JP4213234B2 - 内燃機関用バルブタイミング調整装置 - Google Patents

内燃機関用バルブタイミング調整装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、「内燃機関」をエンジンという)の吸気バルブおよび排気バルブの少なくともいずれか一方の開閉時期(以下、「開閉時期」をバルブタイミングという)を運転条件に応じて変更するためのバルブタイミング調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンの吸気バルブおよび排気バルブの少なくともいずれか一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置では、エンジンの駆動軸としてのクランクシャフトから駆動力伝達手段を介して従動軸としてのカムシャフトに駆動力を伝達している。駆動力伝達手段として、例えば特表平7−506885号公報に開示されるようにベーン式を採用するものが知られている。
【0003】
ベーン式のものは、クランクシャフトと同期して回転するハウジング部材内に、カムシャフトとともに回転するベーン部材を収容している。そして、ハウジング部材とベーン部材とを液圧により相対的に回動させることによりクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相差を制御し、エンジンの運転条件に応じて吸気バルブおよび排気バルブの少なくともいずれか一方のバルブタイミングを調整している。
【0004】
このようなベーン式のバルブタイミング調整装置では、ベーン部材を相対回動可能に収容するためにハウジング部材に収容室を形成している。収容室を形成するハウジング部材の内周壁はほぼ同一内径に形成されており、ハウジング部材の内周壁とベーン部材の外周壁との摺動により作動流体の漏れが防止されている。ハウジング部材の内周壁とベーン部材の外周壁との摺動箇所にシール部材が配設されていることもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように収容室に面するハウジング部材の内周壁がほぼ同一内径に形成されている構成では、フィルタで濾しきれなかった異物が作動流体に混入していると、バルブタイミング調整装置の回転に伴い発生する遠心力により、異物がハウジング部材の大径側の内周壁に押しつけられ逃げ場がなくなる。すると、ハウジング部材側摺動部とベーン部材側摺動部との間に異物が入り込みハウジング部材側摺動部およびベーン部材側摺動部が摩耗しやすくなる。ここでハウジング部材側摺動部およびベーン部材側摺動部とは、ハウジング部材に対するベーン部材の相対回動により摺動するハウジング部材の大径側の内周壁、ベーン部材の外周壁および摺動箇所に配設されたシール部材のことである。さらに、ハウジング部材とベーン部材との金属摺動によっても異物としての摩耗粉が生じるので、この摩耗粉が摺動箇所に入り込むと、ハウジング部材側摺動部およびベーン部材側摺動部が摩耗しやすくなる。シール部材がハウジング部材およびベーン部材のどちらに配設されている場合も、摺動箇所に異物が入り込むと、ハウジング部材側摺動部およびベーン部材側摺動部が摩耗しやすくなる。摺動部が摩耗すると、摺動箇所から作動流体が漏れ、駆動軸と従動軸との回転位相差を高精度に制御できなくなる。
【0006】
このような異物によるハウジング部材側摺動部およびベーン部材側摺動部の摩耗を低減するためには、耐摩耗性に優れた鉄系焼結材を用いたり、鉄系焼結材にさらに熱処理や表面処理等を施して耐摩耗性を向上することが考えられる。しかし、このような耐摩耗性に優れた材料は高価であり、さらに熱処理や表面処理を施すことにより製造コストが増加する。
【0007】
また、ハウジング部材の内側壁近傍の内周壁を切削加工する際、切削工具が内側壁および内周壁に同時に当たると切削工具の当たり面が大きくなるので、切削工具にびびりが生じハウジング部材の内周壁を高精度に切削加工できないという問題がある。
本発明の目的は、ハウンジング部材側摺動部およびベーン部材側摺動部における摩耗を低減し、駆動軸と従動軸との回転位相差を高精度に制御するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のエンジン用バルブタイミング調整装置によると、収容室に面するハウジング部材の内周壁にハウジング部材側摺動部としてのシール部と、シール部よりも内径が大きい大径凹部とを設けている。したがって、バルブタイミング調整装置の回転に伴う遠心力により作動流体中の異物は径方向外側に集められ、大径凹部に溜まる。さらに、ハウジング部材とベーン部材との摺動により生じる異物としての摩耗粉や摺動箇所に入り込んだ異物も摺動箇所からかき出された後遠心力により大径凹部に溜まる。大径凹部はベーン部材側摺動部と摺動するシール部よりも内径が大きいのでベーン部材側摺動部と摺動しない。さらに、異物が遠心力により大径凹部に押し付けられるので、大径凹部に集められた異物はハウジング部材側摺動部とベーン部材側摺動部との摺動箇所に入り込まない。したがって、ハウジング部材側摺動部およびベーン部材側摺動部の摩耗を低減し、摺動箇所からの作動流体の漏れを抑制するので、ハウジング部材とベーン部材、つまり駆動軸と従動軸との回転位相差を高精度に制御できる。
さらに、本発明の請求項1記載のエンジン用バルブタイミング調整装置によると、シール部の周方向両側に大径凹部を設けるので、異物が周方向のどちらにかき出されても大径凹部に異物を集めることができる。
【0009】
本発明の請求項2記載のエンジン用バルブタイミング調整装置によると、ベーン部材側摺動部と摺動しない大径凹部を切削加工しないので加工工数が低減する
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施例によるエンジン用バルブタイミング調整装置を図1、図2および図3に示す。
図3に示すタイミングギア1は、図示しないギア列により図示しないエンジンの駆動軸としてのクランクシャフトから駆動力を伝達され、クランクシャフトと同期して回転する。従動軸としてのカムシャフト2は、タイミングギア1から駆動力を伝達され、図示しない吸気バルブおよび排気バルブの少なくともいずれか一方を開閉駆動する。カムシャフト2は、タイミングギア1に対し所定の位相差をおいて回動可能である。タイミングギア1およびカムシャフト2は図3に示す矢印X方向からみて時計方向に回転する。以下この回転方向を進角方向とする。
【0011】
タイミングギア1とシューハウジング3およびベーンロータ9との間には、薄板状に形成されたシールプレート50およびリアプレート51が介在している。シールプレート50は、リアプレート51とシューハウジング3およびベーンロータ9との間に挟持されており、タイミングギア1とシューハウジング3およびベーンロータ9との側壁の間からの作動油漏れを防止している。タイミングギア1、シューハウジング3、フロントプレート4、シールプレート50およびリアプレート51は駆動側回転体を構成し、ボルト20により同軸上に固定されている。また、タイミングギア1、シューハウジング3、フロントプレート4、シールプレート50およびリアプレート51はハウジング部材を構成している。
【0012】
図1に示すように、ハウジング部材の周壁としてのシューハウジング3は、周方向にほぼ等間隔に台形状のシュー3a、3b、3cを有している。シュー3a、3b、3cの内周面は、断面円弧状に形成されており、シュー3a、3b、3cの周方向の三箇所の間隙にはそれぞれベーン部材としてのベーン9a、9b、9cの収容室である扇状空間部40が形成されている。
【0013】
この扇状空間部40に面し各シューの内周壁よりも大径のシューハウジング3の大径内周壁41は、ベーン部材側摺動部としての各ベーンの外周壁および後述するシール部材16と摺動するシール部41a、ならびにシール部41aの周方向両側にシール部41aよりも内径が大きく各ベーンの外周壁およびシール部材16と摺動しない大径凹部41bを有している。シール部41aおよび大径凹部41bはシューハウジング3の厚み方向に形成されている。大径凹部41bに連続して、各シュー3a、3b、3cの付け根に断面半円形状の油溜部42がシューハウジング3の厚み方向に形成されている。大径凹部41bおよび油溜部42は、シューハウジング3の鋳造、焼結、ダイカスト、冷鍛、押出成形等による造形加工時に同時に形成してもよいし、造形加工後に切削加工してもよい。
【0014】
ベーンロータ9は周方向にほぼ等間隔にベーン9a、9b、9cを有し、このベーン9a、9b、9cがシュー3a、3b、3cの周方向の間隙に形成されている扇状空間部内に回動可能に収容されている。図3に示すように、ベーンロータ9およびブッシュ5は、ボルト21によりカムシャフト2に一体に固定されており、従動側回転体を構成している。ベーンロータ9と一体に固定されるブッシュ5は、フロントプレート4の内周壁に相対回動可能に嵌合している。大径側および内径側のベーンロータ9の外周壁とシューハウジング3の内周壁との間には微小クリアランスがそれぞれ設けられており、ベーンロータ9はシューハウジング3と相対回動可能である。ベーン9a、9b、9cの外周壁、およびベーンロータ9のボス部9dの外周壁にはそれぞればね17で付勢されたシール部材16が嵌合しており、各油圧室間の作動油の漏れを防止している。
【0015】
図1に示すように、シュー3aとベーン9aとの間に遅角油圧室10が形成され、シュー3bとベーン9bとの間に遅角油圧室11が形成され、シュー3cとベーン9cとの間に遅角油圧室12が形成されている。また、シュー3aとベーン9bとの間に進角油圧室13が形成され、シュー3bとベーン9cとの間に進角油圧室14が形成され、シュー3cとベーン9aとの間に進角油圧室15が形成されている。
【0016】
以上の構成により、カムシャフト2およびベーンロータ9はタイミングギア1、シューハウジング3およびフロントプレート4に対して同軸に相対回動可能である。
図3に示すように、ガイドリング19は、収容孔23を形成するベーン9aの内壁に圧入保持され、このガイドリング19にストッパピストン7が挿入されている。従って、ストッパピストン7はカムシャフト2の軸方向に摺動可能にベーン9aに収容され、かつスプリング8によりフロントプレート4側に付勢されている。ストッパピストン7はスプリング8の付勢力によりフロントプレート4に形成されたストッパ穴22に嵌合可能である。タイミングギア1に形成された連通路24はフランジ部7aよりも右側の収容孔23に連通するとともに大気解放されているので、ストッパピストン7の移動が妨げられない。
【0017】
フランジ部7aの左側の油圧室37は、図示しない油路を介して遅角油圧室10と連通している。遅角油圧室10に作動油が供給されると、スプリング8の付勢力に抗してストッパピストン7はストッパ穴22から抜け出す。また、ストッパピストン7の先端部に形成された油圧室38は、図1に示す油路39を介して進角油圧室15と連通している。進角油圧室15に作動油が供給されると、スプリング8の付勢力に抗してストッパピストン7はストッパ穴22から抜け出す。
【0018】
ストッパピストン7の位置とストッパ穴22の位置とは、クランクシャフトに対してカムシャフト2が最遅角位置にあるとき、つまりフロントプレート4に対してベーンロータ9が最遅角位置にあるときにストッパピストン7がストッパ穴22に嵌合するように設定されている。ストッパピストン7とストッパ穴22とはロック機構を構成している。
【0019】
図1および図3に示すようにベーンロータ9のボス部9dには、ブッシュ5との当接部において油路29が設けられており、カムシャフト2との当接部において油路33が設けられている。油路29および33はそれぞれ円弧状に形成されている。油路29は、油路27、25を介して図示しない駆動手段としての油圧源またはドレインと連通している。さらに油路29は、油路30、31、32により遅角油圧室10、11、12と連通しており、図示しない油路を介して油圧室37と連通している。
【0020】
油路33は、油路28、26を介して図示しない駆動手段としての油圧源またはドレインと連通している。さらに油路33は、油路34、35、36により進角油圧室13、14、15と連通しており、進角油圧室15、油路39を介して油圧室38と連通している。
次に、バルブタイミング調整装置の作動を説明する。
【0021】
エンジン通常運転時、遅角油圧室10、11、12、進角油圧室13、14、15に供給される作動油は、バルブタイミングを調整するとともに、シューハウジング3、フロントプレート4およびシールプレート50とベーンロータ9との摺動箇所における潤滑油の役目を果たしている。
フィルターで濾過されるとはいえ作動油中にはエンジンの各部で生じた鉄粉等の異物が含まれており、さらにシューハウジング3とベーンロータ9との摺動により異物としての摩耗粉が生じている。各ベーンに嵌め込まれたシール部材16はシューハウジング3に対してベーンロータ9が相対回動するのに伴いシール部41aと各ベーンとの摺動箇所からこのような異物を大径凹部41bにかき出す。ベーンロータ9の中心側のボス部9dの外周壁に嵌め込まれたシール部材16は、各シューの内周壁とほぼ周方向長さに渡って摺動するので、中心側の異物は各シューの内周壁とボス部9dとの摺動箇所に留まらずボス部9dに嵌め込まれたシール部材16により各シューの内周壁の周方向両側にかき出される。ボス部9dに嵌め込まれた各シール部材16によりかき出された異物は、遠心力により径方向外側に向かい、大径凹部41に集められる。
【0022】
大径凹部41bは各ベーンの外周壁と摺動するシューハウジング3のシール部41aよりも内径が大きく径方向外側に設けられているので、シューハウジング3とベーンロータ9の摺動箇所から一旦大径凹部41bに集められた異物は遠心力により径方向外側に押されるので、シール部41aとベーン部材側摺動部との摺動箇所に入り込まない。したがって、シール部41aおよびベーン部材側摺動部における摩耗を低減し、摺動箇所からの作動油漏れを抑制する。
【0023】
エンジンが停止すると、遅角油圧室10、11、12、進角油圧室13、14、15に作動油が供給されなくなるので、ベーンロータ9はシューハウジング3に対し図1に示す最遅角位置で停止する。油圧室37、38にも作動油が供給されないので、ストッパピストン7はスプリング8の付勢力によりストッパ穴22に嵌合する。
【0024】
エンジンが長時間停止すると、扇状空間部40からは摺動クリアランスを通って作動油が下方に抜け出していくが、停止位置によっては油溜部42に作動油が溜まったままになる。したがって、エンジンが再始動すると、油溜部42に溜まった作動油が飛散したり壁面を伝わることにより、シューハウジング3の内周壁とベーンロータ9の外周壁との摺動部、フロントプレート4およびシールプレート50とベーンロータ9との側壁同士による摺動部が潤滑される。
【0025】
エンジンが始動されても、各油路および各油圧室に所定圧の作動油が供給されるまではストッパピストン7はストッパ穴22に嵌合したままであり、クランクシャフトに対しカムシャフト2は最遅角位置に保持されている。これにより、作動油が各油圧室に供給されるまでの間、フロントプレート4にベーンロータ9がロックされるので、シューハウジング3とベーンロータ9とがカムの変動トルクにより衝突することを防止する。
【0026】
各遅角油圧室または進角油圧室に作動油が供給されると、油圧室37または38に作動油が供給される。すると、ストッパピストン7は図2の右側に力を受けるので、スプリング8の付勢力に抗してストッパ穴22からストッパピストン7が抜け出す。これにより、ロック機構によるフロントプレート4とベーンロータ9との結合が解除されるので、遅角油圧室10、11、12、進角油圧室13、14、15に加わる作動油圧によりシューハウジング3に対してベーンロータ9が相対回動し、クランクシャフトに対するカムシャフト2の相対位相差が調整される。
【0027】
以上説明した本発明の実施の形態を示す上記実施例では、扇状空間部40に面しベーン部材側摺動部である各ベーンの外周壁およびシール部材16と摺動するシール部41aの周方向両側に、シール部41aよりも内径が大きく各ベーンの外周壁およびシール部材16と摺動しない大径凹部41bを形成している。作動油に含まれる異物は装置の回転に伴う遠心力により大径凹部41bに集まり、摺動箇所に戻らない。さらに、シューハウジング3とベーンロータ9との摺動により発生した摩耗粉、ならびに摺動箇所に入り込んだ異物は摺動箇所からシール部材16によりかき出されて大径凹部41b集まり、摺動箇所に戻らない。したがって、シール部41bおよびベーン部材側摺動部における摩耗を低減することができるので、摺動箇所からの作動油の漏れを抑制できる。これにより、シューハウジング3とベーンロータ9との回転位相差、つまりクランクシャフトとカムシャフトとの回転位相差を高精度に制御できる。
【0028】
本実施例では、シューハウジング3のシール部41aの周方向両側に大径凹部41bを形成したが、シール部41aの一方の周方向端部側だけに大径凹部41bを設けてもよい。また、大径凹部41bに連続して各シューの根元に油溜部42を形成したが、油溜部42を形成しない構成でもよい。
シューハウジング3の鋳造、焼結、ダイカスト、冷鍛、押出成形等による造形加工時に同時に大径凹部41bを形成する場合、造形加工後大径凹部41bを切削加工しないことにより加工時間を短縮することができる。さらに、大径凹部41bを切削加工しないことにより、油溜部近傍の角部における切削工具のびびりや、サイジング時の角部型の焼きつき等を防止することができるので、シューハウジングの加工精度を均一化することができる。
【0029】
本実施例では、ベーンロータ9の外周壁にシール部材を嵌め込んだが、シューハウジング3の内周壁にシール部材16を嵌め込んでもよい。この場合にも、異物は大径凹部41bに集められるので大径内周壁41およびベーン部材側摺動部の摩耗を低減できる。
また本実施例では、シューハウジング3とフロントプレート4とを別体に形成したが、一体に形成することも可能である。シューハウジングとフロントプレートとを一体に形成することにより、組付けが容易になるとともに、作動油の漏れ箇所を減少することができる。
【0030】
また本実施例では、クランクシャフトの駆動力を伝達する手段としてタイミングギアを用いたが、タイミングギアに代えてチェーンスプロケットまたはタイミングプーリを用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるバルブタイミング調整装置を示す横断面図である。
【図2】本実施例によるシューハウジングとベーンロータとの摺動部を示す模式的断面図である。
【図3】本実施例によるバルブタイミング調整装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 タイミングギア(ハウジング部材)
2 カムシャフト(従動軸)
3 シューハウジング(ハウジング部材)
3a、3b、3c シュー(ハウジング部材)
4 フロントプレート(ハウジング部材)
9 ベーンロータ
9a、9b、9c ベーン(ベーン部材)
41 大径内周壁
41a シール部
41b 大径凹部

Claims (2)

  1. 内燃機関の駆動軸から内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブの少なくともいずれか一方を開閉する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記駆動軸と前記従動軸との回転位相差を液圧制御する内燃機関用バルブタイミング調整装置であって、
    前記駆動軸または前記従動軸のいずれか一方とともに回転するハウジング部材と、
    前記駆動軸または前記従動軸の他方とともに回転し、前記ハウジング部材内に形成された収容室に所定角度範囲に限り前記ハウジング部材に対して相対回動可能に収容されるベーン部材とを備え、
    前記収容室に面する前記ハウジング部材の内周壁は、前記ベーン部材側の摺動部と摺動し前記ハウジング部材の内周壁として前記ベーン部材との間をシールするシール部、ならびに前記シール部よりも内径が大きく前記ベーン部材側の前記摺動部と摺動しない前記シール部の周方向両側に形成されている大径凹部を有し、
    前記ベーン部材は、前記ベーン部材の外周壁より外径が大きく前記ベーン部材側の摺動部として前記ハウジング部材の前記シール部と摺動し且つ前記ハウジング部材の前記シール部との間をシールするシール部材を有することを特徴とする内燃機関用バルブタイミング調整装置。
  2. 前記シール部は切削され、前記大径凹部は非切削であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用バルブタイミング調整装置。
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