JP2003079361A - ハイブリダイゼーション方法および装置ならびにそれに用いる生化学解析用ユニットホルダー - Google Patents

ハイブリダイゼーション方法および装置ならびにそれに用いる生化学解析用ユニットホルダー

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JP2003079361A
JP2003079361A JP2001275023A JP2001275023A JP2003079361A JP 2003079361 A JP2003079361 A JP 2003079361A JP 2001275023 A JP2001275023 A JP 2001275023A JP 2001275023 A JP2001275023 A JP 2001275023A JP 2003079361 A JP2003079361 A JP 2003079361A
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analysis unit
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JP2001275023A
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Katsuaki Muraishi
勝明 村石
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 効率よく、特異的結合物質と生体由来の物質
をハイブリダイズさせ、しかも、再現性よく、定量性に
優れた生化学解析用データを生成可能にするハイブリダ
イゼーション方法装置を提供する。 【解決手段】 上端部の開口部11aを介して、構造ま
たは特性が既知の特異的結合物質を含む複数の吸着性領
域が、互いに離間して形成され、生化学解析用ユニット
ホルダー7は挟持部材によって、その一端部近傍が挟持
された生化学解析用ユニットホルダーを装填可能な反応
容器11と、反応容器内に、ハイブリダイゼーション溶
液注入ピンと、標識物質によって標識された生体由来の
物質を含むプローブ溶液を注入可能なプローブ溶液注入
ピンと、洗浄溶液注入ピンと、反応容器内に収容された
溶液を抜き取る溶液抜き取りピンと、生化学解析用ユニ
ットホルダーを把持可能な把持部材と、把持部材を、上
下動させる駆動モータを備えたことを特徴とするハイブ
リダイゼーション装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリダイゼー
ション方法および装置ならびにそれに用いる生化学解析
用ユニットホルダーに関するものであり、さらに詳細に
は、効率よく、特異的結合物質と生体由来の物質をハイ
ブリダイズさせることができ、しかも、再現性よく、定
量性に優れた生化学解析用データを生成することを可能
にするハイブリダイゼーション方法および装置ならびに
それに用いる生化学解析用ユニットホルダーに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するオートラジオグラフィ解析システムは、写
真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化
学的処理が不必要であるだけでなく、得られたディジタ
ルデータにデータ処理を施すことにより、所望のよう
に、解析用データを再生し、あるいは、コンピュータに
よる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0005】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光解析システムも知られてい
る。
【0006】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細胞、
ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗
原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDN
A、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結
合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既
知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下
して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによっ
て、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処
理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であ
って、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識され
た物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特異
的結合物質に、特異的に結合させたマイクロアレイに、
励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から
発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来
の物質を解析するマイクロアレイ解析システムが開発さ
れている。このマイクロアレイ解析システムによれば、
スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポット
を高密度に形成して、標識物質によって標識された生体
由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時
間に、生体由来の物質を解析することが可能になるとい
う利点がある。
【0007】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッ
ター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポット
を形成し、次いで、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽
出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、
さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生
体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識さ
れた物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特
異的結合物質に、特異的に結合させたマクロアレイを、
輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性
蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、
しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性
蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生
化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解析する
放射性標識物質を用いたマクロアレイ解析システムも開
発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】マイクロアレイ解析シ
ステムやマクロアレイ解析システムにおいては、メンブ
レンフィルタなどの生化学解析用ユニットの表面の異な
る位置に、特異的結合物質を含む溶液を滴下して、多数
のスポット状領域を形成し、放射性標識物質、蛍光物
質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質などによって標識された生体由来の
物質を、スポット状領域に含まれている特異的結合物質
にハイブリダイズさせて、特異的結合物質を選択的に標
識し、多数のスポット状領域に選択的に含まれている放
射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍
光体層を露光し、露光された輝尽性蛍光体層を、励起光
によって走査して、輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽
性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光
を光電的に検出して、生化学解析用データを生成し、あ
るいは、多数のスポット状領域を、励起光によって走査
して、多数のスポット状領域に選択的に含まれている蛍
光物質を励起し、蛍光物質から放出された蛍光を光電的
に検出して、生化学解析用データを生成し、あるいは、
多数のスポット状領域に選択的に含まれている標識物質
を化学発光基質と接触させ、標識物質から放出される化
学発光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成
することが要求されている。
【0009】特異的結合物質と生体由来の物質をハイブ
リダイズさせる場合、従来は、実験者が、手作業で、特
異的結合物質を含む多数のスポット状領域が形成された
メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットを、ハ
イブリダイゼーションバッグ内に入れ、ハイブリダイゼ
ーションバッグ内に、放射性標識物質、蛍光物質、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質などによって標識された生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション溶液を加え、ハイブリダイゼ
ーションバッグに振動を加えて、生体由来の物質を、対
流あるいは拡散によって移動させて、特異的結合物質と
生体由来の物質をハイブリダイズさせ、生化学解析用ユ
ニットをハイブリダイゼーションバッグから取り出し
て、洗浄溶液が満たされた容器内に入れ、洗浄するのが
一般であった。
【0010】しかしながら、実験者が、手作業で、生化
学解析用ユニットを、ハイブリダイゼーションバッグ内
に入れて、ハイブリダイゼーション溶液を加え、ハイブ
リダイゼーションバッグに振動を加えて、特異的結合物
質と生体由来の物質をハイブリダイズさせる場合には、
ハイブリダイゼーション溶液を、特異的結合物質を含む
多数のスポット状領域に、均一に接触させることは困難
であり、したがって、効率的に、特異的結合物質と生体
由来の物質をハイブリダイズさせることができないとい
う問題があった。
【0011】さらに、実験者が、手作業で、生化学解析
用ユニットを、ハイブリダイゼーションバッグ内に入れ
て、ハイブリダイゼーション溶液を加え、ハイブリダイ
ゼーションバッグに振動を加えて、特異的結合物質と生
体由来の物質をハイブリダイズさせ、生化学解析用ユニ
ットをハイブリダイゼーションバッグから取り出して、
洗浄溶液が満たされた容器内に入れ、洗浄する場合に
は、実験者によって、ハイブリダイゼーションの結果が
ばらつき、再現性が低下することは避けられず、また、
同じ実験者であっても、再現性が低下するおそれがある
という問題があった。
【0012】したがって、本発明は、効率よく、特異的
結合物質と生体由来の物質をハイブリダイズさせること
ができ、しかも、再現性よく、定量性に優れた生化学解
析用データを生成することを可能にするハイブリダイゼ
ーション方法および装置ならびにそれに用いる生化学解
析用ユニットホルダーを提供することを目的とするもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
構造または特性が既知の特異的結合物質を含む複数の吸
着性領域が、互いに離間して形成された生化学解析用ユ
ニットの一端部近傍を、生化学解析用ユニットホルダー
に設けられた挟持部材によって挟持し、前記生化学解析
用ユニットホルダーの前記挟持部材によって挟持された
前記生化学解析用ユニットを、反応容器内に、前記生化
学解析用ユニットが吊り下げられるように、セットし、
ハイブリダイゼーション溶液を、前記反応容器内に注入
し、駆動手段によって、上下に駆動可能に構成された把
持部材によって、前記生化学解析用ユニットホルダーを
把持し、前記駆動手段によって、前記把持部材を上下に
駆動し、標識物質によって標識された生体由来の物質を
含むプローブ溶液を、前記反応容器内に注入して、前記
駆動手段によって、前記把持部材を上下に駆動し、前記
反応容器内から、ハイブリダイゼーション溶液およびプ
ローブ溶液を抜き取り、洗浄溶液を、前記反応容器内に
注入して、前記駆動手段によって、前記把持部材を上下
に駆動し、前記反応容器内から、洗浄溶液を抜き取り、
前記生化学解析用ユニットを挟持している前記生化学解
析用ユニットホルダーを、前記反応容器から取り出すこ
とを特徴とするハイブリダイゼーション方法によって達
成される。
【0014】本発明によれば、構造または特性が既知の
特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互いに離間
して形成された生化学解析用ユニットの一端部近傍を、
生化学解析用ユニットホルダーに設けられた挟持部材に
よって挟持し、生化学解析用ユニットホルダーの挟持部
材によって挟持された生化学解析用ユニットを、反応容
器内に、生化学解析用ユニットが吊り下げられるよう
に、セットし、駆動手段によって、把持部材を上下に駆
動しつつ、ハイブリダイゼーション溶液、ハイブリダイ
ゼーション溶液に、標識物質によって標識された生体由
来の物質を含むプローブ溶液が添加されて、調製された
溶液および洗浄溶液と接触させて、プレハイブリダイゼ
ーション、ハイブリダイゼーションおよび洗浄を実行し
ているから、ハイブリダイゼーション溶液、ハイブリダ
イゼーション溶液に、標識物質によって標識された生体
由来の物質を含むプローブ溶液が添加されて、調製され
た溶液および洗浄溶液は、それぞれ、生化学解析用ユニ
ットのすべての吸着性領域の両面に、均一に接触し、し
たがって、生体由来の物質が、吸着性領域に含まれてい
るハイブリダイズすべき特異的結合物質と出会う確率を
大幅に向上させることが可能になり、また、ハイブリダ
イゼーションの工程で、本来、結合されるべきでない生
体由来の物質が、特異的結合物質にハイブリダイズされ
ていても、特異的結合物質に結合されるべきでなかった
生体由来の物質を、効果的に剥離させ、除去することが
可能になるから、ハイブリダイゼーションの効率を大幅
に向上させることができ、ハイブリダイゼーションに要
する時間を大幅に短縮することが可能になる。
【0015】また、本発明によれば、駆動手段によっ
て、生化学解析用ユニットホルダーの把持部材を上下に
駆動して、プレハイブリダイゼーション、ハイブリダイ
ゼーションおよび洗浄を実行しているから、実験者によ
り、ハイブリダイゼーションの結果がばらつくことを確
実に防止することができ、また、ハイブリダイゼーショ
ンの再現性を大幅に向上させることが可能になる。
【0016】さらに、本発明によれば、構造または特性
が既知の特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互
いに離間して形成された生化学解析用ユニットの一端部
近傍を、生化学解析用ユニットホルダーに設けられた挟
持部材によって挟持しているから、生化学解析用ユニッ
トのハンドリングが容易であり、したがって、プレハイ
ブリダイゼーション、ハイブリダイゼーションおよび洗
浄を、容易に、自動化することが可能になる。
【0017】本発明の好ましい実施態様においては、上
下に移動可能に構成された取り出し部材によって、前記
生化学解析用ユニットホルダーを把持し、前記生化学解
析用ユニットを挟持している前記生化学解析用ユニット
ホルダーを、前記反応容器から取り出すように構成され
ている。
【0018】本発明の好ましい実施態様によれば、上下
に移動可能に構成された取り出し部材によって、生化学
解析用ユニットホルダーを把持し、生化学解析用ユニッ
トを挟持している生化学解析用ユニットホルダーを、反
応容器から取り出すように構成されているから、実験者
は、生化学解析用ユニットホルダーを、反応容器内にセ
ットするだけで、自動的に、プレハイブリダイゼーショ
ン、ハイブリダイゼーションおよび洗浄を実行すること
ができる。
【0019】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反応容器の上端部に形成された開口部を介し
て、前記生化学解析用ユニットホルダーの前記挟持部材
によって挟持された前記生化学解析用ユニットを、前記
反応容器内に挿入し、前記反応容器の上端部によって、
前記生化学解析用ユニットが支持されるように、前記生
化学解析用ユニットを、前記反応容器内にセットするよ
うに構成されている。
【0020】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、ハイブリダイゼーション溶液を、前記反応容器内に
注入するのに先立って、前処理液を、前記反応容器内に
注入し、把持部材によって、前記生化学解析用ユニット
ホルダーを把持し、前記駆動手段によって、前記把持部
材を上下に駆動するように構成されている。
【0021】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、プレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーシ
ョンおよび洗浄に加えて、前処理も自動化することが可
能になる。
【0022】本発明の前記目的はまた、上端部に開口部
が形成され、前記開口部を介して、構造または特性が既
知の特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互いに
離間して形成され、生化学解析用ユニットホルダーに設
けられた挟持部材によって、その一端部近傍が挟持され
た生化学解析用ユニットホルダーを装填可能な反応容器
と、前記反応容器内に、ハイブリダイゼーション溶液を
注入可能なハイブリダイゼーション溶液注入ピンと、前
記反応容器内に、標識物質によって標識された生体由来
の物質を含むプローブ溶液を注入可能なプローブ溶液注
入ピンと、前記反応容器内に、洗浄溶液を注入可能な洗
浄溶液注入ピンと、前記反応容器内に収容された溶液を
抜き取る溶液抜き取りピンと、前記生化学解析用ユニッ
トホルダーを把持可能な把持部材と、前記把持部材を、
上下動させる駆動手段を備えたことを特徴とするハイブ
リダイゼーション装置によって達成される。
【0023】本発明によれば、ハイブリダイゼーション
装置は、上端部に開口部が形成され、開口部を介して、
構造または特性が既知の特異的結合物質を含む複数の吸
着性領域が、互いに離間して形成され、生化学解析用ユ
ニットホルダーに設けられた挟持部材によって、その一
端部近傍が挟持された生化学解析用ユニットホルダーを
装填可能な反応容器と、反応容器内に、ハイブリダイゼ
ーション溶液を注入可能なハイブリダイゼーション溶液
注入ピンと、反応容器内に、標識物質によって標識され
た生体由来の物質を含むプローブ溶液を注入可能なプロ
ーブ溶液注入ピンと、反応容器内に、洗浄溶液を注入可
能な洗浄溶液注入ピンと、反応容器内に収容された溶液
を抜き取る溶液抜き取りピンと、生化学解析用ユニット
ホルダーを把持可能な把持部材と、把持部材を、上下動
させる駆動手段を備えているから、構造または特性が既
知の特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互いに
離間して形成された生化学解析用ユニットの一端部近傍
を、生化学解析用ユニットホルダーに設けられた挟持部
材によって挟持し、生化学解析用ユニットホルダーの挟
持部材によって挟持された生化学解析用ユニットを、反
応容器内に、生化学解析用ユニットが吊り下げられるよ
うに、セットし、駆動手段によって、把持部材を上下に
駆動しつつ、ハイブリダイゼーション溶液、ハイブリダ
イゼーション溶液に、標識物質によって標識された生体
由来の物質を含むプローブ溶液が添加されて、調製され
た溶液および洗浄溶液と接触させて、プレハイブリダイ
ゼーション、ハイブリダイゼーションおよび洗浄を実行
することができ、したがって、ハイブリダイゼーション
溶液、ハイブリダイゼーション溶液に、標識物質によっ
て標識された生体由来の物質を含むプローブ溶液が添加
されて、調製された溶液および洗浄溶液は、それぞれ、
生化学解析用ユニットのすべての吸着性領域の両面に、
均一に接触するから、生体由来の物質が、吸着性領域に
含まれているハイブリダイズすべき特異的結合物質と出
会う確率を大幅に向上させることが可能になり、また、
ハイブリダイゼーションの工程で、本来、結合されるべ
きでない生体由来の物質が、特異的結合物質にハイブリ
ダイズされていても、特異的結合物質に結合されるべき
でなかった生体由来の物質を、効果的に剥離させ、除去
することが可能になるから、ハイブリダイゼーションの
効率を大幅に向上させることができ、ハイブリダイゼー
ションに要する時間を大幅に短縮することが可能にな
る。
【0024】また、本発明によれば、駆動手段によっ
て、生化学解析用ユニットホルダーの把持部材を上下に
駆動して、プレハイブリダイゼーション、ハイブリダイ
ゼーションおよび洗浄を実行しているから、実験者によ
り、ハイブリダイゼーションの結果がばらつくことを確
実に防止することができ、また、ハイブリダイゼーショ
ンの再現性を大幅に向上させることが可能になる。
【0025】さらに、本発明によれば、構造または特性
が既知の特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互
いに離間して形成された生化学解析用ユニットの一端部
近傍が、生化学解析用ユニットホルダーに設けられた挟
持部材によって挟持されているから、生化学解析用ユニ
ットのハンドリングが容易であり、したがって、プレハ
イブリダイゼーション、ハイブリダイゼーションおよび
洗浄を、容易に、自動化することが可能になる。
【0026】本発明の好ましい実施態様においては、ハ
イブリダイゼーション装置は、さらに、前記反応容器内
に、前処理液を注入可能な前処理液注入ピンを備えてい
る。
【0027】本発明の好ましい実施態様によれば、ハイ
ブリダイゼーション装置は、さらに、反応容器内に、前
処理液を注入可能な前処理液注入ピンを備えているか
ら、プレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーシ
ョンおよび洗浄に加えて、前処理も自動化することが可
能になる。
【0028】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、ハイブリダイゼーション装置は、さらに、前記生化
学解析用ユニットホルダーを把持可能で、上下方向に移
動可能な生化学解析用ユニットホルダー取り出し部材を
備えている。
【0029】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、ハイブリダイゼーション装置は、さらに、生化学解
析用ユニットホルダーを把持可能で、上下方向に移動可
能な生化学解析用ユニットホルダー取り出し部材を備え
ているから、実験者は、生化学解析用ユニットホルダー
を、反応容器内にセットするだけで、自動的に、プレハ
イブリダイゼーション、ハイブリダイゼーションおよび
洗浄を実行することができる。
【0030】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、ハイブリダイゼーション装置は、さらに、前記反応
容器内に含まれている放射性標識物質の濃度を検出する
放射線センサを備えている。
【0031】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、ハイブリダイゼーション装置は、さらに、反応容器
内に含まれている放射性標識物質の濃度を検出する放射
線センサを備えているから、放射性標識物質によって標
識された生体由来の物質を、特異的結合物質にハイブリ
ダイズさせたときに、洗浄の過程で、洗浄溶液に含まれ
る放射性標識物質の濃度を検出することによって、洗浄
の終了時点を決定することが可能になり、また、所定濃
度以上の放射性標識物質を含む溶液を、放射性標識物質
の濃度が所定濃度未満の溶液と別個に回収して、管理す
ることが可能になる。
【0032】本発明の好ましい実施態様においては、ハ
イブリダイゼーション装置は、前記生化学解析用ユニッ
トホルダーを、前記反応容器内に装填可能な生化学解析
用ユニットホルダー装填部と、前記ハイブリダイゼーシ
ョン溶液注入ピン、前記プローブ溶液注入ピン、前記洗
浄溶液注入ピンおよび前記把持部材を備えた反応部と、
前記溶液抜き取りピンを備えた溶液抜き取り部を備え、
前記反応容器が、前記生化学解析用ユニットホルダー装
填部、前記反応部および前記溶液抜き取り部の間を移動
可能に構成されている。
【0033】本発明の好ましい実施態様によれば、ハイ
ブリダイゼーション装置は、生化学解析用ユニットホル
ダーを、反応容器内に装填可能な生化学解析用ユニット
ホルダー装填部と、ハイブリダイゼーション溶液注入ピ
ン、プローブ溶液注入ピン、洗浄溶液注入ピンおよび把
持部材を備えた反応部と、溶液抜き取りピンを備えた溶
液抜き取り部を備え、反応容器が、生化学解析用ユニッ
トホルダー装填部、反応部および溶液抜き取り部の間を
移動可能に構成されているから、構造または特性が既知
の特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互いに離
間して形成された生化学解析用ユニットの一端部近傍
を、生化学解析用ユニットホルダーに設けられた挟持部
材によって挟持し、生化学解析用ユニットホルダーの挟
持部材によって挟持された生化学解析用ユニットを、反
応容器内に、生化学解析用ユニットが吊り下げられるよ
うに、セットするだけで、駆動手段によって、生化学解
析用ユニットホルダーの把持部材が上下に駆動されつ
つ、ハイブリダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーシ
ョン溶液に、生体由来の物質を含むプローブ溶液が添加
されて、調製された溶液および洗浄溶液が、生化学解析
用ユニットに接触され、プレハイブリダイゼーション、
ハイブリダイゼーションおよび洗浄を実行されるから、
ハイブリダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション
溶液に、生体由来の物質を含むプローブ溶液が添加され
て、調製された溶液および洗浄溶液は、それぞれ、生化
学解析用ユニットのすべての吸着性領域の両面に、均一
に接触し、したがって、生体由来の物質が、吸着性領域
に含まれているハイブリダイズすべき特異的結合物質と
出会う確率を大幅に向上させることが可能になり、ま
た、ハイブリダイゼーションの工程で、本来、結合され
るべきでない生体由来の物質が、特異的結合物質にハイ
ブリダイズされていても、特異的結合物質に結合される
べきでなかった生体由来の物質を、効果的に剥離させ、
除去することが可能になるから、ハイブリダイゼーショ
ンの効率を大幅に向上させることができ、ハイブリダイ
ゼーションに要する時間を大幅に短縮することが可能に
なる。
【0034】また、本発明の好ましい実施態様によれ
ば、ハイブリダイゼーション装置は、生化学解析用ユニ
ットホルダーを、反応容器内に装填可能な生化学解析用
ユニットホルダー装填部と、ハイブリダイゼーション溶
液注入ピン、プローブ溶液注入ピン、洗浄溶液注入ピン
および把持部材を備えた反応部と、溶液抜き取りピンを
備えた溶液抜き取り部を備え、反応容器が、生化学解析
用ユニットホルダー装填部、反応部および溶液抜き取り
部の間を移動可能に構成されているから、ハイブリダイ
ゼーション溶液注入ピン、プローブ溶液注入ピン、洗浄
溶液注入ピンおよび把持部材に干渉されることなく、生
化学解析用ユニットホルダーを、反応容器内に、容易に
装填して、自動的に、プレハイブリダイゼーション、ハ
イブリダイゼーションおよび洗浄を実行することが可能
になる。
【0035】さらに、本発明の好ましい実施態様によれ
ば、反応容器が、生化学解析用ユニットホルダー装填
部、反応部および溶液抜き取り部の間を移動可能に構成
されているから、ハイブリダイゼーション溶液注入ピ
ン、プローブ溶液注入ピン、洗浄溶液注入ピンおよび把
持部材と、溶液抜き取りピンとを、互いに干渉すること
なく、容易に、配置することが可能になる。
【0036】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反応部が、さらに、前記反応容器内に、前処理
液を注入可能な前処理液注入ピンを備えている。
【0037】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、プレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーシ
ョンおよび洗浄に加えて、前処理も自動化することが可
能になる。
【0038】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記溶液抜き取り部が、さらに、前記生化学解析用
ユニットホルダーを把持可能で、上下方向に移動可能な
生化学解析用ユニットホルダー取り出し部材を備えてい
る。
【0039】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、溶液抜き取り部が、さらに、生化学解析用ユニット
ホルダーを把持可能で、上下方向に移動可能な生化学解
析用ユニットホルダー取り出し部材を備えているから、
実験者は、生化学解析用ユニットホルダーを、反応容器
内にセットするだけで、自動的に、プレハイブリダイゼ
ーション、ハイブリダイゼーションおよび洗浄を実行す
ることができる。
【0040】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記溶液抜き取り部が、前記反応容器に含まれてい
る放射性標識物質の濃度を検出する放射線センサを備え
ている。
【0041】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反応容器が、搬送ベルトによって、前記生化学
解析用ユニットホルダー装填部、前記反応部および前記
溶液抜き取り部の間を移動可能に構成されている。
【0042】本発明の別の好ましい実施態様において
は、ハイブリダイゼーション装置は、前記生化学解析用
ユニットホルダーを、前記反応容器内に装填可能な生化
学解析用ユニットホルダー装填部と、前記ハイブリダイ
ゼーション溶液注入ピン、前記プローブ溶液注入ピン、
前記洗浄溶液注入ピン、前記把持部材および前記溶液抜
き取りピンを備えた反応部と、前記生化学解析用ユニッ
トホルダーを、前記反応容器から取り出す生化学解析用
ユニットホルダー取り出し部を備え、前記反応容器が、
前記生化学解析用ユニットホルダー装填部、前記反応部
および前記生化学解析用ユニットホルダー取り出し部の
間を移動可能に構成されている。
【0043】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
ハイブリダイゼーション装置は、生化学解析用ユニット
ホルダーを、反応容器内に装填可能な生化学解析用ユニ
ットホルダー装填部と、ハイブリダイゼーション溶液注
入ピン、プローブ溶液注入ピン、洗浄溶液注入ピン、把
持部材および溶液抜き取りピンを備えた反応部と、生化
学解析用ユニットホルダーを、反応容器から取り出す生
化学解析用ユニットホルダー取り出し部を備え、反応容
器が、生化学解析用ユニットホルダー装填部、反応部お
よび生化学解析用ユニットホルダー取り出し部の間を移
動可能に構成されているから、構造または特性が既知の
特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互いに離間
して形成された生化学解析用ユニットの一端部近傍を、
生化学解析用ユニットホルダーに設けられた挟持部材に
よって挟持し、生化学解析用ユニットホルダーの挟持部
材によって挟持された生化学解析用ユニットを、反応容
器内に、生化学解析用ユニットが吊り下げられるよう
に、セットするだけで、駆動手段によって、生化学解析
用ユニットホルダーの把持部材が上下に駆動されつつ、
ハイブリダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション
溶液に、生体由来の物質を含むプローブ溶液が添加され
て、調製された溶液および洗浄溶液が、生化学解析用ユ
ニットに接触され、プレハイブリダイゼーション、ハイ
ブリダイゼーションおよび洗浄を実行されるから、ハイ
ブリダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶液
に、生体由来の物質を含むプローブ溶液が添加されて、
調製された溶液および洗浄溶液は、それぞれ、生化学解
析用ユニットのすべての吸着性領域の両面に、均一に接
触し、したがって、生体由来の物質が、吸着性領域に含
まれているハイブリダイズすべき特異的結合物質と出会
う確率を大幅に向上させることが可能になり、また、ハ
イブリダイゼーションの工程で、本来、結合されるべき
でない生体由来の物質が、特異的結合物質にハイブリダ
イズされていても、特異的結合物質に結合されるべきで
なかった生体由来の物質を、効果的に剥離させ、除去す
ることが可能になるから、ハイブリダイゼーションの効
率を大幅に向上させることができ、ハイブリダイゼーシ
ョンに要する時間を大幅に短縮することが可能になる。
【0044】また、本発明の別の好ましい実施態様によ
れば、ハイブリダイゼーション溶液注入ピン、プローブ
溶液注入ピン、洗浄溶液注入ピン、把持部材および溶液
抜き取りピンを備えた反応部とは別個に、生化学解析用
ユニットホルダーを、反応容器から取り出す生化学解析
用ユニットホルダー取り出し部を備えているから、プロ
ーブ溶液注入ピン、洗浄溶液注入ピン、把持部材および
溶液抜き取りピンに干渉されることなく、生化学解析用
ユニットホルダーを、反応容器から取り出すことが可能
になり、生化学解析用ユニットホルダー取り出し部に、
生化学解析用ユニットホルダーを、反応容器から取り出
す機構を設けて、完全な自動化を図ることが可能にな
る。
【0045】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットホルダー取り出し部が、
前記生化学解析用ユニットホルダーを把持可能で、上下
方向に移動可能な生化学解析用ユニットホルダー取り出
し部材を備えている。
【0046】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットホルダー取り出し部が、生化
学解析用ユニットホルダーを把持可能で、上下方向に移
動可能な生化学解析用ユニットホルダー取り出し部材を
備えているから、実験者は、生化学解析用ユニットホル
ダーを、反応容器内にセットするだけで、自動的に、プ
レハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーションお
よび洗浄を実行することができる。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反応部が、さらに、前記反応容器内に、前処理
液を注入可能な前処理液注入ピンを備えている。
【0048】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、プレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーシ
ョンおよび洗浄に加えて、前処理も自動化することが可
能になる。
【0049】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反応部が、さらに、前記反応容器に含まれてい
る放射性標識物質の濃度を検出する放射線センサを備え
ている。
【0050】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反応容器が、搬送ベルトによって、前記生化学
解析用ユニットホルダー装填部、前記反応部および前記
生化学解析用ユニットホルダー取り出し部の間を移動可
能に構成されている。
【0051】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反応容器の前記開口部が、その長手方向の幅
が、前記生化学解析用ユニットホルダーの長さよりも短
くなるように形成されている。
【0052】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、反応容器の開口部が、その長手方向の幅が、生化学
解析用ユニットホルダーの長さよりも短くなるように形
成されているから、生化学解析用ユニットホルダーを、
開口部を通じて、反応容器内にセットしたときに、反応
容器によって、生化学解析用ユニットホルダーが支持さ
れ、したがって、生化学解析用ユニットホルダーを、容
易にハンドリングすることが可能になる。
【0053】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反応容器の前記開口部が、その幅が、前記生化
学解析用ユニットホルダーの幅よりも大きくなるように
形成されている。
【0054】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、反応容器の開口部が、その幅が、生化学解析用ユニ
ットホルダーの幅よりも大きくなるように形成されてい
るから、反応容器の開口部を介して、ハイブリダイゼー
ション溶液、生体由来の物質を含むプローブ溶液および
洗浄溶液を、容易に、反応容器内に注入することが可能
になる。
【0055】本発明の前記目的はまた、構造または特性
が既知の特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互
いに離間して形成された生化学解析用ユニットの一端部
近傍を挟持可能な挟持部材を備えたことを特徴とする生
化学解析用ユニットホルダーによって達成される。
【0056】本発明によれば、生化学解析用ユニットホ
ルダーは、構造または特性が既知の特異的結合物質を含
む複数の吸着性領域が、互いに離間して形成された生化
学解析用ユニットの一端部近傍を挟持可能な挟持部材を
備えているから、生化学解析用ユニットがきわめて薄
く、それ自体をハンドリングすることが困難な場合に
も、きわめて容易に、生化学解析用ユニットをハンドリ
ングすることができ、したがって、プレハイブリダイゼ
ーション、ハイブリダイゼーションおよび洗浄を、容易
に、自動化することが可能になる。
【0057】本発明の好ましい実施態様においては、生
化学解析用ユニットホルダーは、さらに、保持可能な保
持部材を備え、前記挟持部材が、前記保持部材に取り付
けられている。
【0058】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットホルダーは、さらに、保持可能な保持
部材を備え、挟持部材が、前記保持部材に取り付けられ
ているから、生化学解析用ユニットがきわめて薄く、そ
れ自体をハンドリングすることが困難な場合にも、きわ
めて容易に、生化学解析用ユニットをハンドリングする
ことができ、したがって、プレハイブリダイゼーショ
ン、ハイブリダイゼーションおよび洗浄を、容易に、自
動化することが可能になる。
【0059】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生体由来の物質が、放射性標識物質、蛍光物質および
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の標識物質によって標識されている。
【0060】本発明において、生体由来の物質が、蛍光
物質によって標識されているとは、蛍光色素によって標
識されている場合と、酵素を標識された試料と結合させ
た後に、酵素を蛍光基質と接触させて、蛍光基質を、蛍
光を発する蛍光物質に変化させ、得られた蛍光物質によ
って標識されている場合とを包含している。
【0061】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が形成された
基板を備え、前記複数の吸着性領域が、前記基板の前記
複数の貫通孔に、吸着性材料が充填されて形成されてい
る。
【0062】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、吸着性材料によって
形成された吸着性基板と、同一のパターンで、複数の貫
通孔が形成された一対の基板を備え、前記一対の基板
が、前記複数の貫通孔のパターンが対応するように、前
記吸着性基板の両面に密着され、前記一対の基板の前記
複数の貫通孔内の前記吸着性基板によって、前記複数の
吸着性領域が形成されている。
【0063】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、10以上
の貫通孔が形成されている。
【0064】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、50以上
の貫通孔が形成されている。
【0065】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、100以
上の貫通孔が形成されている。
【0066】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、500以
上の貫通孔が形成されている。
【0067】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
以上の貫通孔が形成されている。
【0068】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、5000
以上の貫通孔が形成されている。
【0069】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
0以上の貫通孔が形成されている。
【0070】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、5000
0以上の貫通孔が形成されている。
【0071】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
00以上の貫通孔が形成されている。
【0072】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の貫通孔が、それぞれ、5平方ミリメートル未
満のサイズを有している。
【0073】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の貫通孔が、それぞれ、1平方ミリメートル未
満のサイズを有している。
【0074】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の貫通孔が、それぞれ、0.5平方ミリメート
ル未満のサイズを有している。
【0075】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の貫通孔が、それぞれ、0.1平方ミリメート
ル未満のサイズを有している。
【0076】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の貫通孔が、それぞれ、0.05平方ミリメー
トル未満のサイズを有している。
【0077】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
前記複数の貫通孔が、それぞれ、0.01平方ミリメー
トル未満のサイズを有している。
【0078】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、10個/平方センチメートル以上の密度で
形成されている。
【0079】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、50個/平方センチメートル以上の密度で
形成されている。
【0080】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、100個/平方センチメートル以上の密度
で形成されている。
【0081】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、500個/平方センチメートル以上の密度
で形成されている。
【0082】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、1000個/平方センチメートル以上の密
度で形成されている。
【0083】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、5000個/平方センチメートル以上の密
度で形成されている。
【0084】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、10000個/平方センチメートル以上の
密度で形成されている。
【0085】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、50000個/平方センチメートル以上の
密度で形成されている。
【0086】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、100000個/平方センチメートル以上
の密度で形成されている。
【0087】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の貫通
孔が、規則的なパターンにより形成されている。
【0088】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の貫通
孔が、それぞれ、略円形に形成されている。
【0089】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数
の貫通孔が、それぞれ、略矩形状に形成されている。
【0090】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、放射線を減衰さ
せる性質を有している。
【0091】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニットの基板が、放射線を減衰させ
る性質を有しているから、生化学解析用ユニットの基板
に、複数の吸着性領域を高密度に形成した場合において
も、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を滴下し
て、吸着させ、複数の吸着性領域に吸着された特異的結
合物質に、放射性標識物質によって標識された生体由来
の物質を、ハイブリダイズさせて、選択的に標識し、生
化学解析用ユニットと蓄積性蛍光体シートとを重ね合わ
せて、複数の吸着性領域に選択的に含まれた放射性標識
物質によって、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成され
た複数の輝尽性蛍光体層領域を露光する際に、各吸着性
領域に含まれている放射性標識物質から放出された電子
線(β線)が、生化学解析用ユニットの基板内で散乱す
ることを効果的に防止することができ、したがって、各
吸着性領域に含まれている放射性標識物質から放出され
た電子線(β線)を、対応する輝尽性蛍光体層領域に、
選択的に入射させて、対応する輝尽性蛍光体層領域のみ
を露光することが可能になるから、放射性標識物質によ
って露光された複数のドット状輝尽性蛍光体層領域を励
起光によって走査し、複数の輝尽性蛍光体層領域から放
出された輝尽光を光電的に検出することによって、高い
分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成
することが可能になる。
【0092】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記基
板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/5
以下に減衰させる性質を有している。
【0093】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/10以下に減衰させる性質を有している。
【0094】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/50以下に減衰させる性質を有している。
【0095】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/100以下に減衰させる性質を有している。
【0096】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/500以下に減衰させる性質を有している。
【0097】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/1000以下に減衰させる性質を有している。
【0098】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、光を減衰させる
性質を有している。
【0099】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットの基板が、光を減衰させる性質を有し
ているから、生化学解析用ユニットの基板に、吸着性領
域を高密度に形成し、吸着性領域に吸着されている特異
的結合物質に、蛍光物質および/または化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
によって標識された生体由来の物質を、選択的にハイブ
リダイズさせた場合にも、多数の吸着性領域に、励起光
を照射して、多数の吸着性領域に選択的に含まれている
蛍光物質を励起し、放出された蛍光を光電的に検出する
際に、各吸着物質から放出された蛍光が、基板内で散乱
して、隣り合う吸着性領域から放出された蛍光と混ざり
合うことを効果的に防止することができ、多数の吸着性
領域から放出される化学発光が、基板内で散乱して、隣
り合う吸着性領域から放出された化学発光と混ざり合う
ことを効果的に防止することが可能になり、したがっ
て、蛍光あるいは化学発光を光電的に検出して、定量性
に優れた生化学解析用データを生成することが可能にな
る。
【0100】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記基板中
を透過したときに、光のエネルギーを、1/5以下に減
衰させる性質を有している。
【0101】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
以下に減衰させる性質を有している。
【0102】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/50
以下に減衰させる性質を有している。
【0103】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
0以下に減衰させる性質を有している。
【0104】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/50
0以下に減衰させる性質を有している。
【0105】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
00以下に減衰させる性質を有している。
【0106】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するための材料は、放射線および/または光
を減衰させる性質を有していることが好ましいが、とく
に限定されるものではなく、無機化合物材料、有機化合
物材料のいずれをも使用することができ、金属材料、セ
ラミック材料またはプラスチック材料が、好ましく使用
される。
【0107】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために好ましく使用することのできる無
機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、
アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケ
ル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステ
ンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリ
コン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪
素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイ
ト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパ
タイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができ
る。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのよ
うな多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。
【0108】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために使用可能な有機化合物材料として
は、高分子化合物が好ましく用いられ、好ましく使用す
ることのできる高分子化合物としては、たとえば、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリ
メチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメ
タクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリ
ロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポ
リフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポ
リクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポ
リエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレート
などのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスル
ホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシ
ロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノー
ル樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;
ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セル
ロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシ
ウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0109】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、生化学解析用ユニットの基板は、比
重1.0g/cm以上の化合物材料または複合材料に
よって形成されることが好ましく、比重が1.5g/c
以上、23g/cm以下の化合物材料または複合
材料によって形成されることが、とくに好ましい。
【0110】また、一般に、光の散乱および/または吸
収が大きいほど、光の減衰能が高くなるので、生化学解
析用ユニットの基板は、厚さ1cmあたりの吸光度が
0.3以上であることが好ましく、厚さ1cmあたりの
吸光度が1以上であれば、さらに好ましい。ここに、吸
光度は、厚さTcmの板状体の直後に、積分球を置き、
計測に利用するプローブ光またはエミッション光の波長
における透過光量Aを分光光度計によって測定し、A/
Tを算出することによって、求められる。光減衰能を向
上させるために、光散乱体や光吸収体を、生化学解析用
ユニットの基板に含有させることもできる。光散乱体と
しては、生化学解析用ユニットの基板を形成している材
料と異なる材料の微粒子が用いられ、光吸収体として
は、顔料または染料が用いられる。
【0111】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、吸着性材料によって
形成された吸着性基板を備え、前記複数の吸着性領域
が、前記吸着性基板に、構造または特性が既知の特異的
結合物質を含む溶液が滴下されて形成されている。
【0112】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するための吸着性
材料としては、多孔質材料あるいは繊維材料が好ましく
使用される。多孔質材料と繊維材料とを併用して、吸着
性領域あるいは吸着性基板を形成することもできる。
【0113】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる多孔質材料は、有機材料、無機材料のいずれでもよ
く、有機/無機複合体でもよい。
【0114】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる有機多孔質材料は、とくに限定されるものではない
が、活性炭などの炭素材料あるいはメンブレンフィルタ
を形成可能な材料が、好ましく用いられる。具体的に
は、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10な
どのナイロン類;ニトロセルロース、酢酸セルロース、
酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;コラーゲ
ン;アルギン酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/
ポリリシンポリイオンコンプレックスなどのアルギン酸
類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ
化ビニリデン、ポリテトラフルオライドなどのポリフル
オライドや、これらの共重合体または複合体が挙げられ
る。
【0115】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる無機多孔質材料は、とくに限定されるものではない
が、好ましくは、たとえば、白金、金、鉄、銀、ニッケ
ル、アルミニウムなどの金属;アルミナ、シリカ、チタ
ニア、ゼオライトなどの金属酸化物;ヒドロキシアパタ
イト、硫酸カルシウムなどの金属塩やこれらの複合体な
どが挙げられる。
【0116】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる繊維材料は、とくに限定されるものではないが、好
ましくは、たとえば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン類、ニトロセルロース、
酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース
誘導体などが挙げられる。
【0117】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域は、電解処理、プラズマ処理、アーク放電な
どの酸化処理;シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤などを用いたプライマー処理;界面活性剤処理な
どの表面処理によって形成することもできる。
【0118】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0119】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用ユニットの略斜視図である。
【0120】図1に示されるように、本実施態様にかか
る生化学解析用ユニット1は、アルミニウムによって形
成され、多数の略円形状の貫通孔3が高密度に形成され
た基板2を備えており、多数の貫通孔3の内部には、ナ
イロン6が充填されて、多数のドット状の吸着性領域4
が形成されている。
【0121】図1には正確に示されていないが、本実施
態様においては、約10000の約0.01平方ミリメ
ートルのサイズを有する略円形の貫通孔3が、約500
0個/平方センチメートルの密度で、規則的に、基板2
に形成されている。吸着性領域4は、その表面が、基板
2の表面と同じ高さに位置するように、多数の貫通孔3
内に、ナイロン6が充填されて、形成されている。
【0122】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0123】生化学解析にあたっては、図2に示される
ように、生化学解析用ユニット1に規則的に形成された
多数の吸着性領域4内に、たとえば、特異的結合物質と
して、塩基配列が既知の互いに異なった複数のcDNA
が、スポッティング装置を使用して、滴下される。
【0124】図2に示されるように、スポッティング装
置は、特異的結合物質の溶液を、生化学解析用ユニット
1の表面に向けて噴射するインジェクタ5とCCDカメ
ラ6を備え、CCDカメラ6によって、インジェクタ5
の先端部と、特異的結合物質を滴下すべき生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4を観察しながら、インジェク
タ5の先端部と、特異的結合物質を滴下すべき吸着性領
域4の中心とが合致したときに、インジェクタ5から、
塩基配列が既知の互いに異なった複数のcDNAなどの
特異的結合物質が滴下されるように構成され、生化学解
析用ユニット1の多数のドット状の吸着性領域4内に、
特異的結合物質を、正確に滴下することができるように
保証されている。
【0125】図3は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用ユニットホルダーの略斜視図である。
【0126】図3に示されるように、生化学解析用ユニ
ットホルダー7は、略円形断面を有するロッド8と、ク
リップ9を備え、クリップ9の軸は支持部材10によっ
て、ロッド8に支持されている。
【0127】図3に示されるように、生化学解析用ユニ
ット1は、その一端部近傍が、クリップ9によって把持
されるように構成されている。
【0128】図4は、本発明の好ましい実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置を構成する反応容器内
に、生化学解析用ユニットホルダー7がセットされた状
態を示す略縦断面図であり、図5は、その略斜視図であ
る。
【0129】図4および図5に示されるように、本実施
態様にかかる反応容器11は、開口部11aを有し、溶
液を収容可能で、生化学解析用ユニット1を保持した生
化学解析用ユニットホルダー7を収容可能に構成されて
いる。
【0130】図5に示されるように、反応容器11の長
さは、生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8の長
さよりも短く、したがって、生化学解析用ユニットホル
ダー7を、反応容器11内に装填したときに、生化学解
析用ユニットホルダー7のロッド8が、開口部11aの
周囲の反応容器11の上端面によって支持されるように
構成されている。また、反応容器11の上端面には、一
対の位置決め用の凹部11bか形成されており、生化学
解析用ユニットホルダー7のロッド8が、反応容器11
の上端面に形成された一対の凹部11b内に保持される
ように構成されている。
【0131】また、図4に示されるように、生化学解析
用ユニットホルダー7の幅は、反応容器11の開口部1
1aの幅よりも狭く、したがって、生化学解析用ユニッ
トホルダー7のロッド8が、開口部11aの周囲の反応
容器11の上端面によって支持された状態で、開口部1
1aを介して、反応容器11内に、溶液を注入すること
ができるように構成されている。
【0132】図6は、本発明の好ましい実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置の略略側面図である。
【0133】図6に示されるように、本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置は、一対のプーリ12
a、12bに巻回されたエンドレスベルト12cが設け
られ、エンドレスベルト12c上には、取り付け部材1
3を介して、反応容器11が固定されている。
【0134】ここに、一対のプーリ12a、12bは、
モータ(図示せず)によって、図6において、時計まわ
りおよび反時計まわりに、選択的に回転可能に構成され
ており、反応容器11は、生化学解析用ユニットホルダ
ー7が、反応容器11内に装填される生化学解析用ユニ
ットホルダー装填部14aと、前処理液、ハイブリダイ
ゼーション溶液、標識物質によって標識された生体由来
の物質を含むプローブ溶液および洗浄溶液が、選択的に
反応容器11内に注入され、前処理、プレハイブリダイ
ゼーション、ハイブリダイゼーションおよび洗浄が、選
択的に実行される反応部14bと、前処理液、ハイブリ
ダイゼーション溶液、標識物質によって標識された生体
由来の物質を含むプローブ溶液および洗浄溶液が、反応
容器11から抜き取られ、生化学解析用ユニットホルダ
ー7が、反応容器11から取り出される溶液抜き取り・
ホルダー取り出し部14cの間を、エンドレスベルト1
2cによって、移動可能に構成されている。
【0135】図6に示されるように、本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置は、前処理液タンク(図
示せず)に収容された前処理液を、開口部11aを介し
て、反応部14bに位置する反応容器11内に注入する
前処理液注入ピン15と、ハイブリダイゼーション溶液
タンク(図示せず)に収容されたハイブリダイゼーショ
ン溶液を、開口部11aを介して、反応部14bに位置
する反応容器11内に注入するハイブリダイゼーション
溶液注入ピン16と、プローブ溶液チップ(図示せず)
に収容されたプローブ溶液を、開口部11aを介して、
反応部14bに位置する反応容器11内に注入し、ハイ
ブリダイゼーション溶液に加えるプローブ溶液注入ピン
17と、洗浄溶液タンク(図示せず)に収容された洗浄
溶液を、開口部11aを介して、反応部14bに位置す
る反応容器11内に注入する洗浄溶液注入ピン18を備
えている。
【0136】前処理液注入ピン15、ハイブリダイゼー
ション溶液注入ピン16、プローブ溶液注入ピン17お
よび洗浄溶液注入ピン18は、反応部14bに設けら
れ、モータ(図示せず)により、一対のレール(図示せ
ず)に沿って、移動可能に構成された溶液ピンヘッド1
9に支持されている。溶液ピンヘッド19に支持された
前処理液注入ピン15、ハイブリダイゼーション溶液注
入ピン16、プローブ溶液注入ピン17および洗浄溶液
注入ピン18は、それぞれ、モータ(図示せず)によっ
て、反応部14bに位置する反応容器11の開口部11
aに向かって、移動可能に構成されている。
【0137】図6に示されるように、本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置は、さらに、溶液抜き取
り・ホルダー取り出し部14cに位置する反応容器11
内の洗浄溶液に含まれている放射性標識物質の濃度を検
出するRIセンサ20と、開口部11aを介して、溶液
抜き取り・ホルダー取り出し部14cに位置する反応容
器11内から、前処理液、ハイブリダイゼーション溶液
にプローブ溶液が加えられて、調製された溶液あるいは
洗浄溶液を抜き取る溶液抜き取りピン21を備えてい
る。
【0138】図6には図示されていないが、本実施態様
にかかるハイブリダイゼーション装置は、さらに、反応
部14bに位置する反応容器11内に収容された生化学
解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持し、鉛直方
向に、生化学解析用ユニットホルダー7を上下動させる
ホルダー駆動部材と、溶液抜き取り・ホルダー取り出し
部14cに位置する反応容器11内に収容された生化学
解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持し、鉛直方
向に、生化学解析用ユニットホルダー7を引き上げて、
反応容器11から取り出すホルダー取り出し部材を備え
ている。
【0139】図7は、ホルダー駆動部材の略斜視図であ
る。
【0140】図7に示されるように、反応部14bに設
けられたホルダー駆動部材25は、鉛直方向に、上下動
可能なロッド26と、駆動手段(図示せず)により、ロ
ッド26に設けられた軸26aまわりに、揺動されて、
近接、離間可能な一対の把持部材27、27を備えてい
る。
【0141】ホルダー駆動部材25は、モータ(図示せ
ず)と、モータの回転運動を往復運動に変換して、ロッ
ド26に伝達するクランク機構(図示せず)を備え、一
対の把持部材27、27を近接させることによって、生
化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を、一対の把
持部材27、27の間に挟持し、モータを駆動すること
によって、生化学解析用ユニットホルダー7を、反応部
14bに位置する反応容器11内で、鉛直方向に、上下
動させることができるように構成されている。
【0142】図示されてはいないが、溶液抜き取り・ホ
ルダー取り出し部14cに設けられたホルダー取り出し
部材も同様に、モータによって、鉛直方向に、上下動可
能なロッドと、駆動手段(図示せず)によって、ロッド
に設けられた軸まわりに、揺動されて、近接、離間可能
な一対の把持部材を備えており、一対の把持部材を近接
させて、生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8
を、一対の把持部材の間に挟持し、ロッドを引き上げる
ことによって、生化学解析用ユニットホルダー7を、反
応容器11から取り出すことができるように構成されて
いる。
【0143】図8は、本発明の好ましい実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置の制御系、検出系、駆動
系および入力系のブロックダイアグラムである。
【0144】図8に示されるように、本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置の制御系は、ハイブリダ
イゼーション装置全体の動作を制御するコントロールユ
ニット30を備え、ハイブリダイゼーション装置の検出
系は、溶液抜き取り・ホルダー取り出し部14cに位置
する反応容器11内の洗浄溶液に含まれている放射性標
識物質の濃度を検出するRIセンサ20を備えている。
【0145】図8に示されるように、本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置の駆動系は、一対のプー
リ12a、12bを回転させて、エンドレスベルト12
cを駆動するエンドレスベルトモータ31と、前処理液
注入ピン15、ハイブリダイゼーション溶液注入ピン1
6、プローブ溶液注入ピン17または洗浄溶液ピン18
が、選択的に、反応部14bに位置する反応容器11の
開口部11aに対向するように、一対のレール(図示せ
ず)に沿って、溶液ピンヘッド19を移動させる溶液ピ
ンヘッドモータ32と、前処理液注入ピン15を、反応
部14bに位置する反応容器11の開口部11a内の注
入位置と、溶液ピンヘッド19とともに、移動可能な待
機位置の間で、移動させる第1の注入ピンモータ33
と、ハイブリダイゼーション溶液注入ピン16を、反応
部14bに位置する反応容器11の開口部11a内の注
入位置と、溶液ピンヘッド19とともに、移動可能な待
機位置の間で、移動させる第2の注入ピンモータ34
と、プローブ溶液注入ピン17を、反応部14bに位置
する反応容器11の開口部11a内の注入位置と、溶液
ピンヘッド19とともに、移動可能な待機位置の間で、
移動させる第3の注入ピンモータ35と、洗浄溶液注入
ピン18を、反応部14bに位置する反応容器11の開
口部11a内の注入位置と、溶液ピンヘッド19ととも
に、移動可能な待機位置の間で、移動させる第4の注入
ピンモータ36と、RIセンサ20を、溶液抜き取り・
ホルダー取り出し部14cに位置する反応容器11の開
口部11a内の検出位置と、反応容器11から退避した
退避位置の間で移動させるRIセンサモータ37と、溶
液抜き取りピン21を、溶液抜き取り・ホルダー取り出
し部14cに位置する反応容器11の開口部11a内の
溶液吸引位置と、反応容器11から退避した退避位置の
間で移動させる溶液抜き取りピンモータ38と、前処理
液を収容する前処理液タンク(図示せず)から、前処理
液注入ピン15に、前処理液を供給する前処理液ポンプ
39と、ハイブリダイゼーション溶液を収容するハイブ
リダイゼーション溶液タンク(図示せず)から、ハイブ
リダイゼーション溶液注入ピン16に、ハイブリダイゼ
ーション溶液を供給するハイブリダイゼーション溶液ポ
ンプ40と、標識物質によって標識された生体由来の物
質を含むプローブ溶液を収容するプローブ溶液チップ
(図示せず)から、プローブ溶液注入ピン17に、プロ
ーブ溶液を供給するプローブ溶液ポンプ41と、洗浄溶
液を収容する洗浄溶液タンク(図示せず)から、洗浄溶
液注入ピン18に、洗浄溶液を供給する洗浄溶液ポンプ
42と、溶液抜き取りピン21を介して、反応容器11
内から、前処理液、ハイブリダイゼーション溶液にプロ
ーブ溶液が加えられて、調製された溶液あるいは洗浄溶
液を抜き取る溶液抜き取りポンプ43と、前処理液を回
収する前処理液回収タンク(図示せず)と溶液抜き取り
ピン21とを連通させるバルブ(図示せず)、ハイブリ
ダイゼーション溶液にプローブ溶液が加えられて、調製
された溶液を回収するハイブリダイゼーション溶液回収
タンク(図示せず)と溶液抜き取りピン21とを連通さ
せるバルブ(図示せず)および洗浄溶液を回収する洗浄
溶液回収タンク(図示せず)と溶液抜き取りピン21と
を連通させるバルブ(図示せず)を、選択的に開閉する
バルブ開閉機構45と、ホルダー駆動部材25のロッド
26を、鉛直方向に上下動させるホルダー駆動部材モー
タ46と、ホルダー駆動部材25の一対の把持部材2
7、27を、揺動させて、近接離間させる第1の把持部
材モータ47と、ホルダー取り出し部材50のロッド
(図示せず)を、鉛直方向に、上下動させるホルダー取
り出し部材モータ48と、ホルダー取り出し部材50の
一対の把持部材51、51を揺動させて、近接離間させ
る第2の把持部材モータ49を備えている。
【0146】図8に示されるように、本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置の入力系は、キーボード
60を備えている。
【0147】以上のように構成された本実施態様にかか
るハイブリダイゼーション装置は、以下のようにして、
生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸
着性領域4に吸着されている特異的結合物質に、標識物
質によって標識された生体由来の物質を選択的にハイブ
リダイズさせる。
【0148】まず、ハイブリダイゼーション溶液が調製
されて、ハイブリダイゼーション溶液タンク(図示せ
ず)内に収容されるとともに、洗浄溶液が調整されて、
洗浄溶液タンク(図示せず)内に収容される。
【0149】一方、標識物質によって標識された生体由
来の物質を含むプローブ溶液が調製されて、プローブ溶
液チップ(図示せず)に収容される。
【0150】放射性標識物質によって、cDNAなどの
特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標
識物質によって標識されたプローブである生体由来の物
質を含むプローブ溶液が調製され、プローブ溶液チップ
内に収容される。
【0151】一方、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって、cDNA
などの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識されたプローブである生体由
来の物質を含むプローブ溶液が調製され、プローブ溶液
チップ内に収容される。
【0152】さらに、蛍光色素などの蛍光物質によっ
て、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する
場合には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された
プローブである生体由来の物質を含むプローブ溶液が調
製され、プローブ溶液チップ内に収容される。
【0153】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含
むプローブ溶液を調製して、プローブ溶液チップ内に収
容させることもでき、本実施態様においては、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光物
質によって標識された生体由来の物質を含むプローブ溶
液が調製され、プローブ溶液チップ内に収容されてい
る。
【0154】ハイブリダイゼーションにあたっては、c
DNAなどの特異的結合物質が、多数の吸着性領域4に
吸着されている生化学解析用ユニット1が、ユーザーに
よって、生化学解析用ユニットホルダー装填部14aに
位置する反応容器11内に装填され、キーボード60
に、スタート信号が入力される。
【0155】ここに、生化学解析用ユニットホルダー7
のロッド8は、反応容器11の長さよりも長いため、生
化学解析用ユニットホルダー7のロッド8が、開口部1
1aの周囲の反応容器11の上端面によって支持された
状態で、生化学解析用ユニットホルダー7が、反応容器
11内に装填される。
【0156】本実施態様においては、放射性標識物質に
よって標識された生体由来の物質を、生化学解析用ユニ
ット1の多数の吸着性領域4に含まれた特異的結合物質
にハイブリダイズさせるときは、同時に、RI標識信号
が、ユーザーによって、キーボード60に入力される。
【0157】キーボード60に入力されたスタート信号
およびRI標識信号は、コントロールユニット30に出
力される。
【0158】スタート信号を受けると、コントロールユ
ニット30は、エンドレスベルトモータ31に駆動信号
を出力し、一対のプーリ12a、12bを回転させて、
エンドレスベルト12cを、図6において、時計まわり
に駆動させる。
【0159】その結果、取り付け部材13を介して、エ
ンドレスベルト12cに取り付けられた反応容器11
は、生化学解析用ユニットホルダー装填部14aから、
反応部14bに送られる。
【0160】反応容器11が、反応部14bに送られる
と、コントロールユニット30は、エンドレスベルトモ
ータ31に駆動停止信号を出力して、エンドレスベルト
31を停止させる。
【0161】次いで、コントロールユニット40は、溶
液ピンヘッドモータ32に駆動信号を出力して、溶液ピ
ンヘッド19を、一対のレール(図示せず)に沿って、
前処理液注入ピン15が、反応容器11の開口部11a
に対向する位置に達するまで移動させる。
【0162】前処理液注入ピン15が、反応容器11の
開口部11aに対向する位置に移動されると、コントロ
ールユニット30は、第1の注入ピンモータ33に駆動
信号を出力して、前処理液注入ピン15を、待機位置か
ら、反応容器11の開口部11a内の注入位置に移動さ
せ、次いで、前処理液ポンプ39に駆動信号を出力し
て、前処理液タンク(図示せず)から、前処理液注入ピ
ン15および反応容器11の開口部11aを介して、前
処理液を、反応容器11内に注入させる。
【0163】ここに、生化学解析用ユニットホルダー7
の幅は、反応容器11の開口部11aの幅よりも狭く、
したがって、図4に示されるように、生化学解析用ユニ
ットホルダー7の両側の開口部11aから、前処理液
を、反応容器11内に注入することができる。
【0164】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、前処理液ポンプ39に駆動停止信号を出
力して、反応容器11への前処理液の注入を停止させ、
次いで、第1の注入ピンモータ33に駆動信号を出力し
て、前処理液注入ピン15を、反応容器11の開口部1
1a内の注入位置から、待機位置に移動させる。
【0165】前処理液注入ピン15が、溶液ピンヘッド
19とともに、移動可能な待機位置に復帰すると、コン
トロールユニット30は、ホルダー駆動部材モータ46
に下降信号を出力して、ホルダー駆動部材25を、一対
の把持部材27、27が、反応容器11内に装填された
生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持可能
な位置に達するまで、下降させる。
【0166】ホルダー駆動部材25が下降されて、一対
の把持部材27、27が、反応容器11内に装填された
生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持可能
な位置に達すると、コントロールユニット30は、第1
の把持部材モータ47に把持信号を出力して、一対の把
持部材27、27を近接させ、反応容器11内に装填さ
れた生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持
させる。
【0167】次いで、コントロールユニット30は、ホ
ルダー駆動部材モータ46に駆動信号を出力し、ホルダ
ー駆動部材25を、鉛直方向に、上下動させる。
【0168】その結果、反応容器11内に収容された生
化学解析用ユニット1のすべての吸着性領域4に、前処
理液が均一に接触し、生化学解析用ユニット1のすべて
の吸着性領域4が、前処理液によって、湿らされる。
【0169】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、ホルダー駆動部材モータ46に駆動停止
信号を出力して、ホルダー駆動部材25の上下動を停止
させ、次いで、ホルダー駆動部材モータ46に下降信号
を出力して、生化学解析用ユニットホルダー7のロッド
8が、反応容器11の上端面に当接するまで、ホルダー
駆動部材25を下降させる。
【0170】生化学解析用ユニットホルダー7のロッド
8が下降されて、反応容器11の上端面に当接すると、
コントロールユニット30は、第1の把持部材モータ4
7に把持解除信号を出力して、一対の把持部材27、2
7を離間させ、反応容器11の上端面に形成された一対
の凹部11bに、生化学解析用ユニットホルダー7のロ
ッド8を保持させる。
【0171】次いで、コントロールユニット30は、ホ
ルダー駆動部材モータ46に復帰信号を出力して、ホル
ダー駆動部材25を上昇させて、モータとの位置に復帰
させるとともに、エンドレスベルトモータ31に駆動信
号を出力して、エンドレスベルト12cを、図6におい
て、時計まわりに駆動させる。
【0172】その結果、取り付け部材13を介して、エ
ンドレスベルト12cに取り付けられた反応容器11
は、反応部14bから、溶液抜き取り・ホルダー取り出
し部14cに送られる。
【0173】反応容器11が、溶液抜き取り・ホルダー
取り出し部14cに送られると、コントロールユニット
30は、エンドレスベルトモータ31に駆動停止信号を
出力して、エンドレスベルト31を停止させる。
【0174】次いで、コントロールユニット30は、バ
ルブ開閉機構44に駆動信号を出力して、前処理液を回
収する前処理液回収タンク(図示せず)と溶液抜き取り
ピン21とを連通させるバルブ(図示せず)を開放さ
せ、溶液抜き取りピンモータ38に駆動信号を出力し
て、溶液抜き取りピン21を、反応容器11内の溶液吸
引位置に移動させるとともに、溶液抜き取りポンプ43
に駆動信号を出力して、反応容器11内の前処理液を吸
引させる。
【0175】こうして、反応容器11内の前処理液が、
溶液抜き取りポンプ43によって吸引され、前処理液回
収タンクに回収されると、コントロールユニット30
は、エンドレスベルトモータ31に逆駆動信号を出力し
て、図6において、反時計まわりに、プーリ12a、1
2bを回転させる。
【0176】その結果、取り付け部材13を介して、エ
ンドレスベルト12cに取り付けられた反応容器11
は、溶液抜き取り・ホルダー取り出し部14cから、反
応部14bに送られる。
【0177】エンドレスベルト12cによって、反応容
器11が、反応部14bに送られると、コントロールユ
ニット30は、エンドレスベルトモータ31に駆動停止
信号を出力して、エンドレスベルト12cの駆動を停止
させる。
【0178】次いで、コントロールユニット30は、溶
液ピンヘッドモータ32に駆動信号を出力して、溶液ピ
ンヘッド19、一対のレール(図示せず)に沿って、ハ
イブリダイゼーション溶液注入ピン16が、反応容器1
1の開口部11aに対向する位置に達するまで、移動さ
せる。
【0179】ハイブリダイゼーション溶液注入ピン16
が、反応容器11の開口部11aに対向する位置に移動
されると、コントロールユニット30は、第2の注入ピ
ンモータ34に駆動信号を出力して、ハイブリダイゼー
ション溶液注入ピン16を、溶液ピンヘッド19ととも
に、移動可能な待機位置から、反応容器11の開口部1
1a内の注入位置に移動させ、ハイブリダイゼーション
溶液ポンプ40に駆動信号を出力して、ハイブリダイゼ
ーション溶液タンク(図示せず)から、ハイブリダイゼ
ーション溶液を、ハイブリダイゼーション溶液注入ピン
16および反応容器11の開口部11aを介して、反応
容器11内に注入させる。
【0180】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、ハイブリダイゼーション溶液ポンプ40
に駆動停止信号を出力して、反応容器11へのハイブリ
ダイゼーション溶液の注入を停止させ、次いで、第2の
注入ピンモータ34に駆動信号を出力して、ハイブリダ
イゼーション溶液注入ピン16を、反応容器11の開口
部11a内の注入位置から、待機位置に移動させる。
【0181】ハイブリダイゼーション溶液注入ピン16
が、溶液ピンヘッド19とともに、移動可能な待機位置
に復帰すると、コントロールユニット30は、ホルダー
駆動部材モータ46に下降信号を出力して、ホルダー駆
動部材25を、一対の把持部材27、27が、反応容器
11内に装填された生化学解析用ユニットホルダー7の
ロッド8を把持可能な位置に達するまで、下降させる。
【0182】ホルダー駆動部材25が下降されて、一対
の把持部材27、27が、反応容器11内に装填された
生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持可能
な位置に達すると、コントロールユニット30は、第1
の把持部材モータ47に把持信号を出力して、一対の把
持部材27、27を近接させ、反応容器11内に装填さ
れた生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持
させる。
【0183】次いで、コントロールユニット30は、ホ
ルダー駆動部材モータ46に駆動信号を出力し、ホルダ
ー駆動部材25を、鉛直方向に、上下動させる。
【0184】その結果、反応容器11内に収容された生
化学解析用ユニット1のすべての吸着性領域4に、反応
容器11内に注入されたハイブリダイゼーション溶液が
均一に接触し、プレハイブリダイゼーションが実行され
る。
【0185】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、ホルダー駆動部材モータ46に駆動停止
信号を出力して、ホルダー駆動部材25の上下動を停止
させ、次いで、ホルダー駆動部材モータ46に下降信号
を出力して、生化学解析用ユニットホルダー7のロッド
8が、反応容器11の上端面に当接するまで、ホルダー
駆動部材25を下降させる。
【0186】生化学解析用ユニットホルダー7のロッド
8が下降されて、反応容器11の上端面に当接すると、
コントロールユニット30は、第1の把持部材モータ4
7に把持解除信号を出力して、一対の把持部材27、2
7を離間させ、反応容器11の上端面に形成された一対
の凹部11bに、生化学解析用ユニットホルダー7のロ
ッド8を保持させる。
【0187】次いで、コントロールユニット30は、ホ
ルダー駆動部材モータ46に復帰信号を出力して、ホル
ダー駆動部材25を上昇させて、モータとの位置に復帰
させるとともに、溶液ピンヘッドモータ32に駆動信号
を出力して、溶液ピンヘッド19を、一対のレール(図
示せず)に沿って、プローブ溶液注入ピン17が、反応
容器11の開口部11aに対向する位置に達するまで移
動させる。
【0188】プローブ溶液注入ピン17が、反応容器1
1の開口部11aに対向する位置に移動されると、コン
トロールユニット30は、第3の注入ピンモータ35に
駆動信号を出力して、プローブ溶液注入ピン17を、溶
液ピンヘッド19とともに、移動可能な待機位置から、
反応容器11の開口部11a内の注入位置に移動させ、
次いで、プローブ溶液ポンプ41に駆動信号を出力し
て、プローブ溶液チップ(図示せず)から、プローブ溶
液注入ピン17および反応容器11の開口部11aを介
して、プローブ溶液を、反応容器11内に注入させる。
【0189】その結果、反応容器11内に収容されてい
るハイブリダイゼーション溶液に、標識物質によって標
識された生体由来の物質を含むプローブ溶液が添加され
る。
【0190】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、プローブ溶液ポンプ41に駆動停止信号
を出力して、プローブ溶液の注入を停止させ、次いで、
第3の注入ピンモータ35に駆動信号を出力して、プロ
ーブ溶液注入ピン17を、反応容器11の開口部11a
内の注入位置から、待機位置に移動させる。
【0191】プローブ溶液注入ピン17が、溶液ピンヘ
ッド19とともに、移動可能な待機位置に復帰すると、
コントロールユニット30は、ホルダー駆動部材モータ
46に下降信号を出力して、ホルダー駆動部材25を、
一対の把持部材27、27が、反応容器11内に装填さ
れた生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持
可能な位置に達するまで、下降させる。
【0192】ホルダー駆動部材25が下降されて、一対
の把持部材27、27が、反応容器11内に装填された
生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持可能
な位置に達すると、コントロールユニット30は、第1
の把持部材モータ47に把持信号を出力して、一対の把
持部材27、27を近接させ、反応容器11内に装填さ
れた生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持
させる。
【0193】次いで、コントロールユニット30は、ホ
ルダー駆動部材モータ46に駆動信号を出力し、ホルダ
ー駆動部材25を、鉛直方向に、上下動させる。
【0194】その結果、反応容器11内に収容された生
化学解析用ユニット1のすべての吸着性領域4に、標識
物質によって標識された生体由来の物質を含むプローブ
溶液が添加されたハイブリダイゼーション溶液が均一に
接触し、放射性標識物質によって標識された生体由来の
物質および蛍光物質によって標識された生体由来の物質
が、多数の吸着性領域4に吸着されている特異的結合物
質に、選択的に、ハイブリダイズし、多数の吸着性領域
4に吸着されている特異的結合物質が、放射性標識物質
および蛍光物質によって、選択的に、標識される。
【0195】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、ホルダー駆動部材モータ46に駆動停止
信号を出力して、ホルダー駆動部材25の上下動を停止
させ、次いで、ホルダー駆動部材モータ46に下降信号
を出力して、生化学解析用ユニットホルダー7のロッド
8が、反応容器11の上端面に当接するまで、ホルダー
駆動部材25を下降させる。
【0196】生化学解析用ユニットホルダー7のロッド
8が下降されて、反応容器11の上端面に当接すると、
コントロールユニット30は、第1の把持部材モータ4
7に把持解除信号を出力して、一対の把持部材27、2
7を離間させ、反応容器11の上端面に形成された一対
の凹部11bに、生化学解析用ユニットホルダー7のロ
ッド8を保持させる。
【0197】次いで、コントロールユニット30は、ホ
ルダー駆動部材モータ46に復帰信号を出力して、ホル
ダー駆動部材25を上昇させて、モータとの位置に復帰
させるとともに、エンドレスベルトモータ31に駆動信
号を出力して、エンドレスベルト12cを、図6におい
て、時計まわりに駆動させる。
【0198】その結果、取り付け部材13を介して、エ
ンドレスベルト12cに取り付けられた反応容器11
は、反応部14bから、溶液抜き取り・ホルダー取り出
し部14cに送られる。
【0199】反応容器11が、溶液抜き取り・ホルダー
取り出し部14cに送られると、コントロールユニット
30は、エンドレスベルトモータ31に駆動停止信号を
出力して、エンドレスベルト31を停止させる。
【0200】次いで、コントロールユニット30は、バ
ルブ開閉機構44に駆動信号を出力して、ハイブリダイ
ゼーション溶液にプローブ溶液が加えられて、調製され
た溶液を回収するハイブリダイゼーション溶液回収タン
ク(図示せず)と溶液抜き取りピン21とを連通させる
バルブ(図示せず)を開放させ、溶液抜き取りピンモー
タ38に駆動信号を出力して、溶液抜き取りピン21
を、反応容器11内の溶液吸引位置に移動させるととも
に、溶液抜き取りポンプ43に駆動信号を出力して、反
応容器11内に収容されたハイブリダイゼーション溶液
にプローブ溶液が加えられて、調製された溶液を吸引さ
せる。
【0201】こうして、反応容器11内に収容されたハ
イブリダイゼーション溶液にプローブ溶液が加えられ
て、調製された溶液が、溶液抜き取りポンプ43によっ
て吸引され、ハイブリダイゼーション溶液回収タンクに
回収されると、コントロールユニット30は、エンドレ
スベルトモータ31に逆駆動信号を出力して、図6にお
いて、反時計まわりに、プーリ12a、12bを回転さ
せる。
【0202】その結果、取り付け部材13を介して、エ
ンドレスベルト12cに取り付けられた反応容器11
は、溶液抜き取り・ホルダー取り出し部14cから、反
応部14bに送られる。
【0203】エンドレスベルト12cによって、反応容
器11が、反応部14bに送られると、コントロールユ
ニット30は、エンドレスベルトモータ31に駆動停止
信号を出力して、エンドレスベルト12cの駆動を停止
させる。
【0204】次いで、コントロールユニット30は、溶
液ピンヘッドモータ32に駆動信号を出力して、溶液ピ
ンヘッド19、一対のレール(図示せず)に沿って、洗
浄溶液注入ピン18が、反応容器11の開口部11aに
対向する位置に達するまで、移動させる。
【0205】洗浄溶液注入ピン18が、反応容器11の
開口部11aに対向する位置に移動されると、コントロ
ールユニット30は、第4の注入ピンモータ36に駆動
信号を出力して、洗浄溶液注入ピン18を、溶液ピンヘ
ッド19とともに、移動可能な待機位置から、反応容器
11の開口部11a内の注入位置に移動させ、洗浄溶液
ポンプ42に駆動信号を出力して、洗浄溶液タンク(図
示せず)から、洗浄溶液を、洗浄溶液注入ピン18およ
び反応容器11の開口部11aを介して、反応容器11
内に注入させる。
【0206】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、洗浄溶液ポンプ42に駆動停止信号を出
力して、反応容器11への洗浄溶液の注入を停止させ、
次いで、第4の注入ピンモータ36に駆動信号を出力し
て、洗浄溶液注入ピン18を、反応容器11の開口部1
1a内の注入位置から、待機位置に移動させる。
【0207】洗浄溶液注入ピン18が、溶液ピンヘッド
19とともに、移動可能な待機位置に復帰すると、コン
トロールユニット30は、ホルダー駆動部材モータ46
に下降信号を出力して、ホルダー駆動部材25を、一対
の把持部材27、27が、反応容器11内に装填された
生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持可能
な位置に達するまで、下降させる。
【0208】ホルダー駆動部材25が下降されて、一対
の把持部材27、27が、反応容器11内に装填された
生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持可能
な位置に達すると、コントロールユニット30は、第1
の把持部材モータ47に把持信号を出力して、一対の把
持部材27、27を近接させ、反応容器11内に装填さ
れた生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持
させる。
【0209】次いで、コントロールユニット30は、ホ
ルダー駆動部材モータ46に駆動信号を出力し、ホルダ
ー駆動部材25を、鉛直方向に、上下動させる。
【0210】その結果、反応容器11内に収容された生
化学解析用ユニット1のすべての吸着性領域4に、反応
容器11内に注入された洗浄溶液が均一に接触し、洗浄
が実行される。
【0211】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、ホルダー駆動部材モータ46に駆動停止
信号を出力して、ホルダー駆動部材25の上下動を停止
させ、次いで、ホルダー駆動部材モータ46に下降信号
を出力して、生化学解析用ユニットホルダー7のロッド
8が、反応容器11の上端面に当接するまで、ホルダー
駆動部材25を下降させる。
【0212】生化学解析用ユニットホルダー7のロッド
8が下降されて、反応容器11の上端面に当接すると、
コントロールユニット30は、第1の把持部材モータ4
7に把持解除信号を出力して、一対の把持部材27、2
7を離間させ、反応容器11の上端面に形成された一対
の凹部11bに、生化学解析用ユニットホルダー7のロ
ッド8を保持させる。
【0213】次いで、コントロールユニット30は、ホ
ルダー駆動部材モータ46に復帰信号を出力して、ホル
ダー駆動部材25を上昇させて、モータとの位置に復帰
させるとともに、エンドレスベルトモータ31に駆動信
号を出力して、エンドレスベルト12cを、図6におい
て、時計まわりに駆動させる。
【0214】その結果、取り付け部材13を介して、エ
ンドレスベルト12cに取り付けられた反応容器11
は、反応部14bから、溶液抜き取り・ホルダー取り出
し部14cに送られる。
【0215】反応容器11が、溶液抜き取り・ホルダー
取り出し部14cに送られると、コントロールユニット
30は、エンドレスベルトモータ31に駆動停止信号を
出力して、エンドレスベルト31を停止させる。
【0216】次いで、RI標識信号が、キーボード60
から入力されているときは、コントロールユニット30
は、RIセンサモータ37に駆動信号を出力して、RI
センサ20を、反応容器11内の検出位置に移動させる
とともに、バルブ開閉機構44に駆動信号を出力して、
洗浄溶液を回収する洗浄溶液回収タンクと溶液抜き取り
ピン21とを連通させるバルブ(図示せず)を開放さ
せ、溶液抜き取りピンモータ38に駆動信号を出力し
て、溶液抜き取りピン21を、反応容器11内の溶液吸
引位置に移動させる。
【0217】こうして、反応容器11内に収容されてい
る洗浄溶液中の放射性標識物質の濃度が、RIセンサ2
0によって検出されて、検出信号が、コントロールユニ
ット30に出力される。
【0218】さらに、コントロールユニット30は、溶
液抜き取りポンプ43に駆動信号を出力して、反応容器
11内の洗浄溶液を吸引させ、洗浄溶液回収タンク(図
示せず)内に、洗浄溶液を回収させる。
【0219】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、溶液抜き取りポンプ43に駆動停止信号
を出力して、反応容器11内の洗浄溶液の吸引を停止さ
せ、さらに、溶液抜き取りピンモータ38に駆動信号を
出力して、溶液抜き取りピン21を、反応容器11から
退避した退避位置に退避させるとともに、RIセンサモ
ータ37に駆動信号を出力して、RIセンサ20を、反
応容器11から退避した退避位置に退避させる。
【0220】一方、コントロールユニット30は、RI
センサ20から入力された検出信号に基づいて、洗浄溶
液中の放射性標識物質の濃度を、メモリ(図示せず)に
記憶されている放射性標識物質基準濃度と比較する。
【0221】その結果、洗浄溶液中の放射性標識物質の
濃度が、放射性標識物質基準濃度を越えているときは、
生化学解析用ユニット1の吸着性領域4の洗浄が十分で
はなく、反応容器11内に洗浄溶液を注入して、洗浄操
作を続ける必要があると認められるから、コントロール
ユニット30は、反応容器11内の洗浄溶液が、溶液抜
き取りポンプ43によって吸引されて、洗浄溶液回収タ
ンクに回収された時点で、エンドレスベルトモータ31
に逆駆動信号を出力して、図6において、反時計まわり
に、プーリ12a、12bを回転させて、エンドレスベ
ルト12cを駆動させ、反応容器11を、溶液抜き取り
・ホルダー取り出し部14cから、反応部14bに送り
返す。
【0222】反応容器11が、溶液抜き取り・ホルダー
取り出し部14cから、反応部14bに送られると、コ
ントロールユニット30は、エンドレスベルトモータ3
1に駆動停止信号を出力して、エンドレスベルト12c
の駆動を停止させる。
【0223】次いで、コントロールユニット30は、溶
液ピンヘッドモータ32に駆動信号を出力して、溶液ピ
ンヘッド19、一対のレール(図示せず)に沿って、洗
浄溶液注入ピン18が、反応容器11の開口部11aに
対向する位置に達するまで、移動させる。
【0224】洗浄溶液注入ピン18が、反応容器11の
開口部11aに対向する位置に移動されると、コントロ
ールユニット30は、第4の注入ピンモータ36に駆動
信号を出力して、洗浄溶液注入ピン18を、溶液ピンヘ
ッド19とともに、移動可能な待機位置から、反応容器
11の開口部11a内の注入位置に移動させ、洗浄溶液
ポンプ42に駆動信号を出力して、洗浄溶液タンク(図
示せず)から、洗浄溶液を、洗浄溶液注入ピン18およ
び反応容器11の開口部11aを介して、反応容器11
内に注入させる。
【0225】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、洗浄溶液ポンプ42に駆動停止信号を出
力して、反応容器11への洗浄溶液の注入を停止させ、
次いで、第4の注入ピンモータ36に駆動信号を出力し
て、洗浄溶液注入ピン18を、反応容器11の開口部1
1a内の注入位置から、待機位置に移動させる。
【0226】洗浄溶液注入ピン18が、溶液ピンヘッド
19とともに、移動可能な待機位置に復帰すると、コン
トロールユニット30は、ホルダー駆動部材モータ46
に下降信号を出力して、ホルダー駆動部材25を、一対
の把持部材27、27が、反応容器11内に装填された
生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持可能
な位置に達するまで、下降させる。
【0227】ホルダー駆動部材25が下降されて、一対
の把持部材27、27が、反応容器11内に装填された
生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持可能
な位置に達すると、コントロールユニット30は、第1
の把持部材モータ47に把持信号を出力して、一対の把
持部材27、27を近接させ、反応容器11内に装填さ
れた生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持
させる。
【0228】次いで、コントロールユニット30は、ホ
ルダー駆動部材モータ46に駆動信号を出力し、ホルダ
ー駆動部材25を、鉛直方向に、上下動させる。
【0229】その結果、反応容器11内に収容された生
化学解析用ユニット1のすべての吸着性領域4に、反応
容器11内に注入された洗浄溶液が均一に接触し、洗浄
が実行される。
【0230】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、ホルダー駆動部材モータ46に駆動停止
信号を出力して、ホルダー駆動部材25の上下動を停止
させ、次いで、ホルダー駆動部材モータ46に下降信号
を出力して、生化学解析用ユニットホルダー7のロッド
8が、反応容器11の上端面に当接するまで、ホルダー
駆動部材25を下降させる。
【0231】生化学解析用ユニットホルダー7のロッド
8が下降されて、反応容器11の上端面に当接すると、
コントロールユニット30は、第1の把持部材モータ4
7に把持解除信号を出力して、一対の把持部材27、2
7を離間させ、反応容器11の上端面に形成された一対
の凹部11bに、生化学解析用ユニットホルダー7のロ
ッド8を保持させる。
【0232】次いで、コントロールユニット30は、ホ
ルダー駆動部材モータ46に復帰信号を出力して、ホル
ダー駆動部材25を上昇させて、モータとの位置に復帰
させるとともに、エンドレスベルトモータ31に駆動信
号を出力して、エンドレスベルト12cを、図6におい
て、時計まわりに駆動させる。
【0233】その結果、取り付け部材13を介して、エ
ンドレスベルト12cに取り付けられた反応容器11
は、反応部14bから、溶液抜き取り・ホルダー取り出
し部14cに送られる。
【0234】反応容器11が、溶液抜き取り・ホルダー
取り出し部14cに送られると、コントロールユニット
30は、エンドレスベルトモータ31に駆動停止信号を
出力して、エンドレスベルト31を停止させる。
【0235】次いで、コントロールユニット30は、R
Iセンサモータ37に駆動信号を出力して、RIセンサ
20を、反応容器11内の検出位置に移動させるととも
に、バルブ開閉機構44に駆動信号を出力して、洗浄溶
液を回収する洗浄溶液回収タンクと溶液抜き取りピン2
1とを連通させるバルブ(図示せず)を開放させ、溶液
抜き取りピンモータ38に駆動信号を出力して、溶液抜
き取りピン21を、反応容器11内の溶液吸引位置に移
動させる。
【0236】こうして、反応容器11内に収容されてい
る洗浄溶液中の放射性標識物質の濃度が、RIセンサ2
0によって検出されて、検出信号が、コントロールユニ
ット30に出力される。
【0237】さらに、コントロールユニット30は、溶
液抜き取りポンプ43に駆動信号を出力して、反応容器
11内の洗浄溶液を吸引させ、洗浄溶液回収タンク(図
示せず)内に、洗浄溶液を回収させる。
【0238】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、溶液抜き取りポンプ43に駆動停止信号
を出力して、反応容器11内の洗浄溶液の吸引を停止さ
せ、さらに、溶液抜き取りピンモータ38に駆動信号を
出力して、溶液抜き取りピン21を、反応容器11から
退避した退避位置に退避させるとともに、RIセンサモ
ータ37に駆動信号を出力して、RIセンサ20を、反
応容器11から退避した退避位置に退避させる。
【0239】一方、コントロールユニット30は、RI
センサ20から入力された検出信号に基づいて、洗浄溶
液中の放射性標識物質の濃度を、メモリ(図示せず)に
記憶されている放射性標識物質基準濃度と比較する。
【0240】その結果、洗浄溶液中の放射性標識物質の
濃度が、放射性標識物質基準濃度を越えているときは、
生化学解析用ユニット1の吸着性領域4の洗浄が十分で
はなく、反応容器11内に洗浄溶液を注入して、洗浄操
作を続ける必要があると認められるから、コントロール
ユニット40は、反応容器11内の洗浄溶液が、溶液抜
き取りポンプ43によって吸引されて、洗浄溶液回収タ
ンクに回収された時点で、エンドレスベルトモータ31
に逆駆動信号を出力して、図6において、反時計まわり
に、プーリ12a、12bを回転させて、エンドレスベ
ルト12cを駆動させ、反応容器11を、溶液抜き取り
・ホルダー取り出し部14cから、反応部14bに送り
返す。
【0241】反応容器11が、溶液抜き取り・ホルダー
取り出し部14cから、反応部14bに送られると、コ
ントロールユニット30は、エンドレスベルトモータ3
1に駆動停止信号を出力して、エンドレスベルト12c
の駆動を停止させる。
【0242】次いで、コントロールユニット30は、溶
液ピンヘッドモータ32に駆動信号を出力して、溶液ピ
ンヘッド19、一対のレール(図示せず)に沿って、洗
浄溶液注入ピン18が、反応容器11の開口部11aに
対向する位置に達するまで、移動させる。
【0243】洗浄溶液注入ピン18が、反応容器11の
開口部11aに対向する位置に移動されると、コントロ
ールユニット30は、第4の注入ピンモータ36に駆動
信号を出力して、洗浄溶液注入ピン18を、溶液ピンヘ
ッド19とともに、移動可能な待機位置から、反応容器
11の開口部11a内の注入位置に移動させ、洗浄溶液
ポンプ42に駆動信号を出力して、洗浄溶液タンク(図
示せず)から、洗浄溶液を、洗浄溶液注入ピン18およ
び反応容器11の開口部11aを介して、反応容器11
内に注入させる。
【0244】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、洗浄溶液ポンプ42に駆動停止信号を出
力して、反応容器11への洗浄溶液の注入を停止させ、
次いで、第4の注入ピンモータ36に駆動信号を出力し
て、洗浄溶液注入ピン18を、反応容器11の開口部1
1a内の注入位置から、待機位置に移動させる。
【0245】洗浄溶液注入ピン18が、溶液ピンヘッド
19とともに、移動可能な待機位置に復帰すると、コン
トロールユニット30は、ホルダー駆動部材モータ46
に下降信号を出力して、ホルダー駆動部材25を、一対
の把持部材27、27が、反応容器11内に装填された
生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持可能
な位置に達するまで、下降させる。
【0246】ホルダー駆動部材25が下降されて、一対
の把持部材27、27が、反応容器11内に装填された
生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持可能
な位置に達すると、コントロールユニット30は、第1
の把持部材モータ47に把持信号を出力して、一対の把
持部材27、27を近接させ、反応容器11内に装填さ
れた生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を把持
させる。
【0247】次いで、コントロールユニット30は、ホ
ルダー駆動部材モータ46に駆動信号を出力し、ホルダ
ー駆動部材25を、鉛直方向に、上下動させる。
【0248】その結果、反応容器11内に収容された生
化学解析用ユニット1のすべての吸着性領域4に、反応
容器11内に注入された洗浄溶液が均一に接触し、洗浄
が実行される。
【0249】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、ホルダー駆動部材モータ46に駆動停止
信号を出力して、ホルダー駆動部材25の上下動を停止
させ、次いで、ホルダー駆動部材モータ46に下降信号
を出力して、生化学解析用ユニットホルダー7のロッド
8が、反応容器11の上端面に当接するまで、ホルダー
駆動部材25を下降させる。
【0250】生化学解析用ユニットホルダー7のロッド
8が下降されて、反応容器11の上端面に当接すると、
コントロールユニット30は、第1の把持部材モータ4
7に把持解除信号を出力して、一対の把持部材27、2
7を離間させ、反応容器11の上端面に形成された一対
の凹部11bに、生化学解析用ユニットホルダー7のロ
ッド8を保持させる。
【0251】次いで、コントロールユニット30は、ホ
ルダー駆動部材モータ46に復帰信号を出力して、ホル
ダー駆動部材25を上昇させて、モータとの位置に復帰
させるとともに、エンドレスベルトモータ31に駆動信
号を出力して、エンドレスベルト12cを、図6におい
て、時計まわりに駆動させる。
【0252】その結果、取り付け部材13を介して、エ
ンドレスベルト12cに取り付けられた反応容器11
は、反応部14bから、溶液抜き取り・ホルダー取り出
し部14cに送られる。
【0253】反応容器11が、溶液抜き取り・ホルダー
取り出し部14cに送られると、コントロールユニット
30は、エンドレスベルトモータ31に駆動停止信号を
出力して、エンドレスベルト31を停止させる。
【0254】次いで、コントロールユニット30は、R
Iセンサモータ37に駆動信号を出力して、RIセンサ
20を、反応容器11内の検出位置に移動させるととも
に、バルブ開閉機構44に駆動信号を出力して、洗浄溶
液を回収する洗浄溶液回収タンクと溶液抜き取りピン2
1とを連通させるバルブ(図示せず)を開放させ、溶液
抜き取りピンモータ38に駆動信号を出力して、溶液抜
き取りピン21を、反応容器11内の溶液吸引位置に移
動させる。
【0255】こうして、反応容器11内に収容されてい
る洗浄溶液中の放射性標識物質の濃度が、RIセンサ2
0によって検出されて、検出信号が、コントロールユニ
ット30に出力される。
【0256】さらに、コントロールユニット30は、溶
液抜き取りポンプ43に駆動信号を出力して、反応容器
11内の洗浄溶液を吸引させ、洗浄溶液回収タンク(図
示せず)内に、洗浄溶液を回収させる。
【0257】所定の時間が経過すると、コントロールユ
ニット30は、溶液抜き取りポンプ43に駆動停止信号
を出力して、反応容器11内の洗浄溶液の吸引を停止さ
せ、さらに、溶液抜き取りピンモータ38に駆動信号を
出力して、溶液抜き取りピン21を、反応容器11から
退避した退避位置に退避させるとともに、RIセンサモ
ータ37に駆動信号を出力して、RIセンサ20を、反
応容器11から退避した退避位置に退避させる。
【0258】その一方で、コントロールユニット30に
よって、RIセンサ20から入力された検出信号に基づ
き、洗浄溶液中の放射性標識物質の濃度が、メモリ(図
示せず)に記憶されている放射性標識物質基準濃度と比
較される。
【0259】こうして、洗浄溶液中の放射性標識物質の
濃度が、放射性標識物質基準濃度以下に低下するまで、
洗浄溶液による洗浄が繰り返され、洗浄溶液中の放射性
標識物質の濃度が、放射性標識物質基準濃度以下に低下
すると、コントロールユニット30は、洗浄が完了した
と判定して、ホルダー取り出し部材モータ48に下降信
号を出力して、ホルダー取り出し部材50を、ホルダー
取り出し部材50の一対の把持部材(図示せず)が、反
応容器11内に装填された生化学解析用ユニットホルダ
ー7のロッド8を把持可能な位置に達するまで、下降さ
せる。
【0260】ここに、本実施態様においては、プローブ
溶液に含まれた生体由来の物質が、放射性標識物質によ
って標識されているため、RIセンサ20により、洗浄
溶液中の放射性標識物質の濃度を検出し、洗浄溶液中の
放射性標識物質の濃度が、放射性標識物質基準濃度以下
に低下するまで、洗浄溶液による洗浄が繰り返している
が、プローブ溶液に含まれた生体由来の物質が、放射性
標識物質によって標識されていないときは、コントロー
ルユニット30が、所定の回数にわたって、洗浄溶液が
注入され、洗浄が実行されたと判定した時点で、洗浄操
作が完了される。
【0261】ホルダー取り出し部材50が下降されて、
ホルダー取り出し部材50の一対の把持部材)が、反応
容器11内に装填された生化学解析用ユニットホルダー
7のロッド8を把持可能な位置に達すると、コントロー
ルユニット30は、第2の把持部材モータ49に把持信
号を出力して、一対の把持部材を近接させ、反応容器1
1内に装填された生化学解析用ユニットホルダー7のロ
ッド8を把持させる。
【0262】次いで、コントロールユニット30は、ホ
ルダー取り出し部材モータ48に取り出し信号を出力し
て、ホルダー取り出し部材50を上昇させて、生化学解
析用ユニットホルダー7を、反応容器11から取り出
す。
【0263】生化学解析用ユニットホルダー7が、反応
容器11から取り出されると、生化学解析用ユニット1
が、生化学解析用ユニットホルダー7から取り外され
る。
【0264】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に、標識物質である放射性標識物質の放
射線データおよび蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データ
が記録される。吸着性領域4に記録された蛍光データ
は、後述するスキャナによって読み取られ、生化学解析
用データが生成される。
【0265】一方、放射性標識物質の放射線データは、
蓄積性蛍光体シートに転写され、蓄積性蛍光体シートに
転写された放射線データは、後述するスキャナによって
読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0266】図9は、蓄積性蛍光体シートの略斜視図で
ある。
【0267】図9に示されるように、本実施態様にかか
る蓄積性蛍光体シート70は、多数の略円形の貫通孔7
3が規則的に形成されたニッケル製の支持体71を備
え、支持体71に形成された多数の貫通孔73内に、輝
尽性蛍光体が埋め込まれて、多数の輝尽性蛍光体層領域
72が、ドット状に形成されている。
【0268】多数の貫通孔73は、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4と同一の
パターンで、支持体71に形成され、各輝尽性蛍光体層
領域72は、生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた吸着性領域4と等しいサイズを有するように、形成
されている。
【0269】したがって、図9には正確に示されていな
いが、約10000の約0.01平方ミリメートルのサ
イズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域72が、約5
000個/平方センチメートルの密度で、かつ、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領
域4と同一の規則的なパターンにより、蓄積性蛍光体シ
ート70の支持体71に、ドット状に形成されている。
【0270】また、本実施態様においては、支持体71
の表面と、ドット状に形成された輝尽性蛍光体層領域7
2の表面とが同一の高さに位置するように、支持体71
に形成された貫通孔73に、輝尽性蛍光体が埋め込まれ
て、蓄積性蛍光体シート70が形成されている。
【0271】図10は、生化学解析用ユニット1に形成
された多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質に
よって、蓄積性蛍光体シート70に形成された多数のド
ット状の輝尽性蛍光体層領域72を露光する方法を示す
略断面図である。
【0272】露光装置内で、生化学解析用ユニット1の
表面に、蓄積性蛍光体シート70が重ね合わされて、生
化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4に含ま
れた放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート70
に形成されたドット状の輝尽性蛍光体層領域72が露光
されるが、本実施態様においては、生化学解析用ユニッ
ト1は、アルミニウム製の基板2に形成された多数の貫
通孔3内に、ナイロン6が充填されて、形成されている
ので、ハイブリダイゼーションなど、液体による処理を
受けても、ほとんど伸縮することがなく、したがって、
生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4のそ
れぞれが、蓄積性蛍光体シート70に形成された対応す
るドット状の輝尽性蛍光体層領域72に、正確に対向す
るように、蓄積性蛍光体シート70を生化学解析用ユニ
ット1に重ね合わせて、ドット状輝尽性蛍光体層領域7
2を露光することが可能になる。
【0273】こうして、所定の時間にわたって、生化学
解析用ユニット1に形成された吸着性領域4のそれぞれ
が、蓄積性蛍光体シート70に形成された対応するドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域72に対向するように、生化
学解析用ユニット1と蓄積性蛍光体シート70とを重ね
合わせることによって、吸着性領域4に含まれた放射性
標識物質によって、蓄積性蛍光体シート70に形成され
た多数のドット状輝尽性蛍光体層領域72が露光され
る。
【0274】この際、吸着性領域4に吸着されている放
射性標識物質から電子線(β線)が発せられるが、生化
学解析用ユニット1の吸着性領域4は、放射線を減衰さ
せる性質を有するアルミニウムによって形成された基板
2に、互いに離間して、ドット状に形成されているか
ら、各吸着性領域4から放出された電子線(β線)が、
生化学解析用ユニット1の基板2内で散乱して、隣り合
う吸着性領域4から放出された電子線(β線)と混ざり
合い、隣り合う吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体層
領域72に入射することを効果的に防止することがで
き、さらに、蓄積性蛍光体シート70のドット状の輝尽
性蛍光体層領域72が、放射線を減衰させる性質を有す
るニッケル製の支持体71に形成された多数の貫通孔1
2内に、輝尽性蛍光体11を埋め込んで、形成されてい
るから、各吸着性領域4から放出された電子線(β線)
が、蓄積性蛍光体シート70の支持体71内で散乱し
て、対向する輝尽性蛍光体層領域72に隣り合う輝尽性
蛍光体層領域72に入射することを効果的に防止するこ
とが可能になり、したがって、吸着性領域4に含まれて
いる放射性標識物質から発せられた電子線(β線)を、
その吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体層領域72に
選択的に入射させることができ、吸着性領域4に含まれ
ている放射性標識物質から発せられた電子線(β線)
が、隣り合う吸着性領域4から放出される電子線によっ
て露光されるべき輝尽性蛍光体層領域72に入射して、
輝尽性蛍光体を露光することを確実に防止することがで
きる。
【0275】こうして、蓄積性蛍光体シート70に形成
された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域72に、放射
性標識物質の放射線データが記録される。
【0276】図11は、蓄積性蛍光体シート70に記録
された放射線データを読み取って、生化学解析用データ
を生成するとともに、生化学解析用ユニット1に記録さ
れた蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生
成するスキャナの略斜視図であり、図12は、図11に
示されたスキャナのフォトマルチプライア近傍の詳細を
示す略斜視図である。
【0277】本実施態様にかかるスキャナは、蓄積性蛍
光体シート70に形成された多数のドット状の輝尽性蛍
光体層領域72に記録された放射性標識物質の放射線デ
ータおよび生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
4に記録された蛍光色素などの蛍光データを読み取り可
能に構成されている。
【0278】図11に示されるように、本実施態様にか
かるスキャナは、640nmの波長のレーザ光84を発
する第1のレーザ励起光源81と、532nmの波長の
レーザ光84を発する第2のレーザ励起光源82と、4
73nmの波長のレーザ光84を発する第3のレーザ励
起光源83とを備えている。
【0279】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源81は、半導体レーザ光源により構成され、第2の
レーザ励起光源82および第3のレーザ励起光源83
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素
子によって構成されている。
【0280】第1のレーザ励起光源81により発生され
たレーザ光84は、コリメータレンズ85によって、平
行光とされた後、ミラー86によって反射される。第1
のレーザ励起光源81から発せられ、ミラー86によっ
て反射されたレーザ光84の光路には、640nmのレ
ーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する第
1のダイクロイックミラー87および532nm以上の
波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第
2のダイクロイックミラー88が設けられており、第1
のレーザ励起光源81により発生されたレーザ光84
は、第1のダイクロイックミラー87および第2のダイ
クロイックミラー88を透過して、ミラー89に入射す
る。
【0281】他方、第2のレーザ励起光源82より発生
されたレーザ光84は、コリメータレンズ90により、
平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー87に
よって反射されて、その向きが90度変えられて、第2
のダイクロイックミラー88を透過し、ミラー89に入
射する。
【0282】また、第3のレーザ励起光源83から発生
されたレーザ光84は、コリメータレンズ91によっ
て、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー8
8により反射されて、その向きが90度変えられた後、
ミラー89に入射する。
【0283】ミラー89に入射したレーザ光84は、ミ
ラー89によって反射され、さらに、ミラー92に入射
して、反射される。
【0284】ミラー92によって反射されたレーザ光8
4の光路には、中央部に穴93が形成された凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー94が配置されてお
り、ミラー92によって反射されたレーザ光84は、穴
開きミラー94の穴93を通過して、凹面ミラー98に
入射する。
【0285】凹面ミラー98に入射したレーザ光84
は、凹面ミラー98によって反射されて、光学ヘッド9
5に入射する。
【0286】光学ヘッド95は、ミラー96と、非球面
レンズ97を備えており、光学ヘッド95に入射したレ
ーザ光84は、ミラー96によって反射されて、非球面
レンズ97によって、ステージ100のガラス板101
上に載置された蓄積性蛍光体シート70あるいは生化学
解析用ユニット1に入射する。
【0287】蓄積性蛍光体シート70に、レーザ光84
が入射すると、蓄積性蛍光体シート70の支持体71に
形成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域72が
励起され、輝尽光105が放出され、また、生化学解析
用ユニット1に、レーザ光84が入射すると、多数の吸
着性領域4に含まれている蛍光色素などの蛍光物質が励
起されて、蛍光105が放出される。
【0288】蓄積性蛍光体シート70の多数のドット状
の輝尽性蛍光体層領域72から放出された輝尽光105
あるいは生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4
から放出された蛍光105は、光学ヘッド95に設けら
れた非球面レンズ97によって、ミラー96に集光さ
れ、ミラー96によって、レーザ光84の光路と同じ側
に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー98に入射
する。
【0289】凹面ミラー98に入射した輝尽光105あ
るいは蛍光105は、凹面ミラー98によって反射され
て、穴開きミラー94に入射する。
【0290】穴開きミラー94に入射した輝尽光105
あるいは蛍光105は、図12に示されるように、凹面
ミラーによって形成された穴開きミラー94によって、
下方に反射されて、フィルタユニット108に入射し、
所定の波長の光がカットされて、フォトマルチプライア
110に入射し、光電的に検出される。
【0291】図12に示されるように、フィルタユニッ
ト108は、4つのフィルタ部材111a、151b、
151c、151dを備えており、フィルタユニット1
08は、モータ(図示せず)によって、図12におい
て、左右方向に移動可能に構成されている。
【0292】図13は、図12のA−A線に沿った略断
面図である。
【0293】図13に示されるように、フィルタ部材1
11aはフィルタ112aを備え、フィルタ112a
は、第1のレーザ励起光源81を用いて、生化学解析用
ユニット1に形成された多数の吸着性領域4に含まれて
いる蛍光物質を励起し、蛍光105を読み取るときに使
用されるフィルタ部材であり、640nmの波長の光を
カットし、640nmよりも波長の長い光を透過する性
質を有している。
【0294】図14は、図12のB−B線に沿った略断
面図である。
【0295】図14に示されるように、フィルタ部材1
11bはフィルタ112bを備え、フィルタ112b
は、第2のレーザ励起光源82を用いて、生化学解析用
ユニット1に形成された多数の吸着性領域4に含まれて
いる蛍光物質を励起し、蛍光105を読み取るときに使
用されるフィルタ部材であり、532nmの波長の光を
カットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性
質を有している。
【0296】図15は、図12のC−C線に沿った略断
面図である。
【0297】図15に示されるように、フィルタ部材1
11cはフィルタ112cを備え、フィルタ112c
は、第3のレーザ励起光源83を用いて、生化学解析用
ユニット1に形成された多数の吸着性領域4に含まれて
いる蛍光物質を励起して、蛍光105を読み取るときに
使用されるフィルタ部材であり、473nmの波長の光
をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有している。
【0298】図16は、図12のD−D線に沿った略断
面図である。
【0299】図16に示されるように、フィルタ部材1
11dはフィルタ112dを備え、フィルタ112d
は、第1のレーザ励起光源81を用いて、蓄積性蛍光体
シート70に形成された多数のドット状の輝尽性蛍光体
層領域72を励起して、輝尽性蛍光体層領域72から発
せられた輝尽光105を読み取るときに使用されるフィ
ルタであり、輝尽性蛍光体層領域72から放出される輝
尽光105の波長域の光のみを透過し、640nmの波
長の光をカットする性質を有している。
【0300】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタ部材111a、151b、151c、
151dを選択的にフォトマルチプライア110の前面
に位置させることによって、フォトマルチプライア11
0は、検出すべき光のみを光電的に検出することができ
る。
【0301】フォトマルチプライア110によって、輝
尽光105が光電的に検出されて、生成されたアナログ
データは、A/D変換器113に出力されて、ディジタ
ル化され、データ処理装置114に出力される。
【0302】図17は、光学ヘッド95の走査機構の略
平面図である。図17においては、簡易化のため、光学
ヘッド95を除く光学系ならびにレーザ光84および蛍
光105あるいは輝尽光105の光路は省略されてい
る。
【0303】図17に示されるように、光学ヘッド95
を走査する走査機構は、基板120を備え、基板120
上には、副走査パルスモータ121と一対のレール12
2、62とが固定され、基板120上には、さらに、図
17において、矢印Yで示された副走査方向に、移動可
能な基板123とが設けられている。
【0304】移動可能な基板123には、ねじが切られ
た穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副
走査パルスモータ121によって回転されるねじが切ら
れたロッド124が係合している。
【0305】移動可能な基板123上には、主走査ステ
ッピングモータ125が設けられ、主走査ステッピング
モータ125は、エンドレスベルト126を、生化学解
析用ユニット1に形成された隣り合うドット状の吸着性
領域4の間の距離、すなわち、蓄積性蛍光体シート70
に形成された隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層領域7
2の間の距離に等しいピッチで、間欠的に駆動可能に構
成されている。光学ヘッド95は、エンドレスベルト1
26に固定されており、主走査ステッピングモータ12
5によって、エンドレスベルト126が駆動されると、
図17において、矢印Xで示された主走査方向に移動さ
れるように構成されている。図17において、67は、
光学ヘッド95の主走査方向における位置を検出するリ
ニアエンコーダであり、128は、リニアエンコーダ1
27のスリットである。
【0306】したがって、主走査ステッピングモータ1
25によって、エンドレスベルト126が、主走査方向
に間欠的に駆動され、1ラインの走査が完了すると、副
走査パルスモータ121によって、基板123が、副走
査方向に間欠的に移動されることによって、光学ヘッド
95は、図17において、矢印Xで示される主走査方向
および矢印Yで示される副走査方向に移動され、レーザ
光84によって、蓄積性蛍光体シート70に形成された
すべてのドット状の輝尽性蛍光体層領域72あるいは生
化学解析用ユニット1の全面が走査される。
【0307】図18は、スキャナの制御系、入力系、駆
動系および検出系を示すブロックダイアグラムである。
【0308】図18に示されるように、スキャナの制御
系は、スキャナ全体を制御するコントロールユニット1
30を備えており、また、スキャナの入力系は、ユーザ
ーによって操作され、種々の指示信号を入力可能なキー
ボード131を備えている。
【0309】図18に示されるように、スキャナの駆動
系は、光学ヘッド95を主走査方向に間欠的に移動させ
る主走査ステッピングモータ125と、光学ヘッド95
を副走査方向に間欠的に移動させる副走査パルスモータ
121と、4つのフィルタ部材111a、151b、1
51c、151dを備えたフィルタユニット108を移
動させるフィルタユニットモータ132を備えている。
【0310】コントロールユニット130は、第1のレ
ーザ励起光源81、第2のレーザ励起光源82または第
3のレーザ励起光源83に選択的に駆動信号を出力する
とともに、フィルタユニットモータ132に駆動信号を
出力可能に構成されている。
【0311】また、図18に示されるように、スキャナ
の検出系は、フォトマルチプライア110と、光学ヘッ
ド95の主走査方向における位置を検出するリニアエン
コーダ127を備えている。
【0312】本実施態様においては、コントロールユニ
ット130は、リニアエンコーダ127から入力される
光学ヘッド95の位置検出信号にしたがって、第1のレ
ーザ励起光源81、第2のレーザ励起光源82または第
3のレーザ励起光源83をオン・オフ制御するように構
成されている。
【0313】以上のように構成された本実施態様にかか
るスキャナは、以下のようにして、蓄積性蛍光体シート
70に形成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域
72に記録された放射線データを読み取って、生化学解
析用データを生成する。
【0314】まず、蓄積性蛍光体シート70が、ステー
ジ100のガラス板101上に載置される。
【0315】次いで、ユーザーによって、キーボード1
31に、蓄積性蛍光体シート70に形成された多数のド
ット状の輝尽性蛍光体層領域72を、レーザ光84によ
って走査する旨の指示信号が入力される。
【0316】キーボード131に入力された指示信号
は、コントロールユニット130に入力され、コントロ
ールユニット130は、指示信号にしたがって、フィル
タユニットモータ132に駆動信号を出力し、フィルタ
ユニット108を移動させ、輝尽性蛍光体から放出され
る輝尽光105の波長域の光のみを透過し、640nm
の波長の光をカットする性質を有するフィルタ112d
を備えたフィルタ部材111dを、輝尽光105の光路
内に位置させる。
【0317】さらに、コントロールユニット130は、
主走査ステッピングモータ125に駆動信号を出力し、
光学ヘッド95を主走査方向に移動させ、リニアエンコ
ーダ127から入力される光学ヘッド95の位置検出信
号に基づいて、第1のドット状の輝尽性蛍光体層領域7
2に、レーザ光84を照射可能な位置に、光学ヘッド9
5が移動したことが確認されると、主走査ステッピング
モータ125に停止信号を出力するとともに、第1のレ
ーザ励起光源81に、駆動信号を出力して、第1のレー
ザ励起光源81を起動させ、640nmの波長のレーザ
光84を発せさせる。
【0318】第1のレーザ励起光源81から発せられた
レーザ光84は、コリメータレンズ85によって、平行
な光とされた後、ミラー86に入射して、反射される。
【0319】ミラー86によって反射されたレーザ光8
4は、第1のダイクロイックミラー87および第2のダ
イクロイックミラー88を透過し、ミラー89に入射す
る。
【0320】ミラー89に入射したレーザ光84は、ミ
ラー89によって反射されて、さらに、ミラー92に入
射して、反射される。
【0321】ミラー92によって反射されたレーザ光8
4は、穴開きミラー94の穴93を通過して、凹面ミラ
ー98に入射する。
【0322】凹面ミラー98に入射したレーザ光84
は、凹面ミラー98によって反射されて、光学ヘッド9
5に入射する。
【0323】光学ヘッド95に入射したレーザ光84
は、ミラー96によって反射され、非球面レンズ97に
よって、ステージ100ガラス板101上に載置された
蓄積性蛍光体シート70の第1のドット状の輝尽性蛍光
体層領域72に集光される。
【0324】その結果、蓄積性蛍光体シート70に形成
された第1のドット状の輝尽性蛍光体層領域72に含ま
れる輝尽性蛍光体が、レーザ光84によって励起され
て、第1の輝尽性蛍光体層領域72から輝尽光105が
放出される。
【0325】この際、蓄積性蛍光体シート70の支持体
71はニッケルによって形成されているから、レーザ光
84が、支持体71内で散乱して、第1の輝尽性蛍光体
層領域72に隣り合った輝尽性蛍光体層領域72に含ま
れている輝尽性蛍光体を励起し、蓄積している放射線エ
ネルギーが輝尽光105の形で放出されることを効果的
に防止することができ、さらには、第1の輝尽性蛍光体
層領域72から放出された輝尽光105が、支持体71
内で散乱し、フォトマルチプライア110によって検出
されなくなることを効果的に防止することが可能にな
る。
【0326】第1のドット状の輝尽性蛍光体領域12か
ら放出された輝尽光105は、光学ヘッド95に設けら
れた非球面レンズ97によって集光され、ミラー96に
より、レーザ光84の光路と同じ側に反射され、平行な
光とされて、凹面ミラー98に入射する。
【0327】凹面ミラー98に入射した輝尽光105
は、凹面ミラー98によって反射されて、穴開きミラー
94に入射する。
【0328】穴開きミラー94に入射した輝尽光105
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー94に
よって、図12に示されるように、下方に反射され、フ
ィルタユニット108のフィルタ112dに入射する。
【0329】フィルタ112dは、輝尽性蛍光体から放
出される輝尽光105の波長域の光のみを透過し、64
0nmの波長の光をカットする性質を有しているので、
励起光である640nmの波長の光がカットされ、ドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域72から放出された輝尽光1
05の波長域の光のみがフィルタ112dを透過して、
フォトマルチプライア110によって、光電的に検出さ
れる。
【0330】フォトマルチプライア110によって光電
的に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D
変換器113によって、ディジタル化され、データ処理
装置114に出力される。
【0331】第1のレーザ励起光源81がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット130は、第1のレーザ励起光源81
に駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源81
の駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモー
タ125に、駆動信号を出力して、光学ヘッド95を、
蓄積性蛍光体シート70に形成された隣り合うドット状
の輝尽性蛍光体層領域72の間の距離に等しいピッチだ
け、移動させる。
【0332】リニアエンコーダ127から入力された光
学ヘッド95の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド9
5が、隣り合うドット状の輝尽性蛍光体層領域72間の
距離に等しい1ピッチだけ移動されて、第1のレーザ励
起光源81から発せられるレーザ光84を、蓄積性蛍光
体シート70に形成された第2のドット状の輝尽性蛍光
体層領域72に照射可能な位置に移動したことが確認さ
れると、コントロールユニット130は、第1のレーザ
励起光源81に駆動信号を出力して、第1のレーザ励起
光源81をオンさせて、レーザ光84によって、蓄積性
蛍光体シート70に形成された第2のドット状の輝尽性
蛍光体層領域72に含まれている輝尽性蛍光体を励起す
る。
【0333】同様にして、所定の時間にわたり、第1の
レーザ励起光源81から発せられたレーザ光84が、蓄
積性蛍光体シート70に形成された第2のドット状の輝
尽性蛍光体層領域72に照射され、第2の輝尽性蛍光体
層領域72に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、
第2の輝尽性蛍光体層領域72から放出された輝尽光1
05が、フォトマルチプライア110によって、光電的
に検出されて、アナログデータが生成され、A/D変換
器113によって、ディジタル化されて、第2の輝尽性
蛍光体層領域72に記録された放射線データから、生化
学解析用データが生成されると、コントロールユニット
130は、第1のレーザ励起光源81にオフ信号を出力
して、第1のレーザ励起光源81をオフさせるととも
に、主走査ステッピングモータ125に、駆動信号を出
力して、光学ヘッド95を、隣り合うドット状の輝尽性
蛍光体層領域72の間の距離に等しい1ピッチだけ、移
動させる。
【0334】こうして、光学ヘッド95の間欠移動に同
期して、第1のレーザ励起光源81のオン・オフが繰り
返され、リニアエンコーダ127から入力された光学ヘ
ッド95の位置検出信号に基づき、光学ヘッド95が、
主走査方向に1ライン分だけ、移動され、第1ライン目
のドット状の輝尽性蛍光体層領域72のレーザ光84に
よる走査が完了したことが確認されると、コントロール
ユニット130は、主走査ステッピングモータ125に
駆動信号を出力して、光学ヘッド95を元の位置に復帰
させるとともに、副走査パルスモータ121に駆動信号
を出力して、移動可能な基板123を、副走査方向に、
1ライン分だけ、移動させる。
【0335】リニアエンコーダ127から入力された光
学ヘッド95の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド9
5が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板123
が、副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが
確認されると、コントロールユニット130は、第1ラ
イン目のドット状の輝尽性蛍光体層領域72に、順次、
第1のレーザ励起光源81から発せられるレーザ光84
を照射したのと全く同様にして、第2ライン目のドット
状の輝尽性蛍光体層領域72に、順次、第1のレーザ励
起光源81から発せられるレーザ光84を照射して、ド
ット状の輝尽性蛍光体層領域72に含まれている輝尽性
蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体層領域15から発せられ
た輝尽光105を、順次、フォトマルチプライア110
に、光電的に検出させる。
【0336】フォトマルチプライア110によって光電
的に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D
変換器113に出力され、ディジタル化されて、ドット
状の各輝尽性蛍光体層領域72に記録された放射線デー
タから、生化学解析用データが生成される。
【0337】こうして、蓄積性蛍光体シート70に形成
された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域72がすべ
て、第1のレーザ励起光源81から放出されたレーザ光
84によって走査され、多数のドット状の輝尽性蛍光体
層領域72に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、
放出された輝尽光105が、フォトマルチプライア11
0によって光電的に検出され、生成されたアナログデー
タが、A/D変換器113によって、ディジタル化さ
れ、各ドット状の輝尽性蛍光体層領域72に記録された
放射線データから、生化学解析用データが生成される
と、コントロールユニット130から、駆動停止信号
が、第1のレーザ励起光源81に出力され、第1のレー
ザ励起光源81の駆動が停止される。
【0338】一方、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域4に記録された蛍光物質の蛍光デー
タを読み取って、生化学解析用ディジタルデータを生成
するときは、まず、ユーザーによって、生化学解析用ユ
ニット1が、ステージ100のガラス板101上にセッ
トされる。
【0339】次いで、ユーザーによって、キーボード1
31に、標識物質である蛍光物質の種類が特定され、蛍
光データを読み取るべき旨の指示信号が入力される。
【0340】キーボード131に入力された指示信号
は、コントロールユニット130に入力され、コントロ
ールユニット130は、指示信号を受けると、メモリ
(図示せず)に記憶されているテーブルにしたがって、
使用すべきレーザ励起光源を決定するとともに、フィル
タ112a、152b、152c、152dのいずれを
蛍光105の光路内に位置させるかを決定する。
【0341】たとえば、生体由来の物質を標識する蛍光
物質として、532nmの波長のレーザによって、最も
効率的に励起することのできるローダミン(登録商標)
が使用され、その旨が、キーボード131に入力された
ときは、コントロールユニット130は、第2のレーザ
励起光源82を選択するとともに、フィルタ112bを
選択し、フィルタユニットモータ132に駆動信号を出
力して、フィルタユニット108を移動させ、532n
mの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い
光を透過する性質を有するフィルタ112bを備えたフ
ィルタ部材111bを、生化学解析用ユニット1から放
出されるべき蛍光105の光路内に位置させる。
【0342】さらに、コントロールユニット130は、
主走査ステッピングモータ125に駆動信号を出力し、
光学ヘッド95を主走査方向に移動させ、リニアエンコ
ーダから入力される光学ヘッド95の位置検出信号に基
づいて、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸
着性領域4のうち、第1の吸着性領域4に、レーザ光8
4を照射可能な位置に、光学ヘッド95が達したことが
確認されると、主走査ステッピングモータ125に停止
信号を出力するとともに、第2のレーザ励起光源82に
駆動信号を出力して、第2のレーザ励起光源82を起動
させ、532nmの波長のレーザ光84を発せさせる。
【0343】第2のレーザ励起光源82から発せられた
レーザ光84は、コリメータレンズ90によって、平行
な光とされた後、第1のダイクロイックミラー87に入
射して、反射される。
【0344】第1のダイクロイックミラー87によって
反射されたレーザ光84は、第2のダイクロイックミラ
ー88を透過し、ミラー89に入射する。
【0345】ミラー89に入射したレーザ光84は、ミ
ラー89によって反射されて、さらに、ミラー92に入
射して、反射される。
【0346】ミラー92によって反射されたレーザ光8
4は、穴開きミラー94の穴93を通過して、凹面ミラ
ー98に入射する。
【0347】凹面ミラー98に入射したレーザ光84
は、凹面ミラー98によって反射されて、光学ヘッド9
5に入射する。
【0348】光学ヘッド95に入射したレーザ光84
は、ミラー96によって反射され、非球面レンズ97に
よって、ステージ100ガラス板101上に載置された
生化学解析用ユニット1に集光される。
【0349】その結果、レーザ光84によって、生化学
解析用ユニット1の第1の吸着性領域4に含まれた蛍光
色素などの蛍光物質、たとえば、ローダミンが励起され
て、蛍光が発せられる。
【0350】ここに、本実施態様にかかる生化学解析用
ユニット1においては、吸着性領域4は、アルミニウム
製の基板2に、互いに離間して、形成された多数の貫通
孔3内に、吸着性材料を充填して、形成されており、吸
着性領域4の周囲には、光を減衰させる性質を有するア
ルミニウム製の基板2が存在しているので、吸着性領域
4に含まれた蛍光物質が励起されて、蛍光物質から放出
された蛍光105が、隣り合う吸着性領域4に含まれた
蛍光物質が励起されて、放出された蛍光105と混ざり
合うことを確実に防止することができる。
【0351】ローダミンから放出された蛍光105は、
光学ヘッド95に設けられた非球面レンズ97によって
集光され、ミラー96によって、レーザ光84の光路と
同じ側に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー98
に入射する。
【0352】凹面ミラー98に入射した蛍光105は、
凹面ミラー98によって反射されて、穴開きミラー94
に入射する。
【0353】穴開きミラー94に入射した蛍光105
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー94に
よって、図12に示されるように、下方に反射され、フ
ィルタユニット108のフィルタ112bに入射する。
【0354】フィルタ112bは、532nmの波長の
光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過す
る性質を有しているので、励起光である532nmの波
長の光がカットされ、ローダミンから放出された蛍光1
05の波長域の光のみがフィルタ112bを透過して、
フォトマルチプライア110によって、光電的に検出さ
れる。
【0355】フォトマルチプライア110によって光電
的に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変
換器113に出力されて、ディジタル信号に変換され、
データ処理装置114に出力される。
【0356】第2のレーザ励起光源82がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット130は、第2のレーザ励起光源82
に駆動停止信号を出力して、第2のレーザ励起光源82
の駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモー
タ125に、駆動信号を出力して、光学ヘッド95を、
生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4間の
距離に等しいピッチだけ、移動させる。
【0357】リニアエンコーダ127から入力された光
学ヘッド95の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド9
5が、生化学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸
着性領域4間の距離に等しい1ピッチだけ移動されて、
第2のレーザ励起光源82から発せられるレーザ光84
を、生化学解析用ユニット1に形成された第2の吸着性
領域4に照射可能な位置に移動したことが確認される
と、コントロールユニット130は、第2のレーザ励起
光源82に駆動信号を出力して、第2のレーザ励起光源
82をオンさせて、レーザ光84によって、生化学解析
用ユニット1に形成された第2の吸着性領域4に含まれ
ている蛍光物質、たとえば、ローダミンを励起する。
【0358】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光84が、生化学解析用ユニット1に形成された第2の
吸着性領域4に照射され、第2の吸着性領域4から放出
された蛍光105が、フォトマルチプライア110によ
って、光電的に検出されて、アナログデータが生成され
ると、コントロールユニット130は、第2のレーザ励
起光源82にオフ信号を出力して、第2のレーザ励起光
源82をオフさせるとともに、主走査ステッピングモー
タ125に、駆動信号を出力して、光学ヘッド95を、
生化学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸着性領
域4間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0359】こうして、光学ヘッド95の間欠移動に同
期して、第1のレーザ励起光源81のオン・オフが繰り
返され、リニアエンコーダ127から入力された光学ヘ
ッド95の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド95
が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、生化学解
析用ユニット1の第1ライン目のすべての吸着性領域4
を、レーザ光84により、走査したことが確認される
と、コントロールユニット130は、主走査ステッピン
グモータ125に駆動信号を出力して、光学ヘッド95
を元の位置に復帰させるとともに、副走査パルスモータ
121に駆動信号を出力して、移動可能な基板123
を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0360】リニアエンコーダ127から入力された光
学ヘッド95の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド9
5が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板123
が、副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが
確認されると、コントロールユニット130は、生化学
解析用ユニット1に形成された第1ライン目の吸着性領
域4に、順次、第2のレーザ励起光源82から発せられ
るレーザ光84を照射したのと全く同様にして、生化学
解析用ユニット1に形成された第2ライン目の吸着性領
域4に含まれているローダミンを励起し、吸着性領域4
から放出された蛍光105を、順次、フォトマルチプラ
イア110によって、光電的に検出させる。
【0361】フォトマルチプライア110によって光電
的に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D
変換器113によって、ディジタルデータに変換され
て、データ処理装置114に送られる。
【0362】こうして、生化学解析用ユニット1の全面
が、第2のレーザ励起光源82から放出されたレーザ光
84によって走査され、生化学解析用ユニット1に形成
された多数の吸着性領域4に含まれているローダミンが
励起されて、放出された蛍光105が、フォトマルチプ
ライア110によって光電的に検出され、生成されたア
ナログデータが、A/D変換器113によって、ディジ
タルデータに変換されて、データ処理装置114に送ら
れると、コントロールユニット130から、駆動停止信
号が、第2のレーザ励起光源82に出力され、第2のレ
ーザ励起光源82の駆動が停止される。
【0363】以上のようにして、生化学解析用ユニット
1の吸着性領域4に記録された放射線データおよび蛍光
データに基づいて、生化学解析用データが生成される。
【0364】本実施態様によれば、ハイブリダイゼーシ
ョンにあたって、生化学解析用ユニット1は、その一端
部近傍が、生化学解析用ユニットホルダー7のクリップ
9によって把持されるから、生化学解析用ユニット1が
きわめて薄く、それ自体をハンドリングすることが困難
な場合にも、きわめて容易に、生化学解析用ユニット1
の多数の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質
に、生体由来の物質を選択的にハイブリダイズさせるこ
とが可能になる。
【0365】また、本実施態様によれば、ユーザーは、
生化学解析用ユニット1を保持した生化学解析用ユニッ
トホルダー7を、ハイブリダイゼーション装置のエンド
レスベルト12cに取り付けられた反応容器11内に装
填するだけで、自動的に、前処理、プレハイブリダイゼ
ーション、ハイブリダイゼーションおよび洗浄がなさ
れ、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に含
まれている特異的結合物質に、生体由来の物質が選択的
にハイブリダイズされて、反応容器11から、生化学解
析用ユニットホルダー7が取り出されるから、実験者が
異なっても、ハイブリダイゼーションの結果がばらつく
ことがなく、ハイブリダイゼーションの再現性を大幅に
向上させることが可能になるとともに、大幅な省力化を
実現させることが可能になる。
【0366】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニットホルダー7に保持された生化学解析用ユニッ
ト1が、前処理液、ハイブリダイゼーション溶液、ハイ
ブリダイゼーション溶液に、標識物質によって標識され
た生体由来の物質を含むプローブ溶液が添加されて調製
された溶液あるいは洗浄溶液に、完全に浸漬された状態
で、ホルダー駆動部材25によって、鉛直方向に、上下
動されるように構成されているから、前処理液、ハイブ
リダイゼーション溶液、ハイブリダイゼーション溶液
に、標識物質によって標識された生体由来の物質を含む
プローブ溶液が添加されて調製された溶液あるいは洗浄
溶液が、生化学解析用ユニット1に形成されたすべての
吸着性領域4に両面から、均一に接触し、したがって、
生体由来の物質が、吸着性領域4に含まれているハイブ
リダイズすべき特異的結合物質と出会う確率を大幅に向
上させることが可能になるから、ハイブリダイゼーショ
ンの効率を大幅に向上させることができ、ハイブリダイ
ゼーションに要する時間を大幅に短縮することが可能に
なる。
【0367】また、本実施態様によれば、RIセンサ2
0によって、洗浄溶液に含まれている放射性標識物質の
濃度を検出し、洗浄溶液中の放射性標識物質の濃度が、
放射性標識物質基準濃度以下に低下するまで、洗浄溶液
による洗浄を繰り返すように構成されているので、洗浄
の終了時点を、的確に決定することが可能になる。
【0368】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0369】たとえば、前記実施態様においては、ハイ
ブリダイゼーション装置は、生化学解析用ユニットホル
ダー7が、反応容器11内に装填される生化学解析用ユ
ニットホルダー装填部14aと、前処理液注入ピン1
5、ハイブリダイゼーション溶液注入ピン16、プロー
ブ溶液注入ピン17および洗浄溶液注入ピン18ならび
にホルダー駆動部材25を備えた反応部14bと、RI
センサ20、溶液抜き取りピン21およびホルダー取り
出し部材50を備えた溶液抜き取り・ホルダー取り出し
部14cを備えているが、RIセンサ20および溶液抜
き取りピン21を反応部14bに設けるようにしてもよ
い。
【0370】また、前記実施態様においては、ハイブリ
ダイゼーション装置は、生化学解析用ユニットホルダー
7が、反応容器11内に装填される生化学解析用ユニッ
トホルダー装填部14aと、前処理液注入ピン15、ハ
イブリダイゼーション溶液注入ピン16、プローブ溶液
注入ピン17および洗浄溶液注入ピン18ならびにホル
ダー駆動部材25を備えた反応部14bと、RIセンサ
20、溶液抜き取りピン21およびホルダー取り出し部
材50を備えた溶液抜き取り・ホルダー取り出し部14
cを備えているが、ホルダー取り出し部材50を、反応
部14bに位置する反応容器11上から、退避可能に構
成すれば、RIセンサ20、溶液抜き取りピン21およ
びホルダー取り出し部材50を反応部14bに設け、溶
液抜き取り・ホルダー取り出し部14cを省略すること
もできる。
【0371】さらに、前記実施態様においては、ハイブ
リダイゼーション装置は、生化学解析用ユニットホルダ
ー7が、反応容器11内に装填される生化学解析用ユニ
ットホルダー装填部14aと、前処理液注入ピン15、
ハイブリダイゼーション溶液注入ピン16、プローブ溶
液注入ピン17および洗浄溶液注入ピン18ならびにホ
ルダー駆動部材25を備えた反応部14bと、RIセン
サ20、溶液抜き取りピン21およびホルダー取り出し
部材50を備えた溶液抜き取り・ホルダー取り出し部1
4cを備えているが、ホルダー駆動部材25を、反応部
14bに位置する反応容器11上から、退避可能に構成
すれば、生化学解析用ユニットホルダー装填部14aを
省略して、反応部14bに位置する反応容器11内に、
生化学解析用ユニットホルダー7を装填するように構成
することもできる。
【0372】また、前記実施態様においては、溶液抜き
取り・ホルダー取り出し部14cが、溶液抜き取りピン
21およびホルダー取り出し部材50を備え、生化学解
析用ユニットホルダー7が、ホルダー取り出し部材50
によって、反応容器11内から、自動的に取り出される
ように構成されているが、実験者が、ロッド8を把持し
て、手動で、生化学解析用ユニットホルダー7を、反応
容器11内から取り出すようにして、ホルダー取り出し
部材50を省略することもできる。
【0373】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニットホルダー7は、断面が略円形のロッド8を
備えているが、生化学解析用ユニットホルダー7のロッ
ド8が略円形断面を有していることは必ずしも必要でな
く、矩形断面など、他の断面形状を有するロッド8を使
用することもでき、また、反応容器11の上端部に、一
対の位置決め用凹部11bを形成することも必ずしも必
要でない。
【0374】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニットホルダー7は、断面が略円形のロッド8
を備え、ホルダー駆動部材25の一対の把持部材27、
27が、生化学解析用ユニットホルダー7のロッド8を
把持し、上下動するように構成されているが、生化学解
析用ユニットホルダー7のクリップ9を、その長さが、
反応容器11よりも長くなるように、構成すれば、ホル
ダー駆動部材25の一対の把持部材27、27が、生化
学解析用ユニットホルダー7のクリップ9を把持し、上
下動するように構成して、ロッド8を省略することもで
きる。
【0375】また、前記実施態様においては、ホルダー
駆動部材25の一対の把持部材27、27は、互いに近
接し、離間するように、揺動可能に構成されているが、
一方の把持部材27を静止状態に保持し、他方の把持部
材27のみが、揺動可能に構成することもできる。
【0376】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニットホルダー7の幅は、反応容器11の開口
部11aの幅よりも狭く、したがって、生化学解析用ユ
ニットホルダー7のロッド8が、開口部11aの周囲の
反応容器11の上端面によって支持された状態で、開口
部11aを介して、反応容器11内に、溶液を注入する
ことができるように構成されているが、生化学解析用ユ
ニットホルダー7が、反応容器11の開口部11aより
も狭い幅を有していることは必ずしも必要ではなく、生
化学解析用ユニットホルダー7を、反応容器11の開口
部11aよりも大きな幅を有するように形成し、ホルダ
ー駆動部材25によって、生化学解析用ユニットホルダ
ー7を持ち上げた状態で、開口部11aを介して、反応
容器11内に、溶液を注入するようにしてもよい。
【0377】また、前記実施態様においては、ハイブリ
ダイゼーション装置は、前処理液注入ピン15を備えて
いるが、前処理を終えた生化学解析用ユニット1を、ハ
イブリダイゼーション装置にセットするようにすれば、
前処理液注入ピン15を省略することもできる。
【0378】さらに、前記実施態様においては、RIセ
ンサ20は、反応容器11内の検出位置に移動可能で、
反応容器11内に収容されている洗浄溶液中の放射性標
識物質の濃度を検出するように構成されているが、溶液
抜き取りピン21から洗浄溶液回収タンクに至る洗浄溶
液の流路に、RIセンサ20を設け、溶液抜き取りピン
21によって、反応容器11内から抜き取られた洗浄溶
液中の放射性標識物質の濃度を検出するようにしてもよ
い。この場合に、2以上の洗浄溶液回収タンクを設け、
RIセンサ20によって検出された洗浄溶液中の放射性
標識物質の濃度に応じて、洗浄溶液を異なる洗浄溶液回
収タンクに回収するようにすることもできる。
【0379】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1は、の基板2には、約10000の約
0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸
着性領域4が、約5000個/平方センチメートルの密
度で、規則的なパターンにしたがって、形成されている
が、吸着性領域4を略円形に形成することは必ずしも必
要でなく、矩形状など、任意の形状に形成することがで
きる。
【0380】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1の基板2には、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸着性
領域4が、約5000個/平方センチメートルの密度
で、規則的なパターンにしたがって、形成されている
が、吸着性領域4の数およびサイズは、目的に応じて、
任意に選択をすることができ、好ましくは、10以上の
5平方ミリメートル未満のサイズを有する吸着性領域4
が、10個/平方センチメートル以上の密度で、基板2
に形成される。
【0381】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の基板2には、約10000の約0.0
1平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸着性領
域4が、約5000個/平方センチメートルの密度で、
規則的なパターンにしたがって、形成されているが、吸
着性領域4を、規則的なパターンにしたがって、形成す
ることは必ずしも必要でない。
【0382】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1は、アルミニウム製の基板2に形成さ
れた多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が充填され
て、形成された多数の吸着性領域4を備えているが、生
化学解析用ユニット1の吸着性領域4が、ナイロン6に
よって形成されていることは必ずしも必要でなく、ナイ
ロン6以外のメンブレンフィルタが形成可能な多孔質材
料、たとえば、ナイロン6,6、ナイロン4,10など
のナイロン類;ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪
酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;コラーゲ
ン;アルギン酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/
ポリリシンポリイオンコンプレックスなどのアルギン酸
類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ
化ビニリデン、ポリテトラフルオライドなどのポリフル
オライドや、これらの共重合体または複合体、あるい
は、活性炭などの多孔質炭素材料によって、生化学解析
用ユニット1の吸着性領域4を形成することもでき、さ
らには、白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムな
どの金属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトな
どの金属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウ
ムなどの金属塩やこれらの複合体などの無機多孔質材料
あるいは複数の繊維の束によって、生化学解析用ユニッ
ト1の吸着性領域4を形成するようにしてもよい。
【0383】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1は、アルミニウム製の基板2を備えてい
るが、生化学解析用ユニット1の基板2を、アルミニウ
ムによって形成することは必ずしも必要でなく、他の材
料によって、基板2を形成することもできる。生化学解
析用ユニット1の基板2は、放射線および/または光を
減衰させる性質を有する材料によって形成されることが
好ましいが、その材料はとくに限定されるものではな
く、無機化合物材料、有機化合物材料のいずれによっ
て、生化学解析用ユニット1の基板2を形成することも
でき、金属材料、セラミック材料またはプラスチック材
料が、とくに好ましく使用される。生化学解析用ユニッ
ト1の基板2を形成するために好ましく使用することが
できる無機化合物材料としては、たとえば、金、銀、
銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、
鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;
真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリコン、アモル
ファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ
素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;タングステン
カーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロ
キシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げるこ
とができる。これらは、単結晶、アモルファス、セラミ
ックのような多結晶焼結体にいずれの構造を有していて
もよい。また、生化学解析用ユニット1の基板2を形成
するために好ましく使用することができる有機化合物材
料としては、高分子化合物が好ましく用いられ、好まし
い高分子化合物としては、たとえば、ポリエチレンやポ
リプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタク
リレート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート
共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;
ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニ
リデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロトリ
フルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレンナ
フタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエ
ステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,1
0などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフ
ェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロキサンなど
のケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹脂;エポ
キシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−
スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロース、ニト
ロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースなどの多糖類;キチン;
キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンな
どのポリアミドおよびこれら高分子化合物の共重合体な
どを挙げることができる。これらは、複合材料でもよ
く、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラス繊維などを
充填することもでき、また、有機化合物材料をブレンド
して、使用することもできる。
【0384】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、アルミニウ
ム製の基板2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナ
イロン6が充填されて、形成されているが、吸着性材料
を含む吸着性膜を、基板2に形成された多数の貫通孔3
内に圧入して、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性
領域4を形成することもできる。
【0385】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、アルミニウム
製の基板2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナイ
ロン6が充填されて、形成されているが、吸着性材料に
よって形成された吸着性基板の一方の表面に、多数の貫
通孔が形成された多孔板を密着させて、互いに離間した
吸着性領域を形成することもできる。
【0386】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1は、基板2に、互いに離間して形成さ
れた多数の吸着性領域4を備えているが、生化学解析用
ユニット1が、基板2に、互いに離間して形成された多
数の吸着性領域4を備えていることは必ずしも必要でな
く、吸着性材料によって、生化学解析用ユニット1の基
板2を形成し、基板2上に、特異的結合物質を含む溶液
を滴下して、生化学解析用ユニット1に、互いに離間し
たスポット状の吸着性領域を形成することもできる。
【0387】また、前記実施態様においては、複数のc
DNAが用いられているが、本発明において使用可能な
特異的結合物質はcDNAに限定されるものではなく、
細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的
に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成など
が既知の特異的結合物質はすべて、本発明の特異的結合
物質として使用することができる。
【0388】さらに、前記実施態様においては、放射性
標識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光
色素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質
を含むハイブリダイゼーション溶液が調製され、吸着性
領域4に滴下された特異的結合物質にハイブリダイズさ
せているが、生体由来の物質が、放射性標識物質および
蛍光色素などの蛍光物質によって標識されていることは
必ずしも必要がなく、放射性標識物質、蛍光物質および
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質の少なくとも1種の標識物質により標識
されていればよい。
【0389】
【発明の効果】本発明によれば、効率よく、特異的結合
物質と生体由来の物質をハイブリダイズさせることがで
き、しかも、再現性よく、定量性に優れた生化学解析用
データを生成することを可能にするハイブリダイゼーシ
ョン方法および装置ならびにそれに用いる生化学解析用
ユニットホルダーを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用ユニットの略斜視図である。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用ユニットホルダーの略斜視図である。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施態様にかかるハ
イブリダイゼーション装置を構成する反応容器内に、生
化学解析用ユニットホルダーがセットされた状態を示す
略縦断面図である。
【図5】図5は、本発明の好ましい実施態様にかかるハ
イブリダイゼーション装置を構成する反応容器内に、生
化学解析用ユニットホルダーがセットされた状態を示す
略斜視図である。
【図6】図6は、本発明の好ましい実施態様にかかるハ
イブリダイゼーション装置の略略側面図である。
【図7】図7は、ホルダー駆動部材の略斜視図である。
【図8】図8は、本発明の好ましい実施態様にかかるハ
イブリダイゼーション装置の制御系、検出系、駆動系お
よび入力系のブロックダイアグラムである。
【図9】図9は、蓄積性蛍光体シートの略斜視図であ
る。
【図10】図10は、生化学解析用ユニットに形成され
た多数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シートに形成された多数のドット状の
輝尽性蛍光体層領域を露光する方法を示す略断面図であ
る。
【図11】図11は、蓄積性蛍光体シートに記録された
放射線データを読み取って、生化学解析用データを生成
するとともに、生化学解析用ユニットに記録された蛍光
データを読み取って、生化学解析用データを生成するス
キャナの略斜視図である。
【図12】図12は、図11に示されたスキャナのフォ
トマルチプライア近傍の詳細を示す略斜視図である。
【図13】図13は、図12のA−A線に沿った略断面
図である。
【図14】図14は、図12のB−B線に沿った略断面
図である。
【図15】図15は、図12のC−C線に沿った略断面
図である。
【図16】図16は、図12のD−D線に沿った略断面
図である。
【図17】図17は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【図18】図18は、図11に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 基板 3 貫通孔 4 吸着性領域 5 インジェクタ 6 CCDカメラ 7 生化学解析用ユニットホルダー 8 ロッド 9 クリップ 9a クリップの軸 10 支持部材 11 反応容器 11a 反応容器の開口部 11b 凹部 12a、12b プーリ 12c エンドレスベルト 13 取り付け部材 14a 生化学解析用ユニットホルダー装填部 14b 反応部 14c 溶液抜き取り・ホルダー取り出し部 15 前処理液注入ピン 16 ハイブリダイゼーション溶液注入ピン 17 プローブ溶液注入ピン 18 洗浄溶液注入ピン 19 溶液ピンヘッド 20 RIセンサ 21 溶液抜き取りピン 25 ホルダー駆動部材 26 ホルダー駆動部材のロッド 27 ホルダー駆動部材の把持部材 30 コントロールユニット 31 エンドレスベルトモータ 32 溶液ピンヘッドモータ 33 第1の注入ピンモータ 34 第2の注入ピンモータ 35 第3の注入ピンモータ 36 第4の注入ピンモータ 37 RIセンサモータ 38 溶液抜き取りピンモータ 39 前処理液ポンプ 40 ハイブリダイゼーション溶液ポンプ 41 プローブ溶液ポンプ 42 洗浄溶液ポンプ 43 溶液抜き取りポンプ 45 バルブ開閉機構 46 ホルダー駆動部材モータ 47 第1の把持部材モータ 48 ホルダー取り出し部材モータ 49 第2の把持部材モータ 50 ホルダー取り出し部材 51 ホルダー取り出し部材の把持部材 60 キーボード 70 蓄積性蛍光体シート 71 支持体 72 輝尽性蛍光体層領域 73 貫通孔 81 第1のレーザ励起光源 82 第2のレーザ励起光源 83 第3のレーザ励起光源 84 レーザ光 85 コリメータレンズ 86 ミラー 87 第1のダイクロイックミラー 88 第2のダイクロイックミラー 89 ミラー 90 コリメータレンズ 91 コリメータレンズ 92 ミラー 93 穴開きミラーの穴 94 穴開きミラー 95 光学ヘッド 96 ミラー 97 非球面レンズ 98 凹面ミラー 100 ステージ 101 ガラス板 105 蛍光あるいは輝尽光 108 フィルタユニット 110 フォトマルチプライア 111a、111b、111c、111d フィルタ部
材 112a、112b、112c、112d フィルタ 113 A/D変換器 114 データ処理装置 120 基板 121 副走査パルスモータ 122 一対のレール 123 移動可能な基板 124 ロッド 125 主走査ステッピングモータ 126 エンドレスベルト 127 リニアエンコーダ 128 リニアエンコーダのスリット 130 コントロールユニット 131 キーボード 132 フィルタユニットモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 15/09 C12N 15/00 A

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造または特性が既知の特異的結合物質
    を含む複数の吸着性領域が、互いに離間して形成された
    生化学解析用ユニットの一端部近傍を、生化学解析用ユ
    ニットホルダーに設けられた挟持部材によって挟持し、
    前記生化学解析用ユニットホルダーの前記挟持部材によ
    って挟持された前記生化学解析用ユニットを、反応容器
    内に、前記生化学解析用ユニットが吊り下げられるよう
    に、セットし、ハイブリダイゼーション溶液を、前記反
    応容器内に注入し、駆動手段によって、上下に駆動可能
    に構成された把持部材によって、前記生化学解析用ユニ
    ットホルダーを把持し、前記駆動手段によって、前記把
    持部材を上下に駆動し、標識物質によって標識された生
    体由来の物質を含むプローブ溶液を、前記反応容器内に
    注入して、前記駆動手段によって、前記把持部材を上下
    に駆動し、前記反応容器内から、ハイブリダイゼーショ
    ン溶液およびプローブ溶液を抜き取り、洗浄溶液を、前
    記反応容器内に注入して、前記駆動手段によって、前記
    把持部材を上下に駆動し、前記反応容器内から、洗浄溶
    液を抜き取り、前記生化学解析用ユニットを挟持してい
    る前記生化学解析用ユニットホルダーを、前記反応容器
    から取り出すことを特徴とするハイブリダイゼーション
    方法。
  2. 【請求項2】 上下に移動可能に構成された取り出し部
    材によって、前記生化学解析用ユニットホルダーを把持
    し、前記生化学解析用ユニットを挟持している前記生化
    学解析用ユニットホルダーを、前記反応容器から取り出
    すことを特徴とする請求項1に記載のハイブリダイゼー
    ション方法。
  3. 【請求項3】 前記反応容器の上端部に形成された開口
    部を介して、前記生化学解析用ユニットホルダーの前記
    挟持部材によって挟持された前記生化学解析用ユニット
    を、前記反応容器内に挿入し、前記反応容器の上端部に
    よって、前記生化学解析用ユニットが支持されるよう
    に、前記生化学解析用ユニットを、前記反応容器内にセ
    ットすることを特徴とする請求項1または2に記載のハ
    イブリダイゼーション方法。
  4. 【請求項4】 ハイブリダイゼーション溶液を、前記反
    応容器内に注入するのに先立って、前処理液を、前記反
    応容器内に注入し、把持部材によって、前記生化学解析
    用ユニットホルダーを把持し、前記駆動手段によって、
    前記把持部材を上下に駆動することを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれか1項に記載のハイブリダイゼーシ
    ョン方法。
  5. 【請求項5】 上端部に開口部が形成され、前記開口部
    を介して、構造または特性が既知の特異的結合物質を含
    む複数の吸着性領域が、互いに離間して形成され、生化
    学解析用ユニットホルダーに設けられた挟持部材によっ
    て、その一端部近傍が挟持された生化学解析用ユニット
    ホルダーを装填可能な反応容器と、前記反応容器内に、
    ハイブリダイゼーション溶液を注入可能なハイブリダイ
    ゼーション溶液注入ピンと、前記反応容器内に、標識物
    質によって標識された生体由来の物質を含むプローブ溶
    液を注入可能なプローブ溶液注入ピンと、前記反応容器
    内に、洗浄溶液を注入可能な洗浄溶液注入ピンと、前記
    反応容器内に収容された溶液を抜き取る溶液抜き取りピ
    ンと、前記生化学解析用ユニットホルダーを把持可能な
    把持部材と、前記把持部材を、上下動させる駆動手段を
    備えたことを特徴とするハイブリダイゼーション装置。
  6. 【請求項6】 さらに、前記反応容器内に、前処理液を
    注入可能な前処理液注入ピンを備えたことを特徴とする
    請求項5に記載のハイブリダイゼーション装置。
  7. 【請求項7】 さらに、前記生化学解析用ユニットホル
    ダーを把持可能で、上下方向に移動可能な生化学解析用
    ユニットホルダー取り出し部材を備えたことを特徴とす
    る請求項5または6に記載のハイブリダイゼーション装
    置。
  8. 【請求項8】 さらに、前記反応容器内に含まれている
    放射性標識物質の濃度を検出する放射線センサを備えた
    ことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記
    載のハイブリダイゼーション装置。
  9. 【請求項9】 前記生化学解析用ユニットホルダーを、
    前記反応容器内に装填可能な生化学解析用ユニットホル
    ダー装填部と、前記ハイブリダイゼーション溶液注入ピ
    ン、前記プローブ溶液注入ピン、前記洗浄溶液注入ピン
    および前記把持部材を備えた反応部と、前記溶液抜き取
    りピンを備えた溶液抜き取り部を備え、前記反応容器
    が、前記生化学解析用ユニットホルダー装填部、前記反
    応部および前記溶液抜き取り部の間を移動可能に構成さ
    れたことを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項
    に記載のハイブリダイゼーション装置。
  10. 【請求項10】 前記反応部が、さらに、前記反応容器
    内に、前処理液を注入可能な前処理液注入ピンを備えた
    ことを特徴とする請求項9に記載のハイブリダイゼーシ
    ョン装置。
  11. 【請求項11】 前記溶液抜き取り部が、さらに、前記
    生化学解析用ユニットホルダーを把持可能で、上下方向
    に移動可能な生化学解析用ユニットホルダー取り出し部
    材を備えたことを特徴とする請求項9または10に記載
    のハイブリダイゼーション装置。
  12. 【請求項12】 前記溶液抜き取り部が、前記反応容器
    に含まれている放射性標識物質の濃度を検出する放射線
    センサを備えたことを特徴とする請求項9ないし11の
    いずれか1項に記載のハイブリダイゼーション装置。
  13. 【請求項13】 前記反応容器が、搬送ベルトによっ
    て、前記生化学解析用ユニットホルダー装填部、前記反
    応部および前記溶液抜き取り部の間を移動可能に構成さ
    れたことを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1
    項に記載のハイブリダイゼーション装置。
  14. 【請求項14】 前記生化学解析用ユニットホルダー
    を、前記反応容器内に装填可能な生化学解析用ユニット
    ホルダー装填部と、前記ハイブリダイゼーション溶液注
    入ピン、前記プローブ溶液注入ピン、前記洗浄溶液注入
    ピン、前記把持部材および前記溶液抜き取りピンを備え
    た反応部と、前記生化学解析用ユニットホルダーを、前
    記反応容器から取り出す生化学解析用ユニットホルダー
    取り出し部を備え、前記反応容器が、前記生化学解析用
    ユニットホルダー装填部、前記反応部および前記生化学
    解析用ユニットホルダー取り出し部の間を移動可能に構
    成されたことを特徴とする請求項5ないし8のいずれか
    1項に記載のハイブリダイゼーション装置。
  15. 【請求項15】 前記生化学解析用ユニットホルダー取
    り出し部が、前記生化学解析用ユニットホルダーを把持
    可能で、上下方向に移動可能な生化学解析用ユニットホ
    ルダー取り出し部材を備えたことを特徴とする請求項1
    4に記載のハイブリダイゼーション装置。
  16. 【請求項16】 前記反応部が、さらに、前記反応容器
    内に、前処理液を注入可能な前処理液注入ピンを備えた
    ことを特徴とする請求項14または15に記載のハイブ
    リダイゼーション装置。
  17. 【請求項17】 前記反応部が、さらに、前記反応容器
    に含まれている放射性標識物質の濃度を検出する放射線
    センサを備えたことを特徴とする請求項14ないし16
    のいずれか1項に記載のハイブリダイゼーション装置。
  18. 【請求項18】 前記反応容器が、搬送ベルトによっ
    て、前記生化学解析用ユニットホルダー装填部、前記反
    応部および前記生化学解析用ユニットホルダー取り出し
    部の間を移動可能に構成されたことを特徴とする請求項
    14ないし17のいずれか1項に記載のハイブリダイゼ
    ーション装置。
  19. 【請求項19】 前記反応容器の前記開口部が、その長
    手方向の幅が、前記生化学解析用ユニットホルダーの長
    さよりも短くなるように形成されたことを特徴とする請
    求項5ないし18のいずれか1項に記載のハイブリダイ
    ゼーション装置。
  20. 【請求項20】 前記反応容器の前記開口部が、その幅
    が、前記生化学解析用ユニットホルダーの幅よりも大き
    くなるように形成されたことを特徴とする請求項5ない
    し19のいずれか1項に記載のハイブリダイゼーション
    装置。
  21. 【請求項21】 構造または特性が既知の特異的結合物
    質を含む複数の吸着性領域が、互いに離間して形成され
    た生化学解析用ユニットの一端部近傍を挟持可能な挟持
    部材を備えたことを特徴とする生化学解析用ユニットホ
    ルダー。
  22. 【請求項22】 さらに、保持可能な保持部材を備え、
    前記挟持部材が、前記保持部材に取り付けられたことを
    特徴とする請求項21に記載の生化学解析用ユニットホ
    ルダー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009225714A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Hokkaido Univ ハイブリダイゼーション器具、ハイブリダイゼーション装置、およびハイブリダイゼーション促進方法

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