JP2003028866A - 生化学解析用データの生成方法および装置 - Google Patents

生化学解析用データの生成方法および装置

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JP2003028866A
JP2003028866A JP2001214719A JP2001214719A JP2003028866A JP 2003028866 A JP2003028866 A JP 2003028866A JP 2001214719 A JP2001214719 A JP 2001214719A JP 2001214719 A JP2001214719 A JP 2001214719A JP 2003028866 A JP2003028866 A JP 2003028866A
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light
substance
substrate
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JP2001214719A
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Nobuhiko Ogura
信彦 小倉
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特
異的結合物質を、担体に滴下して、高密度に、スポット
状領域を形成し、スポット状領域に含まれた特異的結合
物質に、蛍光物質あるいは化学発光基質と接触させるこ
とによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識
された生体由来の物質を特異的に結合させて、選択的に
標識して得た生化学解析用ユニットに、励起光を照射し
て、蛍光あるいは化学発光を、高感度で、検出して、定
量性に優れた生化学解析用データを生成する方法を提供
する。 【解決手段】 サンプルステージ40に設けられ、光を
反射する性質を有する反射板41上に載置された生化学
解析用ユニット1に、互いに離間して、二次元的に、ド
ット状に形成された複数のドット状領域4から、反射板
とは反対側に放出される光を、光検出器50によって光
電的に検出して、生化学解析用データを生成することを
特徴とする生化学解析用データの生成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学解析用デー
タの生成方法および装置に関するものであり、さらに詳
細には、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、
塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物
質を、担体に、スポット状に滴下して、高密度に、スポ
ット状領域を形成し、スポット状領域に含まれた特異的
結合物質に、蛍光物質および/または化学発光基質と接
触させることによって化学発光を生じさせる標識物質に
よって標識された生体由来の物質を特異的に結合させ
て、選択的に標識して得た生化学解析用ユニットに、励
起光を照射して、蛍光物質から放出される蛍光を光電的
に検出し、生化学解析用データをする場合にも、あるい
は、化学発光を光電的に検出し、生化学解析用データを
生成する場合にも、高感度で、蛍光あるいは化学発光を
検出して、定量性に優れた生化学解析用データを生成す
ることができる生化学解析用データの生成方法および装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するオートラジオグラフィ解析システムは、写
真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化
学的処理が不必要であるだけでなく、得られたディジタ
ルデータにデータ処理を施すことにより、所望のよう
に、解析用データを再生し、あるいは、コンピュータに
よる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0005】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光解析システムも知られてい
る。
【0006】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、ホルモ
ン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、
その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNA
など、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩
基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質
を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の独立し
たスポットを形成し、次いで、ホルモン類、腫瘍マーカ
ー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク
質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単
離などによって、生体から採取され、あるいは、さら
に、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生体由
来の物質であって、蛍光物質、色素などの標識物質によ
って標識された物質を、ハイブリダイゼーションなどに
よって、特異的結合物質に、特異的に結合させたマイク
ロアレイに、励起光を照射して、蛍光物質、色素などの
標識物質から発せられた蛍光などの光を光電的に検出し
て、生体由来の物質を解析するマイクロアレイ解析シス
テムが開発されている。このマイクロアレイ解析システ
ムによれば、スライドガラス板やメンブレンフィルタな
どの担体表面上の異なる位置に、数多くの特異的結合物
質のスポットを高密度に形成して、標識物質によって標
識された生体由来の物質をハイブリダイズさせることに
よって、短時間に、生体由来の物質を解析することが可
能になるという利点がある。
【0007】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、
抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、
cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用い
て、滴下して、多数の独立したスポットを形成し、次い
で、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、ア
ブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DN
A、mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から
採取され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾な
どの処理が施された生体由来の物質であって、放射性標
識物質、蛍光物質あるいは化学発光基質と接触させるこ
とによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識
された生体由来の物質を、ハイブリダイゼーションなど
によって、特異的結合物質に、特異的に結合させて、マ
クロアレイを作製し、マイクロアレイと、輝尽性蛍光体
を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シート
とを密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、しかる後
に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性蛍光体層
から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生化学解析
用データを生成し、マイクロアレイに励起光を照射し、
蛍光物質から放出された蛍光を光電的に検出して、生化
学解析用データを生成し、あるいは、化学発光基質と標
識物質との接触によって生ずる化学発光を光電的に検出
して、生化学解析用データを生成し、生体由来の物質を
解析する放射性標識物質を用いたマクロアレイ解析シス
テムも開発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、標識物
質として、蛍光物質あるいは化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質を用いたマ
クロアレイ解析システムにおいては、放出される蛍光あ
るいは化学発光が微弱なため、高感度で、蛍光あるいは
化学発光を光電的に検出することが困難であり、したが
って、定量性に優れた生化学解析用データを生成するこ
とが困難であるという問題があった。
【0009】したがって、本発明は、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質を、担体に、スポット状
に滴下して、高密度に、スポット状領域を形成し、スポ
ット状領域に含まれた特異的結合物質に、蛍光物質およ
び/または化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質を特異的に結合させて、選択的に標識して得た生
化学解析用ユニットに、励起光を照射して、蛍光物質か
ら放出される蛍光を光電的に検出し、生化学解析用デー
タをする場合にも、あるいは、化学発光を光電的に検出
し、生化学解析用データを生成する場合にも、高感度
で、蛍光あるいは化学発光を検出して、定量性に優れた
生化学解析用データを生成することができる生化学解析
用データの生成方法および装置を提供することを目的と
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
サンプルステージに設けられ、光を反射する性質を有す
る反射板上に載置された生化学解析用ユニットに、互い
に離間して、二次元的に、ドット状に形成された複数の
ドット状領域から、前記反射板とは反対側に放出される
光を、光検出器によって光電的に検出して、生化学解析
用データを生成することを特徴とする生化学解析用デー
タの生成方法によって達成される。
【0011】励起光によって、蛍光物質が励起されて、
放出される蛍光も、化学発光も、あらゆる方向に向け
て、放出されるため、従来は、光検出器と反対側に向け
て、放出される蛍光および化学発光は、光検出器によっ
て検出されず、本来、微弱な光である蛍光および化学発
光を、高感度で、検出することができなかったが、本発
明によれば、生化学解析用ユニットは、サンプルステー
ジに設けられた光を反射する性質を有する反射板上に載
置されているから、励起光によって、蛍光物質が励起さ
れて、光検出器とは反対側に向けて、放出される蛍光
は、反射板により、光検出器に向けて、反射され、ま
た、光検出器とは反対側に向けて、放出される化学発光
は、反射板によって、光検出器に向けて、反射されるか
ら、微弱な光である蛍光あるいは化学発光を、高感度
で、光電的に検出し、定量性に優れた生化学解析用デー
タを生成することが可能になる。
【0012】本発明の好ましい実施態様においては、導
光部材を、前記サンプルステージに対して、主走査方向
および前記主走査方向と直交する副走査方向に、間欠的
に、相対的に移動させて、前記生化学解析用ユニット
に、互いに離間して、二次元的に形成された前記複数の
ドット状領域から放出される光を、前記導光部材によっ
て、光検出器に導き、光電的に検出し、生化学解析用デ
ータを生成するように構成されている。
【0013】本発明の好ましい実施態様によれば、導光
部材を、受光端部が、生化学解析用ユニットに形成され
た複数のドット状領域のそれぞれに、十分に近接するよ
うに位置させて、複数のドット状領域のそれぞれから放
出される蛍光あるいは化学発光を、導光部材の受光端部
によって、受光し、光検出器に導くことにより、そのド
ット状領域から放出された蛍光あるいは化学発光のみ
を、光検出器によって、光電的に検出することができる
から、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデ
ータを生成することが可能になる。
【0014】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記導光部材が、可撓性を有している。
【0015】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、導光部材が、可撓性を有しているから、導光部材
を、きわめて容易に、主走査方向および副走査方向に移
動させて、複数のドット状領域から放出された光を、導
光部材によって、光検出器に導いて、光電的に検出し、
生化学解析用データを生成することが可能になる。
【0016】本発明の好ましい実施態様においては、前
記導光部材が、少なくとも1本の光ファイバによって構
成されている。
【0017】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記導光部材が、光ファイバ束によって構成されて
いる。
【0018】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離
間して、二次元的に形成された基板を備え、前記複数の
ドット状領域が、前記基板に形成された前記複数の貫通
孔内に、吸着性材料が充填されて形成された複数の吸着
性領域によって構成されており、前記複数の吸着性領域
が、蛍光物質によって、選択的に標識され、前記複数の
吸着性領域に、励起光源から発せられた励起光を照射し
て、前記蛍光物質から放出される蛍光を光電的に検出し
て、生化学解析用データを生成するように構成されてい
る。
【0019】本発明において、蛍光物質によって標識さ
れているとは、蛍光色素によって標識されている場合
と、酵素を標識された試料と結合させた後に、酵素を蛍
光基質と接触させて、蛍光基質を、蛍光を発する蛍光物
質に変化させ、得られた蛍光物質によって標識されてい
る場合とを包含している。
【0020】本発明の好ましい実施態様によれば、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、生化学
解析用ユニットに高密度に形成された複数の吸着性領域
に滴下し、複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質
に、蛍光物質によって標識された生体由来の物質を、ハ
イブリダイゼーションなどによって、特異的に結合させ
て、選択的に標識し、複数の吸着性領域に励起光を照射
し、放出される蛍光を光電的に検出して、生化学解析用
データを生成する場合に、導光部材を、その受光端部
が、生化学解析用ユニットに、互いに離間して、二次元
的に形成された複数の吸着性領域のそれぞれに、十分に
近接するように、位置させて、複数の吸着性領域のそれ
ぞれから放出される蛍光を、導光部材の受光端部によっ
て受光し、光検出器に導いて、光電的に検出することに
より、蛍光物質から、導光部材の受光端部とは反対側に
放出された蛍光は、反射板により、導光部材に向けて、
反射され、導光部材の受光端部によって集光され、ま
た、各吸着性領域から放出される蛍光が散乱しても、検
出すべき蛍光を放出する吸着性領域から放出される蛍光
のみを、効果的に、導光部材により、光検出器に導い
て、光電的に検出することが可能になるから、蛍光を光
電的に検出して生成した生化学解析用データ中にノイズ
が生成されることを効果的に防止して、定量性に優れた
生化学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0021】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
に、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基
配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質が
滴下され、前記複数の吸着性領域に含まれた特異的結合
物質に、蛍光物質によって標識された生体由来の物質が
特異的に結合されて、前記複数の吸着性領域が、前記蛍
光物質によって選択的に標識されている。
【0022】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離
間して、二次元的に形成された基板を備え、前記複数の
ドット状領域が、前記基板に形成された前記複数の貫通
孔内に、吸着性材料が充填されて形成された複数の吸着
性領域によって構成されており、前記複数の吸着性領域
が、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質によって、選択的に標識され、前記
標識物質から放出される化学発光を光電的に検出して、
生化学解析用データを生成するように構成されている。
【0023】本発明の好ましい実施態様によれば、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、生化学
解析用ユニットに高密度に形成された複数の吸着性領域
に滴下し、複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質
に、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質
を、ハイブリダイゼーションなどによって、特異的に結
合させて、選択的に標識し、吸着性領域から放出される
化学発光を光電的に検出して、生化学解析用データを生
成する場合に、導光部材を、受光端部が、生化学解析用
ユニットに、二次元的に、互いに離間して形成された複
数の吸着性領域のそれぞれに、十分に近接するように、
位置させて、複数の吸着性領域のそれぞれから放出され
る化学発光を、導光部材の受光端部によって受光し、光
検出器に導いて、光電的に検出することにより、導光部
材の受光端部とは反対側に放出された化学発光は、反射
板により、導光部材に向けて、反射され、導光部材の受
光端部によって集光され、また、吸着性領域から放出さ
れる化学発光が散乱しても、検出すべき化学発光を放出
する吸着性領域から放出される化学発光のみを、効果的
に、導光部材により、光検出器に導いて、光電的に検出
することが可能になるから、化学発光を光電的に検出し
て生成した生化学解析用データ中にノイズが生成される
ことを効果的に防止して、定量性に優れた生化学解析用
のデータを生成することが可能になる。
【0024】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
に、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基
配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質が
滴下され、前記複数の吸着性領域に含まれた特異的結合
物質に、化学発光基質と接触させることによって化学発
光を生じさせる標識物質標識された生体由来の物質が特
異的に結合されて、前記複数の吸着性領域が、前記標識
物質によって選択的に標識されている。
【0025】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生体由来の物質が、ハイブリダイゼーション、
抗原抗体反応、リセプター・リガンドよりなる群から選
ばれた反応によって、前記特異的結合物質と結合されて
いる。
【0026】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、前
記基板に、吸着性材料を含む吸着性膜が圧入されて、形
成されている。
【0027】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の吸着
性領域が、規則的なパターンにしたがって、形成されて
いる。
【0028】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットの基板に、複数の吸着性領域が、規則
的なパターンにしたがって、形成されているから、サン
プルステージと導光部材とを、複数の吸着性領域と同一
の規則的なパターンにしたがって、相対的に移動させる
ことによって、簡易に、生化学解析用データを生成する
ことが可能になる。
【0029】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、光を減衰させる
性質を有している。
【0030】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットの基板が、光を減衰させる材料によっ
て形成されているから、吸着性領域から放出された蛍光
あるいは化学発光および反射板によって反射された蛍光
あるいか化学発光が、生化学解析用ユニットの基板内で
散乱することを効果的に防止することができ、したがっ
て、検出すべき蛍光あるいは化学発光を放出する吸着性
領域から放出される蛍光あるいは化学発光のみを、効果
的に、導光部材によって、光検出器に導いて、高感度
で、光電的に検出することが可能になるから、蛍光ある
いは化学発光を光電的に検出して生成した生化学解析用
データ中にノイズが生成されることを効果的に防止し
て、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成するこ
とが可能になる。
【0031】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記基板中
を透過したときに、光のエネルギーを1/5以下に減衰
させる性質を有している。
【0032】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを1/10以
下に減衰させる性質を有している。
【0033】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを1/50以
下に減衰させる性質を有している。
【0034】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを1/100
以下に減衰させる性質を有している。
【0035】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを1/500
以下に減衰させる性質を有している。
【0036】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを1/100
0以下に減衰させる性質を有している。
【0037】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するための材料は、光を減衰させる性質を有
していることが好ましいが、とくに限定されるものでは
なく、無機化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使
用することができ、金属材料、セラミック材料またはプ
ラスチック材料が、好ましく使用される。
【0038】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために好ましく使用することのできる無
機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、
アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケ
ル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステ
ンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリ
コン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪
素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイ
ト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパ
タイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができ
る。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのよ
うな多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。
【0039】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために使用可能な有機化合物材料として
は、高分子化合物が好ましく用いられ、好ましく使用す
ることのできる高分子化合物としては、たとえば、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリ
メチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメ
タクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリ
ロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポ
リフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポ
リクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポ
リエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレート
などのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスル
ホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシ
ロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノー
ル樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;
ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セル
ロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシ
ウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0040】また、一般に、光の散乱および/または吸
収が大きいほど、光の減衰能が高くなるので、生化学解
析用ユニットの基板は、厚さ1cmあたりの吸光度が
0.3以上であることが好ましく、厚さ1cmあたりの
吸光度が1以上であれば、さらに好ましい。ここに、吸
光度は、厚さTcmの板状体の直後に、積分球を置き、
計測に利用するプローブ光またはエミッション光の波長
における透過光量Aを分光光度計によって測定し、A/
Tを算出することによって、求められる。光減衰能を向
上させるために、光散乱体や光吸収体を、生化学解析用
ユニットの基板に含有させることもできる。光散乱体と
しては、生化学解析用ユニットの基板を形成している材
料と異なる材料の微粒子が用いられ、光吸収体として
は、顔料または染料が用いられる。
【0041】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、10以上の吸着
性領域が形成されている。
【0042】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、50以上
の吸着性領域が形成されている。
【0043】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、100以
上の吸着性領域が形成されている。
【0044】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、500以
上の吸着性領域が形成されている。
【0045】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
以上の吸着性領域が形成されている。
【0046】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、5000
以上の吸着性領域が形成されている。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
0以上の吸着性領域が形成されている。
【0048】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、5000
0以上の吸着性領域が形成されている。
【0049】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
00以上の吸着性領域が形成されている。
【0050】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の吸着
性領域が、それぞれ、5平方ミリメートル未満のサイズ
に形成されている。
【0051】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、それぞれ、1平方ミリメートル未満の
サイズに形成されている。
【0052】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、それぞれ、0.5平方ミリメートル未
満のサイズに形成されている。
【0053】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、それぞれ、0.1平方ミリメートル未
満のサイズに形成されている。
【0054】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、それぞれ、0.05平方ミリメートル
未満のサイズに形成されている。
【0055】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、それぞれ、0.01平方ミリメートル
未満のサイズに形成されている。
【0056】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の吸着
性領域が、10個/平方センチメートル以上の密度で、
形成されている。
【0057】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、50個/平方センチメートル以上の密
度で、形成されている。
【0058】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、100個/平方センチメートル以上の
密度で、形成されている。
【0059】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、500個/平方センチメートル以上の
密度で、形成されている。
【0060】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、1000個/平方センチメートル以上
の密度で、形成されている。
【0061】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、5000個/平方センチメートル以上
の密度で、形成されている。
【0062】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、10000個/平方センチメートル以
上の密度で、形成されている。
【0063】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成する吸着性材料としては、多孔質材料
あるいは繊維材料が好ましく使用される。多孔質材料と
繊維材料を併用して、吸着性領域を形成することもでき
る。
【0064】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される多孔質材料は、
有機材料、無機材料のいずれでもよく、有機/無機複合
体でもよい。
【0065】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される有機多孔質材料
は、とくに限定されるものではないが、活性炭などの炭
素材料あるいはメンブレンフィルタを形成可能な材料
が、好ましく用いられる。具体的には、ナイロン6、ナ
イロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン類;ニ
トロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロース
などのセルロース誘導体;コラーゲン;アルギン酸、ア
ルギン酸カルシウム、アルギン酸/ポリリシンポリイオ
ンコンプレックスなどのアルギン酸類;ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニ
ル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン、ポリ
テトラフルオライドなどのポリフルオライドや、これら
の共重合体または複合体が挙げられる。
【0066】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される無機多孔質材料
は、とくに限定されるものではないが、好ましくは、た
とえば、白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムな
どの金属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトな
どの金属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウ
ムなどの金属塩やこれらの複合体などが挙げられる。
【0067】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される繊維材料は、と
くに限定されるものではないが、好ましくは、たとえ
ば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10な
どのナイロン類、ニトロセルロース、酢酸セルロース、
酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体などが挙げ
られる。
【0068】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域は、電解処理、プラズマ処理、アーク放電な
どの酸化処理;シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤などを用いたプライマー処理;界面活性剤処理な
どの表面処理によって形成することもできる。
【0069】本発明の好ましい実施態様においては、前
記反射板が、金属によって形成されている。
【0070】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反射板が、重金属によって形成されている。
【0071】本発明の前記目的はまた、光を反射する性
質を有する反射板を備え、互いに離間して、二次元的
に、ドット状に形成された複数のドット状領域を備えた
生化学解析用ユニットが前記反射板上に載置されるよう
に構成されたサンプルステージと、前記生化学解析用ユ
ニットの前記複数のドット状領域から、前記反射板とは
反対側に放出される光を、光電的に検出し、生化学解析
用データを生成する光検出器を備えたことを特徴とする
生化学解析用データの生成装置によって達成される。
【0072】本発明によれば、互いに離間して、二次元
的に、ドット状に形成された複数のドット状領域を備え
た生化学解析用ユニットが、サンプルステージの光を反
射する性質を有する反射板上に載置され、光検出器によ
って、生化学解析用ユニットの複数のドット状領域か
ら、反射板とは反対側に放出される光を、光電的に検出
し、生化学解析用データを生成するように構成されてい
るから、蛍光物質から、光検出器とは反対側に放出され
た蛍光も、反射板により、光検出器に向けて、反射さ
れ、また、光検出器とは反対側に放出された化学発光
も、反射板により、光検出器に向けて、反射されて、光
検出器によって検出されるから、微弱な光である蛍光あ
るいは化学発光を、高感度で、光電的に検出し、生化学
解析用データを生成することができ、定量性に優れた生
化学解析用データを生成することが可能になる。
【0073】本発明の好ましい実施態様においては、生
化学解析用データの生成装置は、さらに、前記生化学解
析用ユニットの前記複数のドット状領域から放出される
光を前記光検出器に導く導光部材と、前記導光部材と前
記サンプルステージとを、主走査方向および前記主走査
方向と直交する副走査方向に、間欠的に、相対的に移動
させる走査機構を備えている。
【0074】本発明の好ましい実施態様によれば、導光
部材を、受光端部が、生化学解析用ユニットに形成され
た複数のドット状領域のそれぞれに、十分に近接するよ
うに位置させて、複数のドット状領域のそれぞれから放
出される蛍光あるいは化学発光を、導光部材の受光端部
によって、受光し、光検出器に導くことにより、そのド
ット状領域から放出された蛍光あるいは化学発光のみ
を、光検出器によって、光電的に検出することができる
から、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデ
ータを生成することが可能になる。
【0075】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記導光部材が、可撓性を有している。
【0076】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、導光部材が、可撓性を有しているから、導光部材
を、きわめて容易に、主走査方向および副走査方向に移
動させて、複数のドット状領域から放出された光を、導
光部材によって、光検出器に導いて、光電的に検出し、
生化学解析用データを生成することが可能になる。
【0077】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記導光部材が、少なくとも1本の光ファイバによ
って構成されている。
【0078】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記導光部材が、光ファイバ束によって構成されて
いる。
【0079】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数のドット状領域が、前記主走査方向および前記副
走査方向に、それぞれ、所定のピッチで、規則的に、前
記生化学解析用ユニットに形成され、前記走査機構が、
前記導光部材と前記サンプルステージとを、前記主走査
方向および前記副走査方向に、それぞれ、所定のピッチ
で、間欠的に、相対的に移動させるように構成されてい
る。
【0080】本発明の好ましい実施態様においては、生
化学解析用データの生成装置は、さらに、励起光を発す
る励起光源と、励起光カットフィルタを備え、前記生化
学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離間し
て、二次元的に形成された基板を備え、前記複数のドッ
ト状領域が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔内
に、吸着性材料が充填されて形成された複数の吸着性領
域によって構成されており、前記複数の吸着性領域が、
蛍光物質によって、選択的に標識され、前記導光部材
が、前記励起光源から発せられた励起光を、前記サンプ
ルステージに載置された生化学解析用ユニットの前記複
数の吸着性領域のそれぞれに導くとともに、前記励起光
によって励起されて、前記複数の吸着性領域のそれぞれ
に含まれている蛍光物質から放出された蛍光を、前記光
検出器に導くように構成され、前記励起光カットフィル
タが、前記励起光の波長の光をカットし、前記励起光よ
りも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0081】本発明の好ましい実施態様によれば、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、生化学
解析用ユニットに高密度に形成された複数の吸着性領域
に滴下し、複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質
に、蛍光物質によって標識された生体由来の物質を、ハ
イブリダイゼーションなどによって、特異的に結合させ
て、選択的に標識し、複数の吸着性領域に励起光を照射
し、放出される蛍光を光電的に検出して、生化学解析用
データを生成する場合に、導光部材を、その受光端部
が、生化学解析用ユニットに、互いに離間して、二次元
的に形成された複数の吸着性領域のそれぞれに、十分に
近接するように、位置させて、複数の吸着性領域のそれ
ぞれから放出される蛍光を、導光部材の受光端部によっ
て受光し、光検出器に導いて、光電的に検出することに
より、蛍光物質から、導光部材の受光端部とは反対側に
放出された蛍光は、反射板により、導光部材に向けて、
反射され、導光部材の受光端部によって集光され、ま
た、各吸着性領域から放出される蛍光が散乱しても、検
出すべき蛍光を放出する吸着性領域から放出される蛍光
のみを、効果的に、導光部材により、光検出器に導い
て、光電的に検出することが可能になるから、蛍光を光
電的に検出して生成した生化学解析用データ中にノイズ
が生成されることを効果的に防止して、定量性に優れた
生化学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0082】本発明の好ましい実施態様においては、前
記反射板が、金属によって形成されている。
【0083】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反射板が、重金属によって形成されている。
【0084】本発明の好ましい実施態様においては、生
化学解析用データの生成装置は、さらに、前記導光部材
と前記サンプルステージとの主走査方向における相対的
位置関係を検出する位置検出手段を備えている。
【0085】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用データの生成装置は、さらに、導光部材とサン
プルステージとの主走査方向における相対的位置関係を
検出する位置検出手段を備えているから、生化学解析用
ユニットの基板に、二次元的に、互いに離間して形成さ
れた複数の吸着性領域に対向する位置に、導光部材の端
部を位置させて、導光部材を介して、複数の吸着性領域
のそれぞれに、導光部材を介して、励起光源から発せら
れた励起光を照射し、複数の吸着性領域のそれぞれから
放出された蛍光あるいは化学発光を、導光部材によっ
て、光検出器に導いて、光電的に検出させることがで
き、したがって、高い分解能で、定量性に優れた生化学
解析用のデータを生成することが可能になる。
【0086】本発明の好ましい実施態様においては、前
記走査機構が、前記導光部材を、主走査方向に移動させ
るように構成されている。
【0087】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記位置検出手段が、前記導光部材の主走査方向の
位置を検出するリニアエンコーダによって構成されてい
る。
【0088】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記走査機構が、前記導光部材を、主走査方向に、
間欠的に移動させるステッピングモータを備えている。
【0089】本発明の好ましい実施態様においては、前
記走査機構が、前記サンプルステージを、主走査方向に
移動させるように構成されている。
【0090】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記位置検出手段が、前記サンプルステージの主走
査方向の位置を検出するリニアエンコーダによって構成
されている。
【0091】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記走査機構が、前記サンプルステージを、主走査
方向に、間欠的に移動させるステッピングモータを備え
ている。
【0092】本発明の好ましい実施態様においては、前
記励起光源が、レーザ励起光源によって構成されてい
る。
【0093】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0094】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用データの生成方法に使用される生化学解
析用ユニットの略斜視図である。
【0095】図1に示されるように、本実施態様にかか
る生化学解析用ユニット1は、アルミニウムによって形
成され、多数の略円形状の貫通孔3が高密度に形成され
た基板2を備えており、多数の貫通孔3の内部には、ナ
イロン6が充填されて、多数のドット状の吸着性領域4
が形成されている。
【0096】図1には正確に示されていないが、本実施
態様においては、約10000の約0.01平方ミリメ
ートルのサイズを有する貫通孔3が、約5000個/平
方センチメートルの密度で、規則的に、基板2に形成さ
れている。吸着性領域4は、その表面が、基板2の表面
と同じ高さに位置するように、多数の貫通孔3内に、ナ
イロン6が充填されて、形成されている。
【0097】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0098】生化学解析にあたっては、図2に示される
ように、生化学解析用ユニット1に規則的に形成された
多数の吸着性領域4内に、たとえば、特異的結合物質と
して、塩基配列が既知の互いに異なった複数のcDNA
が、スポッティング装置5を使用して、滴下される。
【0099】図2に示されるように、スポッティング装
置5は、インジェクタ6とCCDカメラ7を備え、CC
Dカメラ7によって、インジェクタ6の先端部と、特異
的結合物質を滴下すべき生化学解析用ユニット1の貫通
孔3を観察しながら、インジェクタ6の先端部と、特異
的結合物質を滴下すべき貫通孔3の中心とが合致したと
きに、インジェクタ6から、塩基配列が既知の互いに異
なった複数のcDNAなどの特異的結合物質が滴下され
るように構成され、生化学解析用ユニット1の多数のド
ット状の吸着性領域4内に、特異的結合物質を、正確に
滴下することができるように保証されている。
【0100】図3は、ハイブリダイゼーション容器の略
縦断面図である。
【0101】図3に示されるように、ハイブリダイゼー
ション容器8は矩形状断面を有し、内部に、標識物質に
よって標識されたプローブである生体由来の物質を含む
ハイブリダイゼーション溶液9が収容されている。
【0102】放射性標識物質によって、cDNAなどの
特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標
識物質によって標識されたプローブである生体由来の物
質を含むハイブリダイゼーション溶液9が調製され、ハ
イブリダイゼーション容器8内に収容される。
【0103】一方、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって、cDNA
などの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識されたプローブである生体由
来の物質を含むハイブリダイゼーション溶液9が調製さ
れ、ハイブリダイゼーション容器8内に収容される。
【0104】さらに、蛍光色素などの蛍光物質によっ
て、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する
場合には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された
プローブである生体由来の物質を含むハイブリダイゼー
ション溶液9が調製され、ハイブリダイゼーション容器
8内に収容される。
【0105】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション溶液9を調製して、ハイブリ
ダイゼーション容器8内に収容させることもでき、本実
施態様においては、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって標識された
生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって
標識された生体由来の物質を含むハイブリダイゼーショ
ン溶液9が調製され、ハイブリダイゼーション容器8内
に収容されている。
【0106】ハイブリダイゼーションにあたって、cD
NAなどの特異的結合物質が、多数の吸着性領域4に吸
着されている生化学解析用ユニット1が、ハイブリダイ
ゼーション容器8内に挿入される。
【0107】その結果、多数の吸着性領域4に吸着され
ている特異的結合物質に、化学発光基質と接触させるこ
とによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識
された生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質に
よって標識された生体由来の物質が、選択的に、ハイブ
リダイズされる。
【0108】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に、化学発光データおよび蛍光色素など
の蛍光物質の蛍光データが記録される。吸着性領域4に
記録された化学発光データおよび蛍光データは、スキャ
ナによって読み取られ、生化学解析用データが生成され
る。
【0109】図4は、本発明の好ましい実施態様にかか
るスキャナの略斜視図である。
【0110】本実施態様かかるスキャナは、生化学解析
用ユニット1の多数のドット状の吸着性領域4に記録さ
れた蛍光データおよび化学発光データを読み取って、生
化学解析用データを生成可能に構成されている。
【0111】図4に示されるように、本実施態様かかる
スキャナは、640nmの波長のレーザ光24を発する
第1のレーザ励起光源21と、532nmの波長のレー
ザ光24を発する第2のレーザ励起光源22と、473
nmの波長のレーザ光24を発する第3のレーザ励起光
源23とを備えている。
【0112】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源21は、半導体レーザ光源により構成され、第2の
レーザ励起光源22および第3のレーザ励起光源23
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素
子によって構成されている。
【0113】第1のレーザ励起光源21により発生され
たレーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平
行光とされた後、ミラー26によって反射される。第1
のレーザ励起光源21から発せられ、ミラー26によっ
て反射されたレーザ光24の光路には、640nmのレ
ーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する第
1のダイクロイックミラー27および532nm以上の
波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第
2のダイクロイックミラー28が設けられており、第1
のレーザ励起光源21により発生されたレーザ光24
は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダイ
クロイックミラー28を透過して、ミラー29に入射す
る。
【0114】他方、第2のレーザ励起光源22より発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ30により、
平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に
よって反射されて、その向きが90度変えられて、第2
のダイクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入
射する。
【0115】また、第3のレーザ励起光源23から発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ31によっ
て、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー2
8により反射されて、その向きが90度変えられた後、
ミラー29に入射する。
【0116】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射され、さらに、ミラー32に入射
して、反射される。
【0117】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4の光路には、中央部に穴33が形成されたミラーより
なる穴開きミラー34が配置されており、ミラー32に
よって反射されたレーザ光24は、穴開きミラー34の
穴33を通過して、凸レンズ35に入射する。
【0118】凸レンズ35に入射したレーザ光24は、
光ファイバ束36の一端部に集光される。
【0119】光ファイバ束36の他端部は、生化学解析
用ユニット1の吸着性領域4から放出される蛍光あるい
は化学発光を受光する受光端部36aを構成しており、
光ファイバ束36は、受光端部36aが、サンプルステ
ージ40に載置された生化学解析用ユニット1に十分に
近接した位置に位置するように、受光端部36aに近傍
で、後述する走査機構のヘッド37に取り付けられてい
る。
【0120】光ファイバ束36の受光端部36aの近傍
が取り付けられたヘッド37は、後述する走査機構によ
って、生化学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸
着性領域4の間の距離に等しいピッチで、主走査方向
に、間欠的に移動されるように構成されており、レーザ
光24は、光ファイバ束36によって、生化学解析用ユ
ニット1に形成された吸着性領域4に導かれる。
【0121】図4に示されるように、サンプルステージ
40は、銅によって形成された反射板41を備え、生化
学解析用ユニット1は、反射板41上に載置されるよう
に構成されている。
【0122】生化学解析用ユニット1に、レーザ光24
が入射すると、生化学解析用ユニット1に形成された吸
着性領域4に含まれている蛍光物質が励起されて、蛍光
が放出される。
【0123】一方、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された多数の吸着性領域4に記録された化学発光デ
ータを読み取って、生化学解析用データを生成するとき
は、吸着性領域4に、レーザ光24は照射されず、多数
の吸着性領域4に選択的に含まれた標識物質が、化学発
光基質と接触された結果、生化学解析用ユニット1の各
吸着性領域4から、化学発光が放出される。
【0124】生化学解析用ユニット1に形成された吸着
性領域4から放出された蛍光あるいは化学発光は、光フ
ァイバ束36の他端部に入射し、光ファイバ束36によ
って導かれて、凸レンズ35に入射し、凸レンズ35に
よって、平行なビームとされて、穴開きミラー34に入
射する。
【0125】平行なビームとされて、穴開きミラー34
に入射した蛍光あるいは化学発光は、穴開きミラー34
によって反射されて、フィルタユニット45に入射す
る。
【0126】フィルタユニット45を透過した蛍光ある
いは化学発光は、フォトマルチプライア50によって、
光電的に検出される。
【0127】図5は、フィルタユニット45の略正面図
である。
【0128】図5に示されるように、フィルタユニット
45は、モータ(図示せず)によって、回転可能な円板
46を備え、円板46には、3つの光透過特性を異にす
るフィルタ47a、47b、47cと、開口部48と
が、等しい角度を隔てて、形成されている。
【0129】フィルタ47aは、第1のレーザ励起光源
21を用いて、生化学解析用ユニット1に形成された多
数の吸着性領域4に含まれている蛍光物質を励起して、
蛍光を読み取るときに使用されるフィルタ部材であり、
640nmの波長の光をカットし、640nmよりも波
長の長い光を透過する性質を有している。
【0130】フィルタ47bは、第2のレーザ励起光源
22を用いて、生化学解析用ユニット1に形成された多
数の吸着性領域4に含まれている蛍光物質を励起して、
蛍光を読み取るときに使用されるフィルタ部材であり、
532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波
長の長い光を透過する性質を有している。
【0131】フィルタ47cは、第3のレーザ励起光源
23を用いて、生化学解析用ユニット1に形成された多
数の吸着性領域4に含まれている蛍光物質を励起して、
蛍光を読み取るときに使用されるフィルタ部材であり、
473nmの波長の光をカットし、473nmよりも波
長の長い光を透過する性質を有している。
【0132】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタユニット45を回転させ、フィルタ部
材47a、47b、47cを選択的にフォトマルチプラ
イア50の前面に位置させることによって、フォトマル
チプライア50により、検出すべき光のみを光電的に検
出することができる。
【0133】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された化学発光データを読み取る場合には、
レーザ励起光源はオフ状態に保持され、開口部48が、
フォトマルチプライア50の前面に位置するように、円
板46が回転される。
【0134】フォトマルチプライア50によって、蛍光
あるいは化学発光が光電的に検出されて、生成されたア
ナログデータは、A/D変換器53によって、ディジタ
ルデータに変換され、データ処理装置54に送られる。
【0135】図6は、光ファイバ束36の走査機構の略
平面図である。
【0136】図6に示されるように、光ファイバ束36
の走査機構は、基板60を備え、基板60上には、副走
査パルスモータ61と一対のレール62、62とが固定
され、基板60上には、さらに、図6において、矢印Y
で示された副走査方向に、移動可能な基板63とが設け
られている。
【0137】移動可能な基板63には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ61によって回転されるねじが切られた
ロッド64が係合している。
【0138】移動可能な基板63上には、主走査ステッ
ピングモータ65が設けられ、主走査ステッピングモー
タ65は、エンドレスベルト66を、生化学解析用ユニ
ット1に形成された隣り合う吸着性領域4の間の距離に
等しいピッチで、間欠的に駆動可能に構成されている。
【0139】光ファイバ束36は、生化学解析用ユニッ
ト1に対向する受光端部36aの近傍で、エンドレスベ
ルト66に固定されたヘッド37に取り付けられてお
り、主走査ステッピングモータ65により、エンドレス
ベルト66が駆動されると、図6において、矢印Xで示
された主走査方向に移動されるように構成されている。
【0140】図6において、67は、光ファイバ束36
の受光端部36aの主走査方向における位置を検出する
リニアエンコーダであり、68は、リニアエンコーダ6
7のスリットである。
【0141】したがって、主走査ステッピングモータ6
5によって、エンドレスベルト66が、主走査方向に間
欠的に駆動され、1ラインの走査が完了すると、副走査
パルスモータ61によって、基板63が、副走査方向に
間欠的に移動されることによって、光ファイバ束36の
受光端部36aは、図6において、矢印Xで示される主
走査方向および矢印Yで示される副走査方向に移動さ
れ、レーザ光24によって、生化学解析用ユニット1に
形成されたすべてのドットの吸着性領域4が走査され
る。
【0142】図7は、本発明の好ましい実施態様にかか
るスキャナの制御系、入力系、駆動系および検出系を示
すブロックダイアグラムである。
【0143】図7に示されるように、スキャナの制御系
は、スキャナ全体を制御するコントロールユニット70
を備えており、また、スキャナの入力系は、ユーザーに
よって操作され、種々の指示信号を入力可能なキーボー
ド71を備えている。
【0144】図7に示されるように、スキャナの駆動系
は、光ファイバ束36の受光端部36aを主走査方向に
間欠的に移動させる主走査ステッピングモータ65と、
光ファイバ束36の受光端部36aを副走査方向に間欠
的に移動させる副走査パルスモータ61と、4つのフィ
ルタ部材47a、47b、47cを備えたフィルタユニ
ット45の円板46を回転させるフィルタユニットモー
タ72を備えている。
【0145】コントロールユニット70は、第1のレー
ザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3
のレーザ励起光源23に選択的に駆動信号を出力すると
ともに、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力
可能に構成されている。
【0146】さらに、図6に示されるように、スキャナ
の検出系は、フォトマルチプライア50と、光ファイバ
束36の受光端部36aの主走査方向における位置を検
出するリニアエンコーダ67を備えている。
【0147】本実施態様においては、コントロールユニ
ット70は、リニアエンコーダ67から入力される光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号にしたが
って、第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起光
源22または第3のレーザ励起光源23をオン・オフ制
御可能に構成されている。
【0148】以上のように構成された本実施態様にかか
るスキャナは、以下のようにして、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に記録さ
れた蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生
成する。
【0149】まず、多数の吸着性領域4に蛍光データが
記録された生化学解析用ユニット1が、サンプルステー
ジ40の反射板41上に載置される。
【0150】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、生体由来の物質を標識している蛍光物質を特定す
るとともに、蛍光データを読み取るべき旨の指示信号が
入力される。
【0151】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号を受けると、メモリ(図示せ
ず)に記憶されているテーブルにしたがって、使用すべ
きレーザ励起光源を決定するとともに、フィルタ47
a、47b、47cのいずれを蛍光の光路内に位置させ
るかを決定する。
【0152】たとえば、生体由来の物質を標識する蛍光
物質として、532nmの波長のレーザによって、最も
効率的に励起することのできるローダミン(登録商標)
が使用され、その旨が、キーボード71に入力されたと
きは、コントロールユニット70は、第2のレーザ励起
光源22を選択するとともに、フィルタ47bを選択
し、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力し
て、フィルタユニット45の円板46を回転させ、53
2nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の
長い光を透過する性質を有するフィルタ47bを、生化
学解析用ユニット1から放出されるべき蛍光の光路内に
位置させる。
【0153】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光フ
ァイバ束36の受光端部36aを主走査方向に移動さ
せ、リニアエンコーダから入力される光ファイバ束36
の受光端部36aの位置検出信号に基づいて、生化学解
析用ユニット1に形成された多数の多孔質領域4のう
ち、第1の多孔質領域4に、レーザ光24を照射可能な
位置に、光ファイバ束36の受光端部36aが達したこ
とが確認されると、主走査ステッピングモータ65に停
止信号を出力するとともに、第2のレーザ励起光源22
に駆動信号を出力して、第2のレーザ励起光源22を起
動させ、532nmの波長のレーザ光24を発せさせ
る。
【0154】第2のレーザ励起光源22から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ30によって、平行
な光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に入
射して、反射される。
【0155】第1のダイクロイックミラー27によって
反射されたレーザ光24は、第2のダイクロイックミラ
ー28を透過し、ミラー29に入射する。
【0156】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0157】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凸レンズ
35に入射する。
【0158】凸レンズ35に入射したレーザ光24は、
光ファイバ束36の一端部に集光される。
【0159】レーザ光24は、光ファイバ束36内によ
ってガイドされ、生化学解析用ユニット1の基板2に形
成された第1の吸着性領域4に入射する。
【0160】レーザ光24が、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された第1の吸着性領域4に入射する
と、第1の吸着性領域4に含まれている蛍光物質、たと
えば、ローダミンが励起されて、蛍光が放出される。
【0161】レーザ光24が照射されると、蛍光物質か
ら、あらゆる方向に向かって、蛍光が放出され、光ファ
イバ束36の受光端部36aとは反対の方向にも、蛍光
が放出されるが、本実施態様においては、生化学解析用
ユニット1は、銅によって形成され、サンプルステージ
40に設けられた反射板41上に載置されており、蛍光
が反射板41によって反射されるため、吸着性領域4の
それぞれに含まれた蛍光物質から、光ファイバ束36の
受光端部36aとは反対の方向に向けて、放出された蛍
光も、銅によって形成された反射板41によって、光フ
ァイバ束36の受光端部36aに向けて、反射されて、
光ファイバ束36の受光端部36aにより、受光され
る。
【0162】また、本実施態様においては、光ファイバ
束36は、その受光端部36aが、生化学解析用ユニッ
ト1に十分に近接するように、ヘッド37に取り付けら
れているから、レーザ光24は、光ファイバ束36によ
って、確実に、第1の吸着性領域4に導かれ、したがっ
て、隣り合う吸着性領域4に、レーザ光24が入射し
て、蛍光物質を励起し、蛍光が放出されることを、効果
的に防止することが可能になるとともに、第1の吸着性
領域4から放出された蛍光のみを、効果的に、光ファイ
バ束36の受光端部36aによって受光することが可能
になる。
【0163】さらに、本実施態様にかかる生化学解析用
ユニット1においては、吸着性領域4は、アルミニウム
製の基板2に形成された貫通孔3に、ナイロン6が充填
されて、形成され、アルミニウムは光を減衰させる性質
を有しているので、吸着性領域4に含まれた蛍光物質が
励起されて、放出された蛍光が、隣り合う吸着性領域4
に含まれた蛍光物質が励起されて、放出された蛍光と混
ざり合うことを確実に防止することができる。
【0164】第1の吸着性領域4に含まれている蛍光物
質から放出された蛍光は、光ファイバ束36の受光端部
36aに入射し、光ファイバ束36によって、凸レンズ
35に導かれる。
【0165】凸レンズ35に導かれた蛍光は、平行なビ
ームとされて、穴開きミラー34に入射する。
【0166】穴開きミラー34に入射した蛍光は、穴開
きミラー34によって反射されて、フィルタユニット4
5のフィルタ47bに入射する。
【0167】ここに、フィルタ47bは、532nmの
波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を
透過する性質を有しているので、励起光である532n
mの波長の光がカットされ、ローダミンから放出された
蛍光の波長域の光のみがフィルタ52bを透過して、フ
ォトマルチプライア50によって、光電的に検出され
る。
【0168】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器53に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置54に出力される。
【0169】第2のレーザ励起光源22がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第2のレーザ励起光源22に
駆動停止信号を出力して、第2のレーザ励起光源22の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光ファイバ束36の受光
端部36aを、生化学解析用ユニット1に形成された吸
着性領域4の間の距離に等しいピッチだけ、移動させ
る。
【0170】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが、生化学解析
用ユニット1に形成された隣り合う吸着性領域4の間の
距離に等しい1ピッチだけ移動されて、第2のレーザ励
起光源22から発せられるレーザ光24を、生化学解析
用ユニット1に形成された第2の吸着性領域4に照射可
能な位置に移動したことが確認されると、コントロール
ユニット70は、第2のレーザ励起光源22に駆動信号
を出力して、第2のレーザ励起光源22をオンさせて、
レーザ光24によって、生化学解析用ユニット1に形成
された第2の吸着性領域4に含まれている蛍光物質、た
とえば、ローダミンを励起する。
【0171】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、生化学解析用ユニット1に形成された第2の
吸着性領域4に照射され、第2の吸着性領域4から放出
された蛍光が、フォトマルチプライア50によって、光
電的に検出されて、アナログデータが生成されると、コ
ントロールユニット70は、第2のレーザ励起光源22
にオフ信号を出力して、第2のレーザ励起光源22をオ
フさせるとともに、主走査ステッピングモータ65に、
駆動信号を出力して、光ファイバ束36の受光端部36
aを、生化学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸
着性領域4の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させ
る。
【0172】こうして、光ファイバ束36の受光端部3
6aの間欠移動に同期して、第2のレーザ励起光源22
のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67から
入力された光ファイバ束36の受光端部36aの位置検
出信号に基づいて、光ファイバ束36の受光端部36a
が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、生化学解
析用ユニット1の第1ライン目のすべての吸着性領域4
を、レーザ光24によって、走査したことが確認される
と、コントロールユニット70は、主走査ステッピング
モータ65に駆動信号を出力して、光ファイバ束36の
受光端部36aを元の位置に復帰させるとともに、副走
査パルスモータ61に駆動信号を出力して、移動可能な
基板63を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させ
る。
【0173】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが元の位置に復
帰され、また、移動可能な基板63が、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、コン
トロールユニット70は、生化学解析用ユニット1に形
成された第1ライン目の吸着性領域4に、順次、第2の
レーザ励起光源22から発せられるレーザ光24を照射
したのと全く同様にして、生化学解析用ユニット1に形
成された第2ライン目の吸着性領域4に、順次、第2の
レーザ励起光源22から発せられるレーザ光24を照射
して、第2ライン目の吸着性領域域4に含まれているロ
ーダミンを励起し、吸着性領域4から放出された蛍光
を、順次、フォトマルチプライア50に光電的に検出さ
せる。
【0174】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置54に送られる。
【0175】こうして、生化学解析用ユニット1の全面
が、第2のレーザ励起光源22から放出されたレーザ光
24によって走査され、生化学解析用ユニット1に形成
されたすべての吸着性領域4に含まれているローダミン
が励起されて、放出された蛍光が、フォトマルチプライ
ア50によって光電的に検出され、生成されたアナログ
データが、A/D変換器53によって、ディジタルデー
タに変換されて、データ処理装置54に送られると、コ
ントロールユニット70から、駆動停止信号が、第2の
レーザ励起光源22に出力され、第2のレーザ励起光源
22の駆動が停止される。
【0176】これに対して、生化学解析用ユニット1の
基板2に形成された多数の吸着性領域4に記録されてい
る化学発光データを読み取って、生化学解析用データを
生成するときは、まず、生化学解析用ユニット1に形成
された多数のドット状の吸着性領域4内に含まれた標識
物質に化学発光基質が接触されて、化学発光を放出して
いる生化学解析用ユニット1が、サンプルステージ40
の反射板41上にセットされる。
【0177】次いで、化学発光データを読み取るべき旨
の指示信号が、キーボード71に入力される。
【0178】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号を受けると、フィルタユニット
モータ72に駆動信号を出力して、フィルタユニット4
5の円板45を回転させ、開口部48を、生化学解析用
ユニット1から放出されるべき化学発光の光路内に位置
させる。
【0179】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光フ
ァイバ束36の受光端部36aを主走査方向に移動さ
せ、リニアエンコーダから入力される光ファイバ束36
の受光端部36aの位置検出信号に基づき、生化学解析
用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4のうち、
第1の吸着性領域4から放出される化学発光を、光ファ
イバ束36の受光端部36aが受光可能な位置に、光フ
ァイバ束36の受光端部36aが達したことが確認され
ると、主走査ステッピングモータ65に停止信号を出力
するとともに、フォトマルチプライア50にオン信号を
出力して、化学発光の検出を開始させる。
【0180】化学発光も、蛍光物質から放出される蛍光
と同様に、あらゆる方向に向けて、放出され、光ファイ
バ束36の受光端部36aとは反対の方向にも、化学発
光が放出されるが、本実施態様においては、生化学解析
用ユニット1は、銅によって形成され、サンプルステー
ジ40に設けられた反射板41上に載置されており、化
学発光は反射板41によって反射されるため、吸着性領
域4のそれぞれから、光ファイバ束36の受光端部36
aとは反対の方向に向けて、放出された化学発光も、銅
によって形成された反射板41によって、光ファイバ束
36の受光端部36aに向けて、反射されて、光ファイ
バ束36の受光端部36aにより、受光される。
【0181】また、本実施態様にかかる生化学解析用ユ
ニット1においては、吸着性領域4は、アルミニウム製
の基板2に形成された貫通孔3に、ナイロン6が充填さ
れて、形成され、アルミニウムは光を減衰させる性質を
有しているので、吸着性領域4に含まれた蛍光物質が励
起されて、放出された蛍光が、隣り合う吸着性領域4に
含まれた蛍光物質が励起されて、放出された蛍光と混ざ
り合うことを確実に防止することができる。
【0182】さらに、本実施態様においては、光ファイ
バ束36は、その受光端部36aが、生化学解析用ユニ
ット1に十分に近接するように、ヘッド37に取り付け
られているから、第1の吸着性領域4から放出された化
学発光のみが、光ファイバ束36の受光端部36aによ
って受光され、隣り合う吸着性領域4から放出された化
学発光を、光ファイバ束36の受光端部36aが、同時
に受光することを、確実に防止することができる。
【0183】第1の吸着性領域4に含まれている蛍光物
質から放出された化学発光は、光ファイバ束36の受光
端部36aに入射し、光ファイバ束36によって、凸レ
ンズ35に導かれる。
【0184】凸レンズ35に導かれた化学発光は、平行
なビームとされて、穴開きミラー34に入射する。
【0185】穴開きミラー34に入射した化学発光は、
穴開きミラー34によって反射されて、フィルタユニッ
ト45に入射する。
【0186】化学発光データを読み取る場合には、開口
部48が化学発光の光路内に位置するように、フィルタ
ユニット45の円板46が回転されているから、穴開き
ミラー34によって反射された化学発光は、フィルタユ
ニット45の開口部48を通過して、フォトマルチプラ
イア50によって、光電的に検出される。
【0187】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器53に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置54に出力される。
【0188】フォトマルチプライア50がオンされた
後、所定時間が経過すると、コントロールユニット70
は、フォトマルチプライア50にオフ信号を出力して、
フォトマルチプライア50をオフさせるとともに、主走
査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、光
ファイバ束36の受光端部36aを、生化学解析用ユニ
ット1に形成された吸着性領域4の間の距離に等しいピ
ッチだけ、移動させる。
【0189】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが、生化学解析
用ユニット1に形成された隣り合う吸着性領域4の間の
距離に等しい1ピッチだけ移動されて、生化学解析用ユ
ニット1に形成された第2の吸着性領域4から放出され
る化学発光を受光可能な位置に移動したことが確認され
ると、コントロールユニット70は、フォトマルチプラ
イア50にオン信号を出力して、フォトマルチプライア
50をオンさせて、生化学解析用ユニット1に形成され
た第2の吸着性領域4から放出され、光ファイバ束36
によって導かれた化学発光を、フォトマルチプライア5
0に光電的に検出させる。
【0190】同様にして、所定の時間にわたり、生化学
解析用ユニット1に形成された第2の吸着性領域4から
放出された化学発光が、フォトマルチプライア50によ
って、光電的に検出され、アナログデータが生成される
と、コントロールユニット70は、フォトマルチプライ
ア50にオフ信号を出力して、フォトマルチプライア5
0をオフさせるとともに、主走査ステッピングモータ6
5に、駆動信号を出力して、光ファイバ束36の受光端
部36aを、生化学解析用ユニット1に形成された隣り
合う吸着性領域4の間の距離に等しい1ピッチだけ、移
動させる。
【0191】こうして、光ファイバ束36の受光端部3
6aの間欠移動に同期して、フォトマルチプライア50
のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67から
入力された光ファイバ束36の受光端部36aの位置検
出信号に基づいて、光ファイバ束36の受光端部36a
が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、生化学解
析用ユニット1の第1ライン目のすべての吸着性領域4
から放出された化学発光が、光ファイバ束36の受光端
部36aによって、受光され、フォトマルチプライア5
0によって光電的に検出されたことが確認されると、コ
ントロールユニット70は、主走査ステッピングモータ
65に駆動信号を出力して、光ファイバ束36の受光端
部36aを元の位置に復帰させるとともに、副走査パル
スモータ61に駆動信号を出力して、移動可能な基板6
3を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0192】リニアエンコーダ67から入力された光フ
ァイバ束36の受光端部36aの位置検出信号に基づい
て、光ファイバ束36の受光端部36aが元の位置に復
帰され、また、移動可能な基板63が、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、コン
トロールユニット70は、生化学解析用ユニット1に形
成された第1ライン目の吸着性領域4から放出された化
学発光を、順次、光ファイバ束36の受光端部36aに
よって受光し、フォトマルチプライア50によって光電
的に検出したのと全く同様にして、生化学解析用ユニッ
ト1に形成された第2ライン目の吸着性領域4から放出
された化学発光を、順次、光ファイバ束36の受光端部
36aによって受光し、フォトマルチプライア50に光
電的に検出させる。
【0193】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置54に送られる。
【0194】こうして、生化学解析用ユニット1に形成
されたすべての吸着性領域4から放出された化学発光
が、光ファイバ束36の受光端部36aによって、受光
され、フォトマルチプライア50によって光電的に検出
されて、生成されたアナログデータが、A/D変換器5
3によって、ディジタルデータに変換されて、データ処
理装置54に送られると、コントロールユニット70か
ら、オフ信号が、フォトマルチプライア50に出力さ
れ、フォトマルチプライア50がオフされる。
【0195】本実施態様によれば、生化学解析用ユニッ
ト1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれている蛍光
物質から、光ファイバ束36の受光端部36aと反対方
向に向けて、放出された蛍光も、サンプルステージ40
に設けられた反射板41によって、光ファイバ束36の
受光端部36aに向けて、反射されて、光ファイバ束3
6の受光端部36aにより受光され、フォトマルチプラ
イア50に導かれて、光電的に検出されるから、微弱な
光である蛍光を、高感度で、検出して、定量性に優れた
生化学解析用データを生成することが可能になる。
【0196】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4に記録さ
れた蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生
成するときは、その受光端部36aが生化学解析用ユニ
ット1に十分に近接した位置に位置している光ファイバ
束36によって、生化学解析用ユニット1に形成された
各吸着性領域4に、レーザ光24が導かれるから、励起
すべき吸着性領域4のみに、レーザ光24を照射するこ
とができ、したがって、励起すべき吸着性領域4に隣り
合った吸着性領域4に、レーザ光24が入射して、蛍光
物質を励起し、蛍光を放出させることを確実に防止する
ことができるから、生化学解析の定量性を大幅に向上さ
せることが可能になる。
【0197】また、本実施態様によれば、生化学解析用
ユニット1に形成された各吸着性領域4から放出された
蛍光あるいは化学発光は、生化学解析用ユニット1に十
分に近接した位置に位置している光ファイバ束36の受
光端部36aによって、受光され、フォトマルチプライ
ア50に導かれるから、蛍光あるいは化学発光を受光す
べき吸着性領域4に隣り合う吸着性領域4から放出され
た蛍光あるいは化学発光が、光ファイバ束36の受光端
部36aに入射し、フォトマルチプライア50によって
光電的に検出されることを効果的に防止することがで
き、したがって、生化学解析の定量性を大幅に向上させ
ることが可能になる。
【0198】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の基板2は、光を減衰させる性質を有する
アルミニウムによって形成されているから、各吸着性領
域4から放出された蛍光あるいは化学発光が、隣り合う
吸着性領域4から放出された蛍光あるいは化学発光と混
ざり合うことを効果的に防止することができ、したがっ
て、生化学解析の定量性を大幅に向上させることが可能
になる。
【0199】図8は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用データの生成方法に用いられる生化
学解析用ユニットの略斜視図である。
【0200】図8に示されるように、本実施態様にかか
る生化学解析用ユニット80は、多数の略円形の貫通孔
82が規則的に形成されたアルミニウム製の基板81を
備え、基板81に形成された多数の貫通孔82には、ナ
イロン6によって形成された吸着性膜83が、カレンダ
ー処理装置(図示せず)によって、圧入されて、多数の
吸着性領域84が、ドット状に、規則的に形成されてい
る。
【0201】図8には、正確に示されていないが、本実
施態様においては、約10000の約0.01平方ミリ
メートルのサイズを有する略円形の吸着性領域84が、
約5000個/平方センチメートルの密度で、規則的
に、生化学解析用ユニット80に形成されている。
【0202】本実施態様においては、吸着性領域84の
表面と、基板81の表面とが同一の高さに位置するよう
に、吸着性膜83が、基板81に形成された貫通孔82
に圧入されて、生化学解析用ユニット80が形成されて
いる。
【0203】本実施態様においても、図1に示された前
記実施態様にかかる生化学解析用ユニット1と同様にし
て、スポッティング装置5によって、生化学解析用ユニ
ット80に形成された多数の吸着性領域84に、cDN
Aなどの特異的結合物質が滴下されて、吸着される。
【0204】さらに、図3に示されるように、化学発光
基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標
識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を
含むハイブリダイズ液9を収容したハイブリダイズ容器
8内に、生化学解析用ユニット80がセットされ、多数
の吸着性領域84に吸着されたcDNAなどの特異的結
合物質に、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識さ
れ、ハイブリダイズ液9に含まれた生体由来の物質を、
選択的に、ハイブリダイズさせる。
【0205】こうして、生化学解析用ユニット80に、
化学発光データおよび蛍光データが記録される。
【0206】生化学解析用ユニット80に記録された化
学発光データおよび蛍光データは、スキャナによって、
読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0207】図9は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかるスキャナのフォトマルチプライア50およびデー
タ処理装置54の周辺のブロックダイアグラムである。
【0208】図9に示されるように、本実施態様にかか
るスキャナは、フォトマルチプライア50によって生成
されたアナログ信号を積分する積分アンプ75を備え、
積分アンプ75によって生成されたアナログ信号の積分
値が、A/D変換器53によって、ディジタル化され
て、データ処理装置54により、メモリ55に格納され
るように構成されている。
【0209】本実施態様においては、スキャナは、フォ
トマルチプライア50によって、光電的に検出され、生
成されたアナログデータが積分アンプ75によって積分
されて、メモリ55に記憶されるように構成されてい
る。
【0210】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1に形成された多数の吸着性領域84に記録された
ローダミンの蛍光データを読み取って、生化学解析用デ
ータを生成するときは、前記実施態様と同様にして、第
2のレーザ励起光源22から発せられたレーザ光24
を、光ファイバ束36によって、各吸着性領域84に導
いて、各吸着性領域84に含まれているローダミンを励
起して、放出された蛍光を、光ファイバ束36によっ
て、フォトマルチプライア50に導いて、光電的に検出
させる。
【0211】第2のレーザ励起光源22が起動されてか
ら、所定の時間が経過すると、コントロールユニット7
0は、第2のレーザ励起光源22に駆動停止信号を出力
して、第2のレーザ励起光源22の駆動を停止させると
ともに、積分アンプ75によって積分されたアナログデ
ータを、A/D変換器53に出力させ、A/D変換器5
3によって、アナログ信号の積分値をディジタル化し
て、データ処理装置54に出力させて、メモリ55に記
憶させる。
【0212】これに対して、生化学解析用ユニット1に
形成された多数の吸着性領域84に記録された化学発光
データを読み取って、生化学解析用データを生成すると
きは、前記実施態様と同様にして、生化学解析用ユニッ
ト1に形成された各吸着性領域84から放出された化学
発光を、光ファイバ束36によって、フォトマルチプラ
イア50に導いて、光電的に検出させる。
【0213】フォトマルチプライア50がオンされてか
ら、所定の時間が経過すると、コントロールユニット7
0は、フォトマルチプライア50にオフ信号を出力し
て、フォトマルチプライア50をオフさせるとともに、
積分アンプ75によって積分されたアナログデータを、
A/D変換器53に出力させ、A/D変換器53によっ
て、アナログ信号の積分値をディジタル化して、データ
処理装置54に出力させて、メモリ55に記憶させる。
【0214】本実施態様によれば、フォトマルチプライ
ア50により、光電的に検出されて生成されたアナログ
データが、積分アンプ75によって積分され、アナログ
データの積分値を、A/D変換器53によって、ディジ
タル化して、各吸着性領域4に記録された蛍光データお
よび化学発光データに対応する生化学解析用データを生
成しているから、生化学解析用ユニット80の吸着性領
域84から放出される蛍光あるいは化学発光の強度が小
さい場合においても、感度よく、十分に大きい信号強度
を有する生化学解析用データを生成することが可能にな
る。
【0215】図10は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかるスキャナのフォトマルチプライア50およびデ
ータ処理装置54の周辺のブロックダイアグラムであ
る。
【0216】図25に示されるように、本実施態様にか
かるスキャナは、A/D変換器53によって、ディジタ
ル化されたディジタルデータを加算する加算手段76
と、加算手段76によって加算されたディジタルデータ
を記憶するメモリ55を備えている。
【0217】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1に形成された多数の吸着性領域84に記録された
ローダミンの蛍光データを読み取って、生化学解析用デ
ータを生成するときは、コントロールユニット70は、
第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力するのと同
時に、加算手段76に加算処理実行信号を出力し、前記
実施態様と同様にして、第2のレーザ励起光源22から
発せられたレーザ光24を、光ファイバ束36によっ
て、各吸着性領域84に導き、各吸着性領域84に含ま
れているローダミンを励起して、放出された蛍光を、光
ファイバ束36によって、フォトマルチプライア50に
導いて、光電的に検出させ、フォトマルチプライア50
によって生成されたアナログデータを、A/D変換器5
3によって、ディジタル化し、生成しディジタルデータ
を、加算手段76によって、加算して、メモリ55に格
納するように構成されている。
【0218】これに対して、生化学解析用ユニット1に
形成された多数の吸着性領域84に記録された化学発光
データを読み取って、生化学解析用データを生成すると
きは、コントロールユニット70は、フォトマルチプラ
イア50にオン信号を出力するのと同時に、加算手段7
6に加算処理実行信号を出力し、前記実施態様と同様に
して、各吸着性領域84から放出された化学発光を、光
ファイバ束36によって、フォトマルチプライア50に
導いて、光電的に検出させ、フォトマルチプライア50
によって生成されたアナログデータを、A/D変換器5
3によって、ディジタル化し、生成しディジタルデータ
を、加算手段76によって、加算して、メモリ55に格
納するように構成されている。
【0219】本実施態様によれば、フォトマルチプライ
ア50により、光電的に検出され、A/D変換器53に
より、ディジタル化して生成されたディジタルデータを
加算して、各吸着性領域4に記録された蛍光データおよ
び化学発光データに対応する生化学解析用データを生成
しているから、生化学解析用ユニット80の吸着性領域
84から放出される蛍光あるいは化学発光の強度が小さ
い場合においても、感度よく、十分に大きい信号強度を
有する生化学解析用データを生成することが可能にな
る。
【0220】図11は、本発明のさらに他の好ましい実
施態様にかかるスキャナのの略斜視図である。
【0221】本実施態様にかかるスキャナは、生化学解
析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された化学
発光データを読み取って、生化学解析用データを生成す
るように構成されている。
【0222】図11に示されるように、本実施態様にか
かるスキャナは、レーザ励起光源およびフィルタユニッ
ト45を備えてはおらず、光ファイバ36の受光端部3
6aの反対側の端部は、フォトマルチプライア50の光
電検出面に接続されている。
【0223】本実施態様においても、前記実施態様と同
様にして、光ファイバ束36の受光端部36aが、主走
査方向および副走査方向に移動されて、生化学解析用ユ
ニット1に形成された多数の吸着性領域4のそれぞれか
ら放出された化学発光が、光ファイバ束36によって、
フォトマルチプライア50に導かれて、光電的に検出さ
れ、生化学解析用データが生成される。
【0224】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0225】たとえば、前記実施態様においては、反射
板41は、銅によって形成されているが、反射板41を
銅によって形成することは必ずしも必要でなく、光を効
率的に反射することのできる材料であれば、任意の材料
によって、反射板41を形成することができ、好ましく
は、反射板41は、金、銀、銅などの金属によって、さ
らに好ましくは、密度の大きい重金属によって形成され
る。
【0226】さらに、前記実施態様においては、複数の
cDNAが用いられているが、本発明において使用可能
な特異的結合物質はcDNAに限定されるものではな
く、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、ア
ブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DN
A、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能
で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特
異的結合物質はすべて、本発明の特異的結合物質として
使用することができる。
【0227】また、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1は、アルミニウム製の基板
2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が
充填されて、形成された多数の吸着性領域4を備え、図
8に示された実施態様においては、生化学解析用ユニッ
ト80は、ナイロン6によって形成された吸着性膜83
が、アルミニウム製の基板81に形成された多数の貫通
孔82内に圧入されて、形成された多数の吸着性領域8
4を備えているが、生化学解析用ユニット1の吸着性領
域4および生化学解析用ユニット80の吸着性領域84
が、ナイロン6によって形成されていることは必ずしも
必要でなく、ナイロン6に代えて、メンブレンフィルタ
を形成可能な他の多孔質有機材料、たとえば、ナイロン
6,6、ナイロン4,10などのナイロン類;ニトロセ
ルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどの
セルロース誘導体;コラーゲン;アルギン酸、アルギン
酸カルシウム、アルギン酸/ポリリシンポリイオンコン
プレックスなどのアルギン酸類;ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル;ポ
リ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラ
フルオライドなどのポリフルオライドや、これらの共重
合体または複合体や、活性炭などの多孔質炭素材料によ
って、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4および生
化学解析用ユニット80の吸着性領域84を形成するこ
ともでき、さらには、白金、金、鉄、銀、ニッケル、ア
ルミニウムなどの金属;アルミナ、シリカ、チタニア、
ゼオライトなどの金属酸化物;ヒドロキシアパタイト、
硫酸カルシウムなどの金属塩やこれらの複合体などの無
機多孔質材料あるいは複数の繊維の束によって、生化学
解析用ユニット1の吸着性領域4および生化学解析用ユ
ニット80の吸着性領域84を形成するようにしてもよ
い。
【0228】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1、80は、いずれも、アルミニウム製
の基板2、81を備えているが、生化学解析用ユニット
1、80の基板2、81を、アルミニウムによって形成
することは必ずしも必要でなく、他の材料によって、基
板2、81を形成することもできる。生化学解析用ユニ
ット1、80の基板2、81は、光を減衰させる性質を
有する材料によって形成されていることが好ましく、そ
の材料は格別限定されるものではないが、無機化合物材
料、有機化合物材料のいずれによって、生化学解析用ユ
ニット1、80の基板2、81を形成することができ、
金属材料、セラミック材料またはプラスチック材料が、
とくに好ましく使用される。生化学解析用ユニット1、
80の基板2、81を形成するために好ましく使用する
ことができ、光を減衰させる性質を有する無機化合物材
料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウ
ム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバル
ト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステンレス、青
銅などの合金;シリコン、アモルファスシリコン、ガラ
ス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸
化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム
などの金属酸化物;タングステンカーバイト、炭酸カル
シウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化
ガリウムなどの無機塩を挙げることができる。これら
は、単結晶、アモルファス、セラミックのような多結晶
焼結体にいずれの構造を有していてもよい。また、生化
学解析用ユニット1、80の基板2、81を形成するた
めに好ましく使用することができ、光を減衰させる性質
を有する有機化合物材料としては、高分子化合物が好ま
しく用いられ、好ましい高分子化合物としては、たとえ
ば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアクリレート/
メチルメタクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポ
リアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリ
デン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチ
レン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネ
ート;ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフ
タレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン
6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポリイミ
ド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリ
ジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックな
どのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポ
リスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;セルロー
ス、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん粉、アル
ギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチ
ン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれ
ら高分子化合物の共重合体などを挙げることができる。
これらは、複合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化
物粒子やガラス繊維などを充填することもでき、また、
有機化合物材料をブレンドして、使用することもでき
る。
【0229】また、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1は、基板2に形成された多
数の貫通孔3に、ナイロン6が充填されて、多数のドッ
ト状の吸着性領域4が形成され、図8に示された実施態
様においては、基板81に形成された多数の貫通孔82
に、ナイロン6によって形成された吸着性膜83が圧入
されて、多数の吸着性領域84が、ドット状に、規則的
に形成されているが、吸着性を有する基板の一方の表面
に、多数の貫通孔が形成された多孔板を密着させて、互
いに離間した吸着性領域を形成することもできる。
【0230】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1、80の基板2、81には、約100
00の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略
円形の吸着性領域4、84が、約5000個/平方セン
チメートルの密度で、規則的なパターンにしたがって、
形成されているが、吸着性領域4、84を略円形に形成
することは必ずしも必要でなく、吸着性領域4、84
は、任意の形状、たとえば、矩形状に形成することもで
きる。
【0231】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1、80の基板2、81には、約1000
0の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円
形の吸着性領域4、84が、約5000個/平方センチ
メートルの密度で、規則的なパターンにしたがって、形
成されているが、吸着性領域4、84の数およびサイズ
は、目的に応じて、任意に選択をすることができ、好ま
しくは、10以上の5平方ミリメートル未満のサイズを
有する吸着性領域4、84が、10個/平方センチメー
トル以上の密度で、生化学解析用ユニット1、80の基
板2、81に形成される。
【0232】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1、80の基板2、81には、約100
00の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略
円形の吸着性領域4、84が、約5000個/平方セン
チメートルの密度で、規則的なパターンにしたがって、
形成されているが、吸着性領域4、84を、規則的なパ
ターンで、形成することは必ずしも必要でない。
【0233】また、前記実施態様においては、化学発光
基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標
識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を
含むハイブリダイズ液9が調製され、吸着性領域4に滴
下された特異的結合物質にハイブリダイズさせている
が、生体由来の物質が、化学発光基質と接触させること
によって化学発光を生じさせる標識物質によって標識さ
れた生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質によ
って標識されていることは必ずしも必要がなく、蛍光物
質および化学発光基質と接触させることによって化学発
光を生じさせる標識物質のうちの一方によって標識され
ていればよい。
【0234】さらに、前記実施態様においては、化学発
光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる
標識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光
色素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質
が、特異的結合物質にハイブリダイズされているが、生
体由来の物質を、特異的結合物質にハイブリダイズさせ
ていることは必ずしも必要でなく、生体由来の物質を、
ハイブリダイゼーションに代えて、抗原抗体反応、リセ
プター・リガンドなどの反応によって、特異的結合物質
に特異的に結合させることもできる。
【0235】また、前記実施態様においては、複数の光
ファイバよりなる光ファイバ束36を用いて、レーザ光
24を、生化学解析用ユニット1に導き、生化学解析用
ユニット1から放出された蛍光を受光して、フォトマル
チプライア50に導くように構成されているが、複数の
光ファイバよりなる光ファイバ束36に代えて、1本の
光ファイバによって、レーザ光24を生化学解析用ユニ
ット1に導き、生化学解析用ユニット1から放出された
蛍光を受光して、フォトマルチプライア50に導くよう
に構成することもできる。
【0236】さらに、図4ないし図7に示された実施態
様、図9に示された実施態様および図10に示された実
施態様においては、コントロールユニット70によっ
て、光ファイバ束36の受光端部36aの間欠的移動と
同期して、第2のレーザ励起光源22がオン・オフ制御
されているが、主走査方向において、隣り合うドット状
の吸着性領域4、84の間を、レーザ光24が速やかに
移動するように、光ファイバ束36の受光端部36aの
主走査方向の移動速度を決定すれば、第2のレーザ励起
光源22をオン状態に保持し、光ファイバ束36の受光
端部36aを、単に間欠的に移動させて、多数のドット
状の吸着性領域4、84を、レーザ光24によって、順
次、走査し、ドット状の吸着性領域4、84から放出さ
れた蛍光を光電的に検出して、生化学解析用データを生
成することもできる。
【0237】また、図6ないし図9に示されたスキャナ
は、第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起光源
22および第3のレーザ励起光源23を備えているが、
3つのレーザ励起光源を備えていることは必ずしも必要
ない。
【0238】さらに、図4ないし図7に示されたスキャ
ナは、スキャナは、640nmの波長のレーザ光24を
発する第1のレーザ励起光源21と、532nmの波長
のレーザ光24を発する第2のレーザ励起光源22と、
473nmの波長のレーザ光24を発する第3のレーザ
励起光源23とを備えているが、励起光源として、レー
ザ励起光源を用いることは必ずしも必要でなく、レーザ
励起光源に代えて、LED光源を、励起光源として用い
ることもでき、さらには、ハロゲンランプを励起光源と
して用い、分光フィルタによって、蛍光物質の励起に寄
与しない波長成分をカットするようにしてもよい。
【0239】また、前記実施態様においては、走査機構
によって、図6において、矢印Xで示される主走査方向
および矢印Yで示される副走査方向に、光ファイバ束3
6の受光端部36aを移動させることによって、レーザ
光24により、生化学解析用ユニット1のすべてのドッ
ト状の吸着性領域4を走査して、蛍光物質を励起してい
るが、光ファイバ束36の受光端部36aを静止状態に
維持し、ステージ40を、図6において、矢印Xで示さ
れる主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に移
動させることにより、レーザ光24によって、生化学解
析用ユニット1のすべてのドット状の吸着性領域4を走
査して、蛍光物質を励起するようにしてもよく、また、
光ファイバ束36の受光端部36aを、図6において、
矢印Xで示される主走査方向あるいは矢印Yで示される
副走査方向に移動させるとともに、ステージ40を、矢
印Yで示される副走査方向あるいは矢印Xで示される主
走査方向に移動させることもできる。ステージ40が、
矢印Xで示される主走査に移動されるように構成すると
きは、ステージ40の移動機構に、リニアエンコーダを
設けることによって、光ファイバ束36の受光端部36
aに対するステージ40の相対的な位置を検出し、ある
いは、ステージ40を移動させるモータの回転位置を、
ロータリーエンコーダによって検出して、光ファイバ束
36の受光端部36aに対するステージ40の相対的な
位置を検出することができる。
【0240】さらに、前記実施態様においては、リニア
エンコーダ67を用いて、光ファイバ束36の受光端部
36aの主走査方向における位置を検出しているが、主
走査ステッピングモータ65の回転位置を検出すること
によって、光ファイバ束36の受光端部36aの主走査
方向における位置を検出することもできる。
【0241】また、図4ないし図7に示されたスキャナ
においては、光検出器として、フォトマルチプライア5
0を用いて、蛍光を光電的に検出しているが、本発明に
おいて用いられる光検出器としては、蛍光を光電的に検
出可能であればよく、フォトマルチプライア50に限ら
ず、フォトダイオード、ラインCCDや二次元CCDな
どの他の光検出器を用いることもできる。
【0242】また、前記実施態様においては、インジェ
クタ6とCCDカメラ7を備えたスポッティング装置5
を用い、CCDカメラ7によって、インジェクタ6の先
端部と、cDNAなどの特異的結合物質を滴下すべき吸
着性領域4を観察しながら、インジェクタ6の先端部
と、cDNAなどの特異的結合物質を滴下すべき吸着性
領域4の中心とが合致したときに、インジェクタ6か
ら、cDNAなどの特異的結合物質を放出させて、滴下
しているが、インジェクタ6の先端部と、生化学解析用
ユニット1に形成された多数の吸着性領域4との相対的
な位置関係を、あらかじめ検出しておき、インジェクタ
6と、生化学解析用ユニット1とを、相対的に、一定の
ピッチで、二次元的に移動させて、cDNAなどの特異
的結合物質を滴下するようにすることもできる。
【0243】
【発明の効果】本発明によれば、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質を、担体に、スポット状に滴
下して、高密度に、スポット状領域を形成し、スポット
状領域に含まれた特異的結合物質に、蛍光物質および/
または化学発光基質と接触させることによって化学発光
を生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物
質を特異的に結合させて、選択的に標識して得た生化学
解析用ユニットに、励起光を照射して、蛍光物質から放
出される蛍光を光電的に検出し、生化学解析用データを
する場合にも、あるいは、化学発光を光電的に検出し、
生化学解析用データを生成する場合にも、高感度で、蛍
光あるいは化学発光を検出して、定量性に優れた生化学
解析用データを生成することができる生化学解析用デー
タの生成方法および装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用データの生成方法に使用される生化学解析用
ユニットの略斜視図である。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、ハイブリダイゼーション容器の略縦断
面図である。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施態様にかかるス
キャナの略斜視図である。
【図5】図5は、フィルタユニットの略正面図である。
【図6】図6は、光ファイバ束の走査機構の略平面図で
ある。
【図7】図7は、本発明の好ましい実施態様にかかるス
キャナの制御系、入力系、駆動系および検出系を示すブ
ロックダイアグラムである。
【図8】図8は、本発明の別の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用データの生成方法に用いられる生化学解
析用ユニットの略斜視図である。
【図9】図9は、本発明の別の好ましい実施態様にかか
るスキャナのフォトマルチプライアおよびデータ処理装
置の周辺のブロックダイアグラムである。
【図10】図10は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかるスキャナのフォトマルチプライア50およびデー
タ処理装置54の周辺のブロックダイアグラムである。
【図11】図11は、本発明のさらに他の好ましい実施
態様にかかるスキャナのの略斜視図である。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 基板 3 貫通孔 4 吸着性領域 5 スポッティング装置 6 インジェクタ 7 CCDカメラ 8 ハイブリダイズ容器 9 ハイブリダイゼーション溶液 10 蓄積性蛍光体シート 11 支持体 12 輝尽性蛍光体層領域 13 貫通孔 21 第1のレーザ励起光源 22 第2のレーザ励起光源 23 第3のレーザ励起光源 24 レーザ光 25 コリメータレンズ 26 ミラー 27 第1のダイクロイックミラー 28 第2のダイクロイックミラー 29 ミラー 30 コリメータレンズ 31 コリメータレンズ 32 ミラー 33 穴開きミラーの穴 34 穴開きミラー 35 凸レンズ 36 光ファイバ束 36a 光ファイバ束の受光端部 40 サンプルステージ 41 反射板 45 フィルタユニット 46 円板 47a、47b、47c、47d フィルタ 48 開口部 50 フォトマルチプライア 53 A/D変換器 54 データ処理装置 60 基板 61 副走査パルスモータ 62 一対のレール 63 移動可能な基板 64 ロッド 65 主走査ステッピングモータ 66 エンドレスベルト 67 リニアエンコーダ 68 リニアエンコーダのスリット 70 コントロールユニット 71 キーボード 72 フィルタユニットモータ 80 生化学解析用ユニット 81 基板 82 貫通孔 83 吸着性膜 84 吸着性領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/483 G01N 33/58 A 33/58 Z 37/00 102 37/00 102 C12Q 1/68 A // C12Q 1/68 G01N 27/26 325A 301C Fターム(参考) 2G043 AA03 BA16 DA02 DA05 DA06 EA01 FA01 FA06 GA03 GB01 GB16 GB19 HA01 HA02 HA05 HA15 JA02 KA02 KA05 KA09 LA02 LA03 MA16 NA05 NA06 2G045 DA12 DA13 DA14 FA07 FA11 FA34 FB02 FB03 FB05 FB07 FB12 FB15 GC15 HA10 HA16 JA01 JA07 2G054 AA06 AB05 CA21 CA22 CA23 CA28 CE02 EA01 EA03 EB02 EB12 EB14 FA12 FA16 FA17 FA19 FA20 FA40 FA45 FB02 FB03 GA04 GA05 GB02 GE06 GE07 GE08 GE09 JA00 JA01 JA05 4B029 AA07 AA23 BB01 CC01 FA03 FA09 4B063 QA18 QA19 QQ05 QQ08 QQ09 QQ36 QQ42 QQ96 QR32 QR48 QR55 QS33 QS34 QS36 QX02

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプルステージに設けられ、光を反射
    する性質を有する反射板上に載置された生化学解析用ユ
    ニットに、互いに離間して、二次元的に、ドット状に形
    成された複数のドット状領域から、前記反射板とは反対
    側に放出される光を、光検出器によって光電的に検出し
    て、生化学解析用データを生成することを特徴とする生
    化学解析用データの生成方法。
  2. 【請求項2】 導光部材を、前記サンプルステージに対
    して、主走査方向および前記主走査方向と直交する副走
    査方向に、間欠的に、相対的に移動させて、前記生化学
    解析用ユニットに、互いに離間して、二次元的に形成さ
    れた前記複数のドット状領域から放出される光を、前記
    導光部材によって、光検出器に導き、光電的に検出し、
    生化学解析用データを生成することを特徴とする請求項
    1に記載の生化学解析用データの生成方法。
  3. 【請求項3】 前記生化学解析用ユニットが、複数の貫
    通孔が、互いに離間して、二次元的に形成された基板を
    備え、前記複数のドット状領域が、前記基板に形成され
    た前記複数の貫通孔内に、吸着性材料が充填されて形成
    された複数の吸着性領域によって構成されており、前記
    複数の吸着性領域が、蛍光物質によって、選択的に標識
    され、前記複数の吸着性領域に、励起光源から発せられ
    た励起光を照射して、前記蛍光物質から放出される蛍光
    を光電的に検出して、生化学解析用データを生成するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の生化学解析用
    データの生成方法。
  4. 【請求項4】 前記生化学解析用ユニットの前記複数の
    吸着性領域に、生体由来の物質と特異的に結合可能で、
    かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的
    結合物質が滴下され、前記複数の吸着性領域に含まれた
    特異的結合物質に、蛍光物質によって標識された生体由
    来の物質が特異的に結合されて、前記複数の吸着性領域
    が、前記蛍光物質によって選択的に標識されていること
    を特徴とする請求項3に記載の生化学解析用データの生
    成方法。
  5. 【請求項5】 前記生化学解析用ユニットが、複数の貫
    通孔が、互いに離間して、二次元的に形成された基板を
    備え、前記複数のドット状領域が、前記基板に形成され
    た前記複数の貫通孔内に、吸着性材料が充填されて形成
    された複数の吸着性領域によって構成されており、前記
    複数の吸着性領域が、化学発光基質と接触させることに
    よって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的
    に標識され、前記標識物質から放出される化学発光を光
    電的に検出して、生化学解析用データを生成することを
    特徴とする請求項1または2に記載の生化学解析用デー
    タの生成方法。
  6. 【請求項6】 前記生化学解析用ユニットの前記複数の
    吸着性領域に、生体由来の物質と特異的に結合可能で、
    かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的
    結合物質が滴下され、前記複数の吸着性領域に含まれた
    特異的結合物質に、化学発光基質と接触させることによ
    って化学発光を生じさせる標識物質標識された生体由来
    の物質が特異的に結合されて、前記複数の吸着性領域
    が、前記標識物質によって選択的に標識されていること
    を特徴とする請求項5に記載の生化学解析用データの生
    成方法。
  7. 【請求項7】 前記生体由来の物質が、ハイブリダイゼ
    ーション、抗原抗体反応、リセプター・リガンドよりな
    る群から選ばれた反応によって、前記特異的結合物質と
    結合されていることを特徴とする請求項4または6に記
    載の生化学解析用データの生成方法。
  8. 【請求項8】 前記生化学解析用ユニットの前記複数の
    吸着性領域が、前記基板に、吸着性材料を含む吸着性膜
    が圧入されて、形成されたことを特徴とする請求項3な
    いし7のいずれか1項に記載の生化学解析用データの生
    成方法。
  9. 【請求項9】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、光を減衰させる性質を有していることを特徴とする
    請求項3ないし8のいずれか1項に記載の生化学解析用
    データの生成方法。
  10. 【請求項10】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だ
    け、光が前記基板中を透過したときに、光のエネルギー
    を1/5以下に減衰させる性質を有していることを特徴
    とする請求項9に記載の生化学解析用データの生成方
    法。
  11. 【請求項11】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    に、10以上の前記吸着性領域が形成されていることを
    特徴とする請求項3ないし10のいずれか1項に記載の
    生化学解析用データの生成方法。
  12. 【請求項12】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    に形成された前記複数の吸着性領域が、5平方ミリメー
    トル未満のサイズを有していることを特徴とする請求項
    3ないし11のいずれか1項に記載の生化学解析用デー
    タの生成方法。
  13. 【請求項13】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    に、前記吸着性領域が、10個/平方センチメートル以
    上の密度で、形成されたことを特徴とする請求項3ない
    し12のいずれか1項に記載の生化学解析用データの生
    成方法。
  14. 【請求項14】 前記生化学解析用ユニットの前記吸着
    性領域が、多孔質炭素材料またはメンブレンフィルタを
    形成可能な多孔質材料によって形成されたことを特徴と
    する請求項3ないし13のいずれか1項に記載の生化学
    解析用データの生成方法。
  15. 【請求項15】 前記生化学解析用ユニットの前記吸着
    性領域が、複数の繊維の束によって形成されたことを特
    徴とする請求項3ないし14のいずれか1項に記載の生
    化学解析用データの生成方法。
  16. 【請求項16】 前記反射板が、金属によって形成され
    たことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項
    に記載の生化学解析用データの生成方法。
  17. 【請求項17】 光を反射する性質を有する反射板を備
    え、互いに離間して、二次元的に、ドット状に形成され
    た複数のドット状領域を備えた生化学解析用ユニットが
    前記反射板上に載置されるように構成されたサンプルス
    テージと、前記生化学解析用ユニットの前記複数のドッ
    ト状領域から放出される光を、光電的に検出し、生化学
    解析用データを生成する光検出器を備えたことを特徴と
    する生化学解析用データの生成装置。
  18. 【請求項18】 さらに、前記生化学解析用ユニットの
    前記複数のドット状領域から放出される光を前記光検出
    器に導く導光部材と、前記導光部材と前記サンプルステ
    ージとを、主走査方向および前記主走査方向と直交する
    副走査方向に、間欠的に、相対的に移動させる走査機構
    を備えたことを特徴とする請求項17に記載の生化学解
    析用データの生成装置。
  19. 【請求項19】 前記複数のドット状領域が、前記主走
    査方向および前記副走査方向に、それぞれ、所定のピッ
    チで、規則的に、前記生化学解析用ユニットに形成さ
    れ、前記走査機構が、前記導光部材と前記サンプルステ
    ージとを、前記主走査方向および前記副走査方向に、そ
    れぞれ、所定のピッチで、間欠的に、相対的に移動させ
    るように構成されたことを特徴とする請求項18に記載
    の生化学解析用データの生成装置。
  20. 【請求項20】 さらに、励起光を発する励起光源と、
    励起光カットフィルタを備え、前記生化学解析用ユニッ
    トが、複数の貫通孔が、互いに離間して、二次元的に形
    成された基板を備え、前記複数のドット状領域が、前記
    基板に形成された前記複数の貫通孔内に、吸着性材料が
    充填されて形成された複数の吸着性領域によって構成さ
    れており、前記複数の吸着性領域が、蛍光物質によっ
    て、選択的に標識され、前記導光部材が、前記励起光源
    から発せられた励起光を、前記サンプルステージに載置
    された生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域の
    それぞれに導くとともに、前記励起光によって励起され
    て、前記複数の吸着性領域のそれぞれに含まれている蛍
    光物質から放出された蛍光を、前記光検出器に導くよう
    に構成され、前記励起光カットフィルタが、前記励起光
    の波長の光をカットし、前記励起光よりも波長の長い光
    を透過する性質を有することを特徴とする請求項18ま
    たは19に記載の生化学解析用データの生成装置。
  21. 【請求項21】 前記反射板が、金属によって形成され
    たことを特徴とする請求項17ないし20のいずれか1
    項に記載の生化学解析用データの生成装置。
  22. 【請求項22】 さらに、前記導光部材と前記サンプル
    ステージとの主走査方向における相対的位置関係を検出
    する位置検出手段を備えたことを特徴とする請求項19
    ないし21のいずれか1項に記載の生化学解析用データ
    の生成装置。
  23. 【請求項23】 前記走査機構が、前記導光部材を、主
    走査方向に移動させるように構成されたことを特徴とす
    る請求項18ないし22のいずれか1項に記載の生化学
    解析用データの生成装置。
  24. 【請求項24】 前記走査機構が、前記サンプルステー
    ジを、主走査方向に移動させるように構成されたことを
    特徴とする請求項18ないし22のいずれか1項に記載
    の生化学解析用データの生成装置。
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