JP3899616B2 - 内燃機関用バルブタイミング調整装置 - Google Patents

内燃機関用バルブタイミング調整装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、「内燃機関」をエンジンという)の吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミング(以下、「開閉タイミング」をバルブタイミングという)を運転条件に応じて変更するためのバルブタイミング調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンのクランクシャフトと同期回転するカムギアやチェーンスプロケットを介してカムシャフトを駆動し、カムギアやチェーンスプロケットとカムシャフトとの相対回動による位相差により吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方のバルブタイミングを制御するベーン式のバルブタイミング調整装置として、特表平7−506885号公報、特開平8−121122号公報に開示されているものが知られている。
【0003】
特表平7−506885号公報、特開平8−121122号公報に開示されているものでは、ベーンがハウジングの収容室に回動可能に収容されており、ハウジングに対するベーンの位相差を作動油などの流体圧力により制御している。
ベーンの外周壁とハウジングの内周壁との間には微小クリアランスが設けられており、このクリアランスを介して作動油が漏れることを、ベーンとハウジングの摺動面のベーン外周またはハウジング内周に軸方向に設けられた溝に嵌合されたシール部材により防止している。
【0004】
特表平7−506885号公報に開示されているものでは、シール部材とは別体でシール部材に向かって凸に湾曲した板ばねをシール部材の摺動面の背面に設け、それによってシール部材を押圧している。このような構成では、板ばねを挿入する時や、ベーンとハウジングを相対回動させた時に、板ばねの両端部とベーンまたはハウジングの溝とが擦れ合って摩耗するという問題があった。
【0005】
それに対し、特開平8−121122号公報に開示されるものでは、シール部材と反対方向に湾曲した板ばねによってシール部材を押圧しているので、板ばねと溝との間の摩耗を減らすことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−121122号公報に開示されるものは、シール部材と板ばねが別体であるため、組付時にはシール部材と板ばねの両方を持って位置合わせをしながら溝に嵌合させなければならず、手間がかかる。また、組付時に板ばねに強い力でシール部材を押圧すると、板ばねが必要以上にシール部材側に変形し、板ばねをへたらせてしまうことがあった。
【0007】
さらに、板ばねは幅方向には固定されていないので、ベーンとハウジングを相対回動させた時にはシール部材に対して板ばねが幅方向に位置がずれ、板ばねとの当接部においてシール部材が摩耗したり、板ばねがシール部材から幅方向にはみ出してシール部材を嵌合させた溝と接触して摩耗することがあった。
また、シール部材の長手方向の長さは、シール部材の動きを容易にするため、ハウジング部材内に設けられた収容部の軸方向の長さより短くし、シール部材とハウジングとの間にわずかのクリアランスができるように設定されている。このクリアランスが大きいと油漏れが生じ、少ないと油膜切れによるシール部材の動作不良、焼き付き及び異常摩耗等を生じるという問題があった。
【0008】
ベーンを作動させる作動油は、既存のエンジン潤滑用オイルを使用しているため、フィルタを介して供給されるとはいえ、鉄粉をはじめとする多くの異物が含まれている。更には、ベーン自身が作動することにより発生する摩耗粉も異物として存在する。このような異物が混入した作動油で作動するベーンは、従来からその異物による摩耗を考慮した材料の選定、摩耗を見込んだ初期寸法の設定等(例えば、材料は耐摩耗性のよいFe系燃結材料、更には熱処理表面処理を施して更なる耐摩耗性向上を狙う等の配慮)がなされてきた。しかし、耐摩耗性材料の採用、または耐摩耗性向上のための処理がコストアップにつながるという問題があった。
【0009】
さらに、シール部材として樹脂材料を用いた場合、射出成形により形成されるため、ゲート痕が生じる。また、成形品の金型分割面にはバリが残る。ゲート痕がシール面から突出して生じると、ゲート痕とハウジングとの間で摩耗の問題が発生する。さらに、シール面にバリが残ると、バリが残っているシール面でのシール性が低下するという問題も生じていた。ゲート痕による摩耗の低減やバリによるシール性低下の防止のためには、ゲート痕やバリを処理しなければならないという問題があった。
【0010】
このようなシール部材に起因する不具合により、信頼性の高いエンジン用バルブタイミング調整装置を提供することは困難であった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、エンジン用バルブタイミング調整装置の信頼性向上を目的とする。
本発明の目的は、シール手段の組付が容易なエンジン用バルブタイミング調整装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、シール手段の組付時に板ばねが必要以上にシール部材側へ変形することのないエンジン用バルブタイミング調整装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、板ばねと周辺部材との間の摩耗を減少させることのできるエンジン用バルブタイミング調整装置を提供することにある。
【0012】
本発明の目的は、作動油に含まれる異物によるベーンの摩耗を低減することにある。
本発明の他の目的は、油膜切れし易い面当たりとなる両端シール面に積極的に作動油を流し込むことのできるエンジン用バルブタイミング調整装置を提供することにある。
【0013】
本発明の目的は、シール部材を樹脂材料により射出成形した際に生じるゲート痕やバリによる不具合を低減したエンジン用バルブタイミング調整装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のエンジン用バルブタイミング調整装置によれば、ハウジング部材とベーン部材とのいずれか一方に、板ばねと、前記板ばねの両端部を挿入する穴部を有し前記板ばねの付勢力により前記ハウジング部材および前記ベーン部材の他方に当接し摺動するシール部材とからなるシール手段を挿入する。従って、シール手段をバルブタイミング調整装置に組付ける時に板ばねの幅方向の位置ずれを防ぐことができ、組付けが容易になる。また、使用中の板ばねの位置ずれを防ぐことにより、板ばねと周辺部材との間の摩耗を減らすことができる。
【0015】
さらに、本発明の請求項記載のエンジン用バルブタイミング調整装置によれば、板ばね両端のシール部材の穴部に挿入される部分は、他の部分よりも幅が狭くなっているため、板ばねの幅をシール部材の穴部の幅よりも大きくして板ばねの付勢力を大きくすることができる。本発明の請求項記載のエンジン用バルブタイミング調整装置によれば、シール部材の穴部が形成された面には、板ばねのシール部材側への変形を制限する凸部が設けられているため、シール手段を組付ける工程で板ばねが必要以上に変形し、へたるのを防ぐことができる。
【0016】
本発明の請求項記載のエンジン用バルブタイミング調整装置によれば、板ばねの一方の端は穴部により動きを規制されていて、他方の端は穴部の中で長さ方向に移動可能なため、板ばねによる付勢力を保持しつつ、シール手段を組付ける工程で板ばねの位置ずれや落下を防ぐことができ、組付けが容易になる
【0017】
本発明の請求項記載のエンジン用バルブタイミング調整装置のシール部材によれば、シール部材の長手方向の両端部に凹部を設けることにより、面当たりとなる両端シール面に作動油が入り込むので、油膜切れによるシール部材の動作不良や異常摩耗を防止することができる。本発明の請求項記載のエンジン用バルブタイミング調整装置のシール部材によれば、長手方向の端面の凹部にゲート痕を有しており、ゲート痕が長手方向のシール面より飛び出ることがないため、ゲート痕の処理が不要となる。
【0018】
本発明の請求項記載のエンジン用バルブタイミング調整装置のシール部材によれば、非シール面の縁にバリの残部あるいはバリの除去痕を有するため、バリによる不具合を抑制できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例によるエンジン用バルブタイミング調整装置を図1および図2に示す。
【0020】
図1に示すハウジング部材の一方の側壁であるタイミングギア1は、図示しないギア列により図示しないエンジンの駆動軸としてのクランクシャフトと結合して駆動力を伝達され、クランクシャフトと同期して回転する。従動軸としてのカムシャフト2は、タイミングギア1から駆動力を伝達され、図示しない吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する。タイミングギア1およびカムシャフト2は図1に示す矢印X方向からみて時計方向に回転する。以下この回転方向を進角方向とする。
【0021】
タイミングギア1とシューハウジング3との間には、薄板状に形成されたリアプレート18が介在している。このリアプレート18により、タイミングギア1とシューハウジング3との間からの油漏れを防止している。タイミングギア1、シューハウジング3およびリアプレート18は駆動側回転体としてハウジング部材を構成し、ボルト20により同軸上に固定されている。
【0022】
シューハウジング3は周壁4と他方の側壁であるフロントプレート5とからなり一体に形成されている。図2に示すように、シューハウジング3は周方向にほぼ等間隔に台形状に形成されたシュー3a、3b、3cを有している。シュー3a、3b、3cの周方向の三箇所の間隙にはそれぞれベーン部材としてのベーン9a、9b、9cを収容する収容室としての扇状空間部40が形成されており、シュー3a、3b、3cの内周面は、断面円弧状に形成されている。
【0023】
図2に示すように、ベーンロータ9は周方向にほぼ等間隔にベーン9a、9b、9cを有し、このベーン9a、9b、9cがシュー3a、3b、3cの周方向の間隙に形成されている扇状空間部内に回動可能に収容されている。図2に示す遅角方向、進角方向を表す矢印は、シューハウジング3に対するベーンロータ9の遅角方向、進角方向を表している。ベーンロータ9は、カムシャフト2に一体に固定されており、従動側回転体を構成している。
【0024】
以上の構成により、カムシャフト2およびベーンロータ9はタイミングギア1およびシューハウジング3に対して同軸に相対回動可能である。
図2に示すように、ベーンロータ9の外周壁と周壁4の内周壁との間には微小クリアランス50が設けられている。このクリアランス50の大きさは、ハウジングの内壁角部とベーンロータ9の角部との干渉を避け、ならびにシューハウジング3とベーンロータ9との芯ずれを考慮して設定されている。
【0025】
シュー3aとベーン9aとの間に遅角油圧室10が形成され、シュー3bとベーン9bとの間に遅角油圧室11が形成され、シュー3cとベーン9cとの間に遅角油圧室12が形成されている。また、シュー3aとベーン9bとの間に進角油圧室13が形成され、シュー3bとベーン9cとの間に進角油圧室14が形成され、シュー3cとベーン9aとの間に進角油圧室15が形成されている。
【0026】
本発明の第1実施例のシール手段としてのシ−ル部材16と板ばね17の平面図を図3に、縦断面図を図4に示す。直方体状のシール部材16は樹脂により形成され、板ばね17の装着面のみを開放した箱状に形成されている。この明細書では、シール部材16のシューハウジング3との摺動面を上面16b、板ばね17の装着面を底面16c、長手方向の両端面を端面16d、残る2面を側面16eと呼ぶ。そして、その中央には仕切り状の補強用リブ16aが設けられている。また、このシール部材16の長手方向の両端には、凹部167が設けられている。板ばね17の幅Bは、シール部材16に設けられた穴部161の幅Aよりも僅かに狭くなっている。
【0027】
湾曲した板ばね17の両端はシール部材16の穴部161に挿入される。そのため、軸方向からシール手段をスライドさせて挿入するシール手段の組付け時に板ばね17の両端が溝9eに傷を付けることはない。また、板ばね17が幅方向に移動しようとしたときは、板ばね17の側面が穴部161の側面162に当たって動きが規制され、シール部材16に対する板ばね17の位置が幅方向には殆どずれないので、組付けが容易であり、板ばね17とシール部材16との間の摩耗を減少させることができる。さらに、板ばね17がシール部材16の幅方向にはみ出すこともないので、板ばね17の側面が溝9eの側面に接触して摩耗することもない。
【0028】
図4に示すように、シール部材16の穴部161が形成された底面16cは中央が膨らんだ形状になっていて凸部163を形成している。これにより、組付時に板ばね17の中央部をシール部材16に向けて強く押圧しても、凸部163により板ばね17のシール部材16側への変形が制限されるので、板ばね17が必要以上に変形してへたることがない。なお、シール手段を組付けた図2の状態では、板ばね17の両端はシール部材16の穴部161の底面に当接する。
【0029】
シール部材16は、射出成形される。図7はシール部材16の成形型のシール部材16の長手方向の縦断面図である。シール部材16は成形型60a及び60bを合わせ、ゲート60cより樹脂を流し込むことにより成形される。シール部材16のシール面となる面、すなわち上面16b、端面16d及び側面16eは、一方の成形型60bの直方体型の凹部の各面で形成される。そのため、これらのシール面から、垂直な方向には成形品にバリ168が残らない。換言すると、シール部材16の成形品に残るバリ168を、シューハウジング3またはベーンロータ9に密着してシールする必要のない底面16c及び凹部167のみに集中させて、しかも底面16cからは側面16e及び端面16dに沿ってのみ立ち上がり、凹部167からは端面16dに沿ってのみ立ち上がって発生させることができる。このようにシール部材16を成形する際に発生するバリ168を非シール面、特にその縁のみに生じるようにすると、バリ168の残部あるいはバリ168の除去痕はシールには影響しないため、バリ168によるシール性低減等の不具合を抑制できる。
【0030】
シール部材16を成形する際のゲート60Cは図7に示すように、凹部167に設けられている。成形されたシール部材16のランナには、図8のように切り込みが入っている。そのため、ランナ169は切り込みの部分を折り曲げるだけで切断可能である。図9に示すように、そのゲート痕16fはゲート60Cが凹部167内に位置することからシール部材16の長手方向両端のシール面16dより、飛び出ることがないため、研削などのゲート痕仕上げが不要となる。
【0031】
シール部材16は、ベーンロータ9の外周壁に軸方向に形成された溝9eに嵌合している。シール部材16は図10に示すように、板ばね17の付勢力、油圧および遠心力により径方向外側の周壁4に向けて押されることにより、シール手段として油圧室間においてクリアランス50を通って作動油が漏れることを防止している。
【0032】
また図1に示すように、シール部材16の長手方向の長さは、シール部材16の動きを容易にするため、フロントプレート5とリアプレート18との間隔Hより短く設定され、クリアランス51が設けられている。さらに、シール部材16の端面16dには、凹部167が設けられている。作動油はその凹部167を通ってシール部材16の端面16dに流れ込み、油膜を作るので、クリアランス51が狭くても油膜切れは発生しない。そのため、ベーンに保持されて、ベーンと共に回動する際に、油膜切れによるシール部材16の動作不良、焼き付き及び異常摩耗等の問題を回避できる。
【0033】
ストッパピストン7はカムシャフト2の軸方向に摺動可能にベーン9aに収容されている。フロントプレート5には図示しないストッパ穴が形成されており、ストッパピストン7は図示しないスプリングの付勢力によりストッパ穴に嵌合可能である。
ストッパピストン7とフロントプレート5との間には図示しない油圧室が設けられ、その油圧室はそれぞれ進角油圧室15または遅角油圧室10と連通している。進角油圧室15または遅角油圧室10に作動油が供給されると、スプリングの付勢力に抗してストッパピストン7はストッパ穴から抜け出す。
【0034】
ストッパピストン7の位置とストッパ穴の位置とは、クランクシャフトに対してカムシャフト2が最遅角位置にあるとき、つまりシューハウジング3に対してベーンロータ9が最遅角位置にあるときにストッパピストン7がストッパ穴に嵌合するように設定されている。ストッパピストン7とストッパ穴とはロック機構を構成している。
【0035】
図1および図2に示すようにカムシャフト2には、軸方向に油路27、28、29及び33が設けられている。油路27、28、29は、図示しない駆動手段としての油圧源またはドレインと連通している。さらに油路27、28、29は、それぞれ油路30、31、32により遅角油圧室10、11、12と連通している。
【0036】
油路33は、図示しない駆動手段としての油圧源またはドレインと連通している。さらに油路33は、油路34、35、36により進角油圧室13、14、15と連通している。
次に、バルブタイミング装置の作動について説明する。
エンジン通常運転時、遅角油圧室10、11、12、進角油圧室13、14、15に供給する作動油の油圧によりストッパピストン7はストッパ穴から抜け出しているので、シューハウジング3に対しベーンロータ9は相対回動自在である。そして、各油圧室に加わる油圧を制御することにより、クランクシャフトに対するカムシャフト2の位相差を調整する。
【0037】
エンジンが停止すると、遅角油圧室10、11、12、進角油圧室13、14、15に作動油が供給されなくなるので、ベーンロータ9はシューハウジング3に対し図2に示す最遅角位置で停止する。ストッパピストン7はスプリングの付勢力によりストッパ穴に嵌合する。
エンジンが再始動しても、遅角油圧室10、11、12、進角油圧室13、14、15に作動油が供給されるまではストッパピストン7はストッパ穴に嵌合したままであり、クランクシャフトに対しカムシャフト2は最遅角位置に保持されている。これにより、作動油が各油圧室に供給されるまでの間、フロントプレート5にベーンロータ9がロックされるので、シューハウジング3とベーンロータ9とがカムの変動トルクにより衝突することを防止する。
【0038】
各遅角油圧室または各進角油圧室に作動油が供給されると、ストッパピストン7は図1の右側に力を受けるので、スプリングの付勢力に抗してストッパ穴からストッパピストン7が抜け出す。これにより、ロック機構によるフロントプレート5とベーンロータ9との結合が解除されるので、遅角油圧室10、11、12、進角油圧室13、14、15に加わる作動油圧によりシューハウジング3に対してベーンロータ9が相対回動し、クランクシャフトに対するカムシャフト2の相対位相差が調整される。
【0039】
ここで、図10において、遅角油圧室10の油圧の方が進角油圧室15の油圧より大きいとき、すなわち、シューハウジング3に対してベーンロータ9が矢印Kの方向に相対的に回転する場合の作動油に含まれる異物の挙動を考える。周壁4の内周壁とベーンロータ9の間には微少クリアランス50が存在し、シール部材16とハウジングの間は上下の微少クリアランス51が存在するため、シール部材16の部分ではLのような流れが存在する。異物はその流れによりシール部材16の底面に入り込み、更には、シール部材16の底面の穴部161へと入り込むこととなる。シューハウジング3は常に矢印Jの方向に回転運動しているため、油圧室内の異物は遠心力により周壁4に張り付こうとする。一度シール部材16の穴部161へ入り込んだ異物は遠心力の作用により、その穴部161から容易に出ることは不可能となる。
【0040】
(第2実施例)
本発明の第2実施例によるエンジン用バルブタイミング調整装置の全体構造は、図1および図2に示す第1実施例とほぼ同一である。本発明の第2実施例のシール手段としてのシール部材164と板ばね171を図5および図6に示す。
図5はシ−ル部材164と板ばね171の平面図である。板ばね171の幅Dはシール部材164の幅Cよりも僅かに狭い。板ばね171の一方の端172の幅Fはシール部材164の穴部165の幅Eよりも僅かに大きいため、板ばね171の端172をシール部材164の穴部165に挿入するときに軽い圧入となり、板ばね171の端172の動きを規制することができる。板ばね171の他方の端173の幅Gはシール部材164の穴部165の幅Eよりも僅かに狭いため、板ばね171の端173はシール部材164の穴部165の中で長さ方向に移動でき、板ばね171は付勢力をもつことができる。また、シール部材164と板ばね171との当接を端172の両側と端173の両側との合計4箇所に分散させることができるので、シール部材164に加わる応力の集中を緩和することができる。
【0041】
上記のような構成により、板ばね171の幅Dをシール部材164の穴部165の幅Eよりも大きく、シール部材164の幅Cとほぼ同じ程度まで大きくできるので、第1実施例と比較して板ばね171の付勢力を大きくすることができる。また、第1実施例と同じ幅の板ばねを用いた場合に、シール部材164の幅を狭くすることができるのでシール手段を小さくすることができる。
【0042】
また、板ばね171の一方の端172が穴部165に圧入されているため、組付け時に板ばね171がシール部材164と離れて落下することがない。
図6に示すように、第1実施例と同様にシール部材164の穴部165が形成された面は中央が膨らんだ形状になっていて凸部166を形成している。これにより、組付時に板ばね171をシール部材164に強く押圧しても、凸部166により板ばね171のシール部材164側への変形が制限されるので、必要以上に板ばね171が変形してへたることがない。
【0043】
本実施例では、シール部材16、164を樹脂で形成したが、カーボン材などの低摩耗材により形成することも可能である。
また、シール部材16に設けた凹部167は図11(a)、(b)のような形状にしてもよい。
また本実施例では、タイミングギア1によりクランクシャフトの回転駆動力をカムシャフト2に伝達する構成を採用したが、タイミングプーリまたはチェーンスプロケット等を用いる構成にすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるエンジン用バルブタイミング調整装置を示す図2のI −I 線断面図である。
【図2】本発明の第1実施例によるエンジン用バルブタイミング調整装置を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施例によるシール部材と板ばねを示す平面図である。
【図4】本発明の第1実施例によるシール部材と板ばねを組み合わせた状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施例によるシール部材と板ばねを示す平面図である。
【図6】本発明の第2実施例によるシール部材と板ばねを組み合わせた状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第1実施例によるシール部材の成形型のシール部材長手方向の縦断面図である。
【図8】本発明の第1実施例によるランナ切断前のシール部材の長手方向端部を示す部分断面図である。
【図9】本発明の第1実施例によるランナ切断後のシール部材の長手方向端部を示す部分断面図である。
【図10】図2におけるベーン9aのシール部材付近を模式的に示す拡大図である。
【図11】他の実施の形態を表すシール部材の端部の斜視図である。
【符号の説明】
1 タイミングギア(ハウジング部材)
2 カムシャフト(従動軸)
3 シューハウジング(ハウジング部材)
3a、3b、3c シュー
4 周壁(ハウジング部材)
5 フロントプレート(ハウジング部材)
7 ストッパピストン
9 ベーンロータ
9a、9b、9c ベーン(ベーン部材)
16 シール部材(シール手段)
17 板ばね(シール手段)
40 扇状空間部(収容室)

Claims (6)

  1. 内燃機関の駆動軸から内燃機関の吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられる内燃機関用バルブタイミング調整装置において、ハウジング部材と、
    前記ハウジング部材内に形成された収容室に所定角度範囲に限って前記ハウジング部材に対して相対回動可能に収容されるベーン部材と、
    前記ハウジング部材と前記ベーン部材との隙間に配設されるシール手段とを備え、
    前記シール手段は、
    前記ハウジング部材と前記ベーン部材とのいずれか一方に保持されて、他方に当接し摺動するシール部材と、
    前記シール部材を前記他方の部材に向けて付勢する板ばねとを有し、
    前記シール部材には前記板ばねの両端部を挿入する穴部が形成され、前記板ばねの両端は前記板ばねの他の部分よりも幅が狭くなっていることを特徴とする内燃機関用バルブタイミング調整装置。
  2. 内燃機関の駆動軸から内燃機関の吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられる内燃機関用バルブタイミング調整装置において、ハウジング部材と、
    前記ハウジング部材内に形成された収容室に所定角度範囲に限って前記ハウジング部材に対して相対回動可能に収容されるベーン部材と、
    前記ハウジング部材と前記ベーン部材との隙間に配設されるシール手段とを備え、
    前記シール手段は、
    前記ハウジング部材と前記ベーン部材とのいずれか一方に保持されて、他方に当接し摺動するシール部材と、
    前記シール部材を前記他方の部材に向けて付勢する板ばねとを有し、
    前記シール部材には前記板ばねの両端部を挿入する穴部が形成され、
    前記シール部材の前記穴部が形成された面に、前記板ばねの前記シール部材側への変形を制限する凸部が設けられていることを特徴とする内燃機関用バルブタイミング調整装置。
  3. 内燃機関の駆動軸から内燃機関の吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられる内燃機関用バルブタイミング調整装置において、ハウジング部材と、
    前記ハウジング部材内に形成された収容室に所定角度範囲に限って前記ハウジング部材に対して相対回動可能に収容されるベーン部材と、
    前記ハウジング部材と前記ベーン部材との隙間に配設されるシール手段とを備え、
    前記シール手段は、
    前記ハウジング部材と前記ベーン部材とのいずれか一方に保持されて、他方に当接し摺動するシール部材と、
    前記シール部材を前記他方の部材に向けて付勢する板ばねとを有し、
    前記シール部材には前記板ばねの両端部を挿入する穴部が形成され、
    前記板ばねの一方の端は前記穴部により動きを規制されており、前記板ばねの他方の端は前記穴部の中で長さ方向に移動することができることを特徴とする内燃機関用バルブタイミング調整装置。
  4. ハウジング部材内に形成された収容室に所定角度範囲に限って相対回動可能に収容されるベーン部材に保持されて、前記ハウジング部材の摺動面に当接する内燃機関用バルブタイミング調整装置のシール部材において、前記シール部材の長手方向の両端面に凹部が設けられていることを特徴とする内燃機関用バルブタイミング調整装置のシール部材。
  5. 前記シール部材は樹脂により形成され、前記凹部にゲート痕を有することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関用バルブタイミング調整装置のシール部材。
  6. 前記シール部材は樹脂により形成され、前記シール部材の反シール面 にバリの残部あるいはバリの除去痕を有することを特徴とする請求項4または請求項5のいずれかに記載の内燃機関用バルブタイミング調整装置のシール部材。
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