JP4000219B2 - 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッドおよびそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気抵抗効果膜を有する磁気抵抗効果素子、少なくともそれを用いた薄膜磁気ヘッド、および、それらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵抗(以下、MR(Magneto Resistive )とも記す。)素子を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。MR素子としては、異方性磁気抵抗(以下、AMR(Anisotropic Magneto Resistive )と記す。)効果を用いたAMR素子と、巨大磁気抵抗(以下、GMR(Giant Magneto Resistive )と記す。)効果を用いたGMR素子とがあり、AMR素子を用いた再生ヘッドはAMRヘッドあるいは単にMRヘッドと呼ばれ、GMR素子を用いた再生ヘッドはGMRヘッドと呼ばれる。AMRヘッドは、面記録密度が1ギガビット/(インチ)2 を超える再生ヘッドとして利用され、GMRヘッドは、面記録密度が3ギガビット/(インチ)2 を超える再生ヘッドとして利用されている。
【0003】
AMRヘッドは、AMR効果を有するAMR膜を備えている。GMRヘッドは、AMR膜を、GMR効果を有するGMR膜に置き換えたもので、構造上はAMRヘッドと同様である。ただし、GMR膜は、AMR膜よりも、同じ外部磁界を加えたときに大きな抵抗変化を示す。このため、GMRヘッドは、AMRヘッドよりも、再生出力を3〜5倍程度大きくすることができると言われている。
【0004】
一般的に、AMR膜は、MR効果を示す磁性体を膜としたもので、単層構造になっている。これに対して、多くのGMR膜は、複数の膜を組み合わせた多層構造になっている。GMR効果が発生するメカニズムにはいくつかの種類があり、そのメカニズムによってGMR膜の層構造が変わる。GMR膜としては、超格子GMR膜、グラニュラ膜、スピンバルブ膜等が提案されているが、比較的構成が単純で、弱い磁界でも大きな抵抗変化を示し、量産を前提とするGMR膜としては、スピンバルブ膜が有力である。このように、再生ヘッドは、例えば、MR膜をAMR膜からGMR膜等の磁気抵抗感度の優れた構造に変えることで、容易に、性能を向上させることができる。
【0005】
ここで、図12ないし図19を参照して、従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例として、複合型薄膜磁気ヘッド(AMRヘッド)の製造方法の一例について説明する。なお、図12ないし図16はエアベアリング面(ABS)に垂直な断面の拡大構造を、また、図17ないし図19では、(a)がエアベアリング面に垂直な断面構造を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面構造をそれぞれ示している。
【0006】
まず、図12に示したように、例えばアルティック(Al2 O3 ・TiC)よりなる基板101上に、例えばアルミナ(Al2 O3 )よりなる絶縁層102を、約5〜10μm程度の厚みで堆積する。次に、絶縁層102上に、磁性材料よりなる再生ヘッド用の下部シールド層103を、2〜3μmの厚みに形成する。次に、下部シールド層103上に、例えばアルミナまたはチッ化アルミニウムを50〜100nmの厚みにスパッタ堆積し、絶縁層としての下部シールドギャップ膜104を形成する。次に、下部シールドギャップ膜104上に、バイアス磁界印加用のSAL(Soft Adjacent Layer)膜105a、磁気分離膜としてのタンタル(Ta)膜105bおよびAMR膜105cを、この順で、数十nmの厚みに形成する。
【0007】
次に、図13に示したように、AMR膜105c上に選択的にフォトレジストパターン106aを形成する。このとき、リフトオフを容易に行うことができるような形状、例えば断面形状がT型のフォトレジストパターン106aを形成する。次に、フォトレジストパターン106aをマスクとして、例えばイオンミリングによってAMR膜105c、タンタル(Ta)膜105bおよびSAL膜105aをテーパ形状にエッチングしてAMR素子105を形成する。
【0008】
次に、図14に示したように、下部シールドギャップ膜104上に、フォトレジストパターン106aをマスクとして、AMR膜105cに電気的に接続される一対の第1の電極層107aを、数十nmの厚みに形成する。この第1の電極層107aは引き出し電極層(リード)であり、AMR膜105cの端部近傍(側端面および表面の両端領域)を覆うように形成される。第1の電極層107aは、例えばチタン・タングステン合金(TiW)により形成される。
【0009】
次に、図15に示したように、フォトレジストパターン106aをリフトオフする。次に、図15では図示しないが、第1の電極層107aに電気的に接続される一対の第2の電極層107b(図17(b)参照)を、100〜300nmの厚みで、所定のパターンに形成する。第2の電極層107bは、例えば、銅(Cu)によって形成される。
【0010】
次に、図16に示したように、下部シールドギャップ膜104およびAMR膜105c上に、絶縁層としての上部シールドギャップ膜108を、50〜150nmの厚みに形成し、AMR膜105cをシールドギャップ膜104,108内に埋設する。次に、上部シールドギャップ膜108上に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層兼下部磁極(以下、上部シールド層と記す。)109を、約3μmの厚みに形成する。
【0011】
次に、図17に示したように、上部シールド層109上に、絶縁膜、例えばアルミナ膜よりなる記録ギャップ層110を、0.2〜0.3μmの厚みに形成し、この記録ギャップ層110上に、スロートハイトを決定するフォトレジスト層106bを、約1.0〜2.0μmの厚みで、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジスト層106b上に、誘導型の記録ヘッド用の第1層目の薄膜コイル111を、3μmの厚みに形成する。次に、フォトレジスト層106bおよびコイル111上に、フォトレジスト層106cを所定のパターンに形成する。次に、フォトレジスト層106c上に、第2層目の薄膜コイル112を、3μmの厚みに形成する。次に、フォトレジスト層106cおよび薄膜コイル112上に、フォトレジスト層106dを所定のパターンに形成する。
【0012】
次に、図18に示したように、薄膜コイル111,112よりも後方(図18における右側)の位置において、磁路形成のために、記録ギャップ層110を部分的にエッチングして開口110aを形成する。次に、記録ギャップ層110、フォトレジスト層106b〜106d上に、記録ヘッド用の磁性材料、例えばパーマロイ(NiFe)またはFeNよりなる上部磁極113を、約3μmの厚みに形成する。上部磁極113は、薄膜コイル111,112よりも後方の位置において、開口110aを介して上部シールド層(下部磁極)109と接触し、磁気的に連結される。
【0013】
次に、図19に示したように、上部磁極113をマスクとして、イオンミリングによって、記録ギャップ層110と上部シールド層(下部磁極)109をエッチングする。次に、上部磁極113上に、例えばアルミナよりなるオーバーコート層114を、20〜30μmの厚みに形成する。最後に、スライダの機械加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。図19に示したように、上部磁極113、記録ギャップ層110および上部シールド層(下部磁極)109の一部の各側壁が垂直に自己整合的に形成された構造は、トリム(Trim)構造と呼ばれる。このトリム構造によれば、狭トラックの書き込み時に発生する磁束の広がりによる実効トラック幅の増加を防止することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ヘッドの高記録面密度化は、ひとつには、トラック幅の微細化によって実現される。
【0015】
しかし、例えば10ギガビット/(インチ)2 の記録面密度に対応するためには、サブミクロン寸法のトラック幅が要求される。ここで、トラック幅は、本来、磁気抵抗素子のパターン寸法によって決定される。すなわち、上記の例では、図13に示したように、フォトレジストパターン106aの幅Wによってトラック幅が決定される。従って、フォトレジストパターン106aを精度良く形成することにより、トラック幅を正確に制御することが可能である。
【0016】
しかしながら、トラック幅がサブミクロン寸法になると、フォトリソグラフィー技術によるパターン化だけでは、再生トラック幅が決定されなくなってきている。
【0017】
すなわち、上記の例のような磁気抵抗効果を利用した再生ヘッドは、このAMR素子105のパターンから引き出し電極層(図17の第1の電極層107aおよび第2の電極層107b)を必要としている。ここで、上記の例からも明らかなように、引き出し電極層としての第1の電極層107aは、フォトレジストパターン106aをマスクとして、例えば、スパッタ法により形成されるが、このときフォトレジストパターン106aの傘領域の下へ一部が食い込むように形成される。そのため、フォトレジストパターン106aのリフトオフプロセスの後には、第1の電極層107aは磁気抵抗素子105の側端面および表面の端部領域それぞれと電気的に接続された状態となる。そのため、有効なトラック幅は、図14に示したように、AMR素子105における第1の電極層107a,107aの間の領域の幅W1 となる。
【0018】
しかしながら、第1の電極層107aのAMR素子105との重なり部分(オーバーラップ部分)にはばらつきが生じやすく、有効なトラック幅W1 が変動する。すなわち、一般的には、トラック幅は磁気抵抗素子パターンの幅で決定されるものの、上述のような例では、磁気抵抗素子パターンが折角サブミクロン寸法にパターン化されても、その引き出し電極層との重なり部分のばらつきによって、有効なトラック幅の微細化、つまり高記録面密度化を実現できないという問題があった。
【0019】
なお、上述の説明における、AMR膜とSAL膜とを積層した構造をGMR膜で置き換えることが可能であり、このGMR膜を用いた場合も上記と同様の問題がある。
【0020】
なお、特開昭64−35717号公報および特開平4−143914号公報には、導電性電極膜上にMR膜を設け、その中間のMR素子の作用領域(再生トラック幅)となるべき部分に絶縁層を設け、この絶縁層の幅によってトラック幅を規定する方法が開示されている。この方法では、絶縁層と導電体(引き出し電極層)の重なり部分のばらつきに影響されることなくトラック幅を規定することができる。しかしながら、この方法では、電極膜とシールド膜との間の絶縁性を保つために用いられているシールドギャップ膜が厚くなり、サーマルアスピリティ(Thermal Asperity) が悪く、再生出力が最大限には得られないという問題がある。なお、サーマルアスピリティとは、再生時における再生ヘッドの自己発熱による再生特性の劣化をいう。
【0021】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、磁気抵抗効果膜と引き出し電極層との重なり部分にばらつきが生じても、例えば再生ヘッドにおいては、トラック幅がばらつくことがなく、サブミクロン,更にはハーフミクロン寸法のトラック幅を正確に規定でき、且つ、サーマルアスピリティが悪化することのない磁気抵抗効果素子およびその製造方法を提供することにある。
【0022】
本発明の第2の目的は、上記磁気抵抗効果素子を用いた薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明による磁気抵抗効果素子は、表面に磁気抵抗効果膜を有する積層構造と、磁気抵抗効果膜の表面のABS側から見て両端部領域をそれぞれ覆うように設けられた絶縁膜と、絶縁膜の表面全面を覆うと共に積層構造の側面に延在するように設けられた引き出し電極層とを備え、磁気抵抗効果膜の側端面において磁気抵抗効果膜と引き出し電極層とが電気的に接続されると共に、磁気抵抗効果膜の表面の中央部分から引き出し電極層上にわたってシールドギャップ膜が設けられるものである。
【0024】
本発明による磁気抵抗効果素子では、磁気抵抗効果膜と引き出し電極層とが重なっている部分にのみ絶縁膜が介在しているため、磁気抵抗効果膜上においては、磁気抵抗効果膜と引き出し電極層との間は電気的には接続されておらず、両者の間の電気的接続は磁気抵抗効果膜の側端面においてのみなされる。よって、例えば再生ヘッドでは、磁気抵抗効果膜のパターン幅が有効なトラック幅となり、磁気抵抗効果膜と引き出し電極層との重なり量にばらつきが生じても、再生トラック幅にはばらつきは発生しない。
【0025】
本発明による磁気抵抗効果素子では、絶縁膜を、無機系絶縁材料、例えば、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムの少なくともいずれか一方により形成するようにしてもよい。また、この絶縁膜の膜厚は、5nm〜10nmの範囲とすることが好ましい。
【0026】
また、本発明による磁気抵抗効果素子では、更に、磁気抵抗効果膜に磁気分離膜を介して積層したバイアス磁界印加用磁性膜を備える構成としてもよく、更に、バイアス磁界印加用磁性膜を、磁気抵抗効果膜に横バイアスを印加するための磁性膜とするようにしてもよい。
【0027】
なお、本明細書においては、磁気抵抗効果膜または磁気抵抗効果素子の各「側端面」、あるいは、磁気抵抗効果膜、磁気分離膜およびバイアス磁界印加用磁性膜のなす「側端面」とは、磁気抵抗効果膜等の膜厚方向と平行な方向の面をいうものとする。
【0028】
但し、本発明による磁気抵抗効果素子では、更に、磁気抵抗効果膜、磁気分離膜およびバイアス磁界印加用磁性膜のなす側端面が、それらの積層方向に対して傾斜するように構成することもできる。
【0029】
本発明による薄膜磁気ヘッドは、磁気抵抗効果素子を備えた薄膜磁気ヘッドであって、磁気抵抗効果素子が、本発明の磁気抵抗効果素子であるように構成したものである。
【0030】
本発明による薄膜磁気ヘッドでは、更に、磁気抵抗効果素子を挟んで対向するように配置され、磁気抵抗素子をシールドする2つのシールド層を備えるように構成してもよい。
【0031】
本発明による薄膜磁気ヘッドでは、更に、磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一部がギャップ層を介して互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる2つの磁性層と、この2つの磁性層の間に配設された薄膜コイルとを有する書き込み用の誘導型磁気変換素子を備えるように構成することもできる。
【0032】
本発明による磁気抵抗効果素子の製造方法は、磁気抵抗効果膜を形成する工程と、磁気抵抗効果膜の上に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜の上に、磁気抵抗効果膜をパターニングするための耐エッチング膜を形成する工程と、耐エッチング膜をマスクとして絶縁膜の一部および磁気抵抗効果膜の一部を選択的に除去する工程と、少なくとも絶縁膜の端部の近傍領域を覆うと共に、磁気抵抗効果膜の側端面において磁気抵抗効果膜と電気的に接続されるように引き出し電極層を形成する工程と、引き出し電極層をマスクとして、絶縁膜の引き出し電極層に覆われていない部分を選択的に除去する工程とを含むものである。
【0033】
本発明による磁気抵抗効果素子の製造方法では、磁気抵抗効果膜を形成する工程の前に、バイアス磁界印加用磁性膜を形成する工程と、バイアス磁界印加用磁性膜の上に磁気分離膜を形成する工程とを含むようにしてもよい。
【0034】
また、本発明による磁気抵抗効果素子の製造方法では、磁気抵抗効果膜、磁気分離膜およびバイアス磁界印加用磁性膜のなす側端面を、それらの積層方向に対して傾斜するように形成してもよい。
【0035】
また、本発明による磁気抵抗効果素子の製造方法では、絶縁膜および磁気抵抗効果膜をそれぞれ選択的に除去する工程を、ドライエッチングにより行うことが望ましく、更に、これらのドライエッチングはそれぞれ同一のチャンバ内において行うことが望ましい。
【0036】
更に、本発明による磁気抵抗効果素子の製造方法では、絶縁膜を選択的に除去する工程を、反応性イオンエッチングにより行うようにしてもよく、また、この反応性イオンエッチングを四フッ化炭素または塩素系ガスを用いて行うようにしてもよい。
【0037】
更に、本発明による磁気抵抗効果素子の製造方法では、磁気抵抗効果膜を選択的に除去する工程を、イオンビームエッチングにより行うようにしてもよい。
【0038】
また、本発明による磁気抵抗効果素子の製造方法では、耐エッチング膜として、断面がT字形状のフォトレジストパターンを用いるようにしてもよい。
【0039】
また、本発明による磁気抵抗効果素子の製造方法では、引き出し電極層をマスクとしたドライエッチングにより、絶縁膜を選択的に除去するようにしてもよい。
【0040】
更に、本発明による磁気抵抗効果素子の製造方法では、絶縁膜を無機系絶縁材料により形成し、更に、無機系絶縁材料を、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムの少なくともいずれか一方により形成するようにしてもよい。
【0041】
また、本発明による磁気抵抗効果素子の製造方法では、絶縁膜の膜厚を5nm〜10nmの範囲に形成することが望ましい。
【0042】
本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法は、磁気抵抗効果素子を、上記の磁気抵抗効果素子の製造方法により形成するものである。
【0043】
本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法では、更に、第1のシールド層を形成する工程と、第1のシールド層の上に、第1のシールドギャップ膜を形成する工程と、第1のシールドギャップ膜の上に磁気抵抗効果素子を形成する工程と、磁気抵抗効果素子の上に第2のシールドギャップ膜を形成する工程と、第2のシールドギャップ膜の上に第2のシールド層を形成する工程とを含むようにしてもよい。
【0044】
本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法では、更に、磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一部がギャップ層を介して互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる2つの磁性層と、この2つの磁性層の間に配設された薄膜コイルとを有する書き込み用の誘導型磁気変換素子を形成する工程を含むようにしてもよい。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。ここでは、本発明の磁気抵抗効果素子の応用例の1つである薄膜磁気ヘッドを例に説明する。
【0046】
図1ないし図8は、本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法としての複合型薄膜磁気ヘッド(AMRヘッド)の製造工程を表すものである。ここで、図1ないし図7はエアベアリング面(ABS)に垂直な断面の拡大構造を、また、図8では、(a)がエアベアリング面に垂直な断面構造を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面構造をそれぞれ示している。なお、本発明の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは以下の方法によって具現化されるので、ここでは合わせて説明する。
【0047】
まず、図1に示したように、例えばアルティック(Al2 O3 ・TiC)よりなる基板1上に、例えばスパッタ法によりアルミナ(Al2 O3 )よりなる絶縁層2を、約5〜10μm程度の厚みで堆積する。次に、絶縁層2上に、例えばめっき法により、例えばパーマロイ(NiFe)などの磁性材料よりなる再生ヘッド用の下部シールド層3を、2〜3μmの厚みに形成する。この下部シールド層3が、本発明における「一方のシールド層または第1のシールド層」に対応している。
【0048】
続いて、下部シールド層3上に、例えばアルミナまたはチッ化アルミニウムを50〜100nmの厚みにスパッタ法により堆積し、絶縁層としての下部シールドギャップ膜4を形成する。この下部シールドギャップ膜4が本発明における「第1のシールドギャップ膜」に対応している。次に、下部シールドギャップ膜4上に、例えばスパッタ法により、SAL(Soft Adjacent Layer)膜5a、タンタル(Ta)膜5bおよびAMR膜5cをこの順で、数十nmの厚みに形成する。
【0049】
SAL膜5aは、本発明における「バイアス磁界印加用磁性膜」に対応し、具体的には、軟磁性膜、例えば、ニッケル・鉄・クロム合金(NiFeCr)やコバルト・ニオブ合金(CoNb)などの材料が用いられる。タンタル膜5bは本発明における「磁気分離膜」に対応している。AMR膜5cは本発明における「磁気抵抗効果膜」に対応しており、例えば、パーマロイ(NiFe)などの高飽和磁性材料を用いて形成される。
【0050】
更に、本実施の形態では、このAMR膜5c上に、例えばスパッタ法により、例えばアルミナや窒化アルミニウムなどの無機系絶縁材料からなる膜厚5nm〜10nmの薄い絶縁膜5dを形成する。絶縁膜5dが本発明の「絶縁膜」に対応している。
【0051】
次に、図2に示したように、絶縁膜5d上の、AMR素子を形成すべき位置に選択的にフォトレジストパターン6aを形成する。本実施の形態では、このフォトレジストパターン6aの断面形状を、リフトオフを容易に行うことができるようなT字状とする。
【0052】
続いて、図3に示したように、フォトレジストパターン6aをマスクとして、表面の薄い絶縁膜5dをドライエッチングにより選択的に除去する。ドライエッチングとしては、例えば、四フッ化炭素(CF4 )または塩化ボロン(BCl3 ),塩素(Cl2 )等のガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching) 、あるいは特開平6−325330号公報に開示されたような、フッ化炭素系ガスを用いたプラズマエッチングが用いられる。
【0053】
続いて、同じくドライエッチング、具体的にはイオンビームエッチング、例えばAr(アルゴン)系のガスを用いたイオンミリング法によって、例えば15〜30°の傾斜角度を有する傾斜(テーパ)面が形成されるように、AMR膜5c、タンタル(Ta)膜5bおよびSAL膜5aを斜め方向からエッチングして磁気抵抗効果素子5のパターンを形成する。なお、ここでの傾斜角度は、磁気抵抗効果素子5の下地層である下部シールドギャップ膜4の表面に対する、磁気抵抗効果素子5の側端面5’のなす角度をいう。このように磁気抵抗効果素子5に傾斜面を形成することにより、磁気抵抗効果素子5と後述の引き出し電極層(第1の電極層7a)との間の接触抵抗が良好になる。
【0054】
なお、薄い絶縁膜5dのエッチングには、AMR膜5cを腐食させる危険性が少ないことから、四フッ化炭素(CF4 )のガスが好適である。但し、他の塩素系のガス(BCl3 ,Cl2 )を用いた場合でも、その後、AMR膜5c等のエッチングにイオンミリングにより行うことで、腐食の原因となる塩素系のガスが除去されるため問題はない。また、本実施の形態では、絶縁膜5dのエッチング(RIE)工程と、AMR膜5c等のエッチング(イオンビームエッチング)工程を同一チャンバ内で行うようにすれば、真空中での同時処理が可能であるため、RIEプロセスでのAMR膜5cの腐食発生を防止することができる。
【0055】
次に、図4に示したように、下部シールドギャップ膜4上に、フォトレジストパターン6aをマスクとして、AMR素子5に電気的に接続される一対の第1の電極層7aを、例えば、スパッタ法により数十nmの厚みに形成する。この第1の電極層7aは、下部シールドギャップ膜4からAMR素子5の側端面5’にかけて接すると共に、AMR素子5の表面(すなわち、AMR膜5cの表面)の両端部領域を覆うように形成される。なお、この第1の電極層7aは、例えば、タンタル(Ta)と金(Au)との積層膜、チタン・タングステン合金(TiW)とコバルト・白金合金(CoPt)の積層膜、窒化チタン(TiN)とコバルト・白金合金(CoPt)との積層膜等により形成される。なお、この第1の電極層7aが本発明における「引き出し電極層」に対応している。
【0056】
次に、図5に示したように、フォトレジストパターン6aをリフトオフする。これによりフォトレジストパターン6aと共に不要な第1の電極層が除去される。続いて、第1の電極層7aをマスクとしたRIEにより、絶縁膜5dの、AMR膜5cと第1の電極層7aとが重なる部分以外の領域を選択的に除去する。このとき、AMR素子5と第1の電極層7aとが重なっている部分の絶縁膜5dはそのままAMR素子5上に残存しているため、AMR素子5の表面領域では、第1の電極層7aとAMR素子5とが非導通状態となる。
【0057】
次に、図5では図示しないが、第1の電極層7aに電気的に接続される一対の第2の電極層7b(図8(b),図9,10参照)を、例えばスパッタ法により、100〜300nmの厚みで所定のパターンに形成する。第2の電極層は7b、例えば銅(Cu)によって形成される。
【0058】
次に、図6に示したように、第1の電極層7aおよびAMR膜5cを覆うようにして、窒化アルミニウム等からなる絶縁層としての上部シールドギャップ膜8を、50〜100nmの厚みに形成し、AMR膜5cをシールドギャップ膜4,8内に埋設する。この上部シールドギャップ膜8が本発明の「第2のシールドギャップ膜」に対応する。
【0059】
次に、図7に示したように、上部シールドギャップ膜8上に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層兼下部磁極(以下,上部シールド層と記す。)9を、約3μmの厚みに形成する。この上部シールド層9は、例えば、パーマロイ(NiFe)や、窒化鉄(FeN)により形成される。なお、この上部シールド層9が本発明の「他方のシールド層または第2のシールド層」に対応している。
【0060】
次に、図8(a),(b)に示したように、上部シールド層9上に、絶縁膜、例えばアルミナ膜よりなる記録ギャップ層10を、例えばスパッタ法により、0.2〜0.3μmの厚みに形成し、この記録ギャップ層10上に、スロートハイトを決定するフォトレジスト層6bを、約1.0〜2.0μmの厚みで、所定のパターンに形成する。続いて、フォトレジスト層6b上に、誘導型の記録ヘッド用の第1層目の薄膜コイル11を、3μmの厚みに形成する。引き続き、フォトレジスト層6bおよび薄膜コイル11上に、フォトレジスト層6cを、所定のパターンに形成する。
【0061】
次に、フォトレジスト層6c上に、第2層目の薄膜コイル12を、3μmの厚みに形成する。次に、フォトレジスト層6cおよび薄膜コイル12上に、フォトレジスト層6dを所定のパターンに形成する。次に、薄膜コイル11,12よりも後方(図8(a)における右側)の位置において、磁路形成のために、記録ギャップ層10を部分的にエッチングして開口10aを形成する。続いて、記録ギャップ層10、フォトレジスト層6b〜6d上に、記録ヘッド用の磁性材料、例えばパーマロイ(NiFe)または窒化鉄(FeN)よりなる上部磁極13を、めっき法やスパッタ法により、約3μmの厚みに形成する。この上部磁極13は、薄膜コイル11,12よりも後方の位置において、開口10aを介して上部シールド層(下部磁極)9と接触し、磁気的に連結される。なお、この上部磁極13は、微細加工を容易とするために、磁極先端部(ポールチップ)と、ヨーク部を兼ねた磁性層とに2分割した構成とすることもできる。
【0062】
次に、上部磁極13をマスクとして、例えば、イオンミリングによって、記録ギャップ層10と上部シールド層(下部磁極)9をエッチングし、トリム構造とする。これにより狭トラックの書き込み時に発生する磁束の拡がりによる実効トラック幅の増加を防止することができる。次に、上部磁極13上に、例えばアルミナよりなるオーバーコート層14を、20〜30μmの厚みに形成する。最後に、スライダの機械加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0063】
図9および図10は、上述のようにして製造された薄膜磁気ヘッドの平面図である。なお、図9では、オーバーコート層14を省略している。図10は、下部シールドギャップ膜4上に、AMR膜5c、第1の電極層7aおよび第2の電極層7bを形成した後の状態を示す平面図である。なお、図8における(a)は、図9におけるA−A′線断面を表し、(b)は、図9におけるB−B′線断面を表している。
【0064】
以上のように本実施の形態により製造された薄膜磁気ヘッドでは、AMR素子5の表面の、AMR素子5と第1の電極層7aとが重なっている部分には絶縁膜5dが介在している。従って、AMR素子5の表面においては、AMR素子5と第1の電極層7aとの間は電気的には接続されず、AMR素子5と第1の電極層7aとの間の電気的接続はAMR素子5の側端面5’のみおいてなされる。すなわち、有効なトラック幅は、AMR膜5cのパターン幅によって規定されることとなる。よって、製造プロセスにおいて、AMR膜5cと第1の電極層7aとの重なり部分にばらつきが生じても、再生ヘッドのトラック幅が変動することはない。従って、サブミクロン、ハーフミクロン寸法となっても、再生ヘッドのトラック幅を正確にコントロールすることが可能になる。また、本実施の形態では、従来技術のように、シールドギャップ膜が厚くなることがないので、サーマルアスピリティが悪化することがなく、再生出力も大きくとることができる。
【0065】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、SAL膜とAMR膜との積層構造のAMR素子について説明したが、この積層構造を種々の構造のGMR膜で置き換えることが可能である。例えば、GMR膜としてスピンバルブ型の多層膜を用いる場合には、その一例として、次のような積層構造の多層膜を形成すればよい。すなわち、まず、パーマロイ(NiFe)などからなる強磁性層(フリー層)を形成し、銅(Cu)などの非磁性導電層を介して、パーマロイ(NiFe)やコバルト(Co)を含む合金などからなる強磁性層(ピン層)を形成する。更に、この強磁性層上に、イリジウム・マンガン合金(IrMn)、白金・マンガン合金(PtMn)あるいはニッケル・マンガン合金(Ni・Mn)などからなる反強磁性層を形成し、最後に、保護層としてのタンタル膜を形成する。
【0066】
また、本実施の形態において示したSAL膜は、AMR膜に横バイアスを加える機能を有する磁性膜の一例である。従って、例えば、硬磁性膜や反強磁性膜と強磁性膜との積層膜などを用いて一定の磁場を加えても同様の機能を有するため、これらを用いることもできる。
【0067】
更に、本実施の形態の変形例として、図11に示したように、SAL膜5aとAMR膜5cとの積層構造の両側に、縦バイアスを加える縦バイアス膜5eを備えるようにしてもよい。このような構成とすると、電流は、この縦バイアス膜5eを通してAMR膜5cに流れる。なお、縦バイアス膜5eとしては、硬磁性膜や反強磁性膜と強磁性膜との積層膜などを用いることができる。
【0068】
また、上記実施の形態では、基板1側に読み取り用のAMR素子を形成し、その上に、書き込み用の誘導型磁気変換素子を積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。また、誘導型磁気変換素子を積層することなく、再生専用の薄膜磁気ヘッドとしてもよい。
【0069】
更に、上記実施の形態では、本発明の磁気抵抗効果素子を薄膜磁気ヘッドの再生ヘッドに用いた例を示したが、本発明の磁気抵抗効果素子はこの他に、例えば、加速度を感知するセンサや磁気信号を記憶させるメモリなどにも用いることができる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし7のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子、または、請求項11ないし23のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子の製造方法、若しくは、請求項8ないし10のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド、または、請求項24ないし26のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、磁気抵抗効果膜の表面の、磁気抵抗効果膜と引き出し電極層とが重なっている部分にのみ絶縁膜を介在させるようにしたので、磁気抵抗効果膜と引き出し電極層との間の電気的接続は磁気抵抗効果膜の側端面のみにおいてなされる。すなわち、例えば再生ヘッドでは、その有効なトラック幅は、磁気抵抗効果膜パターンの幅によって規定される。よって、磁気抵抗効果膜と引き出し電極層との重なり領域にばらつきが生じても、再生ヘッドのトラック幅が変動することはなく、サブミクロン、ハーフミクロン寸法のトラック幅を正確にコントロールすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図2】図1に続く工程を説明するための断面図である。
【図3】図2に続く工程を説明するための断面図である。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図である。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図である。
【図6】図5に続く工程を説明するための断面図である。
【図7】図6に続く工程を説明するための断面図である。
【図8】図7に続く工程を説明するための断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造途中の状態を表す平面図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの変形例を表す断面図である。
【図12】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図13】図12に続く工程を説明するための断面図である。
【図14】図13に続く工程を説明するための断面図である。
【図15】図14に続く工程を説明するための断面図である。
【図16】図15に続く工程を説明するための断面図である。
【図17】図16に続く工程を説明するための断面図である。
【図18】図17に続く工程を説明するための断面図である。
【図19】図18に続く工程を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、4…下部シールドギャップ膜、5a…SAL膜、5b…タンタル膜、5c…AMR膜、5d…絶縁膜、5…AMR素子、5′…側端面、6a…フォトレジストパターン、7a…第1の電極層、7b…第2の電極層、8…上部シールドギャップ膜、9…上部シールド層兼下部磁極、10…記録ギャップ層、11,12…薄膜コイル、13…上部磁極、14…オーバーコート層
Claims (26)
- 表面に磁気抵抗効果膜を有する積層構造と、
前記磁気抵抗効果膜の表面のABS側から見て両端部領域をそれぞれ覆うように設けられた絶縁膜と、
前記絶縁膜の表面全面を覆うと共に前記積層構造の側面に延在するように設けられた引き出し電極層とを備え、
前記磁気抵抗効果膜の側端面において前記磁気抵抗効果膜と前記引き出し電極層とが電気的に接続されると共に、前記磁気抵抗効果膜の表面の中央部分から前記引き出し電極層上にわたってシールドギャップ膜が設けられる
ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。 - 前記絶縁膜が、無機系絶縁材料により形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記無機系絶縁材料が、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムの少なくともいずれか一方である
ことを特徴とする請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記絶縁膜の膜厚が、5nm〜10nmの範囲である
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記積層構造は、バイアス磁界印加用磁性膜上に磁気分離膜を介して前記磁気抵抗効果膜を積層したものである
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記バイアス磁界印加用磁性膜が、前記磁気抵抗効果膜に横バイアスを印加するための磁性膜である
ことを特徴とする請求項5に記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記磁気抵抗効果膜、前記磁気分離膜および前記バイアス磁界印加用磁性膜のなす側端面が、それらの積層方向に対して傾斜している
ことを特徴とする請求項5または6に記載の磁気抵抗効果素子。 - 表面に磁気抵抗効果膜を有する積層構造と、
前記磁気抵抗効果膜の表面のABS側から見て両端部領域をそれぞれ覆うように設けられた絶縁膜と、
前記絶縁膜の表面全面を覆うと共に前記積層構造の側面に延在するように設けられ、前記磁気抵抗効果膜の側端面において前記磁気抵抗効果膜と電気的に接続された引き出し電極層と、
前記磁気抵抗効果膜の表面の中央部分から前記引き出し電極層上にわたって設けられたシールドギャップ膜
とを備えたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 更に、前記磁気抵抗効果素子を挟んで対向するように配置され、前記磁気抵抗素子をシールドする2つのシールド層を備えた
ことを特徴とする請求項8に記載の薄膜磁気ヘッド。 - 更に、磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一部がギャップ層を介して互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる2つの磁性層と、この2つの磁性層の間に配設された薄膜コイルとを有する書き込み用の誘導型磁気変換素子を備えた
ことを特徴とする請求項8または9に記載の薄膜磁気ヘッド。 - 磁気抵抗効果素子を製造する方法であって、
磁気抵抗効果膜を形成する工程と、
前記磁気抵抗効果膜の上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜の上に、前記磁気抵抗効果膜をパターニングするための耐エッチング膜を形成する工程と、
前記耐エッチング膜をマスクとして前記絶縁膜の一部および前記磁気抵抗効果膜の一部を選択的に除去する工程と、
少なくとも前記絶縁膜の端部の近傍領域を覆うと共に、前記磁気抵抗効果膜の側端面において前記磁気抵抗効果膜と電気的に接続されるように引き出し電極層を形成する工程と、
前記引き出し電極層をマスクとして、前記絶縁膜の前記引き出し電極層に覆われていない部分を選択的に除去する工程
とを含むことを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 前記磁気抵抗効果膜を形成する工程の前に、
バイアス磁界印加用磁性膜を形成する工程と、
前記バイアス磁界印加用磁性膜の上に磁気分離膜を形成する工程
とを含むことを特徴とする請求項11に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 前記磁気抵抗効果膜、前記磁気分離膜および前記バイアス磁界印加用磁性膜のなす側端面を、それらの積層方向に対して傾斜するように形成する
ことを特徴とする請求項12に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 前記絶縁膜および前記磁気抵抗効果膜をそれぞれ選択的に除去する工程を、ドライエッチングにより行う
ことを特徴とする請求項11ないし13のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 前記ドライエッチングをそれぞれ同一のチャンバ内において行う
ことを特徴とする請求項14に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 前記絶縁膜を選択的に除去する工程を、反応性イオンエッチングにより行う
ことを特徴とする請求項14または15に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 前記反応性イオンエッチングを四フッ化炭素または塩素系ガスを用いて行う
ことを特徴とする請求項16に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 前記磁気抵抗効果膜を選択的に除去する工程を、イオンビームエッチングにより行う
ことを特徴とする請求項14または15に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 前記耐エッチング膜として、断面がT字形状のフォトレジストパターンを用いる
ことを特徴とする請求項11ないし18のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 前記引き出し電極層をマスクとしたドライエッチングにより、前記絶縁膜を選択的に除去する
ことを特徴とする請求項11ないし19のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 前記絶縁膜を無機系絶縁材料により形成する
ことを特徴とする請求項11ないし20のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 前記無機系絶縁材料を、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムの少なくともいずれか一方により形成する
ことを特徴とする請求項11ないし21のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 前記絶縁膜の膜厚を5nm〜10nmの範囲に形成する
ことを特徴とする請求項11ないし22のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 磁気抵抗効果素子を含む薄膜磁気ヘッドを製造する方法であって、
前記磁気抵抗効果素子を形成する方法が、請求項11ないし23のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法である
ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 第1のシールド層を形成する工程と、
前記第1のシールド層の上に、第1のシールドギャップ膜を形成する工程と、
前記第1のシールドギャップ膜の上に磁気抵抗効果素子を形成する工程と、
前記磁気抵抗効果素子の上に第2のシールドギャップ膜を形成する工程と、
前記第2のシールドギャップ膜の上に第2のシールド層を形成する工程とを含み、
前記磁気抵抗効果素子を形成する方法が、請求項11ないし23のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法である
ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 更に、磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一部がギャップ層を介して互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる2つの磁性層と、この2つの磁性層の間に配設された薄膜コイルとを有する書き込み用の誘導型磁気変換素子を形成する工程
を含むことを特徴とする請求項24または25に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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