JP2003132508A - 磁気抵抗効果ヘッド - Google Patents
磁気抵抗効果ヘッドInfo
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Abstract
層の両側に磁石膜からなる磁区制御膜を配置する磁区制
御構成では、狭トラック化に伴い不感帯の割合が増加し
出力が大きく減少する。反強磁性膜を配置する磁区制御
構成は、読み滲みが大きく、結合力が熱によって劣化す
る。感度を高く、かつ読み滲みが少ない磁区制御構成が
求められている。 【解決手段】反強磁性膜及び磁石膜からなる磁区制御膜
両者を併用する磁区制御構成を用いることを特徴とする
ものであり、磁気抵抗効果ヘッドの構成としては、反強
磁性層と、該反強磁性層上に形成された磁化方向が固定
されている固定層と、該固定層上に形成された導電層
と、該導電層上に形成された自由層と、該自由層の磁区
制御を行うための反強磁性膜及と磁石膜とを有する磁区
制御膜と、前記反強磁性層、固定層、導電層及び自由層
の積層体に電流を供給する一対の電極膜とを有する。 【効果】狭トラック化に対しても感度が高く、かつ読み
滲みが小さい磁気抵抗効果ヘッドが実現できる。
Description
用して磁気記録媒体から記録を読み取る、磁気抵抗効果
ヘッドに関するものである。
D)中にある磁気ヘッドは、磁気記録媒体(ハードディ
スク)に磁化信号として情報を書く書き込みヘッドと、
磁気記録媒体に磁化信号として記録された信号を読み取
る再生ヘッドからなる。再生ヘッドは、複数の磁性薄膜
及び非磁性薄膜の積層体から構成されおり、磁気抵抗効
果を利用して信号を読み取るため磁気抵抗効果ヘッドと
呼ばれる。磁気抵抗ヘッドの積層構造には、幾つかの種
類があり、その用いる磁気抵抗の原理からAMRヘッ
ド、GMRヘッド、TMRヘッド等に分類される。それ
ぞれAMR(磁気抵抗効果)、GMR(巨大磁気抵抗効
果)、TMR(トンネル磁気抵抗効果)を用いて、磁気記
録媒体から再生ヘッドに入ってくる入力磁界を電圧変化
として取り出している。
からの入力磁界を受け磁化回転する磁性層を自由層と呼
ぶ。バルクハウゼンノイズ等の各種ノイズを抑制した
り、出力の非対称性の制御のためには自由層をトラック
幅方向に単磁区化することが重要となる。自由層が単磁
区化しておらず磁区を持っていると、磁気記録媒体から
の入力磁界を受けて磁壁移動が発生しノイズの原因とな
る。
法として、例えば特開平3-125311号公報に記載されてい
るように自由層の両端に磁石膜からなる磁区制御膜を配
置し、磁石膜よりトラック幅方向に生じる磁界を用いる
方法がある。この方法で磁区制御を行なった磁気抵抗ヘ
ッドを浮上面から見た簡略図を図8に示す。反強磁性層
5によって磁化が固定された軟磁性層4(固定層と呼ぶ)
の上に導電層3を挟んで自由層2があり、その上部にキ
ャップ層1がある。この自由層2の幅をトラック幅Twr
と呼ぶ。キャップ層1から反強磁性層5の積層体の両端
はミリング等によって削られ、図8に示すように、浮上
面からみると素子は台形状をしている。この素子の両端
に下地膜6を挟んで磁石膜からなる磁区制御膜7を配置す
るのがこの構造の特徴である。磁区制御膜の上部に下地
膜8を挟んで電極9を積層する。この構造は磁区制御膜7
から生じる磁界を用いて自由層2の磁化分布を制御し自
由層を単磁区化している。
米国特許第4663685号に示されるように、自由層の両端
に反強磁性膜を積層し、反強磁性膜と自由層との交換結
合を用いる方法がある。この方法で磁区制御を行なった
磁気抵抗効果ヘッドを浮上面から見た時の簡略図を図9
に示す。反強磁性層5によって磁化が固定された軟磁性
膜4(固定層と呼ぶ)の上に導電層3を挟んで自由層2が
あり、その上部の両端に反強磁性膜12を積層すること
がこの構造の特徴である。
相互作用によって磁区制御を行う。自由層2は磁気記録
媒体上に書かれたトラック幅より広く作られており、そ
の端部領域が固定されている形になっている。よって、
この構造では自由層2の反強磁性膜12と反強磁性膜1
2の間の部分(感磁部と呼ぶ)Twで記録を読み取ること
になる。上部の反強磁性膜12の上に下地膜11を挟ん
で電極膜10が積層される。この下地膜11はなくても
良い。
うに、自由層全面に一様な厚さの反強磁性層を積層する
方法等もあるが、現在のヘッドはトラック幅が非常に狭
いため自由層全面を一様な磁界で固定するのは感度の低
下につながってしまう上、磁区制御が特に必要な、トラ
ック端部の磁区制御磁界は逆に不足してしまう懸念があ
る。また、特開平2001−84527号公報に示されるよう
に、磁区制御膜を高保磁力膜と、強磁性膜と反強磁性膜
の内の少なくとも一方の積層膜によって構成する方法も
提案されている。
にはそれぞれ問題がある。自由層の両側に磁石膜からな
る磁区制御膜を配置する図1に示したような磁区制御方
式では、磁区制御膜と自由層が接する界面で生ずる磁界
が強力過ぎるため、媒体磁界に対して自由層の磁化が回
転しにくくなる領域(不感帯)を生じる。不感帯を減ら
すには単純には磁石膜の膜厚を減らすなどして磁区制御
力を弱くすれば良いが、この様にした場合、逆にバルク
ハウゼンノイズや波形変動が発生したり、出力の非対称
性が大きくなる等の不具合が生じるため、ある程度の磁
区制御力は必要となる。
で定義されるトラック幅Twrが広い場合、トラック幅
Twrに占める不感帯の割合は小さいため、この影響は
大きな問題にはならなかった。しかし、近年の記録密度
の大幅な増加に伴い、トラック幅Twrも減少の一途を
辿っている。従って、トラック幅Twrに占める不感帯
の割合は増加を続けていることになる。何らかの工夫を
しない限りノイズなどの特性を悪化させることなく、十
分なヘッドの感度を確保することは非常に難しくなって
いる。
ク幅Twr間隔より小さくし、感度が低い不感帯の部分
を読み取りに用いないことによって高い再生出力を得る
ことのできる方法が、例えば特開平9−282618号公報や
米国特許第5739990号で提案されている。しかしこの方
法は、電極の下に位置する自由層の端部部分にかかる磁
区制御力が弱いために、読み滲みが大きくなってしまう
という問題がある。
制御方法では、反強磁性膜と自由層が接している部分だ
けに結合磁界が作用するため、上記の様な不感帯の問題
は発生せず、狭トラック化に対しては有利である。しか
し、反強磁性膜と自由層との交換結合磁界は磁石膜を用
いた場合に比べ弱く、磁区制御力としては不十分であ
る。
果素子は発熱するが、反強磁性膜の交換磁界は熱によっ
て劣化してしまう。このため、固定されているはずの自
由層の端部領域も感度を持ち、読み滲みが発生して隣接
トラックの記録を読んでしまい、エラーレートが劣化し
てしまうという問題が発生する。
ヘッドに於いて、自由層の磁区制御を反強磁性膜、及び
磁石膜からなる磁区制御膜の両者を併用することによっ
て行う。例えば、自由層の磁区制御を行う一対の反強磁
性膜を含む磁気抵抗効果素子の両端に、磁石膜からなる
磁区制御膜を配置することによって磁区制御を行う。
異なる。例えば特開平2001−84527号公報の磁区制御膜
を高保磁力膜と、強磁性膜と反強磁性膜の内の少なくと
も一方の積層膜によって構成する方法においては、反強
磁性膜は高保磁力膜の磁化をトラック幅方向に揃えるた
めに使用されており、自由層の磁区制御に使われてはい
ない。また、高保磁力膜を用いても不感帯の問題がある
ため挟トラック化に対して問題が残るが、本発明の構成
では不感帯の問題が解決できる。
ック幅方向の分布を示す。の磁石膜のみを用いた磁区
制御の場合、記録を読み取るのはトラック幅部分Twr
である。トラック幅の中央部分は磁界が小さいが、トラ
ック端部に近づくにつれて磁界が大きくなっていること
がわかる。このトラック端部では大幅に感度が悪化して
しまうという問題がある。
方法では、自由層の中央部分の感磁部Twで記録を読み
取る。反強磁性膜が乗っている部分のみに均一な磁区制
御磁界がかかり、感磁部には磁界はかかっていないこと
がわかる。よって、素子の高感度化が期待できるが、反
強磁性膜の交換結合磁界強度は磁石膜に比べて小さいた
め、感磁部だけでなく端部も含め自由層全体に渡って記
録を読んでしまうという問題がある。そこでこれらの問
題を解決するために、磁石膜と反強磁性膜を用いた新し
い磁区制御構成を発明した。
磁区制御では、の太線のような磁区制御磁界の分布を
取る。この磁区制御では、記録を読み取るのは自由層中
央部の感磁部Twである。自由層の端部では磁石膜の強
力な磁区制御磁界と、反強磁性膜の交換結合磁界を加え
た充分大きい実効磁界によって磁区制御されるため、読
み滲みやノイズ等の問題は発生しない。
感帯は生じず、かつ反強磁性膜は端部のみに効いている
ためこの部分には影響しない。よって感磁部にかかる磁
界は充分弱く、感度良い磁気抵抗効果素子が実現でき
る。磁石膜からなる磁区制御膜の厚さと飽和磁束密度、
また反強磁性層の幅を最適化することにより、トラック
幅が狭くなっても高感度であり、かつノイズや読み滲み
を発生しない磁気抵抗ヘッドを実現することができる。
ドにおける磁区制御方式の実施形態について、図を用い
て説明する。
第1の実施例を、浮上面から見た図を示す。反強磁性層
5によって磁化が固定されている固定層4の上部に、導
電層3を挟んで自由層2がある。自由層2、導電層3、
固定層4、反強磁性体5の積層体の端部は、イオンミリ
ング等で削られ、積層体は台形状をしている。積層体の
端部に下地膜18を挟んで軟磁性磁区制御膜17を配置
し、その上部に反強磁性膜14を置く。この下地膜18
はTaであるか、もしくはなくても良い。反強磁性膜1
4の上には下地膜15を挟んで第1の電極層16が配置
されている。この下地膜15はなくても良い。
層2の上部にこれらの反強磁性膜14、下磁膜15、電
極膜16をつくり、例えばRIEやIM等によって感磁
部部分のみを取り除くことによってこれらの構造が作成
できる。ここで、反強磁性膜14が十分薄ければ自由層
2との交換結合は生じないため、記録を読み取る自由層
2中央部の感磁部に、自由層2のトラック両端部分より
も薄い反強磁性膜14が残っていても良い。軟磁性磁区
制御膜17の更に両脇に磁石膜からなる磁区制御膜7が
下地膜6を挟んで配置される。磁石膜7は、Ptの原子
%が4〜30%であるCoPt合金、Crの原子%が2
〜15%であるCoCrPt合金、CoCrPt−Zr
O2もしくはCoCrPt−SiO2のいずれかを使用
することができる。磁区制御膜7の上には下地膜8を挟
んで第2の電極膜9が配置される。この下地膜8は無く
ても良い。
異なったプロセスで形成されるが、最終的に両者は繋が
り、磁気抵抗効果素子に電流を供給する。図8に示され
た従来の硬磁性磁石膜からなる磁区制御膜7だけで磁区
制御を行う方式の場合、磁区制御膜7の近傍に発生する
磁界は非常に大きく、自由層2の磁化回転を妨げるた
め、自由層2端部に不感帯を生じる。
用いた磁区制御では、反強磁性膜12と自由層2間の交
換結合が弱いため読み滲みを生じ、クロストークやサイ
ドリード特性が悪化すると共に、ノイズが増加する。図
1に示した構造では、磁区制御膜7から自由層2迄の距
離が軟磁性磁区制御膜17の幅分広がるため、不感帯領
域が減少する。
17の磁化をトラック幅方向に制御しており、この軟磁
性磁区制御膜17がサイドシールドの役目を果たす。こ
の図1の構造では後述する図3や図7に比べて軟磁性磁
区制御膜17が余分な磁束を吸収する効果があることか
ら、後述する表1の読み滲みΔが減少することが予想さ
れる。この様に磁石膜からなる磁区制御膜7と、反強磁
性膜14を同時に用いて自由層2の磁区制御を行うこと
により、大きな感度を持ちながら、かつ読み滲みやノイ
ズ特性が良好な磁気抵抗ヘッドを実現することができ
る。
第2の実施例を、浮上面から見た図を示す。反強磁性層
5によって磁化が固定されている固定層4の上部に、導
電層3を挟んで自由層2がある。自由層2の上部には反
強磁性膜19があるが、この反強磁性膜19は自由層2
のトラック端部の特定長さ領域にのみ存在することが望
ましい。この反強磁性膜19は、例えば自由層2を積層
した後、反強磁性膜19を全面に積層し、反強磁性膜1
9を残したい部分にレジストを立て、感磁部部分をイオ
ンミリング等で削り取ることによって作成する。
由層2との交換結合は生じないため、記録を読み取る自
由層2中央部の感磁部に、自由層2のトラック両端部分
よりも薄い反強磁性膜19が残っていても良い。このよ
うな反強磁性体5、固定層4、導電層3、自由層2、反
強磁性膜19の積層体の端部はイオンミリング等で削ら
れ、積層体は台形状をしている。この積層体の端部に下
地層6を挟んで磁石膜からなる磁区制御膜7を配置し、
その上部に下地層8を挟んで電極膜9を配置する。この
下地膜は無くても良い。電極膜9は反強磁性膜19の上
に乗り上げた方が素子抵抗が低減できるため有利であ
る。磁石膜7は前記第1の実施例と同様、Ptの原子%
が4〜30%であるCoPt合金、Crの原子%が2〜
15%であるCoCrPt合金、CoCrPt−ZrO
2もしくはCoCrPt−SiO2のいずれかを使用す
ることができる。図8に示された従来の磁石膜7で磁区
制御を行う方式の場合、磁石膜7の近傍に発生する磁界
は非常に大きく、自由層2の磁化回転を妨げるため、広
い不感帯が生じ、素子の感度を下げる。
用いた磁区制御では、反強磁性膜12と自由層2間の交
換結合が弱いため読み滲みを生じ、クロストークやサイ
ドリード特性が悪化し、また、ノイズ特性が悪化する。
図3に示した構造では、磁区制御膜7の近傍の不感帯領
域は読み取りに用いず、自由層2の左右端部にある反強
磁性膜19間の距離もしくは反強磁性膜19が繋がって
いる場合自由層2中央部の反強磁性膜19が薄くなった
部分で定義される感磁部Twで記録を読み取るため、感
度が上昇する。また図9の様に反強磁性膜12だけで磁
区制御する場合の交換結合磁界の不足は磁区制御膜7か
らの磁区制御磁界によって補強されるため、読み滲みや
ノイズの問題も解決される。図4に図8で示された磁石
膜7からなる磁区制御膜で磁区制御した場合、図9に示
された反強磁性膜12のみで磁区制御した場合、及び本
発明の構造で磁区制御した場合のマイクロトラックプロ
ファイルの計算結果を示す。
な幅を持つトラック(マイクロトラック)の上を、トラ
ック幅方向にヘッドを動かしていったときの素子の出力
変化を示したもので、ヘッドのトラック幅方向の感度を
表している。一般的にトラック端部は感度が低いため値
が小さく、トラック中央部は感度が大きいため値が大き
い。マイクロトラックプロファイルを規格化しその半値
幅を取ったものを実効トラック幅Twr50と定義する。ま
たマイクロトラックプロファイルを積分して規格化し、
その5%と95%の位置の幅を取ったものを磁気的トラ
ック幅Twr5-95%として定義する。一般的にTwr5-95%とTw
r50の差分△が大きいほど読み滲みが大きいことを表
す。読み滲みが大きいと、本来読む必要のない隣接トラ
ックの記録を読んでしまうことになり、エラーレートが
劣化してしまうという問題が発生する。
ック幅Twr、反強磁性膜のみの磁区制御及び本発明で
の自由層感磁部Twの幅を等しく180nmとした。マ
イクロトラックの幅は10nm、磁石膜の飽和磁束密度
は1.0T、反強磁性膜による交換結合は79577A/m
(=1,000 Oe)とした。図4を見ると、反強磁性膜
のみで磁区制御した場合が一番出力が大きいが、プロフ
ァイルにうねりが見られ左右非対称になっている。磁石
膜のみによる磁区制御はプロファイルの形状は滑らかで
左右対称だが、出力が小さい。実効トラック幅Twr50
と、磁気的トラック幅Twr5-95%、及び両者の差△=(Tw
r5-95%−Twr50)、規格化出力の比較表を表1に示す。
読み滲みが通常より20nm以上大きく磁区制御力が不
足しているということを表している。
区制御方式に比べ出力は1.8倍得られるにも関わら
ず、磁気的トラック幅と実効トラック幅の差Δ=Twr5-9
5%−Twr50は広がるどころか小さくなっている。これは
不感帯領域が減少していることに他ならない。図5に、
磁石膜を用いた磁区制御膜と、本発明構成、それぞれ自
由層幅Twrと感磁部幅Twが変化した時の出力変化を
計算した結果を示す。いずれの幅でも出力は本発明の構
成の方が大きい。
磁部幅Twが300nmの時を基準として出力を規格化
したグラフを図6に示す。磁石膜を用いた磁区制御膜に
比較して、本発明の方がトラック幅の減少に伴う出力の
減少の割合が小さいことがわかる。これは本発明が磁石
膜を用いる従来構造と比較して不感帯領域の影響を受け
にくいことを表わしている。このように磁石膜からなる
磁区制御膜7と、反強磁性膜19を併用して自由層2の
磁区制御を行うことにより、大きな感度を持ちながら、
かつ読み滲みやノイズ特性が良い磁気抵抗ヘッドを実現
することができる。
第3の実施例を、浮上面から見た図を示す。反強磁性層
5によって磁化が固定されている固定層4の上部に、導
電層3を挟んで自由層2がある。自由層2の上部には反
強磁性膜14があるが、この反強磁性膜14は自由層ト
ラック端部の特定長さ領域にのみ存在することが望まし
い。この反強磁性膜14の上部に下地膜15を介して第
1の電極膜16が積層されている。この下地膜はなくて
も良い。
強磁性膜14、下地膜15、電極膜16を順に積層し、
感磁部の電極膜16をRIE等によって除去する。残っ
た電極膜をマスクにしてイオンミリングを行い感磁部領
域の反強磁性膜を除くことにより作成する。ここで、反
強磁性膜が十分薄ければ自由層との交換結合は生じない
ため、記録を読み取る自由層中央部の感磁部に、自由層
トラック部分よりも薄い反強磁性膜が残っていても良
い。
3、自由層2、反強磁性膜14、下地膜15、電極膜1
6の積層体の上部に更にレジストを立て、端部をイオン
ミリング等で削り積層体を台形状にする。積層体の端部
に下地膜6を挟んで磁石膜からなる磁区制御膜7を配置
し、その上部に下地膜8を挟んで第2の電極膜9を配置
する。この下地膜8は無くても良い。磁石膜7は前記第
1及び第2の実施例と同様、Ptの原子%が4〜30%
であるCoPt合金、Crの原子%が2〜15%である
CoCrPt合金、CoCrPt−ZrO2もしくはC
oCrPt−SiO2のいずれかを使用することができ
る。第1の電極膜9と第2の電極膜16は異なったプロ
セスで形成されるが、最終的に両者は繋がり、磁気抵抗
効果素子に電流を供給する。電極膜9は電極膜16に接
触していれば良いので、電極膜9の乗り上げ量の影響は
大きくなく、プロセス尤度が大きい構造である。
を行う方式の場合、磁石膜7の近傍に発生する磁界は非
常に大きく、自由層2の磁化回転を妨げるため、広い不
感帯が生じ、素子の感度を下げる。
いた磁区制御では、反強磁性膜12と自由層2間の交換
結合が弱いため読み滲みを生じ、クロストークやサイド
リード特性が悪化し、また、ノイズ特性が悪化する。図
7に示した構造では、磁区制御膜7の近傍の不感帯領域
は読み取りに用いず、左右の反強磁性膜14もしくは反
強磁性膜が薄くなった部分で定義される感磁部Twで記
録を読み取るため、感度が上昇する。
する場合の交換結合磁界の不足は磁区制御膜7からの磁
区制御磁界によって補強されるため、読み滲みやノイズ
の問題も解決される。この図7の構造においても、前記
第2の実施例で示した図4、図5、図6の様な特性が得
られる。この様に磁石膜からなる磁区制御膜7と、反強
磁性膜14を併用して自由層2の磁区制御を行うことに
より、大きな感度を持ちながら、かつ読み滲みやノイズ
特性が良い磁気抵抗効果ヘッドを実現することができ
る。
由層の磁区制御構成を用いることで、狭トラック化に対
しても従来の磁石膜を用いた磁区制御構成の素子に比較
して大きな感度を持ちながら、かつ読み滲みやノイズ特
性が良い磁気抵抗効果ヘッドを実現することができる。
と反強磁性膜を併用した磁区制御の構成図である。
の自由層内部の磁区制御磁界分布を示した図である。
ファイルを示した図である。
磁部幅依存性を示した図である。
幅、感磁部幅依存性を示した図である。
である。
た図である。
磁性層、6:磁石膜の下地膜、7:磁石膜を用いた磁区
制御膜、8:従来構造の電極膜の下地膜もしくは本発明
における第2の電極膜の下地膜、9:従来構造の電極膜
もしくは本発明の第2の電極膜、14、19:反強磁性
膜、15:下地膜、16:第1の電極膜、Tw:反強磁
性膜を用いた磁区制御及び本発明における感磁部領域の
幅
Claims (11)
- 【請求項1】反強磁性層と、該反強磁性層上に形成され
た磁化方向が固定されている固定層と、該固定層上に形
成された導電層と、該導電層上に形成された自由層と、
該自由層の磁区制御を行うための反強磁性膜及び磁石膜
とを有する磁区制御膜と、前記反強磁性層、固定層、導
電層及び自由層の積層体に電流を供給する一対の電極膜
とを有することを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項2】前記磁石膜はPtの原子%が4〜30%で
あるCoPt合金、Crの原子%が2〜15%であるC
oCrPt合金、CoCrPt−ZrO2もしくはCo
CrPt−SiO2のいずれかであることを特徴とする
請求項1記載の磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項3】反強磁性層と、該反強磁性層上に形成され
た磁化方向が固定されている固定層と、該固定層上に形
成された導電層と、該導電層上に形成された自由層と、
これら積層体の両端部に配置された軟磁性磁区制御膜
と、該軟磁性磁区制御膜の上部に形成された反強磁性膜
と、該反強磁性膜の上部に形成された第1の電極膜と、
前記軟磁性磁区制御膜の両脇に配置された磁石膜と、該
磁石膜の上部に前記第1の電極膜に繋がるように形成さ
れた第2の電極膜とを有することを特徴とする磁気抵抗
効果ヘッド。 - 【請求項4】前記積層体の両端部と前記軟磁性磁区制御
膜の間、前記反強磁性膜と第1の電極膜の間、前記軟磁
性磁区制御膜と前記磁石膜の間及び前記磁石膜と前記第
2の電極膜との間には下地膜が形成されていることを特
徴とする請求項3記載の磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項5】前記磁石膜はPtの原子%が4〜30%で
あるCoPt合金、Crの原子%が2〜15%であるC
oCrPt合金、CoCrPt−ZrO2もしくはCo
CrPt−SiO2のいずれかであることを特徴とする
請求項3または4記載の磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項6】反強磁性層と、該反強磁性層上に形成され
た磁化方向が固定されている固定層と、該固定層上に形
成された導電層と、該導電層上に形成された自由層と、
該自由層の両端面に形成された反強磁性膜と、これら積
層体の両端部に配置された磁石膜と、該磁石膜及び前記
反強磁性膜の上部に形成された電極膜とを有することを
特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項7】前記積層体と前記磁石膜の間、該磁石膜及
び前記反強磁性膜と前記電極膜の間には下地膜が形成さ
れていることを特徴とする請求項6記載の磁気抵抗効果
ヘッド。 - 【請求項8】前記磁石膜はPtの原子%が4〜30%で
あるCoPt合金、Crの原子%が2〜15%であるC
oCrPt合金、CoCrPt−ZrO2もしくはCo
CrPt−SiO2のいずれかであることを特徴とする
請求項6または7記載の磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項9】反強磁性層と、該反強磁性層上に形成され
た磁化方向が固定されている固定層と、該固定層上に形
成された導電層と、該導電層上に形成された自由層と、
該自由層の両端面上に形成された反強磁性膜と、これら
積層体の両端部に配置された磁石膜と、前記反強磁性膜
の上部に形成された第1の電極膜と、前記磁石膜の上部
に形成された前記第1の電極膜に繋がる第2の電極膜と
を有することを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項10】前記積層体と前記磁石膜の間、前記反強
磁性膜と第1の電極膜の間及び該磁石膜と前記第2の電
極膜の間には下地膜が形成されていることを特徴とする
請求項9記載の磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項11】前記磁石膜はPtの原子%が4〜30%
であるCoPt合金、Crの原子%が2〜15%である
CoCrPt合金、CoCrPt−ZrO2もしくはC
oCrPt−SiO2のいずれかであることを特徴とす
る請求項9または10記載の磁気抵抗効果ヘッド。
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