JP3894021B2 - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンに対して吸排気を行う吸排気弁の開閉時期を制御する弁開閉制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の弁開閉時期制御装置としては、特開2001−3716号公報に示されるものが知られている。
【0003】
この公報には、エンジンの回転に同期して駆動されるカムシャフトに回転自在に設けられ、内周に複数の凸部が設けられた第1回転体(ケース)と、カムシャフトに固定され、第1回転体の内周面に摺接する第2回転体(ロータ)と、第1回転体と第2回転体との相対回転を規制するロック部材とを備えたバルブタイミング調整装置が開示されている。
【0004】
この公報に示される装置では、第1回転体と第2回転体はロック部材によるロックが解除された場合、第1回転体と第2回転体とは相対回転が可能となり、エンジンの吸排気バルブの開閉タイミングが制御される。
【0005】
また、この公報に示される装置は、ケースの内周には周方向において複数の凸部が形成され、その凸部の一つにロータに対して突出するロック部材が配設される。また、この装置では、ロック部材が配設されるケース内側の凸部両側の端面が、ロータの回転範囲を規制するストッパの機能を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の装置では、ロック部材が配設される凸部の周方向における端面がロータが相対回転する場合に、ロータの回転範囲を規制するストッパとなる。このため、ロータを回転させる力(例えば、カムシャフトから受けるトルク、油圧による駆動トルク等)が、急激にロータに対して作用した場合、第1回転体に対してロータは急激に動く。その結果、ロータは勢いよくロック部材が配設される凸部の周方向における端面にぶつかり、ロータの回転範囲は規制される。
【0007】
また、ロック部材がハウジングに対して突出または退避する退避孔がハウジングの軸方向に形成されているため周方向に力が作用した場合、変形しやすい。
【0008】
また、ロック部材のロックを解除する周方向油路がロック部材が配設される凸部の周方向に形成されているため周方向に力が作用した場合、変形しやすい。
【0009】
このため、ロータがロック部材が配設される凸部の周方向の端面にぶつかった時の衝撃力によって、ロック部材を径方向において摺動自在にしている凸部が変形し、ロック部材の摺動する孔がつぶれてしまう、或いは、ロック部材が変形すると、ロック部材のロータに対しての突出または退避と言った滑らかな作動ができなくなってしまい、ロック部材の作動に影響を与えるものとなり、弁開閉時期制御装置の信頼性が低下する。
【0010】
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ロータの回転範囲を規制するストッパが、ロック部材の作動に影響を与えない構成とし、弁開閉時期制御装置の信頼性を向上させることを技術的課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、内周に複数の凸部を有し、エンジンの回転軸および前記エンジンの吸排気を制御する吸排気制御部材の一方と同期回転する回転伝達部材を有するハウジングと、該ハウジングに対して、相対回転自在に前記ハウジング内に配設され、前記回転軸および前記吸排気制御部材の他方と同期回転するロータと、該ロータと前記ハウジングとの間に形成される流体室と、該流体室を進角室と遅角室とに区画し、前記ロータおよび前記回転伝達部材の一方に放射状に設けられるベーンと、前記凸部の一つに配設され、前記ハウジングに対して突出または退避して、前記ロータの回転を規制または許容する板状のロック部材とを備えた弁開閉時期制御装置において、前記ロック部材が配設される凸部とは異なる凸部に、前記ベーンが当接して前記ロータの回転範囲を規制する回動規制部を設け、進角方向の回転範囲が規制される前記ベーンと遅角方向の回転範囲が規制される前記ベーンとが異なることである。
【0012】
上記した手段によれば、ロック部材が配設される凸部とは異なる凸部に、ベーンが当接してロータの回転範囲を規制する回動規制部を設けたので、ロック部材が配設される凸部とは異なる凸部にてベーンが当接する。その結果、ロック部材が配設される凸部とは異なる凸部にてベーンが当接すると、ロータの回動範囲が規制される。
【0013】
これによって、ロータがハウジングに対して相対回転して回動規制部により規制される場合、その衝撃力を規制部が配設される凸部とは異なる凸部で受けることで、ロック部材が突出または退避する退避孔が変形することがなくなると共に、ロック部材の作動に影響を与えない構成となり、従来に比べて、弁開閉時期制御装置の信頼性が向上する。
【0014】
この場合、回動規制部により、ロータの回転範囲が規制された場合、ロック部材が配設される凸部とベーンとの間にはクリアランスが存在すれば、ロータが回転して、ロータの回転範囲が規制された場合でも、ロック部材が配設される凸部とベーンとの間にはクリアランスが存在する。このため、ロータの相対回転がハウジングの回動規制部により規制される際の衝撃力は、直接、ロック部材が配設される凸部に伝達されず、ロック部材が配設される室、及び、ロック部材にその衝撃力による変形を抑えることが可能となる。
【0015】
よって、ロータの回転に伴う衝撃力からロック部材の作動を保護することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、弁開閉時期制御装置(以下、装置と称する)1の構成を示す断面図である。図1に示す構成において、ハウジング31は中空円筒状を呈し、ハウジング31の外周には一体でスプロケット31iが形成されており、スプロケット31iには、チェーン90がかけられる。このチェーン90を介して、図示しないエンジンの回転軸(例えば、クランクシャフト、若しくは、クランクシャフトに取り付けられた部材)との動力伝達が可能となり、例えば、エンジンの回転がスプロケット31iに伝達される。
【0018】
スプロケット31iが形成されているハウジング31の一方の面には、プレート部材(リヤプレート)32が、ハウジング31と同軸で軸方向から被せられる。また、ハウジング31の反対側の端面には、ハウジング31と同軸且つハウジング31の円筒状の外周と一致するプレート部材(フロントプレート)33が軸方向から被せられる。
【0019】
両側からハウジング31を挟み込む様にしたプレート部材32,33は、周方向において複数箇所(例えば、5ヵ所)において、フランジ付ボルト等の締結部材64により、ロータ20の軸方向における一方の端面20kから固定され、ハウジング31と一体化して動作する。
【0020】
本実施形態においては、一例としてエンジンのクランクシャフト(図示せず)の回転を、チェーン90を介してハウジング31のスプロケット31iに動力が伝達される構成について説明するが、これに限定されるものではない。例えば、別の構成として、チェーン90に代わってベルト部材を用い、スプロケット31iをプーリーに置き換えても良い。この様な構成を採用することによって、スプロケット31iは、エンジンからの回転力をカムシャフト10へと伝達する、回転伝達部として機能する。
【0021】
ハウジング31の一方の端面に固定されるプレート部材32は、中央にカムシャフト10が挿通される孔32aが形成されている。また、カムシャフト10の軸方向の端部に取り付けられるロータ20の端面には凹部20bが形成され、その凹部20bに、エンジンの吸排気を制御する吸排気弁の制御を行うカムシャフト10が位置決めされた状態で、ボルト等の締結部材22により、ロータ20に対して固定される。
【0022】
この場合、カムシャフト10とロータ20は一体回転し、カムシャフト10が固定されたロータ20と、ハウジング31とは相対回転が可能である。
【0023】
ハウジング31は、中空円筒状を呈する。ハウジング31の内部には、図2に示す様に、周方向において4つの円弧状に形成された凹部31aと、周方向において隣り合う凹部31aとの間に形成され、ハウジングの中心に向かって突出する凸部31d及び凸部31dよりも周方向の大きさが小さい、3つの同じ大きさで同じ形状を成す凸部31cが形成されている。これら凸部31c,3dの内周には、ハウジング31と同心且つ円弧状のシュー部31bが形成されており、この凹部31aが後述する進角室R1と遅角室R2とを備えた流体室を構成する。
【0024】
また、ハウジング31の周方向に形成された凸部31c,31dには、ハウジング31をプレート部材32,33によって、軸方向両側から挟み込んで締結部材64により固定するための取付孔31fが形成されており、この取付孔31fに締結部材64が挿通され、2枚のプレート部材32,33が固定される。
【0025】
スプロケット31iが形成される端面と反対側のハウジング31の端面には、上記した様に、ハウジング30に形成された凹部31aを、軸方向の一方から塞ぐため、ハウジング31の外径形状と一致したプレート部材33が被せられるが、このプレート部材33は中央にカムシャフト10をロータ20に対して固定するボルトが挿通される中心孔33eが形成される。また、プレート部材33には、ボルト等の締結部材64が螺合される取付孔33bを有する。
【0026】
ハウジング31のシュー部31bの内周面には、ロータ20の外周に摺接して相対回転可能なロータ20が配置されている。ロータ20は中央に、カムシャフト10の一端に固定されるフランジ22aを有する締結部材22が、挿通される中心内孔20cを有し、この中心内孔20cに締結部材22が固定されている。この場合、ロータ20のカムシャフト10が取り付けられる側の端部には、カムシャフト10とロータ20の位置決めするための位置決めピンを設け、位置決めピンにより、カムシャフト10はロータ20に対して所定位置にて位置決めされている。
【0027】
ロータの中心内孔20cには、ロータ20の軸方向の端部から、中心内孔20cよりも若干径の小さい径を有する軸部22aをもった締結部材22が、中心内孔20cに挿通され、締結部材22によって、ロータ20とカムシャフト10が固定される。これにより、ロータ20とカムシャフト10は一体回転する。この様に、カムシャフト10がロータ20に取り付けられ、両者が固定された状態において、カムシャフト10の外周面10aは、プレート部材32に対して相対回転が可能である。
【0028】
また、ロータ20には、中心内孔20cから、ロータ20の外周面に向かって形成され、しかも、ロータ20に形成された中心内孔20cとハウジング31に形成された凹部31aとが直接連通する3つの通孔20fと、ロータ20のハウジング31に対しての相対回転を規制するロックプレート61が収まるロック溝20gに通じた通孔20jが、ロータ内部に形成されている。
【0029】
更に、ロック溝20gには、4つ存在する凹部31aの中の、一つの凹部へと連通する通溝20hが、ロータ20に形成されている。この通溝20hは、円柱状を呈するロータ20の軸方向における外周端面一部に形成され、通孔20jからロック溝20gを通り、通溝20hを経て、4つの凹部31aの中の一つの凹部31aに連通する様になっている。
【0030】
中心内孔20cは、締結部材22がカムシャフト10と固定される場合、締結部材22と中心内孔20cとの間には隙間が形成されている。この隙間が、作動油が流れる通路として機能し、複数の通路20f,20j,20hから、凹部31aの一部(進角室R1)へ作動油を供給する油路を構成する。
【0031】
更に、カムシャフト10の内部には、図1に示す様に、軸方向に通孔11が延在して形成されている。この通孔11に、凹部31aの周方向における中央に連通する通孔20eが、ロータ20に形成されている。この通孔11および通孔20eにより、凹部31aに形成される遅角室R2に作動油を供給する油路を構成する。
【0032】
ロータ20の外周面には、ロータ20の中心を基準として、放射状に延在する4つのベーン溝20dが形成されている。ベーン21は、長方形の板状部材より成り、放射状に配設される内径側の端部に凹部を有し、この凹部に略C字状の板ばねが嵌められる。上記した如く、凹部に板ばねの嵌ったベーン21が、ロータ20のベーン溝20dに放射状に配設されると、この板ばねの付勢力によって、ベーン21はハウジング31に形成された凹部31aの外径の内壁に当接する様に付勢される。そして、この平板状のベーン21により、ベーン21の径方向端部が、流体室となる凹部31aの内壁に当接することによって、4つの凹部31aはベーン21により2室に区画される。その結果、ベーン21の左右の両側に、それぞれ進角室R1と遅角室R2とが形成される。
【0033】
また、ハウジング31に形成された3つの凸部31cよりも大きな凸部31dの中央には、ロックスプリング62が配設される孔31gが形成されており、この孔31gに径方向に延在しハウジング31の軸方向に形成される退避孔31eが連通する。ロックスプリング62は孔31gの外径側の内壁に係止され、他端はロックプレート61の一部に嵌っている。ロックプレート61は、孔31gと退避孔31eおよびロータ20の外周面に形成されたロック溝20gとの間を、径方向に対して摺動自在に動く。また、ハウジング31とロータ20の相対位相が所定の位相で同期したときロックプレート61の頭部が突出するロック溝20gをロータ20に形成し、通溝20hをロータ20の軸方向における外周端面上に周方向に延びロック溝20gに作動油を供給する通溝20hを形成することにより、退避孔31eが形成される凸部31dの周方向の強度が確保される。
【0034】
退避孔31eは、ハウジング30に対するロータ20の位相が所定の位相(最遅角位置)となったときに、ロータ20の外周面に設けられたロック溝20gと一致する位置に設けられている。この場合、この退避孔31eは溝であっても良い。ロータ20がこの所定の位相となる場合には、ロックスプリング62の付勢力によって、ロックプレート61はロータ20のロック溝20gに突出して、ロータ20と係合が可能である。この様に、ロックプレート61がロック溝20gに係合した場合には、ロータ20はハウジング31に対して相対回転せず、一体に回転を行うものとなる。
【0035】
図2に示すベーン21の進角室の容積が最も小さくなる最遅角位置の状態において、ロックプレート61が設けられる凸部31dの周方向における凸部端面31Qおよび凸部端面31Pは、それぞれの両側に配設されるベーン21とは当接しない。つまり、凸部端面31Qを含む凹部31aにおいて、凸部端面31Qとベーン21との間には両者との間にクリアランスが存在する。また、凸部端面31Pを含む凹部31aにおいて、凸部端面31Pと凸部端面31Pが形成された凹部31a内を摺動するベーン21との距離は最大となる。上記した状態においては、凸部31dの周方向の隣に位置する凸部31cの一方の端面はベーン21の進角室側の側面と当接し、ベーン21の回動範囲を規制する回動規制部(ストッパ部)31mとなる。
【0036】
つまり、本実施形態では4つ存在するベーン21の内、少なくとも一つのベーン21は、ロックプレート61が配設される凸部31dとは異なる凸部31cの周方向における一方の端面と当接することによって、ハウジング31に対するロータの回転が規制される。
【0037】
一方、ロックプレート61は、作動油の油圧によりロックスプリング62の付勢力に抗して、ロックプレート61が退避孔31e内に押圧されると、ロック溝20gとの係合が解除される様になっている。その結果、図3に示す様に、ハウジング31に対してロータ20は、相対回転が行える。この場合、4つのベーン21の内、一つのベーン21の回動範囲はストッパ部31kによって規制され、ベーン21の位置は、図4の二点鎖線の示す最進角位置まで移動する。
【0038】
ロータ20とプレート部材33の間には、コイル状のトーションスプリング24が配設されている。このトーションスプリング24は、ハウジング31およびプレート部材において軸方向に形成された環状の溝部20i,33cの中に配設される。このトーションスプリング24の一端は、プレート部材33の一部に形成された図示しない係止部に係止される。また、トーションスプリング24の他端は、ロータ20の一部に形成された図示しない係止部に係止されており、常時、ロータ20を進角室R1の空間が最大となり遅角室R2の空間が最小となる状態(最進角位置の状態)になる様、ハウジング31に対してロータ20を、図2に示す時計方向に付勢する。
【0039】
ベーン21が最進角位置の状態では、4つ存在するベーン21の内、一つのベーン21が、ロックプレート61の配設される凸部31dとは異なる凸部31cの周方向における端面に当接し、そこが、最進角位置での回動規制部(ストッパ部)31kとなる。この状態においても、凸部31dの周方向における一方の端面31jと端面31jが形成される凹部内のベーン21との間にはクリアランスが存在し、互いに当接しない。
【0040】
次に、弁開閉時期制御装置1の作動について説明する。
【0041】
エンジンのクランクシャフトの回転が、チェーン90を介して弁開閉時期制御装置1に伝達されるとする。これに伴って、スプロケット31iを有するハウジング31は、チェーン90の回転によって、クランクシャフトと同期して回転を行う。この場合、例えば、ロックプレート61とロック溝20gが、図2に示す如く、係合している状態では、ハウジング31とロータ20は一体で回転する。その結果、クランクシャフトの回転は、カムシャフト10に対して同期して(位相をずらすことなく)伝達される。
【0042】
そこで、ハウジング31に対するロータ20の位相を進角側に移行させたい場合には、カムシャフト10に形成された中心内孔20cと締結部材22の外周面との間から作動油を供給する。そして、通孔20jを介してロック溝20gに作動油を供給する。
【0043】
これによって、ロック溝20gへと作動油が供給されると、ロックピン61はロック溝20gから退避孔31eに退避し、ハウジング31とロータ20とのロックプレート61による回転規制を解除する。作動油は通溝20hを介して作動油は進角室R1に供給されると共に、通孔20fを介して作動油は他の3つの進角室R1にも供給される。これと同時に、遅角室R2の作動油を4つの通孔20eから排出する。その結果、ベーン21に加わる進角室R1側の油圧が遅角室R2側の油圧よりも高くなり、ベーン21は進角室R1の容量が大きく、遅角室R2の容量が小さくなる進角側の方に、ハウジング31に対して回転移動する。
【0044】
一方、遅角側に吸排気弁の位相時期を移行させたい場合には、4つの通孔20eを介して4つの遅角室R2へ作動油を供給し、進角室R1から作動油を排出する。作動油は遅角室R2内を満たし、ベーン21に加わる遅角室R2側の油圧が進角室R1側の油圧よりも高くなる。これにより、ベーン21は遅角室R2の容量が大きく、進角室R1の容量が小さくなる遅角側にハウジング31に対して回転移動する。
【0045】
以上の事から、進角室R1と遅角室R2の一方を作動油の供給側とし、他方を排出側とすることにより、ハウジング30に対するロータ20の位相制御が行える。
【0046】
この様な動作において、本発明について補足すると、ロックプレート61は凸部31dの中に径方向に摺動自在に配設される。この場合、ロックプレート61が配設される凸部31d以外の残りの凸部31cにおいて、図3に示す如く、最遅角位置でベーン21が当接するストッパ部31mを凸部31cに設けると共に、図4に示す如く、最進角位置でベーン21が当接するストッパ部31kを別の凸部31cに設けた。これにより、ロックプレート61が配設される凸部31dとは異なる凸部31cでベーン21が当接する様にでき、ロータ20の回転範囲が規制できる。また、ロータ20がハウジング31に対して相対回転し、ロックプレート61による規制がなく、ロータ20が最も回転する最進角位置となった場合でも、ベーン21が凸部31cのストッパ部31kに当接するときのその衝撃力を、ロックプレート61が配設される凸部31dとは異なる凸部31cにて受けることができる。
【0047】
このため、ロックプレート61及びロックプレート61の作動を確保するロック溝20gまたは退避孔31eの孔幅がその衝撃力により変形してゆがみ、或いは、小さくなり、ロックプレート61の摺動動作が行いにくくなると言った不具合が防止できる。それ故に、ロックプレート61の作動に影響を与えない構成とすることができ、従来に比べ、弁開閉時期制御装置の信頼性が向上する。
【0048】
この場合、ロックプレート61が設けられる凸部31dとは異なる凸部31cで、隣り合う3つの凸部31cの周方向における端面に最遅角位置でのストッパ部31mおよび最進角位置でのストッパ部31kを設けて、ハウジング31に対するロータ20の回転範囲を規制することができる。
【0049】
また、別の変形例として、図5に示す様に、最遅角位置で凸部31cのベーン21と当接するストッパ部31mと、最進角位置で凸部31cのベーン21と当接するストッパ部31kの位置を任意に変更しても、上記と同様な効果を奏する。更に、本実施形態においては凸部31cの数を3つとし、凸部31dは凸部31cよりも大きいものとして説明したが、凸部31c,31dの数および大きさは、これに限定されないものとする。尚、図5における二点鎖線は、一例として、ロータ20がハウジング31に対して相対回転が可能となり、ベーン21が最進角位置になった状態を示す。
【0050】
上記した記載から次の技術思想も把握できる。
【0051】
(付記項1)内周に複数の凸部を有し、エンジンの回転軸またはエンジンの吸排気を制御する吸排気制御部材の一方と同期回転する回転伝達部材を有するハウジングと、ハウジングに対して、相対回転自在にハウジング内に配設され、回転軸または吸排気制御部材の他方と同期回転するロータと、ロータとハウジングとの間に形成される流体室と、流体室を進角室と遅角室とに区画し、ロータまたは回転伝達部材の一方に放射状に設けられるベーンと、凸部の一つに配設され、ハウジングに対して突出または退避して、ロータの回転を規制または許容する板状のロック部材とを備えた弁開閉時期制御装置において、ロック部材が配設される凸部とは異なる凸部に、ベーンが当接してロータの回転範囲を規制する回動規制部を設けると共に、ハウジングとロータの相対位相が所定の位相で同期したときロック部材の頭部が突出するロック溝をロータに形成し、ロータの軸方向における外周端面上に周方向に延びロック溝に作動油を供給する通溝を設けたことを特徴とする弁開閉時期制御装置。
【0052】
この場合、ロック部材が配設される凸部とは異なる凸部に、ベーンが当接してロータの回転範囲を規制する回動規制部を設けたので、ロック部材が配設される凸部とは異なる凸部にてベーンが当接する。その結果、ロック部材が配設される凸部とは異なる凸部にてベーンが当接すると、ロータの回動範囲が規制される。
【0053】
これによって、ロータがハウジングに対して相対回転して回動規制部により規制される場合、その衝撃力を規制部が配設される凸部とは異なる凸部で受けることで、ロック部材が突出または退避する退避孔が変形することがなくなると共に、ロック部材の作動に影響を与えない構成となり、従来に比べて、弁開閉時期制御装置の信頼性が向上する。
【0054】
更に、通溝はロータに設けられているため、ハウジングに設けなくてもよい。このため、ロータがロック部材が配設される凸部の周方向の端面にぶつかった時の衝撃力によって、ロック部材を径方向において摺動自在にしている凸部が変形することがなくなると共に、ロック部材の作動に影響を与えない構成となり、従来に比べて、弁開閉時期制御装置の信頼性が向上する。
【0055】
【発明の効果】
上記した本発明によれば、ロック部材が配設される凸部とは異なる凸部に、ベーンが当接してロータの回転範囲を規制する回動規制部を設けたので、ロック部材が配設される凸部とは異なる凸部にてベーンが当接し、ロータの回動範囲が規制できる。これによって、ロータがハウジングに対して相対回転して回動規制部により規制される場合、その衝撃力を規制部が配設される凸部とは異なる凸部にて受けることができ、ロック部材の作動に影響を与えない構成とすることができる。よって、従来に比べ、弁開閉時期制御装置の信頼性が向上する。
【0056】
この場合、回動規制部により、ロータの回転範囲が規制された場合、ロック部材が配設される凸部とベーンとの間にはクリアランスが存在する。
【0057】
このため、ロータの相対回転がハウジングの回動規制部により規制される際の衝撃力は、直接、ロック部材が配設される凸部に伝達されず、ロータの回転に伴う衝撃力からロック部材の作動を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における弁開閉時期制御装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す弁開閉時期制御装置において、片側のプレート部材を外し、ロータとハウジングとの相対回転が規制された状態でのベーンの様子を示す正面図である。
【図3】図2に示す状態から、ロータとハウジングとの相対回転が解除されてロータがハウジングに対して相対回転した場合での正面図である。
【図4】図2に示す構成において、一つのベーンの回動範囲を示す正面図である。
【図5】本発明の第2実施形態における弁開閉時期制御装置で、ベーンの回動を規制するストッパ部を、ハウジンングの別の位置に設けた場合での正面図である。
【符号の説明】
1 弁開閉時期制御装置
10 カムシャフト(吸排気制御装置)
20 ロータ
22 締結部材
22a フランジ
22b 軸部
21 ベーン
31 ハウジング
31a 凹部(流体室)
31c 凸部
31d 凸部
31f 取付孔
31i スプロケット(回転伝達部)
31k ストッパ部(回動規制部)
31m ストッパ部(回動規制部)
64 締結部材
31P 凸部端面
31Q 凸部端面
R1 進角室(流体室)
R2 遅角室(流体室)

Claims (2)

  1. 内周に複数の凸部を有し、エンジンの回転軸および前記エンジンの吸排気を制御する吸排気制御部材の一方と同期回転する回転伝達部材を有するハウジングと、
    該ハウジングに対して、相対回転自在に前記ハウジング内に配設され、前記回転軸および前記吸排気制御部材の他方と同期回転するロータと、
    該ロータと前記ハウジングとの間に形成される流体室と、
    該流体室を進角室と遅角室とに区画し、前記ロータおよび前記回転伝達部材の一方に放射状に設けられるベーンと、
    前記凸部の一つに配設され、前記ハウジングに対して突出または退避して、前記ロータの回転を規制または許容する板状のロック部材とを備えた弁開閉時期制御装置において、
    前記ロック部材が配設される凸部とは異なる凸部に、前記ベーンが当接して前記ロータの回転範囲を規制する回動規制部を設け、進角方向の回転範囲が規制される前記ベーンと遅角方向の回転範囲が規制される前記ベーンとが異なることを特徴とする弁開閉時期制御装置。
  2. 前記回動規制部により、前記ロータの回転範囲が規制された場合、前記ロック部材が配設される凸部と前記ベーンとの間にはクリアランスが存在することを特徴とする請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
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