JP4029137B2 - 新生理活性物質 - Google Patents

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Description

発明の属する技術分野
本発明は血管新生の異常増殖を伴う各種疾患に対する予防及び治療に有効な新規生理活性物質に関する。
従来の技術
血管新生は胎児期の血管樹形成や各臓器の形態的、機能的発達時に不可欠な生物学的現象である。新生血管は内皮細胞の遊走、増殖、管腔形成などの複数の過程を経て構築され、その過程にはマスト細胞、リンパ球、間質細胞などの関与も重要であることが報告されている(J.Folkman and Y.Shing,J.Biol.Chem.,267,10931,1992)。成熟個体では女性性周期においてのみに血管新生が生じるが、成熟個体においては血管新生の病的増加が様々な疾患の発症あるいは進行過程に関与していることが知られている。具体的には癌、リウマチ性関節炎、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性網膜症、血管腫、乾せんなどが血管新生の異常を伴う疾患としてあげられる(J.Folkman,N.Engl.J.Med.,333,1757,1995)。
特に固形癌の増殖は血管新生に依存する事が報告されており、血管新生阻害剤が難治性固形癌に対する新しい治療薬になると期待されている(Folkman J.,J.Natl.Cancer Inst.,82,4,1990)。
また、リウマチ性関節炎では浸潤したマクロファージ・リンパ系細胞からの血管新生因子の過剰な産生が関節内の血管新生誘導に関与すると言われ(Kahn J.,Proc.Am.Soc.Clin,Oncol.,12,50,abstract,1993)、コラーゲン関節炎モデルで血管新生阻害剤AGM−470が関節炎を抑制することが示された。(Peacock DJ.,J.Exp.Med.175,1135−8,1992)。これにより、炎症性疾患において血管新生を抑制することが、疾患の治療にもつながることが示唆された。
アテローム性動脈硬化症では、低酸素で誘導されるvascular endothelial growth factor(VEGF)の過剰産生によりアテローム斑での血管新生が引き起こされることが示され(Stavri GT.,FEBS Lett.,358,311−5,1995)、腫瘍増殖に血管新生が必要であるのと同様に、アテローム斑の伸展にも血管新生が必要であると言われている(O’Brien ER.,Am.J.Pathol.,146,1029−39,1994)。また、時に新生児の生死に関わることがある血管腫では、血管新生抑制活性の知られているIFN−α2aによる治療が試みられている(White CW.,N.Engl.J.Med.320,1197−200,1989)。これら疾患に対する治療薬として、新たな血管新生抑制剤が待望されている。
これまでいくつかの血管新生阻害物質に関する報告はあるが、いまだに実用化に耐える有効な物質は見出されていない(公開特許公報平3−109324号、公開特許公報平3−236324号、公開特許公報平3−2148号)。
本発明は血管新生阻害活性を有する新規物質を単離し、血管新生の異常増殖を伴う各種疾患に対する予防及び治療剤を提供することにある。
発明の開示
上記現状に鑑み、本発明者らは微生物培養液を原料として、血管新生阻害物質の探索スクリーニングを行った。その結果、ストレプトミセス属に属する微生物の培養液中に血管新生阻害物質が産生されることを見出した。この活性物質を単離・構造決定したところ新規活性物質であることが判明した。そして、その作用メカニズムを解析した結果、阻害作用メカニズムの一つとして内皮細胞に対する接着分子発現抑制作用も有することを見出した。具体的には内皮細胞のVCAM−1とE−selectinの発現に対して本物質は明らかな阻害作用を示した。VCAM−1及びE−selectinは血管新生に必要な内皮細胞の遊走や管腔形成に関与していることが示唆されているが(A.E.Koch et al,Nature,376,517,1995)、内皮細胞とリンパ球との接着にも関与していることが報告されている。従って、本物質は血管新生に起因する疾患に加え、活性化リンパ球による異常反応に起因すると考えられる種々の疾病、具体的には膠原病や移植拒絶反応などの自己免疫、心筋梗塞、動脈硬化症等の疾患に対する治療薬となる事が期待される。
すなわち本発明は、一般式(1)で表わされる化合物、その塩又はその水和物に関する。
Figure 0004029137
(式中、Rは水素原子、アルデヒド基又は低級アシル基、R及びRは同一又は相異なり水素原子もしくは低級アルコキシ基、又は一緒になって酸素原子を意味し、Rは低級アルキル基、Rは水素原子又は低級アルキル基を意味する。但し、Rがアルデヒド基、R及びRが相異なり水素原子又はメトキシ基、Rがエチル基で、かつRが水素原子である化合物は除く。)
より具体的にはそれぞれ、
一般式(1)において、Rが水素原子、アルデヒド基又はアセチル基、R及びRが同一又は相異なり水素原子もしくはメトキシ基、又は一緒になって酸素原子、Rがエチル基、ノルマルプロピル基又はイソプロピル基、Rが水素原子又はメチル基である化合物(但し、Rがアルデヒド基、R及びRが相異なり水素原子又はメトキシ基、Rがエチル基で、かつRが水素原子である化合物は除く。)、その塩又はその水和物、
一般式(1)において、Rがアルデヒド基、R及びRが同一で水素原子、Rがエチル基、Rが水素原子又はメチル基である化合物、その塩又はその水和物、
一般式(1)において、Rがアルデヒド基、R及びRが同一で水素原子、Rがノルマルプロピル基又はイソプロピル基、Rが水素原子である化合物、その塩又はその水和物、
一般式(1)において、Rがアルデヒド基、R及びRが相異なり水素原子又はメトキシ基、Rがノルマルプロピル基又はイソプロピル基、Rが水素原子である化合物、その塩又はその水和物、
一般式(1)において、Rが水素原子、R及びRが一緒になって酸素原子、Rがエチル基又はイソプロピル基、Rが水素原子である化合物、その塩又はその水和物、
一般式(1)において、Rがアセチル基、R及びRが同一で水素原子、Rがエチル基、Rが水素原子である化合物、その塩又はその水和物、
これらの化合物、あるいは一般式(1)において、Rがアルデヒド基、R及びRが相異なり水素原子又はメトキシ基、Rがエチル基、Rが水素原子である化合物、その塩又はその水和物を有効成分とする医薬、
ストレプトミセス・エスピー・エムイーアール・ヴィディ1207(Streptomyces sp.Mer−VD1207.FERM P−15889)を栄養培地中で培養し、その培養液から上記の化合物又はその塩を採取する事を特徴とする、上記化合物又はその塩の製造方法に関する。
本発明は、上記の化合物、その塩又はその水和物を薬理上有効量及び薬理上許容できる担体を含む医薬組成物、上記の化合物、その塩又はその水和物の薬理上有効量を患者に投与し、血管新生阻害活性または接着分子VCAM−1又は/及びE−selectin発現抑制活性が有効な疾患を治療する方法または上記の化合物、その塩又はその水和物の、血管新生阻害活性または接着分子VCAM−1又は/及びE−selectin発現抑制活性が有効な疾患の治療剤を製造する用途を提供する。
本発明は、リウマチ性関節炎、固形癌、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性網膜症、血管腫、乾せんなどに対する予防剤及び治療薬を提供する。
発明の詳細な説明
本発明化合物の精製原料として、ストレプトミセス属の菌種いずれも使用可能であると期待されるが、本発明の代表的な菌株として、熊本県で採取された土壌より分離された放線菌で、本発明者らがエムイーアール・ヴイディ1207(Mer−VD1207)菌株と番号を付した菌株が挙げられる。このエムイーアール・ヴイディ1207菌株の菌学的性状は次の通りであった。
培養はすべて28℃で行った。培地はインターナショナル・ストレプトミセス・プロジェクト・コミッティー(International Streptomyces Project committee)(以後ISPという)が推奨するものから選択した。色調の記載はコンティナー・コーポレーション・オブ・アメリカのカラー・ハーモニー・マニュアル(Container Corporation of AmericaのColor Harmony Manual)の()内に示す符号で示した。
(1)形態
菌株の顕微鏡検査によると、基生菌糸はよく伸長し、同じくよく伸長する気中菌糸を着生した。気中菌糸の先端は断裂して円筒形の胞子となった。胞子の大きさは直径0.6〜0.8μm×0.8〜1.0μmで胞子表面はsmoothであった。胞子は10個から50個が連鎖した直線状の胞子鎖となった。
(2)各種培地上での生育
ISP−2培地;生育は良好で、薄い気中菌糸の上に赤色系の胞子をつけた。コロニー裏側は褐色で、培地中に黄褐色〜褐色の可溶性色素を出した。
ISP−3培地;生育は弱く、白色の気中菌糸を僅かに産生じた。コロニー裏側は褐色であった。
ISP−4培地;生育は良好で、豊富な気中菌糸の上に赤色系(5dc;Grayish yellowish pink)の胞子をつけた。コロニー裏側は黄褐色であった。
ISP−5培地;生育は中程度で、薄い気中菌糸の上に赤色系の胞子をつける。
コロニー裏側は褐色で、培地中に黄褐色〜褐色の可溶性色素を出した。
ISP−7培地;メラニン色素を産生していた(培地黒変)。
また、産生した可溶性色素はpHによって変色しなかった。
(3)糖の資化性
本菌株の菌体をISP−9培地に各種糖を加えた寒天培地に塗抹し、3〜10日間培養して、その生育状況を観察した。グルコース、フラクトース、ラムノース、シュクロース、イノシトール、マンノース、アラビノース、キシロースをよく資化した。
(4)菌体成分分析
本菌株の菌体を6N HClで一夜加水分解し、その濃縮物をセルロースTLCで分離し、ジアミノピメリン酸標準物質と比較して異性体型を確認した。得られたジアミノピメリン酸の異性体型はLL型であった。
以上の菌学的性質から本菌はストレプトミセス(Streptomyces)属の菌であることは明確である。本発明者らは、本菌をストレプトミセス・エスピー・エムイーアール・ヴイディー1207(Streptomyces sp.Mer−VD1207)として工業技術院生命工学工業技術研究所(郵便番号305−8566日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号)にFERM P−15889の番号で1996年9月27日に寄託した。又、これは1999年4月5日に国際寄託番号FERM BP−6693で移管した。
生産菌の培養
上記微生物の培養方法は、原則的には一般微生物の培養法に準ずるが、通常は通気撹拌培養法などの好気的条件下で行なうのが好適である。培養に用いられる培地としては、ストレプトミセス属に属する微生物が利用できる栄養源を含有する培地であればよく、各種の合成培地、半合成培地、天然培地などいずれも用いることができる。培地組成としては炭素源としてのグルコース、シュークロース、フルクトース、グリセリン、デキストリン、澱粉、糖蜜、コーン・スティープ・リカー、有機酸などを単独又は組み合わせて用い得る。窒素源としてはファーマメディア、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、大豆粉、カゼイン、アミノ酸、尿素などの有機窒素源、硝酸ナトリウム、硫酸アンモニウムなどの無機窒素源を単独又は組み合わせて用い得る。ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、リン酸塩、その他の重金属塩なども必要に応じて添加使用され得る。なお、培養中発泡の著しいときは公知の各種消泡剤を適宜培地中に添加することもできるが、その添加は目的物質の生産に悪影響をあたえないものとする必要がある。
培地のpHは微生物の至適pH範囲、通常中性付近とするのが望ましい。培養温度は、微生物が良好に生育する温度、通常20〜40℃、特に好ましくは30℃付近に保つのがよい。培養時間は液体培養の場合、1〜5日間程度とされる。もちろん上述した各種の培養条件は、使用微生物の種類や特性、外部条件などに応じて適宜変更でき、またそれぞれに応じて上記範囲から最適条件を選択、調節される。
血管新生阻害活性のスクリーニング法として、ラット大動脈片をコラーゲンゲル内にて培養した場合に観察される管腔形成の阻害度を指標とした(Nicosia R.F.,Lab.Invest.,63,115,1990)。又、得られた化合物についてその血管新生阻害活性の作用機構解析を目的として、ヒト臍帯静脈由来内皮細胞を用いる内皮細胞増殖抑制作用、及び内皮細胞に対する接着分子発現抑制作用について測定した。
菌の培養液からの本発明化合物の精製は以下のようにして精製することができる。ストレプトミセス属の微生物を通常の適切な培養条件にて培養後、培養液を清澄濾過したのちブタノール又はメチルイソブチルケトンなどの有機溶媒を加え抽出し、有機溶媒層を減圧下濃縮する。次いでメタノールにて抽出し、石油エーテル(light petroleum)などで処理し粗抽出物を得る。次いでシリカゲルなどを用いる吸着クロマトグラフィー、LH 20ゲルクロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、ペーパークロマトグラフィーなどを適宜利用して分画し、活性スクリーニングにより活性画分を確認する。上記手法を適宜組み合わせることにより活性物質を単離することができる。吸着クロマトグラフィーに使用する溶媒としては、クロロホルム、メタノール、アセトン、ヘキサン、トルエンなど通常使用される有機溶媒を用い、適宜濃度を選択、組み合わせて使用することができる。結晶化の溶媒としてはクロロホルムとヘキサン、又はクロロホルムと四塩化炭素などを用いることができる。一つの手法としてM.Lumbらの方法がある(Nature.206,263,1965)。単離した化合物の構造解析は、元素分析、GC−MS、NMR、融点など常法の手法によって行うことができる。
単離した化合物は強力な血管新生阻害活性を有することを見い出した。前記の如く、各種疾患において異常な血管新生が観察されていることから、それら疾患、例えばリウマチ性関節炎、固形癌、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性網膜症、血管腫、乾せんなどの予防剤として、また治療薬として期待されるものであり、特に抗固形癌剤として有効である。
該化合物を各種疾患治療・予防剤として投与する場合、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤などとして経口的に投与してもよいし、また噴霧剤、坐剤、注射剤、外用剤、点滴剤として非経口的に投与してもよい。投与量は症状の程度、年齢、肝疾患の種類などにより著しく異なるが、通常成人1日当たり約1mg〜100mgを1日1〜数回にわけて投与する。
製剤化の際は通常の製剤担体を用い、常法により製造する。すなわち、経口用固形製剤を調製する場合は、主薬に賦形剤、更に必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などとする。これらの錠剤、顆粒剤には糖衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングすることは勿論差し支えない。
注射剤を調製する場合には、主薬に必要によりpH調整剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤などを添加し、常法により皮下、筋肉内、静脈内用注射剤とする。
実施例
以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 精製方法
Streptomyces sp,VD1207株の斜面培養(ISP−2寒天培地)から1白金耳を100mlの種培地(グリセロール2%、グルコース2%、大豆粉2%、酵母エキス0.5%、NaCl 0.25%、CaCO 0.32%、CuSO・5HO 0.0005%、MnCl・4HO 0.0005%、ZnSO・7HO 0.0005%)を入れた500ml容の三角フラスコに接種した。これを28℃で2日間回転撹拌機上で培養して一次種培養液を得た。この一次種培養液5mlを上記と同じ組成の培地500mlを含む3L容坂口フラスコに接種して、28℃で48時間往復式撹拌機上で培養を行って二次種培養液を得た。この二次種培養液1Lづつを上記と同じ組成の培地100Lを含む200L容培養タンク2基に接種して、28℃で64時間通気撹拌培養(通気量50L/ml、撹拌185−325r.p.m.)を行った。
得られた全培養液200Lを連続遠心分離器にかけ、上清と菌体とに分離した。上清をダイヤイオンHP−20 20Lのカラムに通過させ、20%メタノール60Lで洗浄した。続いて、80%アセトン60Lで溶出し、溶出液を減圧下で濃縮し、アセトンを留去した。残った水溶液を、酢酸エチル5Lで2回抽出し、酢酸エチル層を減圧下濃縮乾固して19gの粗抽出物を得た。
また、菌体を100Lのメタノールで抽出し、得られたメタノール抽出物を、減圧下で濃縮し、メタノールを留去した。残った水溶液を、酢酸エチル12Lで2回抽出した。得られた抽出液を減圧下濃縮乾固して74gの粗抽出物を得た。
上清と菌体からの抽出物をあわせ、少量のジメチルスルホキシドに溶解し、アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=4:6の混合溶液で予め平衡化しておいたYMC−GEL ODS−AM 120−S50(ワイエムシィ社製)のカラム(内径50mm、長さ950mm)に二度に分けて付した。同じ組成の混合溶媒、1:1の組成の混合溶媒、55:45の組成の混合溶媒で洗浄した。続いて、6:4の組成の混合溶媒、65:35の組成の混合溶媒、7:3の組成の混合溶媒で順次極性を下げて、溶出した。溶出液は高速液体クロマトグラフで分析し、VD1207 U1,U2,A1,A2,B,C,D,E,F,F’,G1,G2,G’,H(カラム:J’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm、ワイエムシイ社製、移動層:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(PH3.5)=6:4、流速:1mL/min、検出:254nmにおける紫外吸収、保持時間;U1,U2:3.7min、A1,A2:4.8min、B:5.4min、C:6.0min、D:7.0min、E:7.4min、F:8.0min、F’:8.2min、G1,G2:9.4min、G’:9.8min、H:10.3min)の各成分を含む溶出液をそれぞれ集め、U1,U2成分を含むフラクション、A1,A2成分を含むフラクション、B成分を含むフラクション、C成分を含むフラクション、D成分を含むフラクション、E成分を含むフラクション、F成分を含むフラクション、F’成分を含むフラクション、G1,G2,G’成分を含むフラクション、H成分を含むフラクションをそれぞれ得た。各フラクションはアセトニトリルを減圧下留去した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を脱イオン水で洗浄後、減圧下濃縮乾固した。
実施例2 VD1207U1,U2の精製及び構造解析
実施例1で得られたU1,U2成分を含むフラクションを酢酸エチルに溶解し、少量のシリカゲル(Silica Gel FL100D、富士シリシア化学社製)を加え、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルのカラム(内径20mm、長さ500mm)に付した。ヘキサン−アセトン=90:10の混合溶媒で洗浄し、85:15の混合溶媒で溶出した。U1,U2成分を含む溶出液をあわせ、濃縮乾固した。
このものを少量のジメチルスルホキシドに溶解し、分取HPLC(カラム:J’sphere ODS−H80、内径20mm、長さ250mm、ワイエムシイ社製、移動層:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=55:45、流速:12mL/min、検出:254nmにおける紫外吸収、保持時間:U1:26.2分、U2:27.1分)に付した。この分取をくりかえし、U1,U2成分のピークを示す溶出液をそれぞれ併せ、アセトニトリルを減圧下留去した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を脱イオン水で洗浄後、減圧下濃縮乾固した。残渣を凍結乾燥して、VD1207 U1,U2の純粋な白色粉末をそれぞれ57mg、132mg得た。
VD1207U1構造解析データ
1.色及び性状:白色粉末
2.分子式:C2333
3.マススペクトル(FAB−MS):m/z 437(M+H)
4.比旋光度:[α] 23+2.5(c0.1、CHCl
5.紫外部吸収スペクトル:
中性メタノール中:λmax nm(ε):257(23700),324(3100)
酸性メタノール中:λmax nm(ε):257(25000),324(3200)
塩基性メタノール中:λmax nm(ε):260(10300),317(9700),344(8900)
6.赤外部吸収スペクトル:
KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm−1
3440,2970,2880,1640,1590,1490,1460,1390,1350,1210,1160,1090,1040,970,930,900,830,740,670,590,460,410
7.H NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトルH−シフト(J値)
8.39(1H,s),6.43(1H,s),4.81(1H,brs),4.46(1H,ddd,11,10,1.5),4.27(1H,ddd,11,6.5),3.30(1H,t,6.5),3.51(1H,ddd,10.4,3.5),2.32(1H,ddd,12.5,1.5),1.54(1H,m),3.59(2H,m),1.75(1H,m),1.61(1H,m),3.59(2H,m),1.44(2H,m),1.29(3H,m),1.29(3H,m),1.30(3H,t,7.5),1.06(3H,d,7.5),13.21(1H,s),13.18(1H,s),2.82(1H,d,2.5),1.68(1H,d,11),
8.13C NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトル13C−シフト
209.1(s),207.5(s),169.7(s),168.7(s),135.6(d),114.9(s),111.9(s),105.1(d),94.0(d),70.2(d),62.5(d),61.9(s),59.8(d),50.0(d),37.3(t),34.9(t),31.2(t),20.6(t),20.6(t),19.7(q),19.1(q),14.2(q),10.4(q),
9.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキシド
不溶:中性の水
10.高速液体クロマトグラフィー:
カラム:I’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4
流速:1mL/min
検出波長:254nmにおける紫外吸収
保持時間:3.7min
11.薄層クロマトグラフィー:
担体:シリカゲル60 F254(メルク社製、ドイツ)
展開溶媒:ヘキサン/アセトン(7:3)
Rf値:0.38。
VD1207U2構造解析データ
1.色及び性状:白色粉末
2.分子式:C2333
3.マススペクトル(FAB−MS):m/z437(M+H)
4.比旋光度:[α] 21−6.2(c 0.1、CHCl
5.紫外部吸収スペクトル:
中性メタノール中:λmax nm(ε):257(41700),324(5700)
酸性メタノール中:λmax nm(ε):257(41900),325(5100)
塩基性メタノール中:λmax nm(ε):261(18700),316(17300),346(16700)
6.赤外部吸収スペクトル:
KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm−1
3430,2970,2880,1640,1590,1490,1470,1430,1350,1210,1160,1090,1040,990,970,930,900,830,760,680,590,540,460
7.H NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトルH− シフト(J値)
8.42(1H,s),6.46(1H,s),5.02(1H,d,3),4.41(1H,ddd,11.8,1.5),4.22(1H,ddd,11,6.5),3.31(1H,t,6.5),3.59(1H,ddd,10.4,3.5),2.05(1H,ddd,12.5,1.5),1.41(1H,dd,11,12),3.55(1H,m),1.85(2H,m),1.25(2H,m),1.63(2H,m),1.29(3H),1.29(3H),0.90(3H,d,7.5),1.09(3H,d,7.5),13.21(1H,s),13.17(1H,s),2.59(1H,d,3.5),1.51(1H,d,12),
8.13C NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトル13C−シフト
208.9(s),206.5(s),169.9(s),169.2(s),135.5(d),114.5(s),112.0(s),105.4(d),94.5(d),69.8(d),62.4(d),61.8(s),59.9(d),49.9(d),37.3(d),34.8(d),32.3(t),20.6(t),20.6(t),19.6(q),19.3(q),14.2(q), 10.5(q),
9.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキシド
不溶:中性の水
10.高速液体クロマトグラフィー:
カラム:J’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4
流速:1mL/min
検出波長:254nmにおける紫外吸収
保持時間:3.7min
11.薄層クロマトグラフィー:
担体:シリカゲル60 F254(メルク社製、ドイツ)
展開溶媒:ヘキサン/アセトン(7:3)
Rf値:0.35。
実施例3 VD1207A1,A2の精製及び構造解析
実施例1で得られたA1,A2成分を含むフラクションに溶解し、分取HPLC(カラム:J’sphere ODS−H80、内径20mm、長さ250mm、ワイエムシイ社製、移動層:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=60:40、流速:10mL/min、検出:254nmにおける紫外吸収、保持時間:A1,A2:29.4分)に付した。この分取をくりかえし、A1,A2成分のピークを示す溶出液を併せ、アセトニトリルを減圧下留去した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を脱イオン水で洗浄後、減圧下濃縮乾固した。
このものを少量の酢酸エチルに溶解し、薄層クロマトグラフプレート(シリカゲル60 No.5744メルク社製)で展開溶媒(トルエン−メタノール=9:1)を用いて分取薄層クロマトグラフを行った。展開後UVランプ(254nm)でA1,A2成分のスポットを確認し(Rf値:A1:0.23、A2:0.17),それぞれの成分を酢酸エチル−メタノール=1:1の溶媒で溶出させ、減圧下濃縮乾固した。残渣を凍結乾燥して、VD1207A1,A2の純粋な白色粉末をそれぞれ6mg、11mg得た。
VD1207A1構造解析データ
1.色及び性状:白色粉末
2.分子式:C2435
3.マススペクトル(FAB−MS):m/z451(M+H)
4.比旋光度:[α] 23+1.9(c 0.1、CHCl
5.紫外部吸収スペクトル:
中性メタノール中:λmax nm(ε):257(48900),324(6900)
酸性メタノール中:λmax nm(ε):257(54300),324(7700)
塩基性メタノール中:λmax nm(ε):261(22100),317(20700),345(20100)
6.赤外部吸収スペクトル:
KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm−1
3440,2960,1640,1590,1490,1470,1390,1350,1210,1160,1090,1030,980,930,830,740,670,590,460
7.H NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトルH−シフト(J値)
8.43(1H,s),6.44(1H,s),4.82(1H,brs),4.39(1H,ddd,11.5,9.5,2),4.27(1H,ddd,12,11.5,5),3.30(1H,dd,7.6),3.58(1H,m),1.84(1H,ddd,13.5,11.4),1.33(1H,ddd,13.5,10,3.5),2.34(1H,ddd.12,5,2),1.53(1H,ddd,12,12,11.5),3.59(1H,sept,7),1.44(1H,m),0.89(3H,d,6.5),0.89(3H,d,6.5),1.63−1.52(2H,m),1.28(3H,d,7),1.30(3H,d,7),1.06(3H,t,7.5),13.22(1H,s),13.18(1H,brs),2.49(1H,brs),1.63(1H,d,11.5)
8.13C NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトル13C−シフト
209.1(s),207.8(s),169.7(s),168.7(s),135.7(d),115.1(s),111.9(s),105.1(d),94.1(d),71.0(d),62.5(d),61.8(s),59.8(d),48.3(d),38.4(t),37.5(t),34.9(d),26.0(d),23.8(q),21.9(q),20.6(t),19.7(q),19.1(q),10.5(q)
9.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキシド
不溶:中性の水
10.高速液体クロマトグラフィー:
カラム:J’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4
流速:1mL/min
検出波長:254nmにおける紫外吸収
保持時間:4.8min
11.薄層クロマトグラフィー:
担体:シリカゲル60 F254(メルク社製、ドイツ)
展開溶媒:トルエン/メタノール(9:1)
Rf値:0.23。
VD1207A2構造解析データ
1.色及び性状:白色粉末
2.分子式:C2435
3.マススペクトル(FAB−MS):m/z451(M+H)
4.比旋光度:[α] 23−6.2(c 0.1、CHCl
5.紫外部吸収スペクトル:
中性メタノール中:λmax nm(ε):258(63900),325(9500)
酸性メタノール中:λmax nm(ε):257(63900),325(9400)
塩基性メタノール中:λmax nm(ε):261(25100),317(23400),347(25000)
6.赤外部吸収スペクトル:
KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm−1
3440,2960,1640,1590,1490,1470,1350,1210,1160,1090,1040,970,930,900,830,730,690,590,540,460
7.H NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトルH−シフト(J値)
8.46(1H,s),6.46(1H,s),5.01(1H,d,3),4.34(1H,ddd,12.7,1.5),4.21(1H,ddd,12,11.5,4.5),3.31(1H,t,6.5),3.69(1H,ddd,10.5,7,3.5),1.91(1H,ddd,13.5,10.5,5),1.66(1H,m),2.03(1H,ddd,12,4.5,1.5),1.45(1H,ddd,12,12,12),3.57(1H,sept,7),1.50(1H,m),0.91(3H,d,6.5)0.91(3H,d,6.5),1.64(2H,m),1.29(3H,d,7),1.30(3H,d,7),1.10(3H,t,7.5),13.21(1H,s),13.21(1H,s),2.59(1H,d,3),1.54(1H,d,11.5)
8.13C NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトル13C−シフト
208.9(s),206.6(s),169.9(s),169.2(s),135.5(d),114.6(s),112.0(s),105.4(d),94.5(d),70.6(d),62.5(d),61.8(s),59.8(d),47.7(d),39.2(t),37.1(t),34.8(d),26.1(d),23.7(q),22.0(q),20.6(t),19.6(q),19.2(q),10.5(q)
9.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキシド
不溶:中性の水
10.高速液体クロマトグラフィー:
カラム:J’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4
流速:1mL/min
検出波長:254nmにおける紫外吸収
保持時間:4.8min
11.薄層クロマトグラフィー:
担体:シリカゲル60 F254(メルク社製、ドイツ)
展開溶媒:トルエン/メタノール(9:1)
Rf値:0.17。
実施例4 VD1207B精製及び構造解析
実施例1で得られたB成分を含むフラクションを少量の酢酸エチルに溶解し、薄層クロマトグラフプレート(シリカゲル60 No.13895メルク社製)で展開溶媒(ヘキサン−アセトン=7:3)を用いて分取薄層クロマトグラフを行った。展開後UVランプ(254nm)でB成分のスポットを確認し、B成分を酢酸エチル−メタノール=1:1の溶媒で溶出させ、減圧下濃縮乾固した。
このものを少量の酢酸エチルに溶解し、薄層クロマトグラフプレート(シリカゲル60 No.5744メルク社製)で展開溶媒(トルエン−メタノール=9:1)を用いて分取薄層クロマトグラフを行った。展開後UVランプ(254nm)でB成分のスポットを確認し、B成分を酢酸エチル−メタノール=1:1の溶媒で溶出させ、減圧下濃縮乾固した。残渣を凍結乾燥して、VD1207Bの純粋な淡橙色粉末61mgを得た。
VD1207B構造解析データ
1.色及び性状:淡橙色粉末
2.分子式:C2536
3.マススペクトル(FAB−MS):m/z481(M+H)
4.比旋光度:[α] 21−97.7(c 0.1、CHCl
5.紫外部吸収スペクトル:
中性メタノール中:λmax nm(ε):254(21300),276(16800),341(8500)
酸性メタノール中:λmax nm(ε):253(27400),276(19100),353(7700)
塩基性メタノール中:λmax nm(ε):278(18200),332(24600)
6.赤外部吸収スペクトル:
KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm−1
3360,2960,1630,1450,1380,1300,1260,1180,1090,1040,930,830,750,680,590
7.H NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトルH−シフト(J値)
10.42(1H,s),8.08(1H,s),4.97(1H,d,3),4.33(1H,d,6),4.40(1H,ddd,12,7,2),4.19(1H,ddd,12,12,5),3.28(1H,t,6.5),3.23(3H,s),3.61(1H,m),2.05(1H,ddd,12,5.2),1.44(1H,ddd,12,12,12),1.92(1H,sept,d,7.7),1.80(2H,m),1.64(2H,qd,7.5,6.5),1.28(2H,m),0.93(3H,d,6.5),0.93(3H,d,6.5),0.89(3H,d,7.5),1.08(3H,t,7.5),14.17(1H,brs),12.97(1H,brs),2.89(1H,s),1.56(1H,d,12)
8.13C NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトル13C−シフト
207.2(s),194.4(d),167.9(s),167.3(s),137.6(d),120.3(s),113.0(s),109.2(s),94.5(d),80.6(d),69.6(d),62.6(d),61.8(s),59.7(d),57.2(q),49.8(d),37.1(t),33.8(d),33.9,31.8(t),20.6(t),20.6(t),18.7(q),17.6(q),14.1(q),10.5(q)
9.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキシド
不溶:中性の水
10.高速液体クロマトグラフィー:
カラム:J’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4
流速:1mL/min
検出波長:254nmにおける紫外吸収
保持時間:5.4min。
実施例5 VD1207C精製及び構造解析
実施例1で得られたC成分を含むフラクションを少量のジメチルスルホキシドに溶解し、分取HPLC(カラム:J’sphere ODS−H80、内径20mm、長さ250mm、ワイエムシイ社製、移動層:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4、流速:12mL/min、検出:254nmにおける紫外吸収、保持時間:31.3分)に付した。この分取をくりかえし、C成分の単一ピークを示す溶出液を併せ、アセトニトリルを減圧下留去した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を脱イオン水で洗浄後、減圧下濃縮乾固した。
得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、少量のシリカゲル(Wakogel C−200、和光純薬工業社製)を加え、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルのカラム(内径20mm、長さ500mm)に付した。ヘキサン−アセトン=95:5の混合溶媒、90:10の混合溶媒で洗浄し、80:20の混合溶媒で溶出した。C成分を含む溶出液をあわせ、濃縮乾固した。
得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、少量のシリカゲル(Wakogel C−200、和光純薬工業社製)を加え、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルのカラム(内径20mm、長さ500mm)に付した。トルエンで洗浄し、トルエン−メタノール=98:2の混合溶媒で溶出した。C成分を含む溶出液をあわせ、濃縮乾固した。
得られた残渣を少量のメタノールに溶解し、Sephadex LH−20(ファルマシア製)のカラム(内径20mm、長さ950mm)に付し、メタノールで溶出した。C成分を含む溶出液をあわせ、減圧下濃縮乾固した。残渣を凍結乾燥して、VD1207Cの純粋な白色粉末256mgを得た。
VD1207C構造解析データ
1.色及び性状:白色粉末
2.分子式:C2536
3.マススペクトル(FAB−MS):m/z481(M+H)
4.比旋光度:[α] 21+50.2(c 0.1、CHCl
5.紫外部吸収スペクトル:
中性メタノール中:λmax nm(ε):253(19500),277(16300),341(8700)
酸性メタノール中:λmax nm(ε):253(25400),277(18400),352(7600)
塩基性メタノール中:λmax nm(ε):277(17100),334(25200)
6.赤外部吸収スペクトル:
KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm−1
2960,1640,1460,1390,1300,1250,1170,1090,1040,930,830,750,680,590
7.H NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトルH−シフト(J値)
10.43(1H,s),8.05(1H,s),4.96(1H,d,2.5),4.34(1H,d,6.5),4.41(1H,ddd,11.5,7.5,1.5),4.19(1H,ddd,11.5,11.5,5),3.27(1H,t,6.5),3.22(3H,s),3.68(1H,ddd,9.5,7.5,4.5),2.03(1H,ddd,11.5,1.5),1.48(1H,ddd,11.5,11.5,11),1.96(1H,m),1.82(2H,m),1.60(2H,m),1.24(2H,m),0.88(3H,d,6.5),0.96(3H,d,6.5),0.88(3H,t,7.5),1.07(3H,t,7.5),14.21(1H,brs),12.99(1H,brs),2.99(1H,d,2.5),1.62(1H,d,11.5)
8.13C NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトル13C−シフト
207.3(s),194.4(d),167.9(s),167.4(s),137.5(d),120.3(s),113.2(s),109.1(s),94.5(d),80.5(d),69.8(d),62.6(d),61.8(s),59.7(d),57.2(q),49.3(d),36.9(t),33.7(d),32.1(t),20.7(t),20.6(t),18.7(q),17.9(q),14.2(q),10.5(q)
9.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキシド
不溶:中性の水
10.高速液体クロマトグラフィー:
カラム:J’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4
流速:1mL/min
検出波長:254nmにおける紫外吸収
保持時間:6.0min。
実施例6 VD1207D精製及び構造解析
実施例1で得られたD成分を含むフラクションを少量のジメチルスルホキシドに溶解し、分取HPLC(カラム:J’sphere ODS−H80、内径20mm、長さ250mm、ワイエムシイ社製、移動層:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4、流速:12mL/min、検出:254nmにおける紫外吸収、保持時間:37.1分)に付した。この分取をくりかえし、D成分の単一ピークを示す溶出液を併せ、アセトニトリルを減圧下留去した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を脱イオン水で洗浄後、減圧下濃縮乾固した。
得られた残渣を少量の酢酸エチルに溶解し、薄層クロマトグラフプレート(シリカゲル60 No.13895メルク社製)で展開溶媒(ヘキサン−アセトン=7:3)を用いて分取薄層クロマトグラフを行った。展開後UVランプ(254nm)でD成分のスポットを確認し、D成分を酢酸エチル−メタノール=1:1の溶媒で溶出させ、減圧下濃縮乾固した。
このものを少量の酢酸エチルに溶解し、薄層クロマトグラフプレート(シリカゲル60 No.5744メルク社製)で展開溶媒(トルエン−メタノール=9:1)を用いて分取薄層クロマトグラフを行った。展開後UVランプ(254nm)でD成分のスポットを確認し、D成分を酢酸エチル−メタノール=1:1の溶媒で溶出させ、減圧下濃縮乾固した。残渣を凍結乾燥して、VD1207Dの純粋な淡橙色粉末64mgを得た。
VD1207D構造解析データ
1.色及び性状:淡橙色粉末
2.分子式:C2434
3.マススペクトル(FAB−MS):m/z451(M+H)
4.比旋光度:[α] 21−13.0(c 0.1、CHCl
5.紫外部吸収スペクトル:
中性メタノール中:λmax nm(ε):255(23000),276(16300),352(7800)
酸性メタノール中:λmax nm(ε):255(27300),276(18000),357(7800)
塩基性メタノール中:λmax nm(ε):279(18000),338(26400)
6.赤外部吸収スペクトル:
KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm−1
3440,2960,2870,1630,1460,1390,1300,1270,1190,1090,1040,930,830,680,620,550
7.H NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトルH−シフト(J値)
10.41(1H,s),7.74(1H,s),4.99(1H,d,3),4.38(1H,ddd,11.5,9,1.5),4.20(1H,ddd,11.5,11.5,4.5),3.29(1H,dd,7,6),3.56(1H,ddd,9.9,4),2.47(1H,dd,13.5,7)、2.42(1H,dd,13.5,7),2.02(1H,ddd,12,4.5,1.5),1.42(1H,ddd,12,11.5,11.5),1.83(2H,m),1.91(1H,m),0.92(3H,d,6.5),0.92(3H,d,6.5),1.61(2H,m),1.25(2H,m),0.88(3H,t,7.5),1.08(3H,t,7.5),14.15(1H,brs),12.98(1H,brs),2.74(1H,d,3),1.55(1H,d,11.5)
8.13C NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトル13C−シフト
206.7(s),194.3(d),168.0(s),167.5(s),139.4(d),121.0(s),112.5(s),109.3(s),94.5(d),69.8(d),62.4(d),61.8(s),59.8(d),49.4(d),37.9(t),37.3(t),32.1(t),28.3(d),22.3(q),22.2(q),20.6(t),20.6(t),14.2(q),10.5(q)
9.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキシド
不溶:中性の水
10.高速液体クロマトグラフィー:
カラム:J’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4
流速:1mL/min
検出波長:254nmにおける紫外吸収
保持時間:7.0min。
実施例7 VD1207E精製及び構造解析
実施例1で得られたE成分を含むフラクションを少量のジメチルスルホキシドに溶解し、分取HPLC(カラム:J’sphere ODS−H80、内径20mm、長さ250mm、ワイエムシイ社製、移動層:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4、流速:12mL/min、検出:254nmにおける紫外吸収、保持時間:37.8分)に付した。この分取をくりかえし、E成分の単一ピークを示す溶出液を併せ、アセトニトリルを減圧下留去した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を脱イオン水で洗浄後、減圧下濃縮乾固した。
このものを少量の酢酸エチルに溶解し、薄層クロマトグラフプレート(シリカゲル60 No.5744メルク社製)で展開溶媒(トルエン−メタノール=9:1)を用いて分取薄層クロマトグラフを行った。展開後UVランプ(254nm)でE成分のスポットを確認し、E成分を酢酸エチル−メタノール=1:1の溶媒で溶出させ、減圧下濃縮乾固した。残渣を凍結乾燥して、VD1207Eの純粋な白色粉末16mgを得た。
VD1207E構造解析データ
1.色及び性状:白色粉末
2.分子式:C2638
3.マススペクトル(FAB−MS):m/z495(M+H)
4.比旋光度:[α] 21−82.6(c 0.1、CHCl
5.紫外部吸収スペクトル:
中性メタノール中:λmax nm(ε):254(22500),276(17700),341(9300)
酸性メタノール中:λmax nm(ε):253(29100),276(20100),352(8200)
塩基性メタノール中:λmax nm(ε)277(19400),333(26200)
6.赤外部吸収スペクトル:
KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm−1
3440,2960,1640,1460,1390,1300,1260,1180,1090,1020,930,830,740,680,590,570
7.H NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトルH−シフト(J値)
10.42(1H,s),8.13(1H,s),4.95(1H,d,3),4.35(1H,d,5.5),4.33(1H,ddd,12,7,1.5),4.17(1H,ddd,11.5,11.5,4.5),3.28(1H,dd,7.6),3.23(3H,s),3.72(1H,ddd,10,7,3.5),1.89(1H,ddd,13.5,10,4.5),1.58(1H,m),2.02(1H,ddd,12,4.5,1.5),1.47(1H,ddd,12,12,11.5),1.92(1H,sept,d,7,5.5),1.46(1H,m),0.88(3H,d,6.5),0.87(3H,d,6.5),1.61(2H,m),0.91(3H,d,7),0.92(3H,d,7),1.08(3H,t,7.5),14.21(1H,s),12.98(1H,s),2.69(1H,brs),1.53(1H,d,11.5)
8.13C NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトル13C−シフト
207.2(s),194.4(d),167.9(s),167.3(s),137.6(d),120.3(s),113.1(s),109.2(s),94.5(d),80.6(d),70.3(d),62.6(d),61.7(s),59.7(d),57.2(q),47.6(d),38.7(t),36.9(t),33.8(d),26.1(d),23.6(q),21.8(q),20.6(t),18.7(q),17.5(q),10.5(q)
9.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキシド
不溶:中性の水
10.高速液体クロマトグラフィー:
カラム:J’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4
流速:1mL/min
検出波長:254nmにおける紫外吸収
保持時間:7.4min。
実施例8 VD1207F精製及び構造解析
実施例1で得られたF成分を含むフラクションを少量のジメチルスルホキシドに溶解し、アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=45:55の混合溶液で予め平衡化しておいたYMC−GEL ODS−AM 120−S50(ワイエムシィ社製)のカラム(内径30mm、長さ450mm)に付した。同じ組成の混合溶媒、1:1の組成の混合溶媒で洗浄した後、55:45の組成の混合溶媒、60:40の組成の混合溶媒で順次極性を下げて溶出した。F成分を含む溶出液を集め、アセトニトリルを減圧下留去した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を脱イオン水で洗浄後、減圧下濃縮乾固した。
得られた残液を酢酸エチルに溶解し、少量のシリカゲル(Slica Gel FL100D、富士シリシア化学社製)を加え、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルのカラム(内径20mm、長さ500mm)に付した。ヘキサン、ヘキサン−アセトン=95:5の混合溶媒で洗浄し、9:1の混合溶媒、85:15の混合溶媒で溶出した。F成分を含む溶出液をあわせ、濃縮乾固した。
得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、少量のシリカゲル(Silica Gel FL100D、富士シリシア化学社製)を加え、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルのカラム(内径20mm、長さ500mm)に付した。トルエンで洗浄し、トルエン−メタノール=99:1の混合溶媒、98:2の混合溶媒で溶出した。F成分を含む溶出液をあわせ、濃縮乾固した。
このものを少量の酢酸エチルに溶解し、薄層クロマトグラフプレート(シリカゲル60 No.5744メルク社製)で展開溶媒(トルエン−メタノール=9:1)を用いて分取薄層クロマトグラフを行った。展開後UVランプ(254nm)でF成分のスポットを確認し、F成分を酢酸エチル−メタノール=1:1の溶媒で溶出させ、減圧下濃縮乾固した。残渣を凍結乾燥して、VD1207Fの純粋な淡橙色粉末125mgを得た。
VD1207F構造解析データ
1.色及び性状:淡橙色粉末
2.分子式:C2638
3.マススペクトル(FAB−MS):m/z495(M+H)
4.比旋光度:[α] 21+54.1(c 0.1、CHCl
5.紫外部吸収スペクトル:
中性メタノール中:λmax nm(ε):254(14900),278(12100),348(5700)
酸性メタノール中:λmax nm(ε):254(17400),278(13300),351(5600)
塩基性メタノール中:λmax nm(ε):277(12400),338(20000)
6.赤外部吸収スペクトル:
KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm−1
3420,2960,1630,1460,1380,1300,1260,1180,1090,1040,930,830,740,680,590,570
7.H NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトルH−シフト(J値)
10.42(1H,s),8.08(1H,s),4.94(1H,d,2.5),4.34(1H,d,6),4.30(1H,m),4.17(1H,ddd,12,12,4.5),3.27(1H,dd,7.6),3.22(3H,s),3.75(1H,ddd,10.5,7,3.5),1.90(1H,ddd,13,10.5,4.5),1.59(1H,m),2.02(1H,ddd,12.5,5.2),1.46(1H,ddd,12,12,12),1.90(1H,sept,d,7,7),1.46(2H,m),0.88(3H,d,6.5),0.86(3H,d,6.5),1.59(2H,m),0.90(3H,d,7),0.94(3H,d,7),1.07(3H,t,7.5),14.21(1H,brs),12.98(1H,brs),2.95(1H,d,3),1.59(1H,d,12)
8.13C NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトル13C−シフト
207.2(s),194.4(d),167.9(s),167.3(s),137,6(d),120.2(s),113.3(s),109.2(s),94.5(d),80.7(d),70.5(d),62.7(d),61.7(s),59.7(d),57.2(q),47.2(d),38.7(t),36.6(t),33.9(d),26.2(t),23.6(q),21.9(q),20.6(t),18.7(q),17.7(q),10.5(q),9.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキシド
不溶:中性の水
10.高速液体クロマトグラフィー:
カラム:J’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4
流速:1mL/min
検出波長:254nmにおける紫外吸収
保持時間:8.0min。
実施例9 VD1207F’精製及び構造解析
実施例1で得られたF’成分を含むフラクションに溶解し、分取HPLC(カラム:J’sphere ODS−H80、内径20mm、長さ250mm、ワイエムシイ社製、移動層:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=60:40、流速:12mL/min、検出:254nmにおける紫外吸収、保持時間:F’:48.3分)に付した。この分取をくりかえし、F’成分のピークを示す溶出液を併せ、アセトニトリルを減圧下留去した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を脱イオン水で洗浄後、減圧下濃縮乾固した。残渣を凍結乾燥して、VD1207F’の純粋な淡黄色粉末をそれぞれ2.8mg得た。
VD1207F’構造解析データ
1.色及び性状:淡黄色粉末
2.分子式:C2639
3.マススペクトル(FAB−MS):m/z495(M+H)
4.比旋光度:[α] 21+4.4(c 0.04、CHCl
5.紫外部吸収スペクトル:
中性メタノール中:λmax nm(ε):253(21200),286(24500),340(11600)
酸性メタノール中:λmax nm(ε):253(24100),285(25100),346(10000)
塩基性メタノール中:λmax nm(ε):276(16500),346(40300)
6.赤外部吸収スペクトル:
KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm−1
3330,2960,2870,1720,1620,1460,1380,1300,1170,1090,930,830,680,590
7.H NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトルH−シフト(J値)
10.43(1H,s),8.03(1H,s),4.98(1H,d,2.5),4.34(1H,d,6),4.40(1H,ddd,11.5,8,1.5),4.19(1H,ddd,11.5,11.5,5),3.28(1H,dd,7,6),3.23(3H,s),3.61(1H,td,8.5,5),2.04(1H,m),、1.43(1H,ddd,11.5,11.5,11.5),1.92(1H,m),1.84(2H,m)or 1.19(2H,m),1.84(2H,m)or 1.19(2H,m),1.28(2H,m),1.60(2H,m),0.90(3H,d,7),0.94(3H,d,7),0.84(3H,t,7),1.08(3H,t,7.5),14.20(1H,brs),12.99(1H,brs),2.66(1H,d,3.5),1.53(1H,s)
8.13C NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトル13C− シフト
207.2(s),194.3(d),167.8(s),167.3(s),137.4(d),120.3(s),113.1(s),109.1(s),94.5(d),80.5(d),69.7(d),62.5(d),61.7(s),59.7(d).57.2(d),49.5(d),36.9(t),33.8(t),29.6(t),29.5(t),22.8(t),20.6(t),18.6(q),17.6(q),13.8(q),10.5(q)
9.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキシド
不溶:中性の水
10.高速液体クロマトグラフィー:
カラム:J’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4
流速:1mL/min
検出波長:254nmにおける紫外吸収
保持時間:8.2min。
実施例10 VD1207G’,G1,G2精製及び構造解析
実施例1で得られたG1,G2成分を含むフラクションを少量のジメチルスルホキシドに溶解し、分取HPLC(カラム:J’sphere ODS−H80、内径20mm、長さ250mm、ワイエムシイ社製、移動層:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=65:35、流速:12mL/min、検出:254nmにおける紫外吸収、保持時間:G1,G2:33.8分、G’:35.5分)に付した。この分取をくりかえし、G1,G2成分のピークを示す溶出液、G’成分のピークを示す溶出液をそれぞれ併せ、アセトニトリルを減圧下留去した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を脱イオン水で洗浄後、減圧下濃縮乾固し、G1,G2成分を含むフラクションとVD1207G’の純粋な淡黄色粉末を4mgを得た。
G1,G2成分を含むフラクションは少量の酢酸エチルに溶解し、薄層クロマトグラフプレート(シリカゲル60 No.5744メルク社製)で展開溶媒(ヘキサン−アセトン=7:3)を用いて分取薄層クロマトグラフを行った。展開後UVランプ(254nm)でG1,G2成分のスポットを確認し、併せて酢酸エチル−メタノール=1:1の溶媒で溶出させ、減圧下濃縮乾固した。
このものを少量の酢酸エチルに溶解し、薄層クロマトグラフプレート(シリカゲル60 No.5744、メルク社製)で展開溶媒(トルエン−メタノール=17:3)を用いて分取薄層クロマトグラフを行った。展開後UVランプ(254nm)でG1,G2成分それぞれのスポットを確認し(Rf値;G1:0.30、G2:0.24)、G1,G2成分それぞれを酢酸エチル−メタノール=1:1の溶媒で溶出させ、減圧下濃縮乾固した。残渣を凍結乾燥して、VD1207 G1,G2の純粋な白色粉末をそれぞれ7mg、8mg得た。
VD1207G’構造解析データ
1.色及び性状:淡黄色粉末
2.分子式:C2537
3.マススペクトル(FAB−MS):m/z465(M+H)
4.比旋光度:[α] 23+2.3(c 0.04、CHCl
5.紫外部吸収スペクトル:
中性メタノール中:λmax nm(ε):254(86600),277(59500),355(26800)
酸性メタノール中:λmax nm(ε):255(91500),277(61500),356(26100)
塩基性メタノール中:λmax nm(ε):279(62800),337(84800)
6.赤外部吸収スペクトル:
KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm−1
3390,2960,2870,1630,1460,1390,1300,1180,1090,1040,930,830,680,620,550
7.H NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトルH−シフト(J値)
10.42(1H,s),7.73(1H,s),5.00(1H,d,2.5),4.38(1H,ddd,11.5,8,1.5),4.20(1H,ddd,11.5,11.5,5),3,30(1H,dd,7,6),3.54(1H,td,8,5.5),2.48(1H,dd,13.5,7),2.42(1H,dd,13.5,7),2.03(1H,ddd,12.5,5,1.5),1.42(1H,ddd,12,12,12),1.84(2H,m),1.20(2H,m),1.91(1H,m),1.28(2H,m),0.93(3H,d,6.5),0.92(3H,d,6.5),1.63(2H,m),0.85(3H,t,7),1.09(3H,t,7.5),14.16(1H,s),12.99(1H,s),2.69(1H,d,3),1.50(1H,d,11.5)
8.13C NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトル13C−シフト
206.7(s),194.3(d),168.0(s),167.5(s),139.5(d),121.0(s),112.6(s),109.4(s),94.5(d),69.8(d),62.4(d),61.8(s),59.8(d),49.6(d),37.9(t),37.3(t),29.7(t),29.5(t),28.3(d),22.8(t),22.4(q),22.2(q),20.6(t),13.8(q),10.5(q)
9.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキシド
不溶:中性の水
10.高速液体クロマトグラフィー:
カラム:J’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4
流速:1mL/min
検出波長:254nmにおける紫外吸収
保持時間:9.8min。
VD1207G1構造解析データ
1.色及び性状:白色粉末
2.分子式:C2536
3.マススペクトル(FAB−MS):m/z465(M+H)
4.比旋光度:[α] 21−11.5(c 0.1、CHCl
5.紫外部吸収スペクトル:
中性メタノール中:λmax nm(ε):254(25600),276(17200),355(7800)
酸性メタノール中:λmax nm(ε):255(29800),276(19500),356(8400)
塩基性メタノール中:λmax nm(ε):279(20000),337(27200)
6.赤外部吸収スペクトル:
KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm−1
3440,2960,2870,1630,1460,1390,1300,1190,1100,1030,930,910,820,680,620,550
7.H NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトルH−シフト(J値)
10.42(1H,s),7.74(1H,s),5.01(1H,d,3.5),4.38(1H,ddd,12,8.5,2),4.20(1H,ddd,12,11.5,4.5),3.34(1H,dd,7,6),3.56(1H,ddd,9,8.5,4.5),2.03(1H,ddd,12,4.5,2),1.42(1H,ddd,12,12,12),2.47(1H,dd,13.5,7),2.42(1H,dd,13.5,7),1.83(2H,m),1.66(1H,m),1.55(1H,m),1.91(1H,m),1.55(2H,m),1.24(2H,m),0.93(3H,d,6.5),0.92(3H,d,6.5),0.99(3H,d,7.5),0.89(3H,t,7.5),14.15(1H,s),12.99(1H,s),2.52(1H,d,3.5),1.50(1H,d,11.5),
8.13C NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトル13C−シフト
206.7(s),194.3(d),168.0(s),167.5(s),139.4(d),121.0(s),112.5(s),109.4(s),94.5(d),69.8(d),62.4(d),61.5(s),58.6(d),49.4(d),37.9(t),37.3(t),32.1(t),31.2(t),29.3(d),28.3(t),22.3(t),20.6(q),19.9(q),14.2(q),13.9(q),
9.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキシド
不溶:中性の水
10.高速液体クロマトグラフィー:
カラム:J’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4
流速:1mL/min
検出波長:254nmにおける紫外吸収
保持時間:9.4min
11.薄層クロマトグラフィー:
担体:シリカゲル60 F254(メルク社製、ドイツ)
展開溶媒:トルエン/メタノール(17:3)
Rf値:0.30。
VD1207G2構造解析データ
1.色及び性状:白色粉末
2.分子式:C2536
3.マススペクトル(FAB−MS):m/z465(M+H)
4.比旋光度:[α] 21−11.2(c 0.1、CHCl
5.紫外部吸収スペクトル:
中性メタノール中:λmax nm(ε):255(28000),277(19200),356(8800)
酸性メタノール中:λmax nm(ε):255(30900),277(20400),356(8700)
塩基性メタノール中:λmax nm(ε):278(21100),337(28100)
6.赤外部吸収スペクトル:
KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm−1
3440,2960,1640,1460,1390,1340,1300,1270,1190,1090,1040,910,880,830,730,680,620,550
7.H NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトルH−シフト(J値)
10.42(1H,s),7.78(1H,s),4.99(1H,d,3),4.30(1H,ddd,11,7.5,1.5),4.18(1H,ddd,12,12,4.5),3.29(1H,dd,7,6),3.65(1H,ddd.10.5,7,3.5),1.90(1H,ddd,13.5,10.5,4.5),1.63(1H,m),2.50(1H,dd,14.7),2.41(1H,dd,14.7),1.99(1H,ddd,12.5,5.2),1.45(1H,ddd,12.5,12,11),1.92(1H,sept,d,7,7),1.45(1H,m),0.88(3H,d,6.5),0.93(3H,d,6.5),0.92(3H,d,6.5),0.87(3H,d,6.5),1.60(3H,qd,7,7),1.09(3H,d,7.5),14.20(1H,s),13.00(1H,s),2.50(1H,d,3.5),1.50(1H,d,12)
8.13C NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトル13C−シフト
206.7(s),194.3(d),168.0(s),167.5(s),139.4(d),121.0(s),112.7(s),109.4(s),94.5(d),70.6(d),62.5(d),61.8(s),59.8(d),47.4(d),39.0(t),38.0(t),37.1(t),28.2(d),26.2(d),23.7(q),22.4(q),22.2(q),22.0(q),20.6(t),10.5(q)
9.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキシド
不溶:中性の水
10.高速液体クロマトグラフィー:
カラム:J’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4
流速:1mL/min
検出波長:254nmにおける紫外吸収
保持時間:9.4min
11.薄層クロマトグラフィー:
担体:シリカゲル60 F254(メルク社製、ドイツ)
展開溶媒:トルエン/メタノール(17:3)
Rf値:0.24。
実施例11 VD1207H精製及び構造解析実施例
実施例1で得られたH成分を含むワラクションを少量のジメチルスルホキシドに溶解し、分取HPLC(カラム:J’sphere ODS−H80、内径20mm、長さ250mm、ワイエムシイ社製、移動層:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=65:35、流速:12mL/min、検出:254nmにおける紫外吸収、保持時間:36.6分)に付した。この分取をくりかえし、H成分の単一ピークを示す溶出液を併せ、アセトニトリルを減圧下留去した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を脱イオン水で洗浄後、減圧下濃縮乾固した。
得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、少量のシリカゲル(Silica Gel FL100D、富士シリシア化学社製)を加え、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルのカラム(内径20mm、長さ380mm)に付した。ヘキサンで洗浄し、ヘキサン−アセトン=95:5の混合溶媒、90:10の混合溶媒で溶出した。H成分を含む画分をあわせ、濃縮乾固した。
得られた残渣を少量のメタノールに溶解し、Sephadex LH−20(ファルマシア製)のカラム(内径20mm、長さ950mm)に付し、メタノールで溶出した。H成分を含む溶出液をあわせ、減圧下濃縮乾固した。残渣を凍結乾燥して、VD1207Hの純粋な白色粉末75mgを得た。
VD1207H構造解析データ
1.色及び性状:淡黄色粉末
2.分子式:C2536
3.マススペクトル(FAB−MS):m/z465(M+H)
4.比旋光度:[α] 21−1.6(c 0.1、CHCl
5.紫外部吸収スペクトル:
中性メタノール中:λmax nm(ε):255(28000),277(19200),356(8800)
酸性メタノール中:λmax nm(ε):255(30900),277(20400),356(8700)
塩基性メタノール中:λmax nm(ε):278(21100),337(28100)
6.赤外部吸収スペクトル:
KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm−1
3420,2960,2870,2670,1620,1400,1300,1150,1090,1040,910,830,760,690,620,560
7.H NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトルH−シフト(J値)
7.71(1H,s),5.01(1H,d,2.5),4.38(1H,ddd,12,8,1.5),4.20(1H,ddd,12,11.5,4.5),3.30(1H,dd,7.6),3.58(1H,ddd,8.5,8,4.5),2,47(1H,dd,13.5,7),2.41(1H,dd,13.5,7),2.02(1H,ddd,12,4.5,1.5),1.42(1H,ddd,12,12,12),2.79(3H,s),1.83(2H,m),1.92(1H,m),0.91(3H,d,6.5),0.92(3H,d,6.5),1.64(2H,m),1.25(2H,m),0.88(3H,7.5),1.09(3H,t,8),15.11(1H,s),14.73(1H,s),2.73(1H,d,2.5),1.54(1H,d,11.5)
8.13C NMRスペクトル:
重クロロホルム溶液中で測定したスペクトル13C−シフト
206.6(s),205.9(s),170.0(s),167.7(s),137.8(d),121.5(s),112.1(s),109.5(s),94.5(d),69.9(d),62.5(d),61.8(s),59.8(d),49.3(d),38.6(t),37.4(t),33.6(q),32.2(t),28.1(d),22.4(q),22.3(q),20.6(t),20.5(t),14.2(q),10.5(q)
9.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキシド
不溶:中性の水
10.高速液体クロマトグラフィー:
カラム:J’sphere ODS−H80、内径4.6mm、長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル−10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH3.5)=6:4
流速:1mL/min
検出波長:254nmにおける紫外吸収
保持時間:10.3min
以上の解析データから各化合物の構造は表1に記載した。
Figure 0004029137
なお、BとC、EとF、A1とA2、U1とU2はそれぞれ*位の立体の異なるエピマーである。
Figure 0004029137
実施例12 血管新生阻害活性
ラット大動脈片をコラーゲン内にて培養して観察される管腔形成の阻害度を血管新生阻害活性とした。すなわち、Sprague−Dawley系雌ラット(8−12週齢)より摘出した大動脈をハンクス液で洗浄しながら周辺の脂肪組織を丁寧に除去した。大動脈を切開し2mm角の切片を作成した後、24ウェルプレート内へ内皮細胞面を上にして静置する。次に、500μlの中性化したタイプIコラーゲンゲル(Cell Matrix Type I−A:新田ゼラチン)を各ウェルへ注ぎ、クリーンベンチ内で室温下約20分間放置してゲルを固まらせた。ゲルが固まったことを確認した後に500μlのMCDB131(クロレラ工業)培地を加え、COインキュベーター(5%CO)で37℃下培養した。翌日試料を含むMCDB131培地と培養液を交換し、更に培養4日目に再度試料を含むMCDB131培地と交換して培養を続けた。そして、試料添加後7日目の時点に大動脈周囲に形成された毛細血管数を計測した。その結果を試料無添加時に形成された毛細血管数を100%とした時の各試料のIC50値を表2に示す。
Figure 0004029137
実施例13 内皮細胞増殖抑制作用
EGM培地(三光純薬)で培養したヒト臍帯静脈由来内皮細胞(HUVEC;三光純薬)を1x10cell/mlに調整し、96ウェルプレートに各100μlづつ分注した。そして、一晩培養した後に試料を含む100μlの培養液を加えて3日間培養し、その時の細胞数をMTT法にて測定した。すなわち、0.33%3−[4,5−Dimethylthiazole−2−yl]−2,5−diphenyltetrazolium bromide(MTT)を含むPBS溶液を50μl添加して更に3−4時間培養を続けた。培養上清を除去した後に100μlのDMSO溶液を加えて細胞内に生成したホルマザンを溶解し、460nmの波長での吸光度をプレートリーダーによって測定した。その結果を試料無添加時の吸光度を100%としてIC50値を算出し、表3に示した。
Figure 0004029137
実施例14 内皮細胞に対する接着分子発現抑制作用
ヒト臍帯静脈由来内皮細胞(HUVEC)を96穴プレートでconfluentの状態にまで培養した。培養液を除去し、各ウェルに150μlの新しい培養液を加えた後に20μlの試料溶液を加えた。15分後に最終濃度が1ng/mlとなるように30μlのTNFαを加え、5%COインキュベーターで37℃下4時間培養した。次に、培養液を除去してリン酸バッファー(PBS)で2回細胞を洗浄、さらに0.025% glutaraldehydeを含むPBS溶液を加えて室温で6分間放置して細胞を固定した。細胞を固定後200μlの0.25% BSAを含むリン酸バッファー(PBSA)で2回細胞を洗浄した後に1μg/mlのマウス抗ヒトVCAM−1(R&D systems)あるいはマウス抗ヒトE−selectin抗体(R&D systems)を含むPBSA液を各ウェルに100μlづつ加えた。室温下30分間放置した後に再び細胞を洗浄し、100μlのperoxidase−conjugatedヒツジ抗マウス抗体(Cosmo Bio Co.,Ltd.)を含むPBSA液を加えた。そして、室温で30分間放置した後に細胞を洗浄し100μlの3,3*,5,5*−tetramethylbenzyidine(TMB)基質液を加えて発色させた。次に、100μlのIMリン酸で発色を止め450nmでの吸光度を測定した。TNFα刺激によって発色した吸光度を100%としたときの各試料のIC50値を表4に示す。
Figure 0004029137
実施例15 VD1207Cのin vivo血管新生抑制作用
VD1207Cのin vivoでの血管新生抑制作用を調べるために、ヒト大腸癌WiDr細胞により誘導される血管新生が、VD1207C投与により抑制されるかどうかを検討した。
マウスに、WiDr細胞を封入したチャンバーを移植した後、0.5,1.0,2.0mg/kgのVD1207Cを4日間にわたり一日一回腹腔内投与した。腫瘍により誘導される血管新生量は、51Crラベルした赤血球を静注しチャンバー近傍皮内の放射活性を測定することにより、血液量として定量した。図1にはVD1207Cの各投与量において新生された血管の量を示したが、1mg/kgのVD1207C投与によりWiDr細胞により誘導される血管新生が有意差をもって抑制された。この結果より、VD1207Cがin vivoにおいても血管新生抑制活性を持つことが明らかとなった。
実施例16 VD1207Cの癌転移抑制作用
VD1207Cがin vivoでも血管新生抑制作用を有することから、マウス結腸癌Colon38−OT−7の肝臓への転移が、VD1207C投与により抑制されるかどうかを検討した。
肝高転移マウス結腸癌Colon38−OT−7をマウス盲腸に移植し、12日後より0.5,1.0,2.0mg/kgのVD1207Cを一日一回腹腔内投与して、肝臓への転移巣の数を調べた。表5にはVD1207Cの各投与量における肝転移巣の数を示したが、VD1207Cは0.5mg/kgの投与から転移巣の数を減少させ、2.0mg/kgでは転移巣は全く観察されなかった。これらの結果より、VD1207Cは癌の転移を抑制する活性を有することが明らかとなった。
Figure 0004029137
実施例17 VD1207類縁体の安全性
VD1207B,C,D,E,F,G2の1mg/kg,2mg/kgを4日間にわたり腹腔内へ連投し、VD1207類縁体の安全性を調べた。
その結果、図2に示すようにVD1207Cでは1mg/kgで体重増加の抑制、2mg/kgで体重減少が見られたが、その他の類縁体では体重減少は観察されなかった。また表6の剖検所見に示すように、VD1207C及びFに肝臓・腎臓・肺重量の増加が見られたが、他の類縁体では毒性が弱かった。
Figure 0004029137

【図面の簡単な説明】
図1は、VD1207Cの各投与量において新生された血管の量を示した図である。
図2は、VD1207B,C,D,E,F,G2の1mg/kg,2mg/kgを4日間にわたり腹腔内へ連投した際の体重変化を示した図である。

Claims (8)

  1. 一般式(1)で表わされる化合物、その塩又はその水和物。
    Figure 0004029137
    (式中、 がアルデヒド基、R 及びR が同一で水素原子、R がエチル基、R が水素原子又はメチル基であるか、R がアルデヒド基、R 及びR が同一で水素原子、R がノルマルプロピル基又はイソプロピル基、R が水素原子であるか、R がアルデヒド基、R 及びR が相異なり水素原子又はメトキシ基、R がノルマルプロピル基又はイソプロピル基、R が水素原子であるか、R が水素原子、R 及びR が一緒になって酸素原子、R がエチル基又はイソプロピル基、R が水素原子であるか、あるいはR がアセチル基、R 及びR が同一で水素原子、R がエチル基、R が水素原子である。
  2. 一般式(1)において、Rがアルデヒド基、R及びRが同一で水素原子、Rがエチル基、Rが水素原子又はメチル基である、請求項1記載の化合物、その塩又はその水和物。
  3. 一般式(1)において、Rがアルデヒド基、R及びRが同一で水素原子、Rがノルマルプロピル基又はイソプロピル基、Rが水素原子である、請求項1記載の化合物、その塩又はその水和物。
  4. 一般式(1)において、Rがアルデヒド基、R及びRが相異なり水素原子又はメトキシ基、Rがノルマルプロピル基又はイソプロピル基、Rが水素原子である、請求項1記載の化合物、その塩又はその水和物。
  5. 一般式(1)において、Rが水素原子、R及びRが一緒になって酸素原子、Rがエチル基又はイソプロピル基、Rが水素原子である、請求項1記載の化合物、その塩又はその水和物。
  6. 一般式(1)において、Rがアセチル基、R及びRが同一で水素原子、Rがエチル基、Rが水素原子である、請求項1記載の化合物、その塩又はその水和物。
  7. 請求項1ないしのいずれか一項に記載の化合物、その塩又はその水和物を有効成分とする、血管新生阻害活性に基づく医薬。
  8. ストレプトミセス・エスピー・エムイーアール・ヴィディ1207(Streptomyces sp.Mer−VD1207,FERM P−15889)を栄養培地中で培養し、その培養液から請求項1ないしのいずれか一項に記載の化合物又はその塩を採取する事を特徴とする、請求項1ないしのいずれか一項に記載の化合物又はその塩の製造方法。
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