JP2003145348A - ギア歯面定位置加工方法及び装置 - Google Patents

ギア歯面定位置加工方法及び装置

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JP2003145348A
JP2003145348A JP2001343220A JP2001343220A JP2003145348A JP 2003145348 A JP2003145348 A JP 2003145348A JP 2001343220 A JP2001343220 A JP 2001343220A JP 2001343220 A JP2001343220 A JP 2001343220A JP 2003145348 A JP2003145348 A JP 2003145348A
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Katsumi Nagasaka
勝己 長坂
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯車の歯面の研削加工において、予め歯車形
状を与えられたワークの歯先円が例えば楕円形であると
きに、それを効率的に矯正する。 【解決手段】 内歯車形状のワーク(又は砥石)2に対
して、外歯車形状の砥石(又はワーク)3を噛み合わせ
て連れ回りさせると共に、一方を他方に対して軸方向に
進退駆動することによってワークの歯面を研削する。ワ
ークの歯先円が楕円形であって各歯の長さにバラツキが
あるとき、ワークの中で最も長い歯の歯先と砥石の歯底
が接触する位置から所定の距離(例えば、8μm)だけ
離した位置で両者の位置関係を強固に固定して研削加工
を行なう。それによって最も短い歯の歯先は研削されな
いないで、短時間内に全ての歯の長さが一様になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はギア(歯車)の歯面
加工方法と、その方法を実施する歯面加工装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来のギア歯面加工方法の一つとして、
内歯を有する内歯車形のワーク(又は砥石)と、外歯を
有する外歯車形の砥石(又はワーク)の歯を噛み合わせ
て、それらのいずれか一方を回転させると共に軸方向に
進退させて、他方を連れ回りさせながら、ワークの歯面
を研削加工する方法及び装置が知られている。
【0003】この加工方法を実施する内歯の研削装置と
しては、例えば、外周側が円形で内周側が歯車形状に形
成された内歯を有するワークに対して、外周側が歯車形
状に形成された外歯を有する砥石を噛み合わせた後に、
砥石とワークのいずれか一方を回転駆動することにより
他方を連れ回りさせると共に、砥石とワークのいずれか
一方を他方に対して軸方向(それらの中心軸線の方向)
に相対的に往復動させることにより、ワークの内歯の歯
面を研削する研削装置において、ワークの外周側に位置
すると共に、ワークの内周側に位置する砥石との間でワ
ークを挟持することによりワークを加工位置に保持する
少なくとも2個のローラと、それらのローラをそれぞれ
回転可能に支持する軸受と、軸受を支持するブロック
と、ブロック及びローラを介してワークを砥石に押し付
けるローラ支持装置とを備えている内歯の研削装置が使
用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来技術においては、例えば冷間鍛造工程のような研削
前工程から送られてくる加工前ワークの歯先円が真円で
なくて楕円形であって、中心から歯先までの長さが歯毎
に異なるという歯先真円度の低いワークが送られてくる
場合でも、そのワークを砥石に向かって一定の力で押し
付けて研削加工を行なうことになるので、研削加工が終
わっても楕円形の歯先円は矯正されない。このようにし
て歯先円に楕円形の成分が残っていると、製品としての
ギアの品質と性能が低下することは言うまでもない。
【0005】本発明は、従来技術における前述のような
問題に鑑み、研削前工程から送られてくる加工前ワーク
が、歯先円の真円度が低いというように、品質や精度に
おいてバラツキの多いものであっても、それらのワーク
を所定の加工時間内に高い真円度や精度を有するものに
仕上げることができるギア歯面加工方法及びギア歯面加
工装置を提供することを発明の解決課題とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記の
課題を解決するための手段として、請求項1乃至4に記
載されたギア歯面定位置加工方法と、請求項5乃至7に
記載されたギア歯面定位置加工装置が提供される。
【0007】本発明のギア歯面定位置加工方法において
は、内歯ワーク(又は砥石)をワーク(又は砥石)保持
手段によって回転可能に、且つ、半径方向に進退移動可
能に支持し、外歯砥石(又はワーク)を主軸手段によっ
て回転可能に、且つ、軸方向に進退移動可能に支持する
と共に、主軸手段とワーク(又は砥石)保持手段をそれ
ぞれ所定の位置に強固に位置決めした後に、外歯砥石
(又はワーク)と内歯ワーク(又は砥石)のいずれか一
方を回転駆動して内歯ワーク(又は外歯ワーク)の研削
加工を行なうので、研削前工程から送られてくる加工前
ワークが歯先円の真円度が低いというように、品質及び
精度にバラツキの多いものであっても、中心から歯先ま
での長さが長い部位では単位時間当たりの研削量が増大
して速やかに真円に近づけると共に、中心から歯先まで
の長さが短い部位では無用の研削をすることなく、所定
の加工時間を延長しないで、精度の低いワークを高い真
円度を有する高精度で高品質のものに仕上げることがで
きる。
【0008】具体的手段として、内歯ワーク(又は砥
石)と外歯砥石(又はワーク)との噛み合い箇所におけ
る両者の歯面の間に、予め定められた僅かな大きさのク
リアランスが残るように、主軸手段とワーク(又は砥
石)保持手段をそれぞれ正確に位置決めして、それらの
位置を強固に固定した後に、砥石とワークのいずれか一
方を回転駆動して内歯ワーク又は外歯ワークの研削加工
を行なう。
【0009】本発明のギア歯面定位置加工装置は、内歯
ワーク(又は砥石)を回転可能に支持するために、その
厚さと実質的に同じ長さの接触部分を有する受軸と、そ
の一端を支持すると共に内歯ワーク(又は砥石)の一端
面をも受け止めるガイドと、ガイドとは反対側の内歯ワ
ーク(又は砥石)の面を受け止めると共に、受軸の他端
を支持する押えプレートと、ガイドと押えプレートと受
軸からなるワーク(又は砥石)回転受け部と、それを内
歯ワーク(又は砥石)の半径方向に移動可能に支持する
上下スライダと、それを内歯ワーク(又は砥石)の半径
方向に移動させると共に、任意の位置において高精度に
位置決めをすることができる上下駆動部と、上下駆動部
と上下スライダとワーク(又は砥石)回転受け部を軸方
向に移動可能に支持する前後スライダと、それに軸方向
の前進後退駆動を与える前後駆動部と、外歯砥石(又は
ワーク)を回転可能に支持する主軸と、それを回転駆動
するための主軸駆動部とから構成されている。
【0010】従って、加工を開始する前に上下駆動部を
作動させて、上下スライダを移動させることにより、砥
石とワークの噛み合い箇所における両者の歯面の間に予
め半径方向に所定の大きさのクリアランスが残るよう
に、両者を正確に位置決めして位置を強固に保持してか
ら、主軸駆動部を作動させて外歯砥石(又はワーク)を
回転駆動し、それに噛み合っている内歯ワーク(又は砥
石)を連れ回りさせると共に、両者の間に相対的な軸方
向の往復動をも与えて研削を行なう。それによって、内
歯ワーク又は外歯ワークの歯先円が真円から突出してい
る部位では、砥石の歯底がその部位を研削するが、真円
の内部になる部位では砥石の歯底がワークの歯先に接触
しないので研削が行なわれないので、全体として短時間
内にワークの歯先円が真円に近づく。
【0011】いずれにしても、本発明によれば、精度の
低いワークに無駄な研削加工を加えることなく、必要な
部分だけ押し付け力を増大させて単位時間当たりの研削
量を増加させることにより、効率的に研削を行なうの
で、短時間で高精度の製品としてのギアを得ることがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に示した一実施
例を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明の実
施例であるギア歯面定位置加工装置1の構成を説明する
ための正面図である。図2から図4に拡大して示すよう
に、2は外周側が円形で内周側が歯車状に形成された内
歯を有する内歯ワーク(被加工材)である。3は外周側
が歯車状に形成された外歯を有する外歯砥石である。4
は、内歯ワーク2の円形外周部の一部を受けるために設
けられた相互に平行な2つの受軸である。受軸4の軸方
向の長さは、内歯ワーク2の幅(厚さ)よりも微小な量
だけ大きくなっている。
【0013】5は、受軸4の一端を支持すると共に内歯
ワーク2の片側端面を摺動可能に支持するために、内歯
ワーク2の歯底面よりも大きい面積を有するガイドであ
る。6は内歯ワーク2のガイド5とは反対側の端面を摺
動可能に支持するために、内歯ワーク2の歯底面よりも
大径の円弧状の面を有すると共に、受軸4の他端をも支
持する押えプレートである。7は、内歯ワーク2を回転
可能に保持するこれらの受軸4とガイド5及び押えプレ
ート6等から構成されるワーク回転受け部の全体を示し
ている。
【0014】8はワーク回転受け部7を支持する上下ス
ライダであって、この上下スライダ8は後述の構成によ
って図1の上下方向に摺動可能に支持されている。9は
上下スライダ8を上下方向に移動可能に案内すると共
に、その移動のための駆動力を与える上下駆動部であ
る。上下駆動部9には、上下方向の移動を可能にするだ
けでなく、移動後の任意の位置において強固にその位置
を保持することを可能にする構造を用いている。この構
造は、例えばサーボモータ9aによって駆動されるボー
ルねじ9bを用いることにより構成することができる。
10は、上下スライダ8と上下駆動部9とワーク回転受
け部7を、図1において水平方向(軸方向)の左右へ移
動可能に支持する前後スライダである。11は、前後ス
ライダ10を駆動するための前後駆動装置である。
【0015】12は主軸であって、一端において外歯砥
石3を支持しており、それ自体が回転可能に、且つ軸方
向に進退可能に支持されている。13は固定された主軸
駆動部であって、主軸12に回転及び主軸方向の進退駆
動を与えることができる。なお、主軸駆動部の詳細な構
造は示していない。
【0016】以上、ギア歯面定位置加工装置1の構成に
ついて説明したが、以下に各構成要素の作動について説
明する。なお、図3に内歯ワーク2及び外歯砥石3の動
作関係を、図4にそれらに2個の受軸4を加えた部分の
構成を拡大した斜視図として示している。
【0017】先ず、内歯ワーク2をワーク回転受け部7
に装着する。主軸12の先端には砥石3が予め取り付け
られている。その後、前後スライダ10を作動させるこ
とにより、ワーク2を主軸12側へ軸方向に移動させ
る。移動の終端位置は、内歯ワーク2と外歯砥石3が噛
み合うように嵌まりあう位置であって、且つ主軸12の
軸方向における進退動作によるストローク範囲内に内歯
ワーク2が納まる位置である。この関係については、詳
細を図2に示す。
【0018】内歯ワーク2の内側に外歯砥石3が噛み合
った状態で、上下駆動部9により上下スライダ8を上昇
させる。このとき、内歯ワーク2又は外歯砥石3の歯先
が相手の歯底に接触した時に噛み合いが完了したものと
する。歯先と歯先が接触している状態では噛み合い位置
が浅いので、上下スライダ8を一旦下降させた後に、所
望の僅かな角度だけ主軸12を回転させて、再度上下ス
ライダ8を上昇させることにより噛み合い動作を行なわ
せる。それでも噛み合わない場合は、この動作を繰返し
て行なうことにより歯先と歯底を噛み合わせて接触させ
る。
【0019】内歯ワーク2と外歯ワーク3の歯が噛み合
った後に、相互の位置関係を決めるために、上下駆動部
9を作動させて上下スライダ8を任意の位置まで移動さ
せることにより位置決めをする。図示実施例において
は、サーボモータ9aによって駆動されるボールねじ9
bを使用しているので、ワーク回転受け部7を正確に所
望の位置まで上下方向に、即ち内歯ワーク2を半径方向
に移動させた後に、その位置を確実に保持することがで
きる。
【0020】内歯ワーク2と外歯砥石3が噛み合った後
に、主軸駆動部13によって主軸12を回転させながら
軸方向に往復動させる。なお、内歯ワーク2と外歯砥石
3との間における軸方向の相対的な進退動作は前後駆動
部11によって内歯ワーク2を軸方向に進退させること
により行ってもよい。外歯砥石3が主軸12と共に回転
することにより、内歯ワーク2は外歯砥石2との歯の噛
み合い点を隣の歯に移し替えながら連れ回りをする。
【0021】この時、内歯ワーク2の歯と外歯砥石3の
歯を噛み合わせた状態で、その相対的な位置関係を、上
下スライダ8を駆動する上下駆動部9によって強固に維
持したまま加工を行なうことにより、内歯ワーク2の各
歯が持つ歯先の楕円成分の大きさ(楕円量)、従って、
歯先円の半径が基準となる真円の半径よりもどれだけ大
きいかという程度(楕円度)によって、砥石との接触面
における面圧及び加工作用力が異なるから、各歯の中で
も当たりの強い歯、従って、加工作用力が大きくなる歯
においては加工が早く進む。それと反対に当たりの弱い
歯では加工の進行が遅くなる。この加工を繰り返えすこ
とによって内歯ワーク2の楕円成分を効率よく除去する
ことができる。
【0022】この関係を説明するためのグラフを図5と
して示す。図5における破線は楕円量最大の歯が時間の
経過と共にどのように矯正加工されて行くかということ
を示しており、鎖線は楕円量最小の歯がどのように矯正
されて行くかを示している。また、実線はワークが加工
された結果として、最大楕円歯と最小楕円歯の楕円量の
差(ワークの楕円度)を示しており、研削加工によって
ワーク全体の楕円度が次第に小さくなって行くことを示
している。図5のグラフでは、ワーク2の楕円量最大の
歯が砥石3と噛み合った位置、つまり、切り込み量0の
位置での時間的な矯正変化を示している。
【0023】なお、図5において最大及び最小の楕円量
を有する歯の楕円量がいずれも負の値になっているの
は、計測の基準として、計測開始時点における最小の楕
円量を有する歯の楕円量を0としているためである。そ
の0位置から研削加工が進行するので、図5は、加工が
進んで最小楕円歯も研削されることにより、両者の半径
が0以下の値まで小さくなって行くことを示している。
図5のグラフによって、前工程から送られて来た最大楕
円量15μmのワークに対して、本発明のギア歯面定位
置加工装置1によって研削加工を施すことにより、約6
0秒後には楕円量が3μm以下に矯正されることが判
る。
【0024】更に、ワーク2の歯と砥石3の歯の噛み合
わせ位置を、ワーク2の歯の楕円量の大きさに合わせて
位置を調整することにより、楕円量が最小の歯は殆ど研
削加工されることがなく、それよりも楕円量の大きい他
の歯だけが加工されるように設定することが可能にな
る。このような加工の状態を図6のグラフに示す。
【0025】図5のグラフの場合と同様に、破線は楕円
量最大の歯が時間の経過と共にどのように矯正加工され
て行くかということを示しており、鎖線は、楕円量最小
の歯が矯正されて行くか否かを示している。実線は、楕
円量が最大の歯と、楕円量が最小の歯との間の楕円量の
差(楕円度)を示しており、最大の楕円量が殆どそのま
まワーク全体の楕円度になることを示している。但し、
図6に示すグラフのケースでは最小楕円量の歯が加工さ
れないように設定されているので、ワーク全体の歯の楕
円度を示す実線と、楕円量最大の歯の楕円量を示す破線
は略重なっている。この場合は、最大15μmの楕円量
を有するワーク2において、ワーク2の最大楕円量を有
する歯と砥石3の歯が噛み合う位置、つまり、切り込み
量が0の位置から約8μm離した位置を維持した状態で
加工を行なった時の時間的な矯正変化を示している。
【0026】図6から判るように、ワーク2の最大の楕
円量を有する歯は時間の経過と共に研削加工されている
と認められるが、最小の楕円量を有する歯は時間が経過
しても全く研削されていない。この場合のワーク2と砥
石3との位置関係は、最大の楕円量15μmを有するワ
ーク2の歯から砥石3の歯を8μmだけ離した位置を維
持して研削加工を行なっていることから、ワーク2の歯
のうちで最小の楕円量を有する歯に対して、それに対向
する砥石3の歯は23μm離れた位置において加工動作
を行なっていることになる。この実験結果から、ワーク
2の歯と、それに対向している砥石3の歯が23μm以
上離れている場合には、歯の研削加工が進行しないこと
が判る。
【0027】図6から見て、前工程から送られてきた最
大楕円量が15μmのワーク2を、ギア歯面定位置加工
装置1を使用して、前述のような本発明の加工方法によ
って研削加工を行なうことにより、約60秒後にはワー
ク2の楕円量が約3μm以下に矯正されることが判る。
【0028】以上の説明から明らかなように、最小の楕
円量を有する歯をできるだけ加工しないで、それよりも
大きい楕円量を有する歯のみを加工することによって、
加工取代を小さく抑えることができる。図6のグラフに
示す実験の場合は、加工後においても、最大の楕円量を
有する歯の楕円量と、最小の楕円量を有する歯の楕円量
が、いずれも0以下の負の値にはなっていない。このこ
とから、加工時間を短縮して生産性を向上させると共
に、砥石3の摩耗を低減してランニングコストを低下さ
せることができるので、本発明が非常に効果的であるこ
とが判る。
【0029】なお、以上の記載では、内歯ワーク2の歯
先円の楕円度を矯正することを主眼において説明をして
いるので、本発明がワーク2の歯先円の楕円度を矯正す
ることだけを目的としているように受け取られる恐れが
あるが、砥石3とワーク2の歯数が異なる以上、砥石3
の一つの歯は1回転毎にワーク2の異なる歯と噛み合う
ので、ワーク2の歯先円を矯正する研削加工を行うこと
によって、同時にそれ以外の歯面の研削加工も行なわれ
て、ワーク2の精度及び品質が向上することは言うまで
もない。
【0030】図示実施例では、内歯ワーク2を外歯砥石
3によって研削加工する場合について述べているが、他
の実施例として、内歯ワーク2に代わる内歯砥石によっ
て、外歯砥石3に代わる外歯ワークを研削加工する場合
にも、先に述べた図示実施例のギア歯面定位置加工方法
とギア歯面定位置加工装置がそのまま適用され得ること
が明らかであるから、その場合について詳細に同様な説
明を繰り返す必要はないものと思われる。
【0031】また、図示実施例における受軸4は、図4
に示したように円柱形であるため、内歯ワーク2の接触
によって摩耗が進行した場合には、受軸4を回転させて
接触部をずらすことにより容易に接触部を更新すること
が可能である。それによってメンテナンスに要する費用
を低減させることができる。更に、受軸4を円筒形のロ
ーラ状のものとして、その中心に挿入した固定の軸の回
りに回転可能に支持することにより、ローラ状の受軸4
が内歯ワーク2と接触して回転するように構成すれば、
受軸4の耐摩耗性を著しく向上させることができる。更
に、上記の構成においては、受軸4を2個用いて内歯ワ
ーク2の外周部を回転可能に支持しているが、この受軸
4の代わりに、同じように内歯ワーク2の外周部を受け
るV字溝が形成された保持ブロックを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるギア歯面定位置加工装置
の正面図である。
【図2】実施例における砥石とワークの噛み合い前の位
置関係と、噛み合い後の加工時の位置関係を説明するた
めの正面図である。
【図3】砥石とワークの動作関係を説明するための斜視
図である。
【図4】砥石とワークと受軸との関係を説明するための
斜視図である。
【図5】研削加工の進行状況を例示するグラフである。
【図6】最も好適な設定による研削加工の進行状況を例
示するグラフである。
【符号の説明】
1…ギア歯面定位置加工装置 2…内歯ワーク 3…外歯砥石 4…受軸 5…ガイド 6…押えプレート 7…ワーク回転受け部 8…上下スライダ 9…上下駆動部 9a…サーボモータ 9b…ボールねじ 10…前後スライダ 11…前後駆動部 12…主軸 13…主軸駆動部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周側が円形で、内周側が歯車形状に形
    成された内歯を有する内歯ワークに対して、外周側が歯
    車形状に形成された外歯を有する外歯砥石を噛み合わせ
    た後に、前記外歯砥石と前記内歯ワークのいずれか一方
    を回転駆動することにより他方を連れ回りさせると共
    に、前記外歯砥石と前記内歯ワークのいずれか一方を他
    方に対して軸方向に相対的に往復動させることにより、
    前記内歯ワークの内歯の歯面を研削する方法において、 前記内歯ワークをワーク保持手段によって回転可能に、
    且つ、半径方向に進退移動可能に支持し、前記外歯砥石
    を主軸手段によって回転可能に、且つ、軸方向に進退移
    動可能に支持すると共に、前記主軸手段と前記ワーク保
    持手段をそれぞれ所定の位置に強固に位置決めした後
    に、前記外歯砥石と前記内歯ワークのいずれか一方を回
    転駆動して前記内歯ワークの研削加工を行なうことを特
    徴とするギア歯面定位置加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記内歯ワークと前
    記外歯砥石との噛み合い箇所における両者の歯面の間に
    予め所定の大きさのクリアランスが残るように、前記主
    軸手段と前記ワーク保持手段をそれぞれ所定の位置に強
    固に位置決めした後に研削加工を行なうことを特徴とす
    るギア歯面定位置加工方法。
  3. 【請求項3】 外周側が円形で、内周側が歯車形状に形
    成された内歯を有する内歯砥石に対して、外周側が歯車
    形状に形成された外歯を有する外歯ワークを噛み合わせ
    た後に、前記外歯ワークと前記内歯砥石のいずれか一方
    を回転駆動することにより他方を連れ回りさせると共
    に、前記外歯ワークと前記内歯砥石のいずれか一方を他
    方に対して軸方向に相対的に往復動させることにより、
    前記外歯ワークの外歯の歯面を研削する方法において、 前記内歯砥石を砥石保持手段によって回転可能に、且
    つ、半径方向に進退移動可能に支持し、前記外歯ワーク
    を主軸手段によって回転可能に、且つ、軸方向に進退移
    動可能に支持すると共に、前記主軸手段と前記砥石保持
    手段をそれぞれ所定の位置に強固に位置決めした後に、
    前記内歯砥石と前記外歯ワークのいずれか一方を回転駆
    動して前記外歯ワークの研削加工を行なうことを特徴と
    するギア歯面定位置加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記内歯砥石と前記
    外歯ワークとの噛み合い箇所における両者の歯面の間に
    予め所定の大きさのクリアランスが残るように、前記主
    軸手段と前記砥石保持手段をそれぞれ所定の位置に強固
    に位置決めした後に研削加工を行なうことを特徴とする
    ギア歯面定位置加工方法。
  5. 【請求項5】 外周側が円形で、内周側が歯車形状に形
    成された内歯を有する内歯ワークに対して、外周側が歯
    車形状に形成された外歯を有する外歯砥石を噛み合わせ
    た後に、前記内歯ワークと前記外歯砥石のいずれか一方
    を回転駆動することにより他方を連れ回りさせると共
    に、前記内歯ワークと前記外歯砥石のいずれか一方を他
    方に対して軸方向に相対的に往復動させることにより、
    前記内歯ワークの内歯の歯面を研削する装置において、 前記内歯ワークを回転可能に支持するために、該内歯ワ
    ークの厚さと実質的に同じ長さの接触部分を有する受軸
    と、該受軸の一端を支持すると共に、前記内歯ワークの
    一端面をも受け止めるガイドと、該ガイドとは反対側の
    前記内歯ワークの面を受け止めると共に、前記受軸の他
    端を支持する押えプレートと、前記ガイドと前記押えプ
    レートと前記受軸からなるワーク回転受け部と、該ワー
    ク回転受け部を前記内歯ワークの半径方向に移動可能に
    支持する上下スライダと、該上下スライダを前記内歯ワ
    ークの半径方向に移動させると共に、任意の位置におい
    て高精度に位置決めをすることができる上下駆動部と、
    該上下駆動部と前記上下スライダと前記ワーク回転受け
    部を軸方向に移動可能に支持する前後スライダと、該前
    後スライダに軸方向の前進後退駆動を与える前後駆動部
    と、前記外歯砥石を回転可能に支持する主軸と、前記主
    軸を回転駆動するための主軸駆動部とから構成されてい
    ることを特徴とするギア歯面定位置加工装置。
  6. 【請求項6】 外周側が円形で、内周側が歯車形状に形
    成された内歯を有する内歯砥石に対して、外周側が歯車
    形状に形成された外歯を有する外歯ワークを噛み合わせ
    た後に、前記内歯砥石と前記外歯ワークのいずれか一方
    を回転駆動することにより他方を連れ回りさせると共
    に、前記内歯砥石と前記外歯ワークのいずれか一方を他
    方に対して軸方向に相対的に往復動させることにより、
    前記外歯ワークの外歯の歯面を研削する装置において、 前記内歯砥石を回転可能に支持するために、該内歯砥石
    の厚さと実質的に同じ長さの接触部分を有する受軸と、
    該受軸の一端を支持すると共に、前記内歯砥石の一端面
    をも受け止めるガイドと、該ガイドとは反対側の前記内
    歯砥石の面を受け止めると共に、前記受軸の他端を支持
    する押えプレートと、前記ガイドと前記押えプレートと
    前記受軸からなる砥石回転受け部と、該砥石回転受け部
    を前記内歯砥石の半径方向に移動可能に支持する上下ス
    ライダと、該上下スライダを前記内歯砥石の半径方向に
    移動させると共に、任意の位置において高精度に位置決
    めをすることができる上下駆動部と、該上下駆動部と前
    記上下スライダと前記砥石回転受け部を軸方向に移動可
    能に支持する前後スライダと、該前後スライダに軸方向
    の前進後退駆動を与える前後駆動部と、前記外歯ワーク
    を回転可能に支持する主軸と、前記主軸を回転駆動する
    ための主軸駆動部とから構成されていることを特徴とす
    るギア歯面定位置加工装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6において、前記砥石と前
    記ワークとの噛み合い箇所における両者の歯面の間に予
    め所定の大きさのクリアランスが残るように両者を正確
    に位置決めして固定する手段が設けられていることを特
    徴とするギア歯面定位置加工装置。
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