JP2003004749A - 蓄積性蛍光体シートの露光方法 - Google Patents

蓄積性蛍光体シートの露光方法

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JP2003004749A
JP2003004749A JP2001192605A JP2001192605A JP2003004749A JP 2003004749 A JP2003004749 A JP 2003004749A JP 2001192605 A JP2001192605 A JP 2001192605A JP 2001192605 A JP2001192605 A JP 2001192605A JP 2003004749 A JP2003004749 A JP 2003004749A
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stimulable phosphor
phosphor sheet
biochemical analysis
analysis unit
absorptive
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JP2001192605A
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Nobuhiko Ogura
信彦 小倉
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 塩基配列などが既知の特異的結合物質に、放
射性物質によって標識された生体由来の物質を結合させ
て標識したスポット状領域を、担体に形成した場合にお
いて、放射性標識物質によって露光された輝尽性蛍光体
層に励起光を照射して輝尽性蛍光体を励起し、放出され
た輝尽光を光電的に検出して定量性に優れた生化学解析
用のデータを生成する方法を提供する。 【解決手段】 放射線を減衰させる材料からなる基板2
上の複数の吸着性領域4に滴下された特異的結合物質
に、放射性物質によって標識された生体由来の物質が結
合された複数の吸着性領域を備えた生化学解析用ユニッ
トと、輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シート
と、放射線反射板とを、反射板、生化学解析用ユニット
及び蓄積性蛍光体シートの順に、重ね合わせて、吸着性
領域の放射性標識物質により蓄積性蛍光体シートの前記
輝尽性蛍光体層を露光することを特徴とする蓄積性蛍光
体シートの露光方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄積性蛍光体シー
トの露光方法に関するものであり、さらに詳細には、蓄
積性蛍光体シートの露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するオートラジオグラフィ解析システムは、写
真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化
学的処理が不必要であるだけでなく、得られたディジタ
ルデータにデータ処理を施すことにより、所望のよう
に、解析用データを再生し、あるいは、コンピュータに
よる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0005】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光解析システムも知られてい
る。
【0006】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、ホルモ
ン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、
その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNA
など、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩
基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質
を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の独立し
たスポットを形成し、次いで、ホルモン類、腫瘍マーカ
ー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク
質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単
離などによって、生体から採取され、あるいは、さら
に、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生体由
来の物質であって、蛍光物質、色素などの標識物質によ
って標識された物質を、ハイブリダイゼーションなどに
よって、特異的結合物質に、特異的に結合させたマイク
ロアレイに、励起光を照射して、蛍光物質、色素などの
標識物質から発せられた蛍光などの光を光電的に検出し
て、生体由来の物質を解析するマイクロアレイ解析シス
テムが開発されている。このマイクロアレイ解析システ
ムによれば、スライドガラス板やメンブレンフィルタな
どの担体表面上の異なる位置に、数多くの特異的結合物
質のスポットを高密度に形成して、標識物質によって標
識された生体由来の物質をハイブリダイズさせることに
よって、短時間に、生体由来の物質を解析することが可
能になるという利点がある。
【0007】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、
抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、
cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用い
て、滴下して、多数の独立したスポットを形成し、次い
で、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、ア
ブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DN
A、mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から
採取され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾な
どの処理が施された生体由来の物質であって、放射性標
識物質によって標識された物質を、ハイブリダイゼーシ
ョンなどによって、特異的結合物質に、特異的に結合さ
せたマクロアレイを、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体
層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽
性蛍光体層を露光し、しかる後に、輝尽性蛍光体層に励
起光を照射し、輝尽性蛍光体層から発せられた輝尽光を
光電的に検出して、生化学解析用データを生成し、生体
由来の物質を解析する放射性標識物質を用いたマクロア
レイ解析システムも開発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、放射性
標識物質を標識物質として用いたマクロアレイ解析シス
テムにあっては、輝尽性蛍光体層を露光する際、メンブ
レンフィルタなどの担体表面上に形成されたスポットに
含まれた放射性標識物質の放射線エネルギーが非常に大
きいため、放射性標識物質から発せられる電子線(β
線)が散乱して、そのスポットに含まれた放射性標識物
質から放出された電子線(β線)によって露光されるべ
き領域以外の輝尽性蛍光体層の領域に入射し、あるい
は、隣接するスポットの間のメンブレンフィルタなどの
担体表面上に付着した放射性標識物質から放出された電
子線(β線)が、輝尽性蛍光体層に入射し、その結果、
輝尽光を光電的に検出して生成された生化学解析用のデ
ータ中にノイズが生成され、隣接するスポット間でのデ
ータの分離が困難になって、分解能が低下するととも
に、各スポットの放射線量を定量して、生体由来の物質
を解析する際、定量性が悪化するという問題があり、ス
ポットを近接して形成して、高密度化しようとする場合
には、とくに、分解能が低下する著しく低下するととも
に、定量性の著しい悪化が認められている。
【0009】さらに、メンブレンフィルタなどの担体表
面上に形成されたスポットに含まれている放射性標識物
質から放出される電子線(β線)によって、輝尽性蛍光
体層を露光する際に、電子線(β線)の約1/2は、輝
尽性蛍光体層とは反対の側に放出されるため、所望のよ
うに、スポットに含まれている放射性標識物質によっ
て、輝尽性蛍光体層を露光することができず、その結
果、輝尽性蛍光体層に励起光を照射して、輝尽性蛍光体
を励起し、放出された輝尽光を光電的に検出して、生化
学解析用データを生成する際の検出感度を十分に向上さ
せることができないという問題があった。
【0010】したがって、本発明は、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質に、放射性標識物質によ
って標識された生体由来の物質を特異的に結合させて、
選択的に標識したスポットを、メンブレンフィルタなど
の担体表面に、高密度に形成した場合においても、スポ
ットに含まれた放射性標識物質によって、輝尽性蛍光体
層を露光し、露光された輝尽性蛍光体層に励起光を照射
して、輝尽性蛍光体を励起し、放出された輝尽光を光電
的に検出して、高い分解能で、かつ、高い感度で、定量
性に優れた生化学解析用のデータを生成することのでき
る蓄積性蛍光体シートの露光方法を提供することを目的
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
放射線を減衰させる材料によって形成された基板に、互
いに離間して複数の吸着性領域に、構造または特性が既
知の特異的結合物質が滴下され、前記特異的結合物質
に、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
が、選択的に、特異的に結合されて、それによって、選
択的に放射性標識物質を含む複数の吸着性領域を備えた
生化学解析用ユニットと、輝尽性蛍光体層が形成された
蓄積性蛍光体シートと、放射線を反射させる材料によっ
て形成された反射板とを、前記反射板、前記生化学解析
用ユニットおよび前記蓄積性蛍光体シートの順に、重ね
合わせて、前記複数の吸着性領域に選択的に含まれた放
射性標識物質によって、前記蓄積性蛍光体シートの前記
輝尽性蛍光体層を露光することを特徴とする蓄積性蛍光
体シートの露光方法によって達成される。
【0012】本発明によれば、放射線を減衰させる材料
によって形成された基板を備え、さらに、基板に、互い
に離間して、複数の吸着性領域が形成され、複数の吸着
性領域に、構造または特性が既知の特異的結合物質が滴
下され、特異的結合物質に、放射性標識物質によって標
識された生体由来の物質が、選択的に、特異的に結合さ
れて、それによって、選択的に放射性標識物質を含む複
数の吸着性領域を備え、放射線を減衰させる材料によっ
て形成された生化学解析用ユニットと、輝尽性蛍光体層
が形成された蓄積性蛍光体シートとを重ねあわせて、複
数の吸着性領域に選択的に含まれた放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を露光する
ように構成されているから、各吸着性領域に含まれてい
る放射性標識物質から放出された電子線(β線)が、生
化学解析用ユニットの基板内で散乱することを効果的に
防止することができ、したがって、各吸着性領域に含ま
れた放射性標識物質から放出された電子線(β線)が、
隣り合う吸着性領域に含まれた放射性標識物質から放出
された電子線(β線)によって露光されるべき輝尽性蛍
光体層の領域に入射することを効果的に防止することが
できるから、露光された輝尽性蛍光体層を励起光によっ
て走査し、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電
的に検出することによって、高い分解能で、定量性に優
れた生化学解析用のデータを生成することが可能にな
る。
【0013】さらに、生化学解析用ユニットの各吸着性
領域に含まれた放射性標識物質からは、蓄積性蛍光体シ
ートに向けて、電子線(β線)が放出されるだけでな
く、蓄積性蛍光体シートとは反対方向にも、電子線(β
線)が放出されるが、本発明によれば、放射線を反射さ
せる材料によって形成された反射板、生化学解析用ユニ
ットおよび蓄積性蛍光体シートの順に、重ね合わせて、
複数の吸着性領域に選択的に含まれた放射性標識物質に
よって、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を露光す
るように構成されているから、生化学解析用ユニットの
各吸着性領域から、蓄積性蛍光体シートとは反対方向に
放出された電子線(β線)は、反射板によって反射され
て、生化学解析用ユニットの各吸着性領域を介して、蓄
積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に導か
れ、輝尽性蛍光体層を露光するから、輝尽性蛍光体層に
励起光を照射して、輝尽性蛍光体を励起し、放出された
輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成
する際の検出感度を、所望のように、向上させることが
可能になる。
【0014】本発明の好ましい実施態様においては、さ
らに、前記蓄積性蛍光体シートの前記生化学解析用ユニ
ットとは反対側の面に、放射線を反射させる材料によっ
て形成された反射板を重ね合わせて、前記複数の吸着性
領域に選択的に含まれた放射性標識物質によって、前記
輝尽性蛍光体層を露光するように構成されている。
【0015】本発明の好ましい実施態様によれば、さら
に、蓄積性蛍光体シートの生化学解析用ユニットとは反
対側の面に、放射線を反射させる材料によって形成され
た反射板を重ね合わせて、複数の吸着性領域に選択的に
含まれた放射性標識物質によって、輝尽性蛍光体層を露
光するように構成されているから、蓄積性蛍光体シート
の輝尽性蛍光体層に入射したが、輝尽性蛍光体層に蓄積
されずに、輝尽性蛍光体層を通過した電子線(β線)
は、蓄積性蛍光体シートの生化学解析用ユニットとは反
対側の面に配置された反射板によって反射されて、再
度、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に入射して、
輝尽性蛍光体層を露光し、したがって、輝尽性蛍光体層
に励起光を照射して、輝尽性蛍光体を励起し、放出され
た輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用データを生
成する際の検出感度を、所望のように、向上させること
が可能になる。
【0016】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットが、放射線を減衰させる材料に
よって形成された基板を備え、前記複数の吸着性領域
が、前記基板に形成された複数の貫通孔内に形成されて
いる。
【0017】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットが、放射線を減衰させる材料
によって形成された基板を備え、複数の吸着性領域が、
基板に形成された複数の貫通孔内に形成されているか
ら、基板に形成された各貫通孔内に形成されている各吸
着性領域に含まれた放射性標識物質から放出された電子
線(β線)が、生化学解析用ユニットの基板内で散乱す
ることを効果的に防止することができ、したがって、各
吸着性領域に含まれた放射性標識物質から放出された電
子線(β線)が、隣り合う吸着性領域に含まれた放射性
標識物質から放出された電子線(β線)によって露光さ
れるべき輝尽性蛍光体層の領域に入射することを効果的
に防止することができるから、露光された輝尽性蛍光体
層を励起光によって走査し、輝尽性蛍光体層から放出さ
れた輝尽光を光電的に検出することによって、高い分解
能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成する
ことが可能になる。
【0018】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、前記基板に形成された前
記複数の貫通孔内に、吸着性材料が充填されて、形成さ
れている。
【0019】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、前記基板に形成された前
記複数の貫通孔内に、吸着性材料によって形成された吸
着性膜が圧入されて、形成されている。
【0020】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、前記基板に形成された前
記複数の貫通孔の内壁面に、吸着性材料が被覆されて、
形成されている。
【0021】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の貫通
孔の内壁面に、吸着性材料が被覆されて、形成されてい
るから、基板に形成された各貫通孔の内壁面に形成され
ている各吸着性領域に含まれた放射性標識物質から放出
された電子線(β線)が、生化学解析用ユニットの基板
内で散乱することを効果的に防止することができ、した
がって、各吸着性領域に含まれた放射性標識物質から放
出された電子線(β線)が、隣り合う吸着性領域に含ま
れた放射性標識物質から放出された電子線(β線)によ
って露光されるべき輝尽性蛍光体層の領域に入射するこ
とを効果的に防止することができるから、露光された輝
尽性蛍光体層を励起光によって走査し、輝尽性蛍光体層
から放出された輝尽光を光電的に検出することによっ
て、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデー
タを生成することが可能になる。
【0022】本発明の前記目的はまた、吸着性材料によ
って形成された吸着性基板と、前記吸着性基板の一方の
側に、複数の貫通孔が、互いに離間して、形成され、放
射線を減衰させる材料によって形成された多孔板を備
え、前記多孔板に形成された前記複数の貫通孔内の前記
吸着性基板によって、複数の吸着性領域が形成され、前
記吸着性領域に、構造または特性が既知の特異的結合物
質が滴下され、前記特異的結合物質に、放射性標識物質
によって標識された生体由来の物質が、選択的に、特異
的に結合されて、前記複数の吸着性領域が選択的に放射
性標識物質を含んだ生化学解析用ユニットと、輝尽性蛍
光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと、放射線を反
射させる材料によって形成された反射板とを、前記反射
板、前記生化学解析用ユニットおよび前記蓄積性蛍光体
シートの順に、かつ、前記多孔板が、前記蓄積性蛍光体
シートに対向するように、重ね合わせて、前記生化学解
析用ユニットの前記複数の吸着性領域に選択的に含まれ
た放射性標識物質によって、前記蓄積性蛍光体シートの
前記輝尽性蛍光体層を露光することを特徴とする蓄積性
蛍光体シートの露光方法によって達成される。
【0023】本発明によれば、吸着性材料によって形成
された吸着性基板と、吸着性基板の一方の側に、複数の
貫通孔が、互いに離間して、形成され、放射線を減衰さ
せる材料によって形成された多孔板を備え、多孔板に形
成された複数の貫通孔内の吸着性基板によって、複数の
吸着性領域が形成され、吸着性領域に、構造または特性
が既知の特異的結合物質が滴下され、特異的結合物質
に、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
が、選択的に、特異的に結合されて、複数の吸着性領域
が選択的に放射性標識物質を含んだ生化学解析用ユニッ
トと、輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シート
とを、多孔板が、蓄積性蛍光体シートに対向するよう
に、重ねあわせて、複数の吸着性領域に選択的に含まれ
た放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの輝尽
性蛍光体層を露光するように構成されているから、各吸
着性領域に含まれている放射性標識物質から放出された
電子線(β線)は、放射線を減衰させる材料によって形
成された生化学解析用ユニットの多孔板によって遮断さ
れ、したがって、各吸着性領域に含まれた放射性標識物
質から放出された電子線(β線)が、隣り合う吸着性領
域に含まれた放射性標識物質から放出された電子線(β
線)によって露光されるべき輝尽性蛍光体層の領域に入
射することを効果的に防止することができるから、露光
された輝尽性蛍光体層を励起光によって走査し、輝尽性
蛍光体層から放出された輝尽光を光電的に検出すること
によって、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用
のデータを生成することが可能になる。
【0024】さらに、生化学解析用ユニットの各吸着性
領域に含まれた放射性標識物質からは、蓄積性蛍光体シ
ートに向けて、電子線(β線)が放出されるだけでな
く、蓄積性蛍光体シートとは反対方向にも、電子線(β
線)が放出されるが、本発明によれば、放射線を反射さ
せる材料によって形成された反射板、生化学解析用ユニ
ットおよび蓄積性蛍光体シートの順に、重ね合わせて、
複数の吸着性領域に選択的に含まれた放射性標識物質に
よって、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を露光す
るように構成されているから、生化学解析用ユニットの
各吸着性領域から、蓄積性蛍光体シートとは反対方向に
放出された電子線(β線)は、反射板によって反射され
て、生化学解析用ユニットの各吸着性領域を介して、蓄
積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に導か
れ、輝尽性蛍光体層を露光するから、輝尽性蛍光体層に
励起光を照射して、輝尽性蛍光体を励起し、放出された
輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成
する際の検出感度を、所望のように、向上させることが
可能になる。
【0025】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットが、さらに、前記多孔板を、前
記吸着性基板の他方の側にも備えている。
【0026】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットは、吸着性基板の両側に、放射線を減
衰させる材料によって形成された多孔板を備えているか
ら、反射板によって、反射された電子線(β線)は、多
孔板によってガイドされて、その電子線(β線)放出さ
れた吸着性領域に導かれ、その吸着性領域を介して、蓄
積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に導か
れ、輝尽性蛍光体層を露光し、したがって、輝尽性蛍光
体層に励起光を照射して、輝尽性蛍光体を励起し、放出
された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用データ
を生成する際の検出感度を、所望のように、向上させる
ことが可能になるとともに、生化学解析用ユニットを、
ハイブリダイゼーション、蓄積性蛍光体シートの露光時
に、きわめて容易にハンドリングすることが可能にな
る。
【0027】本発明の好ましい実施態様においては、さ
らに、前記蓄積性蛍光体シートの前記生化学解析用ユニ
ットとは反対側の面に、放射線を反射させる材料によっ
て形成された反射板を重ね合わせて、前記複数の吸着性
領域に選択的に含まれた放射性標識物質によって、前記
蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層を露光するよ
うに構成されている。
【0028】本発明の好ましい実施態様によれば、さら
に、蓄積性蛍光体シートの生化学解析用ユニットとは反
対側の面に、放射線を反射させる材料によって形成され
た反射板を重ね合わせて、複数の吸着性領域に選択的に
含まれた放射性標識物質によって、輝尽性蛍光体層を露
光するように構成されているから、蓄積性蛍光体シート
の輝尽性蛍光体層に入射したが、輝尽性蛍光体層に蓄積
されずに、輝尽性蛍光体層を通過した電子線(β線)
は、蓄積性蛍光体シートの生化学解析用ユニットとは反
対側の面に配置された反射板によって反射されて、再
度、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に入射して、
輝尽性蛍光体層を露光し、したがって、輝尽性蛍光体層
に励起光を照射して、輝尽性蛍光体を励起し、放出され
た輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用データを生
成する際の検出感度を、所望のように、向上させること
が可能になる。
【0029】本発明の好ましい実施態様においては、前
記反射板が、金属によって形成されている。
【0030】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反射板が、重金属によって形成されている。
【0031】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生体由来の物質が、ハイブリダイゼーション、抗原抗
体反応、リセプター・リガンドよりなる群から選ばれた
反応によって、前記特異的結合物質と結合されている。
【0032】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットに、10以上の前記吸着性領域
が形成されている。
【0033】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、50以上の前記吸着
性領域が形成されている。
【0034】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、100以上の前記吸
着性領域が形成されている。
【0035】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、1000以上の前記
吸着性領域が形成されている。
【0036】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、10000以上の前
記吸着性領域が形成されている。
【0037】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、100000以上の
前記吸着性領域が形成されている。
【0038】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域が、それぞれ、5平方ミリメートル
未満のサイズを有している。
【0039】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、それぞれ、1平方ミリメ
ートル未満のサイズを有している。
【0040】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、それぞれ、0.5平方ミ
リメートル未満のサイズを有している。
【0041】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、それぞれ、0.1平方ミ
リメートル未満のサイズを有している。
【0042】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、それぞれ、0.05平方
ミリメートル未満のサイズを有している。
【0043】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、それぞれ、0.01平方
ミリメートル未満のサイズを有している。
【0044】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、
10個/平方センチメートル以上の密度で形成されてい
る。
【0045】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、50個/平方センチメートル以上の密度で形成さ
れている。
【0046】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、100個/平方センチメートル以上の密度で形成
されている。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、500個/平方センチメートル以上の密度で形成
されている。
【0048】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、1000個/平方センチメートル以上の密度で形
成されている。
【0049】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、5000個/平方センチメートル以上の密度で形
成されている。
【0050】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、10000個/平方センチメートル以上の密度で
形成されている。
【0051】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、
規則的なパターンで、形成されている。
【0052】本発明の好ましい実施態様によれば、本発
明の好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユ
ニットの前記複数の吸着性領域が、略円形に形成されて
いる。
【0053】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、略
矩形状に形成されている。
【0054】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成する吸着性材料としては、多孔質材料
あるいは繊維材料が好ましく使用される。多孔質材料と
繊維材料を併用して、吸着性領域を形成することもでき
る。
【0055】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される多孔質材料は、
有機材料、無機材料のいずれでもよく、有機/無機複合
体でもよい。
【0056】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される有機多孔質材料
は、とくに限定されるものではないが、活性炭などの炭
素多孔質材料あるいはメンブレンフィルタを形成可能な
多孔質材料が、好ましく用いられる。具体的には、ナイ
ロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイ
ロン類、ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸
セルロースなどのセルロース誘導体、コラーゲン、アル
ギン酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/ポリリシ
ンポリイオンコンプレックスなどのアルギン酸類、ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリテトラフルオライドなどのポリフルオライド
や、これらの共重合体または複合体が挙げられる。
【0057】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される無機多孔質材料
は、とくに限定されるものではないが、たとえば、白
金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属、
アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトなどの金属酸
化物、ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウムなどの金
属塩やこれらの複合体などが挙げられる。
【0058】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される繊維材料は、と
くに限定されるものではないが、たとえば、ナイロン
6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン
類、ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セル
ロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0059】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域は、電解処理、プラズマ処理、アーク放電な
どの酸化処理、シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤などを用いたプライマー処理、界面活性剤処理な
どの表面処理によって形成することもできる。
【0060】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板あるいは前記多孔板
を形成する放射線を減衰させる材料が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記材
料中を透過したときに、放射線のエネルギーを1/5以
下に減衰させる性質を有している。
【0061】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板あるいは前記
多孔板を形成する放射線を減衰させる材料が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記材料中を透過したときに、放射線のエネルギーを1
/10以下に減衰させる性質を有している。
【0062】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板あるいは前記
多孔板を形成する放射線を減衰させる材料が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記材料中を透過したときに、放射線のエネルギーを1
/50以下に減衰させる性質を有している。
【0063】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板あるいは前記
多孔板を形成する放射線を減衰させる材料が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記材料中を透過したときに、放射線のエネルギーを1
/100以下に減衰させる性質を有している。
【0064】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板あるいは前記
多孔板を形成する放射線を減衰させる材料が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記材料中を透過したときに、放射線のエネルギーを1
/500以下に減衰させる性質を有している。
【0065】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板あるいは前記
多孔板を形成する放射線を減衰させる材料が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記材料中を透過したときに、放射線のエネルギーを1
/1000以下に減衰させる性質を有している。
【0066】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートが、放射線を減衰させる材料によ
って形成された支持体を備え、前記輝尽性蛍光体層が、
前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に対
応して、前記支持体に、互いに離間して、形成された複
数の輝尽性蛍光体層領域によって構成されている。
【0067】本発明の好ましい実施態様によれば、蓄積
性蛍光体シートが、放射線を減衰させる材料によって形
成された支持体を備え、輝尽性蛍光体層が、生化学解析
用ユニットの複数の吸着性領域に対応して、支持体に、
互いに離間して、形成された複数の輝尽性蛍光体層領域
によって構成されているから、生化学解析用ユニットの
吸着性領域から放出された電子線(β線)が、蓄積性蛍
光体シートの支持体内で散乱することを効果的に防止す
ることができ、したがって、各吸着性領域に含まれた放
射性標識物質から放出された電子線(β線)が、対向す
る輝尽性蛍光体層領域と隣り合う輝尽性蛍光体層領域に
入射することを効果的に防止することが可能になるか
ら、輝尽性蛍光体層に励起光を照射して、輝尽性蛍光体
を励起し、放出された輝尽光を光電的に検出して、生化
学解析用データを生成する際の検出感度を、所望のよう
に、向上させることが可能になる。
【0068】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に形成され
た孔内に形成されている。
【0069】本発明の好ましい実施態様によれば、複数
の輝尽性蛍光体層領域が、支持体に形成された孔内に形
成されているから、生化学解析用ユニットの吸着性領域
から放出された電子線(β線)が、蓄積性蛍光体シート
の支持体内で散乱することを効果的に防止することがで
き、したがって、各吸着性領域に含まれた放射性標識物
質から放出された電子線(β線)が、対向する輝尽性蛍
光体層領域と隣り合う輝尽性蛍光体層領域に入射するこ
とを効果的に防止することが可能になるから、輝尽性蛍
光体層に励起光を照射して、輝尽性蛍光体を励起し、放
出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用デー
タを生成する際の検出感度を、所望のように、向上させ
ることが可能になる。
【0070】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に形
成された孔内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、形成さ
れている。
【0071】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に形
成された孔内に、輝尽性蛍光体膜が圧入されて、形成さ
れている。
【0072】本発明の他の好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体の表
面上に形成されている。
【0073】本発明のさらに他の好ましい実施態様にお
いては、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体
の表面に形成された突起の先端部に形成されている。
【0074】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域
が、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
と同じパターンで、形成されている。
【0075】本発明の好ましい実施態様によれば、蓄積
性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域が、生化学
解析用ユニットの複数の吸着性領域と同じパターンで、
形成されているから、各吸着性領域に含まれている放射
性標識物質から放出された電子線(β線)を、対向する
輝尽性蛍光体層領域に、効果的に入射させることがで
き、したがって、各吸着性領域に含まれた放射性標識物
質から放出された電子線(β線)が、隣り合う吸着性領
域に含まれた放射性標識物質から放出された電子線(β
線)によって露光されるべき輝尽性蛍光体層領域に入射
することを効果的に防止することができるから、露光さ
れた複数の輝尽性蛍光体層領域を励起光によって走査
し、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電的に検
出することによって、高い分解能で、定量性に優れた生
化学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0076】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域
が、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
以上のサイズで、形成されている。
【0077】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う前記輝
尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線
が前記支持体中を透過したときに、放射線エネルギー
を、1/5以下に減衰させる性質を有している。
【0078】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線エネル
ギーを、1/10以下に減衰させる性質を有している。
【0079】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線エネル
ギーを、1/50以下に減衰させる性質を有している。
【0080】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線エネル
ギーを、1/100以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0081】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線エネル
ギーを、1/500以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0082】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、
放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線エネル
ギーを、1/1000以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0083】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体を形成するための材料としては、放射線を減衰させ
る性質を有するものが好ましく、放射線を減衰させる性
質を有する材料は、とくに限定されるものではないが、
無機化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用する
ことができ、金属材料、セラミック材料またはプラスチ
ック材料が、とくに好ましく使用される。
【0084】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体を形成するために好ましく使用することのできる無
機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、
アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケ
ル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステ
ンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリ
コン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪
素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイ
ト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパ
タイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができ
る。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのよ
うな多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。
【0085】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体を形成するために好ましく使用することのできる有
機化合物材料としては、高分子化合物が好ましく用いら
れ、好ましい高分子化合物としては、たとえば、ポリエ
チレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメ
チルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメタ
クリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロ
ニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリ
フッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリ
クロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリ
エチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレートな
どのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイ
ロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホ
ン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロ
キサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール
樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブ
タジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロ
ース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウ
ム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0086】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、蓄積性蛍光体シートの支持体を、放
射線を減衰させる性質を有する材料によって形成する場
合には、比重1.0g/cm以上の化合物材料または
複合材料によって形成されることが好ましく、比重が
1.5g/cm以上、23g/cm以下の化合物材
料または複合材料によって形成されることが、とくに好
ましい。
【0087】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、放射線を減衰させる材料が、プラスチック材料に、
金属酸化物粒子を分散させて、形成されている。
【0088】本発明において使用される輝尽性蛍光体層
に含まれる輝尽性蛍光体としては、放射線のエネルギー
を蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄積している
放射線のエネルギーを光の形で放出可能なものであれば
よく、とくに限定されるものではないが、可視光波長域
の光により励起可能であるものが好ましい。具体的に
は、たとえば、米国特許第4,239,968号に開示
されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体(B
a1−xM2+x)FX:yA(ここに、M2+はM
g、Ca、Sr、ZnおよびCdからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、XはCl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種の
ハロゲン、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、
Ho、Nd、YbおよびErからなる群より選ばれる少
なくとも一種の3価金属元素、xは0≦x≦0.6、y
は0≦y≦0.2である。)、特開平2−276997
号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物
系蛍光体SrFX:Z(ここに、XはCl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、
ZはEuまたはCeである。)、特開昭59−5647
9号公報に開示されたユーロピウム付活複合ハロゲン物
系蛍光体BaFX・xNaX’:aEu2+(ここに、
XおよびX’はいずれも、Cl、BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは
0<x≦2、aは0<a≦0.2である。)、特開昭5
8−69281号公報に開示されたセリウム付活三価金
属オキシハロゲン物系蛍光体であるMOX:xCe(こ
こに、MはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、YbおよびBiからなる群より
選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、XはBrおよ
びIのうちの一方あるいは双方、xは、0<x<0.1
である。)、米国特許第4,539,137号に開示さ
れたセリウム付活希土類オキシハロゲン物系蛍光体であ
るLnOX:xCe(ここに、LnはY、La、Gdお
よびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土
類元素、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲン、xは、0<x≦0.1で
ある。)および米国特許第4,962,047号に開示
されたユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体MII
X・aMX’・bM’II''2・cMIII'''3 ・
xA:yEu2+(ここに、MIIはBa、SrおよびC
aからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土
類金属元素、M はLi、Na、K、RbおよびCs
からなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属
元素、M' IIはBeおよびMgからなる群より選ばれる
少なくとも一種の二価金属元素、MIIIはAl、Ga、
InおよびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種
の三価金属元素、Aは少なくとも一種の金属酸化物、X
はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくと
も一種のハロゲン、X’、X''およびX''' はF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであり、aは、0≦a≦2、bは、0≦b
≦10−2、cは、0≦c≦10−2で、かつ、a+b
+c≧10−2であり、xは、0<x≦0.5で、y
は、0<y≦0.2である。)が、好ましく使用し得
る。
【0089】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0090】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る蓄積性蛍光体シートの露光方法に使用される生化学解
析用ユニットの略斜視図である。
【0091】図1に示されるように、生化学解析用ユニ
ット1は、アルミニウムによって形成され、多数の略円
形の貫通孔3が高密度に形成された基板2を備え、多数
の貫通孔3の内部には、ナイロン6が充填されて、互い
に離間した多数の吸着性領域4が、ドット状に形成され
ている。
【0092】図1には正確に示されていないが、本実施
態様においては、約10000の約0.01平方ミリメ
ートルのサイズを有する貫通孔3が、約5000個/平
方センチメートルの密度で、かつ、規則的なパターンに
したがって、基板2に形成されている。ここに、ナイロ
ン6は、その表面が、基板2の表面とほぼ一致するよう
に、多数の貫通孔3内に、充填され、吸着性領域4が形
成されている。
【0093】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0094】生化学解析にあたっては、図2に示される
ように、生化学解析用ユニット1に規則的に形成された
多数の吸着性領域4内に、たとえば、特異的結合物質と
して、塩基配列が既知の互いに異なった複数のcDNA
が、スポッティング装置5を使用して、滴下される。
【0095】図2に示されるように、スポッティング装
置5は、インジェクタ6とCCDカメラ7を備え、CC
Dカメラ7によって、インジェクタ6の先端部と、特異
的結合物質を滴下すべき生化学解析用ユニット1の貫通
孔3を観察しながら、インジェクタ6の先端部と、特異
的結合物質を滴下すべき貫通孔3の中心とが合致したと
きに、インジェクタ6から、塩基配列が既知の互いに異
なった複数のcDNAなどの特異的結合物質が滴下され
るように構成され、生化学解析用ユニット1の多数のド
ット状の吸着性領域4内に、特異的結合物質を、正確に
滴下することができるように保証されている。
【0096】図3は、ハイブリダイズ容器の略縦断面図
である。
【0097】図3に示されるように、ハイブリダイゼー
ション容器8は矩形状断面を有し、内部に、標識物質に
よって標識されたプローブである生体由来の物質を含む
ハイブリダイゼーション溶液9が収容されている。
【0098】放射性標識物質によって、cDNAなどの
特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標
識物質によって標識されたプローブである生体由来の物
質を含むハイブリダイゼーション溶液9が調製され、ハ
イブリダイゼーション容器8内に収容される。
【0099】一方、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって、cDNA
などの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識されたプローブである生体由
来の物質を含むハイブリダイゼーション溶液9が調製さ
れ、ハイブリダイゼーション容器8内に収容される。
【0100】さらに、蛍光色素などの蛍光物質によっ
て、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する
場合には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された
プローブである生体由来の物質を含むハイブリダイゼー
ション溶液9が調製され、ハイブリダイゼーション容器
8内に収容される。
【0101】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション溶液9を調製して、ハイブリ
ダイゼーション容器8内に収容させることもでき、本実
施態様においては、放射性標識物質によって標識された
生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって
標識された生体由来の物質を含むハイブリダイゼーショ
ン溶液9が調製され、ハイブリダイゼーション容器8内
に収容されている。
【0102】ハイブリダイゼーションにあたって、cD
NAなどの特異的結合物質が、多数の吸着性領域4に吸
着されている生化学解析用ユニット1が、ハイブリダイ
ゼーション容器8内に挿入される。
【0103】その結果、多数の吸着性領域4に吸着され
ている特異的結合物質に、放射性標識物質により標識さ
れ、ハイブリダイゼーション溶液9に含まれた生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識さ
れ、ハイブリダイゼーション溶液9に含まれた生体由来
の物質が、選択的に、ハイブリダイズされる。
【0104】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に、標識物質である放射性標識物質の放
射線データおよび蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データ
が記録される。吸着性領域4に記録された蛍光データ
は、後述するスキャナによって読み取られ、生化学解析
用データが生成される。
【0105】一方、放射性標識物質の放射線データは、
蓄積性蛍光体シートに転写され、蓄積性蛍光体シートに
転写された放射線データは、後述するスキャナによって
読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0106】図4は、本発明の好ましい実施態様にかか
る蓄積性蛍光体シートの露光方法に使用される蓄積性蛍
光体シートの略斜視図であり、図5は、その略部分断面
図である。
【0107】図4および図5に示されるように、本実施
態様にかかる蓄積性蛍光体シート10は、多数の略円形
の貫通孔12が規則的に形成され、その表面が黒色に着
色されたニッケル製の支持体11を備え、支持体11の
形成された多数の貫通孔12内に、輝尽性蛍光体が埋め
込まれて、多数の輝尽性蛍光体層領域15が、ドット状
に形成されている。
【0108】多数の貫通孔12は、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4と同一の
パターンで、支持体11に形成され、それぞれ、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領
域4と同じサイズを有している。
【0109】したがって、図4には、正確に示されてい
ないが、本実施態様においては、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性
蛍光体層領域15が、約5000個/平方センチメート
ルの密度で、かつ、規則的なパターンで、蓄積性蛍光体
シート10の支持体11に、ドット状に形成されてい
る。
【0110】また、図5に示されるように、本実施態様
においては、支持体11の表面と、ドット状に形成され
た輝尽性蛍光体層領域15の表面とが同一の高さに位置
するように、支持体11に形成された貫通孔12に、輝
尽性蛍光体が埋め込まれて、蓄積性蛍光体シート10が
形成されている図6は、生化学解析用ユニット1に形成
された多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質に
よって、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のド
ット状の輝尽性蛍光体層領域15を露光する方法を示す
略断面図である。
【0111】図6に示されるように、露光にあたって、
生化学解析用ユニット1が、放射線を反射する性質を有
する反射板18上に載置され、生化学解析用ユニット1
上に、生化学解析用ユニット1に形成された各吸着性領
域4と、蓄積性蛍光体シート10に形成された対応する
ドット状の輝尽性蛍光体層領域15とが対向するよう
に、蓄積性蛍光体シート10が重ね合わされ、さらに、
蓄積性蛍光体シート10上に、放射線を反射する性質を
有する反射板20が重ね合わされる。
【0112】本実施態様においては、反射板18および
反射板20は、銅によって形成されている。
【0113】ここに、生化学解析用ユニット1は、アル
ミニウム製の基板2に形成された多数の貫通孔3内に、
ナイロン6が充填されて、形成されているので、ハイブ
リダイゼーションなど、液体による処理を受けても、ほ
とんど伸縮することがなく、したがって、生化学解析用
ユニット1に形成された多数の吸着性領域4が、蓄積性
蛍光体シート10に形成された多数のドット状の輝尽性
蛍光体層領域15に、正確に対向するように、蓄積性蛍
光体シート10と生化学解析用ユニット1とを、容易に
かつ確実に重ね合わせて、ドット状輝尽性蛍光体層領域
15を露光することが可能になる。
【0114】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート10に形成された多数のドット状の輝尽性
蛍光体層領域15の各々と、生化学解析用ユニット1に
形成された多数の吸着性領域4とを対向させることによ
って、吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドット
状輝尽性蛍光体層領域15が露光される。
【0115】この際、吸着性領域4に吸着されている放
射性標識物質から電子線が発せられるが、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4は、アルミニウムによって形
成された基板2に、互いに離間して、ドット状に形成さ
れ、各吸着性領域4の周囲には、放射線を減衰させる性
質を有するアルミニウムが存在しており、さらに、蓄積
性蛍光体シート10の多数のドット状の輝尽性蛍光体層
領域15が、放射線を減衰させる性質を有するニッケル
製の支持体11に形成された複数の貫通孔12内に、輝
尽性蛍光体11を埋め込んで、形成され、各輝尽性蛍光
体層領域15の周囲には、放射線を減衰させる性質を有
するニッケル製の支持体11が存在しているから、吸着
性領域4に含まれている放射性標識物質から発せられた
電子線が散乱することを確実に防止することができ、し
たがって、吸着性領域4に含まれている放射性標識物質
から発せられた電子線はすべて、その吸着性領域4に対
向する輝尽性蛍光体層領域15に入射し、隣り合う吸着
性領域4から放出される電子線によって露光されるべき
輝尽性蛍光体層領域15に入射して、露光することを確
実に防止することができる。
【0116】さらに、吸着性領域4に吸着されている放
射性標識物質からは、蓄積性蛍光体シート90とは反対
側にも電子線が放出されるから、通常、放射性標識物質
から放出される電子線の約1/2は、蓄積性蛍光体シー
ト10の輝尽性蛍光体層領域15には入射せず、したが
って、露光後の輝尽性蛍光体層領域15に、励起光を照
射して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出
された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用データ
を生成するときに、十分に高い感度で、輝尽光を検出す
ることはできない。
【0117】しかるに、本実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート10とは反対側の生化学解析用ユニット1
の面には、放射線を反射する性質を有する銅によって形
成された反射板18が重ね合わされているから、吸着性
領域4に含まれた放射性標識物質から、反射板18に向
けて放出された電子線は、反射板18によって反射さ
れ、吸着性領域4を通過して、吸着性領域4に対向して
いる輝尽性蛍光体層領域15に入射して、輝尽性蛍光体
層領域15を露光し、したがって、露光後の輝尽性蛍光
体層領域15に、励起光を照射して、輝尽性蛍光体を励
起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検
出して、生化学解析用データを生成するときに、十分に
高い感度で、輝尽光を検出することが可能になる。
【0118】さらに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1とは反対側の蓄積性蛍光体シート10の
面には、放射線を反射する性質を有する銅によって形成
された反射板20が重ね合わされているから、生化学解
析用ユニット1の吸着性領域4に含まれた放射性標識物
質から放出され、対向する輝尽性蛍光体層領域15に入
射し、輝尽性蛍光体層領域15を通過した電子線は、反
射板20によって反射され、再度、輝尽性蛍光体層領域
15に入射して、輝尽性蛍光体層領域15を露光し、し
たがって、露光後の輝尽性蛍光体層領域15に、励起光
を照射して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から
放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用デ
ータを生成するときに、十分に高い感度で、輝尽光を検
出することが可能になる。
【0119】また、生化学解析用ユニット1と蓄積性蛍
光体シート10は、銅によって形成された反射板18お
よび反射板20によって、サンドウィッチされた状態
で、露光操作がなされるから、外部からの放射線も、反
射板18および反射板20によって減衰され、したがっ
て、環境放射線、その他の放射線により、蓄積性蛍光体
シート10の輝尽性蛍光体層領域15が露光され、露光
後の輝尽性蛍光体層領域15に、励起光を照射して、輝
尽性蛍光体層領域15に含まれている輝尽性蛍光体を励
起し、放出された輝尽光を光電的に検出して得た生化学
解析用データ中にノイズが生成されることを、効果的に
防止することが可能になる。
【0120】さらに、反射板20によって、蓄積性蛍光
体シート10を押圧して、蓄積性蛍光体シート10と生
化学解析用ユニット1とを密着させることにより、各吸
着性領域4に含まれた放射性標識物質から放出される電
子線が、隣り合う吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体
層領域15に入射することを、効果的に防止することが
可能になる。
【0121】したがって、蓄積性蛍光体シート10に形
成された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域15を、生
化学解析用ユニット1の対応する吸着性領域4に含まれ
た放射性標識物質のみによって、確実に、かつ、大量の
電子線によって、露光することが可能になる。
【0122】こうして、蓄積性蛍光体シート10に形成
された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域15に、放射
性標識物質の放射線データが記録される。
【0123】図7は、蓄積性蛍光体シート10に形成さ
れた多数のドット状輝尽性蛍光体層領域15に記録され
た放射性標識物質の放射線データおよび生化学解析用ユ
ニット1の多数の吸着性領域4に記録された蛍光色素な
どの蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生
成するスキャナの一例を示す略斜視図であり、図7は、
フォトマルチプライア近傍のスキャナの詳細を示す略斜
視図である。
【0124】図7に示されるスキャナは、蓄積性蛍光体
シート10に形成された多数のドット状輝尽性蛍光体層
領域15に記録された放射性標識物質の放射線データお
よび生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記
録された蛍光色素などの蛍光データを読み取り可能に構
成されており、640nmの波長のレーザ光24を発す
る第1のレーザ励起光源21と、532nmの波長のレ
ーザ光24を発する第2のレーザ励起光源22と、47
3nmの波長のレーザ光24を発する第3のレーザ励起
光源23とを備えている。本実施態様においては、第1
のレーザ励起光源21は、半導体レーザ光源により構成
され、第2のレーザ励起光源22および第3のレーザ励
起光源23は、第二高調波生成(Second Harmonic Gene
ration)素子によって構成されている。
【0125】第1のレーザ励起光源21により発生され
たレーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平
行光とされた後、ミラー26によって反射される。第1
のレーザ励起光源21から発せられ、ミラー26によっ
て反射されたレーザ光24の光路には、640nmのレ
ーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する第
1のダイクロイックミラー27および532nm以上の
波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第
2のダイクロイックミラー28が設けられており、第1
のレーザ励起光源21により発生されたレーザ光24
は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダイ
クロイックミラー28を透過して、ミラー29に入射す
る。
【0126】他方、第2のレーザ励起光源22より発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ30により、
平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に
よって反射されて、その向きが90度変えられて、第2
のダイクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入
射する。
【0127】また、第3のレーザ励起光源23から発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ31によっ
て、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー2
8により反射されて、その向きが90度変えられた後、
ミラー29に入射する。
【0128】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射され、さらに、ミラー32に入射
して、反射される。
【0129】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4の光路には、中央部に穴33が形成された凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34が配置されてお
り、ミラー32によって反射されたレーザ光24は、穴
開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラー38に
入射する。
【0130】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0131】光学ヘッド35は、ミラー36と、非球面
レンズ37を備えており、光学ヘッド35に入射したレ
ーザ光24は、ミラー36によって反射されて、非球面
レンズ37によって、ステージ40のガラス板41上に
載置された蓄積性蛍光体シート10あるいは生化学解析
用ユニット1に入射する。図7においては、生化学解析
用ユニット1が、吸着性領域4が形成された側が、下方
を向くように、ステージ40のガラス板41上に載置さ
れている。
【0132】蓄積性蛍光体シート10に形成されたドッ
ト状輝尽性蛍光体層領域15に、レーザ光24が入射す
ると、蓄積性蛍光体シート10に形成されたドット状輝
尽性蛍光体層領域15に含まれている輝尽性蛍光体が励
起されて、輝尽光45が発せられ、生化学解析用ユニッ
ト1にレーザ光24が入射すると、生化学解析用ユニッ
ト1に形成された吸着性領域4に含まれている蛍光色素
などが励起されて、蛍光45が放出される。
【0133】蓄積性蛍光体シート10に形成されたドッ
ト状輝尽性蛍光体層領域15から放出された輝尽光45
あるいは生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領
域4から放出された蛍光45は、光学ヘッド35に設け
られた非球面レンズ37によって、ミラー36に集光さ
れ、ミラー36によって、レーザ光24の光路と同じ側
に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射
する。
【0134】凹面ミラー38に入射した輝尽光45ある
いは蛍光45は、凹面ミラー38によって反射されて、
穴開きミラー34に入射する。
【0135】穴開きミラー34に入射した輝尽光45あ
るいは蛍光45は、図7に示されるように、凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34によって、下方に
反射されて、フィルタユニット48に入射し、所定の波
長の光がカットされて、フォトマルチプライア50に入
射し、光電的に検出される。
【0136】図8に示されるように、フィルタユニット
48は、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、
51dを備えており、フィルタユニット48は、モータ
(図示せず)によって、図8において、左右方向に移動
可能に構成されている。
【0137】図9は、図8のA−A線に沿った略断面図
である。
【0138】図9に示されるように、フィルタ部材51
aはフィルタ52aを備え、フィルタ52aは、第1の
レーザ励起光源21を用いて、生化学解析用ユニット1
に形成された吸着性領域4に含まれている蛍光色素など
の蛍光物質を励起して、蛍光45を読み取るときに使用
されるフィルタ部材であり、640nmの波長の光をカ
ットし、640nmよりも波長の長い光を透過する性質
を有している。
【0139】図10は、図8のB−B線に沿った略断面
図である。
【0140】図10に示されるように、フィルタ部材5
1bはフィルタ52bを備え、フィルタ52bは、第2
のレーザ励起光源22を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された吸着性領域4に含まれている蛍光色素な
どの蛍光物質を励起して、蛍光45を読み取るときに使
用されるフィルタ部材であり、532nmの波長の光を
カットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性
質を有している。
【0141】図11は、図8のC−C線に沿った略断面
図である。
【0142】図11に示されるように、フィルタ部材5
1cはフィルタ52cを備え、フィルタ52cは、第3
のレーザ励起光源23を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された吸着性領域4に含まれている蛍光色素な
どの蛍光物質を励起して、蛍光45を読み取るときに使
用されるフィルタ部材であり、473nmの波長の光を
カットし、473nmよりも波長の長い光を透過する性
質を有している。
【0143】図12は、図8のD−D線に沿った略断面
図である。
【0144】図12に示されるように、フィルタ部材5
1dはフィルタ52dを備え、フィルタ52dは、第1
のレーザ励起光源21を用いて、蓄積性蛍光体シート1
0に形成されたドット状輝尽性蛍光体層領域15に含ま
れた輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体層12から発
せられた輝尽光45を読み取るときに使用されるフィル
タであり、輝尽性蛍光体層領域15から放出される輝尽
光の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光を
カットする性質を有している。
【0145】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタ部材51a、51b、51c、51d
を選択的にフォトマルチプライア50の前面に位置させ
ることによって、フォトマルチプライア50は、検出す
べき光のみを光電的に検出することができる。
【0146】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換され、デー
タ処理装置54に送られる。
【0147】図7には図示されていないが、光学ヘッド
35は、走査機構によって、図7において、X方向およ
びY方向に移動可能に構成され、蓄積性蛍光体シート1
0に形成されたすべてのドット状輝尽性蛍光体層領域1
5あるいは生化学解析用ユニット1の全面が、レーザ光
24によって走査されるように構成されている。
【0148】図13は、光学ヘッドの走査機構の略平面
図である。図13においては、簡易化のため、光学ヘッ
ド35を除く光学系ならびにレーザ光24および輝尽光
45あるいは蛍光45の光路は省略されている。
【0149】図13に示されるように、光学ヘッド35
を走査する走査機構は、基板60を備え、基板60上に
は、副走査パルスモータ61と一対のレール62、62
とが固定され、基板60上には、さらに、図13におい
て、矢印Yで示された副走査方向に、移動可能な基板6
3とが設けられている。
【0150】移動可能な基板63には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ61によって回転されるねじが切られた
ロッド64が係合している。
【0151】移動可能な基板63上には、主走査ステッ
ピングモータ65が設けられ、主走査ステッピングモー
タ65は、エンドレスベルト66を、生化学解析用ユニ
ット1に形成された隣り合う吸着性領域4間の距離に等
しいピッチで、したがって、蓄積性蛍光体シート10の
支持体11に形成された隣り合う輝尽性蛍光体層領域1
5間の距離に等しいピッチで、間欠的に駆動可能に構成
されている。光学ヘッド35は、エンドレスベルト66
に固定されており、主走査ステッピングモータ65によ
って、エンドレスベルト66が駆動されると、図13に
おいて、矢印Xで示された主走査方向に移動されるよう
に構成されている。
【0152】図13において、67は、光学ヘッド35
の主走査方向における位置を検出するリニアエンコーダ
であり、68は、リニアエンコーダ67のスリットであ
る。
【0153】したがって、主走査ステッピングモータ6
5によって、エンドレスベルト66が、主走査方向に駆
動され、1ラインの走査が完了すると、副走査パルスモ
ータ61によって、基板63が、副走査方向に間欠的に
移動されることによって、光学ヘッド35は、図13に
おいて、X−Y方向に移動され、レーザ光24によっ
て、蓄積性蛍光体シート10に形成されたすべてのドッ
ト状輝尽性蛍光体層領域15あるいは生化学解析用ユニ
ット1の全面が走査される。
【0154】図14は、図7に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【0155】図14に示されるように、スキャナの制御
系は、スキャナ全体を制御するコントロールユニット7
0を備えており、また、スキャナの入力系は、オペレー
タによって操作され、種々の指示信号を入力可能なキー
ボード71を備えている。
【0156】図14に示されるように、スキャナの駆動
系は、光学ヘッド35を主走査方向に間欠的に移動させ
る主走査ステッピングモータ65と、光学ヘッド35を
副走査方向に間欠的に移動させる副走査パルスモータ6
1と、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、5
1dを備えたフィルタユニット48を移動させるフィル
タユニットモータ72を備えている。
【0157】コントロールユニット70は、第1のレー
ザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3
のレーザ励起光源23に選択的に駆動信号を出力すると
ともに、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力
可能に構成されている。
【0158】また、図14に示されるように、スキャナ
の検出系は、フォトマルチプライア50と、光学ヘッド
35の主走査方向における位置を検出するリニアエンコ
ーダ67を備えている。
【0159】本実施態様においては、コントロールユニ
ット70は、リニアエンコーダ67から入力される光学
ヘッド35の位置検出信号にしたがって、第1のレーザ
励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3の
レーザ励起光源23をオン・オフ制御可能に構成されて
いる。
【0160】以上のように構成されたスキャナは、以下
のようにして、生化学解析用ユニット1に形成された多
数の吸着性領域4に含まれている放射性標識物質によ
り、多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域15が露光さ
れて、蓄積性蛍光体シート10に記録された放射性標識
物質の放射線データを読み取って、生化学解析用データ
を生成する。
【0161】まず、多数のドット状の輝尽性蛍光体層領
域15がガラス板41の表面に接するように、蓄積性蛍
光体シート10が、ステージ40のガラス板41上に載
置される。
【0162】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域15を、レーザ光24によっ
て走査する旨の指示信号が入力される。
【0163】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニット4
8を移動させ、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光45
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有するフィルタ52dを備えたフィルタ
部材51dを、輝尽光45の光路内に位置させる。
【0164】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基づい
て、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドット
状の輝尽性蛍光体層領域15のうち、第1のドット状の
輝尽性蛍光体層領域15に、レーザ光24を照射可能な
位置に、光学ヘッド35が達したことが確認されると、
主走査ステッピングモータ65に停止信号を出力すると
ともに、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力し
て、第1のレーザ励起光源21を起動させ、640nm
の波長のレーザ光24を発せさせる。
【0165】第1のレーザ励起光源21から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平行
な光とされた後、ミラー26に入射して、反射される。
【0166】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0167】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0168】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0169】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0170】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄積
性蛍光体シート10の第1のドット状の輝尽性蛍光体層
領域15に集光される。
【0171】その結果、蓄積性蛍光体シート10に形成
された第1のドット状の輝尽性蛍光体層領域15に含ま
れる輝尽性蛍光体が、レーザ光24によって励起され
て、第1の輝尽性蛍光体層領域15から輝尽光45が放
出される。
【0172】本実施態様においては、蓄積性蛍光体シー
ト10は、その表面が黒色に着色された支持体11の複
数の貫通孔12に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、形成
されているから、レーザ光24が、輝尽性蛍光体層領域
15が形成されていない支持体11の表面に入射した場
合にも、レーザ光24は支持体11に吸収され、支持体
11の表面によって反射されることが効果的に防止され
ている。
【0173】第1のドット状の輝尽性蛍光体領域15か
ら放出された輝尽光45は、光学ヘッド35に設けられ
た非球面レンズ37によって集光され、ミラー36によ
り、レーザ光24の光路と同じ側に反射され、平行な光
とされて、凹面ミラー38に入射する。
【0174】凹面ミラー38に入射した輝尽光45は、
凹面ミラー38によって反射されて、穴開きミラー34
に入射する。
【0175】穴開きミラー34に入射した輝尽光45
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34に
よって、図7に示されるように、下方に反射され、フィ
ルタユニット48のフィルタ52dに入射する。
【0176】フィルタ52dは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光45の波長域の光のみを透過し、640n
mの波長の光をカットする性質を有しているので、励起
光である640nmの波長の光がカットされ、ドット状
の輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽光45の
波長域の光のみがフィルタ52dを透過して、フォトマ
ルチプライア50によって、光電的に検出される。
【0177】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器53に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置54に出力される。
【0178】第1のレーザ励起光源21がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第1のレーザ励起光源21に
駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、蓄積
性蛍光体シート10に形成された隣り合うドット状の輝
尽性蛍光体層領域15間の距離に等しいピッチだけ、移
動させる。
【0179】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層領域15間の距
離に等しい1ピッチだけ移動されて、第1のレーザ励起
光源21から発せられるレーザ光24を、蓄積性蛍光体
シート10に形成された第2のドット状の輝尽性蛍光体
層領域15に照射可能な位置に移動したことが確認され
ると、コントロールユニット70は、第1のレーザ励起
光源21に駆動信号を出力して、第1のレーザ励起光源
21をオンさせて、レーザ光24によって、蓄積性蛍光
体シート10に形成された第2のドット状の輝尽性蛍光
体層領域15に含まれている輝尽性蛍光体を励起する。
【0180】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、蓄積性蛍光体シート10に形成された第2の
ドット状の輝尽性蛍光体層領域12に照射され、第2の
輝尽性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性蛍光体が
励起され、第2の輝尽性蛍光体層領域12から放出され
た輝尽光45が、フォトマルチプライア50によって、
光電的に検出されて、アナログデータが生成されると、
コントロールユニット70は、第1のレーザ励起光源2
1にオフ信号を出力して、第1のレーザ励起光源21を
オフさせるとともに、主走査ステッピングモータ65
に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、隣り合う
ドット状の輝尽性蛍光体層領域12間の距離に等しい1
ピッチだけ、移動させる。
【0181】こうして、光学ヘッド35の間欠移動に同
期して、第1のレーザ励起光源21のオン・オフが繰り
返され、リニアエンコーダ67から入力された光学ヘッ
ド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35が、主
走査方向に1ライン分だけ、移動され、第1ライン目の
ドット状の輝尽性蛍光体層領域15のレーザ光24によ
る走査が完了したことが確認されると、コントロールユ
ニット70は、主走査ステッピングモータ65に駆動信
号を出力して、光学ヘッド35を元の位置に復帰させる
とともに、副走査パルスモータ61に駆動信号を出力し
て、移動可能な基板63を、副走査方向に、1ライン分
だけ、移動させる。
【0182】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、第1ライン目
のドット状の輝尽性蛍光体層領域15に、順次、第1の
レーザ励起光源21から発せられるレーザ光24を照射
したのと全く同様にして、第2ライン目のドット状の輝
尽性蛍光体層領域15に、順次、第1のレーザ励起光源
21から発せられるレーザ光24を照射して、ドット状
の輝尽性蛍光体層領域15に含まれている輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体層領域12から発せられた輝尽
光45を、順次、フォトマルチプライア50によって、
光電的に検出させる。
【0183】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置54に送られる。
【0184】こうして、蓄積性蛍光体シート10に形成
された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域15がすべ
て、第1のレーザ励起光源21から放出されたレーザ光
24によって走査され、多数のドット状の輝尽性蛍光体
層領域15に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、
放出された輝尽光45が、フォトマルチプライア50に
よって光電的に検出され、生成されたアナログデータ
が、A/D変換器53により、ディジタルデータに変換
されて、データ処理装置54に送られると、コントロー
ルユニット70から、駆動停止信号が、第1のレーザ励
起光源21に出力され、第1のレーザ励起光源21の駆
動が停止される。
【0185】一方、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域4に記録された蛍光物質の蛍光デー
タを読み取って、生化学解析用ディジタルデータを生成
するときは、まず、オペレータによって、生化学解析用
ユニット1が、ステージ40のガラス板41上にセット
される。
【0186】次いで、オペレータによって、キーボード
71に、標識物質である蛍光物質の種類を特定する指示
信号が入力されることによって、第1のレーザ励起光源
21、第2のレーザ励起光源22および第3のレーザ励
起光源23の中から、標識物質である蛍光物質を最も効
率的に励起することのできる波長のレーザ光24を発す
るレーザ励起光源が選択されるとともに、3つのフィル
タ部材51a、51b、51cの中から、蛍光物質を励
起するために用いるレーザ光24の波長の光をカット
し、励起光の波長よりも波長の長い光を透過する性質を
有するフィルタ部材が選択されて、レーザ光24によっ
て、生化学解析用ユニット1の全面が走査され、多数の
吸着性領域4に含まれている蛍光物質から放出された蛍
光45が、フォトマルチプライア50によって、光電的
に検出されて、アナログデータが生成され、A/D変換
器53によって、ディジタル化されて、生化学解析用の
ディジタルデータが生成される。
【0187】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の基板2は、アルミニウムによって形成
されているため、各吸着性領域4に含まれている蛍光物
質が励起されて、各吸着性領域から放出された蛍光45
が散乱して、隣り合う吸着性領域4から放出された蛍光
45と混ざり合うことを確実に防止するかことができる
から、蛍光45を光電的に検出して生成された生化学解
析用データ中に、蛍光45の散乱に起因するノイズが生
成されることを確実に防止することが可能になる。
【0188】本実施態様によれば、生化学解析用ユニッ
ト1にドット状に形成された多数の吸着性領域4に含ま
れている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート
10にドット状に形成された輝尽性蛍光体層領域15を
露光するとき、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4
は、放射線を減衰させる性質を有するアルミニウムによ
って形成された基板2に、互いに離間して、ドット状に
形成されており、さらに、蓄積性蛍光体シート10の多
数のドット状の輝尽性蛍光体層領域15が、支持体11
に形成された複数の貫通孔12内に、輝尽性蛍光体を埋
め込んで、形成され、各輝尽性蛍光体層領域15の周囲
には、放射線を減衰させる性質を有するニッケルによっ
て形成された支持体11が存在しているから、吸着性領
域4に含まれている放射性標識物質から発せられた電子
線が散乱することを確実に防止することができ、したが
って、吸着性領域4に含まれている放射性標識物質から
発せられた電子線はすべて、その吸着性領域4に対向す
る輝尽性蛍光体層領域15に入射し、隣り合う吸着性領
域4から放出される電子線によって露光されるべき輝尽
性蛍光体層領域15に入射して、露光することを確実に
防止することができるから、生化学解析用ユニット1
に、吸着性領域4を高密度に形成した場合においても、
露光された多数の輝尽性蛍光体層領域15を励起光によ
って走査し、複数の輝尽性蛍光体層領域15から放出さ
れた輝尽光を、高い分解能で、光電的に検出して、定量
性に優れた生化学解析用のデータを生成することが可能
になる。
【0189】また、本実施態様によれば、蓄積性蛍光体
シート10とは反対側の生化学解析用ユニット1の面に
は、放射線を反射する性質を有する銅によって形成され
た反射板18が重ね合わされているから、吸着性領域4
に含まれた放射性標識物質から、反射板18に向けて放
出された電子線は、反射板18によって反射され、吸着
性領域4を通過して、吸着性領域4に対向している輝尽
性蛍光体層領域15に入射して、輝尽性蛍光体層領域1
5を露光し、したがって、露光後の輝尽性蛍光体層領域
15に、励起光を照射して、輝尽性蛍光体を励起し、輝
尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、
生化学解析用データを生成するときに、十分に高い感度
で、輝尽光を検出することが可能になる。
【0190】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1とは反対側の蓄積性蛍光体シート10の面
には、放射線を反射する性質を有する銅によって形成さ
れた反射板20が重ね合わされているから、生化学解析
用ユニット1の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質
から放出され、対向する輝尽性蛍光体層領域15に入射
し、輝尽性蛍光体層領域15を通過した電子線は、反射
板20によって反射され、再度、輝尽性蛍光体層領域1
5に入射して、輝尽性蛍光体層領域15を露光し、した
がって、露光後の輝尽性蛍光体層領域15に、励起光を
照射して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放
出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用デー
タを生成するときに、十分に高い感度で、輝尽光を検出
することが可能になる。
【0191】また、本実施態様によれば、蓄積性蛍光体
シート10は、その表面が黒色に着色された支持体11
の複数の貫通孔12に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、
形成されているから、レーザ光24が、輝尽性蛍光体層
領域15が形成されていない支持体11の表面に入射し
た場合にも、レーザ光24は支持体11に吸収され、支
持体11の表面によって反射されることが効果的に防止
され、したがって、蓄積性蛍光体シート10によって反
射されたレーザ光24が、フォトマルチプライア50に
よって光電的に検出されることに起因するノイズが、生
化学解析用データ中に生成されることを効果的に防止す
ることが可能になる。
【0192】図15は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかる蓄積性蛍光体シートの露光方法に用いられる生
化学解析用ユニットの略斜視図であり、図16は、その
略部分断面図である。
【0193】図15および図16に示されるように、生
化学解析用ユニット80は、ナイロン6によって形成さ
れた吸着性膜82と、多数の略円形の貫通孔83が、規
則的なパターンにしたがって、ドット状に形成されたア
ルミニウム基板84を備え、吸着性膜82が、アルミニ
ウム基板84に形成された多数の貫通孔83内に圧入さ
れ、それにより、アルミニウム基板84に形成された多
数の貫通孔83に対応して、多数の吸着性領域85が、
ドット状に、規則的に形成されている。
【0194】吸着性膜82は、たとえば、カレンダー処
理装置または熱圧入処理装置によって、アルミニウム基
板84に形成された多数の貫通孔83内に圧入される。
【0195】吸着性膜82と、アルミニウム基板84と
は、接着剤86によって、強固に固定され、生化学解析
用ユニット80の耐久性の向上が図られている。
【0196】図15には正確に図示されていないが、約
20000の約0.05平方ミリメートルのサイズを有
する略円形の吸着性領域85が、約200個/平方セン
チメートルの密度で、規則的に、生化学解析用ユニット
80に形成されている。
【0197】図16に示されるように、吸着性領域85
の表面と、アルミニウム基板84の表面が同一の高さに
位置するように、吸着性膜82が、アルミニウム基板8
4に圧入されて、生化学解析用ユニット80が形成され
ている。
【0198】本実施態様においても、図1に示された生
化学解析用ユニット1と同様にして、スポッティング装
置によって、生化学解析用ユニット80に形成された多
数の吸着性領域85に、cDNAなどの特異的結合物質
が滴下されて、吸着される。
【0199】図15および図16に示された生化学解析
用ユニット80にあっては、吸着性領域85は、吸着性
膜82が、アルミニウム基板84に形成された多数の貫
通孔83内に圧入されて、形成されているから、隣り合
う吸着性領域85の間の吸着性膜82中の孔は、加圧に
よって消失しており、したがって、吸着性領域85内に
滴下された特異的結合物質が、吸着性領域85以外の吸
着性膜82の領域に浸透することが効果的に防止され、
吸着性領域85内に滴下された特異的結合物質は、吸着
性領域85にのみ吸着される。
【0200】さらに、図3に示されるように、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を
含むハイブリダイズ液9を収容したハイブリダイズ容器
8内に、生化学解析用ユニット80がセットされ、多数
の吸着性領域85に吸着されたcDNAなどの特異的結
合物質に、放射性標識物質によって標識され、ハイブリ
ダイズ液9に含まれた生体由来の物質および蛍光色素な
どの蛍光物質によって標識され、ハイブリダイズ液9に
含まれた生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズ
させる。
【0201】こうして、生化学解析用ユニット80に、
放射線データおよび蛍光データが記録される。
【0202】生化学解析用ユニット80に記録された蛍
光データは、前記実施態様と同様にして、図7ないし図
14に示されたスキャナにより、読み取られて、生化学
解析用データが生成される。
【0203】これに対して、生化学解析用ユニット80
に記録された放射性標識物質の放射線データは、蓄積性
蛍光体シートに転写される。
【0204】図17は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかる蓄積性蛍光体シートの略斜視図であり、図18
は、その略部分断面図である。
【0205】図17および図18に示されるように、本
実施態様にかかる蓄積性蛍光体シート90は、輝尽性蛍
光体膜91と、多数の略円形の貫通孔92が規則的に形
成され、その表面が青色に着色されたニッケル基板93
を備え、輝尽性蛍光体膜91が、ニッケル基板93に形
成された多数の貫通孔92に圧入され、それにより、ニ
ッケル基板93の多数の貫通孔92に対応する輝尽性蛍
光体膜91の位置に、多数の輝尽性蛍光体層領域95
が、ドット状に形成されている。
【0206】輝尽性蛍光体膜91は、たとえば、カレン
ダー処理装置や熱圧入処理装置を用いて、ニッケル基板
93に形成された多数の貫通孔92に圧入される。
【0207】ここに、ニッケル基板93の表面には、接
着剤96が塗布され、接着剤96を介して、ニッケル基
板93に、輝尽性蛍光体膜91が圧入されており、した
がって、輝尽性蛍光体膜91は、ニッケル基板93に強
固に一体化され、蓄積性蛍光体シート90の耐久性の向
上が図られている。
【0208】多数の貫通孔92は、生化学解析用ユニッ
ト80の吸着性膜82に形成された多数の吸着性領域8
5と同一のパターンで、ニッケル基板93に形成され、
それぞれ、生化学解析用ユニット80の吸着性膜82に
形成された多数の吸着性領域85と同じサイズを有して
いる。
【0209】したがって、図17には、正確に示されて
いないが、本実施態様においては、約20000の約
0.05平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝
尽性蛍光体層領域95が、約200個/平方センチメー
トルの密度で、かつ、規則的なパターンで、蓄積性蛍光
体シート90に、ドット状に形成されている。
【0210】また、図18に示されるように、本実施態
様においては、ニッケル基板93の表面が、ドット状に
形成された輝尽性蛍光体層領域95の表面と同じ高さに
位置するように、ニッケル基板93に、輝尽性蛍光体膜
91が圧入されて、蓄積性蛍光体シート90が形成され
ている。
【0211】蓄積性蛍光体シート90は、たとえば、以
下のようにして、作製される。
【0212】離型剤が塗布されたフイルムベースの表面
に、輝尽性蛍光体をバインダに混合した溶液が塗布さ
れ、乾燥後、フイルムベースを剥離して、自己支持能力
を有する輝尽性蛍光体膜91を形成する。
【0213】次いで、生化学解析用ユニット80に形成
された多数の吸着性領域85と同一のパターンで、多数
の貫通孔92が形成されたニッケル基板93上に、接着
剤96を塗布した後、得られた輝尽性蛍光体膜91を、
接着剤96の層上に、重ね合わせて、カレンダー処理装
置によって、加圧する。
【0214】図19は、生化学解析用ユニット80に形
成された多数の吸着性領域85に含まれた放射性標識物
質によって、蓄積性蛍光体シート90に形成された多数
のドット状の輝尽性蛍光体層領域95を露光する方法を
示す略断面図である。
【0215】図19に示されるように、ドット状の輝尽
性蛍光体層領域95の露光にあたって、生化学解析用ユ
ニット80が、放射線を反射する性質を有する銅によっ
て形成された反射板98上に載置され、生化学解析用ユ
ニット80上に、生化学解析用ユニット80に形成され
た各吸着性領域85と、蓄積性蛍光体シート90に形成
された対応するドット状の輝尽性蛍光体層領域95とが
互いに対向するように、蓄積性蛍光体シート90が重ね
合わされる。
【0216】ここに、生化学解析用ユニット80は、ア
ルミニウム基板84に形成された多数の貫通孔83内
に、ナイロン6によって形成された吸着性膜82が圧入
されて、形成されているので、ハイブリダイゼーション
など、液体による処理を受けても、ほとんど伸縮するこ
とがなく、したがって、生化学解析用ユニット80に形
成された多数の吸着性領域85が、蓄積性蛍光体シート
90に形成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域
95に、正確に対向するように、蓄積性蛍光体シート9
0と生化学解析用ユニット80とを、容易にかつ確実に
重ね合わせて、ドット状輝尽性蛍光体層領域95を露光
することが可能になる。
【0217】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート90に形成された多数のドット状の輝尽性
蛍光体層領域95の各々と、生化学解析用ユニット80
に形成された多数の吸着性領域85とを対向させること
によって、吸着性領域85に含まれた放射性標識物質に
よって、蓄積性蛍光体シート90に形成された多数のド
ット状輝尽性蛍光体層領域95が露光される。
【0218】この際、吸着性領域85に吸着されている
放射性標識物質から電子線が発せられるが、生化学解析
用ユニット80の吸着性領域85は、アルミニウム基板
84に形成された多数の貫通孔83内に、吸着性膜82
が圧入されて、互いに離間して、ドット状に形成され、
各吸着性領域85の周囲には、放射線を減衰させる性質
を有するアルミニウム基板84が存在しており、さら
に、蓄積性蛍光体シート90の多数のドット状の輝尽性
蛍光体層領域95が、ニッケル基板93に形成された多
数の貫通孔92に、輝尽性蛍光体膜91が圧入されて、
形成され、各輝尽性蛍光体層領域95の周囲には、放射
線を減衰させる性質を有するニッケル基板93が存在し
ているから、吸着性領域85に含まれている放射性標識
物質から発せられた電子線が散乱することを確実に防止
することができ、したがって、吸着性領域85に含まれ
ている放射性標識物質から発せられた電子線はすべて、
その吸着性領域85に対向する輝尽性蛍光体層領域95
に入射し、隣り合う吸着性領域85から放出される電子
線によって露光されるべき輝尽性蛍光体層領域95に入
射して、露光することを確実に防止することができる。
【0219】また、吸着性領域85に吸着されている放
射性標識物質からは、蓄積性蛍光体シート90とは反対
側にも電子線が放出されるから、通常、放射性標識物質
から放出された電子線の約1/2は、蓄積性蛍光体シー
ト90の輝尽性蛍光体層領域95には入射せず、したが
って、露光後の輝尽性蛍光体層領域95に、励起光を照
射して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出
された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用データ
を生成するときに、十分に高い感度で、輝尽光を検出す
ることはできない。
【0220】しかるに、本実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート90とは反対側の生化学解析用ユニット8
0の面には、放射線を反射する性質を有する銅によって
形成された反射板98が重ね合わされているから、吸着
性領域85に含まれた放射性標識物質から、反射板98
に向けて放出された電子線は、反射板98によって反射
され、吸着性領域85を通過して、吸着性領域85に対
向している輝尽性蛍光体層領域95に入射して、輝尽性
蛍光体層領域95を露光し、したがって、露光後の輝尽
性蛍光体層領域95に、励起光を照射して、輝尽性蛍光
体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電
的に検出して、生化学解析用データを生成するときに、
十分に高い感度で、輝尽光を検出することが可能にな
る。
【0221】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット80は、ナイロン6によって形成された吸
着性膜82が、アルミニウム基板84に形成された多数
の貫通孔83内に圧入されて、形成されているから、隣
り合う吸着性領域85の反射板98に対向する部分は、
吸着性膜82によって、互いに接続され、多数の吸着性
領域85は完全に分離されてはいないが、隣り合う吸着
性領域85を接続している吸着性膜82の部分は、吸着
性膜82が圧入される際に、高い圧力を受け、きわめて
高密度化されているため、隣り合う吸着性領域85を接
続している吸着性膜82を通って、電子線が、隣り合う
吸着性領域85に入射するおそれはきわめて小さく、各
吸着性領域85から、反射板98に向けて、放出された
電子線のほとんどを、反射板98によって、反射するこ
とができる。
【0222】こうして、蓄積性蛍光体シート90に形成
された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域95に、放射
性標識物質の放射線データが記録され、多数のドット状
の輝尽性蛍光体層領域95に記録された放射線データ
は、前記実施態様と全く同様にして、図8ないし図15
に示されたスキャナによって、読み取られ、生化学解析
用データが生成される。
【0223】本実施態様によれば、生化学解析用ユニッ
ト1にドット状に形成された多数の吸着性領域85に含
まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シー
ト90にドット状に形成された輝尽性蛍光体層領域95
を露光するとき、生化学解析用ユニット80の吸着性領
域85は、アルミニウム基板84に、吸着性膜82が圧
入されて形成され、各吸着性領域85の周囲には、放射
線を減衰させる性質を有するアルミニウム基板84が存
在しており、さらに、蓄積性蛍光体シート90の多数の
ドット状の輝尽性蛍光体層領域95が、ニッケル基板9
3に形成された複数の貫通孔92内に、輝尽性蛍光体膜
91を圧入して形成され、各輝尽性蛍光体層領域95の
周囲には、放射線を減衰させる性質を有するニッケル基
板93が存在しているから、吸着性領域85に含まれて
いる放射性標識物質から発せられた電子線が散乱するこ
とを確実に防止することができ、したがって、吸着性領
域85に含まれている放射性標識物質から発せられた電
子線はすべて、その吸着性領域85に対向する輝尽性蛍
光体層領域95に入射し、隣り合う吸着性領域85から
放出される電子線によって露光されるべき輝尽性蛍光体
層領域95に入射して、露光することを確実に防止する
ことができるから、生化学解析用ユニット80に、吸着
性領域85を高密度に形成した場合においても、露光さ
れた多数の輝尽性蛍光体層領域95を励起光によって走
査し、複数の輝尽性蛍光体層領域95から放出された輝
尽光を、高い分解能で、光電的に検出して、定量性に優
れた生化学解析用のデータを生成することが可能にな
る。
【0224】さらに、本実施態様によれば、蓄積性蛍光
体シート90とは反対側の生化学解析用ユニット80の
面には、放射線を反射する性質を有する銅によって形成
された反射板98が重ね合わされているから、吸着性領
域85に含まれた放射性標識物質から、反射板98に向
けて放出された電子線は、反射板98によって反射さ
れ、吸着性領域85を通過して、吸着性領域85に対向
している輝尽性蛍光体層領域95に入射して、輝尽性蛍
光体層領域95を露光し、したがって、露光後の輝尽性
蛍光体層領域95に、励起光を照射して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、生化学解析用データを生成するときに、十
分に高い感度で、輝尽光を検出することが可能になる。
【0225】また、本実施態様によれば、蓄積性蛍光体
シート90は、その表面が、640nmの波長のレーザ
光24を吸収する青色に着色されたニッケル基板93の
複数の貫通孔92に、輝尽性蛍光体膜91が圧入されて
形成されているから、レーザ光24が、輝尽性蛍光体層
領域95が形成されていないニッケル基板93の表面に
入射した場合にも、レーザ光24はニッケル基板93に
吸収され、レーザ光24が、ニッケル基板93の表面に
よって反射されることを効果的に防止することができ、
したがって、蓄積性蛍光体シート90によって反射され
たレーザ光24が、フォトマルチプライア50によって
光電的に検出されることに起因するノイズが、生化学解
析用データ中に生成されることを効果的に防止すること
が可能になる。
【0226】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット80の多数の吸着性領域85は、アルミニウ
ム基板84に規則的に形成された多数の貫通孔83内
に、吸着性膜82を圧入することにより、形成されるか
ら、きわめて簡易に、規則的なドット状のパターンで、
多数の吸着性領域85が形成された生化学解析用ユニッ
ト80を作製することが可能になる。
【0227】また、本実施態様によれば、蓄積性蛍光体
シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域95は、輝尽性
蛍光体膜91を、生化学解析用ユニット80に形成され
た多数の吸着性領域85と同じ規則的なパターンで、ニ
ッケル基板93に形成された多数の貫通孔92内に圧入
することにより、作製されるから、きわめて簡易に、規
則的なドット状のパターンで、多数の輝尽性蛍光体層領
域95が形成された蓄積性蛍光体シート90を作製する
ことが可能になる。
【0228】図20は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかる蓄積性蛍光体シートの露光方法に用いられる生
化学解析用ユニットの略斜視図であり、図21は、その
部分断面図である。
【0229】図20および図21に示されるように、本
実施態様にかかる生化学解析用ユニット100は、アル
ミニウムによって形成され、多数の略円形の貫通孔10
3が高密度に形成された基板102を備えている。
【0230】図20および図21に示されるように、多
数の貫通孔103の内壁面103aには、それぞれ、メ
ンブレンフィルタを形成可能なニトロセルロースによっ
て、層状の吸着性領域104が形成されている。
【0231】図20には、正確に示されていないが、本
実施態様においては、約10000の約0.01平方ミ
リメートルのサイズを有する貫通孔103が、約500
0個/平方センチメートルの密度で、規則的に、基板1
02に形成されている。
【0232】本実施態様においても、図1に示された生
化学解析用ユニット1と同様にして、スポッティング装
置5によって、生化学解析用ユニット100に形成され
た多数の吸着性領域104に、cDNAなどの特異的結
合物質が滴下されて、吸着される。
【0233】さらに、図3に示されるように、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を
含むハイブリダイズ液9を収容したハイブリダイズ容器
8内に、生化学解析用ユニット100がセットされ、多
数の吸着性領域104に吸着されたcDNAなどの特異
的結合物質に、放射性標識物質によって標識され、ハイ
ブリダイズ液9に含まれた生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識され、ハイブリダイズ液
9に含まれた生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダ
イズさせる。
【0234】こうして、生化学解析用ユニット100
に、放射線データおよび蛍光データが記録される。
【0235】生化学解析用ユニット100に記録された
蛍光データは、前記実施態様と同様にして、図7ないし
図14に示されたスキャナにより、読み取られて、生化
学解析用データが生成される。
【0236】これに対して、生化学解析用ユニット10
0に記録された放射性標識物質の放射線データは、蓄積
性蛍光体シートに転写される。
【0237】図22は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかる蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【0238】図22に示されるように、本実施態様にか
かる蓄積性蛍光体シート110は、ステンレスによって
形成された支持体111を備え、支持体111の表面
に、生化学解析用ユニット100に形成された吸着性領
域104と同じ規則的なパターンで、略円形の輝尽性蛍
光体層領域112が、ドット状に形成されている。
【0239】輝尽性蛍光体層領域112は、それぞれ、
対応する吸着性領域104と近接した状態で、貫通孔1
03内に収容されるように、生化学解析用ユニット10
0の貫通孔103の内壁面に形成された吸着性領域10
4の内径よりもわずかに小さい径を有している。
【0240】図23は、生化学解析用ユニット100に
形成された多数の吸着性領域104に含まれた放射性標
識物質によって、蓄積性蛍光体シート110に形成され
た対応するドット状の輝尽性蛍光体層領域112を露光
する方法を示す略断面図である。
【0241】図23に示されるように、ドット状の輝尽
性蛍光体層領域112の露光にあたっては、生化学解析
用ユニット100が、銅によって形成され、放射線を反
射する性質を有する反射板118上に載置され、生化学
解析用ユニット100上に、蓄積性蛍光体シート110
が、蓄積性蛍光体シート110に形成された多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域112が、生化学解析用ユニ
ット100に形成された対応する貫通孔103内に収容
されるように、重ね合わされる。
【0242】本実施態様においても、生化学解析用ユニ
ット100は、アルミニウム製の基板102に形成され
た多数の略円形の貫通孔103の内壁面103aに、層
状の吸着性領域104を形成して、形成されているの
で、ハイブリダイゼーションなど、液体による処理を受
けても、ほとんど伸縮することがなく、したがって、蓄
積性蛍光体シート110に形成された多数のドット状の
輝尽性蛍光体層領域112が、生化学解析用ユニット1
00に形成された対応する貫通孔103内に収容される
ように、正確に、蓄積性蛍光体シート110と生化学解
析用ユニット100とを重ね合わせて、ドット状輝尽性
蛍光体層領域112を露光することが可能になる。
【0243】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート110の支持体111表面に形成された各
輝尽性蛍光体層領域112を、生化学解析用ユニット1
00の対向する貫通孔103の内壁面103aに形成さ
れた吸着性領域104と、近接した状態で保持すること
によって、吸着性領域104に含まれた放射性標識物質
によって、蓄積性蛍光体シート110に形成された多数
のドット状輝尽性蛍光体層領域112が露光される。
【0244】この際、吸着性領域104に吸着されてい
る放射性標識物質から電子線が発せられるが、生化学解
析用ユニット100の吸着性領域104は、アルミニウ
ム製の基板102に形成された多数の略円形の貫通孔1
03の内壁面103aに形成され、各吸着性領域104
の周囲には、放射線を減衰させる性質を有するアルミニ
ウム製の基板102が存在しており、さらに、蓄積性蛍
光体シート100の多数のドット状の輝尽性蛍光体層領
域112は、ステンレス製の支持体111の表面上に形
成され、各輝尽性蛍光体層領域112の周囲には、放射
線を減衰させる性質を有するステンレス製の支持体11
1が存在しているから、生化学解析用ユニット100に
形成された吸着性領域104に含まれている放射性標識
物質から発せられた電子線が散乱することを確実に防止
することができ、したがって、吸着性領域104に含ま
れている放射性標識物質から発せられた電子線はすべ
て、その吸着性領域104に対向する輝尽性蛍光体層領
域112に入射し、隣り合う吸着性領域104から放出
される電子線によって露光されるべき輝尽性蛍光体層領
域112に入射して、露光することを確実に防止するこ
とができる。
【0245】また、吸着性領域104に吸着されている
放射性標識物質からは、蓄積性蛍光体シート110とは
反対側に向けても、電子線が放出されるが、生化学解析
用ユニット100の蓄積性蛍光体シート110とは反対
側には、銅によって形成され、放射線を反射させる性質
を有する反射板118が配置されているので、吸着性領
域104に含まれた放射性標識物質から、反射板118
に向けて放出された電子線は、反射板118によって反
射され、吸着性領域104に対向して、配置されている
輝尽性蛍光体層領域112に入射して、輝尽性蛍光体層
領域112を露光し、したがって、露光後の輝尽性蛍光
体層領域112に、励起光を照射して、輝尽性蛍光体を
励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に
検出して、生化学解析用データを生成するときに、十分
に高い感度で、輝尽光を検出することが可能になる。
【0246】こうして、蓄積性蛍光体シート110に形
成された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域112に、
放射性標識物質の放射線データが記録され、多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域112に記録された放射線デ
ータは、前記実施態様と全く同様にして、図8ないし図
15に示されたスキャナによって、読み取られ、生化学
解析用データが生成される。
【0247】本実施態様によれば、生化学解析用ユニッ
ト100に形成された多数の吸着性領域104に含まれ
た放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート110
に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域112を露光す
る際、吸着性領域104に吸着されている放射性標識物
質から電子線が発せられるが、生化学解析用ユニット1
00の吸着性領域104は、アルミニウム製の基板10
2に形成された多数の略円形の貫通孔103の内壁面1
03aに形成され、各吸着性領域104の周囲には、放
射線を減衰させる性質を有するアルミニウム製の基板1
02が存在しており、さらに、蓄積性蛍光体シート10
0の多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域112は、ス
テンレス製の支持体111の表面上に形成され、各輝尽
性蛍光体層領域112の周囲には、放射線を減衰させる
性質を有するステンレス製の支持体111が存在してい
るから、生化学解析用ユニット100に形成された吸着
性領域104に含まれている放射性標識物質から発せら
れた電子線が散乱することを確実に防止することがで
き、したがって、吸着性領域104に含まれている放射
性標識物質から発せられた電子線はすべて、その吸着性
領域104に対向する輝尽性蛍光体層領域112に入射
し、隣り合う吸着性領域104から放出される電子線に
よって露光されるべき輝尽性蛍光体層領域112に入射
して、露光することを確実に防止することができる。
【0248】また、本実施態様によれば、生化学解析用
ユニット100に形成された吸着性領域104に含まれ
た放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート110
に形成された輝尽性蛍光体層領域112を露光する際、
吸着性領域104に吸着されている放射性標識物質から
は、蓄積性蛍光体シート110とは反対側に向けても、
電子線が放出されるが、生化学解析用ユニット100の
蓄積性蛍光体シート110とは反対側には、銅によって
形成され、放射線を反射させる性質を有する反射板11
8が配置されているので、吸着性領域104に含まれた
放射性標識物質から、反射板118に向けて放出された
電子線は、反射板118によって反射され、吸着性領域
104に対向して、配置されている輝尽性蛍光体層領域
112に入射して、輝尽性蛍光体層領域112を露光
し、したがって、露光後の輝尽性蛍光体層領域112
に、励起光を照射して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性
蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化
学解析用データを生成するときに、十分に高い感度で、
輝尽光を検出することが可能になる。
【0249】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0250】たとえば、前記実施態様においては、特異
的結合物質として、塩基配列が既知の互いに異なった複
数のcDNAが用いられているが、本発明において使用
可能な特異的結合物質はcDNAに限定されるものでは
なく、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、
アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、D
NA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能
で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特
異的結合物質はすべて、本発明の特異的結合物質として
使用することができる。
【0251】また、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1は、アルミニウム製の基板
2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が
充填されて、形成された多数の吸着性領域4を備え、図
15および図16に示された実施態様においては、生化
学解析用ユニット80は、ナイロン6によって形成され
た吸着性膜82が、アルミニウム製の基板84に形成さ
れた多数の貫通孔83内に圧入されて、形成された多数
の吸着性領域84を備えているが、生化学解析用ユニッ
ト1の吸着性領域4および生化学解析用ユニット80の
多孔質領域84が、ナイロン6によって形成されている
ことは必ずしも必要でなく、活性炭などの炭素多孔質材
料や、メンブレンフィルタを形成可能な有機多孔質材料
によって、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4およ
び生化学解析用ユニット80の多孔質領域84を形成す
ることもできる。生化学解析用ユニット1の吸着性領域
4および生化学解析用ユニット80の多孔質領域84を
形成することのできるメンブレンフィルタを形成可能な
有機多孔質材料としては、ナイロン6、ナイロン6,
6、ナイロン4,10などの他のナイロン類、ニトロセ
ルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどの
セルロース誘導体、コラーゲン、アルギン酸、アルギン
酸カルシウム、アルギン酸/ポリリシンポリイオンコン
プレックスなどのアルギン酸類、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラ
フルオライドなどのポリフルオライドや、これらの共重
合体または複合体などが挙げられる。さらには、複数の
繊維の束や、白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウ
ムなどの金属、アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライ
トなどの金属酸化物、ヒドロキシアパタイト、硫酸カル
シウムなどの金属塩やこれらの複合体などの無機多孔質
材料によって、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4
および生化学解析用ユニット80の多孔質領域84を形
成するようにしてもよい。
【0252】また、前記実施態様においては、反射板1
8、20、98、118は、いずれも銅によって形成さ
れているが、反射板18、20、98、118を銅によ
って形成することは必ずしも必要でなく、放射線を反射
する材料であれば、任意の材料によって、反射板18、
20、98、118を形成することができ、好ましく
は、反射板18、20、98、118は、金、銀、銅な
どの金属によって、さらに好ましくは、密度の大きい重
金属によって形成される。
【0253】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1、80は、いずれも、アルミニウム製
の基板2、84を備えているが、生化学解析用ユニット
1、80の基板2、81を、アルミニウムによって形成
することは必ずしも必要でなく、放射線を減衰させる性
質を有する材料によって形成されていればよく、無機化
合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用することが
でき、金属材料、セラミック材料またはプラスチック材
料が、とくに好ましく使用される。生化学解析用ユニッ
ト1、80の基板2、84を形成するために好ましく使
用可能で、放射線を減衰させることのできる無機化合物
材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニ
ウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバ
ルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステンレス、
青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリコン、ガ
ラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウ
ムなどの金属酸化物;タングステンカーバイト、炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒
化ガリウムなどの無機塩を挙げることができる。これら
は、単結晶、アモルファス、セラミックのような多結晶
焼結体にいずれの構造を有していてもよい。また、放射
線を減衰させることのできる有機化合物材料としては、
高分子化合物が好ましく用いられ、生化学解析用ユニッ
ト1、80の基板2、84を形成するために好ましく使
用可能で、放射線を減衰させることのできる高分子化合
物としては、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレン
などのポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート、ブ
チルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体など
のアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩化ビニ
ル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン;ポリ
テトラフルオロエチレン;ポリクロロトリフルオロエチ
レン;ポリカーボネート;ポリエチレンナフタレートや
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイ
ロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイ
ロン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフェニレンサル
ファイド;ポリジフェニルシロキサンなどのケイ素樹
脂;ノボラックなどのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;
ポリウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−スチレン共
重合体;セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロー
ス、でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースなどの多糖類;キチン;キトサン;
ウルシ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどのポリア
ミドおよびこれら高分子化合物の共重合体などを挙げる
ことができる。これらは、複合材料でもよく、必要に応
じて、金属酸化物粒子やガラス繊維などを充填すること
もでき、また、有機化合物材料をブレンドして、使用す
ることもできる。
【0254】また、図4および図5に示された実施態様
においては、蓄積性蛍光体シート10は、多数の略円形
の貫通孔12が規則的に形成されたニッケル製の支持体
11を備え、支持体11の形成された多数の貫通孔12
内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、多数の輝尽性蛍光
体層領域15が、ドット状に形成されているが、貫通孔
12に代えて、多数の略円形の凹部を、支持体11に規
則的に形成し、凹部内に、輝尽性蛍光体を埋め込んで、
多数の輝尽性蛍光体層領域12を、ドット状に形成する
こともできる。
【0255】さらに、図17および図18に示された実
施態様においては、蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍
光体層領域95は、ニッケル基板93に形成された多数
の貫通孔92内に、輝尽性蛍光体膜91を圧入して、形
成されているが、輝尽性蛍光体膜91を、ニッケル基板
93に圧入して、ドット状の輝尽性蛍光体層領域95を
形成することは必ずしも必要でなく、圧入に代えて、適
当な方法によって、輝尽性蛍光体膜91を、ニッケル基
板93に埋め込んで、ドット状の輝尽性蛍光体層領域9
5を形成するようにしてもよい。
【0256】また、図24に示された実施態様において
は、蓄積性蛍光体シート110は、支持体111の表面
上に形成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域1
12を備えているが、支持体111の表面に、多数の突
起を形成し、各突起の先端部に、輝尽性蛍光体層領域を
形成することもできる。
【0257】さらに、図4および図5に示された実施態
様においては、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体
層領域15は、ニッケル製の支持体11に規則的に形成
された多数の略円形の貫通孔12内に、輝尽性蛍光体が
埋め込まれて、形成され、図17および図18に示され
た実施態様においては、蓄積性蛍光体シート90の輝尽
性蛍光体層領域95は、ニッケル基板93に形成された
多数の貫通孔92内に、輝尽性蛍光体膜91を圧入し
て、形成されており、図22に示された実施態様におい
ては、蓄積性蛍光体シート110の輝尽性蛍光体層領域
112は、ステンレス製の支持体111の表面上に、規
則的に形成されているが、ニッケル製の支持体11、ニ
ッケル基板93あるいはステンレス製の支持体111を
用いることは必ずしも必要でなく、他の材料によって形
成された支持体、基板を用いることもできる。本発明に
おいて、蓄積性蛍光体シートの支持体、基板は、放射線
を減衰させる性質を有する材料によって形成されている
ことが好ましいが、とくに限定されるものではなく、無
機化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用するこ
とができ、金属材料、セラミック材料またはプラスチッ
ク材料が、とくに好ましく使用される。蓄積性蛍光体シ
ートの支持体、基板を形成するために好ましく使用可能
で、放射線を減衰させることのできる無機化合物材料と
しては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、
チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、
鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステンレス、青銅な
どの合金;シリコン、アモルファスシリコン、ガラス、
石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化ア
ルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなど
の金属酸化物;タングステンカーバイト、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリ
ウムなどの無機塩を挙げることができる。これらは、単
結晶、アモルファス、セラミックのような多結晶焼結体
にいずれの構造を有していてもよい。また、蓄積性蛍光
体シートの支持体、基板を形成するために好ましく使用
可能で、放射線を減衰させることのできる有機化合物材
料としては、高分子化合物が好ましく用いられ、たとえ
ば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアクリレート/
メチルメタクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポ
リアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリ
デン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチ
レン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネ
ート;ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフ
タレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン
6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポリイミ
ド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリ
ジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックな
どのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポ
リスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;セルロー
ス、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん粉、アル
ギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチ
ン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれ
ら高分子化合物の共重合体などを挙げることができる。
これらは、複合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化
物粒子やガラス繊維などを充填することもでき、また、
有機化合物材料をブレンドして、使用することもでき
る。
【0258】また、図18および図19に示された実施
態様においては、接着剤96を用いて、輝尽性蛍光体膜
91とニッケル基板93を接着しているが、接着剤96
を用いることは必ずしも必要でない。
【0259】さらに、図4および図5に示された実施態
様、図17および図18に示された実施態様ならびに図
22に示された実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1、80に形成された吸着性領域4、84に対応し
て、約10000の約0.01平方ミリメートルのサイ
ズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域12、95、1
12が、約5000個/平方センチメートルの密度で、
規則的なパターンにしたがって、蓄積性蛍光体シート1
0、90、110に形成されているが、輝尽性蛍光体層
領域12、95、112を略円形に形成することは必ず
しも必要でなく、輝尽性蛍光体層領域12、95、11
2は、任意の形状、たとえば、矩形状に形成することも
できる。
【0260】また、図4および図5に示された実施態
様、図17および図18に示された実施態様ならびに図
22に示された実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1、80に形成された吸着性領域4、84に対応し
て、約10000の約0.01平方ミリメートルのサイ
ズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域12、95、1
12が、約5000個/平方センチメートルの密度で、
規則的なパターンにしたがって、蓄積性蛍光体シート1
0、90、110に形成されているが、輝尽性蛍光体層
領域12、95、112の数およびサイズは、目的に応
じて、任意に選択をすることができ、好ましくは、10
以上の5平方ミリメートル未満のサイズを有する輝尽性
蛍光体層領域12、95、112が、10個/平方セン
チメートル以上の密度で、蓄積性蛍光体シート10、9
0、110に形成される。
【0261】さらに、図4および図5に示された実施態
様、図17および図18に示された実施態様ならびに図
22に示された実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1、80に形成された吸着性領域4、84に対応し
て、約10000の約0.01平方ミリメートルのサイ
ズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域12、95、1
12が、約5000個/平方センチメートルの密度で、
規則的なパターンにしたがって、蓄積性蛍光体シート1
0、90、110に形成されているが、生化学解析用ユ
ニット1の吸着性領域4、生化学解析用ユニット80の
多孔質領域84を、規則的なパターンで、生化学解析用
ユニット1、80に形成することは必ずしも必要でな
く、したがって、輝尽性蛍光体層領域12、95、11
2を、規則的なパターンで、蓄積性蛍光体シート10、
90、110に形成することは必ずしも必要でなく、輝
尽性蛍光体層領域12、95、112は、生化学解析用
ユニット1に形成された吸着性領域4、生化学解析用ユ
ニット80に形成された多孔質領域84と、それぞれ、
同一のパターンにしたがって、蓄積性蛍光体シート1
0、90、110に形成されていればよい。
【0262】また、前記実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10、90、110の輝尽性蛍光体層領域1
2、95、112は、生化学解析用ユニット1に形成さ
れた吸着性領域4、生化学解析用ユニット80に形成さ
れた多孔質領域84と同じサイズに形成されているが、
輝尽性蛍光体層領域12、95、112を、生化学解析
用ユニット1に形成された吸着性領域4、生化学解析用
ユニット80に形成された多孔質領域84と同じサイズ
に形成することは必ずしも必要でなく、好ましくは、生
化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、生化
学解析用ユニット80に形成された多孔質領域84のサ
イズ以上に形成される。
【0263】また、前記実施態様においては、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を
含むハイブリダイズ液9が調製され、吸着性領域4に滴
下された特異的結合物質にハイブリダイズさせている
が、生体由来の物質が、放射性標識物質および蛍光色素
などの蛍光物質によって標識されていることは必ずしも
必要がなく、放射性標識物質あるいは放射性標識物質に
加えて、蛍光物質および化学発光基質と接触させること
によって化学発光を生じさせる標識物質のうちの少なく
とも1種の標識物質によって標識されていればよい。
【0264】さらに、前記実施態様においては、放射性
標識物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識さ
れた生体由来の物質が、特異的結合物質にハイブリダイ
ズされているが、生体由来の物質を、特異的結合物質に
ハイブリダイズさせていることは必ずしも必要でなく、
生体由来の物質を、ハイブリダイゼーションに代えて、
抗原抗体反応、リセプター・リガンドなどの反応によっ
て、特異的結合物質に特異的に結合させることもでき
る。
【0265】さらに、前記実施態様においては、図7な
いし図14に示されたスキャナを用いて、蓄積性蛍光体
シート10に形成された多数のドット状輝尽性蛍光体層
領域12に記録された放射性標識物質の放射線データお
よび生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に記録され
た蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データを読み取って、
生化学解析用データを生成しているが、放射性標識物質
の放射線データおよび蛍光物質の蛍光データを1つのス
キャナによって読み取ることは必ずしも必要でなく、放
射性標識物質の放射線データと、蛍光物質の蛍光データ
を、別個のスキャナによって読み取って、生化学解析用
データを生成するようにしてもよい。
【0266】また、図7ないし図14に示された実施態
様においては、コントロールユニット70によって、光
学ヘッド35の間欠的移動と同期して、第1のレーザ励
起光源21がオン・オフ制御されているが、主走査方向
において、隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層領域1
2、95、112の間を、レーザ光24が速やかに移動
するように、光学ヘッド35の主走査方向の移動速度を
決定すれば、第1のレーザ励起光源21をオン状態に保
持し、光学ヘッド35を、単に、間欠的に移動させて、
多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12、95、11
2を、レーザ光24によって、順次、走査し、ドット状
の輝尽性蛍光体層領域12、95、112から放出され
た輝尽光45を光電的に検出して、生化学解析用データ
を生成することもできる。
【0267】また、図7ないし図14に示されたスキャ
ナは、第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起光
源22および第3のレーザ励起光源23を備えている
が、3つのレーザ励起光源を備えていることは必ずしも
必要ない。
【0268】さらに、図7ないし図14に示されたスキ
ャナは、スキャナは、640nmの波長のレーザ光24
を発する第1のレーザ励起光源21と、532nmの波
長のレーザ光24を発する第2のレーザ励起光源22
と、473nmの波長のレーザ光24を発する第3のレ
ーザ励起光源23とを備えているが、励起光源として、
レーザ励起光源を用いることは必ずしも必要でなく、レ
ーザ励起光源に代えて、LED光源を、励起光源として
用いることもでき、さらには、ハロゲンランプを励起光
源として用い、分光フィルタによって、輝尽性蛍光体の
励起に寄与しない波長成分をカットするようにしてもよ
い。
【0269】また、前記実施態様においては、走査機構
によって、図13において、矢印Xで示される主走査方
向および矢印Yで示される副走査方向に、光学ヘッド3
5を移動させることによって、レーザ光24により、蓄
積性蛍光体シート10のすべてのドット状輝尽性蛍光体
層領域12あるいは生化学解析用ユニット1の全面を走
査して、輝尽性蛍光体あるいは蛍光色素などの蛍光物質
を励起しているが、光学ヘッド35を静止状態に維持
し、ステージ40を、図13において、矢印Xで示され
る主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に移動
させることによって、レーザ光24により、蓄積性蛍光
体シート10のすべてのドット状輝尽性蛍光体層領域1
2あるいは生化学解析用ユニット1の全面を走査して、
輝尽性蛍光体あるいは蛍光色素などの蛍光物質を励起す
るようにしてもよく、また、光学ヘッド35を、図13
において、矢印Xで示される主走査方向あるいは矢印Y
で示される副走査方向に移動させるとともに、ステージ
40を、矢印Yで示される副走査方向あるいは矢印Xで
示される主走査方向に移動させることもできる。
【0270】さらに、図7ないし図14に示されたスキ
ャナにおいては、光検出器として、フォトマルチプライ
ア50を用いて、蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出し
ているが、本発明において用いられる光検出器として
は、蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出可能であればよ
く、フォトマルチプライア50に限らず、ラインCCD
や二次元CCDなどの他の光検出器を用いることもでき
る。
【0271】また、前記実施態様においては、インジェ
クタ6とCCDカメラ7を備えたスポッティング装置5
を用い、CCDカメラ7によって、インジェクタ6の先
端部と、cDNAなどの特異的結合物質を滴下すべき吸
着性領域4を観察しながら、インジェクタ6の先端部
と、cDNAなどの特異的結合物質を滴下すべき吸着性
領域4の中心とが合致したときに、インジェクタ6か
ら、cDNAなどの特異的結合物質を放出させて、滴下
しているが、インジェクタ6の先端部と、生化学解析用
ユニット1に形成された多数の吸着性領域4との相対的
な位置関係を、あらかじめ検出しておき、インジェクタ
6と、生化学解析用ユニット1とを、相対的に、一定の
ピッチで、二次元的に移動させて、cDNAなどの特異
的結合物質を滴下するようにすることもできる。
【0272】
【発明の効果】本発明によれば、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質に、放射性標識物質によって
標識された生体由来の物質を特異的に結合させて、選択
的に標識したスポットを、メンブレンフィルタなどの担
体表面に、高密度に形成した場合においても、スポット
に含まれた放射性標識物質によって、輝尽性蛍光体層を
露光し、露光された輝尽性蛍光体層に励起光を照射し
て、輝尽性蛍光体を励起し、放出された輝尽光を光電的
に検出して、高い分解能で、かつ、高い感度で、定量性
に優れた生化学解析用のデータを生成することのできる
蓄積性蛍光体シートの露光方法を提供することが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる蓄
積性蛍光体シートの露光方法に使用される生化学解析用
ユニットの略斜視図である。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、ハイブリダイズ容器の略縦断面図であ
る。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施態様にかかる蓄
積性蛍光体シートの露光方法に使用される蓄積性蛍光体
シートの略斜視図である。
【図5】図5は、本発明の好ましい実施態様にかかる蓄
積性蛍光体シートの露光方法に使用される蓄積性蛍光体
シートの略部分断面図である。
【図6】図6は、生化学解析用ユニットに形成された多
数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によって、蓄
積性蛍光体シートに形成された多数のドット状の輝尽性
蛍光体層領域を露光する方法を示す略断面図である。
【図7】図7は、スキャナの一例を示す略斜視図であ
る。
【図8】図8は、フォトマルチプライア近傍のスキャナ
の詳細を示す略斜視図である。
【図9】図9は、図8のA−A線に沿った略断面図であ
る。
【図10】図10は、図8のB−B線に沿った略断面図
である。
【図11】図11は、図8のC−C線に沿った略断面図
である。
【図12】図12は、図8のD−D線に沿った略断面図
である。
【図13】図13は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【図14】図14は、図7に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【図15】図15は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる蓄積性蛍光体シートの露光方法に用いられる生化
学解析用ユニットの略斜視図である。
【図16】図16は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる蓄積性蛍光体シートの露光方法に用いられる生化
学解析用ユニットの略部分断面図である。
【図17】図17は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図18】図18は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる蓄積性蛍光体シートの略部分断面図である。
【図19】図19は、生化学解析用ユニットに形成され
た多数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シートに形成された多数のドット状の
輝尽性蛍光体層領域を露光する方法を示す略断面図であ
る。
【図20】図20は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる蓄積性蛍光体シートの露光方法に用いられる生化
学解析用ユニットの略斜視図である。
【図21】図21は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる蓄積性蛍光体シートの露光方法に用いられる生化
学解析用ユニットの略部分断面図である。
【図22】図22は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図23】図23は、生化学解析用ユニットに形成され
た多数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シートに形成された対応するドット状
の輝尽性蛍光体層領域を露光する方法を示す略断面図で
ある。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 基板 3 貫通孔 4 吸着性領域 5 スポッティング装置 6 インジェクタ 7 CCDカメラ 8 ハイブリダイズ容器 9 ハイブリダイゼーション溶液 10 蓄積性蛍光体シート 11 支持体 12 貫通孔 15 輝尽性蛍光体層領域 18 反射板 20 反射板 21 第1のレーザ励起光源 22 第2のレーザ励起光源 23 第3のレーザ励起光源 24 レーザ光 25 コリメータレンズ 26 ミラー 27 第1のダイクロイックミラー 28 第2のダイクロイックミラー 29 ミラー 30 コリメータレンズ 31 コリメータレンズ 32 ミラー 33 穴開きミラーの穴 34 穴開きミラー 35 光学ヘッド 36 ミラー 37 非球面レンズ 38 凹面ミラー 40 ステージ 41 ガラス板 45 蛍光あるいは輝尽光 48 フィルタユニット 50 フォトマルチプライア 51a、51b、51c、51d フィルタ部材 52a、52b、52c、52d フィルタ 53 A/D変換器 54 データ処理装置 60 基板 61 副走査パルスモータ 62 一対のレール 63 移動可能な基板 64 ロッド 65 主走査ステッピングモータ 66 エンドレスベルト 67 リニアエンコーダ 68 リニアエンコーダのスリット 70 コントロールユニット 71 キーボード 72 フィルタユニットモータ 80 生化学解析用ユニット 82 吸着性膜 83 貫通孔 84 アルミニウム基板 85 吸着性領域 86 接着剤 90 蓄積性蛍光体シート 91 輝尽性蛍光体膜 92 貫通孔 93 ニッケル基板 95 輝尽性蛍光体層領域 96 接着剤 100 生化学解析用ユニット 102 基板 103 貫通孔 103a 貫通孔の内壁面 104 吸着性領域 110 蓄積性蛍光体シート 111 支持体 112 輝尽性蛍光体層領域
フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 DA12 DA13 DA14 DA36 FA11 FA12 FA29 FB02 FB03 FB07 FB08 FB12 FB15 GC15 2G054 AB07 BB20 CA22 CA23 CE02 EA03 FA50 FB01 GA04 GA05 GB02 GE01

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線を減衰させる材料によって形成さ
    れた基板に、互いに離間して複数の吸着性領域に、構造
    または特性が既知の特異的結合物質が滴下され、前記特
    異的結合物質に、放射性標識物質によって標識された生
    体由来の物質が、選択的に、特異的に結合されて、それ
    によって、選択的に放射性標識物質を含む複数の吸着性
    領域を備えた生化学解析用ユニットと、輝尽性蛍光体層
    が形成された蓄積性蛍光体シートと、放射線を反射させ
    る材料によって形成された反射板とを、前記反射板、前
    記生化学解析用ユニットおよび前記蓄積性蛍光体シート
    の順に、重ね合わせて、前記複数の吸着性領域に選択的
    に含まれた放射性標識物質によって、前記蓄積性蛍光体
    シートの前記輝尽性蛍光体層を露光することを特徴とす
    る蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  2. 【請求項2】 さらに、前記蓄積性蛍光体シートの前記
    生化学解析用ユニットとは反対側の面に、放射線を反射
    させる材料によって形成された反射板を重ね合わせて、
    前記複数の吸着性領域に選択的に含まれた放射性標識物
    質によって、前記輝尽性蛍光体層を露光することを特徴
    とする請求項1に記載の蓄積性蛍光体シートの露光方
    法。
  3. 【請求項3】 前記生化学解析用ユニットが、放射線を
    減衰させる材料によって形成された基板を備え、前記複
    数の吸着性領域が、前記基板に形成された複数の貫通孔
    内に形成されていることを特徴とする請求項1または2
    に記載の蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の吸着性領域が、前記基板に形
    成された前記複数の貫通孔内に、吸着性材料が充填され
    て、形成されていることを特徴とする請求項3に記載の
    蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の吸着性領域が、前記基板に形
    成された前記複数の貫通孔内に、吸着性材料によって形
    成された吸着性膜が圧入されて、形成されていることを
    特徴とする請求項3に記載の蓄積性蛍光体シートの露光
    方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の吸着性領域が、前記基板に形
    成された前記複数の貫通孔の内壁面に、吸着性材料が被
    覆されて、形成されていることを特徴とする請求項3に
    記載の蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  7. 【請求項7】 吸着性材料によって形成された吸着性基
    板と、前記吸着性基板の一方の側に、複数の貫通孔が、
    互いに離間して、形成され、放射線を減衰させる材料に
    よって形成された多孔板を備え、前記多孔板に形成され
    た前記複数の貫通孔内の前記吸着性基板によって、複数
    の吸着性領域が形成され、前記吸着性領域に、構造また
    は特性が既知の特異的結合物質が滴下され、前記特異的
    結合物質に、放射性標識物質によって標識された生体由
    来の物質が、選択的に、特異的に結合されて、前記複数
    の吸着性領域が選択的に放射性標識物質を含んだ生化学
    解析用ユニットと、輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性
    蛍光体シートと、放射線を反射させる材料によって形成
    された反射板とを、前記反射板、前記生化学解析用ユニ
    ットおよび前記蓄積性蛍光体シートの順に、かつ、前記
    多孔板が、前記蓄積性蛍光体シートに対向するように、
    重ね合わせて、前記生化学解析用ユニットの前記複数の
    吸着性領域に選択的に含まれた放射性標識物質によっ
    て、前記蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層を露
    光することを特徴とする蓄積性蛍光体シートの露光方
    法。
  8. 【請求項8】 前記生化学解析用ユニットが、さらに、
    前記多孔板を、前記吸着性基板の他方の側にも備えたこ
    とを特徴とする請求項7に記載の蓄積性蛍光体シートの
    露光方法。
  9. 【請求項9】 さらに、前記蓄積性蛍光体シートの前記
    生化学解析用ユニットとは反対側の面に、放射線を反射
    させる材料によって形成された反射板を重ね合わせて、
    前記複数の吸着性領域に選択的に含まれた放射性標識物
    質によって、前記蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光
    体層を露光することを特徴とする請求項7または8に記
    載の蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  10. 【請求項10】 前記反射板が、金属によって形成され
    たことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に
    記載の蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  11. 【請求項11】 前記反射板が、重金属によって形成さ
    れたことを特徴とする請求項10に記載の蓄積性蛍光体
    シートの露光方法。
  12. 【請求項12】 前記生体由来の物質が、ハイブリダイ
    ゼーション、抗原抗体反応、リセプター・リガンドより
    なる群から選ばれた反応によって、前記特異的結合物質
    と結合されていることを特徴とする請求項1ないし11
    のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シートの露光方
    法。
  13. 【請求項13】 前記生化学解析用ユニットに、10以
    上の前記吸着性領域が形成されていることを特徴とする
    請求項1ないし12のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光
    体シートの露光方法。
  14. 【請求項14】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域が、それぞれ、5平方ミリメートル未満の
    サイズを有していることを特徴とする請求項1ないし1
    3のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シートの露光方
    法。
  15. 【請求項15】 前記生化学解析用ユニットに、前記複
    数の吸着性領域が、10個/平方センチメートル以上の
    密度で形成されたことを特徴とする請求項1ないし14
    のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シートの露光方
    法。
  16. 【請求項16】 前記生化学解析用ユニットに、前記複
    数の吸着性領域が、規則的なパターンで、形成されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項
    に記載の蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  17. 【請求項17】 前記生化学解析用ユニットの前記吸着
    性領域が、多孔質材料によって形成されていることを特
    徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載の蓄
    積性蛍光体シートの露光方法。
  18. 【請求項18】 前記生化学解析用ユニットの前記吸着
    性領域が、炭素多孔質材料またはメンブレンフィルタを
    形成可能な多孔質材料によって形成されていることを特
    徴とする請求項17に記載の蓄積性蛍光体シートの露光
    方法。
  19. 【請求項19】 前記生化学解析用ユニットの前記吸着
    性領域が、複数の繊維の束によって形成されていること
    を特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載
    の蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  20. 【請求項20】 前記放射線を減衰させる材料が、隣り
    合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射
    線が前記材料中を透過したときに、放射線のエネルギー
    を1/5以下に減衰させる性質を有していることを特徴
    とする請求項1ないし19のいずれか1項に記載の蓄積
    性蛍光体シートの露光方法。
  21. 【請求項21】 前記蓄積性蛍光体シートが、放射線を
    減衰させる材料によって形成された支持体を備え、前記
    輝尽性蛍光体層が、前記生化学解析用ユニットの前記複
    数の吸着性領域に対応して、前記支持体に、互いに離間
    して、形成された複数の輝尽性蛍光体層領域によって構
    成されていることを特徴とする請求項1ないし20のい
    ずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  22. 【請求項22】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前
    記支持体に形成された孔内に形成されていることを特徴
    とする請求項21に記載の蓄積性蛍光体シートの露光方
    法。
  23. 【請求項23】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前
    記支持体に形成された孔内に、輝尽性蛍光体が埋め込ま
    れて、形成されていることを特徴とする請求項22に記
    載の蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  24. 【請求項24】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前
    記支持体に形成された孔内に、輝尽性蛍光体膜が圧入さ
    れて、形成されていることを特徴とする請求項22に記
    載の蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  25. 【請求項25】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前
    記支持体の表面上に形成されていることを特徴とする請
    求項21に記載の蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  26. 【請求項26】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前
    記支持体の表面に形成された突起の先端部に形成されて
    いることを特徴とする請求項21に記載の蓄積性蛍光体
    シートの露光方法。
  27. 【請求項27】 前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の
    輝尽性蛍光体層領域が、前記生化学解析用ユニットの前
    記複数の吸着性領域と同じパターンで、形成されている
    ことを特徴とする請求項21ないし26のいずれか1項
    に記載の蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  28. 【請求項28】 前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の
    輝尽性蛍光体層領域が、前記生化学解析用ユニットの前
    記複数の吸着性領域以上のサイズで、形成されているこ
    とを特徴とする請求項21ないし27に記載の蓄積性蛍
    光体シートの露光方法。
  29. 【請求項29】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等し
    い距離だけ、放射線が前記支持体中を透過したときに、
    放射線エネルギーを、1/5以下に減衰させる性質を有
    していることを特徴とする請求項21ないし28のいず
    れか1項に記載の蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  30. 【請求項30】 前記放射線を減衰させる材料が、金属
    材料、セラミック材料およびプラスチック材料よりなる
    群から選ばれる材料よりなることを特徴とする請求項2
    9に記載の蓄積性蛍光体シートの露光方法。
  31. 【請求項31】 前記放射線を減衰させる材料が、プラ
    スチック材料に、金属酸化物粒子を分散させて、形成さ
    れたことを特徴とする請求項30に記載の蓄積性蛍光体
    シートの露光方法。
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