JP2003004896A - 蓄積性蛍光体シート - Google Patents

蓄積性蛍光体シート

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JP2003004896A
JP2003004896A JP2001187809A JP2001187809A JP2003004896A JP 2003004896 A JP2003004896 A JP 2003004896A JP 2001187809 A JP2001187809 A JP 2001187809A JP 2001187809 A JP2001187809 A JP 2001187809A JP 2003004896 A JP2003004896 A JP 2003004896A
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stimulable phosphor
phosphor sheet
phosphor layer
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layer regions
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JP2001187809A
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English (en)
Inventor
Katsuaki Muraishi
勝明 村石
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体由来の物質と特異的に結合可能で、か
つ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結
合物質に、放射性標識物質によって標識された生体由来
の物質を特異的に結合させて、選択的に標識したスポッ
ト状領域を、メンブレンフィルタなどの担体表面に、高
密度に形成した場合においても、高い分解能で、定量性
に優れた生化学解析用データを生成することのできる蓄
積性蛍光体シートを提供する。 【解決手段】 複数の輝尽性蛍光体層領域15、95、
115、125が、互いに離間して、形成された支持体
13、93、111、121を備え、複数の輝尽性蛍光
体層領域を除く支持体の表面に、励起光を吸収する色の
吸収層123が形成されたことを特徴とする蓄積性蛍光
体シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄積性蛍光体シー
トに関するものであり、さらに詳細には、生体由来の物
質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長
さ、組成などが既知の特異的結合物質に、放射性標識物
質によって標識された生体由来の物質を特異的に結合さ
せて、選択的に標識したスポット状領域を、メンブレン
フィルタなどの担体表面に、高密度に形成した場合にお
いても、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用の
データを生成することのできる蓄積性蛍光体シートに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するオートラジオグラフィ解析システムは、写
真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化
学的処理が不必要であるだけでなく、得られたディジタ
ルデータにデータ処理を施すことにより、所望のよう
に、解析用データを再生し、あるいは、コンピュータに
よる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0005】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光解析システムも知られてい
る。
【0006】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、ホルモ
ン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、
その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNA
など、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩
基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質
を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の独立し
たスポットを形成し、次いで、ホルモン類、腫瘍マーカ
ー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク
質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単
離などによって、生体から採取され、あるいは、さら
に、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生体由
来の物質であって、蛍光物質、色素などの標識物質によ
って標識された物質を、ハイブリダイゼーションなどに
よって、特異的結合物質に、特異的に結合させたマイク
ロアレイに、励起光を照射して、蛍光物質、色素などの
標識物質から発せられた蛍光などの光を光電的に検出し
て、生体由来の物質を解析するマイクロアレイ解析シス
テムが開発されている。このマイクロアレイ解析システ
ムによれば、スライドガラス板やメンブレンフィルタな
どの担体表面上の異なる位置に、数多くの特異的結合物
質のスポットを高密度に形成して、標識物質によって標
識された生体由来の物質をハイブリダイズさせることに
よって、短時間に、生体由来の物質を解析することが可
能になるという利点がある。
【0007】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、
抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、
cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用い
て、滴下して、多数の独立したスポットを形成し、次い
で、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、ア
ブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DN
A、mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から
採取され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾な
どの処理が施された生体由来の物質であって、放射性標
識物質によって標識された物質を、ハイブリダイゼーシ
ョンなどによって、特異的結合物質に、特異的に結合さ
せたマクロアレイを、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体
層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽
性蛍光体層を露光し、しかる後に、輝尽性蛍光体層に励
起光を照射し、輝尽性蛍光体層から発せられた輝尽光を
光電的に検出して、生化学解析用データを生成し、生体
由来の物質を解析する放射性標識物質を用いたマクロア
レイ解析システムも開発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、放射性
標識物質を標識物質として用いたマクロアレイ解析シス
テムにあっては、輝尽性蛍光体層を露光する際、メンブ
レンフィルタなどの担体表面上に形成されたスポットに
含まれた放射性標識物質の放射線エネルギーが非常に大
きいため、放射性標識物質から発せられる電子線(β
線)が散乱して、そのスポットに含まれた放射性標識物
質から放出された電子線(β線)によって露光されるべ
き領域以外の輝尽性蛍光体層の領域に入射し、あるい
は、隣り合うスポットの間のメンブレンフィルタなどの
担体表面上に付着した放射性標識物質から放出された電
子線(β線)が、輝尽性蛍光体層に入射し、その結果、
輝尽光を光電的に検出して生成された生化学解析用のデ
ータ中にノイズが生成され、隣り合うスポット間でのデ
ータの分離が困難になって、分解能が低下するととも
に、各スポットの放射線量を定量して、生体由来の物質
を解析する際、定量性が悪化するという問題があり、ス
ポットを近接して形成して、高密度化しようとする場合
には、とくに、分解能が低下する著しく低下するととも
に、定量性の著しい悪化が認められている。
【0009】したがって、本発明は、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質に、放射性標識物質によ
って標識された生体由来の物質を特異的に結合させて、
選択的に標識したスポット状領域を、メンブレンフィル
タなどの担体表面に、高密度に形成した場合において
も、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用データ
を生成することのできる蓄積性蛍光体シートを提供する
ことを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
複数の輝尽性蛍光体層領域が、互いに離間して、形成さ
れた支持体を備え、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を除
く前記支持体の表面が、励起光を吸収する色を有してい
ることを特徴とする蓄積性蛍光体シートによって達成さ
れる。
【0011】本発明によれば、生体由来の物質と特異的
に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成など
が既知の特異的結合物質に、放射性標識物質によって標
識された生体由来の物質を、ハイブリダイゼーションな
どによって、特異的に結合させて、選択的に標識したス
ポット領域を、メンブレンフィルタなどの担体に、高密
度に形成した場合においても、複数の輝尽性蛍光体層領
域を、メンブレンフィルタなどの担体表面に形成された
スポットと同じパターンによって、支持体に形成するこ
とにより、メンブレンフィルタなどと蓄積性蛍光体シー
トを重ね合わせて、露光する際に、各スポット領域に含
まれている放射性標識物質から放出された電子線(β
線)が、そのスポット領域に含まれた放射性標識物質か
ら放出された電子線(β線)によって露光されるべき領
域以外の輝尽性蛍光体膜の領域に入射することを確実に
防止することができ、したがって、露光された複数の輝
尽性蛍光体層領域を励起光によって走査し、複数の輝尽
性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出す
ることによって、高い分解能で、定量性に優れた生化学
解析用のデータを生成することが可能になる。
【0012】また、本発明によれば、複数の輝尽性蛍光
体層領域を除く支持体の表面が、励起光を吸収する色を
有しているから、蓄積性蛍光体シートを、励起光によっ
て走査して、輝尽性蛍光体層領域に記録された放射線デ
ータを読み取る際に、励起光が、輝尽性蛍光体層領域が
形成されていない支持体の表面によって反射されて、輝
尽光とともに、光電的に検出されることを効果的に防止
することができ、したがって、輝尽光を光電的に検出し
て、生成された生化学解析用データ中に、輝尽光ととも
に、励起光が光電的に検出されることに起因するノイズ
が生成されることを効果的に防止することが可能にな
る。
【0013】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の輝尽性蛍光体層領域を除く前記支持体の表面
が、励起光を吸収する色に着色されている。
【0014】本発明の好ましい実施態様によれば、複数
の輝尽性蛍光体層領域を除く支持体の表面が、励起光を
吸収する色に着色されているから、複数の輝尽性蛍光体
層領域を除く支持体の表面に照射された励起光は、支持
体に吸収され、したがって、輝尽光を光電的に検出し
て、生成された生化学解析用データ中に、輝尽光ととも
に、励起光が光電的に検出されることに起因するノイズ
が生成されることを効果的に防止することが可能にな
る。
【0015】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を除く前記支持体の
表面に、励起光を吸収する色を有する被覆層が形成され
ている。
【0016】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
複数の輝尽性蛍光体層領域を除く支持体の表面に、励起
光を吸収する色を有する被覆層が形成されているから、
複数の輝尽性蛍光体層領域を除く支持体の表面に照射さ
れた励起光は、被覆層に吸収され、したがって、輝尽光
を光電的に検出して、生成された生化学解析用データ中
に、輝尽光とともに、励起光が光電的に検出されること
に起因するノイズが生成されることを効果的に防止する
ことが可能になる。
【0017】本発明の他の好ましい実施態様において
は、前記支持体が、励起光を吸収する色に着色されてい
る。
【0018】本発明の他の好ましい実施態様によれば、
支持体が、励起光を吸収する色に着色されているから、
複数の輝尽性蛍光体層領域を除く支持体の表面に照射さ
れた励起光は、支持体に吸収され、したがって、輝尽光
を光電的に検出して、生成された生化学解析用データ中
に、輝尽光とともに、励起光が光電的に検出されること
に起因するノイズが生成されることを効果的に防止する
ことが可能になる。
【0019】本発明の好ましい実施態様においては、前
記励起光を吸収する色として、黒色が選ばれている。
【0020】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記励起光を吸収する色として、青色が選ばれてい
る。
【0021】本発明の他の好ましい実施態様によれば、
励起光を吸収する色として、青色が選ばれているから、
輝尽性蛍光体を効率よく、励起可能な640nm近傍の
波長の励起光を効率よく吸収することが可能になる。
【0022】本発明の好ましい実施態様においては、前
記支持体に、複数の貫通孔が形成され、前記複数の輝尽
性蛍光体層領域が、前記複数の貫通孔内に、輝尽性蛍光
体が埋め込まれて、形成されている。
【0023】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記支持体に、複数の貫通孔が形成され、前記複数
の貫通孔の内壁面に、輝尽性蛍光体が被覆されて、前記
複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0024】本発明の他の好ましい実施態様において
は、前記支持体に、複数の凹部が形成され、前記複数の
輝尽性蛍光体層領域が、前記複数の凹部内に、輝尽性蛍
光体が埋め込まれて、形成されている。
【0025】本発明の他の好ましい実施態様において
は、前記支持体に、複数の凹部が形成され、前記複数の
凹部の内壁面に、輝尽性蛍光体が被覆されて、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0026】本発明の他の好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体の表
面に形成されている。
【0027】本発明の他の好ましい実施態様において
は、前記支持体の表面に、複数の突起部が形成され、前
記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記複数の突起部の先
端部に形成されている。
【0028】本発明の他の好ましい実施態様において
は、前記支持体に、複数の貫通孔が形成され、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体の前記複数の貫通
孔内に、輝尽性蛍光体膜が埋め込まれて、形成されてい
る。
【0029】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体の前
記複数の貫通孔内に、輝尽性蛍光体膜が圧入されて、形
成されている。
【0030】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記輝尽性蛍光体膜と、前記支持体とが、接着剤に
よって接着されている。
【0031】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、輝尽性蛍光体膜と、支持体とが、接着剤によって接
着されているから、蓄積性蛍光体シートの耐久性を向上
させることが可能になる。
【0032】本発明の好ましい実施態様においては、前
記支持体が、放射線を減衰させる材料によって形成され
ている。
【0033】本発明の好ましい実施態様によれば、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質に、放射性
標識物質によって標識された生体由来の物質を、ハイブ
リダイゼーションなどによって、特異的に結合させて、
選択的に標識したスポットを、メンブレンフィルタなど
の担体表面に、高密度に形成した場合においても、複数
の輝尽性蛍光体層領域を、メンブレンフィルタなどの担
体表面に形成されたスポットと同じパターンで、支持体
に形成し、メンブレンフィルタなどと蓄積性蛍光体シー
トを重ね合わせて、露光する際に、支持体が、放射線を
減衰させる材料によって形成されているから、各スポッ
トに含まれている放射性標識物質から放出された電子線
が、蓄積性蛍光体シートの支持体内で散乱して、隣り合
うスポットに含まれた放射性標識物質から放出された電
子線によって露光されるべき輝尽性蛍光体層領域に入射
することを効果的に防止することができ、したがって、
各スポットに含まれた放射性標識物質から放出された電
子線によって露光されるべき輝尽性蛍光体層領域が、隣
り合うスポットに含まれた放射性標識物質から放出され
た電子線によって、露光されることを効果的に防止する
ことが可能になるから、露光された複数の輝尽性蛍光体
層領域を励起光によって走査し、複数の輝尽性蛍光体層
領域から放出された輝尽光を光電的に検出することによ
って、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデ
ータを生成することが可能になる。
【0034】本発明の好ましい実施態様においては、前
記支持体が、透過した放射線のエネルギーを、1/3以
下に減衰させる性質を有する材料によって形成されてい
る。
【0035】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の
間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体内を透
過したときに、放射線のエネルギーを、1/5以下に減
衰させる性質を有する材料によって形成されている。
【0036】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の
間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体内を透
過したときに、放射線のエネルギーを、1/10以下に
減衰させる性質を有する材料によって形成されている。
【0037】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の
間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体内を透
過したときに、放射線のエネルギーを、1/50以下に
減衰させる性質を有する材料によって形成されている。
【0038】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の
間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体内を透
過したときに、放射線のエネルギーを、1/100以下
に減衰させる性質を有する材料によって形成されてい
る。
【0039】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の
間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体内を透
過したときに、放射線のエネルギーを、1/500以下
に減衰させる性質を有する材料によって形成されてい
る。
【0040】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍光体層領域の
間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体内を透
過したときに、放射線のエネルギーを、1/1000以
下に減衰させる性質を有する材料によって形成されてい
る。
【0041】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体を形成するために、好ましく使用される放射線を減
衰させる性質を有する材料は、とくに限定されるもので
はなく、無機化合物材料、有機化合物材料のいずれをも
使用することができるが、金属材料、セラミック材料ま
たはプラスチック材料が、とくに好ましい。
【0042】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体を形成するために好ましく使用可能で、放射線を減
衰させることのできる無機化合物材料としては、たとえ
ば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタ
ル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレン
などの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリ
コン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ
素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;
タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機
塩を挙げることができる。これらは、単結晶、アモルフ
ァス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造
を有していてもよい。
【0043】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体を形成するために好ましく使用可能で、放射線を減
衰させることのできる有機化合物材料としては、高分子
化合物が好ましく用いられ、たとえば、ポリエチレンや
ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタ
クリレート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレー
ト共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリ
ル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化
ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロ
トリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレ
ンナフタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポ
リエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン
4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;
ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロキサ
ンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹
脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタ
ジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロー
ス、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウ
ム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0044】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、蓄積性蛍光体シートの支持体は、比
重1.0g/cm以上の化合物材料または複合材料に
よって形成されることが好ましく、比重が1.5g/c
以上、23g/cm以下の化合物材料または複合
材料によって形成されることが、とくに好ましい。
【0045】本発明の好ましい実施態様においては、前
記支持体が、プラスチック材料に、金属酸化物粒子を分
散させて、形成されている。
【0046】本発明の好ましい実施態様においては、蓄
積性蛍光体シートの前記支持体に、10以上の前記輝尽
性蛍光体層領域が形成されている。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、100以上の
前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0048】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、1000以上
の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0049】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、10000以
上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0050】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、蓄積性蛍光体シートの前記支持体に、100000
以上の前記輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0051】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の輝尽性蛍光体層領域が、それぞれ、5平方ミリ
メートル未満のサイズを有している。
【0052】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、それぞれ、1平
方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0053】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、それぞれ、0.
5平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0054】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、それぞれ、0.
1平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0055】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、それぞれ、0.
05平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0056】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、それぞれ、0.
01平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0057】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に、10個
/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0058】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に、
50個/平方センチメートル以上の密度で形成されてい
る。
【0059】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に、
100個/平方センチメートル以上の密度で形成されて
いる。
【0060】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に、
500個/平方センチメートル以上の密度で形成されて
いる。
【0061】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に、
1000個/平方センチメートル以上の密度で形成され
ている。
【0062】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に、
5000個/平方センチメートル以上の密度で形成され
ている。
【0063】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に、
10000個/平方センチメートル以上の密度で形成さ
れている。
【0064】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に、規則的
に形成されている。
【0065】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に、それぞ
れ、略円形に形成されている。
【0066】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体に、
それぞれ、略矩形状に形成されている。
【0067】本発明において使用される輝尽性蛍光体と
しては、放射線のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によ
って励起され、蓄積している放射線のエネルギーを光の
形で放出可能なものであればよく、とくに限定されるも
のではないが、可視光波長域の光により励起可能である
ものが好ましい。具体的には、たとえば、米国特許第
4,239,968号に開示されたアルカリ土類金属弗
化ハロゲン化物系蛍光体(Ba1−xM2+x)FX:
yA(ここに、M2+はMg、Ca、Sr、Znおよび
Cdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ
土類金属元素、XはCl、BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲン、AはEu、Tb、
Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、YbおよびEr
からなる群より選ばれる少なくとも一種の3価金属元
素、xは0≦x≦0.6、yは0≦y≦0.2であ
る。)、特開平2−276997号公報に開示されたア
ルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体SrFX:Z
(ここに、XはCl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲン、ZはEuまたはCeで
ある。)、特開昭59−56479号公報に開示された
ユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体BaFX・x
NaX’:aEu2+(ここに、XおよびX’はいずれ
も、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであり、xは0<x≦2、aは0<
a≦0.2である。)、特開昭58−69281号公報
に開示されたセリウム付活三価金属オキシハロゲン物系
蛍光体であるMOX:xCe(ここに、MはPr、N
d、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、YbおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも
一種の三価金属元素、XはBrおよびIのうちの一方あ
るいは双方、xは、0<x<0.1である。)、米国特
許第4,539,137号に開示されたセリウム付活希
土類オキシハロゲン物系蛍光体であるLnOX:xCe
(ここに、LnはY、La、GdおよびLuからなる群
より選ばれる少なくとも一種の希土類元素、XはCl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種の
ハロゲン、xは、0<x≦0.1である。)および米国
特許第4,962,047号に開示されたユーロピウム
付活複合ハロゲン物系蛍光体MIIFX・aMX’・b
M’II''2・cMIII'''3 ・xA:yEu
2+(ここに、MIIはBa、SrおよびCaからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、
はLi、Na、K、RbおよびCsからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属元素、M' II
はBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一
種の二価金属元素、MIIIはAl、Ga、InおよびT
lからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元
素、Aは少なくとも一種の金属酸化物、XはCl、Br
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲン、X’、X''およびX'' ' はF、Cl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
あり、aは、0≦a≦2、bは、0≦b≦10−2、c
は、0≦c≦10−2で、かつ、a+b+c≧10−2
であり、xは、0<x≦0.5で、yは、0<y≦0.
2である。)が、好ましく使用し得る。
【0068】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0069】図1は、生化学解析用ユニットの略斜視図
である。
【0070】図1に示されるように、生化学解析用ユニ
ット1は、アルミニウムによって形成され、多数の略円
形の貫通孔3が高密度に形成された基板2を備え、多数
の貫通孔3の内部には、ナイロン6が充填されて、互い
に離間した多数の吸着性領域4が、ドット状に形成され
ている。
【0071】図1には正確に示されていないが、本実施
態様においては、約10000の約0.01平方ミリメ
ートルのサイズを有する貫通孔3が、約5000個/平
方センチメートルの密度で、かつ、規則的なパターンに
したがって、基板2に形成されている。ここに、ナイロ
ン6は、その表面が、基板2の表面とほぼ一致するよう
に、多数の貫通孔3内に、充填され、吸着性領域4が形
成されている。
【0072】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0073】生化学解析にあたっては、図2に示される
ように、生化学解析用ユニット1に規則的に形成された
多数の吸着性領域4内に、たとえば、特異的結合物質と
して、塩基配列が既知の互いに異なった複数のcDNA
が、スポッティング装置5を使用して、滴下される。
【0074】図2に示されるように、スポッティング装
置5は、インジェクタ6とCCDカメラ7を備え、CC
Dカメラ7によって、インジェクタ6の先端部と、特異
的結合物質を滴下すべき生化学解析用ユニット1の貫通
孔3を観察しながら、インジェクタ6の先端部と、特異
的結合物質を滴下すべき貫通孔3の中心とが合致したと
きに、インジェクタ6から、塩基配列が既知の互いに異
なった複数のcDNAなどの特異的結合物質が滴下され
るように構成され、生化学解析用ユニット1の多数のド
ット状の吸着性領域4内に、特異的結合物質を、正確に
滴下することができるように保証されている。
【0075】図3は、ハイブリダイズ容器の略縦断面図
である。
【0076】図3に示されるように、ハイブリダイゼー
ション容器8は矩形状断面を有し、内部に、標識物質に
よって標識されたプローブである生体由来の物質を含む
ハイブリダイゼーション溶液9が収容されている。
【0077】放射性標識物質によって、cDNAなどの
特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標
識物質によって標識されたプローブである生体由来の物
質を含むハイブリダイゼーション溶液9が調製され、ハ
イブリダイゼーション容器8内に収容される。
【0078】一方、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって、cDNA
などの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識されたプローブである生体由
来の物質を含むハイブリダイゼーション溶液9が調製さ
れ、ハイブリダイゼーション容器8内に収容される。
【0079】さらに、蛍光色素などの蛍光物質によっ
て、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する
場合には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された
プローブである生体由来の物質を含むハイブリダイゼー
ション溶液9が調製され、ハイブリダイゼーション容器
8内に収容される。
【0080】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション溶液9を調製して、ハイブリ
ダイゼーション容器8内に収容させることもでき、本実
施態様においては、放射性標識物質によって標識された
生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって
標識された生体由来の物質を含むハイブリダイゼーショ
ン溶液9が調製され、ハイブリダイゼーション容器8内
に収容されている。
【0081】ハイブリダイゼーションにあたって、cD
NAなどの特異的結合物質が、多数の吸着性領域4に吸
着されている生化学解析用ユニット1が、ハイブリダイ
ゼーション容器8内に挿入される。
【0082】その結果、多数の吸着性領域4に吸着され
ている特異的結合物質に、放射性標識物質により標識さ
れ、ハイブリダイゼーション溶液9に含まれた生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識さ
れ、ハイブリダイゼーション溶液9に含まれた生体由来
の物質が、選択的に、ハイブリダイズされる。
【0083】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に、標識物質である放射性標識物質の放
射線データおよび蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データ
が記録される。吸着性領域4に記録された蛍光データ
は、後述するスキャナによって読み取られ、生化学解析
用データが生成される。
【0084】一方、放射性標識物質の放射線データは、
蓄積性蛍光体シートに転写され、蓄積性蛍光体シートに
転写された放射線データは、後述するスキャナによって
読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0085】図4は、本発明の好ましい実施態様にかか
る蓄積性蛍光体シートの略斜視図であり、図5は、その
略部分断面図である。
【0086】図4および図5に示されるように、本実施
態様にかかる蓄積性蛍光体シート10は、輝尽性蛍光体
膜11と、多数の略円形の貫通孔12が規則的に形成さ
れ、その表面が黒色に着色されたニッケル基板13を備
え、輝尽性蛍光体膜11が、ニッケル基板13に形成さ
れた多数の貫通孔12内に、カレンダー処理装置を用い
て、圧入され、それによって、ニッケル基板13の多数
の貫通孔12に対応する輝尽性蛍光体膜11の位置に、
多数の輝尽性蛍光体層領域15が、ドット状に形成され
ている。
【0087】ここに、ニッケル基板13の表面には、接
着剤16が塗布され、接着剤16を介して、ニッケル基
板13に、輝尽性蛍光体膜11が圧入されており、した
がって、輝尽性蛍光体膜11は、ニッケル基板13に強
固に一体化され、蓄積性蛍光体シート10の耐久性の向
上が図られている。
【0088】多数の貫通孔12は、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4と同一の
パターンで、ニッケル基板13に形成され、それぞれ、
生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸
着性領域4と同じサイズを有している。
【0089】したがって、図4には、正確に示されてい
ないが、本実施態様においては、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性
蛍光体層領域15が、約5000個/平方センチメート
ルの密度で、かつ、規則的なパターンで、蓄積性蛍光体
シート10に、ドット状に形成されている。
【0090】また、図5に示されるように、本実施態様
においては、ニッケル基板13の表面と、ドット状に形
成された輝尽性蛍光体層領域15の表面とが同一の高さ
に位置するように、ニッケル基板13に、輝尽性蛍光体
膜11が圧入されて、蓄積性蛍光体シート10が形成さ
れている蓄積性蛍光体シート10は、たとえば、以下の
ようにして、作製される。
【0091】離型剤が塗布されたフイルムベースの表面
に、輝尽性蛍光体をバインダに混合した溶液が塗布さ
れ、乾燥後、フイルムベースを剥離して、自己支持能力
を有する輝尽性蛍光体膜11を形成する。
【0092】次いで、生化学解析用ユニット1の基板2
に形成された多数の吸着性領域4と同一のパターンで、
多数の貫通孔12が形成されたニッケル基板13上に、
接着剤19を塗布した後、得られた輝尽性蛍光体膜11
を、接着剤16の層上に、重ね合わせて、カレンダー処
理装置によって、加圧する。
【0093】図6は、カレンダー処理装置の略断面図で
ある。
【0094】図6に示されるように、カレンダー処理装
置は、一対の温度制御されたカレンダーロール18を備
え、多数の貫通孔12が形成されたニッケル基板13上
に、得られた輝尽性蛍光体膜11に重ね合わせて、一対
のカレンダーロール18の間に、供給することによっ
て、ニッケル基板13に形成された多数の貫通孔12内
に、輝尽性蛍光体膜11が圧入されて、ニッケル基板1
3に規則的に形成された多数の貫通孔12に対応して、
多数の輝尽性蛍光体層領域15が、生化学解析用ユニッ
ト1に形成された吸着性領域4と同じ規則的なパターン
で、ドット状に形成された蓄積性蛍光体シート10が作
製される。
【0095】図7は、生化学解析用ユニット1に形成さ
れた多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域15を露光する方法を示す略
断面図である。
【0096】図7に示されるように、露光にあたって、
生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域
4が、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域15に対向するように、蓄積
性蛍光体シート10と生化学解析用ユニット1とが重ね
合わされる。
【0097】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート10に形成された多数のドット状の輝尽性
蛍光体層領域15の各々と、生化学解析用ユニット1に
形成された多数の吸着性領域4とを対向させることによ
って、吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドット
状輝尽性蛍光体層領域15が露光される。
【0098】この際、吸着性領域4に吸着されている放
射性標識物質から電子線が発せられるが、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4は、アルミニウムによって形
成された基板2に、互いに離間して、ドット状に形成さ
れ、各吸着性領域4の周囲には、放射線を減衰させる性
質を有するアルミニウムが存在しているから、吸着性領
域4に含まれている放射性標識物質から発せられた電子
線が、生化学解析用ユニット1の基板2内で、散乱する
ことが効果的に防止され、さらに、蓄積性蛍光体シート
10の多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域15が、ニ
ッケル基板13に形成された複数の貫通孔12内に、輝
尽性蛍光体膜11を圧入して、形成され、各輝尽性蛍光
体層領域15の周囲には、放射線を減衰させる性質を有
するニッケル基板13が存在しているから、吸着性領域
4に含まれている放射性標識物質から発せられた電子線
が、蓄積性蛍光体シート10のニッケル基板13内で、
散乱することも効果的に防止され、したがって、吸着性
領域4に含まれている放射性標識物質から発せられた電
子線はすべて、その吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光
体層領域15に入射し、隣り合う吸着性領域4から放出
される電子線によって露光されるべき輝尽性蛍光体層領
域15に入射して、露光することを確実に防止すること
ができる。
【0099】したがって、蓄積性蛍光体シート10に形
成された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域15を、生
化学解析用ユニット1の対応する吸着性領域4に含まれ
た放射性標識物質のみによって、確実に露光することが
可能になる。
【0100】こうして、蓄積性蛍光体シート10に形成
された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域15に、放射
性標識物質の放射線データが記録される。
【0101】図8は、蓄積性蛍光体シート10に形成さ
れた多数のドット状輝尽性蛍光体層領域15に記録され
た放射性標識物質の放射線データおよび生化学解析用ユ
ニット1の多数の吸着性領域4に記録された蛍光色素な
どの蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生
成するスキャナの一例を示す略斜視図であり、図8は、
フォトマルチプライア近傍のスキャナの詳細を示す略斜
視図である。
【0102】図8に示されるスキャナは、蓄積性蛍光体
シート10に形成された多数のドット状輝尽性蛍光体層
領域15に記録された放射性標識物質の放射線データお
よび生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記
録された蛍光色素などの蛍光データを読み取り可能に構
成されており、640nmの波長のレーザ光24を発す
る第1のレーザ励起光源21と、532nmの波長のレ
ーザ光24を発する第2のレーザ励起光源22と、47
3nmの波長のレーザ光24を発する第3のレーザ励起
光源23とを備えている。本実施態様においては、第1
のレーザ励起光源21は、半導体レーザ光源により構成
され、第2のレーザ励起光源22および第3のレーザ励
起光源23は、第二高調波生成(Second Harmonic Gene
ration)素子によって構成されている。
【0103】第1のレーザ励起光源21により発生され
たレーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平
行光とされた後、ミラー26によって反射される。第1
のレーザ励起光源21から発せられ、ミラー26によっ
て反射されたレーザ光24の光路には、640nmのレ
ーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する第
1のダイクロイックミラー27および532nm以上の
波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第
2のダイクロイックミラー28が設けられており、第1
のレーザ励起光源21により発生されたレーザ光24
は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダイ
クロイックミラー28を透過して、ミラー29に入射す
る。
【0104】他方、第2のレーザ励起光源22より発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ30により、
平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に
よって反射されて、その向きが90度変えられて、第2
のダイクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入
射する。
【0105】また、第3のレーザ励起光源23から発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ31によっ
て、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー2
8により反射されて、その向きが90度変えられた後、
ミラー29に入射する。
【0106】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射され、さらに、ミラー32に入射
して、反射される。
【0107】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4の光路には、中央部に穴33が形成された凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34が配置されてお
り、ミラー32によって反射されたレーザ光24は、穴
開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラー38に
入射する。
【0108】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0109】光学ヘッド35は、ミラー36と、非球面
レンズ37を備えており、光学ヘッド35に入射したレ
ーザ光24は、ミラー36によって反射されて、非球面
レンズ37によって、ステージ40のガラス板41上に
載置された蓄積性蛍光体シート10あるいは生化学解析
用ユニット1に入射する。図8においては、生化学解析
用ユニット1が、吸着性領域4が形成された側が、下方
を向くように、ステージ40のガラス板41上に載置さ
れている。
【0110】蓄積性蛍光体シート10に形成されたドッ
ト状輝尽性蛍光体層領域15に、レーザ光24が入射す
ると、蓄積性蛍光体シート10に形成されたドット状輝
尽性蛍光体層領域15に含まれている輝尽性蛍光体が励
起されて、輝尽光45が発せられ、生化学解析用ユニッ
ト1にレーザ光24が入射すると、生化学解析用ユニッ
ト1に形成された吸着性領域4に含まれている蛍光色素
などが励起されて、蛍光45が放出される。
【0111】蓄積性蛍光体シート10に形成されたドッ
ト状輝尽性蛍光体層領域15から放出された輝尽光45
あるいは生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領
域4から放出された蛍光45は、光学ヘッド35に設け
られた非球面レンズ37によって、ミラー36に集光さ
れ、ミラー36によって、レーザ光24の光路と同じ側
に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射
する。
【0112】凹面ミラー38に入射した輝尽光45ある
いは蛍光45は、凹面ミラー38によって反射されて、
穴開きミラー34に入射する。
【0113】穴開きミラー34に入射した輝尽光45あ
るいは蛍光45は、図8に示されるように、凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34によって、下方に
反射されて、フィルタユニット48に入射し、所定の波
長の光がカットされて、フォトマルチプライア50に入
射し、光電的に検出される。
【0114】図9に示されるように、フィルタユニット
48は、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、
51dを備えており、フィルタユニット48は、モータ
(図示せず)によって、図9において、左右方向に移動
可能に構成されている。
【0115】図10は、図9のA−A線に沿った略断面
図である。
【0116】図10に示されるように、フィルタ部材5
1aはフィルタ52aを備え、フィルタ52aは、第1
のレーザ励起光源21を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された吸着性領域4に含まれている蛍光色素な
どの蛍光物質を励起して、蛍光45を読み取るときに使
用されるフィルタ部材であり、640nmの波長の光を
カットし、640nmよりも波長の長い光を透過する性
質を有している。
【0117】図11は、図9のB−B線に沿った略断面
図である。
【0118】図11に示されるように、フィルタ部材5
1bはフィルタ52bを備え、フィルタ52bは、第2
のレーザ励起光源22を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された吸着性領域4に含まれている蛍光色素な
どの蛍光物質を励起して、蛍光45を読み取るときに使
用されるフィルタ部材であり、532nmの波長の光を
カットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性
質を有している。
【0119】図12は、図9のC−C線に沿った略断面
図である。
【0120】図12に示されるように、フィルタ部材5
1cはフィルタ52cを備え、フィルタ52cは、第3
のレーザ励起光源23を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された吸着性領域4に含まれている蛍光色素な
どの蛍光物質を励起して、蛍光45を読み取るときに使
用されるフィルタ部材であり、473nmの波長の光を
カットし、473nmよりも波長の長い光を透過する性
質を有している。
【0121】図13は、図9のD−D線に沿った略断面
図である。
【0122】図13に示されるように、フィルタ部材5
1dはフィルタ52dを備え、フィルタ52dは、第1
のレーザ励起光源21を用いて、蓄積性蛍光体シート1
0に形成されたドット状輝尽性蛍光体層領域15に含ま
れた輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体層12から発
せられた輝尽光45を読み取るときに使用されるフィル
タであり、輝尽性蛍光体層領域15から放出される輝尽
光の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光を
カットする性質を有している。
【0123】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタ部材51a、51b、51c、51d
を選択的にフォトマルチプライア50の前面に位置させ
ることによって、フォトマルチプライア50は、検出す
べき光のみを光電的に検出することができる。
【0124】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換され、デー
タ処理装置54に送られる。
【0125】図8には図示されていないが、光学ヘッド
35は、走査機構によって、図8において、X方向およ
びY方向に移動可能に構成され、蓄積性蛍光体シート1
0に形成されたすべてのドット状輝尽性蛍光体層領域1
5あるいは生化学解析用ユニット1の全面が、レーザ光
24によって走査されるように構成されている。
【0126】図14は、光学ヘッドの走査機構の略平面
図である。図14においては、簡易化のため、光学ヘッ
ド35を除く光学系ならびにレーザ光24および輝尽光
45あるいは蛍光45の光路は省略されている。
【0127】図14に示されるように、光学ヘッド35
を走査する走査機構は、基板60を備え、基板60上に
は、副走査パルスモータ61と一対のレール62、62
とが固定され、基板60上には、さらに、図14におい
て、矢印Yで示された副走査方向に、移動可能な基板6
3とが設けられている。
【0128】移動可能な基板63には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ61によって回転されるねじが切られた
ロッド64が係合している。
【0129】移動可能な基板63上には、主走査ステッ
ピングモータ65が設けられ、主走査ステッピングモー
タ65は、エンドレスベルト66を、生化学解析用ユニ
ット1に形成された隣り合う吸着性領域4間の距離に等
しいピッチで、したがって、蓄積性蛍光体シート10の
支持体11に形成された隣り合う輝尽性蛍光体層領域1
5間の距離に等しいピッチで、間欠的に駆動可能に構成
されている。光学ヘッド35は、エンドレスベルト66
に固定されており、主走査ステッピングモータ65によ
って、エンドレスベルト66が駆動されると、図14に
おいて、矢印Xで示された主走査方向に移動されるよう
に構成されている。
【0130】図14において、67は、光学ヘッド35
の主走査方向における位置を検出するリニアエンコーダ
であり、68は、リニアエンコーダ67のスリットであ
る。
【0131】したがって、主走査ステッピングモータ6
5によって、エンドレスベルト66が、主走査方向に駆
動され、1ラインの走査が完了すると、副走査パルスモ
ータ61によって、基板63が、副走査方向に間欠的に
移動されることによって、光学ヘッド35は、図14に
おいて、X−Y方向に移動され、レーザ光24によっ
て、蓄積性蛍光体シート10に形成されたすべてのドッ
ト状輝尽性蛍光体層領域15あるいは生化学解析用ユニ
ット1の全面が走査される。
【0132】図15は、図8に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【0133】図15に示されるように、スキャナの制御
系は、スキャナ全体を制御するコントロールユニット7
0を備えており、また、スキャナの入力系は、オペレー
タによって操作され、種々の指示信号を入力可能なキー
ボード71を備えている。
【0134】図15に示されるように、スキャナの駆動
系は、光学ヘッド35を主走査方向に間欠的に移動させ
る主走査ステッピングモータ65と、光学ヘッド35を
副走査方向に間欠的に移動させる副走査パルスモータ6
1と、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、5
1dを備えたフィルタユニット48を移動させるフィル
タユニットモータ72を備えている。
【0135】コントロールユニット70は、第1のレー
ザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3
のレーザ励起光源23に選択的に駆動信号を出力すると
ともに、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力
可能に構成されている。
【0136】また、図15に示されるように、スキャナ
の検出系は、フォトマルチプライア50と、光学ヘッド
35の主走査方向における位置を検出するリニアエンコ
ーダ67を備えている。
【0137】本実施態様においては、コントロールユニ
ット70は、リニアエンコーダ67から入力される光学
ヘッド35の位置検出信号にしたがって、第1のレーザ
励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3の
レーザ励起光源23をオン・オフ制御可能に構成されて
いる。
【0138】以上のように構成されたスキャナは、以下
のようにして、生化学解析用ユニット1に形成された多
数の吸着性領域4に含まれている放射性標識物質によ
り、多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域15が露光さ
れて、蓄積性蛍光体シート10に記録された放射性標識
物質の放射線データを読み取って、生化学解析用データ
を生成する。
【0139】まず、多数のドット状の輝尽性蛍光体層領
域15がガラス板41の表面に接するように、蓄積性蛍
光体シート10が、ステージ40のガラス板41上に載
置される。
【0140】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域15を、レーザ光24によっ
て走査する旨の指示信号が入力される。
【0141】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニット4
8を移動させ、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光45
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有するフィルタ52dを備えたフィルタ
部材51dを、輝尽光45の光路内に位置させる。
【0142】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基づい
て、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドット
状の輝尽性蛍光体層領域15のうち、第1のドット状の
輝尽性蛍光体層領域15に、レーザ光24を照射可能な
位置に、光学ヘッド35が達したことが確認されると、
主走査ステッピングモータ65に停止信号を出力すると
ともに、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力し
て、第1のレーザ励起光源21を起動させ、640nm
の波長のレーザ光24を発せさせる。
【0143】第1のレーザ励起光源21から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平行
な光とされた後、ミラー26に入射して、反射される。
【0144】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0145】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0146】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0147】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0148】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄積
性蛍光体シート10の第1のドット状の輝尽性蛍光体層
領域15に集光される。
【0149】その結果、蓄積性蛍光体シート10に形成
された第1のドット状の輝尽性蛍光体層領域15に含ま
れる輝尽性蛍光体が、レーザ光24によって励起され
て、第1の輝尽性蛍光体層領域15から輝尽光45が放
出される。
【0150】本実施態様においては、蓄積性蛍光体シー
ト10は、その表面が黒色に着色されたニッケル基板1
3の複数の貫通孔12に、輝尽性蛍光体膜11が圧入さ
れて形成されているから、レーザ光24が、輝尽性蛍光
体層領域15が形成されていないニッケル基板13の表
面に入射した場合にも、レーザ光24はニッケル基板1
3に吸収され、ニッケル基板13の表面によって反射さ
れることが効果的に防止されている。
【0151】第1のドット状の輝尽性蛍光体領域15か
ら放出された輝尽光45は、光学ヘッド35に設けられ
た非球面レンズ37によって集光され、ミラー36によ
り、レーザ光24の光路と同じ側に反射され、平行な光
とされて、凹面ミラー38に入射する。
【0152】凹面ミラー38に入射した輝尽光45は、
凹面ミラー38によって反射されて、穴開きミラー34
に入射する。
【0153】穴開きミラー34に入射した輝尽光45
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34に
よって、図8に示されるように、下方に反射され、フィ
ルタユニット48のフィルタ52dに入射する。
【0154】フィルタ52dは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光45の波長域の光のみを透過し、640n
mの波長の光をカットする性質を有しているので、励起
光である640nmの波長の光がカットされ、ドット状
の輝尽性蛍光体層領域15から放出された輝尽光45の
波長域の光のみがフィルタ52dを透過して、フォトマ
ルチプライア50によって、光電的に検出される。
【0155】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器53に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置54に出力される。
【0156】第1のレーザ励起光源21がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第1のレーザ励起光源21に
駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、蓄積
性蛍光体シート10に形成された隣り合うドット状の輝
尽性蛍光体層領域15間の距離に等しいピッチだけ、移
動させる。
【0157】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層領域15間の距
離に等しい1ピッチだけ移動されて、第1のレーザ励起
光源21から発せられるレーザ光24を、蓄積性蛍光体
シート10に形成された第2のドット状の輝尽性蛍光体
層領域15に照射可能な位置に移動したことが確認され
ると、コントロールユニット70は、第1のレーザ励起
光源21に駆動信号を出力して、第1のレーザ励起光源
21をオンさせて、レーザ光24によって、蓄積性蛍光
体シート10に形成された第2のドット状の輝尽性蛍光
体層領域15に含まれている輝尽性蛍光体を励起する。
【0158】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、蓄積性蛍光体シート10に形成された第2の
ドット状の輝尽性蛍光体層領域15に照射され、第2の
輝尽性蛍光体層領域15に含まれている輝尽性蛍光体が
励起され、第2の輝尽性蛍光体層領域15から放出され
た輝尽光45が、フォトマルチプライア50によって、
光電的に検出されて、アナログデータが生成されると、
コントロールユニット70は、第1のレーザ励起光源2
1にオフ信号を出力して、第1のレーザ励起光源21を
オフさせるとともに、主走査ステッピングモータ65
に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、隣り合う
ドット状の輝尽性蛍光体層領域15間の距離に等しい1
ピッチだけ、移動させる。
【0159】こうして、光学ヘッド35の間欠移動に同
期して、第1のレーザ励起光源21のオン・オフが繰り
返され、リニアエンコーダ67から入力された光学ヘッ
ド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35が、主
走査方向に1ライン分だけ、移動され、第1ライン目の
ドット状の輝尽性蛍光体層領域15のレーザ光24によ
る走査が完了したことが確認されると、コントロールユ
ニット70は、主走査ステッピングモータ65に駆動信
号を出力して、光学ヘッド35を元の位置に復帰させる
とともに、副走査パルスモータ61に駆動信号を出力し
て、移動可能な基板63を、副走査方向に、1ライン分
だけ、移動させる。
【0160】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、第1ライン目
のドット状の輝尽性蛍光体層領域15に、順次、第1の
レーザ励起光源21から発せられるレーザ光24を照射
したのと全く同様にして、第2ライン目のドット状の輝
尽性蛍光体層領域15に、順次、第1のレーザ励起光源
21から発せられるレーザ光24を照射して、ドット状
の輝尽性蛍光体層領域15に含まれている輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体層領域15から発せられた輝尽
光45を、順次、フォトマルチプライア50によって、
光電的に検出させる。
【0161】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置54に送られる。
【0162】こうして、蓄積性蛍光体シート10に形成
された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域15がすべ
て、第1のレーザ励起光源21から放出されたレーザ光
24によって走査され、多数のドット状の輝尽性蛍光体
層領域15に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、
放出された輝尽光45が、フォトマルチプライア50に
よって光電的に検出され、生成されたアナログデータ
が、A/D変換器53により、ディジタルデータに変換
されて、データ処理装置54に送られると、コントロー
ルユニット70から、駆動停止信号が、第1のレーザ励
起光源21に出力され、第1のレーザ励起光源21の駆
動が停止される。
【0163】一方、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域4に記録された蛍光物質の蛍光デー
タを読み取って、生化学解析用ディジタルデータを生成
するときは、まず、オペレータによって、生化学解析用
ユニット1が、ステージ40のガラス板41上にセット
される。
【0164】次いで、オペレータによって、キーボード
71に、標識物質である蛍光物質の種類を特定する指示
信号が入力されることによって、第1のレーザ励起光源
21、第2のレーザ励起光源22および第3のレーザ励
起光源23の中から、標識物質である蛍光物質を最も効
率的に励起することのできる波長のレーザ光24を発す
るレーザ励起光源が選択されるとともに、3つのフィル
タ部材51a、51b、51cの中から、蛍光物質を励
起するために用いるレーザ光24の波長の光をカット
し、励起光の波長よりも波長の長い光を透過する性質を
有するフィルタ部材が選択されて、レーザ光24によっ
て、生化学解析用ユニット1の全面が走査され、多数の
吸着性領域4に含まれている蛍光物質から放出された蛍
光45が、フォトマルチプライア50によって、光電的
に検出されて、アナログデータが生成され、A/D変換
器53によって、ディジタル化されて、生化学解析用の
ディジタルデータが生成される。
【0165】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の基板2は、アルミニウムによって形成
されているため、各吸着性領域4に含まれている蛍光物
質が励起されて、各吸着性領域から放出された蛍光45
が散乱して、隣り合う吸着性領域4から放出された蛍光
45と混ざり合うことを確実に防止するかことができる
から、蛍光45を光電的に検出して生成された生化学解
析用データ中に、蛍光45の散乱に起因するノイズが生
成されることを確実に防止することが可能になる。
【0166】本実施態様によれば、生化学解析用ユニッ
ト1にドット状に形成された多数の吸着性領域4に含ま
れている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート
10にドット状に形成された輝尽性蛍光体層領域15を
露光するとき、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4
は、アルミニウムによって形成された基板2に、互いに
離間して、ドット状に形成され、各吸着性領域4の周囲
には、放射線を減衰させる性質を有するアルミニウムが
存在しているから、吸着性領域4に含まれている放射性
標識物質から発せられた電子線が、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2内で、散乱することが効果的に防止され、
さらに、蓄積性蛍光体シート10の多数のドット状の輝
尽性蛍光体層領域15が、ニッケル基板13に形成され
た複数の貫通孔12内に、輝尽性蛍光体膜11を圧入し
て、形成され、各輝尽性蛍光体層領域15の周囲には、
放射線を減衰させる性質を有するニッケル基板13が存
在しているから、吸着性領域4に含まれている放射性標
識物質から発せられた電子線が、蓄積性蛍光体シート1
0のニッケル基板13内で、散乱することも効果的に防
止され、したがって、吸着性領域4に含まれている放射
性標識物質から発せられた電子線はすべて、その吸着性
領域4に対向する輝尽性蛍光体層領域15に入射し、隣
り合う吸着性領域4から放出される電子線によって露光
されるべき輝尽性蛍光体層領域15に入射して、露光す
ることを確実に防止することができるから、生化学解析
用ユニット1に、吸着性領域4を高密度に形成した場合
においても、露光された多数の輝尽性蛍光体層領域15
を励起光によって走査し、複数の輝尽性蛍光体層領域1
5から放出された輝尽光を、高い分解能で、光電的に検
出して、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成す
ることが可能になる。
【0167】また、本実施態様によれば、蓄積性蛍光体
シート10は、その表面が黒色に着色されたニッケル基
板13の複数の貫通孔12に、輝尽性蛍光体膜11が圧
入されて形成されているから、レーザ光24が、輝尽性
蛍光体層領域15が形成されていないニッケル基板13
の表面に入射した場合にも、レーザ光24はニッケル基
板13に吸収され、ニッケル基板13の表面によって反
射されることが効果的に防止され、したがって、蓄積性
蛍光体シート10によって反射されたレーザ光24が、
フォトマルチプライア50によって光電的に検出される
ことに起因するノイズが、生化学解析用データ中に生成
されることを効果的に防止することが可能になる。
【0168】さらに、本実施態様によれば、蓄積性蛍光
体シート10の多数の輝尽性蛍光体層領域15は、輝尽
性蛍光体膜11を、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域4と同じ規則的なパターンで、ニッ
ケル基板13に形成された多数の貫通孔12内に、カレ
ンダー処理装置を用いて、圧入することによって、作製
されるから、きわめて簡易に、規則的なドット状のパタ
ーンで、多数の輝尽性蛍光体層領域15が形成された蓄
積性蛍光体シート10を作製することが可能になる。
【0169】図16は、生化学解析用ユニットの別の例
を示す略斜視図であり、図17は、その略部分断面図で
ある。
【0170】図16および図17に示されるように、生
化学解析用ユニット80は、ナイロン6によって形成さ
れた吸着性膜82と、多数の略円形の貫通孔83が、規
則的なパターンにしたがって、ドット状に形成されたア
ルミニウム基板84を備え、吸着性膜82が、アルミニ
ウム基板84に形成された多数の貫通孔83内に、図6
に示されるのと同様なカレンダー処理装置によって、圧
入され、それにより、アルミニウム基板84に形成され
た多数の貫通孔83に対応して、多数の吸着性領域85
が、ドット状に、規則的に形成されている。
【0171】吸着性膜82と、アルミニウム基板84と
は、接着剤86によって、強固に固定され、生化学解析
用ユニット80の耐久性の向上が図られている。
【0172】図16には正確に図示されていないが、約
10000の約0.01平方ミリメートルのサイズを有
する略円形の吸着性領域85が、約5000個/平方セ
ンチメートルの密度で、規則的に、生化学解析用ユニッ
ト80に形成されている。
【0173】図17に示されるように、吸着性領域85
の表面と、アルミニウム基板84の表面が同一の高さに
位置するように、吸着性膜82が、アルミニウム基板8
4に圧入されて、生化学解析用ユニット80が形成され
ている。
【0174】本実施態様においても、図1に示された生
化学解析用ユニット1と同様にして、スポッティング装
置によって、生化学解析用ユニット80に形成された多
数の吸着性領域85に、cDNAなどの特異的結合物質
が滴下されて、吸着される。
【0175】図16および図17に示された生化学解析
用ユニット80にあっては、吸着性領域85は、吸着性
膜82が、アルミニウム基板84に形成された多数の貫
通孔83内に圧入されて、形成されているから、吸着性
領域85が形成されていない吸着性膜82の領域の孔
は、加圧によって消失しており、したがって、吸着性領
域85内に滴下された特異的結合物質が、吸着性領域8
5以外の吸着性膜82の領域に浸透することが効果的に
防止され、吸着性領域85内に滴下された特異的結合物
質は、吸着性領域85にのみ吸着される。
【0176】さらに、図3に示されるように、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を
含むハイブリダイズ液9を収容したハイブリダイズ容器
8内に、生化学解析用ユニット80がセットされ、多数
の吸着性領域85に吸着されたcDNAなどの特異的結
合物質に、放射性標識物質によって標識され、ハイブリ
ダイズ液9に含まれた生体由来の物質および蛍光色素な
どの蛍光物質によって標識され、ハイブリダイズ液9に
含まれた生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズ
させる。
【0177】こうして、生化学解析用ユニット80に、
放射線データおよび蛍光データが記録される。
【0178】生化学解析用ユニット80に記録された蛍
光データは、前記実施態様と同様にして、図8ないし図
15に示されたスキャナにより、読み取られて、生化学
解析用データが生成される。
【0179】これに対して、生化学解析用ユニット80
に記録された放射性標識物質の放射線データは、蓄積性
蛍光体シートに転写される。
【0180】図18は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかる蓄積性蛍光体シートの略斜視図であり、図19
は、その略部分断面図である。
【0181】図18および図19に示されるように、本
実施態様にかかる蓄積性蛍光体シート90は、輝尽性蛍
光体膜91と、多数の略円形の貫通孔92が規則的に形
成され、その表面が青色に着色されたニッケル基板93
を備え、輝尽性蛍光体膜91が、ニッケル基板93に形
成された多数の貫通孔92に、図6に示されるのと同様
なカレンダー処理装置を用いて、圧入され、それによっ
て、ニッケル基板93の多数の貫通孔92に対応する輝
尽性蛍光体膜91の位置に、多数の輝尽性蛍光体層領域
95が、ドット状に形成されている。
【0182】ここに、ニッケル基板93の表面には、接
着剤96が塗布され、接着剤96を介して、ニッケル基
板93に、輝尽性蛍光体膜91が圧入されており、した
がって、輝尽性蛍光体膜91は、ニッケル基板93に強
固に一体化され、蓄積性蛍光体シート90の耐久性の向
上が図られている。
【0183】多数の貫通孔92は、生化学解析用ユニッ
ト80の吸着性膜82に形成された多数の吸着性領域8
5と同一のパターンで、ニッケル基板93に形成され、
それぞれ、生化学解析用ユニット80の吸着性膜82に
形成された多数の吸着性領域85と同じサイズを有して
いる。
【0184】したがって、図18には、正確に示されて
いないが、本実施態様においては、約10000の約
0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝
尽性蛍光体層領域95が、約5000個/平方センチメ
ートルの密度で、かつ、規則的なパターンで、蓄積性蛍
光体シート90に、ドット状に形成されている。
【0185】また、図19に示されるように、本実施態
様においては、ニッケル基板93の表面が、ドット状に
形成された輝尽性蛍光体層領域95の表面よりも高い位
置に位置するように、ニッケル基板93に、輝尽性蛍光
体膜91が圧入されて、蓄積性蛍光体シート90が形成
されている。
【0186】蓄積性蛍光体シート90は、蓄積性蛍光体
シート10と同様にして、作製される。
【0187】図20は、生化学解析用ユニット80に形
成された多数の吸着性領域85に含まれた放射性標識物
質によって、蓄積性蛍光体シート90に形成された多数
のドット状の輝尽性蛍光体層領域95を露光する方法を
示す略断面図である。
【0188】図20に示されるように、露光にあたっ
て、生化学解析用ユニット80に形成された多数の吸着
性領域85が、蓄積性蛍光体シート90に形成された多
数のドット状の輝尽性蛍光体層領域95に対向するよう
に、蓄積性蛍光体シート90と生化学解析用ユニット8
0とが重ね合わされる。
【0189】ここに、生化学解析用ユニット80は、ア
ルミニウム基板84に形成された多数の貫通孔83内
に、吸着性膜82が圧入されて、形成されているので、
ハイブリダイゼーションなど、液体による処理を受けて
も、ほとんど伸縮することがなく、したがって、生化学
解析用ユニット80に形成された多数の吸着性領域85
が、蓄積性蛍光体シート90に形成された多数のドット
状の輝尽性蛍光体層領域95に、正確に対向するよう
に、蓄積性蛍光体シート90と生化学解析用ユニット8
0とを、容易にかつ確実に重ね合わせて、ドット状輝尽
性蛍光体層領域95を露光することが可能になる。
【0190】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート90に形成された多数のドット状の輝尽性
蛍光体層領域95の各々と、生化学解析用ユニット80
に形成された多数の吸着性領域85とを対向させること
によって、吸着性領域85に含まれた放射性標識物質に
よって、蓄積性蛍光体シート90に形成された多数のド
ット状輝尽性蛍光体層領域95が露光される。
【0191】この際、吸着性領域85に吸着されている
放射性標識物質から電子線が発せられるが、生化学解析
用ユニット80の吸着性領域85は、ナイロン6によっ
て形成された吸着性膜82が、アルミニウム基板84に
形成された多数の貫通孔83に、圧入されて、形成さ
れ、各吸着性領域85の周囲には、放射線を減衰させる
性質を有するアルミニウム基板84が存在しているか
ら、吸着性領域85に含まれている放射性標識物質から
発せられた電子線が、生化学解析用ユニット80のアル
ミニウム基板84内で、散乱することを効果的に防止す
ることができ、さらに、蓄積性蛍光体シート90の多数
のドット状の輝尽性蛍光体層領域95が、ニッケル基板
93に形成された複数の貫通孔92内に、輝尽性蛍光体
膜91を圧入して、形成され、各輝尽性蛍光体層領域9
5の周囲には、放射線を減衰させる性質を有するニッケ
ル基板93が存在しているから、吸着性領域85に含ま
れている放射性標識物質から発せられた電子線が、蓄積
性蛍光体シート90のニッケル基板93内で、散乱する
ことを効果的に防止することができ、したがって、吸着
性領域85に含まれている放射性標識物質から発せられ
た電子線はすべて、その吸着性領域85に対向する輝尽
性蛍光体層領域95に入射し、隣り合う吸着性領域85
から放出される電子線によって露光されるべき輝尽性蛍
光体層領域95に入射して、露光することを確実に防止
することができる。
【0192】したがって、蓄積性蛍光体シート90に形
成された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域95を、生
化学解析用ユニット80の対応する吸着性領域85に含
まれた放射性標識物質のみによって、確実に露光するこ
とが可能になる。
【0193】こうして、蓄積性蛍光体シート90に形成
された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域95に、放射
性標識物質の放射線データが記録され、多数のドット状
の輝尽性蛍光体層領域95に記録された放射線データ
は、前記実施態様と全く同様にして、図8ないし図15
に示されたスキャナによって、読み取られ、生化学解析
用データが生成される。
【0194】本実施態様によれば、生化学解析用ユニッ
ト1にドット状に形成された多数の吸着性領域85に含
まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シー
ト90にドット状に形成された輝尽性蛍光体層領域95
を露光するとき、生化学解析用ユニット80の吸着性領
域85は、ナイロン6によって形成された吸着性膜82
が、アルミニウム基板84に形成された多数の貫通孔8
3に、圧入されて、形成され、各吸着性領域85の周囲
には、放射線を減衰させる性質を有するアルミニウム基
板84が存在しているから、吸着性領域85に含まれて
いる放射性標識物質から発せられた電子線が、生化学解
析用ユニット80のアルミニウム基板84内で、散乱す
ることを効果的に防止することができ、さらに、蓄積性
蛍光体シート90の多数のドット状の輝尽性蛍光体層領
域95が、ニッケル基板93に形成された複数の貫通孔
92内に、輝尽性蛍光体膜91を圧入して、形成され、
各輝尽性蛍光体層領域95の周囲には、放射線を減衰さ
せる性質を有するニッケル基板93が存在しているか
ら、吸着性領域85に含まれている放射性標識物質から
発せられた電子線が、蓄積性蛍光体シート90のニッケ
ル基板93内で、散乱することを効果的に防止すること
ができ、したがって、吸着性領域85に含まれている放
射性標識物質から発せられた電子線はすべて、その吸着
性領域85に対向する輝尽性蛍光体層領域95に入射
し、隣り合う吸着性領域85から放出される電子線によ
って露光されるべき輝尽性蛍光体層領域95に入射し
て、露光することを確実に防止することができる。
【0195】したがって、蓄積性蛍光体シート90に形
成された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域95を、生
化学解析用ユニット80の対応する吸着性領域85に含
まれた放射性標識物質のみによって、確実に露光するこ
とが可能になるから、生化学解析用ユニット80に、吸
着性領域85を高密度に形成した場合においても、露光
された多数の輝尽性蛍光体層領域95を励起光によって
走査し、複数の輝尽性蛍光体層領域95から放出された
輝尽光を、高い分解能で、光電的に検出して、定量性に
優れた生化学解析用のデータを生成することが可能にな
る。
【0196】また、本実施態様によれば、蓄積性蛍光体
シート90は、その表面が、640nmの波長のレーザ
光24を吸収する青色に着色されたニッケル基板93の
複数の貫通孔92に、輝尽性蛍光体膜91が圧入されて
形成されているから、レーザ光24が、輝尽性蛍光体層
領域95が形成されていないニッケル基板93の表面に
入射した場合にも、レーザ光24はニッケル基板93に
吸収され、レーザ光24が、ニッケル基板93の表面に
よって反射されることを効果的に防止することができ、
したがって、蓄積性蛍光体シート90によって反射され
たレーザ光24が、フォトマルチプライア50によって
光電的に検出されることに起因するノイズが、生化学解
析用データ中に生成されることを効果的に防止すること
が可能になる。
【0197】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット80の多数の吸着性領域85は、アルミニウ
ム基板84に規則的に形成された多数の貫通孔83内
に、吸着性膜82を、カレンダー処理装置を用いて、圧
入することにより、形成されるから、きわめて簡易に、
規則的なドット状のパターンで、多数の吸着性領域85
が形成された生化学解析用ユニット80を作製すること
が可能になる。
【0198】また、本実施態様によれば、蓄積性蛍光体
シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域95は、輝尽性
蛍光体膜91を、生化学解析用ユニット80に形成され
た多数の吸着性領域85と同じ規則的なパターンで、ニ
ッケル基板93に形成された多数の貫通孔92内に、カ
レンダー処理装置を用いて、圧入することにより、作製
されるから、きわめて簡易に、規則的なドット状のパタ
ーンで、多数の輝尽性蛍光体層領域95が形成された蓄
積性蛍光体シート90を作製することが可能になる。
【0199】図21は、生化学解析用ユニットの他の例
を示す略斜視図である。
【0200】図21に示されるように、生化学解析用ユ
ニット100は、アルミニウム基板101を備え、アル
ミニウム基板101の表面上には、多数のナイロン6よ
りなる吸着性領域102が、規則的に形成されている。
【0201】図21には、正確に図示されていないが、
約10000の約0.01平方ミリメートルのサイズを
有する略円形の吸着性領域102が、約5000個/平
方センチメートルの密度で、規則的に、アルミニウム基
板101の表面上に形成されている。
【0202】図22は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかる蓄積性蛍光体シートの略斜視図であり、図23
は、その略部分断面図である。
【0203】図22および図23に示されるように、本
実施態様にかかる蓄積性蛍光体シート110は、ポリエ
チレンテレフタレートによって形成され、多数の略円形
の凹部112が、規則的に形成された支持体111を備
え、支持体111に形成された各凹部112の内壁面1
12aは、輝尽性蛍光体によって被覆され、多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域115が形成されている。
【0204】図22には正確に図示されていないが、図
21に示された生化学解析用ユニット100に形成され
た吸着性領域102に対応して、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性
蛍光体層115が、約5000個/平方センチメートル
の密度で、規則的に、蓄積性蛍光体シート110の支持
体111に形成されている。
【0205】本実施態様においては、支持体111中に
は、カーボンブラックが分散され、支持体111が黒色
に着色されている。
【0206】前記実施態様と同様にして、生化学解析用
ユニット100の多数の吸着性領域102内に、特異的
結合物質が滴下され、多数の吸着性領域102に含まれ
ている特異的結合物質に、放射性標識物質によって標識
された生体由来の物質が、選択的にハイブリダイズされ
て、放射性標識物質の放射線データが、多数の吸着性領
域102に記録される。
【0207】多数の吸着性領域102に記録された放射
性標識物質の放射線データは、前記実施態様と同様にし
て、蓄積性蛍光体シート110の多数のドット状の輝尽
性蛍光体層領域115に転写される。
【0208】図24は、生化学解析用ユニット100の
多数の吸着性領域102に含まれている放射性標識物質
によって、蓄積性蛍光体シート110の多数のドット状
の輝尽性蛍光体層領域115を露光する方法を示す略部
分断面図である。
【0209】図24に示されるように、ドット状の輝尽
性蛍光体層領域115の露光に際しては、生化学解析用
ユニット100のアルミニウム基板101の表面上に形
成された多数の吸着性領域102が、蓄積性蛍光体シー
ト110の支持体111に形成された対応する凹部11
2内に収容され、対応する凹部112の内壁面112a
に形成されたドット状輝尽性蛍光体層領域115に密着
するように、生化学解析用ユニット100と、蓄積性蛍
光体シート110とが重ね合わされる。
【0210】その結果、蓄積性蛍光体シート110の支
持体111に形成された多数のドット状の輝尽性蛍光体
層領域115が、生化学解析用ユニット100のアルミ
ニウム基板101の表面上に形成された多数の吸着性領
域102に含まれている放射性標識物質によって、露光
される。
【0211】その際、多数の吸着性領域102に含まれ
ている放射性標識物質から、電子線が放出されるが、吸
着性領域102は、放射線を減衰させる性質を有するア
ルミニウム基板101の表面上に形成され、その内壁面
112aに、輝尽性蛍光体層領域115が形成された支
持体111の凹部112内に収容されているから、多数
の吸着性領域102に含まれている放射性標識物質から
放出された電子線が、アルミニウム基板101内で散乱
することを効果的に防止することができ、さらには、多
数の吸着性領域102に含まれている放射性標識物質か
ら放出された電子線が、支持体111の隣り合う凹部1
12の内壁面112aに形成された輝尽性蛍光体層領域
115に入射することを確実に防止することでき、した
がって、蓄積性蛍光体シート110の多数のドット状の
輝尽性蛍光体層領域115を、対応する吸着性領域10
2に含まれている放射性標識物質から放出された電子線
によってのみ、確実に露光することが可能になるから、
各吸着性領域102に含まれた放射性標識物質から放出
された電子線が、隣り合う吸着性領域102に含まれた
放射性標識物質から放出された電子線によって露光され
るべき輝尽性蛍光体層領域115に入射し、露光するこ
とに起因するノイズが、生化学解析用データ中に生成さ
れることを効果的に防止することが可能になる。
【0212】こうして、蓄積性蛍光体シート110に形
成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域115に
記録された放射性標識物質の放射線データは、前記実施
態様と全く同様にして、図8ないし図15に示されたス
キャナによって読み取られ、生化学解析用データが生成
される。
【0213】この際、第1のレーザ励起光源21から発
せられた640nmの波長のレーザ光24によって、蓄
積性蛍光体シート110に形成されたドット状の輝尽性
蛍光体層領域115が走査されるが、蓄積性蛍光体シー
ト110の支持体111中には、カーボンブラックが分
散されて、黒色に着色されているから、レーザ光24
が、輝尽性蛍光体層領域95が形成されていない支持体
111の表面に入射した場合にも、レーザ光24は支持
体111に吸収され、レーザ光24が、蓄積性蛍光体シ
ート110の支持体111の表面によって反射されるこ
とを効果的に防止することができ、したがって、蓄積性
蛍光体シート90によって反射されたレーザ光24が、
フォトマルチプライア50によって光電的に検出される
ことに起因するノイズが、生化学解析用データ中に生成
されることを効果的に防止することが可能になる。
【0214】図25は、本発明のさらに他の好ましい実
施態様にかかる蓄積性蛍光体シートの略斜視図であり、
図26は、その略部分断面図である。
【0215】図25および図26に示されるように、本
実施態様にかかる蓄積性蛍光体シート120は、ステン
レスによって形成され、多数の略円形の貫通孔122
が、規則的に形成された支持体121を備え、支持体1
21に規則的に形成された多数の貫通孔122内に、輝
尽性蛍光体が埋め込まれて、多数の略円形の輝尽性蛍光
体層領域125が、ドット状に形成されている。
【0216】本実施態様においては、支持体121の表
面には、青色の吸収層123が形成されている。
【0217】本実施態様にかかる蓄積性蛍光体シート1
20は、図16および図17に示された生化学解析用ユ
ニット80の吸着性領域85に含まれている放射性標識
物質によって、露光されるように構成され、したがっ
て、図25には正確に図示されていないが、図16およ
び図17に示された生化学解析用ユニット80に形成さ
れた吸着性領域85に対応して、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性
蛍光体層125が、約5000個/平方センチメートル
の密度で、規則的に、蓄積性蛍光体シート120の支持
体121に形成されている。
【0218】前記実施態様と同様にして、ドット状の輝
尽性蛍光体層領域125が、図16および図17に示さ
れた生化学解析用ユニット80の吸着性領域85に含ま
れている放射性標識物質によって、露光されて、放射性
標識物質の放射線データが、ドット状の輝尽性蛍光体層
領域125に記録された後、ドット状の輝尽性蛍光体層
領域125に記録された放射線データは、図8ないし図
15に示されたスキャナによって読み取られ、生化学解
析用データが生成される。
【0219】本実施態様によれば、蓄積性蛍光体シート
120の支持体121の表面には、640nmの波長の
レーザ光24を吸収する青色の吸収層123が形成され
ているから、ドット状の輝尽性蛍光体層領域125に記
録された放射線データを読み取る際に、レーザ光24
が、蓄積性蛍光体シート120の輝尽性蛍光体層領域1
25が形成されていない領域に入射した場合にも、レー
ザ光24は、青色の吸収層123によって吸収され、レ
ーザ光24が、蓄積性蛍光体シート120の輝尽性蛍光
体層領域125が形成されていない領域によって反射さ
れることを効果的に防止することができ、したがって、
蓄積性蛍光体シート120によって反射されたレーザ光
24が、フォトマルチプライア50によって光電的に検
出されることに起因するノイズが、生化学解析用データ
中に生成されることを効果的に防止することが可能にな
る。
【0220】図27は、生化学解析用ユニットのさらに
他の例を示す略斜視図であり、図28は、その略部分断
面図である。
【0221】図27および図28に示されるように、本
実施態様においては、生化学解析用ユニット130は、
多数の凹部132が、規則的に形成されたアルミニウム
基板131を備え、各凹部132の内壁面132aが、
ナイロン6によって、被覆されて、吸着性領域135が
形成されている。
【0222】図27には正確に図示されていないが、約
100000の約0.01平方ミリメートルのサイズを
有する略円形の吸着性領域135が、約200個/平方
センチメートルの密度で、規則的に、アルミニウム基板
131の表面上に形成されている。
【0223】図29は、本発明のさらに他の好ましい実
施態様にかかる蓄積性蛍光体シートの略斜視図であり、
図30は、その略部分断面図である。
【0224】図29および図30に示されるように、本
実施態様にかかる蓄積性蛍光体シート140は、ステン
レスによって形成され、多数の突起142が、規則的に
形成された支持体141を備え、支持体141に規則的
に形成された多数の突起141の先端部には、略円形の
輝尽性蛍光体層領域145が形成され、多数の輝尽性蛍
光体層領域145が、支持体141に、ドット状に形成
されている。
【0225】本実施態様においては、支持体141の輝
尽性蛍光体層領域145が形成されていない表面は、青
色に着色されている。
【0226】前記実施態様と同様にして、生化学解析用
ユニット130の多数の吸着性領域135内に、特異的
結合物質が滴下され、多数の吸着性領域135に含まれ
ている特異的結合物質に、放射性標識物質によって標識
された生体由来の物質が、選択的にハイブリダイズされ
て、放射性標識物質の放射線データが、多数の吸着性領
域135に記録される。
【0227】多数の吸着性領域135に記録された放射
性標識物質の放射線データは、前記実施態様と同様にし
て、蓄積性蛍光体シート140の多数のドット状の輝尽
性蛍光体層領域145に転写される。
【0228】図31は、生化学解析用ユニット130の
多数の吸着性領域135に含まれている放射性標識物質
によって、蓄積性蛍光体シート140の多数のドット状
の輝尽性蛍光体層領域145を露光する方法を示す略部
分断面図である。
【0229】図31に示されるように、ドット状の輝尽
性蛍光体層領域145の露光に際しては、蓄積性蛍光体
シート140の突起141の先端部に形成された多数の
輝尽性蛍光体層領域145が、それぞれ、生化学解析用
ユニット130のアルミニウム基板131に形成された
対応する凹部132内に収容され、対応する凹部132
の内壁面132aに形成された吸着性領域135に密着
するように、蓄積性蛍光体シート140と、生化学解析
用ユニット130とが重ね合わされる。
【0230】その結果、蓄積性蛍光体シート140に形
成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域145
が、生化学解析用ユニット130のアルミニウム基板1
31に形成された凹部132の内壁面132aに形成さ
れた多数の吸着性領域102に含まれている放射性標識
物質によって、露光される。
【0231】その際、多数の吸着性領域135に含まれ
ている放射性標識物質から、電子線が放出されるが、吸
着性領域135は、放射線を減衰させる性質を有するア
ルミニウム基板131に形成された凹部132の内壁面
132aに形成され、蓄積性蛍光体シート140の支持
体141の突起142に形成された輝尽性蛍光体層領域
145は、生化学解析用ユニット130の対応する凹部
132内に収容されているから、多数の吸着性領域13
5に含まれている放射性標識物質から放出された電子線
が、アルミニウム基板131内で散乱することを効果的
に防止することができ、さらには、各吸着性領域135
に含まれている放射性標識物質から放出された電子線
が、アルミニウム基板131に形成された隣り合う凹部
132内に収容されている輝尽性蛍光体層領域145に
入射することを確実に防止することでき、したがって、
蓄積性蛍光体シート140の多数のドット状の輝尽性蛍
光体層領域145を、対応する吸着性領域135に含ま
れている放射性標識物質から放出された電子線によって
のみ、確実に露光することが可能になるから、各吸着性
領域135に含まれた放射性標識物質から放出された電
子線が、隣り合う吸着性領域135に含まれた放射性標
識物質から放出された電子線によって露光されるべき輝
尽性蛍光体層領域145に入射し、露光することに起因
するノイズが、生化学解析用データ中に生成されること
を効果的に防止することが可能になる。
【0232】こうして、蓄積性蛍光体シート140に形
成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域145に
記録された放射性標識物質の放射線データは、前記実施
態様と全く同様にして、図8ないし図15に示されたス
キャナによって読み取られ、生化学解析用データが生成
される。
【0233】この際、第1のレーザ励起光源21から発
せられた640nmの波長のレーザ光24によって、蓄
積性蛍光体シート140に形成されたドット状の輝尽性
蛍光体層領域145が走査されるが、支持体141の輝
尽性蛍光体層領域145が形成されていない表面は、6
40nmの波長のレーザ光24を吸収する青色の吸収層
143によって、被覆されているから、レーザ光24
が、輝尽性蛍光体層領域145が形成されていない支持
体141の表面領域に入射した場合にも、レーザ光24
は支持体141に吸収され、レーザ光24が、蓄積性蛍
光体シート140の支持体141の表面によって反射さ
れることを効果的に防止することができ、したがって、
蓄積性蛍光体シート140により反射されたレーザ光2
4が、フォトマルチプライア50によって光電的に検出
されることに起因するノイズが、生化学解析用データ中
に生成されることを効果的に防止することが可能にな
る。
【0234】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0235】たとえば、前記実施態様においては、特異
的結合物質として、塩基配列が既知の互いに異なった複
数のcDNAが用いられているが、本発明において使用
可能な特異的結合物質はcDNAに限定されるものでは
なく、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、
アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、D
NA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能
で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特
異的結合物質はすべて、本発明の特異的結合物質として
使用することができる。
【0236】また、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1は、アルミニウム製の基板
2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が
充填されて、形成された多数の吸着性領域4を備え、図
16および図17に示された実施態様においては、生化
学解析用ユニット80は、ナイロン6によって形成され
た吸着性膜82が、アルミニウム基板84に形成された
多数の貫通孔83内に圧入されて、形成された多数の吸
着性領域85を備えており、図21に示された実施態様
においては、生化学解析用ユニット100は、アルミニ
ウム基板101の表面上に形成されたナイロン6よりな
る多数の吸着性領域102を備え、図27および図28
に示された実施態様においては、生化学解析用ユニット
130は、アルミニウム基板131に形成された多数の
貫通孔132の内壁面132aに形成されたナイロン6
の吸着性領域135を備えているが、生化学解析用ユニ
ット1、80、100、130の吸着性領域4、85、
102、135が、ナイロン6によって形成されている
ことは必ずしも必要でなく、活性炭などの炭素多孔質材
料や、メンブレンフィルタを形成可能な有機多孔質材料
によって、生化学解析用ユニット1、80、100、1
30の吸着性領域4、85、102、135を形成する
ことができ、メンブレンフィルタを形成可能な有機多孔
質材料としては、ナイロン6に代えて、ナイロン6,
6、ナイロン4,10などの他のナイロン類、ニトロセ
ルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどの
セルロース誘導体、コラーゲン、アルギン酸、アルギン
酸カルシウム、アルギン酸/ポリリシンポリイオンコン
プレックスなどのアルギン酸類、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラ
フルオライドなどのポリフルオライドや、これらの共重
合体または複合体を用いて、生化学解析用ユニット1、
80、100、130の吸着性領域4、85、102、
135を形成するようにしてもよく、さらに、複数の繊
維の束や、白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウム
などの金属、アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライト
などの金属酸化物、ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシ
ウムなどの金属塩やこれらの複合体などの無機多孔質材
料によって、生化学解析用ユニット1、80、100、
130の吸着性領域4、85、102、135を形成す
るようにしてもよい。
【0237】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1、80、100、130は、互いに離
間して、形成された吸着性領域4、85、102、13
5を備えているが、生化学解析用ユニット1、80、1
00、130が、互いに離間して、形成された吸着性領
域4、85、102、135を備えていることは必ずし
も必要でなく、生化学解析用ユニットを、吸着性材料に
よって形成された吸着性基板によって形成し、特異的結
合物質を、吸着性基板上に滴下して、互いに離間したス
ポット状領域を形成することもできる。
【0238】さらに、図4および図5に示された実施態
様においては、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体
層領域15は、ニッケル基板13に形成された多数の貫
通孔12内に、カレンダーロール18を用いて、輝尽性
蛍光体膜11を圧入して、形成され、図18および図1
9に示された実施態様においては、蓄積性蛍光体シート
90の輝尽性蛍光体層領域95は、ニッケル基板93に
形成された多数の貫通孔92内に、カレンダーロール1
8を用いて、輝尽性蛍光体膜91を圧入して、形成され
ているが、カレンダーロール18を用いて、輝尽性蛍光
体膜11、91を、ニッケル基板13、93に圧入し
て、ドット状の輝尽性蛍光体層領域15、95を形成す
ることは必ずしも必要でなく、他の手段を用いて、輝尽
性蛍光体膜11、91を、ニッケル基板13、93に圧
入することもできるし、圧入に代えて、適当な方法によ
って、輝尽性蛍光体膜11、91を、ニッケル基板1
3、93に埋め込んで、ドット状の輝尽性蛍光体層領域
15、95を形成するようにしてもよい。
【0239】また、図4および図5に示された実施態様
ならびに図18および図19に示された実施態様におい
ては、輝尽性蛍光体膜11、91を、ニッケル基板1
3、93に圧入することによって、蓄積性蛍光体シート
10、90のドット状の輝尽性蛍光体層領域15、95
を形成するように構成され、図22および図23に示さ
れた実施態様においては、ポリエチレンテレフタレート
製の支持体111に形成された各凹部112の内壁面1
12aに、輝尽性蛍光体を被覆して、蓄積性蛍光体シー
ト110の輝尽性蛍光体層領域115を形成し、図25
および図26に示された実施態様においては、ステンレ
ス製の支持体121に規則的に形成された多数の貫通孔
122内に、輝尽性蛍光体が埋め込んで、蓄積性蛍光体
シート120の輝尽性蛍光体層領域125を形成し、図
29および図30に示された実施態様においては、ステ
ンレス製の支持体141に規則的に形成された多数の突
起141の先端部に、蓄積性蛍光体シート140の輝尽
性蛍光体層領域145を形成するように構成されている
が、ニッケル基板13、93、ポリエチレンテレフタレ
ート製の支持体111、ステンレス製の支持体121、
ステンレス製の支持体141を用いることは必ずしも必
要でない。好ましくは、放射線を減衰させる性質を有す
る材料によって、蓄積性蛍光体シートの基板、支持体が
形成されるが、蓄積性蛍光体シートの基板、支持体を形
成する材料は、とくに限定されるものではなく、無機化
合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用することが
でき、とくに、金属材料、セラミック材料またはプラス
チック材料が好ましく、使用される。蓄積性蛍光体シー
トの支持体を形成するために好ましく使用可能で、放射
線を減衰させることのできる無機化合物材料としては、
たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、
タンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、
セレンなどの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合
金;シリコン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、
炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属
酸化物;タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムな
どの無機塩を挙げることができる。これらは、単結晶、
アモルファス、セラミックのような多結晶焼結体にいず
れの構造を有していてもよい。また、蓄積性蛍光体シー
トの支持体を形成するために好ましく使用可能で、放射
線を減衰させることのできる有機化合物材料としては、
高分子化合物が好ましく用いられ、たとえば、ポリエチ
レンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチ
ルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメタク
リレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニ
トリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフ
ッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリク
ロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエ
チレンナフタレートやポリエチレンテレフタレートなど
のポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロ
ン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホ
ン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロ
キサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール
樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブ
タジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロ
ース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウ
ム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0240】さらに、図4および図5に示された実施態
様ならびに図18および図19に示された実施態様にお
いては、接着剤16、96を用いて、輝尽性蛍光体膜1
1、91とニッケル基板13、93を接着しているが、
接着剤16、96を用いることは必ずしも必要でない。
【0241】また、図22および図23に示された実施
態様においては、蓄積性蛍光体シート110のドット状
の輝尽性蛍光体層領域115は、支持体111に形成さ
れた各凹部112の内壁面112aに、輝尽性蛍光体が
被覆されて、形成されているが、凹部112に代えて、
支持体111に、規則的に貫通孔を形成し、貫通孔の内
壁面に、輝尽性蛍光体を被覆して、ドット状の輝尽性蛍
光体層領域を形成することもできる。
【0242】さらに、図25および図26に示された実
施態様においては、蓄積性蛍光体シート120のドット
状の輝尽性蛍光体層領域125は、支持体121に規則
的に形成された多数の貫通孔122内に、輝尽性蛍光体
が埋め込まれて、形成されているが、貫通孔122に代
えて、支持体121に、規則的に凹部を形成し、凹部内
に、輝尽性蛍光体を埋め込んで、ドット状の輝尽性蛍光
体層領域を形成することもできる。
【0243】また、図29および図30に示された実施
態様においては、蓄積性蛍光体シート140のドット状
の輝尽性蛍光体層領域145は、支持体141に規則的
に形成された多数の突起141の先端部に形成されてい
るが、支持体141に突起を形成することなく、支持体
141の表面上に、直接、ドット状の輝尽性蛍光体層領
域145を形成するようにしてもよい。
【0244】さらに、図4および図5に示された実施態
様、図18および図19に示された実施態様、図22お
よび図23に示された実施態様、図25および図26に
示された実施態様ならびに図29および図30に示され
た実施態様においては、生化学解析用ユニット1、8
0、100、130に形成された吸着性領域4、85、
102、135に対応して、約10000の約0.01
平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性蛍光
体層領域15、115、125、145が、約5000
個/平方センチメートルの密度で、規則的なパターンに
したがって、蓄積性蛍光体シート10、110、12
0、140に形成されているが、輝尽性蛍光体層領域1
5、95、115、125、145を略円形に形成する
ことは必ずしも必要でなく、輝尽性蛍光体層領域15、
95、115、125、145は、任意の形状、たとえ
ば、矩形状に形成することもできる。
【0245】また、図4および図5に示された実施態
様、図18および図19に示された実施態様、図22お
よび図23に示された実施態様、図25および図26に
示された実施態様ならびに図29および図30に示され
た実施態様においては、生化学解析用ユニット1、8
0、100、130に形成された吸着性領域4、85、
102、135に対応して、約10000の約0.01
平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性蛍光
体層領域15、115、125、145が、約5000
個/平方センチメートルの密度で、規則的なパターンに
したがって、蓄積性蛍光体シート10、110、12
0、140に形成されているが、輝尽性蛍光体層領域1
5、95、115、125、145の数およびサイズ
は、目的に応じて、任意に選択をすることができ、好ま
しくは、10以上の5平方ミリメートル未満のサイズを
有する輝尽性蛍光体層領域15、95、115、12
5、145が、10個/平方センチメートル以上の密度
で、蓄積性蛍光体シート10、90、110、120、
140に形成される。
【0246】さらに、図4および図5に示された実施態
様、図18および図19に示された実施態様、図22お
よび図23に示された実施態様、図25および図26に
示された実施態様ならびに図29および図30に示され
た実施態様においては、生化学解析用ユニット1、8
0、100、130に形成された吸着性領域4、85、
102、135に対応して、約10000の約0.01
平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性蛍光
体層領域15、115、125、145が、約5000
個/平方センチメートルの密度で、規則的なパターンに
したがって、蓄積性蛍光体シート10、110、12
0、140に形成されているが、生化学解析用ユニット
1、80、100、130の吸着性領域4、85、10
2、135を、規則的なパターンで、生化学解析用ユニ
ット1、80、100、130に形成することは必ずし
も必要でなく、したがって、輝尽性蛍光体層領域16、
95、115、125、145を、規則的なパターン
で、蓄積性蛍光体シート10、90、110、120、
140に形成することは必ずしも必要でなく、輝尽性蛍
光体層領域15、95、115、125、145は、生
化学解析用ユニット1、80、100、130に形成さ
れた吸着性領域4、85、102、135と同じパター
ンで、あるいは、生化学解析用ユニットに滴下された特
異的結合物質のスポットと同じパターンで、蓄積性蛍光
体シート10、90、110、120、140に形成さ
れていればよい。
【0247】また、前記実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10、90、110、120、140のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域15、95、115、12
5、145は、生化学解析用ユニット1、80、10
0、130に形成された吸着性領域4、85、102、
135と同じサイズに形成されているが、ドット状の輝
尽性蛍光体層領域15、95、115、125、145
を、生化学解析用ユニット1、80、100、130に
形成された吸着性領域4、85、102、135と同じ
サイズに形成することは必ずしも必要でなく、好ましく
は、生化学解析用ユニット1、80、100、130に
形成された吸着性領域4、85、102、135のサイ
ズ以上に形成される。
【0248】さらに、図4および図5に示された実施態
様においては、蓄積性蛍光体シート10のニッケル基板
13は、その表面が黒色に着色され、図18および図1
9に示された実施態様においては、蓄積性蛍光体シート
90のニッケル基板93は、その表面が青色に着色され
ており、図22および図23に示された実施態様におい
ては、蓄積性蛍光体シート110の支持体111には、
カーボンブラックが分散されて、黒色に着色され、図2
9および図30に示された実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート140の支持体141の輝尽性蛍光体層領
域145が形成されていない表面は、青色に着色されて
いるが、蓄積性蛍光体シート10、90、110、14
0のニッケル基板13、93、支持体111、140
が、黒色あるいは青色に着色されていることは必ずしも
必要でなく、黒色あるいは青色に代えて、蓄積性蛍光体
シート10、90、110、140のニッケル基板1
3、93、支持体111、140を、レーザ光24を吸
収する色に着色し、あるいは、レーザ光24を吸収する
色に着色された吸収層を設けるようにしてもよい。
【0249】また、図25および図26に示された実施
態様においては、蓄積性蛍光体シート120の支持体1
21の表面に、青色の吸収層123が形成されている
が、蓄積性蛍光体シート120の支持体121の表面
に、青色の吸収層123が形成されていることは必ずし
も必要でなく、蓄積性蛍光体シート120の支持体12
1を、レーザ光24を吸収する色に着色してもよく、あ
るいは、蓄積性蛍光体シート120の支持体121の表
面に、レーザ光24を吸収する色の吸収層を設けるよう
にしてもよい。
【0250】また、前記実施態様においては、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を
含むハイブリダイズ液9が調製され、吸着性領域4に滴
下された特異的結合物質にハイブリダイズさせている
が、生体由来の物質が、放射性標識物質および蛍光色素
などの蛍光物質によって標識されていることは必ずしも
必要がなく、放射性標識物質あるいは放射性標識物質に
加えて、蛍光物質および化学発光基質と接触させること
によって化学発光を生じさせる標識物質のうちの少なく
とも1種の標識物質によって標識されていればよい。
【0251】さらに、前記実施態様においては、放射性
標識物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識さ
れた生体由来の物質が、特異的結合物質にハイブリダイ
ズされているが、生体由来の物質を、特異的結合物質に
ハイブリダイズさせることは必ずしも必要でなく、生体
由来の物質を、ハイブリダイゼーションに代えて、抗原
抗体反応、リセプター・リガンドなどの反応によって、
特異的結合物質に特異的に結合させることもできる。
【0252】さらに、前記実施態様においては、図8な
いし図15に示されたスキャナを用いて、蓄積性蛍光体
シート10に形成された多数のドット状輝尽性蛍光体層
領域15に記録された放射性標識物質の放射線データお
よび生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に記録され
た蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データを読み取って、
生化学解析用データを生成しているが、放射性標識物質
の放射線データおよび蛍光物質の蛍光データを1つのス
キャナによって読み取ることは必ずしも必要でなく、放
射性標識物質の放射線データと、蛍光物質の蛍光データ
を、別個のスキャナによって読み取って、生化学解析用
データを生成するようにしてもよい。
【0253】また、前記実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10に形成された多数のドット状輝尽性蛍光
体層領域15に記録された放射性標識物質の放射線デー
タおよび生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に記録
された蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データを読み取っ
て、生化学解析用データを生成する場合に、図8ないし
図15に示されたスキャナを用いているが、放射性標識
物質の放射線データあるいは蛍光物質の蛍光データを読
み取るためのスキャナとしては、レーザ光24あるいは
励起光によって、多数のドット状輝尽性蛍光体層領域1
5あるいは生化学解析用ユニット1の表面を走査して、
輝尽性蛍光体あるいは蛍光物質を励起することができる
ものあればよく、図8ないし図15に示されたスキャナ
を用いて、放射性標識物質の放射線データあるいは蛍光
物質の蛍光データを読み取ることは必ずしも必要がな
い。
【0254】さらに、図8ないし図15に示されたスキ
ャナは、第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起
光源22および第3のレーザ励起光源23を備えている
が、3つのレーザ励起光源を備えていることは必ずしも
必要ない。
【0255】さらに、図8ないし図15に示されたスキ
ャナは、スキャナは、640nmの波長のレーザ光24
を発する第1のレーザ励起光源21と、532nmの波
長のレーザ光24を発する第2のレーザ励起光源22
と、473nmの波長のレーザ光24を発する第3のレ
ーザ励起光源23とを備えているが、励起光源として、
レーザ励起光源を用いることは必ずしも必要でなく、レ
ーザ励起光源に代えて、LED光源を、励起光源として
用いることもでき、さらには、ハロゲンランプを励起光
源として用い、分光フィルタによって、輝尽性蛍光体の
励起に寄与しない波長成分をカットするようにしてもよ
い。
【0256】また、前記実施態様においては、走査機構
によって、図14において、矢印Xで示される主走査方
向および矢印Yで示される副走査方向に、光学ヘッド3
5を移動させることによって、レーザ光24により、蓄
積性蛍光体シート10のすべてのドット状輝尽性蛍光体
層領域15あるいは生化学解析用ユニット1の全面を走
査して、輝尽性蛍光体あるいは蛍光色素などの蛍光物質
を励起しているが、光学ヘッド35を静止状態に維持
し、ステージ40を、図14において、矢印Xで示され
る主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に移動
させることによって、レーザ光24により、蓄積性蛍光
体シート10のすべてのドット状輝尽性蛍光体層領域1
5あるいは生化学解析用ユニット1の全面を走査して、
輝尽性蛍光体あるいは蛍光色素などの蛍光物質を励起す
るようにしてもよく、また、光学ヘッド35を、図14
において、矢印Xで示される主走査方向あるいは矢印Y
で示される副走査方向に移動させるとともに、ステージ
40を、矢印Yで示される副走査方向あるいは矢印Xで
示される主走査方向に移動させることもできる。
【0257】さらに、図8ないし図15に示されたスキ
ャナにおいては、光検出器として、フォトマルチプライ
ア50を用いて、蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出し
ているが、本発明において用いられる光検出器として
は、蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出可能であればよ
く、フォトマルチプライア50に限らず、ラインCCD
や二次元CCDなどの他の光検出器を用いることもでき
る。
【0258】さらに、前記実施態様においては、インジ
ェクタ6とCCDカメラ7を備えたスポッティング装置
を用い、CCDカメラ7によって、インジェクタ6の先
端部と、cDNAなどの特異的結合物質を滴下すべき吸
着性領域4を観察しながら、インジェクタ6の先端部
と、cDNAなどの特異的結合物質を滴下すべき吸着性
領域4の中心とが合致したときに、インジェクタ6か
ら、cDNAなどの特異的結合物質を放出させて、滴下
しているが、インジェクタ6の先端部と、生化学解析用
ユニット1に形成された多数の吸着性領域4との相対的
な位置関係を、あらかじめ検出しておき、インジェクタ
6と、生化学解析用ユニット1とを、相対的に、一定の
ピッチで、二次元的に移動させて、cDNAなどの特異
的結合物質を滴下するようにすることもできる。
【0259】
【発明の効果】本発明によれば、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質に、放射性標識物質によって
標識された生体由来の物質を特異的に結合させて、選択
的に標識したスポット状領域を、メンブレンフィルタな
どの担体表面に、高密度に形成した場合においても、高
い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生
成することのできる蓄積性蛍光体シートを提供すること
が可能になる。
【0260】また、本発明によれば、蓄積性蛍光体シー
トを、励起光によって走査して、輝尽性蛍光体層領域に
記録された放射線データを読み取る際に、励起光が、輝
尽性蛍光体層領域が形成されていない支持体の表面によ
って反射されて、輝尽光とともに、光電的に検出される
ことを効果的に防止することができ、したがって、輝尽
光を光電的に検出して、生成された生化学解析用データ
中に、輝尽光とともに、励起光が光電的に検出されるこ
とに起因するノイズが生成されることを効果的に防止す
ることのできる蓄積性蛍光体シートを提供することが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、生化学解析用ユニットの略斜視図であ
る。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、ハイブリダイズ容器の略縦断面図であ
る。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施態様にかかる蓄
積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図5】図5は、本発明の好ましい実施態様にかかる蓄
積性蛍光体シートの略部分断面図である。
【図6】図6は、カレンダー処理装置の略断面図であ
る。
【図7】図7は、生化学解析用ユニットに形成された多
数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によって、蓄
積性蛍光体シートに形成された多数のドット状輝尽性蛍
光体層領域を露光する方法を示す略断面図である。
【図8】図8は、スキャナの一例を示す略斜視図であ
る。
【図9】図9は、フォトマルチプライア近傍のスキャナ
の詳細を示す略斜視図である。
【図10】図10は、図9のA−A線に沿った略断面図
である。
【図11】図11は、図9のB−B線に沿った略断面図
である。
【図12】図12は、図9のC−C線に沿った略断面図
である。
【図13】図13は、図9のD−D線に沿った略断面図
である。
【図14】図14は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【図15】図15は、図8に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【図16】図16は、生化学解析用ユニットの別の例を
示す略斜視図である。
【図17】図17は、生化学解析用ユニットの別の例を
示す略部分断面図である。
【図18】図18は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図19】図19は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる蓄積性蛍光体シートの略部分断面図である。
【図20】図20は、生化学解析用ユニットに形成され
た多数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シートに形成された多数のドット状の
輝尽性蛍光体層領域を露光する方法を示す略断面図であ
る。
【図21】図21は、生化学解析用ユニットの他の例を
示す略斜視図である。
【図22】図22は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図23】図23は、本発明の他の実施態様にかかる蓄
積性蛍光体シートの略部分断面図である。
【図24】図24は、生化学解析用ユニットの多数の吸
着性領域に含まれている放射性標識物質によって、蓄積
性蛍光体シートの多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域
を露光する方法を示す略部分断面図である。
【図25】図25は、本発明のさらに他の好ましい実施
態様にかかる蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図26】図26は、本発明のさらに他の好ましい実施
態様にかかる蓄積性蛍光体シートの略部分断面図であ
る。
【図27】図27は、生化学解析用ユニットのさらに他
の例を示す略斜視図である。
【図28】図28は、生化学解析用ユニットのさらに他
の例を示す略部分断面図である。
【図29】図29は、本発明のさらに他の好ましい実施
態様にかかる蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図30】図30は、本発明のさらに他の好ましい実施
態様にかかる蓄積性蛍光体シートの略部分断面図であ
る。
【図31】図31は、生化学解析用ユニットの多数の吸
着性領域に含まれている放射性標識物質によって、蓄積
性蛍光体シートの多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域
を露光する方法を示す略部分断面図である。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 基板 3 貫通孔 4 吸着性領域 5 スポッティング装置 6 インジェクタ 7 CCDカメラ 8 ハイブリダイズ容器 9 ハイブリダイゼーション溶液 10 蓄積性蛍光体シート 11 輝尽性蛍光体膜 12 貫通孔 13 ニッケル基板 15 輝尽性蛍光体層領域 16 接着剤 18 カレンダーロール 21 第1のレーザ励起光源 22 第2のレーザ励起光源 23 第3のレーザ励起光源 24 レーザ光 25 コリメータレンズ 26 ミラー 27 第1のダイクロイックミラー 28 第2のダイクロイックミラー 29 ミラー 30 コリメータレンズ 31 コリメータレンズ 32 ミラー 33 穴開きミラーの穴 34 穴開きミラー 35 光学ヘッド 36 ミラー 37 非球面レンズ 38 凹面ミラー 40 ステージ 41 ガラス板 45 蛍光あるいは輝尽光 48 フィルタユニット 50 フォトマルチプライア 51a、51b、51c、51d フィルタ部材 52a、52b、52c、52d フィルタ 53 A/D変換器 54 データ処理装置 60 基板 61 副走査パルスモータ 62 一対のレール 63 移動可能な基板 64 ロッド 65 主走査ステッピングモータ 66 エンドレスベルト 67 リニアエンコーダ 68 リニアエンコーダのスリット 70 コントロールユニット 71 キーボード 72 フィルタユニットモータ 80 生化学解析用ユニット 82 吸着性膜 83 貫通孔 84 アルミニウム基板 85 吸着性領域 86 接着剤 90 蓄積性蛍光体シート 91 輝尽性蛍光体膜 92 貫通孔 93 ニッケル基板 95 輝尽性蛍光体層領域 96 接着剤 100 生化学解析用ユニット 101 アルミニウム基板 102 吸着性領域 110 蓄積性蛍光体シート 111 支持体 112 凹部 112a 凹部の内壁面 115 輝尽性蛍光体層領域 120 蓄積性蛍光体シート 121 支持体 122 貫通孔 123 吸収層 125 輝尽性蛍光体層領域 130 生化学解析用ユニット 131 アルミニウム基板 132 凹部 132a 凹部の内壁面 135 吸着性領域 140 蓄積性蛍光体シート 141 支持体 142 突起 145 輝尽性蛍光体層領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01T 1/00 C12Q 1/68 A 4B063 // C12Q 1/68 C12N 15/00 F Fターム(参考) 2G045 DA12 DA13 DA14 DA36 FA11 FA29 FB02 FB07 FB08 FB12 GC15 2G054 AB07 EA03 EB01 FB01 GA04 GB02 GE01 2G083 AA03 AA09 BB01 CC03 CC04 CC06 DD01 DD06 DD11 DD12 DD16 EE02 4B024 AA11 CA04 CA09 HA14 4B029 AA07 AA21 AA23 BB20 CC03 CC08 FA15 4B063 QA01 QA18 QQ42 QQ52 QR56 QR84 QS34 QS39 QX02

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の輝尽性蛍光体層領域が、互いに離
    間して、形成された支持体を備え、前記複数の輝尽性蛍
    光体層領域を除く前記支持体の表面が、励起光を吸収す
    る色を有していることを特徴とする蓄積性蛍光体シー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域を除く前
    記支持体の表面が、励起光を吸収する色に着色されたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の蓄積性蛍光体シート。
  3. 【請求項3】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域を除く前
    記支持体の表面に、励起光を吸収する色を有する被覆層
    が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の蓄積性
    蛍光体シート。
  4. 【請求項4】 前記支持体が、励起光を吸収する色に着
    色されたことを特徴とする請求項1に記載の蓄積性蛍光
    体シート。
  5. 【請求項5】 前記励起光を吸収する色が黒色であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の蓄積性蛍光体シート。
  6. 【請求項6】 前記励起光を吸収する色が青色であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の蓄積性蛍光体シート。
  7. 【請求項7】 前記支持体が、放射線を減衰させる材料
    によって形成されたことを特徴とする請求項1ないし6
    のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シート。
  8. 【請求項8】 前記支持体に、複数の貫通孔が形成さ
    れ、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記複数の貫通
    孔内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、形成されたこと
    を特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の
    蓄積性蛍光体シート。
  9. 【請求項9】 前記支持体に、複数の貫通孔が形成さ
    れ、前記複数の貫通孔の内壁面に、輝尽性蛍光体が被覆
    されて、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されたこ
    とを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載
    の蓄積性蛍光体シート。
  10. 【請求項10】 前記支持体に、複数の凹部が形成さ
    れ、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記複数の凹部
    内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、形成されたことを
    特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の蓄
    積性蛍光体シート。
  11. 【請求項11】 前記支持体に、複数の凹部が形成さ
    れ、前記複数の凹部の内壁面に、輝尽性蛍光体が被覆さ
    れて、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されたこと
    を特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の
    蓄積性蛍光体シート。
  12. 【請求項12】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前
    記支持体の表面に形成されたことを特徴とする請求項1
    ないし7のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シート。
  13. 【請求項13】 前記支持体の表面に、複数の突起部が
    形成され、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記複数
    の突起部の先端部に形成されたことを特徴とする請求項
    1ないし7のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シー
    ト。
  14. 【請求項14】 前記支持体に、複数の貫通孔が形成さ
    れ、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記支持体の前
    記複数の貫通孔内に、輝尽性蛍光体膜が埋め込まれて、
    形成されたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれ
    か1項に記載の蓄積性蛍光体シート。
  15. 【請求項15】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前
    記支持体の前記複数の貫通孔内に、輝尽性蛍光体膜が圧
    入されて、形成されたことを特徴とする請求項14に記
    載の蓄積性蛍光体シート。
  16. 【請求項16】 前記輝尽性蛍光体膜と、前記支持体と
    が、接着剤によって接着されていることを特徴とする請
    求項14または15に記載の蓄積性蛍光体シート。
  17. 【請求項17】 前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍
    光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記
    支持体内を透過したときに、放射線のエネルギーを、1
    /5以下に減衰させる性質を有する材料によって形成さ
    れたことを特徴とする請求項7ないし16のいずれか1
    項に記載の蓄積性蛍光体シート。
  18. 【請求項18】 前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍
    光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記
    支持体内を透過したときに、放射線のエネルギーを、1
    /10以下に減衰させる性質を有する材料によって形成
    されたことを特徴とする請求項17に記載の蓄積性蛍光
    体シート。
  19. 【請求項19】 前記支持体が、隣り合う前記輝尽性蛍
    光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記
    支持体内を透過したときに、放射線のエネルギーを、1
    /100以下に減衰させる性質を有する材料によって形
    成されたことを特徴とする請求項18に記載の蓄積性蛍
    光体シート。
  20. 【請求項20】 前記支持体が、金属材料、セラミック
    材料およびプラスチック材料よりなる群から選ばれる材
    料によって形成されたことを特徴とする請求項17ない
    し19のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シート。
  21. 【請求項21】 前記支持体が、プラスチック材料に、
    金属酸化物粒子を分散させて、形成されたことを特徴と
    する請求項20に記載の蓄積性蛍光体シート。
  22. 【請求項22】 10以上の前記輝尽性蛍光体層領域が
    形成されたことを特徴とする請求項1ないし21のいず
    れか1項に記載の蓄積性蛍光体シート。
  23. 【請求項23】 1000以上の前記輝尽性蛍光体層領
    域が形成されたことを特徴とする請求項22に記載の蓄
    積性蛍光体シート。
  24. 【請求項24】 10000以上の前記輝尽性蛍光体層
    領域が形成されたことを特徴とする請求項23に記載の
    蓄積性蛍光体シート。
  25. 【請求項25】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、そ
    れぞれ、5平方ミリメートル未満のサイズを有している
    ことを特徴とする請求項1ないし24のいずれか1項に
    記載の蓄積性蛍光体シート。
  26. 【請求項26】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、そ
    れぞれ、1平方ミリメートル未満のサイズを有している
    ことを特徴とする請求項25に記載の蓄積性蛍光体シー
    ト。
  27. 【請求項27】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、そ
    れぞれ、0.1平方ミリメートル未満のサイズを有して
    いることを特徴とする請求項26に記載の蓄積性蛍光体
    シート。
  28. 【請求項28】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、1
    0個/平方センチメートル以上の密度で形成されたこと
    を特徴とする請求項1ないし27のいずれか1項に記載
    の蓄積性蛍光体シート。
  29. 【請求項29】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、1
    000個/平方センチメートル以上の密度で形成された
    ことを特徴とする請求項28に記載の蓄積性蛍光体シー
    ト。
  30. 【請求項30】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、1
    0000個/平方センチメートル以上の密度で形成され
    たことを特徴とする請求項29に記載の蓄積性蛍光体シ
    ート。
  31. 【請求項31】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前
    記支持体に、規則的に形成されたことを特徴とする請求
    項1ないし30のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シ
    ート。
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