JP2003130796A - 生化学解析用データの生成方法およびそれに用いるスキャナ - Google Patents

生化学解析用データの生成方法およびそれに用いるスキャナ

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JP2003130796A
JP2003130796A JP2002189951A JP2002189951A JP2003130796A JP 2003130796 A JP2003130796 A JP 2003130796A JP 2002189951 A JP2002189951 A JP 2002189951A JP 2002189951 A JP2002189951 A JP 2002189951A JP 2003130796 A JP2003130796 A JP 2003130796A
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JP
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stimulable phosphor
biochemical analysis
light
regions
phosphor layer
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JP2002189951A
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English (en)
Inventor
Nobuhiko Ogura
信彦 小倉
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特異的結合物質に、放射性標識物質によって
標識された生体由来の物質を特異的に結合させて、選択
的に標識したスポット状領域を、担体に、高密度に形成
した場合においても、定量性の高い生化学解析用データ
を生成することのできる生化学解析用データの生成方法
を提供する。 【解決手段】 サンプルステージ40に載置されたサン
プル1、10に、二次元的に、互いに離間して、形成さ
れた複数の発光領域4、12から放出される光を光電的
に検出して、生化学解析用データを生成する方法におい
て、複数の発光領域から放出される光を光検出器50に
導く導光部材36を、サンプルステージに対して、主走
査方向および前記主走査方向と直交する副走査方向に、
間欠的に、相対的に移動させて、複数の発光領域から放
出される光を、導光部材によって、光検出器に導いて、
光電的に検出し、生化学解析用データを生成することを
特徴とする生化学解析用データの生成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学解析用デー
タの生成方法およびそれに用いるスキャナに関するもの
であり、さらに詳細には、標識物質によって、選択的に
標識された複数のスポット状領域を、メンブレンフィル
タなどの生化学解析用ユニットに高密度に形成した場合
においても、複数のスポット状領域から放出された光を
光電的に検出して、定量性の高い生化学解析用データを
生成することのできる生化学解析用データの生成方法お
よびそれに用いるスキャナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】また、光が照射されると、光のエネルギー
を吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の
電磁波を用いて励起すると、照射された光のエネルギー
の量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性
蛍光体を、光の検出材料として用い、蛋白質、遺伝子配
列などの固定された高分子を、化学発光物質と接触し
て、化学発光を生じさせる標識物質により、選択的に標
識し、標識物質によって選択的に標識された高分子と、
化学発光物質とを接触させて、化学発光物質と標識物質
との接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を、蓄
積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に含まれ
ている輝尽性蛍光体に蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル信号を生成し、データ処理を施
して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルムな
どの記録材料上に、データを再生するように構成された
化学発光解析システムが知られている(たとえば、米国
特許第5,028,793号、英国特許出願公開GB第
2,246,197Aなど。)。
【0004】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するこれらのシステムは、写真フイルムを用い
る場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要
であるだけでなく、得られたディジタルデータにデータ
処理を施すことにより、所望のように、解析用データを
再生し、あるいは、コンピュータによる定量解析が可能
になるという利点を有している。
【0005】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0006】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光解析システムも知られてい
る。
【0007】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細胞、
ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗
原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDN
A、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結
合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既
知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下
して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによっ
て、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処
理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であ
って、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識され
た物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特異
的結合物質に、特異的に結合させたマイクロアレイに、
励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から
発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来
の物質を解析するマイクロアレイ解析システムが開発さ
れている。このマイクロアレイ解析システムによれば、
スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポット
を高密度に形成して、標識物質によって標識された生体
由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時
間に、生体由来の物質を解析することが可能になるとい
う利点がある。
【0008】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッ
ター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポット
を形成し、次いで、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽
出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、
さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生
体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識さ
れた物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特
異的結合物質に、特異的に結合させたマクロアレイを、
輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性
蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、
しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性
蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生
化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解析する
放射性標識物質を用いたマクロアレイ解析システムも開
発されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、放射性
標識物質を標識物質として用いたマクロアレイ解析シス
テムにあっては、輝尽性蛍光体層を露光する際、メンブ
レンフィルタなどの担体表面上に形成されたスポット状
領域に含まれた放射性標識物質の放射線エネルギーが非
常に大きいため、放射性標識物質から発せられる電子線
(β線)が散乱して、隣り合うスポット状領域に含まれ
た放射性標識物質によって露光されるべき輝尽性蛍光体
層の領域に入射し、その結果、輝尽光を光電的に検出し
て生成された生化学解析用データ中にノイズが生成さ
れ、隣り合うスポット状領域間でのデータの分離が困難
になって、分解能が低下するとともに、各スポット状領
域の放射線量を定量して、生体由来の物質を解析する
際、定量性が悪化するという問題があり、スポットを近
接して形成して、高密度化しようとする場合には、とく
に、分解能が低下する著しく低下するとともに、定量性
の著しい悪化が認められている。
【0010】隣り合うスポット状領域に含まれた放射性
標識物質から発せられる電子線(β線)の散乱に起因す
るノイズを防止して、かかる問題を解消するためには、
必然的に、隣り合うスポット状領域間の距離を大きくす
ることが必要になり、スポット状領域の密度が低下し、
検査効率を低下させるという問題があった。
【0011】また、生化学解析の分野においては、メン
ブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的
に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成など
が既知の特異的結合物質を含むスポット状領域を形成
し、スポット状領域に含まれた特異的結合物質に、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質によって標識された生体由来の物質を、ハイ
ブリダイゼーションなどにより、特異的に結合させて、
選択的に標識し、化学発光基質とを接触させて、化学発
光基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域
の化学発光により、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体
層を露光して、輝尽性蛍光体層に化学発光のエネルギー
を蓄積させ、輝尽性蛍光体層に、励起光を照射して、輝
尽性蛍光体層から放出される輝尽光を光電的に検出し
て、生体由来の物質を解析することも要求されている
が、かかる場合にも、各スポット状領域から放出された
化学発光が、メンブレンフィルタなどの担体内で散乱し
て、隣り合うスポット状領域から放出された化学発光に
よって露光されるべき輝尽性蛍光体層の領域に入射し、
その結果、輝尽光を光電的に検出して生成された生化学
解析用データ中にノイズが生成され、隣り合うスポット
状領域間でのデータの分離が困難になって、分解能が低
下するとともに、生化学解析用データの定量性が低下す
るという問題があった。
【0012】さらに、上述のように、生化学解析の分野
においては、メンブレンフィルタなどの担体表面上の異
なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカ
ー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク
質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の
物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長
さ、組成などが既知の特異的結合物質を含むスポット状
領域を形成し、スポット状領域に含まれた特異的結合物
質に、化学発光基質と接触させることによって化学発光
を生じさせる標識物質および/または蛍光物質によって
標識された生体由来の物質を、ハイブリダイゼーション
などにより、特異的に結合させて、選択的に標識し、化
学発光基質とを接触させて、化学発光基質と標識物質と
の接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を光電的
に検出し、あるいは、励起光を照射して、蛍光物質から
発せられる蛍光を光電的に検出して、生体由来の物質を
解析することも要求されているが、かかる場合にも、ス
ポット状領域から放出された化学発光や蛍光がメンブレ
ンフィルタなどの担体内で散乱し、あるいは、スポット
状領域から発せられた化学発光や蛍光が散乱して、隣り
合うスポット状領域から放出された化学発光や蛍光と混
ざり合い、その結果、化学発光あるいは蛍光を光電的に
検出して生成した生化学解析用データ中にノイズを生成
するという問題があった。
【0013】したがって、本発明は、標識物質によっ
て、選択的に標識された複数のスポット状領域を、メン
ブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットに高密度に
形成した場合においても、複数のスポット状領域から放
出された光を光電的に検出して、定量性の高い生化学解
析用データを生成することができる生化学解析用データ
の生成方法およびそれに用いるスキャナを提供すること
を目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
サンプルステージに載置されたサンプルに、二次元的
に、互いに離間して、形成された複数の発光領域から放
出される光を光電的に検出して、生化学解析用データを
生成する方法であって、前記複数の発光領域から放出さ
れる光を光検出器に導く導光部材と、前記サンプルステ
ージを、主走査方向および前記主走査方向と直交する副
走査方向に、間欠的に、相対的に移動させて、前記サン
プルに、互いに離間して、二次元的に形成された前記複
数の発光領域から放出される光を、前記導光部材によっ
て、光検出器に導いて、光電的に検出し、生化学解析用
データを生成することを特徴とする生化学解析用データ
の生成方法によって達成される。
【0015】本発明によれば、放射性標識物質によって
選択的に標識されたスポット状領域を、メンブレンフィ
ルタなどの生化学解析用ユニットに、高密度に形成した
場合においても、メンブレンフィルタなどの生化学解析
用ユニットに形成された複数のスポット状領域と同じパ
ターンで、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成された蓄積
性蛍光体シートを、各輝尽性蛍光体層領域が、対応する
スポット状領域に対向するように、生化学解析用ユニッ
トに重ね合わせて、各スポット状領域に含まれている放
射性標識物質から放出された電子線(β線)が、そのス
ポット状領域に含まれた放射性標識物質から放出された
電子線(β線)によって露光されるべき領域以外の輝尽
性蛍光体層の領域に入射することを防止しつつ、蓄積性
蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域を、複数のス
ポット状領域に含まれている放射性標識物質によって露
光して、放射線エネルギーを蓄積させ、蓄積性蛍光体シ
ートをサンプルステージに載置し、導光部材と、サンプ
ルステージを、主走査方向および前記主走査方向と直交
する副走査方向に、間欠的に、相対的に移動させつつ、
サンプルステージに載置された蓄積性蛍光体シートの複
数の輝尽性蛍光体層領域に、順次、励起光を照射して、
輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を、順
次、励起し、導光部材によって、輝尽性蛍光体層領域か
ら放出された輝尽光を光検出器に導き、光検出器によっ
て、光電的に検出することによって、高い分解能で、定
量性に優れた生化学解析用のデータを生成することが可
能になる。
【0016】すなわち、本発明によれば、蓄積性蛍光体
シートに、二次元的に、互いに離間して、形成された複
数の輝尽性蛍光体層領域に、励起光を照射して、輝尽性
蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、輝
尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出
して、生化学解析用データを生成する際に、導光部材
を、その受光端部が、蓄積性蛍光体シートに形成された
輝尽性蛍光体層領域に、十分に近接するように、位置さ
せることによって、励起光を照射すべき輝尽性蛍光体層
領域のみに、導光部材によって導かれた励起光を確実に
照射し、その輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性
蛍光体を励起して、輝尽光を放出させ、輝尽性蛍光体層
領域から放出された輝尽光を、導光部材の受光端部によ
って、受光して、光検出器に導き、光検出器によって検
出することができ、したがって、励起光が照射されるべ
き輝尽性蛍光体層領域に隣り合った輝尽性蛍光体層領域
に、励起光が入射して、蓄積されている放射線エネルギ
ーを放出させることを効果的に防止することが可能にな
るから、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用の
データを生成することが可能になる。
【0017】また、本発明によれば、化学発光基質と接
触させることによって化学発光を生じさせる標識物質に
よって選択的に標識されたスポット状領域を、メンブレ
ンフィルタなどの生化学解析用ユニットに、高密度に形
成した場合においても、生化学解析用ユニットの複数の
スポット状領域に、化学発光基質を接触させて、生化学
解析用ユニットの複数のスポット状領域から選択的に化
学発光を放出させ、メンブレンフィルタなどの生化学解
析用ユニットに形成された複数のスポット状領域と同じ
パターンで、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成された蓄
積性蛍光体シートを、各輝尽性蛍光体層領域が、対応す
るスポット状領域に対向するように、生化学解析用ユニ
ットに重ね合わせて、各スポット状領域から放出される
化学発光が、そのスポット状領域から放出される化学発
光によって露光されるべき領域以外の輝尽性蛍光体層の
領域に入射することを防止しつつ、蓄積性蛍光体シート
の複数の輝尽性蛍光体層領域を、複数のスポット状領域
から選択的に放出された化学発光によって露光して、化
学発光のエネルギーを蓄積させ、蓄積性蛍光体シートを
サンプルステージに載置し、導光部材と、サンプルステ
ージを、主走査方向および前記主走査方向と直交する副
走査方向に、間欠的に、相対的に移動させつつ、サンプ
ルステージに載置された蓄積性蛍光体シートの複数の輝
尽性蛍光体層領域に、順次、励起光を照射して、輝尽性
蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を、順次、励
起し、導光部材によって、輝尽性蛍光体層領域から放出
された輝尽光を光検出器に導き、光検出器によって、光
電的に検出することによって、高い分解能で、定量性に
優れた生化学解析用のデータを生成することが可能にな
る。
【0018】すなわち、本発明によれば、蓄積性蛍光体
シートに、二次元的に、互いに離間して、形成された複
数の輝尽性蛍光体層領域に、励起光を照射して、輝尽性
蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、輝
尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出
して、生化学解析用データを生成する際に、導光部材
を、その受光端部が、蓄積性蛍光体シートに形成された
輝尽性蛍光体層領域に、十分に近接するように、位置さ
せることによって、励起光を照射すべき輝尽性蛍光体層
領域のみに、導光部材によって導かれた励起光を確実に
照射し、その輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性
蛍光体を励起して、輝尽光を放出させ、輝尽性蛍光体層
領域から放出された輝尽光を、導光部材の受光端部によ
って、受光して、光検出器に導き、光検出器によって検
出することができ、したがって、励起光が照射されるべ
き輝尽性蛍光体層領域に隣り合った輝尽性蛍光体層領域
に、励起光が入射して、蓄積されている化学発光のエネ
ルギーを放出させることを効果的に防止することが可能
になるから、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析
用のデータを生成することが可能になる。
【0019】さらに、本発明によれば、蛍光色素などの
蛍光物質によって選択的に標識されたスポット状領域
を、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニット
に、高密度に形成した場合においても、生化学解析用ユ
ニットをサンプルステージに載置し、導光部材と、サン
プルステージを、主走査方向および前記主走査方向と直
交する副走査方向に、間欠的に、相対的に移動させつ
つ、サンプルステージに載置された生化学解析用ユニッ
トの複数のスポット状領域に、順次、励起光を照射し
て、複数のスポット状領域に含まれている蛍光物質を、
順次、励起し、導光部材によって、スポット状領域から
放出された蛍光を光検出器に導き、光検出器によって、
光電的に検出することによって、高い分解能で、定量性
に優れた生化学解析用のデータを生成することが可能に
なる。
【0020】すなわち、本発明によれば、生化学解析用
ユニットに、二次元的に、互いに離間して、形成された
複数のスポット状領域に、励起光を照射して、スポット
状領域に含まれている蛍光物質を励起し、スポット状領
域から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析
用データを生成する際に、導光部材を、その受光端部
が、生化学解析用ユニットに形成されたスポット状領域
に、十分に近接するように、位置させることによって、
励起光を照射すべきスポット状領域のみに、導光部材に
よって導かれた励起光を確実に照射し、そのスポット状
領域に含まれている蛍光物質を励起して、蛍光を放出さ
せ、スポット状領域から放出された蛍光を、導光部材の
受光端部によって、受光して、光検出器に導き、光検出
器によって検出することができ、したがって、励起光が
照射されるべきスポット状領域に隣り合ったスポット状
領域に、励起光が入射して、蛍光を放出させることを効
果的に防止することが可能になるから、高い分解能で、
定量性に優れた生化学解析用のデータを生成することが
可能になる。
【0021】また、本発明によれば、化学発光基質と接
触させることによって化学発光を生じさせる標識物質に
よって選択的に標識されたスポット状領域を、メンブレ
ンフィルタなどの生化学解析用ユニットに、高密度に形
成した場合においても、生化学解析用ユニットの複数の
スポット状領域に、化学発光基質を接触させて、生化学
解析用ユニットの複数のスポット状領域から選択的に化
学発光を放出させ、生化学解析用ユニットをサンプルス
テージに載置し、導光部材と、サンプルステージを、主
走査方向および前記主走査方向と直交する副走査方向
に、間欠的に、相対的に移動させつつ、導光部材によっ
て、サンプルステージに載置された生化学解析用ユニッ
トの複数のスポット状領域から、順次、放出された化学
発光をを光検出器に導き、光検出器によって、光電的に
検出することによって、高い分解能で、定量性に優れた
生化学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0022】すなわち、本発明によれば、生化学解析用
ユニットのスポット状領域から放出される化学発光を光
電的に検出して、生化学解析用データを生成する際に、
導光部材を、その受光端部が、生化学解析用ユニットに
形成されたスポット状領域に、十分に近接するように、
位置させることによって、生化学解析用ユニットのスポ
ット状領域から放出され、光検出器によって検出すべき
化学発光のみを、導光部材より、受光して、光検出器に
導き、光検出器によって光電的に検出することができ、
したがって、光検出器が、検出すべき化学発光を放出す
るスポット状領域に隣り合ったスポット状領域から放出
された化学発光を検出することを効果的に防止すること
が可能になるから、高い分解能で、定量性に優れた生化
学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0023】本発明の好ましい実施態様においては、前
記導光部材が、可撓性を有している。
【0024】本発明の好ましい実施態様によれば、導光
部材が、可撓性を有しているから、導光部材を、きわめ
て容易に、主走査方向および副走査方向に移動させて、
複数の発光領域から放出された光を、導光部材によっ
て、光検出器に導いて、光電的に検出し、生化学解析用
データを生成することが可能になる。
【0025】本発明の好ましい実施態様においては、前
記導光部材が、少なくとも1本の光ファイバによって構
成されている。
【0026】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記導光部材が、光ファイバ束によって構成されて
いる。
【0027】本発明の好ましい実施態様においては、前
記サンプルに、前記複数の発光領域が、前記主走査方向
および前記副走査方向に、それぞれ、所定のピッチで、
規則的に形成され、前記導光部材と、前記サンプルステ
ージを、前記主走査方向および前記副走査方向に、それ
ぞれ、所定のピッチで、間欠的に、相対的に移動させ
て、前記サンプルに、二次元的に、互いに離間して、形
成された前記複数の領域から放出される光を光電的に検
出し、生化学解析用データを生成するように構成されて
いる。
【0028】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記導光部材を、前記主走査方向および前記副走査
方向に移動させて、前記サンプルに、二次元的に、互い
に離間して、形成された前記複数の領域から放出される
光を光電的に検出し、生化学解析用データを生成するよ
うに構成されている。
【0029】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記導光部材を、前記主走査方向に移動させるとと
もに、前記サンプルステージを副走査方向に移動させ
て、前記サンプルに、二次元的に、互いに離間して、形
成された前記複数の領域から放出される光を光電的に検
出し、生化学解析用データを生成するように構成されて
いる。
【0030】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記導光部材を、前記副走査方向に移動させるとと
もに、前記サンプルステージを主走査方向に移動させ
て、前記サンプルに、二次元的に、互いに離間して、形
成された前記複数の領域から放出される光を光電的に検
出し、生化学解析用データを生成するように構成されて
いる。
【0031】本発明の好ましい実施態様においては、前
記サンプルが、支持体を備え、前記支持体に、放射線エ
ネルギーを選択的に蓄積した複数の輝尽性蛍光体層領域
が、二次元的に、互いに離間して、形成された蓄積性蛍
光体シートによって構成され、前記導光部材により、励
起光を導いて、前記複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞ
れに、励起光を照射し、前記複数の輝尽性蛍光体層領域
のそれぞれから放出された輝尽光を、前記導光部材によ
って、前記光検出器に導いて、光電的に検出し、生化学
解析用データを生成するように構成されている。
【0032】本発明の好ましい実施態様によれば、放射
性標識物質によって選択的に標識されたスポット状領域
を、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニット
に、高密度に形成した場合においても、メンブレンフィ
ルタなどの生化学解析用ユニットに形成された複数のス
ポット状領域と同じパターンで、複数の輝尽性蛍光体層
領域が形成された蓄積性蛍光体シートを、各輝尽性蛍光
体層領域が、対応するスポット状領域に対向するよう
に、生化学解析用ユニットに重ね合わせて、各スポット
状領域に含まれている放射性標識物質から放出された電
子線(β線)が、そのスポット状領域に含まれた放射性
標識物質から放出された電子線(β線)によって露光さ
れるべき領域以外の輝尽性蛍光体層の領域に入射するこ
とを防止しつつ、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍
光体層領域を、複数のスポット状領域に含まれている放
射性標識物質によって露光して、放射線エネルギーを蓄
積させ、蓄積性蛍光体シートをサンプルステージに載置
し、導光部材と、サンプルステージを、主走査方向およ
び前記主走査方向と直交する副走査方向に、間欠的に、
相対的に移動させつつ、サンプルステージに載置された
蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域に、順
次、励起光を照射して、輝尽性蛍光体層領域に含まれて
いる輝尽性蛍光体を、順次、励起し、導光部材によっ
て、輝尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光検出
器に導き、光検出器によって、光電的に検出することに
よって、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用の
データを生成することが可能になる。
【0033】すなわち、本発明の好ましい実施態様によ
れば、蓄積性蛍光体シートに、二次元的に、互いに離間
して、形成された複数の輝尽性蛍光体層領域に、励起光
を照射して、輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性
蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体層領域から放出された輝
尽光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成す
る際に、導光部材を、その受光端部が、蓄積性蛍光体シ
ートに形成された輝尽性蛍光体層領域に、十分に近接す
るように、位置させることによって、励起光を照射すべ
き輝尽性蛍光体層領域のみに、導光部材によって導かれ
た励起光を確実に照射し、その輝尽性蛍光体層領域に含
まれている輝尽性蛍光体を励起して、輝尽光を放出さ
せ、輝尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を、導光
部材の受光端部によって、受光して、光検出器に導き、
光検出器によって検出することができ、したがって、励
起光が照射されるべき輝尽性蛍光体層領域に隣り合った
輝尽性蛍光体層領域に、励起光が入射して、蓄積されて
いる放射線エネルギーを放出させることを効果的に防止
することが可能になるから、高い分解能で、定量性に優
れた生化学解析用のデータを生成することが可能にな
る。
【0034】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、放射性標識物質を選択的に含み、互いに離間した複
数のスポット状領域を、前記蓄積性蛍光体シートに形成
された前記複数の輝尽性蛍光体層領域と同一のパターン
で、生化学解析用ユニットに形成し、前記蓄積性蛍光体
シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれが、
前記生化学解析用ユニットの対応する前記スポット状領
域に対向するように、前記蓄積性蛍光体シートを前記生
化学解析用ユニットに重ね合わせて、前記生化学解析用
ユニットの前記複数のスポット状領域に選択的に含まれ
た放射性標識物質によって、前記蓄積性蛍光体シートの
前記複数の輝尽性蛍光体層領域を露光して、放射線エネ
ルギーを、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性
蛍光体層領域に蓄積させるように構成されている。
【0035】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基
配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を
含む溶液を、前記生化学解析用ユニットに滴下して、前
記蓄積性蛍光体シートに形成された前記輝尽性蛍光体層
領域と同一のパターンで、互いに離間した複数のスポッ
ト状領域を前記生化学解析用ユニットに形成し、前記生
化学解析用ユニットの前記複数のスポット状領域に含ま
れた特異的結合物質に、放射性標識物質によって標識さ
れた生体由来の物質を特異的に結合させて、前記複数の
スポット状領域を選択的に標識し、前記蓄積性蛍光体シ
ートを、前記複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれが、
前記生化学解析用ユニットの対応するスポット状領域に
対向するように、前記生化学解析用ユニットに重ね合わ
せ、前記生化学解析用ユニットの前記複数のスポット状
領域に選択的に含まれた放射性標識物質によって、前記
蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域を
露光して、放射線エネルギーを、前記蓄積性蛍光体シー
トの前記複数の輝尽性蛍光体層領域に蓄積させるように
構成されている。
【0036】本発明の好ましい実施態様においては、前
記サンプルが、支持体を備え、前記支持体に、化学発光
のエネルギーを選択的に蓄積した複数の輝尽性蛍光体層
領域が、二次元的に、互いに離間して、形成された蓄積
性蛍光体シートによって構成され、前記導光部材によ
り、励起光を導いて、前記複数の輝尽性蛍光体層領域の
それぞれに、励起光を照射し、前記複数の輝尽性蛍光体
層領域のそれぞれから放出された輝尽光を、前記導光部
材によって、前記光検出器に導いて、光電的に検出し、
生化学解析用データを生成するように構成されている。
【0037】本発明の好ましい実施態様によれば、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質によって選択的に標識されたスポット状領域
を、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニット
に、高密度に形成した場合においても、生化学解析用ユ
ニットの複数のスポット状領域に、化学発光基質を接触
させて、生化学解析用ユニットの複数のスポット状領域
から選択的に化学発光を放出させ、メンブレンフィルタ
などの生化学解析用ユニットに形成された複数のスポッ
ト状領域と同じパターンで、複数の輝尽性蛍光体層領域
が形成された蓄積性蛍光体シートを、各輝尽性蛍光体層
領域が、対応するスポット状領域に対向するように、生
化学解析用ユニットに重ね合わせて、各スポット状領域
から放出される化学発光が、そのスポット状領域から放
出される化学発光によって露光されるべき領域以外の輝
尽性蛍光体層の領域に入射することを防止しつつ、蓄積
性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域を、複数の
スポット状領域から選択的に放出された化学発光によっ
て露光して、化学発光のエネルギーを蓄積させ、蓄積性
蛍光体シートをサンプルステージに載置し、導光部材
と、サンプルステージを、主走査方向および前記主走査
方向と直交する副走査方向に、間欠的に、相対的に移動
させつつ、サンプルステージに載置された蓄積性蛍光体
シートの複数の輝尽性蛍光体層領域に、順次、励起光を
照射して、輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍
光体を、順次、励起し、導光部材によって、輝尽性蛍光
体層領域から放出された輝尽光を光検出器に導き、光検
出器によって、光電的に検出することによって、高い分
解能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成す
ることが可能になる。
【0038】すなわち、本発明の好ましい実施態様によ
れば、蓄積性蛍光体シートに、二次元的に、互いに離間
して、形成された複数の輝尽性蛍光体層領域に、励起光
を照射して、輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性
蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体層領域から放出された輝
尽光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成す
る際に、導光部材を、その受光端部が、蓄積性蛍光体シ
ートに形成された輝尽性蛍光体層領域に、十分に近接す
るように、位置させることによって、励起光を照射すべ
き輝尽性蛍光体層領域のみに、導光部材によって導かれ
た励起光を確実に照射し、その輝尽性蛍光体層領域に含
まれている輝尽性蛍光体を励起して、輝尽光を放出さ
せ、輝尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を、導光
部材の受光端部によって、受光して、光検出器に導き、
光検出器によって検出することができ、したがって、励
起光が照射されるべき輝尽性蛍光体層領域に隣り合った
輝尽性蛍光体層領域に、励起光が入射して、蓄積されて
いる化学発光のエネルギーを放出させることを効果的に
防止することが可能になるから、高い分解能で、定量性
に優れた生化学解析用のデータを生成することが可能に
なる。
【0039】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質を選択的に含み、互いに離間した複
数のスポット状領域を、前記蓄積性蛍光体シートに形成
された前記複数の輝尽性蛍光体層領域と同一のパターン
で、生化学解析用ユニットに形成し、前記生化学解析用
ユニットの前記複数のスポット状領域に、化学発光基質
を接触させて、前記生化学解析用ユニットの複数のスポ
ット状領域から選択的に化学発光を放出させ、前記蓄積
性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域のそれ
ぞれが、前記生化学解析用ユニットの対応する前記スポ
ット状領域に対向するように、前記蓄積性蛍光体シート
を前記生化学解析用ユニットに重ね合わせて、前記生化
学解析用ユニットの前記複数のスポット状領域から選択
的に放出された化学発光によって、前記蓄積性蛍光体シ
ートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域を露光して、化学
発光のエネルギーを、前記蓄積性蛍光体シートの前記複
数の輝尽性蛍光体層領域に蓄積させるように構成されて
いる。
【0040】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基
配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を
含む溶液を、前記生化学解析用ユニットに滴下して、前
記蓄積性蛍光体シートに形成された前記輝尽性蛍光体層
領域と同一のパターンで、互いに離間した複数のスポッ
ト状領域を前記生化学解析用ユニットに形成し、前記生
化学解析用ユニットの前記複数のスポット状領域に含ま
れた特異的結合物質に、化学発光基質と接触させること
によって化学発光を生じさせる標識物質によって標識さ
れた生体由来の物質を特異的に結合させて、前記複数の
スポット状領域を選択的に標識し、前記生化学解析用ユ
ニットの前記複数のスポット状領域に、化学発光基質を
接触させて、前記生化学解析用ユニットの複数のスポッ
ト状領域から選択的に化学発光を放出させ、前記蓄積性
蛍光体シートを、前記複数の輝尽性蛍光体層領域のそれ
ぞれが、前記生化学解析用ユニットの対応するスポット
状領域に対向するように、前記生化学解析用ユニットに
重ね合わせ、前記生化学解析用ユニットの前記複数のス
ポット状領域から選択的に放出された化学発光によっ
て、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
層領域を露光して、化学発光のエネルギーを、前記蓄積
性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域に蓄積
させるように構成されている。
【0041】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、光エネルギーを
減衰させる性質を有している。
【0042】本発明の好ましい実施態様によれば、蓄積
性蛍光体シートの支持体が、光エネルギーを減衰させる
性質を有しているから、蓄積性蛍光体シートの支持体内
で、励起光が散乱して、次に励起光が照射されるべき輝
尽性蛍光体層領域に入射し、輝尽性蛍光体を励起して、
蓄積していた放射線エネルギーあるいは化学発光のエネ
ルギーを放出させることを効果的に防止することがで
き、したがって、放射性標識物質あるいは化学発光によ
って選択的に露光された蓄積性蛍光体シートの複数の輝
尽性蛍光体層領域を励起光によって走査し、複数の輝尽
性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出す
ることによって、高い分解能で、定量性に優れた生化学
解析用のデータを生成することが可能になる。
【0043】さらに、本発明の好ましい実施態様におい
ては、蓄積性蛍光体シートの支持体が、光エネルギーを
減衰させる性質を有しているから、励起光によって、輝
尽性蛍光体層領域に含まれた輝尽性蛍光体を励起され
て、輝尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光が、蓄積
性蛍光体シートの支持体内で散乱し、隣り合う輝尽性蛍
光体層領域から放出された輝尽光と混ざり合うことを効
果的に防止することができ、したがって、放射性標識物
質あるいは化学発光によって選択的に露光された蓄積性
蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域を励起光によ
って走査し、複数の輝尽性蛍光体層領域から放出された
輝尽光を光電的に検出することによって、高い分解能
で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成するこ
とが可能になる。
【0044】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う前記輝
尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前
記支持体中を透過したときに、光のエネルギーを1/5
以下に減衰させる性質を有している。
【0045】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
光が前記支持体中を透過したときに、光のエネルギーを
1/10以下に減衰させる性質を有している。
【0046】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
光が前記支持体中を透過したときに、光のエネルギーを
1/50以下に減衰させる性質を有している。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
光が前記支持体中を透過したときに、光のエネルギーを
1/100以下に減衰させる性質を有している。
【0048】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
光が前記支持体中を透過したときに、光のエネルギーを
1/500以下に減衰させる性質を有している。
【0049】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
光が前記支持体中を透過したときに、光のエネルギーを
1/1000以下に減衰させる性質を有している。
【0050】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、放射線エネルギ
ーを減衰させる性質を有している。
【0051】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、蓄積性蛍光体シートの支持体が、放射線を減衰させ
る性質を有しているから、蓄積性蛍光体シートを生化学
解析用ユニットに重ね合わせて、生化学解析用ユニット
の複数のスポット状領域に選択的に含まれている放射性
標識物質によって、蓄積性蛍光体シートに形成されてい
る輝尽性蛍光体層領域を露光する際に、スポット状領域
に含まれている放射性標識物質から放出された電子線
(β線)が、蓄積性蛍光体シートの支持体内で散乱する
ことを効果的に防止することができるから、そのスポッ
ト状領域に含まれた放射性標識物質から放出された電子
線(β線)によって露光されるべき輝尽性蛍光体層領域
以外の輝尽性蛍光体層領域に入射することを効果的に防
止することができ、したがって、露光された複数の輝尽
性蛍光体層領域を励起光によって走査し、複数の輝尽性
蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出する
ことによって、高い分解能で、定量性に優れた生化学解
析用のデータを生成することが可能になる。
【0052】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネ
ルギーを1/5以下に減衰させる性質を有している。
【0053】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネ
ルギーを1/10以下に減衰させる性質を有している。
【0054】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネ
ルギーを1/50以下に減衰させる性質を有している。
【0055】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネ
ルギーを1/100以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0056】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネ
ルギーを1/500以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0057】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネ
ルギーを1/1000以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0058】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体を形成するための材料は、光エネルギーおよび/ま
たは放射線エネルギーを減衰させる性質を有しているこ
とが好ましいが、とくに限定されるものではなく、無機
化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用すること
ができ、金属材料、セラミック材料またはプラスチック
材料が、とくに好ましく使用される。
【0059】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体を形成するために好ましく使用することのできる無
機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、
アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケ
ル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステ
ンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリ
コン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪
素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイ
ト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパ
タイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができ
る。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのよ
うな多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。
【0060】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体を形成するために好ましく使用することのできる有
機化合物材料としては、高分子化合物が好ましく用いら
れ、好ましく使用される高分子化合物としては、たとえ
ば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアクリレート/
メチルメタクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポ
リアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリ
デン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチ
レン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネ
ート;ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフ
タレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン
6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポリイミ
ド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリ
ジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックな
どのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポ
リスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;セルロー
ス、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん粉、アル
ギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチ
ン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれ
ら高分子化合物の共重合体などを挙げることができる。
これらは、複合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化
物粒子やガラス繊維などを充填することもでき、また、
有機化合物材料をブレンドして、使用することもでき
る。
【0061】一般に、光の散乱および/または吸収が大
きいほど、光の減衰能が高くなるので、本発明におい
て、蓄積性蛍光体シートの支持体を、光を減衰させる性
質を有する材料によって形成する場合は、蓄積性蛍光体
シートの支持体は、厚さ1cmあたりの吸光度が0.3
以上であることが好ましく、厚さ1cmあたりの吸光度
が1以上であれば、さらに好ましい。ここに、吸光度
は、厚さTcmの板状体の直後に、積分球を置き、計測
に利用するプローブ光またはエミッション光の波長にお
ける透過光量Aを分光光度計によって測定し、A/Tを
算出することによって、求められる。光減衰能を向上さ
せるために、光散乱体や光吸収体を、蓄積性蛍光体シー
トの支持体に含有させることもできる。光散乱体として
は、蓄積性蛍光体シートの支持体を形成している材料と
異なる材料の微粒子が用いられ、光吸収体としては、顔
料または染料が用いられる。
【0062】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、本発明において、蓄積性蛍光体シー
トの支持体を放射線を減衰させる性質を有する材料によ
って形成する場合は、蓄積性蛍光体シートの支持体は、
比重1.0g/cm以上の化合物材料または複合材料
によって形成されることが好ましく、比重が1.5g/
cm以上、23g/cm以下の化合物材料または複
合材料によって形成されることが、とくに好ましい。
【0063】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域
が、前記支持体に形成された複数の孔内に形成されてい
る。
【0064】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域
が、前記支持体に形成された複数の孔内に、輝尽性蛍光
体が充填されて、形成されている。
【0065】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
層領域が、前記支持体に形成された複数の貫通孔内に、
輝尽性蛍光体が充填されて、形成されている。
【0066】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
層領域が、前記支持体に形成された複数の貫通孔内に、
輝尽性蛍光体が埋め込まれて、形成されている。
【0067】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
層領域が、前記支持体に形成された貫通孔内に、輝尽性
蛍光体を含む輝尽性蛍光体膜が圧入されて、形成されて
いる。
【0068】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
層領域が、前記支持体に形成された複数の凹部内に、輝
尽性蛍光体が充填されて、形成されている。
【0069】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
層領域が、前記支持体の表面上に形成されている。
【0070】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、10以上の前記
輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0071】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、50以上
の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0072】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、100以
上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0073】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、500以
上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0074】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、1000
以上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0075】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、5000
以上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0076】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、1000
0以上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0077】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、5000
0以上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0078】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、1000
00以上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0079】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記蓄積性蛍光体シー
トに、5平方ミリメートル未満のサイズで形成されてい
る。
【0080】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記蓄積性蛍光
体シートに、1平方ミリメートル未満のサイズで形成さ
れている。
【0081】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記蓄積性蛍光
体シートに、0.5平方ミリメートル未満のサイズで形
成されている。
【0082】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記蓄積性蛍光
体シートに、0.1平方ミリメートル未満のサイズで形
成されている。
【0083】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記蓄積性蛍光
体シートに、0.05平方ミリメートル未満のサイズで
形成されている。
【0084】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記蓄積性蛍光
体シートに、0.01平方ミリメートル未満のサイズで
形成されている。
【0085】本発明において、蓄積性蛍光体シートに形
成される輝尽性蛍光体層領域の密度は、支持体の材料、
放射性標識物質から放出される電子線の種類などによっ
て決定される。
【0086】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光体層領
域が、10個/平方センチメートル以上の密度で、形成
されている。
【0087】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光
体層領域が、50個/平方センチメートル以上の密度
で、形成されている。
【0088】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光
体層領域が、100個/平方センチメートル以上の密度
で、形成されている。
【0089】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光
体層領域が、500個/平方センチメートル以上の密度
で、形成されている。
【0090】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光
体層領域が、1000個/平方センチメートル以上の密
度で、形成されている。
【0091】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光
体層領域が、5000個/平方センチメートル以上の密
度で、形成されている。
【0092】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光
体層領域が、10000個/平方センチメートル以上の
密度で、形成されている。
【0093】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光
体層領域が、50000個/平方センチメートル以上の
密度で、形成されている。
【0094】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光
体層領域が、100000個/平方センチメートル以上
の密度で、形成されている。
【0095】本発明において、放射線エネルギーを蓄積
するために使用される輝尽性蛍光体としては、放射線の
エネルギーを蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄
積している放射線のエネルギーを、光の形で放出可能な
ものであればよく、とくに限定されるものではないが、
可視光波長域の光により励起可能であるものが好まし
い。具体的には、たとえば、米国特許第4,239,9
68号に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物
系蛍光体(Ba1−xM2+x)FX:yA(ここに、
2+はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、
XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲン、AはEu、Tb、Ce、Tm、D
y、Pr、Ho、Nd、YbおよびErからなる群より
選ばれる少なくとも一種の3価金属元素、xは0≦x≦
0.6、yは0≦y≦0.2である。)、特開平2−2
76997号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物系蛍光体SrFX:Z(ここに、XはCl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種の
ハロゲン、ZはEuまたはCeである。)、特開昭59
−56479号公報に開示されたユーロピウム付活複合
ハロゲン物系蛍光体BaFX・xNaX’:aEu2+
(ここに、XおよびX’はいずれも、Cl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
あり、xは0<x≦2、aは0<a≦0.2であ
る。)、特開昭58−69281号公報に開示されたセ
リウム付活三価金属オキシハロゲン物系蛍光体であるM
OX:xCe(ここに、MはPr、Nd、Pm、Sm、
Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびBi
からなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元
素、XはBrおよびIのうちの一方あるいは双方、x
は、0<x<0.1である。)、米国特許第4,53
9,137号に開示されたセリウム付活希土類オキシハ
ロゲン物系蛍光体であるLnOX:xCe(ここに、L
nはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる
少なくとも一種の希土類元素、XはCl、BrおよびI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、x
は、0<x≦0.1である。)および米国特許第4,9
62,047号に開示されたユーロピウム付活複合ハロ
ゲン物系蛍光体MIIFX・aMX’・bM’II''
・cMIII'''3 ・xA:yEu2+(ここに、MII
はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ土類金属元素、M はLi、N
a、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ金属元素、M' IIはBeおよびMg
からなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属元
素、MIIIはAl、Ga、InおよびTlからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、Aは少なく
とも一種の金属酸化物、XはCl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、X’、X
''およびX''' はF、Cl、BrおよびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは、0
≦a≦2、bは、0≦b≦10−2、cは、0≦c≦1
−2で、かつ、a+b+c≧10−2であり、xは、
0<x≦0.5で、yは、0<y≦0.2である。)
が、好ましく使用し得る。
【0096】また、本発明において、化学発光のエネル
ギーを蓄積するために使用される輝尽性蛍光体は、可視
光波長域の光のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によっ
て励起され、蓄積している光のエネルギーを、光の形で
放出可能なものであればよく、とくに限定されるもので
はないが、可視光波長域の光により励起可能であるもの
が好ましい。具体的には、たとえば、金属ハロリン酸塩
系蛍光体、希土類元素付活硫化物系蛍光体、アルミン酸
塩系蛍光体、珪酸塩系蛍光体、フッ化物系蛍光体および
これらの二または三以上の混合物からなる群より選ばれ
たものが、好ましく使用される。これらの中では、希土
類元素付活硫化物系蛍光体が好ましく、とくに、米国特
許第5,029,253号明細書、同第4,983,8
34号明細書に開示された希土類元素付活アルカリ土類
金属硫化物系蛍光体、また、その他にも、特開2001
−131545号公報に開示されたZnGeO:M
n,VおよびZnGeO:Mnなどのゲルマン酸亜
鉛蛍光体、特開2001−123162号公報に開示さ
れたSrAl1425:Ln(Lnは希土類)など
のアルミン酸アルカリ土類蛍光体、Y0.8Lu1.2
SiO:Ce,Zr、特公平6−31904号公報に
開示されたGdOCl:Ceなどが好ましく使用され
る。
【0097】本発明の好ましい実施態様においては、前
記サンプルが、吸着性領材料によって形成され、蛍光物
質が選択的に固定された複数の吸着性領域が、二次元的
に、互いに離間して、形成された基板を備えた生化学解
析用ユニットによって構成され、前記複数の吸着性領域
のそれぞれに、前記導光部材によって導いた励起光を照
射し、前記複数の吸着性領域のそれぞれから放出された
蛍光を、前記導光部材によって、前記光検出器に導い
て、光電的に検出し、生化学解析用データを生成するよ
うに構成されている。
【0098】本発明の好ましい実施態様によれば、蛍光
物質によって選択的に標識された吸着性領域を、生化学
解析用ユニットに高密度に形成した場合においても、生
化学解析用ユニットに、二次元的に、互いに離間して、
形成された複数の吸着性領域に、励起光を照射して、吸
着性領域に含まれている蛍光物質を励起し、吸着性領域
から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用
データを生成する際に、導光部材を、その受光端部が、
生化学解析用ユニットに形成された吸着性領域に、十分
に近接するように、位置させることによって、励起光を
照射すべき吸着性領域のみに、導光部材によって導かれ
た励起光を確実に照射し、吸着性領域に含まれている蛍
光物質を励起して、蛍光を放出させ、吸着性領域から放
出された蛍光を、導光部材の受光端部によって、受光し
て、光検出器に導き、光検出器によって検出することが
でき、したがって、励起光が散乱して、励起光が照射さ
れるべき吸着性領域に隣り合った吸着性領域に入射し、
蛍光を放出させることを効果的に防止することが可能に
なるとともに、隣り合った吸着性領域から放出された蛍
光が混ざり合うことを効果的に防止することが可能にな
るから、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用の
データを生成することが可能になる。
【0099】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基
配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を
含む溶液を、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形
成された前記複数の吸着性領域に滴下して、特異的結合
物質を前記複数の吸着性領域内に固定し、前記生化学解
析用ユニットの前記複数の吸着性領域に固定され特異的
結合物質に、蛍光物質によって標識された生体由来の物
質を特異的に結合させて、前記生化学解析用ユニットの
前記基板に形成された前記複数の吸着性領域に、蛍光物
質を選択的に固定するように構成されている。
【0100】本発明の好ましい実施態様においては、前
記サンプルが、吸着性領材料によって形成され、化学発
光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる
標識物質が選択的に固定された複数の吸着性領域が、二
次元的に、互いに離間して、形成された基板を備えた生
化学解析用ユニットによって構成され、前記複数の吸着
性領域のそれぞれから放出された化学発光を、前記導光
部材によって、前記光検出器に導いて、光電的に検出
し、生化学解析用データを生成するように構成されてい
る。
【0101】本発明の好ましい実施態様によれば、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質によって選択的に標識された吸着性領域を、
生化学解析用ユニットに高密度に形成した場合において
も、生化学解析用ユニットに、二次元的に、互いに離間
して、形成された複数の吸着性領域に、化学発光基質を
接触させて、複数の吸着性領域から、選択的に化学発光
を放出させ、複数の吸着性領域から選択的に放出された
化学発光を光電的に検出して、生化学解析用データを生
成する際に、導光部材を、その受光端部が、生化学解析
用ユニットに形成された吸着性領域に、十分に近接する
ように、位置させることによって、受光端部が対向して
いる吸着性領域から放出された化学発光のみを、導光部
材の受光端部によって、確実に受光して、光検出器に導
き、光検出器によって検出することができ、したがっ
て、隣り合った吸着性領域から放出された化学発光が混
ざり合うことを効果的に防止することが可能になるか
ら、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデー
タを生成することが可能になる。
【0102】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基
配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を
含む溶液を、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形
成された前記複数の吸着性領域に滴下して、特異的結合
物質を前記複数の吸着性領域内に固定し、前記生化学解
析用ユニットの前記複数の吸着性領域に固定され特異的
結合物質に、化学発光基質と接触させることによって化
学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由
来の物質を特異的に結合させて、前記生化学解析用ユニ
ットの前記基板に形成された前記複数の吸着性領域に、
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質を選択的に固定するように構成されてい
る。
【0103】本発明において、複数のスポット状領域あ
るいは吸着性領域が、蛍光物質によって、選択的に標識
されているとは、蛍光物質によって標識された生体由来
の物質を、複数のスポット状領域あるいは吸着性領域に
含まれている特異的結合物質に、選択的に結合させて、
複数のスポット状領域あるいは吸着性領域が、蛍光物質
によって、選択的に標識されている場合と、複数のスポ
ット状領域あるいは吸着性領域に含まれている特異的結
合物質に、ハプテンによって標識された生体由来の物質
を、選択的に結合させ、さらに、蛍光基質と接触させる
ことによって蛍光を生じさせる酵素によって標識された
ハプテンに対する抗体を、抗原抗体反応によって、ハプ
テンに結合させることによって、複数のスポット状領域
あるいは吸着性領域が、蛍光物質によって、選択的に標
識されている場合とを包含している。
【0104】本発明において、複数のスポット状領域あ
るいは吸着性領域が、化学発光基質と接触させることに
よって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的
に標識されているとは、化学発光基質と接触させること
によって化学発光を生じさせる標識物質によって標識さ
れた生体由来の物質を、複数のスポット状領域あるいは
吸着性領域に含まれている特異的結合物質に、選択的に
結合させて、複数のスポット状領域あるいは吸着性領域
が、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質によって、選択的に標識されている
場合と、複数のスポット状領域あるいは吸着性領域に含
まれている特異的結合物質に、ハプテンによって標識さ
れた生体由来の物質を、選択的に結合させ、さらに、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる酵素によって標識されたハプテンに対する抗体を、
抗原抗体反応によって、ハプテンに結合させることによ
って、複数のスポット状領域あるいは吸着性領域が、化
学発光基質と接触させることにより化学発光を生じさせ
る標識物質によって、選択的に標識されている場合とを
包含している。
【0105】本発明において、ハプテン/抗体の組合わ
せの例としては ジゴキシゲニン/抗ジゴキシゲニン抗
体、テオフィリン/抗テオフィリン抗体、フルオロセイ
ン/抗フルオロセイン抗体などをあげることができる。
また、ハプテン/抗体ではなく、ビオチン/アヴィジン
や抗原/抗体などの組合わせを利用することも可能であ
る。
【0106】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、光エネルギーを
減衰させる性質を有している。
【0107】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットの基板が、光エネルギーを減衰させる
性質を有しているから、生化学解析用ユニットの基板内
で、励起光が散乱して、次に励起光が照射されるべき吸
着性領域に入射し、蛍光物質を励起して、蛍光を放出さ
せることを効果的に防止することができ、したがって、
蛍光物質を選択的に含む生化学解析用ユニットの複数の
吸着性領域を励起光によって走査し、複数の吸着性領域
から放出された蛍光を光電的に検出することによって、
高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを
生成することが可能になる。
【0108】さらに、本発明の好ましい実施態様におい
ては、生化学解析用ユニットの基板が、光エネルギーを
減衰させる性質を有しているから、生化学解析用ユニッ
トの吸着性領域から放出された蛍光あるいは化学発光
が、生化学解析用ユニットの基板内で散乱し、隣り合う
吸着性領域から放出された蛍光あるいは化学発光と混ざ
り合うことを効果的に防止することができ、したがっ
て、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から放出
された蛍光あるいは化学発光を光電的に検出することに
よって、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用の
データを生成することが可能になる。
【0109】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記基板中
を透過したときに、光のエネルギーを1/5以下に減衰
させる性質を有している。
【0110】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを1/10以
下に減衰させる性質を有している。
【0111】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを1/50以
下に減衰させる性質を有している。
【0112】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを1/100
以下に減衰させる性質を有している。
【0113】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを1/500
以下に減衰させる性質を有している。
【0114】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを1/100
0以下に減衰させる性質を有している。
【0115】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板は、光エネルギーを減衰させる性質を有する材料に
よって形成されていることが好ましいが、とくに限定さ
れるものではなく、無機化合物材料、有機化合物材料の
いずれをも使用することができ、金属材料、セラミック
材料またはプラスチック材料が、とくに好ましく使用さ
れる。
【0116】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために好ましく使用することのできる無
機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、
アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケ
ル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステ
ンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリ
コン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪
素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイ
ト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパ
タイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができ
る。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのよ
うな多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。
【0117】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために好ましく使用可能で、光エネルギ
ーを減衰させることのできる有機化合物材料としては、
高分子化合物が好ましく用いられ、生化学解析用ユニッ
トの基板を形成するために好ましく使用可能で、光エネ
ルギーを減衰させることのできる高分子化合物として
は、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポ
リオレフィン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアク
リレート/メチルメタクリレート共重合体などのアクリ
ル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ
塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフ
ルオロエチレン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポ
リカーボネート;ポリエチレンナフタレートやポリエチ
レンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、
ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポ
リイミド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイ
ド;ポリジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボ
ラックなどのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレ
タン;ポリスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;
セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん
粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;
ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよ
びこれら高分子化合物の共重合体などを挙げることがで
きる。これらは、複合材料でもよく、必要に応じて、金
属酸化物粒子やガラス繊維などを充填することもでき、
また、有機化合物材料をブレンドして、使用することも
できる。
【0118】一般に、光の散乱および/または吸収が大
きいほど、光エネルギーの減衰能が高くなるので、本発
明において、生化学解析用ユニットの基板は、厚さ1c
mあたりの吸光度が0.3以上であることが好ましく、
厚さ1cmあたりの吸光度が1以上であれば、さらに好
ましい。ここに、吸光度は、厚さTcmの板状体の直後
に、積分球を置き、計測に利用するプローブ光またはエ
ミッション光の波長における透過光量Aを分光光度計に
よって測定し、A/Tを算出することによって、求めら
れる。本発明において、光エネルギー減衰能を向上させ
るために、光散乱体や光吸収体を、生化学解析用ユニッ
トの基板に含有させることもできる。光散乱体として
は、生化学解析用ユニットの基板を形成している材料と
異なる材料の微粒子が用いられ、光吸収体としては、顔
料または染料が用いられる。
【0119】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、前
記基板に形成された複数の孔内に形成されている。
【0120】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、前記基板に形成された前記複数の孔内に、吸着性材
料が充填されて、形成されている。
【0121】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔内に、吸着
性材料が充填されて、形成されている。
【0122】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔内に、吸着
性材料が埋め込まれて、形成されている。
【0123】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔内に、吸着
性領材料を含む吸着性膜が圧入されて、形成されてい
る。
【0124】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、前記基板に形成された前記複数の凹部内に、吸着性
材料が充填されて、形成されている。
【0125】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、前記基板に形成された前記複数の凹部内に、吸着性
材料が埋め込まれて、形成されている。
【0126】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成する吸着性材料としては、多孔質材料
あるいは繊維材料が好ましく使用される。多孔質材料と
繊維材料を併用して、吸着性領域を形成することもでき
る。
【0127】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される多孔質材料は、
有機材料、無機材料のいずれでもよく、有機/無機複合
体でもよい。
【0128】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される有機多孔質材料
は、とくに限定されるものではないが、活性炭などの炭
素材料あるいはメンブレンフィルタを形成可能な材料
が、好ましく用いられる。具体的には、ナイロン6、ナ
イロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン類;ニ
トロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロース
などのセルロース誘導体;コラーゲン;アルギン酸、ア
ルギン酸カルシウム、アルギン酸/ポリリシンポリイオ
ンコンプレックスなどのアルギン酸類;ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニ
ル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン、ポリ
テトラフルオライドなどのポリフルオライドや、これら
の共重合体または複合体が挙げられる。
【0129】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される無機多孔質材料
は、とくに限定されるものではないが、好ましくは、た
とえば、白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムな
どの金属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトな
どの金属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウ
ムなどの金属塩やこれらの複合体などが挙げられる。
【0130】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される繊維材料は、と
くに限定されるものではないが、好ましくは、たとえ
ば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10な
どのナイロン類、ニトロセルロース、酢酸セルロース、
酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体などが挙げ
られる。
【0131】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、10個以上の吸
着性領域が形成されている。
【0132】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、50個以
上の吸着性領域が形成されている。
【0133】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、100個
以上の吸着性領域が形成されている。
【0134】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、500個
以上の吸着性領域が形成されている。
【0135】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
個以上の吸着性領域が形成されている。
【0136】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、5000
個以上の吸着性領域が形成されている。
【0137】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
0個以上の吸着性領域が形成されている。
【0138】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、5000
0個以上の吸着性領域が形成されている。
【0139】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
00個以上の吸着性領域が形成されている。
【0140】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された前記複
数の吸着性領域が、5平方ミリメートル未満のサイズを
有している。
【0141】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の吸着性領域が、1平方ミリメートル未満のサ
イズを有している。
【0142】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の吸着性領域が、0.5平方ミリメートル未満
のサイズを有している。
【0143】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の吸着性領域が、0.1平方ミリメートル未満
のサイズを有している。
【0144】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の吸着性領域が、0.05平方ミリメートル未
満のサイズを有している。
【0145】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の吸着性領域が、0.01平方ミリメートル未
満のサイズを有している。
【0146】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板に形成される吸着性領域の密度は、基板の材料、放
射性標識物質から放出される電子線の種類などによって
決定される。
【0147】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の吸着
性領域が、10個/平方センチメートル以上の密度で、
形成されている。
【0148】本発明の好ましい実施態様においては、前
記励起光が、レーザ光によって構成されている。本発明
の前記目的はまた、二次元的に、互いに離間して形成さ
れ、光を放出する複数の発光領域が形成されたサンプル
を載置可能なサンプルステージと、前記複数の発光領域
から放出された光を光電的に検出する光検出器と、前記
サンプルの前記複数の発光領域のそれぞれから放出され
た光を、前記光検出器に導く導光部材と、前記導光部材
と前記サンプルステージとを、主走査方向および前記主
走査方向と直交する副走査方向に、間欠的に、相対的に
移動させる走査機構を備えたことを特徴とするスキャナ
によって達成される。
【0149】本発明によれば、放射性標識物質によって
選択的に標識されたスポット状領域を、メンブレンフィ
ルタなどの生化学解析用ユニットに、高密度に形成した
場合においても、メンブレンフィルタなどの生化学解析
用ユニットに形成された複数のスポット状領域と同じパ
ターンで、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成された蓄積
性蛍光体シートを、各輝尽性蛍光体層領域が、対応する
スポット状領域に対向するように、生化学解析用ユニッ
トに重ね合わせて、各スポット状領域に含まれている放
射性標識物質から放出された電子線(β線)が、そのス
ポット状領域に含まれた放射性標識物質から放出された
電子線(β線)によって露光されるべき領域以外の輝尽
性蛍光体層の領域に入射することを防止しつつ、蓄積性
蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域を、複数のス
ポット状領域に含まれている放射性標識物質によって露
光して、放射線エネルギーを蓄積させ、蓄積性蛍光体シ
ートをサンプルステージに載置し、走査機構によって、
導光部材と、サンプルステージを、主走査方向および前
記主走査方向と直交する副走査方向に、間欠的に、相対
的に移動させつつ、サンプルステージに載置された蓄積
性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域に、順次、
励起光を照射して、輝尽性蛍光体層領域に含まれている
輝尽性蛍光体を、順次、励起し、導光部材によって、輝
尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光検出器に導
き、光検出器によって、光電的に検出することによっ
て、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデー
タを生成することが可能になる。
【0150】すなわち、本発明によれば、蓄積性蛍光体
シートに、二次元的に、互いに離間して、形成された複
数の輝尽性蛍光体層領域に、励起光を照射して、輝尽性
蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、輝
尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出
して、生化学解析用データを生成する際に、導光部材
を、その受光端部が、蓄積性蛍光体シートに形成された
輝尽性蛍光体層領域に、十分に近接するように、位置さ
せることによって、励起光を照射すべき輝尽性蛍光体層
領域のみに、導光部材によって導かれた励起光を確実に
照射し、その輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性
蛍光体を励起して、輝尽光を放出させ、輝尽性蛍光体層
領域から放出された輝尽光を、導光部材の受光端部によ
って、受光して、光検出器に導き、光検出器によって検
出することができ、したがって、励起光が照射されるべ
き輝尽性蛍光体層領域に隣り合った輝尽性蛍光体層領域
に、励起光が入射して、蓄積されている放射線エネルギ
ーを放出させることを効果的に防止することが可能にな
るから、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用の
データを生成することが可能になる。
【0151】また、本発明によれば、化学発光基質と接
触させることによって化学発光を生じさせる標識物質に
よって選択的に標識されたスポット状領域を、メンブレ
ンフィルタなどの生化学解析用ユニットに、高密度に形
成した場合においても、生化学解析用ユニットの複数の
スポット状領域に、化学発光基質を接触させて、生化学
解析用ユニットの複数のスポット状領域から選択的に化
学発光を放出させ、メンブレンフィルタなどの生化学解
析用ユニットに形成された複数のスポット状領域と同じ
パターンで、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成された蓄
積性蛍光体シートを、各輝尽性蛍光体層領域が、対応す
るスポット状領域に対向するように、生化学解析用ユニ
ットに重ね合わせて、各スポット状領域から放出される
化学発光が、そのスポット状領域から放出される化学発
光によって露光されるべき領域以外の輝尽性蛍光体層の
領域に入射することを防止しつつ、蓄積性蛍光体シート
の複数の輝尽性蛍光体層領域を、複数のスポット状領域
から選択的に放出された化学発光によって露光して、化
学発光のエネルギーを蓄積させ、蓄積性蛍光体シートを
サンプルステージに載置し、走査機構によって、導光部
材と、サンプルステージを、主走査方向および前記主走
査方向と直交する副走査方向に、間欠的に、相対的に移
動させつつ、サンプルステージに載置された蓄積性蛍光
体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域に、順次、励起光
を照射して、輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性
蛍光体を、順次、励起し、導光部材によって、輝尽性蛍
光体層領域から放出された輝尽光を光検出器に導き、光
検出器によって、光電的に検出することによって、高い
分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成
することが可能になる。
【0152】すなわち、本発明によれば、蓄積性蛍光体
シートに、二次元的に、互いに離間して、形成された複
数の輝尽性蛍光体層領域に、励起光を照射して、輝尽性
蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、輝
尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出
して、生化学解析用データを生成する際に、導光部材
を、その受光端部が、蓄積性蛍光体シートに形成された
輝尽性蛍光体層領域に、十分に近接するように、位置さ
せることによって、励起光を照射すべき輝尽性蛍光体層
領域のみに、導光部材によって導かれた励起光を確実に
照射し、その輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性
蛍光体を励起して、輝尽光を放出させ、輝尽性蛍光体層
領域から放出された輝尽光を、導光部材の受光端部によ
って、受光して、光検出器に導き、光検出器によって検
出することができ、したがって、励起光が照射されるべ
き輝尽性蛍光体層領域に隣り合った輝尽性蛍光体層領域
に、励起光が入射して、蓄積されている化学発光のエネ
ルギーを放出させることを効果的に防止することが可能
になるから、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析
用のデータを生成することが可能になる。
【0153】さらに、本発明によれば、蛍光物質によっ
て選択的に標識されたスポット状領域を、メンブレンフ
ィルタなどの生化学解析用ユニットに、高密度に形成し
た場合においても、生化学解析用ユニットをサンプルス
テージに載置し、走査機構によって、導光部材と、サン
プルステージを、主走査方向および前記主走査方向と直
交する副走査方向に、間欠的に、相対的に移動させつ
つ、サンプルステージに載置された生化学解析用ユニッ
トの複数のスポット状領域に、順次、励起光を照射し
て、複数のスポット状領域に含まれている蛍光物質を、
順次、励起し、導光部材によって、スポット状領域から
放出された蛍光を光検出器に導き、光検出器によって、
光電的に検出することによって、高い分解能で、定量性
に優れた生化学解析用のデータを生成することが可能に
なる。
【0154】すなわち、本発明によれば、生化学解析用
ユニットに、二次元的に、互いに離間して、形成された
複数のスポット状領域に、励起光を照射して、スポット
状領域に含まれている蛍光物質を励起し、スポット状領
域から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析
用データを生成する際に、導光部材を、その受光端部
が、生化学解析用ユニットに形成されたスポット状領域
に、十分に近接するように、位置させることによって、
励起光を照射すべきスポット状領域のみに、導光部材に
よって導かれた励起光を確実に照射し、そのスポット状
領域に含まれている蛍光物質を励起して、蛍光を放出さ
せ、スポット状領域から放出された蛍光を、導光部材の
受光端部によって、受光して、光検出器に導き、光検出
器によって検出することができ、したがって、励起光が
照射されるべきスポット状領域に隣り合ったスポット状
領域に、励起光が入射して、蛍光を放出させることを効
果的に防止することが可能になるから、高い分解能で、
定量性に優れた生化学解析用のデータを生成することが
可能になる。
【0155】また、本発明によれば、化学発光基質と接
触させることによって化学発光を生じさせる標識物質に
よって選択的に標識されたスポット状領域を、メンブレ
ンフィルタなどの生化学解析用ユニットに、高密度に形
成した場合においても、生化学解析用ユニットの複数の
スポット状領域に、化学発光基質を接触させて、生化学
解析用ユニットの複数のスポット状領域から選択的に化
学発光を放出させ、生化学解析用ユニットをサンプルス
テージに載置し、走査機構によって、導光部材と、サン
プルステージを、主走査方向および前記主走査方向と直
交する副走査方向に、間欠的に、相対的に移動させつ
つ、導光部材によって、サンプルステージに載置された
生化学解析用ユニットの複数のスポット状領域から、順
次、放出された化学発光をを光検出器に導き、光検出器
によって、光電的に検出することによって、高い分解能
で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成するこ
とが可能になる。
【0156】すなわち、本発明によれば、生化学解析用
ユニットのスポット状領域から放出される化学発光を光
電的に検出して、生化学解析用データを生成する際に、
導光部材を、その受光端部が、生化学解析用ユニットに
形成されたスポット状領域に、十分に近接するように、
位置させることによって、生化学解析用ユニットのスポ
ット状領域から放出され、光検出器によって検出すべき
化学発光のみを、導光部材より、受光して、光検出器に
導き、光検出器によって光電的に検出することができ、
したがって、光検出器が、検出すべき化学発光を放出す
るスポット状領域に隣り合ったスポット状領域から放出
された化学発光を検出することを効果的に防止すること
が可能になるから、高い分解能で、定量性に優れた生化
学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0157】本発明の好ましい実施態様においては、前
記導光部材が、可撓性を有している。
【0158】本発明の好ましい実施態様によれば、導光
部材が、可撓性を有しているから、導光部材を、きわめ
て容易に、主走査方向および副走査方向に移動させて、
複数の発光領域から放出された光を、導光部材によっ
て、光検出器に導いて、光電的に検出し、生化学解析用
データを生成することが可能になる。
【0159】本発明の好ましい実施態様においては、前
記導光部材が、少なくとも1本の光ファイバによって構
成されている。
【0160】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記導光部材が、光ファイバ束によって構成されて
いる。
【0161】本発明の好ましい実施態様においては、前
記サンプルに、前記複数の発光領域が、前記主走査方向
および前記副走査方向に、それぞれ、所定のピッチで、
規則的に形成され、前記走査機構が、前記導光部材と前
記サンプルステージとを、前記主走査方向および前記副
走査方向に、それぞれ、所定のピッチで、間欠的に、相
対的に移動させるように構成されている。
【0162】本発明の好ましい実施態様においては、ス
キャナは、さらに、励起光を発する励起光源と、前記励
起光の波長の光をカットし、前記輝尽光の波長の光を透
過する性質を有する励起光カットフィルタを備え、前記
サンプルが、支持体を備え、前記支持体に、選択的に放
射線エネルギーを含む複数の輝尽性蛍光体層領域が、二
次元的に、互いに離間して、形成された蓄積性蛍光体シ
ートによって構成されており、前記導光部材が、前記励
起光源から発せられた励起光を、前記サンプルステージ
に載置された前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽
性蛍光体層領域のそれぞれに導くとともに、前記励起光
によって励起されて、前記複数の輝尽性蛍光体層領域の
それぞれから放出された輝尽光を、前記光検出器に導く
ように構成されている。
【0163】本発明の好ましい実施態様によれば、放射
性標識物質によって選択的に標識されたスポット状領域
を、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニット
に、高密度に形成した場合においても、メンブレンフィ
ルタなどの生化学解析用ユニットに形成された複数のス
ポット状領域と同じパターンで、複数の輝尽性蛍光体層
領域が形成された蓄積性蛍光体シートを、各輝尽性蛍光
体層領域が、対応するスポット状領域に対向するよう
に、生化学解析用ユニットに重ね合わせて、各スポット
状領域に含まれている放射性標識物質から放出された電
子線(β線)が、そのスポット状領域に含まれた放射性
標識物質から放出された電子線(β線)によって露光さ
れるべき領域以外の輝尽性蛍光体層の領域に入射するこ
とを防止しつつ、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍
光体層領域を、複数のスポット状領域に含まれている放
射性標識物質によって露光して、放射線エネルギーを蓄
積させ、蓄積性蛍光体シートをサンプルステージに載置
し、走査機構によって、導光部材と、サンプルステージ
を、主走査方向および前記主走査方向と直交する副走査
方向に、間欠的に、相対的に移動させつつ、サンプルス
テージに載置された蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性
蛍光体層領域に、順次、励起光を照射して、輝尽性蛍光
体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を、順次、励起
し、導光部材によって、輝尽性蛍光体層領域から放出さ
れた輝尽光を光検出器に導き、光検出器によって、光電
的に検出することによって、高い分解能で、定量性に優
れた生化学解析用のデータを生成することが可能にな
る。
【0164】すなわち、本発明の好ましい実施態様によ
れば、蓄積性蛍光体シートに、二次元的に、互いに離間
して、形成された複数の輝尽性蛍光体層領域に、励起光
を照射して、輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性
蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体層領域から放出された輝
尽光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成す
る際に、導光部材を、その受光端部が、蓄積性蛍光体シ
ートに形成された輝尽性蛍光体層領域に、十分に近接す
るように、位置させることによって、励起光を照射すべ
き輝尽性蛍光体層領域のみに、導光部材によって導かれ
た励起光を確実に照射し、その輝尽性蛍光体層領域に含
まれている輝尽性蛍光体を励起して、輝尽光を放出さ
せ、輝尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を、導光
部材の受光端部によって、受光して、光検出器に導き、
光検出器によって検出することができ、したがって、励
起光が照射されるべき輝尽性蛍光体層領域に隣り合った
輝尽性蛍光体層領域に、励起光が入射して、蓄積されて
いる放射線エネルギーを放出させることを効果的に防止
することが可能になるから、高い分解能で、定量性に優
れた生化学解析用のデータを生成することが可能にな
る。
【0165】本発明の好ましい実施態様においては、ス
キャナは、さらに、励起光を発する励起光源と、前記励
起光の波長の光をカットし、前記輝尽光の波長の光を透
過する性質を有する励起光カットフィルタを備え、前記
サンプルが、支持体を備え、前記支持体に、選択的に化
学発光のエネルギーを含む複数の輝尽性蛍光体層領域
が、二次元的に、互いに離間して、形成された蓄積性蛍
光体シートによって構成されており、前記導光部材が、
前記励起光源から発せられた励起光を、前記サンプルス
テージに載置された前記蓄積性蛍光体シートの前記複数
の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれに導くとともに、前記
励起光によって励起されて、前記複数の輝尽性蛍光体層
領域のそれぞれから放出された輝尽光を、前記光検出器
に導くように構成されている。
【0166】本発明の好ましい実施態様においては、ス
キャナは、さらに、励起光を発する励起光源と、前記励
起光の波長の光をカットし、前記励起光よりも波長の長
い光を透過する性質を有する励起光カットフィルタを備
え、前記サンプルが、吸着性領材料によって形成され、
蛍光物質が選択的に固定された複数の吸着性領域が、二
次元的に、互いに離間して、形成された基板を備えた生
化学解析用ユニットによって構成され、前記導光部材
が、前記励起光源から発せられた励起光を、前記サンプ
ルステージに載置された前記生化学解析用ユニットの前
記複数の吸着性領域のそれぞれに導くとともに、前記励
起光によって励起されて、前記複数の吸着性領域のそれ
ぞれから放出された蛍光を、前記光検出器に導くように
構成されている。
【0167】本発明の好ましい実施態様によれば、蛍光
物質によって選択的に標識されたスポット状領域を、メ
ンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットに、高密
度に形成した場合においても、生化学解析用ユニットを
サンプルステージに載置し、走査機構によって、導光部
材と、サンプルステージを、主走査方向および前記主走
査方向と直交する副走査方向に、間欠的に、相対的に移
動させつつ、サンプルステージに載置された生化学解析
用ユニットの複数のスポット状領域に、順次、励起光を
照射して、複数のスポット状領域に含まれている蛍光物
質を、順次、励起し、導光部材によって、スポット状領
域から放出された蛍光を光検出器に導き、光検出器によ
って、光電的に検出することによって、高い分解能で、
定量性に優れた生化学解析用のデータを生成することが
可能になる。
【0168】すなわち、本発明の好ましい実施態様によ
れば、生化学解析用ユニットに、二次元的に、互いに離
間して、形成された複数のスポット状領域に、励起光を
照射して、スポット状領域に含まれている蛍光物質を励
起し、スポット状領域から放出された蛍光を光電的に検
出して、生化学解析用データを生成する際に、導光部材
を、その受光端部が、生化学解析用ユニットに形成され
たスポット状領域に、十分に近接するように、位置させ
ることによって、励起光を照射すべきスポット状領域の
みに、導光部材によって導かれた励起光を確実に照射
し、そのスポット状領域に含まれている蛍光物質を励起
して、蛍光を放出させ、スポット状領域から放出された
蛍光を、導光部材の受光端部によって、受光して、光検
出器に導き、光検出器によって検出することができ、し
たがって、励起光が照射されるべきスポット状領域に隣
り合ったスポット状領域に、励起光が入射して、蛍光を
放出させることを効果的に防止することが可能になるか
ら、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデー
タを生成することが可能になる。
【0169】本発明の好ましい実施態様においては、ス
キャナは、さらに、前記導光部材と前記サンプルステー
ジとの主走査方向における相対的位置関係を検出する位
置検出手段を備えている。
【0170】本発明の好ましい実施態様によれば、スキ
ャナは、さらに、導光部材とサンプルステージとの主走
査方向における相対的位置関係を検出する位置検出手段
を備えているから、蓄積性蛍光体シートに、二次元的
に、互いに離間して形成された複数の輝尽性蛍光体層領
域あるいは生化学解析用ユニットに、二次元的に、互い
に離間して形成された複数の吸着性領域に正確に対向す
る位置に、導光部材の受光端部を位置させることがで
き、したがって、導光部材によって、励起光源から発せ
られた励起光を、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層
領域のそれぞれまたは生化学解析用ユニットの吸着性領
域のそれぞれに導き、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光
体層領域のそれぞれから放出された輝尽光または生化学
解析用ユニットの吸着性領域のそれぞれから放出された
蛍光もしくは化学発光を、導光部材によって、光検出器
に導いて、光電的に検出させることができ、したがっ
て、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデー
タを生成することが可能になる。
【0171】本発明の好ましい実施態様においては、前
記走査機構が、前記導光部材を、主走査方向に移動させ
るように構成されている。
【0172】本発明の好ましい実施態様においては、前
記位置検出手段が、前記導光部材の主走査方向の位置を
検出するリニアエンコーダによって構成されている。
【0173】本発明の好ましい実施態様においては、前
記走査機構が、前記導光部材を、主走査方向に、間欠的
に移動させるステッピングモータを備えている。
【0174】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記走査機構が、前記サンプルステージを、主走査
方向に移動させるように構成されている。
【0175】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記位置検出手段が、前記サンプルステージの主走
査方向の位置を検出するリニアエンコーダによって構成
されている。
【0176】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記走査機構が、前記サンプルステージを、主走査
方向に、間欠的に移動させるステッピングモータを備え
ている。
【0177】本発明の好ましい実施態様においては、前
記励起光源が、レーザ光を発するレーザ励起光源によっ
て構成されている。
【0178】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0179】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用データの生成方法に使用される生化学解
析用ユニットの略斜視図である。
【0180】図1に示されるように、本実施態様にかか
る生化学解析用ユニット1は、ステンレス鋼によって形
成され、多数の略円形状の貫通孔3が高密度に形成され
た基板2を備えており、多数の貫通孔3の内部には、ナ
イロン6が充填されて、多数の吸着性領域4が形成され
ている。
【0181】図1には正確に示されていないが、本実施
態様においては、約10000の約0.01平方ミリメ
ートルのサイズを有する貫通孔3が、約5000個/平
方センチメートルの密度で、規則的に、基板2に形成さ
れている。
【0182】多数の吸着性領域4は、その表面が、基板
2の表面と同じ高さに位置するように、多数の貫通孔3
内に、ナイロン6が充填されて、形成されている。
【0183】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0184】生化学解析にあたっては、図2に示される
ように、生化学解析用ユニット1に規則的に形成された
多数の吸着性領域4内に、特異的結合物質を含む溶液、
たとえば、塩基配列が既知の互いに異なった複数のcD
NAを含む溶液が、スポッティング装置5を使用して、
滴下され、特異的結合物質が吸着性領域4内に固定され
る。
【0185】図2に示されるように、スポッティング装
置5は、特異的結合物質を含む溶液を、生化学解析用ユ
ニット1に向けて、噴射するインジェクタ6と、CCD
カメラ7とを備え、CCDカメラ7によって、インジェ
クタ6の先端部と、特異的結合物質、たとえば、cDN
Aを含む溶液を滴下すべき生化学解析用ユニット1の吸
着性領域4を観察しながら、インジェクタ6の先端部
と、特異的結合物質を含む溶液を滴下すべきの吸着性領
域4の中心とが合致したときに、インジェクタ6から、
特異的結合物質を含む溶液が滴下されるように構成さ
れ、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4内
に、特異的結合物質を含む溶液を、正確に滴下すること
ができるように保証されている。
【0186】図3は、ハイブリダイゼーション反応容器
の略縦断面図である。
【0187】図3に示されるように、ハイブリダイゼー
ション反応容器8は矩形状断面を有し、内部に、標識物
質によって標識されたプローブである生体由来の物質を
含むハイブリダイゼーション反応溶液9が収容されてい
る。
【0188】放射性標識物質によって、cDNAなどの
特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標
識物質によって標識されたプローブである生体由来の物
質を含むハイブリダイゼーション反応溶液9が調製さ
れ、ハイブリダイゼーション反応容器8内に収容され
る。
【0189】一方、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって、cDNA
などの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識されたプローブである生体由
来の物質を含むハイブリダイゼーション反応溶液9が調
製され、ハイブリダイゼーション反応容器8内に収容さ
れる。
【0190】さらに、蛍光色素などの蛍光物質によっ
て、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する
場合には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された
プローブである生体由来の物質を含むハイブリダイゼー
ション反応溶液9が調製され、ハイブリダイゼーション
反応容器8内に収容される。
【0191】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション反応溶液9を調製して、ハイ
ブリダイゼーション反応容器8内に収容させることもで
き、本実施態様においては、放射性標識物質によって標
識された生体由来の物質、化学発光基質と接触させるこ
とによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識
された生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質に
よって標識された生体由来の物質を含むハイブリダイゼ
ーション反応溶液9が調製され、ハイブリダイゼーショ
ン反応容器8内に収容されている。
【0192】ハイブリダイゼーションにあたって、cD
NAなどの特異的結合物質が、多数の吸着性領域4に吸
着されている生化学解析用ユニット1が、ハイブリダイ
ゼーション反応容器8内に収容される。
【0193】その結果、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に固定されている特異的結合物質に、放
射性標識物質により標識され、ハイブリダイゼーション
反応溶液9に含まれた生体由来の物質、化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
によって標識され、ハイブリダイゼーション反応溶液9
に含まれた生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物
質によって標識され、ハイブリダイゼーション反応溶液
9に含まれた生体由来の物質が、選択的に、ハイブリダ
イズされる。
【0194】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に、放射性標識物質の放射線データ、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質の化学発光データおよび蛍光色素などの蛍
光物質の蛍光データが記録される。
【0195】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された蛍光データは、後述するスキャナによ
って読み取られ、生化学解析用データが生成される。
【0196】一方、生化学解析用ユニット1の多数の吸
着性領域4に記録された放射性標識物質の放射線データ
は、蓄積性蛍光体シートに転写され、蓄積性蛍光体シー
トに転写された放射線データは、後述するスキャナによ
って読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0197】さらに、生化学解析用ユニット1の多数の
吸着性領域4に記録された化学発光データは、後述する
スキャナによって読み取られ、あるいは、蓄積性蛍光体
シートに転写されて、後述する別のスキャナによって読
み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0198】図4は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用データの生成方法に用いられる蓄積性蛍
光体シートの略斜視図である。
【0199】図4に示されるように、本実施態様にかか
る蓄積性蛍光体シート10は、多数の略円形の貫通孔1
3が規則的に形成されたステンレス鋼製の支持体11を
備え、支持体11の形成された多数の貫通孔13内に、
放射線エネルギーを吸収し、蓄積可能なBaFX系輝尽
性蛍光体(ここに、Xは、Cl、BrおよびIからなる
群から選ばれたハロゲン原子である。)が充填されて、
多数の輝尽性蛍光体層領域12が、ドット状に形成され
ている。
【0200】多数の貫通孔12は、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4と同一の
パターンで、支持体11に形成され、それぞれ、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領
域4と同じサイズを有している。
【0201】したがって、図4には、正確に示されてい
ないが、本実施態様においては、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性
蛍光体層領域12が、約5000個/平方センチメート
ルの密度で、かつ、規則的なパターンで、蓄積性蛍光体
シート10の支持体11に、ドット状に形成されてい
る。
【0202】また、本実施態様においては、支持体11
の表面と、多数の輝尽性蛍光体層領域12の表面とが同
一の高さに位置するように、支持体11に形成された貫
通孔13に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、蓄積性蛍光
体シート10が形成されている。
【0203】図5は、生化学解析用ユニット1に形成さ
れた多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域12を露光する方法を示す略断面図であ
る。
【0204】図5に示されるように、露光にあたって、
蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成された各輝
尽性蛍光体層領域12が、生化学解析用ユニット1に形
成された対応する吸着性領域4に対向するように、蓄積
性蛍光体シート10と生化学解析用ユニット1とが重ね
合わされる。
【0205】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1は、ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の
貫通孔3内に、ナイロン6が充填されて、形成されてい
るので、ハイブリダイゼーションなど、液体による処理
を受けても、伸縮することがなく、したがって、生化学
解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4が、
蓄積性蛍光体シート10に形成された多数の輝尽性蛍光
体層領域12に、正確に対向するように、蓄積性蛍光体
シート10と生化学解析用ユニット1とを、容易にかつ
確実に重ね合わせて、多数の輝尽性蛍光体層領域12を
露光することが可能になる。
【0206】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート10の支持体11に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域12の各々と、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された多数の吸着性領域4とを対向させ
ることによって、生化学解析用ユニット1の基板2に形
成された吸着性領域4に含まれている放射性標識物質に
よって、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成さ
れた多数の輝尽性蛍光体層領域12が露光される。
【0207】この際、生化学解析用ユニット1の吸着性
領域4に含まれている放射性標識物質から、電子線(β
線)が発せられるが、生化学解析用ユニット1の多数の
吸着性領域4は、ステンレス鋼によって形成された基板
2に、互いに離間して形成され、各吸着性領域4の周囲
には、放射線エネルギーを減衰させる性質を有するステ
ンレス鋼製の基板2が存在しているから、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4に含まれている放射性標識物
質から発せられた電子線(β線)が、生化学解析用ユニ
ット1の基板2内で、散乱することを効果的に防止する
ことができ、さらに、蓄積性蛍光体シート10の多数の
輝尽性蛍光体層領域12が、放射線エネルギーを減衰さ
せる性質を有するステンレス鋼製の支持体11に形成さ
れた複数の貫通孔13内に、輝尽性蛍光体を充填して、
形成され、各輝尽性蛍光体層領域12の周囲には、放射
線エネルギーを減衰させる性質を有するステンレス鋼製
の支持体11が存在しているから、生化学解析用ユニッ
ト1の吸着性領域4に含まれている放射性標識物質から
発せられた電子線(β線)が、蓄積性蛍光体シート10
の支持体11内で、散乱することを効果的に防止するこ
とができ、したがって、したがって、吸着性領域4に含
まれている放射性標識物質から発せられた電子線(β
線)はすべて、その吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光
体層領域12に入射し、隣り合う吸着性領域4から放出
される電子線(β線)によって露光されるべき輝尽性蛍
光体層領域12に入射して、露光することを効果的に防
止することができる。
【0208】したがって、蓄積性蛍光体シート10の支
持体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12
を、生化学解析用ユニット1の対応する吸着性領域4に
含まれた放射性標識物質のみによって、効果的に、露光
することが可能になる。
【0209】こうして、蓄積性蛍光体シート10の支持
体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12に、
放射性標識物質の放射線データが記録される。
【0210】図6は、蓄積性蛍光体シート10の支持体
11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12に記録
されている放射性標識物質の放射線データを読み取っ
て、生化学解析用データを生成するスキャナの略斜視図
である。
【0211】本実施態様かかるスキャナは、蓄積性蛍光
体シート10の支持体11に形成された多数の輝尽性蛍
光体層領域12に記録されている放射線データを読み取
って、生化学解析用データを生成するとともに、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領
域4に記録されている蛍光データおよび化学発光データ
を読み取って、生化学解析用データを生成可能に構成さ
れている。
【0212】図6に示されるように、本実施態様かかる
スキャナは、640nmの波長のレーザ光24を発する
第1のレーザ励起光源21と、532nmの波長のレー
ザ光24を発する第2のレーザ励起光源22と、473
nmの波長のレーザ光24を発する第3のレーザ励起光
源23とを備えている。
【0213】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源21は、半導体レーザ光源により構成され、第2の
レーザ励起光源22および第3のレーザ励起光源23
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素
子によって構成されている。
【0214】第1のレーザ励起光源21により発生され
たレーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平
行な光とされた後、ミラー26によって反射される。第
1のレーザ励起光源21から発せられ、ミラー26によ
って反射されたレーザ光24の光路には、640nmの
レーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する
第1のダイクロイックミラー27および532nm以上
の波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する
第2のダイクロイックミラー28が設けられており、第
1のレーザ励起光源21により発生されたレーザ光24
は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダイ
クロイックミラー28を透過して、ミラー29に入射す
る。
【0215】他方、第2のレーザ励起光源22より発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ30により、
平行な光とされた後、第1のダイクロイックミラー27
によって反射されて、その向きが90度変えられて、第
2のダイクロイックミラー28を透過し、ミラー29に
入射する。
【0216】また、第3のレーザ励起光源23から発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ31によっ
て、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー2
8により反射されて、その向きが90度変えられた後、
ミラー29に入射する。
【0217】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射され、さらに、ミラー32に入射
して、反射される。
【0218】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4の光路には、中央部に穴33が形成されたミラーより
なる穴開きミラー34が配置されており、ミラー32に
よって反射されたレーザ光24は、穴開きミラー34の
穴33を通過して、凸レンズ35に入射する。
【0219】凸レンズ35に入射したレーザ光24は、
複数の光ファイバによって構成された光ファイバ束36
の一端部に集光される。
【0220】光ファイバ束36の他端部は、蓄積性蛍光
体シート10の輝尽性蛍光体層領域12から放出される
輝尽光または生化学解析用ユニット1の吸着性領域4か
ら放出される蛍光もしくは化学発光を受光する受光端部
36aを構成しており、光ファイバ束36は、受光端部
36aが、サンプルステージ40に載置された蓄積性蛍
光体シート10あるいは生化学解析用ユニット1に十分
に近接した位置に位置するように、受光端部36aの近
傍で、後述する走査機構のヘッド37に取り付けられて
いる。
【0221】光ファイバ束36の受光端部36aの近傍
が取り付けられたヘッド37は、後述する走査機構によ
って、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成され
た隣り合う輝尽性蛍光体層領域12の間の距離および生
化学解析用ユニット1の基板2に形成された隣り合う吸
着性領域4の間の距離に等しいピッチで、主走査方向
に、間欠的に移動されるように構成されており、レーザ
光24は、光ファイバ束36によって、蓄積性蛍光体シ
ート10の支持体11に形成された輝尽性蛍光体層領域
12あるいは生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた吸着性領域4に導かれる。
【0222】レーザ光24が、蓄積性蛍光体シート10
の支持体11に形成された輝尽性蛍光体層領域12に入
射すると、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成
された輝尽性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性蛍
光体が励起されて、輝尽光が放出される。
【0223】一方、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された吸着性領域4に、レーザ光24が入射する
と、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着
性領域4に含まれている蛍光物質が励起されて、蛍光が
放出される。
【0224】蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形
成された輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽光
あるいは、生化学解析用ユニット1の基板2に形成され
た吸着性領域4から放出された蛍光は、光ファイバ束3
6の他端部に入射し、光ファイバ束36によって導かれ
て、凸レンズ35に入射し、凸レンズ35によって、平
行なビームとされて、穴開きミラー34に入射する。
【0225】平行なビームとされて、穴開きミラー34
に入射した輝尽光あるいは蛍光は、穴開きミラー34に
よって反射されて、フィルタユニット45に入射する。
【0226】フィルタユニット45を透過した輝尽光あ
るいは蛍光は、フォトマルチプライア50によって、光
電的に検出される。
【0227】図7は、フィルタユニット45の略正面図
である。
【0228】図7に示されるように、フィルタユニット
45は、モータ(図示せず)によって、回転可能な円板
46を備え、円板46には、4つの光透過特性を異にす
るフィルタ47a、47b、47c、47dと、開口部
48とが、等しい角度を隔てて、形成されている。
【0229】フィルタ47aは、第1のレーザ励起光源
21を用いて、生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光物質を励
起して、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタ部材
であり、640nmの波長の光をカットし、640nm
よりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0230】フィルタ47bは、第2のレーザ励起光源
22を用いて、生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光物質を励
起して、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタ部材
であり、532nmの波長の光をカットし、532nm
よりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0231】フィルタ47cは、第3のレーザ励起光源
23を用いて、生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光物質を励
起して、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタ部材
であり、473nmの波長の光をカットし、473nm
よりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0232】フィルタ47dは、第1のレーザ励起光源
21を用いて、蓄積性蛍光体シート10の支持体に形成
された多数の輝尽性蛍光体層領域12を励起して、輝尽
性蛍光体層領域12から発せられた輝尽光を読み取ると
きに使用されるフィルタであり、輝尽性蛍光体層領域1
2から放出される輝尽光の波長域の光のみを透過し、6
40nmの波長の光をカットする性質を有している。
【0233】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタユニット45を回転させ、フィルタ部
材47a、47b、47c、47dを選択的にフォトマ
ルチプライア50の前面に位置させることによって、フ
ォトマルチプライア50により、検出すべき光のみを光
電的に検出することができる。
【0234】生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた多数の吸着性領域4に記録されている化学発光デー
タを読み取って、生化学解析用データを生成する場合に
は、レーザ励起光源はオフ状態に保持され、開口部48
が、フォトマルチプライア50の前面に位置するよう
に、円板46が回転される。
【0235】フォトマルチプライア50によって、輝尽
光、蛍光あるいは化学発光が光電的に検出されて、生成
されたアナログデータは、A/D変換器53によって、
ディジタルデータに変換され、データ処理装置54に送
られる。
【0236】図8は、光ファイバ束36の走査機構の略
平面図である。
【0237】図8に示されるように、光ファイバ束36
の走査機構は、基板60を備え、基板60上には、副走
査パルスモータ61と一対のレール62、62とが固定
され、基板60上には、さらに、図8において、矢印Y
で示された副走査方向に、移動可能な基板63とが設け
られている。
【0238】移動可能な基板63には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ61によって回転されるねじが切られた
ロッド64が係合している。
【0239】移動可能な基板63上には、主走査ステッ
ピングモータ65が設けられ、主走査ステッピングモー
タ65は、エンドレスベルト66を、蓄積性蛍光体シー
ト10に形成された隣り合う輝尽性蛍光体層領域12の
間の距離および生化学解析用ユニット1に形成された隣
り合う吸着性領域4の間の距離に等しいピッチで、間欠
的に駆動可能に構成されている。
【0240】光ファイバ束36は、サンプルステージ4
0に載置された蓄積性蛍光体シート10あるいは生化学
解析用ユニット1に対向する受光端部36aの近傍で、
エンドレスベルト66に固定されたヘッド37に取り付
けられており、主走査ステッピングモータ65によっ
て、エンドレスベルト66が駆動されると、図8におい
て、矢印Xで示された主走査方向に移動されるように構
成されている。
【0241】図8において、67は、光ファイバ束36
の受光端部36aの主走査方向における位置を検出する
リニアエンコーダであり、68は、リニアエンコーダ6
7のスリットである。
【0242】したがって、主走査ステッピングモータ6
5によって、エンドレスベルト66が、主走査方向に間
欠的に駆動され、副走査パルスモータ61によって、基
板63が、副走査方向に間欠的に移動されることによっ
て、光ファイバ束36の受光端部36aは、図8におい
て、矢印Xで示される主走査方向および矢印Yで示され
る副走査方向に移動され、レーザ光24によって、蓄積
性蛍光体シート10の支持体11に形成されたすべての
輝尽性蛍光体層領域12あるいは生化学解析用ユニット
1の基板2に形成されたすべてのドットの吸着性領域4
が走査される。
【0243】図9は、本発明の好ましい実施態様にかか
るスキャナの制御系、入力系、駆動系および検出系を示
すブロックダイアグラムである。
【0244】図9に示されるように、スキャナの制御系
は、スキャナ全体の動作を制御するコントロールユニッ
ト70を備えており、また、スキャナの入力系は、ユー
ザーによって操作され、種々の指示信号を入力可能なキ
ーボード71を備えている。
【0245】図9に示されるように、スキャナの駆動系
は、光ファイバ束36の受光端部36aを主走査方向に
間欠的に移動させる主走査ステッピングモータ65と、
光ファイバ束36の受光端部36aを副走査方向に間欠
的に移動させる副走査パルスモータ61と、4つのフィ
ルタ部材47a、47b、47c、47dを備えたフィ
ルタユニット45の円板46を回転させるフィルタユニ
ットモータ72を備えている。
【0246】コントロールユニット70は、第1のレー
ザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3
のレーザ励起光源23に選択的に駆動信号を出力すると
ともに、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力
可能に構成されている。
【0247】さらに、図9に示されるように、スキャナ
の検出系は、フォトマルチプライア50と、光ファイバ
束36の受光端部36aの主走査方向における位置を検
出するリニアエンコーダ67を備えている。
【0248】本実施態様においては、コントロールユニ
ット70は、リニアエンコーダ67から入力される光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号にしたが
って、第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起光
源22または第3のレーザ励起光源23をオン・オフ制
御可能に構成されている。
【0249】以上のように構成された本実施態様にかか
るスキャナは、以下のようにして、蓄積性蛍光体シート
10の支持体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域12に記録されている放射線データを読み取って、生
化学解析用データを生成する。
【0250】まず、ユーザーによって、放射線データが
記録された蓄積性蛍光体シート10が、サンプルステー
ジ40上にセットされる。
【0251】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成され
た多数の輝尽性蛍光体層領域12に記録されている放射
線データを読み取るべき旨の指示信号が入力される。
【0252】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号を受けると、指示信号にしたが
って、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力
し、フィルタユニット45の円板46を回転させ、輝尽
性蛍光体から放出される輝尽光の波長域の光のみを透過
し、640nmの波長の光をカットする性質を有するフ
ィルタ47dを、輝尽光の光路内に位置させる。
【0253】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光フ
ァイバ束36の受光端部36aを主走査方向に移動さ
せ、リニアエンコーダから入力される光ファイバ束36
の受光端部36aの位置検出信号に基づいて、蓄積性蛍
光体シート10の支持体11に形成された多数の輝尽性
蛍光体層領域12のうちの第1の輝尽性蛍光体層領域1
2に、レーザ光24を照射可能な位置に、光ファイバ束
36の受光端部36aが達したことが確認されると、主
走査ステッピングモータ65に停止信号を出力するとと
もに、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力し
て、第1のレーザ励起光源21を起動させ、640nm
の波長のレーザ光24を発せさせる。
【0254】第1のレーザ励起光源21から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平行
な光とされた後、ミラー26に入射して、反射される。
【0255】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0256】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0257】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凸レンズ
35に入射する。
【0258】凸レンズ35に入射したレーザ光24は、
光ファイバ束36の一端部に集光される。
【0259】レーザ光24は、光ファイバ束36内によ
ってガイドされ、蓄積性蛍光体シート10の支持体11
に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域12に入射す
る。
【0260】レーザ光24が、蓄積性蛍光体シート10
の支持体11に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域1
2に入射すると、第1の輝尽性蛍光体層領域12に含ま
れている輝尽性蛍光体が励起され、輝尽光が放出され
る。
【0261】本実施態様においては、光ファイバ束36
は、その受光端部36aが、サンプルステージ40に載
置された蓄積性蛍光体シート10に十分に近接するよう
に、ヘッド37に取り付けられているから、レーザ光2
4は、光ファイバ束36によって、確実に、蓄積性蛍光
体シート10の第1の輝尽性蛍光体層領域12に導か
れ、したがって、第1の輝尽性蛍光体層領域12に隣り
合う輝尽性蛍光体層領域12に、レーザ光24が入射し
て、輝尽性蛍光体を励起し、蓄積している放射線エネル
ギーが、輝尽光の形で放出させることを、効果的に防止
することが可能になるとともに、蓄積性蛍光体シート1
0の第1の輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽
光のみを、効果的に、光ファイバ束36の受光端部36
aによって受光することが可能になる。
【0262】蓄積性蛍光体シート10の第1の輝尽性蛍
光体層領域12に含まれている輝尽性蛍光体から放出さ
れた輝尽光は、光ファイバ束36の受光端部36aに入
射し、光ファイバ束36によって、凸レンズ35に導か
れる。
【0263】凸レンズ35に導かれた輝尽光は、平行な
ビームとされて、穴開きミラー34に入射する。
【0264】穴開きミラー34に入射した輝尽光は、穴
開きミラー34によって反射されて、フィルタユニット
45のフィルタ47dに入射する。
【0265】ここに、フィルタ47dは、輝尽性蛍光体
から放出される輝尽光の波長域の光のみを透過し、64
0nmの波長の光をカットする性質を有しているので、
励起光である640nmの波長の光がカットされ、蓄積
性蛍光体シート10に形成された第1の輝尽性蛍光体層
領域12から放出された輝尽光の波長域の光のみがフィ
ルタ47dを透過して、フォトマルチプライア50によ
って、光電的に検出される。
【0266】フォトマルチプライア50によって、輝尽
光が光電的に検出されて、生成されたアナログデータ
は、A/D変換器53に出力されて、ディジタルデータ
に変換され、データ処理装置54に出力される。
【0267】第1のレーザ励起光源21がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第1のレーザ励起光源21に
駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光ファイバ束36の受光
端部36aを、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に
形成された隣り合った輝尽性蛍光体層領域12の間の距
離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0268】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが、隣り合う輝
尽性蛍光体層領域12の間の距離に等しい1ピッチだけ
移動されたことが確認されると、コントロールユニット
70は、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力し
て、第1のレーザ励起光源21をオンさせて、レーザ光
24によって、蓄積性蛍光体シート10に形成された第
1の輝尽性蛍光体層領域12に隣り合った第2の輝尽性
蛍光体層領域12を励起する。
【0269】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、蓄積性蛍光体シート10に形成された第2の
輝尽性蛍光体層領域12に照射されて、第2の輝尽性蛍
光体層領域12から発せられた輝尽光が、フォトマルチ
プライア50によって、光電的に検出されると、コント
ロールユニット70は、第1のレーザ励起光源21にオ
フ信号を出力して、第1のレーザ励起光源21をオフさ
せるとともに、主走査ステッピングモータ65に、駆動
信号を出力して、光ファイバ束36の受光端部36a
を、隣り合う輝尽性蛍光体層領域12の間の距離に等し
い1ピッチだけ、移動させる。
【0270】こうして、光ファイバ束36の受光端部3
6aの間欠的な移動に同期して、第1のレーザ励起光源
21のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67
から入力された光ファイバ束36の受光端部36aの位
置検出信号に基づき、光ファイバ束36の受光端部36
aが、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、蓄積
性蛍光体シート10の支持体11に形成された第1ライ
ン目の輝尽性蛍光体層領域12のレーザ光24による走
査が完了したことが確認されると、コントロールユニッ
ト70は、主走査ステッピングモータ65に駆動信号を
出力して、光ファイバ束36の受光端部36aを元の位
置に復帰させるとともに、副走査パルスモータ61に駆
動信号を出力して、移動可能な基板63を、副走査方向
に、1ライン分だけ、移動させる。
【0271】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが元の位置に復
帰され、また、移動可能な基板63が、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、コン
トロールユニット70は、蓄積性蛍光体シート10の支
持体11に形成された第1ライン目の輝尽性蛍光体層領
域12に、順次、第1のレーザ励起光源21から発せら
れるレーザ光24を照射したのと全く同様にして、蓄積
性蛍光体シート10の支持体11に形成された第2ライ
ン目の輝尽性蛍光体層領域12に、順次、第1のレーザ
励起光源21から発せられるレーザ光24を照射して、
第2ライン目の輝尽性蛍光体層領域12を励起し、輝尽
性蛍光体層領域12から発せられた輝尽光を、順次、フ
ォトマルチプライア50に光電的に検出させる。
【0272】フォトマルチプライア50によって、輝尽
光が光電的に検出されて、生成されたアナログデータ
は、A/D変換器53によって、ディジタルデータに変
換されて、データ処理装置54に送られる。
【0273】こうして、蓄積性蛍光体シート10の支持
体11に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領域12
が、第1のレーザ励起光源21から放出されたレーザ光
24によって走査され、輝尽性蛍光体層領域12に含ま
れた輝尽性蛍光体が励起されて、放出された輝尽光が、
フォトマルチプライア50によって光電的に検出され、
生成されたアナログデータが、A/D変換器53によっ
て、ディジタルデータに変換されて、データ処理装置5
4に送られると、コントロールユニット70から、駆動
停止信号が、第1のレーザ励起光源21に出力され、第
1のレーザ励起光源21の駆動が停止される。
【0274】以上のようにして、スキャナによって、蓄
積性蛍光体シート10の支持体11に形成された多数の
輝尽性蛍光体層領域12に記録された放射性標識物質の
放射線データが読み取られ、生化学解析用データが生成
される。
【0275】一方、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された多数の吸着性領域4に記録された蛍光データ
を読み取って、生化学解析用データを生成するときは、
生化学解析用ユニット1が、サンプルステージ40上に
セットされる。
【0276】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、生体由来の物質を標識している蛍光色素などを特
定するとともに、蛍光データを読み取るべき旨の指示信
号が入力される。
【0277】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号を受けると、メモリ(図示せ
ず)に記憶されているテーブルにしたがって、第1のレ
ーザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22および第
3のレーザ励起光源23の中から、使用すべきレーザ励
起光源を決定するとともに、フィルタ47a、47b、
47cのいずれを蛍光の光路内に位置させるかを決定す
る。
【0278】たとえば、生体由来の物質を標識する蛍光
物質として、532nmの波長のレーザによって、最も
効率的に励起することのできるローダミン(登録商標)
が使用され、その旨が、キーボード71に入力されたと
きは、コントロールユニット70は、第2のレーザ励起
光源22を選択するとともに、フィルタ47bを選択
し、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力し
て、フィルタユニット45の円板46を回転させ、53
2nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の
長い光を透過する性質を有するフィルタ47bを、生化
学解析用ユニット1から放出されるべき蛍光の光路内に
位置させる。
【0279】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光フ
ァイバ束36の受光端部36aを主走査方向に移動さ
せ、リニアエンコーダから入力される光ファイバ束36
の受光端部36aの位置検出信号に基づいて、生化学解
析用ユニット1の基板2に形成された多数の多孔質領域
4のうち、第1の多孔質領域4に、レーザ光24を照射
可能な位置に、光ファイバ束36の受光端部36aが達
したことが確認されると、主走査ステッピングモータ6
5に駆動停止信号を出力するとともに、第2のレーザ励
起光源22に駆動信号を出力して、第2のレーザ励起光
源22を起動させ、532nmの波長のレーザ光24を
発せさせる。
【0280】第2のレーザ励起光源22から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ30によって、平行
な光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に入
射して、反射される。
【0281】第1のダイクロイックミラー27によって
反射されたレーザ光24は、第2のダイクロイックミラ
ー28を透過し、ミラー29に入射する。
【0282】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0283】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凸レンズ
35に入射する。
【0284】凸レンズ35に入射したレーザ光24は、
光ファイバ束36の一端部に集光される。
【0285】レーザ光24は、光ファイバ束36内によ
ってガイドされ、生化学解析用ユニット1の基板2に形
成された第1の吸着性領域4に入射する。
【0286】レーザ光24が、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された第1の吸着性領域4に入射する
と、第1の吸着性領域4に含まれている蛍光物質、たと
えば、ローダミンが励起されて、蛍光が放出される。
【0287】本実施態様においては、光ファイバ束36
は、その受光端部36aが、生化学解析用ユニット1に
十分に近接するように、ヘッド37に取り付けられてい
るから、レーザ光24は、光ファイバ束36によって、
確実に、生化学解析用ユニット1の第1の吸着性領域4
に導かれ、したがって、隣り合う吸着性領域4に、レー
ザ光24が入射して、蛍光物質を励起し、蛍光が放出さ
れることを、効果的に防止することが可能になるととも
に、第1の吸着性領域4から放出された蛍光のみを、効
果的に、光ファイバ束36の受光端部36aによって受
光することが可能になる。
【0288】さらに、本実施態様にかかる生化学解析用
ユニット1の多数の吸着性領域4は、ステンレス鋼製の
基板2に形成された貫通孔3に、ナイロン6が充填され
て、形成され、基板2が光エネルギーを減衰させる性質
を有しているので、吸着性領域4に含まれた蛍光物質が
励起されて、放出された蛍光が、隣り合う吸着性領域4
に含まれた蛍光物質が励起されて、放出された蛍光と混
ざり合うことを効果的に防止することができる。
【0289】生化学解析用ユニット1の第1の吸着性領
域4に含まれている蛍光物質から放出された蛍光は、光
ファイバ束36の受光端部36aに入射し、光ファイバ
束36によって、凸レンズ35に導かれる。
【0290】凸レンズ35に導かれた蛍光は、平行なビ
ームとされて、穴開きミラー34に入射する。
【0291】穴開きミラー34に入射した蛍光は、穴開
きミラー34によって反射されて、フィルタユニット4
5のフィルタ47bに入射する。
【0292】ここに、フィルタ47bは、532nmの
波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を
透過する性質を有しているので、励起光である532n
mの波長の光がカットされ、ローダミンから放出された
蛍光の波長域の光のみがフィルタ52bを透過して、フ
ォトマルチプライア50によって、光電的に検出され
る。
【0293】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器53に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置54に出力される。
【0294】第2のレーザ励起光源22がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第2のレーザ励起光源22に
駆動停止信号を出力して、第2のレーザ励起光源22の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光ファイバ束36の受光
端部36aを、生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された吸着性領域4の間の距離に等しいピッチだけ、移
動させる。
【0295】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが、生化学解析
用ユニット1に形成された隣り合う吸着性領域4の間の
距離に等しい1ピッチだけ移動されて、第2のレーザ励
起光源22から発せられるレーザ光24を、生化学解析
用ユニット1の基板2に形成された第2の吸着性領域4
に照射可能な位置に移動したことが確認されると、コン
トロールユニット70は、第2のレーザ励起光源22に
駆動信号を出力して、第2のレーザ励起光源22をオン
させて、レーザ光24によって、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された第1の吸着性領域4に隣り合う
第2の吸着性領域4に含まれている蛍光物質、たとえ
ば、ローダミンを励起する。
【0296】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、生化学解析用ユニット1に形成された第2の
吸着性領域4に照射され、第2の吸着性領域4から放出
された蛍光が、フォトマルチプライア50によって、光
電的に検出されて、アナログデータが生成されると、コ
ントロールユニット70は、第2のレーザ励起光源22
にオフ信号を出力して、第2のレーザ励起光源22をオ
フさせるとともに、主走査ステッピングモータ65に、
駆動信号を出力して、光ファイバ束36の受光端部36
aを、生化学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸
着性領域4の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させ
る。
【0297】こうして、光ファイバ束36の受光端部3
6aの間欠的な移動に同期して、第2のレーザ励起光源
22のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67
から入力された光ファイバ束36の受光端部36aの位
置検出信号に基づいて、光ファイバ束36の受光端部3
6aが、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された第1ライン目
のすべての吸着性領域4を、レーザ光24によって、走
査したことが確認されると、コントロールユニット70
は、主走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し
て、光ファイバ束36の受光端部36aを元の位置に復
帰させるとともに、副走査パルスモータ61に駆動信号
を出力して、移動可能な基板63を、副走査方向に、1
ライン分だけ、移動させる。
【0298】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが元の位置に復
帰され、また、移動可能な基板63が、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、コン
トロールユニット70は、生化学解析用ユニット1の基
板2に形成された第1ライン目の吸着性領域4に、順
次、第2のレーザ励起光源22から発せられるレーザ光
24を照射したのと全く同様にして、生化学解析用ユニ
ット1の基板2に形成された第2ライン目の吸着性領域
4に、順次、第2のレーザ励起光源22から発せられる
レーザ光24を照射して、第2ライン目の吸着性領域域
4に含まれているローダミンを励起し、吸着性領域4か
ら放出された蛍光を、順次、フォトマルチプライア50
に光電的に検出させる。
【0299】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置54に送られる。
【0300】こうして、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成されたすべての吸着性領域4が、第2のレーザ
励起光源22から放出されたレーザ光24によって走査
され、生化学解析用ユニット1の基板2に形成されたす
べての吸着性領域4に含まれているローダミンが励起さ
れて、放出された蛍光が、フォトマルチプライア50に
よって光電的に検出され、生成されたアナログデータ
が、A/D変換器53によって、ディジタルデータに変
換されて、データ処理装置54に送られると、コントロ
ールユニット70から、駆動停止信号が、第2のレーザ
励起光源22に出力され、第2のレーザ励起光源22の
駆動が停止される。
【0301】以上のようにして、スキャナによって、生
化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着
性領域4に記録された蛍光データが読み取られ、生化学
解析用データが生成される。
【0302】これに対して、生化学解析用ユニット1の
基板2に形成された多数の吸着性領域4に記録されてい
る化学発光データを読み取って、生化学解析用データを
生成するときは、まず、生化学解析用ユニット1に形成
された多数の吸着性領域4内に含まれた標識物質に化学
発光基質が接触されて、化学発光を放出している生化学
解析用ユニット1が、サンプルステージ40上にセット
される。
【0303】次いで、化学発光データを読み取るべき旨
の指示信号が、キーボード71に入力される。
【0304】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号を受けると、フィルタユニット
モータ72に駆動信号を出力して、フィルタユニット4
5の円板45を回転させ、開口部48を、生化学解析用
ユニット1から放出されるべき化学発光の光路内に位置
させる。
【0305】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光フ
ァイバ束36の受光端部36aを主走査方向に移動さ
せ、リニアエンコーダから入力される光ファイバ束36
の受光端部36aの位置検出信号に基づき、生化学解析
用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4
のうち、第1の吸着性領域4から放出される化学発光
を、光ファイバ束36の受光端部36aが受光可能な位
置に、光ファイバ束36の受光端部36aが達したこと
が確認されると、主走査ステッピングモータ65に停止
信号を出力するとともに、フォトマルチプライア50に
オン信号を出力して、化学発光の検出を開始させる。
【0306】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1の多数の吸着性領域4は、ステンレス鋼製の基板
2に形成された貫通孔3に、ナイロン6が充填されて、
形成され、基板2は光エネルギーを減衰させる性質を有
しているので、吸着性領域4から放出された化学発光
が、隣り合う吸着性領域4から放出された化学発光と混
ざり合うことを効果的に防止することができる。
【0307】さらに、本実施態様においては、光ファイ
バ束36は、その受光端部36aが、生化学解析用ユニ
ット1に十分に近接するように、ヘッド37に取り付け
られているから、生化学解析用ユニット1の第1の吸着
性領域4から放出された化学発光のみが、光ファイバ束
36の受光端部36aによって受光され、隣り合う吸着
性領域4から放出された化学発光を、光ファイバ束36
の受光端部36aが、同時に受光することを、確実に防
止することができる。
【0308】生化学解析用ユニット1の第1の吸着性領
域4に含まれている蛍光物質から放出された化学発光
は、光ファイバ束36の受光端部36aに入射し、光フ
ァイバ束36によって、凸レンズ35に導かれる。
【0309】凸レンズ35に導かれた化学発光は、平行
なビームとされて、穴開きミラー34に入射する。
【0310】穴開きミラー34に入射した化学発光は、
穴開きミラー34によって反射されて、フィルタユニッ
ト45に入射する。
【0311】化学発光データを読み取る場合には、開口
部48が化学発光の光路内に位置するように、フィルタ
ユニット45の円板46が回転されているから、穴開き
ミラー34によって反射された化学発光は、フィルタユ
ニット45の開口部48を通過して、フォトマルチプラ
イア50によって、光電的に検出される。
【0312】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器53に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置54に出力される。
【0313】フォトマルチプライア50がオンされた
後、所定時間が経過すると、コントロールユニット70
は、フォトマルチプライア50に駆動停止信号を出力し
て、フォトマルチプライア50をオフさせるとともに、
主走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力し
て、光ファイバ束36の受光端部36aを、生化学解析
用ユニット1に形成された吸着性領域4の間の距離に等
しいピッチだけ、移動させる。
【0314】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが、生化学解析
用ユニット1に形成された隣り合う吸着性領域4の間の
距離に等しい1ピッチだけ移動されて、生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された第1の吸着性領域4に隣
り合う第2の吸着性領域4から放出される化学発光を受
光可能な位置に移動したことが確認されると、コントロ
ールユニット70は、主走査ステッピングモータ65に
駆動停止信号を出力するとともに、フォトマルチプライ
ア50に駆動信号を出力して、フォトマルチプライア5
0をオンさせて、生化学解析用ユニット1の基板2に形
成された第2の吸着性領域4から放出され、光ファイバ
束36によって導かれた化学発光を、フォトマルチプラ
イア50に光電的に検出させる。
【0315】同様にして、所定の時間にわたり、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された第2の吸着性領
域4から放出された化学発光が、フォトマルチプライア
50によって、光電的に検出され、アナログデータが生
成されると、コントロールユニット70は、フォトマル
チプライア50に駆動停止信号を出力して、フォトマル
チプライア50をオフさせるとともに、主走査ステッピ
ングモータ65に、駆動信号を出力して、光ファイバ束
36の受光端部36aを、生化学解析用ユニット1の基
板2に形成された隣り合う吸着性領域4の間の距離に等
しい1ピッチだけ、移動させる。
【0316】こうして、光ファイバ束36の受光端部3
6aの間欠的な移動に同期して、フォトマルチプライア
50のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67
から入力された光ファイバ束36の受光端部36aの位
置検出信号に基づいて、光ファイバ束36の受光端部3
6aが、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された第1ライン目
の吸着性領域4から放出された化学発光が、光ファイバ
束36の受光端部36aによって、受光され、フォトマ
ルチプライア50によって光電的に検出されたことが確
認されると、コントロールユニット70は、主走査ステ
ッピングモータ65に駆動信号を出力して、光ファイバ
束36の受光端部36aを元の位置に復帰させるととも
に、副走査パルスモータ61に駆動信号を出力して、移
動可能な基板63を、副走査方向に、1ライン分だけ、
移動させる。
【0317】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが元の位置に復
帰され、また、移動可能な基板63が、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、コン
トロールユニット70は、生化学解析用ユニット1の基
板2に形成された第1ライン目の吸着性領域4から放出
された化学発光を、順次、光ファイバ束36の受光端部
36aによって受光し、フォトマルチプライア50によ
って光電的に検出したのと全く同様にして、生化学解析
用ユニット1に形成された第2ライン目の吸着性領域4
から放出された化学発光を、順次、光ファイバ束36の
受光端部36aによって受光し、フォトマルチプライア
50に光電的に検出させる。
【0318】フォトマルチプライア50によって、化学
発光が光電的に検出されて、生成されたアナログデータ
は、A/D変換器53によって、ディジタルデータに変
換されて、データ処理装置54に送られる。
【0319】こうして、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成されたすべての吸着性領域4から放出された化
学発光が、光ファイバ束36の受光端部36aによっ
て、受光され、フォトマルチプライア50によって光電
的に検出されて、生成されたアナログデータが、A/D
変換器53によって、ディジタルデータに変換されて、
データ処理装置54に送られると、コントロールユニッ
ト70から、駆動停止信号が、フォトマルチプライア5
0に出力され、フォトマルチプライア50がオフされ
る。
【0320】以上のようにして、図6ないし図9に示さ
れたスキャナによって、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4に記録された化学発
光データが読み取られて、生化学解析用データが生成さ
れる。
【0321】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に記録
された化学発光データを、蓄積性蛍光体シートに転写
し、蓄積性蛍光体シートに転写された化学発光データ
を、後述するスキャナによって読み取って、生化学解析
用データを生成することもできる。
【0322】図10は、化学発光データが転写されるべ
き蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【0323】図10に示される蓄積性蛍光体シート15
は、ステンレス鋼によって形成された支持体11に形成
された多数の貫通孔13内に、光エネルギーを吸収し、
蓄積可能なSrS系輝尽性蛍光体が充填されて、多数の
輝尽性蛍光体層領域17が形成されている点を除いて、
図4に示された蓄積性蛍光体シート10と同様の構成を
有している。
【0324】生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた多数の吸着性領域4に記録された化学発光データ
は、図10に示された蓄積性蛍光体シート15の多数の
輝尽性蛍光体層領域17に転写される。
【0325】生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた多数の吸着性領域4に記録された化学発光データ
を、蓄積性蛍光体シート15の多数の輝尽性蛍光体層領
域17に転写するに際し、生化学解析用ユニット1の多
数の吸着性領域4に、化学発光基質が接触される。
【0326】その結果、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4から、可視光波長域の化学発光が、選択
的に放出される。
【0327】次いで、図5に示されるのと同様にして、
蓄積性蛍光体シート15の支持体11に形成された多数
の輝尽性蛍光体層領域17が、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された対応する多数の吸着性領域4に対
向するように、蓄積性蛍光体シート15が、多数の吸着
性領域4から化学発光が放出されている生化学解析用ユ
ニット1に重ね合わされる。
【0328】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート15に形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域17の各々と、生化学解析用ユニット1に形成された
多数の吸着性領域4とを対向させることによって、生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4から、選択的
に放出された化学発光によって、蓄積性蛍光体シート1
5に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17が露光さ
れる。
【0329】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1の基板2に形成された各吸着性領域5の周囲に
は、光エネルギーを減衰させる性質を有するステンレス
鋼製の基板2が存在しているから、露光操作に際して、
生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸
着性領域5から放出された化学発光が、生化学解析用ユ
ニット1の基板2内で散乱することを効果的に防止する
ことができ、さらに、蓄積性蛍光体シート15の支持体
11が、光エネルギーを減衰させる性質を有するステン
レス鋼によって形成されているから、生化学解析用ユニ
ット1の吸着性領域5から放出された化学発光が、蓄積
性蛍光体シート15の支持体11内で散乱して、隣り合
う吸着性領域5に対向する輝尽性蛍光体層領域17に到
達することを効果的に防止することができる。
【0330】こうして、蓄積性蛍光体シート15の支持
体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17に、
化学発光データが記録される。
【0331】図11は、蓄積性蛍光体シート15の支持
体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17に記
録されている化学発光データを読み取って、生化学解析
用データを生成するスキャナの略斜視図であり、図12
は、フィルタユニットの略正面図である。
【0332】図11に示されたスキャナは、473nm
の波長のレーザ光24を発する第3のレーザ励起光源2
3に代えて、SrS系輝尽性蛍光体を効率的に励起可能
な980nmの波長のレーザ光24を発する第4のレー
ザ励起光源55を備え、532nm以上の波長の光を透
過し、473nmの波長の光を反射する第2のダイクロ
イックミラー28に代えて、640nm以下の波長の光
を透過し、980nmの波長の光を反射する第3のダイ
クロイックミラー56を備え、また、図12に示された
フィルタユニット45が、473nmの波長の光をカッ
トし、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を
有するフィルタ47cに代えて、輝尽性蛍光体層領域1
7から放出される輝尽光の波長域の光のみを透過し、9
80nmの波長の光をカットする性質を有するフィルタ
47eを備えている点を除き、図6ないし図9に示され
たスキャナと同様の構成を有している。
【0333】以上のように構成された本実施態様にかか
るスキャナは、以下のようにして、蓄積性蛍光体シート
15の多数の輝尽性蛍光体層領域17に記録された化学
発光データを読み取って、生化学解析用データを生成す
る。
【0334】まず、ユーザーによって、蓄積性蛍光体シ
ート15が、ステージ40上に載置される。
【0335】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート15に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域17に記録された化学発光データを読み
取るべき旨の指示信号が入力される。
【0336】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニット4
5の円板46を回転させ、輝尽性蛍光体層領域17から
放出される輝尽光45の波長域の光のみを透過し、98
0nmの波長の光をカットする性質を有するフィルタ4
7eを、輝尽光の光路内に位置させる。
【0337】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光フ
ァイバ束36の受光端部36aを主走査方向に移動さ
せ、リニアエンコーダから入力される光ファイバ束36
の受光端部36aの位置検出信号に基づいて、蓄積性蛍
光体シート15に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域
17のうち、第1の輝尽性蛍光体層領域17に、レーザ
光24を照射可能な位置に、光ファイバ束36の受光端
部36aが達したと判定すると、主走査ステッピングモ
ータ65に停止信号を出力するとともに、第1のレーザ
励起光源21に駆動信号を出力し、第4のレーザ励起光
源55を起動させ、980nmの波長のレーザ光24を
発せさせる。
【0338】第4のレーザ励起光源55から発生された
レーザ光24は、コリメータレンズ31によって、平行
な光とされた後、第3のダイクロイックミラー56によ
り反射されて、その向きが90度変えられた後、ミラー
29に入射する。
【0339】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0340】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0341】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0342】レーザ光24は、光ファイバ束36内によ
ってガイドされ、蓄積性蛍光体シート15の支持体11
に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域17に入射す
る。
【0343】レーザ光24が、蓄積性蛍光体シート15
の支持体11に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域1
7に入射すると、第1の輝尽性蛍光体層領域17に含ま
れている輝尽性蛍光体が励起され、輝尽光が放出され
る。
【0344】本実施態様においては、光ファイバ束36
は、その受光端部36aが、サンプルステージ40に載
置された蓄積性蛍光体シート15に十分に近接するよう
に、ヘッド37に取り付けられているから、レーザ光2
4は、光ファイバ束36によって、確実に、蓄積性蛍光
体シート15の第1の輝尽性蛍光体層領域17に導か
れ、したがって、第1の輝尽性蛍光体層領域17に隣り
合う輝尽性蛍光体層領域17に、レーザ光24が入射し
て、輝尽性蛍光体を励起し、蓄積している化学発光のエ
ネルギーが、輝尽光の形で放出させることを、効果的に
防止することが可能になるとともに、蓄積性蛍光体シー
ト15の第1の輝尽性蛍光体層領域17から放出された
輝尽光のみを、効果的に、光ファイバ束36の受光端部
36aによって受光することが可能になる。
【0345】蓄積性蛍光体シート15の第1の輝尽性蛍
光体層領域17に含まれている輝尽性蛍光体から放出さ
れた輝尽光は、光ファイバ束36の受光端部36aに入
射し、光ファイバ束36によって、凸レンズ35に導か
れる。
【0346】凸レンズ35に導かれた輝尽光は、平行な
ビームとされて、穴開きミラー34に入射する。
【0347】穴開きミラー34に入射した輝尽光は、穴
開きミラー34によって反射されて、フィルタユニット
45のフィルタ47dに入射する。
【0348】ここに、フィルタ47eは、輝尽性蛍光体
から放出される輝尽光の波長域の光のみを透過し、98
0nmの波長の光をカットする性質を有しているので、
励起光である980nmの波長の光がカットされ、蓄積
性蛍光体シート15に形成された第1の輝尽性蛍光体層
領域17から放出された輝尽光の波長域の光のみがフィ
ルタ47eを透過して、フォトマルチプライア50によ
って、光電的に検出される。
【0349】フォトマルチプライア50によって、輝尽
光が光電的に検出されて、生成されたアナログデータ
は、A/D変換器53に出力されて、ディジタルデータ
に変換され、データ処理装置54に出力される。
【0350】第4のレーザ励起光源55がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第4のレーザ励起光源55に
駆動停止信号を出力して、第4のレーザ励起光源55の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光ファイバ束36の受光
端部36aを、蓄積性蛍光体シート15の支持体11に
形成された隣り合った輝尽性蛍光体層領域17の間の距
離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0351】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが、隣り合う輝
尽性蛍光体層領域17の間の距離に等しい1ピッチだけ
移動されたことが確認されると、コントロールユニット
70は、第4のレーザ励起光源55に駆動信号を出力し
て、第4のレーザ励起光源55をオンさせて、レーザ光
24によって、蓄積性蛍光体シート15に形成された第
1の輝尽性蛍光体層領域17に隣り合った第2の輝尽性
蛍光体層領域17を励起する。
【0352】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、蓄積性蛍光体シート15に形成された第2の
輝尽性蛍光体層領域17に照射されて、第2の輝尽性蛍
光体層領域17から発せられた輝尽光が、フォトマルチ
プライア50によって、光電的に検出されると、コント
ロールユニット70は、第4のレーザ励起光源55にオ
フ信号を出力して、第4のレーザ励起光源55をオフさ
せるとともに、主走査ステッピングモータ65に、駆動
信号を出力して、光ファイバ束36の受光端部36a
を、隣り合う輝尽性蛍光体層領域17の間の距離に等し
い1ピッチだけ、移動させる。
【0353】こうして、光ファイバ束36の受光端部3
6aの間欠的な移動に同期して、第4のレーザ励起光源
55のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67
から入力された光ファイバ束36の受光端部36aの位
置検出信号に基づき、光ファイバ束36の受光端部36
aが、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、蓄積
性蛍光体シート15の支持体11に形成された第1ライ
ン目の輝尽性蛍光体層領域17のレーザ光24による走
査が完了したことが確認されると、コントロールユニッ
ト70は、主走査ステッピングモータ65に駆動信号を
出力して、光ファイバ束36の受光端部36aを元の位
置に復帰させるとともに、副走査パルスモータ61に駆
動信号を出力して、移動可能な基板63を、副走査方向
に、1ライン分だけ、移動させる。
【0354】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが元の位置に復
帰され、また、移動可能な基板63が、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、コン
トロールユニット70は、蓄積性蛍光体シート15の支
持体11に形成された第1ライン目の輝尽性蛍光体層領
域17に、順次、第4のレーザ励起光源55から発せら
れるレーザ光24を照射したのと全く同様にして、蓄積
性蛍光体シート15の支持体11に形成された第2ライ
ン目の輝尽性蛍光体層領域17に、順次、第4のレーザ
励起光源55から発せられるレーザ光24を照射して、
第2ライン目の輝尽性蛍光体層領域17を励起し、輝尽
性蛍光体層領域17から発せられた輝尽光を、順次、フ
ォトマルチプライア50に光電的に検出させる。
【0355】フォトマルチプライア50によって、輝尽
光が光電的に検出されて、生成されたアナログデータ
は、A/D変換器53によって、ディジタルデータに変
換されて、データ処理装置54に送られる。
【0356】こうして、蓄積性蛍光体シート15の支持
体11に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領域17
が、第4のレーザ励起光源55から放出されたレーザ光
24によって走査され、輝尽性蛍光体層領域17に含ま
れた輝尽性蛍光体が励起されて、放出された輝尽光が、
フォトマルチプライア50によって光電的に検出され、
生成されたアナログデータが、A/D変換器53によっ
て、ディジタルデータに変換されて、データ処理装置5
4に送られると、コントロールユニット70から、駆動
停止信号が、第4のレーザ励起光源55に出力され、第
4のレーザ励起光源55の駆動が停止される。
【0357】以上のようにして、図11および図12に
示されたスキャナによって、蓄積性蛍光体シート15の
支持体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17
に記録された放射性標識物質の放射線データが読み取ら
れ、生化学解析用データが生成される。
【0358】本実施態様によれば、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に選択的
に含まれた放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シー
ト10の支持体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層
領域12を露光する際、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質からエネルギ
ーの高い電子線(β線)が発せられるが、生化学解析用
ユニット1の基板2がステンレス鋼によって形成され、
各吸着性領域4の周囲には、放射線エネルギーを減衰さ
せる性質を有するステンレス鋼によって形成された基板
2が存在するから、生化学解析用ユニット1の吸着性領
域4に含まれている放射性標識物質から発せられた電子
線(β線)が生化学解析用ユニット1の基板2内で散乱
することを効果的に防止することができ、また、蓄積性
蛍光体シート10の多数の輝尽性蛍光体層領域12は、
生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸
着性領域4と、同一の規則的なパターンで、支持体11
に形成された貫通孔13内に、輝尽性蛍光体が充填され
て形成され、それぞれ、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された吸着性領域4に対向するように、蓄積性
蛍光体シート10が生化学解析用ユニット1に重ね合わ
されているから、生化学解析用ユニット1の基板2に形
成された各吸着性領域4に含まれている放射性標識物質
から放出された電子線(β線)を、対応する輝尽性蛍光
体層領域12のみに入射させることができ、さらに、蓄
積性蛍光体シート10の支持体11が放射線エネルギー
を減衰させる性質を有するステンレス鋼によって形成さ
れているから、生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された吸着性領域4に含まれている放射性標識物質から
放出された電子線(β線)が、蓄積性蛍光体シート10
の支持体11内で散乱することも効果的に防止すること
が可能になり、したがって、蓄積性蛍光体シート10の
輝尽性蛍光体層領域12を、生化学解析用ユニット1の
基板2に形成された対応する吸着性領域4のみに含まれ
ている放射性標識物質によって、効果的に露光すること
が可能になるから、吸着性領域4に含まれている放射性
標識物質によって露光すべき輝尽性蛍光体層の領域12
が、隣り合った吸着性領域4に含まれている放射性標識
物質から放出された電子線(β線)によって、露光され
ることに起因するノイズが生化学解析用データ中に生成
されることを防止することができ、生化学解析の定量性
を大幅に向上させることが可能になる。
【0359】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4
から選択的に放出される化学発光によって、蓄積性蛍光
体シート15の支持体11に形成された多数の輝尽性蛍
光体層領域17を露光する際、生化学解析用ユニット1
の基板2がステンレス鋼によって形成され、各吸着性領
域4の周囲には、光エネルギーを減衰させる性質を有す
るステンレス鋼によって形成された基板2が存在するか
ら、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4から放出さ
れた化学発光が生化学解析用ユニット1の基板2内で散
乱することを効果的に防止することができ、また、蓄積
性蛍光体シート15の多数の輝尽性蛍光体層領域17
は、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4と、同一の規則的なパターンで、支持体
11に形成された貫通孔13内に、輝尽性蛍光体が充填
されて形成され、それぞれ、生化学解析用ユニット1の
基板2に形成された吸着性領域4に対向するように、蓄
積性蛍光体シート15が生化学解析用ユニット1に重ね
合わされているから、生化学解析用ユニット1の基板2
に形成された吸着性領域4から放出された化学発光を、
対応する輝尽性蛍光体層領域17のみに入射させること
ができ、さらに、蓄積性蛍光体シート15の支持体11
が光エネルギーを減衰させる性質を有するステンレス鋼
によって形成されているから、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された吸着性領域4から放出された化学
発光が、蓄積性蛍光体シート15の支持体11内で散乱
することも効果的に防止することが可能になり、したが
って、蓄積性蛍光体シート15の輝尽性蛍光体層領域1
7を、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された対
応する吸着性領域4から放出される化学発光のみによっ
て、効果的に露光することが可能になるから、吸着性領
域4から放出された化学発光によって露光すべき輝尽性
蛍光体層の領域17が、隣り合った吸着性領域4から放
出された化学発光によって、露光されることに起因する
ノイズが生化学解析用データ中に生成されることを防止
することができ、生化学解析の定量性を大幅に向上させ
ることが可能になる。
【0360】また、本実施態様によれば、蓄積性蛍光体
シート10の支持体11に、二次元的に、互いに離間し
て、形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12を、レー
ザ光24によって、走査して、多数の輝尽性蛍光体層領
域12に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、多数の輝
尽性蛍光体層領域12に記録されている放射線データを
読み取って、生化学解析用データを生成するときは、そ
の受光端部36aが、サンプルステージ40に載置され
た蓄積性蛍光体シート10に十分に近接した位置に位置
している光ファイバ束36を、主走査方向および副走査
方向に間欠的に移動させ、蓄積性蛍光体シート10の支
持体11に形成された各輝尽性蛍光体層領域12に対向
する光ファイバ束36の受光端部36aから、蓄積性蛍
光体シート10の各輝尽性蛍光体層領域12に、レーザ
光24を導いているから、レーザ光24を照射すべき輝
尽性蛍光体層領域12のみに、レーザ光24を照射する
ことができ、したがって、レーザ光24を照射すべき輝
尽性蛍光体層領域12に隣り合った輝尽性蛍光体層領域
12に、レーザ光24が入射して、蓄積している放射線
エネルギーを放出させることを確実に防止することがで
きるから、生化学解析の定量性を大幅に向上させること
が可能になる。
【0361】さらに、本実施態様によれば、蓄積性蛍光
体シート15の支持体11に、二次元的に、互いに離間
して、形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17を、レ
ーザ光24によって、走査して、多数の輝尽性蛍光体層
領域17に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、多数の
輝尽性蛍光体層領域17に記録されている化学発光デー
タを読み取って、生化学解析用データを生成するとき
は、その受光端部36aが、サンプルステージ40に載
置された蓄積性蛍光体シート15に十分に近接した位置
に位置している光ファイバ束36を、主走査方向および
副走査方向に間欠的に移動させ、蓄積性蛍光体シート1
5の支持体11に形成された各輝尽性蛍光体層領域17
に対向する光ファイバ束36の受光端部36aから、蓄
積性蛍光体シート15の各輝尽性蛍光体層領域17に、
レーザ光24を導いているから、レーザ光24を照射す
べき輝尽性蛍光体層領域17のみに、レーザ光24を照
射することができ、したがって、レーザ光24を照射す
べき輝尽性蛍光体層領域17に隣り合った輝尽性蛍光体
層領域17に、レーザ光24が入射して、蓄積している
化学発光のエネルギーを放出させることを確実に防止す
ることができるから、生化学解析の定量性を大幅に向上
させることが可能になる。
【0362】また、本実施態様によれば、蓄積性蛍光体
シート10の支持体11は、光エネルギーを減衰させる
性質を有するステンレス鋼によって形成されているか
ら、レーザ光24が、蓄積性蛍光体シート10の支持体
11に形成された輝尽性蛍光体層領域12内で散乱し
て、隣り合った輝尽性蛍光体層領域12内に入射し、蓄
積している放射線エネルギーを放出させることを確実に
防止することができ、したがって、生化学解析の定量性
を大幅に向上させることが可能になる。
【0363】さらに、本実施態様によれば、蓄積性蛍光
体シート15の支持体11は、光エネルギーを減衰させ
る性質を有するステンレス鋼によって形成されているか
ら、レーザ光24が、蓄積性蛍光体シート15の支持体
11に形成された輝尽性蛍光体層領域17内で、散乱し
て、隣り合った輝尽性蛍光体層領域17内に入射し、蓄
積している化学発光のエネルギーを放出させることを確
実に防止することができ、したがって、生化学解析の定
量性を大幅に向上させることが可能になる。
【0364】また、本実施態様によれば、生化学解析用
ユニット1の基板2に、二次元的に、互いに離間して、
形成された多数の吸着性領域4をレーザ光24によって
走査して、生化学解析用ユニット1の基板2に形成され
た多数の吸着性領域4に含まれている蛍光物質を励起
し、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記
録されている蛍光データを読み取って、生化学解析用デ
ータを生成するときは、その受光端部36aが、サンプ
ルステージ40に載置された生化学解析用ユニット1に
十分に近接した位置に位置している光ファイバ束36
を、主走査方向および副走査方向に間欠的に移動させ、
生化学解析用ユニット1の基板2に形成された各吸着性
領域4に対向する光ファイバ束36の受光端部36aか
ら、生化学解析用ユニット1の各吸着性領域4に、レー
ザ光24を導いているから、レーザ光24を照射すべき
吸着性領域4のみに、レーザ光24を照射することがで
き、したがって、レーザ光24を照射すべき吸着性領域
4に隣り合った吸着性領域4に、レーザ光24が入射し
て、蛍光物質を励起し、蛍光を放出させることを確実に
防止することができるから、生化学解析の定量性を大幅
に向上させることが可能になる。
【0365】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4
に記録されている化学発光データを読み取って、生化学
解析用データを生成するときは、その受光端部36a
が、サンプルステージ40に載置された生化学解析用ユ
ニット1に十分に近接した位置に位置している光ファイ
バ束36を、主走査方向および副走査方向に間欠的に移
動させ、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された
多数の各吸着性領域4から放出された化学発光を、その
吸着性領域4に対向している光ファイバ束36の受光端
部36aによって受光し、フォトマルチプライア50に
導くように構成されているから、化学発光を受光すべき
吸着性領域4に隣り合う吸着性領域4から放出された化
学発光が、光ファイバ束36の受光端部36aに入射し
て、フォトマルチプライア50によって光電的に検出さ
れることを効果的に防止することができ、したがって、
生化学解析の定量性を大幅に向上させることが可能にな
る。
【0366】また、本実施態様によれば、生化学解析用
ユニット1の基板2は、光エネルギーを減衰させる性質
を有するステンレス鋼によって形成されているから、各
吸着性領域4から放出された蛍光あるいは化学発光が、
隣り合う吸着性領域4から放出された蛍光あるいは化学
発光と混ざり合うことを効果的に防止することができ、
したがって、生化学解析の定量性を大幅に向上させるこ
とが可能になる。
【0367】図13は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかる生化学解析用データの生成方法に用いられる生
化学解析用ユニットの略斜視図である。
【0368】図13に示されるように、本実施態様にか
かる生化学解析用ユニット80は、多数の略円形の貫通
孔82が規則的に形成されたステンレス鋼製の基板81
を備え、基板81に形成された多数の貫通孔82には、
ナイロン6によって形成された吸着性膜83が、カレン
ダー処理装置(図示せず)によって、圧入されて、多数
の吸着性領域84が、ドット状に、規則的に形成されて
いる。
【0369】図13には、正確に示されていないが、本
実施態様においては、約10000の約0.01平方ミ
リメートルのサイズを有する略円形の吸着性領域84
が、約5000個/平方センチメートルの密度で、規則
的に、生化学解析用ユニット80に形成されている。
【0370】本実施態様においては、吸着性領域84の
表面と、基板81の表面とが同一の高さに位置するよう
に、吸着性膜83が、基板81に形成された貫通孔82
に圧入されて、生化学解析用ユニット80が形成されて
いる。
【0371】本実施態様においても、図1に示された前
記実施態様にかかる生化学解析用ユニット1と同様にし
て、スポッティング装置5によって、生化学解析用ユニ
ット80に形成された多数の吸着性領域84に、cDN
Aなどの特異的結合物質を含む溶液が滴下されて、特異
的結合物質が多数の吸着性領域84内に吸着される。
【0372】さらに、図3に示されるように、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質、化学発光基
質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識
物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色素
などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション反応溶液9を収容したハイブ
リダイゼーション反応容器8内に、生化学解析用ユニッ
ト80がセットされ、多数の吸着性領域84に吸着され
たcDNAなどの特異的結合物質に、放射性標識物質に
よって標識され、ハイブリダイゼーション反応溶液9に
含まれた生体由来の物質、化学発光基質と接触させるこ
とによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識
され、ハイブリダイゼーション反応溶液9に含まれた生
体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標
識され、ハイブリダイゼーション反応溶液9に含まれた
生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせる。
【0373】こうして、生化学解析用ユニット80に、
放射線データ、化学発光データおよび蛍光データが記録
される。
【0374】生化学解析用ユニット80の多数の吸着性
領域84に記録された蛍光データは、後述するスキャナ
によって、読み取られ、生化学解析用データが生成され
る。
【0375】一方、生化学解析用ユニット80の多数の
吸着性領域84に記録された化学発光データは、後述す
るスキャナによって、読み取られ、あるいは、蓄積性蛍
光体シートに転写された後に、後述するスキャナによっ
て、読み取られ、生化学解析用データが生成される。
【0376】これに対して、生化学解析用ユニット80
の多数の吸着性領域84に記録された放射線データは、
蓄積性蛍光体シートに転写された後、後述するスキャナ
によって、読み取られて、生化学解析用データが生成さ
れる。
【0377】図14は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかる生化学解析用データの生成方法に用いられる蓄
積性蛍光体シートの略斜視図である。
【0378】図14に示されるように、本実施態様にか
かる蓄積性蛍光体シート90は、放射線エネルギーを吸
収し、蓄積可能なBaFX系輝尽性蛍光体(ここに、X
は、Cl、BrおよびIからなる群から選ばれたハロゲ
ン原子である。)とバインダを含む輝尽性蛍光体膜91
と、多数の略円形の貫通孔92が規則的に形成されたス
テンレス鋼製の基板93とを備え、輝尽性蛍光体膜91
が、ステンレス鋼製の基板93に形成された多数の貫通
孔92に、カレンダー処理装置(図示せず)を用いて、
圧入され、それにより、基板93の多数の貫通孔92に
対応する輝尽性蛍光体膜91の位置に、多数の輝尽性蛍
光体層領域95が、ドット状に形成されている。
【0379】多数の貫通孔92は、生化学解析用ユニッ
ト80に形成された多数の吸着性領域84と同一のパタ
ーンで、基板93に形成され、それぞれ、生化学解析用
ユニット80に形成された多数の吸着性領域85と等し
いサイズを有している。
【0380】したがって、図14には、正確に示されて
いないが、本実施態様においては、約10000の約
0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝
尽性蛍光体層領域95が、約5000個/平方センチメ
ートルの密度で、かつ、規則的なパターンで、蓄積性蛍
光体シート90に、ドット状に形成されている。
【0381】また、本実施態様においては、基板93の
表面と、輝尽性蛍光体層領域95の表面とが同じ高さに
位置するように、基板93に、輝尽性蛍光体膜91が圧
入されて、蓄積性蛍光体シート90が形成されている。
【0382】図15は、生化学解析用ユニット80に形
成された多数の吸着性領域84に含まれている放射性標
識物質によって、蓄積性蛍光体シート90に形成された
多数の輝尽性蛍光体層領域95を露光する方法を示す略
部分断面図である。
【0383】図15に示されるように、露光にあたっ
て、生化学解析用ユニット80に形成された多数の吸着
性領域84が、蓄積性蛍光体シート90に形成された多
数の輝尽性蛍光体層領域95に対向するように、蓄積性
蛍光体シート90と生化学解析用ユニット80とが重ね
合わされる。
【0384】ここに、生化学解析用ユニット80は、ス
テンレス鋼製の基板81に形成された多数の貫通孔82
内に、吸着性膜83が圧入されて、形成されているの
で、ハイブリダイゼーションなど、液体による処理を受
けても、ほとんど伸縮することがなく、したがって、生
化学解析用ユニット80に形成された多数の吸着性領域
84が、蓄積性蛍光体シート90に形成された多数の輝
尽性蛍光体層領域95に、正確に対向するように、蓄積
性蛍光体シート90と生化学解析用ユニット80とを、
容易にかつ確実に重ね合わせて、輝尽性蛍光体層領域9
5を露光することが可能になる。
【0385】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート90に形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域95の各々と、生化学解析用ユニット80に形成され
た多数の吸着性領域84とを対向させることによって、
吸着性領域84に含まれた放射性標識物質によって、蓄
積性蛍光体シート90に形成された多数の輝尽性蛍光体
層領域95が露光される。
【0386】この際、生化学解析用ユニット80の吸着
性領域85に吸着されている放射性標識物質から電子線
(β線)が発せられるが、生化学解析用ユニット80の
吸着性領域84は、ナイロン6によって形成された吸着
性膜83が、ステンレス鋼製の基板81に形成された多
数の貫通孔82に、圧入されて、形成され、各吸着性領
域84の周囲には、放射線エネルギーを減衰させる性質
を有するステンレス鋼製の基板81が存在しているか
ら、生化学解析用ユニット80の吸着性領域84に含ま
れている放射性標識物質から発せられた電子線(β線)
が、生化学解析用ユニット80の基板81内で、散乱す
ることを効果的に防止することができ、さらに、蓄積性
蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域95が、
ステンレス鋼製の基板93に形成された複数の貫通孔9
2内に、輝尽性蛍光体膜91を圧入して、形成され、各
輝尽性蛍光体層領域95の周囲には、放射線エネルギー
を減衰させる性質を有するステンレス鋼製の基板93が
存在しているから、生化学解析用ユニット80の吸着性
領域84に含まれている放射性標識物質から発せられた
電子線(β線)が、蓄積性蛍光体シート90の基板93
内で、散乱することを効果的に防止することができ、し
たがって、生化学解析用ユニット80の吸着性領域84
に含まれている放射性標識物質から発せられた電子線
(β線)によって、その吸着性領域84に対向する蓄積
性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域95のみを選
択的に露光することが可能になる。
【0387】こうして、蓄積性蛍光体シート90に形成
された多数の輝尽性蛍光体層領域95に、放射線データ
が記録され、蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍
光体層領域95に記録された放射線データは、後述する
スキャナによって、読み取られて、生化学解析用データ
が生成される。
【0388】図16は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかるスキャナのフォトマルチプライアおよびデータ
処理装置の周辺のブロックダイアグラムである。
【0389】図13に示されるように、本実施態様にか
かるスキャナは、フォトマルチプライア50によって生
成されたアナログ信号を積分する積分アンプ75を備
え、積分アンプ75によって生成されたアナログ信号の
積分値が、A/D変換器53によって、ディジタル化さ
れて、データ処理装置54により、メモリ58に格納さ
れるように構成されている点を除き、図6ないし図9に
示されたスキャナと同一の構成を有している。
【0390】蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍
光体層領域95に記録された放射線データを読み取っ
て、生化学解析用データを生成するときは、前記実施態
様と同様にして、蓄積性蛍光体シート90を、スキャナ
のサンプルステージ40に載置し、第1のレーザ励起光
源21から発せられたレーザ光24を、光ファイバ束3
6によって、蓄積性蛍光体シート90に形成された多数
の輝尽性蛍光体層領域95のうち、第1の輝尽性蛍光体
層領域95に導いて、蓄積性蛍光体シート90の第1の
輝尽性蛍光体層領域95に含まれている輝尽性蛍光体を
励起し、第1の輝尽性蛍光体層領域95から放出された
輝尽光を、光ファイバ束36によって、フォトマルチプ
ライア50に導いて、光電的に検出させる。
【0391】フォトマルチプライア50によって、第1
の輝尽性蛍光体層領域95から放出された輝尽光が光電
的に検出されて、生成されたアナログデータは、積分ア
ンプ75によって積分される。
【0392】第1のレーザ励起光源21が起動されてか
ら、所定の時間が経過すると、コントロールユニット7
0は、第1のレーザ励起光源21に駆動停止信号を出力
して、第1のレーザ励起光源21の駆動を停止させると
ともに、積分アンプ75によって積分されたアナログデ
ータを、A/D変換器53に出力させ、A/D変換器5
3によって、アナログデータの積分値をディジタル化し
て、データ処理装置54に出力させて、メモリ58に記
憶させる。
【0393】こうして、蓄積性蛍光体シート90の第1
の輝尽性蛍光体層領域95に記録された放射線データが
読み取られて、生化学解析用データが生成され、メモリ
58に記憶される。
【0394】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力して、光
ファイバ束36の受光端部36aを、蓄積性蛍光体シー
ト90に形成された隣り合った輝尽性蛍光体層領域95
の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0395】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが、隣り合う輝
尽性蛍光体層領域95の間の距離に等しい1ピッチだけ
移動されたことが確認されると、コントロールユニット
70は、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力し
て、第1のレーザ励起光源21をオンさせて、レーザ光
24によって、蓄積性蛍光体シート90に形成された第
1の輝尽性蛍光体層領域95に隣り合った第2の輝尽性
蛍光体層領域95に含まれている輝尽性蛍光体を励起す
る。
【0396】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、蓄積性蛍光体シート90に形成された第2の
輝尽性蛍光体層領域95に照射されて、第2の輝尽性蛍
光体層領域95から発せられた輝尽光が、フォトマルチ
プライア50によって、光電的に検出されると、コント
ロールユニット70は、第1のレーザ励起光源21に駆
動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21をオ
フさせるとともに、積分アンプ75によって積分された
アナログデータを、A/D変換器53に出力させ、A/
D変換器53によって、アナログデータの積分値をディ
ジタル化して、データ処理装置54に出力させて、メモ
リ58に記憶させる。
【0397】こうして、蓄積性蛍光体シート90の第2
の輝尽性蛍光体層領域95に記録された放射線データが
読み取られて、生化学解析用データが生成され、メモリ
58に記憶される。
【0398】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、
光ファイバ束36の受光端部36aを、隣り合う輝尽性
蛍光体層領域95の間の距離に等しい1ピッチだけ、移
動させる。
【0399】こうして、光ファイバ束36の受光端部3
6aの間欠的な移動に同期して、第1のレーザ励起光源
21のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67
から入力された光ファイバ束36の受光端部36aの位
置検出信号に基づき、光ファイバ束36の受光端部36
aが、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、蓄積
性蛍光体シート90に形成された第1ライン目の輝尽性
蛍光体層領域95に記録された放射線データの読み取り
が完了したことが確認されると、コントロールユニット
70は、主走査ステッピングモータ65に駆動信号を出
力して、光ファイバ束36の受光端部36aを元の位置
に復帰させるとともに、副走査パルスモータ61に駆動
信号を出力して、移動可能な基板63を、副走査方向
に、1ライン分だけ、移動させる。
【0400】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが元の位置に復
帰され、また、移動可能な基板63が、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、コン
トロールユニット70は、蓄積性蛍光体シート90に形
成された第1ライン目の輝尽性蛍光体層領域95に、順
次、第1のレーザ励起光源21から発せられるレーザ光
24を照射したのと全く同様にして、蓄積性蛍光体シー
ト90に形成された第2ライン目の輝尽性蛍光体層領域
95に、順次、第1のレーザ励起光源21から発せられ
るレーザ光24を照射して、第2ライン目の輝尽性蛍光
体層領域95に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、輝
尽性蛍光体層領域95から発せられた輝尽光を、順次、
フォトマルチプライア50に光電的に検出させる。
【0401】蓄積性蛍光体シート90に形成された第2
ライン目の各輝尽性蛍光体層領域95から放出された輝
尽光を光電的に検出して、生成されたアナログデータ
は、積分アンプ75によって積分され、A/D変換器5
3によって、ディジタル化されて、各輝尽性蛍光体層領
域95に記録された生化学解析用データとして、メモリ
58に記憶される。
【0402】こうして、蓄積性蛍光体シート90に形成
されたすべての輝尽性蛍光体層領域95が、第1のレー
ザ励起光源21から放出されたレーザ光24によって走
査され、輝尽性蛍光体層領域95に含まれた輝尽性蛍光
体が励起されて、放出された輝尽光が、フォトマルチプ
ライア50によって光電的に検出され、生成されたアナ
ログデータが、積分アンプ75によって積分され、積分
されたアナログデータが、A/D変換器53によって、
ディジタルデータに変換されて、データ処理装置54に
送られ、メモリ58に記憶されると、コントロールユニ
ット70から、駆動停止信号が、第1のレーザ励起光源
21に出力され、第1のレーザ励起光源21の駆動が停
止される。
【0403】以上のようにして、蓄積性蛍光体シート9
0に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域95に記録さ
れた放射線データが読み取られ、生化学解析用データが
生成される。
【0404】一方、生化学解析用ユニット80に形成さ
れた多数の吸着性領域84に記録された蛍光物質、たと
えば、ローダミン(登録商標)の蛍光データを読み取っ
て、生化学解析用データを生成するときは、前記実施態
様と同様にして、生化学解析用ユニット80をスキャナ
のサンプルステージ40に載置し、第2のレーザ励起光
源22から発せられたレーザ光24を、光ファイバ束3
6によって、生化学解析用ユニット80に形成された多
数の吸着性領域84のうちの第1の吸着性領域84に導
いて、第1の吸着性領域84に含まれているローダミン
を励起し、第1の吸着性領域84から放出された蛍光
を、光ファイバ束36によって、フォトマルチプライア
50に導いて、光電的に検出させる。
【0405】フォトマルチプライア50によって、第1
の吸着性領域84から放出された蛍光が光電的に検出さ
れて、生成されたアナログデータは、積分アンプ75に
よって積分される。
【0406】第2のレーザ励起光源22が起動されてか
ら、所定の時間が経過すると、コントロールユニット7
0は、第2のレーザ励起光源22に駆動停止信号を出力
して、第2のレーザ励起光源22の駆動を停止させると
ともに、積分アンプ75によって積分されたアナログデ
ータを、A/D変換器53に出力させ、A/D変換器5
3によって、アナログデータの積分値をディジタル化し
て、データ処理装置54に出力させて、メモリ58に記
憶させる。
【0407】こうして、生化学解析用ユニット80の第
1の吸着性領域84に記録された蛍光データが読み取ら
れて、生化学解析用データが生成され、メモリ58に記
憶される。
【0408】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、
光ファイバ束36の受光端部36aを、生化学解析用ユ
ニット80に形成された隣り合う吸着性領域84の間の
距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0409】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが、隣り合う吸
着性領域84の間の距離に等しい1ピッチだけ移動され
たことが確認されると、コントロールユニット70は、
第2のレーザ励起光源22に駆動信号を出力して、第2
のレーザ励起光源22をオンさせて、レーザ光24によ
って、生化学解析用ユニット80に形成された第1の吸
着性領域84に隣り合った第2の吸着性領域84に含ま
れている蛍光物質、たとえば、ローダミンを励起する。
【0410】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、生化学解析用ユニット80に形成された第2
の吸着性領域84に照射されて、第2の吸着性領域84
から発せられた輝尽光が、フォトマルチプライア50に
よって、光電的に検出されると、コントロールユニット
70は、第2のレーザ励起光源22に駆動停止信号を出
力して、第2のレーザ励起光源22をオフさせるととも
に、積分アンプ75によって積分されたアナログデータ
を、A/D変換器53に出力させ、A/D変換器53に
よって、アナログデータの積分値をディジタル化して、
データ処理装置54に出力させて、メモリ58に記憶さ
せる。
【0411】こうして、生化学解析用ユニット80の第
2の吸着性領域84に記録された蛍光データが読み取ら
れて、生化学解析用データが生成され、メモリ58に記
憶される。
【0412】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、
光ファイバ束36の受光端部36aを、隣り合う吸着性
領域84の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させ
る。
【0413】こうして、光ファイバ束36の受光端部3
6aの間欠的な移動に同期して、第2のレーザ励起光源
22のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67
から入力された光ファイバ束36の受光端部36aの位
置検出信号に基づき、光ファイバ束36の受光端部36
aが、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、生化
学解析用ユニット80に形成された第1ライン目の吸着
性領域84に記録された蛍光データの読み取りが完了し
たことが確認されると、コントロールユニット70は、
主走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力して、
光ファイバ束36の受光端部36aを元の位置に復帰さ
せるとともに、副走査パルスモータ61に駆動信号を出
力して、移動可能な基板63を、副走査方向に、1ライ
ン分だけ、移動させる。
【0414】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが元の位置に復
帰され、また、移動可能な基板63が、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、コン
トロールユニット70は、生化学解析用ユニット80に
形成された第1ライン目の吸着性領域84に、順次、第
2のレーザ励起光源22から発せられるレーザ光24を
照射したのと全く同様にして、生化学解析用ユニット8
0に形成された第2ライン目の吸着性領域84に、順
次、第2のレーザ励起光源22から発せられるレーザ光
24を照射して、第2ライン目の吸着性領域84に含ま
れている蛍光物質を励起し、吸着性領域84から発せら
れた蛍光を、順次、フォトマルチプライア50に光電的
に検出させる。
【0415】生化学解析用ユニット80に形成された第
2ライン目の各吸着性領域84から放出された蛍光を光
電的に検出して、生成されたアナログデータは、積分ア
ンプ75によって積分され、A/D変換器53によっ
て、ディジタル化されて、各吸着性領域84に記録され
た生化学解析用データとして、メモリ58に記憶され
る。
【0416】こうして、生化学解析用ユニット80に形
成されたすべての吸着性領域84が、第2のレーザ励起
光源22から放出されたレーザ光24によって走査さ
れ、吸着性領域84に含まれた蛍光物質が励起されて、
放出された蛍光が、フォトマルチプライア50によって
光電的に検出され、生成されたアナログデータが、積分
アンプ75によって積分され、積分されたアナログデー
タが、A/D変換器53によって、ディジタルデータに
変換されて、データ処理装置54に送られ、メモリ58
に記憶されると、コントロールユニット70から、駆動
停止信号が、第2のレーザ励起光源22に出力され、第
2のレーザ励起光源22の駆動が停止される。
【0417】以上のようにして、生化学解析用ユニット
80に形成された多数の吸着性領域84に記録された蛍
光データが読み取られ、生化学解析用データが生成され
る。
【0418】これに対して、スキャナを用いて、生化学
解析用ユニット80に形成された多数の吸着性領域84
に記録された化学発光データを読み取って、生化学解析
用データを生成するときは、前記実施態様と同様にし
て、生化学解析用ユニット80に形成された多数の吸着
性領域84に含まれている標識物質に化学発光基質が接
触されて、化学発光を放出している生化学解析用ユニッ
ト80をスキャナのサンプルステージ40に載置し、光
ファイバ束36を、生化学解析用ユニット80に形成さ
れた多数の吸着性領域84のうち、第1の吸着性領域8
4から放出される化学発光を、光ファイバ束36の受光
端部36aが受光可能な位置に移動させる。
【0419】リニアエンコーダから入力される光ファイ
バ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づき、生
化学解析用ユニット80に形成された多数の吸着性領域
84のうち、第1の吸着性領域84から放出される化学
発光を、光ファイバ束36の受光端部36aが受光可能
な位置に、光ファイバ束36の受光端部36aが達した
ことが確認されると、コントロールユニット70はフォ
トマルチプライア50に駆動信号を出力して、フォトマ
ルチプライア50をオンさせる。
【0420】その結果、生化学解析用ユニット1に形成
された第1の吸着性領域84から放出された化学発光
が、光ファイバ束36によって、フォトマルチプライア
50に導かれ、光電的に検出されて、アナログデータが
生成される。
【0421】フォトマルチプライア50によって、第1
の吸着性領域84から放出された化学発光が光電的に検
出されて、生成されたアナログデータは、積分アンプ7
5によって積分される。
【0422】フォトマルチプライア50がオンされてか
ら、所定の時間が経過すると、コントロールユニット7
0は、フォトマルチプライア50に駆動停止信号を出力
して、フォトマルチプライア50をオフさせるととも
に、積分アンプ75によって積分されたアナログデータ
を、A/D変換器53に出力させ、A/D変換器53に
よって、アナログ信号の積分値をディジタル化して、デ
ータ処理装置54に出力させて、メモリ58に記憶させ
る。
【0423】こうして、生化学解析用ユニット80の第
1の吸着性領域84に記録された化学発光データが読み
取られて、生化学解析用データが生成され、メモリ58
に記憶される。
【0424】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、
光ファイバ束36の受光端部36aを、隣り合う吸着性
領域84の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させ
る。
【0425】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが、生化学解析
用ユニット80に形成された隣り合う吸着性領域84の
間の距離に等しい1ピッチだけ移動されて、生化学解析
用ユニット80に形成された第1の吸着性領域84に隣
り合う第2の吸着性領域84から放出される化学発光を
受光可能な位置に移動したことが確認されると、コント
ロールユニット70は、主走査ステッピングモータ65
に駆動停止信号を出力するとともに、フォトマルチプラ
イア50に駆動信号を出力して、フォトマルチプライア
50をオンさせて、生化学解析用ユニット80に形成さ
れた第2の吸着性領域84から放出され、光ファイバ束
36によって導かれた化学発光を、フォトマルチプライ
ア50に光電的に検出させる。
【0426】同様にして、所定の時間にわたり、生化学
解析用ユニット80に形成された第2の吸着性領域84
から放出された化学発光が、フォトマルチプライア50
によって、光電的に検出され、アナログデータが生成さ
れると、コントロールユニット70は、フォトマルチプ
ライア50に駆動停止信号を出力して、フォトマルチプ
ライア50をオフさせるとともに、積分アンプ75によ
って積分されたアナログデータを、A/D変換器53に
出力させ、A/D変換器53によって、アナログデータ
の積分値をディジタル化して、データ処理装置54に出
力させて、メモリ58に記憶させる。
【0427】こうして、生化学解析用ユニット80の第
2の吸着性領域84に記録された化学発光データが読み
取られて、生化学解析用データが生成され、メモリ58
に記憶される。
【0428】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、
光ファイバ束36の受光端部36aを、生化学解析用ユ
ニット80に形成された隣り合う吸着性領域84の間の
距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0429】こうして、光ファイバ束36の受光端部3
6aの間欠的な移動に同期して、フォトマルチプライア
50のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67
から入力された光ファイバ束36の受光端部36aの位
置検出信号に基づき、光ファイバ束36の受光端部36
aが、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、生化
学解析用ユニット80に形成された第1ライン目の吸着
性領域84に記録された化学発光データの読み取りが完
了したことが確認されると、コントロールユニット70
は、主走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し
て、光ファイバ束36の受光端部36aを元の位置に復
帰させるとともに、副走査パルスモータ61に駆動信号
を出力して、移動可能な基板63を、副走査方向に、1
ライン分だけ、移動させる。
【0430】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが元の位置に復
帰され、また、移動可能な基板63が、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、コン
トロールユニット70は、生化学解析用ユニット80に
形成された第1ライン目の吸着性領域84から放出され
た化学発光を、順次、フォトマルチプライア50によっ
て光電的に検出したのと全く同様にして、生化学解析用
ユニット80に形成された第2ライン目の吸着性領域8
4から放出される化学発光を、順次、光ファイバ束36
によって、フォトマルチプライア50に導いて、光電的
に検出させる。
【0431】生化学解析用ユニット80に形成された第
2ライン目の各吸着性領域84から放出された化学発光
を光電的に検出して、生成されたアナログデータは、積
分アンプ75によって積分され、A/D変換器53によ
って、ディジタル化されて、各吸着性領域84に記録さ
れた生化学解析用データとして、メモリ58に記憶され
る。
【0432】こうして、生化学解析用ユニット80に形
成されたすべての吸着性領域84から放出された化学発
光が、フォトマルチプライア50によって光電的に検出
され、生成されたアナログデータが、積分アンプ75に
よって、積分され、積分されたアナログデータが、A/
D変換器53によって、ディジタルデータに変換され
て、メモリ58に記憶されると、コントロールユニット
70から、駆動停止信号が、フォトマルチプライア50
に出力され、フォトマルチプライア50がオフされる。
【0433】以上のようにして、生化学解析用ユニット
80に形成された多数の吸着性領域84に記録された化
学発光データが読み取られ、生化学解析用データが生成
される。
【0434】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット80に形成された多数の吸着性領域84に記録され
た化学発光データを、蓄積性蛍光体シートに転写し、蓄
積性蛍光体シートに転写された化学発光データを、後述
するスキャナによって読み取って、生化学解析用データ
を生成することもできる。
【0435】図17は、化学発光データが転写されるべ
き蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【0436】図17に示される蓄積性蛍光体シート10
0は、輝尽性蛍光体膜101が、光エネルギーを吸収
し、蓄積可能なSrS系輝尽性蛍光体とバインダを含
み、光エネルギーを吸収し、蓄積可能なSrS系輝尽性
蛍光体を含む多数の輝尽性蛍光体層領域105が形成さ
れている点を除き、図14に示された蓄積性蛍光体シー
ト90と同様の構成を有している。
【0437】生化学解析用ユニット80に形成された多
数の吸着性領域84に記録された化学発光データは、図
17に示された蓄積性蛍光体シート100の多数の輝尽
性蛍光体層領域105に転写される。
【0438】生化学解析用ユニット80に形成された多
数の吸着性領域84に記録された化学発光データを、蓄
積性蛍光体シート100の多数の輝尽性蛍光体層領域1
05に転写するに際し、生化学解析用ユニット80の多
数の吸着性領域84に、化学発光基質が接触される。
【0439】その結果、生化学解析用ユニット80の多
数の吸着性領域84から、可視光波長域の化学発光が、
選択的に放出される。
【0440】次いで、図15に示されるのと同様にし
て、蓄積性蛍光体シート100に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域105が、生化学解析用ユニット80に
形成された対応する多数の吸着性領域84に対向するよ
うに、蓄積性蛍光体シート100が、多数の吸着性領域
84から化学発光が放出されている生化学解析用ユニッ
ト80に重ね合わされる。
【0441】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート100に形成された多数の輝尽性蛍光体層
領域105の各々と、生化学解析用ユニット80に形成
された多数の吸着性領域84とを対向させることによ
り、生化学解析用ユニット80の多数の吸着性領域84
から、選択的に放出された化学発光によって、蓄積性蛍
光体シート100に形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域105が露光される。
【0442】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット80の多数の吸着性領域84が、吸着性膜83を、
ステンレス鋼製の基板81に形成された多数の貫通孔8
2内に圧入して形成され、生化学解析用ユニット80に
形成された各吸着性領域84の周囲には、光エネルギー
を減衰させる性質を有するステンレス鋼製の基板83が
存在しているから、露光操作に際して、生化学解析用ユ
ニット80に形成された多数の吸着性領域84から放出
された化学発光が、生化学解析用ユニット80内で散乱
することを効果的に防止することができ、さらに、蓄積
性蛍光体シート100の多数の輝尽性蛍光体層領域10
5が、輝尽性蛍光体膜101を、ステンレス鋼製の基板
93に形成された多数の貫通孔92内に圧入して形成さ
れ、蓄積性蛍光体シート100に形成された各輝尽性蛍
光体層領域105の周囲には、光エネルギーを減衰させ
る性質を有するステンレス鋼製の基板93が存在してい
るから、生化学解析用ユニット80の吸着性領域84か
ら放出された化学発光が、蓄積性蛍光体シート100内
で散乱して、隣り合う吸着性領域5に対向する輝尽性蛍
光体層領域1105に到達することを効果的に防止する
ことができる。
【0443】こうして、蓄積性蛍光体シート100に形
成された多数の輝尽性蛍光体層領域105に、化学発光
データが記録される。
【0444】図18は、蓄積性蛍光体シート100に形
成された多数の輝尽性蛍光体層領域105に記録されて
いる化学発光データを読み取って、生化学解析用データ
を生成するスキャナのフォトマルチプライアおよびデー
タ処理装置の周辺のブロックダイアグラムである。
【0445】図18に示されるように、本実施態様にか
かるスキャナは、フォトマルチプライア50によって生
成されたアナログ信号を積分する積分アンプ75を備
え、積分アンプ75によって生成されたアナログ信号の
積分値が、A/D変換器53によって、ディジタル化さ
れて、データ処理装置54により、メモリ58に格納さ
れるように構成されている点を除き、図11および図1
2に示されたスキャナと同一の構成を有している。
【0446】蓄積性蛍光体シート100の多数の輝尽性
蛍光体層領域95に記録された化学発光データを読み取
って、生化学解析用データを生成するときは、前記実施
態様と同様にして、蓄積性蛍光体シート100を、スキ
ャナのサンプルステージ40に載置し、第4のレーザ励
起光源55から発せられたレーザ光24を、光ファイバ
束36によって、蓄積性蛍光体シート100に形成され
た多数の輝尽性蛍光体層領域105のうち、第1の輝尽
性蛍光体層領域105に導いて、蓄積性蛍光体シート1
00の第1の輝尽性蛍光体層領域105に含まれている
輝尽性蛍光体を励起し、第1の輝尽性蛍光体層領域10
5から放出された輝尽光を、光ファイバ束36によっ
て、フォトマルチプライア50に導いて、光電的に検出
させる。
【0447】フォトマルチプライア50によって、第1
の輝尽性蛍光体層領域95から放出された輝尽光が光電
的に検出されて、生成されたアナログデータは、積分ア
ンプ75によって積分される。
【0448】第4のレーザ励起光源55が起動されてか
ら、所定の時間が経過すると、コントロールユニット7
0は、第4のレーザ励起光源55に駆動停止信号を出力
して、第4のレーザ励起光源55の駆動を停止させると
ともに、積分アンプ75によって積分されたアナログデ
ータを、A/D変換器53に出力させ、A/D変換器5
3によって、アナログデータの積分値をディジタル化し
て、データ処理装置54に出力させて、メモリ58に記
憶させる。
【0449】こうして、蓄積性蛍光体シート100の第
1の輝尽性蛍光体層領域105に記録された化学発光デ
ータが読み取られて、生化学解析用データが生成され、
メモリ58に記憶される。
【0450】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力して、光
ファイバ束36の受光端部36aを、蓄積性蛍光体シー
ト100に形成された隣り合った輝尽性蛍光体層領域1
05の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0451】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが、隣り合う輝
尽性蛍光体層領域105の間の距離に等しい1ピッチだ
け移動されたことが確認されると、コントロールユニッ
ト70は、第4のレーザ励起光源55に駆動信号を出力
して、第4のレーザ励起光源55をオンさせて、レーザ
光24によって、蓄積性蛍光体シート100に形成され
た第1の輝尽性蛍光体層領域105に隣り合った第2の
輝尽性蛍光体層領域105に含まれている輝尽性蛍光体
を励起する。
【0452】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、蓄積性蛍光体シート100に形成された第2
の輝尽性蛍光体層領域105に照射されて、第2の輝尽
性蛍光体層領域105から発せられた輝尽光が、フォト
マルチプライア50によって、光電的に検出されると、
コントロールユニット70は、第4のレーザ励起光源5
5に駆動停止信号を出力して、第4のレーザ励起光源5
5をオフさせるとともに、積分アンプ75によって積分
されたアナログデータを、A/D変換器53に出力さ
せ、A/D変換器53によって、アナログデータの積分
値をディジタル化して、データ処理装置54に出力させ
て、メモリ58に記憶させる。
【0453】こうして、蓄積性蛍光体シート100の第
2の輝尽性蛍光体層領域105に記録された化学発光デ
ータが読み取られて、生化学解析用データが生成され、
メモリ58に記憶される。
【0454】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、
光ファイバ束36の受光端部36aを、隣り合う輝尽性
蛍光体層領域105の間の距離に等しい1ピッチだけ、
移動させる。
【0455】こうして、光ファイバ束36の受光端部3
6aの間欠的な移動に同期して、第4のレーザ励起光源
55のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67
から入力された光ファイバ束36の受光端部36aの位
置検出信号に基づき、光ファイバ束36の受光端部36
aが、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、蓄積
性蛍光体シート100に形成された第1ライン目の輝尽
性蛍光体層領域105に記録された化学発光データの読
み取りが完了したことが確認されると、コントロールユ
ニット70は、主走査ステッピングモータ65に駆動信
号を出力して、光ファイバ束36の受光端部36aを元
の位置に復帰させるとともに、副走査パルスモータ61
に駆動信号を出力して、移動可能な基板63を、副走査
方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0456】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが元の位置に復
帰され、また、移動可能な基板63が、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、コン
トロールユニット70は、蓄積性蛍光体シート100に
形成された第1ライン目の輝尽性蛍光体層領域105
に、順次、第4のレーザ励起光源55から発せられるレ
ーザ光24を照射したのと全く同様にして、蓄積性蛍光
体シート100に形成された第2ライン目の輝尽性蛍光
体層領域105に、順次、第4のレーザ励起光源55か
ら発せられるレーザ光24を照射して、第2ライン目の
輝尽性蛍光体層領域105を励起し、輝尽性蛍光体層領
域105から発せられた輝尽光を、順次、フォトマルチ
プライア50に光電的に検出させる。
【0457】蓄積性蛍光体シート100に形成された第
2ライン目の各輝尽性蛍光体層領域105から放出され
た輝尽光を光電的に検出して、生成されたアナログデー
タは、積分アンプ75によって積分され、A/D変換器
53によって、ディジタル化されて、各輝尽性蛍光体層
領域105に記録された生化学解析用データとして、メ
モリ58に記憶される。
【0458】こうして、蓄積性蛍光体シート100に形
成されたすべての輝尽性蛍光体層領域105が、第4の
レーザ励起光源55から放出されたレーザ光24によっ
て走査され、輝尽性蛍光体層領域105に含まれた輝尽
性蛍光体が励起されて、放出された輝尽光が、フォトマ
ルチプライア50によって光電的に検出され、生成され
たアナログデータが、積分アンプ75によって積分さ
れ、積分されたアナログデータが、A/D変換器53に
よって、ディジタルデータに変換されて、データ処理装
置54に送られ、メモリ58に記憶されると、コントロ
ールユニット70から、駆動停止信号が、第4のレーザ
励起光源55に出力され、第4のレーザ励起光源55の
駆動が停止される。
【0459】以上のようにして、蓄積性蛍光体シート1
00に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域105に記
録された放射線データが読み取られ、生化学解析用デー
タが生成される。
【0460】本実施態様によれば、フォトマルチプライ
ア50によって、蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光
体層領域95から放出された輝尽光を光電的に検出し
て、アナログデータを生成し、積分アンプ75によっ
て、アナログデータを積分し、積分されたアナログデー
タを、A/D変換器53によって、ディジタル化して、
蓄積性蛍光体シート90の各輝尽性蛍光体層領域95の
生化学解析用データを生成しているから、蓄積性蛍光体
シート90の輝尽性蛍光体層領域95に蓄積されている
放射線エネルギーが小さく、輝尽性蛍光体層領域95か
ら放出される輝尽光の強度が小さい場合においても、感
度よく、十分に大きい信号強度を有する生化学解析用デ
ータを生成することが可能になる。
【0461】また、本実施態様によれば、フォトマルチ
プライア50によって、蓄積性蛍光体シート100の輝
尽性蛍光体層領域105から放出された輝尽光を光電的
に検出して、アナログデータを生成し、積分アンプ75
によって、アナログデータを積分し、積分されたアナロ
グデータを、A/D変換器53によって、ディジタル化
して、蓄積性蛍光体シート100の各輝尽性蛍光体層領
域105の生化学解析用データを生成しているから、蓄
積性蛍光体シート100の輝尽性蛍光体層領域105に
蓄積されている化学発光のエネルギーが小さく、輝尽性
蛍光体層領域105から放出される輝尽光の強度が小さ
い場合においても、感度よく、十分に大きい信号強度を
有する生化学解析用データを生成することが可能にな
る。
【0462】さらに、本実施態様によれば、フォトマル
チプライア50によって、生化学解析用ユニット80の
吸着性領域84から放出された蛍光あるいは化学発光を
光電的に検出して、アナログデータを生成し、積分アン
プ75によって、アナログデータを積分し、積分された
アナログデータを、A/D変換器53によって、ディジ
タル化して、生化学解析用ユニット80の各吸着性領域
84の生化学解析用データを生成しているから、生化学
解析用ユニット80の吸着性領域84から放出される蛍
光あるいは化学発光の強度が小さい場合においても、感
度よく、十分に大きい信号強度を有する生化学解析用デ
ータを生成することが可能になる。
【0463】図19は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかる生化学解析用データの生成方法に用いられる蓄
積性蛍光体シートの略斜視図である。
【0464】図19に示されるように、本実施態様にか
かる蓄積性蛍光体シート110は、ステンレス鋼によっ
て形成された支持体111を備え、支持体111の表面
上には、放射線エネルギーを吸収し、蓄積可能なBaF
X系輝尽性蛍光体(ここに、Xは、Cl、BrおよびI
からなる群から選ばれたハロゲン原子である。)を含む
多数の輝尽性蛍光体層領域112が、規則的に、ドット
状に形成されている。
【0465】図19には、正確に図示されていないが、
本実施態様においても、規則的なパターンにしたがっ
て、図13に示された生化学解析用ユニット80に形成
された多数の吸着性領域84に対応して、約10000
の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円形
の輝尽性蛍光体層領域112が、約5000個/平方セ
ンチメートルの密度で、かつ、規則的なパターンで、蓄
積性蛍光体シート110に、ドット状に形成されてい
る。
【0466】本実施態様においても、前記実施態様と全
く同様にして、生化学解析用ユニット80の多数の吸着
性領域84に選択的に含まれている放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シート110に形成された多数の輝
尽性蛍光体層領域112が露光され、生化学解析用ユニ
ット80の多数の吸着性領域84に記録されている放射
線データが、蓄積性蛍光体シート110に形成された多
数の輝尽性蛍光体層領域95に転写されて、記録され
る。
【0467】こうして、蓄積性蛍光体シート110の輝
尽性蛍光体層領域112に記録された放射線データは、
後述するスキャナによって、読み取られ、ディジタルデ
ータが生成される。
【0468】図20は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかるスキャナのフォトマルチプライア50およびデ
ータ処理装置54の周辺のブロックダイアグラムであ
る。
【0469】図20に示されるように、本実施態様にか
かるスキャナは、A/D変換器53によって、ディジタ
ル化されたディジタルデータを加算する加算手段76
と、加算手段76によって加算されたディジタルデータ
を記憶するメモリ58を備えている点を除き、図6ない
し図9に示されたスキャナと同一の構成を有している。
【0470】蓄積性蛍光体シート110の多数の輝尽性
蛍光体層領域112に記録された放射線データを読み取
って、生化学解析用データを生成するときは、前記実施
態様と同様にして、蓄積性蛍光体シート110がスキャ
ナのサンプルステージ40上に載置され、コントロール
ユニット70から、第1のレーザ励起光源21に駆動信
号が出力されて、第1のレーザ励起光源21が駆動され
る。
【0471】その結果、第1のレーザ励起光源21から
発せられたレーザ光24が、光ファイバ束36によっ
て、蓄積性蛍光体シート110に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域112のうち、第1の輝尽性蛍光体層領
域112に導かれ、蓄積性蛍光体シート110の第1の
輝尽性蛍光体層領域112に含まれている輝尽性蛍光体
が励起されて、第1の輝尽性蛍光体層領域112から輝
尽光が放出される。
【0472】第1の輝尽性蛍光体層領域112から放出
された輝尽光は、光ファイバ束36の受光端部36aに
よって受光され、光ファイバ束36によって、フォトマ
ルチプライア50に導かれて、光電的に検出される。
【0473】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源21に駆動信号を出力するのと同時に、コントロー
ルユニット70は、加算手段76に加算処理実行信号を
出力するように構成されており、したがって、フォトマ
ルチプライア50によって、第1の輝尽性蛍光体層領域
112から放出された輝尽光が光電的に検出されて、生
成されたアナログデータは、A/D変換器53によっ
て、ディジタルデータに変換され、加算手段76によっ
て、ディジタルデータが、次々に加算されて、メモリ5
8に記憶される。
【0474】第1のレーザ励起光源21が起動されてか
ら、所定の時間が経過すると、コントロールユニット7
0は、第1のレーザ励起光源21に駆動停止信号を出力
して、第1のレーザ励起光源21の駆動を停止させる。
【0475】こうして、蓄積性蛍光体シート110の第
1の輝尽性蛍光体層領域112に記録された放射線デー
タが読み取られて、生化学解析用データが生成され、メ
モリ58に記憶される。
【0476】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力して、光
ファイバ束36の受光端部36aを、蓄積性蛍光体シー
ト110に形成された隣り合った輝尽性蛍光体層領域1
12の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0477】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが、隣り合う輝
尽性蛍光体層領域112の間の距離に等しい1ピッチだ
け移動されたことが確認されると、コントロールユニッ
ト70は、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力
して、第1のレーザ励起光源21をオンさせて、レーザ
光24によって、蓄積性蛍光体シート110に形成され
た第1の輝尽性蛍光体層領域112に隣り合った第2の
輝尽性蛍光体層領域112に含まれている輝尽性蛍光体
を励起する。
【0478】第2の輝尽性蛍光体層領域112から放出
された輝尽光は、光ファイバ束36の受光端部36aに
よって受光され、光ファイバ束36によって、フォトマ
ルチプライア50に導かれて、光電的に検出される。
【0479】フォトマルチプライア50によって、第2
の輝尽性蛍光体層領域112から放出された輝尽光が光
電的に検出されて、生成されたアナログデータは、A/
D変換器53によって、ディジタルデータに変換され、
加算手段76によって、ディジタルデータが、次々に加
算されて、メモリ58に記憶される。
【0480】所定の時間にわたり、第1のレーザ励起光
源21から発せられたレーザ光24が、蓄積性蛍光体シ
ート110に形成された第2の輝尽性蛍光体層領域11
2に照射されると、コントロールユニット70は、第1
のレーザ励起光源21に駆動停止信号を出力して、第1
のレーザ励起光源21をオフさせる。
【0481】こうして、蓄積性蛍光体シート110の第
2の輝尽性蛍光体層領域112に記録された放射線デー
タが読み取られて、生化学解析用データが生成され、メ
モリ58に記憶される。
【0482】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、
光ファイバ束36の受光端部36aを、隣り合う輝尽性
蛍光体層領域112の間の距離に等しい1ピッチだけ、
移動させる。
【0483】こうして、光ファイバ束36の受光端部3
6aの間欠的な移動に同期して、第1のレーザ励起光源
21のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67
から入力された光ファイバ束36の受光端部36aの位
置検出信号に基づき、光ファイバ束36の受光端部36
aが、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、蓄積
性蛍光体シート110に形成された第1ライン目の輝尽
性蛍光体層領域112に記録された放射線データの読み
取りが完了したことが確認されると、コントロールユニ
ット70は、主走査ステッピングモータ65に駆動信号
を出力して、光ファイバ束36の受光端部36aを元の
位置に復帰させるとともに、副走査パルスモータ61に
駆動信号を出力して、移動可能な基板63を、副走査方
向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0484】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが元の位置に復
帰され、また、移動可能な基板63が、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、コン
トロールユニット70は、蓄積性蛍光体シート110に
形成された第1ライン目の輝尽性蛍光体層領域112
に、順次、第1のレーザ励起光源21から発せられるレ
ーザ光24を照射したのと全く同様にして、蓄積性蛍光
体シート110に形成された第2ライン目の輝尽性蛍光
体層領域112に、順次、第1のレーザ励起光源21か
ら発せられるレーザ光24を照射して、第2ライン目の
輝尽性蛍光体層領域112に含まれている輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体層領域112から発せられた輝
尽光を、順次、フォトマルチプライア50に光電的に検
出させる。
【0485】蓄積性蛍光体シート110に形成された第
2ライン目の各輝尽性蛍光体層領域112から放出され
た輝尽光を光電的に検出して、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器53によって、ディジタルデータに
変換され、加算手段76によって、次々に加算されて、
各輝尽性蛍光体層領域112に記録された生化学解析用
データとして、メモリ58に記憶される。
【0486】こうして、蓄積性蛍光体シート110に形
成されたすべての輝尽性蛍光体層領域112が、第1の
レーザ励起光源21から放出されたレーザ光24によっ
て走査され、輝尽性蛍光体層領域112に含まれた輝尽
性蛍光体が励起されて、放出された輝尽光が、フォトマ
ルチプライア50によって光電的に検出され、生成され
たアナログデータが、A/D変換器53によって、ディ
ジタルデータに変換され、加算手段76によって、次々
に加算されて、メモリ58に記憶されると、コントロー
ルユニット70から、駆動停止信号が、第1のレーザ励
起光源21に出力され、第1のレーザ励起光源21の駆
動が停止される。
【0487】以上のようにして、蓄積性蛍光体シート1
10に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域112に記
録された放射線データが読み取られ、生化学解析用デー
タが生成される。
【0488】一方、生化学解析用ユニット80に形成さ
れた多数の吸着性領域84に記録された蛍光物質、たと
えば、ローダミン(登録商標)の蛍光データを読み取っ
て、生化学解析用データを生成するときは、前記実施態
様と同様にして、生化学解析用ユニット80をスキャナ
のサンプルステージ40に載置し、第2のレーザ励起光
源22から発せられたレーザ光24を、光ファイバ束3
6によって、生化学解析用ユニット80に形成された多
数の吸着性領域84のうちの第1の吸着性領域84に導
いて、第1の吸着性領域84に含まれているローダミン
を励起し、第1の吸着性領域84から放出された蛍光
を、光ファイバ束36によって、フォトマルチプライア
50に導いて、光電的に検出させる。
【0489】本実施態様においては、第2のレーザ励起
光源22に駆動信号を出力するのと同時に、コントロー
ルユニット70は、加算手段76に加算処理実行信号を
出力するように構成されており、したがって、フォトマ
ルチプライア50によって、第1の吸着性領域84から
放出された蛍光が光電的に検出されて、生成されたアナ
ログデータは、A/D変換器53によって、ディジタル
データに変換され、加算手段76によって、ディジタル
データが、次々に加算されて、メモリ58に記憶され
る。
【0490】第2のレーザ励起光源22が起動されてか
ら、所定の時間が経過すると、コントロールユニット7
0は、第2のレーザ励起光源22に駆動停止信号を出力
して、第2のレーザ励起光源22の駆動を停止させる。
【0491】こうして、生化学解析用ユニット80の第
1の吸着性領域84に記録された蛍光データが読み取ら
れて、生化学解析用データが生成され、メモリ58に記
憶される。
【0492】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、
光ファイバ束36の受光端部36aを、生化学解析用ユ
ニット80に形成された隣り合う吸着性領域84の間の
距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0493】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが、隣り合う吸
着性領域84の間の距離に等しい1ピッチだけ移動され
たことが確認されると、コントロールユニット70は、
第2のレーザ励起光源22に駆動信号を出力して、第2
のレーザ励起光源22をオンさせて、レーザ光24によ
って、生化学解析用ユニット80に形成された第1の吸
着性領域84に隣り合った第2の吸着性領域84に含ま
れている蛍光物質、たとえば、ローダミンを励起する。
【0494】第2の吸着性領域84から放出された蛍光
は、光ファイバ束36の受光端部36aによって受光さ
れ、光ファイバ束36によって、フォトマルチプライア
50に導かれて、光電的に検出される。
【0495】フォトマルチプライア50によって、第2
の吸着性領域84から放出された蛍光が光電的に検出さ
れて、生成されたアナログデータは、A/D変換器53
によって、ディジタルデータに変換され、加算手段76
によって、ディジタルデータが、次々に加算されて、メ
モリ58に記憶される。
【0496】所定の時間にわたり、第2のレーザ励起光
源22から発せられたレーザ光24が、生化学解析用ユ
ニット80に形成された第2の吸着性領域84に照射さ
れると、コントロールユニット70は、第2のレーザ励
起光源22に駆動停止信号を出力して、第2のレーザ励
起光源22をオフさせる。
【0497】こうして、生化学解析用ユニット80の第
2の吸着性領域84に記録された蛍光データが読み取ら
れて、生化学解析用データが生成され、メモリ58に記
憶される。
【0498】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、
光ファイバ束36の受光端部36aを、隣り合う吸着性
領域84の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させ
る。
【0499】こうして、光ファイバ束36の受光端部3
6aの間欠的な移動に同期して、第2のレーザ励起光源
22のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67
から入力された光ファイバ束36の受光端部36aの位
置検出信号に基づき、光ファイバ束36の受光端部36
aが、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、生化
学解析用ユニット80に形成された第1ライン目の吸着
性領域84に記録された蛍光データの読み取りが完了し
たことが確認されると、コントロールユニット70は、
主走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力して、
光ファイバ束36の受光端部36aを元の位置に復帰さ
せるとともに、副走査パルスモータ61に駆動信号を出
力して、移動可能な基板63を、副走査方向に、1ライ
ン分だけ、移動させる。
【0500】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが元の位置に復
帰され、また、移動可能な基板63が、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、コン
トロールユニット70は、生化学解析用ユニット80に
形成された第1ライン目の吸着性領域84に、順次、第
2のレーザ励起光源22から発せられるレーザ光24を
照射したのと全く同様にして、生化学解析用ユニット8
0に形成された第2ライン目の吸着性領域84に、順
次、第2のレーザ励起光源22から発せられるレーザ光
24を照射して、第2ライン目の吸着性領域84に含ま
れている蛍光物質を励起し、吸着性領域84から発せら
れた蛍光を、順次、フォトマルチプライア50に光電的
に検出させる。
【0501】生化学解析用ユニット80に形成された第
2ライン目の各吸着性領域84から放出された蛍光を光
電的に検出して、生成されたアナログデータは、A/D
変換器53によって、ディジタルデータに変換され、加
算手段76によって、次々に加算されて、各吸着性領域
84に記録された生化学解析用データとして、メモリ5
8に記憶される。
【0502】こうして、生化学解析用ユニット80に形
成されたすべての吸着性領域84が、第2のレーザ励起
光源22から放出されたレーザ光24によって走査さ
れ、吸着性領域84に含まれた蛍光物質が励起されて、
放出された蛍光が、フォトマルチプライア50によって
光電的に検出され、生成されたアナログデータが、A/
D変換器53によって、ディジタルデータに変換され、
加算手段76によって、次々に加算されて、メモリ58
に記憶されると、コントロールユニット70から、駆動
停止信号が、第1のレーザ励起光源21に出力され、第
1のレーザ励起光源21の駆動が停止される。
【0503】以上のようにして、生化学解析用ユニット
80に形成された多数の吸着性領域84に記録された蛍
光データが読み取られ、生化学解析用データが生成され
る。
【0504】一方、図20に示されたスキャナを用い
て、生化学解析用ユニット80に形成された多数の吸着
性領域84に記録された化学発光データを読み取って、
生化学解析用データを生成するときは、前記実施態様と
同様にして、生化学解析用ユニット80に形成された多
数の吸着性領域84に含まれている標識物質に化学発光
基質が接触されて、化学発光を放出している生化学解析
用ユニット80をスキャナのサンプルステージ40に載
置し、光ファイバ束36を、生化学解析用ユニット80
に形成された多数の吸着性領域84のうち、第1の吸着
性領域84から放出される化学発光を、光ファイバ束3
6の受光端部36aが受光可能な位置に移動させる。
【0505】リニアエンコーダから入力される光ファイ
バ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づき、生
化学解析用ユニット80に形成された多数の吸着性領域
84のうち、第1の吸着性領域84から放出される化学
発光を、光ファイバ束36の受光端部36aが受光可能
な位置に、光ファイバ束36の受光端部36aが達した
ことが確認されると、コントロールユニット70はフォ
トマルチプライア50に駆動信号を出力して、フォトマ
ルチプライア50をオンさせる。
【0506】その結果、生化学解析用ユニット1に形成
された第1の吸着性領域84から放出された化学発光
が、光ファイバ束36によって、フォトマルチプライア
50に導かれ、光電的に検出されて、アナログデータが
生成される。
【0507】本実施態様においては、フォトマルチプラ
イア50に駆動信号を出力するのと同時に、コントロー
ルユニット70は、加算手段76に加算処理実行信号を
出力するように構成されており、したがって、フォトマ
ルチプライア50によって、第1の吸着性領域84から
放出された化学発光が光電的に検出されて、生成された
アナログデータは、A/D変換器53によって、ディジ
タルデータに変換され、加算手段76によって、ディジ
タルデータが、次々に加算されて、メモリ58に記憶さ
れる。
【0508】フォトマルチプライア50がオンされてか
ら、所定の時間が経過すると、コントロールユニット7
0は、フォトマルチプライア50に駆動停止信号を出力
して、フォトマルチプライア50をオフさせる。
【0509】こうして、生化学解析用ユニット80の第
1の吸着性領域84に記録された化学発光データが読み
取られて、生化学解析用データが生成され、メモリ58
に記憶される。
【0510】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、
光ファイバ束36の受光端部36aを、隣り合う吸着性
領域84の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させ
る。
【0511】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが、生化学解析
用ユニット80に形成された隣り合う吸着性領域84の
間の距離に等しい1ピッチだけ移動されて、生化学解析
用ユニット80に形成された第1の吸着性領域84に隣
り合う第2の吸着性領域84から放出される化学発光を
受光可能な位置に移動したことが確認されると、コント
ロールユニット70は、主走査ステッピングモータ65
に駆動停止信号を出力するとともに、フォトマルチプラ
イア50に駆動信号を出力して、フォトマルチプライア
50をオンさせて、生化学解析用ユニット80に形成さ
れた第2の吸着性領域84から放出され、光ファイバ束
36によって導かれた化学発光を、フォトマルチプライ
ア50に光電的に検出させる。
【0512】フォトマルチプライア50によって、第2
の吸着性領域84から放出された化学発光が光電的に検
出されて、生成されたアナログデータは、A/D変換器
53によって、ディジタルデータに変換され、加算手段
76によって、ディジタルデータが、次々に加算され
て、メモリ58に記憶される。
【0513】所定の時間にわたり、生化学解析用ユニッ
ト80に形成された第2の吸着性領域84から放出され
た化学発光が、フォトマルチプライア50によって、光
電的に検出されると、コントロールユニット70は、フ
ォトマルチプライア50に駆動停止信号を出力して、フ
ォトマルチプライア50をオフさせる。
【0514】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、
光ファイバ束36の受光端部36aを、生化学解析用ユ
ニット80に形成された隣り合う吸着性領域84の間の
距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0515】こうして、光ファイバ束36の受光端部3
6aの間欠的な移動に同期して、フォトマルチプライア
50のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67
から入力された光ファイバ束36の受光端部36aの位
置検出信号に基づき、光ファイバ束36の受光端部36
aが、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、生化
学解析用ユニット80に形成された第1ライン目の吸着
性領域84に記録された化学発光データの読み取りが完
了したことが確認されると、コントロールユニット70
は、主走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し
て、光ファイバ束36の受光端部36aを元の位置に復
帰させるとともに、副走査パルスモータ61に駆動信号
を出力して、移動可能な基板63を、副走査方向に、1
ライン分だけ、移動させる。
【0516】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが元の位置に復
帰され、また、移動可能な基板63が、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、コン
トロールユニット70は、生化学解析用ユニット80に
形成された第1ライン目の吸着性領域84から放出され
た化学発光を、順次、フォトマルチプライア50によっ
て光電的に検出したのと全く同様にして、生化学解析用
ユニット80に形成された第2ライン目の吸着性領域8
4から放出される化学発光を、順次、光ファイバ束36
によって、フォトマルチプライア50に導いて、光電的
に検出させる。
【0517】生化学解析用ユニット80に形成された第
2ライン目の各吸着性領域84から放出された化学発光
を光電的に検出して、生成されたアナログデータは、A
/D変換器53によって、ディジタルデータに変換さ
れ、加算手段76によって、次々に加算されて、各吸着
性領域84に記録された生化学解析用データとして、メ
モリ58に記憶される。
【0518】こうして、生化学解析用ユニット80に形
成されたすべての吸着性領域84から放出された化学発
光が、フォトマルチプライア50によって光電的に検出
され、生成されたアナログデータが、A/D変換器53
によって、ディジタルデータに変換され、加算手段76
によって、次々に加算されて、メモリ58に記憶される
と、コントロールユニット70から、駆動停止信号が、
フォトマルチプライア50に出力され、フォトマルチプ
ライア50がオフされる。
【0519】以上のようにして、生化学解析用ユニット
80に形成された多数の吸着性領域84に記録された化
学発光データが読み取られ、生化学解析用データが生成
される。
【0520】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット80に形成された多数の吸着性領域84に記録され
た化学発光データを、蓄積性蛍光体シートに転写し、蓄
積性蛍光体シートに転写された化学発光データを、後述
するスキャナによって読み取って、生化学解析用データ
を生成することもできる。
【0521】図21は、化学発光データが転写されるべ
き蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【0522】図21に示される蓄積性蛍光体シート11
5は、支持体111の表面上に、光エネルギーを吸収
し、蓄積可能なSrS系輝尽性蛍光体を含む多数の輝尽
性蛍光体層領域117が形成されている点を除き、図1
7に示された蓄積性蛍光体シート110と同様の構成を
有している。
【0523】本実施態様においても、生化学解析用ユニ
ット80に形成された多数の吸着性領域84に記録され
た化学発光データを、蓄積性蛍光体シート100の多数
の輝尽性蛍光体層領域105に転写するに際し、生化学
解析用ユニット80の多数の吸着性領域84に、化学発
光基質が接触される。
【0524】その結果、生化学解析用ユニット80の多
数の吸着性領域84から、可視光波長域の化学発光が、
選択的に放出される。
【0525】次いで、前記実施態様と同様にして、蓄積
性蛍光体シート115に形成された多数の輝尽性蛍光体
層領域117が、生化学解析用ユニット80に形成され
た対応する多数の吸着性領域84に対向するように、蓄
積性蛍光体シート115が、多数の吸着性領域84から
化学発光が放出されている生化学解析用ユニット80に
重ね合わされて、生化学解析用ユニット80の多数の吸
着性領域84から放出されている化学発光によって、蓄
積性蛍光体シート115の多数の輝尽性蛍光体層領域1
17が露光され、生化学解析用ユニット80に形成され
た多数の吸着性領域84に記録された化学発光データ
が、蓄積性蛍光体シート115の多数の輝尽性蛍光体層
領域117に転写される。
【0526】図22は、蓄積性蛍光体シート115に形
成された多数の輝尽性蛍光体層領域117に記録されて
いる化学発光データを読み取って、生化学解析用データ
を生成するスキャナのフォトマルチプライアおよびデー
タ処理装置の周辺のブロックダイアグラムである。
【0527】図22に示されるように、本実施態様にか
かるスキャナは、A/D変換器53によって、ディジタ
ル化されたディジタルデータを加算する加算手段76
と、加算手段76によって加算されたディジタルデータ
を記憶するメモリ58を備えている点を除き、図11お
よび図12に示されたスキャナと同一の構成を有してい
る。
【0528】蓄積性蛍光体シート115の多数の輝尽性
蛍光体層領域117に記録された化学発光データを読み
取って、生化学解析用データを生成するときは、前記実
施態様と同様にして、蓄積性蛍光体シート115がスキ
ャナのサンプルステージ40上に載置され、コントロー
ルユニット70から、第1のレーザ励起光源21に駆動
信号が出力されて、第1のレーザ励起光源21が駆動さ
れる。
【0529】その結果、第1のレーザ励起光源21から
発せられたレーザ光24が、光ファイバ束36によっ
て、蓄積性蛍光体シート115に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域117のうち、第1の輝尽性蛍光体層領
域117に導かれ、蓄積性蛍光体シート115の第1の
輝尽性蛍光体層領域117に含まれている輝尽性蛍光体
が励起されて、第1の輝尽性蛍光体層領域117から輝
尽光が放出される。
【0530】第1の輝尽性蛍光体層領域112から放出
された輝尽光は、光ファイバ束36の受光端部36aに
よって受光され、光ファイバ束36によって、フォトマ
ルチプライア50に導かれて、光電的に検出される。
【0531】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源21に駆動信号を出力するのと同時に、コントロー
ルユニット70は、加算手段76に加算処理実行信号を
出力するように構成されており、したがって、フォトマ
ルチプライア50によって、第1の輝尽性蛍光体層領域
112から放出された輝尽光が光電的に検出されて、生
成されたアナログデータは、A/D変換器53によっ
て、ディジタルデータに変換され、加算手段76によっ
て、ディジタルデータが、次々に加算されて、メモリ5
8に記憶される。
【0532】第1のレーザ励起光源21が起動されてか
ら、所定の時間が経過すると、コントロールユニット7
0は、第1のレーザ励起光源21に駆動停止信号を出力
して、第1のレーザ励起光源21の駆動を停止させる。
【0533】こうして、蓄積性蛍光体シート110の第
1の輝尽性蛍光体層領域112に記録された化学発光デ
ータが読み取られて、生化学解析用データが生成され、
メモリ58に記憶される。
【0534】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力して、光
ファイバ束36の受光端部36aを、蓄積性蛍光体シー
ト115に形成された隣り合った輝尽性蛍光体層領域1
17の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0535】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが、隣り合う輝
尽性蛍光体層領域117の間の距離に等しい1ピッチだ
け移動されたことが確認されると、コントロールユニッ
ト70は、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力
して、第1のレーザ励起光源21をオンさせて、レーザ
光24によって、蓄積性蛍光体シート115に形成され
た第1の輝尽性蛍光体層領域117に隣り合った第2の
輝尽性蛍光体層領域117に含まれている輝尽性蛍光体
を励起する。
【0536】第2の輝尽性蛍光体層領域117から放出
された輝尽光は、光ファイバ束36の受光端部36aに
よって受光され、光ファイバ束36によって、フォトマ
ルチプライア50に導かれて、光電的に検出される。
【0537】フォトマルチプライア50によって、第2
の輝尽性蛍光体層領域117から放出された輝尽光が光
電的に検出されて、生成されたアナログデータは、A/
D変換器53によって、ディジタルデータに変換され、
加算手段76によって、ディジタルデータが、次々に加
算されて、メモリ58に記憶される。
【0538】所定の時間にわたり、第4のレーザ励起光
源55から発せられたレーザ光24が、蓄積性蛍光体シ
ート115に形成された第2の輝尽性蛍光体層領域11
7に照射されると、コントロールユニット70は、第4
のレーザ励起光源55に駆動停止信号を出力して、第4
のレーザ励起光源55をオフさせる。
【0539】こうして、蓄積性蛍光体シート115の第
2の輝尽性蛍光体層領域117に記録された化学発光デ
ータが読み取られて、生化学解析用データが生成され、
メモリ58に記憶される。
【0540】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、
光ファイバ束36の受光端部36aを、隣り合う輝尽性
蛍光体層領域117の間の距離に等しい1ピッチだけ、
移動させる。
【0541】こうして、光ファイバ束36の受光端部3
6aの間欠的な移動に同期して、第4のレーザ励起光源
55のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67
から入力された光ファイバ束36の受光端部36aの位
置検出信号に基づき、光ファイバ束36の受光端部36
aが、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、蓄積
性蛍光体シート115に形成された第1ライン目の輝尽
性蛍光体層領域117に記録された化学発光データの読
み取りが完了したことが確認されると、コントロールユ
ニット70は、主走査ステッピングモータ65に駆動信
号を出力して、光ファイバ束36の受光端部36aを元
の位置に復帰させるとともに、副走査パルスモータ61
に駆動信号を出力して、移動可能な基板63を、副走査
方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0542】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが元の位置に復
帰され、また、移動可能な基板63が、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、コン
トロールユニット70は、蓄積性蛍光体シート115に
形成された第1ライン目の輝尽性蛍光体層領域117
に、順次、第4のレーザ励起光源55から発せられるレ
ーザ光24を照射したのと全く同様にして、蓄積性蛍光
体シート115に形成された第2ライン目の輝尽性蛍光
体層領域117に、順次、第4のレーザ励起光源55か
ら発せられるレーザ光24を照射して、第2ライン目の
輝尽性蛍光体層領域117に含まれている輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体層領域117から発せられた輝
尽光を、順次、フォトマルチプライア50に光電的に検
出させる。
【0543】蓄積性蛍光体シート115に形成された第
2ライン目の各輝尽性蛍光体層領域117から放出され
た輝尽光を光電的に検出して、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器53によって、ディジタルデータに
変換され、加算手段76によって、次々に加算されて、
各輝尽性蛍光体層領域117に記録された生化学解析用
データとして、メモリ58に記憶される。
【0544】こうして、蓄積性蛍光体シート115に形
成されたすべての輝尽性蛍光体層領域117が、第4の
レーザ励起光源55から放出されたレーザ光24によっ
て走査され、輝尽性蛍光体層領域117に含まれた輝尽
性蛍光体が励起されて、放出された輝尽光が、フォトマ
ルチプライア50によって光電的に検出され、生成され
たアナログデータが、A/D変換器53によって、ディ
ジタルデータに変換され、加算手段76によって、次々
に加算されて、メモリ58に記憶されると、コントロー
ルユニット70から、駆動停止信号が、第4のレーザ励
起光源55に出力され、第4のレーザ励起光源55の駆
動が停止される。
【0545】以上のようにして、蓄積性蛍光体シート1
15に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域117に記
録された化学発光データが読み取られ、生化学解析用デ
ータが生成される。
【0546】本実施態様によれば、フォトマルチプライ
ア50によって、蓄積性蛍光体シート110の輝尽性蛍
光体層領域112から放出された輝尽光を光電的に検出
して、アナログデータを生成し、A/D変換器53によ
って、ディジタル化して、ディジタルデータを生成し、
加算手段76によって、生成されたディジタルデータを
加算して、蓄積性蛍光体シート110の各輝尽性蛍光体
層領域112の生化学解析用データを生成しているか
ら、蓄積性蛍光体シート110の輝尽性蛍光体層領域1
12に蓄積されている放射線エネルギーが小さく、輝尽
性蛍光体層領域112から放出される輝尽光の強度が小
さい場合においても、感度よく、十分に大きい信号強度
を有する生化学解析用データを生成することが可能にな
る。
【0547】また、本実施態様によれば、フォトマルチ
プライア50によって、蓄積性蛍光体シート115の輝
尽性蛍光体層領域117から放出された輝尽光を光電的
に検出して、アナログデータを生成し、A/D変換器5
3によって、ディジタル化して、ディジタルデータを生
成し、加算手段76によって、生成されたディジタルデ
ータを加算して、蓄積性蛍光体シート115の各輝尽性
蛍光体層領域117の生化学解析用データを生成してい
るから、蓄積性蛍光体シート115の輝尽性蛍光体層領
域117に蓄積されている化学発光のエネルギーが小さ
く、輝尽性蛍光体層領域117から放出される輝尽光の
強度が小さい場合においても、感度よく、十分に大きい
信号強度を有する生化学解析用データを生成することが
可能になる。
【0548】さらに、本実施態様によれば、フォトマル
チプライア50によって、生化学解析用ユニット80の
吸着性領域84から放出された蛍光あるいは化学発光を
光電的に検出して、アナログデータを生成し、A/D変
換器53によって、ディジタル化して、ディジタルデー
タを生成し、加算手段76によって、生成されたディジ
タルデータを加算して、生化学解析用ユニット80の各
吸着性領域84の生化学解析用データを生成しているか
ら、生化学解析用ユニット80の吸着性領域84から放
出される蛍光あるいは化学発光の強度が小さい場合にお
いても、感度よく、十分に大きい信号強度を有する生化
学解析用データを生成することが可能になる。
【0549】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0550】たとえば、前記実施態様においては、特異
的結合物質として、塩基配列が既知の互いに異なった複
数のcDNAが用いられているが、本発明において使用
可能な特異的結合物質はcDNAに限定されるものでは
なく、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵
素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核
酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質はすべて、本発明の特異
的結合物質として使用することができる。
【0551】さらに、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1は、ステンレス鋼製の基板
2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が
充填されて、形成された多数の吸着性領域4を備え、図
13に示された実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット80は、ナイロン6によって形成された吸着性膜8
3が、ステンレス鋼の基板81に形成された多数の貫通
孔82内に圧入されて、形成された多数の吸着性領域8
4を備えているが、生化学解析用ユニット1、80吸着
性領域4、84が、ナイロン6によって形成されている
ことは必ずしも必要でなく、他の吸着性材料によって、
生化学解析用ユニット1、80吸着性領域4、84を形
成することもできる.生化学解析用ユニット1、80の
吸着性領域4、84を形成するための吸着性材料として
は、多孔質材料あるいは繊維材料が好ましく使用され、
多孔質材料と繊維材料を併用して、生化学解析用ユニッ
ト1、80の吸着性領域4、84を形成することもでき
る。生化学解析用ユニット1、80の吸着性領域4、8
4を形成するために使用される多孔質材料は、有機材
料、無機材料のいずれでもよく、有機/無機複合体でも
よい。生化学解析用ユニット1、80の吸着性領域4、
84を形成するために使用される有機多孔質材料は、と
くに限定されるものではないが、活性炭などの炭素多孔
質材料あるいはメンブレンフィルタを形成可能な多孔質
材料が、好ましく用いられる。具体的には、ナイロン
6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン
類;ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セル
ロースなどのセルロース誘導体;コラーゲン;アルギン
酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/ポリリシンポ
リイオンコンプレックスなどのアルギン酸類;ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類;ポリ塩
化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリテトラフルオライドなどのポリフルオライド
や、これらの共重合体または複合体が挙げられる。生化
学解析用ユニット1、80の吸着性領域4、84を形成
するために使用される無機多孔質材料は、とくに限定さ
れるものではないが、好ましくは、たとえば、白金、
金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属;アル
ミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトなどの金属酸化
物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウムなどの金属
塩やこれらの複合体などが挙げられる。生化学解析用ユ
ニット1、80の吸着性領域4、84を形成するために
使用される繊維材料は、とくに限定されるものではない
が、好ましくは、たとえば、ナイロン6、ナイロン6,
6、ナイロン4,10などのナイロン類、ニトロセルロ
ース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセル
ロース誘導体などが挙げられる。
【0552】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1、80はいずれも、ステンレス鋼製の基
板2、81を備えているが、生化学解析用ユニット1、
80の基板2、81を、ステンレス鋼によって形成する
ことは必ずしも必要でなく、他の材料によって、基板
2、81を形成することもできる。生化学解析用ユニッ
ト1、80の基板2、81は、光エネルギーおよび放射
線エネルギーを減衰させる性質を有する材料によって形
成されていることが好ましいが、その材料は格別限定さ
れるものではなく、無機化合物材料、有機化合物材料の
いずれによっても、生化学解析用ユニット1、80の基
板2、81を形成することができ、金属材料、セラミッ
ク材料またはプラスチック材料が、とくに好ましく使用
される。生化学解析用ユニット1、80の基板2、81
を形成するために好ましく使用することができ、光エネ
ルギーおよび放射線エネルギーを減衰させる性質を有す
る無機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜
鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニ
ッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、
ステンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファス
シリコン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素など
の珪素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸
化ジルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバ
イト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシア
パタイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることがで
きる。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックの
ような多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよ
い。また、生化学解析用ユニット1、80の基板2、8
1を形成するために好ましく使用することができ、光エ
ネルギーおよび放射線エネルギーを減衰させる性質を有
する有機化合物材料としては、高分子化合物が好ましく
用いられ、好ましい高分子化合物としては、たとえば、
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;
ポリメチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチ
ルメタクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリア
クリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデ
ン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレ
ン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネー
ト;ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタ
レートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,
6、ナイロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポ
リスルホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェ
ニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフ
ェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチ
レン;ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢
酸セルロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸
カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど
の多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラ
ーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子
化合物の共重合体などを挙げることができる。これら
は、複合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子
やガラス繊維などを充填することもでき、また、有機化
合物材料をブレンドして、使用することもできる。
【0553】また、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、
基板2に形成された多数の貫通孔3に、ナイロン6が充
填されて形成され、図13に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット80の多数の吸着性領域84
は、基板81に形成された多数の貫通孔82に、ナイロ
ン6によって形成された吸着性膜83が圧入されて、形
成されているが、吸着性を有する基板の一方の表面に、
多数の貫通孔が形成された多孔板を密着させて、互いに
離間した多数の吸着性領域を形成することもできる。
【0554】さらに、図4に示された実施態様および図
10に示された実施態様においては、蓄積性蛍光体シー
ト10、15は、多数の略円形の貫通孔13が規則的に
形成されたステンレス鋼製の支持体11を備え、支持体
11に形成された多数の貫通孔13内に、輝尽性蛍光体
が充填されて、多数の輝尽性蛍光体層領域12、17が
規則的に形成されているが、貫通孔13に代えて、多数
の略円形の凹部を、支持体11に規則的に形成し、凹部
内に、輝尽性蛍光体を充填して、多数の輝尽性蛍光体層
領域12、17を規則的に形成することもできる。
【0555】さらに、図14に示された実施態様および
図17に示された実施態様においては、蓄積性蛍光体シ
ート90、100の多数の輝尽性蛍光体層領域95、1
01は、ステンレス製の基板93に形成された多数の貫
通孔92内に、カレンダー処理装置を用いて、輝尽性蛍
光体膜91、101を圧入し、形成されているが、カレ
ンダー処理装置を用いて、輝尽性蛍光体膜91、101
を、基板93に圧入して、輝尽性蛍光体層領域95、1
05を形成することは必ずしも必要でなく、他の手段を
用いて、輝尽性蛍光体膜91、101を、基板93に形
成された多数の貫通孔92内に圧入して、多数の輝尽性
蛍光体層領域95、105を形成することもできるし、
圧入に代えて、適当な方法によって、輝尽性蛍光体膜9
1、101を、基板93に形成された多数の貫通孔92
内に充填して、多数の輝尽性蛍光体層領域95、101
を形成するようにしてもよい。
【0556】また、図4に示された実施態様および図1
0に示された実施態様においては、蓄積性蛍光体シート
10、15の輝尽性蛍光体層領域12、17は、ステン
レス鋼製の支持体11に規則的に形成された多数の略円
形の貫通孔13内に、輝尽性蛍光体が充填されて、形成
され、図14に示された実施態様および図17に示され
た実施態様においては、蓄積性蛍光体シート90、10
0の輝尽性蛍光体層領域95、105は、ステンレス鋼
製の基板93に形成された多数の貫通孔92内に、輝尽
性蛍光体膜91、101を圧入して、形成されており、
図19に示された実施態様および図21に示されたにお
いては、蓄積性蛍光体シート110、115の輝尽性蛍
光体層領域112、117は、ステンレス製の支持体1
11の表面上に、規則的に形成されているが、ステンレ
ス製の支持体11、ステンレス製の基板93あるいはス
テンレス製の支持体111を用いることは必ずしも必要
でなく、他の材料で形成された板状部材によって、蓄積
性蛍光体シート10、15の支持体11、蓄積性蛍光体
シート90、100の基板93および蓄積性蛍光体シー
ト110、115の支持体111を形成することもでき
る。蓄積性蛍光体シート10、15の支持体11、蓄積
性蛍光体シート90、100の基板93および蓄積性蛍
光体シート110、115の支持体111を形成するた
めの板状部材は、放射線エネルギーおよび光エネルギー
を減衰させる性質を有する材料によって形成されている
ことが好ましいが、とくに限定されるものではなく、無
機化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用するこ
とができ、金属材料、セラミック材料またはプラスチッ
ク材料が、とくに好ましく使用される。蓄積性蛍光体シ
ート10、15の支持体11、蓄積性蛍光体シート9
0、100の基板93および蓄積性蛍光体シート11
0、115の支持体111を形成するために使用可能
で、放射線エネルギーおよび光エネルギーを減衰させる
ことのできる無機化合物材料としては、たとえば、金、
銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロ
ム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金
属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリコン、ア
モルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化
ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネ
シウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;タングス
テンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒ
ドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げ
ることができる。これらは、単結晶、アモルファス、セ
ラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造を有して
いてもよい。また、蓄積性蛍光体シート10、15の支
持体11、蓄積性蛍光体シート90、100の基板93
および蓄積性蛍光体シート110、115の支持体11
1を形成するために使用可能で、放射線エネルギーおよ
び光エネルギーを減衰させることのできる有機化合物材
料としては、高分子化合物が好ましく用いられ、好まし
い高分子化合物としては、たとえば、ポリエチレンやポ
リプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタク
リレート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート
共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;
ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニ
リデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロトリ
フルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレンナ
フタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエ
ステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,1
0などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフ
ェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロキサンなど
のケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹脂;エポ
キシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−
スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロース、ニト
ロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースなどの多糖類;キチン;
キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンな
どのポリアミドおよびこれら高分子化合物の共重合体な
どを挙げることができる。これらは、複合材料でもよ
く、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラス繊維などを
充填することもでき、また、有機化合物材料をブレンド
して、使用することもできる。
【0557】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1、80に形成された吸着性領域4、84
に対応して、約10000の約0.01平方ミリメート
ルのサイズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域12、
17、95、105、112、117が、約5000個
/平方センチメートルの密度で、規則的なパターンにし
たがって、蓄積性蛍光体シート10、15、90、10
0、110、115に形成されているが、輝尽性蛍光体
層領域12、17、95、105、112、117を略
円形に形成することは必ずしも必要でなく、輝尽性蛍光
体層領域12、17、95、105、112、117
は、任意の形状、たとえば、矩形状に形成することもで
きる。
【0558】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1、80に形成された吸着性領域4、84
に対応して、約10000の約0.01平方ミリメート
ルのサイズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域12、
17、95、105、112、117が、約5000個
/平方センチメートルの密度で、規則的なパターンにし
たがって、蓄積性蛍光体シート10、15、90、10
0、110、115に形成されているが、輝尽性蛍光体
層領域12、17、95、105、112、117の数
およびサイズは、目的に応じて、任意に選択をすること
ができ、好ましくは、10以上の5平方ミリメートル未
満のサイズを有する輝尽性蛍光体層領域12、17、9
5、105、112、117が、10個/平方センチメ
ートル以上の密度で、蓄積性蛍光体シート10、15、
90、100、110、115に形成される。
【0559】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1、80に形成された吸着性領域4、8
4に対応して、約10000の約0.01平方ミリメー
トルのサイズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域1
2、17、95、105、112、117が、約500
0個/平方センチメートルの密度で、規則的なパターン
にしたがって、蓄積性蛍光体シート10、15、90、
100、110、115に形成されているが、生化学解
析用ユニット1、80の吸着性領域4、84を、規則的
なパターンで、生化学解析用ユニット1、80に形成す
ることは必ずしも必要でなく、したがって、輝尽性蛍光
体層領域12、17、95、105、112、117
を、規則的なパターンで、蓄積性蛍光体シート10、1
5、90、100、110、115に形成することは必
ずしも必要でなく、輝尽性蛍光体層領域12、17、9
5、105、112、117は、生化学解析用ユニット
1、80に形成された吸着性領域4、84と、それぞ
れ、同一のパターンにしたがって、蓄積性蛍光体シート
10、15、90、100、110、115に形成され
ていればよい。
【0560】また、前記実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10、15、90、100、110、115
の輝尽性蛍光体層領域12、17、95、105、11
2、117は、それぞれ、生化学解析用ユニット1、8
0に形成された吸着性領域4、84と同じサイズに形成
されているが、輝尽性蛍光体層領域12、17、95、
105、112、117を、生化学解析用ユニット1、
80に形成された吸着性領域4、84と同じサイズに形
成することは必ずしも必要でなく、好ましくは、生化学
解析用ユニット1、80に形成された吸着性領域4、8
4のサイズ以上に形成される。
【0561】さらに、前記実施態様においては、放射性
標識物質によって標識された生体由来の物質、化学発光
基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標
識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を
含むハイブリダイゼーション反応溶液9が調製され、吸
着性領域4に滴下された特異的結合物質にハイブリダイ
ズさせているが、ハイブリダイゼーション反応溶液9
が、放射性標識物質によって標識された生体由来の物
質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質
および蛍光色素などの蛍光物質によって標識された生体
由来の物質を含んでいることは必ずしも必要でなく、ハ
イブリダイゼーション反応溶液9は、放射性標識物質に
よって標識された生体由来の物質、化学発光基質と接触
させることによって化学発光を生じさせる標識物質によ
って標識された生体由来の物質および蛍光色素などの蛍
光物質によって標識された生体由来の物質の少なくとも
一種を含んでいればよい。
【0562】また、前記実施態様においては、放射性標
識物質、化学発光基質と接触させることによって化学発
光を生じさせる標識物質および蛍光物質によって標識さ
れた生体由来の物質が、特異的結合物質にハイブリダイ
ズされているが、生体由来の物質を、特異的結合物質に
ハイブリダイズさせることは必ずしも必要でなく、生体
由来の物質を、ハイブリダイゼーションに代えて、抗原
抗体反応、リセプター・リガンドなどの反応によって、
特異的結合物質に特異的に結合させることもできる。
【0563】さらに、前記実施態様においては、複数の
光ファイバによって構成された光ファイバ束36を用い
て、レーザ光24を、蓄積性蛍光体シート10、15、
90、100、110、115あるいは生化学解析用ユ
ニット1、80に導き、蓄積性蛍光体シート10、1
5、90、100、110、115あるいは生化学解析
用ユニット1、80から放出された輝尽光あるいは蛍光
を受光して、フォトマルチプライア50に導くように構
成されているが、複数の光ファイバよりなる光ファイバ
束36に代えて、1本の光ファイバによって、レーザ光
24を蓄積性蛍光体シート10、15、90、100、
110、115あるいは生化学解析用ユニット1、80
に導き、蓄積性蛍光体シート10、15、90、10
0、110、115あるいは生化学解析用ユニット1、
80から放出された輝尽光あるいは蛍光を受光して、フ
ォトマルチプライア50に導くように構成することもで
きる。
【0564】また、前記実施態様においては、図6ない
し図9に示されたスキャナ、図16に示されたスキャナ
あるいは図20に示されたスキャナを用いて、蓄積性蛍
光体シート10、90、110に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域12、95、112に記録された放射線
データ、生化学解析用ユニット1、80に形成された多
数の吸着性領域4、84に記録された蛍光データおよび
生化学解析用ユニット1、80に形成された多数の吸着
性領域4、84に記録された化学発光データを読み取っ
て、生化学解析用データを生成しているが、放射線デー
タ、蛍光データおよび化学発光データを、1つのスキャ
ナによって読み取って、生化学解析用データを生成する
ことは必ずしも必要でなく、図23に示されるように、
レーザ励起光源を備えず、光ファイバ束36の一端部
に、フォトマルチプライア50の光電検出面が接続され
た専用のスキャナによって、生化学解析用ユニット1、
80に形成された多数の吸着性領域4、84に記録され
た化学発光データを読み取って、生化学解析用データを
生成するようにしてもよい。
【0565】また、図6ないし図9に示された実施態
様、図16に示された実施態様および図20に示された
実施態様においては、コントロールユニット70によっ
て、光ファイバ束36の受光端部36aの間欠的な移動
と同期して、第1のレーザ励起光源21がオン・オフ制
御されているが、主走査方向において、隣り合う輝尽性
蛍光体層領域12、95、112の間あるいは隣り合う
吸着性領域4、84の間を、レーザ光24が速やかに移
動するように、光ファイバ束36の受光端部36aの主
走査方向の移動速度を決定すれば、第1のレーザ励起光
源21をオン状態に保持し、光ファイバ束36の受光端
部36aを、単に、間欠的に移動させて、多数の輝尽性
蛍光体層領域12、95、112あるいは多数の吸着性
領域4、84を、レーザ光24によって、順次、走査
し、輝尽性蛍光体層領域12、95、112から放出さ
れた輝尽光あるいは吸着性領域4、84から放出された
蛍光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成す
ることもできる。
【0566】さらに、図11および図12に示された実
施態様、図18に示された実施態様ならびに図22に示
された実施態様においては、コントロールユニット70
によって、光ファイバ束36の受光端部36aの間欠的
な移動と同期して、第4のレーザ励起光源55がオン・
オフ制御されているが、主走査方向において、隣り合う
輝尽性蛍光体層領域17、105、117の間を、レー
ザ光24が速やかに移動するように、光ファイバ束36
の受光端部36aの主走査方向の移動速度を決定すれ
ば、第4のレーザ励起光源55をオン状態に保持し、光
ファイバ束36の受光端部36aを、単に、間欠的に移
動させて、多数の輝尽性蛍光体層領域17、105、1
17を、レーザ光24によって、順次、走査し、輝尽性
蛍光体層領域17、105、117から放出された輝尽
光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成する
こともできる。
【0567】また、前記実施態様においては、図6ない
し図9に示されたスキャナ、図16に示されたスキャナ
ならびに図20に示されたスキャナは、いずれも、第1
のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22およ
び第3のレーザ励起光源23を備え、図11および図1
2に示されたスキャナ、図18に示されたスキャナなら
びに図22に示されたスキャナは、いずれも、第1のレ
ーザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22および第
4のレーザ励起光源55を備えているが、スキャナが、
互いに波長の異なるレーザ光を発する3つのレーザ励起
光源を備えていることは必ずしも必要ない。
【0568】さらに、前記実施態様においては、図6な
いし図9に示されたスキャナ、図16に示されたスキャ
ナならびに図20に示されたスキャナは、いずれも、6
40nmの波長のレーザ光24を発する第1のレーザ励
起光源21と、532nmの波長のレーザ光24を発す
る第2のレーザ励起光源22と、473nmの波長のレ
ーザ光24を発する第3のレーザ励起光源23とを備
え、図11および図12に示されたスキャナ、図18に
示されたスキャナならびに図22に示されたスキャナ
は、いずれも、640nmの波長のレーザ光24を発す
る第1のレーザ励起光源21、532nmの波長のレー
ザ光24を発する第2のレーザ励起光源22および98
0nmの波長のレーザ光24を発する第4のレーザ励起
光源55を備えているが、励起光源として、レーザ励起
光源を用いることは必ずしも必要でなく、レーザ励起光
源に代えて、LED光源を、励起光源として用いること
もでき、さらには、ハロゲンランプを励起光源として用
い、分光フィルタによって、輝尽性蛍光体の励起に寄与
しない波長成分をカットするようにしてもよい。
【0569】また、前記実施態様においては、走査機構
によって、図8において、矢印Xで示される主走査方向
および矢印Yで示される副走査方向に、光ファイバ束3
6の受光端部36aを移動させることによって、レーザ
光24により、蓄積性蛍光体シート10、15、90、
100、110、115のすべての輝尽性蛍光体層領域
12、17、95、105、112、117あるいは生
化学解析用ユニット1、80のすべての吸着性領域4、
84を走査して、輝尽性蛍光体あるいは蛍光色素などの
蛍光物質を励起しているが、光ファイバ束36の受光端
部36aを静止状態に維持し、ステージ40を、図8に
おいて、矢印Xで示される主走査方向および矢印Yで示
される副走査方向に移動させることにより、レーザ光2
4によって、蓄積性蛍光体シート10、15、90、1
00、110、115のすべての輝尽性蛍光体層領域1
2、17、95、105、112、117あるいは生化
学解析用ユニット1、80のすべての吸着性領域4、8
4を走査して、輝尽性蛍光体あるいは蛍光色素などの蛍
光物質を励起するようにしてもよく、また、光ファイバ
束36の受光端部36aを、図8において、矢印Xで示
される主走査方向あるいは矢印Yで示される副走査方向
に移動させるとともに、ステージ40を、矢印Yで示さ
れる副走査方向あるいは矢印Xで示される主走査方向に
移動させることもできる。ステージ40が、矢印Xで示
される主走査に移動されるように構成するときは、ステ
ージ40の移動機構に、リニアエンコーダを設けること
によって、光ファイバ束36の受光端部36aに対する
ステージ40の相対的な位置を検出し、あるいは、ステ
ージ40を移動させるモータの回転位置を、ロータリー
エンコーダによって検出して、光ファイバ束36の受光
端部36aに対するステージ40の相対的な位置を検出
することができる。
【0570】さらに、前記実施態様においては、リニア
エンコーダ67を用いて、光ファイバ束36の受光端部
36aの主走査方向における位置を検出しているが、主
走査ステッピングモータ65の回転位置を検出すること
によって、光ファイバ束36の受光端部36aの主走査
方向における位置を検出することもできる。
【0571】さらに、前記実施態様においては、光検出
器として、フォトマルチプライア50を用いて、輝尽光
あるいは蛍光を光電的に検出しているが、本発明におい
て用いられる光検出器としては、輝尽光あるいは蛍光を
光電的に検出可能であればよく、フォトマルチプライア
50に限らず、ラインCCDや二次元CCDなどの他の
光検出器を用いることもできる。
【0572】また、前記実施態様においては、インジェ
クタ6とCCDカメラ7を備えたスポッティング装置5
を用い、CCDカメラ7によって、インジェクタ6の先
端部と、cDNAなどの特異的結合物質を含む溶液を滴
下すべき吸着性領域4、84を観察しながら、インジェ
クタ6の先端部と、cDNAなどの特異的結合物質を含
む溶液を滴下すべき吸着性領域4、84の中心とが合致
したときに、インジェクタ6から、cDNAなどの特異
的結合物質を含む溶液を放出させて、滴下しているが、
インジェクタ6の先端部と、生化学解析用ユニット1、
80に形成された多数の吸着性領域4、84との相対的
な位置関係を、あらかじめ検出しておき、インジェクタ
6と、生化学解析用ユニット1とを、相対的に、一定の
ピッチで、二次元的に移動させて、cDNAなどの特異
的結合物質を含む溶液を滴下するようにすることもでき
る。
【0573】
【発明の効果】本発明によれば、標識物質によって、選
択的に標識された複数のスポット状領域を、メンブレン
フィルタなどの生化学解析用ユニットに高密度に形成し
た場合においても、複数のスポット状領域から放出され
た光を光電的に検出して、定量性の高い生化学解析用デ
ータを生成することができる生化学解析用データの生成
方法およびそれに用いるスキャナを提供することが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用データの生成方法に使用される生化学解析用
ユニットの略斜視図である。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、ハイブリダイゼーション反応容器の略
縦断面図である。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用データの生成方法に用いられる蓄積性蛍光体
シートの略斜視図である。
【図5】図5は、生化学解析用ユニットに形成された多
数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によって、蓄
積性蛍光体シートに形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域を露光する方法を示す略断面図である。
【図6】図6は、本発明の好ましい実施態様にかかるス
キャナの略斜視図である。
【図7】図7は、フィルタユニットの略正面図である。
【図8】図8は、光ファイバ束の走査機構の略平面図で
ある。
【図9】図9は、本発明の好ましい実施態様にかかるス
キャナの制御系、入力系、駆動系および検出系を示すブ
ロックダイアグラムである。
【図10】図10は、化学発光データが転写されるべき
蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図11】図11は、蓄積性蛍光体シートの支持体に形
成された多数の輝尽性蛍光体層領域に記録されている化
学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成
するスキャナの略斜視図である。
【図12】図12は、フィルタユニットの略正面図であ
る。
【図13】図13は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用データの生成方法に用いられる生化
学解析用ユニットの略斜視図である。
【図14】図14は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用データの生成方法に用いられる蓄積
性蛍光体シートの略斜視図である。
【図15】図15は、生化学解析用ユニットの多数の吸
着性領域に含まれている放射性標識物質によって、蓄積
性蛍光体シートに形成された多数の輝尽性蛍光体層領域
を露光する方法を示す略部分断面図である。
【図16】図16は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかるスキャナのフォトマルチプライアおよびデータ処
理装置の周辺のブロックダイアグラムである。
【図17】図17は、化学発光データが転写されるべき
蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図18】図18は、蓄積性蛍光体シートの支持体に形
成された多数の輝尽性蛍光体層領域に記録されている化
学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成
するスキャナのフォトマルチプライアおよびデータ処理
装置の周辺のブロックダイアグラムである。
【図19】図19は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用データの生成方法に用いられる蓄積
性蛍光体シートの略斜視図である。
【図20】図20は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかるスキャナのフォトマルチプライアおよびデータ処
理装置の周辺のブロックダイアグラムである。
【図21】図21は、化学発光データが転写されるべき
蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図22】図22は、蓄積性蛍光体シートに形成された
多数の輝尽性蛍光体層領域に記録されている化学発光デ
ータを読み取って、生化学解析用データを生成するスキ
ャナのフォトマルチプライアおよびデータ処理装置の周
辺のブロックダイアグラムである。
【図23】図23は、本発明のさらに他の好ましい実施
態様にかかるスキャナの略斜視図である。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 基板 3 貫通孔 4 吸着性領域 5 スポッティング装置 6 インジェクタ 7 CCDカメラ 8 ハイブリダイズ容器 9 ハイブリダイゼーション溶液 10 蓄積性蛍光体シート 11 支持体 12 輝尽性蛍光体層領域 13 貫通孔 15 蓄積性蛍光体シート 17 輝尽性蛍光体層領域 21 第1のレーザ励起光源 22 第2のレーザ励起光源 23 第3のレーザ励起光源 24 レーザ光 25 コリメータレンズ 26 ミラー 27 第1のダイクロイックミラー 28 第2のダイクロイックミラー 29 ミラー 30 コリメータレンズ 31 コリメータレンズ 32 ミラー 33 穴開きミラーの穴 34 穴開きミラー 35 凸レンズ 36 光ファイバ束 36a 光ファイバ束の受光端部 40 サンプルステージ 45 フィルタユニット 46 円板 47a、47b、47c、47d フィルタ 48 開口部 50 フォトマルチプライア 53 A/D変換器 54 データ処理装置 55 第4のレーザ励起光源 58 メモリ 60 基板 61 副走査パルスモータ 62 一対のレール 63 移動可能な基板 64 ロッド 65 主走査ステッピングモータ 66 エンドレスベルト 67 リニアエンコーダ 68 リニアエンコーダのスリット 70 コントロールユニット 71 キーボード 72 フィルタユニットモータ 75 積分アンプ 76 加算手段 80 生化学解析用ユニット 81 基板 82 貫通孔 83 吸着性膜 84 吸着性領域 90 蓄積性蛍光体シート 91 輝尽性蛍光体膜 92 貫通孔 93 基板 95 輝尽性蛍光体層領域 100 蓄積性蛍光体シート 101 輝尽性蛍光体膜 105 輝尽性蛍光体層領域 110 蓄積性蛍光体シート 111 支持体 112 輝尽性蛍光体層領域 115 蓄積性蛍光体シート 117 輝尽性蛍光体層領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 42/02 G03B 42/02 B 4B063 G21K 4/00 G21K 4/00 N 5C072 H04N 1/04 C12M 1/00 A // C12M 1/00 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 H04N 1/04 E Fターム(参考) 2G043 AA01 BA16 CA03 DA02 EA01 FA01 FA06 GA02 GA04 GA06 GB01 GB18 GB19 HA01 HA02 HA09 JA03 KA02 KA05 KA09 LA02 2G054 AA06 AB04 EA01 FB01 GE06 GE07 2G083 AA03 AA09 BB03 BB04 CC03 CC04 CC10 DD11 DD17 EE02 2H013 AC01 AC04 4B029 AA07 AA23 BB01 BB15 BB20 FA02 FA11 FA12 FA13 FA15 4B063 QA01 QQ05 QQ21 QQ41 QQ79 QQ94 QQ96 QR01 QR31 QR82 QS34 QS36 QS39 QX02 QX07 5C072 AA01 BA04 CA06 DA02 DA04 DA07 DA09 DA21 EA02 QA11

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプルステージに載置されたサンプル
    に、二次元的に、互いに離間して、形成された複数の発
    光領域から放出される光を光電的に検出して、生化学解
    析用データを生成する方法であって、前記複数の発光領
    域から放出される光を光検出器に導く導光部材を、前記
    サンプルステージに対して、主走査方向および前記主走
    査方向と直交する副走査方向に、間欠的に、相対的に移
    動させて、前記サンプルに、互いに離間して、二次元的
    に形成された前記複数の発光領域から放出される光を、
    前記導光部材によって、光検出器に導いて、光電的に検
    出し、生化学解析用データを生成することを特徴とする
    生化学解析用データの生成方法。
  2. 【請求項2】 前記導光部材が、可撓性を有しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の生化学解析用データの
    生成方法。
  3. 【請求項3】 前記導光部材が、少なくとも1本の光フ
    ァイバによって構成されたことを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の生化学解析用データの生成方法。
  4. 【請求項4】 前記サンプルに、前記複数の発光領域
    が、前記主走査方向および前記副走査方向に、それぞ
    れ、所定のピッチで、規則的に形成され、前記導光部材
    を、前記サンプルステージに対して、前記主走査方向お
    よび前記副走査方向に、それぞれ、所定のピッチで、間
    欠的に、相対的に移動させることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれか1項に記載の生化学解析用データの
    生成方法。
  5. 【請求項5】 前記導光部材を、前記主走査方向および
    前記副走査方向に移動させることを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれか1項に記載の生化学解析用データの
    生成方法。
  6. 【請求項6】 前記導光部材を、前記主走査方向および
    前記副走査方向の一方に移動させるとともに、前記サン
    プルステージを、前記主走査方向および前記副走査方向
    の他方に移動させることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれか1項に記載の生化学解析用データの生成方
    法。
  7. 【請求項7】 前記サンプルステージを、前記主走査方
    向および前記副走査方向に移動させることを特徴とする
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載の生化学解析用
    データの生成方法。
  8. 【請求項8】 前記サンプルが、支持体を備え、前記支
    持体に、複数の輝尽性蛍光体層領域が、二次元的に、互
    いに離間して、形成された蓄積性蛍光体シートによって
    構成され、前記複数の輝尽性蛍光体層領域に、放射線エ
    ネルギーを選択的に蓄積させた後に、前記導光部材を介
    して、前記複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれに、励
    起光を照射し、前記複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞ
    れから放出された輝尽光を、前記導光部材によって、前
    記光検出器に導いて、光電的に検出し、生化学解析用デ
    ータを生成することを特徴とする請求項1ないし7のい
    ずれか1項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  9. 【請求項9】 生体由来の物質と特異的に結合可能で、
    かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的
    結合物質を、担体上に滴下して、前記輝尽性蛍光体層領
    域と同一のパターンで、互いに離間した複数のスポット
    状領域を形成し、前記複数のスポット状領域に含まれた
    特異的結合物質に、放射性標識物質によって標識された
    生体由来の物質を特異的に結合させて、選択的に標識し
    て、生化学解析用ユニットを生成し、前記スポット状領
    域のそれぞれが、対応する前記輝尽性蛍光体層領域と対
    向するように、前記蓄積性蛍光体シートに重ね合わせ、
    前記複数のスポット状領域に選択的に含まれた放射性標
    識物質によって、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の
    輝尽性蛍光体層領域を選択的に標識し、選択的に放射線
    エネルギーを蓄積させることを特徴とする請求項8に記
    載の生化学解析用データの生成方法。
  10. 【請求項10】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    が、光エネルギーを減衰させる性質を有していることを
    特徴とする請求項8または9に記載の生化学解析用デー
    タの生成方法。
  11. 【請求項11】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等し
    い距離だけ、光が前記支持体中を透過したときに、光の
    エネルギーを1/5以下に減衰させる性質を有している
    ことを特徴とする請求項10に記載の生化学解析用デー
    タの生成方法。
  12. 【請求項12】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    が、放射線エネルギーを減衰させる性質を有しているこ
    とを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記
    載の生化学解析用データの生成方法。
  13. 【請求項13】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等し
    い距離だけ、放射線が前記支持体中を透過したときに、
    放射線のエネルギーを1/5以下に減衰させる性質を有
    していることを特徴とする請求項12に記載の生化学解
    析用データの生成方法。
  14. 【請求項14】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    が、金属材料、セラミック材料およびプラスチック材料
    よりなる群から選ばれる材料によって形成されたことを
    特徴とする請求項10ないし13のいずれか1項に記載
    の生化学解析用データの生成方法。
  15. 【請求項15】 前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の
    輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に形成された複数の
    孔内に形成されていることを特徴とする請求項8ないし
    14のいずれか1項に記載の生化学解析用データの生成
    方法。
  16. 【請求項16】 前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の
    輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に形成された複数の
    孔内に、輝尽性蛍光体が充填されて、形成されたことを
    特徴とする請求項15に記載の生化学解析用データの生
    成方法。
  17. 【請求項17】 前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の
    輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に形成された孔内
    に、輝尽性蛍光体膜が圧入されて、形成されていること
    を特徴とする請求項16に記載の生化学解析用データの
    生成方法。
  18. 【請求項18】 前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の
    輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体の表面上に形成され
    ていることを特徴とする請求項8ないし14のいずれか
    1項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  19. 【請求項19】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    に、10以上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されてい
    ることを特徴とする請求項8ないし18のいずれか1項
    に記載の生化学解析用データの生成方法。
  20. 【請求項20】 前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の
    輝尽性蛍光体層領域が、5平方ミリメートル未満のサイ
    ズを有していることを特徴とする請求項8ないし19の
    いずれか1項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  21. 【請求項21】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    に、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、10個/平方セ
    ンチメートル以上の密度で、形成されたことを特徴とす
    る請求項1ないし20のいずれか1項に記載の生化学解
    析用データの生成方法。
  22. 【請求項22】 前記サンプルが、吸着性領材料によっ
    て形成された複数の吸着性領域が、二次元的に、互いに
    離間して、形成された基板を備え、前記複数の吸着性領
    域に、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩
    基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質
    が滴下され、前記複数の吸着性領域に含まれた特異的結
    合物質に、蛍光物質によって標識された生体由来の物質
    が特異的に結合されて、前記複数の吸着性領域が、前記
    蛍光物質によって選択的に標識された生化学解析用ユニ
    ットによって構成され、前記導光部材を介して、前記複
    数の吸着性領域のそれぞれに、励起光を照射し、前記複
    数の吸着性領域のそれぞれから放出された蛍光を、前記
    導光部材によって、前記光検出器に導いて、光電的に検
    出し、生化学解析用データを生成することを特徴とする
    請求項1ないし7のいずれか1項に記載の生化学解析用
    データの生成方法。
  23. 【請求項23】 前記サンプルが、吸着性領材料によっ
    て形成された複数の吸着性領域が、二次元的に、互いに
    離間して、形成された基板を備え、前記複数の吸着性領
    域に、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩
    基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質
    が滴下され、前記複数の吸着性領域に含まれた特異的結
    合物質に、化学発光基質と接触させることによって化学
    発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
    の物質が特異的に結合されて、前記複数の吸着性領域
    が、前記標識物質によって選択的に標識された生化学解
    析用ユニットによって構成され、前記複数の吸着性領域
    のそれぞれから放出された化学発光を、前記導光部材に
    よって、前記光検出器に導いて、光電的に検出し、生化
    学解析用データを生成することを特徴とする請求項1な
    いし7のいずれか1項に記載の生化学解析用データの生
    成方法。
  24. 【請求項24】 前記生体由来の物質が、ハイブリダイ
    ゼーション、抗原抗体反応、リセプター・リガンドより
    なる群から選ばれた反応によって、前記特異的結合物質
    と結合されていることを特徴とする請求項9ないし23
    のいずれか1項に記載の生化学解析用データの生成方
    法。
  25. 【請求項25】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、光エネルギーを減衰させる材料によって形成された
    ことを特徴とする請求項22ないし24のいずれか1項
    に記載の生化学解析用データの生成方法。
  26. 【請求項26】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だ
    け、光が前記基板中を透過したときに、光のエネルギー
    を1/5以下に減衰させる性質を有する材料によって形
    成されたことを特徴とする請求項25に記載の生化学解
    析用データの生成方法。
  27. 【請求項27】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、金属材料、セラミック材料およびプラスチック材料
    よりなる群から選ばれる材料によって形成されたことを
    特徴とする請求項25または26に記載の生化学解析用
    データの生成方法。
  28. 【請求項28】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域が、前記基板に形成された複数の孔内に形
    成されていることを特徴とする請求項22ないし27の
    いずれか1項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  29. 【請求項29】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数の孔内
    に、吸着性材料が充填されて、形成されたことを特徴と
    する請求項28に記載の生化学解析用データの生成方
    法。
  30. 【請求項30】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数の孔内
    に、吸着性領材料によって形成された吸着性膜が圧入さ
    れて、形成されていることを特徴とする請求項29に記
    載の生化学解析用データの生成方法。
  31. 【請求項31】 前記吸着性材料が、多孔質材料よりな
    ることを特徴とする請求項22ないし30のいずれか1
    項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  32. 【請求項32】 前記多孔質材料が、炭素材料またはメ
    ンブレンフィルタを形成可能な材料よりなることを特徴
    とする請求項31に記載の生化学解析用データの生成方
    法。
  33. 【請求項33】 前記吸着性材料が、繊維材料よりなる
    ことを特徴とする請求項22ないし30のいずれか1項
    に記載の生化学解析用データの生成方法。
  34. 【請求項34】 前記励起光が、レーザ光によって構成
    されたことを特徴とする請求項1ないし33のいずれか
    1項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  35. 【請求項35】 二次元的に、互いに離間して形成さ
    れ、光を放出する複数の発光領域が形成されたサンプル
    を載置可能なサンプルステージと、前記複数の発光領域
    から放出された光を光電的に検出する光検出器と、前記
    サンプルの前記複数の発光領域のそれぞれから放出され
    た光を、前記光検出器に導く導光部材と、前記導光部材
    と前記サンプルステージとを、主走査方向および前記主
    走査方向と直交する副走査方向に、間欠的に、相対的に
    移動させる走査機構を備えたことを特徴とするスキャ
    ナ。
  36. 【請求項36】 前記導光部材が、可撓性を有している
    ことを特徴とする請求項35に記載のスキャナ。
  37. 【請求項37】 前記導光部材が、少なくとも1本の光
    ファイバによって構成されたことを特徴とする請求項3
    5または36に記載のスキャナ。
  38. 【請求項38】 前記サンプルに、前記複数の発光領域
    が、前記主走査方向および前記副走査方向に、それぞ
    れ、所定のピッチで、規則的に形成され、前記走査機構
    が、前記導光部材と前記サンプルステージとを、前記主
    走査方向および前記副走査方向に、それぞれ、所定のピ
    ッチで、間欠的に、相対的に移動させるように構成され
    たことを特徴とする請求項35ないし37のいずれか1
    項に記載のスキャナ。
  39. 【請求項39】 さらに、励起光を発する励起光源と、
    励起光カットフィルタを備え、前記サンプルが、支持体
    を備え、前記支持体に、複数の輝尽性蛍光体層領域が、
    二次元的に、互いに離間して、形成された蓄積性蛍光体
    シートによって構成されており、前記導光部材が、前記
    励起光源から発せられた励起光を、前記サンプルステー
    ジに載置された前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝
    尽性蛍光体層領域のそれぞれに導くとともに、前記励起
    光によって励起されて、前記複数の輝尽性蛍光体層領域
    のそれぞれから放出された輝尽光を、前記光検出器に導
    くように構成され、前記励起光カットフィルタが、前記
    励起光の波長の光をカットし、前記輝尽光の波長の光を
    透過する性質を有していることを特徴とする請求項35
    ないし38のいずれか1項に記載のスキャナ。
  40. 【請求項40】 さらに、励起光を発する励起光源と、
    励起光カットフィルタを備え、前記サンプルが、吸着性
    領材料によって形成された複数の吸着性領域が、二次元
    的に、互いに離間して、形成された基板を備え、前記複
    数の吸着性領域に、生体由来の物質と特異的に結合可能
    で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特
    異的結合物質が滴下され、前記複数の吸着性領域に含ま
    れた特異的結合物質に、蛍光物質によって標識された生
    体由来の物質が特異的に結合されて、前記複数の吸着性
    領域が、前記蛍光物質によって選択的に標識された生化
    学解析用ユニットによって構成されており、前記導光部
    材が、前記励起光源から発せられた励起光を、前記サン
    プルステージに載置された前記生化学解析用ユニットの
    前記複数の吸着性領域のそれぞれに導くとともに、前記
    励起光によって励起されて、前記複数の吸着性領域のそ
    れぞれから放出された蛍光を、前記光検出器に導くよう
    に構成され、前記励起光カットフィルタが、前記励起光
    の波長の光をカットし、前記励起光よりも波長の長い光
    を透過する性質を有していることを特徴とする請求項3
    5ないし38のいずれか1項に記載のスキャナ。
  41. 【請求項41】 さらに、前記導光部材と前記サンプル
    ステージとの主走査方向における相対的位置関係を検出
    する位置検出手段を備えたことを特徴とする請求項35
    ないし40のいずれか1項に記載のスキャナ。
  42. 【請求項42】 前記走査機構が、前記導光部材を、主
    走査方向に移動させるように構成されたことを特徴とす
    る請求項35ないし41のいずれか1項に記載のスキャ
    ナ。
  43. 【請求項43】 前記位置検出手段が、前記導光部材の
    主走査方向の位置を検出するリニアエンコーダによって
    構成されたことを特徴とする請求項42に記載のスキャ
    ナ。
  44. 【請求項44】 前記走査機構が、前記導光部材を、主
    走査方向に、間欠的に移動させるステッピングモータを
    備えたことを特徴とする請求項42または43に記載の
    スキャナ。
  45. 【請求項45】 前記走査機構が、前記サンプルステー
    ジを、主走査方向に移動させるように構成されたことを
    特徴とする請求項35ないし41のいずれか1項に記載
    のスキャナ。
  46. 【請求項46】 前記位置検出手段が、前記サンプルス
    テージの主走査方向の位置を検出するリニアエンコーダ
    によって構成されたことを特徴とする請求項45に記載
    のスキャナ。
  47. 【請求項47】 前記走査機構が、前記サンプルステー
    ジを、主走査方向に、間欠的に移動させるステッピング
    モータを備えたことを特徴とする請求項45または46
    に記載のスキャナ。
  48. 【請求項48】 前記励起光源が、レーザ励起光源によ
    って構成されたことを特徴とする請求項35ないし47
    のいずれか1項に記載のスキャナ。
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