JP2003114230A - 生化学解析用ユニットおよびその製造方法 - Google Patents

生化学解析用ユニットおよびその製造方法

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JP2003114230A
JP2003114230A JP2002174596A JP2002174596A JP2003114230A JP 2003114230 A JP2003114230 A JP 2003114230A JP 2002174596 A JP2002174596 A JP 2002174596A JP 2002174596 A JP2002174596 A JP 2002174596A JP 2003114230 A JP2003114230 A JP 2003114230A
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light
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absorptive
analysis unit
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JP2002174596A
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Hirohiko Tsuzuki
博彦 都築
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電
的に検出して、生化学解析用データを生成し、生体由来
の物質を解析する場合に、生化学解析用データの定量性
が低下するという問題があった。 【解決手段】 それぞれが、放射線エネルギーおよび/
または光エネルギーを減衰させる材料によって形成され
た複数の遮光用ストリップ2と、それぞれが、吸着性材
料によって形成された複数の吸着性ストリップ3とを、
織り込んで、二次元的に、互いに離間して、形成した複
数の吸着性領域5を備え、複数の吸着性領域が、隣り合
った吸着性領域の間に、遮光用ストリップが介在するよ
うに形成されたことを特徴とする生化学解析用ユニッ
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学解析用ユニ
ットおよびその製造方法に関するものであり、さらに詳
細には、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、
塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物
質を含む複数のスポット状領域を、生化学解析用ユニッ
トに、高密度に形成し、複数のスポット状領域を、放射
性標識物質によって、選択的に標識して得た生化学解析
用ユニットを、輝尽性蛍光体層と密着させて、輝尽性蛍
光体層を放射性標識物質によって露光し、輝尽性蛍光体
層に励起光を照射して、輝尽性蛍光体層から放出された
輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成
する場合にも、放射性標識物質から発せられる電子線
(β線)の散乱に起因するノイズが生化学解析用データ
中に生成されることを防止することができ、生体由来の
物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長
さ、組成などが既知の特異的結合物質を含む複数のスポ
ット状領域を、生化学解析用ユニットに、高密度に形成
し、複数のスポット状領域を、化学発光基質と接触させ
ることによって化学発光を生じさせる標識物質によっ
て、選択的に標識して得た生化学解析用ユニットに、化
学発光基質を接触させて、複数のスポット状領域から、
選択的に、化学発光を放出させ、複数のスポット状領域
から、化学発光が選択的に放出されている生化学解析用
ユニットを、輝尽性蛍光体層と密着させて、輝尽性蛍光
体層を化学発光によって露光し、輝尽性蛍光体層に励起
光を照射して、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を
光電的に検出して、生化学解析用データを生成する場合
にも、生化学解析用ユニットの複数のスポット状領域か
ら放出される化学発光の散乱に起因するノイズが生化学
解析用データ中に生成されることを防止することが可能
になるとともに、生体由来の物質と特異的に結合可能
で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特
異的結合物質を含む複数のスポット状領域を、生化学解
析用ユニットに、高密度に形成し、複数のスポット状領
域を、化学発光基質と接触させることによって化学発光
を生じさせる標識物質および/または蛍光物質によって
標識し、生化学解析用ユニットの複数のスポット状領域
から放出される化学発光または蛍光を光電的に検出し
て、生化学解析用データを生成する場合にも、生化学解
析用ユニットの複数のスポット状領域から放出される化
学発光または蛍光の散乱に起因するノイズが生化学解析
用データ中に生成されることを防止することができる生
化学解析用ユニットおよびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】また、光が照射されると、光のエネルギー
を吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の
電磁波を用いて励起すると、照射された光のエネルギー
の量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性
蛍光体を、光の検出材料として用い、蛋白質、遺伝子配
列などの固定された高分子を、化学発光物質と接触し
て、化学発光を生じさせる標識物質により、選択的に標
識し、標識物質によって選択的に標識された高分子と、
化学発光物質とを接触させて、化学発光物質と標識物質
との接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を、蓄
積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に含まれ
ている輝尽性蛍光体に蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル信号を生成し、データ処理を施
して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルムな
どの記録材料上に、データを再生するように構成された
化学発光解析システムが知られている(たとえば、米国
特許第5,028,793号、英国特許出願公開GB第
2,246,197Aなど。)。
【0004】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するこれらのシステムは、写真フイルムを用い
る場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要
であるだけでなく、得られたディジタルデータにデータ
処理を施すことにより、所望のように、解析用データを
再生し、あるいは、コンピュータによる定量解析が可能
になるという利点を有している。
【0005】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0006】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光解析システムも知られてい
る。
【0007】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細胞、
ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗
原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDN
A、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結
合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既
知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下
して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによっ
て、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処
理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であ
って、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識され
た物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特異
的結合物質に、特異的に結合させたマイクロアレイに、
励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から
発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来
の物質を解析するマイクロアレイ解析システムが開発さ
れている。このマイクロアレイ解析システムによれば、
スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポット
を高密度に形成して、標識物質によって標識された生体
由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時
間に、生体由来の物質を解析することが可能になるとい
う利点がある。
【0008】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッ
ター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポット
を形成し、次いで、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽
出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、
さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生
体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識さ
れた物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特
異的結合物質に、特異的に結合させたマクロアレイを、
輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性
蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、
しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性
蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生
化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解析する
放射性標識物質を用いたマクロアレイ解析システムも開
発されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、放射性
標識物質を標識物質として用いたマクロアレイ解析シス
テムにあっては、輝尽性蛍光体層を露光する際、メンブ
レンフィルタなどの担体表面上に形成されたスポット状
領域に含まれた放射性標識物質の放射線エネルギーが非
常に大きいため、放射性標識物質から発せられる電子線
(β線)が散乱して、隣り合うスポット状領域に含まれ
た放射性標識物質によって露光されるべき輝尽性蛍光体
層の領域に入射し、あるいは、隣り合うスポット状領域
の間のメンブレンフィルタなどの担体表面上に付着した
放射性標識物質から放出された電子線(β線)が、輝尽
性蛍光体層に入射し、その結果、輝尽光を光電的に検出
して生成された生化学解析用データ中にノイズが生成さ
れ、隣り合うスポット状領域間でのデータの分離が困難
になって、分解能が低下するとともに、各スポット状領
域の放射線量を定量して、生体由来の物質を解析する
際、定量性が悪化するという問題があり、スポットを近
接して形成して、高密度化しようとする場合には、とく
に、分解能が低下する著しく低下するとともに、定量性
の著しい悪化が認められている。
【0010】隣り合うスポット状領域に含まれた放射性
標識物質から発せられる電子線(β線)の散乱に起因す
るノイズを防止して、かかる問題を解消するためには、
必然的に、隣り合うスポット状領域間の距離を大きくす
ることが必要になり、スポット状領域の密度が低下し、
検査効率を低下させるという問題があった。
【0011】また、生化学解析の分野においては、メン
ブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的
に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成など
が既知の特異的結合物質を含むスポット状領域を形成
し、スポット状領域に含まれた特異的結合物質に、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質によって標識された生体由来の物質を、ハイ
ブリダイゼーションなどにより、特異的に結合させて、
選択的に標識し、化学発光基質とを接触させて、化学発
光基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域
の化学発光により、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体
層を露光して、輝尽性蛍光体層に化学発光のエネルギー
を蓄積させ、輝尽性蛍光体層に、励起光を照射して、輝
尽性蛍光体層から放出される輝尽光を光電的に検出し
て、生体由来の物質を解析することも要求されている
が、かかる場合にも、各スポット状領域から放出された
化学発光が、メンブレンフィルタなどの担体内で散乱し
て、隣り合うスポット状領域から放出された化学発光に
よって露光されるべき輝尽性蛍光体層の領域に入射し、
その結果、輝尽光を光電的に検出して生成された生化学
解析用データ中にノイズが生成され、隣り合うスポット
状領域間でのデータの分離が困難になって、分解能が低
下するとともに、生化学解析用データの定量性が低下す
るという問題があった。
【0012】さらに、上述のように、生化学解析の分野
においては、メンブレンフィルタなどの担体表面上の異
なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカ
ー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク
質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の
物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長
さ、組成などが既知の特異的結合物質を含むスポット状
領域を形成し、スポット状領域に含まれた特異的結合物
質に、化学発光基質と接触させることによって化学発光
を生じさせる標識物質および/または蛍光物質によって
標識された生体由来の物質を、ハイブリダイゼーション
などにより、特異的に結合させて、選択的に標識し、化
学発光基質とを接触させて、化学発光基質と標識物質と
の接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を光電的
に検出し、あるいは、励起光を照射して、蛍光物質から
発せられる蛍光を光電的に検出して、生体由来の物質を
解析することも要求されているが、かかる場合にも、ス
ポット状領域から放出された化学発光や蛍光がメンブレ
ンフィルタなどの担体内で散乱し、あるいは、スポット
状領域から発せられた化学発光や蛍光が散乱して、隣り
合うスポット状領域から放出された化学発光や蛍光と混
ざり合い、その結果、化学発光あるいは蛍光を光電的に
検出して生成した生化学解析用データ中にノイズを生成
するという問題があった。
【0013】したがって、本発明は、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質を含む複数のスポット状
領域を、生化学解析用ユニットに、高密度に形成し、複
数のスポット状領域を、放射性標識物質によって、選択
的に標識して得た生化学解析用ユニットを、輝尽性蛍光
体層と密着させて、輝尽性蛍光体層を放射性標識物質に
よって露光し、輝尽性蛍光体層に励起光を照射して、輝
尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電的に検出し
て、生化学解析用データを生成する場合にも、放射性標
識物質から発せられる電子線(β線)の散乱に起因する
ノイズが生化学解析用データ中に生成されることを防止
することができる生化学解析用ユニットおよびその製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0014】本発明の別の目的は、生体由来の物質と特
異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成
などが既知の特異的結合物質を含む複数のスポット状領
域を、生化学解析用ユニットに、高密度に形成し、複数
のスポット状領域を、化学発光基質と接触させることに
よって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的
に標識して得た生化学解析用ユニットに、化学発光基質
を接触させて、複数のスポット状領域から、選択的に、
化学発光を放出させ、複数のスポット状領域から、化学
発光が選択的に放出されている生化学解析用ユニット
を、輝尽性蛍光体層と密着させて、輝尽性蛍光体層を化
学発光によって露光し、輝尽性蛍光体層に励起光を照射
して、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電的に
検出して、生化学解析用データを生成する場合にも、生
化学解析用ユニットの複数のスポット状領域から放出さ
れる化学発光の散乱に起因するノイズが生化学解析用デ
ータ中に生成されることを防止することができる生化学
解析用ユニットおよびその製造方法を提供することにあ
る。
【0015】本発明のさらに他の目的は、生体由来の物
質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長
さ、組成などが既知の特異的結合物質を含む複数のスポ
ット状領域を、生化学解析用ユニットに、高密度に形成
し、複数のスポット状領域を、化学発光基質と接触させ
ることによって化学発光を生じさせる標識物質および/
または蛍光物質によって標識し、生化学解析用ユニット
の複数のスポット状領域から放出される化学発光または
蛍光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成す
る場合にも、生化学解析用ユニットの複数のスポット状
領域から放出される化学発光または蛍光の散乱に起因す
るノイズが生化学解析用データ中に生成されることを防
止することができる生化学解析用ユニットおよびその製
造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
それぞれが、放射線エネルギーおよび/または光エネル
ギーを減衰させる材料によって形成された複数の遮光用
ストリップと、それぞれが、吸着性材料によって形成さ
れた複数の吸着性ストリップとを、織り込んで、二次元
的に、互いに離間して、形成した複数の吸着性領域を備
え、前記複数の吸着性領域が、隣り合った前記吸着性領
域の間に、前記遮光用ストリップが介在するように形成
されたことを特徴とする生化学解析用ユニットによって
達成される。
【0017】本発明によれば、遮光用ストリップを、放
射線エネルギーを減衰させる性質を有する材料によって
形成する場合には、生体由来の物質と特異的に結合可能
で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特
異的結合物質を、生化学解析用ユニットに、互いに離間
して、形成された複数の吸着性領域内に滴下して、吸着
させ、さらに、放射性標識物質によって標識された生体
由来の物質を、吸着性領域に吸着されている特異的結合
物質に特異的に結合させて、選択的に標識した後、蓄積
性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に対向させ
て、輝尽性蛍光体層を、複数の吸着性領域に含まれた放
射性標識物質によって露光する際に、隣り合った吸着性
領域の間に、放射線エネルギーを減衰させる性質を有す
る材料によって形成された遮光用ストリップが介在して
いるから、吸着性領域のそれぞれに含まれている放射性
標識物質から発せられた電子線(β線)が、複数の遮光
用ストリップ内で散乱し、隣り合う吸着性領域に含まれ
た放射性標識物質によって露光されるべき輝尽性蛍光体
層の領域内に、散乱した電子線(β線)が入射すること
を効果的に防止することができ、したがって、放射性標
識物質によって露光された輝尽性蛍光体層に励起光を照
射して、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電的
に検出して、生化学解析用データを生成し、生体由来の
物質を解析する場合に、放射性標識物質から発せられる
電子線(β線)の散乱に起因するノイズが生化学解析用
データ中に生成されることを効果的に防止することが可
能になる。
【0018】また、本発明によれば、遮光用ストリップ
を、光エネルギーを減衰させる性質を有する材料によっ
て形成する場合には、生体由来の物質と特異的に結合可
能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の
特異的結合物質を、生化学解析用ユニットに、互いに離
間して、形成された複数の吸着性領域内に滴下して、複
数の吸着性領域に吸着させ、さらに、化学発光基質と接
触させることによって化学発光を生じさせる標識物質に
よって標識された生体由来の物質を、吸着性領域に吸着
されている特異的結合物質に特異的に結合させて、選択
的に標識した後に、生化学解析用ユニットに化学発光基
質を接触させて、複数の吸着性領域から、化学発光を選
択的に放出させ、複数の吸着性領域から選択的に化学発
光を放出している生化学解析用ユニットを、蓄積性蛍光
体シートに形成された輝尽性蛍光体層に対向させて、輝
尽性蛍光体層を、複数の吸着性領域から選択的に放出さ
れている化学発光によって露光する際に、隣り合った吸
着性領域の間に、光エネルギーを減衰させる性質を有す
る材料によって形成された遮光用ストリップが介在して
いるから、吸着性領域から放出された化学発光が、複数
の遮光用ストリップ内で散乱し、隣り合う吸着性領域か
ら放出された化学発光によって露光されるべき輝尽性蛍
光体層の領域に入射することを効果的に防止することが
でき、したがって、化学発光によって露光された輝尽性
蛍光体層に励起光を照射して、輝尽性蛍光体層から放出
された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用データ
を生成し、生体由来の物質を解析する場合に、化学発光
の散乱に起因するノイズが生化学解析用データ中に生成
されることを効果的に防止することが可能になる。
【0019】さらに、本発明によれば、遮光用ストリッ
プを、光エネルギーを減衰させる性質を有する材料によ
って形成する場合には、生体由来の物質と特異的に結合
可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知
の特異的結合物質を、生化学解析用ユニットに、互いに
離間して、形成された複数の吸着性領域内に滴下して、
複数の吸着性領域に吸着させ、さらに、化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
および/または蛍光物質によって標識された生体由来の
物質を、吸着性領域に吸着されている特異的結合物質に
特異的に結合させて、選択的に標識した後に、生化学解
析用ユニットに化学発光基質を接触させて、複数の吸着
性領域から、化学発光を選択的に放出させ、化学発光を
光電的に検出し、あるいは、生化学解析用ユニットに励
起光を照射して、蛍光物質を励起し、吸着性領域から放
出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用データ
を生成する際に、隣り合った吸着性領域の間に、光エネ
ルギーを減衰させる性質を有する材料によって形成され
た遮光用ストリップが介在しているから、吸着性領域か
ら放出された化学発光あるいは蛍光が、複数の遮光用ス
トリップ内で散乱して、隣り合った吸着性領域から放出
された化学発光あるいは蛍光と混ざり合うことを効果的
に防止することができ、したがって、化学発光あるいは
蛍光を光電的に検出して生成した生化学解析用データ中
に、化学発光あるいは蛍光の散乱に起因するノイズが生
成されることを効果的に防止することが可能になる。
【0020】また、本発明によれば、生化学解析用ユニ
ットは、単に、複数の遮光用ストリップと、複数の吸着
性ストリップとを、複数の吸着性領域が、二次元的に、
互いに離間して、形成され、その間に、遮光用ストリッ
プが介在するように、織り込むことによって、生成され
るから、織物技術を用いて、簡易に、かつ、所望のよう
に、生化学解析用ユニットを生成することが可能にな
る。
【0021】本発明の前記目的はまた、それぞれが、放
射線エネルギーおよび/または光エネルギーを減衰させ
る材料によって形成された複数の遮光用ストリップと、
それぞれが、吸着性材料によって形成された複数の吸着
性ストリップとを、織り込んで、二次元的に、互いに離
間して、形成した複数の吸着性領域を備え、前記複数の
吸着性領域が、隣り合う前記吸着性領域の間に、前記遮
光用ストリップが介在するように形成され、前記複数の
吸着性領域が、放射性標識物質、蛍光物質および化学発
光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる
標識物質よりなる群から選ばれる少なくとも1種の標識
物質によって、選択的に標識されていることを特徴とす
る生化学解析用ユニットによって達成される。
【0022】本発明において、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域が、化学発光基質と接触させることに
よって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的
に標識されているとは、化学発光基質と接触させること
によって化学発光を生じさせる標識物質によって標識さ
れた生体由来の物質を、複数の吸着性領域に含まれてい
る特異的結合物質に、選択的に結合させて、生化学解析
用ユニットの複数の吸着性領域が、化学発光基質と接触
させることによって化学発光を生じさせる標識物質によ
って、選択的に標識されている場合と、複数の吸着性領
域に含まれている特異的結合物質に、ハプテンによって
標識された生体由来の物質を、選択的に結合させ、さら
に、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる酵素によって標識されたハプテンに対する抗
体を、抗原抗体反応によって、ハプテンに結合させるこ
とによって、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域
が、化学発光基質と接触させることにより化学発光を生
じさせる標識物質によって、選択的に標識されている場
合とを包含している。
【0023】本発明において、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域が、蛍光物質によって、選択的に標識
されているとは、蛍光色素によって標識された生体由来
の物質を、複数の吸着性領域に含まれている特異的結合
物質に、選択的に結合させて、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域が、蛍光物質によって、選択的に標識
されている場合と、複数の吸着性領域に含まれている特
異的結合物質に、ハプテンによって標識された生体由来
の物質を、選択的に結合させ、さらに、蛍光基質と接触
させることによって、蛍光物質を生成する性質を有する
酵素によって標識されたハプテンに対する抗体を、抗原
抗体反応によって、ハプテンに結合させ、ハプテンに結
合している酵素と蛍光基質とを接触させて、蛍光物質を
生成することによって、生化学解析用ユニットの複数の
吸着性領域が、蛍光物質によって、選択的に標識されて
いる場合とを包含している。
【0024】本発明において、ハプテン/抗体の組合わ
せの例としては ジゴキシゲニン/抗ジゴキシゲニン抗
体、テオフィリン/抗テオフィリン抗体、フルオロセイ
ン/抗フルオロセイン抗体などをあげることができる。
また、ハプテン/抗体ではなく、ビオチン/アヴィジン
や抗原/抗体などの組合わせを利用することも可能であ
る。
【0025】本発明によれば、遮光用ストリップを、放
射線エネルギーを減衰させる性質を有する材料によって
形成し、生化学解析用ユニットに、二次元的に、互いに
離間して、形成された複数の吸着性領域に、構造または
特性が既知の特異的結合物質を滴下し、さらに、放射性
標識物質によって標識された生体由来の物質を、特異的
結合物質に特異的に結合させて、放射性標識物質によっ
て、複数の吸着性領域を選択的に標識した場合には、生
化学解析用ユニットを、蓄積性蛍光体シートに形成され
た輝尽性蛍光体層と対向させて、輝尽性蛍光体層を放射
性標識物質によって露光する際に、隣り合った吸着性領
域の間に、放射線エネルギーを減衰させる性質を有する
材料によって形成された遮光用ストリップが介在してい
るから、生化学解析用ユニットの各吸着性領域に含まれ
ている放射性標識物質から発せられた電子線(β線)
が、複数の遮光用ストリップ内で散乱し、隣り合う吸着
性領域に含まれている放射性標識物質によって露光され
るべき輝尽性蛍光体層の領域内に、散乱した電子線(β
線)が入射することを効果的に防止することができ、し
たがって、放射性標識物質によって露光された輝尽性蛍
光体層に励起光を照射して、輝尽性蛍光体層から放出さ
れた輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用データを
生成する場合に、放射性標識物質から発せられる電子線
(β線)の散乱に起因するノイズが生化学解析用データ
中に生成されることを効果的に防止することが可能にな
る。
【0026】また、本発明によれば、遮光用ストリップ
を、光エネルギーを減衰させる性質を有する材料によっ
て形成し、生化学解析用ユニットに、二次元的に、互い
に離間して、形成された複数の吸着性領域に、構造また
は特性が既知の特異的結合物質を滴下し、さらに、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質によって標識された生体由来の物質を、特異
的結合物質に特異的に結合させて、化学発光基質と接触
させることによって化学発光を生じさせる標識物質によ
って、複数の吸着性領域を選択的に標識した場合には、
生化学解析用ユニットに化学発光基質を接触させて、複
数の吸着性領域から、化学発光を選択的に放出させ、複
数の吸着性領域から選択的に化学発光を放出している生
化学解析用ユニットを、蓄積性蛍光体シートに形成され
た輝尽性蛍光体層に対向させて、輝尽性蛍光体層を、複
数の吸着性領域から選択的に放出されている化学発光に
よって露光する際に、隣り合った吸着性領域の間に、光
エネルギーを減衰させる性質を有する材料によって形成
された遮光用ストリップが介在しているから、吸着性領
域から放出された化学発光が、複数の遮光用ストリップ
内で散乱し、隣り合う吸着性領域から放出された化学発
光によって露光されるべき輝尽性蛍光体層の領域に入射
することを効果的に防止することができ、したがって、
化学発光によって露光された輝尽性蛍光体層に励起光を
照射して、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電
的に検出して、生化学解析用データを生成し、生体由来
の物質を解析する場合に、化学発光の散乱に起因するノ
イズが生化学解析用データ中に生成されることを効果的
に防止することが可能になる。
【0027】さらに、本発明によれば、遮光用ストリッ
プを、光エネルギーを減衰させる性質を有する材料によ
って形成し、生化学解析用ユニットに、二次元的に、互
いに離間して、形成された複数の吸着性領域に、構造ま
たは特性が既知の特異的結合物質を滴下し、さらに、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質および/または蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質を、特異的結合物質に特異的に結合さ
せて、化学発光基質と接触させることによって化学発光
を生じさせる標識物質および/または蛍光物質によっ
て、複数の吸着性領域を選択的に標識した場合には、生
化学解析用ユニットに化学発光基質を接触させて、複数
の吸着性領域から、化学発光を選択的に放出させ、化学
発光を光電的に検出し、あるいは、生化学解析用ユニッ
トに励起光を照射して、蛍光物質を励起し、吸着性領域
から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用
データを生成する際に、隣り合った吸着性領域の間に、
光エネルギーを減衰させる性質を有する材料によって形
成された遮光用ストリップが介在しているから、吸着性
領域から放出された化学発光あるいは蛍光が、複数の遮
光用ストリップ内で散乱して、隣り合った吸着性領域か
ら放出された化学発光あるいは蛍光と混ざり合うことを
効果的に防止することができ、したがって、化学発光あ
るいは蛍光を光電的に検出して生成した生化学解析用デ
ータ中に、化学発光あるいは蛍光の散乱に起因するノイ
ズが生成されることを効果的に防止することが可能にな
る。
【0028】また、本発明によれば、生化学解析用ユニ
ットは、単に、複数の遮光用ストリップと、複数の吸着
性ストリップとを、複数の吸着性領域が、二次元的に、
互いに離間して、形成され、その間に、遮光用ストリッ
プが介在するように、織り込むことによって、生成され
るから、織物技術を用いて、簡易に、かつ、所望のよう
に、生化学解析用ユニットを生成することが可能にな
る。
【0029】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域に、構造または特性が既知の特異的
結合物質を滴下し、放射性標識物質、蛍光物質および化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質よりなる群から選ばれる少なくとも1種の
標識物質によって標識された生体由来の物質を、前記特
異的結合物質に、特異的に結合して、前記複数の吸着性
領域が選択的に標識されている。
【0030】本発明の前記目的はまた、それぞれが、放
射線エネルギーおよび/または光エネルギーを減衰させ
る材料によって形成された複数の遮光用ストリップと、
それぞれが、吸着性材料によって形成された複数の吸着
性ストリップとを、第一の方向においては、前記複数の
遮光用ストリップと前記複数の吸着性ストリップが、隣
り合う前記吸着性ストリップの間に、少なくとも1つの
前記遮光用ストリップが介在するように延び、前記第一
の方向に直交する第二の方向においては、前記複数の遮
光用ストリップが延びるように、織り込んで、複数の吸
着性領域を、二次元的に、互いに離間して、形成するこ
とを特徴とする生化学解析用ユニットの製造方法によっ
て達成される。
【0031】本発明によれば、複数の遮光用ストリップ
と、複数の吸着性ストリップとを、単に、第一の方向に
おいては、複数の遮光用ストリップと複数の吸着性スト
リップが、隣り合う吸着性ストリップの間に、少なくと
も1つの遮光用ストリップが介在するように延び、第一
の方向に直交する第二の方向においては、複数の遮光用
ストリップが延びるように、織り込んで、複数の吸着性
領域を、二次元的に、互いに離間して、形成することに
よって、生化学解析用ユニットを製造することができる
から、織物技術を用いて、簡易に、かつ、所望のよう
に、生化学解析用ユニットを生成することが可能にな
る。
【0032】本発明の前記目的はまた、それぞれが、放
射線エネルギーおよび/または光エネルギーを減衰させ
る材料によって形成された複数の遮光用ストリップと、
それぞれが、吸着性材料によって形成された複数の吸着
性ストリップとを、第一の方向においては、前記複数の
遮光用ストリップと前記複数の吸着性ストリップが、隣
り合う前記吸着性ストリップの間に、少なくとも1つの
前記遮光用ストリップが介在するように延び、前記第一
の方向に直交する第二の方向においては、前記複数の遮
光用ストリップが延びるように、織り込んで、複数の吸
着性領域を、二次元的に、互いに離間して、形成し、前
記複数の吸着性領域を、放射性標識物質、蛍光物質およ
び化学発光基質と接触させることによって化学発光を生
じさせる標識物質よりなる群から選ばれる少なくとも1
種の標識物質によって選択的に標識することを特徴とす
る生化学解析用ユニットの製造方法によって達成され
る。
【0033】本発明によれば、複数の遮光用ストリップ
と、複数の吸着性ストリップとを、単に、第一の方向に
おいては、複数の遮光用ストリップと複数の吸着性スト
リップが、隣り合う吸着性ストリップの間に、少なくと
も1つの遮光用ストリップが介在するように延び、第一
の方向に直交する第二の方向においては、複数の遮光用
ストリップが延びるように、織り込んで、複数の吸着性
領域を、二次元的に、互いに離間して、形成し、複数の
吸着性領域を、放射性標識物質、蛍光物質および化学発
光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる
標識物質よりなる群から選ばれる少なくとも1種の標識
物質によって選択的に標識することによって、生化学解
析用ユニットを製造することができるから、織物技術を
用いて、簡易に、かつ、所望のように、生化学解析用ユ
ニットを生成することが可能になる。
【0034】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域に、構造または特性が既知の特異的
結合物質を滴下し、放射性標識物質、蛍光物質および化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質よりなる群から選ばれる少なくとも1種の
標識物質によって標識された生体由来の物質を、前記特
異的結合物質に、特異的に結合して、前記複数の吸着性
領域を選択的に標識するように構成されている。
【0035】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性ストリップを形成する吸着性材料としては、微細
繊維が形成可能な材料やメンブレンフィルタを形成可能
な多孔質材料あるいは繊維材料が好ましく使用される。
多孔質材料と繊維材料を併用して、吸着性ストリップを
形成することもできる。
【0036】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性ストリップを形成するために使用される多孔質材
料は、有機材料、無機材料のいずれでもよく、有機/無
機複合体でもよい。
【0037】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性ストリップを形成するために使用される有機多孔
質材料は、とくに限定されるものではないが、活性炭な
どの炭素多孔質材料あるいはメンブレンフィルタを形成
可能な多孔質材料が、好ましく用いられる。具体的に
は、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10な
どのナイロン類;ニトロセルロース、酢酸セルロース、
酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;コラーゲ
ン;アルギン酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/
ポリリシンポリイオンコンプレックスなどのアルギン酸
類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ
化ビニリデン、ポリテトラフルオライドなどのポリフル
オライドや、これらの共重合体または複合体が挙げられ
る。
【0038】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性ストリップを形成するために使用される無機多孔
質材料は、とくに限定されるものではないが、好ましく
は、たとえば、白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニ
ウムなどの金属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオラ
イトなどの金属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カ
ルシウムなどの金属塩やこれらの複合体などが挙げられ
る。
【0039】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性ストリップを形成するために使用される繊維材料
は、とくに限定されるものではないが、好ましくは、た
とえば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,1
0などのナイロン類、ニトロセルロース、酢酸セルロー
ス、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体などが
挙げられる。
【0040】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域は、電解処理、プラズマ処理、アーク放電な
どの酸化処理;シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤などを用いたプライマー処理;界面活性剤処理な
どの表面処理によって形成することもできる。吸着性領
域の表面が、フラクタル構造を有していると、とくに好
ましい。
【0041】本発明の好ましい実施態様においては、生
化学解析用ユニットの前記吸着性ストリップが、複数の
繊維の束または多孔質材料を含んでなる吸着性材料によ
って形成されている。本発明の多孔質材料を含んでなる
吸着性材料とは、多孔質材料そのものから形成された構
造物もしくは多孔質材料を、0.01%以上、99.9
%以下含有する化合物である。
【0042】本発明の前記目的はまた、それぞれが、放
射線エネルギーおよび/または光エネルギーを減衰させ
る材料によって形成され、その表面に、長手方向に沿っ
て、粗面化された吸着性ストライプが形成された複数の
シートと、それぞれが、放射線エネルギーおよび/また
は光エネルギーを減衰させる材料によって形成された複
数の遮光用ストリップおよびそれぞれが、放射線エネル
ギーおよび/または光エネルギーを減衰させる材料によ
って形成された複数の遮光用シートとを、織り込んで、
二次元的に、互いに離間して、形成した複数の吸着性領
域を備え、前記複数の吸着性領域が、隣り合う前記吸着
性領域の間に、前記遮光用シートまたは前記吸着性スト
ライプが形成されていない前記シートの部分が介在する
ように形成されたことを特徴とする生化学解析用ユニッ
トによって達成される。
【0043】本発明によれば、シート、遮光用シートお
よび遮光用ストリップを、放射線エネルギーを減衰させ
る性質を有する材料によって形成する場合には、生体由
来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基
の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、生化学解
析用ユニットに、互いに離間して、形成された複数の吸
着性領域内に滴下して、吸着させ、さらに、放射性標識
物質によって標識された生体由来の物質を、吸着性領域
に吸着されている特異的結合物質に特異的に結合させ
て、選択的に標識した後、蓄積性蛍光体シートに形成さ
れた輝尽性蛍光体層に対向させて、輝尽性蛍光体層を、
複数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によって露
光する際に、シート、遮光用シートおよび遮光用ストリ
ップが、放射線エネルギーを減衰させる性質を有する材
料によって形成されているから、吸着性領域のそれぞれ
に含まれている放射性標識物質から発せられた電子線
(β線)が、シート、遮光用シートまたは遮光用ストリ
ップ内で散乱し、隣り合う吸着性領域に含まれた放射性
標識物質によって露光されるべき輝尽性蛍光体層の領域
内に、散乱した電子線(β線)が入射することを効果的
に防止することができ、したがって、放射性標識物質に
よって露光された輝尽性蛍光体層に励起光を照射して、
輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電的に検出し
て、生化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解
析する場合に、放射性標識物質から発せられる電子線
(β線)の散乱に起因するノイズが生化学解析用データ
中に生成されることを効果的に防止することが可能にな
る。
【0044】また、本発明によれば、シート、遮光用シ
ートおよび遮光用ストリップを、光エネルギーを減衰さ
せる性質を有する材料によって形成する場合には、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、生化学
解析用ユニットに、互いに離間して、形成された複数の
吸着性領域内に滴下して、複数の吸着性領域に吸着さ
せ、さらに、化学発光基質と接触させることによって化
学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由
来の物質を、吸着性領域に吸着されている特異的結合物
質に特異的に結合させて、選択的に標識した後に、生化
学解析用ユニットに化学発光基質を接触させて、複数の
吸着性領域から、化学発光を選択的に放出させ、複数の
吸着性領域から選択的に化学発光を放出している生化学
解析用ユニットを、蓄積性蛍光体シートに形成された輝
尽性蛍光体層に対向させて、輝尽性蛍光体層を、複数の
吸着性領域から選択的に放出されている化学発光によっ
て露光する際に、シート、遮光用シートおよび遮光用ス
トリップが、光エネルギーを減衰させる性質を有する材
料によって形成されているから、吸着性領域から放出さ
れた化学発光が、シート、遮光用シートまたは遮光用ス
トリップ内で散乱し、隣り合う吸着性領域から放出され
た化学発光によって露光されるべき輝尽性蛍光体層の領
域に入射することを効果的に防止することができ、した
がって、化学発光によって露光された輝尽性蛍光体層に
励起光を照射して、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽
光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成し、
生体由来の物質を解析する場合に、化学発光の散乱に起
因するノイズが生化学解析用データ中に生成されること
を効果的に防止することが可能になる。
【0045】さらに、本発明によれば、シート、遮光用
シートおよび遮光用ストリップを、光エネルギーを減衰
させる性質を有する材料によって形成する場合には、生
体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や
塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、生化
学解析用ユニットに、互いに離間して、形成された複数
の吸着性領域内に滴下して、複数の吸着性領域に吸着さ
せ、さらに、化学発光基質と接触させることによって化
学発光を生じさせる標識物質および/または蛍光物質に
よって標識された生体由来の物質を、吸着性領域に吸着
されている特異的結合物質に特異的に結合させて、選択
的に標識した後に、生化学解析用ユニットに化学発光基
質を接触させて、複数の吸着性領域から、化学発光を選
択的に放出させ、化学発光を光電的に検出し、あるい
は、生化学解析用ユニットに励起光を照射して、蛍光物
質を励起し、吸着性領域から放出された蛍光を光電的に
検出して、生化学解析用データを生成する際に、シー
ト、遮光用シートおよび遮光用ストリップが、光エネル
ギーを減衰させる性質を有する材料によって形成されて
いるから、吸着性領域から放出された化学発光あるいは
蛍光が、シート、遮光用シートまたは遮光用ストリップ
内で散乱しして、隣り合った吸着性領域から放出された
化学発光あるいは蛍光と混ざり合うことを効果的に防止
することができ、したがって、化学発光あるいは蛍光を
光電的に検出して生成した生化学解析用データ中に、化
学発光あるいは蛍光の散乱に起因するノイズが生成され
ることを効果的に防止することが可能になる。
【0046】また、本発明によれば、生化学解析用ユニ
ットは、単に、表面に、長手方向に沿って、吸着性スト
ライプが形成された複数のシートと、複数の遮光用シー
トおよび複数の遮光用ストリップとを、複数の吸着性領
域が、二次元的に、互いに離間して、形成され、その間
に、遮光用シートまたは吸着性ストライプが形成されて
いないシートの部分が介在するように、織り込むことに
よって、生成されるから、織物技術を用いて、簡易に、
かつ、所望のように、生化学解析用ユニットを生成する
ことが可能になる。
【0047】本発明の前記目的はまた、それぞれが、放
射線エネルギーおよび/または光エネルギーを減衰させ
る材料によって形成され、表面に、長手方向に沿って、
粗面化された吸着性ストライプが形成された複数のシー
トと、それぞれが、放射線エネルギーおよび/または光
エネルギーを減衰させる材料によって形成された複数の
遮光用ストリップおよびそれぞれが、放射線エネルギー
および/または光エネルギーを減衰させる材料によって
形成された複数の遮光用シートとを、織り込んで、二次
元的に、互いに離間して、形成した複数の吸着性領域を
備え、前記複数の吸着性領域が、隣り合う前記吸着性領
域の間に、前記遮光用シートまたは前記吸着性ストライ
プが形成されていない前記シートの部分が介在するよう
に形成され、前記複数の吸着性領域が、放射性標識物
質、蛍光物質および化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質よりなる群から選ば
れる少なくとも1種の標識物質によって、選択的に標識
されていることを特徴とする生化学解析用ユニットによ
って達成される。
【0048】本発明によれば、シート、遮光用シートお
よび遮光用ストリップを、放射線エネルギーを減衰させ
る性質を有する材料によって形成し、生化学解析用ユニ
ットに、二次元的に、互いに離間して、形成された複数
の吸着性領域に、構造または特性が既知の特異的結合物
質を滴下し、さらに、放射性標識物質によって標識され
た生体由来の物質を、特異的結合物質に特異的に結合さ
せて、放射性標識物質によって、複数の吸着性領域を選
択的に標識した場合には、生化学解析用ユニットを、蓄
積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層と対向さ
せて、輝尽性蛍光体層を放射性標識物質によって露光す
る際に、シート、遮光用シートおよび遮光用ストリップ
が、放射線エネルギーを減衰させる性質を有する材料に
よって形成されているから、生化学解析用ユニットの各
吸着性領域に含まれている放射性標識物質から発せられ
た電子線(β線)が、シート、遮光用シートまたは遮光
用ストリップ内で散乱し、隣り合う吸着性領域に含まれ
ている放射性標識物質によって露光されるべき輝尽性蛍
光体層の領域内に、散乱した電子線(β線)が入射する
ことを効果的に防止することができ、したがって、放射
性標識物質によって露光された輝尽性蛍光体層に励起光
を照射して、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光
電的に検出して、生化学解析用データを生成する場合
に、放射性標識物質から発せられる電子線(β線)の散
乱に起因するノイズが生化学解析用データ中に生成され
ることを効果的に防止することが可能になる。
【0049】また、本発明によれば、シート、遮光用シ
ートおよび遮光用ストリップを、光エネルギーを減衰さ
せる性質を有する材料によって形成し、生化学解析用ユ
ニットに、二次元的に、互いに離間して、形成された複
数の吸着性領域に、構造または特性が既知の特異的結合
物質を滴下し、さらに、化学発光基質と接触させること
によって化学発光を生じさせる標識物質によって標識さ
れた生体由来の物質を、特異的結合物質に特異的に結合
させて、化学発光基質と接触させることによって化学発
光を生じさせる標識物質によって、複数の吸着性領域を
選択的に標識した場合には、生化学解析用ユニットに化
学発光基質を接触させて、複数の吸着性領域から、化学
発光を選択的に放出させ、複数の吸着性領域から選択的
に化学発光を放出している生化学解析用ユニットを、蓄
積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に対向さ
せて、輝尽性蛍光体層を、複数の吸着性領域から選択的
に放出されている化学発光によって露光する際に、シー
ト、遮光用シートおよび遮光用ストリップが、光エネル
ギーを減衰させる性質を有する材料によって形成されて
いるから、吸着性領域から放出された化学発光が、シー
ト、遮光用シートまたは遮光用ストリップ内で散乱し、
隣り合う吸着性領域から放出された化学発光によって露
光されるべき輝尽性蛍光体層の領域に入射することを効
果的に防止することができ、したがって、化学発光によ
って露光された輝尽性蛍光体層に励起光を照射して、輝
尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電的に検出し
て、生化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解
析する場合に、化学発光の散乱に起因するノイズが生化
学解析用データ中に生成されることを効果的に防止する
ことが可能になる。
【0050】さらに、本発明によれば、シート、遮光用
シートおよび遮光用ストリップを、光エネルギーを減衰
させる性質を有する材料によって形成し、生化学解析用
ユニットに、二次元的に、互いに離間して、形成された
複数の吸着性領域に、構造または特性が既知の特異的結
合物質を滴下し、さらに、化学発光基質と接触させるこ
とによって化学発光を生じさせる標識物質および/また
は蛍光物質によって標識された生体由来の物質を、特異
的結合物質に特異的に結合させて、化学発光基質と接触
させることによって化学発光を生じさせる標識物質およ
び/または蛍光物質によって、複数の吸着性領域を選択
的に標識した場合には、生化学解析用ユニットに化学発
光基質を接触させて、複数の吸着性領域から、化学発光
を選択的に放出させ、化学発光を光電的に検出し、ある
いは、生化学解析用ユニットに励起光を照射して、蛍光
物質を励起し、吸着性領域から放出された蛍光を光電的
に検出して、生化学解析用データを生成する際に、シー
ト、遮光用シートおよび遮光用ストリップが、光エネル
ギーを減衰させる性質を有する材料によって形成されて
いるから、吸着性領域から放出された化学発光あるいは
蛍光が、シート、遮光用シートまたは遮光用ストリップ
内で散乱して、隣り合った吸着性領域から放出された化
学発光あるいは蛍光と混ざり合うことを効果的に防止す
ることができ、したがって、化学発光あるいは蛍光を光
電的に検出して生成した生化学解析用データ中に、化学
発光あるいは蛍光の散乱に起因するノイズが生成される
ことを効果的に防止することが可能になる。
【0051】また、本発明によれば、生化学解析用ユニ
ットは、単に、表面に、長手方向に沿って、吸着性スト
ライプが形成された複数のシートと、複数の遮光用シー
トおよび複数の遮光用ストリップとを、複数の吸着性領
域が、二次元的に、互いに離間して、形成され、その間
に、遮光用シートまたは吸着性ストライプが形成されて
いないシートの部分が介在するように、織り込むことに
よって、生成されるから、織物技術を用いて、簡易に、
かつ、所望のように、生化学解析用ユニットを生成する
ことが可能になる。
【0052】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域に、構造または特性が既知の特異的
結合物質が滴下され、放射性標識物質、蛍光物質および
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の標識物質によって標識された生体由来の物質が、前記
特異的結合物質に、特異的に結合されて、前記複数の吸
着性領域が選択的に標識されている。
【0053】本発明の前記目的はまた、それぞれが、放
射線エネルギーおよび/または光エネルギーを減衰させ
る材料によって形成され、表面に、長手方向に沿って、
粗面化された吸着性ストライプが形成された複数のシー
トと、それぞれが、放射線エネルギーおよび/または光
エネルギーを減衰させる材料によって形成された複数の
遮光用ストリップおよびそれぞれが、放射線エネルギー
および/または光エネルギーを減衰させる材料によって
形成された複数の遮光用シートとを、前記複数のシート
の前記吸着性ストライプが、前記遮光用シートの下側に
位置し、前記遮光用ストリップの上側に位置するよう
に、織り込んで、二次元的に、互いに離間して、複数の
吸着性領域を形成することを特徴とする生化学解析用ユ
ニットの製造方法によって達成される。
【0054】本発明によれば、表面に、長手方向に沿っ
て、粗面化された吸着性ストライプが形成された複数の
シートと、複数の遮光用ストリップおよび複数の遮光用
シートとを、複数のシートの前記吸着性ストライプが、
前記遮光用シートの下側に位置し、前記遮光用ストリッ
プの上側に位置するように、織り込んで、複数の吸着性
領域を、二次元的に、互いに離間して、形成することに
よって、生化学解析用ユニットを製造することができる
から、織物技術を用いて、簡易に、かつ、所望のよう
に、生化学解析用ユニットを生成することが可能にな
る。
【0055】本発明の前記目的はまた、それぞれが、放
射線エネルギーおよび/または光エネルギーを減衰させ
る材料によって形成され、表面に、長手方向に沿って、
粗面化された吸着性ストライプが形成された複数のシー
トと、それぞれが、放射線エネルギーおよび/または光
エネルギーを減衰させる材料によって形成された複数の
遮光用ストリップおよびそれぞれが、放射線エネルギー
および/または光エネルギーを減衰させる材料によって
形成された複数の遮光用シートとを、前記複数のシート
の前記吸着性ストライプが、前記遮光用シートの下側に
位置し、前記遮光用ストリップの上側に位置するよう
に、織り込んで、二次元的に、互いに離間して、複数の
吸着性領域を形成し、前記複数の吸着性領域を、放射性
標識物質、蛍光物質および化学発光基質と接触させるこ
とによって化学発光を生じさせる標識物質よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の標識物質によって、選択的
に標識することを特徴とする生化学解析用ユニットの製
造方法によって達成される。
【0056】本発明によれば、表面に、長手方向に沿っ
て、粗面化された吸着性ストライプが形成された複数の
シートと、複数の遮光用ストリップおよび複数の遮光用
シートとを、複数のシートの前記吸着性ストライプが、
前記遮光用シートの下側に位置し、前記複数のシートの
前記吸着性ストライプが、前記遮光用ストリップの上側
に位置するように、織り込んで、複数の吸着性領域を、
二次元的に、互いに離間して、形成し、複数の吸着性領
域を、放射性標識物質、蛍光物質および化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の標識物質によ
って、選択的に標識することによって、生化学解析用ユ
ニットを製造することができるから、織物技術を用い
て、簡易に、かつ、所望のように、生化学解析用ユニッ
トを生成することが可能になる。
【0057】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域に、構造または特性が既知の特異的
結合物質を滴下し、放射性標識物質、蛍光物質および化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質よりなる群から選ばれる少なくとも1種の
標識物質によって標識された生体由来の物質を、前記特
異的結合物質に、特異的に結合することによって、前記
複数の吸着性領域を、放射性標識物質、蛍光物質および
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の標識物質によって、選択的に標識するように構成され
ている。
【0058】本発明の好ましい実施態様においては、前
記吸着性ストライプの表面が、フラクタル構造を有する
ように、粗面化されている。
【0059】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、吸着性ストライプの表面が、フラクタル構造を有す
るように、粗面化されているから、吸着性領域は、表面
が平滑である場合よりも、100倍以上の大きな吸着表
面積を有し、したがって、十分な量の特異的結合物質を
吸着性領域に吸着させることが可能になる。
【0060】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生体由来の物質が、ハイブリダイゼーション、抗原抗
体反応、リセプター・リガンドよりなる群から選ばれた
反応によって、前記特異的結合物質と結合されている。
【0061】本発明の好ましい実施態様においては、前
記放射線エネルギーを減衰させる材料が、隣り合う前記
吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記
材料中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/
5以下に減衰させる性質を有している。
【0062】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記放射線エネルギーを減衰させる材料が、隣り合
う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線
が前記材料中を透過したときに、放射線のエネルギー
を、1/10以下に減衰させる性質を有している。
【0063】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記放射線エネルギーを減衰させる材料が、隣り合
う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線
が前記材料中を透過したときに、放射線のエネルギー
を、1/50以下に減衰させる性質を有している。
【0064】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記放射線エネルギーを減衰させる材料が、隣り合
う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線
が前記材料中を透過したときに、放射線のエネルギー
を、1/100以下に減衰させる性質を有している。
【0065】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記放射線エネルギーを減衰させる材料が、隣り合
う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線
が前記材料中を透過したときに、放射線のエネルギー
を、1/500以下に減衰させる性質を有している。
【0066】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記放射線エネルギーを減衰させる材料が、隣り合
う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線
が前記材料中を透過したときに、放射線のエネルギー
を、1/1000以下に減衰させる性質を有している。
【0067】本発明の好ましい実施態様においては、前
記光エネルギーを減衰させる材料が、隣り合う前記吸着
性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記材料中を
透過したときに、透過した光のエネルギーを、1/5以
下に減衰させる性質を有している。
【0068】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記光エネルギーを減衰させる材料が、隣り合う前
記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記材
料中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10以
下に減衰させる性質を有している。
【0069】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記光エネルギーを減衰させる材料が、隣り合う前
記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記材
料中を透過したときに、光のエネルギーを、1/50以
下に減衰させる性質を有している。
【0070】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記光エネルギーを減衰させる材料が、隣り合う前
記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記材
料中を透過したときに、光のエネルギーを、1/100
以下に減衰させる性質を有している。
【0071】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記光エネルギーを減衰させる材料が、隣り合う前
記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記材
料中を透過したときに、光のエネルギーを、1/500
以下に減衰させる性質を有している。
【0072】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記光エネルギーを減衰させる材料が、隣り合う前
記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記材
料中を透過したときに、光のエネルギーを、1/100
0以下に減衰させる性質を有している。
【0073】本発明において、好ましく用いることので
きる放射線エネルギーおよび/または光エネルギーを減
衰させる材料は、とくに限定されるものではなく、無機
化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用すること
ができるが、金属材料、セラミック材料またはプラスチ
ック材料が、とくに好ましい。
【0074】本発明において、好ましく使用される放射
線エネルギーおよび/または光エネルギーを減衰させる
性質を有する無機化合物材料としては、たとえば、金、
銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロ
ム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金
属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリコン、ア
モルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化
ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネ
シウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;タングス
テンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒ
ドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げ
ることができる。これらは、単結晶、アモルファス、セ
ラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造を有して
いてもよい。
【0075】本発明において、好ましく使用される放射
線エネルギーおよび/または光エネルギーを減衰させる
性質を有する有機化合物材料としては、高分子化合物が
好ましく用いられ、たとえば、ポリエチレンやポリプロ
ピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合
体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩
化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデ
ン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロトリフル
オロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレンナフタ
レートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエステ
ル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10な
どのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフェニ
レンサルファイド;ポリジフェニルシロキサンなどのケ
イ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹脂;エポキシ
樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−スチ
レン共重合体;セルロース、酢酸セルロース、ニトロセ
ルロース、でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースなどの多糖類;キチン;キト
サン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどの
ポリアミドおよびこれら高分子化合物の共重合体などを
挙げることができる。これらは、複合材料でもよく、必
要に応じて、金属酸化物粒子やガラス繊維などを充填す
ることもでき、また、有機化合物材料をブレンドして、
使用することもできる。
【0076】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、放射線エネルギーを減衰させる性質
を有する材料とおしては、比重1.0g/cm以上の
化合物材料または複合材料を用いることが好ましく、放
射線エネルギーを減衰させる性質を有する材料として、
比重が1.5g/cm以上、23g/cm以下の化
合物材料または複合材料を用いることが、とくに好まし
い。
【0077】また、一般に、光の散乱および/または吸
収が大きいほど、光の減衰能が高くなるので、光エネル
ギーを減衰させる性質を有する材料としては、厚さ1c
mあたりの吸光度が0.3以上の材料を用いることが好
ましく、さらに好ましは、厚さ1cmあたりの吸光度が
1以上の材料が用いられる。ここに、吸光度は、厚さT
cmの板状体の直後に、積分球を置き、計測に利用する
プローブ光またはエミッション光の波長における透過光
量Aを分光光度計によって測定し、A/Tを算出するこ
とによって、求められる。光減衰能を向上させるため
に、光エネルギーを減衰させる性質を有する材料に、光
散乱体や光吸収体を含有させることもできる。
【0078】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットに、10以上の吸着性領域が形
成されている。
【0079】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、50以上の吸着性領
域が形成されている。
【0080】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、100以上の吸着性
領域が形成されている。
【0081】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、1000以上の吸着
性領域が形成されている。
【0082】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、5000以上の吸着
性領域が形成されている。
【0083】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、10000以上の吸
着性領域が形成されている。
【0084】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、50000以上の吸
着性領域が形成されている。
【0085】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、100000以上の
吸着性領域が形成されている。
【0086】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットに形成された前記複数の吸着性
領域が、それぞれ、5平方ミリメートル未満のサイズを
有している。
【0087】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに形成された前記複数の
吸着性領域が、それぞれ、1平方ミリメートル未満のサ
イズを有している。
【0088】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに形成された前記複数の
吸着性領域が、それぞれ、0.5平方ミリメートル未満
のサイズを有している。
【0089】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに形成された前記複数の
吸着性領域が、それぞれ、0.1平方ミリメートル未満
のサイズを有している。
【0090】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに形成された前記複数の
吸着性領域が、それぞれ、0.05平方ミリメートル未
満のサイズを有している。
【0091】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに形成された前記複数の
吸着性領域が、それぞれ、0.01平方ミリメートル未
満のサイズを有している。
【0092】本発明において、生化学解析用ユニットに
形成される吸着性領域の密度は、用いられる放射線エネ
ルギーおよび/または光エネルギーを減衰させる性質を
有する材料の種類、放射性標識物質から放出される電子
線の種類などによって決定される。
【0093】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域が、前記生化学解析用ユニットに、
10個/平方センチメートル以上の密度で、形成されて
いる。
【0094】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、前記生化学解析用ユニッ
トに、50個/平方センチメートル以上の密度で、形成
されている。
【0095】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、前記生化学解析用ユニッ
トに、100個/平方センチメートル以上の密度で、形
成されている。
【0096】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、前記生化学解析用ユニッ
トに、500個/平方センチメートル以上の密度で、形
成されている。
【0097】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、前記生化学解析用ユニッ
トに、1000個/平方センチメートル以上の密度で、
形成されている。
【0098】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、前記生化学解析用ユニッ
トに、5000個/平方センチメートル以上の密度で、
形成されている。
【0099】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、前記生化学解析用ユニッ
トに、10000個/平方センチメートル以上の密度
で、形成されている。
【0100】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、前記生化学解析用ユニッ
トに、50000個/平方センチメートル以上の密度
で、形成されている。
【0101】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、前記生化学解析用ユニッ
トに、100000個/平方センチメートル以上の密度
で、形成されている。
【0102】本発明において、放射線エネルギーを蓄積
するために使用される輝尽性蛍光体としては、放射線の
エネルギーを蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄
積している放射線のエネルギーを、光の形で放出可能な
ものであればよく、とくに限定されるものではないが、
可視光波長域の光により励起可能であるものが好まし
い。具体的には、たとえば、米国特許第4,239,9
68号に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物
系蛍光体(Ba1−xM2+x)FX:yA(ここに、
2+はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、
XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲン、AはEu、Tb、Ce、Tm、D
y、Pr、Ho、Nd、YbおよびErからなる群より
選ばれる少なくとも一種の3価金属元素、xは0≦x≦
0.6、yは0≦y≦0.2である。)、特開平2−2
76997号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物系蛍光体SrFX:Z(ここに、XはCl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種の
ハロゲン、ZはEuまたはCeである。)、特開昭59
−56479号公報に開示されたユーロピウム付活複合
ハロゲン物系蛍光体BaFX・xNaX’:aEu2+
(ここに、XおよびX’はいずれも、Cl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
あり、xは0<x≦2、aは0<a≦0.2であ
る。)、特開昭58−69281号公報に開示されたセ
リウム付活三価金属オキシハロゲン物系蛍光体であるM
OX:xCe(ここに、MはPr、Nd、Pm、Sm、
Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびBi
からなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元
素、XはBrおよびIのうちの一方あるいは双方、x
は、0<x<0.1である。)、米国特許第4,53
9,137号に開示されたセリウム付活希土類オキシハ
ロゲン物系蛍光体であるLnOX:xCe(ここに、L
nはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる
少なくとも一種の希土類元素、XはCl、BrおよびI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、x
は、0<x≦0.1である。)および米国特許第4,9
62,047号に開示されたユーロピウム付活複合ハロ
ゲン物系蛍光体MIIFX・aMX’・bM’II''
・cMIII'''3 ・xA:yEu2+(ここに、MII
はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ土類金属元素、M はLi、N
a、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ金属元素、M' IIはBeおよびMg
からなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属元
素、MIIIはAl、Ga、InおよびTlからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、Aは少なく
とも一種の金属酸化物、XはCl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、X’、X
''およびX''' はF、Cl、BrおよびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは、0
≦a≦2、bは、0≦b≦10−2、cは、0≦c≦1
−2で、かつ、a+b+c≧10−2であり、xは、
0<x≦0.5で、yは、0<y≦0.2である。)
が、好ましく使用し得る。
【0103】また、本発明において、化学発光のエネル
ギーを蓄積するために使用される輝尽性蛍光体は、可視
光波長域の光のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によっ
て励起され、蓄積している光のエネルギーを、光の形で
放出可能なものであればよく、とくに限定されるもので
はないが、可視光波長域の光により励起可能であるもの
が好ましい。具体的には、たとえば、金属ハロリン酸塩
系蛍光体、希土類元素付活硫化物系蛍光体、アルミン酸
塩系蛍光体、珪酸塩系蛍光体、フッ化物系蛍光体および
これらの二または三以上の混合物からなる群より選ばれ
たものが、好ましく使用される。これらの中では、希土
類元素付活硫化物系蛍光体が好ましく、とくに、米国特
許第5,029,253号明細書、同第4,983,8
34号明細書に開示された希土類元素付活アルカリ土類
金属硫化物系蛍光体、また、その他にも、特開2001
−131545号公報に開示されたZnGeO:M
n,VおよびZnGeO:Mnなどのゲルマン酸亜
鉛蛍光体、特開2001−123162号公報に開示さ
れたSrAl1425:Ln(Lnは希土類)など
のアルミン酸アルカリ土類蛍光体、Y0.8Lu1.2
SiO:Ce,Zr、特公平6−31904号公報に
開示されたGdOCl:Ceなどが好ましく使用され
る。
【0104】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0105】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用ユニットの略部分平面図である。
【0106】図1に示されるように、本実施態様にかか
る生化学解析用ユニット1は、放射線エネルギーおよび
光エネルギーを減衰させる性質を有するアルミニウムス
トリップ2と、複数のナイロン6の繊維の束からなる吸
着性ストリップ3とが、織り込まれて、形成されてい
る。
【0107】ここに、矢印Aで示される方向において
は、100ミクロン幅の3つのアルミニウムストリップ
2と、複数の繊維の束からなる100ミクロン幅の1つ
の吸着性ストリップ3とが1つの繰り返し単位4Aとし
て、矢印Aで示される方向と直交する矢印Bで示される
方向においては、100ミクロン幅の4つのアルミニウ
ムストリップ2が1つの繰り返し単位4Bとして、織り
込まれ、100ミクロン×100ミクロンのサイズの正
方形状の吸着性領域5が、二次元的に、互いに離間し
て、形成されている。
【0108】すなわち、図1に示されるように、矢印A
で示される方向に延びる100ミクロン幅の3つのアル
ミニウムストリップ2と、複数の繊維の束からなる10
0ミクロン幅の1つの吸着性ストリップ3とからなる繰
り返し単位4Aが、矢印Bで示される方向に延びる4つ
のアルミニウムストリップ2からなる繰り返し単位4B
に対して、3つおきに、図1において、上側に位置する
ように、織り込まれ、その結果、矢印Aで示される方向
および矢印Bで示される方向に、400ミクロンを1つ
のピッチとして、100ミクロン×100ミクロンのサ
イズの正方形状の吸着性領域5が、互いに離間して、形
成されている。
【0109】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0110】生化学解析にあたっては、図2に示される
ように、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域5
内に、特異的結合物質を含む溶液、たとえば、塩基配列
が既知の互いに異なった複数のcDNAを含む溶液が、
スポッティング装置を使用して、滴下され、特異的結合
物質が、多数の吸着性領域5内に固定される。
【0111】図2に示されるように、スポッティング装
置は、特異的結合物質を含む溶液を、生化学解析用ユニ
ット1に向けて、噴射するインジェクタ6と、CCDカ
メラ7とを備え、CCDカメラ7によって、インジェク
タ6の先端部と、特異的結合物質、たとえば、cDNA
を含む溶液を滴下すべき生化学解析用ユニット1の吸着
性領域5を観察しながら、インジェクタ6の先端部と、
特異的結合物質を含む溶液を滴下すべきの吸着性領域5
の中心とが合致したときに、インジェクタ6から、特異
的結合物質を含む溶液が滴下されるように構成され、生
化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域5内に、特異
的結合物質を含む溶液を、正確に滴下することができる
ように保証されている。
【0112】図3は、ハイブリダイゼーション反応容器
の略縦断面図である。
【0113】図3に示されるように、ハイブリダイゼー
ション反応容器8は矩形状断面を有し、内部に、標識物
質によって標識されたプローブである生体由来の物質を
含むハイブリダイゼーション反応溶液9が収容されてい
る。
【0114】放射性標識物質によって、cDNAなどの
特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標
識物質によって標識されたプローブである生体由来の物
質を含むハイブリダイゼーション反応溶液9が調製さ
れ、ハイブリダイゼーション反応容器8内に収容され
る。
【0115】一方、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって、cDNA
などの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識されたプローブである生体由
来の物質を含むハイブリダイゼーション反応溶液9が調
製され、ハイブリダイゼーション反応容器8内に収容さ
れる。
【0116】さらに、蛍光色素などの蛍光物質によっ
て、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する
場合には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された
プローブである生体由来の物質を含むハイブリダイゼー
ション反応溶液9が調製され、ハイブリダイゼーション
反応容器8内に収容される。
【0117】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション反応溶液9を調製して、ハイ
ブリダイゼーション反応容器8内に収容させることもで
き、本実施態様においては、放射性標識物質によって標
識された生体由来の物質、化学発光基質と接触させるこ
とによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識
された生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質に
よって標識された生体由来の物質を含むハイブリダイゼ
ーション反応溶液9が調製され、ハイブリダイゼーショ
ン反応容器8内に収容されている。
【0118】ハイブリダイゼーションにあたって、cD
NAなどの特異的結合物質が、多数の吸着性領域5に吸
着されている生化学解析用ユニット1が、ハイブリダイ
ゼーション反応容器8内に収容される。
【0119】その結果、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に固定されている特異的結合物質に、放
射性標識物質により標識され、ハイブリダイゼーション
反応溶液9に含まれた生体由来の物質、化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
によって標識され、ハイブリダイゼーション反応溶液9
に含まれた生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物
質によって標識され、ハイブリダイゼーション反応溶液
9に含まれた生体由来の物質が、選択的に、ハイブリダ
イズされる。
【0120】本実施態様においては、特異的結合物質
は、ナイロン6の吸着性ストリップ3によって形成され
ている吸着性領域5内に吸着されており、小さな容積の
領域内に吸着されているから、ハイブリダイゼーション
の反応速度を向上させることができ、また、ハイブリダ
イゼーション反応溶液9を、十分に大きな面積で、吸着
性領域5に接触させることができるから、ハイブリダイ
ゼーション反応溶液9に含まれた生体由来の物質が、吸
着性領域5内に吸着されている特異的結合物質と出会う
確率を増大させることができ、したがって、ハイブリダ
イゼーションの効率を大幅に向上させることができる。
【0121】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域5に、放射性標識物質の放射線データ、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質の化学発光データおよび蛍光色素などの蛍
光物質の蛍光データが記録される。
【0122】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域5に記録された蛍光データは、後述するスキャナによ
って読み取られ、生化学解析用データが生成される。
【0123】一方、生化学解析用ユニット1の多数の吸
着性領域5に記録された放射性標識物質の放射線データ
は、蓄積性蛍光体シートに転写され、蓄積性蛍光体シー
トに転写された放射線データは、後述するスキャナによ
って読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0124】さらに、生化学解析用ユニット1に形成さ
れた吸着性領域5に記録された化学発光データは、後述
する蓄積性蛍光体シートに転写され、あるいは、後述す
るスキャナによって読み取られ、生化学解析用データが
生成される。
【0125】図4は、蓄積性蛍光体シート10の略斜視
図である。
【0126】図4に示されるように、蓄積性蛍光体シー
ト10は、支持体11を備え、支持体11の一方の面に
は、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性
領域5のパターンと同一のパターンで、多数の略円形の
輝尽性蛍光体層領域12が形成されている。
【0127】本実施態様においては、蓄積性蛍光体シー
ト10の支持体11は、放射線エネルギーを減衰させる
性質を有するステンレス鋼によって形成され、略円形の
各輝尽性蛍光体層領域12は、蓄積性蛍光体シート10
を生化学解析用ユニット1に重ね合わせたとき、対応す
る吸着性領域5を完全に覆うように、生化学解析用ユニ
ット1の基板2に形成された100ミクロン×100ミ
クロンのサイズの吸着性領域5よりも大きなサイズを有
している。
【0128】また、本実施態様においては、各輝尽性蛍
光体層領域12は、放射線エネルギーを吸収し、蓄積可
能なBaFX系輝尽性蛍光体(ここに、Xは、Cl、B
rおよびIからなる群から選ばれたハロゲン原子であ
る。)とバインダを含んでいる。
【0129】図5は、生化学解析用ユニット1に形成さ
れた多数の吸着性領域5に含まれた放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成され
た多数の輝尽性蛍光体層領域12を露光する方法を示す
略断面図である。
【0130】図5に示されるように、露光にあたって、
蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成された輝尽
性蛍光体層領域12の各々が、生化学解析用ユニット1
に形成された対応する吸着性領域5に対向するように、
蓄積性蛍光体シート10が生化学解析用ユニット1上に
重ね合わされる。
【0131】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1は、その90%以上が、アルミニウムストリップ
2によって形成されているので、ハイブリダイゼーショ
ンなど、液体による処理を受けても、ほとんど伸縮する
ことがなく、したがって、蓄積性蛍光体シート10に形
成された輝尽性蛍光体層領域12の各々が、対応する生
化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域5に正確
に対向するように、蓄積性蛍光体シート10と生化学解
析用ユニット1とを、容易にかつ確実に重ね合わせて、
輝尽性蛍光体層領域12を露光することが可能になる。
【0132】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート10に形成された輝尽性蛍光体層領域12
の各々と、対応する生化学解析用ユニット1の吸着性領
域5とを密着させることにより、吸着性領域5に含まれ
た放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート10に
形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12が露光され
る。
【0133】この際、生化学解析用ユニット1の吸着性
領域4に含まれている放射性標識物質から、電子線(β
線)が発せられるが、各吸着性領域5の周囲には、放射
線エネルギーを減衰させる性質を有するアルミニウムス
トリップ2が介在しているため、生化学解析用ユニット
1の吸着性領域5に含まれている放射性標識物質から発
せられた電子線(β線)が、生化学解析用ユニット1内
で散乱されることが効果的に防止され、さらに、蓄積性
蛍光体シート10の支持体11は、放射線エネルギーを
減衰させる性質を有するステンレス鋼によって形成され
ているため、生化学解析用ユニット1の吸着性領域5に
含まれている放射性標識物質から発せられた電子線(β
線)が、蓄積性蛍光体シート10の支持体11内で散乱
して、隣り合う吸着性領域5に対向する輝尽性蛍光体層
領域12に到達することが効果的に防止される。
【0134】したがって、蓄積性蛍光体シート10の支
持体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12
を、生化学解析用ユニット1の対応する吸着性領域5に
含まれた放射性標識物質のみによって、効果的に露光す
ることが可能になる。
【0135】こうして、蓄積性蛍光体シート10の支持
体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12に、
放射性標識物質の放射線データが記録される。
【0136】図6は、蓄積性蛍光体シート10の支持体
11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12に記録
された放射性標識物質の放射線データおよび生化学解析
用ユニット1に形成された多数の吸着性領域5に記録さ
れた蛍光色素などの蛍光データを読み取って、生化学解
析用データを生成するスキャナの一例を示す略斜視図で
あり、図7は、フォトマルチプライア近傍のスキャナの
詳細を示す略斜視図である。
【0137】図6に示されるスキャナは、蓄積性蛍光体
シート10の支持体11に形成された多数の輝尽性蛍光
体層領域12に記録された放射性標識物質の放射線デー
タおよび生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸
着性領域5に記録された蛍光色素などの蛍光データを読
み取り可能に構成されており、640nmの波長のレー
ザ光24を発する第1のレーザ励起光源21と、532
nmの波長のレーザ光24を発する第2のレーザ励起光
源22と、473nmの波長のレーザ光24を発する第
3のレーザ励起光源23とを備えている。
【0138】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源21は、半導体レーザ光源によって構成され、第2
のレーザ励起光源22および第3のレーザ励起光源23
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素
子によって構成されている。
【0139】第1のレーザ励起光源21により発生され
たレーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平
行な光とされた後、ミラー26によって反射される。第
1のレーザ励起光源21から発せられ、ミラー26によ
って反射されたレーザ光24の光路には、640nmの
レーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する
第1のダイクロイックミラー27および532nm以上
の波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する
第2のダイクロイックミラー28が設けられており、第
1のレーザ励起光源21により発生されたレーザ光24
は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダイ
クロイックミラー28を透過して、ミラー29に入射す
る。
【0140】他方、第2のレーザ励起光源22より発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ30により、
平行な光とされた後、第1のダイクロイックミラー27
によって反射されて、その向きが90度変えられて、第
2のダイクロイックミラー28を透過し、ミラー29に
入射する。
【0141】また、第3のレーザ励起光源23から発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ31によっ
て、平行な光とされた後、第2のダイクロイックミラー
28により反射されて、その向きが90度変えられた
後、ミラー29に入射する。
【0142】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射され、さらに、ミラー32に入射
して、反射される。
【0143】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4の光路には、中央部に穴33が形成された凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34が配置されてお
り、ミラー32によって反射されたレーザ光24は、穴
開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラー38に
入射する。
【0144】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0145】光学ヘッド35は、ミラー36と、非球面
レンズ37を備えており、光学ヘッド35に入射したレ
ーザ光24は、ミラー36によって反射されて、非球面
レンズ37によって、ステージ40のガラス板41上に
載置された蓄積性蛍光体シート10あるいは生化学解析
用ユニット1に入射する。
【0146】蓄積性蛍光体シート10に形成された輝尽
性蛍光体層領域12に、レーザ光24が入射すると、蓄
積性蛍光体シート10に形成された輝尽性蛍光体層領域
12に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、輝尽光
45が発せられ、生化学解析用ユニット1に形成された
吸着性領域5にレーザ光24が入射すると、生化学解析
用ユニット1に形成された吸着性領域5に含まれている
蛍光色素などが励起されて、蛍光45が放出される。
【0147】蓄積性蛍光体シート10に形成された輝尽
性蛍光体層領域12から放出された輝尽光45あるいは
生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域5から
放出された蛍光45は、光学ヘッド35に設けられた非
球面レンズ37によって、ミラー36に集光され、ミラ
ー36によって、レーザ光24の光路と同じ側に反射さ
れ、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射する。
【0148】凹面ミラー38に入射した輝尽光45ある
いは蛍光45は、凹面ミラー38によって反射されて、
穴開きミラー34に入射する。
【0149】穴開きミラー34に入射した輝尽光45あ
るいは蛍光45は、図7に示されるように、凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34によって、下方に
反射されて、フィルタユニット48に入射し、所定の波
長の光がカットされて、フォトマルチプライア50に入
射し、光電的に検出される。
【0150】図7に示されるように、フィルタユニット
48は、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、
51dを備えており、フィルタユニット48は、モータ
(図示せず)によって、図7において、左右方向に移動
可能に構成されている。
【0151】図8は、図7のA−A線に沿った略断面図
である。
【0152】図8に示されるように、フィルタ部材51
aはフィルタ52aを備え、フィルタ52aは、第1の
レーザ励起光源21を用いて、生化学解析用ユニット1
に形成された多数の吸着性領域5に含まれている蛍光色
素などの蛍光物質を励起して、蛍光45を読み取るとき
に使用されるフィルタ部材であり、640nmの波長の
光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過す
る性質を有している。
【0153】図9は、図7のB−B線に沿った略断面図
である。
【0154】図9に示されるように、フィルタ部材51
bはフィルタ52bを備え、フィルタ52bは、第2の
レーザ励起光源22を用いて、生化学解析用ユニット1
に形成された多数の吸着性領域5に含まれている蛍光色
素などの蛍光物質を励起して、蛍光45を読み取るとき
に使用されるフィルタ部材であり、532nmの波長の
光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過す
る性質を有している。
【0155】図10は、図7のC−C線に沿った略断面
図である。
【0156】図10に示されるように、フィルタ部材5
1cはフィルタ52cを備え、フィルタ52cは、第3
のレーザ励起光源23を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域5に含まれている蛍光
色素などの蛍光物質を励起して、蛍光45を読み取ると
きに使用されるフィルタ部材であり、473nmの波長
の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過
する性質を有している。
【0157】図11は、図7のD−D線に沿った略断面
図である。
【0158】図11に示されるように、フィルタ部材5
1dはフィルタ52dを備え、フィルタ52dは、第1
のレーザ励起光源21を用いて、蓄積性蛍光体シート1
0に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12に含まれ
た輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体層12から発せ
られた輝尽光45を読み取るときに使用されるフィルタ
であり、輝尽性蛍光体層12から放出される輝尽光の波
長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカット
する性質を有している。
【0159】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタ部材51a、51b、51c、51d
を選択的にフォトマルチプライア50の前面に位置させ
ることによって、フォトマルチプライア50は、検出す
べき光のみを光電的に検出することができる。
【0160】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換され、デー
タ処理装置54に送られる。
【0161】図6には図示されていないが、光学ヘッド
35は、走査機構によって、図6において、矢印Xで示
される主走査方向および矢印Yで示される主走査方向に
直交する副走査方向に移動可能に構成され、蓄積性蛍光
体シート10に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領域
12および生化学解析用ユニット1の基板2に形成され
たすべての吸着性領域5が、レーザ光24によって走査
されるように構成されている。
【0162】図12は、光学ヘッドの走査機構の略平面
図である。
【0163】図12においては、簡易化のため、光学ヘ
ッド35を除く光学系ならびにレーザ光24および輝尽
光45あるいは蛍光45の光路は省略されている。
【0164】図12に示されるように、光学ヘッド35
を走査する走査機構は、基板60を備え、基板60上に
は、副走査パルスモータ61と一対のレール62、62
とが固定され、基板60上には、さらに、図12におい
て、矢印Yで示された副走査方向に、移動可能な基板6
3とが設けられている。
【0165】移動可能な基板63には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ61によって回転されるねじが切られた
ロッド64が係合している。
【0166】移動可能な基板63上には、主走査ステッ
ピングモータ65が設けられ、主走査ステッピングモー
タ65は、エンドレスベルト66を、生化学解析用ユニ
ット1に形成された隣り合う吸着性領域5の間の距離に
等しいピッチで、したがって、蓄積性蛍光体シート10
に形成された隣り合う輝尽性蛍光体層領域12の間の距
離に等しいピッチで、間欠的に駆動可能に構成されてい
る。
【0167】光学ヘッド35は、エンドレスベルト66
に固定されており、主走査ステッピングモータ65によ
って、エンドレスベルト66が駆動されると、図12に
おいて、矢印Xで示された主走査方向に移動されるよう
に構成されている。
【0168】図12において、67は、光学ヘッド35
の主走査方向における位置を検出するリニアエンコーダ
であり、68は、リニアエンコーダ67のスリットであ
る。
【0169】したがって、主走査ステッピングモータ6
5によって、エンドレスベルト66が、主走査方向に間
欠的に駆動され、副走査パルスモータ61により、基板
63が、副走査方向に間欠的に移動されることによっ
て、光学ヘッド35は、図12において、矢印Xで示さ
れる主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に移
動され、レーザ光24によって、蓄積性蛍光体シート1
0に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領域12あるい
は生化学解析用ユニット1に形成されたすべての吸着性
領域5が走査される。
【0170】図13は、図6に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【0171】図13に示されるように、スキャナの制御
系は、スキャナ全体を制御するコントロールユニット7
0を備えており、また、スキャナの入力系は、ユーザー
によって操作され、種々の指示信号を入力可能なキーボ
ード71を備えている。
【0172】図13に示されるように、スキャナの駆動
系は、光学ヘッド35を主走査方向に間欠的に移動させ
る主走査ステッピングモータ65と、光学ヘッド35を
副走査方向に間欠的に移動させる副走査パルスモータ6
1と、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、5
1dを備えたフィルタユニット48を移動させるフィル
タユニットモータ72を備えている。
【0173】コントロールユニット70は、第1のレー
ザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3
のレーザ励起光源23に選択的に駆動信号を出力すると
ともに、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力
可能に構成されている。
【0174】また、図13に示されるように、スキャナ
の検出系は、フォトマルチプライア50と、光学ヘッド
35の主走査方向における位置を検出するリニアエンコ
ーダ67を備えている。
【0175】本実施態様においては、コントロールユニ
ット70は、リニアエンコーダ67から入力される光学
ヘッド35の位置検出信号にしたがって、第1のレーザ
励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3の
レーザ励起光源23をオン・オフ制御可能に構成されて
いる。
【0176】以上のように構成されたスキャナは、以下
のようにして、生化学解析用ユニット1に形成された多
数の吸着性領域5に含まれている放射性標識物質によっ
て、多数の輝尽性蛍光体層領域12が露光されて、蓄積
性蛍光体シート10に記録された放射性標識物質の放射
線データを読み取って、生化学解析用データを生成す
る。
【0177】まず、ユーザーによって、蓄積性蛍光体シ
ート10が、ステージ40のガラス板41上に載置され
る。
【0178】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域12に記録された放射線データを読み取
るべき旨の指示信号が入力される。
【0179】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニット4
8を移動させ、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光45
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有するフィルタ52dを備えたフィルタ
部材51dを、輝尽光45の光路内に位置させる。
【0180】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基づい
て、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数の輝尽性
蛍光体層領域12のうち、第1の輝尽性蛍光体層領域1
2に、レーザ光24を照射可能な位置に、光学ヘッド3
5が達したことが確認されると、主走査ステッピングモ
ータ65に停止信号を出力するとともに、第1のレーザ
励起光源21に駆動信号を出力して、第1のレーザ励起
光源21を起動させ、640nmの波長のレーザ光24
を発せさせる。
【0181】第1のレーザ励起光源21から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平行
な光とされた後、ミラー26に入射して、反射される。
【0182】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0183】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0184】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0185】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0186】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄積
性蛍光体シート10の第1の輝尽性蛍光体層領域12に
集光される。
【0187】本実施態様においては、輝尽性蛍光体層領
域12は、それぞれ、光エネルギーを減衰させる性質を
有するステンレス鋼によって形成された支持体11の表
面上に形成されているから、各輝尽性蛍光体層領域12
内で、レーザ光24が散乱して、隣り合った輝尽性蛍光
体層領域12内に入射し、隣り合った輝尽性蛍光体層領
域12に含まれている輝尽性蛍光体を励起することを、
効果的に防止することが可能になる。
【0188】レーザ光24が、蓄積性蛍光体シート10
の支持体11に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域1
2に入射すると、蓄積性蛍光体シート10に形成された
第1の輝尽性蛍光体層領域12に含まれる輝尽性蛍光体
が、レーザ光24によって励起されて、第1の輝尽性蛍
光体層領域12から輝尽光45が放出される。
【0189】第1の輝尽性蛍光体領域12から放出され
た輝尽光45は、光学ヘッド35に設けられた非球面レ
ンズ37によって集光され、ミラー36により、レーザ
光24の光路と同じ側に反射され、平行な光とされて、
凹面ミラー38に入射する。
【0190】凹面ミラー38に入射した輝尽光45は、
凹面ミラー38によって反射されて、穴開きミラー34
に入射する。
【0191】穴開きミラー34に入射した輝尽光45
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34に
よって、図7に示されるように、下方に反射され、フィ
ルタユニット48のフィルタ52dに入射する。
【0192】フィルタ52dは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光45の波長域の光のみを透過し、640n
mの波長の光をカットする性質を有しているので、励起
光である640nmの波長の光がカットされ、ドット状
の輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽光45の
波長域の光のみがフィルタ52dを透過して、フォトマ
ルチプライア50によって、光電的に検出される。
【0193】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器53に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置54に出力される。
【0194】第1のレーザ励起光源21がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第1のレーザ励起光源21に
駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、蓄積
性蛍光体シート10の支持体11に形成された隣り合う
輝尽性蛍光体層領域12間の距離に等しいピッチだけ、
移動させる。
【0195】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域12の間の距離に等し
い1ピッチだけ移動されて、第1のレーザ励起光源21
から発せられるレーザ光24を、蓄積性蛍光体シート1
0に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域12に隣り合
った第2の輝尽性蛍光体層領域12に照射可能な位置に
移動したことが確認されると、コントロールユニット7
0は、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力し
て、第1のレーザ励起光源21をオンさせて、レーザ光
24によって、蓄積性蛍光体シート10に形成された第
2の輝尽性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性蛍光
体を励起する。
【0196】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、蓄積性蛍光体シート10に形成された第2の
輝尽性蛍光体層領域12に照射され、第2の輝尽性蛍光
体層領域12に含まれている輝尽性蛍光体が励起され、
第2の輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽光4
5が、フォトマルチプライア50によって、光電的に検
出されて、アナログデータが生成されると、コントロー
ルユニット70は、第1のレーザ励起光源21にオフ信
号を出力して、第1のレーザ励起光源21をオフさせる
とともに、主走査ステッピングモータ65に、駆動信号
を出力して、光学ヘッド35を、隣り合う輝尽性蛍光体
層領域12の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させ
る。
【0197】こうして、光学ヘッド35の間欠的な移動
に同期して、第1のレーザ励起光源21のオン・オフが
繰り返され、リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35
が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、蓄積性蛍
光体シート10に形成された第1ライン目の輝尽性蛍光
体層領域12のレーザ光24による走査が完了したこと
が確認されると、コントロールユニット70は、主走査
ステッピングモータ65に駆動信号を出力して、光学ヘ
ッド35を元の位置に復帰させるとともに、副走査パル
スモータ61に駆動信号を出力して、移動可能な基板6
3を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0198】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、蓄積性蛍光体
シート10に形成された第1ライン目の輝尽性蛍光体層
領域12に、順次、第1のレーザ励起光源21から発せ
られるレーザ光24を照射したのと全く同様にして、蓄
積性蛍光体シート10に形成された第2ライン目の輝尽
性蛍光体層領域12に、順次、第1のレーザ励起光源2
1から発せられるレーザ光24を照射して、第2ライン
目の輝尽性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性蛍光
体を励起し、第2ライン目の輝尽性蛍光体層領域12か
ら発せられた輝尽光45を、順次、フォトマルチプライ
ア50に、光電的に検出させる。
【0199】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置54に送られる。
【0200】こうして、蓄積性蛍光体シート10に形成
されたすべての輝尽性蛍光体層領域12が、第1のレー
ザ励起光源21から放出されたレーザ光24によって走
査され、輝尽性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性
蛍光体が励起されて、放出された輝尽光45が、フォト
マルチプライア50によって光電的に検出され、生成さ
れたアナログデータが、A/D変換器53により、ディ
ジタルデータに変換されて、データ処理装置54に送ら
れると、コントロールユニット70から、駆動停止信号
が、第1のレーザ励起光源21に出力され、第1のレー
ザ励起光源21の駆動が停止される。
【0201】以上のようにして、スキャナによって、蓄
積性蛍光体シート10の多数の輝尽性蛍光体層領域12
に記録された放射性標識物質の放射線データが読み取ら
れて、生化学解析用データが生成される。
【0202】一方、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域5に記録されている蛍光物質の蛍光
データを読み取って、生化学解析用データを生成すると
きは、まず、ユーザーによって、生化学解析用ユニット
1が、ステージ40のガラス板41上にセットされる。
【0203】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、標識物質である蛍光色素の種類を特定する蛍光物
質特定信号および蛍光データを読み取るべき旨の指示信
号が入力される。
【0204】キーボード71に入力された蛍光物質特定
信号および指示信号は、コントロールユニット70に入
力され、コントロールユニット70は、蛍光物質特定信
号および指示信号を受けると、メモリ(図示せず)に記
憶されているテーブルにしたがって、使用すべきレーザ
励起光源を決定するとともに、フィルタ52a、52
b、52cのいずれを蛍光45の光路内に位置させるか
を決定する。
【0205】たとえば、生体由来の物質を標識する蛍光
物質として、532nmの波長のレーザによって、最も
効率的に励起することのできるローダミン(登録商標)
が使用され、その旨が、キーボード71に入力されたと
きは、コントロールユニット70は、第2のレーザ励起
光源22を選択するとともに、フィルタ52bを選択
し、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力し
て、フィルタユニット48を移動させ、532nmの波
長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有するフィルタ52bを備えたフィルタ部
材51bを、生化学解析用ユニット1から放出されるべ
き蛍光45の光路内に位置させる。
【0206】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基づい
て、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性
領域5のうち、第1の吸着性領域5に、レーザ光24を
照射可能な位置に、光学ヘッド35が達したことが確認
されると、主走査ステッピングモータ65に停止信号を
出力するとともに、第2のレーザ励起光源22に駆動信
号を出力して、第2のレーザ励起光源22を起動させ、
532nmの波長のレーザ光24を発せさせる。
【0207】第2のレーザ励起光源22から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ30によって、平行
な光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に入
射して、反射される。
【0208】第1のダイクロイックミラー27によって
反射されたレーザ光24は、第2のダイクロイックミラ
ー28を透過し、ミラー29に入射する。
【0209】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0210】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0211】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0212】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された生化
学解析用ユニット1の第1の吸着性領域5に集光され
る。
【0213】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1の各吸着性領域5の周囲には、光エネルギーを減
衰させる性質を有するアルミニウムストリップ2が存在
しているから、各吸着性領域5に入射したレーザ光24
が散乱して、隣り合う吸着性領域5に入射し、隣り合っ
た吸着性領域5に含まれている蛍光物質を励起すること
を効果的に防止することが可能になる。
【0214】レーザ光24が、生化学解析用ユニット1
に形成された第1の吸着性領域5に入射すると、レーザ
光24によって、生化学解析用ユニット1に形成された
第1の吸着性領域5に含まれた蛍光色素などの蛍光物
質、たとえば、ローダミンが励起されて、蛍光が発せら
れる。
【0215】ここに、本実施態様にかかる生化学解析用
ユニット1にあっては、各吸着性領域5の周囲には、光
エネルギーを減衰させる性質を有するアルミニウストリ
ップ2が介在しているので、蛍光物質から放出された蛍
光45が、生化学解析用ユニット1内で散乱して、隣り
合う吸着性領域5に含まれる蛍光物質から放出された蛍
光45と混ざり合うことを確実に防止することができ
る。
【0216】ローダミンから放出された蛍光45は、光
学ヘッド35に設けられた非球面レンズ37によって集
光され、ミラー36によって、レーザ光24の光路と同
じ側に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に
入射する。
【0217】凹面ミラー38に入射した蛍光45は、凹
面ミラー38によって反射されて、穴開きミラー34に
入射する。
【0218】穴開きミラー34に入射した蛍光45は、
凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34によっ
て、図7に示されるように、下方に反射され、フィルタ
ユニット48のフィルタ52bに入射する。
【0219】フィルタ52bは、532nmの波長の光
をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有しているので、励起光である532nmの波長
の光がカットされ、ローダミンから放出された蛍光45
の波長域の光のみがフィルタ52bを透過して、フォト
マルチプライア50によって、光電的に検出される。
【0220】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器53に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置54に出力される。
【0221】第2のレーザ励起光源22がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第2のレーザ励起光源22に
駆動停止信号を出力して、第2のレーザ励起光源22の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、生化
学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸着性領域5
の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0222】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、生化学解析用ユニット1の隣り合う吸着性領域5間
の距離に等しい1ピッチだけ移動されて、第2のレーザ
励起光源22から発せられるレーザ光24を、生化学解
析用ユニット1の第2の吸着性領域5に照射可能な位置
に移動したことが確認されると、コントロールユニット
70は、第2のレーザ励起光源22に駆動信号を出力し
て、第2のレーザ励起光源22をオンさせて、レーザ光
24によって、生化学解析用ユニット1の第2の吸着性
領域5に含まれている蛍光物質、たとえば、ローダミン
を励起する。
【0223】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、生化学解析用ユニット1の第2の吸着性領域
5に照射され、第2の吸着性領域5から放出された蛍光
45が、フォトマルチプライア50によって、光電的に
検出されて、アナログデータが生成されると、コントロ
ールユニット70は、第2のレーザ励起光源22に駆動
停止信号を出力して、第2のレーザ励起光源22をオフ
させるとともに、主走査ステッピングモータ65に、駆
動信号を出力して、光学ヘッド35を、生化学解析用ユ
ニット1に形成された隣り合う吸着性領域5ぼ間の距離
に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0224】こうして、光学ヘッド35の間欠的な移動
に同期して、第1のレーザ励起光源21のオン・オフが
繰り返され、リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35
が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、生化学解
析用ユニット1に形成された第1ライン目のすべての吸
着性領域5を、レーザ光24によって走査したことが確
認されると、コントロールユニット70は、主走査ステ
ッピングモータ65に駆動信号を出力して、光学ヘッド
35を元の位置に復帰させるとともに、副走査パルスモ
ータ61に駆動信号を出力して、移動可能な基板63
を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0225】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、生化学解析用
ユニット1の第1ライン目の吸着性領域5に、順次、第
2のレーザ励起光源22から発せられるレーザ光24を
照射したのと全く同様にして、生化学解析用ユニット1
の第2ライン目の吸着性領域5に、順次、第2のレーザ
励起光源22から発せられるレーザ光24を照射して、
吸着性領域5に含まれているローダミンを励起し、吸着
性領域5から放出された蛍光45を、順次、フォトマル
チプライア50に、光電的に検出させる。
【0226】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置54に送られる。
【0227】こうして、生化学解析用ユニット1に形成
されたすべての吸着性領域5が、第2のレーザ励起光源
22から放出されたレーザ光24によって走査され、吸
着性領域5に含まれているローダミンが励起されて、放
出された蛍光45が、フォトマルチプライア50によっ
て光電的に検出され、生成されたアナログデータが、A
/D変換器53によって、ディジタルデータに変換され
て、データ処理装置54に送られると、コントロールユ
ニット70から、駆動停止信号が、第2のレーザ励起光
源22に出力され、第2のレーザ励起光源22の駆動が
停止される。
【0228】以上のようにして、生化学解析用ユニット
1の多数の吸着性領域5に記録された蛍光データが読み
取られて、生化学解析用データが生成される。
【0229】生化学解析用ユニット1に形成された多数
の吸着性領域5に記録された化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質の化学発光
データは、蓄積性蛍光体シートに転写され、あるいは、
後述するデータ生成システムの冷却CCDカメラによっ
て読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0230】図14は、化学発光データが転写されるべ
き蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【0231】図14に示される蓄積性蛍光体シート15
は、ステンレス鋼によって形成された支持体11の一方
の面に、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸
着性領域5のパターンと同一のパターンで形成された多
数の輝尽性蛍光体層領域17が、光エネルギーを吸収
し、蓄積可能なSrS系輝尽性蛍光体とバインダを含ん
でいる点を除いて、図4に示された蓄積性蛍光体シート
10と同様の構成を有している。
【0232】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された化学発光データは、図14に示された
蓄積性蛍光体シート15の多数の輝尽性蛍光体層領域1
7に転写される。
【0233】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された化学発光データを、蓄積性蛍光体シー
ト15の多数の輝尽性蛍光体層領域17に転写するに際
し、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、
化学発光基質が接触される。
【0234】その結果、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4から、可視光波長域の化学発光が、選択
的に放出される。
【0235】次いで、蓄積性蛍光体シート15に形成さ
れた多数の輝尽性蛍光体層領域17が、生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された対応する多数の吸着性領
域4に対向するように、蓄積性蛍光体シート15が、多
数の吸着性領域4から化学発光が放出されている生化学
解析用ユニット1に重ね合わされる。
【0236】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート15に形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域17の各々と、生化学解析用ユニット1に形成された
多数の吸着性領域4とを対向させることによって、生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4から、選択的
に放出された化学発光によって、蓄積性蛍光体シート1
5に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17が露光さ
れる。
【0237】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1の各吸着性領域5の周囲には、光エネルギーを減
衰させる性質を有するアルミニウムストリップ2が存在
しているから、露光操作に際して、生化学解析用ユニッ
ト1の吸着性領域5から放出された化学発光が、生化学
解析用ユニット1内で散乱することを効果的に防止する
ことができ、さらに、蓄積性蛍光体シート15の支持体
11は、放射線エネルギーを減衰させる性質を有するス
テンレス鋼によって形成されているから、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域5から放出された化学発光が、
蓄積性蛍光体シート15の支持体11内で散乱して、隣
り合う吸着性領域5に対向する輝尽性蛍光体層領域17
に到達することが効果的に防止される。
【0238】こうして、蓄積性蛍光体シート15に形成
された多数の輝尽性蛍光体層領域17に、化学発光デー
タが記録される。
【0239】図15は、蓄積性蛍光体シート15に形成
された多数の輝尽性蛍光体層領域17に記録されている
化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生
成するスキャナの略斜視図である。図16は、フォトマ
ルチプライア近傍のスキャナの詳細を示す略斜視図であ
り、図17は、図16のE−E線に沿った略断面図であ
る。
【0240】図15ないし図17に示されたスキャナ
は、473nmの波長のレーザ光24を発する第3のレ
ーザ励起光源23に代えて、SrS系輝尽性蛍光体を効
率的に励起可能な980nmの波長のレーザ光24を発
する第4のレーザ励起光源55を備え、473nmの波
長の光をカットして、473nmよりも波長の長い光を
透過する性質を有するフィルタ52cを備えたフィルタ
部材51cに代えて、輝尽性蛍光体層領域から放出され
る輝尽光45の波長域の光のみを透過し、980nmの
波長の光をカットする性質を有するフィルタ52eを備
えたフィルタ部材51eを備え、532nm以上の波長
の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第2の
ダイクロイックミラー28に代えて、640nm以下の
波長の光を透過し、980nmの波長の光を反射する第
3のダイクロイックミラー56を備えている点を除き、
図6ないし図13に示されたスキャナと同様の構成を有
している。
【0241】以上のように構成された本実施態様にかか
るスキャナは、以下のようにして、蓄積性蛍光体シート
15の多数の輝尽性蛍光体層領域17に記録された化学
発光データを読み取って、生化学解析用データを生成す
る。
【0242】まず、ユーザーによって、蓄積性蛍光体シ
ート15が、ステージ40のガラス板41上に載置され
る。
【0243】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート15に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域17に記録された化学発光データを読み
取るべき旨の指示信号が入力される。
【0244】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニット4
8を移動させ、輝尽性蛍光体層領域17から放出される
輝尽光45の波長域の光のみを透過し、980nmの波
長の光をカットする性質を有するフィルタ52eを備え
たフィルタ部材51eを、輝尽光45の光路内に位置さ
せる。
【0245】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基づい
て、蓄積性蛍光体シート15に形成された多数の輝尽性
蛍光体層領域17のうち、第1の輝尽性蛍光体層領域1
7に、レーザ光24を照射可能な位置に、光学ヘッド3
5が達したと判定すると、主走査ステッピングモータ6
5に停止信号を出力するとともに、第1のレーザ励起光
源21に駆動信号を出力し、第4のレーザ励起光源55
を起動させ、980nmの波長のレーザ光24を発せさ
せる。
【0246】第4のレーザ励起光源55から発生された
レーザ光24は、コリメータレンズ31によって、平行
な光とされた後、第3のダイクロイックミラー56によ
り反射されて、その向きが90度変えられた後、ミラー
29に入射する。
【0247】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0248】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0249】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0250】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄積
性蛍光体シート15の第1の輝尽性蛍光体層領域17に
集光される。
【0251】本実施態様においては、輝尽性蛍光体層領
域12は、それぞれ、光エネルギーを減衰させる性質を
有するステンレス鋼によって形成された支持体11の表
面上に形成されているから、各輝尽性蛍光体層領域12
内で、レーザ光24が散乱して、隣り合った輝尽性蛍光
体層領域12内に入射し、隣り合った輝尽性蛍光体層領
域12に含まれている輝尽性蛍光体を励起することを、
効果的に防止することが可能になる。
【0252】レーザ光24が、蓄積性蛍光体シート15
に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域17に入射する
と、蓄積性蛍光体シート15に形成された第1の輝尽性
蛍光体層領域17に含まれている輝尽性蛍光体が、レー
ザ光24によって励起されて、第1の輝尽性蛍光体層領
域17から、輝尽光45が放出される。
【0253】蓄積性蛍光体シート15の第1の輝尽性蛍
光体層領域17から放出された輝尽光45は、光学ヘッ
ド35に設けられた非球面レンズ37によって集光さ
れ、ミラー36により、レーザ光24の光路と同じ側に
反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射す
る。
【0254】凹面ミラー38に入射した輝尽光45は、
凹面ミラー38によって反射され、穴開きミラー34に
入射する。
【0255】穴開きミラー34に入射した輝尽光45
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34に
よって、図7に示されるように、下方に反射され、フィ
ルタユニット48のフィルタ52eに入射する。
【0256】フィルタ52dは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光の波長域の光のみを透過し、980nmの
波長の光をカットする性質を有しているので、励起光で
ある980nmの波長の光がカットされ、輝尽光の波長
域の光のみがフィルタ52eを透過して、フォトマルチ
プライア50によって、光電的に検出される。
【0257】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器53に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置54に出力される。
【0258】第4のレーザ励起光源55がオンされた
後、所定の時間が経過すると、コントロールユニット7
0は、第4のレーザ励起光源55に駆動停止信号を出力
して、第4のレーザ励起光源55をオフさせるととも
に、主走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し
て、光学ヘッド35を、蓄積性蛍光体シート15に形成
された隣り合う輝尽性蛍光体層領域17の間の距離に等
しい1ピッチだけ、移動させる。
【0259】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域17の間の距離に等し
い1ピッチだけ移動されたことが確認されると、コント
ロールユニット70は、第4のレーザ励起光源55に駆
動信号を出力して、第4のレーザ励起光源55をオンさ
せて、レーザ光24によって、蓄積性蛍光体シート17
の支持体11に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域1
7に隣り合った第2の輝尽性蛍光体層領域17に含まれ
ている輝尽性蛍光体を励起する。
【0260】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、蓄積性蛍光体シート15に形成された第2の
輝尽性蛍光体層領域17に照射され、第2の輝尽性蛍光
体層領域17から発せられた輝尽光45が、フォトマル
チプライア50によって、光電的に検出されると、コン
トロールユニット70は、第4のレーザ励起光源55に
駆動停止信号を出力して、第4のレーザ励起光源55を
オフさせるとともに、主走査ステッピングモータ65
に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、隣り合う
輝尽性蛍光体層領域17の間の距離に等しい1ピッチだ
け、移動させる。
【0261】こうして、光学ヘッド35の間欠的な移動
に同期して、第4のレーザ励起光源55のオン・オフが
繰り返され、リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35
が、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、蓄積性
蛍光体シート15に形成された第1ライン目の輝尽性蛍
光体層領域17のレーザ光24による走査が完了したこ
とが確認されると、コントロールユニット70は、主走
査ステッピングモータ65に駆動信号を出力して、光学
ヘッド35を元の位置に復帰させるとともに、副走査パ
ルスモータ61に駆動信号を出力して、移動可能な基板
63を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0262】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、蓄積性蛍光体
シート15に形成された第1ライン目の輝尽性蛍光体層
領域17に、順次、第4のレーザ励起光源55から発せ
られるレーザ光24を照射したのと全く同様にして、蓄
積性蛍光体シート15に形成された第2ライン目の輝尽
性蛍光体層領域17に、順次、第4のレーザ励起光源5
5から発せられるレーザ光24を照射して、第2ライン
目の輝尽性蛍光体層領域17に含まれている輝尽性蛍光
体を励起し、輝尽性蛍光体層領域17から発せられた輝
尽光45を、順次、フォトマルチプライア50によっ
て、光電的に検出させる。
【0263】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置54に送られる。
【0264】こうして、蓄積性蛍光体シート15に形成
されたすべての輝尽性蛍光体層領域17が、第4のレー
ザ励起光源55から放出されたレーザ光24によって走
査され、輝尽性蛍光体層領域17に含まれている輝尽性
蛍光体が励起されて、放出された輝尽光45が、フォト
マルチプライア50によって光電的に検出され、生成さ
れたアナログデータが、A/D変換器53により、ディ
ジタルデータに変換されて、データ処理装置54に送ら
れると、コントロールユニット70から、駆動停止信号
が、第4のレーザ励起光源55に出力され、第4のレー
ザ励起光源55の駆動が停止される。
【0265】以上のようにして、スキャナによって、蓄
積性蛍光体シート15の多数の輝尽性蛍光体層領域17
に記録された化学発光データが読み取られて、生化学解
析用データが生成される。
【0266】生化学解析用ユニット1に形成された多数
の吸着性領域5に記録された化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質の化学発光
データを、蓄積性蛍光体シート15の多数の輝尽性蛍光
体層領域17に転写することなく、データ生成システム
の冷却CCDカメラにより、化学発光データを読み取っ
て、生化学解析用データを生成することもできる。
【0267】図18は、生化学解析用ユニット1に形成
された多数の吸着性領域5に記録された化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
の化学発光データを読み取って、生化学解析用データを
生成するデータ生成システムの略正面図である。
【0268】図18に示されたデータ生成システムは、
生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域
5に記録された蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データを
も生成可能に構成されている。
【0269】図18に示されるように、データ生成シス
テムは、冷却CCDカメラ81、暗箱82およびパーソ
ナルコンピュータ83を備えている。パーソナルコンピ
ュータ83は、CRT84とキーボード85を備えてい
る。
【0270】図19は、データ生成システムの冷却CC
Dカメラ81の略縦断面図である。
【0271】図19に示されるように、冷却CCDカメ
ラ81は、CCD86と、アルミニウムなどの金属によ
って作られた伝熱板87と、CCD86を冷却するため
のペルチエ素子88と、CCD86の前面に配置された
シャッタ89と、CCD86が生成したアナログデータ
をディジタルデータに変換するA/D変換器90と、A
/D変換器90によってディジタル化されたデータを一
時的に記憶するデータバッファ91と、冷却CCDカメ
ラ81の動作を制御するカメラ制御回路92とを備えて
いる。暗箱82との間に形成された開口部は、ガラス板
95によって閉じられており、冷却CCDカメラ81の
周囲には、ペルチエ素子88が発する熱を放熱するため
の放熱フィン96が長手方向のほぼ全面にわたって形成
されている。
【0272】ガラス板95の前面の暗箱82内には、レ
ンズフォーカス調整機能を有するカメラレンズ97が取
付けられている。
【0273】図20は、データ生成システムの暗箱82
の略縦断面図である。
【0274】図20に示されるように、暗箱82内に
は、励起光を発するLED光源100が設けられてお
り、LED光源100は、取り外し可能に設けられたフ
ィルタ101と、フィルタ101の上面に設けられた拡
散板103を備え、拡散板103を介して、励起光が、
その上に載置される生化学解析用ユニット(図示せず)
に向けて、照射されることによって、生化学解析用ユニ
ットが均一に照射されるように保証されている。フィル
タ101は、励起光の近傍の波長以外の蛍光物質の励起
に有害な光をカットし、励起光近傍の波長の光のみを透
過する性質を有している。カメラレンズ97の前面に
は、励起光近傍の波長の光をカットするフィルタ102
が、取り外し可能に設けられている。
【0275】図21は、データ生成システムのパーソナ
ルコンピュータ83の周辺のブロックダイアグラムであ
る。
【0276】図21に示されるように、パーソナルコン
ピュータ83は、冷却CCDカメラ81の露出を制御す
るCPU110と、冷却CCDカメラ81の生成したデ
ィジタルデータをデータバッファ91から読み出すデー
タ転送手段111と、ディジタルデータを記憶するデー
タ記憶手段112と、データ記憶手段112に記憶され
たディジタルデータにデータ処理を施すデータ処理手段
113と、データ記憶手段112に記憶されたディジタ
ルデータに基づいて、CRT84の画面上に可視データ
を表示するデータ表示手段114とを備えている。LE
D光源100は、光源制御手段115によって制御され
ており、光源制御手段115には、キーボード85か
ら、CPU110を介して、指示信号が入力されるよう
に構成されている。CPU110は、冷却CCDカメラ
81のカメラ制御回路92に種々の信号を出力可能に構
成されている。
【0277】図18ないし図21に示されたデータ生成
システムは、生化学解析用ユニット1に形成された多数
の吸着性領域5に含まれた標識物質と、化学発光基質と
の接触によって生ずる化学発光を、カメラレンズ97を
介して、冷却CCDカメラ81のCCD86によって検
出し、化学発光データを生成するとともに、生化学解析
用ユニット1に、LED光源100から励起光を照射し
て、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性
領域5に含まれた蛍光色素などの蛍光物質が励起され
て、放出された蛍光を、カメラレンズ97を介して、冷
却CCDカメラ81のCCD66によって検出し、蛍光
データを生成可能に構成されている。
【0278】化学発光データを読み取って、生化学解析
用データを生成する場合には、フィルタ102を取り外
し、LED光源100をオフ状態に保持して、拡散板1
03上に、生化学解析用ユニット1に形成された多数の
吸着性領域5に含まれている標識物質に化学発光基質が
接触されて、化学発光を発している生化学解析用ユニッ
ト1が載置される。
【0279】次いで、ユーザーにより、カメラレンズ9
7を用いて、レンズフォーカス合わせがなされ、暗箱8
2が閉じられる。
【0280】その後、ユーザーが、キーボード85に露
出開始信号を入力すると、露出開始信号が、CPU11
0を介して、冷却CCDカメラ81のカメラ制御回路9
2に入力され、カメラ制御回路92によって、シャッタ
89が開かれ、CCD86の露出が開始される。
【0281】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4から発せられた化学発光は、カメラレンズ97を介
して、冷却CCDカメラ81のCCD86の光電面に入
射して、光電面に画像を形成する。CCD86は、こう
して、光電面に形成された画像の光を受け、これを電荷
の形で蓄積する。
【0282】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1に形成された各吸着性領域5の周囲に
は、光エネルギーを減衰させる性質を有するアルミニウ
ムストリップ2が存在しているので、吸着性領域5に含
まれている標識物質から放出された化学発光が、生化学
解析用ユニット1内で散乱して、隣り合う吸着性領域5
に含まれている標識物質から放出された化学発光と混ざ
り合うことを確実に防止することができる。
【0283】所定の露出時間が経過すると、CPU11
0は、冷却CCDカメラ81のカメラ制御回路92に露
出完了信号を出力する。
【0284】カメラ制御回路92は、CPU110か
ら、露出完了信号を受けると、CCD86が電荷の形で
蓄積したアナログデータをA/D変換器100に転送し
て、ディジタル化し、データバッファ91に一時的に記
憶させる。
【0285】カメラ制御回路92に露出完了信号を出力
するのと同時に、CPU110は、データ転送手段11
1にデータ転送信号を出力して、冷却CCDカメラ81
のデータバッファ91からディジタルデータを読み出さ
せ、データ記憶手段112に記憶させる。
【0286】ユーザーによって、キーボード85にデー
タ表示信号を入力されると、CPU110は、データ記
憶手段112に記憶されたディジタルデータを、データ
処理手段113に出力させ、ユーザーの指示にしたがっ
て、データ処理を施した後、データ表示手段114にデ
ータ表示信号を出力して、データ処理が施されたディジ
タルデータに基づき、生化学解析用データを、CRT8
4の画面上に表示させる。
【0287】これに対して、蛍光データを読み取って、
生化学解析用データを生成するときは、まず、生化学解
析用ユニット1が、拡散板103上に載置される。
【0288】次いで、ユーザーにより、LED光源10
0がオンされ、カメラレンズ97を用いて、レンズフォ
ーカス合わせがなされ、暗箱82が閉じられる。
【0289】その後、ユーザーがキーボード85に露出
開始信号を入力すると、光源制御手段115によって、
LED光源100がオンされて、生化学解析用ユニット
1に向けて、励起光が発せられる。
【0290】同時に、露出開始信号は、CPU110を
介して、冷却CCDカメラ81のカメラ制御回路92に
入力され、カメラ制御回路92によって、シャッタ89
が開かれ、CCD86の露出が開始される。
【0291】LED光源100から発せられた励起光
は、フィルタ101により、励起光以外の波長成分がカ
ットされ、拡散板23によって、一様な光とされて、生
化学解析用ユニット1に照射される。
【0292】生化学解析用ユニット1に、励起光が照射
されると、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
5に選択的に含まれている蛍光色素などの蛍光物質が励
起されて、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4から、蛍光が放出される。
【0293】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4から発せられた蛍光は、フィルタ102およびカメ
ラレンズ97を介して、冷却CCDカメラ81のCCD
86の光電面に入射し、光電面に画像を形成する。CC
D86は、こうして、光電面に形成された画像の光を受
けて、これを電荷の形で蓄積する。フィルタ102によ
って、励起光の波長の光がカットされるため、生化学解
析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4に含ま
れた蛍光色素などの蛍光物質から放出さた蛍光のみが、
CCD86によって受光される。
【0294】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1に形成された各吸着性領域5の周囲に
は、光エネルギーを減衰させる性質を有するアルミニウ
ムストリップ2が存在しているので、吸着性領域5に含
まれている蛍光物質から放出された蛍光が、生化学解析
用ユニット1内で散乱して、隣り合う吸着性領域5に含
まれている蛍光物質から放出された蛍光と混ざり合うこ
とを確実に防止することができる。
【0295】所定の露出時間が経過すると、CPU11
0は、冷却CCDカメラ81のカメラ制御回路92に露
出完了信号を出力する。
【0296】カメラ制御回路92は、CPU40から露
出完了信号を受けると、CCD86が電荷の形で蓄積し
たアナログデータを、A/D変換器10に転送して、デ
ィジタル化し、データバッファ91に一時的に記憶させ
る。
【0297】カメラ制御回路92に露出完了信号を出力
するのと同時に、CPU110は、データ転送手段21
1にデータ転送信号を出力して、冷却CCDカメラ81
のデータバッファ91からディジタルデータを読み出さ
せ、データ記憶手段112に記憶させる。
【0298】ユーザーによって、キーボード85にデー
タ表示信号が入力されると、CPU110は、データ記
憶手段112に記憶されたディジタルデータを、データ
処理手段113に出力させ、ユーザーの指示にしたがっ
て、データ処理を施した後、データ表示手段114にデ
ータ表示信号を出力して、データ処理が施されたディジ
タルデータに基づき、生化学解析用データを、CRT8
4の画面上に表示させる。
【0299】こうして、生化学解析用データの生成が完
了すると、生化学解析用ユニット1が洗浄される。
【0300】本実施態様においては、特異的結合物質
は、吸着性ストリップ3によって形成された吸着性領域
5内に吸着され、標識物質によって標識された生体由来
の物質も、吸着性領域5内に吸着された特異的結合物質
にハイブリダイズされており、したがって、生化学解析
用ユニット1を洗浄するにあたっては、吸着性領域5を
洗浄すればよく、吸着性領域5は大きな表面積を有して
いるから、効率良く、生化学解析用ユニット1を洗浄し
て、再利用することが可能になる。
【0301】本実施態様によれば、生化学解析用ユニッ
ト1に形成された各吸着性領域5の周囲には、放射線エ
ネルギーを減衰させる性質を有するアルミニウムストリ
ップ2が存在しているから、生化学解析用ユニット1の
多数の吸着性領域5に含まれている放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成され
た多数の輝尽性蛍光体層領域12を露光する際、放射性
標識物質から発せられた電子線(β線)が、生化学解析
用ユニット1内で散乱することが確実に防止され、さら
に、蓄積性蛍光体シート10の支持体11は、放射線エ
ネルギーを減衰させる性質を有するステンレス鋼によっ
て形成され、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形
成された輝尽性蛍光体層領域12の各々は、生化学解析
用ユニット1に形成された対応する吸着性領域5に正確
に対向するように、蓄積性蛍光体シート10と生化学解
析用ユニット1とが重ね合わされて、露光がされている
から、生化学解析用ユニット1の吸着性領域5に含まれ
ている放射性標識物質から発せられた電子線(β線)
が、蓄積性蛍光体シート10の支持体11内で散乱し
て、隣り合う吸着性領域5に対向する輝尽性蛍光体層領
域12に到達することが効果的に防止され、したがっ
て、生化学解析用ユニット1に吸着性領域5を高密度に
形成しても、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形
成された多数の輝尽性蛍光体層領域12を、生化学解析
用ユニット1の対応する吸着性領域5に含まれている放
射性標識物質のみによって、効果的に露光することが可
能になるから、電子線(β線)の散乱に起因するノイズ
が生化学解析用データ中に生成されることを防止するこ
とができ、生化学解析の定量性を大幅に向上させること
が可能になる。
【0302】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の多数の吸着性領域5は、吸着性ストリッ
プ3に形成され、各吸着性領域5の周囲には、光エネル
ギーを減衰させる性質を有するアルミニウムストリップ
2が存在しているから、生化学解析用ユニット1に形成
された多数の吸着性領域5から、選択的に放出される化
学発光によって、蓄積性蛍光体シート15に形成されて
いる多数の輝尽性蛍光体層領域17を露光する際、生化
学解析用ユニット1の吸着性領域5から、選択的に放出
される化学発光が、生化学解析用ユニット1内で散乱さ
れることが効果的に防止され、さらに、蓄積性蛍光体シ
ート15の多数の輝尽性蛍光体層領域17が、生化学解
析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域5と、同
一の規則的なパターンで、光エネルギーを減衰させる性
質を有するステンレス鋼製の支持体11の表面上に形成
され、輝尽性蛍光体層領域17のそれぞれが、生化学解
析用ユニット1に形成された対応する吸着性領域5に正
確に対向するように、蓄積性蛍光体シート15と、生化
学解析用ユニット1とが重ね合わされているから、生化
学解析用ユニット1の吸着性領域5から放出された化学
発光が、蓄積性蛍光体シート17の支持体11内で散乱
することを、効果的に防止することができ、したがっ
て、生化学解析用ユニット1の吸着性領域5から発せら
れた化学発光によって、その吸着性領域5に対向する輝
尽性蛍光体層領域17を選択的に露光することが可能に
なるから、レーザ光24によって、蓄積性蛍光体シート
15の輝尽性蛍光体層領域17に含まれた輝尽性蛍光体
を励起し、蓄積性蛍光体シート15の輝尽性蛍光体層領
域17から放出された輝尽光45を光電的に検出して生
成された生化学解析用データ中に、ノイズが生成される
ことを防止することができ、定量性に優れた生化学解析
用データを生成することが可能になる。
【0303】また、本実施態様によれば、生化学解析用
ユニット1の多数の吸着性領域5は、吸着性ストリップ
3に形成され、各吸着性領域5の周囲には、光エネルギ
ーを減衰させる性質を有するアルミニウムストリップ2
が存在しているから、生化学解析用ユニット1の多数の
吸着性領域5をレーザ光24によって走査して、蛍光デ
ータを読み取って、生化学解析用データを生成する際、
各吸着性領域5に入射したレーザ光24が散乱して、隣
り合う吸着性領域5に入射し、隣り合った吸着性領域5
に含まれている蛍光物質を励起し、蛍光を放出させるこ
とを効果的に防止することができ、したがって、定量性
に優れた生化学解析用データを生成することが可能にな
る。
【0304】また、本実施態様によれば、生化学解析用
ユニット1の多数の吸着性領域5は、吸着性ストリップ
3に形成され、各吸着性領域5の周囲には、光エネルギ
ーを減衰させる性質を有するアルミニウムストリップ2
が存在しているから、レーザ光24あるいはLED光源
100から発せられた励起光の照射を受け、蛍光色素な
どの蛍光物質が励起されて、放出された蛍光が、生化学
解析用ユニット1内で散乱して、隣り合う吸着性領域5
に含まれた蛍光色素などの蛍光物質から放出された蛍光
と混ざり合うことが効果的に防止されるから、生化学解
析用ユニット1に吸着性領域5を高密度に形成しても、
蛍光を光電的に検出して生成した生化学解析用データ中
に、蛍光の散乱に起因するノイズが生成されることを効
果的に防止して、生化学解析の定量性を向上させること
が可能になる。
【0305】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の多数の吸着性領域5は、吸着性ストリッ
プ3に形成され、各吸着性領域5の周囲には、光エネル
ギーを減衰させる性質を有するアルミニウムストリップ
2が存在しているから、データ生成システムの冷却CC
Dカメラ81によって、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域5から放出される化学発光を光電的に検出
して、生化学解析用データを生成する際、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域5から放出された化学発光が、
生化学解析用ユニット1内で散乱することが効果的に防
止され、したがって、隣り合う吸着性領域5から放出さ
れた化学発光が混ざり合うことを効果的に防止すること
ができるから、生化学解析用ユニット1に吸着性領域5
を高密度に形成しても、化学発光を光電的に検出して生
成した生化学解析用データ中に、化学発光の散乱に起因
するノイズが生成されることを効果的に防止して生化学
解析の定量性を向上させることが可能になる。
【0306】また、本実施態様によれば、プローブであ
る特異的結合物質は、各吸着性領域5内に吸着されてお
り、小さな容積の領域内に吸着されているから、ハイブ
リダイゼーションの反応速度を向上させることができ、
さらに、ハイブリダイゼーション反応溶液9を、十分に
大きな面積で、各吸着性領域5に接触させることができ
るから、ハイブリダイゼーション反応溶液9に含まれた
ターゲットである生体由来の物質が、吸着性領域5内に
吸着されているプローブである特異的結合物質と出会う
確率を増大させることが可能になり、したがって、ハイ
ブリダイゼーションの効率を大幅に向上させることがで
きる。
【0307】さらに、本実施態様によれば、特異的結合
物質は、吸着性ストリップ3によって形成された吸着性
領域5内に吸着され、標識物質によって標識された生体
由来の物質も、吸着性領域5内に吸着されている特異的
結合物質にハイブリダイズされているから、生化学解析
用ユニット1を洗浄するにあたっては、多数の吸着性領
域5を洗浄すればよく、吸着性領域5は大きな表面積を
有しているから、効率良く、生化学解析用ユニット1を
洗浄して、再利用することが可能になる。
【0308】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の90%以上は、アルミニウムストリップ
2によって形成されているので、ハイブリダイゼーショ
ンなど、液体による処理を受けても、ほとんど伸縮する
ことがなく、したがって、ドット状の輝尽性蛍光体層領
域12が、生化学解析用ユニット1の対応する吸着性領
域5に正確に対向するように、蓄積性蛍光体シート10
と生化学解析用ユニット1とを、容易にかつ確実に重ね
合わせて、ドット状輝尽性蛍光体層領域12を露光する
ことが可能になる。
【0309】図22は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかる生化学解析用ユニットの略部分平面図である。
【0310】図22に示されるように、本実施態様にか
かる生化学解析用ユニット121は、それぞれ、放射線
および光エネルギーを減衰させる性質を有し、表面に、
粗面化された吸着性ストライプ(図22においては図示
せず)が形成された複数のアルミニウムシート122
と、複数のアルミニウムシートおよび複数のアルミニウ
ムストリップ(図22においては図示せず)とが、織り
込まれて、形成されている。
【0311】図23は、図22において、矢印Aで示さ
れる方向に延びる各アルミニウムシート122の略平面
図である。
【0312】図23に示されるように、各アルミニウム
シート122は、400ミクロンの幅を有し、その表面
に、長手方向に沿って、100ミクロンの幅の吸着性ス
トライプ122aが形成されている。
【0313】図24は、図22において、矢印Bで示さ
れる方向に延びるアルミニウムシートおよびアルミニウ
ムストリップの矢印Bで示される方向の繰り返し単位を
示す略平面図である。
【0314】図24に示されるように、図22におい
て、矢印Bで示される方向に延びる繰り返し単位は、3
00ミクロンの幅の複数のアルミニウムシート123
と、100ミクロンの幅の複数のアルミニウムストリッ
プ124とによって構成されている。
【0315】本実施態様にかかる生化学解析用ユニット
121は、400ミクロンの幅を有し、表面に、長手方
向に沿って、100ミクロンの幅の吸着性ストライプ1
22aが形成された複数のアルミニウムシート122
が、それぞれが、300ミクロンの幅のアルミニウムシ
ート123と100ミクロンの幅のアルミニウムストリ
ップ124とによって構成され、矢印Bで示される方向
に延びる複数の繰り返し単位に、アルミニウムシート1
22に形成された吸着性ストライプ122aが、100
ミクロンの幅のアルミニウムストリップ124の上側に
位置し、かつ、300ミクロンの幅のアルミニウムシー
ト123の下側に位置するように、織り込まれて、形成
されている。
【0316】したがって、生化学解析用ユニット1に
は、100ミクロン幅の吸着性ストライプ122aによ
り、図22において、矢印Aで示される方向および矢印
Bで示される方向に、400ミクロンを1つのピッチと
して、100ミクロン×100ミクロンのサイズの吸着
性領域125が、互いに離間して、形成され、隣り合う
吸着性領域125の間に、吸着性ストライプ122aが
形成されていない300ミクロンの幅のアルミニウムシ
ート122の部分あるいは300ミクロンの幅のアルミ
ニウムシート123が介在している。
【0317】本実施態様においては、吸着性ストライプ
122aの表面は、フラクタル構造を有するように、粗
面化されている。
【0318】本実施態様においても、図1に示された前
記実施態様にかかる生化学解析用ユニット1と同様にし
て、図2に示されるように、多数の吸着性領域125
に、cDNAなどの特異的結合物質を含む溶液が滴下さ
れて、特異的結合物質が、多数の吸着性領域125内に
吸着される。
【0319】本実施態様にかかる生化学解析用ユニット
121においては、吸着性領域125の表面はフラクタ
ル構造を有するように処理されており、その吸着表面積
が増大されているので、十分な量の特異的結合物質を、
各吸着性領域125に吸着させることが可能になる。
【0320】さらに、図3に示されるように、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質、蛍光色素な
どの蛍光物質によって標識された生体由来の物質および
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質によって標識された生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション反応溶液9を収容したハイブ
リダイゼーション反応容器8内に、生化学解析用ユニッ
ト121がセットされ、多数の吸着性領域125に吸着
されたcDNAなどの特異的結合物質に、放射性標識物
質によって標識され、ハイブリダイゼーション反応溶液
9に含まれた生体由来の物質、蛍光色素などの蛍光物質
によって標識され、ハイブリダイゼーション反応溶液9
に含まれた生体由来の物質および化学発光を生じさせる
標識物質によって標識され、ハイブリダイゼーション反
応溶液9に含まれた生体由来の物質を、選択的に、ハイ
ブリダイズさせる。
【0321】こうして、生化学解析用ユニット121の
多数の吸着性領域125に、放射線データ、蛍光データ
および化学発光データが記録される。
【0322】生化学解析用ユニット121の多数の吸着
性領域125に記録された蛍光データは、前記実施態様
と同様にして、図6ないし図13に示されたスキャナあ
るいは図18ないし図21に示されたデータ生成システ
ムの冷却CCDカメラ81により、読み取られて、生化
学解析用データが生成される。
【0323】これに対して、生化学解析用ユニット12
1の多数の吸着性領域125に記録された放射線データ
は、図4に示された蓄積性蛍光体シート10の多数の輝
尽性蛍光体層領域12に転写される。
【0324】すなわち、図5と同様にして、蓄積性蛍光
体シート10の支持体11に形成された多数の輝尽性蛍
光体層領域12が、それぞれ、生化学解析用ユニット1
21に形成された対応する吸着性領域125に対向する
ように、蓄積性蛍光体シート10が生化学解析用ユニッ
ト121に重ね合わされて、生化学解析用ユニット1の
多数の吸着性領域125に含まれている放射性標識物質
によって、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成
された多数の輝尽性蛍光体層領域12が露光される。
【0325】こうして、蓄積性蛍光体シート10の支持
体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12に転
写された放射線データは、前記実施態様と全く同様にし
て、図6ないし図13に示されたスキャナによって、読
み取られ、生化学解析用データが生成される。
【0326】一方、生化学解析用ユニット121の多数
の吸着性領域125に記録された化学発光データは、図
14に示された蓄積性蛍光体シート15の多数の輝尽性
蛍光体層領域17に転写され、図15ないし図17に示
されたスキャナによって、読み取られて、生化学解析用
データが生成され、あるいは、図6ないし図13に示さ
れたスキャナあるいは図18ないし図21に示されたデ
ータ生成システムの冷却CCDカメラ81により、読み
取られて、生化学解析用データが生成される。
【0327】本実施態様によれば、生化学解析用ユニッ
ト121に形成された隣り合う吸着性領域125の間に
は、放射線エネルギーを減衰させる性質を有するアルミ
ニウムシート122あるいはアルミニウムシート124
が介在しているから、生化学解析用ユニット121の多
数の吸着性領域125に含まれている放射性標識物質に
よって、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成さ
れた多数の輝尽性蛍光体層領域12を露光する際、吸着
性領域125から放出された電子線(β線)が、生化学
解析用ユニット1内で散乱することが確実に防止され、
さらに、蓄積性蛍光体シート10の支持体11は、放射
線エネルギーを減衰させる性質を有するステンレス鋼に
よって形成され、蓄積性蛍光体シート10の支持体11
に形成された輝尽性蛍光体層領域12の各々は、生化学
解析用ユニット121に形成された対応する吸着性領域
125に対向するように、蓄積性蛍光体シート10と生
化学解析用ユニット121とが重ね合わされて、露光が
されているから、生化学解析用ユニット121の吸着性
領域125に含まれている放射性標識物質から発せられ
た電子線(β線)が、蓄積性蛍光体シート10の支持体
11内で散乱して、隣り合う吸着性領域125に対向す
る輝尽性蛍光体層領域12に到達することが効果的に防
止され、したがって、生化学解析用ユニット121に吸
着性領域125を高密度に形成しても、蓄積性蛍光体シ
ート10の支持体11に形成された多数の輝尽性蛍光体
層領域12を、生化学解析用ユニット121の対応する
吸着性領域125に含まれている放射性標識物質のみに
よって、効果的に露光することが可能になるから、電子
線(β線)の散乱に起因するノイズが生化学解析用デー
タ中に生成されることを防止することができ、生化学解
析の定量性を大幅に向上させることが可能になる。
【0328】また、本実施態様によれば、プローブであ
る特異的結合物質は、生化学解析用ユニット121の各
吸着性領域125内に吸着されており、小さな容積の領
域内に吸着されているから、ハイブリダイゼーションの
反応速度を向上させることができ、さらに、ハイブリダ
イゼーション反応溶液9を、十分に大きな面積で、各吸
着性領域125に接触させることができるから、ハイブ
リダイゼーション反応溶液9に含まれたターゲットであ
る生体由来の物質が、吸着性領域125内に吸着されて
いるプローブである特異的結合物質と出会う確率を増大
させることができ、したがって、ハイブリダイゼーショ
ンの効率を大幅に向上させることができる。
【0329】さらに、本実施態様によれば、特異的結合
物質は、生化学解析用ユニット121に形成された多数
の吸着性領域125内に吸着され、標識物質によって標
識された生体由来の物質も、吸着性領域125内に含ま
れている特異的結合物質にハイブリダイズされており、
したがって、生化学解析用ユニット120を洗浄するに
あたっては、吸着性領域125を洗浄すればよく、吸着
性領域125は大きな表面積を有しているから、効率良
く、生化学解析用ユニット121を洗浄して、再利用す
ることが可能になる。
【0330】また、本実施態様によれば、各吸着性領域
125の表面がフラクタル構造を有するように処理さ
れ、その吸着表面積が増大されているので、十分な量の
特異的結合物質を、吸着性領域125に吸着させること
が可能になる。
【0331】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0332】たとえば、前記実施態様においては、特異
的結合物質として、塩基配列が既知の互いに異なった複
数のcDNAが用いられているが、本発明において使用
可能な特異的結合物質はcDNAに限定されるものでは
なく、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵
素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核
酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質はすべて、本発明の特異
的結合物質として使用することができる。
【0333】さらに、図1に示された実施態様において
は、アルミニウムストリップ2が用いられ、図18に示
された実施態様においては、アルミニウムシート12
2、アルミニウムストリップ123およびアルミニウム
シート124が用いられているが、生化学解析用ユニッ
ト1、121のストリップ2、シート122、ストリッ
プ123およびシート124を、アルミニウムによって
形成することは必ずしも必要でなく、生化学解析用ユニ
ット1、121のストリップ2、シート122、ストリ
ップ123およびシート124は、放射線エネルギーお
よび/または光エネルギーを減衰させる性質を有してい
れば、いかなる材料によって形成してもよい。生化学解
析用ユニット1、121のストリップ2、シート12
2、ストリップ123およびシート124を形成するた
めに用いられる放射線エネルギーおよび/または光エネ
ルギーを減衰させる性質を有する材料は、とくに限定さ
れるものではなく、無機化合物材料、有機化合物材料の
いずれをも使用することができ、金属材料、セラミック
材料またはプラスチック材料が、とくに好ましく使用さ
れる。生化学解析用ユニット1、121のストリップ
2、シート122、ストリップ123およびシート12
4を形成するために用いられる放射線エネルギーおよび
/または光エネルギーを減衰させる性質を有する無機化
合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アル
ミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケル、
コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステンレ
ス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリコ
ン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素
材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジル
コニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイト、
炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイ
ト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができる。
これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのような
多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。ま
た、生化学解析用ユニット1、121のストリップ2、
シート122、ストリップ123およびシート124を
形成するために用いられる放射線エネルギーおよび/ま
たは光エネルギーを減衰させる性質を有する有機化合物
材料としては、高分子化合物が好ましく用いられ、生化
学解析用ユニット1、121のストリップ2、シート1
22、ストリップ123およびシート124を形成する
ために好ましく使用可能で、放射線エネルギーおよび/
または光エネルギーを減衰させる性質を有する高分子化
合物としては、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート、
ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体な
どのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩化ビ
ニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン;ポ
リテトラフルオロエチレン;ポリクロロトリフルオロエ
チレン;ポリカーボネート;ポリエチレンナフタレート
やポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナ
イロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナ
イロン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフェニレンサ
ルファイド;ポリジフェニルシロキサンなどのケイ素樹
脂;ノボラックなどのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;
ポリウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−スチレン共
重合体;セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロー
ス、でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースなどの多糖類;キチン;キトサン;
ウルシ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどのポリア
ミドおよびこれら高分子化合物の共重合体などを挙げる
ことができる。これらは、複合材料でもよく、必要に応
じて、金属酸化物粒子やガラス繊維などを充填すること
もでき、また、有機化合物材料をブレンドして、使用す
ることもできる。
【0334】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1、121のストリップ2、シート12
2、ストリップ124およびシート123は、放射線お
よび光エネルギーを減衰させる性質を有するアルミニウ
ムによって形成されているが、蓄積性蛍光体シートの多
数の輝尽性蛍光体層領域12に記録された放射線データ
のみを読み取って、生化学解析用データを生成する場合
には、生化学解析用ユニット1、121のストリップ
2、シート122、ストリップ124およびシート12
3を、光を透過するが、放射線エネルギーを減衰させる
性質を有する材料によって形成するようにしてもよく、
その一方で、化学発光データあるいは蛍光データのみを
読み取って、生化学解析用データを生成する場合には、
生化学解析用ユニット1、121のストリップ2、シー
ト122、ストリップ124およびシート123を、放
射線を透過するが、光エネルギーを減衰させる性質を有
する材料によって形成することができ、生化学解析用ユ
ニット1、121のストリップ2、シート122、スト
リップ124およびシート123が放射線および光エネ
ルギーを減衰させる性質を有する材料で形成されている
ことは必ずしも必要でない。
【0335】さらに、図1に示された実施態様および図
22に示された実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1、121は、二次元的に、400ミクロンのピッ
チで、形成された100ミクロン×100ミクロンのサ
イズの正方形状の多数の吸着性領域5、125を備えて
いるが、各吸着性領域5、125を、正方形状に形成す
ることは必ずしも必要でなく、吸着性領域5、125
は、織物技術を用いて、任意の形状に形成することがで
きる。
【0336】また、図1に示された実施態様および図2
2に示された実施態様においては、生化学解析用ユニッ
ト1、121は、二次元的に、400ミクロンのピッチ
で、形成された100ミクロン×100ミクロンのサイ
ズの正方形状の多数の吸着性領域5、125を備えてい
るが、各吸着性領域5、125を、100ミクロン×1
00ミクロンのサイズに形成することは必ずしも必要で
なく、吸着性領域5、125のサイズは任意に決定する
ことができ、好ましくは、5平方ミリメートル未満のサ
イズに形成される。
【0337】さらに、図1に示された実施態様および図
22に示された実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1、121は、二次元的に、400ミクロンのピッ
チで、形成された100ミクロン×100ミクロンのサ
イズの正方形状の多数の吸着性領域5、125を備えて
いるが、多数の吸着性領域5、125を、二次元的に、
400ミクロンのピッチで形成することは必ずしも必要
でなく、多数の吸着性領域5、125を、任意の密度で
形成することができ、好ましくは、生化学解析用ユニッ
トに、10以上の吸着性領域5、125が、10個/平
方センチメートル以上の密度で、形成される。
【0338】また、図1に示された実施態様および図2
2に示された実施態様においては、生化学解析用ユニッ
ト1、121は、二次元的に、400ミクロンのピッチ
で、形成された100ミクロン×100ミクロンのサイ
ズの正方形状の多数の吸着性領域5、125を備えてい
るが、多数の吸着性領域5、125を、規則的に形成す
ることは必ずしも必要でない。
【0339】さらに、前記実施態様においては、放射性
標識物質によって標識された生体由来の物質、化学発光
基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標
識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を
含むハイブリダイゼーション反応溶液9が調製され、吸
着性領域4に滴下された特異的結合物質にハイブリダイ
ズさせているが、ハイブリダイゼーション反応溶液9
が、放射性標識物質によって標識された生体由来の物
質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質
および蛍光色素などの蛍光物質によって標識された生体
由来の物質を含んでいることは必ずしも必要でなく、ハ
イブリダイゼーション反応溶液9は、放射性標識物質、
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質および蛍光物質よりなる群から選ばれる
少なくとも1種の標識物質によって標識された生体由来
の物質を含んでいればよい。
【0340】また、前記実施態様においては、放射性標
識物質、蛍光色素などの蛍光物質および化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
によって標識された生体由来の物質が、特異的結合物質
にハイブリダイズされているが、生体由来の物質を、特
異的結合物質にハイブリダイズさせていることは必ずし
も必要でなく、生体由来の物質を、ハイブリダイゼーシ
ョンに代えて、抗原抗体反応、リセプター・リガンドな
どの反応によって、特異的結合物質に特異的に結合させ
ることもできる。
【0341】さらに、前記実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート10、15の支持体11の一方の面に、生
化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域
5、125のパターンと同一のパターンで、多数の略円
形の輝尽性蛍光体層領域12、17が、吸着性領域5、
125よりも大きなサイズで、規則的に形成されている
が、蓄積性蛍光体シート10、15の支持体11の一方
の面に、多数の輝尽性蛍光体層領域12、17が形成さ
れていることは必ずしも必要がなく、蓄積性蛍光体シー
ト10、15の支持体11の一方の面に、輝尽性蛍光体
層が一様に形成されていてもよい。
【0342】また、前記実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10、15の支持体11の一方の面に、生化
学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域5、
125のパターンと同一のパターンで、多数の略円形の
輝尽性蛍光体層領域12、17が、吸着性領域5、12
5よりも大きなサイズで、規則的に形成されているが、
多数の輝尽性蛍光体層領域12、17は、生化学解析用
ユニット1に形成された多数の吸着性領域5、125の
パターンと同一のパターンで、形成されていれば足り、
規則的に形成されていることは必ずしも必要でない。
【0343】さらに、前記実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート10、15の支持体11の一方の面に、生
化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域
5、125のパターンと同一のパターンで、多数の略円
形の輝尽性蛍光体層領域12、17が、吸着性領域5、
125よりも大きなサイズで、規則的に形成されている
が、多数の輝尽性蛍光体層領域12、17が、それぞ
れ、略円形に形成されることは必ずしも必要でなく、輝
尽性蛍光体層領域12、17は、任意に形状、たとえ
ば、正方形状、矩形状に形成することもできる。
【0344】また、前記実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10、15の支持体11の一方の面に、生化
学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域5、
125のパターンと同一のパターンで、多数の略円形の
輝尽性蛍光体層領域12、17が、吸着性領域5、12
5よりも大きなサイズで、規則的に形成されているが、
輝尽性蛍光体層領域12、17が、吸着性領域5、12
5よりも大きなサイズに形成されることは必ずしも必要
でなく、輝尽性蛍光体層領域12、17のサイズは、必
要に応じて、決定することができる。好ましくは、輝尽
性蛍光体層領域12、17が、吸着性領域5、125と
等しいサイズか、吸着性領域5、125のサイズよりも
大きなサイズに形成される。
【0345】さらに、前記実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート10、15の多数の輝尽性蛍光体層領域1
2、17は、支持体11の表面上に形成されているが、
多数の輝尽性蛍光体層領域12、17を支持体11の表
面上に形成することは必ずしも必要でなく、支持体11
に多数の貫通孔を形成し、多数の貫通孔内に、輝尽性蛍
光体を充填あるいは埋め込んで、多数の輝尽性蛍光体層
領域12、17を形成してもよいし、支持体11に多数
の凹部を形成し、多数の凹部内に、輝尽性蛍光体を充填
あるいは埋め込んで、多数の輝尽性蛍光体層領域12、
17を形成するようにしてもよい。
【0346】さらに、前記実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート10、15の支持体11は、ステンレス鋼
によって形成されているが、蓄積性蛍光体シート10、
15の支持体11を、ステンレス鋼によって形成するこ
とは必ずしも必要でなく、他の材料によって形成するこ
ともできる。蓄積性蛍光体シート10、15の支持体1
1は、放射線エネルギーおよび/またか光エネルギーを
減衰させる性質を有する材料によって、形成されている
ことが好ましいが、その材料はとくに限定されるもので
はない。蓄積性蛍光体シート10、15の支持体11
は、無機化合物材料、有機化合物材料のいずれによって
形成することもでき、とくに好ましくは、金属材料、セ
ラミック材料またはプラスチック材料によって形成され
る。蓄積性蛍光体シート10、15の支持体11を形成
するために好ましく使用可能な無機化合物材料として
は、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタ
ン、タンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、
錫、セレンなどの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの
合金;シリコン、アモルファスシリコン、ガラス、石
英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アル
ミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの
金属酸化物;タングステンカーバイト、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリ
ウムなどの無機塩を挙げることができる。これらは、単
結晶、アモルファス、セラミックのような多結晶焼結体
にいずれの構造を有していてもよい。また、蓄積性蛍光
体シート10、15の支持体11を形成するために好ま
しく使用可能な有機化合物材料としては、高分子化合物
が好ましく用いられ、たとえば、ポリエチレンやポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタクリレ
ート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重
合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ
塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデ
ン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロトリフル
オロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレンナフタ
レートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエステ
ル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10な
どのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフェニ
レンサルファイド;ポリジフェニルシロキサンなどのケ
イ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹脂;エポキシ
樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−スチ
レン共重合体;セルロース、酢酸セルロース、ニトロセ
ルロース、でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースなどの多糖類;キチン;キト
サン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどの
ポリアミドおよびこれら高分子化合物の共重合体などを
挙げることができる。これらは、複合材料でもよく、必
要に応じて、金属酸化物粒子やガラス繊維などを充填す
ることもでき、また、有機化合物材料をブレンドして、
使用することもできる。
【0347】また、図1に示された実施態様において
は、複数のナイロン6の繊維の束からなる吸着性ストリ
ップ3によって、生化学解析用ユニット1の吸着性領域
5が形成されているが、生化学解析用ユニット1の吸着
性領域5を、複数のナイロン6の繊維の束からなる吸着
性ストリップ3によって形成することは必ずしも必要で
なく、他の繊維材料や、活性炭などの炭素多孔質材料、
メンブレンフィルタを形成可能な有機多孔質材料によっ
て、生化学解析用ユニット1の吸着性領域5を形成する
こともでき、多孔質材料と繊維材料を併用して、生化学
解析用ユニット1の吸着性領域5を形成することもでき
る。生化学解析用ユニット1の吸着性領域5を形成する
ために使用される多孔質材料は、有機材料、無機材料の
いずれでもよく、有機/無機複合体でもよい。生化学解
析用ユニット1の吸着性領域5を形成するために使用さ
れる有機多孔質材料は、とくに限定されるものではない
が、活性炭などの炭素多孔質材料あるいはメンブレンフ
ィルタを形成可能な多孔質材料が、好ましく用いられ
る。具体的には、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロ
ン4,10などのナイロン類;ニトロセルロース、酢酸
セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導
体;コラーゲン;アルギン酸、アルギン酸カルシウム、
アルギン酸/ポリリシンポリイオンコンプレックスなど
のアルギン酸類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデ
ン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオライドな
どのポリフルオライドや、これらの共重合体または複合
体が挙げられる。生化学解析用ユニット1の吸着性領域
5を形成するために使用される無機多孔質材料は、とく
に限定されるものではないが、好ましくは、たとえば、
白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムなどの金
属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトなどの金
属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウムなど
の金属塩やこれらの複合体などが挙げられる。生化学解
析用ユニット1の吸着性領域5を形成するために使用さ
れる繊維材料は、とくに限定されるものではないが、好
ましくは、たとえば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン類、ニトロセルロース、
酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース
誘導体などが挙げられる。
【0348】さらに、図22に示された実施態様におい
ては、吸着性ストライプ122aの表面は、フラクタル
構造を有するように、粗面化処理されているが、吸着性
ストライプ122aの表面が、フラクタル構造を有して
いることは必ずしも必要でなく、多重突起構造、ミクロ
ポア構造など、粗面化処理されていればよい。
【0349】また、前記実施態様においては、図6ない
し図13に示されたスキャナは、蓄積性蛍光体シート1
0に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12に記録さ
れている放射性標識物質の放射線データおよび生化学解
析用ユニット1、121の多数の吸着性領域5、125
に記録されている蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データ
を読み取って、生化学解析用データを生成可能に構成さ
れており、640nmの波長のレーザ光24を発する第
1のレーザ励起光源21と、532nmの波長のレーザ
光24を発する第2のレーザ励起光源22と、473n
mの波長のレーザ光24を発する第3のレーザ励起光源
23とを備えているが、単一のスキャナによって、蓄積
性蛍光体シート10に形成された多数の輝尽性蛍光体層
領域12に記録された放射線データおよび生化学解析用
ユニット1、121に形成された多数の吸着性領域5、
125に記録されている蛍光色素などの蛍光物質の蛍光
データを読み取って、生化学解析用データを生成するこ
とは必ずしも必要でなく、別個のスキャナによって、蓄
積性蛍光体シート10に形成された多数の輝尽性蛍光体
層領域12に記録された放射線データおよび生化学解析
用ユニット1、121に形成された多数の吸着性領域
5、125に記録されている蛍光色素などの蛍光物質の
蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生成す
るようのしてもよい。
【0350】さらに、前記実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート10に形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域12に記録された放射性標識物質の放射線データおよ
び生化学解析用ユニット1、121に形成された吸着性
領域5、121に記録された蛍光色素などの蛍光物質の
蛍光データを、図6ないし図13に示されたスキャナを
用いて、読み取って、生化学解析用データを生成してい
るが、放射性標識物質の放射線データあるいは蛍光物質
の蛍光データを読み取るためのスキャナとしては、レー
ザ光24あるいは励起光によって、蓄積性蛍光体シート
10に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12あるい
は生化学解析用ユニット1、121に形成された多数の
吸着性領域5、125を走査して、輝尽性蛍光体あるい
は蛍光物質を励起することができるものあればよく、図
6ないし図13に示されたスキャナを用いて、放射性標
識物質の放射線データあるいは蛍光物質の蛍光データを
読み取ることは必ずしも必要がない。
【0351】また、前記実施態様において、図6ないし
図13に示されたスキャナは、640nmの波長のレー
ザ光24を発する第1のレーザ励起光源21、532n
mの波長のレーザ光24を発する第2のレーザ励起光源
22および473nmの波長のレーザ光24を発する第
3のレーザ励起光源23を備えているが、3つのレーザ
励起光源を備えていることは必ずしも必要ない。
【0352】また、前記実施態様において、図15ない
し図17に示されたスキャナは、蓄積性蛍光体シート1
5に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17に記録さ
れている化学発光データを読み取って、生化学解析用デ
ータを生成可能に構成されており、640nmの波長の
レーザ光24を発する第1のレーザ励起光源21と、5
32nmの波長のレーザ光24を発する第2のレーザ励
起光源22と、980nmの波長のレーザ光24を発す
る第4のレーザ励起光源55を備えているが、スキャナ
は、蓄積性蛍光体シート15に形成された多数の輝尽性
蛍光体層領域17に記録されている化学発光データを読
み取って、生化学解析用データを生成可能に構成されて
いれば足り、したがって、980nmの波長のレーザ光
24を発する第4のレーザ励起光源55を備えていれば
よく、640nmの波長のレーザ光24を発する第1の
レーザ励起光源21と、532nmの波長のレーザ光2
4を発する第2のレーザ励起光源22とを備えているこ
とは必ずしも必要でない。
【0353】さらに、前記実施態様においては、いずれ
も、スキャナは、励起光源として、レーザ光24を発す
るレーザ励起光源21、22、23、55を備えている
が、励起光源として、レーザ励起光源を用いることは必
ずしも必要でなく、レーザ励起光源に代えて、LED光
源を、励起光源として用いることもでき、さらには、ハ
ロゲンランプを励起光源として用い、分光フィルタによ
って、励起に寄与しない波長成分をカットするようにし
てもよい。
【0354】また、前記実施態様においては、図18な
いし図21に示されたデータ生成システムは、蛍光およ
び化学発光を光電的に検出して、生化学解析用ユニット
1、121に形成された多数の吸着性領域5、125に
記録された蛍光データおよび化学発光データを読み取り
可能に構成されているが、データ生成システムが、蛍光
データおよび化学発光データを読み取り可能に構成され
ていることは必ずしも必要でなく、データ生成システム
を、もっぱら、化学発光データを読み取り可能に構成す
ることもできる。その場合には、図18ないし図21に
示されたデータ生成システムから、LED光源100、
フィルタ101、フィルタ102および拡散板103を
取り除くことができる。
【0355】さらに、前記実施態様においては、図6な
いし図13に示されたスキャナおよび図15ないし図1
7に示されたスキャナは、走査機構によって、図13に
おいて、矢印Xで示される主走査方向および矢印Yで示
される副走査方向に、光学ヘッド35を移動させること
によって、レーザ光24により、蓄積性蛍光体シート1
0、15に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領域1
2、17あるいは生化学解析用ユニット1、121に形
成されたすべての吸着性領域5、125を走査して、輝
尽性蛍光体あるいは蛍光色素などの蛍光物質を励起する
ように構成されているが、光学ヘッド35を静止状態に
維持し、ステージ40を、図13において、矢印Xで示
される主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に
移動させることによって、レーザ光24により、蓄積性
蛍光体シート10、15に形成されたすべての輝尽性蛍
光体層領域12、17あるいは生化学解析用ユニット
1、121に形成されたすべての吸着性領域5、125
を走査して、輝尽性蛍光体あるいは蛍光色素などの蛍光
物質を励起するようにしてもよく、また、光学ヘッド3
5を、図13において、矢印Xで示される主走査方向あ
るいは矢印Yで示される副走査方向に移動させるととも
に、ステージ40を、矢印Yで示される副走査方向ある
いは矢印Xで示される主走査方向に移動させることもで
きる。
【0356】さらに、図6ないし図13に示されたスキ
ャナにおいては、光検出器として、フォトマルチプライ
ア50を用いて、蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出し
ているが、本発明において用いられる光検出器として
は、蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出可能であればよ
く、フォトマルチプライア50に限らず、ラインCCD
や二次元CCDなどの他の光検出器を用いることもでき
る。
【0357】また、前記実施態様においては、インジェ
クタ6とCCDカメラ7を備えたスポッティング装置を
用い、CCDカメラ7によって、インジェクタ6の先端
部と、cDNAなどの特異的結合物質の溶液を滴下すべ
き生化学解析用ユニット1、121の吸着性領域5、1
25を観察しながら、インジェクタ6の先端部と、cD
NAなどの特異的結合物質の溶液を滴下すべき吸着性領
域5、125の中心とが合致したときに、インジェクタ
6から、cDNAなどの特異的結合物質の溶液を放出さ
せて、滴下しているが、インジェクタ6の先端部と、生
化学解析用ユニット1、121に形成された多数の吸着
性領域5、125との相対的な位置関係を、あらかじめ
検出しておき、インジェクタ6と、生化学解析用ユニッ
ト1、121とを、相対的に、一定のピッチで、二次元
的に移動させて、cDNAなどの特異的結合物質の溶液
を滴下するようにすることもできる。
【0358】
【発明の効果】本発明によれば、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質を含む複数のスポット状領域
を、生化学解析用ユニットに、高密度に形成し、複数の
スポット状領域を、放射性標識物質によって、選択的に
標識して得た生化学解析用ユニットを、輝尽性蛍光体層
と密着させて、輝尽性蛍光体層を放射性標識物質によっ
て露光し、輝尽性蛍光体層に励起光を照射して、輝尽性
蛍光体層から放出された輝尽光を光電的に検出して、生
化学解析用データを生成する場合にも、放射性標識物質
から発せられる電子線(β線)の散乱に起因するノイズ
が生化学解析用データ中に生成されることを防止するこ
とができる生化学解析用ユニットおよびその製造方法を
提供することが可能になる。
【0359】また、本発明によれば、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質を含む複数のスポット状
領域を、生化学解析用ユニットに、高密度に形成し、複
数のスポット状領域を、化学発光基質と接触させること
によって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択
的に標識して得た生化学解析用ユニットに、化学発光基
質を接触させて、複数のスポット状領域から、選択的
に、化学発光を放出させ、複数のスポット状領域から、
化学発光が選択的に放出されている生化学解析用ユニッ
トを、輝尽性蛍光体層と密着させて、輝尽性蛍光体層を
化学発光によって露光し、輝尽性蛍光体層に励起光を照
射して、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電的
に検出して、生化学解析用データを生成する場合にも、
生化学解析用ユニットの複数のスポット状領域から放出
される化学発光の散乱に起因するノイズが生化学解析用
データ中に生成されることを防止することができる生化
学解析用ユニットおよびその製造方法を提供することが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用ユニットの略部分平面図である。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、ハイブリダイゼーション反応容器の略
縦断面図である。
【図4】図4は、蓄積性蛍光体シートの略斜視図であ
る。
【図5】図5は、生化学解析用ユニットの多数の吸着性
領域に含まれた放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体
シートに形成された多数の輝尽性蛍光体層領域を露光す
る方法を示す略断面図である。
【図6】図6は、スキャナの一例を示す略斜視図であ
る。
【図7】図7は、図6に示されたスキャナのフォトマル
チプライア近傍の詳細を示す略斜視図である。
【図8】図8は、図7のA−A線に沿った略断面図であ
る。
【図9】図9は、図7のB−B線に沿った略断面図であ
る。
【図10】図10は、図7のC−C線に沿った略断面図
である。
【図11】図11は、図7のD−D線に沿った略断面図
である。
【図12】図12は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【図13】図13は、図6に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【図14】図14は、化学発光データが転写されるべき
蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図15】図15は、蓄積性蛍光体シートに形成された
多数の輝尽性蛍光体層領域に記録されている化学発光デ
ータを読み取って、生化学解析用データを生成するスキ
ャナの略斜視図である。
【図16】図16は、図15に示されたスキャナのフォ
トマルチプライア近傍の詳細を示す略斜視図である。
【図17】図17は、図16のE−E線に沿った略断面
図である。
【図18】図18は、データ生成システムの略正面図で
ある。
【図19】図19は、データ生成システムの冷却CCD
カメラの略縦断面図である。
【図20】図20は、データ生成システムの暗箱の略縦
断面図である。
【図21】図21は、データ生成システムのパーソナル
コンピュータの周辺のブロックダイアグラムである。
【図22】図22は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用ユニットの略部分平面図である。
【図23】図23は、図18において、矢印Aで示され
る方向に延びる各アルミニウムシートの略平面図であ
る。
【図24】図24は、図22において、矢印Bで示され
る方向に延びるアルミニウムシートおよびアルミニウム
ストリップの矢印Bで示される方向の繰り返し単位を示
す略平面図である。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 アルミニウムストリップ 3 吸着性ストリップ 4A 繰り返し単位 4B 繰り返し単位 5 吸着性領域 6 インジェクタ 7 CCDカメラ 8 ハイブリダイゼーション容器 9 ハイブリダイゼーション溶液 10 蓄積性蛍光体シート 11 支持体 12 輝尽性蛍光体層領域 15 蓄積性蛍光体シート 17 輝尽性蛍光体層領域 21 第1のレーザ励起光源 22 第2のレーザ励起光源 23 第3のレーザ励起光源 24 レーザ光 25 コリメータレンズ 26 ミラー 27 第1のダイクロイックミラー 28 第2のダイクロイックミラー 29 ミラー 30 コリメータレンズ 31 コリメータレンズ 32 ミラー 33 穴開きミラーの穴 34 穴開きミラー 35 光学ヘッド 36 ミラー 37 非球面レンズ 38 凹面ミラー 40 ステージ 41 ガラス板 45 蛍光あるいは輝尽光 48 フィルタユニット 50 フォトマルチプライア 51a、51b、51c、51d、51e フィルタ部
材 52a、52b、52c、52d、52e フィルタ 53 A/D変換器 54 データ処理装置 55 第4のレーザ励起光源 56 第3のダイクロイックミラー 60 基板 61 副走査パルスモータ 62 一対のレール 63 移動可能な基板 64 ロッド 65 主走査ステッピングモータ 66 エンドレスベルト 67 リニアエンコーダ 68 リニアエンコーダのスリット 70 コントロールユニット 71 キーボード 72 フィルタユニットモータ 81 冷却CCDカメラ 82 暗箱 83 パーソナルコンピュータ 84 CRT 85 キーボード 86 CCD 87 伝熱板 88 ペルチエ素子 89 シャッタ 90 A/D変換器 91 画像データバッファ 92 カメラ制御回路 95 ガラス板 96 放熱フィン 97 カメラレンズ 100 LED光源 101 フィルタ 102 フィルタ 103 拡散板 110 CPU 111 データ転送手段 112 データ記憶手段 113 データ処理装置 114 データ表示手段 115 光源制御手段 121 生化学解析用ユニット 122 アルミニウムシート 122a 吸着性ストライプ 123 アルミニウムシート 124 アルミニウムストリップ 125 吸着性領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 37/00 102 G01N 37/00 102 G03B 42/02 G03B 42/02 B Fターム(参考) 2G043 AA01 BA16 DA02 EA01 FA01 FA06 GA04 GB18 GB19 HA02 HA03 HA09 JA03 KA02 KA05 LA02 2G045 AA40 FA11 GC15 2G054 AA06 EA03 FB01 2H013 AB01 AC04 AC06 4B029 AA07 AA23 FA12 GA03 GB04 GB09

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれが、放射線エネルギーおよび/
    または光エネルギーを減衰させる材料によって形成され
    た複数の遮光用ストリップと、それぞれが、吸着性材料
    によって形成された複数の吸着性ストリップとを、織り
    込んで、二次元的に、互いに離間して、形成された複数
    の吸着性領域を備え、前記複数の吸着性領域が、隣り合
    う前記吸着性領域の間に、前記遮光用ストリップが介在
    するように形成されたことを特徴とする生化学解析用ユ
    ニット。
  2. 【請求項2】 それぞれが、放射線エネルギーおよび/
    または光エネルギーを減衰させる材料によって形成され
    た複数の遮光用ストリップと、それぞれが、吸着性材料
    によって形成された複数の吸着性ストリップとを、織り
    込んで、二次元的に、互いに離間して、形成された複数
    の吸着性領域を備え、前記複数の吸着性領域が、隣り合
    う前記吸着性領域の間に、前記遮光用ストリップが介在
    するように形成され、前記複数の吸着性領域が、放射性
    標識物質、蛍光物質および化学発光基質と接触させるこ
    とによって化学発光を生じさせる標識物質よりなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の標識物質によって、選択的
    に標識されていることを特徴とする生化学解析用ユニッ
    ト。
  3. 【請求項3】 前記吸着性領域が、多孔質材料によって
    形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の
    生化学解析用ユニット。
  4. 【請求項4】 前記吸着性領域が、炭素多孔質材料また
    はメンブレンフィルタを形成可能な多孔質材料によって
    形成されたことを特徴とする請求項3に記載の生化学解
    析用ユニット。
  5. 【請求項5】 前記吸着性領域が、複数の繊維の束によ
    って形成されたことを特徴とする請求項1または2に記
    載の生化学解析用ユニット。
  6. 【請求項6】 それぞれが、放射線エネルギーおよび/
    または光エネルギーを減衰させる材料によって形成さ
    れ、表面に、長手方向に沿って、粗面化された吸着性ス
    トライプが形成された複数のシートと、それぞれが、放
    射線エネルギーおよび/または光エネルギーを減衰させ
    る材料によって形成された複数の遮光用ストリップおよ
    びそれぞれが、放射線エネルギーおよび/または光エネ
    ルギーを減衰させる材料によって形成された複数の遮光
    用シートとを、織り込んで、二次元的に、互いに離間し
    て、形成された複数の吸着性領域を備え、前記複数の吸
    着性領域が、隣り合う前記吸着性領域の間に、前記遮光
    用シートまたは前記吸着性ストライプが形成されていな
    い前記シートの部分が介在するように形成されたことを
    特徴とする生化学解析用ユニット。
  7. 【請求項7】 それぞれが、放射線エネルギーおよび/
    または光エネルギーを減衰させる材料によって形成さ
    れ、表面に、長手方向に沿って、粗面化された吸着性ス
    トライプが形成された複数のシートと、それぞれが、放
    射線エネルギーおよび/または光エネルギーを減衰させ
    る材料によって形成された複数の遮光用ストリップおよ
    びそれぞれが、放射線エネルギーおよび/または光エネ
    ルギーを減衰させる材料によって形成された複数の遮光
    用シートとを、織り込んで、二次元的に、互いに離間し
    て、形成された複数の吸着性領域を備え、前記複数の吸
    着性領域が、隣り合う前記吸着性領域の間に、前記遮光
    用シートまたは前記吸着性ストライプが形成されていな
    い前記シートの部分が介在するように形成され、前記複
    数の吸着性領域が、放射性標識物質、蛍光物質および化
    学発光基質と接触させることによって化学発光エネルギ
    ーを生じさせる標識物質よりなる群から選ばれる少なく
    とも1種の標識物質によって、選択的に標識されている
    ことを特徴とする生化学解析用ユニット。
  8. 【請求項8】 前記吸着性ストライプの表面が、フラク
    タル構造を有するように、粗面化されていることを特徴
    とする請求項6または7に記載の生化学解析用ユニッ
    ト。
  9. 【請求項9】 前記吸着性領域が10以上形成されたこ
    とを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    の生化学解析用ユニット。
  10. 【請求項10】 前記吸着性領域が1000以上形成さ
    れたことを特徴とする請求項9に記載の生化学解析用ユ
    ニット。
  11. 【請求項11】 前記吸着性領域が10000以上形成
    されたことを特徴とする請求項10に記載の生化学解析
    用ユニット。
  12. 【請求項12】 前記吸着性領域のサイズが5平方ミリ
    メートル未満であることを特徴とする請求項1ないし1
    1のいずれか1項に記載の生化学解析用ユニット。
  13. 【請求項13】 前記吸着性領域のサイズが1平方ミリ
    メートル未満であることを特徴とする請求項12に記載
    の生化学解析用ユニット。
  14. 【請求項14】 前記吸着性領域のサイズが0.1平方
    ミリメートル未満であることを特徴とする請求項13に
    記載の生化学解析用ユニット。
  15. 【請求項15】 前記吸着性領域が、10個/平方セン
    チメートル以上の密度で、形成されたことを特徴とする
    請求項1ないし14のいずれか1項に記載の生化学解析
    用ユニット。
  16. 【請求項16】 前記吸着性領域が、1000個/平方
    センチメートル以上の密度で、形成されたことを特徴と
    する請求項15に記載の生化学解析用ユニット。
  17. 【請求項17】 前記吸着性領域が、10000個/平
    方センチメートル以上の密度で、形成されたことを特徴
    とする請求項16に記載の生化学解析用ユニット。
  18. 【請求項18】 前記放射線エネルギーおよび/または
    光エネルギーを減衰させる材料が、隣り合う前記吸着性
    領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線および/また
    は光が前記材料中を透過したときに、放射線エネルギー
    および/または光のエネルギーを、1/5以下に減衰さ
    せる性質を有していることを特徴とする請求項1ないし
    17のいずれか1項に記載の生化学解析用ユニット。
  19. 【請求項19】 前記放射線エネルギーおよび/または
    光エネルギーを減衰させる材料が、隣り合う前記吸着性
    領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線および/また
    は光が前記材料中を透過したときに、放射線エネルギー
    および/または光のエネルギーを、1/10以下に減衰
    させる性質を有していることを特徴とする請求項18に
    記載の生化学解析用ユニット。
  20. 【請求項20】 前記放射線エネルギーおよび/または
    光エネルギーを減衰させる材料が、隣り合う前記吸着性
    領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線エネルギーお
    よび/または光が前記材料中を透過したときに、放射線
    および/または光のエネルギーを、1/100以下に減
    衰させる性質を有していることを特徴とする請求項19
    に記載の生化学解析用ユニット。
  21. 【請求項21】 前記放射線エネルギーおよび/または
    光エネルギーを減衰させる材料が、金属材料、セラミッ
    ク材料およびプラスチック材料よりなる群から選ばれる
    材料よりなることを特徴とする請求項18ないし20の
    いずれか1項に記載の生化学解析用ユニット。
  22. 【請求項22】 それぞれが、放射線エネルギーおよび
    /または光エネルギーを減衰させる材料によって形成さ
    れた複数の遮光用ストリップと、それぞれが、吸着性材
    料によって形成された複数の吸着性ストリップとを、第
    一の方向においては、前記複数の遮光用ストリップと前
    記複数の吸着性ストリップが、隣り合う前記吸着性スト
    リップの間に、少なくとも1つの前記遮光用ストリップ
    が介在するように延び、前記第一の方向に直交する第二
    の方向においては、前記複数の遮光用ストリップが延び
    るように、織り込んで、複数の吸着性領域を、二次元的
    に、互いに離間して、形成することを特徴とする生化学
    解析用ユニットの製造方法。
  23. 【請求項23】 それぞれが、放射線エネルギーおよび
    /または光エネルギーを減衰させる材料によって形成さ
    れた複数の遮光用ストリップと、それぞれが、吸着性材
    料によって形成された複数の吸着性ストリップとを、第
    一の方向においては、前記複数の遮光用ストリップと前
    記複数の吸着性ストリップが、隣り合う前記吸着性スト
    リップの間に、少なくとも1つの前記遮光用ストリップ
    が介在するように延び、前記第一の方向に直交する第二
    の方向においては、前記複数の遮光用ストリップが延び
    るように、織り込んで、複数の吸着性領域を、二次元的
    に、互いに離間して、形成し、前記複数の吸着性領域
    を、放射性標識物質、蛍光物質および化学発光基質と接
    触させることによって化学発光を生じさせる標識物質よ
    りなる群から選ばれる少なくとも1種の標識物質によっ
    て、選択的に標識することを特徴とする生化学解析用ユ
    ニットの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記吸着性領域が、多孔質材料によっ
    て形成されたことを特徴とする請求項22または23に
    記載の生化学解析用ユニットの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記吸着性領域が、炭素多孔質材料ま
    たはメンブレンフィルタを形成可能な多孔質材料によっ
    て形成されたことを特徴とする請求項24に記載の生化
    学解析用ユニットの製造方法。
  26. 【請求項26】 前記吸着性領域が、複数の繊維の束に
    よって形成されたことを特徴とする請求項22または2
    3に記載の生化学解析用ユニットの製造方法。
  27. 【請求項27】 前記吸着性領域が、10以上形成され
    るように、前記複数の遮光用ストリップと、前記複数の
    吸着性ストリップとを、織り込むことを特徴とする請求
    項22ないし26のいずれか1項に記載の生化学解析用
    ユニットの製造方法。
  28. 【請求項28】 前記吸着性領域のサイズが5平方ミリ
    メートル未満になるように、前記複数の遮光用ストリッ
    プと、前記複数の吸着性ストリップとを、織り込むこと
    を特徴とする請求項22ないし27のいずれか1項に記
    載の生化学解析用ユニットの製造方法。
  29. 【請求項29】 前記吸着性領域が、10個/平方セン
    チメートル以上の密度で、形成されるように、前記複数
    の遮光用ストリップと、前記複数の吸着性ストリップと
    を、織り込むことを特徴とする請求項22ないし28の
    いずれか1項に記載の生化学解析用ユニットの製造方
    法。
  30. 【請求項30】 それぞれが、放射線エネルギーおよび
    /または光エネルギーを減衰させる材料によって形成さ
    れ、表面に、長手方向に沿って、粗面化された吸着性ス
    トライプが形成された複数のシートと、それぞれが、放
    射線エネルギーおよび/または光エネルギーを減衰させ
    る材料によって形成された複数の遮光用ストリップおよ
    びそれぞれが、放射線エネルギーおよび/または光エネ
    ルギーを減衰させる材料によって形成された複数の遮光
    用シートとを、前記複数のシートの前記吸着性ストライ
    プが、前記遮光用シートの下側に位置し、前記複数のシ
    ートの前記吸着性ストライプが、前記遮光用ストリップ
    の上側に位置するように、織り込んで、二次元的に、互
    いに離間して、形成された複数の吸着性領域を形成する
    ことを特徴とする生化学解析用ユニットの製造方法。
  31. 【請求項31】 それぞれが、放射線エネルギーおよび
    /または光エネルギーを減衰させる材料によって形成さ
    れ、表面に、長手方向に沿って、粗面化された吸着性ス
    トライプが形成された複数のシートと、それぞれが、放
    射線エネルギーおよび/または光エネルギーを減衰させ
    る材料によって形成された複数の遮光用ストリップおよ
    びそれぞれが、放射線エネルギーおよび/または光エネ
    ルギーを減衰させる材料によって形成された複数の遮光
    用シートとを、前記複数のシートの前記吸着性ストライ
    プが、前記遮光用シートの下側に位置し、前記複数のシ
    ートの前記吸着性ストライプが、前記遮光用ストリップ
    の上側に位置するように、織り込んで、二次元的に、互
    いに離間して、形成された複数の吸着性領域を形成し、
    前記複数の吸着性領域を、放射性標識物質、蛍光物質お
    よび化学発光基質と接触させることによって化学発光を
    生じさせる標識物質よりなる群から選ばれる少なくとも
    1種の標識物質によって、選択的に標識することを特徴
    とする生化学解析用ユニットの製造方法。
  32. 【請求項32】 前記吸着性ストライプの表面が、フラ
    クタル構造を有するように、粗面化されていることを特
    徴とする請求項30または31に記載の生化学解析用ユ
    ニットの製造方法。
  33. 【請求項33】 前記吸着性領域が、10以上形成され
    るように、前記複数シートと、前記複数の遮光用シート
    および前記複数の遮光用ストリップとを、織り込むこと
    を特徴とする請求項30ないし32のいずれか1項に記
    載の生化学解析用ユニットの製造方法。
  34. 【請求項34】 前記吸着性領域のサイズが5平方ミリ
    メートル未満になるように、前記複数シートと、前記複
    数の遮光用シートおよび前記複数の遮光用ストリップと
    を、織り込むことを特徴とする請求項30ないし33の
    いずれか1項に記載の生化学解析用ユニットの製造方
    法。
  35. 【請求項35】 前記吸着性領域が、10個/平方セン
    チメートル以上の密度で、形成されるように、前記複数
    シートと、前記複数の遮光用シートおよび前記複数の遮
    光用ストリップとを、織り込むことを特徴とする請求項
    30ないし34のいずれか1項に記載の生化学解析用ユ
    ニットの製造方法。
  36. 【請求項36】 前記放射線エネルギーおよび/または
    光エネルギーを減衰させる材料が、隣り合うぜ吸着性領
    域の間の距離に等しい距離だけ、放射線および/または
    光が前記材料中を透過したときに、放射線および/また
    は光のエネルギーを、1/5以下に減衰させる性質を有
    していることを特徴とする請求項22ないし35のいず
    れか1項に記載の生化学解析用ユニットの製造方法。
  37. 【請求項37】 前記放射線エネルギーおよび/または
    光エネルギーを減衰させる材料が、金属材料、セラミッ
    ク材料およびプラスチック材料よりなる群から選ばれる
    材料よりなることを特徴とする請求項36に記載の生化
    学解析用ユニットの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003107086A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Olympus Optical Co Ltd フロスト面を有する基板を用いた核酸プローブアレイ
JP2005034060A (ja) * 2003-07-15 2005-02-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 生化学研究用器具

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