JP2003004737A - 生化学解析用データ生成方法およびそれに用いる生化学解析用データ生成装置 - Google Patents

生化学解析用データ生成方法およびそれに用いる生化学解析用データ生成装置

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JP2003004737A JP2001191253A JP2001191253A JP2003004737A JP 2003004737 A JP2003004737 A JP 2003004737A JP 2001191253 A JP2001191253 A JP 2001191253A JP 2001191253 A JP2001191253 A JP 2001191253A JP 2003004737 A JP2003004737 A JP 2003004737A
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phosphor layer
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Nobuhiko Ogura
信彦 小倉
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用デ
ータを生成することのできる蓄積性蛍光体シートを用い
た生化学解析用データの生成方法。 【解決手段】複数の輝尽性蛍光体層領域112が互いに
離間して、形成された支持体を備えた蓄積性蛍光体シー
ト110に、標準光源120から光を照射して、あるい
は、標準線源から放射線を照射して、複数の輝尽性蛍光
体層領域を露光して、励起し、放出された輝尽光を光電
的に検出して、複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれに
対する補正データを生成する。次いで、蓄積性蛍光体シ
ートを、放射性標識物質によって、複数の輝尽性蛍光体
層領域を露光し、励起光により、複数の輝尽性蛍光体層
領域を走査して、励起し、放出された輝尽光を光電的に
検出して、生化学解析用データを生成し、複数の輝尽性
蛍光体層領域のそれぞれに対する前記補正データを用い
て、生化学解析用データを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学解析用デー
タ生成方法およびそれに用いる生化学解析用データ生成
装置に関するものであり、さらに詳細には、生体由来の
物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長
さ、組成などが既知の特異的結合物質に、放射性標識物
質によって標識された生体由来の物質を特異的に結合さ
せて、選択的に標識したスポット状領域を、メンブレン
フィルタなどの担体表面に、高密度に形成した場合にお
いても、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用デ
ータを生成することのできる蓄積性蛍光体シートを用い
た生化学解析用データ生成方法およびそれに用いる生化
学解析用データ生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するオートラジオグラフィ解析システムは、写
真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化
学的処理が不必要であるだけでなく、得られたディジタ
ルデータにデータ処理を施すことにより、所望のよう
に、解析用データを再生し、あるいは、コンピュータに
よる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0005】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光解析システムも知られてい
る。
【0006】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、ホルモ
ン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、
その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNA
など、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩
基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質
を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の独立し
たスポットを形成し、次いで、ホルモン類、腫瘍マーカ
ー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク
質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単
離などによって、生体から採取され、あるいは、さら
に、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生体由
来の物質であって、蛍光物質、色素などの標識物質によ
って標識された物質を、ハイブリダイゼーションなどに
よって、特異的結合物質に、特異的に結合させたマイク
ロアレイに、励起光を照射して、蛍光物質、色素などの
標識物質から発せられた蛍光などの光を光電的に検出し
て、生体由来の物質を解析するマイクロアレイ解析シス
テムが開発されている。このマイクロアレイ解析システ
ムによれば、スライドガラス板やメンブレンフィルタな
どの担体表面上の異なる位置に、数多くの特異的結合物
質のスポットを高密度に形成して、標識物質によって標
識された生体由来の物質をハイブリダイズさせることに
よって、短時間に、生体由来の物質を解析することが可
能になるという利点がある。
【0007】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、
抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、
cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用い
て、滴下して、多数の独立したスポットを形成し、次い
で、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、ア
ブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DN
A、mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から
採取され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾な
どの処理が施された生体由来の物質であって、放射性標
識物質によって標識された物質を、ハイブリダイゼーシ
ョンなどによって、特異的結合物質に、特異的に結合さ
せたマクロアレイを、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体
層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽
性蛍光体層を露光し、しかる後に、輝尽性蛍光体層に励
起光を照射し、輝尽性蛍光体層から発せられた輝尽光を
光電的に検出して、生化学解析用データを生成し、生体
由来の物質を解析する放射性標識物質を用いたマクロア
レイ解析システムも開発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、放射性
標識物質を標識物質として用いたマクロアレイ解析シス
テムにあっては、輝尽性蛍光体層を露光する際、メンブ
レンフィルタなどの担体表面上に形成されたスポットに
含まれた放射性標識物質の放射線エネルギーが非常に大
きいため、放射性標識物質から発せられる電子線(β
線)が散乱して、そのスポットに含まれた放射性標識物
質から放出された電子線(β線)によって露光されるべ
き領域以外の輝尽性蛍光体層の領域に入射し、あるい
は、隣り合うスポットの間のメンブレンフィルタなどの
担体表面上に付着した放射性標識物質から放出された電
子線(β線)が、輝尽性蛍光体層に入射し、その結果、
輝尽光を光電的に検出して生成された生化学解析用のデ
ータ中にノイズが生成され、隣り合うスポット間でのデ
ータの分離が困難になって、分解能が低下するととも
に、各スポットの放射線量を定量して、生体由来の物質
を解析する際、定量性が悪化するという問題があり、ス
ポットを近接して形成して、高密度化しようとする場合
には、とくに、分解能が低下する著しく低下するととも
に、定量性の著しい悪化が認められている。
【0009】したがって、本発明は、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質に、放射性標識物質によ
って標識された生体由来の物質を特異的に結合させて、
選択的に標識したスポット状領域を、メンブレンフィル
タなどの担体表面に、高密度に形成した場合において
も、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用データ
を生成することのできる蓄積性蛍光体シートを用いた生
化学解析用データ生成方法およびそれに生化学解析用デ
ータ生成装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
複数の輝尽性蛍光体層領域が互いに離間して、形成され
た支持体を備えた蓄積性蛍光体シートに、標準光源から
光を照射して、あるいは、標準線源から放射線を照射し
て、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を露光し、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域に励起光を照射して、前記複数の
輝尽性蛍光体層領域を励起し、前記複数の輝尽性蛍光体
層領域から放出された輝尽光を光電的に検出して、前記
複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれに対する補正デー
タを生成し、前記蓄積性蛍光体シートを、前記複数の輝
尽性蛍光体層領域に対応して、放射性標識物質を選択的
に含んだ複数のスポット状領域が形成された生化学解析
用ユニットに重ね合わせて、前記複数のスポット状領域
に選択的に含まれている放射性標識物質によって、前記
複数の輝尽性蛍光体層領域を露光し、生化学解析用デー
タ生成装置の励起光源から発せられた励起光により、前
記複数の輝尽性蛍光体層領域を走査して、前記複数の輝
尽性蛍光体層領域を励起し、前記複数の輝尽性蛍光体層
領域から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学
解析用データを生成し、前記複数の輝尽性蛍光体層領域
のそれぞれに対する前記補正データを用いて、前記生化
学解析用データを補正することを特徴とする生化学解析
用データの生成方法によって達成される。
【0011】本発明によれば、生体由来の物質と特異的
に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成など
が既知の特異的結合物質に、放射性標識物質によって標
識された生体由来の物質を、ハイブリダイゼーションな
どによって、特異的に結合させて、選択的に標識したス
ポット領域を、メンブレンフィルタなどの担体に、高密
度に形成した場合においても、支持体に、メンブレンフ
ィルタなどの担体表面に形成されたスポット領域と同じ
パターンで、複数の輝尽性蛍光体層領域を形成すること
によって、メンブレンフィルタなどと蓄積性蛍光体シー
トを重ね合わせて、露光する際に、各スポット領域に含
まれている放射性標識物質から放出された電子線(β
線)が、そのスポット領域に含まれた放射性標識物質か
ら放出された電子線(β線)によって露光されるべき領
域以外の輝尽性蛍光体膜の領域に入射することを効果的
に防止することができ、したがって、露光された複数の
輝尽性蛍光体層領域を励起光によって走査し、複数の輝
尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出
することによって、高い分解能で、定量性に優れた生化
学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0012】さらに、複数の輝尽性蛍光体層領域を互い
に離間するように、支持体に形成して、蓄積性蛍光体シ
ートを形成する場合に、複数の輝尽性蛍光体層領域に含
まれる輝尽性蛍光体の量が、均一になるように、複数の
輝尽性蛍光体層領域を設けることができないときは、同
じ放射線エネルギーで露光をしても、輝尽性蛍光体層領
域のそれぞれによって、蓄積される放射線エネルギーが
異なることになり、したがって、複数の輝尽性蛍光体層
領域を、スポット状領域に含まれている放射性標識物質
から放出された電子線により、露光した後、露光された
複数の輝尽性蛍光体層を励起光によって走査し、輝尽性
蛍光体層から放出された輝尽光を光電的に検出すること
によって、生化学解析用データを生成したときに、生化
学解析データの定量性が低下するおそれがあるが、本発
明によれば、標準光源から光を照射し、あるいは、標準
線源から放射線を照射して、複数の輝尽性蛍光体層領域
を露光した後、複数の輝尽性蛍光体層領域に励起光を照
射して、複数の輝尽性蛍光体層領域を励起し、複数の輝
尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出
して、輝尽性蛍光体層領域のそれぞれに含まれる輝尽性
蛍光体の量の相違に起因して、生化学解析用のデータ中
に生成される信号強度のばらつきを補正するための補正
データを、複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれに対し
て、生成し、複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれに対
する補正データを用いて、複数の輝尽性蛍光体層領域の
それぞれに対する生化学解析用データを補正するように
構成されているから、定量解析の精度を大幅に向上させ
ることが可能になる。
【0013】本発明の好ましい実施態様においては、前
記標準光源が、紫外線光源、フラッシュランプ、ストロ
ボランプよりなる群から選ばれる光源によって構成され
ている。
【0014】本発明の好ましい実施態様においては、前
記標準線源が、X線源、軟X線源およびβ線源よりなる
群から選ばれる線源によって構成されている。
【0015】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、放射線を減衰さ
せる材料によって形成されている。
【0016】本発明の好ましい実施態様によれば、蓄積
性蛍光体シートの支持体が、放射線を減衰させる材料に
よって形成されているから、補正データを生成するため
に、標準光源から発せられた光または標準線源から発せ
られた放射線によって、複数の輝尽性蛍光体層領域を露
光する際、標準光源から発せられた光または標準線源か
ら発せられた放射線が、蓄積性蛍光体シートの支持体内
で散乱して、露光するべきはない輝尽性蛍光体層領域に
入射することを効果的に防止することができ、したがっ
て、定量性の高い補正データを生成することが可能にな
る。
【0017】本発明の好ましい実施態様においては、前
記標準光源または前記標準線源によって、前記複数の輝
尽性蛍光体層領域を一様に露光するように構成されてい
る。
【0018】本発明の好ましい実施態様においては、前
記標準光源または前記標準線源が、面状光源によって構
成されている。
【0019】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記標準光源または前記標準線源が、線状光源によ
って構成され、前記標準光源または前記標準線源から発
せられるライン状ビームによって、前記複数の輝尽性蛍
光体層領域を一次元的に走査して、前記複数の輝尽性蛍
光体層領域を露光するように構成されている。
【0020】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記標準光源または前記標準線源から発せられる光
または放射線によって、前記複数の輝尽性蛍光体層領域
を二次元的に走査して、前記複数の輝尽性蛍光体層領域
を露光するように構成されている。
【0021】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれに対する前記補
正データが、前記生化学解析用データ生成装置に記憶さ
れ、前記生化学解析用データ生成装置によって、前記生
化学解析用データが補正されるように構成されている。
【0022】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域
が、前記支持体に形成された孔内に、輝尽性蛍光体が埋
め込まれて、形成されている。
【0023】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
層領域が、前記支持体に形成された孔内に、輝尽性蛍光
体膜が圧入されて、形成されている。
【0024】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
層領域が、前記支持体の表面上に形成されている。
【0025】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、10以上の前記
輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0026】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、100以
上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0027】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、1000
以上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0028】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、1000
0以上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0029】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、1000
00以上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0030】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域
が、5平方ミリメートル未満のサイズに形成されてい
る。
【0031】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
層領域が、1平方ミリメートル未満のサイズに形成され
ている。
【0032】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
層領域が、0.5平方ミリメートル未満のサイズに形成
されている。
【0033】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
層領域が、0.1平方ミリメートル未満のサイズに形成
されている。
【0034】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
層領域が、0.05平方ミリメートル未満のサイズに形
成されている。
【0035】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
層領域が、0.01平方ミリメートル未満のサイズに形
成されている。
【0036】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
層領域が、0.01平方ミリメートル未満のサイズに形
成されている。
【0037】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数の輝尽
性蛍光体層領域が、10個/平方センチメートル以上の
密度で、形成されている。
【0038】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、50個/平方センチメートル
以上の密度で、形成されている。
【0039】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、100個/平方センチメート
ル以上の密度で、形成されている。
【0040】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、500個/平方センチメート
ル以上の密度で、形成されている。
【0041】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、1000個/平方センチメー
トル以上の密度で、形成されている。
【0042】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、5000個/平方センチメー
トル以上の密度で、形成されている。
【0043】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、10000個/平方センチメ
ートル以上の密度で、形成されている。
【0044】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、前記複数の輝尽
性蛍光体層領域が、規則的なパターンで形成されてい
る。
【0045】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットが、放射線を減衰させる材料に
よって形成された基板と、前記基板に、互いに離間し
て、形成され、前記複数のスポット状領域を構成する複
数の吸着性領域を備え、前記複数の吸着性領域が、前記
蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域と
同一のパターンで、前記基板に形成されている。
【0046】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットが、放射線を減衰させる材料によって
形成された基板と、基板に、互いに離間して、形成さ
れ、複数のスポット状領域を構成する複数の吸着性領域
を備え、複数の吸着性領域が、蓄積性蛍光体シートの複
数の輝尽性蛍光体層領域と同一のパターンで、基板に形
成されているから、吸着性領域に含まれている放射性標
識物質から放出された電子線(β線)が、生化学解析用
ユニットの基板内で散乱することを効果的に防止するこ
とができ、したがって、電子線(β線)の散乱に起因す
るノイズが、生化学解析用データ中に生成されることを
効果的に防止することが可能になる。
【0047】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、前
記基板に形成された複数の孔内に、吸着性材料が埋め込
まれて、形成されている。
【0048】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、前
記基板に形成された複数の孔内に、吸着性材料によって
形成された吸着性膜が圧入されて、形成されている。
【0049】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、基板に形
成された複数の孔内に、吸着性材料によって形成された
吸着性膜が圧入されて、形成されるから、簡易に、生化
学解析用ユニットを作製することが可能になる。
【0050】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体を形成するための材料としては、放射線を減衰させ
る性質を有するものが好ましく、放射線を減衰させる性
質を有する材料は、とくに限定されるものではないが、
無機化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用する
ことができ、金属材料、セラミック材料またはプラスチ
ック材料が、とくに好ましく使用される。
【0051】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体を形成するために好ましく使用可能で、放射線を減
衰させることのできる無機化合物材料としては、たとえ
ば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタ
ル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレン
などの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリ
コン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ
素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;
タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機
塩を挙げることができる。これらは、単結晶、アモルフ
ァス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造
を有していてもよい。
【0052】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体を形成するために好ましく使用可能で、放射線を減
衰させることのできる有機化合物材料としては、高分子
化合物が好ましく用いられ、たとえば、ポリエチレンや
ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタ
クリレート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレー
ト共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリ
ル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化
ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロ
トリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレ
ンナフタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポ
リエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン
4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;
ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロキサ
ンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹
脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタ
ジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロー
ス、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウ
ム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0053】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、蓄積性蛍光体シートの支持体は、比
重1.0g/cm以上の化合物材料または複合材料に
よって形成されることが好ましく、比重が1.5g/c
以上、23g/cm以下の化合物材料または複合
材料によって形成されることが、とくに好ましい。
【0054】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、プラスチック材
料に、金属酸化物粒子を分散させて、形成されている。
【0055】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う輝尽性
蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前
記支持体内を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/5以下に減衰させる性質を有する材料によって形成
されている。
【0056】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射
線が前記支持体内を透過したときに、放射線のエネルギ
ーを、1/10以下に減衰させる性質を有する材料によ
って形成されている。
【0057】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射
線が前記支持体内を透過したときに、放射線のエネルギ
ーを、1/50以下に減衰させる性質を有する材料によ
って形成されている。
【0058】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射
線が前記支持体内を透過したときに、放射線のエネルギ
ーを、1/100以下に減衰させる性質を有する材料に
よって形成されている。
【0059】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射
線が前記支持体内を透過したときに、放射線のエネルギ
ーを、1/500以下に減衰させる性質を有する材料に
よって形成されている。
【0060】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体が、隣り合う
輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射
線が前記支持体内を透過したときに、放射線のエネルギ
ーを、1/1000以下に減衰させる性質を有する材料
によって形成されている。
【0061】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するための放射線を減衰させる材料は、とく
に限定されるものではなく、無機化合物材料、有機化合
物材料のいずれをも使用することができるが、金属材
料、セラミック材料またはプラスチック材料が、好まし
く使用される。
【0062】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために好ましく使用可能で、放射線を減
衰させることのできる無機化合物材料としては、たとえ
ば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタ
ル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレン
などの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリ
コン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ
素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;
タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機
塩を挙げることができる。これらは、単結晶、アモルフ
ァス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造
を有していてもよい。
【0063】本発明において、放射線を減衰させること
のできる有機化合物材料としては、高分子化合物が好ま
しく用いられ、生化学解析用ユニットの基板を形成する
ために好ましく使用可能で、放射線を減衰させることの
できる高分子化合物としては、たとえば、ポリエチレン
やポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメ
タクリレート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレ
ート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリ
ル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化
ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロ
トリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレ
ンナフタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポ
リエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン
4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;
ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロキサ
ンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹
脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタ
ジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロー
ス、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウ
ム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0064】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、本発明において、生化学解析用ユニ
ットの基板を、放射線を減衰させる性質を有する材料に
よって形成する場合は、比重1.0g/cm以上の化
合物材料または複合材料によって形成されることが好ま
しく、比重が1.5g/cm以上、23g/cm
下の化合物材料または複合材料によって形成されること
が、とくに好ましい。
【0065】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、プラスチック材
料に、金属酸化物粒子を分散させて、形成されている。
【0066】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記基
板内を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/5
以下に減衰させる性質を有する材料によって形成されて
いる。
【0067】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板内を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/10以下に減衰させる性質を有する材料によって形
成されている。
【0068】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板内を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/50以下に減衰させる性質を有する材料によって形
成されている。
【0069】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板内を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/100以下に減衰させる性質を有する材料によって
形成されている。
【0070】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板内を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/500以下に減衰させる性質を有する材料によって
形成されている。
【0071】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板内を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/1000以下に減衰させる性質を有する材料によっ
て形成されている。
【0072】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成する吸着性材料としては、多孔質材料
あるいは繊維材料が好ましく使用される。多孔質材料と
繊維材料を併用して、吸着性領域を形成することもでき
る。
【0073】本発明において、吸着性領域を形成するた
めに使用される多孔質材料は、有機材料、無機材料のい
ずれでもよく、有機/無機複合体でもよい。
【0074】本発明において、吸着性領域を形成するた
めに使用される有機多孔質材料は、とくに限定されるも
のではないが、活性炭などの炭素材料あるいはメンブレ
ンフィルタを形成可能な多孔質材料が、好ましく用いら
れる。具体的には、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイ
ロン4,10などのナイロン類、ニトロセルロース、酢
酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘
導体、コラーゲン、アルギン酸、アルギン酸カルシウ
ム、アルギン酸/ポリリシンポリイオンコンプレックス
などのアルギン酸類、ポリエチレン、ポリプロピレンな
どのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオライ
ドなどのポリフルオライドや、これらの共重合体または
複合体が挙げられる。
【0075】本発明において、吸着性領域を形成するた
めに使用される無機多孔質材料は、とくに限定されるも
のではないが、たとえば、白金、金、鉄、銀、ニッケ
ル、アルミニウムなどの金属、アルミナ、シリカ、チタ
ニア、ゼオライトなどの金属酸化物、ヒドロキシアパタ
イト、硫酸カルシウムなどの金属塩やこれらの複合体な
どが挙げられる。
【0076】本発明において、吸着性領域を形成するた
めに使用される繊維材料は、とくに限定されるものでは
ないが、たとえば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイ
ロン4,10などのナイロン類、ニトロセルロース、酢
酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘
導体などが挙げられる。
【0077】本発明において、吸着性領域は、電解処
理、プラズマ処理、アーク放電などの酸化処理、シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤などを用いたプ
ライマー処理、界面活性剤処理などの表面処理によって
形成することもできる。
【0078】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記スポット状領域に、構造
または特性が既知の特異的結合物質が滴下され、放射性
標識物質によって標識された生体由来の物質が、前記特
異的結合物質に、選択的に、特異的に結合されて、前記
吸着性領域が、選択的に放射性標識物質を含んでいる。
【0079】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生体由来の物質が、ハイブリダイゼーション、
抗原抗体反応、リセプター・リガンドよりなる群から選
ばれた反応によって、前記特異的結合物質と結合されて
いる。
【0080】本発明の前記目的はまた、励起光を発する
励起光源と、互いに離間して形成され、放射線エネルギ
ーを選択的に蓄積した複数の輝尽性蛍光体層領域を備え
た蓄積性蛍光体シートを載置可能なサンプルステージ
と、前記励起光源から発せられた励起光によって、前記
サンプルステージに載置された前記蓄積性蛍光体シート
の前記複数の輝尽性蛍光体層領域が励起されて、放出す
る輝尽光を光電的に検出して、アナログデータを生成す
る光検出器と、前記光検出器によって生成されたアナロ
グデータをディジタル化して、ディジタルデータを生成
するA/D変換器と、前記複数の輝尽性蛍光体層領域に
励起光を照射して、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を励
起し、前記複数の輝尽性蛍光体層領域から放出された輝
尽光を光電的に検出して、生成された前記複数の輝尽性
蛍光体層領域のそれぞれに対する補正データを記憶する
データメモリと、前記励起光源から発せられた励起光
を、前記輝尽性蛍光体層領域に照射して、前記輝尽性蛍
光体層領域のそれぞれから放出された輝尽光を、前記光
検出器によって光電的に検出し、前記A/D変換器によ
ってディジタル化された前記複数の輝尽性蛍光体層領域
のそれぞれのディジタルデータを、前記データメモリに
記憶された前記複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれに
対する補正データを用いて、補正するデータ補正手段と
を備え、前記補正データが、前記蓄積性蛍光体シートの
前記複数の輝尽性蛍光体層領域に、標準光源から光を照
射して、あるいは、標準線源から放射線を照射して、前
記複数の輝尽性蛍光体層領域を露光し、前記励起光源か
ら、前記複数の輝尽性蛍光体層領域に励起光を照射し
て、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を励起し、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に
検出して、生成された前記複数の輝尽性蛍光体層領域の
それぞれに対するディジタルデータに基づいて、生成さ
れたことを特徴とする生化学解析用データ生成装置によ
って達成される。
【0081】複数の輝尽性蛍光体層領域を互いに離間す
るように、支持体に形成して、蓄積性蛍光体シートを形
成する場合に、複数の輝尽性蛍光体層領域に含まれる輝
尽性蛍光体の量が、均一になるように、複数の輝尽性蛍
光体層領域を設けることができないときは、同じ放射線
エネルギーで露光をしても、輝尽性蛍光体層領域のそれ
ぞれによって、蓄積される放射線エネルギーが異なるこ
とになり、したがって、複数の輝尽性蛍光体層領域を、
スポット状領域に含まれている放射性標識物質から放出
された電子線により、露光した後、露光された複数の輝
尽性蛍光体層を励起光によって走査し、輝尽性蛍光体層
から放出された輝尽光を光電的に検出することによっ
て、生化学解析用データを生成したときに、生化学解析
データの定量性が低下するおそれがあるが、本発明によ
れば、標準光源から光を照射し、あるいは、標準線源か
ら放射線を照射して、複数の輝尽性蛍光体層領域を露光
した後に、複数の輝尽性蛍光体層領域に励起光を照射し
て、複数の輝尽性蛍光体層領域を励起し、複数の輝尽性
蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出し
て、輝尽性蛍光体層領域のそれぞれに含まれる輝尽性蛍
光体の量の相違に起因して、生化学解析用のデータ中に
生成される信号強度のばらつきを補正するための補正デ
ータが生成され、データメモリに記憶されており、生化
学解析用ユニットに形成された複数のスポット状領域に
含まれた放射性標識物質によって、選択的に露光された
複数の輝尽性蛍光体層領域を、励起光によって、走査し
て、複数の輝尽性蛍光体層領域を励起し、複数の輝尽性
蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出し
て、生成された輝尽性蛍光体層領域のそれぞれのディジ
タルデータが、データ補正手段によって、データメモリ
に記憶された複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれに対
する補正データに基づき、補正されるように構成されて
いるから、定量解析の精度を大幅に向上させることが可
能になる。
【0082】本発明の好ましい実施態様においては、生
化学解析用データ生成装置は、さらに、前記励起光源か
ら発せられた前記励起光を前記サンプルステージに指向
させる励起光照射光学系と、前記励起光源から発せられ
た前記励起光によって、前記複数の輝尽性蛍光体層領域
が、順次、照射されるように、前記励起光照射光学系と
前記サンプルステージとを、主走査方向および前記主走
査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させる走
査機構とを備えている。
【0083】本発明の好ましい実施態様においては、生
化学解析用データ生成装置は、さらに、紫外線光源、フ
ラッシュランプおよびストロボランプよりなる群から選
ばれる標準光源を備えている。
【0084】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用データ生成装置は、さらに、紫外線光源、フラ
ッシュランプおよびストロボランプよりなる群から選ば
れる標準光源を備えているから、生化学解析用データ生
成装置のみによって、複数の輝尽性蛍光体層領域のそれ
ぞれに対する補正データを生成し、データメモリに保存
することが可能になる。
【0085】本発明の好ましい実施態様においては、生
化学解析用データ生成装置は、さらに、X線源、軟X線
源およびβ線源よりなる群から選ばれる標準線源を備え
ている。
【0086】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用データ生成装置は、さらに、X線源、軟X線源
およびβ線源よりなる群から選ばれる標準線源を備えて
いるから、生化学解析用データ生成装置のみによって、
複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれに対する補正デー
タを生成し、データメモリに保存することが可能にな
る。
【0087】本発明の好ましい実施態様においては、前
記標準光源または前記標準線源が、面状光源または面状
線源によって構成されている。
【0088】本発明の別の好ましい実施態様において
は、生化学解析用データ生成装置は、さらに、前記標準
光源から発せられた光または前記標準線源から発せられ
た放射線を、前記サンプルステージに指向させる露光光
照射光学系を備え、前記露光光照射光学系によって、前
記標準光源から発せられた光または前記標準線源から発
せられた放射線が、前記サンプルステージに向けて、ラ
イン状に指向されるように構成され、前記走査機構が、
ライン状の光または放射線によって、前記複数の輝尽性
蛍光体層領域が、一次元的に走査されるように、前記露
光光照射光学系と前記サンプルステージとを、前記主走
査方向または前記副走査方向に、相対的に移動させるよ
うに構成されている。
【0089】本発明の別の好ましい実施態様において
は、生化学解析用データ生成装置は、さらに、前記標準
光源から発せられた光または前記標準線源から発せられ
た放射線を、前記サンプルステージに指向させる露光光
照射光学系を備え、前記走査機構が、前記標準光源から
発せられた光または前記標準線源から発せられた放射線
によって、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、順次、照
射されるように、前記露光光照射光学系と前記サンプル
ステージとを、前記主走査方向および前記副走査方向
に、相対的に移動させるように構成されている。
【0090】本発明の好ましい実施態様においては、生
化学解析用データ生成装置は、さらに、前記励起光源お
よび前記走査機構を制御する励起制御手段と、前記励起
光照射光学系と前記サンプルステージとの主走査方向に
おける相対的位置関係を検出する位置検出手段とを備
え、前記励起制御手段が、前記位置検出手段によって検
出された前記励起光照射光学系と前記サンプルステージ
との主走査方向における相対的位置関係に基づいて、前
記複数の輝尽性蛍光体層領域に照射される励起光の単位
面積あたりのエネルギーが、前記複数の輝尽性蛍光体層
領域以外の領域に比して、高くなるように、前記励起光
源および前記走査機構を制御するように構成されてい
る。
【0091】本発明の好ましい実施態様によれば、励起
制御手段が、位置検出手段によって検出された励起光照
射光学系とサンプルステージとの主走査方向における相
対的位置関係に基づいて、複数の輝尽性蛍光体層領域に
照射される励起光の単位面積あたりのエネルギーが、複
数の輝尽性蛍光体層領域以外の領域に比して、高くなる
ように、励起光源および走査機構を制御するように構成
されているから、励起光の走査に伴なって、次に励起す
べき隣り合ったドット状の輝尽性蛍光体層領域が、励起
され、輝尽光を放出して、蓄積されている放射線エネル
ギーを放出することを確実に防止することができ、した
がって、所望のように、定量性に優れた生化学解析用デ
ータを生成することが可能になる。
【0092】本発明の好ましい実施態様においては、前
記励起制御手段が、前記励起光照射光学系と前記サンプ
ルステージとを、主走査方向に、相対的に、かつ、間欠
的に移動させるように、前記走査機構を制御するととも
に、前記複数の輝尽性蛍光体層領域に、それぞれ、所定
の時間にわたって、前記励起光が照射されるように、前
記励起光源を制御するように構成されている。
【0093】本発明の好ましい実施態様によれば、励起
制御手段が、励起光照射光学系とサンプルステージと
を、主走査方向に、相対的に、かつ、間欠的に移動させ
るように、走査機構を制御するとともに、複数のドット
状の輝尽性蛍光体層領域に、それぞれ、所定の時間にわ
たって、励起光が照射されるように、励起光源を制御す
るように構成されているから、励起光の走査に伴なっ
て、次に励起すべき隣り合ったドット状の輝尽性蛍光体
層領域が、励起され、輝尽光を放出して、蓄積されてい
る放射線エネルギーを放出することを確実に防止するこ
とができ、したがって、所望のように、定量性に優れた
生化学解析用データを生成することが可能になる。
【0094】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記励起制御手段が、前記励起光照射光学系と前記
サンプルステージとを、主走査方向に、相対的に、か
つ、間欠的に移動させる間、前記励起光が、常時、前記
蓄積性蛍光体シートに照射されるように、前記励起光源
を制御するように構成されている。
【0095】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記励起制御手段が、前記励起光照射光学系と前記
サンプルステージとを、主走査方向に、相対的に、か
つ、間欠的に移動させる間、前記励起光が、常時、前記
蓄積性蛍光体シートに照射されるように、前記励起光源
を制御するように構成されている。
【0096】本発明の好ましい実施態様によれば、励起
制御手段が、励起光を、常時、蓄積性蛍光体シートに照
射するように、励起光源を制御しているが、励起制御手
段は、照射光学系とサンプルステージとを、主走査方向
に、相対的に、かつ、間欠的に移動させるように、走査
機構を制御しているから、励起光の走査に伴なって、次
に励起すべき隣り合ったドット状の輝尽性蛍光体層領域
が、励起され、輝尽光を放出して、蓄積されている放射
線エネルギーを放出することを確実に防止することがで
き、したがって、所望のように、定量性に優れた生化学
解析用データを生成することが可能になる。
【0097】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記励起制御手段が、前記複数の輝尽性蛍光体層領
域にのみ、前記励起光が照射され、前記複数の輝尽性蛍
光体層領域以外の領域に、前記励起光が照射されないよ
うに、前記励起光源をオン・オフ制御するように構成さ
れている。
【0098】本発明の好ましい実施態様によれば、励起
制御手段が、複数のドット状の輝尽性蛍光体層領域にの
み、励起光が照射され、複数のドット状の輝尽性蛍光体
層領域以外の領域に、励起光が照射されないように、励
起光源をオン・オフ制御するように構成されているか
ら、各時点で、励起光が照射されているのは、励起すべ
きドット状の輝尽性蛍光体層領域のみになり、したがっ
て、励起光の走査に伴なって、次に励起すべき隣り合っ
たドット状の輝尽性蛍光体層領域が、励起され、輝尽光
を放出して、蓄積されている放射線エネルギーを放出す
ることを、より一層、確実に防止することができ、した
がって、所望のように、定量性に優れた生化学解析用デ
ータを生成することが可能になる。
【0099】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記走査機構が、前記励起光照射光学系と前記サン
プルステージとを、主走査方向に隣り合う前記輝尽性蛍
光体層領域の間の距離に等しいピッチで、主走査方向
に、相対的に、かつ、間欠的に移動させるように構成さ
れている。
【0100】本発明の好ましい実施態様においては、前
記走査機構が、前記励起光照射光学系と前記サンプルス
テージとを、主走査方向に、相対的に、かつ、連続的に
移動させるように構成され、前記励起制御手段が、実質
的に、前記複数の輝尽性蛍光体層領域にのみ、前記励起
光が照射され、前記複数の輝尽性蛍光体層領域以外の領
域に、前記励起光が照射されないように、前記励起光源
をオン・オフ制御するように構成されている。
【0101】本発明の好ましい実施態様によれば、走査
機構が、励起光照射光学系とサンプルステージとを、主
走査方向に、相対的に、かつ、連続的に移動させるよう
に構成されているが、励起制御手段が、実質的に、複数
のドット状の輝尽性蛍光体層領域にのみ、励起光が照射
され、複数のドット状の輝尽性蛍光体層領域以外の領域
に、励起光が照射されないように、励起光源をオン・オ
フ制御するように構成されているから、励起光の走査に
伴なって、次に励起すべき隣り合ったドット状の輝尽性
蛍光体層領域が、励起され、輝尽光を放出して、蓄積さ
れている放射線エネルギーを放出することを確実に防止
することができ、したがって、所望のように、定量性に
優れた生化学解析用データを生成することが可能にな
る。
【0102】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、生化学解析用データ生成装置は、さらに、前記光検
出器によって生成されたアナログ信号を積分する積分手
段を備えている。
【0103】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用データ生成装置は、さらに、光検出器
によって生成されたアナログ信号を積分する積分手段を
備えているから、励起光を照射して、複数のドット状の
輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を励起
し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出
して、生成されたアナログ信号を積分し、アナログ信号
の積分値をディジタル化して、生化学解析用データを生
成することによって、ドット状の輝尽性蛍光体層領域に
蓄積されている放射線エネルギーが小さく、励起光によ
って、ドット状の輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝
尽性蛍光体が励起されたときに、ドット状の輝尽性蛍光
体層領域から放出される輝尽光の強度が小さくても、感
度よく、十分に大きい信号強度を有するディジタルデー
タを生成することが可能になる。
【0104】本発明の別の好ましい実施態様において
は、生化学解析用データ生成装置は、さらに、前記A/
D変換器によって、生成されたディジタル信号を加算す
る加算手段を備えている。
【0105】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
生化学解析用データ生成装置は、さらに、A/D変換器
によって、生成されたディジタル信号を加算する加算手
段を備えているから、励起光を照射して、複数のドット
状の輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を
励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に
検出して、生成されたアナログ信号をディジタル化し
て、生成したディジタル信号を加算して、生化学解析用
データを生成することによって、ドット状の輝尽性蛍光
体層領域に蓄積されている放射線エネルギーが小さく、
励起光によって、ドット状の輝尽性蛍光体層領域に含ま
れている輝尽性蛍光体が励起されたときに、ドット状の
輝尽性蛍光体層領域から放出される輝尽光の強度が小さ
くても、感度よく、十分に大きい信号強度を有するディ
ジタルデータを生成することが可能になる。
【0106】本発明の好ましい実施態様においては、前
記励起光源が、レーザ励起光源によって構成されてい
る。
【0107】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記励起光源が、LED励起光源によって構成され
ている。
【0108】本発明において使用される輝尽性蛍光体層
に含まれる輝尽性蛍光体としては、放射線のエネルギー
を蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄積している
放射線のエネルギーを光の形で放出可能なものであれば
よく、とくに限定されるものではないが、可視光波長域
の光により励起可能であるものが好ましい。具体的に
は、たとえば、米国特許第4,239,968号に開示
されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体(B
a1−xM2+x)FX:yA(ここに、M2+はM
g、Ca、Sr、ZnおよびCdからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、XはCl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種の
ハロゲン、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、
Ho、Nd、YbおよびErからなる群より選ばれる少
なくとも一種の3価金属元素、xは0≦x≦0.6、y
は0≦y≦0.2である。)、特開平2−276997
号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物
系蛍光体SrFX:Z(ここに、XはCl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、
ZはEuまたはCeである。)、特開昭59−5647
9号公報に開示されたユーロピウム付活複合ハロゲン物
系蛍光体BaFX・xNaX’:aEu2+(ここに、
XおよびX’はいずれも、Cl、BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは
0<x≦2、aは0<a≦0.2である。)、特開昭5
8−69281号公報に開示されたセリウム付活三価金
属オキシハロゲン物系蛍光体であるMOX:xCe(こ
こに、MはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、YbおよびBiからなる群より
選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、XはBrおよ
びIのうちの一方あるいは双方、xは、0<x<0.1
である。)、米国特許第4,539,137号に開示さ
れたセリウム付活希土類オキシハロゲン物系蛍光体であ
るLnOX:xCe(ここに、LnはY、La、Gdお
よびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土
類元素、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲン、xは、0<x≦0.1で
ある。)および米国特許第4,962,047号に開示
されたユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体MII
X・aMX’・bM’II''2・cMIII'''3 ・
xA:yEu2+(ここに、MIIはBa、SrおよびC
aからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土
類金属元素、M はLi、Na、K、RbおよびCs
からなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属
元素、M' IIはBeおよびMgからなる群より選ばれる
少なくとも一種の二価金属元素、MIIIはAl、Ga、
InおよびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種
の三価金属元素、Aは少なくとも一種の金属酸化物、X
はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくと
も一種のハロゲン、X’、X''およびX''' はF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであり、aは、0≦a≦2、bは、0≦b
≦10−2、cは、0≦c≦10−2で、かつ、a+b
+c≧10−2であり、xは、0<x≦0.5で、y
は、0<y≦0.2である。)が、好ましく使用し得
る。
【0109】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0110】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用データの生成方法に用いられる生化学解
析用ユニットの略斜視図である。
【0111】図1に示されるように、生化学解析用ユニ
ット1は、アルミニウムによって形成され、多数の略円
形の貫通孔3が高密度に形成された基板2を備え、多数
の貫通孔3の内部には、ナイロン6が充填されて、互い
に離間した多数の吸着性領域4が、ドット状に形成され
ている。
【0112】図1には正確に示されていないが、本実施
態様においては、約10000の約0.01平方ミリメ
ートルのサイズを有する貫通孔3が、約5000個/平
方センチメートルの密度で、かつ、規則的なパターンに
したがって、基板2に形成されている。ここに、ナイロ
ン6は、その表面が、基板2の表面とほぼ一致するよう
に、多数の貫通孔3内に、充填され、吸着性領域4が形
成されている。
【0113】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0114】生化学解析にあたっては、図2に示される
ように、生化学解析用ユニット1に規則的に形成された
多数の吸着性領域4内に、たとえば、特異的結合物質と
して、塩基配列が既知の互いに異なった複数のcDNA
が、スポッティング装置5を使用して、滴下される。
【0115】図2に示されるように、スポッティング装
置5は、インジェクタ6とCCDカメラ7を備え、CC
Dカメラ7によって、インジェクタ6の先端部と、特異
的結合物質を滴下すべき生化学解析用ユニット1の貫通
孔3を観察しながら、インジェクタ6の先端部と、特異
的結合物質を滴下すべき貫通孔3の中心とが合致したと
きに、インジェクタ6から、塩基配列が既知の互いに異
なった複数のcDNAなどの特異的結合物質が滴下され
るように構成され、生化学解析用ユニット1の多数のド
ット状の吸着性領域4内に、特異的結合物質を、正確に
滴下することができるように保証されている。
【0116】図3は、ハイブリダイズ容器の略縦断面図
である。
【0117】図3に示されるように、ハイブリダイゼー
ション容器8は矩形状断面を有し、内部に、標識物質に
よって標識されたプローブである生体由来の物質を含む
ハイブリダイゼーション溶液9が収容されている。
【0118】放射性標識物質によって、cDNAなどの
特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標
識物質によって標識されたプローブである生体由来の物
質を含むハイブリダイゼーション溶液9が調製され、ハ
イブリダイゼーション容器8内に収容される。
【0119】一方、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって、cDNA
などの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識されたプローブである生体由
来の物質を含むハイブリダイゼーション溶液9が調製さ
れ、ハイブリダイゼーション容器8内に収容される。
【0120】さらに、蛍光色素などの蛍光物質によっ
て、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する
場合には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された
プローブである生体由来の物質を含むハイブリダイゼー
ション溶液9が調製され、ハイブリダイゼーション容器
8内に収容される。
【0121】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション溶液9を調製して、ハイブリ
ダイゼーション容器8内に収容させることもでき、本実
施態様においては、放射性標識物質によって標識された
生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって
標識された生体由来の物質を含むハイブリダイゼーショ
ン溶液9が調製され、ハイブリダイゼーション容器8内
に収容されている。
【0122】ハイブリダイゼーションにあたって、cD
NAなどの特異的結合物質が、多数の吸着性領域4に吸
着されている生化学解析用ユニット1が、ハイブリダイ
ゼーション容器8内に挿入される。
【0123】その結果、多数の吸着性領域4に吸着され
ている特異的結合物質に、放射性標識物質により標識さ
れ、ハイブリダイゼーション溶液9に含まれた生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識さ
れ、ハイブリダイゼーション溶液9に含まれた生体由来
の物質が、選択的に、ハイブリダイズされる。
【0124】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に、標識物質である放射性標識物質の放
射線データおよび蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データ
が記録される。吸着性領域4に記録された蛍光データ
は、後述するスキャナによって読み取られ、生化学解析
用データが生成される。
【0125】一方、放射性標識物質の放射線データは、
蓄積性蛍光体シートに転写され、蓄積性蛍光体シートに
転写された放射線データは、後述するスキャナによって
読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0126】図4は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用データの生成方法に用いられる蓄積性蛍
光体シートの略斜視図であり、図5は、その略部分断面
図である。
【0127】図4および図5に示されるように、本実施
態様にかかる蓄積性蛍光体シート10は、多数の略円形
の貫通孔13が規則的に形成されたニッケル製の支持体
11を備え、支持体11の形成された多数の貫通孔13
内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、多数の輝尽性蛍光
体層領域12が、ドット状に形成されている。
【0128】多数の貫通孔12は、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4と同一の
パターンで、支持体11に形成され、それぞれ、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領
域4と同じサイズを有している。
【0129】したがって、図4には、正確に示されてい
ないが、本実施態様においては、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性
蛍光体層領域12が、約5000個/平方センチメート
ルの密度で、かつ、規則的なパターンで、蓄積性蛍光体
シート10の支持体11に、ドット状に形成されてい
る。
【0130】また、図5に示されるように、本実施態様
においては、支持体11の表面と、ドット状に形成され
た輝尽性蛍光体層領域12の表面とが同一の高さに位置
するように、支持体11に形成された貫通孔13に、輝
尽性蛍光体が埋め込まれて、蓄積性蛍光体シート10が
形成されている。
【0131】図6は、生化学解析用ユニット1に形成さ
れた多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域12を露光する方法を示す略
断面図である。
【0132】図6に示されるように、露光にあたって、
生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域
4が、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成され
た多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12に対向する
ように、蓄積性蛍光体シート10と生化学解析用ユニッ
ト1とが重ね合わされる。
【0133】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1は、アルミニウム製の基板2に形成された多数の
貫通孔3内に、ナイロン6が充填されて、形成されてい
るので、ハイブリダイゼーションなど、液体による処理
を受けても、ほとんど伸縮することがなく、したがっ
て、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性
領域4が、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数の
ドット状の輝尽性蛍光体層領域12に、正確に対向する
ように、蓄積性蛍光体シート10と生化学解析用ユニッ
ト1とを、容易にかつ確実に重ね合わせて、ドット状輝
尽性蛍光体層領域12を露光することが可能になる。
【0134】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート10に形成された多数のドット状の輝尽性
蛍光体層領域12の各々と、生化学解析用ユニット1に
形成された多数の吸着性領域4とを対向させることによ
って、吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドット
状輝尽性蛍光体層領域12が露光される。
【0135】この際、吸着性領域4に吸着されている放
射性標識物質から電子線が発せられるが、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4は、アルミニウムによって形
成された基板2に、互いに離間して、ドット状に形成さ
れ、各吸着性領域4の周囲には、放射線を減衰させる性
質を有するアルミニウムが存在しており、さらに、蓄積
性蛍光体シート10の多数のドット状の輝尽性蛍光体層
領域12が、放射線を減衰させる性質を有するニッケル
製の支持体11に形成された複数の貫通孔12内に、輝
尽性蛍光体11を埋め込んで、形成され、各輝尽性蛍光
体層領域12の周囲には、放射線を減衰させる性質を有
するニッケル製の支持体11が存在しているから、吸着
性領域4に含まれている放射性標識物質から発せられた
電子線が散乱することを確実に防止することができ、し
たがって、吸着性領域4に含まれている放射性標識物質
から発せられた電子線はすべて、その吸着性領域4に対
向する輝尽性蛍光体層領域12に入射し、隣り合う吸着
性領域4から放出される電子線によって露光されるべき
輝尽性蛍光体層領域12に入射して、露光することを確
実に防止することができる。
【0136】したがって、蓄積性蛍光体シート10に形
成された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域12を、生
化学解析用ユニット1の対応する吸着性領域4に含まれ
た放射性標識物質のみによって、確実に、露光すること
が可能になる。
【0137】こうして、蓄積性蛍光体シート10に形成
された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域12に、放射
性標識物質の放射線データが記録される。
【0138】図7は、蓄積性蛍光体シート10に形成さ
れた多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12に記録さ
れた放射性標識物質の放射線データおよび生化学解析用
ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された蛍光色素
などの蛍光データを読み取って、生化学解析用データを
生成する本発明の好ましい実施態様にかかるスキャナの
略斜視図であり、図8は、フォトマルチプライア近傍の
スキャナの詳細を示す略斜視図である。
【0139】本実施態様にかかるスキャナは、蓄積性蛍
光体シート10に形成された多数のドット状の輝尽性蛍
光体層領域12に記録された放射性標識物質の放射線デ
ータおよび生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4に記録された蛍光色素などの蛍光データを読み取り可
能に構成されており、640nmの波長のレーザ光24
を発する第1のレーザ励起光源21と、532nmの波
長のレーザ光24を発する第2のレーザ励起光源22
と、473nmの波長のレーザ光24を発する第3のレ
ーザ励起光源23とを備えている。
【0140】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源21は、半導体レーザ光源により構成され、第2の
レーザ励起光源22および第3のレーザ励起光源23
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素
子によって構成されている。
【0141】第1のレーザ励起光源21により発生され
たレーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平
行光とされた後、ミラー26によって反射される。第1
のレーザ励起光源21から発せられ、ミラー26によっ
て反射されたレーザ光24の光路には、640nmのレ
ーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する第
1のダイクロイックミラー27および532nm以上の
波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第
2のダイクロイックミラー28が設けられており、第1
のレーザ励起光源21により発生されたレーザ光24
は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダイ
クロイックミラー28を透過して、ミラー29に入射す
る。
【0142】他方、第2のレーザ励起光源22より発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ30により、
平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に
よって反射されて、その向きが90度変えられて、第2
のダイクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入
射する。
【0143】また、第3のレーザ励起光源23から発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ31によっ
て、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー2
8により反射されて、その向きが90度変えられた後、
ミラー29に入射する。
【0144】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射され、さらに、ミラー32に入射
して、反射される。
【0145】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4の光路には、中央部に穴33が形成された凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34が配置されてお
り、ミラー32によって反射されたレーザ光24は、穴
開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラー38に
入射する。
【0146】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0147】光学ヘッド35は、ミラー36と、非球面
レンズ37を備えており、光学ヘッド35に入射したレ
ーザ光24は、ミラー36によって反射されて、非球面
レンズ37によって、ステージ40のガラス板41上に
載置された蓄積性蛍光体シート10あるいは生化学解析
用ユニット1に入射する。ステージ40に、生化学解析
用ユニット1をセットするときは、吸着性領域4の面
が、下方を向くように、生化学解析用ユニット1が、ス
テージ40のガラス板41上に載置される。
【0148】蓄積性蛍光体シート10に、レーザ光24
が入射すると、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に
形成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12が
励起され、輝尽光45が発せられ、また、生化学解析用
ユニット1に、レーザ光24が入射すると、多数の吸着
性領域4に含まれている蛍光色素などの蛍光物質が励起
されて、蛍光45が発せられる。
【0149】蓄積性蛍光体シート10の多数のドット状
の輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽光45あ
るいは生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4か
ら放出された蛍光45は、光学ヘッド35に設けられた
非球面レンズ37によって、ミラー36に集光され、ミ
ラー36によって、レーザ光24の光路と同じ側に反射
され、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射する。
【0150】凹面ミラー38に入射した輝尽光45ある
いは蛍光45は、凹面ミラー38によって反射されて、
穴開きミラー34に入射する。
【0151】穴開きミラー34に入射した輝尽光45あ
るいは蛍光45は、図8に示されるように、凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34によって、下方に
反射されて、フィルタユニット48に入射し、所定の波
長の光がカットされて、フォトマルチプライア50に入
射し、光電的に検出される。
【0152】図8に示されるように、フィルタユニット
48は、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、
51dを備えており、フィルタユニット48は、モータ
(図示せず)によって、図7において、左右方向に移動
可能に構成されている。
【0153】図9は、図8のA−A線に沿った略断面図
である。
【0154】図9に示されるように、フィルタ部材51
aはフィルタ52aを備え、フィルタ52aは、第1の
レーザ励起光源21を用いて、生化学解析用ユニット1
に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光色
素などの蛍光物質を励起し、蛍光45を読み取るときに
使用されるフィルタ部材であり、640nmの波長の光
をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有している。
【0155】図10は、図8のB−B線に沿った断面図
である。
【0156】図10に示されるように、フィルタ部材5
1bはフィルタ52bを備え、フィルタ52bは、第2
のレーザ励起光源22を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光
色素などの蛍光物質を励起し、蛍光45を読み取るとき
に使用されるフィルタ部材であり、532nmの波長の
光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過す
る性質を有している。
【0157】図11は、図8のC−C線に沿った断面図
である。
【0158】図11に示されるように、フィルタ部材5
1cはフィルタ52cを備え、フィルタ52cは、第3
のレーザ励起光源23を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光
色素などの蛍光物質を励起して、蛍光45を読み取ると
きに使用されるフィルタ部材であり、473nmの波長
の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過
する性質を有している。
【0159】図12は、図8のD−D線に沿った断面図
である。
【0160】図12に示されるように、フィルタ部材5
1dはフィルタ52dを備え、フィルタ52dは、第1
のレーザ励起光源21を用いて、蓄積性蛍光体シート1
0に形成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域1
2を励起して、輝尽性蛍光体層領域12から発せられた
輝尽光45を読み取るときに使用されるフィルタであ
り、輝尽性蛍光体層領域12から放出される輝尽光45
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有している。
【0161】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタ部材51a、51b、51c、51d
を選択的にフォトマルチプライア50の前面に位置させ
ることによって、フォトマルチプライア50は、検出す
べき光のみを光電的に検出することができる。
【0162】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換され、デー
タ処理装置54に送られる。
【0163】図7には図示されていないが、光学ヘッド
35は、走査機構によって、図7において、矢印Xで示
される主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に
移動可能に構成され、生化学解析用ユニット1の全面
が、レーザ光24によって走査されるように構成されて
いる。
【0164】図13は、光学ヘッドの走査機構の略平面
図である。図13においては、簡易化のため、光学ヘッ
ド35を除く光学系ならびにレーザ光24および蛍光4
5あるいは輝尽光45の光路は省略されている。
【0165】図13に示されるように、光学ヘッド35
を走査する走査機構は、基板60を備え、基板60上に
は、副走査パルスモータ61と一対のレール62、62
とが固定され、基板60上には、さらに、図13におい
て、矢印Yで示された副走査方向に、移動可能な基板6
3とが設けられている。
【0166】移動可能な基板63には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ61によって回転されるねじが切られた
ロッド64が係合している。
【0167】移動可能な基板63上には、主走査ステッ
ピングモータ65が設けられ、主走査ステッピングモー
タ65は、エンドレスベルト66を、生化学解析用ユニ
ット1に形成された隣り合う貫通孔3、すなわち、蓄積
性蛍光体シート10に形成された隣り合うドット状の輝
尽性蛍光体層領域12の距離に等しいピッチで、間欠的
に駆動可能に構成されている。光学ヘッド35は、エン
ドレスベルト66に固定されており、主走査ステッピン
グモータ65によって、エンドレスベルト66が駆動さ
れると、図13において、矢印Xで示された主走査方向
に移動されるように構成されている。図13において、
67は、光学ヘッド35の主走査方向における位置を検
出するリニアエンコーダであり、68は、リニアエンコ
ーダ67のスリットである。
【0168】したがって、主走査ステッピングモータ6
5によって、エンドレスベルト66が、主走査方向に間
欠的に駆動され、1ラインの走査が完了すると、副走査
パルスモータ61によって、基板63が、副走査方向に
間欠的に移動されることによって、光学ヘッド35は、
図13において、矢印Xで示される主走査方向および矢
印Yで示される副走査方向に移動され、レーザ光24に
よって、蓄積性蛍光体シート10に形成されたすべての
ドット状の輝尽性蛍光体層領域12あるいは生化学解析
用ユニット1の全面が走査される。
【0169】図14は、本発明の好ましい実施態様にか
かるスキャナの制御系、入力系、駆動系および検出系を
示すブロックダイアグラムである。
【0170】図14に示されるように、スキャナの制御
系は、スキャナ全体を制御するコントロールユニット7
0と、データ処理装置54と、メモリ55を備えてお
り、また、スキャナの入力系は、ユーザーによって操作
され、種々の指示信号を入力可能なキーボード71を備
えている。
【0171】図14に示されるように、スキャナの駆動
系は、光学ヘッド35を主走査方向に間欠的に移動させ
る主走査ステッピングモータ65と、光学ヘッド35を
副走査方向に間欠的に移動させる副走査パルスモータ6
1と、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、5
1dを備えたフィルタユニット48を移動させるフィル
タユニットモータ72を備えている。
【0172】コントロールユニット70は、第1のレー
ザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3
のレーザ励起光源23に選択的に駆動信号を出力すると
ともに、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力
可能に構成されている。
【0173】また、図14に示されるように、スキャナ
の検出系は、フォトマルチプライア50と、光学ヘッド
35の主走査方向における位置を検出するリニアエンコ
ーダ67を備えている。
【0174】本実施態様においては、コントロールユニ
ット70は、リニアエンコーダ67から入力される光学
ヘッド35の位置検出信号にしたがって、第1のレーザ
励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3の
レーザ励起光源23をオン・オフ制御可能に構成されて
いる。
【0175】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に含まれた放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体
シート10のドット状の輝尽性蛍光体層領域12を露光
することにより、蓄積性蛍光体シート10のドット状の
輝尽性蛍光体層領域12に記録された放射線データは、
以上のように構成されたスキャナによって、読み取ら
れ、生化学解析用データが生成されるが、本実施態様に
かかる蓄積性蛍光体シート10においては、多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域12に含まれる輝尽性蛍光体
の量が、均一になるように、輝尽性蛍光体を、支持体1
1に形成された多数の貫通孔3内に埋め込むことが困難
であるため、同じ放射線エネルギーで露光をしても、ド
ット状の輝尽性蛍光体層領域12のそれぞれによって、
蓄積される放射線エネルギー量が異なり、したがって、
蓄積性蛍光体シート10の多数のドット状の輝尽性蛍光
体浅生領域12に記録された放射線データを、スキャナ
により読み取って、生成した生化学解析用データ中に
は、各輝尽性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性蛍
光体の量のばらつきに起因する信号強度のばらつきが生
成されることになる。
【0176】そこで、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4に選択
的に含まれた放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シ
ート10のドット状の輝尽性蛍光体層領域12を露光す
るのに先立って、面状のβ線源を用いて、蓄積性蛍光体
シート10のドット状の輝尽性蛍光体層領域12が露光
され、スキャナによって、蓄積性蛍光体シート10のド
ット状の輝尽性蛍光体層領域12に記録された放射線デ
ータが読み取られて、生化学解析用のデータ中に生成さ
れる信号強度のばらつきを補正するための補正データが
生成され、データ処理装置54のメモリ(図示せず)に
記憶されるように構成されている。
【0177】図15は、各輝尽性蛍光体層領域12に対
する補正データを生成するために、蓄積性蛍光体シート
10のドット状の輝尽性蛍光体を露光する露光装置の略
部分断面図である。
【0178】図15に示されるように、各輝尽性蛍光体
層領域12に対する補正データを生成するための露光装
置は、均一に、β線を放出する面状のβ線源18によっ
て構成され、蓄積性蛍光体シート10に、面状のβ線源
18が重ね合わされて、面状のβ線源18から、均一
に、放出されるβ線によって、蓄積性蛍光体シート10
のドット状の輝尽性蛍光体層領域12が露光され、補正
データ生成用の放射線データが記録される。
【0179】こうして、ドット状の輝尽性蛍光体層領域
12に、補正データ生成用の放射線データが記録された
蓄積性蛍光体シート10は、多数のドット状の輝尽性蛍
光体層領域12がガラス板41の表面に接するように、
ステージ40のガラス板41上に載置される。
【0180】次いで、ユーザーによって、補正データを
生成する旨の指示信号が、キーボード71に入力され、
コントロールユニット70に出力されると、コントロー
ルユニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユ
ニットモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニッ
ト48を移動させ、輝尽性蛍光体層領域12から放出さ
れる輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nmの波
長の光をカットする性質を有するフィルタ52dを備え
たフィルタ部材51dを、輝尽光45の光路内に位置さ
せる。
【0181】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基づい
て、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドット
状の輝尽性蛍光体層領域12のうちの第1の輝尽性蛍光
体層領域12に、レーザ光24を照射可能な位置に、光
学ヘッド35が達したと判定すると、主走査ステッピン
グモータ65に停止信号を出力するとともに、第1のレ
ーザ励起光源21に駆動信号を出力し、第1のレーザ励
起光源21を起動させ、640nmの波長のレーザ光2
4を発せさせる。
【0182】第1のレーザ励起光源21から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平行
な光とされた後、ミラー26に入射して、反射される。
【0183】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0184】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0185】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0186】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0187】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄積
性蛍光体シート10の第1のドット状の輝尽性蛍光体層
領域12に集光される。
【0188】その結果、蓄積性蛍光体シート10に形成
された第1のドット状の輝尽性蛍光体層領域12に含ま
れる輝尽性蛍光体が、レーザ光24によって励起され
て、第1の輝尽性蛍光体層領域12から輝尽光45が放
出される。
【0189】蓄積性蛍光体シート10の第1の輝尽性蛍
光体層領域12から放出された輝尽光45は、光学ヘッ
ド35に設けられた非球面レンズ37によって集光さ
れ、ミラー36により、レーザ光24の光路と同じ側に
反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射す
る。
【0190】凹面ミラー38に入射した輝尽光45は、
凹面ミラー38によって反射され、穴開きミラー34に
入射する。
【0191】穴開きミラー34に入射した輝尽光45
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34に
よって、図8に示されるように、下方に反射され、フィ
ルタユニット48のフィルタ52dに入射する。
【0192】フィルタ52dは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nmの
波長の光をカットする性質を有しているので、励起光で
ある640nmの波長の光がカットされ、輝尽光の波長
域の光のみがフィルタ52dを透過して、フォトマルチ
プライア50によって、光電的に検出される。
【0193】第1のレーザ励起光源21がオンされた
後、所定の時間が経過すると、コントロールユニット7
0は、第1のレーザ励起光源21にオフ信号を出力し
て、第1のレーザ励起光源21をオフさせるとともに、
主走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力し
て、光学ヘッド35を、蓄積性蛍光体シート10の支持
体11に形成された隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層
領域12間の距離に等しいピッチだけ、移動させる。
【0194】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層領域12間の距
離に等しい1ピッチだけ移動されたことが確認される
と、コントロールユニット70は、第1のレーザ励起光
源21に駆動信号を出力して、第1のレーザ励起光源2
1をオンさせて、レーザ光24によって、蓄積性蛍光体
シート10に形成された第2のドット状の輝尽性蛍光体
層領域12を励起する。
【0195】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、蓄積性蛍光体シート10に形成された第2の
ドット状の輝尽性蛍光体層領域12に照射され、第2の
輝尽性蛍光体層領域12から発せられた輝尽光45が、
フォトマルチプライア50によって、光電的に検出され
ると、コントロールユニット70は、第1のレーザ励起
光源21にオフ信号を出力して、第1のレーザ励起光源
21をオフさせるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、隣り
合うドット状の輝尽性蛍光体層領域12間の距離に等し
い1ピッチだけ、移動させる。
【0196】こうして、光学ヘッド35の間欠移動に同
期して、第1のレーザ励起光源21のオン・オフが繰り
返され、リニアエンコーダ67から入力された光学ヘッ
ド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35が、主
走査方向に、1ライン分だけ、移動され、第1ライン目
のドット状の輝尽性蛍光体層領域12のレーザ光24に
よる走査が完了したことが確認されると、コントロール
ユニット70は、主走査ステッピングモータ65に駆動
信号を出力して、光学ヘッド35を元の位置に復帰させ
るとともに、副走査パルスモータ61に駆動信号を出力
して、移動可能な基板63を、副走査方向に、1ライン
分だけ、移動させる。
【0197】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、第1ライン目
のドット状の輝尽性蛍光体層領域12に、順次、第1の
レーザ励起光源21から発せられるレーザ光24を照射
したのと全く同様にして、第2ライン目のドット状の輝
尽性蛍光体層領域12に、順次、第1のレーザ励起光源
21から発せられるレーザ光24を照射して、ドット状
の輝尽性蛍光体層領域12を励起し、輝尽性蛍光体層領
域12から発せられた輝尽光45を、順次、フォトマル
チプライア50によって、光電的に検出させる。
【0198】こうして、蓄積性蛍光体シート10に形成
された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12がすべ
て、レーザ光24によって走査されると、第1のレーザ
励起光源21がオフされ、フォトマルチプライア50に
よって光電的に検出されて、生成されたアナログデータ
は、A/D変換器53によって、ディジタルデータに変
換されて、データ処理装置54に送られる。
【0199】このようにして得られたディジタルデータ
は、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドット
状の輝尽性蛍光体層領域12を、均一なβ線を発生する
面状のβ線源18を用いて、露光し、生成されたもので
あるから、多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12に
対応する信号強度は、本来、等しくなるべきものである
が、多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12に含まれ
ている輝尽性蛍光体の量が、均一になるように、輝尽性
蛍光体を、多数の貫通孔3内に埋め込んで、多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域12が形成できなかったとき
は、同じ放射線エネルギーで露光をしても、輝尽性蛍光
体層領域12のそれぞれによって、蓄積される放射線エ
ネルギーが異なるため、信号強度は等しくはならず、し
たがって、蓄積性蛍光体シート1と、生化学解析用ユニ
ット1とを重ね合わせて、生化学解析用ユニット1の基
板2に形成された多数の吸着性領域4に含まれている放
射性標識物質によって、多数のドット状の輝尽性蛍光体
層領域12を露光し、レーザ光24で走査して、多数の
ドット状の輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽
光45を検出し、ディジタル化して、生化学解析用のデ
ィジタルデータを生成しても、精度よく、定量解析をす
ることは不可能である。
【0200】そこで、本実施態様においては、データ処
理装置54は、蓄積性蛍光体シート10に形成された多
数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12を、均一なβ線
を発生する面状のβ線源18を用いて、露光し、生成さ
れたディジタルデータに基づいて、多数のドット状の輝
尽性蛍光体層領域12に対応する信号強度の平均値を1
として、ディジタルデータを正規化して、各輝尽性蛍光
体層領域12に対する補正係数αi(iは、輝尽性蛍光
体層領域に形成位置を示すものである。)を生成し、メ
モリ55に書き込むように構成されている。
【0201】生化学解析にあたり、ユーザーは、図2に
示されるスポッティング装置5を用いて、図1に示され
る生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の
吸着性領域4に、cDNAなどの特異的結合物質を滴下
した後、図3に示されたハイブリダイズ容器8を用い
て、多数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、放
射性標識物質によって標識された生体由来の物質をハイ
ブリダイズさせ、得られた生化学解析用ユニット1に、
図6に示されるように、蓄積性蛍光体シート10を重ね
合わせて、蓄積性蛍光体シート10の多数のドット状の
輝尽性蛍光体層領域12を、生化学解析用ユニット1の
多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によっ
て、露光する。
【0202】露光が完了すると、ユーザーによって、多
数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12がガラス板41
の表面に接するように、蓄積性蛍光体シート10が、ス
テージ40のガラス板41上に載置される。
【0203】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域12を、レーザ光24によっ
て走査する旨の指示信号が入力される。
【0204】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニット4
8を移動させ、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光45
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有するフィルタ52dを備えたフィルタ
部材51dを、輝尽光45の光路内に位置させる。
【0205】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基づい
て、多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12のうちの
第1の輝尽性蛍光体層領域12に、レーザ光24を照射
可能な位置に、光学ヘッド35が達したことが確認され
ると、主走査ステッピングモータ65に停止信号を出力
するとともに、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を
出力して、第1のレーザ励起光源21を起動させ、64
0nmの波長のレーザ光24を発せさせる。
【0206】第1のレーザ励起光源21から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平行
な光とされた後、ミラー26に入射して、反射される。
【0207】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0208】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0209】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0210】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0211】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄積
性蛍光体シート10の第1のドット状の輝尽性蛍光体層
領域12に集光される。
【0212】その結果、蓄積性蛍光体シート10に形成
された第1のドット状の輝尽性蛍光体層領域12に含ま
れる輝尽性蛍光体が、レーザ光24によって励起され
て、第1の輝尽性蛍光体層領域12から輝尽光45が放
出される。
【0213】第1のドット状の輝尽性蛍光体領域12か
ら放出された輝尽光45は、光学ヘッド35に設けられ
た非球面レンズ37によって集光され、ミラー36によ
り、レーザ光24の光路と同じ側に反射され、平行な光
とされて、凹面ミラー38に入射する。
【0214】凹面ミラー38に入射した輝尽光45は、
凹面ミラー38によって反射され、穴開きミラー34に
入射する。
【0215】穴開きミラー34に入射した輝尽光45
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34に
よって、図7に示されるように、下方に反射され、フィ
ルタユニット48のフィルタ52dに入射する。
【0216】フィルタ52dは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光45の波長域の光のみを透過し、640n
mの波長の光をカットする性質を有しているので、励起
光である640nmの波長の光がカットされ、ドット状
の輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽光45の
波長域の光のみがフィルタ52dを透過して、フォトマ
ルチプライア50によって、光電的に検出される。
【0217】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53に出力されて、ディジタルデータに変換され、
データ処理装置54に出力される。
【0218】A/D変換器53からディジタルデータが
入力されると、データ処理装置54は、リニアエンコー
ダ67によって検出された光学ヘッド35の位置検出信
号に基づいて、第1の輝尽性蛍光体層領域12に対応す
る補正係数α1をメモリ55から読み出して、ディジタ
ルデータを補正し、第1の輝尽性蛍光体層領域12の生
化学解析用データを生成して、メモリ55に記憶させ
る。
【0219】第1のレーザ励起光源21がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第1のレーザ励起光源21に
駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、蓄積
性蛍光体シート10の支持体11に形成された隣り合う
ドット状の輝尽性蛍光体層領域12間の距離に等しいピ
ッチだけ、移動させる。
【0220】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層領域12間の距
離に等しい1ピッチだけ移動されて、第1のレーザ励起
光源21から発せられるレーザ光24を、蓄積性蛍光体
シート10に形成された第2のドット状の輝尽性蛍光体
層領域12に照射可能な位置に移動したことが確認され
ると、コントロールユニット70は、第1のレーザ励起
光源21に駆動信号を出力して、第1のレーザ励起光源
21をオンさせて、レーザ光24によって、蓄積性蛍光
体シート10に形成された第2のドット状の輝尽性蛍光
体層領域12に含まれている輝尽性蛍光体を励起する。
【0221】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、蓄積性蛍光体シート10に形成された第2の
ドット状の輝尽性蛍光体層領域12に照射されて、第2
の輝尽性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性蛍光体
が励起され、第2の輝尽性蛍光体層領域12から放出さ
れた輝尽光45が、フォトマルチプライア50によっ
て、光電的に検出されて、アナログデータが生成され、
A/D変換器53によって、ディジタル化され、ディジ
タルデータが生成される。
【0222】A/D変換器53からディジタルデータが
入力されると、データ処理装置54は、リニアエンコー
ダ67によって検出された光学ヘッド35の位置検出信
号に基づき、第2の輝尽性蛍光体層領域12に対応する
補正係数α2をメモリ55から読み出して、ディジタル
データを補正し、第2の輝尽性蛍光体層領域12の生化
学解析用データを生成して、メモリ55に記憶させる。
【0223】同時に、コントロールユニット70は、第
1のレーザ励起光源21にオフ信号を出力して、第1の
レーザ励起光源21をオフさせるとともに、主走査ステ
ッピングモータ65に、駆動信号を出力して、光学ヘッ
ド35を、隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層領域12
間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0224】こうして、光学ヘッド35の間欠移動に同
期して、第1のレーザ励起光源21のオン・オフが繰り
返され、第1ライン目のドット状の輝尽性蛍光体層領域
12の生化学解析用データが、順次、生成されて、メモ
リ55に記憶される。
【0225】その結果、リニアエンコーダ67から入力
された光学ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学
ヘッド35が、主走査方向に1ライン分だけ、移動さ
れ、第1ライン目のすべてのドット状の輝尽性蛍光体層
領域12のレーザ光24による走査が完了したことが確
認されると、コントロールユニット70は、主走査ステ
ッピングモータ65に駆動信号を出力して、光学ヘッド
35を元の位置に復帰させるとともに、副走査パルスモ
ータ61に駆動信号を出力して、移動可能な基板63
を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0226】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、第1ライン目
のドット状の輝尽性蛍光体層領域12に、順次、第1の
レーザ励起光源21から発せられるレーザ光24を照射
したのと全く同様にして、第2ライン目のドット状の輝
尽性蛍光体層領域12に、順次、第1のレーザ励起光源
21から発せられるレーザ光24を照射して、ドット状
の輝尽性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体層領域12から発せられた輝尽
光45を、順次、フォトマルチプライア50によって、
光電的に検出させる。
【0227】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置54に送られる。
【0228】A/D変換器53からディジタルデータが
入力されるたびに、データ処理装置54は、リニアエン
コーダ67によって検出された光学ヘッド35の位置検
出信号に基づいて、その輝尽性蛍光体層領域12に対応
する補正係数αiを、メモリ55から読み出して、ディ
ジタルデータを補正し、その輝尽性蛍光体層領域12の
生化学解析用データを生成して、メモリ55に記憶させ
る。
【0229】こうして、蓄積性蛍光体シート10に形成
された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12がすべ
て、第1のレーザ励起光源21から放出されたレーザ光
24によって走査され、多数のドット状の輝尽性蛍光体
層領域12に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、
放出された輝尽光45が、フォトマルチプライア50に
よって光電的に検出され、生成されたアナログデータ
が、A/D変換器53により、ディジタルデータに変換
されて、データ処理装置54に送られ、ディジタルデー
タが補正されて、各輝尽性蛍光体層領域12の生化学解
析用データが生成されて、メモリ55に記憶されると、
コントロールユニット70から、駆動停止信号が、第1
のレーザ励起光源21に出力され、第1のレーザ励起光
源21の駆動が停止される。
【0230】一方、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域4に記録された蛍光物質の蛍光デー
タを読み取って、生化学解析用ディジタルデータを生成
するときは、まず、ユーザーによって、生化学解析用ユ
ニット1が、ステージ40のガラス板41上にセットさ
れる。
【0231】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、生体由来の物質を標識している蛍光色素などが特
定する指示信号が入力され、コントロールユニット70
により、第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起
光源22および第3のレーザ励起光源23の中から、生
体由来の物質を標識している蛍光物質を効率的に励起す
ることのできる波長のレーザ光24を発するレーザ励起
光源が選択されるとともに、3つのフィルタ部材51
a、51b、51cの中から、蛍光物質を励起するため
に用いるレーザ光24の波長の光をカットし、励起光の
波長よりも波長の長い光を透過する性質を有するフィル
タ部材が選択されて、レーザ光24によって、蓄積性蛍
光体シート10の場合と同様にして、生化学解析用ユニ
ット1の全面が走査され、吸着性領域4に含まれている
蛍光物質が励起されて、放出された蛍光45が、フォト
マルチプライア50によって、光電的に検出されて、ア
ナログデータが生成され、A/D変換器によって、ディ
ジタル化されて、データ処理装置に送られる。
【0232】前述のように、こうして生成されたディジ
タルデータは、多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域1
2に含まれる輝尽性蛍光体の量が、均一になるように、
輝尽性蛍光体を、多数の貫通孔3内に埋め込んで、多数
のドット状の輝尽性蛍光体層領域12を形成することが
できず、同じ放射線エネルギーで露光をしても、輝尽性
蛍光体層領域12のそれぞれによって、蓄積される放射
線エネルギーが異なることに起因する信号強度のばらつ
きを有しているから、データ処理装置54は、ディジタ
ルデータを受けると、メモリ55に記憶されている補正
データを読み出して、ディジタルデータを補正する。
【0233】こうして、多数のドット状の輝尽性蛍光体
層領域12に含まれる輝尽性蛍光体の量が、均一になる
ように、輝尽性蛍光体を、多数の貫通孔3内に埋め込ん
で、多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12が形成で
きなかったことに起因する信号強度のばらつきが補正さ
れて、生化学解析用データが生成される。
【0234】一方、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された多数のドット状の吸着性領域4に記録されて
いる蛍光データを読み取るときは、生化学解析用ユニッ
ト1が、吸着性領域4がガラス板41側に位置するよう
に、ステージ40のガラス板41上に載置される。
【0235】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、生体由来の物質を標識している蛍光色素などが特
定する指示信号が入力され、コントロールユニット70
により、第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起
光源22および第3のレーザ励起光源23の中から、生
体由来の物質を標識している蛍光物質を効率的に励起す
ることのできる波長のレーザ光24を発するレーザ励起
光源が選択されるとともに、3つのフィルタ部材51
a、51b、51cの中から、蛍光物質を励起するため
に用いるレーザ光24の波長の光をカットし、励起光の
波長よりも波長の長い光を透過する性質を有するフィル
タ部材が選択されて、レーザ光24によって、蓄積性蛍
光体シート10の場合と同様にして、生化学解析用ユニ
ット1が走査され、蛍光色素から放出された蛍光45
が、フォトマルチプライア50によって、光電的に検出
されて、アナログデータが生成され、A/D変換器によ
って、ディジタル化されて、生化学解析用のディジタル
データが生成される。
【0236】本実施態様によれば、多数のドット状の吸
着性領域4に含まれた放射性標識物質によって、多数の
ドット状輝尽性蛍光体層領域12を露光する際、多数の
ドット状の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質から
エネルギーの高い電子線が発せられるが、生化学解析用
ユニット1の基板2が、アルミニウムによって形成さ
れ、放射線を減衰させる性質を有しているため、放射性
標識物質から発せられた電子線が基板2内で散乱される
ことが確実に防止され、また、多数のドット状の輝尽性
蛍光体層領域12は、生化学解析用ユニット1の基板2
に形成された多数の吸着性領域4と、同一の規則的なパ
ターンで、支持体11に形成され、それぞれ、生化学解
析用ユニット1の基板2に形成された対応する吸着性領
域4に対向するように、蓄積性蛍光体シート10が、生
化学解析用ユニット1に重ね合わされているから、基板
2に形成された各吸着性領域4に含まれている放射性標
識物質から放出される電子線は、対応するドット状の輝
尽性蛍光体層領域12にのみ入射し、さらに、支持体1
1が放射線を減衰させるニッケルによって形成されてい
るため、電子線が蓄積性蛍光体シート10の支持体11
内で散乱することも防止され、したがって、基板2に形
成された各吸着性領域4に含まれている放射性標識物質
によって、対応するドット状の輝尽性蛍光体層領域12
のみを確実に露光することが可能になるから、各吸着性
領域4に含まれている放射性標識物質によって露光すべ
き輝尽性蛍光体層の領域12が、隣り合う吸着性領域4
に含まれている放射性標識物質から放出された電子線に
よって、露光されることに起因するノイズが生化学解析
用データ中に生成されることを防止することができ、生
化学解析の定量性を大幅に向上させることが可能にな
る。
【0237】さらに、本実施態様によれば、多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域12に含まれる輝尽性蛍光体
の量が、均一になるように、輝尽性蛍光体を、多数の貫
通孔13内に埋め込むことができないため、同じ放射線
エネルギーで露光をしても、ドット状の輝尽性蛍光体層
領域12のそれぞれによって、蓄積される放射線エネル
ギーが異なることに起因して、生化学解析用のデータ中
に生成される信号強度のばらつきを補正する補正係数α
iが、輝尽性蛍光体層領域12ごとに、あらかじめ生成
されて、メモリ55に記憶され、リニアエンコーダ67
によって検出された光学ヘッド35の位置検出信号にし
たがって、メモリ55から読み出された補正係数αiを
用いて、各ドット状輝尽性蛍光体層領域12を、レーザ
光24によって走査して生成されたディジタルデータが
補正されて、生化学解析用データが生成されるから、多
数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12に含まれる輝尽
性蛍光体の量が、均一になるように、輝尽性蛍光体を、
多数の貫通孔3内に埋め込むことができなかったことに
起因するディジタルデータ中の信号強度のばらつきを補
正して、精度よく、定量解析を実行することが可能にな
る。
【0238】図16は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかる生化学解析用データの生成方法に用いられる生
化学解析用ユニットの略斜視図であり、図17は、その
略部分断面図である。
【0239】図16および図17に示されるように、本
実施態様にかかる生化学解析用ユニット80は、多数の
略円形の貫通孔82が規則的に形成されたアルミニウム
製の基板81を備え、基板81に形成された多数の貫通
孔82には、ナイロン6によって形成された吸着性膜8
3が、カレンダー処理装置(図示せず)によって、圧入
されて、多数の吸着性領域84が、ドット状に、規則的
に形成されている。
【0240】ここに、基板81の裏面には、接着剤85
が塗布され、接着剤85を介して、吸着性膜83が、基
板81に形成された多数の貫通孔82に圧入されてお
り、したがって、基板81と、吸着性膜83とが、強固
に一体化され、耐久性の向上が図られている。
【0241】図16には、正確に示されていないが、本
実施態様においては、約10000の約0.01平方ミ
リメートルのサイズを有する略円形の吸着性領域84
が、約5000個/平方センチメートルの密度で、規則
的に、生化学解析用ユニット80に形成されている。
【0242】図17に示されるように、本実施態様にお
いては、吸着性領域84の表面と、基板81の表面とが
同一の高さに位置するように、吸着性膜83が、基板8
1に形成された貫通孔82に圧入されて、生化学解析用
ユニット80が形成されている。
【0243】本実施態様においても、図1に示された前
記実施態様にかかる生化学解析用ユニット1と同様にし
て、スポッティング装置5によって、生化学解析用ユニ
ット80に形成された多数の吸着性領域84に、cDN
Aなどの特異的結合物質が滴下されて、吸着される。
【0244】さらに、図3に示されるように、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を
含むハイブリダイズ液9を収容したハイブリダイズ容器
8内に、生化学解析用ユニット80がセットされ、多数
の吸着性領域84に吸着されたcDNAなどの特異的結
合物質に、放射性標識物質によって標識され、ハイブリ
ダイズ液9に含まれた生体由来の物質および蛍光色素な
どの蛍光物質によって標識され、ハイブリダイズ液9に
含まれた生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズ
させる。
【0245】こうして、生化学解析用ユニット80に、
放射線データおよび蛍光データが記録される。
【0246】生化学解析用ユニット80に記録された蛍
光データは、前記実施態様と同様にして、図7ないし図
14に示されたスキャナによって、読み取られて、生化
学解析用データが生成される。
【0247】これに対して、生化学解析用ユニット80
に記録された放射性標識物質の放射線データは、図1に
示された生化学解析用ユニット1と全く同様にして、蓄
積性蛍光体シートに転写され、前記実施態様と全く同様
にして、図7ないし図14に示されたスキャナによっ
て、読み取られ、生化学解析用データが生成される。
【0248】図18は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかる生化学解析用データの生成方法に用いられる蓄
積性蛍光体シートの略斜視図であり、図19は、その略
部分断面図である。
【0249】図18および図19に示されるように、本
実施態様にかかる蓄積性蛍光体シート90は、輝尽性蛍
光体膜91と、多数の略円形の貫通孔92が規則的に形
成されたニッケル基板93とを備え、輝尽性蛍光体膜9
1が、ニッケル基板93に形成された多数の貫通孔92
に、カレンダー処理装置(図示せず)を用いて、圧入さ
れ、それによって、ニッケル基板93の多数の貫通孔9
2に対応する輝尽性蛍光体膜91の位置に、多数の輝尽
性蛍光体層領域95が、ドット状に形成されている。
【0250】ここに、ニッケル基板93の表面には、接
着剤96が塗布され、接着剤96を介して、ニッケル基
板93に、輝尽性蛍光体膜91が圧入されており、した
がって、輝尽性蛍光体膜91は、ニッケル基板93に強
固に一体化され、蓄積性蛍光体シート90の耐久性の向
上が図られている。
【0251】多数の貫通孔92は、生化学解析用ユニッ
ト80に形成された多数の吸着性領域84と同一のパタ
ーンで、ニッケル基板93に形成され、それぞれ、生化
学解析用ユニット80に形成された多数の吸着性領域8
5と等しいサイズを有している。
【0252】したがって、図18には、正確に示されて
いないが、本実施態様においては、約10000の約
0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝
尽性蛍光体層領域95が、約5000個/平方センチメ
ートルの密度で、かつ、規則的なパターンで、蓄積性蛍
光体シート90に、ドット状に形成されている。
【0253】また、図19に示されるように、本実施態
様においては、ニッケル基板93の表面と、ドット状に
形成された輝尽性蛍光体層領域95の表面とが同じ高さ
に位置するように、ニッケル基板93に、輝尽性蛍光体
膜91が圧入されて、蓄積性蛍光体シート90が形成さ
れている。
【0254】図20は、補正データを生成するために、
蓄積性蛍光体シート90のドット状の輝尽性蛍光体層領
域95を露光する露光装置の略斜視図である。
【0255】図20に示されるように、露光装置は、紫
外線を発する紫外線光源100を備え、蓄積性蛍光体シ
ート90のドット状の輝尽性蛍光体層領域95は、紫外
線光源100から発せられる紫外線101によって、露
光される。
【0256】本実施態様においては、蓄積性蛍光体シー
ト90に形成されたドット状の輝尽性蛍光体層領域95
に照射される紫外線エネルギーは均一ではないため、あ
らかじめ、蓄積性蛍光体シート90に形成された輝尽性
蛍光体層領域95の位置と、紫外線エネルギーの照射量
との関係が、実験的に求められて、ユーザーによって、
キーボード71を介して、スキャナに入力され、光量補
正データが、メモリ55に書き込まれるように構成され
ている。
【0257】こうして、紫外線光源100から発せられ
る紫外線101によって、ドット状の輝尽性蛍光体層領
域95が露光された後、前記実施態様と同様にして、蓄
積性蛍光体シート90が、ステージ40のガラス板41
上に載置されて、スキャナにより、ディジタルデータが
生成される。
【0258】ディジタルデータが生成されると、データ
処理装置54は、メモリ55に記憶されている光量補正
データを読み出して、多数のドット状の輝尽性蛍光体層
領域95に対応する信号強度の平均値を1として、ディ
ジタルデータを正規化して、各輝尽性蛍光体層領域12
に対する補正係数αi(iは、輝尽性蛍光体層領域に形
成位置を示すものである。)を生成し、メモリ55に記
憶させる。
【0259】補正係数αiが生成されて、メモリ55に
記憶された後、前記実施態様と全く同様にして、生化学
解析用ユニット80の多数の吸着性領域84に含まれて
いる放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート90
に形成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域95
が露光され、蓄積性蛍光体シート90に形成された多数
のドット状の輝尽性蛍光体層領域95に、放射線データ
が記録される。
【0260】図21は、生化学解析用ユニット80の多
数の吸着性領域84に含まれている放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シート90に形成された多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域95を露光する方法を示す略
部分断面図である。
【0261】図21に示されるように、露光にあたっ
て、生化学解析用ユニット80に形成された多数の吸着
性領域84が、蓄積性蛍光体シート90に形成された多
数のドット状の輝尽性蛍光体層領域95に対向するよう
に、蓄積性蛍光体シート90と生化学解析用ユニット8
0とが重ね合わされる。
【0262】ここに、生化学解析用ユニット80は、ア
ルミニウム製の基板81に形成された多数の貫通孔82
内に、吸着性膜83が圧入されて、形成されているの
で、ハイブリダイゼーションなど、液体による処理を受
けても、ほとんど伸縮することがなく、したがって、生
化学解析用ユニット80に形成された多数の吸着性領域
84が、蓄積性蛍光体シート90に形成された多数のド
ット状の輝尽性蛍光体層領域95に、正確に対向するよ
うに、蓄積性蛍光体シート90と生化学解析用ユニット
80とを、容易にかつ確実に重ね合わせて、ドット状輝
尽性蛍光体層領域95を露光することが可能になる。
【0263】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート90に形成された多数のドット状の輝尽性
蛍光体層領域95の各々と、生化学解析用ユニット80
に形成された多数の吸着性領域84とを対向させること
によって、吸着性領域84に含まれた放射性標識物質に
よって、蓄積性蛍光体シート90に形成された多数のド
ット状輝尽性蛍光体層領域95が露光される。
【0264】この際、吸着性領域84に吸着されている
放射性標識物質から電子線が発せられるが、生化学解析
用ユニット80の吸着性領域84は、ナイロン6によっ
て形成された吸着性膜83が、アルミニウム製の基板8
1に形成された多数の貫通孔82に、圧入されて、形成
され、各吸着性領域84の周囲には、放射線を減衰させ
る性質を有するアルミニウムによって形成された基板8
1が存在しており、さらに、蓄積性蛍光体シート90の
多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域95が、ニッケル
基板93に形成された複数の貫通孔92内に、輝尽性蛍
光体膜91を圧入して、形成され、各輝尽性蛍光体層領
域95の周囲には、放射線を減衰させる性質を有するニ
ッケル基板93が存在しているから、吸着性領域84に
含まれている放射性標識物質から発せられた電子線が散
乱することを確実に防止することができ、したがって、
吸着性領域84に含まれている放射性標識物質から発せ
られた電子線はすべて、その吸着性領域84に対向する
輝尽性蛍光体層領域95に入射し、隣り合う吸着性領域
84から放出される電子線によって露光されるべき輝尽
性蛍光体層領域95に入射して、露光することを確実に
防止することができる。
【0265】こうして、蓄積性蛍光体シート90のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域95に記録された放射線デー
タは、スキャナによって、読み取られ、ディジタルデー
タが生成される。
【0266】図22は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかるスキャナのフォトマルチプライア50およびデ
ータ処理装置54の周辺のブロックダイアグラムであ
る。
【0267】図22に示されるように、本実施態様にか
かるスキャナは、フォトマルチプライア50によって生
成されたアナログ信号を積分する積分アンプ75を備
え、積分アンプ75によって生成されたアナログ信号の
積分値が、A/D変換器53によって、ディジタル化さ
れて、データ処理装置54により、メモリ55に格納さ
れるように構成されている。
【0268】本実施態様においては、各輝尽性蛍光体層
領域95に、レーザ光24が照射され、ドット状の輝尽
性蛍光体層領域95に含まれている輝尽性蛍光体が励起
されて、放出された輝尽光45が、フォトマルチプライ
ア50によって、光電的に検出され、生成されたアナロ
グデータが積分アンプ75によって積分される。
【0269】第1のレーザ励起光源21が起動されてか
ら、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第1のレーザ励起光源21に
駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21の
駆動を停止させるとともに、積分アンプ75によって積
分されたアナログデータを、A/D変換器53に出力さ
せ、A/D変換器53によって、アナログ信号の積分値
をディジタル化して、データ処理装置54に出力させ
る。
【0270】A/D変換器53からディジタルデータが
入力されると、データ処理装置54は、リニアエンコー
ダ67によって検出された光学ヘッド35の位置検出信
号に基づき、そのドット状の輝尽性蛍光体層領域95の
補正係数αiを、メモリ55から読み出して、ディジタ
ルデータを補正し、その輝尽性蛍光体層領域95の生化
学解析用データを生成して、メモリ55に記憶させる。
【0271】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、
光学ヘッド35を、蓄積性蛍光体シート90の支持体9
1に形成された隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層領域
95間の距離に等しいピッチだけ、移動させ、リニアエ
ンコーダ67から入力された光学ヘッド35の位置検出
信号に基づいて、光学ヘッド35が、隣り合うドット状
の輝尽性蛍光体層領域95間の距離に等しい1ピッチだ
け移動されたことが確認されると、コントロールユニッ
ト70は、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力
して、第1のレーザ励起光源21を起動させ、レーザ光
24によって、蓄積性蛍光体シート90に形成された隣
り合うドット状の輝尽性蛍光体層領域95を励起する。
【0272】本実施態様によれば、ドット状の輝尽性蛍
光体層領域95の1つに、レーザ光24が照射され、ド
ット状の輝尽性蛍光体層領域95に含まれている輝尽性
蛍光体が励起されて、放出された輝尽光45が、フォト
マルチプライア50により、光電的に検出されて生成さ
れたアナログデータが、積分アンプ75によって積分さ
れ、アナログデータの積分値を、A/D変換器53によ
って、ディジタル化して、ドット状の各輝尽性蛍光体層
領域95のディジタルデータを生成しているから、ドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域95に蓄積されている放射線
エネルギーが小さく、ドット状の輝尽性蛍光体層領域9
5から放出される輝尽光45の強度が小さくても、感度
よく、十分に大きい信号強度を有するディジタルデータ
を生成することが可能になる。
【0273】図23は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかる生化学解析用データ生成方法に用いられる蓄積
性蛍光体シートの略斜視図である。
【0274】図23に示されるように、本実施態様にか
かる蓄積性蛍光体シート110は、ステンレスによって
形成された支持体111を備え、支持体111の表面上
には、多数の輝尽性蛍光体層領域112が、規則的に、
ドット状に形成されている。
【0275】図23には、正確に図示されていないが、
本実施態様においても、規則的なパターンにしたがっ
て、図16および図17に示された生化学解析用ユニッ
ト80に形成された多数の吸着性領域84に対応して、
約10000の約0.01平方ミリメートルのサイズを
有する略円形の輝尽性蛍光体層領域112が、約500
0個/平方センチメートルの密度で、かつ、規則的なパ
ターンで、蓄積性蛍光体シート110に、ドット状に形
成されている。
【0276】図24は、補正データを生成するために、
蓄積性蛍光体シートのドット状の輝尽性蛍光体層領域を
露光する露光装置の他の例を示す略斜視図である。
【0277】図24に示されるように、露光装置は、紫
外線を発する線状の蛍光灯115を備え、蛍光灯115
は、その軸線に直交する方向に移動可能に構成され、蓄
積性蛍光体シート110の全面が、蛍光灯115から発
せられた紫外線116によって、走査されるように構成
されている。
【0278】本実施態様においても、蓄積性蛍光体シー
ト110に形成されたドット状の輝尽性蛍光体層領域1
12に照射される紫外線エネルギーは均一ではないた
め、あらかじめ、蓄積性蛍光体シート110に形成され
た輝尽性蛍光体層領域112の位置と、紫外線エネルギ
ーの照射量との関係が、実験的に求められて、ユーザー
によって、キーボード71を介して、スキャナに入力さ
れ、光量補正データが、メモリ55に書き込まれるよう
に構成されている。
【0279】こうして、蛍光灯115から発せられる紫
外線116によって、ドット状の輝尽性蛍光体層領域1
12が露光された後、前記実施態様と同様にして、蓄積
性蛍光体シート110が、ステージ40のガラス板41
上に載置されて、スキャナにより、ディジタルデータが
生成される。
【0280】ディジタルデータが生成されると、データ
処理装置54は、メモリ55に記憶されている光量補正
データを読み出して、多数のドット状の輝尽性蛍光体層
領域112に対応する信号強度の平均値を1として、デ
ィジタルデータを正規化して、各輝尽性蛍光体層領域1
2に対する補正係数αi(iは、輝尽性蛍光体層領域に
形成位置を示すものである。)を生成し、メモリ55に
記憶させる。
【0281】補正係数αiが生成されて、メモリ55に
記憶された後、前記実施態様と全く同様にして、生化学
解析用ユニット80の多数の吸着性領域84に含まれて
いる放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート11
0に形成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域1
12が露光され、蓄積性蛍光体シート110に形成され
た多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域95に、放射線
データが記録される。
【0282】こうして、蓄積性蛍光体シート110のド
ット状の輝尽性蛍光体層領域112に記録された放射線
データは、スキャナによって、読み取られ、ディジタル
データが生成される。
【0283】図25は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかるスキャナのフォトマルチプライア50およびデ
ータ処理装置54の周辺のブロックダイアグラムであ
る。
【0284】図25に示されるように、本実施態様にか
かるスキャナは、A/D変換器53によって、ディジタ
ル化されたディジタルデータを加算する加算手段76
と、加算手段76によって加算されたディジタルデータ
を記憶するメモリ55を備えている。
【0285】本実施態様においては、コントロールユニ
ット70は、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出
力するのと同時に、加算手段76に加算処理実行信号を
出力するように構成されており、各ドット状の輝尽性蛍
光体層領域112に、レーザ光24が照射されて、ドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域112に含まれている輝尽性
蛍光体が励起され、放出された輝尽光45が、フォトマ
ルチプライア50によって、光電的に検出され、A/D
変換器53によって、ディジタル化して生成されたディ
ジタルデータは、加算手段76によって、加算されて、
メモリ55に格納される。
【0286】第1のレーザ励起光源21が起動されてか
ら、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第1のレーザ励起光源21に
駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21の
駆動を停止させるとともに、データ処理装置54にデー
タ処理信号を出力する。
【0287】コントロールユニット70からデータ処理
信号が入力されると、データ処理装置54は、メモリ5
5に記憶されているその輝尽性蛍光体層領域112のデ
ィジタルデータの加算値とともに、リニアエンコーダ6
7によって検出された光学ヘッド35の位置検出信号に
基づいて、その輝尽性蛍光体層領域12に対応する補正
係数αiを、メモリ55から読み出して、ディジタルデ
ータを補正し、その輝尽性蛍光体層領域12の生化学解
析用データを生成して、メモリ55に記憶させる。
【0288】同時に、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、
光学ヘッド35を、蓄積性蛍光体シート110の支持体
111に形成された隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層
領域112間の距離に等しいピッチだけ、移動させ、リ
ニアエンコーダ67から入力された光学ヘッド35の位
置検出信号に基づいて、光学ヘッド35が、隣り合うド
ット状の輝尽性蛍光体層領域112間の距離に等しい1
ピッチだけ移動されたことが確認されると、コントロー
ルユニット70は、第1のレーザ励起光源21に駆動信
号を出力して、第1のレーザ励起光源21を起動させ、
レーザ光24によって、蓄積性蛍光体シート110に形
成された隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層領域112
を励起する。
【0289】本実施態様によれば、ドット状の輝尽性蛍
光体層領域112の1つに、レーザ光24が照射され、
ドット状の輝尽性蛍光体層領域112に含まれている輝
尽性蛍光体が励起されて、放出された輝尽光45が、フ
ォトマルチプライア50により、光電的に検出され、A
/D変換器53により、ディジタル化して生成されたデ
ィジタルデータを加算して、ドット状の各輝尽性蛍光体
層領域112のディジタルデータを生成しているから、
ドット状の輝尽性蛍光体層領域112に蓄積されている
放射線エネルギーが小さく、ドット状の輝尽性蛍光体層
領域112から放出される輝尽光45の強度が小さくて
も、感度よく、十分に大きい信号強度を有するディジタ
ルデータを生成することが可能になる。
【0290】図26は、補正データを生成するために、
蓄積性蛍光体シートのドット状の輝尽性蛍光体層領域を
露光する露光装置のさらに他の例を示す略斜視図であ
る。
【0291】図26に示されるように、露光装置は、紫
外線を発する紫外線光源120と、紫外線光源120か
ら発せられた紫外線121を、蓄積性蛍光体シート11
0に形成された輝尽性蛍光体層領域112に集光する集
光レンズ122を備え、本実施態様においては、走査機
構(図示せず)によって、蓄積性蛍光体シート110が
載置されたステージ(図示せず)が、図26において、
矢印Xで示される主走査方向および矢印Yで示される副
走査方向に移動され、その結果、すべての輝尽性蛍光体
層領域112が、紫外線光源120から発せられた紫外
線121によって、露光されるように構成されている。
【0292】本実施態様においては、各輝尽性蛍光体層
領域112に照射される紫外線エネルギーは均一である
ので、各輝尽性蛍光体層領域112に、レーザ光24を
照射し、各輝尽性蛍光体層領域112に含まれている輝
尽性蛍光体を励起して、放出された輝尽光45を検出
し、生成したディジタルデータに基づいて、光量補正を
施すことなく、各輝尽性蛍光体層領域112のディジタ
ルデータを補正する補正係数αiを生成して、各輝尽性
蛍光体層領域112から得られたディジタルデータを補
正し、各輝尽性蛍光体層領域112ごとに、生化学解析
用データを生成することができる。
【0293】図27は、本発明のさらに他の好ましい実
施態様にかかるスキャナの制御系、入力系、駆動系およ
び検出系を示すブロックダイアグラムである。
【0294】図27に示されるように、本実施態様にか
かるスキャナの駆動系は、図13に示されたスキャナの
主走査ステッピングモータ65に代えて、光学ヘッド3
5が固定されているエンドレスベルト66を、図12に
おいて、矢印Yで示される主走査方向に、一定速度で、
連続的に駆動する主走査モータ78を備えている。
【0295】本実施態様においても、コントロールユニ
ット70は、リニアエンコーダ67から入力される光学
ヘッド35の位置検出信号にしたがって、第1のレーザ
励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3の
レーザ励起光源23をオン・オフ制御可能に構成されて
いる。
【0296】以上のように構成された本実施態様にかか
るスキャナは、以下のようにして、放射性標識物質によ
って、多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12が露光
されて、蓄積性蛍光体シート10に記録された放射性標
識物質の放射線データを読み取って、生化学解析用のデ
ィジタルデータを生成する。
【0297】まず、多数のドット状の輝尽性蛍光体層領
域12がガラス板41の表面に接するように、蓄積性蛍
光体シート10が、ステージ40のガラス板41上に載
置される。
【0298】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域12を、レーザ光24によっ
て走査する旨の指示信号が入力される。
【0299】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニット4
8を移動させ、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光45
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有するフィルタ52dを備えたフィルタ
部材51dを、輝尽光45の光路内に位置させる。
【0300】次いで、コントロールユニット70は、主
走査モータ78に駆動信号を出力して、光学ヘッド35
を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダから入力さ
れる光学ヘッド35の位置検出信号に基づいて、多数の
ドット状輝尽性蛍光体層領域12のうち、第1のドット
状の輝尽性蛍光体層領域12に、レーザ光24を照射可
能な位置に、光学ヘッド35が達したことが確認される
と、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力して、
第1のレーザ励起光源21を起動させ、640nmの波
長のレーザ光24を発せさせる。
【0301】第1のレーザ励起光源21から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平行
な光とされた後、ミラー26に入射して、反射される。
【0302】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0303】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0304】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0305】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0306】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄積
性蛍光体シート10に支持体11に形成されている第1
のドット状の輝尽性蛍光体層領域12に集光される。
【0307】その結果、第1のドット状の輝尽性蛍光体
層領域12に含まれている輝尽性蛍光体が、レーザ光2
4によって励起されて、第1のドット状の輝尽性蛍光体
層領域12から輝尽光45が放出される。
【0308】第1のドット状の輝尽性蛍光体領域12か
ら放出された輝尽光45は、光学ヘッド35に設けられ
た非球面レンズ37によって集光され、ミラー36によ
り、レーザ光24の光路と同じ側に反射され、平行な光
とされて、凹面ミラー38に入射する。
【0309】凹面ミラー38に入射した輝尽光45は、
凹面ミラー38によって反射され、穴開きミラー34に
入射する。
【0310】穴開きミラー34に入射した輝尽光45
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34に
よって、図7に示されるように、下方に反射され、フィ
ルタユニット48のフィルタ52dに入射する。
【0311】フィルタ52dは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光45の波長域の光のみを透過し、640n
mの波長の光をカットする性質を有しているので、励起
光である640nmの波長の光がカットされ、ドット状
の輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽光45の
波長域の光のみがフィルタ52dを透過して、フォトマ
ルチプライア50によって、光電的に検出される。
【0312】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53に出力されて、ディジタルデータに変換され、
データ処理装置54に出力される。
【0313】主走査モータ78は、光学ヘッド35が固
定されているエンドレスベルト66を、図12におい
て、矢印Yで示される主走査方向に、一定速度で、連続
的に駆動するように構成されているため、主走査モータ
78によって、光学ヘッド35が、主走査方向に、一定
速度で、連続的に移動され、その結果、第1のレーザ励
起光源21から放出されたレーザ光24は、第1のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域12上を連続的に移動しつ
つ、第1のドット状の輝尽性蛍光体層領域12に含まれ
ている輝尽性蛍光体を励起する。
【0314】コントロールユニット70は、リニアエン
コーダ67から入力される光学ヘッド35の位置検出信
号に基づいて、第1のレーザ励起光源21から放出され
たレーザ光24を、第一のドット状の輝尽性蛍光体層領
域12上に照射することができない位置に、光学ヘッド
35が達する直前に、第1のレーザ励起光源21に駆動
停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21の駆動
を停止させる。
【0315】ここに、主走査モータ78がエンドレスベ
ルト66を駆動する速度は、ドット状の輝尽性蛍光体層
領域12に蓄積されている放射線エネルギーが小さい場
合にも、第1のレーザ励起光源21から放出されたレー
ザ光24が、ドット状の輝尽性蛍光体層領域12上を移
動しつつ、ドット状の輝尽性蛍光体層領域12に含まれ
ている輝尽性蛍光体を励起して、ドット状の輝尽性蛍光
体層領域12から放出された輝尽性光45を、フォトマ
ルチプライア50により、光電的に検出して、十分な信
号強度のディジタル信号を生成可能な速度に設定されて
いる。
【0316】A/D変換器53からディジタルデータが
入力されると、データ処理装置54は、前記実施態様と
同様にして、リニアエンコーダ67によって検出された
光学ヘッド35の位置検出信号にしたがって、メモリ5
5に記憶されているその輝尽性蛍光体層領域12の補正
係数α1を読み出して、ディジタルデータを補正し、メ
モリ55に記憶させる。
【0317】さらに、光学ヘッド35は、主走査モータ
78によって、図6において、矢印Xで示される主走査
方向に移動され、リニアエンコーダから入力される光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、コントロールユ
ニット70によって、主走査方向において、第1のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域12に隣り合う第2のドット
状の輝尽性蛍光体層領域12、レーザ光24を照射可能
な位置に、光学ヘッド35が達したことが確認される
と、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力して、
第1のレーザ励起光源21を起動させ、640nmの波
長のレーザ光24を発せさせる。
【0318】第1のレーザ励起光源21から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平行
な光とされた後、ミラー26に入射して、反射され、第
1のダイクロイックミラー27および第2のダイクロイ
ックミラー28を透過して、ミラー29に入射する。
【0319】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0320】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射し、凹面ミラー38によって反射されて、
光学ヘッド35に入射する。
【0321】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射されて、非球面レンズ37
によって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄
積性蛍光体シート10の支持体11に形成された第2の
ドット状の輝尽性蛍光体層領域12に集光される。
【0322】その結果、第2のドット状の輝尽性蛍光体
層領域12に含まれている輝尽性蛍光体が、レーザ光2
4により励起されて、第2のドット状の輝尽性蛍光体層
領域12から輝尽光45が放出され、第一のドット状の
輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽光45を同
様にして、フォトマルチプライア50によって、光電的
に検出される。
【0323】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器53に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置54に出力される。
【0324】主走査モータ78によって、光学ヘッド3
5は、主走査方向に、一定速度で、連続的に移動され、
その結果、第1のレーザ励起光源21から放出されたレ
ーザ光24は、第2のドット状の輝尽性蛍光体層領域1
2上を連続的に移動しつつ、第2のドット状の輝尽性蛍
光体層領域12に含まれている輝尽性蛍光体を励起す
る。
【0325】コントロールユニット70は、リニアエン
コーダ67から入力される光学ヘッド35の位置検出信
号に基づいて、第1のレーザ励起光源21から放出され
たレーザ光24を、第2のドット状の輝尽性蛍光体層領
域12上に照射することができない位置に、光学ヘッド
35が達する直前に、第1のレーザ励起光源21に駆動
停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21の駆動
を停止させる。
【0326】こうして、光学ヘッド35が主走査方向
に、一定速度で、連続的に移動され、リニアエンコーダ
67から入力される光学ヘッド35の位置検出信号にし
たがって、第1のレーザ励起光源21のオン・オフが繰
り返されて、第一ライン目に位置するドット状の輝尽性
蛍光体層領域12に、順次、レーザ光24が照射され、
ドット状の輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽
光45が、フォトマルチプライア50によって、光電的
に検出され、A/D変換器53により、ディジタル化さ
れて、ディジタル信号が生成され、データ処理装置54
に送られる。
【0327】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、第1ラ
イン目のドット状の輝尽性蛍光体層領域12のレーザ光
24による走査が完了したことが確認されると、コント
ロールユニット70は、主走査モータ78に駆動信号を
出力して、光学ヘッド35を元の位置に復帰させるとと
もに、副走査パルスモータ61に駆動信号を出力して、
移動可能な基板63を、副走査方向に、1ライン分だ
け、移動させる。
【0328】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、第1ライン目
のドット状の輝尽性蛍光体層領域12に、順次、第1の
レーザ励起光源21から発せられるレーザ光24を照射
したのとまったく同様にして、第1のレーザ励起光源2
1をオン・オフ制御しつつ、第2ライン目のドット状の
輝尽性蛍光体層領域12に、順次、第1のレーザ励起光
源21から発せられるレーザ光24を照射して、ドット
状の輝尽性蛍光体層領域12を励起し、輝尽性蛍光体層
領域12から発せられた輝尽光45を、順次、フォトマ
ルチプライア50によって、光電的に検出させる。
【0329】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置54に送られる。
【0330】こうして、蓄積性蛍光体シート10に形成
された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12がすべ
て、第1のレーザ励起光源21から放出されたレーザ光
24によって走査され、多数のドット状の輝尽性蛍光体
層領域12が励起されて、放出された輝尽光45が、フ
ォトマルチプライア50によって光電的に検出され、生
成されたアナログデータが、A/D変換器53により、
ディジタルデータに変換されて、データ処理装置54に
送られると、コントロールユニット70から、駆動停止
信号が、第1のレーザ励起光源21に出力され、第1の
レーザ励起光源21の駆動が停止される。
【0331】本実施態様によれば、光学ヘッド35が、
第1のレーザ励起光源21から発せられたレーザ光24
を、ドット状の輝尽性蛍光体層領域12に照射可能な位
置にあるときにのみ、第1のレーザ励起光源21が起動
されて、ドット状の輝尽性蛍光体層領域12に、順次、
レーザ光が照射されるように構成されているから、レー
ザ光24の走査にともなって、次に励起すべき隣り合っ
たドット状の輝尽性蛍光体層領域12にレーザ光24が
照射され、ドット状の輝尽性蛍光体層領域12に含まれ
ている輝尽性蛍光体が励起されて、蓄積している放射線
エネルギーを、輝尽光45の形で放出することを確実に
防止することができ、したがって、定量性に優れた生化
学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0332】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0333】たとえば、前記実施態様においては、特異
的結合物質として、塩基配列が既知の互いに異なった複
数のcDNAが用いられているが、本発明において使用
可能な特異的結合物質はcDNAに限定されるものでは
なく、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、
アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、D
NA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能
で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特
異的結合物質はすべて、本発明の特異的結合物質として
使用することができる。
【0334】また、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1は、アルミニウム製の基板
2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が
充填されて、形成された多数の吸着性領域4を備え、図
16および図17に示された実施態様においては、生化
学解析用ユニット80は、ナイロン6によって形成され
た吸着性膜83が、アルミニウム製の基板81に形成さ
れた多数の貫通孔82内に圧入されて、形成された多数
の吸着性領域84を備えているが、生化学解析用ユニッ
ト1の吸着性領域4および生化学解析用ユニット80の
吸着性領域84が、ナイロン6によって形成されている
ことは必ずしも必要でなく、ナイロン6に代えて、活性
炭などの多孔質炭素材料あるいはナイロン6,6、ナイ
ロン4,10などのナイロン類;ニトロセルロース、酢
酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘
導体;コラーゲン;アルギン酸、アルギン酸カルシウ
ム、アルギン酸/ポリリシンポリイオンコンプレックス
などのアルギン酸類;ポリエチレン、ポリプロピレンな
どのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニ
リデン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオライ
ドなどのポリフルオライドや、これらの共重合体または
複合体によって、生化学解析用ユニット1の吸着性領域
4および生化学解析用ユニット80の吸着性領域84を
形成することもでき、さらには、白金、金、鉄、銀、ニ
ッケル、アルミニウムなどの金属;アルミナ、シリカ、
チタニア、ゼオライトなどの金属酸化物;ヒドロキシア
パタイト、硫酸カルシウムなどの金属塩やこれらの複合
体などの無機多孔質材料あるいは複数の繊維の束によっ
て、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4および生化
学解析用ユニット80の吸着性領域84を形成するよう
にしてもよい。
【0335】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1、80は、いずれも、アルミニウム製
の基板2、81を備えているが、生化学解析用ユニット
1、80の基板2、81を、アルミニウムによって形成
することは必ずしも必要でなく、多数の互いに離間した
吸着性領域4、84を形成する場合には、生化学解析用
ユニット1、80の基板2、81は、放射線を減衰させ
る性質を有する材料によって形成されていればよく、そ
の材料は格別限定されるものではないが、無機化合物材
料、有機化合物材料のいずれをも使用することができ、
金属材料、セラミック材料またはプラスチック材料が、
とくに好ましく使用される。
【0336】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1、80は、互いに離間して、形成された
吸着性領域4、吸着性領域84を備えているが、生化学
解析用ユニット1、80が、互いに離間して、形成され
た吸着性領域4、吸着性領域84を備えていることは必
ずしも必要でなく、生化学解析用ユニットを、吸着性を
有する基板によって形成することもできる。
【0337】さらに、図4および図5に示された実施態
様においては、蓄積性蛍光体シート10は、多数の略円
形の貫通孔13が規則的に形成されたニッケル製の支持
体11を備え、支持体11の形成された多数の貫通孔1
3内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、多数の輝尽性蛍
光体層領域12が、ドット状に形成されているが、貫通
孔13に代えて、多数の略円形の凹部を、支持体11に
規則的に形成し、凹部内に、輝尽性蛍光体を埋め込ん
で、多数の輝尽性蛍光体層領域12を、ドット状に形成
することもできる。
【0338】また、図18および図19に示された実施
態様においては、蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光
体層領域95は、ニッケル基板93に形成された多数の
貫通孔92内に、カレンダー処理装置を用いて、輝尽性
蛍光体膜91を圧入して、形成されているが、カレンダ
ー処理装置を用いて、輝尽性蛍光体膜91を、ニッケル
基板93に圧入して、ドット状の輝尽性蛍光体層領域9
5を形成することは必ずしも必要でなく、他の手段を用
いて、輝尽性蛍光体膜91を、ニッケル基板93に圧入
することもできるし、圧入に代えて、適当な方法によっ
て、輝尽性蛍光体膜91を、ニッケル基板93に埋め込
んで、ドット状の輝尽性蛍光体層領域95を形成するよ
うにしてもよい。
【0339】さらに、図4および図5に示された実施態
様においては、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体
層領域12は、ニッケル製の支持体11に規則的に形成
された多数の略円形の貫通孔13内に、輝尽性蛍光体が
埋め込まれて、形成され、図18および図19に示され
た実施態様においては、蓄積性蛍光体シート90の輝尽
性蛍光体層領域95は、ニッケル基板93に形成された
多数の貫通孔92内に、輝尽性蛍光体膜91を圧入し
て、形成されており、図23に示された実施態様におい
ては、蓄積性蛍光体シート110の輝尽性蛍光体層領域
112は、ステンレス製の支持体111の表面上に、規
則的に形成されているが、ニッケル製の支持体11、ニ
ッケル基板93あるいはステンレス製の支持体111を
用いることは必ずしも必要でなく、他の材料で形成され
た板状部材によって、支持体11、111、基板93を
形成することもできる。本発明において、支持体11、
111、基板93を形成するための板状部材は、放射線
を減衰させる性質を有する材料によって形成されている
ことが好ましいが、とくに限定されるものではなく、無
機化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用するこ
とができ、金属材料、セラミック材料またはプラスチッ
ク材料が、とくに好ましく使用される。蓄積性蛍光体シ
ート10、110、90の支持体11、111、基板9
3を形成するために好ましく使用可能で、放射線を減衰
させることのできる無機化合物材料としては、たとえ
ば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタ
ル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレン
などの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリ
コン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ
素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;
タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機
塩を挙げることができる。これらは、単結晶、アモルフ
ァス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造
を有していてもよい。また、蓄積性蛍光体シート10、
110、90の支持体11、111、基板93を形成す
るために好ましく使用可能で、放射線を減衰させること
のできる有機化合物材料としては、高分子化合物が好ま
しく用いられ、好ましい高分子化合物としては、たとえ
ば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアクリレート/
メチルメタクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポ
リアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリ
デン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチ
レン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネ
ート;ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフ
タレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン
6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポリイミ
ド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリ
ジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックな
どのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポ
リスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;セルロー
ス、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん粉、アル
ギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチ
ン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれ
ら高分子化合物の共重合体などを挙げることができる。
これらは、複合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化
物粒子やガラス繊維などを充填することもでき、また、
有機化合物材料をブレンドして、使用することもでき
る。
【0340】また、図18および図19に示された実施
態様においては、接着剤96を用いて、輝尽性蛍光体膜
91とニッケル基板93を接着しているが、接着剤96
を用いることは必ずしも必要でない。
【0341】さらに、図4および図5に示された実施態
様、図18および図19に示された実施態様ならびに図
23に示された実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1、80に形成された吸着性領域4、84に対応し
て、約10000の約0.01平方ミリメートルのサイ
ズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域12、95、1
12が、約5000個/平方センチメートルの密度で、
規則的なパターンにしたがって、蓄積性蛍光体シート1
0に形成されているが、輝尽性蛍光体層領域12、9
5、112を略円形に形成することは必ずしも必要でな
く、輝尽性蛍光体層領域12、95、112は、任意の
形状、たとえば、矩形状に形成することもできる。
【0342】また、図4および図5に示された実施態
様、図18および図19に示された実施態様ならびに図
23に示された実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1、80に形成された吸着性領域4、84に対応し
て、約10000の約0.01平方ミリメートルのサイ
ズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域12、95、1
12が、約5000個/平方センチメートルの密度で、
規則的なパターンにしたがって、蓄積性蛍光体シート1
0に形成されているが、輝尽性蛍光体層領域12、9
5、112の数およびサイズは、目的に応じて、任意に
選択をすることができ、好ましくは、10以上の5平方
ミリメートル未満のサイズを有する輝尽性蛍光体層領域
12、95、112が、10個/平方センチメートル以
上の密度で、蓄積性蛍光体シート10、90、110に
形成される。
【0343】さらに、図4および図5に示された実施態
様、図18および図19に示された実施態様ならびに図
23に示された実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1、80に形成された吸着性領域4、84に対応し
て、約10000の約0.01平方ミリメートルのサイ
ズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域12、95、1
12が、約5000個/平方センチメートルの密度で、
規則的なパターンにしたがって、蓄積性蛍光体シート1
0に形成されているが、生化学解析用ユニット1の吸着
性領域4、生化学解析用ユニット80の吸着性領域84
を、規則的なパターンで、生化学解析用ユニット1、8
0に形成することは必ずしも必要でなく、したがって、
輝尽性蛍光体層領域12、95、112を、規則的なパ
ターンで、蓄積性蛍光体シート10、90、110に形
成することは必ずしも必要でなく、輝尽性蛍光体層領域
12、95、112は、生化学解析用ユニット1に形成
された吸着性領域4、生化学解析用ユニット80に形成
された吸着性領域84と、それぞれ、同一のパターンに
したがって、蓄積性蛍光体シート10、90、110に
形成されていればよい。
【0344】また、前記実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10、90、110の輝尽性蛍光体層領域1
2、95、112は、生化学解析用ユニット1に形成さ
れた吸着性領域4、生化学解析用ユニット80に形成さ
れた吸着性領域84と同じサイズに形成されているが、
輝尽性蛍光体層領域12、95、112を、生化学解析
用ユニット1に形成された吸着性領域4、生化学解析用
ユニット80に形成された吸着性領域84と同じサイズ
に形成することは必ずしも必要でなく、好ましくは、生
化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、生化
学解析用ユニット80に形成された吸着性領域84のサ
イズ以上に形成される。
【0345】また、前記実施態様においては、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を
含むハイブリダイズ液9が調製され、吸着性領域4に滴
下された特異的結合物質にハイブリダイズさせている
が、生体由来の物質が、放射性標識物質および蛍光色素
などの蛍光物質によって標識されていることは必ずしも
必要がなく、放射性標識物質あるいは放射性標識物質に
加えて、蛍光物質および化学発光基質と接触させること
によって化学発光を生じさせる標識物質のうちの少なく
とも1種の標識物質によって標識されていればよい。
【0346】さらに、前記実施態様においては、放射性
標識物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識さ
れた生体由来の物質が、特異的結合物質にハイブリダイ
ズされているが、生体由来の物質を、特異的結合物質に
ハイブリダイズさせていることは必ずしも必要でなく、
生体由来の物質を、ハイブリダイゼーションに代えて、
抗原抗体反応、リセプター・リガンドなどの反応によっ
て、特異的結合物質に特異的に結合させることもでき
る。
【0347】さらに、前記実施態様においては、図7な
いし図14に示されたスキャナを用いて、蓄積性蛍光体
シート10に形成された多数のドット状輝尽性蛍光体層
領域12に記録された放射性標識物質の放射線データお
よび生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に記録され
た蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データを読み取って、
生化学解析用データを生成しているが、放射性標識物質
の放射線データおよび蛍光物質の蛍光データを1つのス
キャナによって読み取ることは必ずしも必要でなく、放
射性標識物質の放射線データと、蛍光物質の蛍光データ
を、別個のスキャナによって読み取って、生化学解析用
データを生成するようにしてもよい。
【0348】また、図7ないし図14に示された実施態
様、図22に示された実施態様および図25に示された
実施態様においては、コントロールユニット70によっ
て、光学ヘッド35の間欠的移動と同期して、第1のレ
ーザ励起光源21がオン・オフ制御されているが、主走
査方向において、隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層領
域12、95、112の間を、レーザ光24が速やかに
移動するように、光学ヘッド35の主走査方向の移動速
度を決定すれば、第1のレーザ励起光源21をオン状態
に保持し、光学ヘッド35を、単に、間欠的に移動させ
て、多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12、95、
112を、レーザ光24によって、順次、走査し、ドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域12、95、112から放出
された輝尽光45を光電的に検出して、生化学解析用デ
ータを生成することもできる。
【0349】さらに、図22に示された実施態様におい
ては、光学ヘッド35を、主走査方向に、間欠的に移動
させ、第1のレーザ励起光源21をオン・オフ制御する
場合に、積分アンプ75を用いて、フォトマルチプライ
ア50から出力されたアナログ信号を積分しているが、
光学ヘッド35を、主走査方向に、一定速度で、連続的
に移動させるように構成された図27に示された実施態
様においても、積分アンプを用いて、フォトマルチプラ
イア50から出力されたアナログ信号を積分するように
構成することができる。
【0350】さらに、図25に示された実施態様におい
ては、光学ヘッド35を、主走査方向に、間欠的に移動
させ、第1のレーザ励起光源21をオン・オフ制御する
場合に、加算手段76を用いて、A/D変換器53から
出力されたディジタル信号を加算しているが、光学ヘッ
ド35を、主走査方向に、一定速度で、連続的に移動さ
せるように構成された図27に示された実施態様におい
ても、加算手段76を用いて、A/D変換器53から出
力されたディジタル信号を加算するように構成すること
ができる。
【0351】また、図7ないし図14に示されたスキャ
ナは、第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起光
源22および第3のレーザ励起光源23を備えている
が、3つのレーザ励起光源を備えていることは必ずしも
必要ない。
【0352】さらに、図7ないし図14に示されたスキ
ャナは、スキャナは、640nmの波長のレーザ光24
を発する第1のレーザ励起光源21と、532nmの波
長のレーザ光24を発する第2のレーザ励起光源22
と、473nmの波長のレーザ光24を発する第3のレ
ーザ励起光源23とを備えているが、励起光源として、
レーザ励起光源を用いることは必ずしも必要でなく、レ
ーザ励起光源に代えて、LED光源を、励起光源として
用いることもでき、さらには、ハロゲンランプを励起光
源として用い、分光フィルタによって、輝尽性蛍光体の
励起に寄与しない波長成分をカットするようにしてもよ
い。
【0353】また、前記実施態様においては、走査機構
によって、図13において、矢印Xで示される主走査方
向および矢印Yで示される副走査方向に、光学ヘッド3
5を移動させることによって、レーザ光24により、蓄
積性蛍光体シート10のすべてのドット状輝尽性蛍光体
層領域12あるいは生化学解析用ユニット1の全面を走
査して、輝尽性蛍光体あるいは蛍光色素などの蛍光物質
を励起しているが、光学ヘッド35を静止状態に維持
し、ステージ40を、図13において、矢印Xで示され
る主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に移動
させることによって、レーザ光24により、蓄積性蛍光
体シート10のすべてのドット状輝尽性蛍光体層領域1
2あるいは生化学解析用ユニット1の全面を走査して、
輝尽性蛍光体あるいは蛍光色素などの蛍光物質を励起す
るようにしてもよく、また、光学ヘッド35を、図13
において、矢印Xで示される主走査方向あるいは矢印Y
で示される副走査方向に移動させるとともに、ステージ
40を、矢印Yで示される副走査方向あるいは矢印Xで
示される主走査方向に移動させることもできる。
【0354】さらに、図7ないし図14に示されたスキ
ャナにおいては、光検出器として、フォトマルチプライ
ア50を用いて、蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出し
ているが、本発明において用いられる光検出器として
は、蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出可能であればよ
く、フォトマルチプライア50に限らず、ラインCCD
や二次元CCDなどの他の光検出器を用いることもでき
る。
【0355】また、前記実施態様においては、インジェ
クタ6とCCDカメラ7を備えたスポッティング装置5
を用い、CCDカメラ7によって、インジェクタ6の先
端部と、cDNAなどの特異的結合物質を滴下すべき吸
着性領域4を観察しながら、インジェクタ6の先端部
と、cDNAなどの特異的結合物質を滴下すべき吸着性
領域4の中心とが合致したときに、インジェクタ6か
ら、cDNAなどの特異的結合物質を放出させて、滴下
しているが、インジェクタ6の先端部と、生化学解析用
ユニット1に形成された多数の吸着性領域4との相対的
な位置関係を、あらかじめ検出しておき、インジェクタ
6と、生化学解析用ユニット1とを、相対的に、一定の
ピッチで、二次元的に移動させて、cDNAなどの特異
的結合物質を滴下するようにすることもできる。
【0356】さらに、図15に示された実施態様におい
ては、均一に、β線を放出する面状のβ線源18よりな
る露光装置が、図20に示された実施態様においては、
紫外線を発する紫外線光源100よりなる露光装置が、
図24に示された実施態様においては、紫外線を発する
線状の蛍光灯115よりなる露光装置が、図26に示さ
れた実施態様においては、紫外線を発する紫外線光源1
20と、紫外線光源120から発せられた紫外線121
を、蓄積性蛍光体シート110に形成された輝尽性蛍光
体層領域112に集光する集光レンズ122を備えた露
光装置が、それぞれ、各輝尽性蛍光体層領域12、9
5、112のディジタルデータを補正する補正係数αi
を生成するために用いられているが、露光装置は、これ
らに限定されるものではなく、露光装置として、フラッ
シュランプ、ストロボランプ、X線源および軟X線源な
どを用いることもできる。
【0357】さらに、前記実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート10に形成された多数のドット状の輝尽性
蛍光体層領域12に記録された放射性標識物質の放射線
データおよび生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された蛍光色素などの蛍光データは、スキャ
ナによって、読み取られ、生化学解析用データが生成さ
れるように構成されているが、スキャナに代えて、CC
Dエリアセンサ、CCDラインセンサなどの固体センサ
を用いて、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数の
ドット状の輝尽性蛍光体層領域12に記録された放射性
標識物質の放射線データまたは生化学解析用ユニット1
の多数の吸着性領域4に記録された蛍光色素などの蛍光
データを読み取って、生化学解析用データを生成するよ
うに構成してもよい。
【0358】また、図15に示された実施態様において
は、面状のβ線源18を備えた露光装置によって、図2
0に示された実施態様においては、紫外線光源100を
備えた露光装置により、図24に示された実施態様にお
いては、紫外線を発する線状の蛍光灯115を備えた露
光装置によって、図26に示された実施態様において
は、紫外線を発する紫外線光源120と、紫外線光源1
20から発せられた紫外線121を、蓄積性蛍光体シー
ト110に形成された輝尽性蛍光体層領域112に集光
する集光レンズ122を備えた露光装置により、それぞ
れ、蓄積性蛍光体シート10、90、110に形成され
た多数の輝尽性蛍光体層領域12、95、112が露光
されて、補正データが生成され、スキャナのメモリ55
に記憶させるように構成されているが、スキャナが、紫
外線光源、フラッシュランプ、ストロボランプなどの標
準光源あるいはX線源、軟X線源、β線源などの標準線
源を備え、スキャナのルステージ40に載置された蓄積
性蛍光体シート10、90、110に、標準光源から光
を照射し、あるいは、標準線源から放射線を照射して、
蓄積性蛍光体シート10、90、110に形成された多
数の輝尽性蛍光体層領域12、95、112を露光し、
次いで、第1のレーザ励起光源21から発せられたレー
ザ光24によって、輝尽性蛍光体層領域12、95、1
12を照射して、輝尽性蛍光体層領域12、95、11
2に含まれた輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から
放出された輝尽光45を、フォトマルチプライア50に
よって光電的に検出して、補正データを生成し、メモリ
55に記憶させるように構成することもできる。
【0359】
【発明の効果】本発明によれば、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質に、放射性標識物質によって
標識された生体由来の物質を特異的に結合させて、選択
的に標識したスポット状領域を、メンブレンフィルタな
どの担体表面に、高密度に形成した場合においても、高
い分解能で、定量性に優れた生化学解析用データを生成
することのできる蓄積性蛍光体シートを用いた生化学解
析用データ生成方法およびそれに用いる生化学解析用デ
ータ生成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用データの生成方法に用いられる生化学解析用
ユニットの略斜視図である。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、ハイブリダイズ容器の略縦断面図であ
る。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用データの生成方法に用いられる蓄積性蛍光体
シートの略斜視図である。
【図5】図5は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用データの生成方法に用いられる蓄積性蛍光体
シートの略部分断面図である。
【図6】図6は、生化学解析用ユニットに形成された多
数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によって、蓄
積性蛍光体シートに形成された多数のドット状の輝尽性
蛍光体層領域を露光する方法を示す略断面図である。
【図7】図7は、本発明の好ましい実施態様にかかるス
キャナの略斜視図である。
【図8】図8は、本発明の好ましい実施態様にかかるス
キャナのフォトマルチプライア近傍の詳細を示す略斜視
図である。
【図9】図9は、図8のA−A線に沿った略断面図であ
る。
【図10】図10は、図8のB−B線に沿った断面図で
ある。
【図11】図11は、図8のC−C線に沿った断面図で
ある。
【図12】図12は、図8のD−D線に沿った断面図で
ある。
【図13】図13は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【図14】図14は、本発明の好ましい実施態様にかか
るスキャナの制御系、入力系、駆動系および検出系を示
すブロックダイアグラムである。
【図15】図15は、補正データを生成するために、蓄
積性蛍光体シートのドット状の輝尽性蛍光体層領域を露
光する露光装置の略斜視図である。
【図16】図16は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用データの生成方法に用いられる生化
学解析用ユニットの略斜視図である。
【図17】図17は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用データの生成方法に用いられる生化
学解析用ユニットの略部分断面図である。
【図18】図18は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用データの生成方法に用いられる蓄積
性蛍光体シートの略斜視図である。
【図19】図19は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用データの生成方法に用いられる蓄積
性蛍光体シートの略部分断面図である。
【図20】図20は、補正データを生成するために、蓄
積性蛍光体シートのドット状の輝尽性蛍光体層領域を露
光する露光装置の略斜視図である。
【図21】図21は、生化学解析用ユニットの多数の吸
着性領域に含まれている放射性標識物質によって、蓄積
性蛍光体シートに形成された多数のドット状の輝尽性蛍
光体層領域を露光する方法を示す略部分断面図である。
【図22】図22は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかるスキャナのフォトマルチプライアおよびデータ処
理装置の周辺のブロックダイアグラムである。
【図23】図23は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用データ生成方法に用いられる蓄積性
蛍光体シートの略斜視図である。
【図24】図24は、補正データを生成するために、蓄
積性蛍光体シートのドット状の輝尽性蛍光体層領域を露
光する露光装置の他の例を示す略斜視図である。
【図25】図25は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかるスキャナのフォトマルチプライアおよびデータ処
理装置の周辺のブロックダイアグラムである。
【図26】図26は、補正データを生成するために、蓄
積性蛍光体シートのドット状の輝尽性蛍光体層領域を露
光する露光装置のさらに他の例を示す略斜視図である。
【図27】図27は、本発明のさらに他の好ましい実施
態様にかかるスキャナの制御系、入力系、駆動系および
検出系を示すブロックダイアグラムである。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 基板 3 貫通孔 4 吸着性領域 5 スポッティング装置 6 インジェクタ 7 CCDカメラ 8 ハイブリダイズ容器 9 ハイブリダイゼーション溶液 10 蓄積性蛍光体シート 11 支持体 12 輝尽性蛍光体層領域 13 貫通孔 18 面状のβ線源 21 第1のレーザ励起光源 22 第2のレーザ励起光源 23 第3のレーザ励起光源 24 レーザ光 25 コリメータレンズ 26 ミラー 27 第1のダイクロイックミラー 28 第2のダイクロイックミラー 29 ミラー 30 コリメータレンズ 31 コリメータレンズ 32 ミラー 33 穴開きミラーの穴 34 穴開きミラー 35 光学ヘッド 36 ミラー 37 非球面レンズ 38 凹面ミラー 40 ステージ 41 ガラス板 45 蛍光あるいは輝尽光 48 フィルタユニット 50 フォトマルチプライア 51a、51b、51c、51d フィルタ部材 52a、52b、52c、52d フィルタ 53 A/D変換器 54 データ処理装置 55 メモリ 60 基板 61 副走査パルスモータ 62 一対のレール 63 移動可能な基板 64 ロッド 65 主走査ステッピングモータ 66 エンドレスベルト 67 リニアエンコーダ 68 リニアエンコーダのスリット 70 コントロールユニット 71 キーボード 72 フィルタユニットモータ 75 積分アンプ 76 加算手段 78 主走査モータ 80 生化学解析用ユニット 81 基板 82 貫通孔 83 吸着性膜 84 吸着性領域 85 接着剤 90 蓄積性蛍光体シート 91 輝尽性蛍光体膜 92 貫通孔 93 ニッケル基板 95 輝尽性蛍光体層領域 100 紫外線光源 101 紫外線 110 蓄積性蛍光体シート 111 支持体 112 輝尽性蛍光体層領域 115 蛍光灯 116 紫外線 120 紫外線光源 121 紫外線 122 集光レンズ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01T 1/00 G01T 1/00 B 4B063 1/29 1/29 D 5C072 7/00 7/00 C G03B 42/02 G03B 42/02 B G21K 4/00 G21K 4/00 N H04N 1/04 H04N 1/04 E Fターム(参考) 2G001 AA01 AA03 AA07 DA09 GA06 HA13 HA15 LA01 2G083 AA03 AA09 BB03 BB04 BB05 CC03 CC04 CC10 DD01 DD11 DD12 DD16 EE02 EE03 2G088 EE27 FF02 FF05 FF18 GG10 GG17 GG25 GG30 JJ05 JJ09 JJ21 KK32 KK35 LL11 LL12 LL13 LL15 LL28 MM01 2H013 AC03 AC06 AC14 4B029 AA07 BB15 BB20 FA09 4B063 QA01 QQ42 QQ52 QR56 QS25 QS34 QS39 QX02 QX07 5C072 AA01 BA04 BA13 CA02 DA02 DA04 DA09 DA21 EA05 EA08 UA01 VA01 WA04

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の輝尽性蛍光体層領域が互いに離間
    して、形成された支持体を備えた蓄積性蛍光体シート
    に、標準光源から光を照射して、あるいは、標準線源か
    ら放射線を照射して、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を
    露光し、前記複数の輝尽性蛍光体層領域に励起光を照射
    して、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を励起し、前記複
    数の輝尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的
    に検出して、前記複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれ
    に対する補正データを生成し、前記蓄積性蛍光体シート
    を、前記複数の輝尽性蛍光体層領域に対応して、放射性
    標識物質を選択的に含んだ複数のスポット状領域が形成
    された生化学解析用ユニットに重ね合わせて、前記複数
    のスポット状領域に選択的に含まれている放射性標識物
    質によって、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を露光し、
    生化学解析用データ生成装置の励起光源から発せられた
    励起光により、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を走査し
    て、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を励起し、前記複数
    の輝尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に
    検出して、生化学解析用データを生成し、前記複数の輝
    尽性蛍光体層領域のそれぞれに対する前記補正データを
    用いて、前記生化学解析用データを補正することを特徴
    とする生化学解析用データの生成方法。
  2. 【請求項2】 前記標準光源が、紫外線光源、フラッシ
    ュランプおよびストロボランプよりなる群から選ばれる
    光源によって構成されたことを特徴とする請求項1に記
    載の生化学解析用データの生成方法。
  3. 【請求項3】 前記標準線源が、X線源、軟X線源およ
    びβ線源よりなる群から選ばれる線源によって構成され
    たことを特徴とする請求項1に記載の生化学解析用デー
    タの生成方法。
  4. 【請求項4】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    が、放射線を減衰させる材料によって形成されたことを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の生
    化学解析用データの生成方法。
  5. 【請求項5】 前記放射線を減衰させる材料が、隣り合
    う輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放
    射線が前記支持体内を透過したときに、放射線のエネル
    ギーを、1/5以下に減衰させる性質を有していること
    を特徴とする請求項4に記載の生化学解析用データの生
    成方法。
  6. 【請求項6】 前記標準光源または前記標準線源によっ
    て、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を一様に露光するこ
    とを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の生化学解析用データの生成方法。
  7. 【請求項7】 前記標準光源または前記標準線源が、面
    状光源または面状線源によって構成されたことを特徴と
    する請求項6に記載の生化学解析用データの生成方法。
  8. 【請求項8】 前記標準光源または前記標準線源が、線
    状光源または線状線源によって構成され、前記標準光源
    または前記標準線源から発せられるライン状ビームによ
    って、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を一次元的に走査
    して、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を露光することを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の生
    化学解析用データの生成方法。
  9. 【請求項9】 前記標準光源または前記標準線源から発
    せられる光または放射線によって、前記複数の輝尽性蛍
    光体層領域を二次元的に走査して、前記複数の輝尽性蛍
    光体層領域を露光することを特徴とする請求項1ないし
    5のいずれか1項に記載の生化学解析用データの生成方
    法。
  10. 【請求項10】 前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の
    輝尽性蛍光体層領域のそれぞれに対する前記補正データ
    が、前記生化学解析用データ生成装置に記憶され、前記
    生化学解析用データ生成装置によって、前記生化学解析
    用データが補正されるように構成されたことを特徴とす
    る請求項1ないし9のいずれか1項に記載の生化学解析
    用データの生成方法。
  11. 【請求項11】 前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の
    輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に形成された孔内
    に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、形成されていること
    を特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載
    の生化学解析用データの生成方法。
  12. 【請求項12】 前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の
    輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に形成された孔内
    に、輝尽性蛍光体膜が圧入されて、形成されていること
    を特徴とする請求項11に記載の生化学解析用データの
    生成方法。
  13. 【請求項13】 前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の
    輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体の表面上に形成され
    ていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか
    1項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  14. 【請求項14】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    に、10以上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項
    に記載の生化学解析用データの生成方法。
  15. 【請求項15】 前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の
    輝尽性蛍光体層領域が、5平方ミリメートル未満のサイ
    ズに形成されていることを特徴とする請求項1ないし1
    4のいずれか1項に記載の生化学解析用データの生成方
    法。
  16. 【請求項16】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    に、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、10個/平方セ
    ンチメートル以上の密度で、形成されたことを特徴とす
    る請求項1ないし15のいずれか1項に記載の生化学解
    析用データの生成方法。
  17. 【請求項17】 前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体
    に、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、規則的なパター
    ンで形成されたことを特徴とする請求項1ないし16の
    いずれか1項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  18. 【請求項18】 前記生化学解析用ユニットが、放射線
    を減衰させる材料によって形成された基板と、前記基板
    に、互いに離間して、形成され、前記複数のスポット状
    領域を構成する複数の吸着性領域を備え、前記複数の吸
    着性領域が、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽
    性蛍光体層領域と同一のパターンで、前記基板に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし17のいずれ
    か1項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  19. 【請求項19】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域が、前記基板に形成された複数の孔内に、
    吸着性材料が埋め込まれて、形成されていることを特徴
    とする請求項18に記載の生化学解析用データの生成方
    法。
  20. 【請求項20】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域が、前記基板に形成された複数の孔内に、
    吸着性材料によって形成された吸着性膜が圧入されて、
    形成されていることを特徴とする請求項19に記載の生
    化学解析用データの生成方法。
  21. 【請求項21】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域が、それぞれ、多孔質材料によって形成さ
    れていることを特徴とする請求項18ないし20のいず
    れか1項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  22. 【請求項22】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域が、それぞれ、炭素材料またはメンブレン
    フィルタを形成可能な多孔質材料によって形成されてい
    ることを特徴とする請求項21に記載の生化学解析用デ
    ータの生成方法。
  23. 【請求項23】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域が、それぞれ、複数の繊維の束によって形
    成されていることを特徴とする請求項18ないし20の
    いずれか1項に記載の生化学解析用データの生成方法。
  24. 【請求項24】 前記放射線を減衰させる材料が、隣り
    合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射
    線が前記基板内を透過したときに、放射線のエネルギー
    を、1/5以下に減衰させる性質を有していることを特
    徴とする請求項18ないし23のいずれか1項に記載の
    生化学解析用データの生成方法。
  25. 【請求項25】 前記放射線を減衰させる材料が、金属
    材料、セラミック材料およびプラスチック材料よりなる
    群から選ばれる材料によって構成されたことを特徴とす
    る請求項24に記載の生化学解析用データの生成方法。
  26. 【請求項26】 前記放射線を減衰させる材料が、プラ
    スチック材料に、金属酸化物粒子を分散させて、形成さ
    れたことを特徴とする請求項25に記載の生化学解析用
    データの生成方法。
  27. 【請求項27】 前記生化学解析用ユニットの前記スポ
    ット状領域に、構造または特性が既知の特異的結合物質
    が滴下され、放射性標識物質によって標識された生体由
    来の物質が、前記特異的結合物質に、選択的に、特異的
    に結合されて、前記吸着性領域が、選択的に放射性標識
    物質を含んでいることを特徴とする請求項1ないし25
    のいずれか1項に記載の生化学解析用データの生成方
    法。
  28. 【請求項28】 前記生体由来の物質が、ハイブリダイ
    ゼーション、抗原抗体反応、リセプター・リガンドより
    なる群から選ばれた反応によって、前記特異的結合物質
    と結合されていることを特徴とする請求項25に記載の
    生化学解析用データの生成方法。
  29. 【請求項29】 励起光を発する励起光源と、互いに離
    間して形成され、放射線エネルギーを選択的に蓄積した
    複数の輝尽性蛍光体層領域を備えた蓄積性蛍光体シート
    を載置可能なサンプルステージと、前記励起光源から発
    せられた励起光によって、前記サンプルステージに載置
    された前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光
    体層領域が励起されて、放出する輝尽光を光電的に検出
    して、アナログデータを生成する光検出器と、前記光検
    出器によって生成されたアナログデータをディジタル化
    して、ディジタルデータを生成するA/D変換器と、前
    記複数の輝尽性蛍光体層領域に励起光を照射して、前記
    複数の輝尽性蛍光体層領域を励起し、前記複数の輝尽性
    蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出し
    て、生成された前記複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞ
    れに対する補正データを記憶するデータメモリと、前記
    励起光源から発せられた励起光を、前記輝尽性蛍光体層
    領域に照射して、前記輝尽性蛍光体層領域のそれぞれか
    ら放出された輝尽光を、前記光検出器によって光電的に
    検出し、前記A/D変換器によってディジタル化された
    前記複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれのディジタル
    データを、前記データメモリに記憶された前記複数の輝
    尽性蛍光体層領域のそれぞれに対する補正データを用い
    て、補正するデータ補正手段とを備え、前記補正データ
    が、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体
    層領域に、標準光源から光を照射して、あるいは、標準
    線源から放射線を照射して、前記複数の輝尽性蛍光体層
    領域を露光し、前記励起光源から、前記複数の輝尽性蛍
    光体層領域に励起光を照射して、前記複数の輝尽性蛍光
    体層領域を励起し、前記複数の輝尽性蛍光体層領域から
    放出された輝尽光を光電的に検出して、生成された前記
    複数の輝尽性蛍光体層領域のそれぞれに対するディジタ
    ルデータに基づいて、生成されたことを特徴とする生化
    学解析用データ生成装置。
  30. 【請求項30】 さらに、前記励起光源から発せられた
    前記励起光を前記サンプルステージに指向させる励起光
    照射光学系と、前記励起光源から発せられた前記励起光
    によって、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、順次、照
    射されるように、前記励起光照射光学系と前記サンプル
    ステージとを、主走査方向および前記主走査方向に直交
    する副走査方向に、相対的に移動させる走査機構とを備
    えたことを特徴とする請求項29に記載の生化学解析用
    データ生成装置。
  31. 【請求項31】 さらに、紫外線光源、フラッシュラン
    プおよびストロボランプよりなる群から選ばれる標準光
    源を備えたことを特徴とする請求項29または30に記
    載の生化学解析用データ生成装置。
  32. 【請求項32】 さらに、X線源、軟X線源およびβ線
    源よりなる群から選ばれる標準線源を備えたことを特徴
    とする請求項29または30に記載の生化学解析用デー
    タ生成装置。
  33. 【請求項33】 前記標準光源または前記標準線源が、
    面状光源または面状線源によって構成されたことを特徴
    とする請求項31または32に記載の生化学解析用デー
    タ生成装置。
  34. 【請求項34】 さらに、前記標準光源から発せられた
    光または前記標準線源から発せられた放射線を、前記サ
    ンプルステージに指向させる露光光照射光学系を備え、
    前記露光光照射光学系によって、前記標準光源から発せ
    られた光または前記標準線源から発せられた放射線が、
    前記サンプルステージに向けて、ライン状に指向される
    ように構成され、前記走査機構が、ライン状の光または
    放射線によって、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、一
    次元的に走査されるように、前記露光光照射光学系と前
    記サンプルステージとを、前記主走査方向または前記副
    走査方向に、相対的に移動させるように構成されたこと
    を特徴とする請求項31または32に記載の生化学解析
    用データ生成装置。
  35. 【請求項35】 さらに、前記標準光源から発せられた
    光または前記標準線源から発せられた放射線を、前記サ
    ンプルステージに指向させる露光光照射光学系を備え、
    前記走査機構が、前記標準光源から発せられた光または
    前記標準線源から発せられた放射線によって、前記複数
    の輝尽性蛍光体層領域が、順次、照射されるように、前
    記露光光照射光学系と前記サンプルステージとを、前記
    主走査方向および前記副走査方向に、相対的に移動させ
    るように構成されたことを特徴とする請求項31または
    32に記載の生化学解析用データ生成装置。
  36. 【請求項36】 さらに、前記励起光源および前記走査
    機構を制御する励起制御手段と、前記励起光照射光学系
    と前記サンプルステージとの主走査方向における相対的
    位置関係を検出する位置検出手段とを備え、前記励起制
    御手段が、前記位置検出手段によって、検出された前記
    励起光照射光学系と前記サンプルステージとの主走査方
    向における相対的位置関係に基づいて、前記複数の輝尽
    性蛍光体層領域に照射される励起光の単位面積あたりの
    エネルギーが、前記複数の輝尽性蛍光体層領域以外の領
    域に比して、高くなるように、前記励起光源および前記
    走査機構を制御するように構成されたことを特徴とする
    請求項30ないし35のいずれか1項に記載の生化学解
    析用データ生成装置。
  37. 【請求項37】 前記励起制御手段が、前記励起光照射
    光学系と前記サンプルステージとを、主走査方向に、相
    対的に、かつ、間欠的に移動させるように、前記走査機
    構を制御するとともに、前記複数の輝尽性蛍光体層領域
    に、それぞれ、所定の時間にわたって、前記励起光が照
    射されるように、前記励起光源を制御するように構成さ
    れたことを特徴とする請求項36に記載の生化学解析用
    データ生成装置。
  38. 【請求項38】 前記励起制御手段が、前記励起光照射
    光学系と前記サンプルステージとを、主走査方向に、相
    対的に、かつ、間欠的に移動させる間、前記励起光が、
    常時、前記蓄積性蛍光体シートに照射されるように、前
    記励起光源を制御するように構成されたことを特徴とす
    る請求項37に記載の生化学解析用データ生成装置。
  39. 【請求項39】 前記励起制御手段が、前記複数の輝尽
    性蛍光体層領域にのみ、前記励起光が照射され、前記複
    数の輝尽性蛍光体層領域以外の領域に、前記励起光が照
    射されないように、前記励起光源をオン・オフ制御する
    ように構成されたことを特徴とする請求項37に記載の
    生化学解析用データ生成装置。
  40. 【請求項40】 前記走査機構が、前記励起光照射光学
    系と前記サンプルステージとを、主走査方向に隣り合う
    前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しいピッチで、
    主走査方向に、相対的に、かつ、間欠的に移動させるよ
    うに構成されたことを特徴とする請求項37ないし39
    のいずれか1項に記載の生化学解析用データ生成装置。
  41. 【請求項41】 前記走査機構が、前記照射光学系と前
    記サンプルステージとを、主走査方向に、相対的に、か
    つ、連続的に移動させるように構成され、前記励起制御
    手段が、実質的に、前記複数の輝尽性蛍光体層領域にの
    み、前記励起光が照射され、前記複数の輝尽性蛍光体層
    領域以外の領域に、前記励起光が照射されないように、
    前記励起光源をオン・オフ制御するように構成されたこ
    とを特徴とする請求項36に記載の生化学解析用データ
    生成装置。
  42. 【請求項42】 さらに、前記光検出器によって生成さ
    れたアナログ信号を積分する積分手段を備えたことを特
    徴とする請求項36ないし41のいずれか1項に記載の
    生化学解析用データ生成装置。
  43. 【請求項43】 さらに、前記A/D変換器によって、
    生成されたディジタル信号を加算する加算手段を備えた
    ことを特徴とする請求項36ないし41のいずれか1項
    に記載の生化学解析用データ生成装置。
  44. 【請求項44】 前記励起光源が、レーザ励起光源によ
    って構成されたことを特徴とする請求項36ないし43
    のいずれか1項に記載の生化学解析用データ生成装置。
  45. 【請求項45】 前記励起光源が、LED励起光源によ
    って構成されたことを特徴とする請求項36ないし43
    のいずれか1項に記載の生化学解析用データ生成装置。
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