JP2002357600A - 生化学解析用ユニットおよびそれを用いた生化学解析方法 - Google Patents

生化学解析用ユニットおよびそれを用いた生化学解析方法

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JP2002357600A JP2001230084A JP2001230084A JP2002357600A JP 2002357600 A JP2002357600 A JP 2002357600A JP 2001230084 A JP2001230084 A JP 2001230084A JP 2001230084 A JP2001230084 A JP 2001230084A JP 2002357600 A JP2002357600 A JP 2002357600A
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biochemical analysis
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stimulable phosphor
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JP2001230084A
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English (en)
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Nobuhiko Ogura
信彦 小倉
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 塩基の配列、長さ、組成などが既知の特異的
結合物質のスポット状領域を高密度に形成した担体から
なる、化学発光又は蛍光の散乱に起因するノイズを防止
することができる生化学解析用ユニット1を提供する。 【解決手段】放射線及び光を減衰させる性質を有すると
ともに、複数の孔3を有し、複数の孔内に吸着性領域4
を形成した基板2を備え、複数の吸着性領域4に、各
々、特異的結合物質を滴下して吸着させ、放射性物質で
標識した生体由来の物質並びにそれとは異なる蛍光物質
又は化学発光基質で標識した生体由来の物質が、複数の
吸着性領域に含まれた特異的結合物質に特異的に結合さ
れて、複数の吸着性領域が選択的に標識されているユニ
ット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学解析用ユニ
ットおよびそれを用いた生化学解析方法に関するもので
あり、さらに詳細には、生体由来の物質と特異的に結合
可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知
の特異的結合物質のスポット状領域を、高密度に、担体
に形成し、スポット状領域に含まれた特異的結合物質
に、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
を特異的に結合させて、選択的に標識して得た生化学解
析用ユニットを、輝尽性蛍光体層と密着させて、輝尽性
蛍光体層を放射性標識物質によって露光し、輝尽性蛍光
体層に励起光を照射して、輝尽性蛍光体層から放出され
た輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用データを生
成する場合にも、放射性標識物質から発せられる電子線
の散乱に起因するノイズが生化学解析用データ中に生成
されることを防止することができ、生体由来の物質と特
異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成
などが既知の特異的結合物質のスポット状領域を、高密
度に、担体に形成し、スポット状領域に含まれた特異的
結合物質に、放射性標識物質に加えて、あるいは、放射
性標識物質に代えて、化学発光基質と接触させることに
よって化学発光を生じさせる標識物質および/または蛍
光物質によって標識された生体由来の物質を特異的に結
合させて、選択的に標識して得た生化学解析用ユニット
から発せられる化学発光および/または蛍光を光電的に
検出して、生化学解析用データを生成する場合にも、化
学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさ
せる標識物質および/または蛍光物質から発せられる化
学発光および/または蛍光の散乱に起因するノイズが生
化学解析用データ中に生成されることを防止することが
できる生化学解析用ユニットならびにそれを用いた定量
性の高い生化学解析方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するオートラジオグラフィ解析システムは、写
真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化
学的処理が不必要であるだけでなく、得られたディジタ
ルデータにデータ処理を施すことにより、所望のよう
に、解析用データを再生し、あるいは、コンピュータに
よる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0005】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光解析システムも知られてい
る。
【0006】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、ホルモ
ン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、
その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNA
など、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩
基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質
を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の独立し
たスポットを形成し、次いで、ホルモン類、腫瘍マーカ
ー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク
質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単
離などによって、生体から採取され、あるいは、さら
に、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生体由
来の物質であって、蛍光物質、色素などの標識物質によ
って標識された物質を、ハイブリダイゼーションなどに
よって、特異的結合物質に、特異的に結合させたマイク
ロアレイに、励起光を照射して、蛍光物質、色素などの
標識物質から発せられた蛍光などの光を光電的に検出し
て、生体由来の物質を解析するマイクロアレイ解析シス
テムが開発されている。このマイクロアレイ解析システ
ムによれば、スライドガラス板やメンブレンフィルタな
どの担体表面上の異なる位置に、数多くの特異的結合物
質のスポットを高密度に形成して、標識物質によって標
識された生体由来の物質をハイブリダイズさせることに
よって、短時間に、生体由来の物質を解析することが可
能になるという利点がある。
【0007】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、
抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、
cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用い
て、滴下して、多数の独立したスポットを形成し、次い
で、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、ア
ブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DN
A、mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から
採取され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾な
どの処理が施された生体由来の物質であって、放射性標
識物質によって標識された物質を、ハイブリダイゼーシ
ョンなどによって、特異的結合物質に、特異的に結合さ
せたマクロアレイを、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体
層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽
性蛍光体層を露光し、しかる後に、輝尽性蛍光体層に励
起光を照射し、輝尽性蛍光体層から発せられた輝尽光を
光電的に検出して、生化学解析用データを生成し、生体
由来の物質を解析する放射性標識物質を用いたマクロア
レイ解析システムも開発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、標識物
質として、放射性標識物質を用いたマクロアレイ解析シ
ステムにあっては、放射性標識物質により、輝尽性蛍光
体層を露光する際に、メンブレンフィルタなどの担体上
に形成されたスポット状領域に含まれる放射性標識物質
の放射線エネルギーが非常に大きいため、放射性標識物
質から発せられる電子線(β線)が担体内で散乱し、隣
り合うスポット状領域に含まれた放射性標識物質によっ
て露光されるべき輝尽性蛍光体層の領域に入射し、ある
いは、隣り合うスポット状領域含まれた放射性標識物質
から発せられた電子線が混ざり合って、輝尽性蛍光体層
の領域に入射し、その結果、輝尽光を光電的に検出して
生成された生化学解析用データ中にノイズを生成し、各
スポット状領域の放射線量を定量して、生体由来の物質
を解析する際、定量性が悪化するという問題があり、ス
ポット状領域を近接して形成して、高密度化しようとす
る場合には、とくに、著しい定量性の悪化が認められ
た。
【0009】隣り合うスポット状領域に含まれた放射性
標識物質から発せられる電子線の散乱に起因するノイズ
を防止して、かかる問題を解消するためには、必然的
に、隣り合うスポット状領域間の距離を大きくすること
が必要になり、スポット状領域の密度が低下し、検査効
率を低下させるという問題があった。
【0010】さらに、生化学解析の分野においては、メ
ンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、ホ
ルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイ
ム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、R
NAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、か
つ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結
合物質を滴下して、複数のスポット状領域を形成し、複
数のスポット状領域に含まれた特異的結合物質に、放射
性標識物質に加えて、あるいは、放射性標識物質に代え
て、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質および/または蛍光物質によって標
識された生体由来の物質を、ハイブリダイゼーションな
どにより、特異的に結合させて、選択的に標識し、放射
性標識物質によって、輝尽性蛍光体層を露光した後、あ
るいは、放射性標識物質による輝尽性蛍光体層の露光に
先立って、あるいは、放射性標識物質によって、輝尽性
蛍光体層を露光することなく、化学発光基質とを接触さ
せて、化学発光基質と標識物質との接触によって生ずる
化学発光を光電的に検出し、および/または、励起光を
照射して、蛍光物質から発せられる蛍光を光電的に検出
して、生体由来の物質を解析することも要求されている
が、かかる場合にも、スポット状領域から発せられた化
学発光や蛍光が担体内で散乱し、あるいは、隣り合うス
ポット状領域から発せられた化学発光や蛍光と混ざり合
い、その結果、化学発光および/または蛍光を光電的に
検出して生成した生化学解析用データ中にノイズを生成
するという問題があった。
【0011】したがって、本発明は、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質のスポット状領域を、高
密度に、担体に形成し、スポット状領域に含まれた特異
的結合物質に、放射性標識物質によって標識された生体
由来の物質を特異的に結合させて、選択的に標識して得
た生化学解析用ユニットを、輝尽性蛍光体層と密着させ
て、輝尽性蛍光体層を放射性標識物質によって露光し、
輝尽性蛍光体層に励起光を照射して、輝尽性蛍光体層か
ら放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用
データを生成する場合にも、放射性標識物質から発せら
れる電子線の散乱に起因するノイズが生化学解析用デー
タ中に生成されることを防止することができ、生体由来
の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の
長さ、組成などが既知の特異的結合物質のスポット状領
域を、高密度に、担体に形成し、スポット状領域に含ま
れた特異的結合物質に、放射性標識物質に加えて、ある
いは、放射性標識物質に代えて、化学発光基質と接触さ
せることによって化学発光を生じさせる標識物質および
/または蛍光物質によって標識された生体由来の物質を
特異的に結合させて、選択的に標識して得た生化学解析
用ユニットから発せられる化学発光および/または蛍光
を光電的に検出して、生化学解析用データを生成する場
合にも、化学発光基質と接触させることによって化学発
光を生じさせる標識物質および/または蛍光物質から発
せられる化学発光および/または蛍光の散乱に起因する
ノイズが生化学解析用データ中に生成されることを防止
することができる生化学解析用ユニットならびにそれを
用いた定量性の高い生化学解析方法を提供することを目
的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
放射線および光を減衰させる性質を有するとともに、複
数の孔が形成され、前記複数の孔内に、それぞれ、吸着
性領域が形成された基板を備え、前記基板の前記複数の
孔内に形成された吸着性領域に、それぞれ、構造または
特性が既知の特異的結合物質が滴下されて、前記吸着性
領域に吸着され、ある検体から採取され、放射性標識物
質によって標識された生体由来の物質ならびに前記検体
とは異なる検体から採取され、蛍光物質または化学発光
基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標
識物質によって標識された生体由来の物質が、前記複数
の吸着性領域に含まれた前記特異的結合物質に、特異的
に結合されて、前記複数の吸着性領域が選択的に標識さ
れていることを特徴とする生化学解析用ユニットによっ
て達成される。
【0013】本発明によれば、生体由来の物質と特異的
に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成など
が既知の特異的結合物質を、生化学解析用ユニットに高
密度に形成された複数の孔内の吸着性領域に滴下し、放
射性標識物質によって標識された生体由来の物質を、特
異的結合物質に特異的に結合させて、複数の吸着性領域
を選択的に標識した後、生化学解析用ユニットを、輝尽
性蛍光体層に対向させて、輝尽性蛍光体層を、複数の吸
着性領域に含まれている放射性標識物質によって露光す
る際に、生化学解析用ユニットの基板が、放射線および
光を減衰させる性質を有しているから、各吸着性領域に
含まれた放射性標識物質から発せられた電子線(β線)
が基板内で散乱し、隣り合う孔内に形成された吸着性領
域から発せられた電子線によって露光されるべき輝尽性
蛍光体層の領域内に、電子線が入射することを確実に防
止することができ、したがって、放射性標識物質によっ
て露光された輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性
蛍光体層から放出された輝尽光を光電的に検出して、生
成された生化学解析用データ中に、放射性標識物質から
発せられる電子線の散乱に起因するノイズが生化学解析
用データ中に生成されることを効果的に防止することが
可能になり、定量性に優れた生化学解析用データを生成
することが可能になる。
【0014】また、本発明によれば、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質を、生化学解析用ユニッ
トに高密度に形成された複数の孔内の吸着性領域に滴下
し、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
に加えて、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質および/または蛍光物質によ
って標識された生体由来の物質を、特異的結合物質に特
異的に結合させて、複数の吸着性領域を選択的に標識し
た後に、化学発光基質と標識物質との接触によって生ず
る化学発光、および/または、励起光を照射して、蛍光
物質から発せられる蛍光を光電的に検出して、生化学解
析用データを生成する際に、生化学解析用ユニットの基
板が、放射線および光を減衰させる性質を有しているか
ら、化学発光および/または蛍光が基板内で散乱するこ
とを確実に防止することができ、したがって、化学発光
および/または蛍光を光電的に検出して生成した生化学
解析用データ中に、化学発光および/または蛍光の散乱
に起因するノイズが生成されることを効果的に防止する
ことが可能になる。
【0015】さらに、本発明によれば、生化学解析用ユ
ニットの複数の吸着性領域に、それぞれ、構造または特
性が既知の特異的結合物質が滴下されて、吸着性領域に
吸着され、ある検体から採取され、放射性標識物質によ
って標識された生体由来の物質ならびに検体とは異なる
検体から採取され、蛍光物質または化学発光基質と接触
させることによって化学発光を生じさせる標識物質によ
って標識された生体由来の物質が、複数の吸着性領域に
含まれた特異的結合物質に、特異的に結合されて、複数
の吸着性領域が選択的に標識されているから、異なる検
体から生体由来の物質を採取し、生化学解析用データを
生成して、遺伝子発現状態を比較し、検査する場合に、
1つの生化学解析用ユニットに形成された複数の吸着性
領域に滴下された特異的結合物質に、放射性標識物質に
よって標識された生体由来の物質に加えて、蛍光物質に
よって標識された生体由来の物質または化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
によって標識された生体由来の物質を、同時に、かつ、
選択的に、特異的に結合させて、ある検体の放射線デー
タおよび他の検体の蛍光データまたは化学発光データ
を、生化学解析用ユニットに記録し、生化学解析用ユニ
ットに記録されたある検体の放射線データおよび他の検
体の蛍光データまたは化学発光データを読み取って、異
なる検体の生化学解析用データを生成し、比較検査する
ことができ、したがって、特異的結合物質を、つねに、
正確に同じパターンで、担体表面に滴下することが著し
く困難であることに起因して、検査精度が低下すること
を確実に防止することができるから、生化学解析の精度
を大幅に向上させることが可能になる。
【0016】本発明の好ましい実施態様においては、放
射性標識物質によって標識された生体由来の物質に加え
て、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
が採取された前記検体とは異なる少なくとも2種の検体
から採取され、それぞれ、蛍光物質または化学発光基質
と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物
質のうち、互いに異なる標識物質によって標識された少
なくとも2種の生体由来の物質が、前記複数の吸着性領
域に含まれた前記特異的結合物質に、特異的に結合され
ている。
【0017】本発明の好ましい実施態様によれば、放射
性標識物質によって標識された生体由来の物質に加え
て、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
が採取された検体とは異なる少なくとも2種の検体から
採取され、それぞれ、蛍光物質または化学発光基質と接
触させることによって化学発光を生じさせる標識物質の
うち、互いに異なる標識物質によって標識された少なく
とも2種の生体由来の物質が、複数の吸着性領域に含ま
れた特異的結合物質に、特異的に結合されているから、
異なる検体から生体由来の物質を採取し、生化学解析用
データを生成して、遺伝子発現状態を比較し、検査する
場合に、1つの生化学解析用ユニットに形成された複数
の吸着性領域に滴下された特異的結合物質に、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質に加えて、蛍
光物質によって標識された生体由来の物質または化学発
光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる
標識物質によって標識された生体由来の物質を、同時
に、かつ、選択的に、特異的に結合させて、ある検体の
放射線データおよび他の検体の蛍光データまたは化学発
光データを、生化学解析用ユニットに記録し、生化学解
析用ユニットに記録されたある検体の放射線データおよ
び他の検体の蛍光データまたは化学発光データを読み取
って、異なる検体の生化学解析用データを生成し、比較
検査することができ、したがって、特異的結合物質を、
つねに、正確に同じパターンで、担体表面に滴下するこ
とが著しく困難であることに起因して、検査精度が低下
することを確実に防止することができるから、生化学解
析の精度を大幅に向上させることが可能になる。
【0018】本発明の前記目的はまた、光を減衰させる
性質を有するとともに、複数の孔が形成され、前記複数
の孔内に、それぞれ、吸着性領域が形成された基板を備
え、前記基板の前記複数の孔内に形成された吸着性領域
に、それぞれ、構造または特性が既知の特異的結合物質
が滴下され、少なくとも2つの異なる検体から採取さ
れ、それぞれ、効率的に励起することのできる励起光の
波長を互いに異にする少なくとも2種の蛍光物質および
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質のうち、互いに異なる標識物質によって
標識された生体由来の物質が、前記複数の吸着性領域に
含まれた前記特異的結合物質に、特異的に結合されて、
前記複数の吸着性領域が選択的に標識されていることを
特徴とする生化学解析用ユニットによって達成される。
【0019】本発明によれば、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域に、それぞれ、構造または特性が既知
の特異的結合物質が滴下され、少なくとも2つの異なる
検体から採取され、それぞれ、効率的に励起することの
できる励起光の波長を互いに異にする少なくとも2種の
蛍光物質および化学発光基質と接触させることによって
化学発光を生じさせる標識物質のうち、互いに異なる標
識物質によって標識された生体由来の物質が、特異的結
合物質に、特異的に結合されて、複数の吸着性領域が選
択的に標識されているから、異なる検体から生体由来の
物質を採取し、生化学解析用データを生成して、遺伝子
発現状態を比較し、検査する場合に、1つの生化学解析
用ユニットに形成された複数の吸着性領域に滴下された
特異的結合物質に、蛍光物質によって標識された生体由
来の物質および化学発光基質と接触させることによって
化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体
由来の物質を、同時に、かつ、選択的に、特異的に結合
させて、ある検体の蛍光データおよび他の検体の化学発
光データを、生化学解析用ユニットに記録し、生化学解
析用ユニットに記録されたある検体の蛍光データおよび
他の検体の化学発光データを読み取って、異なる検体の
生化学解析用データを生成し、比較検査することがで
き、したがって、特異的結合物質を、つねに、正確に同
じパターンで、担体表面に滴下することが著しく困難で
あることに起因して、検査精度が低下することを確実に
防止することができるから、生化学解析の精度を大幅に
向上させることが可能になる。
【0020】本発明の前記目的はまた、光を減衰させる
性質を有するとともに、複数の孔が形成され、前記複数
の孔内に、それぞれ、吸着性領域が形成された基板を備
え、前記基板の前記複数の孔内に形成された吸着性領域
に、それぞれ、構造または特性が既知の特異的結合物質
が滴下され、少なくとも2つの異なる検体から採取さ
れ、それぞれ、効率的に励起することのできる励起光の
波長を互いに異にする少なくとも2種の蛍光物質のう
ち、互いに異なる蛍光物質によって標識された生体由来
の物質が、前記複数の吸着性領域に含まれた前記特異的
結合物質に、特異的に結合されて、前記複数の吸着性領
域が選択的に標識されていることを特徴とする生化学解
析用ユニットによって達成される。
【0021】本発明によれば、生化学解析用ユニットの
複数の吸着性領域に、それぞれ、構造または特性が既知
の特異的結合物質が滴下され、少なくとも2つの異なる
検体から採取され、それぞれ、効率的に励起することの
できる励起光の波長を互いに異にする少なくとも2種の
蛍光物質のうち、互いに異なる蛍光物質によって標識さ
れた生体由来の物質が、特異的結合物質に、特異的に結
合されて、複数の吸着性領域が選択的に標識されている
から、異なる検体から生体由来の物質を採取し、生化学
解析用データを生成して、遺伝子発現状態を比較し、検
査する場合に、1つの生化学解析用ユニットに形成され
た複数の吸着性領域に滴下された特異的結合物質に、効
率的に励起することのできる励起光の波長を互いに異に
する少なくとも2種の蛍光物質によって、それぞれ、標
識された生体由来の物質を、同時に、かつ、選択的に、
特異的に結合させて、ある検体の蛍光データおよび他の
検体の蛍光データを、生化学解析用ユニットに記録し、
生化学解析用ユニットに記録されたある検体の蛍光デー
タおよび他の検体の蛍光データを読み取って、異なる検
体の生化学解析用データを生成し、比較検査することが
でき、したがって、特異的結合物質を、つねに、正確に
同じパターンで、担体表面に滴下することが著しく困難
であることに起因して、検査精度が低下することを確実
に防止することができるから、生化学解析の精度を大幅
に向上させることが可能になる。
【0022】本発明において、蛍光物質によって標識さ
れているとは、蛍光色素によって標識されている場合
と、酵素を標識された試料と結合させた後に、酵素を蛍
光基質と接触させて、蛍光基質を、蛍光を発する蛍光物
質に変化させ、得られた蛍光物質によって標識されてい
る場合とを包含している。
【0023】本発明の前記目的は、放射線および光を減
衰させる性質を有する基板に形成した複数の孔内に形成
された吸着性領域に、それぞれ、構造または特性が既知
の特異的結合物質を滴下して、前記吸着性領域に吸着さ
せ、ある検体から採取され、放射性標識物質によって標
識された生体由来の物質ならびに前記検体とは異なる検
体から採取され、蛍光物質または化学発光基質と接触さ
せることによって化学発光を生じさせる標識物質によっ
て標識された生体由来の物質を、前記複数の吸着性領域
に含まれた前記特異的結合物質に、特異的に結合させ
て、前記複数の吸着性領域が選択的に標識して、生化学
解析用ユニットを作製し、前記生化学解析用ユニット
を、輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シート
に、前記輝尽性蛍光体層が前記複数の吸着性領域と対向
するように、重ね合わせて、前記複数の吸着性領域に含
まれた前記放射性標識物質によって、前記輝尽性蛍光体
層を露光し、前記放射性標識物質によって露光された前
記輝尽性蛍光体層に励起光を照射して、前記輝尽性蛍光
体層に含まれた輝尽性蛍光体を励起し、前記輝尽性蛍光
体層に含まれた輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光
電的に検出して、前記放射性標識物質の放射線データを
読み取り、生化学解析用データを生成し、前記生化学解
析用データに基づいて、生化学解析を実行することを特
徴とする生化学解析方法によって達成される。
【0024】本発明によれば、生体由来の物質と特異的
に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成など
が既知の特異的結合物質を、生化学解析用ユニットに高
密度に形成された複数の孔内の吸着性領域に滴下し、放
射性標識物質によって標識された生体由来の物質を、特
異的結合物質に特異的に結合させて、複数の吸着性領域
を選択的に標識した後、生化学解析用ユニットを、輝尽
性蛍光体層に対向させて、輝尽性蛍光体層を、複数の吸
着性領域に含まれている放射性標識物質によって露光す
る際に、生化学解析用ユニットの基板が、放射線および
光を減衰させる性質を有しているから、各吸着性領域に
含まれた放射性標識物質から発せられた電子線(β線)
が基板内で散乱し、隣り合う孔内に形成された吸着性領
域から発せられた電子線によって露光されるべき輝尽性
蛍光体層の領域内に、電子線が入射することを確実に防
止することができ、したがって、放射性標識物質によっ
て露光された輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性
蛍光体層から放出された輝尽光を光電的に検出して、生
成された生化学解析用データ中に、放射性標識物質から
発せられる電子線の散乱に起因するノイズが生化学解析
用データ中に生成されることを効果的に防止することが
可能になり、定量性に優れた生化学解析用データを生成
することが可能になる。
【0025】また、本発明によれば、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質を、生化学解析用ユニッ
トに高密度に形成された複数の孔内の吸着性領域に滴下
し、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
に加えて、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質および/または蛍光物質によ
って標識された生体由来の物質を、特異的結合物質に特
異的に結合させて、複数の吸着性領域を選択的に標識し
た後に、化学発光基質と標識物質との接触によって生ず
る化学発光、および/または、励起光を照射して、蛍光
物質から発せられる蛍光を光電的に検出して、生化学解
析用データを生成する際に、生化学解析用ユニットの基
板が、放射線および光を減衰させる性質を有しているか
ら、化学発光および/または蛍光が基板内で散乱するこ
とを確実に防止することができ、したがって、化学発光
および/または蛍光を光電的に検出して生成した生化学
解析用データ中に、化学発光および/または蛍光の散乱
に起因するノイズが生成されることを効果的に防止する
ことが可能になる。
【0026】さらに、本発明によれば、生化学解析用ユ
ニットの複数の吸着性領域に、それぞれ、構造または特
性が既知の特異的結合物質を滴下して、吸着性領域に吸
着させ、ある検体から採取され、放射性標識物質によっ
て標識された生体由来の物質ならびに検体とは異なる検
体から採取され、蛍光物質または化学発光基質と接触さ
せることによって化学発光を生じさせる標識物質によっ
て標識された生体由来の物質を、複数の吸着性領域に含
まれた特異的結合物質に、特異的に結合させて、複数の
吸着性領域が選択的に標識して、生化学解析用ユニット
を作製しているから、異なる検体から生体由来の物質を
採取し、生化学解析用データを生成して、遺伝子発現状
態を比較し、検査する場合に、1つの生化学解析用ユニ
ットに形成された複数の吸着性領域に滴下された特異的
結合物質に、放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質に加えて、蛍光物質によって標識された生体由
来の物質または化学発光基質と接触させることによって
化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体
由来の物質を、同時に、かつ、選択的に、特異的に結合
させて、ある検体の放射線データおよび他の検体の蛍光
データまたは化学発光データを、生化学解析用ユニット
に記録し、生化学解析用ユニットに記録されたある検体
の放射線データおよび他の検体の蛍光データまたは化学
発光データを読み取って、異なる検体の生化学解析用デ
ータを生成し、比較検査することができ、したがって、
特異的結合物質を、つねに、正確に同じパターンで、担
体表面に滴下することが著しく困難であることに起因し
て、検査精度が低下することを確実に防止することがで
きるから、生化学解析の精度を大幅に向上させることが
可能になる。
【0027】本発明の好ましい実施態様においては、放
射性標識物質によって標識された生体由来の物質に加え
て、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
が採取された前記検体とは異なる少なくとも2種の検体
から採取され、それぞれ、蛍光物質または化学発光基質
と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物
質のうち、互いに異なる標識物質によって標識された少
なくとも2種の生体由来の物質を、前記複数の吸着性領
域に含まれた前記特異的結合物質に、特異的に結合させ
て、前記複数の吸着性領域が選択的に標識するように構
成されている。
【0028】本発明の好ましい実施態様によれば、放射
性標識物質によって標識された生体由来の物質に加え
て、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
が採取された検体とは異なる少なくとも2種の検体から
採取され、それぞれ、蛍光物質または化学発光基質と接
触させることによって化学発光を生じさせる標識物質の
うち、互いに異なる標識物質によって標識された少なく
とも2種の生体由来の物質を、複数の吸着性領域に含ま
れた特異的結合物質に、特異的に結合させて、複数の吸
着性領域が選択的に標識するように構成されているか
ら、異なる検体から生体由来の物質を採取し、生化学解
析用データを生成して、遺伝子発現状態を比較し、検査
する場合、1つの生化学解析用ユニットに形成された複
数の吸着性領域に滴下された特異的結合物質に、放射性
標識物質によって標識された生体由来の物質に加えて、
蛍光物質によって標識された生体由来の物質または化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質によって標識された生体由来の物質を、同時
に、かつ、選択的に、特異的に結合させて、ある検体の
放射線データおよび他の検体の蛍光データまたは化学発
光データを、生化学解析用ユニットに記録し、生化学解
析用ユニットに記録されたある検体の放射線データおよ
び他の検体の蛍光データまたは化学発光データを読み取
って、異なる検体の生化学解析用データを生成し、比較
検査することができ、したがって、特異的結合物質を、
つねに、正確に同じパターンで、担体表面に滴下するこ
とが著しく困難であることに起因して、検査精度が低下
することを確実に防止することができるから、生化学解
析の精度を大幅に向上させることが可能になる。
【0029】本発明の好ましい実施態様においては、前
記蓄積性蛍光体シートが、前記生化学解析用ユニットの
前記基板に形成された前記複数の孔と略同一のパターン
によって、複数のドット状の輝尽性蛍光体層領域が、互
いに離間して形成された支持体を備え、前記複数のドッ
ト状の輝尽性蛍光体層領域の各々が、前記生化学解析用
ユニットの前記基板に形成された前記複数の吸着性領域
と対向するように、前記生化学解析用ユニットと前記蓄
積性蛍光体シートとを重ね合わせて、前記複数の吸着性
領域に含まれた前記放射性標識物質によって、前記蓄積
性蛍光体シートの前記複数のドット状の輝尽性蛍光体層
領域を露光するように構成されている。
【0030】本発明の好ましい実施態様によれば、蓄積
性蛍光体シートが、生化学解析用ユニットの基板に形成
された複数の孔と略同一のパターンによって、複数のド
ット状の輝尽性蛍光体層領域が、互いに離間して形成さ
れた支持体を備え、複数のドット状の輝尽性蛍光体層領
域の各々が、生化学解析用ユニットの基板に形成された
複数の吸着性領域と対向するように、生化学解析用ユニ
ットと蓄積性蛍光体シートとを重ね合わせて、複数の吸
着性領域に含まれた放射性標識物質によって、蓄積性蛍
光体シートの複数のドット状の輝尽性蛍光体層領域を露
光するように構成されているから、各吸着性領域に含ま
れた放射性標識物質から発せられた電子線が散乱して、
隣り合う吸着性領域に対向するドット状の輝尽性蛍光体
層領域に到達することが確実に防止され、したがって、
蓄積性蛍光体シートに形成された複数のドット状輝尽性
蛍光体層領域を、対応する吸着性領域に含まれた放射性
標識物質のみによって、確実に露光することが可能にな
り、生化学解析の定量性を向上させることが可能にな
る。
【0031】本発明の前記目的はまた、光を減衰させる
性質を有する基板に形成した複数の孔内に形成された吸
着性領域に、それぞれ、構造または特性が既知の特異的
結合物質を滴下し、少なくとも2つの異なる検体から採
取され、それぞれ、効率的に励起することのできる励起
光の波長を互いに異にする少なくとも2種の蛍光物質お
よび化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質のうち、互いに異なる標識物質によ
って標識された生体由来の物質を、前記複数の吸着性領
域に含まれた前記特異的結合物質に、特異的に結合させ
て、前記複数の吸着性領域が選択的に標識することを特
徴とする生化学解析方法によって達成される。
【0032】本発明によれば、光を減衰させる性質を有
する基板に形成した複数の孔内に形成された吸着性領域
に、それぞれ、構造または特性が既知の特異的結合物質
を滴下し、少なくとも2つの異なる検体から採取され、
それぞれ、効率的に励起することのできる励起光の波長
を互いに異にする少なくとも2種の蛍光物質および化学
発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせ
る標識物質のうち、互いに異なる標識物質によって標識
された生体由来の物質を、複数の吸着性領域に含まれた
特異的結合物質に、特異的に結合させて、複数の吸着性
領域が選択的に標識するように構成されているから、異
なる検体から生体由来の物質を採取し、生化学解析用デ
ータを生成して、遺伝子発現状態を比較し、検査する場
合に、1つの生化学解析用ユニットに形成された複数の
吸着性領域に滴下された特異的結合物質に、蛍光物質に
よって標識された生体由来の物質および化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
によって標識された生体由来の物質を、同時に、かつ、
選択的に、特異的に結合させて、ある検体の蛍光データ
および他の検体の化学発光データを、生化学解析用ユニ
ットに記録し、生化学解析用ユニットに記録されたある
検体の蛍光データおよび他の検体の化学発光データを読
み取って、異なる検体の生化学解析用データを生成し、
比較検査することができ、したがって、特異的結合物質
を、つねに、正確に同じパターンで、担体表面に滴下す
ることが著しく困難であることに起因して、検査精度が
低下することを確実に防止することができるから、生化
学解析の精度を大幅に向上させることが可能になる。
【0033】本発明の前記目的はまた、光を減衰させる
性質を有する基板に形成した複数の孔内に形成された吸
着性領域に、それぞれ、構造または特性が既知の特異的
結合物質を滴下し、少なくとも2つの異なる検体から採
取され、それぞれ、効率的に励起することのできる励起
光の波長を互いに異にする少なくとも2種の蛍光物質の
うち、互いに異なる蛍光物質によって標識された生体由
来の物質を、前記複数の吸着性領域に含まれた前記特異
的結合物質に、特異的に結合させて、前記複数の吸着性
領域が選択的に標識し、前記複数の吸着性領域に、波長
の異なる励起光を照射して、前記少なくとも2種の蛍光
物質を、それぞれ、励起し、前記少なくとも2種の蛍光
物質から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解
析用データを生成し、前記生化学解析用データに基づい
て、生化学解析を実行することを特徴とする生化学解析
方法によって達成される。
【0034】本発明によれば、光を減衰させる性質を有
する基板に形成した複数の孔内に形成された吸着性領域
に、それぞれ、構造または特性が既知の特異的結合物質
を滴下し、少なくとも2つの異なる検体から採取され、
それぞれ、効率的に励起することのできる励起光の波長
を互いに異にする少なくとも2種の蛍光物質のうち、互
いに異なる蛍光物質によって標識された生体由来の物質
を、複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、特
異的に結合させて、複数の吸着性領域が選択的に標識
し、複数の吸着性領域に、波長の異なる励起光を照射し
て、少なくとも2種の蛍光物質を、それぞれ、励起し、
少なくとも2種の蛍光物質から放出された蛍光を光電的
に検出して、生化学解析用データを生成し、生化学解析
用データに基づいて、生化学解析を実行するように構成
されているから、異なる検体から生体由来の物質を採取
し、生化学解析用データを生成して、遺伝子発現状態を
比較し、検査する場合に、1つの生化学解析用ユニット
に形成された複数の吸着性領域に滴下された特異的結合
物質に、効率的に励起することのできる励起光の波長を
互いに異にする少なくとも2種の蛍光物質によって、そ
れぞれ、標識された生体由来の物質を、同時に、かつ、
選択的に、特異的に結合させて、ある検体の蛍光データ
および他の検体の蛍光データを、生化学解析用ユニット
に記録し、生化学解析用ユニットに記録されたある検体
の蛍光データおよび他の検体の蛍光データを読み取っ
て、異なる検体の生化学解析用データを生成し、比較検
査することができ、したがって、特異的結合物質を、つ
ねに、正確に同じパターンで、担体表面に滴下すること
が著しく困難であることに起因して、検査精度が低下す
ることを確実に防止することができるから、生化学解析
の精度を大幅に向上させることが可能になる。
【0035】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生体由来の物質が、ハイブリダイゼーション、抗原抗
体反応、リセプター・リガンドよりなる群から選ばれた
反応によって、前記特異的結合物質と結合されている。
【0036】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数
の孔内に、吸着性材料が充填されて、形成されている。
【0037】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板に形成された前記複数の孔が、それぞれ、
貫通孔によって構成されている。
【0038】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記基板に形成された前記複数の孔が、それぞれ、
凹部によって構成されている。
【0039】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板に形成された前記複数の孔が、それぞれ、
貫通孔によって構成され、前記複数の吸着性領域が、前
記基板に形成された前記複数の貫通孔内に、吸着性材料
を含む吸着性膜が圧入されて、形成されている。
【0040】本発明の好ましい実施態様においては、生
化学解析用ユニットは、吸着性材料を含む吸着性基板を
備え、前記基板に形成された前記複数の孔が、それぞ
れ、貫通孔によって構成され、前記吸着性基板の少なく
とも一方の面に、前記基板が密着されて、前記基板に形
成された前記複数の貫通孔内の前記吸着性基板によっ
て、前記複数の吸着性領域が形成されている。
【0041】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記吸着性基板の両面に、前記基板が密着されてい
る。
【0042】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、吸着性基板の両面に、基板が密着されているから、
生化学解析用ユニットの強度を向上させ、生化学解析用
ユニットを容易にハンドリングすることが可能になる。
【0043】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域が、規則的に、前記生化学解析用ユ
ニットの前記基板に形成されている。
【0044】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の吸着性領域が、それぞれ、略円形に形成されて
いる。
【0045】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域
が、それぞれ、略矩形状に形成されている。
【0046】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板に、10以上の吸着
性領域が形成されている。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、50以上
の吸着性領域が形成されている。
【0048】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、100以
上の吸着性領域が形成されている。
【0049】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、500以
上の吸着性領域が形成されている。
【0050】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
以上の吸着性領域が形成されている。
【0051】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、5000
以上の吸着性領域が形成されている。
【0052】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
0以上の吸着性領域が形成されている。
【0053】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、5000
0以上の吸着性領域が形成されている。
【0054】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、1000
00以上の吸着性領域が形成されている。
【0055】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記吸着性領域が、5平方ミ
リメートル未満のサイズを有している。
【0056】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記吸着性領域が、1
平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0057】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記吸着性領域が、
0.5平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0058】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記吸着性領域が、
0.1平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0059】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記吸着性領域が、
0.05平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0060】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記吸着性領域が、
0.01平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0061】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板に形成される吸着性領域の密度は、基板の材質、基
板の厚みおよび放射性標識物質から放出される電子線の
種類あるいは蛍光物質から放出される蛍光の波長などに
応じて、決定される。
【0062】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記吸着性領域が、10個/
平方センチメートル以上の密度で、前記基板に形成され
ている。
【0063】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記吸着性領域が、5
0個/平方センチメートル以上の密度で、前記基板に形
成されている。
【0064】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記吸着性領域が、1
00個/平方センチメートル以上の密度で、前記基板に
形成されている。
【0065】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記吸着性領域が、5
00個/平方センチメートル以上の密度で、前記基板に
形成されている。
【0066】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記吸着性領域が、1
000個/平方センチメートル以上の密度で、前記基板
に形成されている。
【0067】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記吸着性領域が、5
000個/平方センチメートル以上の密度で、前記基板
に形成されている。
【0068】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記生化学解析用ユニットの前記吸着性領域が、1
0000個/平方センチメートル以上の密度で、前記基
板に形成されている。
【0069】本発明の好ましい実施態様においては、前
記基板が、隣り合う吸着性領域の間の距離に等しい距離
だけ、放射線および光が前記材料中を透過したときに、
放射線および光のエネルギーを1/5以下に減衰させる
性質を有している。
【0070】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板が、隣り合う吸着性領域の間の距離に等し
い距離だけ、放射線および光が前記材料中を透過したと
きに、放射線および光のエネルギーを1/10以下に減
衰させる性質を有している。
【0071】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板が、隣り合う吸着性領域の間の距離に等し
い距離だけ、放射線および光が前記材料中を透過したと
きに、放射線および光のエネルギーを1/50以下に減
衰させる性質を有している。
【0072】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板が、隣り合う吸着性領域の間の距離に等し
い距離だけ、放射線および光が前記材料中を透過したと
きに、放射線および光のエネルギーを、1/100以下
に減衰させる性質を有している。
【0073】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板が、隣り合う吸着性領域の間の距離に等し
い距離だけ、放射線および光が前記材料中を透過したと
きに、放射線および光のエネルギーを、1/500以下
に減衰させる性質を有している。
【0074】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板が、隣り合う吸着性領域の間の距離に等し
い距離だけ、放射線および光が前記材料中を透過したと
きに、放射線および光のエネルギーを、1/1000以
下に減衰させる性質を有している。
【0075】本発明の好ましい実施態様においては、前
記基板が、隣り合う吸着性領域の間の距離に等しい距離
だけ、光が前記材料中を透過したときに、光のエネルギ
ーを、1/5以下に減衰させる性質を有している。
【0076】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板が、隣り合う吸着性領域の間の距離に等し
い距離だけ、光が前記材料中を透過したときに、光のエ
ネルギーを、1/10以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0077】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板が、隣り合う吸着性領域の間の距離に等し
い距離だけ、光が前記材料中を透過したときに、光のエ
ネルギーを、1/50以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0078】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板が、隣り合う吸着性領域の間の距離に等し
い距離だけ、光が前記材料中を透過したときに、光のエ
ネルギーを、1/100以下に減衰させる性質を有して
いる。
【0079】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板が、隣り合う吸着性領域の間の距離に等し
い距離だけ、光が前記材料中を透過したときに、光のエ
ネルギーを、1/500以下に減衰させる性質を有して
いる。
【0080】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板が、隣り合う吸着性領域の間の距離に等し
い距離だけ、光が前記材料中を透過したときに、光のエ
ネルギーを、1/1000以下に減衰させる性質を有し
ている。
【0081】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成することのできる材料としては、放射線およ
び/または光を減衰させる性質を有し、あるいは、光を
減衰させる性質を有するものであれば、とくに限定され
るものではなく、無機化合物材料、有機化合物材料のい
ずれをも使用することができるが、金属材料、セラミッ
ク材料またはプラスチック材料が、好ましく使用され
る。
【0082】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために好ましく使用することのできる無
機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、
アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケ
ル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステ
ンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリ
コン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪
素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイ
ト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパ
タイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができ
る。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのよ
うな多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。
【0083】本発明において、生化学解析用ユニットの
基板を形成するために好ましく使用することのできる有
機化合物材料としては、高分子化合物が好ましく用いら
れ、好ましく使用可能な高分子化合物としては、たとえ
ば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアクリレート/
メチルメタクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポ
リアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリ
デン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチ
レン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネ
ート;ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフ
タレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン
6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポリイミ
ド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリ
ジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックな
どのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポ
リスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;セルロー
ス、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん粉、アル
ギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチ
ン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれ
ら高分子化合物の共重合体などを挙げることができる。
これらは、複合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化
物粒子やガラス繊維などを充填することもでき、また、
有機化合物材料をブレンドして、使用することもでき
る。
【0084】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、生化学解析用ユニットの基板は、比
重1.0g/cm以上の化合物材料または複合材料に
よって形成されることが好ましく、比重が1.5g/c
以上、23g/cm以下の化合物材料または複合
材料によって形成されることが、とくに好ましい。
【0085】また、一般に、光の散乱および/または吸
収が大きいほど、光の減衰能が高くなるので、生化学解
析用ユニットの基板は、厚さ1cmあたりの吸光度が
0.3以上であることが好ましく、厚さ1cmあたりの
吸光度が1以上であれば、さらに好ましい。ここに、吸
光度は、厚さTcmの板状体の直後に、積分球を置き、
計測に利用するプローブ光またはエミッション光の波長
における透過光量Aを分光光度計によって測定し、A/
Tを算出することによって、求められる。本発明におい
て、光減衰能を向上させるために、光散乱体や光吸収体
を、生化学解析用ユニットの基板に含有させることもで
きる。光散乱体としては、生化学解析用ユニットの基板
を形成している材料と異なる材料の微粒子が用いられ、
光吸収体としては、顔料または染料が用いられる。
【0086】本発明の好ましい実施態様においては、前
記生化学解析用ユニットの前記基板が可撓性材料によっ
て形成されている。
【0087】本発明の好ましい実施態様によれば、生化
学解析用ユニットの基板が可撓性材料によって形成され
ているため、生化学解析用ユニットを湾曲させて、ハイ
ブリダイゼーション溶液を接触させ、特異的結合物質に
生体由来の物質をハイブリダイズさせることができ、し
たがって、少量のハイブリダイゼーション溶液を用い
て、所望のように、特異的結合物質に生体由来の物質を
ハイブリダイズさせることが可能になる。
【0088】本発明において、吸着性領域を形成する吸
着性材料としては、多孔質材料あるいは繊維材料が好ま
しく使用される。多孔質材料と繊維材料を併用して、吸
着性領域を形成することもできる。
【0089】本発明において、吸着性領域を形成するた
めに使用される多孔質材料は、有機材料、無機材料のい
ずれでもよく、有機/無機複合体でもよい。
【0090】本発明において、吸着性領域を形成するた
めに使用される有機多孔質材料は、とくに限定されるも
のではないが、活性炭などの炭素多孔質材料あるいはメ
ンブレンフィルタを形成可能な多孔質材料が、好ましく
用いられる。メンブレンフィルタを形成可能な多孔質材
料としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン
4,10などのナイロン類;ニトロセルロース、酢酸セ
ルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導
体;コラーゲン;アルギン酸、アルギン酸カルシウム、
アルギン酸/ポリリシンポリイオンコンプレックスなど
のアルギン酸類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデ
ン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオライドな
どのポリフルオライドや、これらの共重合体または複合
体が挙げられる。
【0091】本発明において、吸着性領域を形成するた
めに使用される無機多孔質材料は、とくに限定されるも
のではないが、好ましくは、たとえば、白金、金、鉄、
銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属;アルミナ、シ
リカ、チタニア、ゼオライトなどの金属酸化物;ヒドロ
キシアパタイト、硫酸カルシウムなどの金属塩やこれら
の複合体などが挙げられる。
【0092】本発明において、吸着性領域を形成するた
めに使用される繊維材料は、とくに限定されるものでは
ないが、好ましくは、たとえば、ナイロン6、ナイロン
6,6、ナイロン4,10などのナイロン類、ニトロセ
ルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどの
セルロース誘導体などが挙げられる。
【0093】本発明において、吸着性領域は、電解処
理、プラズマ処理、アーク放電などの酸化処理;シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤などを用いたプ
ライマー処理;界面活性剤処理などの表面処理によって
形成することもできる。
【0094】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体に、複数のドット状の輝尽性蛍光体層領域を形成す
る場合には、支持体の表面に、複数のドット状の輝尽性
蛍光体層領域を形成しても、支持体に、複数の孔をドッ
ト状に形成し、ドット状に形成された複数の孔内に、輝
尽性蛍光体層領域を形成するようにしてもよい。
【0095】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体に、複数のドット状の輝尽性蛍光体層領域を形成す
る場合、複数のドット状の輝尽性蛍光体層領域は、生化
学解析用ユニットに形成された吸着性領域と、同じパタ
ーンによって、形成される。
【0096】本発明の好ましい実施態様においては、蓄
積性蛍光体シートの支持体に、複数の貫通孔が、ドット
状に形成され、輝尽性蛍光体層領域が、複数の貫通孔内
に形成されている。
【0097】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、輝尽性蛍光体層領域が、複数の貫通孔内に、輝尽性
蛍光体が充填されて、形成されている。
【0098】本発明の別の好ましい実施態様において
は、蓄積性蛍光体シートの支持体に、複数の凹部が、ド
ット状に形成され、輝尽性蛍光体層領域が、複数の凹部
内に形成されている。
【0099】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、輝尽性蛍光体層領域が、複数の凹部内に、輝尽性蛍
光体が充填されて、形成されている。
【0100】本発明の好ましい実施態様においては、複
数のドット状の輝尽性蛍光体層領域が、規則的なパター
ンで、蓄積性蛍光体シートに形成されている。
【0101】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体に、複数のドット状の輝尽性蛍光体層領域を形成す
る場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体を形成するた
めの材料としては、放射線を減衰させる性質を有するも
のが好ましく、放射線を減衰させる性質を有する材料
は、とくに限定されるものではなく、無機化合物材料、
有機化合物材料のいずれをも使用することができるが、
金属材料、セラミック材料またはプラスチック材料が、
とくに好ましい。
【0102】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体を形成するために好ましく使用可能で、放射線を減
衰させることのできる無機化合物材料としては、たとえ
ば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタ
ル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレン
などの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリ
コン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ
素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;
タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機
塩を挙げることができる。これらは、単結晶、アモルフ
ァス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造
を有していてもよい。
【0103】本発明において、蓄積性蛍光体シートの支
持体を形成するために好ましく使用可能で、放射線を減
衰させることのできる有機化合物材料としては、高分子
化合物が好ましく用いられ、たとえば、ポリエチレンや
ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタ
クリレート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレー
ト共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリ
ル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化
ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロ
トリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレ
ンナフタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポ
リエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン
4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;
ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロキサ
ンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹
脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタ
ジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロー
ス、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウ
ム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖
類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲ
ン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合
物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複
合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラ
ス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材
料をブレンドして、使用することもできる。
【0104】一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰
能が高くなるので、蓄積性蛍光体シートの支持体は、比
重1.0g/cm以上の化合物材料または複合材料に
よって形成されることが好ましく、比重が1.5g/c
以上、23g/cm以下の化合物材料または複合
材料によって形成されることが、とくに好ましい。
【0105】本発明の好ましい実施態様においては、蓄
積性蛍光体シートの支持体が、隣り合うドット状の輝尽
性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が
前記支持体中を透過したときに、放射線のエネルギー
を、1/5以下に減衰させる性質を有している。
【0106】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合うドット状
の輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放
射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネル
ギーを、1/10以下に減衰させる性質を有している。
【0107】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合うドット状
の輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放
射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネル
ギーを、1/50以下に減衰させる性質を有している。
【0108】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合うドット状
の輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放
射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネル
ギーを、1/100以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0109】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合うドット状
の輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放
射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネル
ギーを、1/500以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0110】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合うドット状
の輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放
射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネル
ギーを、1/1000以下に減衰させる性質を有してい
る。
【0111】本発明において使用される輝尽性蛍光体と
しては、放射線のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によ
って励起され、蓄積している放射線のエネルギーを光の
形で放出可能なものであればよく、とくに限定されるも
のではないが、可視光波長域の光により励起可能である
ものが好ましい。具体的には、たとえば、米国特許第
4,239,968号に開示されたアルカリ土類金属弗
化ハロゲン化物系蛍光体(Ba1−xM2+x)FX:
yA(ここに、M2+はMg、Ca、Sr、Znおよび
Cdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ
土類金属元素、XはCl、BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲン、AはEu、Tb、
Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、YbおよびEr
からなる群より選ばれる少なくとも一種の3価金属元
素、xは0≦x≦0.6、yは0≦y≦0.2であ
る。)、特開平2−276997号公報に開示されたア
ルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体SrFX:Z
(ここに、XはCl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲン、ZはEuまたはCeで
ある。)、特開昭59−56479号公報に開示された
ユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体BaFX・x
NaX’:aEu2+(ここに、XおよびX’はいずれ
も、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであり、xは0<x≦2、aは0<
a≦0.2である。)、特開昭58−69281号公報
に開示されたセリウム付活三価金属オキシハロゲン物系
蛍光体であるMOX:xCe(ここに、MはPr、N
d、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、YbおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも
一種の三価金属元素、XはBrおよびIのうちの一方あ
るいは双方、xは、0<x<0.1である。)、米国特
許第4,539,137号に開示されたセリウム付活希
土類オキシハロゲン物系蛍光体であるLnOX:xCe
(ここに、LnはY、La、GdおよびLuからなる群
より選ばれる少なくとも一種の希土類元素、XはCl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種の
ハロゲン、xは、0<x≦0.1である。)および米国
特許第4,962,047号に開示されたユーロピウム
付活複合ハロゲン物系蛍光体MIIFX・aMX’・b
M’II''2・cMIII'''3 ・xA:yEu
2+(ここに、MIIはBa、SrおよびCaからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、
はLi、Na、K、RbおよびCsからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属元素、M' II
はBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一
種の二価金属元素、MIIIはAl、Ga、InおよびT
lからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元
素、Aは少なくとも一種の金属酸化物、XはCl、Br
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲン、X’、X''およびX'' ' はF、Cl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
あり、aは、0≦a≦2、bは、0≦b≦10−2、c
は、0≦c≦10−2で、かつ、a+b+c≧10−2
であり、xは、0<x≦0.5で、yは、0<y≦0.
2である。)が、好ましく使用し得る。
【0112】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0113】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る生化学解析用ユニットの略斜視図である。
【0114】図1に示されるように、本実施態様にかか
る生化学解析用ユニット1は、可撓性を有するアルミニ
ウムによって形成され、多数の略円形の貫通孔3が高密
度に形成された基板2を備え、多数の貫通孔3の内部に
は、ナイロン6などの吸着性材料が充填されて、吸着性
領域4が形成されている。
【0115】図1には、正確に示されていないが、本実
施態様においては、約10000の約0.01平方ミリ
メートルのサイズを有する貫通孔3が、約5000個/
平方センチメートルの密度で、規則的に、基板2に形成
されている。
【0116】図2は、スポッティング装置の略正面図で
ある。
【0117】生化学解析にあたっては、図2に示される
ように、生化学解析用ユニット1の多数の貫通孔3内に
形成された吸着性領域4に、たとえば、特異的結合物質
として、塩基配列が既知の互いに異なった複数のcDN
Aが、スポッティング装置を使用して、滴下される。
【0118】図2に示されるように、スポッティング装
置のスポッティングヘッド5は、特異的結合物質の溶液
を、生化学解析用ユニット1に向けて、噴射するインジ
ェクタ6とCCDカメラ7を備え、CCDカメラ7によ
って、インジェクタ6の先端部と、cDNAを滴下すべ
き貫通孔3を観察しながら、インジェクタ6の先端部
と、cDNAを滴下すべき貫通孔3の中心とが合致した
ときに、インジェクタ6から、cDNAが滴下されるよ
うに構成され、多数の貫通孔3内に形成された吸着性領
域4に、cDNAを正確に滴下することができるように
保証されている。
【0119】図3は、ハイブリダイズ容器の略横断面図
である。
【0120】図3に示されるように、ハイブリダイゼー
ション容器8は円筒状をなし、内部に、標識物質によっ
て標識された生体由来の物質を含むハイブリダイゼーシ
ョン溶液9が収容されている。
【0121】放射性標識物質によって、特異的結合物
質、たとえば、cDNAを選択的に標識する場合には、
放射性標識物質によって標識された生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション溶液9が調製され、ハイブリ
ダイゼーション容器8内に収容される。
【0122】一方、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって、特異的結
合物質、たとえば、cDNAを選択的に標識する場合に
は、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質
を含むハイブリダイゼーション溶液9が調製され、ハイ
ブリダイゼーション容器8内に収容される。
【0123】さらに、蛍光色素などの蛍光物質によっ
て、特異的結合物質、たとえば、cDNAを選択的に標
識する場合には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識
された生体由来の物質を含むハイブリダイゼーション溶
液9が調製され、ハイブリダイゼーション容器8内に収
容される。
【0124】放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって標識され
た生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション溶液9を調製して、ハイブリ
ダイゼーション容器8内に収容させることもでき、本実
施態様においては、ある被検者Aから採取され、放射性
標識物質によって標識された生体由来の物質、別の被検
者Bから採取され、蛍光色素などの蛍光物質によって標
識された生体由来の物質およびさらに他の被検者Cから
採取され、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質を含むハイブリダイゼーション溶液9が調製さ
れ、ハイブリダイゼーション容器8内に収容されてい
る。
【0125】ハイブリダイゼーションにあたって、多数
の貫通孔3内に形成された吸着性領域4に、特異的結合
物質、たとえば、複数のcDNAが滴下された生化学解
析用ユニット1が、ハイブリダイゼーション容器8内に
挿入されるが、基板2は可撓性を有する金属によって形
成されているため、図3に示されるように、生化学解析
用ユニット1を湾曲させて、ハイブリダイゼーション容
器8の内壁の沿うように、ハイブリダイゼーション容器
8内に挿入することができる。
【0126】図3に示されるように、ハイブリダイゼー
ション容器8は、駆動手段(図示せず)によって、軸ま
わりに回転可能に構成され、生化学解析用ユニット1が
湾曲状態で、ハイブリダイゼーション容器8の内壁の沿
うように、ハイブリダイゼーション容器8内に挿入され
ているため、ハイブリダイゼーション容器8を回転させ
ることによって、ハイブリダイゼーション溶液9が少量
の場合でも、多数の貫通孔3内に形成された吸着性領域
4に滴下された特異的結合物質に、放射性標識物質によ
って標識され、ハイブリダイゼーション溶液9に含まれ
た生体由来の物質、化学発光基質と接触させることによ
って化学発光を生じさせる標識物質によって標識された
生体由来の物質および蛍光色素などの蛍光物質によって
標識され、ハイブリダイゼーション溶液9に含まれた生
体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせること
ができるように構成されている。
【0127】ハイブリダイゼーションの結果、生化学解
析用ユニット1の多数の貫通孔3内に形成された吸着性
領域4に、被検者Aの放射線データ、被検者Bの蛍光デ
ータおよび被検者Cの化学発光データが記録される。
【0128】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された被検者Bの蛍光データは、後述するス
キャナによって読み取られて、生化学解析用データが生
成され、被検者Cの化学発光データは、後述するデータ
生成システムによって読み取られ、生化学解析用データ
が生成される。
【0129】一方、生化学解析用ユニット1の多数の吸
着性領域4に記録された被検者Aの放射線データは、蓄
積性蛍光体シートに転写され、後述するスキャナによっ
て読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0130】図4は、蓄積性蛍光体シートの略斜視図で
ある。
【0131】図4に示されるように、蓄積性蛍光体シー
ト10は、支持体11を備え、支持体11の一方の面に
は、生化学解析用ユニット1に形成された多数の貫通孔
3のパターンと同一のパターンで、多数の略円形のドッ
ト状輝尽性蛍光体層領域12が形成されている。
【0132】本実施態様においては、支持体11は、放
射線を減衰させる性質を有するステンレスによって、形
成されている。
【0133】図5は、多数の貫通孔3内に形成された吸
着性領域4に含まれた放射性標識物質によって、蓄積性
蛍光体シート10に形成された多数のドット状輝尽性蛍
光体層領域12を露光する方法を示す略断面図である。
【0134】図5に示されるように、露光にあたって、
蓄積性蛍光体シート10に形成されたドット状輝尽性蛍
光体層領域12の各々が、生化学解析用ユニット1に形
成された多数の貫通孔3の各々の内部に収容され、ドッ
ト状輝尽性蛍光体層領域12の各々の表面が、生化学解
析用ユニット1に形成された多数の貫通孔3の各々の内
部に形成された吸着性領域4の表面と密着するように、
蓄積性蛍光体シート10が生化学解析用ユニット1上に
重ね合わされる。
【0135】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1の基板2は金属によって形成されているので、ハ
イブリダイゼーションなど、液体による処理を受けて
も、ほとんど伸縮することがなく、したがって、蓄積性
蛍光体シート10に形成されたドット状輝尽性蛍光体層
領域12の各々が、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の貫通孔3の各々の内部に収容され、ドット状輝
尽性蛍光体層領域12の各々の表面が、生化学解析用ユ
ニット1の多数の貫通孔3内に形成された吸着性領域4
の表面と密着するように、蓄積性蛍光体シート10と生
化学解析用ユニット1とを、容易にかつ確実に重ね合わ
せて、ドット状輝尽性蛍光体層領域12を露光すること
が可能になる。
【0136】こうして、所定の時間にわたって、ドット
状輝尽性蛍光体層領域12の各々の表面と、吸着性領域
4のそれぞれの表面と密着させることによって、吸着性
領域4に含まれた放射性標識物質によって、蓄積性蛍光
体シート10に形成された多数のドット状輝尽性蛍光体
層領域12が露光される。
【0137】この際、放射性標識物質から電子線が発せ
られるが、生化学解析用ユニット基板2は、放射線およ
び光を減衰させる性質を有するアルミニウムによって形
成されているため、放射性標識物質から発せられた電子
線が、生化学解析用ユニット1の基板2内で散乱される
ことが効果的に防止され、また、蓄積性蛍光体シート1
0に形成されたドット状輝尽性蛍光体層領域12の各々
は、生化学解析用ユニット1に形成された多数の貫通孔
3の各々の内部に収容されているため、放射性標識物質
から発せられた電子線が、ドット状輝尽性蛍光体層領域
12内で散乱して、隣り合う貫通孔3内に位置するドッ
ト状輝尽性蛍光体層領域12に到達することが効果的に
防止される。
【0138】さらに、本実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10の支持体11が、放射線を減衰させる性
質を有するステンレスによって、形成されているから、
電子線が、蓄積性蛍光体シート10の支持体11内で散
乱し、隣り合うドット状輝尽性蛍光体層領域12に入射
することも確実に防止することができる。
【0139】したがって、蓄積性蛍光体シート10に形
成された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域12を、対
応する貫通孔3内に形成された吸着性領域4に含まれた
放射性標識物質のみによって、確実に露光することが可
能になる。
【0140】こうして、蓄積性蛍光体シート10に形成
された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域12に、放射
性標識物質の放射線データが記録される。
【0141】図6は、蓄積性蛍光体シート10に形成さ
れた多数のドット状輝尽性蛍光体層領域12に記録され
た放射性標識物質の放射線データおよび生化学解析用ユ
ニット1の多数の貫通孔3内に形成された吸着性領域4
に記録された蛍光色素などの蛍光データを読み取って、
生化学解析用データを生成するスキャナの一例を示す略
斜視図であり、図7は、フォトマルチプライア近傍のス
キャナの詳細を示す略斜視図である。
【0142】図6に示されるスキャナは、蓄積性蛍光体
シート10に形成された多数のドット状輝尽性蛍光体層
領域12に記録された放射性標識物質の放射線データお
よび生化学解析用ユニット1の多数の貫通孔3内に形成
された吸着性領域4に記録された蛍光色素などの蛍光デ
ータを読み取り可能に構成されており、640nmの波
長のレーザ光24を発する第1のレーザ励起光源21
と、532nmの波長のレーザ光24を発する第2のレ
ーザ励起光源22と、473nmの波長のレーザ光24
を発する第3のレーザ励起光源23とを備えている。
【0143】本実施態様においては、第1のレーザ励起
光源21は、半導体レーザ光源によって構成され、第2
のレーザ励起光源22および第3のレーザ励起光源23
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素
子によって構成されている。
【0144】第1のレーザ励起光源21により発生され
たレーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平
行光とされた後、ミラー26によって反射される。第1
のレーザ励起光源21から発せられ、ミラー26によっ
て反射されたレーザ光24の光路には、640nmのレ
ーザ光4を透過し、532nmの波長の光を反射する第
1のダイクロイックミラー27および532nm以上の
波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第
2のダイクロイックミラー28が設けられており、第1
のレーザ励起光源21により発生されたレーザ光24
は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダイ
クロイックミラー28を透過して、ミラー29に入射す
る。
【0145】他方、第2のレーザ励起光源22より発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ30により、
平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に
よって反射されて、その向きが90度変えられて、第2
のダイクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入
射する。
【0146】また、第3のレーザ励起光源23から発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ31によっ
て、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー2
8により反射されて、その向きが90度変えられた後、
ミラー29に入射する。
【0147】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射され、さらに、ミラー32に入射
して、反射される。
【0148】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4の光路には、中央部に穴33が形成された凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34が配置されてお
り、ミラー32によって反射されたレーザ光24は、穴
開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラー38に
入射する。
【0149】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0150】光学ヘッド35は、ミラー36と、非球面
レンズ37を備えており、光学ヘッド35に入射したレ
ーザ光24は、ミラー36によって反射されて、非球面
レンズ37によって、ステージ40のガラス板41上に
載置された蓄積性蛍光体シート10あるいは生化学解析
用ユニット1に入射する。
【0151】蓄積性蛍光体シート10のドット状の輝尽
性蛍光体層領域12にレーザ光24が入射すると、蓄積
性蛍光体シート10に形成されたドット状の輝尽性蛍光
体層領域12に含まれている輝尽性蛍光体が励起され
て、輝尽光45が発せられ、生化学解析用ユニット1に
レーザ光24が入射すると、生化学解析用ユニット1に
形成されたドット状の吸着性領域4に含まれている蛍光
物質が励起されて、蛍光45が放出される。
【0152】蓄積性蛍光体シート10のドット状の輝尽
性蛍光体層領域12から放出された輝尽光45あるいは
生化学解析用ユニット1の多ドット状の吸着性領域4か
ら放出された蛍光45は、光学ヘッド35に設けられた
非球面レンズ37によって、ミラー36に集光され、ミ
ラー36によって、レーザ光24の光路と同じ側に反射
され、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射する。
【0153】凹面ミラー38に入射した輝尽光45ある
いは蛍光45は、凹面ミラー38によって反射されて、
穴開きミラー34に入射する。
【0154】穴開きミラー34に入射した輝尽光45あ
るいは蛍光45は、図7に示されるように、凹面ミラー
によって形成された穴開きミラー34によって、下方に
反射されて、フィルタユニット48に入射し、所定の波
長の光がカットされて、フォトマルチプライア50に入
射し、光電的に検出される。
【0155】図7に示されるように、フィルタユニット
48は、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、
51dを備えており、フィルタユニット48は、モータ
(図示せず)によって、図7において、左右方向に移動
可能に構成されている。
【0156】図8は、図7のA−A線に沿った略断面図
である。
【0157】図8に示されるように、フィルタ部材51
aはフィルタ52aを備え、フィルタ52aは、第1の
レーザ励起光源21を用いて、生化学解析用ユニット1
に形成されたの多数のドット状の吸着性領域4に含まれ
ている蛍光色素などの蛍光物質を励起して、蛍光45を
読み取るときに使用されるフィルタ部材であり、640
nmの波長の光をカットし、640nmよりも波長の長
い光を透過する性質を有している。
【0158】図9は、図7のB−B線に沿った断面図で
ある。
【0159】図9に示されるように、フィルタ部材51
bはフィルタ52bを備え、フィルタ52bは、第2の
レーザ励起光源22を用いて、生化学解析用ユニット1
に形成されたの多数のドット状の吸着性領域4に含まれ
ている蛍光色素などの蛍光物質を励起して、蛍光45を
読み取るときに使用されるフィルタ部材であり、532
nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長
い光を透過する性質を有している。
【0160】図10は、図7のC−C線に沿った断面図
である。
【0161】図10に示されるように、フィルタ部材5
1cはフィルタ52cを備え、フィルタ52cは、第3
のレーザ励起光源23を用いて、生化学解析用ユニット
1に形成されたの多数のドット状の吸着性領域4に含ま
れている蛍光色素などの蛍光物質を励起して、蛍光45
を読み取るときに使用されるフィルタ部材であり、47
3nmの波長の光をカットし、473nmよりも波長の
長い光を透過する性質を有している。
【0162】図11は、図7のD−D線に沿った断面図
である。
【0163】図11に示されるように、フィルタ部材5
1dはフィルタ52dを備え、フィルタ52dは、第1
のレーザ励起光源21を用いて、蓄積性蛍光体シート1
0に形成されたドット状の輝尽性蛍光体層領域12に含
まれた輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体層12から
発せられた輝尽光45を読み取るときに使用されるフィ
ルタであり、輝尽性蛍光体層12から放出される輝尽光
の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカ
ットする性質を有している。
【0164】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタ部材51a、51b、51c、51d
を選択的にフォトマルチプライア50の前面に位置させ
ることによって、フォトマルチプライア50は、検出す
べき光のみを光電的に検出することができる。
【0165】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換され、デー
タ処理装置54に送られる。
【0166】図6には図示されていないが、光学ヘッド
35は、走査機構によって、図6において、矢印Xで示
される主走査方向および矢印Yで示された副走査方向に
移動可能に構成され、蓄積性蛍光体シート10に形成さ
れたすべてのドット状輝尽性蛍光体層領域12あるいは
生化学解析用ユニット1に形成されたすべての吸着性領
域4が、レーザ光24によって走査されるように構成さ
れている。
【0167】図12は、光学ヘッドの走査機構の略平面
図である。図12においては、簡易化のため、光学ヘッ
ド35を除く光学系ならびにレーザ光24および輝尽光
45あるいは蛍光45の光路は省略されている。
【0168】図12に示されるように、光学ヘッド35
を走査する走査機構は、基板60を備え、基板60上に
は、副走査パルスモータ61と一対のレール62、62
とが固定され、基板60上には、さらに、図12におい
て、矢印Yで示された副走査方向に、移動可能な基板6
3とが設けられている。
【0169】移動可能な基板63には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ61によって回転されるねじが切られた
ロッド64が係合している。
【0170】移動可能な基板63上には、主走査パルス
モータ65が設けられ、主走査パルスモータ65は、エ
ンドレスベルト66を、生化学解析用ユニット1に形成
された隣り合う吸着性領域4の距離に等しいピッチで、
すなわち、蓄積性蛍光体シート10に形成されたドット
状の輝尽性蛍光体層領域12の距離に等しいピッチで、
間欠的に駆動可能に構成されている。光学ヘッド35
は、エンドレスベルト66に固定されており、主走査パ
ルスモータ65により、エンドレスベルト66が駆動さ
れると、図12において、矢印Xで示された主走査方向
に移動されるように構成されている。図12において、
67は、光学ヘッド35の主走査方向における位置を検
出するリニアエンコーダであり、68は、リニアエンコ
ーダ67のスリットである。
【0171】したがって、主走査パルスモータ65によ
って、エンドレスベルト66が、主走査方向に駆動さ
れ、1ラインの走査が完了すると、副走査パルスモータ
61によって、基板63が、副走査方向に間欠的に移動
されることによって、光学ヘッド35は、図12におい
て、矢印Xで示される主走査方向および矢印Yで示され
る副走査方向に移動され、レーザ光24によって、蓄積
性蛍光体シート10に形成されたすべてのドット状輝尽
性蛍光体層領域12あるいは生化学解析用ユニット1の
全面が走査される。
【0172】図13は、図6に示されたスキャナの制御
系、入力系および駆動系を示すブロックダイアグラムで
ある。
【0173】図13に示されるように、スキャナの制御
系は、スキャナ全体を制御するコントロールユニット7
0を備えており、また、スキャナの入力系は、オペレー
タによって操作され、種々の指示信号を入力可能なキー
ボード71を備えている。
【0174】図13に示されるように、スキャナの駆動
系は、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、5
1dを備えたフィルタユニット48を移動させるフィル
タユニットモータ72を備えている。
【0175】コントロールユニット70は、第1のレー
ザ励起光源21、第2のレーザ励起光源22または第3
のレーザ励起光源23に選択的に駆動信号を出力すると
ともに、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力
可能に構成されている。
【0176】以上のように構成されたスキャナは、以下
のようにして、生化学解析用ユニット1に形成された多
数の吸着性領域4に担持された蛍光物質の蛍光データを
読み取って、生化学解析用ディジタルデータを生成す
る。
【0177】まず、ユーザーによって、生化学解析用ユ
ニット1が、ステージ40のガラス板41上にセットさ
れる。
【0178】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、標識物質である蛍光物質の種類が特定され、蛍光
データを読み取るべき旨の指示信号が入力される。
【0179】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号を受けると、メモリ(図示せ
ず)に記憶されているテーブルにしたがって、使用すべ
きレーザ励起光源を決定するとともに、フィルタ52
a、52b、52cのいずれを蛍光45の光路内に位置
させるかを決定する。
【0180】たとえば、生体由来の物質を標識する蛍光
物質として、532nmの波長のレーザによって、最も
効率的に励起することのできるローダミン(登録商標)
が使用され、その旨がキーボード71に入力されたとき
は、コントロールユニット70は第2のレーザ励起光源
22を選択するとともに、フィルタ52bを選択し、フ
ィルタユニットモータ72に駆動信号を出力して、フィ
ルタユニット48を移動させ、532nmの波長の光を
カットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性
質を有するフィルタ52bを備えたフィルタ部材51b
を、蛍光45の光路内に位置させる。
【0181】次いで、コントロールユニット70は、第
2のレーザ励起光源22に駆動信号を出力し、第2のレ
ーザ励起光源22を起動させ、532nmの波長のレー
ザ光24を発せさせる。
【0182】第2のレーザ励起光源22から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ30によって、平行
な光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に入
射して、反射される。
【0183】第1のダイクロイックミラー27によって
反射されたレーザ光24は、第2のダイクロイックミラ
ー28を透過し、ミラー29に入射する。
【0184】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0185】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0186】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0187】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された生化
学解析用ユニット1に集光される。
【0188】その結果、レーザ光24によって、生化学
解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4に含
まれた蛍光色素などの蛍光物質、たとえば、ローダミン
が励起されて、蛍光が発せられる。
【0189】ここに、本実施態様にかかる生化学解析用
ユニット1にあっては、生化学解析用ユニット1の基板
2が放射線および光を減衰させる性質を有するアルミニ
ウムによって形成されているので、蛍光物質から放出さ
れた蛍光が、基板2内で散乱して、隣り合う吸着性領域
4に含まれる蛍光物質から放出された蛍光と混ざり合う
ことを確実に防止することができる。
【0190】ローダミンから放出された蛍光45は、光
学ヘッド35に設けられた非球面レンズ37によって集
光され、ミラー36によって、レーザ光24の光路と同
じ側に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に
入射する。
【0191】凹面ミラー38に入射した蛍光45は、凹
面ミラー38によって反射され、穴開きミラー34に入
射する。
【0192】穴開きミラー34に入射した蛍光45は、
凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34によっ
て、図7に示されるように、下方に反射され、フィルタ
ユニット48のフィルタ52bに入射する。
【0193】フィルタ52bは、532nmの波長の光
をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有しているので、励起光である532nmの波長
の光がカットされ、ローダミンから放出された蛍光45
の波長域の光のみがフィルタ52bを透過して、フォト
マルチプライア50によって、光電的に検出される。
【0194】前述のように、光学ヘッド35は、基板6
2に設けられた主走査パルスモータ65によって、基板
62上を、図12において、X方向に移動されるととも
に、副走査パルスモータ61によって、基板62が、図
12において、Y方向に移動されるため、生化学解析用
ユニット1の全面がレーザ光24によって走査され、多
数の吸着性領域4に含まれているローダミンから放出さ
れた蛍光45を、フォトマルチプライア50によって光
電的に検出することによって、生化学解析用ユニット1
に記録されたローダミンの蛍光データを読み取り、生化
学解析用のアナログデータを生成することができる。
【0195】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換され、デー
タ処理装置54に送られる。
【0196】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に記録された被検者Bの蛍光データが読
み取られ、生化学解析用データが生成される。
【0197】他方、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域4に含まれた放射性標識物質によ
り、ドット状の輝尽性蛍光体層領域12が露光されて、
蓄積性蛍光体シート10に記録された放射線データを読
み取って、生化学解析用データを生成するときは、ステ
ージ40のガラス板41上に、蓄積性蛍光体シート10
が載置される。
【0198】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート10に形成されたドット状の
輝尽性蛍光体層領域12に記録された放射線データを読
み取るべき旨の指示信号が入力される。
【0199】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ72に駆動信号を出力し、フィルタユニット4
8を移動させ、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光の波
長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカット
する性質を有するフィルタ52dを備えたフィルタ部材
51dを、輝尽光45の光路内に位置させる。
【0200】次いで、コントロールユニット70は、第
1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力し、第1のレ
ーザ励起光源21を起動させ、640nmの波長のレー
ザ光24を発せさせる。
【0201】第1のレーザ励起光源21から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平行
な光とされた後、ミラー26に入射して、反射される。
【0202】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0203】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0204】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0205】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0206】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された蓄積
性蛍光体シート10のドット状の輝尽性蛍光体層領域1
2に集光される。
【0207】その結果、蓄積性蛍光体シート10に形成
されたドット状輝尽性蛍光体層領域12に含まれる輝尽
性蛍光体が、レーザ光24によって励起されて、輝尽性
蛍光体から輝尽光45が放出される。
【0208】ドット状輝尽性蛍光体層領域12に含まれ
る輝尽性蛍光体から放出された輝尽光45は、光学ヘッ
ド35に設けられた非球面レンズ37によって集光さ
れ、ミラー36によって、レーザ光24の光路と同じ側
に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射
する。
【0209】凹面ミラー38に入射した輝尽光45は、
凹面ミラー38によって、反射されて、穴開きミラー3
4に入射する。
【0210】穴開きミラー34に入射した輝尽光45
は、凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34に
よって、図7に示されるように、下方に反射され、フィ
ルタユニット48のフィルタ52dに入射する。
【0211】フィルタ52dは、輝尽性蛍光体から放出
される輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nmの
波長の光をカットする性質を有しているので、励起光で
ある640nmの波長の光がカットされ、輝尽光の波長
域の光のみがフィルタ52dを透過して、フォトマルチ
プライア50によって、光電的に検出される。
【0212】前述のように、光学ヘッド35は、基板6
2に設けられた主走査パルスモータ65によって、基板
62上を、図12において、X方向に移動されるととも
に、副走査パルスモータ61によって、基板62が、図
12において、Y方向に移動されるため、蓄積性蛍光体
シート10に形成されたすべてのドット状輝尽性蛍光体
層領域12がレーザ光24によって走査され、輝尽性蛍
光体層12に含まれた輝尽性蛍光体から放出された輝尽
光45を、フォトマルチプライア50によって光電的に
検出することによって、多数のドット状の輝尽性蛍光体
層領域12に記録された放射性標識物質の放射線データ
を読み取って、生化学解析用のアナログデータを生成す
ることができる。
【0213】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換され、デー
タ処理装置54に送られる。
【0214】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に記録され、蓄積性蛍光体シート10の
多数の輝尽性蛍光体層領域12に転写された被検者Aの
放射線データが読み取られ、生化学解析用データが生成
される。
【0215】図14は、生化学解析用ユニット1に形成
された多数の吸着性領域4に記録された化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
の化学発光データを読み取って、生化学解析用データを
生成するデータ生成システムの略正面図である。図14
に示されたデータ生成システムは、化学発光データに加
えて、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着
性領域4に記録された蛍光物質の蛍光データをも生成可
能に構成されている。
【0216】図14に示されるように、データ生成シス
テムは、冷却CCDカメラ81、暗箱82およびパーソ
ナルコンピュータ83を備えている。パーソナルコンピ
ュータ83は、CRT84とキーボード85を備えてい
る。
【0217】図15は、データ生成システムの冷却CC
Dカメラ81の略縦断面図である。
【0218】図15に示されるように、冷却CCDカメ
ラ81は、CCD86と、アルミニウムなどの金属によ
って作られた伝熱板87と、CCD86を冷却するため
のペルチエ素子88と、CCD86の前面に配置された
シャッタ89と、CCD86が生成したアナログデータ
をディジタルデータに変換するA/D変換器90と、A
/D変換器90によってディジタル化されたデータを一
時的に記憶するデータバッファ91と、冷却CCDカメ
ラ81の動作を制御するカメラ制御回路92とを備えて
いる。暗箱82との間に形成された開口部は、ガラス板
95によって閉じられており、冷却CCDカメラ81の
周囲には、ペルチエ素子88が発する熱を放熱するため
の放熱フィン96が長手方向のほぼ全面にわたって形成
されている。
【0219】ガラス板95の前面の暗箱82内には、レ
ンズフォーカス調整機能を有するカメラレンズ97が取
付けられている。
【0220】図16は、データ生成システムの暗箱82
の略縦断面図である。
【0221】図16に示されるように、暗箱82内に
は、励起光を発するLED光源100が設けられてお
り、LED光源100は、取り外し可能に設けられたフ
ィルタ101と、フィルタ101の上面に設けられた拡
散板103を備え、拡散板103を介して、励起光が、
その上に載置される生化学解析用ユニット(図示せず)
に向けて、照射されることによって、生化学解析用ユニ
ットが均一に照射されるように保証されている。フィル
タ101は、励起光の近傍の波長以外の蛍光物質の励起
に有害な光をカットし、励起光近傍の波長の光のみを透
過する性質を有している。カメラレンズ97の前面に
は、励起光近傍の波長の光をカットするフィルタ102
が、取り外し可能に設けられている。
【0222】図17は、データ生成システムのパーソナ
ルコンピュータ83の周辺のブロックダイアグラムであ
る。
【0223】図17に示されるように、パーソナルコン
ピュータ83は、冷却CCDカメラ81の露出を制御す
るCPU110と、冷却CCDカメラ81の生成したデ
ィジタルデータをデータバッファ91から読み出すデー
タ転送手段111と、ディジタルデータを記憶するデー
タ記憶手段112と、データ記憶手段112に記憶され
たディジタルデータにデータ処理を施すデータ処理装置
113と、データ記憶手段112に記憶されたディジタ
ルデータに基づいて、CRT84の画面上に可視データ
を表示するデータ表示手段114とを備えている。LE
D光源100は、光源制御手段115によって制御され
ており、光源制御手段115には、キーボード85か
ら、CPU110を介して、指示信号が入力されるよう
に構成されている。CPU110は、冷却CCDカメラ
81のカメラ制御回路92に種々の信号を出力可能に構
成されている。
【0224】図14ないし図17に示されたデータ生成
システムは、生化学解析用ユニット1に形成された多数
の吸着性領域4に含まれた標識物質と、化学発光基質と
の接触により生ずる化学発光を、カメラレンズ97を介
して、冷却CCDカメラ81のCCD86によって検出
し、化学発光データを生成するとともに、生化学解析用
ユニット1に、LED光源100から励起光を照射し
て、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性
領域4に含まれた蛍光物質が励起されて、放出した蛍光
を、カメラレンズ97を介して、冷却CCDカメラ81
のCCD66によって検出し、蛍光データを生成可能に
構成されている。
【0225】化学発光データを読み取る場合には、フィ
ルタ102を取り外し、LED光源100をオフ状態に
保持して、拡散板103上に、生化学解析用ユニット1
に形成された多数の吸着性領域4に含まれた標識物質に
化学発光基質が接触されて、化学発光を発している生化
学解析用ユニット1が載置される。
【0226】次いで、ユーザーにより、カメラレンズ9
7を用いて、レンズフォーカス合わせがなされ、暗箱8
2が閉じられる。
【0227】その後、ユーザーが、キーボード85に露
出開始信号を入力すると、露出開始信号が、CPU11
0を介して、冷却CCDカメラ81のカメラ制御回路9
2に入力され、カメラ制御回路92によって、シャッタ
89が開かれ、CCD86の露出が開始される。
【0228】生化学解析用ユニット1から発せられた化
学発光は、カメラレンズ97を介して、冷却CCDカメ
ラ81のCCD86の光電面に入射して、光電面に画像
を形成する。CCD86は、こうして、光電面に形成さ
れた画像の光を受け、これを電荷の形で蓄積する。
【0229】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の基板2は、放射線および光を減衰させ
る性質を有するアルミニウムによって形成されているの
で、標識物質から放出された化学発光が、基板2内で散
乱して、隣り合う吸着性領域4に含まれる標識物質から
放出された化学発光と混ざり合うことを確実に防止する
ことができる。
【0230】所定の露出時間が経過すると、CPU11
0は、冷却CCDカメラ81のカメラ制御回路92に露
出完了信号を出力する。
【0231】カメラ制御回路92は、CPU110か
ら、露出完了信号を受けると、CCD86が電荷の形で
蓄積したアナログデータをA/D変換器100に転送し
て、ディジタル化し、データバッファ91に一時的に記
憶させる。
【0232】カメラ制御回路92に露出完了信号を出力
するのと同時に、CPU110は、データ転送手段11
1にデータ転送信号を出力して、冷却CCDカメラ81
のデータバッファ91からディジタルデータを読み出さ
せ、データ記憶手段112に記憶させる。
【0233】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に記録された被検者Cの化学発光データ
が読み取られ、生化学解析用データが生成されて、デー
タ記憶手段112に記憶される。
【0234】オペレータが、キーボード85にデータ表
示信号を入力すると、CPU110はデータ記憶手段1
12に記憶されたディジタルデータを、データ処理装置
113に出力させ、ユーザーの指示にしたがって、デー
タ処理を施した後、データ表示手段114にデータ表示
信号を出力して、ディジタルデータに基づき、生化学解
析用データを、CRT84の画面上に表示させる。
【0235】これに対して、蛍光データを読み取るとき
は、まず、生化学解析用ユニット1が、拡散板103上
に載置される。
【0236】次いで、ユーザーにより、LED光源10
0がオンされ、カメラレンズ97を用いて、レンズフォ
ーカス合わせがなされ、暗箱82が閉じられる。
【0237】その後、ユーザーが、キーボード85に露
出開始信号を入力すると、光源制御手段115によっ
て、LED光源100がオンされて、生化学解析用ユニ
ット1に向けて、励起光が発せられる。同時に、露出開
始信号は、CPU110を介して、冷却CCDカメラ8
1のカメラ制御回路92に入力され、カメラ制御回路9
2によって、シャッタ89が開かれ、CCD86の露出
が開始される。
【0238】LED光源100から発せられた励起光
は、フィルタ101によって、励起光の波長近傍以外の
波長成分がカットされ、拡散板23によって、一様な光
とされて、生化学解析用ユニット1に照射される。
【0239】生化学解析用ユニット1から発せられた蛍
光は、フィルタ102およびカメラレンズ97を介し
て、冷却CCDカメラ81のCCD86の光電面に入射
し、光電面に像を形成する。CCD86は、こうして、
光電面に形成された像の光を受けて、これを電荷の形で
蓄積する。フィルタ102により、励起光の波長の光が
カットされるため、生化学解析用ユニット1に形成され
た多数の吸着性領域4に含まれた蛍光物質から発せられ
た蛍光のみが、CCD86によって受光される。
【0240】ここに、本実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の基板2は、放射線および光を減衰させ
る性質を有するアルミニウムによって形成されているの
で、蛍光色素などの蛍光物質から放出された蛍光が、基
板2内で散乱して、隣り合う吸着性領域4に含まれる蛍
光物質から放出された蛍光と混ざり合うことを確実に防
止することができる。
【0241】所定の露出時間が経過すると、CPU11
0は、冷却CCDカメラ81のカメラ制御回路92に露
出完了信号を出力する。
【0242】カメラ制御回路92は、CPU40から露
出完了信号を受けると、CCD86が電荷の形で蓄積し
たアナログデータを、A/D変換器10に転送して、デ
ィジタル化し、データバッファ91に一時的に記憶させ
る。
【0243】カメラ制御回路92に露出完了信号を出力
するのと同時に、CPU110は、データ転送手段21
1にデータ転送信号を出力して、冷却CCDカメラ81
のデータバッファ91からディジタルデータを読み出さ
せ、データ記憶手段112に記憶させる。
【0244】こうして、生化学解析用ユニット1の多数
の吸着性領域4に記録された被検者Bの蛍光データが読
み取られ、生化学解析用データが生成されて、データ記
憶手段112に記憶される。
【0245】ユーザーが、キーボード85にデータ表示
信号を入力すると、CPU110はデータ記憶手段11
2に記憶されたディジタルデータを、データ処理装置1
13に出力させ、ユーザーの指示にしたがって、データ
処理を施した後、データ表示手段114に画像表示信号
を出力して、ディジタルデータに基づき、生化学解析用
データを、CRT84の画面上に表示させる。
【0246】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット1は、放射線および光を減衰させる性質を有し、可
撓性を有する金属によって形成され、多数の貫通孔3が
高密度に形成された基板2を備え、多数の貫通孔3の内
部には、ナイロン6が充填されて、吸着性領域が形成さ
れている。cDNAなどの塩基配列が既知の互いに異な
った複数の特異的結合物質は、スポッティング装置によ
って、生化学解析用ユニット1に形成された多数の貫通
孔3内に滴下され、吸着性領域4によって保持される。
【0247】被検者Aから採取され、放射性標識物質に
よって標識された生体由来の物質、被検者Bから採取さ
れ、蛍光物質によって標識された生体由来の物質および
被検者Cから採取され、化学発光基質と接触させること
によって化学発光を生じさせる標識物質によって標識さ
れた生体由来の物質を含むハイブリダイゼーション溶液
9が調製され、収容されているハイブリダイゼーション
容器8内に、生化学解析用ユニット1が挿入されて、多
数のドット状の吸着性領域4に滴下された特異的結合物
質に、ハイブリダイゼーション溶液9に含まれた生体由
来の物質が、選択的にハイブリダイズされ、特異的結合
物質が、放射性標識物質、蛍光色素などの蛍光物質およ
び化学発光基質と接触させることによって化学発光を生
じさせる標識物質によって、選択的に標識される。
【0248】放射性標識物質による蓄積性蛍光体シート
10の露光にあたっては、支持体11の一方の面に、生
化学解析用ユニット1に形成された多数のドット状の吸
着性領域4のパターンと同一のパターンにしたがって、
多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12が形成された
蓄積性蛍光体シート10が、蓄積性蛍光体シート10に
形成されたドット状の輝尽性蛍光体層領域12の各々
が、生化学解析用ユニット1に形成された多数の貫通孔
3の各々の内部に収容され、ドット状の輝尽性蛍光体層
領域12の各々の表面が、生化学解析用ユニット1に形
成された多数の貫通孔3の各々の内部に形成された吸着
性領域4の表面と密着するように、生化学解析用ユニッ
ト1上に重ね合わされて、多数のドット状の輝尽性蛍光
体層領域12が放射性標識物質によって露光される。
【0249】したがって、本実施態様によれば、生化学
解析用ユニット1の基板2が、放射線および光を減衰さ
せる性質を有するアルミニウムによって形成されている
ため、露光に際して、放射性標識物質から発せられた電
子線が、基板2内で散乱することが確実に防止され、さ
らに、蓄積性蛍光体シート10に形成されたドット状輝
尽性蛍光体層領域12の各々は、生化学解析用ユニット
1に形成された多数の貫通孔3の各々の内部に収容され
ているため、放射性標識物質から発せられた電子線が、
輝尽性蛍光体層内で散乱して、隣り合う貫通孔3内に位
置するドット状の輝尽性蛍光体層領域12に到達するこ
とが確実に防止され、したがって、基板2に、貫通孔3
を、すなわち、吸着性領域4を高密度に形成しても、蓄
積性蛍光体シート10に形成された多数のドット状の輝
尽性蛍光体層領域12を、対応する吸着性領域4に含ま
れた放射性標識物質のみによって、確実に露光すること
が可能になる。
【0250】また、本実施態様によれば、生化学解析用
ユニット1の基板2が、放射線および光を減衰させる性
質を有するアルミニウムによって形成されているため、
レーザ光24あるいはLED光源100から発せられた
励起光の照射を受け、蛍光色素などの蛍光物質が励起さ
れて、放出される蛍光が、基板2内で散乱することが確
実に防止され、したがって、隣り合う貫通孔3に形成さ
れた吸着性領域4に含まれた蛍光物質から放出された蛍
光と混ざり合うことが確実に防止されるから、基板2に
貫通孔3を高密度に形成しても、蛍光を光電的に検出し
て生成した蛍光データ中に、蛍光の散乱に起因するノイ
ズが生成されることを効果的に防止して生化学解析の定
量性を向上させることが可能になる。
【0251】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の基板2が、放射線および光を減衰させる
性質を有するアルミニウムによって形成されているた
め、化学発光基質と接触されることによって、標識物質
から放出された化学発光が、基板2内で散乱することが
確実に防止され、したがって、隣り合う貫通孔3内に形
成された吸着性領域4に含まれる標識物質から放出され
た化学発光と混ざり合うことを確実に防止されるから、
基板2に貫通孔3を高密度に形成しても、化学発光を光
電的に検出して生成した化学発光データ中に、化学発光
の散乱に起因するノイズが生成されることを効果的に防
止して生化学解析の定量性を向上させることが可能にな
る。
【0252】また、本実施態様によれば、生化学解析用
ユニット1の基板2は、可撓性を有するアルミニウムに
よって形成されているから、円筒状横断面を有し、回転
可能に構成され、ハイブリダイゼーション溶液9を収容
したハイブリダイゼーション容器8内に、生化学解析用
ユニット1を、ハイブリダイゼーション容器8の内壁に
沿うように、湾曲させて、挿入し、特異的結合物質に、
生体由来の物質をハイブリダイズさせることができ、し
たがって、少量のハイブリダイゼーション溶液9を用い
て、ハイブリダイゼーションを実行させることが可能に
なる。
【0253】さらに、本実施態様によれば、生化学解析
用ユニット1の基板2は、アルミニウムによって形成さ
れているので、ハイブリダイゼーションなど、液体によ
る処理を受けても、ほとんど伸縮することがなく、した
がって、蓄積性蛍光体シート10に形成されたドット状
輝尽性蛍光体層領域12の各々が、生化学解析用ユニッ
ト1に形成された多数の貫通孔3の各々の内部に収容さ
れ、ドット状の輝尽性蛍光体層領域12の各々の表面
が、生化学解析用ユニット1に形成された多数の貫通孔
3の各々の内部に形成された吸着性領域4の表面と密着
するように、蓄積性蛍光体シート10と生化学解析用ユ
ニット1とを、容易にかつ確実に重ね合わせて、ドット
状の輝尽性蛍光体層領域12を露光することが可能にな
る。
【0254】また、本実施態様によれば、ある被検者A
から採取され、放射性標識物質によって標識された生体
由来の物質、別の被検者Bから採取され、蛍光色素など
の蛍光物質によって標識された生体由来の物質およびさ
らに他の被検者Cから採取され、化学発光基質と接触さ
せることによって化学発光を生じさせる標識物質によっ
て標識された生体由来の物質が、同時に、生化学解析用
ユニット1の多数の吸着性領域4に含まれている特異的
結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされ、生化学解
析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された被検
者Aの放射線データ、被検者Bの蛍光データおよび被検
者Cの化学発光データを、それぞれ、読み取って、被検
者Aの生化学解析用データ、被検者Bの生化学解析用デ
ータおよび被検者Cの生化学解析用データを生成してい
るから、異なる被検者A、B、Cから生体由来の物質を
採取し、それぞれ、生化学解析用データを生成して、遺
伝子発現状態を比較し、検査する場合に、同一のパター
ンで、生化学解析用ユニットに滴下された特異的結合物
質に、異なる被検者A、B、Cから採取され、異なる標
識物質によって標識された生体由来の物質を、ハイブリ
ダイズさせて、異なる被検者A、B、Cの生化学解析用
データを生成することができ、したがって、特異的結合
物質を、つねに、正確に同じパターンで、担体表面に滴
下することが著しく困難であることに起因して、検査精
度が低下することを確実に防止することができるから、
生化学解析の精度を大幅に向上させることが可能にな
る。
【0255】本発明の別の実施態様においては、ハイブ
リダイゼーションにあたって、被検者Dから採取され、
第1の蛍光物質によって標識された生体由来の物質およ
び別の被検者Eから採取され、第1の蛍光物質とは、効
率的に励起可能な励起光の波長を異にする第2の蛍光物
質によって標識された生体由来の物質を含むハイブリダ
イゼーション溶液9が調製され、ハイブリダイゼーショ
ン容器8内に収容される。
【0256】本実施態様においては、第1の蛍光物質と
して、473nmの波長のレーザ光によって、最も効率
的に励起することができるCy3(登録商標)が選ばれ
て、被検者Dから採取された生体由来の物質が標識さ
れ、第2の蛍光物質として、640nmの波長のレーザ
光によって、最も効率的に励起することができるCy5
(登録商標)が選ばれて、被検者Eから採取された生体
由来の物質が標識されている。
【0257】図3と同様にして、多数の吸着性領域4
に、特異的結合物質、たとえば、複数のcDNAが滴下
された生化学解析用ユニット1がハイブリダイゼーショ
ン容器8内にセットされて、ハイブリダイゼーションが
実行される。
【0258】ハイブリダイゼーションの結果、生化学解
析用ユニット1の多数の貫通孔3内に形成された吸着性
領域4に、被検者Dの蛍光データおよび被検者Eの蛍光
データが記録される。
【0259】生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された被検者Dの蛍光データおよび被検者E
の蛍光データは、図6ないし図13に示されたスキャナ
によって、読み取られ、被検者Dの生化学解析用データ
および被検者Eの生化学解析用データが生成される。
【0260】被検者Dの生化学解析用データおよび被検
者Eの生化学解析用データを生成するにあたっては、ま
ず、ユーザーによって、生化学解析用ユニット1が、ス
テージ40のガラス板41上にセットされる。
【0261】次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、標識物質である蛍光物質の種類が特定され、蛍光
データを読み取るべき旨の指示信号が入力される。本実
施態様においては、蛍光物質の種類として、Cy3(登
録商標)およびCy3(登録商標)が特定され、キーボ
ード71に入力される。
【0262】キーボード71に入力された指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、指示信号を受けると、メモリ(図示せ
ず)に記憶されているテーブルにしたがって、使用すべ
きレーザ励起光源を決定するとともに、フィルタ52
a、52b、52cのいずれを蛍光45の光路内に位置
させるかを決定する。
【0263】本実施態様においては、被検者Dから採取
された生体由来の物質を標識している蛍光物質として、
473nmの波長のレーザ光によって、最も効率的に励
起することができるCy3が使用され、被検者Eから採
取された生体由来の物質を標識している蛍光物質とし
て、640nmの波長のレーザ光によって、最も効率的
に励起することができるCy5が使用されているから、
コントロールユニット70は、まず、第3のレーザ励起
光源23を選択するとともに、フィルタ52cを選択
し、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力し
て、フィルタユニット48を移動させ、473nmの波
長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有するフィルタ52cを備えたフィルタ部
材51cを、蛍光45の光路内に位置させる。
【0264】次いで、コントロールユニット70は、第
3のレーザ励起光源22に駆動信号を出力し、第3のレ
ーザ励起光源23を起動させ、473nmの波長のレー
ザ光24を発せさせる。
【0265】第3のレーザ励起光源23から発生された
473nmの波長のレーザ光24は、コリメータレンズ
31によって、平行光とされた後、第2のダイクロイッ
クミラー28により反射されて、その向きが90度変え
られた後、ミラー29に入射する。
【0266】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0267】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0268】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0269】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された生化
学解析用ユニット1に集光される。
【0270】その結果、レーザ光24によって、生化学
解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4に含
まれた蛍光物質であるCy3が励起されて、蛍光45が
発せられる。
【0271】ここに、本実施態様にかかる生化学解析用
ユニット1にあっては、生化学解析用ユニット1の基板
2が放射線および光を減衰させる性質を有するアルミニ
ウムによって形成されているので、蛍光物質から放出さ
れた蛍光が、基板2内で散乱して、隣り合う吸着性領域
4に含まれる蛍光物質から放出された蛍光と混ざり合う
ことを確実に防止することができる。
【0272】Cy3から放出された蛍光45は、光学ヘ
ッド35に設けられた非球面レンズ37によって集光さ
れ、ミラー36によって、レーザ光24の光路と同じ側
に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射
する。
【0273】凹面ミラー38に入射した蛍光45は、凹
面ミラー38によって反射され、穴開きミラー34に入
射する。
【0274】穴開きミラー34に入射した蛍光45は、
凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34によっ
て、図7に示されるように、下方に反射され、フィルタ
ユニット48のフィルタ52cに入射する。
【0275】フィルタ52cは、473nmの波長の光
をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有しているので、励起光である473nmの波長
の光がカットされ、Cy3から放出された蛍光45の波
長域の光のみがフィルタ52cを透過して、フォトマル
チプライア50によって、光電的に検出される。
【0276】前述のように、光学ヘッド35は、基板6
2に設けられた主走査パルスモータ65によって、基板
62上を、図12において、X方向に移動されるととも
に、副走査パルスモータ61によって、基板62が、図
12において、Y方向に移動されるため、生化学解析用
ユニット1の全面がレーザ光24によって走査され、多
数の吸着性領域4に含まれているCy3から放出された
蛍光45を、フォトマルチプライア50によって光電的
に検出することによって、生化学解析用ユニット1に記
録されたCy3の蛍光データを読み取り、生化学解析用
のアナログデータを生成することができる。
【0277】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換され、デー
タ処理装置54に送られる。
【0278】こうして、被検者Dから採取され、Cy3
によって標識された生体由来の物質が、生化学解析用ユ
ニット1の多数の吸着性領域4に含まれている特異的結
合物質に選択的に特異的結合されて、生化学解析用ユニ
ットの多数の吸着性領域4に記録された蛍光データが読
み取られて、被検者Dの生化学解析用データが生成され
る。
【0279】本実施態様においては、被検者Eから採取
された生体由来の物質を標識している蛍光物質として、
640nmの波長のレーザ光によって、最も効率的に励
起することができるCy5が使用されているから、コン
トロールユニット70は、次いで、第1のレーザ励起光
源23を選択するとともに、フィルタ52aを選択し
て、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力し、
フィルタユニット48を移動させ、640nmの波長の
光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過す
る性質を有するフィルタ52aを備えたフィルタ部材5
1aを、蛍光45光路内に位置させる。
【0280】次いで、コントロールユニット70は、第
1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力し、第1のレ
ーザ励起光源21を起動させ、640nmの波長のレー
ザ光24を発せさせる。
【0281】第1のレーザ励起光源21から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ25によって、平行
な光とされた後、ミラー26に入射して、反射される。
【0282】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0283】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して、反射される。
【0284】ミラー32によって反射されたレーザ光2
4は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミラ
ー38に入射する。
【0285】凹面ミラー38に入射したレーザ光24
は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘッド3
5に入射する。
【0286】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、非球面レンズ37に
よって、ステージ40ガラス板41上に載置された生化
学解析用ユニット1に集光される。
【0287】その結果、レーザ光24によって、生化学
解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4に含
まれた蛍光物質であるCy5が励起されて、蛍光45が
発せられる。
【0288】ここに、本実施態様にかかる生化学解析用
ユニット1にあっては、生化学解析用ユニット1の基板
2が放射線および光を減衰させる性質を有するアルミニ
ウムによって形成されているので、蛍光物質から放出さ
れた蛍光が、基板2内で散乱して、隣り合う吸着性領域
4に含まれる蛍光物質から放出された蛍光と混ざり合う
ことを確実に防止することができる。
【0289】Cy5から放出された蛍光45は、光学ヘ
ッド35に設けられた非球面レンズ37によって集光さ
れ、ミラー36によって、レーザ光24の光路と同じ側
に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射
する。
【0290】凹面ミラー38に入射した蛍光45は、凹
面ミラー38によって反射され、穴開きミラー34に入
射する。
【0291】穴開きミラー34に入射した蛍光45は、
凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34によっ
て、図7に示されるように、下方に反射され、フィルタ
ユニット48のフィルタ52aに入射する。
【0292】フィルタ52aは、640nmの波長の光
をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有しているので、励起光である640nmの波長
の光がカットされ、Cy5から放出された蛍光45の波
長域の光のみがフィルタ52aを透過して、フォトマル
チプライア50によって、光電的に検出される。
【0293】前述のように、光学ヘッド35は、基板6
2に設けられた主走査パルスモータ65によって、基板
62上を、図12において、X方向に移動されるととも
に、副走査パルスモータ61によって、基板62が、図
12において、Y方向に移動されるため、生化学解析用
ユニット1の全面がレーザ光24によって走査され、多
数の吸着性領域4に含まれているCy5から放出された
蛍光45を、フォトマルチプライア50によって光電的
に検出することによって、生化学解析用ユニット1に記
録されたCy5の蛍光データを読み取り、生化学解析用
のアナログデータを生成することができる。
【0294】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変
換器53によって、ディジタルデータに変換され、デー
タ処理装置54に送られる。
【0295】こうして、被検者Eから採取され、Cy5
によって標識された生体由来の物質が、生化学解析用ユ
ニット1の多数の吸着性領域4に含まれている特異的結
合物質に選択的に特異的結合されて、生化学解析用ユニ
ットの多数の吸着性領域4に記録された蛍光データが読
み取られて、被検者Eの生化学解析用データが生成され
る。
【0296】本実施態様によれば、ある被検者Dから採
取され、蛍光物質であるCy3によって標識された生体
由来の物質および別の被検者Eから採取され、Cy3と
は、効率的に励起可能な励起光の波長を異にする蛍光物
質であるCy5によって標識された生体由来の物質が、
同時に、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4
に含まれている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリ
ダイズされ、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に記録された被検者Dの蛍光データおよび被検者E
の蛍光データを、それぞれ、読み取って、被検者Dの生
化学解析用データおよび被検者Eの生化学解析用データ
を生成しているから、異なる被検者D、Eから生体由来
の物質を採取し、それぞれ、生化学解析用データを生成
して、遺伝子発現状態を比較し、検査する場合に、同一
のパターンで、生化学解析用ユニットに滴下された特異
的結合物質に、異なる被検者D、Eから採取され、異な
る蛍光物質によって標識された生体由来の物質を、ハイ
ブリダイズさせて、異なる被検者D、Eの生化学解析用
データを生成することができ、したがって、特異的結合
物質を、つねに、正確に同じパターンで、担体表面に滴
下することが著しく困難であることに起因して、検査精
度が低下することを確実に防止することができるから、
生化学解析の精度を大幅に向上させることが可能にな
る。
【0297】図18は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかる生化学解析用ユニットの略縦断面図である。
【0298】図18に示されるように、本実施態様にか
かる生化学解析用ユニット1は、ナイロン6によって形
成された吸着性基板140を備え、吸着性基板140の
両面に、多数の貫通孔141が高密度に形成されたアル
ミニウム製の基板142、142が密着されて、生化学
解析用ユニット1が形成されている。基板142、14
2は、放射線および光を減衰させる性質を有し、可撓性
を有している。
【0299】図18には、正確に示されていないが、本
実施態様においては、前記実施態様にかかる基板2と同
様に、約10000の約0.01平方ミリメートルのサ
イズを有する貫通孔141が、約5000個/平方セン
チメートルの密度で、規則的に、基板142、142に
形成され、貫通孔141の内部に位置する吸着性基板1
40によって、多数の吸着性領域144が形成されてい
る。
【0300】本実施態様においては、生化学解析にあた
り、まず、図2に示されるスポッティング装置を用い
て、基板142、142に形成されている多数の貫通孔
141を介して、たとえば、特異的結合物質として、塩
基配列が既知の互いに異なった複数のcDNAが、貫通
孔141の内部の吸着性基板140によって形成された
多数の吸着性領域144にスポット状に滴下される。
【0301】ハイブリダイゼーションにあたっては、多
数の吸着性領域144に、特異的結合物質がスポット状
に滴下された生化学解析用ユニット1が、前記実施態様
と全く同様にして、ハイブリダイゼーション容器8内に
挿入されて、特異的結合物質に、ある被検者Aから採取
され、放射性標識物質によって標識された生体由来の物
質、別の被検者Bから採取され、化学発光基質と接触さ
せることによって化学発光を生じさせる標識物質によっ
て標識された生体由来の物質およびさらに他の被検者B
から採取され、蛍光物質によって標識された生体由来の
物質を、選択的に、ハイブリダイズさせる。
【0302】ハイブリダイゼーションの結果、生化学解
析用ユニット1の多数の貫通孔141内に位置する吸着
性基板140によって形成された多数の吸着性領域14
4に、蛍光物質の蛍光データおよび化学発光データが記
録される。
【0303】一方、生化学解析用ユニット1の多数の貫
通孔141内に位置する吸着性基板140によって形成
された多数の吸着性領域144に記録された放射線デー
タは、前記実施態様と同様にして、蓄積性蛍光体シート
10に転写される。
【0304】放射性標識物質による蓄積性蛍光体シート
10の露光に際しては、図4に示されるように、多数の
ドット状輝尽性蛍光体層領域12が形成された蓄積性蛍
光体シート10が、生化学解析用ユニット1に重ね合わ
される。ここに、多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域
12は、基板142に形成された多数の貫通孔141の
パターンと同一のパターンにしたがって、蓄積性蛍光体
シート10に形成されている。
【0305】図19は、吸着性基板140に形成された
多数の吸着性領域144に含まれた放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数のドッ
ト状輝尽性蛍光体層領域12を露光する方法を示す略断
面図である。
【0306】図19に示されるように、露光にあたっ
て、蓄積性蛍光体シート10に形成されたドット状の輝
尽性蛍光体層領域12の各々が、生化学解析用ユニット
1の一方の基板142に形成された多数の貫通孔141
の各々の内部に収容され、ドット状輝尽性蛍光体層領域
12の各々の表面が、貫通孔141内部の吸着性領域1
44の表面と密着するように、蓄積性蛍光体シート10
が生化学解析用ユニット1上に重ね合わされる。
【0307】ここに、特異的結合物質は、基板142に
形成された貫通孔141を介して、スポッティング装置
によって、吸着性基板140に形成された吸着性領域1
44に、スポット状に滴下されているから、ドット状輝
尽性蛍光体層領域12の各々の表面は、正確に、貫通孔
141内に位置する吸着性基板140の表面に形成さ
れ、放射性標識物質によって選択的に標識された特異的
結合物質の吸着性領域144に密着される。
【0308】こうして、所定の時間にわたって、ドット
状輝尽性蛍光体層領域12の各々の表面と、吸着性基板
140によって形成された吸着性領域144とを密着さ
せることによって、多数の吸着性領域144に含まれた
放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート10に形
成された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域12が露光
される。
【0309】この際、放射性標識物質から電子線が発せ
られるが、基板142が放射線および光を減衰させる性
質を有するアルミニウムによって形成されているため、
吸着性基板140に形成された各吸着性領域144に含
まれた放射性標識物質から発せられた電子線が、吸着性
基板140に形成された隣り合う吸着性領域144に含
まれた放射性標識物質から発せられた電子線と混ざり合
うことが確実に防止され、また、蓄積性蛍光体シート1
0に形成されたドット状の輝尽性蛍光体層領域12の各
々は、基板141に形成された多数の貫通孔141の各
々の内部に収容されているため、放射性標識物質から発
せられた電子線が、ドット状の輝尽性蛍光体層領域12
内で散乱して、隣り合う貫通孔141内に位置するドッ
ト状輝尽性蛍光体層領域12に到達することが確実に防
止され、したがって、蓄積性蛍光体シート10に形成さ
れた多数のドット状輝尽性蛍光体層領域12を、対応す
る基板142の貫通孔141を介して、貫通孔141内
部の吸着性基板140によって形成された吸着性領域1
44に含まれた放射性標識物質によって、確実に露光す
ることが可能になる。
【0310】こうして、蓄積性蛍光体シート10に形成
された多数のドット状輝尽性蛍光体層領域12に、放射
性標識物質の放射線データが記録される。
【0311】したがって、本実施態様によれば、蓄積性
蛍光体シート10の支持体11に高密度に形成され、放
射性標識物質によって露光されたドット状輝尽性蛍光体
層領域12に励起光を照射して、ドット状輝尽性蛍光体
層領域12から放出された輝尽光を光電的に検出して、
生化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解析す
る場合に、放射性標識物質から発せられる電子線の散乱
に起因するノイズが生化学解析用データ中に生成される
ことを効果的に防止することが可能になる。
【0312】一方、生化学解析用ユニット1の吸着性基
板140に形成された多数の吸着性領域144に記録さ
れた化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質の化学発光データあるいは蛍光色素
などの蛍光物質の蛍光データは、図14ないし図17に
示されたデータ生成システムにより読み取られ、生化学
解析用データが生成される。
【0313】ここに、吸着性基板140のカメラレンズ
97側には、多数の貫通孔141が形成された基板14
2が密着されているから、吸着性基板140に形成され
た各吸着性領域144に含まれた化学発光基質と接触さ
せることによって化学発光を生じさせる標識物質あるい
は蛍光物質から放出された化学発光あるいは蛍光が、吸
着性基板140に形成された隣り合う吸着性領域144
に含まれた化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質あるいは蛍光物質から発せら
れた化学発光あるいは蛍光と混ざり合うことが確実に防
止され、したがって、化学発光あるいは蛍光を光電的に
検出して生成した生化学解析用データ中に、化学発光あ
るいは蛍光の散乱に起因するノイズが生成されることを
効果的に防止することが可能になる。
【0314】本実施態様によれば、基板142が放射線
および光を減衰させる性質を有するアルミニウムによっ
て形成されているので、基板142の各貫通孔141の
内部の吸着性基板140によって形成された各吸着性領
域144に含まれた放射性標識物質から発せられた電子
線が、基板の隣り合う貫通孔141の内部の吸着性基板
140によって形成された吸着性領域144に含まれた
放射性標識物質から発せられた電子線と混ざり合うこと
が確実に防止され、また、蓄積性蛍光体シート10に形
成されたドット状輝尽性蛍光体層領域12の各々は、生
化学解析用ユニット1に形成された多数の貫通孔141
の各々の内部に収容されているため、放射性標識物質か
ら発せられた電子線が、ドット状の輝尽性蛍光体層領域
12内で散乱して、隣り合う貫通孔141内に位置する
ドット状輝尽性蛍光体層領域12に到達することが確実
に防止され、したがって、蓄積性蛍光体シート10に形
成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12を、
対応する基板142の貫通孔141を介して、貫通孔1
41の内部の吸着性基板140によって形成された対応
する吸着性領域144に含まれた放射性標識物質によっ
て、確実に露光することが可能になる。したがって、蓄
積性蛍光体シート10の支持体11に高密度に形成さ
れ、放射性標識物質によって露光されたドット状輝尽性
蛍光体層領域12に励起光を照射して、ドット状輝尽性
蛍光体層領域12から放出された輝尽光を光電的に検出
して、生化学解析用データを生成し、生体由来の物質を
解析する場合にも、放射性標識物質から発せられる電子
線の散乱に起因するノイズが生化学解析用データ中に生
成されることを効果的に防止することが可能になる。
【0315】また、本実施態様によれば、吸着性基板1
40のカメラレンズ97の側に、多数の貫通孔141が
形成された基板142が密着されているため、貫通孔1
41の内部の吸着性基板140によって形成された各吸
着性領域144に含まれた化学発光基質と接触させるこ
とによって化学発光を生じさせる標識物質から放出され
た化学発光あるいは蛍光物質から放出された蛍光が、吸
着性基板140に形成された隣り合う吸着性領域144
に含まれた化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質あるいは蛍光物質から発せら
れた化学発光あるいは蛍光と混ざり合うことが確実に防
止され、したがって、化学発光あるいは蛍光を光電的に
検出して生成した生化学解析用データ中に、化学発光あ
るいは蛍光の散乱に起因するノイズが生成されることを
効果的に防止することが可能になる。
【0316】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0317】たとえば、前記実施態様においては、特異
的結合物質として、塩基配列が既知の互いに異なった複
数のcDNAが用いられているが、本発明において使用
可能な特異的結合物質はcDNAに限定されるものでは
なく、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、
アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、D
NA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能
で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特
異的結合物質はすべて、本発明の特異的結合物質として
使用することができる。
【0318】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の基板2、142は、アルミニウムによ
って形成されているが、放射線および光を減衰させる性
質を有する材料で形成されていれば、基板2、142が
アルミニウムなどの金属によって形成されている必要は
必ずしもなく、セラミック材料やプラスチック材料によ
って、基板2、142を構成するようにしてもよい。
【0319】さらに、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1の基板2、142は、可撓性を有して
いるが、可撓性を有していることも必ずしも必要ではな
い。
【0320】また、前記実施態様においては、生化学解
析用ユニット1の基板2、142は、放射線および光を
減衰させる性質を有する材料によって形成されている
が、化学発光データあるいは蛍光データのみを検出し
て、生化学解析を実行する場合には、基板2、142
を、放射線を透過するが、光を減衰させる性質を有する
材料によって形成されすることができ、基板2、142
が放射線および光を減衰させる性質を有する材料で形成
されていることは必ずしも必要でない。
【0321】さらに、図1ないし図17に示された実施
態様においては、基板2に形成された多数の貫通孔3内
に、多孔質材料が充填されて、吸着性領域4が形成され
ているが、貫通孔3に代えて、基板2に、多数の凹部を
形成し、多数の凹部内に、多孔質材料を充填ないし埋め
込んで、吸着性領域4を形成するようにしてもよい。
【0322】また、前記実施態様においては、約100
00の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する貫
通孔3、141が、約5000個/平方センチメートル
の密度で、規則的に、基板2、142に形成されている
が、貫通孔3、141の数およびサイズは、目的に応じ
て、任意に選択をすることができ、好ましくは、10以
上の5平方ミリメートル未満のサイズを有する貫通孔
3、141が、10個/平方センチメートル以上の密度
で、基板2、142に形成される。
【0323】さらに、前記実施態様においては、約10
000の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する
貫通孔3、141が、約5000個/平方センチメート
ルの密度で、規則的に、基板2、142に形成されてい
るが、貫通孔3、141を規則的に基板2、142に形
成することは必ずしも必要でない。
【0324】また、図3に示された実施態様において
は、放射性標識物質によって標識された生体由来の物
質、蛍光物質によって標識された生体由来の物質および
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質によって標識された生体由来の物質を含
むハイブリダイゼーション溶液9が調製され、吸着性領
域4に滴下された特異的結合物質にハイブリダイズさせ
ているが、放射性標識物質によって標識された生体由来
の物質、蛍光物質によって標識された生体由来の物質お
よび化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質
を、同時に、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領
域4に含まれた特異的結合物質に、選択的にハイブリダ
イズさせることは必ずしも必要でなく、放射性標識物質
によって標識された生体由来の物質および蛍光物質によ
って標識された生体由来の物質、放射性標識物質によっ
て標識された生体由来の物質および化学発光基質と接触
させることによって化学発光を生じさせる標識物質によ
って標識された生体由来の物質、あるいは、蛍光物質に
よって標識された生体由来の物質および化学発光基質と
接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
によって標識された生体由来の物質を、それぞれ、同時
に、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に含
まれた特異的結合物質に、選択的にハイブリダイズさせ
るようにしてもよい。
【0325】さらに、本発明の別の好ましい実施態様に
おいては、Cy3(登録商標)によって標識された生体
由来の物質およびCy5(登録商標)によって標識され
た生体由来の物質が、同時に、生化学解析用ユニット1
の多数の吸着性領域4に含まれた特異的結合物質に、選
択的に特異的結合されているが、Cy3(登録商標)に
よって標識された生体由来の物質およびCy5(登録商
標)によって標識された生体由来の物質に加えて、放射
性標識物質によって標識された生体由来の物質および/
または化学発光基質と接触させることによって化学発光
を生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物
質を、同時に、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性
領域4に含まれた特異的結合物質に、選択的に特異的結
合することもできる。
【0326】また、本発明の別の好ましい実施態様にお
いては、Cy3(登録商標)によって標識された生体由
来の物質およびCy5(登録商標)によって標識された
生体由来の物質が、同時に、生化学解析用ユニット1の
多数の吸着性領域4に含まれた特異的結合物質に、選択
的に特異的結合されているが、最も効率的に励起するこ
とのできる励起光の波長を異にする少なくとも2種の蛍
光物質によって、それぞれ、標識された少なくとも2種
の生体由来の物質を、同時に、生化学解析用ユニット1
の多数の吸着性領域4に含まれた特異的結合物質に、選
択的に特異的結合すればよく、Cy3、Cy5によっ
て、生体由来の物質を標識することは必ずしも必要でな
い。
【0327】また、前記実施態様においては、放射性標
識物質、蛍光物質および化学発光基質と接触させること
によって化学発光を生じさせる標識物質によって標識さ
れた生体由来の物質が、特異的結合物質にハイブリダイ
ズされているが、生体由来の物質を、特異的結合物質に
ハイブリダイズさせていることは必ずしも必要でなく、
生体由来の物質を、ハイブリダイゼーションに代えて、
抗原抗体反応、リセプター・リガンドなどの反応によっ
て、特異的結合物質に特異的に結合させることもでき
る。
【0328】さらに、前記実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート10の支持体11の一方の面に、生化学解
析用ユニット1に形成された多数の貫通孔3、141の
パターンと同一のパターンで、多数のドット状輝尽性蛍
光体層領域12が形成されているが、ドット状輝尽性蛍
光体層領域12が形成されていることは必ずしも必要か
なく、蓄積性蛍光体シート10の支持体11の一方の面
に、輝尽性蛍光体層が一様に形成されていてもよい。
【0329】また、図1ないし図17に示された実施態
様においては、生化学解析用ユニット1の貫通孔3内に
形成された吸着性領域4と、蓄積性蛍光体シート10の
ドット状輝尽性蛍光体層領域12とが密着するように、
生化学解析用ユニット1と蓄積性蛍光体シート10とが
重ね合わされて、放射性標識物質により、ドット状輝尽
性蛍光体層領域12が露光され、図18および図19に
示された実施態様においては、生化学解析用ユニット1
の吸着性基板140に形成された吸着性領域144と、
蓄積性蛍光体シート10のドット状輝尽性蛍光体層領域
12とが密着するように、生化学解析用ユニット1と蓄
積性蛍光体シート10とが重ね合わされて、放射性標識
物質により、ドット状輝尽性蛍光体層領域12が露光さ
れているが、蓄積性蛍光体シート10のドット状輝尽性
蛍光体層領域12と、生化学解析用ユニット1の貫通孔
3内に形成された吸着性領域4あるいは貫通孔141内
の吸着性基板140によって形成された吸着性領域14
4とが、互いに対向するように、生化学解析用ユニット
1と蓄積性蛍光体シート10とが重ね合わされて、放射
性標識物質により、ドット状輝尽性蛍光体層領域12が
露光されれば、蓄積性蛍光体シート10のドット状輝尽
性蛍光体層領域12と、生化学解析用ユニット1の貫通
孔3内に形成された吸着性領域4あるいは貫通孔141
内の吸着性基板140によって形成された吸着性領域1
44とを密着させて、放射性標識物質によって、ドット
状輝尽性蛍光体層領域12を露光することは必ずしも必
要でない。
【0330】さらに、前記実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート10の多数のドット状輝尽性蛍光体層領域
12は、支持体11の表面上に形成されているが、多数
のドット状輝尽性蛍光体層領域12を支持体11の表面
上に形成することは必ずしも必要でなく、支持体11に
多数の貫通孔を形成し、多数の貫通孔内に、輝尽性蛍光
体を充填あるいは埋め込んで、多数のドット状輝尽性蛍
光体層領域12を形成してもよいし、支持体11に多数
の凹部を形成し、多数の凹部内に、輝尽性蛍光体を充填
あるいは埋め込んで、多数のドット状輝尽性蛍光体層領
域12を形成するようにしてもよい。
【0331】また、前記実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10の多数のドット状輝尽性蛍光体層領域1
2は、その表面が、支持体11の表面の上方に位置する
ように形成されているが、その表面が、支持体11の表
面と一致するように、多数のドット状輝尽性蛍光体層領
域12を形成しても、その表面が、支持体11の下方に
位置するように、多数のドット状輝尽性蛍光体層領域1
2を形成してもよい。
【0332】さらに、前記実施態様においては、蓄積性
蛍光体シート10の支持体11は、ステンレスによっ
て、形成されているが、支持体11は、放射線を減衰さ
せる性質を有する材料によって、形成されていればよ
く、無機化合物材料、有機化合物材料のいずれによって
形成されてもよいが、とくに好ましくは、金属材料、セ
ラミック材料またはプラスチック材料によって形成され
る。無機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、
亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、
ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真
鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルフ
ァスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素
などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;タングステン
カーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロ
キシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げるこ
とができる。有機化合物材料としては、高分子化合物が
好ましく用いられ、たとえば、ポリエチレンやポリプロ
ピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合
体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩
化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデ
ン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロトリフル
オロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレンナフタ
レートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエステ
ル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10な
どのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフェニ
レンサルファイド;ポリジフェニルシロキサンなどのケ
イ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹脂;エポキシ
樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−スチ
レン共重合体;セルロース、酢酸セルロース、ニトロセ
ルロース、でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースなどの多糖類;キチン;キト
サン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどの
ポリアミドおよびこれら高分子化合物の共重合体などを
挙げることができる。
【0333】また、図18および図19に示された実施
態様においては、ナイロン6などの吸着性材料によって
形成された吸着性基板140の両側に、多数の貫通孔1
41が形成された基板142、142を密着させて、生
化学解析用ユニット1を構成しているが、吸着性基板1
40の両側に、基板142、142を密着させることは
必ずしも必要ではなく、吸着性基板140の少なくとも
一方の面に、多数の貫通孔141が形成された基板14
2を密着させて、生化学解析用ユニット1が構成されて
いればよい。
【0334】さらに、前記実施態様においては、図6な
いし図13に示されたスキャナを用いて、蓄積性蛍光体
シート10に形成された多数のドット状輝尽性蛍光体層
領域12に記録された放射性標識物質の放射線データお
よび生化学解析用ユニット1の多数の貫通孔3に形成さ
れた吸着性領域4に記録された蛍光色素などの蛍光物質
の蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生成
しているが、放射性標識物質の放射線データおよび蛍光
物質の蛍光データを1つのスキャナによって読み取るこ
とは必ずしも必要でなく、放射性標識物質の放射線デー
タと、蛍光物質の蛍光データを、別個のスキャナによっ
て読み取って、生化学解析用データを生成するようにし
てもよい。
【0335】また、前記実施態様においては、蓄積性蛍
光体シート10に形成された多数のドット状輝尽性蛍光
体層領域12に記録された放射性標識物質の放射線デー
タおよび生化学解析用ユニット1の多数の貫通孔3に形
成された吸着性領域4に記録された蛍光色素などの蛍光
物質の蛍光データを読み取って、生化学解析用データを
生成する場合に、図6ないし図13に示されたスキャナ
を用いているが、放射性標識物質の放射線データを読み
取るためのスキャナとしては、レーザ光24によって、
多数のドット状輝尽性蛍光体層領域12を走査して、励
起することができるものあればよく、図6ないし図13
に示されたスキャナを用いて、放射性標識物質の放射線
データを読み取ることは必ずしも必要がない。
【0336】さらに、図6ないし図13に示されたスキ
ャナは、第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起
光源22および第3のレーザ励起光源23を備えている
が、3つのレーザ励起光源を備えていることは必ずしも
必要ない。
【0337】また、前記実施態様においては、図14な
いし図17に示された蛍光データをも読み取り可能なデ
ータ生成システムによって、生化学解析用ユニット1の
多数の貫通孔3内に形成された吸着性領域4に記録され
た化学発光基質と接触させることによって化学発光を生
じさせる標識物質の化学発光データを読み取って、生化
学解析用データを生成しているが、蛍光データをも生成
可能なデータ生成システムによって、化学発光データを
読み取って、生化学解析用データを生成することは必ず
しも必要でなく、生化学解析用ユニット1の多数の貫通
孔3内に形成された吸着性領域4に記録された化学発光
基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標
識物質の化学発光データのみを読み取る場合には、LE
D光源100、フィルタ101、フィルタ102および
拡散板103を省略することができる。
【0338】さらに、前記実施態様においては、走査機
構によって、図12において、X方向およびY方向に、
光学ヘッド35を移動させることによって、レーザ光2
4により、蓄積性蛍光体シート10に形成されたすべて
のドット状の輝尽性蛍光体層領域12あるいは生化学解
析用ユニット1に形成されたすべてのドット状の吸着性
領域4を走査して、輝尽性蛍光体あるいは蛍光色素など
の蛍光物質を励起しているが、光学ヘッド35を静止状
態に維持し、ステージ40を、図12において、X方向
およびY方向に移動させることによって、レーザ光24
により、蓄積性蛍光体シート10のすべてのドット状輝
尽性蛍光体層領域12あるいは生化学解析用ユニット1
に形成されたすべてのドット状の吸着性領域4を走査し
て、輝尽性蛍光体あるいは蛍光色素などの蛍光物質を励
起するようにしてもよく、また、光学ヘッド35を、図
12において、X方向およびY方向の一方に移動させる
とともに、ステージ40をX方向およびY方向の他方に
移動させることもできる。
【0339】また、図6ないし図13に示されたスキャ
ナにおいては、穴33が形成された穴開きミラー34を
用いているが、穴33に代えて、レーザ光24を透過可
能なコーティングを施すこともできる。
【0340】さらに、図6ないし図13に示されたスキ
ャナにおいては、光検出器として、フォトマルチプライ
ア50を用いて、蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出し
ているが、本発明において用いられる光検出器として
は、蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出可能であればよ
く、フォトマルチプライア50に限らず、ラインCCD
や二次元CCDなどの他の光検出器を用いることもでき
る。
【0341】また、前記実施態様においては、インジェ
クタ6とCCDカメラ7を備えたスポッティング装置を
用いて、CCDカメラ7によって、インジェクタ6の先
端部と、cDNAなどの特異的結合物質を滴下すべき貫
通孔3、141を観察しながら、インジェクタ6の先端
部と、cDNAなどの特異的結合物質を滴下すべき貫通
孔3の中心とが合致したときに、インジェクタ6から、
cDNAなどの特異的結合物質を滴下しているが、生化
学解析用ユニット1に形成された多数の貫通孔3、14
1と、インジェクタ6の先端部との相対的位置関係をあ
らかじめ検出しておき、生化学解析用ユニット1あるい
はインジェクタ6の先端部を、インジェクタ6の先端部
が貫通孔3、141のそれぞれと一致するように移動さ
せて、cDNAなどの特異的結合物質を滴下するように
することもできる。
【0342】
【発明の効果】本発明によれば、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質のスポット状領域を、高密度
に、担体に形成し、スポット状領域に含まれた特異的結
合物質に、放射性標識物質によって標識された生体由来
の物質を特異的に結合させて、選択的に標識して得た生
化学解析用ユニットを、輝尽性蛍光体層と密着させて、
輝尽性蛍光体層を放射性標識物質によって露光し、輝尽
性蛍光体層に励起光を照射して、輝尽性蛍光体層から放
出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用デー
タを生成する場合にも、放射性標識物質から発せられる
電子線の散乱に起因するノイズが生化学解析用データ中
に生成されることを防止することができ、生体由来の物
質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長
さ、組成などが既知の特異的結合物質のスポット状領域
を、高密度に、担体に形成し、スポット状領域に含まれ
た特異的結合物質に、放射性標識物質に加えて、あるい
は、放射性標識物質に代えて、化学発光基質と接触させ
ることによって化学発光を生じさせる標識物質および/
または蛍光物質によって標識された生体由来の物質を特
異的に結合させて、選択的に標識して得た生化学解析用
ユニットから発せられる化学発光および/または蛍光を
光電的に検出して、生化学解析用データを生成する場合
にも、化学発光基質と接触させることによって化学発光
を生じさせる標識物質および/または蛍光物質から発せ
られる化学発光および/または蛍光の散乱に起因するノ
イズが生化学解析用データ中に生成されることを防止す
ることができる生化学解析用ユニットならびにそれを用
いた定量性の高い生化学解析方法を提供することが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用ユニットの略斜視図である。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、ハイブリダイゼーション容器の略縦断
面図である。
【図4】図4は、蓄積性蛍光体シートの略斜視図であ
る。
【図5】図5は、多数の貫通孔内に形成された吸着性領
域に含まれた放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シ
ートに形成された多数のドット状の輝尽性蛍光体層領域
を露光する方法を示す略断面図である。
【図6】図6は、蓄積性蛍光体シートに形成された多数
の輝尽性蛍光体層領域に記録された放射性標識物質の放
射線データおよび生化学解析用ユニットに形成された多
数の吸着性領域に記録された蛍光物質の蛍光データを読
み取って、生化学解析用データを生成するスキャナの一
例を示す略斜視図である。
【図7】図7は、フォトマルチプライア近傍の詳細を示
す略斜視図である。
【図8】図8は、図7のA−A線に沿った略断面図であ
る。
【図9】図9は、図7のB−B線に沿った断面図であ
る。
【図10】図10は、図7のC−C線に沿った断面図で
ある。
【図11】図11は、図7のD−D線に沿った断面図で
ある。
【図12】図12は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【図13】図13は、図6に示されたスキャナの制御
系、入力系および駆動系を示すブロックダイアグラムで
ある。
【図14】図14は、生化学解析用ユニットに形成され
ている多数の吸着性領域に記録された化学発光基質と接
触させることによって化学発光を生じさせる標識物質の
化学発光画像を読み取って、生化学解析用データを生成
するデータ生成システムの略正面図である。
【図15】図15は、データ生成システムの冷却CCD
カメラの略縦断面図である。
【図16】図16は、データ生成システムの暗箱の略縦
断面図である。
【図17】図17は、データ生成システムのパーソナル
コンピュータの周辺のブロックダイアグラムである。
【図18】図18は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用ユニットの略縦断面図である。
【図19】図19は、貫通孔内部の吸着性基板によって
形成された多数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質
によって、蓄積性蛍光体シートに形成された多数のドッ
ト状輝尽性蛍光体層領域を露光する方法を示す略断面図
である。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 基板 3 孔 4 多孔質材料 5 スポッティング装置 6 インジェクタ 7 CCDカメラ 8 ハイブリダイズ容器 9 ハイブリダイズ液 10 蓄積性蛍光体シート 11 支持体 12 ドット状輝尽性蛍光体層領域 21 第1のレーザ励起光源 22 第2のレーザ励起光源 23 第3のレーザ励起光源 24 レーザ光 25 コリメータレンズ 26 ミラー 27 第1のダイクロイックミラー 28 第2のダイクロイックミラー 29 ミラー 30 コリメータレンズ 31 コリメータレンズ 32 ミラー 33 穴開きミラーの穴 34 穴開きミラー 35 光学ヘッド 36 ミラー 37 非球面レンズ 38 凹面ミラー 40 ステージ 41 ガラス板 45 蛍光あるいは輝尽光 48 フィルタユニット 50 フォトマルチプライア 51a、51b、51c、51d フィルタ部材 52a、52b、52c、52d フィルタ 53 A/D変換器 54 データ処理装置 60 基板 61 副走査パルスモータ 62 一対のレール 63 移動可能な基板 64 ロッド 65 主走査パルスモータ 66 エンドレスベルト 67 リニアエンコーダ 68 リニアエンコーダのスリット 70 コントロールユニット 71 キーボード 72 フィルタユニットモータ 81 冷却CCDカメラ 82 暗箱 83 パーソナルコンピュータ 84 CRT 85 キーボード 86 CCD 87 伝熱板 88 ペルチエ素子 89 シャッタ 90 A/D変換器 91 画像データバッファ 92 カメラ制御回路 95 ガラス板 96 放熱フィン 97 カメラレンズ 100 LED光源 101 フィルタ 102 フィルタ 103 拡散板 110 CPU 111 データ転送手段 112 データ記憶手段 113 データ処理装置 114 データ表示手段 115 光源制御手段 140 吸着性基板 141 孔 142 多孔板 144 吸着性領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/53 D J M N 33/533 33/533 33/566 33/566 33/58 33/58 A 37/00 102 37/00 102 // C12N 15/09 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 C12N 15/00 A Fターム(参考) 2G043 AA03 BA16 DA02 DA06 EA01 EA06 GA06 GA08 GB18 HA01 HA02 HA03 HA09 HA11 HA15 JA02 KA09 LA02 LA03 MA01 NA01 NA05 NA06 2G045 AA40 DA12 DA13 DA14 DA20 DA36 DA54 DA80 FA12 FA19 FB02 FB03 FB07 FB09 FB12 FB13 FB15 GC15 HA16 JA01 2G054 AA06 AB04 BA01 BA04 BB20 CA21 CD01 CD03 CE02 CE10 EA01 EA03 EA07 EB01 FA17 FA19 FA20 FA22 FA23 FA32 GE01 GE07 GE08 JA00 4B024 AA19 AA20 CA01 FA10 GA30 HA14 4B063 QA01 QA13 QQ42 QR32 QR55 QS03 QS05 QS34 QS36 QX02 QX07

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線および光を減衰させる性質を有す
    るとともに、複数の孔が形成され、前記複数の孔内に、
    それぞれ、吸着性領域が形成された基板を備え、前記基
    板の前記複数の孔内に形成された吸着性領域に、それぞ
    れ、構造または特性が既知の特異的結合物質が滴下され
    て、前記吸着性領域に吸着され、ある検体から採取さ
    れ、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
    ならびに前記検体とは異なる検体から採取され、蛍光物
    質または化学発光基質と接触させることによって化学発
    光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来の
    物質が、前記複数の吸着性領域に含まれた前記特異的結
    合物質に、特異的に結合されて、前記複数の吸着性領域
    が選択的に標識されていることを特徴とする生化学解析
    用ユニット。
  2. 【請求項2】 放射性標識物質によって標識された生体
    由来の物質に加えて、放射性標識物質によって標識され
    た生体由来の物質が採取された前記検体とは異なる少な
    くとも2種の検体から採取され、それぞれ、蛍光物質ま
    たは化学発光基質と接触させることによって化学発光を
    生じさせる標識物質のうち、互いに異なる標識物質によ
    って標識された少なくとも2種の生体由来の物質が、前
    記複数の吸着性領域に含まれた前記特異的結合物質に、
    特異的に結合されていることを特徴とする請求項1に記
    載の生化学解析用ユニット。
  3. 【請求項3】 光を減衰させる性質を有するとともに、
    複数の孔が形成され、前記複数の孔内に、それぞれ、吸
    着性領域が形成された基板を備え、前記基板の前記複数
    の孔内に形成された吸着性領域に、それぞれ、構造また
    は特性が既知の特異的結合物質が滴下され、少なくとも
    2つの異なる検体から採取され、それぞれ、効率的に励
    起することのできる励起光の波長を互いに異にする少な
    くとも2種の蛍光物質および化学発光基質と接触させる
    ことによって化学発光を生じさせる標識物質のうち、互
    いに異なる標識物質によって標識された生体由来の物質
    が、前記複数の吸着性領域に含まれた前記特異的結合物
    質に、特異的に結合されて、前記複数の吸着性領域が選
    択的に標識されていることを特徴とする生化学解析用ユ
    ニット。
  4. 【請求項4】 光を減衰させる性質を有するとともに、
    複数の孔が形成され、前記複数の孔内に、それぞれ、吸
    着性領域が形成された基板を備え、前記基板の前記複数
    の孔内に形成された吸着性領域に、それぞれ、構造また
    は特性が既知の特異的結合物質が滴下され、少なくとも
    2つの異なる検体から採取され、それぞれ、効率的に励
    起することのできる励起光の波長を互いに異にする少な
    くとも2種の蛍光物質のうち、互いに異なる蛍光物質に
    よって標識された生体由来の物質が、前記複数の吸着性
    領域に含まれた前記特異的結合物質に、特異的に結合さ
    れて、前記複数の吸着性領域が選択的に標識されている
    ことを特徴とする生化学解析用ユニット。
  5. 【請求項5】 前記生体由来の物質が、ハイブリダイゼ
    ーション、抗原抗体反応、リセプター・リガンドよりな
    る群から選ばれた反応によって、前記特異的結合物質と
    結合されていることを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれか1項に記載の生化学解析用ユニット。
  6. 【請求項6】 前記複数の吸着性領域が、前記基板に形
    成された前記複数の孔内に、吸着性材料が充填されて、
    形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれ
    か1項に記載の生化学解析用ユニット。
  7. 【請求項7】 前記複数の吸着性領域が、前記基板に形
    成された前記複数の貫通孔内に、吸着性材料を含む吸着
    性膜が圧入されて、形成されたことを特徴とする請求項
    6に記載の生化学解析用ユニット。
  8. 【請求項8】 吸着性材料を含む吸着性基板を備え、前
    記基板に形成された前記複数の孔が、それぞれ、貫通孔
    によって構成され、前記吸着性基板の少なくとも一方の
    面に、前記基板が密着されて、前記基板に形成された前
    記複数の貫通孔内の前記吸着性基板によって、前記複数
    の吸着性領域が形成されたことを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれか1項に記載の生化学解析用ユニット。
  9. 【請求項9】 前記吸着性基板の両面に、前記基板が密
    着されたことを特徴とする請求項8に記載の生化学解析
    用ユニット。
  10. 【請求項10】 前記基板に、10以上の吸着性領域が
    形成されたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれ
    か1項に記載の生化学解析用ユニット。
  11. 【請求項11】 前記吸着性領域が、5平方ミリメート
    ル未満のサイズを有することを特徴とする請求項1ない
    し10のいずれか1項に記載の生化学解析用ユニット。
  12. 【請求項12】 前記吸着性領域が、10個/平方セン
    チメートル以上の密度で、前記基板に形成されたことを
    特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の
    生化学解析用ユニット。
  13. 【請求項13】 前記基板が、隣り合う吸着性領域の間
    の距離に等しい距離だけ、放射線および光が前記材料中
    を透過したときに、放射線および光のエネルギーを1/
    5以下に減衰させる性質を有することを特徴とする請求
    項1、2、5ないし12のいずれか1項に記載の生化学
    解析用ユニット。
  14. 【請求項14】 前記基板が、隣り合う吸着性領域の間
    の距離に等しい距離だけ、光が前記材料中を透過したと
    きに、光のエネルギーを、1/5以下に減衰させる性質
    を有することを特徴とする請求項3ないし13のいずれ
    か1項に記載の生化学解析用ユニット。
  15. 【請求項15】 放射線および光を減衰させる性質を有
    する基板に形成した複数の孔内に形成された吸着性領域
    に、それぞれ、構造または特性が既知の特異的結合物質
    を滴下して、前記吸着性領域に吸着させ、ある検体から
    採取され、放射性標識物質によって標識された生体由来
    の物質ならびに前記検体とは異なる検体から採取され、
    蛍光物質または化学発光基質と接触させることによって
    化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体
    由来の物質を、前記複数の吸着性領域に含まれた前記特
    異的結合物質に、特異的に結合させて、前記複数の吸着
    性領域が選択的に標識して、生化学解析用ユニットを作
    製し、前記生化学解析用ユニットを、輝尽性蛍光体層が
    形成された蓄積性蛍光体シートに、前記輝尽性蛍光体層
    が前記複数の吸着性領域と対向するように、重ね合わせ
    て、前記複数の吸着性領域に含まれた前記放射性標識物
    質によって、前記輝尽性蛍光体層を露光し、前記放射性
    標識物質によって露光された前記輝尽性蛍光体層に励起
    光を照射して、前記輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍
    光体を励起し、前記輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍
    光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、前記放
    射性標識物質の放射線データを読み取り、生化学解析用
    データを生成し、前記生化学解析用データに基づいて、
    生化学解析を実行することを特徴とする生化学解析方
    法。
  16. 【請求項16】 放射性標識物質によって標識された生
    体由来の物質に加えて、放射性標識物質によって標識さ
    れた生体由来の物質が採取された前記検体とは異なる少
    なくとも2種の検体から採取され、それぞれ、蛍光物質
    または化学発光基質と接触させることによって化学発光
    を生じさせる標識物質のうち、互いに異なる標識物質に
    よって標識された少なくとも2種の生体由来の物質を、
    前記複数の吸着性領域に含まれた前記特異的結合物質
    に、特異的に結合させて、前記複数の吸着性領域が選択
    的に標識することを特徴とする請求項15に記載の生化
    学解析方法。
  17. 【請求項17】 前記蓄積性蛍光体シートが、前記生化
    学解析用ユニットの前記基板に形成された前記複数の孔
    と略同一のパターンによって、複数のドット状の輝尽性
    蛍光体層領域が、互いに離間して形成された支持体を備
    え、前記複数のドット状の輝尽性蛍光体層領域の各々
    が、前記生化学解析用ユニットの前記基板に形成された
    前記複数の吸着性領域と対向するように、前記生化学解
    析用ユニットと前記蓄積性蛍光体シートとを重ね合わせ
    て、前記複数の吸着性領域に含まれた前記放射性標識物
    質によって、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数のドッ
    ト状の輝尽性蛍光体層領域を露光することを特徴とする
    請求項15または16に記載の生化学解析方法。
  18. 【請求項18】 光を減衰させる性質を有する基板に形
    成した複数の孔内に形成された吸着性領域に、それぞ
    れ、構造または特性が既知の特異的結合物質を滴下し、
    少なくとも2つの異なる検体から採取され、それぞれ、
    効率的に励起することのできる励起光の波長を互いに異
    にする少なくとも2種の蛍光物質および化学発光基質と
    接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質
    のうち、互いに異なる標識物質によって標識された生体
    由来の物質を、前記複数の吸着性領域に含まれた前記特
    異的結合物質に、特異的に結合させて、前記複数の吸着
    性領域が選択的に標識することを特徴とする生化学解析
    方法。
  19. 【請求項19】 光を減衰させる性質を有する基板に形
    成した複数の孔内に形成された吸着性領域に、それぞ
    れ、構造または特性が既知の特異的結合物質を滴下し、
    少なくとも2つの異なる検体から採取され、それぞれ、
    効率的に励起することのできる励起光の波長を互いに異
    にする少なくとも2種の蛍光物質のうち、互いに異なる
    蛍光物質によって標識された生体由来の物質を、前記複
    数の吸着性領域に含まれた前記特異的結合物質に、特異
    的に結合させて、前記複数の吸着性領域が選択的に標識
    し、前記複数の吸着性領域に、波長の異なる励起光を照
    射して、前記少なくとも2種の蛍光物質を、それぞれ、
    励起し、前記少なくとも2種の蛍光物質から放出された
    蛍光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成
    し、前記生化学解析用データに基づいて、生化学解析を
    実行することを特徴とする生化学解析方法。
  20. 【請求項20】 前記生体由来の物質が、ハイブリダイ
    ゼーション、抗原抗体反応、リセプター・リガンドより
    なる群から選ばれた反応によって、前記特異的結合物質
    と結合されることを特徴とする請求項15ないし19の
    いずれか1項に記載の生化学解析方法。
  21. 【請求項21】 前記複数の吸着性領域が、前記基板に
    形成された前記複数の孔内に、吸着性材料が充填され
    て、形成されたことを特徴とする請求項15ないし20
    のいずれか1項に記載の生化学解析方法。
  22. 【請求項22】 前記基板に形成された前記複数の孔
    が、それぞれ、貫通孔によって構成され、前記複数の吸
    着性領域が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔内
    に、吸着性材料を含む吸着性膜が圧入されて、形成され
    たことを特徴とする請求項21に記載の生化学解析方
    法。
  23. 【請求項23】 前記生化学解析用ユニットが、吸着性
    材料を含む吸着性基板を備え、前記基板に形成された前
    記複数の孔が、それぞれ、貫通孔によって構成され、前
    記吸着性基板の少なくとも一方の面に、前記基板が密着
    されて、前記基板に形成された前記複数の貫通孔内の前
    記吸着性基板によって、前記複数の吸着性領域が形成さ
    れたことを特徴とする請求項15ないし20のいずれか
    1項に記載の生化学解析方法。
  24. 【請求項24】 前記基板に、10以上の吸着性領域が
    形成されたことを特徴とする請求項15ないし23のい
    ずれか1項に記載の生化学解析方法。
  25. 【請求項25】 前記吸着性領域が、5平方ミリメート
    ル未満のサイズを有することを特徴とする請求項15な
    いし24のいずれか1項に記載の生化学解析方法。
  26. 【請求項26】 前記吸着性領域が、10個/平方セン
    チメートル以上の密度で、前記基板に形成されたことを
    特徴とする請求項15ないし25のいずれか1項に記載
    の生化学解析方法。
  27. 【請求項27】 前記基板が、隣り合う吸着性領域の間
    の距離に等しい距離だけ、放射線および光が前記材料中
    を透過したときに、放射線および光のエネルギーを1/
    5以下に減衰させる性質を有することを特徴とする請求
    項15ないし17、20ないし26のいずれか1項に記
    載の生化学解析方法。
  28. 【請求項28】 前記基板が、隣り合う吸着性領域の間
    の距離に等しい距離だけ、放射線および光が前記材料中
    を透過したときに、放射線および光のエネルギーを1/
    5以下に減衰させる性質を有することを特徴とする請求
    項18ないし26のいずれか1項に記載の生化学解析方
    法。
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