JP2003222625A - 生化学解析用データの生成方法およびそれに用いる遮光板 - Google Patents

生化学解析用データの生成方法およびそれに用いる遮光板

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JP2003222625A
JP2003222625A JP2002022706A JP2002022706A JP2003222625A JP 2003222625 A JP2003222625 A JP 2003222625A JP 2002022706 A JP2002022706 A JP 2002022706A JP 2002022706 A JP2002022706 A JP 2002022706A JP 2003222625 A JP2003222625 A JP 2003222625A
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stimulable phosphor
biochemical analysis
light
analysis unit
substrate
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JP2002022706A
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Nobuhiko Ogura
信彦 小倉
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 生化学解析用データの生成方法を提供する。 【解決手段】生化学解析用ユニット1に、生化学解析用
ユニットと、蓄積性蛍光体シート10とを重ね合わせ
て、放射性標識物質によって、輝尽性蛍光体層を露光し
て、輝尽性蛍光体層に、放射線エネルギーが蓄積された
複数のスポット状領域15を形成し、光エネルギーを減
衰させる性質を有する材料によって形成され、解析用ユ
ニットの複数の吸着性領域と同一のパターンで、複数の
貫通孔76が形成された遮光板75を、複数のスポット
状領域が、それぞれ、遮光板の貫通孔内に位置するよう
に、輝尽性蛍光体層内に圧入し、輝尽性蛍光体層に、遮
光板が圧入された蓄積性蛍光体シートをステージ40に
載置し、遮光板の側から、複数のスポット状領域に、遮
光板の貫通孔を介して、励起光を、順次、照射して、輝
尽性蛍光体を励起し、放出された輝尽光を、順次、光電
的に検出して、生化学解析用データを生成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学解析用デー
タの生成方法およびそれに用いる遮光板に関するもので
あり、さらに詳細には、生体由来の物質と特異的に結合
可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知
の特異的結合物質に、放射性標識物質によって標識され
た生体由来の物質を特異的に結合させて、選択的に標識
したスポット状領域を、メンブレンフィルタなどの生化
学解析用ユニットの表面に、高密度に形成した場合にお
いても、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用の
データを生成することができる生化学解析用データの生
成方法およびそれに用いる遮光板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するオートラジオグラフィ解析システムは、写
真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化
学的処理が不必要であるだけでなく、得られたディジタ
ルデータにデータ処理を施すことにより、所望のよう
に、解析用データを再生し、あるいは、コンピュータに
よる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0005】また、同様に、蛋白質や核酸などの特異的
結合物質をメンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニ
ットに固定し、化学発光基質と接触させることによって
化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体
由来の物質を、特異的結合物質に特異的に結合させて、
選択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された
特異的結合物質と生体由来の物質の結合体と化学発光基
質とを接触させて、化学発光基質と標識物質との接触に
よって生ずる可視光波長域の化学発光を、光電的に検出
して、ディジタル信号を生成し、画像処理を施して、C
RTなどの表示手段あるいは写真フィルムなどの記録材
料上に、化学発光画像を表示して、遺伝子情報などの生
体由来の物質に関する情報を得るようにした化学発光解
析システムも知られている。
【0006】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細胞、
ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗
原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDN
A、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結
合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既
知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下
して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによっ
て、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処
理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であ
って、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識され
た物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特異
的結合物質に、特異的に結合させたマイクロアレイに、
励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から
発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来
の物質を解析するマイクロアレイ解析システムが開発さ
れている。このマイクロアレイ解析システムによれば、
スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポット
を高密度に形成して、標識物質によって標識された生体
由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時
間に、生体由来の物質を解析することが可能になるとい
う利点がある。
【0007】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッ
ター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポット
を形成し、次いで、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽
出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、
さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生
体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識さ
れた物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特
異的結合物質に、特異的に結合させたマクロアレイを、
輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性
蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、
しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性
蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生
化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解析する
放射性標識物質を用いたマクロアレイ解析システムも開
発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、放射性
標識物質を標識物質として用いたマクロアレイ解析シス
テムにあっては、放射線エネルギーを蓄積した輝尽性蛍
光体層を、励起光によって、走査し、輝尽性蛍光体が励
起されて、放出した輝尽光を光電的に検出して、生化学
解析用データを生成する場合に、励起光が輝尽性蛍光体
層内で散乱し、生成された生化学解析用データ中に、ノ
イズが生成され、隣接するスポット領域間でのデータの
分離が困難になって、分解能が低下するとともに、各ス
ポット領域から放出された放射線量を定量して、生体由
来の物質を解析する際、定量性が悪化するという問題が
あり、スポット領域を近接して、形成して、高密度化し
ようとする場合には、とくに、分解能が低下する著しく
低下するとともに、定量性の著しい悪化が認められてい
る。
【0009】したがって、本発明は、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質に、放射性標識物質によ
って標識された生体由来の物質を特異的に結合させて、
選択的に標識したスポット状領域を、メンブレンフィル
タなどの生化学解析用ユニットの表面に、高密度に形成
した場合においても、高い分解能で、定量性に優れた生
化学解析用のデータを生成することができる生化学解析
用データの生成方法およびそれに用いる遮光板を提供す
ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
生化学解析用ユニットに、特異的結合物質を含む溶液を
滴下して、互いに離間した複数の吸着性領域を形成し、
前記複数の吸着性領域に含まれている特異的結合物質
に、少なくとも放射性標識物質によって標識された生体
由来の物質を結合させ、前記生化学解析用ユニットと、
支持体上に、輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体
シートとを重ね合わせて、前記複数の吸着性領域に選択
的に含まれている放射性標識物質によって、前記輝尽性
蛍光体層を露光して、前記輝尽性蛍光体層に、放射線エ
ネルギーが蓄積された複数のスポット状領域を形成し、
光エネルギーを減衰させる性質を有する材料によって形
成され、前記生化学解析用ユニットに形成された前記複
数の吸着性領域と同一のパターンで、複数の貫通孔が形
成された遮光板を、前記輝尽性蛍光体層の前記複数のス
ポット状領域が、それぞれ、前記遮光板に形成された前
記貫通孔内に位置するように、前記輝尽性蛍光体層内に
圧入し、前記輝尽性蛍光体層に、前記遮光板が圧入され
た前記蓄積性蛍光体シートをサンプルステージに載置
し、前記遮光板の側から、前記輝尽性蛍光体層に形成さ
れた前記複数のスポット状領域に、前記遮光板の前記複
数の貫通孔を介して、励起光を、順次、照射して、前記
複数のスポット状領域に含まれた輝尽性蛍光体を励起
し、前記複数のスポット状領域から放出された輝尽光
を、順次、光電的に検出して、生化学解析用データを生
成することを特徴とする生化学解析用データの生成方法
によって達成される。
【0011】本発明によれば、生化学解析用ユニット
と、支持体上に、輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍
光体シートとを重ね合わせて、複数の吸着性領域に選択
的に含まれている放射性標識物質によって、輝尽性蛍光
体層を露光して、輝尽性蛍光体層に、放射線エネルギー
が蓄積された複数のスポット状領域を形成し、光エネル
ギーを減衰させる性質を有する材料によって形成され、
生化学解析用ユニットに形成された複数の吸着性領域と
同一のパターンで、複数の貫通孔が形成された遮光板
を、輝尽性蛍光体層の複数のスポット状領域が、それぞ
れ、遮光板に形成された貫通孔内に位置するように、輝
尽性蛍光体層内に圧入し、輝尽性蛍光体層に、遮光板が
圧入された蓄積性蛍光体シートをサンプルステージに載
置し、遮光板の側から、輝尽性蛍光体層に形成された複
数のスポット状領域に、遮光板の複数の貫通孔を介し
て、励起光を、順次、照射して、複数のスポット状領域
に含まれた輝尽性蛍光体を励起し、複数のスポット状領
域から放出された輝尽光を、順次、光電的に検出して、
生化学解析用データを生成するように構成されているか
ら、輝尽性蛍光体層に形成された各スポット状領域に入
射した励起光が散乱して、隣り合ったスポット状領域内
に入射し、隣り合ったスポット状領域に含まれた輝尽性
蛍光体を励起して、輝尽光を放出させることを効果的に
防止することが可能になり、したがって、高い分解能
で、定量性に優れた生化学解析用データを生成すること
が可能になる。
【0012】本発明の好ましい実施態様においては、前
記遮光板を、前記蓄積性蛍光体シートの前記支持体の表
面に当接するまで、前記輝尽性蛍光体層に圧入するよう
に構成されている。
【0013】本発明の好ましい実施態様によれば、遮光
板を、蓄積性蛍光体シートの支持体の表面に当接するま
で、輝尽性蛍光体層に圧入するように構成されているか
ら、輝尽性蛍光体層に形成された各スポット状領域に入
射した励起光が散乱して、隣り合ったスポット状領域内
に入射し、隣り合ったスポット状領域に含まれた輝尽性
蛍光体を励起して、輝尽光を放出させることをより一層
効果的に防止することができ、したがって、高い分解能
で、定量性に優れた生化学解析用データを生成すること
が可能になる。
【0014】本発明の好ましい実施態様においては、前
記遮光板が、剛性を有する材料によって形成されてい
る。
【0015】本発明の好ましい実施態様においては、導
光部材と、前記サンプルステージとを、主走査方向およ
び前記主走査方向と直交する副走査方向に、間欠的に、
相対的に移動させて、前記複数のスポット状領域から放
出される輝尽光を、前記導光部材によって、光検出器に
導いて、光電的に検出し、生化学解析用データを生成す
るように構成されている。
【0016】本発明の好ましい実施態様によれば、導光
部材と、サンプルステージとを、主走査方向および主走
査方向と直交する副走査方向に、間欠的に、相対的に移
動させて、複数のスポット状領域から放出される輝尽光
を、導光部材によって、光検出器に導いて、光電的に検
出し、生化学解析用データを生成するように構成されて
いるから、導光部材を、輝尽性蛍光体層に形成された各
スポット状領域に十分に近接させて、各スポット状領域
から放出される輝尽光を受光させ、光検出器に導いて、
光電的に検出することによって、信号強度レベルが高い
生化学解析用データを生成することができ、したがっ
て、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用データ
を生成することが可能になる。
【0017】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記導光部材が、可撓性を有している。
【0018】本発明の好ましい実施態様によれば、導光
部材が、可撓性を有しているから、導光部材を、きわめ
て容易に、主走査方向および副走査方向に移動させて、
複数の発光領域から放出された光を、導光部材によっ
て、光検出器に導いて、光電的に検出し、生化学解析用
データを生成することが可能になる。
【0019】本発明の好ましい実施態様においては、前
記導光部材が、少なくとも1本の光ファイバによって構
成されている。
【0020】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記導光部材が、光ファイバ束によって構成されて
いる。
【0021】本発明の好ましい実施態様においては、前
記導光部材を介して、前記複数のスポット状領域に、励
起光を、順次、照射するように構成されている。
【0022】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、輝尽性蛍光体層に形成された複数のスポット状領域
に励起光を照射して、スポット状領域に含まれた輝尽性
蛍光体を励起し、放出された輝尽光を、光電的に検出し
て、生化学解析用データを生成する際に、導光部材を、
受光端部が、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体に形成
された複数のスポット状領域のそれぞれに、十分に近接
するように、位置させて、複数のスポット状領域のそれ
ぞれに、導光部材によって導かれた励起光を照射し、複
数のスポット状領域のそれぞれから放出される輝尽光
を、導光部材の受光端部によって、受光し、光検出器に
導いて、光電的に検出することにより、励起光が輝尽性
蛍光体層内で散乱し、隣り合ったスポット状領域に含ま
れた輝尽性蛍光体を励起することをより一層効果的に防
止することが可能になるから、高い分解能で、定量性に
優れた生化学解析用データを生成することが可能にな
る。
【0023】本発明の好ましい実施態様においては、前
記遮光板の一方の表面の前記複数の貫通孔の周囲に、そ
れぞれ、圧入部が形成されている。
【0024】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記圧入部の先端部が、楔状断面を有している。
【0025】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、遮光板の一方の表面の複数の貫通孔の周囲に形成さ
れた圧入部の先端部が、楔状断面を有しているから、簡
易な手段を用いて、容易に、遮光板を蓄積性蛍光体シー
トの輝尽性蛍光体層内に圧入することが可能になる。
【0026】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離
間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性領域
が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔に充填され
た吸着性材料に、特異的結合物質を含有させて、形成さ
れている。
【0027】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、前記基板に形成された複数の貫通孔内に、吸着性材
料を含んだ吸着性膜が圧入され、吸着性膜に、特異的結
合物質を含有させて、形成されている。
【0028】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、複数の凹部が、互い
に離間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性領
域が、前記基板に形成された前記複数の凹部に充填され
た吸着性材料に、特異的結合物質を含有させて、形成さ
れている。
【0029】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、吸着性基板と、複数
の貫通孔が、互いに離間して形成され、前記吸着性基板
の少なくとも一方の面に密着された基板を備え、前記複
数の吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数の貫
通孔内の前記吸着性基板に、特異的結合物質を含有させ
て、形成されている。
【0030】本発明において、前記複数の吸着性領域
が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔あるいは前
記複数の凹部内に形成されている場合、あるいは、前記
複数の吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数の
貫通孔内の前記吸着性基板に、特異的結合物質を含有さ
せて、形成されている場合には、前記生化学解析用ユニ
ットの前記基板が、放射線エネルギーを減衰させる性質
を有していることが好ましい。
【0031】本発明の好ましい実施態様によれば、複数
の吸着性領域が、基板に形成された複数の貫通孔あるい
は複数の凹部内に形成されている場合、あるいは、複数
の吸着性領域が、基板に形成された複数の貫通孔内の吸
着性基板に、特異的結合物質を含有させて、形成されて
いる場合に、生化学解析用ユニットの基板が、放射線エ
ネルギーを減衰させる性質を有しているから、生化学解
析用ユニットに、吸着性領域を高密度に形成した場合に
も、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれ
た特異的結合物質に、放射性標識物質によって標識され
た生体由来の物質を、ハイブリダイズさせて、選択的に
標識し、生化学解析用ユニットと蓄積性蛍光体シートと
を重ね合わせて、複数の吸着性領域に選択的に含まれた
放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの支持体
に形成された輝尽性蛍光体層を露光して、複数のスポッ
ト状領域を形成する際に、各吸着性領域に含まれている
放射性標識物質から放出された電子線(β線)が、生化
学解析用ユニットの基板内で散乱することを効果的に防
止することができ、したがって、各吸着性領域に含まれ
ている放射性標識物質から放出された電子線(β線)
を、対応する輝尽性蛍光体層の領域に、選択的に入射さ
せて、対応する輝尽性蛍光体層の領域に、スポット状領
域を形成することが可能になるから、放射性標識物質に
よって露光されて形成された輝尽性蛍光体層の複数のス
ポット状領域に、励起光を照射し、複数のスポット状領
域から放出された輝尽光を光電的に検出することによっ
て、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデー
タを生成することが可能になる。
【0032】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/5以下に減衰させる性質を有している。
【0033】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/10以下に減衰させる性質を有している。
【0034】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/50以下に減衰させる性質を有している。
【0035】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/100以下に減衰させる性質を有している。
【0036】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/500以下に減衰させる性質を有している。
【0037】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う
前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、
1/1000以下に減衰させる性質を有している。
【0038】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットに、10以上の吸着性領域が形
成されている。
【0039】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、50以上の吸着性領
域が形成されている。
【0040】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、100以上の吸着性
領域が形成されている。
【0041】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、500以上の吸着性
領域が形成されている。
【0042】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、1000以上の吸着
性領域が形成されている。
【0043】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、5000以上の吸着
性領域が形成されている。
【0044】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、10000以上の吸
着性領域が形成されている。
【0045】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、50000以上の吸
着性領域が形成されている。
【0046】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、100000以上の
吸着性領域が形成されている。
【0047】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、そ
れぞれ、5平方ミリメートル未満のサイズを有してい
る。
【0048】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、1平方ミリメートル未満のサイズを有し
ている。
【0049】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.5平方ミリメートル未満のサイズを
有している。
【0050】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.1平方ミリメートル未満のサイズを
有している。
【0051】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.05平方ミリメートル未満のサイズ
を有している。
【0052】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、0.01平方ミリメートル未満のサイズ
を有している。
【0053】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、
10個/平方センチメートル以上の密度で形成されてい
る。
【0054】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、50個/平方センチメートル以上の密度で形成さ
れている。
【0055】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、100個/平方センチメートル以上の密度で形成
されている。
【0056】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、500個/平方センチメートル以上の密度で形成
されている。
【0057】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、1000個/平方センチメートル以上の密度で形
成されている。
【0058】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、5000個/平方センチメートル以上の密度で形
成されている。
【0059】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、10000個/平方センチメートル以上の密度で
形成されている。
【0060】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、50000個/平方センチメートル以上の密度で
形成されている。
【0061】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領
域が、100000個/平方センチメートル以上の密度
で形成されている。
【0062】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、
規則的なパターンで形成されている。
【0063】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の貫通
孔が、それぞれ、略円形に形成されている。
【0064】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の貫通
孔が、それぞれ、略矩形状に形成されている。
【0065】本発明において、複数の吸着性領域が、基
板に形成された複数の貫通孔あるいは複数の凹部内に形
成されている場合、あるいは、複数の吸着性領域が、基
板に形成された複数の貫通孔内の吸着性基板に、特異的
結合物質を含有させて、形成されている場合には、生化
学解析用ユニットの基板を形成するための材料は、放射
線を減衰させる性質を有していることが好ましいが、と
くに限定されるものではなく、無機化合物材料、有機化
合物材料のいずれをも使用することができ、金属材料、
セラミック材料またはプラスチック材料が、好ましく使
用される。
【0066】本発明において、複数の吸着性領域が、基
板に形成された複数の貫通孔あるいは複数の凹部内に形
成されている場合、あるいは、複数の吸着性領域が、基
板に形成された複数の貫通孔内の吸着性基板に、特異的
結合物質を含有させて、形成されている場合に、生化学
解析用ユニットの基板を形成するために好ましく使用す
ることのできる無機化合物材料としては、たとえば、
金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、
クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなど
の金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリコ
ン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ
素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;
タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機
塩を挙げることができる。これらは、単結晶、アモルフ
ァス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造
を有していてもよい。
【0067】本発明において、複数の吸着性領域が、基
板に形成された複数の貫通孔あるいは複数の凹部内に形
成されている場合、あるいは、複数の吸着性領域が、基
板に形成された複数の貫通孔内の吸着性基板に、特異的
結合物質を含有させて、形成されている場合に、生化学
解析用ユニットの基板を形成するために使用可能な有機
化合物材料としては、高分子化合物が好ましく用いら
れ、好ましく使用することのできる高分子化合物として
は、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポ
リオレフィン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアク
リレート/メチルメタクリレート共重合体などのアクリ
ル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ
塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフ
ルオロエチレン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポ
リカーボネート;ポリエチレンナフタレートやポリエチ
レンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、
ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポ
リイミド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイ
ド;ポリジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボ
ラックなどのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレ
タン;ポリスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;
セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん
粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;
ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよ
びこれら高分子化合物の共重合体などを挙げることがで
きる。これらは、複合材料でもよく、必要に応じて、金
属酸化物粒子やガラス繊維などを充填することもでき、
また、有機化合物材料をブレンドして、使用することも
できる。
【0068】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、複数の吸着性領域が、基板に形成さ
れた複数の貫通孔あるいは複数の凹部内に形成されてい
る場合、あるいは、複数の吸着性領域が、基板に形成さ
れた複数の貫通孔内の吸着性基板に、特異的結合物質を
含有させて、形成されている場合には、生化学解析用ユ
ニットの基板は、比重1.0g/cm以上の化合物材
料または複合材料によって形成されることが好ましく、
比重が1.5g/cm以上、23g/cm以下の化
合物材料または複合材料によって形成されることが、と
くに好ましい。
【0069】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットが、吸着性基板を備え、
前記複数の吸着性領域が、前記吸着性基板に、特異的結
合物質を滴下して、形成されている。
【0070】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するための吸着性材料あるいは吸着性
基板を形成するための吸着性材料としては、多孔質材料
あるいは繊維材料が好ましく使用される。多孔質材料と
繊維材料とを併用して、吸着性領域あるいは吸着性基板
を形成することもできる。
【0071】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するための吸着性材料あるいは吸着性
基板を形成するために使用される多孔質材料は、有機材
料、無機材料のいずれでもよく、有機/無機複合体でも
よい。
【0072】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するための吸着性材料あるいは吸着性
基板を形成するために使用される有機多孔質材料は、と
くに限定されるものではないが、活性炭などの炭素材料
あるいはメンブレンフィルタを形成可能な材料が、好ま
しく用いられる。具体的には、ナイロン6、ナイロン
6,6、ナイロン4,10などのナイロン類;ニトロセ
ルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどの
セルロース誘導体;コラーゲン;アルギン酸、アルギン
酸カルシウム、アルギン酸/ポリリシンポリイオンコン
プレックスなどのアルギン酸類;ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル;ポ
リ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラ
フルオライドなどのポリフルオライドや、これらの共重
合体または複合体が挙げられる。
【0073】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するための吸着性材料あるいは吸着性
基板を形成するために使用される無機多孔質材料は、と
くに限定されるものではないが、好ましくは、たとえ
ば、白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムなどの
金属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトなどの
金属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウムな
どの金属塩やこれらの複合体などが挙げられる。
【0074】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域を形成するための吸着性材料あるいは吸着性
基板を形成するために使用される繊維材料は、とくに限
定されるものではないが、好ましくは、たとえば、ナイ
ロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイ
ロン類、ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸
セルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0075】本発明において、生化学解析用ユニットの
吸着性領域は、電解処理、プラズマ処理、アーク放電な
どの酸化処理;シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤などを用いたプライマー処理;界面活性剤処理な
どの表面処理によって形成することもできる。
【0076】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートの前記支持体に形成された前記輝
尽性蛍光体層が、約10ないし約50μmの厚さを有し
ている。
【0077】本発明の好ましい実施態様によれば、蓄積
性蛍光体シートの支持体に、輝尽性蛍光体層が、約10
ないし約50μmの厚さに生成されているから、励起光
あるは輝尽光の輝尽性蛍光体層内における散乱を抑制す
ることが可能になる。
【0078】本発明の前記目的はまた、光エネルギーを
減衰させる性質を有し、剛性を有する材料によって形成
され、生化学解析用ユニットに、互いに離間して形成さ
れた特異的結合物質を含む複数の吸着性領域と同一のパ
ターンで、複数の貫通孔が形成されたことを特徴とする
遮光板によって達成される。
【0079】本発明によれば、遮光板は、光エネルギー
を減衰させる性質を有し、剛性を有する材料によって形
成され、生化学解析用ユニットに、互いに離間して形成
された特異的結合物質を含む複数の吸着性領域と同一の
パターンで、複数の貫通孔が形成されているから、輝尽
性蛍光体層の複数のスポット状領域が、それぞれ、遮光
板に形成された貫通孔内に位置するように、輝尽性蛍光
体層内に圧入し、輝尽性蛍光体層に、遮光板が圧入され
た蓄積性蛍光体シートをサンプルステージに載置し、遮
光板の側から、輝尽性蛍光体層に形成された複数のスポ
ット状領域に、遮光板の複数の貫通孔を介して、励起光
を、順次、照射して、複数のスポット状領域に含まれた
輝尽性蛍光体を励起し、複数のスポット状領域から放出
された輝尽光を、順次、光電的に検出して、生化学解析
用データを生成することによって、輝尽性蛍光体層に形
成された各スポット状領域に入射した励起光が散乱し
て、隣り合ったスポット状領域内に入射し、隣り合った
スポット状領域に含まれた輝尽性蛍光体を励起して、輝
尽光を放出させることを効果的に防止することが可能に
なり、したがって、高い分解能で、定量性に優れた生化
学解析用データを生成することが可能になる。
【0080】本発明の好ましい実施態様においては、前
記遮光板の一方の表面の前記複数の貫通孔の周囲に、そ
れぞれ、圧入部が形成されている。
【0081】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記圧入部の先端部が、楔状断面を有している。
【0082】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、遮光板の一方の表面の複数の貫通孔の周囲に形成さ
れた圧入部の先端部が、楔状断面を有しているから、簡
易な手段を用いて、容易に、遮光板を蓄積性蛍光体シー
トの輝尽性蛍光体層内に圧入することが可能になる。
【0083】本発明において、遮光板を形成するための
材料は、光エネルギーを減衰させる性質を有し、剛性を
有していれば、とくに限定されるものではなく、無機化
合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用することが
でき、金属材料、セラミック材料、金属酸化物粒子やガ
ラス繊維などが充填されたプラスチック材料が、とくに
好ましく使用される。
【0084】本発明において、遮光板を形成するために
好ましく使用可能な無機化合物材料としては、たとえ
ば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタ
ル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレン
などの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリ
コン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ
素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;
タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機
塩を挙げることができる。これらは、単結晶、アモルフ
ァス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造
を有していてもよい。
【0085】本発明において、遮光板を形成するために
好ましく使用可能な有機化合物材料としては、高分子化
合物が好ましく用いられ、好ましい高分子化合物として
は、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポ
リオレフィン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアク
リレート/メチルメタクリレート共重合体などのアクリ
ル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ
塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフ
ルオロエチレン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポ
リカーボネート;ポリエチレンナフタレートやポリエチ
レンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、
ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポ
リイミド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイ
ド;ポリジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボ
ラックなどのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレ
タン;ポリスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;
セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん
粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;
ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよ
びこれら高分子化合物の共重合体などを挙げることがで
きる。これらは、複合材料でもよい。
【0086】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体に形成された輝尽性蛍光体層に含まれる輝尽性蛍光
体としては、放射線のエネルギーを蓄積可能で、電磁波
によって励起され、蓄積している放射線のエネルギーを
光の形で放出可能なものであればよく、とくに限定され
るものではないが、可視光波長域の光により励起可能で
あるものが好ましい。具体的には、たとえば、米国特許
第4,239,968号に開示されたアルカリ土類金属
弗化ハロゲン化物系蛍光体(Ba1−xM2+x)F
X:yA(ここに、M2+はMg、Ca、Sr、Znお
よびCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアル
カリ土類金属元素、XはCl、BrおよびIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、AはEu、T
b、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Ybおよび
Erからなる群より選ばれる少なくとも一種の3価金属
元素、xは0≦x≦0.6、yは0≦y≦0.2であ
る。)、特開平2−276997号公報に開示されたア
ルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体SrFX:Z
(ここに、XはCl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲン、ZはEuまたはCeで
ある。)、特開昭59−56479号公報に開示された
ユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体BaFX・x
NaX’:aEu2+(ここに、XおよびX’はいずれ
も、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであり、xは0<x≦2、aは0<
a≦0.2である。)、特開昭58−69281号公報
に開示されたセリウム付活三価金属オキシハロゲン物系
蛍光体であるMOX:xCe(ここに、MはPr、N
d、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、YbおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも
一種の三価金属元素、XはBrおよびIのうちの一方あ
るいは双方、xは、0<x<0.1である。)、米国特
許第4,539,137号に開示されたセリウム付活希
土類オキシハロゲン物系蛍光体であるLnOX:xCe
(ここに、LnはY、La、GdおよびLuからなる群
より選ばれる少なくとも一種の希土類元素、XはCl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種の
ハロゲン、xは、0<x≦0.1である。)および米国
特許第4,962,047号に開示されたユーロピウム
付活複合ハロゲン物系蛍光体MIIFX・aMX’・b
M’II''2・cMIII'''3 ・xA:yEu
2+(ここに、MIIはBa、SrおよびCaからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、
はLi、Na、K、RbおよびCsからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属元素、M' II
はBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一
種の二価金属元素、MIIIはAl、Ga、InおよびT
lからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元
素、Aは少なくとも一種の金属酸化物、XはCl、Br
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲン、X’、X''およびX''' はF、Cl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
あり、aは、0≦a≦2、bは、0≦b≦10−2、c
は、0≦c≦10−2で、かつ、a+b+c≧10−2
であり、xは、0<x≦0.5で、yは、0<y≦0.
2である。)が、好ましく使用し得る。
【0087】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0088】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用データの生成方法に用いられる生化学解
析用ユニットの略斜視図である。
【0089】図1に示されるように、本実施態様にかか
る生化学解析用ユニット1は、アルミニウムによって形
成され、多数の略円形状の貫通孔3が高密度に形成され
た基板2を備えており、多数の貫通孔3の内部には、ナ
イロン6が充填されて、多数のドット状の吸着性領域4
が形成されている。
【0090】図1には正確に示されていないが、本実施
態様においては、約0.01平方ミリメートルのサイズ
を有する略円形の貫通孔3が、120列×160行のマ
トリックス状に、規則的に、基板2に形成されており、
したがって、合計19200の吸着性領域4が形成され
ている。吸着性領域4は、その表面が、基板2の表面と
同じ高さに位置するように、多数の貫通孔3内に、ナイ
ロン6が充填されて、形成されている。
【0091】図1に示されるように、生化学解析用ユニ
ット1の基板2には、2つの円形の位置合わせ用貫通孔
5が形成されている。
【0092】生化学解析にあたっては、生化学解析用ユ
ニット1に規則的に形成された多数の吸着性領域4内
に、たとえば、特異的結合物質として、塩基配列が既知
の互いに異なった複数のcDNAが、スポッティング装
置を使用して、滴下され、吸着性領域4内に吸着され
る。
【0093】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0094】図2に示されるように、スポッティング装
置は、特異的結合物質の溶液を、生化学解析用ユニット
1の表面に向けて噴射するインジェクタ6とCCDカメ
ラ7を備え、CCDカメラ7によって、インジェクタ6
の先端部と、特異的結合物質を滴下すべき生化学解析用
ユニット1の吸着性領域4を観察しながら、インジェク
タ6の先端部と、特異的結合物質を滴下すべき吸着性領
域4の中心とが合致したときに、インジェクタ6から、
塩基配列が既知の互いに異なった複数のcDNAなどの
特異的結合物質が滴下されるように構成され、生化学解
析用ユニット1の多数のドット状の吸着性領域4内に、
特異的結合物質を、正確に滴下することができるように
保証されている。
【0095】次いで、こうして、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に吸着され
たcDNAなどの特異的結合物質に、化学発光基質と接
触させることによって化学発光を生じさせる標識物質に
よって標識された生体由来の物質が、選択的に、ハイブ
リダイズされる。
【0096】図3は、ハイブリダイゼーション反応容器
の略縦断面図である。
【0097】図3に示されるように、ハイブリダイゼー
ション反応容器8は矩形状断面を有し、内部に、標識物
質によって標識されたプローブである生体由来の物質を
含むハイブリダイゼーション反応溶液9が収容されてい
る。
【0098】放射性標識物質によって、cDNAなどの
特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標
識物質によって標識されたプローブである生体由来の物
質を含むハイブリダイゼーション反応溶液9が調製さ
れ、ハイブリダイゼーション反応容器8内に収容され
る。
【0099】一方、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって、cDNA
などの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質によって標識されたプローブである生体由
来の物質を含むハイブリダイゼーション反応溶液9が調
製され、ハイブリダイゼーション反応容器8内に収容さ
れる。
【0100】さらに、蛍光色素などの蛍光物質によっ
て、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する
場合には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された
プローブである生体由来の物質を含むハイブリダイゼー
ション反応溶液9が調製され、ハイブリダイゼーション
反応容器8内に収容される。
【0101】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション反応溶液9を調製して、ハイ
ブリダイゼーション反応容器8内に収容させることもで
き、本実施態様においては、放射性標識物質によって標
識された生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質
によって標識された生体由来の物質を含むハイブリダイ
ゼーション反応溶液9が調製され、ハイブリダイゼーシ
ョン反応容器8内に収容されている。
【0102】ハイブリダイゼーションにあたって、cD
NAなどの特異的結合物質が、多数の吸着性領域4に吸
着されている生化学解析用ユニット1が、ハイブリダイ
ゼーション反応容器8内に挿入されて、ハイブリダイゼ
ーション反応容器8に振動が加えられる。
【0103】その結果、放射性標識物質によって標識さ
れた生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質によ
って標識された生体由来の物質が、対流や拡散によっ
て、多数の吸着性領域4に吸着されている特異的結合物
質に接触し、選択的に、ハイブリダイズされる。
【0104】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識さ
れた生体由来の物質が、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に吸着されている特異的結合物質に、選
択的に、ハイブリダイズされると、ハイブリダイゼーシ
ョン反応容器8から、ハイブリダイゼーション反応溶液
9が排出され、洗浄溶液が、ハイブリダイゼーション反
応容器8に供給されて、生化学解析用ユニット1が洗浄
される。
【0105】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1は、アルミニウム製の基板5に形成された多数の
貫通孔5a内に、ナイロン6によって形成された吸着性
膜2が圧入されて、形成されているので、ハイブリダイ
ゼーションや洗浄など、液体による処理を受けても、ほ
とんど伸縮することがない。
【0106】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に、標識物質である放射性標識物質の放
射線データおよび蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データ
が記録される。吸着性領域4に記録された蛍光データ
は、後述する生化学解析用データの生成装置によって読
み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0107】一方、放射性標識物質の放射線データは、
蓄積性蛍光体シートに転写され、蓄積性蛍光体シートに
転写された放射線データは、後述する生化学解析用デー
タの生成装置によって読み取られて、生化学解析用デー
タが生成される。
【0108】図4は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用データの生成方法に用いられる蓄積性蛍
光体シートの略斜視図である。
【0109】図4に示されるように、本実施態様にかか
る蓄積性蛍光体シート10は、ポリエチレンテレフタレ
ートによって形成された支持体11を備え、支持体11
の表面には、輝尽性蛍光体層12が、約30μmの厚さ
で、一様に形成されている。
【0110】図4に示されるように、蓄積性蛍光体シー
ト10の支持体11には、生化学解析用ユニット1の基
板2に形成された2つの位置合わせ用貫通孔5に対応す
る位置に、2つの位置合わせ用貫通孔13が形成されて
いる。
【0111】図5は、生化学解析用ユニット1に形成さ
れた多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シート10に形成された輝尽性蛍光
体層12に含まれている輝尽性蛍光体を露光する蓄積性
蛍光体シート10の露光装置の略斜視図である。
【0112】図5に示されるように、露光装置は、ケー
シング16と、蓋部材17を備え、ケーシング16内に
は、生化学解析用ユニット1および蓄積性蛍光体シート
10を載置する基板18が設けられている。
【0113】ケーシング16および蓋部材17は、金属
などの放射線を減衰させる材料によって形成されてお
り、基板18には、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された2つの位置合わせ用貫通孔5および蓄積性蛍
光体シート10の支持体11に形成された2つの位置合
わせ用貫通孔13に対応する位置に、2つの位置合わせ
用ピン19、19が立設されている。
【0114】ここに、2つの位置合わせ用ピン19、1
9は、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された2
つの位置合わせ用貫通孔5および蓄積性蛍光体シート1
0の支持体11に形成された2つの位置合わせ用貫通孔
13内に挿通されたとき、遊びがないように、生化学解
析用ユニット1の基板2に形成された2つの位置合わせ
用貫通孔5および蓄積性蛍光体シート10の支持体11
に形成された2つの位置合わせ用貫通孔13の内径より
もわずかに小さい径を有している。
【0115】蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形
成された輝尽性蛍光体層12を、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域4に選択的に含まれて
いる放射性標識物質により、露光するにあたっては、ま
ず、生化学解析用ユニット1が、2つの位置合わせ用貫
通孔5内に、露光装置の基板18に形成された2つの位
置合わせ用ピン19、19が挿通されるように、基板1
8上にセットされる。
【0116】次いで、蓄積性蛍光体シート10が、2つ
の位置合わせ用貫通孔13内に、露光装置の基板18に
形成された2つの位置合わせ用ピン19、19が挿通さ
れるように、基板18上にセットされた生化学解析用ユ
ニットの上にセットされる。
【0117】このように、生化学解析用ユニット1およ
び蓄積性蛍光体シート10は、露光装置の基板18に形
成された2つの位置合わせ用ピン19、19が、2つの
位置合わせ用貫通孔5および2つの位置合わせ用貫通孔
13内に挿通されるように、露光装置の基板18上にセ
ットされるから、生化学解析用ユニット1および蓄積性
蛍光体シート10を、つねに、一定の相対的位置関係に
なるように、位置合わせをして、重ね合わせ、蓄積性蛍
光体シート10の支持体11に形成された輝尽性蛍光体
層12を、生化学解析用ユニット1の基板2に形成され
た多数の吸着性領域4に選択的に含まれている放射性標
識物質によって、露光することができ、その結果、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性
領域4と同一のパターンで、放射性標識物質によって露
光され、放射線エネルギーを蓄積した多数のスポット状
領域を、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12
に形成することが可能になる。
【0118】図6は、生化学解析用ユニット1に形成さ
れた多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シート10に形成された輝尽性蛍光
体層12に含まれている輝尽性蛍光体を露光する方法を
示す略断面図である。
【0119】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1は、アルミニウム製の基板2に形成された多数の
貫通孔3内に、ナイロン6が充填されて、形成されてい
るので、ハイブリダイゼーションなど、液体による処理
を受けても、ほとんど伸縮することがなく、したがっ
て、生化学解析用ユニット1と蓄積性蛍光体シート10
を、露光装置の基板18に形成された2つの位置合わせ
用ピン19、19が、2つの位置合わせ用貫通孔5およ
び2つの位置合わせ用貫通孔13内に挿通されるよう
に、露光装置の基板18上にセットすることによって、
生化学解析用ユニット1および蓄積性蛍光体シート10
を、つねに、一定の相対的位置関係になるように、位置
合わせをして、重ね合わせ、蓄積性蛍光体シート10の
支持体11に形成された輝尽性蛍光体層12を、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領
域4に選択的に含まれている放射性標識物質によって、
露光することが可能になる。
【0120】こうして、所定の時間にわたって、蓄積性
蛍光体シート10の支持体11に形成された輝尽性蛍光
体層12の表面と、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された吸着性領域4の表面とを密着させることによ
って、吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成された
輝尽性蛍光体層12が露光される。
【0121】この際、放射性標識物質から電子線が発せ
られるが、基板2は放射線を減衰させる性質を有するア
ルミニウムによって形成されているため、吸着性領域4
に含まれている放射性標識物質から発せられた電子線
が、基板2内で散乱することを効果的に防止することが
でき、したがって、各吸着性領域4に含まれている放射
性標識物質によって、対向する蓄積性蛍光体シート10
の輝尽性蛍光体層12の領域を選択的に露光することが
可能になる。
【0122】こうして、蓄積性蛍光体シート10の支持
体11に形成された輝尽性蛍光体層12に、放射性標識
物質によって露光され、放射線エネルギーを蓄積した多
数のスポット状領域が、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された多数の吸着性領域4と同一のパターン
で、互いに離間して、形成され、多数のスポット状領域
に放射性標識物質の放射線データが記録される。
【0123】図7は、こうして、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に含まれて
いる放射性標識物質によって、輝尽性蛍光体層12が露
光された蓄積性蛍光体シート10の略斜視図である。
【0124】図7に示されるように、生化学解析用ユニ
ット1の放射性標識物質を含んだ多数の吸着性領域4に
対応する蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12
の位置に、多数の放射線エネルギーを蓄積したスポット
状領域15が、生化学解析用ユニット1の放射性標識物
質を含んだ多数の吸着性領域4と同一のパターンで、互
いに離間して、形成されている。
【0125】したがって、図7には正確に示されていな
いが、生化学解析用ユニット1の基板2に形成されたす
べての吸着性領域4に放射性標識物質が含まれている場
合には、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12
には、19200の約0.01平方ミリメートルのサイ
ズを有する略円形のスポット状領域15が、約5000
個/平方センチメートルの密度で、生化学解析用ユニッ
ト1の多数の吸着性領域4と同じ規則的なパターンにし
たがって、マトリックス状に形成される。
【0126】図8は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用データの生成方法に用いられるスキャナ
の略斜視図であり、図9は、フォトマルチプライア近傍
のスキャナの詳細を示す略斜視図である。
【0127】本実施態様にかかるスキャナは、蓄積性蛍
光体シート10の支持体11に形成された輝尽性蛍光体
層12に記録されている放射線データおよび生化学解析
用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4
に記録されている蛍光色素などの蛍光データを読み取っ
て、生化学解析用データを可能に構成されている。
【0128】図8に示されるように、本実施態様にかか
るスキャナは、640nmの波長のレーザ光24を発す
る第1のレーザ励起光源21と、532nmの波長のレ
ーザ光24を発する第2のレーザ励起光源22と、47
3nmの波長のレーザ光24を発する第3のレーザ励起
光源23とを備えている。
【0129】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源21は、半導体レーザ光源により構成され、第2の
レーザ励起光源22および第3のレーザ励起光源23
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素
子によって構成されている。
【0130】第1のレーザ励起光源21により発生され
たレーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平
行な光とされた後、ミラー26によって反射される。第
1のレーザ励起光源21から発せられ、ミラー26によ
って反射されたレーザ光24の光路には、640nmの
レーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する
第1のダイクロイックミラー27および532nm以上
の波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する
第2のダイクロイックミラー28が設けられており、第
1のレーザ励起光源21により発生されたレーザ光24
は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダイ
クロイックミラー28を透過して、ミラー29に入射す
る。
【0131】他方、第2のレーザ励起光源22より発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ30により、
平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に
よって反射されて、その向きが90度変えられて、第2
のダイクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入
射する。
【0132】また、第3のレーザ励起光源23から発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ31によっ
て、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー2
8により反射されて、その向きが90度変えられた後、
ミラー29に入射する。
【0133】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射され、さらに、ミラー32に入射
して、反射される。
【0134】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4の光路には、中央部に穴33が形成された凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34が配置されてお
り、ミラー32によって反射されたレーザ光24は、穴
開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラー38に
入射する。
【0135】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0136】光学ヘッド35は、ミラー36と、非球面
レンズ37を備えており、光学ヘッド35に入射したレ
ーザ光24は、ミラー36によって反射されて、非球面
レンズ37によって、ステージ40のガラス板41上に
載置された蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層1
2に形成されたスポット状領域15あるいは生化学解析
用ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4に入射
する。
【0137】レーザ光24が、蓄積性蛍光体シート10
の輝尽性蛍光体層12に形成されたスポット状領域15
に入射すると、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体
層12に形成されたスポット状領域に含まれている輝尽
性蛍光体が励起されて、輝尽光45が放出され、また、
生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着性領
域4に、レーザ光24が入射すると、吸着性領域4に含
まれている蛍光色素などの蛍光物質が励起されて、蛍光
45が放出される。
【0138】蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層
12に形成されたスポット状領域15から放出された輝
尽光45あるいは生化学解析用ユニット1の基板2に形
成された吸着性領域4から放出された蛍光45は、光学
ヘッド35に設けられた非球面レンズ37によって、ミ
ラー36に集光され、ミラー36により、レーザ光24
の光路と同じ側に反射され、平行な光とされて、凹面ミ
ラー38に入射する。
【0139】凹面ミラー38に入射した輝尽光45ある
いは蛍光45は、凹面ミラー38によって反射されて、
穴開きミラー34に入射する。
【0140】穴開きミラー34に入射した輝尽光45あ
るいは蛍光45は、図9に示されるように、凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34によって、下方に
反射されて、フィルタユニット48に入射し、所定の波
長の光がカットされて、フォトマルチプライア50に入
射し、光電的に検出される。
【0141】図9に示されるように、フィルタユニット
48は、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、
51dを備えており、フィルタユニット48は、モータ
(図示せず)によって、図8において、左右方向に移動
可能に構成されている。
【0142】図10は、図9のA−A線に沿った略断面
図である。
【0143】図10に示されるように、フィルタ部材5
1aはフィルタ52aを備え、フィルタ52aは、第1
のレーザ励起光源21を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光
物質を励起し、蛍光45を読み取るときに使用されるフ
ィルタ部材であり、640nmの波長の光をカットし、
640nmよりも波長の長い光を透過する性質を有して
いる。
【0144】図11は、図9のB−B線に沿った略断面
図である。
【0145】図11に示されるように、フィルタ部材5
1bはフィルタ52bを備え、フィルタ52bは、第2
のレーザ励起光源22を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光
物質を励起して、蛍光45を読み取るときに使用される
フィルタ部材であり、532nmの波長の光をカット
し、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有
している。
【0146】図12は、図9のC−C線に沿った略断面
図である。
【0147】図12に示されるように、フィルタ部材5
1cはフィルタ52cを備え、フィルタ52cは、第3
のレーザ励起光源23を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光
物質を励起して、蛍光45を読み取るときに使用される
フィルタ部材であり、473nmの波長の光をカット
し、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を有
している。
【0148】図13は、図9のD−D線に沿った略断面
図である。
【0149】図13に示されるように、フィルタ部材5
1dはフィルタ52dを備え、フィルタ52dは、第1
のレーザ励起光源21を用いて、蓄積性蛍光体シート1
0の支持体11に形成された輝尽性蛍光体層12に含ま
れている輝尽性蛍光体を励起して、輝尽性蛍光体層12
から発せられた輝尽光45を読み取るときに使用される
フィルタであり、輝尽性蛍光体層12から放出される輝
尽光45の波長域の光のみを透過し、640nmの波長
の光をカットする性質を有している。
【0150】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタ部材51a、51b、51c、51d
を選択的にフォトマルチプライア50の前面に位置させ
ることによって、フォトマルチプライア50は、検出す
べき光のみを光電的に検出することができる。
【0151】フォトマルチプライア50によって、輝尽
光45が光電的に検出されて、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器53に出力されて、ディジタル化さ
れ、データ処理装置54に出力される。
【0152】図14は、光学ヘッド35の走査機構の略
平面図である。
【0153】図14においては、簡易化のため、光学ヘ
ッド35を除く光学系ならびにレーザ光24および蛍光
45あるいは輝尽光45の光路は省略されている。
【0154】図14に示されるように、光学ヘッド35
を走査する走査機構は、基板60を備え、基板60上に
は、副走査パルスモータ61と一対のレール62、62
とが固定され、基板60上には、さらに、図14におい
て、矢印Yで示された副走査方向に、移動可能な基板6
3とが設けられている。
【0155】移動可能な基板63には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ61によって回転されるねじが切られた
ロッド64が係合している。
【0156】移動可能な基板63上には、主走査ステッ
ピングモータ65が設けられ、主走査ステッピングモー
タ65は、エンドレスベルト66を、生化学解析用ユニ
ット1の基板2に形成された隣り合う吸着性領域4の間
の距離に等しいピッチで、間欠的に駆動可能に構成され
ている。
【0157】光学ヘッド35は、エンドレスベルト66
に固定されており、主走査ステッピングモータ65によ
って、エンドレスベルト66が駆動されると、図14に
おいて、矢印Xで示された主走査方向に移動されるよう
に構成されている。
【0158】図14において、67は、光学ヘッド35
の主走査方向における位置を検出するリニアエンコーダ
であり、68は、リニアエンコーダ67のスリットであ
る。
【0159】したがって、主走査ステッピングモータ6
5によって、エンドレスベルト66が、主走査方向に間
欠的に駆動され、1ラインの走査が完了すると、副走査
パルスモータ61によって、基板63が、副走査方向に
間欠的に移動されることによって、光学ヘッド35は、
図14において、矢印Xで示される主走査方向および矢
印Yで示される副走査方向に移動され、レーザ光24に
よって、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12
に、互いに離間して、形成され、放射線エネルギーを蓄
積しているすべてのスポット状領域あるいは生化学解析
用ユニット1の基板2に形成されたすべての吸着性領域
4が走査される。
【0160】図15は、本発明の好ましい実施態様にか
かる生化学解析用データの生成方法に用いられるスキャ
ナの制御系、入力系、駆動系および検出系を示すブロッ
クダイアグラムである。
【0161】図15に示されるように、本実施態様にか
かるスキャナの制御系は、スキャナ全体の動作を制御す
るコントロールユニット70を備えており、スキャナの
入力系は、ユーザーによって操作され、種々の指示信号
を入力可能なキーボード71を備えている。
【0162】図15に示されるように、スキャナの駆動
系は、光学ヘッド35を主走査方向に間欠的に移動させ
る主走査ステッピングモータ65と、光学ヘッド35を
副走査方向に間欠的に移動させる副走査パルスモータ6
1と、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、5
1dを備えたフィルタユニット48を移動させるフィル
タユニットモータ72を備えている。
【0163】コントロールユニット70は、第1のレー
ザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3
のレーザ励起光源23に選択的に駆動信号を出力すると
ともに、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力
可能に構成されている。
【0164】また、図15に示されるように、スキャナ
の検出系は、フォトマルチプライア50と、光学ヘッド
35の主走査方向における位置を検出するリニアエンコ
ーダ67を備えている。
【0165】本実施態様においては、コントロールユニ
ット70は、リニアエンコーダ67から入力される光学
ヘッド35の位置検出信号にしたがって、第1のレーザ
励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3の
レーザ励起光源23をオン・オフ制御するように構成さ
れている。
【0166】以上のように構成された本実施態様にかか
るスキャナは、以下のようにして、蓄積性蛍光体シート
10の輝尽性蛍光体層12に、互いに離間して、形成さ
れた多数のスポット状領域15に記録された放射線デー
タを読み取って、生化学解析用データを生成する。
【0167】まず、蓄積性蛍光体シート10の支持体1
1に形成された輝尽性蛍光体層12に、多数の貫通孔が
形成された遮光板が圧入される。
【0168】図16は、本発明の好ましい実施態様にか
かる遮光板の略斜視図であり、図17は、図16のE−
E線に沿った略断面図である。
【0169】図16および図17に示されるように、本
実施態様にかかる遮光板75は、多数の貫通孔76が形
成されたニッケル製の基板77によって構成されてお
り、多数の貫通孔76は、生化学解析用ユニット1の基
板2に形成された多数の吸着性領域4と同じパターン
で、ニッケル製の基板77に形成されている。
【0170】したがって、図16には正確に示されてい
ないが、19200の約0.01平方ミリメートルのサ
イズを有する略円形の貫通孔76が、120列×160
行のマトリックス状に、規則的に、ニッケル製の基板7
7に形成されている。
【0171】図16および図17に示されるように、隣
り合う貫通孔76の間、すなわち、各貫通孔の周囲のニ
ッケル製の基板77の一方の表面には、圧入部78が形
成され、圧入部78は、全体として、楔状の断面形状を
有するように、遮光板75の基板77の一方の表面加工
されている。本実施態様においては、圧入部78の長さ
が、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12の厚
さとほぼ等しくなるように、遮光板75の基板77の一
方の表面が加工されている。
【0172】遮光板75は、蓄積性蛍光体シート10に
支持体11に形成された輝尽性蛍光体層12に、プレス
装置(図示せず)を用いて、全体として、楔状の断面を
有する圧入部78が、蓄積性蛍光体シート10の支持体
11表面に当接するまで、圧入される。
【0173】図18は、蓄積性蛍光体シート10の支持
体11に形成された輝尽性蛍光体層12に、遮光板75
が圧入された状態を示す略斜視図であり、図19は、そ
のF−F線に沿った略断面図である。
【0174】図18および図19に示されるように、本
実施態様においては、多数の放射線エネルギーを蓄積し
たスポット状領域12が、蓄積性蛍光体シート10の輝
尽性蛍光体層12に、生化学解析用ユニット1の放射性
標識物質を含む多数の吸着性領域4と同一のパターンで
形成されるとともに、遮光板75のニッケル製の基板7
7には、多数の貫通孔76が、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された多数の吸着性領域4と同一のパタ
ーンで形成されているから、蓄積性蛍光体シート10の
輝尽性蛍光体層12に形成された多数のスポット状領域
15が、それぞれ、遮光板75のニッケル製の基板77
に形成された貫通孔76内に位置するように、遮光板7
5が、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に
圧入されている。
【0175】また、図19に示されるように、遮光板7
5は、蓄積性蛍光体シート10に支持体11に形成され
た輝尽性蛍光体層12に、全体として、楔状の断面を有
する圧入部78が、蓄積性蛍光体シート10の支持体1
1表面に当接するように、圧入されており、したがっ
て、隣り合ったスポット状領域15は、遮光板75のニ
ッケル製の基板76に形成された楔状の断面を有する圧
入部78によって分離されている。
【0176】蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層
12に、互いに離間して、形成された多数のスポット状
領域15に記録された放射線データを読み取って、生化
学解析用データを生成するにあたっては、こうして、遮
光板75が圧入された蓄積性蛍光体シート10が、ステ
ージ40のガラス板41上に、遮光板75がガラス板4
1に接するように、載置される。
【0177】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に
形成された多数のスポット状領域15を、レーザ光24
によって走査する旨の指示信号が入力される。
【0178】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニット4
8を移動させ、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光45
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有するフィルタ52dを備えたフィルタ
部材51dを、輝尽光45の光路内に位置させる。
【0179】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
67から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基
づいて、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12
に形成された多数のスポット状領域15のうち、第1の
スポット状領域15に、レーザ光24を照射可能な位置
に、光学ヘッド35が移動したことが確認されると、主
走査ステッピングモータ65に停止信号を出力するとと
もに、第1のレーザ励起光源21に、駆動信号を出力し
て、第1のレーザ励起光源21を起動させ、640nm
の波長のレーザ光24を発せさせる。
【0180】第1のレーザ励起光源21から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平行
な光とされた後、ミラー26に入射して、反射される。
【0181】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0182】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0183】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0184】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0185】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄積
性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成された
第1のスポット状領域15に集光され、第1のスポット
状領域15に入射する。
【0186】本実施態様においては、蓄積性蛍光体シー
ト10の輝尽性蛍光体層12に形成された第1のスポッ
ト状領域15は、遮光板75の光エネルギーを減衰させ
る性質を有するニッケル製の基板76に形成された楔状
の断面を有する圧入部78によって、隣り合ったスポッ
ト状領域15と分離されているから、第1のスポット状
領域15に入射したレーザ光24が、輝尽性蛍光体層1
2内で散乱して、隣り合ったスポット状領域15に含ま
れている輝尽性蛍光体を励起することを効果的に防止す
ることが可能になる。
【0187】レーザ光24が、蓄積性蛍光体シート10
の輝尽性蛍光体層12に形成された第1のスポット状領
域15に入射すると、第1のスポット状領域15含まれ
ている輝尽性蛍光体が、レーザ光24によって励起され
て、輝尽性蛍光体層12の第1のスポット状領域15か
ら輝尽光45が放出される。
【0188】蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層
12に形成された第1のスポット状領域15から放出さ
れた輝尽光45は、光学ヘッド35に設けられた非球面
レンズ37によって集光され、ミラー36により、レー
ザ光24の光路と同じ側に反射され、平行な光とされ
て、凹面ミラー38に入射する。
【0189】凹面ミラー38に入射した輝尽光45は、
凹面ミラー38によって反射されて、穴開きミラー34
に入射する。
【0190】穴開きミラー34に入射した輝尽光45
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34に
よって、図8に示されるように、下方に反射され、フィ
ルタユニット48のフィルタ52dに入射する。
【0191】フィルタ52dは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光45の波長域の光のみを透過し、640n
mの波長の光をカットする性質を有しているので、励起
光である640nmの波長の光がカットされ、第1のス
ポット状領域15から放出された輝尽光45の波長域の
光のみがフィルタ52dを透過して、フォトマルチプラ
イア50によって、光電的に検出される。
【0192】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタル化され、データ処理装置
54に出力される。
【0193】第1のレーザ励起光源21がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第1のレーザ励起光源21に
駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、蓄積
性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成された
隣り合うスポット状領域15の間の距離に等しいピッチ
だけ、移動させる。
【0194】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、隣り合うスポット状領域15の間の距離に等しい1
ピッチだけ移動されて、第1のレーザ励起光源21から
発せられるレーザ光24を、蓄積性蛍光体シート10の
輝尽性蛍光体層12に形成された第2のスポット状領域
15に照射可能な位置に移動したことが確認されると、
コントロールユニット70は、第1のレーザ励起光源2
1に駆動信号を出力して、第1のレーザ励起光源21を
オンさせて、レーザ光24によって、蓄積性蛍光体シー
ト10の輝尽性蛍光体層12に形成された第2のスポッ
ト状領域15に含まれている輝尽性蛍光体を励起する。
【0195】同様にして、所定の時間にわたり、第1の
レーザ励起光源21から発せられたレーザ光24が、蓄
積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成され
た第2のスポット状領域15に照射され、第2のスポッ
ト状領域15に含まれている輝尽性蛍光体が励起され
て、第2のスポット状領域15から放出された輝尽光4
5が、フォトマルチプライア50によって、光電的に検
出されて、アナログデータが生成され、A/D変換器5
3によって、ディジタル化されて、第2のスポット状領
域15に記録された放射線データから、生化学解析用デ
ータが生成されると、コントロールユニット70は、第
1のレーザ励起光源21にオフ信号を出力して、第1の
レーザ励起光源21をオフさせるとともに、主走査ステ
ッピングモータ65に、駆動信号を出力して、光学ヘッ
ド35を、隣り合うスポット状領域15の間の距離に等
しい1ピッチだけ、移動させる。
【0196】こうして、光学ヘッド35の間欠的な移動
に同期して、第1のレーザ励起光源21のオン・オフが
繰り返され、リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35
が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、蓄積性蛍
光体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成された第1
ライン目のスポット状領域15のレーザ光24による走
査が完了したことが確認されると、コントロールユニッ
ト70は、主走査ステッピングモータ65に駆動信号を
出力して、光学ヘッド35を元の位置に復帰させるとと
もに、副走査パルスモータ61に駆動信号を出力して、
移動可能な基板63を、副走査方向に、1ライン分だ
け、移動させる。
【0197】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、蓄積性蛍光体
シート10の輝尽性蛍光体層12に形成された第1ライ
ン目のスポット状領域15に、順次、第1のレーザ励起
光源21から発せられるレーザ光24を照射したのと全
く同様にして、輝尽性蛍光体層12に形成された第2ラ
イン目のスポット状領域15に、順次、第1のレーザ励
起光源21から発せられるレーザ光24を照射して、第
2ライン目のスポット状領域15に含まれている輝尽性
蛍光体を励起し、スポット状領域15から発せられた輝
尽光45を、順次、フォトマルチプライア50に、光電
的に検出させる。
【0198】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53に出力され、ディジタル化されて、各ドット状
の輝尽性蛍光体層領域12に記録された放射線データか
ら、生化学解析用データが生成される。
【0199】こうして、蓄積性蛍光体シート10の輝尽
性蛍光体層12に形成されたすべてのスポット状領域1
5が、第1のレーザ励起光源21から放出されたレーザ
光24によって走査され、すべてのスポット状領域15
に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、放出された
輝尽光45が、フォトマルチプライア50によって光電
的に検出され、生成されたアナログデータが、A/D変
換器53によって、ディジタル化され、蓄積性蛍光体シ
ート10の輝尽性蛍光体層12に形成された各スポット
状領域15に記録された放射線データから、生化学解析
用データが生成されると、コントロールユニット70か
ら、駆動停止信号が、第1のレーザ励起光源21に出力
され、第1のレーザ励起光源21の駆動が停止される。
【0200】以上のようにして、蓄積性蛍光体シート1
0の輝尽性蛍光体層12に形成された多数のスポット状
領域15に記録された放射線データが読み取られ、生化
学解析用ディジタルデータが生成される。
【0201】一方、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域4に記録された蛍光物質の蛍光デー
タを読み取って、生化学解析用ディジタルデータを生成
するときは、まず、ユーザーによって、生化学解析用ユ
ニット1が、ステージ40のガラス板41上にセットさ
れる。
【0202】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、標識物質である蛍光物質の種類を特定する蛍光物
質特定信号および蛍光データを読み取るべき旨の指示信
号が入力される。
【0203】キーボード71に入力された蛍光物質特定
信号および指示信号は、コントロールユニット70に入
力され、コントロールユニット70は、蛍光物質特定信
号および指示信号を受けると、メモリ(図示せず)に記
憶されているテーブルにしたがって、使用すべきレーザ
励起光源を決定するとともに、フィルタ52a、52
b、52cのいずれを蛍光45の光路内に位置させるか
を決定する。
【0204】たとえば、生体由来の物質を標識する蛍光
物質として、532nmの波長のレーザによって、最も
効率的に励起することのできるローダミン(登録商標)
が使用され、その旨が、キーボード71に入力されたと
きは、コントロールユニット70は、第2のレーザ励起
光源22を選択するとともに、フィルタ52bを選択
し、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力し
て、フィルタユニット48を移動させ、532nmの波
長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有するフィルタ52bを備えたフィルタ部
材51bを、生化学解析用ユニット1から放出されるべ
き蛍光45の光路内に位置させる。
【0205】さらに、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学
ヘッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ
から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基づい
て、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性
領域4のうち、第1の吸着性領域4に、レーザ光24を
照射可能な位置に、光学ヘッド35が達したことが確認
されると、主走査ステッピングモータ65に停止信号を
出力するとともに、第2のレーザ励起光源22に駆動信
号を出力して、第2のレーザ励起光源22を起動させ、
532nmの波長のレーザ光24を発せさせる。
【0206】第2のレーザ励起光源22から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ30によって、平行
な光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に入
射して、反射される。
【0207】第1のダイクロイックミラー27によって
反射されたレーザ光24は、第2のダイクロイックミラ
ー28を透過し、ミラー29に入射する。
【0208】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0209】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0210】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0211】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー26によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40のガラス板41上に載置された生
化学解析用ユニット1に集光され、第1の吸着性領域4
に入射する。
【0212】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1の多数の吸着性領域4は、光エネルギーを減衰さ
せる性質を有するアルミニウムによって形成された基板
2に、互いに離間して、形成されているから、第1の吸
着性領域4内に入射したレーザ光24が、第1の吸着性
領域4内で散乱して、隣り合った吸着性領域4に含まれ
ている蛍光物質を励起することを効果的に防止すること
が可能になる。
【0213】レーザ光24が、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された第1の吸着性領域4に入射する
と、生化学解析用ユニット1の第1の吸着性領域4に含
まれた蛍光色素などの蛍光物質、たとえば、ローダミン
が、レーザ光24によって、励起されて、蛍光が発せら
れる。
【0214】ローダミンから放出された蛍光45は、光
学ヘッド35に設けられた非球面レンズ37によって集
光され、ミラー26によって、レーザ光24の光路と同
じ側に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に
入射する。
【0215】凹面ミラー38に入射した蛍光45は、凹
面ミラー38によって反射されて、穴開きミラー34に
入射する。
【0216】穴開きミラー34に入射した蛍光45は、
凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34によっ
て、図7に示されるように、下方に反射され、フィルタ
ユニット48のフィルタ52bに入射する。
【0217】フィルタ52bは、532nmの波長の光
をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有しているので、励起光である532nmの波長
の光がカットされ、ローダミンから放出された蛍光45
の波長域の光のみがフィルタ52bを透過して、フォト
マルチプライア50によって、光電的に検出される。
【0218】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換
器53に出力されて、ディジタル信号に変換され、デー
タ処理装置54に出力される。
【0219】第2のレーザ励起光源22がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット70は、第2のレーザ励起光源22に
駆動停止信号を出力して、第2のレーザ励起光源22の
駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された隣り合う吸着
性領域4の間の距離に等しいピッチだけ、移動させる。
【0220】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された隣り
合う吸着性領域4の間の距離に等しい1ピッチだけ移動
されて、第2のレーザ励起光源22から発せられるレー
ザ光24を、生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた第2の吸着性領域4に照射可能な位置に移動したこ
とが確認されると、コントロールユニット70は、第2
のレーザ励起光源22に駆動信号を出力して、第2のレ
ーザ励起光源22をオンさせて、レーザ光24によっ
て、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された第2
の吸着性領域4に含まれている蛍光物質、たとえば、ロ
ーダミンを励起する。
【0221】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光24が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成され
た第2の吸着性領域4に照射され、第2の吸着性領域4
から放出された蛍光45が、フォトマルチプライア50
によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成
されると、コントロールユニット70は、第2のレーザ
励起光源22にオフ信号を出力して、第2のレーザ励起
光源22をオフさせるとともに、主走査ステッピングモ
ータ65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、
生化学解析用ユニット1の基板2に形成された隣り合う
吸着性領域4の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動さ
せる。
【0222】こうして、光学ヘッド35の間欠的な移動
に同期して、第1のレーザ励起光源21のオン・オフが
繰り返され、リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づき、光学ヘッド35
が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、生化学解
析用ユニット1の基板2に形成された第1ライン目のす
べての吸着性領域4を、レーザ光24により、走査した
ことが確認されると、コントロールユニット70は、主
走査ステッピングモータ65に駆動信号を出力して、光
学ヘッド35を元の位置に復帰させるとともに、副走査
パルスモータ61に駆動信号を出力して、移動可能な基
板63を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させ
る。
【0223】リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が元の位置に復帰され、また、移動可能な基板63が、
副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認
されると、コントロールユニット70は、生化学解析用
ユニット1の基板2に形成された第1ライン目の吸着性
領域4に、順次、第2のレーザ励起光源22から発せら
れるレーザ光24を照射したのと全く同様にして、生化
学解析用ユニット1の基板2に形成された第2ライン目
の吸着性領域4に含まれているローダミンを励起し、第
2ライン目の吸着性領域4から放出された蛍光45を、
順次、フォトマルチプライア50によって、光電的に検
出させる。
【0224】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置54に送られる。
【0225】こうして、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成されたすべての吸着性領域4が、第2のレーザ
励起光源22から放出されたレーザ光24によって走査
され、生化学解析用ユニット1の基板2に形成されたす
べての吸着性領域4に含まれているローダミンが励起さ
れて、放出された蛍光45が、フォトマルチプライア5
0によって光電的に検出され、生成されたアナログデー
タが、A/D変換器53によって、ディジタルデータに
変換されて、データ処理装置54に送られると、コント
ロールユニット70から、駆動停止信号が、第2のレー
ザ励起光源22に出力され、第2のレーザ励起光源22
の駆動が停止される。
【0226】以上のようにして、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に記録され
た蛍光物質の蛍光データが読み取られ、生化学解析用デ
ィジタルデータが生成される。
【0227】本実施態様によれば、蓄積性蛍光体シート
10の輝尽性蛍光体層12に形成された多数のスポット
状領域15に記録されている放射線データを読み取っ
て、生化学解析用データを生成するにあたって、蓄積性
蛍光体シート10の支持体11に形成された輝尽性蛍光
体層12に、生化学解析用ユニット1の基板2に形成さ
れた多数の吸着性領域4と同一のパターンで、多数の貫
通孔76が形成され、光エネルギーを減衰させる性質を
有するニッケル製の基板77により構成された遮光板7
5が、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に
形成されたスポット状領域15が、それぞれ、遮光板7
5のニッケル製の基板77に形成された貫通孔76内に
位置するように、圧入され、蓄積性蛍光体シート10の
輝尽性蛍光体層12に形成されたスポット状領域15
を、遮光板75のニッケル製の基板77に形成された圧
入部78によって、隣り合ったスポット状領域15と分
離しているから、各スポット状領域15にレーザ光24
を照射して、各スポット状領域15に含まれている輝尽
性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光
45を光電的に検出して、生化学解析用データを生成す
る際に、各スポット状領域15に入射したレーザ光24
が、輝尽性蛍光体層12内で散乱して、隣り合ったスポ
ット状領域に入射し、隣り合ったスポット状領域15に
含まれている輝尽性蛍光体を励起することを効果的に防
止することが可能になり、したがって、レーザ光24
が、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12内で
散乱することに起因して、生化学解析用データ中に、ノ
イズが生成されることを効果的に防止して、高い分解能
で、定量性に優れた生化学解析用データを生成すること
が可能になる。
【0228】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の多数の吸着性領域4は、光エネルギーを
減衰させる性質を有するアルミニウムによって形成され
た基板2に、互いに離間して、形成されているから、生
化学解析用ユニット1の各吸着性領域4にレーザ光24
を照射して、各吸着性領域4に含まれている蛍光物質を
励起し、蛍光物質から放出された蛍光45を光電的に検
出して、生化学解析用データを生成する際に、各吸着性
領域4に入射したレーザ光24が散乱して、隣り合った
吸着性領域4に入射し、隣り合った吸着性領域4に含ま
れている蛍光物質を励起することを効果的に防止するこ
とができ、したがって、生化学解析用ユニット1内で、
レーザ光24が散乱することに起因して、生化学解析用
データ中に、ノイズが生成されることを効果的に防止し
て、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用データ
を生成することが可能になる。
【0229】また、本実施態様によれば、生化学解析用
ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に
含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シ
ート10の支持体11に形成された輝尽性蛍光体層12
に含まれている輝尽性蛍光体を露光する際、吸着性領域
4に含まれている放射性標識物質から発せられた電子線
が、基板2内で散乱することを効果的に防止することが
でき、したがって、各吸着性領域4に含まれている放射
性標識物質によって、対向する蓄積性蛍光体シート10
の輝尽性蛍光体層12の領域を選択的に露光することが
可能になる。
【0230】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の基板2に形成された2つの位置合わせ用
貫通孔5、5および蓄積性蛍光体シート10の支持体1
1に形成された2つの位置合わせ用貫通孔13、13
に、露光装置の基板18に形成された2つの位置合わせ
用ピン19、19が挿通されるように、生化学解析用ユ
ニット1と蓄積性蛍光体シート10とが重ね合わされ
て、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4に含まれている放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成された
輝尽性蛍光体層12に含まれている輝尽性蛍光体が露光
されるように構成されているから、生化学解析用ユニッ
ト1および蓄積性蛍光体シート10を、つねに、一定の
相対的位置関係になるように、位置合わせをして、蓄積
性蛍光体シート10の支持体11に形成された輝尽性蛍
光体層12を、生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された多数の吸着性領域4に選択的に含まれている放射
性標識物質によって、露光することが可能になり、した
がって、生化学解析用ユニット1の放射性標識物質を含
んだ多数の吸着性領域4と同一のパターンで、蓄積性蛍
光体シート10の輝尽性蛍光体層12に、放射線エネル
ギーを蓄積した多数のスポット状領域15を、互いに離
間して、形成することが可能になるから、生化学解析用
ユニット1の「基板2に形成された多数の吸着性領域4
のパターンにしたがって、図8において、矢印Xで示さ
れる主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に、
光学ヘッド45を間欠的に移動させることによって、蓄
積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成され
た各スポット状領域15のみを、レーザ光24によって
走査することができ、したがって、高い分解能で、定量
性に優れた生化学解析用データを生成することが可能に
なる。
【0231】図20は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかる生化学解析用データ生成方法に用いられるスキ
ャナのの略斜視図である。
【0232】本実施態様かかるスキャナは、蓄積性蛍光
体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成された多数の
スポット状領域15に記録されている放射線データを読
み取って、生化学解析用データを生成可能に構成される
とともに、生化学解析用ユニット1の基板2に形成され
た多数の吸着性領域4に記録されている蛍光データを読
み取って、生化学解析用データを生成可能に構成されて
いる。
【0233】図20に示されるように、本実施態様かか
るスキャナは、640nmの波長のレーザ光84を発す
る第1のレーザ励起光源81と、532nmの波長のレ
ーザ光84を発する第2のレーザ励起光源82と、47
3nmの波長のレーザ光84を発する第3のレーザ励起
光源83とを備えている。
【0234】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源81は、半導体レーザ光源により構成され、第2の
レーザ励起光源82および第3のレーザ励起光源83
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素
子によって構成されている。
【0235】第1のレーザ励起光源81により発生され
たレーザ光84は、コリメータレンズ85によって、平
行な光とされた後、ミラー86によって反射される。第
1のレーザ励起光源81から発せられ、ミラー86によ
って反射されたレーザ光84の光路には、640nmの
レーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する
第1のダイクロイックミラー87および532nm以上
の波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する
第2のダイクロイックミラー88が設けられており、第
1のレーザ励起光源81により発生されたレーザ光84
は、第1のダイクロイックミラー87および第2のダイ
クロイックミラー88を透過して、ミラー89に入射す
る。
【0236】他方、第2のレーザ励起光源82より発生
されたレーザ光84は、コリメータレンズ90により、
平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー87に
よって反射されて、その向きが90度変えられて、第2
のダイクロイックミラー88を透過し、ミラー89に入
射する。
【0237】また、第3のレーザ励起光源83から発生
されたレーザ光84は、コリメータレンズ91によっ
て、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー8
8により反射されて、その向きが90度変えられた後、
ミラー89に入射する。
【0238】ミラー89に入射したレーザ光84は、ミ
ラー89によって反射され、さらに、ミラー92に入射
して、反射される。
【0239】ミラー92によって反射されたレーザ光8
4の光路には、中央部に穴93が形成されたミラーより
なる穴開きミラー94が配置されており、ミラー92に
よって反射されたレーザ光84は、穴開きミラー94の
穴93を通過して、凸レンズ95に入射する。
【0240】凸レンズ95に入射したレーザ光84は、
光ファイバ束96の一端部に集光される。
【0241】光ファイバ束96の他端部は、蓄積性蛍光
体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成されたスポッ
ト状領域15から放出される輝尽光または生化学解析用
ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4から放出
される蛍光を受光する受光端部96aを構成しており、
光ファイバ束96は、受光端部96aが、サンプルステ
ージ100に載置された蓄積性蛍光体シート10あるい
は生化学解析用ユニット1に十分に近接した位置に位置
するように、受光端部96aに近傍で、後述する走査機
構のヘッド37に取り付けられている。
【0242】光ファイバ束96の受光端部96aの近傍
が取り付けられたヘッド37は、後述する走査機構によ
って、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に
形成された隣り合うスポット状領域15の間の距離およ
び生化学解析用ユニット1の基板2に形成された隣り合
う吸着性領域4の間の距離に等しいピッチで、主走査方
向に、間欠的に移動されるように構成されており、レー
ザ光84は、光ファイバ束96によって、蓄積性蛍光体
シート10の輝尽性蛍光体層12に形成された各スポッ
ト状領域15あるいは生化学解析用ユニット1の基板2
に形成された各吸着性領域4に導かれる。
【0243】蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層
12に形成された各スポット状領域15に、レーザ光8
4が入射すると、各スポット状領域15に含まれている
輝尽性蛍光体が励起されて、輝尽光が放出される。
【0244】一方、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された各吸着性領域4に、レーザ光84が入射する
と、各吸着性領域4に含まれている蛍光物質が励起され
て、蛍光が放出される。
【0245】蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層
12に形成された各スポット状領域15から放出された
輝尽光あるいは生化学解析用ユニット1の基板2に形成
された各吸着性領域4から放出された蛍光は、光ファイ
バ束96の他端部に入射し、光ファイバ束96によって
導かれて、凸レンズ95に入射し、凸レンズ95によっ
て、平行なビームとされて、穴開きミラー94に入射す
る。
【0246】平行なビームとされて、穴開きミラー94
に入射した輝尽光あるいは蛍光は、穴開きミラー94に
よって反射されて、フィルタユニット105に入射す
る。
【0247】フィルタユニット105を透過した輝尽光
あるいは蛍光は、フォトマルチプライア110によっ
て、光電的に検出される。
【0248】図21は、フィルタユニット105の略正
面図である。
【0249】図21に示されるように、フィルタユニッ
ト105は、モータ(図示せず)によって、回転可能な
円板106を備え、円板106には、4つの光透過特性
を異にするフィルタ107a、107b、107c、1
07dが、等しい角度を隔てて、形成されている。
【0250】フィルタ107aは、第1のレーザ励起光
源81を用いて、生化学解析用ユニット1の基板2に形
成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光物質を
励起して、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタ部
材であり、640nmの波長の光をカットし、640n
mよりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0251】フィルタ107bは、第2のレーザ励起光
源82を用いて、生化学解析用ユニット1の基板2に形
成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光物質を
励起して、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタ部
材であり、532nmの波長の光をカットし、532n
mよりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0252】フィルタ107cは、第3のレーザ励起光
源83を用いて、生化学解析用ユニット1の基板2に形
成された多数の吸着性領域4に含まれている蛍光物質を
励起して、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタ部
材であり、473nmの波長の光をカットし、473n
mよりも波長の長い光を透過する性質を有している。
【0253】フィルタ107dは、第1のレーザ励起光
源81を用いて、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光
体層12に形成された多数のスポット状領域15に含ま
れている輝尽性蛍光体を励起して、スポット状領域15
から発せられた輝尽光を読み取るときに使用されるフィ
ルタであり、スポット状領域15から放出される輝尽光
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有している。
【0254】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタユニット105を回転させ、フィルタ
部材107a、107b、107c、107dを選択的
にフォトマルチプライア110の前面に位置させること
によって、フォトマルチプライア110により、検出す
べき光のみを光電的に検出することができる。
【0255】フォトマルチプライア110によって、輝
尽光あるいは蛍光が光電的に検出されて、生成されたア
ナログデータは、A/D変換器113によって、ディジ
タルデータに変換され、データ処理装置114に送られ
る。
【0256】図22は、光ファイバ束96の走査機構の
略平面図である。
【0257】図22に示されるように、光ファイバ束9
6の走査機構は、基板120を備え、基板120上に
は、副走査パルスモータ121と一対のレール122、
122とが固定され、基板120上には、さらに、図2
2において、矢印Yで示された副走査方向に、移動可能
な基板123とが設けられている。
【0258】移動可能な基板123には、ねじが切られ
た穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副
走査パルスモータ121によって回転されるねじが切ら
れたロッド124が係合している。
【0259】移動可能な基板123上には、主走査ステ
ッピングモータ125が設けられ、主走査ステッピング
モータ125は、エンドレスベルト126を、蓄積性蛍
光体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成された隣り
合うスポット状領域15の間の距離および生化学解析用
ユニット1の基板2に形成された隣り合う吸着性領域4
の間の距離に等しいピッチで、間欠的に駆動可能に構成
されている。
【0260】光ファイバ束96は、蓄積性蛍光体シート
10あるいは生化学解析用ユニット1に対向する受光端
部96aの近傍で、エンドレスベルト126に固定され
たヘッド37に取り付けられており、主走査ステッピン
グモータ125によって、エンドレスベルト126が駆
動されると、図22において、矢印Xで示された主走査
方向に移動されるように構成されている。
【0261】図22において、127は、光ファイバ束
96の受光端部96aの主走査方向における位置を検出
するリニアエンコーダであり、128は、リニアエンコ
ーダ127のスリットである。
【0262】したがって、主走査ステッピングモータ1
25によって、エンドレスベルト126が、主走査方向
に間欠的に駆動され、1ラインの走査が完了すると、副
走査パルスモータ121によって、基板123が、副走
査方向に間欠的に移動されることによって、光ファイバ
束96の受光端部96aは、図8において、矢印Xで示
される主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に
移動され、レーザ光84によって、蓄積性蛍光体シート
10の輝尽性蛍光体層12に形成されたすべてのスポッ
ト状領域15あるいは生化学解析用ユニット1の基板2
に形成されたすべての吸着性領域4が走査される。
【0263】図23は、図20に示されたスキャナの制
御系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイ
アグラムである。
【0264】図23に示されるように、スキャナの制御
系は、スキャナ全体を制御するコントロールユニット1
30を備えており、また、スキャナの入力系は、ユーザ
ーによって操作され、種々の指示信号を入力可能なキー
ボード131を備えている。
【0265】図23に示されるように、スキャナの駆動
系は、光ファイバ束96の受光端部96aを主走査方向
に間欠的に移動させる主走査ステッピングモータ125
と、光ファイバ束96の受光端部96aを副走査方向に
間欠的に移動させる副走査パルスモータ121と、4つ
のフィルタ部材107a、107b、107c、107
dを備えたフィルタユニット105の円板106を回転
させるフィルタユニットモータ132を備えている。
【0266】コントロールユニット130は、第1のレ
ーザ励起光源81、第2のレーザ励起光源82または第
3のレーザ励起光源83に選択的に駆動信号を出力する
とともに、フィルタユニットモータ132に駆動信号を
出力可能に構成されている。
【0267】さらに、図23に示されるように、スキャ
ナの検出系は、フォトマルチプライア110と、光ファ
イバ束96の受光端部96aの主走査方向における位置
を検出するリニアエンコーダ127を備えている。
【0268】本実施態様においては、コントロールユニ
ット130は、リニアエンコーダ127から入力される
光ファイバ束96の受光端部96aの位置検出信号にし
たがって、第1のレーザ励起光源81、第2のレーザ励
起光源82または第3のレーザ励起光源83をオン・オ
フ制御可能に構成されている。
【0269】以上のように構成された本実施態様にかか
るスキャナは、以下のようにして、蓄積性蛍光体シート
10の輝尽性蛍光体層12に形成された多数のスポット
状領域15に記録されている放射線データを読み取っ
て、生化学解析用データを生成する。
【0270】まず、遮光板75が圧入された蓄積性蛍光
体シート10が、ステージ100のガラス板101上
に、遮光板75が、ガラス板101に接するように、載
置される。
【0271】次いで、ユーザーによって、キーボード1
31に、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のド
ット状の輝尽性蛍光体層領域12を、レーザ光84によ
って走査する旨の指示信号が入力される。
【0272】キーボード131に入力された指示信号
は、コントロールユニット130に入力され、コントロ
ールユニット130は、指示信号にしたがって、フィル
タユニットモータ132に駆動信号を出力し、フィルタ
ユニット105の円板106を回転させ、蓄積性蛍光体
シート10のスポット状領域15に含まれている輝尽性
蛍光体から放出される輝尽光の波長域の光のみを透過
し、640nmの波長の光をカットする性質を有するフ
ィルタ107dを、輝尽光の光路内に位置させる。
【0273】さらに、コントロールユニット130は、
主走査ステッピングモータ125に駆動信号を出力し、
光ファイバ束96の受光端部96aを主走査方向に移動
させ、リニアエンコーダから入力される光ファイバ束9
6の受光端部96aの位置検出信号に基づいて、蓄積性
蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成された多
数のスポット状領域15のうち、第1のスポット状領域
15に、レーザ光84を照射可能な位置に、光ファイバ
束96の受光端部96aが達したことが確認されると、
主走査ステッピングモータ125に停止信号を出力する
とともに、第1のレーザ励起光源81に駆動信号を出力
して、第1のレーザ励起光源81を起動させ、640n
mの波長のレーザ光84を発せさせる。
【0274】第1のレーザ励起光源81から発せられた
レーザ光84は、コリメータレンズ85によって、平行
な光とされた後、ミラー86に入射して、反射される。
【0275】ミラー86によって反射されたレーザ光8
4は、第1のダイクロイックミラー87および第2のダ
イクロイックミラー88を透過し、ミラー89に入射す
る。
【0276】ミラー89に入射したレーザ光84は、ミ
ラー89によって反射されて、さらに、ミラー92に入
射して、反射される。
【0277】ミラー92によって反射されたレーザ光8
4は、穴開きミラー94の穴93を通過して、凸レンズ
95に入射する。
【0278】凸レンズ95に入射したレーザ光84は、
光ファイバ束96の一端部に集光される。
【0279】レーザ光84は、光ファイバ束96内によ
ってガイドされ、ステージ100上に載置されている蓄
積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成され
た第1のスポット状領域15に入射する。
【0280】本実施態様においても、蓄積性蛍光体シー
ト10の輝尽性蛍光体層12に形成された第1のスポッ
ト状領域15は、遮光板75の光エネルギーを減衰させ
る性質を有するニッケル製の基板76に形成された楔状
の断面を有する圧入部78によって、隣り合ったスポッ
ト状領域15と分離されているから、第1のスポット状
領域15に入射したレーザ光84が、輝尽性蛍光体層1
2内で散乱して、隣り合ったスポット状領域15に含ま
れている輝尽性蛍光体を励起することを効果的に防止す
ることが可能になる。
【0281】レーザ光84が、蓄積性蛍光体シート10
の輝尽性蛍光体層12に形成された第1のスポット状領
域15に入射すると、第1のスポット状領域15に含ま
れている輝尽性蛍光体が励起され、輝尽光が放出され
る。
【0282】本実施態様においては、光ファイバ束96
は、その受光端部96aが、蓄積性蛍光体シート10に
十分に近接するように、ヘッド37に取り付けられてい
るから、レーザ光84は、光ファイバ束96によって、
確実に、蓄積性蛍光体シート10の第1のスポット状領
域15に導かれ、したがって、第1のスポット状領域1
5に隣り合うスポット状領域15に、レーザ光84が入
射して、輝尽性蛍光体を励起し、蓄積している放射線エ
ネルギーが、輝尽光の形で放出されることを、効果的に
防止することが可能になるとともに、第1のスポット状
領域15から放出された輝尽光のみを、効果的に、光フ
ァイバ束96の受光端部96aによって受光することが
可能になる。
【0283】蓄積性蛍光体シート10の第1のスポット
状領域15に含まれている輝尽性蛍光体から放出された
輝尽光は、光ファイバ束96の受光端部96aに入射
し、光ファイバ束96によって、凸レンズ95に導かれ
る。
【0284】凸レンズ95に導かれた輝尽光は、平行な
ビームとされて、穴開きミラー94に入射する。
【0285】穴開きミラー94に入射した輝尽光は、穴
開きミラー94によって反射されて、フィルタユニット
105のフィルタ107dに入射する。
【0286】ここに、フィルタ107dは、輝尽性蛍光
体から放出される輝尽光の波長域の光のみを透過し、6
40nmの波長の光をカットする性質を有しているの
で、励起光である640nmの波長の光がカットされ、
蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成さ
れた第1のスポット状領域15から放出された輝尽光の
波長域の光のみがフィルタ107dを透過して、フォト
マルチプライア110によって、光電的に検出される。
【0287】フォトマルチプライア110によって光電
的に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D
変換器113に出力されて、ディジタルデータに変換さ
れ、データ処理装置114に出力される。
【0288】第1のレーザ励起光源81がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット130は、第1のレーザ励起光源81
に駆動停止信号を出力して、第1のレーザ励起光源81
の駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモー
タ125に、駆動信号を出力して、光ファイバ束96の
受光端部96aを、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍
光体層12に形成された隣り合ったスポット状領域15
の間の距離に等しいピッチだけ、移動させる。
【0289】リニアエンコーダ127から入力された光
ファイバ束96の受光端部96aの位置検出信号に基づ
いて、光ファイバ束96の受光端部96aが、隣り合っ
たスポット状領域15の間の距離に等しい1ピッチだけ
移動されたことが確認されると、コントロールユニット
130は、第1のレーザ励起光源81に駆動信号を出力
して、第1のレーザ励起光源81をオンさせて、レーザ
光84によって、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光
体層12に形成された第2のスポット状領域15に含ま
れている輝尽性蛍光体を励起する。
【0290】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光84が、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層1
2に形成された第2のスポット状領域15に照射され
て、第2のスポット状領域15に含まれている輝尽性蛍
光体が励起され、第2のスポット状領域15から放出さ
れた輝尽光が、フォトマルチプライア110によって、
光電的に検出されると、コントロールユニット130
は、第1のレーザ励起光源81にオフ信号を出力して、
第1のレーザ励起光源81をオフさせるとともに、主走
査ステッピングモータ125に、駆動信号を出力して、
光ファイバ束96の受光端部96aを、隣り合ったスポ
ット状領域15の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動
させる。
【0291】こうして、光ファイバ束96の受光端部9
6aの間欠的な移動に同期して、第1のレーザ励起光源
81のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ12
7から入力された光ファイバ束96の受光端部96aの
位置検出信号に基づき、光ファイバ束96の受光端部9
6aが、主走査方向に、1ライン分だけ、移動され、蓄
積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成され
た第1ライン目のスポット状領域15のレーザ光84に
よる走査が完了したことが確認されると、コントロール
ユニット130は、主走査ステッピングモータ125に
駆動信号を出力して、光ファイバ束96の受光端部96
aを元の位置に復帰させるとともに、副走査パルスモー
タ121に駆動信号を出力して、移動可能な基板123
を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0292】リニアエンコーダ127から入力された光
ファイバ束96の受光端部96aの位置検出信号に基づ
いて、光ファイバ束96の受光端部96aが元の位置に
復帰され、また、移動可能な基板123が、副走査方向
に、1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、
コントロールユニット130は、蓄積性蛍光体シート1
0の輝尽性蛍光体層12に形成された第1ライン目のス
ポット状領域15に、順次、第1のレーザ励起光源81
から発せられるレーザ光84を照射したのと全く同様に
して、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に
形成された第2ライン目のスポット状領域15に、順
次、第1のレーザ励起光源81から発せられるレーザ光
84を照射して、第2ライン目のスポット状領域15に
含まれている輝尽性蛍光体を励起し、スポット状領域1
5から放出された輝尽光を、順次、フォトマルチプライ
ア110に光電的に検出させる。
【0293】フォトマルチプライア110によって光電
的に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D
変換器113によって、ディジタルデータに変換され
て、データ処理装置114に送られる。
【0294】こうして、蓄積性蛍光体シート10の輝尽
性蛍光体層12に形成されたすべてのスポット状領域1
5がすべて、第1のレーザ励起光源81から放出された
レーザ光84によって走査され、すべてのスポット状領
域15に含まれた輝尽性蛍光体が励起されて、放出され
た輝尽光が、フォトマルチプライア110によって光電
的に検出され、生成されたアナログデータが、A/D変
換器113により、ディジタルデータに変換されて、デ
ータ処理装置114に送られると、コントロールユニッ
ト130から、駆動停止信号が、第1のレーザ励起光源
81に出力され、第1のレーザ励起光源81の駆動が停
止される。
【0295】一方、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された多数の吸着性領域4に記録された蛍光データ
を読み取って、生化学解析用データを生成するときは、
生化学解析用ユニット1が、サンプルステージ100上
にセットされる。
【0296】次いで、ユーザーによって、キーボード1
31に、標識物質である蛍光物質の種類を特定する蛍光
物質特定信号および蛍光データを読み取るべき旨の指示
信号が入力される。
【0297】キーボード131に入力された蛍光物質特
定信号および指示信号は、コントロールユニット130
に入力され、コントロールユニット130は、蛍光物質
特定信号および指示信号を受けると、メモリ(図示せ
ず)に記憶されているテーブルにしたがって、使用すべ
きレーザ励起光源を決定するとともに、フィルタ107
a、107b、107cのいずれを蛍光の光路内に位置
させるかを決定する。
【0298】たとえば、生体由来の物質を標識する蛍光
物質として、473nmの波長のレーザによって、最も
効率的に励起することのできるフルオレセイン(登録商
標)が使用され、その旨が、キーボード131に入力さ
れたときは、コントロールユニット130は、第3のレ
ーザ励起光源83を選択するとともに、フィルタ107
cを選択し、フィルタユニットモータ132に駆動信号
を出力して、フィルタユニット105の円板106を回
転させ、473nmの波長の光をカットし、473nm
よりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ1
07cを、生化学解析用ユニット1から放出されるべき
蛍光の光路内に位置させる。
【0299】さらに、コントロールユニット130は、
主走査ステッピングモータ125に駆動信号を出力し、
光ファイバ束96の受光端部96aを主走査方向に移動
させ、リニアエンコーダから入力される光ファイバ束9
6の受光端部96aの位置検出信号に基づいて、生化学
解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領
域4のうち、第1の吸着性領域4に、レーザ光84を照
射可能な位置に、光ファイバ束96の受光端部96aが
達したことが確認されると、主走査ステッピングモータ
125に停止信号を出力するとともに、第3のレーザ励
起光源83に駆動信号を出力して、第3のレーザ励起光
源83を起動させ、473nmの波長のレーザ光84を
発せさせる。
【0300】第3のレーザ励起光源83から発生された
レーザ光84は、コリメータレンズ91によって、平行
光とされた後、第2のダイクロイックミラー88により
反射されて、その向きが90度変えられた後、ミラー8
9に入射する。
【0301】ミラー89に入射したレーザ光84は、ミ
ラー89によって反射され、さらに、ミラー92に入射
して、反射される。
【0302】ミラー92によって反射されたレーザ光8
4は、穴開きミラー94の穴93を通過して、凸レンズ
95に入射する。
【0303】凸レンズ95に入射したレーザ光84は、
光ファイバ束96の一端部に集光される。
【0304】レーザ光84は、光ファイバ束96内によ
ってガイドされ、生化学解析用ユニット1の基板2に形
成された第1の吸着性領域4に入射する。
【0305】本実施態様においても、生化学解析用ユニ
ット1の多数の吸着性領域4は、光エネルギーを減衰さ
せる性質を有するアルミニウムによって形成された基板
2に、互いに離間して、形成されているから、第1の吸
着性領域4内に入射したレーザ光84が、第1の吸着性
領域4内で散乱して、隣り合った吸着性領域4に含まれ
ている蛍光物質を励起することを効果的に防止すること
が可能になる。
【0306】レーザ光84が、生化学解析用ユニット1
の基板2に形成された第1の吸着性領域4に入射する
と、第1の吸着性領域4に含まれている蛍光物質、たと
えば、フルオレセインが励起されて、蛍光が放出され
る。
【0307】本実施態様においては、光ファイバ束96
は、その受光端部96aが、生化学解析用ユニット1に
十分に近接するように、ヘッド37に取り付けられてい
るから、レーザ光84は、光ファイバ束96によって、
確実に、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された
第1の吸着性領域4に導かれ、したがって、隣り合う吸
着性領域4に、レーザ光84が入射して、蛍光物質を励
起し、蛍光が放出されることを、効果的に防止すること
が可能になるとともに、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成された第1の吸着性領域4から放出された蛍光
のみを、効果的に、光ファイバ束96の受光端部96a
によって受光することが可能になる。
【0308】第1の吸着性領域4に含まれている蛍光物
質から放出された蛍光は、光ファイバ束96の受光端部
96aに入射し、光ファイバ束96によって、凸レンズ
95に導かれる。
【0309】凸レンズ95に導かれた蛍光は、平行なビ
ームとされて、穴開きミラー94に入射する。
【0310】穴開きミラー94に入射した蛍光は、穴開
きミラー94によって反射されて、フィルタユニット1
05のフィルタ107cに入射する。
【0311】ここに、フィルタ107cは、473nm
の波長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光
を透過する性質を有しているので、励起光である473
nmの波長の光がカットされ、フルオレセインから放出
された蛍光の波長域の光のみがフィルタ107cを透過
して、フォトマルチプライア110によって、光電的に
検出される。
【0312】フォトマルチプライア110によって光電
的に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変
換器113に出力されて、ディジタル信号に変換され、
データ処理装置114に出力される。
【0313】第3のレーザ励起光源83がオンされた
後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コン
トロールユニット130は、第3のレーザ励起光源83
に駆動停止信号を出力して、第3のレーザ励起光源83
の駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモー
タ125に、駆動信号を出力して、光ファイバ束96の
受光端部96aを、生化学解析用ユニット1の基板2に
形成された隣り合う吸着性領域4の間の距離に等しいピ
ッチだけ、移動させる。
【0314】リニアエンコーダ127から入力された光
ファイバ束96の受光端部96aの位置検出信号に基づ
いて、光ファイバ束96の受光端部96aが、生化学解
析用ユニット1の基板2に形成された隣り合う吸着性領
域4の間の距離に等しい1ピッチだけ移動されて、第3
のレーザ励起光源83から発せられるレーザ光84を、
生化学解析用ユニット1の基板2に形成された第2の吸
着性領域4に照射可能な位置に移動したことが確認され
ると、コントロールユニット130は、第3のレーザ励
起光源83に駆動信号を出力して、第3のレーザ励起光
源83をオンさせて、473nmの波長のレーザ光84
によって、生化学解析用ユニット1の基板2に形成され
た第2の吸着性領域4に含まれている蛍光物質、たとえ
ば、フルオレセインを励起する。
【0315】同様にして、所定の時間にわたり、レーザ
光84が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成され
た第2の吸着性領域4に照射され、第2の吸着性領域4
から放出された蛍光が、フォトマルチプライア110に
よって、光電的に検出されて、アナログデータが生成さ
れると、コントロールユニット130は、第3のレーザ
励起光源83にオフ信号を出力して、第3のレーザ励起
光源83をオフさせるとともに、主走査ステッピングモ
ータ125に、駆動信号を出力して、光ファイバ束96
の受光端部96aを、生化学解析用ユニット1の基板2
に形成された隣り合う吸着性領域4の間の距離に等しい
1ピッチだけ、移動させる。
【0316】こうして、光ファイバ束96の受光端部9
6aの間欠的な移動に同期して、第3のレーザ励起光源
83のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ12
7から入力された光ファイバ束96の受光端部96aの
位置検出信号に基づいて、光ファイバ束96の受光端部
96aが、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、生
化学解析用ユニット1の基板2に形成された第1ライン
目のすべての吸着性領域4を、レーザ光84によって、
走査したことが確認されると、コントロールユニット1
30は、主走査ステッピングモータ125に駆動信号を
出力して、光ファイバ束96の受光端部96aを元の位
置に復帰させるとともに、副走査パルスモータ121に
駆動信号を出力して、移動可能な基板123を、副走査
方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0317】リニアエンコーダ127から入力された光
ファイバ束96の受光端部96aの位置検出信号に基づ
いて、光ファイバ束96の受光端部96aが元の位置に
復帰され、また、移動可能な基板123が、副走査方向
に、1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、
コントロールユニット130は、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された第1ライン目の吸着性領域4
に、順次、第3のレーザ励起光源83から発せられるレ
ーザ光84を照射したのと全く同様にして、生化学解析
用ユニット1の基板2に形成された第2ライン目の吸着
性領域4に、順次、第3のレーザ励起光源83から発せ
られるレーザ光84を照射して、生化学解析用ユニット
1の基板2に形成された第2ライン目の吸着性領域域4
に含まれているフルオレセインを励起し、第2ライン目
の吸着性領域4から放出された蛍光を、順次、フォトマ
ルチプライア110に光電的に検出させる。
【0318】フォトマルチプライア110によって光電
的に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D
変換器113によって、ディジタルデータに変換され
て、データ処理装置114に送られる。
【0319】こうして、生化学解析用ユニット1の基板
2に形成されたすべての吸着性領域4が、第3のレーザ
励起光源83から放出された473nmの波長のレーザ
光84によって走査され、生化学解析用ユニット1の基
板2に形成されたすべての吸着性領域4に含まれている
フルオレセインが励起されて、放出された蛍光が、フォ
トマルチプライア110によって光電的に検出され、生
成されたアナログデータが、A/D変換器113によっ
て、ディジタルデータに変換されて、データ処理装置1
14に送られると、コントロールユニット130から、
駆動停止信号が、第3のレーザ励起光源83に出力され
て、第3のレーザ励起光源83の駆動が停止される。
【0320】本実施態様によれば、蓄積性蛍光体シート
10の輝尽性蛍光体層12に形成された多数のスポット
状領域15に記録された放射線データを読み取って、生
化学解析用データを生成するときは、その受光端部96
aが蓄積性蛍光体シート10に十分に近接した位置に位
置している光ファイバ束96によって、蓄積性蛍光体シ
ート10の輝尽性蛍光体層12に形成された各スポット
状領域15に、レーザ光84が導かれるから、励起すべ
き輝尽性蛍光体を含むスポット状領域15のみに、レー
ザ光84を照射することができ、したがって、励起すべ
き輝尽性蛍光体を含むスポット状領域15に隣り合った
スポット状15に、レーザ光84が入射して、蓄積して
いる放射線エネルギーを放出させることを確実に防止す
ることができるから、高い分解能で、定量性に優れた生
化学解析用データを生成することが可能になる。
【0321】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4
に記録された蛍光データを読み取って、生化学解析用デ
ータを生成するときは、その受光端部96aが生化学解
析用ユニット1に十分に近接した位置に位置している光
ファイバ束96によって、生化学解析用ユニット1の基
板2に形成された各吸着性領域4に、レーザ光84が導
かれるから、励起すべき蛍光物質を含む吸着性領域4の
みに、レーザ光84を照射することができ、したがっ
て、励起すべき蛍光物質を含む吸着性領域4に隣り合っ
た吸着性領域4に、レーザ光84が入射して、蛍光物質
を励起し、蛍光を放出させることを確実に防止すること
ができるから、高い分解能で、定量性に優れた生化学解
析用データを生成することが可能になる。
【0322】また、本実施態様によれば、蓄積性蛍光体
シート10の輝尽性蛍光体層12に形成された各スポッ
ト状領域15から放出された輝尽光あるいは生化学解析
用ユニット1の基板2に形成された各吸着性領域4から
放出された蛍光は、蓄積性蛍光体シート10または生化
学解析用ユニット1に十分に近接した位置に位置してい
る光ファイバ束96の受光端部96aによって、受光さ
れ、フォトマルチプライア110に導かれるから、輝尽
光を受光すべきスポット状領域15に隣り合うスポット
状領域15から放出された輝尽光あるいは蛍光を受光す
べき吸着性領域4に隣り合う吸着性領域4から放出され
た蛍光が、光ファイバ束96の受光端部96aに入射し
て、フォトマルチプライア110によって光電的に検出
されることを効果的に防止することができ、したがっ
て、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用データ
を生成することが可能になる。
【0323】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0324】たとえば、前記実施態様においては、放射
性標識物質によって標識されたプローブであるcDNA
などの生体由来の物質を含むハイブリダイゼーション反
応溶液9を調製して、ハイブリダイゼーション反応溶液
9に含まれている生体由来の物質を、生化学解析用ユニ
ット1の多数の吸着性領域4に固定されたcDNAなど
の特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズさせ
て、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、
放射線データを記録するように構成されているが、生化
学解析用ユニット1の多数の吸着性領域に、抗体または
抗原を固定し、生体から抽出した細胞に、35Sなどの
放射性標識物質によって標識されたアミノ酸を食べさせ
て、細胞内の抗原または抗体に、放射性標識物質を取り
込ませ、抗原抗体反応によって、生化学解析用ユニット
1の多数の吸着性領域に固定された抗体または抗原に、
選択的に結合させ、あるいは、化学反応によって、抗原
または抗体を、125Iによって標識し、抗原抗体反応
によって、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域
に固定された抗体または抗原に、選択的に結合させるこ
とによって、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に、放射線データを記録するように構成することも
できる。
【0325】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1は、アルミニウム製の基板2に形成され
た多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が充填されて、
形成された多数の吸着性領域4を備えているが、基板に
形成された多数の貫通孔に、ナイロン6などの吸着性材
料によって形成された吸着性膜を圧入して、多数の吸着
性領域4を形成することもできる。
【0326】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、基板2に形
成された多数の貫通孔3に、ナイロン6が充填されて、
形成されているが、メンブレンフィルタなどの吸着性材
料によって形成された吸着性基板の少なくとも一方の側
に、多数の貫通孔が形成された基板を密着させ、貫通孔
内の吸着性基板により、多数の吸着性領域4を形成する
こともできる。
【0327】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、基板2に形成
された多数の貫通孔3に、ナイロン6が充填されて、形
成されているが、メンブレンフィルタなどの吸着性材料
によって形成された吸着性基板に、規則的なパターンに
したがって、特異的結合物質を含む溶液を滴下し、特異
的結合物質を含む吸着性領域4を、互いに離間して、形
成するようにしてもよく、蓄積性蛍光体シート10とし
て、たとえば、約10ないし約50μmの厚さの薄層の
輝尽性蛍光体層12を備えた蓄積性蛍光体シート10を
用いて、放射線データを、蓄積性蛍光体シート10の輝
尽性蛍光体層12に記録する場合には、隣り合った吸着
性領域4の間に、放射線エネルギーを減衰させる性質を
有する基板2などを存在させることは必ずしも必要でな
い。
【0328】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1は、アルミニウム製の基板2に形成され
た多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が充填されて、
形成された多数の吸着性領域4を備えているが、生化学
解析用ユニット1の吸着性領域4が、ナイロン6によっ
て形成されていることは必ずしも必要でなく、ナイロン
6に代えて、活性炭などの多孔質炭素材料あるいはナイ
ロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン類;ニト
ロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースな
どのセルロース誘導体;コラーゲン;アルギン酸、アル
ギン酸カルシウム、アルギン酸/ポリリシンポリイオン
コンプレックスなどのアルギン酸類;ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニ
ル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン、ポリ
テトラフルオライドなどのポリフルオライドや、これら
の共重合体または複合体によって、生化学解析用ユニッ
ト1の吸着性領域4を形成することもでき、さらには、
白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムなどの金
属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトなどの金
属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウムなど
の金属塩やこれらの複合体などの無機多孔質材料あるい
は複数の繊維の束によって、生化学解析用ユニット1の
吸着性領域4を形成するようにしてもよい。
【0329】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1は、アルミニウム製の基板2を備えて
いるが、生化学解析用ユニット1の基板2を、アルミニ
ウムによって形成することは必ずしも必要でなく、他の
材料によって、基板2を形成することもできる。生化学
解析用ユニット1の基板2は、光および放射線を減衰さ
せる性質を有する材料によって形成されていることが好
ましいが、その材料は格別限定されるものではなく、無
機化合物材料、有機化合物材料のいずれによっても、生
化学解析用ユニット1基板2を形成することができ、金
属材料、セラミック材料またはプラスチック材料が、と
くに好ましく使用される。生化学解析用ユニット1の基
板2を形成するために好ましく使用することができ、光
および放射線を減衰させる性質を有する無機化合物材料
としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウ
ム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバル
ト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステンレス、青
銅などの合金;シリコン、アモルファスシリコン、ガラ
ス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸
化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム
などの金属酸化物;タングステンカーバイト、炭酸カル
シウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化
ガリウムなどの無機塩を挙げることができる。これら
は、単結晶、アモルファス、セラミックのような多結晶
焼結体にいずれの構造を有していてもよい。また、生化
学解析用ユニット1の基板2を形成するために好ましく
使用することができ、光および放射線を減衰させる性質
を有する有機化合物材料としては、高分子化合物が好ま
しく用いられ、好ましい高分子化合物としては、たとえ
ば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアクリレート/
メチルメタクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポ
リアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリ
デン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチ
レン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネ
ート;ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフ
タレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン
6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポリイミ
ド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリ
ジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックな
どのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポ
リスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;セルロー
ス、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん粉、アル
ギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチ
ン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれ
ら高分子化合物の共重合体などを挙げることができる。
これらは、複合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化
物粒子やガラス繊維などを充填することもでき、また、
有機化合物材料をブレンドして、使用することもでき
る。
【0330】さらに、前記実施態様においては、192
00の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略
円形の吸着性領域4が、約5000個/平方センチメー
トルの密度で、規則的なパターンにしたがって、マトリ
ックス状に、生化学解析用ユニット1に形成されている
が、吸着性領域4を略円形に形成することは必ずしも必
要でなく、吸着性領域4を、任意の形状、たとえば、矩
形状に形成することもできる。
【0331】また、前記実施態様においては、1920
0の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円
形の吸着性領域4が、約5000個/平方センチメート
ルの密度で、規則的なパターンにしたがって、マトリッ
クス状に、生化学解析用ユニット1に形成されている
が、吸着性領域4の数およびサイズは、目的に応じて、
任意に選択をすることができ、好ましくは、10以上の
5平方ミリメートル未満のサイズを有する吸着性領域4
が、10個/平方センチメートル以上の密度で、生化学
解析用ユニット1に形成される。
【0332】さらに、前記実施態様においては、192
00の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略
円形の吸着性領域4が、約5000個/平方センチメー
トルの密度で、規則的なパターンにしたがって、マトリ
ックス状に、生化学解析用ユニット1に形成されている
が、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4を、規則的
なパターンにしたがって、生化学解析用ユニット1に形
成することは必ずしも必要でない。
【0333】また、前記実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10の支持体11には、約30μmの厚さの
輝尽性蛍光体層12が形成されているが、蓄積性蛍光体
シート10の支持体11に形成される輝尽性蛍光体層1
2の厚さは、とくに限定されるものではない。
【0334】さらに、前記実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート10の支持体11はポリエチレンテレフタ
レートによって形成されているが、蓄積性蛍光体シート
10の支持体11を、ポリエチレンテレフタレートによ
って形成することは必ずしも必要ではなく、他の材料で
形成された支持体を用いることもできる。本発明におい
て、支持体11を形成するための材料は、とくに限定さ
れるものではなく、無機化合物材料、有機化合物材料の
いずれをも使用することができ、金属材料、セラミック
材料またはプラスチック材料が、とくに好ましく使用さ
れる。蓄積性蛍光体シート10の支持体11を形成する
ために好ましく使用可能な無機化合物材料としては、た
とえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タ
ンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セ
レンなどの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;
シリコン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化
ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸
化物;タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸
カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなど
の無機塩を挙げることができる。これらは、単結晶、ア
モルファス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれ
の構造を有していてもよい。また、蓄積性蛍光体シート
10の支持体11を形成するために好ましく使用可能な
有機化合物材料としては、高分子化合物が好ましく用い
られ、好ましい高分子化合物としては、たとえば、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリ
メチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメ
タクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリ
ロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポ
リフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポ
リクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポ
リエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレート
などのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスル
ホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシ
ロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノー
ル樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;
ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セル
ロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシ
ウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0335】また、前記実施態様においては、遮光板7
5は、ニッケル製の基板77を備えているが、ニッケル
製の基板77を用いることは必ずしも必要でなく、光エ
ネルギーを減衰させる性質を有し、剛性を有していれ
ば、遮光板75の基板を、他の材料によって形成するこ
ともできる。本発明において、遮光板75を形成するた
めの材料は、光エネルギーを減衰させる性質を有し、剛
性を有していれば、とくに限定されるものではなく、無
機化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用するこ
とができ、金属材料、セラミック材料、金属酸化物粒子
やガラス繊維などが充填されたプラスチック材料が、と
くに好ましく使用される。遮光板75を形成するために
好ましく使用可能な無機化合物材料としては、たとえ
ば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタ
ル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレン
などの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリ
コン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ
素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;
タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機
塩を挙げることができる。これらは、単結晶、アモルフ
ァス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造
を有していてもよい。また、遮光板75を形成するため
に好ましく使用可能な有機化合物材料としては、高分子
化合物が好ましく用いられ、好ましい高分子化合物とし
ては、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの
ポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート、ブチルア
クリレート/メチルメタクリレート共重合体などのアク
リル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポ
リ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラ
フルオロエチレン;ポリクロロトリフルオロエチレン;
ポリカーボネート;ポリエチレンナフタレートやポリエ
チレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン
6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロ
ン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルフ
ァイド;ポリジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;
ノボラックなどのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリ
ウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−スチレン共重合
体;セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、
でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどの多糖類;キチン;キトサン;ウル
シ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミド
およびこれら高分子化合物の共重合体などを挙げること
ができる。これらは、複合材料でもよい。
【0336】さらに、前記実施態様においては、遮光板
75は、基板77に形成された圧入部78が、蓄積性蛍
光体シート10の支持体11の表面に当接するまで、蓄
積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に圧入され
ているが、遮光板75の基板76に形成された圧入部7
8の一部が、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層
12内に圧入されていればよく、基板77に形成された
圧入部78が、蓄積性蛍光体シート10の支持体11の
表面に当接するまで、遮光板75を、蓄積性蛍光体シー
ト10の輝尽性蛍光体層12内に圧入することは必ずし
も必要でない。
【0337】また、前記実施態様においては、遮光板7
5の基板77に、蓄積性蛍光体シート10の支持体11
に形成された輝尽性蛍光体層12の厚さと等しい長さを
有する圧入部78が形成されているが、圧入部を、蓄積
性蛍光体シート10の支持体11に形成された輝尽性蛍
光体層12の厚さと等しい長さに形成することは必ずし
も必要でなく、好ましくは、輝尽性蛍光体層12の厚さ
以下の長さを有するように形成される。
【0338】また、前記実施態様においては、遮光板7
5の基板77の一方の表面に、全体として、楔状の断面
形状を有する圧入部78が形成されているが、全体とし
て、楔状の断面形状を有するように、圧入部78を形成
することは必ずしも必要でなく、先端部のみが楔状の断
面形状を有するように、圧入部78を形成することもで
きるし、さらには、少なくとも先端部が、蓄積性蛍光体
シート1の輝尽性蛍光体層12内に、容易に、圧入する
ことができるような形状を有していれば、圧入部78を
いかなる断面形状に形成することもできる。
【0339】さらに、前記実施態様においては、遮光板
75の基板77には、19200の約0.01平方ミリ
メートルのサイズを有する略円形の貫通孔76が、約5
000個/平方センチメートルの密度で、規則的なパタ
ーンにしたがって、マトリックス状に形成されている
が、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性
領域4と同一のパターンにしたがって、多数の貫通孔7
6が、遮光板75の基板77に形成されていればよく、
19200の約0.01平方ミリメートルのサイズを有
する略円形の貫通孔76を、約5000個/平方センチ
メートルの密度で形成することは必ずしも必要でない。
【0340】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の基板2に形成された2つの位置合わせ
用貫通孔5、5および蓄積性蛍光体シート10の支持体
11に形成された2つの位置合わせ用貫通孔13、13
に、露光装置の基板18に形成された2つの位置合わせ
用ピン19、19が挿通されるように、生化学解析用ユ
ニット1と蓄積性蛍光体シート10とが重ね合わされ
て、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域4に含まれている放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成された
輝尽性蛍光体層12に含まれている輝尽性蛍光体が露光
されるように構成されているが、生化学解析用ユニット
1および蓄積性蛍光体シート10を、つねに、一定の相
対的位置関係になるように、位置合わせをして、重ね合
わせることができれば、位置合わせの手段としては、任
意の手段を用いることができ、生化学解析用ユニット1
の基板2に、2つの位置合わせ用貫通孔5、5を形成す
るとともに、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に、
2つの位置合わせ用貫通孔13、13を形成し、露光装
置の基板18に、2つの位置合わせ用ピン19、19を
形成することは必ずしも必要でない。
【0341】また、前記実施態様においては、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質および蛍光色
素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を
含むハイブリダイズ液9が調製され、吸着性領域4に滴
下された特異的結合物質にハイブリダイズさせている
が、生体由来の物質が、放射性標識物質および蛍光色素
などの蛍光物質によって標識されていることは必ずしも
必要がなく、少なくとも放射性標識物質によって標識さ
れていればよい。
【0342】さらに、前記実施態様においては、スキャ
ナは、いずれも、第1のレーザ励起光源21、81、第
2のレーザ励起光源22、82および第3のレーザ励起
光源23、83を備えているが、輝尽性蛍光体を、効率
良く、励起可能な波長のレーザ光24、84を発するレ
ーザ励起光源を備えていればよく、スキャナが、3つの
レーザ励起光源を備えていることは必ずしも必要ない。
【0343】また、前記実施態様においては、スキャナ
は、いずれも、640nmの波長のレーザ光24、84
を発する第1のレーザ励起光源21、81と、532n
mの波長のレーザ光24、84を発する第2のレーザ励
起光源22、82と、473nmの波長のレーザ光2
4、84を発する第3のレーザ励起光源23、83とを
備えているが、励起光源として、レーザ励起光源を用い
ることは必ずしも必要でなく、レーザ励起光源に代え
て、LED光源を、励起光源として用いることもでき、
さらには、ハロゲンランプを励起光源として用い、分光
フィルタによって、輝尽性蛍光体の励起に寄与しない波
長成分をカットするようにしてもよい。
【0344】さらに、図8に示された実施態様において
は、光学ヘッド45を、図8において、矢印Xで示され
る主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に、間
欠的に移動させて、レーザ光24によって、蓄積性蛍光
体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成されたすべて
のスポット状領域15および生化学解析用ユニット1の
基板2に形成されたすべての吸着性領域4が走査される
ように構成されているが、光学ヘッド45を静止状態に
保持して、ステージ40を、主走査方向および副走査方
向に、間欠的に移動させて、レーザ光24によって、蓄
積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成され
たすべてのスポット状領域15および生化学解析用ユニ
ット1の基板2に形成されたすべての吸着性領域4を走
査するようにしてもよく、さらには、光学ヘッド45
を、主走査方向あるいは副走査方向に、間欠的に移動さ
せるとともに、ステージ40を、副走査方向あるいは主
走査方向に、間欠的に移動させて、レーザ光24によっ
て、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に形
成されたすべてのスポット状領域15および生化学解析
用ユニット1の基板2に形成されたすべての吸着性領域
4を走査するように構成することもできる。ステージ4
0が、矢印Xで示される主走査に移動されるように構成
するときは、ステージ40の移動機構に、リニアエンコ
ーダを設けることによって、光学ヘッド45に対するス
テージ40の相対的な位置を検出し、あるいは、ステー
ジ40を移動させるモータの回転位置を、ロータリーエ
ンコーダによって検出して、光学ヘッド45に対するス
テージ40の相対的な位置を検出することができる。
【0345】また、図20ないし図23に示された実施
態様においては、走査機構によって、図20において、
矢印Xで示される主走査方向および矢印Yで示される副
走査方向に、光ファイバ束96の受光端部96aを移動
させることによって、レーザ光84により、蓄積性蛍光
体シート10の輝尽性蛍光体層12に形成されたすべて
のスポット状領域15あるいは生化学解析用ユニット1
の基板2に形成されたすべての吸着性領域4を走査し
て、輝尽性蛍光体あるいは蛍光色素などの蛍光物質を励
起しているが、光ファイバ束96の受光端部96aを静
止状態に維持し、ステージ100を、図20において、
矢印Xで示される主走査方向および矢印Yで示される副
走査方向に移動させることにより、レーザ光84によっ
て、蓄積性蛍光体シート10の輝尽性蛍光体層12に形
成されたすべてのスポット状領域15あるいは生化学解
析用ユニット1の基板2に形成されたすべての吸着性領
域4を走査して、輝尽性蛍光体あるいは蛍光色素などの
蛍光物質を励起するようにしてもよく、さらには、光フ
ァイバ束96の受光端部96aを、図20において、矢
印Xで示される主走査方向あるいは矢印Yで示される副
走査方向に移動させるとともに、ステージ100を、矢
印Yで示される副走査方向あるいは矢印Xで示される主
走査方向に移動させることもできる。ステージ100
が、矢印Xで示される主走査に移動されるように構成す
るときは、ステージ100の移動機構に、リニアエンコ
ーダを設けることによって、光ファイバ束96の受光端
部96aに対するステージ100の相対的な位置を検出
し、あるいは、ステージ100を移動させるモータの回
転位置を、ロータリーエンコーダによって検出して、光
ファイバ束96の受光端部96aに対するステージ10
0の相対的な位置を検出することができる。
【0346】さらに、図8ないし図19に示された実施
態様においては、リニアエンコーダ67を用いて、光学
ヘッド45の主走査方向における位置を検出している
が、主走査ステッピングモータ65の回転位置を検出す
ることによって、光学ヘッド45の主走査方向における
位置を検出することもできる。
【0347】また、図20ないし図23に示された実施
態様においては、リニアエンコーダ107を用いて、光
ファイバ束96の受光端部86aの主走査方向における
位置を検出しているが、主走査ステッピングモータ10
5の回転位置を検出することによって、光ファイバ束9
6の受光端部96aの主走査方向における位置を検出す
ることもできる。
【0348】さらに、図20ないし図23に示された実
施態様においては、複数の光ファイバよりなる光ファイ
バ束96を用いて、レーザ光84を、蓄積性蛍光体シー
ト10あるいは生化学解析用ユニット1に導き、蓄積性
蛍光体シート10あるいは生化学解析用ユニット1から
放出された輝尽光あるいは蛍光を受光して、フォトマル
チプライア110に導くように構成されているが、複数
の光ファイバよりなる光ファイバ束96に代えて、1本
の光ファイバによって、レーザ光84を蓄積性蛍光体シ
ート10あるいは生化学解析用ユニット1に導き、蓄積
性蛍光体シート10あるいは生化学解析用ユニット1か
ら放出された輝尽光あるいは蛍光を受光して、フォトマ
ルチプライア110に導くように構成することもでき
る。
【0349】また、図20ないし図23に示された実施
態様においては、コントロールユニット130によっ
て、光ファイバ束96の受光端部96aの間欠的移動と
同期して、第1のレーザ励起光源81あるいは第3のレ
ーザ励起光源83がオン・オフ制御されているが、主走
査方向において、蓄積性蛍光体シート10の隣り合うス
ポット状領域15あるいは生化学解析用ユニット1の隣
り合うドット状の吸着性領域4の間を、レーザ光84が
速やかに移動するように、光ファイバ束96の受光端部
96aの主走査方向の移動速度を決定すれば、第1のレ
ーザ励起光源81あるいは第3のレーザ励起光源83を
オン状態に保持し、光ファイバ束96の受光端部96a
を、単に、間欠的に移動させて、蓄積性蛍光体シート1
0の多数のスポット状領域15あるいは生化学解析用ユ
ニット1の多数の吸着性領域4を、レーザ光84によっ
て、順次、走査し、蓄積性蛍光体シート10のスポット
状領域15あるいは生化学解析用ユニット1の吸着性領
域4から放出された輝尽光あるいは蛍光を光電的に検出
して、生化学解析用データを生成することもできる。
【0350】さらに、前記実施態様においては、いずれ
も、光検出器として、フォトマルチプライア50、11
0を用いて、輝尽光あるいは蛍光を光電的に検出してい
るが、本発明において用いられる光検出器としては、輝
尽光あるいは蛍光を光電的に検出可能であればよく、フ
ォトマルチプライア50、110に限らず、ラインCC
Dや二次元CCDなどの他の光検出器を用いることもで
きる。
【0351】また、前記実施態様においては、インジェ
クタ6とCCDカメラ7を備えたスポッティング装置5
を用い、CCDカメラ7によって、インジェクタ6の先
端部と、cDNAなどの特異的結合物質を滴下すべき吸
着性領域4を観察しながら、インジェクタ6の先端部
と、cDNAなどの特異的結合物質を滴下すべき吸着性
領域4の中心とが合致したときに、インジェクタ6か
ら、cDNAなどの特異的結合物質を放出させて、滴下
しているが、インジェクタ6の先端部と、生化学解析用
ユニット1に形成された多数の吸着性領域4との相対的
な位置関係を、あらかじめ検出しておき、インジェクタ
6と、生化学解析用ユニット1とを、相対的に、一定の
ピッチで、二次元的に移動させて、cDNAなどの特異
的結合物質を滴下するようにすることもできる。
【0352】
【発明の効果】本発明によれば、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質に、放射性標識物質によって
標識された生体由来の物質を特異的に結合させて、選択
的に標識したスポット状領域を、メンブレンフィルタな
どの生化学解析用ユニットの表面に、高密度に形成した
場合においても、高い分解能で、定量性に優れた生化学
解析用のデータを生成することができる生化学解析用デ
ータの生成方法およびそれに用いる遮光板を提供するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用データの生成方法に用いられる生化学解析用
ユニットの略斜視図である。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、ハイブリダイゼーション反応容器の略
縦断面図である。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用データの生成方法に用いられる蓄積性蛍光体
シートの略斜視図である。
【図5】図5は、生化学解析用ユニットに形成された多
数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によって、蓄
積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に含まれ
ている輝尽性蛍光体を露光する露光装置の略斜視図であ
る。
【図6】図6は、生化学解析用ユニットに形成された多
数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によって、蓄
積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に含まれ
ている輝尽性蛍光体を露光する方法を示す略断面図であ
る。
【図7】図7は、生化学解析用ユニットの基板に形成さ
れた多数の吸着性領域に含まれている放射性標識物質に
よって、輝尽性蛍光体層が露光された蓄積性蛍光体シー
トの略斜視図である。
【図8】図8は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用データの生成方法に用いられるスキャナの略
斜視図である。
【図9】図9は、図8に示されたスキャナのフォトマル
チプライア近傍の詳細を示す略斜視図である。
【図10】図10は、図9のA−A線に沿った略断面図
である。
【図11】図11は、図9のB−B線に沿った略断面図
である。
【図12】図12は、図9のC−C線に沿った略断面図
である。
【図13】図13は、図9のD−D線に沿った略断面図
である。
【図14】図14は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【図15】図15は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用データの生成方法に用いられるスキャナ
の制御系、入力系、駆動系および検出系を示すブロック
ダイアグラムである。
【図16】図16は、本発明の好ましい実施態様にかか
る遮光板の略斜視図である。
【図17】図17は、図16のE−E線に沿った略断面
図である。
【図18】図18は、蓄積性蛍光体シートの支持体に形
成された輝尽性蛍光体層に、遮光板が圧入された状態を
示す略斜視図である。
【図19】図19は、図18のF−F線に沿った略断面
図である。
【図20】図20は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用データ生成方法に用いられるスキャ
ナのの略斜視図である。
【図21】図21は、フィルタユニットの略正面図であ
る。
【図22】図22は、光ファイバ束の走査機構の略平面
図である。
【図23】図23は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用データ生成方法に用いられるスキャ
ナの制御系、入力系、駆動系および検出系を示すブロッ
クダイアグラムである。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 基板 3 貫通孔 4 吸着性領域 5 位置合わせ用貫通孔 6 インジェクタ 7 CCDカメラ 8 ハイブリダイゼーション反応容器 9 ハイブリダイゼーション反応溶液 10 蓄積性蛍光体シート 11 支持体 12 輝尽性蛍光体層 13 位置合わせ用貫通孔 15 スポット状領域 16 ケーシング 17 蓋部材 18 基板 19 位置合わせ用ピン 21 第1のレーザ励起光源 22 第2のレーザ励起光源 23 第3のレーザ励起光源 24 レーザ光 25 コリメータレンズ 26 ミラー 27 第1のダイクロイックミラー 28 第2のダイクロイックミラー 29 ミラー 30 コリメータレンズ 31 コリメータレンズ 32 ミラー 33 穴開きミラーの穴 34 穴開きミラー 35 光学ヘッド 36 ミラー 47 非球面レンズ 38 凹面ミラー 40 ステージ 41 ガラス板 45 蛍光あるいは輝尽光 58 フィルタユニット 60 フォトマルチプライア 51a、51b、51c、51d フィルタ部材 52a、52b、52c、52d フィルタ 53 A/D変換器 54 データ処理装置 60 基板 61 副走査パルスモータ 62 一対のレール 63 移動可能な基板 64 ロッド 65 主走査ステッピングモータ 66 エンドレスベルト 67 リニアエンコーダ 68 リニアエンコーダのスリット 70 コントロールユニット 71 キーボード 72 フィルタユニットモータ 75 遮光板 76 貫通孔 77 基板 78 圧入部 81 第1のレーザ励起光源 82 第2のレーザ励起光源 83 第3のレーザ励起光源 84 レーザ光 85 コリメータレンズ 86 ミラー 87 第1のダイクロイックミラー 88 第2のダイクロイックミラー 89 ミラー 90 コリメータレンズ 91 コリメータレンズ 92 ミラー 93 穴開きミラーの穴 94 穴開きミラー 95 凸レンズ 96 光ファイバ束 96a 光ファイバ束の受光端部 100 サンプルステージ 105 フィルタユニット 106 円板 107a、107b、107c、107d フィルタ 110 フォトマルチプライア 113 A/D変換器 114 データ処理装置 120 基板 121 副走査パルスモータ 122 一対のレール 123 移動可能な基板 124 ロッド 125 主走査ステッピングモータ 126 エンドレスベルト 127 リニアエンコーダ 128 リニアエンコーダのスリット 130 コントロールユニット 131 キーボード 132 フィルタユニットモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 37/00 102 G01N 37/00 102 4B029 G01T 1/00 G01T 1/00 B 4B063 1/29 1/29 D G03B 42/02 G03B 42/02 B G21K 4/00 G21K 4/00 N Fターム(参考) 2G045 AA40 BA11 BB50 FA11 FB02 GC15 2G054 AA06 AB09 BA04 BB13 EA03 GE06 GE07 2G083 AA03 AA09 BB01 CC03 CC06 2G088 EE27 FF05 GG10 GG13 GG25 HH08 JJ09 JJ30 JJ37 2H013 AC03 4B029 AA07 AA23 CC10 FA10 FA12 GA03 GB02 4B063 QA01 QA08 QA18 QA19 QQ42 QR55 QS34 QX07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生化学解析用ユニットに、特異的結合物
    質を含む溶液を滴下して、互いに離間した複数の吸着性
    領域を形成し、前記複数の吸着性領域に含まれている特
    異的結合物質に、少なくとも放射性標識物質によって標
    識された生体由来の物質を結合させ、前記生化学解析用
    ユニットと、支持体上に、輝尽性蛍光体層が形成された
    蓄積性蛍光体シートとを重ね合わせて、前記複数の吸着
    性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によっ
    て、前記輝尽性蛍光体層を露光して、前記輝尽性蛍光体
    層に、放射線エネルギーが蓄積された複数のスポット状
    領域を形成し、光エネルギーを減衰させる性質を有する
    材料によって形成され、前記生化学解析用ユニットに形
    成された前記複数の吸着性領域と同一のパターンで、複
    数の貫通孔が形成された遮光板を、前記輝尽性蛍光体層
    の前記複数のスポット状領域が、それぞれ、前記遮光板
    に形成された前記貫通孔内に位置するように、前記輝尽
    性蛍光体層内に圧入し、前記輝尽性蛍光体層に、前記遮
    光板が圧入された前記蓄積性蛍光体シートをサンプルス
    テージに載置し、前記遮光板の側から、前記輝尽性蛍光
    体層に形成された前記複数のスポット状領域に、前記遮
    光板の前記複数の貫通孔を介して、励起光を、順次、照
    射して、前記複数のスポット状領域に含まれた輝尽性蛍
    光体を励起し、前記複数のスポット状領域から放出され
    た輝尽光を、順次、光電的に検出して、生化学解析用デ
    ータを生成することを特徴とする生化学解析用データの
    生成方法。
  2. 【請求項2】 前記遮光板を、前記蓄積性蛍光体シート
    の前記支持体の表面に当接するまで、前記輝尽性蛍光体
    層に圧入することを特徴とする請求項1に記載の生化学
    解析用データの生成方法。
  3. 【請求項3】 導光部材と、前記サンプルステージと
    を、主走査方向および前記主走査方向と直交する副走査
    方向に、間欠的に、相対的に移動させて、前記複数のス
    ポット状領域から放出される輝尽光を、前記導光部材に
    よって、光検出器に導いて、光電的に検出し、生化学解
    析用データを生成することを特徴とする請求項1または
    2に記載の生化学解析用データの生成方法。
  4. 【請求項4】 前記導光部材を介して、前記複数のスポ
    ット状領域に、励起光を、順次、照射することを特徴と
    する請求項4に記載の生化学解析用データの生成方法。
  5. 【請求項5】 光エネルギーを減衰させる性質を有し、
    剛性を有する材料によって形成され、生化学解析用ユニ
    ットに、互いに離間して形成された特異的結合物質を含
    む複数の吸着性領域と同一のパターンで、複数の貫通孔
    が形成されたことを特徴とする遮光板。
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