JP2003128568A - 梅酢を原料とする抗菌剤の製造方法および抗菌剤 - Google Patents

梅酢を原料とする抗菌剤の製造方法および抗菌剤

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JP2003128568A
JP2003128568A JP2001322385A JP2001322385A JP2003128568A JP 2003128568 A JP2003128568 A JP 2003128568A JP 2001322385 A JP2001322385 A JP 2001322385A JP 2001322385 A JP2001322385 A JP 2001322385A JP 2003128568 A JP2003128568 A JP 2003128568A
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憲章 白坂
Yukinori Hayashi
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Tetsuo Murakami
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拓夫 坂井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 梅干しおよび漬物類など食品本来の味および
香気を損なうことなく、食品の抗菌活性を向上すること
ができる抗菌剤の製造方法および抗菌剤を提供する。 【解決手段】 原料である梅酢を準備し(s1)、梅酢
を吸着剤に接触させて抽出成分を吸着させ(s2)、抽
出成分を吸着した吸着剤6に脱着剤を接触させて抽出成
分を脱着し(s3)、抽出成分と脱着剤であるエチルア
ルコールとを分離する(s4)。このようにして、梅酢
を原料とする抗菌剤を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、梅酢を原料とする
抗菌剤の製造方法および抗菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年食塩摂取量を低減することが高血圧
等の生活習慣病の予防に望ましいことが明らかになり、
消費者の低塩食品を嗜好する傾向が強くなっている。従
来塩が多用されていた伝統的保存食品である梅干しおよ
び漬物類もこの例外ではなく、塩分濃度の低減された低
塩梅干しおよび低塩漬物が商品化されている。
【0003】たとえば梅干しは、梅の果実重量に対する
重量百分率で18〜22%の塩を用いて製造するけれど
も、低塩化された商品では、塩分をほぼ20%程度含ん
で製造された梅干しを水に浸漬する脱塩処理を行って塩
分濃度7〜12%に薄め、その後種々の成分を含む調味
料を用いて味付けされている。
【0004】本来長期間の保存に耐えうる食品であった
梅干しおよび漬物類が前述のように低塩化されることに
よって、従来に比べて製造後の短い期間経過でかびや細
菌などの微生物の発生を起こすことがあり、これらの微
生物発生による品質劣化が問題とされるようになってい
る。このような問題を解決する手段として、低塩化され
た梅干しおよび漬物類には、抗菌剤や日持ち向上剤など
が添加され、微生物の発生を防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】低塩梅干しおよび低塩
漬物類などの抗菌および防かびを目的として従来用いら
れている抗菌剤および日持ち向上剤は、たとえばビタミ
ンB1ラウリル硫酸塩および酢酸などである。これらの
抗菌剤および日持ち向上剤は、その添加量を多くするこ
とによって低塩梅干しおよび低塩漬物類であってもかび
などの微生物の発生を防止することができるけれども、
添加量の増加にともなって抗菌剤および日持ち向上剤特
有の臭気および味が顕著に現れるので、梅干しおよび漬
物類本来の味および香気が損なわれるという問題があ
る。
【0006】本発明の目的は、梅干しおよび漬物類など
食品本来の味および香気を損なうことなく、食品の抗菌
活性、香気性、抗酸化活性および抗変異原活性を向上す
ることができる抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤、抗変異
原剤の製造方法および抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤、
抗変異原剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、梅の果実を塩
漬けして生成される漬け液である梅酢を吸着剤に接触さ
せ、梅酢から抽出される抗菌活性成分を含む抽出成分を
吸着剤に吸着し、吸着剤に吸着された抽出成分を脱着剤
によって脱着し、抽出成分と脱着剤とを分離することを
特徴とする梅酢を原料とする抗菌剤の製造方法である。
【0008】ここで抗菌とは、かび、酵母および細菌類
の発生を防止し、その増殖を抑制する抗かび、抗酵母お
よび抗細菌を含む広い意味で用いられる。
【0009】また本発明は、梅の果実を塩漬けして生成
される漬け液である梅酢を吸着剤に接触させて梅酢から
抽出される香気性成分を含む抽出成分を吸着剤に吸着
し、吸着剤に吸着された抽出成分を脱着剤によって脱着
し、抽出成分と脱着剤とを分離することを特徴とする梅
酢を原料とする香気増強剤の製造方法である。
【0010】また本発明は、梅の果実を塩漬けして生成
される漬け液である梅酢を吸着剤に接触させて梅酢から
抽出される抗酸化活性成分を含む抽出成分を吸着剤に吸
着し、吸着剤に吸着された抽出成分を脱着剤によって脱
着し、抽出成分と脱着剤とを分離することを特徴とする
梅酢を原料とする抗酸化剤の製造方法である。
【0011】また本発明は、梅の果実を塩漬けして生成
される漬け液である梅酢を吸着剤に接触させて梅酢から
抽出される抗変異原活性成分を含む抽出成分を吸着剤に
吸着し、吸着剤に吸着された抽出成分を脱着剤によって
脱着し、抽出成分と脱着剤とを分離することを特徴とす
る梅酢を原料とする抗変異原剤の製造方法である。
【0012】本発明に従えば、自然食品である梅酢を原
料とし、梅酢から抽出される抗菌活性、香気性、抗酸化
活性および抗変異原活性成分を含む抽出成分を吸着剤に
吸着させた後、吸着剤から脱着し、さらに脱着剤と分離
するという効率的な方法で、抗菌剤、香気増強剤、抗酸
化剤または抗変異原剤を製造することができる。このこ
とによって、梅干しの副生物として生成しその用途が少
なく経済的価値の低い梅酢を有効に利用することができ
るとともに、食品衛生の観点から安全であり、また食品
本来の味および香気を損なうことのない抗菌剤、香気増
強剤、抗酸化剤または抗変異原剤を提供することができ
る。
【0013】また本発明は、前記の方法によって製造さ
れる抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤、抗変異原剤のグル
ープから選ばれる1つまたは複数を食品の調味液または
漬け液に添加し、前記調味液または漬け液を食品の調味
または漬け汁に使用した後の調味廃液または漬け廃液を
吸着剤に接触させて前記抽出成分を吸着剤に吸着し、吸
着剤に吸着された前記抽出成分を脱着剤によって脱着
し、前記抽出成分と脱着剤とを分離することを特徴とす
る梅酢を原料とする抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤およ
び抗変異原剤の製造方法である。
【0014】本発明に従えば、梅酢を原料として製造さ
れた抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤または抗変異原剤の
グループから選ばれる1つまたは複数を食品の調味液ま
たは漬け汁などに使用し、使用済みの廃液をさらに吸着
剤に接触させて抽出成分を吸着させ、吸着させた抽出成
分を脱着し、脱着剤と抽出成分とを分離する。すなわち
使用された後の廃液中に含まれる抗菌剤、香気増強剤、
抗酸化剤または抗変異原剤を再び抽出し製造することが
できる。このことによって、梅酢という資源を無駄に消
費することを防止し、また原料に梅酢の抽出成分を含む
使用済みの廃液をリサイクルして利用できるので、製品
である抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤または抗変異原剤
を安価に製造し提供することが可能になる。
【0015】また本発明は、前記吸着剤は、ポリスチレ
ンまたはポリアクリルとジビニルベンゼンとの共重合体
であることを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、吸着剤はポリスチレンま
たはポリアクリルとジビニルベンゼンとの共重合体から
なる合成吸着剤である。この合成吸着剤は、汎用素材で
あるので入手が容易であり、また前記抽出成分の吸着性
能にも優れるので、複雑な構成および過程を要すること
なく簡単に梅酢を原料とする抗菌剤、香気増強剤、抗酸
化剤または抗変異原剤の製造を実現することができる。
【0017】また本発明は、前記の方法によって製造さ
れることを特徴とする梅酢を原料とする抗菌剤である。
【0018】また本発明は、前記の方法によって製造さ
れることを特徴とする梅酢を原料とする香気増強剤であ
る。
【0019】また本発明は、前記の方法によって製造さ
れることを特徴とする梅酢を原料とする抗酸化剤であ
る。
【0020】また本発明は、前記の方法によって製造さ
れることを特徴とする梅酢を原料とする抗変異原剤であ
る。
【0021】本発明に従えば、自然食品である梅酢を原
料とし、抗菌活性および梅の果実に由来する独特の香気
性に加えて、さらに抗酸化活性および抗変異原活性をも
備える抽出成分を得ることができ、この抽出成分は抗菌
剤、香気増強剤、抗酸化剤または抗変異原剤として利用
することができる。このようにして得られる抗菌剤、香
気増強剤、抗酸化剤または抗変異原剤は、食品衛生上安
全についてはまったく問題が無く、また食品本来の味と
香気とを損なうことがないので、食品に対する添加剤と
して好適に使用することができる。また従来梅干しの副
生物としてほとんど経済的価値の見出されていなかった
梅酢の有効利用を実現することができる。
【0022】また本発明は、前記抽出成分には、以下の
一般式(I)によって示される化学構造を有するアリル
テトラリン骨格を有するリグナン類が一つもしくは複数
含まれることを特徴とする。
【0023】
【化2】
【0024】(前記一般式(I)において、置換基
1,R2はメチル基またはプロトンのいずれか一種で構
成される。置換基R3,R4,R5,R6,R7,R8は、メ
トキシル基、水酸基またはプロトンのいずれか一種で構
成される。代表的なものとしてリオニレシノール(Lyon
iresinol:R1=R2=H,R3=R5=R6=R8=OCH
3,R4=R7=OH)があげられる。)
【0025】本発明に従えば、梅酢から抽出される抗菌
活性、香気性、抗酸化活性および抗変異原活性成分を含
む抽出成分には、アリルテトラリン骨格を有するリグナ
ン類が一つもしくは複数含まれる。たとえばアリルテト
ラリン骨格を有するリグナン類の代表的なものの一つで
あるリオニレシノールは、梅の果実に含有される化学的
および熱的に安定な物質であり、食品に添加された場
合、経時的に変化することがなくまた加熱等によって変
化することがないので、抗菌活性、香気性、抗酸化活性
および抗変異原活性の効果を安定して持続させるととも
に、これを含有する液体からの抽出と利用とを繰返し行
うことができる。
【0026】また本発明は、前記の抗菌剤、香気増強
剤、抗酸化剤、抗変異原剤のグループから選ばれる1つ
または複数を食品に添加し、食品の抗菌活性、香気性、
抗酸化活性または抗変異原活性を向上することを特徴と
する抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤または抗変異原剤の
使用方法である。
【0027】本発明に従えば、自然食品である梅酢を原
料とし、梅酢から抽出される抗菌活性、香気性、抗酸化
活性および抗変異原活性成分を含む抽出成分からなる抗
菌剤、香気増強剤、抗酸化剤または抗変異原剤を食品に
添加し、抗菌、香気増強等を実現するので、食品本来の
味および香気を損なうことなく抗菌活性、香気性、抗酸
化活性または抗変異原活性を向上することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある梅酢を原料とする抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤お
よび抗変異原剤の製造方法を説明するフローチャートで
ある。図1に示すフローチャートを用いて梅酢を原料と
する抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤および抗変異原剤の
製造方法を説明する。
【0029】ステップs1では、原料である梅酢を準備
する。ここで梅酢とは、梅の果実を塩漬けして生成され
る漬け液であり、たとえばその組成の1例を表1に示
す。なお梅酢は、紫蘇が加えられているものであっても
良い。ステップs2では、梅酢を吸着剤に接触させて抗
菌活性、香気性、抗酸化活性および抗変異原活性成分を
含む抽出成分を吸着させる。なお吸着剤が既使用のもの
である場合、梅酢を接触させる前にたとえば蒸留水によ
って平衡化すなわち洗浄するステップを設ける。
【0030】図2は、抽出成分を吸着する吸着器1の構
成を簡略化して示す斜視図である。本実施の形態の吸着
器1は、ハウジング2と、蓋材3と、蓋材3に設けられ
る供給管4と、供給管4に設けられる第1フィルタ5
と、ハウジング2内に収容される吸着剤6と、吸着剤6
と同様にハウジング2内に収容される第2フィルタ7
と、排出管8とを含む。
【0031】ハウジング2は、外形が円筒状の形状を有
する合成樹脂製の中空容器であり、その高さ方向の一端
部9には底面部10が設けられて封止され、他端部11
には開口部12が形成される。蓋材3は、ハウジング2
の開口部12を覆うための部材であり、外形が円筒状の
形状を有する合成樹脂製の中空容器であり、その高さは
ハウジング2よりも短い寸法に形成される。蓋材3の一
端部は開口し、他端部には上板13が設けられて封止さ
れる。蓋材3の開口部の内径は、ハウジング2の他端部
11と嵌合できる寸法に形成される。蓋材3の上板13
のほぼ中央部には貫通孔が形成され、貫通孔には梅酢を
ハウジング2内に供給するための供給管4が装着され
る。
【0032】供給管4は合成樹脂製の管であり、一端部
14において前記蓋材3に装着され、他端部15は梅酢
の供給源に接続される。また供給管4には第1フィルタ
5が設けられ、第1フィルタ5は除塵フィルタであり、
ハウジング2内に供給される梅酢に含まれる細かなごみ
等を除去する。
【0033】ハウジング2内に収容されて前記抽出成分
を吸着する吸着剤6は、たとえばポリスチレンとジビニ
ルベンゼンとの共重合体からなる合成樹脂製の吸着剤で
ある。ポリスチレンとジビニルベンゼンとの共重合体か
らなる吸着剤6は、たとえばDIANON HP−20
(商品名:三菱化学製)によって実現することができ
る。本実施の形態では、吸着器1の概略寸法は、直径:
15cm,高さ:50cmでその内容積は約8.8リッ
トルであり、ハウジング2内には吸着剤6を8〜8.5
リットル収容することができる。8〜8.5リットルの
吸着剤6によって、約150〜200リットルの梅酢の
吸着処理を行うことができる。
【0034】吸着器1内を梅酢が流過する流過方向の吸
着剤6の下流側には、さらに第2フィルタ7が設けられ
る。第2フィルタ7はグラスフィルタであり、前記第1
フィルタ5を通過した微細な塵埃等が第2フィルタ7に
よって除去される。ハウジング2の底面部10のほぼ中
央部には貫通孔が形成され、貫通孔には排出管8が装着
される。排出管8は合成樹脂製の管であり、その他端部
においてハウジング2の底面部10に装着され、一端部
16の排出口からは抽出成分が吸着剤6によって吸着さ
れた残余の梅酢が排出される。吸着器1への梅酢の供給
手段は、手作業によって梅酢を供給管4に注いでも良
く、また梅酢の貯留槽からポンプによって供給管4に送
給しても良い。
【0035】再び図1を参照してステップs3では、抽
出成分を吸着した吸着剤6に脱着剤を接触させて抽出成
分を脱着する。脱着剤にはエチルアルコール(CH3
2OH)を用いた。図2に示す吸着器1に梅酢に代え
てエチルアルコールを流過させ、エチルアルコールによ
って吸着剤6に吸着している抽出成分を脱着する。抽出
成分を脱着し、排出管8から排出されるエチルアルコー
ルを図示しない容器に収容する。なおエチルアルコール
による脱着処理の前に、吸着器1に蒸留水を流過させて
吸着剤6を洗浄しても良い。
【0036】ステップs4では、抽出成分と脱着剤であ
るエチルアルコールとを分離する。エチルアルコールの
沸点は約78℃であり、抽出成分の沸点との差異を利用
してエチルアルコールのみを気化させて抽出成分と分離
することができる。気化分離に際しては、たとえば0.
2〜0.3気圧程度の減圧雰囲気において実施すること
によって、エチルアルコールの沸点をさらに低下させる
ことができるので、一層容易にエチルアルコールと抽出
成分との分離を実現することができる。
【0037】このようにして、梅酢を原料として抗菌活
性、香気性、抗酸化活性および抗変異原活性成分を含む
抽出成分を抽出し、抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤およ
び抗変異原剤を製造することができる。
【0038】
【表1】
【0039】前述のようにして得られる梅酢からの抽出
成分には、有機酸および塩類たとえば表1に示すクエン
酸およびNaClは含有されていないので、抗菌活性、
香気性、抗酸化活性および抗変異原活性を発現するの
は、有機酸および塩類ではない。
【0040】発明者らは、抗菌活性、香気性、抗酸化活
性および抗変異原活性を発現する有効成分について、有
機酸および塩類を除く梅酢の残余の成分をさらに詳細に
検討の結果、未だ全容を明らかにするには至っていない
けれども、少なくとも以下の一般式(I)によって示さ
れる化学構造を有するアリルテトラリン骨格を有するリ
グナン類が寄与していると考えられる。
【0041】抽出成分に含まれるアリルテトラリン骨格
を有するリグナン類の代表的なものは、一般式(I)に
おけるR1=R2=H,R3=R5=R6=R8=OCH3
4=R7=OHからなるリオニレシノールである。リオ
ニレシノールは、化学的および熱的に安定な物質であ
り、食品に添加された場合、経時的に変化することがな
くまた加熱等によって変化することがないので、抗菌活
性、香気性、抗酸化活性および抗変異原活性の効果を安
定して持続させるとともに、これを含有する液体からの
抽出と利用とを繰返し行うことを可能にする。
【0042】なお本発明の抽出成分による抗菌活性、香
気性、抗酸化活性および抗変異原活性の効果は、リオニ
レシノールによって代表されるアリルテトラリン骨格を
有するリグナン類のみによって発現されるものではな
く、未だ不分明であるけれどもさらなる有効成分との重
畳作用ないし相乗作用による効果であると考えられる。
【0043】
【化3】
【0044】(前記一般式(I)において、置換基
1,R2はメチル基またはプロトンのいずれか一種で構
成される。置換基R3,R4,R5,R6,R7,R8は、メ
トキシル基、水酸基またはプロトンのいずれか一種で構
成される。代表的なものとしてリオニレシノール(Lyon
iresinol:R1=R2=H,R3=R5=R6=R8=OCH
3,R4=R7=OH)があげられる。)
【0045】以下本発明の実施例を説明する。 (実施例1)試験に供される梅酢を原料とする抽出成分
は次のようにして作成された。図3は、梅酢を原料とす
る抽出成分の作成手順を示す図である。図3を参照して
抽出成分の作成手順を説明する。20リットルの梅酢と
吸着剤である前記DIAION HP−20のコラム
(内径:10cm,高さ:11cm)とを準備した。吸
着剤を蒸留水によって平衡化した後、梅酢を吸着剤に流
過させて抽出成分を吸着させた。20リットルの蒸留水
によって吸着剤を洗浄し、脱着剤として1.5リットル
のエチルアルコールを吸着剤に流過させて抽出成分を脱
着させた。約0.3気圧の減圧環境下において、抽出成
分とエチルアルコールとを60℃に加熱し、エバポレー
タを用いてエチルアルコールと抽出成分とを分離すると
ともに抽出成分を濃縮した。その結果20gの抽出成分
を製造することができた。
【0046】(実施例2)梅干しおよび梅酢中には、耐
塩性を備える酵母が存在する。酵母は梅干しの食味の一
要素でもあり、その存在は必要であるけれども、過剰に
増殖すると発酵が進み品質劣化の原因となる。ここでは
実施例1によって得られた抽出成分の抗菌活性を酵母の
増殖抑制効果の有無を調べることによって試験した。
【0047】試験は以下の方法によった。蒸留水によっ
て2倍に希釈した梅酢(以後、2倍希釈梅酢と呼ぶ)と
4倍に希釈した梅酢(以後、4倍希釈梅酢と呼ぶ)とに
産膜酵母(S13株)を植え付けて106cell/m
L(ミリリットル)になるようにし、28℃で24時間
培養した。この産膜酵母を接種した2倍希釈梅酢および
4倍希釈梅酢の培地に、実施例1によって得た抽出成分
の濃度を4段階に変化させたもの、すなわち0.2g/
L(リットル)、1.0g/L、5.0g/Lおよび2
5g/Lの濃度の抽出成分を含む液を添加したものと、
抽出成分を添加しないものとを準備した。4段階に変化
させた各濃度の抽出成分を添加したものと、抽出成分を
添加しないものとを、28℃で48時間それぞれ培養し
た。
【0048】培養の後、培地における産膜酵母の状態を
観察した。観察の結果、産膜酵母の生育が認められなか
ったものを「−」とし、生育が認められたものを「+」
として抗菌活性を評価した。評価結果を表2に示す。な
お表2中で抽出成分濃度「0g/L」は、抽出成分の添
加されていないことを示す。
【0049】4倍希釈梅酢培地および2倍希釈梅酢培地
のいずれにおいても濃度5.0g/L以上の抽出成分を
添加することによって産膜酵母の増殖が阻害された。こ
のことから、抽出成分は高い抗菌活性を有し、抗菌剤と
して有用であることが明らかである。
【0050】
【表2】
【0051】(実施例3)実施例1によって得られた抽
出成分の抗菌活性を試験した。試験は以下の方法によっ
た。3種類のかびと5種類の細菌と1種類の酵母とをそ
れぞれ培地に植え付け、さらに各培地に実施例1によっ
て得た抽出成分の濃度を3段階に変化させたもの、すな
わち5g/L、10g/Lおよび20g/Lの濃度の抽
出成分を含む液を添加したものと、抽出成分を添加しな
いものとを準備した。3段階に変化させた各濃度の抽出
成分を添加したものと、抽出成分を添加しないものと
を、28℃で48時間それぞれ培養した。なお培地は、
ペプトンとグルコースとを添加した2%寒天溶液により
作成した。
【0052】培養の後、培地におけるかび、酵母および
細菌の生育の状態を観察した。観察の結果、かび、酵母
および細菌がそれぞれ生育が認められなかったものを
「−」とし、生育が認められたものを「+」として抗菌
活性を評価した。評価結果を表3に示す。なお表3中で
抽出成分濃度「0g/L」は、抽出成分の添加されてい
ないことを示す。
【0053】細菌類であるProteus vulgaris IFO3851に
おいてのみ、増殖阻害効果の発現が認められていないけ
れども、その他の細菌類、かびおよび酵母に対しては、
5g/Lないし20g/Lの濃度の抽出成分を添加する
ことによって生育阻害効果が発現された。このことか
ら、抽出成分は高い抗細菌活性、防かび活性および防酵
母活性を有し、抗菌剤として有用であることが明らかで
ある。
【0054】
【表3】
【0055】(実施例4)梅の果実を塩漬けにした後紫
蘇を加えた梅酢20Lを準備し、その他は実施例1と同
様の作成手順によって得られた抽出成分の香気性および
色調を試験した。試験は以下の方法によった。塩分濃度
が約10%の低塩梅干しを調味する調味液として、本実
施例4には、アミノ酸系調味料、還元水あめ、甘味剤お
よび酸味料等を調整した調味液に対して1重量%になる
ように前記抽出成分を添加したものを準備し、比較例1
には、前記抽出成分に代えてビタミンB1ラウリル硫酸
塩を調味液に対して0.5重量%になるように添加した
ものを準備した。
【0056】低塩梅干しを、実施例4の調味液と比較例
1の調味液のそれぞれに21日間浸漬し、浸漬後の低塩
梅干しの香気と色調とを官能検査によって試験して香気
性および色調を評価した。評価結果を表4に示す。
【0057】本実施例4の低塩梅干しは、梅の香りが豊
かであり鮮紅色の明るい色調を呈するのに対して、比較
例1の低塩梅干しは、顕著なビタミン臭を有し暗紫色の
暗い色調を呈した。このことから、抽出成分は高い香気
性を有し、香気増強剤として有用であることが明らかで
ある。また抽出成分は色調を明るくする効果のあること
から、自然素材の着色料としても好適である。
【0058】
【表4】
【0059】(実施例5)実施例1によって得られた抽
出成分の抗酸化活性を試験した。抗酸化活性は、リノー
ル酸の自動酸化により生成された過酸化脂質を測定する
ことにより行った。試験に供する試料は以下のようにし
て準備した。
【0060】抽出成分と1.3%リノール酸とを含むエ
チルアルコール(99.5%)1mLと、0.1Mリン
酸緩衝液(pH7.0)0.5mLと、蒸留水1mL
と、ラジカル発生剤として0.5M2,2´-アゾビス-
2-アミジノプロパン塩酸塩(AAPH)0.01mL
とを10mL容の試験管に採取し、良く撹拌混合した後
密栓した。エチルアルコール中に含まれる抽出成分は、
調整後の試料液において濃度が16ppm,80ppm
および400ppmの3段階になるように変化させたも
のをそれぞれ準備した。
【0061】なお比較例2〜4として、次の試料を準備
した。比較例2には、抽出成分に代えて抗酸化剤である
ジ第3ブチルパラクレゾール(BHT)を濃度16pp
mになるように加えたもの、比較例3には、抽出成分に
代えて抗酸化剤であるα−トコフェロール(以後、α−
Tocと呼ぶ)を濃度16ppmになるように加えたも
の、また比較例4には、抽出成分、BHTおよびα−To
cのいずれをも含まない試料(以後、ブランク:Blankと
呼ぶ)を準備した。本実施例および比較例2〜4を40
℃の恒温器内に20時間放置し、放置後の試料から抗酸
化活性の指標である過酸化脂質生成量およびラジカル消
去率を測定し、過酸化脂質生成量およびラジカル消去率
によって抗酸化活性を評価した。
【0062】過酸化脂質生成量の測定は、ロダン鉄法に
より500nmにおける前記試料の吸光度を測定するこ
とにより行った。各試料について吸光度の測定をそれぞ
れ3回ずつ行い、3回の測定値a1,a2,a3の平均
値{=(a1+a2+a3)/3}を各試料の測定値と
した。比較例4であるブランク試料の吸光度(1.0を
超えた状態にある)の測定値を100とし、ブランク試
料の吸光度に対する各試料の吸光度測定値の百分率を求
め、百分率の小さい方が抗酸化活性に優れていると評価
した。
【0063】ラジカル消去率は、次のようにして求め
た。75%エチルアルコール2mLと、前記各試料50
μLと、0.5mM1,1-Diphenyl-2-picrylhydrazy
l(DPPH)0.5mLとを良く混和し、混和したも
のを室温に30分間放置した後、517nmの吸光度を
測定した。
【0064】前記比較例4に代えてエチルアルコールを
ブランク試料に用いて測定したブランク試料の吸光度と
各試料について測定した吸光度とを用い、次の式(1)
によってDPPHラジカル消去率を求めた。すなわち被測定
物中においてDPPHが消去することによって、吸光度
の減衰する度合いを測定してDPPHラジカル消去率を求め
た。式(1)によるDPPHラジカル消去率の値が大きいほ
ど抗酸化活性が高いと評価した。 DPPHラジカル消去率(%)={1−(試料の吸光度/ブランク試料の吸光度)} ×100 …(1)
【0065】図4は過酸化脂質生成量の測定結果を示す
図であり、図5はラジカル消去率を測定した結果を示す
図である。試験結果を図4および図5に示す。過酸化脂
質生成量については、80ppm濃度の抽出成分を添加
することによって、BHTとほぼ同等の過酸化脂質生成
抑制能を発現することが認められた。またラジカル消去
率についても、80ppm濃度の抽出成分を添加するこ
とによって、α−To cとほぼ同等のDPPHの消去能を
発現することが認められた。このことから、抽出成分は
抗酸化活性を有し、抗酸化剤として有用であることが明
らかである。
【0066】(実施例6)実施例1によって得られた抽
出成分の抗変異原活性を試験した。試験は以下のAme
s法によった。指示菌にはSalmonella typhimurium TA1
00を用い、このSalmonella typhimurium TA100を予めニ
ュートリエンプロス溶液中で37℃、16時間振とう培
養した。直接変異原物質には、エチルメタンスルホン酸
(EMS)を用い、間接変異原物質には、変異原活性発
現に薬物代謝酵素(S-9max)による代謝活性化を必要と
する3−アミノ−1−メチル−5H−ピリド[4,3−
b]インドール(Trp-P-2)を用いて変異誘導を行わせ
た。培養した指示菌と変異原性物質であるEMSまたは
Trp-P-2とを混合し、混合したものに3種類の濃度すな
わち65ppm,650ppmおよび6500ppmに
調整された抽出成分をそれぞれ加え、軟寒天をさらに加
えて混合しプレートに重層した。
【0067】37℃で48時間保持した後、プレート上
に生じた復帰変異コロニー数を測定した。自然突然変異
による復帰コロニー数をNegativeとし、直接または間接
変異原物質により誘発させた復帰コロニー数をPositive
とし、各濃度の抽出成分添加時にEMSもしくはTrp-P-
2により誘発された復帰コロニー数をSampleとし、次の
式(2)によって求める復帰変異率によって抗変異原活
性を評価した。復帰変異率の値が小さいほど抗変異原活
性が高いと評価した。 復帰変異率(%)=100×(Sample−Negative)/(Positive−Negative) …(2)
【0068】図6はEMSによる変異に対する抽出成分
の抗変異原活性を示す図であり、図7はTrp-P-2による
変異に対する抽出成分の抗変異原活性を示す図である。
図6および図7に試験結果を示すように、抽出物質濃度
の増加に伴って、EMSおよびTrp-P-2のいずれの変異
原物質に対しても復帰変異率が減少する傾向があり、抽
出成分の抗変異原活性が認められた。特に間接変異原物
質であるTrp-P-2に対しては、抽出物質の濃度増加に伴
って、復帰変異率は顕著に減少する傾向を示した。この
ことから、抽出成分は抗変異原活性を有し、抗変異原剤
として有用であることが明らかである。
【0069】以上に述べたように、本実施の形態では、
ハウジング2の内部空間に吸着剤6を収容する吸着器1
に梅酢を流過させることによって、梅酢と吸着剤とを接
触させる構成であるけれども、これに限定されることな
く、梅酢を貯留槽に準備し、吸着剤6を貯留槽内の梅酢
に浸漬し、梅酢を撹拌することによって抽出成分を吸着
剤に吸着させる構成であっても良い。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、梅干しの副生物として
生成しその用途が少なく経済的価値の低い梅酢を有効に
利用することができるとともに、食品衛生の観点から安
全であり、また食品本来の味および香気を損なうことの
ない抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤または抗変異原剤を
提供することができる。
【0071】また本発明によれば、使用された後の廃液
中に含まれる抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤または抗変
異原剤を再び抽出し製造するので、梅酢という資源を無
駄に消費することを防止できる。また原料に梅酢の抽出
成分を含む使用済みの廃液をリサイクルして利用できる
ので、製品である抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤または
抗変異原剤を安価に製造し提供することが可能になる。
【0072】また本発明によれば、梅酢を原料として製
造される抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤または抗変異原
剤を食品に添加し、抗菌および香気増強等を実現するの
で、食品本来の味および香気を損なうことなく抗菌活
性、香気性、抗酸化活性または抗変異原活性を向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である梅酢を原料とする
抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤および抗変異原剤の製造
方法を説明するフローチャートである。
【図2】抽出成分を吸着する吸着器1の構成を簡略化し
て示す斜視図である。
【図3】梅酢を原料とする抽出成分の作成手順を示す図
である。
【図4】過酸化脂質生成量の測定結果を示す図である。
【図5】ラジカル消去率を測定した結果を示す図であ
る。
【図6】EMSによる変異に対する抽出成分の抗変異原
活性を示す図である。
【図7】Trp-P-2による変異に対する抽出成分の抗変異
原活性を示す図である。
【符号の説明】
1 吸着器 2 ハウジング 3 蓋材 6 吸着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 1/222 A23L 1/222 4H011 1/30 1/30 B 3/3472 3/3472 A61K 31/09 A61K 31/09 A61P 31/04 A61P 31/04 35/00 35/00 39/06 39/06 (72)発明者 林 行則 和歌山県田辺市宝来町9−2 (72)発明者 村上 哲男 奈良県奈良市西千代ヶ丘2−3−34 (72)発明者 坂井 拓夫 大阪府堺市原山台4−13−6 Fターム(参考) 4B018 MD52 ME08 ME09 ME13 MF01 4B021 MC01 MC03 MC10 MK05 4B047 LB03 LG38 LP01 4C088 AB52 AC04 BA09 BA11 BA23 BA32 CA05 CA13 MA02 MA52 NA09 NA14 ZB26 ZB35 ZC80 4C206 CA34 KA01 KA18 MA01 MA04 NA09 NA14 ZB26 ZB35 ZC80 4H011 AA02 AA03 BA01 BB03 BB22 BC18 DA13 DC05 DD07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 梅の果実を塩漬けして生成される漬け液
    である梅酢を吸着剤に接触させて梅酢から抽出される抗
    菌活性成分を含む抽出成分を吸着剤に吸着し、 吸着剤に吸着された抽出成分を脱着剤によって脱着し、 抽出成分と脱着剤とを分離することを特徴とする梅酢を
    原料とする抗菌剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 梅の果実を塩漬けして生成される漬け液
    である梅酢を吸着剤に接触させて梅酢から抽出される香
    気性成分を含む抽出成分を吸着剤に吸着し、 吸着剤に吸着された抽出成分を脱着剤によって脱着し、 抽出成分と脱着剤とを分離することを特徴とする梅酢を
    原料とする香気増強剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 梅の果実を塩漬けして生成される漬け液
    である梅酢を吸着剤に接触させて梅酢から抽出される抗
    酸化活性成分を含む抽出成分を吸着剤に吸着し、 吸着剤に吸着された抽出成分を脱着剤によって脱着し、 抽出成分と脱着剤とを分離することを特徴とする梅酢を
    原料とする抗酸化剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 梅の果実を塩漬けして生成される漬け液
    である梅酢を吸着剤に接触させて梅酢から抽出される抗
    変異原活性成分を含む抽出成分を吸着剤に吸着し、 吸着剤に吸着された抽出成分を脱着剤によって脱着し、 抽出成分と脱着剤とを分離することを特徴とする梅酢を
    原料とする抗変異原剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜4に記載の方法によって
    製造される抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤、抗変異原剤
    のグループから選ばれる1つまたは複数を食品の調味液
    または漬け液に添加し、 前記調味液または漬け液を食品の調味または漬け汁に使
    用した後の調味廃液または漬け廃液を吸着剤に接触させ
    て前記抽出成分を吸着剤に吸着し、 吸着剤に吸着された前記抽出成分を脱着剤によって脱着
    し、 前記抽出成分と脱着剤とを分離することを特徴とする梅
    酢を原料とする抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤または抗
    変異原剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記吸着剤は、 ポリスチレンまたはポリアクリルとジビニルベンゼンと
    の共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の梅酢を原料とする抗菌剤、香気増強剤、抗
    酸化剤または抗変異原剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記請求項1記載の方法によって製造さ
    れることを特徴とする梅酢を原料とする抗菌剤。
  8. 【請求項8】 前記請求項2記載の方法によって製造さ
    れることを特徴とする梅酢を原料とする香気増強剤。
  9. 【請求項9】 前記請求項3記載の方法によって製造さ
    れることを特徴とする梅酢を原料とする抗酸化剤。
  10. 【請求項10】 前記請求項4記載の方法によって製造
    されることを特徴とする梅酢を原料とする抗変異原剤。
  11. 【請求項11】 前記抽出成分には、 以下の一般式(I)によって示される化学構造を有する
    アリルテトラリン骨格を有するリグナン類が一つもしく
    は複数含まれることを特徴とする請求項7〜10のいず
    れかに記載の抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤または抗変
    異原剤。 【化1】 (前記一般式(I)において、置換基R1,R2はメチル
    基またはプロトンのいずれか一種で構成される。置換基
    3,R4,R5,R6,R7,R8は、メトキシル基、水酸
    基またはプロトンのいずれか一種で構成される。代表的
    なものとしてリオニレシノール(Lyoniresinol:R1
    2=H,R3=R5=R6=R8=OCH3,R4=R7=O
    H)があげられる。)
  12. 【請求項12】 前記請求項7〜10に記載の抗菌剤、
    香気増強剤、抗酸化剤、抗変異原剤のグループから選ば
    れる1つまたは複数を食品に添加し、食品の抗菌活性、
    香気性、抗酸化活性または抗変異原活性を向上すること
    を特徴とする抗菌剤、香気増強剤、抗酸化剤または抗変
    異原剤の使用方法。
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