JP2003294629A - 生化学解析用データの生成方法および装置 - Google Patents

生化学解析用データの生成方法および装置

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JP2003294629A
JP2003294629A JP2002187295A JP2002187295A JP2003294629A JP 2003294629 A JP2003294629 A JP 2003294629A JP 2002187295 A JP2002187295 A JP 2002187295A JP 2002187295 A JP2002187295 A JP 2002187295A JP 2003294629 A JP2003294629 A JP 2003294629A
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light
biochemical analysis
stimulable phosphor
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phosphor layer
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JP2002187295A
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Nobuhiko Ogura
信彦 小倉
Hitoshi Shimizu
清水  仁
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 特異的結合物質が固定されたスポット状領域
を高密度に形成し、放射性標識物質や蛍光物質によって
標識された生体由来の物質を特異的に結合させて、選択
的に標識した場合においても、定量性の高い生化学解析
用データを生成することのできる生化学解析用データの
生成方法を提供する。 【解決手段】 サンプルステージ25に載置されたサン
プル1、に、二次元的に、互いに離間して、形成され、
標識物質によって、選択的に標識された特異的結合物質
と生体由来の物質の結合体を含む複数の発光可能領域
4、を、励起光21によって、走査して、複数の発光可
能領域に選択的に含まれた標識物質を励起し、標識物質
から放出された光を、集光端部30aが、複数の発光可
能領域に対向して、配置された複数の導光部材30によ
って、ゼロ次元センサ35に導き、光電的に検出して、
生化学解析用データを生成することを特徴とする生化学
解析用データの生成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学解析用デー
タの生成方法および装置に関するものであり、さらに詳
細には、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、
塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物
質が固定されたスポット状領域を高密度に形成し、スポ
ット状領域に固定された特異的結合物質に、放射性標識
物質や蛍光物質、化学発光基質と接触させることによっ
て化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生
体由来の物質を特異的に結合させて、選択的に標識し、
あるいは、ハプテンによって標識された生体由来の物質
を、選択的に、特異的に結合させ、さらに、蛍光基質と
接触させることによって、蛍光物質を生じさせる酵素あ
るいは化学発光基質と接触させることによって化学発光
を生じさせる標識物質により標識されたハプテンに対す
る抗体を、抗原抗体反応によって、特異的結合物質を標
識しているハプテンに結合させて、選択的に標識した場
合においても、定量性の高い生化学解析用データを生成
することのできる生化学解析用データの生成方法および
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】また、光が照射されると、光のエネルギー
を吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の
電磁波を用いて励起すると、照射された光のエネルギー
の量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性
蛍光体を、光の検出材料として用い、蛋白質、遺伝子配
列などの固定された高分子を、化学発光物質と接触し
て、化学発光を生じさせる標識物質により、選択的に標
識し、標識物質によって選択的に標識された高分子と、
化学発光物質とを接触させて、化学発光物質と標識物質
との接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を、蓄
積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に含まれ
ている輝尽性蛍光体に蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル信号を生成し、データ処理を施
して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルムな
どの記録材料上に、データを再生するように構成された
化学発光解析システムが知られている(たとえば、米国
特許第5,028,793号、英国特許出願公開GB第
2,246,197Aなど。)。
【0004】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するこれらのシステムは、写真フイルムを用い
る場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要
であるだけでなく、得られたディジタルデータにデータ
処理を施すことにより、所望のように、解析用データを
再生し、あるいは、コンピュータによる定量解析が可能
になるという利点を有している。
【0005】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0006】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光解析システムも知られてい
る。
【0007】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細胞、
ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗
原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDN
A、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結
合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既
知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下
して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによっ
て、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処
理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であ
って、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識され
た物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特異
的結合物質に、特異的に結合させたマイクロアレイに、
励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から
発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来
の物質を解析するマイクロアレイ解析システムが開発さ
れている。このマイクロアレイ解析システムによれば、
スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポット
を高密度に形成して、標識物質によって標識された生体
由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時
間に、生体由来の物質を解析することが可能になるとい
う利点がある。
【0008】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッ
ター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポット
を形成し、次いで、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽
出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、
さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生
体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識さ
れた物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特
異的結合物質に、特異的に結合させたマクロアレイを、
輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性
蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、
しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性
蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生
化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解析する
放射性標識物質を用いたマクロアレイ解析システムも開
発されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、放射性
標識物質を標識物質として用いたマクロアレイ解析シス
テムにあっては、放射性標識物質により、輝尽性蛍光体
層を露光する際、メンブレンフィルタなどの生化学解析
用ユニットの表面上に形成されたスポット状領域に含ま
れた放射性標識物質の放射線エネルギーが非常に大きい
ため、放射性標識物質から発せられる電子線(β線)が
散乱して、そのスポット状領域に含まれた放射性標識物
質から放出された電子線(β線)によって露光されるべ
き領域以外の輝尽性蛍光体層の領域に入射し、その結
果、輝尽光を光電的に検出して生成された生化学解析用
のデータ中にノイズが生成され、隣接するスポット状領
域間でのデータの分離が困難になって、分解能が低下す
るとともに、各スポット状領域内の放射線量を定量し
て、生体由来の物質を解析する際、定量性が悪化すると
いう問題があり、スポット状領域を近接して形成して、
高密度化しようとする場合には、とくに、分解能が低下
する著しく低下するとともに、定量性の著しい悪化が認
められている。
【0010】また、生化学解析の分野においては、メン
ブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的
に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成など
が既知の特異的結合物質を含むスポット状領域を形成
し、スポット状領域に含まれた特異的結合物質に、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質によって標識された生体由来の物質を、ハイ
ブリダイゼーションなどにより、特異的に結合させて、
あるいは、ジゴキシゲニンなどのハプテンによって標識
された生体由来の物質を、選択的に、特異的に結合さ
せ、さらに、化学発光基質と接触することによって、化
学発光を生じさせる酵素により標識されたハプテンに対
する抗体を、抗原抗体反応によって、特異的結合物質を
標識しているハプテンに結合させて、スポット状領域に
固定された特異的結合物質を選択的に標識し、選択的に
標識し、化学発光基質とを接触させて、化学発光基質と
標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の化学発
光により、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を露光
して、輝尽性蛍光体層に化学発光のエネルギーを蓄積さ
せ、輝尽性蛍光体層に、励起光を照射して、輝尽性蛍光
体層から放出される輝尽光を光電的に検出して、生体由
来の物質を解析することも要求されているが、かかる場
合にも、各スポット状領域から放出された化学発光が、
メンブレンフィルタなどの担体内で散乱して、隣り合う
スポット状領域から放出された化学発光によって露光さ
れるべき輝尽性蛍光体層の領域に入射し、その結果、輝
尽光を光電的に検出して生成された生化学解析用データ
中にノイズが生成され、隣り合うスポット状領域間での
データの分離が困難になって、分解能が低下するととも
に、生化学解析用データの定量性が低下するという問題
があった。
【0011】さらに、上述のように、生化学解析の分野
においては、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユ
ニットの表面上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホル
モン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイ
ム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、R
NAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、か
つ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結
合物質を滴下して、スポット状領域を形成し、スポット
状領域に含まれた特異的結合物質に、蛍光物質によって
標識された生体由来の物質を、ハイブリダイゼーション
などにより、特異的に結合させて、あるいは、ジゴキシ
ゲニンなどのハプテンによって標識された生体由来の物
質を、選択的に、特異的に結合させ、さらに、蛍光基質
と接触することによって、蛍光物質を生じさせる酵素に
より標識されたハプテンに対する抗体を、抗原抗体反応
によって、特異的結合物質を標識しているハプテンに結
合させて、スポット状領域に固定された特異的結合物質
を選択的に標識し、スポット状領域に、励起光を照射し
て、蛍光物質から発せられる蛍光を光電的に検出し、あ
るいは、蛍光基質を接触させて、生成した蛍光物質に、
励起光を照射して、蛍光物質から発せられる蛍光を光電
的に検出して、生体由来の物質を解析することも要求さ
れているが、かかる場合にも、スポット状領域から発せ
られた蛍光が散乱して、隣り合うスポット状領域から発
せられた蛍光と混ざり合い、その結果、蛍光を光電的に
検出して、生成した生化学解析用データ中にノイズが生
成されるとともに、蛍光の集光効率が低下し、定量解析
の精度が低下するという問題があった。
【0012】したがって、本発明は、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質が固定されたスポット状
領域を高密度に形成し、スポット状領域に固定された特
異的結合物質に、放射性標識物質や蛍光物質、化学発光
基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標
識物質によって標識された生体由来の物質を特異的に結
合させて、選択的に標識し、あるいは、ハプテンによっ
て標識された生体由来の物質を、選択的に、特異的に結
合させ、さらに、蛍光基質と接触させることによって、
蛍光物質を生じさせる酵素あるいは化学発光基質と接触
させることによって化学発光を生じさせる標識物質によ
り標識されたハプテンに対する抗体を、抗原抗体反応に
よって、特異的結合物質を標識しているハプテンに結合
させて、選択的に標識した場合においても、定量性の高
い生化学解析用データを生成することのできる生化学解
析用データの生成方法および装置を提供することを目的
とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
サンプルステージに載置されたサンプルに、二次元的
に、互いに離間して、形成され、標識物質によって、選
択的に標識された特異的結合物質と生体由来の物質の結
合体を含む複数の発光可能領域を、励起光によって、走
査して、前記複数の発光可能領域に選択的に含まれた前
記標識物質を励起し、前記標識物質から放出された光
を、集光端部が、前記複数の発光可能領域に対向して、
配置された複数の導光部材によって、ゼロ次元センサに
導き、前記ゼロ次元センサによって、光電的に検出し
て、生化学解析用データを生成することを特徴とする生
化学解析用データの生成方法によって達成される。
【0014】本発明において、ゼロ次元センサとは、フ
ォトマルチプライアなど、画素分割されていないセンサ
をいう。
【0015】本発明によれば、生体由来の物質と特異的
に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成など
が既知の特異的結合物質に、放射性標識物質によって標
識された生体由来の物質を、ハイブリダイゼーションな
どによって、特異的に結合させて、選択的に標識した複
数のスポット状領域を、生化学解析用ユニットに、高密
度に形成した場合においても、複数のスポット状領域と
同じパターンで、蓄積性蛍光体シートの支持体に、互い
に離間して、二次元的に、複数の輝尽性蛍光体層領域を
形成し、複数のスポット状領域に選択的に含まれた放射
性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの支持体に形
成された複数の輝尽性蛍光体層領域を露光した後に、蓄
積性蛍光体シートをサンプルステージに載置し、複数の
輝尽性蛍光体層領域を、励起光によって走査して、複数
の輝尽性蛍光体層領域に含まれた輝尽性蛍光体を励起
し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を、ゼロ次元セ
ンサによって光電的に検出して、生化学解析用データを
生成する際に、複数の導光部材を、集光端部が、蓄積性
蛍光体シートの支持体に形成された複数の輝尽性蛍光体
層領域に、十分に近接するように、位置させて、複数の
輝尽性蛍光体層領域に含まれた輝尽性蛍光体が、励起光
によって励起されて、放出される輝尽光を、複数の導光
部材の集光端部により集光して、ゼロ次元センサに導
き、光電的に検出させることによって、高い集光効率
で、輝尽光を光電的に検出することが可能になるから、
複数の輝尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電
的に検出することによって、高い分解能で、定量性に優
れた生化学解析用のデータを生成することが可能にな
る。
【0016】また、本発明によれば、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質に、放射性標識物質によ
って標識された生体由来の物質を、ハイブリダイゼーシ
ョンなどによって、特異的に結合させて、選択的に標識
したスポット状領域を、生化学解析用ユニットに形成
し、複数のスポット状領域に選択的に含まれた放射性標
識物質によって、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成さ
れた輝尽性蛍光体層を露光して、二次元的に、互いに離
間した輝尽性蛍光体層の複数の露光領域を形成した後
に、蓄積性蛍光体シートをサンプルステージに載置し、
輝尽性蛍光体層の互いに離間した複数の露光領域を、励
起光によって走査して、輝尽性蛍光体層の互いに離間し
た複数の露光領域に含まれた輝尽性蛍光体を励起し、輝
尽性蛍光体から放出された輝尽光を、ゼロ次次元センサ
によって光電的に検出して、生化学解析用データを生成
する際に、複数の導光部材を、集光端部が、蓄積性蛍光
体シートの支持体に形成された輝尽性蛍光体層の互いに
離間した複数の露光領域に、十分に近接するように、位
置させて、輝尽性蛍光体層の互いに離間した複数の露光
領域に含まれた輝尽性蛍光体が、励起光によって励起さ
れて、放出される輝尽光を、複数の導光部材の集光端部
により受光して、ゼロ次元センサに導き、光電的に検出
させることによって、高い集光効率で、輝尽光を光電的
に検出することが可能になるから、輝尽性蛍光体層の互
いに離間した複数の露光領域から放出された輝尽光を光
電的に検出することによって、高い分解能で、定量性に
優れた生化学解析用のデータを生成することが可能にな
る。
【0017】さらに、本発明によれば、生体由来の物質
と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、
組成などが既知の特異的結合物質に、化学発光基質と接
触させることによって化学発光を生じさせる標識物質に
よって標識された生体由来の物質を、ハイブリダイゼー
ションなどによって、特異的に結合させ、あるいは、ハ
プテンによって標識された生体由来の物質を、選択的
に、特異的に結合させ、さらに、化学発光基質と接触さ
せることによって化学発光を生じさせる標識物質により
標識されたハプテンに対する抗体を、抗原抗体反応によ
って、特異的結合物質を標識しているハプテンに結合さ
せて、選択的に標識した複数のスポット状領域を、生化
学解析用ユニットに、高密度に形成した場合において
も、複数のスポット状領域と同じパターンで、蓄積性蛍
光体シートの支持体に、互いに離間して、二次元的に、
複数の輝尽性蛍光体層領域を形成し、複数のスポット状
領域に化学発光基質を接触させ、複数のスポット状領域
から選択的に放出される化学発光によって、蓄積性蛍光
体シートの支持体に形成された複数の輝尽性蛍光体層領
域を露光した後に、蓄積性蛍光体シートをサンプルステ
ージに載置し、複数の輝尽性蛍光体層領域を、励起光に
よって走査して、複数の輝尽性蛍光体層領域に含まれた
輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝
尽光を、ゼロ次元センサによって光電的に検出して、生
化学解析用データを生成する際に、複数の導光部材を、
集光端部が、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成された
複数の輝尽性蛍光体層領域に、十分に近接するように、
位置させて、複数の輝尽性蛍光体層領域に含まれた輝尽
性蛍光体が、励起光によって励起されて、放出される輝
尽光を、複数の導光部材の集光端部により集光して、ゼ
ロ次元センサに導き、光電的に検出させることによっ
て、高い集光効率で、輝尽光を光電的に検出することが
可能になるから、複数の輝尽性蛍光体層領域から放出さ
れた輝尽光を光電的に検出することによって、高い分解
能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成する
ことが可能になる。
【0018】また、本発明によれば、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質に、化学発光基質と接触
させることによって化学発光を生じさせる標識物質によ
って標識された生体由来の物質を、ハイブリダイゼーシ
ョンなどによって、特異的に結合させ、あるいは、ハプ
テンによって標識された生体由来の物質を、選択的に、
特異的に結合させ、さらに、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により標識
されたハプテンに対する抗体を、抗原抗体反応によっ
て、特異的結合物質を標識しているハプテンに結合させ
て、選択的に標識した複数のスポット状領域を、生化学
解析用ユニットに、高密度に形成した場合においても、
複数のスポット状領域に化学発光基質を接触させ、複数
のスポット状領域から選択的に放出される化学発光によ
って、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成された輝尽性
蛍光体層を露光して、二次元的に、互いに離間した輝尽
性蛍光体層の複数の露光領域を形成した後に、蓄積性蛍
光体シートをサンプルステージに載置し、輝尽性蛍光体
層の互いに離間した複数の露光領域を、励起光によって
走査して、輝尽性蛍光体層の互いに離間した複数の露光
領域に含まれた輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体か
ら放出された輝尽光を、ゼロ次次元センサによって光電
的に検出して、生化学解析用データを生成する際に、複
数の導光部材を、集光端部が、蓄積性蛍光体シートの支
持体に形成された輝尽性蛍光体層の互いに離間した複数
の露光領域に、十分に近接するように、位置させて、輝
尽性蛍光体層の互いに離間した複数の露光領域に含まれ
た輝尽性蛍光体が、励起光によって励起されて、放出さ
れる輝尽光を、複数の導光部材の集光端部により受光し
て、ゼロ次元センサに導き、光電的に検出させることに
よって、高い集光効率で、輝尽光を光電的に検出するこ
とが可能になるから、輝尽性蛍光体層の互いに離間した
複数の露光領域から放出された輝尽光を光電的に検出す
ることによって、高い分解能で、定量性に優れた生化学
解析用のデータを生成することが可能になる。
【0019】さらに、本発明によれば、生化学解析用ユ
ニットの基板に、二次元的に、互いに離間して、形成さ
れた複数の孔内に、吸着性材料を充填して、複数の吸着
性領域を高密度に形成し、生体由来の物質と特異的に結
合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既
知の特異的結合物質を含む溶液を、複数の吸着性領域に
滴下して、特異的結合物質を複数の吸着性領域に吸着さ
せ、複数の吸着性領域に吸着されている特異的結合物質
に、蛍光物質によって標識された生体由来の物質を、ハ
イブリダイゼーションなどによって、特異的に結合させ
て、複数の吸着性領域を選択的に標識した場合において
も、生化学解析用ユニットをサンプルステージに載置
し、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に励起光
を照射して、複数の吸着性領域に含まれた蛍光物質を励
起し、蛍光物質から放出された蛍光を光電的に検出て、
生化学解析用データを生成する際に、複数の導光部材
を、集光端部が、生化学解析用ユニットに、互いに離間
して、二次元的に形成された複数の吸着性領域に、十分
に近接するように、位置させて、複数の吸着性領域から
放出される蛍光を、複数の導光部材の集光端部によって
集光し、ゼロ次元センサに導いて、光電的に検出させる
ことにより、吸着性領域から放出される蛍光を、高い集
光効率で、ゼロ次元センサに導き、光電的に検出するこ
とが可能になるから、高い分解能で、定量性に優れた生
化学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0020】また、本発明によれば、生化学解析用ユニ
ットの吸着性基板に、生体由来の物質と特異的に結合可
能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の
特異的結合物質を含む溶液を、複数の吸着性領域に滴下
して、二次元的に、互いに離間して、複数の吸着性領域
を高密度に形成し、複数の吸着性領域に含まれている特
異的結合物質に、蛍光物質によって標識された生体由来
の物質を、ハイブリダイゼーションなどにより、特異的
に結合させて、複数の吸着性領域を選択的に標識した場
合においても、生化学解析用ユニットをサンプルステー
ジに載置し、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域
に励起光を照射して、複数の吸着性領域に含まれた蛍光
物質を励起し、蛍光物質から放出された蛍光を光電的に
検出して、生化学解析用データを生成する際に、複数の
導光部材を、集光端部が、生化学解析用ユニットに、互
いに離間して、二次元的に形成された複数の吸着性領域
に、十分に近接するように、位置させて、複数の吸着性
領域から放出される蛍光を、複数の導光部材の集光端部
によって集光し、ゼロ次元センサに導いて、光電的に検
出させることにより、吸着性領域から放出される蛍光
を、高い集光効率で、ゼロ次元センサに導きて、光電的
に検出することが可能になるから、高い分解能で、定量
性に優れた生化学解析用のデータを生成することが可能
になる。
【0021】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の導光部材が、それぞれ、少なくとも1本の光フ
ァイバによって構成されている。
【0022】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の導光部材が、複数の光ファイバによって構成さ
れた光ファイバ束によって構成されている。
【0023】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の導光部材のそれぞれの前記集光端部が、前記サ
ンプルに形成された複数の発光可能領域の1つと対向す
るように、前記複数の導光部材が配置されている。
【0024】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記サンプルに形成された複数の発光可能領域の少
なくとも一部が、2以上の前記導光部材の前記集光端部
に対向するように、前記複数の導光部材が配置されてい
る。
【0025】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
複数の導光部材の集光端部と、サンプルに形成された複
数の発光可能領域とを、正確に位置合わせする必要がな
く、生化学解析用データの生成装置の製造コストを大幅
に低減することが可能なる。
【0026】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の導光部材の前記集光端部とは反対の端部近傍が
集合されている。
【0027】本発明の好ましい実施態様によれば、複数
の導光部材の集光端部とは反対の端部近傍が集合されて
いるから、複数の発光可能領域から放出され、複数の導
光部材によって導かれた光を、光電検出面の小さいゼロ
次元センサを用いて、光電的に検出することができ、生
化学解析用データの生成装置を大幅に小型化することが
可能となるとともに、製造コストを大幅に低減すること
が可能なる。
【0028】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の導光部材の集光端部近傍が、固定ヘッドによっ
て支持され、前記複数の導光部材の集光端部が位置決め
されている。
【0029】本発明の好ましい実施態様においては、前
記サンプルが、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形
成された蓄積性蛍光体シートによって構成され、前記複
数の発光可能領域が、放射性標識物質によって、輝尽性
蛍光体層が選択的に露光されて、互いに離間して形成さ
れた複数の露光領域によって構成されている。
【0030】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記サンプルが、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体
層が形成された蓄積性蛍光体シートによって構成され、
前記複数の発光可能領域が、化学発光によって、輝尽性
蛍光体層が選択的に露光されて、互いに離間して形成さ
れた複数の露光領域によって構成されている。
【0031】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の導光部材の集光端部が配置された側とは
反対側から、前記励起光によって、前記輝尽性蛍光体層
に、互いに離間して形成された前記複数の露光領域を走
査して、前記複数の露光領域に含まれた輝尽性蛍光体を
励起し、輝尽性蛍光体が励起されて、放出された輝尽光
を、前記複数の導光部材により、励起光の波長の光をカ
ットし、輝尽性の波長の光を透過させる性質を有する励
起光カットフィルタに導いて、励起光をカットし、前記
励起光カットフィルタを透過した光を、前記ゼロ次元セ
ンサに導き、前記ゼロ次元センサによって、光電的に検
出して、生化学解析用データを生成するように構成され
ている。
【0032】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、励起光によって、輝尽性蛍光体層に、互いに離間し
て形成された複数の露光領域を走査して、複数の露光領
域に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、放出された輝
尽光を、光電的に検出して、生化学解析用データを生成
する際に、複数の導光部材を、集光端部が、蓄積性蛍光
体シートの支持体に形成された輝尽性蛍光体層に、互い
に離間して形成された複数の露光領域に、十分に近接す
るように、位置させて、複数の露光領域から放出される
輝尽光を、導光部材の集光端部によって、受光すること
により、高い集光効率で、輝尽光を、導光部材によって
集光し、ゼロ次元センサに導いて、光電的に検出させる
ことによって、高い分解能で、定量性に優れた生化学解
析用のデータを生成することが可能になる。
【0033】本発明の好ましい実施態様においては、前
記サンプルが、複数の貫通孔が、互いに離間して、二次
元的に形成された支持体を備えた蓄積性蛍光体シートに
よって構成されており、前記複数の発光可能領域が、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に形成された前記複
数の貫通孔に、輝尽性蛍光体が充填されて、形成された
複数の輝尽性蛍光体層領域によって構成され、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、放射性標識物質によって、選
択的に、露光されて、放射線エネルギーを蓄積してい
る。
【0034】本発明の好ましい実施態様によれば、サン
プルが、複数の孔が、互いに離間して、二次元的に形成
された支持体を備えた蓄積性蛍光体シートによって構成
され、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成された複数の
孔に、輝尽性蛍光体が充填されて、複数の輝尽性蛍光体
層領域が形成されているから、放射性標識物質によって
標識された複数のスポット状領域を、蓄積性蛍光体シー
トの複数の輝尽性蛍光体層領域と同一のパターンで、生
化学解析用ユニットに形成し、生化学解析用ユニットの
スポット状領域のそれぞれと、蓄積性蛍光体シートの輝
尽性蛍光体層領域のそれぞれとが、互いに対向するよう
に、生化学解析用ユニットと蓄積性蛍光体シートとを重
ね合わせることによって、蓄積性蛍光体シートの複数の
輝尽性蛍光体層領域を、対向するスポット状領域に選択
的に含まれている放射性標識物質のみによって露光し
て、複数の輝尽性蛍光体層領域に、選択的に、放射線エ
ネルギーを蓄積させ、サンプルを生成することができ、
したがって、蓄積性蛍光体シートに形成された複数の輝
尽性蛍光体層領域を励起光によって走査し、輝尽性蛍光
体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出すること
によって生成した生化学解析用のデータ中にノイズが生
成されることを効果的に防止することができ、高い分解
能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成する
ことが可能になる。
【0035】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記サンプルが、複数の貫通孔が、互いに離間し
て、二次元的に形成された支持体を備えた蓄積性蛍光体
シートによって構成されており、前記複数の発光可能領
域が、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に形成され
た前記複数の貫通孔に、輝尽性蛍光体が充填されて、形
成された複数の輝尽性蛍光体層領域によって構成され、
前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、化学発光によって露
光されて、選択的に、化学発光のエネルギーを蓄積して
いる。
【0036】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
サンプルが、複数の孔が、互いに離間して、二次元的に
形成された支持体を備えた蓄積性蛍光体シートによって
構成され、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成された複
数の孔に、輝尽性蛍光体が充填されて、複数の輝尽性蛍
光体層領域が形成されているから、化学発光基質と接触
させることによって化学発光を生じさせる標識物質によ
って選択的に標識された複数のスポット状領域を、蓄積
性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域と同一のパ
ターンで、生化学解析用ユニットに形成し、生化学解析
用ユニットの複数のスポット状領域に、化学発光基質を
接触させて、化学発光を放出させ、化学発光を放出して
いる生化学解析用ユニットのスポット状領域のそれぞれ
と、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層領域のそれぞ
れとが、互いに対向するように、生化学解析用ユニット
と蓄積性蛍光体シートとを重ね合わせることによって、
蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域を、対
向するスポット状領域から、選択的に放出された化学発
光のみによって露光して、複数の輝尽性蛍光体層領域
に、選択的に、放射線エネルギーを蓄積させ、サンプル
を生成することができ、したがって、蓄積性蛍光体シー
トに形成された複数の輝尽性蛍光体層領域を励起光によ
って走査し、輝尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光
を光電的に検出することによって生成した生化学解析用
のデータ中にノイズが生成されることを効果的に防止す
ることができ、高い分解能で、定量性に優れた生化学解
析用のデータを生成することが可能になる。
【0037】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の導光部材の集光端部が配置された側とは
反対側から、励起光によって、前記蓄積性蛍光体シート
に形成された前記複数の輝尽性蛍光体層領域を走査し
て、前記複数の輝尽性蛍光体層領域に含まれた輝尽性蛍
光体を励起し、前記複数の輝尽性蛍光体層領域に含まれ
た輝尽性蛍光体が励起されて、放出された輝尽光を、前
記複数の導光部材によって、励起光の波長の光をカット
し、輝尽性の波長の光を透過させる性質を有する励起光
カットフィルタに導いて、励起光をカットし、前記励起
光カットフィルタを透過した光を、前記ゼロ次元センサ
に導き、前記ゼロ次元センサによって、光電的に検出し
て、生化学解析用データを生成するように構成されてい
る。
【0038】本発明の好ましい実施態様によれば、複数
の輝尽性蛍光体層領域を、励起光によって、走査して、
輝尽性蛍光体層領域に含まれた輝尽性蛍光体を励起し、
放出された輝尽光を、光電的に検出して、生化学解析用
データを生成する際に、複数の導光部材を、集光端部
が、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成された複数の輝
尽性蛍光体層領域に、十分に近接するように、位置させ
て、複数の輝尽性蛍光体層領域から放出される輝尽光
を、導光部材の集光端部によって、受光することによ
り、高い集光効率で、輝尽光を、導光部材によって集光
し、ゼロ次元センサに導いて、光電的に検出させること
によって、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用
のデータを生成することが可能になる。
【0039】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記サンプルが、蛍光物質によって選択的に標識さ
れた複数の吸着性領域が、二次元的に互いに離間して形
成された基板を備えた生化学解析用ユニットによって構
成されており、前記複数の発光可能領域が、前記生化学
解析用ユニットの前記基板に形成された前記複数の吸着
性領域によって構成されている。
【0040】本発明において、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域が、蛍光物質によって、選択的に標識
されているとは、蛍光物質によって標識された生体由来
の物質を、複数の吸着性領域に含まれている特異的結合
物質に、選択的に結合させて、複数の吸着性領域が、蛍
光物質によって、選択的に標識されている場合と、複数
の吸着性領域に含まれている特異的結合物質に、ハプテ
ンによって標識された生体由来の物質を、選択的に結合
させ、さらに、蛍光基質と接触させることによって蛍光
を生じさせる酵素によって標識されたハプテンに対する
抗体を、抗原抗体反応によって、ハプテンに結合させる
ことによって、複数の吸着性領域が、蛍光物質によっ
て、選択的に標識されている場合とを包含している。
【0041】本発明において、ハプテン/抗体の組合わ
せの例としては ジゴキシゲニン/抗ジゴキシゲニン抗
体、テオフィリン/抗テオフィリン抗体、フルオロセイ
ン/抗フルオロセイン抗体などをあげることができる。
また、ハプテン/抗体ではなく、ビオチン/アヴィジン
や抗原/抗体などの組合わせを利用することも可能であ
る。
【0042】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域が、前記生化学解析用ユニットの前
記基板に、規則的なパターンにしたがって形成され、前
記複数の導光部材の集光端部が配置された側とは反対側
から、励起光によって、前記生化学解析用ユニットに形
成された複数の吸着性領域を走査して、前記複数の吸着
性領域に含まれた蛍光物質を励起し、放出された蛍光
を、前記複数の導光部材により、励起光の波長の光をカ
ットし、励起光よりも波長の長い光を透過する性質を有
する励起光カットフィルタに導いて、励起光をカット
し、前記励起光カットフィルタを透過した光を、前記ゼ
ロ次元センサに導き、前記ゼロ次元センサによって、光
電的に検出して、生化学解析用データを生成するように
構成されている。
【0043】本発明の好ましい実施態様によれば、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を含む溶液
を、生化学解析用ユニットの基板に、高密度に滴下し
て、複数の吸着性領域を形成し、複数の吸着性領域に含
まれた特異的結合物質に、蛍光物質によって標識された
生体由来の物質を、ハイブリダイゼーションなどによっ
て、特異的に結合させて、選択的に標識した場合におい
ても、あるいは、複数の吸着性領域に含まれた特異的結
合物質に、ハプテンによって標識された生体由来の物質
を、選択的に、ハイブリダイズさせ、さらに、蛍光基質
と接触させることによって、蛍光物質を生じさせる酵素
により標識されたハプテンに対する抗体を、生体由来の
物質を標識しているハプテンと抗原抗体反応によって、
結合させて、選択的に標識した場合においても、複数の
導光部材が設けられた側とは反対側から、励起光によっ
て、生化学解析用ユニットに形成された複数の吸着性領
域を走査して、蛍光物質を励起し、蛍光物質から放出さ
れる蛍光を光電的に検出し、生化学解析用データを生成
する際に、複数の導光部材を、集光端部が、生化学解析
用ユニットに、互いに離間して、二次元的に形成された
複数の吸着性領域に、十分に近接するように、位置させ
て、複数の吸着性領域から放出される蛍光を、対向する
導光部材の集光端部によって受光し、ゼロ次元センサに
導いて、光電的に検出することにより、各吸着性領域か
ら放出される蛍光が散乱しても、検出すべき蛍光を放出
する吸着性領域から放出される蛍光のみを、効果的に、
対向する導光部材により、ゼロ次元センサに導いて、光
電的に検出することが可能になるから、高い集光効率
で、各吸着性領域から放出された蛍光を集光することが
可能になるとともに、蛍光を光電的に検出して、生成し
た生化学解析用データ中にノイズが生成されることを効
果的に防止することができ、定量性に優れた生化学解析
用のデータを生成することが可能になる。
【0044】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記サンプルが、複数の孔が、互いに離間して、二
次元的に形成された基板を備えた生化学解析用ユニット
によって構成されており、前記複数の発光可能領域が、
前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された前記
複数の孔内に、吸着性材料が充填されて形成された複数
の吸着性領域によって構成され、前記複数の複数の吸着
性領域が、蛍光物質によって、選択的に標識されてい
る。
【0045】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域が、前記生化学解析用ユニットの前
記基板に、規則的なパターンにしたがって形成され、前
記複数の導光部材の集光端部が配置された側とは反対側
から、励起光によって、前記生化学解析用ユニットに形
成された複数の吸着性領域を走査して、前記複数の吸着
性領域に含まれた蛍光物質を励起し、放出された蛍光
を、前記複数の導光部材により、励起光の波長の光をカ
ットし、励起光よりも波長の長い光を透過する性質を有
する励起光カットフィルタに導いて、励起光をカット
し、前記励起光カットフィルタを透過した光を、前記ゼ
ロ次元センサに導き、前記ゼロ次元センサによって、光
電的に検出して、生化学解析用データを生成するように
構成されている。
【0046】本発明の好ましい実施態様によれば、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、生化学
解析用ユニットに高密度に形成された複数の吸着性領域
に滴下し、複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質
に、蛍光物質によって標識された生体由来の物質を、ハ
イブリダイゼーションなどによって、特異的に結合させ
て、選択的に標識した場合においても、複数の導光部材
が設けられた側とは反対側から、励起光によって、生化
学解析用ユニットに形成された複数の吸着性領域を走査
して、蛍光物質を励起し、蛍光物質から放出される蛍光
を光電的に検出して、生化学解析用データを生成する際
に、複数の導光部材を、集光端部が、生化学解析用ユニ
ットに、互いに離間して、二次元的に形成された複数の
吸着性領域に、十分に近接するように、位置させて、複
数の吸着性領域から放出される蛍光を、対向する導光部
材の集光端部によって受光し、ゼロ次元センサに導い
て、光電的に検出することにより、各吸着性領域から放
出される蛍光が散乱しても、検出すべき蛍光を放出する
吸着性領域から放出される蛍光のみを、効果的に、対向
する導光部材により、ゼロ次元センサに導いて、光電的
に検出することが可能になるから、高い集光効率で、各
吸着性領域から放出された蛍光を集光することが可能に
なるとともに、蛍光を光電的に検出して生成した生化学
解析用データ中にノイズが生成されることを効果的に防
止することができ、定量性に優れた生化学解析用のデー
タを生成することが可能になる。
【0047】本発明の好ましい実施態様においては、前
記ゼロ次元センサが、フォトマルチプライアによって構
成されている。
【0048】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、二次元的に、互
いに離間されて、複数の貫通孔が形成され、前記複数の
輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に形成された前記複
数の貫通孔内に、輝尽性蛍光体が充填されて、形成され
ている。
【0049】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領
域が、支持体に形成された複数の貫通孔内に、輝尽性蛍
光体とバインダを含む輝尽性蛍光体膜が、圧入されて、
形成されている。
【0050】本発明の別の好ましい実施態様において
は、蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領
域が、支持体に形成された複数の凹部内に、輝尽性蛍光
体が充填されて、形成されている。
【0051】本発明の好ましい実施態様においては、蓄
積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、
支持体に、規則的に形成されている。
【0052】本発明の好ましい実施態様においては、蓄
積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、
略円形に形成されている。
【0053】本発明の好ましい実施態様においては、蓄
積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、
略矩形状に形成されている。
【0054】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートが、複数の輝尽性蛍光体層領域を
備えている場合には、前記蓄積性蛍光体シートの前記支
持体が、光エネルギーを減衰させる性質を有している。
【0055】本発明の好ましい実施態様によれば、蓄積
性蛍光体シートの支持体が、光エネルギーを減衰させる
性質を有しているから、励起光が、蓄積性蛍光体シート
の支持体内で散乱して、隣り合った輝尽性蛍光体層領域
に入射し、隣り合った輝尽性蛍光体層領域に含まれた輝
尽性蛍光体を励起して、輝尽光を放出させることを効果
的に防止することが可能になるとともに、励起光によっ
て、輝尽性蛍光体層領域に含まれた輝尽性蛍光体が励起
されて、放出された輝尽光が、支持体内で散乱し、隣り
合う輝尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光が混ざり
合うことを効果的に防止することができ、したがって、
放射性標識物質によって選択的に露光された複数の輝尽
性蛍光体層領域を励起光によって走査し、複数の輝尽性
蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出する
ことによって、高い分解能で、定量性に優れた生化学解
析用のデータを生成することが可能になる。
【0056】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートが、複数の輝尽性蛍光体層領域を
備えている場合には、前記蓄積性蛍光体シートの前記支
持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に
等しい距離だけ、光が前記支持体中を透過したときに、
光のエネルギーを1/5以下に減衰させる性質を有して
いる。
【0057】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートが、複数の輝尽性蛍光体層
領域を備えている場合には、前記蓄積性蛍光体シートの
前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の
距離に等しい距離だけ、光が前記支持体中を透過したと
きに、光のエネルギーを1/10以下に減衰させる性質
を有している。
【0058】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートが、複数の輝尽性蛍光体層
領域を備えている場合には、前記蓄積性蛍光体シートの
前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の
距離に等しい距離だけ、光が前記支持体中を透過したと
きに、光のエネルギーを1/50以下に減衰させる性質
を有している。
【0059】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートが、複数の輝尽性蛍光体層
領域を備えている場合には、前記蓄積性蛍光体シートの
前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の
距離に等しい距離だけ、光が前記支持体中を透過したと
きに、光のエネルギーを1/100以下に減衰させる性
質を有している。
【0060】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートが、複数の輝尽性蛍光体層
領域を備えている場合には、前記蓄積性蛍光体シートの
前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の
距離に等しい距離だけ、光が前記支持体中を透過したと
きに、光のエネルギーを1/500以下に減衰させる性
質を有している。
【0061】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートが、複数の輝尽性蛍光体層
領域を備えている場合には、前記蓄積性蛍光体シートの
前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の
距離に等しい距離だけ、光が前記支持体中を透過したと
きに、光のエネルギーを1/1000以下に減衰させる
性質を有している。
【0062】本発明の好ましい実施態様において、蓄積
性蛍光体シートが、複数の輝尽性蛍光体層領域を備えて
いる場合には、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
が、放射線エネルギーを減衰させる性質を有している。
【0063】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットに、放射性標識物質によって標識され
た生体由来の物質が特異的に結合された構造または特性
が既知の特異的結合物質を選択的に含むスポット状の領
域を、高密度に形成し、蓄積性蛍光体シートを重ね合わ
せて、複数のスポット状の領域に選択的に含まれた放射
性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの支持体に、
複数のスポット状の領域と実質的に同一のパターンによ
り、形成された複数の輝尽性蛍光体層領域を露光する場
合に、蓄積性蛍光体シートの支持体が、放射線エネルギ
ーを減衰させる性質を有しているから、スポット状の各
領域に含まれている放射性標識物質から放出された電子
線(β線)が、蓄積性蛍光体シートの支持体内で散乱す
ることを効果的に防止することができ、したがって、生
化学解析用ユニットのスポット状の各領域に含まれてい
る放射性標識物質から放出された電子線(β線)が、対
応する輝尽性蛍光体層領域に隣り合う輝尽性蛍光体層領
域に入射することを、効果的に防止することが可能にな
るから、露光された複数の輝尽性蛍光体層領域を励起光
によって走査し、複数の輝尽性蛍光体層領域から放出さ
れた輝尽光を光電的に検出することによって、高い分解
能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成する
ことが可能になる。
【0064】本発明の好ましい実施態様において、前記
蓄積性蛍光体シートが、複数の輝尽性蛍光体層領域を備
えている場合には、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持
体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等
しい距離だけ、放射線が前記支持体中を透過したとき
に、放射線のエネルギーを、1/5以下に減衰させる性
質を有している。
【0065】本発明のさらに好ましい実施態様におい
て、前記蓄積性蛍光体シートが、複数の輝尽性蛍光体層
領域を備えている場合には、前記蓄積性蛍光体シートの
前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の
距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体中を透過し
たときに、放射線のエネルギーを、1/10以下に減衰
させる性質を有している。
【0066】本発明のさらに好ましい実施態様におい
て、前記蓄積性蛍光体シートが、複数の輝尽性蛍光体層
領域を備えている場合には、前記蓄積性蛍光体シートの
前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の
距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体中を透過し
たときに、放射線のエネルギーを、1/50以下に減衰
させる性質を有している。
【0067】本発明のさらに好ましい実施態様におい
て、前記蓄積性蛍光体シートが、複数の輝尽性蛍光体層
領域を備えている場合には、前記蓄積性蛍光体シートの
前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の
距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体中を透過し
たときに、放射線のエネルギーを、1/100以下に減
衰させる性質を有している。
【0068】本発明のさらに好ましい実施態様におい
て、前記蓄積性蛍光体シートが、複数の輝尽性蛍光体層
領域を備えている場合には、前記蓄積性蛍光体シートの
前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の
距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体中を透過し
たときに、放射線のエネルギーを、1/500以下に減
衰させる性質を有している。
【0069】本発明のさらに好ましい実施態様におい
て、前記蓄積性蛍光体シートが、複数の輝尽性蛍光体層
領域を備えている場合には、前記蓄積性蛍光体シートの
前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の
距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体中を透過し
たときに、放射線のエネルギーを、1/1000以下に
減衰させる性質を有している。
【0070】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、10個以上の輝
尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0071】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、50個以
上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0072】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、100個
以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0073】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、500個
以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0074】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、1000
個以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0075】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、5000
個以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0076】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、1000
0個以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0077】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、5000
0個以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0078】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、1000
00個以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0079】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シート前記複数の輝尽性蛍光体層領域
が、それぞれ、5平方ミリメートル未満のサイズを有し
ている。
【0080】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シート前記複数の輝尽性蛍光体層
領域が、それぞれ、1平方ミリメートル未満のサイズを
有している。
【0081】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シート前記複数の輝尽性蛍光体層
領域が、それぞれ、0.5平方ミリメートル未満のサイ
ズを有している。
【0082】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シート前記複数の輝尽性蛍光体層
領域が、それぞれ、0.1平方ミリメートル未満のサイ
ズを有している。
【0083】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シート前記複数の輝尽性蛍光体層
領域が、それぞれ、0.05平方ミリメートル未満のサ
イズを有している。
【0084】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シート前記複数の輝尽性蛍光体層
領域が、それぞれ、0.01平方ミリメートル未満のサ
イズを有している。
【0085】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数の輝尽
性蛍光体層領域が、10個/平方センチメートル以上の
密度で形成されている。
【0086】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、50個/平方センチメートル
以上の密度で形成されている。
【0087】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、100個/平方センチメート
ル以上の密度で形成されている。
【0088】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、500個/平方センチメート
ル以上の密度で形成されている。
【0089】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、1000個/平方センチメー
トル以上の密度で形成されている。
【0090】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、5000個/平方センチメー
トル以上の密度で形成されている。
【0091】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、10000個/平方センチメ
ートル以上の密度で形成されている。
【0092】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、50000個/平方センチメ
ートル以上の密度で形成されている。
【0093】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、100000個/平方センチ
メートル以上の密度で形成されている。
【0094】本発明において、前記蓄積性蛍光体シート
が、複数の輝尽性蛍光体層領域を備えている場合には、
前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体を形成するために
使用される材料は、光エネルギーおよび/または放射線
エネルギーを減衰させる性質を有していることが好まし
いが、とくに限定されるものではなく、無機化合物材
料、有機化合物材料のいずれをも使用することができ、
金属材料、セラミック材料またはプラスチック材料が、
好ましく使用される。
【0095】本発明において、前記蓄積性蛍光体シート
が、複数の輝尽性蛍光体層領域を備えている場合には、
前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体を形成するために
好ましく使用することのできる無機化合物材料として
は、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタ
ン、タンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、
錫、セレンなどの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの
合金;シリコン、アモルファスシリコン、ガラス、石
英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アル
ミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの
金属酸化物;タングステンカーバイト、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリ
ウムなどの無機塩を挙げることができる。これらは、単
結晶、アモルファス、セラミックのような多結晶焼結体
にいずれの構造を有していてもよい。
【0096】本発明において、前記蓄積性蛍光体シート
が、複数の輝尽性蛍光体層領域を備えている場合には、
前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体を形成するために
好ましく使用することのできる有機化合物材料として
は、高分子化合物が好ましく用いられ、好ましく使用す
ることのできる高分子化合物としては、たとえば、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリ
メチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメ
タクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリ
ロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポ
リフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポ
リクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポ
リエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレート
などのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスル
ホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシ
ロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノー
ル樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;
ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セル
ロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシ
ウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0097】一般に、光の散乱および/または吸収が大
きいほど、光の減衰能が高くなるので、前記蓄積性蛍光
体シートが、複数の輝尽性蛍光体層領域を備えている場
合には、厚さ1cmあたりの吸光度が0.3以上である
ことが好ましく、厚さ1cmあたりの吸光度が1以上で
あれば、さらに好ましい。ここに、吸光度は、厚さTc
mの板状体の直後に、積分球を置き、計測に利用するプ
ローブ光またはエミッション光の波長における透過光量
Aを分光光度計によって測定し、A/Tを算出すること
によって、求められる。光減衰能を向上させるために、
光散乱体や光吸収体を、蓄積性蛍光体シートの支持体に
含有させることもできる。光散乱体としては、蓄積性蛍
光体シートの支持体を形成している材料と異なる材料の
微粒子が用いられ、光吸収体としては、顔料または染料
が用いられる。
【0098】また、一般に、比重が大きいほど、放射線
の減衰能が高くなるので、前記蓄積性蛍光体シートが、
複数の輝尽性蛍光体層領域を備えている場合には、前記
蓄積性蛍光体シートの前記支持体は、比重1.0g/c
以上の化合物材料または複合材料によって形成され
ることが好ましく、比重が1.5g/cm以上、23
g/cm以下の化合物材料または複合材料によって形
成されることが、とくに好ましい。
【0099】本発明において、放射線エネルギーを蓄積
するために使用される輝尽性蛍光体としては、放射線の
エネルギーを蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄
積している放射線のエネルギーを、光の形で放出可能な
ものであればよく、とくに限定されるものではないが、
可視光波長域の光により励起可能であるものが好まし
い。具体的には、たとえば、米国特許第4,239,9
68号に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物
系蛍光体(Ba1−xM2+x)FX:yA(ここに、
2+はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、
XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲン、AはEu、Tb、Ce、Tm、D
y、Pr、Ho、Nd、YbおよびErからなる群より
選ばれる少なくとも一種の3価金属元素、xは0≦x≦
0.6、yは0≦y≦0.2である。)、特開平2−2
76997号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物系蛍光体SrFX:Z(ここに、XはCl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種の
ハロゲン、ZはEuまたはCeである。)、特開昭59
−56479号公報に開示されたユーロピウム付活複合
ハロゲン物系蛍光体BaFX・xNaX’:aEu2+
(ここに、XおよびX’はいずれも、Cl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
あり、xは0<x≦2、aは0<a≦0.2であ
る。)、特開昭58−69281号公報に開示されたセ
リウム付活三価金属オキシハロゲン物系蛍光体であるM
OX:xCe(ここに、MはPr、Nd、Pm、Sm、
Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびBi
からなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元
素、XはBrおよびIのうちの一方あるいは双方、x
は、0<x<0.1である。)、米国特許第4,53
9,137号に開示されたセリウム付活希土類オキシハ
ロゲン物系蛍光体であるLnOX:xCe(ここに、L
nはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる
少なくとも一種の希土類元素、XはCl、BrおよびI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、x
は、0<x≦0.1である。)および米国特許第4,9
62,047号に開示されたユーロピウム付活複合ハロ
ゲン物系蛍光体MIIFX・aMX’・bM’II''
・cMIII'''3 ・xA:yEu2+(ここに、MII
はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ土類金属元素、M はLi、N
a、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ金属元素、M' IIはBeおよびMg
からなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属元
素、MIIIはAl、Ga、InおよびTlからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、Aは少なく
とも一種の金属酸化物、XはCl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、X’、X
''およびX''' はF、Cl、BrおよびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは、0
≦a≦2、bは、0≦b≦10−2、cは、0≦c≦1
−2で、かつ、a+b+c≧10−2であり、xは、
0<x≦0.5で、yは、0<y≦0.2である。)
が、好ましく使用し得る。
【0100】また、本発明において、化学発光のエネル
ギーを蓄積するために使用される輝尽性蛍光体は、可視
光波長域の光のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によっ
て励起され、蓄積している光のエネルギーを、光の形で
放出可能なものであればよく、とくに限定されるもので
はないが、可視光波長域の光により励起可能であるもの
が好ましい。具体的には、たとえば、金属ハロリン酸塩
系蛍光体、希土類元素付活硫化物系蛍光体、アルミン酸
塩系蛍光体、珪酸塩系蛍光体、フッ化物系蛍光体および
これらの二または三以上の混合物からなる群より選ばれ
たものが、好ましく使用される。これらの中では、希土
類元素付活硫化物系蛍光体が好ましく、とくに、米国特
許第5,029,253号明細書、同第4,983,8
34号明細書に開示された希土類元素付活アルカリ土類
金属硫化物系蛍光体、また、その他にも、特開2001
−131545号公報に開示されたZnGeO:M
n,VおよびZnGeO:Mnなどのゲルマン酸亜
鉛蛍光体、特開2001−123162号公報に開示さ
れたSrAl1425:Ln(Lnは希土類)など
のアルミン酸アルカリ土類蛍光体、Y0.8Lu1.2
SiO:Ce,Zr、特公平6−31904号公報に
開示されたGdOCl:Ceなどが好ましく使用され
る。
【0101】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離
間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性領域
が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔に充填され
た吸着性材料に、特異的結合物質を含有させて、形成さ
れている。
【0102】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、前記基板に形成された複数の貫通孔内に、吸着性材
料を含んだ吸着性膜が圧入され、吸着性膜に、特異的結
合物質を含有させて、形成されている。
【0103】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、複数の凹部が、互い
に離間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性領
域が、前記基板に形成された前記複数の凹部に充填され
た吸着性材料に、特異的結合物質を含有させて、形成さ
れている。
【0104】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、吸着性基板と、複数
の貫通孔が、互いに離間して形成され、前記吸着性基板
の少なくとも一方の面に密着された基板を備え、前記複
数の吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数の貫
通孔内の前記吸着性基板に、特異的結合物質を含有させ
て、形成されている。
【0105】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの前記基
板に形成された前記複数の孔に、吸着性材料が充填され
て、形成され、前記生化学解析用ユニットの前記基板
が、光エネルギーを減衰させる性質を有している。
【0106】本発明の好ましい実施態様によれば、複数
の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの基板に形成さ
れた複数の孔に、吸着性材料が充填されて、形成され、
生化学解析用ユニットの基板が、光エネルギーを減衰さ
せる性質を有しているから、生化学解析用ユニットの基
板に、吸着性領域を高密度に形成し、複数の吸着性領域
に含まれた特異的結合物質に、蛍光物質によって標識さ
れた生体由来の物質を、選択的にハイブリダイズさせ、
励起光を照射して、蛍光物質を励起した場合にも、ある
いは、複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、
ハプテンによって標識された生体由来の物質を、選択的
に、ハイブリダイズさせ、さらに、蛍光基質と接触させ
ることによって、蛍光物質を生じさせる酵素により標識
されたハプテンに対する抗体を、生体由来の物質を標識
しているハプテンと抗原抗体反応によって、結合させ、
蛍光基質と接触させて、生成された蛍光物質に、励起光
を照射して、蛍光物質を励起した場合にも、多数の吸着
性領域から放出される蛍光が、基板内で散乱して、隣り
合う吸着性領域から放出された蛍光と混ざり合うことを
効果的に防止することが可能になり、したがって、蛍光
を光電的に検出して、定量性に優れた生化学解析用デー
タを生成することが可能になる。
【0107】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの前記基
板に形成された前記複数の孔に、吸着性材料が充填され
て、形成され、前記生化学解析用ユニットの前記基板
が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だ
け、光が前記基板中を透過したときに、光のエネルギー
を、1/5以下に減衰させる性質を有している。
【0108】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの
前記基板に形成された前記複数の孔に、吸着性材料が充
填されて、形成され、前記生化学解析用ユニットの前記
基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距
離だけ、光が前記基板中を透過したときに、光のエネル
ギーを、1/10以下に減衰させる性質を有している。
【0109】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの
前記基板に形成された前記複数の孔に、吸着性材料が充
填されて、形成され、前記生化学解析用ユニットの前記
基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距
離だけ、光が前記基板中を透過したときに、光のエネル
ギーを、1/50以下に減衰させる性質を有している。
【0110】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの
前記基板に形成された前記複数の孔に、吸着性材料が充
填されて、形成され、前記生化学解析用ユニットの前記
基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距
離だけ、光が前記基板中を透過したときに、光のエネル
ギーを、1/100以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0111】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの
前記基板に形成された前記複数の孔に、吸着性材料が充
填されて、形成され、前記生化学解析用ユニットの前記
基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距
離だけ、光が前記基板中を透過したときに、光のエネル
ギーを、1/500以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0112】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの
前記基板に形成された前記複数の孔に、吸着性材料が充
填されて、形成され、前記生化学解析用ユニットの前記
基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距
離だけ、光が前記基板中を透過したときに、光のエネル
ギーを、1/1000以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0113】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの前記基
板に形成された前記複数の孔に、吸着性材料が充填され
て、形成され、前記生化学解析用ユニットの前記基板
が、放射線エネルギーを減衰させる性質を有している。
【0114】本発明の好ましい実施態様によれば、複数
の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの基板に形成さ
れた複数の孔に、吸着性材料が充填されて、形成され、
生化学解析用ユニットの基板が、放射線エネルギーを減
衰させる性質を有しているから、生化学解析用ユニット
に、吸着性領域を高密度に形成した場合にも、生化学解
析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれた特異的結合
物質に、放射性標識物質によって標識された生体由来の
物質を、ハイブリダイズさせて、選択的に標識し、生化
学解析用ユニットと蓄積性蛍光体シートとを重ね合わせ
て、複数の吸着性領域に選択的に含まれた放射性標識物
質によって、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成された
複数の輝尽性蛍光体層領域を露光する際に、各吸着性領
域に含まれている放射性標識物質から放出された電子線
(β線)が、生化学解析用ユニットの基板内で散乱する
ことを効果的に防止することができ、したがって、各吸
着性領域に含まれている放射性標識物質から放出された
電子線(β線)を、対応する輝尽性蛍光体層の領域に、
選択的に入射させて、対応する輝尽性蛍光体層の領域の
みを露光することが可能になるから、放射性標識物質に
よって露光された輝尽性蛍光体層を、励起光によって走
査し、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電的に
検出することによって、高い分解能で、定量性に優れた
生化学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0115】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの前記基
板に形成された前記複数の孔に、吸着性材料が充填され
て、形成され、前記生化学解析用ユニットの前記基板
が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だ
け、放射線が前記基板中を透過したときに、放射線のエ
ネルギーを、1/5以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0116】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの
前記基板に形成された前記複数の孔に、吸着性材料が充
填されて、形成され、前記生化学解析用ユニットの前記
基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距
離だけ、放射線が前記基板中を透過したときに、放射線
のエネルギーを、1/10以下に減衰させる性質を有し
ている。
【0117】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの
前記基板に形成された前記複数の孔に、吸着性材料が充
填されて、形成され、前記生化学解析用ユニットの前記
基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距
離だけ、放射線が前記基板中を透過したときに、放射線
のエネルギーを、1/50以下に減衰させる性質を有し
ている。
【0118】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの
前記基板に形成された前記複数の孔に、吸着性材料が充
填されて、形成され、前記生化学解析用ユニットの前記
基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距
離だけ、放射線が前記基板中を透過したときに、放射線
のエネルギーを、1/100以下に減衰させる性質を有
している。
【0119】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの
前記基板に形成された前記複数の孔に、吸着性材料が充
填されて、形成され、前記生化学解析用ユニットの前記
基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距
離だけ、放射線が前記基板中を透過したときに、放射線
のエネルギーを、1/500以下に減衰させる性質を有
している。
【0120】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、生化学解析用ユニットの
前記基板に形成された前記複数の孔に、吸着性材料が充
填されて、形成され、前記生化学解析用ユニットの前記
基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距
離だけ、放射線が前記基板中を透過したときに、放射線
のエネルギーを、1/1000以下に減衰させる性質を
有している。
【0121】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、10個以上の吸
着性領域が形成されている。
【0122】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、50個以
上の吸着性領域が形成されている。
【0123】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、100個
以上の吸着性領域が形成されている。
【0124】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、500個
以上の吸着性領域が形成されている。
【0125】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
個以上の吸着性領域が形成されている。
【0126】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、5000
個以上の吸着性領域が形成されている。
【0127】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
0個以上の吸着性領域が形成されている。
【0128】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、5000
0個以上の吸着性領域が形成されている。
【0129】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
00個以上の吸着性領域が形成されている。
【0130】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、そ
れぞれ、5平方ミリメートル未満のサイズを有してい
る。
【0131】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、1平方ミリメートル未満のサイズを有し
ている。
【0132】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.5平方ミリメートル未満のサイズを
有している。
【0133】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.1平方ミリメートル未満のサイズを
有している。
【0134】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.05平方ミリメートル未満のサイズ
を有している。
【0135】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.01平方ミリメートル未満のサイズ
を有している。
【0136】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の吸着
性領域が、10個/平方センチメートル以上の密度で形
成されている。
【0137】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、50個/平方センチメートル以上の密
度で形成されている。
【0138】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、100個/平方センチメートル以上の
密度で形成されている。
【0139】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、500個/平方センチメートル以上の
密度で形成されている。
【0140】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、1000個/平方センチメートル以上
の密度で形成されている。
【0141】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、5000個/平方センチメートル以上
の密度で形成されている。
【0142】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、10000個/平方センチメートル以
上の密度で形成されている。
【0143】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、50000個/平方センチメートル以
上の密度で形成されている。
【0144】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、100000個/平方センチメートル
以上の密度で形成されている。
【0145】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の吸着
性領域が、規則的なパターンで形成されている。
【0146】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の貫通
孔が、それぞれ、略円形に形成されている。
【0147】本発明において、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の孔に、吸
着性材料が充填されて、形成されている場合には、生化
学解析用ユニットの基板を形成するための材料は、光エ
ネルギーおよび/または放射線エネルギーを減衰させる
性質を有していることが好ましいが、とくに限定される
ものではなく、無機化合物材料、有機化合物材料のいず
れをも使用することができ、金属材料、セラミック材料
またはプラスチック材料が、好ましく使用される。
【0148】本発明において、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の孔に、吸
着性材料が充填されて、形成されている場合に、生化学
解析用ユニットの基板を形成するために好ましく使用す
ることのできる無機化合物材料としては、たとえば、
金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、
クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなど
の金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリコ
ン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ
素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;
タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機
塩を挙げることができる。これらは、単結晶、アモルフ
ァス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造
を有していてもよい。
【0149】本発明において、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の孔に、吸
着性材料が充填されて、形成されている場合に、生化学
解析用ユニットの基板を形成するために使用可能な有機
化合物材料としては、高分子化合物が好ましく用いら
れ、好ましく使用することのできる高分子化合物として
は、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポ
リオレフィン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアク
リレート/メチルメタクリレート共重合体などのアクリ
ル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ
塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフ
ルオロエチレン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポ
リカーボネート;ポリエチレンナフタレートやポリエチ
レンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、
ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポ
リイミド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイ
ド;ポリジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボ
ラックなどのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレ
タン;ポリスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;
セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん
粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;
ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよ
びこれら高分子化合物の共重合体などを挙げることがで
きる。これらは、複合材料でもよく、必要に応じて、金
属酸化物粒子やガラス繊維などを充填することもでき、
また、有機化合物材料をブレンドして、使用することも
できる。
【0150】一般に、光の散乱および/または吸収が大
きいほど、光の減衰能が高くなるので、生化学解析用ユ
ニットの複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の
孔に、吸着性材料が充填されて、形成されている場合に
は、生化学解析用ユニットの基板は、厚さ1cmあたり
の吸光度が0.3以上であることが好ましく、厚さ1c
mあたりの吸光度が1以上であれば、さらに好ましい。
ここに、吸光度は、厚さTcmの板状体の直後に、積分
球を置き、計測に利用するプローブ光またはエミッショ
ン光の波長における透過光量Aを分光光度計によって測
定し、A/Tを算出することによって、求められる。光
減衰能を向上させるために、光散乱体や光吸収体を、生
化学解析用ユニットの基板に含有させることもできる。
光散乱体としては、生化学解析用ユニットの基板を形成
している材料と異なる材料の微粒子が用いられ、光吸収
体としては、顔料または染料が用いられる。
【0151】また、一般に、比重が大きいほど、放射線
の減衰能が高くなるので、生化学解析用ユニットの複数
の吸着性領域が、基板に形成された複数の孔に、吸着性
材料が充填されて、形成されている場合には、生化学解
析用ユニットの基板は、比重1.0g/cm以上の化
合物材料または複合材料によって形成されることが好ま
しく、比重が1.5g/cm以上、23g/cm
下の化合物材料または複合材料によって形成されること
が、とくに好ましい。
【0152】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、吸着性基板を備え、
前記複数の吸着性領域が、前記吸着性基板に、特異的結
合物質を含有させて、形成されている。
【0153】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するための吸着性
材料としては、多孔質材料あるいは繊維材料が好ましく
使用される。多孔質材料と繊維材料とを併用して、吸着
性領域あるいは吸着性基板を形成することもできる。
【0154】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するための多孔質
材料は、有機材料、無機材料のいずれでもよく、有機/
無機複合体でもよい。
【0155】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる有機多孔質材料は、とくに限定されるものではない
が、活性炭などの炭素材料あるいはメンブレンフィルタ
を形成可能な材料が、好ましく用いられる。具体的に
は、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10な
どのナイロン類;ニトロセルロース、酢酸セルロース、
酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;コラーゲ
ン;アルギン酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/
ポリリシンポリイオンコンプレックスなどのアルギン酸
類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ
化ビニリデン、ポリテトラフルオライドなどのポリフル
オライドや、これらの共重合体または複合体が挙げられ
る。
【0156】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる無機多孔質材料は、とくに限定されるものではない
が、好ましくは、たとえば、白金、金、鉄、銀、ニッケ
ル、アルミニウムなどの金属;アルミナ、シリカ、チタ
ニア、ゼオライトなどの金属酸化物;ヒドロキシアパタ
イト、硫酸カルシウムなどの金属塩やこれらの複合体な
どが挙げられる。
【0157】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる繊維材料は、とくに限定されるものではないが、好
ましくは、たとえば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン類、ニトロセルロース、
酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース
誘導体などが挙げられる。
【0158】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域は、電解処理、プラズマ処理、アーク放電な
どの酸化処理;シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤などを用いたプライマー処理;界面活性剤処理な
どの表面処理によって形成することもできる。
【0159】本発明の前記目的はまた、互いに離間し
て、二次元的に形成され、標識物質によって、選択的に
標識された特異的結合物質と生体由来の物質の結合体を
含む複数の発光可能領域が形成されたサンプルを載置可
能なサンプルステージと、励起光を発する励起光源と、
前記サンプルステージに載置された前記サンプルを、前
記励起光源から発せられた励起光によって、走査する走
査機構と、前記複数の発光可能領域から放出された光を
光電的に検出するゼロ次元センサと、集光端部が、前記
サンプルステージに載置された前記サンプルの前記複数
の発光可能領域のに対向して、配置され、前記サンプル
の前記複数の発光可能領域のそれぞれから放出された光
を、前記ゼロ次元センサに導く複数の導光部材を備えた
ことを特徴とする生化学解析用データの生成装置によっ
て達成される。
【0160】本発明によれば、放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成された輝尽性蛍
光体層を露光して、輝尽性蛍光体層に、放射線エネルギ
ーを蓄積した複数の露光領域を、二次元的に、互いに離
間して、形成した後に、蓄積性蛍光体シートをサンプル
ステージに載置し、複数の露光領域を、励起光によって
走査し、複数の露光領域から放出される輝尽光を、複数
の導光部材によって、ゼロ次元センサに導いて、光電的
に検出し、生化学解析用データを生成する際に、複数の
導光部材を、集光端部が、蓄積性蛍光体シートの支持体
の輝尽性蛍光体層に形成された複数の露光領域に、十分
に近接するように、位置させて、複数の露光領域から放
出される輝尽光を、導光部材の集光端部により、受光
し、ゼロ次元センサによって、光電的に検出することに
よって、各輝尽性蛍光体層の領域から放出された輝尽光
を、対向する導光部材によって、高い集光効率で集光
し、ゼロ次元センサに導いて、光電的に検出させること
ができるから、高い分解能で、かつ、高感度で、定量性
に優れた生化学解析用のデータを生成することが可能に
なる。
【0161】また、本発明によれば、蓄積性蛍光体シー
トの支持体に、二次元的に、互いに離間して、形成され
た複数の輝尽性蛍光体層領域を、放射性標識物質によっ
て、露光して、放射線エネルギーを蓄積させた後に、蓄
積性蛍光体シートをサンプルステージに載置し、蓄積性
蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域を、励起光に
よって走査し、複数の輝尽性蛍光体層領域から放出され
る輝尽光を、複数の導光部材によって、ゼロ次元センサ
に導いて、光電的に検出し、生化学解析用データを生成
する際に、複数の導光部材を、集光端部が、蓄積性蛍光
体シートの支持体に形成された複数の輝尽性蛍光体層領
域に、十分に近接するように、位置させて、複数の輝尽
性蛍光体層領域から放出される輝尽光を、導光部材の集
光端部によって、受光し、ゼロ次元センサによって、光
電的に検出することにより、各輝尽性蛍光体層領域から
放出された輝尽光を、対向する導光部材によって、高い
集光効率で集光し、ゼロ次元センサに導いて、光電的に
検出させることができるから、高い分解能で、かつ、高
感度で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成す
ることが可能になる。
【0162】さらに、本発明によれば、化学発光によっ
て、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成された輝尽性蛍
光体層を露光して、輝尽性蛍光体層に、化学発光のエネ
ルギーを蓄積した複数の露光領域を、二次元的に、互い
に離間して、形成した後に、蓄積性蛍光体シートをサン
プルステージに載置し、複数の露光領域を、励起光によ
って走査し、複数の露光領域から放出される輝尽光を、
複数の導光部材によって、ゼロ次元センサに導いて、光
電的に検出し、生化学解析用データを生成する際に、複
数の導光部材を、集光端部が、蓄積性蛍光体シートの支
持体の輝尽性蛍光体層に形成された複数の露光領域に、
十分に近接するように、位置させて、複数の露光領域か
ら放出される輝尽光を、導光部材の集光端部により、受
光し、ゼロ次元センサによって、光電的に検出すること
によって、各輝尽性蛍光体層の領域から放出された輝尽
光を、対向する導光部材によって、高い集光効率で集光
し、ゼロ次元センサに導いて、光電的に検出させること
ができるから、高い分解能で、かつ、高感度で、定量性
に優れた生化学解析用のデータを生成することが可能に
なる。
【0163】また、本発明によれば、蓄積性蛍光体シー
トの支持体に、二次元的に、互いに離間して、形成され
た複数の輝尽性蛍光体層領域を、化学発光によって、露
光して、化学発光のエネルギーを蓄積させた後に、蓄積
性蛍光体シートをサンプルステージに載置し、蓄積性蛍
光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域を、励起光によ
って走査し、複数の輝尽性蛍光体層領域から放出される
輝尽光を、複数の導光部材によって、ゼロ次元センサに
導いて、光電的に検出し、生化学解析用データを生成す
る際に、複数の導光部材を、集光端部が、蓄積性蛍光体
シートの支持体に形成された複数の輝尽性蛍光体層領域
に、十分に近接するように、位置させて、複数の輝尽性
蛍光体層領域から放出される輝尽光を、導光部材の集光
端部によって、受光し、ゼロ次元センサによって、光電
的に検出することにより、各輝尽性蛍光体層領域から放
出された輝尽光を、対向する導光部材によって、高い集
光効率で集光し、ゼロ次元センサに導いて、光電的に検
出させることができるから、高い分解能で、かつ、高感
度で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成する
ことが可能になる。
【0164】さらに、本発明によれば、生体由来の物質
と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、
組成などが既知の特異的結合物質を含む溶液を、生化学
解析用ユニットの基板に滴下して、生化学解析用ユニッ
トに、特異的結合物質が吸着された複数の吸着性領域
を、二次元的に、互いに離間して、形成し、複数の吸着
性領域に吸着された特異的結合物質に、蛍光物質によっ
て標識された生体由来の物質を、ハイブリダイゼーショ
ンなどによって、特異的に結合させて、選択的に標識し
た場合においても、あるいは、複数の吸着性領域に吸着
された特異的結合物質に、ハプテンによって標識された
生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、さ
らに、蛍光基質と接触させることによって、蛍光物質を
生じさせる酵素により標識されたハプテンに対する抗体
を、生体由来の物質を標識しているハプテンと抗原抗体
反応によって、結合させて、選択的に標識した場合にお
いても、生化学解析用ユニットをサンプルステージに載
置し、複数の吸着性領域を、励起光によって走査して、
蛍光物質を励起し、複数の吸着性領域のそれぞれから放
出される蛍光を、複数の導光部材により、ゼロ次元セン
サに導いて、光電的に検出し、生化学解析用データを生
成する際に、複数の導光部材を、集光端部が、生化学解
析用ユニットに、互いに離間して、二次元的に形成され
た複数の吸着性領域に、十分に近接するように、位置さ
せて、複数の吸着性領域から放出される蛍光を、対向す
る導光部材の集光端部によって受光し、ゼロ次元センサ
に導いて、光電的に検出することにより、吸着性領域か
ら放出される蛍光が散乱しても、検出すべき蛍光を放出
する吸着性領域から放出された蛍光のみを、高い集光効
率で、導光部材により集光し、ゼロ次元センサに導い
て、光電的に検出することが可能になるから、高感度
で、蛍光を光電的に検出することが可能となるととも
に、蛍光を光電的に検出して生成した生化学解析用デー
タ中にノイズが生成されることを効果的に防止して、定
量性に優れた生化学解析用のデータを生成することが可
能になる。
【0165】また、本実施態様によれば、生体由来の物
質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長
さ、組成などが既知の特異的結合物質を含む溶液を、生
化学解析用ユニットの基板に、二次元的に、互いに離間
して、形成された複数の孔内に、吸着性材料が充填され
て、形成された複数の吸着性領域に滴下して、特異的結
合物質を複数の吸着性領域に吸着させ、複数の吸着性領
域に吸着された特異的結合物質に、蛍光物質によって標
識された生体由来の物質を、ハイブリダイゼーションな
どによって、特異的に結合させて、選択的に標識した場
合においても、あるいは、複数の吸着性領域に吸着され
た特異的結合物質に、ハプテンによって標識された生体
由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、さら
に、蛍光基質と接触させることによって、蛍光物質を生
じさせる酵素により標識されたハプテンに対する抗体
を、生体由来の物質を標識しているハプテンと抗原抗体
反応によって、結合させて、選択的に標識した場合にお
いても、生化学解析用ユニットをサンプルステージに載
置し、複数の吸着性領域を、励起光によって走査して、
蛍光物質を励起し、複数の吸着性領域のそれぞれから放
出される蛍光を、複数の導光部材により、ゼロ次元セン
サに導いて、光電的に検出し、生化学解析用データを生
成する際に、複数の導光部材を、集光端部が、生化学解
析用ユニットに、互いに離間して、二次元的に形成され
た複数の吸着性領域に、十分に近接するように、位置さ
せて、複数の吸着性領域から放出される蛍光を、対向す
る導光部材の集光端部によって受光し、ゼロ次元センサ
に導いて、光電的に検出することにより、吸着性領域か
ら放出される蛍光が散乱しても、検出すべき蛍光を放出
する吸着性領域から放出された蛍光のみを、高い集光効
率で、導光部材により集光し、ゼロ次元センサに導い
て、光電的に検出することが可能になるから、高感度
で、蛍光を光電的に検出することが可能となるととも
に、蛍光を光電的に検出して生成した生化学解析用デー
タ中にノイズが生成されることを効果的に防止して、定
量性に優れた生化学解析用のデータを生成することが可
能になる。
【0166】本発明の好ましい実施態様においては、前
記導光部材が、少なくとも1本の光ファイバによって構
成されている。
【0167】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記導光部材が、複数の光ファイバによって構成さ
れた光ファイバ束によって構成されている。
【0168】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の導光部材のそれぞれの前記集光端部が、前記サ
ンプルに形成された複数の発光可能領域の1つと対向す
るように、前記複数の導光部材が配置されている。
【0169】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記サンプルに形成された複数の発光可能領域の少
なくとも一部が、2以上の前記導光部材の前記集光端部
に対向するように、前記複数の導光部材が配置されてい
る。
【0170】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
複数の導光部材の集光端部と、サンプルに形成された複
数の発光可能領域とを、正確に位置合わせする必要がな
く、生化学解析用データの生成装置の製造コストを大幅
に低減することが可能なる。
【0171】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の導光部材の前記集光端部とは反対の端部近傍が
集合されている。
【0172】本発明の好ましい実施態様によれば、複数
の導光部材の集光端部とは反対の端部近傍が集合されて
いるから、複数の発光可能領域から放出され、複数の導
光部材によって導かれた光を、光電検出面の小さいゼロ
次元センサを用いて、光電的に検出することができ、生
化学解析用データの生成装置を大幅に小型化することが
可能となるとともに、製造コストを大幅に低減すること
が可能なる。
【0173】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の導光部材の集光端部近傍が、固定ヘッドによっ
て支持され、前記複数の導光部材の集光端部が位置決め
されている。
【0174】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0175】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用データの生成方法に使用される生化学解
析用ユニットの略斜視図である。
【0176】図1に示されるように、本実施態様にかか
る生化学解析用ユニット1は、ステンレス鋼によって形
成され、多数の略円形状の貫通孔3が高密度に形成され
た基板2を備えており、多数の貫通孔3の内部には、ナ
イロン6が充填されて、多数の吸着性領域4が、ドット
状に形成されている。
【0177】図1には、正確に示されていないが、本実
施態様においては、19200の約0.01平方ミリメ
ートルのサイズを有する略円形の吸着性領域4が、約5
000個/平方センチメートルの密度で、規則的なパタ
ーンにしたがって、マトリックス状に、生化学解析用ユ
ニット1に形成されている。
【0178】本実施態様においては、吸着性領域4は、
その表面が、基板2の表面が同一の高さに位置するよう
に、多数の貫通孔3内に、ナイロン6が充填されて、形
成されている。
【0179】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0180】生化学解析にあたっては、図2に示される
ように、生化学解析用ユニット1に規則的に形成された
多数の吸着性領域4内に、特異的結合物質を含む溶液、
たとえば、塩基配列が既知の互いに異なった複数のcD
NAを含む溶液が、スポッティング装置5を使用して、
滴下され、特異的結合物質が吸着性領域4内に固定され
る。
【0181】図2に示されるように、スポッティング装
置5は、特異的結合物質を含む溶液を、生化学解析用ユ
ニット1に向けて、噴射するインジェクタ6と、CCD
カメラ7とを備え、CCDカメラ7によって、インジェ
クタ6の先端部と、特異的結合物質、たとえば、cDN
Aを含む溶液を滴下すべき生化学解析用ユニット1の吸
着性領域4を観察しながら、インジェクタ6の先端部
と、特異的結合物質を含む溶液を滴下すべきの吸着性領
域4の中心とが合致したときに、インジェクタ6から、
特異的結合物質を含む溶液が滴下されるように構成さ
れ、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4内
に、特異的結合物質を含む溶液を、正確に滴下すること
ができるように保証されている。
【0182】次いで、こうして、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域4に吸着されたcDN
Aなどの特異的結合物質に、標識物質によって標識され
た生体由来の物質が、選択的に、ハイブリダイズされ
る。
【0183】図3は、ハイブリダイゼーション反応容器
の略縦断面図である。
【0184】図3に示されるように、ハイブリダイゼー
ション反応容器8は矩形状断面を有し、内部に、標識物
質によって標識されたプローブである生体由来の物質を
含むハイブリダイゼーション反応溶液9が収容されてい
る。
【0185】放射性標識物質によって、cDNAなどの
特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標
識物質によって標識されたプローブである生体由来の物
質を含むハイブリダイゼーション反応溶液9が調製さ
れ、ハイブリダイゼーション反応容器8内に収容され
る。
【0186】一方、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって、cDNA
などの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識されたプローブである生体由
来の物質を含むハイブリダイゼーション反応溶液9が調
製され、ハイブリダイゼーション反応容器8内に収容さ
れる。
【0187】さらに、蛍光色素などの蛍光物質によっ
て、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する
場合には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された
プローブである生体由来の物質を含むハイブリダイゼー
ション反応溶液9が調製され、ハイブリダイゼーション
反応容器8内に収容される。
【0188】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション反応溶液9を調製して、ハイ
ブリダイゼーション反応容器8内に収容させることもで
き、本実施態様においては、放射性標識物質によって標
識された生体由来の物質、化学発光基質と接触させるこ
とによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識
された生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質に
よって標識された生体由来の物質を含むハイブリダイゼ
ーション反応溶液9が調製され、ハイブリダイゼーショ
ン反応容器8内に収容されている。
【0189】ハイブリダイゼーションにあたって、cD
NAなどの特異的結合物質が、多数の吸着性領域4に吸
着されている生化学解析用ユニット1が、ハイブリダイ
ゼーション反応容器8内に収容される。
【0190】その結果、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に固定されている特異的結合物質に、放
射性標識物質により標識され、ハイブリダイゼーション
反応溶液9に含まれた生体由来の物質、化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
によって標識され、ハイブリダイゼーション反応溶液9
に含まれた生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物
質によって標識され、ハイブリダイゼーション反応溶液
9に含まれた生体由来の物質が、選択的に、ハイブリダ
イズされる。
【0191】ハイブリダイゼーションが完了すると、ハ
イブリダイゼーション容器8から、ハイブリダイゼーシ
ョン溶液9が排出され、洗浄溶液が、ハイブリダイゼー
ション容器8に供給されて、生化学解析用ユニット1が
洗浄される。
【0192】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に、放射性標識物質の放射線データ、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質の化学発光データおよび蛍光色素などの蛍
光物質の蛍光データが記録される。
【0193】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された蛍光データは、後述する生化学解析用
データの生成装置によって読み取られ、生化学解析用デ
ータが生成される。
【0194】一方、生化学解析用ユニット1の多数の吸
着性領域4に記録された放射性標識物質の放射線データ
は、蓄積性蛍光体シートに転写され、蓄積性蛍光体シー
トに転写された放射線データは、後述する生化学解析用
データの生成装置によって読み取られて、生化学解析用
データが生成される。
【0195】これに対して、生化学解析用ユニット1の
多数の吸着性領域4に記録された化学発光データは、後
述する蓄積性蛍光体シートに転写されて、後述する別の
生化学解析用データの生成装置によって読み取られて、
生化学解析用データが生成される。
【0196】図4は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用データの生成方法に用いられる放射線デ
ータを転写すべき蓄積性蛍光体シートの略斜視図であ
る。
【0197】図4に示されるように、本実施態様にかか
る蓄積性蛍光体シート10は、ステンレス鋼によって形
成され、多数の略円形の貫通孔13が規則的に形成され
た支持体11を備え、支持体11の形成された多数の貫
通孔13内に、放射線エネルギーを吸収し、蓄積可能な
BaFX系輝尽性蛍光体(ここに、Xは、Cl、Brお
よびIからなる群から選ばれたハロゲン原子である。)
が充填されて、多数の輝尽性蛍光体層領域12が、ドッ
ト状に形成されている。
【0198】多数の貫通孔13は、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4と同一の
パターンで、支持体11に形成され、それぞれ、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領
域4と同じサイズを有している。
【0199】したがって、図4には、正確に示されてい
ないが、本実施態様においては、19200の約0.0
1平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性蛍
光体層領域12が、約5000個/平方センチメートル
の密度で、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4と同じ規則的なパターンにしたがって、蓄積性蛍光体
シート10の支持体11に、マトリックス状に形成され
ている。
【0200】また、本実施態様においては、支持体11
の表面と、輝尽性蛍光体層領域12のそれぞれの表面と
が同一の高さに位置するように、支持体11に形成され
た多数の貫通孔13に、輝尽性蛍光体が充填されて、蓄
積性蛍光体シート10が形成されている。
【0201】図5は、生化学解析用ユニット1の基板2
に形成された多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識
物質によって、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に
形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12を露光する方
法を示す略断面図である。
【0202】図5に示されるように、露光にあたって
は、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成された
各輝尽性蛍光体層領域12が、生化学解析用ユニット1
に形成された対応する吸着性領域4に対向するように、
蓄積性蛍光体シート10と生化学解析用ユニット1とが
重ね合わされる。
【0203】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1は、ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の
貫通孔3内に、ナイロン6が充填されて、形成されてい
るので、ハイブリダイゼーションなど、液体による処理
を受けても、伸縮することがなく、したがって、生化学
解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4が、
蓄積性蛍光体シート10に形成された多数の輝尽性蛍光
体層領域12に、正確に対向するように、蓄積性蛍光体
シート10と生化学解析用ユニット1とを、容易にかつ
確実に重ね合わせて、多数の輝尽性蛍光体層領域12を
露光することが可能になる。
【0204】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート10に形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域12の各々と、生化学解析用ユニット1に形成された
多数の吸着性領域4とを対向させることによって、吸着
性領域4に含まれた放射性標識物質によって、蓄積性蛍
光体シート10に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域
12が露光される。
【0205】この際、生化学解析用ユニット1の吸着性
領域4に含まれている放射性標識物質から、電子線(β
線)が発せられるが、生化学解析用ユニット1の多数の
吸着性領域4は、ステンレス鋼によって形成された基板
2に、互いに離間して形成され、各吸着性領域4の周囲
には、放射線エネルギーを減衰させる性質を有するステ
ンレス鋼製の基板2が存在しているから、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4に含まれている放射性標識物
質から発せられた電子線(β線)が、生化学解析用ユニ
ット1の基板2内で、散乱することを効果的に防止する
ことができ、さらに、蓄積性蛍光体シート10の多数の
輝尽性蛍光体層領域12が、放射線エネルギーを減衰さ
せる性質を有するステンレス鋼製の支持体11に形成さ
れた複数の貫通孔13内に、輝尽性蛍光体を充填して、
形成され、各輝尽性蛍光体層領域12の周囲には、放射
線エネルギーを減衰させる性質を有するステンレス鋼製
の支持体11が存在しているから、生化学解析用ユニッ
ト1の吸着性領域4に含まれている放射性標識物質から
発せられた電子線(β線)が、蓄積性蛍光体シート10
の支持体11内で、散乱することを効果的に防止するこ
とができ、したがって、したがって、吸着性領域4に含
まれている放射性標識物質から発せられた電子線(β
線)はすべて、その吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光
体層領域12に入射し、隣り合う吸着性領域4から放出
される電子線(β線)によって露光されるべき輝尽性蛍
光体層領域12に入射して、露光することを効果的に防
止することができる。
【0206】したがって、蓄積性蛍光体シート10の支
持体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12
を、生化学解析用ユニット1の対応する吸着性領域4に
含まれた放射性標識物質のみによって、効果的に、露光
することが可能になる。
【0207】こうして、蓄積性蛍光体シート10の支持
体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12に、
放射性標識物質の放射線データが記録される。
【0208】図6は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用データの生成装置の略断面図である。
【0209】本実施態様にかかる生化学解析用データの
生成装置は、473nmの波長のレーザ光によって、効
率的に励起可能な蛍光物質、たとえば、Cy3の蛍光デ
ータを読み取って、生化学解析用データを生成可能に構
成され、473nmの波長のレーザ光21を発するレー
ザ励起光源20を備えている。ここに、レーザ励起光源
20は、第二高調波生成(Second Harmonic Generatio
n)素子によって構成されている。
【0210】レーザ励起光源20により発生された47
3nmの波長のレーザ光21は、コリメータレンズ22
によって、平行な光とされた後、ビームエキスパンダ2
3に入射する。
【0211】ビームエキスパンダ23によって、ビーム
径が正確に調整された後、レーザ光21は、反射ミラー
24に入射して、反射される。
【0212】反射ミラー24によって、反射されたレー
ザ光21は、サンプルステージ25の透明ガラス板26
上に載置された生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された吸着性領域4の1つに入射する。
【0213】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1が、反射ミラー24により反射されたレーザ光2
1によって、隣り合う吸着性領域4の間の距離に等しい
ピッチで、図6において、矢印Xで示される主走査方向
に走査されるように、反射ミラー24が、モータ(図示
せず)によって、回転駆動されるように構成されてい
る。
【0214】本実施態様においては、図6に示されるよ
うに、生化学解析用データの生成装置は、サンプルステ
ージ25に載置された生化学解析用ユニット1の多数の
吸着性領域4のそれぞれに対向し、近接した位置に、集
光端部30aを有する多数の光ファイバ部材30を備え
ている。
【0215】本実施態様においては、各光ファイバ部材
30は、複数の光ファイバによって構成され、集光端部
30aの近傍で、固定ヘッド31に形成された貫通孔3
2内に取り付けられ、光ファイバ部材30の集光端部3
0aが、所望のように、位置決めされている。
【0216】また、図6に示されるように、集光端部3
0aとは反対側の端部30bの近傍で、多数の光ファイ
バ部材30は集合されている。
【0217】図6に示されるように、光ファイバ部材3
0は、それぞれ、集光端部30aとは反対側の端部30
bが、励起光カットフィルタ33に対向するように配置
されている。
【0218】本実施態様においては、励起光カットフィ
ルタ33は、レーザ光21の波長である473nmの波
長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有している。
【0219】本実施態様にかかる生化学解析用データの
生成装置は、光ファイバ部材30とは反対側の励起光カ
ットフィルタ33の表面に対向して、配置されたフォト
マルチプライア35を備え、フォトマルチプライア35
が、蛍光28を光電的に検出して、生成されたアナログ
データは、A/D変換器36に出力され、A/D変換器
36によってディジタル化され、生成されたディジタル
データは、データ処理装置37に出力される。
【0220】本実施態様においては、走査機構(図示せ
ず)によって、図6において、矢印Xで示される主走査
方向に直交する副走査方向に、サンプルステージ25、
固定ヘッド31、多数の光ファイバ部材30、励起光カ
ットフィルタ33およびフォトマルチプライア35が移
動されるように構成されている。
【0221】図7は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用データの生成装置の制御系、入力
系、駆動系、検出系およびメモリ系を示すブロックダイ
アグラムである。
【0222】図7に示されるように、生化学解析用デー
タの生成装置の制御系は、生化学解析用データの生成装
置全体の動作を制御するコントロールユニット40を備
え、生化学解析用データの生成装置の入力系は、ユーザ
ーによって操作され、種々の指示信号を入力可能なキー
ボード41を備えている。
【0223】図7に示されるように、生化学解析用デー
タの生成装置の駆動系は、生化学解析用ユニット1が、
反射ミラー24により反射されたレーザ光21によっ
て、隣り合う吸着性領域4の間の距離に等しいピッチ
で、図6において、矢印Xで示される主走査方向に走査
されるように、反射ミラー24を、間欠的に回転駆動さ
せる主走査ステッピングモータ42と、図6において、
矢印Xで示される主走査方向に直交する副走査方向に、
サンプルステージ25、固定ヘッド31、多数の光ファ
イバ部材30、励起光カットフィルタ33およびフォト
マルチプライア35を間欠的に移動させる副走査パルス
モータ43を備え、生化学解析用データの生成装置の検
出系は、フォトマルチプライア35を備えている。
【0224】図7に示されるように、生化学解析用デー
タの生成装置のメモリ系は、反射ミラー24の位置に応
じて、主走査ステッピングモータ42に出力すべき駆動
パルスを記憶するメモリ44を備えている。
【0225】コントロールユニット40は、レーザ励起
光源20に、駆動信号および駆動停止信号を出力して、
レーザ励起光源20をオン・オフ制御するように構成さ
れている。
【0226】以上のように構成された本実施態様にかか
る生化学解析用データの生成装置は、次のようにして、
生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸
着性領域4に記録されている蛍光データを読み取って、
生化学解析用データを生成する。
【0227】まず、ユーザーによって、多数の吸着性領
域4に、蛍光データが記録された生化学解析用ユニット
1が、サンプルステージ25の透明なガラス板26上に
載置される。
【0228】ここに、サンプルステージ25には、ガイ
ド部材(図示せず)が設けられ、多数のドット状の吸着
性領域4が、それぞれ、対応する光ファイバ部材30の
集光端部30aに対向するように、サンプルステージ2
5上に、生化学解析用ユニット1が載置されることが保
証されている。
【0229】次いで、ユーザーによって、キーボード4
1に、データ生成開始信号が入力されると、データ生成
開始信号が、コントロールユニット40に出力される。
【0230】データ生成開始信号を受けると、コントロ
ールユニット40は、メモリ44に記憶されている反射
ミラーの回転位置に応じて、決定された駆動パルスにし
たがって、主走査ステッピングモータ42に駆動信号を
出力して、反射ミラー44をを回転させ、生化学解析用
ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4の
うちの第1の吸着性領域4に、レーザ励起光源20から
発せられたレーザ光21が照射可能な位置に、反射ミラ
ー21が回転されたことが確認されると、主走査ステッ
ピングモータ42に停止信号を出力するとともに、レー
ザ励起光源20に駆動信号を出力して、レーザ励起光源
20を起動させ、473nmの波長のレーザ光21を発
せさせる。
【0231】レーザ励起光源20から発せられた473
nmの波長のレーザ光21は、コリメータレンズ22に
よって、平行な光とされた後、ビームエキスパンダ23
に入射する。
【0232】ビームエキスパンダ23によって、ビーム
径が正確に調整された後、レーザ光21は、反射ミラー
24に入射して、反射される。
【0233】反射ミラー24によって反射されたレーザ
光21は、サンプルステージ25に載置された生化学解
析用ユニット1の基板2に形成された第1の吸着性領域
4に入射する。
【0234】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1の基板2は、ステンレス鋼によって形成され、光
エネルギーを減衰させる性質を有しているから、レーザ
光21が、生化学解析用ユニット1の基板2内で散乱し
て、隣り合う吸着性領域4に入射し、隣り合う吸着性領
域4に含まれている蛍光物質を励起して、蛍光28を放
出させることを効果的に防止することが可能になる。
【0235】レーザ光21が、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された第1の吸着性領域4に入射する
と、レーザ光21によって、第1の吸着性領域4に含ま
れている蛍光物質、たとえば、Cy3が励起されて、蛍
光28が放出される。
【0236】第1の吸着性領域4から放出された蛍光2
8は、第1の吸着性領域4に対向する位置に配置された
光ファイバ部材30の集光端部30aによって集光され
る。
【0237】ここに、本実施態様においては、多数の光
ファイバ部材30は、それぞれの集光端部30aが、サ
ンプルステージ25のガラス板26上に載置された生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4のそれぞれ
に、近接して、対向する位置に位置するように、集光端
部30aの近傍が、固定ヘッド31に形成された貫通孔
32内に取り付けられているから、生化学解析用ユニッ
ト1の第1の吸着性領域4から放出された蛍光28は、
確実に、対応する光ファイバ部材30の集光端部30a
によって集光される。
【0238】また、本実施態様においては、生化学解析
用ユニット1の基板2は、ステンレス鋼によって形成さ
れ、光エネルギーを減衰させる性質を有しているから、
生化学解析用ユニット1の隣り合う吸着性領域4から放
出された蛍光28が散乱して、混ざり合うことを効果的
に防止することが可能になる。
【0239】対応する光ファイバ部材30の集光端部3
0aによって、受光され、集光された輝尽光28は、光
ファイバ部材30によってガイドされて、励起光カット
フィルタ33の対向する領域に入射する。
【0240】ここに、多数の光ファイバ部材30は、そ
れぞれ、集光端部30aとは反対側の端部30bの近傍
で、集合されているから、生化学解析用ユニット1の基
板2に形成された多数の吸着性領域4に対応して、多数
の光ファイバ部材30を設けても、面積の小さい励起光
カットフィルタ33および光電面の面積の小さいフォト
マルチプライア35を用いることができ、生化学解析用
データの生成装置を小型化することが可能になるととも
に、製造コストを大幅に低減することが可能になる。
【0241】また、本実施態様にかかる生化学解析用デ
ータ生成装置は、レーザ光21によって、生化学解析用
ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4
を、順次、走査して、多数の吸着性領域4に含まれてい
る蛍光物質を励起し、吸着性領域4から放出された蛍光
28をフォトマルチプライア35によって、光電的に検
出して、生化学解析用データを生成するように構成され
ているから、多数の光ファイバ部材30の集光端部30
aと、その反対側の端部30bとを、同じパターンで、
配列する必要はない。
【0242】ここに、励起光カットフィルタ33は、レ
ーザ光21の波長である473nmの波長の光をカット
し、473nmよりも波長の長い光を透過させる性質を
有しているので、473nmの波長の光がカットされ、
吸着性領域4から放出された473nmよりも長波長の
蛍光28のみが、励起光カットフィルタ33を透過し
て、フォトマルチプライア35によって、光電的に受光
される。
【0243】フォトマルチプライア35によって、蛍光
28が光電的に検出されて、生成されたアナログデータ
は、A/D変換器36に出力されて、ディジタルデータ
に変換され、データ処理装置37に出力される。
【0244】レーザ励起光源20がオンされた後、所定
の時間が経過すると、コントロールユニット40は、レ
ーザ励起光源20に駆動停止信号を出力して、レーザ励
起光源20の駆動を停止させるとともに、メモリ44に
記憶されている反射ミラーの回転位置に応じた決定され
た駆動パルスにしたがって、主走査ステッピングモータ
42に、駆動信号を出力して、反射ミラー24を、レー
ザ励起光源20から発せられたレーザ光21が、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された第1の吸着性領
域4に隣り合う第2の吸着性領域4に照射可能な位置に
回転させる。
【0245】レーザ励起光源20から発せられたレーザ
光21が、第1の吸着性領域4に隣り合う第2の吸着性
領域4に照射可能な位置に、反射ミラー24が回転され
たことが確認されると、コントロールユニット40は、
レーザ励起光源20に駆動信号を出力して、レーザ励起
光源20をオンさせて、レーザ光21によって、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された第2の吸着性領
域4に含まれている蛍光物質を励起する。
【0246】同様にして、所定の時間にわたって、レー
ザ光21が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた第2の吸着性領域4に照射されて、第2の吸着性領
域4に含まれている蛍光物質が励起され、第2の吸着性
領域4に含まれている蛍光物質から放出された蛍光28
が、対応する光ファイバ部材30によって集光され、励
起光カットフィルタ33を介して、フォトマルチプライ
ア35によって、光電的に検出され、フォトマルチプラ
イア35によって、蛍光28が光電的に検出されて、ア
ナログデータが生成され、A/D変換器36によって、
アナログデータが、ディジタル化されて、生化学解析用
データが生成され、データ処理装置37に出力される
と、コントロールユニット40は、レーザ励起光源20
に駆動停止信号を出力して、レーザ励起光源20をオフ
させるとともに、メモリ44に記憶されている反射ミラ
ーの回転位置に応じて決定された駆動パルスにしたがっ
て、主走査ステッピングモータ42に、駆動信号を出力
して、反射ミラー24を、レーザ励起光源20から発せ
られたレーザ光21が、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された第2の吸着性領域4に隣り合う第3の吸
着性領域4に照射可能な位置に回転させる。
【0247】こうして、反射ミラー24の間欠的な回転
に同期して、レーザ励起光源20のオン・オフが繰り返
され、生化学解析用ユニット1の第1ライン目の吸着性
領域4のレーザ光21による走査が完了したことが確認
されると、コントロールユニット40は、主走査ステッ
ピングモータ42に駆動信号を出力して、反射ミラー2
4を元の位置に復帰させるとともに、副走査パルスモー
タ43に駆動信号を出力して、サンプルステージ25、
固定ヘッド31、多数の光ファイバ部材30、励起光カ
ットフィルタ33およびフォトマルチプライア35を、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0248】反射ミラー24が元の位置に復帰され、サ
ンプルステージ25、固定ヘッド31、多数の光ファイ
バ部材30、励起光カットフィルタ33およびフォトマ
ルチプライア35を、副走査方向に、1ライン分だけ、
移動されたことが確認されると、コントロールユニット
40は、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された
第1ライン目の吸着性領域4に、順次、レーザ励起光源
20から発せられるレーザ光21を照射したのと全く同
様にして、生化学解析用ユニット1の基板2に形成され
た第2ライン目の吸着性領域4に、順次、レーザ励起光
源20から発せられるレーザ光21を照射して、第2ラ
イン目の吸着性領域4に含まれている蛍光物質を励起
し、第2ライン目の吸着性領域4に含まれている蛍光物
質から発せられた蛍光28を、順次、対応する光ファイ
バ部材30によって集光し、励起光カットフィルタ33
を介して、フォトマルチプライア35に導いて、フォト
マルチプライア35によって、光電的に検出させる。
【0249】フォトマルチプライア35によって、蛍光
28が光電的に検出されて、生成されたアナログデータ
は、A/D変換器36によって、ディジタルデータに変
換されて、データ処理装置37に送られる。
【0250】こうして、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成されたすべての吸着性領域4が、レーザ励起光
源20から放出されたレーザ光21によって走査され、
吸着性領域4に含まれた蛍光物質が励起されて、放出さ
れた蛍光28が、対応する光ファイバ部材30によって
集光され、励起光カットフィルタ33を介して、フォト
マルチプライア35に導かれ、フォトマルチプライア3
5によって光電的に検出され、生成されたアナログデー
タが、A/D変換器36により、ディジタルデータに変
換されて、データ処理装置37に送られると、コントロ
ールユニット40から、駆動停止信号が、レーザ励起光
源20に出力され、レーザ励起光源20の駆動が停止さ
れる。
【0251】本実施態様によれば、多数の光ファイバ部
材30が、それぞれ、集光端部30aが、サンプルステ
ージ25のガラス板26上に載置された生化学解析用ユ
ニット1の多数の吸着性領域4のそれぞれに、近接し
て、対向する位置に位置するように、集光端部30aの
近傍が、固定ヘッド31に形成された貫通孔32内に取
り付けられているから、各吸着性領域4から放出された
蛍光28は、確実に、対応する光ファイバ部材30の集
光端部30aによって集光され、したがって、蛍光28
の集光効率を大幅に向上させることができるから、高感
度で、蛍光28を光電的に検出して、定量性に優れた生
化学解析用データを生成することが可能になる。
【0252】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の基板2は、ステンレス鋼によって形成さ
れ、光エネルギーを減衰させる性質を有しているから、
レーザ光21が、生化学解析用ユニット1の基板2内で
散乱して、隣り合う吸着性領域4に入射し、隣り合う吸
着性領域4に含まれている蛍光物質を励起して、蛍光2
8を放出させることを効果的に防止することが可能にな
るとともに、生化学解析用ユニット1の隣り合う吸着性
領域4から放出された蛍光28が散乱して、混ざり合う
ことを効果的に防止することが可能になり、したがっ
て、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記
録された蛍光データを読み取って得た生化学解析用デー
タ中に、レーザ光21の散乱および蛍光28の散乱に起
因するノイズが生成されることを、効果的に、防止する
ことが可能になる。
【0253】図8は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用データの生成装置の略断面図であ
る。
【0254】本実施態様にかかる生化学解析用データの
生成装置は、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形
成された多数の輝尽性蛍光体層領域12に記録されてい
る放射線データを読み取って、生化学解析用データを生
成可能に構成されている。
【0255】図8に示されるように、本実施態様にかか
る生化学解析用データの生成装置は、640nmの波長
のレーザ光51を発するレーザ励起光源50を備え、本
実施態様においては、レーザ励起光源50は、半導体レ
ーザ光源によって構成されている。
【0256】レーザ励起光源50により発生されたレー
ザ光51は、コリメータレンズ52によって、平行光と
された後、ビームエキスパンダ53に入射する。
【0257】ビームエキスパンダ53によって、ビーム
径が正確に調整された後、レーザ光51は、反射ミラー
54に入射して、反射される。
【0258】反射ミラー54によって、反射されたレー
ザ光51は、サンプルステージ55の透明ガラス板56
上に載置された蓄積性蛍光体シート10の支持体11に
形成された輝尽性蛍光体層領域12の1つに入射する。
【0259】本実施態様においては、蓄積性蛍光体シー
ト10が、反射ミラー54により反射されたレーザ光5
1によって、隣り合う輝尽性蛍光体層領域12の間の距
離に等しいピッチで、図8において、矢印Xで示される
主走査方向に走査されるように、反射ミラー54が、モ
ータ(図示せず)によって、回転駆動されるように構成
されている。
【0260】本実施態様においては、図8に示されるよ
うに、生化学解析用データの生成装置は、サンプルステ
ージ55に載置された蓄積性蛍光体シート10の多数の
輝尽性蛍光体層領域12に対向する位置に、集光端部6
0aが、互いに隣接するように、高密度に配置された多
数の光ファイバ部材60を備えている。
【0261】本実施態様においては、各光ファイバ部材
60は、複数の光ファイバによって構成され、集光端部
60aの近傍で、固定ヘッド61に形成された貫通孔6
2内に取り付けられ、光ファイバ部材60の集光端部6
0aが、所望のように、位置決めされている。
【0262】また、図8に示されるように、集光端部6
0aとは反対側の端部60bの近傍で、多数の光ファイ
バ部材60は集合されている。
【0263】図8に示されるように、光ファイバ部材6
0は、それぞれ、集光端部60aとは反対側の端部60
bが、励起光カットフィルタ63に対向するように配置
されている。励起光カットフィルタ63は、輝尽光58
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有している。
【0264】本実施態様にかかる生化学解析用データの
生成装置は、光ファイバ部材60とは反対側の励起光カ
ットフィルタ63の表面に対向して、配置されたフォト
マルチプライア65を備え、フォトマルチプライア65
が、輝尽光58を光電的に検出して、生成されたアナロ
グデータは、A/D変換器66に出力され、A/D変換
器66によってディジタル化され、生成されたディジタ
ルデータは、データ処理装置67に出力される。
【0265】本実施態様においては、走査機構(図示せ
ず)によって、図8において、矢印Xで示される主走査
方向に直交する副走査方向に、サンプルステージ55、
固定ヘッド61、多数の光ファイバ部材60、励起光カ
ットフィルタ63およびフォトマルチプライア65が移
動されるように構成されている。
【0266】図9は、図8に示された生化学解析用デー
タの生成装置の制御系、入力系、駆動系、検出系および
メモリ系を示すブロックダイアグラムである。
【0267】図9に示されるように、生化学解析用デー
タの生成装置の制御系は、生化学解析用データの生成装
置全体の動作を制御するコントロールユニット70を備
え、生化学解析用データの生成装置の入力系は、ユーザ
ーによって操作され、種々の指示信号を入力可能なキー
ボード71を備えている。
【0268】図9に示されるように、生化学解析用デー
タの生成装置の駆動系は、蓄積性蛍光体シート10が、
反射ミラー54により反射されたレーザ光51によっ
て、隣り合う輝尽性蛍光体層領域12の間の距離に等し
いピッチで、図9において、矢印Xで示される主走査方
向に走査されるように、反射ミラー54を、間欠的に回
転駆動させる主走査ステッピングモータ72と、図9に
おいて、矢印Xで示される主走査方向に直交する副走査
方向に、サンプルステージ55、固定ヘッド61、多数
の光ファイバ部材60、励起光カットフィルタ63およ
びフォトマルチプライア65を間欠的に移動させる副走
査パルスモータ73を備え、生化学解析用データの生成
装置の検出系は、フォトマルチプライア65を備えてい
る。
【0269】図9に示されるように、生化学解析用デー
タの生成装置のメモリ系は、反射ミラー54の位置に応
じて、主走査ステッピングモータ72に出力すべき駆動
パルスを記憶するメモリ74を備えている。
【0270】コントロールユニット70は、レーザ励起
光源50に、駆動信号および駆動停止信号を出力して、
レーザ励起光源50をオン・オフ制御するように構成さ
れている。
【0271】以上のように構成された本実施態様にかか
る生化学解析用データの生成装置は、次のようにして、
蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成された多数
の輝尽性蛍光体層領域12に記録されている放射線デー
タを読み取り、生化学解析用データを生成する。
【0272】まず、多数の輝尽性蛍光体層領域12に、
放射線データが記録された蓄積性蛍光体シート10が、
サンプルステージ55の透明ガラス板56上に載置され
る。
【0273】ここに、サンプルステージ55には、ガイ
ド部材(図示せず)が設けられ、蓄積性蛍光体シート1
0の多数の輝尽性蛍光体層領域12が、それぞれ、対応
する光ファイバ部材60の集光端部60aに対向するよ
うに、サンプルステージ55の透明ガラス板56上に、
蓄積性蛍光体シート10が載置されることが保証されて
いる。
【0274】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、データ生成開始信号が入力され、データ生成開始
信号は、コントロールユニット70に出力される。
【0275】データ生成開始信号を受けると、コントロ
ールユニット70は、メモリ74に記憶されている反射
ミラーの回転位置に応じて決定された駆動パルスにした
がって、主走査ステッピングモータ72に駆動信号を出
力して、反射ミラー54をを回転させ、蓄積性蛍光体シ
ート10の支持体11に形成された多数の輝尽性蛍光体
層領域12のうちの第1の輝尽性蛍光体層領域12に、
レーザ励起光源50から発せられたレーザ光51が照射
可能な位置に、反射ミラー54が回転されたことが確認
されると、主走査ステッピングモータ72に停止信号を
出力するとともに、レーザ励起光源50に駆動信号を出
力して、レーザ励起光源50を起動させ、640nmの
波長のレーザ光51を発せさせる。
【0276】レーザ励起光源50から発せられた640
nmの波長のレーザ光51は、コリメータレンズ52に
よって、平行光とされた後、ビームエキスパンダ53に
入射する。
【0277】ビームエキスパンダ53によって、ビーム
径が正確に調整された後、レーザ光51は、反射ミラー
54に入射して、反射される。
【0278】反射ミラー54によって反射されたレーザ
光51は、サンプルステージ55に載置された蓄積性蛍
光体シート10の支持体11に形成された第1の輝尽性
蛍光体層領域12に入射する。
【0279】本実施態様においては、蓄積性蛍光体シー
ト10の支持体11は、ステンレス鋼によって形成さ
れ、光エネルギーを減衰させる性質を有しているから、
レーザ光51が、蓄積性蛍光体シート10の支持体11
内で散乱して、隣り合う輝尽性蛍光体層領域12に入射
し、隣り合う輝尽性蛍光体層領域12に含まれている輝
尽性蛍光体を励起して、輝尽光58を放出させることを
効果的に防止することが可能になる。
【0280】レーザ光51が、蓄積性蛍光体シート10
の支持体11に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域1
2に入射すると、第1の輝尽性蛍光体層領域12に含ま
れている輝尽性蛍光体が励起され、輝尽光58が放出さ
れる。
【0281】第1の輝尽性蛍光体層領域12から放出さ
れた輝尽光58は、第1の輝尽性蛍光体層領域12に対
向する位置に配置された2以上の光ファイバ部材60の
集光端部60aによって集光される。
【0282】ここに、多数の光ファイバ部材60は、そ
れぞれの集光端部60aが、互いに隣接し合うように、
集光端部60aの近傍が、固定ヘッド61に形成された
貫通孔62内に取り付けられ、サンプルステージ55の
透明ガラス板54上に載置された蓄積性蛍光体シート1
0の多数の輝尽性蛍光体層領域12のそれぞれに、近接
して、高密度に配置されているから、各輝尽性蛍光体層
領域12から放出された輝尽光58は、確実に、2以上
の光ファイバ部材60の集光端部60aによって集光さ
れる。
【0283】また、本実施態様においては、蓄積性蛍光
体シート10の支持体11が、ステンレス鋼によって形
成され、光エネルギーを減衰させる性質を有しているか
ら、隣り合う輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝
尽光58が散乱して、混ざり合うことを効果的に防止す
ることが可能になる。
【0284】対応する2以上の光ファイバ部材60の集
光端部60aによって、受光され、集光された輝尽光5
8は、光ファイバ部材60によってガイドされて、励起
光カットフィルタ63の対向する領域に入射する。
【0285】ここに、多数の光ファイバ部材60は、そ
れぞれの集光端部60aとは反対側の端部60bの近傍
で、集合されているから、蓄積性蛍光体シート10の支
持体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12に
対応して、多数の光ファイバ部材60を設けても、面積
の小さい励起光カットフィルタ63および光電面の面積
の小さいフォトマルチプライア65を用いることがで
き、生化学解析用データの生成装置を小型化することが
可能になるとともに、製造コストを低減することができ
る。
【0286】また、本実施態様にかかる生化学解析用デ
ータ生成装置は、レーザ光51によって、蓄積性蛍光体
シート10の支持体11に形成された多数の輝尽性蛍光
体層領域12を走査して、多数の輝尽性蛍光体層領域1
2に含まれている輝尽性蛍光体を、順次、励起し、輝尽
性蛍光体層領域12から放出された輝尽光58をフォト
マルチプライア65によって、光電的に検出して、生化
学解析用データを生成するように構成されているから、
多数の光ファイバ部材60の集光端部60aと、その反
対側の端部60bとを、同じパターンで、配列する必要
はない。
【0287】ここに、励起光カットフィルタ63は、輝
尽性蛍光体層領域12から放出される輝尽光58の波長
域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカットす
る性質を有しているので、640nmの波長に光がカッ
トされ、輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽光
58のみが、励起光カットフィルタ63を透過して、フ
ォトマルチプライア65によって、光電的に受光され
る。
【0288】フォトマルチプライア65によって、輝尽
光58が光電的に検出されて、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器66に出力されて、ディジタルデー
タに変換され、データ処理装置67に出力される。
【0289】レーザ励起光源50がオンされた後、所定
の時間が経過すると、コントロールユニット70は、レ
ーザ励起光源50に駆動停止信号を出力して、レーザ励
起光源50の駆動を停止させるとともに、メモリ74に
記憶されている反射ミラーの回転位置に応じて決定され
た駆動パルスにしたがって、主走査ステッピングモータ
72に、駆動信号を出力して、反射ミラー54を、レー
ザ励起光源50から発せられたレーザ光51が、蓄積性
蛍光体シート10の支持体11に形成された第1の輝尽
性蛍光体層領域12に隣り合う第2の輝尽性蛍光体層領
域12に照射可能な位置に回転させる。
【0290】レーザ励起光源50から発せられたレーザ
光51が、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成
された第1の輝尽性蛍光体層領域12に隣り合う第2の
輝尽性蛍光体層領域12に照射可能な位置に、反射ミラ
ー54が回転されたことが確認されると、コントロール
ユニット70は、レーザ励起光源50に駆動信号を出力
して、レーザ励起光源50をオンさせて、レーザ光51
によって、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成
された第1の輝尽性蛍光体層領域12に隣り合った第2
の輝尽性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性蛍光体
を励起する。
【0291】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光51が、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成
された第2の輝尽性蛍光体層領域12に照射されて、第
2の輝尽性蛍光体層領域12から発せられた輝尽光58
が、対応する2以上の光ファイバ部材60によって集光
され、励起光カットフィルタ63を介して、フォトマル
チプライア65によって、光電的に検出され、フォトマ
ルチプライア65によって、輝尽光58が光電的に検出
されて、アナログデータが生成され、A/D変換器66
によって、アナログデータが、ディジタル化されて、生
化学解析用データが生成され、データ処理装置67に出
力されると、コントロールユニット70は、レーザ励起
光源50に駆動停止信号を出力して、レーザ励起光源5
0をオフさせるとともに、メモリ74に記憶されている
反射ミラーの回転位置に応じて決定された駆動パルスに
したがって、主走査ステッピングモータ72に、駆動信
号を出力して、反射ミラー54を、レーザ励起光源50
から発せられたレーザ光51が、蓄積性蛍光体シート1
0の支持体11に形成された第2の輝尽性蛍光体層領域
12に隣り合う第3の輝尽性蛍光体層領域12に照射可
能な位置に回転させる。
【0292】こうして、反射ミラー54の間欠的な回転
に同期して、レーザ励起光源50のオン・オフが繰り返
され、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成され
た第1ライン目の輝尽性蛍光体層領域12のレーザ光5
1による走査が完了したことが確認されると、コントロ
ールユニット70は、主走査ステッピングモータ72に
駆動信号を出力して、反射ミラー54を元の位置に復帰
させるとともに、副走査パルスモータ73に駆動信号を
出力して、サンプルステージ55、固定ヘッド61、多
数の光ファイバ部材60、励起光カットフィルタ63お
よびフォトマルチプライア65を、副走査方向に、1ラ
イン分だけ、移動させる。
【0293】反射ミラー54が元の位置に復帰され、サ
ンプルステージ55、固定ヘッド61、多数の光ファイ
バ部材60、励起光カットフィルタ63およびフォトマ
ルチプライア65を、副走査方向に、1ライン分だけ、
移動されたことが確認されると、コントロールユニット
70は、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成さ
れた第1ライン目の輝尽性蛍光体層領域12に、順次、
レーザ励起光源50から発せられるレーザ光51を照射
したのと全く同様にして、蓄積性蛍光体シート10の支
持体11に形成された第2ライン目の輝尽性蛍光体層領
域12に、順次、レーザ励起光源50から発せられるレ
ーザ光51を照射して、第2ライン目の輝尽性蛍光体層
領域12を励起し、第2ライン目の輝尽性蛍光体層領域
12から発せられた輝尽光58を、順次、対応する2以
上の光ファイバ部材60によって集光し、励起光カット
フィルタ63を介して、フォトマルチプライア65に導
き、フォトマルチプライア65によって、光電的に検出
させる。
【0294】フォトマルチプライア65によって、輝尽
光58が光電的に検出されて、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器66によって、ディジタルデータに
変換されて、データ処理装置67に送られる。
【0295】こうして、蓄積性蛍光体シート10の支持
体11に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領域12
が、レーザ励起光源50から放出されたレーザ光51に
よって走査され、輝尽性蛍光体層領域12に含まれてい
る輝尽性蛍光体が励起されて、放出された輝尽光58
が、対応する2以上の光ファイバ部材60によって集光
され、励起光カットフィルタ63を介して、フォトマル
チプライア65に導かれ、フォトマルチプライア65に
よって光電的に検出され、生成されたアナログデータ
が、A/D変換器66により、ディジタルデータに変換
されて、データ処理装置67に送られると、コントロー
ルユニット70から、駆動停止信号が、レーザ励起光源
50に出力され、レーザ励起光源50の駆動が停止され
る。
【0296】本実施態様によれば、多数の光ファイバ部
材60を、それぞれの集光端部60aが、サンプルステ
ージ55のガラス板56上に載置された蓄積性蛍光体シ
ート10の多数の輝尽性蛍光体層領域12に対向し、か
つ、互いに隣接し合うように、高密度に配置し、集光端
部60aの近傍を、固定ヘッド61に形成された貫通孔
62内に取り付けて、固定するように構成されているか
ら、蓄積性蛍光体シート10の各輝尽性蛍光体層領域1
2から放出された輝尽光58は、確実に、対応する2以
上の光ファイバ部材60の集光端部60aによって集光
され、したがって、輝尽光58の集光効率を大幅に向上
させることができるから、フォトマルチプライア65に
よって、高感度で、輝尽光58を光電的に検出して、定
量性に優れた生化学解析用データを生成することが可能
になる。
【0297】また、本実施態様によれば、多数の光ファ
イバ部材60を、それぞれが、蓄積性蛍光体シート10
の支持体11に形成された輝尽性蛍光体層領域12の1
つに対向するように配置することなく、光ファイバ部材
60を、集光端部60aが互いに隣接し合うように、高
密度に配置して、蓄積性蛍光体シート10の各輝尽性蛍
光体層領域12から放出される輝尽光58を、2以上の
光ファイバ部材60によって、フォトマルチプライア6
5に導いて、光電的に検出し、生化学解析用データを生
成するように構成されているから、生化学解析用データ
の生成装置の製造コストを大幅に低減させるとともに、
高感度で、輝尽光58を光電的に検出して、定量性に優
れた生化学解析用データを生成することが可能になる。
【0298】さらに、本実施態様によれば、蓄積性蛍光
体シート10の支持体11は、ステンレス鋼によって形
成され、光エネルギーを減衰させる性質を有しているか
ら、レーザ光51が、蓄積性蛍光体シート10の支持体
11内で散乱して、隣り合う輝尽性蛍光体層領域12に
入射し、隣り合う輝尽性蛍光体層領域12に含まれてい
る輝尽性蛍光体を励起して、輝尽光58を放出させるこ
とを効果的に防止することが可能になるとともに、隣り
合う輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽光58
が、蓄積性蛍光体シート10の支持体11内で散乱し
て、混ざり合うことを効果的に防止することが可能にな
り、したがって、蓄積性蛍光体シート10の多数の輝尽
性蛍光体層領域12に記録された放射線データを読み取
って得た生化学解析用データ中に、レーザ光51の散乱
および輝尽光58の散乱に起因するノイズが生成される
ことを、効果的に防止することが可能になる。
【0299】図10は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかる生化学解析用データの生成方法に用いられる化
学発光データを転写すべき蓄積性蛍光体シートの略斜視
図である。
【0300】図10に示された蓄積性蛍光体シート15
は、ステンレス鋼によって形成された支持体11に形成
された多数の貫通孔13内に、光エネルギーを吸収し、
蓄積可能なSrS系輝尽性蛍光体が充填されて、多数の
輝尽性蛍光体層領域17が、ドット状に形成されている
点を除いて、図4に示された蓄積性蛍光体シート10と
同様の構成を有している。
【0301】生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた多数の吸着性領域4に記録されている化学発光デー
タは、図10に示された蓄積性蛍光体シート15の多数
の輝尽性蛍光体層領域17に転写される。
【0302】生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた多数の吸着性領域4に記録された化学発光データ
を、蓄積性蛍光体シート15の支持体11に形成された
多数の輝尽性蛍光体層領域17に転写するに際し、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性
領域4に、化学発光基質が接触される。
【0303】その結果、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4から、可視光波長域
の化学発光が、選択的に放出される。
【0304】図11は、生化学解析用ユニット1に形成
された多数の吸着性領域4から放出される化学発光によ
って、蓄積性蛍光体シート15に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域17を露光する方法を示す略断面図であ
る。
【0305】次いで、図11に示されるように、蓄積性
蛍光体シート15の支持体11に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域17が、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された対応する吸着性領域4に対向するよう
に、蓄積性蛍光体シート15が、多数の吸着性領域4か
ら化学発光が放出されている生化学解析用ユニット1に
重ね合わされる。
【0306】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート15の支持体11に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域17の各々と、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された多数の吸着性領域4とを対向させ
ることによって、生化学解析用ユニット1の基板に形成
された多数の吸着性領域4から、選択的に放出された化
学発光によって、蓄積性蛍光体シート15の支持体11
に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17が露光され
る。
【0307】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1の多数の吸着性領域4は、ステンレス鋼によって
形成された基板2に、互いに離間して形成され、各吸着
性領域4の周囲には、光エネルギーを減衰させる性質を
有するステンレス鋼製の基板2が存在しているから、露
光操作に際して、生化学解析用ユニット1の吸着性領域
4から放出された化学発光が、生化学解析用ユニット1
の基板2内で、散乱することを効果的に防止することが
でき、さらに、蓄積性蛍光体シート15の多数の輝尽性
蛍光体層領域17が、ステンレス鋼で形成された支持体
11に形成された多数の貫通孔13内に、輝尽性蛍光体
を充填して、形成され、各輝尽性蛍光体層領域17の周
囲には、光エネルギーを減衰させる性質を有するステン
レス鋼によって形成された支持体11が存在しているか
ら、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4から放出さ
れた化学発光が、蓄積性蛍光体シート15の支持体11
内で、散乱することを効果的に防止することができ、し
たがって、生化学解析用ユニット1の各吸着性領域4か
ら発せられた化学発光によって、その吸着性領域4に対
向する輝尽性蛍光体層領域17を選択的に露光すること
が可能になる。
【0308】こうして、蓄積性蛍光体シート15の支持
体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17に、
化学発光データが記録される。
【0309】図12は、蓄積性蛍光体シート15の支持
体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17に記
録されている化学発光データを読み取って、生化学解析
用データを生成する生化学解析用データの生成装置の略
断面図である。
【0310】図12に示された生化学解析用データの生
成装置は、640nmの波長のレーザ光51を発するレ
ーザ励起光源50に代えて、SrS系の輝尽性蛍光体を
効率的に励起可能な980nmの波長のレーザ光81を
発するレーザ励起光源80が設けられ、レーザ励起光源
50から発せられたレーザ光51の波長の光をカット
し、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成された
多数の輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽光5
8の波長の光のみを透過する性質を有する励起光カット
フィルタ63に代えて、レーザ励起光源80から発せら
れたレーザ光81の波長の光をカットし、蓄積性蛍光体
シート15の支持体11に形成された多数の輝尽性蛍光
体層領域17から放出された輝尽光88の波長の光のみ
を透過する性質を有する励起光カットフィルタ83が設
けられている点を除き、図8に示された生化学解析用デ
ータの生成装置と同一の構成を有している.図13は、
図12に示された生化学解析用データの生成装置の制御
系、入力系、駆動系、検出系およびメモリ系を示すブロ
ックダイアグラムである。
【0311】図13に示されるように、生化学解析用デ
ータの生成装置の制御系、入力系、駆動系、検出系およ
びメモリ系は、コントロールユニット70が、980n
mの波長のレーザ光81を発するレーザ励起光源80を
制御可能に構成されている点を除き、図9に示された生
化学解析用データの生成装置の制御系、入力系、駆動
系、検出系およびメモリ系と同一の構成を有している。
【0312】以上のように構成された本実施態様にかか
る生化学解析用データの生成装置は、次のようにして、
蓄積性蛍光体シート15の支持体11に形成された輝尽
性蛍光体層領域17に記録されている化学発光データを
読み取り、生化学解析用データを生成する。
【0313】まず、多数の輝尽性蛍光体層領域17に、
化学発光データが記録された蓄積性蛍光体シート15
が、ユーザーによって、サンプルステージ55の透明ガ
ラス板56上に載置される。
【0314】ここに、サンプルステージ55には、ガイ
ド部材(図示せず)が設けられ、蓄積性蛍光体シート1
5の多数の輝尽性蛍光体層領域17が、それぞれ、対応
する光ファイバ部材60の集光端部60aに対向するよ
うに、サンプルステージ55の透明ガラス板56上に、
蓄積性蛍光体シート15が載置されることが保証されて
いる。
【0315】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、データ生成開始信号が入力されると、データ生成
開始信号が、コントロールユニット70に出力される。
【0316】データ生成開始信号を受けると、コントロ
ールユニット70は、メモリ74に記憶されている反射
ミラーの回転位置に応じて決定された駆動パルスにした
がって、主走査ステッピングモータ72に駆動信号を出
力して、反射ミラー54をを回転させ、蓄積性蛍光体シ
ート15の支持体11に形成された多数の輝尽性蛍光体
層領域17のうちの第1の輝尽性蛍光体層領域17に、
レーザ励起光源80から発せられたレーザ光81が照射
可能な位置に、反射ミラー54が回転されたことが確認
されると、主走査ステッピングモータ72に停止信号を
出力するとともに、レーザ励起光源80に駆動信号を出
力して、レーザ励起光源80を起動させ、980nmの
波長のレーザ光81を発せさせる。
【0317】レーザ励起光源80から発せられた980
nmの波長のレーザ光81は、コリメータレンズ52に
よって、平行光とされた後、ビームエキスパンダ53に
入射する。
【0318】ビームエキスパンダ53によって、ビーム
径が正確に調整された後、レーザ光81は、反射ミラー
54に入射して、反射される。
【0319】反射ミラー54によって反射されたレーザ
光81は、サンプルステージ55に載置された蓄積性蛍
光体シート15の支持体11に形成された第1の輝尽性
蛍光体層領域17に入射する。
【0320】本実施態様においては、蓄積性蛍光体シー
ト15の支持体11は、ステンレス鋼によって形成さ
れ、光エネルギーを減衰させる性質を有しているから、
レーザ光81が、蓄積性蛍光体シート15の支持体11
内で散乱して、隣り合う輝尽性蛍光体層領域17に入射
し、隣り合う輝尽性蛍光体層領域17に含まれている輝
尽性蛍光体を励起して、輝尽光88を放出させることを
効果的に防止することが可能になる。
【0321】レーザ光81が、蓄積性蛍光体シート15
の支持体11に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域1
7に入射すると、第1の輝尽性蛍光体層領域17に含ま
れている輝尽性蛍光体が励起され、輝尽光88が放出さ
れる。
【0322】第1の輝尽性蛍光体層領域17から放出さ
れた輝尽光88は、第1の輝尽性蛍光体層領域17に対
向する位置に配置された2以上の光ファイバ部材60の
集光端部60aによって集光される。
【0323】ここに、多数の光ファイバ部材60は、そ
れぞれの集光端部60aが、互いに隣接し合うように、
集光端部60aの近傍が、固定ヘッド61に形成された
貫通孔62内に取り付けられ、サンプルステージ55の
透明ガラス板54上に載置された蓄積性蛍光体シート1
5の多数の輝尽性蛍光体層領域17のそれぞれに、近接
して、高密度に配置されているから、各輝尽性蛍光体層
領域17から放出された輝尽光58は、確実に、2以上
の光ファイバ部材60の集光端部60aによって集光さ
れる。
【0324】また、本実施態様においては、蓄積性蛍光
体シート15の支持体11が、ステンレス鋼によって形
成され、光エネルギーを減衰させる性質を有しているか
ら、隣り合う輝尽性蛍光体層領域17から放出された輝
尽光88が散乱して、混ざり合うことを効果的に防止す
ることが可能になる。
【0325】対応する2以上の光ファイバ部材60の集
光端部60aによって、受光され、集光された輝尽光8
8は、光ファイバ部材60によってガイドされて、励起
光カットフィルタ83の対向する領域に入射する。
【0326】ここに、多数の光ファイバ部材60は、そ
れぞれの集光端部60aとは反対側の端部60bの近傍
で、集合されているから、蓄積性蛍光体シート15の支
持体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17に
対応して、多数の光ファイバ部材60を設けても、面積
の小さい励起光カットフィルタ83および光電面の面積
の小さいフォトマルチプライア65を用いることがで
き、生化学解析用データの生成装置を小型化することが
可能になるとともに、製造コストを低減することができ
る。
【0327】また、本実施態様にかかる生化学解析用デ
ータ生成装置は、レーザ光81によって、蓄積性蛍光体
シート15の支持体11に形成された多数の輝尽性蛍光
体層領域17を走査して、多数の輝尽性蛍光体層領域1
7に含まれている輝尽性蛍光体を、順次、励起し、輝尽
性蛍光体層領域17から放出された輝尽光88をフォト
マルチプライア65によって、光電的に検出して、生化
学解析用データを生成するように構成されているから、
多数の光ファイバ部材60の集光端部60aと、その反
対側の端部60bとを、同じパターンで、配列する必要
はない。
【0328】ここに、励起光カットフィルタ83は、輝
尽性蛍光体層領域17から放出される輝尽光88の波長
域の光のみを透過し、980nmの波長の光をカットす
る性質を有しているので、980nmの波長に光がカッ
トされ、輝尽性蛍光体層領域17から放出された輝尽光
88のみが、励起光カットフィルタ83を透過して、フ
ォトマルチプライア65によって、光電的に受光され
る。
【0329】フォトマルチプライア65によって、輝尽
光88が光電的に検出されて、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器66に出力されて、ディジタルデー
タに変換され、データ処理装置67に出力される。
【0330】レーザ励起光源80がオンされた後、所定
の時間が経過すると、コントロールユニット70は、レ
ーザ励起光源80に駆動停止信号を出力して、レーザ励
起光源80の駆動を停止させるとともに、メモリ74に
記憶されている反射ミラーの回転位置に応じて決定され
た駆動パルスにしたがって、主走査ステッピングモータ
72に、駆動信号を出力して、反射ミラー54を、レー
ザ励起光源80から発せられたレーザ光81が、蓄積性
蛍光体シート15の支持体11に形成された第1の輝尽
性蛍光体層領域17に隣り合う第2の輝尽性蛍光体層領
域17に照射可能な位置に回転させる。
【0331】レーザ励起光源80から発せられたレーザ
光81が、蓄積性蛍光体シート15の支持体11に形成
された第1の輝尽性蛍光体層領域17に隣り合う第2の
輝尽性蛍光体層領域17に照射可能な位置に、反射ミラ
ー54が回転されたことが確認されると、コントロール
ユニット70は、レーザ励起光源80に駆動信号を出力
して、レーザ励起光源80をオンさせて、レーザ光81
によって、蓄積性蛍光体シート15の支持体11に形成
された第1の輝尽性蛍光体層領域12に隣り合った第2
の輝尽性蛍光体層領域17に含まれている輝尽性蛍光体
を励起する。
【0332】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光81が、蓄積性蛍光体シート15の支持体11に形成
された第2の輝尽性蛍光体層領域17に照射されて、第
2の輝尽性蛍光体層領域17から発せられた輝尽光88
が、対応する2以上の光ファイバ部材60によって集光
され、励起光カットフィルタ83を介して、フォトマル
チプライア65によって、光電的に検出され、フォトマ
ルチプライア65によって、輝尽光58が光電的に検出
されて、アナログデータが生成され、A/D変換器66
によって、アナログデータが、ディジタル化されて、生
化学解析用データが生成され、データ処理装置67に出
力されると、コントロールユニット70は、レーザ励起
光源80に駆動停止信号を出力して、レーザ励起光源8
0をオフさせるとともに、メモリ74に記憶されている
反射ミラーの回転位置に応じて決定された駆動パルスに
したがって、主走査ステッピングモータ72に、駆動信
号を出力して、反射ミラー54を、レーザ励起光源80
から発せられたレーザ光81が、蓄積性蛍光体シート1
5の支持体11に形成された第2の輝尽性蛍光体層領域
17に隣り合う第3の輝尽性蛍光体層領域17に照射可
能な位置に回転させる。
【0333】こうして、反射ミラー54の間欠的な回転
に同期して、レーザ励起光源50のオン・オフが繰り返
され、蓄積性蛍光体シート15の支持体11に形成され
た第1ライン目の輝尽性蛍光体層領域17のレーザ光8
1による走査が完了したことが確認されると、コントロ
ールユニット70は、主走査ステッピングモータ72に
駆動信号を出力して、反射ミラー54を元の位置に復帰
させるとともに、副走査パルスモータ73に駆動信号を
出力して、サンプルステージ55、固定ヘッド61、多
数の光ファイバ部材60、励起光カットフィルタ83お
よびフォトマルチプライア65を、副走査方向に、1ラ
イン分だけ、移動させる。
【0334】反射ミラー54が元の位置に復帰され、サ
ンプルステージ55、固定ヘッド61、多数の光ファイ
バ部材60、励起光カットフィルタ83およびフォトマ
ルチプライア65を、副走査方向に、1ライン分だけ、
移動されたことが確認されると、コントロールユニット
70は、蓄積性蛍光体シート15の支持体11に形成さ
れた第1ライン目の輝尽性蛍光体層領域17に、順次、
レーザ励起光源80から発せられるレーザ光81を照射
したのと全く同様にして、蓄積性蛍光体シート15の支
持体11に形成された第2ライン目の輝尽性蛍光体層領
域17に、順次、レーザ励起光源80から発せられるレ
ーザ光81を照射して、第2ライン目の輝尽性蛍光体層
領域17を励起し、第2ライン目の輝尽性蛍光体層領域
17から発せられた輝尽光88を、順次、対応する2以
上の光ファイバ部材60によって集光し、励起光カット
フィルタ83を介して、フォトマルチプライア65に導
き、フォトマルチプライア65によって、光電的に検出
させる。
【0335】フォトマルチプライア65によって、輝尽
光88が光電的に検出されて、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器66によって、ディジタルデータに
変換されて、データ処理装置67に送られる。
【0336】こうして、蓄積性蛍光体シート15の支持
体11に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領域17
が、レーザ励起光源80から放出されたレーザ光81に
よって走査され、輝尽性蛍光体層領域17に含まれてい
る輝尽性蛍光体が励起されて、放出された輝尽光88
が、対応する2以上の光ファイバ部材60によって集光
され、励起光カットフィルタ83を介して、フォトマル
チプライア65に導かれ、フォトマルチプライア65に
よって光電的に検出され、生成されたアナログデータ
が、A/D変換器66により、ディジタルデータに変換
されて、データ処理装置67に送られると、コントロー
ルユニット70から、駆動停止信号が、レーザ励起光源
80に出力され、レーザ励起光源80の駆動が停止され
る。
【0337】本実施態様によれば、多数の光ファイバ部
材60を、それぞれの集光端部60aが、サンプルステ
ージ55のガラス板56上に載置された蓄積性蛍光体シ
ート15の多数の輝尽性蛍光体層領域17に対向し、か
つ、互いに隣接し合うように、高密度に配置し、集光端
部60aの近傍を、固定ヘッド61に形成された貫通孔
62内に取り付けて、固定するように構成されているか
ら、蓄積性蛍光体シート15の各輝尽性蛍光体層領域1
7から放出された輝尽光88は、確実に、対応する2以
上の光ファイバ部材60の集光端部60aによって集光
され、したがって、輝尽光88の集光効率を大幅に向上
させることができるから、フォトマルチプライア65に
よって、高感度で、輝尽光58を光電的に検出して、定
量性に優れた生化学解析用データを生成することが可能
になる。
【0338】また、本実施態様によれば、多数の光ファ
イバ部材60を、それぞれが、蓄積性蛍光体シート15
の支持体11に形成された輝尽性蛍光体層領域17の1
つに対向するように配置することなく、光ファイバ部材
60を、集光端部60aが互いに隣接し合うように、高
密度に配置して、蓄積性蛍光体シート15の各輝尽性蛍
光体層領域17から放出される輝尽光88を、2以上の
光ファイバ部材60によって、フォトマルチプライア6
5に導いて、光電的に検出し、生化学解析用データを生
成するように構成されているから、生化学解析用データ
の生成装置の製造コストを大幅に低減させるとともに、
高感度で、輝尽光88を光電的に検出して、定量性に優
れた生化学解析用データを生成することが可能になる。
【0339】さらに、本実施態様によれば、蓄積性蛍光
体シート15の支持体11は、ステンレス鋼によって形
成され、光エネルギーを減衰させる性質を有しているか
ら、レーザ光81が、蓄積性蛍光体シート15の支持体
11内で散乱して、隣り合う輝尽性蛍光体層領域17に
入射し、隣り合う輝尽性蛍光体層領域17に含まれてい
る輝尽性蛍光体を励起して、輝尽光88を放出させるこ
とを効果的に防止することが可能になるとともに、隣り
合う輝尽性蛍光体層領域17から放出された輝尽光88
が、蓄積性蛍光体シート15の支持体11内で散乱し
て、混ざり合うことを効果的に防止することが可能にな
り、したがって、蓄積性蛍光体シート15の多数の輝尽
性蛍光体層領域17に記録された放射線データを読み取
って得た生化学解析用データ中に、レーザ光81の散乱
および輝尽光88の散乱に起因するノイズが生成される
ことを、効果的に防止することが可能になる。
【0340】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0341】たとえば、図6および図7に示された実施
態様においては、多数の光ファイバ部材30は、サンプ
ルステージ25に載置された生化学解析用ユニット1の
多数の吸着性領域4のそれぞれに近接し、対向する位置
に、配置され、各光ファイバ部材30によって、対向す
る生化学解析用ユニットの吸着性領域4から放出された
蛍光28を集光し、フォトマルチプライア35に導くよ
うに構成されているが、図8および図9に示された実施
態様ならびに図12および図13に示された実施態様と
同様に、多数の光ファイバ部材30を、それぞれの集光
端部30aが、サンプルステージ25に載置された生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に対向し、か
つ、互いに隣接するように、高密度に配置し、2以上の
光ファイバ部材60によって、対向する生化学解析用ユ
ニットの吸着性領域4から放出された蛍光28を集光
し、フォトマルチプライア35に導くように構成するこ
ともできる。
【0342】さらに、図8および図9に示された実施態
様ならびに図12および図13に示された実施態様にお
いては、多数の光ファイバ部材60は、それぞれの集光
端部60aが、サンプルステージ55に載置された蓄積
性蛍光体シート10、15の多数の輝尽性蛍光体層領域
12、17に対向し、かつ、集光端部60aが、互いに
隣接するように、高密度に配置され、2以上の光ファイ
バ部材60によって、対向する蓄積性蛍光体シート10
の各輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽光5
8、88を集光し、フォトマルチプライア65に導くよ
うに構成されているが、図6および図7に示された実施
態様と同様にして、多数の光ファイバ部材60を、サン
プルステージ55に載置された蓄積性蛍光体シート1
0、15の多数の輝尽性蛍光体層領域12、17のそれ
ぞれに近接し、対向する位置に、配置し、各光ファイバ
部材60によって、対向する蓄積性蛍光体シート10、
15の各輝尽性蛍光体層領域12、17から放出された
輝尽光58、88を集光し、フォトマルチプライア65
に導くように構成することもできる。
【0343】また、前記実施態様においては、いずれ
も、光ファイバ部材30、60を、集光端部30a、6
0aとは反対側の端部30b、60bの近傍で、集合さ
せているが、光ファイバ部材30、60を、集光端部3
0a、60aとは反対側の端部30b、60bの近傍
で、集合させることは必ずしも必要でない。
【0344】さらに、前記実施態様においては、いずれ
も、光ファイバ部材30、60が、複数の光ファイバに
よって構成されているが、光ファイバ部材30、60
が、複数の光ファイバによって構成することは必ずしも
必要でなく、単一の光ファイバによって、光ファイバ部
材30、60を構成することもできる。
【0345】また、図8および図9に示された実施態様
ならびに図12および図13に示された実施態様におい
ては、蓄積性蛍光体シート10、15の各輝尽性蛍光体
層領域12、17から放出された輝尽光58、88が、
2以上の光ファイバ部材60によって、集光されるよう
に構成されているが、蓄積性蛍光体シート10、15の
すべての輝尽性蛍光体層領域12、17から放出された
輝尽光58、88が、2以上の光ファイバ部材60によ
って、集光されるように構成することは必ずしも必要で
なく、少なくとも一部の輝尽性蛍光体層領域12、17
から放出された輝尽光58、88が、2以上の光ファイ
バ部材60によって、集光されるように構成されていれ
ばよい。
【0346】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1は、ステンレス鋼製の基板2に形成され
た多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が充填されて、
形成された多数の吸着性領域4を備えているが、生化学
解析用ユニット1の吸着性領域4が、ナイロン6によっ
て形成されていることは必ずしも必要でなく、他の吸着
性材料によって、生化学解析用ユニット1の多数の吸着
性領域4を形成することもできる。生化学解析用ユニッ
ト1の多数の吸着性領域4を形成するための吸着性材料
としては、多孔質材料あるいは繊維材料が好ましく使用
され、多孔質材料と繊維材料を併用して、生化学解析用
ユニット1の多数の吸着性領域4を形成することもでき
る。生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を形
成するために使用される多孔質材料は、有機材料、無機
材料のいずれでもよく、有機/無機複合体でもよい。生
化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を形成する
ために使用される有機多孔質材料は、とくに限定される
ものではないが、活性炭などの炭素多孔質材料あるいは
メンブレンフィルタを形成可能な多孔質材料が、好まし
く用いられる。具体的には、ナイロン6、ナイロン6,
6、ナイロン4,10などのナイロン類;ニトロセルロ
ース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセル
ロース誘導体;コラーゲン;アルギン酸、アルギン酸カ
ルシウム、アルギン酸/ポリリシンポリイオンコンプレ
ックスなどのアルギン酸類;ポリエチレン、ポリプロピ
レンなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩
化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフル
オライドなどのポリフルオライドや、これらの共重合体
または複合体が挙げられる。生化学解析用ユニット1の
多数の吸着性領域4を形成するために使用される無機多
孔質材料は、とくに限定されるものではないが、好まし
くは、たとえば、白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミ
ニウムなどの金属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオ
ライトなどの金属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸
カルシウムなどの金属塩やこれらの複合体などが挙げら
れる。生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を
形成するために使用される繊維材料は、とくに限定され
るものではないが、好ましくは、たとえば、ナイロン
6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン
類、ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セル
ロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0347】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1は、ステンレス鋼製の基板2を備えて
いるが、生化学解析用ユニット1の基板2を、ステンレ
ス鋼によって形成することは必ずしも必要でなく、他の
材料によって、生化学解析用ユニット1の基板2を形成
することもできる。生化学解析用ユニット1の基板2
は、光エネルギーおよび放射線エネルギーを減衰させる
性質を有する材料によって形成されていることが好まし
いが、その材料は格別限定されるものではなく、無機化
合物材料、有機化合物材料のいずれによっても、生化学
解析用ユニット1基板2を形成することができ、金属材
料、セラミック材料またはプラスチック材料が、とくに
好ましく使用される。生化学解析用ユニット1の基板2
を形成するために好ましく使用することができ、光エネ
ルギーおよび放射線エネルギーを減衰させる性質を有す
る無機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜
鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニ
ッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、
ステンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファス
シリコン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素など
の珪素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸
化ジルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバ
イト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシア
パタイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることがで
きる。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックの
ような多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよ
い。また、生化学解析用ユニット1の基板2を形成する
ために好ましく使用することができ、光エネルギーおよ
び放射線エネルギーを減衰させる性質を有する有機化合
物材料としては、高分子化合物が好ましく用いられ、好
ましい高分子化合物としては、たとえば、ポリエチレン
やポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメ
タクリレート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレ
ート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリ
ル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化
ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロ
トリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレ
ンナフタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポ
リエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン
4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;
ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロキサ
ンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹
脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタ
ジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロー
ス、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウ
ム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0348】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、基板2に形成
された多数の貫通孔3に、ナイロン6が充填されて、形
成されているが、基板2に形成された多数の貫通孔に、
ナイロン6などの吸着性材料によって形成された吸着性
膜を圧入して、多数の吸着性領域4を形成することもで
きる。
【0349】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、基板2に形
成された多数の貫通孔3に、ナイロン6が充填されて、
形成されているが、メンブレンフィルタなどの吸着性材
料によって形成された吸着性基板の少なくとも一方の側
に、多数の貫通孔が形成された基板を密着させ、貫通孔
内の吸着性基板により、多数の吸着性領域4を形成する
こともできる。
【0350】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、基板2に形成
された多数の貫通孔3に、ナイロン6が充填されて、形
成されているが、メンブレンフィルタなどの吸着性材料
によって形成された吸着性基板に、規則的なパターンに
したがって、特異的結合物質を含む溶液を滴下し、特異
的結合物質を含む多数の吸着性領域4を、互いに離間し
て、形成し、多数の吸着性領域を、順次、レーザ光21
によって走査し、多数の吸着性領域から放出された蛍光
28を、光ファイバ部材30の集光端部30aによって
集光して、フォトマルチプライア35に導くように構成
することもできる。
【0351】さらに、前記実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート10、15は、多数の略円形の貫通孔13
が規則的に形成されたステンレス鋼製の支持体11を備
え、支持体11に形成された多数の貫通孔13内に、輝
尽性蛍光体が充填されて、多数の輝尽性蛍光体層領域1
2、17が形成されているが、貫通孔13に代えて、多
数の略円形の凹部を、支持体11に規則的に形成し、凹
部内に、輝尽性蛍光体を充填して、多数の輝尽性蛍光体
層領域12、17を形成することもできる。
【0352】また、前記実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10、15は、多数の略円形の貫通孔13が
規則的に形成されたステンレス鋼製の支持体11を備
え、支持体11に形成された多数の貫通孔13内に、輝
尽性蛍光体が充填されて、多数の輝尽性蛍光体層領域1
2、17が形成されているが、支持体11に形成された
多数の貫通孔13内に、カレンダー処理装置などを用い
て、輝尽性蛍光体とバインダを含む輝尽性蛍光体膜を圧
入して、多数の輝尽性蛍光体層領域12、17を形成す
ることもできる。
【0353】さらに、前記実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート10、15は、多数の略円形の貫通孔13
が規則的に形成されたステンレス鋼製の支持体11を備
え、支持体11に形成された多数の貫通孔13内に、輝
尽性蛍光体が充填されて、多数の輝尽性蛍光体層領域1
2、17が形成されているが、互いに離間した輝尽性蛍
光体層領域12、17を、蓄積性蛍光体シート10、1
5に形成することは必ずしも必要でなく、蓄積性蛍光体
シート10、15の支持体11の表面に、一様に、輝尽
性蛍光体層を形成し、放射性標識物質あるいは化学発光
によって、輝尽性蛍光体層を露光して、互いに離間した
多数の露光領域を、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体
層に形成し、多数の露光領域を、順次、レーザ光51、
81によって励起し、多数の露光領域から放出された輝
尽光58、88を、光ファイバ部材60の集光端部60
aによって集光して、フォトマルチプライア65に導く
ように構成することもできる。
【0354】また、前記実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10、15の輝尽性蛍光体層領域12、17
は、ステンレス鋼製の支持体11に規則的に形成された
多数の略円形の貫通孔13内に、輝尽性蛍光体が充填さ
れて、形成されているが、蓄積性蛍光体シート10、1
5の支持体11をステンレス鋼によって形成することは
必ずしも必要でなく、他の材料によって、蓄積性蛍光体
シート10、15の支持体11を形成することもでき
る。蓄積性蛍光体シート10、15の支持体11は、光
エネルギーおよび放射線エネルギーを減衰させる性質を
有する材料によって形成されていることが好ましいが、
とくに限定されるものではなく、無機化合物材料、有機
化合物材料のいずれをも使用することができ、金属材
料、セラミック材料またはプラスチック材料が、とくに
好ましく使用される。蓄積性蛍光体シート10、15の
支持体11を形成するために使用可能で、光エネルギー
および放射線エネルギーを減衰させることのできる性質
を有する無機化合物材料としては、たとえば、金、銀、
銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、
鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;
真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリコン、アモル
ファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ
素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;タングステン
カーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロ
キシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げるこ
とができる。これらは、単結晶、アモルファス、セラミ
ックのような多結晶焼結体にいずれの構造を有していて
もよい。また、蓄積性蛍光体シート10、15の支持体
11を形成するために使用可能で、光エネルギーおよび
放射線エネルギーを減衰させる性質を有する有機化合物
材料としては、高分子化合物が好ましく用いられ、好ま
しい高分子化合物としては、たとえば、ポリエチレンや
ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタ
クリレート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレー
ト共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリ
ル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化
ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロ
トリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレ
ンナフタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポ
リエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン
4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;
ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロキサ
ンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹
脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタ
ジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロー
ス、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウ
ム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0355】さらに、前記実施態様においては、192
00の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略
円形の吸着性領域4が、約5000個/平方センチメー
トルの密度で、規則的なパターンにしたがって、マトリ
ックス状に、生化学解析用ユニット1に形成されている
が、吸着性領域4を略円形に形成することは必ずしも必
要でなく、吸着性領域4を、任意の形状、たとえば、矩
形状に形成することもできる。
【0356】また、前記実施態様においては、1920
0の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円
形の吸着性領域4が、約5000個/平方センチメート
ルの密度で、規則的なパターンにしたがって、マトリッ
クス状に、生化学解析用ユニット1に形成されている
が、吸着性領域4の数およびサイズは、目的に応じて、
任意に選択をすることができ、好ましくは、10以上の
5平方ミリメートル未満のサイズを有する吸着性領域4
が、10個/平方センチメートル以上の密度で、生化学
解析用ユニット1に形成される。
【0357】さらに、前記実施態様においては、192
00の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略
円形の吸着性領域4が、約5000個/平方センチメー
トルの密度で、規則的なパターンにしたがって、マトリ
ックス状に、生化学解析用ユニット1に形成されている
が、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4を、規則的
なパターンにしたがって、生化学解析用ユニット1に形
成することは必ずしも必要でない。
【0358】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4に対
応して、蓄積性蛍光体シート10、15の支持体11
に、19200の約0.01平方ミリメートルのサイズ
を有する略円形の輝尽性蛍光体層領域12、17が形成
されているが、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4
と、蓄積性蛍光体シート10、15の輝尽性蛍光体層領
域12、17を同一形状に形成することは必ずしも必要
でない。
【0359】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4に
対応して、蓄積性蛍光体シート10、15の支持体11
に、19200の約0.01平方ミリメートルのサイズ
を有する略円形の輝尽性蛍光体層領域12、17が形成
されているが、生化学解析用ユニット1に形成された多
数の吸着性領域4と同じパターンで、輝尽性蛍光体層領
域12、17が形成されていれば、蓄積性蛍光体シート
10、15の支持体11に、輝尽性蛍光体層領域12、
17を、規則的なパターンにしたがって、形成すること
は必ずしも必要でない。
【0360】また、前記実施態様においては、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質、化学発光基
質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識
物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色素
などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション反応溶液9が調製され、吸着
性領域4に滴下された特異的結合物質にハイブリダイズ
させているが、ハイブリダイゼーション反応溶液9が、
放射性標識物質によって標識された生体由来の物質、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識された生体由来の物質および
蛍光色素などの蛍光物質によって標識された生体由来の
物質を含んでいることは必ずしも必要でなく、ハイブリ
ダイゼーション反応溶液9は、放射性標識物質によって
標識された生体由来の物質、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質によって標
識された生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質
によって標識された生体由来の物質の少なくとも一種を
含んでいればよい。
【0361】さらに、前記実施態様においては、放射性
標識物質、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質および蛍光物質によって標識
された生体由来の物質が、特異的結合物質にハイブリダ
イズされているが、生体由来の物質を、特異的結合物質
にハイブリダイズさせることは必ずしも必要でなく、生
体由来の物質を、ハイブリダイゼーションに代えて、抗
原抗体反応、リセプター・リガンドなどの反応によっ
て、特異的結合物質に特異的に結合させることもでき
る。
【0362】また、図6および図7に示された実施態様
においては、反射ミラー24を間欠的に回転させて、レ
ーザ光21を、生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された隣り合う吸着性領域4の間の距離に等しいピッチ
で、間欠的に移動させるとともに、レーザ励起光源20
をオン・オフ制御するように構成され、図8および図9
に示された実施態様ならびに図12および図13に示さ
れた実施態様においては、反射ミラー54を間欠的に回
転させて、レーザ光51、81を、蓄積性蛍光体シート
10、15の支持体11に形成された隣り合う輝尽性蛍
光体層領域12、17の間の距離に等しいピッチで、間
欠的に移動させるとともに、レーザ励起光源50、80
をオン・オフ制御するように構成されているが、レーザ
光21、51、81を間欠的に移動させ、レーザ励起光
源20、50、80をオン・オフ制御することは必ずし
も必要でなく、とくに、蓄積性蛍光体シート10、15
の支持体11、生化学解析用ユニット1の基板2が光エ
ネルギーを減衰させる性質を有する材料により形成され
ているときは、レーザ励起光源20、50、80をオン
状態に保持して、レーザ光21、51、81を連続的に
移動させるようにしてもよい。
【0363】さらに、前記実施態様においては、フォト
マルチプライア35、65が用いられているが、フォト
マルチプライア35、65に代えて、フォトダイオー
ド、アバランシェフォトダイオードなど、他の画素分割
されていないゼロ次元センサを用いることもできる。
【0364】また、図6および図7に示された実施態様
においては、473nmの波長のレーザ光51を発する
レーザ励起光源20が用いられ、したがって、473n
mの波長の光をカットし、473nmよりも波長の長い
光を透過する性質を有する励起光カットフィルタ33が
用いられているが、生体由来の物質を標識している蛍光
物質に応じて、蛍光物質を効率的に励起可能なレーザ光
を発するレーザ励起光源を用いることができ、473n
mの波長のレーザ光21を発するレーザ励起光源20に
代えて、たとえば、532nmの波長のレーザ光を発す
る第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素子
や、640nmの波長のレーザ光を発する半導体レーザ
励起光源を用いることもできる。
【0365】さらに、前記実施態様においては、励起光
源として、レーザ励起光源20、50、80がが用いら
れているが、励起光源として、レーザ励起光源20、5
0、80を用いることは必ずしも必要でなく、レーザ励
起光源20、50、80に代えて、LED光源を、励起
光源として用いることもでき、さらには、ハロゲンラン
プを励起光源として用い、分光フィルタによって、励起
に寄与しない波長成分をカットするようにしてもよい。
【0366】また、前記実施態様においては、インジェ
クタ6とCCDカメラ7を備えたスポッティング装置5
を用い、CCDカメラ7によって、インジェクタ6の先
端部と、cDNAなどの特異的結合物質を含む溶液を滴
下すべき吸着性領域4を観察しながら、インジェクタ6
の先端部と、cDNAなどの特異的結合物質を含む溶液
を滴下すべき吸着性領域4の中心とが合致したときに、
インジェクタ6から、cDNAなどの特異的結合物質を
含む溶液を放出させて、滴下しているが、インジェクタ
6の先端部と、生化学解析用ユニット1に形成された多
数の吸着性領域4との相対的な位置関係を、あらかじめ
検出しておき、インジェクタ6と、生化学解析用ユニッ
ト1とを、相対的に、一定のピッチで、二次元的に移動
させて、cDNAなどの特異的結合物質を含む溶液を滴
下するようにすることもできる。
【0367】
【発明の効果】本発明によれば、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質が固定されたスポット状領域
を高密度に形成し、スポット状領域に固定された特異的
結合物質に、放射性標識物質や蛍光物質、化学発光基質
と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物
質によって標識された生体由来の物質を特異的に結合さ
せて、選択的に標識し、あるいは、ハプテンによって標
識された生体由来の物質を、選択的に、特異的に結合さ
せ、さらに、蛍光基質と接触させることによって、蛍光
物質を生じさせる酵素あるいは化学発光基質と接触させ
ることによって化学発光を生じさせる標識物質により標
識されたハプテンに対する抗体を、抗原抗体反応によっ
て、特異的結合物質を標識しているハプテンに結合させ
て、選択的に標識した場合においても、定量性の高い生
化学解析用データを生成することのできる生化学解析用
データの生成方法および装置を提供することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用データの生成方法に使用される生化学解析用
ユニットの略斜視図である。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、ハイブリダイゼーション反応容器の略
縦断面図である。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用データの生成方法に用いられる放射線データ
を転写すべき蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図5】図5は、生化学解析用ユニットに形成された多
数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によって、蓄
積性蛍光体シートに形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域を露光する方法を示す略断面図である。
【図6】図6は、生化学解析用ユニットの基板に形成さ
れた多数の吸着性領域に記録されている蛍光データを読
み取って、生化学解析用データを生成する生化学解析用
データの生成装置の略断面図である。
【図7】図7は、図6に示された生化学解析用データの
生成装置の制御系、入力系、駆動系、検出系およびメモ
リ系を示すブロックダイアグラムである。
【図8】図6は、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成さ
れた多数の輝尽性蛍光体層領域に記録されている放射線
データを読み取って、生化学解析用データを生成する生
化学解析用データの生成装置の略断面図である。
【図9】図9は、図8に示された生化学解析用データの
生成装置の制御系、入力系、駆動系、検出系およびメモ
リ系を示すブロックダイアグラムである。
【図10】図10は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用データの生成方法に用いられる化学
発光データを転写すべき蓄積性蛍光体シートの略斜視図
である。
【図11】図11は、生化学解析用ユニットに形成され
た多数の吸着性領域から放出される化学発光によって、
蓄積性蛍光体シートに形成された多数の輝尽性蛍光体層
領域を露光する方法を示す略断面図である。
【図12】図12は、蓄積性蛍光体シートの支持体に形
成された多数の輝尽性蛍光体層領域に記録されている化
学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成
する生化学解析用データの生成装置の略断面図である。
【図13】図13は、図12に示された生化学解析用デ
ータの生成装置の制御系、入力系、駆動系、検出系およ
びメモリ系を示すブロックダイアグラムである。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 基板 3 貫通孔 4 吸着性領域 5 スポッティング装置 6 インジェクタ 7 CCDカメラ 8 ハイブリダイゼーション容器 9 ハイブリダイゼーション溶液 10 蓄積性蛍光体シート 11 支持体 12 輝尽性蛍光体層領域 13 貫通孔 15 蓄積性蛍光体シート 17 輝尽性蛍光体層領域 20 レーザ励起光源 21 レーザ光 22 コリメータレンズ 23 ビームエキスパンダ 24 反射ミラー 25 サンプルステージ 26 ガラス板 28 蛍光 30 光ファイバ部材 30a 光ファイバ部材の集光端部 30b 光ファイバ部材の他端部 31 固定ヘッド 32 貫通孔 33 励起光カットフィルタ 35 フォトマルチプライア 36 A/D変換器 37 データ処理装置 40 コントロールユニット 41 キーボード 42 主走査ステッピングモータ 43 副走査パルスモータ 44 メモリ 50 レーザ励起光源 51 レーザ光 52 コリメータレンズ 53 ビームエキスパンダ 54 反射ミラー 55 サンプルステージ 56 ガラス板 58 輝尽光 60 光ファイバ部材 60a 光ファイバ部材の集光端部 60b 光ファイバ部材の他端部 61 固定ヘッド 62 貫通孔 63 励起光カットフィルタ 65 フォトマルチプライア 66 A/D変換器 67 データ処理装置 70 コントロールユニット 71 キーボード 72 主走査ステッピングモータ 73 副走査パルスモータ 74 メモリ 80 レーザ励起光源 81 レーザ光 83 励起光カットフィルタ 88 輝尽光
フロントページの続き Fターム(参考) 2G043 AA01 BA16 DA02 DA06 EA01 FA01 GA04 GB01 HA01 HA02 HA05 HA08 JA02 KA01 KA02 KA05 KA09 LA02 LA03 NA05

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプルステージに載置されたサンプル
    に、二次元的に、互いに離間して、形成され、標識物質
    によって、選択的に標識された特異的結合物質と生体由
    来の物質の結合体を含む複数の発光可能領域を、励起光
    によって、走査して、前記複数の発光可能領域に選択的
    に含まれた前記標識物質を励起し、前記標識物質から放
    出された光を、集光端部が、前記複数の発光可能領域に
    対向して、配置された複数の導光部材によって、ゼロ次
    元センサに導き、前記ゼロ次元センサによって、光電的
    に検出して、生化学解析用データを生成することを特徴
    とする生化学解析用データの生成方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の導光部材が、それぞれ、少な
    くとも1本の光ファイバによって構成されたことを特徴
    とする請求項1に記載の生化学解析用データの生成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記複数の導光部材が、複数の光ファイ
    バによって構成された光ファイバ束によって、形成され
    たことを特徴とする請求項1に記載の生化学解析用デー
    タの生成方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の導光部材のそれぞれの前記集
    光端部が、前記サンプルに形成された複数の発光可能領
    域の1つと対向するように、前記複数の導光部材が配置
    されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  5. 【請求項5】 前記サンプルに形成された複数の発光可
    能領域の少なくとも一部が、2以上の前記導光部材の前
    記集光端部に対向するように、前記複数の導光部材が配
    置されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    1項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の導光部材の前記集光端部とは
    反対の端部近傍が集合されたことを特徴とする請求項1
    ないし5のいずれか1項に記載の生化学解析用データの
    生成方法。
  7. 【請求項7】 前記複数の導光部材の集光端部近傍が、
    固定ヘッドによって支持されたことを特徴とする請求項
    1ないし6のいずれか1項に記載の生化学解析用データ
    の生成方法。
  8. 【請求項8】 前記サンプルが、輝尽性蛍光体を含む輝
    尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートによって
    構成され、前記複数の発光可能領域が、放射性標識物質
    によって、輝尽性蛍光体層が選択的に露光されて、互い
    に離間して形成された複数の露光領域によって構成され
    たことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に
    記載の生化学解析用データの生成方法。
  9. 【請求項9】 前記サンプルが、輝尽性蛍光体を含む輝
    尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートによって
    構成され、前記複数の発光可能領域が、化学発光によっ
    て、輝尽性蛍光体層が選択的に露光されて、互いに離間
    して形成された複数の露光領域によって構成されたこと
    を特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の
    生化学解析用データの生成方法。
  10. 【請求項10】 前記複数の導光部材の集光端部が配置
    された側とは反対側から、前記励起光によって、前記輝
    尽性蛍光体層に、互いに離間して形成された前記複数の
    露光領域を走査して、前記複数の露光領域に含まれた輝
    尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体が励起されて、放出
    された輝尽光を、前記複数の導光部材により、励起光の
    波長の光をカットし、輝尽性の波長の光を透過させる性
    質を有する励起光カットフィルタに導いて、励起光をカ
    ットし、前記励起光カットフィルタを透過した光を、前
    記ゼロ次元センサに導き、前記ゼロ次元センサによっ
    て、光電的に検出して、生化学解析用データを生成する
    ように構成されたことを特徴とする請求項8または9に
    記載の生化学解析用データの生成方法。
  11. 【請求項11】 前記サンプルが、複数の貫通孔が、互
    いに離間して、二次元的に形成された支持体を備えた蓄
    積性蛍光体シートによって構成されており、前記複数の
    発光可能領域が、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    に形成された前記複数の貫通孔に、輝尽性蛍光体が充填
    されて、形成された複数の輝尽性蛍光体層領域によって
    構成され、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、放射性標
    識物質によって露光されて、選択的に、放射線エネルギ
    ーを蓄積していることを特徴とする請求項1ないし7の
    いずれか1項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  12. 【請求項12】 前記サンプルが、複数の貫通孔が、互
    いに離間して、二次元的に形成された支持体を備えた蓄
    積性蛍光体シートによって構成されており、前記複数の
    発光可能領域が、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    に形成された前記複数の貫通孔に、輝尽性蛍光体が充填
    されて、形成された複数の輝尽性蛍光体層領域によって
    構成され、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、化学発光
    によって露光されて、選択的に、化学発光のエネルギー
    を蓄積していることを特徴とする請求項1ないし7のい
    ずれか1項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  13. 【請求項13】 前記複数の導光部材の集光端部が配置
    された側とは反対側から、励起光によって、前記蓄積性
    蛍光体シートに形成された前記複数の輝尽性蛍光体層領
    域を走査して、前記複数の輝尽性蛍光体層領域に含まれ
    た輝尽性蛍光体を励起し、前記複数の輝尽性蛍光体層領
    域に含まれた輝尽性蛍光体が励起されて、放出された輝
    尽光を、前記複数の導光部材によって、励起光の波長の
    光をカットし、輝尽性の波長の光を透過させる性質を有
    する励起光カットフィルタに導いて、励起光をカット
    し、前記励起光カットフィルタを透過した光を、前記ゼ
    ロ次元センサに導き、前記ゼロ次元センサによって、光
    電的に検出して、生化学解析用データを生成することを
    特徴とする請求項11または12に記載の生化学解析用
    データの生成方法。
  14. 【請求項14】 前記励起光源から発せられた前記励起
    光を、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に形成され
    た隣り合う輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しいピッ
    チで、間欠的に移動させて、前記励起光によって、前記
    蓄積性蛍光体シートの前記支持体に形成された前記複数
    の輝尽性蛍光体層領域を走査することを特徴とする請求
    項11ないし13のいずれか1項に記載の生化学解析用
    データの生成方法。
  15. 【請求項15】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    が、光エネルギーを減衰させる性質を有していることを
    特徴とする請求項11ないし14のいずれか1項に記載
    の生化学解析用データの生成方法。
  16. 【請求項16】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等し
    い距離だけ、光が前記支持体中を透過したときに、光の
    エネルギーを1/5以下に減衰させる性質を有している
    ことを特徴とする請求項15に記載の生化学解析用デー
    タの生成方法。
  17. 【請求項17】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    が、放射線エネルギーを減衰させる性質を有しているこ
    とを特徴とする請求項11ないし16のいずれか1項に
    記載の生化学解析用データの生成方法。
  18. 【請求項18】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等し
    い距離だけ、放射線が前記支持体中を透過したときに、
    放射線のエネルギーを1/5以下に減衰させる性質を有
    していることを特徴とする請求項17に記載の生化学解
    析用データの生成方法。
  19. 【請求項19】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    が、金属材料、セラミック材料およびプラスチック材料
    よりなる群から選ばれる材料によって形成されたことを
    特徴とする請求項11ないし18のいずれか1項に記載
    の生化学解析用データの生成方法。
  20. 【請求項20】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    に、10以上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されてい
    ることを特徴とする請求項11ないし19のいずれか1
    項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  21. 【請求項21】 前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の
    輝尽性蛍光体層領域が、それぞれ、5平方ミリメートル
    未満のサイズを有していることを特徴とする請求項11
    ないし20のいずれか1項に記載の生化学解析用データ
    の生成方法。
  22. 【請求項22】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    に、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、10個/平方セ
    ンチメートル以上の密度で、形成されたことを特徴とす
    る請求項11ないし21のいずれか1項に記載の生化学
    解析用データの生成方法。
  23. 【請求項23】 前記サンプルが、蛍光物質によって選
    択的に標識された複数の吸着性領域が、二次元的に互い
    に離間して形成された基板を備えた生化学解析用ユニッ
    トによって構成され、前記複数の発光可能領域が、前記
    生化学解析用ユニットの前記基板に形成された前記複数
    の吸着性領域によって構成されたことを特徴とする請求
    項1ないし7のいずれか1項に記載の生化学解析用デー
    タの生成方法。
  24. 【請求項24】 前記複数の吸着性領域が、前記生化学
    解析用ユニットの前記基板に、規則的なパターンにした
    がって形成され、前記複数の導光部材の集光端部が配置
    された側とは反対側から、励起光によって、前記生化学
    解析用ユニットに形成された複数の吸着性領域を走査し
    て、前記複数の吸着性領域に含まれた蛍光物質を励起
    し、放出された蛍光を、前記複数の導光部材により、励
    起光の波長の光をカットし、励起光よりも波長の長い光
    を透過する性質を有する励起光カットフィルタに導い
    て、励起光をカットし、前記励起光カットフィルタを透
    過した光を、前記ゼロ次元センサに導き、前記ゼロ次元
    センサによって、光電的に検出して、生化学解析用デー
    タを生成することを特徴とする請求項23に記載の生化
    学解析用データの生成方法。
  25. 【請求項25】 前記サンプルが、複数の貫通孔が、互
    いに離間して、二次元的に形成された基板を備えた生化
    学解析用ユニットによって構成されており、前記複数の
    発光可能領域が、前記生化学解析用ユニットの前記基板
    に形成された前記複数の貫通孔内に、吸着性材料が充填
    されて形成された複数の吸着性領域によって構成され、
    前記複数の複数の吸着性領域が、蛍光物質によって、選
    択的に標識されていることを特徴とする請求項1ないし
    7のいずれか1項に記載の生化学解析用データの生成方
    法。
  26. 【請求項26】 前記複数の吸着性領域が、前記生化学
    解析用ユニットの前記基板に、規則的なパターンにした
    がって形成され、前記複数の導光部材の集光端部が配置
    された側とは反対側から、励起光によって、前記生化学
    解析用ユニットに形成された複数の吸着性領域を走査し
    て、前記複数の吸着性領域に含まれた蛍光物質を励起
    し、放出された蛍光を、前記複数の導光部材により、励
    起光の波長の光をカットし、励起光よりも波長の長い光
    を透過する性質を有する励起光カットフィルタに導い
    て、励起光をカットし、前記励起光カットフィルタを透
    過した光を、前記ゼロ次元センサに導き、前記ゼロ次元
    センサによって、光電的に検出して、生化学解析用デー
    タを生成することを特徴とする請求項25に記載の生化
    学解析用データの生成方法。
  27. 【請求項27】 前記励起光源から発せられた前記励起
    光を、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成され
    た隣り合う吸着性領域の間の距離に等しいピッチで、間
    欠的に移動させて、前記励起光によって、前記サンプル
    ステージに載置された前記生化学解析用ユニットの前記
    基板に形成された前記複数の吸着性領域を走査すること
    を特徴とする請求項25または26に記載の生化学解析
    用データの生成方法。
  28. 【請求項28】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、光エネルギーを減衰させる性質を有していることを
    特徴とする請求項25ないし27のいずれか1項に記載
    の生化学解析用データの生成方法。
  29. 【請求項29】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だ
    け、光が前記基板中を透過したときに、光のエネルギー
    を1/5以下に減衰させる性質を有していることを特徴
    とする請求項28に記載の生化学解析用データの生成方
    法。
  30. 【請求項30】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、放射線エネルギーを減衰させる性質を有しているこ
    とを特徴とする請求項25ないし29のいずれか1項に
    記載の生化学解析用データの生成方法。
  31. 【請求項31】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だ
    け、放射線が前記基板中を透過したときに、放射線のエ
    ネルギーを1/5以下に減衰させる性質を有しているこ
    とを特徴とする請求項30に記載の生化学解析用データ
    の生成方法。
  32. 【請求項32】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、金属材料、セラミック材料およびプラスチック材料
    よりなる群から選ばれる材料によって形成されたことを
    特徴とする請求項25ないし31のいずれか1項に記載
    の生化学解析用データの生成方法。
  33. 【請求項33】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    に、10個以上の吸着性領域が形成されたことを特徴と
    する請求項25ないし32のいずれか1項に記載の生化
    学解析用データの生成方法。
  34. 【請求項34】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域が、それぞれ、5平方ミリメートル未満の
    サイズを有していることを特徴とする請求項25ないし
    33のいずれか1項に記載の生化学解析用データの生成
    方法。
  35. 【請求項35】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    に、前記吸着性領域が、10個/平方センチメートル以
    上の密度で、形成されていることを特徴とする請求項2
    5ないし34のいずれか1項に記載の生化学解析用デー
    タの生成方法。
  36. 【請求項36】 前記生化学解析用ユニットの前記吸着
    性領域が、炭素多孔質材料またはメンブレンフィルタを
    形成可能な多孔質材料によって形成されたことを特徴と
    する請求項23ないし35のいずれか1項に記載の生化
    学解析用データの生成方法。
  37. 【請求項37】 前記生化学解析用ユニットの前記吸着
    性領域が、複数の繊維の束によって形成されたことを特
    徴とする請求項23ないし35のいずれか1項に記載の
    生化学解析用データの生成方法。
  38. 【請求項38】 前記ゼロ次元センサが、フォトマルチ
    プライアによって構成されたことを特徴とする請求項1
    ないし37のいずれか1項に記載の生化学解析用データ
    の生成方法。
  39. 【請求項39】 互いに離間して、二次元的に形成さ
    れ、標識物質によって、選択的に標識された特異的結合
    物質と生体由来の物質の結合体を含む複数の発光可能領
    域が形成されたサンプルを載置可能なサンプルステージ
    と、励起光を発する励起光源と、前記サンプルステージ
    に載置された前記サンプルを、前記励起光源から発せら
    れた励起光によって、走査する走査機構と、前記複数の
    発光可能領域から放出された光を光電的に検出するゼロ
    次元センサと、集光端部が、前記サンプルステージに載
    置された前記サンプルの前記複数の発光可能領域のに対
    向して、配置され、前記サンプルの前記複数の発光可能
    領域のそれぞれから放出された光を、前記ゼロ次元セン
    サに導く複数の導光部材を備えたことを特徴とする生化
    学解析用データの生成装置。
  40. 【請求項40】 前記複数の導光部材が、それぞれ、少
    なくとも1本の光ファイバによって構成されたことを特
    徴とする請求項39に記載の生化学解析用データの生成
    装置。
  41. 【請求項41】 前記複数の導光部材が、複数の光ファ
    イバによって構成された光ファイバ束によって、形成さ
    れたことを特徴とする請求項39に記載の生化学解析用
    データの生成装置。
  42. 【請求項42】 前記複数の導光部材のそれぞれの前記
    集光端部が、前記サンプルステージに載置された前記サ
    ンプルに形成された複数の発光可能領域の1つと対向す
    るように、前記複数の導光部材が配置されたことを特徴
    とする請求項39ないし41のいずれか1項に記載の生
    化学解析用データの生成装置。
  43. 【請求項43】 前記サンプルステージに載置された前
    記サンプルに形成された複数の発光可能領域の少なくと
    も一部が、2以上の前記導光部材の前記集光端部に対向
    するように、前記複数の導光部材が配置されたことを特
    徴とする請求項39ないし41のいずれか1項に記載の
    生化学解析用データの生成装置。
  44. 【請求項44】 前記複数の導光部材の前記集光端部と
    は反対の端部近傍が集合されたことを特徴とする請求項
    39ないし43のいずれか1項に記載の生化学解析用デ
    ータの生成装置。
  45. 【請求項45】 前記複数の導光部材の集光端部近傍
    が、固定ヘッドによって支持されたことを特徴とする請
    求項39ないし44のいずれか1項に記載の生化学解析
    用データの生成装置。
  46. 【請求項46】 前記ゼロ次元センサが、フォトマルチ
    プライアによって構成されたことを特徴とする請求項3
    9ないし45のいずれか1項に記載の生化学解析用デー
    タの生成装置。
  47. 【請求項47】 前記励起光源が、レーザ励起光源によ
    って構成されたことを特徴とする請求項39ないし46
    のいずれか1項に記載の生化学解析用データの生成装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010101052A1 (ja) * 2009-03-03 2010-09-10 コニカミノルタホールディングス株式会社 表面プラズモン増強蛍光センサおよび表面プラズモン増強蛍光センサに用いられる集光部材

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