JP2003090842A - 蓄積性蛍光体シートおよびその製造方法 - Google Patents

蓄積性蛍光体シートおよびその製造方法

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JP2003090842A
JP2003090842A JP2002178858A JP2002178858A JP2003090842A JP 2003090842 A JP2003090842 A JP 2003090842A JP 2002178858 A JP2002178858 A JP 2002178858A JP 2002178858 A JP2002178858 A JP 2002178858A JP 2003090842 A JP2003090842 A JP 2003090842A
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phosphor sheet
plate
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JP2002178858A
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Keiko Neriishi
恵子 錬石
Katsuhiro Koda
勝博 幸田
Yuichi Hosoi
雄一 細井
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特
異的結合物質に、放射性標識物質によって標識された生
体由来の物質を特異的に結合させて、選択的に標識した
スポット状領域を、メンブレンフィルタなどの担体表面
に、高密度に形成した場合においても、高い分解能で、
定量性に優れた生化学解析用のデータを生成することの
できる蓄積性蛍光体シートを提供する。 【解決手段】 板状部材13に形成された複数の貫通孔
12に、輝尽性蛍光体とバインダを含む輝尽性蛍光体膜
11が充填されて、板状部材の複数の貫通孔に対応する
位置に、複数の輝尽性蛍光体層領域15が形成されたこ
とを特徴とする蓄積性蛍光体シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄積性蛍光体シー
トおよびその製造方法に関するものであり、さらに詳細
には、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩
基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質
を含む複数のスポット状領域を、メンブレンフィルタな
どの担体表面に、高密度に形成し、放射性標識物質物質
によって、複数のスポット状領域を選択的に標識して、
放射線データを記録した場合にも、化学発光基質と接触
させることによって化学発光を生じさせる標識物質によ
って、複数のスポット状領域を選択的に標識して、化学
発光データを記録した場合にも、高い分解能で、放射線
データあるいは化学発光データを読み取って、定量性に
優れた生化学解析用データを生成することのできる蓄積
性蛍光体シートおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】また、光が照射されると、光のエネルギー
を吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の
電磁波を用いて励起すると、照射された光のエネルギー
の量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性
蛍光体を、光の検出材料として用い、蛋白質、遺伝子配
列などの固定された高分子を、化学発光物質と接触し
て、化学発光を生じさせる標識物質により、選択的に標
識し、標識物質によって選択的に標識された高分子と、
化学発光物質とを接触させて、化学発光物質と標識物質
との接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を、蓄
積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に含まれ
ている輝尽性蛍光体に蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル信号を生成し、データ処理を施
して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルムな
どの記録材料上に、データを再生するように構成された
化学発光解析システムが知られている(たとえば、米国
特許第5,028,793号、英国特許出願公開GB第
2,246,197Aなど。)。
【0004】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するこれらのシステムは、写真フイルムを用い
る場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要
であるだけでなく、得られたディジタルデータにデータ
処理を施すことにより、所望のように、解析用データを
再生し、あるいは、コンピュータによる定量解析が可能
になるという利点を有している。
【0005】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0006】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光解析システムも知られてい
る。
【0007】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細胞、
ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗
原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDN
A、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結
合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既
知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下
して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによっ
て、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処
理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であ
って、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識され
た物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特異
的結合物質に、特異的に結合させたマイクロアレイに、
励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から
発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来
の物質を解析するマイクロアレイ解析システムが開発さ
れている。このマイクロアレイ解析システムによれば、
スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポット
を高密度に形成して、標識物質によって標識された生体
由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時
間に、生体由来の物質を解析することが可能になるとい
う利点がある。
【0008】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッ
ター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポット
を形成し、次いで、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽
出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、
さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生
体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識さ
れた物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特
異的結合物質に、特異的に結合させたマクロアレイを、
輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性
蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、
しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性
蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生
化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解析する
放射性標識物質を用いたマクロアレイ解析システムも開
発されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、放射性
標識物質を標識物質として用いたマクロアレイ解析シス
テムにあっては、輝尽性蛍光体層を露光する際、メンブ
レンフィルタなどの担体表面上に形成されたスポット状
領域に含まれた放射性標識物質の放射線エネルギーが非
常に大きいため、放射性標識物質から発せられる電子線
(β線)が散乱して、隣り合うスポット状領域に含まれ
た放射性標識物質によって露光されるべき輝尽性蛍光体
層の領域に入射し、あるいは、隣り合うスポット状領域
の間のメンブレンフィルタなどの担体表面上に付着した
放射性標識物質から放出された電子線(β線)が、輝尽
性蛍光体層に入射し、その結果、輝尽光を光電的に検出
して生成された生化学解析用データ中にノイズが生成さ
れ、隣り合うスポット状領域間でのデータの分離が困難
になって、分解能が低下するとともに、各スポット状領
域の放射線量を定量して、生体由来の物質を解析する
際、定量性が悪化するという問題があり、スポットを近
接して形成して、高密度化しようとする場合には、とく
に、分解能が低下する著しく低下するとともに、定量性
の著しい悪化が認められている。
【0010】さらに、生化学解析の分野においては、メ
ンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的
に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成など
が既知の特異的結合物質を含むスポット状領域を形成
し、スポット状領域に含まれた特異的結合物質に、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質によって標識された生体由来の物質を、ハイ
ブリダイゼーションなどにより、特異的に結合させて、
選択的に標識し、化学発光基質とを接触させて、化学発
光基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域
の化学発光により、輝尽性蛍光体層を露光して、輝尽性
蛍光体層に化学発光のエネルギーを蓄積させ、輝尽性蛍
光体層に、励起光を照射して、輝尽性蛍光体層から放出
される輝尽光を光電的に検出して、生体由来の物質を解
析することも要求されているが、かかる場合にも、化学
発光がメンブレンフィルタなどの担体内で散乱して、隣
り合うスポット状領域から発せられた化学発光と混ざり
合い、その結果、化学発光を光電的に検出して生成した
生化学解析用データ中にノイズが生成されるという問題
があった。
【0011】したがって、本発明は、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質を含む複数のスポット状
領域を、メンブレンフィルタなどの担体表面に、高密度
に形成し、放射性標識物質物質によって、複数のスポッ
ト状領域を選択的に標識して、放射線データを記録した
場合にも、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって、複数のスポット状
領域を選択的に標識して、化学発光データを記録した場
合にも、高い分解能で、放射線データあるいは化学発光
データを読み取って、定量性に優れた生化学解析用デー
タを生成することのできる蓄積性蛍光体シートおよびそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
板状部材に形成された複数の貫通孔に、輝尽性蛍光体お
よびバインダを含む輝尽性蛍光体膜が充填されて、前記
板状部材の前記複数の貫通孔に対応する位置に、複数の
輝尽性蛍光体層領域が形成されたことを特徴とする蓄積
性蛍光体シートによって達成される。
【0013】本発明によれば、塩基配列や塩基の長さ、
組成などが既知の特異的結合物質と、放射性標識物質に
よって標識された生体由来の物質とが特異的に結合され
て、放射性標識物質によって選択的に標識されたスポッ
ト状領域を、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユ
ニットに、高密度に形成した場合においても、蓄積性蛍
光体シートを、生化学解析用ユニットに形成されたスポ
ット領域と同じパターンで、複数の貫通孔が形成された
板状部材の複数の貫通孔に、輝尽性蛍光体およびバイン
ダを含む輝尽性蛍光体膜を充填して、板状部材に形成さ
れた複数の貫通孔に対応する位置に、複数の輝尽性蛍光
体層領域を形成して、生成することによって、蓄積性蛍
光体シートと生化学解析用ユニットを重ねあわせて、生
化学解析用ユニットの複数のスポット状領域に選択的に
含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シ
ートの複数の輝尽性蛍光体層領域を露光する際に、各ス
ポット状領域に含まれている放射性標識物質から放出さ
れた電子線(β線)が、そのスポット状領域に含まれた
放射性標識物質から放出された電子線(β線)によって
露光されるべき輝尽性蛍光体層領域以外の輝尽性蛍光体
領域に入射することを効果的に防止することができ、し
たがって、露光された複数の輝尽性蛍光体層領域を励起
光によって走査し、複数の輝尽性蛍光体層領域から放出
された輝尽光を光電的に検出することによって、高い分
解能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成す
ることが可能になる。
【0014】さらに、本発明によれば、化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
によって、選択的に標識されたスポット状領域を、メン
ブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットに、高密度
に形成した場合においても、蓄積性蛍光体シートを、生
化学解析用ユニットに形成されたスポット領域と同じパ
ターンで、複数の貫通孔が形成された板状部材の複数の
貫通孔に、輝尽性蛍光体およびバインダを含む輝尽性蛍
光体膜を充填して、板状部材に形成された複数の貫通孔
に対応する位置に、複数の輝尽性蛍光体層領域を形成し
て、生成することによって、化学発光基質と標識物質と
の接触によって、可視光波長域の化学発光が放出されて
いる複数のスポット状領域を含む生化学解析用ユニット
に、蓄積性蛍光体シートを重ね合わせて、生化学解析用
ユニットの複数のスポット状領域から放出された化学発
光によって、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体
層領域を露光する際に、生化学解析用ユニットの各スポ
ット状領域から放出された化学発光が、そのスポット状
領域から放出された化学発光によって露光されるべき輝
尽性蛍光体層領域以外の輝尽性蛍光体領域に入射するこ
とを効果的に防止することができ、したがって、化学発
光によって、露光された複数の輝尽性蛍光体層領域を励
起光によって走査し、複数の輝尽性蛍光体層領域から放
出された輝尽光を光電的に検出することによって、高い
分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成
することが可能になる。
【0015】本発明において、複数のスポット状領域
が、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質によって、選択的に標識されている
とは、化学発光基質と接触させることによって化学発光
を生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物
質を、複数のスポット状領域に含まれている特異的結合
物質に、選択的に結合させて、複数のスポット状領域
が、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質によって、選択的に標識されている
場合と、複数のスポット状領域に含まれている特異的結
合物質に、ハプテンによって標識された生体由来の物質
を、選択的に結合させ、さらに、化学発光基質と接触さ
せることによって化学発光を生じさせる酵素によって標
識されたハプテンに対する抗体を、抗原抗体反応によっ
て、ハプテンに結合させることによって、複数のスポッ
ト状領域が、化学発光基質と接触させることにより化学
発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識され
ている場合とを包含している。
【0016】本発明において、ハプテン/抗体の組合わ
せの例としては ジゴキシゲニン/抗ジゴキシゲニン抗
体、テオフィリン/抗テオフィリン抗体、フルオロセイ
ン/抗フルオロセイン抗体などをあげることができる。
また、ハプテン/抗体ではなく、ビオチン/アヴィジン
や抗原/抗体などの組合わせを利用することも可能であ
る。
【0017】本発明において、輝尽性蛍光体膜とは、輝
尽性蛍光体およびバインダを含むシート状部材だけでな
く、ブロック状など、輝尽性蛍光体およびバインダを含
むあらゆる形状の部材を含んでいる。
【0018】本発明の好ましい実施態様においては、前
記板状部材に形成された前記複数の貫通孔に、輝尽性蛍
光体およびバインダを含む前記輝尽性蛍光体膜が圧入さ
れて、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されてい
る。
【0019】本発明の好ましい実施態様によれば、板状
部材に形成された複数の貫通孔に、単に、輝尽性蛍光体
およびバインダを含む輝尽性蛍光体膜を圧入することに
よって、複数の輝尽性蛍光体層領域を形成されるから、
きわめて簡易に、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成され
た蓄積性蛍光体シートを生成することが可能になる。
【0020】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、輝尽性蛍光体およびバインダを含む前記輝尽性蛍光
体膜が、熱プレス処理によって、前記板状部材に形成さ
れた前記複数の貫通孔に圧入されて、前記複数の輝尽性
蛍光体層領域が形成されている。
【0021】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、板状部材に形成された複数の貫通孔に、熱プレス処
理によって、単に、輝尽性蛍光体およびバインダを含む
輝尽性蛍光体膜を圧入することによって、複数の輝尽性
蛍光体層領域が形成されるから、きわめて簡易に、複数
の輝尽性蛍光体層領域が形成された蓄積性蛍光体シート
を生成することが可能になる。
【0022】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材に形成された前記複数の貫通孔に、カ
レンダーロール処理によって、輝尽性蛍光体およびバイ
ンダを含む前記輝尽性蛍光体膜が圧入されて、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0023】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、板状部材に形成された複数の貫通孔に、カレンダー
ロール処理によって、単に、輝尽性蛍光体およびバイン
ダを含む輝尽性蛍光体膜を圧入することによって、複数
の輝尽性蛍光体層領域が形成されるから、きわめて簡易
に、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成された蓄積性蛍光
体シートを生成することが可能になる。
【0024】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材に形成された前記複数の貫通孔に、輝
尽性蛍光体およびバインダを含む前記輝尽性蛍光体膜が
圧入されて、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が形成さ
れ、前記板状部材と前記輝尽性蛍光体膜とが、接着剤に
よって接着されている。
【0025】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、板状部材に形成された複数の貫通孔に、輝尽性蛍光
体およびバインダを含む輝尽性蛍光体膜が圧入されて、
複数の輝尽性蛍光体層領域が形成され、板状部材と輝尽
性蛍光体膜とが、接着剤によって接着されているから、
輝尽性蛍光体膜と板状部材とを、強固に一体化して、耐
久性の高い蓄積性蛍光体シートを生成することが可能に
なる。
【0026】本発明の前記目的はまた、輝尽性蛍光体お
よびバインダを含む輝尽性蛍光体膜を形成し、板状部材
に形成された複数の貫通孔に、前記輝尽性蛍光体膜を充
填して、前記複数の貫通孔に対応する位置に、複数の輝
尽性蛍光体層領域を形成することを特徴とする蓄積性蛍
光体シートの製造方法によって達成される。
【0027】本発明によれば、輝尽性蛍光体およびバイ
ンダを含む輝尽性蛍光体膜を形成し、板状部材に形成さ
れた複数の貫通孔に、前記輝尽性蛍光体膜を充填して、
前記複数の貫通孔に対応する位置に、複数の輝尽性蛍光
体層領域を形成することによって、蓄積性蛍光体シート
が製造されるから、塩基配列や塩基の長さ、組成などが
既知の特異的結合物質と、放射性標識物質によって標識
された生体由来の物質とが特異的に結合されて、放射性
標識物質によって選択的に標識されたスポット状領域
を、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニット
に、高密度に形成した場合においても、蓄積性蛍光体シ
ートを、生化学解析用ユニットに形成されたスポット領
域と同じパターンで、複数の貫通孔が形成された板状部
材の複数の貫通孔に、輝尽性蛍光体膜を充填して、板状
部材に形成された複数の貫通孔に対応する位置に、複数
の輝尽性蛍光体層領域を形成して、生成することによっ
て、蓄積性蛍光体シートと生化学解析用ユニットを重ね
あわせて、生化学解析用ユニットの複数のスポット状領
域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄
積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域を露光す
る際に、各スポット状領域に含まれている放射性標識物
質から放出された電子線(β線)が、そのスポット状領
域に含まれた放射性標識物質から放出された電子線(β
線)によって露光されるべき輝尽性蛍光体層領域以外の
輝尽性蛍光体領域に入射することを効果的に防止するこ
とができ、したがって、露光された複数の輝尽性蛍光体
層領域を励起光によって走査し、複数の輝尽性蛍光体層
領域から放出された輝尽光を光電的に検出することによ
って、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデ
ータを生成することが可能になる。
【0028】本発明の好ましい実施態様においては、前
記板状部材に形成された前記複数の貫通孔に、輝尽性蛍
光体およびバインダを含む前記輝尽性蛍光体膜を圧入し
て、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を形成することによ
って、蓄積性蛍光体シートが製造される。
【0029】本発明の好ましい実施態様によれば、板状
部材に形成された複数の貫通孔に、単に、輝尽性蛍光体
およびバインダを含む輝尽性蛍光体膜を圧入して、複数
の輝尽性蛍光体層領域を形成するように構成されている
から、きわめて簡易に、複数の輝尽性蛍光体層領域が形
成された蓄積性蛍光体シートを生成することが可能にな
る。
【0030】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材の前記複数の貫通孔に、熱プレス処理
によって、輝尽性蛍光体およびバインダを含む前記輝尽
性蛍光体膜を圧入して、前記複数の輝尽性蛍光体層領域
を形成することによって、蓄積性蛍光体シートが製造さ
れる。
【0031】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、板状部材に形成された複数の貫通孔に、単に、熱プ
レス処理によって、輝尽性蛍光体およびバインダを含む
輝尽性蛍光体膜を圧入して、複数の輝尽性蛍光体層領域
を形成するように構成されているから、きわめて簡易
に、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成された蓄積性蛍光
体シートを生成することが可能になる。
【0032】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材に形成された前記複数の貫通孔に、カ
レンダーロール処理によって、輝尽性蛍光体およびバイ
ンダを含む前記輝尽性蛍光体膜を圧入して、前記複数の
輝尽性蛍光体層領域を形成することによって、蓄積性蛍
光体シートが製造される。
【0033】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、板状部材に形成された複数の貫通孔に、単に、カレ
ンダーロール処理によって、輝尽性蛍光体およびバイン
ダを含む輝尽性蛍光体膜を圧入して、複数の輝尽性蛍光
体層領域を形成するように構成されているから、きわめ
て簡易に、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成された蓄積
性蛍光体シートを生成することが可能になる。
【0034】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材の前記複数の貫通孔に、輝尽性蛍光体
およびバインダを含む前記輝尽性蛍光体膜を圧入して、
前記複数の輝尽性蛍光体層領域を形成するとともに、前
記板状部材と前記輝尽性蛍光体膜とを、接着剤によって
接着することによって、蓄積性蛍光体シートが製造され
る。
【0035】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、板状部材の複数の貫通孔に、輝尽性蛍光体およびバ
インダを含む輝尽性蛍光体膜を圧入して、複数の輝尽性
蛍光体層領域を形成するとともに、板状部材と輝尽性蛍
光体膜とを、接着剤によって接着するように構成されて
いるから、輝尽性蛍光体膜と板状部材とを、強固に一体
化して、耐久性の高い蓄積性蛍光体シートを生成するこ
とが可能になる。
【0036】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記板状部材が、放射線エネル
ギーを減衰させる材料によって形成されている。
【0037】本発明の好ましい実施態様によれば、塩基
配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質
と、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
とが特異的に結合されて、放射性標識物質によって選択
的に標識されたスポット状領域を、メンブレンフィルタ
などの生化学解析用ユニットに、高密度に形成した場合
においても、蓄積性蛍光体シートを、生化学解析用ユニ
ットに形成されたスポット領域と同じパターンで、複数
の貫通孔が形成された板状部材の複数の貫通孔に、輝尽
性蛍光体およびバインダを含む輝尽性蛍光体膜を充填し
て、板状部材に形成された複数の貫通孔に対応する位置
に、複数の輝尽性蛍光体層領域を形成して、生成すれ
ば、蓄積性蛍光体シートの板状部材が、放射線エネルギ
ーを減衰させる材料によって形成されているから、蓄積
性蛍光体シートと生化学解析用ユニットを重ねあわせ
て、生化学解析用ユニットの複数のスポット状領域に選
択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍
光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域を露光する際
に、各スポット状領域に含まれている放射性標識物質か
ら放出された電子線(β線)が、板状部材内で散乱し
て、隣り合うスポット状領域に含まれた放射性標識物質
から放出された電子線(β線)によって露光されるべき
輝尽性蛍光体層領域に入射することを効果的に防止する
ことができ、したがって、各スポット状領域に含まれた
放射性標識物質から放出された電子線(β線)によって
露光されるべき輝尽性蛍光体層領域が、隣り合うスポッ
ト状領域に含まれた放射性標識物質から放出された電子
線(β線)によって、露光されることを効果的に防止す
ることが可能になるから、露光された複数の輝尽性蛍光
体層領域を励起光によって走査し、複数の輝尽性蛍光体
層領域から放出された輝尽光を光電的に検出することに
よって、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用の
データを生成することが可能になる。
【0038】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記板状部材が、隣り合う前記
輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射
線が前記板状部材内を透過したときに、放射線のエネル
ギーを、1/5以下に減衰させる性質を有する材料によ
って形成されている。
【0039】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記板状部材が、隣り合
う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だ
け、放射線が前記板状部材内を透過したときに、放射線
のエネルギーを、1/10以下に減衰させる性質を有す
る材料によって形成されている。
【0040】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記板状部材が、隣り合
う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だ
け、放射線が前記板状部材内を透過したときに、放射線
のエネルギーを、1/50以下に減衰させる性質を有す
る材料によって形成されている。
【0041】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記板状部材が、隣り合
う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だ
け、放射線が前記板状部材内を透過したときに、放射線
のエネルギーを、1/100以下に減衰させる性質を有
する材料によって形成されている。
【0042】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記板状部材が、隣り合
う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だ
け、放射線が前記板状部材内を透過したときに、放射線
のエネルギーを、1/500以下に減衰させる性質を有
する材料によって形成されている。
【0043】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記板状部材が、隣り合
う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だ
け、放射線が前記板状部材内を透過したときに、放射線
のエネルギーを、1/1000以下に減衰させる性質を
有する材料によって形成されている。
【0044】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記板状部材が、光エネルギー
を減衰させる材料によって形成されている。
【0045】本発明の好ましい実施態様によれば、化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質によって、選択的に標識されたスポット状領
域を、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニット
に、高密度に形成した場合においても、蓄積性蛍光体シ
ートを、生化学解析用ユニットに形成されたスポット領
域と同じパターンで、複数の貫通孔が形成された板状部
材の複数の貫通孔に、輝尽性蛍光体およびバインダを含
む輝尽性蛍光体膜を充填して、板状部材に形成された複
数の貫通孔に対応する位置に、複数の輝尽性蛍光体層領
域を形成して、生成すれば、板状部材が、光エネルギー
を減衰させる材料によって形成されているから、化学発
光基質と標識物質との接触によって、可視光波長域の化
学発光が放出されている複数のスポット状領域を含む生
化学解析用ユニットに、蓄積性蛍光体シートを重ね合わ
せて、生化学解析用ユニットの複数のスポット状領域か
ら放出された化学発光によって、蓄積性蛍光体シートの
複数の輝尽性蛍光体層領域を露光する際に、生化学解析
用ユニットの各スポット状領域から放出された化学発光
が、板状部材内に散乱して、隣り合うスポット状領域か
ら放出された化学発光によって露光されるべき輝尽性蛍
光体層領域に入射することを効果的に防止することがで
き、したがって、各スポット状領域から放出された化学
発光によって露光されるべき輝尽性蛍光体層領域が、隣
り合うスポット状領域から放出された化学発光によっ
て、露光されることを効果的に防止することが可能にな
るから、露光された複数の輝尽性蛍光体層領域を励起光
によって走査し、複数の輝尽性蛍光体層領域から放出さ
れた輝尽光を光電的に検出することによって、高い分解
能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成する
ことが可能になる。
【0046】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記板状部材が、隣り合う前記
輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、光が
前記板状部材内を透過したときに、光のエネルギーを、
1/5以下に減衰させる性質を有する材料によって形成
されている。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記板状部材が、隣り合
う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だ
け、光が前記板状部材内を透過したときに、光のエネル
ギーを、1/10以下に減衰させる性質を有する材料に
よって形成されている。
【0048】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記板状部材が、隣り合
う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だ
け、光が前記板状部材内を透過したときに、光のエネル
ギーを、1/50以下に減衰させる性質を有する材料に
よって形成されている。
【0049】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記板状部材が、隣り合
う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だ
け、光が前記板状部材内を透過したときに、光のエネル
ギーを、1/100以下に減衰させる性質を有する材料
によって形成されている。
【0050】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記板状部材が、隣り合
う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だ
け、光が前記板状部材内を透過したときに、光のエネル
ギーを、1/500以下に減衰させる性質を有する材料
によって形成されている。
【0051】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蓄積性蛍光体シートの前記板状部材が、隣り合
う前記輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だ
け、光が前記板状部材内を透過したときに、光のエネル
ギーを、1/1000以下に減衰させる性質を有する材
料によって形成されている。
【0052】本発明において、蓄積性蛍光体シートの板
状部材を形成するために使用される材料としては、放射
線エネルギーおよび/または光エネルギーを減衰させる
性質を有するものが好ましいが、とくに限定されるもの
ではなく、無機化合物材料、有機化合物材料のいずれを
も使用することができ、金属材料、セラミック材料また
はプラスチック材料が、とくに、好ましく使用される。
【0053】本発明において、蓄積性蛍光体シートの板
状部材を形成するために好ましく使用可能な無機化合物
材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニ
ウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバ
ルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステンレス、
青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリコン、ガ
ラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウ
ムなどの金属酸化物;タングステンカーバイト、炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒
化ガリウムなどの無機塩を挙げることができる。これら
は、単結晶、アモルファス、セラミックのような多結晶
焼結体にいずれの構造を有していてもよい。
【0054】本発明において、蓄積性蛍光体シートの板
状部材を形成するために好ましく使用可能な有機化合物
材料としては、高分子化合物が好ましく用いられ、たと
えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアクリレート
/メチルメタクリレート共重合体などのアクリル樹脂;
ポリアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニ
リデン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエ
チレン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボ
ネート;ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレ
フタレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン
6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポリイミ
ド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリ
ジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックな
どのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポ
リスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;セルロー
ス、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん粉、アル
ギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチ
ン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれ
ら高分子化合物の共重合体などを挙げることができる。
これらは、複合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化
物粒子やガラス繊維などを充填することもでき、また、
有機化合物材料をブレンドして、使用することもでき
る。
【0055】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、蓄積性蛍光体シートの板状部材は、
比重1.0g/cm以上の化合物材料または複合材料
によって形成されることが好ましく、比重が1.5g/
cm以上、23g/cm以下の化合物材料または複
合材料によって形成されることが、とくに好ましい。
【0056】また、一般に、光の散乱および/または吸
収が大きいほど、光の減衰能が高くなるので、蓄積性蛍
光体シートの板状部材は、厚さ1cmあたりの吸光度が
0.3以上であることが好ましく、厚さ1cmあたりの
吸光度が1以上であれば、さらに好ましい。ここに、吸
光度は、厚さTcmの板状体の直後に、積分球を置き、
計測に利用するプローブ光またはエミッション光の波長
における透過光量Aを分光光度計によって測定し、A/
Tを算出することによって、求められる。光減衰能を向
上させるために、光散乱体や光吸収体を、蓄積性蛍光体
シートの板状部材に含有させることもできる。光散乱体
としては、蓄積性蛍光体シートの板状部材を形成してい
る材料と異なる材料の微粒子が用いられ、光吸収体とし
ては、顔料または染料が用いられる。
【0057】本発明の好ましい実施態様においては、前
記板状部材が、プラスチック材料に、金属酸化物粒子を
分散させて、形成されている。
【0058】本発明の好ましい実施態様においては、前
記板状部材に、10以上の貫通孔が形成され、前記蓄積
性蛍光体シートに、10以上の前記輝尽性蛍光体層領域
が形成されている。
【0059】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材に、100以上の貫通孔が形成され、
前記蓄積性蛍光体シートに、100以上の前記輝尽性蛍
光体層領域が形成される。
【0060】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材に、500以上の貫通孔が形成され、
前記蓄積性蛍光体シートに、500以上の前記輝尽性蛍
光体層領域が形成される。
【0061】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材に、1000以上の貫通孔が形成さ
れ、前記蓄積性蛍光体シートに、1000以上の前記輝
尽性蛍光体層領域が形成される。
【0062】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材に、5000以上の貫通孔が形成さ
れ、前記蓄積性蛍光体シートに、5000以上の前記輝
尽性蛍光体層領域が形成される。
【0063】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材に、10000以上の貫通孔が形成さ
れ、前記蓄積性蛍光体シートに、10000以上の前記
輝尽性蛍光体層領域が形成される。
【0064】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材に、50000以上の貫通孔が形成さ
れ、前記蓄積性蛍光体シートに、50000以上の前記
輝尽性蛍光体層領域が形成される。
【0065】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材に、100000以上の貫通孔が形成
され、前記蓄積性蛍光体シートに、100000以上の
前記輝尽性蛍光体層領域が形成される。
【0066】本発明の好ましい実施態様においては、前
記板状部材の前記複数の貫通孔が、それぞれ、5平方ミ
リメートル未満のサイズを有し、前記複数の輝尽性蛍光
体層領域が、前記蓄積性蛍光体シートに、それぞれ、5
平方ミリメートル未満のサイズを有するように形成され
る。
【0067】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材の前記複数の貫通孔が、それぞれ、1
平方ミリメートル未満のサイズを有し、前記複数の輝尽
性蛍光体層領域が、前記蓄積性蛍光体シートに、それぞ
れ、1平方ミリメートル未満のサイズを有するように形
成される。
【0068】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材の前記複数の貫通孔が、それぞれ、
0.5平方ミリメートル未満のサイズを有し、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、前記蓄積性蛍光体シートに、
それぞれ、0.5平方ミリメートル未満のサイズを有す
るように形成される。
【0069】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材の前記複数の貫通孔が、それぞれ、
0.1平方ミリメートル未満のサイズを有し、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、前記蓄積性蛍光体シートに、
それぞれ、0.1平方ミリメートル未満のサイズを有す
るように形成される。
【0070】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材の前記複数の貫通孔が、それぞれ、
0.05平方ミリメートル未満のサイズを有し、前記複
数の輝尽性蛍光体層領域が、前記蓄積性蛍光体シート
に、それぞれ、0.05平方ミリメートル未満のサイズ
を有するように形成される。
【0071】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記板状部材の前記複数の貫通孔が、それぞれ、
0.01平方ミリメートル未満のサイズを有し、前記複
数の輝尽性蛍光体層領域が、前記蓄積性蛍光体シート
に、それぞれ、0.01平方ミリメートル未満のサイズ
を有するように形成される。
【0072】本発明において、蓄積性蛍光体シートに形
成される輝尽性蛍光体層領域の密度は、板状部材の材料
の種類、放射性標識物質から放出される電子線の種類な
どによって決定される。
【0073】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の貫通孔が、前記板状部材に、10個/平方セン
チメートル以上の密度で形成され、前記複数の輝尽性蛍
光体層領域が、10個/平方センチメートル以上の密度
で、前記蓄積性蛍光体シートに形成されている。
【0074】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の貫通孔が、前記板状部材に、50個/平
方センチメートル以上の密度で形成され、前記複数の輝
尽性蛍光体層領域が、50個/平方センチメートル以上
の密度で、前記蓄積性蛍光体シートに形成されている。
【0075】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の貫通孔が、前記板状部材に、100個/
平方センチメートル以上の密度で形成され、前記複数の
輝尽性蛍光体層領域が、100個/平方センチメートル
以上の密度で、前記蓄積性蛍光体シートに形成されてい
る。
【0076】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の貫通孔が、前記板状部材に、500個/
平方センチメートル以上の密度で形成され、前記複数の
輝尽性蛍光体層領域が、500個/平方センチメートル
以上の密度で、前記蓄積性蛍光体シートに形成されてい
る。
【0077】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の貫通孔が、前記板状部材に、1000個
/平方センチメートル以上の密度で形成され、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、1000個/平方センチメー
トル以上の密度で、前記蓄積性蛍光体シートに形成され
ている。
【0078】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の貫通孔が、前記板状部材に、5000個
/平方センチメートル以上の密度で形成され、前記複数
の輝尽性蛍光体層領域が、5000個/平方センチメー
トル以上の密度で、前記蓄積性蛍光体シートに形成され
ている。
【0079】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の貫通孔が、前記板状部材に、10000
個/平方センチメートル以上の密度で形成され、前記複
数の輝尽性蛍光体層領域が、10000個/平方センチ
メートル以上の密度で、前記蓄積性蛍光体シートに形成
されている。
【0080】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の貫通孔が、前記板状部材に、50000
個/平方センチメートル以上の密度で形成され、前記複
数の輝尽性蛍光体層領域が、50000個/平方センチ
メートル以上の密度で、前記蓄積性蛍光体シートに形成
されている。
【0081】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の貫通孔が、前記板状部材に、10000
0個/平方センチメートル以上の密度で形成され、前記
複数の輝尽性蛍光体層領域が、100000個/平方セ
ンチメートル以上の密度で、前記蓄積性蛍光体シートに
形成されている。
【0082】本発明の好ましい実施態様においては、前
記板状部材に、前記複数の貫通孔が規則的に形成され、
前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光体層
領域が規則的に形成されている。
【0083】本発明において、放射線エネルギーを蓄積
するために使用される輝尽性蛍光体としては、放射線の
エネルギーを蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄
積している放射線のエネルギーを、光の形で放出可能な
ものであればよく、とくに限定されるものではないが、
可視光波長域の光により励起可能であるものが好まし
い。具体的には、たとえば、米国特許第4,239,9
68号に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物
系蛍光体(Ba1−xM2+x)FX:yA(ここに、
2+はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、
XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲン、AはEu、Tb、Ce、Tm、D
y、Pr、Ho、Nd、YbおよびErからなる群より
選ばれる少なくとも一種の3価金属元素、xは0≦x≦
0.6、yは0≦y≦0.2である。)、特開平2−2
76997号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物系蛍光体SrFX:Z(ここに、XはCl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種の
ハロゲン、ZはEuまたはCeである。)、特開昭59
−56479号公報に開示されたユーロピウム付活複合
ハロゲン物系蛍光体BaFX・xNaX’:aEu2+
(ここに、XおよびX’はいずれも、Cl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
あり、xは0<x≦2、aは0<a≦0.2であ
る。)、特開昭58−69281号公報に開示されたセ
リウム付活三価金属オキシハロゲン物系蛍光体であるM
OX:xCe(ここに、MはPr、Nd、Pm、Sm、
Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびBi
からなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元
素、XはBrおよびIのうちの一方あるいは双方、x
は、0<x<0.1である。)、米国特許第4,53
9,137号に開示されたセリウム付活希土類オキシハ
ロゲン物系蛍光体であるLnOX:xCe(ここに、L
nはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる
少なくとも一種の希土類元素、XはCl、BrおよびI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、x
は、0<x≦0.1である。)および米国特許第4,9
62,047号に開示されたユーロピウム付活複合ハロ
ゲン物系蛍光体MIIFX・aMX’・bM’II''
・cMIII'''3 ・xA:yEu2+(ここに、MII
はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ土類金属元素、M はLi、N
a、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ金属元素、M' IIはBeおよびMg
からなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属元
素、MIIIはAl、Ga、InおよびTlからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、Aは少なく
とも一種の金属酸化物、XはCl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、X’、X
''およびX''' はF、Cl、BrおよびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは、0
≦a≦2、bは、0≦b≦10−2、cは、0≦c≦1
−2で、かつ、a+b+c≧10−2であり、xは、
0<x≦0.5で、yは、0<y≦0.2である。)
が、好ましく使用し得る。
【0084】また、本発明において、化学発光のエネル
ギーを蓄積するために使用される輝尽性蛍光体は、可視
光波長域の光のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によっ
て励起され、蓄積している光のエネルギーを、光の形で
放出可能なものであればよく、とくに限定されるもので
はないが、可視光波長域の光により励起可能であるもの
が好ましい。具体的には、たとえば、金属ハロリン酸塩
系蛍光体、希土類元素付活硫化物系蛍光体、アルミン酸
塩系蛍光体、珪酸塩系蛍光体、フッ化物系蛍光体および
これらの二または三以上の混合物からなる群より選ばれ
たものが、好ましく使用される。これらの中では、希土
類元素付活硫化物系蛍光体が好ましく、とくに、米国特
許第5,029,253号明細書、同第4,983,8
34号明細書に開示された希土類元素付活アルカリ土類
金属硫化物系蛍光体、また、その他にも、特開2001
−131545号公報に開示されたZnGeO:M
n,VおよびZnGeO:Mnなどのゲルマン酸亜
鉛蛍光体、特開2001−123162号公報に開示さ
れたSrAl1425:Ln(Lnは希土類)など
のアルミン酸アルカリ土類蛍光体、Y0.8Lu1.2
SiO:Ce,Zr、特公平6−31904号公報に
開示されたGdOCl:Ceなどが好ましく使用され
る。
【0085】本発明において、輝尽性蛍光体膜は、輝尽
性蛍光体とバインダを含んでいる。本発明において、バ
インダとしては、常温で、弾力性を有し、加熱される
と、流動性を示す熱可塑性樹脂が、好ましく用いられ
る。本発明において、好ましく用いられる熱可塑性樹脂
の例としては、ポリウレタン、ポリスチレン系エラスト
マー、ポリオレフィン系共重合体、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル、塩化ビ
ニル系共重合体、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソプレ
ン、塩素化ポリエチレン、ブタジエン系共重合体、シリ
コーンゴムなどを挙げることができる。
【0086】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0087】図1は、生化学解析用ユニットの略斜視図
である。
【0088】図1に示されるように、生化学解析用ユニ
ット1は、ステンレス鋼によって形成され、多数の略円
形の貫通孔3が高密度に形成された基板2を備え、多数
の貫通孔3の内部には、ナイロン6が充填されて、互い
に離間した多数の吸着性領域4が、ドット状に形成され
ている。
【0089】図1には正確に示されていないが、本実施
態様においては、約0.07平方ミリメートルのサイズ
を有する略円形の吸着性領域4が、120列×160行
のマトリックス状に、規則的に形成されるように、基板
2に、貫通孔3が形成されており、したがって、合計1
9200の吸着性領域4が形成されている。
【0090】ここに、ナイロン6は、その表面が、基板
2の表面とほぼ一致するように、多数の貫通孔3内に、
充填され、吸着性領域4が形成されている。
【0091】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0092】生化学解析にあたっては、図2に示される
ように、生化学解析用ユニット1に規則的に形成された
多数の吸着性領域4内に、特異的結合物質を含む溶液、
たとえば、塩基配列が既知の互いに異なった複数のcD
NAを含む溶液が、スポッティング装置5を使用して、
滴下され、特異的結合物質が吸着性領域4内に固定され
る。
【0093】図2に示されるように、スポッティング装
置5は、特異的結合物質を含む溶液を、生化学解析用ユ
ニット1に向けて、噴射するインジェクタ6と、CCD
カメラ7とを備え、CCDカメラ7によって、インジェ
クタ6の先端部と、特異的結合物質、たとえば、cDN
Aを含む溶液を滴下すべき生化学解析用ユニット1の吸
着性領域4を観察しながら、インジェクタ6の先端部
と、特異的結合物質を含む溶液を滴下すべきの吸着性領
域4の中心とが合致したときに、インジェクタ6から、
特異的結合物質を含む溶液が滴下されるように構成さ
れ、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4内
に、特異的結合物質を含む溶液を、正確に滴下すること
ができるように保証されている。
【0094】図3は、ハイブリダイゼーション反応容器
の略縦断面図である。
【0095】図3に示されるように、ハイブリダイゼー
ション反応容器8は矩形状断面を有し、内部に、標識物
質によって標識されたプローブである生体由来の物質を
含むハイブリダイゼーション反応溶液9が収容されてい
る。
【0096】放射性標識物質によって、cDNAなどの
特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標
識物質によって標識されたプローブである生体由来の物
質を含むハイブリダイゼーション反応溶液9が調製さ
れ、ハイブリダイゼーション反応容器8内に収容され
る。
【0097】一方、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって、cDNA
などの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識されたプローブである生体由
来の物質を含むハイブリダイゼーション反応溶液9が調
製され、ハイブリダイゼーション反応容器8内に収容さ
れる。
【0098】さらに、蛍光色素などの蛍光物質によっ
て、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する
場合には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された
プローブである生体由来の物質を含むハイブリダイゼー
ション反応溶液9が調製され、ハイブリダイゼーション
反応容器8内に収容される。
【0099】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション反応溶液9を調製して、ハイ
ブリダイゼーション反応容器8内に収容させることもで
き、本実施態様においては、放射性標識物質によって標
識された生体由来の物質、化学発光基質と接触させるこ
とによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識
された生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質に
よって標識された生体由来の物質を含むハイブリダイゼ
ーション反応溶液9が調製され、ハイブリダイゼーショ
ン反応容器8内に収容されている。
【0100】ハイブリダイゼーションにあたって、cD
NAなどの特異的結合物質が、多数の吸着性領域4に吸
着されている生化学解析用ユニット1が、ハイブリダイ
ゼーション反応容器8内に収容される。
【0101】その結果、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に固定されている特異的結合物質に、放
射性標識物質により標識され、ハイブリダイゼーション
反応溶液9に含まれた生体由来の物質、化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
によって標識され、ハイブリダイゼーション反応溶液9
に含まれた生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物
質によって標識され、ハイブリダイゼーション反応溶液
9に含まれた生体由来の物質が、選択的に、ハイブリダ
イズされる。
【0102】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に、放射性標識物質の放射線データ、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質の化学発光データおよび蛍光色素などの蛍
光物質の蛍光データが記録される。
【0103】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された蛍光データは、後述するスキャナによ
って読み取られ、生化学解析用データが生成される。
【0104】一方、生化学解析用ユニット1の多数の吸
着性領域4に記録された放射性標識物質の放射線データ
は、蓄積性蛍光体シートに転写され、蓄積性蛍光体シー
トに転写された放射線データは、後述するスキャナによ
って読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0105】さらに、生化学解析用ユニット1の多数の
吸着性領域4に記録された化学発光データは、蓄積性蛍
光体シートに転写され、蓄積性蛍光体シートに転写され
た化学発光データは、後述するスキャナによって読み取
られて、生化学解析用データが生成される。
【0106】図4は、本発明の好ましい実施態様にかか
る蓄積性蛍光体シートの略斜視図であり、図5は、その
略部分断面図である。
【0107】図4および図5に示されるように、本実施
態様にかかる蓄積性蛍光体シート10は、放射線エネル
ギーを吸収し、蓄積可能なBaFX系輝尽性蛍光体(こ
こに、Xは、Cl、BrおよびIからなる群から選ばれ
たハロゲン原子である。)とバインダを含む輝尽性蛍光
体膜11と、多数の略円形の貫通孔12が規則的に形成
されたニッケル基板13を備え、輝尽性蛍光体膜11
が、ニッケル基板13に形成された多数の貫通孔12内
に、カレンダー処理装置を用いて、圧入され、それによ
って、ニッケル基板13の多数の貫通孔12に対応する
輝尽性蛍光体膜11の位置に、多数の輝尽性蛍光体層領
域15が、ドット状に形成されている。
【0108】ここに、ニッケル基板13の表面には、接
着剤16が塗布され、接着剤16を介して、ニッケル基
板13に、輝尽性蛍光体膜11が圧入されており、した
がって、輝尽性蛍光体膜11は、ニッケル基板13に強
固に一体化され、蓄積性蛍光体シート10の耐久性の向
上が図られている。
【0109】多数の貫通孔12は、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4と同一の
パターンで、ニッケル基板13に形成され、それぞれ、
生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸
着性領域4と同じサイズを有している。
【0110】したがって、図4には、正確に示されてい
ないが、本実施態様においては、約0.07平方ミリメ
ートルのサイズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域1
5が、120列×160行のマトリックス状に、ニッケ
ル基板13に形成されており、したがって、合計192
00の輝尽性蛍光体層領域15が、ドット状に形成され
ている。
【0111】また、図5に示されるように、本実施態様
においては、ニッケル基板13の表面と、多数の輝尽性
蛍光体層領域15の表面とが同一の高さに位置するよう
に、ニッケル基板13の多数の貫通孔12に、輝尽性蛍
光体膜11が圧入されて、蓄積性蛍光体シート10が形
成されている。
【0112】蓄積性蛍光体シート10は、たとえば、以
下のようにして、作製される。
【0113】離型剤が塗布されたフイルムベースの表面
に、輝尽性蛍光体とバインダと溶剤を混合した溶液が塗
布され、乾燥後、フイルムベースを剥離して、自己支持
能力を有する輝尽性蛍光体膜11を形成する。
【0114】次いで、生化学解析用ユニット1の基板2
に形成された多数の吸着性領域4と同一のパターンで、
多数の貫通孔12が形成されたニッケル基板13上に、
接着剤16を塗布した後、得られた輝尽性蛍光体膜11
を、接着剤13の層上に、重ね合わせて、カレンダー処
理装置によって、加圧する。
【0115】図6は、カレンダー処理装置の略断面図で
ある。
【0116】図6に示されるように、カレンダー処理装
置は、一対の温度制御されたカレンダーロール18を備
え、多数の貫通孔12が形成されたニッケル基板13上
に、輝尽性蛍光体膜11が重ね合わされた積層体を、一
対のカレンダーロール18の間に、供給することによっ
て、ニッケル基板13に形成された多数の貫通孔12内
に、輝尽性蛍光体膜11が圧入されて、ニッケル基板1
3に規則的に形成された多数の貫通孔12に対応して、
多数の輝尽性蛍光体層領域15が、生化学解析用ユニッ
ト1に形成された吸着性領域4と同じ規則的なパターン
で、ドット状に形成された蓄積性蛍光体シート10が作
製される。
【0117】図7は、生化学解析用ユニット1の基板2
に形成された多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識
物質によって、蓄積性蛍光体シート10に形成された多
数の輝尽性蛍光体層領域15を露光する方法を示す略断
面図である。
【0118】図7に示されるように、露光にあたって、
生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域
4が、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域15に対向するように、蓄積性蛍光体シ
ート10と生化学解析用ユニット1とが重ね合わされ
る。
【0119】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1は、ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の
貫通孔3内に、ナイロン6が充填されて、形成されてい
るから、ハイブリダイゼーションなど、液体による処理
を受けても、伸縮することがなく、したがって、生化学
解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4が、
蓄積性蛍光体シート10に形成された多数の輝尽性蛍光
体層領域15に、正確に対向するように、蓄積性蛍光体
シート10と生化学解析用ユニット1とを重ね合わせ
て、輝尽性蛍光体層領域15を露光することが可能にな
る。
【0120】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート10に形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域15の各々と、生化学解析用ユニット1の基板2に形
成された多数の吸着性領域4とを対向させることによっ
て、生化学解析用ユニット1の基板2に形成されたの多
数の吸着性領域4に選択的に含まれた放射性標識物質に
よって、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数の輝
尽性蛍光体層領域15が露光される。
【0121】この際、生化学解析用ユニット1の吸着性
領域4に含まれている放射性標識物質から、電子線(β
線)が発せられるが、生化学解析用ユニット1の多数の
吸着性領域4は、ステンレス鋼によって形成された基板
2に、互いに離間して形成され、各吸着性領域4の周囲
には、放射線エネルギーを減衰させる性質を有するステ
ンレス鋼製の基板2が存在しているから、生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4に含まれている放射性標識物
質から発せられた電子線(β線)が、生化学解析用ユニ
ット1の基板2内で、散乱することを効果的に防止する
ことができ、さらに、蓄積性蛍光体シート10の多数の
輝尽性蛍光体層領域15が、ニッケル基板13に形成さ
れた複数の貫通孔12内に、輝尽性蛍光体膜11を圧入
して、形成され、各輝尽性蛍光体層領域15の周囲に
は、放射線エネルギーを減衰させる性質を有するニッケ
ル基板13が存在しているから、生化学解析用ユニット
1の吸着性領域4に含まれている放射性標識物質から発
せられた電子線(β線)が、蓄積性蛍光体シート10の
支持体11内で、散乱することを効果的に防止すること
ができ、したがって、生化学解析用ユニット1の各吸着
性領域4に含まれている放射性標識物質から発せられた
電子線(β線)によって、その吸着性領域4に対向する
輝尽性蛍光体層領域12を選択的に露光することが可能
になる。
【0122】こうして、蓄積性蛍光体シート10に形成
された多数の輝尽性蛍光体層領域15に、放射性標識物
質の放射線データが記録される。
【0123】図8は、蓄積性蛍光体シート10に形成さ
れた多数の輝尽性蛍光体層領域15に記録されている放
射性標識物質の放射線データおよび生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に記録さ
れている蛍光色素などの蛍光データを読み取って、生化
学解析用データを生成するスキャナの一例を示す略斜視
図であり、図8は、フォトマルチプライア近傍のスキャ
ナの詳細を示す略斜視図である。
【0124】図8に示されるスキャナは、蓄積性蛍光体
シート10に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域15
に記録されている放射性標識物質の放射線データおよび
生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸
着性領域4に記録されている蛍光色素などの蛍光データ
を読み取り可能に構成されており、640nmの波長の
レーザ光24を発する第1のレーザ励起光源21と、5
32nmの波長のレーザ光24を発する第2のレーザ励
起光源22と、473nmの波長のレーザ光24を発す
る第3のレーザ励起光源23とを備えている。
【0125】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源21は、半導体レーザ光源により構成され、第2の
レーザ励起光源22および第3のレーザ励起光源23
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素
子によって構成されている。
【0126】第1のレーザ励起光源21により発生され
たレーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平
行な光とされた後、ミラー26によって反射される。第
1のレーザ励起光源21から発せられ、ミラー26によ
って反射されたレーザ光24の光路には、640nmの
レーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する
第1のダイクロイックミラー27および532nm以上
の波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する
第2のダイクロイックミラー28が設けられており、第
1のレーザ励起光源21により発生されたレーザ光24
は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダイ
クロイックミラー28を透過して、ミラー29に入射す
る。
【0127】他方、第2のレーザ励起光源22より発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ30により、
平行な光とされた後、第1のダイクロイックミラー27
によって反射されて、その向きが90度変えられて、第
2のダイクロイックミラー28を透過し、ミラー29に
入射する。
【0128】また、第3のレーザ励起光源23から発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ31によっ
て、平行な光とされた後、第2のダイクロイックミラー
28により反射されて、その向きが90度変えられた
後、ミラー29に入射する。
【0129】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射され、さらに、ミラー32に入射
して、反射される。
【0130】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4の光路には、中央部に穴33が形成された凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34が配置されてお
り、ミラー32によって反射されたレーザ光24は、穴
開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラー38に
入射する。
【0131】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0132】光学ヘッド35は、ミラー36と、非球面
レンズ37を備えており、光学ヘッド35に入射したレ
ーザ光24は、ミラー36によって反射されて、非球面
レンズ37によって、ステージ40のガラス板41上に
載置された蓄積性蛍光体シート10あるいは生化学解析
用ユニット1に入射する。
【0133】蓄積性蛍光体シート10に形成された輝尽
性蛍光体層領域15に、レーザ光24が入射すると、蓄
積性蛍光体シート10に形成された輝尽性蛍光体層領域
15に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、輝尽光
45が発せられ、生化学解析用ユニット1に形成された
吸着性領域4にレーザ光24が入射すると、生化学解析
用ユニット1に形成された吸着性領域4に含まれている
蛍光色素などが励起されて、蛍光45が放出される。
【0134】蓄積性蛍光体シート10に形成された輝尽
性蛍光体層領域15から放出された輝尽光45あるいは
生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4から
放出された蛍光45は、光学ヘッド35に設けられた非
球面レンズ37によって、ミラー36に集光され、ミラ
ー36によって、レーザ光24の光路と同じ側に反射さ
れ、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射する。
【0135】凹面ミラー38に入射した輝尽光45ある
いは蛍光45は、凹面ミラー38によって反射されて、
穴開きミラー34に入射する。
【0136】穴開きミラー34に入射した輝尽光45あ
るいは蛍光45は、図9に示されるように、凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34によって、下方に
反射されて、フィルタユニット48に入射し、所定の波
長の光がカットされて、フォトマルチプライア50に入
射し、光電的に検出される。
【0137】図9に示されるように、フィルタユニット
48は、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、
51dを備えており、フィルタユニット48は、モータ
(図示せず)によって、図9において、左右方向に移動
可能に構成されている。
【0138】図10は、図9のA−A線に沿った略断面
図である。
【0139】図10に示されるように、フィルタ部材5
1aはフィルタ52aを備え、フィルタ52aは、第1
のレーザ励起光源21を用いて、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された吸着性領域4に含まれている蛍
光色素などの蛍光物質を励起して、蛍光45を読み取る
ときに使用されるフィルタ部材であり、640nmの波
長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有している。
【0140】図11は、図9のB−B線に沿った略断面
図である。
【0141】図11に示されるように、フィルタ部材5
1bはフィルタ52bを備え、フィルタ52bは、第2
のレーザ励起光源22を用いて、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された吸着性領域4に含まれている蛍
光色素などの蛍光物質を励起して、蛍光45を読み取る
ときに使用されるフィルタ部材であり、532nmの波
長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有している。
【0142】図12は、図9のC−C線に沿った略断面
図である。
【0143】図12に示されるように、フィルタ部材5
1cはフィルタ52cを備え、フィルタ52cは、第3
のレーザ励起光源23を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された吸着性領域4に含まれている蛍光色素な
どの蛍光物質を励起して、蛍光45を読み取るときに使
用されるフィルタ部材であり、473nmの波長の光を
カットし、473nmよりも波長の長い光を透過する性
質を有している。
【0144】図13は、図9のD−D線に沿った略断面
図である。
【0145】図13に示されるように、フィルタ部材5
1dはフィルタ52dを備え、フィルタ52dは、第1
のレーザ励起光源21を用いて、蓄積性蛍光体シート1
0に形成された輝尽性蛍光体層領域15に含まれた輝尽
性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体層12から発せられた
輝尽光45を読み取るときに使用されるフィルタであ
り、輝尽性蛍光体層領域15から放出される輝尽光の波
長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカット
する性質を有している。
【0146】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタ部材51a、51b、51c、51d
を選択的にフォトマルチプライア50の前面に位置させ
ることによって、フォトマルチプライア50は、検出す
べき光のみを光電的に検出することができる。
【0147】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換され、デー
タ処理装置54に送られる。
【0148】図8には図示されていないが、光学ヘッド
35は、走査機構によって、図8において、矢印Xで示
される主走査方向および矢印Yで示される主走査方向に
直交する副走査方向に移動可能に構成され、蓄積性蛍光
体シート10に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領域
15および生化学解析用ユニット1の基板2に形成され
たすべての吸着性領域4が、レーザ光24によって走査
されるように構成されている。
【0149】図14は、光学ヘッドの走査機構の略平面
図である。
【0150】図14においては、簡易化のため、光学ヘ
ッド35を除く光学系ならびにレーザ光24および輝尽
光45あるいは蛍光45の光路は省略されている。
【0151】図14に示されるように、光学ヘッド35
を走査する走査機構は、基板60を備え、基板60上に
は、副走査パルスモータ61と一対のレール62、62
とが固定され、基板60上には、さらに、図14におい
て、矢印Yで示された副走査方向に、移動可能な基板6
3とが設けられている。
【0152】移動可能な基板63には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ61によって回転されるねじが切られた
ロッド64が係合している。
【0153】移動可能な基板63上には、主走査ステッ
ピングモータ65が設けられ、主走査ステッピングモー
タ65は、エンドレスベルト66を、生化学解析用ユニ
ット1に形成された隣り合う吸着性領域4間の距離に等
しいピッチで、したがって、蓄積性蛍光体シート10に
形成された隣り合う輝尽性蛍光体層領域15間の距離に
等しいピッチで、間欠的に駆動可能に構成されている。
【0154】光学ヘッド35は、エンドレスベルト66
に固定されており、主走査ステッピングモータ65によ
って、エンドレスベルト66が駆動されると、図14に
おいて、矢印Xで示された主走査方向に移動されるよう
に構成されている。
【0155】図14において、67は、光学ヘッド35
の主走査方向における位置を検出するリニアエンコーダ
であり、68は、リニアエンコーダ67のスリットであ
る。
【0156】したがって、主走査ステッピングモータ6
5によって、エンドレスベルト66が、主走査方向に間
欠的に駆動され、副走査パルスモータ61によって、基
板63が、副走査方向に間欠的に移動されることによっ
て、光学ヘッド35は、図14において、矢印Xで示さ
れる主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に移
動され、レーザ光24によって、蓄積性蛍光体シート1
0に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領域15あるい
は生化学解析用ユニット1の基板2に形成されたすべて
の吸着性領域4が走査される。
【0157】図15は、図8に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【0158】図15に示されるように、スキャナの制御
系は、スキャナ全体を制御するコントロールユニット7
0を備えており、また、スキャナの入力系は、オペレー
タによって操作され、種々の指示信号を入力可能なキー
ボード71を備えている。
【0159】図15に示されるように、スキャナの駆動
系は、光学ヘッド35を主走査方向に間欠的に移動させ
る主走査ステッピングモータ65と、光学ヘッド35を
副走査方向に間欠的に移動させる副走査パルスモータ6
1と、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、5
1dを備えたフィルタユニット48を移動させるフィル
タユニットモータ72を備えている。
【0160】コントロールユニット70は、第1のレー
ザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3
のレーザ励起光源23に選択的に駆動信号を出力すると
ともに、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力
可能に構成されている。
【0161】また、図15に示されるように、スキャナ
の検出系は、フォトマルチプライア50と、光学ヘッド
35の主走査方向における位置を検出するリニアエンコ
ーダ67を備えている。
【0162】本実施態様においては、コントロールユニ
ット70は、リニアエンコーダ67から入力される光学
ヘッド35の位置検出信号にしたがって、第1のレーザ
励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3の
レーザ励起光源23をオン・オフ制御可能に構成されて
いる。
【0163】以上のように構成されたスキャナは、以下
のようにして、生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された多数の吸着性領域4に含まれている放射性標識物
質により、多数の輝尽性蛍光体層領域15が露光され
て、蓄積性蛍光体シート10に記録された放射性標識物
質の放射線データを読み取って、生化学解析用データを
生成する。
【0164】まず、ユーザーによって、蓄積性蛍光体シ
ート10が、ステージ40のガラス板41上に載置され
る。
【0165】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域15に記録されている放射線データを読
み取るべき旨の指示信号が入力される。
【0166】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニット4
8を移動させ、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光45
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有するフィルタ52dを備えたフィルタ
部材51dを、輝尽光45の光路内に位置させる。
【0167】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基づい
て、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数の輝尽性
蛍光体層領域15のうち、第1の輝尽性蛍光体層領域1
5に、レーザ光24を照射可能な位置に、光学ヘッド3
5が達したことが確認されると、主走査ステッピングモ
ータ65に停止信号を出力するとともに、第1のレーザ
励起光源21に駆動信号を出力して、第1のレーザ励起
光源21を起動させ、640nmの波長のレーザ光24
を発せさせる。
【0168】第1のレーザ励起光源21から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平行
な光とされた後、ミラー26に入射して、反射される。
【0169】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0170】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0171】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0172】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0173】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄積
性蛍光体シート10の第1の輝尽性蛍光体層領域15に
集光される。
【0174】本実施態様においては、輝尽性蛍光体層領
域15は、それぞれ、光エネルギーを減衰させる性質を
有するニッケル基板13に形成された多数の貫通孔12
内に、輝尽性蛍光体膜11が圧入されて、形成されてい
るから、各輝尽性蛍光体層領域15内で、レーザ光24
が散乱して、隣り合った輝尽性蛍光体層領域15内に入
射し、隣り合った輝尽性蛍光体層領域15に含まれてい
る輝尽性蛍光体を励起することを、効果的に防止するこ
とが可能になる。
【0175】レーザ光24が、蓄積性蛍光体シート10
の支持体11に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域1
5に入射すると、蓄積性蛍光体シート10に形成された
第1の輝尽性蛍光体層領域15に含まれる輝尽性蛍光体
が、レーザ光24によって励起されて、第1の輝尽性蛍
光体層領域15から輝尽光45が放出される。
【0176】第1の輝尽性蛍光体領域15から放出され
た輝尽光45は、光学ヘッド35に設けられた非球面レ
ンズ37によって集光され、ミラー36により、レーザ
光24の光路と同じ側に反射され、平行な光とされて、
凹面ミラー38に入射する。
【0177】凹面ミラー38に入射した輝尽光45は、
凹面ミラー38によって反射されて、穴開きミラー34
に入射する。
【0178】穴開きミラー34に入射した輝尽光45
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34に
よって、図9に示されるように、下方に反射され、フィ
ルタユニット48のフィルタ52dに入射する。
【0179】フィルタ52dは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光45の波長域の光のみを透過し、640n
mの波長の光をカットする性質を有しているので、励起
光である640nmの波長の光がカットされ、ドット状
の輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽光45の
波長域の光のみがフィルタ52dを透過して、フォトマ
ルチプライア50によって、光電的に検出される。
【0180】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器53に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置54に出力される。
【0181】第1のレーザ励起光源21がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第1のレーザ励起光源21に
駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、蓄積
性蛍光体シート10に形成された隣り合う輝尽性蛍光体
層領域15の間の距離に等しいピッチだけ、移動させ
る。
【0182】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域15の間の距離に等し
い1ピッチだけ移動されて、第1のレーザ励起光源21
から発せられるレーザ光24を、蓄積性蛍光体シート1
0に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域15に隣り合
った第2の輝尽性蛍光体層領域15に照射可能な位置に
移動したことが確認されると、コントロールユニット7
0は、第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力し
て、第1のレーザ励起光源21をオンさせて、レーザ光
24によって、蓄積性蛍光体シート10に形成された第
2の輝尽性蛍光体層領域15に含まれている輝尽性蛍光
体を励起する。
【0183】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、蓄積性蛍光体シート10に形成された第2の
輝尽性蛍光体層領域15に照射され、第2の輝尽性蛍光
体層領域15に含まれている輝尽性蛍光体が励起され、
第2の輝尽性蛍光体層領域15から放出された輝尽光4
5が、フォトマルチプライア50によって、光電的に検
出されて、アナログデータが生成されると、コントロー
ルユニット70は、第1のレーザ励起光源21にオフ信
号を出力して、第1のレーザ励起光源21をオフさせる
とともに、主走査ステッピングモータ65に、駆動信号
を出力して、光学ヘッド35を、隣り合う輝尽性蛍光体
層領域15の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させ
る。
【0184】こうして、光学ヘッド35の間欠的な移動
に同期して、第1のレーザ励起光源21のオン・オフが
繰り返され、リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35
が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、蓄積性蛍
光体シート10に形成された第1ライン目の輝尽性蛍光
体層領域15のレーザ光24による走査が完了したこと
が確認されると、コントロールユニット70は、主走査
ステッピングモータ65に駆動信号を出力して、光学ヘ
ッド35を元の位置に復帰させるとともに、副走査パル
スモータ61に駆動信号を出力して、移動可能な基板6
3を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0185】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、蓄積性蛍光体
シート10に形成された第1ライン目の輝尽性蛍光体層
領域15に、順次、第1のレーザ励起光源21から発せ
られるレーザ光24を照射したのと全く同様にして、蓄
積性蛍光体シート10に形成された第2ライン目の輝尽
性蛍光体層領域15に、順次、第1のレーザ励起光源2
1から発せられるレーザ光24を照射して、第2ライン
目の輝尽性蛍光体層領域15に含まれている輝尽性蛍光
体を励起し、第2ライン目の輝尽性蛍光体層領域12か
ら発せられた輝尽光45を、順次、フォトマルチプライ
ア50によって、光電的に検出させる。
【0186】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置54に送られる。
【0187】こうして、蓄積性蛍光体シート10に形成
されたすべての輝尽性蛍光体層領域15が、第1のレー
ザ励起光源21から放出されたレーザ光24によって走
査され、輝尽性蛍光体層領域15に含まれている輝尽性
蛍光体が励起されて、放出された輝尽光45が、フォト
マルチプライア50によって光電的に検出され、生成さ
れたアナログデータが、A/D変換器53により、ディ
ジタルデータに変換されて、データ処理装置54に送ら
れると、コントロールユニット70から、駆動停止信号
が、第1のレーザ励起光源21に出力され、第1のレー
ザ励起光源21の駆動が停止される。
【0188】以上のようにして、スキャナによって、蓄
積性蛍光体シート10の多数の輝尽性蛍光体層領域15
に記録された放射性標識物質の放射線データが読み取ら
れて、生化学解析用データが生成される。
【0189】一方、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された多数の吸着性領域4に記録されている蛍光物
質の蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生
成するときは、まず、ユーザーによって、生化学解析用
ユニット1が、ステージ40のガラス板41上にセット
される。
【0190】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、生体由来の物質を標識している蛍光色素などの蛍
光物質を特定する指示信号が入力される。
【0191】ユーザーによって、キーボード71に、生
体由来の物質を標識している蛍光物質を特定する指示信
号が入力されると、コントロールユニット70は、第1
のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22およ
び第3のレーザ励起光源23の中から、生体由来の物質
を標識している蛍光物質を効率的に励起することのでき
る波長のレーザ光24を発するレーザ励起光源を選択す
るとともに、3つのフィルタ部材51a、51b、51
cの中から、蛍光物質を励起するために用いるレーザ光
24の波長の光をカットし、励起光の波長よりも波長の
長い光を透過する性質を有するフィルタ部材を選択す
る。
【0192】次いで、蓄積性蛍光体シート10の多数の
輝尽性蛍光体層領域15に記録された放射線データを読
み取る場合と同様にして、レーザ光24によって、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成されたすべての吸着
性領域4が走査され、吸着性領域4に含まれている蛍光
物質が励起されて、放出された蛍光45が、フォトマル
チプライア50によって、光電的に検出されて、アナロ
グデータが生成され、A/D変換器53によって、ディ
ジタル化されて、データ処理装置に送られる。
【0193】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の吸着性領域4は、光エネルギーを減衰
させる性質を有するステンレス鋼によって形成された基
板2に形成された貫通孔3に、ナイロン6を埋め込んで
形成されているから、レーザ光24が、吸着性領域4内
で散乱して、隣り合う吸着性領域4に入射し、隣り合う
吸着性領域4に含まれている蛍光物質を励起することを
効果的に防止することが可能になる。
【0194】こうして、スキャナによって、生化学解析
用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された蛍光物
質の蛍光データが読み取られて、生化学解析用データが
生成される。
【0195】図16は、本発明の好ましい実施態様にか
かる別の蓄積性蛍光体シートを示す略斜視図である。
【0196】図16に示される蓄積性蛍光体シート80
は、輝尽性蛍光体膜81が、光エネルギーを吸収し、蓄
積可能なSrS系輝尽性蛍光体とバインダを含み、多数
の輝尽性蛍光体層領域85が、ステンレス鋼によって形
成された基板83に形成された多数の貫通孔82内に、
輝尽性蛍光体膜81を圧入して、ドット状に形成されて
いる点を除いて、図5および図6に示された蓄積性蛍光
体シート10と同様の構成を有している。
【0197】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された化学発光データは、図16に示された
蓄積性蛍光体シート80の多数の輝尽性蛍光体層領域8
5に転写される。
【0198】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された化学発光データを、蓄積性蛍光体シー
ト80の多数の輝尽性蛍光体層領域85に転写するに際
し、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、
化学発光基質が接触される。
【0199】その結果、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4から、可視光波長域の化学発光が、選択
的に放出される。
【0200】次いで、蓄積性蛍光体シート80に形成さ
れた多数の輝尽性蛍光体層領域85が、生化学解析用ユ
ニット1の基板2に形成された対応する多数の吸着性領
域4に対向するように、蓄積性蛍光体シート80が、多
数の吸着性領域4から化学発光が放出されている生化学
解析用ユニット1に重ね合わされる。
【0201】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート80に形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域85の各々と、生化学解析用ユニット1に形成された
多数の吸着性領域4とを対向させることによって、生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4から、選択的
に放出された化学発光によって、蓄積性蛍光体シート8
0に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域85が露光さ
れる。
【0202】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1の多数の吸着性領域4は、ステンレス鋼によって
形成された基板2に、互いに離間して形成され、各吸着
性領域4の周囲には、光エネルギーを減衰させる性質を
有するステンレス鋼製の基板2が存在しているから、露
光操作に際して、生化学解析用ユニット1の吸着性領域
4から放出された化学発光が、生化学解析用ユニット1
の基板2内で、散乱することを効果的に防止することが
でき、さらに、蓄積性蛍光体シート80の多数の輝尽性
蛍光体層領域85が、ステンレス鋼によって形成された
基板83に形成された多数の貫通孔82内に、輝尽性蛍
光体膜を圧入して、形成され、各輝尽性蛍光体層領域8
5の周囲には、光エネルギーを減衰させる性質を有する
ステンレス鋼によって形成された基板83が存在してい
るから、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4から放
出された化学発光が、蓄積性蛍光体シート80の基板8
3内で、散乱することを効果的に防止することができ、
したがって、生化学解析用ユニット1の各吸着性領域4
から発せられた化学発光によって、その吸着性領域4に
対向する輝尽性蛍光体層領域85を選択的に露光するこ
とが可能になる。
【0203】こうして、蓄積性蛍光体シート80に形成
された多数の輝尽性蛍光体層領域85に、化学発光デー
タが記録される。
【0204】図17は、蓄積性蛍光体シート80に形成
された多数の輝尽性蛍光体層領域85に記録されている
化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生
成するスキャナの略斜視図である。図18は、フォトマ
ルチプライア近傍のスキャナの詳細を示す略斜視図であ
り、図19は、図18のE−E線に沿った略断面図であ
る。
【0205】図17ないし図19に示されたスキャナ
は、473nmの波長のレーザ光24を発する第3のレ
ーザ励起光源23に代えて、SrS系輝尽性蛍光体を効
率的に励起可能な980nmの波長のレーザ光24を発
する第4のレーザ励起光源55を備え、473nmの波
長の光をカットして、473nmよりも波長の長い光を
透過する性質を有するフィルタ52cを備えたフィルタ
部材51cに代えて、輝尽性蛍光体層領域12から放出
される輝尽光45の波長域の光のみを透過し、980n
mの波長の光をカットする性質を有するフィルタ52e
を備えたフィルタ部材51eを備え、532nm以上の
波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第
2のダイクロイックミラー28に代えて、640nm以
下の波長の光を透過し、980nmの波長の光を反射す
る第3のダイクロイックミラー56を備えている点を除
き、図8ないし図15に示されたスキャナを同様の構成
を有している。
【0206】以上のように構成された本実施態様にかか
るスキャナは、以下のようにして、蓄積性蛍光体シート
80の多数の輝尽性蛍光体層領域85に記録された化学
発光データを読み取って、生化学解析用データを生成す
る。
【0207】まず、ユーザーによって、蓄積性蛍光体シ
ート80が、ステージ40のガラス板41上に載置され
る。
【0208】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート80に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域85に記録された化学発光データを読み
取るべき旨の指示信号が入力される。
【0209】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニット4
8を移動させ、輝尽性蛍光体層領域85から放出される
輝尽光45の波長域の光のみを透過し、980nmの波
長の光をカットする性質を有するフィルタ52eを備え
たフィルタ部材51eを、輝尽光45の光路内に位置さ
せる。
【0210】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基づい
て、蓄積性蛍光体シート80に形成された多数の輝尽性
蛍光体層領域85のうち、第1の輝尽性蛍光体層領域8
5に、レーザ光24を照射可能な位置に、光学ヘッド3
5が達したと判定すると、主走査ステッピングモータ6
5に停止信号を出力するとともに、第4のレーザ励起光
源55に駆動信号を出力し、第4のレーザ励起光源55
を起動させ、980nmの波長のレーザ光24を発せさ
せる。
【0211】第4のレーザ励起光源55から発生された
レーザ光24は、コリメータレンズ31によって、平行
な光とされた後、第3のダイクロイックミラー56によ
り反射されて、その向きが90度変えられた後、ミラー
29に入射する。
【0212】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0213】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0214】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0215】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄積
性蛍光体シート80の第1の輝尽性蛍光体層領域85に
集光される。
【0216】本実施態様においては、輝尽性蛍光体層領
域85は、それぞれ、ステンレス鋼製の基板83に形成
された多数の貫通孔82内に、輝尽性蛍光体膜81が圧
入されて、形成されているから、各輝尽性蛍光体層領域
85内で、レーザ光24が散乱して、隣り合った輝尽性
蛍光体層領域85内に入射し、隣り合った輝尽性蛍光体
層領域85に含まれている輝尽性蛍光体を励起すること
を、効果的に防止することが可能になる。
【0217】レーザ光24が、蓄積性蛍光体シート80
に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域85に入射する
と、蓄積性蛍光体シート80に形成された第1の輝尽性
蛍光体層領域85に含まれている輝尽性蛍光体が、レー
ザ光24によって励起されて、第1の輝尽性蛍光体層領
域85から、輝尽光45が放出される。
【0218】蓄積性蛍光体シート80の第1の輝尽性蛍
光体層領域85から放出された輝尽光45は、光学ヘッ
ド35に設けられた非球面レンズ37によって集光さ
れ、ミラー36により、レーザ光24の光路と同じ側に
反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射す
る。
【0219】凹面ミラー38に入射した輝尽光45は、
凹面ミラー38によって反射され、穴開きミラー34に
入射する。
【0220】穴開きミラー34に入射した輝尽光45
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34に
よって、図18に示されるように、下方に反射され、フ
ィルタユニット48のフィルタ52eに入射する。
【0221】フィルタ52eは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光の波長域の光のみを透過し、980nmの
波長の光をカットする性質を有しているので、励起光で
ある980nmの波長の光がカットされ、輝尽光の波長
域の光のみがフィルタ52eを透過して、フォトマルチ
プライア50によって、光電的に検出される。
【0222】フォトマルチプライア50によって、輝尽
光45が光電的に検出されて、生成されたアナログ信号
は、A/D変換器53に出力されて、ディジタル信号に
変換され、データ処理装置54に出力される。
【0223】第4のレーザ励起光源55がオンされた
後、所定の時間が経過すると、コントロールユニット7
0は、第4のレーザ励起光源55に駆動停止信号を出力
して、第4のレーザ励起光源55をオフさせるととも
に、主走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し
て、光学ヘッド35を、蓄積性蛍光体シート80に形成
された隣り合う輝尽性蛍光体層領域85の間の距離に等
しい1ピッチだけ、移動させる。
【0224】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域85の間の距離に等し
い1ピッチだけ移動されたことが確認されると、コント
ロールユニット70は、第4のレーザ励起光源55に駆
動信号を出力して、第4のレーザ励起光源55をオンさ
せて、レーザ光24によって、蓄積性蛍光体シート80
の支持体16に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域8
5に隣り合った第2の輝尽性蛍光体層領域85に含まれ
ている輝尽性蛍光体を励起する。
【0225】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、蓄積性蛍光体シート80に形成された第2の
輝尽性蛍光体層領域85に照射され、第2の輝尽性蛍光
体層領域85から発せられた輝尽光45が、フォトマル
チプライア50によって、光電的に検出されると、コン
トロールユニット70は、第4のレーザ励起光源55に
駆動停止信号を出力して、第4のレーザ励起光源55を
オフさせるとともに、主走査ステッピングモータ65
に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、隣り合う
輝尽性蛍光体層領域85の間の距離に等しい1ピッチだ
け、移動させる。
【0226】こうして、光学ヘッド35の間欠的な移動
に同期して、第4のレーザ励起光源55のオン・オフが
繰り返され、リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35
が、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、蓄積性
蛍光体シート80に形成された第1ライン目の輝尽性蛍
光体層領域85のレーザ光24による走査が完了したこ
とが確認されると、コントロールユニット70は、主走
査ステッピングモータ65に駆動信号を出力して、光学
ヘッド35を元の位置に復帰させるとともに、副走査パ
ルスモータ61に駆動信号を出力して、移動可能な基板
63を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0227】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、蓄積性蛍光体
シート80に形成された第1ライン目の輝尽性蛍光体層
領域85に、順次、第4のレーザ励起光源55から発せ
られるレーザ光24を照射したのと全く同様にして、蓄
積性蛍光体シート80に形成された第2ライン目の輝尽
性蛍光体層領域85に、順次、第4のレーザ励起光源5
5から発せられるレーザ光24を照射して、第2ライン
目の輝尽性蛍光体層領域85に含まれている輝尽性蛍光
体を励起し、輝尽性蛍光体層領域85から発せられた輝
尽光45を、順次、フォトマルチプライア50によっ
て、光電的に検出させる。
【0228】フォトマルチプライア50によって、輝尽
光45が光電的に検出されて、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器53によって、ディジタルデータに
変換されて、データ処理装置54に送られる。
【0229】こうして、蓄積性蛍光体シート80に形成
されたすべての輝尽性蛍光体層領域85が、第4のレー
ザ励起光源55から放出されたレーザ光24によって走
査され、輝尽性蛍光体層領域85に含まれている輝尽性
蛍光体が励起されて、放出された輝尽光45が、フォト
マルチプライア50によって光電的に検出され、生成さ
れたアナログデータが、A/D変換器53により、ディ
ジタルデータに変換されて、データ処理装置54に送ら
れると、コントロールユニット70から、駆動停止信号
が、第4のレーザ励起光源55に出力され、第4のレー
ザ励起光源55の駆動が停止される。
【0230】以上のようにして、スキャナによって、蓄
積性蛍光体シート80の多数の輝尽性蛍光体層領域85
に記録された化学発光データが読み取られて、生化学解
析用データが生成される。
【0231】本実施態様によれば、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に選択的
に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体
シート10に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域15
を露光するとき、生化学解析用ユニット1の多数の吸着
性領域4が、ステンレス鋼によって形成された基板2
に、互いに離間して形成され、各吸着性領域4の周囲に
は、放射線エネルギーを減衰させる性質を有するステン
レス鋼製の基板2が存在しているから、生化学解析用ユ
ニット1の吸着性領域4に含まれている放射性標識物質
から発せられた電子線(β線)が、生化学解析用ユニッ
ト1の基板2内で、散乱することを効果的に防止するこ
とができ、さらに、蓄積性蛍光体シート10の多数の輝
尽性蛍光体層領域15が、ニッケル基板13に形成され
た複数の貫通孔12内に、輝尽性蛍光体膜11を圧入し
て、形成され、各輝尽性蛍光体層領域15の周囲には、
放射線エネルギーを減衰させる性質を有するニッケル基
板13が存在しているから、生化学解析用ユニット1の
吸着性領域4に含まれている放射性標識物質から発せら
れた電子線(β線)が、蓄積性蛍光体シート10の支持
体11内で、散乱することを効果的に防止することがで
き、したがって、生化学解析用ユニット1の各吸着性領
域4に含まれている放射性標識物質から発せられた電子
線(β線)によって、その吸着性領域4に対向する輝尽
性蛍光体層領域15を選択的に露光することが可能にな
るから、生化学解析用ユニット1に、吸着性領域4を高
密度に形成した場合においても、露光された多数の輝尽
性蛍光体層領域15をレーザ光24によって走査し、多
数の輝尽性蛍光体層領域15から放出された輝尽光を、
高い分解能で、光電的に検出して、定量性に優れた生化
学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0232】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の基板2が、ステンレス鋼によって形成さ
れ、光エネルギーを減衰させる性質を有しているから、
生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸
着性領域4から、選択的に放出される化学発光によっ
て、蓄積性蛍光体シート80に形成されている多数の輝
尽性蛍光体層領域85を露光する際、生化学解析用ユニ
ット1の吸着性領域4から、選択的に放出される化学発
光が、生化学解析用ユニット1の基板2内で散乱される
ことが効果的に防止され、さらに、蓄積性蛍光体シート
80の多数の輝尽性蛍光体層領域85が、生化学解析用
ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4
と、同一の規則的なパターンで、光エネルギーを減衰さ
せる性質を有するステンレス鋼製の基板83に形成され
た多数の貫通孔82内に、輝尽性蛍光体膜81が圧入さ
れて、形成され、輝尽性蛍光体層領域85のそれぞれ
が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された対応
する吸着性領域4に対向するように、蓄積性蛍光体シー
ト80と、生化学解析用ユニット1とが重ね合わされて
いるから、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4から
放出された化学発光が、蓄積性蛍光体シート85の基板
83内で散乱することを、効果的に防止することがで
き、したがって、生化学解析用ユニット1の各吸着性領
域4から発せられた化学発光によって、その吸着性領域
4に対向する輝尽性蛍光体層領域85を選択的に露光す
ることが可能になるから、レーザ光24によって、励起
されて、蓄積性蛍光体シート80の輝尽性蛍光体層領域
85から放出された輝尽光45を光電的に検出して生成
された生化学解析用データ中に、ノイズが生成されるこ
とを防止することができ、定量性に優れた生化学解析用
データを生成することが可能になる。
【0233】また、本実施態様によれば、蓄積性蛍光体
シート10、80の多数の輝尽性蛍光体層領域15、8
5は、輝尽性蛍光体膜11、81を、ニッケル基板13
あるいは基板81に、生化学解析用ユニット1の基板2
に形成された多数の吸着性領域4と同じ規則的なパター
ンで形成された多数の貫通孔12、82内に、カレンダ
ー処理装置を用いて、圧入することによって、形成され
るから、きわめて簡易に、規則的なパターンで、多数の
輝尽性蛍光体層領域15、85が形成された蓄積性蛍光
体シート10、80を作製することが可能になる。
【0234】図20は、生化学解析用ユニットの別の例
を示す略斜視図であり、図21は、その略部分断面図で
ある。
【0235】図20および図21に示されるように、生
化学解析用ユニット90は、ナイロン6によって形成さ
れた吸着性膜92と、ステンレス鋼によって形成され、
多数の略円形の貫通孔93が、規則的なパターンにした
がって、形成された基板94を備え、吸着性膜92が、
基板94に形成された多数の貫通孔93内に、図6に示
されるカレンダー処理装置によって、圧入され、それに
より、基板94に形成された多数の貫通孔93に対応し
て、多数の吸着性領域95が規則的に形成されている。
【0236】吸着性膜92と基板94とは、接着剤96
によって、強固に固定され、生化学解析用ユニット90
の耐久性の向上が図られている。
【0237】図20には正確に図示されていないが、約
10000の約0.01平方ミリメートルのサイズを有
する略円形の吸着性領域95が、約5000個/平方セ
ンチメートルの密度で、規則的に、生化学解析用ユニッ
ト90に形成されている。
【0238】図21に示されるように、吸着性領域95
の表面と、基板94の表面が同一の高さに位置するよう
に、吸着性膜92が、基板84に形成された多数の貫通
孔93内に、圧入されて、生化学解析用ユニット90が
形成されている。
【0239】本実施態様においても、図1に示された生
化学解析用ユニット1と同様にして、スポッティング装
置5によって、生化学解析用ユニット90に形成された
多数の吸着性領域95に、cDNAなどの特異的結合物
質を含む溶液が滴下されて、多数の吸着性領域95内
に、特異的結合物質が吸着される。
【0240】図20および図21に示された生化学解析
用ユニット90にあっては、多数の吸着性領域95は、
吸着性膜92が、基板94に形成された多数の貫通孔9
3内に圧入されて、形成されているから、隣り合った吸
着性領域95の間の領域においては、吸着性膜92中の
孔が、加圧によって消失しており、したがって、吸着性
領域95内に滴下された特異的結合物質の溶液が、吸着
性領域95から、吸着性膜92内に浸透することが効果
的に防止され、吸着性領域95内に滴下された特異的結
合物質は、吸着性領域95にのみ吸着される。
【0241】さらに、図3に示されるように、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質、化学発光基
質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識
物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色素
などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション反応溶液9を収容したハイブ
リダイゼーション反応容器8内に、生化学解析用ユニッ
ト90がセットされ、生化学解析用ユニット90の多数
の吸着性領域95に吸着されたcDNAなどの特異的結
合物質に、放射性標識物質によって標識され、ハイブリ
ダイゼーション反応溶液9に含まれた生体由来の物質、
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質によって標識され、ハイブリダイゼーシ
ョン反応溶液9に含まれた生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識され、ハイブリダイゼー
ション反応溶液9に含まれた生体由来の物質を、選択的
に、ハイブリダイズさせる。
【0242】こうして、生化学解析用ユニット90に形
成された多数の吸着性領域95に、放射線データ、化学
発光データおよび蛍光データが記録される。
【0243】生化学解析用ユニット90の多数の吸着性
領域95に記録された蛍光データは、前記実施態様と同
様にして、図8ないし図15に示されたスキャナによ
り、読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0244】これに対して、生化学解析用ユニット90
の多数の吸着性領域95に記録されたに記録された放射
線データは、蓄積性蛍光体シートに転写され、生化学解
析用ユニット90の多数の吸着性領域95に記録された
化学発光データは、蓄積性蛍光体シートに転写される。
【0245】図22は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかる蓄積性蛍光体シートの略斜視図であり、図23
は、その略部分断面図である。
【0246】図22および図23に示されるように、本
実施態様にかかる蓄積性蛍光体シート100は、放射線
エネルギーを吸収し、蓄積可能なBaFX系輝尽性蛍光
体(ここに、Xは、Cl、BrおよびIからなる群から
選ばれたハロゲン原子である。)とバインダを含む輝尽
性蛍光体膜101と、多数の略円形の貫通孔102が規
則的に形成されたニッケル基板103とを備え、輝尽性
蛍光体膜101が、ニッケル基板103に形成された多
数の貫通孔102に圧入され、それによって、ニッケル
基板103の多数の貫通孔102に対応する輝尽性蛍光
体膜101の位置に、多数の輝尽性蛍光体層領域105
が、ドット状に形成されている。
【0247】本実施態様においては、ニッケル基板10
3の表面には、接着剤106が塗布され、接着剤106
を介して、ニッケル基板103に、輝尽性蛍光体膜10
1が圧入されており、したがって、輝尽性蛍光体膜10
1は、ニッケル基板103に強固に一体化され、蓄積性
蛍光体シート100の耐久性の向上が図られている。
【0248】多数の貫通孔102は、生化学解析用ユニ
ット90に形成された多数の吸着性領域05と同一のパ
ターンで、ニッケル基板103に形成され、それぞれ、
生化学解析用ユニット90に形成された多数の吸着性領
域95と同じサイズを有している。
【0249】したがって、図22には、正確に示されて
いないが、本実施態様においては、約10000の約
0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝
尽性蛍光体層領域105が、約5000個/平方センチ
メートルの密度で、かつ、規則的なパターンで、蓄積性
蛍光体シート100に、ドット状に形成されている。
【0250】また、図23に示されるように、本実施態
様においては、ニッケル基板103の表面が、輝尽性蛍
光体層領域105の表面よりも高い位置に位置するよう
に、ニッケル基板103に形成された多数の貫通孔10
2内に、輝尽性蛍光体膜101が圧入されて、蓄積性蛍
光体シート100が形成されている。
【0251】本実施態様においては、蓄積性蛍光体シー
ト100は、熱プレス装置を用いて、ニッケル基板10
3に形成された多数の貫通孔102内に、輝尽性蛍光体
膜101が圧入されて、形成される。
【0252】図24は、熱プレス装置の略断面図であ
る。
【0253】図24に示されるように、熱プレス装置
は、基台107と、温度制御されたプレス板108を備
えている。
【0254】まず、多数の貫通孔102が形成されたニ
ッケル基板103が、基台107上にセットされ、輝尽
性蛍光体膜101が、前記実施態様と同様に作製され
て、ニッケル基板103の上に、セットされる。
【0255】次いで、輝尽性蛍光体膜101が、プレス
板108によって加圧され、ニッケル基板103に形成
された貫通孔102内に、輝尽性蛍光体膜101が圧入
されて、多数の輝尽性蛍光体層領域105が形成され
る。
【0256】図25は、生化学解析用ユニット90に形
成された多数の吸着性領域95に選択的に含まれた放射
性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート100に形成
された多数の輝尽性蛍光体層領域105を露光する方法
を示す略断面図である。
【0257】図25に示されるように、露光にあたっ
て、生化学解析用ユニット90に形成された多数の吸着
性領域95が、蓄積性蛍光体シート100に形成された
多数の輝尽性蛍光体層領域105に対向するように、蓄
積性蛍光体シート100が生化学解析用ユニット90に
重ね合わされる。
【0258】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット90は、ステンレス鋼製の基板94に形成された多
数の貫通孔93内に、吸着性膜92が圧入されて、形成
されているので、ハイブリダイゼーションなど、液体に
よる処理を受けても、ほとんど伸縮することがなく、し
たがって、生化学解析用ユニット100に形成された多
数の吸着性領域95が、蓄積性蛍光体シート100に形
成された多数の輝尽性蛍光体層領域105に、正確に対
向するように、蓄積性蛍光体シート100と生化学解析
用ユニット90とを、容易にかつ確実に重ね合わせて、
多数の輝尽性蛍光体層領域105を露光することが可能
になる。
【0259】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート100に形成された多数の輝尽性蛍光体層
領域105の各々と、生化学解析用ユニット90に形成
された多数の吸着性領域95とを対向させることによっ
て、吸着性領域95に含まれた放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シート100に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域105が露光される。
【0260】この際、生化学解析用ユニット90の吸着
性領域95に吸着されている放射性標識物質から電子線
(β線)が発せられるが、生化学解析用ユニット90の
吸着性領域95は、ナイロン6によって形成された吸着
性膜92が、ステンレス鋼製の基板84に形成された多
数の貫通孔83に、圧入されて、形成され、各吸着性領
域95の周囲には、放射線エネルギーを減衰させる性質
を有するステンレス鋼製の基板94が存在しており、さ
らに、蓄積性蛍光体シート100の多数の輝尽性蛍光体
層領域105が、ニッケル基板103に形成された複数
の貫通孔102内に、輝尽性蛍光体膜101を圧入し
て、形成され、各輝尽性蛍光体層領域105の周囲に
は、放射線エネルギーを減衰させる性質を有するニッケ
ル基板103が存在しているから、吸着性領域95に含
まれている放射性標識物質から発せられた電子線(β
線)が、生化学解析用ユニット90のステンレス鋼製の
基板94あるいは蓄積性蛍光体シート100のニッケル
基板103内で、散乱することを効果的に防止すること
ができ、したがって、吸着性領域95に含まれている放
射性標識物質から発せられた電子線(β線)によって、
その吸着性領域95に対向する輝尽性蛍光体層領域10
5のみを選択的に露光することが可能になる。
【0261】こうして、蓄積性蛍光体シート100に形
成された多数の輝尽性蛍光体層領域105に、放射性標
識物質の放射線データが記録され、蓄積性蛍光体シート
100の多数の輝尽性蛍光体層領域95に記録された放
射線データは、前記実施態様と全く同様にして、図8な
いし図15に示されたスキャナによって、読み取られ
て、生化学解析用データが生成される。
【0262】一方、生化学解析用ユニット90の多数の
吸着性領域95に記録された蛍光データは、前記実施態
様と全く同様にして、図8ないし図15に示されたスキ
ャナによって、読み取られて、生化学解析用データが生
成される。
【0263】これに対して、生化学解析用ユニット90
の多数の吸着性領域95に記録された化学発光データ
は、蓄積性蛍光体シートに転写される。
【0264】図26は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかる別の蓄積性蛍光体シートの略斜視図であり、図
27は、その略部分断面図である。
【0265】図26および図27に示されるように、本
実施態様にかかる蓄積性蛍光体シート110は、輝尽性
蛍光体膜111が、光エネルギーを吸収し、蓄積可能な
SrS系輝尽性蛍光体とバインダを含み、多数の輝尽性
蛍光体層領域115が、ステンレス鋼によって形成され
た基板113に形成された多数の貫通孔112内に、輝
尽性蛍光体膜111を圧入して、形成されている点を除
いて、図22および図23に示された蓄積性蛍光体シー
ト100と同様の構成を有している。
【0266】本実施態様においては、基板113の表面
には、接着剤116が塗布され、接着剤116を介し
て、基板113に、輝尽性蛍光体膜111が圧入されて
おり、したがって、輝尽性蛍光体膜111は、基板11
3に強固に一体化され、蓄積性蛍光体シート110の耐
久性の向上が図られている。
【0267】多数の貫通孔112は、生化学解析用ユニ
ット90に形成された多数の吸着性領域05と同一のパ
ターンで、基板113に形成され、それぞれ、生化学解
析用ユニット90に形成された多数の吸着性領域95と
同じサイズを有している。
【0268】したがって、図26には、正確に示されて
いないが、本実施態様においては、約10000の約
0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝
尽性蛍光体層領域115が、約5000個/平方センチ
メートルの密度で、かつ、規則的なパターンで、蓄積性
蛍光体シート110に、ドット状に形成されている。
【0269】また、図27に示されるように、本実施態
様においては、基板113の表面が、輝尽性蛍光体層領
域115の表面よりも高い位置に位置するように、基板
113に形成された多数の貫通孔112内に、輝尽性蛍
光体膜111が圧入されて、蓄積性蛍光体シート110
が形成されている。
【0270】蓄積性蛍光体シート110は、蓄積性蛍光
体シート100と同様に、図24に示された熱プレス装
置を用いて、基板113に形成された多数の貫通孔11
2内に、輝尽性蛍光体膜111が圧入されて、形成され
る。
【0271】生化学解析用ユニット90の多数の吸着性
領域95に記録された化学発光データは、図26および
図27に示された蓄積性蛍光体シート110の多数の輝
尽性蛍光体層領域115に転写される。
【0272】生化学解析用ユニット90の多数の吸着性
領域95に記録された化学発光データを、蓄積性蛍光体
シート110の多数の輝尽性蛍光体層領域115に転写
するに際し、生化学解析用ユニット90の多数の吸着性
領域95に、化学発光基質が接触される。
【0273】その結果、生化学解析用ユニット90の多
数の吸着性領域95から、可視光波長域の化学発光が、
選択的に放出される。
【0274】次いで、蓄積性蛍光体シート110に形成
された多数の輝尽性蛍光体層領域115が、生化学解析
用ユニット90に形成された対応する多数の吸着性領域
95に対向するように、蓄積性蛍光体シート110が、
多数の吸着性領域95から化学発光が放出されている生
化学解析用ユニット90に重ね合わされる。
【0275】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート110に形成された多数の輝尽性蛍光体層
領域115の各々と、生化学解析用ユニット90に形成
された多数の吸着性領域95とを対向させることによっ
て、生化学解析用ユニット90の多数の吸着性領域95
から、選択的に放出された化学発光によって、蓄積性蛍
光体シート110に形成された多数の輝尽性蛍光体層領
域115が露光される。
【0276】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット90の多数の吸着性領域95は、吸着性膜92を、
ステンレス鋼製の基板94に形成された多数の貫通孔9
3内に圧入して、形成され、各吸着性領域95の周囲に
は、光エネルギーを減衰させる性質を有するステンレス
鋼製の基板94が存在しているから、露光操作に際し
て、生化学解析用ユニット90の吸着性領域95から放
出された化学発光が、生化学解析用ユニット90の基板
94内で、散乱することを効果的に防止することがで
き、さらに、蓄積性蛍光体シート110の多数の輝尽性
蛍光体層領域115が、ステンレス鋼製の基板113に
形成された多数の貫通孔112内に、輝尽性蛍光体膜を
圧入して、形成され、各輝尽性蛍光体層領域115の周
囲には、光エネルギーを減衰させる性質を有するステン
レス鋼製の基板113が存在しているから、生化学解析
用ユニット90の吸着性領域95から放出された化学発
光が、蓄積性蛍光体シート110の基板113内で、散
乱することを効果的に防止することができ、したがっ
て、生化学解析用ユニット90の各吸着性領域95から
発せられた化学発光によって、その吸着性領域95に対
向する輝尽性蛍光体層領域115を選択的に露光するこ
とが可能になる。
【0277】こうして、蓄積性蛍光体シート110に形
成された多数の輝尽性蛍光体層領域115に、化学発光
データが記録され、蓄積性蛍光体シート110に形成さ
れた多数の輝尽性蛍光体層領域115に記録された化学
発光データは、前記実施態様と同様にして、図17ない
し図19に示されたスキャナによって、読み取られ、生
化学解析用データが生成される。
【0278】本実施態様によれば、生化学解析用ユニッ
ト90に形成された多数の吸着性領域95に含まれてい
る放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート100
に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域105を露光す
るとき、生化学解析用ユニット90の吸着性領域95
は、ステンレス製の基板94に形成された多数の貫通孔
93に、吸着性膜92が圧入されて形成され、各吸着性
領域95の周囲には、放射線エネルギーを減衰させる性
質を有するステンレス製の基板94が存在しているか
ら、生化学解析用ユニット90の吸着性領域95に含ま
れている放射性標識物質から発せられた電子線(β線)
が、生化学解析用ユニット90の基板94内で、散乱す
ることを効果的に防止することができ、さらに、蓄積性
蛍光体シート100の多数の輝尽性蛍光体層領域105
が、ニッケル基板103に形成された複数の貫通孔10
2内に、輝尽性蛍光体膜101を圧入して形成され、各
輝尽性蛍光体層領域105の周囲には、放射線エネルギ
ーを減衰させる性質を有するニッケル基板103が存在
しているから、吸着性領域95に含まれている放射性標
識物質から発せられた電子線(β線)が、蓄積性蛍光体
シート100のニッケル基板103内で、散乱すること
を効果的に防止することができ、したがって、生化学解
析用ユニット90の各吸着性領域95に含まれている放
射性標識物質から発せられた電子線(β線)によって、
その吸着性領域95に対向する輝尽性蛍光体層領域10
5を選択的に露光することが可能になるから、生化学解
析用ユニット90に、吸着性領域95を高密度に形成し
た場合においても、露光された多数の輝尽性蛍光体層領
域105をレーザ光24によって走査し、多数の輝尽性
蛍光体層領域105から放出された輝尽光を、高い分解
能で、光電的に検出して、定量性に優れた生化学解析用
のデータを生成することが可能になる。
【0279】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット90の多数の吸着性領域95が、光エネルギ
ーを減衰させる性質を有するステンレス製の基板94に
形成された多数の貫通孔93に、吸着性膜92が圧入さ
れて形成されているから、生化学解析用ユニット90に
形成された多数の吸着性領域95から、選択的に放出さ
れる化学発光によって、蓄積性蛍光体シート110に形
成されている多数の輝尽性蛍光体層領域115を露光す
る際、生化学解析用ユニット90の多数の吸着性領域9
5から、選択的に放出される化学発光が、生化学解析用
ユニット90の基板94内で散乱されることが効果的に
防止され、さらに、蓄積性蛍光体シート110の多数の
輝尽性蛍光体層領域115が、生化学解析用ユニット9
0に形成された多数の吸着性領域95と、同一の規則的
なパターンで、光エネルギーを減衰させる性質を有する
ステンレス鋼製の基板113に形成された多数の貫通孔
112内に、輝尽性蛍光体膜111が圧入されて、形成
され、輝尽性蛍光体層領域115のそれぞれが、生化学
解析用ユニット90に形成された対応する吸着性領域9
5に対向するように、蓄積性蛍光体シート110と、生
化学解析用ユニット90とが重ね合わされているから、
生化学解析用ユニット90の吸着性領域95から放出さ
れた化学発光が、蓄積性蛍光体シート115の基板11
3内で散乱することを、効果的に防止することができ、
したがって、生化学解析用ユニット90の各吸着性領域
95から発せられた化学発光によって、その吸着性領域
95に対向する輝尽性蛍光体層領域115を選択的に露
光することが可能になるから、レーザ光24によって励
起されて、蓄積性蛍光体シート110の輝尽性蛍光体層
領域115から放出された輝尽光45を光電的に検出し
て生成された生化学解析用データ中に、ノイズが生成さ
れることを防止することができ、定量性に優れた生化学
解析用データを生成することが可能になる。
【0280】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット90の多数の吸着性領域95は、ステンレス
鋼製の基板94に規則的に形成された多数の貫通孔93
内に、吸着性膜92を、カレンダー処理装置を用いて、
圧入することによって、形成されるから、きわめて簡易
に、規則的なパターンで、多数の吸着性領域95が形成
された生化学解析用ユニット90を作製することが可能
になる。
【0281】また、本実施態様によれば、蓄積性蛍光体
シート100、110の多数の輝尽性蛍光体層領域10
5、115は、輝尽性蛍光体膜101、111を、生化
学解析用ユニット90に形成された多数の吸着性領域9
5と同じ規則的なパターンで、ニッケル基板103ある
いはステンレス鋼製の基板113に形成された多数の貫
通孔102、112内に、熱プレス装置を用いて、圧入
することにより、作製されるから、きわめて簡易に、規
則的なパターンで、多数の輝尽性蛍光体層領域105、
115が形成された蓄積性蛍光体シート100、110
を作製することが可能になる。
【0282】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0283】たとえば、前記実施態様においては、特異
的結合物質として、塩基配列が既知の互いに異なった複
数のcDNAが用いられているが、本発明において使用
可能な特異的結合物質はcDNAに限定されるものでは
なく、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵
素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核
酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質はすべて、本発明の特異
的結合物質として使用することができる。
【0284】また、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1は、ステンレス鋼製の基板
2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が
充填されて、形成された多数の吸着性領域4を備え、図
20および図21に示された実施態様においては、生化
学解析用ユニット90は、ナイロン6によって形成され
た吸着性膜92が、ステンレス鋼製の基板94に形成さ
れた多数の貫通孔93内に圧入されて、形成された多数
の吸着性領域95を備えているが、生化学解析用ユニッ
ト1、90の吸着性領域4、95を、ナイロン6によっ
て形成することは必ずしも必要でなく、他の吸着性材料
によって、生化学解析用ユニット1、90の吸着性領域
4、95を形成することもできる。生化学解析用ユニッ
ト1、90の吸着性領域4、95を形成するための吸着
性材料としては、多孔質材料あるいは繊維材料が好まし
く使用され、多孔質材料と繊維材料を併用して、生化学
解析用ユニット1、90の吸着性領域4、95を形成す
ることもできる。生化学解析用ユニット1、90の吸着
性領域4、95を形成するために使用される多孔質材料
は、有機材料、無機材料のいずれでもよく、有機/無機
複合体でもよい。生化学解析用ユニット1、90の吸着
性領域4、95を形成するために使用される有機多孔質
材料は、とくに限定されるものではないが、活性炭など
の炭素多孔質材料あるいはメンブレンフィルタを形成可
能な多孔質材料が、好ましく用いられる。具体的には、
ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などの
ナイロン類;ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪酸
酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;コラーゲン;
アルギン酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/ポリ
リシンポリイオンコンプレックスなどのアルギン酸類;
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン
類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化
ビニリデン、ポリテトラフルオライドなどのポリフルオ
ライドや、これらの共重合体または複合体が挙げられ
る。生化学解析用ユニット1、90の吸着性領域4、9
5を形成するために使用される無機多孔質材料は、とく
に限定されるものではないが、好ましくは、たとえば、
白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムなどの金
属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトなどの金
属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウムなど
の金属塩やこれらの複合体などが挙げられる。生化学解
析用ユニット1、90の吸着性領域4、95を形成する
ために使用される繊維材料は、とくに限定されるもので
はないが、好ましくは、たとえば、ナイロン6、ナイロ
ン6,6、ナイロン4,10などのナイロン類、ニトロ
セルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなど
のセルロース誘導体などが挙げられる。
【0285】さらに、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1は、ステンレス鋼製の基板
2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が
充填されて、互いに離間して、形成された多数の吸着性
領域4を備え、図20および図21に示された実施態様
においては、生化学解析用ユニット90は、ナイロン6
によって形成された吸着性膜92が、ステンレス鋼製の
基板94に形成された多数の貫通孔93内に圧入され
て、互いに離間して、形成された多数の吸着性領域95
を備えているが、生化学解析用ユニット1、90の吸着
性領域4、95を互いに離間して、形成することは必ず
しも必要でなく、生化学解析用ユニットを、吸着性基板
によって形成することもできる。
【0286】さらに、図4ないし図6に示された実施態
様および図16に示された実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート10、80の輝尽性蛍光体層領域15、8
5は、カレンダーロール18を用いて、輝尽性蛍光体お
よびバインダを含む輝尽性蛍光体膜11、81が、ニッ
ケル基板13あるいは基板83に形成された多数の貫通
孔12、82内に圧入されて、形成され、図22ないし
図24に示された実施態様ならびに図26および図27
に示された実施態様においては、蓄積性蛍光体シート1
00、110の輝尽性蛍光体層領域105、115は、
熱プレス装置を用いて、輝尽性蛍光体およびバインダを
含む輝尽性蛍光体膜101、111が、ニッケル基板1
03あるいは基板113に形成された多数の貫通孔10
2、112内に圧入されて形成されているが、カレンダ
ーロール18や熱プレス装置を用いて、輝尽性蛍光体お
よびバインダを含む輝尽性蛍光体膜11、81、10
1、111を、ニッケル基板13、基板83、ニッケル
基板103あるいは基板113に形成された多数の貫通
孔12、82、102、112内に圧入することは必ず
しも必要でなく、他の手段を用いて、輝尽性蛍光体およ
びバインダを含む輝尽性蛍光体膜11、81、101、
111を、ニッケル基板13、基板83、ニッケル基板
103あるいは基板113に形成された多数の貫通孔1
2、82、102、112内に圧入することもできる
し、圧入に代えて、適当な方法によって、輝尽性蛍光体
およびバインダを含む輝尽性蛍光体膜11、81、10
1、111を、ニッケル基板13、基板83、ニッケル
基板103あるいは基板113に形成された多数の貫通
孔12、82、102、112内に充填して、輝尽性蛍
光体層領域15、85、105、115を形成するよう
にしてもよい。
【0287】さらに、図4および図5に示された実施態
様ならびに図22および図23に示された実施態様にお
いては、蓄積性蛍光体シート10、100の多数の輝尽
性蛍光体層領域15、105は、輝尽性蛍光体およびバ
インダを含む輝尽性蛍光体膜11、101を、ニッケル
基板13、103に形成された多数の貫通孔12、10
2内に圧入することによって形成され、図16に示され
た実施態様ならびに図26および図27に示された実施
態様においては、蓄積性蛍光体シート80、110の多
数の輝尽性蛍光体層領域85、115は、輝尽性蛍光体
およびバインダを含む輝尽性蛍光体膜81、111を、
ステンレス鋼製の基板83、113に形成された多数の
貫通孔82、112内に圧入することによって形成され
ているが、蓄積性蛍光体シート10、80、100、1
10の基板13、83、103、113を、ニッケルあ
るいはステンレス鋼によって形成することは必ずしも必
要でなく、他の材料によって、蓄積性蛍光体シート1
0、80、100、110の基板13、83、103、
113を形成することもできる。蓄積性蛍光体シート1
0、80、100、110の基板13、83、103、
113は、放射線エネルギーおよび/または光エネルギ
ーを減衰させる性質を有する材料によって形成されてい
ることが好ましいが、その材料はとくに限定されるもの
ではなく、無機化合物材料、有機化合物材料のいずれに
よって形成することもでき、とくに好ましくは、金属材
料、セラミック材料またはプラスチック材料によって形
成される。無機化合物材料としては、たとえば、金、
銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロ
ム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金
属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリコン、ア
モルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化
ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネ
シウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;タングス
テンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒ
ドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げ
ることができる。有機化合物材料としては、高分子化合
物が好ましく用いられ、たとえば、ポリエチレンやポリ
プロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタクリ
レート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共
重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポ
リ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリ
デン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロトリフ
ルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレンナフ
タレートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエス
テル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10
などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフェ
ニレンサルファイド;ポリジフェニルシロキサンなどの
ケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹脂;エポキ
シ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−ス
チレン共重合体;セルロース、酢酸セルロース、ニトロ
セルロース、でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースなどの多糖類;キチン;キ
トサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなど
のポリアミドおよびこれら高分子化合物の共重合体など
を挙げることができる。
【0288】また、前記実施態様においては、接着剤1
6、106、116を用いて、輝尽性蛍光体およびバイ
ンダを含む輝尽性蛍光体膜11、81、101、111
と、ニッケル基板13、93あるいはステンレス鋼製の
基板83、113を接着しているが、接着剤16、10
6、116を用いることは必ずしも必要でない。
【0289】さらに、図4および図5に示された実施態
様ならびに図16に示された実施態様においては、生化
学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4に対応し
て、約0.07平方ミリメートルのサイズを有する19
200の略円形の輝尽性蛍光体層領域15、85が、1
20列×160行のマトリックス状に、蓄積性蛍光体シ
ート10、80に形成され、図22および図23に示さ
れた実施態様ならびに図26および図27に示された実
施態様においては、生化学解析用ユニット90に形成さ
れた吸着性領域95に対応して、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性
蛍光体層領域105、115が、約5000個/平方セ
ンチメートルの密度で、規則的なパターンにしたがっ
て、蓄積性蛍光体シート100、110に形成されてい
るが、輝尽性蛍光体層領域15、85、105、115
が略円形に形成されることは必ずしも必要でなく、輝尽
性蛍光体層領域15、95は、任意の形状、たとえば、
矩形状に形成することもできる。
【0290】また、図4および図5に示された実施態様
ならびに図16に示された実施態様においては、生化学
解析用ユニット1に形成された吸着性領域4に対応し
て、約0.07平方ミリメートルのサイズを有する19
200の略円形の輝尽性蛍光体層領域15、85が、1
20列×160行のマトリックス状に、蓄積性蛍光体シ
ート10、80に形成され、図22および図23に示さ
れた実施態様ならびに図26および図27に示された実
施態様においては、生化学解析用ユニット90に形成さ
れた吸着性領域95に対応して、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性
蛍光体層領域105、115が、約5000個/平方セ
ンチメートルの密度で、規則的なパターンにしたがっ
て、蓄積性蛍光体シート100、110に形成されてい
るが、輝尽性蛍光体層領域15、85、105、115
の数およびサイズは、目的に応じて、任意に選択をする
ことができ、好ましくは、10以上の5平方ミリメート
ル未満のサイズを有する輝尽性蛍光体層領域15、8
5、105、115が、10個/平方センチメートル以
上の密度で、蓄積性蛍光体シート10、80、100、
110に形成される。
【0291】さらに、図4および図5に示された実施態
様ならびに図16に示された実施態様においては、生化
学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4に対応し
て、約0.07平方ミリメートルのサイズを有する19
200の略円形の輝尽性蛍光体層領域15、85が、1
20列×160行のマトリックス状に、蓄積性蛍光体シ
ート10、80に形成され、図22および図23に示さ
れた実施態様ならびに図26および図27に示された実
施態様においては、生化学解析用ユニット90に形成さ
れた吸着性領域95に対応して、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性
蛍光体層領域105、115が、約5000個/平方セ
ンチメートルの密度で、規則的なパターンにしたがっ
て、蓄積性蛍光体シート100、110に形成されてい
るが、吸着性領域4、95を、規則的なパターンで、生
化学解析用ユニット1、90に形成することは必ずしも
必要でなく、したがって、輝尽性蛍光体層領域15、8
5、105、115を、規則的なパターンで、蓄積性蛍
光体シート10、80、100、110に形成すること
は必ずしも必要でなく、輝尽性蛍光体層領域15、8
5、105、115は、生化学解析用ユニット1、90
に形成された吸着性領域4、95と同じパターンで、蓄
積性蛍光体シート10、80、100、110に形成さ
れていればよい。
【0292】また、前記実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10、80、100、110の輝尽性蛍光体
層領域15、85、105、115は、生化学解析用ユ
ニット1、90に形成された吸着性領域4、95と同じ
サイズに形成されているが、輝尽性蛍光体層領域15、
85、105、115を、生化学解析用ユニット1、9
0に形成された吸着性領域4、95と同じサイズに形成
することは必ずしも必要でなく、そのサイズは、目的に
応じて、任意に決定することができ、好ましくは、生化
学解析用ユニット1、90に形成された吸着性領域4、
95のサイズ以上に形成される。
【0293】さらに、前記実施態様においては、放射性
標識物質によって標識された生体由来の物質、化学発光
基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標
識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を
含むハイブリダイゼーション反応溶液9が調製され、吸
着性領域4に滴下された特異的結合物質にハイブリダイ
ズさせているが、ハイブリダイゼーション反応溶液9
が、放射性標識物質によって標識された生体由来の物
質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質
および蛍光色素などの蛍光物質によって標識された生体
由来の物質を含んでいることは必ずしも必要でなく、ハ
イブリダイゼーション反応溶液9は、放射性標識物質に
よって標識された生体由来の物質および化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
によって標識された生体由来の物質の少なくとも一方を
含んでいればよい。
【0294】また、前記実施態様においては、放射性標
識物質、化学発光基質と接触させることによって化学発
光を生じさせる標識物質および蛍光物質によって標識さ
れた生体由来の物質が、特異的結合物質にハイブリダイ
ズされているが、生体由来の物質を、特異的結合物質に
ハイブリダイズさせることは必ずしも必要でなく、生体
由来の物質を、ハイブリダイゼーションに代えて、抗原
抗体反応、リセプター・リガンドなどの反応によって、
特異的結合物質に特異的に結合させることもできる。
【0295】さらに、前記実施態様においては、図8な
いし図15に示されたスキャナは、蓄積性蛍光体シート
10、100に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域1
5、105に記録されている放射性標識物質の放射線デ
ータおよび生化学解析用ユニット1、90の多数の吸着
性領域4、95に記録されている蛍光色素などの蛍光物
質の蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生
成可能に構成されており、640nmの波長のレーザ光
24を発する第1のレーザ励起光源21と、532nm
の波長のレーザ光24を発する第2のレーザ励起光源2
2と、473nmの波長のレーザ光24を発する第3の
レーザ励起光源23とを備えているが、スキャナは、蓄
積性蛍光体シート10、100に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域15、105に記録された放射線データ
を読み取って、生化学解析用データを生成可能に構成さ
れていれば足り、生化学解析用ユニット1に形成された
多数の吸着性領域4、95に記録されている蛍光色素な
どの蛍光物質の蛍光データを読み取って、生化学解析用
データを生成可能に構成されていることは必ずしも必要
でなく、したがって、640nmの波長のレーザ光24
を発する第1のレーザ励起光源21を備えていればよ
く、532nmの波長のレーザ光24を発する第2のレ
ーザ励起光源22と、473nmの波長のレーザ光24
を発する第3のレーザ励起光源23とを備えていること
は必ずしも必要でない。
【0296】また、前記実施態様においては、図17な
いし図19に示されたスキャナは、蓄積性蛍光体シート
80、110に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域8
5、115に記録されている化学発光データおよび生化
学解析用ユニット1、90に形成された多数の吸着性領
域4、95に記録されている蛍光色素などの蛍光物質の
蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生成可
能に構成されており、640nmの波長のレーザ光24
を発する第1のレーザ励起光源21と、532nmの波
長のレーザ光24を発する第2のレーザ励起光源22
と、980nmの波長のレーザ光24を発する第4のレ
ーザ励起光源55を備えているが、スキャナは、蓄積性
蛍光体シート80、110に形成された多数の輝尽性蛍
光体層領域85、115に記録されている化学発光デー
タを読み取って、生化学解析用データを生成可能に構成
されていれば足り、生化学解析用ユニット1、90に形
成された多数の吸着性領域4、95に記録されている蛍
光色素などの蛍光物質の蛍光データを読み取って、生化
学解析用データを生成可能に構成されていることは必ず
しも必要でなく、したがって、980nmの波長のレー
ザ光24を発する第4のレーザ励起光源55を備えてい
ればよく、640nmの波長のレーザ光24を発する第
1のレーザ励起光源21と、532nmの波長のレーザ
光24を発する第2のレーザ励起光源22とを備えてい
ることは必ずしも必要でない。
【0297】また、前記実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10、100に形成された多数の輝尽性蛍光
体層領域15、105に記録された放射性標識物質の放
射線データおよび生化学解析用ユニット1、90に形成
された吸着性領域4、95に記録された蛍光色素などの
蛍光物質の蛍光データを、図8ないし図15に示された
スキャナを用いて、読み取って、生化学解析用データを
生成しているが、放射性標識物質の放射線データあるい
は蛍光物質の蛍光データを読み取るためのスキャナとし
ては、レーザ光24あるいは励起光によって、蓄積性蛍
光体シート10、100に形成された多数の輝尽性蛍光
体層領域15、105あるいは生化学解析用ユニット
1、90に形成された多数の吸着性領域4、95を走査
して、輝尽性蛍光体あるいは蛍光物質を励起することが
できるものあればよく、図8ないし図15に示されたス
キャナを用いて、放射性標識物質の放射線データあるい
は蛍光物質の蛍光データを読み取ることは必ずしも必要
がない。
【0298】さらに、前記実施態様においては、いずれ
も、スキャナは、励起光源として、レーザ光24を発す
るレーザ励起光源21、22、23、55を備えている
が、励起光源として、レーザ励起光源を用いることは必
ずしも必要でなく、レーザ励起光源に代えて、LED光
源を、励起光源として用いることもでき、さらには、ハ
ロゲンランプを励起光源として用い、分光フィルタによ
って、輝尽性蛍光体の励起に寄与しない波長成分をカッ
トするようにしてもよい。
【0299】また、前記実施態様においては、図8ない
し図15に示されたスキャナおよび図17ないし図19
に示されたスキャナは、走査機構によって、図14にお
いて、矢印Xで示される主走査方向および矢印Yで示さ
れる副走査方向に、光学ヘッド35を移動させることに
よって、レーザ光24により、蓄積性蛍光体シート1
0、80、100、110に形成されたすべての輝尽性
蛍光体層領域15、85、105、115あるいは生化
学解析用ユニット1、90に形成されたすべての吸着性
領域4、95を走査して、輝尽性蛍光体あるいは蛍光色
素などの蛍光物質を励起するように構成されているが、
光学ヘッド35を静止状態に維持し、ステージ40を、
図14において、矢印Xで示される主走査方向および矢
印Yで示される副走査方向に移動させることによって、
レーザ光24により、蓄積性蛍光体シート10、80、
100、110に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領
域15、85、105、115あるいは生化学解析用ユ
ニット1、90に形成されたすべての吸着性領域4、9
5を走査して、輝尽性蛍光体あるいは蛍光色素などの蛍
光物質を励起するようにしてもよく、また、光学ヘッド
35を、図14において、矢印Xで示される主走査方向
あるいは矢印Yで示される副走査方向に移動させるとと
もに、ステージ40を、矢印Yで示される副走査方向あ
るいは矢印Xで示される主走査方向に移動させることも
できる。
【0300】さらに、前記実施態様においては、図8な
いし図15に示されたスキャナおよび図17ないし図1
9に示されたスキャナは、光検出器として、フォトマル
チプライア50を用いて、蛍光あるいは輝尽光を光電的
に検出しているが、本発明において用いられる光検出器
としては、蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出可能であ
ればよく、フォトマルチプライア50に限らず、ライン
CCDや二次元CCDなどの他の光検出器を用いること
もできる。
【0301】また、前記実施態様においては、インジェ
クタ6とCCDカメラ7を備えたスポッティング装置5
を用い、CCDカメラ7によって、インジェクタ6の先
端部と、cDNAなどの特異的結合物質の溶液を滴下す
べき生化学解析用ユニット1、90の吸着性領域4、9
5を観察しながら、インジェクタ6の先端部と、cDN
Aなどの特異的結合物質の溶液を滴下すべき吸着性領域
4、95の中心とが合致したときに、インジェクタ6か
ら、cDNAなどの特異的結合物質の溶液を放出させ
て、滴下しているが、インジェクタ6の先端部と、生化
学解析用ユニット1、90に形成された多数の吸着性領
域4、95との相対的な位置関係を、あらかじめ検出し
ておき、インジェクタ6と、生化学解析用ユニット1、
90とを、相対的に、一定のピッチで、二次元的に移動
させて、cDNAなどの特異的結合物質の溶液を滴下す
るようにすることもできる。
【0302】
【発明の効果】本発明によれば、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質に、放射性標識物質によって
標識された生体由来の物質を特異的に結合させて、選択
的に標識したスポット状領域を、メンブレンフィルタな
どの担体表面に、高密度に形成した場合においても、高
い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生
成することのできる蓄積性蛍光体シートおよびその製造
方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、生化学解析用ユニットの略斜視図であ
る。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、ハイブリダイゼーション反応容器の略
縦断面図である。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施態様にかかる蓄
積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図5】図5は、本発明の好ましい実施態様にかかる蓄
積性蛍光体シートの略部分断面図である。
【図6】図6は、カレンダー処理装置の略断面図であ
る。
【図7】図7は、生化学解析用ユニットの基板に形成さ
れた多数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シートに形成された多数の輝尽性蛍光
体層領域を露光する方法を示す略断面図である。
【図8】図8は、スキャナの一例を示す略斜視図であ
る。
【図9】図9は、図8に示されたスキャナのフォトマル
チプライア近傍の詳細を示す略斜視図である。
【図10】図10は、図9のA−A線に沿った略断面図
である。
【図11】図11は、図9のB−B線に沿った略断面図
である。
【図12】図12は、図9のC−C線に沿った略断面図
である。
【図13】図13は、図9のD−D線に沿った略断面図
である。
【図14】図14は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【図15】図15は、図8に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【図16】図16は、本発明の好ましい実施態様にかか
る別の蓄積性蛍光体シートを示す略斜視図である。
【図17】図17は、スキャナの他の例を示す略斜視図
である。
【図18】図18は、図17に示されたスキャナのフォ
トマルチプライア近傍の詳細を示す略斜視図である。
【図19】図19は、図18のE−E線に沿った略断面
図である。
【図20】図20は、生化学解析用ユニットの別の例を
示す略斜視図である。
【図21】図21は、生化学解析用ユニットの別の例を
示す略部分断面図である。
【図22】図22は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図23】図23は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる蓄積性蛍光体シートの略部分断面図である。
【図24】図24は、熱プレス装置の略断面図である。
【図25】図25は、生化学解析用ユニットに形成され
た多数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シートに形成された多数の輝尽性蛍光
体層領域を露光する方法を示す略断面図である。
【図26】図26は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる別の蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図27】図27は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる別の蓄積性蛍光体シートの略部分断面図である。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 基板 3 貫通孔 4 吸着性領域 5 スポッティング装置 6 インジェクタ 7 CCDカメラ 8 ハイブリダイズ容器 9 ハイブリダイゼーション溶液 10 蓄積性蛍光体シート 11 輝尽性蛍光体膜 12 貫通孔 13 ニッケル基板 15 輝尽性蛍光体層領域 16 接着剤 18 カレンダーロール 21 第1のレーザ励起光源 22 第2のレーザ励起光源 23 第3のレーザ励起光源 24 レーザ光 25 コリメータレンズ 26 ミラー 27 第1のダイクロイックミラー 28 第2のダイクロイックミラー 29 ミラー 30 コリメータレンズ 31 コリメータレンズ 32 ミラー 33 穴開きミラーの穴 34 穴開きミラー 35 光学ヘッド 36 ミラー 37 非球面レンズ 38 凹面ミラー 40 ステージ 41 ガラス板 45 蛍光あるいは輝尽光 48 フィルタユニット 50 フォトマルチプライア 51a、51b、51c、51d、51e フィルタ部
材 52a、52b、52c、52d、52e フィルタ 53 A/D変換器 54 データ処理装置 55 第4のレーザ励起光源 56 第3のダイクロイックミラー 60 基板 61 副走査パルスモータ 62 一対のレール 63 移動可能な基板 64 ロッド 65 主走査ステッピングモータ 66 エンドレスベルト 67 リニアエンコーダ 68 リニアエンコーダのスリット 70 コントロールユニット 71 キーボード 72 フィルタユニットモータ 80 蓄積性蛍光体シート 81 輝尽性蛍光体膜 82 貫通孔 83 基板 85 輝尽性蛍光体層領域 90 生化学解析用ユニット 92 吸着性膜 93 貫通孔 94 アルミニウム基板 95 吸着性領域 96 接着剤 100 蓄積性蛍光体シート 101 輝尽性蛍光体膜 102 貫通孔 103 ニッケル基板 105 輝尽性蛍光体層領域 106 接着剤 107 基台 108 プレス板 110 蓄積性蛍光体シート 111 輝尽性蛍光体膜 112 貫通孔 113 ニッケル基板 115 輝尽性蛍光体層領域 116 接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細井 雄一 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2G045 DA13 DA36 FA11 FA12 FA29 FB08 GC15 JA01 2G083 AA03 AA09 BB01 CC03 CC04 DD01 DD11 DD12 4B029 AA08 AA23

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状部材に形成された複数の貫通孔に、
    輝尽性蛍光体およびバインダを含む輝尽性蛍光体膜が充
    填されて、前記板状部材の前記複数の貫通孔に対応する
    位置に、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されたことを
    特徴とする蓄積性蛍光体シート。
  2. 【請求項2】 前記板状部材に形成された前記複数の貫
    通孔に、輝尽性蛍光体およびバインダを含む前記輝尽性
    蛍光体膜が圧入されて、前記複数の輝尽性蛍光体層領域
    が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の蓄積性
    蛍光体シート。
  3. 【請求項3】 輝尽性蛍光体およびバインダを含む前記
    輝尽性蛍光体膜が、熱プレス処理によって、前記板状部
    材に形成された前記複数の貫通孔に圧入されて、前記複
    数の輝尽性蛍光体層領域が形成されたことを特徴とする
    請求項2に記載の蓄積性蛍光体シート。
  4. 【請求項4】 前記板状部材に形成された前記複数の貫
    通孔に、カレンダーロール処理によって、輝尽性蛍光体
    およびバインダを含む前記輝尽性蛍光体膜が圧入され
    て、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されたことを
    特徴とする請求項3に記載の蓄積性蛍光体シート。
  5. 【請求項5】 前記板状部材に形成された前記複数の貫
    通孔に、輝尽性蛍光体およびバインダを含む前記輝尽性
    蛍光体膜が圧入されて、前記複数の輝尽性蛍光体層領域
    が形成され、前記板状部材と前記輝尽性蛍光体層とが、
    接着剤によって接着されたことを特徴とする請求項2な
    いし4のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シート。
  6. 【請求項6】 前記板状部材が、放射線エネルギーを減
    衰させる材料によって形成されたことを特徴とする請求
    項1ないし5のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シー
    ト。
  7. 【請求項7】 前記板状部材が、隣り合う前記輝尽性蛍
    光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記
    板状部材内を透過したときに、放射線のエネルギーを、
    1/5以下に減衰させる性質を有する材料によって形成
    されたことを特徴とする請求項6に記載の蓄積性蛍光体
    シート。
  8. 【請求項8】 前記板状部材が、隣り合う前記輝尽性蛍
    光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記
    板状部材内を透過したときに、放射線のエネルギーを、
    1/10以下に減衰させる性質を有する材料によって形
    成されたことを特徴とする請求項7に記載の蓄積性蛍光
    体シート。
  9. 【請求項9】 前記板状部材が、隣り合う前記輝尽性蛍
    光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記
    板状部材内を透過したときに、放射線のエネルギーを、
    1/100以下に減衰させる性質を有する材料によって
    形成されたことを特徴とする請求項8に記載の蓄積性蛍
    光体シート。
  10. 【請求項10】 前記板状部材が、光エネルギーを減衰
    させる材料によって形成されたことを特徴とする請求項
    1ないし9のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シー
    ト。
  11. 【請求項11】 前記板状部材が、隣り合う前記輝尽性
    蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記板
    状部材内を透過したときに、光のエネルギーを、1/5
    以下に減衰させる性質を有する材料によって形成された
    ことを特徴とする請求項10に記載の蓄積性蛍光体シー
    ト。
  12. 【請求項12】 前記板状部材が、隣り合う前記輝尽性
    蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記板
    状部材内を透過したときに、光のエネルギーを、1/1
    0以下に減衰させる性質を有する材料によって形成され
    たことを特徴とする請求項11に記載の蓄積性蛍光体シ
    ート。
  13. 【請求項13】 前記板状部材が、隣り合う前記輝尽性
    蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記板
    状部材内を透過したときに、光のエネルギーを、1/1
    00以下に減衰させる性質を有する材料によって形成さ
    れたことを特徴とする請求項12に記載の蓄積性蛍光体
    シート。
  14. 【請求項14】 前記板状部材が、金属材料、セラミッ
    ク材料およびプラスチック材料よりなる群から選ばれる
    材料によって形成されたことを特徴とする請求項7ない
    し13のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シート。
  15. 【請求項15】 前記板状部材が、プラスチック材料
    に、金属酸化物粒子を分散させて、形成されたことを特
    徴とする請求項14に記載の蓄積性蛍光体シート。
  16. 【請求項16】 10以上の前記輝尽性蛍光体層領域が
    形成されたことを特徴とする請求項1ないし15のいず
    れか1項に記載の蓄積性蛍光体シート。
  17. 【請求項17】 1000以上の前記輝尽性蛍光体層領
    域が形成されたことを特徴とする請求項16に記載の蓄
    積性蛍光体シート。
  18. 【請求項18】 10000以上の前記輝尽性蛍光体層
    領域が形成されたことを特徴とする請求項14に記載の
    蓄積性蛍光体シート。
  19. 【請求項19】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、そ
    れぞれ、5平方ミリメートル未満のサイズを有している
    ことを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項に
    記載の蓄積性蛍光体シート。
  20. 【請求項20】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、そ
    れぞれ、1平方ミリメートル未満のサイズを有している
    ことを特徴とする請求項19に記載の蓄積性蛍光体シー
    ト。
  21. 【請求項21】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、そ
    れぞれ、0.1平方ミリメートル未満のサイズを有して
    いることを特徴とする請求項20に記載の蓄積性蛍光体
    シート。
  22. 【請求項22】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、1
    0個/平方センチメートル以上の密度で形成されたこと
    を特徴とする請求項1ないし21のいずれか1項に記載
    の蓄積性蛍光体シート。
  23. 【請求項23】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、1
    000個/平方センチメートル以上の密度で形成された
    ことを特徴とする請求項22に記載の蓄積性蛍光体シー
    ト。
  24. 【請求項24】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、1
    0000個/平方センチメートル以上の密度で形成され
    たことを特徴とする請求項23に記載の蓄積性蛍光体シ
    ート。
  25. 【請求項25】 前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、規
    則的なパターンで、形成されたことを特徴とする請求項
    1ないし24のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シー
    ト。
  26. 【請求項26】 輝尽性蛍光体およびバインダを含む輝
    尽性蛍光体膜を形成し、板状部材に形成された複数の貫
    通孔に、前記輝尽性蛍光体膜を充填して、前記複数の貫
    通孔に対応する位置に、複数の輝尽性蛍光体層領域を形
    成することを特徴とする蓄積性蛍光体シートの製造方
    法。
  27. 【請求項27】 前記板状部材の前記複数の貫通孔に、
    輝尽性蛍光体およびバインダを含む前記輝尽性蛍光体膜
    を圧入して、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を形成する
    ことを特徴とする請求項26に記載の蓄積性蛍光体シー
    トの製造方法。
  28. 【請求項28】 前記板状部材の前記複数の貫通孔に、
    熱プレス処理によって、輝尽性蛍光体およびバインダを
    含む前記輝尽性蛍光体膜を圧入して、前記複数の輝尽性
    蛍光体層領域を形成することを特徴とする請求項27に
    記載の蓄積性蛍光体シートの製造方法。
  29. 【請求項29】 前記板状部材の前記複数の貫通孔に、
    カレンダーロール処理によって、輝尽性蛍光体およびバ
    インダを含む前記輝尽性蛍光体膜を圧入して、前記複数
    の輝尽性蛍光体層領域を形成することを特徴とする請求
    項27に記載の蓄積性蛍光体シートの製造方法。
  30. 【請求項30】 前記板状部材の前記複数の貫通孔に、
    輝尽性蛍光体およびバインダを含む前記輝尽性蛍光体膜
    を圧入して、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を形成する
    とともに、前記板状部材と前記輝尽性蛍光体膜とを、接
    着剤によって接着することを特徴とする請求項27ない
    し29のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シートの製
    造方法。
  31. 【請求項31】 前記板状部材が、放射線エネルギーを
    減衰させる材料によって形成されたことを特徴とする請
    求項26ないし30のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光
    体シートの製造方法。
  32. 【請求項32】 前記板状部材が、隣り合う前記輝尽性
    蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前
    記板状部材内を透過したときに、放射線のエネルギー
    を、1/5以下に減衰させる性質を有する材料によって
    形成されたことを特徴とする請求項31に記載の蓄積性
    蛍光体シートの製造方法。
  33. 【請求項33】 前記板状部材が、光エネルギーを減衰
    させる材料によって形成されたことを特徴とする請求項
    26ないし32のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シ
    ートの製造方法。
  34. 【請求項34】 前記板状部材が、隣り合う前記輝尽性
    蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記板
    状部材内を透過したときに、光のエネルギーを、1/5
    以下に減衰させる性質を有する材料によって形成された
    ことを特徴とする請求項33に記載の蓄積性蛍光体シー
    トの製造方法。
  35. 【請求項35】 前記板状部材が、金属材料、セラミッ
    ク材料およびプラスチック材料よりなる群から選ばれる
    材料によって形成されたことを特徴とする請求項31な
    いし34のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光体シートの
    製造方法。
  36. 【請求項36】 前記板状部材が、プラスチック材料
    に、金属酸化物粒子を分散させて、形成されたことを特
    徴とする請求項35に記載の蓄積性蛍光体シートの製造
    方法。
  37. 【請求項37】 前記板状部材に、10以上の貫通孔が
    形成され、10以上の輝尽性蛍光体層領域を形成するこ
    とを特徴とする請求項26ないし36のいずれか1項に
    記載の蓄積性蛍光体シートの製造方法。
  38. 【請求項38】 前記板状部材に形成された前記複数の
    貫通孔が、それぞれ、5平方ミリメートル未満のサイズ
    を有し、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を、5平方ミリ
    メートル未満のサイズを有するように形成することを特
    徴とする請求項26ないし37のいずれか1項に記載の
    蓄積性蛍光体シートの製造方法。
  39. 【請求項39】 前記複数の貫通孔が、前記板状部材
    に、10個/平方センチメートル以上の密度で形成さ
    れ、前記複数の輝尽性蛍光体層領域を、10個/平方セ
    ンチメートル以上の密度で形成することを特徴とする請
    求項26ないし38のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光
    体シートの製造方法。
  40. 【請求項40】 前記複数の貫通孔を、前記板状部材
    に、規則的に形成し、前記複数の輝尽性蛍光体層領域
    を、規則的なパターンで、形成することを特徴とする請
    求項26ないし39のいずれか1項に記載の蓄積性蛍光
    体シートの製造方法。
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