JP3677582B2 - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜磁気ヘッドに関するものであり、特に、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記録装置の再生ヘッド(リードヘッド)に用いるオーバーレイド構造の磁気抵抗効果素子におけるオフトラック特性を改善するための構成に特徴のある薄膜磁気ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの外部記憶装置であるハードディスク装置等の小型化,大容量化の要請の高まりに伴い、高密度磁気記録が可能なハードディスク装置等の研究開発が急速に進められており、この様なハードディスク装置の高記録密度化を実現するためには、線記録密度とトラック密度を向上させる必要があるが、そのためには、記録ヘッドとしては、隣接するトラックとのクロストーク等の原因となる記録にじみを防止するために誘導型の薄膜磁気ヘッドの上部磁極先端部のライトポールのコア幅をより狭く形成するための技術が必要になる。
【0003】
一方、再生ヘッドとしては再生出力が磁気記録媒体と磁気ヘッド間の相対速度に依存せずに高い出力が得られ、且つ、小型ディスクに対しても適用できる磁気抵抗効果素子(MR素子)を用いた再生専用の磁気ヘッドが注目されており、近年の高性能化の要請に応えるヘッドとして、この様なMR素子を用いた磁気ヘッドと誘導型の薄膜磁気ヘッドとを複合化した複合型薄膜磁気ヘッドが開発されており、記録ヘッドの記録ギャップと再生ヘッドの再生ギャップをそれぞれ最適化することによって、記録特性の向上と、再生分解能の向上を共に実現しようとしている。
【0004】
ここで、図を参照して、従来の複合型薄膜磁気ヘッドの概略的構成を説明する。
参照
図6、従来の複合型薄膜磁気ヘッドを模式的に示した要部透視斜視図であり、スライダーの母体となるAl2 3 −TiC基板(図示せず)上に、Al2 3 膜(図示せず)を介してNiFe合金等からなる下部磁気シールド層41を設け、Al2 3 等の下部リードギャップ層(図示せず)を介してNiFe,Ti,CoZrMoの積層構造等からなる磁気抵抗効果素子42を設けて所定の形状にパターニングしたのち、磁気抵抗効果素子42の両端にAu等からなる導電膜を堆積させてリード電極43を形成する。
【0005】
次いで、再び、Al2 3 等の上部リードギャップ層(図示せず)を介してNiFe合金等からなる下部磁極層を兼ねる上部磁気シールド層44を設け、その上にAl2 3 等からなるライトギャップ層(図示せず)を設けたのち、レジスト等の下部層間絶縁膜(図示せず)を介して水平スパイラル状のライトコイル45を形成するとともに、その両端にライト電極46を設け、次いで、レジスト等からなる上部層間絶縁膜(図示せず)を介して先端に幅細のライトポール48を有する形状の上部磁極層47を設ける。
【0006】
次いで、全面にAl2 3 膜を設けて保護膜(図示せず)としたのち、基板を切断し、ライトポール48の長さ、即ち、ギャップ深さを調整するための研削、研磨等を含めたスライダー加工を行うことにより磁気抵抗効果素子42を利用した再生用、即ち、リード用のMRヘッドと、記録用、即ち、ライト用の誘導型の薄膜磁気ヘッドとを複合化した複合型薄膜磁気ヘッドが得られる。
【0007】
この場合、ライト電極46からライトコイル45に信号電流を流すことによって発生した磁束は下部磁極層を兼ねる上部磁気シールド層44と上部磁極層47とからなる磁極コアに導かれ、上部磁極層47の先端のライトポール48近傍においてライトギャップ層によって形成される記録ギャップによって磁束が外部に漏れ出て、記録媒体に信号が記録されることになる。
また、逆に、記録媒体からの磁束を磁極コアで検出して信号を再生することもできるものであり、上部磁極層47の先端のライトポール48の幅がトラック幅となり、このトラック幅によって面記録密度が規定される。
【0008】
一方、MRヘッドにおける再生原理は、リード電極43から一定のセンス電流を流した場合に、磁気抵抗効果素子42を構成する磁性薄膜の電気抵抗が記録媒体からの磁界により変化する現象を利用するものである。
【0009】
この様な複合型薄膜磁気ヘッドをはじめとした磁気ディスク装置においては、最近、大容量化と共に磁気記録媒体上のビット長及びトラック幅が急激に狭くなってきており、それに伴って磁気記録媒体からの信号も減少しているため、再生ヘッドのさらなる高感度化が要請されている。
【0010】
この様な高感度化を目指す場合、MR膜が単磁区にならないとバルクハウゼンノイズが発生し、再生出力が大きく変動するので、MR膜の磁区を制御するために磁区制御膜を設けているが、この磁区制御膜を設けたことに伴う不感帯が感度向上の障害となるので、この事情を図を参照して説明する。
【0011】
(a)参照
(a)は、磁区制御膜を設けた従来のMRヘッドの概略的断面図であり、図との関連で説明すると、スライダーの母体となるAl2 3 −TiC基板51上に、Al2 3 膜52を介してNiFe合金等からなる下部磁気シールド層41を設け、Al2 3 等の下部リードギャップ層53を介してNiFe,Ti,CoZrMoの積層構造等からなる磁気抵抗効果素子42を設けて所定の形状にパターニングしたのち、磁気抵抗効果素子42の両端にCoCrPt等の高保磁力膜或いはPdPtMn等の反強磁性体膜からなる磁区制御膜54を設け、次いで、W/Ti/Ta多層膜等からなる導電膜を堆積させてリード電極43を形成する。
【0012】
次いで、再び、Al2 3 等の上部リードギャップ層55を介してNiFe合金等からなる上部磁気シールド層44を設けることによって、MRヘッドの基本構成が完成する。
【0013】
しかし、この場合、磁気抵抗効果素子42の両側の磁区制御膜54の接する近傍の領域の磁化が、磁区制御膜54によって固着されてしまうため、磁気記録媒体からの磁界に反応しない不感帯56が発生し、これにより、十分な感度が得られなくなるという問題が発生する。
この様な不感帯56に伴う感度の低下を回避するために、オーバーレイド構造を採用しているので、この様な改良型のMRヘッドを図(b)を参照して説明する。
【0014】
(b)参照
(b)は、オーバーレイド構造を採用した従来のMRヘッドの概略的断面図であり、基本的構成は図(a)のMRヘッドと全く同様であるが、この様なMRヘッドの場合には、リード電極43の間隔に比べて、磁区制御膜54の間隔を広くとる様な構造、即ち、オーバーレイド構造を採用したものであり、この様な構造にすることによって、不感帯56が再生出力を検出するリード電極43から遠ざかるため、磁気記録媒体の磁界に磁気抵抗効果素子42が十分反応して感度が向上することになる。
【0015】
なお、近年、この様な磁気抵抗効果素子42を構成する膜として、巨大磁気抵抗効果膜としてスピンバルブ膜等が用いられており、例えば、IBMにより「スピン・バルブ効果利用の磁気抵抗センサ(特開平4−358310号公報参照)」或いは「二重スピン・バルブ磁気抵抗センサ(特開平6−223336号公報参照)」が提案されているが、この磁気センサは、非磁性金属層によって分離された2つの結合していない強磁性体層を備え、一方の強磁性体層にFeMn或いはPdPtMn等で代表される反強磁性体層を付着して強磁性体層の磁化Mが固定されているサンドイッチ構造となっており、記録媒体からの微小な磁界に対し高い磁気抵抗効果が得られるといった点において、従来のインダクティブヘッド若しくはAMR(Anisotropy Magneto−Resistivity)膜より格段に優れており、高感度リードヘッド素子として用いられている。
【0016】
この磁気センサにおいて、磁気記録媒体等から外部磁場が印加されると、磁化が固定されていない他方の強磁性体層、即ち、フリー(free)層の磁化方向が外部磁場に一致して自由に回転するため、磁化が固定された強磁性体層、即ち、ピンド(pinned)層の磁化方向と角度差を生ずることになる。
【0017】
この角度差に依存して伝導電子のスピンに依存した散乱が変化し、電気抵抗値が変化するので、この電気抵抗値の変化を定電流のセンス電流を流すことによって電圧値の変化として検出することによって、外部磁場の状況、即ち、磁気記録媒体からの信号磁場を取得するものであり、このスピンバルブ磁気抵抗センサの磁気抵抗変化率は約5%程度となる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際のMRヘッドにおいては、再生出力を検出するリード電極43の間の領域を正確に磁気記録媒体の媒体トラック上で動作させることは機械的に不可能であり、したがって、MRヘッドと磁気記録媒体とがトラック幅方向にずれてしまうマージンを見込んで設計されている。
【0019】
一方、このMRヘッドと磁気記録媒体とがトラック幅方向にずれた時の特性、即ち、オフトラック特性としても、所定の値をとる必要があるが、図(b)に示したオーバーレイド構造を採用した場合、不感帯56がリード電極43の間の領域から遠ざかるものの、磁気記録媒体からの磁界に反応できる領域、即ち、感帯が隣接する媒体トラックからの信号を読んでしまうという問題がある。
【0020】
再び、図(b)参照
即ち、磁気抵抗効果素子42の不感帯56を除いた感帯領域は、再生対象の媒体トラック57のみならず、隣接する媒体トラック58,59にも対向しているので、この隣接する媒体トラック58,59からの信号も読んでしまうことになる。
【0021】
また、電流は、図において矢印で示すようにリード電極43と磁気抵抗効果素子42との接触部分全体からオーバーラップ部分に流れるため、感帯で読んでしまった隣接する媒体トラック58,59からの信号を電気的に信号として出力してしまい、リード電極43の間隔を媒体トラック57の幅に対して規定することが不十分になってしまい、良好なオフトラック特性が取れなくなってしまうという問題がある。
【0022】
したがって、本発明は、オーバーレイド構造に伴うオフトラック特性の悪化を回避するリード電極構造を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理的構成の説明図であり、この図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
なお、図1は、MRヘッド、再生ヘッドの概略的要部断面図であり、図における符号5,6,7,8は、夫々下部リードギャップ層、上部リードギャップ層、下部磁気シールド層、及び、上部磁気シールド層である。
図1参照
(1)本発明は、記録媒体の磁気的信号を再生信号として検出する再生ヘッドを少なくとも備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、記録媒体の磁気的信号を検出する磁気抵抗効果素子1と、磁気抵抗効果素子1の両端に設けた一対の磁区制御膜2、及び、一対のリード電極4を備えるとともに、磁気抵抗効果素子1の上面の一部と磁区制御膜2の上面を非導電体材料3によってリード電極4と電気的に分離したことを特徴とする。
【0024】
この様に、磁気抵抗効果素子1の上面の一部と磁区制御膜2の上面を非導電体材料3によって一対のリード電極4と電気的に分離することによって、一対のリード電極4間の領域以外の磁気抵抗効果素子1の感帯で隣接するトラックの磁気的信号を読んでも、リード電極4から信号出力として出力されることがないので、良好なオフトラック特性が得られる。
なお、本願において、「再生ヘッドを少なくとも備えた薄膜磁気ヘッド」とは、少なくとも、MRヘッドとライト用薄膜ヘッドとを積層させた複合型薄膜磁気ヘッド及びMRヘッドのみの薄膜磁気ヘッドを含むことを意味する。
【0025】
(2)また、本発明は、上記(1)において、一対の磁区制御膜2の間隔を、一対のリード電極4の間隔より広くしたことを特徴とする。
【0026】
この様に、オーバーレイド構造に対して非導電体材料3を設けることによって、オーバーレイド構造部分の電流検出を最小限にすることができ、それによって、高密度記録化に伴うトラック幅の減少に対応することのできる良好なオフトラック特性を得ることができる。
【0027】
(3)また、本発明は、上記(1)または(2)において、一対の非導電体材料3の互いに対向する側が90°未満のテーパー角を持つことを特徴とする。
【0028】
この様に、一対の非導電体材料3の互いに対向する側が90°未満のテーパー角を持たせることによって、この一対の非導電体材料3の上に設けるリード電極4を段切れ等の堆積不良を生ずることなく堆積することができ、それによって、リード電極4の信頼性を高めることができる。
【0029】
(4)また、本発明は、上記(3)において、一対の非導電体材料3の膜厚が、磁気抵抗効果素子1の感帯から離れるにしたがって、厚くなっていることを特徴とする。
【0030】
この様に、一対の非導電体材料3の膜厚を、磁気抵抗効果素子1の感帯から離れるにしたがって厚くすることによって、リード電極4の堆積不良を確実に回避することができる。
【0031】
(5)また、本発明は、上記(1)または(2)において、一対の非導電体材料3が、磁気抵抗効果素子1の保護膜の一部を置き換えた絶縁体によって構成されていることを特徴とする。
【0032】
この様に、一対の非導電体材料3を、磁気抵抗効果素子1の保護膜、例えば、Ta膜の一部を除去して絶縁体を埋め込んだり、或いは、Ta膜の表面を酸化してTa2 5 に変換したりすることによって形成した絶縁体によって構成することにより、一対の非導電体材料3の表面を平坦化することができ、それによって、リード電極4の堆積不良を防止することができると共に、リード電極4の凹凸を少なくすることができるので、全体の高さを低くすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
ここで、図2及び図3を参照して、本発明の第1の実施の形態のMRヘッドの製造工程を説明する。
図2(a)参照
まず、Al2 3 −TiC基板11上にスパッタリング法を用いて厚さ2μmのAl2 3 膜12を堆積させたのち、選択電解メッキ法を用いて、100〔Oe〕の磁界を印加しながら、厚さが、1〜3μm、例えば、3μmのNiFe膜を形成して下部磁気シールド層13とし、次いで、スパッタリング法を用いて、厚さが、例えば、500Å(=50nm)のAl2 3 膜を堆積させたのち、イオンミリング法によって所定形状にパターニングすることによって下部リードギャップ層14を形成し、次いで、磁気抵抗効果素子を構成するためのスピンバルブ膜15を堆積させる。
【0034】
図2(b)参照
このスピンバルブ膜15としては、例えば、30〔Oe〕の磁界を印加しながらスパッタリング法を用いて、下地層となる厚さが、例えば、50ÅのTa膜16を形成したのち、厚さが、例えば、40ÅのNiFeフリー層17、厚さが、例えば、25ÅCoFeフリー層18、厚さが、例えば、25ÅのCu中間層19、厚さが、例えば、25ÅのCoFeピンド層20、厚さが20〜300Å、例えば、250ÅのPdPtMn膜からなる反強磁性体層21、及び、厚さが60ÅのTa保護膜22を順次積層させて形成する。
なお、この場合のNiFeの組成は、例えば、Ni81Fe19であり、CoFeの組成は、例えば、Co90Fe10であり、また、PdPtMnの組成は、例えば、Pd31Pt17Mn52である。
【0035】
次いで、CoFeピンド層20の磁化方向を固定するために、成膜時に印加した磁界と直交する方向の200kA/mの直流磁場を印加しながら、真空中で230℃で1〜3時間の熱処理を行うことによってPdPtMnからなる反強磁性体層21の磁化方向を印加した直流磁場の方向とする。
なお、この場合、230℃の熱処理工程において、Cu中間層19を構成するCuとNiFeフリー層17との間の相互拡散が生じないように、両者の間にバリア層となるCoFeフリー層18を設けてフリー層を2層構造としている。
【0036】
図2(c)参照
次いで、レジストパターン23をマスクとしてArイオンを用いたイオンミリングを施すことによって、スピンバルブ膜15の露出部を除去したのち、全面に、磁区制御膜となる高保磁力膜であるCoCrPt膜24をスピンバルブ膜15と同程度の厚さとなる様にスパッタリング法を用いて堆積させる。
なお、この場合のCoCrPtの組成は、例えば、Co78Cr10Pt12である。
【0037】
図3(d)参照
次いで、レジストパターン23上に堆積したCoCrPt膜24をレジストパターン23と共に除去したのち、新たなレジストパターン(図示せず)をマスクとしてイオンミリングを施すことによって、CoCrPt膜24を所定形状にパターニングして磁区制御膜25を形成し、次いで、再びスパッタリング法を用いて、厚さが、例えば、20nmのAl2 3 膜26を堆積させる。
【0038】
図3(e)参照
次いで、磁区制御膜25及びスピンバルブ膜15の不感帯を覆う形状のレジストマスク27を設けたのち、斜め方向から所定の入射角のArイオンを照射することによって、Al2 3 膜26の感帯に面した側がテーパー状になるようにエッチング除去することによって、保護絶縁膜28を形成する。
なお、このテーパー角は、レジストパターン27の形状、レジストパターン27の高さ、及び、Arイオンの入射角等を制御することによって制御することが可能である。
【0039】
図3(f)参照
次いで、レジストパターン27を除去したのち、レジストパターン(図示せず)を用いたリフトオフ法によって厚さが、例えば、10nmのTa膜、10nmのTiW膜、及び、80nmのTa膜を順次堆積させることによって、1対のリード電極29を形成し、次いで、再び、スパッタリング法によって、厚さが、例えば、500ÅのAl2 3 膜を堆積したのち、イオンミリング法を用いて所定形状にパターニングすることによって上部リードギャップ層30とし、次いで、選択電解メッキ法によって、厚さが、例えば、3.8μmのNiFe膜を成膜して上部磁気シールド層31とすることによってシングルスピンバルブ素子を磁気抵抗効果素子としたMRヘッドの基本構成が完成する。
【0040】
この様に、本発明の第1の実施の形態においては、オーバーレイド部分を覆うように保護絶縁膜28を設けて、リード電極29とスピンバルブ膜15の本来の読取領域となる領域以外とを絶縁分離しているので、オーバーレイド部分での電流検出を抑制することができ、それによって、オフトラック特性を良好にすることができる。
【0041】
また、本発明の第1の実施の形態においては、保護絶縁膜28の対向する側にテーパーを設けているので、リード電極29をスパッタリング法によって堆積する際に、保護絶縁膜28の端部において段切れやボイド(鬆)が発生することがなく、したがって、リード電極29の信頼性を高めることができる。
【0042】
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施の形態のMRヘッドの製造工程を説明する。
図4(a)参照
上記の第1の実施の形態と全く同様の工程で、Al2 3 −TiC基板11上にAl2 3 膜12を介して、下部磁気シールド層13、下部リードギャップ層14、スピンバルブ膜15、及び、磁区制御膜25を形成する。
【0043】
図4(b)参照
次いで、スピンバルブ膜15の中央部を覆うと共に磁区制御膜25の周辺部を囲む形状のレジストパターン32を設け、所定の入射角になるようにスパッタリングを行うことによって、所定のテーパー角を有し、且つ、感帯から離れるにしたがって膜厚が増加するAl2 3 膜からなる絶縁保護膜33を形成する。
なお、レジストパターン32上に堆積したAl2 3 膜については図示を省略する。
【0044】
この場合のテーパー角は、レジストパターン32の形状、レジストパターン32の高さ、及び、スパッタリング物質の入射角等を制御することによって制御することが可能である。
【0045】
図4(c)参照
次いで、レジストパターン32を除去したのち、再び、上記の第1の実施の形態と全く同様な工程によって、一対のリード電極29、上部リードギャップ層30、及び、上部磁気シールド層31を設けることによって、シングルスピンバルブ素子を磁気抵抗効果素子としたMRヘッドの基本構成が完成する。
【0046】
この様に、本発明の第2の実施の形態においても、オーバーレイド部分を覆うように保護絶縁膜33を設けて、リード電極29とスピンバルブ膜15の本来の読取領域となる領域以外とを絶縁分離しているので、オーバーレイド部分での電流検出を抑制することができ、それによって、オフトラック特性を良好にすることができる。
【0047】
また、本発明の第2の実施の形態においては、保護絶縁膜33の対向する側にテーパーを設けるとともに、感帯から離れるにしたがって膜厚を増加させているので、リード電極29をスパッタリング法によって堆積する際に、保護絶縁膜33の端部における段切れやボイド(鬆)が発生をより確実に抑制することができ、したがって、リード電極29の信頼性を高めることができる。
なお、この場合のテーパー領域の始まりの領域の厚さの制御性及び信頼性は、上記の第1の実施の形態より若干劣る虞があり、それに伴って、電流の流れる領域が若干拡大する可能性がある。
【0048】
次に、図5を参照して、本発明の第3の実施の形態のMRヘッドの製造工程を説明する。
図5(a)参照
上記の第1の実施の形態と全く同様の工程で、Al2 3 −TiC基板11上にAl2 3 膜12を介して、下部磁気シールド層13、下部リードギャップ層14、スピンバルブ膜15、及び、磁区制御膜25を形成する。
【0049】
図5(b)参照
次いで、スピンバルブ膜15の中央部及び磁区制御膜25の端部を覆う形状のレジストパターン34を設け、イオンミリングを施すことによって、スピンバルブ膜15の最上部に設けたTa保護膜22を除去したのち、この除去部分をAl2 3 膜をスパッタリングによって埋め込むことによって、表面が平坦で、スピンブルブ膜15の中央部の高さとほぼ一致した保護絶縁膜35を形成する。
なお、レジストパターン34上に堆積したAl2 3 膜については図示を省略する。
【0050】
図5(c)参照
次いで、レジストパターン34を除去したのち、再び、上記の第1の実施の形態と全く同様な工程によって、一対のリード電極29、上部リードギャップ層30、及び、上部磁気シールド層31を設けることによって、シングルスピンバルブ素子を磁気抵抗効果素子としたMRヘッドの基本構成が完成する。
【0051】
この様に、本発明の第3の実施の形態においても、オーバーレイド部分を覆うように保護絶縁膜35を設けて、リード電極29とスピンバルブ膜15の本来の読取領域となる領域以外とを絶縁分離しているので、オーバーレイド部分での電流検出を抑制することができ、それによって、オフトラック特性を良好にすることができる。
【0052】
また、本発明の第3の実施の形態においては、保護絶縁膜35の表面を平坦に、且つ、スピンブルブ膜15の中央部の高さとほぼ一致させているので、リード電極29をスパッタリング法によって堆積する場合に、リード電極29を凹凸を少なく成膜することができ、それによって、全体の高さを低くすることができる。
【0056】
以上、本発明の各実施の形態を説明してきたが、本発明は各実施の形態に記載した構成に限られるものではなく、各種の変更が可能である。
例えば、上記の各実施の形態の説明においては、下部磁気シールド層13及び上部磁気シールド層31を選択電解メッキ法を用いてNiFeによって構成しているが、NiFeと同様に保磁力の小さな軟磁性膜であるCoFeNiSやCoFeを用いても良いものであり、成膜方法としても電解メッキ法で全面に堆積させたのちイオンミリング法によってパターニングしても良いものであり、或いは、スパッタリング法を用いてリフトオフによってパターニングしても良いし、さらには、全面に堆積させたのち、イオンミリング法によってパターニングしても良いものである。
なお、電解メッキ法を用いる場合には、予めメッキベース層を設けておくことが望ましい。
【0057】
また、本発明の各実施の形態の説明において、Al2 3 −TiC基板11上に設ける下地絶縁膜、保護絶縁膜28,33,35、下部リードギャップ層14、及び、上部リードギャップ層30としてAl2 3 を用いているが、Al2 3 に限られるものではなく、例えば、SiO2 を用いても良いものであり、また、成膜法としてもスパッタリング法に限られるものではなく、蒸着法或いはCVD法を用いても良いものである。
【0058】
また、本発明の各実施の形態の説明においては、磁気抵抗効果素子としてスピンバルブ膜15、即ち、NiFe/CoFe/Cu/CoFe/PdPtMnからなるシングルスピンバルブ素子を用いているが、この様なシングルスピンバルブ素子に限られるものではなく、例えば、NiFe/Cu/NiFe/FeMn等の他の積層構造のシングルスピンバルブ素子を用いても良いものであり、さらには、ダブルスピンバルブ素子を用いても良いものである。
【0059】
また、磁気抵抗効果素子としてスピンバルブ膜15の代わりに、NiFe等の異方性磁気抵抗効果膜、CoFeとCuを例えば交互に10周期堆積させた〔CoFe/Cu〕10等の人工格子膜、或いは、スピンバルブ膜におけるCu中間層19をトンネル絶縁膜に置き換えた強磁性トンネル接合構造を有する素子を用いても良いものである。
【0060】
また、上記の各実施の形態の説明においては、磁区制御膜として、高保磁力膜のCoCrPtを用いているが、CoCrPtに限られるものではなく、CoPt,CoCr等の他の高保磁力膜を用いても良く、さらには、PdPtMn等の反強磁性体膜を用いても良いものである。
【0061】
また、上記の各実施の形態においては、NiFe、CoFe、PdPtMn、及び、CoCrPtとして、夫々、Ni81Fe19、Co90Fe10、Pd31Pt17Mn52、及び、Co78Cr10Pt12を用いているが、この様な組成比に限られるものではなく、必要とする磁気特性及び加工特性等に応じて適宜組成比を選択すれば良いものである。
【0062】
また、上記の本発明の各実施の形態の説明においては、リード電極29としてTa/TiW/Ta積層構造膜を用いているが、この様な積層構造膜に限られるものではなく、Au膜を用いても良いし、或いは、単独のW膜やTa膜を用いても良いものである。
【0063】
また、上記の本発明の各実施の形態の説明においては、基板としてAl2 3 −TiC基板を用いているが、表面にSiO2 膜を形成したSi基板或いはガラス基板等の基板を用いても良いものである。
【0064】
また、上記の第3の実施の形態においては、保護絶縁膜35を、スピンバルブ膜15の最上層に設けたTa保護膜22の少なくとも一部を除去したのち、除去部にAl2 3 膜を堆積させて形成しているが、Ta保護膜22を酸化してTa2 5 膜として、このTa2 5 膜を保護絶縁膜としても良いものであり、この場合、全体の表面を平坦化するために、Ta保護膜22の一部を除去したのち酸化することが望ましい。
【0066】
また、本発明の各実施の形態の説明においては、単独のMRヘッド構造として説明しているが、本発明はこの様な単独のMRヘッドに限られるものではなく、図に示した様な誘導型の薄膜磁気ヘッドと積層した複合型薄膜磁気ヘッドにも適用されるものである。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、薄膜磁気ヘッドを構成する磁気抵抗効果素子の本来の読取領域となる領域以外とリード電極とを絶縁分離しているので、電流分布を制御することができ、それによって、オーバーレイド構造で問題となるオーバーラップ部分の電流検出を最小限にすることができるので、高記録密度化に伴うトラック幅の減少に対応できる良好なオフトラック特性を得ることができ、ひいては、高記録密度のHDD装置の普及に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の途中までの製造工程の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の図2以降の製造工程の説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の製造工程の説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の製造工程の説明図である。
【図6】 従来の複合型薄膜磁気ヘッドの要部透視斜視図である。
【図7】 従来のMRヘッドの説明図である。
【符号の説明】
1 磁気抵抗効果素子
2 磁区制御膜
3 非導電体材料
リード電極
5 下部リードギャップ層
6 上部リードギャップ層
7 下部磁気シールド層
8 上部磁気シールド層
11 Al2 3 −TiC基板
12 Al2 3
13 下部磁気シールド層
14 下部リードギャップ層
15 スピンバルブ膜
16 Ta膜
17 NiFeフリー層
18 CoFeフリー層
19 Cu中間層
20 CoFeピンド層
21 反強磁性体層
22 Ta保護膜
23 レジストパターン
24 CoCrPt膜
25 磁区制御膜
26 Al2 3
27 レジストパターン
28 保護絶縁膜
29 リード電極
30 上部リードギャップ層
31 上部磁気シールド層
32 レジストパターン
33 保護絶縁膜
34 レジストパターン
35 保護絶縁膜
41 下部磁気シールド層
42 磁気抵抗効果素子
43 リード電極
44 上部磁気シールド層
45 ライトコイル
46 ライト電極
47 上部磁極層
48 ライトポール
51 Al2 3 −TiC基板
52 Al2 3
53 下部リードギャップ層
54 磁区制御膜
55 上部リードギャップ層
56 不感帯
57 媒体トラック
58 媒体トラック
59 媒体トラック

Claims (5)

  1. 記録媒体の磁気的信号を再生信号として検出する再生ヘッドを少なくとも備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、前記記録媒体の磁気的信号を検出する磁気抵抗効果素子、前記磁気抵抗効果素子の両端に設けた一対の磁区制御膜、及び、一対のリード電極を備えるとともに、前記磁気抵抗効果素子の上面の一部と前記磁区制御膜の上面を非導電体材料によって前記リード電極と電気的に分離したことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 上記一対の磁区制御膜の間隔を、上記一対のリード電極の間隔より広くしたことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 上記一対の非導電体材料の互いに対向する側が、90°未満のテーパー角を持つことを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 上記一対の非導電体材料の膜厚が、上記磁気抵抗効果素子の感帯から離れるにしたがって厚くなっていることを特徴とする請求項3記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 上記一対の非導電体材料が、上記磁気抵抗効果素子の保護膜の一部を置き換えた絶縁体によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜磁気ヘッド。
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