JP2018193368A - 貯蔵飼料のカビ毒発生抑制剤 - Google Patents

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政照 小岩
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Abstract

【課題】貯蔵飼料のカビ毒の発生を抑制する組成物の提供。【解決手段】海藻、梅酢および酢酸を含む、貯蔵飼料のカビ毒発生抑制剤。好ましくは、該海藻が褐藻である該カビ毒発生抑制剤。さらに好ましくは、該海藻がアスコフィラム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)である該カビ毒発生抑制剤。さらに好ましくは、該酢酸として食酢かすを含む該カビ毒発生抑制剤。さらに好ましくは、海藻1〜5重量部、梅酢5〜15重量部、食酢かす80〜90重量部を含む該カビ毒発生抑制剤。【選択図】なし

Description

本発明は、貯蔵飼料のカビ毒発生抑制剤、ならびにカビ毒の発生が抑制された貯蔵飼料の製造方法に関する。
貯蔵飼料の品質は、それを摂取する動物の生産性や健康状態に影響する。そのため、貯蔵飼料の品質維持のために様々な添加剤が用いられている。添加剤としては、ギ酸、プロピオン酸などを含む有機酸剤、セルラーゼなどを含む酵素剤、乳酸菌などを含む生菌剤などがある。これらの添加剤は貯蔵飼料のpHを低下させて酪酸発酵を抑制することにより品質維持をはかるものである。しかしながら、飼料におけるカビ毒の発生という問題が畜産現場の大きな課題となっており、これら添加物はそれを根本的に解決するに至っていない現状である。
貯蔵飼料中に含まれるカビ毒は、動物の健康や生産性に対して重大な被害を与える。アフラトキシンはアスペルギルス属のカビから産生される。アフラトキシンは極めて強力な発癌性物質である。デオキシニバレノールやゼアラレノンはフザリウム属のカビから産生される。デオキシニバレノールは、動物に対して嘔吐、下痢、出血、皮膚炎症、骨髄および造血系の機能低下を引き起こす。ゼアラレノンは卵母細胞に奇形を及ぼしたり、ヘモグロビン濃度の上昇を引き起こしたりする。多くのカビ毒は耐熱性であり、調理や加工によって消失しないことからヒトの健康への危害も予想される。
飼料中のカビ毒を低減するために、カビ毒吸着剤(ベントナイトなど)や強肝剤(コリン、メチオニン、パントテン酸カルシウムなど)などのカビ毒対策資材が用いられている(非特許文献1等)。しかし、これらのカビ毒対策資材は、すでにカビ毒に汚染された飼料を給餌する際に添加されるものであり、貯蔵飼料中のカビ毒の発生を抑制するものではない。動物に対するカビ毒の危害を防除するためには、貯蔵飼料調製の段階でカビおよびカビ毒の発生を抑制することが重要である。
和田ら、産業動物臨床医誌 2(2):53−63、2011
一般消費者に安全な畜産物を提供するためには、飼料中のカビ毒をできるかぎり減らして動物の健康を維持することが必要である。しかし、貯蔵飼料におけるカビ毒汚染を抑制する有効な方法はなかった。このような状況下において、貯蔵飼料調製の段階で添加できるカビ毒発生抑制剤、ならびにそのような剤を用いてカビ毒の発生が抑制された貯蔵飼料を製造することが切望されていた。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、海藻、梅酢および酢酸を含む剤を牧草に添加して得られた貯蔵飼料において、カビ毒の発生が効果的に抑制されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)海藻、梅酢および酢酸を含む、貯蔵飼料のカビ毒発生抑制剤;
(2)海藻が褐藻である(1)記載の剤;
(3)海藻がアスコフィラム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)である(2)記載の剤;
(4)酢酸として食酢かすを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の剤;
(5)
海藻1〜5重量部、梅酢5〜15重量部、食酢かす80〜90重量部を含む、(4)記載の剤;
(6)海藻、梅酢および酢酸を混合することを含む、貯蔵飼料のカビ毒発生抑制剤の製造方法;
(7)海藻が褐藻である(6)記載の方法;
(8)海藻がアスコフィラム・ノドサムである(7)記載の方法;
(9)酢酸として食酢かすを用いる、(6)〜(8)のいずれかに記載の方法;
(10)海藻1〜5重量部、梅酢5〜15重量部、食酢かす80〜90重量部を混合することを含む、(9)記載の方法;ならびに
(11)(1)〜(5)のいずれかに記載の剤を飼料に添加することを含む、カビ毒の発生が抑制された貯蔵飼料の製造方法
を提供する。
本発明によれば、貯蔵飼料のカビ毒発生を効果的に抑制する剤、それを用いるカビ毒の発生が抑制された貯蔵飼料の製造方法、ならびに該方法により得られるカビ毒の発生が抑制された貯蔵飼料が提供される。本発明の剤は少量でも効果が大きい。また本発明の剤は長期間効果を発揮する。本発明の剤の成分は天然物由来なので動物に対する害がない。本発明により得られる貯蔵飼料はカビ毒の発生が抑制されているので、動物の健康状態を良好に保ち、動物の生産性を向上させる。
図1は、本発明により得られた貯蔵飼料中のデオキシニバレノール(DON)濃度を示すグラフである。15GS対照は、2015年5月に収穫され、本発明の剤を添加されなかったグラスサイレージ(GS)中のDONを2016年5月に分析した平均値を示す。15GSAGは、2015年5月に収穫され、本発明の剤を添加されたグラスサイレージ(GS)中のDONを2016年7月〜9月に分析した平均値を示す。16GSAGは、2016年5月に収穫され、本発明の剤を添加されたグラスサイレージ(GS)中のDONを2016年10月に分析した平均値を示す。16GS対照は、2016年5月に収穫され、本発明の剤を添加されなかったグラスサイレージ(GS)中のDONを2016年10月〜11月に分析した平均値を示す。 図2は、本発明により得られた貯蔵飼料中のアフラトキシン(AFB1)濃度を示すグラフである。15GS対照は、2015年5月に収穫され、本発明の剤を添加されなかったグラスサイレージ(GS)中のAFB1を2016年5月に分析した平均値を示す。15GSAGは、2015年5月に収穫され、本発明の剤を添加されたグラスサイレージ(GS)中のAFB1を2016年7月〜9月に分析した平均値を示す。16GSAGは、2016年5月に収穫され、本発明の剤を添加されたグラスサイレージ(GS)中のAFB1を2016年10月に分析した平均値を示す。16GS対照は、2016年5月に収穫され、本発明の剤を添加されなかったグラスサイレージ(GS)中のAFB1を2016年10月〜11月に分析した平均値を示す。 図3は、本発明により得られた貯蔵飼料中のゼアラレノン(ZEN)濃度を示すグラフである。15GS対照は、2015年5月に収穫され、本発明の剤を添加されなかったグラスサイレージ(GS)中のZENを2016年5月に分析した平均値を示す。15GSAGは、2015年5月に収穫され、本発明の剤を添加されたグラスサイレージ(GS)中のZENを2016年7月〜9月に分析した平均値を示す。16GSAGは、2016年5月に収穫され、本発明の剤を添加されたグラスサイレージ(GS)中のZENを2016年10月に分析した平均値を示す。16GS対照は、2016年5月に収穫され、本発明の剤を添加されなかったグラスサイレージ(GS)中のZENを2016年10月〜11月に分析した平均値を示す。 図4は、本発明により得られた貯蔵飼料中のデオキシニバレノール(DON)濃度を示すグラフである。15CS対照は、2015年5月に収穫され、本発明の剤を添加されなかったコーンサイレージ(CS)中のDONを2016年5月に分析した平均値を示す。15CSAGは、2015年5月に収穫され、本発明の剤を添加されたコーンサイレージ(CS)中のDONを2016年7月〜9月に分析した平均値を示す。16CSAGは、2016年5月に収穫され、本発明の剤を添加されたコーンサイレージ(CS)中のDONを2016年10月に分析した平均値を示す。16CS対照は、2016年5月に収穫され、本発明の剤を添加されなかったコーンサイレージ(CS)中のDONを2016年10月〜11月に分析した平均値を示す。 図5は、本発明により得られた貯蔵飼料中のアフラトキシン(AFB1)濃度を示すグラフである。15CS対照は、2015年5月に収穫され、本発明の剤を添加されなかったコーンサイレージ(CS)中のAFB1を2016年5月に分析した平均値を示す。15CSAGは、2015年5月に収穫され、本発明の剤を添加されたコーンサイレージ(CS)中のAFB1を2016年7月〜9月に分析した平均値を示す。16CSAGは、2016年5月に収穫され、本発明の剤を添加されたコーンサイレージ(CS)中のAFB1を2016年10月に分析した平均値を示す。16CS対照は、2016年5月に収穫され、本発明の剤を添加されなかったコーンサイレージ(CS)中のAFB1を2016年10月〜11月に分析した平均値を示す。 図6は、本発明により得られた貯蔵飼料中のゼアラレノン(ZEN)濃度を示すグラフである。15CS対照は、2015年5月に収穫され、本発明の剤を添加されなかったコーンサイレージ(CS)中のZENを2016年5月に分析した平均値を示す。15CSAGは、2015年5月に収穫され、本発明の剤を添加されたコーンサイレージ(CS)中のZENを2016年7月〜9月に分析した平均値を示す。16CSAGは、2016年5月に収穫され、本発明の剤を添加されたコーンサイレージ(CS)中のZENを2016年10月に分析した平均値を示す。16CS対照は、2016年5月に収穫され、本発明の剤を添加されなかったコーンサイレージ(CS)中のZENを2016年10月〜11月に分析した平均値を示す。
本発明は、1の態様において、海藻、梅酢および酢酸を含む、貯蔵飼料のカビ毒発生抑制剤(以下、「本発明の剤」または「剤」ということがある)を提供する。
本発明の剤に使用される海藻は特に限定されず、いずれの海藻であってもよい。好ましい海藻は、飼料用または海藻資源として流通しているものである。好ましい海藻の例としては、アスコフィラム(Ascophyllum)属、フクス(Fucus)属、ラミナリア(Laminaria)属、マクロキスチス(Macrocystis)属、エクロニア(Ecklonia)属、レソニア(Lessonia)属、ダービリア(Durvilliaea)属、サルガッサム(Sargassum)属、アラリア(Alaria)属、ネレオキシチス(Nereocystis)属、ヒジキア(Hizikia)属、ウンダリア(Undaria)属、ペルベチア(Pelvetia)属、ツルビナリア(Turbinaria)属およびネマシストス(Nemacystus)属などの褐藻、パルマリア(Palmaria)属、コンドラス(Chondrus)属、オイケウマ(Eucheuma)属、グラシラリア(Gracilaria)属、ポルフィラ(Porphyra)属およびテングサ科などの紅藻、ウルバ(Ulva)属などの緑藻、あるいはアマモ科、ポシドニア(Posidoniaoeae)科の海草、クロレラ、スピルリナ、ユーグレナなどが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の剤に使用される海藻としては褐藻が好ましく、アスコフィラム・ノドサムがより好ましい。アスコフィラム・ノドサムは北大西洋の海域に生息する褐藻である。海藻の形態としては、粉末、液状、抽出エキスなど、様々な形態のものが利用できる。
梅酢は公知である。梅酢は、梅の果実を塩で漬け込んで抽出して得られる果汁である。
酢酸は、遊離酸、塩、エステルの形態で広く生物界に分布している。酢酸は、発酵、化学合成、木材の乾留などにより製造されている。本発明の剤に用いる酢酸は、いずれの製造方法によるものであってもよい。本発明の剤に使用される酢酸は単品であってもよく、混合物であってもよい。混合物は酢酸を豊富に含むものが好ましく、穀物酢(例えば米酢、モルトビネガーなど)、果実酢(例えばリンゴ酢、ワインビネガーなど)などあらゆる種類の食酢(好ましくは醸造酢)、および醸造酢の製造工程で生じる食酢かす等が例示されるが、これらに限定されない。
本発明の剤は、海藻、梅酢および酢酸を混合することにより得ることができる。これら以外の成分を混合してもよい。これらの混合順序は任意であり、特に限定されない。これらを同時に混合してもよく、順番に混合してもよい。本発明の剤の製造工程の例としては、海藻をあらかじめ微細加工し、当該海藻を梅酢および酢酸と共にタンク内で混合撹拌することが挙げられる。また、海藻については液状に加工したものや抽出したエキスなど様々な形態のものが利用できる。海藻、梅酢および酢酸の混合割合も任意である。酢酸として食酢かすを用いる場合の混合割合の例は、海藻粉末約0.3〜10重量部、梅酢約3〜30重量部、食酢かす約60〜97重量部であり、好ましくは海藻粉末約0.5〜5重量部、梅酢約5〜20重量部、食酢かす約75〜95重量部、例えば海藻粉末約1〜5重量部、梅酢約5〜15重量部、食酢かす約80〜90重量部であってもよいが、これらの割合に限定されない。
本発明の剤の形態も特に限定されず、液体、半固体、固体であってよい。本発明の剤の好ましい形態は、溶液や懸濁液のごとき液体である。液体の本発明の剤は、飼料に噴霧または散布することができ、飼料中に一様に行き渡らせることが容易であるので好ましい。別の好ましい形態は、液体に溶けやすく加工した粉末状または顆粒状である。
本発明の剤を飼料に添加する方法は特に限定されない。上記のように本発明の剤を噴霧または散布してもよい。添加後に適宜混合撹拌して本発明の剤を牧草全体に一様に行き渡らせてもよい。
本発明の剤の飼料への添加量は、貯蔵飼料中のカビ毒の発生が有効に抑制される量であればよく、飼料の種類や貯蔵条件(温度、湿度、通風など)によって変更されうる。本発明の剤が液体の場合は、例えば牧草500kgに対して約0.5L〜5L、好ましくは約0.8L〜2Lの本発明の剤(液体の場合)を添加してもよい。
本発明の剤が添加される飼料はいずれの動物用の飼料であってもよく、特に限定されない。例えばウシ用、ブタ用、ウマ用、ヤギ用、ヒツジ用、ニワトリ用の飼料であってもよい。飼料は例えばチモシー、オーチャードグラス、イタリアンライグラス、シロクローバなどの牧草、デントコーンなどの穀類、豆類、果実、根菜類であってもよい。典型的には、本発明の剤はウシ用の牧草に添加される。
カビ毒はカビによって生成される毒素をいう。本発明の剤によって発生が抑制されるカビ毒はいずれの種類のカビ毒であってもよく、特に限定されない。カビ毒の例としては、アフラトキシン類、オクラトキシン類、トリコテセン類、パツリン、ゼアラレノン、フモニシン類、ステリグマトシスチン、シトリニン、ルテオスカイリンなどが挙げられる。
本発明は、もう1つの態様において、本発明の剤を飼料に添加することを含む、カビ毒の発生が抑制された貯蔵飼料の製造方法を提供する。本発明の剤の飼料への添加方法、添加量、飼料などについては上で説明したとおりである。
本発明の剤を添加した飼料を一定期間貯蔵することによって、カビ毒の発生が抑制された貯蔵飼料を得ることができる。本発明の剤を添加した飼料は、通常の貯蔵方法および条件にて貯蔵することができる。貯蔵の方法や条件は、飼料の種類および動物の種類などに応じて適宜選択することができる。飼料の貯蔵には一般的にサイロが用いられる。施設型、可搬型など様々な型式のサイロが公知であり、適宜選択して用いることができる。
本発明は、さらにもう1つの態様において、上記製造方法により得られるカビ毒の発生が抑制された貯蔵飼料を提供する。
本発明は、さらにもう1つの態様において、本発明の剤を用いて製造された飼料を動物に与えることを含む、動物の健康維持または増進方法を提供する。この方法により、安全な乳畜生産物を提供することができる。本発明の剤を用いて製造された飼料を乳牛に与えることにより、乳質を改善してもよい。
以下に実施例を示して本発明をより詳細かつ具体的に説明するが、実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1:グラスサイレージ中のカビ毒発生抑制効果
(1)貯蔵飼料のカビ毒発生抑制剤の製造
海藻(アスコフィラム・ノドサム)を微細加工し、当該海藻粉末2重量部、梅酢13重量部、食酢かす85重量部を混合撹拌し、試験品を得た。
(2)貯蔵飼料の製造
酪農学園フィールド教育研究センターにて2015年5月と2016年5月に牧草を収穫した。収穫はモアーコンディショナー、レーキ、ハーベスターを用いて行った(ある程度細断した)。モアーコンディショナーで刈り倒した牧草を予乾した。その後レーキで寄せ集めた牧草をハーベスターで細断しながら集草し、ハーベスターからダンプの荷台に集積する際に、ハーベスターに設置された試験品(上記(1)で製造した剤)を牧草にムラなく噴霧した。牧草500kgに対して試験品1Lの割合で添加した。試験品を添加した牧草をバンカーサイロに集積し、全体に圧力をかけて圧縮し、嫌気状態にした。一定期間発酵して得られたグラスサイレージをサンプルとした。収穫した牧草に試験品を添加せずに上記と同様の処理を行って得られたグラスサイレージを対照とした。
(3)サンプルおよび対照中のカビ毒の測定
サンプルおよび対照中のカビ毒(デオキシニバレノール(DON)、アフラトキシン(AFB1)、ゼアラレノン(ZEN))の濃度を測定した。2015年5月に収穫したサンプルを2016年7〜9月まで貯蔵してカビ毒を測定した(n=8)。2016年5月に収穫したサンプルを2016年10月まで貯蔵してカビ毒を測定した(n=2)。2015年5月に収穫した対照を2016年5月まで貯蔵してカビ毒を測定した(n=2)。2016年5月に収穫した対照を2016年10〜11月まで貯蔵してカビ毒を測定した(n=8)。
検査飼料をよく撹拌して電子天秤(EK-600H: 株式会社エー・アンド・デイ)を用いて50gを皿に採取し、70℃で72時間乾燥させて飼料中の水分を完全に除去した。乾燥飼料を粉砕器(MULTI-BEADS SHOCKER: YASUI KIKAI)を用いて2500rpmで30秒間粉状に粉砕した乾燥飼料を、電子天秤(EK-600H: 株式会社エー・アンド・デイ)で5gを正確に計り、50mlの容器(IWAKI)に入れた。
AFB1の測定には、5gの粉砕飼料の入った50mlの容器(IWAKI)に特級メタノール(関東化学株式会社)に蒸留水を加えて作製した70%ネタノールをピペット(NUNCディスポーザブルプラスチックピペット)で25ml加え、10分間隔で3回強く振って撹拌した。別の50mlの容器(IWAKI)に漏斗と直径15cmの濾紙(Whatman)を装着し、上清を濾過した。濾過して得られた液をAFB1測定用の飼料抽出液とした。飼料抽出液中のAFB1の測定は、Veratox Aflatoxin Quantitative Test Kit (NEOGEN CORPORATION)を用いてELISA法で行った。
DONとZENの測定には、5gの粉砕飼料の入った50mlの容器(IWAKI)にpH7.4のPBS(ダルベッコPBS粉末「ニッスイ」:日水製薬株式会社)をピペット(NUNCディスポーザブルプラスチックピペット)で25ml加え、10分間隔で3回強く振って撹拌した。別の50mlの容器(IWAKI)に漏斗と直径15cmの濾紙(Whatman)を装着し、上清を濾過した。濾過して得られた液をDONとZEN測定用の飼料抽出液とした。飼料抽出液中のDONの測定は、Veratox DON 5/5 Quantitative Test Kit (NEOGEN CORPORATION)を用いてELISA法で行った。飼料抽出液中のZENの測定を、Veratox Zearalenone Quantitative Test Kit (NEOGEN CORPORATION)を用いてELISA法で行った。
サンプルおよび対照中のDONの濃度を図1に示す。サンプルおよび対照中のAFB1の濃度を図2に示す。サンプルおよび対照中のZENの濃度を図3に示す。
2015年5月に収穫したサンプル中のDON濃度の平均値は1.46ppm、2015年5月に収穫した対照中のDON濃度の平均値は2.20ppmであった。2016年5月に収穫したサンプル中のDON濃度の平均値は0.21ppm、2016年5月に収穫した対照中のDON濃度の平均値は1.08ppmであった。
2015年5月に収穫したサンプル中のAFB1濃度の平均値は37ppb、2015年5月に収穫した対照中のAFB1濃度の平均値は54ppbであった。2016年5月に収穫したサンプル中のAFB1濃度の平均値は5ppb、2016年5月に収穫した対照中のAFB1濃度の平均値は24ppbであった。
2015年5月に収穫したサンプル中のZEN濃度の平均値は760ppb、2015年5月に収穫した対照中のZEN濃度の平均値は1823ppbであった。2016年5月に収穫したサンプル中のZEN濃度の平均値は249ppb、2016年5月に収穫した対照中のZEN濃度の平均値は609ppbであった。
実施例2:コーンサイレージ中のカビ毒発生抑制効果
(1)貯蔵飼料のカビ毒発生抑制剤の製造
海藻(アスコフィラム・ノドサム)を微細加工し、当該海藻粉末2重量部、梅酢13重量部、食酢かす85重量部を混合撹拌し、試験品を得た。
(2)貯蔵飼料の製造
酪農学園フィールド教育研究センターにて2015年5月と2016年5月にデントコーンを収穫した。収穫および細断はハーベスターを用いて行った。ハーベスターからダンプの荷台に集積する際に、ハーベスターに設置された試験品(上記(1)で製造した剤)をデントコーンにムラなく噴霧した。デントコーン500kgに対して試験品1Lの割合で添加した。試験品を添加したデントコーンをバンカーサイロに集積し、全体に圧力をかけて圧縮し、嫌気状態にした。一定期間発酵して得られたコーンサイレージをサンプルとした。収穫したデントコーンに試験品を添加せずに上記と同様の処理を行って得られたコーンサイレージを対照とした。
(3)サンプルおよび対照中のカビ毒の測定
サンプルおよび対照中のカビ毒(DON、AFB1、ZEN)の濃度を測定した。2015年5月に収穫したサンプルを2016年7〜9月まで貯蔵してカビ毒を測定した(n=4)。2016年5月に収穫したサンプルを2016年10月まで貯蔵してカビ毒を測定した(n=28)。2015年5月に収穫した対照を2016年5月まで貯蔵してカビ毒を測定した(n=2)。2016年5月に収穫した対照を2016年10〜11月まで貯蔵してカビ毒を測定した(n=24)。
サンプルおよび対照中のカビ毒(AFB1、DON、ZEN)の測定方法は実施例1と同じであった。
サンプルおよび対照中のDONの濃度を図4に示す。サンプルおよび対照中のAFB1の濃度を図5に示す。サンプルおよび対照中のZENの濃度を図6に示す。
2015年5月に収穫したサンプル中のDON濃度の平均値は2.65ppm、2015年5月に収穫した対照中のDON濃度の平均値は5.41ppmであった。2016年5月に収穫したサンプル中のDON濃度の平均値は2.96ppm、2016年5月に収穫した対照中のDON濃度の平均値は3.51ppmであった。
2015年5月に収穫したサンプル中のAFB1濃度の平均値は35ppb、2015年5月に収穫した対照中のAFB1濃度の平均値は65ppbであった。2016年5月に収穫したサンプル中のAFB1濃度の平均値は52ppb、2016年5月に収穫した対照中のAFB1濃度の平均値は59ppbであった。
2015年5月に収穫したサンプル中のZEN濃度の平均値は723ppb、2015年5月に収穫した対照中のZEN濃度の平均値は1407ppbであった。2016年5月に収穫したサンプル中のZEN濃度の平均値は1703ppb、2016年5月に収穫した対照中のZEN濃度の平均値は2893ppbであった。
これらの結果から、本発明の剤が、貯蔵飼料の種類によらず、貯蔵飼料中のカビ毒の発生を効果的に抑制することがわかった。
本発明は、畜産業や動物飼料の製造業などにおいて有用である。

Claims (11)

  1. 海藻、梅酢および酢酸を含む、貯蔵飼料のカビ毒発生抑制剤。
  2. 海藻が褐藻である請求項1記載の剤。
  3. 海藻がアスコフィラム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)である請求項2記載の剤。
  4. 酢酸として食酢かすを含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の剤。
  5. 海藻1〜5重量部、梅酢5〜15重量部、食酢かす80〜90重量部を含む、請求項4記載の剤。
  6. 海藻、梅酢および酢酸を混合することを含む、貯蔵飼料のカビ毒発生抑制剤の製造方法。
  7. 海藻が褐藻である請求項6記載の方法。
  8. 海藻がアスコフィラム・ノドサムである請求項7記載の方法。
  9. 酢酸として食酢かすを用いる、請求項6〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. 海藻1〜5重量部、梅酢5〜15重量部、食酢かす80〜90重量部を混合することを含む、請求項9記載の方法。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項記載の剤を飼料に添加することを含む、カビ毒の発生が抑制された貯蔵飼料の製造方法。
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