JP2003227829A - リセプター・リガンド会合反応方法およびそれに用いるリアクタ - Google Patents

リセプター・リガンド会合反応方法およびそれに用いるリアクタ

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JP2003227829A
JP2003227829A JP2002025216A JP2002025216A JP2003227829A JP 2003227829 A JP2003227829 A JP 2003227829A JP 2002025216 A JP2002025216 A JP 2002025216A JP 2002025216 A JP2002025216 A JP 2002025216A JP 2003227829 A JP2003227829 A JP 2003227829A
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Hitoshi Shimizu
清水  仁
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生化学解析用ユニットに固定されたリガンド
あるいはリセプターに、効率的に、リセプターあるいは
リガンドを会合反応させることができ、しかも、再現性
よく、定量性に優れた生化学解析用データを生成するこ
とを可能にするリセプター・リガンド会合反応方法を提
供する。 【解決手段】 両表面が磁性を有し、リセプターまたは
リガンドを含む複数の吸着性領域4が、互いに離間して
形成された生化学解析用ユニット1を、反応容器13内
に保持し、標識物質によって標識されたリガンドまたは
リセプターを含む反応溶液を、反応容器内に収容し、反
応容器内に保持された生化学解析用ユニットの両側に、
交互に、磁界を発生させて、反応溶液を、生化学解析用
ユニットに形成された複数の吸着性領域を横切るよう
に、強制的に流動させ、生化学解析用ユニットの複数の
吸着性領域に含まれたリセプターまたはリガンドに、反
応溶液に含まれたリガンドまたはリセプターを、選択的
に、会合させることを特徴とするリセプター・リガンド
会合反応方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リセプター・リガ
ンド会合反応方法およびそれに用いるリアクタに関する
ものであり、さらに詳細には、生化学解析用ユニットに
固定されたリガンドあるいはリセプターに、効率的に、
リセプターあるいはリガンドを会合反応させることがで
き、しかも、再現性よく、定量性に優れた生化学解析用
データを生成することを可能にするリセプター・リガン
ド会合反応方法およびそれに用いるリアクタに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するオートラジオグラフィ解析システムは、写
真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化
学的処理が不必要であるだけでなく、得られたディジタ
ルデータにデータ処理を施すことにより、所望のよう
に、解析用データを再生し、あるいは、コンピュータに
よる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0005】また、同様に、蛋白質や核酸などの特異的
結合物質をメンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニ
ットに固定し、化学発光基質と接触させることによって
化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体
由来の物質を、特異的結合物質に特異的に結合させて、
選択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された
特異的結合物質と生体由来の物質の結合体と化学発光基
質とを接触させて、化学発光基質と標識物質との接触に
よって生ずる可視光波長域の化学発光を、光電的に検出
して、ディジタル信号を生成し、画像処理を施して、C
RTなどの表示手段あるいは写真フィルムなどの記録材
料上に、化学発光画像を表示して、遺伝子情報などの生
体由来の物質に関する情報を得るようにした化学発光解
析システムも知られている。
【0006】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細胞、
ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗
原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDN
A、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結
合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既
知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下
して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによっ
て、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処
理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であ
って、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識され
た物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特異
的結合物質に、特異的に結合させたマイクロアレイに、
励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から
発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来
の物質を解析するマイクロアレイ解析システムが開発さ
れている。このマイクロアレイ解析システムによれば、
スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポット
を高密度に形成して、標識物質によって標識された生体
由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時
間に、生体由来の物質を解析することが可能になるとい
う利点がある。
【0007】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッ
ター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポット
を形成し、次いで、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽
出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、
さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生
体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識さ
れた物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特
異的結合物質に、特異的に結合させたマクロアレイを、
輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性
蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、
しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性
蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生
化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解析する
放射性標識物質を用いたマクロアレイ解析システムも開
発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】マイクロアレイ解析シ
ステムやマクロアレイ解析システムにおいては、メンブ
レンフィルタなどの生化学解析用ユニットの表面の異な
る位置に、特異的結合物質を含む溶液を滴下して、多数
のスポット状領域を形成し、放射性標識物質、蛍光物
質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質などによって標識された生体由来の
物質を、スポット状領域に含まれている特異的結合物質
にハイブリダイズさせて、特異的結合物質を選択的に標
識し、多数のスポット状領域に選択的に含まれている放
射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍
光体層を露光し、露光された輝尽性蛍光体層を、励起光
によって走査して、輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽
性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光
を光電的に検出して、生化学解析用データを生成し、あ
るいは、多数のスポット状領域を、励起光によって走査
して、多数のスポット状領域に選択的に含まれている蛍
光物質を励起し、蛍光物質から放出された蛍光を光電的
に検出して、生化学解析用データを生成し、あるいは、
多数のスポット状領域に選択的に含まれている標識物質
を化学発光基質と接触させ、標識物質から放出される化
学発光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成
することが要求されている。
【0009】特異的結合物質と生体由来の物質をハイブ
リダイズさせる場合、従来は、実験者が、手作業で、特
異的結合物質を含む多数のスポット状領域が形成された
メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットを、ハ
イブリダイゼーションバッグ内に入れ、ハイブリダイゼ
ーションバッグ内に、放射性標識物質、蛍光物質、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質などによって標識された生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション溶液を加え、ハイブリダイゼ
ーションバッグに振動を加えて、生体由来の物質を、対
流あるいは拡散によって移動させて、特異的結合物質と
生体由来の物質をハイブリダイズさせ、生化学解析用ユ
ニットをハイブリダイゼーションバッグから取り出し
て、洗浄溶液が満たされた容器内に入れ、洗浄するのが
一般であった。
【0010】しかしながら、実験者が、手作業で、生化
学解析用ユニットを、ハイブリダイゼーションバッグ内
に入れて、ハイブリダイゼーション溶液を加え、ハイブ
リダイゼーションバッグに振動を加えて、特異的結合物
質と生体由来の物質をハイブリダイズさせる場合には、
ハイブリダイゼーション溶液を、特異的結合物質を含む
多数のスポット状領域に、均一に接触させることは困難
であり、したがって、効率的に、特異的結合物質と生体
由来の物質をハイブリダイズさせることができないとい
う問題があった。
【0011】さらに、実験者が、手作業で、生化学解析
用ユニットを、ハイブリダイゼーションバッグ内に入れ
て、ハイブリダイゼーション溶液を加え、ハイブリダイ
ゼーションバッグに振動を加えて、特異的結合物質と生
体由来の物質をハイブリダイズさせ、生化学解析用ユニ
ットをハイブリダイゼーションバッグから取り出して、
洗浄溶液が満たされた容器内に入れ、洗浄する場合に
は、実験者によって、ハイブリダイゼーションの結果が
ばらつき、再現性が低下することは避けられず、また、
同じ実験者であっても、再現性が低下するおそれがある
という問題があった。
【0012】メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユ
ニットに、抗原あるいは抗体を固定し、抗原抗体反応に
よって、固定された抗原あるいは抗体に、抗体あるいは
抗原を結合させる場合のように、リガンドとリセプター
を会合反応させる場合には、同様の問題があり、さら
に、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットに
固定されたターゲットDNAに、ジゴキシゲニンなどの
ハプテンによって標識されたプローブDNAをハイブリ
ダイズさせ、さらに、化学発光基質と接触させることに
よって化学発光を生じさせる酵素によって標識されたジ
ゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体や、蛍光基質
と接触することによって、蛍光物質を生じさせる性質を
有する酵素によって標識されたジゴキシゲニンなどのハ
プテンに対する抗体を、抗原抗体反応によって、プロー
ブDNAを標識しているハプテンに結合させて、ターゲ
ットDNAを標識する場合にも、同様の問題があった。
【0013】したがって、本発明は、生化学解析用ユニ
ットに固定されたリガンドあるいはリセプターに、効率
的に、リセプターあるいはリガンドを会合反応させるこ
とができ、しかも、再現性よく、定量性に優れた生化学
解析用データを生成することを可能にするリセプター・
リガンド会合反応方法およびそれに用いるリアクタを提
供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
両表面が磁性を有し、リセプターまたはリガンドを含む
複数の吸着性領域が、互いに離間して形成された生化学
解析用ユニットを、反応容器内に保持し、標識物質によ
って標識されたリガンドまたはリセプターを含む反応溶
液を、前記反応容器内に収容し、前記反応容器内に保持
された前記生化学解析用ユニットの両側に、交互に、磁
界を発生させて、前記反応溶液を、前記生化学解析用ユ
ニットに形成された前記複数の吸着性領域を横切るよう
に、強制的に流動させ、前記生化学解析用ユニットの前
記複数の吸着性領域に含まれたリセプターまたはリガン
ドに、前記反応溶液に含まれたリガンドまたはリセプタ
ーを、選択的に、会合させることを特徴とするリセプタ
ー・リガンド会合反応方法によって達成される。
【0015】本発明において、リセプター・リガンド会
合反応は、ハイブリダイゼーション反応、抗原抗体反応
を含んでいる。
【0016】本発明によれば、両表面が磁性を有し、リ
セプターまたはリガンドを含む複数の吸着性領域が、互
いに離間して形成された生化学解析用ユニットを、反応
容器内に保持し、標識物質によって標識されたリガンド
またはリセプターを含む反応溶液を、反応容器内に収容
し、反応容器内に保持された生化学解析用ユニットの両
側に、交互に、磁界を発生させて、反応溶液を、生化学
解析用ユニットに形成された複数の吸着性領域を横切る
ように、強制的に流動させ、生化学解析用ユニットの複
数の吸着性領域に含まれたリセプターまたはリガンド
に、反応溶液に含まれたリガンドまたはリセプターを、
選択的に、会合させるように構成されているから、反応
容器の生化学解析用ユニット保持部に、リセプターまた
はリガンドを含む複数の吸着性領域が、互いに離間して
形成された生化学解析用ユニットをセットし、標識物質
によって標識されたリガンドまたはリセプターを含む反
応溶液を、反応容器内に収容した後に、反応容器内に保
持された生化学解析用ユニットの両側に、交互に、磁界
を発生させて、両表面が磁性を有する生化学解析用ユニ
ットを、磁力によって変形させ、生化学解析用ユニット
保持部に保持された生化学解析用ユニットの複数の吸着
性領域を横切るように、標識物質によって標識されたリ
ガンドまたはリセプターを含む反応溶液を強制的に流動
させることによって、生化学解析用ユニットの吸着性領
域内におけるリガンドまたはリセプターの移動速度を大
幅に増大させることができ、したがって、生化学解析用
ユニットの吸着性領域に含まれているリセプターまたは
リガンドと、反応溶液に含まれているリガンドまたはリ
セプターとの会合反応速度を大幅に増大させることが可
能になるとともに、反応溶液に含まれているリガンドま
たはリセプターが、生化学解析用ユニットの吸着性領域
の深い部分に含まれているリセプターまたはリガンドに
出会う確率を大幅に増大させることができ、したがっ
て、所望のように、反応溶液に含まれているリガンドま
たはリセプターを、生化学解析用ユニットの吸着性領域
に含まれているリセプターまたはリガンドに会合反応さ
せることが可能になる。
【0017】また、本発明によれば、反応容器内に保持
された生化学解析用ユニットの両側に、交互に、磁界を
発生させて、両表面が磁性を有する生化学解析用ユニッ
トを、磁力によって変形させ、生化学解析用ユニット保
持部に保持された生化学解析用ユニットの複数の吸着性
領域を横切るように、標識物質によって標識されたリガ
ンドまたはリセプターを含む反応溶液を強制的に流動さ
せて、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含ま
れたリセプターまたはリガンドに、反応溶液に含まれた
リガンドまたはリセプターを、選択的に、会合させてい
るから、リセプター・リガンド会合反応の再現性を向上
させることが可能になる。
【0018】さらに、ポンプなどを用いて、反応溶液
を、溶液循環管路を介して、反応容器内に循環させて、
生化学解析用ユニットに形成された複数の吸着性領域を
横切って、流動させる場合には、反応容器および溶液循
環管路内を、反応溶液によって満たすことが必要にな
り、反応成分の濃度が高い反応溶液を用いることが困難
であるが、本発明によれば、単に、反応容器内に保持さ
れた生化学解析用ユニットの両側に、交互に、磁界を発
生させて、両表面が磁性を有する生化学解析用ユニット
を、磁力によって変形させるだけで、生化学解析用ユニ
ット保持部に保持された生化学解析用ユニットの複数の
吸着性領域を横切るように、標識物質によって標識され
たリガンドまたはリセプターを含む反応溶液を強制的に
流動させることが可能になるから、容積の小さい反応容
器内を、反応成分の濃度が高い反応溶液によって、満た
して、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含ま
れているリセプターまたはリガンドに、反応溶液に含ま
れているリガンドまたはリセプターを会合反応させるこ
とができ、したがって、リセプター・リガンド会合反応
の反応速度を大幅に増大させることが可能になる。
【0019】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットが、磁性を有する材料によって
形成された基板を備え、前記複数の吸着性領域が、前記
基板に、互いに離間して形成された孔内に、吸着性材料
を充填して形成されている。
【0020】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、磁性を有する材料に
よって、両表面が被覆された基板を備え、前記複数の吸
着性領域が、前記基板に、互いに離間して形成された孔
内に、吸着性材料を充填して形成されている。
【0021】本発明の好ましい実施態様においては、前
記反応容器内に保持された前記生化学解析用ユニットの
それぞれの側に、少なくとも1つの電磁石を設け、前記
生化学解析用ユニットのそれぞれの側に設けられた前記
少なくとも1つの電磁石に、交互に通電して、磁界を生
成し、前記反応溶液を、前記生化学解析用ユニットに形
成された前記複数の吸着性領域を横切るように、強制的
に流動させ、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸
着性領域に含まれたリセプターまたはリガンドに、前記
反応溶液に含まれたリガンドまたはリセプターを、選択
的に、会合させるように構成されている。
【0022】本発明の好ましい実施態様によれば、反応
容器内に保持された生化学解析用ユニットのそれぞれの
側に、少なくとも1つの電磁石を設け、生化学解析用ユ
ニットのそれぞれの側に設けられた少なくとも1つの電
磁石に、交互に通電して、磁界を生成し、反応溶液を、
生化学解析用ユニットに形成された複数の吸着性領域を
横切るように、強制的に流動させ、生化学解析用ユニッ
トの複数の吸着性領域に含まれたリセプターまたはリガ
ンドに、反応溶液に含まれたリガンドまたはリセプター
を、選択的に、会合させるように構成されているから、
反応容器の生化学解析用ユニット保持部に、リセプター
またはリガンドを含む複数の吸着性領域が、互いに離間
して形成された生化学解析用ユニットをセットし、標識
物質によって標識されたリガンドまたはリセプターを含
む反応溶液を、反応容器内に収容した後に、生化学解析
用ユニットのそれぞれの側に設けられた少なくとも1つ
の電磁石に、交互に通電して、磁界を生成し、反応容器
の生化学解析用ユニット保持部に保持された生化学解析
用ユニットを変形させることによって、生化学解析用ユ
ニットの複数の吸着性領域を横切るように、標識物質に
よって標識されたリガンドまたはリセプターを含む反応
溶液を強制的に流動させることが可能になり、したがっ
て、生化学解析用ユニットの吸着性領域内におけるリガ
ンドまたはリセプターの移動速度を大幅に増大させるこ
とができ、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性
領域に含まれているリセプターまたはリガンドと、反応
溶液に含まれているリガンドまたはリセプターとの会合
反応速度を大幅に増大させることが可能になるととも
に、反応溶液に含まれているリガンドまたはリセプター
が、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い部分に含
まれているリセプターまたはリガンドに出会う確率を大
幅に増大させることができ、したがって、所望のよう
に、反応溶液に含まれているリガンドまたはリセプター
を、生化学解析用ユニットの吸着性領域に含まれている
リセプターまたはリガンドに会合反応させることが可能
になる。
【0023】また、本発明の好ましい実施態様によれ
ば、単に、生化学解析用ユニットのそれぞれの側に設け
られた少なくとも1つの電磁石に、交互に通電して、磁
界を生成し、反応容器の生化学解析用ユニット保持部に
保持された生化学解析用ユニットを変形させるだけで、
生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横切るよう
に、標識物質によって標識されたリガンドまたはリセプ
ターを含む反応溶液を強制的に流動させることが可能に
なるから、容積の小さい反応容器内を、反応成分の濃度
が高い反応溶液によって、満たして、生化学解析用ユニ
ットの複数の吸着性領域に含まれているリセプターまた
はリガンドに、反応溶液に含まれているリガンドまたは
リセプターを会合反応させることができ、したがって、
リセプター・リガンド会合反応の反応速度を大幅に増大
させることが可能になる。
【0024】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットのそれぞれの側に、複数
の電磁石が設けられ、前記生化学解析用ユニットのそれ
ぞれの側に設けられた前記複数の電磁石に、交互に通電
して、磁界を生成し、前記反応溶液を、前記生化学解析
用ユニットに形成された前記複数の吸着性領域を横切る
ように、強制的に流動させ、前記生化学解析用ユニット
の前記複数の吸着性領域に含まれたリセプターまたはリ
ガンドに、前記反応溶液に含まれたリガンドまたはリセ
プターを、選択的に、会合させるように構成されてい
る。
【0025】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記反応容器内に保持された前記生化学解析用ユニ
ットのそれぞれの側に、少なくとも1つの永久磁石と、
前記少なくとも1つの永久磁石を、前記生化学解析用ユ
ニット保持部に保持された前記生化学解析用ユニットの
表面に対して、近接、離間させる永久磁石駆動手段を設
け、前記生化学解析用ユニット保持部に保持された前記
生化学解析用ユニットのそれぞれの側に設けられた前記
少なくとも1つの永久磁石を、前記永久磁石駆動手段に
よって、交互に、前記生化学解析用ユニット保持部に保
持された前記生化学解析用ユニットの表面に対して、近
接、離間させ、前記生化学解析用ユニット保持部に保持
された前記生化学解析用ユニットのそれぞれの側に、交
互に、磁界を生成し、前記反応溶液を、前記生化学解析
用ユニットに形成された前記複数の吸着性領域を横切る
ように、強制的に流動させ、前記生化学解析用ユニット
の前記複数の吸着性領域に含まれたリセプターまたはリ
ガンドに、前記反応溶液に含まれたリガンドまたはリセ
プターを、選択的に、会合させるように構成されてい
る。
【0026】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
反応容器内に保持された生化学解析用ユニットのそれぞ
れの側に、少なくとも1つの永久磁石と、少なくとも1
つの永久磁石を、生化学解析用ユニット保持部に保持さ
れた生化学解析用ユニットの表面に対して、近接、離間
させる永久磁石駆動手段を設け、生化学解析用ユニット
保持部に保持された生化学解析用ユニットのそれぞれの
側に設けられた少なくとも1つの永久磁石を、永久磁石
駆動手段によって、交互に、生化学解析用ユニット保持
部に保持された生化学解析用ユニットの表面に対して、
近接、離間させて、生化学解析用ユニット保持部に保持
された生化学解析用ユニットのそれぞれの側に、交互
に、磁界を生成し、反応溶液を、生化学解析用ユニット
に形成された複数の吸着性領域を横切るように、強制的
に流動させ、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域
に含まれたリセプターまたはリガンドに、反応溶液に含
まれたリガンドまたはリセプターを、選択的に、会合さ
せるように構成されているから、反応容器の生化学解析
用ユニット保持部に、リセプターまたはリガンドを含む
複数の吸着性領域が、互いに離間して形成された生化学
解析用ユニットをセットし、標識物質によって標識され
たリガンドまたはリセプターを含む反応溶液を、反応容
器内に収容した後に、生化学解析用ユニットのそれぞれ
の側に設けられた少なくとも1つの永久磁石を、永久磁
石駆動手段によって、交互に、生化学解析用ユニット保
持部に保持された生化学解析用ユニットの表面に対し
て、近接、離間させ、生化学解析用ユニット保持部に保
持された生化学解析用ユニットのそれぞれの側に、交互
に、磁界を生成し、反応容器の生化学解析用ユニット保
持部に保持された生化学解析用ユニットを変形させるこ
とによって、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域
を横切るように、標識物質によって標識されたリガンド
またはリセプターを含む反応溶液を強制的に流動させる
ことが可能になり、したがって、生化学解析用ユニット
の吸着性領域内におけるリガンドまたはリセプターの移
動速度を大幅に増大させることができ、したがって、生
化学解析用ユニットの吸着性領域に含まれているリセプ
ターまたはリガンドと、反応溶液に含まれているリガン
ドまたはリセプターとの会合反応速度を大幅に増大させ
ることが可能になるとともに、反応溶液に含まれている
リガンドまたはリセプターが、生化学解析用ユニットの
吸着性領域の深い部分に含まれているリセプターまたは
リガンドに出会う確率を大幅に増大させることができ、
したがって、所望のように、反応溶液に含まれているリ
ガンドまたはリセプターを、生化学解析用ユニットの吸
着性領域に含まれているリセプターまたはリガンドに会
合反応させることが可能になる。
【0027】また、本発明の別の好ましい実施態様によ
れば、単に、生化学解析用ユニットのそれぞれの側に設
けられた少なくとも1つの永久磁石を、永久磁石駆動手
段によって、交互に、生化学解析用ユニット保持部に保
持された生化学解析用ユニットの表面に対して、近接、
離間させ、生化学解析用ユニット保持部に保持された生
化学解析用ユニットのそれぞれの側に、交互に、磁界を
生成し、反応容器の生化学解析用ユニット保持部に保持
された生化学解析用ユニットを変形させることによっ
て、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横切る
ように、標識物質によって標識されたリガンドまたはリ
セプターを含む反応溶液を強制的に流動させることが可
能になるから、容積の小さい反応容器内を、反応成分の
濃度が高い反応溶液によって、満たして、生化学解析用
ユニットの複数の吸着性領域に含まれているリセプター
またはリガンドに、反応溶液に含まれているリガンドま
たはリセプターを会合反応させることができ、したがっ
て、リセプター・リガンド会合反応の反応速度を大幅に
増大させることが可能になる。
【0028】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反応容器内に保持された前記生化学解析用ユニ
ットのそれぞれの側に、複数の永久磁石と、前記複数の
永久磁石を、前記生化学解析用ユニット保持部に保持さ
れた前記生化学解析用ユニットの表面に対して、近接、
離間させる永久磁石駆動手段を設け、前記生化学解析用
ユニット保持部に保持された前記生化学解析用ユニット
のそれぞれの側に設けられた前記複数の永久磁石を、前
記永久磁石駆動手段によって、交互に、前記生化学解析
用ユニット保持部に保持された前記生化学解析用ユニッ
トの表面に対して、近接、離間させ、前記生化学解析用
ユニット保持部に保持された前記生化学解析用ユニット
のそれぞれの側に、交互に、磁界を生成し、前記反応溶
液を、前記生化学解析用ユニットに形成された前記複数
の吸着性領域を横切るように、強制的に流動させ、前記
生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に含まれ
たリセプターまたはリガンドに、前記反応溶液に含まれ
たリガンドまたはリセプターを、選択的に、会合させる
ように構成されている。
【0029】本発明の好ましい実施態様においては、前
記反応溶液が、放射性標識物質、蛍光物質および化学発
光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる
標識物質よりなる群から選ばれる少なくとも1種の標識
物質によって標識されたリガンドまたはリセプターを含
んでいる。
【0030】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、構
造または特性が既知の特異的結合物質が含まれ、標識物
質によって標識された生体由来の物質が含む前記反応溶
液を、前記反応容器内に収容し、前記反応容器内に保持
された前記生化学解析用ユニットの両側に、交互に、磁
界を発生させて、前記反応溶液を、前記生化学解析用ユ
ニットに形成された前記複数の吸着性領域を横切るよう
に、強制的に流動させ、前記生化学解析用ユニットの前
記複数の吸着性領域に含まれた前記特異的結合物質に、
前記標識物質によって標識された前記生体由来の物質
を、選択的に、ハイブリダイズさせるように構成されて
いる。
【0031】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
に、抗原または抗体が含まれ、標識物質によって標識さ
れた抗体または抗原が含む前記反応溶液を、前記反応容
器内に収容し、前記反応容器内に保持された前記生化学
解析用ユニットの両側に、交互に、磁界を発生させて、
前記反応溶液を、前記生化学解析用ユニットに形成され
た前記複数の吸着性領域を横切るように、強制的に流動
させ、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領
域に含まれた抗原または抗体に、前記標識物質によって
標識された抗体または抗原を、抗原抗体反応によって、
選択的に結合させるように構成されている。
【0032】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
に、構造または特性が既知の特異的結合物質が含まれ、
ハプテンによって標識された生体由来の物質を含む前記
反応溶液を、前記反応容器内に収容し、前記反応容器内
に保持された前記生化学解析用ユニットの両側に、交互
に、磁界を発生させて、前記反応溶液を、前記生化学解
析用ユニットに形成された前記複数の吸着性領域を横切
るように、強制的に流動させ、前記生化学解析用ユニッ
トの前記複数の吸着性領域に含まれた前記特異的結合物
質に、前記標識物質によって標識された前記生体由来の
物質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、標識酵素によ
って標識された前記ハプテンに対する抗体を含む抗体溶
液を、前記反応容器内に収容し、前記反応容器内に保持
された前記生化学解析用ユニットの両側に、交互に、磁
界を発生させて、前記抗体溶液を、前記生化学解析用ユ
ニットに形成された前記複数の吸着性領域を横切るよう
に、強制的に流動させ、前記生化学解析用ユニットの前
記複数の吸着性領域に含まれた前記ハプテンに、前記標
識酵素によって標識された抗体を、抗原抗体反応によっ
て、結合させるように構成されている。
【0033】本発明において、ハプテン/抗体の組合わ
せの例としては ジゴキシゲニン/抗ジゴキシゲニン抗
体、テオフィリン/抗テオフィリン抗体、フルオロセイ
ン/抗フルオロセイン抗体などをあげることができる。
また、ハプテン/抗体ではなく、ビオチン/アヴィジン
や抗原/抗体などの組合わせを利用することも可能であ
る。
【0034】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
に、構造または特性が既知の特異的結合物質が含まれ、
ハプテンによって標識された生体由来の物質を含む前記
反応溶液を、前記反応容器内に収容し、前記反応容器内
に保持された前記生化学解析用ユニットの両側に、交互
に、磁界を発生させて、前記反応溶液を、前記生化学解
析用ユニットに形成された前記複数の吸着性領域を横切
るように、強制的に流動させ、前記生化学解析用ユニッ
トの前記複数の吸着性領域に含まれた前記特異的結合物
質に、前記標識物質によって標識された前記生体由来の
物質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、化学発光基質
と接触させることによって、化学発光を生じさせる酵素
により標識された前記ハプテンに対する抗体を含む抗体
溶液を、前記反応容器内に収容し、前記反応容器内に保
持された前記生化学解析用ユニットの両側に、交互に、
磁界を発生させて、前記抗体溶液を、前記生化学解析用
ユニットに形成された前記複数の吸着性領域を横切るよ
うに、強制的に流動させ、前記生化学解析用ユニットの
前記複数の吸着性領域に含まれた前記ハプテンに、前記
酵素によって標識された抗体を、抗原抗体反応によっ
て、結合させるように構成されている。
【0035】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
に、構造または特性が既知の特異的結合物質が含まれ、
ハプテンによって標識された生体由来の物質を含む前記
反応溶液を、前記反応容器内に収容し、前記反応容器内
に保持された前記生化学解析用ユニットの両側に、交互
に、磁界を発生させて、前記反応溶液を、前記生化学解
析用ユニットに形成された前記複数の吸着性領域を横切
るように、強制的に流動させ、前記生化学解析用ユニッ
トの前記複数の吸着性領域に含まれた前記特異的結合物
質に、前記標識物質によって標識された前記生体由来の
物質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、蛍光基質と接
触させることによって、蛍光物質を生じさせる酵素によ
り標識された前記ハプテンに対する抗体を含む抗体溶液
を、前記反応容器内に収容し、前記反応容器内に保持さ
れた前記生化学解析用ユニットの両側に、交互に、磁界
を発生させて、前記抗体溶液を、前記生化学解析用ユニ
ットに形成された前記複数の吸着性領域を横切るよう
に、強制的に流動させ、前記生化学解析用ユニットの前
記複数の吸着性領域に含まれた前記ハプテンに、前記酵
素によって標識された抗体を、抗原抗体反応によって、
結合させるように構成されている。
【0036】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互
いに離間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性
領域が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔に充填
された吸着性材料によって、形成されている。
【0037】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、前記基板に形成された複数の貫通孔内に、吸着性材
料を含んだ吸着性膜が圧入されて、形成されている。
【0038】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、複数の凹部が、互い
に離間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性領
域が、前記基板に形成された前記複数の凹部に充填され
た吸着性材料によって、形成されている。
【0039】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、吸着性基板と、複数
の貫通孔が、互いに離間して形成され、前記吸着性基板
の少なくとも一方の面に密着された基板を備え、前記複
数の吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数の貫
通孔内の前記吸着性基板によって、形成されている。
【0040】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットに、10以上の吸着性領域が形
成されている。
【0041】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、50以上の吸着性領
域が形成されている。
【0042】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、100以上の吸着性
領域が形成されている。
【0043】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、500以上の吸着性
領域が形成されている。
【0044】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、1000以上の吸着
性領域が形成されている。
【0045】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、5000以上の吸着
性領域が形成されている。
【0046】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、10000以上の吸
着性領域が形成されている。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、50000以上の吸
着性領域が形成されている。
【0048】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、100000以上の
吸着性領域が形成されている。
【0049】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、そ
れぞれ、5平方ミリメートル未満のサイズを有してい
る。
【0050】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、1平方ミリメートル未満のサイズを有し
ている。
【0051】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.5平方ミリメートル未満のサイズを
有している。
【0052】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.1平方ミリメートル未満のサイズを
有している。
【0053】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.05平方ミリメートル未満のサイズ
を有している。
【0054】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.01平方ミリメートル未満のサイズ
を有している。
【0055】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、
10個/平方センチメートル以上の密度で形成されてい
る。
【0056】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、50個/平方センチメートル以上の密度で形成さ
れている。
【0057】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、100個/平方センチメートル以上の密度で形成
されている。
【0058】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、500個/平方センチメートル以上の密度で形成
されている。
【0059】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、1000個/平方センチメートル以上の密度で形
成されている。
【0060】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、5000個/平方センチメートル以上の密度で形
成されている。
【0061】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、10000個/平方センチメートル以上の密度で
形成されている。
【0062】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、50000個/平方センチメートル以上の密度で
形成されている。
【0063】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、100000個/平方センチメートル以上の密度
で形成されている。
【0064】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、
規則的なパターンで形成されている。
【0065】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の貫通
孔が、それぞれ、略円形に形成されている。
【0066】本発明において、好ましくは、前記生化学
解析用ユニットの前記基板が、放射線を減衰させる性質
を有している。
【0067】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットの基板が、放射線を減衰させる性質を
有しているから、生化学解析用ユニットに、吸着性領域
を高密度に形成し、生化学解析用ユニットの複数の吸着
性領域に含まれた特異的結合物質に、放射性標識物質に
よって標識された生体由来の物質を、ハイブリダイズさ
せて、選択的に標識し、生化学解析用ユニットと輝尽性
蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートとを重ね合わ
せて、複数の吸着性領域に選択的に含まれた放射性標識
物質によって、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成され
た輝尽性蛍光体層を露光し、蓄積性蛍光体シートの輝尽
性蛍光体層に放射線データを記録する場合にも、各吸着
性領域に含まれている放射性標識物質から放出された電
子線(β線)が、生化学解析用ユニットの基板内で散乱
することを効果的に防止することができ、したがって、
各吸着性領域に含まれている放射性標識物質から放出さ
れた電子線(β線)を、対応する輝尽性蛍光体層の領域
に、選択的に入射させて、対応する輝尽性蛍光体層の領
域のみを露光することが可能になるから、放射性標識物
質によって露光された輝尽性蛍光体層を、励起光によっ
て走査し、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電
的に検出することによって、高い分解能で、定量性に優
れた生化学解析用のデータを生成することが可能にな
る。
【0068】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記基
板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/5
以下に減衰させる性質を有している。
【0069】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/10以下に減衰させる性質を有している。
【0070】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/50以下に減衰させる性質を有している。
【0071】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/100以下に減衰させる性質を有している。
【0072】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/500以下に減衰させる性質を有している。
【0073】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/1000以下に減衰させる性質を有している。
【0074】本発明において、好ましくは、前記生化学
解析用ユニットの前記基板が、光を減衰させる性質を有
している。
【0075】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットの基板が、光を減衰させる性質を有し
ているから、生化学解析用ユニットの基板に、吸着性領
域を高密度に形成し、複数の吸着性領域に含まれた特異
的結合物質に、蛍光物質や化学発光基質と接触させるこ
とによって化学発光を生じさせる標識物質などによって
標識された生体由来の物質を、選択的に、結合させた場
合にも、多数の吸着性領域から放出される蛍光や化学発
光が、基板内で散乱して、隣り合う吸着性領域から放出
された蛍光や化学発光と混ざり合うことを効果的に防止
することが可能になり、したがって、蛍光や化学発光を
光電的に検出して、定量性に優れた生化学解析用データ
を生成することが可能になる。
【0076】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記基板中
を透過したときに、光のエネルギーを、1/5以下に減
衰させる性質を有している。
【0077】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
以下に減衰させる性質を有している。
【0078】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/50
以下に減衰させる性質を有している。
【0079】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
0以下に減衰させる性質を有している。
【0080】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/50
0以下に減衰させる性質を有している。
【0081】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記
基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10
00以下に減衰させる性質を有している。
【0082】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板は、少なくともその両表面が磁性を有していればよ
く、生化学解析用ユニットの基板を形成するための材料
は、格別限定されるものではない。生化学解析用ユニッ
トの基板を形成するための材料は、磁性を有し、かつ、
放射線および/または光を減衰させる性質を有している
ことが好ましいが、とくに限定されるものではなく、無
機化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用するこ
とができ、金属材料、セラミック材料またはプラスチッ
ク材料が、好ましく使用される。
【0083】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために好ましく使用することのできる無
機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、
アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケ
ル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステ
ンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリ
コン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪
素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイ
ト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパ
タイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができ
る。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのよ
うな多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。
【0084】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために使用可能な有機化合物材料として
は、高分子化合物が好ましく用いられ、好ましく使用す
ることのできる高分子化合物としては、たとえば、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリ
メチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメ
タクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリ
ロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポ
リフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポ
リクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポ
リエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレート
などのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスル
ホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシ
ロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノー
ル樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;
ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セル
ロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシ
ウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0085】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、生化学解析用ユニットの複数の吸着
性領域が、基板に形成された複数の孔に充填された吸着
性材料に、リセプターまたはリガンドを含有させて、形
成されている場合、あるいは、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の貫通孔内
の吸着性基板に、リセプターまたはリガンドを含有させ
て、形成されている場合には、生化学解析用ユニットの
基板は、比重1.0g/cm以上の化合物材料または
複合材料によって形成されることが好ましく、比重が
1.5g/cm以上、23g/cm以下の化合物材
料または複合材料によって形成されることが、とくに好
ましい。
【0086】また、一般に、光の散乱および/または吸
収が大きいほど、光の減衰能が高くなるので、生化学解
析用ユニットの複数の吸着性領域が、基板に形成された
複数の孔に充填された吸着性材料に、リセプターまたは
リガンドを含有させて、形成されている場合、あるい
は、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域が、基板
に形成された複数の貫通孔内の吸着性基板に、リセプタ
ーまたはリガンドを含有させて、形成されている場合に
は、生化学解析用ユニットの基板は、厚さ1cmあたり
の吸光度が0.3以上であることが好ましく、厚さ1c
mあたりの吸光度が1以上であれば、さらに好ましい。
ここに、吸光度は、厚さTcmの板状体の直後に、積分
球を置き、計測に利用するプローブ光またはエミッショ
ン光の波長における透過光量Aを分光光度計によって測
定し、A/Tを算出することによって、求められる。光
減衰能を向上させるために、光散乱体や光吸収体を、生
化学解析用ユニットの基板に含有させることもできる。
光散乱体としては、生化学解析用ユニットの基板を形成
している材料と異なる材料の微粒子が用いられ、光吸収
体としては、顔料または染料が用いられる。
【0087】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するための吸着性
材料としては、多孔質材料あるいは繊維材料が好ましく
使用される。多孔質材料と繊維材料とを併用して、吸着
性領域あるいは吸着性基板を形成することもできる。
【0088】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる多孔質材料は、有機材料、無機材料のいずれでもよ
く、有機/無機複合体でもよい。
【0089】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる有機多孔質材料は、とくに限定されるものではない
が、活性炭などの炭素材料あるいはメンブレンフィルタ
を形成可能な材料が、好ましく用いられる。具体的に
は、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10な
どのナイロン類;ニトロセルロース、酢酸セルロース、
酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;コラーゲ
ン;アルギン酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/
ポリリシンポリイオンコンプレックスなどのアルギン酸
類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ
化ビニリデン、ポリテトラフルオライドなどのポリフル
オライドや、これらの共重合体または複合体が挙げられ
る。
【0090】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる無機多孔質材料は、とくに限定されるものではない
が、好ましくは、たとえば、白金、金、鉄、銀、ニッケ
ル、アルミニウムなどの金属;アルミナ、シリカ、チタ
ニア、ゼオライトなどの金属酸化物;ヒドロキシアパタ
イト、硫酸カルシウムなどの金属塩やこれらの複合体な
どが挙げられる。
【0091】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用さ
れる繊維材料は、とくに限定されるものではないが、好
ましくは、たとえば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン類、ニトロセルロース、
酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース
誘導体などが挙げられる。
【0092】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域は、電解処理、プラズマ処理、アーク放電な
どの酸化処理;シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤などを用いたプライマー処理;界面活性剤処理な
どの表面処理によって形成することもできる。
【0093】本発明の前記目的はまた、両表面が磁性を
有し、リセプターまたはリガンドを含む複数の吸着性領
域が、互いに離間して形成された生化学解析用ユニット
を保持する生化学解析用ユニット保持部を備えた反応容
器と、前記生化学解析用ユニット保持部に保持された前
記生化学解析用ユニットの両側に、交互に、磁界を生成
させる磁界生成手段を備えたことを特徴とするリアクタ
によって達成される。
【0094】本発明によれば、リアクタは、両表面が磁
性を有し、リセプターまたはリガンドを含む複数の吸着
性領域が、互いに離間して形成された生化学解析用ユニ
ットを保持する生化学解析用ユニット保持部を備えた反
応容器と、生化学解析用ユニット保持部に保持された生
化学解析用ユニットの両側に、交互に、磁界を生成させ
る磁界生成手段を備えているから、反応容器の生化学解
析用ユニット保持部に、リセプターまたはリガンドを含
む複数の吸着性領域が、互いに離間して形成された生化
学解析用ユニットをセットし、標識物質によって標識さ
れたリガンドまたはリセプターを含む反応溶液を、反応
容器内に収容した後に、磁界生成手段により、生化学解
析用ユニット保持部に保持された生化学解析用ユニット
の両側に、交互に、磁界を生成させて、両表面が磁性を
有する生化学解析用ユニットを、磁力によって変形させ
ることによって、生化学解析用ユニット保持部に保持さ
れた生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横切る
ように、標識物質によって標識されたリガンドまたはリ
セプターを含む反応溶液を強制的に流動させることが可
能になり、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性
領域内におけるリガンドまたはリセプターの移動速度を
大幅に増大させることができ、したがって、生化学解析
用ユニットの吸着性領域に含まれているリセプターまた
はリガンドと、反応溶液に含まれているリガンドまたは
リセプターとの会合反応速度を大幅に増大させることが
可能になるとともに、反応溶液に含まれているリガンド
またはリセプターが、生化学解析用ユニットの吸着性領
域の深い部分に含まれているリセプターまたはリガンド
に出会う確率を大幅に増大させることができ、したがっ
て、所望のように、反応溶液に含まれているリガンドま
たはリセプターを、生化学解析用ユニットの吸着性領域
に含まれているリセプターまたはリガンドに会合反応さ
せることが可能になる。
【0095】また、本発明によれば、磁界生成手段によ
り、反応容器内に保持された生化学解析用ユニットの両
側に、交互に、磁界を発生させて、両表面が磁性を有す
る生化学解析用ユニットを、磁力によって変形させ、生
化学解析用ユニット保持部に保持された生化学解析用ユ
ニットの複数の吸着性領域を横切るように、標識物質に
よって標識されたリガンドまたはリセプターを含む反応
溶液を強制的に流動させて、生化学解析用ユニットの複
数の吸着性領域に含まれたリセプターまたはリガンド
に、反応溶液に含まれたリガンドまたはリセプターを、
選択的に、会合させているから、リセプター・リガンド
会合反応の再現性を向上させることが可能になる。
【0096】さらに、ポンプなどを用いて、反応溶液
を、溶液循環管路を介して、反応容器内に循環させて、
生化学解析用ユニットに形成された複数の吸着性領域を
横切って、流動させる場合には、反応容器および溶液循
環管路内を、反応溶液によって満たすことが必要にな
り、反応成分の濃度が高い反応溶液を用いることが困難
であるが、本発明によれば、磁界生成手段により、単
に、生化学解析用ユニット保持部に保持された生化学解
析用ユニットの両側に、交互に、磁界を発生させて、両
表面が磁性を有する生化学解析用ユニットを、磁力によ
って変形させるだけで、生化学解析用ユニット保持部に
保持された生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を
横切るように、標識物質によって標識されたリガンドま
たはリセプターを含む反応溶液を強制的に流動させるこ
とが可能になるから、容積の小さい反応容器内を、反応
成分の濃度が高い反応溶液によって、満たして、生化学
解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれているリセ
プターまたはリガンドに、反応溶液に含まれているリガ
ンドまたはリセプターを会合反応させることができ、し
たがって、リセプター・リガンド会合反応の反応速度を
大幅に増大させることが可能になる。
【0097】本発明の好ましい実施態様においては、リ
アクタが、前記生化学解析用ユニット保持部に保持され
た前記生化学解析用ユニットのそれぞれの側に、少なく
とも1つの電磁石を備え、前記生化学解析用ユニット保
持部に保持された前記生化学解析用ユニットのそれぞれ
の側に設けられた前記少なくとも1つの電磁石によっ
て、前記磁界生成手段が構成されている。
【0098】本発明の好ましい実施態様によれば、リア
クタが、生化学解析用ユニット保持部に保持された生化
学解析用ユニットのそれぞれの側に、少なくとも1つの
電磁石を備え、生化学解析用ユニット保持部に保持され
た生化学解析用ユニットのそれぞれの側に設けられた少
なくとも1つの電磁石によって、磁界生成手段が構成さ
れているから、反応容器の生化学解析用ユニット保持部
に、リセプターまたはリガンドを含む複数の吸着性領域
が、互いに離間して形成された生化学解析用ユニットを
セットし、標識物質によって標識されたリガンドまたは
リセプターを含む反応溶液を、反応容器内に収容した後
に、生化学解析用ユニットのそれぞれの側に設けられた
少なくとも1つの電磁石に、交互に通電して、磁界を生
成し、反応容器の生化学解析用ユニット保持部に保持さ
れた生化学解析用ユニットを変形させることによって、
生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横切るよう
に、標識物質によって標識されたリガンドまたはリセプ
ターを含む反応溶液を強制的に流動させることが可能に
なり、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領域
内におけるリガンドまたはリセプターの移動速度を大幅
に増大させることができ、したがって、生化学解析用ユ
ニットの吸着性領域に含まれているリセプターまたはリ
ガンドと、反応溶液に含まれているリガンドまたはリセ
プターとの会合反応速度を大幅に増大させることが可能
になるとともに、反応溶液に含まれているリガンドまた
はリセプターが、生化学解析用ユニットの吸着性領域の
深い部分に含まれているリセプターまたはリガンドに出
会う確率を大幅に増大させることができ、したがって、
所望のように、反応溶液に含まれているリガンドまたは
リセプターを、生化学解析用ユニットの吸着性領域に含
まれているリセプターまたはリガンドに会合反応させる
ことが可能になる。
【0099】また、本発明の好ましい実施態様によれ
ば、単に、生化学解析用ユニット保持部に保持された生
化学解析用ユニットのそれぞれの側に設けられた少なく
とも1つの電磁石に、交互に通電して、磁界を生成し、
反応容器の生化学解析用ユニット保持部に保持された生
化学解析用ユニットを変形させるだけで、生化学解析用
ユニットの複数の吸着性領域を横切るように、標識物質
によって標識されたリガンドまたはリセプターを含む反
応溶液を強制的に流動させることが可能になるから、容
積の小さい反応容器内を、反応成分の濃度が高い反応溶
液によって、満たして、生化学解析用ユニットの複数の
吸着性領域に含まれているリセプターまたはリガンド
に、反応溶液に含まれているリガンドまたはリセプター
を会合反応させることができ、したがって、リセプター
・リガンド会合反応の反応速度を大幅に増大させること
が可能になる。
【0100】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、リアクタが、前記生化学解析用ユニット保持部に保
持された前記生化学解析用ユニットのそれぞれの側に、
複数の電磁石を備え、前記生化学解析用ユニット保持部
に保持された前記生化学解析用ユニットのそれぞれの側
に設けられた前記複数の電磁石によって、前記磁界生成
手段が構成されている。
【0101】本発明の別の好ましい実施態様において
は、リアクタが、前記生化学解析用ユニット保持部に保
持された前記生化学解析用ユニットのそれぞれの側に、
少なくとも1つの永久磁石と、前記少なくとも1つの永
久磁石を、前記生化学解析用ユニット保持部に保持され
た前記生化学解析用ユニットの表面に対して、近接、離
間させる永久磁石駆動手段を備え、前記生化学解析用ユ
ニット保持部に保持された前記生化学解析用ユニットの
それぞれの側に設けられた前記少なくとも1つの永久磁
石と、前記永久磁石駆動手段によって、前記磁界生成手
段が構成されている。
【0102】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
リアクタが、生化学解析用ユニット保持部に保持された
生化学解析用ユニットのそれぞれの側に、少なくとも1
つの永久磁石と、少なくとも1つの永久磁石を、生化学
解析用ユニット保持部に保持された生化学解析用ユニッ
トの表面に対して、近接、離間させる永久磁石駆動手段
を備え、生化学解析用ユニット保持部に保持された生化
学解析用ユニットのそれぞれの側に設けられた少なくと
も1つの永久磁石と、永久磁石駆動手段によって、磁界
生成手段が構成されているから、反応容器の生化学解析
用ユニット保持部に、リセプターまたはリガンドを含む
複数の吸着性領域が、互いに離間して形成された生化学
解析用ユニットをセットし、標識物質によって標識され
たリガンドまたはリセプターを含む反応溶液を、反応容
器内に収容した後に、生化学解析用ユニットのそれぞれ
の側に設けられた少なくとも1つの永久磁石を、永久磁
石駆動手段によって、交互に、生化学解析用ユニット保
持部に保持された生化学解析用ユニットの表面に対し
て、近接、離間させ、生化学解析用ユニット保持部に保
持された生化学解析用ユニットのそれぞれの側に、交互
に、磁界を生成し、反応容器の生化学解析用ユニット保
持部に保持された生化学解析用ユニットを変形させるこ
とによって、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域
を横切るように、標識物質によって標識されたリガンド
またはリセプターを含む反応溶液を強制的に流動させる
ことが可能になり、したがって、生化学解析用ユニット
の吸着性領域内におけるリガンドまたはリセプターの移
動速度を大幅に増大させることができ、したがって、生
化学解析用ユニットの吸着性領域に含まれているリセプ
ターまたはリガンドと、反応溶液に含まれているリガン
ドまたはリセプターとの会合反応速度を大幅に増大させ
ることが可能になるとともに、反応溶液に含まれている
リガンドまたはリセプターが、生化学解析用ユニットの
吸着性領域の深い部分に含まれているリセプターまたは
リガンドに出会う確率を大幅に増大させることができ、
したがって、所望のように、反応溶液に含まれているリ
ガンドまたはリセプターを、生化学解析用ユニットの吸
着性領域に含まれているリセプターまたはリガンドに会
合反応させることが可能になる。
【0103】また、本発明の別の好ましい実施態様によ
れば、単に、生化学解析用ユニット保持部に保持された
生化学解析用ユニットのそれぞれの側に設けられた少な
くとも1つの永久磁石を、永久磁石駆動手段によって、
交互に、生化学解析用ユニット保持部に保持された生化
学解析用ユニットの表面に対して、近接、離間させ、生
化学解析用ユニット保持部に保持された生化学解析用ユ
ニットのそれぞれの側に、交互に、磁界を生成し、反応
容器の生化学解析用ユニット保持部に保持された生化学
解析用ユニットを変形させることによって、生化学解析
用ユニットの複数の吸着性領域を横切るように、標識物
質によって標識されたリガンドまたはリセプターを含む
反応溶液を強制的に流動させることが可能になるから、
容積の小さい反応容器内を、反応成分の濃度が高い反応
溶液によって、満たして、生化学解析用ユニットの複数
の吸着性領域に含まれているリセプターまたはリガンド
に、反応溶液に含まれているリガンドまたはリセプター
を会合反応させることができ、したがって、リセプター
・リガンド会合反応の反応速度を大幅に増大させること
が可能になる。
【0104】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、リアクタが、前記生化学解析用ユニット保持部に保
持された前記生化学解析用ユニットのそれぞれの側に、
複数の永久磁石と、前記複数の永久磁石を、前記生化学
解析用ユニット保持部に保持された前記生化学解析用ユ
ニットの表面に対して、近接、離間させる永久磁石駆動
手段を備え、前記生化学解析用ユニット保持部に保持さ
れた前記生化学解析用ユニットのそれぞれの側に設けら
れた前記複数の永久磁石と、前記永久磁石駆動手段によ
って、前記磁界生成手段が構成されている。
【0105】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0106】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
るリセプター・リガンド会合反応方法に用いられる生化
学解析用ユニットの略斜視図である。
【0107】図1に示されるように、本実施態様にかか
る生化学解析用ユニット1は、ステンレスによって形成
され、多数の略円形状の貫通孔3が高密度に形成された
基板2を備えており、多数の貫通孔3の内部には、ナイ
ロン6が充填されて、多数の吸着性領域4が形成されて
いる。
【0108】図1には正確に示されていないが、本実施
態様においては、約0.01平方ミリメートルのサイズ
を有する略円形の貫通孔3が、120列×160行のマ
トリックス状に、規則的に、基板2に形成されており、
したがって、合計19200の吸着性領域4が形成され
ている。吸着性領域4は、その表面が、基板2の表面と
同じ高さに位置するように、多数の貫通孔3内に、ナイ
ロン6が充填されて、形成されている。
【0109】生化学解析にあたっては、生化学解析用ユ
ニット1に規則的に形成された多数の吸着性領域4内
に、たとえば、特異的結合物質として、塩基配列が既知
の互いに異なった複数のcDNAが、スポッティング装
置を使用して、滴下され、吸着性領域4内に固定され
る。
【0110】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0111】図2に示されるように、スポッティング装
置は、特異的結合物質の溶液を、生化学解析用ユニット
1の表面に向けて噴射するインジェクタ5とCCDカメ
ラ6を備え、CCDカメラ6によって、インジェクタ5
の先端部と、特異的結合物質を滴下すべき生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4を観察しながら、インジェク
タ5の先端部と、特異的結合物質を滴下すべき吸着性領
域4の中心とが合致したときに、インジェクタ5から、
塩基配列が既知の互いに異なった複数のcDNAなどの
特異的結合物質が滴下されるように構成され、生化学解
析用ユニット1の多数のドット状の吸着性領域4内に、
特異的結合物質を、正確に滴下することができるように
保証されている。
【0112】次いで、こうして、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に固定され
たcDNAなどの特異的結合物質に、標識物質によって
標識された生体由来の物質が、選択的に、ハイブリダイ
ズされる。
【0113】図3は、本発明の好ましい実施態様にかか
るリセプター・リガンド会合反応方法に用いられるリア
クタの略縦断面図である。
【0114】図3に示されるように、本実施態様にかか
るリアクタは、蓋部材10とケーシング11とを備え、
生化学解析用ユニット1を保持する生化学解析用ユニッ
ト保持部材12が形成された反応容器13を備えてい
る。
【0115】本実施態様においては、反応容器13の蓋
部材10およびケーシング11は、非磁性材料によって
形成され、反応容器13は、小さい容積を有するように
形成されている。
【0116】図3に示されるように、反応容器13の蓋
部材10の表面には、3つの電磁石14a、14b、1
4cを含む第一の電磁石ユニット14が設けられ、反応
容器13のケーシング11の底板の下面には、3つの電
磁石15a、15b、15cを含む第二の電磁石ユニッ
ト15が設けられている。
【0117】第一の電磁石ユニット14は、第一の直流
電源16に接続され、第二の電磁石ユニット15は、第
二の直流電源17に接続されている。
【0118】以上のように構成された本実施態様にかか
るリアクタにおいては、以下のようにして、生化学解析
用ユニット1の多数の吸着性領域4に含まれた特異的結
合物質に、標識物質によって標識され、ハイブリダイゼ
ーション反応溶液に含まれた生体由来の物質が、選択的
に、ハイブリダイズされる。
【0119】まず、ユーザーによって、反応容器13の
蓋部材10が開かれ、多数の吸着性領域4に、特異的結
合物質が固定されている生化学解析用ユニット1が、反
応容器13の生化学解析用ユニット保持部材12に取り
付けられる。
【0120】次いで、ハイブリダイゼーション反応溶液
が調製されて、反応容器13内に収容される。
【0121】放射性標識物質によって、cDNAなどの
特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標
識物質によって標識されたプローブである生体由来の物
質を含むハイブリダイゼーション反応溶液が調製され
て、反応容器13内に収容される。
【0122】一方、蛍光色素などの蛍光物質によって、
cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する場合
には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識されたプロ
ーブである生体由来の物質を含むハイブリダイゼーショ
ン反応溶液が調製されて、反応容器13内に収容され
る。
【0123】また、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識酵素によって、cDNA
などの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、ジ
ゴキシゲニンなどのハプテンによって標識された生体由
来の物質を含むハイブリダイゼーション反応溶液が調製
されて、反応容器13内に収容される。
【0124】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された
生体由来の物質およびジゴキシゲニンなどのハプテンに
よって標識された生体由来の物質のうち、2以上の生体
由来の物質およびを含むハイブリダイゼーション反応溶
液を調製することもでき、本実施態様においては、放射
性標識物質によって標識された生体由来の物質、蛍光物
質によって標識された生体由来の物質およびジゴキシゲ
ニンなどのハプテンによって標識された生体由来の物質
を含むハイブリダイゼーション反応溶液が調製されて、
反応容器13内に収容される。
【0125】本実施態様においては、反応容器13の容
積が小さいため、生体由来の物質の濃度が高いハイブリ
ダイゼーション反応溶液を調整して、反応容器13内を
満たすことができる。
【0126】反応容器13内が、ハイブリダイゼーショ
ン反応溶液によって満たされると、ユーザーによって、
反応容器13の蓋部材10が閉じられ、第一の直流電源
16がオンされて、第一の直流電源16から、第一の電
磁石ユニット14を構成する電磁石14a、14b、1
4cに直流が供給される。
【0127】電磁石14a、14b、14cに直流が供
給されると、電磁石14a、14b、14cによって、
磁界が生成され、生化学解析用ユニットの基板2は、磁
性材料であるステンレスによって形成されているため、
生化学解析用ユニット保持部材12によって、反応容器
13内に保持された生化学解析用ユニット1が、第一の
電磁石ユニット14を構成する電磁石14a、14b、
14cによって吸引されて、変形する。
【0128】その結果、生化学解析用ユニット1の変形
にともなって、反応容器13内に満たされたハイブリダ
イゼーション反応溶液が、上方から下方に向かって、生
化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着
性領域4を横切って、流れ、生化学解析用ユニット1の
吸着性領域4に含まれている特異的結合物質に、ハイブ
リダイゼーション反応溶液に含まれている生体由来の物
質が、選択的に、ハイブリダイズする。
【0129】本実施態様においては、反応容器13の容
積が小さいため、反応容器13内に収容されたハイブリ
ダイゼーション反応溶液のほとんどを、生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4を横
切って、流動させ、ハイブリダイゼーション反応溶液に
含まれている生体由来の物質と、生化学解析用ユニット
1の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質とを、
選択的に、ハイブリダイズさせることができる。
【0130】次いで、第一の直流電源16がオフされ、
第二の直流電源17がオンされて、第二の直流電源17
から、第二の電磁石ユニット15を構成する電磁石15
a、15b、15cに直流が供給される。
【0131】電磁石15a、15b、15cに直流が供
給されると、電磁石15a、15b、15cによって、
磁界が生成され、生化学解析用ユニット保持部材12に
よって、反応容器13内に保持された生化学解析用ユニ
ット1が、第一の電磁石ユニット14を構成する電磁石
14a、14b、14cによって吸引されて、変形す
る。
【0132】その結果、生化学解析用ユニット1の変形
にともなって、反応容器13内に満たされたハイブリダ
イゼーション反応溶液が、下方から上方に向かって、生
化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着
性領域4を横切って、流れ、生化学解析用ユニット1の
吸着性領域4に含まれている特異的結合物質に、ハイブ
リダイゼーション反応溶液に含まれている生体由来の物
質が、選択的に、ハイブリダイズする。
【0133】次いで、第二の直流電源17がオフされ、
第一の直流電源16がオンされて、第一の直流電源16
から、第一の電磁石ユニット14を構成する電磁石14
a、14b、14cに直流が供給される。
【0134】同様の操作が、所定の時間にわたって、繰
り返される。
【0135】このように、本実施態様においては、第一
の直流電源16と、第二の直流電源17を、交互に、オ
ン・オフさせて、第一の電磁石ユニット14を構成する
電磁石14a、14b、14cと、第二の電磁石ユニッ
ト15を構成する電磁石15a、15b、15cに、交
互に、直流を供給することによって、生化学解析用ユニ
ット保持部材12により、反応容器13内に保持された
生化学解析用ユニット1を変形させて、反応容器13内
に収容されたハイブリダイゼーション反応溶液を、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性
領域4を横切って、流動させることができるから、ハイ
ブリダイゼーション反応溶液に含まれている生体由来の
物質を、単に、対流あるいは拡散によって移動させ、特
異的結合物質とハイブリダイズさせる場合に比して、生
化学解析用ユニット1の吸着性領域4内における生体由
来の物質の移動速度を大幅に増大させることができ、し
たがって、ハイブリダイゼーション反応の反応速度を大
幅に向上させることが可能になり、さらには、生体由来
の物質が、吸着性領域4の深い部分に含まれている特異
的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることがで
き、したがって、所望のように、生化学解析用ユニット
1の多数の吸着性領域4に固定された特異的結合物質
に、ハイブリダイゼーション反応溶液に含まれている生
体由来の物質をハイブリダイズさせることが可能にな
る。
【0136】さらに、ポンプなどを用いて、ハイブリダ
イゼーション反応溶液を、溶液循環管路を介して、反応
容器13内に循環させて、生化学解析用ユニット1の基
板2に形成された多数の吸着性領域4を横切って、流動
させる場合には、反応容器13および溶液循環管路内
を、ハイブリダイゼーション反応溶液によって満たすこ
とが必要になり、生体由来の物質の濃度が高いハイブリ
ダイゼーション反応溶液を用いることが困難であるが、
本実施態様においては、第一の電磁石ユニット14およ
び第二の電磁石ユニット15を用いて、単に、基板2が
磁性材料によって形成された生化学解析用ユニット1を
変形させるだけで、反応容器13内に満たされたハイブ
リダイゼーション反応溶液を、生化学解析用ユニット保
持部材12によって、反応容器13内に保持された生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、
流動させることが可能になるから、容積の小さい反応容
器13内を、生体由来の物質の濃度が高いハイブリダイ
ゼーション反応溶液によって、満たして、生化学解析用
ユニット1の多数の吸着性領域4に固定された特異的結
合物質に、ハイブリダイゼーション反応溶液に含まれて
いる生体由来の物質をハイブリダイズさせることがで
き、したがって、ハイブリダイゼーション反応の反応速
度を大幅に増大させることが可能になる。
【0137】こうして、所定の時間が経過すると、第一
の直流電源16および第二の直流電源17がオフされ
て、ハイブリダイゼーション反応が完了する。
【0138】ハイブリダイゼーション反応が完了する
と、ハイブリダイゼーション反応溶液が、反応容器13
から排出され、洗浄溶液が、反応容器13内に収容され
る。
【0139】反応容器13内が、洗浄溶液によって、満
たされると、第一の直流電源16がオンされて、第一の
直流電源16から、第一の電磁石ユニット14を構成す
る電磁石14a、14b、14cに直流が供給される。
【0140】電磁石14a、14b、14cに直流が供
給されると、電磁石14a、14b、14cによって、
磁界が生成され、生化学解析用ユニット1の基板2は、
磁性材料であるステンレスによって形成されているた
め、生化学解析用ユニット保持部材12によって、反応
容器13内に保持された生化学解析用ユニット1が、第
一の電磁石ユニット14を構成する電磁石14a、14
b、14cによって吸引されて、変形する。
【0141】その結果、生化学解析用ユニット1の変形
にともなって、反応容器13内に満たされた洗浄溶液
が、上方から下方に向かって、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された多数の吸着性領域4を横切って、
流れ、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多
数の吸着性領域4が、洗浄溶液によって、洗浄される。
【0142】次いで、第一の直流電源16がオフされ、
第二の直流電源17がオンされて、第二の直流電源17
から、第二の電磁石ユニット15を構成する電磁石15
a、15b、15cに直流が供給される。
【0143】電磁石15a、15b、15cに直流が供
給されると、電磁石15a、15b、15cによって、
磁界が生成され、生化学解析用ユニット保持部材12に
よって保持された生化学解析用ユニット1が、第一の電
磁石ユニット14を構成する電磁石14a、14b、1
4cによって吸引されて、変形する。
【0144】その結果、生化学解析用ユニット1の変形
にともなって、反応容器13内に満たされたハイブリダ
イゼーション反応溶液が、下方から上方に向かって、生
化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着
性領域4を横切って、流れ、生化学解析用ユニット1の
基板2に形成された多数の吸着性領域4が、洗浄溶液に
よって、洗浄される。
【0145】次いで、第二の直流電源17がオフされ、
第一の直流電源16がオンされて、第一の直流電源16
から、第一の電磁石ユニット14を構成する電磁石14
a、14b、14cに直流が供給される。
【0146】同様の操作が、所定の時間にわたって、繰
り返される。
【0147】このように、本実施態様においては、第一
の直流電源16と、第二の直流電源17を、交互に、オ
ン・オフさせて、第一の電磁石ユニット14を構成する
電磁石14a、14b、14cと、第二の電磁石ユニッ
ト15を構成する電磁石15a、15b、15cに、交
互に、直流を供給することによって、生化学解析用ユニ
ット保持部材12によって、反応容器13内に保持され
た生化学解析用ユニット1を変形させて、反応容器13
内に収容された洗浄溶液を、生化学解析用ユニット1の
基板2に形成された多数の吸着性領域4を横切って、流
動させることができるから、ハイブリダイゼーションの
工程で、特異的結合物質にハイブリダイズされるべきで
ない生体由来の物質が、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された吸着性領域4に結合されていても、特異
的結合物質にハイブリダイズされるべきではない生体由
来の物質を、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4から、効果的に剥離させ、除去することが可能にな
り、洗浄効率を大幅に向上させることができる。
【0148】こうして、所定の時間が経過すると、第一
の直流電源16および第二の直流電源17がオフされ
て、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4の洗浄操作が完了する。
【0149】洗浄操作が完了すると、洗浄溶液が、反応
容器13から排出される。
【0150】以上のようにして、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に、標識物
質である放射性標識物質の放射線データおよび蛍光色素
などの蛍光物質の蛍光データが記録される。生化学解析
用ユニット1の吸着性領域4に記録された蛍光データ
は、後述するスキャナによって読み取られ、生化学解析
用データが生成される。
【0151】これに対して、放射性標識物質の放射線デ
ータは、蓄積性蛍光体シートに転写され、蓄積性蛍光体
シートに転写された放射線データは、後述するスキャナ
によって読み取られて、生化学解析用データが生成され
る。
【0152】一方、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された多数の吸着性領域4に、化学発光データを記
録するためには、さらに、化学発光基質と接触させるこ
とによって化学発光を生じさせる酵素によって標識され
たジゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体を含む抗
体溶液が調製されて、反応容器13内に収容され、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性
領域4に含まれている特異的結合物質に、選択的に、ハ
イブリダイズされた生体由来の物質を標識しているジゴ
キシゲニンなどのハプテンに、抗原抗体反応によって、
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる性質を有する酵素によって標識された抗体が結合
される。
【0153】すなわち、まず、化学発光基質と接触させ
ることによって化学発光を生じさせる酵素によって標識
されたジゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体を含
む抗体溶液が調製されて、反応容器13内に満たされ
る。
【0154】反応容器13内が、抗体溶液によって、満
たされると、第一の直流電源16がオンされて、第一の
直流電源16から、第一の電磁石ユニット14を構成す
る電磁石14a、14b、14cに直流が供給される。
【0155】電磁石14a、14b、14cに直流が供
給されると、電磁石14a、14b、14cによって、
磁界が生成され、生化学解析用ユニット1の基板2は、
磁性材料であるステンレスによって形成されているた
め、生化学解析用ユニット保持部材12によって、反応
容器13内に保持された生化学解析用ユニット1が、第
一の電磁石ユニット14を構成する電磁石14a、14
b、14cによって吸引されて、変形する。
【0156】その結果、生化学解析用ユニット1の変形
にともなって、反応容器13内に満たされた抗体溶液
が、上方から下方に向かって、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された多数の吸着性領域4を横切って、
流れ、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多
数の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質に、選
択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識し
ているジゴキシゲニンなどのハプテンに、抗原抗体反応
によって、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる酵素によって標識された抗体が結合さ
れる。
【0157】本実施態様においては、反応容器13の容
積が小さいため、反応容器13内に収容された抗体溶液
のほとんどを、生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された多数の吸着性領域4を横切って、流動させ、抗体
溶液に含まれている化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる酵素によって標識された抗体
と、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質に、選択
的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識して
いるジゴキシゲニンなどのハプテンとを、抗原抗体反応
によって、結合させることができる。
【0158】次いで、第一の直流電源16がオフされ、
第二の直流電源17がオンされて、第二の直流電源17
から、第二の電磁石ユニット15を構成する電磁石15
a、15b、15cに直流が供給される。
【0159】電磁石15a、15b、15cに直流が供
給されると、電磁石15a、15b、15cによって、
磁界が生成され、生化学解析用ユニット保持部材12に
よって保持された生化学解析用ユニット1が、第一の電
磁石ユニット14を構成する電磁石14a、14b、1
4cによって吸引されて、変形する。
【0160】その結果、生化学解析用ユニット1の変形
にともなって、反応容器13内に満たされた抗体溶液
が、下方から上方に向かって、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された多数の吸着性領域4を横切って、
流れ、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多
数の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質に、選
択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識し
ているジゴキシゲニンなどのハプテンと、化学発光基質
と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素に
よって標識された抗体とが、抗原抗体反応によって、結
合される。
【0161】次いで、第二の直流電源17がオフされ、
第一の直流電源16がオンされて、第一の直流電源16
から、第一の電磁石ユニット14を構成する電磁石14
a、14b、14cに直流が供給される。
【0162】同様の操作が、所定の時間にわたって、繰
り返される。
【0163】このように、本実施態様においては、第一
の直流電源16と、第二の直流電源17を、交互に、オ
ン・オフさせて、第一の電磁石ユニット14を構成する
電磁石14a、14b、14cと、第二の電磁石ユニッ
ト15を構成する電磁石15a、15b、15cに、交
互に、直流を供給することによって、生化学解析用ユニ
ット保持部材12によって、反応容器13内に保持され
た生化学解析用ユニット1を変形させて、反応容器13
内に収容された抗体溶液を、生化学解析用ユニット1の
基板2に形成された多数の吸着性領域4を横切って、流
動させることができるから、抗体溶液に含まれている抗
体を、単に、対流あるいは拡散によって移動させ、ハプ
テンに結合させる場合に比して、生化学解析用ユニット
1の吸着性領域4内における抗体の移動速度を大幅に増
大させることができ、したがって、抗原抗体反応の反応
速度を大幅に向上させることが可能になり、さらには、
抗体溶液に含まれている抗体が、吸着性領域4の深い部
分に含まれている特異的結合物質に、選択的に、ハイブ
リダイズされた生体由来の物質を標識しているハプテン
と出会う確率を大幅に増大させることができ、したがっ
て、所望のように、抗体溶液に含まれた抗体と、生化学
解析用ユニット1の吸着性領域4に含まれている特異的
結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来
の物質を標識しているハプテンとを、抗原抗体反応によ
って、結合させることが可能になる。
【0164】さらに、ポンプなどを用いて、抗体溶液
を、溶液循環管路を介して、反応容器13内に循環させ
て、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4を横切って、流動させる場合には、反応
容器13および溶液循環管路内を、抗体溶液によって満
たすことが必要になり、抗体濃度が高い抗体溶液を用い
ることが困難であるが、本実施態様においては、第一の
電磁石ユニット14および第二の電磁石ユニット15を
用いて、単に、基板2が磁性材料によって形成された生
化学解析用ユニット1を変形させるだけで、反応容器1
3内に満たされた抗体溶液を、生化学解析用ユニット保
持部材12によって、反応容器13内に保持された生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、
流動させることが可能になるから、容積の小さい反応容
器13内を、抗体濃度が高い抗体溶液によって、満たし
て、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質に、選択
的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識して
いるジゴキシゲニンなどのハプテンと、化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる酵素によ
って標識された抗体とを、抗原抗体反応によって、結合
させることができ、抗原抗体反応の反応速度を大幅に増
大させることが可能になる。
【0165】こうして、所定の時間が経過すると、第一
の直流電源16および第二の直流電源17がオフされ
て、抗原抗体反応が完了する。
【0166】抗原抗体反応が完了すると、抗体溶液が、
反応容器13から排出され、洗浄溶液が、反応容器13
内に収容される。
【0167】洗浄溶液が、反応容器13内に収容される
と、第一の直流電源16がオンされて、第一の直流電源
16から、第一の電磁石ユニット14を構成する電磁石
14a、14b、14cに直流が供給される。
【0168】電磁石14a、14b、14cに直流が供
給されると、電磁石14a、14b、14cによって、
磁界が生成され、生化学解析用ユニット1の基板2は、
磁性材料であるステンレスによって形成されているた
め、生化学解析用ユニット保持部材12によって、反応
容器13内に保持された生化学解析用ユニット1が、第
一の電磁石ユニット14を構成する電磁石14a、14
b、14cによって吸引されて、変形する。
【0169】その結果、生化学解析用ユニット1の変形
にともなって、反応容器13内に満たされた洗浄溶液
が、上方から下方に向かって、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された多数の吸着性領域4を横切って、
流れ、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多
数の吸着性領域4が、洗浄溶液によって、洗浄される。
【0170】次いで、第一の直流電源16がオフされ、
第二の直流電源17がオンされて、第二の直流電源17
から、第二の電磁石ユニット15を構成する電磁石15
a、15b、15cに直流が供給される。
【0171】電磁石15a、15b、15cに直流が供
給されると、電磁石15a、15b、15cによって、
磁界が生成され、生化学解析用ユニット保持部材12に
よって保持された生化学解析用ユニット1が、第一の電
磁石ユニット14を構成する電磁石14a、14b、1
4cによって吸引されて、変形する。
【0172】その結果、生化学解析用ユニット1の変形
にともなって、反応容器13内に満たされたハイブリダ
イゼーション反応溶液が、下方から上方に向かって、生
化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着
性領域4を横切って、流れ、生化学解析用ユニット1の
基板2に形成された多数の吸着性領域4が、洗浄溶液に
よって、洗浄される。
【0173】次いで、第二の直流電源17がオフされ、
第一の直流電源16がオンされて、第一の直流電源16
から、第一の電磁石ユニット14を構成する電磁石14
a、14b、14cに直流が供給される。
【0174】同様の操作が、所定の時間にわたって、繰
り返される。
【0175】このように、本実施態様においては、第一
の直流電源16と、第二の直流電源17を、交互に、オ
ン・オフさせて、第一の電磁石ユニット14を構成する
電磁石14a、14b、14cと、第二の電磁石ユニッ
ト15を構成する電磁石15a、15b、15cに、交
互に、直流を供給することによって、生化学解析用ユニ
ット保持部材12によって、反応容器13内に保持され
た生化学解析用ユニット1を変形させて、反応容器13
内に収容された洗浄溶液を、生化学解析用ユニット1の
基板2に形成された多数の吸着性領域4を横切って、流
動させることができるから、抗原抗体反応の過程で、ハ
プテンに結合されるべきでない抗体が、生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された吸着性領域4に吸着して
いても、ハプテンに結合されるべきでない抗体を、生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4から、効果的
に剥離させ、除去することが可能になり、洗浄効率を大
幅に向上させることができる。
【0176】こうして、所定の時間が経過すると、第一
の直流電源16および第二の直流電源17がオフされ
て、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4の洗浄操作が完了する。
【0177】洗浄操作が完了すると、洗浄溶液が、反応
容器13から排出される。
【0178】以上のようにして、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に、化学発
光データが記録される。生化学解析用ユニット1の吸着
性領域4に記録された化学発光データは、後述するデー
タ生成システムの冷却CCDカメラによって読み取ら
れ、生化学解析用データが生成される。
【0179】反応容器13からの洗浄溶液の排出が完了
すると、ユーザーによって、生化学解析用ユニット保持
部材12によって、反応容器13内に保持されている生
化学解析用ユニット1が、反応容器13から、取り出さ
れる。
【0180】図4は、蓄積性蛍光体シートの略斜視図で
ある。
【0181】図4に示されるように、本実施態様にかか
る蓄積性蛍光体シート20は、多数の略円形の貫通孔2
2が規則的に形成されたニッケル製の支持体21を備
え、支持体21に形成された多数の貫通孔22内に、輝
尽性蛍光体が埋め込まれて、多数の輝尽性蛍光体層領域
24が、ドット状に形成されている。
【0182】多数の貫通孔22は、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4と同一の
パターンで、支持体21に形成され、各輝尽性蛍光体層
領域24は、生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた吸着性領域4と等しいサイズを有するように、形成
されている。
【0183】したがって、図4には正確に示されていな
いが、19200の約0.01平方ミリメートルのサイ
ズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域24が、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領
域4と同一の規則的なパターンにより、マトリックス状
に、蓄積性蛍光体シート20の支持体21に形成されて
いる。
【0184】また、本実施態様においては、支持体21
の表面と、輝尽性蛍光体層領域24の表面とが同一の高
さに位置するように、輝尽性蛍光体が、支持体21に形
成された貫通孔22に埋め込まれて、蓄積性蛍光体シー
ト20が形成されている。
【0185】図5は、生化学解析用ユニット1に形成さ
れた多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シート20に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域24を露光する方法を示す略断面図であ
る。
【0186】図5に示されるように、露光にあたって、
生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域
4が、蓄積性蛍光体シート20の支持体21に形成され
た多数の輝尽性蛍光体層領域24に対向するように、蓄
積性蛍光体シート20と生化学解析用ユニット1とが重
ね合わされる。
【0187】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート20に形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域24の各々と、生化学解析用ユニット1に形成された
多数の吸着性領域4とを対向させることによって、吸着
性領域4に含まれた放射性標識物質によって、蓄積性蛍
光体シート20に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域
24が露光される。
【0188】この際、吸着性領域4に固定されている放
射性標識物質から電子線(β線)が発せられるが、生化
学解析用ユニット1の吸着性領域4は、放射線エネルギ
ーを減衰させる性質を有する窒化ケイ素によって形成さ
れた基板2に、互いに離間して、形成されているから、
各吸着性領域4から放出された電子線(β線)が、生化
学解析用ユニット1の基板2内で散乱して、隣り合う吸
着性領域4から放出された電子線(β線)と混ざり合
い、隣り合う吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体層領
域24に入射することを効果的に防止することができ、
さらに、蓄積性蛍光体シート20の多数の輝尽性蛍光体
層領域24は、放射線のエネルギーを減衰させる性質を
有するニッケル製の支持体21に形成された複数の貫通
孔22内に、輝尽性蛍光体を埋め込んで、形成されてい
るから、各吸着性領域4から放出された電子線(β線)
が、蓄積性蛍光体シート20の支持体21内で散乱し
て、対向する輝尽性蛍光体層領域24に隣り合う輝尽性
蛍光体層領域24に入射することを効果的に防止するこ
とが可能になり、したがって、吸着性領域4に含まれて
いる放射性標識物質から発せられた電子線(β線)を、
その吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体層領域24に
選択的に入射させることができ、吸着性領域4に含まれ
ている放射性標識物質から発せられた電子線(β線)
が、隣り合う吸着性領域4から放出される電子線(β
線)によって露光されるべき輝尽性蛍光体層領域24に
入射して、輝尽性蛍光体を露光することを確実に防止す
ることが可能になる。
【0189】こうして、蓄積性蛍光体シート20の支持
体21に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域24に、
放射性標識物質の放射線データが記録される。
【0190】図6は、蓄積性蛍光体シート20に形成さ
れた多数の輝尽性蛍光体層領域24に記録された放射性
標識物質の放射線データおよび生化学解析用ユニット1
の多数の吸着性領域4に記録された蛍光データを読み取
って、生化学解析用データを生成するスキャナの略斜視
図であり、図7は、フォトマルチプライア近傍のスキャ
ナの詳細を示す略斜視図である。
【0191】本実施態様にかかるスキャナは、蓄積性蛍
光体シート20に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域
24に記録された放射性標識物質の放射線データおよび
生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録さ
れた蛍光色素などの蛍光データを読み取り可能に構成さ
れており、640nmの波長のレーザ光34を発する第
1のレーザ励起光源31と、532nmの波長のレーザ
光34を発する第2のレーザ励起光源32と、473n
mの波長のレーザ光34を発する第3のレーザ励起光源
33とを備えている。
【0192】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源31は、半導体レーザ光源により構成され、第2の
レーザ励起光源32および第3のレーザ励起光源33
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素
子によって構成されている。
【0193】第1のレーザ励起光源31により発せられ
たレーザ光34は、コリメータレンズ35によって、平
行な光とされた後、ミラー46によって反射される。第
1のレーザ励起光源31から発せられ、ミラー46によ
って反射されたレーザ光34の光路には、640nmの
レーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する
第1のダイクロイックミラー37および532nm以上
の波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する
第2のダイクロイックミラー48が設けられており、第
1のレーザ励起光源31により発生されたレーザ光34
は、第1のダイクロイックミラー37および第2のダイ
クロイックミラー48を透過して、ミラー39に入射す
る。
【0194】他方、第2のレーザ励起光源32より発せ
られたレーザ光34は、コリメータレンズ40によっ
て、平行な光とされた後、第1のダイクロイックミラー
37によって反射されて、その向きが90度変えられ
て、第2のダイクロイックミラー48を透過し、ミラー
39に入射する。
【0195】また、第3のレーザ励起光源33から発せ
られたレーザ光34は、コリメータレンズ41によっ
て、平行な光とされた後、第2のダイクロイックミラー
48により反射されて、その向きが90度変えられた
後、ミラー39に入射する。
【0196】ミラー39に入射したレーザ光34は、ミ
ラー39によって反射され、さらに、ミラー42に入射
して、反射される。
【0197】ミラー42によって反射されたレーザ光3
4の光路には、中央部に穴43が形成された凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー44が配置されてお
り、ミラー42によって反射されたレーザ光34は、穴
開きミラー44の穴43を通過して、凹面ミラー48に
入射する。
【0198】凹面ミラー48に入射したレーザ光34
は、凹面ミラー48によって反射されて、光学ヘッド4
5に入射する。
【0199】光学ヘッド45は、ミラー46と、非球面
レンズ47を備えており、光学ヘッド45に入射したレ
ーザ光34は、ミラー46によって反射されて、非球面
レンズ47によって、ステージ50のガラス板51上に
載置された蓄積性蛍光体シート20あるいは生化学解析
用ユニット1に入射する。
【0200】蓄積性蛍光体シート20に、レーザ光34
が入射すると、蓄積性蛍光体シート20の支持体21に
形成された輝尽性蛍光体層領域24が励起され、輝尽光
55が発せられ、また、生化学解析用ユニット1に、レ
ーザ光34が入射すると、吸着性領域4に含まれている
蛍光色素などの蛍光物質が励起されて、蛍光55が発せ
られる。
【0201】蓄積性蛍光体シート20の輝尽性蛍光体層
領域24から放出された輝尽光55あるいは生化学解析
用ユニット1の吸着性領域4から放出された蛍光55
は、光学ヘッド45に設けられた非球面レンズ47によ
って、ミラー46に集光され、ミラー46によって、レ
ーザ光34の光路と同じ側に反射され、平行な光とされ
て、凹面ミラー48に入射する。
【0202】凹面ミラー48に入射した輝尽光55ある
いは蛍光55は、凹面ミラー48によって反射されて、
穴開きミラー44に入射する。
【0203】穴開きミラー44に入射した輝尽光55あ
るいは蛍光55は、図7に示されるように、凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー44によって、下方に
反射されて、フィルタユニット58に入射し、所定の波
長の光がカットされて、フォトマルチプライア60に入
射し、光電的に検出される。
【0204】図7に示されるように、フィルタユニット
58は、4つのフィルタ部材61a、61b、61c、
61dを備えており、フィルタユニット58は、モータ
(図示せず)によって、図7において、左右方向に移動
可能に構成されている。
【0205】図8は、図7のA−A線に沿った略断面図
である。
【0206】図8に示されるように、フィルタ部材61
aはフィルタ62aを備え、フィルタ62aは、第1の
レーザ励起光源31を用いて、生化学解析用ユニット1
に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光物
質を励起し、蛍光55を読み取るときに使用されるフィ
ルタ部材であり、640nmの波長の光をカットし、6
40nmよりも波長の長い光を透過する性質を有してい
る。
【0207】図9は、図7のB−B線に沿った略断面図
である。
【0208】図9に示されるように、フィルタ部材61
bはフィルタ62bを備え、フィルタ62bは、第2の
レーザ励起光源32を用いて、生化学解析用ユニット1
に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光物
質を励起し、蛍光55を読み取るときに使用されるフィ
ルタ部材であり、532nmの波長の光をカットし、5
32nmよりも波長の長い光を透過する性質を有してい
る。
【0209】図10は、図7のC−C線に沿った略断面
図である。
【0210】図10に示されるように、フィルタ部材6
1cはフィルタ62cを備え、フィルタ62cは、第3
のレーザ励起光源33を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光
物質を励起して、蛍光55を読み取るときに使用される
フィルタ部材であり、473nmの波長の光をカット
し、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を有
している。
【0211】図11は、図7のD−D線に沿った略断面
図である。
【0212】図11に示されるように、フィルタ部材6
1dはフィルタ62dを備え、フィルタ62dは、第1
のレーザ励起光源31を用いて、蓄積性蛍光体シート2
0に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域24を励起し
て、輝尽性蛍光体層領域24から発せられた輝尽光55
を読み取るときに使用されるフィルタであり、輝尽性蛍
光体層領域24から放出される輝尽光55の波長域の光
のみを透過し、640nmの波長の光をカットする性質
を有している。
【0213】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタ部材61a、61b、61c、61d
を選択的にフォトマルチプライア60の前面に位置させ
ることによって、フォトマルチプライア60は、検出す
べき光のみを光電的に検出することができる。
【0214】フォトマルチプライア60によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器63によって、ディジタルデータに変換され、デー
タ処理装置64に送られる。
【0215】図6には図示されていないが、光学ヘッド
45は、走査機構によって、図6において、矢印Xで示
される主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に
移動可能に構成され、生化学解析用ユニット1の全面
が、レーザ光34によって走査されるように構成されて
いる。
【0216】図12は、光学ヘッドの走査機構の略平面
図である。
【0217】図12においては、簡易化のため、光学ヘ
ッド45を除く光学系ならびにレーザ光34および蛍光
55あるいは輝尽光55の光路は省略されている。
【0218】図12に示されるように、光学ヘッド45
を走査する走査機構は、基板70を備え、基板70上に
は、副走査パルスモータ71と一対のレール72、62
とが固定され、基板70上には、さらに、図12におい
て、矢印Yで示された副走査方向に、移動可能な基板7
3とが設けられている。
【0219】移動可能な基板73には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ71によって回転されるねじが切られた
ロッド74が係合している。
【0220】移動可能な基板73上には、主走査ステッ
ピングモータ75が設けられ、主走査ステッピングモー
タ75は、エンドレスベルト76を、生化学解析用ユニ
ット1に形成された隣り合う吸着性領域4、すなわち、
蓄積性蛍光体シート20に形成された隣り合う輝尽性蛍
光体層領域24の距離に等しいピッチで、間欠的に駆動
可能に構成されている。光学ヘッド45は、エンドレス
ベルト76に固定されており、主走査ステッピングモー
タ75によって、エンドレスベルト76が駆動される
と、図12において、矢印Xで示された主走査方向に移
動されるように構成されている。
【0221】図12において、67は、光学ヘッド45
の主走査方向における位置を検出するリニアエンコーダ
であり、78は、リニアエンコーダ77のスリットであ
る。
【0222】したがって、主走査ステッピングモータ7
5によって、エンドレスベルト76が、主走査方向に間
欠的に駆動され、1ラインの走査が完了すると、副走査
パルスモータ71によって、基板73が、副走査方向に
間欠的に移動されることによって、光学ヘッド45は、
図12において、矢印Xで示される主走査方向および矢
印Yで示される副走査方向に移動され、レーザ光34に
よって、蓄積性蛍光体シート20に形成されたすべての
輝尽性蛍光体層領域24あるいは生化学解析用ユニット
1に形成されたすべての吸着性領域4が走査される。
【0223】図13は、図6に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【0224】図13に示されるように、スキャナの制御
系は、スキャナ全体の動作を制御するコントロールユニ
ット80と、データ処理装置64と、メモリ55を備え
ており、また、スキャナの入力系は、ユーザーによって
操作され、種々の指示信号を入力可能なキーボード81
を備えている。
【0225】図13に示されるように、スキャナの駆動
系は、光学ヘッド45を主走査方向に間欠的に移動させ
る主走査ステッピングモータ75と、光学ヘッド45を
副走査方向に間欠的に移動させる副走査パルスモータ7
1と、4つのフィルタ部材61a、61b、61c、6
1dを備えたフィルタユニット58を移動させるフィル
タユニットモータ82を備えている。
【0226】コントロールユニット80は、第1のレー
ザ励起光源31、第2のレーザ励起光源32または第3
のレーザ励起光源33に選択的に駆動信号を出力すると
ともに、フィルタユニットモータ82に駆動信号を出力
可能に構成されている。
【0227】また、図13に示されるように、スキャナ
の検出系は、フォトマルチプライア60と、光学ヘッド
45の主走査方向における位置を検出するリニアエンコ
ーダ77を備えている。
【0228】本実施態様においては、コントロールユニ
ット80は、リニアエンコーダ77から入力される光学
ヘッド45の位置検出信号にしたがって、第1のレーザ
励起光源31、第2のレーザ励起光源32または第3の
レーザ励起光源33をオン・オフ制御可能に構成されて
いる。
【0229】以上のように構成されたスキャナは、以下
のようにして、生化学解析用ユニット1に形成された多
数の吸着性領域4に含まれている放射性標識物質によ
り、多数の輝尽性蛍光体層領域24が露光されて、蓄積
性蛍光体シート20の輝尽性蛍光体層領域24に記録さ
れた放射性標識物質の放射線データを読み取って、生化
学解析用データを生成する。
【0230】まず、蓄積性蛍光体シート20が、ステー
ジ50のガラス板51上に載置される。
【0231】次いで、ユーザーによって、キーボード8
1に、蓄積性蛍光体シート20に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域24を、レーザ光34によって走査する
旨の指示信号が入力される。
【0232】キーボード81に入力された指示信号は、
コントロールユニット80に入力され、コントロールユ
ニット80は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ82に駆動信号を出力し、フィルタユニット5
8を移動させ、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光55
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有するフィルタ62dを備えたフィルタ
部材61dを、輝尽光55の光路内に位置させる。
【0233】さらに、コントロールユニット80は、主
走査ステッピングモータ75に駆動信号を出力し、光学
ヘッド45を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド45の位置検出信号に基づい
て、蓄積性蛍光体シート20に形成された多数の輝尽性
蛍光体層領域24のうち、第1の輝尽性蛍光体層領域2
4に、レーザ光34を照射可能な位置に、光学ヘッド4
5が達したことが確認されると、主走査ステッピングモ
ータ75に停止信号を出力するとともに、第1のレーザ
励起光源31に駆動信号を出力して、第1のレーザ励起
光源31を起動させ、640nmの波長のレーザ光34
を発せさせる。
【0234】第1のレーザ励起光源31から発せられた
レーザ光34は、コリメータレンズ35によって、平行
な光とされた後、ミラー46に入射して、反射される。
【0235】ミラー46によって反射されたレーザ光3
4は、第1のダイクロイックミラー37および第2のダ
イクロイックミラー48を透過し、ミラー39に入射す
る。
【0236】ミラー39に入射したレーザ光34は、ミ
ラー39によって反射されて、さらに、ミラー42に入
射して、反射される。
【0237】ミラー42によって反射されたレーザ光3
4は、穴開きミラー44の穴43を通過して、凹面ミラ
ー48に入射する。
【0238】凹面ミラー48に入射したレーザ光34
は、凹面ミラー48によって反射されて、光学ヘッド4
5に入射する。
【0239】光学ヘッド45に入射したレーザ光34
は、ミラー46によって反射され、非球面レンズ47に
よって、ステージ50のガラス板51上に載置された蓄
積性蛍光体シート20の第1の輝尽性蛍光体層領域24
に集光される。
【0240】本実施態様においては、輝尽性蛍光体層領
域24は、それぞれ、ニッケル製の支持体21に形成さ
れた貫通孔22内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、形
成されているから、各輝尽性蛍光体層領域24内で、レ
ーザ光34が散乱して、隣り合った輝尽性蛍光体層領域
24内に入射し、隣り合った輝尽性蛍光体層領域24内
に含まれている輝尽性蛍光体を励起することを効果的に
防止することが可能になる。
【0241】レーザ光34が、蓄積性蛍光体シート20
の支持体21に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域2
4に入射すると、蓄積性蛍光体シート20に形成された
第1の輝尽性蛍光体層領域24に含まれる輝尽性蛍光体
が、レーザ光34によって励起されて、第1の輝尽性蛍
光体層領域24から輝尽光55が放出される。
【0242】蓄積性蛍光体シート20の第1の輝尽性蛍
光体領域15から放出された輝尽光55は、光学ヘッド
45に設けられた非球面レンズ47によって集光され、
ミラー46により、レーザ光34の光路と同じ側に反射
され、平行な光とされて、凹面ミラー48に入射する。
【0243】凹面ミラー48に入射した輝尽光55は、
凹面ミラー48によって反射されて、穴開きミラー44
に入射する。
【0244】穴開きミラー44に入射した輝尽光55
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー44に
よって、図7に示されるように、下方に反射され、フィ
ルタユニット58のフィルタ62dに入射する。
【0245】フィルタ62dは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光55の波長域の光のみを透過し、640n
mの波長の光をカットする性質を有しているので、励起
光である640nmの波長の光がカットされ、輝尽性蛍
光体層領域24から放出された輝尽光55の波長域の光
のみがフィルタ62dを透過して、フォトマルチプライ
ア60によって、光電的に検出される。
【0246】フォトマルチプライア60によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器63に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置64に出力される。
【0247】第1のレーザ励起光源31がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット80は、第1のレーザ励起光源31に
駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源31の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
75に、駆動信号を出力して、光学ヘッド45を、蓄積
性蛍光体シート20に形成された隣り合う輝尽性蛍光体
層領域24の間の距離に等しいピッチだけ、移動させ
る。
【0248】リニアエンコーダ77から入力された光学
ヘッド45の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド45
が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域24の間の距離に等し
い1ピッチだけ移動されて、第1のレーザ励起光源31
から発せられるレーザ光34を、蓄積性蛍光体シート2
0に形成された第2の輝尽性蛍光体層領域24に照射可
能な位置に移動したことが確認されると、コントロール
ユニット80は、第1のレーザ励起光源31に駆動信号
を出力して、第1のレーザ励起光源31をオンさせて、
レーザ光34によって、蓄積性蛍光体シート20に形成
された第2の輝尽性蛍光体層領域24に含まれている輝
尽性蛍光体を励起する。
【0249】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光34が、蓄積性蛍光体シート20に形成された第2の
輝尽性蛍光体層領域24に照射され、第2の輝尽性蛍光
体層領域24に含まれている輝尽性蛍光体が励起され
て、第2の輝尽性蛍光体層領域24から放出された輝尽
光55が、フォトマルチプライア60によって、光電的
に検出されて、アナログデータが生成されると、コント
ロールユニット80は、第1のレーザ励起光源31にオ
フ信号を出力して、第1のレーザ励起光源31をオフさ
せるとともに、主走査ステッピングモータ75に、駆動
信号を出力して、光学ヘッド45を、隣り合う輝尽性蛍
光体層領域24の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動
させる。
【0250】こうして、光学ヘッド45の間欠的な移動
に同期して、第1のレーザ励起光源31のオン・オフが
繰り返され、リニアエンコーダ77から入力された光学
ヘッド45の位置検出信号に基づき、光学ヘッド45
が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、第1ライ
ン目の輝尽性蛍光体層領域24のレーザ光34による走
査が完了したことが確認されると、コントロールユニッ
ト80は、主走査ステッピングモータ75に駆動信号を
出力して、光学ヘッド45を元の位置に復帰させるとと
もに、副走査パルスモータ71に駆動信号を出力して、
移動可能な基板73を、副走査方向に、1ライン分だ
け、移動させる。
【0251】リニアエンコーダ77から入力された光学
ヘッド45の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド45
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板73が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット80は、蓄積性蛍光体
シート20の第1ライン目の輝尽性蛍光体層領域24
に、順次、第1のレーザ励起光源31から発せられるレ
ーザ光34を照射したのと全く同様にして、第2ライン
目の輝尽性蛍光体層領域24に、順次、第1のレーザ励
起光源31から発せられるレーザ光34を照射して、第
2ライン目の輝尽性蛍光体層領域24に含まれている輝
尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体層領域24から発せ
られた輝尽光55を、順次、フォトマルチプライア60
に光電的に検出させる。
【0252】フォトマルチプライア60によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器63によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置64に送られる。
【0253】こうして、蓄積性蛍光体シート20の支持
体21に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領域24
が、第1のレーザ励起光源31から放出されたレーザ光
34によって走査され、すべての輝尽性蛍光体層領域2
4に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、放出され
た輝尽光55が、フォトマルチプライア60によって光
電的に検出され、生成されたアナログデータが、A/D
変換器63により、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置64に送られると、コントロールユニット
80から、駆動停止信号が、第1のレーザ励起光源31
に出力され、第1のレーザ励起光源31の駆動が停止さ
れる。
【0254】以上のようにして、蓄積性蛍光体シート2
0の多数の輝尽性蛍光体層領域24に記録された放射線
データが読み取られて、生化学解析用データが生成され
る。
【0255】一方、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域4に記録された蛍光物質の蛍光デー
タを読み取って、生化学解析用ディジタルデータを生成
するときは、まず、ユーザーによって、生化学解析用ユ
ニット1が、ステージ50のガラス板51上にセットさ
れる。
【0256】次いで、ユーザーによって、キーボード8
1に、標識物質である蛍光物質の種類を特定する蛍光物
質特定信号が入力されるとともに、蛍光データを読み取
るべき旨の指示信号が入力される。
【0257】キーボード81に入力された蛍光物質特定
信号および指示信号は、コントロールユニット80に入
力され、コントロールユニット80は、蛍光物質特定信
号および指示信号を受けると、メモリ(図示せず)に記
憶されているテーブルにしたがって、使用すべきレーザ
励起光源を決定するとともに、フィルタ62a、62
b、62cのいずれを蛍光55の光路内に位置させるか
を決定する。
【0258】たとえば、生体由来の物質を標識する蛍光
物質として、532nmの波長のレーザによって、最も
効率的に励起することのできるローダミン(登録商標)
が使用され、その旨が、キーボード81に入力されたと
きは、コントロールユニット80は、第2のレーザ励起
光源32を選択するとともに、フィルタ62bを選択
し、フィルタユニットモータ82に駆動信号を出力し
て、フィルタユニット58を移動させ、532nmの波
長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有するフィルタ62bを備えたフィルタ部
材61bを、生化学解析用ユニット1から放出されるべ
き蛍光55の光路内に位置させる。
【0259】さらに、コントロールユニット80は、主
走査ステッピングモータ75に駆動信号を出力し、光学
ヘッド45を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド45の位置検出信号に基づい
て、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性
領域4のうち、第1の吸着性領域4に、レーザ光34を
照射可能な位置に、光学ヘッド45が達したことが確認
されると、主走査ステッピングモータ75に停止信号を
出力するとともに、第2のレーザ励起光源32に駆動信
号を出力して、第2のレーザ励起光源32を起動させ、
532nmの波長のレーザ光34を発せさせる。
【0260】第2のレーザ励起光源32から発せられた
レーザ光34は、コリメータレンズ40によって、平行
な光とされた後、第1のダイクロイックミラー37に入
射して、反射される。
【0261】第1のダイクロイックミラー37によって
反射されたレーザ光34は、第2のダイクロイックミラ
ー48を透過し、ミラー39に入射する。
【0262】ミラー39に入射したレーザ光34は、ミ
ラー39によって反射されて、さらに、ミラー42に入
射して、反射される。
【0263】ミラー42によって反射されたレーザ光3
4は、穴開きミラー44の穴43を通過して、凹面ミラ
ー48に入射する。
【0264】凹面ミラー48に入射したレーザ光34
は、凹面ミラー48によって反射されて、光学ヘッド4
5に入射する。
【0265】光学ヘッド45に入射したレーザ光34
は、ミラー46によって反射され、非球面レンズ47に
よって、ステージ50のガラス板51上に載置された生
化学解析用ユニット1の第1の吸着性領域4に集光され
る。
【0266】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1の吸着性領域4は、それぞれ、アルミニウムによ
って形成された基板に形成されている貫通孔3内に、ナ
イロン6が充填されて、形成されているから、生化学解
析用ユニット1の第1の吸着性領域4に入射したレーザ
光34が散乱して、隣り合った吸着性領域4内に入射
し、隣り合った吸着性領域4内に含まれている蛍光物質
を励起することを効果的に防止することが可能になる。
【0267】レーザ光34が、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された第1の吸着性領域4に入射する
と、レーザ光34によって、生化学解析用ユニット1の
第1の吸着性領域4に含まれた蛍光色素などの蛍光物
質、たとえば、ローダミンが励起されて、蛍光が発せら
れる。
【0268】ローダミンから放出された蛍光55は、光
学ヘッド45に設けられた非球面レンズ47によって集
光され、ミラー46によって、レーザ光34の光路と同
じ側に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー48に
入射する。
【0269】凹面ミラー48に入射した蛍光55は、凹
面ミラー48によって反射されて、穴開きミラー44に
入射する。
【0270】穴開きミラー44に入射した蛍光55は、
凹面ミラーによって形成された穴開きミラー44によっ
て、図7に示されるように、下方に反射され、フィルタ
ユニット58のフィルタ62bに入射する。
【0271】フィルタ62bは、532nmの波長の光
をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有しているので、励起光である532nmの波長
の光がカットされ、ローダミンから放出された蛍光55
の波長域の光のみがフィルタ62bを透過して、フォト
マルチプライア60によって、光電的に検出される。
【0272】フォトマルチプライア60によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器63に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置64に出力される。
【0273】第2のレーザ励起光源32がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット80は、第2のレーザ励起光源32に
駆動停止信号を出力して、第2のレーザ励起光源32の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
75に、駆動信号を出力して、光学ヘッド45を、生化
学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸着性領域4
の間の距離に等しいピッチだけ、移動させる。
【0274】リニアエンコーダ77から入力された光学
ヘッド45の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド45
が、生化学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸着
性領域4の間の距離に等しい1ピッチだけ移動されて、
第2のレーザ励起光源32から発せられるレーザ光34
を、生化学解析用ユニット1に形成された第2の吸着性
領域4に照射可能な位置に移動したことが確認される
と、コントロールユニット80は、第2のレーザ励起光
源32に駆動信号を出力して、第2のレーザ励起光源3
2をオンさせて、レーザ光34によって、生化学解析用
ユニット1に形成された第2の吸着性領域4に含まれて
いる蛍光物質、たとえば、ローダミンを励起する。
【0275】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光34が、生化学解析用ユニット1に形成された第2の
吸着性領域4に照射され、第2吸着性領域4から放出さ
れた蛍光55が、フォトマルチプライア60によって、
光電的に検出されて、アナログデータが生成されると、
コントロールユニット80は、第2のレーザ励起光源3
2にオフ信号を出力して、第2のレーザ励起光源32を
オフさせるとともに、主走査ステッピングモータ75
に、駆動信号を出力して、光学ヘッド45を、生化学解
析用ユニット1に形成された隣り合う吸着性領域4の間
の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0276】こうして、光学ヘッド45の間欠的な移動
に同期して、第1のレーザ励起光源31のオン・オフが
繰り返され、リニアエンコーダ77から入力された光学
ヘッド45の位置検出信号に基づき、光学ヘッド45
が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、生化学解
析用ユニット1の第1ライン目のすべての吸着性領域4
を、レーザ光34により、走査したことが確認される
と、コントロールユニット80は、主走査ステッピング
モータ75に駆動信号を出力して、光学ヘッド45を元
の位置に復帰させるとともに、副走査パルスモータ71
に駆動信号を出力して、移動可能な基板73を、副走査
方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0277】リニアエンコーダ77から入力された光学
ヘッド45の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド45
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板73が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット80は、生化学解析用
ユニット1に形成された第1ライン目の吸着性領域4
に、順次、第2のレーザ励起光源32から発せられるレ
ーザ光34を照射したのと全く同様にして、生化学解析
用ユニット1に形成された第2ライン目の吸着性領域4
に含まれているローダミンを励起し、第2ライン目の吸
着性領域4から放出された蛍光55を、順次、フォトマ
ルチプライア60によって、光電的に検出させる。
【0278】フォトマルチプライア60によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器63によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置64に送られる。
【0279】こうして、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成されたすべての吸着性領域4が、第2のレーザ
励起光源32から放出されたレーザ光34によって走査
され、生化学解析用ユニット1に形成されたすべての吸
着性領域4に含まれているローダミンが励起されて、放
出された蛍光55が、フォトマルチプライア60によっ
て光電的に検出され、生成されたアナログデータが、A
/D変換器63によって、ディジタルデータに変換され
て、データ処理装置64に送られると、コントロールユ
ニット80から、駆動停止信号が、第2のレーザ励起光
源32に出力され、第2のレーザ励起光源32の駆動が
停止される。
【0280】以上のようにして、生化学解析用ユニット
1の多数の吸着性領域4に記録された蛍光データが読み
取られて、生化学解析用データが生成される。
【0281】図14は、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に記録された化学発光データを読み取っ
て、生化学解析用データを生成するデータ生成システム
の略正面図である。
【0282】図14に示されたデータ生成システムは、
生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録さ
れた化学発光データを読み取って、生化学解析用データ
を生成可能であるとともに、生化学解析用ユニット1の
多数の吸着性領域4に記録された蛍光色素などの蛍光物
質の蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生
成可能に構成されている。
【0283】図14に示されるように、データ生成シス
テムは、冷却CCDカメラ91、暗箱92およびパーソ
ナルコンピュータ93を備えている。パーソナルコンピ
ュータ93は、CRT94とキーボード95を備えてい
る。
【0284】図15は、冷却CCDカメラ91の略縦断
面図である。
【0285】図15に示されるように、冷却CCDカメ
ラ91は、CCD96と、アルミニウムなどの金属によ
って作られた伝熱板97と、CCD86を冷却するため
のペルチエ素子98と、CCD96の前面に配置された
シャッタ99と、CCD96が生成したアナログデータ
をディジタルデータに変換するA/D変換器100と、
A/D変換器100によってディジタル化されたデータ
を一時的に記憶するデータバッファ101と、冷却CC
Dカメラ91の動作を制御するカメラ制御回路102と
を備えている。
【0286】暗箱82との間に形成された開口部は、ガ
ラス板105によって閉じられており、冷却CCDカメ
ラ91の周囲には、ペルチエ素子98が発する熱を放熱
するための放熱フィン106が長手方向のほぼ全面にわ
たって形成されている。
【0287】ガラス板105の前面の暗箱92内には、
レンズフォーカス調整機能を有するカメラレンズ107
が取付けられている。
【0288】図16は、暗箱92の略縦断面図である。
【0289】図16に示されるように、暗箱92内に
は、励起光を発するLED光源110が設けられてお
り、LED光源110は、取り外し可能に設けられたフ
ィルタ111と、フィルタ111の上面に設けられた拡
散板113を備えており、拡散板113を介して、励起
光が、その上に載置される生化学解析用ユニット(図示
せず)に向けて、照射されることによって、生化学解析
用ユニットが均一に照射されるように保証されている。
フィルタ111は、励起光の近傍の波長以外の蛍光物質
の励起に有害な光をカットし、励起光近傍の波長の光の
みを透過する性質を有している。カメラレンズ107の
前面には、励起光近傍の波長の光をカットするフィルタ
112が、取り外し可能に設けられている。
【0290】図17は、データ生成システムを構成する
パーソナルコンピュータ93の周辺のブロックダイアグ
ラムである。
【0291】図16に示されるように、パーソナルコン
ピュータ93は、冷却CCDカメラ81の露出を制御す
るCPU120と、冷却CCDカメラ91の生成したデ
ィジタルデータをデータバッファ101から読み出すデ
ータ転送手段121と、ディジタルデータを記憶するデ
ータ記憶手段122と、データ記憶手段122に記憶さ
れたディジタルデータにデータ処理を施すデータ処理手
段123と、データ記憶手段122に記憶されたディジ
タルデータに基づいて、CRT84の画面上に可視デー
タを表示するデータ表示手段124とを備えている。
【0292】LED光源110は、光源制御手段125
によって制御されており、光源制御手段125には、キ
ーボード95から、CPU120を介して、指示信号が
入力されるように構成されている。CPU120は、冷
却CCDカメラ91のカメラ制御回路102に種々の信
号を出力可能に構成されている。
【0293】図14ないし図17に示されたデータ生成
システムは、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に含まれた特異的結合物質に、選択的に、ハイブリ
ダイズされた生体由来の物質を標識しているジゴキシゲ
ニンなどのハプテンに、抗原抗体反応によって、結合さ
れた抗体を標識している酵素と、化学発光基質との接触
により生ずる化学発光を、カメラレンズ107を介し
て、冷却CCDカメラ91のCCD96によって検出し
て、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記
録されている化学発光データを読み取り、生化学解析用
データを生成するとともに、生化学解析用ユニット1の
基板2に形成された多数の吸着性領域4に、LED光源
110から励起光を照射して、生化学解析用ユニット1
の多数の吸着性領域4に選択的に含まれた蛍光色素など
の蛍光物質を励起し、蛍光物質が放出した蛍光を、カメ
ラレンズ107を介して、冷却CCDカメラ91のCC
D96によって検出して、生化学解析用ユニット1の多
数の吸着性領域4に記録されている蛍光データを読み取
り、生化学解析用データを生成可能に構成されている。
【0294】化学発光データを読み取る場合には、フィ
ルタ112を取り外し、LED光源110をオフ状態に
保持した状態で、拡散板113上に、生化学解析用ユニ
ット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれた抗体を
標識している標識酵素に、化学発光基質が接触されて、
化学発光を発している生化学解析用ユニット1が載置さ
れる。
【0295】次いで、ユーザーにより、カメラレンズ1
07を用いて、レンズフォーカスが調整され、暗箱92
が閉じられる。
【0296】その後、ユーザーが、キーボード95に露
出開始信号を入力すると、露出開始信号が、CPU12
0を介して、冷却CCDカメラ91のカメラ制御回路1
02に入力され、カメラ制御回路102によって、シャ
ッタ99が開かれて、CCD96の露出が開始される。
【0297】生化学解析用ユニット1の吸着性領域4か
ら発せられた化学発光は、カメラレンズ107を介し
て、冷却CCDカメラ91のCCD96の光電面に入射
して、光電面に画像を形成する。CCD96は、こうし
て、光電面に形成された画像の光を受け、これを電荷の
形で蓄積する。
【0298】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の基板2は、光を減衰させる性質を有す
るアルミニウムによって形成されているので、標識酵素
から放出された化学発光が、生化学解析用ユニット1の
基板2内で散乱して、隣り合う吸着性領域4に含まれる
標識酵素から放出された化学発光と混ざり合うことを確
実に防止することができる。
【0299】所定の露出時間が経過すると、CPU12
0は、冷却CCDカメラ91のカメラ制御回路102に
露出完了信号を出力する。
【0300】カメラ制御回路102は、CPU120か
ら、露出完了信号を受けると、CCD96が電荷の形で
蓄積したアナログデータをA/D変換器100に転送し
て、ディジタル化し、データバッファ101に一時的に
記憶させる。
【0301】カメラ制御回路102に露出完了信号を出
力するのと同時に、CPU120は、データ転送手段1
21にデータ転送信号を出力して、冷却CCDカメラ9
1のデータバッファ101からディジタルデータを読み
出させ、データ記憶手段122に記憶させる。
【0302】ユーザーによって、データ処理信号がキー
ボード95に入力されると、CPU120は、データ記
憶手段122に記憶されたディジタルデータを、データ
処理手段123に出力させて、データ処理手段123
に、ユーザーの指示にしたがって、データ処理を実行さ
せ、データ記憶手段122に記憶させる。
【0303】次いで、ユーザーが、データ表示信号をキ
ーボード95に入力すると、CPU120は、データ表
示手段124にデータ表示信号を出力して、データ記憶
手段122に記憶されたディジタルデータに基づき、生
化学解析用データを、CRT94の画面上に表示させ
る。
【0304】こうして、生化学解析用データ1の多数の
吸着性領域4に記録された化学発光データが読み取られ
て、生化学解析用データが生成される。
【0305】これに対して、生化学解析用データ1の多
数の吸着性領域4に記録された蛍光データを読み取っ
て、生化学解析用データを生成するときは、まず、生化
学解析用ユニット1が、拡散板103上に載置される。
【0306】次いで、ユーザーにより、LED光源11
0がオンされ、カメラレンズ107を用いて、レンズフ
ォーカスが調整され、暗箱92が閉じられる。
【0307】その後、ユーザーが、キーボード95に露
出開始信号を入力すると、光源制御手段125によっ
て、LED光源110がオンされて、生化学解析用ユニ
ット1に向けて、励起光が発せられる。同時に、露出開
始信号は、CPU120を介して、冷却CCDカメラ9
1のカメラ制御回路102に入力され、カメラ制御回路
102によって、シャッタ99が開かれ、CCD96の
露出が開始される。
【0308】LED光源110から発せられた励起光
は、フィルタ111により、励起光の波長近傍以外の波
長成分がカットされ、拡散板113によって、一様な光
とされて、生化学解析用ユニット1に照射される。
【0309】その結果、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に選択的に含まれている蛍光物質が、励
起光によって、励起されて、蛍光が放出される。
【0310】生化学解析用ユニット1の吸着性領域4か
ら発せられた蛍光は、フィルタ112およびカメラレン
ズ107を介して、冷却CCDカメラ91のCCD96
の光電面に入射し、光電面に像を形成する。
【0311】ここに、フィルタ112によって、励起光
の波長の光がカットされるため、生化学解析用ユニット
1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれた蛍光物質か
ら発せられた蛍光のみが、CCD96によって受光され
る。
【0312】CCD96は、こうして、光電面に形成さ
れた像の光を受けて、これを電荷の形で蓄積する。
【0313】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の基板2は、光を減衰させる性質を有す
るアルミニウムによって形成されているので、蛍光色素
などの蛍光物質から放出された蛍光が、生化学解析用ユ
ニット1の基板2内で散乱して、隣り合う吸着性領域4
から放出された蛍光と混ざり合うことを確実に防止する
ことができる。
【0314】所定の露出時間が経過すると、CPU12
0は、冷却CCDカメラ91のカメラ制御回路102に
露出完了信号を出力する。
【0315】カメラ制御回路102は、CPU120か
ら露出完了信号を受けると、CCD96が電荷の形で蓄
積したアナログデータを、A/D変換器100に転送し
て、ディジタル化し、データバッファ101に一時的に
記憶させる。
【0316】カメラ制御回路102に露出完了信号を出
力するのと同時に、CPU120は、データ転送手段1
21にデータ転送信号を出力して、冷却CCDカメラ9
1のデータバッファ101からディジタルデータを読み
出させ、データ記憶手段122に記憶させる。
【0317】ユーザーによって、データ処理信号がキー
ボード95に入力されると、CPU120は、データ記
憶手段122に記憶されたディジタルデータを、データ
処理手段123に出力させて、データ処理手段123
に、ユーザーの指示にしたがって、データ処理を実行さ
せ、データ記憶手段122に記憶させる。
【0318】次いで、ユーザーが、データ表示信号をキ
ーボード95に入力すると、CPU120は、データ表
示手段124にデータ表示信号を出力して、データ記憶
手段122に記憶されたディジタルデータに基づき、生
化学解析用データを、CRT94の画面上に表示させ
る。
【0319】本実施態様によれば、第一の直流電源16
と、第二の直流電源17を、交互に、オン・オフさせ
て、第一の電磁石ユニット14を構成する電磁石14
a、14b、14cと、第二の電磁石ユニット15を構
成する電磁石15a、15b、15cに、交互に、直流
を供給することによって、生化学解析用ユニット保持部
材12によって、反応容器13内に保持された生化学解
析用ユニット1を変形させて、反応容器13内に収容さ
れたハイブリダイゼーション反応溶液を、生化学解析用
ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4を
横切って、流動させることができるから、ハイブリダイ
ゼーション反応溶液に含まれている生体由来の物質を、
単に、対流あるいは拡散によって移動させ、特異的結合
物質とハイブリダイズさせる場合に比して、生化学解析
用ユニット1の吸着性領域4内における生体由来の物質
の移動速度を大幅に増大させることができ、したがっ
て、ハイブリダイゼーションの反応速度を大幅に向上さ
せることが可能になり、さらには、生体由来の物質が、
吸着性領域4の深い部分に含まれている特異的結合物質
と出会う確率を大幅に増大させることができ、したがっ
て、所望のように、生化学解析用ユニット1の多数の吸
着性領域4に固定された特異的結合物質に、ハイブリダ
イゼーション反応溶液に含まれている生体由来の物質を
ハイブリダイズさせることが可能になる。
【0320】さらに、ポンプなどを用いて、ハイブリダ
イゼーション反応溶液を、溶液循環管路を介して、反応
容器13内に循環させて、生化学解析用ユニット1の基
板2に形成された多数の吸着性領域4を横切って、流動
させる場合には、反応容器13および溶液循環管路内
を、ハイブリダイゼーション反応溶液によって満たすこ
とが必要になり、生体由来の物質の濃度が高いハイブリ
ダイゼーション反応溶液を用いることが困難であるが、
本実施態様によれば、第一の電磁石ユニット14および
第二の電磁石ユニット15を用いて、単に、基板2が磁
性材料によって形成された生化学解析用ユニット1を変
形させるだけで、反応容器13内に満たされたハイブリ
ダイゼーション反応溶液を、生化学解析用ユニット保持
部材12によって、反応容器13内に保持された生化学
解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、流
動させることが可能になるから、容積の小さい反応容器
13内を、生体由来の物質の濃度が高いハイブリダイゼ
ーション反応溶液によって、満たして、生化学解析用ユ
ニット1の多数の吸着性領域4に固定された特異的結合
物質に、ハイブリダイゼーション反応溶液に含まれてい
る生体由来の物質をハイブリダイズさせることができ、
したがって、ハイブリダイゼーション反応の反応速度を
大幅に増大させることが可能になる。
【0321】また、本実施態様によれば、第一の直流電
源16と、第二の直流電源17を、交互に、オン・オフ
させて、第一の電磁石ユニット14を構成する電磁石1
4a、14b、14cと、第二の電磁石ユニット15を
構成する電磁石15a、15b、15cに、交互に、直
流を供給することによって、生化学解析用ユニット保持
部材12によって、反応容器13内に保持された生化学
解析用ユニット1を変形させて、反応容器13内に収容
された抗体溶液を、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された多数の吸着性領域4を横切って、流動させる
ことができるから、抗体溶液に含まれている抗体を、単
に、対流あるいは拡散によって移動させ、ハプテンに結
合させる場合に比して、生化学解析用ユニット1の吸着
性領域4内における抗体の移動速度を大幅に増大させる
ことができ、したがって、抗原抗体反応の反応速度を大
幅に向上させることが可能になり、さらには、抗体溶液
に含まれている抗体が、吸着性領域4の深い部分に含ま
れている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズ
された生体由来の物質を標識しているハプテンと出会う
確率を大幅に増大させることができ、したがって、所望
のように、抗体溶液に含まれたハプテンに対する抗体
と、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に含まれて
いる特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされ
た生体由来の物質を標識しているハプテンとを、抗原抗
体反応によって、結合させることが可能になる。
【0322】さらに、ポンプなどを用いて、抗体溶液
を、溶液循環管路を介して、反応容器13内に循環させ
て、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4を横切って、流動させる場合には、反応
容器13および溶液循環管路内を、抗体溶液によって満
たすことが必要になり、抗体濃度が高い抗体溶液を用い
ることが困難であるが、本実施態様においては、第一の
電磁石ユニット14および第二の電磁石ユニット15を
用いて、単に、基板2が磁性材料によって形成された生
化学解析用ユニット1を変形させるだけで、反応容器1
3内に満たされた抗体溶液を、生化学解析用ユニット保
持部材12によって、反応容器13内に保持された生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、
流動させることが可能になるから、容積の小さい反応容
器13内を、抗体濃度が高い抗体溶液によって、満たし
て、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質に、選択
的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識して
いるジゴキシゲニンなどのハプテンと、化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる酵素によ
って標識された抗体とを、抗原抗体反応によって、結合
させることができ、抗原抗体反応の反応速度を大幅に増
大させることが可能になる。
【0323】また、本実施態様によれば、第一の直流電
源16と、第二の直流電源17を、交互に、オン・オフ
させて、第一の電磁石ユニット14を構成する電磁石1
4a、14b、14cと、第二の電磁石ユニット15を
構成する電磁石15a、15b、15cに、交互に、直
流を供給することによって、生化学解析用ユニット保持
部材12によって、反応容器13内に保持された生化学
解析用ユニット1を変形させて、反応容器13内に収容
された洗浄溶液を、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された多数の吸着性領域4を横切って、流動させる
ことができるから、ハイブリダイゼーションの工程で、
特異的結合物質にハイブリダイズされるべきでない生体
由来の物質が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された吸着性領域4に結合されていても、特異的結合物
質にハイブリダイズされるべきではない生体由来の物質
を、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4か
ら、効果的に剥離させ、除去することが可能になり、ま
た、抗原抗体反応の過程で、ハプテンに結合されるべき
でない抗体が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された吸着性領域4に吸着していても、ハプテンに結合
されるべきでない抗体を、生化学解析用ユニット1の多
数の吸着性領域4から、効果的に剥離させ、除去するこ
とが可能になり、洗浄効率を大幅に向上させることがで
きる。
【0324】さらに、本実施態様によれば、同じリアク
タを用いて、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に固定された特異的結合物質に、ジゴキシゲニンな
どのハプテンによって標識された生体由来の物質を、選
択的に、ハイブリダイズさせ、さらに、化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる酵素によ
って標識された抗体を、生体由来の物質を標識している
ジゴキシゲニンなどのハプテンに、抗原抗体反応によっ
て、結合させて、生化学解析用ユニット1の基板2に形
成された多数の吸着性領域4に、化学発光データを記録
することが可能になり、きわめて効率であるとともに、
分子量が小さいジゴキシゲニンなどのハプテンによっ
て、生体由来の物質を標識し、生化学解析用ユニット1
の吸着性領域4に固定された特異的結合物質に、選択的
に、ハイブリダイズさせているので、特異的結合物質と
生体由来の物質を、所望のように、ハイブリダイズさせ
ることができ、化学発光データを読み取って、定量性に
優れた生化学解析用データを生成することが可能にな
る。
【0325】図18は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかるリセプター・リガンド会合反応方法に用いられ
る生化学解析用ユニットの略斜視図である。
【0326】図18に示されるように、本実施態様にか
かる生化学解析用ユニット131は、ポリエチレンテレ
フタレートによって形成され、多数の略円形状の貫通孔
133が高密度に形成された基板132を備えており、
多数の貫通孔133の内部には、ナイロン6が充填され
て、多数の吸着性領域134が形成されている。
【0327】図18には正確に示されていないが、本実
施態様においては、約0.01平方ミリメートルのサイ
ズを有する略円形の貫通孔133が、120列×160
行のマトリックス状に、規則的に、基板2に形成されて
おり、したがって、合計19200の吸着性領域134
が形成されている。
【0328】本実施態様においては、図18に示される
ように、生化学解析用ユニット1の基板132の両表面
は、磁性層135によって被覆されている。吸着性領域
134は、その表面が、基板132の表面に形成された
磁性層135と同じ高さに位置するように、多数の貫通
孔133内に、ナイロン6が充填されて、形成されてい
る。
【0329】生化学解析にあたっては、前記実施態様と
全く同様にして、生化学解析用ユニット131に規則的
に形成された多数の吸着性領域134内に、たとえば、
特異的結合物質として、塩基配列が既知の互いに異なっ
た複数のcDNAが、図2に示されたスポッティング装
置を使用して、滴下され、吸着性領域134内に固定さ
れる。
【0330】図19は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかるリセプター・リガンド会合反応方法に用いられ
るリアクタの略縦断面図である。
【0331】図19に示されるように、本実施態様にか
かるリアクタは、蓋部材140とケーシング141とを
備え、生化学解析用ユニット131を保持する生化学解
析用ユニット保持部材142が形成された反応容器14
3を備えている。
【0332】本実施態様においては、反応容器143の
蓋部材140およびケーシング141は、非磁性材料に
よって形成され、反応容器143は、小さい容積を有す
るように形成されている。
【0333】図19に示されるように、反応容器143
の蓋部材140の外側には、蓋部材140の外表面に近
接する近接位置と、蓋部材140の外表面から離間した
退避位置との間を、移動可能な3つの永久磁石144
a、144b、144cを含む第一の永久磁石ユニット
144が設けられ、反応容器143のケーシング141
の底板の外側には、ケーシング141の底板の外表面に
近接する近接位置と、ケーシング141の底板の外表面
から離間した退避位置との間を、移動可能な3つの永久
磁石145a、145b、145cを含む第二の永久磁
石ユニット145が設けられている。
【0334】第一の永久磁石ユニット144を構成する
永久磁石144a、144b、144cは、それぞれ、
第一のソレノイド(図示せず)によって、蓋部材140
の外表面から離間した退避位置から、蓋部材140の外
表面に近接する近接位置に移動されるように構成され、
第二の永久磁石ユニット145を構成する永久磁石14
5a、145b、145cは、それぞれ、第二のソレノ
イド(図示せず)によって、ケーシング141の底板の
外表面から離間した退避位置から、ケーシング141の
底板の外表面に近接する近接位置に移動されるように構
成されている。
【0335】以上のように構成された本実施態様にかか
るリアクタにおいては、以下のようにして、生化学解析
用ユニット131の多数の吸着性領域134に含まれた
特異的結合物質に、標識物質によって標識され、ハイブ
リダイゼーション反応溶液に含まれた生体由来の物質
が、選択的に、ハイブリダイズされる。
【0336】まず、ユーザーによって、反応容器143
の蓋部材140が開かれて、多数の吸着性領域134
に、特異的結合物質が固定されている生化学解析用ユニ
ット131が、反応容器143の生化学解析用ユニット
保持部材142に取り付けられる。
【0337】次いで、ハイブリダイゼーション反応溶液
が調製されて、反応容器143内に収容される。
【0338】本実施態様においても、放射性標識物質に
よって標識された生体由来の物質、蛍光物質によって標
識された生体由来の物質およびジゴキシゲニンなどのハ
プテンによって標識された生体由来の物質を含むハイブ
リダイゼーション反応溶液が調製されて、反応容器14
3内に収容される。
【0339】本実施態様においても、反応容器143の
容積が小さいため、生体由来の物質の濃度が高いハイブ
リダイゼーション反応溶液を調整して、反応容器143
内を満たすことができる。
【0340】ハイブリダイゼーション反応の開始時にお
いては、第一の永久磁石ユニット144を構成する永久
磁石144a、144b、144cおよび第二の永久磁
石ユニット145を構成する永久磁石145a、145
b、145cは、それぞれ、退避位置に保持されてい
る。
【0341】反応容器143内が、ハイブリダイゼーシ
ョン反応溶液により満たされると、ユーザーによって、
反応容器143の蓋部材140が閉じられ、第一のソレ
ノイド(図示せず)がオンされ、第一の永久磁石ユニッ
ト144を構成する永久磁石144a、144b、14
4cが、蓋部材140の外表面から離間した退避位置か
ら、蓋部材140の外表面に近接する近接位置に移動さ
れる。
【0342】第一の永久磁石ユニット144を構成する
永久磁石144a、144b、144cが、近接位置に
移動されると、生化学解析用ユニット131の基板13
2の表面が、磁性層135によって被覆されているた
め、生化学解析用ユニット保持部材142によって、反
応容器143内に保持された生化学解析用ユニット13
1が、第一の永久磁石ユニット144を構成する永久磁
石144a、144b、144cによって吸引されて、
変形する。
【0343】その結果、生化学解析用ユニット131の
変形にともなって、反応容器143内に満たされたハイ
ブリダイゼーション反応溶液が、上方から下方に向かっ
て、生化学解析用ユニット131の基板132に形成さ
れた多数の吸着性領域134を横切って、流れ、生化学
解析用ユニット131の吸着性領域134に含まれてい
る特異的結合物質に、ハイブリダイゼーション反応溶液
に含まれている生体由来の物質が、選択的に、ハイブリ
ダイズする。
【0344】本実施態様においても、反応容器143の
容積が小さいため、反応容器143内に収容されたハイ
ブリダイゼーション反応溶液のほとんどを、生化学解析
用ユニット131の基板132に形成された多数の吸着
性領域134を横切って、流動させ、ハイブリダイゼー
ション反応溶液に含まれている生体由来の物質と、生化
学解析用ユニット131の吸着性領域134に含まれて
いる特異的結合物質とを、選択的に、ハイブリダイズさ
せることができる。
【0345】次いで、第一のソレノイド(図示せず)が
オフさて、第一の永久磁石ユニット144を構成する永
久磁石144a、144b、144cが、蓋部材140
の外表面に近接する近接位置から、蓋部材140の外表
面から離間した退避位置に移動されるとともに、第二の
ソレノイド(図示せず)がオンされて、第二の永久磁石
ユニット145を構成する永久磁石145a、145
b、145cが、蓋部材140の外表面から離間した退
避位置から、蓋部材140の外表面に近接する近接位置
に移動される。
【0346】第一の永久磁石ユニット144を構成する
永久磁石144a、144b、144cが、退避位置に
移動され、その一方で、第二の永久磁石ユニット145
を構成する永久磁石145a、145b、145cが、
近接する近接位置に移動されると、生化学解析用ユニッ
ト保持部材142によって、反応容器143内に保持さ
れた生化学解析用ユニット131が、第二の永久磁石ユ
ニット145を構成する永久磁石145a、145b、
145cによって吸引されて、変形する。
【0347】その結果、生化学解析用ユニット131の
変形にともなって、反応容器143内に満たされたハイ
ブリダイゼーション反応溶液が、下方から上方に向かっ
て、生化学解析用ユニット131の基板132に形成さ
れた多数の吸着性領域134を横切って、流れ、生化学
解析用ユニット131の吸着性領域134に含まれてい
る特異的結合物質に、ハイブリダイゼーション反応溶液
に含まれている生体由来の物質が、選択的に、ハイブリ
ダイズする。
【0348】次いで、第二のソレノイド(図示せず)が
オフされて、第二の永久磁石ユニット145を構成する
永久磁石145a、145b、145cが、蓋部材14
0の外表面に近接する近接位置から、蓋部材140の外
表面から離間した退避位置に移動されるとともに、第二
のソレノイド(図示せず)がオンされて、第一の永久磁
石ユニット144を構成する永久磁石144a、144
b、144cが、蓋部材140の外表面から離間した退
避位置から、蓋部材140の外表面に近接する近接位置
に移動される。
【0349】同様の操作が、所定の時間にわたって、繰
り返される。
【0350】このように、本実施態様においては、第一
のソレノイド(図示せず)と、第二のソレノイド(図示
せず)を、交互に、オン・オフし、第一の永久磁石ユニ
ット144を構成する永久磁石144a、144b、1
44cと、第二の永久磁石ユニット145を構成する永
久磁石145a、145b、145cを、交互に、退避
位置から、近接位置に移動させることによって、生化学
解析用ユニット保持部材142により、反応容器143
内に保持された生化学解析用ユニット131を変形させ
て、反応容器143内に収容されたハイブリダイゼーシ
ョン反応溶液を、生化学解析用ユニット131の基板1
32に形成された多数の吸着性領域134を横切って、
流動させることができるから、ハイブリダイゼーション
反応溶液に含まれている生体由来の物質を、単に、対流
あるいは拡散によって移動させ、特異的結合物質とハイ
ブリダイズさせる場合に比して、生化学解析用ユニット
131の吸着性領域134内における生体由来の物質の
移動速度を大幅に増大させることができ、したがって、
ハイブリダイゼーションの反応速度を大幅に向上させる
ことが可能になり、さらには、生体由来の物質が、吸着
性領域134の深い部分に含まれている特異的結合物質
と出会う確率を大幅に増大させることができ、したがっ
て、所望のように、生化学解析用ユニット131の多数
の吸着性領域134に固定された特異的結合物質に、ハ
イブリダイゼーション反応溶液に含まれている生体由来
の物質をハイブリダイズさせることが可能になる。
【0351】さらに、ポンプなどを用いて、ハイブリダ
イゼーション反応溶液を、溶液循環管路を介して、反応
容器143内に循環させて、生化学解析用ユニット13
1の基板132に形成された多数の吸着性領域134を
横切って、流動させる場合には、反応容器143および
溶液循環管路内を、ハイブリダイゼーション反応溶液に
よって満たすことが必要になり、生体由来の物質の濃度
が高いハイブリダイゼーション反応溶液を用いることが
困難であるが、本実施態様においては、第一の永久磁石
ユニット144および第二の永久磁石ユニット145を
用いて、単に、基板132の表面が、磁性層135によ
って被覆された生化学解析用ユニット131を変形させ
るだけで、反応容器143内に満たされたハイブリダイ
ゼーション反応溶液を、生化学解析用ユニット保持部材
132によって、反応容器143内に保持された生化学
解析用ユニット131の多数の吸着性領域134を横切
って、流動させることが可能になるから、容積の小さい
反応容器143内を、生体由来の物質の濃度が高いハイ
ブリダイゼーション反応溶液によって、満たして、生化
学解析用ユニット131の多数の吸着性領域134に固
定された特異的結合物質に、ハイブリダイゼーション反
応溶液に含まれている生体由来の物質をハイブリダイズ
させることができ、したがって、ハイブリダイゼーショ
ン反応の反応速度を大幅に増大させることが可能にな
る。
【0352】こうして、所定の時間が経過すると、第一
のソレノイドおよび第二のソレノイドの双方がオフされ
て、第一の永久磁石ユニット144を構成する永久磁石
144a、144b、144cと、第二の永久磁石ユニ
ット145を構成する永久磁石145a、145b、1
45cとが、退避位置に移動され、ハイブリダイゼーシ
ョン反応が完了する。
【0353】ハイブリダイゼーション反応が完了する
と、ハイブリダイゼーション反応溶液が、反応容器14
3から排出され、次いで、洗浄溶液が、反応容器143
内に収容される。
【0354】反応容器13内が、洗浄溶液によって、満
たされると、第一のソレノイド(図示せず)がオンさ
れ、第一の永久磁石ユニット144を構成する永久磁石
144a、144b、144cが、蓋部材140の外表
面から離間した退避位置から、蓋部材140の外表面に
近接する近接位置に移動される。
【0355】第一の永久磁石ユニット144を構成する
永久磁石144a、144b、144cが、近接位置に
移動されると、生化学解析用ユニット保持部材142に
よって、反応容器143内に保持された生化学解析用ユ
ニット131が、第一の永久磁石ユニット144を構成
する永久磁石144a、144b、144cによって吸
引されて、変形する。
【0356】その結果、生化学解析用ユニット131の
変形にともなって、反応容器143内に満たされた洗浄
溶液が、上方から下方に向かって、生化学解析用ユニッ
ト131の基板132に形成された多数の吸着性領域1
34を横切って、流れ、生化学解析用ユニット131の
基板2に形成された多数の吸着性領域4が、洗浄溶液に
よって洗浄される。
【0357】次いで、第一のソレノイド(図示せず)が
オフさて、第一の永久磁石ユニット144を構成する永
久磁石144a、144b、144cが、蓋部材140
の外表面に近接する近接位置から、蓋部材140の外表
面から離間した退避位置に移動されるとともに、第二の
ソレノイド(図示せず)がオンされて、第二の永久磁石
ユニット145を構成する永久磁石145a、145
b、145cが、蓋部材140の外表面から離間した退
避位置から、蓋部材140の外表面に近接する近接位置
に移動される。
【0358】第一の永久磁石ユニット144を構成する
永久磁石144a、144b、144cが、退避位置に
移動され、その一方で、第二の永久磁石ユニット145
を構成する永久磁石145a、145b、145cが、
近接する近接位置に移動されると、生化学解析用ユニッ
ト保持部材142によって、反応容器143内に保持さ
れた生化学解析用ユニット131が、第二の永久磁石ユ
ニット145を構成する永久磁石145a、145b、
145cによって吸引されて、変形する。
【0359】その結果、生化学解析用ユニット131の
変形にともなって、反応容器143内に満たされた洗浄
溶液が、下方から上方に向かって、生化学解析用ユニッ
ト131の基板132に形成された多数の吸着性領域1
34を横切って、流れ、生化学解析用ユニット131の
基板132に形成された多数の吸着性領域134が、洗
浄溶液によって洗浄される。
【0360】次いで、第二のソレノイド(図示せず)が
オフされて、第二の永久磁石ユニット145を構成する
永久磁石145a、145b、145cが、蓋部材14
0の外表面に近接する近接位置から、蓋部材140の外
表面から離間した退避位置に移動されるとともに、第二
のソレノイド(図示せず)がオンされて、第一の永久磁
石ユニット144を構成する永久磁石144a、144
b、144cが、蓋部材140の外表面から離間した退
避位置から、蓋部材140の外表面に近接する近接位置
に移動される。
【0361】同様の操作が、所定の時間にわたって、繰
り返される。
【0362】このように、本実施態様においては、第一
のソレノイド(図示せず)と、第二のソレノイド(図示
せず)を、交互に、オン・オフし、第一の永久磁石ユニ
ット144を構成する永久磁石144a、144b、1
44cと、第二の永久磁石ユニット145を構成する永
久磁石145a、145b、145cを、交互に、退避
位置から、近接位置に移動させることによって、生化学
解析用ユニット保持部材142により、反応容器143
内に保持された生化学解析用ユニット131を変形させ
て、反応容器143内に収容された洗浄溶液を、生化学
解析用ユニット131の基板132に形成された多数の
吸着性領域134を横切って、流動させることができる
から、ハイブリダイゼーションの工程で、特異的結合物
質にハイブリダイズされるべきでない生体由来の物質
が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着
性領域4に結合されていても、特異的結合物質にハイブ
リダイズされるべきではない生体由来の物質を、生化学
解析用ユニット1の多数の吸着性領域4から、効果的に
剥離させ、除去することが可能になり、洗浄効率を大幅
に向上させることができる。
【0363】こうして、所定の時間が経過すると、第一
のソレノイドおよび第二のソレノイドの双方がオフされ
て、第一の永久磁石ユニット144を構成する永久磁石
144a、144b、144cと、第二の永久磁石ユニ
ット145を構成する永久磁石145a、145b、1
45cとが、退避位置に移動され、生化学解析用ユニッ
ト131の基板132に形成された多数の吸着性領域1
34の洗浄操作が完了する。
【0364】洗浄操作応が完了すると、洗浄溶液が、反
応容器143から排出される。
【0365】以上のようにして、生化学解析用ユニット
131の基板132に形成された多数の吸着性領域13
4に、標識物質である放射性標識物質の放射線データお
よび蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データが記録され
る。生化学解析用ユニット131の吸着性領域134に
記録された蛍光データは、前記実施態様と全く同様にし
て、図6ないし図13に示されたスキャナによって読み
取られ、生化学解析用データが生成される。
【0366】これに対して、放射性標識物質の放射線デ
ータは、前記実施態様と全く同様にして、蓄積性蛍光体
シート20に転写され、蓄積性蛍光体シート20に転写
された放射線データは、図6ないし図13に示されたス
キャナによって読み取られて、生化学解析用データが生
成される。
【0367】一方、生化学解析用ユニット131の基板
132に形成された多数の吸着性領域134に、化学発
光データを記録するためには、さらに、化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる酵素によ
って標識された抗体を含む抗体溶液が調製されて、反応
容器143内に収容され、生化学解析用ユニット131
の基板132に形成された多数の吸着性領域134に含
まれている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイ
ズされた生体由来の物質を標識しているジゴキシゲニン
などのハプテンに、抗原抗体反応によって、化学発光基
質と接触させることによって化学発光を生じさせる性質
を有する酵素によって標識された抗体が結合される。
【0368】すなわち、まず、化学発光基質と接触させ
ることによって化学発光を生じさせる性質を有する酵素
によって標識された抗体溶液が調製されて、反応容器1
43内に満たされる。
【0369】反応容器143内が、抗体溶液によって、
満たされると、第一のソレノイド(図示せず)がオンさ
れ、第一の永久磁石ユニット144を構成する永久磁石
144a、144b、144cが、蓋部材140の外表
面から離間した退避位置から、蓋部材140の外表面に
近接する近接位置に移動される。
【0370】第一の永久磁石ユニット144を構成する
永久磁石144a、144b、144cが、近接位置に
移動されると、生化学解析用ユニット131の基板13
2の表面が、磁性層135によって被覆されているた
め、生化学解析用ユニット保持部材142によって、反
応容器143内に保持された生化学解析用ユニット13
1が、第一の永久磁石ユニット144を構成する永久磁
石144a、144b、144cによって吸引されて、
変形する。
【0371】その結果、生化学解析用ユニット131の
変形にともなって、反応容器143内に満たされた抗体
溶液が、上方から下方に向かって、生化学解析用ユニッ
ト131の基板132に形成された多数の吸着性領域1
34を横切って、流れ、生化学解析用ユニット131の
吸着性領域134に含まれている特異的結合物質に、選
択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識し
ているジゴキシゲニンなどのハプテンと、化学発光基質
と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素に
よって標識された抗体とが、抗原抗体反応によって、結
合される。
【0372】本実施態様においても、反応容器143の
容積が小さいため、反応容器143内に収容されたハイ
ブリダイゼーション反応溶液のほとんどを、生化学解析
用ユニット131の基板132に形成された多数の吸着
性領域134を横切って、流動させ、抗体溶液に含まれ
ている化学発光基質と接触させることによって化学発光
を生じさせる酵素によって標識された抗体と、生化学解
析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域
4に含まれている特異的結合物質に、選択的に、ハイブ
リダイズされた生体由来の物質を標識しているジゴキシ
ゲニンなどのハプテンとを、抗原抗体反応によって、結
合させることができる。
【0373】次いで、第一のソレノイド(図示せず)が
オフさて、第一の永久磁石ユニット144を構成する永
久磁石144a、144b、144cが、蓋部材140
の外表面に近接する近接位置から、蓋部材140の外表
面から離間した退避位置に移動されるとともに、第二の
ソレノイド(図示せず)がオンされて、第二の永久磁石
ユニット145を構成する永久磁石145a、145
b、145cが、蓋部材140の外表面から離間した退
避位置から、蓋部材140の外表面に近接する近接位置
に移動される。
【0374】第一の永久磁石ユニット144を構成する
永久磁石144a、144b、144cが、退避位置に
移動され、その一方で、第二の永久磁石ユニット145
を構成する永久磁石145a、145b、145cが、
近接する近接位置に移動されると、生化学解析用ユニッ
ト保持部材142によって、反応容器143内に保持さ
れた生化学解析用ユニット131が、第二の永久磁石ユ
ニット145を構成する永久磁石145a、145b、
145cによって吸引されて、変形する。
【0375】その結果、生化学解析用ユニット131の
変形にともなって、反応容器143内に満たされた抗体
溶液が、下方から上方に向かって、生化学解析用ユニッ
ト131の基板132に形成された多数の吸着性領域1
34を横切って、流れ、生化学解析用ユニット131の
吸着性領域134に含まれている特異的結合物質に、選
択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識し
ているジゴキシゲニンなどのハプテンと、化学発光基質
と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素に
よって標識された抗体とが、抗原抗体反応によって、結
合される。
【0376】次いで、第二のソレノイド(図示せず)が
オフされて、第二の永久磁石ユニット145を構成する
永久磁石145a、145b、145cが、蓋部材14
0の外表面に近接する近接位置から、蓋部材140の外
表面から離間した退避位置に移動されるとともに、第二
のソレノイド(図示せず)がオンされて、第一の永久磁
石ユニット144を構成する永久磁石144a、144
b、144cが、蓋部材140の外表面から離間した退
避位置から、蓋部材140の外表面に近接する近接位置
に移動される。
【0377】同様の操作が、所定の時間にわたって、繰
り返される。
【0378】このように、本実施態様においては、第一
のソレノイド(図示せず)と、第二のソレノイド(図示
せず)を、交互に、オン・オフし、第一の永久磁石ユニ
ット144を構成する永久磁石144a、144b、1
44cと、第二の永久磁石ユニット145を構成する永
久磁石145a、145b、145cを、交互に、退避
位置から、近接位置に移動させることによって、生化学
解析用ユニット保持部材142により、反応容器143
内に保持された生化学解析用ユニット131を変形させ
て、反応容器143内に収容された抗体溶液を、生化学
解析用ユニット131の基板132に形成された多数の
吸着性領域134を横切って、流動させることができる
から、抗体溶液に含まれている抗体を、単に、対流ある
いは拡散によって移動させ、ハプテンに結合させる場合
に比して、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4内に
おける抗体の移動速度を大幅に増大させることができ、
したがって、抗原抗体反応の反応速度を大幅に向上させ
ることが可能になり、さらには、抗体溶液に含まれてい
る抗体が、吸着性領域134の深い部分に含まれている
特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生
体由来の物質を標識しているハプテンと出会う確率を大
幅に増大させることができ、したがって、所望のよう
に、抗体溶液に含まれたハプテンに対する抗体と、生化
学解析用ユニット131の吸着性領域134に含まれて
いる特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされ
た生体由来の物質を標識しているハプテンとを、抗原抗
体反応によって、結合させることが可能になる。
【0379】さらに、ポンプなどを用いて、抗体溶液
を、溶液循環管路を介して、反応容器143内に循環さ
せて、生化学解析用ユニット131の基板132に形成
された多数の吸着性領域134を横切って、流動させる
場合には、反応容器143および溶液循環管路内を、抗
体溶液によって満たすことが必要になり、抗体濃度が高
い抗体溶液を用いることが困難であるが、本実施態様に
おいては、第一の永久磁石ユニット144および第二の
永久磁石ユニット145を用いて、単に、基板132の
表面が、磁性層135によって、被覆された生化学解析
用ユニット131を変形させるだけで、反応容器143
内に満たされた抗体溶液を、生化学解析用ユニット保持
部材132によって、反応容器143内に保持された生
化学解析用ユニット131の多数の吸着性領域134を
横切って、流動させることが可能になるから、容積の小
さい反応容器143内を、抗体濃度が高い抗体溶液によ
って、満たして、生化学解析用ユニット131の吸着性
領域134に固定されている特異的結合物質に、選択的
に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識してい
るハプテンに、抗体溶液に含まれているハプテンに対す
る抗体を、所望のように、抗原抗体反応によって、結合
させることが可能になる。
【0380】こうして、所定の時間が経過すると、第一
のソレノイドおよび第二のソレノイドの双方がオフされ
て、第一の永久磁石ユニット144を構成する永久磁石
144a、144b、144cと、第二の永久磁石ユニ
ット145を構成する永久磁石145a、145b、1
45cとが、退避位置に移動され、抗原抗体反応が完了
する。
【0381】抗原抗体反応が完了すると、抗体溶液が、
反応容器143から排出され、次いで、洗浄溶液が、反
応容器143内に収容される。
【0382】反応容器13内が、洗浄溶液によって、満
たされると、第一のソレノイド(図示せず)がオンさ
れ、第一の永久磁石ユニット144を構成する永久磁石
144a、144b、144cが、蓋部材140の外表
面から離間した退避位置から、蓋部材140の外表面に
近接する近接位置に移動される。
【0383】第一の永久磁石ユニット144を構成する
永久磁石144a、144b、144cが、近接位置に
移動されると、生化学解析用ユニット保持部材142に
よって、反応容器143内に保持された生化学解析用ユ
ニット131が、第一の永久磁石ユニット144を構成
する永久磁石144a、144b、144cによって吸
引されて、変形する。
【0384】その結果、生化学解析用ユニット131の
変形にともなって、反応容器143内に満たされた洗浄
溶液が、上方から下方に向かって、生化学解析用ユニッ
ト131の基板132に形成された多数の吸着性領域1
34を横切って、流れ、生化学解析用ユニット131の
基板2に形成された多数の吸着性領域4が、洗浄溶液に
よって洗浄される。
【0385】次いで、第一のソレノイド(図示せず)が
オフさて、第一の永久磁石ユニット144を構成する永
久磁石144a、144b、144cが、蓋部材140
の外表面に近接する近接位置から、蓋部材140の外表
面から離間した退避位置に移動されるとともに、第二の
ソレノイド(図示せず)がオンされて、第二の永久磁石
ユニット145を構成する永久磁石145a、145
b、145cが、蓋部材140の外表面から離間した退
避位置から、蓋部材140の外表面に近接する近接位置
に移動される。
【0386】第一の永久磁石ユニット144を構成する
永久磁石144a、144b、144cが、退避位置に
移動され、その一方で、第二の永久磁石ユニット145
を構成する永久磁石145a、145b、145cが、
近接する近接位置に移動されると、生化学解析用ユニッ
ト保持部材142によって、反応容器143内に保持さ
れた生化学解析用ユニット131が、第二の永久磁石ユ
ニット145を構成する永久磁石145a、145b、
145cによって吸引されて、変形する。
【0387】その結果、生化学解析用ユニット131の
変形にともなって、反応容器143内に満たされた洗浄
溶液が、下方から上方に向かって、生化学解析用ユニッ
ト131の基板132に形成された多数の吸着性領域1
34を横切って、流れ、生化学解析用ユニット131の
基板132に形成された多数の吸着性領域134が、洗
浄溶液によって洗浄される。
【0388】次いで、第二のソレノイド(図示せず)が
オフされて、第二の永久磁石ユニット145を構成する
永久磁石145a、145b、145cが、蓋部材14
0の外表面に近接する近接位置から、蓋部材140の外
表面から離間した退避位置に移動されるとともに、第二
のソレノイド(図示せず)がオンされて、第一の永久磁
石ユニット144を構成する永久磁石144a、144
b、144cが、蓋部材140の外表面から離間した退
避位置から、蓋部材140の外表面に近接する近接位置
に移動される。
【0389】同様の操作が、所定の時間にわたって、繰
り返される。
【0390】このように、本実施態様においては、第一
のソレノイド(図示せず)と、第二のソレノイド(図示
せず)を、交互に、オン・オフし、第一の永久磁石ユニ
ット144を構成する永久磁石144a、144b、1
44cと、第二の永久磁石ユニット145を構成する永
久磁石145a、145b、145cを、交互に、退避
位置から、近接位置に移動させることによって、生化学
解析用ユニット保持部材142により、反応容器143
内に保持された生化学解析用ユニット131を変形させ
て、反応容器143内に収容された洗浄溶液を、生化学
解析用ユニット131の基板132に形成された多数の
吸着性領域134を横切って、流動させることができる
から、抗原抗体反応の過程で、ハプテンに結合されるべ
きでない抗体が、生化学解析用ユニット131の基板1
32に形成された多数の吸着性領域134に吸着してい
ても、ハプテンに結合されるべきでない抗体を、生化学
解析用ユニット131の多数の吸着性領域134から、
効果的に剥離させ、除去することが可能になり、洗浄効
率を大幅に向上させることができる。
【0391】こうして、所定の時間が経過すると、第一
のソレノイドおよび第二のソレノイドの双方がオフされ
て、第一の永久磁石ユニット144を構成する永久磁石
144a、144b、144cと、第二の永久磁石ユニ
ット145を構成する永久磁石145a、145b、1
45cとが、退避位置に移動され、生化学解析用ユニッ
ト131の基板132に形成された多数の吸着性領域1
34の洗浄操作が完了する。
【0392】洗浄操作応が完了すると、洗浄溶液が、反
応容器143から排出される。
【0393】以上のようにして、生化学解析用ユニット
131の基板132に形成された多数の吸着性領域13
4に、化学発光データが記録される。生化学解析用ユニ
ット131の吸着性領域134に記録された化学発光デ
ータは、前記実施態様と全く同様にして、図14ないし
図17に示されたデータ生成システムの冷却CCDカメ
ラによって読み取られ、生化学解析用データが生成され
る。
【0394】本実施態様によれば、第一のソレノイド
(図示せず)と、第二のソレノイド(図示せず)を、交
互に、オン・オフし、第一の永久磁石ユニット144を
構成する永久磁石144a、144b、144cと、第
二の永久磁石ユニット145を構成する永久磁石145
a、145b、145cを、交互に、退避位置から、近
接位置に移動させることによって、生化学解析用ユニッ
ト保持部材142により、反応容器143内に保持され
た生化学解析用ユニット131を変形させて、反応容器
143内に収容されたハイブリダイゼーション反応溶液
を、生化学解析用ユニット131の基板132に形成さ
れた多数の吸着性領域134を横切って、流動させるこ
とができるから、ハイブリダイゼーション反応溶液に含
まれている生体由来の物質を、単に、対流あるいは拡散
によって移動させ、特異的結合物質とハイブリダイズさ
せる場合に比して、生化学解析用ユニット131の吸着
性領域134内における生体由来の物質の移動速度を大
幅に増大させることができ、したがって、ハイブリダイ
ゼーションの反応速度を大幅に向上させることが可能に
なり、さらには、生体由来の物質が、吸着性領域134
の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率
を大幅に増大させることができ、したがって、所望のよ
うに、生化学解析用ユニット131の多数の吸着性領域
134に固定された特異的結合物質に、ハイブリダイゼ
ーション反応溶液に含まれている生体由来の物質をハイ
ブリダイズさせることが可能になる。
【0395】さらに、ポンプなどを用いて、ハイブリダ
イゼーション反応溶液を、溶液循環管路を介して、反応
容器143内に循環させて、生化学解析用ユニット13
1の基板132に形成された多数の吸着性領域134を
横切って、流動させる場合には、反応容器143および
溶液循環管路内を、ハイブリダイゼーション反応溶液に
よって満たすことが必要になり、生体由来の物質の濃度
が高いハイブリダイゼーション反応溶液を用いることが
困難であるが、本実施態様によれば、第一の永久磁石ユ
ニット144および第二の永久磁石ユニット145を用
いて、単に、基板132の表面が、磁性層135によっ
て、被覆された生化学解析用ユニット131を変形させ
るだけで、反応容器143内に満たされたハイブリダイ
ゼーション反応溶液を、生化学解析用ユニット保持部材
132によって、反応容器143内に保持された生化学
解析用ユニット131の多数の吸着性領域134を横切
って、流動させることが可能になるから、容積の小さい
反応容器143内を、生体由来の物質の濃度が高いハイ
ブリダイゼーション反応溶液によって、満たして、生化
学解析用ユニット131の多数の吸着性領域134に固
定された特異的結合物質に、ハイブリダイゼーション反
応溶液に含まれている生体由来の物質をハイブリダイズ
させることができ、したがって、ハイブリダイゼーショ
ン反応の反応速度を大幅に増大させることが可能にな
る。
【0396】また、本実施態様によれば、第一のソレノ
イド(図示せず)と、第二のソレノイド(図示せず)
を、交互に、オン・オフし、第一の永久磁石ユニット1
44を構成する永久磁石144a、144b、144c
と、第二の永久磁石ユニット145を構成する永久磁石
145a、145b、145cを、交互に、退避位置か
ら、近接位置に移動させることによって、生化学解析用
ユニット保持部材142により、反応容器143内に保
持された生化学解析用ユニット131を変形させて、反
応容器143内に収容された抗体溶液を、生化学解析用
ユニット131の基板132に形成された多数の吸着性
領域134を横切って、流動させることができるから、
抗体溶液に含まれている抗体を、単に、対流あるいは拡
散によって移動させ、ハプテンに結合させる場合に比し
て、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4内における
抗体の移動速度を大幅に増大させることができ、したが
って、抗原抗体反応の反応速度を大幅に向上させること
が可能になり、さらには、抗体溶液に含まれているハプ
テンに対する抗体が、吸着性領域134の深い部分に含
まれている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイ
ズされた生体由来の物質を標識しているハプテンと出会
う確率を大幅に増大させることができ、したがって、所
望のように、抗体溶液に含まれたハプテンに対する抗体
と、生化学解析用ユニット131の吸着性領域134に
含まれている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダ
イズされた生体由来の物質を標識しているハプテンと
を、抗原抗体反応によって、結合させることが可能にな
る。
【0397】さらに、ポンプなどを用いて、抗体溶液
を、溶液循環管路を介して、反応容器143内に循環さ
せて、生化学解析用ユニット131の基板132に形成
された多数の吸着性領域134を横切って、流動させる
場合には、反応容器143および溶液循環管路内を、抗
体溶液によって満たすことが必要になり、抗体濃度が高
い抗体溶液を用いることが困難であるが、本実施態様に
よれば、第一の永久磁石ユニット144および第二の永
久磁石ユニット145を用いて、単に、基板132の表
面が、磁性層135によって、被覆された生化学解析用
ユニット131を変形させるだけで、反応容器143内
に満たされた抗体溶液を、生化学解析用ユニット保持部
材132によって、反応容器143内に保持された生化
学解析用ユニット131の多数の吸着性領域134を横
切って、流動させることが可能になるから、容積の小さ
い反応容器143内を、抗体濃度が高い抗体溶液によっ
て、満たして、生化学解析用ユニット131の吸着性領
域134に固定されている特異的結合物質に、選択的
に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識してい
るハプテンに、抗体溶液に含まれているハプテンに対す
る抗体を、所望のように、抗原抗体反応によって、結合
させることが可能になる。
【0398】また、本実施態様によれば、第一のソレノ
イド(図示せず)と、第二のソレノイド(図示せず)
を、交互に、オン・オフし、第一の永久磁石ユニット1
44を構成する永久磁石144a、144b、144c
と、第二の永久磁石ユニット145を構成する永久磁石
145a、145b、145cを、交互に、退避位置か
ら、近接位置に移動させることによって、生化学解析用
ユニット保持部材142により、反応容器143内に保
持された生化学解析用ユニット131を変形させて、反
応容器143内に収容された洗浄溶液を、生化学解析用
ユニット131の基板132に形成された多数の吸着性
領域134を横切って、流動させることができるから、
ハイブリダイゼーションの工程で、特異的結合物質にハ
イブリダイズされるべきでない生体由来の物質が、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4
に結合されていても、特異的結合物質にハイブリダイズ
されるべきではない生体由来の物質を、生化学解析用ユ
ニット131の多数の吸着性領域134から、効果的に
剥離させ、除去することが可能になり、また、抗原抗体
反応の過程で、ハプテンに結合されるべきでない抗体
が、生化学解析用ユニット131の基板132に形成さ
れた多数の吸着性領域134に吸着していても、ハプテ
ンに結合されるべきでない抗体を、生化学解析用ユニッ
ト131の多数の吸着性領域134から、効果的に剥離
させ、除去することが可能になり、洗浄効率を大幅に向
上させることができる。
【0399】さらに、本実施態様によれば、同じリアク
タを用いて、生化学解析用ユニット131の多数の吸着
性領域134に固定された特異的結合物質に、ジゴキシ
ゲニンなどのハプテンによって標識された生体由来の物
質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、さらに、化学発
光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる
酵素によって標識された抗体を、生体由来の物質を標識
しているジゴキシゲニンなどのハプテンに、抗原抗体反
応によって、結合させて、生化学解析用ユニット131
の基板132に形成された多数の吸着性領域134に、
化学発光データを記録することが可能になり、きわめて
効率であるとともに、分子量が小さいジゴキシゲニンな
どのハプテンによって、生体由来の物質を標識し、生化
学解析用ユニット131の吸着性領域134に固定され
た特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズさせて
いるので、特異的結合物質と生体由来の物質を、所望の
ように、ハイブリダイズさせることができ、化学発光デ
ータを読み取って、定量性に優れた生化学解析用データ
を生成することが可能になる。
【0400】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0401】たとえば、前記実施態様においては、放射
性標識物質によって標識された生体由来の物質および蛍
光物質によって標識された生体由来の物質を、生化学解
析用ユニット1、131の多数の吸着性領域4、134
に固定されている特異的結合物質に、選択的に、ハイブ
リダイズさせるとともに、生化学解析用ユニット1、1
31の多数の吸着性領域4、134に固定された特異的
結合物質に、ジゴキシゲニンなどのハプテンによって標
識された生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズ
させ、さらに、化学発光基質と接触させることによって
化学発光を生じさせる酵素によって標識された抗体を、
生体由来の物質を標識しているジゴキシゲニンなどのハ
プテンに、抗原抗体反応によって、結合させるように構
成されているが、本発明は、かかるハイブリダイゼーシ
ョン反応、抗原抗体反応に限らず、ハイブリダイゼーシ
ョン反応全般、抗原抗体反応全般に、広く適用すること
ができ、さらには、リセプター・リガンド会合反応全般
に、広く適用することができる。
【0402】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1、131の吸着性領域4、134に固定
された特異的結合物質に、ジゴキシゲニンなどのハプテ
ンによって標識された生体由来の物質をハイブリダイズ
させ、さらに、化学発光基質と接触させることによって
化学発光を生じさせる酵素によって標識されたジゴキシ
ゲニンなどのハプテンに対する抗体を、生体由来の物質
を標識しているジゴキシゲニンなどのハプテンに、抗原
抗体反応によって、結合させて、生化学解析用ユニット
1、131の多数の吸着性領域4、134に、化学発光
データを選択的に記録するように構成されているが、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識された生体由来の物質を、生
化学解析用ユニット1、131の多数の吸着性領域4、
134に固定されている特異的結合物質に、選択的に、
ハイブリダイズさせて、生化学解析用ユニット1、13
1の多数の吸着性領域4、134に、化学発光データを
記録するようにしてもよい。
【0403】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1、131の多数の吸着性領域4、134
に固定されているcDNAなどの特異的結合物質に、蛍
光物質によって標識された生体由来の物質を、選択的
に、ハイブリダイズさせて、生化学解析用ユニット1、
131の多数の吸着性領域4、134に、蛍光データを
記録するように構成されているが、生化学解析用ユニッ
ト1、131の多数の吸着性領域4、134に固定され
ているcDNAなどの特異的結合物質に、ジゴキシゲニ
ンなどのハプテンによって標識された生体由来の物質
を、選択的に、ハイブリダイズさせ、さらに、蛍光基質
と接触させることによって、蛍光物質を生じさせる酵素
により標識されたハプテンに対する抗体を、抗原抗体反
応によって、生体由来の物質を標識しているハプテンに
結合させることによって、生化学解析用ユニット1、1
31の多数の吸着性領域4、134に、蛍光データを記
録することもできる。
【0404】また、前記実施態様においては、反応溶液
は、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
および蛍光色素などの蛍光物質によって標識された生体
由来の物質を含んでいるが、反応溶液が、放射性標識物
質によって標識された生体由来の物質および蛍光色素な
どの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を含ん
でいることは必ずしも必要でなく、放射性標識物質、蛍
光色素などの蛍光物質および化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質のうちの少
なくとも1種の標識物質によって標識された生体由来の
物質を含んでいればよい。
【0405】さらに、図1ないし図17に示された実施
態様においては、ステンレスによって形成された基板2
を備えた生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4
に固定された特異的結合物質に、図3に示されたリアク
タを用いて、ハイブリダイゼーション反応溶液に含まれ
ている生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさ
せ、さらに、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に
固定されている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリ
ダイズされた生体由来の物質を標識しているハプテン
に、抗体溶液に含まれているハプテンに対する抗体を、
抗原抗体反応によって、結合させているが、図19に示
されたリアクタを用いて、ハイブリダイゼーション反応
溶液に含まれている生体由来の物質を、選択的に、ハイ
ブリダイズさせ、さらに、生化学解析用ユニット1の吸
着性領域4に固定されている特異的結合物質に、選択的
に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識してい
るハプテンに、抗体溶液に含まれているハプテンに対す
る抗体を、抗原抗体反応によって、結合させることもで
きる。
【0406】また、図18および図19に示された実施
態様においては、ポリエチレンテレフタレートによって
形成され、両表面が、磁性層135によって、被覆され
た基板132を備えた生化学解析用ユニット131の多
数の吸着性領域134に固定された特異的結合物質に、
図19に示されたリアクタを用いて、ハイブリダイゼー
ション反応溶液に含まれている生体由来の物質を、選択
的に、ハイブリダイズさせ、さらに、生化学解析用ユニ
ット131の吸着性領域134に固定されている特異的
結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来
の物質を標識しているハプテンに、抗体溶液に含まれて
いるハプテンに対する抗体を、抗原抗体反応によって、
結合させているが、図3に示されたリアクタを用いて、
ハイブリダイゼーション反応溶液に含まれている生体由
来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、さらに、
生化学解析用ユニット131の吸着性領域134に固定
されている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイ
ズされた生体由来の物質を標識しているハプテンに、抗
体溶液に含まれているハプテンに対する抗体を、抗原抗
体反応によって、結合させることもできる。
【0407】さらに、図3に示された実施態様において
は、リアクタは、3つの電磁石14a、14b、14c
を含む第一の電磁石ユニット14および3つの電磁石1
5a、15b、15cを含む第二の電磁石ユニット15
を備えているが、各電磁石ユニット14、15を、3つ
の電磁石によって、構成することは必ずしも必要でな
く、2以下の電磁石によって、各電磁石ユニット14、
15を構成してもよく、さらには、4以上の電磁石によ
って、各電磁石ユニット14、15を構成することもで
きる。
【0408】また、図19に示された実施態様において
は、リアクタは、3つの永久磁石144a、144b、
144cを含む第一の永久磁石ユニット144および3
つの永久磁石145a、145b、145cを含む第二
の永久磁石ユニット145を備えているが、各永久磁石
ユニット144、145を、3つの永久磁石によって構
成することは必ずしも必要でなく、2以下の永久磁石に
よって、各永久磁石ユニット144、145を構成して
もよく、さらには、4以上の永久磁石によって、各永久
磁石ユニット144、145を構成することもできる。
【0409】さらに、前記実施態様においては、第一の
永久磁石ユニット144を構成する永久磁石144a、
144b、144cは、それぞれ、第一のソレノイド
(図示せず)によって、蓋部材140の外表面から離間
した退避位置から、蓋部材140の外表面に近接する近
接位置に移動されるように構成され、第二の永久磁石ユ
ニット145を構成する永久磁石145a、145b、
145cは、それぞれ、第二のソレノイド(図示せず)
によって、ケーシング141の底板の外表面から離間し
た退避位置から、ケーシング141の底板の外表面に近
接する近接位置に移動されるように構成されているが、
第一の永久磁石ユニット144を構成する永久磁石14
4a、144b、144cあるいは第二の永久磁石ユニ
ット145を構成する永久磁石145a、145b、1
45cを、ソレノイドによって、移動させることは必ず
しも必要でなく、他の駆動手段を用いて、第一の永久磁
石ユニット144を構成する永久磁石144a、144
b、144cあるいは第二の永久磁石ユニット145を
構成する永久磁石145a、145b、145cを移動
させるようにしてもよい。
【0410】さらに、前記実施態様においては、192
00の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略
円形の吸着性領域4、134が、約5000個/平方セ
ンチメートルの密度で、規則的なパターンにしたがっ
て、マトリックス状に、生化学解析用ユニット1、13
1に形成されているが、吸着性領域4、134を略円形
に形成することは必ずしも必要でなく、吸着性領域4、
134を、任意の形状、たとえば、矩形状に形成するこ
ともできる。
【0411】また、前記実施態様においては、1920
0の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円
形の吸着性領域4、134が、約5000個/平方セン
チメートルの密度で、規則的なパターンにしたがって、
マトリックス状に、生化学解析用ユニット1、131に
形成されているが、吸着性領域4、134の数およびサ
イズは、目的に応じて、任意に選択をすることができ、
好ましくは、10以上の5平方ミリメートル未満のサイ
ズを有する吸着性領域4、134が、10個/平方セン
チメートル以上の密度で、生化学解析用ユニット1、1
31に形成される。
【0412】さらに、前記実施態様においては、192
00の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略
円形の吸着性領域4、134が、約5000個/平方セ
ンチメートルの密度で、規則的なパターンにしたがっ
て、マトリックス状に、生化学解析用ユニット1、13
1に形成されているが、生化学解析用ユニット1、13
1の吸着性領域4、134を、規則的なパターンにした
がって、生化学解析用ユニット1、131に形成するこ
とは必ずしも必要でない。
【0413】また、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、
アルミニウム製の基板2に形成された多数の貫通孔3の
内部に、ナイロン6が充填されて、形成され、図18に
示された実施態様においては、生化学解析用ユニット1
31の多数の吸着性領域134は、ポリエチレンテレフ
タレートによって形成され、その両表面が、磁性層13
5によって、被覆された基板132に形成された多数の
貫通孔133の内部に、ナイロン6が充填されて、形成
されているが、生化学解析用ユニット1、131の吸着
性領域4、134が、ナイロン6によって形成されてい
ることは必ずしも必要でなく、ナイロン6に代えて、活
性炭などの多孔質炭素材料あるいはナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン類;ニトロセルロース、
酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース
誘導体;コラーゲン;アルギン酸、アルギン酸カルシウ
ム、アルギン酸/ポリリシンポリイオンコンプレックス
などのアルギン酸類;ポリエチレン、ポリプロピレンな
どのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニ
リデン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオライ
ドなどのポリフルオライドや、これらの共重合体または
複合体によって、生化学解析用ユニット1、131の吸
着性領域4、134を形成することもでき、さらには、
白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムなどの金
属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトなどの金
属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウムなど
の金属塩やこれらの複合体などの無機多孔質材料あるい
は複数の繊維の束によって、生化学解析用ユニット1、
131の吸着性領域4、134を形成するようにしても
よい。
【0414】さらに、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1は、ステンレス製の基板2
を備え、図18に示された実施態様においては、生化学
解析用ユニット131は、ポリエチレンテレフタレート
によって形成され、その両表面が、磁性層135によっ
て、被覆された基板132を備えているが、生化学解析
用ユニット1、131の基板2、132を、ステンレス
基板によって形成することも、両表面が、磁性層135
によって、被覆されたポリエチレンテレフタレート基板
によって形成することも、ともに、必ずしも必要でな
く、生化学解析用ユニット1、131の基板2、132
が、磁性を有する材料によって形成されることが好まし
いが、少なくとも基板2、132の両表面が、磁性を有
していればよく、無機化合物材料、有機化合物材料のい
ずれによっても、生化学解析用ユニット1、131の基
板2、132を形成することができる。生化学解析用ユ
ニット1、131の基板2、132は、さらに、光およ
び放射線を減衰させる性質を有する材料によって形成さ
れていることが好ましいが、その材料は、格別限定され
るものではなく、金属材料、セラミック材料またはプラ
スチック材料が、とくに好ましく使用される。生化学解
析用ユニット1、131の基板2、132を形成するた
めに好ましく使用することができる無機化合物材料とし
ては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チ
タン、タンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、
鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステンレス、青銅な
どの合金;シリコン、アモルファスシリコン、ガラス、
石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化ア
ルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなど
の金属酸化物;タングステンカーバイト、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリ
ウムなどの無機塩を挙げることができる。これらは、単
結晶、アモルファス、セラミックのような多結晶焼結体
にいずれの構造を有していてもよい。また、生化学解析
用ユニット1、131の基板2、132を形成するため
に好ましく使用することができる有機化合物材料として
は、高分子化合物が好ましく用いられ、好ましい高分子
化合物としては、たとえば、ポリエチレンやポリプロピ
レンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合
体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩
化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデ
ン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロトリフル
オロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレンナフタ
レートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエステ
ル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10な
どのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフェニ
レンサルファイド;ポリジフェニルシロキサンなどのケ
イ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹脂;エポキシ
樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−スチ
レン共重合体;セルロース、酢酸セルロース、ニトロセ
ルロース、でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースなどの多糖類;キチン;キト
サン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどの
ポリアミドおよびこれら高分子化合物の共重合体などを
挙げることができる。これらは、複合材料でもよく、必
要に応じて、金属酸化物粒子やガラス繊維などを充填す
ることもでき、また、有機化合物材料をブレンドして、
使用することもできる。
【0415】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1、131の多数の吸着性領域4、134
は、基板2、132に形成された多数の貫通孔3、13
3に、ナイロン6が充填されて、形成されているが、基
板に形成された多数の貫通孔に、ナイロン6などの吸着
性材料によって形成された吸着性膜を圧入して、多数の
吸着性領域4、134を形成することもできる。
【0416】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1、131の多数の吸着性領域4、13
4は、基板2に形成された多数の貫通孔3、133に、
ナイロン6が充填されて、形成されているが、メンブレ
ンフィルタなどの吸着性材料によって形成された吸着性
基板の少なくとも一方の側に、多数の貫通孔が形成され
た基板を密着させ、貫通孔内の吸着性基板により、多数
の吸着性領域4、134を形成することもできる。
【0417】
【発明の効果】本発明によれば、生化学解析用ユニット
に固定されたリガンドあるいはリセプターに、効率的
に、リセプターあるいはリガンドを会合反応させること
ができ、しかも、再現性よく、定量性に優れた生化学解
析用データを生成することを可能にするリセプター・リ
ガンド会合反応方法およびそれに用いるリアクタを提供
することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかるリ
セプター・リガンド会合反応方法に用いられる生化学解
析用ユニットの略斜視図である。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、本発明の好ましい実施態様にかかるリ
セプター・リガンド会合反応方法に用いられるリアクタ
の略縦断面図である。
【図4】図4は、蓄積性蛍光体シートの略斜視図であ
る。
【図5】図5は、生化学解析用ユニットに形成された多
数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によって、蓄
積性蛍光体シートに形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域を露光する方法を示す略断面図である。
【図6】図6は、蓄積性蛍光体シートに形成された多数
の輝尽性蛍光体層領域に記録された放射性標識物質の放
射線データおよび生化学解析用ユニットの多数の吸着性
領域に記録された蛍光データを読み取って、生化学解析
用データを生成するスキャナの略斜視図である。
【図7】図7は、図6に示されたスキャナのフォトマル
チプライア近傍の詳細を示す略斜視図である。
【図8】図8は、図7のA−A線に沿った略断面図であ
る。
【図9】図9は、図7のB−B線に沿った略断面図であ
る。
【図10】図10は、図7のC−C線に沿った略断面図
である。
【図11】図11は、図7のD−D線に沿った略断面図
である。
【図12】図12は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【図13】図13は、図6に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【図14】図14は、生化学解析用ユニット1の多数の
吸着性領域4に記録された化学発光データを読み取っ
て、生化学解析用データを生成するデータ生成システム
の略正面図である。
【図15】図15は、冷却CCDカメラの略縦断面図で
ある。
【図16】図16は、暗箱の略縦断面図である。
【図17】図17は、データ生成システムを構成するパ
ーソナルコンピュータの周辺のブロックダイアグラムで
ある。
【図18】図18は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかるリセプター・リガンド会合反応方法に用いられる
生化学解析用ユニットの略斜視図である。
【図19】図19は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかるリセプター・リガンド会合反応方法に用いられる
リアクタの略縦断面図である。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 基板 3 貫通孔 4 吸着性領域 5 インジェクタ 6 CCDカメラ 10 蓋部材 11 ケーシング 12 生化学解析用ユニット保持部材 13 反応容器 14 第一の電磁石ユニット 14a、14b、14c 電磁石 15 第二の電磁石ユニット 15a、15b、15c 電磁石 16 第一の直流電源 17 第二の直流電源 20 蓄積性蛍光体シート 21 支持体 22 貫通孔 24 輝尽性蛍光体層領域 31 第1のレーザ励起光源 32 第2のレーザ励起光源 33 第3のレーザ励起光源 34 レーザ光 35 コリメータレンズ 36 ミラー 37 第1のダイクロイックミラー 38 第2のダイクロイックミラー 39 ミラー 40 コリメータレンズ 41 コリメータレンズ 42 ミラー 43 穴開きミラーの穴 44 穴開きミラー 45 光学ヘッド 46 ミラー 47 非球面レンズ 48 凹面ミラー 50 ステージ 51 ガラス板 55 蛍光あるいは輝尽光 58 フィルタユニット 60 フォトマルチプライア 61a、61b、61c、61d フィルタ部材 62a、62b、62c、62d フィルタ 63 A/D変換器 64 データ処理装置 70 基板 71 副走査パルスモータ 72 一対のレール 73 移動可能な基板 74 ロッド 75 主走査ステッピングモータ 76 エンドレスベルト 77 リニアエンコーダ 78 リニアエンコーダのスリット 80 コントロールユニット 81 キーボード 82 フィルタユニットモータ 91 冷却CCDカメラ 92 暗箱 93 パーソナルコンピュータ 94 CRT 95 キーボード 96 CCD 97 伝熱板 98 ペルチエ素子 99 シャッタ 100 A/D変換器 101 画像データバッファ 102 カメラ制御回路 105 ガラス板 106 放熱フィン 107 カメラレンズ 110 LED光源 111 フィルタ 112 フィルタ 113 拡散板 120 CPU 121 データ転送手段 122 データ記憶手段 123 データ処理手段 124 データ表示手段 125 光源制御手段 131 生化学解析用ユニット 132 基板 133 貫通孔 134 吸着性領域 135 磁性層 140 蓋部材 141 ケーシング 142 生化学解析用ユニット保持部材 143 反応容器 144 第一の永久磁石ユニット 144a、144b、144c 永久磁石 145 第二の永久磁石ユニット 145a、145b、145c 永久磁石
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 37/00 102 G01N 37/00 102

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両表面が磁性を有し、リセプターまたは
    リガンドを含む複数の吸着性領域が、互いに離間して形
    成された生化学解析用ユニットを、反応容器内に保持
    し、標識物質によって標識されたリガンドまたはリセプ
    ターを含む反応溶液を、前記反応容器内に収容し、前記
    反応容器内に保持された前記生化学解析用ユニットの両
    側に、交互に、磁界を発生させて、前記反応溶液を、前
    記生化学解析用ユニットに形成された前記複数の吸着性
    領域を横切るように、強制的に流動させ、前記生化学解
    析用ユニットの前記複数の吸着性領域に含まれたリセプ
    ターまたはリガンドに、前記反応溶液に含まれたリガン
    ドまたはリセプターを、選択的に、会合させることを特
    徴とするリセプター・リガンド会合反応方法。
  2. 【請求項2】 前記生化学解析用ユニットが、磁性を有
    する材料によって形成された基板を備え、前記複数の吸
    着性領域が、前記基板に、互いに離間して形成された孔
    内に、吸着性材料を充填して形成されたことを特徴とす
    る請求項1に記載のリセプター・リガンド会合反応方
    法。
  3. 【請求項3】 前記生化学解析用ユニットが、磁性を有
    する材料によって、両表面が被覆された基板を備え、前
    記複数の吸着性領域が、前記基板に、互いに離間して形
    成された孔内に、吸着性材料を充填して形成されたこと
    を特徴とする請求項1に記載のリセプター・リガンド会
    合反応方法。
  4. 【請求項4】 両表面が磁性を有し、リセプターまたは
    リガンドを含む複数の吸着性領域が、互いに離間して形
    成された生化学解析用ユニットを保持する生化学解析用
    ユニット保持部を備えた反応容器と、前記生化学解析用
    ユニット保持部に保持された前記生化学解析用ユニット
    の両側に、交互に、磁界を生成させる磁界生成手段を備
    えたことを特徴とするリアクタ。
  5. 【請求項5】 前記生化学解析用ユニット保持部に保持
    された前記生化学解析用ユニットの両側に、それぞれ、
    少なくとも1つの電磁石を備え、前記生化学解析用ユニ
    ット保持部に保持された前記生化学解析用ユニットの両
    側に、それぞれ、設けられた前記少なくとも1つの電磁
    石によって、前記磁界生成手段が構成されたことを特徴
    とする請求項4に記載のリアクタ。
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