JP4371186B2 - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の動弁装置において吸気弁または排気弁の開閉時期を制御するために使用される弁開閉時期制御装置(内燃機関用バルブ開閉タイミング調整装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の弁開閉時期制御装置の一つとして、内燃機関のクランク軸から内燃機関の吸気弁または排気弁を開閉するカム軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記クランク軸または前記カム軸と一体的に回転するハウジング部材と、このハウジング部材に設けたシュー部に相対回転可能に組付けられてベーン部にて前記ハウジング部材内に進角油室と遅角油室を形成し前記カム軸または前記クランク軸と一体的に回転するロータ部材と、前記ハウジング部材と前記ロータ部材の初期位相を規定するストッパ機構と、前記初期位相にて前記ハウジング部材と前記ロータ部材の相対回転をロックピンの嵌合穴への嵌合によって規制するロック機構を備えるとともに、前記進角油室及び前記遅角油室への作動油の給排を制御するとともに前記ロック機構への作動油の給排を制御する油圧回路を備えたものがあり、例えば特開平9−264110号公報に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した弁開閉時期制御装置においては、通常、初期位相から目標進角値への位相変換時に、油圧回路の油圧制御状態が、初期位相に保持可能でロック機構によるロックを可能とする初期の油圧制御状態から、ロック機構をアンロック可能かつ目標進角値に位相変換可能な油圧制御状態に瞬時に切り換えられるようになっている。このため、ロック機構が油圧回路から供給される作動油によってアンロック作動を開始する前に、ロータ部材がハウジング部材に対して相対回転し、ロック機構のロックピン(ロック位置にてロータ部材とハウジング部材の両方に係合して相対回転を規制し、アンロック位置にて何れか一方から離脱退避して相対回転を許容するロックピン)が、ロータ部材とハウジング部材間に挟まれて摺動抵抗を大きくされ、ロック位置からアンロック位置への離脱退避移動を阻害されることがある。なお、かかる不具合は、ロック機構に油圧回路から作動油が供給されてロックピンがロック位置からアンロック位置へ移動した後に進角油室または遅角油室に油圧回路から作動油が供給されるように設定することにより、解消し得るものの、この場合には、目標進角値への位相変換が遅れることとなる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した問題に対処すべくなされたものであり、上記した弁開閉時期制御装置において、前記初期位相で特定条件のとき前記ロック機構と前記進角油室または前記遅角油室に前記油圧回路から作動油が供給されて、前記ロックピンが前記嵌合穴に嵌合するロック位置から嵌合解除されるアンロック位置に向けて移動するとともに、前記ハウジング部材と前記ロータ部材の相対回転変位が生じて位相変換が行われるように設定するとともに、前記ロック機構の前記ロックピンと前記嵌合穴間に、前記初期位相にて前記ハウジング部材と前記ロータ部材の相対回転変位を所定量許容するクリアランスを設定し、かつ、前記ロックピンが前記嵌合穴に嵌合するロック位置から嵌合解除されるアンロック位置まで移動する間に生じる前記ハウジング部材と前記ロータ部材の相対回転変位量が前記クリアランスによって許容される前記ハウジング部材と前記ロータ部材の相対回転変位量より小さくなるように設定したこと(請求項1に係る発明)に特徴がある。
【0005】
この場合において、前記ロックピン及び前記嵌合穴の少なくとも一方の形状を、前記ロックピンのロック位置からアンロック位置に向けて拡大する円錐形状とすること(請求項2に係る発明)、さらに、前記円錐形状の傾斜角度を、前記ハウジング部材と前記ロータ部材の相対回転により前記ロックピンが解除方向へ移動不能な角度とすること(請求項3に係る発明)が望ましい。
【0006】
【発明の作用・効果】
本発明による弁開閉時期制御装置(請求項1に係る発明)においては、初期位相で特定条件のときロック機構に油圧回路から作動油が供給されるとともに、進角油室または遅角油室に油圧回路から作動油が供給されて、ロックピンが嵌合穴に嵌合するロック位置から嵌合解除されるアンロック位置に向けて移動するとともに、ハウジング部材とロータ部材の相対回転変位が生じて目標進角値に向けて位相変換が行われる。
【0007】
ところで、ロック機構のロックピンと嵌合穴間に、初期位相にてハウジング部材とロータ部材の相対回転変位を所定量許容するクリアランスが設定され、かつ、ロックピンがロック位置からアンロック位置まで移動する間に生じるハウジング部材とロータ部材の相対回転変位量が前記クリアランスによって許容されるハウジング部材とロータ部材の相対回転変位量より小さく設定されているため、ロック解除と目標進角位置への位相変換が同時に進行しているものの、ロックピンがハウジング部材とロータ部材間に挟まれることはなく、ハウジング部材とロータ部材の相対回転がロックピンによって阻害されることはない。したがって、ロック解除と目標進角位置への位相変換を共にタイミングよく良好に行わせることができる。
【0008】
また、本発明を実施する場合において、ロックピン及び嵌合穴の少なくとも一方の形状を、ロックピンのロック位置からアンロック位置に向けて拡大する円錐形状とした場合(請求項2に係る発明)には、ロックピン及び嵌合穴の形状を共に円筒形状とした場合に比して、ロックピンがロック位置にあるときのロックピンと嵌合穴間の最小クリアランスを小さくすることができて、ロック機構のロック機能(相対回転規制機能)を高めることができる。
【0009】
更に、円錐形状の傾斜角度を、ハウジング部材とロータ部材の相対回転によりロックピンが解除方向へ移動不能な角度とした場合(請求項3に係る発明)には、ハウジング部材とロータ部材の相対回転により嵌合穴の形成面によってロック位置にあるロックピンが解除方向へ押動されることはなく、ロック機構のロック機能によってロータ部材をハウジング部材に対して初期位相に確実に保持することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図7に示した本発明による弁開閉時期制御装置は、カム軸10の先端部に一体的に組付けたロータ部材20と、このロータ部材20に所定範囲で相対回転可能に外装されたハウジング部材30と、ハウジング部材30とロータ部材20間に介装したトーションスプリングSと、ハウジング部材30とロータ部材20の最遅角位相(初期位相)と最進角位相を規定するストッパ機構A1及びA2と、最遅角位相(初期位相)にてハウジング部材30とロータ部材20の相対回転を規制するロック機構Bを備えるとともに、後述する進角油室R1及び遅角油室R2への作動油の給排を制御するとともにロック機構Bへの作動油の給排を制御する油圧回路Cを備えている。
【0011】
カム軸10は、吸気弁(図示省略)を開閉する周知のカム(図示省略)を有していて、内燃機関のシリンダヘッド40に回転自在に支持されており、内部にはカム軸10の軸方向に延びる進角通路11と遅角通路12が設けられている。進角通路11は、径方向の通路13と環状の通路14と接続通路P1を介して油圧制御弁100の接続ポート101に接続されている。また、遅角通路12は、径方向の通路15と環状の通路16と接続通路P2を介して油圧制御弁100の接続ポート102に接続されている。なお、径方向の通路13,15と環状の通路16はカム軸10に形成されており、環状の通路14はカム軸10とシリンダヘッド40の段部間に形成されている。
【0012】
ロータ部材20は、メインロータ21と、このメインロータ21の前方(図1の左方)に一体的に組付けた段付筒状のフロントロータ22によって構成されていて、ボルト50によってカム軸10の前端に一体的に固着されており、ボルト50の頭部によって前端を閉塞された各ロータ21,22の中心内孔はカム軸10に設けた進角通路11に連通している。
【0013】
メインロータ21は、フロントロータ22が同軸的に組付けられる内孔21aを有するとともに、4個のベーン23とこれを径外方へ付勢するスプリング24(図1参照)を組付けるためのベーン溝21bを有している。各ベーン23は、ベーン溝21bに組付けられて径外方に延びており、ハウジング部材30内に4個の進角油室R1及び遅角油室R2を区画形成している。また、メインロータ21には、径方向内端にて中心内孔を通して進角通路11に連通し径方向外端にて進角油室R1に連通する径方向の通路21cが4個設けられるとともに、遅角通路12に連通する軸方向の通路21dと、径方向内端にて通路21dに連通し径方向外端にて遅角油室R2に連通する径方向の通路21eがそれぞれ4個設けられている。
【0014】
ハウジング部材30は、ハウジング本体31と、フロントプレート32と、リヤ薄肉プレート33と、これらを一体的に連結する5本のボルト34(図2参照)と、フロントプレート32のメインロータ21と摺接する部位に形成した環状溝に組付けた弾性シール部材35(図1参照)によって構成されていて、ハウジング本体31の後方外周にはスプロケット31aが一体的に形成されている。スプロケット31aは、周知のように、タイミングチェーン(図示省略)を介して内燃機関のクランク軸(図示省略)に連結されていて、クランク軸からの駆動力が伝達されて図2の時計方向へ回転されるように構成されている。
【0015】
弾性シール部材35は、メインロータ21のベーン溝21bより内周に摺動可能に当接していて、メインロータ21をリヤ薄肉プレート33に向けて押圧している。このため、メインロータ21とフロントプレート32間がシールされるとともに、メインロータ21とリヤ薄肉プレート33間のクリアランスが小さく(略ゼロと)されている。したがって、メインロータ21のベーン溝21b底部に油圧を確保することができて、ベーン23の口開き(径内方への移動)を抑制することができる。
【0016】
ハウジング本体31は、径内方に突出する4個のシュー部31bを有していて、各シュー部31bの径方向内端にてメインロータ21を相対回転可能に支承している。フロントプレート32とリヤ薄肉プレート33は、軸方向の対向する端面にて、メインロータ21の軸方向端面外周および各ベーン23の軸方向端面全体にそれぞれ摺動可能に接している。
【0017】
また、ハウジング本体31には、最遅角位相(初期位相)を規定するストッパ機構A1をベーン23とによって構成する突起31c(図2の実線参照)が形成されるとともに、最進角位相を規定するストッパ機構A2をベーン23とによって構成する突起31d(図2の仮想線参照)が形成され、またロック機構Bを構成するロックピン61、ロックスプリング62及びリテーナ63等を組付けるための取付孔31eが設けられている。取付孔31eは、径方向にて貫通していて、径外方に退避するロックピン61を内部に収容可能となっている。
【0018】
ロックピン61は、有底筒状に形成されていて、径内方の先端部がメインロータ21に設けたロック穴(嵌合穴)21fに抜き差し可能(嵌合・離脱可能)となっており、ロック穴21fに作動油が供給されることによりロックスプリング62の付勢力(小さい値に設定されている)に抗して径外方へ移動して取付孔31eに退避収容されるようになっている。ロック穴21fは、図2に示したように、メインロータ21の外周部に設けた周方向の通路21gとハウジング本体31の内周部に設けた周方向の通路31fを通してメインロータ21に設けた径方向の通路21cに連通している。
【0019】
ハウジング部材30とロータ部材20間に介装したトーションスプリングSは、ハウジング部材30に対してロータ部材20を進角側に回転付勢するものであり、その付勢力は吸気弁を閉方向に付勢するスプリング(図示省略)の付勢力に起因してカム軸10及びロータ部材20が遅角側に回転付勢されるのを打ち消す程度の値とされている。このため、ロータ部材20のハウジング部材30に対する相対回転位相を進角側へ変更する場合の作動応答性が良好とされている。
【0020】
図1に示した油圧制御弁100は、内燃機関によって駆動されるオイルポンプ110、内燃機関のオイル溜120等とにより油圧回路Cを構成していて、通電制御装置200によるソレノイド103への通電によってスプール104をスプリング105に抗して図1の左方向へ移動できるものであり、デューティ値(%)を変えることにより図3および図4に例示した各作動モードで作動させることができるように構成されている。通電制御装置200は、各種センサ(クランク角、カム角、スロットル開度、エンジン回転数、エンジン冷却水温、車速等を検出するセンサ)からの検出信号に基づき、予め設定した制御パターンに従い、内燃機関の運転状態に応じて出力(デューティ値)を制御するようになっている。
【0021】
図3に例示した作動モードで作動する油圧制御弁100では、オイルポンプ110の吐出口に接続された供給ポート106が接続ポート102に連通するとともに、接続ポート101がオイル溜120に接続された排出ポート107に連通して、供給ポート106から接続ポート102に作動油が流れるとともに、接続ポート101から排出ポート107に作動油が流れる。このため、オイルポンプ110から遅角通路12に作動油が供給されるとともに、進角通路11からオイル溜120に作動油が排出される。なお、オイルポンプ110から遅角通路12に供給される作動油の一部は、各部材間の隙間(例えば相対回転可能なロータ部材20とハウジング部材30間の隙間)を通して洩れて、オイル溜120に還流する。
【0022】
また、図4に例示した作動モードで作動する油圧制御弁100では、供給ポート106が接続ポート101に連通するとともに、接続ポート102が排出ポート107に連通して、供給ポート106から接続ポート101に作動油が流れるとともに、接続ポート102から排出ポート107に作動油が流れる。このため、オイルポンプ110から進角通路11に作動油が供給されるとともに、遅角通路12からオイル溜120に作動油が排出される。なお、オイルポンプ110から進角通路11に供給される作動油の一部は、各部材間の隙間(例えば相対回転可能なロータ部材20とハウジング部材30間の隙間)を通して洩れて、オイル溜120に還流する。
【0023】
また、図示を省略したが、上記各作動モード間の作動モードで作動する油圧制御弁100では、供給ポート106が接続ポート101及び102との連通を遮断されるとともに、排出ポート107が接続ポート101及び102との連通を遮断されて、供給ポート106から接続ポート101及び102にスプール104の外周隙間を通してそれぞれ少量の作動油が流れる。このため、オイルポンプ110から遅角通路12と進角通路11に作動油が供給される。なお、オイルポンプ110から遅角通路12と進角通路11に供給される作動油の一部は、各部材間の隙間(例えば相対回転可能なロータ部材20とハウジング部材30間の隙間)を通して洩れてオイル溜120に還流する。
【0024】
ところで、本実施形態においては、図5および図6にて誇張して示したように、初期位相で特定条件のときロック機構Bのロック穴21fと進角油室R1に油圧回路Cから作動油が供給されて、ロックピン61がロック穴(嵌合穴)21fに嵌合するロック位置から嵌合解除されるアンロック位置に向けて移動するとともに、ハウジング部材(30)とロータ部材(20)の相対回転変位が生じて位相変換が行われるように設定されるとともに、ロック機構Bのロックピン61とロック穴(嵌合穴)21f間に、初期位相(図5(a)の状態)にてハウジング部材30とロータ部材20の相対回転変位を所定量許容するクリアランスx1が設定され、かつ、ロックピン61がロック穴21fに嵌合するロック位置(図5(a)の位置)から嵌合解除されるアンロック位置(図5(b)の位置)まで移動する間に生じるハウジング部材30とロータ部材20の相対回転変位量θ1が前記クリアランスx1によって許容されるハウジング部材30とロータ部材20の相対回転変位量より小さくなるように設定(x1r1×sinθ1に設定)されている。
【0025】
上記r1はロータ部材20の半径である。また、上記θ1は、ロックピン61の受圧面積Sと、ロックピン61のロック位置からアンロック位置までのストロークL1(図5(b)参照)と、ロック解除のためにロック穴21fに供給される作動油の供給量Qp(図5(a)参照)と、位相変換のために進角油室R1に供給される作動油の供給量Qa(図5(a)参照)と、全ての進角油室R1と遅角油室R2の容積総量Vaと、位相変換可能角度C(最遅角位相から最進角位相までの角度)から、θ1=C{Qa(L1×S)/Qp}/Vaにて得られる。
【0026】
上記したロック穴21fに供給される作動油の供給量Qpと進角油室R1に供給される作動油の供給量Qaを決定する要素としては、各通路の通路断面積(面積が小さいと供給量は少なくなる)、通路長さ(長いと供給量は少なくなる)、曲がりの数と形状(数が多いと供給量は少なくなり、鋭角な曲がりほど供給量は少なくなる)、通路断面積の変化度合(面積変化が大きいほど供給量は少なくなる)などがある。
【0027】
上記のように構成した本実施形態においては、内燃機関の駆動時、油圧制御弁100のソレノイド103への通電が通電制御装置200によって制御されることにより、ロータ部材20のハウジング部材30に対する相対回転位相が最遅角位相(進角油室R1の容積が最小となり遅角油室R2の容積が最大となる位相)から最進角位相(進角油室R1の容積が最大となり遅角油室R2の容積が最小となる位相)までの範囲の任意の位相に調整保持することができて、内燃機関の駆動時における吸気弁の弁開閉時期を最遅角制御状態での作動と最進角制御状態での作動間で適宜に調整保持することができる。
【0028】
また、本実施形態においては、初期位相で特定条件のときロック機構Bに油圧回路Cから作動油が供給されるとともに、進角油室R1に油圧回路Cから作動油が供給されて、ロックピン61がロック穴21fに嵌合するロック位置から嵌合解除されるアンロック位置に向けて移動するとともに、ハウジング部材30とロータ部材20の相対回転変位が生じて目標進角値に向けて位相変換が行われる。
【0029】
ところで、本実施形態においては、ロックピン61がロック位置からアンロック位置まで移動する間に生じるハウジング部材30とロータ部材20の相対回転変位量θ1がロックピン61とロック穴21f間のクリアランスx1によって許容されるハウジング部材30とロータ部材20の相対回転変位量より小さく設定されている。このため、ロック解除と目標進角位置への位相変換が同時に進行しているものの、ロックピン61がハウジング部材30とロータ部材20間に挟まれることはなく、ハウジング部材30とロータ部材20の相対回転がロックピン61によって阻害されることはない(図6参照)。
【0030】
したがって、ロック解除と目標進角位置への位相変換を共にタイミングよく良好に行わせることができる。なお、図6に示した状態においては、ロック穴21fの形成面とロックピン61の端部が係合しているが、ロックピン61の端部にはR面取が施されているため、ハウジング部材30に対してロータ部材20が進角側に相対回転すると、ロック穴21fの形成面によってロックピン61が解除方向へ押動されて、ハウジング本体31の取付孔31eに退避移動する。
【0031】
上記実施形態においては、ロックピン61及びロック穴21fの形状を共に円筒形状として実施したが、図7、図8及び図9に示したように、ロックピン61及びロック穴21fの少なくとも一方の形状を、ロックピン61のロック位置からアンロック位置に向けて拡大する円錐形状として実施することも可能である。これらの場合には、ロックピン61及びロック穴21fの形状を共に円筒形状とした上記実施形態に比して、ロックピン61がロック位置にあるときのロックピン61とロック穴21f間の最小クリアランスxoを小さくすることができて、ロック機構Bのロック機能(相対回転規制機能)を高めることができる。
【0032】
図7は、ロック穴21fの外周側形状をロックピン61のロック位置からアンロック位置に向けて拡大する円錐形状とした実施形態を示している。また、図8は、ロック穴21fの全体形状をロックピン61のロック位置からアンロック位置に向けて拡大する円錐形状とした実施形態を示している。また、図9は、ロックピン61及びロック穴21fの両方の全体形状をロックピン61のロック位置からアンロック位置に向けて拡大する円錐形状とした実施形態を示している。
【0033】
また、図7、図8及び図9に示した各実施形態においては、円錐形状の傾斜角度を、ハウジング部材30とロータ部材20の相対回転によりロックピン61が解除方向へ移動不能な角度としてあるため、ハウジング部材30とロータ部材20の相対回転によりロック穴21fの形成面によってロック位置にあるロックピン61が解除方向へ押動されることはなく、ロック機構Bのロック機能によってロータ部材20をハウジング部材30に対して初期位相に確実に保持することができる。
【0034】
また、上記実施形態においては、ハウジング部材30がクランク軸と一体的に回転し、ロータ部材20がカム軸10と一体的に回転するように構成した弁開閉時期制御装置に本発明を実施したが、ハウジング部材がカム軸と一体的に回転し、ロータ部材がクランク軸と一体的に回転するように構成した弁開閉時期制御装置にも、本発明は同様に実施することが可能である。また、本発明は、ベーンがロータ本体に一体的に形成されるタイプの装置にも同様に実施し得るものである。
【0035】
また、上記実施形態においては、吸気弁を開閉するカム軸に装着される弁開閉時期制御装置に本発明を実施したが、本発明は排気弁を開閉するカム軸に装着される弁開閉時期制御装置にも同様にまたは適宜変更して実施し得るものである。なお、排気弁を開閉するカム軸に装着される弁開閉時期制御装置では、一般に、ロータ部材のハウジング部材に対する最進角位相が初期位相とされて実施される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による弁開閉時期制御装置の一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】 図1の要部縦断正面図である。
【図3】 図1に示した油圧制御弁の第1の通電状態での断面図である。
【図4】 図1に示した油圧制御弁の第2の通電状態での断面図である。
【図5】 (a)は図2の要部を誇張して示した断面図(ハッチング省略)であり、(b)はロックピンのみがアンロック位置に移動した状態の断面図(ハッチング省略)である。
【図6】 図5(a)に示したロックピンがアンロック位置に移動しロータ部材がハウジング部材に対してθ1回転した状態の作動説明図である。
【図7】 本発明による弁開閉時期制御装置の第1変形実施形態を示す図5相当図である。
【図8】 本発明による弁開閉時期制御装置の第2変形実施形態を示す図5相当図である。
【図9】 本発明による弁開閉時期制御装置の第3変形実施形態を示す図5相当図である。
【符号の説明】
10…カム軸、11…進角通路、12…遅角通路、20…ロータ部材、21…ロータ本体、21f…ロック穴(嵌合穴)、23…ベーン、30…ハウジング部材、31…ハウジング本体、31b…シュー部、S…トーションスプリング、A1…初期位相を規定するストッパ機構、B…ロック機構、61…ロックピン、62…ロックスプリング、63…リテーナ、R1…進角油室、R2…遅角油室、C…油圧回路、100…油圧制御弁、110…オイルポンプ、120…オイル溜。

Claims (3)

  1. 内燃機関のクランク軸から内燃機関の吸気弁または排気弁を開閉するカム軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記クランク軸または前記カム軸と一体的に回転するハウジング部材と、このハウジング部材に設けたシュー部に相対回転可能に組付けられてベーン部にて前記ハウジング部材内に進角油室と遅角油室を形成し前記カム軸または前記クランク軸と一体的に回転するロータ部材と、前記ハウジング部材と前記ロータ部材の初期位相を規定するストッパ機構と、前記初期位相にて前記ハウジング部材と前記ロータ部材の相対回転をロックピンの嵌合穴への嵌合によって規制するロック機構を備えるとともに、前記進角油室及び前記遅角油室への作動油の給排を制御するとともに前記ロック機構への作動油の給排を制御する油圧回路を備えた弁開閉時期制御装置において、前記初期位相で特定条件のとき前記ロック機構と前記進角油室または前記遅角油室に前記油圧回路から作動油が供給されて、前記ロックピンが前記嵌合穴に嵌合するロック位置から嵌合解除されるアンロック位置に向けて移動するとともに、前記ハウジング部材と前記ロータ部材の相対回転変位が生じて位相変換が行われるように設定するとともに、前記ロック機構の前記ロックピンと前記嵌合穴間に、前記初期位相にて前記ハウジング部材と前記ロータ部材の相対回転変位を所定量許容するクリアランスを設定し、かつ、前記ロックピンが前記嵌合穴に嵌合するロック位置から嵌合解除されるアンロック位置まで移動する間に生じる前記ハウジング部材と前記ロータ部材の相対回転変位量が前記クリアランスによって許容される前記ハウジング部材と前記ロータ部材の相対回転変位量より小さくなるように設定したことを特徴とする弁開閉時期制御装置。
  2. 前記ロックピン及び前記嵌合穴の少なくとも一方の形状を、前記ロックピンのロック位置からアンロック位置に向けて拡大する円錐形状としたことを特徴とする請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
  3. 前記円錐形状の傾斜角度を、前記ハウジング部材と前記ロータ部材の相対回転により前記ロックピンが解除方向へ移動不能な角度としたことを特徴とする請求項2に記載の弁開閉時期制御装置。
JP2000221155A 2000-07-21 2000-07-21 弁開閉時期制御装置 Expired - Fee Related JP4371186B2 (ja)

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