JP2003148114A - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

弁開閉時期制御装置

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JP2003148114A
JP2003148114A JP2001346638A JP2001346638A JP2003148114A JP 2003148114 A JP2003148114 A JP 2003148114A JP 2001346638 A JP2001346638 A JP 2001346638A JP 2001346638 A JP2001346638 A JP 2001346638A JP 2003148114 A JP2003148114 A JP 2003148114A
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vane
rotor
chamber
control device
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Ichiro Hiratsuka
一郎 平塚
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体室内に異物が存在した場合でも、ベーン
に影響を与えない構成とすると共に、弁開閉時期制御装
置の性能向上を図る。 【解決手段】 エンジンのクランクシャフトと一体回転
するギヤ32に対してハウジング31が固定される。こ
のハウジング31の内部にエンジンの給排気を制御する
カムシャフト10を回転動作させるロータ20、ロータ
20とハウジング31との間に形成される流体室を進角
室R1と遅角室R2とに区画し、ハウジング31に対し
摺動して回転動作を行うベーン21とを備えた弁開閉時
期制御装置1において、ベーン21とハウジング31と
の間のベーン摺動面に、異物を吸収する吸収層35を設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンに対して
吸排気を行なう吸排気弁の開閉時期を制御する弁開閉制
御装置に関するものであり、特に、弁開閉制御装置の内
部に存在する異物を吸収するようにした弁開閉制御装置
の内部構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の弁開閉時期制御装置はエ
ンジン(内燃機関)の出力軸であるクランクシャフト
と、エンジンの給排気弁の開閉制御を行う回転伝達部材
(カムシャフト)の回転を行う位置関係に応じて、給排
気弁をクランクシャフトの回転とは独立させ、緻密に開
閉制御する装置として知られており、例えば、特開平1
1−101107号公報にこの様な装置が知られてい
る。
【0003】上記した装置は、エンジンのクランクシャ
フトと一体回転するタイミングスプロケット(ギヤ)
と、タイミングスプロケットと一体回転する外部ロータ
(ハウジング)と、外部ロータに対して相対回転を行
い、給排気弁を制御するカムシャフトを動作させる内部
ロータ(ロータ)を備え、更に、内部ロータと外部ロー
タとの間に形成される流体室を進角室と遅角室とに区画
し、流体室の内部を区画しながらロータに対して動力を
伝達するベーンとを備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年で
は軽量化が図られる中、この様な構成の装置をアルミ化
しようとした場合には、次の様な問題が生じる。つま
り、エンジンの潤滑油を弁開閉時期制御装置に対して作
動油として使用すると、エンジンのシリンダヘッドやシ
リンダは中子として鋳砂を用いて鋳造によってつくられ
る事がある。
【0005】この場合、シリンダシリンダヘッドやシリ
ンダ鋳造時に中子として使用する鋳砂が弁開閉時期制御
装置の中に存在したりする場合がある。また、外部ロー
タと内部ロータとが相対回転する場合にベーンがハウジ
ング内部で摺動を行うが、この摺動時に摩耗粉が発生
し、装置内部で異物となる。更に、アルミよりも硬質で
ある異物が装置内部に混入した場合には、装置の作動に
影響を及ぼすおそれがある。
【0006】つまり、これら作動室内に混入または発生
した異物は外部ロータと内部ロータとの回転により、ベ
ーンのハウジングに対する摺動面に異物が貼り付き、ベ
ーン自体に摩耗が発生し、所望の性能を確保することが
難しくなる。
【0007】よって、本発明は上記の問題点に鑑みてな
されたものであり、流体室内に異物が存在した場合で
も、ベーンに影響を与えない構成とすること、弁開閉時
期制御装置の性能向上を図ることをその技術的課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに講じた技術的手段は、エンジンの回転軸および前記
エンジンの吸排気を制御する吸排気制御部材のいずれか
一方と一体回転する回転伝達部材と、該回転伝達部材と
一体回転するハウジングと、該ハウジングに対して相対
回転を行い、前記回転軸および前記吸排気制御部材のい
ずれか他方と一体回転するロータと、該ロータと前記ハ
ウジングとの間に形成される流体室と、該流体室を進角
室と遅角室とに区画し、前記ロータまたは前記ハウジン
グに取り付けられ、前記ロータと前記ハウジングとの間
で相対回転を成すベーンとを備えた弁開閉時期制御装置
において、前記ベーンと前記ハウジングとの間に、前記
流体室に存在する異物を吸収する吸収層を設けたことで
ある。
【0009】上記した構成によれば、ベーンとハウジン
グとの間に、流体室に存在する異物を吸収する吸収層を
設けたことにより、ベーンがハウジング内で摺動して
も、流体室に存在する異物は吸収層に刺さった後に、ベ
ーンの回転力により吸収層の中に押し込まれて吸収層に
される構成とすることが可能となり、ベーンが異物によ
って摩耗することが防止される。このため、吸収層も異
物を取り込む事により、吸収層のマトリックスが強化さ
れることによって、摩耗が防止され、弁開閉制御装置の
信頼性が向上する。
【0010】この場合、吸収層は樹脂層より成り、ベー
ンのハウジングに対する摺動面に形成されるようにすれ
ば、樹脂層をベーンの摺動面に設けるだけで、ベーンの
摩耗が簡単な構成により防止される。
【0011】また、吸収層は周方向に形成されるように
すれば、ベーンの摺動面全体において、ベーンの摩耗が
簡単に防止される。
【0012】更に、ハウジングはアルミ材より成り、ロ
ータまたはベーンは、アルミ−珪素−鉄系材より成るよ
うにすれば、耐焼付け性、耐摩耗性、摩擦係数とも優れ
たベーンの摺動状態が確保される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0014】図1は、弁開閉時期制御装置(以下、装置
と称する)1の平面図である。図1において、ギヤ32
は、図示しないエンジンの回転軸(例えば、クランクシ
ャフト、若しくは、クランクシャフトに取り付けられた
部材)と、図2に示すチェーン90を介してつながれ
る。ギヤ32は、チェーン90がかけられるスプロケッ
ト部32bを外周に有し、ギヤ32には後述するハウジ
ング31が一体で取り付けられる。
【0015】ギヤ32とは反対側のハウジング31の軸
方向端面には、ハウジング31の外周と一致する後述す
る円盤状のプレート部材33が軸方向から被せられる。
これらのギヤ32、ハウジング31およびプレート部材
33は、周方向において4ヵ所でフランジ付ボルト等の
締結部材64がプレート部材33の取付孔33eから挿
通され、ハウジング31にプレート部材33が固定され
て、一体化される。
【0016】尚、本実施形態においては、エンジンのク
ランクシャフトの回転をギヤ32を用いて、チェーン9
0を介して動力が伝達されるものとして説明を行なう
が、これに限定されるものではない。例えば、チェーン
90に代わってベルト部材を用いる場合には、ギヤ32
をプーリーに置き換えても良い。つまり、ギヤ32はエ
ンジンからの回転力をカムシャフト10へと伝達する回
転伝達部材として機能する。
【0017】ギヤ32は図2に示すように軸方向におけ
る断面において、凸形状を呈する。ギヤ32は、中央に
エンジンの吸排気を制御する吸排気弁の制御を行なうカ
ムシャフト10が挿通される孔があいている。その孔は
ギヤ32の内周面32aとなり、内周面32aは、図2
に示すようにカムシャフト10の外周面10aと摺接す
る。ギヤ32の外周端部には円周状にスプロケット部3
2bが形成され、このスプロケット部32bにチェーン
90がかけられ、エンジンのクランクシャフトの回転が
ギヤ32に伝達される構成となっている。
【0018】ハウジング31は円筒形状を呈し、その内
部には図3に示す如く、周方向において4つの円弧状の
凹部31aと、4つの凸部となるシュー部31bが交互
に設けられている。この凹部31aが流体室を構成す
る。更に、ハウジング31の外周面には2対の凹部31
cが設けられている。この凹部31cは、ハウジング3
1の軸を通る直線およびその軸を通る直線の法線に対し
て、対向して配置されている。
【0019】また、ハウジング31内径へと突出する凸
部形状となったシュー部31bには、ハウジング31を
ギヤ32と固定する4つの締結部材64が挿通される取
付孔31fが設けられている。この取付孔31fは外周
に設けられた凹部31cに対して周方向にずれて配置さ
れている。
【0020】ハウジング30のギア32が配設されてい
る端面と対向する端面には凹部31aを軸方向の一方か
ら塞ぐように、ハウジング31の外径形状と一致したプ
レート部材33が被せられる。プレート部材33は中央
に凸部33aを有すると共に、締結部材64が取り付け
られる取付部33bを有する。プレート部材33は締結
部材64により、ハウジング31とギヤ32に一体で固
定される。
【0021】ハウジング31の4つのシュー部31bの
内周面には、ロータ20が配設されており、ロータ20
は外周面がハウジング31のシュー部31bの内周面に
摺接して相対回転可能に配置されている。ロータ20は
中央に、カムシャフト10の一端に固定される図示しな
いボルトが挿通される中心内孔20cを有している。ま
た、ロータ20のカムシャフト10が取り付けられる側
の端部には、カムシャフト10とロータ20の位置決め
するための位置決めピン23が設けられている。この位
置決めピン23により、カムシャフト10はロータ20
に対して所定位置にて取付け可能である。ロータ20の
中心内孔20cには軸方向の端部(図2に示す左方向)
から図示しないボルトが挿通され、カムシャフト10の
軸方向端部に形成されたネジ孔に螺合されることで、ロ
ータ20とカムシャフト10が固定される。これによ
り、ロータ20とカムシャフト10は一体回転する。カ
ムシャフト10がロータ20に取り付けられ、固定され
た状態では、カムシャフト10の外周面10aがギヤ3
2の内周面32aと、ロータ20の外周面がハウジング
31のシュー部31bの内周面とそれぞれ摺接する。
【0022】また、ロータ20には中心内孔20cか
ら、ロータ20の外周面側に向かって径方向に延び凹部
31aと連通する3つの通孔20eと、径方向に延び後
述するロック孔20gを介して凹部31aと連通する1
つの通孔20fと、ロータ20に設けられる4つの軸方
向の通孔20hに連通する4つの通孔20eが、それぞ
れ設けられている。中心内孔20cはそこに配設される
図示しないボルトとの隙間が作動油の通路として機能
し、カムシャフト10の軸方向の内部に形成された図示
しない通路に連通する。これら通路が後述する遅角室R
2へ作動油を供給する油路を構成する。また、通孔20
f、軸方向の通孔、図示しないカムシャフト内部に形成
された中心内孔20cに連通する孔とは異なる図示しな
い孔とが後述する進角室R1に作動油を供給する油路を
構成する。
【0023】さらに、ロータ20の外周面には、径方向
に向かって4つのベーン溝20dが形成されている。ベ
ーン21は内径側に凹部21aを有し、この凹部21a
に断面が略C字状の板ばね22が嵌められる。凹部21
aに板ばね22の嵌まったベーン21が、ロータ20の
ベーン溝20dに配設される。この板ばね22の付勢力
によって、ベーン21は径方向外側に付勢される。そし
てこの平板状のベーン21によりベーン21の径方向端
部が流体室となる凹部31aの内壁に当接する。これに
よって、4つの流体室となる凹部31aは、ベーン21
により2室に区画され、ベーン21の左右両側に、それ
ぞれ進角室R1と遅角室R2とが形成される。
【0024】また、ハウジング31のシュー部31bの
外径側には、図3に示す様に、ロックスプリング62が
配設される孔31gが設けられている。ロックスプリン
グ62はトーションスプリングであり、その一端が孔3
1gの内壁に係止され、他端はロックプレート61の端
部に当接している。このロックプレート61は孔31g
と退避孔31eで径方向に対して摺動自在に取り付けら
れている。退避孔31eは、ハウジング30に対するロ
ータ20の相対位相が所定の位相となったときに、ロー
タ20の外周面に設けられたロック孔20gと対向する
ように配置されている。ロータ20がこの所定の位相と
なった場合には、ロックスプリング62の付勢力によっ
て、ロックプレート61は後述するロータ20のロック
孔20gに突出して係合可能である。ロックプレート6
1がロック孔20gに係合したときには、ロータ20は
ハウジング31に対して相対回転しないように規制され
る。一方、ロックプレート61は、通孔20fと連通し
ているロック20gに作動油が供給されると作動油の油
圧によりロックスプリング62の付勢力に逆らってロッ
クプレート61を退避孔31e内に押し戻し、ロック孔
20gとの係合を解除する。この場合にはハウジング3
1に対してロータ20は相対回転可能となる。
【0025】更に、ハウジング31に対してベーン21
の位置を所定の初期位置に戻すため、ロータ20とプレ
ート部材33の間にはトーションスプリング24が配設
されている。このトーションスプリング24は、ハウジ
ング31およびプレート部材において軸方向に形成され
た同径環状の溝部20i,33cの中に配設される。そ
して、トーションスプリング24の一端はプレート部材
33の径方向に形成された係止部33dに係止され、他
端はハウジング31の径方向に形成された係止部に係止
され、常時、ベーン21を図3に示す状態(進角室R1
の空間が最小となり遅角室R2の空間が最大となる状
態)となる様、付勢している。
【0026】次に、本発明について、以下に説明する。
ここでは、材料面から見て、ハウジング31に対するロ
ータ20の摺動特性およびベーン21の耐摩耗性を向上
させることを特徴としており、特に、ハウジング31、
ロータ20、ロックプレート61及びベーン21につい
て、材料面から述べることにする。
【0027】上記したハウジング31は軽量化の面か
ら、アルミ合金(アルミニウム合金)から作られる。具
体的に、ハウジング31は、JIS H5202に規定
されるAC8C(Cu:2.0〜4.0,Si:8.5
〜10.5,Mg:0.5〜1.5,Zn:0.5以
下,Fe:1.0以下,Mn:0.5以下,Ni:0.
5以下,Ti:0.2以下,Pb:0.1以下,Sn:
0.1以下,Cr:0.1以下,Al:残部)のアルミ
合金より成り、アルミ合金鋳物であるAC8Cをベース
材に、Siが3μm以下になるように重量%で、Sb:
0.05〜0.2%,Na:0.001〜0.01%,
Sr:0.001〜0.05%,Ca:0.0005〜
0.01%の内、少なくとも上記範囲内である1種類の
元素を添加し、Siの微細球状化により改良処理を行っ
た鋳造材料を使用する。
【0028】一方、ハウジング31に対して相対回転す
るロータ20、ベーン21、及び、ハウジング31に対
して相対移動を禁止するロックプレート61は、急冷凝
固法(例えば、10〜10℃/秒で急に凝固させる
方法)により作られるAl−Si−Fe(アルミニウム
−珪素−鉄)系粉末の押し出し材から成るものを使用し
ており、マトリックス中のSi粒子の平均粒径は、3μ
m以下の球形状Si粒子となっている。
【0029】この様な材質から成るハウジング31とベ
ーン21との間にはベーン21が凹部31aの内壁に沿
って周方向に摺動を行う摺動面34に樹脂層35が形成
されている。この樹脂層35は耐摩耗性に優れた樹脂
(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポ
リエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド
(PAI))が凹部31aの内壁に形成される。また、
樹脂層35の厚さは、例えば通孔20e、20fの孔径
が3.5mm程度であれば、10μm〜5mm程度で、
周方向の摺動面34の全体に形成されている。
【0030】次に、弁開閉時期制御装置1の動作につい
て説明する。
【0031】エンジンが駆動されると、エンジンのクラ
ンクシャフトの回転がチェーン90を介して伝達され、
これに伴ってギヤ32が回転する。ギヤ32とハウジン
グ31は締結部材64により固定されているため、一体
回転する。この場合、例えば、ロックプレート61とロ
ック孔20gが係合している状態ではハウジング31と
ロータ20は一体で回転し、クランクシャフトの回転
は、カムシャフト10に対して同期して(位相をずらす
ことなく)伝達される。
【0032】また、ハウジング31に対するロータ20
の位相を進角側にずらしたい場合にはロック孔20g、
通孔20fに作動油を供給する一方、遅角室R2の作動
油を通孔20eを介して排出する。ロック孔20g及び
通孔20fに作動油が供給されると、ロックピン61は
ロック孔20gから退避孔31eに退避し、ハウジング
31とロータ20とのロックプレート61による回転規
制を解除する。そして、作動油は進角室R1内を満た
し、ベーン21に加わる進角室R1側の圧力が遅角室R
2側の圧力よりも高くなる。その結果、ベーン21は進
角室R1の容量を広く、遅角室R2の容量を狭くする進
角側の方に、ハウジング31に対して回転移動する。つ
まり、図3においては、ハウジング31に対してベーン
21がハウジング31の凹部31aの内壁に沿って、時
計方向に回転動作する。
【0033】一方、遅角側に吸排気弁の位相時期を移行
させたい場合には、通孔20eを介して遅角室R2へ作
動油を供給し、進角油室R1から作動油を排出する。こ
れによって、作動油は遅角油室R2内を満たし、ベーン
21に加わる遅角油室R2側の圧力が進角油室R1側の
圧力よりも高くなり、ベーン21は遅角室R2の容量が
広く、進角室R1の容量が狭くなる遅角側にハウジング
31に対して回転移動し、図3においては、ハウジング
31に対してベーン21がハウジング31の凹部31a
の内壁に沿って、反時計方向に回転動作する。
【0034】つまり、進角油室R1と遅角油室R2の一
方を作動油の供給側とし、他方を排出側とすることによ
り、ハウジング30に対するロータ20の位相制御が行
えるものとなる。
【0035】この様な動作を行う過程において、ロータ
20、ベーン21及びロックプレート61には、Siが
16〜18重量%存在していることから、この範囲内で
は耐摩耗性が向上する。この場合、Feは2〜6重量%
とすると、この範囲内では耐焼き付け性が向上し、耐熱
強度が向上する。また、Cuは1〜5重量%とすると、
この範囲内では機械的性質の向上が図れる。更に、Mg
は0.2〜2重量%とすると、この範囲内では機械的性
質の向上が図れると共に、Mnは0.2〜1重量%とす
ると、この範囲内では、再結晶化の防止、機械的性質の
向上が図れる。更にその上、Si平均粒子径は3μm以
下とすると、この範囲内では耐摩耗性が向上し、耐焼付
け性の向上が図れるものとなる。その結果、この様な材
質を用いることにより、アルミ合金より成るハウジング
31に対して良好な摺動特性が得られる。
【0036】本実施形態における構成においては、装置
1の内部に数μm〜数100μmの大きさの異物や摩耗
粉(まとめて、異物と称する)が発生または混入した場
合、樹脂層35に異物がささって、樹脂層35に捕獲さ
れる。この状態下で装置1のベーン21が摺動するとベ
ーン21による押し付け力によって、樹脂層35の内部
に取り込まれる。その結果、樹脂層35の内側の表面に
は異物が現れず、ベーン21の摩耗を防止することがで
きる。よって、この樹脂層35は進角室R1と遅角室R
2の中に存在する異物を吸収する吸収層として機能す
る。この様に、樹脂層35が異物を内部に取り込むこと
で樹脂層35のマトリックスを強化し、樹脂層35の摩
耗も抑制することができ、装置1の軽量化に対して、ア
ルミ合金を使用することにより実現しながら、耐摩耗性
に優れた装置1とすることができる。尚、この場合、異
物の発生または混入する大きさを検討した上で、ハウジ
ング内部に形成される樹脂層35の厚さを調整できるこ
とは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】上記した本発明によれば、ベーンがハウ
ジング内で摺動しても、流体室に存在する異物は吸収層
に刺さった後、ベーンの回転力により吸収層の中に押し
込まれて吸収層にされる構成とすることができ、ベーン
が異物によって磨耗することが防止でき、弁開閉制御装
置の信頼性を向上させることができる。
【0038】この場合、樹脂層をベーンの摺動面に設け
るだけで、ベーンの摩耗が簡単な構成により防止でき
る。
【0039】また、吸収層は周方向に形成されるように
すれば、ベーンの摺動面全体において、ベーンの摩耗が
簡単に防止できる。
【0040】更に、ハウジングはアルミ材より成り、ロ
ータまたはベーンは、アルミ−珪素−鉄系材より成るよ
うにすれば、耐焼付け性、耐摩耗性、摩擦係数とも優れ
たベーンの摺動状態が確保できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における弁開閉時期制御装
置の平面図である。
【図2】図1に示すA−A断面図である。
【図3】図2に示すB−Bの矢視図である。
【符号の説明】
1 弁開閉時期制御装置 10 カムシャフト(吸排気制御部材) 20 ロータ 21 ベーン 31 ハウジング 31a 凹部(流体室) 32 ギヤ(回転伝達部材) 35 吸収層(樹脂層) R1 進角室(流体室) R2 遅角室(流体室)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの回転軸および前記エンジンの
    吸排気を制御する吸排気制御部材のいずれか一方と一体
    回転する回転伝達部材と、 前記回転伝達部材と一体回転するハウジングと、 該ハウジングに対して相対回転を行い、前記回転軸およ
    び前記吸排気制御部材のいずれか他方と一体回転するロ
    ータと、 該ロータと前記ハウジングとの間に形成される流体室
    と、 該流体室を進角室と遅角室とに区画し、前記ロータまた
    は前記ハウジングに取り付けられ、前記ロータと前記ハ
    ウジングとの間で相対回転を成すベーンとを備えた弁開
    閉時期制御装置において、 前記ベーンと前記ハウジングとの間に、前記流体室に存
    在する異物を吸収する吸収層を設けたことを特徴とする
    弁開閉時期制御装置。
  2. 【請求項2】 前記吸収層は、樹脂層より成り、前記ベ
    ーンの前記ハウジングに対する摺動面に形成されること
    を特徴とする請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
  3. 【請求項3】 前記吸収層は、周方向に形成されること
    を特徴とする請求項2に記載の弁開閉時期制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ハウジングはアルミ材より成り、前
    記ロータまたは前記ベーンは、アルミ−珪素−鉄系材よ
    り成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    かに記載の弁開閉時期制御装置。
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