JP2003146768A - 窒化珪素鉄粉末、その製造方法及び耐火物 - Google Patents
窒化珪素鉄粉末、その製造方法及び耐火物Info
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Abstract
ことができる耐火物と、その耐火物を製造するのに用い
られる窒化珪素鉄粉末が提供する。 【解決手段】窒化珪素鉄粉末に炭素数10〜24の飽和
脂肪酸又はその塩を0.1〜5質量%含有させてなるこ
とを特徴とする窒化珪素鉄粉末。珪素鉄(FeSi)及
び/又はSi分とFe分を含む原料を窒化して窒化珪素
鉄のインゴットを製造し粗砕した後、炭素数10〜24
の飽和脂肪酸又はその塩を添加し、温度30〜150℃
に保持しながら更に微粉砕することを特徴とする上記窒
化珪素鉄粉末の製造方法。上記窒化珪素鉄粉末と、耐熱
性骨材と、炭素粉末及び/又は加熱によって炭素となる
有機バインダーとを含有してなることを特徴とする耐火
物。
Description
その製造方法及びこの窒化珪素鉄粉末を含む耐火物に関
する。
や、高炉出銑口閉塞用マッド材、出銑樋材等の炭素含有
不定形耐火物においては、高温スラグ等に対する耐食性
を向上させるため、シリカ、アルミナ、炭化珪素、カー
ボン等の耐熱性骨材と、窒化珪素鉄粉末と、タール、フ
ェノール樹脂等の加熱によって炭素が生成する有機バイ
ンダーとを含む混合物が使用されている。この耐火物に
おける今日の課題は、近年の更なる溶鋼の操業条件の過
酷化と、要求特性の高度化に対応するため、耐食性と強
度を更に高めることであり、そのために耐火物の組織が
より緻密となるように、粒度設計をするとともに、
加熱時に部分的に揮発するタール、フェノール樹脂等の
有機バインダーが加熱時に徐々に分解・揮発させて残炭
率を上げることである。
た検討が従来より多く行われているが、今日の更なる耐
食性と強度増加の要求は満たしておらず、その改良が切
望されている。本発明の目的は、この要求を満たすこと
であり、特定の飽和脂肪酸又はその塩を窒化珪素鉄粉末
中に存在させることによってその目的を達成することが
できる。
化珪素鉄粉末に炭素数10〜24の飽和脂肪酸又はその
塩を0.1〜5質量%含有させてなることを特徴とする
窒化珪素鉄粉末である。また本発明は、珪素鉄(FeS
i)及び/又はSi分とFe分を含む原料を窒化して窒
化珪素鉄のインゴットを製造し粗砕した後、炭素数10
〜24の飽和脂肪酸又はその塩を添加し、温度30〜1
50℃に保持しながら更に微粉砕することを特徴とする
上記窒化珪素鉄粉末の製造方法である。更に本発明は、
上記窒化珪素鉄粉末と、耐熱性骨材と、炭素粉末及び/
又は加熱によって炭素となる有機バインダーとを含有し
てなることを特徴とする耐火物である。
説明する。
スさせるためには、窒化珪素鉄粉末を用いればよいこと
が経験的に知られている。炭素含有耐火物のこれらの性
能を更に向上させるには、炭素含有耐火物の組織を緻密
にしなければならぬことは上記したとおりである。従来
はそれを窒化珪素鉄粉末の粒度構成、残炭率の大きくな
る有機バインダーの厳選等によって行っていた。有機バ
インダーが備えなければならない残炭率以外の条件は、
高炉出銑口の閉塞材として出銑口に挿入するためにある
一定の硬さに調整することである。これを満たすには、
有機バインダーの種類を厳選し、その混入率を20〜2
5%としなければならなかったので、閉塞材組織が粗密
となり、今日の更なる耐食性と強度増加の要求を十分に
満たすことができなかった。
必要量を減らして所期の目的を達成すべく、窒化珪素鉄
粉末に炭素数10〜24の飽和脂肪酸又はその塩を0.
1〜5質量%存在させる、好ましくは加温下で添加混合
して窒化珪素鉄粉末表面を改質したことに大きな特徴が
ある。
なものである必要がなく、普通に入手できるもので十分
である。たとえば、鉄成分を2〜30%含み、残部が主
として窒化珪素(Si3N4)からなるものであり、シリ
カ、シリコン、カーボン等の不可避成分を合計で10%
以下(0を含む)の含有は許容できる。窒化珪素鉄粉末
の粒度はできるだけ微粉化されていることが望ましく、
平均粒子径が1mm以下、特に100μm以下であるこ
とが好ましい。このような窒化珪素鉄粉末には市販品
(例えば電気化学工業社製商品名「ファイアレン」)が
あるのでそれを利用することができる。
機バインダーと窒化珪素鉄粉末とのなじみを良くするた
め、炭素数10〜24の飽和脂肪酸又はその塩が有する
親油基を利用したものである。これによって、閉塞材等
の耐火物に一定粘性を付与させるのに必要な有機バイン
ダー量を低減させることができ、組織が緻密化され、強
度、侵食性ともに一段と向上させた耐火物の製造が可能
となる。しかも、窒化珪素鉄粉末自体の取扱い性も向上
し、耐火物製造工程における原料のハングの発生や、ラ
ットホールの形成等を著しく軽減することができる。
は、炭素数10〜24の飽和脂肪酸又はその塩であり、
それを例示すると、リグノセリン酸、ベヘン酸、アラキ
ジン酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ミリスチン酸、
ラウリン酸及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩、カ
ルシウム塩等である。特に好ましくは、飽和脂肪酸のカ
ルボキシル基がアミド結合しているものであり、具体的
にはステアリルアミンである。
の塩の一種又は二種以上を窒化珪素鉄粉末に0.1〜5
質量%含有させる。0.1質量%未満では十分な上記効
果が発現しなく、また5質量%超としても効果は向上せ
ず、かえって添加混合時に窒化珪素鉄粉末が凝集して塊
状となるので望ましくはない。一方、炭素数10未満の
飽和脂肪酸又はその塩では、上記効果の発現が不十分と
なることに加え、融点が低く常温での性能維持が困難と
なる。また、炭素数24超の飽和脂肪酸又はその塩であ
ると、上記効果が低下する。
i3 N4 )粉末、鉄(Fe)粉末、珪素鉄(FeSi)
粉末、飽和脂肪酸又はその塩の所定量をボールミル、ミ
キサー等の混合機を用いて混合することによって製造す
ることができる。好ましくは、30〜150℃で加熱し
ながら混合することであり、これによって窒化珪素鉄粉
末の表面は飽和脂肪酸又はその塩で改質されるので本発
明の上記効果が増大する。特に好ましくは、以下に説明
する本発明の製造方法によることであり、これによって
一段と本発明の効果が助長されしかも生産性にも優れた
ものとなる。
(FeSi)及び/又はSi分とFe分を含む原料を、
窒素、アンモニア等の窒素含有非酸化性雰囲気下で窒化
して窒化珪素鉄のインゴットを製造し、ジョークラッシ
ャー・ロールミル等で好ましくは平均粒径25mm以下
に粗砕した後、炭素数10〜24の飽和脂肪酸又はその
塩を添加し、温度30〜150℃に保持しながら、更に
ボールミル、アトライターミル、振動ミル、縦型ボール
ミル等の粉砕機で微粉砕する方法である。
末と、耐熱性骨材と、炭素粉末及び/又は加熱によって
炭素となる有機バインダーとを必須成分として含有させ
たものである。耐熱性骨材としては、炭化珪素、シリ
カ、黒鉛、カーボン、コークス等の炭素粉末、アルミ
ナ、ボーキサイト、ロー石等が使用され、有機バインダ
ーとしては、タール、ピッチ、フェノール樹脂等が使用
される。これらの材料の配合割合の好ましい一例を示す
と、質量基準で、本発明の窒化珪素鉄粉末5〜50%、
シリカ及び/又はアルミナ2〜60%、炭化珪素1〜3
0%、炭素粉末1〜30%、有機バインダー3〜30%
である。この配合割合からなる耐火物は、特に高炉出銑
口閉塞材、出銑樋材として好適なものである。
本発明を説明する。
ポリビニルアルコール6質量%水溶液を10〜20質量
部の範囲内で変量して混合し、プレス成形(圧力20M
Pa)して20〜30cm3 程度の円柱状成形体を成形
し、120℃で10時間乾燥した。これを密閉炉に充填
し、窒素雰囲気下、温度1500℃で3時間保持して窒
化し冷却した。得られたインゴットをロールミルで粗砕
(平均粒径22mm)してから、飽和脂肪酸又はその塩
を添加し、温度100℃に保持しながら更にボールミル
で粒度0.2mm下まで微粉砕し、表1に示される窒化
珪素(Si3 N4 )、鉄(Fe)、飽和脂肪酸又はその
塩の割合が種々異なる窒化珪素鉄粉末を製造した。
径22mm)した後、ボールミルで0.2mm下まで微
粉砕し、それを温度100℃に加熱しながら飽和脂肪酸
を混合して窒化珪素鉄粉末を製造した。
性能を評価するため、以下に従って炭素含有耐火物を製
造し、高温スラグに対する耐食性と高温強度を測定し
た。それらの結果を表2に示す。
質骨材(ボーキサイト粉末1mm下)20質量部、炭化
珪素粉末(1mm下)20質量部、コークス粉末(1m
m下)20質量部からなる混合物を60℃に加熱しなが
ら混練した際、圧縮破壊強度が0.05MPaとなる有
機バインダー(無水メタノール)量を測定した。つい
で、この混練物を用いて、耐食性評価用サンプル(50
mm×50mm×160mm)と高温強度評価用サンプ
ル(25mm×25mm×160mm)をプレス成形
し、乾燥機で400℃まで加熱して脱ガスした後、焼成
炉に移し、アルゴンガス雰囲気下、1400℃×3時間
焼成して評価に供した。
mmに内張りし、高温スラグを入れ、中通しされた発熱
体で1500℃に加熱し、ドラムを低速で回転させなが
ら10時間侵食試験を行い、サンプルの厚みの減少量を
侵食量(mm)として測定した。数値の小さい方が耐食
性は良好である。
強度を測定した。
強度増加の要求を満たすことができる耐火物と、その耐
火物を製造するのに用いられる窒化珪素鉄粉末が提供さ
れる。
Claims (3)
- 【請求項1】 窒化珪素鉄粉末に炭素数10〜24の飽
和脂肪酸又はその塩を0.1〜5質量%含有させてなる
ことを特徴とする窒化珪素鉄粉末。 - 【請求項2】 珪素鉄(FeSi)及び/又はSi分と
Fe分を含む原料を窒化して窒化珪素鉄のインゴットを
製造し粗砕した後、炭素数10〜24の飽和脂肪酸又は
その塩を添加し、温度30〜150℃に保持しながら更
に微粉砕することを特徴とする請求項1記載の窒化珪素
鉄粉末の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の窒化珪素鉄粉末と、耐熱
性骨材と、炭素粉末及び/又は加熱によって炭素となる
有機バインダーとを含有してなることを特徴とする耐火
物。
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WO2009060720A1 (ja) * | 2007-11-08 | 2009-05-14 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | 窒化珪素鉄粉末及び耐火物 |
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