JP2003146602A - 水素製造装置 - Google Patents

水素製造装置

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JP2003146602A
JP2003146602A JP2001341715A JP2001341715A JP2003146602A JP 2003146602 A JP2003146602 A JP 2003146602A JP 2001341715 A JP2001341715 A JP 2001341715A JP 2001341715 A JP2001341715 A JP 2001341715A JP 2003146602 A JP2003146602 A JP 2003146602A
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hydrogen
shape
film
conductive substrate
photocatalyst
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JP2001341715A
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Toshiaki Anzaki
利明 安崎
Terufusa Kunisada
照房 國定
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー変換効率の高い水素製造装置を提
供する。 【解決手段】 光電気分解素子は導電性基板2、正極5
及び負極6によって光電気分解素子が構成される。正極
5は電荷分離用材料である白金(Pt)層からなり、負
極6は光触媒材料である酸化チタン(TiO2)からな
る。この負極6の構造は、酸化チタンが島状(クラスタ
ー)に点在したもの、島状酸化チタンを核として結晶が
成長して柱状構造をなすもの、更に成長して多穴膜状に
なったものとする。このうち、柱状構造をなす場合が最
もエネルギーの変換効率が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽光などの光エネ
ルギーを利用して水を分解(光電気分解)し、水素ガス
(酸素ガス)を製造する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタン(TiO2)単結晶を負極とし
白金を正極とし、紫外線照射を照射することで水が水素
と酸素に分解されることは、藤嶋・本多効果として広く
知られている。この理論を応用した水素製造装置とし
て、特開平8−290052号公報、特開平10−31
0401号公報および特開平11−246985号公報
に開示される装置が知られている。
【0003】特開平8−290052号公報に開示され
る装置は、水を酸化チタン薄膜に接触させて、プロトン
(H+)を発生せしめ、このプロトン(H+)を電気化学
触媒体まで分離膜を介して送り、この電気化学触媒体に
おいてバイアス回路を通して流れてきた電子(e-)と
結合させて水素ガス(H2)を発生せしめるものであ
る。特開平10−310401号公報に開示される装置
は、酸化チタンなどの光触媒粒子をポリマーでカプセル
化することで、光照射によって光触媒が溶解するのを防
止している。また、特開平11−246985号公報に
開示される装置は、光触媒に炭素を含有せしめること
で、可視光での光触媒効果を高めるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した各装置は太陽
光エネルギーの利用効率を高めることを目的としてなさ
れたものであるが、触媒の活性も十分ではなく、また反
応の発生確率にかなりの制限があり、僅かな太陽光など
で多量の水素や酸素を得るのが難しい。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記したエネルギー変換
効率の問題を解決するため、本発明は水(電解質溶液)
と各電極材料の接触表面積を大きくすることで、分解反
応の発生確率が高まるようにした。
【0006】上記の目的を達成するため、本発明(請求
項1)の水素発生装置は、光電気分解素子が組み込ま
れ、この光電気分解素子は導電性基板の表面に酸化チタ
ンなどからなる光触媒材料が島状、柱状または多穴膜状
に形成された構成とした。負極となる光触媒材料を島
状、柱状または多穴膜状に形成することで、電極表面積
が増加し、水の分解反応が発生する確率が高まる。ま
た、クラスターと称される島状に結合した金属(金属酸
化物)は極めて活性が強く、光触媒反応が生じやすい。
【0007】前記水素発生装置において、白金などから
なる正極(電荷分離用材料)は導電性基板の裏面側に設
けてもよいが、導電性基板とは離間し、導電性基板とリ
ード線で電気的に接続した構成でもよい。尚、導電性基
板の裏面側に電荷分離用材料にて電極(正極)を形成す
れば、電流のパスを最短にでき、電荷の伝達効率が良く
なり導電パスの抵抗が大幅に減り、電気分解の反応確率
が向上する。この導電性基板の材料には、電気抵抗が極
めて低い銅やアルミあるいは金や銀など、元素周期表中
の良導電性の金属材料が利用でき、これら主成分の板や
バルク体が好適に利用できる。また、電荷分離用材料に
て構成される電極(正極)としては、層状に限らず、島
状、柱状または多穴膜状にすることが好ましい。
【0008】また、前記光触媒材料からなる電極(負
極)は導電性基板の表面に直接形成せず、導電性基板の
表面に光触媒層、可視光吸収光触媒層或いは光吸収熱生
成層を単独若しくは積層して形成し、この上に島状、柱
状または多穴膜状の光触媒材料を形成してもよい。島
状、柱状または多穴膜状の光触媒材料からなる電極の下
地として、光触媒層を設けることで、透過してきた光を
無駄にせず、キャリア生成が十分になされる。また下地
として可視光吸収光触媒層を設けることで、透過光の中
の可視光の有効利用が図られる。更に、下地として光吸
収熱生成層を設けることで、太陽光を吸収して熱エネル
ギーに変え、膜表面の電気分解の反応確率を上げること
ができる。
【0009】また前記導電性基板については、波板状ま
たは蛇腹状とし、接触表面積を増やし、電気分解の反応
確率を向上させるようにしてもよい。
【0010】尚、装置構成としては、光電気分解素子を
構成する導電性基板の一面側に、光触媒材料からなる負
極と、電荷分離用材料からなる正極を積層または形成領
域を区分けして形成してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る水素製造
装置の断面図、図2〜図4は導電性基板の表面に形成さ
れた光触媒材料からなる電極(負極)の構造を示す図で
ある。
【0012】水素製造装置はプラスチックなどからなる
ボックス状容器1をCu製の導電性基板2によって室
3,4に分け、これら室3,4内にNaHCO3水溶
液、Na2SO4水溶液、NaOH水溶液などを満たして
いる。
【0013】導電性基板2の室3側表面には電荷分離用
材料である白金(Pt)、あるいはニッケル酸化物(N
iOx)、あるいはルテニウム(Ru)からなる正極5
が蒸着やスパッタリングにて形成され、導電性基板2の
室4側表面には光触媒材料である酸化チタン(Ti
2)からなる負極6が蒸着やスパッタリングにて形成
されている。本発明では導電性基板2、正極5及び負極
6によって光電気分解素子が構成される。
【0014】また、室3の上面には水素ガス回収治具7
が、室4の上面には酸素ガス回収治具8が取り付けら
れ、また室4の側面には太陽光などの光を取り入れるた
めの窓9が形成されている。
【0015】前記酸化チタン(TiO2)からなる負極
6の構造は、図2〜図4に示す構造とする。即ち図2は
島状(クラスター)に酸化チタン(TiO2)が点在し
ており、図3は上記島状酸化チタンを核として結晶が成
長して柱状構造をなし、図4は更に成長して多穴膜状に
なったものである。このうち、柱状構造をなす場合が最
もエネルギーの変換効率が高く、これは光触媒の表面積
が大きくなるからと考えられる。そして、柱状構造のう
ちでも、アスペクト比を0.1〜500、好ましくは1
0〜500の範囲とした場合に最も良い結果が得られ
た。
【0016】以上の構成の水素製造装置に太陽光などの
光が照射されると、負極6において、電子(e‐)と正
孔(h+)が生成され、電子(e‐)は導電性基板2を
介して正極5に至り、正孔(h+)とH2Oが反応してO
2とプロトン(H+)が生成され、プロトン(H+)が正
極側に運ばれた電子(e‐)と結合してH2(水素ガ
ス)が発生する。
【0017】図5乃至図9は水素製造装置の変形例の断
面図であり、図5に示す水素製造装置は、白金(Pt)
などの電荷分離用材料からなる正極5の構造を、前記負
極6と同様に島状、柱状または多穴膜状に形成してい
る。斯かる構成とすることで、電荷分離効果が高まる。
【0018】図6に示す水素製造装置は、正極5及び負
極6の構造を島状、柱状または多穴膜状にするととも
に、正極5の下地51として電荷分離用材料層を設け、
負極6の下地61として光触媒層、可視光吸収光触媒層
または光吸収熱生成層を設けている。下地61として、
光触媒層を設けると透過してきた光を無駄なく吸収して
キャリア生成が十分になされ、可視光吸収光触媒層を設
けると透過光の中の可視光の有効利用が図られ、光吸収
熱生成層を設けると太陽光を吸収して熱エネルギーに変
え、膜表面の電気分解の反応確率を上げることができ
る。
【0019】図7に示す水素製造装置は、前記下地61
を光触媒層、可視光吸収光触媒層または光吸収熱生成層
のうちのいずれか2層を積層した構造になっており、更
なる効果が期待できる。
【0020】図8に示す水素製造装置は、導電性基板2
の形状を波板状或いは蛇腹状として表面積を大きくした
ものであり、更に図9に示す水素製造装置は、導電性基
板2の一面側に電荷分離用材料からなる正極と、光触媒
材料からなる負極をそれぞれ形成した構造になってい
る。図9に示した構造の場合には酸素と水素とを分離す
る手段が必要になる。
【0021】次に具体的な実施例と比較例を説明する。
尚、以下の(表1)は実施例と比較例の製法、材料など
をまとめて示したものであり、(表2)は光触媒材料の
構造による水素捕集量の相違をまとめたものである。
【0022】
【表1】
【表2】
【0023】(実施例1)10cm×10cm大の銅シ
ートをアセトン中で超音波洗浄した。当該銅シートを高
密度アーク放電イオンプレーティング装置にいれた。こ
の際、蒸発源からの蒸発粒子の飛行直線と基板法線のな
す角度が、約75度になるようにシートを固定した。さ
らに、水冷されたハース内にカーボン製ハースライナー
を入れて、その中に黒色のTiO顆粒を入れた。そし
て、ロータリーポンプ、およびクライオポンプで装置内
部を4×10-4(Pa)まで排気した。次に、銅シート
近傍に設けたシースヒーターを通電加熱して、銅シート
を約400℃まで加熱した。イオン銃内部にアルゴンガ
ス(30SCCM)を導入し、装置内部に酸素ガス(1
10SCCM)を導入した。この時装置内部の圧力は2
×10-2(Pa)であった。その後、アーク放電イオン
銃に電力を供給し、加速電圧;60V、電流;120A
の電子線をハースに投入し、成膜を約3分間行った。得
られた膜の物理膜厚は約0.5μmであった。全く同じ
条件で9枚のTiO2膜付き銅シートを作成した。得ら
れた銅膜の断面を走査型電子顕微鏡で観察すると、島状
のTiO2が基板法線に対して斜めに成長しており、薄
膜の間に空隙が存在することが分かった。当該TiO2
膜付き銅シートをPtターゲットが備えられたマグネト
ロンスパッタ装置に入れ、ロータリーポンプ、およびク
ライオポンプで1×10-4(Pa)まで排気した。その
後、スパッタ装置内にアルゴンガスを導入し、装置内の
圧力が3×10-1(Pa)になるように排気速度を調整
した。Ptターゲットに直流電力を投入し放電を発生さ
せ、放電しているPtターゲット上にCuシートを搬送
することにより、TiO2膜が形成されていない面上に
約100nmの厚みのPt膜を成膜した。このようにし
て得られた9枚のPt膜(膜厚;100nm)/銅シー
ト/TiO2膜(膜厚;0.5μm)の試料を用いて、
図1に示す装置を組み立てた。装置中に純水を注ぎ込
み、石英窓から30cm離れた位置にセットした水銀ラ
ンプ(300W)を用い、石英窓および純水を介してT
iO2膜の表面に紫外線を照射した。紫外線を約50時
間連続照射し、照射中に発生したガスを容器中に捕集し
た。捕集したガスを質量分析で分析したところ、Pt膜
側で捕集したガスは水素であり、TiO2膜側で捕集し
たガスは酸素であった。水素は常温常圧下で約2ccで
あり、酸素ガスは約1ccであった。
【0024】(実施例2)10cm×10cm大の銅シ
ートをアセトン中で超音波洗浄した。当該銅シートを電
線蒸着装置にいれた。この際、蒸発源からの蒸発粒子の
飛行直線と基板法線のなす角度が、約75度になるよう
にシートを固定した。さらに、水冷されたハース内に銅
製ハースライナーを入れて、その中に黒色のTiO顆粒
を入れた。そして、ロータリーポンプ、およびクライオ
ポンプで装置内部を1×10-4(Pa)まで排気した。
次に、銅シート近傍に設けたシースヒーターを通電加熱
して、基板を約400℃まで加熱した。装置内部に自動
圧力調整機能付き弁を介して酸素ガスを導入し、装置内
部の圧力を1×10-2(Pa)に調整した。その後、電
子銃に電力を供給し、加速電圧;5kV、電流;400
mAの電子線をハースに投入し、成膜を約12分間行っ
た。得られた膜の物理膜厚は約1μmであった。全く同
じ条件で9枚のTiO2膜付き銅シートを作成した。得
られた銅膜の断面を走査型電子顕微鏡で観察すると、柱
状のTiO2が基板法線に対して斜めに成長しており、
薄膜の間に空隙が存在することが分かった。実施例1と
同様の方法により銅シート上に膜厚;1μmのTiO2
膜を形成した。同じ条件で9枚の同一試料を作成した。
これら該銅シートを電線蒸着装置にいれた。この際、蒸
発源からの蒸発粒子の飛行直線と基板法線のなす角度
が、約75度になるようにシートを固定した。さらに、
水冷されたハース内にカーボン製ハースライナーを入れ
て、その中にPt粒を入れた。そして、ロータリーポン
プ、およびクライオポンプで装置内部を1×10-4(P
a)まで排気した。その後、電子銃に電力を供給し、加
速電圧;5kV、電流;500mAの電子線をハースに
投入し、TiO2膜が形成されていない面上に約15分
間の成膜を行った。得られたPt膜の物理膜厚は約1μ
mであった。全く同じ条件で9枚のTiO2膜付き銅シ
ートのTiO2膜が形成されていない面にPt膜を形成
した。このようにして得られた9枚のPt膜(膜厚;1
μm)/銅シート/TiO2膜(膜厚;1μm)の試料
を用いて、図5に示す装置を組み立てた。装置中に純水
を注ぎ込み、石英窓から30cm離れた位置にセットし
た水銀ランプ(300W)を用い、石英窓および純水を
介してTiO2膜の表面に紫外線を照射した。紫外線を
約50時間連続照射し、照射中に発生したガスを容器中
に捕集した。捕集したガスを質量分析で分析したとこ
ろ、Pt膜側で捕集したガスは水素であり、TiO2
側で捕集したガスは酸素であった。水素は常温常圧下で
約4ccであり、酸素ガスは約2ccであった。
【0025】(実施例3)実施例1と同様の方法で用意
した銅シートの片面側に蒸着によりバルク状のTiO2
膜を形成した。そして、このバルク状のTiO2膜の上
に実施例2と同じ方法で、ただし、酸素ガス圧が6×1
-3(Pa)にてTiO2膜を形成した。このTiO2
を走査型電子顕微鏡で観察したところクレータ状の穴が
多数存在する多穴膜状であった。当該TiO2膜付き銅
シートをPtターゲットが備えられたマグネトロンスパ
ッタ装置に入れ、実施例1と同様にしてTiO2膜が形
成されていない面上に約100nmの厚みのPt膜を成
膜した。このようにして得られた9枚のPt膜(膜厚;
100nm)/銅シート/バルク状TiO2/TiO2
(膜厚;1.0μm)の試料を用いて、図6に示す装置
を組み立てた。装置中に水(NaOH)を注ぎ込み、石
英窓から30cm離れた位置にセットした水銀ランプ
(300W)を用い、石英窓および水を介してTiO2
膜の表面に紫外線を照射した。紫外線を約50時間連続
照射し、照射中に発生したガスを容器中に捕集した。捕
集したガスを質量分析で分析したところ、Pt膜側で捕
集したガスは水素であり、TiO2膜側で捕集したガス
は酸素であった。水素は常温常圧下で約4ccであり、
酸素ガスは約2ccであった。
【0026】(実施例4)実施例1と同様の方法で用意
した銅シートの片面側に蒸着によりSi可視光吸収層を
形成し、この上に蒸着によりバルク状のTiO2膜を形
成した。そして、このバルク状のTiO2膜の上に実施
例2と同じ方法でTiO2膜を形成した。このTiO2
を走査型電子顕微鏡で観察したところの柱状のTiO2
が基板法線に対して斜めに成長しており、薄膜の間に空
隙が存在することが分かった。当該TiO2膜付き銅シ
ートをPtターゲットが備えられたマグネトロンスパッ
タ装置に入れ、実施例1と同様にしてTiO2膜が形成
されていない面上に約100nmの厚みのPt膜を成膜
し、更にその後実施例2と同様にして柱状構造のPt膜
を成膜した。このようにして得られた9枚のPt膜(柱
状)/Pt膜(膜厚;100nm)/銅シート/Si可
視光吸収層/バルク状TiO2/TiO2膜(膜厚;1.
0μm)の試料を用いて、図7に示す装置を組み立て
た。装置中に水(NaOH)を注ぎ込み、石英窓から3
0cm離れた位置にセットした水銀ランプ(300W)
を用い、石英窓および水を介してTiO2膜の表面に紫
外線を照射した。紫外線を約50時間連続照射し、照射
中に発生したガスを容器中に捕集した。捕集したガスを
質量分析で分析したところ、Pt膜側で捕集したガスは
水素であり、TiO2膜側で捕集したガスは酸素であっ
た。水素は常温常圧下で約7ccであり、酸素ガスは約
3.5ccであった。
【0027】(実施例5)実施例1と同様の方法で用意
した銅シートの片面側にスパッタリングによりTiOx
可視光吸収層を形成し、この上にスパッタリングにより
バルク状のTiO 2膜を形成した。そして、このバルク
状のTiO2膜の上に実施例2と同じ方法でTiO2膜を
形成した。このTiO2膜を走査型電子顕微鏡で観察し
たところの柱状のTiO2が基板法線に対して斜めに成
長しており、薄膜の間に空隙が存在することが分かっ
た。当該TiO2膜付き銅シートをPtターゲットが備
えられたマグネトロンスパッタ装置に入れ、実施例1と
同様にしてTiO2膜が形成されていない面上に約10
0nmの厚みのPt膜を成膜し、更にその後実施例2と
同様にして柱状構造のPt膜を成膜した。このようにし
て得られた9枚のPt膜(柱状)/Pt膜(膜厚;10
0nm)/銅シート/TiOx可視光吸収層/バルク状
TiO2/TiO2膜(膜厚;1.0μm)の試料を用い
て、図7に示す装置を組み立てた。装置中に水(NaO
H)を注ぎ込み、石英窓から30cm離れた位置にセッ
トした水銀ランプ(300W)を用い、石英窓および水
を介してTiO2膜の表面に紫外線を照射した。紫外線
を約50時間連続照射し、照射中に発生したガスを容器
中に捕集した。捕集したガスを質量分析で分析したとこ
ろ、Pt膜側で捕集したガスは水素であり、TiO2
側で捕集したガスは酸素であった。水素は常温常圧下で
約6ccであり、酸素ガスは約3ccであった。
【0028】(実施例6)アコーディオン状に多重に折
り返した銅シートの片面側に超低角スパッタリングによ
り実施例2と同じ方法でTiO2膜を形成した。このT
iO2膜を走査型電子顕微鏡で観察したところの柱状の
TiO2が基板法線に対して斜めに成長しており、薄膜
の間に空隙が存在することが分かった。当該TiO2
付き銅シートをPtターゲットが備えられたマグネトロ
ンスパッタ装置に入れ、実施例2と同様にして柱状構造
のPt膜を成膜した。このようにして得られた9枚のP
t膜(柱状)/Pt膜(膜厚;100nm)/銅シート
/TiOx可視光吸収層/バルク状TiO2/TiO2
(膜厚;1.0μm)の試料を用いて、図8に示す装置
を組み立てた。装置中に水(NaOH)を注ぎ込み、石
英窓から30cm離れた位置にセットした水銀ランプ
(300W)を用い、石英窓および水を介してTiO2
膜の表面に紫外線を照射した。紫外線を約50時間連続
照射し、照射中に発生したガスを容器中に捕集した。捕
集したガスを質量分析で分析したところ、Pt膜側で捕
集したガスは水素であり、TiO2膜側で捕集したガス
は酸素であった。水素は常温常圧下で約26ccであ
り、酸素ガスは約13ccであった。
【0029】(実施例7)実施例1と同様の方法で用意
した銅シートの片面側に、超低角スパッタリング法によ
りTiO2とPtの柱状混合層を形成し、図9に示す装
置を組み立てた。装置中に水(NaOH水)を注ぎ込
み、石英窓から30cm離れた位置にセットした水銀ラ
ンプ(300W)を用い、石英窓および水を介してTi
2膜の表面に紫外線を照射した。紫外線を約50時間
連続照射し、照射中に発生したガスを容器中に捕集し
た。捕集したガスを質量分析で分析したところ、混合ガ
スと思われるガスが約2cc得られた。
【0030】(比較例)実施例1と同様の方法で用意し
た銅シートの片面側に蒸着により、バルク状のTiO2
膜を、他面側にスパッタリングにてバルク状のPt膜を
形成した。図1に示す装置を組み立てて前記同様の実験
をしたところ、水素を実質的に捕集することはできなか
った。
【0031】
【発明の効果】(表1)、(表2)からも明らかなよう
に、光触媒からなる電極の構造を島状、柱状または多穴
膜状とすることで、単純な層状とした比較例に比べ大幅
に改善されたことが分かる。また、電極と導電性基板と
の間に下地層を設けることで、更にエネルギーの変換効
率が向上し、導電性基板の形状を波板或いは蛇腹状にす
ることで飛躍的にエネルギー変換効率が向上する。した
がって、太陽光などを利用して水素ガスを発生させるこ
とが実用化でき、燃料電池などのエネルギー供給を自然
エネルギーを用いて成立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水素製造装置の断面図
【図2】導電性基板表面に形成された光触媒材料からな
る電極(負極)の構造を示す図
【図3】導電性基板表面に形成された光触媒材料からな
る電極(負極)の構造を示す図
【図4】導電性基板表面に形成された光触媒材料からな
る電極(負極)の構造を示す図
【図5】水素製造装置の変形例の断面図
【図6】水素製造装置の変形例の断面図
【図7】水素製造装置の変形例の断面図
【図8】水素製造装置の変形例の断面図
【図9】水素製造装置の変形例の断面図
【符号の説明】
1…ボックス状容器、2…導電性基板、3、4…室、5
…正極、6…負極、7…酸素ガス回収冶具、8…水素ガ
ス回収冶具、9…窓、51、61…下地。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA03 BA04A BA04B BA18 BA48A CC33 EA06 EA11 EB01 EB05 EC28 EC29

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光エネルギーを利用した水の分解により
    水素を製造する装置において、この装置には光電気分解
    素子が組み込まれ、この光電気分解素子は導電性基板の
    表面に光触媒材料が島状、柱状または多穴膜状に形成さ
    れていることを特徴とする水素製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水素製造装置におい
    て、前記導電性基板の光触媒材料を形成した面と反対側
    面に電荷分離用材料が層状、島状、柱状または多穴膜状
    に形成されていることを特徴とする水素製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の水素製
    造装置において、前記導電性基板の表面に光触媒層が形
    成され、この光触媒層の上に光触媒材料が島状、柱状ま
    たは多穴膜状に形成されていることを特徴とする水素製
    造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の水素製
    造装置において、前記導電性基板の表面に可視光吸収光
    触媒層が形成され、この可視光吸収光触媒層の上に光触
    媒材料が島状、柱状または多穴膜状に形成されているこ
    とを特徴とする水素製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載の水素製
    造装置において、前記導電性基板の表面に光吸収熱生成
    層が形成され、この光吸収熱生成層の上に光触媒材料が
    島状、柱状または多穴膜状に形成されていることを特徴
    とする水素製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2に記載の水素製
    造装置において、前記導電性基板の表面に光触媒層、可
    視光吸収光触媒層および光吸収熱生成層のうちの少なく
    とも2層が積層され、この上に光触媒材料が島状、柱状
    または多穴膜状に形成されていることを特徴とする水素
    製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6に記載の水素製造
    装置において、前記導電性基板は波板状または蛇腹状を
    なすことを特徴とする水素製造装置。
  8. 【請求項8】 光エネルギーを利用した水の分解により
    水素を製造する装置において、この装置には光電気分解
    素子が組み込まれ、この光電気分解素子は導電性基板の
    表面に光触媒材料が島状、柱状または多穴膜状に形成さ
    れ、この光触媒材料が形成された導電性基板の表面と同
    一面に電荷分離用材料が積層または形成領域を区分けし
    て形成されていることを特徴とする水素製造装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8に記載の水素製造
    装置において、前記光触媒材料は酸化チタンであり、前
    記電荷分離用材料は白金であることを特徴とする水素製
    造装置。
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