JP4453222B2 - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンの動弁装置において、弁の開閉時期を制御するために用いられる弁開閉時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来知られていた弁開閉時期制御装置として、例えば、特開平9−324613号公報(第1の従来技術という)には、内燃機関のクランク軸から内燃機関の吸気弁または排気弁を開閉するカム軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記クランク軸または前記カム軸と一体的に回転するハウジング部材と、このハウジング部材に設けたシュー部に相対回転可能に組み付けられてベーン部にて前記ハウジング部材内に進角油室と遅角油室とを形成し、前記カム軸または前記クランク軸と一体的に回転するロータ部材と、作動油の供給によりアンロック作動して前記ハウジング部材と前記ロータ部材の相対回転を許容し作動油の排出によりロック作動して前記ハウジング部材と前記ロータ部材の相対回転を最進角位相と最遅角位相間の中間位相位置にて規制する相対回転制御機構と、前記進角油室及び前記遅角油室への作動油の給排を制御する油圧回路を備えたものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した弁開閉時期制御装置においては、相対回転制御機構がハウジング部材とロータ部材の相対回転を最進角位相位置と最遅角位相位置間の中間位相位置に規制する状態にて内燃機関の良好な始動性が得られるように、吸気弁及び排気弁の開閉時期が設定されている。しかしながら、内燃機関の始動時において、ハウジング部材とロータ部材との相対位相は常に中間位相位置、つまり、相対回転制御機構がロック作動を行える位置(ロック可能な位置)にあるとは限らない。このような場合にはハウジング部材とロータ部材との相対位相を中間位置に移動させて、ロックさせる必要が生じる。この時のハウジング部材に対するロータ部材の移動は従動軸に加わる変動トルクによって行われる。これは内燃機関の始動時にはロータ部材を回転させるための進角油室または遅角油室に供給される作動油の圧力が十分でない場合があるためである。このとき、進角油室と遅角油室とに作動油が満たされた状態であると、ロータ部材の移動が作動油によって阻害され、中間位置への移動が行えずに始動性を損なうという問題が生じる。このハウジング部材とロータ部材とを速やかに中間位相位置に移動させて相対回転制御機構が円滑にロック可能な位置に移動させるという問題を解決するために、進角油室及び遅角油室に残留している作動油を両方から排出可能な可能な油圧回路を有する弁開閉時期制御装置とすることが考えられる。
【0004】
ところが、このような油圧回路を有する弁開閉時期制御装置においては、進角油室と遅角油室とに残留している作動油が全て排出されてから、ハウジング部材に対してロータ部材が相対回転制御機構がロック可能な位置に移動するまでの間は進角油室及び遅角油室には作動油が供給されない。このとき、ハウジング部材に対するロータ部材の相対位相が変化している間は従動軸も同様に被支承部に支承された状態で回転している。進角油室または遅角油室に作動油が供給されている場合にはこの被支承部に作動油供給手段から作動油が供給されて、被支承部の摺動抵抗を低減させる潤滑油として機能しているが、上記した場合には作動油の供給が徐々に少なくなるか、停止されることになる。このため、進角油室及び遅角油室から排出される作動油が減少したり、あるいは、進角油室及び遅角油室から作動油が全て排出されてしまってから、進角油室及び遅角油室に作動油が供給され始めるまでの間では、潤滑油の供給が遮断されてしまい、従動軸が支承されている部分の円滑な回転が阻害されるという不具合が起こる可能性が生じる。
【0005】
それゆえ、本発明は、当該弁開閉時期制御装置において、従動軸の被支承部へ潤滑油を供給させ、その回転を円滑にさせることができる弁開閉時期制御装置を提供することを、その課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために請求項1の発明にて講じた技術的手段は、エンジンの回転軸または従動軸の一方と一体的に回転するハウジングと、前記ハウジングに対して相対回転可能に組み付けられると共に、前記従動軸または前記回転軸の他方と一体的に回転するロータと、前記ハウジングと前記ロータとの間に形成される流体圧室と、前記ハウジングまたは前記ロータの少なくとも一方に設けられ、該流体圧室を進角油室と遅角油室に区画するベーンと、流体供給手段から前記進角及び遅角油室の少なくとも一方への流体の供給及び、前記進角及び遅角油室の少なくとも一方からの流体の排出を制御すると共に、前記進角油室及び前記遅角油室の両方からの流体の排出を可能とする制御手段と、前記進角油室及び前記遅角油室の両方から流体が排出されることにより前記ハウジングと前記ロータとの相対回転を所定の位置で規制する相対回転制御機構と、を備えてなる弁開閉時期制御装置において、前記進角油室及び前記遅角油室の両方から流体が排出される際には前記進角油室及び前記遅角油室に流体の供給は行われず、前記進角油室及び前記遅角油室の両方からの流体排出時に前記従動軸の被支承部に前記流体供給手段から常に流体を供給可能な流体供給機構を備えてなることである。
【0007】
上記した手段によれば、前記従動軸の被支承部に前記供給手段から常に流体を供給可能な作動流体供給機構を備えてなることによって、進角油室及び遅角油室から流体が排出されている状態に制御手段が制御されていても回転部たる従動軸の被支承部には潤滑油を供給することができるので、被支承部の円滑な回転を確保することができる。
【0008】
また、上記した課題を解決するために請求項2の発明にて講じた技術的手段は、請求項1に記載の技術的手段に加えて、前記流体供給機構は前記供給手段から前記制御手段を介さずに前記被支承部に直接流体を供給可能としたことである。
【0009】
上記した手段によれば、制御手段による制御がいかなる状態とされていても流体供給機構に潤滑油たる流体を供給することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に従った第1の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面の複雑化を防ぐため、図2のハッチング線は省略している。
【0011】
図1、図2に示した本発明の弁開閉時期制御装置は、カム軸(従動軸)10の先端部(図1の左端)に一体的に組み付けられたはロータ20と、このロータ20の外側にロータ20に対し相対回転可能に外装され、エンジンの図示しないクランクシャフト(回転軸)から、チェーン90(伝達部材)を介して回転力が伝達されるハウジング30と、ハウジング30とロータ20の間に介装されるトーションスプリングSと、ハウジング30とロータ20の相対回転を制御する相対回転制御機構Bと、後述する進角室R1及び遅角室R2への作動油(流体)の給排を制御すると共に相対回転制御機構Bへの作動油の給排を制御する油圧制御弁(制御手段)100とを備えている。
【0012】
カム軸10は、吸気弁または排気弁の一方(図示省略)を開閉する周知のカム(図示省略)を有していて、内燃機関のシリンダヘッド(被支承部)40に回転自在に支承されており、その内部にはカム軸10の軸方向に延びる進角油路11と遅角油路12とが設けられている。進角油路11は径方向の通孔13と環状の通路14と接続通路P1とを介して油圧制御弁100の進角ポート101に接続されている。また、遅角通路12は径方向の通孔15と環状の通路16と接続通路P2とを介して油圧制御弁100の遅角ポート102に接続されている。なお、径方向の通孔13、15と、環状の通路16はカム軸10に形成されており、環状の通路14はカム軸とシリンダヘッド40の段部間に形成されている。
【0013】
また、シリンダヘッド40には円環状の通路17が設けられている。この円環状の通路17はシリンダヘッド40のカム軸10を支承する摺動面にて開口している。円環状の通路17は接続通路P3を介してオイルポンプ110に直接連通している。尚、円環状の通路17、接続通路P3が本発明の流体供給機構を構成する。
【0014】
ロータ20は、ボルト50によってカム軸10の先端に一体的に螺合されており、ボルト50の頭部によって前端を閉塞されたロータ20の中心内孔20aはカム軸10に設けた進角通路11に連通している。
【0015】
また、ロータ20は4個のベーン21とこれを径方向へ付勢する図示しないスプリングを組み付けるためのベーン溝20bを有している。各ベーン21はベーン溝20bに組み付けられて径方向外方に延びており、ハウジング30内に4個の進角室R1と遅角室R2を区画形成している。また、ロータ20には径方向内端にて中心内孔20aを通して進角通路11に連通し径方向外端にて進角室R1に連通する径方向の通孔20eが4個設けられると共に、遅角油路12に連通する軸方向の通孔20dと、径方向内端にて通孔20dに連通し、径方向外端にて遅角油室R2に連通する径方向の通孔20eがそれぞれ4個設けられている。
【0016】
ハウジング30は、ハウジング本体31と、フロントプレート32と、リヤ薄肉プレート33と、これらを一体的に連結するボルト34によって構成されている。ハウジング本体31の後方外周にはスプロケット31aが一体的に形成されている。スプロケット31aは周知のようにタイミングチェーン90を介してエンジンの図示しないクランク軸に連結されていて、クランク軸からの駆動力が伝達されて図2の時計方向へ回転されるように構成されている。
【0017】
ハウジング本体31は、径方向内方に突出する4個の突出部31aを有していて、各突出部31aの間には流体圧室31bが形成される。この流体圧室31b内にベーン21が配置され、進角室R1と遅角室R2とを区画する。
【0018】
フロントプレート32とリヤ薄肉プレート33は軸方向の対向する端面にて、メインロータ21の軸方向端面及び、各ベーン21の軸方向端面全体にそれぞれ摺動可能に接している。また、ハウジング本体31の流体圧室31bには図2に示すように最遅角位相位置をベーンとの当接によって規制する突起31cと、最進角位相位置をベーン21との当接によって規制する突起31dとが形成されている。
【0019】
相対回転制御機構Bは、作動油の供給によりアンロック作動してハウジング30とロータ20の相対回転を許容し、作動油の排出によりロック作動してハウジング30とロータ20の相対回転を最遅角位相位置と最進角位相位置の中間位相位置(図2の状態)にて規制するものであり、図2に示したように一対のロックピン61、62及びロックスプリング63、64を備えている。
【0020】
ロックピン61、62は、フロントプレート32に設けられた軸方向の退避孔32a、32bに軸方向に摺動可能に組み付けられていて、退避孔32a、32bに収容したロックスプリング63、64によって退避孔32a、32bから突出するように付勢されている。尚、各退避孔32a、32bには、ロックピン61、62を円滑に軸方向に移動させるための通孔32c、32dが設けられている。
【0021】
また、各ロックピン61、62は、先端部がロータ20に設けた円弧状のロック溝21f、21gに摺動可能で抜き差し可能(嵌合・離脱可能)であり、円弧状のロック孔21f、21gに作動油が供給されることによりロックスプリング63、64の付勢力に抗して軸方向へ移動して退避孔32a、32bに退避収容されるようになっている。また、各ロックピン61、62の先端はロータ20の端面に当接可能であり、当接状態ではロータ20は回転可能である。
【0022】
各円弧状ロック溝21f、21gは、図2に示したように、ハウジング30に対してロータ20が中間位相位置にあるとき、その端部が各退避孔32a、32bに対向一致するように設けられていて、底部には円弧状連通溝21h、21iと軸方向の通孔21j、21kが設けられている。円弧状ロック溝21fは、図2にて示したように、円弧状連通溝21hと軸方向の通孔21jと、径方向の通孔21cを通して進角通路11に連通すると共に、径外方に延びる連通溝21mを通して進角油室R1に連通している。円弧状ロック溝21gは、図2及び図4にて示したように、円弧状連通溝21iと、軸方向の通孔21kと径方向の通孔21eと軸方向の通孔21dを通して遅角通路12に連通すると共に、径外方に延びる連通溝21nを通して遅角油室R2に連通している。
【0023】
ハウジング30とロータ20間に介装したトーションスプリングSは、ハウジング30に対してロータ20を進角側に回転付勢するものである。このトーションスプリングSによって、ロータのハウジングに対する相対回転位相を進角側へ変更する際の作動応答性は良好とされている。
【0024】
図1に示した油圧制御弁100は、エンジンによって駆動されるオイルポンプ110、エンジンのオイルパン120等からなる油圧回路Cを構成していて、通電制御装置ECUによるソレノイド103への通電によって図示しないスプールを図示しないスプリングに抗して移動させる可変式電磁スプールバルブであり、ソレノイドへのデューティ値(%)を変えることによりスプールのストローク量を変更して各ポート101、102、106、107間の連通・遮断を制御するように構成されている。通電制御装置ECUは各種センサ(クランク角、カム角、スロットル開度、エンジン回転数、エンジン冷却水温、車速等を検出するセンサ)からの検出信号に基づき、予め設定した制御パターンに従い、エンジンの運転状況に応じて出力(ソレノイドに送られる電流のデューティ値)を制御するようになっている。
【0025】
スプール104は、図3にて拡大して示したように、このランド部104a、104b、104c、104d、104eと、各ランド部間に形成した4この環状溝104f、104g、104h、104iと、両端の環状溝104f、104iを排出ポート107に連通させる一対の連通孔104j、104kと有していて、図3に示した各部のラップ量がL1<L2<L3<L4<L5<L6となるように設定されている。油圧制御弁100は、このラップ量をソレノイドの電流値によりスプール104の位置を変位させることで変化させて、進角油室R1、遅角油室R2のそれぞれ、またはその両方に作動油を供給することが可能とされている。
【0026】
ところで、スプール104が図3に示した状態(デューティ値0%で非通電の状態)にあるときには、オイルポンプ110の吐出口に接続された106が両ランド部104b、104cによって両接続ポート101、102がオイル溜120に接続された排出ポート107に両環状溝104f、104iと両連通孔104j、104kを通して連通していて、両接続ポート101、102の両方から排出ポート107に作動油が排出可能である。このため、各進角油室R1及び各遅角油室R2と相対回転制御機構Bの両円弧状ロック溝21f、21gから油圧制御弁100を通して作動油をオイル溜120に排出可能である。
【0027】
ところで、カム軸10には常にカム軸10を遅角方向あるいは進角方向へ周期的に回転させようとする回転変動トルクが加わっている。これにより、カム軸10の回転変動によってカム軸10と一体的に回転するロータ20、及びベーン21が流体圧室31a内を移動し、このベーン21の移動に伴って、進角油室R1と、遅角油室R2の容積が変化する。上記したように、エンジンの始動時には油圧制御弁100が図3に示した状態にて制御され、進角油室R1、遅角油室R2は双方ともオイル溜120に連通している。このため、進角油室R1及び遅角油室R2内に滞留していた作動油がオイル溜120に排出される。また、進角油室R1及び遅角油室の容積変化(ベーン21)によっても作動油が押し出され、排出される。回転変動トルクによってこの作動が繰り返されることにより、進角油室R1及び遅角油室R2内の作動油は速やかに排出される。そして、進角油室R1と遅角油室R2内の作動油が排出されると、回転変動トルクによってハウジング30に対するロータ20の位相が徐々に移動され、中間位相位置となったときに相対回転制御機構Bによってロータ20の位置が固定される。
【0028】
本発明の作用について説明する。
【0029】
進角油室R1と遅角油室R2からオイル溜120に作動油が排出されている場合には、進角油室R1(遅角油室R2)、径方向の通孔21c(径方向の通孔21e)、進角通路11(遅角通路12)、径方向の通孔13(径方向の通孔15)、円環状の通路14(円環状の通路16)、接続油路P1(接続油路P2)、油圧制御弁100を介してオイル溜120に至る。このためカム軸10の被支承部(カム軸10とシリンダヘッド40と間の摺動面)には円環状の通路14、16から作動油が供給される。また、接続通路P3と、円環状の通路17によってオイルポンプ110からは常に作動油が供給される。
【0030】
そして、進角油室R1及び遅角油室R2に残留している作動油が減少して、進角油室R1及び遅角油室R2から排出される作動油の量が減少したり、あるいはその全て排出されてしまうと、円環状通路14、16から摺動面に供給される作動油の量も減少または全くなくなってしまう。このような場合においてもカム軸10には回転変動トルクが加わり、カム軸10はその被支承部で(中間位置に至ってロックされるまでの間)回転し続ける。この状態は油圧制御弁100の作動状態が切り替えられて進角油室R1または遅角油室R2に作動油が供給されるまで継続する。しかしながら、接続通路P3と円環状の通路17は油圧制御弁100を介さずに直接オイルポンプ110と連通されているため、このような場合においても摺動面であるカム軸10がシリンダヘッド40に支承される部分(被支承部)に作動油を供給することができる。これにより、進角油室R1及び遅角油室R2から作動油が排出される作動油が減少またはなくなっても、接続通路P3及び円環状の通路17を介してカム軸10とシリンダヘッド40とが摺動する面(被支承部)には常に作動油を供給することができる。
【0031】
このため、カム軸10とシリンダヘッド40とが摺動する面において潤滑油としての作動油が供給されなくなったり、その供給量が減少することがないので、カム軸10の円滑な回転を確保することができると共に、被支承部における摩耗の発生、軸の焼き付き等を防止することができる。
【0032】
図4は、本発明の第2実施形態を示す図面である。図面の繁雑化を避けるため、図4においては図1に示したロータ20、ハウジング30等の図示を省略している。また、第2実施形態は第1実施形態と比較して作動流体供給機構を構成する円環状の通路17の配置が異なっているだけであるので第1実施形態と同じ番号符号を付して詳細な説明は省略する。
【0033】
図4において、作動流体供給機構を構成する円環状の通路17は、カム軸10の中心軸方向において、進角油路11に連通する円環状の通路14と、遅角油路12に連通する16の略中間の位置に配置されている。上記した第1実施形態においては円環状の通路17を進角通路11と連通する円環状の通路14と遅角油路12と連通する円環状の通路16のそれぞれが配置されている位置よりも反ロータ側の位置に配置されている。しかしながら、図4に示すように上記した配置とすることで、カム軸10がシリンダヘッド40に支承され、摺動する部分(被支承部)の略中央に潤滑油たる作動油を供給することが可能になる。これにより、カム軸10の回転中心線方向に対してバランスよく作動油が供給できるので、摺動部を摺動抵抗を一様にすることができ、偏摩耗の発生等が防止できる。
【0034】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1の発明によれば、前記従動軸の被支承部に前記供給手段から常に作動流体を供給可能な流体供給機構を備えることによって、従動軸の被支承部において潤滑油としての作動油が供給されなくなったり、その供給量が減少することが防止できる。これにより、従動軸の被支承部の潤滑性を向上させることができ、弁開閉時期制御装置を安定して作動させることができる。
【0035】
また、請求項2の発明によれば、前記流体供給機構は前記供給手段から前記制御手段を介さずに直接流体を供給可能としたことによって、制御手段の作動位置に係らず流体を供給することができる。これによって、特に進角油室及び遅角油室の両方から作動油が排出され、これら油室に作動油が供給されるまでの間において、流体が被支承部へ供給されなくなることが防止でき、従動軸の被支承部の潤滑性を確保して弁開閉時期制御装置を安定して作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弁開閉時期制御装置の一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】図1に示す要部縦断面図であり、ハウジングに対するロータの位置が中間位相位置にあるときを示す図である。
【図3】図1に示す流量制御弁の拡大図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
10 カム軸(従動軸)
17 円環状の通路(流体供給機構)
20 ロータ
21 ベーン
30 ハウジング
31b 流体圧室
40 シリンダヘッド(被支承部)
100 油圧制御弁(制御手段)
110 オイルポンプ
B 相対回転制御機構
R1 進角油室
R2 遅角油室
P1、P2 接続通路
P3 接続通路(流体供給機構)

Claims (2)

  1. エンジンの回転軸または従動軸の一方と一体的に回転するハウジングと、
    前記ハウジングに対して相対回転可能に組み付けられると共に、前記従動軸または前記回転軸の他方と一体的に回転するロータと、
    前記ハウジングと前記ロータとの間に形成される流体圧室と、
    前記ハウジングまたは前記ロータの少なくとも一方に設けられ、該流体圧室を進角油室と遅角油室に区画するベーンと、
    流体供給手段から前記進角及び遅角油室の少なくとも一方への流体の供給及び、前記進角及び遅角油室の少なくとも一方からの流体の排出を制御すると共に、前記進角油室及び前記遅角油室の両方からの流体の排出を可能とする制御手段と、
    前記進角油室及び前記遅角油室の両方から流体が排出されることにより前記ハウジングと前記ロータとの相対回転を所定の位置で規制する相対回転制御機構と、
    を備えてなる弁開閉時期制御装置において、
    前記進角油室及び前記遅角油室の両方から流体が排出される際には前記進角油室及び前記遅角油室に流体の供給は行われず、
    前記進角油室及び前記遅角油室の両方からの流体排出時に前記従動軸の被支承部に前記流体供給手段から常に流体を供給可能な流体供給機構を備えることを特徴とする弁開閉時期制御装置。
  2. 前記流体供給機構は前記供給手段から前記制御手段を介さずに前記被支承部に直接流体を供給可能としたことを特徴とする請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
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