2001350472A JP 2003152208 A JP2003152208 A JP 2003152208A
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Japan
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photoelectric conversion
conversion element
metal
resin
dye
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JP2001350472A
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English (en)
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Kazuhiro Enomoto
和弘 榎本
Haruhisa Takiguchi
治久 瀧口
Reigen Kan
礼元 韓
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Sharp Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に製造でき、大面積の光電変換層を有
し、かつ高い光電交換効率を有する光電変換素子および
該素子からなる有機太陽電池を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 対向する電極間に、マトリックス樹脂に
色素を分散させた光電変換層をサンドイッチ構造で挟持
する光電変換素子において、色素が、一般式(I): 【化1】 [式中、Mは3価の金属原子であり、X1、X2、X3
よびX4は同一または異なって、ハロゲン原子、シアノ
基、−OR基および−COOR基(Rは水素原子または
低級アルキル基である)であり、k、l、mおよびnは
同一または異なって、0〜4の整数である]で表される
少なくとも1種のフタロシアニン系色素であることを特
徴とする光電変換素子により、上記の課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3価の金属原子を
中核金属とするフタロシアニン系色素を用いた光電変換
素子および該素子からなる有機太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、太陽電池の光電変換素子として
は、変換効率の高いシリコン、CdS、CdTe、Cd
As、ZnOなどの無機半導体が用いられてきた。例え
ば、シリコンの変換効率は15%にも達する。しかしな
がら、これらの無機半導体を用いた無機太陽電池の作製
においては、結晶育成、ドーピングプロセスなどの多く
の工程が必要である。例えば、シリコンを用いる場合に
は、原料の純度が電池性能を決定する重要な因子とな
り、さらには蒸着、高温溶融などの工程が中心となるた
めに、必然的にコスト高になるという問題点を依然抱え
ている。また、ZnOなどの無機半導体を、ローズベン
ガルなどのキサンテン色素により増感させた色素増感型
太陽電池が提案されている。しかしながら、このような
太陽電池では、色素が無機半導体の表面に吸着した構成
になっているために、色素が光酸化して電池性能が低下
するという経時安定性の問題がある。
【0003】上記のような無機太陽電池の諸問題を解決
するために、有機系の光半導体を用いた有機太陽電池の
研究開発が行われている。これらの有機太陽電池の材料
としては、クロロフェニルなどの天然色素、シアニン、
メロシアニン、フタロシアニンなどの合成色素、ポリビ
ニルカルバゾール、ポリアセナフタレン、ポリアセチレ
ンなどの高分子系の(光)半導体が知られている。そし
て、これらの材料を用いて、塗布方式、真空蒸着、キャ
スト方式などにより薄膜化太陽電池が製造されている。
【0004】これまでに提案されてきた有機太陽電池と
しては、例えば、クリスタルバイオレットを用いたもの
(米国特許第3,090,006号公報および同第3,
057,947号公報参照)、メロシアニン系色素層を
用いたもの(特開昭51−122389号公報および特
開昭53−131782号公報参照)、フタロシアニン
系色素を蒸着し、その上にピリリュウム系染料を積層し
たもの(特開昭54−27787号公報参照)、n型シ
リコンとp型ドープしたポリアセチレン薄膜を積層した
もの(特開昭55−130182号公報および特開昭5
5−138879号公報参照)、特定のフタロシアニン
色素を用いたもの(特開平7−307483号公報およ
び特開平11−204821号公報参照)が挙げられ
る。しかしながら、上記のいずれの有機太陽電池におい
ても、全般的に光電変換効率が低く、さらには長時間の
太陽光照射において光電変換効率の低下傾向が強く、実
用化には到っていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価に製造
でき、大面積の光電変換層を有し、かつ高い光電交換効
率を有する光電変換素子および該素子からなる有機太陽
電池(以下、「太陽電池」という)を提供することを課
題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定構造のフタ
ロシアニン系色素と、特定のマトリックス樹脂とを組み
合わせることにより、安価に製造でき、大面積の光電変
換層を有し、かつ高い光電交換効率を有する光電変換素
子および該素子からなる太陽電池が提供できることを見
出し、本発明を完成するに到った。
【0007】かくして、本発明によれば、対向する電極
間に、マトリックス樹脂に色素を分散させた光電変換層
をサンドイッチ構造で挟持する光電変換素子において、
色素が、一般式(I):
【0008】
【化3】
【0009】[式中、Mは3価の金属原子であり、
1、X2、X3およびX4は同一または異なって、ハロゲ
ン原子、シアノ基、−OR基および−COOR基(Rは
水素原子または低級アルキル基である)であり、k、
l、mおよびnは同一または異なって、0〜4の整数で
ある(ただし、k、l、m、nのいずれかが2以上の整
数のとき、対応するX1、X2、X3、X4は互いに同一で
も異なっていてもよい)]で表される少なくとも1種の
フタロシアニン系色素であることを特徴とする光電変換
素子が提供される。
【0010】また、本発明によれば、上記の光電変換素
子を用いた太陽電池が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の光電変換素子の基本的な
構成は、対向する電極と、それらの電極間にサンドイッ
チ構造で挟持された、一般式(I)で表される少なくと
も1種のフタロシアニン系色素を含有する光電変換層と
からなり、少なくとも一方の電極は、光電変換層に光を
入射させるために透光性を有している。光電変換層は、
一般式(I)のフタロシアニン系色素がマトリックス樹
脂に分散された層であるのが好ましい。
【0012】また、対向する電極は、共に電極材料自体
が支持体を兼ねる形態であっても、電極が支持体上に形
成された形態であってもよい。さらに、本発明の光電変
換素子には、素子を外的作用から保護するための保護
層、光電変換効率を向上させるための電解層などが設け
られていてもよい。図1〜6は、本発明の光電変換素子
の基本的な構成の一例を示す概略断面図である。図中、
1は保護層、2は透光性電極、3は光電変換層、4は電
解層、5は対向電極、6は支持体を示す。
【0013】次に、本発明の光電変換素子の各構成要素
について述べる。光電変換層3に含有するフタロシアニ
ン系色素は、一般式(I)で表される。一般式(I)の
Mとしては、ガリウム金属、アルミニウム金属、ルテニ
ウム金属、オスミウム金属、インジウム金属などの3価
の金属原子が挙げられ、これらの中でも光電変換効率の
点で、ガリウム金属、アルミニウム金属およびルテニウ
ム金属が特に好ましい。また、コスト的な面を考慮する
と、ガリウム金属およびアルミニウム金属が特に好まし
い。
【0014】一般式(I)の置換基X1、X2、X3およ
びX4の「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。また、
−OR基および−COOR基における置換基Rとして
は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブ
チル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルのような
直鎖および分岐状の炭素数1〜4の低級アルキル基が挙
げられる。光電変換層の高い電子輸送性を得るために
は、置換基X1、X2、X3およびX4は、電子吸引性の置
換体であるのが好ましい。具体的には、ハロゲン原子、
シアノ基、−OR基および−COOR基が好ましく、中
でもハロゲン置換体である塩素原子が特に好ましい。
【0015】一般式(I)の置換基X1、X2、X3およ
びX4の係数k、l、mおよびnは、同一または異なる
0〜4の整数であり、これらの係数のいずれかが2以上
の整数のとき、対応するX1、X2、X3、X4は互いに同
一でも異なっていてもよい。合成および物性の両面にお
いて、一般式(I)のフタロシアニン系色素の芳香環構
造は、点対称形が好ましい。
【0016】本発明の一般式(I)のフタロシアニン系
色素は、具体的には (1)Mがガリウム金属であり、k、l、mおよびnが
0である、(2)Mがルテニウム金属であり、k、l、
mおよびnが0である、(3)Mがアルミニウム金属で
あり、k、l、mおよびnが0である、(4)Mがガリ
ウム金属であり、X1、X2、X3およびX4が塩素原子で
あり、k、l、mおよびnがそれぞれ2であり、各ベン
ゼン環における置換位置がそれぞれ3,4−位である、
または(5)Mがアルミニウム金属であり、X1、X2
3およびX4が塩素原子であり、k、l、mおよびnが
それぞれ4であるのが好ましい。本発明の一般式(I)
のフタロシアニン系色素は、ケミカルアブストラクト
(CA)に収載されていない新規な化学構造の色素であ
る。合成方法については、合成例において具体的に説明
するが、これらの合成例により本発明が限定されるもの
ではない。
【0017】光電変換層は、増感色素として、一般式
(I)で表される少なくとも1種のフタロシアニン系色
素を用いて、塗布法、印刷法、ノンインパクト法、真空
蒸着法などの公知の方法により形成することができる。
本発明の光電変換素子の光電変換層は、一般式(I)の
フタロシアニン系色素がマトリックス樹脂に分散された
層であるのが好ましい。したがって、光電変換層の形成
方法としては、マトリックス樹脂を用いる塗布法、印刷
法、ノンインパクト法が好ましく、中でもアプリケータ
などを用いる塗布法が特に好ましい。具体的には、一般
式(I)のフタロシアニン系色素を適当なマトリックス
樹脂と共に有機溶剤中に分散または溶解させ、これを塗
布することにより、光電変換層を形成する。
【0018】光電変換層を塗布形成する際に用いるマト
リックス樹脂としては、広範囲な絶縁性樹脂が挙げられ
る。具体的には、ポリビニルブチラール、ポリビニルホ
ルマール、ビニルブチラールとビニルアルコールとの共
重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルと塩化ビニルとの
共重合体、酢酸ビニルと塩化ビニリデンとの共重合体、
ポリアリレート、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、
ポリエステル、ポリスチレン、スチレンとブタジエンと
の共重合体、スチレンとブタジエンとアクリロニトリル
との共重合体、アルキド樹脂(不飽和ポリエステル樹
脂)、スチレン化アルキド樹脂、ナイロン、ポリビニル
ピリジン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコン樹
脂、シリコン−アルキド樹脂、ポリスルホン、ノリル樹
脂、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリアクリル
酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどが挙げられ
る。
【0019】マトリックス樹脂としては、機能分離型の
電子写真感光体の電荷輸送層に使用されている樹脂、例
えば、特開平1−261653号公報および特開平2−
132450号公報に記載されている樹脂が好適に用い
られる。また、マトリックス樹脂としては、光電変換層
の機械的強度を保持するために、架橋構造を有する樹脂
が好適に用いられ、この点でアルキド樹脂が特に好まし
い。
【0020】光電変換層に色素を均一に分散させること
により、光電変換素子の性能を向上させることができ
る。このために、マトリックス樹脂としては、少し酸性
である樹脂、具体的には、上記の例示樹脂の単量体と、
カルボキシ基を有する無水マレイン酸、アクリル酸など
の少量の単量体とからなる共重合体が好適に用いられ
る。カルボキシ基を有する単量体の割合が多くなり過ぎ
ると、マトリックス樹脂の絶縁性に悪影響を与えるので
好ましくない。したがって、マトリックス樹脂の酸価
(樹脂1グラムを中和するために要する水酸化ナトリウ
ムのミリモル数、「酸性値」または「酸性度」ともい
う)を1〜100、好ましくは3〜50の範囲に調整す
るのが好ましい。
【0021】また、光電変換層に色素を均一に分散させ
るために、分散安定作用を有する化合物(分散助剤)を
用いてもよい。分散助剤としては、p−メチル安息香酸
のような安息香酸およびその誘導体、桂皮酸およびその
誘導体、テレフタル酸などが挙げられる。分散助剤の添
加割合は、マトリックス樹脂の全量に対して、0、1〜
1%程度であればよい。
【0022】さらに、構造式が異なる複数の樹脂をブレ
ンドさせることによっても、光電変換層に色素を均一に
分散させることができる。樹脂ブレンド(ポリマーブレ
ンド)の代表的なものとしては、アルキド樹脂と、ポリ
アリレート、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリ
エステル、ポリスルホン、ノリル樹脂、PPOから選択
される樹脂、好ましくはポリアリレート、ポリカーボネ
ート、フェノキシ樹脂、ポリエステルおよびPPOから
選択される樹脂との組み合わせなどが挙げられる。この
場合、優れた耐熱性および機械強度を有するポリアリレ
ート、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリエステ
ル、ポリスルホン、ノリル樹脂を少し多いめに加えるの
が好ましく、その配合量は、アルキド樹脂100重量部
に対して100〜900重量部程度である。
【0023】アルキド樹脂は、不飽和二重結合を主鎖に
有するポリエステルであり、ビニル系単量体を加えるこ
とにより、架橋反応を起こさせ、機械的強度を向上させ
ることができる。アルキッド樹脂の代表的なものとして
は、下記の構造式で表されるような単量体の共重合体で
あるスチレン化アルキッド樹脂が挙げられる。
【0024】
【化4】
【0025】(式中、R1およびR2は同一または異なっ
て、水素原子、低級アルキル基、置換もしくは非置換の
アリール基である) 上記のスチレン化アルキド樹脂は、必要に応じて重合開
始剤を加えて加熱することにより、無水マレイン酸のビ
ニル基とスチレンのビニル基が重合することにより、直
ちに三次元(架橋)構造になる。また、スチレンだけで
なく、この上に更に、アクリル酸、メタクリル酸などの
有機酸を加えることにより、マトリックス樹脂の酸価を
調整してもよい。
【0026】また、マトリックス樹脂としては、カルボ
キシ基含有ビニル系単量体とエステル基含有単量体との
共重合体、具体的にはアクリル酸エステル、メタクリル
酸エステルとアクリル酸、メタアクリル酸との共重合体
も好適に用いられる。耐熱性および機械強度(特に、硬
度)などの点から、低級アルキル(メチル、エチル、プ
チルなど)からなるアクリル酸エステル、メタクリル酸
エステルが好ましい。また、上記のマトリックス樹脂の
場合においても、分子内に2個以上ビニル基を有するア
クリル酸、メタクリル酸などを少量(5モル%以下)加
えることにより、三次元(架橋)構造にし、機械的強度
を向上させることができる。
【0027】さらに、マトリックス樹脂としては、ポリ
ビニルカルバゾール、ポリビニルアセナフチレン、ポリ
ビニルアントラセン、ポリシランなどの有機光半導体も
用いられる。ただし、他の樹脂に比べて機械的強度が劣
ることがある。
【0028】以上のことから、本発明の光電変換素子の
光電変換層に用いられるマトリックス樹脂としては、
(1)アルキド樹脂(好ましくは、スチレン化アルキド
樹脂)、(2)アルキド樹脂と、ポリアリレート、ポリ
カーボネート、フェノキシ樹脂、ポリエステルおよびポ
リエチレンオキシドから選択される樹脂との樹脂ブレン
ド、または(3)カルボキシ基含有ビニル系単量体とエ
ステル基含有単量体との共重合体が好ましい。
【0029】一般式(I)のフタロシアニン系色素とマ
トリックス樹脂との配合割合は、重量比で5:1〜1:
5程度である。
【0030】光電変換層には、光酸化による色素成分お
よび樹脂成分の劣化を防止する酸化防止作用を有する化
合物(酸化防止剤)が添加されていてもよい。酸化防止
剤としては、例えば、「13398の化学商品(199
8年度版、化学工業日報社発行)」に記載されているも
の、および特開平2−132452号公報に記載されて
いるヒンダード化合物(ヒンダードアミン、ヒンダード
フェノール)が挙げられ、中でも有機系酸化防止剤が好
ましく、ヒンダードアミンおよび/またはヒンダードフ
ェノールが特に好ましい。酸化防止剤の添加割合は、色
素成分に対して0.5〜2.0重量%程度が適当であ
る。酸化防止剤の添加割合が0.5重量%に満たない
と、酸化防止効果が充分に得られ難いので好ましくな
く、2.0重量%を超えると、光導電性の低下を招くこ
とにもなるので好ましくない。
【0031】また、光電変換層には、光電変換効率を向
上させるために、テトラシアノキノジメタン、テトラシ
アノエチレンなどの電子輸送化合物が添加されていても
よい。電子輸送化合物の添加割合は、色素成分に対して
10〜200重量%程度が適当である。その添加割合は
500重量%程度までであってもよいが、光劣化が大き
くなる可能性がある。
【0032】上記の色素成分、樹脂成分などを分散また
は溶解させる有機溶剤としては、例えば、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジメチルア
セトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジ
メチルスルホキシドジオキサン、テトラヒドロフラン、
エチルセルソルブなどの環状または鎖状のエーテル類;
酢酸エチル、酢酸プチルなどのエステル類;塩化メチレ
ン、ジクロロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲ
ン化炭化水素;トルエン、キシレン、クロロベンゼンな
どの芳香族炭化水素類が挙げられる。これらの有機溶剤
は2種以上を混合して用いることもできる。本発明の一
般式(I)のフタロシアニン系色素は、上記の有機溶剤
に一部溶解することもあるが、その大部分は有機溶剤中
に分散する。
【0033】分散溶液(光電変換層の形成用塗液)の色
素濃度は、使用する色素、マトリックス樹脂および有機
溶剤の種類により適宜調整することができ、その濃度
は、10-2〜10モル/リットル程度である。色素成
分、樹脂成分を有機溶剤中に分散させる方法としては、
ボールミル法、アトライター法、サンドシェイク法など
の公知の方法が挙げられる。また、分散と同時に分散粒
子を微細化するのが好ましく、その粒子サイズは0.2
μm以下が好ましい。分散は、有機溶剤に樹脂成分を加
えた樹脂溶液に、さらに色素成分を加えてミリングする
のが好ましい。
【0034】前記のように、光電変換層は、塗布法、ノ
ンインパクト法、印刷法などにより形成することができ
るが、塗布液の粘度が比較的低い場合には、塗布法、ノ
ンインパクト法などにより形成するのが好ましい。塗布
法としては、ブレード法、スキージング法、浸漬法など
が挙げられ、ノンインパクト法としては、インクジェッ
ト法、スプレー法などが挙げられる。一方、塗布液の粘
度が比較的高い場合には、エアーナイフ法、スクリーン
印刷法、オフセット印刷法などの印刷法が中心となる。
【0035】光電変換層の膜厚は、0.1〜10μm、
好ましくは0.3〜0.5μmが適当である。また、真
空蒸着法により光電変換層を形成する場合、その膜厚
は、塗布法による場合と比べて薄くてもよく、0.1〜
0.5μm程度が好ましい。
【0036】光電変換層3は、一般式(I)のフタロシ
アニン系色素を含有するp型光導電体と、他の構造から
なるn型光導電体とを真空蒸着したpn接合型の光電変
換層であってもよい。n型光導電体としては、例えば、
アゾ顔料、アンソラキノン顔料、ペリレン顔料などを含
有するものが挙げられる。pn接合型の光電変換層は、
通常、p型光導電体上にn型光導電体が積層されてな
り、各光導電体の膜厚は、0.05〜0.2μm程度が
好ましい。
【0037】透光性電極2として使用することができる
電極材料としては、透光性および導電性を有するもので
あれば特に限定されない。例えば、金属の透明膜、IT
O、SnO2などの透明導電性酸化物膜が挙げられる。
透光性電極の作製方法および膜厚などは、適宜選択する
ことができる。
【0038】対向電極5として使用することができる電
極材料としては、導電性を有するものであれば特に限定
されない。例えば、導電性高分子、金属や合金などの種
々の導電性材料が挙げられる。対向電極の作製方法およ
び膜厚などは、適宜選択することができる。
【0039】保護層1は、光入射側の最表面に設けら
れ、外的作用から光電変換素子を保護する。保護層とし
て使用することができる材料としては、例えば、透過率
が高くかつ機械的強度(特に、耐衝撃性)に優れたポリ
カーボネート、ポリアリレートなどが挙げられる。ま
た、保護層をテクスチャー構造にして、光の入射効果を
向上させてもよい。保護層の作製方法および膜厚など
は、適宜選択することができる。
【0040】電解層4は、通常、光電変換層3と対向電
極5の間に設けられ、光電変換効率を向上させる。電解
層として使用することができる材料としては、例えば、
ゲル化構造のイオン性化合物、ハロゲン化金属などが挙
げられ、構成要素の中にヨウ素もしくはヨウ素イオンが
含有しているものが特に好ましい。このような材料とし
ては、特開2000−150006号公報および特開2
000−191729号公報に記載のものを用いること
ができる。電解層の作製方法および膜厚などは、適宜選
択することができる。
【0041】支持体6は、通常、対向電極の外側に設け
られ、光電変換素子を機械的に補強する。支持体として
使用することができる材料としては、特に限定されない
が、アルミニウム、ステンレスなどの金属および各種合
金、プラスチック、ガラスなどの多種多様の材料が挙げ
られ、材料とその膜厚は、用途や形状にあわせて適宜選
択することができる。
【0042】本発明によれば、少なくとも1素子の本発
明の光電変換素子を用いた太陽電池が提供される。素子
の配置、電気的な接続方法については特に限定されな
い。
【0043】
【実施例】本発明を合成例および実施例によりさらに具
体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定
されるものではない。
【0044】(合成例1)一般式(I)において、Mが
ガリウム金属であり、X1、X2、X3およびX4の係数
k、l、mおよびnが0である(すなわち、芳香環が無
置換である)フタロシアニン色素を合成した。窒素雰囲
気中、室温下で、ジメチルスルホキシド(DMSO)2
00g中に三塩化ガリウム4.3gを加え、次いで1,
3−ジイミノイソインドリン16gを加え、150℃に
おいて約5時間加熱攪拌を行った。得られた反応混合物
を室温まで放冷し、生成した黒色の泥状物を濾過した。
採取した固体をDMSO、蒸留水、次いでアセトンで洗
浄し、減圧乾燥してクロロガリウムフタロシアニン1
1.2gを得た。
【0045】得られたフタロシアニン2gをジメチルホ
ルムアミド100gに溶解し、ナトリウムチオシアネー
ト4gを水10gに溶解した溶液を加えた。この混合溶
液を、窒素雰囲気下で5時間加熱還流を行った。生成し
た泥状物を多量の水に加え、デカンテーションにより上
澄み水を取り除いた。この操作を数回繰り返し、最後に
pH2の酸性水に生成した泥状物を加え、室温下で24
時間攪拌し、静置後、沈澱物を濾取した。採取した固体
を水洗し、さらにアセトンで2回洗浄し、100℃で加
熱乾燥した。このようにして黒色の金属光沢を有する粉
末1.7gを得た。
【0046】得られた化合物について、IR測定(PE
RKIN−ELMER6881、KBr−disc法)
および元素分析を行った。得られた結果を以下に示す。
IR測定により、2126cm-1および2093cm-1
にチオシアネートのシス構造を表すピークおよび770
cm-1にC=Sを表すピークが観察された。元素分析に
より、以下の結果(括弧内は計算値)が得られた。 C33169SGa C 60.7(61.9)、N 19.3(19.7)
【0047】(合成例2)一般式(I)において、Mが
ルテニウム金属であり、X1、X2、X3およびX4の係数
k、l、mおよびnが0であるフタロシアニン色素を合
成した。三塩化ガリウム4.3gの代わりに三塩化ルテ
ニウム・3水化物6.4gを用いること以外は、合成例
1と同様にして、黒色の金属光沢を有し、やや青みを呈
する粉末1.4gを得た。
【0048】得られた化合物について、合成例1と同様
にして、IR測定および元素分析を行った。得られた結
果を以下に示す。IR測定により、2124cm-1およ
び2093cm-1にチオシアネートのシス構造を表すピ
ークおよび770cm-1にC=Sを表すピークが観察さ
れた。元素分析により、以下の結果(括弧内は計算値)
が得られた。 C33169SRu C 57.8(59.0)、N 18.3(18.8) また、バイルシュタイン法(銅線の炎色反応テスト)に
よる試験を行ったところ、炎色反応は認められなかっ
た。このことは、得られた化合物中にハロゲン元素が含
有していないことを示す。
【0049】(合成例3)一般式(I)において、Mが
アルミニウム金属であり、X1、X2、X3およびX4の係
数k、l、mおよびnが0であるフタロシアニン色素を
合成した。三塩化ガリウム4.3gの代わりに三塩化ア
ルミニウム4.2gを用いること以外は、合成例1と同
様にして、黒色の金属光沢を有し、やや青みを呈する粉
末2.1gを得た。
【0050】得られた化合物について、合成例1と同様
にして、IR測定および元素分析を行った。得られた結
果を以下に示す。IR測定により、2130cm-1およ
び2097cm-1にチオシアネートのシス構造を表すピ
ークおよび772cm-1にC=Sを表すピークが観察さ
れた。元素分析により、以下の結果(括弧内は計算値)
が得られた。 C33169SAl C 64.8(66.3)、N 19.8(21.1)
また、バイルシュタイン法(銅線の炎色反応テスト)に
よる試験を行ったところ、炎色反応は認められなかっ
た。このことは、得られた化合物中にハロゲン元素が含
有していないことを示す。
【0051】(合成例4)一般式(I)において、Mが
ガリウム金属であり、X1、X2、X3およびX4が塩素原
子であり、k、l、mおよびnがそれぞれ2であり、各
ベンゼン環における置換位置がそれぞれ3,4−位であ
るフタロシアニン色素を合成した。三塩化ガリウム4.
3gの代わりに三塩化ルテニウム・3水化物6.4g
を、1,3−ジイミノイソインドリン16gの代わりに
3,4−ジクロロフタロニトリル25gをそれぞれ用い
ること以外は、合成例1と同様にして、黒色の金属光沢
を有し、やや青みを呈する粉末2.4gを得た。
【0052】得られた化合物について、合成例1と同様
にして、IR測定および元素分析を行った。得られた結
果を以下に示す。IR測定により、2124cm-1およ
び2093cm-1にチオシアネートのシス構造を表すピ
ークおよび770cm-1にC=Sを表すピークが観察さ
れた。元素分析により、以下の結果(括弧内は計算値)
が得られた。 C338Cl89SGa C 43.3(46.3)、N 14.5(13.8)
【0053】(合成例5)一般式(I)において、Mが
アルミニウム金属であり、X1、X2、X3およびX4が塩
素原子であり、k、l、mおよびnがそれぞれ4である
フタロシアニン色素を合成した。三塩化ガリウム4.3
gの代わりに三塩化アルミニウム・3水化物4.2g
を、1,3−ジイミノイソインドリン16gの代わりに
テトラクロロフタロニトリル32gをそれぞれ用い、か
つ反応時間(150℃での加熱攪拌時間)の約5時間を
約10時間とし、最後に昇華精製を行うこと以外は、合
成例1と同様にして、金属光沢を有し、深紫色を呈する
粉末1.4gを得た。
【0054】得られた化合物について、合成例1と同様
にして、IR測定および元素分析を行った。得られた結
果を以下に示す。IR測定により、2132cm-1およ
び2097cm-1にチオシアネートのシス構造を表すピ
ークおよび766cm-1にC=Sを表すピークが観察さ
れた。元素分析により、以下の結果(括弧内は計算値)
が得られた。 C33Cl169SAl C 34.8(34.5)、N 12.3(11.1)
【0055】他の本発明のフタロシアニン系色素も、上
記の合成法に準じて合成することができる。得られたフ
タロシアニン色素を用いて有機光電変換素子を作製し、
それらの特性を評価した。なお、以下の実施例における
「部」は重量部を意味する。
【0056】(実施例1)まず、光電変換層の形成用塗
液を調製した。すなわち、増感色素としての合成例1で
得られたフタロシアニン色素1.0部、分散助剤として
の桂皮酸0.01部、およびマトリックス樹脂としての
ノリル樹脂(ポリスチレンブレンドポリフェニレンオキ
シド、三菱瓦斯化学株式会社製)1.2部を溶解した酢
酸ブチル溶液をポリエチレン容器(容量25ml、略
称:アイボーイ)に入れ、次いで外径φ2mmのガラス
ビーズ約20gを使用して、ペイントシェイカーで約2
時間分散処理(シェイキング)を行い、ガラスビーズを
分離して、スラリー状の分散溶液(光電変換層の形成用
塗液)を得た。なお、マトリックス樹脂の酸性度(酸性
値)は2.0であった。得られた分散溶液を、対向電極
として膜厚0.2μmのアルミニウムを蒸着した膜厚1
00μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム上に、アプリケーターで塗布し、100℃で約15
分間乾燥して、膜厚13μmの光電変換層を得た。その
後、光電変換層上に公知の方法で透光性電極および保護
膜を形成し、光電変換素子を完成した。
【0057】得られた光電変換素子を冷暗所(約5〜1
0℃)に2日間保存した。保存後、暗所でハロゲンラン
プ(ネオハロビームE、株式会社東芝製)を用いて、光
電変換素子に75μW/cm2の光を1秒間照射して、
光電変換効率を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0058】(実施例2)ノリル樹脂1.2部の代わり
に下記構造式からなる単量体の共重合体であるスチレン
化アルキド樹脂(不飽和ポリエステルとスチレン単量体
の割合はモル比で1:1)0.3部およびポリカーボネ
ート(商品名:ポリカーZ、三菱瓦斯化学株式会社製)
0.8部を用い、かつ架橋促進剤としてベンゾイルパー
オキシド0.01部をさらに塗布液に添加すること以外
は、実施例1と同様にして、光電変換素子を作製し、評
価した。なお、マトリックス樹脂の酸性度は6.0であ
った。得られた結果を表1に示す。
【0059】
【化5】
【0060】(実施例3)実施例1および2で得られた
光電変換素子をそれぞれ暗所でハロゲンランプ(ネオハ
ロビームE、株式会社東芝製)を用いて、各光電変換素
子に75μW/cm2の光を1秒間照射した。この後、
光照射部と非照射部との電位差を測定したところ、実施
例1および2で得られた光電変換素子においてそれぞれ
8Vおよび12Vの電位差が認められた。また、これら
の光電変換素子に光を照射し、直ちに複写機用乾式トナ
ー(シャープ株式会社製)を用いて現像したところ、非
照射部にトナーが付着した。このことから、本発明の光
電変換素子をコロナ帯電不要のチャージレスの感光体に
適用できることがわかる。
【0061】(実施例4)合成例1で得られたフタロシ
アニン色素1.0部の代わりに合成例2で得られたフタ
ロシアニン色素1.0部を用いること以外は、実施例2
と同様にして、光電変換素子を作製し、評価した。な
お、マトリックス樹脂の酸性度は6.0であった。得ら
れた結果を表1に示す。
【0062】(実施例5)合成例1で得られたフタロシ
アニン色素1.0部の代わりに合成例2で得られたフタ
ロシアニン色素1.0部を、無水マレイン酸を2%溶解
したスチレン単量体をそれぞれ用いること以外は、実施
例2と同様にして、光電変換素子を作製し、評価した。
なお、マトリックス樹脂の酸性度は14.5であった。
得られた結果を表1に示す。
【0063】(実施例6)合成例1で得られたフタロシ
アニン色素1.0部の代わりに合成例3で得られたフタ
ロシアニン色素1.0部を、ポリカーボネート0.8部
の代わりにポリアリレート(U−100、ユニチカ株式
会社製)をそれぞれ用い、かつ溶剤として酢酸ブチルの
代わりにジオキサンを用いること以外は、実施例2と同
様にして、光電変換素子を作製し、評価した。なお、マ
トリックス樹脂の酸性度は11.0であり、マトリック
ス樹脂の分散状態は、酸性度が2のマトリックス樹脂を
用いた実施例2と比較しても、遜色のない良好な状態で
あった。得られた結果を表1に示す。
【0064】(実施例7)増感色素としての合成例4で
得られたフタロシアニン色素1.0部、分散助剤として
のp−メチル安息香酸0.01部、およびマトリックス
樹脂としてのスチレンとメタクリル酸ブチルとの共重合
体(重合比1:1、酸価15)1.2部を溶解した酢酸
ブチル溶液をポリエチレン容器(容量25ml)に入
れ、次いで外径φ2mmのガラスビーズ約20gを使用
して、ペイントシェイカーで約2時間分散処理(シェイ
キング)を行い、ガラスビーズを分離して、スラリー状
の分散溶液(光電変換層の形成用塗液)を得た。得られ
た分散溶液を用いて、実施例1と同様にして、光電変換
素子を作製し、評価した。得られた結果を表1に示す。
【0065】(実施例8)合成例4で得られたフタロシ
アニン色素1.0部の代わりに合成例5で得られたフタ
ロシアニン色素1.0部を用いること以外は、実施例7
と同様にして、光電変換素子を作製し、評価した。得ら
れた結果を表1に示す。
【0066】(実施例9)増感色素としての合成例5で
得られたフタロシアニン色素1.0部、分散助剤として
のp−メチル安息香酸0.01部、およびマトリックス
樹脂としてのフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社
製)1.2部を溶解したジクロロエタン溶液をポリエチ
レン容器(容量25ml)に入れ、次いで外径φ2mm
のガラスビーズ約20gを使用して、ペイントシェイカ
ーで約2時間分散処理(シェイキング)を行い、ガラス
ビーズを分離して、スラリー状の分散溶液(光電変換層
の形成用塗液)を得た。なお、マトリックス樹脂の酸性
度は1.0であった。得られた分散溶液を用いて、実施
例1と同様にして、光電変換素子を作製し、評価した。
得られた結果を表1に示す。
【0067】(実施例10)分散助剤としてのp−メチ
ル安息香酸0.01部を添加しないこと以外は、実施例
9と同様にして、光電変換素子を作製し、評価した。得
られた結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】表1の各数値は、以下のことを意味する。 JSC(μW/cm2):短絡電流密度(回路を短絡させ
た状態での電流密度) VOC(V):開放電圧(回路を開放した状態での電圧
値) FF:曲線因子 μ(%):エネルギー変換効率
【0070】分光評価の結果から、本発明の光電変換素
子は、波長400〜800nmに感光域を有し、特に波
長780nm付近に感光ピークを有するパンクロマチッ
クな分光特性を有していることがわかった。
【0071】
【発明の効果】本発明の光電変換素子は、特定構造のフ
タロシアニン色素と、特定のマトリックス樹脂とを組み
合わせることにより、安価に製造でき、大面積の光電変
換層を有し、かつ可視光から近赤外光にかけての広範囲
の光に対して、高い光電交換効率を有する光電変換素子
および該素子からなる太陽電池を提供することができ
る。また、本発明の光電変換素子は、例えば、アルミニ
ウムなどの導電性基板上に積層することにより、各種チ
ャージレスの感光体にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電変換素子の基本的な構成の一例を
示す概略断面図である。
【図2】本発明の光電変換素子の基本的な構成の一例を
示す概略断面図である。
【図3】本発明の光電変換素子の基本的な構成の一例を
示す概略断面図である。
【図4】本発明の光電変換素子の基本的な構成の一例を
示す概略断面図である。
【図5】本発明の光電変換素子の基本的な構成の一例を
示す概略断面図である。
【図6】本発明の光電変換素子の基本的な構成の一例を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 保護層 2 透光性電極 3 光電変換層 4 電解層 5 対向電極 6 支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 韓 礼元 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA12 AA14 EA18 FA04 5H032 AS10 AS16 EE04 EE16 EE20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する電極間に、マトリックス樹脂に
    色素を分散させた光電変換層をサンドイッチ構造で挟持
    する光電変換素子において、色素が、一般式(I): 【化1】 [式中、Mは3価の金属原子であり、X1、X2、X3
    よびX4は同一または異なって、ハロゲン原子、シアノ
    基、−OR基および−COOR基(Rは水素原子または
    低級アルキル基である)であり、k、l、mおよびnは
    同一または異なって、0〜4の整数である(ただし、
    k、l、m、nのいずれかが2以上の整数のとき、対応
    するX1、X2、X3、X4は互いに同一でも異なっていて
    もよい)]で表される少なくとも1種のフタロシアニン
    系色素であることを特徴とする光電変換素子。
  2. 【請求項2】 一般式(I)のMが、ガリウム金属、ア
    ルミニウム金属またはルテニウム金属である請求項1に
    記載の光電変換素子。
  3. 【請求項3】 一般式(I)のX1、X2、X3およびX4
    が、塩素原子である請求項1または2に記載の光電変換
    素子。
  4. 【請求項4】 色素が、一般式(I)において、(1)
    Mがガリウム金属であり、k、l、mおよびnが0であ
    る、(2)Mがルテニウム金属であり、k、l、mおよ
    びnが0である、(3)Mがアルミニウム金属であり、
    k、l、mおよびnが0である、(4)Mがガリウム金
    属であり、X1、X2、X3およびX4が塩素原子であり、
    k、l、mおよびnがそれぞれ2であり、各ベンゼン環
    における置換位置がそれぞれ3,4−位である、または
    (5)Mがアルミニウム金属であり、X1、X2、X3
    よびX4が塩素原子であり、k、l、mおよびnがそれ
    ぞれ4であるフタロシアニン色素である請求項1に記載
    の光電変換素子。
  5. 【請求項5】 マトリックス樹脂が、(1)アルキド樹
    脂、(2)アルキド樹脂と、ポリアリレート、ポリカー
    ボネート、フェノキシ樹脂、ポリエステルおよびポリエ
    チレンオキシドから選択される樹脂との樹脂ブレンド、
    または(3)カルボキシ基含有ビニル系単量体とエステ
    ル基含有単量体との共重合体である請求項1〜4のいず
    れか1つに記載の光電変換素子。
  6. 【請求項6】 アルキド樹脂が、スチレン化アルキド樹
    脂である請求項5に記載の光電変換素子。
  7. 【請求項7】 マトリックス樹脂の酸価が、3〜50で
    ある請求項1〜6のいずれか1つに記載の光電変換素
    子。
  8. 【請求項8】 光電変換層が、さらに有機系酸化防止剤
    を含有する請求項1〜7のいずれか1つに記載の光電変
    換素子。
  9. 【請求項9】 有機系酸化防止剤が、ヒンダードアミン
    および/またはヒンダードフェノールである請求項8に
    記載の光電変換素子。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1つに記載の
    光電変換素子を用いた太陽電池。
  11. 【請求項11】 一般式(I): 【化2】 [式中、Mは3価の金属原子であり、X1、X2、X3
    よびX4は同一または異なって、ハロゲン原子、シアノ
    基、−OR基および−COOR基(Rは水素原子または
    低級アルキル基である)であり、k、l、mおよびnは
    同一または異なって、0〜4の整数である(ただし、
    k、l、m、nのいずれかが2以上の整数のとき、対応
    するX1、X2、X3、X4は互いに同一でも異なっていて
    もよい)]で表されるフタロシアニン系色素。
  12. 【請求項12】 一般式(I)において、(1)Mがガ
    リウム金属であり、k、l、mおよびnが0である、
    (2)Mがルテニウム金属であり、k、l、mおよびn
    が0である、(3)Mがアルミニウム金属であり、k、
    l、mおよびnが0である、(4)Mがガリウム金属で
    あり、X1、X2、X3およびX4が塩素原子であり、k、
    l、mおよびnがそれぞれ2であり、各ベンゼン環にお
    ける置換位置がそれぞれ3,4−位である、または
    (5)Mがアルミニウム金属であり、X1、X2、X3
    よびX4が塩素原子であり、k、l、mおよびnがそれ
    ぞれ4である請求項11に記載のフタロシアニン系色
    素。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8933238B2 (en) 2013-03-11 2015-01-13 Saudi Basic Industries Corporation Aryloxy-phthalocyanines of group III metals
US9040710B2 (en) 2013-03-11 2015-05-26 Saudi Basic Industries Corporation Aryloxy-phthalocyanines of group IV metals

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