JP2003138265A - 供給安定性に優れた粒状難燃剤 - Google Patents

供給安定性に優れた粒状難燃剤

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JP2003138265A
JP2003138265A JP2001332328A JP2001332328A JP2003138265A JP 2003138265 A JP2003138265 A JP 2003138265A JP 2001332328 A JP2001332328 A JP 2001332328A JP 2001332328 A JP2001332328 A JP 2001332328A JP 2003138265 A JP2003138265 A JP 2003138265A
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vibration
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tba
sieve
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JP2001332328A
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English (en)
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Tomonari Kohara
友成 古原
Haruhisa Hoshimi
晴久 星見
Hiroshi Tomita
博史 冨田
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り扱い時の安定性に優れ、流動性、形状安
定性、保存安定性、特にスクリューによる供給安定性が
良好な粒状難燃剤を提供する。 【解決手段】 平均粒径0.9〜6mmの粒状難燃剤で
あって、(1)振動回数が3600回/分、振幅が0.
5mm、振動時間が2分間で、該振動時間の内訳が10
秒間振動運転し、2秒間停止するパターンを繰り返す振
動条件による篩い分けにより、0.85mm目開きの篩
を通過する粉体の量が25重量%以下であり、(2)
(1)の方法により0.85mm目開きの篩により微粉
を取り除かれた粒状難燃剤を0.25mm目開きの篩を
使用し、振動数3200回/分、振幅4mm、振動時間
900秒間の振動テストに供した時に、この0.25m
m目開きの篩を通過する微粉体の重量割合が0.1重量
%〜15重量%の範囲である供給安定性に優れた粒状難
燃剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業環境において
低発塵性であるため取り扱い性に優れ、形状安定性、流
動性および長期保存安定性に優れ、特定の硬度を有する
ためスクリュー等で供給される場合の供給安定性に優れ
た粒状難燃剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家電分野、OA機器分野、電気・
電子分野等の各種分野において、樹脂製品が多量に使用
され、それとともにこれら樹脂の難燃化の要求は、ます
ます増大しつつある。一方、難燃性に関する規格もます
ます厳しいものとなり、米国UL社(UNDERWRI
TERS Laboratories.Inc.)の規
格はその代表的なものである。
【0003】一般に、このUL規格に代表されるような
安全性を確保するため、易燃性樹脂に対して難燃剤を配
合する手段が取られる。現在、使用されている難燃剤に
は極めて多くの種類の物質があり、テトラブロモビスフ
ェノールAに代表されるようなハロゲン系難燃剤、燐系
難燃剤、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物や酸化物な
どの無機系難燃剤などをあげる事が出来る。
【0004】しかしながら、これら多くの難燃剤は粉末
状であり、保管中並びに輸送中に気温上昇と自重によっ
て塊化する現象であるブロッキングを起こしたり、流動
性が悪く、凝集し易いためにホッパー内でブリッジを起
こして工程の流れに支障をきたしたり、梱包作業時並び
に混錬作業時に粉末が飛散するなどの取り扱い性に問題
があった。また時には、輸送、混錬部への供給時の配管
部、スクリューで付着、固着を起こし、輸送量、供給量
のバラツキを引き起こす原因や、輸送機器、供給機器へ
のモーター部への過負荷による工程停止、スクリューの
欠損を引き起こす原因になっており、供給安定性に問題
があった。これらの問題を解決するべく、粉体の性質を
改良するための種々の製造手段が提案されている。
【0005】例えば、特開平8−92562号公報に
は、形状安定性、ポリマーへの分散性の改善を目的とし
て、難燃剤の粉体を造粒して粒状難燃剤を得ることが示
されており、具体的には可塑剤としてパラフィンオイル
を用いて粉状難燃剤を乾式造粒して粒状難燃剤を得てい
る。しかしながら、かかる粒状化方法では、別に粉状難
燃剤とパラフィンオイルを混合する操作が必要となり、
また得られた粒状難燃剤は、難燃剤として使用する際に
パラフィンオイルが樹脂の難燃性の低下、成形時のヤ
ケ、物性の低下などを引き起こすことがあるなどの不利
な点がある。
【0006】また、特開昭59−138241号公報に
は、作業環境改善、計量誤差や樹脂ペレットとの分級防
止のため難燃剤と、バインダーとして熱可塑性樹脂を有
機溶剤に溶解した溶液とを一定の割合で練合して造粒
し、乾燥することを特徴とする粒状難燃剤の製造法が提
供されている。この粒状難燃剤は、難燃剤の他にもバイ
ンダーとして熱可塑性樹脂を必要とし、その製造過程に
おける作業も煩雑であり、工業的に不利な方法である。
【0007】また、特開昭62−149738号公報に
は、難燃剤の微粉が提起する易燃性熱可塑性樹脂内への
分散の不均一性について、ハロゲン化炭化水素難燃剤、
或いは該難燃剤と無機質難燃剤化合物との混合物をロー
ル圧縮機で圧粉体化し、次いで篩造粒機で造粒された約
2mmと約4mmの間の粒の大きさの分布をもつ粒状難
燃剤が提案されている。この造粒物は比較的に大きな粒
であることから、流動性という点である程度の改善効果
を期待できる。しかしながら、具体例では、造粒した段
階で所望の大きさの分布である2〜4mmの粒が25%
〜57%であり、所望される大きさの分布の粒と、より
小さい大きさの分布を持つ粒とを分離しており、歩留ま
りという点で不利である。また、分離の際に製品中に混
入する微粉、及び移送中に発生することによって製品中
に含まれる微粉について考慮されていない。
【0008】また、特開昭55−21439号公報に
は、難燃剤を樹脂中に均一に分散させる目的でハロゲン
化合物の単一化合物あるいはその配合物またはこれと三
酸化アンチモンのような無機難燃性物質との配合物、更
にこれに無機物の単一物あるいはその配合物を添加し、
更に必要に応じこれに着色剤を配合した粒状あるいはペ
レット状の樹脂用難燃剤が開示され、その製造方法とし
て具体的には、水または溶剤を添加した湿潤状態の混合
物を押出造粒機でペレット化する方法が示されている。
この公報では、難燃剤をペレット化することにより、樹
脂と混合する際の比重の差による分離および押出時の流
動性の差による分離を抑制することを目的としており、
難燃剤の破砕の程度に関する何等の記載もない。
【0009】また、難燃剤のみの粒状難燃剤を得る手法
としては、例えば、特開平8−113547号公報に、
耐熱性及び保存安定性が良好で粉体物性の改良効果が現
れた要因として平均粒子径に着目し、平均粒子径が1m
mよりも大きいことを特徴とする2,2−ビス[3,5
−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロピルオキシ)
フェニル]プロパン(以下、TBA−BEと略称するこ
とがある)の不定形顆粒状物及びTBA−BEの良溶媒
溶液と貧溶媒を特定の条件下で混合し晶析させる該不定
形顆粒状物の製法が開示されている。また、特開昭55
―111429号公報には、TBA−BEの芳香族ハロ
ゲン化炭化水素溶液から低級脂肪族アルコールによって
TBA−BEを沈降分離する方法によって、0.5〜1
mmの平均粒子直径および0.7〜1.0g/cm3
平均嵩密度を有する顆粒品を得られることが開示されて
いる。これらの公報では、いずれも難燃剤の形状に関す
る開示のみであり、また、TBA−BEの良溶媒溶液
を、メタノール中に添加する方法では、スケールアップ
などによる装置特性の変化、或いは撹拌状態、良溶媒と
貧溶媒の混合割合、原料の組成、混合時の温度などの、
添加中に起る微妙な変化により、目的の粒径或いは粒度
分布に制御し難いという問題がある。また、これらの公
報には、難燃剤の破砕の程度に関する何等の記載もな
い。
【0010】また、特開2001−39915号公報に
は、微粒子の凝集体であり、粒径が揃った円柱状のTB
A−BE粒体、及びかかる粒体の粒径や粒度制御が容易
に調整可能な方法で工業的に有用な製法が提供されてい
る。得られるTBA−BE粒体は、耐熱性、流動性及び
保存安定性(ブロッキング性)がある程度良好であるけ
れども、樹脂と溶融混練するとき、TBA−BE粒体を
スクリューフィーダー等で供給する際にシリンダー内で
付着及び固着が起こる場合があり、その改善が求められ
ている。また、この公報には難燃剤の破砕の程度に関す
る何等の記載もない。
【0011】また、特開昭50−109237号公報に
は、通常粉末状の難燃剤化合物を0.001〜1cm3
の大きさに湿式造粒法などにより造粒した難燃剤が示さ
れている。この公報では、上記造粒物は、熱可塑性樹脂
のような重合体のチップと同じ大きさの形状として、難
燃剤の造粒物と重合体とを均一混合することを目的とし
ており、難燃剤の破砕の程度に関する何等の記載もな
い。
【0012】また、特開平5−57726号公報におい
ては、粉末状の難燃剤を打錠式圧縮造粒機により成形
し、粒状物を得る方法が提案されている。この公報で
は、上記方法により目標の粒径で且つシャープな分布の
粒状物を得ることを目的としている。しかしながら、か
かる方法ではバリが発生し、歩留まりが十分でない問題
がある。また、難燃剤の破砕の程度に関する何等の記載
もない。
【0013】上記難燃剤の製法においては機器の仕様、
製法条件により得られる粒状難燃剤は一定の品質でない
事が多く、取り扱い時の安定性や流動性、形状安定性、
保存安定性、特にスクリューによる供給安定性に不十分
であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、取り
扱い時の安定性に優れ、流動性、形状安定性、保存安定
性、特にスクリューによる供給安定性が良好な粒状難燃
剤を提供することである。
【0015】本発明者は、かかる目的を達成すべく鋭意
研究した結果、粒状難燃剤中に含まれる微粉濃度および
特定の振動条件で発生する微粉濃度を制御した粒状難燃
剤が、作業環境において低発塵性であるため取り扱い性
に優れ、流動性、形状安定性及び保存安定性が良好であ
り、特に供給機等の配管部やスクリュー部での付着、固
着が少なく、供給安定性に優れていることを見出し、本
発明に到達するに至った。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、平均粒径0.9〜6mmの粒状難燃剤であって、
(1)振動回数が3600回/分、振幅が0.5mm、
振動時間が2分間で、該振動時間の内訳が10秒間振動
運転し、2秒間停止するパターンを繰り返す振動条件に
よる篩い分けにより、0.85mm目開きの篩を通過す
る粉体の量が25重量%以下であり、(2)(1)の方
法により0.85mm目開きの篩により微粉を取り除か
れた粒状難燃剤を0.25mm目開きの篩を使用し、振
動数3200回/分、振幅4mm、振動時間900秒間
の振動テストに供した時に、この0.25mm目開きの
篩を通過する微粉体の重量割合が0.1重量%〜15重
量%の範囲である供給安定性に優れた粒状難燃剤が提供
される。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明の粒状難燃剤は、その平均粒径が
0.9mm〜6mmの範囲であり、1.0mm〜4mm
の範囲が好ましく、1.0mm〜3mmの範囲がより好
ましく、1.0mm〜2.5mmの範囲がさらに好まし
い。平均粒径が0.9mmより小さくなると粒状難燃剤
が飛散し易くなり好ましくなく、6mmを超えると粒状
難燃剤が樹脂と混合する際に樹脂中への分散状態が不均
一になり、これを防止するために粒状難燃剤を解砕機な
どにより破砕する必要が生じ好ましくない。
【0019】本発明で言う平均粒径とは、粒状難燃剤を
篩を用いて分級後、重量を基準として得られた粒径分布
データから求めた重量平均粒径である。篩の種類につい
ては、一般的に使用される標準篩を使用し、目開きのサ
イズとしては、7.0mm、6.0mm、5.6mm、
4.0mm、2.8mm、1.7mm、1.0mm、
0.85mm、0.6mm、0.35mm、0.25m
m、0.15mm、0.075mmの群から、約8種類
を粒径に併せて選択し、使用することが採用される。ま
た、分級中の振動条件については、振動回数が3600
回/分、振幅が0.5mm、振動時間が2分間で、該振
動時間の内訳が10秒間振動運転し、2秒間停止するパ
ターンの繰り返しである方法が採用される。
【0020】前記粒度分布データは、分級作業後に各種
篩上の粒体重量を量り、分級に使用した全粒体重量に対
する各篩上の各粒体重量の割合に換算し、ある篩の目開
きをDmm、分級に使用した粒体全量に対する該篩を通
過した粒体重量の割合をW%として扱った頻度分布デー
タである。平均粒径は、この粒度分布データについて、
x軸に粒径の代替値であるDmmを採り、且つ該x軸を
対数目盛りとし、また、y軸に累計通過率とも呼ばれ
る、Dの中で最も小さな値であるD1mmに対応したW
1%から、使用した篩の目開きであるDnmmに対応し
たWn%迄のW%の和を求めた値(累計通過率)を採る
ことによって作成した片対数グラフにおいてWが50%
である時のDの値である。
【0021】本発明の粒状難燃剤は、(1)振動回数が
3600回/分、振幅が0.5mm、振動時間が2分間
で、該振動時間の内訳が10秒間振動運転し、2秒間停
止するパターンを繰り返す振動条件による篩い分けによ
り、0.85mm目開きの篩を通過する粉体の量が、篩
い分けに使用した粒状難燃剤全量を100重量%とした
ときに、25重量%以下であり、好ましくは15重量%
以下であり、より好ましくは10重量%以下であり、さ
らに好ましくは6重量%以下である。
【0022】様々な製法により得られる粒状難燃剤はあ
る程度の細かい粒子を含むが、粒状難燃剤中の0.85
mm目開きの篩を通過する粉体量が25重量%を超える
と粒状難燃剤の保管中にブロッキングを起こし易く、ま
た、ホッパー投入時等に微粉が多く発塵することにより
作業環境が非常に悪くなり、また、供給機の配管部やス
クリューで付着、固着し易くなり好ましくない。
【0023】本発明の粒状難燃剤は、前記(1)の方法
により0.85mm目開きの篩により微粉を取り除かれ
た粒状難燃剤を、0.25mm目開きの篩を使用し、振
動数3200回/分、振幅4mm、振動時間900秒間
の振動テストに供した時に、この0.25mm目開きの
篩を通過する微粉体の重量割合が、振動テストに使用し
た粒状難燃剤全量を100重量%としたときに、0.1
重量%〜15重量%の範囲であり、好ましくは0.3重
量%〜12重量%の範囲であり、より好ましくは0.5
重量%〜10重量%の範囲であり、さらに好ましくは
0.5重量%〜7重量%の範囲である。
【0024】上記振動テスト条件により発生する0.2
5mm未満の微粉体の重量割合が15重量%を超える
と、粒状難燃剤が壊れやすいために輸送中に粒状難燃剤
が粉砕され易く、微粉が多くなり、使用時の発塵性、輸
送中のブロッキング現象が起こり易くなる。また、長期
保存性においても自重により粒状難燃剤が破砕され、微
粉量が増えるために保存安定性が悪く、ブロッキング現
象が起り易くなり、使用段階での発塵性も問題となり好
ましくない。また、プリブレンド方式で樹脂ペレットと
混合する際に粒状難燃剤が破砕され易く、ホッパー内で
分級や付着が起き樹脂組成物としての難燃性にバラツキ
が発生したり、あるいは単独フィードの場合も供給機に
おいて破砕により発生する微粉が配管部やスクリュー部
で付着や固着を起こし易く、定量性にバラツキが発生し
たり、モーターの過負荷を引き起こし、モーターが停止
して生産性に支障をきたすなどの問題があり好ましくな
い。
【0025】逆に、上記振動テスト条件により発生する
0.25mm未満の微粉体の重量割合が0.1重量%未
満であると粒状難燃剤が硬すぎるため、フィーダー等で
の噛み込み不良や樹脂への分散性の悪化が問題となるこ
とがあり好ましくない。
【0026】また、本発明の粒状難燃剤は、前記(1)
の方法により0.85mm目開きの篩により微粉を取り
除かれた粒状難燃剤を、0.15mm目開きの篩を使用
し、振動数3200回/分、振幅4mm、振動時間90
0秒間の振動テストに供した時に、この0.15mm目
開きの篩を通過する微粉体の重量割合が、振動テストに
使用した粒状難燃剤全量を100重量%としたときに、
0.1重量%〜12重量%の範囲であり、好ましくは
0.2重量%〜10重量%の範囲であり、より好ましく
は0.3重量%〜7重量%の範囲である。微粉体の重量
割合が上記範囲内であると、輸送中に粒状難燃剤が粉砕
され難く、使用時の発塵性、輸送中のブロッキング現象
が起こり難くなる。また、プリブレンド方式で樹脂ペレ
ットと混合する際に粒状難燃剤が破砕され難く、ホッパ
ー内で分級や付着がなく樹脂組成物としての難燃性にバ
ラツキが生じず、単独フィードの場合も供給機において
配管部やスクリュー部で付着や固着を起こし難く、定量
性にバラツキが生じず、モーターの過負荷や停止などの
問題がなく好ましい。また、フィーダー等での噛み込み
性も良好で、樹脂への分散性に優れ好ましい。
【0027】さらに、本発明の粒状難燃剤は、前記
(1)の方法により0.85mm目開きの篩により微粉
を取り除かれた粒状難燃剤を、0.075mm目開きの
篩を使用し、振動数3200回/分、振幅4mm、振動
時間900秒間の振動テストに供した時に、この0.0
75mm目開きの篩を通過する微粉体の重量割合が、振
動テストに使用した粒状難燃剤全量を100重量%とし
たときに、0.1重量%〜10重量%の範囲であり、好
ましくは0.2重量%〜7重量%の範囲であり、より好
ましくは0.3重量%〜5重量%の範囲である。微粉体
の重量割合が上記範囲内であると、輸送中に粒状難燃剤
が粉砕され難く、使用時の発塵性、輸送中のブロッキン
グ現象が起こり難くなる。また、プリブレンド方式で樹
脂ペレットと混合する際に粒状難燃剤が破砕され難く、
ホッパー内で分級や付着がなく樹脂組成物としての難燃
性にバラツキが生じず、単独フィードの場合も供給機に
おいて配管部やスクリュー部で付着や固着を起こし難
く、定量性にバラツキが生じず、モーターの過負荷や停
止などの問題がなく好ましい。また、フィーダー等での
噛み込み性も良好で、樹脂への分散性に優れ好ましい。
【0028】本発明の粒状難燃剤は、造粒機で造粒する
方法が好ましく採用される。使用する造粒機としては、
押出造粒機が好ましく、なかでも湿式押出造粒機が好ま
しい。例えば、粒径を変更しようとした場合、打錠式圧
縮造粒機は機構がより複雑であるために変更作業が容易
とは言えない。また、ロールプレス式造粒機はロールの
仕様を変更すれば容易に粒径変更が可能であるが、造粒
物にバリが付着することで後工程に粗砕機、整粒機或い
は分級機などの装置を必要とすることとなる。押出造粒
機は、スクリーンを取り替えてスクリーンの孔径を変更
することで容易に造粒物の粒径を変更でき、後工程が無
くても本発明の造粒物を容易に製造できるという点で採
用される。
【0029】一般的に難燃剤の良溶媒溶液と貧溶媒を特
定の条件下で混合し、粒状の難燃剤を晶析させる方法
や、難燃剤の溶液を温度と溶解度の関係を利用して再結
晶により粒状の難燃剤を得る方法は、スケールアップな
どによる装置特性の変化、攪拌状態、良溶媒と貧溶媒の
混合割合、原料の組成、混合時の温度等の晶析条件にお
ける微妙な変化により、結晶形及び粒子径が極めて変わ
り易く、目的の結晶形或いは目的の粒径に制御し難く、
また設備の仕様を含めた特定の条件下では狭い範囲でし
か結晶形或いは粒径の制御ができないことがある。
【0030】湿式押出造粒機の場合は、後工程に乾燥工
程を必要とするが造粒時の機械への負荷が小さく、発生
する微粉量も少なく、また粒径も比較的に揃っている利
点がある。
【0031】前記押出造粒機の機構は、湿潤微粒子をス
クリーンに押し込んで造粒する機構であれば良く、例え
ば、スクリューにて押し込むタイプ(スクリュー型)、
ロールにて押し込むタイプ(ロール型)、へら状の回転
体で押し込むタイプ(ブレード型)、また二つのギヤタ
イプのロール間で湿潤微粒子に圧力をかける際に一方な
いしは両方のギヤの凹部へ穴を設けてあり、該ロールが
スクリーンの役割をも果たすもの(自己成形型)などが
挙げられ、中でもスクリュー型、ロール型が特に好まし
い。
【0032】湿式押出造粒機の場合、本発明の粒状難燃
剤を得るためは、スクリーンの孔径は0.5mm〜2.
0mmが好ましく、0.8mm〜1.5mmがより好ま
しく、スクリーンの厚みは0.5mm〜3.0mmが好
ましく、1.0mm〜2.5mmがより好ましい。
【0033】スクリーンの孔径が0.5mm未満である
と押出時の造粒機へ負荷が大きくなり、造粒物の生産性
が劣り、発熱することにより造粒物が脆くなり輸送中や
保管中に破砕される程度が大きくなる。また、スクリー
ンの孔径が2.0mmより大きくなると押出時の抵抗が
弱く、造粒物が脆くなり輸送中や保管中に破砕される程
度が大きくなる。
【0034】スクリーンの厚みが0.5mm未満である
と、押出時の抵抗が弱く、造粒物が脆くなり輸送中や保
管中に破砕される程度が大きくなり、更にスクリーンに
かかる抵抗により、容易にスクリーンが変形する原因に
なる。また、スクリーンの厚みが3.0mmより大きく
なると押し出し時の造粒機へ負荷が大きくなり、造粒物
の生産性が劣り、発熱することにより造粒物が脆くなり
輸送中や保管中に破砕される程度が大きくなる。
【0035】更に湿式押出造粒機の場合は、製品中の微
粉量を低減するために、乾燥機の出口側に篩機等を設置
することが好ましい。
【0036】本発明の粒状難燃剤は、常温で固体であ
り、ハロゲン系難燃剤、燐系難燃剤、金属水酸化物や酸
化物などの無機系難燃剤、シリコーン系難燃剤などが挙
げられ、更にこれらの難燃剤の同類、あるいは異なる種
類の難燃剤を混合し、粒状にしたものでも構わない。特
にハロゲン系難燃剤が好ましい。
【0037】また、これらの難燃剤の使用樹脂に制限や
樹脂劣化を与えない限りは表面被覆等の加工処理をした
ものでも構わない。
【0038】但し、本発明の粒状難燃剤においては、実
質的に難燃剤以外の成分は含まないものが好ましい。例
えば、樹脂やバインダーを積極的に添加し粒状にしたも
のや、難燃剤以外の無機物を添加したものは好ましくな
い。樹脂やバインダーの添加は、作業が煩雑のため生産
性に劣り、使用樹脂に制限を与えるため好ましくない。
また、無機物の添加は粒径が細かいために発塵性が大き
く好ましくない。
【0039】本発明の粒状難燃剤は、例えば、ハロゲン
系難燃剤の例としては、テトラブロモビスフェノール
A、2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4−(2−ヒド
ロキシエチルエーテル)フェニル]プロパン、2,2−
ビス[3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロ
ピルオキシ)フェニル]プロパン(TBA−BE)等の
テロラブロモビスフェノールA誘導体、ヘキサブロモジ
フェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、
デカブロモジフェニルエーテル、ビス(トリブロモフェ
ノキシ)エタン、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタ
ン、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、ヘキサブロ
モシクロデカン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)
イソシアヌレート、トリス(トリブロモフェニル)シア
ヌレート、オクタブロモ−1−フェニル−1,3,3−
トリメチルインダン等が挙げられる。
【0040】また、ハロゲン系難燃剤の例として、例え
ばモノブロモフェノール、トリブロモフェノール、ペン
タブロモフェノール、トリブロモクレゾール、ジブロモ
プロピルフェノール、テトラブロモビスフェノールS、
塩化シアヌル等の重合により、あるいはこれらと上記ハ
ロゲン化合物の群から選ばれる1種以上のハロゲン化合
物との共重合により得られるオリゴマー型ハロゲン化合
物が挙げられる。
【0041】さらに、ハロゲン系難燃剤の例として、テ
トラブロモビスフェノールAのカーボネートオリゴマ
ー、テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールA
のカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノー
ルSのカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェ
ノールSとビスフェノールSとのカーボネートオリゴマ
ー、ハロゲン化エポキシオリゴマー等が挙げられる。
【0042】他に、ハロゲン系難燃剤の例として、塩素
化パラフィン、塩素化ポリエチレン、臭素化ポリスチレ
ン、エチレンビステトラブロモフタルイミド等のハロゲ
ン含有化合物が挙げられる。
【0043】前記リン系難燃剤としては、リン酸エステ
ル系難燃剤、含ハロゲンリン酸エステル系難燃剤、縮合
リン酸エステル系難燃剤、含ハロゲン縮合リン酸エステ
ル系難燃剤、ポリリン酸塩系難燃剤、赤リン等が挙げら
れる。これらのリン系難燃剤は単独若しくは二種以上混
合して使用される。
【0044】前記リン酸エステル系難燃剤としては、ト
リフェニルホスフェート、トリス(2,6−ジメチルフ
ェニル)ホスフェート等が挙げられ、一種の化合物を単
独で使用しても良いし、二種以上を混合して使用しても
良い。
【0045】前記含ハロゲンリン酸エステル系難燃剤と
しては、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェー
ト、或いはトリス(2,4,6−トリブロモフェニル)
ホスフェート等が挙げられ、一種の化合物を単独で使用
しても良いし、二種以上を混合して使用しても良い。
【0046】前記縮合リン酸エステル系難燃としては、
固体状の1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−ジメチ
ルフェニルホスフェート)、ハイドロキノン ビス(ジ
−2,6−キシリル)ホスフェート、或いはテトラキス
(2,6−ジメチルフェニル)−4,4′−ジフェニレ
ンビスホスフェート等が挙げられ、一種の化合物を単独
で使用しても良いし、二種以上を混合して使用しても良
い。
【0047】前記含ハロゲン縮合リン酸エステル系難燃
剤としては、1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−ジ
ブロモフェニルホスフェート)等が挙げられ、一種の化
合物を単独で使用しても良いし、二種以上を混合して使
用しても良い。
【0048】前記ポリリン酸塩系難燃剤としては、ポリ
リン酸アンモニウム、或いはポリ燐酸メラミン等が挙げ
られ、一種の化合物を単独で使用しても良いし、二種以
上を混合して使用しても良い。
【0049】金属水酸化物、金属酸化物類の例として
は、水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、酸化チ
タン、酸化亜鉛、ホウ酸、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合
物、錫化合物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等
が挙げられる。
【0050】シリコーン系難燃剤類の例としては、シリ
コーン樹脂粉末、シリコーンエラストマー、シリカゲ
ル、シリコーンオイル等が挙げられる。但し、シリコー
ンオイルに関しては、有機金属塩、赤燐、水和金属化合
物等との複合により固体状態である必要がある。
【0051】上記難燃剤のなかで、本発明の効果が十分
に発揮されるという観点から、テトラブロモビスフェノ
ールA誘導体が好ましく、特にTBA−BEが好まし
い。
【0052】前記TBA−BEの粒状難燃剤を製造する
方法としては、TBA−BE微粒子(その90%以上が
0.04mm以下の長径を有しているものが好ましい)
と溶媒との合計量に対する溶媒の割合が15〜40重量
%である湿潤微粒子(湿ったケーキ状のもの)を、押出
造粒機、ロールプレス式造粒機または打錠式圧縮造粒機
により造粒する方法が好ましく、特に押出造粒機により
造粒する方法が好ましい。
【0053】造粒に供するTBA−BE湿潤微粒子は、
その溶媒の割合がTBA−BE微粒子と溶媒との合計量
に対して15〜40重量%が好ましく、20〜35重量
%がより好ましく、22〜32重量%がさらに好まし
い。
【0054】溶媒の割合が15重量%以上の場合には、
溶媒が可塑剤として機能し造粒が十分に行われ、得られ
る造粒物中の微粉量が少なく、取り扱い性に優れ好まし
く、40重量%以下の場合には、得られる造粒物が適度
の硬さで、造粒から乾燥までの移行中に造粒物の粒子同
士が引っ付き合ってブロック物を形成することがなく、
粒径の制御が容易で形状が揃い難燃剤として使用する際
の分散性に優れ好ましい。
【0055】前記溶媒としては、TBA−BEの良溶媒
および貧溶媒の混合溶媒が好ましく使用される。かかる
混合溶媒は均一溶媒であり、この混合溶媒に対するTB
A−BEの溶解度が、好ましくは0.02〜10g/溶
媒100g、より好ましくは0.1〜5g/溶媒100
g、さらに好ましくは0.1〜4g/溶媒100gであ
る。かかる範囲であればTBA−BE湿潤微粒子の造粒
がスムーズに進行し好ましい。
【0056】良溶媒としては、TBA−BEの溶解度が
1g/溶媒100g以上、好ましくは2g/溶媒100
g以上であるものが好ましい。また、130℃で揮発す
る良溶媒が好ましく、乾燥の容易性から80℃で揮発す
る良溶媒がより好ましい。良溶媒の例としては、塩化メ
チレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,
1−ジクロロエタン、シクロヘキサノン、酢酸エチルお
よびトルエンから選択されるものが好ましく、これらは
一種でも二種以上の混合物であってもよい。これらのう
ち、より好ましいのは塩化メチレン、クロロホルムの如
きハロゲン化炭化水素であり、塩化メチレンが最も好ま
しい。
【0057】また、貧溶媒としては、TBA−BEの溶
解度が0.08g/溶媒100g以下、好ましくは0.
05g/溶媒100g以下、特に好ましくは0.01g
/溶媒100g以下のものが有利である。ここで溶解度
とは25℃の温度で測定された値である。良溶媒および
混合溶媒の溶解度も25℃で測定された値を意味するも
のとする。また、130℃で揮発する貧溶媒が好まし
く、乾燥の容易性から80℃で揮発する貧溶媒がより好
ましい。
【0058】前記貧溶媒の具体例としては、例えば、
水、メタノール、エタノール、i−プロパノール等の炭
素数1〜5の飽和1価アルコール、ジエチルエーテル、
ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテルおよびn
−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン等の炭素数5
〜10の飽和炭化水素等が挙げられ、水、メタノール、
エタノール、i−プロパノールおよびジイソプロピルエ
ーテルが好ましく、水、メタノール、エタノール、i−
プロパノールがより好ましく、メタノールが特に好まし
く用いられる。これらの貧溶媒は単独若しくは二種以上
混合して使用される。
【0059】前記良溶媒と貧溶媒との比は、重量比で9
0:10〜10:90が好ましく、80:20〜10:
90がより好ましく、50:50〜10:90が特に好
ましい。
【0060】前記TBA−BE湿潤微粒子を得る方法と
しては例えば以下の方法が採用される。
【0061】TBA−BEを製造する方法として、2,
2−ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル)プロパン(以下、TBA−AEと略称することがあ
る)の溶液に、TBA−AE1モルに対して2〜6モル
の臭素を0〜60℃で滴下し、TBA−AEのアリル基
の二重結合に対する臭素の付加反応を完全に終了させた
後、反応溶液中に残った未反応臭素を亜硫酸水素水溶液
で還元し、さらに該還元によって生成した臭化水素を中
和し、反応液を水洗することにより、TBA−BE溶液
を得る方法が通常採用される。
【0062】かかるTBA−BE溶液を、濃縮して溶媒
を除去して粉砕したり、非溶剤中に添加し沈殿させる等
の処理によって、TBA−BE微粒子を得て、これに溶
媒の割合が上記範囲となるように良溶媒および貧溶媒を
加えて造粒に供するTBA−BEの湿潤微粒子を得るこ
とができる。
【0063】また、上記TBA−BEの製造方法により
得られたTBA−BE溶液は、下記の精製方法を適用す
ることが好ましい。
【0064】かかる精製方法は、上記TBA−BE溶液
を下記(i)〜(ii)の条件を満足するスラリー中に供
給して、種結晶の存在下、溶液中のTBA−BEを析出
させることが肝要である。そしてその際スラリー中の溶
媒は、下記(ii)のようにTBA−BEの良溶媒と貧溶
媒との混合溶媒である。 (i)良溶媒、貧溶媒およびTBA−BEの結晶からな
るスラリー中の該TBA−BEの結晶の割合が10〜5
0重量%、好ましくは15〜40重量%のスラリー濃度
であること、(ii)スラリー中の良溶媒および貧溶媒の
混合溶媒に対する該TBA−BEの溶解度が0.1〜5
g/溶媒100g、好ましくは0.1〜4g/溶媒10
0gであること。
【0065】かかる精製方法は、析出容器中において、
前記(i)および(ii)の条件を維持しつつ、TBA−
BE溶液をその容器中に供給することにより実施され
る。スラリーを形成しているTBA−BEの結晶の一部
は、溶液から析出するTBA−BEの種結晶として作用
し、一方、混合溶媒の組成は、TBA−BEの析出を促
進し、不純物の析出を抑制し、且つその溶存を保持する
作用を果たしているものと考えられる。
【0066】この精製方法によって得られたTBA−B
E結晶を含むスラリーは、遠心沈降、遠心濾過、重力濾
過、或いは真空濾過などの方法によって、湿ったケーキ
と母液とに分離し、湿ったケーキはそのまま、または乾
燥してもしくは良溶媒あるいは貧溶媒を添加して、前記
溶媒の割合を満足させTBA−BE湿潤微粒子として造
粒工程に供することができる。
【0067】本発明で使用されるTBA−BE湿潤微粒
子は、その純度は90%以上が好ましく、91%以上が
より好ましく、92%以上がさらに好ましい。また、D
SCピーク温度は90℃以上が好ましく、100℃以上
がより好ましい。
【0068】TBA−BE湿潤微粒子は、前記のように
スクリーンに押し込んで造粒する機構であり、そのスク
リーンの孔径が0.5mm〜2.0mm、厚みが0.5
mm〜3.0mmである押出造粒機を用いて造粒する方
法が採用される。
【0069】TBA−BE湿潤微粒子の造粒を行う際の
温度は、TBA−BE湿潤微粒子の可塑性を保持でき、
またTBA−BEが溶融しない範囲であれば良く、10
〜50℃が好ましい。
【0070】また、TBA−BE粒状難燃剤の形状を整
えるために、乾燥するまでにあるいは乾燥後に攪拌式の
整粒機などを使用したり、粒径を整えるために篩いによ
る分級などを行うことが好ましい。かかる分級の際、目
的の粒径以外の粒子群は造粒機に戻すことも可能であ
る。
【0071】TBA−BE湿潤微粒子を造粒した粒状難
燃剤の乾燥方法は、特に限定されるものではなく、静置
乾燥、流動乾燥、振動流動乾燥、真空乾燥などの公知の
方法で乾燥される。乾燥後のTBA−BE粒体に含まれ
る残留溶媒の割合は0.01〜1重量%が好ましく、
0.01〜0.8重量%がより好ましい。
【0072】本発明の方法により得られたTBA−BE
の粒状難燃剤は、作業環境において低発塵性であるため
取り扱い性に優れ、形状安定性、流動性および長期保存
安定性に優れ、且つ特定の硬度を有するためスクリュー
等で供給される場合の供給安定性に優れた造粒物であ
り、ポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂を代表
とする合成樹脂用の難燃剤として優れた性能を発揮す
る。
【0073】本発明中の供給安定性とは、輸送時や使用
時の移動における供給機での工程トラブルの少ない状態
を表し、工程トラブルの少ない状態とは、粒状難燃剤を
使用した際に、ホッパーや混合機内、供給機内での付
着、固着が少なく、原単位に悪化を引き起こさない事、
供給機の配管部、スクリュー、テーブル、トラフ等で付
着、固着が少なく供給量にバラツキを生じさせない事、
付着、固着を原因とするモーター過負荷により工程を停
止させない事、付着、固着により使用中や使用後に清掃
する頻度や時間が少ない事などを意味する。
【0074】本発明中の供給機とは、ベルトフィーダー
などのエンドレスベルト式、テーブルフィーダーなどの
テーブル式、スクリューフィーダーやオーガフィーダー
などのスクリュー式、電磁振動や機械振動による振動
式、ローラーチェーンフィーダーなどの回転重量式等の
供給機を意味する。
【0075】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。なお、平均粒径及び粒状難燃剤に含まれる粒径が
0.85mm未満の粉体の重量%、振動による破砕程
度、供給安定性、作業性の測定や評価は次の方法に従っ
た。 (1)平均粒径及び粒状難燃剤に含まれる粒径が0.8
5mm未満の微粉体の重量% 口径が200mm、目開きのサイズが5.6mm、4.
0mm、1.7mm、1.0mm、0.85mm、0.
25mm、0.15mm、0.075mm、である篩及
び受器、及び電磁しんとう機を使用し、振動回数が36
00回/分、振幅が0.5mm、振動時間が2分間で、
該振動時間の内訳が10秒間振動運転し、2秒間停止す
るパターンの繰り返しである条件下で篩い分けた。
【0076】分級作業後に各種篩上の粒子重量を量り、
分級に使用した全粒子重量に対する各篩上の各粒子重量
の割合に換算し、粒径分布を求めた。この粒径分布デー
タについて、x軸に篩の目開きのサイズであって粒径の
代替値であるDmmを採り、且つ該x軸を対数目盛りと
し、また、y軸に累計通過率とも呼ばれる、目開きのサ
イズが0.075mmである篩を通過した粒子重量の割
合W1%から、使用した篩の目開きサイズであるDnm
mに対応したWn%迄のW%の和を求めた値(累計通過
率)を採ることによって作成した片対数グラフにおいて
Wが50%である時のDの値を求め、平均粒径とした。
次いで、0.85mmを通過したすべての粉体重量の割
合を足すことにより、0.85mm目開きの篩を通過す
るW´重量%を下記式によって求めた。
【0077】W´(重量%)=(0.25mm篩上重量
%)+(0.15mm篩上重量%)+(0.075mm
篩上重量%)+(受器上重量%)
【0078】(2)振動による破砕性 口径75mm、目開きのサイズが0.25mm、0.1
5mm、0.075mm、である予め重量を測定した篩
及び受器を順に組み上げ、ホソカワミクロン製パウダテ
スタPT−Nの振動台にスペースリングとともに振動台
に組み、下記a)の篩い分け方法によって得られた目開
き0.85mm篩上に残った粒状難燃剤の内10gを組
み上げた篩の上に載せ、振動により破損しない丈夫なア
ルミホイルにより蓋をし、フルイオサエ、オサエバーに
より該アルミホイルの蓋を押さえた。 a)篩い分け方法 口径が200mm、目開きのサイズが0.85mmであ
る篩及び受器及び電磁しんとう機を使用し、振動回数が
3600回/分、振幅が0.5mm、振動時間が2分間
で、該振動時間の内訳が10秒間振動運転し、2秒間停
止するパターンの繰り返しである条件下で篩い分けた。
【0079】次に、パウダテスタPT−Nの振動時間を
900秒に設定し、振動数を3200回/分で振動を開
始し、振幅を調節つまみにより4mmに調整した。振動
終了後、各篩の重量をサンプル込みで測定し、その重量
より篩及び受器の重量を差し引き、各篩上の微粉体の重
量を計算した。下記計算式により、それぞれの篩上の微
粉体の重量(%)を計算した。
【0080】 計算式 A:250μm目開き篩振動後の粉体込み重量 − 篩の重量 B:150μm目開き篩振動後の粉体込み重量 − 篩の重量 C:75μm目開き篩振動後の粉体込み重量 − 篩の重量 D:受器振動後の粉体込み重量 − 受器の重量 各篩上の微粉体の重量(%)={X÷(A+B+C+
D)}×100 (ここで、Xは、各篩の粉体重量で、A、B、Cまたは
Dを表す。) 同様な操作を3回繰り返し、3回の平均値を分析結果と
した。
【0081】(3)供給安定性 池貝工業(株)製PCM−30押出機の原料供給装置で
ある単軸スクリューフィーダーに粒状難燃剤を供給し、
スクリュー回転数が30rpmであり、該スクリューを
回転させる為のモーターを保護するための安全装置の電
流設定値が0.9Aである運転条件下、スクリュー周り
のシリンダー内壁における付着及び固着によって該モー
ターが過負荷となって、安全装置が作動することで該モ
ーターが停止するまでの時間を測定した。 (4)作業性 25kg詰めの袋から粒状難燃剤をホッパーに移注する
際の発塵性を観察した。 ○:袋を逆さまにしてホッパーに投入する際に、ほとん
ど粉が舞わなかった。 △:袋を逆さまにしてホッパーに投入する際に、若干、
粉が舞うものの作業者が不快に感じるほどではなかっ
た。 ×:袋を逆さまにしてホッパーに投入する際に、多量の
微粉が舞い、作業者に付着した。 また、参照例中のTBA−BEの溶媒の割合、純度、湿
潤微粒子の大きさについては、下記手法により求めた。
【0082】(5)溶媒の割合 熱風乾燥機で、130℃条件下、試料の重量変化を測定
確認し、重量変化が無くなったところで加熱を止めて、
130℃加熱前の試料重量をag、130℃加熱後の試
料重量をbgとしたとき、下記式によって求めた。 溶媒の割合(重量%)={(a−b)/a}×100
【0083】(6)純度 TBA−BEの純度の分析は、高速液体クロマトグラフ
ィー(島津製作所製(株)SCL−6B)により、28
0nmの吸収を検出する方法で行った。そして、このク
ロマトグラフィーより得られた各成分のピーク面積の和
を100とし、これに対するTBA−BEのピーク面積
比を求めた。
【0084】(7)TBA−BE湿潤微粒子の大きさ TBA−BE湿潤微粒子を熱風乾燥機を用いて80℃で
静置乾燥を行った。次いで、得られたTBA−BE粉体
をイオンスパッタリング装置で金蒸着処理した後、走査
型電子顕微鏡を使用し、2000倍でTBA−BE粉体
の写真を撮影し、次いで、この写真に写った微粒子の1
0個の大きさを定規で測定し、その平均を求めた。
【0085】[参照例1](TBA−BEの合成) 温度計、攪拌機、還流冷却管を取り付けた300mLの
フラスコに2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4−(ア
リルオキシ)フェニル]プロパン(帝人化成(株)製
FG−3200)100g、塩化メチレン150gを入
れ、20℃で溶解させた。この溶液を0℃まで冷却した
後、反応溶液の温度を0〜10℃の範囲に保持しなが
ら、臭素54gを1時間かけて滴下し、さらに0〜10
℃の範囲で攪拌を1時間続け、臭素の付加反応を終了し
た。次いで、この溶液中の過剰の臭素を25重量%亜硫
酸水素ナトリウム水溶液30mLで中和し、その後、1
50mLの純水で洗浄してTBA−BEの50重量%塩
化メチレン溶液を得た。この溶液の一部を取り出し濃縮
後、メタノールを加えて固化させ、次いで溶媒留去、乾
燥作業を経て固体を回収し、分析したところ、TBA−
BEの純度は90%であった。
【0086】[参照例2](TBA−BE溶液の精製お
よびTBA−BE湿潤微粒子の調整) 図1に記載の10Lのフラスコに、塩化メチレン2.4
kg、メタノール3.6kg及び純度90%のTBA−
BE結晶2.4kgを入れ、混合した(容量は7Lとな
る)。フラスコ内を攪拌しながら、40℃の温度で、参
照例1で得られたTBA−BEの塩化メチレン溶液37
kg及びメタノール28kgを、定量ポンプによってそ
れぞれ0.08kg/分、0.06kg/分の速度で8
時間連続的に添加した。添加を開始してから10分後、
ポンプ5によってフラスコ中のスラリーを3.5L/分
の速度で循環させつつ、スラリーを0.1L/分の速度
で抜き取り口7より抜き取った。添加開始から8時間が
経過するまでに抜き取ったスラリーを遠心濾過し、TB
A−BE湿潤微粒子を得た。このTBA−BE湿潤微粒
子は、溶媒の割合が29重量%(塩化メチレンとメタノ
ールとの重量比は40:60、25℃におけるTBA−
BEの溶解度は0.2g/溶媒100g)であった。ま
た、このTBA−BE湿潤微粒子の大きさは、長径3.
5μm、短径0.7μm程度の長細い粒子であった。
【0087】[参照例3](TBA−BE溶液の精製お
よびTBA−BE湿潤微粒子の調整) 図1に記載の10Lのフラスコに、塩化メチレン0.9
kg、メタノール3.6kg及び純度90%のTBA−
BE結晶0.9kgを入れ、混合した(容量は4.5L
となる)。フラスコ内を攪拌しながら、40℃の温度
で、参照例1で得られたTBA−BEの塩化メチレン溶
液37kg及びメタノール74kgを、定量ポンプによ
ってそれぞれ0.08kg/分、0.15kg/分の速
度で8時間連続的に添加した。添加を開始してから22
分後、ポンプ5によってフラスコ中のスラリーを3.5
L/分の速度で循環させつつ、スラリーを0.2L/分
の速度で抜き取り口7より抜き取った。添加開始から8
時間が経過するまでに抜き取ったスラリーを遠心濾過
し、TBA−BE湿潤微粒子を得た。このTBA−BE
湿潤微粒子は、溶媒の割合が29重量%(塩化メチレン
とメタノールとの重量比は20:80、25℃における
TBA−BEの溶解度は0.06g/溶媒100g)で
あった。また、このTBA−BE湿潤微粒子の大きさ
は、粒径0.5mm程度の不定形微粒子と長径5〜20
μm、短径1μm程度の長細い粒子が混在していた。
【0088】[実施例1]参照例2で得られた湿潤微粒
子10kgを深江パウテック製ロール式円筒造粒機FG
250に、25℃で手投入し、造粒物を得た。この際、
使用された造粒機のスクリーンは、孔径1.0mm×厚
み2.0mmのパンチングスクリーンで有った。この得
られたTBA−BE粒体について、熱風乾燥機を用いて
80℃で静置乾燥を行った後、平均粒径、0.85mm
未満の微粉体重量%、及び振動による破砕性の測定を行
い、また、供給安定性、作業性についての測定および評
価を行った。
【0089】[実施例2]参照例2で得られた湿潤微粒
子10kgを不二パウダル製押出造粒機ツインドームグ
ランTDG110に、25℃で手投入し、造粒物を得
た。この際、使用された造粒機のスクリーンは、孔径
1.5mm×厚み1.0mmのパンチングスクリーンで
有った。この得られたTBA−BE粒体について、熱風
乾燥機を用いて80℃で静置乾燥を行った後、平均粒
径、0.85mm未満の微粉体重量%、及び振動による
破砕性の測定を行い、また、供給安定性、作業性につい
ての測定および評価を行った。
【0090】[実施例3]参照例2で得られた湿潤微粒
子10kgを不二パウダル製押出造粒機ファイン・ディ
スク・ペレッターPV5に、25℃で手投入し、造粒物
を得た。この際、使用された造粒機のスクリーンは、孔
径0.9mm×厚み2.0mmのパンチングスクリーン
で有った。この得られたTBA−BE粒体について、振
動流動乾燥機を用いて80℃で振動流動乾燥を行った
後、0.6mmの目開きの振動式分級機で篩い分け、微
粉を取り除いた後、平均粒径、0.85mm未満の微粉
体重量%、及び振動による破砕性の測定を行い、また、
供給安定性、作業性についての測定および評価を行っ
た。
【0091】[実施例4]参照例3で得られた湿潤微粒
子10kgを不二パウダル製押出造粒機ファイン・ディ
スク・ペレッターPV5に、25℃で手投入し、造粒物
を得た。この際、使用された造粒機のスクリーンは、孔
径0.9mm×厚み2.0mmのパンチングスクリーン
で有った。この得られたTBA−BE粒体について、振
動流動乾燥機を用いて80℃で振動流動乾燥を行った
後、0.6mmの目開きの振動式分級機で篩い分け、微
粉を取り除いた後、平均粒径、0.85mm未満の微粉
重量%、及び振動による破砕性の測定を行い、また、供
給安定性、作業性についての測定および評価を行った。
【0092】[比較例1]参照例1で得られたTBA−
BEの塩化メチレン溶液304gを、攪拌下、45℃に
加熱して該溶液の重量が215gになるまで塩化メチレ
ンを蒸発させ、30℃でメタノール40gを該溶液に添
加し、次いで真空下で80℃の温水で加温しながら溶媒
を除去してTBA−BEを固化させた。得られた固体を
機械的に粉砕した後、80℃で減圧乾燥してTBA−B
E粉体を得た。この得られたTBA−BE粉体につい
て、平均粒径、0.85mm未満の微粉重量%を測定
し、また、供給安定性、作業性についての測定および評
価を行った。
【0093】[比較例2]参照例2で得られた湿潤微粒
子を、熱風乾燥機を用いて80℃で静置乾燥を行った
後、顆粒の混在するTBA−BE粒体を得た。この得ら
れたTBA−BE粉体について、平均粒径、0.85m
m未満の微粉重量%、及び振動による破砕性の測定を行
い、また、供給安定性、作業性についての測定および評
価を行った。
【0094】[比較例3]攪拌機、蒸留コンデンサーを
備えた10Lのフラスコに、メタノール4kg及び種晶
として市販のTBA−BE粉末(帝人化成(株)製FG
−3100)0.6kgを入れ、撹拌を行いながら、湯
浴上で温度を50℃に調節した。次いで、温度を43℃
以上に維持し、溶媒を留去しながら、参照例1で得られ
たTBA−BEの塩化メチレン溶液6kgを、定量ポン
プによってそれぞれ0.03kg/分の速度で20時間
連続的に添加した。該溶液の添加に従い、溶媒を系外に
留出させ、添加終了後さらに15分間保持した。ついで
室温まで冷却、濾過、80℃で減圧乾燥することによ
り、顆粒の混在するTBA−BE粉体を得た。この得ら
れたTBA−BE粉体について、平均粒径、0.85m
m未満の微粉重量%、及び振動による破砕性の測定を行
い、また、供給安定性、作業性についての測定および評
価を行った。
【0095】[比較例4]参照例2で得られた湿潤微粒
子10kgを新東工業製ロール式圧顆粒機BBS−50
2により、室温10℃で圧縮造粒し、造粒物を得た。こ
の際、使用された造粒機のロールは、ポケットサイズが
口径4.8mm×深さ1.2mmのブリケットタイプで
あり、ロール間圧縮力は、0.15ton/cm2であ
った。次に造粒物のバリを取るために、目開き2.5m
mの篩により振動させ、篩下を取り除き、湿潤の造粒物
を得た。この得られたTBA−BE粒体について、熱風
乾燥機を用いて80℃で静置乾燥を行った後、平均粒
径、0.85mm未満の微粉重量%、及び振動による破
砕性の測定を行い、また、供給安定性、作業性について
の測定および評価を行った。
【0096】[比較例5]参照例2で得られた湿潤微粒
子10kgをホソカワミクロン製エクストルード・オー
・ミックスに、25℃で手投入し、造粒物を得た。この
際、使用された造粒機のスクリーンは、孔径3.0mm
×厚み5.0mmのパンチングスクリーンであった。こ
の得られたTBA−BE粒体(底面の直径3.0mm、
長さ8.4mmの円柱状のTBA−BE粒体)につい
て、熱風乾燥機を用いて80℃で静置乾燥を行った後、
平均粒径、0.85mm未満の微粉重量%、及び振動に
よる破砕性の測定を行い、また、供給安定性、作業性に
ついての測定および評価を行った。
【0097】[比較例6]参照例2で得られた湿潤微粒
子10kgを不二パウダル製押出造粒機ファイン・ディ
スク・ペレッターPV5に、25℃で手投入し、造粒物
を得た。この際、使用された造粒機のスクリーンは、孔
径2.0mm×厚み5.0mmのパンチングスクリーン
で有った。この得られたTBA−BE粒体について、熱
風乾燥機を用いて80℃で静置乾燥を行った後、平均粒
径、0.85mm未満の微粉重量%、及び振動による破
砕性の測定を行い、また、供給安定性、作業性について
の測定および評価を行った。
【0098】
【表1】
【0099】実施例の造粒物と異なり、比較例1は、微
粉の割合の多い粉末製品であるためブロッキングが起り
易く、供給機スクリュー内で容易に固着するため供給安
定性に問題があり、微粉飛散による作業性が悪かった。
比較例2は、顆粒が混在するものの微粉の割合が多く、
また顆粒の硬さも振動による破砕性に劣るため、供給機
スクリュー内で容易に固着するため供給安定性に問題が
あり、粉末飛散による作業性が悪かった。比較例3は、
振動による破砕性には優れているものの、製法による得
られたTBA−BE中の微粉の割合が多く、供給機スク
リュー内で容易に固着するため供給安定性に問題があ
り、粉末飛散による作業性に劣っていた。
【0100】比較例4は、顆粒の製品であり、篩分けに
より得られたTBA−BE中の微粉の割合が低いもの
の、振動による破砕性に劣る事から、保管中に発塵し易
く、圧縮により容易に凝集し、供給機スクリュー内で容
易に固着するため供給安定性に問題があり、粉末飛散に
よる作業性にも劣っていた。比較例5は、顆粒の製品で
あり、製法による造粒により得られたTBA−BE中の
微粉の割合は少ないものの、スクリーンの孔径が大きい
ため製品が脆く、振動による破砕性に劣るため、保管中
に発塵し易く、圧縮により容易に凝集し、供給機スクリ
ュー内で容易に固着するため供給安定性に問題があり、
粉末飛散による作業性にも劣っていた。比較例6は、一
部顆粒の製品ではあるが微粉の割合も多く、スクリーン
の厚みが厚く押出時に懸かる負荷が大きいため、発熱
し、振動による破砕性に劣るため、保管中に発塵し易
く、圧縮により容易に凝集し、供給機スクリュー内で容
易に固着するため供給安定性に問題があり、粉末飛散に
よる作業性にも劣っていた。
【0101】また、上記表内の振動による破砕性は、粒
状難燃剤の壊れ方の指標になる。例えば、破砕した時に
発生する微粉量の内、目開き0.15mm篩上の微粉量
が多いサンプルは、粒状難燃剤の1つ1つが割れ易く、
顆粒が割れる事により粒径が小さくなるものと予想で
き、目開き0.075mm篩を通過する微粉量が多いサ
ンプルは、粒状難燃剤を形成している粉末が小さく、顆
粒を削るように微粉が発生し、粒径が小さくなるものと
予想できる。
【0102】
【発明の効果】本発明により得られる粒状難燃剤は、取
り扱い性、流動性及び保存安定性が良好であり、且つ供
給安定性に優れており、樹脂用の難燃剤として好適に使
用され、その工業的効果は格別なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるTBA−BE晶析精製を行う装
置の一例である。
【符号の説明】
1.TBA−BEの塩化メチレン溶液供給口 2.メタノール供給口 3.還流冷却器 4.温度計 5.スラリー循環用ポンプ 6.循環したスラリーの添加口 7.スラリー抜き取り口 8.攪拌翼
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08K 5/03 C08K 5/03 C08L 101/00 C08L 101/00 (72)発明者 冨田 博史 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 帝 人化成株式会社内 Fターム(参考) 4D021 AA01 AB02 CA07 DC02 EA10 4G004 AA03 LA01 NA04 4H006 AA02 AD15 GP03 GP20 GP22 4H028 AA33 BA06 4J002 AA011 CP032 DE056 DE076 DE086 DE126 DE136 DE146 DH016 DJ016 DK006 DM006 EB136 EW046 FD132 FD136

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径0.9〜6mmの粒状難燃剤で
    あって、(1)振動回数が3600回/分、振幅が0.
    5mm、振動時間が2分間で、該振動時間の内訳が10
    秒間振動運転し、2秒間停止するパターンを繰り返す振
    動条件による篩い分けにより、0.85mm目開きの篩
    を通過する粉体の量が25重量%以下であり、(2)
    (1)の方法により0.85mm目開きの篩により微粉
    を取り除かれた粒状難燃剤を0.25mm目開きの篩を
    使用し、振動数3200回/分、振幅4mm、振動時間
    900秒間の振動テストに供した時に、この0.25m
    m目開きの篩を通過する微粉体の重量割合が0.1重量
    %〜15重量%の範囲である供給安定性に優れた粒状難
    燃剤。
  2. 【請求項2】 前記難燃剤が、臭素系難燃剤である請求
    項1記載の粒状難燃剤。
  3. 【請求項3】 前記難燃剤が、2,2−ビス[3,5−
    ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロピルオキシ)フ
    ェニル]プロパンである請求項1記載の粒状難燃剤。
  4. 【請求項4】 スクリーンに押し込んで造粒する機構で
    あり、そのスクリーンの孔径が0.5mm〜2.0m
    m、厚みが0.5mm〜3.0mmである押出造粒機を
    用いて造粒する請求項1記載の粒状難燃剤の製造方法。
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