JP2003083964A - 生化学解析用ユニットへの生化学解析用データ記録方法およびハイブリダイゼーション装置 - Google Patents

生化学解析用ユニットへの生化学解析用データ記録方法およびハイブリダイゼーション装置

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JP2003083964A
JP2003083964A JP2001275017A JP2001275017A JP2003083964A JP 2003083964 A JP2003083964 A JP 2003083964A JP 2001275017 A JP2001275017 A JP 2001275017A JP 2001275017 A JP2001275017 A JP 2001275017A JP 2003083964 A JP2003083964 A JP 2003083964A
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analysis unit
substance
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absorptive
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JP2001275017A
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Katsuaki Muraishi
勝明 村石
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生化学解析用ユニットに形成されたスポット
状の領域に含まれた特異的結合物質に、本来、ハイブリ
ダイズされるべき生体由来の物質を、効率よく、所望の
ように、ハイブリダイズさせることができ、かつ、再現
性よく、定量性に優れた生化学解析用データを生成する
ことを可能にするハイブリダイゼーション装置を提供す
る。 【解決手段】 互いに離間して形成された複数の吸着性
領域4を備えた生化学解析用ユニット1を保持可能な生
化学解析用ユニット保持手段8a、8bを備え、溶液を
収容可能な容器7と、容器の内壁部に、超音波振動子9
a、9bが設けられ、さらに、超音波振動子を振動させ
るコントローラ10を備えたことを特徴とするハイブリ
ダイゼーション装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学解析用ユニ
ットへの生化学解析用データ記録方法およびハイブリダ
イゼーション装置に関するものであり、さらに詳細に
は、生化学解析用ユニットに形成されたスポット状の領
域に含まれた特異的結合物質に、本来、ハイブリダイズ
されるべき生体由来の物質を、効率よく、所望のよう
に、ハイブリダイズさせることができ、かつ、再現性よ
く、定量性に優れた生化学解析用データを生成すること
を可能にする生化学解析用ユニットへの生化学解析用デ
ータ記録方法およびハイブリダイゼーション装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するオートラジオグラフィ解析システムは、写
真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化
学的処理が不必要であるだけでなく、得られたディジタ
ルデータにデータ処理を施すことにより、所望のよう
に、解析用データを再生し、あるいは、コンピュータに
よる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0005】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光解析システムも知られてい
る。
【0006】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細胞、
ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗
原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDN
A、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結
合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既
知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下
して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによっ
て、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処
理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であ
って、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識され
た物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特異
的結合物質に、特異的に結合させたマイクロアレイに、
励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から
発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来
の物質を解析するマイクロアレイ解析システムが開発さ
れている。このマイクロアレイ解析システムによれば、
スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポット
を高密度に形成して、標識物質によって標識された生体
由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時
間に、生体由来の物質を解析することが可能になるとい
う利点がある。
【0007】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッ
ター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポット
を形成し、次いで、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽
出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、
さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生
体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識さ
れた物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特
異的結合物質に、特異的に結合させたマクロアレイを、
輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性
蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、
しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性
蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生
化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解析する
放射性標識物質を用いたマクロアレイ解析システムも開
発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】マイクロアレイ解析シ
ステムやマクロアレイ解析システムにおいては、メンブ
レンフィルタなどの生化学解析用ユニットの表面の異な
る位置に、特異的結合物質を含む溶液を滴下して、多数
のスポット状領域を形成し、放射性標識物質、蛍光物
質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質などによって標識された生体由来の
物質を、スポット状領域に含まれている特異的結合物質
にハイブリダイズさせて、特異的結合物質を選択的に標
識し、多数のスポット状領域に選択的に含まれている放
射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍
光体層を露光し、露光された輝尽性蛍光体層を、励起光
によって走査して、輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽
性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光
を光電的に検出して、生化学解析用データを生成し、あ
るいは、多数のスポット状領域を、励起光によって走査
して、多数のスポット状領域に選択的に含まれている蛍
光物質を励起し、蛍光物質から放出された蛍光を光電的
に検出して、生化学解析用データを生成し、あるいは、
多数のスポット状領域に選択的に含まれている標識物質
を化学発光基質と接触させ、標識物質から放出される化
学発光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成
することが要求されている。
【0009】特異的結合物質と生体由来の物質をハイブ
リダイズさせる場合、従来は、放射性標識物質、蛍光物
質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質などによって標識された生体由来の
物質を含むハイブリダイゼーション溶液が収容されたハ
イブリダイゼーションバッグ内に、特異的結合物質を含
む多数のスポット状領域が形成されたメンブレンフィル
タなどの生化学解析用ユニットを入れ、実験者が、手作
業で、ハイブリダイゼーションバッグに振動を加えて、
生体由来の物質を、対流あるいは拡散によって移動させ
て、特異的結合物質と生体由来の物質をハイブリダイズ
させていた。
【0010】しかしながら、実験者が、手作業で、生化
学解析用ユニットが入ったハイブリダイゼーションバッ
グに振動を加えて、特異的結合物質と生体由来の物質を
ハイブリダイズさせる場合には、実験者によって、ハイ
ブリダイゼーションの結果がばらつき、再現性が低下す
ることは避けられず、また、同じ実験者であっても、再
現性が低下するおそれがあり、さらに、ハイブリダイゼ
ーションには、10時間以上を要するため、きわめて煩
雑であるという問題があった。
【0011】したがって、本発明は、生化学解析用ユニ
ットに形成されたスポット状の領域に含まれた特異的結
合物質に、本来、ハイブリダイズされるべき生体由来の
物質を、効率よく、所望のように、ハイブリダイズさせ
ることができ、かつ、再現性よく、定量性に優れた生化
学解析用データを生成することを可能にする生化学解析
用ユニットへの生化学解析用データ記録方法およびハイ
ブリダイゼーション装置を提供することを目的とするも
のである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
構造または特性が既知の特異的結合物質を含む複数の吸
着性領域が、互いに離間して形成された生化学解析用ユ
ニットを、容器内に収容された標識物質によって標識さ
れた生体由来の物質を含むハイブリダイゼーション溶液
内にセットし、前記ハイブリダイゼーション溶液内に、
超音波を発生させて、前記生化学解析用ユニットの前記
複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、前記ハ
イブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質
を、選択的に、ハイブリダイズさせることを特徴とする
生化学解析用ユニットへの生化学解析用データ記録方法
によって達成される。
【0013】本発明によれば、構造または特性が既知の
特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互いに離間
して形成された生化学解析用ユニットを、容器内に収容
された標識物質によって標識された生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション溶液内にセットし、ハイブリ
ダイゼーション溶液内に、超音波を発生させて、生化学
解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれた特異的結
合物質に、ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生体
由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせるように
構成されているから、ハイブリダイゼーションバッグに
振動を加えて、生体由来の物質を、対流あるいは拡散に
よって移動させて、特異的結合物質と生体由来の物質を
ハイブリダイズさせる場合に比して、ハイブリダイゼー
ション溶液を、生化学解析用ユニットに形成された複数
の吸着性領域に、均一に、かつ、繰り返し、接触させる
ことができ、したがって、ハイブリダイゼーション溶液
に含まれた生体由来の物質が、吸着性領域に含まれてい
るハイブリダイズすべき特異的結合物質と出会う確率を
大幅に向上させることが可能になるから、ハイブリダイ
ゼーションの効率を大幅に向上させることが可能にな
る。
【0014】また、本発明によれば、ハイブリダイゼー
ション溶液内に、超音波を発生させて、生化学解析用ユ
ニットの複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質
に、ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の
物質を、選択的に、ハイブリダイズさせるように構成さ
れているから、実験者により、ハイブリダイゼーション
の結果がばらつくことを確実に防止することが可能にな
るとともに、ハイブリダイゼーションの再現性を大幅に
向上させることが可能になる。
【0015】本発明の好ましい実施態様においては、前
記ハイブリダイゼーション溶液内に、前記生化学解析用
ユニットの前記複数の吸着性領域を横切るように、超音
波を発生させて、前記生化学解析用ユニットの前記複数
の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、前記ハイブ
リダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質を、選
択的に、ハイブリダイズさせるように構成されている。
【0016】本発明の好ましい実施態様によれば、ハイ
ブリダイゼーション溶液内に、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域を横切るように、超音波を発生させ
て、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれ
た特異的結合物質に、ハイブリダイゼーション溶液に含
まれた生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさ
せるように構成されているから、ハイブリダイゼーショ
ンバッグに振動を加えて、生体由来の物質を、対流ある
いは拡散によって移動させて、特異的結合物質と生体由
来の物質をハイブリダイズさせる場合に比して、生体由
来の物質が、吸着性領域に含まれているハイブリダイズ
すべき特異的結合物質と出会う確率を大幅に向上させる
ことができ、生体由来の物質を、生化学解析用ユニット
に形成された多数の吸着性領域の深い部分に含まれてい
る特異的結合物質にも、効果的にハイブリダイズさせる
ことが可能になり、したがって、ハイブリダイゼーショ
ンの効率を大幅に向上させることが可能になる。
【0017】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
を横切るように、向きの異なる超音波を、交互に、前記
ハイブリダイゼーション溶液内に発生させて、前記生化
学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に含まれた特
異的結合物質に、前記ハイブリダイゼーション溶液に含
まれた生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさ
せるように構成されている。
【0018】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横切る
ように、向きの異なる超音波を、交互に、ハイブリダイ
ゼーション溶液内に発生させて、生化学解析用ユニット
の複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、ハイ
ブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質を、
選択的に、ハイブリダイズさせるように構成されている
から、生体由来の物質が、吸着性領域に含まれているハ
イブリダイズすべき特異的結合物質と出会う確率をさら
に向上させることができ、生体由来の物質を、生化学解
析用ユニットに形成された多数の吸着性領域の深い部分
に含まれている特異的結合物質にも、効果的にハイブリ
ダイズさせることが可能になり、したがって、ハイブリ
ダイゼーションの効率を大幅に向上させることが可能に
なる。
【0019】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記ハイブリダイゼーション溶液内に、前記生化学
解析用ユニットの両面に略平行な方向に、超音波を発生
させて、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性
領域に含まれた特異的結合物質に、前記ハイブリダイゼ
ーション溶液に含まれた生体由来の物質を、選択的に、
ハイブリダイズさせるように構成されている。
【0020】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
ハイブリダイゼーション溶液内に、生化学解析用ユニッ
トの両面に略平行な方向に、超音波を発生させて、生化
学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれた特異的
結合物質に、ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生
体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせるよう
に構成されているから、ハイブリダイゼーションバッグ
に振動を加えて、生体由来の物質を、対流あるいは拡散
によって移動させて、特異的結合物質と生体由来の物質
をハイブリダイズさせる場合に比し、ハイブリダイゼー
ション溶液を、生化学解析用ユニットに形成された複数
の吸着性領域の両面に、均一に、かつ、繰り返し、接触
させることができ、したがって、ハイブリダイゼーショ
ン溶液に含まれた生体由来の物質が、吸着性領域に含ま
れているハイブリダイズすべき特異的結合物質と出会う
確率を大幅に向上させることが可能になるから、ハイブ
リダイゼーションの効率を大幅に向上させることが可能
になる。
【0021】本発明の前記目的はまた、構造または特性
が既知の特異的結合物質と標識物質異よって標識された
生体由来の物質が選択的に結合した結合体を含む複数の
吸着性領域が、互いに離間して形成された生化学解析用
ユニットを、容器内に収容された洗浄溶液内にセット
し、前記洗浄溶液内に、超音波を発生させて、前記生化
学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を洗浄するこ
とを特徴とする生化学解析用ユニットへの生化学解析用
データ記録方法によって達成される。
【0022】本発明によれば、構造または特性が既知の
特異的結合物質と標識物質異よって標識された生体由来
の物質が選択的に結合した結合体を含む複数の吸着性領
域が、互いに離間して形成された生化学解析用ユニット
を、容器内に収容された洗浄溶液内にセットし、洗浄溶
液内に、超音波を発生させて、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域を洗浄するように構成されているか
ら、洗浄溶液を、生化学解析用ユニットに形成された複
数の吸着性領域に、均一に、かつ、繰り返し、接触させ
ることができ、したがって、ハイブリダイゼーションの
工程で、本来、結合されるべきでない生体由来の物質
が、特異的結合物質にハイブリダイズされていても、特
異的結合物質に結合されるべきでなかった生体由来の物
質を、効果的に剥離させ、除去することが可能になる。
【0023】本発明の好ましい実施態様においては、前
記洗浄溶液内に、前記生化学解析用ユニットの前記複数
の吸着性領域を横切るように、超音波を発生させて、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を洗浄
するように構成されている。
【0024】本発明の好ましい実施態様によれば、洗浄
溶液内に、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を
横切るように、超音波を発生させて、生化学解析用ユニ
ットの複数の吸着性領域を洗浄するように構成されてい
るから、ハイブリダイゼーションの工程で、本来、結合
されるべきでない生体由来の物質が、特異的結合物質に
ハイブリダイズされていても、特異的結合物質に結合さ
れるべきでなかった生体由来の物質を、効果的に剥離さ
せ、除去することが可能になる。
【0025】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
を横切るように、向きの異なる超音波を、交互に、前記
洗浄溶液内に発生させて、前記生化学解析用ユニットの
前記複数の吸着性領域を洗浄するように構成されてい
る。
【0026】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横切る
ように、向きの異なる超音波を、交互に、洗浄溶液内に
発生させて、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域
を洗浄するように構成されているから、ハイブリダイゼ
ーションの工程で、本来、結合されるべきでない生体由
来の物質が、特異的結合物質にハイブリダイズされてい
ても、特異的結合物質に結合されるべきでなかった生体
由来の物質を、より効果的に剥離させ、除去することが
可能になる。
【0027】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記洗浄溶液内に、前記生化学解析用ユニットの両
面に略平行な方向に、超音波を発生させて、前記生化学
解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を洗浄するよう
に構成されている。
【0028】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
洗浄溶液内に、生化学解析用ユニットの両面に略平行な
方向に、超音波を発生させて、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域を洗浄するように構成されているか
ら、洗浄溶液を、生化学解析用ユニットに形成された複
数の吸着性領域の両面に、均一に、かつ、繰り返し、接
触させることができ、したがって、ハイブリダイゼーシ
ョンの工程で、本来、結合されるべきでない生体由来の
物質が、特異的結合物質にハイブリダイズされていて
も、特異的結合物質に結合されるべきでなかった生体由
来の物質を、効果的に剥離させ、除去することが可能に
なる。
【0029】本発明の前記目的はまた、構造または特性
が既知の特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互
いに離間して形成された生化学解析用ユニットを、容器
内に収容された標識物質によって標識された生体由来の
物質を含むハイブリダイゼーション溶液内にセットし、
前記ハイブリダイゼーション溶液内に、超音波を発生さ
せて、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領
域に含まれた特異的結合物質に、前記ハイブリダイゼー
ション溶液に含まれた生体由来の物質を、選択的に、ハ
イブリダイズさせ、前記容器から、前記ハイブリダイゼ
ーション溶液を排出し、前記容器内に洗浄溶液を収容さ
せ、前記洗浄溶液内に、超音波を発生させて、前記生化
学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を洗浄するこ
とを特徴とする生化学解析用ユニットへの生化学解析用
データ記録方法によって達成される。
【0030】本発明によれば、ハイブリダイゼーション
溶液内に、超音波を発生させて、生化学解析用ユニット
の複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、ハイ
ブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質を、
選択的に、ハイブリダイズさせるように構成されている
から、ハイブリダイゼーション溶液を、生化学解析用ユ
ニットに形成された複数の吸着性領域に、均一に、か
つ、繰り返し、接触させることができ、したがって、ハ
イブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質
が、吸着性領域に含まれているハイブリダイズすべき特
異的結合物質と出会う確率を大幅に向上させることが可
能になるから、ハイブリダイゼーションの効率を大幅に
向上させることが可能になる。
【0031】また、本発明によれば、洗浄溶液内に、超
音波を発生させて、生化学解析用ユニットの複数の吸着
性領域を洗浄するように構成されているから、洗浄溶液
を、生化学解析用ユニットに形成された複数の吸着性領
域に、均一に、かつ、繰り返し、接触させることがで
き、したがって、ハイブリダイゼーションの工程で、本
来、結合されるべきでない生体由来の物質が、特異的結
合物質にハイブリダイズされていても、特異的結合物質
に結合されるべきでなかった生体由来の物質を、効果的
に剥離させ、除去することが可能になる。
【0032】さらに、本発明によれば、ハイブリダイゼ
ーション溶液内に、超音波を発生させて、生化学解析用
ユニットの複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質
に、ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の
物質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、洗浄溶液内
に、超音波を発生させて、生化学解析用ユニットの複数
の吸着性領域を洗浄するように構成されているから、実
験者により、ハイブリダイゼーションの結果がばらつく
ことを確実に防止することが可能になるとともに、ハイ
ブリダイゼーションの再現性を大幅に向上させることが
可能になる。
【0033】本発明の好ましい実施態様においては、前
記ハイブリダイゼーション溶液内に、前記生化学解析用
ユニットの前記複数の吸着性領域を横切るように、超音
波を発生させて、前記生化学解析用ユニットの前記複数
の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、前記ハイブ
リダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質を、選
択的に、ハイブリダイズさせ、前記洗浄溶液内に、前記
生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切る
ように、超音波を発生させて、前記生化学解析用ユニッ
トの前記複数の吸着性領域を洗浄するように構成されて
いる。
【0034】本発明の好ましい実施態様によれば、ハイ
ブリダイゼーション溶液内に、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域を横切るように、超音波を発生させ
て、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれ
た特異的結合物質に、ハイブリダイゼーション溶液に含
まれた生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさ
せ、洗浄溶液内に、生化学解析用ユニットの複数の吸着
性領域を横切るように、超音波を発生させて、生化学解
析用ユニットの複数の吸着性領域を洗浄するように構成
されているから、生体由来の物質が、吸着性領域に含ま
れているハイブリダイズすべき特異的結合物質と出会う
確率を大幅に向上させることができ、生体由来の物質
を、生化学解析用ユニットに形成された多数の吸着性領
域の深い部分に含まれている特異的結合物質にも、効果
的にハイブリダイズさせることが可能になり、、ハイブ
リダイゼーションの効率を大幅に向上させることが可能
になるとともに、ハイブリダイゼーションの工程で、本
来、結合されるべきでない生体由来の物質が、特異的結
合物質にハイブリダイズされていても、特異的結合物質
に結合されるべきでなかった生体由来の物質を、効果的
に剥離させ、除去することが可能になる。
【0035】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
を横切るように、向きの異なる超音波を、交互に、前記
ハイブリダイゼーション溶液内に発生させて、前記生化
学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に含まれた特
異的結合物質に、前記ハイブリダイゼーション溶液に含
まれた生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさ
せ、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
を横切るように、向きの異なる超音波を、交互に、前記
洗浄溶液内に発生させて、前記生化学解析用ユニットの
前記複数の吸着性領域を洗浄するように構成されてい
る。
【0036】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横切る
ように、向きの異なる超音波を、交互に、ハイブリダイ
ゼーション溶液内に発生させて、生化学解析用ユニット
の複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、ハイ
ブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質を、
選択的に、ハイブリダイズさせ、生化学解析用ユニット
の複数の吸着性領域を横切るように、向きの異なる超音
波を、交互に、洗浄溶液内に発生させて、生化学解析用
ユニットの複数の吸着性領域を洗浄するように構成され
ているから、生体由来の物質が、吸着性領域に含まれて
いるハイブリダイズすべき特異的結合物質と出会う確率
をさらに向上させることができ、生体由来の物質を、生
化学解析用ユニットに形成された多数の吸着性領域の深
い部分に含まれている特異的結合物質にも、より効果的
にハイブリダイズさせることが可能になり、したがっ
て、ハイブリダイゼーションの効率を大幅に向上させる
ことが可能になるとともに、ハイブリダイゼーションの
工程で、本来、結合されるべきでない生体由来の物質
が、特異的結合物質にハイブリダイズされていても、特
異的結合物質に結合されるべきでなかった生体由来の物
質を、より効果的に剥離させ、除去することが可能にな
る。
【0037】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記ハイブリダイゼーション溶液内に、前記生化学
解析用ユニットの両面に略平行な方向に、超音波を発生
させて、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性
領域に含まれた特異的結合物質に、前記ハイブリダイゼ
ーション溶液に含まれた生体由来の物質を、選択的に、
ハイブリダイズさせ、前記洗浄溶液内に、前記生化学解
析用ユニットの両面に略平行な方向に、超音波を発生さ
せて、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領
域を洗浄するように構成されている。
【0038】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
ハイブリダイゼーション溶液内に、生化学解析用ユニッ
トの両面に略平行な方向に、超音波を発生させて、生化
学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれた特異的
結合物質に、ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生
体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、洗浄
溶液内に、生化学解析用ユニットの両面に略平行な方向
に、超音波を発生させて、生化学解析用ユニットの複数
の吸着性領域を洗浄するように構成されているから、ハ
イブリダイゼーション溶液を、生化学解析用ユニットに
形成された複数の吸着性領域の両面に、均一に、かつ、
繰り返し、接触させることができ、したがって、ハイブ
リダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質が、吸
着性領域に含まれているハイブリダイズすべき特異的結
合物質と出会う確率を大幅に向上させることが可能にな
るから、ハイブリダイゼーションの効率を大幅に向上さ
せることが可能になるとともに、洗浄溶液を、生化学解
析用ユニットに形成された複数の吸着性領域の両面に、
均一に、かつ、繰り返し、接触させることができ、した
がって、ハイブリダイゼーションの工程で、本来、結合
されるべきでない生体由来の物質が、特異的結合物質に
ハイブリダイズされていても、特異的結合物質に結合さ
れるべきでなかった生体由来の物質を、効果的に剥離さ
せ、除去することが可能になる。
【0039】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生体由来の物質が、放射性標識物質、蛍光物質および
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の標識物質によって標識されている。
【0040】本発明において、生体由来の物質が、蛍光
物質によって標識されているとは、蛍光色素によって標
識されている場合と、酵素を標識された試料と結合させ
た後に、酵素を蛍光基質と接触させて、蛍光基質を、蛍
光を発する蛍光物質に変化させ、得られた蛍光物質によ
って標識されている場合とを包含している。
【0041】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が形成された
基板を備え、前記複数の吸着性領域が、前記基板の前記
複数の貫通孔に、吸着性材料が充填されて形成されてい
る。
【0042】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットが、複数の貫通孔が形成された基板を
備え、複数の吸着性領域が、基板の複数の貫通孔に、吸
着性材料が充填されて形成されているから、超音波によ
って、ハイブリダイゼーション溶液を、特異的結合物質
が含まれた複数の吸着性領域のみを横切るように、強制
的に流動させることができ、したがって、ハイブリダイ
ゼーションの効率を大幅に向上させることが可能にな
り、他方、超音波によって、洗浄溶液を、複数の吸着性
領域をのみを横切るように、強制的に流動させることが
でき、したがって、洗浄効率を大幅に向上させることが
可能になる。
【0043】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、吸着性材料によって
形成された吸着性基板と、同一のパターンで、複数の貫
通孔が形成された一対の基板を備え、前記一対の基板
が、前記複数の貫通孔のパターンが対応するように、前
記吸着性基板の両面に密着され、前記一対の基板の前記
複数の貫通孔内の前記吸着性基板によって、前記複数の
吸着性領域が形成されている。
【0044】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
生化学解析用ユニットが、吸着性材料によって形成され
た吸着性基板と、同一のパターンで、複数の貫通孔が形
成された一対の基板を備え、一対の基板が、複数の貫通
孔のパターンが対応するように、吸着性基板の両面に密
着され、一対の基板の複数の貫通孔内の吸着性基板によ
って、複数の吸着性領域が形成されているから、超音波
によって、ハイブリダイゼーション溶液を、特異的結合
物質が含まれた複数の吸着性領域のみを横切るように、
強制的に流動させることができ、したがって、ハイブリ
ダイゼーションの効率を大幅に向上させることが可能に
なり、他方、超音波によって、洗浄溶液を、複数の吸着
性領域をのみを横切るように、強制的に流動させること
ができ、したがって、洗浄効率を大幅に向上させること
が可能になる。
【0045】本発明の好ましい実施態様においては、4
0KHzないし50MHzの周波数の超音波を発生させ
るように構成されている。
【0046】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、10以上
の貫通孔が形成されている。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、50以上
の貫通孔が形成されている。
【0048】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、100以
上の貫通孔が形成されている。
【0049】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、500以
上の貫通孔が形成されている。
【0050】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
以上の貫通孔が形成されている。
【0051】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、5000
以上の貫通孔が形成されている。
【0052】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
0以上の貫通孔が形成されている。
【0053】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、5000
0以上の貫通孔が形成されている。
【0054】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
00以上の貫通孔が形成されている。
【0055】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の貫通孔が、それぞれ、5平方ミリメートル未
満のサイズを有している。
【0056】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の貫通孔が、それぞれ、1平方ミリメートル未
満のサイズを有している。
【0057】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の貫通孔が、それぞれ、0.5平方ミリメート
ル未満のサイズを有している。
【0058】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の貫通孔が、それぞれ、0.1平方ミリメート
ル未満のサイズを有している。
【0059】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の貫通孔が、それぞれ、0.05平方ミリメー
トル未満のサイズを有している。
【0060】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の貫通孔が、それぞれ、0.01平方ミリメー
トル未満のサイズを有している。
【0061】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、10個/平方センチメートル以上の密度で
形成されている。
【0062】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、50個/平方センチメートル以上の密度で
形成されている。
【0063】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、100個/平方センチメートル以上の密度
で形成されている。
【0064】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、500個/平方センチメートル以上の密度
で形成されている。
【0065】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、1000個/平方センチメートル以上の密
度で形成されている。
【0066】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、5000個/平方センチメートル以上の密
度で形成されている。
【0067】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、10000個/平方センチメートル以上の
密度で形成されている。
【0068】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、50000個/平方センチメートル以上の
密度で形成されている。
【0069】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、100000個/平方センチメートル以上
の密度で形成されている。
【0070】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の貫通
孔が、規則的なパターンにより形成されている。
【0071】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の貫通
孔が、それぞれ、略円形に形成されている。
【0072】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、それぞれ、略矩形状に形成されている。
【0073】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、液不透過性材料
によって形成されている。
【0074】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、放射線を減衰さ
せる性質を有している。
【0075】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットの基板が、放射線を減衰させ
る性質を有しているから、生化学解析用ユニットの基板
に、複数の吸着性領域を高密度に形成した場合において
も、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を滴下し
て、吸着させ、複数の吸着性領域に吸着された特異的結
合物質に、放射性標識物質によって標識された生体由来
の物質を、ハイブリダイズさせて、選択的に標識し、生
化学解析用ユニットと蓄積性蛍光体シートとを重ね合わ
せて、複数の吸着性領域に選択的に含まれた放射性標識
物質によって、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成され
た複数の輝尽性蛍光体層領域を露光する際に、各吸着性
領域に含まれている放射性標識物質から放出された電子
線(β線)が、生化学解析用ユニットの基板内で散乱す
ることを効果的に防止することができ、したがって、各
吸着性領域に含まれている放射性標識物質から放出され
た電子線(β線)を、対応する輝尽性蛍光体層領域に、
選択的に入射させて、対応する輝尽性蛍光体層領域のみ
を露光することが可能になるから、放射性標識物質によ
って露光された複数のドット状輝尽性蛍光体層領域を励
起光によって走査し、複数の輝尽性蛍光体層領域から放
出された輝尽光を光電的に検出することによって、高い
分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成
することが可能になる。
【0076】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記基
板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/5
以下に減衰させる性質を有している。
【0077】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/10以下に減衰させる性質を有している。
【0078】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/50以下に減衰させる性質を有している。
【0079】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/100以下に減衰させる性質を有している。
【0080】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/500以下に減衰させる性質を有している。
【0081】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/1000以下に減衰させる性質を有している。
【0082】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、光を減衰させる
性質を有している。
【0083】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットの基板が、光を減衰させる性質を有し
ているから、生化学解析用ユニットの基板に、吸着性領
域を高密度に形成し、吸着性領域に吸着されている特異
的結合物質に、蛍光物質および/または化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
によって標識された生体由来の物質を、選択的にハイブ
リダイズさせた場合にも、多数の吸着性領域に、励起光
を照射して、多数の吸着性領域に選択的に含まれている
蛍光物質を励起し、放出された蛍光を光電的に検出する
際に、各吸着物質から放出された蛍光が、基板内で散乱
して、隣り合う吸着性領域から放出された蛍光と混ざり
合うことを効果的に防止することができ、多数の吸着性
領域から放出される化学発光が、基板内で散乱して、隣
り合う吸着性領域から放出された化学発光と混ざり合う
ことを効果的に防止することが可能になり、したがっ
て、蛍光あるいは化学発光を光電的に検出して、定量性
に優れた生化学解析用データを生成することが可能にな
る。
【0084】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記基板中
を透過したときに、光のエネルギーを、1/5以下に減
衰させる性質を有している。
【0085】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
以下に減衰させる性質を有している。
【0086】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/50
以下に減衰させる性質を有している。
【0087】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
0以下に減衰させる性質を有している。
【0088】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/50
0以下に減衰させる性質を有している。
【0089】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
00以下に減衰させる性質を有している。
【0090】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するための材料は、液不透過性を有し、放射
線および/または光を減衰させる性質を有していること
が好ましいが、とくに限定されるものではなく、無機化
合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用することが
でき、金属材料、セラミック材料またはプラスチック材
料が、好ましく使用される。
【0091】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために好ましく使用することのできる無
機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、
アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケ
ル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステ
ンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリ
コン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪
素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイ
ト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパ
タイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができ
る。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのよ
うな多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。
【0092】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために使用可能な有機化合物材料として
は、高分子化合物が好ましく用いられ、好ましく使用す
ることのできる高分子化合物としては、たとえば、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリ
メチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメ
タクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリ
ロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポ
リフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポ
リクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポ
リエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレート
などのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスル
ホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシ
ロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノー
ル樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;
ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セル
ロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシ
ウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0093】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、生化学解析用ユニットの基板は、比
重1.0g/cm以上の化合物材料または複合材料に
よって形成されることが好ましく、比重が1.5g/c
以上、23g/cm以下の化合物材料または複合
材料によって形成されることが、とくに好ましい。
【0094】また、一般に、光の散乱および/または吸
収が大きいほど、光の減衰能が高くなるので、生化学解
析用ユニットの基板は、厚さ1cmあたりの吸光度が
0.3以上であることが好ましく、厚さ1cmあたりの
吸光度が1以上であれば、さらに好ましい。ここに、吸
光度は、厚さTcmの板状体の直後に、積分球を置き、
計測に利用するプローブ光またはエミッション光の波長
における透過光量Aを分光光度計によって測定し、A/
Tを算出することによって、求められる。光減衰能を向
上させるために、光散乱体や光吸収体を、生化学解析用
ユニットの基板に含有させることもできる。光散乱体と
しては、生化学解析用ユニットの基板を形成している材
料と異なる材料の微粒子が用いられ、光吸収体として
は、顔料または染料が用いられる。
【0095】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、吸着性材料によって
形成された吸着性基板を備え、前記複数の吸着性領域
が、前記吸着性基板に、構造または特性が既知の特異的
結合物質を含む溶液が滴下されて形成されている。
【0096】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するための吸着性
材料としては、多孔質材料あるいは繊維材料が好ましく
使用される。多孔質材料と繊維材料とを併用して、吸着
性領域あるいは吸着性基板を形成することもできる。
【0097】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる多孔質材料は、有機材料、無機材料のいずれでもよ
く、有機/無機複合体でもよい。
【0098】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる有機多孔質材料は、とくに限定されるものではない
が、活性炭などの炭素材料あるいはメンブレンフィルタ
を形成可能な材料が、好ましく用いられる。具体的に
は、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10な
どのナイロン類;ニトロセルロース、酢酸セルロース、
酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;コラーゲ
ン;アルギン酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/
ポリリシンポリイオンコンプレックスなどのアルギン酸
類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ
化ビニリデン、ポリテトラフルオライドなどのポリフル
オライドや、これらの共重合体または複合体が挙げられ
る。
【0099】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる無機多孔質材料は、とくに限定されるものではない
が、好ましくは、たとえば、白金、金、鉄、銀、ニッケ
ル、アルミニウムなどの金属;アルミナ、シリカ、チタ
ニア、ゼオライトなどの金属酸化物;ヒドロキシアパタ
イト、硫酸カルシウムなどの金属塩やこれらの複合体な
どが挙げられる。
【0100】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる繊維材料は、とくに限定されるものではないが、好
ましくは、たとえば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン類、ニトロセルロース、
酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース
誘導体などが挙げられる。
【0101】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域は、電解処理、プラズマ処理、アーク放電な
どの酸化処理;シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤などを用いたプライマー処理;界面活性剤処理な
どの表面処理によって形成することもできる。
【0102】本発明の前記目的はまた、互いに離間して
形成された複数の吸着性領域を備えた生化学解析用ユニ
ットを保持可能な生化学解析用ユニット保持手段を備
え、溶液を収容可能な容器と、前記容器の内壁部に、少
なくとも1つの超音波振動子が設けられ、さらに、前記
少なくとも1つの超音波振動子を振動させるコントロー
ラを備えたことを特徴とするハイブリダイゼーション装
置によって達成される。
【0103】本発明によれば、ハイブリダイゼーション
装置は、互いに離間して形成された複数の吸着性領域を
備えた生化学解析用ユニットを保持可能な生化学解析用
ユニット保持手段を備え、溶液を収容可能な容器と、容
器の内壁部に、少なくとも1つの超音波振動子が設けら
れ、さらに、超音波振動子を振動させるコントローラを
備えているから、構造または特性が既知の特異的結合物
質を、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に滴下
した後に、生化学解析用ユニットを、生化学解析用ユニ
ット保持手段に保持させ、容器内に、標識物質によって
標識された生体由来の物質を含むハイブリダイゼーショ
ン溶液を収容させ、コントローラによって、容器の内壁
部に設けられた少なくとも1つの超音波振動子を振動さ
せて、ハイブリダイゼーション溶液中に、超音波を発生
させ、超音波により、ハイブリダイゼーション溶液を強
制的に流動させて、ハイブリダイゼーション溶液を、生
化学解析用ユニットに形成された複数の吸着性領域に、
均一に、かつ、繰り返し、接触させることができ、した
がって、ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生体由
来の物質が、吸着性領域に含まれているハイブリダイズ
すべき特異的結合物質と出会う確率を大幅に向上させる
ことが可能になるから、ハイブリダイゼーションの効率
を大幅に向上させることが可能になる。
【0104】また、本発明によれば、複数の吸着性領域
に含まれた特異的結合物質に、標識物質によって標識さ
れた生体由来の物質がハイブリダイズされた生化学解析
用ユニットを、生化学解析用ユニット保持手段に保持さ
せ、容器内に、洗浄溶液を収容させ、コントローラによ
って、容器の内壁部に設けられた少なくとも1つの超音
波振動子を振動させて、洗浄溶液中に、超音波を発生さ
せ、超音波によって、洗浄溶液中に、超音波を発生さ
せ、超音波により、洗浄溶液を強制的に流動させて、洗
浄溶液を、生化学解析用ユニットに形成された複数の吸
着性領域に、均一に、かつ、繰り返し、接触させること
ができ、したがって、ハイブリダイゼーションの工程
で、本来、結合されるべきでない生体由来の物質が、特
異的結合物質にハイブリダイズされていても、特異的結
合物質に結合されるべきでなかった生体由来の物質を、
効果的に剥離させ、除去することが可能になる。
【0105】さらに、本発明によれば、コントローラに
よって、ハイブリダイゼーション溶液中あるいは洗浄溶
液中に、超音波が生成され、超音波によって、ハイブリ
ダイゼーション溶液あるいは洗浄溶液が強制的に流動さ
れて、ハイブリダイゼーションあるいは洗浄が実行され
るから、実験者により、ハイブリダイゼーションの結果
がばらつくことを確実に防止することが可能になるとと
もに、ハイブリダイゼーションの再現性を大幅に向上さ
せることが可能になる。
【0106】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニット保持手段に保持されるべき前記
生化学解析用ユニットの少なくとも一方の面に対向する
前記容器の内壁部に、超音波振動子が設けられている。
【0107】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニット保持手段に保持されるべき生化学解析
用ユニットの少なくとも一方の面に対向する容器の内壁
部に、超音波振動子が設けられているから、構造または
特性が既知の特異的結合物質を、生化学解析用ユニット
の複数の吸着性領域に滴下した後に、生化学解析用ユニ
ットを、生化学解析用ユニット保持手段に保持させ、容
器内に、標識物質によって標識された生体由来の物質を
含むハイブリダイゼーション溶液を収容させ、コントロ
ーラによって、生化学解析用ユニットの少なくとも一方
の面に対向する容器の内壁部に設けられた超音波振動子
を振動させて、ハイブリダイゼーション溶液中に、超音
波を発生させ、超音波により、ハイブリダイゼーション
溶液を、生化学解析用ユニットに形成された複数の吸着
性領域を横切るように、強制的に流動させることがで
き、したがって、ハイブリダイゼーションバッグに振動
を加えて、生体由来の物質を、対流あるいは拡散によっ
て移動させて、特異的結合物質と生体由来の物質をハイ
ブリダイズさせる場合に比して、生体由来の物質が、吸
着性領域に含まれているハイブリダイズすべき特異的結
合物質と出会う確率を大幅に向上させることができるか
ら、生体由来の物質を、生化学解析用ユニットに形成さ
れた多数の吸着性領域の深い部分に含まれている特異的
結合物質にも、効果的にハイブリダイズさせることが可
能になり、ハイブリダイゼーションの効率を大幅に向上
させることが可能になる。
【0108】また、本発明の好ましい実施態様によれ
ば、複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、標
識物質によって標識された生体由来の物質がハイブリダ
イズされた生化学解析用ユニットを、生化学解析用ユニ
ット保持手段に保持させ、容器内に、洗浄溶液を収容さ
せ、コントローラによって、生化学解析用ユニットの少
なくとも一方の面に対向する容器の内壁部に設けられた
超音波振動子を振動させて、洗浄溶液中に、超音波を発
生させ、超音波により、洗浄溶液を、生化学解析用ユニ
ットに形成された複数の吸着性領域を横切るように、強
制的に流動させることができ、したがって、ハイブリダ
イゼーションの工程で、本来、結合されるべきでない生
体由来の物質が、特異的結合物質にハイブリダイズされ
ていても、特異的結合物質に結合されるべきでなかった
生体由来の物質を、より効果的に剥離させ、除去するこ
とが可能になる。
【0109】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニット保持手段に保持されるべ
き前記生化学解析用ユニットの両面に対向する前記容器
の内壁部に、一対の超音波振動子が設けられ、前記コン
トローラが、前記一対の超音波振動子を、交互に振動さ
せるように構成されている。
【0110】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニット保持手段に保持されるべき生
化学解析用ユニットの両面に対向する容器の内壁部に、
一対の超音波振動子が設けられ、コントローラが、一対
の超音波振動子を、交互に振動させるように構成されて
いるから、構造または特性が既知の特異的結合物質を、
生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に滴下した後
に、生化学解析用ユニットを、生化学解析用ユニット保
持手段に保持させ、容器内に、標識物質によって標識さ
れた生体由来の物質を含むハイブリダイゼーション溶液
を収容させ、コントローラによって、一対の超音波振動
子を、交互に振動させて、ハイブリダイゼーション溶液
中に、向きの異なる超音波を、交互に発生させ、超音波
により、ハイブリダイゼーション溶液を、交互に、異な
る向きで、生化学解析用ユニットに形成された複数の吸
着性領域を横切るように、強制的に流動させることがで
き、したがって、生体由来の物質が、吸着性領域に含ま
れているハイブリダイズすべき特異的結合物質と出会う
確率を大幅に向上させることができ、生体由来の物質
を、生化学解析用ユニットに形成された多数の吸着性領
域の深い部分に含まれている特異的結合物質にも、効果
的にハイブリダイズさせることが可能になるから、ハイ
ブリダイゼーションの効率を大幅に向上させることが可
能になる。
【0111】また、本発明のさらに好ましい実施態様に
よれば、複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質
に、標識物質によって標識された生体由来の物質がハイ
ブリダイズされた生化学解析用ユニットを、生化学解析
用ユニット保持手段に保持させ、容器内に、洗浄溶液を
収容させ、コントローラによって、一対の超音波振動子
を、交互に振動させて、洗浄溶液中に、向きの異なる超
音波を、交互に発生させ、超音波により、洗浄溶液を、
交互に、異なる向きで、生化学解析用ユニットに形成さ
れた複数の吸着性領域を横切るように、強制的に流動さ
せることができ、したがって、ハイブリダイゼーション
の工程で、本来、結合されるべきでない生体由来の物質
が、特異的結合物質にハイブリダイズされていても、特
異的結合物質に結合されるべきでなかった生体由来の物
質を、より効果的に剥離させ、除去することが可能にな
る。
【0112】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニット保持手段に保持されるべ
き前記生化学解析用ユニットの少なくとも一端部に対向
する前記容器の内壁部に、超音波振動子が設けられてい
る。
【0113】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
生化学解析用ユニット保持手段に保持されるべき生化学
解析用ユニットの少なくとも一端面に対向する容器の内
壁部に、超音波振動子が設けられているから、構造また
は特性が既知の特異的結合物質を、生化学解析用ユニッ
トの複数の吸着性領域に滴下した後に、生化学解析用ユ
ニットを、生化学解析用ユニット保持手段に保持させ、
容器内に、標識物質によって標識された生体由来の物質
を含むハイブリダイゼーション溶液を収容させ、コント
ローラによって、生化学解析用ユニットの少なくとも一
端面に対向する容器の内壁部に設けられた超音波振動子
を振動させて、ハイブリダイゼーション溶液中に、超音
波を発生させ、超音波により、ハイブリダイゼーション
溶液を、生化学解析用ユニットに形成された複数の吸着
性領域の両面に、均一に、かつ、繰り返し、接触するよ
うに、強制的に流動させることができ、したがって、ハ
イブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質
が、吸着性領域に含まれているハイブリダイズすべき特
異的結合物質と出会う確率を大幅に向上させることが可
能になるから、ハイブリダイゼーションの効率を大幅に
向上させることが可能になる。
【0114】また、本発明の別の好ましい実施態様によ
れば、複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、
標識物質によって標識された生体由来の物質がハイブリ
ダイズされた生化学解析用ユニットを、生化学解析用ユ
ニット保持手段に保持させ、容器内に、洗浄溶液を収容
させ、コントローラによって、生化学解析用ユニットの
少なくとも一端面に対向する容器の内壁部に設けられた
超音波振動子を振動させて、洗浄溶液中に、超音波を発
生させ、超音波により、洗浄溶液を、生化学解析用ユニ
ットに形成された複数の吸着性領域の両面に、均一に、
かつ、繰り返し、接触するように、強制的に流動させる
ことができ、したがって、ハイブリダイゼーションの工
程で、本来、結合されるべきでない生体由来の物質が、
特異的結合物質にハイブリダイズされていても、特異的
結合物質に結合されるべきでなかった生体由来の物質
を、効果的に剥離させ、除去することが可能になる。
【0115】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニット保持手段に保持されるべ
き前記生化学解析用ユニットの両端部に対向する前記容
器の内壁部に、一対の超音波振動子が設けられ、前記コ
ントローラが、前記一対の超音波振動子を、交互に振動
させるように構成されている。
【0116】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニット保持手段に保持されるべき生
化学解析用ユニットの両端部に対向する容器の内壁部
に、一対の超音波振動子が設けられ、コントローラが、
一対の超音波振動子を、交互に振動させるように構成さ
れているから、生化学解析用ユニット保持手段に保持さ
れるべき生化学解析用ユニットの少なくとも一端面に対
向する容器の内壁部に、超音波振動子が設けられている
から、構造または特性が既知の特異的結合物質を、生化
学解析用ユニットの複数の吸着性領域に滴下した後に、
生化学解析用ユニットを、生化学解析用ユニット保持手
段に保持させ、容器内に、標識物質によって標識された
生体由来の物質を含むハイブリダイゼーション溶液を収
容させ、コントローラによって、一対の超音波振動子
を、交互に振動させて、ハイブリダイゼーション溶液中
に、向きの異なる超音波を、交互に発生させ、超音波に
より、ハイブリダイゼーション溶液を、交互に、異なる
向きで、生化学解析用ユニットに形成された複数の吸着
性領域の両面に、均一に、かつ、繰り返し、接触するよ
うに、強制的に流動させることができ、したがって、ハ
イブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質
が、吸着性領域に含まれているハイブリダイズすべき特
異的結合物質と出会う確率をさらに向上させることが可
能になるから、ハイブリダイゼーションの効率を、より
一層、向上させることが可能になる。
【0117】また、本発明のさらに好ましい実施態様に
よれば、複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質
に、標識物質によって標識された生体由来の物質がハイ
ブリダイズされた生化学解析用ユニットを、生化学解析
用ユニット保持手段に保持させ、容器内に、洗浄溶液を
収容させ、コントローラによって、一対の超音波振動子
を、交互に振動させて、洗浄溶液中に、向きの異なる超
音波を、交互に発生させ、超音波により、洗浄溶液を、
交互に、異なる向きで、生化学解析用ユニットに形成さ
れた複数の吸着性領域の両面に、均一に、かつ、繰り返
し、接触するように、強制的に流動させることができ、
したがって、ハイブリダイゼーションの工程で、本来、
結合されるべきでない生体由来の物質が、特異的結合物
質にハイブリダイズされていても、特異的結合物質に結
合されるべきでなかった生体由来の物質を、より効果的
に剥離させ、除去することが可能になる。
【0118】本発明の好ましい実施態様においては、前
記コントローラが、40KHzないし50MHzの周波
数の超音波が発生されるように、前記超音波振動子を振
動させるように構成されている。
【0119】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0120】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用ユニットの略斜視図である。
【0121】図1に示されるように、本実施態様にかか
る生化学解析用ユニット1は、アルミニウムによって形
成され、多数の略円形状の貫通孔3が高密度に形成され
た基板2を備えており、多数の貫通孔3の内部には、ナ
イロン6が充填されて、多数のドット状の吸着性領域4
が形成されている。
【0122】図1には正確に示されていないが、本実施
態様においては、約10000の約0.01平方ミリメ
ートルのサイズを有する略円形の貫通孔3が、約500
0個/平方センチメートルの密度で、規則的に、基板2
に形成されている。吸着性領域4は、その表面が、基板
2の表面と同じ高さに位置するように、多数の貫通孔3
内に、ナイロン6が充填されて、形成されている。
【0123】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0124】生化学解析にあたっては、図2に示される
ように、生化学解析用ユニット1に規則的に形成された
多数の吸着性領域4内に、たとえば、特異的結合物質と
して、塩基配列が既知の互いに異なった複数のcDNA
が、スポッティング装置を使用して、滴下される。
【0125】図2に示されるように、スポッティング装
置は、特異的結合物質の溶液を、生化学解析用ユニット
1の表面に向けて噴射するインジェクタ5とCCDカメ
ラ6を備え、CCDカメラ6によって、インジェクタ5
の先端部と、特異的結合物質を滴下すべき生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4を観察しながら、インジェク
タ5の先端部と、特異的結合物質を滴下すべき吸着性領
域4の中心とが合致したときに、インジェクタ5から、
塩基配列が既知の互いに異なった複数のcDNAなどの
特異的結合物質が滴下されるように構成され、生化学解
析用ユニット1の多数のドット状の吸着性領域4内に、
特異的結合物質を、正確に滴下することができるように
保証されている。
【0126】図3は、本発明の好ましい実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置の略縦断面図である。
【0127】図3に示されるように、本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置は、蓋部材7aとケーシ
ング7bを有し、ハイブリダイゼーション溶液あるいは
洗浄溶液を収容する容器7を備え、蓋部材7aの容器7
の上部内壁面を構成する蓋部材7aの表面の略中央部に
は、一対の板バネ(図示せず)よりなり、生化学解析用
ユニット1の上端部近傍を保持する生化学解析用ユニッ
ト保持部材8aが形成され、ケーシング7bの下部内壁
面の略中央部には、生化学解析用ユニット保持部材8a
に対応して、一対の板バネ(図示せず)よりなり、生化
学解析用ユニット1の下端部近傍を保持する生化学解析
用ユニット保持部材8bが形成されている。
【0128】図3に示されるように、生化学解析用ユニ
ット1が、生化学解析用ユニット保持部材8aおよび生
化学解析用ユニット保持部材8bによって、容器7内に
保持されたときに、生化学解析用ユニット1の表面に対
向するとともに、互いに対向するケーシング7bの2つ
の内壁面には、一対の超音波振動子9a、9bが設けら
れている。
【0129】一対の超音波振動子9a、9bは、コント
ローラ10によって、選択的に振動され、それぞれ、容
器7内に収容されたハイブリダイゼーション溶液あるい
は洗浄溶液中に超音波を発生するように構成されてい
る。
【0130】図3に示されるように、ケーシング7bの
底部には、溶液排出通路11が形成されており、溶液排
出通路11には、コントローラ10によって制御され、
溶液排出通路11を開閉するバルブ12が設けられてい
る。
【0131】以上のように構成された本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置は、以下のようにして、
生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に含まれ
た特異的結合物質に、標識物質によって標識され、ハイ
ブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質を、
選択的に、ハイブリダイズさせ、さらに、特異的結合物
質に、生体由来の物質をハイブリダイズされた特異的結
合物質と生体由来の物質の結合体を含む多数の吸着性領
域が洗浄される。
【0132】放射性標識物質によって、cDNAなどの
特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標
識物質によって標識されたプローブである生体由来の物
質を含むハイブリダイゼーション溶液が調製され、ハイ
ブリダイゼーションに際し、容器7内に収容される。
【0133】一方、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって、cDNA
などの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識されたプローブである生体由
来の物質を含むハイブリダイゼーション溶液が調製さ
れ、ハイブリダイゼーションに際し、容器7内に収容さ
れる。
【0134】さらに、蛍光色素などの蛍光物質によっ
て、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する
場合には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された
プローブである生体由来の物質を含むハイブリダイゼー
ション溶液が調製され、ハイブリダイゼーションに際
し、容器7内に収容される。
【0135】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション溶液を調製して、容器7内に
収容させ、ハイブリダイゼーションを実行させることも
でき、本実施態様においては、放射性標識物質によって
標識された生体由来の物質および蛍光物質によって標識
された生体由来の物質を含むハイブリダイゼーション溶
液が調製され、ハイブリダイゼーションにあたって、容
器7内に収容されるように構成されている。
【0136】ハイブリダイゼーションに先立って、ま
ず、ケーシング7b内に、放射性標識物質によって標識
された生体由来の物質および蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質を含むハイブリダイゼーション溶液が
収容される。
【0137】次いで、ケーシング7bの下部内壁面の略
中央部に形成された生化学解析用ユニット保持部材8b
を構成する一対の板バネの間に、生化学解析用ユニット
1の下端部近傍が挿入されて、生化学解析用ユニット1
の下端部近傍が、生化学解析用ユニット保持部材8bを
構成する一対の板バネによって挟持される。
【0138】その結果、上端部近傍を除く生化学解析用
ユニット1の全体が、ハイブリダイゼーション溶液に浸
される。
【0139】次いで、生化学解析用ユニット1の上端部
近傍が、蓋部材7aの面の略中央部に形成された生化学
解析用ユニット保持部材8aを構成する一対の板バネに
よって、挟持され、生化学解析用ユニット1が、容器7
の略中央部に保持されるように、蓋部材7aが閉じられ
る。
【0140】こうして、生化学解析用ユニット1が、容
器7内にセットされ、蓋部材7aが閉じられると、コン
トローラ10は、超音波振動子9aを振動させる。
【0141】その結果、容器7内に収容されたハイブリ
ダイゼーション溶液中に、超音波が生成され、それに伴
って、図3において、矢印Aで示される方向に、ハイブ
リダイゼーション溶液の流れが生成される。
【0142】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1には、アルミニウム製の基板2に形成された多数
の貫通孔3内に、ナイロン6が充填されて、多数の吸着
性領域4が形成されているから、ハイブリダイゼーショ
ン溶液は、生化学解析用ユニット1に形成された多数の
吸着性領域4のみを横切って、図3において、矢印Aで
示される方向に、強制的に流動される。
【0143】その結果、ハイブリダイゼーション溶液に
含まれた生体由来の物質が、生化学解析用ユニット1に
形成された多数の吸着性領域4の深い部分に吸着されて
いる特異的結合物質に出会う確率が大幅に向上し、生体
由来の物質を、生化学解析用ユニット1に形成された多
数の吸着性領域4の深い部分に含まれている特異的結合
物質にも、効果的に、ハイブリダイズさせることが可能
になる。
【0144】ここに、ハイブリダイゼーション溶液を、
生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域
4のみを横切って、流動させるためには、40KHzな
いし50MHzの周波数を有する超音波を発生させるこ
とが好ましい。
【0145】第一の所定時間が経過すると、コントロー
ラ10は、超音波振動子9aの振動を停止させ、次い
で、超音波振動子9bを、振動させる。
【0146】その結果、容器7内に収容されたハイブリ
ダイゼーション溶液中に、超音波が生成され、それに伴
って、図3において、矢印Bで示される方向に、ハイブ
リダイゼーション溶液の流れが生成される。
【0147】したがって、ハイブリダイゼーション溶液
は、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性
領域4のみを横切って、図3において、矢印Bで示され
る方向に、強制的に流動される。
【0148】その結果、ハイブリダイゼーション溶液に
含まれた生体由来の物質が、生化学解析用ユニット1に
形成された多数の吸着性領域4の深い部分に吸着されて
いる特異的結合物質に出会う確率がさらに向上し、生体
由来の物質を、生化学解析用ユニット1に形成された多
数の吸着性領域4の深い部分に含まれている特異的結合
物質にも、より効果的に、ハイブリダイズさせることが
可能になる。
【0149】第一の所定時間が経過すると、コントロー
ラ10は、超音波振動子9bの振動を停止させ、次い
で、超音波振動子9aを、振動させる。
【0150】その結果、容器7内に収容されたハイブリ
ダイゼーション溶液中に、超音波が生成され、それに伴
って、図3において、矢印Aで示される方向に、ハイブ
リダイゼーション溶液の流れが生成され、ハイブリダイ
ゼーション溶液は、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域4のみを横切って、図3において、
矢印Aで示される方向に、強制的に流動される。
【0151】こうして、所定の回数にわたって、一対の
超音波振動子9a、9bが、コントローラ10によっ
て、振動され、ハイブリダイゼーション溶液が、生化学
解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4のみ
を横切って、図3において、矢印Aで示される方向およ
び矢印Bで示される方向に、繰り返し、強制的に流動さ
れて、ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来
の物質が、生化学解析用ユニット1に形成された多数の
吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質にハイブ
リダイズされると、コントローラ10により、一対の超
音波振動子9a、9bの振動が停止され、バルブ12が
開かれて、容器7内に収容されていたハイブリダイゼー
ション溶液が、溶液排出通路11を介して、ハイブリダ
イゼーション溶液タンク(図示せず)に回収される。
【0152】容器7内に収容されていたハイブリダイゼ
ーション溶液が、溶液排出通路11を介して、ハイブリ
ダイゼーション溶液タンクに回収されると、蓋部材7a
が開かれて、洗浄溶液が、容器7内に収容され、蓋部材
7aが閉じられる。
【0153】次いで、コントローラ10によって、超音
波振動子9aが振動され、容器7内に収容された洗浄溶
液中に、超音波が生成され、それに伴って、図3におい
て、矢印Aで示される方向に、洗浄溶液の流れが生成さ
れる。
【0154】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1には、アルミニウム製の基板2に形成された多数
の貫通孔3内に、ナイロン6が充填されて、多数の吸着
性領域4が形成されているから、洗浄溶液は、生化学解
析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4のみを
横切って、図3において、矢印Aで示される方向に、強
制的に流動される。
【0155】その結果、ハイブリダイゼーションの工程
で、本来、結合されるべきでない生体由来の物質が、特
異的結合物質にハイブリダイズされていても、特異的結
合物質に結合されるべきでなかった生体由来の物質を、
効果的に剥離させ、除去することが可能になる。
【0156】第一の所定時間よりも短い第二の所定時間
が経過すると、コントローラ10は、超音波振動子9a
の振動を停止させ、超音波振動子9bを、振動させる。
ここに、第一の所定時間よりも短い第二の所定時間の経
過後に、超音波振動子9aの振動を停止させているの
は、洗浄溶液を、繰り返し、生化学解析用ユニット1の
吸着性領域4に循環させると、洗浄によって、特異的結
合物質から剥離された特異的結合物質に結合されるべき
でなかった生体由来の物質が、特異的結合物質に再結合
するおそれがあるからである。
【0157】その結果、容器7内に収容された洗浄溶液
中に、超音波が生成され、それに伴って、図3におい
て、矢印Bで示される方向に、洗浄溶液の流れが生成さ
れる。
【0158】したがって、洗浄溶液は、生化学解析用ユ
ニット1に形成された多数の吸着性領域4のみを横切っ
て、図3において、矢印Bで示される方向に、強制的に
流動される。
【0159】その結果、ハイブリダイゼーションの工程
で、本来、結合されるべきでない生体由来の物質が、特
異的結合物質にハイブリダイズされていても、特異的結
合物質に結合されるべきでなかった生体由来の物質を、
効果的に剥離させ、除去することが可能になる。
【0160】第二の所定時間が経過すると、コントロー
ラ10は、超音波振動子9bの振動を停止させ、超音波
振動子9aを、振動させる。
【0161】その結果、容器7内に収容された洗浄溶液
中に、超音波が生成され、それに伴って、図3におい
て、矢印Aで示される方向に、洗浄溶液の流れが生成さ
れ、洗浄溶液は、生化学解析用ユニット1に形成された
多数の吸着性領域4のみを横切って、図3において、矢
印Aで示される方向に、強制的に流動される。
【0162】こうして、所定の回数にわたって、一対の
超音波振動子9a、9bが、コントローラ10によっ
て、振動され、洗浄溶液が、生化学解析用ユニット1に
形成された多数の吸着性領域4のみを横切って、図3に
おいて、矢印Aで示される方向および矢印Bで示される
方向に、繰り返し、強制的に流動されて、生化学解析用
ユニット1に形成された多数の吸着性領域4が洗浄され
ると、コントローラ10によって、一対の超音波振動子
9a、9bの振動が停止され、バルブ12が開かれて、
容器7内に収容されていた洗浄溶液が、溶液排出通路1
1を介して、洗浄溶液タンク(図示せず)に回収され
る。
【0163】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に、標識物質である放射性標識物質の放
射線データおよび蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データ
が記録される。吸着性領域4に記録された蛍光データ
は、後述するスキャナによって読み取られ、生化学解析
用データが生成される。
【0164】一方、放射性標識物質の放射線データは、
蓄積性蛍光体シートに転写され、蓄積性蛍光体シートに
転写された放射線データは、後述するスキャナによって
読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0165】図4は、蓄積性蛍光体シートの略斜視図で
ある。
【0166】図4に示されるように、本実施態様にかか
る蓄積性蛍光体シート15は、多数の略円形の貫通孔1
8が規則的に形成されたニッケル製の支持体16を備
え、支持体16に形成された多数の貫通孔18内に、輝
尽性蛍光体が埋め込まれて、多数の輝尽性蛍光体層領域
17が、ドット状に形成されている。
【0167】多数の貫通孔18は、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4と同一の
パターンで、支持体16に形成され、各輝尽性蛍光体層
領域17は、生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた吸着性領域4と等しいサイズを有するように、形成
されている。
【0168】したがって、図4には正確に示されていな
いが、約10000の約0.01平方ミリメートルのサ
イズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域17が、約5
000個/平方センチメートルの密度で、かつ、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領
域4と同一の規則的なパターンにより、蓄積性蛍光体シ
ート15の支持体16に、ドット状に形成されている。
【0169】また、本実施態様においては、支持体16
の表面と、ドット状に形成された輝尽性蛍光体層領域1
7の表面とが同一の高さに位置するように、支持体16
に形成された貫通孔に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、
蓄積性蛍光体シート15が形成されている。
【0170】図5は、生化学解析用ユニット1に形成さ
れた多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シート15に形成された多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域17を露光する方法を示す略
断面図である。
【0171】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1は、アルミニウム製の基板2に形成された多数の
貫通孔3内に、ナイロン6が充填されて、形成されてい
るので、ハイブリダイゼーションなど、液体による処理
を受けても、ほとんど伸縮することがなく、したがっ
て、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性
領域4のそれぞれが、蓄積性蛍光体シート15に形成さ
れた対応するドット状の輝尽性蛍光体層領域17に、正
確に対向するように、蓄積性蛍光体シート15と生化学
解析用ユニット1とを重ね合わせて、ドット状輝尽性蛍
光体層領域17を露光することが可能になる。
【0172】こうして、所定の時間にわたって、生化学
解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4のそ
れぞれが、蓄積性蛍光体シート15に形成された対応す
るドット状の輝尽性蛍光体層領域17に対向するよう
に、生化学解析用ユニット1と蓄積性蛍光体シート15
とを重ね合わせることによって、吸着性領域4に含まれ
た放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート15に
形成された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域17が露
光される。
【0173】この際、吸着性領域4に吸着されている放
射性標識物質から電子線(β線)が発せられるが、生化
学解析用ユニット1の吸着性領域4は、放射線を減衰さ
せる性質を有するアルミニウムによって形成された基板
2に、互いに離間して、ドット状に形成されているか
ら、各吸着性領域4から放出された電子線(β線)が、
生化学解析用ユニット1の基板2内で散乱して、隣り合
う吸着性領域4から放出された電子線(β線)と混ざり
合い、隣り合う吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体層
領域17に入射することを効果的に防止することがで
き、さらに、蓄積性蛍光体シート15の多数のドット状
の輝尽性蛍光体層領域17が、放射線を減衰させる性質
を有するニッケル製の支持体16に形成された複数の貫
通孔12内に、輝尽性蛍光体11を埋め込んで、形成さ
れているから、各吸着性領域4から放出された電子線
(β線)が、蓄積性蛍光体シート15の支持体16内で
散乱して、対向する輝尽性蛍光体層領域17に隣り合う
輝尽性蛍光体層領域17に入射することを効果的に防止
することが可能になり、したがって、吸着性領域4に含
まれている放射性標識物質から発せられた電子線(β
線)を、その吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体層領
域17に選択的に入射させることができ、吸着性領域4
に含まれている放射性標識物質から発せられた電子線
(β線)が、隣り合う吸着性領域4から放出される電子
線によって露光されるべき輝尽性蛍光体層領域17に入
射して、輝尽性蛍光体を露光することを確実に防止する
ことができる。
【0174】こうして、蓄積性蛍光体シート15に形成
された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域17に、放射
性標識物質の放射線データが記録される。
【0175】図6は、蓄積性蛍光体シートに記録された
放射線データを読み取って、生化学解析用データを生成
するとともに、生化学解析用ユニット1に記録された蛍
光データを読み取って、生化学解析用データを生成する
スキャナの略斜視図であり、図7は、フォトマルチプラ
イア近傍のスキャナの詳細を示す略斜視図である。
【0176】本実施態様にかかるスキャナは、蓄積性蛍
光体シート15に形成された多数のドット状の輝尽性蛍
光体層領域17に記録された放射性標識物質の放射線デ
ータおよび生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4に記録された蛍光色素などの蛍光データを読み取り可
能に構成されている。
【0177】図6に示されるように、本実施態様にかか
るスキャナは、640nmの波長のレーザ光24を発す
る第1のレーザ励起光源21と、532nmの波長のレ
ーザ光24を発する第2のレーザ励起光源22と、47
3nmの波長のレーザ光24を発する第3のレーザ励起
光源23とを備えている。
【0178】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源21は、半導体レーザ光源により構成され、第2の
レーザ励起光源22および第3のレーザ励起光源23
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素
子によって構成されている。
【0179】第1のレーザ励起光源21により発生され
たレーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平
行光とされた後、ミラー26によって反射される。第1
のレーザ励起光源21から発せられ、ミラー26によっ
て反射されたレーザ光24の光路には、640nmのレ
ーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する第
1のダイクロイックミラー27および532nm以上の
波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第
2のダイクロイックミラー28が設けられており、第1
のレーザ励起光源21により発生されたレーザ光24
は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダイ
クロイックミラー28を透過して、ミラー29に入射す
る。
【0180】他方、第2のレーザ励起光源22より発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ30により、
平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に
よって反射されて、その向きが90度変えられて、第2
のダイクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入
射する。
【0181】また、第3のレーザ励起光源23から発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ31によっ
て、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー2
8により反射されて、その向きが90度変えられた後、
ミラー29に入射する。
【0182】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射され、さらに、ミラー32に入射
して、反射される。
【0183】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4の光路には、中央部に穴33が形成された凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34が配置されてお
り、ミラー32によって反射されたレーザ光24は、穴
開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラー38に
入射する。
【0184】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0185】光学ヘッド35は、ミラー36と、非球面
レンズ37を備えており、光学ヘッド35に入射したレ
ーザ光24は、ミラー36によって反射されて、非球面
レンズ37によって、ステージ40のガラス板41上に
載置された蓄積性蛍光体シート15あるいは生化学解析
用ユニット1に入射する。
【0186】蓄積性蛍光体シート15に、レーザ光24
が入射すると、蓄積性蛍光体シート15の支持体16に
形成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域17が
励起され、輝尽光45が放出され、また、生化学解析用
ユニット1に、レーザ光24が入射すると、多数の吸着
性領域4に含まれている蛍光色素などの蛍光物質が励起
されて、蛍光45が放出される。
【0187】蓄積性蛍光体シート15の多数のドット状
の輝尽性蛍光体層領域17から放出された輝尽光45あ
るいは生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4か
ら放出された蛍光45は、光学ヘッド35に設けられた
非球面レンズ37によって、ミラー36に集光され、ミ
ラー36によって、レーザ光24の光路と同じ側に反射
され、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射する。
【0188】凹面ミラー38に入射した輝尽光45ある
いは蛍光45は、凹面ミラー38によって反射されて、
穴開きミラー34に入射する。
【0189】穴開きミラー34に入射した輝尽光45あ
るいは蛍光45は、図7に示されるように、凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34によって、下方に
反射されて、フィルタユニット48に入射し、所定の波
長の光がカットされて、フォトマルチプライア50に入
射し、光電的に検出される。
【0190】図7に示されるように、フィルタユニット
48は、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、
51dを備えており、フィルタユニット48は、モータ
(図示せず)によって、図7において、左右方向に移動
可能に構成されている。
【0191】図8は、図7のA−A線に沿った略断面図
である。
【0192】図8に示されるように、フィルタ部材51
aはフィルタ52aを備え、フィルタ52aは、第1の
レーザ励起光源21を用いて、生化学解析用ユニット1
に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光物
質を励起し、蛍光45を読み取るときに使用されるフィ
ルタ部材であり、640nmの波長の光をカットし、6
40nmよりも波長の長い光を透過する性質を有してい
る。
【0193】図9は、図7のB−B線に沿った略断面図
である。
【0194】図9に示されるように、フィルタ部材51
bはフィルタ52bを備え、フィルタ52bは、第2の
レーザ励起光源22を用いて、生化学解析用ユニット1
に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光物
質を励起し、蛍光45を読み取るときに使用されるフィ
ルタ部材であり、532nmの波長の光をカットし、5
32nmよりも波長の長い光を透過する性質を有してい
る。
【0195】図10は、図7のC−C線に沿った略断面
図である。
【0196】図10に示されるように、フィルタ部材5
1cはフィルタ52cを備え、フィルタ52cは、第3
のレーザ励起光源23を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光
物質を励起して、蛍光45を読み取るときに使用される
フィルタ部材であり、473nmの波長の光をカット
し、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を有
している。
【0197】図11は、図7のD−D線に沿った略断面
図である。
【0198】図11に示されるように、フィルタ部材5
1dはフィルタ52dを備え、フィルタ52dは、第1
のレーザ励起光源21を用いて、蓄積性蛍光体シート1
5に形成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域1
7を励起して、輝尽性蛍光体層領域17から発せられた
輝尽光45を読み取るときに使用されるフィルタであ
り、輝尽性蛍光体層領域17から放出される輝尽光45
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有している。
【0199】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタ部材51a、51b、51c、51d
を選択的にフォトマルチプライア50の前面に位置させ
ることによって、フォトマルチプライア50は、検出す
べき光のみを光電的に検出することができる。
【0200】フォトマルチプライア50によって、輝尽
光45が光電的に検出されて、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器53に出力されて、ディジタル化さ
れ、データ処理装置54に出力される。
【0201】図12は、光学ヘッド35の走査機構の略
平面図である。図12においては、簡易化のため、光学
ヘッド35を除く光学系ならびにレーザ光24および蛍
光45あるいは輝尽光45の光路は省略されている。
【0202】図12に示されるように、光学ヘッド35
を走査する走査機構は、基板60を備え、基板60上に
は、副走査パルスモータ61と一対のレール62、62
とが固定され、基板60上には、さらに、図12におい
て、矢印Yで示された副走査方向に、移動可能な基板6
3とが設けられている。
【0203】移動可能な基板63には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ61によって回転されるねじが切られた
ロッド64が係合している。
【0204】移動可能な基板63上には、主走査ステッ
ピングモータ65が設けられ、主走査ステッピングモー
タ65は、エンドレスベルト66を、生化学解析用ユニ
ット1に形成された隣り合うドット状の吸着性領域4の
間の距離、すなわち、蓄積性蛍光体シート15に形成さ
れた隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層領域17の間の
距離に等しいピッチで、間欠的に駆動可能に構成されて
いる。光学ヘッド35は、エンドレスベルト66に固定
されており、主走査ステッピングモータ65によって、
エンドレスベルト66が駆動されると、図12におい
て、矢印Xで示された主走査方向に移動されるように構
成されている。図12において、67は、光学ヘッド3
5の主走査方向における位置を検出するリニアエンコー
ダであり、68は、リニアエンコーダ67のスリットで
ある。
【0205】したがって、主走査ステッピングモータ6
5によって、エンドレスベルト66が、主走査方向に間
欠的に駆動され、1ラインの走査が完了すると、副走査
パルスモータ61によって、基板63が、副走査方向に
間欠的に移動されることによって、光学ヘッド35は、
図12において、矢印Xで示される主走査方向および矢
印Yで示される副走査方向に移動され、レーザ光24に
よって、蓄積性蛍光体シート15に形成されたすべての
ドット状の輝尽性蛍光体層領域17あるいは生化学解析
用ユニット1の全面が走査される。
【0206】図13は、本発明の好ましい実施態様にか
かるスキャナの制御系、入力系、駆動系および検出系を
示すブロックダイアグラムである。
【0207】図13に示されるように、スキャナの制御
系は、スキャナ全体を制御するコントロールユニット7
0を備えており、また、スキャナの入力系は、ユーザー
によって操作され、種々の指示信号を入力可能なキーボ
ード71を備えている。
【0208】図13に示されるように、スキャナの駆動
系は、光学ヘッド35を主走査方向に間欠的に移動させ
る主走査ステッピングモータ65と、光学ヘッド35を
副走査方向に間欠的に移動させる副走査パルスモータ6
1と、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、5
1dを備えたフィルタユニット48を移動させるフィル
タユニットモータ72を備えている。
【0209】コントロールユニット70は、第1のレー
ザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3
のレーザ励起光源23に選択的に駆動信号を出力すると
ともに、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力
可能に構成されている。
【0210】また、図13に示されるように、スキャナ
の検出系は、フォトマルチプライア50と、光学ヘッド
35の主走査方向における位置を検出するリニアエンコ
ーダ67を備えている。
【0211】本実施態様においては、コントロールユニ
ット70は、リニアエンコーダ67から入力される光学
ヘッド35の位置検出信号にしたがって、第1のレーザ
励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3の
レーザ励起光源23をオン・オフ制御するように構成さ
れている。
【0212】以上のように構成された本実施態様にかか
るスキャナは、以下のようにして、蓄積性蛍光体シート
15に形成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域
17に記録された放射線データを読み取って、生化学解
析用データを生成する。
【0213】まず、蓄積性蛍光体シート15が、ステー
ジ40のガラス板41上に載置される。
【0214】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート15に形成された多数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域17を、レーザ光24によっ
て走査する旨の指示信号が入力される。
【0215】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニット4
8を移動させ、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光45
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有するフィルタ52dを備えたフィルタ
部材51dを、輝尽光45の光路内に位置させる。
【0216】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
67から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基
づいて、第1のドット状の輝尽性蛍光体層領域17に、
レーザ光24を照射可能な位置に、光学ヘッド35が移
動したことが確認されると、主走査ステッピングモータ
65に停止信号を出力するとともに、第1のレーザ励起
光源21に、駆動信号を出力して、第1のレーザ励起光
源21を起動させ、640nmの波長のレーザ光24を
発せさせる。
【0217】第1のレーザ励起光源21から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平行
な光とされた後、ミラー26に入射して、反射される。
【0218】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0219】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0220】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0221】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0222】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄積
性蛍光体シート15の第1のドット状の輝尽性蛍光体層
領域17に集光される。
【0223】その結果、蓄積性蛍光体シート15に形成
された第1のドット状の輝尽性蛍光体層領域17に含ま
れる輝尽性蛍光体が、レーザ光24によって励起され
て、第1の輝尽性蛍光体層領域17から輝尽光45が放
出される。
【0224】この際、蓄積性蛍光体シート15の支持体
16はニッケルによって形成されているから、レーザ光
24が、支持体16内で散乱して、第1の輝尽性蛍光体
層領域17に隣り合った輝尽性蛍光体層領域17に含ま
れている輝尽性蛍光体を励起し、蓄積している放射線エ
ネルギーが輝尽光45の形で放出されることを効果的に
防止することができ、さらには、第1の輝尽性蛍光体層
領域17から放出された輝尽光45が、支持体16内で
散乱し、フォトマルチプライア50によって検出されな
くなることを効果的に防止することが可能になる。
【0225】第1のドット状の輝尽性蛍光体領域12か
ら放出された輝尽光45は、光学ヘッド35に設けられ
た非球面レンズ37によって集光され、ミラー36によ
り、レーザ光24の光路と同じ側に反射され、平行な光
とされて、凹面ミラー38に入射する。
【0226】凹面ミラー38に入射した輝尽光45は、
凹面ミラー38によって反射されて、穴開きミラー34
に入射する。
【0227】穴開きミラー34に入射した輝尽光45
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34に
よって、図7に示されるように、下方に反射され、フィ
ルタユニット48のフィルタ52dに入射する。
【0228】フィルタ52dは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光45の波長域の光のみを透過し、640n
mの波長の光をカットする性質を有しているので、励起
光である640nmの波長の光がカットされ、ドット状
の輝尽性蛍光体層領域17から放出された輝尽光45の
波長域の光のみがフィルタ52dを透過して、フォトマ
ルチプライア50によって、光電的に検出される。
【0229】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタル化され、データ処理装置
54に出力される。
【0230】第1のレーザ励起光源21がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第1のレーザ励起光源21に
駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、蓄積
性蛍光体シート15に形成された隣り合うドット状の輝
尽性蛍光体層領域17の間の距離に等しいピッチだけ、
移動させる。
【0231】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層領域17間の距
離に等しい1ピッチだけ移動されて、第1のレーザ励起
光源21から発せられるレーザ光24を、蓄積性蛍光体
シート15に形成された第2のドット状の輝尽性蛍光体
層領域17に照射可能な位置に移動したことが確認され
ると、コントロールユニット70は、第1のレーザ励起
光源21に駆動信号を出力して、第1のレーザ励起光源
21をオンさせて、レーザ光24によって、蓄積性蛍光
体シート15に形成された第2のドット状の輝尽性蛍光
体層領域17に含まれている輝尽性蛍光体を励起する。
【0232】同様にして、所定の時間にわたり、第1の
レーザ励起光源21から発せられたレーザ光24が、蓄
積性蛍光体シート15に形成された第2のドット状の輝
尽性蛍光体層領域17に照射され、第2の輝尽性蛍光体
層領域17に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、
第2の輝尽性蛍光体層領域17から放出された輝尽光4
5が、フォトマルチプライア50によって、光電的に検
出されて、アナログデータが生成され、A/D変換器5
3によって、ディジタル化されて、第2の輝尽性蛍光体
層領域17に記録された放射線データから、生化学解析
用データが生成されると、コントロールユニット70
は、第1のレーザ励起光源21にオフ信号を出力して、
第1のレーザ励起光源21をオフさせるとともに、主走
査ステッピングモータ65に、駆動信号を出力して、光
学ヘッド35を、隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層領
域17の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0233】こうして、光学ヘッド35の間欠移動に同
期して、第1のレーザ励起光源21のオン・オフが繰り
返され、リニアエンコーダ67から入力された光学ヘッ
ド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35が、主
走査方向に1ライン分だけ、移動され、第1ライン目の
ドット状の輝尽性蛍光体層領域17のレーザ光24によ
る走査が完了したことが確認されると、コントロールユ
ニット70は、主走査ステッピングモータ65に駆動信
号を出力して、光学ヘッド35を元の位置に復帰させる
とともに、副走査パルスモータ61に駆動信号を出力し
て、移動可能な基板63を、副走査方向に、1ライン分
だけ、移動させる。
【0234】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、第1ライン目
のドット状の輝尽性蛍光体層領域17に、順次、第1の
レーザ励起光源21から発せられるレーザ光24を照射
したのと全く同様にして、第2ライン目のドット状の輝
尽性蛍光体層領域17に、順次、第1のレーザ励起光源
21から発せられるレーザ光24を照射して、ドット状
の輝尽性蛍光体層領域17に含まれている輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体層領域15から発せられた輝尽
光45を、順次、フォトマルチプライア50に、光電的
に検出させる。
【0235】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53に出力され、ディジタル化されて、各ドット状
の輝尽性蛍光体層領域17に記録された放射線データか
ら、生化学解析用データが生成される。
【0236】こうして、蓄積性蛍光体シート15に形成
された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域17がすべ
て、第1のレーザ励起光源21から放出されたレーザ光
24によって走査され、多数のドット状の輝尽性蛍光体
層領域17に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、
放出された輝尽光45が、フォトマルチプライア50に
よって光電的に検出され、生成されたアナログデータ
が、A/D変換器53によって、ディジタル化され、各
ドット状の輝尽性蛍光体層領域17に記録された放射線
データから、生化学解析用データが生成されると、コン
トロールユニット70から、駆動停止信号が、第1のレ
ーザ励起光源21に出力され、第1のレーザ励起光源2
1の駆動が停止される。
【0237】一方、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域4に記録された蛍光物質の蛍光デー
タを読み取って、生化学解析用ディジタルデータを生成
するときは、まず、オペレータによって、生化学解析用
ユニット1が、ステージ40のガラス板41上にセット
される。
【0238】次いで、オペレータによって、キーボード
71に、標識物質である蛍光物質の種類が特定され、蛍
光データを読み取るべき旨の指示信号が入力される。
【0239】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号を受けると、メモリ(図示せ
ず)に記憶されているテーブルにしたがって、使用すべ
きレーザ励起光源を決定するとともに、フィルタ52
a、52b、52cのいずれを蛍光45の光路内に位置
させるかを決定する。
【0240】たとえば、生体由来の物質を標識する蛍光
物質として、532nmの波長のレーザによって、最も
効率的に励起することのできるローダミン(登録商標)
が使用され、その旨が、キーボード71に入力されたと
きは、コントロールユニット70は、第2のレーザ励起
光源22を選択するとともに、フィルタ52bを選択
し、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力し
て、フィルタユニット48を移動させ、532nmの波
長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有するフィルタ52bを備えたフィルタ部
材51bを、生化学解析用ユニット1から放出されるべ
き蛍光45の光路内に位置させる。
【0241】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基づい
て、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性
領域4のうち、第1の吸着性領域4に、レーザ光24を
照射可能な位置に、光学ヘッド35が達したことが確認
されると、主走査ステッピングモータ65に停止信号を
出力するとともに、第2のレーザ励起光源22に駆動信
号を出力して、第2のレーザ励起光源22を起動させ、
532nmの波長のレーザ光24を発せさせる。
【0242】第2のレーザ励起光源22から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ30によって、平行
な光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に入
射して、反射される。
【0243】第1のダイクロイックミラー27によって
反射されたレーザ光24は、第2のダイクロイックミラ
ー28を透過し、ミラー29に入射する。
【0244】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0245】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0246】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0247】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された生化
学解析用ユニット1に集光される。
【0248】その結果、レーザ光24によって、生化学
解析用ユニット1の第1の吸着性領域4に含まれた蛍光
色素などの蛍光物質、たとえば、ローダミンが励起され
て、蛍光が発せられる。
【0249】ここに、本実施態様にかかる生化学解析用
ユニット1においては、多数の吸着性領域4は、アルミ
ニウム製の基板2に形成された多数の貫通孔3内に、ナ
イロン6が充填されて、形成されており、隣り合う吸着
性領域4の間には、光を減衰させる性質を有するアルミ
ニウム製の基板2が存在しているから、吸着性領域4に
含まれた蛍光物質が励起されて、蛍光物質から放出され
た蛍光45が、隣り合う吸着性領域4に含まれた蛍光物
質が励起されて、放出された蛍光45と混ざり合うこと
を確実に防止することができる。
【0250】ローダミンから放出された蛍光45は、光
学ヘッド35に設けられた非球面レンズ37によって集
光され、ミラー36によって、レーザ光24の光路と同
じ側に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に
入射する。
【0251】凹面ミラー38に入射した蛍光45は、凹
面ミラー38によって反射されて、穴開きミラー34に
入射する。
【0252】穴開きミラー34に入射した蛍光45は、
凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34によっ
て、図8に示されるように、下方に反射され、フィルタ
ユニット48のフィルタ52bに入射する。
【0253】フィルタ52bは、532nmの波長の光
をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有しているので、励起光である532nmの波長
の光がカットされ、ローダミンから放出された蛍光45
の波長域の光のみがフィルタ52bを透過して、フォト
マルチプライア50によって、光電的に検出される。
【0254】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器53に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置54に出力される。
【0255】第2のレーザ励起光源22がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第2のレーザ励起光源22に
駆動停止信号を出力して、第2のレーザ励起光源22の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、生化
学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸着性領域4
の間の距離に等しいピッチだけ、移動させる。
【0256】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、生化学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸着
性領域4の間の距離に等しい1ピッチだけ移動されて、
第2のレーザ励起光源22から発せられるレーザ光24
を、生化学解析用ユニット1に形成された第2の吸着性
領域4に照射可能な位置に移動したことが確認される
と、コントロールユニット70は、第2のレーザ励起光
源22に駆動信号を出力して、第2のレーザ励起光源2
2をオンさせて、レーザ光24によって、生化学解析用
ユニット1に形成された第2の吸着性領域4に含まれて
いる蛍光物質、たとえば、ローダミンを励起する。
【0257】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、生化学解析用ユニット1に形成された第2の
吸着性領域4に照射され、第2の吸着性領域4から放出
された蛍光45が、フォトマルチプライア50によっ
て、光電的に検出されて、アナログデータが生成される
と、コントロールユニット70は、第2のレーザ励起光
源22にオフ信号を出力して、第2のレーザ励起光源2
2をオフさせるとともに、主走査ステッピングモータ6
5に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、生化学
解析用ユニット1に形成された隣り合う吸着性領域4の
間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0258】こうして、光学ヘッド35の間欠移動に同
期して、第1のレーザ励起光源21のオン・オフが繰り
返され、リニアエンコーダ67から入力された光学ヘッ
ド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35が、主
走査方向に1ライン分だけ、移動され、生化学解析用ユ
ニット1の第1ライン目のすべての吸着性領域4を、レ
ーザ光24により、走査したことが確認されると、コン
トロールユニット70は、主走査ステッピングモータ6
5に駆動信号を出力して、光学ヘッド35を元の位置に
復帰させるとともに、副走査パルスモータ61に駆動信
号を出力して、移動可能な基板63を、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動させる。
【0259】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、生化学解析用
ユニット1に形成された第1ライン目の吸着性領域4
に、順次、第2のレーザ励起光源22から発せられるレ
ーザ光24を照射したのと全く同様にして、生化学解析
用ユニット1に形成された第2ライン目の吸着性領域4
に含まれているローダミンを励起し、吸着性領域4から
放出された蛍光45を、順次、フォトマルチプライア5
0によって、光電的に検出させる。
【0260】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置54に送られる。
【0261】こうして、生化学解析用ユニット1に形成
されたすべての吸着性領域4が、第2のレーザ励起光源
22から放出されたレーザ光24によって走査され、生
化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4
に含まれているローダミンが励起されて、放出された蛍
光45が、フォトマルチプライア50によって光電的に
検出され、生成されたアナログデータが、A/D変換器
53によって、ディジタルデータに変換されて、データ
処理装置54に送られると、コントロールユニット70
から、駆動停止信号が、第2のレーザ励起光源22に出
力され、第2のレーザ励起光源22の駆動が停止され
る。
【0262】本実施態様によれば、コントローラ10に
より、超音波振動子9a、9bが振動されて、ハイブリ
ダイゼーション溶液中に、超音波が生成され、生成され
た超音波によって、ハイブリダイゼーション溶液が、容
器7内にセットされた生化学解析用ユニット1の多数の
吸着性領域4を横切るように、強制的に流動されて、ハ
イブリダイゼーションが実行されるから、ハイブリダイ
ゼーション溶液に含まれた生体由来の物質が、生化学解
析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4の深い
部分に吸着されている特異的結合物質に出会う確率が大
幅に向上し、生体由来の物質を、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域4の深い部分に含まれ
ている特異的結合物質にも、効果的に、ハイブリダイズ
させることが可能になる。
【0263】また、本実施態様によれば、コントローラ
10により、超音波振動子9a、9bが、交互に振動さ
れて、ハイブリダイゼーション溶液中に、向きの異なる
超音波が、交互に生成され、生成された超音波によっ
て、ハイブリダイゼーション溶液が、容器7内にセット
された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4
を、異なる方向に、繰り返し、横切るように、強制的に
流動されるから、生化学解析用ユニット1に形成された
多数の吸着性領域4の深い部分に吸着されている特異的
結合物質に出会う確率がさらに向上し、生体由来の物質
を、生化学解析用ユニット1に形成された多数のの深い
部分に含まれている特異的結合物質にも、より効果的
に、ハイブリダイズさせることが可能になる。
【0264】さらに、本実施態様によれば、コントロー
ラ10により、超音波振動子9a、9bが振動されて、
洗浄溶液中に、超音波が生成され、生成された超音波に
よって、洗浄溶液が、容器7内にセットされた生化学解
析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切るように、
強制的に流動されて、洗浄が実行されるから、ハイブリ
ダイゼーションの工程で、本来、結合されるべきでない
生体由来の物質が、特異的結合物質にハイブリダイズさ
れていても、特異的結合物質に結合されるべきでなかっ
た生体由来の物質を、効果的に剥離させ、除去すること
が可能になる。
【0265】また、本実施態様によれば、コントローラ
10により、超音波振動子9a、9bが、交互に振動さ
れて、洗浄溶液中に、向きの異なる超音波が、交互に生
成され、生成された超音波によって、洗浄溶液が、容器
7内にセットされた生化学解析用ユニット1の多数の吸
着性領域4を、異なる方向に、繰り返し、横切るよう
に、強制的に流動されるから、ハイブリダイゼーション
の工程で、本来、結合されるべきでない生体由来の物質
が、特異的結合物質にハイブリダイズされていても、特
異的結合物質に結合されるべきでなかった生体由来の物
質を、効果的に剥離させ、除去することが可能になる。
【0266】さらに、本実施態様によれば、コントロー
ラ10により、超音波振動子9a、9bが振動されて、
ハイブリダイゼーション溶液中に、超音波が生成され、
生成された超音波によって、ハイブリダイゼーション溶
液が、容器7内にセットされた生化学解析用ユニット1
の多数の吸着性領域4を横切るように、強制的に流動さ
れて、ハイブリダイゼーションが実行され、コントロー
ラ10により、超音波振動子9a、9bが振動されて、
洗浄溶液中に、超音波が生成され、生成された超音波に
よって、洗浄溶液が、容器7内にセットされた生化学解
析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切るように、
強制的に流動されて、洗浄が実行されるように構成され
ているから、実験者が異なっても、ハイブリダイゼーシ
ョンの結果にばらつきが生ずることを確実に防止するこ
とができ、また、ハイブリダイゼーションの再現性を大
幅に向上させることが可能になる。
【0267】また、本実施態様によれば、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4は、アルミニウム製の基板2
に形成された多数の貫通孔3内に、ナイロン6が充填さ
れて形成されているから、ハイブリダイゼーション溶液
および洗浄溶液は、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域4のみを横切って、強制的に流動さ
れるから、ハイブリダイゼーション効率および洗浄効率
を、より向上させることが可能になる。
【0268】図14は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかるハイブリダイゼーション装置の略断面図であ
る。
【0269】図14に示されるように、本実施態様にか
かるハイブリダイゼーション装置は、蓋部材80aとケ
ーシング80bを有し、ハイブリダイゼーション溶液あ
るいは洗浄溶液を収容する容器80を備え、ケーシング
80bの図14の紙面に直交する方向に対向する内壁面
には、一対の板バネ(図示せず)よりなり、生化学解析
用ユニット1の対向する端部近傍を保持する一対の生化
学解析用ユニット保持部材(図示せず)が、それぞれ、
形成されている。
【0270】図14に示されるように、ケーシング80
bの一対の生化学解析用ユニット保持部材が形成された
内壁面と直交し、容器80内に保持された生化学解析用
ユニット1の一端面に対向する内壁面には、超音波振動
子81が設けられている。
【0271】超音波振動子81は、コントローラ82に
よって、振動され、容器80内に収容されたハイブリダ
イゼーション溶液あるいは洗浄溶液中に超音波を発生す
るように構成されている。
【0272】図14に示されるように、ケーシング80
bの底部には、溶液排出通路83が形成されており、溶
液排出通路83には、コントローラ82によって制御さ
れ、溶液排出通路83を開閉するバルブ84が設けられ
ている。
【0273】以上のように構成された本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置は、以下のようにして、
生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に含まれ
た特異的結合物質に、標識物質によって標識され、ハイ
ブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質を、
選択的に、ハイブリダイズさせ、さらに、特異的結合物
質に、生体由来の物質をハイブリダイズされた特異的結
合物質と生体由来の物質の結合体を含む多数の吸着性領
域が洗浄される。
【0274】ハイブリダイゼーションに先立って、ま
ず、ケーシング80b内の生化学解析用ユニット保持部
材(図示せず)に、生化学解析用ユニット1がセットさ
れ、次いで、ケーシング80b内に、ハイブリダイゼー
ション溶液が収容される。
【0275】本実施態様においても、放射性標識物質に
よって標識された生体由来の物質および蛍光物質によっ
て標識された生体由来の物質を含むハイブリダイゼーシ
ョン溶液が調製され、ケーシング80b内に収容され
る。
【0276】その結果、生化学解析用ユニット1の全体
が、ハイブリダイゼーション溶液に浸される。
【0277】次いで、蓋部材80aが閉じられ、コント
ローラ82によって、超音波振動子81を振動される。
【0278】その結果、容器80内に収容されたハイブ
リダイゼーション溶液中に、超音波が生成され、それに
伴って、図14において、矢印Cで示される方向に、ハ
イブリダイゼーション溶液の流れが、強制的に生成され
る。
【0279】したがって、生化学解析用ユニット1に形
成された多数の吸着性領域4の両面に、ハイブリダイゼ
ーション溶液が、均一に、かつ、繰り返し、接触するか
ら、ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の
物質が、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸
着性領域4に吸着されている特異的結合物質に出会う確
率が向上し、生体由来の物質を、特異的結合物質に、効
果的に、ハイブリダイズさせることが可能になる。
【0280】ここに、ハイブリダイゼーション溶液を、
生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域
4の両面に、均一に、かつ、繰り返し、強制的に流動さ
せるためには、40KHzないし50MHzの周波数を
有する超音波を発生させることが好ましい。
【0281】第一の所定の時間が経過すると、コントロ
ーラ82により、超音波振動子81の振動が停止され、
溶液排出通路83に設けられたバルブ84が開かれて、
容器80内に収容されているハイブリダイゼーション溶
液が、溶液排出通路83を通じて、容器80から排出さ
れ、ハイブリダイゼーション溶液回収タンク(図示せ
ず)内に回収される。
【0282】容器80内に収容されていたハイブリダイ
ゼーション溶液が、溶液排出通路83を介して、ハイブ
リダイゼーション溶液タンクに回収されると、蓋部材8
0aが開かれて、洗浄溶液が、容器80内に収容され、
蓋部材80aが閉じられる。
【0283】次いで、コントローラ82によって、超音
波振動子81が振動され、容器80内に収容された洗浄
溶液中に、超音波が生成され、それに伴って、図14に
おいて、矢印Cで示される方向に、洗浄溶液の流れが生
成される。
【0284】その結果、生化学解析用ユニット1に形成
された多数の吸着性領域4の両面に、洗浄溶液が、均一
に、かつ、繰り返し、接触するから、ハイブリダイゼー
ションの工程で、本来、結合されるべきでない生体由来
の物質が、特異的結合物質にハイブリダイズされていて
も、特異的結合物質に結合されるべきでなかった生体由
来の物質を、効果的に剥離させ、除去することが可能に
なる。
【0285】第一の所定時間よりも短い第二の所定時間
が経過すると、コントローラ82は、超音波振動子81
の振動を停止させ、溶液排出通路83に設けられたバル
ブ84を開いて、容器80内に収容されている洗浄溶液
を、溶液排出通路83を通じて、容器80から排出させ
る。容器80から排出された洗浄溶液は、洗浄溶液回収
タンク(図示せず)内に回収される。
【0286】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に、標識物質である放射性標識物質の放
射線データおよび蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データ
が記録される。吸着性領域4に記録された蛍光データ
は、前記実施態様と同様に、図6に示されたスキャナに
よって読み取られ、生化学解析用データが生成され、放
射性標識物質の放射線データは、蓄積性蛍光体シートに
転写され、前記実施態様と同様に、図6に示されたスキ
ャナによって読み取られ、生化学解析用データが生成さ
れる。
【0287】本実施態様によれば、コントローラ82に
より、超音波振動子81が振動されて、ハイブリダイゼ
ーション溶液中に、超音波が生成され、生成された超音
波によって、ハイブリダイゼーション溶液が、容器80
内にセットされた生化学解析用ユニット1の多数の吸着
性領域4の両面に沿って、強制的に流動され、ハイブリ
ダイゼーション溶液が、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4の両面に、均一に、かつ、繰り返し、接
触するから、ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生
体由来の物質が、生化学解析用ユニット1に形成された
多数の吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質に
出会う確率が向上し、ハイブリダイゼーション溶液に含
まれた生体由来の物質を、特異的結合物質に、効果的
に、ハイブリダイズさせることが可能になる。
【0288】また、本実施態様によれば、コントローラ
82により、超音波振動子81が振動されて、洗浄溶液
中に、超音波が生成され、生成された超音波によって、
洗浄溶液が、容器80内にセットされた生化学解析用ユ
ニット1の多数の吸着性領域4の両面に沿って、強制的
に流動され、洗浄溶液が、生化学解析用ユニット1の多
数の吸着性領域4の両面に、均一に、かつ、繰り返し、
接触するから、ハイブリダイゼーションの工程で、本
来、結合されるべきでない生体由来の物質が、特異的結
合物質にハイブリダイズされていても、特異的結合物質
に結合されるべきでなかった生体由来の物質を、効果的
に剥離させ、除去することが可能になる。
【0289】さらに、本実施態様によれば、コントロー
ラ82により、超音波振動子81が振動されて、ハイブ
リダイゼーション溶液中に、超音波が生成され、生成さ
れた超音波によって、ハイブリダイゼーション溶液が、
容器80内にセットされた生化学解析用ユニット1の多
数の吸着性領域4の両面に沿って、強制的に流動され、
ハイブリダイゼーション溶液が、生化学解析用ユニット
1の多数の吸着性領域4の両面に、均一に、かつ、繰り
返し、接触して、ハイブリダイゼーションが実行され、
コントローラ82により、超音波振動子81が振動され
て、洗浄溶液中に、超音波が生成され、生成された超音
波によって、洗浄溶液が、容器80内にセットされた生
化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4の両面に沿
って、強制的に流動され、洗浄溶液が、生化学解析用ユ
ニット1の多数の吸着性領域4の両面に、均一に、か
つ、繰り返し、接触して、洗浄が実行されされるように
構成されているから、実験者が異なっても、ハイブリダ
イゼーションの結果にばらつきが生ずることを確実に防
止することができ、また、ハイブリダイゼーションの再
現性を大幅に向上させることが可能になる。
【0290】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0291】たとえば、前記実施態様においては、生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に含まれてい
る特異的結合物質に、放射性標識物質によって標識され
た生体由来の物質および蛍光物質によって標識された生
体由来の物質をハイブリダイズさせ、同じハイブリダイ
ゼーション装置を用いて、洗浄を行っているが、ハイブ
リダイゼーション装置を用いて、生化学解析用ユニット
1の多数の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質
に、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
および蛍光物質によって標識された生体由来の物質をハ
イブリダイズさせた生化学解析用ユニット1を、別個の
洗浄装置を用いて、洗浄するようにしてもよく、また、
別個のハイブリダイゼーション装置を用いて、生化学解
析用ユニット1の多数の吸着性領域4に含まれている特
異的結合物質に、放射性標識物質によって標識された生
体由来の物質および蛍光物質によって標識された生体由
来の物質をハイブリダイズさせた生化学解析用ユニット
1を、前記実施態様にかかるハイブリダイゼーション装
置を用いて、洗浄するようにしてもよい。
【0292】さらに、図3に示されたハイブリダイゼー
ション装置においては、生化学解析用ユニット保持部材
8aおよび生化学解析用ユニット保持部材8bによっ
て、容器7内に保持されたとき、生化学解析用ユニット
1の表面に対向するとともに、互いに対向するケーシン
グ7bの2つの内壁面に、一対の超音波振動子9a、9
bを設け、コントローラ10によって、一対の超音波振
動子9a、9bを、交互に振動させて、ハイブリダイゼ
ーション溶液および洗浄溶液を、図3において、矢印A
で示される方向と、矢印Bで示される方向に、交互に流
動させて、ハイブリダイゼーションおよび洗浄を実行す
るように構成されているが、生化学解析用ユニット1の
一方の面に対向するケーシング7bの2つの内壁面に、
超音波振動子9aまたは超音波振動子9bを設け、コン
トローラ10によって、超音波振動子9aまたは超音波
振動子9bを振動させて、ハイブリダイゼーション溶液
および洗浄溶液を、図3において、矢印Aで示される方
向あるいは矢印Bで示される方向にのみ、強制的に流動
させて、ハイブリダイゼーションおよび洗浄を実行する
ように構成することもできる。
【0293】また、図14に示されたハイブリダイゼー
ション装置においては、容器80内に保持された生化学
解析用ユニット1の一端面に対向するケーシング80b
の内壁面に、単一の超音波振動子81が設けられている
が、さらに、容器80内に保持された生化学解析用ユニ
ット1の他端面に対向するケーシング80bの内壁面
に、超音波振動子を設け、ハイブリダイゼーション溶液
および洗浄溶液中に、図14において、矢印Cで示され
る方向の流れと、矢印Cで示される方向とは逆方向の流
れを、交互に、強制的に生成するように構成することも
できる。
【0294】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1の基板2には、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸着性
領域4が、約5000個/平方センチメートルの密度
で、規則的なパターンにしたがって、形成されている
が、吸着性領域4を略円形に形成することは必ずしも必
要でなく、矩形状など、任意の形状に形成することがで
きる。
【0295】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の基板2には、約10000の約0.0
1平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸着性領
域4が、約5000個/平方センチメートルの密度で、
規則的なパターンにしたがって、形成されているが、吸
着性領域4の数およびサイズは、目的に応じて、任意に
選択をすることができ、好ましくは、10以上の5平方
ミリメートル未満のサイズを有する吸着性領域4が、1
0個/平方センチメートル以上の密度で、基板2に形成
される。
【0296】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1の基板2には、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸着性
領域4が、約5000個/平方センチメートルの密度
で、規則的なパターンにしたがって、形成されている
が、吸着性領域4を、規則的なパターンにしたがって、
形成することは必ずしも必要でない。
【0297】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1は、アルミニウム製の基板2に形成さ
れた多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が充填され
て、形成された多数の吸着性領域4を備えているが、生
化学解析用ユニット1の吸着性領域4が、ナイロン6に
よって形成されていることは必ずしも必要でなく、ナイ
ロン6以外のメンブレンフィルタが形成可能な多孔質材
料、たとえば、ナイロン6,6、ナイロン4,10など
のナイロン類;ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪
酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;コラーゲ
ン;アルギン酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/
ポリリシンポリイオンコンプレックスなどのアルギン酸
類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ
化ビニリデン、ポリテトラフルオライドなどのポリフル
オライドや、これらの共重合体または複合体、あるい
は、活性炭などの多孔質炭素材料によって、生化学解析
用ユニット1の吸着性領域4を形成することもでき、さ
らには、白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムな
どの金属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトな
どの金属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウ
ムなどの金属塩やこれらの複合体などの無機多孔質材料
あるいは複数の繊維の束によって、生化学解析用ユニッ
ト1の吸着性領域4を形成するようにしてもよい。
【0298】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1は、アルミニウム製の基板2を備えてい
るが、生化学解析用ユニット1の基板2を、アルミニウ
ムによって形成することは必ずしも必要でなく、他の材
料によって、基板2を形成することもできる。生化学解
析用ユニット1の基板2は、放射線および/または光を
減衰させる性質を有する材料によって形成されることが
好ましいが、その材料はとくに限定されるものではな
く、無機化合物材料、有機化合物材料のいずれによっ
て、生化学解析用ユニット1の基板2を形成することも
でき、金属材料、セラミック材料またはプラスチック材
料が、とくに好ましく使用される。生化学解析用ユニッ
ト1の基板2を形成するために好ましく使用することが
できる無機化合物材料としては、たとえば、金、銀、
銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、
鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;
真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリコン、アモル
ファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ
素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;タングステン
カーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロ
キシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げるこ
とができる。これらは、単結晶、アモルファス、セラミ
ックのような多結晶焼結体にいずれの構造を有していて
もよい。また、生化学解析用ユニット1の基板2を形成
するために好ましく使用することができる有機化合物材
料としては、高分子化合物が好ましく用いられ、好まし
い高分子化合物としては、たとえば、ポリエチレンやポ
リプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタク
リレート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート
共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;
ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニ
リデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロトリ
フルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレンナ
フタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエ
ステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,1
0などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフ
ェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロキサンなど
のケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹脂;エポ
キシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−
スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロース、ニト
ロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースなどの多糖類;キチン;
キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンな
どのポリアミドおよびこれら高分子化合物の共重合体な
どを挙げることができる。これらは、複合材料でもよ
く、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラス繊維などを
充填することもでき、また、有機化合物材料をブレンド
して、使用することもできる。
【0299】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、アルミニウ
ム製の基板2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナ
イロン6が充填されて、形成されているが、吸着性材料
を含む吸着性膜を、基板2に形成された多数の貫通孔3
内に圧入して、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性
領域4を形成することもできる。
【0300】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、アルミニウム
製の基板2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナイ
ロン6が充填されて、形成されているが、吸着性材料に
よって形成された吸着性基板の両面に、同一のパターン
で、複数の貫通孔が形成された一対の基板を、複数の貫
通孔のパターンが対応するように、密着させて、互いに
離間した吸着性領域を形成することもできる。
【0301】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、アルミニウ
ム製の基板2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナ
イロン6が充填されて、形成されているが、吸着性材料
によって形成された吸着性基板の異なる位置に、特異的
結合物質を含む溶液を滴下して、特異的結合物質を含む
多数の吸着性領域が、互いに離間して、形成された生化
学解析用ユニット1を作製するようにしてもよい。
【0302】また、前記実施態様においては、複数のc
DNAが用いられているが、本発明において使用可能な
特異的結合物質はcDNAに限定されるものではなく、
細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的
に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成など
が既知の特異的結合物質はすべて、本発明の特異的結合
物質として使用することができる。
【0303】さらに、前記実施態様においては、放射性
標識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光
色素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質
を含むハイブリダイゼーション溶液が調製され、吸着性
領域4に滴下された特異的結合物質にハイブリダイズさ
せているが、生体由来の物質が、放射性標識物質および
蛍光色素などの蛍光物質によって標識されていることは
必ずしも必要がなく、放射性標識物質、蛍光物質および
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質の少なくとも1種の標識物質により標識
されていればよい。
【0304】
【発明の効果】本発明によれば、生化学解析用ユニット
に形成されたスポット状の領域に含まれた特異的結合物
質に、本来、ハイブリダイズされるべき生体由来の物質
を、効率よく、所望のように、ハイブリダイズさせるこ
とができ、かつ、再現性よく、定量性に優れた生化学解
析用データを生成することを可能にする生化学解析用ユ
ニットへの生化学解析用データ記録方法およびハイブリ
ダイゼーション装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用ユニットの略斜視図である。である。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、本発明の好ましい実施態様にかかるハ
イブリダイゼーション装置の略縦断面図である。
【図4】図4は、蓄積性蛍光体シートの略斜視図であ
る。
【図5】図5は、生化学解析用ユニットに形成された多
数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によって、蓄
積性蛍光体シートに形成された多数のドット状の輝尽性
蛍光体層領域を露光する方法を示す略断面図である。
【図6】図6は、スキャナの略斜視図である。
【図7】図7は、フォトマルチプライア近傍のスキャナ
の詳細を示す略斜視図である。
【図8】図8は、図7のA−A線に沿った略断面図であ
る。
【図9】図9は、図7のB−B線に沿った略断面図であ
る。
【図10】図10は、図7のC−C線に沿った略断面図
である。
【図11】図11は、図7のD−D線に沿った略断面図
である。
【図12】図12は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【図13】図13は、スキャナの制御系、入力系、駆動
系および検出系を示すブロックダイアグラムである。
【図14】図14は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかるハイブリダイゼーション装置の略断面図である。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 基板 3 貫通孔 4 吸着性領域 5 インジェクタ 6 CCDカメラ 7 容器 7a 蓋部材 7b ケーシング 8a、8b 生化学解析用ユニット保持部材 9a、9b 超音波振動子 10 コントローラ 11 溶液排出通路 12 バルブ 15 蓄積性蛍光体シート 16 支持体 17 輝尽性蛍光体層領域 18 貫通孔 21 第1のレーザ励起光源 22 第2のレーザ励起光源 23 第3のレーザ励起光源 24 レーザ光 25 コリメータレンズ 26 ミラー 27 第1のダイクロイックミラー 28 第2のダイクロイックミラー 29 ミラー 30 コリメータレンズ 31 コリメータレンズ 32 ミラー 33 穴開きミラーの穴 34 穴開きミラー 35 光学ヘッド 36 ミラー 37 非球面レンズ 38 凹面ミラー 40 ステージ 41 ガラス板 45 蛍光あるいは輝尽光 48 フィルタユニット 50 フォトマルチプライア 51a、51b、51c、51d フィルタ部材 52a、52b、52c、52d フィルタ 53 A/D変換器 54 データ処理装置 60 基板 61 副走査パルスモータ 62 一対のレール 63 移動可能な基板 64 ロッド 65 主走査ステッピングモータ 66 エンドレスベルト 67 リニアエンコーダ 68 リニアエンコーダのスリット 70 コントロールユニット 71 キーボード 72 フィルタユニットモータ 80 容器 80a 蓋部材 80b ケーシング 81 超音波振動子 82 コントローラ 83 溶液排出通路 84 バルブ

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造または特性が既知の特異的結合物質
    を含む複数の吸着性領域が、互いに離間して形成された
    生化学解析用ユニットを、容器内に収容された標識物質
    によって標識された生体由来の物質を含むハイブリダイ
    ゼーション溶液内にセットし、前記ハイブリダイゼーシ
    ョン溶液内に、超音波を発生させて、前記生化学解析用
    ユニットの前記複数の吸着性領域に含まれた特異的結合
    物質に、前記ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生
    体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせること
    を特徴とする生化学解析用ユニットへの生化学解析用デ
    ータ記録方法。
  2. 【請求項2】 前記ハイブリダイゼーション溶液内に、
    前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横
    切るように、超音波を発生させて、前記生化学解析用ユ
    ニットの前記複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物
    質に、前記ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生体
    由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせることを
    特徴とする請求項1に記載の生化学解析用ユニットへの
    生化学解析用データ記録方法。
  3. 【請求項3】 前記生化学解析用ユニットの前記複数の
    吸着性領域を横切るように、向きの異なる超音波を、交
    互に、前記ハイブリダイゼーション溶液内に発生させ
    て、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
    に含まれた特異的結合物質に、前記ハイブリダイゼーシ
    ョン溶液に含まれた生体由来の物質を、選択的に、ハイ
    ブリダイズさせることを特徴とする請求項2に記載の生
    化学解析用ユニットへの生化学解析用データ記録方法。
  4. 【請求項4】 前記ハイブリダイゼーション溶液内に、
    前記生化学解析用ユニットの両面に略平行な方向に、超
    音波を発生させて、前記生化学解析用ユニットの前記複
    数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、前記ハイ
    ブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質を、
    選択的に、ハイブリダイズさせることを特徴とする請求
    項1に記載の生化学解析用ユニットへの生化学解析用デ
    ータ記録方法。
  5. 【請求項5】 構造または特性が既知の特異的結合物質
    と標識物質異よって標識された生体由来の物質が選択的
    に結合した結合体を含む複数の吸着性領域が、互いに離
    間して形成された生化学解析用ユニットを、容器内に収
    容された洗浄溶液内にセットし、前記洗浄溶液内に、超
    音波を発生させて、前記生化学解析用ユニットの前記複
    数の吸着性領域を洗浄することを特徴とする生化学解析
    用ユニットへの生化学解析用データ記録方法。
  6. 【請求項6】 前記洗浄溶液内に、前記生化学解析用ユ
    ニットの前記複数の吸着性領域を横切るように、超音波
    を発生させて、前記生化学解析用ユニットの前記複数の
    吸着性領域を洗浄することを特徴とする請求項5に記載
    の生化学解析用ユニットへの生化学解析用データ記録方
    法。
  7. 【請求項7】 前記生化学解析用ユニットの前記複数の
    吸着性領域を横切るように、向きの異なる超音波を、交
    互に、前記洗浄溶液内に発生させて、前記生化学解析用
    ユニットの前記複数の吸着性領域を洗浄することを特徴
    とする請求項6に記載の生化学解析用ユニットへの生化
    学解析用データ記録方法。
  8. 【請求項8】 前記洗浄溶液内に、前記生化学解析用ユ
    ニットの両面に略平行な方向に、超音波を発生させて、
    前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を洗
    浄することを特徴とする請求項5に記載の生化学解析用
    ユニットへの生化学解析用データ記録方法。
  9. 【請求項9】 構造または特性が既知の特異的結合物質
    を含む複数の吸着性領域が、互いに離間して形成された
    生化学解析用ユニットを、容器内に収容された標識物質
    によって標識された生体由来の物質を含むハイブリダイ
    ゼーション溶液内にセットし、前記ハイブリダイゼーシ
    ョン溶液内に、超音波を発生させて、前記生化学解析用
    ユニットの前記複数の吸着性領域に含まれた特異的結合
    物質に、前記ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生
    体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、前記
    容器から、前記ハイブリダイゼーション溶液を排出し、
    前記容器内に洗浄溶液を収容させ、前記生化学解析用ユ
    ニットの前記複数の吸着性領域を横切るように、前記洗
    浄溶液内に、超音波を発生させて、前記生化学解析用ユ
    ニットの前記複数の吸着性領域を洗浄することを特徴と
    する生化学解析用ユニットへの生化学解析用データ記録
    方法。
  10. 【請求項10】 前記ハイブリダイゼーション溶液内
    に、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
    を横切るように、超音波を発生させて、前記生化学解析
    用ユニットの前記複数の吸着性領域に含まれた特異的結
    合物質に、前記ハイブリダイゼーション溶液に含まれた
    生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、前
    記洗浄溶液内に、前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域を横切るように、超音波を発生させて、前
    記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を洗浄
    することを特徴とする請求項9に記載の生化学解析用ユ
    ニットへの生化学解析用データ記録方法。
  11. 【請求項11】 前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域を横切るように、向きの異なる超音波を、
    交互に、前記ハイブリダイゼーション溶液内に発生させ
    て、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
    に含まれた特異的結合物質に、前記ハイブリダイゼーシ
    ョン溶液に含まれた生体由来の物質を、選択的に、ハイ
    ブリダイズさせ、前記生化学解析用ユニットの前記複数
    の吸着性領域を横切るように、向きの異なる超音波を、
    交互に、前記洗浄溶液内に発生させて、前記生化学解析
    用ユニットの前記複数の吸着性領域を洗浄することを特
    徴とする請求項10に記載の生化学解析用ユニットへの
    生化学解析用データ記録方法。
  12. 【請求項12】 前記ハイブリダイゼーション溶液内
    に、前記生化学解析用ユニットの両面に略平行な方向
    に、超音波を発生させて、前記生化学解析用ユニットの
    前記複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、前
    記ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物
    質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、前記洗浄溶液内
    に、前記生化学解析用ユニットの両面に略平行な方向
    に、超音波を発生させて、前記生化学解析用ユニットの
    前記複数の吸着性領域を洗浄することを特徴とする請求
    項9に記載の生化学解析用ユニットへの生化学解析用デ
    ータ記録方法。
  13. 【請求項13】 前記生体由来の物質が、放射性標識物
    質、蛍光物質および化学発光基質と接触させることによ
    って化学発光を生じさせる標識物質よりなる群から選ば
    れる少なくとも1種の標識物質によって標識されたこと
    を特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載
    の生化学解析用ユニットへの生化学解析用データ記録方
    法。
  14. 【請求項14】 40KHzないし50MHzの周波数
    の超音波を発生させることを特徴とする請求項1ないし
    13のいずれか1項に記載の生化学解析用ユニットへの
    生化学解析用データ記録方法。
  15. 【請求項15】 前記生化学解析用ユニットが、複数の
    貫通孔が形成された基板を備え、前記複数の吸着性領域
    が、前記基板の前記複数の貫通孔に、吸着性材料が充填
    されて形成されたことを特徴とする請求項1ないし14
    のいずれか1項に記載の生化学解析用ユニットへの生化
    学解析用データ記録方法。
  16. 【請求項16】 前記生化学解析用ユニットが、吸着性
    材料によって形成された吸着性基板と、同一のパターン
    で、複数の貫通孔が形成された一対の基板を備え、前記
    一対の基板が、前記複数の貫通孔のパターンが対応する
    ように、前記吸着性基板の両面に密着され、前記一対の
    基板の前記複数の貫通孔内の前記吸着性基板によって、
    前記複数の吸着性領域が形成されたことを特徴とする請
    求項1ないし14のいずれか1項に記載の生化学解析用
    ユニットへの生化学解析用データ記録方法。
  17. 【請求項17】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    に、10以上の貫通孔が形成されたことを特徴とする請
    求項15または16に記載の生化学解析用ユニットへの
    生化学解析用データ記録方法。
  18. 【請求項18】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    に形成された前記複数の貫通孔が、それぞれ、5平方ミ
    リメートル未満のサイズを有していることを特徴とする
    請求項15ないし17のいずれか1項に記載の生化学解
    析用ユニットへの生化学解析用データ記録方法。
  19. 【請求項19】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    に、前記複数の貫通孔が、10個/平方センチメートル
    以上の密度で形成されたことを特徴とする請求項15な
    いし18のいずれか1項に記載の生化学解析用ユニット
    への生化学解析用データ記録方法。
  20. 【請求項20】 前記生化学解析用ユニットの前記基板
    が、液不透過性材料によって形成されていることを特徴
    とする請求項15ないし19のいずれか1項に記載の生
    化学解析用ユニットへの生化学解析用データ記録方法。
  21. 【請求項21】 前記生化学解析用ユニットが、吸着性
    材料によって形成された吸着性基板を備え、前記複数の
    吸着性領域が、前記吸着性基板に、構造または特性が既
    知の特異的結合物質を含む溶液が滴下されて形成された
    ことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に
    記載の生化学解析用ユニットへの生化学解析用データ記
    録方法。
  22. 【請求項22】 互いに離間して形成された複数の吸着
    性領域を備えた生化学解析用ユニットを保持可能な生化
    学解析用ユニット保持手段を備え、溶液を収容可能な容
    器と、前記容器の内壁部に、少なくとも1つの超音波振
    動子が設けられ、さらに、前記少なくとも1つの超音波
    振動子を振動させるコントローラを備えたことを特徴と
    するハイブリダイゼーション装置。
  23. 【請求項23】 前記生化学解析用ユニット保持手段に
    保持されるべき前記生化学解析用ユニットの少なくとも
    一つの面に対向する前記容器の内壁部に、超音波振動子
    が設けられたことを特徴とする請求項22に記載のハイ
    ブリダイゼーション装置。
  24. 【請求項24】 前記生化学解析用ユニット保持手段に
    保持されるべき前記生化学解析用ユニットの両面に対向
    する前記容器の内壁部に、一対の超音波振動子が設けら
    れ、前記コントローラが、前記一対の超音波振動子を、
    交互に振動させるように構成されたことを特徴とする請
    求項23に記載のハイブリダイゼーション装置。
  25. 【請求項25】 前記生化学解析用ユニット保持手段に
    保持されるべき前記生化学解析用ユニットの少なくとも
    一端部に対向する前記容器の内壁部に、超音波振動子が
    設けられたことを特徴とする請求項22に記載のハイブ
    リダイゼーション装置。
  26. 【請求項26】 前記生化学解析用ユニット保持手段に
    保持されるべき前記生化学解析用ユニットの両端部に対
    向する前記容器の内壁部に、一対の超音波振動子が設け
    られ、前記コントローラが、前記一対の超音波振動子
    を、交互に振動させるように構成されたことを特徴とす
    る請求項25に記載のハイブリダイゼーション装置。
  27. 【請求項27】 前記コントローラが、40KHzない
    し50MHzの周波数の超音波が発生されるように、前
    記超音波振動子を振動させるように構成されたことを特
    徴とする請求項22ないし26のいずれか1項に記載の
    ハイブリダイゼーション装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007057467A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 検体反応装置及び標的分子検出装置
JP2020531042A (ja) * 2017-08-30 2020-11-05 イムプリメド インコーポレイティッドImprimed,Inc. 化学的及び生化学的化合物の高処理量選別のための装置及び方法

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