JP2003147257A - 水系汚染除去性コーティング剤および汚染除去性を有する物品 - Google Patents
水系汚染除去性コーティング剤および汚染除去性を有する物品Info
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- JP2003147257A JP2003147257A JP2001351388A JP2001351388A JP2003147257A JP 2003147257 A JP2003147257 A JP 2003147257A JP 2001351388 A JP2001351388 A JP 2001351388A JP 2001351388 A JP2001351388 A JP 2001351388A JP 2003147257 A JP2003147257 A JP 2003147257A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 塗工性に優れた、水系タイプであり、壁紙等
の基材に塗布することにより、それに付着した種々の汚
染物質の除去を容易とする汚染除去用処理剤を提供する
こと。 【解決手段】 水系媒体に下記の成分を溶解および分散
させてなるコーティング剤において、上記コーティング
剤中に(1)ポリビニルアルコール%、(2)皮膜形成
能を有する親油性ポリマー、(3)シリコン変性アクリ
ル系ポリマー、(4)無機充填剤、及び(5)シリコン
オイルを含有することを特徴とする水系汚染除去性コー
ティング剤。
の基材に塗布することにより、それに付着した種々の汚
染物質の除去を容易とする汚染除去用処理剤を提供する
こと。 【解決手段】 水系媒体に下記の成分を溶解および分散
させてなるコーティング剤において、上記コーティング
剤中に(1)ポリビニルアルコール%、(2)皮膜形成
能を有する親油性ポリマー、(3)シリコン変性アクリ
ル系ポリマー、(4)無機充填剤、及び(5)シリコン
オイルを含有することを特徴とする水系汚染除去性コー
ティング剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋内もしくは屋外
において汚染環境に曝される壁材等の基材の表面に塗布
することにより、基材表面に付着した汚れを容易に除去
することができる水系の汚れ除去用コーティング剤に関
し、さらに詳しくは塩ビ系樹脂発泡壁紙や非塩ビ系樹脂
発泡壁紙等の表面に塗布することによって、これらの壁
紙等に付着した水性および油性の汚れの除去を容易とす
るための、揮発性有機溶剤を全く含有しない完全水系の
汚染除去性コーティング剤に関するものである。
において汚染環境に曝される壁材等の基材の表面に塗布
することにより、基材表面に付着した汚れを容易に除去
することができる水系の汚れ除去用コーティング剤に関
し、さらに詳しくは塩ビ系樹脂発泡壁紙や非塩ビ系樹脂
発泡壁紙等の表面に塗布することによって、これらの壁
紙等に付着した水性および油性の汚れの除去を容易とす
るための、揮発性有機溶剤を全く含有しない完全水系の
汚染除去性コーティング剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、発泡壁紙等の壁材に付着したそれ
ぞれ性質が異なる水性汚れと油性汚れのどちらかの汚れ
をより綺麗に落とそうとすると、もう一方の汚れが落ち
にくくなることがあった。例えば、壁材に手あか、石油
・ガスストーブからの煤やたばこのヤニのような汚れが
付着すると、洗剤などを浸した布で拭き取るのが一般的
である。しかしながら、口紅、クレヨン等の油性の汚れ
やカレー、醤油等の染料系の汚れは、力を入れて拭き取
っても落ちにくい汚れであり、結果的には、壁材の表面
状態をかえって汚くしてしまう。また、繰り返しの汚れ
は、拭き取りでは綺麗に落とすことは極めて困難であ
る。
ぞれ性質が異なる水性汚れと油性汚れのどちらかの汚れ
をより綺麗に落とそうとすると、もう一方の汚れが落ち
にくくなることがあった。例えば、壁材に手あか、石油
・ガスストーブからの煤やたばこのヤニのような汚れが
付着すると、洗剤などを浸した布で拭き取るのが一般的
である。しかしながら、口紅、クレヨン等の油性の汚れ
やカレー、醤油等の染料系の汚れは、力を入れて拭き取
っても落ちにくい汚れであり、結果的には、壁材の表面
状態をかえって汚くしてしまう。また、繰り返しの汚れ
は、拭き取りでは綺麗に落とすことは極めて困難であ
る。
【0003】上記の如き事情から、様々な種類の汚染除
去用の処理剤が提供されているが、そのほとんどが有機
溶剤系であるため、現場での塗工に際して、揮発性溶剤
の蒸発による環境汚染や作業者の蒸気吸入という問題が
避けられず、完全水系での汚れの除去を容易にする処理
剤が待たれている。
去用の処理剤が提供されているが、そのほとんどが有機
溶剤系であるため、現場での塗工に際して、揮発性溶剤
の蒸発による環境汚染や作業者の蒸気吸入という問題が
避けられず、完全水系での汚れの除去を容易にする処理
剤が待たれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたもので、本発明の課題は、塗工性に優
れた水系タイプであり、壁紙等の物品に塗布することに
より、それに付着した種々の汚染物質を容易且つ綺麗に
除去することができる汚染除去用処理剤を提供すること
である。
に鑑みてなされたもので、本発明の課題は、塗工性に優
れた水系タイプであり、壁紙等の物品に塗布することに
より、それに付着した種々の汚染物質を容易且つ綺麗に
除去することができる汚染除去用処理剤を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は以下の本発
明により達成される。即ち、本発明は、水系媒体に下記
の成分を溶解および分散させてなるコーティング剤にお
いて、コーティング剤中の成分が、(1)ポリビニルア
ルコール、(2)皮膜形成能を有する親油性ポリマー、
(3)シリコン変性アクリル系ポリマー、(4)無機充
填剤、および(5)シリコンオイルであることを特徴と
する水系汚染除去性コーティング剤および汚染除去性を
有する物品である。
明により達成される。即ち、本発明は、水系媒体に下記
の成分を溶解および分散させてなるコーティング剤にお
いて、コーティング剤中の成分が、(1)ポリビニルア
ルコール、(2)皮膜形成能を有する親油性ポリマー、
(3)シリコン変性アクリル系ポリマー、(4)無機充
填剤、および(5)シリコンオイルであることを特徴と
する水系汚染除去性コーティング剤および汚染除去性を
有する物品である。
【0006】
【発明の実施の形態】次に実施の形態を挙げて本発明を
詳細に説明する。本発明の水系汚染除去性コーティング
剤は、親水性のポリビニルアルコール、皮膜形成能を有
する親油性ポリマーおよびシリコン変性アクリル系ポリ
マーをポリマー成分とし、これらと無機充填剤とシリコ
ンオイルを水系媒体に分散させてなる被膜形成性の水系
分散体である。このコーティング剤を壁紙等の物品の製
造時に、あるいは製造後に物品に塗布してその表面に皮
膜を形成させることにより、物品に水性及び油性の汚れ
が付着しても拭き取り等で基材表面を汚くすることな
く、これらの汚れを容易に、且つ綺麗に除去することが
できる。水系媒体は、特に水が好ましいが、水及び水に
可溶性のメチルアルコール、エチルアルコール等の有機
溶媒との混合溶媒も使用可能である。
詳細に説明する。本発明の水系汚染除去性コーティング
剤は、親水性のポリビニルアルコール、皮膜形成能を有
する親油性ポリマーおよびシリコン変性アクリル系ポリ
マーをポリマー成分とし、これらと無機充填剤とシリコ
ンオイルを水系媒体に分散させてなる被膜形成性の水系
分散体である。このコーティング剤を壁紙等の物品の製
造時に、あるいは製造後に物品に塗布してその表面に皮
膜を形成させることにより、物品に水性及び油性の汚れ
が付着しても拭き取り等で基材表面を汚くすることな
く、これらの汚れを容易に、且つ綺麗に除去することが
できる。水系媒体は、特に水が好ましいが、水及び水に
可溶性のメチルアルコール、エチルアルコール等の有機
溶媒との混合溶媒も使用可能である。
【0007】以下に本発明の水系汚染除去性コーティン
グ剤(以下では単にコーティング剤と称することがあ
る。)の構成成分について説明する。ポリビニルアルコ
ールは、上記コーティング剤の塗布により形成された皮
膜に親水性を付与する成分であり、数平均分子量が4
0,000以上、好ましくは50,000〜100,0
00で、ケン化度が75モル%以上、好ましくは85〜
100モル%のものである。分子量が小さすぎると耐水
性が悪くなり、ケン化度が小さすぎると親水性が悪くな
る。また、ポリビニルアルコールとして、カチオン化ポ
バール、アセト酢酸化ポバールやカルボキシル基含有ポ
バール等のポリビニルアルコールの変性物を使用するこ
ともできる。ポリビニルアルコールは水系媒体に溶解し
て使用される。
グ剤(以下では単にコーティング剤と称することがあ
る。)の構成成分について説明する。ポリビニルアルコ
ールは、上記コーティング剤の塗布により形成された皮
膜に親水性を付与する成分であり、数平均分子量が4
0,000以上、好ましくは50,000〜100,0
00で、ケン化度が75モル%以上、好ましくは85〜
100モル%のものである。分子量が小さすぎると耐水
性が悪くなり、ケン化度が小さすぎると親水性が悪くな
る。また、ポリビニルアルコールとして、カチオン化ポ
バール、アセト酢酸化ポバールやカルボキシル基含有ポ
バール等のポリビニルアルコールの変性物を使用するこ
ともできる。ポリビニルアルコールは水系媒体に溶解し
て使用される。
【0008】皮膜形成能を有する親油性ポリマーとして
は、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル酸
エステル系ポリマーやビニルエステル系ポリマー等が好
ましいポリマーとして挙げられる。これらは1種または
2種以上を組み合わせて使用することができる。これら
のポリマーは水性分散体(エマルジョン)として使用さ
れる。
は、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル酸
エステル系ポリマーやビニルエステル系ポリマー等が好
ましいポリマーとして挙げられる。これらは1種または
2種以上を組み合わせて使用することができる。これら
のポリマーは水性分散体(エマルジョン)として使用さ
れる。
【0009】ポリエステルは、従来公知の酸成分とアル
コール成分との重縮合反応によって得られ、これらの成
分は特に限定されるものではないが、水性分散体として
使用されることから自己乳化性のポリエステルが好まし
い。酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、ジメチルイソフタル酸、フタル酸、4,4′−ビ
フェニルジカルボン酸、3,3′−メチレン二安息香
酸、4,4′−メチレン二安息香酸、4,4′−オキシ
二安息香酸、4,4′−チオ二安息香酸、4,4′−カ
ルボニル二安息香酸、4,4′−スルホニル二安息香
酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二
酸、グルタル酸、スベリン酸、1,12−ドデカンジカ
ルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,
20−エイコサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン
酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、グルタ
コン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハ
イドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−
α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸等
の脂肪族ジカルボン酸等およびそれらの低級アルコール
エステルが挙げられる。これらは1種または2種以上を
組み合わせて使用される。
コール成分との重縮合反応によって得られ、これらの成
分は特に限定されるものではないが、水性分散体として
使用されることから自己乳化性のポリエステルが好まし
い。酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、ジメチルイソフタル酸、フタル酸、4,4′−ビ
フェニルジカルボン酸、3,3′−メチレン二安息香
酸、4,4′−メチレン二安息香酸、4,4′−オキシ
二安息香酸、4,4′−チオ二安息香酸、4,4′−カ
ルボニル二安息香酸、4,4′−スルホニル二安息香
酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二
酸、グルタル酸、スベリン酸、1,12−ドデカンジカ
ルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,
20−エイコサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン
酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、グルタ
コン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハ
イドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−
α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸等
の脂肪族ジカルボン酸等およびそれらの低級アルコール
エステルが挙げられる。これらは1種または2種以上を
組み合わせて使用される。
【0010】また、アルコール成分としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピ
レングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−
プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコー
ル等の脂肪族ジオール;ビスヒドロキシメチルシクロヘ
キサン、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の脂環族
ジオール;キシリレングリコール等の芳香族ジオール;
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、1,1,1−トリメチ
ロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン等
の脂肪族三価アルコール、トリス−(2ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレート等の環状三価アルコール等の多価
アルコールが挙げられる。これらは1種または2種以上
を組み合わせて使用される。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピ
レングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−
プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコー
ル等の脂肪族ジオール;ビスヒドロキシメチルシクロヘ
キサン、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の脂環族
ジオール;キシリレングリコール等の芳香族ジオール;
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、1,1,1−トリメチ
ロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン等
の脂肪族三価アルコール、トリス−(2ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレート等の環状三価アルコール等の多価
アルコールが挙げられる。これらは1種または2種以上
を組み合わせて使用される。
【0011】また、得られたポリエステルを自己乳化性
とするために、トリメリット酸、トリメリット酸無水
物、ピロメリット酸二無水物、ナフタリンテトラカルボ
ン酸二無水物、ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無
水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの
多価カルボン酸またはその無水物を前記の酸成分と共縮
合させ、残存する遊離のカルボン酸基を、必要により、
従来公知の塩基性物質、例えば、アンモニア、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メ
チルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールア
ミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチ
ルモルホリン、2−アミノ−2−エチル−1−プロパノ
ール等のアミン類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の無機アルカリ物質によって中和
し、自己乳化を可能とする。また、例えば、スルホイソ
フタル酸アルカリ金属塩およびその低級アルコールエス
テル化物等のスルホン酸基が置換した酸やアルコール成
分を共縮合させ、上記同様にして自己乳化性を付与する
こともできる。
とするために、トリメリット酸、トリメリット酸無水
物、ピロメリット酸二無水物、ナフタリンテトラカルボ
ン酸二無水物、ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無
水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの
多価カルボン酸またはその無水物を前記の酸成分と共縮
合させ、残存する遊離のカルボン酸基を、必要により、
従来公知の塩基性物質、例えば、アンモニア、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メ
チルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールア
ミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチ
ルモルホリン、2−アミノ−2−エチル−1−プロパノ
ール等のアミン類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の無機アルカリ物質によって中和
し、自己乳化を可能とする。また、例えば、スルホイソ
フタル酸アルカリ金属塩およびその低級アルコールエス
テル化物等のスルホン酸基が置換した酸やアルコール成
分を共縮合させ、上記同様にして自己乳化性を付与する
こともできる。
【0012】ポリエステルの重縮合触媒としては、従来
公知のものが使用され、特に制限されないが、例えば、
硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸化合物、テトライ
ソプロピルチタネート、ジブチルスズオキシド等の金属
化合物が、酸成分の重量に対して、通常、0.001〜
1%程度の範囲で使用される。また重縮合反応は、従来
公知の方法によって行われ、常圧または減圧下、150
〜260℃で脱水または脱アルコール縮合で得られる。
上記の成分を用いて得られる自己乳化性のポリエステル
は、それを水に加え、中和または加熱によって水性分散
体とすることができる。
公知のものが使用され、特に制限されないが、例えば、
硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸化合物、テトライ
ソプロピルチタネート、ジブチルスズオキシド等の金属
化合物が、酸成分の重量に対して、通常、0.001〜
1%程度の範囲で使用される。また重縮合反応は、従来
公知の方法によって行われ、常圧または減圧下、150
〜260℃で脱水または脱アルコール縮合で得られる。
上記の成分を用いて得られる自己乳化性のポリエステル
は、それを水に加え、中和または加熱によって水性分散
体とすることができる。
【0013】アクリル酸エステル系ポリマーとしては、
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはそのC
1 〜C30のアルキル、アルキルアリールまたはアリール
エステル類等、およびスチレン、メチルスチレン、エチ
レン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチ
レン、塩化ビニル、アクリロニトリル等の不飽和化合物
が1種または2種以上を組み合わせて共重合され、ビニ
ルエステル系ポリマーとしては、例えば、ポリ酢酸ビニ
ル、酢酸ビニル−塩化ビニルコポリマー、酢酸ビニル−
エチレンコポリマー等が挙げられ、これらは従来公知の
界面活性剤を用いた乳化重合によってモノマー成分を共
重合することで得ることができる。得られるポリマーが
自己乳化性の場合には、界面活性剤は使用しない。
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはそのC
1 〜C30のアルキル、アルキルアリールまたはアリール
エステル類等、およびスチレン、メチルスチレン、エチ
レン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチ
レン、塩化ビニル、アクリロニトリル等の不飽和化合物
が1種または2種以上を組み合わせて共重合され、ビニ
ルエステル系ポリマーとしては、例えば、ポリ酢酸ビニ
ル、酢酸ビニル−塩化ビニルコポリマー、酢酸ビニル−
エチレンコポリマー等が挙げられ、これらは従来公知の
界面活性剤を用いた乳化重合によってモノマー成分を共
重合することで得ることができる。得られるポリマーが
自己乳化性の場合には、界面活性剤は使用しない。
【0014】ポリウレタンは従来公知のポリイソシアネ
ート化合物、ポリオール、必要により鎖延長剤を用いて
得ることができ、これらの成分は特に限定されないが、
得られるポリウレタンが自己乳化性となる成分であるこ
とが好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、例
えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メ
チレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネ
ート、リジンジイソシアネート、1,5−オクチレンジ
イソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪
族ジイソシアネート;4,4′−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(I
PDI)、水添トリレンジイソシアネート、メチルシク
ロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシク
ロヘキシル−4,4′−ジイソシアネート等の脂環式ジ
イソシアネート;2,4−もしくは2,6−トリレンジ
イソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス
(4−フェニルイソシアネート)チオホスフェート、ト
リジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネ
ート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニ
ルスルホンジイソシアネート等が、またMDI、TD
I、HDI、XDI、IPDI等を2価または3価の多
価アルコールと反応させたアダクト体、HDIやIPD
I等のビュレット体、TDI等のウレチジオン体、TD
I、HDIやIPDI等のイソシアヌレート体、カルボ
ジイミド体などが挙げられる。これらは1種または2種
以上を組み合わせて使用される。
ート化合物、ポリオール、必要により鎖延長剤を用いて
得ることができ、これらの成分は特に限定されないが、
得られるポリウレタンが自己乳化性となる成分であるこ
とが好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、例
えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メ
チレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネ
ート、リジンジイソシアネート、1,5−オクチレンジ
イソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪
族ジイソシアネート;4,4′−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(I
PDI)、水添トリレンジイソシアネート、メチルシク
ロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシク
ロヘキシル−4,4′−ジイソシアネート等の脂環式ジ
イソシアネート;2,4−もしくは2,6−トリレンジ
イソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス
(4−フェニルイソシアネート)チオホスフェート、ト
リジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネ
ート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニ
ルスルホンジイソシアネート等が、またMDI、TD
I、HDI、XDI、IPDI等を2価または3価の多
価アルコールと反応させたアダクト体、HDIやIPD
I等のビュレット体、TDI等のウレチジオン体、TD
I、HDIやIPDI等のイソシアヌレート体、カルボ
ジイミド体などが挙げられる。これらは1種または2種
以上を組み合わせて使用される。
【0015】ポリオールとしては、ポリエーテルポリオ
ール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステル
ポリオールおよびその他のポリオールが使用される。ポ
リエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素含有
基を2個以上有する化合物(例えば、低分子ポリオール
やグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ソルビトールや、シュークローズ、グルコー
ス、フラクトース等のシュガー系アルコール類、エチレ
ンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、
メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、
キシリレンジアミン等)を開始剤として、エチレンオキ
サイド(以下EOと称する)、プロピレンオキサイド
(以下POと称する)、ブチレンオキサイド等のアルキ
レンオキサイド、アミレンオキサイド、メチルグリシジ
ルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル、フェニル
グリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル、
テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーの1種以
上を公知の方法により付加重合することで得られる。例
えば、ポリエチレングリコールエーテル、ポリプロピレ
ングリコールエーテル、ポリテトラメチレングリコール
エーテル、ポリEOポリPOグリコール、ポリEOPO
グリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等
が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わ
せて使用される。
ール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステル
ポリオールおよびその他のポリオールが使用される。ポ
リエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素含有
基を2個以上有する化合物(例えば、低分子ポリオール
やグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ソルビトールや、シュークローズ、グルコー
ス、フラクトース等のシュガー系アルコール類、エチレ
ンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、
メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、
キシリレンジアミン等)を開始剤として、エチレンオキ
サイド(以下EOと称する)、プロピレンオキサイド
(以下POと称する)、ブチレンオキサイド等のアルキ
レンオキサイド、アミレンオキサイド、メチルグリシジ
ルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル、フェニル
グリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル、
テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーの1種以
上を公知の方法により付加重合することで得られる。例
えば、ポリエチレングリコールエーテル、ポリプロピレ
ングリコールエーテル、ポリテトラメチレングリコール
エーテル、ポリEOポリPOグリコール、ポリEOPO
グリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等
が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わ
せて使用される。
【0016】ポリエステルポリオールとしては、縮合系
ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリ
オール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
縮合系ポリエステルポリオールは、多塩基酸と多価アル
コールを縮重合させて得られるものである。多塩基酸と
しては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、酒石酸、シュウ
酸、マロン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン
酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン
酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α
−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサ
クシン酸等の二塩基酸またはそれらの無水物等が挙げら
れる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用
される。
ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリ
オール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
縮合系ポリエステルポリオールは、多塩基酸と多価アル
コールを縮重合させて得られるものである。多塩基酸と
しては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、酒石酸、シュウ
酸、マロン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン
酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン
酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α
−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサ
クシン酸等の二塩基酸またはそれらの無水物等が挙げら
れる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用
される。
【0017】多価アルコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレング
リコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール
などの脂肪族ジオール、ビスヒドロキシメチルシクロヘ
キサン、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の脂環族
ジオール、キシリレングリコール等の芳香族ジオール、
C1 〜C18のアルキルジエタノールアミン等のアルキル
ジアルカノールアミン等のジオール類が挙げられる。こ
れらは1種または2種以上を組み合わせて使用される。
縮合系ポリエステルポリオールの具体例としては、ポリ
エチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘ
キサメチレンアジペート等が挙げられる。
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレング
リコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール
などの脂肪族ジオール、ビスヒドロキシメチルシクロヘ
キサン、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の脂環族
ジオール、キシリレングリコール等の芳香族ジオール、
C1 〜C18のアルキルジエタノールアミン等のアルキル
ジアルカノールアミン等のジオール類が挙げられる。こ
れらは1種または2種以上を組み合わせて使用される。
縮合系ポリエステルポリオールの具体例としては、ポリ
エチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘ
キサメチレンアジペート等が挙げられる。
【0018】ラクトン系ポリエステルポリオールは、前
記ジオール類などを開始剤としてラクトンを開環重合さ
せて得られるポリラクトンジオール、ポリカプロラクト
ンジオール、ポリメチルバレロラクトンジオールなどが
挙げられる。ポリエーテルエステルポリオールは、エー
テル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物
を前記ジカルボン酸またはそれらの無水物とを反応させ
るか、またはポリエステルグリコールにアルキレンオキ
シドを反応させることによって得られるもので、例え
ば、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート等
が挙げられる。エーテル基含有ジオールは、前記の1種
または2種以上を組み合わせて使用される。その他のポ
リオールとしては、例えば、ポリアクリルポリオール、
ポリオレフィンポリオール、ポリブタジエンポリオー
ル、油脂変性ポリオール等が挙げられる。
記ジオール類などを開始剤としてラクトンを開環重合さ
せて得られるポリラクトンジオール、ポリカプロラクト
ンジオール、ポリメチルバレロラクトンジオールなどが
挙げられる。ポリエーテルエステルポリオールは、エー
テル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物
を前記ジカルボン酸またはそれらの無水物とを反応させ
るか、またはポリエステルグリコールにアルキレンオキ
シドを反応させることによって得られるもので、例え
ば、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート等
が挙げられる。エーテル基含有ジオールは、前記の1種
または2種以上を組み合わせて使用される。その他のポ
リオールとしては、例えば、ポリアクリルポリオール、
ポリオレフィンポリオール、ポリブタジエンポリオー
ル、油脂変性ポリオール等が挙げられる。
【0019】ポリウレタンを製造するに際しては、得ら
れるポリウレタンに自己乳化性を付与するために、例え
ば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)乳酸、2,2−ビス
(ヒドロキシメチル)吉草酸、2,2−ビス(ヒドロキ
シメチル)酪酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブ
タン酸等のカルボン酸含有ジオールを共重合させ、次い
で、必要により、そのカルボン酸を前記の塩基性物質で
中和して自己乳化性とすることができる。また、他の方
法としては、上記のカルボン酸含有ジオールを使用せず
に末端イソシアネートウレタンプレポリマーを合成し、
鎖延長剤として上記のカルボン酸含有ジオールあるいは
2−カルボキシ−1,4−フェニレンジアミン等のカル
ボン酸含有ジアミンを用いて鎖延長させる方法が挙げら
れるが、これらの方法に限定されるものではない。
れるポリウレタンに自己乳化性を付与するために、例え
ば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)乳酸、2,2−ビス
(ヒドロキシメチル)吉草酸、2,2−ビス(ヒドロキ
シメチル)酪酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブ
タン酸等のカルボン酸含有ジオールを共重合させ、次い
で、必要により、そのカルボン酸を前記の塩基性物質で
中和して自己乳化性とすることができる。また、他の方
法としては、上記のカルボン酸含有ジオールを使用せず
に末端イソシアネートウレタンプレポリマーを合成し、
鎖延長剤として上記のカルボン酸含有ジオールあるいは
2−カルボキシ−1,4−フェニレンジアミン等のカル
ボン酸含有ジアミンを用いて鎖延長させる方法が挙げら
れるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0020】ポリウレタン製造後、必要により、ポリウ
レタンの末端停止剤を使用することもできる。末端停止
剤としては、例えば、モノアルコールやモノアミン等の
単官能性の化合物ばかりでなく、イソシアネートに対し
て異なる反応性をもつ2種の官能基を有するような化合
物が使用できる。例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール等のモノアルコール;
モノエチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミ
ン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン等
のモノアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン等のアルカノールアミン等も使用可能である。なか
でもアルカノールアミン類が反応制御しやすいという点
で好ましい。
レタンの末端停止剤を使用することもできる。末端停止
剤としては、例えば、モノアルコールやモノアミン等の
単官能性の化合物ばかりでなく、イソシアネートに対し
て異なる反応性をもつ2種の官能基を有するような化合
物が使用できる。例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール等のモノアルコール;
モノエチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミ
ン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン等
のモノアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン等のアルカノールアミン等も使用可能である。なか
でもアルカノールアミン類が反応制御しやすいという点
で好ましい。
【0021】シリコン変性アクリル系ポリマーは、ビニ
ル基やメタクリロキシ基を有するシランカップリング剤
(例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン等)やメタクリロキシ
基を有するポリシロキサン(例えば、両末端に該基を有
するジメチルポリシロキサン(分子量1,000〜1
0,000程度)等、片末端に該基を有するジメチルポ
リシロキサン(分子量1,000〜10,000程度)
等と(メタ)アクリル酸系モノマー(例えば、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等)の少
なくとも1種とのコポリマー等が挙げられる。このポリ
マーも水性分散体として使用することが好ましい。シリ
コン変性アクリル系ポリマー水性分散体は、例えば、高
圧ガス化学工業(株)製のペガールLH−5300、中
央理化工業(株)製のリカボンド ET−19N、日本
触媒(株)製のユーダブルE−721等の多くの市販品
があり、いずれも使用できる。好ましいのは最低造膜温
度(MFT)が0℃以上のものである。
ル基やメタクリロキシ基を有するシランカップリング剤
(例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン等)やメタクリロキシ
基を有するポリシロキサン(例えば、両末端に該基を有
するジメチルポリシロキサン(分子量1,000〜1
0,000程度)等、片末端に該基を有するジメチルポ
リシロキサン(分子量1,000〜10,000程度)
等と(メタ)アクリル酸系モノマー(例えば、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等)の少
なくとも1種とのコポリマー等が挙げられる。このポリ
マーも水性分散体として使用することが好ましい。シリ
コン変性アクリル系ポリマー水性分散体は、例えば、高
圧ガス化学工業(株)製のペガールLH−5300、中
央理化工業(株)製のリカボンド ET−19N、日本
触媒(株)製のユーダブルE−721等の多くの市販品
があり、いずれも使用できる。好ましいのは最低造膜温
度(MFT)が0℃以上のものである。
【0022】次に、上記のポリマー成分とともに使用さ
れる無機充填剤およびシリコンオイルについて説明す
る。無機充填剤としては、水酸化アルミニウム、炭酸カ
ルシウム、二酸化ケイ素、クレー、タルク等の使用が好
ましい。艶消しと塗膜の摩擦強度の点から水酸化アルミ
ニウムの使用が特に好ましい。
れる無機充填剤およびシリコンオイルについて説明す
る。無機充填剤としては、水酸化アルミニウム、炭酸カ
ルシウム、二酸化ケイ素、クレー、タルク等の使用が好
ましい。艶消しと塗膜の摩擦強度の点から水酸化アルミ
ニウムの使用が特に好ましい。
【0023】シリコンオイルは、従来公知のシリコンオ
イルがいずれも使用でき、特に制限されない。例えば、
ジメチルシリコンオイル、メチルフェニルシリコンオイ
ル、メチルハイドロジェンシリコンオイル等のストレー
トシリコンオイル;ポリエーテル変性シリコンオイル、
エポキシ変性シリコンオイル、アミノ変性シリコンオイ
ル、カルボキシ変性シリコンオイル等の変性シリコンオ
イル等が挙げられる。シリコンオイルは市販品が多数あ
り、いずれも使用できるが、好ましいのは下記の一般式
(1)で表わされるストレートシリコンオイルである。 (式中、Rは、同一でも異なってもよい炭素数1〜5の
アルキル基を示し、nは10〜1000程度の整数であ
る。)
イルがいずれも使用でき、特に制限されない。例えば、
ジメチルシリコンオイル、メチルフェニルシリコンオイ
ル、メチルハイドロジェンシリコンオイル等のストレー
トシリコンオイル;ポリエーテル変性シリコンオイル、
エポキシ変性シリコンオイル、アミノ変性シリコンオイ
ル、カルボキシ変性シリコンオイル等の変性シリコンオ
イル等が挙げられる。シリコンオイルは市販品が多数あ
り、いずれも使用できるが、好ましいのは下記の一般式
(1)で表わされるストレートシリコンオイルである。 (式中、Rは、同一でも異なってもよい炭素数1〜5の
アルキル基を示し、nは10〜1000程度の整数であ
る。)
【0024】本発明の汚染除去性コーティング剤は、以
上の成分を水系媒体に溶解および分散させたものであ
り、コーティング剤中の各成分の含有割合は以下の通り
である。 (1)ポリビニルアルコールの好ましい含有割合は、
0.1〜15重量%、さらに好ましくは、1.5〜5重
量%である。少なすぎると生成皮膜に充分な親水性を付
与することができず、多すぎると皮膜の親水性が強すぎ
て耐水性が悪くなってしまう。 (2)皮膜形成可能な親油性ポリマーの好ましいS含有
割合は、3〜15重量%、さらに好ましくは5〜10重
量%である。該ポリマーの使用は、ポリビニルアルコー
ルだけの皮膜では耐水性、密着性、耐引っ掻き性に劣る
ことから、これらの性能を向上させるためである。ま
た、この皮膜形成能を有するポリマーとポリビニルアル
コールの重量比が、皮膜に親水性を付与し、且つ耐水
性、基材との密着性を付与するために重要であり、ポリ
ビニルアルコール/皮膜形成能を有する親油性ポリマー
の重量比は1/0.1〜1/100が好ましく、さらに
好ましくは1/0.5〜1/10である。
上の成分を水系媒体に溶解および分散させたものであ
り、コーティング剤中の各成分の含有割合は以下の通り
である。 (1)ポリビニルアルコールの好ましい含有割合は、
0.1〜15重量%、さらに好ましくは、1.5〜5重
量%である。少なすぎると生成皮膜に充分な親水性を付
与することができず、多すぎると皮膜の親水性が強すぎ
て耐水性が悪くなってしまう。 (2)皮膜形成可能な親油性ポリマーの好ましいS含有
割合は、3〜15重量%、さらに好ましくは5〜10重
量%である。該ポリマーの使用は、ポリビニルアルコー
ルだけの皮膜では耐水性、密着性、耐引っ掻き性に劣る
ことから、これらの性能を向上させるためである。ま
た、この皮膜形成能を有するポリマーとポリビニルアル
コールの重量比が、皮膜に親水性を付与し、且つ耐水
性、基材との密着性を付与するために重要であり、ポリ
ビニルアルコール/皮膜形成能を有する親油性ポリマー
の重量比は1/0.1〜1/100が好ましく、さらに
好ましくは1/0.5〜1/10である。
【0025】(3)シリコン変性アクリレート系ポリマ
ーの好ましい含有割合は、3〜25重量%、さらに好ま
しくは5〜15重量%である。このポリマーの使用は、
そのシリコン部分が集合して皮膜中に海島構造(ドメイ
ン)を形成し、汚染除去性を付与するものと考えられ
る。少なすぎると汚染除去性が不十分となり、多すぎる
と使用量を増やしても汚染除去性は変わらず、不経済で
ある。 (4)無機充填剤の好ましい含有割合は、0.1〜35
重量%であり、さらに好ましくは10〜25重量%であ
る。無機充填剤は、皮膜を艶消しにしたり、皮膜の摩擦
強度を向上させたりするために使用される。
ーの好ましい含有割合は、3〜25重量%、さらに好ま
しくは5〜15重量%である。このポリマーの使用は、
そのシリコン部分が集合して皮膜中に海島構造(ドメイ
ン)を形成し、汚染除去性を付与するものと考えられ
る。少なすぎると汚染除去性が不十分となり、多すぎる
と使用量を増やしても汚染除去性は変わらず、不経済で
ある。 (4)無機充填剤の好ましい含有割合は、0.1〜35
重量%であり、さらに好ましくは10〜25重量%であ
る。無機充填剤は、皮膜を艶消しにしたり、皮膜の摩擦
強度を向上させたりするために使用される。
【0026】(5)シリコンオイルの好ましい含有割合
は、0.1〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重
量%である。シリコンオイルはシリコン変性アクリレー
ト系ポリマーによる汚染除去性をさらに向上させるもの
である。尚、本発明のコーティング剤には、添加可能な
各種添加剤、例えば、防腐剤、消泡剤、抑泡剤、レベリ
ング剤、分散剤、沈降防止剤、増粘剤等を本発明の効果
に影響しない範囲で適宜配合することができる。
は、0.1〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重
量%である。シリコンオイルはシリコン変性アクリレー
ト系ポリマーによる汚染除去性をさらに向上させるもの
である。尚、本発明のコーティング剤には、添加可能な
各種添加剤、例えば、防腐剤、消泡剤、抑泡剤、レベリ
ング剤、分散剤、沈降防止剤、増粘剤等を本発明の効果
に影響しない範囲で適宜配合することができる。
【0027】本発明のコーティング剤で、特に好ましい
各成分の含有割合は、(1)ポリビニルアルコール2重
量%、(2)皮膜形成能を有する親油性ポリマー7重量
%、(3)シリコン変性アクリル系ポリマー7.5重量
%、(4)無機充填剤15重量%、および(5)シリコ
ンオイル5重量%である。
各成分の含有割合は、(1)ポリビニルアルコール2重
量%、(2)皮膜形成能を有する親油性ポリマー7重量
%、(3)シリコン変性アクリル系ポリマー7.5重量
%、(4)無機充填剤15重量%、および(5)シリコ
ンオイル5重量%である。
【0028】本発明の汚染除去性コーティング剤は、水
系媒体に上記の各成分を分散させることで製造される
が、例えば、ポリビニルアルコールは水系溶媒に溶解し
た溶液を用い、皮膜形成能を有する親油性ポリマー、シ
リコン変性アクリレート系ポリマーは水性分散体(エマ
ルジョン)としたものをそれぞれ用い、これらを攪拌し
て均一に混合し、シリコンオイルはそのままあるいは乳
化液(溶媒は水)として加えて充分に混合することで調
製することができるが、調製方法は特に限定されない。
コーティング剤の固形分は、通常10〜50重量%程度
に調整される。
系媒体に上記の各成分を分散させることで製造される
が、例えば、ポリビニルアルコールは水系溶媒に溶解し
た溶液を用い、皮膜形成能を有する親油性ポリマー、シ
リコン変性アクリレート系ポリマーは水性分散体(エマ
ルジョン)としたものをそれぞれ用い、これらを攪拌し
て均一に混合し、シリコンオイルはそのままあるいは乳
化液(溶媒は水)として加えて充分に混合することで調
製することができるが、調製方法は特に限定されない。
コーティング剤の固形分は、通常10〜50重量%程度
に調整される。
【0029】本発明の汚染除去性コーティング剤は、上
記ポリマー成分が1つでも欠けた場合には、本発明でい
う汚染除去性の発現は困難となる。これは、本発明にお
いては、コーティング剤の塗布で形成される皮膜中に、
親水性ポリマー成分および親油性ポリマー成分が海島構
造的に分散することから、水性の汚れ及び油性の汚れの
付着に対しても、これらの汚れの除去に効果を発揮する
ものと考えられるから、上記の海島構造的分散が形成さ
れ難くなるからである。
記ポリマー成分が1つでも欠けた場合には、本発明でい
う汚染除去性の発現は困難となる。これは、本発明にお
いては、コーティング剤の塗布で形成される皮膜中に、
親水性ポリマー成分および親油性ポリマー成分が海島構
造的に分散することから、水性の汚れ及び油性の汚れの
付着に対しても、これらの汚れの除去に効果を発揮する
ものと考えられるから、上記の海島構造的分散が形成さ
れ難くなるからである。
【0030】本発明のコーティング剤の塗布対象物品
は、壁紙、壁板、天井板等の内装材、屋根板、屋根瓦、
外壁等の外装材等が挙げられるが、特に限定されない。
コーティング剤の物品への塗布方法は特に限定されるも
のではなく、グラビア印刷、ロータリースクリーン、エ
アーナイフコーター、スプレー塗布、ローラー塗布等の
従来公知の塗布方法を用いることができる。
は、壁紙、壁板、天井板等の内装材、屋根板、屋根瓦、
外壁等の外装材等が挙げられるが、特に限定されない。
コーティング剤の物品への塗布方法は特に限定されるも
のではなく、グラビア印刷、ロータリースクリーン、エ
アーナイフコーター、スプレー塗布、ローラー塗布等の
従来公知の塗布方法を用いることができる。
【0031】本発明のコーティング剤を塗布するときに
は、その対象の物品が、例えば、発泡壁紙である場合、
発泡層が発泡する(体積膨張する)前後を問わずいずれ
の段階でも塗布することができ、また、エンボス加工が
施される場合においても、その加工前後いずれの段階で
も塗布することができる。また、その他の物品では塗装
等の仕上げが施された物品の表面に塗布される。これら
の物品への塗布量は、特に制限されないが、通常、ウエ
ット基準で1〜300g/m2、好ましくは3〜50g
/m2程度である。塗布後、予備的な乾燥工程を経る
か、あるいは経ることなく直接加熱処理を施すことによ
って、本発明のコーティング剤により優れた汚染除去性
を有する壁紙等の物品が得られる。
は、その対象の物品が、例えば、発泡壁紙である場合、
発泡層が発泡する(体積膨張する)前後を問わずいずれ
の段階でも塗布することができ、また、エンボス加工が
施される場合においても、その加工前後いずれの段階で
も塗布することができる。また、その他の物品では塗装
等の仕上げが施された物品の表面に塗布される。これら
の物品への塗布量は、特に制限されないが、通常、ウエ
ット基準で1〜300g/m2、好ましくは3〜50g
/m2程度である。塗布後、予備的な乾燥工程を経る
か、あるいは経ることなく直接加熱処理を施すことによ
って、本発明のコーティング剤により優れた汚染除去性
を有する壁紙等の物品が得られる。
【0032】本発明のコーティング剤は、ウエット基準
で塗布量を6g/m2以上の塗布量で塗布することによ
り、最も良好に本発明の効果を発揮することができる。
このような塗布量になるようにコーティング剤を塗布す
ることで、汚染物質の付着があっても洗浄や拭き取りに
より、汚染物質を残存させずに綺麗に、且つ容易に除去
することができる。従来の汚染除去用処理剤では、水性
・油性の汚れのどちらか一方の汚れが残ることがあった
が、本発明においては、コーティング剤の成分として前
記のポリマー成分を使用することで、水性・油性の汚れ
をいずれも除去することができる。また、本発明のコー
ティング剤の塗布によって形成された皮膜表面に付着し
た汚染物質は、水、一般の洗浄剤で拭き取ることで容易
に除去することが可能である。
で塗布量を6g/m2以上の塗布量で塗布することによ
り、最も良好に本発明の効果を発揮することができる。
このような塗布量になるようにコーティング剤を塗布す
ることで、汚染物質の付着があっても洗浄や拭き取りに
より、汚染物質を残存させずに綺麗に、且つ容易に除去
することができる。従来の汚染除去用処理剤では、水性
・油性の汚れのどちらか一方の汚れが残ることがあった
が、本発明においては、コーティング剤の成分として前
記のポリマー成分を使用することで、水性・油性の汚れ
をいずれも除去することができる。また、本発明のコー
ティング剤の塗布によって形成された皮膜表面に付着し
た汚染物質は、水、一般の洗浄剤で拭き取ることで容易
に除去することが可能である。
【0033】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。尚、以下の文中の部及び%は特に断り
のない限り重量基準であり、NVは固形分(非揮発分)
を表す。
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。尚、以下の文中の部及び%は特に断り
のない限り重量基準であり、NVは固形分(非揮発分)
を表す。
【0034】実施例1
(1)ポリエステルエマルジョンの調製
攪拌機、逆流コンデンサー、温度計、窒素導入管、滴下
装置を取り付けた重合反応装置に、イソフタル酸ジメチ
ル698部、スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩
118.4部、ネオペンチルグリコール208部、エチ
レングリコール124部及び触媒としてジブチルスズオ
キシドを1部仕込み、徐々に加熱し、230℃で6時
間、脱メタノール反応を行なった。ついで、真空ポンプ
を取り付け、10mmHgで1時間、ついで0.5mm
Hgで1時間重合反応を行い、自己乳化性ポリエステル
を得た。これを取り出し、冷却し固化させた。自己乳化
性ポリエステルの数平均分子量(GPCで測定、標準ポ
リスチレン換算の)は13,500であった。ついで、
上記と同様の装置に、得られた自己乳化性のポリエステ
ル200部、水を600部添加し、撹拌下に80℃に加
熱し、ポリエステルエマルジョンを得た。
装置を取り付けた重合反応装置に、イソフタル酸ジメチ
ル698部、スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩
118.4部、ネオペンチルグリコール208部、エチ
レングリコール124部及び触媒としてジブチルスズオ
キシドを1部仕込み、徐々に加熱し、230℃で6時
間、脱メタノール反応を行なった。ついで、真空ポンプ
を取り付け、10mmHgで1時間、ついで0.5mm
Hgで1時間重合反応を行い、自己乳化性ポリエステル
を得た。これを取り出し、冷却し固化させた。自己乳化
性ポリエステルの数平均分子量(GPCで測定、標準ポ
リスチレン換算の)は13,500であった。ついで、
上記と同様の装置に、得られた自己乳化性のポリエステ
ル200部、水を600部添加し、撹拌下に80℃に加
熱し、ポリエステルエマルジョンを得た。
【0035】(2)コーティング剤の調製
ポリビニルアルコール水溶液(数平均分子量10万、ケ
ン化度85モル%;NV=15%)14部、皮膜形成性
を有する(1)で調製したポリエステルエマルジョン
(NV=25%)28部、アクリル酸エステル−シリコ
ン共重合エマルジョン(高圧ガス化学工業(株)社製ペ
ガール LH−5300;MFT=55℃;NV=50
%)15部、無機充填剤として水酸化アルミニウムを1
5部、シリコンオイルとして前記の一般式(1)式のR
がメチル基であるポリジメチルシロキサン(信越化学工
業(株)社製シリコーンオイルKF−96)を5部、添
加剤(防腐剤、消泡剤、レベリング剤、抑泡剤)合計
0.6部を配合・攪拌し、水を加えて固形分37.5%
のコーティング剤を作製した。
ン化度85モル%;NV=15%)14部、皮膜形成性
を有する(1)で調製したポリエステルエマルジョン
(NV=25%)28部、アクリル酸エステル−シリコ
ン共重合エマルジョン(高圧ガス化学工業(株)社製ペ
ガール LH−5300;MFT=55℃;NV=50
%)15部、無機充填剤として水酸化アルミニウムを1
5部、シリコンオイルとして前記の一般式(1)式のR
がメチル基であるポリジメチルシロキサン(信越化学工
業(株)社製シリコーンオイルKF−96)を5部、添
加剤(防腐剤、消泡剤、レベリング剤、抑泡剤)合計
0.6部を配合・攪拌し、水を加えて固形分37.5%
のコーティング剤を作製した。
【0036】基紙上にオレフィン系樹脂と発泡剤を主成
分とする発泡層およびインキによる図柄層が設けられた
非塩化ビニル系樹脂発泡壁紙製造用原紙表面に、上記の
コーティング剤をウエット基準で6g/m2の塗布量と
なるようにグラビアロールで塗布し、130℃で2分乾
燥させた。次いで、発泡層を220℃×45秒の条件で
加熱して発泡させた後、エンボス加工を施すことにより
試験用壁紙を得た。
分とする発泡層およびインキによる図柄層が設けられた
非塩化ビニル系樹脂発泡壁紙製造用原紙表面に、上記の
コーティング剤をウエット基準で6g/m2の塗布量と
なるようにグラビアロールで塗布し、130℃で2分乾
燥させた。次いで、発泡層を220℃×45秒の条件で
加熱して発泡させた後、エンボス加工を施すことにより
試験用壁紙を得た。
【0037】比較例1
コーティング剤を塗布しないことを除き、他は全て実施
例1と同様にして発泡壁紙を得た。
例1と同様にして発泡壁紙を得た。
【0038】比較例2
アクリル酸エステル−シリコン共重合エマルジョンを含
有させないことを除き、他は全て実施例1と同様にして
発泡壁紙を得た。
有させないことを除き、他は全て実施例1と同様にして
発泡壁紙を得た。
【0039】比較例3
ポリエステルエマルジョンを含有させないことを除き、
他は全て実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
他は全て実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
【0040】[ 汚染除去性の評価(1)]
表1に示す汚染物質を上記の各発泡壁紙のそれぞれに付
着させ、1日風乾後、水、または洗剤を浸した布で拭き
取った後の壁紙の表面状態を目視で観察して汚れ除去性
を評価した。評価結果を表1に示す 。 評価結果 ○:拭き取りにより簡単に汚れが落ちる △:きつく拭き取ることにより汚れが落ちる ×:拭き取りを行っても汚れが落ちない
着させ、1日風乾後、水、または洗剤を浸した布で拭き
取った後の壁紙の表面状態を目視で観察して汚れ除去性
を評価した。評価結果を表1に示す 。 評価結果 ○:拭き取りにより簡単に汚れが落ちる △:きつく拭き取ることにより汚れが落ちる ×:拭き取りを行っても汚れが落ちない
【0041】
【0042】本発明のコーティング剤を塗布した実施例
1の壁紙は、水拭きで汚染物質を綺麗に拭き取ることが
できた。コーティング剤を塗布しない比較例1の壁紙お
よび本発明のコーティング剤中のポリマー成分のいずれ
か1種を除いたコーティング剤を塗布した比較例2、3
の壁紙は、いずれも実施例1の壁紙に比べて、汚染除去
性は劣っている。特に、比較例2の壁紙は水性汚れに対
して、比較例3の壁紙は油性汚れに対して、汚染除去性
が劣っていた。コーティング剤を塗布した、実施例1、
比較例2および3の壁紙は拭き取りによるコーティング
剤の脱落は見られなかった。
1の壁紙は、水拭きで汚染物質を綺麗に拭き取ることが
できた。コーティング剤を塗布しない比較例1の壁紙お
よび本発明のコーティング剤中のポリマー成分のいずれ
か1種を除いたコーティング剤を塗布した比較例2、3
の壁紙は、いずれも実施例1の壁紙に比べて、汚染除去
性は劣っている。特に、比較例2の壁紙は水性汚れに対
して、比較例3の壁紙は油性汚れに対して、汚染除去性
が劣っていた。コーティング剤を塗布した、実施例1、
比較例2および3の壁紙は拭き取りによるコーティング
剤の脱落は見られなかった。
【0043】[ 汚染除去性の評価(2)]実施例1で壁
紙の汚れを拭き取った後、同様の汚染材料を再度付着さ
せ、1日風乾後、水または洗剤を浸した布で拭き取り試
験を行なった。同様の操作を3回繰り返した(繰り返し
試験)。汚染−拭き取りのサイクルを3回繰り返しても
汚染除去性は低下することなく汚染物質を綺麗に拭き取
ることができた。また、壁紙表面に塗布したコーティン
グ剤の脱落も見られなかった。
紙の汚れを拭き取った後、同様の汚染材料を再度付着さ
せ、1日風乾後、水または洗剤を浸した布で拭き取り試
験を行なった。同様の操作を3回繰り返した(繰り返し
試験)。汚染−拭き取りのサイクルを3回繰り返しても
汚染除去性は低下することなく汚染物質を綺麗に拭き取
ることができた。また、壁紙表面に塗布したコーティン
グ剤の脱落も見られなかった。
【0044】
【発明の効果】以上の本発明によれば、それが塗布され
た壁紙等の基材に、それに付着した水性及び油性の汚れ
をいずれも拭き取り等で綺麗に除去することができる汚
染除去性を部材に付与することができる汚染除去性コー
ティング剤が提供される。さらに、このコーティング剤
の塗布により部材には、表面艶消し性、耐水性、耐溶剤
性、耐摩擦性等の特性も同時に付与される。
た壁紙等の基材に、それに付着した水性及び油性の汚れ
をいずれも拭き取り等で綺麗に除去することができる汚
染除去性を部材に付与することができる汚染除去性コー
ティング剤が提供される。さらに、このコーティング剤
の塗布により部材には、表面艶消し性、耐水性、耐溶剤
性、耐摩擦性等の特性も同時に付与される。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 石水 俊雄
東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号
大日精化工業株式会社内
(72)発明者 嶋中 博之
東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号
大日精化工業株式会社内
Fターム(参考) 4J038 CE021 CF001 CG031 CG121
CG141 CJ181 CJ291 DD061
DD081 DG111 DG121 DG131
DG271 DG281 DL031 HA166
HA286 HA446 HA526 HA536
KA08 MA08 MA10 NA05
Claims (5)
- 【請求項1】 水系媒体に下記の成分を溶解および分散
させてなるコーティング剤において、コーティング剤中
の成分が、(1)ポリビニルアルコール、(2)皮膜形
成能を有する親油性ポリマー、(3)シリコン変性アク
リル系ポリマー、(4)無機充填剤、および(5)シリ
コンオイルであることを特徴とする水系汚染除去性コー
ティング剤。 - 【請求項2】 ポリビニルアルコールが、数平均分子量
が40,000以上、且つケン化度が75モル%以上で
ある請求項1に記載の水系汚染除去性コーティング剤。 - 【請求項3】 皮膜形成能を有する親油性ポリマーが、
ポリエステル、ポリウレタン、アクリル酸エステル系ポ
リマーおよびビニルエステル系ポリマーから選ばれる少
なくとも1種である請求項1または2に記載の水系汚染
除去性コーティング剤。 - 【請求項4】 無機充填剤が、水酸化アルミニウム、炭
酸カルシウム、二酸化ケイ素、クレおよびタルクから選
択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか
1項に記載の水系汚染除去性コーティング剤。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の水
系汚染除去性コーティング剤を塗布して形成された皮膜
を表面に有することを特徴とする汚染除去性を有する物
品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001351388A JP3898033B2 (ja) | 2001-11-16 | 2001-11-16 | 水系汚染除去性コーティング剤および汚染除去性を有する物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001351388A JP3898033B2 (ja) | 2001-11-16 | 2001-11-16 | 水系汚染除去性コーティング剤および汚染除去性を有する物品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003147257A true JP2003147257A (ja) | 2003-05-21 |
JP3898033B2 JP3898033B2 (ja) | 2007-03-28 |
Family
ID=19163707
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001351388A Expired - Fee Related JP3898033B2 (ja) | 2001-11-16 | 2001-11-16 | 水系汚染除去性コーティング剤および汚染除去性を有する物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3898033B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015091901A1 (en) * | 2013-12-22 | 2015-06-25 | Wacker Chemie Ag | Aqueous dispersion of a modified resin |
WO2017065259A1 (ja) * | 2015-10-16 | 2017-04-20 | 株式会社Adeka | 樹脂組成物およびこれを用いた光学フィルム |
WO2018012381A1 (ja) * | 2016-07-11 | 2018-01-18 | 株式会社クラレ | 水生生物忌避用塗料組成物 |
JP2020084127A (ja) * | 2018-11-30 | 2020-06-04 | 株式会社ネオス | コーティング剤、コーティング膜ならびにそれを用いた物品、および物品表面の着雪防止方法 |
JP2021014504A (ja) * | 2019-07-11 | 2021-02-12 | 株式会社Pgsホーム | 落書き対策用塗料 |
-
2001
- 2001-11-16 JP JP2001351388A patent/JP3898033B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015091901A1 (en) * | 2013-12-22 | 2015-06-25 | Wacker Chemie Ag | Aqueous dispersion of a modified resin |
WO2017065259A1 (ja) * | 2015-10-16 | 2017-04-20 | 株式会社Adeka | 樹脂組成物およびこれを用いた光学フィルム |
WO2018012381A1 (ja) * | 2016-07-11 | 2018-01-18 | 株式会社クラレ | 水生生物忌避用塗料組成物 |
KR20190025023A (ko) * | 2016-07-11 | 2019-03-08 | 주식회사 쿠라레 | 수생 생물 기피용 도료 조성물 |
JPWO2018012381A1 (ja) * | 2016-07-11 | 2019-05-16 | 株式会社クラレ | 水生生物忌避用塗料組成物 |
US10829661B2 (en) | 2016-07-11 | 2020-11-10 | Kuraray Co., Ltd. | Aquatic organism repellent paint composition |
KR102421237B1 (ko) | 2016-07-11 | 2022-07-15 | 주식회사 쿠라레 | 수생 생물 기피용 도료 조성물 |
JP2020084127A (ja) * | 2018-11-30 | 2020-06-04 | 株式会社ネオス | コーティング剤、コーティング膜ならびにそれを用いた物品、および物品表面の着雪防止方法 |
JP7162510B2 (ja) | 2018-11-30 | 2022-10-28 | 株式会社ネオス | コーティング剤、コーティング膜ならびにそれを用いた物品、および物品表面の着雪防止方法 |
JP2021014504A (ja) * | 2019-07-11 | 2021-02-12 | 株式会社Pgsホーム | 落書き対策用塗料 |
JP7320830B2 (ja) | 2019-07-11 | 2023-08-04 | 株式会社Pgsホーム | 落書き対策用塗料 |
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---|---|
JP3898033B2 (ja) | 2007-03-28 |
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