JP2003128671A - 生理活性物質nk34896aまたはbのエステル誘導体、その製造法およびその用途 - Google Patents

生理活性物質nk34896aまたはbのエステル誘導体、その製造法およびその用途

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JP2003128671A
JP2003128671A JP2001318445A JP2001318445A JP2003128671A JP 2003128671 A JP2003128671 A JP 2003128671A JP 2001318445 A JP2001318445 A JP 2001318445A JP 2001318445 A JP2001318445 A JP 2001318445A JP 2003128671 A JP2003128671 A JP 2003128671A
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ethyl
methyl
substituent
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JP2001318445A
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English (en)
Inventor
Kazuteru Fukazawa
和輝 深澤
Yoshikazu Sukenaga
義和 助永
Akira Masuda
亮 増田
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な抗腫瘍剤が要望されている。 【解決手段】一般式(1) 【化1】 又は、一般式(2) 【化2】 (一般式(1)もしくは一般式(2)中、Xは置換基を
有してもよいC1〜C8の直鎖または分枝鎖状の脂肪族
炭化水素、または置換基を有してもよいC3〜C8の環
状脂肪族炭化水素を示し、置換基としてC1〜C6アシ
ル基、芳香族アシル基、C1〜C6アルコキシ基、C1
〜C6アシルオキシ基、C1〜C6アルコキシカルボニ
ル基、芳香族基、芳香族置換C1〜C6アルコキシ基、
複素環基、水酸基、C1〜C6アルキル置換アミノ基及
びC1〜C6アルキル置換シリル基から選択される基を
示す。YはC1〜C4アルキル基を示す。但し一般式
(1)において、Xがメチル基でYがエチル基の組合せ
の場合を除く。)で表されるNK34896AまたはB
のエステル誘導体あるいは、それらの薬理学上許容され
る塩を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般式(1)及び
(2)で表される生理活性物質NK34896Aまたは
Bのエステル誘導体、その製造法及びその用途に関す
る。本発明の化合物は、細胞増殖抑制作用を示し、悪性
腫瘍に対する化学療法剤などとして使用される抗癌物質
として期待される。
【0002】
【従来の技術】従来、抗腫瘍剤としては、例えばアドリ
アマイシン、マイトマイシンC等が知られている。ま
た、本発明の一般式(3)において、Yがメチル基の化
合物はX−14889Cとして抗菌活性等が知られ(特
開昭60−142982)、Yがエチル基の化合物はラ
イソセリンとして抗菌活性等が知られている(特開昭4
8−103797、特公昭54−12555)。更に
は、一般式(1)でXがメチル基でYがエチル基の化合
物はライソセリンと比較してイオノフォア作用が失われ
ることが報告されている(J. Antibiotics
vol.30 pp186, 1977)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のアドリアマイシ
ン、マイトマイシンC等は毒性が強く、満足すべきもの
ではない。これらの用途に適する新規化合物の発明が待
たれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検索
した結果、一般式(1)または一般式(2)で表される
NK34896AまたはBのエステル誘導体またはそれ
らの薬理学上許容される塩が癌細胞に対する細胞増殖抑
制作用を有する事を見出した。さらに、本発明者らはこ
れらの知見を基に鋭意検討の結果、本発明を完成するに
至った。なお、本発明におけるNK34896エステル
誘導体のうち,一般式(1)で表される誘導体をNK3
4896Aエステル誘導体,一般式(2)で表される誘
導体をNK34896Bエステル誘導体と命名すること
とする。
【0005】即ち、本発明は次の1〜7項に関するもの
である。 (1) 一般式(1)
【化7】
【0006】又は、一般式(2)
【化8】
【0007】(一般式(1)もしくは一般式(2)中、
Xは置換基を有してもよいC1〜C8の直鎖または分枝
鎖状の脂肪族炭化水素、または置換基を有してもよいC
3〜C8の環状脂肪族炭化水素を示し、置換基としてC
1〜C6アシル基,芳香族アシル基、C1〜C6アルコ
キシ基,C1〜C6アシルオキシ基,C1〜C6アルコ
キシカルボニル基,芳香族基,芳香族置換C1〜C6ア
ルコキシ基、複素環基,水酸基,C1〜C6アルキル置
換アミノ基及びC1〜C6アルキル置換シリル基から選
択される基を示す。YはC1〜C4アルキル基を示す。
但し、一般式(1)において、Xがメチル基でYがエチ
ル基の組合せの場合を除く。)で表されるNK3489
6AまたはBのエステル誘導体あるいは、それらの薬理
学上許容される塩。
【0008】(2)一般式(1)又は一般式(2)にお
いて、XがC1〜C8の直鎖または分枝鎖状のアルキル
基、C3〜8のシクロアルキル基、又は置換基としてフ
ェニル基、ベンジルオキシ基、ベンゾイル基、C1〜C
6アルコキシカルボニル基、C1〜C6アルキル置換シ
リル基、ピリジニル基、モルホリニル基、C1〜C6ア
シルオキシ基、水酸基から選択される基で置換されたC
1〜C8の直鎖または分枝鎖状のアルキル基を示し、Y
はC1〜C4アルキル基を示す、前記1項に記載のNK
34896AまたはBのエステル誘導体あるいは、それ
らの薬理学上許容される塩。
【0009】(3)一般式(1)又は一般式(2)にお
いて、Xがエチル、イソブチル、イソプロピル、シクロ
ヘキシル、tert−ブチル、ベンジル、(1−フェニ
ル)エチル、ベンジルオキシメチル、フェナシル、(t
ert−ブトキシカルボニル)メチル、(1−エトキシ
カルボニル)ブチル,2−ヒドロキシエチル、2−(ジ
メチルアミノ)エチル、2−(モルホリン−4−イル)
エチル、3−(モルホリン−4−イル)プロピル、(ピ
リジン−2−イル)メチル、(ピリジン−3−イル)メ
チル、(ピリジン−4−イル)メチル、トリメチルシリ
ルメチル、ピバロイルオキシメチルまたは(1−ピバロ
イルオキシ)エチルであり、Yがメチル基又はエチル基
である前記1項に記載のNK34896AまたはBのエ
ステル誘導体あるいは、それらの薬理学上許容される
塩。
【0010】(4)前記1〜3のいずれかに記載のNK
34896AまたはBのエステル誘導体(但し、一般式
(1)において、Xがメチル基でYがエチル基の組合せ
の場合を含む)あるいは、それらの薬理学上許容される
塩および医薬用添加剤とからなる抗腫瘍剤。 (5)前記1〜3のいずれかに記載のNK34896A
またはBのエステル誘導体(但し、一般式(1)におい
て、Xがメチル基でYがエチル基の組合せの場合を含
む)あるいは、それらの薬理学上許容される塩および医
薬用添加剤とからなる医薬。
【0011】(6)一般式(3)
【化9】
【0012】又は一般式(4)
【化10】
【0013】(一般式(3)もしくは一般式(4)中、
Yは、炭素数1から4のアルキル基を示す。]で表され
る化合物に一般式(5) XR1 (5) (式中、Xは置換基を有してもよいC1〜C8の直鎖ま
たは分枝鎖状のアルキル基、または置換基を有してもよ
いC3〜C8の環状脂肪族炭化水素を示し、置換基とし
てC1〜C6アシル基、芳香族アシル基、C1〜C6ア
ルコキシ基、C1〜C6アシルオキシ基、C1〜C6ア
ルコキシカルボニル基、芳香族基、芳香族置換C1〜C
6アルコキシ基、複素環基、水酸基、C1〜C6アルキ
ル置換アミノ基及びC1〜C6アルキル置換シリル基か
ら選択される基を示す。R1は反応性基を示す。)をエ
ステル化反応させることを特徴とする、一般式(1)
【0014】
【化11】 (式中、X、Yは各々前記した通りを示す。但し、Xが
メチル基でYがエチル基の組合せの場合を除く。) 又は一般式(2)
【0015】
【化12】 (式中、X、Yは各々前記した通りを示す)で表される
NK34896AまたはBのエステル誘導体の製造法。
【0016】(7)一般式(5)のR1がハロゲノ基、
メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオ
キシ基、またはOHを示す、6項に記載の製造法。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(1)又は一般式
(2)で表されるNK34896AまたはBのエステル
誘導体について説明する。一般式(1)又は一般式
(2)におけるXのC1〜C8の直鎖または分枝鎖状の
アルキル基とは、例えばメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t
ert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、オクチ
ル基などが挙げられ、好ましくはC1〜C4のメチル、
エチル、イソプロピル、ブチル基が挙げられる。
【0018】一般式(1)又は一般式(2)におけるX
のC3〜C8の環状脂肪族炭化水素とは、C3〜C8の
シクロアルキル基、C3〜C8シクロアルケニル基など
を示す。本発明においてはC3〜C8のシクロアルキル
基が好ましく、例えばシクロプロピル、シクロブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基な
どが挙げられ、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキ
シルである。上記のXのC1〜C8の直鎖または分枝鎖
状のアルキル基およびC3〜C8の環状脂肪族炭化水素
は置換基を有しても良く、置換基としてはC1〜C6ア
ルキル基、C1〜C6アシル基、芳香族アシル基、C1
〜C6アルコキシ基、C1〜C8アシルオキシ基、C1
〜C6アルコキシカルボニル基、芳香族基、芳香族置換
C1〜C6アルコキシ基、複素環基、水酸基、C1〜C
6アルキル置換アミノ基及びC1〜C6アルキル置換シ
リル基から選択される基が挙げられる。
【0019】置換基のC1〜C6アルキル基としては、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ヘキシ
ル基などが挙げられ、好ましくはメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、tert−ブチル基である。置換
基のC1〜C6アシル基としては、アセチル、プロピオ
ニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、ヘキサノ
イル基などが挙げられ、好ましくはアセチル、イソブチ
リル、ピバロイル基である。置換基の芳香族アシル基と
は、置換または無置換ベンゾイル基、置換または無置換
ナフトイル基等を示す。置換された場合の置換基として
はC1〜C3アルコキシ基、ハロゲン、ハロゲノC1〜
C3アルキル基が挙げられる。本発明においては置換ま
たは無置換ベンゾイル基が好ましく、例えばベンゾイ
ル、p−メトキシベンゾイル、m−メトキシベンゾイ
ル、p−クロロベンゾイル、p−(トリフロロメチル)
ベンゾイル基が挙げられ、特に好ましくはベンゾイル
基、p−メトキシベンゾイルである。
【0020】置換基のC1〜C6アルコキシ基としては
メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ
ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘキシルオキシ基など
が挙げられ、好ましくはメトキシ、エトキシ、イソプロ
ポキシ、tert−ブトキシ基である。置換基のC1〜
C8アシルオキシ基としてはアセトキシ、プロピオニル
オキシ、イソブチリルオキシ、ピバロイルオキシ、シク
ロヘキサンカルボニルオキシ、オクタノイルオキシ基な
どが挙げられ、好ましくはアセトキシ、イソブチリルオ
キシ、ピバロイルオキシ、シクロヘキサンカルボニルオ
キシ基である。置換基のC1〜C6アルコキシカルボニ
ル基としてはメトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、
イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニ
ル、ネオペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオ
キシカルボニル基などが挙げられ、好ましくはメトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシ
カルボニル基である。
【0021】置換基の芳香族基とは置換または無置換の
フェニル基、置換または無置換のナフチル基等を示す。
置換された場合の置換基としてはC1〜C3アルコキシ
基、ハロゲン、ハロゲノC1〜C3アルキル基が挙げら
れる。本発明においては、例えばフェニル、p−メトキ
シフェニル、m−メトキシフェニル、p−クロロフェニ
ル、p−フロロフェニル、p−(トリフロロメチル)フ
ェニル、1−ナフチル基などが挙げられ、特に好ましく
はフェニル、p−メトキシフェニル基である。置換基の
芳香族置換C1〜C6アルコキシ基とは置換または無置
換フェニル基が結合したアルコキシ基を示し、置換され
た場合の置換基としてはC1〜C3アルコキシ基、ハロ
ゲン、ハロゲノC1〜C3アルキル基が挙げられる。例
えばベンジルオキシ、p−メトキシベンジルオキシ、m
−メトキシベンジルオキシ、p−クロロベンジルオキ
シ、p−フロロベンジルオキシ、p−(トリフロロメチ
ル)ベンジルオキシ、(1−フェニル)エトキシ、(2
−フェニル)エトキシ基などが挙げられ、好ましくはベ
ンジルオキシ、p−メトキシベンジルオキシ、(2−フ
ェニル)エトキシ基である。置換基の複素環基としては
ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−
4−イル、モルホリン−4−イル、ピペリジン−1−イ
ル、ピペラジン−1−イル、(4−メチル)ピペラジン
−1−イル基などが挙げられ、好ましくはピリジン−3
−イル、ピリジン−4−イル、モルホリン−4−イル、
(4−メチル)ピペラジン−1−イル基である。
【0022】置換基のC1〜C6アルキル置換アミノ基
とはアミノ基にC1〜C6アルキル基が1または2置換
したものを示し、例えばN−メチルアミノ、N−エチル
アミノ、N−イソプロピルアミノ、N−ブチルアミノ、
N−イソブチルアミノ、N−シクロヘキシルアミノ、
N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、
N,N−ジイソプロピルアミノ基などが挙げられ、好ま
しくはN−シクロヘキシルアミノ、N,N−ジメチルア
ミノ、N,N−ジエチルアミノ基である。置換基のC1
〜C6アルキル置換シリル基とはシリル基に同じまたは
おのおの異なったC1〜C6アルキル基が3置換したも
のを示し、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリ
ル、トリイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチ
ルシリル基などが挙げられ、好ましくはトリメチルシリ
ル、tert−ブチルジメチルシリル基である。
【0023】上記の置換基の中で、本発明において、好
ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ア
セチル、イソブチリル、ベンゾイル、メトキシ、エトキ
シ、アセトキシ、イソブチリルオキシ、ピバロイルオキ
シ、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニ
ル、フェニル、ベンジルオキシ、(2−フェニル)エト
キシ、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、モル
ホリン−4−イル、N,N−ジメチルアミノ、N,N−
ジエチルアミノ、トリメチルシリル基が挙げられる。特
に好ましくはメチル、イソプロピル、アセチル、ベンゾ
イル、メトキシ、イソブチリルオキシ、ピバロイルオキ
シ、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニ
ル、フェニル、ベンジルオキシ、ピリジン−3−イル、
モルホリン−4−イル、N,N−ジエチルアミノ、トリ
メチルシリル基である。
【0024】更に、一般式(1)又は一般式(2)にお
けるXで示される置換基を有してもよい炭素数1から8
のアルキル基としては、特に好ましくは、エチル、プロ
ピル、ブチル、オクチル、ベンジル、(1−フェニル)
エチル、ベンジルオキシメチル、2−ヒドロキシエチ
ル、フェナシル、(tert−ブトキシカルボニル)メ
チル、(1−エトキシカルボニル)ブチル,2−(ジメ
チルアミノ)エチル、2−(モルホリン−4−イル)エ
チル、3−(モルホリン−4−イル)プロピル、(ピリ
ジン−2−イル)メチル、(ピリジン−3−イル)メチ
ル、(ピリジン−4−イル)メチル、トリメチルシリル
メチル、ピバロイルオキシメチル、(1−ピバロイルオ
キシ)エチルなどが挙げられる。
【0025】一般式(1)又は一般式(2)におけるX
で示される置換基を有してもよい炭素数1から8の環状
脂肪族炭化水素としては、特に好ましくはシクロペンチ
ル、シクロヘキシル、メンチルなどが挙げられる。
【0026】一般式(1)又は一般式(2)におけるY
で示されるC1〜C4アルキル基としては、特に好まし
くはメチル、エチルなどが挙げられる。
【0027】次に本発明の具体的化合物を表1および表
2に例示する。 表1:NK34896Aエステル誘導体
【化13】
【0028】 化合物No. X Y 001 エチル メチル 002 イソブチル メチル 003 イソプロピル メチル 004 シクロヘキシル メチル 005 tert−ブチル メチル 006 ベンジル メチル 007 (1−フェニル)エチル メチル 008 ベンジルオキシメチル メチル 009 フェナシル メチル 010 (tert−ブトキシカルボニル)メチル メチル 011 (1−エトキシカルボニル)ブチル メチル 012 (ピリジン−3−イル)メチル メチル 013 トリメチルシリルメチル メチル 014 ピバロイルオキシメチル メチル 015 (1−ピバロイルオキシ)エチル メチル 016 sec−ブチル メチル 017 2−ヒドロキシエチル メチル 018 オクチル メチル 019 2−(モルホリン−4−イル)エチル メチル 020 3−(モルホリン−4−イル)プロピル メチル 021 エチル エチル 022 イソブチル エチル 023 イソプロピル エチル 024 シクロヘキシル エチル 025 tert−ブチル エチル 026 ベンジル エチル 027 (1−フェニル)エチル エチル 028 ベンジルオキシメチル エチル 029 フェナシル エチル 030 tert−ブトキシカルボニル)メチル エチル 031 (1−エトキシカルボニル)ブチル エチル 032 (ピリジン−3−イル)メチル エチル 033 トリメチルシリルメチル エチル 034 ピバロイルオキシメチル エチル 035 (1−ピバロイルオキシ)エチル エチル 036 sec−ブチル エチル 037 2−ヒドロキシエチル エチル 038 オクチル エチル 039 2−(モルホリン−4−イル)エチル エチル 040 3−(モルホリン−4−イル)プロピル エチル
【0029】表2:NK34896Bエステル誘導体
【化14】 化合物No. X Y 041 エチル メチル 042 イソブチル メチル 043 イソプロピル メチル 044 シクロヘキシル メチル 045 tert−ブチル メチル 046 ベンジル メチル 047 (1−フェニル)エチル メチル 048 ベンジルオキシメチル メチル 049 フェナシル メチル 050 tert−ブトキシカルボニル)メチル メチル 051 (1−エトキシカルボニル)ブチル メチル 052 (ピリジン−3−イル)メチル メチル 053 トリメチルシリルメチル メチル 054 ピバロイルオキシメチル メチル 055 (1−ピバロイルオキシ)エチル メチル 056 sec−ブチル メチル 057 2−ヒドロキシエチル メチル 058 オクチル メチル 059 2−(モルホリン−4−イル)エチル メチル 060 3−(モルホリン−4−イル)プロピル メチル 061 エチル エチル 062 イソブチル エチル 063 イソプロピル エチル 064 シクロヘキシル エチル 065 tert−ブチル エチル 066 ベンジル エチル 067 (1−フェニル)エチル エチル 068 ベンジルオキシメチル エチル 069 フェナシル エチル 070 tert−ブトキシカルボニル)メチル エチル 071 (1−エトキシカルボニル)ブチル エチル 072 (ピリジン−3−イル)メチル エチル 073 トリメチルシリルメチル エチル 074 ピバロイルオキシメチル エチル 075 (1−ピバロイルオキシ)エチル エチル 076 sec−ブチル エチル 077 2−ヒドロキシエチル エチル 078 オクチル エチル 079 2−(モルホリン−4−イル)エチル エチル 080 3−(モルホリン−4−イル)プロピル エチル
【0030】本発明における一般式(1)で表されるN
K34896Aエステル誘導体は、一般式(3)で表さ
れる化合物を原料として一般式(5)で表されるXR1
とのエステル化反応により合成することができる。同様
に、一般式(2)で表されるNK34896Bエステル
誘導体は、一般式(4)で表される化合物を原料として
一般式(5)で表されるXR1とのエステル化反応によ
り合成することができる。
【0031】すなわち、一般式(3)または一般式
(4)で表される化合物を、例えばジアゾアルカンある
いは塩基存在下アルキル化剤によりアルキル化反応させ
ることにより、またはアルコールと脱水縮合反応させる
ことにより、それぞれ対応する一般式(1)または一般
式(2)で表される化合物が得られる。本発明におい
て、一般式(5)で表されるXR1は、上記に示したX
基にR1で示される反応性基が結合したものであり、例
えば、ジアゾアルカン、ハロゲン化アルキル、メタンス
ルホン酸アルキル、p−トルエンスルホン酸アルキル及
びアルコール等が含まれる。本発明では、特にハロゲン
化アルキルを用いるのが好ましい。
【0032】アルキル化反応におけるジアゾアルカンと
しては、例えばジアゾメタン、ジアゾエタン、トリメチ
ルシリルジアゾメタンなどが挙げられる。ジアゾアルカ
ンの使用量は1当量から100当量程度が望ましい。反
応溶媒としてはメタノールなどのアルコールまたは酢酸
エチルなどの非プロトン性溶媒が挙げられる。反応は摂
氏0度から室温で行うのが望ましい。
【0033】アルキル化反応におけるアルキル化剤とし
ては、例えばヨウ化エチル、ヨウ化イソプロピル、1−
ヨード−2−メチルプロパン、ヨウ化シクロヘキシル、
臭化ベンジル、臭化フェナシル、臭化3−ピコリル、臭
化酢酸t−ブチル、(1−ブロモエチル)ベンゼン、2
−ブロモバレリン酸エチル、塩化ベンジルオキシメチ
ル、塩化ベンジル、塩化2−(モルホリン−4−イル)
エチル、ピバリン酸クロロメチル、塩化(ピリジン−3
−イル)メチルなどのハロゲン化アルキルが挙げられ、
また、メタンスルホン酸ブチルなどのメタンスルホン酸
アルキル、p−トルエンスルホン酸オクチルなどのp−
トルエンスルホン酸アルキル等が挙げられる。アルキル
化剤は1当量から10当量、望ましくは1当量から4当
量程度がよい。塩基としては、炭酸カリウム、炭酸セシ
ウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、N,N−ジイ
ソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,
8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセンなどの有
機塩基などが挙げられる。塩基は1当量から10当量、
望ましくは1当量から4当量程度がよい。反応溶媒とし
ては塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミドなど
の非プロトン性溶媒、tert−ブタノールなどのプロ
トン性溶媒などが挙げられる。反応は摂氏0度から50
度、望ましくは摂氏0度から室温で行うのがよい。
【0034】脱水縮合反応において、アルコールは1当
量から大過剰(溶媒量)程度がよい。縮合剤としては、
例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1
−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカ
ルボジイミドなどのカルボジイミド化合物、ピロ炭酸ジ
−tert−ブチル、無水トリフロロ酢酸などの無水物
などが挙げられ、1当量から8当量、望ましくは1当量
から3当量で行うのがよい。反応は場合によって塩基存
在下で行われ、塩基としては、炭酸カリウム、炭酸セシ
ウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、N,N−ジイ
ソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,
8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセンなどの有
機塩基などが挙げられる。塩基は0.01当量から10
当量、望ましくは0.1当量から4当量程度がよい。反
応溶媒としては塩化メチレン、酢酸エチル、テトラヒド
ロフランなどの非プロトン性溶媒が挙げられる。反応は
摂氏0度から50度、望ましくは摂氏0度から室温で行
うのがよい。
【0035】本発明の一般式(3)において、Yがメチ
ル基の化合物はX−14889Cとして公知であり公報
記載の方法に従い得ることが出来る(特開昭60−14
2982)。また、一般式(3)においてYがエチル基
の化合物はライソセリン(本願ではNK34896A-
1とする)として公知であり公報記載の方法に従い得る
ことが出来る(特開昭48−103797、特公昭54
−12555)。また、一般式(4)で、Y=エチル基
の化合物(生理活性物質NK34896B-1とする)
は、ストレプトミセス属に属するそれらの生産菌を培養
し、該化合物を生成せしめ、この培養物より採取する事
により得られる。
【0036】以下、生理活性物質NK34896B-1
について説明する。NK34896B-1の生産菌の代
表的なものとして、例えば土壌より分離したストレプト
ミセス・エスピ−(Streptomyces s
p.)NA 34896株が挙げられる。本菌をストレ
プトミセス・エスピ−(Streptomyces s
p.)NA 34896と命名した。該菌株は、工業技
術院生命工学工業技術研究所に、FERM P−179
84として寄託されている。
【0037】NK34896B-1を製造するには、ま
ず前記菌株を放線菌が利用し得る栄養物を含有する培地
で好気的に培養する。栄養源としては、従来から放線菌
の培養に利用されている公知のものが使用でき、例えば
炭素源としては、グルコ−ス、グリセリン、ガラクト−
ス、水飴、デキストリン、シュクロ−ス、でんぷん、糖
蜜、動・植物油等を使用できる。また、窒素源として
は、大豆粉、小麦、小麦胚芽、コ−ンスティ−プ・リカ
−、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモニウ
ム、硝酸ソ−ダ、尿素等を単独かまたは組み合わせて用
いることができる。その他、必要に応じ、ナトリウム、
コバルト、塩素、硫酸、燐酸、およびその他のイオンを
生成することのできる無機塩類を添加することは有効で
ある。また、菌の生育を助け、新規生理活性物質NK3
4896B-1の生産を促進するような有機および無機
物を適当に添加することができる。
【0038】培養法としては、液体培養法、、特に深部
攪拌培養法が適している。培養に適当な温度は15〜3
7°Cであるが、多くの場合、26〜30°C付近で培
養する。新規生理活性物質NK34896B-1の生産
は、培地や培養条件により異なるが、振盪培養、タンク
培養とも通常1〜10日の間でその蓄積が最高に達す
る。培養物中の生理活性物質の蓄積量が最高になった時
に、培養を停止し、培養液から目的物質を単離する。
【0039】新規生理活性物質NK34896B-1の
培養液からの採取にあたっては、その性状を利用した通
常の分離手段を適宜組み合わせて精製することができ
る。すなわち、培養液を通常の濾過方法で濾液と菌体部
に分離する。得られた菌体部をメタノ−ル等の低級アル
コ−ルやアセトン等に懸濁し、濾過後、メタノ−ル等の
抽出液を得る。その後その濾液から減圧下メタノ−ル等
を留去し、水と混ざらない一般的な有機溶媒、例えば酢
酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム等に転溶し、減圧
下有機溶媒を留去し濃縮することによりNK34896
B-1物質を含む油状物質を得ることができる。その油
状物質はさらに脂溶性物質の精製に使用される公知の方
法、即ち、シリカゲルあるいはODS、分子篩を用いる
カラムクロマトグラフィ−あるいは再結晶化法を単独に
又は適時組み合わせることにより精製することができ
る。
【0040】また、NK34896B-1は一般式
(3)でYがエチル基で表されるライソセリン(NK3
4896A-1)を原料とし、公知の方法、例えばTe
trahedron Letter vol26 No.
1 pp73−74に記載の脱水反応を行うことにより
容易に合成することができる。また、この反応によっ
て、一般式(1)もしくは一般式(3)で表される化合
物の環状ヘミアセタ−ル部位が対応する一般式(2)も
しくは一般式(4)で表される化合物に二環性のアセタ
−ル構造へと変換される。
【0041】即ち、原料となる一般式(1)若しくは一
般式(3)で表される化合物を有機溶媒に溶解させ、酸
の存在下、脱水化反応させる。反応溶媒は、ベンゼン、
ジクロロメタンなどの非極性溶媒が好ましく、酸として
は、例えば、カンファスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸、塩酸等を用いることができる。反応は、室温ある
いは加温によって進行する。反応終了後、通常の分離手
段を適宜組み合わせて目的物質を精製することができ
る。
【0042】本発明において薬理学上許容される塩と
は、通常とり得る塩であれば何でも良いが、アルカリと
の塩すなわち、ナトリウム塩、カリウム塩等、または酸
との塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩等が好ましい。
【0043】医薬品として使用する場合の製剤化および
投与方法は従来公知の種々の方法が適用できる。すなわ
ち、投与方法としては例えば注射、経口または直腸投与
などが可能である。製剤形態としては、例えば注射剤、
粉末剤、顆粒剤、錠剤、座剤またはカプセル剤などの形
態がとり得る。
【0044】製剤化の際にNK34896AまたはBの
エステル誘導体もしくはそれらの薬理学上許容される塩
に悪影響を与えない限り、医薬用に用いられる種々の医
薬用添加剤、すなわち、担体やその他の助剤、例えば安
定剤、防腐剤、無痛化剤、乳化剤等が必要に応じて使用
され得る。製剤において、NK34896またはそれら
の薬理学上許容される塩の含量は製剤形態等により広範
囲に変えることが可能であり、一般には0.01〜10
0%(重量)、好ましくは0.1〜70%(重量)含有
し、残りは通常医薬用に使用される添加剤からなる。N
K34896AまたはBのエステル誘導体またはそれら
の薬理学上許容される塩の投与量は症状、投与方法等に
より異なるが、成人1人1日あたり0.01〜800m
g程度である。
【0045】以下に試験例を挙げて、本発明のNK34
896AまたはBのエステル誘導体の、哺乳動物の癌細
胞に対する細胞増殖抑制作用について述べる。試験例1
細胞増殖抑制作用10%牛胎児血清を添加したDM
EM培地を用いて、ヒト骨肉芽腫由来癌細胞株MG63
を、37°C、5%CO 下で培養した。この細胞
を、96穴プレ−トへ播種し、1日間培養した後、NK
34896AまたはBのエステル誘導体を添加した。薬
剤処理は、3日間行い、増殖度は、メチレンブル−法に
より評価した。結果は、用量−反応曲線からIC50
を求め、その値を表3に示した。本発明のNK3489
6AまたはBのエステル誘導体の細胞増殖抑制作用が明
らかとなった。
【0046】 表3:NK34896AまたはBのエステル誘導体の細胞増殖抑制作用 化合物名 IC50(μM) NK34896A−1 メチルエステル 3.7 実施例5の化合物 3.1 実施例2の化合物 1.5 実施例4の化合物 3.4 実施例3の化合物 7.7 実施例1の化合物 0.10 実施例6の化合物 2.5 実施例7の化合物 2.0 実施例8の化合物 5.3 実施例9の化合物 0.76 実施例10の化合物 0.81 実施例11の化合物 0.80 実施例12の化合物 >10
【0047】試験例2 細胞周期停止作用 10%牛胎児血清を添加したDMEM培地を用いて、ヒ
ト骨肉芽腫由来癌細胞株MG63を、37°C、5%C
下で培養した。この細胞を、血清無添加のDME
M培地を用いて1日間培養した後、培地を10%牛胎児
血清を添加したDMEM培地に置換し、更にNK348
96エステル誘導体を添加した。24時間後に細胞を回
収してヨウ化プロピジウムを用いて染色体を染色し、F
ACScan(ベクトンデッキントン社製)を用いて染
色体濃度を測定することにより、細胞周期の含有比率を
同定した。結果は、ソフトウェアを用いて解析し、表4
及び表5に示した。
【0048】 表4:NK34896A−1 pivaloyloxymethylーest er(実施例1の化合物)の細胞周期停止作用 0 0.1 1 (μg/ml) 含有率(%) G1 12.74 73.03 84.45 S 76.57 14.93 6.00 G2/M 10.51 12.04 9.55
【0049】 表4:NK34896A−1 isobutyl-ester(実施例2の化合 物)の細胞周期停止作用 0 0.3 1 (μg/ml) 含有率(%) G1 12.74 16.71 49.73 S 76.57 72.90 44.56 G2/M 10.51 10.39 5.71
【0050】表4及び表5から明らかな様に、本発明の
NK34896エステル誘導体は、癌細胞の細胞周期を
G1期に停止させる効力を有することが判明した。
【0051】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、これは単な
る一例示であって何等、本発明を限定するものではな
く、種々の変法が可能である。参考例1 NK34896B-1の醗酵法による生産 (1)発酵 凍結菌および種母作成用の培地として、グリセリン2.
0%、グルコ−ス1.0%、サンリッチ(昭和産業社
製)0.5%、ペプトン(極東社製)0.5%、酵母エ
キス(日本製薬社製)0.5%、燐酸水素二カリウム
0.05%、硫酸マグネシウム0.05%、炭酸カルシ
ウム0.2%から成る培地を用いた。なお、滅菌前の培
地はpH7.0に調整して使用した。500ml容三角
フラスコに上記培地を100ml分注し、120℃で2
0分間滅菌し、これにストレプトミセス・エスピ−NA
34896株(FERMP−17984)の斜面培養
の1〜2白金耳を接種し、27℃、200回転/分の回
転式振盪機にて2日間培養した。得られた培養物に同容
量の30%グリセリン水溶液を加え、攪拌後5mlずつ
分注して−80°Cにて凍結したものを凍結菌とした。
【0052】こうして得た凍結菌を、同様の培地100
mlを含む500ml容三角フラスコに、接種量が0.
05%となるように、解凍後直ちに接種し、同一条件下
で2日間培養を行い、これを種母とした。さらにこの種
母を、同様の培地100mlを含む14本の500ml
容三角フラスコに、接種量が1%となるように接種し、
同一条件下で2日間培養を行い、これを種母とした。生
産培地としては、グルコ−ス1.0%、水飴4.0%、
コ−ンスチ−プ・リカ−1.0%、グルテンミ−ル1.
0%、酵母エキス0.2%、炭酸カルシウム0.2%、
硫酸鉄0.00011%、硫酸銅0.00079%、硫
酸亜鉛0.00015%、塩化マンガン0.00064
%、塩化コバルト・6水和物0.0001%から成る培
地(pH7.0)100mlを分注し、120℃、20
分間オ−トクレ−ブ滅菌した。これに前記の種母1ml
を接種し、27℃、220回転/分の条件で6日間振と
う培養した。
【0053】(2)精製 得られた培養液(5L)を遠心分離により菌体と上清液
に分離した。得られた菌体にメタノ−ル(1.5L)を
加え40分間撹拌した後、ろ過によりメタノ−ル抽出液
を得た。この残査にさらにメタノ−ル(1.0L)を加
え30分間撹拌した後、ろ過によりメタノ−ル抽出液を
得た。得られたメタノ−ル抽出液を混合した後メタノ−
ルを留去し1.05Lの水溶液とした。この水溶液から
酢酸エチル(1.1L)により抽出を2度行い、その酢
酸エチル相を合わせて濃縮し油状物質(1.14g)を
得た。 この油状物質を予めヘキサン:アセトン(20:1)混
合溶媒で充填したシリカゲルカラム(ワコ−ゲルC−2
00、和光純薬社製、110g)により、同混合溶媒
(440ml)で展開し、その後順次アセトンの比率を
上げ(10:1,660ml; 5:1,660ml;
1:1,660ml)溶出をった。NK34896B
−1を含有するフラクションを集め濃縮乾固することに
より褐色の油状物質(85mg)を得た。この油状物質
をクロロホルムで充填したシリカゲルカラム(BW−7
00、富士シリシア化学社製、30g)により、同溶媒
(275ml)で展開後、クロロホルム:メタノ−ル
(50:1、25:1)の混合溶媒で各々275 ml
溶出した。NK34896B−1を含有するフラクショ
ンを集め、さらにヘキサンで充填したシリカゲルカラム
(BW−700、富士シリシア化学社製、30g)によ
り、同溶媒(220ml)で溶出後、ヘキサン:アセト
ン(20:1、10:1、5:1)の混合溶媒で各々2
20ml溶出し、NK34896B-1を含有するフラ
クションを集め、濃縮乾固することにより黄色の油状物
質(30mg)を得た。この油状物質をシリカゲル薄層
クロマトグラフィ−により分取し、NK34896B-
1を無色の油状物質(16mg)を得た。NK3489
6B-1は以下の理化学的性質を示した。
【0054】1)外観:無色液状 2)分子式:C34H58O9(高分解能マススペクト
ル法により測定) 3)分子量:610(FAB−MS法により測定した
(M−H)=609) 4)水素核磁気共鳴スペクトル:重ベンゼン中、400
MHzで測定したスペクトルを参考図1に示す。 5)炭素核磁気共鳴スペクトル:重ベンゼン中、100
MHzで測定したスペクトルを参考図2に示す。 6)溶解性:メタノール、アセトン、酢酸エチル、クロ
ロホルム、ジメチルスルホキシドに易溶。水に難溶。 7)呈色反応:リン酸ーモリブデン酸、硫酸に陽性。エ
ールリッヒ、坂口、ニンヒドリン、過マンガン酸カリウ
ムに陰性。 8)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.22 シリカゲル(メルク社製 シリカゲル60F254)薄
層を用い、展開溶媒として、ヘキサン:アセトン(2:
1)を用いた。
【0055】実施例1 NK34896A−1ピバロイルオキシメチルエステル
の合成(化合物No.034) NK34896A−1(12.2mg)をN,N−ジメ
チルホルムアミド(200μL)に溶解し、ピバリン酸
クロロメチル(5.6μL)およびN,N−ジイソプロ
ピルエチルアミン(6.7μL)を加えてアルゴン雰囲
気下室温にて一晩攪拌した。更にピバリン酸クロロメチ
ル(10.0μL)を加え4日間攪拌した。反応液をイ
ソプロピルエーテル(4mL)にて希釈し、0.5M塩
酸水(3mL)及び飽和食塩水(5mL)にて洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下2
0℃以下で溶媒留去した。残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィ−(0.8φ×16cm、5〜10%アセトン/
ヘキサンにて溶出)にて精製し、NK34896A−1
ピバロイルオキシメチルエステル(10.4 mg)を
得た。
【0056】1H−NMR(200MHz,CDCl
3)δ:0.76〜1.06(27H,overlap
ped),1.28(9H,s),1.10〜2.30
(20H,overlapped),2.58(1H,
d,J=16.2Hz),2.58(1H,m),2.
82(1H,d,J=16.2Hz),2.82(1
H,m),3.06(1H,s),3.56(1H,d
d,J=2.5,9.8Hz),3.66(1H,
s),3.77(1H,dd,J=1.8,10.1H
z),3.85(1H,brs),3.92〜4.06
(2H,m),4.22(1H,brs),5.68
(1H,d,J=5.7Hz),5.92(1H,d,
J=5.7Hz); FAB−MS(positive mode)m/z:
781(M+K)+.
【0057】実施例2 NK34896A−1イソブチルエステルの合成(化合
物No.022) NK34896A−1(16.4mg)をN,N−ジメ
チルホルムアミド(200μL)に溶解し、1−ヨード
−2−メチルプロパン(24.0μL)およびN,N−
ジイソプロピルエチルアミン(9.2μL)を加えてア
ルゴン雰囲気下室温にて一昼夜攪拌した。反応液をイソ
プロピルエーテル(4mL)にて希釈し、0.5M塩酸
水(3mL)および飽和食塩水(5mL)にて洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下2
0℃以下で溶媒留去した。残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィ−(0.8φ×20cm、5〜10%アセトン/
ヘキサンにて溶出)にて精製し、NK34896A−1
イソブチルエステル(5.3mg)を得た。
【0058】1H−NMR(200MHz,CDCl
3)δ:0.76〜1.10(33H,overlap
ped),1.10〜2.30(21H,overla
pped),2.51(1H,d,J=15.5H
z),2.67(1H,m),2.78(1H,d,J
=15.5Hz),2.86(1H,m),3.04
(1H,brs),3.46〜4.20(8H,ove
rlapped),4.65(1H,d,J=1.4H
z); FAB−MS(positive mode)m/z:
723(M+K)+.
【0059】実施例3 NK34896A−1(トリメチルシリル)メチルエス
テルの合成(化合物No.033) NK34896A−1(236mg)を酢酸エチル(8
mL)に溶解し、トリメチルシリルジアゾメタン(東京
化成製、10%ヘキサン溶液、0.8mL)を加え室温
にて20分間撹拌した。反応液を減圧下濃縮後、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィ−(1.6φ×13cm、
10%アセトン/ヘキサンにて溶出)にて精製し、NK
34896A−1(トリメチルシリル)メチルエステル
(267mg)を無色粉末として得た。
【0060】1H−NMR(200MHz,CDCl
3)δ:0.05〜0.10(9H,m),0.80〜
2.60(47H,overlapped),2.50
(1H,d,J=15.4Hz),2.68(1H,
m),2.76(1H,d,J=15.4Hz),2.
88(1H,m),3.02(1H,brs),3.5
9(1H,dd,J=2.4,9.7Hz),3.64
〜3.94(4H,overlapped),3.71
(1H,d,J=14.2Hz),3.88(1H,
d,J=14.2Hz),3.97(1H,dd,J=
4.6,9.4Hz),4.67(1H,brs); FAB−MS(positive mode)m/z:
737(M+Na)+.
【0061】実施例4 NK34896A−1ベンジルエステルの合成(化合物
No.026) NK34896A−1(11.2mg)をN,N−ジメ
チルホルムアミド(200μL)に溶解し、塩化ベンジ
ル(2.8μL)およびN,N−ジイソプロピルエチル
アミン(9.2μL)を加えてアルゴン雰囲気下室温に
て一昼夜攪拌した。さらに塩化ベンジル(2.0μL)
加えて一晩攪拌した。反応液をイソプロピルエーテル
(4mL)にて希釈し、0.5M塩酸水(3mL)およ
び飽和食塩水(5mL)にて洗浄した。有機層を無水硫
酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下20℃以下で溶媒留去
した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−(0.8φ
×20cm、5〜10%アセトン/ヘキサンにて溶出)
にて精製し、NK34896A−1ベンジルエステル
(12.4mg)を得た。
【0062】1H−NMR(200MHz,CDCl
3)δ:0.76〜1.20(30H,overlap
ped),1.20〜1.74(11H,overla
pped),1.74〜2.26(6H,overla
pped),2.56(1H,d,J=15.7H
z),2.64(1H,m),2.81(1H,d,J
=15.7Hz),2.89(1H,m),3.14
(1H,s),3.57(1H,dd,J=2.6,
6.9Hz),3.70(1H,s).3.77(1
H,dd,J=1.9,10.1Hz),3.85(1
H,s),3.92〜4.02(2H,m),4.52
(1H,s)5.07(1H,d,J=12.2H
z),5.22(1H,d,J=12.2Hz),7.
30〜7.40(5H,m); FAB−MS(positive mode)m/z:
757(M+K)+.
【0063】実施例5 NK34896A−1エチルエステルの合成(化合物N
o.021) NK34896A−1(13.2mg)をN.N−ジメ
チルホルムアミド(200μL)に溶解し、ヨウ化エチ
ル(10.0μL)およびN,N−ジイソプロピルエチ
ルアミン(6.0μL)を加えてアルゴン雰囲気下室温
にて一昼夜攪拌した。反応液をイソプロピルエーテル
(4mL)にて希釈し、0.5M塩酸水(3mL)およ
び飽和食塩水(5mL)にて洗浄した。有機層を無水硫
酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下20℃以下で溶媒留去
した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−(0.8φ
× 20cm、5〜10%アセトン/ヘキサンにて溶
出)にて精製し、NK34896A−1エチルエステル
(12.5 mg)を得た。
【0064】1H−NMR(200MHz,CDCl
3)δ:0.70〜1.10(27H,overlap
ped),1.20 (3H,s),1.26(3H,
t),1.30〜2.30(17H,overlapp
ed),2.49(1H,d,J=15.6Hz),
2.64(1H,m),2.76(1H,d,J=1
5.6Hz),2.83(1H,m),3.06(1
H,s) ,3.58(1H,dd,J=2.7,9.
9Hz),3.64〜4.06(5H,overlap
ped)4.08〜4.26(2H,m),4.62
(1H,s); FAB−MS(positive mode)m/z:
695(M+K)+.
【0065】実施例6 NK34896A−1フェナシルエステルの合成(化合
物No.029) NK34896A−1(16.0mg)をN.N−ジメ
チルホルムアミド(200μL)に溶解し、2−ブロモ
アセトフェノン(8.1mg)およびN,N−ジイソプ
ロピルエチルアミン(7.1μL)を加えてアルゴン雰
囲気下室温にて1.5時間攪拌した。反応液をイソプロ
ピルエーテル(4mL)にて希釈し、0.5M塩酸水
(3mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3m
L)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾
燥後、減圧下20℃以下で溶媒留去した。残渣をシリカ
ゲルクロマトグラフィ−(0.8φ× 18cm、5%
アセトン/ヘキサンにて溶出)にて精製し、NK348
96A−1フェナシルエステル(18.3 mg)を得
た。
【0066】1H−NMR(200MHz,CDCl
3)δ:0.74〜1.06(27H,overlap
ped),1.15(3H,s),1.10〜2.40
(17H,overlapped),2.54(1H,
m),2.72(1H,d,J=14.4Hz),2.
85(1H,m),3.00(1H,d,J=14.4
Hz),3.21(1H,s),3.56(1H,d
d,J=2.6,10.0Hz),3.76(1H,
s),3.81(1H,dd,J=2.5,10.1H
z),3.86〜4.00(3H,overlappe
d),4.83(1H,d,J=1.6Hz),5.3
3(1H,d,J=16.7Hz),5.57(1H,
d,J=16.7Hz),7.48(2H,m),7.
61(1H,m),7.96(2H,m); FAB−MS(positive mode)m/z:
785.5(M+K)+.
【0067】実施例7 NK34896A−1(tert−ブトキシカルボニ
ル)メチルエステルの合成(化合物No.030) NK34896A−1(16.0mg)をN.N−ジメ
チルホルムアミド(200μL)に溶解し、ブロモ酢酸
tert−ブチル(4.9μL)およびN,N−ジイソ
プロピルエチルアミン(6.2μL)を加えてアルゴン
雰囲気下室温にて2.5時間攪拌した。反応液をイソプ
ロピルエーテル(4mL)にて希釈し、0.5M塩酸水
(3mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)
および蒸留水(3mL)にて洗浄した。有機層を無水硫
酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下20℃以下で溶媒留去
した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−(0.8φ
×18cm、5%アセトン/ヘキサンにて溶出)にて精
製し、NK34896A−1(tert−ブトキシカル
ボニル)メチル(15.9 mg)を得た。
【0068】1H−NMR(200MHz,CDCl
3)δ:0.76〜1.06(27H,overlap
ped),1.20(3H,s),1.49(9H,
s),1.10〜2.30(17H,overlapp
ed),2.59(1H,m),2.64(1H,d,
J=14.8Hz),2.87(1H,m),2.92
(1H,d,J=14.8Hz),3.20(1H,
s),3.58(1H,dd,J=2.7,10.1H
z),3.76(1H,m),3.78(1H,s),
3.86〜4.02(3H,overlapped),
4.46(1H,d,J=15.8Hz),4.70
(1H,d,J=15.8Hz),4.74(1H,o
verlapped); FAB−MS(positive mode)m/z:
781.5(M+K)+.
【0069】実施例8 NK34896A−1イソプロピルエステルの合成(化
合物No.023) NK34896A−1(16.0mg)をN,N−ジメ
チルホルムアミド(200μL)に溶解し、2−ヨウ化
プロパン(4.1μL)およびN、N−ジイソプロピル
エチルアミン(7.5μL)を加えてアルゴン雰囲気下
室温にて一晩攪拌した。反応液をイソプロピルエーテル
(4mL)にて希釈し、0.5M塩酸水(3mL)、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)および蒸留水
(4mL)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム
にて乾燥後、減圧下20℃以下で溶媒留去した。残渣を
シリカゲルクロマトグラフィ−(0.8φ× 21c
m、5%アセトン/ヘキサンにて溶出)にて精製し、N
K34896A−1イソプロピルエステル(9.6 m
g)を得た。
【0070】1H−NMR(200MHz,CDCl
3)δ:0.76〜1.30(36H,overlap
ped),1.30〜2.30(17H,overla
pped),2.45(1H,d,J=15.7H
z),2.66(1H,m),2.74(1H,d,J
=15.7Hz)2.87(1H,m),3.04(1
H,s),3.59(1H,dd,J=2.7,10.
0Hz),3.66〜3.84(3H,overlap
ped),3.86〜4.00(2H,overlap
ped),4.71(1H,d,J=1.6Hz),
5.04(1H,septet,J=6.2Hz); FAB−MS(positive mode)m/z:
709.5(M+K)+.
【0071】実施例9 NK34896A−1ベンジルオキシメチルエステルの
合成(化合物No.028) NK34896A−1(16.0mg)を塩化メチレン
(1mL)に溶解し、ベンジルクロロメチルエーテル
(4.6μL)およびN,N−ジイソプロピルエチルア
ミン(6.6μL)を加えてアルゴン雰囲気下室温にて
一晩攪拌した。反応液をイソプロピルエーテル(5m
L)にて希釈し、0.4M塩酸水(3mL)、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液(3mL)および蒸留水(3m
L)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾
燥後、減圧下20℃以下で溶媒留去した。残渣をシリカ
ゲルクロマトグラフィ−(0.8φ× 20cm、5%
アセトン/ヘキサンにて溶出)にて精製し、NK348
96A−1ベンジルオキシメチルエステル(16.9
mg)を得た。
【0072】1H−NMR(200MHz,CDCl
3)δ:0.70〜1.10(27H,overlap
ped),1.10〜2.30(20H,overla
pped),2.53(1H,d,J=15.8H
z),2.60(1H,m),2.75(1H,d,J
=15.8Hz),2.85(1H,m),3.08
(1H,s),3.58(1H,dd,J=2.6,1
0.0Hz),3.69(1H,brs),3.76
(1H,dd,J=1.9,10.1Hz),3.88
(1H,brs),3.90〜4.02(2H,ove
rlapped),4.41(1H,brs),4.7
0(2H,s),5.27(1H,d,J=6.3H
z),5.57(1H,d,J=6.3Hz)7.20
〜7.40(5H,overlapped); FAB−MS(positive mode)m/z:
787(M+K)+.
【0073】実施例10 NK34896A−1(ピリジン−3−イル)メチルエ
ステルの合成(化合物No.032) NK34896A−1(16.0mg)をN,N−ジメ
チルホルムアミド(200μL)に溶解し、塩化(ピリ
ジン−3−イル)メチル塩酸塩(5.4mg)、ヨウ化
カリウム(4.2mg)およびN,N−ジイソプロピル
エチルアミン(11.5μL)を加えてアルゴン雰囲気
下室温にて5時間攪拌した。さらに塩化(ピリジン−3
−イル)メチル塩酸塩(5.4mg)およびN,N−ジ
イソプロピルエチルアミン(5.7μL)を加えて一晩
攪拌した.反応液をイソプロピルエーテル(5mL)に
て希釈し、蒸留水(4mL×3)にて洗浄した。有機層
を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下20℃以下で
溶媒留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−
(0.8φ× 20cm、5〜10%アセトン/ヘキサ
ンにて溶出)にて精製し、NK34896A−1(ピリ
ジン−3−イル)メチルエステル(2.8mg)を得
た。 ESI−MS(positive mode)m/z:
720.5(M+H)+.
【0074】実施例11 NK34896A−1(1−フェニル)エチルエステル
の合成(化合物No.027) NK34896A−1(16.0mg)をN.N−ジメ
チルホルムアミド(200μL)に溶解し、(1−ブロ
モエチル)ベンゼン(5.5μL)およびN,N−ジイ
ソプロピルエチルアミン(7.2μL)を加えてアルゴ
ン雰囲気下室温にて一昼夜攪拌した。反応液をイソプロ
ピルエーテル(5mL)にて希釈し、0.4M塩酸水
(3mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)
および蒸留水(3mL)にて洗浄した。有機層を無水硫
酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下20℃以下で溶媒留去
した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−(0.8φ
×23cm、5%アセトン/ヘキサンにて溶出)にて精
製し、NK34896A−1(1−フェニル)エチルエ
ステル(5.0 mg)を得た。 FAB−MS(positive mode)m/z:
771.5(M+K)+.
【0075】実施例12 NK34896A−1(1−エトキシカルボニル)ブチ
ルエステルの合成(化合物No.031) NK34896A−1(16.0mg)をN.N−ジメ
チルホルムアミド(200μL)に溶解し、2−ブロモ
バレリン酸エチル(6.9μL)およびN,N−ジイソ
プロピルエチルアミン(7.2μL)を加えてアルゴン
雰囲気下室温にて4日間攪拌した。反応液をイソプロピ
ルエーテル(5mL)にて希釈し、0.4M塩酸水(3
mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)およ
び蒸留水(3mL)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナ
トリウムにて乾燥後、減圧下20℃以下で溶媒留去し
た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−(0.8φ×
23cm、4%アセトン/ヘキサンにて溶出)にて精
製し、NK34896A−1(1−エトキシカルボニ
ル)ブチルエステル(9.1 mg)を得た。 FAB−MS(positive mode)m/z:
795.4(M+K)+.
【0076】
【発明の効果】本発明では細胞増殖抑制作用を示す生理
活性物質NK34896AまたはBのエステル誘導体ま
たはそれらの薬理上許容される塩が提供された。これら
は、悪性腫瘍に対する化学療法剤などの有効成分として
利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生理活性物質NK34896B−1の重ベンゼ
ン中、400MHzで測定した水素核磁気共鳴スペクト
ルスペクトルを参考図1に示す。
【図2】生理活性物質NK34896B−1の重ベンゼ
ン中、100MHzで測定した炭素核磁気共鳴スペクト
ルを参考図2に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 493/04 101 C07D 493/04 101C C07F 7/08 C07F 7/08 S Fターム(参考) 4C063 AA01 AA03 BB08 CC78 DD12 DD73 EE01 4C071 AA03 BB01 CC12 DD01 EE04 FF14 GG01 JJ06 KK14 LL01 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 BA07 BC17 CA01 GA02 GA08 MA02 MA05 NA14 ZB21 ZB26 4H049 VN01 VP01 VQ57 VR24 VU07 VW01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 又は、一般式(2) 【化2】 (一般式(1)もしくは一般式(2)中、Xは置換基を
    有してもよいC1〜C8の直鎖または分枝鎖状のアルキ
    ル基、または置換基を有してもよいC3〜C8の環状脂
    肪族炭化水素を示し、置換基としてC1〜C6アシル
    基、芳香族アシル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜
    C6アシルオキシ基、C1〜C6アルコキシカルボニル
    基、芳香族基、芳香族置換C1〜C6アルコキシ基、複
    素環基、水酸基、C1〜C6アルキル置換アミノ基及び
    C1〜C6アルキル置換シリル基から選択される基を示
    す。YはC1〜C4アルキル基を示す。但し、一般式
    (1)において、Xがメチル基でYがエチル基の組合せ
    の場合を除く。)で表されるNK34896AまたはB
    のエステル誘導体あるいは、それらの薬理学上許容され
    る塩。
  2. 【請求項2】一般式(1)又は一般式(2)において、
    XがC1〜C8の直鎖または分枝鎖状のアルキル基、C
    3〜8のシクロアルキル基、又は置換基としてフェニル
    基、ベンジルオキシ基、ベンゾイル基、C1〜C6アル
    コキシカルボニル基、C1〜C6アルキル置換シリル
    基、ピリジニル基、モルホリニル基、C1〜C6アシル
    オキシ基、水酸基から選択される基で置換されたC1〜
    C8の直鎖または分枝鎖状のアルキル基を示し、YはC
    1〜C4アルキル基を示す、請求項1に記載のNK34
    896AまたはBのエステル誘導体あるいは、それらの
    薬理学上許容される塩。
  3. 【請求項3】一般式(1)又は一般式(2)において、
    Xがエチル、イソブチル、イソプロピル、シクロヘキシ
    ル、tert−ブチル、ベンジル、(1−フェニル)エ
    チル、ベンジルオキシメチル、フェナシル、(tert
    −ブトキシカルボニル)メチル、(1−エトキシカルボ
    ニル)ブチル,2−ヒドロキシエチル、2−(ジメチル
    アミノ)エチル、2−(モルホリン−4−イル)エチ
    ル、3−(モルホリン−4−イル)プロピル、(ピリジ
    ン−2−イル)メチル、(ピリジン−3−イル)メチ
    ル,(ピリジン−4−イル)メチル,トリメチルシリル
    メチル,ピバロイルオキシメチルまたは(1−ピバロイ
    ルオキシ)エチルであり,Yがメチル基又はエチル基で
    ある請求項1記載のNK34896AまたはBのエステ
    ル誘導体あるいは,それらの薬理学上許容される塩。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のNK34
    896AまたはBのエステル誘導体(但し、一般式
    (1)において、Xがメチル基でYがエチル基の組合せ
    の場合を含む)あるいは、それらの薬理学上許容される
    塩および医薬用添加剤とからなる抗腫瘍剤。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載のNK34
    896AまたはBのエステル誘導体(但し、一般式
    (1)において、Xがメチル基でYがエチル基の組合せ
    の場合を含む)あるいは、それらの薬理学上許容される
    塩および医薬用添加剤とからなる医薬。
  6. 【請求項6】一般式(3) 【化3】 又は一般式(4) 【化4】 (一般式(3)もしくは一般式(4)中,Yは,炭素数
    1から4のアルキル基を示す。)で表される化合物に一
    般式(5) XR1 (5) (式中、Xは置換基を有してもよいC1〜C8の直鎖ま
    たは分枝鎖状のアルキル基、または置換基を有してもよ
    いC3〜C8の環状脂肪族炭化水素を示し、置換基とし
    てC1〜C6アシル基、芳香族アシル基、C1〜C6ア
    ルコキシ基、C1〜C6アシルオキシ基、C1〜C6ア
    ルコキシカルボニル基、芳香族基、芳香族置換C1〜C
    6アルコキシ基、複素環基、水酸基、C1〜C6アルキ
    ル置換アミノ基及びC1〜C6アルキル置換シリル基か
    ら選択される基を示す。R1は反応性基を示す。)をエ
    ステル化反応させることを特徴とする、一般式(1) 【化5】 (式中、X,Yは各々前記した通りを示す。但し、Xが
    メチル基でYがエチル基の組合せの場合を除く。) 又は一般式(2) 【化6】 (式中、X,Yは各々前記した通りを示す。)で表され
    るNK34896AまたはBのエステル誘導体の製造
    法。
  7. 【請求項7】一般式(5)のR1がハロゲノ基、メタン
    スルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ
    基、またはOHを示す、請求項6に記載の製造法。
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