JP2003194822A - ハイブリダイゼーション方法および装置ならびにそれに用いるハイブリダイゼーション反応チャンバ - Google Patents

ハイブリダイゼーション方法および装置ならびにそれに用いるハイブリダイゼーション反応チャンバ

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JP2003194822A
JP2003194822A JP2002177096A JP2002177096A JP2003194822A JP 2003194822 A JP2003194822 A JP 2003194822A JP 2002177096 A JP2002177096 A JP 2002177096A JP 2002177096 A JP2002177096 A JP 2002177096A JP 2003194822 A JP2003194822 A JP 2003194822A
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solution
hybridization
reaction chamber
hybridization reaction
biochemical analysis
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JP2002177096A
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English (en)
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Katsuaki Muraishi
勝明 村石
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よく、特異的結合物質と生体由来の物質
をハイブリダイズさせることができ、しかも、再現性よ
く、定量性に優れた生化学解析用データを生成すること
を可能にするハイブリダイゼーション装置を提供する。 【解決手段】 モータによって、中心軸13aまわりに
揺動可能な揺動台13と、ケーシング8と蓋9を有し、
揺動台に、取り外し可能に取り付けられたハイブリダイ
ゼーション反応チャンバ7とを備え、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバに、中心軸7aを挟んで、2つの小
断面積部分10b、10cが形成され、2つの小断面積
部分の間に、構造または特性が既知の特異的結合物質を
含む複数の吸着性領域が、互いに離間して、形成された
生化学解析用ユニット1がセット可能に構成されたこと
を特徴とするハイブリダイゼーション装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリダイゼー
ション方法および装置ならびにそれに用いるハイブリダ
イゼーション反応チャンバに関するものであり、さらに
詳細には、効率よく、特異的結合物質と生体由来の物質
をハイブリダイズさせることができ、しかも、再現性よ
く、定量性に優れた生化学解析用データを生成すること
を可能にするハイブリダイゼーション方法および装置な
らびにそれに用いるハイブリダイゼーション反応チャン
バに関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するオートラジオグラフィ解析システムは、写
真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化
学的処理が不必要であるだけでなく、得られたディジタ
ルデータにデータ処理を施すことにより、所望のよう
に、解析用データを再生し、あるいは、コンピュータに
よる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0005】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光解析システムも知られてい
る。
【0006】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細胞、
ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗
原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDN
A、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結
合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既
知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下
して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによっ
て、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処
理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であ
って、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識され
た物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特異
的結合物質に、特異的に結合させたマイクロアレイに、
励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から
発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来
の物質を解析するマイクロアレイ解析システムが開発さ
れている。このマイクロアレイ解析システムによれば、
スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポット
を高密度に形成して、標識物質によって標識された生体
由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時
間に、生体由来の物質を解析することが可能になるとい
う利点がある。
【0007】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッ
ター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポット
を形成し、次いで、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽
出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、
さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生
体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識さ
れた物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特
異的結合物質に、特異的に結合させたマクロアレイを、
輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性
蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、
しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性
蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生
化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解析する
放射性標識物質を用いたマクロアレイ解析システムも開
発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】マイクロアレイ解析シ
ステムやマクロアレイ解析システムにおいては、メンブ
レンフィルタなどの生化学解析用ユニットの表面の異な
る位置に、特異的結合物質を含む溶液を滴下して、多数
のスポット状領域を形成し、放射性標識物質、蛍光物
質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質などによって標識された生体由来の
物質を、スポット状領域に含まれている特異的結合物質
にハイブリダイズさせて、特異的結合物質を選択的に標
識し、多数のスポット状領域に選択的に含まれている放
射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍
光体層を露光し、露光された輝尽性蛍光体層を、励起光
によって走査して、輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽
性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光
を光電的に検出して、生化学解析用データを生成し、あ
るいは、多数のスポット状領域を、励起光によって走査
して、多数のスポット状領域に選択的に含まれている蛍
光物質を励起し、蛍光物質から放出された蛍光を光電的
に検出して、生化学解析用データを生成し、あるいは、
多数のスポット状領域に選択的に含まれている標識物質
を化学発光基質と接触させ、標識物質から放出される化
学発光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成
することが要求されている。
【0009】特異的結合物質と生体由来の物質をハイブ
リダイズさせる場合、従来は、実験者が、手作業で、特
異的結合物質を含む多数のスポット状領域が形成された
メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットを、ハ
イブリダイゼーションバッグ内に入れ、ハイブリダイゼ
ーションバッグ内に、放射性標識物質、蛍光物質、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質などによって標識された生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション溶液を加え、ハイブリダイゼ
ーションバッグに振動を加えて、生体由来の物質を、対
流あるいは拡散によって移動させて、特異的結合物質と
生体由来の物質をハイブリダイズさせ、生化学解析用ユ
ニットをハイブリダイゼーションバッグから取り出し
て、洗浄溶液が満たされた容器内に入れ、洗浄するのが
一般であった。
【0010】しかしながら、実験者が、手作業で、生化
学解析用ユニットを、ハイブリダイゼーションバッグ内
に入れて、ハイブリダイゼーション溶液を加え、ハイブ
リダイゼーションバッグに振動を加えて、特異的結合物
質と生体由来の物質をハイブリダイズさせる場合には、
ハイブリダイゼーション溶液を、特異的結合物質を含む
多数のスポット状領域に、均一に接触させることは困難
であり、したがって、効率的に、特異的結合物質と生体
由来の物質をハイブリダイズさせることができないとい
う問題があった。
【0011】さらに、実験者が、手作業で、生化学解析
用ユニットを、ハイブリダイゼーションバッグ内に入れ
て、ハイブリダイゼーション溶液を加え、ハイブリダイ
ゼーションバッグに振動を加えて、特異的結合物質と生
体由来の物質をハイブリダイズさせ、生化学解析用ユニ
ットをハイブリダイゼーションバッグから取り出して、
洗浄溶液が満たされた容器内に入れ、洗浄する場合に
は、実験者によって、ハイブリダイゼーションの結果が
ばらつき、再現性が低下することは避けられず、また、
同じ実験者であっても、再現性が低下するおそれがある
という問題があった。
【0012】したがって、本発明は、効率よく、特異的
結合物質と生体由来の物質をハイブリダイズさせること
ができ、しかも、再現性よく、定量性に優れた生化学解
析用データを生成することを可能にするハイブリダイゼ
ーション方法および装置ならびにそれに用いるハイブリ
ダイゼーション反応チャンバを提供することを目的とす
るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
中央部を挟んで、少なくとも2つの小断面積部分が形成
されたハイブリダイゼーション反応チャンバの前記少な
くとも2つの小断面積部分の間に、構造または特性が既
知の特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互いに
離間して、形成された生化学解析用ユニットをセット
し、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバ内に、ハ
イブリダイゼーション溶液と標識物質によって標識され
た生体由来の物質を含むプローブ溶液を注入し、前記ハ
イブリダイゼーション溶液と前記プローブ溶液の混合溶
液が、前記少なくとも2つの小断面積部分を横切って、
流れるように、前記ハイブリダイゼーション反応チャン
バを機械的に揺動させて、ハイブリダイゼーションを実
行することを特徴とするハイブリダイゼーション方法に
よって達成される。
【0014】本発明によれば、中央部を挟んで、少なく
とも2つの小断面積部分が形成されたハイブリダイゼー
ション反応チャンバの少なくとも2つの小断面積部分の
間に、構造または特性が既知の特異的結合物質を含む複
数の吸着性領域が、互いに離間して、形成された生化学
解析用ユニットをセットし、ハイブリダイゼーション反
応チャンバ内に、ハイブリダイゼーション溶液と標識物
質によって標識された生体由来の物質を含むプローブ溶
液を注入し、ハイブリダイゼーション溶液とプローブ溶
液の混合溶液が、少なくとも2つの小断面積部分を横切
って、流れるように、ハイブリダイゼーション反応チャ
ンバを機械的に揺動させて、ハイブリダイゼーションを
実行するように構成されているから、ハイブリダイゼー
ション溶液とプローブ溶液との混合溶液は、少なくとも
2つの小断面積部分を横切って、流れる際に、撹拌され
て、混合され、したがって、ハイブリダイゼーション溶
液とプローブ溶液との混合溶液と、生化学解析用ユニッ
トの複数の吸着性領域とを、均一に、接触させることが
でき、ハイブリダイゼーションの効率を大幅に向上させ
ることが可能となるとともに、プローブ溶液に含まれて
いる生体由来の物質が、生化学解析用ユニットの複数の
吸着性領域に含まれているハイブリすべき特異的結合物
質と出会う確率を飛躍的に向上させることができ、ハイ
ブリダイゼーションの要する時間を短縮することが可能
になる。
【0015】また、本発明によれば、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバが、機械的に揺動されて、ハイブリ
ダイゼーションが実行されるから、実験者によって、ハ
イブリダイゼーションの結果がばらつくことがなく、ハ
イブリダイゼーションの再現性を大幅に向上させること
が可能になるとともに、大幅な省力化を実現させること
が可能になる。
【0016】本発明の好ましい実施態様においては、前
記ハイブリダイゼーション反応チャンバの前記少なくと
も2つの小断面積部分の間に、前記生化学解析用ユニッ
トをセットし、前記ハイブリダイゼーション反応チャン
バ内に、ハイブリダイゼーション溶液を注入し、前記ハ
イブリダイゼーション溶液が、前記少なくとも2つの小
断面積部分を横切って、流れるように、前記ハイブリダ
イゼーション反応チャンバを機械的に揺動させて、プレ
ハイブリダイゼーションを実行し、前記ハイブリダイゼ
ーション反応チャンバ内に、標識物質によって標識され
た生体由来の物質を含む前記プローブ溶液を注入して、
前記ハイブリダイゼーション溶液に混合し、前記ハイブ
リダイゼーション溶液と前記プローブ溶液との混合溶液
が、前記少なくとも2つの小断面積部分を横切って、流
れるように、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバ
を機械的に揺動させて、ハイブリダイゼーションを実行
し、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバから、前
記ハイブリダイゼーション溶液と前記プローブ溶液との
混合溶液を排出し、前記ハイブリダイゼーション反応チ
ャンバ内に、洗浄溶液を注入し、前記洗浄溶液が、前記
少なくとも2つの小断面積部分を横切って、流れるよう
に、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバを機械的
に揺動させて、前記生化学解析用ユニットを洗浄するよ
うに構成されている。
【0017】本発明の好ましい実施態様にによれば、ハ
イブリダイゼーション反応チャンバの少なくとも2つの
小断面積部分の間に、生化学解析用ユニットをセット
し、ハイブリダイゼーション反応チャンバ内に、ハイブ
リダイゼーション溶液を注入し、ハイブリダイゼーショ
ン溶液が、少なくとも2つの小断面積部分を横切って、
流れるように、ハイブリダイゼーション反応チャンバを
機械的に揺動させて、プレハイブリダイゼーションを実
行し、ハイブリダイゼーション反応チャンバ内に、標識
物質によって標識された生体由来の物質を含むプローブ
溶液を注入して、ハイブリダイゼーション溶液に混合
し、ハイブリダイゼーション溶液とプローブ溶液との混
合溶液が、少なくとも2つの小断面積部分を横切って、
流れるように、ハイブリダイゼーション反応チャンバを
機械的に揺動させて、ハイブリダイゼーションを実行
し、ハイブリダイゼーション反応チャンバから、ハイブ
リダイゼーション溶液とプローブ溶液との混合溶液を排
出し、ハイブリダイゼーション反応チャンバ内に、洗浄
溶液を注入し、洗浄溶液が、少なくとも2つの小断面積
部分を横切って、流れるように、ハイブリダイゼーショ
ン反応チャンバを機械的に揺動させて、生化学解析用ユ
ニットを洗浄するように構成されているから、ハイブリ
ダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶液とプ
ローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液は、少なくとも
2つの小断面積部分を横切って、流れる際に、撹拌され
て、混合され、したがって、ハイブリダイゼーション溶
液、ハイブリダイゼーション溶液とプローブ溶液との混
合溶液および洗浄溶液と、生化学解析用ユニットの複数
の吸着性領域とを、均一に、接触させることができ、プ
レハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーションお
よび洗浄の効率を大幅に向上させることが可能となると
ともに、プローブ溶液に含まれている生体由来の物質
が、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれ
ているハイブリすべき特異的結合物質と出会う確率を飛
躍的に向上させることができ、ハイブリダイゼーション
の要する時間を短縮することが可能になる。
【0018】また、本発明によれば、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバが、機械的に揺動されて、プレハイ
ブリダイゼーション、ハイブリダイゼーションおよび洗
浄が実行されるから、実験者によって、ハイブリダイゼ
ーションの結果がばらつくことがなく、ハイブリダイゼ
ーションの再現性を大幅に向上させることが可能になる
とともに、大幅な省力化を実現させることが可能にな
る。
【0019】本発明の好ましい実施態様においては、前
記少なくとも2つの小断面積部分に対して、前記中央部
の反対側に、それぞれ、溶液を前記ハイブリダイゼーシ
ョン反応チャンバ内に注入可能な溶液注入部と、前記ハ
イブリダイゼーション反応チャンバから、溶液を排出可
能な溶液排出部を設け、前記溶液注入部から、前記ハイ
ブリダイゼーション溶液、前記プローブ溶液および前記
洗浄溶液を、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバ
内に注入し、前記溶液排出部から、前記ハイブリダイゼ
ーション溶液と前記プローブ溶液との混合溶液および前
記洗浄溶液を排出するように構成されている。
【0020】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバ内に、前
記洗浄溶液を注入し、前記洗浄溶液が、前記少なくとも
2つの小断面積部分を横切って、流れるように、前記ハ
イブリダイゼーション反応チャンバを揺動させて、前記
生化学解析用ユニットを洗浄する工程を繰り返すように
構成されている。
【0021】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバ内に、前
記ハイブリダイゼーション溶液を注入するのに先立っ
て、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバ内に、前
処理液を注入し、前記前処理液が、前記少なくとも2つ
の小断面積部分を横切って、流れるように、前記ハイブ
リダイゼーション反応チャンバを機械的に揺動させて、
前記生化学解析用ユニットの前処理を実行するように構
成されている。
【0022】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、前処理液は、少なくとも2つの小断面積部分を横切
って、流れる際に、撹拌されて、混合され、したがっ
て、ハイブリダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーシ
ョン溶液とプローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液に
加えて、前処理液と、生化学解析用ユニットの複数の吸
着性領域とを、均一に、接触させることができ、前処理
の効率を大幅に向上させることが可能となる。
【0023】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記溶液注入部が、前記溶液排出部の下方に位置し
ているときに、前記プローブ溶液を、前記溶液注入部か
ら、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバ内に注入
するように構成されている。
【0024】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、溶液注入部が、溶液排出部の下方に位置していると
きに、プローブ溶液を、溶液注入部から、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバ内に注入するように構成されて
いるから、プローブ溶液は、ハイブリダイゼーション溶
液中に注入され、したがって、プローブ溶液と、ハイブ
リダイゼーション溶液を、均一に混合することが可能に
なる。
【0025】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生体由来の物質が、放射性標識物質、蛍光物質
および化学発光基質と接触させることによって化学発光
を生じさせる標識物質よりなる群から選ばれる少なくと
も1種の標識物質によって標識されている。
【0026】本発明の前記目的はまた、中心軸まわり
に、機械的に揺動可能な揺動台と、ケーシングと蓋を有
し、前記揺動台に、取り外し可能に取り付けられたハイ
ブリダイゼーション反応チャンバとを備え、前記ハイブ
リダイゼーション反応チャンバに、前記中心軸を挟ん
で、少なくとも2つの小断面積部分が形成され、前記少
なくとも2つの小断面積部分の間に、構造または特性が
既知の特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互い
に離間して、形成された生化学解析用ユニットがセット
可能に構成されたことを特徴とするハイブリダイゼーシ
ョン装置によって達成される。
【0027】本発明によれば、ハイブリダイゼーション
装置は、中心軸まわりに、機械的に揺動可能な揺動台
と、ケーシングと蓋を有し、揺動台に、取り外し可能に
取り付けられたハイブリダイゼーション反応チャンバと
を備え、ハイブリダイゼーション反応チャンバに、中心
軸を挟んで、少なくとも2つの小断面積部分が形成さ
れ、少なくとも2つの小断面積部分の間に、構造または
特性が既知の特異的結合物質を含む複数の吸着性領域
が、互いに離間して、形成された生化学解析用ユニット
がセット可能に構成されているから、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバ内に、前処理液、ハイブリダイゼー
ション溶液、プローブ溶液あるいは洗浄溶液を注入し、
モータを駆動して、揺動台を揺動させることにより、前
処理液、ハイブリダイゼーション溶液、ハイブリダイゼ
ーション溶液とプローブ溶液との混合溶液あるいは洗浄
溶液は、ハイブリダイゼーション反応チャンバ内を、少
なくとも2つの小断面積部分を横切って、流動し、した
がって、少なくとも2つの小断面積部分を横切る際に、
前処理液、ハイブリダイゼーション溶液、ハイブリダイ
ゼーション溶液とプローブ溶液との混合溶液あるいは洗
浄溶液が撹拌されて、混合されるから、前処理液、ハイ
ブリダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶液
とプローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液と、生化学
解析用ユニットの複数の吸着性領域とを、均一に、接触
させることができ、前処理、プレハイブリダイゼーショ
ン、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の効率を大幅に
向上させることが可能となるとともに、プローブ溶液に
含まれている生体由来の物質が、生化学解析用ユニット
の複数の吸着性領域に含まれているハイブリすべき特異
的結合物質と出会う確率を飛躍的に向上させることがで
き、ハイブリダイゼーションの要する時間を短縮するこ
とが可能になる。
【0028】また、本発明によれば、揺動台は、機械的
に揺動可能に構成されているから、自動的に、前処理、
プレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーション
および洗浄を実行することができ、したがって、実験者
によって、ハイブリダイゼーションの結果がばらつくこ
とがなく、ハイブリダイゼーションの再現性を大幅に向
上させることが可能になるとともに、大幅な省力化を実
現させることが可能になる。
【0029】本発明の好ましい実施態様においては、前
記ハイブリダイゼーション反応チャンバの前記蓋に、前
記ハイブリダイゼーション反応チャンバ内にセットされ
た生化学解析用ユニットを、所定の位置に保持する少な
くとも1つの押さえ部材が形成されている。
【0030】本発明の好ましい実施態様によれば、ハイ
ブリダイゼーション反応チャンバの蓋に、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバ内にセットされた生化学解析用
ユニットを、所定の位置に保持する少なくとも1つの押
さえ部材が形成されているから、生化学解析用ユニット
を、押さえ部材によって、所定の位置に保持した状態
で、前処理液、ハイブリダイゼーション溶液、ハイブリ
ダイゼーション溶液とプローブ溶液との混合溶液および
洗浄溶液を、ハイブリダイゼーション反応チャンバ内を
流動させることができ、したがって、前処理液、ハイブ
リダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶液と
プローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液と、生化学解
析用ユニットの複数の吸着性領域とを、均一に、接触さ
せることができ、前処理、プレハイブリダイゼーショ
ン、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の効率を大幅に
向上させることが可能となるとともに、プローブ溶液に
含まれている生体由来の物質が、生化学解析用ユニット
の複数の吸着性領域に含まれているハイブリすべき特異
的結合物質と出会う確率を飛躍的に向上させることがで
き、ハイブリダイゼーションの要する時間を短縮するこ
とが可能になる。
【0031】本発明の好ましい実施態様においては、前
記ハイブリダイゼーション反応チャンバに、2つの小断
面積部分が形成されている。
【0032】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記2つの小断面積部分の一方に対して、前記中心
軸の反対側に、溶液を前記ハイブリダイゼーション反応
チャンバ内に注入可能な溶液注入口が形成され、前記2
つの小断面積部分の他方に対して、前記中心軸の反対側
に、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバから、溶
液を排出可能な溶液排出口が形成されている。
【0033】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、2つの小断面積部分の一方に対して、中心軸の反対
側に、溶液をハイブリダイゼーション反応チャンバ内に
注入可能な溶液注入口が形成され、2つの小断面積部分
の他方に対して、中心軸の反対側に、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバから、溶液を排出可能な溶液排出口
が形成されているから、溶液注入部が、溶液排出部の下
方に位置しているときに、プローブ溶液を、溶液注入部
から、ハイブリダイゼーション反応チャンバ内のハイブ
リダイゼーション溶液中に注入することができ、したが
って、プローブ溶液と、ハイブリダイゼーション溶液
を、均一に混合することが可能になる。
【0034】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバの前記ケ
ーシングと前記蓋との間隔が略一定で、前記ケーシング
と前記蓋に、2つの狭幅部分が形成され、前記2つの狭
幅部分によって、前記2つの小断面積部分が形成されて
いる。
【0035】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、ハイブリダイゼーション反応チャンバのケーシング
と蓋との間隔が略一定で、ケーシングと蓋に、2つの狭
幅部分が形成され、2つの狭幅部分によって、2つの小
断面積部分が形成されているから、揺動台が揺動される
と、前処理液、ハイブリダイゼーション溶液、ハイブリ
ダイゼーション溶液とプローブ溶液との混合溶液および
洗浄溶液は、2つの狭幅部分を横切って、流動し、撹拌
されて、均一に混合し、したがって、前処理液、ハイブ
リダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶液と
プローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液と、生化学解
析用ユニットの複数の吸着性領域とを、均一に、接触さ
せることができるから、前処理、プレハイブリダイゼー
ション、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の効率を大
幅に向上させることが可能となるとともに、プローブ溶
液に含まれている生体由来の物質が、生化学解析用ユニ
ットの複数の吸着性領域に含まれているハイブリすべき
特異的結合物質と出会う確率を飛躍的に向上させること
ができ、ハイブリダイゼーションの要する時間を短縮す
ることが可能になる。
【0036】本発明の好ましい実施態様においては、前
記2つの小断面積部分の間の前記ハイブリダイゼーショ
ン反応チャンバが、生化学解析用ユニットの幅よりもわ
ずかに大きい幅を有する略矩形状をなしている。
【0037】本発明の好ましい実施態様によれば、2つ
の小断面積部分の間のハイブリダイゼーション反応チャ
ンバが、生化学解析用ユニットの幅よりもわずかに大き
い幅を有する略矩形状をなしているから、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバの蓋に、押さえ部材を設けなく
ても、生化学解析用ユニットを、略矩形状をなした領域
内に保持することができ、したがって、生化学解析用ユ
ニットを所定の位置に保持した状態で、前処理液、ハイ
ブリダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶液
とプローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液を、ハイブ
リダイゼーション反応チャンバ内を流動させることが可
能になるから、前処理液、ハイブリダイゼーション溶
液、ハイブリダイゼーション溶液とプローブ溶液との混
合溶液および洗浄溶液と、生化学解析用ユニットの複数
の吸着性領域とを、均一に、接触させることができ、前
処理、プレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼー
ションおよび洗浄の効率を大幅に向上させることが可能
となるとともに、プローブ溶液に含まれている生体由来
の物質が、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に
含まれているハイブリすべき特異的結合物質と出会う確
率を飛躍的に向上させることができ、ハイブリダイゼー
ションの要する時間を短縮することが可能になる。
【0038】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバの前記ケ
ーシングおよび前記蓋が、両端部に向けて、徐々に、幅
が狭くなるように形成され、それによって、前記2つの
小断面積部分が形成されている。
【0039】本発明の好ましい実施態様によれば、ハイ
ブリダイゼーション反応チャンバのケーシングおよび蓋
が、両端部に向けて、徐々に、幅が狭くなるように形成
され、それによって、2つの小断面積部分が形成されて
いるから、揺動台が揺動されると、前処理液、ハイブリ
ダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶液とプ
ローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液は、ハイブリダ
イゼーション反応チャンバの両端部に向かって流れ、撹
拌されて、均一に混合するから、前処理液、ハイブリダ
イゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶液とプロ
ーブ溶液との混合溶液および洗浄溶液と、生化学解析用
ユニットの複数の吸着性領域とを、均一に、接触させる
ことができ、前処理、プレハイブリダイゼーション、ハ
イブリダイゼーションおよび洗浄の効率を大幅に向上さ
せることが可能となるとともに、プローブ溶液に含まれ
ている生体由来の物質が、生化学解析用ユニットの複数
の吸着性領域に含まれているハイブリすべき特異的結合
物質と出会う確率を飛躍的に向上させることができ、ハ
イブリダイゼーションの要する時間を短縮することが可
能になる。
【0040】本発明の好ましい実施態様においては、ハ
イブリダイゼーション装置は、さらに、ハイブリダイゼ
ーション溶液を収容するハイブリダイゼーション溶液タ
ンクと、標識物質によって標識された生体由来の物質を
含むプローブ溶液を収容するプローブ溶液チップと、洗
浄溶液を収容する洗浄溶液タンクと、可撓性を有し、前
記ハイブリダイゼーション反応チャンバの前記溶液注入
口に接続された溶液注入チューブと、前記溶液注入チュ
ーブと、前記ハイブリダイゼーション溶液タンク、前記
プローブ溶液チップあるいは前記洗浄溶液タンクとを、
選択的に、連通させる溶液供給バルブ手段を備えてい
る。
【0041】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、ハイブリダイゼーション装置は、さらに、可撓性を
有し、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバの前記
溶液排出口に接続された溶液排出チューブと、前記ハイ
ブリダイゼーション溶液と前記プローブ溶液との混合溶
液および前記洗浄溶液を、前記溶液排出チューブを介し
て、回収する溶液回収タンクを備えている。
【0042】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、ハイブリダイゼーション装置は、さらに、前処理液
を収容する前処理液タンクを備え、前記溶液供給バルブ
手段が、前記溶液注入チューブと、前記前処理液タン
ク、前記ハイブリダイゼーション溶液タンク、前記プロ
ーブ溶液チップあるいは前記洗浄溶液タンクとを、選択
的に、連通させるように構成されている。
【0043】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、ハイブリダイゼーション装置は、さらに、可撓性を
有し、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバの前記
溶液排出口に接続された溶液排出チューブと、前記前処
理液を回収する前処理液回収タンクと、前記ハイブリダ
イゼーション溶液と前記プローブ溶液との混合溶液およ
び前記洗浄溶液を回収する放射性溶液回収タンクと、前
記溶液排出チューブと、前記前処理液回収タンクあるい
は前記放射性溶液回収タンクとを、選択的に、連通させ
る溶液排出バルブ手段を備えている。
【0044】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、ハイブリダイゼーション装置は、さらに、可撓性を
有し、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバの前記
溶液排出口に接続された溶液排出チューブと、前記前処
理液を回収する前処理液回収タンクと、前記ハイブリダ
イゼーション溶液と前記プローブ溶液との混合溶液を回
収するハイブリダイゼーション溶液回収タンクと、前記
洗浄溶液を回収する洗浄溶液タンクと、前記溶液排出チ
ューブと、前記前処理液回収タンク、前記ハイブリダイ
ゼーション溶液回収タンクあるいは前記洗浄溶液タンク
とを、選択的に、連通させる溶液排出バルブ手段を備え
ている。
【0045】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生体由来の物質が、放射性標識物質、蛍光物質および
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の標識物質によって標識されている。
【0046】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記洗浄溶液タンク内に、前記洗浄溶液に含まれて
いる放射性標識物質の濃度を検出する放射線センサが設
けられている。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、洗浄溶液タンク内に、洗浄溶液に含まれている放射
性標識物質の濃度を検出する放射線センサが設けられて
いるから、回収された洗浄溶液に含まれる放射性標識物
質の濃度を検出することによって、洗浄の終了時点を、
適切に、決定することが可能になる。
【0048】本発明の前記目的はまた、ケーシングと蓋
を有し、幅方向に延びる中心軸を挟んで、少なくとも2
つの小断面積部分が形成され、前記少なくとも2つの小
断面積部分の間に、構造または特性が既知の特異的結合
物質を含む複数の吸着性領域が、互いに離間して、形成
された生化学解析用ユニットがセット可能に構成された
ことを特徴とするハイブリダイゼーション反応チャンバ
によって達成される。
【0049】本発明によれば、ハイブリダイゼーション
反応チャンバは、ケーシングと蓋を有し、幅方向に延び
る中心軸を挟んで、少なくとも2つの小断面積部分が形
成され、前記少なくとも2つの小断面積部分の間に、構
造または特性が既知の特異的結合物質を含む複数の吸着
性領域が、互いに離間して、形成された生化学解析用ユ
ニットがセット可能に構成されているから、ハイブリダ
イゼーション反応チャンバを、揺動可能な揺動台に取り
付け、ハイブリダイゼーション反応チャンバ内に、前処
理液、ハイブリダイゼーション溶液、プローブ溶液ある
いは洗浄溶液を注入し、モータを駆動して、揺動台を揺
動させ、中心軸を中心として、ハイブリダイゼーション
反応チャンバを揺動させることにより、前処理液、ハイ
ブリダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶液
とプローブ溶液との混合溶液あるいは洗浄溶液は、ハイ
ブリダイゼーション反応チャンバ内を、少なくとも2つ
の小断面積部分を横切って、流動し、したがって、少な
くとも2つの小断面積部分を横切る際に、前処理液、ハ
イブリダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶
液とプローブ溶液との混合溶液あるいは洗浄溶液が撹拌
されて、混合されるから、前処理液、ハイブリダイゼー
ション溶液、ハイブリダイゼーション溶液とプローブ溶
液との混合溶液および洗浄溶液と、生化学解析用ユニッ
トの複数の吸着性領域とを、均一に、接触させることが
でき、前処理、プレハイブリダイゼーション、ハイブリ
ダイゼーションおよび洗浄の効率を大幅に向上させるこ
とが可能となるとともに、プローブ溶液に含まれている
生体由来の物質が、生化学解析用ユニットの複数の吸着
性領域に含まれているハイブリすべき特異的結合物質と
出会う確率を飛躍的に向上させることができ、ハイブリ
ダイゼーションの要する時間を短縮することが可能にな
る。
【0050】また、本発明によれば、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバを、モータによって、揺動可能な揺
動台に取り付け、モータを駆動することによって、中心
軸を中心として、ハイブリダイゼーション反応チャンバ
を揺動させて、自動的に、前処理、プレハイブリダイゼ
ーション、ハイブリダイゼーションおよび洗浄を実行す
ることが可能になるから、実験者によって、ハイブリダ
イゼーションの結果がばらつくことがなく、ハイブリダ
イゼーションの再現性を大幅に向上させることが可能に
なるとともに、大幅な省力化を実現させることが可能に
なる。
【0051】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓋に、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバ内に
セットされた生化学解析用ユニットを、所定の位置に保
持する少なくとも1つの押さえ部材が形成されている。
【0052】本発明の好ましい実施態様によれば、蓋
に、ハイブリダイゼーション反応チャンバ内にセットさ
れた生化学解析用ユニットを、所定の位置に保持する少
なくとも1つの押さえ部材が形成されているから、生化
学解析用ユニットを、押さえ部材によって、所定の位置
に保持した状態で、ハイブリダイゼーション反応チャン
バを揺動させて、前処理液、ハイブリダイゼーション溶
液、ハイブリダイゼーション溶液とプローブ溶液との混
合溶液および洗浄溶液を、ハイブリダイゼーション反応
チャンバ内を流動させることができ、したがって、前処
理液、ハイブリダイゼーション溶液、ハイブリダイゼー
ション溶液とプローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液
と、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域とを、均
一に、接触させることができ、前処理、プレハイブリダ
イゼーション、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の効
率を大幅に向上させることが可能となるとともに、プロ
ーブ溶液に含まれている生体由来の物質が、生化学解析
用ユニットの複数の吸着性領域に含まれているハイブリ
すべき特異的結合物質と出会う確率を飛躍的に向上させ
ることができ、ハイブリダイゼーションの要する時間を
短縮することが可能になる。
【0053】本発明の好ましい実施態様においては、ハ
イブリダイゼーション反応チャンバに、2つの小断面積
部分が形成されている。
【0054】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記2つの小断面積部分の一方に対して、前記中心
軸の反対側に、溶液を前記ハイブリダイゼーション反応
チャンバ内に注入可能な溶液注入口が形成され、前記2
つの小断面積部分の他方に対して、前記中心軸の反対側
に、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバから、溶
液を排出可能な溶液排出口が形成されている。
【0055】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、2つの小断面積部分の一方に対して、中心軸の反対
側に、溶液をハイブリダイゼーション反応チャンバ内に
注入可能な溶液注入口が形成され、2つの小断面積部分
の他方に対して、中心軸の反対側に、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバから、溶液を排出可能な溶液排出口
が形成されているから、ハイブリダイゼーション反応チ
ャンバを揺動させて、溶液注入部が、溶液排出部の下方
に位置しているときに、プローブ溶液を、溶液注入部か
ら、ハイブリダイゼーション反応チャンバ内のハイブリ
ダイゼーション溶液中に注入することができ、したがっ
て、プローブ溶液と、ハイブリダイゼーション溶液を、
均一に混合することが可能になる。
【0056】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記ケーシングと前記蓋との間隔が略一定で、前記
ケーシングと前記蓋に、2つの狭幅部分が形成され、前
記2つの狭幅部分によって、前記2つの小断面積部分が
形成されている。
【0057】本発明の好ましい実施態様によれば、ケー
シングと蓋との間隔が略一定で、ケーシングと蓋に、2
つの狭幅部分が形成され、2つの狭幅部分によって、2
つの小断面積部分が形成されているから、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバが揺動されると、前処理液、ハ
イブリダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶
液とプローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液は、2つ
の狭幅部分を横切って、流動し、撹拌されて、均一に混
合し、したがって、前処理液、ハイブリダイゼーション
溶液、ハイブリダイゼーション溶液とプローブ溶液との
混合溶液および洗浄溶液と、生化学解析用ユニットの複
数の吸着性領域とを、均一に、接触させることができる
から、前処理、プレハイブリダイゼーション、ハイブリ
ダイゼーションおよび洗浄の効率を大幅に向上させるこ
とが可能となるとともに、プローブ溶液に含まれている
生体由来の物質が、生化学解析用ユニットの複数の吸着
性領域に含まれているハイブリすべき特異的結合物質と
出会う確率を飛躍的に向上させることができ、ハイブリ
ダイゼーションの要する時間を短縮することが可能にな
る。
【0058】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記2つの小断面積部分の間の前記ハイブリダイゼ
ーション反応チャンバが、生化学解析用ユニットの幅よ
りもわずかに大きい幅を有する略矩形状をなしている。
【0059】本発明の好ましい実施態様によれば、2つ
の小断面積部分の間のハイブリダイゼーション反応チャ
ンバが、生化学解析用ユニットの幅よりもわずかに大き
い幅を有する略矩形状をなしているから、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバの蓋に、押さえ部材を設けなく
ても、生化学解析用ユニットを、略矩形状をなした領域
内に保持することができ、したがって、生化学解析用ユ
ニットを所定の位置に保持した状態で、ハイブリダイゼ
ーション反応チャンバを揺動させて、前処理液、ハイブ
リダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶液と
プローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液を、ハイブリ
ダイゼーション反応チャンバ内を流動させることが可能
になるから、前処理液、ハイブリダイゼーション溶液、
ハイブリダイゼーション溶液とプローブ溶液との混合溶
液および洗浄溶液と、生化学解析用ユニットの複数の吸
着性領域とを、均一に、接触させることができ、前処
理、プレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーシ
ョンおよび洗浄の効率を大幅に向上させることが可能と
なるとともに、プローブ溶液に含まれている生体由来の
物質が、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含
まれているハイブリすべき特異的結合物質と出会う確率
を飛躍的に向上させることができ、ハイブリダイゼーシ
ョンの要する時間を短縮することが可能になる。
【0060】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記ケーシングおよび前記蓋が、両端部に向けて、
徐々に、幅が狭くなるように形成され、それによって、
前記2つの小断面積部分が形成されている。
【0061】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、ケーシングおよび蓋が、両端部に向けて、徐々に、
幅が狭くなるように形成され、それによって、2つの小
断面積部分が形成されているから、ハイブリダイゼーシ
ョン反応チャンバが揺動されると、前処理液、ハイブリ
ダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶液とプ
ローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液は、ハイブリダ
イゼーション反応チャンバの両端部に向かって流れ、撹
拌されて、均一に混合するから、前処理液、ハイブリダ
イゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶液とプロ
ーブ溶液との混合溶液および洗浄溶液と、生化学解析用
ユニットの複数の吸着性領域とを、均一に、接触させる
ことができ、前処理、プレハイブリダイゼーション、ハ
イブリダイゼーションおよび洗浄の効率を大幅に向上さ
せることが可能となるとともに、プローブ溶液に含まれ
ている生体由来の物質が、生化学解析用ユニットの複数
の吸着性領域に含まれているハイブリすべき特異的結合
物質と出会う確率を飛躍的に向上させることができ、ハ
イブリダイゼーションの要する時間を短縮することが可
能になる。
【0062】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットが、複数の孔が、互いに離間し
て形成された基板を備え、前記複数の吸着性領域が、前
記基板に形成された前記複数の孔に充填された吸着性材
料に、特異的結合物質を含有させて、形成されている。
【0063】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互
いに離間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性
領域が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔に充填
された吸着性材料に、特異的結合物質を含有させて、形
成されている。
【0064】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、前記基板に形成された複数の貫通孔内に、吸着性材
料を含んだ吸着性膜が圧入され、吸着性膜に、特異的結
合物質を含有させて、形成されている。
【0065】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、複数の凹部が、互い
に離間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性領
域が、前記基板に形成された前記複数の凹部に充填され
た吸着性材料に、特異的結合物質を含有させて、形成さ
れている。
【0066】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、吸着性基板と、複数
の貫通孔が、互いに離間して形成され、前記吸着性基板
の少なくとも一方の面に密着された基板を備え、前記複
数の吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数の貫
通孔内の前記吸着性基板に、特異的結合物質を含有させ
て、形成されている。
【0067】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、放射線エネルギ
ーを減衰させる性質を有している。
【0068】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットの基板が、放射線エネルギーを減衰さ
せる性質を有しているから、生化学解析用ユニットに、
吸着性領域を高密度に形成した場合にも、生化学解析用
ユニットの複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質
に、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
を、ハイブリダイズさせて、選択的に標識し、生化学解
析用ユニットと蓄積性蛍光体シートとを重ね合わせて、
複数の吸着性領域に選択的に含まれた放射性標識物質に
よって、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成された複数
の輝尽性蛍光体層領域を露光する際に、各吸着性領域に
含まれている放射性標識物質から放出された電子線(β
線)が、生化学解析用ユニットの基板内で散乱すること
を効果的に防止することができ、したがって、各吸着性
領域に含まれている放射性標識物質から放出された電子
線(β線)を、対応する輝尽性蛍光体層の領域に、選択
的に入射させて、対応する輝尽性蛍光体層の領域のみを
露光することが可能になるから、放射性標識物質によっ
て露光された輝尽性蛍光体層を、励起光によって走査
し、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電的に検
出することによって、高い分解能で、定量性に優れた生
化学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0069】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記基
板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/5
以下に減衰させる性質を有している。
【0070】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/10以下に減衰させる性質を有している。
【0071】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/50以下に減衰させる性質を有している。
【0072】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/100以下に減衰させる性質を有している。
【0073】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/500以下に減衰させる性質を有している。
【0074】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/1000以下に減衰させる性質を有している。
【0075】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、光エネルギーを
減衰させる性質を有している。
【0076】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットの基板が、光エネルギーを減衰させる
性質を有しているから、生化学解析用ユニットの基板
に、吸着性領域を高密度に形成し、複数の吸着性領域に
含まれた特異的結合物質に、蛍光物質および/または化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識された生体由来の物質を、選
択的にハイブリダイズさせた場合にも、多数の吸着性領
域に、励起光を照射して、多数の吸着性領域に選択的に
含まれている蛍光物質を励起し、放出された蛍光を光電
的に検出する際に、各吸着物質から放出された蛍光が、
基板内で散乱して、隣り合う吸着性領域から放出された
蛍光と混ざり合うことを効果的に防止することができ、
多数の吸着性領域から放出される化学発光が、基板内で
散乱して、隣り合う吸着性領域から放出された化学発光
と混ざり合うことを効果的に防止することが可能にな
り、したがって、蛍光あるいは化学発光を光電的に検出
して、定量性に優れた生化学解析用データを生成するこ
とが可能になる。
【0077】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記基板中
を透過したときに、光のエネルギーを、1/5以下に減
衰させる性質を有している。
【0078】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
以下に減衰させる性質を有している。
【0079】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/50
以下に減衰させる性質を有している。
【0080】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
0以下に減衰させる性質を有している。
【0081】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/50
0以下に減衰させる性質を有している。
【0082】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
00以下に減衰させる性質を有している。
【0083】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットに、10以上の吸着性領域が形
成されている。
【0084】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、50以上の吸着性領
域が形成されている。
【0085】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、100以上の吸着性
領域が形成されている。
【0086】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、500以上の吸着性
領域が形成されている。
【0087】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、1000以上の吸着
性領域が形成されている。
【0088】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、5000以上の吸着
性領域が形成されている。
【0089】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、10000以上の吸
着性領域が形成されている。
【0090】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、50000以上の吸
着性領域が形成されている。
【0091】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、100000以上の
吸着性領域が形成されている。
【0092】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、そ
れぞれ、5平方ミリメートル未満のサイズを有してい
る。
【0093】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、1平方ミリメートル未満のサイズを有し
ている。
【0094】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.5平方ミリメートル未満のサイズを
有している。
【0095】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.1平方ミリメートル未満のサイズを
有している。
【0096】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.05平方ミリメートル未満のサイズ
を有している。
【0097】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.01平方ミリメートル未満のサイズ
を有している。
【0098】本発明において、生化学解析用ユニットに
形成される吸着性領域の密度は、基板の種類、放射性標
識物質から放出される電子線の種類などによって決定さ
れる。
【0099】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、
10個/平方センチメートル以上の密度で形成されてい
る。
【0100】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、50個/平方センチメートル以上の密度で形成さ
れている。
【0101】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、100個/平方センチメートル以上の密度で形成
されている。
【0102】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、500個/平方センチメートル以上の密度で形成
されている。
【0103】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、1000個/平方センチメートル以上の密度で形
成されている。
【0104】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、5000個/平方センチメートル以上の密度で形
成されている。
【0105】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、10000個/平方センチメートル以上の密度で
形成されている。
【0106】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、50000個/平方センチメートル以上の密度で
形成されている。
【0107】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、100000個/平方センチメートル以上の密度
で形成されている。
【0108】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、500000個/平方センチメートル以上の密度
で形成されている。
【0109】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、1000000個/平方センチメートル以上の密
度で形成されている。
【0110】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、
規則的なパターンで形成されている。
【0111】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の貫通
孔が、それぞれ、略円形に形成されている。
【0112】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するための材料は、放射線エネルギーおよび
/または光エネルギーを減衰させる性質を有しているこ
とが好ましいが、とくに限定されるものではなく、無機
化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用すること
ができ、金属材料、セラミック材料またはプラスチック
材料が、好ましく使用される。
【0113】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために好ましく使用することのできる無
機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、
アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケ
ル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステ
ンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリ
コン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪
素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイ
ト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパ
タイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができ
る。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのよ
うな多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。
【0114】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために使用可能な有機化合物材料として
は、高分子化合物が好ましく用いられ、好ましく使用す
ることのできる高分子化合物としては、たとえば、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリ
メチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメ
タクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリ
ロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポ
リフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポ
リクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポ
リエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレート
などのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスル
ホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシ
ロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノー
ル樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;
ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セル
ロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシ
ウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0115】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、生化学解析用ユニットの基板は、比
重1.0g/cm以上の化合物材料または複合材料に
よって形成されることが好ましく、比重が1.5g/c
以上、23g/cm以下の化合物材料または複合
材料によって形成されることが、とくに好ましい。
【0116】また、一般に、光の散乱および/または吸
収が大きいほど、光の減衰能が高くなるので、生化学解
析用ユニットの基板は、厚さ1cmあたりの吸光度が
0.3以上であることが好ましく、厚さ1cmあたりの
吸光度が1以上であれば、さらに好ましい。ここに、吸
光度は、厚さTcmの板状体の直後に、積分球を置き、
計測に利用するプローブ光またはエミッション光の波長
における透過光量Aを分光光度計によって測定し、A/
Tを算出することによって、求められる。光減衰能を向
上させるために、光散乱体や光吸収体を、生化学解析用
ユニットの基板に含有させることもできる。光散乱体と
しては、生化学解析用ユニットの基板を形成している材
料と異なる材料の微粒子が用いられ、光吸収体として
は、顔料または染料が用いられる。
【0117】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、吸着性基板を備え、
前記複数の吸着性領域が、前記吸着性基板に、特異的結
合物質を含有させて、形成されている。
【0118】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するための吸着性
材料としては、多孔質材料あるいは繊維材料が好ましく
使用される。多孔質材料と繊維材料とを併用して、吸着
性領域あるいは吸着性基板を形成することもできる。
【0119】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる多孔質材料は、有機材料、無機材料のいずれでもよ
く、有機/無機複合体でもよい。
【0120】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる有機多孔質材料は、とくに限定されるものではない
が、活性炭などの炭素材料あるいはメンブレンフィルタ
を形成可能な材料が、好ましく用いられる。具体的に
は、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10な
どのナイロン類;ニトロセルロース、酢酸セルロース、
酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;コラーゲ
ン;アルギン酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/
ポリリシンポリイオンコンプレックスなどのアルギン酸
類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ
化ビニリデン、ポリテトラフルオライドなどのポリフル
オライドや、これらの共重合体または複合体が挙げられ
る。
【0121】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる無機多孔質材料は、とくに限定されるものではない
が、好ましくは、たとえば、白金、金、鉄、銀、ニッケ
ル、アルミニウムなどの金属;アルミナ、シリカ、チタ
ニア、ゼオライトなどの金属酸化物;ヒドロキシアパタ
イト、硫酸カルシウムなどの金属塩やこれらの複合体な
どが挙げられる。
【0122】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる繊維材料は、とくに限定されるものではないが、好
ましくは、たとえば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン類、ニトロセルロース、
酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース
誘導体などが挙げられる。
【0123】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域は、電解処理、プラズマ処理、アーク放電な
どの酸化処理;シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤などを用いたプライマー処理;界面活性剤処理な
どの表面処理によって形成することもできる。
【0124】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0125】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置によって、生体由来の物
質がハイブリダイズされる特異的結合物質を含む溶液が
滴下される生化学解析用ユニットの略斜視図である。
【0126】図1に示されるように、本実施態様にかか
る生化学解析用ユニット1は、ステンレス鋼によって形
成され、多数の略円形状の貫通孔3が高密度に形成され
た基板2を備えており、多数の貫通孔3の内部には、ナ
イロン6が充填されて、多数の吸着性領域4が、ドット
状に形成されている。
【0127】図1には正確に示されていないが、本実施
態様においては、約10000の約0.01平方ミリメ
ートルのサイズを有する略円形の貫通孔3が、約500
0個/平方センチメートルの密度で、規則的に、基板2
に形成されている。吸着性領域4は、その表面が、基板
2の表面と同じ高さに位置するように、多数の貫通孔3
内に、ナイロン6が充填されて、形成されている。
【0128】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0129】生化学解析にあたっては、図2に示される
ように、生化学解析用ユニット1に規則的に形成された
多数の吸着性領域4内に、特異的結合物質を含む溶液、
たとえば、塩基配列が既知の互いに異なった複数のcD
NAを含む溶液が、スポッティング装置を使用して、滴
下され、特異的結合物質が吸着性領域4内に固定され
る。
【0130】図2に示されるように、スポッティング装
置は、特異的結合物質を含む溶液を、生化学解析用ユニ
ット1の表面に向けて噴射するインジェクタ5とCCD
カメラ6を備え、CCDカメラ6によって、インジェク
タ5の先端部と、特異的結合物質を含む溶液を滴下すべ
き生化学解析用ユニット1の吸着性領域4を観察しなが
ら、インジェクタ5の先端部と、特異的結合物質を含む
溶液を滴下すべき吸着性領域4の中心とが合致したとき
に、インジェクタ5から、塩基配列が既知の互いに異な
った複数のcDNAなどの特異的結合物質を含む溶液が
滴下されるように構成され、生化学解析用ユニット1の
多数の吸着性領域4内に、特異的結合物質を含む溶液
を、正確に滴下することができるように保証されてい
る。
【0131】図3は、本発明の好ましい実施態様にかか
るハイブリダイゼーション反応チャンバの略斜視図であ
る。
【0132】図3に示されるように、本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション反応チャンバ7は、ケーシン
グ8と蓋9を備えており、蓋9が閉じられたときに、ハ
イブリダイゼーション反応チャンバ7が水密性を有する
ように構成されている。
【0133】図3に示されるように、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバ7は、生化学解析用ユニット1の幅
よりもわずかに大きい幅を有する矩形状領域10aと、
矩形状部分10aの両側に、両端部に頂点を有する三角
形状領域10b、10cを有している。
【0134】蓋9の略中央部に、幅方向に沿って、一対
のピン状の押さえ部材9a、9aが設けられ、生化学解
析用ユニット1をケーシング8内にセットし、蓋9を閉
じたときに、押さえ部材9a、9aによって、ハイブリ
ダイゼーション反応チャンバ7に収容された生化学解析
用ユニット1が、矩形状領域10a内に保持されるよう
に構成されている。
【0135】図3に示されるように、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバ7の蓋9の三角形状領域10bの一
端部近傍に形成された溶液注入口11aには、前処理
液、ハイブリダイゼーション溶液、プローブ溶液および
洗浄溶液を、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内
に注入する溶液注入チューブ11が取り付けられ、一
方、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7の蓋9の三
角形状領域10cの一端部近傍に形成された溶液排出口
12aには、前処理液、ハイブリダイゼーション溶液に
プローブ溶液が添加された溶液および洗浄溶液を、ハイ
ブリダイゼーション反応チャンバ7から排出する溶液排
出チューブ12が取り付けられている。
【0136】溶液注入チューブ11の先端部には、ねじ
(図示せず)が形成され、ハイブリダイゼーション反応
チャンバ7の溶液注入口11aに形成されたねじ山(図
示せず)に係合させることによって、溶液注入チューブ
11がハイブリダイゼーション反応チャンバ7の溶液注
入口11aに取り付けられ、係合を解除することによっ
て、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7の溶液注入
口11aから、溶液注入チューブ11を取り外すことが
できるように構成されている。
【0137】溶液注入チューブ11および溶液排出チュ
ーブ12は、いずれも、可撓性を有する材料によって形
成されている。
【0138】図4は、本発明の好ましい実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置の略側面図である。
【0139】図4に示されるように、本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置は、その略中央部に設け
られた軸13aを介して、基台14に揺動可能に取り付
けられた揺動台13を備え、ハイブリダイゼーション反
応チャンバ7は、その中心軸線7aが、軸13aの直上
方に位置するように、揺動台13の上面に、取り外し可
能に取り付けられている。
【0140】図4に示されるように、本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置は、さらに、前処理液を
収容する前処理液タンク15aと、ハイブリダイゼーシ
ョン溶液を収容するハイブリダイゼーション溶液タンク
15bと、プローブ溶液を収容するプローブ溶液チップ
15cと、洗浄溶液を収容する洗浄溶液タンク15dを
備えている。
【0141】図4に示されるように、前処理液タンク1
5a、ハイブリダイゼーション溶液タンク15b、プロ
ーブ溶液チップ15cおよび洗浄溶液タンク15dは、
それぞれ、バルブ16a、バルブ16b、バルブ16c
およびバルブ16dを介して、溶液注入チューブ11に
接続されており、バルブ16a、バルブ16b、バルブ
16cおよびバルブ16dと、ハイブリダイゼーション
反応チャンバ7の間の溶液注入チューブ11には、ポン
プ17が設けられている。
【0142】ここに、バルブ16a、バルブ16b、バ
ルブ16cおよびバルブ16dは、三方向バルブによっ
て構成され、それぞれ、前処理液タンク15a、ハイブ
リダイゼーション溶液タンク15b、プローブ溶液チッ
プ15cおよび洗浄溶液タンク15dと、溶液注入チュ
ーブ11とを接続させる第一の位置と、大気と溶液注入
チューブ11とを接続させる第二の位置と、前処理液タ
ンク15a、ハイブリダイゼーション溶液タンク15
b、プローブ溶液チップ15cおよび洗浄溶液タンク1
5dならびに大気と、溶液注入チューブ11との連通を
遮断させる第三の位置を、選択的に取ることができるよ
うに構成されている。
【0143】図4に示されるように、本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置は、さらに、ハイブリダ
イゼーション反応チャンバ7から、前処理液を回収する
前処理液回収タンク18aと、ハイブリダイゼーション
反応チャンバ7から、ハイブリダイゼーション溶液にプ
ローブ溶液が添加された溶液を回収するハイブリダイゼ
ーション溶液回収タンク18bと、ハイブリダイゼーシ
ョン反応チャンバ7から、洗浄溶液を回収する洗浄溶液
回収タンク18cを備え、前処理液回収タンク18a、
ハイブリダイゼーション溶液回収タンク18bおよび洗
浄溶液回収タンク18cは、それぞれ、バルブ19a、
バルブ19bおよびバルブ19cを介して、溶液排出チ
ューブ12に接続されており、バルブ19a、バルブ1
9bおよびバルブ19cと、ハイブリダイゼーション反
応チャンバ7の間の溶液排出チューブ12には、ポンプ
20が設けられている。
【0144】ここに、バルブ19a、バルブ19bおよ
びバルブ19cは、三方向バルブによって構成され、そ
れぞれ、前処理液回収タンク18a、ハイブリダイゼー
ション溶液回収タンク18bおよび洗浄溶液回収タンク
18cと、溶液排出チューブ12とを接続させる第一の
位置と、大気と溶液排出チューブ12とを接続させる第
二の位置と、前処理液回収タンク18a、ハイブリダイ
ゼーション溶液回収タンク18bおよび洗浄溶液回収タ
ンク18cならびに大気と溶液排出チューブ12との連
通を遮断させる第三の位置を、選択的に取ることができ
るように構成されている。
【0145】図4に示されるように、洗浄溶液回収タン
ク18c内には、回収された洗浄溶液中に含まれる放射
性標識物質の濃度を検出する放射線センサ21が設けら
れている。
【0146】図5は、本発明の好ましい実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置の制御系、検出系、駆動
系および入力系を示すブロックダイアグラムである。
【0147】図5に示されるように、本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置の制御系は、ハイブリダ
イゼーション装置全体の動作を制御するコントロールユ
ニット22を備え、ハイブリダイゼーション装置の検出
系は、回収された洗浄溶液中に含まれる放射性標識物質
の濃度を検出する放射線センサ21を備えている。
【0148】図5に示されるように、本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置の駆動系は、揺動台13
の軸13aを、正逆両方向に回転させるモータ23と、
前処理液、ハイブリダイゼーション溶液、プローブ溶液
あるいは洗浄溶液を、ハイブリダイゼーション反応チャ
ンバ7内に注入するポンプ17と、前処理液、ハイブリ
ダイゼーション溶液にプローブ溶液が添加された溶液あ
るいは洗浄溶液を、ハイブリダイゼーション反応チャン
バ7から、排出するポンプ20と、バルブ16aと、バ
ルブ16bと、バルブ16cと、バルブ16dと、バル
ブ19aと、バルブ19bと、バルブ19cとを備え、
ハイブリダイゼーション装置の入力系は、キーボード2
4を備えている。
【0149】以上のように構成された本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置は、以下のようにして、
生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に含まれ
た特異的結合物質に、プローブ溶液に含まれた標識物質
によって標識された生体由来の物質を、選択的に、ハイ
ブリダイズさせる。
【0150】まず、前処理液が調製されて、前処理液タ
ンク15a内に収容され、ハイブリダイゼーション溶液
が調製されて、ハイブリダイゼーション溶液タンク15
b内に収容されるとともに、洗浄溶液が調整されて、洗
浄溶液タンク15d内に収容される。
【0151】一方、標識物質によって標識された生体由
来の物質を含むプローブ溶液が調製されて、プローブ溶
液チップ15c内に収容される。
【0152】放射性標識物質によって、cDNAなどの
特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標
識物質によって標識されたプローブである生体由来の物
質を含むプローブ溶液が調製され、プローブ溶液チップ
15c内に収容される。
【0153】一方、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって、cDNA
などの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識されたプローブである生体由
来の物質を含むプローブ溶液が調製され、プローブ溶液
チップ15c内に収容される。
【0154】さらに、蛍光色素などの蛍光物質によっ
て、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する
場合には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された
プローブである生体由来の物質を含むプローブ溶液が調
製されて、プローブ溶液チップ15c内に収容される。
【0155】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含
むプローブ溶液を調製して、プローブ溶液チップ15c
内に収容させることもでき、本実施態様においては、放
射性標識物質によって標識された生体由来の物質および
蛍光物質によって標識された生体由来の物質を含むプロ
ーブ溶液が調製され、プローブ溶液チップ15c内に収
容されている。
【0156】ハイブリダイゼーションにあたっては、ハ
イブリダイゼーション反応チャンバ7の蓋9が開かれ
て、cDNAなどの特異的結合物質が、多数の吸着性領
域4に吸着されている生化学解析用ユニット1が、ハイ
ブリダイゼーション反応チャンバ7の矩形状領域10a
内に収容され、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7
の蓋9が閉じられる。
【0157】次いで、ユーザーによって、スタート信号
が、キーボード24に入力される。
【0158】キーボード24に入力されたスタート信号
は、コントロールユニット22に出力される。
【0159】スタート信号を受けると、コントロールユ
ニット22は、バルブ16aを第一の位置に位置させ
て、前処理液タンク15aと、溶液注入チューブ11と
を連通させ、バルブ16b、バルブ16cおよびバルブ
16dを第三の位置に位置させて、ハイブリダイゼーシ
ョン溶液タンク15b、プローブ溶液チップ15cおよ
び洗浄溶液タンク15dならびに大気と、溶液注入チュ
ーブ11との連通を遮断させるとともに、バルブ19
a、バルブ19bおよびバルブ19cを第二の位置に位
置させて、大気と溶液排出チューブ12とを連通させ
る。
【0160】次いで、コントロールユニット22は、モ
ータ23に駆動信号を出力して、揺動台13の軸13a
を回転させ、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7へ
の溶液注入チューブ11の取り付け部が、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバ7への溶液排出チューブ12の
取り付け部よりも下方に位置するタイミングで、モータ
23に駆動停止信号を出力して、モータ23の駆動を停
止させる。
【0161】ハイブリダイゼーション反応チャンバ7へ
の溶液注入チューブ11の取り付け部が、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバ7への溶液排出チューブ12の
取り付け部よりも下方に位置した状態で、揺動台13が
停止されると、コントロールユニット22は、ポンプ1
7に駆動信号を出力する。
【0162】その結果、前処理液タンク15aに収容さ
れた前処理液が、溶液注入チューブ11を介して、ハイ
ブリダイゼーション反応チャンバ7内に注入される。
【0163】この時点では、ハイブリダイゼーション反
応チャンバ7への溶液注入チューブ11の取り付け部
が、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7への溶液排
出チューブ12の取り付け部よりも下方に位置している
ため、前処理液は、溶液注入チューブ11の近傍のハイ
ブリダイゼーション反応チャンバ7の空間内に収容され
る。
【0164】所定量の前処理液が、ハイブリダイゼーシ
ョン反応チャンバ7内に注入されると、コントロールユ
ニット22は、ポンプ17に駆動停止信号を出力して、
ポンプ17の駆動を停止するとともに、モータ23に駆
動信号を出力し、揺動台13の軸13aを、正逆両方向
に、交互に回転させる。
【0165】その結果、揺動台13が、軸13aまわり
に揺動され、揺動台13の上面に取り付けられているハ
イブリダイゼーション反応チャンバ7が、軸13aまわ
りに揺動されて、ハイブリダイゼーション反応チャンバ
7内に注入された前処理液が撹拌され、前処理液と、生
化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4とが均一に
接触して、前処理が実行される。
【0166】ここに、ハイブリダイゼーション反応チャ
ンバ7内に注入された前処理液は、まず、溶液注入チュ
ーブ11の近傍のハイブリダイゼーション反応チャンバ
7の空間内に収容されるので、ハイブリダイゼーション
反応チャンバ7を揺動させることによって、前処理液
と、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4とを
均一に接触させることが可能になる。
【0167】図6は、ハイブリダイゼーション反応チャ
ンバ7中の溶液の流れを示す略横断面図である。
【0168】本実施態様においては、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバ7は、生化学解析用ユニット1が保
持された矩形状領域10aの両側に、両端部に頂点を有
する三角形状領域10b、10cを有しているから、揺
動台13が、軸13aまわりに揺動されるのにともなっ
て、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内の前処理
液が、図6において、矢印で示されるように流れ、三角
形状領域10b、10c内に流入するたびに、撹拌され
て、均一に混合され、したがって、前処理の効率を大幅
に向上させることが可能になる。
【0169】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット22は、モータ23に駆動停止信号を出力して、
揺動台13の揺動を停止させ、バルブ16a、16b、
16cおよび16dを第二の位置に位置させて、大気と
溶液注入チューブ11とを連通させ、バルブ19aを第
一の位置に位置させて、前処理液回収タンク18aと溶
液排出チューブ12とを連通させるとともに、バルブ1
9bおよびバルブ19cを第三の位置に位置させて、ハ
イブリダイゼーション溶液回収タンク18bおよび洗浄
溶液回収タンク18cならびに大気と、溶液排出チュー
ブ12との連通を遮断させる。
【0170】次いで、コントロールユニット22は、ポ
ンプ20に駆動信号を出力する。
【0171】その結果、ハイブリダイゼーション反応チ
ャンバ7内から、前処理液が排出されて、溶液排出チュ
ーブ12を介して、前処理液回収タンク18a内に回収
される。
【0172】ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内
の前処理液が、前処理液回収タンク18a内に回収され
ると、コントロールユニット22は、ポンプ20に駆動
停止信号を出力して、ポンプ20の駆動を停止させる。
【0173】次いで、コントロールユニット22は、バ
ルブ19a、バルブ19bおよびバルブ19cを第二の
位置に位置させて、大気と溶液排出チューブ12とを連
通させ、バルブ16bを第一の位置に位置させて、ハイ
ブリダイゼーション溶液タンク15bと、溶液注入チュ
ーブ11とを連通させるとともに、バルブ16a、バル
ブ16cおよびバルブ16dを第三の位置に位置させ
て、前処理液タンク15a、プローブ溶液チップ15c
および洗浄溶液タンク15dならびに大気と、溶液注入
チューブ11との連通を遮断させ、ポンプ17に駆動信
号を出力する。
【0174】その結果、ハイブリダイゼーション溶液タ
ンク15bに収容されたハイブリダイゼーション溶液
が、溶液注入チューブ11を介して、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバ7内に注入される。
【0175】所定量のハイブリダイゼーション溶液が、
ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内に注入される
と、コントロールユニット22は、ポンプ17に駆動停
止信号を出力して、ポンプ17の駆動を停止するととも
に、モータ23に駆動信号を出力し、揺動台13の軸1
3aを、正逆両方向に、交互に回転させる。
【0176】その結果、揺動台13が、軸13aまわり
に揺動され、揺動台13の上面に取り付けられているハ
イブリダイゼーション反応チャンバ7が、軸13aまわ
りに揺動されて、ハイブリダイゼーション反応チャンバ
7内に注入されたハイブリダイゼーション溶液が撹拌さ
れ、ハイブリダイゼーション溶液と、生化学解析用ユニ
ット1の多数の吸着性領域4とが均一に接触して、プレ
ハイブリダイゼーションが実行される。
【0177】本実施態様においては、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバ7は、生化学解析用ユニット1が保
持された矩形状領域10aの両側に、両端部に頂点を有
する三角形状領域10b、10cを有しているから、揺
動台13が、軸13aまわりに揺動されるのにともなっ
て、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内のハイブ
リダイゼーション溶液が、図6において、矢印で示され
るように流れ、三角形状領域10b、10c内に流入す
るたびに、撹拌されて、均一に混合され、したがって、
プレハイブリダイゼーションの効率を大幅に向上させる
ことが可能になる。
【0178】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット22は、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7
への溶液注入チューブ11の取り付け部が、ハイブリダ
イゼーション反応チャンバ7への溶液排出チューブ12
の取り付け部よりも下方に位置するタイミングで、モー
タ23に駆動停止信号を出力して、揺動台13の揺動を
停止させる。
【0179】次いで、コントロールユニット22は、バ
ルブ16bを第三の位置に位置させて、ハイブリダイゼ
ーション溶液タンク15bおよび大気と、溶液注入チュ
ーブ11との連通を遮断させるとともに、バルブ16c
を第一の位置に位置させて、プローブ溶液チップ15c
と溶液注入チューブ11とを連通させ、ポンプ17に駆
動信号を出力する。
【0180】その結果、プローブ溶液チップ15c内に
収容されたプローブ溶液が、溶液注入チューブ11を介
して、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内に注入
される。
【0181】この時点では、ハイブリダイゼーション反
応チャンバ7への溶液注入チューブ11の取り付け部
が、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7への溶液排
出チューブ12の取り付け部よりも下方に位置している
ため、プローブ溶液は、ハイブリダイゼーション反応チ
ャンバ7内のハイブリダイゼーション溶液に注入され、
したがって、プローブ溶液と、ハイブリダイゼーション
溶液を、均一に混合することが可能になるとともに、ハ
イブリダイゼーション溶液とプローブ溶液の混合溶液
を、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に均
一に接触させることが可能になる。
【0182】所定量のプローブ溶液が、ハイブリダイゼ
ーション反応チャンバ7内に注入されると、コントロー
ルユニット22は、ポンプ17に駆動停止信号を出力し
て、ポンプ17の駆動を停止するとともに、モータ23
に駆動信号を出力し、揺動台13の軸13aを、正逆両
方向に、交互に回転させる。
【0183】その結果、揺動台13が、軸13aまわり
に揺動され、揺動台13の上面に取り付けられているハ
イブリダイゼーション反応チャンバ7が、軸13aまわ
りに揺動されて、ハイブリダイゼーション反応チャンバ
7内に収容されているハイブリダイゼーション溶液とプ
ローブ溶液の混合溶液が撹拌され、生化学解析用ユニッ
ト1の多数の吸着性領域4とが均一に接触して、ハイブ
リダイゼーションが実行される。
【0184】本実施態様においては、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバ7は、生化学解析用ユニット1が保
持された矩形状領域10aの両側に、両端部に頂点を有
する三角形状領域10b、10cを有しているから、揺
動台13が、軸13aまわりに揺動されるのにともなっ
て、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内に注入さ
れているハイブリダイゼーション溶液とプローブ溶液の
混合溶液が、図6において、矢印で示されるように流
れ、三角形状領域10b、10c内に流入するたびに、
撹拌されて、均一に混合され、したがって、生化学解析
用ユニット1の吸着性領域4に含まれた特異的結合物質
に、その特異的結合物質にハイブリダイズするべき生体
由来の物質が出会う確率が飛躍的に向上し、ハイブリダ
イゼーションの効率を大幅に向上させることが可能にな
る。
【0185】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット22は、モータ23に駆動停止信号を出力して、
揺動台13の揺動を停止させ、バルブ16a、バルブ1
6b、バルブ16cおよびバルブ16dを、第二の位置
に位置させて、大気と溶液注入チューブ11とを連通さ
せ、バルブ19bを第一の位置に位置させて、ハイブリ
ダイゼーション溶液回収タンク18bと溶液排出チュー
ブ12とを連通させるとともに、バルブ19aおよびバ
ルブ19bを第三の位置に位置させて、前処理液回収タ
ンク18aおよび洗浄溶液回収タンク18cならびに大
気と、溶液排出チューブ12との連通を遮断させる。
【0186】次いで、コントロールユニット22は、ポ
ンプ20に駆動信号を出力する。
【0187】その結果、ハイブリダイゼーション反応チ
ャンバ7内から、ハイブリダイゼーション溶液とプロー
ブ溶液の混合溶液が排出されて、溶液排出チューブ12
を介して、ハイブリダイゼーション溶液回収タンク18
b内に回収される。
【0188】ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内
のハイブリダイゼーション溶液とプローブ溶液の混合溶
液が、ハイブリダイゼーション溶液回収タンク18b内
に回収されると、コントロールユニット22は、ポンプ
20に駆動停止信号を出力して、ポンプ20の駆動を停
止させる。
【0189】次いで、コントロールユニット22は、バ
ルブ19a、バルブ19bおよびバルブ19cを第二の
位置に位置させて、大気と溶液排出チューブ12とを連
通させ、バルブ16dを第一の位置に位置させて、洗浄
溶液タンク15dと、溶液注入チューブ11とを連通さ
せるとともに、バルブ16a、バルブ16bおよびバル
ブ16cを第三の位置に位置させて、前処理液タンク1
5a、ハイブリダイゼーション溶液タンク15bおよび
プローブ溶液チップ15cならびに大気と、溶液注入チ
ューブ11との連通を遮断させる。
【0190】次いで、コントロールユニット22は、モ
ータ23に駆動信号を出力して、揺動台13の軸13a
を回転させ、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7へ
の溶液注入チューブ11の取り付け部が、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバ7への溶液排出チューブ12の
取り付け部よりも下方に位置するタイミングで、モータ
23に駆動停止信号を出力して、モータ23の駆動を停
止させる。
【0191】ハイブリダイゼーション反応チャンバ7へ
の溶液注入チューブ11の取り付け部が、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバ7への溶液排出チューブ12の
取り付け部よりも下方に位置した状態で、揺動台13が
停止されると、コントロールユニット22は、ポンプ1
7に駆動信号を出力する。
【0192】その結果、洗浄溶液タンク15dに収容さ
れた洗浄溶液が、溶液注入チューブ11を介して、ハイ
ブリダイゼーション反応チャンバ7内に注入される。
【0193】この時点では、ハイブリダイゼーション反
応チャンバ7への溶液注入チューブ11の取り付け部
が、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7への溶液排
出チューブ12の取り付け部よりも下方に位置している
ため、洗浄溶液は、溶液注入チューブ11の近傍のハイ
ブリダイゼーション反応チャンバ7の空間内に収容され
る。
【0194】所定量の洗浄溶液が、ハイブリダイゼーシ
ョン反応チャンバ7内に注入されると、コントロールユ
ニット22は、ポンプ17に駆動停止信号を出力して、
ポンプ17の駆動を停止するとともに、モータ23に駆
動信号を出力し、揺動台13の軸13aを、正逆両方向
に、交互に回転させる。
【0195】その結果、揺動台13が、軸13aまわり
に揺動され、揺動台13の上面に取り付けられているハ
イブリダイゼーション反応チャンバ7が、軸13aまわ
りに揺動されて、ハイブリダイゼーション反応チャンバ
7内に注入された洗浄溶液が撹拌され、洗浄溶液と、生
化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4とが均一に
接触して、洗浄が実行される。
【0196】ここに、ハイブリダイゼーション反応チャ
ンバ7内に注入された洗浄溶液は、まず、溶液注入チュ
ーブ11の近傍のハイブリダイゼーション反応チャンバ
7の空間内に収容されるので、ハイブリダイゼーション
反応チャンバ7を揺動させることによって、洗浄溶液
と、生化学解析用ユニット1とを均一に接触させること
が可能になる。
【0197】本実施態様においては、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバ7は、生化学解析用ユニット1が保
持された矩形状領域10aの両側に、両端部に頂点を有
する三角形状領域10b、10cを有しているから、揺
動台13が、軸13aまわりに揺動されるのにともなっ
て、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内の洗浄溶
液が、図6において、矢印で示されるように流れ、三角
形状領域10b、10c内に流入するたびに、撹拌され
て、均一に混合され、したがって、洗浄効率を大幅に向
上させることが可能になる。
【0198】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット22は、モータ23に駆動停止信号を出力して、
揺動台13の揺動を停止させる。
【0199】その後、コントロールユニット22は、バ
ルブ16a、バルブ16b、バルブ16cおよびバルブ
16dを、第二の位置に位置させて、大気と溶液注入チ
ューブ11とを連通させ、バルブ19cを第一の位置に
位置させて、洗浄溶液回収タンク18cと溶液排出チュ
ーブ12とを連通させるとともに、バルブ19aおよび
バルブ19bを第三の位置に位置させて、前処理液回収
タンク18aおよびハイブリダイゼーション溶液回収タ
ンク18bならびに大気と、溶液排出チューブ12との
連通を遮断させる。
【0200】次いで、コントロールユニット22は、ポ
ンプ20に駆動信号を出力する。
【0201】その結果、ハイブリダイゼーション反応チ
ャンバ7内から、洗浄溶液が排出されて、溶液排出チュ
ーブ12を介して、洗浄溶液回収タンク18c内に回収
される。
【0202】ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内
の洗浄溶液が、洗浄溶液回収タンク18c内に回収され
ると、コントロールユニット22は、ポンプ17に駆動
停止信号を出力して、ポンプ17の駆動を停止させる。
【0203】同時に、洗浄溶液回収タンク18c内に設
けられた放射線センサ21により、洗浄溶液に含まれて
いる放射性標識物質の濃度が検出され、放射線検出信号
がコントロールユニット22に出力される。
【0204】コントロールユニット22は、放射線セン
サ21から入力された放射線検出信号に基づいて、洗浄
溶液回収タンク18c内に回収された洗浄溶液中の放射
性標識物質の濃度を、メモリ(図示せず)に記憶されて
いる放射性標識物質基準濃度と比較する。
【0205】その結果、洗浄溶液回収タンク18c内に
回収された洗浄溶液中の放射性標識物質の濃度が、放射
性標識物質基準濃度を越えているときは、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4の洗浄が十分でなく、ハイブ
リダイゼーション反応チャンバ7内に、さらに、洗浄溶
液を注入して、洗浄操作を続ける必要があると認められ
るから、コントロールユニット22は、バルブ19a、
バルブ19bおよびバルブ19cを第二の位置に位置さ
せて、大気と溶液排出チューブ12とを連通させ、バル
ブ16dを第一の位置に位置させて、洗浄溶液タンク1
5dと、溶液注入チューブ11とを連通させるととも
に、バルブ16a、バルブ16bおよびバルブ16cを
第三の位置に位置させて、前処理液タンク15a、ハイ
ブリダイゼーション溶液タンク15bおよびプローブ溶
液チップ15cならびに大気と、溶液注入チューブ11
との連通を遮断させる。
【0206】次いで、コントロールユニット22は、モ
ータ23に駆動信号を出力して、揺動台13の軸13a
を回転させ、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7へ
の溶液注入チューブ11の取り付け部が、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバ7への溶液排出チューブ12の
取り付け部よりも下方に位置するタイミングで、モータ
23に駆動停止信号を出力して、モータ23の駆動を停
止させる。
【0207】ハイブリダイゼーション反応チャンバ7へ
の溶液注入チューブ11の取り付け部が、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバ7への溶液排出チューブ12の
取り付け部よりも下方に位置した状態で、揺動台13が
停止されると、コントロールユニット22は、ポンプ1
7に駆動信号を出力する。
【0208】その結果、洗浄溶液タンク15dに収容さ
れた洗浄溶液が、溶液注入チューブ11を介して、再
び、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内に注入さ
れる。
【0209】所定量の洗浄溶液が、ハイブリダイゼーシ
ョン反応チャンバ7内に注入されると、コントロールユ
ニット22は、ポンプ17に駆動停止信号を出力して、
ポンプ17の駆動を停止するとともに、モータ23に駆
動信号を出力し、揺動台13の軸13aを、正逆両方向
に、交互に回転させる。
【0210】その結果、揺動台13が、軸13aまわり
に揺動され、揺動台13の上面に取り付けられているハ
イブリダイゼーション反応チャンバ7が、軸13aまわ
りに揺動されて、ハイブリダイゼーション反応チャンバ
7内に注入された洗浄溶液が撹拌され、洗浄溶液と、生
化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4とが均一に
接触して、洗浄が続行される。
【0211】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット22は、モータ23に駆動停止信号を出力して、
揺動台13の揺動を停止させる。
【0212】その後、コントロールユニット22は、バ
ルブ16a、バルブ16b、バルブ16cおよびバルブ
16dを、第二の位置に位置させて、大気と溶液注入チ
ューブ11とを連通させ、バルブ19cを第一の位置に
位置させて、洗浄溶液回収タンク18cと溶液排出チュ
ーブ12とを連通させるとともに、バルブ19aおよび
バルブ19bを第三の位置に位置させて、前処理液回収
タンク18aおよびハイブリダイゼーション溶液回収タ
ンク18bならびに大気と、溶液排出チューブ12との
連通を遮断させる。
【0213】次いで、コントロールユニット22は、ポ
ンプ20に駆動信号を出力する。
【0214】その結果、ハイブリダイゼーション反応チ
ャンバ7内から、洗浄溶液が排出されて、溶液排出チュ
ーブ12を介して、洗浄溶液回収タンク18c内に回収
される。
【0215】ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内
の洗浄溶液が、洗浄溶液回収タンク18c内に回収され
ると、コントロールユニット22は、ポンプ17に駆動
停止信号を出力して、ポンプ17の駆動を停止させる。
【0216】同時に、洗浄溶液回収タンク18c内に設
けられた放射線センサ21により、洗浄溶液に含まれて
いる放射性標識物質の濃度が検出され、放射線検出信号
がコントロールユニット22に出力される。
【0217】コントロールユニット22は、放射線セン
サ21から入力された放射線検出信号に基づいて、洗浄
溶液回収タンク18c内に回収された洗浄溶液中の放射
性標識物質の濃度を、メモリ(図示せず)に記憶されて
いる放射性標識物質基準濃度と比較する。
【0218】その結果、洗浄溶液回収タンク18c内に
回収された洗浄溶液中の放射性標識物質の濃度が、放射
性標識物質基準濃度を越えているときは、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4の洗浄が十分でなく、ハイブ
リダイゼーション反応チャンバ7内に、さらに、洗浄溶
液を注入して、洗浄操作を続ける必要があると認められ
るから、コントロールユニット22は、バルブ19a、
バルブ19bおよびバルブ19cを第二の位置に位置さ
せて、大気と溶液排出チューブ12とを連通させ、バル
ブ16dを第一の位置に位置させて、洗浄溶液タンク1
5dと、溶液注入チューブ11とを連通させるととも
に、バルブ16a、バルブ16bおよびバルブ16cを
第三の位置に位置させて、前処理液タンク15a、ハイ
ブリダイゼーション溶液タンク15bおよびプローブ溶
液チップ15cならびに大気と、溶液注入チューブ11
との連通を遮断させる。
【0219】次いで、コントロールユニット22は、モ
ータ23に駆動信号を出力して、揺動台13の軸13a
を回転させ、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7へ
の溶液注入チューブ11の取り付け部が、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバ7への溶液排出チューブ12の
取り付け部よりも下方に位置するタイミングで、モータ
23に駆動停止信号を出力して、モータ23の駆動を停
止させる。
【0220】ハイブリダイゼーション反応チャンバ7へ
の溶液注入チューブ11の取り付け部が、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバ7への溶液排出チューブ12の
取り付け部よりも下方に位置した状態で、揺動台13が
停止されると、コントロールユニット22は、ポンプ1
7に駆動信号を出力する。
【0221】その結果、洗浄溶液タンク15dに収容さ
れた洗浄溶液が、溶液注入チューブ11を介して、再
び、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内に注入さ
れる。
【0222】所定量の洗浄溶液が、ハイブリダイゼーシ
ョン反応チャンバ7内に注入されると、コントロールユ
ニット22は、ポンプ17に駆動停止信号を出力して、
ポンプ17の駆動を停止するとともに、モータ23に駆
動信号を出力し、揺動台13の軸13aを、正逆両方向
に、交互に回転させる。
【0223】その結果、揺動台13が、軸13aまわり
に揺動され、揺動台13の上面に取り付けられているハ
イブリダイゼーション反応チャンバ7が、軸13aまわ
りに揺動されて、ハイブリダイゼーション反応チャンバ
7内に注入された洗浄溶液が撹拌され、洗浄溶液と、生
化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4とが均一に
接触して、洗浄がさらに続行される。
【0224】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット22は、モータ23に駆動停止信号を出力して、
揺動台13の揺動を停止させる。
【0225】その後、コントロールユニット22は、バ
ルブ16a、バルブ16b、バルブ16cおよびバルブ
16dを、第二の位置に位置させて、大気と溶液注入チ
ューブ11とを連通させ、バルブ19cを第一の位置に
位置させて、洗浄溶液回収タンク18cと溶液排出チュ
ーブ12とを連通させるとともに、バルブ19aおよび
バルブ19bを第三の位置に位置させて、前処理液回収
タンク18aおよびハイブリダイゼーション溶液回収タ
ンク18bならびに大気と、溶液排出チューブ12との
連通を遮断させる。
【0226】次いで、コントロールユニット22は、ポ
ンプ20に駆動信号を出力する。
【0227】その結果、ハイブリダイゼーション反応チ
ャンバ7内から、洗浄溶液が排出されて、溶液排出チュ
ーブ12を介して、洗浄溶液回収タンク18c内に回収
される。
【0228】ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内
の洗浄溶液が、洗浄溶液回収タンク18c内に回収され
ると、コントロールユニット22は、ポンプ17に駆動
停止信号を出力して、ポンプ17の駆動を停止させる。
【0229】同時に、洗浄溶液回収タンク18c内に設
けられた放射線センサ21により、洗浄溶液に含まれて
いる放射性標識物質の濃度が検出され、放射線検出信号
がコントロールユニット22に出力される。
【0230】コントロールユニット22は、放射線セン
サ21から入力された放射線検出信号に基づいて、洗浄
溶液回収タンク18c内に回収された洗浄溶液中の放射
性標識物質の濃度を、メモリ(図示せず)に記憶されて
いる放射性標識物質基準濃度と比較する。
【0231】こうして、洗浄溶液回収タンク18c内に
回収された洗浄溶液中の放射性標識物質の濃度が、放射
性標識物質基準濃度以下に低下するまで、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバ7内に、洗浄溶液が注入され
て、洗浄が繰り返され、洗浄溶液回収タンク18c内に
回収された洗浄溶液中の放射性標識物質の濃度が、放射
性標識物質基準濃度以下に低下すると、コントロールユ
ニット22は、洗浄が完了したと判定して、バルブ16
a、バルブ16b、バルブ16c、バルブ16dを第三
の位置に位置させて、大気と、溶液注入チューブ11と
を連通させるとともに、バルブ19a、バルブ19bお
よびバルブ19cを第三の位置に位置させて、大気と、
溶液排出チューブとを連通させる。
【0232】洗浄が完了すると、ハイブリダイゼーショ
ン反応チャンバ7の蓋9が開放されて、生化学解析用ユ
ニット1が取り出される。
【0233】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質に、プロ
ーブ溶液に含まれている生体由来の物質が、選択的に、
ハイブリダイズされて、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に、生体由来の物質を標識している放射
性標識物質の放射線データおよび生体由来の物質を標識
している蛍光物質の蛍光データが記録される。
【0234】生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に
記録された蛍光データは、後述するスキャナによって読
み取られ、生化学解析用データが生成され、一方、放射
性標識物質の放射線データは、蓄積性蛍光体シートに転
写され、蓄積性蛍光体シートに転写された放射線データ
は、後述するスキャナによって読み取られて、生化学解
析用データが生成される。
【0235】図7は、蓄積性蛍光体シートの略斜視図で
ある。
【0236】図7に示されるように、本実施態様にかか
る蓄積性蛍光体シート25は、多数の略円形の貫通孔2
8が規則的に形成されたニッケル製の支持体26を備
え、支持体16に形成された多数の貫通孔28内に、輝
尽性蛍光体が充填されて、多数の輝尽性蛍光体層領域2
7が、ドット状に形成されている。
【0237】多数の貫通孔23は、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4と同一の
パターンで、支持体26に形成され、各輝尽性蛍光体層
領域27は、生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた吸着性領域4と等しいサイズを有するように、形成
されている。
【0238】したがって、図7には正確に示されていな
いが、約10000の約0.01平方ミリメートルのサ
イズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域27が、約5
000個/平方センチメートルの密度で、かつ、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領
域4と同一の規則的なパターンにより、蓄積性蛍光体シ
ート25の支持体26に、ドット状に形成されている。
【0239】また、本実施態様においては、支持体26
の表面と、輝尽性蛍光体層領域27の表面とが同一の高
さに位置するように、支持体26に形成された貫通孔2
8に、輝尽性蛍光体が充填されて、蓄積性蛍光体シート
25が形成されている。
【0240】図8は、生化学解析用ユニット1に形成さ
れた多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シート25に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域27を露光する方法を示す略断面図であ
る。
【0241】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1は、ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の
貫通孔3内に、ナイロン6が充填されて、形成されてい
るので、ハイブリダイゼーションなど、液体による処理
を受けても、ほとんど伸縮することがなく、したがっ
て、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性
領域4のそれぞれが、蓄積性蛍光体シート25に形成さ
れた対応する輝尽性蛍光体層領域27に、正確に対向す
るように、蓄積性蛍光体シート25と生化学解析用ユニ
ット1とを重ね合わせて、輝尽性蛍光体層領域27を露
光することが可能になる。
【0242】こうして、所定の時間にわたって、生化学
解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4のそ
れぞれが、蓄積性蛍光体シート25に形成された対応す
る輝尽性蛍光体層領域27に対向するように、生化学解
析用ユニット1と蓄積性蛍光体シート25とを重ね合わ
せることによって、吸着性領域4に含まれた放射性標識
物質によって、蓄積性蛍光体シート25に形成された多
数の輝尽性蛍光体層領域27が露光される。
【0243】この際、吸着性領域4に吸着されている放
射性標識物質から電子線(β線)が発せられるが、生化
学解析用ユニット1の吸着性領域4は、放射線エネルギ
ーを減衰させる性質を有するステンレス鋼によって形成
された基板2に、互いに離間して、形成されているか
ら、各吸着性領域4から放出された電子線(β線)が、
生化学解析用ユニット1の基板2内で散乱して、隣り合
う吸着性領域4から放出された電子線(β線)と混ざり
合い、隣り合う吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体層
領域27に入射することを効果的に防止することがで
き、さらに、蓄積性蛍光体シート25の各輝尽性蛍光体
層領域27が、放射線を減衰させる性質を有するニッケ
ル製の支持体26に形成された多数の貫通孔28内に、
輝尽性蛍光体を埋め込んで、形成されているから、各吸
着性領域4から放出された電子線(β線)が、蓄積性蛍
光体シート25の支持体26内で散乱して、対向する輝
尽性蛍光体層領域27に隣り合う輝尽性蛍光体層領域2
7に入射することを効果的に防止することが可能にな
り、したがって、吸着性領域4に含まれている放射性標
識物質から発せられた電子線(β線)を、その吸着性領
域4に対向する輝尽性蛍光体層領域27に選択的に入射
させることができ、吸着性領域4に含まれている放射性
標識物質から発せられた電子線(β線)が、隣り合う吸
着性領域4から放出される電子線によって露光されるべ
き輝尽性蛍光体層領域27に入射して、輝尽性蛍光体を
露光することを確実に防止することができる。
【0244】こうして、蓄積性蛍光体シート25の支持
体26に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域27に、
放射性標識物質の放射線データが記録される。
【0245】図9は、蓄積性蛍光体シート25に形成さ
れた多数の輝尽性蛍光体層領域27に記録された放射性
標識物質の放射線データおよび生化学解析用ユニット1
の多数の吸着性領域4に記録された蛍光データを読み取
って、生化学解析用データを生成するスキャナの略斜視
図であり、図10は、フォトマルチプライア近傍のスキ
ャナの詳細を示す略斜視図である。
【0246】本実施態様にかかるスキャナは、蓄積性蛍
光体シート25に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域
27に記録された放射性標識物質の放射線データおよび
生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録さ
れた蛍光色素などの蛍光データを読み取り可能に構成さ
れており、640nmの波長のレーザ光34を発する第
1のレーザ励起光源31と、532nmの波長のレーザ
光34を発する第2のレーザ励起光源32と、473n
mの波長のレーザ光34を発する第3のレーザ励起光源
33とを備えている。
【0247】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源31は、半導体レーザ光源により構成され、第2の
レーザ励起光源32および第3のレーザ励起光源33
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素
子によって構成されている。
【0248】第1のレーザ励起光源31により発生され
たレーザ光34は、コリメータレンズ35によって、平
行光とされた後、ミラー46によって反射される。第1
のレーザ励起光源31から発せられ、ミラー46によっ
て反射されたレーザ光34の光路には、640nmのレ
ーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する第
1のダイクロイックミラー37および532nm以上の
波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第
2のダイクロイックミラー48が設けられており、第1
のレーザ励起光源31により発生されたレーザ光34
は、第1のダイクロイックミラー37および第2のダイ
クロイックミラー48を透過して、ミラー39に入射す
る。
【0249】他方、第2のレーザ励起光源32より発生
されたレーザ光34は、コリメータレンズ40により、
平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー37に
よって反射されて、その向きが90度変えられて、第2
のダイクロイックミラー48を透過し、ミラー39に入
射する。
【0250】また、第3のレーザ励起光源33から発生
されたレーザ光34は、コリメータレンズ41によっ
て、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー4
8により反射されて、その向きが90度変えられた後、
ミラー39に入射する。
【0251】ミラー39に入射したレーザ光34は、ミ
ラー39によって反射され、さらに、ミラー42に入射
して、反射される。
【0252】ミラー42によって反射されたレーザ光3
4の光路には、中央部に穴43が形成された凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー44が配置されてお
り、ミラー42によって反射されたレーザ光34は、穴
開きミラー44の穴43を通過して、凹面ミラー48に
入射する。
【0253】凹面ミラー48に入射したレーザ光34
は、凹面ミラー48によって反射されて、光学ヘッド4
5に入射する。
【0254】光学ヘッド45は、ミラー46と、非球面
レンズ47を備えており、光学ヘッド45に入射したレ
ーザ光34は、ミラー46によって反射されて、非球面
レンズ47によって、ステージ50のガラス板51上に
載置された蓄積性蛍光体シート25あるいは生化学解析
用ユニット1に入射する。
【0255】蓄積性蛍光体シート25に、レーザ光34
が入射すると、蓄積性蛍光体シート25の支持体26に
形成された多数の輝尽性蛍光体層領域27が励起され、
輝尽光55が発せられ、また、生化学解析用ユニット1
に、レーザ光34が入射すると、多数の吸着性領域4に
含まれている蛍光色素などの蛍光物質が励起されて、蛍
光55が発せられる。
【0256】蓄積性蛍光体シート25の多数の輝尽性蛍
光体層領域27から放出された輝尽光55あるいは生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4から放出され
た蛍光55は、光学ヘッド45に設けられた非球面レン
ズ47によって、ミラー46に集光され、ミラー46に
よって、レーザ光34の光路と同じ側に反射され、平行
な光とされて、凹面ミラー48に入射する。
【0257】凹面ミラー48に入射した輝尽光55ある
いは蛍光55は、凹面ミラー48によって反射されて、
穴開きミラー44に入射する。
【0258】穴開きミラー44に入射した輝尽光55あ
るいは蛍光55は、図10に示されるように、凹面ミラ
ーによって形成された穴開きミラー44によって、下方
に反射されて、フィルタユニット58に入射し、所定の
波長の光がカットされて、フォトマルチプライア60に
入射し、光電的に検出される。
【0259】図10に示されるように、フィルタユニッ
ト58は、4つのフィルタ部材61a、61b、61
c、61dを備えており、フィルタユニット58は、モ
ータ(図示せず)によって、図9において、左右方向に
移動可能に構成されている。
【0260】図11は、図10のA−A線に沿った略断
面図である。
【0261】図11に示されるように、フィルタ部材6
1aはフィルタ62aを備え、フィルタ62aは、第1
のレーザ励起光源31を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光
物質を励起し、蛍光55を読み取るときに使用されるフ
ィルタ部材であり、640nmの波長の光をカットし、
640nmよりも波長の長い光を透過する性質を有して
いる。
【0262】図12は、図10のB−B線に沿った断面
図である。
【0263】図12に示されるように、フィルタ部材6
1bはフィルタ62bを備え、フィルタ62bは、第2
のレーザ励起光源32を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光
物質を励起し、蛍光55を読み取るときに使用されるフ
ィルタ部材であり、532nmの波長の光をカットし、
532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有して
いる。
【0264】図13は、図10のC−C線に沿った断面
図である。
【0265】図13に示されるように、フィルタ部材6
1cはフィルタ62cを備え、フィルタ62cは、第3
のレーザ励起光源33を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光
物質を励起して、蛍光55を読み取るときに使用される
フィルタ部材であり、473nmの波長の光をカット
し、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を有
している。
【0266】図14は、図10のD−D線に沿った断面
図である。
【0267】図14に示されるように、フィルタ部材6
1dはフィルタ62dを備え、フィルタ62dは、第1
のレーザ励起光源31を用いて、蓄積性蛍光体シート2
5に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域27を励起し
て、輝尽性蛍光体層領域27から発せられた輝尽光55
を読み取るときに使用されるフィルタであり、輝尽性蛍
光体層領域27から放出される輝尽光55の波長域の光
のみを透過し、640nmの波長の光をカットする性質
を有している。
【0268】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタ部材61a、61b、61c、61d
を選択的にフォトマルチプライア60の前面に位置させ
ることによって、フォトマルチプライア60は、検出す
べき光のみを光電的に検出することができる。
【0269】フォトマルチプライア60によって、輝尽
光55あるいは蛍光55が光電的に検出されて、生成さ
れたアナログデータは、A/D変換器63によって、デ
ィジタルデータに変換され、データ処理装置64に送ら
れる。
【0270】図9には図示されていないが、光学ヘッド
45は、走査機構によって、図9において、矢印Xで示
される主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に
移動可能に構成され、生化学解析用ユニット1の全面
が、レーザ光34によって走査されるように構成されて
いる。
【0271】図15は、光学ヘッドの走査機構の略平面
図である。図15においては、簡易化のため、光学ヘッ
ド45を除く光学系ならびにレーザ光34および蛍光5
5あるいは輝尽光55の光路は省略されている。
【0272】図15に示されるように、光学ヘッド45
を走査する走査機構は、基板70を備え、基板70上に
は、副走査パルスモータ71と一対のレール72、62
とが固定され、基板70上には、さらに、図15におい
て、矢印Yで示された副走査方向に、移動可能な基板7
3とが設けられている。
【0273】移動可能な基板73には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ71によって回転されるねじが切られた
ロッド74が係合している。
【0274】移動可能な基板73上には、主走査ステッ
ピングモータ75が設けられ、主走査ステッピングモー
タ75は、エンドレスベルト76を、生化学解析用ユニ
ット1に形成された隣り合う貫通孔3、すなわち、蓄積
性蛍光体シート25に形成された隣り合う輝尽性蛍光体
層領域27の距離に等しいピッチで、間欠的に駆動可能
に構成されている。光学ヘッド45は、エンドレスベル
ト76に固定されており、主走査ステッピングモータ7
5によって、エンドレスベルト76が駆動されると、図
15において、矢印Xで示された主走査方向に移動され
るように構成されている。
【0275】図15において、67は、光学ヘッド45
の主走査方向における位置を検出するリニアエンコーダ
であり、78は、リニアエンコーダ77のスリットであ
る。
【0276】したがって、主走査ステッピングモータ7
5によって、エンドレスベルト76が、主走査方向に間
欠的に駆動され、副走査パルスモータ71によって、基
板73が、副走査方向に間欠的に移動されることによっ
て、光学ヘッド45は、図15において、矢印Xで示さ
れる主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に移
動され、レーザ光34によって、蓄積性蛍光体シート2
5に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領域27あるい
は生化学解析用ユニット1のすべての吸着性領域4が走
査される。
【0277】図16は、図9に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【0278】図16に示されるように、スキャナの制御
系は、スキャナ全体を制御するコントロールユニット8
0を備え、スキャナの入力系は、ユーザーによって操作
され、種々の指示信号を入力可能なキーボード81を備
えている。
【0279】図16に示されるように、スキャナの駆動
系は、光学ヘッド45を主走査方向に間欠的に移動させ
る主走査ステッピングモータ75と、光学ヘッド45を
副走査方向に間欠的に移動させる副走査パルスモータ7
1と、4つのフィルタ部材61a、61b、61c、6
1dを備えたフィルタユニット58を移動させるフィル
タユニットモータ82を備えている。
【0280】コントロールユニット80は、第1のレー
ザ励起光源31、第2のレーザ励起光源32または第3
のレーザ励起光源33に選択的に駆動信号を出力すると
ともに、フィルタユニットモータ82に駆動信号を出力
可能に構成されている。
【0281】また、図16に示されるように、スキャナ
の検出系は、フォトマルチプライア60と、光学ヘッド
45の主走査方向における位置を検出するリニアエンコ
ーダ77を備えている。
【0282】本実施態様においては、コントロールユニ
ット80は、リニアエンコーダ77から入力される光学
ヘッド45の位置検出信号にしたがって、第1のレーザ
励起光源31、第2のレーザ励起光源32または第3の
レーザ励起光源33をオン・オフ制御可能に構成されて
いる。
【0283】以上のように構成されたスキャナは、以下
のようにして、生化学解析用ユニット1に形成された多
数の吸着性領域4に含まれている放射性標識物質によっ
て、多数の輝尽性蛍光体層領域27が露光されて、蓄積
性蛍光体シート25に記録された放射性標識物質の放射
線データを読み取って、生化学解析用データを生成す
る。
【0284】まず、蓄積性蛍光体シート25が、ステー
ジ50のガラス板51上に載置される。
【0285】次いで、ユーザーによって、キーボード8
1に、蓄積性蛍光体シート25の多数の輝尽性蛍光体層
領域27に記録された放射線データを読み取るべき旨の
指示信号が入力される。
【0286】キーボード81に入力された指示信号は、
コントロールユニット80に入力され、コントロールユ
ニット80は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ82に駆動信号を出力し、フィルタユニット5
8を移動させ、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光55
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有するフィルタ62dを備えたフィルタ
部材61dを、輝尽光55の光路内に位置させる。
【0287】さらに、コントロールユニット80は、主
走査ステッピングモータ75に駆動信号を出力し、光学
ヘッド45を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド45の位置検出信号に基づい
て、蓄積性蛍光体シート25に形成された多数の輝尽性
蛍光体層領域27のうち、第1の輝尽性蛍光体層領域2
7に、レーザ光34を照射可能な位置に、光学ヘッド4
5が達したことが確認されると、主走査ステッピングモ
ータ75に停止信号を出力するとともに、第1のレーザ
励起光源31に駆動信号を出力して、第1のレーザ励起
光源31を起動させ、640nmの波長のレーザ光34
を発せさせる。
【0288】第1のレーザ励起光源31から発せられた
レーザ光34は、コリメータレンズ35によって、平行
な光とされた後、ミラー46に入射して、反射される。
【0289】ミラー46によって反射されたレーザ光3
4は、第1のダイクロイックミラー37および第2のダ
イクロイックミラー48を透過し、ミラー39に入射す
る。
【0290】ミラー39に入射したレーザ光34は、ミ
ラー39によって反射されて、さらに、ミラー42に入
射して、反射される。
【0291】ミラー42によって反射されたレーザ光3
4は、穴開きミラー44の穴43を通過して、凹面ミラ
ー48に入射する。
【0292】凹面ミラー48に入射したレーザ光34
は、凹面ミラー48によって反射されて、光学ヘッド4
5に入射する。
【0293】光学ヘッド45に入射したレーザ光34
は、ミラー46によって反射され、非球面レンズ47に
よって、ステージ50のガラス板51上に載置された蓄
積性蛍光体シート25の第1の輝尽性蛍光体層領域27
に集光される。
【0294】その結果、蓄積性蛍光体シート25の基板
26に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域27に含ま
れる輝尽性蛍光体が、レーザ光34によって励起され
て、第1の輝尽性蛍光体層領域27から輝尽光55が放
出される。
【0295】第1の輝尽性蛍光体領域15から放出され
た輝尽光55は、光学ヘッド45に設けられた非球面レ
ンズ47によって集光され、ミラー46により、レーザ
光34の光路と同じ側に反射され、平行な光とされて、
凹面ミラー48に入射する。
【0296】凹面ミラー48に入射した輝尽光55は、
凹面ミラー48によって反射されて、穴開きミラー44
に入射する。
【0297】穴開きミラー44に入射した輝尽光55
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー44に
よって、図10に示されるように、下方に反射され、フ
ィルタユニット58のフィルタ62dに入射する。
【0298】フィルタ62dは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光55の波長域の光のみを透過し、640n
mの波長の光をカットする性質を有しているので、励起
光である640nmの波長の光がカットされ、輝尽性蛍
光体層領域27から放出された輝尽光55の波長域の光
のみがフィルタ62dを透過して、フォトマルチプライ
ア60によって、光電的に検出される。
【0299】フォトマルチプライア60によって、輝尽
光55が光電的に検出されて、生成されたアナログ信号
は、A/D変換器63に出力されて、ディジタル信号に
変換され、データ処理装置64に出力される。
【0300】第1のレーザ励起光源31がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット80は、第1のレーザ励起光源31に
駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源31の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
75に、駆動信号を出力して、光学ヘッド45を、蓄積
性蛍光体シート25に形成された隣り合う輝尽性蛍光体
層領域27の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させ
る。
【0301】リニアエンコーダ77から入力された光学
ヘッド45の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド45
が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域27の間の距離に等し
い1ピッチだけ移動されて、第1のレーザ励起光源31
から発せられるレーザ光34を、蓄積性蛍光体シート2
5に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域27に隣り合
う第2の輝尽性蛍光体層領域27に照射可能な位置に移
動したことが確認されると、コントロールユニット80
は、第1のレーザ励起光源31に駆動信号を出力して、
第1のレーザ励起光源31をオンさせて、レーザ光34
によって、蓄積性蛍光体シート25に形成された第2の
輝尽性蛍光体層領域27に含まれている輝尽性蛍光体を
励起する。
【0302】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光34が、蓄積性蛍光体シート25の基板26に形成さ
れた第2の輝尽性蛍光体層領域27に照射され、第2の
輝尽性蛍光体層領域27に含まれている輝尽性蛍光体が
励起され、第2の輝尽性蛍光体層領域27から放出され
た輝尽光55が、フォトマルチプライア60によって、
光電的に検出されて、アナログデータが生成されると、
コントロールユニット80は、第1のレーザ励起光源3
1にオフ信号を出力して、第1のレーザ励起光源31を
オフさせるとともに、主走査ステッピングモータ75
に、駆動信号を出力して、光学ヘッド45を、隣り合う
輝尽性蛍光体層領域27の間の距離に等しい1ピッチだ
け、移動させる。
【0303】こうして、光学ヘッド45の間欠的な移動
に同期して、第1のレーザ励起光源31のオン・オフが
繰り返され、リニアエンコーダ77から入力された光学
ヘッド45の位置検出信号に基づき、光学ヘッド45
が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、第1ライ
ン目の輝尽性蛍光体層領域27のレーザ光34による走
査が完了したことが確認されると、コントロールユニッ
ト80は、主走査ステッピングモータ75に駆動信号を
出力して、光学ヘッド45を元の位置に復帰させるとと
もに、副走査パルスモータ71に駆動信号を出力して、
移動可能な基板73を、副走査方向に、1ライン分だ
け、移動させる。
【0304】リニアエンコーダ77から入力された光学
ヘッド45の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド45
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板73が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット80は、蓄積性蛍光体
シート25に形成された第1ライン目の輝尽性蛍光体層
領域27に、順次、第1のレーザ励起光源31から発せ
られるレーザ光34を照射したのと全く同様にして、蓄
積性蛍光体シート25に形成された第2ライン目の輝尽
性蛍光体層領域27に、順次、第1のレーザ励起光源3
1から発せられるレーザ光34を照射して、第2ライン
目の輝尽性蛍光体層領域27に含まれている輝尽性蛍光
体を励起し、輝尽性蛍光体層領域27から発せられた輝
尽光55を、順次、フォトマルチプライア60に光電的
に検出させる。
【0305】フォトマルチプライア60によって、輝尽
光55が光電的に検出されて、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器63によって、ディジタルデータに
変換されて、データ処理装置64に送られる。
【0306】こうして、蓄積性蛍光体シート25の基板
26に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域27がすべ
て、第1のレーザ励起光源31から放出されたレーザ光
34によって走査され、輝尽性蛍光体層領域27に含ま
れている輝尽性蛍光体が励起されて、放出された輝尽光
55が、フォトマルチプライア60によって光電的に検
出され、生成されたアナログデータが、A/D変換器6
3により、ディジタルデータに変換されて、データ処理
装置64に送られると、コントロールユニット80か
ら、駆動停止信号が、第1のレーザ励起光源31に出力
され、第1のレーザ励起光源31の駆動が停止される。
【0307】一方、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域4に記録された蛍光物質の蛍光デー
タを読み取って、生化学解析用ディジタルデータを生成
するときは、まず、ユーザーによって、生化学解析用ユ
ニット1が、ステージ50のガラス板51上にセットさ
れる。
【0308】次いで、ユーザーによって、標識物質であ
る蛍光物質の種類を特定する標識物質特定信号が、生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された
蛍光データを読み取るべき旨の指示信号とともに、キー
ボード81に、入力される。
【0309】キーボード81に入力された標識物質特定
信号および指示信号は、コントロールユニット80に入
力され、コントロールユニット80は、標識物質特定信
号および指示信号を受けると、メモリ(図示せず)に記
憶されているテーブルにしたがって、使用すべきレーザ
励起光源を決定するとともに、フィルタ62a、62
b、62cのいずれを蛍光55の光路内に位置させるか
を決定する。
【0310】たとえば、生体由来の物質を標識する蛍光
物質として、532nmの波長のレーザによって、最も
効率的に励起することのできるローダミン(登録商標)
が使用され、その旨が、キーボード81に入力されたと
きは、コントロールユニット80は、第2のレーザ励起
光源32を選択するとともに、フィルタ62bを選択
し、フィルタユニットモータ82に駆動信号を出力し
て、フィルタユニット58を移動させ、532nmの波
長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有するフィルタ62bを備えたフィルタ部
材61bを、生化学解析用ユニット1から放出されるべ
き蛍光55の光路内に位置させる。
【0311】さらに、コントロールユニット80は、主
走査ステッピングモータ75に駆動信号を出力し、光学
ヘッド45を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド45の位置検出信号に基づい
て、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性
領域4のうち、第1の吸着性領域4に、レーザ光34を
照射可能な位置に、光学ヘッド45が達したことが確認
されると、主走査ステッピングモータ75に停止信号を
出力するとともに、第2のレーザ励起光源32に駆動信
号を出力して、第2のレーザ励起光源32を起動させ、
532nmの波長のレーザ光34を発せさせる。
【0312】第2のレーザ励起光源32から発せられた
レーザ光34は、コリメータレンズ40によって、平行
な光とされた後、第1のダイクロイックミラー37に入
射して、反射される。
【0313】第1のダイクロイックミラー37によって
反射されたレーザ光34は、第2のダイクロイックミラ
ー48を透過し、ミラー39に入射する。
【0314】ミラー39に入射したレーザ光34は、ミ
ラー39によって反射されて、さらに、ミラー42に入
射して、反射される。
【0315】ミラー42によって反射されたレーザ光3
4は、穴開きミラー44の穴43を通過して、凹面ミラ
ー48に入射する。
【0316】凹面ミラー48に入射したレーザ光34
は、凹面ミラー48によって反射されて、光学ヘッド4
5に入射する。
【0317】光学ヘッド45に入射したレーザ光34
は、ミラー46によって反射され、非球面レンズ47に
よって、ステージ50のガラス板51上に載置された生
化学解析用ユニット1に集光される。
【0318】その結果、レーザ光34によって、生化学
解析用ユニット1の第1の吸着性領域4に含まれた蛍光
色素などの蛍光物質、たとえば、ローダミンが励起され
て、蛍光が発せられる。
【0319】ここに、本実施態様にかかる生化学解析用
ユニット1においては、多数の吸着性領域4は、ステン
レス鋼によって形成され、光エネルギーを減衰させる性
質を有する基板2に、互いに離間して、形成されている
から、レーザ光34が、生化学解析用ユニット1内で散
乱して、隣り合った吸着性領域4に入射し、隣り合った
吸着性領域4に含まれている蛍光物質を励起することを
効果的に防止することが可能になるとともに、吸着性領
域4に含まれた蛍光物質が励起されて、蛍光物質から放
出された蛍光55が、隣り合う吸着性領域4に含まれた
蛍光物質が励起されて、放出された蛍光55と混ざり合
うことを確実に防止することが可能になる。
【0320】ローダミンから放出された蛍光55は、光
学ヘッド45に設けられた非球面レンズ47によって集
光され、ミラー46によって、レーザ光34の光路と同
じ側に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー48に
入射する。
【0321】凹面ミラー48に入射した蛍光55は、凹
面ミラー48によって反射されて、穴開きミラー44に
入射する。
【0322】穴開きミラー44に入射した蛍光55は、
凹面ミラーによって形成された穴開きミラー44によっ
て、図9に示されるように、下方に反射され、フィルタ
ユニット58のフィルタ62bに入射する。
【0323】フィルタ62bは、532nmの波長の光
をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有しているので、励起光である532nmの波長
の光がカットされ、ローダミンから放出された蛍光55
の波長域の光のみがフィルタ62bを透過して、フォト
マルチプライア60によって、光電的に検出される。
【0324】フォトマルチプライア60によって、蛍光
55が光電的に検出されて、生成されたアナログ信号
は、A/D変換器63に出力されて、ディジタル信号に
変換され、データ処理装置64に出力される。
【0325】第2のレーザ励起光源32がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット80は、第2のレーザ励起光源32に
駆動停止信号を出力して、第2のレーザ励起光源32の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
75に、駆動信号を出力して、光学ヘッド45を、生化
学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸着性領域4
の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0326】リニアエンコーダ77から入力された光学
ヘッド45の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド45
が、生化学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸着
性領域4の間の距離に等しい1ピッチだけ移動されて、
第2のレーザ励起光源32から発せられるレーザ光34
を、生化学解析用ユニット1に形成された第1の吸着性
領域4に隣り合う第2の吸着性領域4に照射可能な位置
に移動したことが確認されると、コントロールユニット
80は、第2のレーザ励起光源32に駆動信号を出力し
て、第2のレーザ励起光源32をオンさせて、レーザ光
34によって、生化学解析用ユニット1に形成された第
2の吸着性領域4に含まれている蛍光物質、たとえば、
ローダミンを励起する。
【0327】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光34が、生化学解析用ユニット1に形成された第2の
吸着性領域4に照射され、第2の吸着性領域4から放出
された蛍光55が、フォトマルチプライア60によっ
て、光電的に検出されて、アナログデータが生成される
と、コントロールユニット80は、第2のレーザ励起光
源32にオフ信号を出力して、第2のレーザ励起光源3
2をオフさせるとともに、主走査ステッピングモータ7
5に、駆動信号を出力して、光学ヘッド45を、生化学
解析用ユニット1に形成された隣り合う吸着性領域4の
間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0328】こうして、光学ヘッド45の間欠的な移動
に同期して、第1のレーザ励起光源31のオン・オフが
繰り返され、リニアエンコーダ77から入力された光学
ヘッド45の位置検出信号に基づき、光学ヘッド45
が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、生化学解
析用ユニット1の基板2に形成された第1ライン目のす
べての吸着性領域4を、レーザ光34により、走査した
ことが確認されると、コントロールユニット80は、主
走査ステッピングモータ75に駆動信号を出力して、光
学ヘッド45を元の位置に復帰させるとともに、副走査
パルスモータ71に駆動信号を出力して、移動可能な基
板73を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させ
る。
【0329】リニアエンコーダ77から入力された光学
ヘッド45の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド45
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板73が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット80は、生化学解析用
ユニット1に形成された第1ライン目の吸着性領域4
に、順次、第2のレーザ励起光源32から発せられるレ
ーザ光34を照射したのと全く同様にして、生化学解析
用ユニット1に形成された第2ライン目の吸着性領域4
に含まれているローダミンを励起し、吸着性領域4から
放出された蛍光55を、順次、フォトマルチプライア6
0によって、光電的に検出させる。
【0330】フォトマルチプライア60によって、蛍光
55が光電的に検出されて、生成されたアナログデータ
は、A/D変換器63によって、ディジタルデータに変
換されて、データ処理装置64に送られる。
【0331】こうして、生化学解析用ユニット1に形成
されたすべての吸着性領域4が、第2のレーザ励起光源
32から放出されたレーザ光34によって走査され、生
化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4
に含まれているローダミンが励起されて、放出された蛍
光55が、フォトマルチプライア60によって光電的に
検出され、生成されたアナログデータが、A/D変換器
63によって、ディジタルデータに変換されて、データ
処理装置64に送られると、コントロールユニット80
から、駆動停止信号が、第2のレーザ励起光源32に出
力され、第2のレーザ励起光源32の駆動が停止され
る。
【0332】本実施態様によれば、ユーザーが、生化学
解析用ユニット1を、ハイブリダイゼーション反応チャ
ンバ7内にセットするだけで、モータ23によって、揺
動台13が、軸13aまわりに揺動され、揺動台13の
上面に取り付けられているハイブリダイゼーション反応
チャンバ7が、軸13aまわりに揺動されて、ハイブリ
ダイゼーション反応チャンバ7内に注入された前処理
液、ハイブリダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーシ
ョン溶液とプローブ溶液の混合溶液および洗浄溶液が撹
拌されるように構成されているから、前処理液、ハイブ
リダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶液と
プローブ溶液の混合溶液および洗浄溶液を、ハイブリダ
イゼーション反応チャンバ7の矩形状領域10a内に保
持されている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に均一に接触させて、前処理、プレハイブリダイゼ
ーション、ハイブリダイゼーションおよび洗浄を実行す
ることができ、したがって、実験者が異なっても、再現
性よく、特異的結合物質と生体由来の物質をハイブリダ
イズさせることが可能になり、長時間を要しても、簡易
に、特異的結合物質と生体由来の物質をハイブリダイズ
させることが可能になるとともに、大幅な省力化が可能
になる。
【0333】また、本実施態様によれば、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバ7は、生化学解析用ユニット1
が保持された矩形状領域10aの両側に、両端部に頂点
を有する三角形状領域10b、10cを有しているか
ら、揺動台13が、軸13aまわりに揺動されるのにと
もなって、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内に
注入された前処理液、ハイブリダイゼーション溶液、ハ
イブリダイゼーション溶液とプローブ溶液の混合溶液お
よび洗浄溶液が、三角形状領域10b、10c内に流入
するたびに、撹拌されて、均一に混合され、したがっ
て、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に含まれた
特異的結合物質に、その特異的結合物質にハイブリダイ
ズするべき生体由来の物質が出会う確率が飛躍的に向上
し、ハイブリダイゼーションの効率を大幅に向上させる
ことが可能になるとともに、前処理、プレハイブリダイ
ゼーションおよび洗浄の効率を大幅に向上させることが
可能になる。
【0334】さらに、本実施態様によれば、ハイブリダ
イゼーション反応チャンバ7への溶液注入チューブ11
の取り付け部が、ハイブリダイゼーション反応チャンバ
7への溶液排出チューブ12の取り付け部よりも下方に
位置しているときに、溶液注入チューブ11を介して、
プローブ溶液が、ハイブリダイゼーション反応チャンバ
7内に注入されるように構成されているから、プローブ
溶液は、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7内のハ
イブリダイゼーション溶液に注入され、したがって、プ
ローブ溶液と、ハイブリダイゼーション溶液を、均一に
混合することが可能になる。
【0335】また、本実施態様によれば、放射線センサ
21によって、洗浄溶液回収タンク18c内に回収され
た洗浄溶液に含まれている放射性標識物質の濃度を検出
し、洗浄溶液中の放射性標識物質の濃度が、放射性標識
物質基準濃度以下に低下するまで、洗浄溶液による洗浄
を繰り返すように構成されているので、洗浄の終了時点
を、的確に決定することが可能になる。
【0336】図17は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかるハイブリダイゼーション反応チャンバの略平面
図である。
【0337】図17に示されるように、本実施態様にか
かるハイブリダイゼーション反応チャンバ90は、生化
学解析用ユニット1の幅よりもわずかに大きい幅を有
し、生化学解析用ユニット1が収容される矩形状領域9
1aの両側に、矩形状領域91aの幅に等しい径を有す
る半円形状領域91b、91cを備えている。
【0338】本実施態様においても、図1ないし図16
に示された実施態様と全く同様にして、ハイブリダイゼ
ーション反応チャンバ90は、ハイブリダイゼーション
装置の揺動台13の上面に、取り外し可能に取り付けら
れ、生化学解析用ユニット1が収容された後、前処理
液、ハイブリダイゼーション溶液、プローブ溶液、洗浄
溶液が、それぞれ、注入され、揺動台13が揺動され
て、前処理、プレハイブリダイゼーション、ハイブリダ
イゼーションおよび洗浄が実行される。
【0339】図18は、ハイブリダイゼーション反応チ
ャンバ90中の溶液の流れを示す略横断面図である。
【0340】図18に示されるように、本実施態様にお
いても、前処理液、ハイブリダイゼーション溶液、ハイ
ブリダイゼーション溶液とプローブ溶液の混合溶液およ
び洗浄溶液は、ハイブリダイゼーション反応チャンバ9
0の揺動にともなって、半円形状領域91b、91c内
に流入して、撹拌されて、均一に混合される。
【0341】したがって、本実施態様においても、生化
学解析用ユニット1の吸着性領域4に含まれた特異的結
合物質に、その特異的結合物質にハイブリダイズするべ
き生体由来の物質が出会う確率を飛躍的に向上させるこ
とができ、ハイブリダイゼーションの効率を大幅に向上
させることが可能になるとともに、前処理、プレハイブ
リダイゼーションおよび洗浄の効率を大幅に向上させる
ことが可能になる。
【0342】図19は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかるハイブリダイゼーション反応チャンバの略平面
図である。
【0343】図19に示されるように、本実施態様にか
かるハイブリダイゼーション反応チャンバ100は、全
体として、矩形状をなし、中央部に、生化学解析用ユニ
ット1の幅よりもわずかに大きい幅を有し、生化学解析
用ユニット1が収容される矩形状領域101aを備え、
矩形状領域101aの両側に、2つの幅の小さい狭幅部
101b、101cが形成されている。
【0344】本実施態様においても、図1ないし図16
に示された実施態様と全く同様にして、ハイブリダイゼ
ーション反応チャンバ100は、ハイブリダイゼーショ
ン装置の揺動台13の上面に、取り外し可能に取り付け
られ、生化学解析用ユニット1が収容された後、前処理
液、ハイブリダイゼーション溶液、プローブ溶液、洗浄
溶液が、それぞれ、注入され、揺動台13が揺動され
て、前処理、プレハイブリダイゼーション、ハイブリダ
イゼーションおよび洗浄が実行される。
【0345】図20は、ハイブリダイゼーション反応チ
ャンバ100中の溶液の流れを示す略横断面図である。
【0346】図20に示されるように、本実施態様にお
いては、前処理液、ハイブリダイゼーション溶液、ハイ
ブリダイゼーション溶液とプローブ溶液の混合溶液およ
び洗浄溶液は、ハイブリダイゼーション反応チャンバ1
00の揺動にともなって、矩形状領域101aから、狭
幅部101b、101cを通って、ハイブリダイゼーシ
ョン反応チャンバ100の両端部に向かって流れるか
ら、前処理液、ハイブリダイゼーション溶液、ハイブリ
ダイゼーション溶液とプローブ溶液の混合溶液および洗
浄溶液が、ハイブリダイゼーション反応チャンバ100
に形成された狭幅部101b、101cを通過する際
に、撹拌されて、均一に混合される。
【0347】したがって、本実施態様においても、生化
学解析用ユニット1の吸着性領域4に含まれた特異的結
合物質に、その特異的結合物質にハイブリダイズするべ
き生体由来の物質が出会う確率を飛躍的に向上させるこ
とができ、ハイブリダイゼーションの効率を大幅に向上
させることが可能になるとともに、前処理、プレハイブ
リダイゼーションおよび洗浄の効率を大幅に向上させる
ことが可能になる。
【0348】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0349】たとえば、図1ないし図16に示された実
施態様においては、ハイブリダイゼーション反応チャン
バ7は、生化学解析用ユニットの幅よりもわずかに大き
い幅を有する矩形状領域10aと、矩形状領域10aの
両側に設けられた三角形状領域10b、10cを備え、
図17に示された実施態様においては、ハイブリダイゼ
ーション反応チャンバ90は、生化学解析用ユニットの
幅よりもわずかに大きい幅を有する矩形状領域91a
と、矩形状領域91aの両側に設けられ、矩形状領域9
1aの幅に等しい径を有する半円形状領域91b、91
cを備え、図19に示された実施態様においては、ハイ
ブリダイゼーション反応チャンバ100は生化学解析用
ユニット1の幅よりもわずかに大きい幅を有し、生化学
解析用ユニット1が収容される矩形状領域101aを備
え、全体として、矩形状をなし、矩形状領域101aの
両側に、2つの幅の小さい狭幅部101b、101cが
形成されているが、反応チャンバ7、90、100の蓋
9に、押さえ部材9aが設けられていれば、生化学解析
用ユニット1を所定の位置に保持可能であるから、矩形
状領域10a、91a、101aが、生化学解析用ユニ
ットの幅よりもわずかに大きい幅を有していることは必
ずしも必要でなく、生化学解析用ユニット1を収容する
ことができる幅を有していればよい。
【0350】また、図1ないし図16に示された実施態
様においては、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7
は、生化学解析用ユニットの幅よりもわずかに大きい幅
を有する矩形状領域10aと、矩形状領域10aの両側
に設けられた三角形状領域10b、10cを備え、図1
7に示された実施態様においては、ハイブリダイゼーシ
ョン反応チャンバ90は、生化学解析用ユニットの幅よ
りもわずかに大きい幅を有する矩形状領域91aと、矩
形状領域91aの両側に設けられ、矩形状領域91aの
幅に等しい径を有する半円形状領域91b、91cを備
え、図19に示された実施態様においては、ハイブリダ
イゼーション反応チャンバ100は生化学解析用ユニッ
ト1の幅よりもわずかに大きい幅を有し、生化学解析用
ユニット1が収容される矩形状領域101aを備え、全
体として、矩形状をなし、矩形状領域101aの両側
に、2つの幅の小さい狭幅部101b、101cが形成
されており、生化学解析用ユニット1が、矩形状領域1
0a、91a、101a内に保持されるように構成され
ているが、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7、9
0、100が、矩形状領域10a、91a、101aを
備え、生化学解析用ユニット1を矩形状領域10a、9
1a、101a内に保持するように構成することは必ず
しも必要でなく、生化学解析用ユニット1を収容可能な
領域が、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7、9
0、100の略中央部に設けられていればよく、その形
状は任意に決定することができ、矩形状に限らず、楕円
状などに形成することもできる。
【0351】さらに、図1ないし図16に示された実施
態様においては、ハイブリダイゼーション反応チャンバ
7は、生化学解析用ユニットの幅よりもわずかに大きい
幅を有する矩形状領域10aと、矩形状領域10aの両
側に設けられた三角形状領域10b、10cを備え、図
17に示された実施態様においては、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバ90は、生化学解析用ユニットの幅
よりもわずかに大きい幅を有する矩形状領域91aと、
矩形状領域91aの両側に設けられ、矩形状領域91a
の幅に等しい径を有する半円形状領域91b、91cを
備え、図19に示された実施態様においては、ハイブリ
ダイゼーション反応チャンバ100は生化学解析用ユニ
ット1の幅よりもわずかに大きい幅を有し、生化学解析
用ユニット1が収容される矩形状領域101aを備え、
全体として、矩形状をなし、矩形状領域101aの両側
に、2つの幅の小さい狭幅部101b、101cが形成
されているが、ハイブリダイゼーション反応チャンバ
7、90、100が、矩形状領域10a、91aの両側
に、設けられた三角形状領域10b、10cもしくは矩
形状領域91aの幅に等しい径を有する半円形状領域9
1b、91cを備え、矩形状領域101aに、2つの狭
幅部101b、101cが形成されていることは必ずし
も必要でなく、生化学解析用ユニット1が保持されるべ
き領域の両側に、生化学解析用ユニット1が保持される
べきハイブリダイゼーション反応チャンバ7、90、1
00の空間の断面積よりも、断面積が小さい領域が形成
されていればよく、ハイブリダイゼーション反応チャン
バ7、90、100の空間の高さが一定であれば、生化
学解析用ユニット1が保持されるべき領域の両側に、生
化学解析用ユニット1が保持されるべき領域の幅よりも
幅が小さい領域が形成されていればよい。
【0352】また、前記実施態様においては、ハイブリ
ダイゼーション反応チャンバ7、90、100の蓋9に
は、略中央部に、幅方向に沿って、一対の押さえ部材9
a、9aが形成されているが、生化学解析用ユニット1
を所定の位置に保持可能であれば、押さえ部材9aは1
つでもよく、3以上の押さえ部材9aを設けることもで
きる。
【0353】さらに、前記実施態様においては、ハイブ
リダイゼーション反応チャンバ7、90、100の蓋9
には、略中央部に、幅方向に沿って、一対の押さえ部材
9a、9aが形成されているが、矩形状領域10a、9
1a、101aが、生化学解析用ユニット1よりもわず
かに大きいサイズを有しているなど、生化学解析用ユニ
ット1が収容されるハイブリダイゼーション反応チャン
バ7、90、100の領域が、生化学解析用ユニット1
を保持可能なサイズを有していれば、蓋9に、押さえ部
材9a、9aを形成することは必ずしも必要でない。
【0354】また、前記実施態様においては、ハイブリ
ダイゼーション装置は、前処理液を回収する前処理液回
収タンク18a、ハイブリダイゼーション溶液とプロー
ブ溶液の混合溶液を回収するハイブリダイゼーション溶
液回収タンク18bおよび洗浄溶液を回収する洗浄溶液
回収タンク18cを備えているが、ハイブリダイゼーシ
ョン装置自体が、3つの回収タンクを備えていることは
必ずしも必要でなく、溶液排出チューブ12をハイブリ
ダイゼーション装置の外部に導き、前処理液回収タン
ク、ハイブリダイゼーション溶液回収タンクあるいは洗
浄溶液回収タンクを、選択的に、溶液排出チューブ12
に連通させて、前処理液、ハイブリダイゼーション溶液
とプローブ溶液の混合溶液および洗浄溶液を回収するよ
うに構成することもできる。
【0355】さらに、前記実施態様においては、ハイブ
リダイゼーション装置は、前処理液を回収する前処理液
回収タンク18a、ハイブリダイゼーション溶液とプロ
ーブ溶液の混合溶液を回収するハイブリダイゼーション
溶液回収タンク18bおよび洗浄溶液を回収する洗浄溶
液回収タンク18cを備えているが、ハイブリダイゼー
ション装置が、3つの回収タンクを備えていることは必
ずしも必要でなく、ハイブリダイゼーション装置が、放
射性標識物質を含まない前処理液を回収する前処理液回
収タンクと、放射性標識物質を含むハイブリダイゼーシ
ョン溶液とプローブ溶液の混合溶液および洗浄溶液を回
収する回収タンクの2つの回収タンクのみを備えていて
もよく、さらには、単一の回収タンク内に、前処理液、
ハイブリダイゼーション溶液とプローブ溶液の混合溶液
および洗浄溶液を回収するように構成することもでき
る。
【0356】また、前記実施態様においては、ハイブリ
ダイゼーション装置は、回収された洗浄溶液に含まれる
放射性標識物質の濃度を検出する放射線センサ21を備
えているが、ハイブリダイゼーション装置が、放射線セ
ンサ21を備えていることは必ずしも必要がなく、放射
線センサ21によって、回収された洗浄溶液に含まれる
放射性標識物質の濃度を検出することなく、所定回数の
洗浄処理が完了後に、洗浄を終了させるように構成する
こともできる。
【0357】さらに、前記実施態様においては、ハイブ
リダイゼーション反応チャンバ7への溶液注入チューブ
11の取り付け部が、ハイブリダイゼーション反応チャ
ンバ7への溶液排出チューブ12の取り付け部よりも下
方に位置しているときに、溶液注入チューブ11から、
前処理液、ハイブリダイゼーション溶液、プローブ溶液
および洗浄溶液を、ハイブリダイゼーション反応チャン
バ7内に注入するように構成されているが、ハイブリダ
イゼーション反応チャンバ7への溶液注入チューブ11
の取り付け部が、ハイブリダイゼーション反応チャンバ
7への溶液排出チューブ12の取り付け部よりも下方に
位置しているときに、溶液注入チューブ11から、前処
理液、ハイブリダイゼーション溶液、プローブ溶液およ
び洗浄溶液を、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7
内に注入することは必ずしも必要でなく、ハイブリダイ
ゼーション反応チャンバ7が略平行な状態にあるとき
に、溶液注入チューブ11から、前処理液、ハイブリダ
イゼーション溶液、プローブ溶液および洗浄溶液を、ハ
イブリダイゼーション反応チャンバ7内に注入するよう
に構成することもできる。
【0358】また、前記実施態様においては、あらかじ
め、プローブ溶液を調製して、プローブチップ15c内
に収容させ、プローブ溶液チップ15c内に収容された
プローブ溶液が、溶液注入チューブ11を介して、ハイ
ブリダイゼーション反応チャンバ7内に、自動的に注入
されるように構成されているが、プレハイブリダイゼー
ションの完了直前に、プローブ溶液を調製し、ハイブリ
ダイゼーションに際して、ハイブリダイゼーション反応
チャンバ7への溶液注入チューブ11の取り付け部が、
ハイブリダイゼーション反応チャンバ7への溶液排出チ
ューブ12の取り付け部よりも下方に位置している状態
で、ハイブリダイゼーション反応チャンバ7の溶液注入
口11aから、溶液注入チューブ11を取り外し、プロ
ーブ溶液を、溶液注入口11aから、ハイブリダイゼー
ション反応チャンバ7内のハイブリダイゼーション溶液
に注入することもできる。この場合には、ハイブリダイ
ゼーションの直前に、プローブ溶液が調製されるから、
プローブ溶液の経時的な変化を防止することが可能にな
る。
【0359】さらに、前記実施態様においては、揺動台
13は、モータ23によって、揺動されるように構成さ
れているが、揺動台13を揺動させる手段は、格別限定
されるものではない。
【0360】また、前記実施態様においては、前記生化
学解析用ユニット1の基板2には、約10000の約
0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸
着性領域4が、約5000個/平方センチメートルの密
度で、規則的なパターンにしたがって、形成されている
が、吸着性領域4を略円形に形成することは必ずしも必
要でなく、矩形状など、任意の形状に形成することがで
きる。
【0361】さらに、前記実施態様においては、前記生
化学解析用ユニット1の基板2には、約10000の約
0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸
着性領域4が、約5000個/平方センチメートルの密
度で、規則的なパターンにしたがって、形成されている
が、吸着性領域4の数およびサイズは、目的に応じて、
任意に選択をすることができ、好ましくは、10以上の
5平方ミリメートル未満のサイズを有する吸着性領域4
が、10個/平方センチメートル以上の密度で、基板2
に形成される。
【0362】また、前記実施態様においては、前記生化
学解析用ユニット1の基板2には、約10000の約
0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸
着性領域4が、約5000個/平方センチメートルの密
度で、規則的なパターンにしたがって、形成されている
が、吸着性領域4を、規則的なパターンにしたがって、
形成することは必ずしも必要でない。
【0363】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1は、ステンレス鋼製の基板2に形成さ
れた多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が充填され
て、形成された多数の吸着性領域4を備えているが、生
化学解析用ユニット1の吸着性領域4が、ナイロン6に
よって形成されていることは必ずしも必要でなく、ナイ
ロン6以外のメンブレンフィルタが形成可能な多孔質材
料、たとえば、ナイロン6,6、ナイロン4,10など
のナイロン類;ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪
酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;コラーゲ
ン;アルギン酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/
ポリリシンポリイオンコンプレックスなどのアルギン酸
類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ
化ビニリデン、ポリテトラフルオライドなどのポリフル
オライドや、これらの共重合体または複合体、あるい
は、活性炭などの多孔質炭素材料によって、生化学解析
用ユニット1の吸着性領域4を形成することもでき、さ
らには、白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムな
どの金属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトな
どの金属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウ
ムなどの金属塩やこれらの複合体などの無機多孔質材料
あるいは複数の繊維の束によって、生化学解析用ユニッ
ト1の吸着性領域4を形成するようにしてもよい。
【0364】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1は、ステンレス鋼製の基板2を備えてい
るが、生化学解析用ユニット1の基板2を、ステンレス
鋼によって形成することは必ずしも必要でなく、他の材
料によって、基板2を形成することもできる。生化学解
析用ユニット1の基板2は、放射線エネルギーおよび/
または光エネルギーを減衰させる性質を有する材料によ
って形成されることが好ましいが、その材料はとくに限
定されるものではなく、無機化合物材料、有機化合物材
料のいずれによって、生化学解析用ユニット1の基板2
を形成することもでき、金属材料、セラミック材料また
はプラスチック材料が、とくに好ましく使用される。生
化学解析用ユニット1の基板2を形成するために好まし
く使用することができる無機化合物材料としては、たと
えば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タン
タル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレ
ンなどの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シ
リコン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケ
イ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、
酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化
物;タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カ
ルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの
無機塩を挙げることができる。これらは、単結晶、アモ
ルファス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれの
構造を有していてもよい。また、生化学解析用ユニット
1の基板2を形成するために好ましく使用することがで
きる有機化合物材料としては、高分子化合物が好ましく
用いられ、好ましい高分子化合物としては、たとえば、
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;
ポリメチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチ
ルメタクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリア
クリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデ
ン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレ
ン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネー
ト;ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタ
レートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,
6、ナイロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポ
リスルホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェ
ニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフ
ェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチ
レン;ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢
酸セルロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸
カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど
の多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラ
ーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子
化合物の共重合体などを挙げることができる。これら
は、複合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子
やガラス繊維などを充填することもでき、また、有機化
合物材料をブレンドして、使用することもできる。
【0365】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、ステンレス
鋼製の基板2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナ
イロン6が充填されて、形成されているが、吸着性材料
によって形成された吸着性基板の少なくとも一方の表面
に、多数の貫通孔が形成された基板を密着させ、基板の
多数の貫通孔内の吸着性基板に、特異的結合物質を含む
溶液を滴下して、吸着性領域を形成するようにしてもよ
い。
【0366】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、ステンレス鋼
製の基板2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナイ
ロン6が充填されて、形成されているが、吸着性材料に
よって形成された吸着性基板上の互いに離間した位置
に、特異的結合物質を含む溶液を滴下して、吸着性領域
を形成することもできる。
【0367】さらに、前記実施態様においては、放射性
標識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光
色素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質
を含むハイブリダイゼーション溶液が調製され、吸着性
領域4に滴下された特異的結合物質にハイブリダイズさ
せているが、生体由来の物質が、放射性標識物質および
蛍光色素などの蛍光物質によって標識されていることは
必ずしも必要がなく、放射性標識物質、蛍光物質および
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質の少なくとも1種の標識物質により標識
されていればよい。
【0368】
【発明の効果】本発明によれば、効率よく、特異的結合
物質と生体由来の物質をハイブリダイズさせることがで
き、しかも、再現性よく、定量性に優れた生化学解析用
データを生成することを可能にするハイブリダイゼーシ
ョン方法および装置ならびにそれに用いるハイブリダイ
ゼーション反応チャンバを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかるハ
イブリダイゼーション装置によって、生体由来の物質が
ハイブリダイズされる特異的結合物質が滴下される生化
学解析用ユニットの略斜視図である。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、本発明の好ましい実施態様にかかるハ
イブリダイゼーション反応チャンバの略斜視図である。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施態様にかかるハ
イブリダイゼーション装置の略側面図である。
【図5】図5は、本発明の好ましい実施態様にかかるハ
イブリダイゼーション装置の制御系、検出系、駆動系お
よび入力系を示すブロックダイアグラムである。
【図6】図6は、本発明の好ましい実施態様にかかるハ
イブリダイゼーション反応チャンバ中の溶液の流れを示
す略横断面図である。
【図7】図7は、蓄積性蛍光体シートの略斜視図であ
る。
【図8】図8は、生化学解析用ユニットに形成された多
数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によって、蓄
積性蛍光体シートに形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域を露光する方法を示す略断面図である。
【図9】図9は、スキャナの略斜視図である。
【図10】図10は、図9に示されたスキャナのフォト
マルチプライア近傍の詳細を示す略斜視図である。
【図11】図11は、図10のA−A線に沿った略断面
図である。
【図12】図12は、図10のB−B線に沿った略断面
図である。
【図13】図13は、図10のC−C線に沿った略断面
図である。
【図14】図14は、図10のD−D線に沿った略断面
図である。
【図15】図15は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【図16】図16は、図9に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【図17】図17は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかるハイブリダイゼーション反応チャンバの略平面図
である。
【図18】図18は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかるハイブリダイゼーション反応チャンバ中の溶液の
流れを示す略横断面図である。
【図19】図19は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかるハイブリダイゼーション反応チャンバの略平面図
である。
【図20】図20は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかるハイブリダイゼーション反応チャンバ中の溶液の
流れを示す略横断面図である。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 基板 3 貫通孔 4 吸着性領域 5 インジェクタ 6 CCDカメラ 7 ハイブリダイゼーション反応チャンバ 7a ハイブリダイゼーション反応チャンバの中心軸線 8 ハイブリダイゼーション反応チャンバのケーシング 9 ハイブリダイゼーション反応チャンバの蓋 9a、9a 押さえ部材 10a ハイブリダイゼーション反応チャンバの矩形状
領域 10b、10c ハイブリダイゼーション反応チャンバ
の三角形状領域 11 溶液注入チューブ 11a 溶液注入口 12 溶液排出チューブ 12a 溶液排出口 13 揺動台 13a 揺動台の軸 14 基台 15a 前処理液タンク 15b ハイブリダイゼーション溶液タンク 15c プローブ溶液チップ 15d 洗浄溶液タンク 16a、16b、16c、16d バルブ 17 ポンプ 18a 前処理液回収タンク 18b ハイブリダイゼーション溶液回収タンク 18c 洗浄溶液回収タンク 19a、19b、19c バルブ 20 ポンプ 21 放射線センサ 22 コントロールユニット 23 モータ 24 キーボード 25 蓄積性蛍光体シート 26 支持体 27 輝尽性蛍光体層領域 28 貫通孔 31 第1のレーザ励起光源 32 第2のレーザ励起光源 33 第3のレーザ励起光源 34 レーザ光 35 コリメータレンズ 36 ミラー 37 第1のダイクロイックミラー 38 第2のダイクロイックミラー 39 ミラー 40 コリメータレンズ 41 コリメータレンズ 42 ミラー 43 穴開きミラーの穴 44 穴開きミラー 45 光学ヘッド 46 ミラー 47 非球面レンズ 48 凹面ミラー 50 ステージ 51 ガラス板 55 蛍光あるいは輝尽光 58 フィルタユニット 60 フォトマルチプライア 61a、61b、61c、61d フィルタ部材 62a、62b、62c、62d フィルタ 63 A/D変換器 64 データ処理装置 70 基板 71 副走査パルスモータ 72 一対のレール 73 移動可能な基板 74 ロッド 75 主走査ステッピングモータ 76 エンドレスベルト 77 リニアエンコーダ 78 リニアエンコーダのスリット 80 コントロールユニット 81 キーボード 82 フィルタユニットモータ 90 ハイブリダイゼーション反応チャンバ 91a ハイブリダイゼーション反応チャンバの矩形状
領域 91b ハイブリダイゼーション反応チャンバの半円形
状領域 100 ハイブリダイゼーション反応チャンバ 101a ハイブリダイゼーション反応チャンバの矩形
状領域 101b、101c ハイブリダイゼーション反応チャ
ンバの狭幅部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/53 M 33/543 521 33/543 521 37/00 102 37/00 102 Fターム(参考) 2G043 AA01 BA16 DA02 DA05 EA01 FA06 GA07 GB01 GB05 GB19 HA01 HA02 HA03 HA08 JA02 KA02 KA05 KA09 LA02 LA03 NA05 4B029 AA07 AA11 AA23 BB20 CC10 FA12 GA06 GA08 HA05 HA09 HA10 4B063 QA01 QQ01 QR56 QR66 QR84 QS01 QS10 QS32 QS36 QS39 QX01 QX02 QX07

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部を挟んで、少なくとも2つの小断
    面積部分が形成されたハイブリダイゼーション反応チャ
    ンバの前記少なくとも2つの小断面積部分の間に、構造
    または特性が既知の特異的結合物質を含む複数の吸着性
    領域が、互いに離間して、形成された生化学解析用ユニ
    ットをセットし、前記ハイブリダイゼーション反応チャ
    ンバ内に、ハイブリダイゼーション溶液と標識物質によ
    って標識された生体由来の物質を含むプローブ溶液を注
    入し、前記ハイブリダイゼーション溶液と前記プローブ
    溶液の混合溶液が、前記少なくとも2つの小断面積部分
    を横切って、流れるように、前記ハイブリダイゼーショ
    ン反応チャンバを機械的に揺動させて、ハイブリダイゼ
    ーションを実行することを特徴とするハイブリダイゼー
    ション方法。
  2. 【請求項2】 前記ハイブリダイゼーション反応チャン
    バの前記少なくとも2つの小断面積部分の間に、前記生
    化学解析用ユニットをセットし、前記ハイブリダイゼー
    ション反応チャンバ内に、ハイブリダイゼーション溶液
    を注入し、前記ハイブリダイゼーション溶液が、前記少
    なくとも2つの小断面積部分を横切って、流れるよう
    に、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバを機械的
    に揺動させて、プレハイブリダイゼーションを実行し、
    前記ハイブリダイゼーション反応チャンバ内に、標識物
    質によって標識された生体由来の物質を含む前記プロー
    ブ溶液を注入して、前記ハイブリダイゼーション溶液に
    混合し、前記ハイブリダイゼーション溶液と前記プロー
    ブ溶液との混合溶液が、前記少なくとも2つの小断面積
    部分を横切って、流れるように、前記ハイブリダイゼー
    ション反応チャンバを機械的に揺動させて、ハイブリダ
    イゼーションを実行し、前記ハイブリダイゼーション反
    応チャンバから、前記ハイブリダイゼーション溶液と前
    記プローブ溶液との混合溶液を排出し、前記ハイブリダ
    イゼーション反応チャンバ内に、洗浄溶液を注入し、前
    記洗浄溶液が、前記少なくとも2つの小断面積部分を横
    切って、流れるように、前記ハイブリダイゼーション反
    応チャンバを機械的に揺動させて、前記生化学解析用ユ
    ニットを洗浄することを特徴とするハイブリダイゼーシ
    ョン方法。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも2つの小断面積部分に対
    して、前記中央部の反対側に、それぞれ、溶液を前記ハ
    イブリダイゼーション反応チャンバ内に注入可能な溶液
    注入部と、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバか
    ら、溶液を排出可能な溶液排出部を設け、前記溶液注入
    部から、前記ハイブリダイゼーション溶液、前記プロー
    ブ溶液および前記洗浄溶液を、前記ハイブリダイゼーシ
    ョン反応チャンバ内に注入し、前記溶液排出部から、前
    記ハイブリダイゼーション溶液と前記プローブ溶液との
    混合溶液および前記洗浄溶液を排出することを特徴とす
    る請求項2に記載のハイブリダイゼーション方法。
  4. 【請求項4】 前記ハイブリダイゼーション反応チャン
    バ内に、前記洗浄溶液を注入し、前記洗浄溶液が、前記
    少なくとも2つの小断面積部分を横切って、流れるよう
    に、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバを機械的
    に揺動させて、前記生化学解析用ユニットを洗浄する工
    程を繰り返すことを特徴とする請求項2または3に記載
    のハイブリダイゼーション方法。
  5. 【請求項5】 前記ハイブリダイゼーション反応チャン
    バ内に、前記ハイブリダイゼーション溶液を注入するの
    に先立って、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバ
    内に、前処理液を注入し、前記前処理液が、前記少なく
    とも2つの小断面積部分を横切って、流れるように、前
    記ハイブリダイゼーション反応チャンバを機械的に揺動
    させて、前記生化学解析用ユニットの前処理を実行する
    ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記
    載のハイブリダイゼーション方法。
  6. 【請求項6】 前記溶液注入部が、前記溶液排出部の下
    方に位置しているときに、前記プローブ溶液を、前記溶
    液注入部から、前記ハイブリダイゼーション反応チャン
    バ内に注入することを特徴とする請求項3ないし5のい
    ずれか1項に記載のハイブリダイゼーション方法。
  7. 【請求項7】 前記溶液注入部が、前記溶液排出部の下
    方に位置しているときに、前記前処理液を、前記溶液注
    入部から、前記ハイブリダイゼーション反応チャンバ内
    に注入し、前記溶液注入部が、前記溶液排出部の下方に
    位置しているときに、前記ハイブリダイゼーション溶液
    を、前記溶液注入部から、前記ハイブリダイゼーション
    反応チャンバ内に注入し、前記溶液注入部が、前記溶液
    排出部の下方に位置しているときに、前記洗浄溶液を、
    前記溶液注入部から、前記ハイブリダイゼーション反応
    チャンバ内に注入することを特徴とする請求項5または
    6に記載のハイブリダイゼーション方法。
  8. 【請求項8】 前記生体由来の物質が、放射性標識物
    質、蛍光物質および化学発光基質と接触させることによ
    って化学発光を生じさせる標識物質よりなる群から選ば
    れる少なくとも1種の標識物質によって標識されたこと
    を特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の
    ハイブリダイゼーション方法。
  9. 【請求項9】 前記生化学解析用ユニットが、複数の孔
    が、互いに離間して形成された基板を備え、前記複数の
    吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数の孔に充
    填された吸着性材料に、特異的結合物質を含有させて、
    形成されたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれ
    か1項に記載のハイブリダイゼーション方法。
  10. 【請求項10】 前記生化学解析用ユニットが、吸着性
    基板と、複数の貫通孔が、互いに離間して形成され、前
    記吸着性基板の少なくとも一方の面に密着された基板を
    備え、前記複数の吸着性領域が、前記基板に形成された
    前記複数の貫通孔内の前記吸着性基板に、特異的結合物
    質を含有させて、形成されたことを特徴とする請求項1
    ないし8のいずれか1項に記載のハイブリダイゼーショ
    ン方法。
  11. 【請求項11】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、放射線エネルギーを減衰させる性質を有しているこ
    とを特徴とする請求項9または10に記載のハイブリダ
    イゼーション方法。
  12. 【請求項12】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、隣り合う吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、
    放射線が前記基板中を透過したときに、放射線のエネル
    ギーを1/5以下に減衰させる性質を有していることを
    特徴とする請求項11に記載のハイブリダイゼーション
    方法。
  13. 【請求項13】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、光エネルギーを減衰させる性質を有していることを
    特徴とする請求項9または10に記載のハイブリダイゼ
    ーション方法。
  14. 【請求項14】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、隣り合う吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、
    光が前記基板中を透過したときに、光のエネルギーを1
    /5以下に減衰させる性質を有していることを特徴とす
    る請求項13に記載のハイブリダイゼーション方法。
  15. 【請求項15】 前記生化学解析用ユニットが、吸着性
    基板を備え、前記複数の吸着性領域が、前記吸着性基板
    に、特異的結合物質を含有させて、形成されたことを特
    徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のハイ
    ブリダイゼーション方法。
  16. 【請求項16】 中心軸まわりに、機械的に揺動可能な
    揺動台と、ケーシングと蓋を有し、前記揺動台に、取り
    外し可能に取り付けられたハイブリダイゼーション反応
    チャンバとを備え、前記ハイブリダイゼーション反応チ
    ャンバに、前記中心軸を挟んで、少なくとも2つの小断
    面積部分が形成され、前記少なくとも2つの小断面積部
    分の間に、構造または特性が既知の特異的結合物質を含
    む複数の吸着性領域が、互いに離間して、形成された生
    化学解析用ユニットがセット可能に構成されたことを特
    徴とするハイブリダイゼーション装置。
  17. 【請求項17】 前記ハイブリダイゼーション反応チャ
    ンバの前記蓋に、前記ハイブリダイゼーション反応チャ
    ンバ内にセットされた生化学解析用ユニットを、所定の
    位置に保持する少なくとも1つの押さえ部材が形成され
    たことを特徴とする請求項16に記載のハイブリダイゼ
    ーション装置。
  18. 【請求項18】 前記ハイブリダイゼーション反応チャ
    ンバに、2つの小断面積部分が形成されたことを特徴と
    する請求項16または17に記載のハイブリダイゼーシ
    ョン装置。
  19. 【請求項19】 前記2つの小断面積部分の一方に対し
    て、前記中心軸の反対側に、溶液を前記ハイブリダイゼ
    ーション反応チャンバ内に注入可能な溶液注入口が形成
    され、前記2つの小断面積部分の他方に対して、前記中
    心軸の反対側に、前記ハイブリダイゼーション反応チャ
    ンバから、溶液を排出可能な溶液排出口が形成されたこ
    とを特徴とする請求項18に記載のハイブリダイゼーシ
    ョン装置。
  20. 【請求項20】 前記ハイブリダイゼーション反応チャ
    ンバの前記ケーシングと前記蓋との間隔が略一定で、前
    記ケーシングと前記蓋に、2つの狭幅部分が形成され、
    前記2つの狭幅部分によって、前記2つの小断面積部分
    が形成されたことを特徴とする請求項18または19に
    記載のハイブリダイゼーション装置。
  21. 【請求項21】 前記2つの小断面積部分の間の前記ハ
    イブリダイゼーション反応チャンバが、生化学解析用ユ
    ニットの幅よりもわずかに大きい幅を有する略矩形状を
    なしていることを特徴とする請求項18ないし20のい
    ずれか1項に記載のハイブリダイゼーション装置。
  22. 【請求項22】 前記ハイブリダイゼーション反応チャ
    ンバの前記ケーシングおよび前記蓋が、両端部に向け
    て、徐々に、幅が狭くなるように形成され、それによっ
    て、前記2つの小断面積部分が形成されたことを特徴と
    する請求項18ないし21のいずれか1項に記載のハイ
    ブリダイゼーション装置。
  23. 【請求項23】 さらに、ハイブリダイゼーション溶液
    を収容するハイブリダイゼーション溶液タンクと、標識
    物質によって標識された生体由来の物質を含むプローブ
    溶液を収容するプローブ溶液チップと、洗浄溶液を収容
    する洗浄溶液タンクと、可撓性を有し、前記ハイブリダ
    イゼーション反応チャンバの前記溶液注入口に接続され
    た溶液注入チューブと、前記溶液注入チューブと、前記
    ハイブリダイゼーション溶液タンク、前記プローブ溶液
    チップあるいは前記洗浄溶液タンクとを、選択的に、連
    通させる溶液供給バルブ手段を備えたことを特徴とする
    請求項16ないし22のいずれか1項に記載のハイブリ
    ダイゼーション装置。
  24. 【請求項24】 さらに、可撓性を有し、前記ハイブリ
    ダイゼーション反応チャンバの前記溶液排出口に接続さ
    れた溶液排出チューブと、前記ハイブリダイゼーション
    溶液と前記プローブ溶液との混合溶液および前記洗浄溶
    液を、前記溶液排出チューブを介して、回収する溶液回
    収タンクを備えたことを特徴とする請求項23に記載の
    ハイブリダイゼーション装置。
  25. 【請求項25】 さらに、前処理液を収容する前処理液
    タンクを備え、前記溶液供給バルブ手段が、前記溶液注
    入チューブと、前記前処理液タンク、前記ハイブリダイ
    ゼーション溶液タンク、前記プローブ溶液チップあるい
    は前記洗浄溶液タンクとを、選択的に、連通させるよう
    に構成されたことを特徴とする請求項23に記載のハイ
    ブリダイゼーション装置。
  26. 【請求項26】 さらに、可撓性を有し、前記ハイブリ
    ダイゼーション反応チャンバの前記溶液排出口に接続さ
    れた溶液排出チューブと、前記前処理液を回収する前処
    理液回収タンクと、前記ハイブリダイゼーション溶液と
    前記プローブ溶液との混合溶液および前記洗浄溶液を回
    収する放射性溶液回収タンクと、前記溶液排出チューブ
    と、前記前処理液回収タンクあるいは前記放射性溶液回
    収タンクとを、選択的に、連通させる溶液排出バルブ手
    段を備えたことを特徴とする請求項25に記載のハイブ
    リダイゼーション装置。
  27. 【請求項27】 さらに、可撓性を有し、前記ハイブリ
    ダイゼーション反応チャンバの前記溶液排出口に接続さ
    れた溶液排出チューブと、前記前処理液を回収する前処
    理液回収タンクと、前記ハイブリダイゼーション溶液と
    前記プローブ溶液との混合溶液を回収するハイブリダイ
    ゼーション溶液回収タンクと、前記洗浄溶液を回収する
    洗浄溶液タンクと、前記溶液排出チューブと、前記前処
    理液回収タンク、前記ハイブリダイゼーション溶液回収
    タンクあるいは前記洗浄溶液タンクとを、選択的に、連
    通させる溶液排出バルブ手段を備えたことを特徴とする
    請求項25に記載のハイブリダイゼーション装置。
  28. 【請求項28】 前記生体由来の物質が、放射性標識物
    質、蛍光物質および化学発光基質と接触させることによ
    って化学発光を生じさせる標識物質よりなる群から選ば
    れる少なくとも1種の標識物質によって標識されたこと
    を特徴とする請求項23ないし27のいずれか1項に記
    載のハイブリダイゼーション装置。
  29. 【請求項29】 前記洗浄溶液タンク内に、前記洗浄溶
    液に含まれている放射性標識物質の濃度を検出する放射
    線センサが設けられたことを特徴とする請求項28に記
    載のハイブリダイゼーション装置。
  30. 【請求項30】 ケーシングと蓋を有し、幅方向に延び
    る中心軸を挟んで、少なくとも2つの小断面積部分が形
    成され、前記少なくとも2つの小断面積部分の間に、構
    造または特性が既知の特異的結合物質を含む複数の吸着
    性領域が、互いに離間して、形成された生化学解析用ユ
    ニットがセット可能に構成されたことを特徴とするハイ
    ブリダイゼーション反応チャンバ。
  31. 【請求項31】 前記蓋に、前記ハイブリダイゼーショ
    ン反応チャンバ内にセットされた生化学解析用ユニット
    を、所定の位置に保持する少なくとも1つの押さえ部材
    が形成されたことを特徴とする請求項30に記載のハイ
    ブリダイゼーション反応チャンバ。
  32. 【請求項32】 2つの小断面積部分が形成されたこと
    を特徴とする請求項30または31に記載のハイブリダ
    イゼーション反応チャンバ。
  33. 【請求項33】 前記2つの小断面積部分の一方に対し
    て、前記中心軸の反対側に、溶液を前記ハイブリダイゼ
    ーション反応チャンバ内に注入可能な溶液注入口が形成
    され、前記2つの小断面積部分の他方に対して、前記中
    心軸の反対側に、前記ハイブリダイゼーション反応チャ
    ンバから、溶液を排出可能な溶液排出口が形成されたこ
    とを特徴とする請求項32に記載のハイブリダイゼーシ
    ョン反応チャンバ。
  34. 【請求項34】 前記ケーシングと前記蓋との間隔が略
    一定で、前記ケーシングと前記蓋に、2つの狭幅部分が
    形成され、前記2つの狭幅部分によって、前記2つの小
    断面積部分が形成されたことを特徴とする請求項32ま
    たは33に記載のハイブリダイゼーション反応チャン
    バ。
  35. 【請求項35】 前記2つの小断面積部分の間の前記ハ
    イブリダイゼーション反応チャンバが、生化学解析用ユ
    ニットの幅よりもわずかに大きい幅を有する略矩形状を
    なしていることを特徴とする請求項32ないし34のい
    ずれか1項に記載のハイブリダイゼーション反応チャン
    バ。
  36. 【請求項36】 前記ケーシングおよび前記蓋が、両端
    部に向けて、徐々に、幅が狭くなるように形成され、そ
    れによって、前記2つの小断面積部分が形成されたこと
    を特徴とする請求項32ないし35のいずれか1項に記
    載のハイブリダイゼーション反応チャンバ。
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JP2008199991A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Aloka Co Ltd ハイブリダイゼーション処理装置

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