JP2985007B2 - 血管新生阻害剤 - Google Patents

血管新生阻害剤

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は血管新生阻害剤に関する。
従来の技術 血管新生は、胚発生,女性性周期による排卵または胎
盤形成など、ヒト又は動物の通常の生理的状態,創傷治
癒,炎症などの修復過程および毛細血管が急激に増殖,
増大して組織に対して重篤な損傷をもたらす多くの病的
状態などに起ることが知られている。このような毛細血
管の病的増加による疾患としては、眼科領域における糖
尿病性網膜症、後水晶体線維増殖症、角膜移植に伴う血
管新生、緑内症、眼腫瘍及びトラコーマなどが、皮膚科
領域における乾せん及び化膿性肉芽腫などが、小児科領
域における血管腫及び線維性血管腫などが、外科領域に
おける肥大性はん痕及び肉芽などが、内科領域における
リューマチ性関節炎及び浮腫性硬化症などが、心臓疾患
におけるアテローム性動脈硬化症などが、あるいは各種
腫瘍などが知られている。
特に、糖尿病性網膜症およびトラコーマにおける異常
な血管新生の増加は多くの人々を失明に追いやり、又リ
ューマチ性関節炎においては関節における異常な血管新
生が関節中の軟骨の破壊を起こし多くの人を悩ましてい
る。したがって、このような血管新生の異常増殖を伴う
疾患の治療,予防薬として有用な化合物の開発が望まれ
ている。
また、腫瘍の急速な増殖進展は、腫瘍細胞の産生する
血管新生因子により誘導される新生血管形成によると考
えられており、血管新生阻害剤は各種腫瘍に対する新し
い治療薬になると期待され、血管新生阻害剤の探索研究
が開始されている〔ジェ・フォルクマン(J.Folkma
n):アドバンシス・イン・キャンサー・リサーチ(Adv
ances in Cancer Research),43,175(1985),ジョー
ジ・クライン(George Klein)およびシドニー・ワイン
ハウス(Sidney Weinhouse)編集〕。
すでにヘパリンまたはヘパリンフラグメントとコーチ
ゾンをはじめとするいわゆる血管新生阻害ステロイド
(angiostatic steroid)との併用によって血管新生が
阻害されることが知られている〔ジェ・フォルクマン・
エト アル(J.Folkman et.al.);サイエンス(Scienc
e)221 719(1983),ジェ・フォルクマン エト ア
ル(J.Folkman et.al.);エナルズ・オブ・サージエリ
ー(Annals of Surgery)206 374(1987)〕。
さらに、α,βおよびγ−サイクロデキストリン硫酸
化物、特にβ−サイクロデキストリンテトラデカ硫酸塩
またはヘパリンと先にのべた血管新生阻害ステロイド、
フマギリンまたはコラーゲン合成阻害剤などとの併用使
用によって相乗的に血管新生阻害活性が発現することが
認められている〔デ・イングバーおよびジェ・フォルク
マン(D.Ingber and J.Folkman);ラボラトリー・イン
ベスティゲーション(Laboratory Investigation)59
44(1988)〕。
一方、アメリカ特許第4,599,331号にはステロイド
(エチアニック・アシッド誘導体)単独使用で血管新生
阻害作用が認められると記載されている。しかし、該ス
テロイドには合わせて強い副腎皮質ステロイドホルモン
作用が現われ、医薬として使用するために大きな障害が
ある。
発明が解決しようとする課題 このような背景のもとに、本発明者らは血管新生阻害
作用の発現にヘパリンやβ−サイクロデキストリンテト
ラデカ硫酸塩との併用を必要とせず、かつ副作用がより
少なく、副腎皮質ステロイドホルモン作用の微弱なステ
ロイドを見い出した。すなわち、本発明者らは、式 〔式中、R1は水素または保護されていてもよい水酸基
を、R2は水素または低級アルキル基を、R3は水素,水酸
基または低級アシルオキシ基を、R4は水素またはメチル
基を示し、R4がメチルのときA環における破線は単結合
または二重結合を示し、R4が水素のときA環における破
線は単結合を示す〕で表わされるステロイド 17β−カ
ルボン酸およびその塩が、ヘパリンやβ−サイクロデキ
ストリンテトラデカ硫酸塩などとの組合せを必要とせず
に単独で強い活性を示す血管新生阻害剤であることを初
めて見出した。さらに上記ステロイド 17β−カルボン
酸またはその塩は、ヘパリンやβ−サイクロデキストリ
ンテトラデカ硫酸塩などとの組合せにより活性を促進さ
れ、ステロイドである血管新生阻害剤の多くに認められ
るグルココルチコイドホルモン作用が非常に微弱である
ことも合わせて見出した。グルココルチコイドホルモン
作用は免疫力を弱め、感染症を増加するなどの好ましく
ない作用であるので、本発明はより合理的な医薬として
有用な血管新生阻害剤を提供するものである。
課題を解決するための手段 前記式(I)において、R1で示される保護されていて
もよい水酸基としては、例えば低級アシル(例、アセチ
ル,プロピオニル,ブチリルなどの低級(C2-5)アルカ
ノイルなど),テトラヒドロピラニル,テトラヒドロフ
ラニルなどの保護基で保護されていてもよい水酸基が挙
げられる。
R2で示される低級アルキル基としては、メチル,エチ
ル,n−プロピル,i−プロピル,n−ブチル,i−ブチル,t−
ブチルなどの低級(C1-4)アルキルが挙げられる。
R3で示される低級アシルオキシ基としては、例えばア
セトキシ,プロピオニルオキシ,ブチリルオキシなどの
低級(C2-5)アルカノイルオキシなどが挙げられる。
前記式(I)で表わされる化合物〔以下、化合物
(I)と略称することがある〕は、例えば特開昭56−13
8200号,52−97957号および51−48649号公報、ジャーナ
ル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal o
f Biological Chemistry),248,4280(1973)、エン
ドクリノロジー(Endocrinology),92,1216(1973)、
ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Jour
nal of Organic Chemistry),51,2315(1986)、ヘ
ルヴェティカ・ヒミカ・アクタ(Helvetica Chimica
Acta),29,684(1946)、米国特許(U.S.P.)第3,989,
686号、フィリップス・ジー・エッチ(Phillips G.
H.)著“イン・メカニズムズ・オブ・トピカル・コルチ
コステロイド・アクティビティ(In Mechanisms of
Topical Corticosteroid Activity)",チャーチル・
リビングストーン(Churchill Livingstone),ニュー
・ヨーク(New York),1976年,pp.1−18などに記載さ
れている公知化合物であり、上記文献に記載された方法
またはそれに準ずる方法により合成することができる。
化合物(I)が金属(例、アルカリ金属など)あるい
は有機塩基物質などと塩を形成する場合、塩を形成する
ための塩基物質としては、薬理学的に許容されるもので
あればいずれでもよいが、なかでもNa,Kなどが好ましい
塩基物質の例としてあげられる。
化合物(I)が血管新生阻害剤として用いられる場
合、単独または賦形剤あるいは担体と混合して注射剤,
経口剤,点眼剤,坐剤などとして投与される。賦形剤お
よび担体としては薬剤学的に許容されるものが選ばれ、
その種類および組成は投与経路や投与方法などによって
適宜選定すればよい。液状担体としては、例えばアルコ
ール、ゴマ油,大豆油,サラダ油なの動植物油、または
合成油などが用いられ、固体担体としては、マルトー
ス,シュークロースなどの糖類、アミノ酸類、ヒドロキ
シメチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロースな
どセルロース誘導体、ステアリン酸などの有機酸塩など
が使用される。注射剤の場合、一般に各種緩衝液、グル
コース,イノシトール,マンニトール等の糖類溶液、エ
チレングリコール,ポリエチレングリコール等のグリコ
ール類などを用いるのが望ましい。点眼剤の場合、ヒド
ロキシプロピルセルロース,ヒドロキシメチルセルロー
スなどの懸濁液を用いるのが望ましい。
製剤中における化合物(I)の含量は調剤により種々
異なるが、例えば点眼剤の場合には通常約0.1−50mg/ml
好ましくは約1−5mg/mlである。経口投与する場合に
は、前記固体担体もしくは液状担体とともに錠剤,カプ
セル剤,粉剤,顆粒剤,液剤,ドライシロップ剤などの
形態で用いられる。
化合物(I)のなかでも好ましい化合物は、以下の如
くである。
1.11β−ヒドロキシアンドロスタ−4−エン−3−オン
17β−カルボン酸(化合物1)およびそのメチルエス
テル(化合物1′) 2.アンドロスタ−4−エン−3−オン 17β−カルボン
酸(化合物2)およびそのメチルエステル(化合物
2′) 3.11β,17α−ジヒドロキシアンドロスタ−4−エン−
3−オン 17β−カルボン酸(化合物3)およびそのメ
チルエステル(化合物3′) 4.11β,17α−ジヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン
−3−オン 17β−カルボン酸(化合物4)およびその
メチルエステル(化合物4′) 5.17α−ヒドロキシアンドロスタ−4−エン−3−オン
17β−カルボン酸(化合物5)およびそのメチルエス
テル(化合物5′) 6.エストロ−4−エン−3−オン 17β−カルボン酸
(化合物6)およびそのメチルエステル(化合物6′) 7.17α−ヒドロキシエストロ−4−エン−3オン 17β
−カルボン酸(化合物7)およびそのメチルエステル
(化合物7′) 8.11β,17α−ジヒドロキシエストロ−4−エン−3−
オン 17β−カルボン酸(化合物8)およびそのメチル
エステル(化合物8′) 9.17α−アセトキシアンドロスタ−4−エン−3−オン
17β−カルボン酸(化合物9)およびそのメチルエス
テル(化合物9′) 10.11β−ヒドロキシ−17α−アセトキシアンドロスタ
−1,4−ジエン−3−オン 17β−カルボン酸(化合物1
0)およびそのメチルエステル(化合物10′) 本発明の血管新生阻害剤は、血管新生の異常増殖に基
づく多くの疾患の予防治療薬として極めて有用であり、
先に述べた各疾患、すなわち眼科領域における糖尿病性
網膜症,後水晶体線維増殖症,角膜移植に伴う血管新
生,緑内症,芽腫瘍及びトラコーマなど、皮膚科領域に
おける乾せん及び化膿性肉芽腫など、小児科領域におけ
る血管腫及び線維性血管腫など、外科領域における肥大
性はん痕及び肉芽など、内科領域におけるリューマチ性
関節炎及び浮腫性硬化症など、心臓疾患におけるアテロ
ーム性動脈硬化症など、各種腫瘍などの予防・治療に有
用である。また、化合物(I)は低毒性であり、吸収性
に優れ、しかも副腎皮質ステロイドホルモン作用なかで
もグルココルチコイドホルモン作用が極めて微弱である
にもかかわらず強い血管新生阻害作用を示すので、上記
疾患の予防・治療薬として有用に用いられる。
本発明の製剤は経口的または非経口的に哺乳動物(例
えば、ラット,うさぎ,さる及びヒト)に錠剤,顆粒
剤,カプセル剤,シロップ剤,散剤,注射剤,局所投与
のクリームまたは点眼薬などの形態に調剤されて投与さ
れる。剤形により活性物質と共に用いられる製薬組成物
には、慣用されている適当な添加剤(製剤原料)、例え
ば賦形剤,結合剤,崩壊剤,滑沢剤,着色剤,矯味剤,
安定化剤などが含まれていても良い。また本製剤は徐放
性ポリマーなどを用いた徐放性製剤の手法を用いて投与
されても良い。例えば、本製剤をエチレンビニル酢酸ポ
リマーのペレットに取り込ませて、このペレットを治療
すべき組織中に外科的に移植することができる。
例えば、糖尿病性網膜症の治療に用いる場合、薬理学
的に許容されるキャリヤーを含有する組成物を経口的に
または静脈内注射で投与される。上記網膜症及びトラコ
ーマの治療には点眼薬としても用いられ、患者の状態に
より日に1〜4回の頻度で眼に滴下することができる。
以下に試験例および製剤例により本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
血管新生阻害活性の測定法 試験例1 ジェ・フォルクマン(J.Folkman)らの方法〔アール
・クルム エト アル(R.Crum et.al.);サイエンス
(Science)230 1375(1985)〕を若干改良した無殻鶏
胚漿尿膜法〔Shell−less chorioallantoic membrane
(CMA)assay〕によって血管新生阻害作用を測定した。
すなわち、3日間,38℃,飽和湿度下に培養した鶏受精
卵の卵殻を割って、得られた鶏胚をプラスチック製カッ
プ内でポリ塩化ビニリデンを用いてハンモック状につる
し、無菌的にさらに7日間培養を続けた。
検定試料の調製は以下の通りに行った。
エタノールに溶解した検定試料を直径6mmの透明なプ
ラスチック(ポリプロピレン)製円盤上で無菌的に乾固
した。その円盤上に血管新生因子(エンドテリアル・セ
ル・グロース・サプルメント、ECGS、コラボレイチブリ
サーチ社)の水溶液をのせて同様に乾固した。乾固した
面を下向きにして10(または11)日目のニワトリ胚の漿
尿膜上に置き、さらに無菌的に3(または2)日間培養
した。13日目のニワトリ胚漿尿膜上の血管新生を実体顕
微鏡下に観察し、検定試料がECGS単独による血管新生を
阻害したか否かをしらべた。各検体試料のそれぞれの用
量において6例以上のニワトリ胚を使用し、50%以上の
例において血管新生活性が阻害された場合に血管新生阻
害活性あり、と判定した。
20μg/胚で阻害活性が認められた場合に+,4μg/胚で
阻害活性が認められた場合に++,0.8μg/歪で阻害活性
が認められた場合に+++で表した。
上述のCAM法により血管新生阻害活性を測定した結果
を第1表に示した。
試験例2 化合物(I)につき、血管新生抑制作用をラット角膜
マイクロポケット法により測定して第2表にまとめた。
測定方法 Gimbroneら〔ジャーナル オブ ナショナル キャン
サー インスティチュート(J.National Cancer Instit
ute),52:413−419(1974)〕の方法にほぼ準じて以下
のように行った。スプラーグ ドーレイ(Sprague−Daw
ley)系成熟雄性ラット(11−16週齢)をネンブタール
麻酔し、キシロカイン点眼液を眼球に滴下して局所麻酔
した。角膜の辺縁部から約2mm内側の角膜中に、注射針
で約2mmの切開を加え、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFG
F,ウシ脳由来精製品,R&D社)および検体の徐放性ペレ
ットを、bFGFペレットが角膜の中心側になるように、二
つ並べて挿入する。対照群のラアット角膜にはbFGFペレ
ットおよび検体を含まないペレットを挿入した。10日
後、実体顕微鏡下に角膜を観察し、検体投写により、bF
GFによる血管新生が遅延あるいは弱められた場合に血管
新生阻害活性ありと判定した。
徐放性ペレットは以下の方法で作成した。エチレン−
ビニルアセテイト共重合体(武田薬品)が8%になるよ
うにジクロルメタンに溶解し、その3μをガラス製シ
ャーレの上で風乾し、bFGF水溶液(250ng)を採取して
風乾し、3μの上記エチレン−ビニルアセテイト共重
合体溶液を上のせして風乾し、bFGFのサンドイッチ状シ
ートを作った。このサンドイッチ状シートを丸めてbFGF
ペレットとした。検体のペレットは検体を20μg/2μ
になるようにエタノールに溶解し、6μのエチレン−
ビニルアセテイト共重合体溶液と混合した後ガラスシャ
ーレ上で風乾し、生じたシートを丸めて作成した。
上述の試験法で測定した結果を第2表に示した。20μ
g/ペレットで阻害活性が認められた場合に+,4μg/ペレ
ットで阻害活性が認められた場合に++で表した。
試験例3 以下のような方法によって全身投与した本化合物のin
vivoにおける血管新生阻害活性を測定した。角膜法に
おいて使用した塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF,500n
g)を含む徐放製ペレットを10×6×5mmのウレタン製ス
ポンジ中に挿入し、マウス背部皮下に移植した。翌日か
ら検体の5%アラビアゴム/生理食塩水を1週間皮下投
与した。最終投与の翌日に、スポンジ中から0.1Mアンニ
ア水によって抽出されるヘモグロビン量を測定(シアノ
メトヘモグロビン法、和光純薬)して、スポンジ中の血
液量を推定した。この方法により得られた結果を第3表
に示す。
試験例4 血管新生阻害作用および副腎皮質ホルモン測定法 血管新生の程度は組織中のヘモグロビンを定量するこ
とにより、副腎皮質ホルモン作用は胸腺重量の減少を指
標にし、それぞれアッセイした。成績は血管新生阻害作
用とホルモン作用との比で表した。
血管新生因子の一種、精製ウシ塩基性線維芽細胞増殖
因子(basic fibroblast growth factor,R&D社)
を含むエチレンビニールアセテイトコポリマー製ペレッ
トの徐放製剤をマレイらの方法(In Vitro,19,743(198
3))により作製し、ポリエチレン製スポンジ(5×7
×10mm)に挿入し、これを雌性7週齢マウス(C57/Blac
k)の背部筋膜間に移植した。
各ステロイドは5%アラビアゴム−生理食塩水に懸濁
し、10ml/kgになるように調製して投与した。このステ
ロイド懸濁液を移植翌日より1週間に6回皮下投与した
後、最終投与の翌日にエーテル麻酔下のラットからスポ
ンジを取り出し、胸腺重量を測定した。スポンジから0.
2Mアンモニア水で抽出後、メトヘモグロビン測定キット
(和光純薬)を用いてヘモグロビンの測定を行った。結
果は第4表に示すとおりとなった。第4表から副作用で
あるホルモン作用に対する主作用である血管新生阻害作
用の比は、本発明の化合物(I)では大きく、副作用と
主作用が分離されていることが明らかである。
平均±標準誤差(n=6) 対照化合物1.9α−フルオロ−11β,17α−ジヒドロキシ
−16α−メチルアンドロスタ−1,4−ジエン−3−オン
17β−カルボン酸 メチルエステル 対照化合物2.ハイドロコーチゾン 製剤例 化合物(I)の投与量は一般に非経口投与で約0.5−2
00mg/kg/日、経口投与で約2−500mg/kg/日であり、好
ましくは非経口または経口投与で約2−20mg/kg/日であ
る。具体的な製剤例を以下に示す。
製剤例1 錠 剤 (1)11β,17α−ジヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジ
エン−3−オン 17β−カルボン酸メチルエステル(化
合物4′) 50g (2)ラクトース 47g (3)セルロース 200g(4)ステアリン酸マグネシウム 3g 上記4成分をV型混合機で混和後、打錠し、1錠300m
gの錠剤1000錠を得た。
製剤例2 カプセル剤 (1)17α−アセトキシアンドロスタ−4−エン−3−
オン 17β−カルボン酸メチルエステル(化合物9′) 100g (2)ラクトース 90g (3)コーンスターチ 100gステアリン酸マグネシウム 10g 1カプセル当たり300mgを封入 上記成分の(1),(2)および(3)と、(4)の
1/2量を混和し、次いで常法に従って顆粒化する。これ
に成分(4)の残りを加え常法に従って1号ゼラチンカ
プセル(第10改正日本薬局方)に封入し、1000カプセル
を得た。
製剤例3 点眼剤 (1)17α−アセトキシアンドロスタ−4−エン−3−
オン 17β−カルボン酸メチルエステル(化合物9′) 5mg (2)ヒドロキシプロピルセルロース 5mg(3)人工涙液 1ml 上記成分の(2)を(3)に溶解し、これに(1)を
溶解または懸濁し、1ml中化合物9′を5mg含有する点眼
剤を得た。
製剤例4 点眼剤 (1)11β,17α−ジヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジ
エン−3−オン 17β−カルボン酸メチルエステル(化
合物4′) 5mg (2)ヒドロキシメチルセルロース 20mg(3)人工涙液 1ml 上記成分の(2)を(3)に溶解し、これに(1)を
溶解または懸濁し、1ml中化合物4′を5mg含有する点眼
剤を得た。
製剤例5 注射剤 (1)11β,17α−ジヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジ
エン−3−オン 17β−カルボン酸メチルエステル(化
合物4′) 5g (2)エタノール 100ml(3)サラダ油 900ml 上記成分の(1)を(2)に溶解し、これに(3)を
加えて良く混和する。除菌後、1ml注射アンプル剤1000
本を製造した。
急性毒性 マウス(8週令,体重20〜25g)を使用して急性毒性
(LD50)を腹腔内投与(i.p.)又は皮下投与(s.c.)で
調べた結果を第5表に示す。
発明の効果 化合物(I)およびその塩は強力な血管新生阻害作用
を有し、しかも副腎皮質ステロイドホルモン作用が極め
て微弱であるので、血管新生の異常増殖を伴う各種疾患
の予防・治療に有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 〔式中、R1は水素または保護されていてもよい水酸基
    を、R2は水素または低級アルキル基を、R3は水素,水酸
    基または低級アシルオキシ基を、R4は水素またはメチル
    基を示し、R4がメチルのときA環における破線は単結合
    または二重結合を示し、R4が水素のときA環における破
    線は単結合を示す〕で表わされる化合物またはその塩を
    含有する血管新生阻害剤。
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JPH03236324A (ja) 1991-10-22

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