JP2003156496A - リセプター・リガンド会合反応方法および装置 - Google Patents

リセプター・リガンド会合反応方法および装置

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JP2003156496A
JP2003156496A JP2002221220A JP2002221220A JP2003156496A JP 2003156496 A JP2003156496 A JP 2003156496A JP 2002221220 A JP2002221220 A JP 2002221220A JP 2002221220 A JP2002221220 A JP 2002221220A JP 2003156496 A JP2003156496 A JP 2003156496A
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ligand
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JP2002221220A
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Nobuhiko Ogura
Katsuaki Muraishi
Masahiro Eto
信彦 小倉
勝明 村石
雅弘 江藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生化学解析用ユニットに固定されたリセプタ
ーあるいはリガンドに、効率的に、リガンドあるいはリ
セプターを会合反応させることができ、しかも、再現性
よく、定量性に優れた生化学解析用データを生成するこ
とを可能にするリセプター・リガンド会合反応方法を提
供する。 【解決手段】 生化学解析用ユニット1に、互いに離間
して形成され、リセプターまたはリガンドが固定された
複数の吸着性領域4に、標識物質によって標識されたリ
ガンドまたはリセプターを含む反応溶液を、複数の吸着
性領域を横切るように、供給し、生化学解析用ユニット
の複数の吸着性領域に固定されたリセプターまたはリガ
ンドに、反応溶液に含まれたリガンドまたはリセプター
を、選択的に、会合させることを特徴とするリセプター
・リガンド会合反応方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リセプター・リガ
ンド会合反応方法および装置に関するものであり、さら
に詳細には、生化学解析用ユニットに固定されたリガン
ドあるいはリセプターに、効率的に、リセプターあるい
はリガンドを会合反応させることができ、しかも、再現
性よく、定量性に優れた生化学解析用データを生成する
ことを可能にするリセプター・リガンド会合反応方法お
よび装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】また、光が照射されると、光のエネルギー
を吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の
電磁波を用いて励起すると、照射された光のエネルギー
の量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性
蛍光体を、光の検出材料として用い、蛋白質、遺伝子配
列などの固定された高分子を、化学発光物質と接触し
て、化学発光を生じさせる標識物質により、選択的に標
識し、標識物質によって選択的に標識された高分子と、
化学発光物質とを接触させて、化学発光物質と標識物質
との接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を、蓄
積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に含まれ
ている輝尽性蛍光体に蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル信号を生成し、データ処理を施
して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルムな
どの記録材料上に、データを再生するように構成された
化学発光解析システムが知られている(たとえば、米国
特許第5,028,793号、英国特許出願公開GB第
2,246,197Aなど。)。
【0004】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するこれらのシステムは、写真フイルムを用い
る場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要
であるだけでなく、得られたディジタルデータにデータ
処理を施すことにより、所望のように、解析用データを
再生し、あるいは、コンピュータによる定量解析が可能
になるという利点を有している。
【0005】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0006】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光解析システムも知られてい
る。
【0007】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細胞、
ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗
原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDN
A、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結
合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既
知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下
して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによっ
て、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処
理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であ
って、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識され
た物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特異
的結合物質に、特異的に結合させたマイクロアレイに、
励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から
発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来
の物質を解析するマイクロアレイ解析システムが開発さ
れている。このマイクロアレイ解析システムによれば、
スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポット
を高密度に形成して、標識物質によって標識された生体
由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時
間に、生体由来の物質を解析することが可能になるとい
う利点がある。
【0008】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッ
ター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポット
を形成し、次いで、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽
出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、
さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生
体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識さ
れた物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特
異的結合物質に、特異的に結合させたマクロアレイを、
輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性
蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、
しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性
蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生
化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解析する
放射性標識物質を用いたマクロアレイ解析システムも開
発されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】マイクロアレイ解析シ
ステムやマクロアレイ解析システムにおいては、メンブ
レンフィルタなどの生化学解析用ユニットの表面の異な
る位置に、特異的結合物質を含む溶液を滴下して、多数
のスポット状領域を形成し、放射性標識物質、蛍光物
質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質などによって標識された生体由来の
物質を、スポット状領域に含まれている特異的結合物質
にハイブリダイズさせて、スポット状領域を選択的に標
識し、多数のスポット状領域に選択的に含まれている放
射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍
光体層を露光し、露光された輝尽性蛍光体層を、励起光
によって走査して、輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽
性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光
を光電的に検出して、生化学解析用データを生成し、あ
るいは、多数のスポット状領域を、励起光によって走査
して、多数のスポット状領域に選択的に含まれている蛍
光物質を励起し、蛍光物質から放出された蛍光を光電的
に検出して、生化学解析用データを生成し、あるいは、
多数のスポット状領域に選択的に含まれている標識物質
を化学発光基質と接触させ、標識物質から放出される化
学発光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成
することが要求されている。
【0010】特異的結合物質と生体由来の物質をハイブ
リダイズさせる場合、従来は、実験者が、手作業で、特
異的結合物質を含む多数のスポット状領域が形成された
メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットを、ハ
イブリダイゼーションバッグ内に入れ、ハイブリダイゼ
ーションバッグ内に、放射性標識物質、蛍光物質、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質などによって標識された生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション溶液を加え、ハイブリダイゼ
ーションバッグに振動を加えて、生体由来の物質を、対
流あるいは拡散によって移動させて、特異的結合物質と
生体由来の物質をハイブリダイズさせ、生化学解析用ユ
ニットをハイブリダイゼーションバッグから取り出し
て、洗浄溶液が満たされた容器内に入れ、洗浄するのが
一般であった。
【0011】しかしながら、実験者が、手作業で、生化
学解析用ユニットを、ハイブリダイゼーションバッグ内
に入れて、ハイブリダイゼーション溶液を加え、ハイブ
リダイゼーションバッグに振動を加えて、特異的結合物
質と生体由来の物質をハイブリダイズさせる場合には、
ハイブリダイゼーション溶液を、特異的結合物質を含む
多数のスポット状領域に、均一に接触させることは困難
であり、したがって、効率的に、特異的結合物質と生体
由来の物質をハイブリダイズさせることができないとい
う問題があった。
【0012】さらに、実験者が、手作業で、生化学解析
用ユニットを、ハイブリダイゼーションバッグ内に入れ
て、ハイブリダイゼーション溶液を加え、ハイブリダイ
ゼーションバッグに振動を加えて、特異的結合物質と生
体由来の物質をハイブリダイズさせ、生化学解析用ユニ
ットをハイブリダイゼーションバッグから取り出して、
洗浄溶液が満たされた容器内に入れ、洗浄する場合に
は、実験者によって、ハイブリダイゼーションの結果が
ばらつき、再現性が低下することは避けられず、また、
同じ実験者であっても、再現性が低下するおそれがある
という問題があった。
【0013】また、ハイブリダイゼーションによって、
本来、結合されるべきでない生体由来の物質が特異的物
質に結合されることがあり、そのような場合には、メン
ブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットを、輝尽性
蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体
シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、しかる
後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性蛍光体
層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生化学解
析用データを生成し、あるいは、メンブレンフィルタな
どの生化学解析用ユニットに励起光を照射し、蛍光物質
から放出された蛍光を光電的に検出し、あるいは、メン
ブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットから放出さ
れる化学発光を光電的に検出して、生化学解析用データ
を生成したときに、生化学解析用データ中にノイズを生
成し、生化学解析の定量性が低下するという問題があっ
た。
【0014】メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユ
ニットに、抗原あるいは抗体を固定し、抗原抗体反応に
よって、固定された抗原あるいは抗体に、抗体あるいは
抗原を結合させる場合のように、リガンドとリセプター
を会合反応させる場合には、同様の問題があり、さら
に、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットに
固定されたターゲットDNAに、ジゴキシゲニンなどの
ハプテンによって標識されたプローブDNAをハイブリ
ダイズさせ、さらに、化学発光基質と接触させることに
よって化学発光を生じさせる酵素によって標識されたジ
ゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体や、蛍光基質
と接触することによって、蛍光物質を生じさせる性質を
有する酵素によって標識されたジゴキシゲニンなどのハ
プテンに対する抗体を、抗原抗体反応によって、プロー
ブDNAを標識しているハプテンに結合させて、ターゲ
ットDNAを標識する場合にも、同様の問題があった。
【0015】したがって、本発明は、生化学解析用ユニ
ットに固定されたリセプターあるいはリガンドに、効率
的に、リガンドあるいはリセプターを会合反応させるこ
とができ、しかも、再現性よく、定量性に優れた生化学
解析用データを生成することを可能にするリセプター・
リガンド会合反応方法および装置を提供することを目的
とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
生化学解析用ユニットに、互いに離間して形成され、リ
セプターまたはリガンドが固定された複数の吸着性領域
に、標識物質によって標識されたリガンドまたはリセプ
ターを含む反応溶液を、前記生化学解析用ユニットに形
成された前記複数の吸着性領域を横切るように、供給
し、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
に固定された前記リセプターまたは前記リガンドに、前
記反応溶液に含まれた前記リガンドまたは前記リセプタ
ーを、選択的に、会合させることを特徴とするリセプタ
ー・リガンド会合反応方法によって達成される。
【0017】本発明において、リセプター・リガンド会
合反応は、ハイブリダイゼーション反応、抗原抗体反応
を含んでいる。
【0018】本発明によれば、生化学解析用ユニット
に、互いに離間して形成され、リセプターまたはリガン
ドが固定された複数の吸着性領域に、標識物質によって
標識されたリガンドまたはリセプターを含む反応溶液
を、生化学解析用ユニットに形成された複数の吸着性領
域を横切るように、供給し、生化学解析用ユニットの複
数の吸着性領域に固定されたリセプターまたはリガンド
に、反応溶液に含まれたリガンドまたはリセプターを、
選択的に、会合反応させるように構成されているから、
生化学解析用ユニットの吸着性領域内におけるリガンド
またはリセプターの移動速度を大幅に増大させることが
でき、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領域
に固定されているリセプターまたはリガンドと、反応溶
液に含まれているリガンドまたはリセプターとの会合反
応速度を大幅に増大させることが可能になるとともに、
反応溶液に含まれているリガンドまたはリセプターが、
生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い部分に吸着さ
れているリセプターまたはリガンドに出会う確率を大幅
に増大させることができ、したがって、所望のように、
反応溶液に含まれているリガンドまたはリセプターを、
生化学解析用ユニットの吸着性領域に含まれているリセ
プターまたはリガンドに会合反応させることが可能にな
る。
【0019】さらに、本発明によれば、リガンドまたは
リセプターを含む反応溶液が、生化学解析用ユニットに
形成された複数の吸着性領域を横切るように、供給され
て、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれ
たリセプターまたはリガンドに、反応溶液に含まれたリ
ガンドまたはリセプターが、選択的に、会合されるか
ら、リセプター・リガンド会合反応の再現性を向上させ
ることが可能になる。
【0020】本発明の好ましい実施態様においては、前
記反応溶液を、前記生化学解析用ユニットの前記複数の
吸着性領域を横切るように、正逆両方向から、供給する
ように構成されている。
【0021】本発明の好ましい実施態様によれば、反応
溶液を、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横
切るように、正逆両方向から、供給するように構成され
ているから、反応溶液に含まれているリガンドまたはリ
セプターが、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い
部分に含まれているリセプターまたはリガンドに出会う
確率を、より一層、増大させることができ、したがっ
て、所望のように、反応溶液に含まれているリガンドま
たはリセプターを、生化学解析用ユニットの吸着性領域
に含まれているリセプターまたはリガンドに会合反応さ
せることが可能になるとともに、リセプター・リガンド
会合反応の再現性を大幅に向上させることが可能にな
る。
【0022】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットを、反応容器内に収容し、前記
反応溶液を、前記反応容器内に供給するように構成され
ている。
【0023】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットを収容している前記反応容器内
に、前記反応溶液を循環させて、前記生化学解析用ユニ
ットの前記複数の吸着性領域を横切るように、前記反応
溶液を流動させるように構成されている。
【0024】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットを収容している反応容器内に、反応溶
液を循環させて、生化学解析用ユニットの複数の吸着性
領域を横切るように、反応溶液を流動させるように構成
されているから、反応溶液に含まれているリガンドまた
はリセプターが、生化学解析用ユニットの吸着性領域の
深い部分に含まれているリセプターまたはリガンドに出
会う確率を、より一層、増大させることができ、したが
って、所望のように、反応溶液に含まれているリガンド
またはリセプターを、生化学解析用ユニットの吸着性領
域に含まれているリセプターまたはリガンドに会合反応
させることが可能になるとともに、リセプター・リガン
ド会合反応の再現性を大幅に向上させることが可能にな
る。
【0025】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットを、反応容器内に収容し、リガ
ンドまたはリセプターを含み、前記反応容器内に収容さ
れた反応溶液中に、前記反応容器内に収容された前記生
化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切る方
向の超音波を生成し、生成された超音波によって、前記
反応溶液を、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸
着性領域を横切るように、強制的に流動させるように構
成されている。
【0026】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットを、反応容器内に収容し、リガンドま
たはリセプターを含み、反応容器内に収容された反応溶
液中に、反応容器内に収容された生化学解析用ユニット
の複数の吸着性領域を横切る方向の超音波を生成し、生
成された超音波によって、反応溶液を、生化学解析用ユ
ニットの複数の吸着性領域を横切るように、強制的に流
動させるように構成されているから、生化学解析用ユニ
ットの吸着性領域内におけるリガンドまたはリセプター
の移動速度を大幅に増大させることができ、したがっ
て、生化学解析用ユニットの吸着性領域に固定されてい
るリセプターまたはリガンドと、反応溶液に含まれてい
るリガンドまたはリセプターとの会合反応速度を大幅に
増大させることが可能になるとともに、反応溶液に含ま
れているリガンドまたはリセプターが、生化学解析用ユ
ニットの吸着性領域の深い部分に吸着されているリセプ
ターまたはリガンドに出会う確率を大幅に増大させるこ
とができ、したがって、所望のように、反応溶液に含ま
れているリガンドまたはリセプターを、生化学解析用ユ
ニットの吸着性領域に含まれているリセプターまたはリ
ガンドに会合反応させることが可能になる。
【0027】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反応溶液中に、正逆方向に、交互に、前記生化
学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切る超音
波を生成して、生成された超音波によって、前記反応溶
液を、正逆両方向から、前記生化学解析用ユニットの前
記複数の吸着性領域を横切るように、強制的に流動させ
るように構成されている。
【0028】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、反応溶液中に、正逆方向に、交互に、生化学解析用
ユニットの複数の吸着性領域を横切る超音波を生成し
て、生成された超音波によって、反応溶液を、正逆両方
向から、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横
切るように、強制的に流動させるように構成されている
から、反応溶液に含まれているリガンドまたはリセプタ
ーが、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い部分に
含まれているリセプターまたはリガンドに出会う確率
を、より一層、増大させることができ、したがって、所
望のように、反応溶液に含まれているリガンドまたはリ
セプターを、生化学解析用ユニットの吸着性領域に含ま
れているリセプターまたはリガンドに会合反応させるこ
とが可能になるとともに、リセプター・リガンド会合反
応の再現性を大幅に向上させることが可能になる。
【0029】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域のう
ち、少なくとも2つの吸着性領域よりなるグループごと
に、温度が制御された前記反応溶液を、前記生化学解析
用ユニットの前記複数の吸着性領域に供給して、前記反
応溶液に含まれた前記リガンドまたは前記リセプター
を、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
に固定された前記リセプターまたは前記リガンドに、選
択的に、会合させるように構成されている。
【0030】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットの複数の吸着性領域のうち、少なくと
も2つの吸着性領域よりなるグループごとに、温度が制
御された反応溶液を、生化学解析用ユニットの複数の吸
着性領域に供給して、反応溶液に含まれたリガンドまた
はリセプターを、生化学解析用ユニットの複数の吸着性
領域に固定されたリセプターまたはリガンドに、選択的
に、会合させるように構成されているから、各グループ
を構成している吸着性領域に、同種のリセプターまたは
リガンドを固定させることによって、生化学解析用ユニ
ットの吸着性領域のそれぞれに固定されているリセプタ
ーまたはリガンドに会合した本来的に会合すべきリガン
ドまたはリセプターが、生化学解析用ユニットの吸着性
領域のそれぞれに固定されているリセプターまたはリガ
ンドから、剥離することを効果的に防止することがで
き、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領域の
それぞれに固定されているリセプターまたはリガンド
に、所望のように、本来的に会合すべきリガンドまたは
リセプターを、会合させることが可能になるから、生化
学解析用データ中にノイズが生成されることを効果的に
防止することができ、再現性よく、定量性に優れた生化
学解析用データを生成することが可能になる。
【0031】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
を、2以上の吸着性領域を含む複数のブロックに分割
し、各ブロックごとに、温度が制御された前記反応溶液
を、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
に供給して、前記反応溶液に含まれた前記リガンドまた
は前記リセプターを、前記生化学解析用ユニットの前記
複数の吸着性領域に固定された前記リセプターまたは前
記リガンドに、選択的に、会合させるように構成されて
いる。
【0032】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、2以
上の吸着性領域を含む複数のブロックに分割し、各ブロ
ックごとに、温度が制御された反応溶液を、生化学解析
用ユニットの複数の吸着性領域に供給して、反応溶液に
含まれたリガンドまたはリセプターを、生化学解析用ユ
ニットの複数の吸着性領域に固定されたリセプターまた
はリガンドに、選択的に、会合させるように構成されて
いるから、各ブロックを構成している吸着性領域に、同
種のリセプターまたはリガンドを固定させることによっ
て、生化学解析用ユニットの吸着性領域のそれぞれに固
定されているリセプターまたはリガンドに会合した本来
的に会合すべきリガンドまたはリセプターが、生化学解
析用ユニットの吸着性領域のそれぞれに固定されている
リセプターまたはリガンドから、剥離することを効果的
に防止することができ、したがって、生化学解析用ユニ
ットの吸着性領域のそれぞれに固定されているリセプタ
ーまたはリガンドに、所望のように、本来的に会合すべ
きリガンドまたはリセプターを、会合させることが可能
になるから、生化学解析用データ中にノイズが生成され
ることを効果的に防止することができ、再現性よく、定
量性に優れた生化学解析用データを生成することが可能
になる。
【0033】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域のそれぞれに応じて、温度制
御された前記反応溶液を、前記生化学解析用ユニットの
前記複数の吸着性領域に供給して、前記反応溶液に含ま
れた前記リガンドまたは前記リセプターを、前記生化学
解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に固定された前
記リセプターまたは前記リガンドに、選択的に、会合さ
せるように構成されている。
【0034】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、複数の吸着性領域のそれぞれに応じて、温度制御さ
れた反応溶液を、生化学解析用ユニットの複数の吸着性
領域に供給して、反応溶液に含まれたリガンドまたはリ
セプターを、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域
に固定されたリセプターまたはリガンドに、選択的に、
会合させるように構成されているから、生化学解析用ユ
ニットの吸着性領域のそれぞれに固定されているリセプ
ターまたはリガンドに会合した本来的に会合すべきリガ
ンドまたはリセプターが、生化学解析用ユニットの吸着
性領域のそれぞれに固定されているリセプターまたはリ
ガンドから、剥離することを効果的に防止することがで
き、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領域の
それぞれに固定されているリセプターまたはリガンド
に、所望のように、本来的に会合すべきリガンドまたは
リセプターを、会合させることが可能になるから、生化
学解析用データ中にノイズが生成されることを効果的に
防止することができ、再現性よく、定量性に優れた生化
学解析用データを生成することが可能になる。
【0035】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に固
定されている前記リセプターまたは前記リガンドの種類
に応じて、前記反応溶液の温度を制御するように構成さ
れている。
【0036】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記反応溶液に含まれたリガンドまたはリ
セプターが選択的に会合されたリセプターまたはリガン
ドが固定されている前記生化学解析用ユニットの前記複
数の吸着性領域に、洗浄溶液を、前記生化学解析用ユニ
ットの前記複数の吸着性領域を横切るように、供給し
て、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
を洗浄するように構成されている。
【0037】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、さらに、反応溶液に含まれたリガンドまたはリセプ
ターが選択的に会合されたリセプターまたはリガンドが
固定されている生化学解析用ユニットの複数の吸着性領
域に、洗浄溶液を、生化学解析用ユニットに形成された
複数の吸着性領域を横切るように、供給して、生化学解
析用ユニットの複数の吸着性領域を洗浄するように構成
されているから、リセプター・リガンド会合反応の過程
で、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に固定さ
れているリセプターまたはリガンドに、本来、会合され
るべきでないリガンドまたはリセプターが結合されてい
ても、効果的に剥離させ、除去することが可能になり、
したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領域のそれ
ぞれに固定されているリセプターまたはリガンドに、所
望のように、本来的に会合すべきリガンドまたはリセプ
ターを、会合させることが可能になるから、生化学解析
用データ中にノイズが生成されることを効果的に防止す
ることができ、再現性よく、定量性に優れた生化学解析
用データを生成することが可能になる。
【0038】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記洗浄溶液を、前記反応容器内に収容された前記
生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切る
ように、正逆両方向から、前記反応容器内に、供給する
ように構成されている。
【0039】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、洗浄溶液を、反応容器内に収容された生化学解析用
ユニットの複数の吸着性領域を横切るように、正逆両方
向から、反応容器内に、供給するように構成されている
から、リセプター・リガンド会合反応の過程で、生化学
解析用ユニットの複数の吸着性領域に固定されているリ
セプターまたはリガンドに、本来、会合されるべきでな
いリガンドまたはリセプターが結合されていても、より
効果的に剥離させて、除去することが可能になり、した
がって、生化学解析用ユニットの吸着性領域のそれぞれ
に固定されているリセプターまたはリガンドに、所望の
ように、本来的に会合すべきリガンドまたはリセプター
を、会合させることが可能になるから、生化学解析用デ
ータ中にノイズが生成されることを効果的に防止するこ
とができ、再現性よく、定量性に優れた生化学解析用デ
ータを生成することが可能になる。
【0040】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットを収容している反応容器
内に、前記洗浄溶液を循環させて、前記生化学解析用ユ
ニットの前記複数の吸着性領域を横切るように、流動さ
せるように構成されている。
【0041】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットを収容している反応容器内
に、洗浄溶液を循環させて、生化学解析用ユニットの複
数の吸着性領域を横切るように、流動させるように構成
されているから、リセプター・リガンド会合反応の過程
で、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に固定さ
れているリセプターまたはリガンドに、本来、会合され
るべきでないリガンドまたはリセプターが結合されてい
ても、より効果的に剥離させ、除去することが可能にな
り、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領域の
それぞれに固定されているリセプターまたはリガンド
に、所望のように、本来的に会合すべきリガンドまたは
リセプターを、会合させることが可能になるから、生化
学解析用データ中にノイズが生成されることを効果的に
防止することができ、再現性よく、定量性に優れた生化
学解析用データを生成することが可能になる。
【0042】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットを収容している反応容器
内に、洗浄溶液を収容させ、前記洗浄溶液中に、前記反
応容器内に収容され、前記反応溶液に含まれたリガンド
またはリセプターが選択的に会合されたリセプターまた
はリガンドが固定されている前記生化学解析用ユニット
の前記複数の吸着性領域を横切る方向の超音波を生成
し、生成された超音波によって、前記洗浄溶液を、前記
生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切る
ように、強制的に流動させて、前記生化学解析用ユニッ
トの前記複数の吸着性領域を洗浄するように構成されて
いる。
【0043】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットを収容している反応容器内
に、洗浄溶液を収容させ、洗浄溶液中に、反応容器内に
収容され、反応溶液に含まれたリガンドまたはリセプタ
ーが選択的に会合されたリセプターまたはリガンドが固
定されている生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域
を横切る方向の超音波を生成し、生成された超音波によ
って、洗浄溶液を、生化学解析用ユニットの複数の吸着
性領域を横切るように、強制的に流動させて、前記生化
学解析用ユニットの複数の吸着性領域を洗浄するように
構成されているから、リセプター・リガンド会合反応の
過程で、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に固
定されているリセプターまたはリガンドに、本来、会合
されるべきでないリガンドまたはリセプターが結合され
ていても、効果的に剥離させて、除去することが可能に
なり、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領域
のそれぞれに固定されているリセプターまたはリガンド
に、所望のように、本来的に会合すべきリガンドまたは
リセプターを、会合させることが可能になるから、生化
学解析用データ中にノイズが生成されることを効果的に
防止することができ、再現性よく、定量性に優れた生化
学解析用データを生成することが可能になる。
【0044】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記洗浄溶液中に、正逆方向に、交互に、前記生化
学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切る超音
波を生成して、生成された超音波によって、前記洗浄溶
液を、正逆両方向から、前記生化学解析用ユニットの前
記複数の吸着性領域を横切るように、強制的に流動させ
て、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
を洗浄するように構成されている。
【0045】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、洗浄溶液中に、正逆方向に、交互に、生化学解析用
ユニットの複数の吸着性領域を横切る超音波を生成し
て、生成された超音波によって、洗浄溶液を、正逆両方
向から、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横
切るように、強制的に流動させて、生化学解析用ユニッ
トの複数の吸着性領域を洗浄するように構成されている
から、リセプター・リガンド会合反応の過程で、生化学
解析用ユニットの複数の吸着性領域に固定されているリ
セプターまたはリガンドに、本来、会合されるべきでな
いリガンドまたはリセプターが結合されていても、より
効果的に剥離させて、除去することが可能になり、した
がって、生化学解析用ユニットの吸着性領域のそれぞれ
に固定されているリセプターまたはリガンドに、所望の
ように、本来的に会合すべきリガンドまたはリセプター
を、会合させることが可能になるから、生化学解析用デ
ータ中にノイズが生成されることを効果的に防止するこ
とができ、再現性よく、定量性に優れた生化学解析用デ
ータを生成することが可能になる。
【0046】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
のうち、少なくとも2つの吸着性領域よりなるグループ
ごとに、温度が制御された前記洗浄溶液を、前記生化学
解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に供給して、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を洗浄
するように構成されている。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域のうち、
少なくとも2つの吸着性領域よりなるグループごとに、
温度が制御された洗浄溶液を、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域に供給して、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域を洗浄するように構成されているか
ら、各グループを構成している吸着性領域に、同種のリ
セプターまたはリガンドを固定させておけば、リセプタ
ー・リガンド会合反応の過程で、本来、会合されるべき
でないリガンドまたはリセプターが結合されていても、
より効果的に剥離させて、除去することが可能になり、
したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領域のそれ
ぞれに固定されているリセプターまたはリガンドに、所
望のように、本来的に会合すべきリガンドまたはリセプ
ターを、会合させることが可能になるから、生化学解析
用データ中にノイズが生成されることを効果的に防止す
ることができ、再現性よく、定量性に優れた生化学解析
用データを生成することが可能になる。
【0048】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
のブロックごとに、温度が制御された洗浄溶液を供給す
るように構成されている。
【0049】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域のブロッ
クごとに、温度が制御された洗浄溶液を供給するように
構成されているから、各ブロックを構成している吸着性
領域に固定されているリセプターまたはリガンドに、リ
セプター・リガンド会合反応の過程で、本来、会合され
るべきでないリガンドまたはリセプターが結合されてい
ても、最適な温度の洗浄溶液によって洗浄することによ
り、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に固定さ
れているリセプターまたはリガンドに、本来、会合され
るべきでないリガンドまたはリセプターを、効果的に剥
離させて、除去することが可能になり、したがって、生
化学解析用ユニットの吸着性領域のそれぞれに固定され
ているリセプターまたはリガンドに、所望のように、本
来的に会合すべきリガンドまたはリセプターを、会合さ
せることが可能になるから、生化学解析用データ中にノ
イズが生成されることを効果的に防止することができ、
再現性よく、定量性に優れた生化学解析用データを生成
することが可能になる。
【0050】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
のそれぞれに応じて、温度制御された前記洗浄溶液を、
前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に供
給して、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性
領域を洗浄するように構成されている。
【0051】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域のそれぞ
れに応じて、温度制御された洗浄溶液を、生化学解析用
ユニットの複数の吸着性領域に供給して、生化学解析用
ユニットの複数の吸着性領域を洗浄するように構成され
ているから、生化学解析用ユニットの吸着性領域のそれ
ぞれに固定されているリセプターまたはリガンドに、リ
セプター・リガンド会合反応の過程で、本来、会合され
るべきでないリガンドまたはリセプターが結合されてい
ても、最適な温度の洗浄溶液によって洗浄することによ
り、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に固定さ
れているリセプターまたはリガンドに、本来、会合され
るべきでないリガンドまたはリセプターを、効果的に剥
離させ、除去することが可能になり、したがって、生化
学解析用ユニットの吸着性領域のそれぞれに固定されて
いるリセプターまたはリガンドに、所望のように、本来
的に会合すべきリガンドまたはリセプターを、会合させ
ることが可能になるから、生化学解析用データ中にノイ
ズが生成されることを効果的に防止することができ、再
現性よく、定量性に優れた生化学解析用データを生成す
ることが可能になる。
【0052】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域に固定されている前記リセプ
ターまたは前記リガンドの種類に応じて、前記洗浄溶液
の温度を制御するように構成されている。
【0053】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
に、それぞれ独立した管状部材によって、前記反応溶液
あるいは前記洗浄溶液を供給するように構成されてい
る。
【0054】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、それ
ぞれ独立した管状部材によって、反応溶液あるいは洗浄
溶液を供給するように構成されているから、生化学解析
用ユニットの吸着性領域のそれぞれに固定されているリ
セプターまたはリガンドの種類に応じて、反応溶液ある
いは洗浄溶液の温度を、所望のように制御することが可
能になる。
【0055】本発明の好ましい実施態様においては、前
記反応溶液が、放射性標識物質、蛍光物質および化学発
光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる
標識物質よりなる群から選ばれる少なくとも1種の標識
物質によって標識されたリガンドまたはリセプターを含
んでいる。
【0056】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、構
造または特性が既知の特異的結合物質が固定され、標識
物質によって標識された生体由来の物質を含む前記反応
溶液を、前記生化学解析用ユニットに形成された前記複
数の吸着性領域を横切るように、前記生化学解析用ユニ
ットの前記複数の吸着性領域に供給して、前記生化学解
析用ユニットの前記複数の吸着性領域に固定された前記
特異的結合物質に、前記反応溶液に含まれ、前記標識物
質によって標識された生体由来の物質を、選択的に、ハ
イブリダイズさせるように構成されている。
【0057】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、抗
原または抗体が固定され、標識物質によって標識された
抗体または抗原を含む前記反応溶液を、前記生化学解析
用ユニットに形成された前記複数の吸着性領域を横切る
ように、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性
領域に供給して、前記生化学解析用ユニットの前記複数
の吸着性領域に固定された前記抗原または抗体に、前記
標識物質によって標識された抗体または抗原を、抗原抗
体反応によって、選択的に結合させるように構成されて
いる。
【0058】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、構
造または特性が既知の特異的結合物質が固定され、ハプ
テンによって標識された生体由来の物質を含む前記反応
溶液を、前記生化学解析用ユニットに形成された前記複
数の吸着性領域を横切るように、前記生化学解析用ユニ
ットの前記複数の吸着性領域に供給して、前記生化学解
析用ユニットの前記複数の吸着性領域に固定された前記
特異的結合物質に、前記反応溶液に含まれ、前記ハプテ
ンによって標識された生体由来の物質を、選択的に、ハ
イブリダイズさせ、さらに、標識酵素によって標識され
た前記ハプテンに対する抗体を含む抗体溶液を、前記生
化学解析用ユニットに形成された前記複数の吸着性領域
を横切るように、前記生化学解析用ユニットの前記複数
の吸着性領域に供給して、前記生化学解析用ユニットの
前記複数の吸着性領域に固定された前記ハプテンに、前
記標識酵素によって標識された抗体を、抗原抗体反応に
よって、結合させるように構成されている。
【0059】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
に、構造または特性が既知の特異的結合物質が固定さ
れ、ハプテンによって標識された生体由来の物質を含む
前記反応溶液を、前記生化学解析用ユニットに形成され
た前記複数の吸着性領域を横切るように、前記生化学解
析用ユニットの前記複数の吸着性領域に供給して、前記
生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に固定さ
れた前記特異的結合物質に、前記反応溶液に含まれ、前
記ハプテンによって標識された生体由来の物質を、選択
的に、ハイブリダイズさせ、さらに、化学発光基質と接
触させることによって、化学発光を生じさせる酵素によ
って標識された前記ハプテンに対する抗体を含む抗体溶
液を、前記生化学解析用ユニットに形成された前記複数
の吸着性領域を横切るように、前記生化学解析用ユニッ
トの前記複数の吸着性領域に供給して、前記生化学解析
用ユニットの前記複数の吸着性領域に固定された前記ハ
プテンに、前記標識酵素によって標識された抗体を、抗
原抗体反応によって、結合させるように構成されてい
る。
【0060】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
に、構造または特性が既知の特異的結合物質が固定さ
れ、ハプテンによって標識された生体由来の物質を含む
前記反応溶液を、前記生化学解析用ユニットに形成され
た前記複数の吸着性領域を横切るように、前記生化学解
析用ユニットの前記複数の吸着性領域に供給して、前記
生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に固定さ
れた前記特異的結合物質に、前記反応溶液に含まれ、前
記ハプテンによって標識された生体由来の物質を、選択
的に、ハイブリダイズさせ、さらに、蛍光基質と接触さ
せることによって、蛍光物質を生じさせる酵素によって
標識された前記ハプテンに対する抗体を含む抗体溶液
を、前記生化学解析用ユニットに形成された前記複数の
吸着性領域を横切るように、前記生化学解析用ユニット
の前記複数の吸着性領域に供給して、前記生化学解析用
ユニットの前記複数の吸着性領域に固定された前記ハプ
テンに、前記標識酵素によって標識された抗体を、抗原
抗体反応によって、結合させるように構成されている。
【0061】本発明において、ハプテン/抗体の組合わ
せの例としては ジゴキシゲニン/抗ジゴキシゲニン抗
体、テオフィリン/抗テオフィリン抗体、フルオロセイ
ン/抗フルオロセイン抗体などをあげることができる。
また、ハプテン/抗体ではなく、ビオチン/アヴィジン
や抗原/抗体などの組合わせを利用することも可能であ
る。
【0062】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットが、吸着性材料によって形成さ
れた吸着性基板を備え、前記複数の吸着性領域が、前記
生化学解析用ユニットの前記吸着性基板の互いに離間し
た領域に、リセプターまたはリガンドが吸着されて、形
成されている。
【0063】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットが、互いに離間して、複数の貫
通孔が形成された基板を備え、前記生化学解析用ユニッ
トの前記複数の吸着性領域が、前記基板に形成された前
記複数の貫通孔内に、吸着性材料が充填されて、形成さ
れている。
【0064】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットが、互いに離間して、複数の貫通孔が
形成された基板を備え、複数の吸着性領域が、生化学解
析用ユニットの基板に形成された複数の貫通孔内に、吸
着性材料が充填されて、形成されているから、各吸着性
領域に供給された反応溶液あるいは洗浄溶液が、基板内
を浸透して、その吸着性領域に隣り合う吸着性領域に達
することを確実に防止することができ、反応溶液あるい
は洗浄溶液を、確実に、所望の吸着性領域に供給するこ
とが可能になる。
【0065】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、前記基板に、互いに離間して形成された前記複数の
貫通孔内に、吸着性材料が埋め込まれて、形成されてい
る。
【0066】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、前記基板に、互いに離間して形成された前記複数の
貫通孔内に、吸着性材料を含む吸着性膜が圧入されて、
形成されている。
【0067】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、基板に、互いに離間して形成された複数の貫通孔内
に、吸着性材料を含む吸着性膜を圧入するだけで、生化
学解析用ユニットに、複数の吸着性領域を形成すること
ができるから、簡易に、生化学解析用ユニットを作製す
ることが可能になる。
【0068】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、吸着性材料によって
形成された吸着性基板と、同一のパターンで、複数の貫
通孔が形成された一対の基板を備え、前記一対の基板
が、前記複数の貫通孔のパターンが対応するように、前
記吸着性基板の両面に密着され、前記一対の基板の前記
複数の貫通孔内の前記吸着性基板によって、前記複数の
吸着性領域が形成されている。
【0069】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
生化学解析用ユニットが、吸着性材料によって形成され
た吸着性基板と、同一のパターンで、複数の貫通孔が形
成された一対の基板を備え、一対の基板が、複数の貫通
孔のパターンが対応するように、吸着性基板の両面に密
着され、一対の基板の複数の貫通孔内の吸着性基板によ
って、複数の吸着性領域が形成されているから、反応溶
液は、リセプターまたはリガンドが固定されている複数
の吸着性領域のみに供給されて、複数の吸着性領域を通
過し、したがって、リセプター・リガンド会合反応の効
率を大幅に向上させることが可能になり、他方、洗浄溶
液は、反応溶液に含まれたリガンドまたはリセプターが
選択的に会合されたリセプターまたはリガンドが固定さ
れている生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域のみ
に供給されて、吸着性領域を通過し、したがって、洗浄
効率を大幅に向上させることが可能になる。
【0070】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、10以上の吸着
性領域が形成されている。
【0071】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、50以上
の吸着性領域が形成されている。
【0072】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、100以
上の吸着性領域が形成されている。
【0073】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、500以
上の吸着性領域が形成されている。
【0074】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
以上の吸着性領域が形成されている。
【0075】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、5000
以上の吸着性領域が形成されている。
【0076】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
0以上の吸着性領域が形成されている。
【0077】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、5000
0以上の吸着性領域が形成されている。
【0078】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
00以上の吸着性領域が形成されている。
【0079】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の吸着
性領域が、それぞれ、5平方ミリメートル未満のサイズ
に形成されている。
【0080】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、それぞれ、1平方ミリメートル未満の
サイズに形成されている。
【0081】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、それぞれ、0.5平方ミリメートル未
満のサイズに形成されている。
【0082】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、それぞれ、0.1平方ミリメートル未
満のサイズに形成されている。
【0083】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、それぞれ、0.05平方ミリメートル
未満のサイズに形成されている。
【0084】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、それぞれ、0.01平方ミリメートル
未満のサイズに形成されている。
【0085】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の吸着
性領域が、10個/平方センチメートル以上の密度で、
形成されている。
【0086】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、50個/平方センチメートル以上の密
度で、形成されている。
【0087】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、100個/平方センチメートル以上の
密度で、形成されている。
【0088】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、500個/平方センチメートル以上の
密度で、形成されている。
【0089】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、1000個/平方センチメートル以上
の密度で、形成されている。
【0090】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、5000個/平方センチメートル以上
の密度で、形成されている。
【0091】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、10000個/平方センチメートル以
上の密度で、形成されている。
【0092】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、50000個/平方センチメートル以
上の密度で、形成されている。
【0093】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、100000個/平方センチメートル
以上の密度で、形成されている。
【0094】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の吸着
性領域が、規則的なパターンにより形成されている。
【0095】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の吸着
性領域が、それぞれ、略円形に形成されている。
【0096】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の吸着性領域が、それぞれ、略矩形状に形成されてい
る。
【0097】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、放射線エネルギ
ーを減衰させる性質を有している。
【0098】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットの基板に、複数の吸着性領域を高密度
に形成し、複数の吸着性領域に、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質を吸着させ、複数の吸着性領
域に吸着された特異的結合物質に、放射性標識物質によ
って標識された生体由来の物質を、ハイブリダイズさせ
て、選択的に標識した場合においても、生化学解析用ユ
ニットと輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シー
トとを重ね合わせて、生化学解析用ユニットの複数の吸
着性領域に選択的に含まれた放射性標識物質によって、
蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層を露光
する際に、各吸着性領域に含まれている放射性標識物質
から放出された電子線(β線)が、生化学解析用ユニッ
トの基板内で散乱することを効果的に防止することがで
きるから、各吸着性領域に含まれている放射性標識物質
から放出された電子線(β線)を、対向する輝尽性蛍光
体層の領域に、選択的に入射させて、対向する輝尽性蛍
光体層の領域のみを露光することが可能になり、したが
って、放射性標識物質によって露光された輝尽性蛍光体
層を励起光によって走査し、輝尽性蛍光体層から放出さ
れた輝尽光を光電的に検出することによって、高い分解
能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成する
ことが可能になる。
【0099】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記基
板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/5
以下に減衰させる性質を有している。
【0100】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/10以下に減衰させる性質を有している。
【0101】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/50以下に減衰させる性質を有している。
【0102】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/100以下に減衰させる性質を有している。
【0103】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/500以下に減衰させる性質を有している。
【0104】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/1000以下に減衰させる性質を有している。
【0105】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、光エネルギーを
減衰させる性質を有している。
【0106】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットの基板に、複数の吸着性領域を高密度
に形成し、複数の吸着性領域に、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質を吸着させ、複数の吸着性領
域に吸着されている特異的結合物質に、蛍光物質によっ
て標識された生体由来の物質を、選択的にハイブリダイ
ズさせて、複数の吸着性領域を蛍光物質によって標識
し、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、励起
光を照射して、複数の吸着性領域に選択的に含まれてい
る蛍光物質を励起し、複数の吸着性領域から放出された
蛍光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成す
る場合においても、生化学解析用ユニットの基板が、光
エネルギーを減衰させる性質を有しているから、生化学
解析用ユニットの各吸着性領域から放出された蛍光が、
基板内で散乱して、隣り合う吸着性領域から放出された
蛍光と混ざり合うことを効果的に防止することが可能に
なり、したがって、蛍光を光電的に検出して、定量性に
優れた生化学解析用データを生成することが可能にな
る。
【0107】また、本発明の好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットの基板に、複数の吸着性領域
を高密度に形成し、複数の吸着性領域に、生体由来の物
質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長
さ、組成などが既知の特異的結合物質を吸着させ、複数
の吸着性領域に吸着されている特異的結合物質に、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質によって標識された生体由来の物質を、選択
的にハイブリダイズさせて、複数の吸着性領域を、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質によって選択的に標識し、生化学解析用ユニ
ットの複数の吸着性領域に、化学発光基質を接触させ
て、選択的に化学発光を放出させ、生化学解析用ユニッ
トの複数の吸着性領域から選択的に放出される化学発光
を光電的に検出して、生化学解析用データを生成する場
合においても、生化学解析用ユニットの基板が、光エネ
ルギーを減衰させる性質を有しているから、生化学解析
用ユニットの複数の吸着性領域から放出される化学発光
が、基板内で散乱して、隣り合う吸着性領域から放出さ
れた化学発光と混ざり合うことを効果的に防止すること
が可能になり、したがって、化学発光を光電的に検出し
て、定量性に優れた生化学解析用データを生成すること
が可能になる。
【0108】さらに、本発明の好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットの基板に、複数の吸着性領域
を高密度に形成し、複数の吸着性領域に、生体由来の物
質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長
さ、組成などが既知の特異的結合物質を吸着させ、複数
の吸着性領域に吸着されている特異的結合物質に、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質によって標識された生体由来の物質を、選択
的にハイブリダイズさせて、生化学解析用ユニットの複
数の吸着性領域に化学発光データを記録し、生化学解析
用ユニットの複数の吸着性領域に、化学発光基質を接触
させて、選択的に、化学発光を放出させ、化学発光を放
出している生化学解析用ユニットと、輝尽性蛍光体層が
形成された蓄積性蛍光体シートとを重ね合わせて、生化
学解析用ユニットの複数の吸着性領域から、選択的に放
出される化学発光によって、蓄積性蛍光体シートに形成
された輝尽性蛍光体層を露光して、化学発光データを転
写する場合にも、光エネルギーを減衰させる性質を有し
ているから、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域
から、選択的に放出された化学発光が、生化学解析用ユ
ニットの基板内で散乱することを効果的に防止すること
ができるから、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領
域から、選択的に放出された化学発光を、対向する輝尽
性蛍光体層の領域に、選択的に入射させて、対向する輝
尽性蛍光体層の領域のみを露光することが可能になり、
したがって、化学発光によって露光された輝尽性蛍光体
層を励起光によって走査し、輝尽性蛍光体層から放出さ
れた輝尽光を光電的に検出することによって、高い分解
能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成する
ことが可能になる。
【0109】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記基板中
を透過したときに、光のエネルギーを、1/5以下に減
衰させる性質を有している。
【0110】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
以下に減衰させる性質を有している。
【0111】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/50
以下に減衰させる性質を有している。
【0112】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
0以下に減衰させる性質を有している。
【0113】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/50
0以下に減衰させる性質を有している。
【0114】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
00以下に減衰させる性質を有している。
【0115】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するための材料は、放射線エネルギーおよび
/または光エネルギーを減衰させる性質を有しているこ
とが好ましいが、とくに限定されるものではなく、無機
化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用すること
ができ、金属材料、セラミック材料またはプラスチック
材料が、好ましく使用される。
【0116】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために好ましく使用することのできる無
機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、
アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケ
ル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステ
ンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリ
コン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪
素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイ
ト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパ
タイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができ
る。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのよ
うな多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。
【0117】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために使用可能な有機化合物材料として
は、高分子化合物が好ましく用いられ、好ましく使用す
ることのできる高分子化合物としては、たとえば、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリ
メチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメ
タクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリ
ロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポ
リフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポ
リクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポ
リエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレート
などのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスル
ホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシ
ロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノー
ル樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;
ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セル
ロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシ
ウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0118】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、生化学解析用ユニットの基板は、比
重1.0g/cm以上の化合物材料または複合材料に
よって形成されることが好ましく、比重が1.5g/c
以上、23g/cm以下の化合物材料または複合
材料によって形成されることが、とくに好ましい。
【0119】また、一般に、光の散乱および/または吸
収が大きいほど、光の減衰能が高くなるので、生化学解
析用ユニットの基板は、厚さ1cmあたりの吸光度が
0.3以上であることが好ましく、厚さ1cmあたりの
吸光度が1以上であれば、さらに好ましい。ここに、吸
光度は、厚さTcmの板状体の直後に、積分球を置き、
計測に利用するプローブ光またはエミッション光の波長
における透過光量Aを分光光度計によって測定し、A/
Tを算出することによって、求められる。光減衰能を向
上させるために、光散乱体や光吸収体を、生化学解析用
ユニットの基板に含有させることもできる。光散乱体と
しては、生化学解析用ユニットの基板を形成している材
料と異なる材料の微粒子が用いられ、光吸収体として
は、顔料または染料が用いられる。
【0120】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成する吸着性材料としては、多孔質材料
あるいは繊維材料が好ましく使用される。多孔質材料と
繊維材料を併用して、生化学解析用ユニットの吸着性領
域を形成することもできる。
【0121】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される多孔質材料は、
有機材料、無機材料のいずれでもよく、有機/無機複合
体でもよい。
【0122】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される有機多孔質材料
は、とくに限定されるものではないが、活性炭などの炭
素材料あるいはメンブレンフィルタを形成可能な材料
が、好ましく用いられる。具体的には、ナイロン6、ナ
イロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン類;ニ
トロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロース
などのセルロース誘導体;コラーゲン;アルギン酸、ア
ルギン酸カルシウム、アルギン酸/ポリリシンポリイオ
ンコンプレックスなどのアルギン酸類;ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニ
ル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン、ポリ
テトラフルオライドなどのポリフルオライドや、これら
の共重合体または複合体が挙げられる。
【0123】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される無機多孔質材料
は、とくに限定されるものではないが、好ましくは、た
とえば、白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムな
どの金属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトな
どの金属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウ
ムなどの金属塩やこれらの複合体などが挙げられる。
【0124】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するために使用される繊維材料は、と
くに限定されるものではないが、好ましくは、たとえ
ば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10な
どのナイロン類、ニトロセルロース、酢酸セルロース、
酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体などが挙げ
られる。
【0125】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域は、電解処理、プラズマ処理、アーク放電な
どの酸化処理;シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤などを用いたプライマー処理;界面活性剤処理な
どの表面処理によって形成することもできる。
【0126】本発明の前記目的はまた、リセプターまた
はリガンドが固定された複数の吸着性領域が、互いに離
間して、形成された生化学解析用ユニットを保持する生
化学解析用ユニット保持手段と、溶液を、前記生化学解
析用ユニット保持手段に保持された生化学解析用ユニッ
トの前記複数の吸着性領域を横切るように、供給する溶
液供給手段を備えたことを特徴とするリセプター・リガ
ンド会合反応装置によって達成される。
【0127】本発明によれば、リセプター・リガンド会
合反応装置は、リセプターまたはリガンドが固定された
複数の吸着性領域が、互いに離間して、形成された生化
学解析用ユニットを保持する生化学解析用ユニット保持
手段と、溶液を、生化学解析用ユニット保持手段に保持
された生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横切
るように、供給する溶液供給手段を備えているから、リ
ガンドまたはリセプターを含む溶液を、生化学解析用ユ
ニットの複数の吸着性領域を横切るように、供給するこ
とによって、生化学解析用ユニットの吸着性領域内にお
けるリガンドまたはリセプターの移動速度を大幅に増大
させることができ、したがって、生化学解析用ユニット
の吸着性領域に固定されているリセプターまたはリガン
ドと、反応溶液に含まれているリガンドまたはリセプタ
ーとの会合反応速度を大幅に増大させることが可能にな
るとともに、反応溶液に含まれているリガンドまたはリ
セプターが、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い
部分に吸着されているリセプターまたはリガンドに出会
う確率を大幅に増大させることができ、したがって、所
望のように、反応溶液に含まれているリガンドまたはリ
セプターを、生化学解析用ユニットの吸着性領域に含ま
れているリセプターまたはリガンドに会合反応させるこ
とが可能になる。
【0128】さらに、本発明によれば、リガンドまたは
リセプターを含む反応溶液を、生化学解析用ユニットに
形成された複数の吸着性領域を横切るように、供給し
て、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれ
たリセプターまたはリガンドに、反応溶液に含まれたリ
ガンドまたはリセプターが、選択的に、会合させること
ができるから、リセプター・リガンド会合反応の再現性
を向上させることが可能になる。
【0129】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニット保持手段が、生化学解析用ユニ
ットを収容可能な反応容器によって構成され、前記溶液
供給手段が、反応容器内に収容された前記生化学解析用
ユニットの両側の前記反応容器内の空間に連通する溶液
循環通路と、前記溶液循環通路に設けられ、溶液を、前
記反応容器および溶液循環通路内を循環させるポンプと
によって構成されている。
【0130】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニット保持手段が、生化学解析用ユニットを
収容可能な反応容器によって構成され、溶液供給手段
が、反応容器内に収容された生化学解析用ユニットの両
側の反応容器内の空間に連通する溶液循環通路と、溶液
循環通路に設けられ、溶液を、反応容器および溶液循環
通路内を循環させるポンプとによって構成されているか
ら、ポンプによって、リガンドまたはリセプターを含む
反応溶液を、溶液循環通路を介して、生化学解析用ユニ
ットの複数の吸着性領域を横切るように、強制的に、反
応容器内に供給することができ、したがって、生化学解
析用ユニットの吸着性領域内におけるリガンドまたはリ
セプターの移動速度を大幅に増大させることが可能にな
るから、生化学解析用ユニットの吸着性領域に固定され
ているリセプターまたはリガンドと、反応溶液に含まれ
ているリガンドまたはリセプターとの会合反応速度を大
幅に増大させることが可能になるとともに、反応溶液に
含まれているリガンドまたはリセプターが、生化学解析
用ユニットの吸着性領域の深い部分に吸着されているリ
セプターまたはリガンドに出会う確率を大幅に増大させ
ることができるから、所望のように、反応溶液に含まれ
ているリガンドまたはリセプターを、生化学解析用ユニ
ットの吸着性領域に含まれているリセプターまたはリガ
ンドに会合反応させることが可能になる。
【0131】さらに、本発明の好ましい実施態様によれ
ば、ポンプによって、リガンドまたはリセプターを含む
反応溶液を、生化学解析用ユニットに形成された複数の
吸着性領域を横切るように、強制的に供給して、生化学
解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれたリセプタ
ーまたはリガンドに、反応溶液に含まれたリガンドまた
はリセプターが、選択的に、会合させることができるか
ら、リセプター・リガンド会合反応の再現性を向上させ
ることが可能になる。
【0132】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記ポンプが、正逆両方向に駆動可能に構成されて
いる。
【0133】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、ポンプが、正逆両方向に駆動可能に構成されている
から、反応溶液を、生化学解析用ユニットの複数の吸着
性領域を横切るように、正逆両方向から、供給すること
ができ、したがって、反応溶液に含まれているリガンド
またはリセプターが、生化学解析用ユニットの吸着性領
域の深い部分に含まれているリセプターまたはリガンド
に出会う確率を、より一層、増大させることができるか
ら、所望のように、反応溶液に含まれているリガンドま
たはリセプターを、生化学解析用ユニットの吸着性領域
に含まれているリセプターまたはリガンドに会合反応さ
せることが可能になるとともに、リセプター・リガンド
会合反応の再現性を大幅に向上させることが可能にな
る。
【0134】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記ポンプが正方向に駆動されたときの溶
液の流れ方向に対して、前記反応容器の下流側の前記溶
液循環通路に、切り換えバルブを介して、溶液排出通路
が接続されている。
【0135】生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域
を洗浄するための洗浄溶液を、反応容器に循環させると
きは、生化学解析用ユニットの吸着性領域に固定された
リセプターまたはリガンドに結合されるべきではないに
もかかわらず、吸着性領域に固定されたリセプターまた
はリガンドに結合し、洗浄溶液によって、吸着性領域に
固定されたリセプターまたはリガンドから剥離したリガ
ンドまたはリセプターが、吸着性領域に固定されたリセ
プターまたはリガンドに再結合するおそれがあるが、本
発明の好ましい実施態様によれば、ポンプが正方向に駆
動されたときの溶液の流れ方向に対して、反応容器の下
流側の溶液循環通路に、切り換えバルブを介して、溶液
排出通路が接続されているから、洗浄時には、洗浄溶液
を、反応容器内に循環させることなく、溶液排出通路を
介して、排出させ、リガンドまたはリセプター含む反応
溶液のみを、溶液循環通路を介して、反応容器内に循環
させることが可能になり、したがって、リセプター・リ
ガンド会合反応の効率を大幅に向上させつつ、洗浄効率
を向上させることが可能になる。
【0136】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、リセプター・リガンド会合反応装置は、さらに、リ
ガンドまたはリセプター含む反応溶液を収容し、前記溶
液循環通路に連通可能な少なくとも1つの反応溶液源を
備えている。
【0137】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、リセプター・リガンド会合反応装置が、リガンドま
たはリセプター含む反応溶液を収容する2以上の反応溶
液源を備え、前記2以上の反応溶液源が、前記溶液循環
通路に、選択的に連通されるように構成されている。
【0138】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、リセプター・リガンド会合反応装置は、さらに、洗
浄溶液を収容し、前記溶液循環通路に連通可能な少なく
とも1つの洗浄溶液源を備えている。
【0139】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、リセプター・リガンド会合反応装置が、リガンドま
たはリセプター含む反応溶液を収容する2以上の反応溶
液源と、洗浄溶液を収容する少なくとも1つの洗浄溶液
源を備え、前記2以上の反応溶液源および少なくとも1
つの洗浄溶液源が、前記溶液循環通路に、選択的に連通
されるように構成されている。
【0140】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニット保持手段が、前記生化学解析用
ユニットおよび溶液を収容可能な反応容器によって構成
され、前記溶液供給手段が、前記反応容器内に収容され
た溶液中に、前記反応容器内に収容された前記生化学解
析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切る方向に、
超音波を生成する超音波生成手段によって構成されてい
る。
【0141】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニット保持手段が、生化学解析用ユニットお
よび溶液を収容可能な反応容器によって構成され、溶液
供給手段が、反応容器内に収容された溶液中に、反応容
器内に収容された生化学解析用ユニットの複数の吸着性
領域を横切る方向に、超音波を生成する超音波生成手段
によって構成されているから、超音波生成手段によっ
て、リガンドまたはリセプターを含む反応溶液中に、反
応容器内に収容された生化学解析用ユニットの複数の吸
着性領域を横切る方向に、超音波を生成することによ
り、リガンドまたはリセプターを含む反応溶液を、生化
学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横切るように、
強制的に流動させることができ、したがって、生化学解
析用ユニットの吸着性領域内におけるリガンドまたはリ
セプターの移動速度を大幅に増大させることが可能にな
るから、生化学解析用ユニットの吸着性領域に固定され
ているリセプターまたはリガンドと、反応溶液に含まれ
ているリガンドまたはリセプターとの会合反応速度を大
幅に増大させることが可能になるとともに、反応溶液に
含まれているリガンドまたはリセプターが、生化学解析
用ユニットの吸着性領域の深い部分に吸着されているリ
セプターまたはリガンドに出会う確率を大幅に増大させ
ることが可能になる。したがって、所望のように、反応
溶液に含まれているリガンドまたはリセプターを、生化
学解析用ユニットの吸着性領域に含まれているリセプタ
ーまたはリガンドに会合反応させることが可能になる。
【0142】さらに、本実施態様によれば、リガンドま
たはリセプターを含む反応溶液を、生化学解析用ユニッ
トに形成された複数の吸着性領域を横切るように、供給
して、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含ま
れたリセプターまたはリガンドに、反応溶液に含まれた
リガンドまたはリセプターが、選択的に、会合させるこ
とができるから、リセプター・リガンド会合反応の再現
性を向上させることが可能になる。
【0143】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記超音波生成手段が、一対の超音波振動子を備
え、前記超音波振動子の一方が、溶液中に、前記反応容
器内に収容された前記生化学解析用ユニットの前記複数
の吸着性領域を、正方向に横切る超音波を生成するよう
に構成され、前記超音波振動子の他方が、溶液中に、前
記反応容器内に収容された前記生化学解析用ユニットの
前記複数の吸着性領域を、正方向に横切る超音波を生成
するように構成されている。
【0144】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、超音波生成手段が、一対の超音波振動子を備え、超
音波振動子の一方が、溶液中に、反応容器内に収容され
た生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、正方向
に横切る超音波を生成するように構成され、超音波振動
子の他方が、溶液中に、反応容器内に収容された生化学
解析用ユニットの複数の吸着性領域を、正方向に横切る
超音波を生成するように構成されているから、一対の超
音波振動子を、交互に、作動させることによって、リガ
ンドまたはリセプターを含む反応溶液を、反応容器内に
収容された生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を
横切るように、正逆両方向から、生化学解析用ユニット
の複数の吸着性領域に供給することが可能になる。した
がって、反応溶液に含まれているリガンドまたはリセプ
ターが、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い部分
に含まれているリセプターまたはリガンドに出会う確率
を、より一層、増大させることができるから、所望のよ
うに、反応溶液に含まれているリガンドまたはリセプタ
ーを、生化学解析用ユニットの吸着性領域に含まれてい
るリセプターまたはリガンドに会合反応させることが可
能になるとともに、リセプター・リガンド会合反応の再
現性を大幅に向上させることが可能になる。
【0145】本発明の好ましい実施態様においては、リ
セプター・リガンド会合反応装置は、さらに、それぞれ
が、前記生化学解析用ユニット保持手段によって保持さ
れた前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
のそれぞれに対向する開口部を有し、溶液を供給可能な
複数の管状部材と、前記複数の管状部材のうち、少なく
とも、2以上の管状部材よりなるグループごとに、独立
して設けられ、グループを構成している前記2以上の管
状部材内を流れる溶液の温度を制御する温度制御手段と
を備えている。
【0146】本発明の好ましい実施態様によれば、リセ
プター・リガンド会合反応装置は、さらに、それぞれ
が、生化学解析用ユニット保持手段によって保持された
生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域のそれぞれに
対向する開口部を有し、溶液を供給可能な複数の管状部
材と、複数の管状部材のうち、少なくとも、2以上の管
状部材よりなるグループごとに、独立して設けられ、グ
ループを構成している2以上の管状部材内を流れる溶液
の温度を制御する温度制御手段とを備えているから、各
グループを構成している2以上の管状部材に対応する生
化学解析用ユニットの吸着性領域ごとに、温度が制御さ
れた反応溶液を、生化学解析用ユニットの複数の吸着性
領域に供給して、反応溶液に含まれたリガンドまたはリ
セプターを、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域
に固定されたリセプターまたはリガンドに、選択的に、
会合させることができ、したがって、各グループを構成
している2以上の管状部材に対応する生化学解析用ユニ
ットの吸着性領域に、同種のリセプターまたはリガンド
を固定させることによって、生化学解析用ユニットの吸
着性領域のそれぞれに固定されているリセプターまたは
リガンドに会合した本来的に会合すべきリガンドまたは
リセプターが、生化学解析用ユニットの吸着性領域のそ
れぞれに固定されているリセプターまたはリガンドか
ら、剥離することを効果的に防止することが可能になる
から、生化学解析用ユニットの吸着性領域のそれぞれに
固定されているリセプターまたはリガンドに、所望のよ
うに、本来的に会合すべきリガンドまたはリセプター
を、会合させることができ、したがって、生化学解析用
データ中にノイズが生成されることを効果的に防止する
ことができ、再現性よく、定量性に優れた生化学解析用
データを生成することが可能になる。
【0147】さらに、本発明の好ましい実施態様によれ
ば、リセプター・リガンド会合反応装置は、さらに、そ
れぞれが、生化学解析用ユニット保持手段によって保持
された生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域のそれ
ぞれに対向する開口部を有し、溶液を供給可能な複数の
管状部材と、複数の管状部材のうち、少なくとも、2以
上の管状部材よりなるグループごとに、独立して設けら
れ、グループを構成している2以上の管状部材内を流れ
る溶液の温度を制御する温度制御手段とを備えているか
ら、各グループを構成している2以上の管状部材に対応
する生化学解析用ユニットの吸着性領域ごとに、温度が
制御された洗浄溶液を、生化学解析用ユニットの複数の
吸着性領域に供給して、生化学解析用ユニットの複数の
吸着性領域を洗浄することができ、したがって、各グル
ープを構成している2以上の管状部材に対応する生化学
解析用ユニットの吸着性領域に、同種のリセプターまた
はリガンドを固定させておけば、リセプター・リガンド
会合反応の過程で、生化学解析用ユニットの複数の吸着
性領域に固定されているリセプターまたはリガンドに、
本来、会合されるべきでないリガンドまたはリセプター
が結合されていても、より効果的に剥離させ、除去する
ことが可能になり、したがって、生化学解析用ユニット
の吸着性領域のそれぞれに固定されているリセプターま
たはリガンドに、所望のように、本来的に会合すべきリ
ガンドまたはリセプターを、会合させることが可能にな
るから、生化学解析用データ中にノイズが生成されるこ
とを効果的に防止することができ、再現性よく、定量性
に優れた生化学解析用データを生成することが可能にな
る。
【0148】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の管状部材が、2以上の管状部材を含む複
数のブロックに分割され、各ブロックごとに、独立した
温度制御手段が設けられている。
【0149】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、複数の管状部材が、2以上の管状部材を含む複数の
ブロックに分割され、各ブロックごとに、独立した温度
制御手段が設けられているから、各ブロックを構成して
いる2以上の管状部材に対応する生化学解析用ユニット
の吸着性領域ごとに、温度が制御された反応溶液を、生
化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に供給して、反
応溶液に含まれたリガンドまたはリセプターを、生化学
解析用ユニットの複数の吸着性領域に固定されたリセプ
ターまたはリガンドに、選択的に、会合させることがで
き、したがって、各ブロックを構成している2以上の管
状部材に対応する生化学解析用ユニットの吸着性領域
に、同種のリセプターまたはリガンドを固定させること
によって、生化学解析用ユニットの吸着性領域のそれぞ
れに固定されているリセプターまたはリガンドに会合し
た本来的に会合すべきリガンドまたはリセプターが、生
化学解析用ユニットの吸着性領域のそれぞれに固定され
ているリセプターまたはリガンドから、剥離することを
効果的に防止することが可能になるから、生化学解析用
ユニットの吸着性領域のそれぞれに固定されているリセ
プターまたはリガンドに、所望のように、本来的に会合
すべきリガンドまたはリセプターを、会合させることが
でき、したがって、生化学解析用データ中にノイズが生
成されることを効果的に防止することができ、再現性よ
く、定量性に優れた生化学解析用データを生成すること
が可能になる。
【0150】さらに、本発明のさらに好ましい実施態様
によれば、複数の管状部材が、2以上の管状部材を含む
複数のブロックに分割され、各ブロックごとに、独立し
た温度制御手段が設けられているから、各ブロックを構
成している2以上の管状部材に対応する生化学解析用ユ
ニットの吸着性領域ごとに、温度が制御された洗浄溶液
を、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に供給し
て、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を洗浄す
ることができ、したがって、各ブロックを構成している
2以上の管状部材に対応する生化学解析用ユニットの吸
着性領域に、同種のリセプターまたはリガンドを固定さ
せておけば、リセプター・リガンド会合反応の過程で、
生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に固定されて
いるリセプターまたはリガンドに、本来、会合されるべ
きでないリガンドまたはリセプターが結合されていて
も、より効果的に剥離させ、除去することが可能にな
り、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領域の
それぞれに固定されているリセプターまたはリガンド
に、所望のように、本来的に会合すべきリガンドまたは
リセプターを、会合させることが可能になるから、生化
学解析用データ中にノイズが生成されることを効果的に
防止することができ、再現性よく、定量性に優れた生化
学解析用データを生成することが可能になる。
【0151】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、リセプター・リガンド会合反応粗が、さらに、それ
ぞれが、前記生化学解析用ユニット保持手段によって保
持された前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性
領域のそれぞれに対向する開口部を有し、溶液を供給可
能な複数の管状部材を備え、少なくとも前記生化学解析
用ユニット保持手段によって保持された前記生化学解析
用ユニットの近傍において、前記複数の管状部材が、マ
トリックス状に配置され、マトリックスの各ラインを構
成する複数の管状部材ごとに、独立した温度制御手段が
設けられている。
【0152】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、少なくとも生化学解析用ユニット保持手段によって
保持された生化学解析用ユニットの近傍において、複数
の管状部材が、マトリックス状に配置され、マトリック
スの各ラインを構成する複数の管状部材ごとに、独立し
た温度制御手段が設けられているから、マトリックスの
各ラインを構成する複数の管状部材に対応する生化学解
析用ユニットの吸着性領域ごとに、温度が制御された反
応溶液を、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に
供給して、反応溶液に含まれたリガンドまたはリセプタ
ーを、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に固定
されたリセプターまたはリガンドに、選択的に、会合さ
せることができ、したがって、各ラインを構成する複数
の管状部材に対応する生化学解析用ユニットの吸着性領
域に、同種のリセプターまたはリガンドを固定させるこ
とによって、生化学解析用ユニットの吸着性領域のそれ
ぞれに固定されているリセプターまたはリガンドに会合
した本来的に会合すべきリガンドまたはリセプターが、
生化学解析用ユニットの吸着性領域のそれぞれに固定さ
れているリセプターまたはリガンドから、剥離すること
を効果的に防止することが可能になるから、生化学解析
用ユニットの吸着性領域のそれぞれに固定されているリ
セプターまたはリガンドに、所望のように、本来的に会
合すべきリガンドまたはリセプターを、会合させること
ができ、したがって、生化学解析用データ中にノイズが
生成されることを効果的に防止することができ、再現性
よく、定量性に優れた生化学解析用データを生成するこ
とが可能になる。
【0153】さらに、本発明のさらに好ましい実施態様
によれば、少なくとも生化学解析用ユニット保持手段に
よって保持された生化学解析用ユニットの近傍におい
て、複数の管状部材が、マトリックス状に配置され、マ
トリックスの各ラインを構成する複数の管状部材ごと
に、独立した温度制御手段が設けられているから、マト
リックスの各ラインを構成する複数の管状部材に対応す
る生化学解析用ユニットの吸着性領域ごとに、温度が制
御された洗浄溶液を、生化学解析用ユニットの複数の吸
着性領域に供給して、生化学解析用ユニットの複数の吸
着性領域を洗浄することができ、したがって、各ライン
を構成する複数の管状部材に対応する生化学解析用ユニ
ットの吸着性領域に、同種のリセプターまたはリガンド
を固定させておけば、リセプター・リガンド会合反応の
過程で、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に固
定されているリセプターまたはリガンドに、本来、会合
されるべきでないリガンドまたはリセプターが結合され
ていても、より効果的に剥離させ、除去することが可能
になり、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領
域のそれぞれに固定されているリセプターまたはリガン
ドに、所望のように、本来的に会合すべきリガンドまた
はリセプターを、会合させることが可能になるから、生
化学解析用データ中にノイズが生成されることを効果的
に防止することができ、再現性よく、定量性に優れた生
化学解析用データを生成することが可能になる。
【0154】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の管状部材のそれぞれに、独立した温度制
御手段を設けられている。
【0155】本発明の好ましい実施態様によれば、複数
の管状部材のそれぞれに、独立した温度制御手段を設け
られているから、各管状部材に対応する生化学解析用ユ
ニットの吸着性領域ごとに、温度が制御された反応溶液
を、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に供給し
て、反応溶液に含まれたリガンドまたはリセプターを、
生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に固定された
リセプターまたはリガンドに、選択的に、会合させるこ
とができ、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性
領域のそれぞれに固定されているリセプターまたはリガ
ンドに会合した本来的に会合すべきリガンドまたはリセ
プターが、生化学解析用ユニットの吸着性領域のそれぞ
れに固定されているリセプターまたはリガンドから、剥
離することを効果的に防止することが可能になるから、
生化学解析用ユニットの吸着性領域のそれぞれに固定さ
れているリセプターまたはリガンドに、所望のように、
本来的に会合すべきリガンドまたはリセプターを、会合
させることができ、したがって、生化学解析用データ中
にノイズが生成されることを効果的に防止することがで
き、再現性よく、定量性に優れた生化学解析用データを
生成することが可能になる。
【0156】また、本発明の好ましい実施態様によれ
ば、複数の管状部材のそれぞれに、独立した温度制御手
段を設けられているから、各管状部材に対応する生化学
解析用ユニットの吸着性領域ごとに、温度が制御された
洗浄溶液を、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域
に供給して、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域
を洗浄することができ、したがって、リセプター・リガ
ンド会合反応の過程で、生化学解析用ユニットの複数の
吸着性領域に固定されているリセプターまたはリガンド
に、本来、会合されるべきでないリガンドまたはリセプ
ターが結合されていても、より効果的に剥離させ、除去
することが可能になり、したがって、生化学解析用ユニ
ットの吸着性領域のそれぞれに固定されているリセプタ
ーまたはリガンドに、所望のように、本来的に会合すべ
きリガンドまたはリセプターを、会合させることが可能
になるから、生化学解析用データ中にノイズが生成され
ることを効果的に防止することができ、再現性よく、定
量性に優れた生化学解析用データを生成することが可能
になる。
【0157】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、リセプター・リガンド会合反応装置は、さらに、そ
れぞれが、前記生化学解析用ユニット保持手段に保持さ
れた前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
を介して、前記複数の管状部材の前記開口部に対向し、
前記管状部材から前記生化学解析用ユニットの前記吸着
性領域に供給された溶液を受け入れ可能な複数の溶液回
収用管状部材を備えている。
【0158】本発明の好ましい実施態様によれば、リセ
プター・リガンド会合反応装置は、さらに、それぞれ
が、前記生化学解析用ユニット保持手段に保持された前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を介し
て、前記複数の管状部材の前記開口部に対向し、前記管
状部材から前記生化学解析用ユニットの前記吸着性領域
に供給された溶液を受け入れ可能な複数の溶液回収用管
状部材を備えているから、リガンドまたはリセプターを
含む反応溶液を回収して、繰り返し、生化学解析用ユニ
ットの複数の吸着性領域に供給して、反応溶液に含まれ
たリガンドまたはリセプターを、生化学解析用ユニット
の複数の吸着性領域に固定されたリセプターまたはリガ
ンドに、選択的に、会合させることができ、したがっ
て、生化学解析用ユニットの吸着性領域のそれぞれに固
定されているリセプターまたはリガンドに、所望のよう
に、本来的に会合すべきリガンドまたはリセプターを、
会合させることが可能になるから、生化学解析用データ
中にノイズが生成されることを効果的に防止することが
でき、再現性よく、定量性に優れた生化学解析用データ
を生成することが可能になる。
【0159】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、リセプター・リガンド会合反応装置は、さらに、前
記温度制御手段と、前記生化学解析用ユニット保持手段
との間に、断熱部材を備え、前記複数の管状部材が前記
断熱部材中を延びるように配置されている。
【0160】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、リセプター・リガンド会合反応装置は、さらに、リ
ガンドまたはリセプター含む反応溶液を収容し、前記複
数の管状部材の前記開口部と反対側の端部において、前
記複数の管状部材に連通可能な少なくとも1つの反応溶
液源を備えている。
【0161】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、リセプター・リガンド会合反応装置が、リガンドま
たはリセプター含む反応溶液を収容する2以上の反応溶
液源を備え、前記2以上の反応溶液源が、前記複数の管
状部材の前記開口部と反対側の端部において、前記複数
の管状部材に選択的に連通されるように構成されてい
る。
【0162】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、リセプター・リガンド会合反応装置は、さらに、洗
浄溶液を収容し、前記複数の管状部材の前記開口部と反
対側の端部において、前記複数の管状部材に連通可能な
少なくとも1つの洗浄溶液源を備えている。
【0163】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、リセプター・リガンド会合反応装置が、リガンドま
たはリセプター含む反応溶液を収容する2以上の反応溶
液源と、洗浄溶液を収容する少なくとも1つの洗浄溶液
源を備え、前記2以上の反応溶液源および少なくとも1
つの洗浄溶液源が、前記複数の管状部材の前記開口部と
反対側の端部において、前記複数の管状部材に選択的に
連通されるように構成されている。
【0164】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0165】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
るリセプター・リガンド会合反応方法に使用される生化
学解析用ユニットの略斜視図である。
【0166】図1に示されるように、本実施態様にかか
る生化学解析用ユニット1は、ステンレス鋼によって形
成され、多数の略円形状の貫通孔3が高密度に形成され
た基板2を備えており、多数の貫通孔3の内部には、ナ
イロン6が充填されて、多数の吸着性領域4が、ドット
状に形成されている。
【0167】図1には正確に示されていないが、本実施
態様においては、約10000の約0.01平方ミリメ
ートルのサイズを有する略円形の貫通孔3が、約500
0個/平方センチメートルの密度で、規則的に、基板2
に形成されている。
【0168】多数の吸着性領域4は、その表面が、基板
2の表面と同じ高さに位置するように、多数の貫通孔3
内に、ナイロン6が充填されて、形成されている。
【0169】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0170】生化学解析にあたっては、図2に示される
ように、生化学解析用ユニット1に規則的に形成された
多数の吸着性領域4内に、特異的結合物質を含む溶液、
たとえば、塩基配列が既知の互いに異なった複数のcD
NAを含む溶液が、スポッティング装置を使用して、滴
下され、特異的結合物質が吸着性領域4内に固定され
る。
【0171】図2に示されるように、スポッティング装
置は、特異的結合物質を含む溶液を、生化学解析用ユニ
ット1に向けて、噴射するインジェクタ5と、CCDカ
メラ6とを備え、CCDカメラ6によって、インジェク
タ5の先端部と、特異的結合物質、たとえば、cDNA
を含む溶液を滴下すべき生化学解析用ユニット1の吸着
性領域4を観察しながら、インジェクタ5の先端部と、
特異的結合物質を含む溶液を滴下すべきの吸着性領域4
の中心とが合致したときに、インジェクタ5から、特異
的結合物質を含む溶液が滴下されるように構成され、生
化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4内に、特異
的結合物質を含む溶液を、正確に滴下することができる
ように保証されている。
【0172】図3は、本発明の好ましい実施態様にかか
るリセプター・リガンド会合反応装置の略縦断面図であ
る。
【0173】図3に示されるように、本実施態様にかか
るリセプター・リガンド会合反応装置は、生化学解析用
ユニット1を収容するカートリッジ7と、カートリッジ
7を保持するステージ8と、カートリッジ7に接続さ
れ、ハイブリダイゼーションバッファ、ハイブリダイゼ
ーションバッファとプローブ溶液の混合溶液、抗体溶液
あるいは洗浄溶液が流れる溶液循環パイプ9と、溶液循
環パイプ9に設けられ、溶液循環パイプ9を介して、カ
ートリッジ7内に、ハイブリダイゼーションバッファ、
ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合
溶液、抗体溶液あるいは洗浄溶液を強制的に供給するポ
ンプ10、ハイブリダイゼーションバッファを収容し、
ハイブリダイゼーションバッファ供給パイプ12aを介
して、溶液循環パイプ9に接続されたハイブリダイゼー
ションバッファタンク11aと、プローブ溶液を収容
し、プローブ溶液供給パイプ11bを介して、溶液循環
パイプ9に接続されたプローブ溶液チップ12bと、抗
体溶液を収容し、抗体溶液供給パイプ12cを介して、
溶液循環パイプ9に接続された抗体溶液タンク12c
と、洗浄溶液を収容し、洗浄溶液供給パイプ11dを介
して、溶液循環パイプ9に接続された洗浄溶液タンク1
2dと、カートリッジ7の下方の溶液循環パイプ9に接
続された溶液排出パイプ13とを備えている。
【0174】図3に示されるように、ハイブリダイゼー
ションバッファ液供給パイプ11aには、切り換えバル
ブ14aが設けられ、プローブ溶液供給パイプ11bに
は、切り換えバルブ14bが設けられている。さらに、
抗体溶液供給パイプ11cには、切り換えバルブ14c
が設けられ、洗浄溶液供給パイプ11dには、切り換え
バルブ14dが設けられている。
【0175】また、溶液循環パイプ9と溶液排出パイプ
13との接続部にも、切り換えバルブ14eが設けられ
ている。
【0176】本実施態様においては、ポンプ10は、正
逆両方向に、駆動可能に構成されている。
【0177】また、ハイブリダイゼーションバッファ供
給パイプ11aに設けられた切り換えバルブ14aは、
三方弁によって構成され、ハイブリダイゼーションバッ
ファタンク12aと溶液循環パイプ9とを連通させる第
一の位置、大気と溶液循環パイプ9とを連通させる第二
の位置ならびにハイブリダイゼーションバッファタンク
12aとおよび大気と溶液循環パイプ9との連通を遮断
させる第三の位置を、選択的に取ることができるように
構成され、プローブ溶液供給パイプ11bに設けられた
切り換えバルブ14bは、三方弁によって構成され、プ
ローブ溶液供給パイプ11bと溶液循環パイプ9とを連
通させる第一の位置、大気と溶液循環パイプ9とを連通
させる第二の位置ならびにプローブ溶液チップ12bお
よび大気と溶液循環パイプ9との連通を遮断させる第三
の位置を、選択的に取ることができるように構成されて
いる。
【0178】抗体溶液供給パイプ11cに設けられた切
り換えバルブ14cは、三方弁によって構成され、抗体
溶液供給パイプ11cと溶液循環パイプ9とを連通させ
る第一の位置、大気と溶液循環パイプ9とを連通させる
第二の位置ならびに抗体溶液タンク12cおよび大気と
溶液循環パイプ9との連通を遮断させる第三の位置を、
選択的に取ることができるように構成され、洗浄溶液供
給パイプ11dに設けられた切り換えバルブ14cは、
三方弁によって構成され、洗浄溶液供給パイプ11dと
溶液循環パイプ9とを連通させる第一の位置、大気と溶
液循環パイプ9とを連通させる第二の位置ならびに洗浄
溶液タンク12dおよび大気と溶液循環パイプ9との連
通を遮断させる第三の位置を、選択的に取ることができ
るように構成されている。
【0179】また、溶液循環パイプ9と溶液排出パイプ
13との接続部に設けられた切り換えバルブ14eは、
上流側の溶液循環パイプ9と下流側の溶液循環パイプ9
を連通させる第一の位置と、溶液循環パイプ9と溶液排
出パイプ13とを連通させる第二の位置を、選択的に取
ることができるように構成されている。
【0180】以上のように構成された本実施態様にかか
るリセプター・リガンド会合反応装置においては、次の
ようにして、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に含まれた特異的結合物質に、標識物質によって標
識され、プローブ溶液に含まれた生体由来の物質が、選
択的に、ハイブリダイズされる。
【0181】まず、特異的結合物質が、多数の吸着性領
域4に吸着されている生化学解析用ユニット1が、ステ
ージ8に保持されたカートリッジ7内に収容され、さら
に、ハイブリダイゼーションバッファが調製されて、ハ
イブリダイゼーションバッファタンク12a内に収容さ
れる。
【0182】次いで、プローブ溶液供給パイプ11bに
設けられた切り換えバルブ14b、抗体溶液供給パイプ
11cに設けられた切り換えバルブ14cおよび洗浄溶
液供給パイプ11dに設けられた切り換えバルブ14d
が、大気と溶液循環パイプ9とを連通させる第二の位置
に位置させられ、溶液循環パイプ9と溶液排出パイプ1
3との接続部に設けられた切り換えバルブ13aが第一
の位置に位置させられる。
【0183】さらに、ハイブリダイゼーションバッファ
供給パイプ11aに設けられた切り換えバルブ14a
が、ハイブリダイゼーションバッファ供給パイプ11a
と溶液循環パイプ9とを連通させる第一の位置に位置さ
せられるた後、ポンプ10が、正方向に駆動される。
【0184】その結果、ハイブリダイゼーションバッフ
ァタンク12aに収容されているハイブリダイゼーショ
ンバッファが、ハイブリダイゼーションバッファ供給パ
イプ11aおよび溶液循環パイプ9を介して、カートリ
ッジ7内に供給される。
【0185】こうして、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間がすべて、ハイブリダイゼーション
バッファによって満たされると、ハイブリダイゼーショ
ンバッファ供給パイプ11aに設けられた切り換えバル
ブ14aが、ハイブリダイゼーションバッファタンク1
2aとおよび大気と溶液循環パイプ9との連通を遮断さ
せる第三の位置に位置させられるとともに、プローブ溶
液供給パイプ11bに設けられた切り換えバルブ14
b、抗体溶液供給パイプ11cに設けられた切り換えバ
ルブ14cおよび洗浄溶液供給パイプ11dに設けられ
た切り換えバルブ14dが、それぞれ、第三の位置に位
置させられる。
【0186】一方、ポンプ10は、引き続き、正方向に
駆動され、その結果、カートリッジ7および溶液循環パ
イプ9の内部空間に満たされたハイブリダイゼーション
バッファは、図3において、矢印Aで示される方向に、
カートリッジ7および溶液循環パイプ9内を循環され、
カートリッジ7内に収容された生化学解析用ユニット1
の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に流される。
【0187】その結果、プレハイブリダイゼーションが
実行される。
【0188】第一の所定時間が経過すると、ポンプ10
の駆動が、一旦停止され、次いで、ポンプ10が、逆方
向に駆動される。
【0189】その結果、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間に満たされたハイブリダイゼーショ
ンバッファは、図3において、矢印Bで示される方向
に、カートリッジ7および溶液循環パイプ9内を循環さ
れ、カートリッジ7内に収容された生化学解析用ユニッ
ト1の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に流され
る。
【0190】第一の所定時間が経過すると、ポンプ10
の駆動が、一旦停止され、次いで、ポンプ10が、再
び、正方向に駆動されて、カートリッジ7および溶液循
環パイプ9の内部空間に満たされたハイブリダイゼーシ
ョンバッファが、図3において、矢印Aで示される方向
に、カートリッジ7および溶液循環パイプ9内を循環さ
れ、カートリッジ7内に収容された生化学解析用ユニッ
ト1の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に流され
る。
【0191】こうして、所定の回数にわたって、ポンプ
10が、正逆方向に、交互に駆動されて、ハイブリダイ
ゼーションバッファがカートリッジ7内に、強制的に供
給された後、ポンプ10の駆動が停止されて、プレハイ
ブリダイゼーションが完了する。
【0192】次いで、プローブ溶液が調製されて、プロ
ーブ溶液チップ12b内に収容される。
【0193】放射性標識物質によって、cDNAなどの
特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標
識物質によって標識されたプローブである生体由来の物
質を含むプローブ溶液が調製されて、プローブ溶液チッ
プ12bに収容される。
【0194】一方、蛍光色素などの蛍光物質によって、
cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する場合
には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識されたプロ
ーブである生体由来の物質を含むプローブ溶液が調製さ
れて、プローブ溶液チップ12bに収容される。
【0195】また、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識酵素によって、cDNA
などの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、ジ
ゴキシゲニンなどのハプテンによって標識された生体由
来の物質を含むプローブ溶液が調製されて、プローブ溶
液チップ12bに収容される。
【0196】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された
生体由来の物質およびジゴキシゲニンなどのハプテンに
よって標識された生体由来の物質のうち、2以上の生体
由来の物質を含むプローブ溶液を調製することもでき、
本実施態様においては、放射性標識物質によって標識さ
れた生体由来の物質、蛍光物質によって標識された生体
由来の物質およびジゴキシゲニンなどのハプテンによっ
て標識された生体由来の物質を含むプローブ溶液が調製
されて、プローブ溶液チップ12bに収容される。
【0197】プローブ溶液が、プローブ溶液チップ12
bに収容されると、ハイブリダイゼーションバッファ供
給パイプ11aに設けられた切り換えバルブ14a、抗
体溶液供給パイプ11cに設けられた切り換えバルブ1
4cおよび洗浄溶液供給パイプ11dに設けられた切り
換えバルブ14dが、大気と溶液循環パイプ9とを連通
させる第二の位置に位置させられ、溶液循環パイプ9と
溶液排出パイプ13との接続部に設けられた切り換えバ
ルブ13aが第一の位置に位置させられる。
【0198】次いで、プローブ溶液供給パイプ11bに
設けられた切り換えバルブ14bが、プローブ溶液供給
パイプ11bと溶液循環パイプ9とを連通させる第一の
位置に位置させられるた後、ポンプ10が、正方向に駆
動される。
【0199】その結果、プローブ溶液チップ12bに収
容されているプローブ溶液が、プローブ溶液供給パイプ
11bおよび溶液循環パイプ9を介して、カートリッジ
7内に供給されて、カートリッジ7および溶液循環パイ
プ9の内部空間に満たされたハイブリダイゼーションバ
ッファに混合される。
【0200】所定量のプローブ溶液が、カートリッジ7
内に供給されると、プローブ溶液供給パイプ11bに設
けられた切り換えバルブ14bが、プローブ溶液チップ
12bおよび大気と溶液循環パイプ9との連通を遮断さ
せる第三の位置に位置させられ、ハイブリダイゼーショ
ンバッファ供給パイプ11aに設けられた切り換えバル
ブ14a、抗体溶液供給パイプ11cに設けられた切り
換えバルブ14cおよび洗浄溶液供給パイプ11dに設
けられた切り換えバルブ14dが、第三の位置に位置さ
せられる。
【0201】一方、ポンプ10は、引き続き、正方向に
駆動され、したがって、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間に満たされたハイブリダイゼーショ
ンバッファにプローブ溶液が混合された混合溶液は、図
3において、矢印Aで示される方向に、カートリッジ7
および溶液循環パイプ9内を循環され、カートリッジ7
内に収容された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性
領域4を横切って、強制的に流される。
【0202】その結果、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4に吸着されている特
異的結合物質に、ハイブリダイゼーションバッファにプ
ローブ溶液が混合された混合溶液に含まれている生体由
来の物質が、選択的に、ハイブリダイズする。
【0203】第二の所定時間が経過すると、ポンプ10
の駆動が、一旦停止され、次いで、ポンプ10が、逆方
向に駆動される。
【0204】その結果、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間に満たされたハイブリダイゼーショ
ンバッファとプローブ溶液の混合溶液は、図3におい
て、矢印Bで示される方向に、カートリッジ7および溶
液循環パイプ9内を循環され、カートリッジ7内に収容
された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を
横切って、強制的に流される。
【0205】第二の所定時間が経過すると、ポンプ10
の駆動が、一旦停止され、次いで、ポンプ10が、再
び、正方向に駆動されて、カートリッジ7および溶液循
環パイプ9の内部空間に満たされたハイブリダイゼーシ
ョンバッファとプローブ溶液の混合溶液が、図3におい
て、矢印Aで示される方向に、カートリッジ7および溶
液循環パイプ9内を循環され、カートリッジ7内に収容
された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を
横切って、強制的に流される。
【0206】こうして、所定の回数にわたって、ポンプ
10が、正逆方向に、交互に駆動されて、ハイブリダイ
ゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液がカート
リッジ7内に、強制的に供給された後、ポンプ10の駆
動が停止される。
【0207】このように、本実施態様においては、ハイ
ブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液
が、カートリッジ7内に保持されている生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4を、
繰り返し、横切って、強制的に流動させられるから、ハ
イブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶
液に含まれている生体由来の物質を、単に、対流あるい
は拡散によって移動させ、生化学解析用ユニット1の多
数の吸着性領域4に吸着された特異的結合物質とハイブ
リダイズさせる場合に比して、生化学解析用ユニット1
の吸着性領域4内における生体由来の物質の移動速度を
大幅に増大させることができ、したがって、ハイブリダ
イゼーションの反応速度を大幅に向上させることが可能
になり、さらには、ハイブリダイゼーションバッファと
プローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質
が、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4の深
い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大
幅に増大させることができるから、所望のように、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性
領域4に吸着されている特異的結合物質に、ハイブリダ
イゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含ま
れている生体由来の物質をハイブリダイズさせることが
可能になる。
【0208】次いで、プローブ溶液供給パイプ11bに
設けられた切り換えバルブ14bが、大気と溶液循環パ
イプ9とを連通させる第二の位置に位置させられさせら
れるとともに、溶液循環パイプ9と溶液排出パイプ13
との接続部に設けられた切り換えバルブ14eが、溶液
循環パイプ9と溶液排出パイプ13を連通させる第二の
位置に位置させられ、ポンプ10が、正方向に駆動され
る。
【0209】その結果、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間に満たされたハイブリダイゼーショ
ンバッファとプローブ溶液の混合溶液は、溶液排出パイ
プ13から排出される。
【0210】カートリッジ7および溶液循環パイプ9の
内部空間に満たされたハイブリダイゼーションバッファ
とプローブ溶液の混合溶液が、溶液排出パイプ13から
排出されると、溶液循環パイプ9と溶液排出パイプ13
との接続部に設けられた切り換えバルブ14eが第一の
位置に位置させられるとともに、ハイブリダイゼーショ
ンバッファ供給パイプ11aに設けられた切り換えバル
ブ14a、プローブ溶液供給パイプ11bに設けられた
切り換えバルブ14bおよび抗体溶液供給パイプ11c
に設けられた切り換えバルブ14cが、大気と溶液循環
パイプ9とを連通させる第二の位置に位置させられる。
【0211】次いで、洗浄溶液供給パイプ11dに設け
られた切り換えバルブ14dが、洗浄溶液タンク12d
と溶液循環パイプ9とを連通させる第一の位置に位置さ
せられ、ポンプ10が、正方向に駆動されて、洗浄溶液
タンク12dに収容されている洗浄溶液が、洗浄溶液供
給パイプ11dおよび溶液循環パイプ9を介して、カー
トリッジ7内に供給される。
【0212】こうして、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間がすべて、洗浄溶液によって満たさ
れると、洗浄溶液供給パイプ11dに設けられた切り換
えバルブ14dが、洗浄溶液タンク12dとおよび大気
と溶液循環パイプ9との連通を遮断させる第三の位置に
位置させられるとともに、ハイブリダイゼーションバッ
ファ供給パイプ11aに設けられた切り換えバルブ14
a、プローブ溶液供給パイプ11bに設けられた切り換
えバルブ14bおよび抗体溶液供給パイプ11cに設け
られた切り換えバルブ14cが、それぞれ、第三の位置
に位置させられる。
【0213】一方、ポンプ10は、引き続き、正方向に
駆動され、したがって、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間に満たされた洗浄溶液は、図3にお
いて、矢印Aで示される方向に、カートリッジ7および
溶液循環パイプ9内を循環され、カートリッジ7内に収
容された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4
を横切って、強制的に流される。
【0214】その結果、カートリッジ7内に保持されて
いる生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4が、洗浄溶液によって、洗浄される。
【0215】第三の所定時間が経過すると、ポンプ10
の駆動が、一旦停止され、次いで、ポンプ10が、逆方
向に駆動される。
【0216】その結果、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間に満たされた洗浄溶液は、図3にお
いて、矢印Bで示される方向に、カートリッジ7および
溶液循環パイプ9内を循環され、カートリッジ7内に収
容された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4
を横切って、強制的に流される。
【0217】第三の所定時間が経過すると、ポンプ10
の駆動が、一旦停止され、次いで、ポンプ10が、再
び、正方向に駆動されて、カートリッジ7および溶液循
環パイプ9の内部空間に満たされた洗浄溶液が、図3に
おいて、矢印Aで示される方向に、カートリッジ7およ
び溶液循環パイプ9内を循環され、カートリッジ7内に
収容された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4を横切って、強制的に流される。
【0218】こうして、所定の回数にわたって、ポンプ
10が、正逆方向に、交互に駆動されて、洗浄溶液がカ
ートリッジ7内に、強制的に供給された後、ポンプ10
の駆動が停止される。
【0219】このように、本実施態様においては、洗浄
溶液が、カートリッジ7内に収容されている生化学解析
用ユニットの基板2に形成された多数の吸着性領域4
を、繰り返し、横切って、強制的に流動させられるか
ら、ハイブリダイゼーションの工程で、生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に吸
着されている特異的結合物質にハイブリダイズされるべ
きでない生体由来の物質が、生化学解析用ユニット1の
吸着性領域4に結合されていても、吸着性領域4に吸着
されている特異的結合物質にハイブリダイズされるべき
ではない生体由来の物質を、生化学解析用ユニット1の
多数の吸着性領域4から、効果的に剥離させ、除去する
ことが可能になり、洗浄効率を大幅に向上させることが
できる。
【0220】次いで、洗浄溶液供給パイプ11dに設け
られた切り換えバルブ14dが、大気と溶液循環パイプ
9とを連通させる第二の位置に位置させられさせられる
とともに、溶液循環パイプ9と溶液排出パイプ13との
接続部に設けられた切り換えバルブ14eが、溶液循環
パイプ9と溶液排出パイプ13を連通させる第二の位置
に位置させられ、ポンプ10が、正方向に駆動される。
【0221】その結果、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間に満たされた洗浄溶液は、溶液排出
パイプ13から排出される。
【0222】以上のようにして、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に、放射性
標識物質の放射線データおよび蛍光色素などの蛍光物質
の蛍光データが記録される。
【0223】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された蛍光データは、後述するスキャナによ
って読み取られ、生化学解析用データが生成される。
【0224】一方、生化学解析用ユニットの多数の吸着
性領域4に記録された放射線データは、後述する蓄積性
蛍光体シートに転写され、後述するスキャナによって読
み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0225】これに対して、生化学解析用ユニット1の
基板2に形成された多数の吸着性領域4に、化学発光デ
ータを記録するためには、さらに、化学発光基質と接触
させることによって化学発光を生じさせる酵素によって
標識されたジゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体
を含む抗体溶液が調製されて、抗体溶液タンク12c内
に収容され、生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた多数の吸着性領域4に吸着されている特異的結合物
質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質
を標識しているジゴキシゲニンなどのハプテンに、抗原
抗体反応によって、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる性質を有する酵素によって標
識されたハプテンに対する抗体が結合される。
【0226】すなわち、まず、化学発光基質と接触させ
ることによって化学発光を生じさせる酵素によって標識
されたジゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体を含
む抗体溶液が調製されて、抗体溶液タンク12cに収容
される。
【0227】抗体溶液が、抗体溶液タンク12cに収容
されると、溶液循環パイプ9と溶液排出パイプ13との
接続部に設けられた切り換えバルブ14eが第一の位置
に位置させられるとともに、ハイブリダイゼーションバ
ッファ供給パイプ11aに設けられた切り換えバルブ1
4a、プローブ溶液供給パイプ11bに設けられた切り
換えバルブ14bおよび洗浄溶液供給パイプ11dに設
けられた切り換えバルブ14dが、大気と溶液循環パイ
プ9とを連通させる第二の位置に位置させられる。
【0228】次いで、抗体溶液供給パイプ11cに設け
られた切り換えバルブ14cが、抗体溶液タンク12c
と溶液循環パイプ9とを連通させる第一の位置に位置さ
せられ、ポンプ10が、正方向に駆動されて、抗体溶液
タンク12cに収容されている抗体溶液が、抗体溶液供
給パイプ11cおよび溶液循環パイプ9を介して、カー
トリッジ7内に供給される。
【0229】こうして、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間がすべて、抗体溶液によって満たさ
れると、抗体溶液供給パイプ11cに設けられた切り換
えバルブ14cが、抗体溶液タンク12cとおよび大気
と溶液循環パイプ9との連通を遮断させる第三の位置に
位置させられるとともに、ハイブリダイゼーションバッ
ファ供給パイプ11aに設けられた切り換えバルブ14
a、プローブ溶液供給パイプ11bに設けられた切り換
えバルブ14bおよび洗浄溶液供給パイプ11dに設け
られた切り換えバルブ14dが、それぞれ、第三の位置
に位置させられる。
【0230】一方、ポンプ10は、引き続き、正方向に
駆動され、したがって、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間に満たされた抗体溶液は、図3にお
いて、矢印Aで示される方向に、カートリッジ7および
溶液循環パイプ9内を循環され、カートリッジ7内に収
容された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4
を横切って、強制的に流される。
【0231】その結果、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4に含まれている特異
的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由
来の物質を標識しているジゴキシゲニンなどのハプテン
と、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる酵素によって標識されているハプテンに対す
る抗体とが、抗原抗体反応によって、結合される。
【0232】第四の所定時間が経過すると、ポンプ10
の駆動が、一旦停止され、次いで、ポンプ10が、逆方
向に駆動される。
【0233】したがって、カートリッジ7および溶液循
環パイプ9の内部空間に満たされた抗体溶液は、図3に
おいて、矢印Bで示される方向に、カートリッジ7およ
び溶液循環パイプ9内を循環され、カートリッジ7内に
収容された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4を横切って、強制的に流される。
【0234】その結果、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4に含まれている特異
的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由
来の物質を標識しているジゴキシゲニンなどのハプテン
と、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる酵素によって標識されているハプテンに対す
る抗体とが、抗原抗体反応によって、結合される。
【0235】第四の所定時間が経過すると、ポンプ10
の駆動が、一旦停止され、次いで、ポンプ10が、再
び、正方向に駆動されて、カートリッジ7および溶液循
環パイプ9の内部空間に満たされた抗体溶液が、図3に
おいて、矢印Aで示される方向に、カートリッジ7およ
び溶液循環パイプ9内を循環され、カートリッジ7内に
収容された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4を横切って、強制的に流される。
【0236】こうして、所定の回数にわたって、ポンプ
10が、正逆方向に、交互に駆動されて、抗体溶液がカ
ートリッジ7内に、強制的に供給された後、ポンプ10
の駆動が停止される。
【0237】このように、本実施態様においては、抗体
溶液が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された
多数の吸着性領域4を、繰り返し、横切って、強制的に
流動させられるから、生化学解析用ユニット1の吸着性
領域4内における抗体の移動速度を大幅に増大させるこ
とができ、したがって、抗原抗体反応の反応速度を大幅
に向上させることが可能になり、さらには、抗体溶液に
含まれているハプテンに対する抗体が、吸着性領域4の
深い部分に含まれている特異的結合物質に、選択的に、
ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識しているハ
プテンと出会う確率を大幅に増大させることができるか
ら、所望のように、抗体溶液に含まれたハプテンに対す
る抗体と、生化学解析用ユニット1の基板2に形成され
た吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質に、選
択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識し
ているハプテンとを、抗原抗体反応によって、結合させ
ることが可能になる。
【0238】次いで、抗体溶液供給パイプ11cに設け
られた切り換えバルブ14cが、大気と溶液循環パイプ
9とを連通させる第二の位置に位置させられさせられる
とともに、溶液循環パイプ9と溶液排出パイプ13との
接続部に設けられた切り換えバルブ14eが、溶液循環
パイプ9と溶液排出パイプ13を連通させる第二の位置
に位置させられ、ポンプ10が、正方向に駆動される。
【0239】その結果、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間に満たされた抗体溶液は、溶液排出
パイプ13から排出される。
【0240】カートリッジ7および溶液循環パイプ9の
内部空間に満たされた抗体溶液が、溶液排出パイプ13
から排出されると、溶液循環パイプ9と溶液排出パイプ
13との接続部に設けられた切り換えバルブ14eが第
一の位置に位置させられるとともに、ハイブリダイゼー
ションバッファ供給パイプ11aに設けられた切り換え
バルブ14a、プローブ溶液供給パイプ11bに設けら
れた切り換えバルブ14bおよび抗体溶液供給パイプ1
1cに設けられた切り換えバルブ14cが、大気と溶液
循環パイプ9とを連通させる第二の位置に位置させられ
る。
【0241】次いで、洗浄溶液供給パイプ11dに設け
られた切り換えバルブ14dが、洗浄溶液タンク12d
と溶液循環パイプ9とを連通させる第一の位置に位置さ
せられ、ポンプ10が、正方向に駆動されて、洗浄溶液
タンク12dに収容されている洗浄溶液が、洗浄溶液供
給パイプ11dおよび溶液循環パイプ9を介して、カー
トリッジ7内に供給される。
【0242】こうして、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間がすべて、洗浄溶液によって満たさ
れると、洗浄溶液供給パイプ11dに設けられた切り換
えバルブ14dが、洗浄溶液タンク12dとおよび大気
と溶液循環パイプ9との連通を遮断させる第三の位置に
位置させられるとともに、ハイブリダイゼーションバッ
ファ供給パイプ11aに設けられた切り換えバルブ14
a、プローブ溶液供給パイプ11bに設けられた切り換
えバルブ14bおよび抗体溶液供給パイプ11cに設け
られた切り換えバルブ14cが、それぞれ、第三の位置
に位置させられる。
【0243】一方、ポンプ10は、引き続き、正方向に
駆動され、その結果、カートリッジ7および溶液循環パ
イプ9の内部空間に満たされた洗浄溶液は、図3におい
て、矢印Aで示される方向に、カートリッジ7および溶
液循環パイプ9内を循環され、カートリッジ7内に収容
された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を
横切って、強制的に流される。
【0244】その結果、カートリッジ7内に保持されて
いる生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4が、洗浄溶液によって、洗浄される。
【0245】第五の所定時間が経過すると、ポンプ10
の駆動が、一旦停止され、次いで、ポンプ10が、逆方
向に駆動される。
【0246】その結果、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間に満たされた洗浄溶液は、図3にお
いて、矢印Bで示される方向に、カートリッジ7および
溶液循環パイプ9内を循環され、カートリッジ7内に収
容された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4
を横切って、強制的に流される。
【0247】第五の所定時間が経過すると、ポンプ10
の駆動が、一旦停止され、次いで、ポンプ10が、再
び、正方向に駆動されて、カートリッジ7および溶液循
環パイプ9の内部空間に満たされた洗浄溶液が、図3に
おいて、矢印Aで示される方向に、カートリッジ7およ
び溶液循環パイプ9内を循環され、カートリッジ7内に
収容された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4を横切って、強制的に流される。
【0248】こうして、所定の回数にわたって、ポンプ
10が、正逆方向に、交互に駆動されて、洗浄溶液がカ
ートリッジ7内に、強制的に供給された後、ポンプ10
の駆動が停止される。
【0249】このように、本実施態様においては、洗浄
溶液が、カートリッジ7内に収容されている生化学解析
用ユニットの基板2に形成された多数の吸着性領域4
を、繰り返し、横切って、強制的に流動させられるか
ら、抗原抗体反応の過程で、生化学解析用ユニット1の
吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質に選択的
にハイブリダイズされた生体由来の物質を標識している
ハプテンに結合されるべきでない抗体が、生化学解析用
ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4に結合し
ていても、ハプテンに結合されるべきでない抗体を、生
化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4から、効果
的に剥離させ、除去することが可能になり、洗浄効率を
大幅に向上させることができる。
【0250】次いで、洗浄溶液供給パイプ11dに設け
られた切り換えバルブ14dが、大気と溶液循環パイプ
9とを連通させる第二の位置に位置させられさせられる
とともに、溶液循環パイプ9と溶液排出パイプ13との
接続部に設けられた切り換えバルブ14eが、溶液循環
パイプ9と溶液排出パイプ13を連通させる第二の位置
に位置させられ、ポンプ10が、正方向に駆動される。
【0251】その結果、カートリッジ7および溶液循環
パイプ9の内部空間に満たされた洗浄溶液は、溶液排出
パイプ13から排出される。
【0252】以上のようにして、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に、化学発
光データが記録される。
【0253】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された化学発光データは、後述するデータ生
成システムの冷却CCDカメラによって読み取られ、あ
るいは、後述する蓄積性蛍光体シートに転写され、後述
するスキャナによって、読み取られて、生化学解析用デ
ータが生成される。
【0254】図4は、放射線データを転写すべき蓄積性
蛍光体シートの略斜視図である。
【0255】図4に示されるように、本実施態様にかか
る蓄積性蛍光体シート15は、多数の略円形の貫通孔1
8が規則的に形成されたステンレス鋼製の支持体16を
備え、支持体16に形成された多数の貫通孔18内に、
放射線エネルギーを吸収し、蓄積可能なBaFX系輝尽
性蛍光体(ここに、Xは、Cl、BrおよびIからなる
群から選ばれたハロゲン原子である。)が充填されて、
多数の輝尽性蛍光体層領域17が、ドット状に形成され
ている。
【0256】多数の貫通孔18は、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4と同一の
パターンで、支持体16に形成され、各輝尽性蛍光体層
領域17は、生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた吸着性領域4と等しいサイズを有するように、形成
されている。
【0257】したがって、図4には、正確に示されてい
ないが、本実施態様においては、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性
蛍光体層領域17が、約5000個/平方センチメート
ルの密度で、かつ、規則的なパターンで、蓄積性蛍光体
シート15の支持体16に、ドット状に形成されてい
る。
【0258】また、本実施態様においては、支持体11
の表面と、多数の輝尽性蛍光体層領域12の表面とが同
一の高さに位置するように、支持体11に形成された貫
通孔13内に、輝尽性蛍光体が充填されて、蓄積性蛍光
体シート10が形成されている。
【0259】図5は、生化学解析用ユニット1に形成さ
れた多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シート15に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域17を露光する方法を示す略断面図であ
る。
【0260】図5に示されるように、露光にあたって
は、蓄積性蛍光体シート15の支持体16に形成された
各輝尽性蛍光体層領域17が、生化学解析用ユニット1
に形成された対応する吸着性領域4に対向するように、
蓄積性蛍光体シート15と生化学解析用ユニット1とが
重ね合わされる。
【0261】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1は、ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の
貫通孔3内に、ナイロン6が充填されて、形成されてい
るので、ハイブリダイゼーションなど、液体による処理
を受けても、伸縮することがなく、したがって、生化学
解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4が、
蓄積性蛍光体シート15に形成された多数の輝尽性蛍光
体層領域17に、正確に対向するように、蓄積性蛍光体
シート15と生化学解析用ユニット1とを、容易にかつ
確実に重ね合わせて、多数の輝尽性蛍光体層領域17を
露光することが可能になる。こうして、所定の時間にわ
たって、蓄積性蛍光体シート15の支持体16に形成さ
れた多数の輝尽性蛍光体層領域17の各々と、生化学解
析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域
4とを対向させることによって、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された吸着性領域4に含まれている放
射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート15の支持
体16に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17が露
光される。
【0262】この際、生化学解析用ユニット1の吸着性
領域4に含まれている放射性標識物質から、電子線(β
線)が発せられるが、生化学解析用ユニット1の多数の
吸着性領域4は、ステンレス鋼によって形成された基板
2に、互いに離間して形成され、各吸着性領域4の周囲
には、放射線エネルギーを減衰させる性質を有するステ
ンレス鋼製の基板2が存在しているから、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4に含まれている放射性標識物
質から発せられた電子線(β線)が、生化学解析用ユニ
ット1の基板2内で、散乱することを効果的に防止する
ことができ、さらに、蓄積性蛍光体シート15の多数の
輝尽性蛍光体層領域17が、放射線エネルギーを減衰さ
せる性質を有するステンレス鋼製の支持体16に形成さ
れた複数の貫通孔18内に、輝尽性蛍光体を充填して、
形成され、各輝尽性蛍光体層領域17の周囲には、放射
線エネルギーを減衰させる性質を有するステンレス鋼製
の支持体16が存在しているから、生化学解析用ユニッ
ト1の吸着性領域4に含まれている放射性標識物質から
発せられた電子線(β線)が、蓄積性蛍光体シート15
の支持体16内で、散乱することを効果的に防止するこ
とができ、したがって、したがって、吸着性領域4に含
まれている放射性標識物質から発せられた電子線(β
線)はすべて、その吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光
体層領域17に入射し、隣り合う吸着性領域4から放出
される電子線(β線)によって露光されるべき輝尽性蛍
光体層領域17に入射して、露光することを効果的に防
止することができる。
【0263】したがって、蓄積性蛍光体シート15の支
持体16に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17
を、生化学解析用ユニット1の対応する吸着性領域4に
含まれた放射性標識物質のみによって、効果的に、露光
することが可能になる。
【0264】こうして、蓄積性蛍光体シート15の支持
体16に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17に、
放射性標識物質の放射線データが記録される。
【0265】図6は、蓄積性蛍光体シート15の支持体
16に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域17に記録
されている放射線データを読み取って、生化学解析用デ
ータを生成するスキャナの概略図であり、図7は、図6
に示されたスキャナのフォトマルチプライア近傍の詳細
を示す略斜視図である。
【0266】図6および図7に示されたスキャナは、蓄
積性蛍光体シート15の支持体16に形成された多数の
輝尽性蛍光体層領域17に記録されている放射性標識物
質の放射線データおよび生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4に記録されている蛍
光色素などの蛍光データを読み取り可能に構成されてい
る。
【0267】図6に示されるように、本実施態様にかか
るスキャナは、640nmの波長のレーザ光24を発す
る第1のレーザ励起光源21と、532nmの波長のレ
ーザ光24を発する第2のレーザ励起光源22と、47
3nmの波長のレーザ光24を発する第3のレーザ励起
光源23とを備えている。
【0268】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源21は、半導体レーザ光源により構成され、第2の
レーザ励起光源22および第3のレーザ励起光源23
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素
子によって構成されている。
【0269】第1のレーザ励起光源21により発生され
たレーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平
行光とされた後、ミラー26によって反射される。第1
のレーザ励起光源21から発せられ、ミラー26によっ
て反射されたレーザ光24の光路には、640nmのレ
ーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する第
1のダイクロイックミラー27および532nm以上の
波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第
2のダイクロイックミラー28が設けられており、第1
のレーザ励起光源21により発生されたレーザ光24
は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダイ
クロイックミラー28を透過して、ミラー29に入射す
る。
【0270】他方、第2のレーザ励起光源22より発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ30により、
平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に
よって反射されて、その向きが90度変えられて、第2
のダイクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入
射する。
【0271】また、第3のレーザ励起光源23から発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ31によっ
て、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー2
8により反射されて、その向きが90度変えられた後、
ミラー29に入射する。
【0272】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射され、さらに、ミラー32に入射
して、反射される。
【0273】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4の光路には、中央部に穴33が形成された凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34が配置されてお
り、ミラー32によって反射されたレーザ光24は、穴
開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラー38に
入射する。
【0274】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0275】光学ヘッド35は、ミラー36と、非球面
レンズ37を備えており、光学ヘッド35に入射したレ
ーザ光24は、ミラー36によって反射されて、非球面
レンズ37によって、ステージ40のガラス板41上に
載置された蓄積性蛍光体シート15あるいは生化学解析
用ユニット1に入射する。
【0276】蓄積性蛍光体シート15の支持体16に形
成された輝尽性蛍光体層領域17の1つに、レーザ光2
4が入射すると、輝尽性蛍光体層領域17に含まれてい
る輝尽性蛍光体が励起されて、輝尽光45が放出され、
また、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸
着性領域4の1つに、レーザ光24が入射すると、吸着
性領域4に含まれている蛍光色素などの蛍光物質が励起
されて、蛍光45が放出される。
【0277】蓄積性蛍光体シート15の支持体16に形
成された輝尽性蛍光体層領域17から放出された輝尽光
45あるいは生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた吸着性領域4から放出された蛍光45は、光学ヘッ
ド35に設けられた非球面レンズ37によって、ミラー
36に集光され、ミラー36によって、レーザ光24の
光路と同じ側に反射され、平行な光とされて、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0278】凹面ミラー38に入射した輝尽光45ある
いは蛍光45は、凹面ミラー38によって反射されて、
穴開きミラー34に入射する。
【0279】穴開きミラー34に入射した輝尽光45あ
るいは蛍光45は、図7に示されるように、凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34によって、下方に
反射されて、フィルタユニット48に入射し、所定の波
長の光がカットされて、フォトマルチプライア50に入
射し、光電的に検出される。
【0280】図7に示されるように、フィルタユニット
48は、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、
51dを備えており、フィルタユニット48は、モータ
(図示せず)によって、図7において、左右方向に移動
可能に構成されている。
【0281】図8は、図7のA−A線に沿った略断面図
である。
【0282】図8に示されるように、フィルタ部材51
aはフィルタ52aを備え、フィルタ52aは、第1の
レーザ励起光源21を用いて、生化学解析用ユニット1
に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光物
質を励起し、蛍光45を読み取るときに使用されるフィ
ルタ部材であり、640nmの波長の光をカットし、6
40nmよりも波長の長い光を透過する性質を有してい
る。
【0283】図9は、図7のB−B線に沿った略断面図
である。
【0284】図9に示されるように、フィルタ部材51
bはフィルタ52bを備え、フィルタ52bは、第2の
レーザ励起光源22を用いて、生化学解析用ユニット1
に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光物
質を励起し、蛍光45を読み取るときに使用されるフィ
ルタ部材であり、532nmの波長の光をカットし、5
32nmよりも波長の長い光を透過する性質を有してい
る。
【0285】図10は、図7のC−C線に沿った略断面
図である。
【0286】図10に示されるように、フィルタ部材5
1cはフィルタ52cを備え、フィルタ52cは、第3
のレーザ励起光源23を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光
物質を励起して、蛍光45を読み取るときに使用される
フィルタ部材であり、473nmの波長の光をカット
し、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を有
している。
【0287】図11は、図7のD−D線に沿った略断面
図である。
【0288】図11に示されるように、フィルタ部材5
1dはフィルタ52dを備え、フィルタ52dは、第1
のレーザ励起光源21を用いて、蓄積性蛍光体シート1
5の支持体16に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域
17を励起して、輝尽性蛍光体層領域17から発せられ
た輝尽光45を読み取るときに使用されるフィルタであ
り、輝尽性蛍光体層領域17から放出される輝尽光45
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有している。
【0289】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタ部材51a、51b、51c、51d
を選択的にフォトマルチプライア50の前面に位置させ
ることによって、フォトマルチプライア50は、検出す
べき光のみを光電的に検出することができる。
【0290】フォトマルチプライア50によって、輝尽
光45が光電的に検出されて、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器53に出力されて、ディジタル化さ
れ、データ処理装置54に出力される。
【0291】図12は、光学ヘッド35の走査機構の略
平面図である。
【0292】図12においては、簡易化のため、光学ヘ
ッド35を除く光学系ならびにレーザ光24および蛍光
45あるいは輝尽光45の光路は省略されている。
【0293】図12に示されるように、光学ヘッド35
を走査する走査機構は、基板60を備え、基板60上に
は、副走査パルスモータ61と一対のレール62、62
とが固定され、基板60上には、さらに、図12におい
て、矢印Yで示された副走査方向に、移動可能な基板6
3とが設けられている。
【0294】移動可能な基板63には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ61によって回転されるねじが切られた
ロッド64が係合している。
【0295】移動可能な基板63上には、主走査ステッ
ピングモータ65が設けられ、主走査ステッピングモー
タ65は、エンドレスベルト66を、生化学解析用ユニ
ット1の基板2に形成された隣り合う吸着性領域4の間
の距離、すなわち、蓄積性蛍光体シート15の支持体1
6に形成された隣り合う輝尽性蛍光体層領域17の間の
距離に等しいピッチで、間欠的に駆動可能に構成されて
いる。
【0296】光学ヘッド35は、エンドレスベルト66
に固定されており、主走査ステッピングモータ65によ
って、エンドレスベルト66が駆動されると、図12に
おいて、矢印Xで示された主走査方向に移動されるよう
に構成されている。
【0297】図12において、67は、光学ヘッド35
の主走査方向における位置を検出するリニアエンコーダ
であり、68は、リニアエンコーダ67のスリットであ
る。
【0298】したがって、主走査ステッピングモータ6
5によって、エンドレスベルト66が、主走査方向に間
欠的に駆動され、副走査パルスモータ61によって、基
板63が、副走査方向に間欠的に移動されることによっ
て、光学ヘッド35は、図12において、矢印Xで示さ
れる主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に移
動され、レーザ光24によって、蓄積性蛍光体シート1
5の支持体16に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領
域17あるいは生化学解析用ユニット1の基板2に形成
されたすべての吸着性領域4が走査される。
【0299】図13は、図6に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【0300】図13に示されるように、スキャナの制御
系は、スキャナ全体の動作を制御するコントロールユニ
ット70を備えており、スキャナの入力系は、ユーザー
によって操作され、種々の指示信号を入力可能なキーボ
ード71を備えている。
【0301】図13に示されるように、スキャナの駆動
系は、光学ヘッド35を主走査方向に間欠的に移動させ
る主走査ステッピングモータ65と、光学ヘッド35を
副走査方向に間欠的に移動させる副走査パルスモータ6
1と、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、5
1dを備えたフィルタユニット48を移動させるフィル
タユニットモータ72を備えている。
【0302】コントロールユニット70は、第1のレー
ザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3
のレーザ励起光源23に選択的に駆動信号を出力すると
ともに、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力
可能に構成されている。
【0303】また、図13に示されるように、スキャナ
の検出系は、フォトマルチプライア50と、光学ヘッド
35の主走査方向における位置を検出するリニアエンコ
ーダ67を備えている。
【0304】本実施態様においては、コントロールユニ
ット70は、リニアエンコーダ67から入力される光学
ヘッド35の位置検出信号にしたがって、第1のレーザ
励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3の
レーザ励起光源23をオン・オフ制御するように構成さ
れている。
【0305】以上のように構成された本実施態様にかか
るスキャナは、以下のようにして、蓄積性蛍光体シート
15の支持体16に形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域17に記録されている放射線データを読み取って、生
化学解析用データを生成する。
【0306】まず、ユーザーによって、蓄積性蛍光体シ
ート15が、ステージ40のガラス板41上に載置され
る。
【0307】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート15の支持体16に形成され
た多数の輝尽性蛍光体層領域17に記録された放射線デ
ータを読み取るべき旨の指示信号が入力される。
【0308】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニット4
8を移動させ、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光45
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有するフィルタ52dを備えたフィルタ
部材51dを、輝尽光45の光路内に位置させる。
【0309】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
67から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基
づいて、蓄積性蛍光体シート15の支持体16に形成さ
れた多数の輝尽性蛍光体層領域17のうち、第1の輝尽
性蛍光体層領域17に、レーザ光24を照射可能な位置
に、光学ヘッド35が移動したことが確認されると、主
走査ステッピングモータ65に停止信号を出力するとと
もに、第1のレーザ励起光源21に、駆動信号を出力し
て、第1のレーザ励起光源21を起動させ、640nm
の波長のレーザ光24を発せさせる。
【0310】第1のレーザ励起光源21から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平行
な光とされた後、ミラー26に入射して、反射される。
【0311】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0312】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0313】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0314】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0315】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄積
性蛍光体シート15の第1の輝尽性蛍光体層領域17に
集光される。
【0316】本実施態様においては、輝尽性蛍光体層領
域17は、それぞれ、光エネルギーを減衰させる性質を
有するステンレス製の支持体16に形成された多数の貫
通孔18内に、輝尽性蛍光体が充填されて、形成されて
いるから、各輝尽性蛍光体層領域17内で、レーザ光2
4が散乱して、隣り合った輝尽性蛍光体層領域17内に
入射し、隣り合った輝尽性蛍光体層領域17に含まれて
いる輝尽性蛍光体を励起することを、効果的に防止する
ことが可能になる。
【0317】レーザ光24が、蓄積性蛍光体シート15
の支持体16に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域1
7に入射すると、第1の輝尽性蛍光体層領域17に含ま
れている輝尽性蛍光体が、レーザ光24によって励起さ
れて、第1の輝尽性蛍光体層領域17から輝尽光45が
放出される。
【0318】第1の輝尽性蛍光体領域17から放出され
た輝尽光45は、光学ヘッド35に設けられた非球面レ
ンズ37によって集光され、ミラー36により、レーザ
光24の光路と同じ側に反射され、平行な光とされて、
凹面ミラー38に入射する。
【0319】凹面ミラー38に入射した輝尽光45は、
凹面ミラー38によって反射されて、穴開きミラー34
に入射する。
【0320】穴開きミラー34に入射した輝尽光45
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34に
よって、図7に示されるように、下方に反射され、フィ
ルタユニット48のフィルタ52dに入射する。
【0321】フィルタ52dは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光45の波長域の光のみを透過し、640n
mの波長の光をカットする性質を有しているので、励起
光である640nmの波長の光がカットされ、第1の輝
尽性蛍光体層領域17から放出された輝尽光45の波長
域の光のみがフィルタ52dを透過して、フォトマルチ
プライア50によって、光電的に検出される。
【0322】フォトマルチプライア50によって、輝尽
光45が光電的に検出されて、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器53によって、ディジタル化され、
データ処理装置54に出力される。
【0323】第1のレーザ励起光源21がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第1のレーザ励起光源21に
駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、蓄積
性蛍光体シート15に形成された隣り合う輝尽性蛍光体
層領域17の間の距離に等しいピッチだけ、移動させ
る。
【0324】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域17間の距離に等しい
1ピッチだけ移動されて、第1のレーザ励起光源21か
ら発せられるレーザ光24を、蓄積性蛍光体シート15
の支持体16に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域1
7に隣り合う第2の輝尽性蛍光体層領域17に照射可能
な位置に移動したことが確認されると、コントロールユ
ニット70は、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を
出力して、第1のレーザ励起光源21をオンさせて、レ
ーザ光24によって、蓄積性蛍光体シート15の支持体
16に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域17に隣り
合う第2の輝尽性蛍光体層領域17に含まれている輝尽
性蛍光体を励起する。
【0325】同様にして、所定の時間にわたり、第1の
レーザ励起光源21から発せられたレーザ光24が、蓄
積性蛍光体シート15の支持体16に形成された第2の
輝尽性蛍光体層領域17に照射され、第2の輝尽性蛍光
体層領域17に含まれている輝尽性蛍光体が励起され
て、第2の輝尽性蛍光体層領域17から放出された輝尽
光45が、フォトマルチプライア50によって、光電的
に検出されて、アナログデータが生成され、A/D変換
器53によって、ディジタル化されて、第2の輝尽性蛍
光体層領域17に記録された放射線データから、生化学
解析用データが生成されると、コントロールユニット7
0は、第1のレーザ励起光源21に駆動停止信号を出力
して、第1のレーザ励起光源21をオフさせるととも
に、主走査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力
して、光学ヘッド35を、隣り合う輝尽性蛍光体層領域
17の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0326】こうして、光学ヘッド35の間欠的な移動
に同期して、第1のレーザ励起光源21のオン・オフが
繰り返され、リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35
が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、蓄積性蛍
光体シート15の支持体16に形成された第1ライン目
の輝尽性蛍光体層領域17のレーザ光24による走査が
完了したことが確認されると、コントロールユニット7
0は、主走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力
して、光学ヘッド35を元の位置に復帰させるととも
に、副走査パルスモータ61に駆動信号を出力して、移
動可能な基板63を、副走査方向に、1ライン分だけ、
移動させる。
【0327】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、蓄積性蛍光体
シート15の支持体16に形成された第1ライン目の輝
尽性蛍光体層領域17に、順次、第1のレーザ励起光源
21から発せられるレーザ光24を照射したのと全く同
様にして、蓄積性蛍光体シート15の支持体16に形成
された第2ライン目の輝尽性蛍光体層領域17に、順
次、第1のレーザ励起光源21から発せられるレーザ光
24を照射して、第2ライン目の輝尽性蛍光体層領域1
7に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、第2ライン目
の輝尽性蛍光体層領域15から発せられた輝尽光45
を、順次、フォトマルチプライア50に、光電的に検出
させる。
【0328】フォトマルチプライア50によって、輝尽
光45が光電的に検出されて、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器53に出力され、ディジタル化され
て、各輝尽性蛍光体層領域17に記録された放射線デー
タから、生化学解析用データが生成される。
【0329】こうして、蓄積性蛍光体シート15に形成
されたすべての輝尽性蛍光体層領域17が、第1のレー
ザ励起光源21から放出されたレーザ光24によって走
査され、輝尽性蛍光体層領域17に含まれている輝尽性
蛍光体が励起されて、放出された輝尽光45が、フォト
マルチプライア50によって光電的に検出され、生成さ
れたアナログデータが、A/D変換器53によって、デ
ィジタル化され、各輝尽性蛍光体層領域17に記録され
た放射線データから、生化学解析用データが生成され
て、データ処理装置54に出力されると、コントロール
ユニット70から、駆動停止信号が、第1のレーザ励起
光源21に出力され、第1のレーザ励起光源21の駆動
が停止される。
【0330】以上のようにして、スキャナによって、蓄
積性蛍光体シート15の多数の輝尽性蛍光体層領域17
に記録された放射性標識物質の放射線データが読み取ら
れて、生化学解析用データが生成される。
【0331】一方、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域4に記録されている蛍光物質の蛍光
データを読み取って、生化学解析用データを生成すると
きは、まず、ユーザーによって、生化学解析用ユニット
1が、ステージ40のガラス板41上にセットされる。
【0332】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、生体由来の物質を標識している蛍光色素などの蛍
光物質を特定する標識物質特定信号とともに、生化学解
析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域
4に記録されている蛍光データを読み取るべき旨の指示
信号が入力される。
【0333】ユーザーによって、キーボード71に、指
示信号および標識物質特定信号が入力されると、コント
ロールユニット70は、指示信号および標識物質特定信
号に基づき、第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ
励起光源22および第3のレーザ励起光源23の中か
ら、生体由来の物質を標識している蛍光物質を効率的に
励起することのできる波長のレーザ光24を発するレー
ザ励起光源を選択するとともに、3つのフィルタ部材5
1a、51b、51cの中から、蛍光物質を励起するた
めに用いるレーザ光24の波長の光をカットし、励起光
の波長よりも波長の長い光を透過する性質を有するフィ
ルタ部材を選択する。
【0334】たとえば、生体由来の物質を標識する蛍光
物質として、532nmの波長のレーザによって、最も
効率的に励起することのできるローダミン(登録商標)
が使用され、その旨が、キーボード71に入力されたと
きは、コントロールユニット70は、第2のレーザ励起
光源22を選択するとともに、フィルタ52bを選択
し、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力し
て、フィルタユニット48を移動させ、532nmの波
長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有するフィルタ52bを備えたフィルタ部
材51bを、生化学解析用ユニット1から放出されるべ
き蛍光45の光路内に位置させる。
【0335】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基づい
て、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4のうち、第1の吸着性領域4に、レーザ
光24を照射可能な位置に、光学ヘッド35が達したこ
とが確認されると、主走査ステッピングモータ65に停
止信号を出力するとともに、第2のレーザ励起光源22
に駆動信号を出力して、第2のレーザ励起光源22を起
動させ、532nmの波長のレーザ光24を発せさせ
る。
【0336】第2のレーザ励起光源22から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ30によって、平行
な光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に入
射して、反射される。
【0337】第1のダイクロイックミラー27によって
反射されたレーザ光24は、第2のダイクロイックミラ
ー28を透過し、ミラー29に入射する。
【0338】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0339】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0340】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0341】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された生化
学解析用ユニット1の第1の吸着性領域4に集光され
る。
【0342】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1の各吸着性領域4は、ステンレス鋼製の基板2に
形成された貫通孔3内に、ナイロン6を充填して形成さ
れ、各吸着性領域4の周囲には、光エネルギーを減衰さ
せる性質を有する基板2が存在しているから、吸着性領
域4に入射したレーザ光24が散乱して、隣り合う吸着
性領域4に入射し、隣り合った吸着性領域4に含まれて
いる蛍光物質を励起することを効果的に防止することが
可能になる。
【0343】レーザ光24が、生化学解析用ユニット1
に形成された第1の吸着性領域4に入射すると、レーザ
光24によって、第1の吸着性領域4に含まれた蛍光色
素などの蛍光物質、たとえば、ローダミンが励起され
て、蛍光45が発せられる。
【0344】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の各吸着性領域4は、ステンレス鋼製の
基板2に形成された貫通孔3内に、ナイロン6を充填し
て形成され、各吸着性領域4の周囲には、光エネルギー
を減衰させる性質を有する基板2が存在しているから、
蛍光物質から放出された蛍光45が、生化学解析用ユニ
ット1内で散乱して、隣り合う吸着性領域4に含まれる
蛍光物質から放出された蛍光45と混ざり合うことを確
実に防止することができる。
【0345】ローダミンから放出された蛍光45は、光
学ヘッド35に設けられた非球面レンズ37によって集
光され、ミラー36によって、レーザ光24の光路と同
じ側に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に
入射する。
【0346】凹面ミラー38に入射した蛍光45は、凹
面ミラー38によって反射されて、穴開きミラー34に
入射する。
【0347】穴開きミラー34に入射した蛍光45は、
凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34によっ
て、図7に示されるように、下方に反射され、フィルタ
ユニット48のフィルタ52bに入射する。
【0348】フィルタ52bは、532nmの波長の光
をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有しているので、励起光である532nmの波長
の光がカットされ、ローダミンから放出された蛍光45
の波長域の光のみがフィルタ52bを透過して、フォト
マルチプライア50によって、光電的に検出される。
【0349】フォトマルチプライア50によって、傾向
45が光電的に検出されて、生成されたアナログ信号
は、A/D変換器53に出力されて、ディジタル信号に
変換され、データ処理装置54に出力される。
【0350】第2のレーザ励起光源22がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第2のレーザ励起光源22に
駆動停止信号を出力して、第2のレーザ励起光源22の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、生化
学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸着性領域4
の間の距離に等しいピッチだけ、移動させる。
【0351】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された隣り
合う吸着性領域4の間の距離に等しい1ピッチだけ移動
されて、第2のレーザ励起光源22から発せられるレー
ザ光24を、生化学解析用ユニット1に形成された第1
の吸着性領域4に隣り合う第2の吸着性領域4に照射可
能な位置に移動したことが確認されると、コントロール
ユニット70は、第2のレーザ励起光源22に駆動信号
を出力して、第2のレーザ励起光源22をオンさせて、
レーザ光24によって、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された第2の吸着性領域4に含まれている蛍光
物質、たとえば、ローダミンを励起する。
【0352】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成され
た第2の吸着性領域4に照射され、第2の吸着性領域4
から放出された蛍光45が、フォトマルチプライア50
によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成
されると、コントロールユニット70は、第2のレーザ
励起光源22に駆動停止信号を出力して、第2のレーザ
励起光源22をオフさせるとともに、主走査ステッピン
グモータ65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35
を、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された隣り
合う吸着性領域4の間の距離に等しい1ピッチだけ、移
動させる。
【0353】こうして、光学ヘッド35の間欠的な移動
に同期して、第1のレーザ励起光源21のオン・オフが
繰り返され、リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35
が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、生化学解
析用ユニット1の基板2に形成された第1ライン目のす
べての吸着性領域4を、レーザ光24により、走査した
ことが確認されると、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力して、光
学ヘッド35を元の位置に復帰させるとともに、副走査
パルスモータ61に駆動信号を出力して、移動可能な基
板63を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させ
る。
【0354】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、生化学解析用
ユニット1の基板2に形成された第1ライン目の吸着性
領域4に、順次、第2のレーザ励起光源22から発せら
れるレーザ光24を照射したのと全く同様にして、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された第2ライン目
の吸着性領域4に、順次、第2のレーザ励起光源22か
ら発せられるレーザ光24を照射して、第2ライン目の
吸着性領域4に含まれているローダミンを励起し、第2
ライン目の吸着性領域4から放出された蛍光45を、順
次、フォトマルチプライア50によって、光電的に検出
させる。
【0355】フォトマルチプライア50によって、蛍光
45が光電的に検出されて、生成されたアナログデータ
は、A/D変換器53によって、ディジタルデータに変
換されて、データ処理装置54に送られる。
【0356】こうして、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成されたすべての吸着性領域4が、第2のレーザ
励起光源22から放出されたレーザ光24によって走査
され、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸
着性領域4に含まれているローダミンが励起されて、放
出された蛍光45が、フォトマルチプライア50によっ
て光電的に検出され、生成されたアナログデータが、A
/D変換器53によって、ディジタルデータに変換され
て、データ処理装置54に送られると、コントロールユ
ニット70から、駆動停止信号が、第2のレーザ励起光
源22に出力され、第2のレーザ励起光源22の駆動が
停止される。
【0357】以上のようにして、生化学解析用ユニット
1の多数の吸着性領域4に記録された蛍光データが読み
取られて、生化学解析用データが生成される。
【0358】生化学解析用ユニット1に形成された多数
の吸着性領域4に記録された化学発光データは、蓄積性
蛍光体シートに転写され、あるいは、後述するデータ生
成システムの冷却CCDカメラによって読み取られて、
生化学解析用データが生成される。
【0359】図14は、化学発光データが転写されるべ
き蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【0360】図14に示される蓄積性蛍光体シート75
は、ステンレス鋼によって形成された支持体16に形成
された多数の貫通孔18内に、光エネルギーを吸収し、
蓄積可能なSrS系輝尽性蛍光体が充填されて、多数の
輝尽性蛍光体層領域77が形成されている点を除いて、
図4に示された蓄積性蛍光体シート15と同様の構成を
有している。
【0361】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録されている化学発光データは、図14に示さ
れた蓄積性蛍光体シート75の多数の輝尽性蛍光体層領
域77に転写される。
【0362】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された化学発光データを、蓄積性蛍光体シー
ト75の多数の輝尽性蛍光体層領域77に転写するに際
し、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、
化学発光基質が接触される。
【0363】その結果、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4から、可視光波長域の化学発光が、選択
的に放出される。
【0364】次いで、蓄積性蛍光体シート75に形成さ
れた多数の輝尽性蛍光体層領域77が、生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された対応する多数の吸着性領
域4に対向するように、蓄積性蛍光体シート75が、多
数の吸着性領域4から化学発光が放出されている生化学
解析用ユニット1に重ね合わされる。
【0365】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート75の支持体16に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域77の各々と、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された多数の吸着性領域4とを対向させ
ることによって、生化学解析用ユニット1の多数の吸着
性領域4から、選択的に放出された化学発光により、蓄
積性蛍光体シート75の支持体16に形成された多数の
輝尽性蛍光体層領域77が露光される。
【0366】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1の各吸着性領域4の周囲には、光エネルギーを減
衰させる性質を有するステンレス鋼製の基板2が存在し
ているから、露光操作に際して、生化学解析用ユニット
1の吸着性領域4から放出された化学発光が、生化学解
析用ユニット1内で散乱することを効果的に防止するこ
とができ、さらに、蓄積性蛍光体シート75の支持体1
6は、光エネルギーを減衰させる性質を有するステンレ
ス鋼によって形成されているから、生化学解析用ユニッ
ト1の吸着性領域4から放出された化学発光が、蓄積性
蛍光体シート75の支持体16内で散乱して、隣り合う
吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体層領域77に到達
することが効果的に防止される。
【0367】こうして、蓄積性蛍光体シート75の支持
体16に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域77に、
化学発光データが記録される。
【0368】図15は、蓄積性蛍光体シート75の支持
体16に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域77に記
録されている化学発光データを読み取って、生化学解析
用データを生成するスキャナの略斜視図である。図16
は、フォトマルチプライア近傍のスキャナの詳細を示す
略斜視図であり、図17は、図16のE−E線に沿った
略断面図である。
【0369】図15ないし図17に示されたスキャナ
は、473nmの波長のレーザ光24を発する第3のレ
ーザ励起光源23に代えて、SrS系輝尽性蛍光体を効
率的に励起可能な980nmの波長のレーザ光24を発
する第4のレーザ励起光源55を備え、473nmの波
長の光をカットして、473nmよりも波長の長い光を
透過する性質を有するフィルタ52cを備えたフィルタ
部材51cに代えて、輝尽性蛍光体層領域から放出され
る輝尽光45の波長域の光のみを透過し、980nmの
波長の光をカットする性質を有するフィルタ52eを備
えたフィルタ部材51eを備え、532nm以上の波長
の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第2の
ダイクロイックミラー28に代えて、640nm以下の
波長の光を透過し、980nmの波長の光を反射する第
3のダイクロイックミラー56を備えている点を除き、
図6ないし図13に示されたスキャナと同様の構成を有
している。
【0370】以上のように構成された本実施態様にかか
るスキャナは、以下のようにして、蓄積性蛍光体シート
75の多数の輝尽性蛍光体層領域77に記録された化学
発光データを読み取って、生化学解析用データを生成す
る。
【0371】まず、ユーザーによって、蓄積性蛍光体シ
ート75が、ステージ40のガラス板41上に載置され
る。
【0372】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート75に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域77に記録された化学発光データを読み
取るべき旨の指示信号が入力される。
【0373】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニット4
8を移動させ、輝尽性蛍光体層領域77から放出される
輝尽光45の波長域の光のみを透過し、980nmの波
長の光をカットする性質を有するフィルタ52eを備え
たフィルタ部材51eを、輝尽光45の光路内に位置さ
せる。
【0374】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基づい
て、蓄積性蛍光体シート75の支持体16に形成された
多数の輝尽性蛍光体層領域77のうち、第1の輝尽性蛍
光体層領域77に、レーザ光24を照射可能な位置に、
光学ヘッド35が達したと判定すると、主走査ステッピ
ングモータ65に停止信号を出力するとともに、第4の
レーザ励起光源55に駆動信号を出力し、第4のレーザ
励起光源55を起動させ、980nmの波長のレーザ光
24を発せさせる。
【0375】第4のレーザ励起光源55から発生された
レーザ光24は、コリメータレンズ31によって、平行
な光とされた後、第3のダイクロイックミラー56によ
り反射されて、その向きが90度変えられた後、ミラー
29に入射する。
【0376】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0377】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0378】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0379】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄積
性蛍光体シート75の第1の輝尽性蛍光体層領域77に
集光される。
【0380】本実施態様においては、蓄積性蛍光体シー
ト75の各輝尽性蛍光体層領域77は、光エネルギーを
減衰させる性質を有するステンレス鋼製の支持体16に
形成された貫通孔18内に、輝尽性蛍光体が充填され
て、形成されているから、各輝尽性蛍光体層領域77内
で、レーザ光24が散乱して、隣り合った輝尽性蛍光体
層領域77内に入射し、隣り合った輝尽性蛍光体層領域
77に含まれている輝尽性蛍光体を励起することを、効
果的に防止することが可能になる。
【0381】レーザ光24が、蓄積性蛍光体シート75
の支持体16に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域7
7に入射すると、蓄積性蛍光体シート75の支持体16
に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域77に含まれて
いる輝尽性蛍光体が、レーザ光24によって励起され
て、第1の輝尽性蛍光体層領域77から、輝尽光45が
放出される。
【0382】蓄積性蛍光体シート75の第1の輝尽性蛍
光体層領域77から放出された輝尽光45は、光学ヘッ
ド35に設けられた非球面レンズ37によって集光さ
れ、ミラー36により、レーザ光24の光路と同じ側に
反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射す
る。
【0383】凹面ミラー38に入射した輝尽光45は、
凹面ミラー38によって反射され、穴開きミラー34に
入射する。
【0384】穴開きミラー34に入射した輝尽光45
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34に
よって、図15に示されるように、下方に反射され、フ
ィルタユニット48のフィルタ52eに入射する。
【0385】フィルタ52eは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光の波長域の光のみを透過し、980nmの
波長の光をカットする性質を有しているので、励起光で
ある980nmの波長の光がカットされ、輝尽光の波長
域の光のみがフィルタ52eを透過して、フォトマルチ
プライア50によって、光電的に検出される。
【0386】フォトマルチプライア50によって、輝尽
光45が光電的に検出されて、生成されたアナログ信号
は、A/D変換器53に出力されて、ディジタル信号に
変換され、データ処理装置54に出力される。
【0387】第4のレーザ励起光源55がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第4のレーザ励起光源55に
駆動停止信号を出力して、第4のレーザ励起光源55を
オフさせるとともに、主走査ステッピングモータ65に
駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、蓄積性蛍光体
シート75の支持体16に形成された隣り合う輝尽性蛍
光体層領域77の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動
させる。
【0388】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域77の間の距離に等し
い1ピッチだけ移動されたことが確認されると、コント
ロールユニット70は、第4のレーザ励起光源55に駆
動信号を出力して、第4のレーザ励起光源55をオンさ
せて、レーザ光24によって、蓄積性蛍光体シート75
の支持体16に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域7
7に隣り合った第2の輝尽性蛍光体層領域77に含まれ
ている輝尽性蛍光体を励起する。
【0389】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、蓄積性蛍光体シート75の支持体16に形成
された第2の輝尽性蛍光体層領域77に照射され、第2
の輝尽性蛍光体層領域77から発せられた輝尽光45
が、フォトマルチプライア50によって、光電的に検出
されると、コントロールユニット70は、第4のレーザ
励起光源55に駆動停止信号を出力して、第4のレーザ
励起光源55をオフさせるとともに、主走査ステッピン
グモータ65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35
を、隣り合う輝尽性蛍光体層領域77の間の距離に等し
い1ピッチだけ、移動させる。
【0390】こうして、光学ヘッド35の間欠的な移動
に同期して、第4のレーザ励起光源55のオン・オフが
繰り返され、リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35
が、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、蓄積性
蛍光体シート75の支持体16に形成された第1ライン
目の輝尽性蛍光体層領域77のレーザ光24による走査
が完了したことが確認されると、コントロールユニット
70は、主走査ステッピングモータ65に駆動信号を出
力して、光学ヘッド35を元の位置に復帰させるととも
に、副走査パルスモータ61に駆動信号を出力して、移
動可能な基板63を、副走査方向に、1ライン分だけ、
移動させる。
【0391】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、蓄積性蛍光体
シート75の支持体16に形成された第1ライン目の輝
尽性蛍光体層領域77に、順次、第4のレーザ励起光源
55から発せられるレーザ光24を照射したのと全く同
様にして、蓄積性蛍光体シート75の支持体16に形成
された第2ライン目の輝尽性蛍光体層領域77に、順
次、第4のレーザ励起光源55から発せられるレーザ光
24を照射して、第2ライン目の輝尽性蛍光体層領域7
7に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、第2ライン目
の輝尽性蛍光体層領域77から発せられた輝尽光45
を、順次、フォトマルチプライア50によって、光電的
に検出させる。
【0392】フォトマルチプライア50によって、輝尽
光45が光電的に検出されて、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器53によって、ディジタルデータに
変換されて、データ処理装置54に送られる。
【0393】こうして、蓄積性蛍光体シート75の支持
体16に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領域77
が、第4のレーザ励起光源55から放出されたレーザ光
24によって走査され、輝尽性蛍光体層領域77に含ま
れている輝尽性蛍光体が励起されて、放出された輝尽光
45が、フォトマルチプライア50によって光電的に検
出され、生成されたアナログデータが、A/D変換器5
3によって、ディジタルデータに変換されて、データ処
理装置54に送られると、コントロールユニット70か
ら、駆動停止信号が、第4のレーザ励起光源55に出力
され、第4のレーザ励起光源55の駆動が停止される。
【0394】以上のようにして、スキャナによって、蓄
積性蛍光体シート75の多数の輝尽性蛍光体層領域77
に記録された化学発光データが読み取られて、生化学解
析用データが生成される。
【0395】生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた多数の吸着性領域4に記録されている化学発光デー
タを、蓄積性蛍光体シート75の多数の輝尽性蛍光体層
領域77に転写することなく、データ生成システムの冷
却CCDカメラにより、化学発光データを読み取って、
生化学解析用データを生成することもできる。
【0396】図18は、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4に記録されている化
学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成
するデータ生成システムの略正面図である。
【0397】図18に示されたデータ生成システムは、
生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域
4に記録された蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データを
も生成可能に構成されている。
【0398】図18に示されるように、データ生成シス
テムは、冷却CCDカメラ81、暗箱82およびパーソ
ナルコンピュータ83を備えている。パーソナルコンピ
ュータ83は、CRT84とキーボード85を備えてい
る。
【0399】図19は、データ生成システムの冷却CC
Dカメラ81の略縦断面図である。
【0400】図19に示されるように、冷却CCDカメ
ラ81は、CCD86と、アルミニウムなどの金属によ
って作られた伝熱板87と、CCD86を冷却するため
のペルチエ素子88と、CCD86の前面に配置された
シャッタ89と、CCD86が生成したアナログデータ
をディジタルデータに変換するA/D変換器90と、A
/D変換器90によってディジタル化されたデータを一
時的に記憶するデータバッファ91と、冷却CCDカメ
ラ81の動作を制御するカメラ制御回路92とを備えて
いる。暗箱82との間に形成された開口部は、ガラス板
95によって閉じられており、冷却CCDカメラ81の
周囲には、ペルチエ素子88が発する熱を放熱するため
の放熱フィン96が長手方向のほぼ全面にわたって形成
されている。
【0401】ガラス板95の前面の暗箱82内には、レ
ンズフォーカス調整機能を有するカメラレンズ97が取
付けられている。
【0402】図20は、データ生成システムの暗箱82
の略縦断面図である。
【0403】図20に示されるように、暗箱82内に
は、励起光を発するLED光源100が設けられてお
り、LED光源100は、取り外し可能に設けられたフ
ィルタ101と、フィルタ101の上面に設けられた拡
散板103を備え、拡散板103を介して、励起光が、
その上に載置される生化学解析用ユニット(図示せず)
に向けて、照射されることによって、生化学解析用ユニ
ットが均一に照射されるように保証されている。フィル
タ101は、励起光の近傍の波長以外の蛍光物質の励起
に有害な光をカットし、励起光近傍の波長の光のみを透
過する性質を有している。カメラレンズ97の前面に
は、励起光近傍の波長の光をカットするフィルタ102
が、取り外し可能に設けられている。
【0404】図21は、データ生成システムのパーソナ
ルコンピュータ83の周辺のブロックダイアグラムであ
る。
【0405】図21に示されるように、パーソナルコン
ピュータ83は、冷却CCDカメラ81の露出を制御す
るCPU110と、冷却CCDカメラ81の生成したデ
ィジタルデータをデータバッファ91から読み出すデー
タ転送手段111と、ディジタルデータを記憶するデー
タ記憶手段112と、データ記憶手段112に記憶され
たディジタルデータにデータ処理を施すデータ処理手段
113と、データ記憶手段112に記憶されたディジタ
ルデータに基づいて、CRT84の画面上に可視データ
を表示するデータ表示手段114とを備えている。LE
D光源100は、光源制御手段115によって制御され
ており、光源制御手段115には、キーボード85か
ら、CPU110を介して、指示信号が入力されるよう
に構成されている。CPU110は、冷却CCDカメラ
81のカメラ制御回路92に種々の信号を出力可能に構
成されている。
【0406】図18ないし図21に示されたデータ生成
システムは、生化学解析用ユニット1に形成された多数
の吸着性領域4に含まれた標識物質と、化学発光基質と
の接触によって生ずる化学発光を、カメラレンズ97を
介して、冷却CCDカメラ81のCCD86によって検
出し、化学発光データを生成するとともに、生化学解析
用ユニット1に、LED光源100から励起光を照射し
て、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性
領域4に含まれた蛍光色素などの蛍光物質が励起され
て、放出された蛍光を、カメラレンズ97を介して、冷
却CCDカメラ81のCCD66によって検出し、蛍光
データを生成可能に構成されている。
【0407】化学発光データを読み取って、生化学解析
用データを生成する場合には、フィルタ102を取り外
し、LED光源100をオフ状態に保持して、拡散板1
03上に、生化学解析用ユニット1に形成された多数の
吸着性領域4に含まれている標識物質に化学発光基質が
接触されて、化学発光を発している生化学解析用ユニッ
ト1が載置される。
【0408】次いで、ユーザーにより、カメラレンズ9
7を用いて、レンズフォーカス合わせがなされ、暗箱8
2が閉じられる。
【0409】その後、ユーザーが、キーボード85に露
出開始信号を入力すると、露出開始信号が、CPU11
0を介して、冷却CCDカメラ81のカメラ制御回路9
2に入力され、カメラ制御回路92によって、シャッタ
89が開かれ、CCD86の露出が開始される。
【0410】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4から発せられた化学発光は、カメラレンズ97を介
して、冷却CCDカメラ81のCCD86の光電面に入
射して、光電面に画像を形成する。CCD86は、こう
して、光電面に形成された画像の光を受け、これを電荷
の形で蓄積する。
【0411】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1に形成された各吸着性領域4の周囲に
は、光エネルギーを減衰させる性質を有するステンレス
鋼製の基板2が存在しているので、吸着性領域4に含ま
れている標識物質から放出された化学発光が、生化学解
析用ユニット1内で散乱して、隣り合う吸着性領域4に
含まれている標識物質から放出された化学発光と混ざり
合うことを確実に防止することができる。
【0412】所定の露出時間が経過すると、CPU11
0は、冷却CCDカメラ81のカメラ制御回路92に露
出完了信号を出力する。
【0413】カメラ制御回路92は、CPU110か
ら、露出完了信号を受けると、CCD86が電荷の形で
蓄積したアナログデータをA/D変換器100に転送し
て、ディジタル化し、データバッファ91に一時的に記
憶させる。
【0414】カメラ制御回路92に露出完了信号を出力
するのと同時に、CPU110は、データ転送手段11
1にデータ転送信号を出力して、冷却CCDカメラ81
のデータバッファ91からディジタルデータを読み出さ
せ、データ記憶手段112に記憶させる。
【0415】ユーザーによって、キーボード85にデー
タ表示信号を入力されると、CPU110は、データ記
憶手段112に記憶されたディジタルデータを、データ
処理手段113に出力させ、ユーザーの指示にしたがっ
て、データ処理を施した後、データ表示手段114にデ
ータ表示信号を出力して、データ処理が施されたディジ
タルデータに基づき、生化学解析用データを、CRT8
4の画面上に表示させる。
【0416】これに対して、蛍光データを読み取って、
生化学解析用データを生成するときは、まず、生化学解
析用ユニット1が、拡散板103上に載置される。
【0417】次いで、ユーザーにより、LED光源10
0がオンされ、カメラレンズ97を用いて、レンズフォ
ーカス合わせがなされ、暗箱82が閉じられる。
【0418】その後、ユーザーがキーボード85に露出
開始信号を入力すると、光源制御手段115によって、
LED光源100がオンされて、生化学解析用ユニット
1に向けて、励起光が発せられる。
【0419】同時に、露出開始信号は、CPU110を
介して、冷却CCDカメラ81のカメラ制御回路92に
入力され、カメラ制御回路92によって、シャッタ89
が開かれ、CCD86の露出が開始される。
【0420】LED光源100から発せられた励起光
は、フィルタ101により、励起光以外の波長成分がカ
ットされ、拡散板23によって、一様な光とされて、生
化学解析用ユニット1に照射される。
【0421】生化学解析用ユニット1に、励起光が照射
されると、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4に選択的に含まれている蛍光色素などの蛍光物質が励
起されて、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4から、蛍光が放出される。
【0422】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4から発せられた蛍光は、フィルタ102およびカメ
ラレンズ97を介して、冷却CCDカメラ81のCCD
86の光電面に入射し、光電面に画像を形成する。CC
D86は、こうして、光電面に形成された画像の光を受
けて、これを電荷の形で蓄積する。フィルタ102によ
って、励起光の波長の光がカットされるため、生化学解
析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4に含ま
れた蛍光色素などの蛍光物質から放出さた蛍光のみが、
CCD86によって受光される。
【0423】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1に形成された各吸着性領域4の周囲に
は、光エネルギーを減衰させる性質を有するステンレス
鋼製の基板2が存在しているので、吸着性領域4に含ま
れている蛍光物質から放出された蛍光が、生化学解析用
ユニット1内で散乱して、隣り合う吸着性領域4に含ま
れている蛍光物質から放出された蛍光と混ざり合うこと
を確実に防止することができる。
【0424】所定の露出時間が経過すると、CPU11
0は、冷却CCDカメラ81のカメラ制御回路92に露
出完了信号を出力する。
【0425】カメラ制御回路92は、CPU40から露
出完了信号を受けると、CCD86が電荷の形で蓄積し
たアナログデータを、A/D変換器10に転送して、デ
ィジタル化し、データバッファ91に一時的に記憶させ
る。
【0426】カメラ制御回路92に露出完了信号を出力
するのと同時に、CPU110は、データ転送手段21
1にデータ転送信号を出力して、冷却CCDカメラ81
のデータバッファ91からディジタルデータを読み出さ
せ、データ記憶手段112に記憶させる。
【0427】ユーザーによって、キーボード85にデー
タ表示信号が入力されると、CPU110は、データ記
憶手段112に記憶されたディジタルデータを、データ
処理手段113に出力させ、ユーザーの指示にしたがっ
て、データ処理を施した後、データ表示手段114にデ
ータ表示信号を出力して、データ処理が施されたディジ
タルデータに基づき、生化学解析用データを、CRT8
4の画面上に表示させる。
【0428】こうして、生化学解析用データの生成が完
了すると、生化学解析用ユニット1が洗浄される。
【0429】本実施態様によれば、ハイブリダイゼーシ
ョンバッファとプローブ溶液の混合溶液が、ポンプ10
によって、カートリッジ7に収容された生化学解析用ユ
ニット1の多数の吸着性領域4を横切るように、カート
リッジ7内に、強制的に供給されて、ハイブリダイゼー
ションが実行されるから、ハイブリダイゼーションバッ
ファとプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来
の物質を、単に、対流あるいは拡散によって移動させ、
生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に吸着さ
れた特異的結合物質とハイブリダイズさせる場合に比し
て、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4内における
生体由来の物質の移動速度を大幅に増大させることがで
き、したがって、ハイブリダイゼーションの反応速度を
大幅に向上させることが可能になり、さらには、ハイブ
リダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に
含まれている生体由来の物質が、生化学解析用ユニット
1の多数の吸着性領域4の深い部分に含まれている特異
的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができ
るから、所望のように、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4に吸着されている特
異的結合物質に、ハイブリダイゼーションバッファとプ
ローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質を
ハイブリダイズさせることが可能になる。
【0430】また、本実施態様によれば、ハイブリダイ
ゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液が、ポン
プ10によって、溶液循環パイプ9を介して、循環さ
れ、繰り返し、カートリッジ7に収容された生化学解析
用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切るように、カ
ートリッジ7内に、強制的に供給されるから、ハイブリ
ダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含
まれている生体由来の物質が、生化学解析用ユニット1
の多数の吸着性領域4の深い部分に含まれている特異的
結合物質と出会う確率をより一層増大させることがで
き、したがって、所望のように、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に吸着され
ている特異的結合物質に、ハイブリダイゼーションバッ
ファとプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来
の物質をハイブリダイズさせることが可能になる。
【0431】さらに、本実施態様によれば、ハイブリダ
イゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液が、ポ
ンプ10によって、正逆両方向に、カートリッジ7に収
容された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4
を横切るように、カートリッジ7内に、強制的に供給さ
れるから、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ
溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質が、生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4の深い部分に
含まれている特異的結合物質と出会う確率をより一層増
大させることができ、したがって、所望のように、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性
領域4に吸着されている特異的結合物質に、ハイブリダ
イゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含ま
れている生体由来の物質をハイブリダイズさせることが
可能になる。
【0432】また、本実施態様によれば、抗体溶液が、
ポンプ10によって、カートリッジ7に収容された生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切るよう
に、カートリッジ7内に、強制的に供給されて、抗原抗
体反応が実行されるから、生化学解析用ユニット1の吸
着性領域4内における抗体の移動速度を大幅に増大させ
ることができ、したがって、抗原抗体反応の反応速度を
大幅に向上させることが可能になり、さらには、抗体溶
液に含まれているハプテンに対する抗体が、吸着性領域
4の深い部分に含まれている特異的結合物質に、選択的
に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識してい
るハプテンと出会う確率を大幅に増大させることができ
るから、所望のように、抗体溶液に含まれたハプテンに
対する抗体と、生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質
に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を
標識しているハプテンとを、抗原抗体反応によって、結
合させることが可能になる。
【0433】さらに、本実施態様によれば、抗体溶液
が、ポンプ10によって、溶液循環パイプ9を介して、
循環され、繰り返し、カートリッジ7に収容された生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切るよう
に、カートリッジ7内に、強制的に供給されるから、抗
体溶液に含まれているハプテンに対する抗体が、吸着性
領域4の深い部分に含まれている特異的結合物質に、選
択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識し
ているハプテンと出会う確率をより一層増大させること
ができ、したがって、所望のように、抗体溶液に含まれ
たハプテンに対する抗体と、生化学解析用ユニット1の
基板2に形成された吸着性領域4に吸着されている特異
的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由
来の物質を標識しているハプテンとを、抗原抗体反応に
よって、結合させることが可能になる。
【0434】また、本実施態様によれば、抗体溶液が、
ポンプ10によって、正逆両方向に、カートリッジ7に
収容された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4を横切るように、カートリッジ7内に、強制的に供給
されるから、抗体溶液に含まれているハプテンに対する
抗体が、吸着性領域4の深い部分に含まれている特異的
結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来
の物質を標識しているハプテンと出会う確率をより一層
増大させることができ、したがって、所望のように、抗
体溶液に含まれたハプテンに対する抗体と、生化学解析
用ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4に吸着
されている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイ
ズされた生体由来の物質を標識しているハプテンとを、
抗原抗体反応によって、結合させることが可能になる。
【0435】さらに、本実施態様によれば、洗浄溶液
が、ポンプ10によって、カートリッジ7に収容された
生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切る
ように、カートリッジ7内に、強制的に供給されて、生
化学解析用ユニット1の吸着性領域4の洗浄が実行され
るから、ハイブリダイゼーションの工程で、生化学解析
用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4
に吸着されている特異的結合物質にハイブリダイズされ
るべきでない生体由来の物質が、生化学解析用ユニット
1の吸着性領域4に結合されていても、吸着性領域4に
吸着されている特異的結合物質にハイブリダイズされる
べきではない生体由来の物質を、生化学解析用ユニット
1の多数の吸着性領域4から、効果的に剥離させ、除去
することができ、また、抗原抗体反応の過程で、生化学
解析用ユニット1の吸着性領域4に吸着されている特異
的結合物質に選択的にハイブリダイズされた生体由来の
物質を標識しているハプテンに結合されるべきでない抗
体が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸
着性領域4に結合していても、ハプテンに結合されるべ
きでない抗体を、生化学解析用ユニット1の多数の吸着
性領域4から、効果的に剥離させ、除去することがで
き、したがって、洗浄効率を大幅に向上させることがで
きる。
【0436】また、本実施態様によれば、洗浄溶液が、
ポンプ10によって、正逆両方向に、カートリッジ7に
収容された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4を横切るように、カートリッジ7内に、強制的に供給
されるから、ハイブリダイゼーションの工程で、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領
域4に吸着されている特異的結合物質にハイブリダイズ
されるべきでない生体由来の物質が、生化学解析用ユニ
ット1の吸着性領域4に結合されていても、吸着性領域
4に吸着されている特異的結合物質にハイブリダイズさ
れるべきではない生体由来の物質を、生化学解析用ユニ
ット1の多数の吸着性領域4から、より一層効果的に剥
離させ、除去することができ、また、抗原抗体反応の過
程で、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に吸着さ
れている特異的結合物質に選択的にハイブリダイズされ
た生体由来の物質を標識しているハプテンに結合される
べきでない抗体が、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された吸着性領域4に結合していても、ハプテンに
結合されるべきでない抗体を、生化学解析用ユニット1
の多数の吸着性領域4から、効果的に剥離させ、除去す
ることができ、したがって、洗浄効率を大幅に向上させ
ることができる。
【0437】さらに、本実施態様によれば、ハイブリダ
イゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液が、ポ
ンプ10によって、カートリッジ7に収容された生化学
解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切るよう
に、カートリッジ7内に、強制的に供給されて、ハイブ
リダイゼーションが実行され、洗浄溶液が、ポンプ10
によって、カートリッジ7に収容された生化学解析用ユ
ニット1の多数の吸着性領域4を横切るように、カート
リッジ7内に、強制的に供給されて、生化学解析用ユニ
ット1の吸着性領域4の洗浄が実行されるように構成さ
れているから、実験者が異なっても、ハイブリダイゼー
ションの結果にばらつきが生ずることを確実に防止する
ことができ、また、ハイブリダイゼーションの再現性を
大幅に向上させることが可能になる。
【0438】また、本実施態様によれば、抗体溶液が、
ポンプ10によって、カートリッジ7に収容された生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切るよう
に、カートリッジ7内に、強制的に供給されて、抗原抗
体反応が実行され、洗浄溶液が、ポンプ10によって、
カートリッジ7に収容された生化学解析用ユニット1の
多数の吸着性領域4を横切るように、カートリッジ7内
に、強制的に供給されて、生化学解析用ユニット1の吸
着性領域4の洗浄が実行されるように構成されているか
ら、実験者が異なっても、抗原抗体反応の結果にばらつ
きが生ずることを確実に防止することができ、また、抗
原抗体反応の再現性を大幅に向上させることが可能にな
る。
【0439】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の多数の吸着性領域4が、ステンレス鋼製
の基板2に形成された多数の貫通孔3内に、ナイロン6
が充填されて形成されているから、ハイブリダイゼーシ
ョンバッファ、ハイブリダイゼーションバッファとプロ
ーブ溶液の混合溶液、抗体溶液および洗浄溶液は、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性
領域4のみを横切って、強制的に流動され、したがっ
て、ハイブリダイゼーションの効率、抗原抗体反応の効
率および洗浄効率を、大幅に向上させることが可能にな
る。
【0440】図22は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかるリセプター・リガンド会合反応装置の略縦断面
図である。
【0441】図22に示されるように、本実施態様にか
かるリセプター・リガンド会合反応装置は、蓋部材12
0aとケーシング120bとを有し、ハイブリダイゼー
ションバッファ、ハイブリダイゼーションバッファとプ
ローブ溶液の混合溶液、抗体溶液あるいは洗浄溶液を収
容する反応容器120を備えている。
【0442】反応容器120の上部内壁面を構成する蓋
部材120aの表面の略中央部には、一対の板バネ(図
示せず)よりなり、生化学解析用ユニット1の上端部近
傍を保持する生化学解析用ユニット保持部材121aが
形成され、ケーシング120bの下部内壁面の略中央部
には、生化学解析用ユニット保持部材121aに対応し
て、一対の板バネ(図示せず)よりなり、生化学解析用
ユニット1の下端部近傍を保持する生化学解析用ユニッ
ト保持部材121bが形成されている。
【0443】図22に示されるように、互いに対向する
ケーシング120bの2つの内壁面に、生化学解析用ユ
ニット1が、生化学解析用ユニット保持部材121aお
よび生化学解析用ユニット保持部材121bによって、
反応容器120内に保持されたときに、生化学解析用ユ
ニット1の両表面に対向するように、一対の超音波振動
子122a、122bが設けられている。
【0444】一対の超音波振動子122a、122b
は、コントローラ123によって、選択的に振動され、
それぞれ、反応容器120内に収容されたハイブリダイ
ゼーションバッファ、ハイブリダイゼーションバッファ
とプローブ溶液の混合溶液、抗体溶液あるいは洗浄溶液
中に超音波を発生するように構成されている。
【0445】図22に示されるように、ケーシング12
0bの底部には、溶液排出通路124が形成されてお
り、溶液排出通路124には、コントローラ123によ
って制御され、溶液排出通路124を開閉するバルブ1
25が設けられている。
【0446】以上のように構成された本実施態様にかか
るリセプター・リガンド会合反応装置においては、次の
ようにして、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に含まれた特異的結合物質に、標識物質によって標
識され、プローブ溶液に含まれた生体由来の物質が、選
択的に、ハイブリダイズされる。
【0447】まず、ハイブリダイゼーションバッファが
調製されて、反応容器120内に収容される。
【0448】次いで、ケーシング120bの下部内壁面
の略中央部に形成された生化学解析用ユニット保持部材
121bを構成する一対の板バネの間に、生化学解析用
ユニット1の下端部近傍が挿入されて、生化学解析用ユ
ニット1の下端部近傍が、生化学解析用ユニット保持部
材121bを構成する一対の板バネによって挟持され
る。
【0449】その結果、上端部近傍を除く生化学解析用
ユニット1の全体が、ハイブリダイゼーションバッファ
に浸される。
【0450】次いで、生化学解析用ユニット1の上端部
近傍が、蓋部材120aの下面の略中央部に形成された
生化学解析用ユニット保持部材121aを構成する一対
の板バネによって、挟持され、生化学解析用ユニット1
が、反応容器120の略中央部に保持されるように、蓋
部材120aが閉じられる。
【0451】こうして、生化学解析用ユニット1が、反
応容器120内にセットされ、蓋部材120aが閉じら
れると、コントローラ123は、超音波振動子122a
を振動させる。
【0452】その結果、反応容器120内に収容された
ハイブリダイゼーションバッファ中に、超音波が生成さ
れ、それに伴って、図22において、矢印Aで示される
方向に、ハイブリダイゼーションバッファの流れが生成
される。
【0453】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1には、ステンレス鋼製の基板2に形成された多数
の貫通孔3内に、ナイロン6が充填されて、多数の吸着
性領域4が形成されているから、ハイブリダイゼーショ
ンバッファは、生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された多数の吸着性領域4のみを横切って、図22にお
いて、矢印Aで示される方向に、強制的に流動される。
【0454】その結果、プレハイブリダイゼーションが
実行される。
【0455】ここに、ハイブリダイゼーションバッファ
を、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4のみを横切って、流動させるためには、
40KHz以上の周波数を有する超音波を発生させるこ
とが好ましく、400KHz以上の周波数を有する超音
波を発生させると、さらに好ましい。
【0456】第一の所定時間が経過すると、コントロー
ラ123は、超音波振動子122aの振動を停止させ、
次いで、超音波振動子122bを、振動させる。
【0457】その結果、反応容器120内に収容された
ハイブリダイゼーションバッファ中に、超音波が生成さ
れ、それに伴って、図22において、矢印Bで示される
方向に、ハイブリダイゼーションバッファの流れが生成
される。
【0458】したがって、ハイブリダイゼーションバッ
ファは、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された
多数の吸着性領域4のみを横切って、図22において、
矢印Bで示される方向に、強制的に流動される。
【0459】第一の所定時間が経過すると、コントロー
ラ123は、超音波振動子122bの振動を停止させ、
次いで、超音波振動子122aを振動させる。
【0460】その結果、反応容器120内に収容された
ハイブリダイゼーションバッファ中に、超音波が生成さ
れ、それに伴って、図22において、矢印Aで示される
方向に、ハイブリダイゼーションバッファの流れが生成
され、ハイブリダイゼーションバッファは、生化学解析
用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4のみを横
切って、図22において、矢印Aで示される方向に、強
制的に流動される。
【0461】こうして、所定の回数にわたって、一対の
超音波振動子122a、122bが、コントローラ12
3によって、振動され、反応容器120内に収容された
ハイブリダイゼーションバッファが、生化学解析用ユニ
ット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のみを
横切って、図22において、矢印Aで示される方向およ
び矢印Bで示される方向に、繰り返し、強制的に流動さ
れると、コントローラ123により、一対の超音波振動
子122a、122bの振動が停止されて、プレハイブ
リダイゼーションが完了する。
【0462】次いで、プローブ溶液が調製され、蓋部材
120aが開かれて、反応容器120内に収容されてい
るハイブリダイゼーションバッファに混合される。
【0463】本実施態様においても、放射性標識物質に
よって標識された生体由来の物質、蛍光物質によって標
識された生体由来の物質およびジゴキシゲニンなどのハ
プテンによって標識された生体由来の物質を含むプロー
ブ溶液が調製されて、反応容器120内に収容されてい
るハイブリダイゼーションバッファに混合される。
【0464】プローブ溶液が、反応容器120内に収容
されているハイブリダイゼーションバッファに混合され
ると、蓋部材120aが閉じられ、コントローラ123
によって、超音波振動子122aが振動される。
【0465】その結果、反応容器120内に収容された
ハイブリダイゼーションバッファとプローブ容積の混合
溶液中に、超音波が生成され、それに伴って、図22に
おいて、矢印Aで示される方向に、ハイブリダイゼーシ
ョンバッファとプローブ容積の混合溶液の流れが生成さ
れる。
【0466】したがって、ハイブリダイゼーションバッ
ファとプローブ容積の混合溶液は、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のみを横
切って、図22において、矢印Aで示される方向に、強
制的に流動される。
【0467】その結果、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4に吸着されている特
異的結合物質に、ハイブリダイゼーションバッファとプ
ローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質
が、選択的に、ハイブリダイズする。
【0468】ここに、ハイブリダイゼーションバッファ
とプローブ溶液の混合溶液を、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された多数の吸着性領域4のみを横切っ
て、流動させるためには、40KHz以上の周波数を有
する超音波を発生させることが好ましく、400KHz
以上の周波数を有する超音波を発生させると、さらに好
ましい。
【0469】第二の所定時間が経過すると、コントロー
ラ123は、超音波振動子122aの振動を停止させ、
次いで、超音波振動子122bを、振動させる。
【0470】その結果、反応容器120内に収容された
ハイブリダイゼーションバッファとプローブ容積の混合
溶液中に、超音波が生成され、それに伴って、図22に
おいて、矢印Bで示される方向に、ハイブリダイゼーシ
ョンバッファとプローブ容積の混合溶液の流れが生成さ
れる。
【0471】したがって、ハイブリダイゼーションバッ
ファとプローブ容積の混合溶液は、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のみを横
切って、図22において、矢印Bで示される方向に、強
制的に流動される。
【0472】第二の所定時間が経過すると、コントロー
ラ123は、超音波振動子122bの振動を停止させ、
次いで、超音波振動子122aを振動させる。
【0473】その結果、反応容器120内に収容された
ハイブリダイゼーションバッファとプローブ容積の混合
溶液中に、超音波が生成され、それに伴って、図22に
おいて、矢印Aで示される方向に、ハイブリダイゼーシ
ョンバッファとプローブ容積の混合溶液の流れが生成さ
れ、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ容積の
混合溶液は、生化学解析用ユニット1に形成された多数
の吸着性領域4のみを横切って、図22において、矢印
Aで示される方向に、強制的に流動される。
【0474】こうして、所定の回数にわたって、一対の
超音波振動子122a、122bが、コントローラ12
3によって、振動され、反応容器120内に収容された
ハイブリダイゼーションバッファとプローブ容積の混合
溶液が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された
多数の吸着性領域4のみを横切って、図22において、
矢印Aで示される方向および矢印Bで示される方向に、
繰り返し、強制的に流動されると、コントローラ123
により、一対の超音波振動子122a、122bの振動
が停止される。
【0475】このように、本実施態様においては、ハイ
ブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液
が、反応容器120内に保持されている生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4を、
繰り返し、横切って、強制的に流動させられるから、ハ
イブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶
液に含まれている生体由来の物質を、単に、対流あるい
は拡散によって移動させ、生化学解析用ユニット1の多
数の吸着性領域4に吸着された特異的結合物質とハイブ
リダイズさせる場合に比して、生化学解析用ユニット1
の吸着性領域4内における生体由来の物質の移動速度を
大幅に増大させることができ、したがって、ハイブリダ
イゼーションの反応速度を大幅に向上させることが可能
になり、さらには、ハイブリダイゼーションバッファと
プローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質
が、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4の深
い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大
幅に増大させることができるから、所望のように、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性
領域4に吸着されている特異的結合物質に、ハイブリダ
イゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含ま
れている生体由来の物質をハイブリダイズさせることが
可能になる。
【0476】次いで、バルブ125が開かれて、反応容
器120内に収容されていたハイブリダイゼーションバ
ッファとプローブ溶液の混合溶液が、溶液排出通路12
4を介して、排出され、溶液回収タンク(図示せず)内
に回収される。
【0477】ハイブリダイゼーションバッファとプロー
ブ容積の混合溶液が、反応容器120から排出される
と、バルブ125が閉じられる。
【0478】次いで、蓋部材120aが開かれて、洗浄
溶液が、反応容器120内に注がれる。
【0479】洗浄溶液が、反応容器120内に収容され
ると、蓋部材120aが閉じられ、コントローラ123
によって、超音波振動子122aが振動される。
【0480】その結果、反応容器120内に収容された
洗浄溶液中に、超音波が生成され、それに伴って、図2
2において、矢印Aで示される方向に、洗浄溶液の流れ
が生成される。
【0481】したがって、洗浄溶液は、生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のみ
を横切って、図22において、矢印Aで示される方向
に、強制的に流動される。
【0482】その結果、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4が、洗浄溶液によっ
て、洗浄される。
【0483】ここに、洗浄溶液を、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のみを横
切って、流動させるためには、40KHz以上の周波数
を有する超音波を発生させることが好ましく、400K
Hz以上の周波数を有する超音波を発生させると、さら
に好ましい。
【0484】第二の所定時間よりも短い第三の所定時間
が経過すると、コントローラ123は、超音波振動子1
22aの振動を停止させ、次いで、超音波振動子122
bを、振動させる。
【0485】ここに、第二の所定時間よりも短い第三の
所定時間の経過後に、超音波振動子122aの振動を停
止させているのは、洗浄溶液を、長時間にわたって、繰
り返し、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に供給
すると、洗浄によって、吸着性領域4から剥離された特
異的結合物質にハイブリダイズされるべきではない生体
由来の物質が、吸着性領域4に再結合するおそれがある
からである。
【0486】その結果、反応容器120内に収容された
洗浄溶液中に、超音波が生成され、それに伴って、図2
2において、矢印Bで示される方向に、洗浄溶液の流れ
が生成される。
【0487】したがって、洗浄溶液は、生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のみ
を横切って、図22において、矢印Bで示される方向
に、強制的に流動される。
【0488】第三の所定時間が経過すると、コントロー
ラ123は、超音波振動子122bの振動を停止させ、
次いで、超音波振動子122aを振動させる。
【0489】その結果、反応容器120内に収容された
洗浄溶液中に、超音波が生成され、それに伴って、図2
2において、矢印Aで示される方向に、洗浄溶液の流れ
が生成され、洗浄溶液は、生化学解析用ユニット1に形
成された多数の吸着性領域4のみを横切って、図22に
おいて、矢印Aで示される方向に、強制的に流動され
る。
【0490】こうして、所定の回数にわたって、一対の
超音波振動子122a、122bが、コントローラ12
3によって、振動され、反応容器120内に収容された
洗浄溶液が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた多数の吸着性領域4のみを横切って、図22におい
て、矢印Aで示される方向および矢印Bで示される方向
に、繰り返し、強制的に流動されると、コントローラ1
23により、一対の超音波振動子122a、122bの
振動が停止される。
【0491】このように、本実施態様においては、洗浄
溶液が、反応容器120内に収容されている生化学解析
用ユニットの基板2に形成された多数の吸着性領域4
を、繰り返し、横切って、強制的に流動させられるか
ら、ハイブリダイゼーションの工程で、生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に吸
着されている特異的結合物質にハイブリダイズされるべ
きでない生体由来の物質が、生化学解析用ユニット1の
吸着性領域4に結合されていても、吸着性領域4に吸着
されている特異的結合物質にハイブリダイズされるべき
ではない生体由来の物質を、生化学解析用ユニット1の
多数の吸着性領域4から、効果的に剥離させ、除去する
ことが可能になり、洗浄効率を大幅に向上させることが
できる。
【0492】次いで、バルブ125が開かれて、反応容
器120内に収容されていた洗浄溶液が、溶液排出通路
124を介して、排出され、溶液回収タンク(図示せ
ず)内に回収される。
【0493】洗浄溶液が、反応容器120から排出され
ると、バルブ125が閉じられる。
【0494】以上のようにして、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に、放射性
標識物質の放射線データおよび蛍光色素などの蛍光物質
の蛍光データが記録される。
【0495】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された蛍光データは、前記実施態様と同様に
して、図6ないし図13に示されたスキャナによって読
み取られ、生化学解析用データが生成される。
【0496】一方、生化学解析用ユニットの多数の吸着
性領域4に記録された放射線データは、前記実施態様と
同様にして、図4に示された蓄積性蛍光体シート15の
多数の輝尽性蛍光体層領域17に転写され、図6ないし
図13に示されたスキャナによって読み取られて、生化
学解析用データが生成される。
【0497】これに対して、生化学解析用ユニット1の
基板2に形成された多数の吸着性領域4に、化学発光デ
ータを記録するためには、さらに、化学発光基質と接触
させることによって化学発光を生じさせる酵素によって
標識されたジゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体
を含む抗体溶液が調製されて、反応容器120内に注が
れ、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質に、選
択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識し
ているジゴキシゲニンなどのハプテンに、抗原抗体反応
によって、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる性質を有する酵素によって標識された
ハプテンに対する抗体が結合される。
【0498】すなわち、まず、化学発光基質と接触させ
ることによって化学発光を生じさせる酵素によって標識
されたジゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体を含
む抗体溶液が調製され、蓋部材120aが開かれて、反
応容器120内に注がれる。
【0499】抗体溶液が、反応容器120内に収容され
ると、蓋部材120aが閉じられ、コントローラ123
によって、超音波振動子122aが振動される。
【0500】その結果、反応容器120内に収容された
抗体溶液中に、超音波が生成され、それに伴って、図2
2において、矢印Aで示される方向に、抗体溶液の流れ
が生成される。
【0501】したがって、抗体溶液は、生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のみ
を横切って、図22において、矢印Aで示される方向
に、強制的に流動される。
【0502】その結果、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4に含まれている特異
的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由
来の物質を標識しているジゴキシゲニンなどのハプテン
と、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる酵素によって標識されているハプテンに対す
る抗体とが、抗原抗体反応によって、結合される。
【0503】ここに、抗体溶液を、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のみを横
切って、流動させるためには、40KHz以上の周波数
を有する超音波を発生させることが好ましく、400K
Hz以上の周波数を有する超音波を発生させると、さら
に好ましい。
【0504】第四の所定時間が経過すると、コントロー
ラ123は、超音波振動子122aの振動を停止させ、
次いで、超音波振動子122bを、振動させる。
【0505】その結果、反応容器120内に収容された
抗体溶液中に、超音波が生成され、それに伴って、図2
2において、矢印Bで示される方向に、洗浄溶液の流れ
が生成される。
【0506】したがって、抗体溶液は、生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のみ
を横切って、図22において、矢印Bで示される方向
に、強制的に流動される。
【0507】第四の所定時間が経過すると、コントロー
ラ123は、超音波振動子122bの振動を停止させ、
次いで、超音波振動子122aを振動させる。
【0508】その結果、反応容器120内に収容された
抗体溶液中に、超音波が生成され、それに伴って、図2
2において、矢印Aで示される方向に、抗体溶液の流れ
が生成され、抗体溶液は、生化学解析用ユニット1に形
成された多数の吸着性領域4のみを横切って、図22に
おいて、矢印Aで示される方向に、強制的に流動され
る。
【0509】こうして、所定の回数にわたって、一対の
超音波振動子122a、122bが、コントローラ12
3によって、振動され、反応容器120内に収容された
抗体溶液が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた多数の吸着性領域4のみを横切って、図22におい
て、矢印Aで示される方向および矢印Bで示される方向
に、繰り返し、強制的に流動されると、コントローラ1
23により、一対の超音波振動子122a、122bの
振動が停止される。
【0510】このように、本実施態様においては、抗体
溶液が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された
多数の吸着性領域4を、繰り返し、横切って、強制的に
流動させられるから、生化学解析用ユニット1の吸着性
領域4内における抗体の移動速度を大幅に増大させるこ
とができ、したがって、抗原抗体反応の反応速度を大幅
に向上させることが可能になり、さらには、抗体溶液に
含まれているハプテンに対する抗体が、吸着性領域4の
深い部分に含まれている特異的結合物質に、選択的に、
ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識しているハ
プテンと出会う確率を大幅に増大させることができるか
ら、所望のように、抗体溶液に含まれたハプテンに対す
る抗体と、生化学解析用ユニット1の基板2に形成され
た吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質に、選
択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識し
ているハプテンとを、抗原抗体反応によって、結合させ
ることが可能になる。
【0511】次いで、バルブ125が開かれて、反応容
器120内に収容されていた抗体溶液が、溶液排出通路
124を介して、排出され、溶液回収タンク(図示せ
ず)内に回収される。
【0512】抗体溶液が、反応容器120から排出され
ると、バルブ125が閉じられる。
【0513】次いで、蓋部材120aが開かれて、洗浄
溶液が、反応容器120内に注がれる。
【0514】洗浄溶液が、反応容器120内に収容され
ると、蓋部材120aが閉じられ、コントローラ123
によって、超音波振動子122aが振動される。
【0515】その結果、反応容器120内に収容された
洗浄溶液中に、超音波が生成され、それに伴って、図2
2において、矢印Aで示される方向に、洗浄溶液の流れ
が生成される。
【0516】したがって、洗浄溶液は、生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のみ
を横切って、図22において、矢印Aで示される方向
に、強制的に流動される。
【0517】その結果、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4が、洗浄溶液によっ
て、洗浄される。
【0518】第四の所定時間よりも短い第五の所定時間
が経過すると、コントローラ123は、超音波振動子1
22aの振動を停止させ、次いで、超音波振動子122
bを、振動させる。
【0519】ここに、第四の所定時間よりも短い第五の
所定時間の経過後に、超音波振動子122aの振動を停
止させているのは、洗浄溶液を、長時間にわたって、繰
り返し、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に供給
すると、洗浄によって、吸着性領域4から剥離された吸
着性領域4に含まれている特異的結合物質に、選択的
に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識してい
るハプテンに結合されるべきではない生体由来の物質
が、吸着性領域4に再結合するおそれがあるからであ
る。
【0520】その結果、反応容器120内に収容された
洗浄溶液中に、超音波が生成され、それに伴って、図2
2において、矢印Bで示される方向に、洗浄溶液の流れ
が生成される。
【0521】したがって、洗浄溶液は、生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のみ
を横切って、図22において、矢印Bで示される方向
に、強制的に流動される。
【0522】第五の所定時間が経過すると、コントロー
ラ123は、超音波振動子122bの振動を停止させ、
次いで、超音波振動子122aを振動させる。
【0523】その結果、反応容器120内に収容された
洗浄溶液中に、超音波が生成され、それに伴って、図2
2において、矢印Aで示される方向に、洗浄溶液の流れ
が生成され、洗浄溶液は、生化学解析用ユニット1に形
成された多数の吸着性領域4のみを横切って、図22に
おいて、矢印Aで示される方向に、強制的に流動され
る。
【0524】こうして、所定の回数にわたって、一対の
超音波振動子122a、122bが、コントローラ12
3によって、振動され、反応容器120内に収容された
洗浄溶液が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた多数の吸着性領域4のみを横切って、図22におい
て、矢印Aで示される方向および矢印Bで示される方向
に、繰り返し、強制的に流動されると、コントローラ1
23により、一対の超音波振動子122a、122bの
振動が停止される。
【0525】このように、本実施態様においては、洗浄
溶液が、反応容器120内に収容されている生化学解析
用ユニットの基板2に形成された多数の吸着性領域4
を、繰り返し、横切って、強制的に流動させられるか
ら、抗原抗体反応の過程で、生化学解析用ユニット1の
吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質に選択的
にハイブリダイズされた生体由来の物質を標識している
ハプテンに結合されるべきでない抗体が、生化学解析用
ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4に結合し
ていても、ハプテンに結合されるべきでない抗体を、生
化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4から、効果
的に剥離させ、除去することが可能になり、洗浄効率を
大幅に向上させることができる。
【0526】次いで、バルブ125が開かれて、反応容
器120内に収容されていた洗浄溶液が、溶液排出通路
124を介して、排出され、溶液回収タンク(図示せ
ず)内に回収される。
【0527】洗浄溶液が、反応容器120から排出され
ると、バルブ125が閉じられる。
【0528】以上のようにして、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に、化学発
光データが記録される。
【0529】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された化学発光データは、前記実施態様と同
様にして、図14に示された蓄積性蛍光体シート75の
多数の輝尽性蛍光体層領域77に転写されて、図15な
いし図17に示されたスキャナによって、読み取られ、
あるいは、図18ないし図21に示されたデータ生成シ
ステムの冷却CCDカメラによって読み取られて、生化
学解析用データが生成される。
【0530】本実施態様によれば、コントローラ123
によって、超音波振動子122a、122bが交互に振
動されて、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ
溶液の混合溶液中に、超音波が生成され、生成された超
音波によって、ハイブリダイゼーションバッファとプロ
ーブ溶液の混合溶液が、反応容器120内にセットされ
た生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切
るように、強制的に流動されて、ハイブリダイゼーショ
ンが実行されるから、ハイブリダイゼーションバッファ
とプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物
質を、単に、対流あるいは拡散によって移動させ、生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に吸着された
特異的結合物質とハイブリダイズさせる場合に比して、
生化学解析用ユニット1の吸着性領域4内における生体
由来の物質の移動速度を大幅に増大させることができ、
したがって、ハイブリダイゼーションの反応速度を大幅
に向上させることが可能になり、さらには、ハイブリダ
イゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含ま
れている生体由来の物質が、生化学解析用ユニット1の
多数の吸着性領域4の深い部分に含まれている特異的結
合物質と出会う確率を大幅に増大させることができるか
ら、所望のように、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された多数の吸着性領域4に吸着されている特異的
結合物質に、ハイブリダイゼーションバッファとプロー
ブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質をハイ
ブリダイズさせることが可能になる。
【0531】また、本実施態様によれば、コントローラ
123により、超音波振動子122a、122bが、交
互に振動されて、ハイブリダイゼーションバッファとプ
ローブ溶液の混合溶液中に、向きの異なる超音波が、交
互に生成され、生成された超音波によって、ハイブリダ
イゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液が、反
応容器120内にセットされた生化学解析用ユニット1
の多数の吸着性領域4を、異なる方向に、繰り返し、横
切るように、強制的に流動されるから、ハイブリダイゼ
ーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含まれて
いる生体由来の物質が、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4の深い部分に含まれている特異的結合物
質と出会う確率をより一層増大させることができ、した
がって、所望のように、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4に吸着されている特
異的結合物質に、ハイブリダイゼーションバッファとプ
ローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質を
ハイブリダイズさせることが可能になる。
【0532】さらに、本実施態様によれば、コントロー
ラ123によって、超音波振動子122a、122bが
交互に振動されて、抗体溶液中に、超音波が生成され、
生成された超音波によって、抗体溶液が、反応容器12
0内にセットされた生化学解析用ユニット1の多数の吸
着性領域4を横切るように、強制的に流動されて、抗原
抗体反応が実行されるから、生化学解析用ユニット1の
吸着性領域4内における抗体の移動速度を大幅に増大さ
せることができ、したがって、抗原抗体反応の反応速度
を大幅に向上させることが可能になり、さらには、抗体
溶液に含まれているハプテンに対する抗体が、吸着性領
域4の深い部分に含まれている特異的結合物質に、選択
的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識して
いるハプテンと出会う確率を大幅に増大させることがで
きるから、所望のように、抗体溶液に含まれたハプテン
に対する抗体と、生化学解析用ユニット1の基板2に形
成された吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質
に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を
標識しているハプテンとを、抗原抗体反応によって、結
合させることが可能になる。
【0533】また、本実施態様によれば、コントローラ
123により、超音波振動子122a、122bが、交
互に振動されて、抗体溶液中に、向きの異なる超音波
が、交互に生成され、生成された超音波によって、抗体
溶液が、反応容器120内にセットされた生化学解析用
ユニット1の多数の吸着性領域4を、異なる方向に、繰
り返し、横切るように、強制的に流動されるから、抗体
溶液に含まれているハプテンに対する抗体が、吸着性領
域4の深い部分に含まれている特異的結合物質に、選択
的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識して
いるハプテンと出会う確率をより一層増大させることが
でき、したがって、所望のように、抗体溶液に含まれた
ハプテンに対する抗体と、生化学解析用ユニット1の基
板2に形成された吸着性領域4に吸着されている特異的
結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来
の物質を標識しているハプテンとを、抗原抗体反応によ
って、結合させることが可能になる。
【0534】さらに、本実施態様によれば、コントロー
ラ123によって、超音波振動子122a、122bが
交互に振動されて、洗浄溶液中に、超音波が生成され、
生成された超音波によって、洗浄溶液が、反応容器12
0内にセットされた生化学解析用ユニット1の多数の吸
着性領域4を横切るように、強制的に流動されて、洗浄
操作が実行されるから、ハイブリダイゼーションの工程
で、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質にハイ
ブリダイズされるべきでない生体由来の物質が、生化学
解析用ユニット1の吸着性領域4に結合されていても、
吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質にハイブ
リダイズされるべきではない生体由来の物質を、生化学
解析用ユニット1の多数の吸着性領域4から、効果的に
剥離させ、除去することができ、また、抗原抗体反応の
過程で、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に吸着
されている特異的結合物質に選択的にハイブリダイズさ
れた生体由来の物質を標識しているハプテンに結合され
るべきでない抗体が、生化学解析用ユニット1の基板2
に形成された吸着性領域4に結合していても、ハプテン
に結合されるべきでない抗体を、生化学解析用ユニット
1の多数の吸着性領域4から、効果的に剥離させ、除去
することができ、したがって、洗浄効率を大幅に向上さ
せることができる。
【0535】また、本実施態様によれば、コントローラ
123により、超音波振動子122a、122bが、交
互に振動されて、洗浄溶液中に、向きの異なる超音波
が、交互に生成され、生成された超音波によって、洗浄
溶液が、反応容器120内にセットされた生化学解析用
ユニット1の多数の吸着性領域4を、異なる方向に、繰
り返し、横切るように、強制的に流動されるから、ハイ
ブリダイゼーションの工程で、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された多数の吸着性領域4に吸着されて
いる特異的結合物質にハイブリダイズされるべきでない
生体由来の物質が、生化学解析用ユニット1の吸着性領
域4に結合されていても、吸着性領域4に吸着されてい
る特異的結合物質にハイブリダイズされるべきではない
生体由来の物質を、生化学解析用ユニット1の多数の吸
着性領域4から、より一層効果的に剥離させ、除去する
ことができ、また、抗原抗体反応の過程で、生化学解析
用ユニット1の吸着性領域4に吸着されている特異的結
合物質に選択的にハイブリダイズされた生体由来の物質
を標識しているハプテンに結合されるべきでない抗体
が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着
性領域4に結合していても、ハプテンに結合されるべき
でない抗体を、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性
領域4から、効果的に剥離させ、除去することができ、
したがって、洗浄効率を大幅に向上させることができ
る。
【0536】さらに、本実施態様によれば、コントロー
ラ123によって、超音波振動子122a、122bが
交互に振動されて、ハイブリダイゼーションバッファと
プローブ溶液の混合溶液中に、超音波が生成され、生成
された超音波によって、ハイブリダイゼーションバッフ
ァとプローブ溶液の混合溶液が、反応容器120内にセ
ットされた生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4を横切るように、強制的に流動されて、ハイブリダイ
ゼーションが実行され、コントローラ123によって、
超音波振動子122a、122bが交互に振動されて、
洗浄溶液中に、超音波が生成され、生成された超音波に
よって、洗浄溶液が、反応容器120内にセットされた
生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切る
ように、強制的に流動されて、洗浄操作が実行されるよ
うに構成されているから、実験者が異なっても、ハイブ
リダイゼーションの結果にばらつきが生ずることを確実
に防止することができ、また、ハイブリダイゼーション
の再現性を大幅に向上させることが可能になる。
【0537】また、本実施態様によれば、コントローラ
123によって、超音波振動子122a、122bが交
互に振動されて、抗体溶液中に、超音波が生成され、生
成された超音波によって、抗体溶液が、反応容器120
内にセットされた生化学解析用ユニット1の多数の吸着
性領域4を横切るように、強制的に流動されて、ハイブ
リダイゼーションが実行され、コントローラ123によ
って、超音波振動子122a、122bが交互に振動さ
れて、洗浄溶液中に、超音波が生成され、生成された超
音波によって、洗浄溶液が、反応容器120内にセット
された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を
横切るように、強制的に流動されて、洗浄操作が実行さ
れるように構成されているから、実験者が異なっても、
抗原抗体反応の結果にばらつきが生ずることを確実に防
止することができ、また、抗原抗体反応の再現性を大幅
に向上させることが可能になる。
【0538】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の多数の吸着性領域4が、ステンレス鋼製
の基板2に形成された多数の貫通孔3内に、ナイロン6
が充填されて形成されているから、ハイブリダイゼーシ
ョンバッファ、ハイブリダイゼーションバッファとプロ
ーブ溶液の混合溶液、抗体溶液および洗浄溶液は、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性
領域4のみを横切って、強制的に流動され、したがっ
て、ハイブリダイゼーションの効率、抗原抗体反応の効
率および洗浄効率を、大幅に向上させることが可能にな
る。
【0539】図23は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかるリセプター・リガンド会合反応装置の略縦断面
図である。
【0540】図23に示されるように、本実施態様にか
かるリセプター・リガンド会合反応装置は、生化学解析
用ユニット1を保持するステージ130と、それぞれの
開口端部が、ステージ130に保持された生化学解析用
ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4の
それぞれに対向するように配置された多数のキャピラリ
ー131と、キャピラリー131ごとに設けられ、キャ
ピラリー131内を流れる溶液の温度を制御する多数の
温度制御ユニット132と、それぞれの開口部が、ステ
ージ130に保持された生化学解析用ユニット1の吸着
性領域4を介して、キャピラリー131のそれぞれの開
口部に対向するように配置された溶液回収用キャピラリ
ー133と、断熱材によって構成された断熱ユニット1
35を備えている。
【0541】図23においては図示されていないが、本
実施態様において、温度制御ユニット132は、ヒータ
とペルチェ素子を含んでいる。
【0542】図23に示されるように、多数のキャピラ
リー131は、それぞれ、温度制御ユニット132とス
テージ130との間において、断熱ユニット135内に
配置されている。
【0543】図23に示されるように、各キャピラリー
131の開口端部と反対側の端部は、溶液供給管140
に接続され、溶液供給管140は、第1の分岐管140
a、第2の分岐管140bおよび第3の分岐管140c
に分岐されている。
【0544】第1の分岐管140aは、ハイブリダイゼ
ーションバッファを収容するハイブリダイゼーションバ
ッファタンク141に接続され、第2の分岐管140b
は、抗体溶液を収容する抗体溶液タンク142に接続さ
れている。
【0545】また、第3の分岐管140cは、洗浄溶液
を収容する洗浄溶液タンク143に接続されている。
【0546】第1の分岐管140a、第2の分岐管14
0bおよび第3の分岐管140cには、それぞれ、バル
ブ141a、142aおよび143aが設けられてい
る。
【0547】以上のように構成された本実施態様にかか
るリセプター・リガンド会合反応装置においては、次の
ようにして、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に含まれた特異的結合物質に、標識物質によって標
識され、プローブ溶液に含まれた生体由来の物質が、選
択的に、ハイブリダイズされる。
【0548】まず、特異的結合物質が、多数の吸着性領
域4に吸着されている生化学解析用ユニット1が、ステ
ージ130にセットされ、ハイブリダイゼーションバッ
ファが調製されて、ハイブリダイゼーションバッファタ
ンク141内に収容される。
【0549】次いで、各キャピラリー131の温度制御
ユニット132の制御温度が設定される。
【0550】ここに、生化学解析用ユニット1の吸着性
領域4のそれぞれに吸着されている特異的結合物質の種
類は既知であり、各吸着性領域4に吸着されている特異
的結合物質の種類に応じて、対応するキャピラリー13
1の温度制御ユニット132の制御温度が設定される。
【0551】生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に
吸着されているプローブDNAに対し、ハイブリダイゼ
ーションによって、プローブDNAの鎖長に対応する鎖
長を有するターゲットDNAがハイブリダイズされる
が、吸着性領域4に吸着されているプローブDNAの鎖
長が長いときには、ハイブリダイゼーション時の反応温
度が高くなるように、制御しないと、プローブDNA
に、一旦、ハイブリダイズしたターゲットDNAが剥離
しやすく、逆に、吸着性領域4に吸着されているプロー
ブDNAの鎖長が短いときは、ハイブリダイゼーション
時の温度を低くなるように、制御しないと、プローブD
NAに、一旦、ハイブリダイズしたターゲットDNAが
剥離しやすいため、本実施態様においては、生化学解析
用ユニット1の吸着性領域4に吸着しているプローブD
NAの鎖長が長いときには、対応するキャピラリー13
1の温度制御ユニット132の制御温度が高い値に設定
され、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に吸着し
ているプローブDNAの鎖長が短いときには、対応する
キャピラリー131の温度制御ユニット132の制御温
度が低い値に設定される。
【0552】次いで、バルブ142aおよびバルブ14
3aを閉じたまま、バルブ141aが開かれる。
【0553】その結果、ハイブリダイゼーションバッフ
ァタンク141内に収容されているハイブリダイゼーシ
ョンバッファが、第1の分岐管140aおよび溶液供給
管140を介して、各キャピラリー131に供給され
る。
【0554】各キャピラリー131に供給されたハイブ
リダイゼーションバッファは、それぞれ、温度制御ユニ
ット132によって、所定の温度に制御されて、ステー
ジ130に保持されている生化学解析用ユニット1の対
応する吸着性領域4に供給される。
【0555】その結果、プレハイブリダイゼーションが
実行される。
【0556】ハイブリダイゼーションバッファは、それ
ぞれ、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4を透過し
て、対応する溶液回収用キャピラリー133内に流入
し、回収される。
【0557】回収されたハイブリダイゼーションバッフ
ァは、ハイブリダイゼーションバッファタンク141に
リサイクルされ、同様にして、所定の時間にわたって、
プレハイブリダイゼーションが実行される。
【0558】こうして、プレハイブリダイゼーションが
完了すると、プローブ溶液が調製され、ハイブリダイゼ
ーションバッファタンク141内に収容されているハイ
ブリダイゼーションバッファに混合される。
【0559】本実施態様においても、放射性標識物質に
よって標識された生体由来の物質、蛍光物質によって標
識された生体由来の物質およびジゴキシゲニンなどのハ
プテンによって標識された生体由来の物質を含むプロー
ブ溶液が調製されて、ハイブリダイゼーションバッファ
タンク141内に収容されているハイブリダイゼーショ
ンバッファに混合される。
【0560】その結果、ハイブリダイゼーションバッフ
ァとプローブ溶液の混合溶液が、分岐管140aおよび
溶液供給管140を介して、各キャピラリー131に供
給される。
【0561】各キャピラリー131に供給されたハイブ
リダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液
は、それぞれ、温度制御ユニット132によって、所定
の温度に制御されて、ステージ130に保持されている
生化学解析用ユニット1の対応する吸着性領域4に供給
される。
【0562】その結果、ハイブリダイゼーションバッフ
ァとプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の
物質が、選択的に、生化学解析用ユニット1の多数の吸
着性領域4に吸着されている特異的結合物質にハイブリ
ダイズされる。
【0563】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の各吸着性領域4に吸着されている特異
的結合物質の種類に応じて、温度制御ユニット132に
より、対応するキャピラリー131を介して、供給され
るハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混
合溶液の温度が制御されているから、生化学解析用ユニ
ット1の吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質
に、一旦、ハイブリダイズした生体由来の物質が、特異
的結合物質から剥離することを効果的に防止することが
でき、したがって、生化学解析の精度を向上させること
が可能になる。
【0564】ハイブリダイゼーションバッファとプロー
ブ溶液の混合溶液は、それぞれ、生化学解析用ユニット
1の吸着性領域4を透過して、対応する溶液回収用キャ
ピラリー133内に流入し、回収される。
【0565】回収されたハイブリダイゼーションバッフ
ァとプローブ溶液の混合溶液は、ハイブリダイゼーショ
ンバッファタンク141にリサイクルされ、同様にし
て、所定の時間にわたって、ハイブリダイゼーションが
実行される。
【0566】このように、本実施態様においては、ハイ
ブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液
が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4を、繰り返し、横切って、流動させられ
るから、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶
液の混合溶液に含まれている生体由来の物質を、単に、
対流あるいは拡散によって移動させ、生化学解析用ユニ
ット1の多数の吸着性領域4に吸着された特異的結合物
質とハイブリダイズさせる場合に比して、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4内における生体由来の物質の
移動速度を大幅に増大させることができ、したがって、
ハイブリダイゼーションの反応速度を大幅に向上させる
ことが可能になり、さらには、ハイブリダイゼーション
バッファとプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体
由来の物質が、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性
領域4の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会
う確率を大幅に増大させることができるから、所望のよ
うに、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多
数の吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質に、
ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合
溶液に含まれている生体由来の物質をハイブリダイズさ
せることが可能になる。
【0567】こうして、所定の時間が経過し、ハイブリ
ダイゼーションが完了すると、バルブ141aが閉じら
れ、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に吸着され
た特異的結合物質に、本来、ハイブリダイズするべきで
はないももかからわず、特異的結合物質に結合している
生体由来の物質を、生化学解析用ユニット1の吸着性領
域4から剥離させて、除去するために、洗浄が開始され
る。
【0568】洗浄にあたっては、洗浄溶液が調製され
て、洗浄溶液タンク143に収容される。
【0569】次いで、バルブ143aが開かれて、洗浄
溶液タンク143に収容されている洗浄溶液が、分岐管
140cおよび溶液供給管140を介して、各キャピラ
リー131に供給される。
【0570】洗浄に際しても、各キャピラリー131の
温度制御ユニット132の制御温度が、ハイブリダイゼ
ーション時と同様に、生化学解析用ユニット1の対応す
る吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質の種類
に応じて、設定され、各キャピラリー131中を流れる
洗浄溶液の温度が制御される。
【0571】このように、本実施態様においては、生化
学解析用ユニット1の吸着性領域4のそれぞれに吸着さ
れている特異的結合物質の種類に応じて、温度制御ユニ
ット132により、対応するキャピラリー131を介し
て、供給されるハイブリダイゼーションバッファ、ハイ
ブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液
および洗浄溶液の温度が制御されているから、生化学解
析用ユニット1の吸着性領域4のそれぞれに吸着されて
いる特異的結合物質にハイブリダイズしている本来的に
結合されるべき生体由来の物質が、特異的結合物質から
剥離することを効果的に防止することができ、その一方
で、ハイブリダイゼーションの工程で、生化学解析用ユ
ニット1の吸着性領域4のそれぞれに吸着されている特
異的結合物質に、本来、ハイブリダイズされるべきでな
い生体由来の物質が結合されていても、最適な温度に制
御された洗浄溶液によって、生化学解析用ユニット1の
各吸着性領域4を洗浄することにより、効果的に剥離さ
せ、除去することが可能になり、したがって、生化学解
析用ユニット1の吸着性領域4のそれぞれに吸着されて
いる特異的結合物質に、所望のように、本来的に結合さ
れるべき生体由来の物質をハイブリダイズさせることが
可能になる。
【0572】洗浄溶液は、それぞれ、生化学解析用ユニ
ット1の吸着性領域4を透過して、対応する溶液回収用
キャピラリー133内に流入する。
【0573】このように、本実施態様においては、洗浄
溶液が、生化学解析用ユニットの基板2に形成された多
数の吸着性領域4を、繰り返し、横切って、流動させら
れるから、ハイブリダイゼーションの工程で、生化学解
析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域
4に吸着されている特異的結合物質にハイブリダイズさ
れるべきでない生体由来の物質が、生化学解析用ユニッ
ト1の吸着性領域4に結合されていても、吸着性領域4
に吸着されている特異的結合物質にハイブリダイズされ
るべきではない生体由来の物質を、生化学解析用ユニッ
ト1の多数の吸着性領域4から、効果的に剥離させ、除
去することが可能になり、洗浄効率を大幅に向上させる
ことができる。
【0574】生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に
吸着されている特異的結合物質に、本来、ハイブリダイ
ズされるべきでないにもかかわらず、特異的結合物質
に、一旦、結合し、洗浄溶液によって剥離された生体由
来の物質が、再び、生化学解析用ユニット1の吸着性領
域4に吸着されている特異的結合物質に結合することを
防止するために、洗浄溶液は、洗浄溶液タンク143に
リサイクルされることなく、回収される。
【0575】所定の時間が経過すると、バルブ143a
が閉じられ、洗浄操作が完了する。
【0576】以上のようにして、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に、放射性
標識物質の放射線データおよび蛍光色素などの蛍光物質
の蛍光データが記録される。
【0577】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された蛍光データは、前記実施態様と同様に
して、図6ないし図13に示されたスキャナによって読
み取られ、生化学解析用データが生成される。
【0578】一方、生化学解析用ユニットの多数の吸着
性領域4に記録された放射線データは、前記実施態様と
同様にして、図4に示された蓄積性蛍光体シート15の
多数の輝尽性蛍光体層領域17に転写され、図6ないし
図13に示されたスキャナによって読み取られて、生化
学解析用データが生成される。
【0579】これに対して、生化学解析用ユニット1の
基板2に形成された多数の吸着性領域4に、化学発光デ
ータを記録するためには、さらに、化学発光基質と接触
させることによって化学発光を生じさせる酵素によって
標識されたジゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体
を含む抗体溶液が調製されて、キャピラリー131を介
して、ステージ130にセットされた生化学解析用ユニ
ット1の各吸着性領域4に供給され、生化学解析用ユニ
ット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に吸着
されている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイ
ズされた生体由来の物質を標識しているジゴキシゲニン
などのハプテンに、抗原抗体反応によって、化学発光基
質と接触させることによって化学発光を生じさせる性質
を有する酵素によって標識されたハプテンに対する抗体
が結合される。
【0580】すなわち、まず、化学発光基質と接触させ
ることによって化学発光を生じさせる酵素によって標識
されたジゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体を含
む抗体溶液が調製され、抗体溶液タンク142内に収容
される。
【0581】次いで、バルブ141aおよびバルブ14
3aが閉じられたまま、バルブ142aが開かれる。
【0582】その結果、抗体溶液タンク142内に収容
されている抗体溶液が、分岐管140bおよび溶液供給
管140を介して、各キャピラリー131に供給され
る。
【0583】各キャピラリー131に供給された抗体溶
液は、それぞれ、温度制御ユニット132によって、所
定の温度に制御されて、ステージ130に保持されてい
る生化学解析用ユニット1の対応する吸着性領域4に供
給される。本実施態様においては、生化学解析用ユニッ
ト1の各吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質
に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を
標識しているハプテンの種類に応じて、対応する温度制
御ユニット132の制御温度が決定されるように構成さ
れている。
【0584】その結果、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4に含まれている特異
的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由
来の物質を標識しているジゴキシゲニンなどのハプテン
と、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる酵素によって標識されているハプテンに対す
る抗体とが、抗原抗体反応によって、結合される。
【0585】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の吸着性領域4のそれぞれに吸着されて
いる特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされ
た生体由来の物質を標識しているハプテンの種類に応じ
て、温度制御ユニット132により、対応するキャピラ
リー131を介して、供給される抗体溶液の温度が制御
されているから、一旦、抗原抗体反応によって、生化学
解析用ユニット1の各吸着性領域4に吸着されている特
異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体
由来の物質を標識しているハプテンに結合した化学発光
基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵
素によって標識されているハプテンに対する抗体が、ハ
プテンから剥離することを効果的に防止することがで
き、したがって、生化学解析の精度を向上させることが
可能になる。
【0586】抗体溶液は、それぞれ、生化学解析用ユニ
ット1の吸着性領域4を透過して、対応する溶液回収用
キャピラリー133内に流入し、回収される。
【0587】回収された抗体溶液は、ハイブリダイゼー
ションバッファタンク141にリサイクルされ、同様に
して、所定の時間にわたって、抗原抗体反応が実行され
る。
【0588】このように、本実施態様においては、抗体
溶液が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された
多数の吸着性領域4を、繰り返し、横切って、流動させ
られるから、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4内
における抗体の移動速度を大幅に増大させることがで
き、したがって、抗原抗体反応の反応速度を大幅に向上
させることが可能になり、さらには、抗体溶液に含まれ
ているハプテンに対する抗体が、吸着性領域4の深い部
分に含まれている特異的結合物質に、選択的に、ハイブ
リダイズされた生体由来の物質を標識しているハプテン
と出会う確率を大幅に増大させることができるから、所
望のように、抗体溶液に含まれたハプテンに対する抗体
と、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着
性領域4に吸着されている特異的結合物質に、選択的
に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識してい
るハプテンとを、抗原抗体反応によって、結合させるこ
とが可能になる。
【0589】こうして、所定の時間が経過し、抗原抗体
反応が完了すると、バルブ142aが閉じられ、生化学
解析用ユニット1の吸着性領域4に吸着された特異的結
合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の
物質を標識しているハプテンに、本来、結合するべきで
はないにもかかわらず、結合しているハプテンに対する
抗体を、ハプテンから剥離させて、除去するために、洗
浄が開始される。
【0590】洗浄にあたっては、バルブ143aが開か
れて、洗浄溶液タンク143から、洗浄溶液が、分岐管
140cおよび溶液供給管140を介して、各キャピラ
リー131に供給される。
【0591】洗浄に際しても、各キャピラリー131の
温度制御ユニット132の制御温度が、抗原抗体反応時
と同様に、生化学解析用ユニット1の対応する吸着性領
域4に吸着されている特異的結合物質に、選択的に、ハ
イブリダイズされた生体由来の物質を標識しているハプ
テンの種類に応じて、設定され、各キャピラリー131
中を流れる洗浄溶液の温度が制御される。
【0592】このように、本実施態様においては、生化
学解析用ユニット1の吸着性領域4のそれぞれに吸着さ
れている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズ
された生体由来の物質を標識しているハプテンの種類に
応じて、温度制御ユニット132により、対応するキャ
ピラリー131を介して、供給される洗浄溶液の温度が
制御されているから、生化学解析用ユニット1の吸着性
領域4のそれぞれに吸着されている特異的結合物質に、
選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識
しているハプテンに結合されている抗原抗体反応によっ
て本来的に結合されるべきハプテンに対する抗体が、ハ
プテンから剥離することを効果的に防止することがで
き、その一方で、抗原抗体反応の過程で、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4に、生化学解析用ユニット1
の吸着性領域4のそれぞれに吸着されている特異的結合
物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物
質を標識しているハプテンに、本来、結合されるべきで
ないハプテンに対する抗体が結合されていても、最適な
温度に制御された洗浄溶液によって、生化学解析用ユニ
ット1の各吸着性領域4を洗浄することにより、ハプテ
ンに対する抗体を、生化学解析用ユニット1の吸着性領
域4から、効果的に剥離させ、除去することが可能にな
り、したがって、生化学解析用ユニット1の吸着性領域
4のそれぞれに吸着されている特異的結合物質に、選択
的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識して
いるハプテンに、所望のように、本来的に結合されるべ
きハプテンに対する抗体を、抗原抗体反応によって、結
合させることが可能になる。
【0593】洗浄溶液は、それぞれ、生化学解析用ユニ
ット1の吸着性領域4を透過して、対応する溶液回収用
キャピラリー133内に流入する。
【0594】生化学解析用ユニット1の吸着性領域4の
それぞれに吸着されている特異的結合物質に、選択的
に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識してい
るハプテンに、本来、結合されるべきでないにもかかわ
らず、ハプテンに、一旦、結合し、洗浄溶液によって剥
離されたハプテンに対する抗体が、再び、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4に吸着されている特異的結合
物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物
質を標識しているハプテンに結合することを防止するた
めに、洗浄溶液は、洗浄溶液タンク143にリサイクル
されることなく、回収される。
【0595】所定の時間が経過すると、バルブ143a
が閉じられ、洗浄操作が完了する。
【0596】以上のようにして、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に、化学発
光データが記録される。
【0597】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された化学発光データは、前記実施態様と同
様にして、図14に示された蓄積性蛍光体シート75の
多数の輝尽性蛍光体層領域77に転写されて、図15な
いし図17に示されたスキャナによって、読み取られ、
あるいは、図18ないし図21に示されたデータ生成シ
ステムの冷却CCDカメラによって読み取られて、生化
学解析用データが生成される。
【0598】本実施態様によれば、ハイブリダイゼーシ
ョンバッファとプローブ溶液の混合溶液が、生化学解析
用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4
を、繰り返し、横切って、強制的に流動させられるか
ら、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の
混合溶液に含まれている生体由来の物質を、単に、対流
あるいは拡散によって移動させ、生化学解析用ユニット
1の多数の吸着性領域4に吸着された特異的結合物質と
ハイブリダイズさせる場合に比して、生化学解析用ユニ
ット1の吸着性領域4内における生体由来の物質の移動
速度を大幅に増大させることができ、したがって、ハイ
ブリダイゼーションの反応速度を大幅に向上させること
が可能になり、さらには、ハイブリダイゼーションバッ
ファとプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来
の物質が、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確
率を大幅に増大させることができるから、所望のよう
に、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質に、ハ
イブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶
液に含まれている生体由来の物質をハイブリダイズさせ
ることが可能になる。
【0599】また、本実施態様によれば、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4のそれぞれに吸着されている
特異的結合物質の種類に応じて、温度制御ユニット13
2により、対応するキャピラリー131を介して、供給
されるハイブリダイゼーションバッファ、ハイブリダイ
ゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液および洗
浄溶液の温度が制御されているから、生化学解析用ユニ
ット1の吸着性領域4のそれぞれに吸着されている特異
的結合物質にハイブリダイズしている本来的に結合され
るべき生体由来の物質が、特異的結合物質から剥離する
ことを効果的に防止することができ、その一方で、ハイ
ブリダイゼーションの工程で、生化学解析用ユニット1
の吸着性領域4のそれぞれに吸着されている特異的結合
物質に、本来、ハイブリダイズされるべきでない生体由
来の物質が結合されていても、最適な温度に制御された
洗浄溶液によって、生化学解析用ユニット1の各吸着性
領域4を洗浄することにより、効果的に剥離させ、除去
することが可能になり、したがって、生化学解析用ユニ
ット1の吸着性領域4のそれぞれに吸着されている特異
的結合物質に、所望のように、本来的に結合されるべき
生体由来の物質をハイブリダイズさせることが可能にな
るから、生化学解析用データ中にノイズが生成されるこ
とを効果的に防止することができ、定量性に優れた生化
学解析用データを生成することが可能になる。
【0600】さらに、本実施態様によれば、洗浄溶液
が、生化学解析用ユニットの基板2に形成された多数の
吸着性領域4を、繰り返し、横切って、強制的に流動さ
せられるから、ハイブリダイゼーションの工程で、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性
領域4に吸着されている特異的結合物質にハイブリダイ
ズされるべきでない生体由来の物質が、生化学解析用ユ
ニット1の吸着性領域4に結合されていても、吸着性領
域4に吸着されている特異的結合物質にハイブリダイズ
されるべきではない生体由来の物質を、生化学解析用ユ
ニット1の多数の吸着性領域4から、効果的に剥離さ
せ、除去することが可能になり、洗浄効率を大幅に向上
させることができる。
【0601】また、本実施態様によれば、抗体溶液が、
生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸
着性領域4を、繰り返し、横切って、流動させられるか
ら、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4内における
抗体の移動速度を大幅に増大させることができ、したが
って、抗原抗体反応の反応速度を大幅に向上させること
が可能になり、さらには、抗体溶液に含まれているハプ
テンに対する抗体が、吸着性領域4の深い部分に含まれ
ている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズさ
れた生体由来の物質を標識しているハプテンと出会う確
率を大幅に増大させることができるから、所望のよう
に、抗体溶液に含まれたハプテンに対する抗体と、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4
に吸着されている特異的結合物質に、選択的に、ハイブ
リダイズされた生体由来の物質を標識しているハプテン
を、抗原抗体反応によって、結合させることが可能にな
る。
【0602】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の吸着性領域4のそれぞれに吸着されてい
る特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた
生体由来の物質を標識しているハプテンの種類に応じ
て、温度制御ユニット132により、対応するキャピラ
リー131を介して、供給される抗体溶液の温度が制御
されているから、一旦、抗原抗体反応によって、生化学
解析用ユニット1の各吸着性領域4に吸着されている特
異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体
由来の物質を標識しているハプテンに結合した化学発光
基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵
素によって標識されているハプテンに対する抗体が、ハ
プテンから剥離することを効果的に防止することがで
き、したがって、生化学解析の精度を向上させることが
可能になる。
【0603】また、本実施態様によれば、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4のそれぞれに吸着されている
特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生
体由来の物質を標識しているハプテンの種類に応じて、
温度制御ユニット132により、対応するキャピラリー
131を介して、供給される洗浄溶液の温度が制御され
ているから、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4の
それぞれに吸着されている特異的結合物質に、選択的
に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識してい
るハプテンに結合されている抗原抗体反応によって本来
的に結合されるべきハプテンに対する抗体が、ハプテン
から剥離することを効果的に防止することができ、その
一方で、抗原抗体反応の過程で、生化学解析用ユニット
1の吸着性領域4に、生化学解析用ユニット1の吸着性
領域4のそれぞれに吸着されている特異的結合物質に、
選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識
しているハプテンに、本来、結合されるべきでないハプ
テンに対する抗体が結合されていても、最適な温度に制
御された洗浄溶液によって、生化学解析用ユニット1の
各吸着性領域4を洗浄することにより、ハプテンに対す
る抗体を、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4か
ら、効果的に剥離させ、除去することが可能になり、し
たがって、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4のそ
れぞれに吸着されている特異的結合物質に、選択的に、
ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識しているハ
プテンに、所望のように、本来的に結合されるべきハプ
テンに対する抗体を、抗原抗体反応によって、結合させ
ることが可能になる。
【0604】さらに、本実施態様によれば、本実施態様
によれば、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4が、ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の貫通
孔3内に、ナイロン6が充填されて形成されているか
ら、ハイブリダイゼーションバッファ、ハイブリダイゼ
ーションバッファとプローブ溶液の混合溶液、抗体溶液
および洗浄溶液は、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された多数の吸着性領域4のみを横切って、強制的
に流動され、したがって、ハイブリダイゼーションの効
率、抗原抗体反応の効率および洗浄効率を、大幅に向上
させることが可能になる。
【0605】図24は、生化学解析用ユニットの別の例
を示す略斜視図である。
【0606】図24に示されるように、生化学解析用ユ
ニット150は、多数の略円形の貫通孔152が規則的
に形成されたステンレス鋼製の基板151を備え、基板
151に形成された多数の貫通孔152内に、ナイロン
6を含む吸着性膜153が、カレンダー処理装置(図示
せず)によって、圧入されて、多数の吸着性領域154
が、ドット状に、規則的に形成されている。
【0607】図24には、正確に示されていないが、本
実施態様においては、約10000の約0.01平方ミ
リメートルのサイズを有する略円形の吸着性領域154
が、約5000個/平方センチメートルの密度で、規則
的なパターンにしたがって、生化学解析用ユニット15
0に形成されている。
【0608】多数の吸着性領域154の表面と、基板1
51の表面とが同一の高さに位置するように、吸着性膜
153が、基板151に形成された貫通孔152に圧入
されて、生化学解析用ユニット150が形成されてい
る。
【0609】本実施態様においても、図1に示された生
化学解析用ユニット1と同様にして、図2に示されたス
ポッティング装置によって、生化学解析用ユニット15
0に形成された多数の吸着性領域154に、cDNAな
どの特異的結合物質を含む溶液が滴下されて、特異的結
合物質が、吸着性領域154内に吸着される。
【0610】図24に示された生化学解析用ユニット1
50の多数の吸着性領域154は、吸着性膜153が、
基板501に形成された多数の貫通孔152内に圧入さ
れて、形成されているから、隣り合った吸着性領域15
4の間の領域においては、吸着性膜153中の孔が、加
圧によって消失しており、したがって、吸着性領域15
4内に滴下された特異的結合物質の溶液が、吸着性領域
154から、吸着性膜153内に浸透することが効果的
に防止され、吸着性領域154内に滴下された特異的結
合物質は、吸着性領域154にのみ吸着される。
【0611】図25は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかるリセプター・リガンド会合反応装置の略斜視図
である。
【0612】図25に示されるように、本実施態様にか
かるリセプター・リガンド会合反応装置においては、1
ラインを構成する複数のキャピラリー160ごとに、1
つの温度制御ユニット161が設けられている。
【0613】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット150の各ラインを構成する吸着性領域154に、
同種の特異的結合物質を含む溶液が滴下されるように構
成されており、各ラインを構成する複数のキャピラリー
160ごとに、キャピラリー160内を流れるハイブリ
ダイゼーションバッファ、ハイブリダイゼーションバッ
ファとプローブ溶液の混合溶液および洗浄溶液の温度
が、所定の温度に制御される。
【0614】したがって、本実施態様によれば、生化学
解析用ユニット150の各ラインを構成する吸着性領域
154に吸着されている特異的結合物質の種類に応じ
て、温度制御ユニット161により、対応するキャピラ
リー160を介して、供給されるハイブリダイゼーショ
ンバッファとプローブ溶液の混合溶液の温度を制御する
ことができるから、生化学解析用ユニット150の吸着
性領域154に吸着されている特異的結合物質に、一
旦、ハイブリダイズした生体由来の物質が、特異的結合
物質から剥離することを効果的に防止することができ、
したがって、生化学解析の精度を向上させることが可能
になる。
【0615】また、本実施態様によれば、生化学解析用
ユニット150の各ラインを構成する吸着性領域154
に吸着されている特異的結合物質の種類に応じて、温度
制御ユニット161により、対応するキャピラリー16
0を介して、供給される洗浄溶液の温度を制御すること
ができるから、生化学解析用ユニット150の各ライン
を構成する吸着性領域154のそれぞれに吸着されてい
る特異的結合物質にハイブリダイズしている本来的に結
合されるべき生体由来の物質が、特異的結合物質から剥
離することを効果的に防止することができ、その一方
で、ハイブリダイゼーションの工程で、生化学解析用ユ
ニット150の各ラインを構成する吸着性領域154中
の1以上の吸着性領域154に吸着されている特異的結
合物質に、本来、ハイブリダイズされるべきでない生体
由来の物質が結合されていても、キャピラリー160の
各ラインごとに、最適な温度に制御された洗浄溶液によ
って、生化学解析用ユニット150の各ラインを構成す
る吸着性領域154を洗浄することにより、効果的に剥
離させ、除去することが可能になり、したがって、生化
学解析用ユニット150の吸着性領域154のそれぞれ
に吸着されている特異的結合物質に、所望のように、本
来的に結合されるべき生体由来の物質をハイブリダイズ
させることが可能になる。
【0616】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット150の各ラインを構成する吸着性領域15
4に吸着されている特異的結合物質に、選択的に、ハイ
ブリダイズされた生体由来の物質を標識しているハプテ
ンの種類に応じて、温度制御ユニット161により、対
応するキャピラリー160を介して、供給される抗体溶
液の温度を制御することができるから、一旦、抗原抗体
反応によって、生化学解析用ユニット1の各ラインを構
成する吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質
に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を
標識しているハプテンに結合した化学発光基質と接触さ
せることによって化学発光を生じさせる酵素によって標
識されているハプテンに対する抗体が、ハプテンから剥
離することを効果的に防止することができ、したがっ
て、生化学解析の精度を向上させることが可能になる。
【0617】また、本実施態様によれば、生化学解析用
ユニット150の各ラインを構成する吸着性領域154
に吸着されている特異的結合物質に、選択的に、ハイブ
リダイズされた生体由来の物質を標識しているハプテン
の種類に応じて、温度制御ユニット161により、対応
するキャピラリー160を介して、供給される洗浄溶液
の温度を制御することができるから、一旦、抗原抗体反
応によって、生化学解析用ユニット1の各ラインを構成
する吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質に、
選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識
しているハプテンに結合した化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる酵素によって標識さ
れているハプテンに対する抗体が、ハプテンから剥離す
ることを効果的に防止することができ、その一方で、抗
原抗体反応の過程で、生化学解析用ユニット150の各
ラインを構成する吸着性領域154中の1以上の吸着性
領域154に吸着されている特異的結合物質に、選択的
に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識してい
るハプテンに、本来、結合されるべきでないハプテンに
対する抗体が結合されていても、キャピラリー160の
各ラインごとに、最適な温度に制御された洗浄溶液によ
って、生化学解析用ユニット150の各ラインを構成す
る吸着性領域154を洗浄することにより、ハプテンに
対する抗体を、生化学解析用ユニット150の吸着性領
域154から、効果的に剥離させ、除去することが可能
になり、したがって、生化学解析用ユニット150の吸
着性領域154のそれぞれに吸着されている特異的結合
物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物
質を標識しているハプテンに、所望のように、本来的に
結合されるべきハプテンに対する抗体を、抗原抗体反応
によって、結合させることが可能になる。
【0618】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0619】たとえば、前記実施態様においては、放射
性標識物質によって標識された生体由来の物質および蛍
光物質によって標識された生体由来の物質を、生化学解
析用ユニット1、150の多数の吸着性領域4、154
に固定されている特異的結合物質に、選択的に、ハイブ
リダイズさせるとともに、生化学解析用ユニット1、1
50の多数の吸着性領域4、154に固定されている特
異的結合物質に、ジゴキシゲニンなどのハプテンによっ
て標識された生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダ
イズさせ、さらに、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる酵素によって標識されたハプ
テンに対する抗体を、生体由来の物質を標識しているジ
ゴキシゲニンなどのハプテンに、抗原抗体反応によっ
て、結合させて、生化学解析用ユニット1、150の多
数の吸着性領域4、154に、放射線データ、蛍光デー
タおよび化学発光データを選択的に記録するように構成
されているが、本発明は、これらの反応に限らず、リセ
プター・リガンド会合反応全般に、広く適用することが
できる。
【0620】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1、150の吸着性領域4、154に固
定されている特異的結合物質に、ジゴキシゲニンなどの
ハプテンによって標識された生体由来の物質をハイブリ
ダイズさせ、さらに、化学発光基質と接触させることに
よって化学発光を生じさせる酵素によって標識されたハ
プテンに対する抗体を、生化学解析用ユニット1、15
0の多数の吸着性領域4、154に固定されている特異
的結合物質に選択的にハイブリダイズされている生体由
来の物質を標識しているハプテンに、抗原抗体反応によ
って、結合させて、生化学解析用ユニット1、150の
多数の吸着性領域4、154に、化学発光データを選択
的に記録するように構成されているが、化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
によって標識された生体由来の物質を、生化学解析用ユ
ニット1、150の多数の吸着性領域4、154に固定
されている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイ
ズさせて、生化学解析用ユニット1、150の多数の吸
着性領域4、154に、化学発光データを選択的に記録
するようにしてもよい。
【0621】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1、150の多数の吸着性領域4、154
に固定されている特異的結合物質に、蛍光物質によって
標識された生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイ
ズさせて、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4に、蛍光データを記録するように構成されているが、
生化学解析用ユニット1、150の多数の吸着性領域
4、154に固定されている特異的結合物質に、ジゴキ
シゲニンなどのハプテンによって標識された生体由来の
物質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、さらに、蛍光
基質と接触させることによって、蛍光物質を生じさせる
酵素により標識されたハプテンに対する抗体を、抗原抗
体反応によって、生化学解析用ユニット1、150の多
数の吸着性領域4、154に固定されている特異的結合
物質に選択的にハイブリダイズされている生体由来の物
質を標識しているハプテンに結合させることによって、
生化学解析用ユニット1、150の多数の吸着性領域
4、154に、蛍光データを記録することもできる。
【0622】さらに、前記実施態様においては、放射性
標識物質、蛍光物質およびジゴキシゲニンなどのハプテ
ンによって標識された生体由来の物質を含むプローブ溶
液が調製され、放射性標識物質、蛍光物質およびジゴキ
シゲニンなどのハプテンによって標識された生体由来の
物質が、生化学解析用ユニット1、150の多数の吸着
性領域4、154に固定されている特異的結合物質に選
択的にハイブリダイズさせているが、プローブ溶液が、
放射性標識物質、蛍光物質およびジゴキシゲニンなどの
ハプテンによって標識された生体由来の物質を含んでい
ることは必ずしも必要でなく、プローブ溶液は、放射性
標識物質、蛍光物質およびジゴキシゲニンなどのハプテ
ンのうち、いずれかによって標識された生体由来の物質
を含んでいればよい。
【0623】また、前記実施態様においては、特異的結
合物質として、塩基配列が既知の互いに異なった複数の
cDNAが用いられているが、本発明において使用可能
な特異的結合物質はcDNAに限定されるものではな
く、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵
素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核
酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質はすべて、本発明の特異
的結合物質として使用することができる。
【0624】さらに、前記実施態様においては、それぞ
れ、ハイブリダイゼーション、抗原抗体反応および生化
学解析用ユニット1、150の多数の吸着性領域4、1
54の洗浄を、リセプター・リガンド会合反応装置を用
いて、実行しているが、リセプター・リガンド会合反応
装置を用いて、ハイブリダイゼーションあるいは抗原抗
体反応のみを実行し、別個の洗浄装置を用いて、生化学
解析用ユニット1、150の多数の吸着性領域4、15
4を洗浄するようにしてもよい。
【0625】さらに、図3に示されたリセプター・リガ
ンド会合反応装置においては、ポンプ10を、正逆両方
向に、駆動して、ハイブリダイゼーションバッファ、ハ
イブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶
液、抗体溶液および洗浄溶液を、図3において、矢印A
で示される方向と、矢印Bで示される方向に、交互に、
流動させるように構成されているが、ポンプ10を、一
方向にのみ、駆動し、ハイブリダイゼーションバッフ
ァ、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の
混合溶液、抗体溶液および洗浄溶液を、図3において、
矢印Aで示される方向あるいは矢印Bで示される方向に
のみ、流動させるように構成することもできる。
【0626】また、図3に示されたリセプター・リガン
ド会合反応装置においては、ハイブリダイゼーションバ
ッファ、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶
液の混合溶液および抗体溶液を、溶液循環パイプ9を介
して、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着
性領域4を横切るように、カートリッジ7内に、強制的
に循環させているが、ハイブリダイゼーションバッフ
ァ、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の
混合溶液あるいは抗体溶液を、カートリッジ7内に循環
させることは必ずしも必要でなく、カートリッジ7内に
収容された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4を通過したハイブリダイゼーションバッファ、ハイブ
リダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液お
よび抗体溶液を、溶液排出パイプ13を通じて、排出さ
せるように構成することもできる。
【0627】さらに、図3に示されたリセプター・リガ
ンド会合反応装置においては、洗浄溶液を、溶液循環パ
イプ9を介して、生化学解析用ユニット1に形成された
多数の吸着性領域4を横切るように、カートリッジ7内
に、強制的に循環させているが、洗浄溶液を、カートリ
ッジ7内に循環させることは必ずしも必要でなく、カー
トリッジ7内に収容された生化学解析用ユニット1の吸
着性領域4を通過した洗浄溶液を、溶液排出パイプ13
を通じて、排出させるように構成することもできる。
【0628】また、図3に示されたリセプター・リガン
ド会合反応装置は、ハイブリダイゼーションバッファタ
ンク12a、プローブ溶液チップ12b、抗体溶液タン
ク12cおよび洗浄溶液タンク12dを備え、ハイブリ
ダイゼーションバッファ、プローブ溶液、抗体溶液およ
び洗浄溶液を、選択的に、カートリッジ7内に供給する
ように構成されているが、リセプター・リガンド会合反
応装置が、ハイブリダイゼーションバッファタンク12
a、プローブ溶液チップ12b、抗体溶液タンク12c
および洗浄溶液タンク12dを備えていることは必ずし
も必要でない。
【0629】さらに、図3に示されたリセプター・リガ
ンド会合反応装置においては、カートリッジ7および溶
液循環パイプ9の内部空間に満たされた洗浄溶液を、正
逆両方向から、カートリッジ7内に収容された生化学解
析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切るように、
流動させて、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4を洗浄し、洗浄溶液を、溶液排出パイプ13を通じ
て、排出して、洗浄操作を完了させるように構成されて
いるが、洗浄溶液を、カートリッジ7および溶液循環パ
イプ9から排出した後、新たな洗浄溶液を、洗浄溶液タ
ンク12dから、カートリッジ7および溶液循環パイプ
9内に供給して、洗浄操作を繰り返し、実行することも
できる。
【0630】さらに、図22に示されたリセプター・リ
ガンド会合反応装置においては、互いに対向するケーシ
ング120bの2つの内壁面に、生化学解析用ユニット
保持部材121aおよび生化学解析用ユニット保持部材
121bによって、生化学解析用ユニット1が、反応容
器120内に保持されたときに、生化学解析用ユニット
1の両表面に対向するように、一対の超音波振動子12
2a、122bを設け、コントローラ123によって、
一対の超音波振動子122a、122bを、交互に振動
させて、ハイブリダイゼーションバッファ、ハイブリダ
イゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液、抗体
溶液および洗浄溶液を、図22において、矢印Aで示さ
れる方向と、矢印Bで示される方向に、交互に流動させ
て、プレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーシ
ョン、抗原抗体反応および洗浄を実行するように構成さ
れているが、生化学解析用ユニット1の一方の面に対向
するケーシング120bの内壁面に、超音波振動子12
2aあるいは超音波振動子122bを設け、コントロー
83によって、超音波振動子122aあるいは超音波振
動子122bを振動させて、ハイブリダイゼーションバ
ッファ、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶
液の混合溶液、抗体溶液および洗浄溶液を、図22にお
いて、矢印Aで示される方向あるいは矢印Bで示される
方向にのみ、強制的に流動させて、プレハイブリダイゼ
ーション、ハイブリダイゼーション、抗原抗体反応およ
び洗浄を実行するように構成することもできる。
【0631】さらに、図23に示されたリセプター・リ
ガンド会合反応装置においては、キャピラリー131ご
とに、キャピラリー131内を流れる溶液の温度を制御
する温度制御ユニット132が設けられ、図25に示さ
れたリセプター・リガンド会合反応装置においては、1
ラインを構成する複数のキャピラリー160ごとに、1
ラインを構成する複数のキャピラリー160内を流れる
溶液の温度を制御する温度制御ユニット161が設けら
れているが、2以上の隣り合うラインを構成する複数の
キャピラリー131、160ごとに、1つの温度制御ユ
ニット132、161を設けるようにしてもよい。
【0632】また、図23に示されたリセプター・リガ
ンド会合反応装置においては、キャピラリー131ごと
に、キャピラリー131内を流れる溶液の温度を制御す
る温度制御ユニット132が設けられ、図25に示され
たリセプター・リガンド会合反応装置においては、1ラ
インを構成する複数のキャピラリー160ごとに、1ラ
インを構成する複数のキャピラリー160内を流れる溶
液の温度を制御する温度制御ユニット161が設けられ
ているが、1ラインを構成する複数のキャピラリー13
1、160を2以上のグループに分け、各グループごと
に、1つの温度制御ユニット132、161を設けるよ
うにしてもよい。
【0633】さらに、図23に示されたリセプター・リ
ガンド会合反応装置においては、キャピラリー131ご
とに、キャピラリー131内を流れる溶液の温度を制御
する温度制御ユニット132が設けられ、図25に示さ
れたリセプター・リガンド会合反応装置においては、1
ラインを構成する複数のキャピラリー160ごとに、1
ラインを構成する複数のキャピラリー160内を流れる
溶液の温度を制御する温度制御ユニット161が設けら
れているが、リセプター・リガンド会合反応装置に、キ
ャピラリー131、160内を流れる溶液の温度を制御
する温度制御ユニット132、161を設けることは必
ずしも必要でない。
【0634】また、図23に示されたリセプター・リガ
ンド会合反応装置は、ハイブリダイゼーションバッファ
を収容するハイブリダイゼーションバッファタンク14
1、抗体溶液を収容する抗体溶液タンク142および洗
浄溶液を収容する洗浄溶液タンク143を備えている
が、リセプター・リガンド会合反応装置が、ハイブリダ
イゼーションバッファタンク141、抗体溶液タンク1
42および洗浄溶液タンク143を備えていることは必
ずしも必要でない。
【0635】さらに、図23に示されたリセプター・リ
ガンド会合反応装置においては、溶液回収用キャピラリ
ー133を介して、ハイブリダイゼーションバッファお
よびハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の
混合溶液が回収されて、ハイブリダイゼーションバッフ
ァタンク141にリサイクルされ、溶液回収用キャピラ
リー133を介して、抗体溶液が回収されて、抗体溶液
タンク142にリサイクルされるように構成されている
が、溶液回収用キャピラリー133を、切り換えバルブ
を介して、ハイブリダイゼーションバッファタンク14
1あるいは抗体溶液タンク142に、選択的に、連通可
能なように、接続し、溶液回収用キャピラリー133
に、ポンプを設けて、自動的に、ハイブリダイゼーショ
ンバッファおよびハイブリダイゼーションバッファとプ
ローブ溶液の混合溶液が、ハイブリダイゼーションバッ
ファタンク141にリサイクルされ、抗体溶液が抗体溶
液タンク142にリサイクルされるように構成すること
もできる。
【0636】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1、150には、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸着性
領域4、154が、約5000個/平方センチメートル
の密度で、規則的なパターンにしたがって、形成されて
いるが、吸着性領域4、154を略円形に形成すること
は必ずしも必要でなく、矩形状など、任意の形状に形成
することができる。
【0637】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1、150には、約10000の約0.0
1平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸着性領
域4、154が、約5000個/平方センチメートルの
密度で、規則的なパターンにしたがって、形成されてい
るが、吸着性領域4、154の数およびサイズは、目的
に応じて、任意に選択をすることができ、好ましくは、
10以上の5平方ミリメートル未満のサイズを有する吸
着性領域4、154が、10個/平方センチメートル以
上の密度で、基板2に形成される。
【0638】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1、150の基板2、151には、約1
0000の約0.01平方ミリメートルのサイズを有す
る略円形の吸着性領域4、154が、約5000個/平
方センチメートルの密度で、規則的なパターンにしたが
って、形成されているが、吸着性領域4、154を、規
則的なパターンにしたがって、形成することは必ずしも
必要でない。
【0639】さらに、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、
ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の貫通孔3の
内部に、ナイロン6が充填されて、形成され、図24に
示された実施態様においては、生化学解析用ユニット1
50の多数の吸着性領域154は、ステンレス鋼製の基
板151に形成された多数の貫通孔153内に、ナイロ
ン6を含む吸着性膜153が圧入されて、形成されてい
るが、生化学解析用ユニット1、150の基板2、15
1をステンレス鋼によって形成することは必ずしも必要
でなく、他の材料によって、生化学解析用ユニット1、
150の基板2、151を形成することもできる。生化
学解析用ユニット1の基板2は、放射線エネルギーおよ
び光エネルギーを減衰させる性質を有する材料によって
形成されることが好ましいが、その材料はとくに限定さ
れるものではなく、無機化合物材料、有機化合物材料の
いずれによって、生化学解析用ユニット1、150の基
板2、151を形成することもでき、金属材料、セラミ
ック材料またはプラスチック材料が、とくに好ましく使
用される。生化学解析用ユニット1、150の基板2、
151を形成するために好ましく使用することができる
無機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜
鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニ
ッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、
ステンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファス
シリコン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素など
の珪素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸
化ジルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバ
イト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシア
パタイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることがで
きる。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックの
ような多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよ
い。また、生化学解析用ユニット1、150の基板2、
151を形成するために好ましく使用することができる
有機化合物材料としては、高分子化合物が好ましく用い
られ、好ましい高分子化合物としては、たとえば、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリ
メチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメ
タクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリ
ロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポ
リフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポ
リクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポ
リエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレート
などのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスル
ホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシ
ロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノー
ル樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;
ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セル
ロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシ
ウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0640】また、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、
ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の貫通孔3の
内部に、ナイロン6が充填されて、形成され、図24に
示された実施態様においては、生化学解析用ユニット1
50の多数の吸着性領域154は、ステンレス鋼製の基
板151に形成された多数の貫通孔153内に、ナイロ
ン6を含む吸着性膜153が圧入されて、形成されてい
るが、生化学解析用ユニット1、150の多数の吸着性
領域4、154を、ナイロン6によって形成することは
必ずしも必要でなく、他の吸着性材料によって、生化学
解析用ユニット1、150の多数の吸着性領域4、15
4を形成することもできる。生化学解析用ユニット1、
150の多数の吸着性領域4、154を形成するための
吸着性材料としては、多孔質材料あるいは繊維材料が好
ましく使用され、多孔質材料と繊維材料を併用して、生
化学解析用ユニット1、150の多数の吸着性領域4、
154を形成することもできる。生化学解析用ユニット
1、150の多数の吸着性領域4、154を形成するた
めに使用される多孔質材料は、有機材料、無機材料のい
ずれでもよく、有機/無機複合体でもよい。生化学解析
用ユニット1、150の多数の吸着性領域4、154を
形成するために使用される有機多孔質材料は、とくに限
定されるものではないが、活性炭などの炭素多孔質材料
あるいはメンブレンフィルタを形成可能な多孔質材料
が、好ましく用いられる。具体的には、ナイロン6、ナ
イロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン類;ニ
トロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロース
などのセルロース誘導体;コラーゲン;アルギン酸、ア
ルギン酸カルシウム、アルギン酸/ポリリシンポリイオ
ンコンプレックスなどのアルギン酸類;ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニ
ル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン、ポリ
テトラフルオライドなどのポリフルオライドや、これら
の共重合体または複合体が挙げられる。生化学解析用ユ
ニット1、150の多数の吸着性領域4、154を形成
するために使用される無機多孔質材料は、とくに限定さ
れるものではないが、好ましくは、たとえば、白金、
金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属;アル
ミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトなどの金属酸化
物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウムなどの金属
塩やこれらの複合体などが挙げられる。生化学解析用ユ
ニット1、150の多数の吸着性領域4、154を形成
するために使用される繊維材料は、とくに限定されるも
のではないが、好ましくは、たとえば、ナイロン6、ナ
イロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン類、ニ
トロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロース
などのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0641】さらに、図24に示された実施態様におい
ては、生化学解析用ユニット150の吸着性領域154
は、ステンレス鋼製の基板151に形成された多数の貫
通孔152内に、カレンダー処理装置を用いて、ナイロ
ン6によって形成された吸着性膜153を圧入して、形
成されているが、熱プレス装置などの他の手段を用い
て、吸着性膜153を、基板151に形成された多数の
貫通孔152内に圧入することもできるし、圧入に代え
て、適当な方法によって、吸着性膜153を、基板15
1に形成された多数の貫通孔152内に充填して、多数
の吸着性領域154を形成するようにしてもよい。
【0642】また、図24に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット150の吸着性領域154
は、ステンレス鋼製の基板151に形成された多数の貫
通孔152内に、ナイロン6によって形成された吸着性
膜153を圧入して、形成されているが、生化学解析用
ユニット150の強度を向上させるために、接着剤を介
して、吸着性膜153を、基板151に形成された多数
の貫通孔152内に圧入するようにしてもよい。
【0643】さらに、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、
ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の貫通孔3の
内部に、ナイロン6が充填されて、形成され、図24に
示された実施態様においては、生化学解析用ユニット1
50の多数の吸着性領域154は、ステンレス鋼製の基
板151に形成された多数の貫通孔153内に、ナイロ
ン6を含む吸着性膜153が圧入されて、形成されてい
るが、吸着性を有する基板の少なくとも一方の表面に、
多数の貫通孔が形成された多孔板を密着させて、互いに
離間した吸着性領域を形成することもできる。
【0644】また、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、
ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の貫通孔3の
内部に、ナイロン6が充填されて、形成され、図24に
示された実施態様においては、生化学解析用ユニット1
50の多数の吸着性領域154は、ステンレス鋼製の基
板151に形成された多数の貫通孔153内に、ナイロ
ン6を含む吸着性膜153が圧入されて、形成されてい
るが、吸着性材料によって形成された吸着性基板の異な
る領域に、特異的結合物質を含む溶液を滴下して、特異
的結合物質を含む多数の吸着性領域が、互いに離間し
て、形成された生化学解析用ユニット1を作製するよう
にしてもよい。
【0645】また、前記実施態様においては、インジェ
クタ5とCCDカメラ6を備えたスポッティング装置を
用い、CCDカメラ6によって、インジェクタ5の先端
部と、cDNAなどの特異的結合物質の溶液を滴下すべ
き生化学解析用ユニット1、150の吸着性領域4、1
54を観察しながら、インジェクタ5の先端部と、cD
NAなどの特異的結合物質の溶液を滴下すべき吸着性領
域4、154の中心とが合致したときに、インジェクタ
5から、cDNAなどの特異的結合物質の溶液を放出さ
せて、滴下しているが、インジェクタ5の先端部と、生
化学解析用ユニット1、150に形成された多数の吸着
性領域4、154との相対的な位置関係を、あらかじめ
検出しておき、インジェクタ5と、生化学解析用ユニッ
ト1、150とを、相対的に、一定のピッチで、二次元
的に移動させて、cDNAなどの特異的結合物質の溶液
を滴下するようにすることもできる。
【0646】
【発明の効果】本発明によれば、生化学解析用ユニット
に固定されたリセプターあるいはリガンドに、効率的
に、リガンドあるいはリセプターを会合反応させること
ができ、しかも、再現性よく、定量性に優れた生化学解
析用データを生成することを可能にするリセプター・リ
ガンド会合反応方法および装置を提供することが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかるリ
セプター・リガンド会合反応方法に使用される生化学解
析用ユニットの略斜視図である。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、本発明の好ましい実施態様にかかるリ
セプター・リガンド会合反応装置の略縦断面図である。
【図4】図4は、放射線データが転写されるべき蓄積性
蛍光体シートの略斜視図である。
【図5】図5は、生化学解析用ユニットに形成された多
数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によって、蓄
積性蛍光体シートに形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域を露光する方法を示す略断面図である。
【図6】図6は、スキャナの略斜視図である。
【図7】図7は、図6に示されたスキャナのフォトマル
チプライア近傍の詳細を示す略斜視図である。
【図8】図8は、図7のA−A線に沿った略断面図であ
る。
【図9】図9は、図7のB−B線に沿った略断面図であ
る。
【図10】図10は、図7のC−C線に沿った略断面図
である。
【図11】図11は、図7のD−D線に沿った略断面図
である。
【図12】図12は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【図13】図13は、スキャナの制御系、入力系、駆動
系および検出系を示すブロックダイアグラムである。
【図14】図14は、化学発光データが転写されるべき
蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図15】図15は、蓄積性蛍光体シートの支持体に形
成された多数の輝尽性蛍光体層領域に記録されている化
学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成
するスキャナの略斜視図である。
【図16】図16は、図15に示されたスキャナのフォ
トマルチプライア近傍の詳細を示す略斜視図である。
【図17】図17は、図16のE−E線に沿った略断面
図である。
【図18】図18は、生化学解析用ユニットの基板に形
成された多数の吸着性領域に記録されている化学発光デ
ータを読み取って、生化学解析用データを生成するデー
タ生成システムの略正面図である。
【図19】図19は、データ生成システムの冷却CCD
カメラの略縦断面図である。
【図20】図20は、データ生成システムの暗箱の略縦
断面図である。
【図21】図21は、データ生成システムのパーソナル
コンピュータの周辺のブロックダイアグラムである。
【図22】図22は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかるリセプター・リガンド会合反応装置の略縦断面図
である。
【図23】図23は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかるリセプター・リガンド会合反応装置の略縦断面図
である。
【図24】図24は、生化学解析用ユニットの別の例を
示す略斜視図である。
【図25】図25は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかるリセプター・リガンド会合反応装置の略斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 基板 3 貫通孔 4 吸着性領域 5 インジェクタ 6 CCDカメラ 7 カートリッジ 8 ステージ 9 溶液循環パイプ 10 ポンプ 11a ハイブリダイゼーションバッファ供給パイプ 11b プローブ溶液供給パイプ 11c 抗体溶液供給パイプ 11d 洗浄溶液供給パイプ 12a ハイブリダイゼーションバッファタンク 12b プローブ溶液チップ 12c 抗体溶液タンク 12d 洗浄溶液タンク 13 溶液排出パイプ 14a、14b、14c、14d、14e 切り換えバ
ルブ 15 蓄積性蛍光体シート 16 支持体 17 輝尽性蛍光体層領域 18 貫通孔 21 第1のレーザ励起光源 22 第2のレーザ励起光源 23 第3のレーザ励起光源 24 レーザ光 25 コリメータレンズ 26 ミラー 27 第1のダイクロイックミラー 28 第2のダイクロイックミラー 29 ミラー 30 コリメータレンズ 31 コリメータレンズ 32 ミラー 33 穴開きミラーの穴 34 穴開きミラー 35 光学ヘッド 36 ミラー 37 非球面レンズ 38 凹面ミラー 40 ステージ 41 ガラス板 45 蛍光あるいは輝尽光 48 フィルタユニット 50 フォトマルチプライア 51a、51b、51c、51d、51e フィルタ部
材 52a、52b、52c、52d、52e フィルタ 53 A/D変換器 54 データ処理装置 55 第4のレーザ励起光源 56 第3のダイクロイックミラー 60 基板 61 副走査パルスモータ 62 一対のレール 63 移動可能な基板 64 ロッド 65 主走査ステッピングモータ 66 エンドレスベルト 67 リニアエンコーダ 68 リニアエンコーダのスリット 70 コントロールユニット 71 キーボード 72 フィルタユニットモータ 75 蓄積性蛍光体シート 77 輝尽性蛍光体層領域 81 冷却CCDカメラ 82 暗箱 83 パーソナルコンピュータ 84 CRT 85 キーボード 86 CCD 87 伝熱板 88 ペルチエ素子 89 シャッタ 90 A/D変換器 91 画像データバッファ 92 カメラ制御回路 95 ガラス板 96 放熱フィン 97 カメラレンズ 100 LED光源 101 フィルタ 102 フィルタ 103 拡散板 110 CPU 111 データ転送手段 112 データ記憶手段 113 データ処理手段 114 データ表示手段 115 光源制御手段 120 容器 120a 蓋部材 120b ケーシング 121a、121b 生化学解析用ユニット保持部材 122a、122b 超音波振動子 123 コントローラ 124 溶液排出通路 125 バルブ 130 ステージ 131 キャピラリー 132 温度制御ユニット 133 溶液回収用キャピラリー 135 断熱ユニット 140 溶液供給管 140a 第1の分岐管 140b 第2の分岐管 140c 第3の分岐管 141 ハイブリダイゼーションバッファタンク 141a バルブ 142 抗体溶液タンク 142a バルブ 143 洗浄溶液タンク 143a バルブ 150 生化学解析用ユニット 151 基板 152 貫通孔 153 吸着性膜 154 吸着性領域 160 キャピラリー 161 温度制御ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江藤 雅弘 東京都港区西麻布2丁目26番30号 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2G043 BA16 DA02 DA05 DA08 EA01 FA01 FA06 GA07 GB01 GB07 HA01 HA02 HA03 JA02 KA02 KA05 KA09 LA02 LA03 NA05 NA06 4B029 AA07 BB20 CC03 CC08 FA12 4B063 QA01 QA18 QQ42 QQ52 QR55 QR82 QS34 QS36 QX02 QX10

Claims (56)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生化学解析用ユニットに、互いに離間し
    て形成され、リセプターまたはリガンドが固定された複
    数の吸着性領域に、標識物質によって標識されたリガン
    ドまたはリセプターを含む反応溶液を、前記生化学解析
    用ユニットに形成された前記複数の吸着性領域を横切る
    ように、供給し、前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域に固定された前記リセプターまたは前記リ
    ガンドに、前記反応溶液に含まれた前記リガンドまたは
    前記リセプターを、選択的に、会合させることを特徴と
    するリセプター・リガンド会合反応方法。
  2. 【請求項2】 前記反応溶液を、前記生化学解析用ユニ
    ットの前記複数の吸着性領域を横切るように、正逆両方
    向から、供給することを特徴とする請求項1に記載のリ
    セプター・リガンド会合反応方法。
  3. 【請求項3】 前記生化学解析用ユニットを、反応容器
    内に収容し、前記反応溶液を、前記反応容器内に供給す
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のリセプタ
    ー・リガンド会合反応方法。
  4. 【請求項4】 前記生化学解析用ユニットを収容してい
    る前記反応容器内に、前記反応溶液を循環させて、前記
    生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切る
    ように、前記反応溶液を流動させることを特徴とする請
    求項3に記載のリセプター・リガンド会合反応方法。
  5. 【請求項5】 前記生化学解析用ユニットを、反応容器
    内に収容し、リガンドまたはリセプターを含み、前記反
    応容器内に収容された反応溶液中に、前記反応容器内に
    収容された前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着
    性領域を横切る方向の超音波を生成し、生成された超音
    波によって、前記反応溶液を、前記生化学解析用ユニッ
    トの前記複数の吸着性領域を横切るように、強制的に流
    動させることを特徴とする請求項1または2に記載のリ
    セプター・リガンド会合反応方法。
  6. 【請求項6】 前記反応溶液中に、正逆方向に、交互
    に、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
    を横切る超音波を生成して、生成された超音波によっ
    て、前記反応溶液を、正逆両方向から、前記生化学解析
    用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切るように、強
    制的に流動させることを特徴とする請求項5に記載のリ
    セプター・リガンド会合反応方法。
  7. 【請求項7】 前記生化学解析用ユニットの前記複数の
    吸着性領域のうち、少なくとも2つの吸着性領域よりな
    るグループごとに、温度が制御された前記反応溶液を、
    前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に供
    給して、前記反応溶液に含まれた前記リガンドまたは前
    記リセプターを、前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域に固定された前記リセプターまたは前記リ
    ガンドに、選択的に、会合させることを特徴とする請求
    項1に記載のリセプター・リガンド会合反応方法。
  8. 【請求項8】 前記生化学解析用ユニットの前記複数の
    吸着性領域を、2以上の吸着性領域を含む複数のブロッ
    クに分割し、各ブロックごとに、温度が制御された前記
    反応溶液を、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸
    着性領域に供給して、前記反応溶液に含まれた前記リガ
    ンドまたは前記リセプターを、前記生化学解析用ユニッ
    トの前記複数の吸着性領域に固定された前記リセプター
    または前記リガンドに、選択的に、会合させることを特
    徴とする請求項7に記載のリセプター・リガンド会合反
    応方法。
  9. 【請求項9】 前記複数の吸着性領域のそれぞれに応じ
    て、温度制御された前記反応溶液を、前記生化学解析用
    ユニットの前記複数の吸着性領域に供給して、前記反応
    溶液に含まれた前記リガンドまたは前記リセプターを、
    前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に固
    定された前記リセプターまたは前記リガンドに、選択的
    に、会合させることを特徴とする請求項1に記載のリセ
    プター・リガンド会合反応方法。
  10. 【請求項10】 生化学解析用ユニットの前記複数の吸
    着性領域に固定されている前記リセプターまたは前記リ
    ガンドの種類に応じて、前記反応溶液の温度を制御する
    ことを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記
    載のリセプター・リガンド会合反応方法。
  11. 【請求項11】 さらに、前記反応溶液に含まれたリガ
    ンドまたはリセプターが選択的に会合されたリセプター
    またはリガンドが固定されている前記生化学解析用ユニ
    ットの前記複数の吸着性領域に、洗浄溶液を、前記生化
    学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切るよう
    に、供給して、前記生化学解析用ユニットの前記複数の
    吸着性領域を洗浄することを特徴とする請求項1ないし
    10のいずれか1項に記載のリセプター・リガンド会合
    反応方法。
  12. 【請求項12】 前記洗浄溶液を、前記反応容器内に収
    容された前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性
    領域を横切るように、正逆両方向から、前記反応容器内
    に、供給することを特徴とする請求項3ないし6のいず
    れか1項に記載のリセプター・リガンド会合反応方法。
  13. 【請求項13】 前記生化学解析用ユニットを収容して
    いる反応容器内に、前記洗浄溶液を循環させて、前記生
    化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切るよ
    うに、流動させることを特徴とする請求項12に記載の
    リセプター・リガンド会合反応方法。
  14. 【請求項14】 前記生化学解析用ユニットを収容して
    いる反応容器内に、洗浄溶液を収容させ、前記洗浄溶液
    中に、前記反応容器内に収容され、前記反応溶液に含ま
    れたリガンドまたはリセプターが選択的に会合されたリ
    セプターまたはリガンドが固定されている前記生化学解
    析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切る方向の超
    音波を生成し、生成された超音波によって、前記洗浄溶
    液を、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領
    域を横切るように、強制的に流動させて、前記生化学解
    析用ユニットの前記複数の吸着性領域を洗浄することを
    特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載のリ
    セプター・リガンド会合反応方法。
  15. 【請求項15】 前記洗浄溶液中に、正逆方向に、交互
    に、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
    を横切る超音波を生成して、生成された超音波によっ
    て、前記洗浄溶液を、正逆両方向から、前記生化学解析
    用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切るように、強
    制的に流動させて、前記生化学解析用ユニットの前記複
    数の吸着性領域を洗浄することを特徴とする請求項14
    に記載のリセプター・リガンド会合反応方法。
  16. 【請求項16】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域のうち、少なくとも2つの吸着性領域より
    なるグループごとに、温度が制御された前記洗浄溶液
    を、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
    に供給して、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸
    着性領域を洗浄することを特徴とする請求項7ないし1
    0のいずれか1項に記載のリセプター・リガンド会合反
    応方法。
  17. 【請求項17】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域のブロックごとに、温度が制御された洗浄
    溶液を供給することを特徴とする請求項16に記載のリ
    セプター・リガンド会合反応方法。
  18. 【請求項18】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域のそれぞれに応じて、温度制御された前記
    洗浄溶液を、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸
    着性領域に供給して、前記生化学解析用ユニットの前記
    複数の吸着性領域を洗浄することを特徴とする請求項7
    ないし10のいずれか1項に記載のリセプター・リガン
    ド会合反応方法。
  19. 【請求項19】 前記複数の吸着性領域に固定されてい
    る前記リセプターまたは前記リガンドの種類に応じて、
    前記洗浄溶液の温度を制御することを特徴とする請求項
    18に記載のリセプター・リガンド会合反応方法。
  20. 【請求項20】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域に、それぞれ独立した管状部材によって、
    前記反応溶液あるいは前記洗浄溶液を供給することを特
    徴とする請求項1、7ないし10および16ないし19
    のいずれか1項に記載のリセプター・リガンド会合反応
    方法。
  21. 【請求項21】 前記反応溶液が、放射性標識物質、蛍
    光物質および化学発光基質と接触させることによって化
    学発光を生じさせる標識物質よりなる群から選ばれる少
    なくとも1種の標識物質によって標識されたリガンドま
    たはリセプターを含んでいることを特徴とする請求項1
    ないし20のいずれか1項に記載のリセプター・リガン
    ド会合反応方法。
  22. 【請求項22】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域に、構造または特性が既知の特異的結合物
    質が固定され、標識物質によって標識された生体由来の
    物質を含む前記反応溶液を、前記生化学解析用ユニット
    に形成された前記複数の吸着性領域を横切るように、前
    記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に供給
    して、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領
    域に固定された前記特異的結合物質に、前記反応溶液に
    含まれ、前記標識物質によって標識された生体由来の物
    質を、選択的に、ハイブリダイズさせることを特徴とす
    る請求項1ないし21のいずれか1項に記載のリセプタ
    ー・リガンド会合反応方法。
  23. 【請求項23】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域に、抗原または抗体が固定され、標識物質
    によって標識された抗体または抗原を含む前記反応溶液
    を、前記生化学解析用ユニットに形成された前記複数の
    吸着性領域を横切るように、前記生化学解析用ユニット
    の前記複数の吸着性領域に供給して、前記生化学解析用
    ユニットの前記複数の吸着性領域に固定された前記抗原
    または抗体に、前記標識物質によって標識された抗体ま
    たは抗原を、抗原抗体反応によって、選択的に結合させ
    ることを特徴とする請求項1ないし21のいずれか1項
    に記載のリセプター・リガンド会合反応方法。
  24. 【請求項24】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域に、構造または特性が既知の特異的結合物
    質が固定され、ハプテンによって標識された生体由来の
    物質を含む前記反応溶液を、前記生化学解析用ユニット
    に形成された前記複数の吸着性領域を横切るように、前
    記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に供給
    して、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領
    域に固定された前記特異的結合物質に、前記反応溶液に
    含まれ、前記ハプテンによって標識された生体由来の物
    質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、さらに、標識酵
    素によって標識された前記ハプテンに対する抗体を含む
    抗体溶液を、前記生化学解析用ユニットに形成された前
    記複数の吸着性領域を横切るように、前記生化学解析用
    ユニットの前記複数の吸着性領域に供給して、前記生化
    学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に固定された
    前記ハプテンに、前記標識酵素によって標識された抗体
    を、抗原抗体反応によって、結合させることを特徴とす
    る請求項1ないし21のいずれか1項に記載のリセプタ
    ー・リガンド会合反応方法。
  25. 【請求項25】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域に、構造または特性が既知の特異的結合物
    質が固定され、ハプテンによって標識された生体由来の
    物質を含む前記反応溶液を、前記生化学解析用ユニット
    に形成された前記複数の吸着性領域を横切るように、前
    記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に供給
    して、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領
    域に固定された前記特異的結合物質に、前記反応溶液に
    含まれ、前記ハプテンによって標識された生体由来の物
    質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、さらに、化学発
    光基質と接触させることによって、化学発光を生じさせ
    る酵素によって標識された前記ハプテンに対する抗体を
    含む抗体溶液を、前記生化学解析用ユニットに形成され
    た前記複数の吸着性領域を横切るように、前記生化学解
    析用ユニットの前記複数の吸着性領域に供給して、前記
    生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に固定さ
    れた前記ハプテンに、前記標識酵素によって標識された
    抗体を、抗原抗体反応によって、結合させることを特徴
    とする請求項1ないし21のいずれか1項に記載のリセ
    プター・リガンド会合反応方法。
  26. 【請求項26】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域に、構造または特性が既知の特異的結合物
    質が固定され、ハプテンによって標識された生体由来の
    物質を含む前記反応溶液を、前記生化学解析用ユニット
    に形成された前記複数の吸着性領域を横切るように、前
    記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に供給
    して、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領
    域に固定された前記特異的結合物質に、前記反応溶液に
    含まれ、前記ハプテンによって標識された生体由来の物
    質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、さらに、蛍光基
    質と接触させることによって、蛍光物質を生じさせる酵
    素によって標識された前記ハプテンに対する抗体を含む
    抗体溶液を、前記生化学解析用ユニットに形成された前
    記複数の吸着性領域を横切るように、前記生化学解析用
    ユニットの前記複数の吸着性領域に供給して、前記生化
    学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に固定された
    前記ハプテンに、前記標識酵素によって標識された抗体
    を、抗原抗体反応によって、結合させることを特徴とす
    る請求項1ないし21のいずれか1項に記載のリセプタ
    ー・リガンド会合反応方法。
  27. 【請求項27】 前記生化学解析用ユニットが、吸着性
    材料によって形成された吸着性基板を備え、前記複数の
    吸着性領域が、前記生化学解析用ユニットの前記吸着性
    基板の互いに離間した領域に、リセプターまたはリガン
    ドが吸着されて、形成されていることを特徴とする請求
    項1ないし26のいずれか1項に記載のリセプター・リ
    ガンド会合反応方法。
  28. 【請求項28】 前記生化学解析用ユニットが、互いに
    離間して、複数の貫通孔が形成された基板を備え、前記
    生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、前記
    基板に形成された前記複数の貫通孔内に、吸着性材料が
    充填されて、形成されていることを特徴とする請求項1
    ないし26のいずれか1項に記載のリセプター・リガン
    ド会合反応方法。
  29. 【請求項29】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域が、前記基板に、互いに離間して形成され
    た前記複数の貫通孔内に、吸着性材料を含む吸着性膜が
    圧入されて、形成されていることを特徴とする請求項2
    8に記載のリセプター・リガンド会合反応方法。
  30. 【請求項30】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    に、10以上の吸着性領域が形成されていることを特徴
    とする請求項1ないし29のいずれか1項に記載のリセ
    プター・リガンド会合反応方法。
  31. 【請求項31】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    に、前記複数の吸着性領域が、それぞれ、5平方ミリメ
    ートル未満のサイズに形成されていることを特徴とする
    請求項1ないし30のいずれか1項に記載のリセプター
    ・リガンド会合反応方法。
  32. 【請求項32】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    に、前記複数の吸着性領域が、10個/平方センチメー
    トル以上の密度で、形成されていることを特徴とする請
    求項1ないし31のいずれか1項に記載のリセプター・
    リガンド会合反応方法。
  33. 【請求項33】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、放射線エネルギーを減衰させる性質を有しているこ
    とを特徴とする請求項1ないし32のいずれか1項に記
    載のリセプター・リガンド会合反応方法。
  34. 【請求項34】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だ
    け、放射線が前記基板中を透過したときに、放射線のエ
    ネルギーを、1/5以下に減衰させる性質を有している
    ことを特徴とする請求項33に記載のリセプター・リガ
    ンド会合反応方法。
  35. 【請求項35】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、光エネルギーを減衰させる性質を有していることを
    特徴とする請求項1ないし34のいずれか1項に記載の
    リセプター・リガンド会合反応方法。
  36. 【請求項36】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だ
    け、光が前記基板中を透過したときに、光のエネルギー
    を、1/5以下に減衰させる性質を有していることを特
    徴とする請求項35に記載のリセプター・リガンド会合
    反応方法。
  37. 【請求項37】 リセプターまたはリガンドが固定され
    た複数の吸着性領域が、互いに離間して、形成された生
    化学解析用ユニットを保持する生化学解析用ユニット保
    持手段と、溶液を、前記生化学解析用ユニット保持手段
    に保持された生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性
    領域を横切るように、供給する溶液供給手段を備えたこ
    とを特徴とするリセプター・リガンド会合反応装置。
  38. 【請求項38】 前記生化学解析用ユニット保持手段
    が、生化学解析用ユニットを収容可能な反応容器によっ
    て構成され、前記溶液供給手段が、反応容器内に収容さ
    れた前記生化学解析用ユニットの両側の前記反応容器内
    の空間に連通する溶液循環通路と、前記溶液循環通路に
    設けられ、溶液を、前記反応容器および溶液循環通路内
    を循環させるポンプとによって構成されていることを特
    徴とする請求項37に記載のリセプター・リガンド会合
    反応装置。
  39. 【請求項39】 前記ポンプが、正逆両方向に駆動可能
    に構成されていることを特徴とする請求項38に記載の
    リセプター・リガンド会合反応装置。
  40. 【請求項40】 さらに、前記ポンプが正方向に駆動さ
    れたときの溶液の流れ方向に対して、前記反応容器の下
    流側の前記溶液循環通路に、切り換えバルブを介して、
    溶液排出通路が接続されていることを特徴とする請求項
    39に記載のリセプター・リガンド会合反応装置。
  41. 【請求項41】 さらに、リガンドまたはリセプター含
    む反応溶液を収容し、前記溶液循環通路に連通可能な少
    なくとも1つの反応溶液源を備えたことを特徴とする請
    求項38ないし40のいずれか1項に記載のリセプター
    ・リガンド会合反応装置。
  42. 【請求項42】 リガンドまたはリセプター含む反応溶
    液を収容する2以上の反応溶液源を備え、前記2以上の
    反応溶液源が、前記溶液循環通路に、選択的に連通され
    るように構成されていることを特徴とする請求項41に
    記載のリセプター・リガンド会合反応装置。
  43. 【請求項43】 さらに、洗浄溶液を収容し、前記溶液
    循環通路に連通可能な少なくとも1つの洗浄溶液源を備
    えたことを特徴とする請求項38ないし42のいずれか
    1項に記載のリセプター・リガンド会合反応装置。
  44. 【請求項44】 リガンドまたはリセプター含む反応溶
    液を収容する2以上の反応溶液源と、洗浄溶液を収容す
    る少なくとも1つの洗浄溶液源を備え、前記2以上の反
    応溶液源および少なくとも1つの洗浄溶液源が、前記溶
    液循環通路に、選択的に連通されるように構成されてい
    ることを特徴とする請求項43に記載のリセプター・リ
    ガンド会合反応装置。
  45. 【請求項45】 前記生化学解析用ユニット保持手段
    が、前記生化学解析用ユニットおよび溶液を収容可能な
    反応容器によって構成され、前記溶液供給手段が、前記
    反応容器内に収容された溶液中に、前記反応容器内に収
    容された前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性
    領域を横切る方向に、超音波を生成する超音波生成手段
    によって構成されたことを特徴とする請求項37に記載
    のリセプター・リガンド会合反応装置。
  46. 【請求項46】 前記超音波生成手段が、一対の超音波
    振動子を備え、前記超音波振動子の一方が、溶液中に、
    前記反応容器内に収容された前記生化学解析用ユニット
    の前記複数の吸着性領域を、正方向に横切る超音波を生
    成するように構成され、前記超音波振動子の他方が、溶
    液中に、前記反応容器内に収容された前記生化学解析用
    ユニットの前記複数の吸着性領域を、正方向に横切る超
    音波を生成するように構成されていることを特徴とする
    請求項45に記載のリセプター・リガンド会合反応装
    置。
  47. 【請求項47】 さらに、それぞれが、前記生化学解析
    用ユニット保持手段によって保持された前記生化学解析
    用ユニットの前記複数の吸着性領域のそれぞれに対向す
    る開口部を有し、溶液を供給可能な複数の管状部材と、
    前記複数の管状部材のうち、少なくとも、2以上の管状
    部材よりなるグループごとに、独立して設けられ、グル
    ープを構成している前記2以上の管状部材内を流れる溶
    液の温度を制御する温度制御手段とを備えたことを特徴
    とする請求項37に記載のリセプター・リガンド会合反
    応装置。
  48. 【請求項48】 前記複数の管状部材が、2以上の管状
    部材を含む複数のブロックに分割され、各ブロックごと
    に、独立した温度制御手段が設けられていることを特徴
    とする請求項47に記載のリセプター・リガンド会合反
    応装置。
  49. 【請求項49】 さらに、それぞれが、前記生化学解析
    用ユニット保持手段によって保持された前記生化学解析
    用ユニットの前記複数の吸着性領域のそれぞれに対向す
    る開口部を有し、溶液を供給可能な複数の管状部材を備
    え、少なくとも前記生化学解析用ユニット保持手段によ
    って保持された前記生化学解析用ユニットの近傍におい
    て、前記複数の管状部材が、マトリックス状に配置さ
    れ、マトリックスの各ラインを構成する複数の管状部材
    ごとに、独立した温度制御手段が設けられていることを
    特徴とする請求項37に記載のリセプター・リガンド会
    合反応装置。
  50. 【請求項50】 さらに、それぞれが、前記生化学解析
    用ユニット保持手段によって保持された前記生化学解析
    用ユニットの前記複数の吸着性領域のそれぞれに対向す
    る開口部を有し、溶液を供給可能な複数の管状部材を備
    え、前記複数の管状部材のそれぞれに、独立した温度制
    御手段を設けられていることを特徴とする請求項37に
    記載のリセプター・リガンド会合反応装置。
  51. 【請求項51】 さらに、それぞれが、前記生化学解析
    用ユニット保持手段に保持された前記生化学解析用ユニ
    ットの前記複数の吸着性領域を介して、前記複数の管状
    部材の前記開口部に対向し、前記管状部材から前記生化
    学解析用ユニットの前記吸着性領域に供給された溶液を
    受け入れ可能な複数の溶液回収用管状部材を備えたこと
    を特徴とする請求項47ないし50のいずれか1項に記
    載のリセプター・リガンド会合反応装置。
  52. 【請求項52】 さらに、前記温度制御手段と、前記生
    化学解析用ユニット保持手段との間に、断熱部材を備
    え、前記複数の管状部材が前記断熱部材中を延びるよう
    に配置されていることを特徴とする請求項47ないし5
    1のいずれか1項に記載のリセプター・リガンド会合反
    応装置。
  53. 【請求項53】 リガンドまたはリセプター含む反応溶
    液を収容し、前記複数の管状部材の前記開口部と反対側
    の端部において、前記複数の管状部材に連通可能な少な
    くとも1つの反応溶液源を備えたことを特徴とする請求
    項47ないし52のいずれか1項に記載のリセプター・
    リガンド会合反応装置。
  54. 【請求項54】 リガンドまたはリセプター含む反応溶
    液を収容する2以上の反応溶液源を備え、前記2以上の
    反応溶液源が、前記複数の管状部材の前記開口部と反対
    側の端部において、前記複数の管状部材に選択的に連通
    されるように構成されたことを特徴とする請求項53に
    記載のリセプター・リガンド会合反応装置。
  55. 【請求項55】 さらに、洗浄溶液を収容し、前記複数
    の管状部材の前記開口部と反対側の端部において、前記
    複数の管状部材に連通可能な少なくとも1つの洗浄溶液
    源を備えたことを特徴とする請求項47ないし54のい
    ずれか1項に記載のリセプター・リガンド会合反応装
    置。
  56. 【請求項56】 リガンドまたはリセプター含む反応溶
    液を収容する2以上の反応溶液源と、洗浄溶液を収容す
    る少なくとも1つの洗浄溶液源を備え、前記2以上の反
    応溶液源および少なくとも1つの洗浄溶液源が、前記複
    数の管状部材の前記開口部と反対側の端部において、前
    記複数の管状部材に選択的に連通されるように構成され
    たことを特徴とする請求項55に記載のリセプター・リ
    ガンド会合反応装置。
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