JP3981856B2 - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜磁気ヘッドに関するものであり、特に、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記録装置の再生ヘッド(リードヘッド)に用いる磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドの低ノイズ化のための磁区制御膜の構成に特徴のある薄膜磁気ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの外部記憶装置であるハードディスク装置等の小型化,大容量化の要請の高まりに伴い、高密度磁気記録が可能なハードディスク装置等の研究開発が急速に進められており、この様なハードディスク装置の高記録密度化を実現するためには、線記録密度とトラック密度を向上させる必要があるが、そのためには、記録ヘッドとしては、隣接するトラックとのクロストーク等の原因となる記録にじみを防止するために誘導型の薄膜磁気ヘッドの上部磁極先端部のライトポールのコア幅をより狭く形成するための技術が必要になる。
【0003】
一方、再生ヘッドとしては再生出力が磁気記録媒体と磁気ヘッド間の相対速度に依存せずに高い出力が得られ、且つ、小型ディスクに対しても適用できる磁気抵抗効果素子(MR素子)を用いた再生専用の磁気ヘッドが注目されており、近年の高性能化の要請に応えるヘッドとして、この様なMR素子を用いた磁気ヘッドと誘導型の薄膜磁気ヘッドとを複合化した複合型薄膜磁気ヘッドが開発されており、記録ヘッドの記録ギャップと再生ヘッドの再生ギャップをそれぞれ最適化することによって、記録特性の向上と、再生分解能の向上を共に実現しようとしている。
【0004】
この様なMRヘッドにおける再生原理は、リード電極から一定のセンス電流を流した場合に、磁気抵抗効果素子を構成する磁性薄膜の電気抵抗が記録媒体からの磁界により変化する現象を利用するものである。
【0005】
この様な複合型薄膜磁気ヘッドをはじめとした磁気ディスク装置においては、最近、大容量化と共に磁気記録媒体上のビット長及びトラック幅が急激に狭くなってきており、それに伴って磁気記録媒体からの信号も減少しているため、再生ヘッドのさらなる高感度化が要請されている。
【0006】
この様に高感度化を目指す場合、MR膜が単磁区にならないとバルクハウゼンノイズが発生し、再生出力が大きく変動するので、MR膜の磁区を制御するために磁区制御膜を設けているが、この磁区制御膜としてはCoCr等に代表される高保磁力膜やPdPtMn等の反強磁性膜が用いられているので、ここで、図を参照して従来のMRヘッドを説明する。
【0007】
(a)参照
(a)は、磁区制御膜を設けた従来のMRヘッドの概略的断面図であり、スライダーの母体となるAl2 3 −TiC基板41上に、Al2 3 膜42を介してNiFe合金等からなる下部磁気シールド層43を設け、Al2 3 等の下部リードギャップ層44を介して磁気抵抗効果素子45を設けて所定の形状にパターニングしたのち、磁気抵抗効果素子45の両端にCoCrPt等の高保磁力膜からなる磁区制御膜46を設け、次いで、W/Ti/Ta多層膜等からなる導電膜を堆積させてリード電極47を形成する。
次いで、再び、Al2 3 等の上部リードギャップ層48を介してNiFe合金等からなる上部磁気シールド層49を設けることによって、MRヘッドの基本構成が完成する。
【0008】
この場合、磁気抵抗効果素子45の両側の磁区制御膜46の接する近傍の領域の磁化が、磁区制御膜46によって固着されてしまうため、磁気記録媒体からの磁界に反応しない不感帯50が発生し、これにより、十分な感度が得られなくなるという問題が発生する。 この様な不感帯50に伴う感度の低下を回避するために、オーバーレイド構造を採用しているので、この様な改良型のMRヘッドを図(b)を参照して説明する。
【0009】
(b)参照
(b)は、オーバーレイド構造を採用した従来のMRヘッドの概略的断面図であり、基本的構成は図(a)のMRヘッドと全く同様であるが、この様なMRヘッドの場合には、リード電極47の間隔に比べて、磁区制御膜46の間隔を広くとる構造、即ち、オーバーレイド構造を採用したものであり、この様な構造にすることによって、不感帯50が再生出力を検出するリード電極47から遠ざかるため、磁気記録媒体の磁界に磁気抵抗効果素子45が十分反応して感度が向上することになる。
【0010】
なお、近年、この様な磁気抵抗効果素子45を構成する膜として、巨大磁気抵抗効果膜としてスピンバルブ膜やCoFe/Cu人工格子膜等が用いられており、例えば、IBMにより「スピン・バルブ効果利用の磁気抵抗センサ(特開平4−358310号公報参照)」或いは「二重スピン・バルブ磁気抵抗センサ(特開平6−223336号公報参照)」が提案されているが、この磁気センサは、非磁性金属層によって分離された2つの結合していない強磁性体層を備え、一方の強磁性体層にFeMn或いはPdPtMn等で代表される反強磁性体層を付着して強磁性体層の磁化Mが固定されているサンドイッチ構造となっており、記録媒体からの微小な磁界に対し高い磁気抵抗効果が得られるといった点において、従来のインダクティブヘッド若しくはAMR(Anisotropy Magneto−Resistivity)膜より格段に優れており、高感度リードヘッド素子として用いられている。
【0011】
この磁気センサにおいて、磁気記録媒体等から外部磁場が印加されると、磁化が固定されていない他方の強磁性体層、即ち、フリー(free)層の磁化方向が外部磁場に一致して自由に回転するため、磁化が固定された強磁性体層、即ち、ピンド(pinned)層の磁化方向と角度差を生ずることになる。
【0012】
この角度差に依存して伝導電子のスピンに依存した散乱が変化し、電気抵抗値が変化するので、この電気抵抗値の変化を定電流のセンス電流を流すことによって電圧値の変化として検出することによって、外部磁場の状況、即ち、磁気記録媒体からの信号磁場を取得するものであり、このスピンバルブ磁気抵抗センサの磁気抵抗変化率は約5%程度となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、磁区制御膜46としてCoCr等に代表される高保磁力膜を使用すると、発生する磁界はその膜面内配向に起因し、磁化は膜面内垂直方向に発生しやすくなるという問題がある。
【0014】
一方、磁区制御膜としてPdPtMn等に代表される反強磁性膜を用いる場合もあるが、MR膜或いは巨大磁気抵抗効果膜(GMR膜)の媒体磁界を感じるフリー層と結合しなければならず、選択エッチング工程が必要になるなど製造が困難になるという問題がある。
即ち、反強磁性膜を用いた場合、高保磁力膜と同様にMR膜と側面で接触させた場合には、着磁ができないので、MR膜中のフリー層を選択的に露出させて、その上に反強磁性膜を選択的に堆積させる必要があるが、フリー層を露出させる際に、薄いフリー層をエッチングしないように精度良く選択エッチングすることが必要になる。
【0015】
したがって、本発明は、MR膜の磁化を制御する磁区制御膜の発生磁界を、MR膜の膜面内方向に向けて安定した磁区制御を行うことによって、低ノイズ化することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理的構成の説明図であり、この図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
なお、図における符号7は、下部リードギャップ層である。
1参
(1)本発明は、記録媒体の磁気的信号を再生信号として検出する再生ヘッドを少なくとも備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、記録媒体の磁気的信号を検出する磁気抵抗効果素子1の磁化を制御する磁区制御膜2を、高保磁力膜3、強磁性膜4、及び、反強磁性膜5との積層膜によって構成するとともに、強磁性膜4を高保磁力膜3と反強磁性膜5との間に設けたことを特徴とする。
【0017】
この様に、磁区制御膜2を高保磁力膜3、強磁性膜4、及び、反強磁性膜5の3層構造膜で構成することによって、磁区制御膜2の発生磁界を磁気抵抗効果素子1の膜面内方向に向けて、安定した磁区制御を行うことができる。
【0019】
(2)また、本発明は、上記(1)において、磁区制御膜2が、高保磁力膜3、強磁性膜4、及び、反強磁性膜5との積層膜によって構成されるとともに、強磁性膜4が高保磁力膜3と反強磁性膜5との間に設けられていることを特徴とする。
【0020】
特に、高保磁力膜3と反強磁性膜5との間に強磁性膜4を設けることによって、高保磁力膜3と反強磁性膜5との間の磁気結合を確実に行うことができる。
即ち、反強磁性膜5と強磁性膜4との間では良好な交換結合が行われ、また、高保持力膜3と強磁性膜4との間でも良好な交換結合が行われるので、強磁性膜4を介在させることによって反強磁性膜5と高保磁力膜3との間の交換結合も良好に行われることになる。
【0021】
(2)また、上記(1)において、高保磁力膜3、強磁性膜4及び反強磁性膜5との積層膜によって構成される磁区制御膜2において、積層膜を構成する各膜の境界面の少なくとも一つで、各膜が全面若しくは部分において磁気的に結合していることが望ましい。
【0022】
この様に、高保持力膜の磁化方向を規制するためには、積層膜を構成する各膜の境界面の少なくとも一つで、各膜が全面若しくは部分において磁気的に結合している必要がある。
【0023】
(3)また、上記(1)または(2)において、磁区制御膜2を構成する高保磁力膜3の端部が、強磁性膜4或いは反強磁性膜5の端部に比べて、磁気抵抗効果素子1の端部に近接していることが望ましい。
【0024】
この様に、磁区制御膜2を構成する高保磁力膜3の端部を、強磁性膜4或いは反強磁性膜5の端部より磁気抵抗効果素子1の端部に近接させることによって、高保磁力膜3によって磁気抵抗効果素子1の磁区を制御することができる。
【0025】
(4)また、上記(1)乃至()のいずれかにおいて、磁気抵抗効果素子1の両端に磁区制御膜2を設けるとともに、両端に設けた磁区制御膜2の間隔を、一対のリード電極6の間隔より広くしても良い。
【0026】
この様に、両端に設けた磁区制御膜2の間隔を、一対のリード電極6の間隔より広くしたオーバーレイド構造にすることによって、不感帯が再生出力を検出するリード電極6から遠ざかるため、磁気記録媒体の磁界に磁気抵抗効果素子1が十分反応して感度を向上することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
ここで、図2及び図3を参照して、本発明の第1の実施の形態のMRヘッドの製造工程を説明する。
図2(a)参照
まず、Al2 3 −TiC基板11上にスパッタリング法を用いて厚さ2μmのAl2 3 膜12を堆積させたのち、選択電解メッキ法を用いて、100〔Oe〕の磁界を印加しながら、厚さが、1〜3μm、例えば、3μmのNiFe膜を形成して下部磁気シールド層13とし、次いで、スパッタリング法を用いて、厚さが、例えば、50nmのAl2 3 膜を堆積させたのち、イオンミリング法によって所定形状にパターニングすることによって下部リードギャップ層14を形成し、次いで、磁気抵抗効果素子を構成するためのスピンバルブ膜15を堆積させる。
【0028】
図2(b)参照
このスピンバルブ膜15としては、例えば、30〔Oe〕の磁界を印加しながらスパッタリング法を用いて、下地層となる厚さが、例えば、50ÅのTa膜16を形成したのち、厚さが、例えば、40ÅのNiFeフリー層17、厚さが、例えば、25ÅCoFeフリー層18、厚さが、例えば、25ÅのCu中間層19、厚さが、例えば、25ÅのCoFeピンド層20、厚さが20〜300Å、例えば、250ÅのPdPtMn膜からなる反強磁性体層21、及び、厚さが60ÅのTa保護膜22を順次積層させて形成する。
なお、この場合のNiFeの組成は、例えば、Ni81Fe19であり、CoFeの組成は、例えば、Co90Fe10であり、また、PdPtMnの組成は、例えば、Pd31Pt17Mn52である。
【0029】
次いで、CoFeピンド層20の磁化方向を固定するために、成膜時に印加した磁界と直交する方向の200kA/mの直流磁場を印加しながら、真空中で230℃で1〜3時間の熱処理を行うことによってPdPtMnからなる反強磁性体層21の磁化方向を印加した直流磁場の方向とする。
なお、この場合、230℃の熱処理工程において、Cu中間層19を構成するCuとNiFeフリー層17との間の相互拡散が生じないように、両者の間にバリア層となるCoFeフリー層18を設けてフリー層を2層構造としている。
【0030】
図2(c)参照
次いで、レジストパターン23をマスクとしてArイオンを用いたイオンミリングを施すことによって、スピンバルブ膜15の露出部を除去する。
【0031】
図3(d)参照
次いで、スパッタリング法を用いて全面に、厚さが10〜500Å、例えば、150ÅのCoCrPt膜からなる高保磁力膜24、厚さが5〜100Å、例えば、20ÅのNiFe膜からなる強磁性膜25、及び、厚さが50〜300Å、例えば、150ÅのPdPtMn膜からなる反強磁性膜26を順次堆積させたのち、リード電極を構成するために例えば、10nmのTa膜、10nmのTiW膜、及び、80nmのTa膜を順次堆積させる。
【0032】
なお、この場合の高保磁力膜24を構成するCoCrPtの組成は、例えば、Co78Cr10Pt12であり、強磁性膜25を構成するNiFeの組成は、例えば、Ni81Fe19であり、また、反強磁性膜26を構成するPdPtMnの組成は、例えば、Pd31Pt17Mn52である。
また、高保磁力膜24の厚さは、スピンバルブ膜15を構成するNiFeフリー層17及びCoFeフリー層18に接するように設定する必要がある。
【0033】
次いで、レジストパターン23上に堆積させたTa膜/TiW膜/Ta膜、及び、反強磁性膜26/強磁性膜25/高保磁力膜24をレジストパターン23と共に除去したのち、新たなレジストパターン(図示せず)をマスクとしてイオンミリングを施すことによって、Ta膜/TiW膜/Ta膜、及び、反強磁性膜26/強磁性膜25/高保磁力膜24を所定形状にパターニングして一対のリード電極27及び一対の磁区制御膜を形成する。
【0034】
図3(e)参照
次いで、レジストパターン(図示せず)を除去したのち、再び、スパッタリング法によって、厚さが、例えば、500ÅのAl2 3 膜を堆積したのち、イオンミリング法を用いて所定形状にパターニングすることによって上部リードギャップ層28を形成する。
【0035】
図3(f)参照
次いで、選択電解メッキ法によって、厚さが1〜3μm、例えば、3μmのNiFe膜を成膜して上部磁気シールド層29とすることによってシングルスピンバルブ素子を磁気抵抗効果素子としたMRヘッドの基本構成が完成する。
【0036】
この様に、本発明の第1の実施の形態においては、磁区制御膜を、高保磁力膜24、強磁性膜25、及び、反強磁性膜26からなる3層構造によって構成しているので、高保磁力膜24の磁化方向を反強磁性膜26によって膜面内方向に規制することができる。
また、この場合の強磁性膜25は、高保磁力膜24と反強磁性膜26との間の磁気的結合を確実に行うために設けたものである。
【0045】
次に、図を参照して、本発明の第の実施の形態のMRヘッドを説明するが、基本的な製造工程は上記の第1の実施の形態と同等であるので、説明を簡略化する。
(a)参照
(a)は、磁気抵抗効果素子を、媒体磁界を感知する膜、即ち、バイアス調整膜(SAL膜)を含む異方性磁気抵抗効果素子によって構成したMRヘッドの製造途中の要部断面図であり、Al2 3 膜からなる下部リードギャップ層31上に、例えば、厚さが50ÅのNi81Fe19からなるバイアス調整膜32、Al2 3 からなる非磁性絶縁膜33、及び、例えば、厚さが100ÅのNi81Fe19からなる磁気抵抗膜34、をスパッタリング法を用いて順次堆積させたのち、レジストパターン(図示せず)をマスクとしてイオンミリングを施すことによって磁気抵抗効果素子を所定形状にパターニングする。
【0046】
次いで、スパッタリング法を用いて全面に、PdPtMn膜からなる反強磁性膜35、NiFe膜からなる強磁性膜36、及び、CoCrPt膜からなる高保磁力膜37を順次堆積させたのち、Ta膜/TiW膜/Ta膜を順次堆積させ、次いで、レジストパターン上に堆積させたTa膜/TiW膜/Ta膜、及び、高保磁力膜37/強磁性膜36/反強磁性膜35をレジストパターンと共に除去したのち、新たなレジストパターン(図示せず)をマスクとしてイオンミリングを施すことによって、Ta膜/TiW膜/Ta膜、及び、高保磁力膜37/強磁性膜36/反強磁性膜35を所定形状にパターニングして一対のリード電極38及び一対の磁区制御膜を形成する。
【0047】
なお、この場合の高保磁力膜37を構成するCoCrPtの組成は、例えば、Co78Cr10Pt12であり、強磁性膜36を構成するNiFeの組成は、例えば、Ni81Fe19であり、また、反強磁性膜35を構成するPdPtMnの組成は、例えば、Pd31Pt17Mn52である。
また、高保磁力膜37の厚さは、磁気抵抗効果素子を構成する磁気抵抗膜34の端部に接するように設定する必要がある。
【0048】
以降は図示しないものの、上記の第1の実施の形態と同様に、レジストパターンを除去したのち、再び、スパッタリング法によって、厚さが、例えば、500ÅのAl2 3 膜を堆積し、イオンミリング法を用いて所定形状にパターニングすることによって上部リードギャップ層を形成する。
次いで、選択電解メッキ法によって、厚さが1〜3μm、例えば、3μmのNiFe膜を成膜して上部磁気シールド層とすることによってシングルスピンバルブ素子を磁気抵抗効果素子としたMRヘッドの基本構成が完成する。
【0049】
この本発明の第の実施の形態においては、磁区制御膜を高保磁力膜37/強磁性膜36/反強磁性膜35の3層構造膜によって構成するとともに、高保磁力膜37が磁気抵抗膜34の端部に接するように構成しているので、磁気抵抗膜34の磁化を制御する磁区制御膜の発生磁界を、磁気抵抗膜34の膜面内方向に向けて安定した磁区制御を行うことができる。
【0050】
(b)参照
(b)は、上記の第の実施の形態の変形例であり、異方性磁気抵抗効果素子を構成する磁気抵抗膜34、非磁性膜33、及び、バイアス調整膜32の積層順序を反転させたものであり、それに伴って、磁気抵抗膜34の端部に高保磁力膜37が接するように、磁区制御膜を構成する高保磁力膜37、強磁性膜36、及び、反強磁性膜35の積層順序も反転させたものであり、作用効果は上記の図(a)の場合と同様である。
【0051】
次に、図を参照して、本発明の第の実施の形態のMRヘッドを説明するが、この場合も基本的な製造工程は上記の第1の実施の形態と同等であるので、説明を簡略化する。
参照
は、磁気抵抗効果素子を、人工格子膜からなる巨大磁気抵抗効果素子によって構成したMRヘッドの製造途中の要部断面図であり、Al2 3 膜からなる下部リードギャップ層31上に、スパッタリング法を用いて、例えば、厚さが1.1nmのCo90Fe10膜及び厚さ2.1nmのCu膜を交互に10層順次堆積させて人工格子膜39としたのち、レジストパターン(図示せず)をマスクとしてイオンミリングを施すことによって人工格子膜39を所定形状にパターニングする。
【0052】
次いで、スパッタリング法を用いて全面に、CoCrPt膜からなる高保磁力膜37、NiFe膜からなる強磁性膜36、及び、PdPtMn膜からなる反強磁性膜35を順次堆積させたのち、Ta膜/TiW膜/Ta膜を順次堆積させ、次いで、レジストパターン上に堆積させたTa膜/TiW膜/Ta膜、及び、反強磁性膜35/強磁性膜36/高保磁力膜37をレジストパターンと共に除去したのち、新たなレジストパターン(図示せず)をマスクとしてイオンミリングを施すことによって、Ta膜/TiW膜/Ta膜、及び、反強磁性膜35/強磁性膜36/高保磁力膜37を所定形状にパターニングして一対のリード電極38及び一対の磁区制御膜を形成する。
【0053】
なお、この場合の高保磁力膜37を構成するCoCrPtの組成は、例えば、Co78Cr10Pt12であり、強磁性膜36を構成するNiFeの組成は、例えば、Ni81Fe19であり、また、反強磁性膜35を構成するPdPtMnの組成は、例えば、Pd31Pt17Mn52である。
また、高保磁力膜37の厚さは、巨大磁気抵抗効果素子を構成する人工格子膜39の側端部全体に接するように設定する必要がある。
【0054】
以降は図示しないものの、上記の第1の実施の形態と同様に、レジストパターンを除去したのち、再び、スパッタリング法によって、厚さが、例えば、500ÅのAl2 3 膜を堆積し、イオンミリング法を用いて所定形状にパターニングすることによって上部リードギャップ層を形成する。
次いで、選択電解メッキ法によって、厚さが1〜3μm、例えば、3μmのNiFe膜を成膜して上部磁気シールド層とすることによってシングルスピンバルブ素子を磁気抵抗効果素子としたMRヘッドの基本構成が完成する。
【0055】
この本発明の第の実施の形態においては、磁区制御膜を反強磁性膜35/強磁性膜36/高保磁力膜37の3層構造膜によって構成するとともに、高保磁力膜37が人工格子膜39の側端部全面に接するように構成しているので、人工格子膜39の磁化を制御する磁区制御膜の発生磁界を、人工格子膜39の膜面内方向に向けて安定した磁区制御を行うことができる。
【0056】
以上、本発明の各実施の形態を説明してきたが、本発明は各実施の形態に記載した構成に限られるものではなく、各種の変更が可能である。
例えば、上記の第1の実施の形態の説明においては、下部磁気シールド層13及び上部磁気シールド層29を選択電解メッキ法を用いてNiFeによって構成しているが、NiFeと同様に保磁力の小さな軟磁性膜であるCoFeNiSやCoFeを用いても良いものであり、成膜方法としても電解メッキ法で全面に堆積させたのちイオンミリング法によってパターニングしても良いものであり、或いは、スパッタリング法を用いてリフトオフによってパターニングしても良いし、さらには、全面に堆積させたのち、イオンミリング法によってパターニングしても良いものである。
なお、電解メッキ法を用いる場合には、予めメッキベース層を設けておくことが望ましい。
【0057】
また、本発明の各実施の形態の説明において、Al2 3 −TiC基板上に設ける下地絶縁膜、下部リードギャップ層、及び、上部リードギャップ層としてAl2 3 を用いているが、Al2 3 に限られるものではなく、例えば、SiO2 を用いても良いものであり、また、成膜法としてもスパッタリング法に限られるものではなく、蒸着法或いはCVD法を用いても良いものであり、また、パターニング法としても、リフトオフ法を用いても良いものである。
【0058】
また、本発明の第1の実施の形態の説明においては、磁気抵抗効果素子としてスピンバルブ膜、即ち、NiFe/CoFe/Cu/CoFe/PdPtMnからなるシングルスピンバルブ素子を用いているが、この様なシングルスピンバルブ素子に限られるものではなく、例えば、NiFe/Cu/NiFe/FeMn等の他の積層構造のシングルスピンバルブ素子を用いても良いものであり、さらには、ダブルスピンバルブ素子を用いても良いものである。
【0059】
また、磁気抵抗効果素子としてスピンバルブ膜や、第の実施の形態における異方性磁気抵抗効果素子、或いは、第の実施の形態における人工格子膜以外に、スピンバルブ膜におけるCu中間層をトンネル絶縁膜に置き換えた強磁性トンネル接合構造を有する素子を用いても良いものである。
【0060】
また、上記の各実施の形態の説明においては、磁区制御膜を構成する高保磁力膜としてCoCrPtを用いているが、CoCrPtに限られるものではなく、CoPt,CoCr等の他の高保磁力膜を用いても良い。
【0061】
また、上記の各実施の形態の説明においては、磁区制御膜を構成する反強磁性膜としてPdPtMnを用いているが、PdPtMnに限られるものではなく、く、FeMn等の他の反強磁性体膜を用いても良いものである。
【0062】
また、上記の各実施の形態においては、NiFe、CoFe、PdPtMn、及び、CoCrPtとして、夫々、Ni81Fe19、Co90Fe10、Pd31Pt17Mn52、及び、Co78Cr10Pt12を用いているが、この様な組成比に限られるものではなく、必要とする磁気特性及び加工特性等に応じて適宜組成比を選択すれば良いものである。
【0063】
また、上記の本発明の各実施の形態の説明においては、リード電極27としてTa/TiW/Ta積層構造膜を用いているが、この様な積層構造膜に限られるものではなく、Cu膜或いはAu膜を用いても良いし、或いは、単独のW膜やTa膜を用いても良いものである。
【0064】
また、上記の本発明の各実施の形態の説明においては、基板としてAl2 3 −TiC基板を用いているが、表面にSiO2 膜を形成したSi基板或いはガラス基板等の基板を用いても良いものである。
【0065】
また、上記の第1の実施の形態においては、磁区制御膜を高保磁力膜/強磁性膜/反強磁性膜を順次堆積させて構成しているが、スピンバルブ膜の積層順序によっては、反強磁性膜/強磁性膜/高保磁力膜の順序で堆積させても良いものである。
【0067】
また、上記の第及び第の実施の形態においても、オーバーレイド構造を採用しても良いものである。
【0069】
また、本発明の各実施の形態の説明においては、磁区制御膜を構成する、高保磁力膜と、強磁性膜或いは反強磁性膜は、堆積方向の全面において磁気的に交換結合しているが、必ずしも全面である必要はなく、磁気抵抗効果素子を膜面内方向に磁化できる程度の磁界が得られるのであれば、部分的に結合していても良いものである。
【0070】
また、本発明の各実施の形態の説明においては、単独のMRヘッド構造として説明しているが、本発明はこの様な単独のMRヘッドに限られるものではなく、誘導型の薄膜磁気ヘッドと積層した複合型薄膜磁気ヘッドにも適用されるものであることは言うまでもないことである。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、薄膜磁気ヘッドを構成する磁気抵抗効果素子の磁化を制御する磁区制御膜を高保磁力膜、強磁性膜及び反強磁性膜の積層膜によって構成しているので、磁気抵抗効果素子の磁化を制御する磁区制御膜の発生磁界を、磁気抵抗効果素子の膜面内方向に向けて安定した磁区制御を行うことができ、それによってノイズの無い良好なヘッド再生特性を得ることができ、ひいては、高記録密度のHDD装置の普及に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の途中までの製造工程の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の図2以降の製造工程の説明図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態の要部断面図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態の要部断面図である。
【図6】 従来のMRヘッドの説明図である。
【符号の説明】
1 磁気抵抗効果素子
2 磁区制御膜
3 高保磁力膜
4 強磁性膜
5 反強磁性膜
6 リード電極
7 下部リードギャップ層
11 Al2 3 −TiC基板
12 Al2 3
13 下部磁気シールド層
14 下部リードギャップ層
15 スピンバルブ膜
16 Ta膜
17 NiFeフリー層
18 CoFeフリー層
19 Cu中間層
20 CoFeピンド層
21 反強磁性体層
22 Ta保護膜
23 レジストパターン
24 高保磁力膜
25 強磁性膜
26 反強磁性膜
27 リード電極
28 上部リードギャップ層
29 上部磁気シールド層
31 下部リードギャップ層
32 バイアス調整膜
33 非磁性絶縁膜
34 磁気抵抗膜
35 反強磁性膜
36 強磁性膜
37 高保磁力膜
38 リード電極
39 人工格子膜
41 Al2 3 −TiC基板
42 Al2 3
43 下部磁気シールド層
44 下部リードギャップ層
45 磁気抵抗効果素子
46 磁区制御膜
47 リード電極
48 上部リードギャップ層
49 上部磁気シールド層
50 不感帯

Claims (1)

  1. 記録媒体の磁気的信号を再生信号として検出する再生ヘッドを少なくとも備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、記録媒体の磁気的信号を検出する磁気抵抗効果素子の磁化を制御する磁区制御膜を、高保磁力膜、強磁性膜、及び、反強磁性膜との積層膜によって構成するとともに、前記強磁性膜を前記高保磁力膜と前記反強磁性膜との間に設けたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
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