JP2003143972A - ハウス内農作物栽培における農作業の自動化装置 - Google Patents

ハウス内農作物栽培における農作業の自動化装置

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JP2003143972A JP2001345880A JP2001345880A JP2003143972A JP 2003143972 A JP2003143972 A JP 2003143972A JP 2001345880 A JP2001345880 A JP 2001345880A JP 2001345880 A JP2001345880 A JP 2001345880A JP 2003143972 A JP2003143972 A JP 2003143972A
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agricultural work
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Saburo Hashiguchi
三良 橋口
Masanobu Tanabe
正信 田▲辺▼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハウス内農作物栽培における各種農作業を効
率良く自動化して省力化を図り、人件費の圧縮と生産性
の向上を図る。 【解決手段】 ハウス内農作物栽培域に等間隔に、多数
列に並べて敷設したガイド軌道1,…と、該ガイド軌道
の端部に設置した方向転換装置2,…と、前記ガイド軌
道及び方向転換装置上でガイドされて自動的に走行させ
るようにした台車3とにより構成され、台車3にハウス
内農作物栽培における農作業を自動的に行えるようにし
たアタッチメントを着脱自在に取替え装着するようにし
たハウス内農作物栽培における農作業の自動化装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農作物のハウス内
栽培における労働集約的な農作業を自動化し、人件費の
圧縮と生産性の向上が図れるようにしたハウス内農作物
栽培における農作業の自動化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】農作物
のハウス内栽培における農作業は、ハウス内の限定され
た空間で行わなければならず、ハウス内に各種作業機械
や運搬車両等を搬入して作業しにくいことから、従来よ
り労働集約的な農作業に依存している。
【0003】しかしながら、近年において諸外国より安
価な農作物が市場に多く出回るにつれ、従来の労働集約
的な農作業では、人件費の占める経費が大きく、外国産
農作物に対し価格的に対抗できなくなっていることや、
人的労働力では身体的負担が大きく生産性の向上が図れ
ない問題点を有している。
【0004】そこで、上記問題点に鑑み、本発明では従
来の労働集約的なハウス内栽培における各種の農作業を
効率良く自動化できるようにして省力化を図り、人件費
の圧縮と生産性の向上が図れるようにしたハウス内農作
物栽培における農作業の自動化装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、以下に記載する手段を講じたハ
ウス内農作物栽培における農作業の自動化装置とした。
すなわち、 (1)ハウス内農作物栽培域に、等間隔に多数列に並べ
て敷設したガイド軌道と、該ガイド軌道の端部に設置さ
れた方向転換装置と、前記ガイド軌道及び方向転換装置
上でガイドされて自動的に走行させるようにした台車と
により構成され、前記台車に、ハウス内農作物栽培にお
ける農作業を自動的に行えるようにしたアタッチメント
を着脱自在に取替え装着するようにしたことを特徴とす
るハウス内農作物栽培における農作業の自動化装置であ
る。 (2)等間隔に多数列に並べて敷設したガイド軌道が、
上面に台車の車輪をガイドするガイド溝を設けたコンク
リートブロックを長手方向に凹凸嵌合させて継ぎ合わせ
たものであることを特徴とする前項(1)記載のハウス
内農作物栽培における農作業の自動化装置である。 (3)等間隔に多数列に並べて敷設したガイド軌道が、
台車の車輪をガイドするガイド溝を有する溝形鋼の溝部
を上側に向けて長手方向に継ぎ合わせ、コンクリートブ
ロックで要所を支持したものであることを特徴とする前
項(1)記載のハウス内農作物栽培における農作業の自
動化装置である。 (4)ガイド軌道の端部に設置された方向転換装置が、
ゼンマイの復元力により復元するガイド溝付きのターン
テーブルと、固定された平坦な円弧状テーブルとで構成
され、前記ターンテーブルを台車の方向転換する内側の
ガイド軌道の端部に設置し、円弧状テーブルを台車の方
向転換する外側のガイド軌道の端部に設置して、内側と
外側の二つのガイド軌道に跨いでガイドされる台車の車
輪の片側をターンテーブルのガイド溝内で止め、別側を
円弧状テーブル上で回転駆動させることにより方向転換
させるようにしたものであることを特徴とする前項
(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のハウス内農作
物栽培における農作業の自動化装置である。 (5)ガイド軌道及びガイド軌道の端部に設置された方
向転換装置上でガイドされて自動的に走行する台車が、
左右両側に駆動車輪を設け、該駆動車輪の前後にそれぞ
れ補助車輪を配設して、前記駆動車輪をクラッチを介在
させて回転駆動させるようにしたものであることを特徴
とする前項(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のハ
ウス内農作物栽培における農作業の自動化装置である。 (6)駆動車輪の前後にそれぞれ配設された補助車輪
が、補助車輪の取付部材の上端部に、弾力をもたせて伸
縮するようにしたダンパーを介在させて台車のテーブル
の左右前後を支持するようにしたものであることを特徴
とする前項(5)記載のハウス内農作物栽培における農
作業の自動化装置である。 (7)駆動車輪の前後にそれぞれ配設された補助車輪
が、補助車輪の取付け部材の上端部と台車のテーブルと
の間に、弾力をもたせて伸縮するようにしたダンパーの
両端部を回動自在に軸支して介在させ、前記補助車輪の
取付け部材と駆動車輪の取付け部材とを連結部材で回動
できるように連結して支持するようにしたものであるこ
とを特徴とする前項(5)又は(6)記載のハウス内農
作物栽培における農作業の自動化装置である。 (8)ガイド軌道及び方向転換装置上でガイドされて自
動的に走行するようにした台車のテーブルに、略コ字状
に切抜いた嵌込み部と、該嵌込み部にガイド穴を設け、
ハウス内農作物栽培における農作業を自動的に行えるよ
うにしたアタッチメントを着脱自在に装着するようにし
たことを特徴とする前項(1)乃至(7)のいずれか1
項に記載のハウス内農作物栽培における農作業の自動化
装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明すると、本発明は図1に示すように、ハウス内
農作物栽培用地に、等間隔に多数列に並べて敷設したガ
イド軌道1,…と、該ガイド軌道の端部に設置された方
向転換装置2,…と、前記ガイド軌道1,…及び方向転
換装置2,…上でガイドされて自動的に走行させるよう
にした台車3とにより構成される。
【0007】そして、前記台車3に、例えば耕耘機能、
肥料散布機能、播種機能等を有する各種アタッチメント
を着脱自在に取替え装着することにより、ハウス4内の
農作物栽培における各種農作業が自動的に行なえるよう
にしたものである。
【0008】ハウス4は、農作物栽培域4Aと、格納庫
4Bに区分けされており、格納庫4Bに格納して必要と
する農作業のアタッチメントに取替え装着した台車3
は、矢印イ方向にガイド軌道上を走行し、先ず矢印ロで
90度方向転換して農作物栽培域4A内に入り、ハ方向
に走行しガイド軌道1,…の端部の方向転換装置2,…
で180度方向転換して矢印ニ,ホ,…リ,ヌと走行
し、農作物栽培域4Aより出て矢印ルで90度方向転換
して格納庫に戻るようにガイド軌道1,…と、該ガイド
軌道1,…の端部に方向転換装置2,…が配列され、サ
イクル状に敷設されている。
【0009】上記のように構成されるガイド軌道1,…
と方向転換装置2,…、台車3について図2〜図6にお
いて詳細に説明する。ガイド軌道1,…は図2,図3に
示すように、上面に台車3の車輪をガイドするガイド溝
1aを設けたコンクリートブロック1A,1A,…を長
手方向に凹部1b凸部1cを嵌合させて継ぎ合わせ、ハ
ウス内農作物栽培用地に敷設され、農作物栽培域4Aの
コンクリートブロックを長手方向に継ぎ合わせて等間隔
に敷設した列と列の間は農作物を栽培する畝5となる。
なお、敷設においてはハウス内農作物栽培用地を床掘り
して地固めし、コンクリートブロック1Aの溝面が地面
より若干高くなるように敷設するのが好ましく、地固め
するにおいては農用地であることから割栗(破砕石)等
は敷込みしないのが好ましい。
【0010】又、ガイド軌道1,…は、前記コンクリー
トブロック1A,1A,…を長手方向に凹凸嵌合させて
継ぎ合わせて敷設する代りに、図4に示すように台車3
の車輪をガイドするガイド溝を有する溝形鋼の溝部を上
側に向けて長手方向に継ぎ合わせ、要所をコンクリート
ブロック1B,1B,…で支持して敷設するようにして
も良い。更に、言及すればI形鋼(図示せず)を使用し
て同様にガイド軌道を敷設することもできる。但しこの
場合、台車3の車輪に、I形鋼の上面と嵌合するガイド
溝を設けてガイドされるようにする必要がある。要する
に、ガイド軌道1,…は、台車3の車輪がガイド軌道か
ら逸脱することなくガイドされて走行できるようにした
ものであれば、上記実施態様に限定するものではない。
前記溝形鋼及びI形鋼は工業規格品として各種寸法のも
のが市販されている。
【0011】方向転換装置2,…は、ゼンマイの復元力
により復元するターンテーブル2Aと、固定された平坦
な円弧状テーブル2Bとで構成され、ターンテーブル2
Aは、図5及び図6に示すように、円形テーブル6の上
面中心部にガイド溝7aを有する溝部材7を設けて補強
板8,8で補強すると共に、下面中心部に支持軸9を立
設し、軸受10で支持されて本体ベース11に回動可能
に取付けられており、支持軸9の下方端を延出してゼン
マイ(発条)12が取付けられ、該ゼンマイに抗して強
制的に回動させた後、フリーにした時に復元するように
してある。ゼンマイ12の下面は蓋板9aで被覆されて
いる。
【0012】又、本体ベース11の四方の側面板には支
持台13,13,…を設け、該支持台の上面にはローラ
ー14,14,…が、円形テーブルの下面外周部に当接
するようにして取付けられ、円形テーブル6への負荷が
受けられるようにすると共に、下面四方には嵌込み座1
5,15,…を設けて、コンクリートブロック16,1
6の上面溝部に嵌着し、設置するようにしてある。
【0013】更に、前記円形テーブル6の上面中心部に
設けた溝部材7の前端部には、ガイド溝7a内で台車3
の車輪を止めるための検出スイッチ17が設けられ、円
形テーブル6の下面には、方向転換した時やゼンマイの
復元力により復元した時の位置決め用のストッパープレ
ート18が取付けられ、前記支持台13の所要箇所の上
面には位置決め用のストッパー19が取付けられてい
る。
【0014】台車3は、図2及び図3に示すように左右
両側に駆動車輪20,20を設け、該駆動車輪の前後に
それぞれ補助車輪21,21を配設して、テーブル上に
取付けたモーター22の回転を減速機23で減速させ、
減速機23の両側出力軸よりクラッチ24,24を介し
てシャフト25,25を回転させるようにし、シャフト
25,25に取付け固定されたチェーンスプロケット2
6,26よりチェーン27,27でチェーンスプロケッ
ト28,28を回転させて、該チェーンスプロケット2
8,28と同軸に取付け固定された駆動車輪20,20
を回転駆動させるようにしてある。
【0015】前記モーター22の回転駆動は、台車3に
バッテリを搭載してバッテリ電源を利用するか、或いは
発動機を搭載して発動機により発電して電源を得る方式
を採り、電線からの有線による電源は配線コードが煩雑
になり、台車3の走行に妨げとなることから好ましくな
いが、台車3の走行する上方部に架線を張設して、架線
から電力を供給し、トロリー方式で台車3を走行させる
ようにすると良い。前記バッテリや発動機による発電機
の搭載は、図示されていないが、台車3のテーブル上
部、若くは下部のスペースを利用して搭載し、無線で自
動的に走行できるようにしてあり、その自動制御回路は
制御ボックス29内に組込まれている。
【0016】前記駆動車輪20,20の前後にそれぞれ
配設された補助車輪21,21は、該補助車輪の取付け
部材30,30の上端部に、弾力をもたせて伸縮するよ
うにしたダンパー31,31を介在させて台車3のテー
ブルの左右前後を支持するようにしてあり、前記ダンパ
ー31,31は、シリンダー31A,31Aのシリンダ
ー穴に、ピストンロッド31B,31Bを、コイルバネ
32,32を介在させて嵌入することにより弾力をもた
せて伸縮するようにしてある。
【0017】又、前記補助車輪21,21は、該補助車
輪の取付け部材30,30の上端部と台車3のテーブル
との間に、前記弾力をもたせて伸縮するようにしたダン
パー31,31の両端部をピン33,33で回動自在に
軸支して介在させ、前記補助車輪の取付け部材30,3
0と駆動車輪20の取付け部材34とを連結部材35,
35により回動できるようにピン36,36で連結して
台車3のテーブルの左右前後を支持するようにしてあ
る。
【0018】そして上記の如く台車3のテーブルを支持
することにより、駆動車輪20,20と、補助車輪2
1,21がガイド軌道1,1のガイド溝面に常時接触し
た状態でバランスが保たれ、ガイド軌道1,1に多少の
高低差があっても台車3の走行の安定性とスムーズな走
行が得られるようにしてある。
【0019】なお、前記補助車輪の取付け部材30,3
0の上端部に、弾力をもたせて伸縮するようにしたダン
パー31,31を介在させて台車3のテーブルを支持す
る場合、ダンパー31,31の両端部(シリンダー31
Aの端部とピストンロッド31Bの端部)を、回動自在
に軸支せず、直接補助車輪の取付け部材30,30の上
端部と台車3のテーブル下面に取付け固定するようにす
ると良いが、補助車輪21,21を安定して保持するに
は、前記駆動車輪と補助車輪の取付け部材とを連結部材
35,35で連結するのが望ましい。
【0020】以上の構成された台車3のテーブルには、
図2に示すように略コ字状に切抜いた嵌込み部37と、
該嵌込み部に受板37a,37aと、ガイド穴37b,
…及び横方向のガイド穴37cを設けてあり、ハウス内
農作物栽培における農作業を自動的に行えるようにした
アタッチメントを前記嵌込み部37に嵌込んで受板37
a,37aで受け、ガイド穴37b,…及び横方向のガ
イド穴37cに着脱自在に嵌込んで取付け装着できるよ
うにしてある。
【0021】前記アタッチメントは、発動機で回転ブレ
ードを回し、土を耕やす耕耘機能を備えたアタッチメン
ト、走行に応じて種子袋から種子を落下させ、種子を播
く播種機能を備えたアタッチメント、肥料を溜めるホッ
パーを設け、肥料を散布する肥料散布機能を備えたアタ
ッチメント、水を溜めるタンクを設け、液体を散布する
散布機能を備えたアタッチメント、その他各種収穫機能
を備えたアタッチメントなど、ハウス内農作物栽培にお
ける各種の農作業を対象とし、自動的に行なえるように
したアタッチメントで、該アタッチメントを台車3に着
脱自在に取付け装着することにより、ハウス内農作物栽
培における農作業の自動化を図る。
【0022】次に、上記の如くしてなる本発明の作動、
作用について説明すると、図1に示すハウス4内の格納
庫4Bにおいて、台車3に所要のアタッチメントを取付
け装着した後、図2及び図3に示すモーター22を回転
駆動させる。モーター22の回転は減速機23で減速さ
れて減速機23の両側出力軸よりクラッチ24,24を
介してシャフト25,25に伝達され、シャフト25,
25に取付け固定されたチェーンスプロケット26,2
6よりチェーン27,27によりチェーンスプロケット
28,28を回転させることにより駆動車輪20,20
が回転し、台車3はガイド軌道1,1上を、ガイドされ
て走行する。
【0023】前記クラッチ24,24は電気的に回転駆
動の遮断と接続が行なえるようにしたもので、例えば電
磁クラッチを使用することにより、遮断すると同時にブ
レーキが作動し、瞬時に台車3を停止させると同時にロ
ックした状態を保つことができる。クラッチ24,24
は外部信号により制御ボックス29を介してそれぞれ制
御されるようにしてあるが、作動確認や緊急停止等の手
動スイッチ(図示せず)でも制御されるようにしてあ
る。
【0024】そして、クラッチ24,24を接続する
と、図1に示す格納庫4B内の横列のガイド軌道1上を
矢印イの方向に台車3は走行し、方向転換装置2のター
ンテーブル2Aのガイド溝7a(図5)に前記台車3の
片側の駆動車輪20及び該駆動車輪の前後に配設された
補助車輪21,21が入った状態、すなわち図7に示す
ような状態で、ターンテーブル2Aの溝部材7の前端部
に取付けられた検出スイッチ17と、台車3のテーブル
下方の側端に取付けられた検出スイッチ17aとが符合
した位置で検出され、制御ボックス29を介して前記ガ
イド溝7a内に入った駆動車輪20を停止させるための
クラッチ24が制御され、伝達駆動が遮断された状態と
なる。
【0025】クラッチ24が制御されてターンテーブル
2Aのガイド溝7a内で、台車3の左右両側の片側駆動
車輪20が停止し、ロックされた状態で、別側の駆動車
輪20を、クラッチ24を遮断しないで回転駆動を続行
させることにより、前記別側の駆動車輪20は円形状テ
ーブル2B上を走行し、ターンテーブル2Aは、図5及
び図6に示す支持軸9の下方端に設けたゼンマイ12を
巻くように回転して矢印ロに示す90度方向転換した時
点で、前記ターンテーブル2Aのガイド溝7aが、ハウ
ス内農作物栽培域4Aに敷設してターンテーブルに隣接
した縦列のガイド軌道1のガイド溝1aと一致する。
【0026】前記ターンテーブル2Aのガイド溝7a
が、ハウス内農作物栽培域4Aに敷設してターンテーブ
ルに隣接した縦列のガイド軌道1のガイド溝1aと一致
した時点で、検出スイッチ(図示せず)で検出し、前記
ターンテーブルのガイド溝7a内に入った駆動車輪20
を、クラッチの接続により回転駆動させると、台車3は
ハウス内の格納庫4Bよりハウス内農作物栽培域4A内
にゲートインして矢印ハの方向に走行する。そして台車
3の後端部の補助車輪21が、ターンテーブル2Aのガ
イド溝7aより離脱した時点で、ゼンマイの復元力によ
りリターンし、ターンテーブル2Aのガイド溝7aが、
格納庫4B内に敷設されたガイド軌道1のガイド溝と一
致するような状態に復元する。
【0027】矢印ハの方向に走行した台車3は、ハウス
内農作物栽培域4A内に縦列に多数敷設されたガイド軌
道1,…と該ガイド軌道の端部に設置された180度方
向転換装置2,…とにより矢印ニ,ホ,…リ,ヌのよう
に往復走行と180度の方向転換を繰返すことにより、
ハウス内農作物栽培域4Aの全面積に亘って走行し、ハ
ウス内農作物栽培域4Aよりゲートアウトして、矢印ル
の90度方向転換装置2により方向転換して、格納庫4
Bに戻る。
【0028】前記90度方向転換装置と180度方向転
換装置は、ゼンマイの復元力により復元するガイド溝付
きのターンテーブル2Aと、固定された平坦な円弧状テ
ーブル2Bからなる同じ構成であり、ターンテーブル2
Aは台車3を方向転換させようとする内側のガイド軌道
1の端部に設置され、円弧状テーブル2Bは外側のガイ
ド軌道1の端部に設置されて、内側と外側の二列のガイ
ド軌道に跨いで走行ガイドされる台車3の車輪(駆動車
輪20、補助車輪21)の片側(内側)をターンテーブ
ル2Aのガイド溝内で止め、別側(外側)を円弧状テー
ブル2B上で回転駆動させることにより左右両方向に方
向転換させる。
【0029】そして、90度方向転換装置は、直行する
ガイド軌道とガイド軌道の端部に設置し、180度方向
転換装置は、平行するガイド軌道とガイド軌道の端部に
設置して、所望の方向転換を得る。なお、台車3の駆動
車輪20,20をディファレンシャルギア(差動歯車)
を介在させて駆動回転させるようにすれば、前記ターン
テーブル2Aと円弧状テーブルを用いた方向転換装置
2,…を使用しないで所望の方向転換を得ることは可能
である。
【0030】
【実施例】以上のように構成してなる本発明により、ハ
ウス内農作物栽培における農作業の自動化を図る実施例
について記述する。
【0031】実施例1:図8は、図2に示す台車3の嵌
込み部37に、土を耕すように構成されたアタッチメン
ト38を取付け装着して、ハウス内農作物栽培における
耕耘作業の自動化を図るための一実施例を側断面図で示
したものである。
【0032】前記アタッチメント38は、台車3の嵌込
み部37の下面に設けた受板37aに載せた状態で台車
のテーブル面とほぼ面一になるようにテーブルを設けた
フレーム39を、図2に示す台車3の嵌込み部37に嵌
込むと共に、該嵌込み部のガイド穴37b,…と、横方
向のガイド穴37cに、フレーム39に設けたガイドピ
ン39a,…と、横方向からのガイドピン39bを嵌入
させて取付け固定するようにしてあり、横方向からのガ
イドピン39bをレバー40の作動により出入自在にし
てアタッチメント38を台車3の嵌込み部37に着脱自
在に装着するようにしてある。
【0033】前記フレーム39のテーブル上には、発動
機41と変速機42が載置されて装着してあり、発動機
41より変速機42を介して、下方部に取付け装着され
た回転ブレード43を回転駆動させ、該回転ブレードの
回転により土を耕すようにしてある。
【0034】前記回転ブレード43は、基部を枢軸して
回動できるように吊設されたアーム44の下端部に両端
部が軸支されて装着してあり、発動機41の回転駆動を
例えばチェーン45により変速機42の入力軸に取付け
固定されたチェーンスプロケット46に伝達し、その出
力軸に取付け固定されたチェーンスプロケット47より
チェーン48により、アーム44が枢軸された軸と同芯
の軸に取付け固定されたチェーンスプロケット49に伝
達して、該チェーンスプロケット49よりチェーン50
により回転ブレード43を設けた軸に取付け固定された
チェーンスプロケット51に伝達して、回転ブレード4
3を回転させるようにすると共に、手動ポンプ52によ
り作動させるようにしたシリンダー53により前記アー
ム44を押付けて回転ブレード43を土の中に食い込ま
せたり、アーム44を引いて回転ブレード43を土面よ
り上げた状態で台車3が走行できるようにしてある。
【0035】又、変速機42は、変速レバー42aによ
り、回転ブレード43の変速、正転、逆転、中立等の切
替えができるようにしてあり、下部を除く回転ブレード
43の外周は、土を耕やす時の土の飛散を防止するため
カバー43Aで被覆されている。
【0036】実施例2:図9は、図2に示す台車3の嵌
込み部37に、液体を散布するように構成されたアタッ
チメント38Aを取付け装着して、ハウス内農作物への
水や液肥の散布、及び病害虫駆除用の農薬剤散布の自動
化を図るための一実施例を側断面図で示したものであ
る。
【0037】前記アタッチメント38Aは、台車3の嵌
込み部37の下面に設けた受板37aに載せた状態で台
車3のテーブル面とほぼ面一になるようにテーブルを設
けたフレーム39を、図2に示す台車3の嵌込み部37
に嵌込むと共に、該嵌込み部のガイド穴37b,…と、
横方向のガイド穴37cに、フレーム39に設けたガイ
ドピン39a,…と、横方向からのガイドピン39bを
嵌入させて取付け固定するようにしてあり、横方向から
のガイドピン39bをレバー40の作動により出入自在
にしてアタッチメント38を台車3の嵌込み部37に着
脱自在に装着するようにしてある。
【0038】前記フレーム39のテーブル上には、発動
機41とタンク54が載置されて装着してあり、フレー
ム39のテーブル下方には液体ポンプ55を取付け装着
して、該液体ポンプ55の配管入口にタンク54から所
要の液体を供給するようにすると共に、液体ポンプ55
の回転軸を前記発動機41により回転駆動させるように
して、タンク内の液体を、液体ポンプ55を介してノズ
ルを下方に向けて並設したノズル付きパイプ56へホー
ス57により導いて、ノズル口より噴霧状にして散布す
るようにしてある。
【0039】前記ノズルを下方に向けて並設したノズル
付きパイプ56は、該ノズル付きパイプ56の両端部を
支持した支持アーム58を上下動させて適度な高さ位置
で固定できるようにすると共に、ホース57は前記支持
アーム58の上下動に伴い、伸縮可能にしてあり、液体
ポンプ55の吐出口には調整バルブ59を設けて、噴出
量及び噴出圧の調整ができるようにしてある。
【0040】上記実施例のように、台車3の嵌込み部3
7に、アタッチメント38,38Aを着脱自在に装着し
て起動させ、前述した如くハウス4内に敷設したガイド
軌道1,…及び方向転換装置2,…上でガイド走行させ
ることにより、ハウス内農作物栽培における各種農作業
が自動化され、省力化が図られる。アタッチメントの起
動は、ハウス内の農作物栽培域4Aにゲートインする時
に起動させ、ハウス内の農作物栽培域4Aよりゲートア
ウトする時に停止させるようにするのが好ましい。な
お、上記実施例におけるアタッチメント38,38Aは
一実施例であって限定されるべきものではなく、必要と
される機器のレイアウトや構成等は、台車3に装着した
状態のバランス等を考慮して設計されるべきものであ
る。
【0041】又、台車3の嵌込み部37には、アタッチ
メントを装着しない時は図10に示すようなテーブル6
0を嵌込み、該テーブルに設けたガイドピン60a,…
を図3に示す台車3の嵌込み部のガイド穴37b,…に
嵌入すると共に、横方向からのガイドピン60bをレバ
ー60Aにより台車3の嵌込み部の横方向のガイド穴3
7cに出入自在に嵌入するようにして着脱自在に装着す
るようにしたり、更には、台車3のテーブルの上面四隅
に設けたガイド穴3a,…(図2)に、図11に示すよ
うなテーブル61の脚下端部61a,…を嵌入し、テー
ブル上面に制御ボックス29が突出るように例えば図8
の2点鎖線で図示するような状態にテーブル61を立て
て、物品等を載せる運搬台に供することもできる。テー
ブル面の逃し穴61bは、制御ボックス29を支持して
いる支柱の逃しである。
【0042】
【発明の効果】以上記述したことから、本発明によれ
ば、ハウス内農作物栽培用地に、等間隔に多数列に並べ
て敷設したガイド軌道及び方向転換装置上でガイドされ
て自動的に走行させるようにした台車に、ハウス内農作
物栽培における各種農作業を自動的に行えるようにした
アタッチメントを着脱自在に取替えて行えるようにした
から、ハウス内で効率良く農作業を行うことができ、ハ
ウス内農作物栽培における生産性の向上を図るのに効果
を奏する。
【0043】又、アタッチメントを取替え装着し、起動
してハウス内を走行させるだけで、ハウス内の各種農作
業が自動的に行えるよう機械化したから、身体的負担が
軽減されると共に、農作業に人手が要らず人件費たる経
費を大幅に圧縮でき、価格的に競争し得る農作物を得る
のに効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体の構成を示す平面図である。
【図2】ガイド軌道上にガイドされて走行する台車の斜
視図である。
【図3】図2の駆動車輪と補助車輪の構成を示す要部側
断面図である。
【図4】ガイド軌道の他の実施態様を示す要部断面斜視
図である。
【図5】方向転換装置の断面図である。
【図6】図5の方向転換装置の平面図である。
【図7】方向転換装置のガイド溝内に台車の片側車輪を
載せて止めた状態を示す側面図である。
【図8】台車に、土を耕やす機能を有するアタッチメン
トを装着した実施例を示す側断面図である。
【図9】台車に、液体を散布する機能を有するアタッチ
メントを装着した実施例を示す側断面図である。
【図10】アタッチメントを装着しない時に、台車に装
着するテーブルの斜視図である。
【図11】台車のテーブル上に着脱自在に立設するテー
ブルの斜視図である。
【符号の説明】
1 ガイド軌道 1A,1B,16 コンクリートブロック 1a,7a ガイド溝 1b 凹部 1c 凸部 2 方向転換装置 2A ターンテーブル 2B 円弧状テーブル 3 台車 4 ハウス 4A 農作物栽培域 4B 格納庫 5 畝 6 円形テーブル 7 溝部材 8 補強板 9 支持軸 9a 蓋板 10 軸受 11 本体ベース 12 ゼンマイ 13 支持台 14 ローラー 15 嵌込み座 17,17a 検出スイッチ 18 ストッパープレート 19 ストッパー 20 駆動車輪 21 補助車輪 22 モーター 23 減速機 24 クラッチ 25 シャフト 26,28,46,47,49,51 チェーンスプロ
ケット 27,45,48,50 チェーン 29 制御ボックス 30,34 取付け部材 31 ダンパー 31A シリンダー 31B ピストンロッド 32 コイルバネ 33,36 ピン 35 連結部材 37 嵌込み部 37a 受板 3a,37b,37c ガイド穴 38,38A アタッチメント 39 フレーム 39a,39b,60a,60b ガイドピン 40,60A レバー 41 発動機 42 変速機 42a 変速レバー 43 回転ブレード 43A カバー 44 アーム 52 手動ポンプ 53 シリンダー 54 タンク 55 液体ポンプ 56 ノズル付きパイプ 57 ホース 58 支持アーム 59 バルブ 60,61 テーブル 61a 脚下端部 61b 逃し穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01G 25/09 A01G 25/09 C A01M 7/00 A01M 7/00 E Fターム(参考) 2B029 GA06 GA07 2B033 AA09 AB01 AB11 AB18 BA01 BB02 ED04 ED15 2B041 AA15 AB06 AC03 AC05 AC08 BA02 BA06 BA08 CA02 CA19 CB06 2B052 BA03 BB06 BC01 BC07 DA03 DA07 DB02 EA09 2B121 CB02 CB25 CB33 CB34 CB35 CB66 EA12 FA04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウス内農作物栽培域に、等間隔に多数
    列に並べて敷設したガイド軌道と、該ガイド軌道の端部
    に設置された方向転換装置と、前記ガイド軌道及び方向
    転換装置上でガイドされて自動的に走行させるようにし
    た台車とにより構成され、前記台車に、ハウス内農作物
    栽培における農作業を自動的に行えるようにしたアタッ
    チメントを着脱自在に取替え装着するようにしたことを
    特徴とするハウス内農作物栽培における農作業の自動化
    装置。
  2. 【請求項2】 等間隔に多数列に並べて敷設したガイド
    軌道が、上面に台車の車輪をガイドするガイド溝を設け
    たコンクリートブロックを長手方向に凹凸嵌合させて継
    ぎ合わせたものであることを特徴とする請求項1記載の
    ハウス内農作物栽培における農作業の自動化装置。
  3. 【請求項3】 等間隔に多数列に並べて敷設したガイド
    軌道が、台車の車輪をガイドするガイド溝を有する溝形
    鋼の溝部を上側に向けて長手方向に継ぎ合わせ、コンク
    リートブロックで要所を支持したものであることを特徴
    とする請求項1記載のハウス内農作物栽培における農作
    業の自動化装置。
  4. 【請求項4】 ガイド軌道の端部に設置された方向転換
    装置が、ゼンマイの復元力により復元するガイド溝付き
    のターンテーブルと、固定された平坦な円弧状テーブル
    とで構成され、前記ターンテーブルを台車の方向転換す
    る内側のガイド軌道の端部に設置し、円弧状テーブルを
    台車の方向転換する外側のガイド軌道の端部に設置し
    て、内側と外側の二つのガイド軌道に跨いでガイドされ
    る台車の車輪の片側をターンテーブルのガイド溝内で止
    め、別側を円弧状テーブル上で回転駆動させることによ
    り方向転換させるようにしたものであることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のハウス
    内農作物栽培における農作業の自動化装置。
  5. 【請求項5】 ガイド軌道及びガイド軌道の端部に設置
    された方向転換装置上でガイドされて自動的に走行する
    台車が、左右両側に駆動車輪を設け、該駆動車輪の前後
    にそれぞれ補助車輪を配設して、前記駆動車輪をクラッ
    チを介在させて回転駆動させるようにしたものであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載のハウス内農作物栽培における農作業の自動化装
    置。
  6. 【請求項6】 駆動車輪の前後にそれぞれ配設された補
    助車輪が、補助車輪の取付部材の上端部に、弾力をもた
    せて伸縮するようにしたダンパーで台車のテーブルの左
    右前後を支持するようにしたものであることを特徴とす
    る請求項5記載のハウス内農作物栽培における農作業の
    自動化装置。
  7. 【請求項7】 駆動車輪の前後にそれぞれ配設された補
    助車輪が、補助車輪の取付け部材の上端部に、弾力をも
    たせて伸縮するようにしたダンパーの両端部を回動自在
    に軸支し、前記補助車輪の取付け部材と駆動車輪の取付
    け部材とを連結部材で回動できるように連結して支持す
    るようにしたものであることを特徴とする請求項5又は
    請求項6記載のハウス内農作物栽培における農作業の自
    動化装置。
  8. 【請求項8】 ガイド軌道及び方向転換装置上でガイド
    されて自動的に走行するようにした台車のテーブルに、
    略コ字状に切抜いた嵌込み部と、該嵌込み部にガイド穴
    を設け、ハウス内農作物栽培における農作業を自動的に
    行えるようにしたアタッチメントを着脱自在に装着する
    ようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のい
    ずれか1項に記載のハウス内農作物栽培における農作業
    の自動化装置。
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