JP4833461B2 - 新規血管新生阻害剤 - Google Patents

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    • C07D491/02Heterocyclic compounds containing in the condensed ring system both one or more rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms and one or more rings having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by groups C07D451/00 - C07D459/00, C07D463/00, C07D477/00 or C07D489/00 in which the condensed system contains two hetero rings
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管新生阻害剤や抗腫瘍剤などの医薬の有効成分として有用な新規化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種の進行固形癌の増殖や転移において血管新生が重要な生理現象であることが明らかになりつつある。血管新生は、1)腫瘍細胞より分泌された血管新生因子[VEGF(vascular endothelial growth factor)など]による刺激、2)周皮細胞の離脱や基底膜などの細胞外マトリックスの分解・消化、3)血管内皮細胞の遊走と増殖、4)内皮細胞による管腔形成、基底膜の形成、周皮細胞による血管の成熟化などのステップを経て完成する。腫瘍血管新生においては、こうしてできた新生血管は腫瘍に酸素・栄養などを供給して成長を促進するとともに、腫瘍細胞の他の部位への浸潤転移ルートの役割を果たす。
【0003】
なかでも、血管内皮増殖因子VEGFは、血管内皮細胞の増殖誘導と生存維持、血管透過性の亢進、血小板による遊走、マクロファージに対する走化性などをはじめとして、血管誘導新生のみならず、血管・血液・凝固系など多彩に機能している。したがって、血管内皮細胞のVEGFによって誘導される走化性を阻害する新規化合物は、血管新生阻害剤、抗腫瘍剤、転移抑制剤、抗リウマチ様関節炎剤などとして期待できる[Eur. J. Cancer, 32A, 2534-2539 (1996)、Nature Med., 1, 27-331(1995)、Immunity, 12, 121 (2000)]。
【0004】
さらには、血管新生阻害剤は、糖尿病血管合併症のひとつである糖尿病網膜症などの治療薬としての可能性もある。現在、糖尿病網膜症に対する治療は対症療法的な側面が強く、治療が後手にまわりしばしば盲目に至る場合もあることから、有効な予防薬・治療薬が望まれている。近年、いろいろな作用機構による血管新生阻害剤が臨床試験段階にあるが、リード化合物となりうる新しい化合物は不断の希求と考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、血管内皮細胞の走化性を阻害することにより血管新生阻害活性、抗腫瘍活性、及び転移抑制活性を発揮する新規化合物の提供を課題としている。また、本発明の別の課題は、上記の特徴を有する新規化合物の製造方法、及び該化合物を有効成分として含む医薬を提供することにある。
【0006】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、糸状菌Neosartorya属に属する微生物の培養液から単離した新規化合物が血管新生阻害活性及び抗腫瘍活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の式(I):
【化3】
Figure 0004833461
で表される化合物又はその塩を提供するものである。この発明の好ましい態様により、下記の式(II):
【化4】
Figure 0004833461
で表される化合物又はその塩が提供される。
【0008】
別の観点からは、本発明により、上記の化合物又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む医薬が提供される。この医薬は過度の血管新生を伴う疾患又は過度の血管新生に基づく疾患の予防及び/又は治療、悪性腫瘍の治療、及び悪性腫瘍の転移抑制のための医薬として用いることができる。また、本発明により、上記の化合物又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む血管新生阻害剤;上記の化合物又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む血管内皮細胞の走化性の阻害剤;上記の化合物又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む抗腫瘍剤;及び上記の化合物又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む悪性腫瘍の転移抑制剤が提供される。血管新生阻害剤は、例えば糖尿病網膜症の予防及び/又は治療のために投与することができる。
【0009】
さらに別の観点からは、ネオサルトルヤ属に属する上記化合物の生産菌を培養した培養物から上記化合物又はその塩を分離・採取する工程を含む上記化合物又はその塩の製造方法が提供される。また、悪性腫瘍の治療方法であって、上記化合物又は生理学的に許容されるその塩の治療有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;悪性腫瘍の転移抑制方法であって、上記化合物又は生理学的に許容されるその塩の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;腫瘍組織における血管新生を阻害する方法であって、上記化合物又は生理学的に許容されるその塩の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;血管新生の異常亢進を抑制する方法であって、上記化合物又は生理学的に許容されるその塩の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;糖尿病網膜症の予防及び/又は治療方法であって、上記化合物又は生理学的に許容されるその塩の予防及び/又は治療有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;血管内皮細胞の走化性を阻害する方法であって、上記化合物又は生理学的に許容されるその塩の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が本発明により提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
式(I)又は式(II)で表される本発明の化合物(以下、これらのうちのいずれか又は両方を「本発明の化合物」と呼ぶ。)は不斉炭素を有しており、不斉炭素に基づく光学異性体またはジアステレオマーなどの立体異性体が存在するが、本発明の範囲には純粋な形態の立体異性体のほか、任意の立体異性体の混合物またはラセミ体などが包含される。また、本発明の化合物は複数のオレフィン性二重結合を有しており、それぞれの二重結合に基づく幾何異性体が存在する場合があるが、純粋な形態の幾何異性体のほか、任意の幾何異性体の混合物も本発明の範囲に包含される。好ましい幾何異性体は式(II)で表される化合物である。
【0011】
本発明の範囲には、遊離形態の本発明の化合物のほか、上記化合物の塩、好ましくは生理学的に許容される塩が包含される。塩の形態は特に限定されないが、分子内の水酸基とナトリウム塩などを形成する場合がある。さらに本発明の範囲には、上記化合物又はその塩の水和物又は溶媒和物が包含される。本発明の化合物のうち、好ましい化合物は式(II)で表される化合物である。この化合物を本明細書において「RKB-3134A」と呼ぶ場合がある。
【0012】
本発明の化合物の製造方法は特に限定されないが、例えば、本発明の化合物を産生しうる微生物の培養物から分離採取する方法(抽出法)、あるいは微生物の培養物に含まれる類似構造の化合物を出発原料として化学的に合成する方法(合成法又は半合成法)が挙げられる。抽出法では、本発明の化合物を産生しうる微生物を通常の醗酵生産に用いる培地及び条件を用いて培養し、得られた培養物から目的物を分離・採取することができる。本発明の化合物を生産しうる微生物としては、例えば、Neosartorya属BAUA3134株が挙げられる。該微生物は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番1号中央第6)に平成13年8月13日付けで受託番号FERM P-18455として寄託されている。
【0013】
本発明の化合物を製造するための培地は特に限定されず、炭素源、窒素源および無機塩を適当に含有するものであれば合成培地または天然培地のいずれでも好適に用いることができる。必要に応じて、ビタミン類またはその他栄養物質を適宜加えてもよい。
【0014】
炭素源としては例えば、グルコース、マルトース、フラクトース、シュークロース、デンプン等の糖類、グリセロール、マンニトール等のアルコール類、グリシン、アラニン、アスパラギン等のアミノ酸類、大豆油、オリーブ油等の油脂類等の一般的な炭素源より微生物の資化性を考慮して1種または2種以上を適宜選択して用いればよい。窒素源としては、大豆粉、コーンスチープリカー、ビーフエキス、ペプトン、酵母エキス、アミノ酸混合物、魚粉等の有機含窒素化合物またはアンモニウム塩、硝酸塩等の無機窒素化合物が挙げられ、微生物の資化性を考慮して1種または2種以上を適宜選択して用いればよい。無機塩としては、例えば炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、塩化マンガン、硫酸亜鉛、塩化コバルト、各種リン酸塩を必要に応じて添加すればよい。また、消泡剤、例えば植物脂、ポリプロピレンアルコール等は必要に応じて添加することができる。
【0015】
培養温度は、微生物が生育し、かつ本発明の化合物が生産される範囲で適宜変更できるが、好ましくは10〜32℃であり、さらに好ましくは20〜28℃である。初発pHは6〜8付近が望ましく、培養時間は通常日〜数週間程度であるが、本発明の化合物の生産量が採取可能な量に達したとき、好ましくは最高に達したときに培養を終了すればよい。培養法は特に限定されず、固層培養又は通常攪拌培養等の通常用いられる方法はいずれも好適に用いることができる。
【0016】
培養液から本発明の化合物を分離・採取するには、微生物代謝産物を採取するのに通常用いられる手段を適宜利用して行うことができる。例えば、各種イオン交換樹脂、非イオン性吸着樹脂、ゲル濾過クロマトグラフィー、または活性炭、アルミナ、シリカゲル等の吸着剤によるクロマトグラフィー、又は高速液体クロマトグラフィー、あるいは結晶化、減圧濃縮、又は凍結乾燥の手段を単独でまたは適宜組み合わせて、あるいは反復して用いることが可能である。
【0017】
本発明の化合物は優れた血管新生抑制作用及び抗腫瘍活性を有する。従って、本発明化合物は、過度の血管新生がその発症原因の一つとして関与する各種疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用である。例えば、本発明の医薬は、糖尿病血管合併症、糖尿病網膜症、関節リウマチ、リウマチ様関節炎、糖尿病、心筋梗塞、潰瘍性大腸炎、乾癬症、血管新生性緑内障などの予防及び/又は治療のための医薬のほか、抗腫瘍剤又は腫瘍転移抑制剤としてヒトを含む哺乳類動物に使用することができる。
【0018】
本発明の化合物を有効成分とする医薬は、その使用目的にあわせて投与方法、剤型、投与量を適宜決定することが可能である。例えば、本発明の化合物を有効成分とする医薬の投与形態は、経口投与でも非経口投与でもよい。剤型としては、例えば錠剤、粉剤、カプセル剤、顆粒剤、エキス剤、シロップ剤等の経口投与剤、又は注射剤、点滴剤、若しくは坐剤等の非経口投与剤を挙げることができる。これらの製剤は、賦形剤、結合剤等の製薬上許容される添加剤を用いて既知の方法で製造することができる。本発明の化合物を有効成分として含む医薬の投与量は、患者の年齢、体重、疾患の種類、症状の程度などにより異なるが、経口投与による場合には、通常、成人1日あたり0.1 mg〜1 g程度、好ましくは1 mg〜100 mg程度であり、非経口投与の場合には、通常、成人1日あたり0.01 mg〜100 mg程度、好ましくは0.1 mg〜20 mg程度である。この投与量を1日一回又は数回にわけて投与することも可能である。また、必要により上記範囲外の量を用いることができる。
【0019】
本発明の化合物を試薬として使用する場合には、有機溶剤又は含水有機溶剤に溶解して用いることができる。例えば、各種培養細胞系へ直接投与すると細胞成長を抑制することができる。使用可能な有機溶剤としては、例えばメタノールやジメチルスルホキシド等を挙げることができる。剤型としては、例えば、粉末などの固形剤、又は有機溶剤若しくは含水有機溶剤に溶解した液体剤などを挙げることができる。通常、上記の化合物を試薬として用いて血管新生抑制作用を発揮させるための効果的な使用量は、0.3〜30 μg/mlであるが、適切な使用量は培養細胞系の種類や使用目的により異なり、適宜選択可能である。また、必要により上記範囲外の量を用いることができる。
【0020】
【実施例】
例1
グルコース 1.0%、可溶性デンプン 2.0%、大豆粉 1.5%、麦芽抽出液 0.5%、野菜抽出液 10%、リン酸第2カリウム 0.05%、ポテトデキストロース 2.6%、硫酸マグネシウム 0.05%からなる組成の培地に、Neosartorya属BAUA3134株を接種して28℃で72時間振盪培養を行った。この培養液140 mlを同組成の培地15リットルに接種し、28℃で72時間振盪培養を行った。上記培養液を遠心分離器で菌体と上清に分離し、上清をpH7.3に調整し、15リットルの酢酸エチルで抽出した。抽出後、すべての酢酸エチルを合わせて減圧濃縮し、褐色のシロップ4.5 gを得た。
【0021】
このシロップをクロロホルム10 mlに溶解し、クロロホルムで充填したシリカゲルカラム(直径4 cm、長さ60 cm)に浸潤させた。最初に、クロロホルム500mlで溶出した後、割合配合を順次変えたクロロホルム-メタノール溶液(100:0, 100:1, 50:1, 20:1, 10:1, 5:1, 1:1)各500 mlずつで溶出した。本発明の化合物RKB-3134Aは、クロロホルム-メタノール溶液(50:1)の画分に溶出した。この分画を減圧濃縮することにより、1.4 gの褐色シロップを得た。次に、この褐色シロップ1.4 gをメタノール-アセトニトリル溶液(1:1)14 mlに溶解し、数回に分けて逆相ODSカラム(直径2 cm、長さ 25 cm、PEGASIL ODS、センシュー科学社製)を用いて、高速液体クロマトグラフィーによる分取(アセトニトリル:水=2:8→アセトニトリル:水=1:1;直線的グラジエント(30分)、流速9.0 ml/分)を行いRKB-3134Aを得た。さらに、ヘキサン/酢酸エチル/メタノールからなる混合溶媒より再結晶化を行い、純粋な淡黄色粉末物質RKB-3134A(90 mg)を得た。以下にRKB-3134Aの物理化学的性質を示す。
【0022】
性状:淡黄色粉末
融点:166-167℃
比旋光度:-204.4 (c=0.158, 25℃, メタノール)
分子式:C21H23NO5
高分解能質量分析 (HR-FABMS) : (M+H)+
実験値 (m/z):370.1683
理論値 (m/z):370.1654
UV λmax nm (メタノール) (ε):231(5900), 342(27860)
IR νmax (KBr) cm-1:3570, 2975, 1735, 1715, 1705, 1675, 1610, 1410, 1135, 700
Rf値(シリカゲル60 F254、メルク社製):0.50 (展開溶媒; ヘキサン:酢酸エチル=1:1)、 0.34 (展開溶媒; クロロホルム:メタノール=40:1)
呈色反応(陽性):10%硫酸
溶解性:メタノール、アセトン、ジメチルスルホキシドに易溶。n-ヘキサン、水に不溶。
【0023】
RKB-3134AのNMRデータを表1に示す(溶媒:重ジメチルスルホキシド、δppm、内部標準: TMS、13C:125 MHz、1H:500 MHz)。
【化5】
Figure 0004833461
【0024】
【表1】
Figure 0004833461
【0025】
試験例1:RKB-3134Aによる血管内皮細胞の走化性の阻害
HuMedia-EG2 (KURABO)培地を用いて培養維持された正常ヒトさい帯静脈血管内皮細胞HUVEC細胞をケモタキセルチャンバーを用いた3次元培養の上層にまいた。下層に内皮細胞増殖因子(VEGF)を含むHuMedia-EG2を充填させることでHUVEC細胞の走化性を誘導した。RKB-3134Aは1〜30μg/mlの濃度でVEGFによって誘導されるHUVEC細胞の走化性を抑制した。この結果は、RKB-3134Aが抗VEGF作用に基づいて血管内皮細胞の走化性の阻害作用を発揮することを示しており、本発明の化合物が血管新生阻害剤、抗腫瘍剤、又は腫瘍転移抑制剤などとして有効であることを示している
【0026】
製剤例1:注射・点滴剤
RKB-3134A 10 mgを含有するように、粉末ブドウ糖5 gを加えてバイアルに無菌的に分配して密封し、窒素又はヘリウムなどの不活性ガスを封入して冷暗所に保存した。この製剤は、使用前にエタノールに溶解した後、0.85%生理的食塩水100 mlを添加して静脈内注射剤とし、一日あたり10〜100 mlを症状に応じて静脈内注射または点滴で投与することができる。
【0027】
製剤例2:顆粒剤
RKB-3134A 1 g、乳糖98 g、およびヒドロキシプロピルセルロース1 gをそれぞれ取り、よく混和した後、定法にしたがって粒状に成形し、それをよく乾燥して、瓶やヒートシール包装などに適した顆粒剤を製造した。一日あたり100〜1000 mgを症状に応じて経口投与できる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の化合物は、血管内皮細胞の走化性の阻害作用を有しており、血管新生抑制作用を発揮できる。本発明の化合物を有効成分として含む医薬は、過度の血管新生がその発症原因の一つとして関与する各種疾患、例えば糖尿病網膜症や関節リウマチなどの予防及び/又は治療のための医薬や抗腫瘍剤などの有効成分として有用である。

Claims (5)

  1. 以下の式(II):
    Figure 0004833461
    で表される化合物又はその塩。
  2. 請求項1に記載の化合物又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む医薬。
  3. 血管新生阻害剤である請求項に記載の医薬。
  4. 抗腫瘍剤である請求項に記載の医薬。
  5. ネオサルトルヤ(Neosartorya)属BAUA3134株(受託番号FERM BP−8189)を培養した培養物から請求項1に記載の化合物又はその塩を分離・採取する工程を含む、請求項1に記載の化合物又はその塩の製造方法。
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