JPH08176116A - 新規抗生物質スパロキソマイシン - Google Patents

新規抗生物質スパロキソマイシン

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JPH08176116A
JPH08176116A JP6324490A JP32449094A JPH08176116A JP H08176116 A JPH08176116 A JP H08176116A JP 6324490 A JP6324490 A JP 6324490A JP 32449094 A JP32449094 A JP 32449094A JP H08176116 A JPH08176116 A JP H08176116A
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JP
Japan
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antibiotic
sparoxomycin
present
cancer
streptomyces
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Application number
JP6324490A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Osada
裕之 長田
Makoto Ubukata
信 生方
Kimie Obinata
君江 小日向
Makoto Yoshihama
誠 吉浜
Kenichi Kimura
賢一 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の式: 【化1】 で示される抗生物質スパロキソマイシン、及びストレプ
トミセス属に属する該抗生物質産生菌(例えば、SN-232
5 株: FERM P-14661) を培養し培養物から該抗生物質を
採取することを特徴とするその製造方法。 【効果】 該抗生物質は制癌作用を有しており、制癌剤
として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規抗生物質、該抗生
物質の製造方法、及びその用途に関する。さらに詳しく
は、本発明は新規な核酸系抗生物質スパロキソマイシ
ン、ストレプトミセス属に属し該抗生物質を産生する放
線菌、該放線菌を用いて該抗生物質を製造する方法、並
びに該抗生物質を有効成分とする制癌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】制癌性抗生物質またはそのリード化合物
としては、従来、アドリアマイシン、マイトマイシン
C、またはブレオマイシン等が知られている。これらの
抗生物質は、インターカレーション、架橋形成、または
DNA 鎖切断等の作用機構によってDNA に対して直接的な
作用を及ぼし、その結果、正常細胞と癌細胞との間に増
殖速度の差を生ぜしめて制癌効果を発揮するものであ
る。しかしながら、これらの薬剤は癌細胞に対しての特
異性が十分ではなく、増殖のさかんな正常細胞に対して
も毒性を示すので、治療に際して重篤な副作用を伴うと
いう問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、癌細
胞に対して高い特異性を示す新規な制癌性抗生物質を提
供することにあり、別の観点からは、従来の制癌性抗生
物質とは異なる作用メカニズムに基づく新規な制癌性抗
生物質を提供することにある。従って、本発明の目的の
一つは、このような制癌性抗生物質を有効成分として含
む制癌剤を提供することにある。また本発明は、上記の
制癌性抗生物質の製造方法を提供することを目的として
いる。より具体的には、上記の制癌性抗生物質を産生す
る新規な放線菌、および該放線菌を用いて該抗生物質を
製造する方法を提供することも本発明の目的の一つであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意努力した結果、ストレプトミセス属に
属する新規な放線菌が産生する新規抗生物質が、制癌性
抗生物質として極めて有用であることを見出した。本発
明は上記の知見を基にして完成されたものである。
【0005】すなわち本発明は、下記の式:
【化4】 で示される抗生物質スパロキソマイシンを提供するもの
である。この発明の好ましい態様として、スパロキソマ
イシンA1、またはスパロキソマイシンA2が提供される。
本発明の別の態様によれば、上記抗生物質スパロキソマ
イシンの1種またはそれ以上を有効成分とする制癌剤が
提供される。
【0006】本発明のさらに別の態様によれば、ストレ
プトミセス属に属し上記の抗生物質スパロキソマイシン
を産生する放線菌が提供される。その好ましい態様とし
て、ストレプトミセス・エスピー・SN-2325 株が提供さ
れる。さらに、上記抗生物質産生菌を培養し培養物から
該抗生物質を採取することを特徴とする、抗生物質スパ
ロキソマイシンの製造方法も提供される。ストレプトミ
セス・エスピー・ SN-2325株を抗生物質産生菌として用
いる方法は上記発明の好ましい態様である。
【0007】本発明の抗生物質スパロキソマイシンは、
11-位に1個の不斉炭素を有しており、 13-位および 1
5-位にそれぞれS-オキシド基を有している。従って、こ
れら3個の不斉中心に基づく光学異性体またはジアステ
レオ異性体が存在するが、本発明の抗生物質スパロキソ
マイシンには、上記立体異性体の全てが包含される。ま
た、純粋な上記立体異性体のほか、光学異性体の任意の
割合の混合物やラセミ体、あるいはジアステレオ異性体
の任意の割合の混合物なども全て本発明の範囲に包含さ
れる。
【0008】このような立体異性体のうち、下記の絶対
配置:
【化5】 を有する光学活性体である抗生物質スパロキソマイシン
A1、及び、下記の絶対配置:
【化6】 を有する光学活性体である抗生物質スパロキソマイシン
A2は、本発明の好ましい態様である(式中、..は硫黄原
子の不対電子を示す) 。もっとも、本発明の範囲はこれ
らの光学活性体に限定されることはない。
【0009】本発明の抗生物質スパロキソマイシンは、
北海道富良野市で採取された土壌から分離された放線菌
SN-2325株を培養した培養物から分離採取された。下記
の生物学的性質に基づき、本発明の放線菌 SN-2325株は
ストレプトミセス属(Streptomyces sparsogenes)に属
する放線菌であることが判明した。なお、ストレプトミ
セス・エスピー・SN-2325 株は、平成6年11月1日付け
で工業技術院生命工学工業技術研究所に受託番号FERM P
-14611として寄託されている。
【0010】本発明の抗生物質スパロキソマイシンを生
産する放線菌 SN-2325株は、以下の生物学的性質を有す
る。 生育温度:12.3-31.1 ℃ 形態学的特徴 a)胞子柄: spiralを形成 b)胞子表面: Warty (皺- いぼ状) c)気菌糸の色: 灰色から黒色化する d)基生菌糸の色: 褐色系 可溶性色素: なし 化学分類学的性状 細胞壁成分:L,L- ジアミノピメリン酸を含有
【0011】培養性状:以下の表1に示す。
【表1】 培地 気菌糸 生育 裏面の色 可溶性色素 ────────────────────────────────── ISP-2 7ef (灰色) ++ 3le (シナモン黄色) なし 3 7ih (灰色) ++ 3nl (暗茶色) なし 4 7ih (灰色) ++ 3ie (オレンジ褐色) なし 5 a (白色) ++ 3ig (ベージュ茶色) なし 6 − − − − 7 a (白色) ++ 3pg (カラシ色) なし ──────────────────────────────────
【0012】生理生化学的性状 a)メラノイド色素の形成: なし b)炭素源の利用性 D-グルコース + L-アラビノース + D-キシロース + イノシトール ± D-マンニトール + D-フルクトース + L-ラムノース + シュークロース + ラフィノース + 注) + 利用する ±ほとんど利用しない - 利用しない
【0013】本発明の抗生物質スパロキソマイシンを製
造するには、上記のストレプトミセス・エスピー・SN-2
325 株の他、ストレプトミセス属に属する抗生物質スパ
ロキソマイシン産生菌を用いることができる。このよう
な菌のうち、SN-2325 株は好ましい菌株である。このよ
うなストレプトミセス属に属する抗生物質スパロキソマ
イシン産生菌を培養して培養物から本発明の抗生物質を
分離採取するには、当業者に周知の方法によればよい。
その一例として以下に実施例を示すが、本発明の抗生物
質の製造方法はこれらの例に限定されることはなく、当
業者により種々の改変や修飾が可能であることはいうま
でもない。
【0014】本発明の抗生物質スパロキソマイシンは制
癌作用を有しているので、本発明の抗生物質スパロキソ
マイシンを有効成分として含む医薬は制癌剤として有用
である。本発明の医薬としては、有効成分である上記の
抗生物質スパロキソマイシンの1種あるいはそれ以上を
そのまま患者に投与してもよいが、上記の化合物の1種
あるいはそれ以上を有効成分として含む医薬組成物を製
剤添加物を用いて製造し、医薬組成物の形態で患者に投
与することが好適である。本発明の医薬の有効成分とし
ては、上記の一般式に包含される遊離形態の化合物の
他、薬理学的に許容しうる塩や水和物を用いてもよい。
本発明の医薬の投与形態は特に制限されず、経口的又は
非経口的に投与することができる。上記の医薬組成物の
製造に用いる薬理学的、製剤学的に許容しうる添加物と
しては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結
合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、
溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化
剤、噴射剤、及び粘着剤等を挙げることができる。
【0015】経口投与に適する製剤の例としては、例え
ば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、
又はシロップ剤等を挙げることができる。また、非経口
投与に適する製剤としては、例えば、注射剤、点滴剤、
坐剤、吸入剤、又は貼付剤等を挙げることができる。経
口投与に適する製剤には、薬理学的、製剤学的に許容し
うる添加物として、例えば、ブドウ糖、乳糖、D-マンニ
トール、デンプン、又は結晶セルロース等の賦形剤;カ
ルボキシメチルセルロース、デンプン、又はカルボキシ
メチルセルロースカルシウム等の崩壊剤又は崩壊補助
剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はゼラ
チン等の結合剤;ステアリン酸マグネシウム又はタルク
等の滑沢剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白
糖、ポリエチレングリコール又は酸化チタン等のコーテ
ィング剤;ワセリン、流動パラフィン、ポリエチレング
リコール、ゼラチン、カオリン、グリセリン、精製水、
又はハードファット等の基剤を用いることができる。
【0016】経皮又は経粘膜投与に適する製剤は、例え
ば、フロン,ジエチルエーテル、又は圧縮ガス等の噴射
剤;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、ポリイソブチレン、ポリブテン
等の粘着剤;木綿布又はプラスチックシート等の基布等
の製剤用添加物を用いて製造することができる。注射あ
るいは点滴用に適する製剤には、注射用蒸留水、生理食
塩水、プロピレングリコール等の水性あるいは用時溶解
型注射剤を構成しうる溶解剤又は溶解補助剤;ブドウ
糖、塩化ナトリウム、D-マンニトール、グリセリン等の
等張化剤;無機酸、有機酸、無機塩基又は有機塩基等の
pH調節剤等の製剤用添加物を添加して製造してもよい。
【0017】本発明の制癌剤は、胃癌、肺癌、肝臓癌、
腎臓癌、脳腫瘍、大腸癌、食道癌などの固形癌、あるい
は悪性リンパ腫、白血病などのあらゆる種類の癌に用い
ることができる。もっとも、本発明の医薬の適用対象は
上記のものに限定されることはなく、また、一般的に癌
の治療に用いられる他の薬剤と併用してもさしつかえな
い。本発明の制癌剤の投与量は特に制限されず、投与形
態、年齢、体重、症状等に応じて適宜選択すればよい。
例えば、経口投与の場合には、成人1日あたり有効成分
量として 0.1〜20 mg/Kg、好ましくは 1〜10 mg/Kgを投
与すればよい。投与は1日あたり1回もしくは数回に分
けてもよく、投与期間も、年齢、症状等に応じて任意に
定めることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。 (A) 製造例 グルコース(2%)、可溶性澱粉(1%)、肉エキス(0.1%)、酵
母(0.4%)、食塩(0.2%)、リン酸第二カリウム(0.005%)、
及び大豆粉(2.5%)の組成の培地(滅菌前のpH=7.3)70 m
l を含む 500 ml フラスコ2本にストレプトミセス・エ
スピー SN-2325株を接種し、 28 ℃で5日間、毎分 300
回転で振盪培養を行った。続いて、18リットルの上記培
地を含む2基の30リットル・ジャーファーメンターに連
醸した。28℃で1.8 リットル/分の通気を行いつつ、毎
分350 回転で 90 時間培養を行い、36リットルの培養液
を得た。
【0019】上記培養液を遠心分離機(15,000回転/
分)で菌体と上清に分離し、得られた上清 33 リットル
を活性炭に吸着させ、セライトを用いて吸引濾過した。
残渣を50%アセトンで洗浄した後、アセトン 25 リット
ルで溶出した。減圧濃縮後得られた水溶液を活性炭カラ
ムに吸着後、メタノールで洗浄し、ついで、80 %アセト
ンで溶出して活性画分 24.7gを得た。このうち 5g を中
圧液体クロマトグラフィー (LiChroperp RP18, 37 mm×
440 mm、0.5 ml/min, UV 295 nm)に付し、5%メタノー
ル、次いで 10%メタノールで溶出した。活性画分を濃縮
後、凍結乾燥を行い粗生成物 94.65 mg を得た。この粗
精製物を分取用逆相カラムを用いた高速液体クロマトグ
ラフィー (PEGASIL ODS, 10% MeOH, 9.0 ml/min, UV 22
5 nm) に付し、9.2mg の活性画分を得た。再度、分析用
逆相カラム (PEGASIL ODS, 8% MeOH,1.0 ml/min, UV 22
5 nm)を用いて高速液体クロマトグラフィーを行い、1.3
5 mgの抗生物質スパロキソマイシンA1および 2 mg の抗
生物質スパロキソマイシンA2を得た。
【0020】活性炭溶出画分 19.7 g を別途、遠心液々
分配クロマトグラフィーに付し(流量 2ml/min、回転数
750 rpm、22℃、UV 295 nm)、ブタノール:エタノー
ル:水10:2.5 :10の下層を固定層とし、上層を移動層
として順相分配の上昇法で溶出し、抗生物質スパロキソ
マイシンA1およびA2を含む活性画分 2.84 g を得た。こ
の画分を中圧液体クロマトグラフィーに付し (LiChrope
rp RP-18, 0.5 ml/min,UV 295 nm)、10% メタノール、
次いで純メタノールで溶出した。濃縮後、凍結乾燥を行
い活性画分 433.25 mgを得た。この活性画分を分取用逆
相カラム (PEGASIL ODS, 8% MeOH, 1.0ml/min, UV 225
nm) を用いて高速液体クロマトグラフィーを行い、27.2
mg の活性画分を得た。さらに分取用逆相カラム (PEGA
SIL ODS, 5% MeOH, 90ml/min, UV 225 nm)を用いて高速
液体クロマトグラフィーを行い,1.55 mg の抗生物質ス
パロキソマイシンA1と 2.7 mg の抗生物質スパロキソマ
イシンA2を得た。
【0021】この結果、白色粉末として精製された抗生
物質スパロキソマイシンA1の総量は2.9 mg、抗生物質ス
パロキソマイシンA2の総量は 4.7 mg であった。これら
の物質の物理化学的性状は以下のとおりである。 1.融点(分解点): 抗生物質スパロキソマイシンA1: 169-173 ℃ 抗生物質スパロキソマイシンA2: 170-174 ℃ 2.物質の性状:いずれの物質も白色粉末。 3.比旋光度: 抗生物質スパロキソマイシンA1: [α] 28 D +47.8 °(c
=0.13, H2O) 抗生物質スパロキソマイシンA2: [α] 28 D + 3.62°(c
=0.33, H2O)
【0022】4.分子量、分子式:抗生物質スパロキソマ
イシンA1のLC-FABマススペクトル分析、NMR スペクトル
分析、並びに抗生物質スパロキソマイシンA2のNMR スペ
クトル分析により下記のように決定された。 抗生物質スパロキソマイシンA1 : MW=377, C13H19N3O6S
2 抗生物質スパロキソマイシンA2 : MW=377, C13H19N3O6S
2 5.溶解性:いずれの物質も、水、DMSO、含水ブタノー
ル、メタノールに可溶、ブタノール、メタノールに難
溶、酢酸エチル、クロロホルムに不溶。 6.呈色反応:いずれの物質も、アニスアルデヒド硫酸、1
0% 硫酸およびl2に陽性。 7.紫外線吸収スペクトル λmax (MeOH) (ε): 抗生物質スパロキソマイシンA1: 203 nm(9300), 270 nm
(sh), 303 nm(15200) 抗生物質スパロキソマイシンA2: 203 nm(8800), 270 nm
(sh), 303 nm(13600)
【0023】8.赤外線吸収スペクトル 抗生物質スパロキソマイシンA1: 3350, 2360, 1730, 17
15, 1680, 1670, 1610,1540, 1437, 1355, 1340, 1305,
1210, 1085, 1025, 980, 870, 785, 760, 710cm -1 抗生物質スパロキソマイシンA2: 3350, 2375, 1730, 17
15, 1680, 1670, 1610,1540, 1437, 1355, 1340, 1305,
1220, 1085, 1025, 980, 870, 785, 710 cm -1 9.円二色性 λmax (MeOH) (Δε) 抗生物質スパロキソマイシンA1: 266 nm (+4.0), 222 n
m (+1.2), 205 nm (-6.3) 抗生物質スパロキソマイシンA2: 268 nm (+2.9), 216 n
m (-6.9) 10. 核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR) 重DMSO中で測定した抗生物質スパロキソマイシンA1およ
び抗生物質スパロキソマイシンA21H-NMRの帰属の結果
(600MHz, TMS内部標準, 38℃, ppm, Hz)を以下の表2に
示す(以下の表2〜4中、A1およびA2は、それぞれ抗生
物質スパロキソマイシンA1および抗生物質スパロキソマ
イシンA2を示す)。
【0024】
【表2】 位置 A1 A2 ─────────────────────────────────── 1 10.99-11.8(1H,br.s) 10.9-11.8(1H,br.s) 3 10.99-11.8(1H,br.s) 10.9-11.8(1H,br.s) 7 7.23(1H,d,J=15.4) 7.23(1H,d,J=14.7) 8 7.06(1H,d,J=15.4) 7.05(1H,d,J=14.7) 10 8.09(1H,d,J=8) 8.09(1H,d,J=8) 11 4.2 (1H,m) 4.24(1H,m) 12 3.04(1H,dd,J=10.3,13.2) 3.05(1H,dd,J=11,13.2) 3.36(1H,dd,J=2.9,13.2) 3.16(1H,dd,J=2.9,13.2) 14 4.15(1H,d,J=13) 4.30(1H,d,11.7) 4.47(1H,d,J=13) 4.35(1H,d,11.7) 16 2.80(3H,s) 2.74(3H,s) 17 3.42(1H,ddd,J=5.5,6.6,10.3) 3.41(1H,m) 3.51(1H,ddd,J=5.1,5.5,10.3) 3.50(1H,m) 17-OH 4.94(1H,t,J=5.5Hz) ND 18 2.25(3H,s) 2.25(3H,s) ─────────────────────────────────── ND:ブロード化のため未検出
【0025】11. 核磁気共鳴スペクトル(13C-NMR) 重DMSO中で測定した抗生物質スパロキソマイシンA1およ
びA2のHMQC、HMBCより間接的に求めた13C-NMR (150MHz,
DMSO-d6, 38℃,ppm(Hz), TMS内部標準) の帰属の一部
を表3に示す。
【表3】 ND:未検出
【0026】(B) 試験例 癌遺伝子 v-src が温度感受性に変異したラウス肉腫ウ
イルスでトランスフォームしたラット腎細胞(srcts-NRK
細胞) を用い、細胞の形態変化を指標として癌細胞形態
を正常細胞様形態に 50%復帰せしめる濃度(ED50)を求め
た。32℃に於ける srcts-NRK細胞の正常細胞形態復帰率
(%) の結果を表4に示す。この結果から、本発明の抗生
物質スパロキソマイシンは、低濃度(抗生物質スパロキ
ソマイシンA1: ED50=10 μg/ml、抗生物質スパロキソマ
イシンA2: ED50=8.4μg/ml)で癌細胞形態を正常細胞様
形態に復帰せしめる活性を有することが明らかである。
【0027】
【表4】 濃度 (μg/ml) A1 A2 ─────────────────────── 3.16 0 0 10 50 60 31.5 80 95 100 95 95 316 95 95 1,000 95 95 ───────────────────────
【0028】
【発明の効果】本発明により、新規な抗生物質スパロキ
ソマイシンが提供される。本発明の抗生物質は制癌作用
を有しており、制癌剤として有用である。また、本発明
により提供される新規微生物ならびに製造方法は、上記
の抗生物質スパロキソマイシンを効率的に製造するため
に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 1/20 C12R 1:465) (C12P 17/12 C12R 1:465) (72)発明者 小日向 君江 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 (72)発明者 吉浜 誠 栃木県宇都宮市江曽島1400−8 (72)発明者 木村 賢一 栃木県宇都宮市平松町878−9

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式: 【化1】 で示される抗生物質スパロキソマイシン。
  2. 【請求項2】 下記の絶対配置: 【化2】 を有するスパロキソマイシンA1および下記の絶対配置: 【化3】 を有するスパロキソマイシンA2からなる群から選ばれる
    請求項1に記載の抗生物質スパロキソマイシン。
  3. 【請求項3】 ストレプトミセス属に属し請求項1また
    は2に記載の抗生物質スパロキソマイシンを産生する放
    線菌。
  4. 【請求項4】 ストレプトミセス・エスピー・SN-2325
    株である請求項3記載の抗生物質スパロキソマイシン産
    生菌。
  5. 【請求項5】 ストレプトミセス・エスピー・SN-2325
    株。
  6. 【請求項6】 ストレプトミセス属に属する請求項1ま
    たは2に記載の抗生物質スパロキソマイシン産生菌を培
    養し、培養物から該抗生物質スパロキソマイシンを採取
    することを特徴とする、請求項1または2に記載の抗生
    物質スパロキソマイシンの製造方法。
  7. 【請求項7】 ストレプトミセス SN-2325株を培養する
    請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載の抗生物質スパ
    ロキソマイシンを有効成分とする制癌剤。
JP6324490A 1994-12-27 1994-12-27 新規抗生物質スパロキソマイシン Pending JPH08176116A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006527208A (ja) * 2003-06-13 2006-11-30 エコピア バイオサイエンシーズ インク 抗腫瘍活性を有するポリエンオキサゾール、及びストレプトミセス株を使用するその調製方法

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