JP2003128509A - 無機抗菌剤並びにこれを用いた抗菌性繊維及び抗菌性樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

無機抗菌剤並びにこれを用いた抗菌性繊維及び抗菌性樹脂成形品の製造方法

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JP2003128509A
JP2003128509A JP2001317512A JP2001317512A JP2003128509A JP 2003128509 A JP2003128509 A JP 2003128509A JP 2001317512 A JP2001317512 A JP 2001317512A JP 2001317512 A JP2001317512 A JP 2001317512A JP 2003128509 A JP2003128509 A JP 2003128509A
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Yuki Sasaki
有希 佐々木
Yasuo Matsumura
保雄 松村
Takayoshi Aoki
孝義 青木
Etsuo Tominaga
悦夫 富永
Shuji Sakuma
周治 佐久間
Muneteru Saito
宗輝 斉藤
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Sangi Co Ltd
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    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F1/00General methods for the manufacture of artificial filaments or the like
    • D01F1/02Addition of substances to the spinning solution or to the melt
    • D01F1/10Other agents for modifying properties
    • D01F1/103Agents inhibiting growth of microorganisms
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    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
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    • A01N59/16Heavy metals; Compounds thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/0008Organic ingredients according to more than one of the "one dot" groups of C08K5/01 - C08K5/59

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に、抗菌性能及び強度を十分に向上させる
ことができる無機抗菌剤並びにこれを用いた抗菌性繊維
及び抗菌性樹脂成形品の製造方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】 本発明は、熱可塑性樹脂と該樹脂中に分
散される無機抗菌粒子とを含有する無機抗菌剤におい
て、形状係数SF2が200以下である無機抗菌粒子の
存在割合が80%以上であることを特徴とする。この発
明によれば、無機抗菌粒子が熱可塑性樹脂中に分散され
ているため、抗菌性樹脂成形品及び抗菌性繊維の基材樹
脂中に無機抗菌剤を分散する場合に、基材樹脂中におけ
る無機抗菌剤の分散性が向上する。しかも、無機抗菌剤
においては、熱可塑性樹脂中で無機抗菌粒子の凝集や偏
在が十分に防止されているため、基材樹脂中で無機抗菌
粒子が均一に分散される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機抗菌剤並びに
これを用いた抗菌性繊維及び抗菌性樹脂成形品の製造方
法に関する。
【0002】
【従来技術】抗菌性繊維や抗菌性樹脂成形品は一般に、
基材樹脂と、この樹脂中に分散される抗菌剤とを含んで
おり、抗菌剤は、大きく無機系抗菌剤と有機系抗菌剤と
に分けられる。最近では、人体に対する安全性がより高
く、抗菌機能の持続性も優れていることから、無機系抗
菌剤が抗菌剤としてよく用いられている。
【0003】ところが、無機系抗菌剤は一般に基材樹脂
との相溶性が悪いため、基材樹脂中において無機系抗菌
剤の分散性が悪く、無機系抗菌剤の凝集が起こり、十分
な抗菌機能が発現できなくなる場合がある。
【0004】この場合、十分な抗菌機能を発現させよう
とすると、より多量の抗菌剤を配合せざるを得ず、費用
の増加を招く。また抗菌剤の凝集により粒子が粗大化す
ると、フィルター、例えば繊維を形成する際に用いる紡
糸パックフィルターの目詰まりや製造装置における抗菌
剤との接触部分の摩耗、製品強度の低下、感触や風合い
の悪化を招くことがある。
【0005】そこで、基材樹脂中における無機系抗菌剤
の分散性を高めるために、いわゆるマスターバッチ製法
によって基材樹脂中に抗菌剤を配合することが多く、更
に無機系抗菌剤と基材樹脂との相溶性を高めるために、
無機系抗菌剤の基材樹脂への配合時に、分散剤、滑剤な
どの添加物を配合することが一般に行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た方法で、抗菌性繊維や抗菌性樹脂成形品を製造する場
合、得られる抗菌性樹脂成形品や抗菌性繊維は、製造時
に配合される分散剤、滑剤の影響を大きく受けることと
なり、基材樹脂の物性、製品の風合い等への影響(例え
ば強度の低下)、抗菌性能の低下、費用の増加を招くお
それがある。
【0007】このため、分散剤や滑剤によらず、物理的
分散方法(特開平5−255515号公報、特開200
0−273313号公報)や、樹脂の改良(特開平8−
20680号公報)によって抗菌剤を分散させる技術の
検討も行われているが、いずれも基材樹脂への分散性、
製造プロセス中で発生する無機系抗菌剤の凝集の問題を
解決したものではない。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてされたもので
あり、特に、抗菌性能及び強度を十分に向上させること
ができる無機抗菌剤、並びにこれを用いた抗菌性繊維及
び抗菌性樹脂成形品の製造方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した。その結果、分散剤や滑剤に
よらずに、基材樹脂における無機抗菌剤の分散性を高め
るには、無機抗菌粒子の凝集及び偏在が十分に抑制され
た無機抗菌剤を予め製造し、それを基材樹脂に混合する
ことで、基材樹脂中における無機抗菌剤の分散性を制御
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、熱可塑性樹脂と該樹脂中
に分散される無機抗菌粒子とを含有する無機抗菌剤にお
いて、形状係数SF2が200以下である無機抗菌粒子
の存在割合が80%以上であることを特徴とする。ま
た、本発明は、熱可塑性樹脂と該樹脂中に分散される無
機抗菌粒子とを含有する無機抗菌剤において、2μm以
上の粒径を持つ無機抗菌粒子の存在割合が1%以下であ
ることを特徴とする。更に、本発明は、熱可塑性樹脂と
該樹脂中に分散される無機抗菌粒子とを含有する無機抗
菌剤において、1μm2あたりの無機抗菌粒子の存在割
合が70%以上であることを特徴とする。
【0011】これらの発明によれば、無機抗菌粒子が熱
可塑性樹脂中に分散されているので、抗菌性樹脂成形品
及び抗菌性繊維の基材樹脂中に無機抗菌剤を分散する場
合に、基材樹脂と熱可塑性樹脂との相溶性が、基材樹脂
と無機抗菌粒子との相溶性よりも高いため、基材樹脂中
における無機抗菌剤の分散性が向上する。しかも、無機
抗菌剤においては、熱可塑性樹脂中で無機抗菌粒子の凝
集や偏在が十分に防止されているため、基材樹脂中で無
機抗菌粒子が均一に分散されることとなる。従って、抗
菌性樹脂成形品および抗菌性繊維の抗菌性能及び強度が
十分に向上する。また、一定の抗菌機能を発現するため
に、無機抗菌剤を必要以上に基材樹脂中に配合する必要
が無く、製造費用を節減できる。更に、無機抗菌粒子の
凝集による抗菌性樹脂成形品および抗菌性繊維の変質な
どを抑制でき、また、抗菌性樹脂成形品および抗菌性繊
維の製造装置の摩耗を減少できる。更にまた、無機抗菌
剤においては、すでに無機抗菌粒子が均一に分散されて
いるため、抗菌性繊維および抗菌性樹脂成形品の製造時
に、分散剤や滑剤を添加しなくて済み、基材樹脂の物性
や風合いに悪影響を与えることが無い。
【0012】また、本発明は、上記無機抗菌剤を基材樹
脂中に分散させる工程を含むことを特徴とする抗菌性繊
維の製造方法である。この製造方法によれば、無機抗菌
粒子の凝集や偏在が十分に防止された無機抗菌剤を基材
樹脂中に分散させるので、抗菌性繊維において、無機抗
菌粒子の凝集や偏在が十分に防止される。従って、抗菌
性樹脂成形品および抗菌性繊維の抗菌性能及び強度が十
分に向上する。
【0013】更に、本発明は、上記無機抗菌剤を基材樹
脂中に分散させる工程を含むことを特徴とする抗菌性樹
脂成形品の製造方法である。この製造方法によれば、無
機抗菌粒子の凝集や偏在が十分に防止された無機抗菌剤
を基材樹脂中に分散させるので、抗菌性樹脂成形品にお
いて、無機抗菌粒子の凝集や偏在が十分に防止される。
従って、抗菌性樹脂成形品および抗菌性繊維の抗菌性能
及び強度を十分に向上する。
【0014】なお、上記無機抗菌剤、抗菌性繊維及び抗
菌性樹脂成形品の発明において、「無機抗菌粒子の存在
割合」とは、透過型電子顕微鏡を用いて無機抗菌剤を観
察したときの画像における無機抗菌粒子の存在割合をい
い、「無機抗菌粒子」には、1個の無機抗菌粒子のみな
らず、複数個の無機抗菌粒子が凝集してなる凝集粒子も
含まれるものとする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。
【0016】本発明は、熱可塑性樹脂と該樹脂中に分散
される無機抗菌粒子とを含有する無機抗菌剤において、
形状係数SF2が200以下である無機抗菌粒子の存在
割合が80%以上であることを特徴とする。
【0017】形状係数SF2は、下記式: SF2=100πL2/(4A) (式中、Lは前記無機抗菌粒子の周囲長を表し、Aは無
機抗菌粒子の投影面積を表す)で定義される。
【0018】複数個の無機抗菌粒子が凝集してなる凝集
粒子は一般に、1個の無機抗菌粒子の形状と異なり、い
くつもの無機抗菌粒子の組み合わさった複雑な形状をと
り、凝集粒子の周囲長は、同面積を有する円形粒子、さ
らには同面積を有する単一粒子より大きくなる。粒子が
真円である場合は、SF2は100となり、粉砕によっ
て製造された単一粒子のSF2は一般的に150以下と
なる。よって、SF2が200を超える粒子は凝集粒子
である可能性が高く、それが20%を超えて存在すると
無機抗菌粒子の添加量に応じた機能発現ができなくな
る。即ち抗菌性能及び強度が著しく低下する。また、よ
り多量の無機抗菌粒子を配合させるを得なくなり、製造
費用が増加する。更に、無機抗菌粒子の凝集により抗菌
性樹脂成形品および抗菌性繊維の変質などが起こり、ま
た、抗菌性樹脂成形品および抗菌性繊維の製造装置の摩
耗が大きくなる。従って、SF2が200以下である無
機抗菌粒子の存在割合が80%以上であることが必要で
あり、好ましくは90%以上であることが必要である。
存在割合が90%以上になると、抗菌性能及び強度がよ
り向上すると共に、製造費用をより低減できる。また、
無機抗菌粒子の凝集による抗菌性樹脂成形品および抗菌
性繊維の変質などがより起こりにくくなり、また、抗菌
性樹脂成形品および抗菌性繊維の製造装置の摩耗がより
減少する。
【0019】ここで、無機抗菌粒子は、透過型電子顕微
鏡を用いて抗菌剤の任意の切片を観察することにより確
認され、無機抗菌粒子の周囲長L及び投影面積Aは、画
像解析装置(ニレコ社製LUZEX III)による画
像解析により測定される。
【0020】形状係数SF2が200以下である無機抗
菌粒子の存在割合は、透過型電子顕微鏡の画像における
無機抗菌粒子のそれぞれについて形状係数SF2を算出
し、下記式: SF2が200以下である無機抗菌粒子の存在割合
(%)=100×(SF2が200以下である無機抗菌
粒子数)/(測定した無機抗菌粒子数) により算出される。この存在割合も、上記画像解析装置
により算出することができる。なお、測定する無機抗菌
粒子数は、少なくとも500個であり、安定した測定値
を得る観点からは、1000個以上であることが好まし
い。
【0021】本発明の無機抗菌剤においては、SF2が
200以下である無機抗菌粒子の存在割合が80%以上
であることに加えて、SF2が100〜150の無機抗
菌粒子の存在割合が60%以上であることが好ましい。
SF2が100〜150である無機抗菌粒子は、凝集が
少なく、効果的に抗菌機能を発現できるが、かかる無機
抗菌粒子の存在割合が60%未満では、効果的に抗菌機
能が発現されず、製造費用も増加する傾向がある。な
お、SF2が100〜150の無機抗菌粒子の存在割合
は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80
%以上である。
【0022】また、本発明は、熱可塑性樹脂と該樹脂中
に分散される無機抗菌粒子とを含有する無機抗菌剤にお
いて、2μm以上の粒径を持つ無機抗菌粒子の存在割合
が1%以下であることを特徴とする。
【0023】ここで、粒径が2μm以上の無機抗菌粒子
の存在有無は、無機抗菌剤の任意の切片を透過型電子顕
微鏡で観察することによって確認される。無機抗菌粒子
の粒径とは、無機抗菌粒子の最長径を意味するものとす
る。この最長径は、画像解析装置(ニレコ社製LUZE
X III)による画像解析により算出することができ
る。また、粒径が2μm以上の無機抗菌粒子の存在割合
は、下記式: 粒径が2μm以上の無機抗菌粒子の存在割合(%)=1
00×(粒径が2μm以上の無機抗菌粒子数)/(測定
した無機抗菌粒子数) により算出される。測定する無機抗菌粒子の数は、存在
割合の分析の精度を高めるため、少なくとも500個で
あり、1000個以上であることが好ましい。測定する
無機抗菌粒子の数が500個未満では、無機抗菌粒子割
合によっては、無機抗菌剤の一部分の状態に依存してし
まい、解析の信頼性が低下することがある。
【0024】2μm以上の粒径を持つ無機抗菌粒子の存
在割合が1%を超えると、無機抗菌剤を抗菌性樹脂成形
品および抗菌性繊維の基材樹脂中に分散させる場合に、
無機抗菌粒子が基材樹脂中で凝集したり偏在することと
なり、抗菌性樹脂成形品や抗菌性繊維の抗菌性能及び強
度が低下する。また、より多量の無機抗菌粒子を配合さ
せるを得なくなり、製造費用が増加する。更に、無機抗
菌粒子の凝集により抗菌性樹脂成形品および抗菌性繊維
の変質などが起こり、また、抗菌性樹脂成形品および抗
菌性繊維の製造装置の摩耗が大きくなる。
【0025】また、無機抗菌剤においては、2μm以上
の粒径を持つ無機抗菌粒子の存在割合が1%以下である
ことに加えて、形状係数SF2が200以下である無機
抗菌粒子の存在割合が80%以上であることが好まし
い。存在割合が80%未満では、抗菌性能及び強度が低
下し、また、製造費用が増加する傾向がある。
【0026】また、本発明の無機抗菌剤においては、1
μm2あたりの無機抗菌粒子の存在割合が70%以上で
ある。ここで、無機抗菌粒子の存在の有無は、透過型電
子顕微鏡を用いて無機抗菌剤の任意の切片を観察するこ
とにより確認される。1μm 2あたりの無機抗菌粒子の
存在割合は、画像解析装置(ニレコ社製LUZEXII
I)による画像解析により算出される。具体的には、画
像上に1μm2の区画を複数設定し、各区画における無
機抗菌粒子の存在の有無を測定し、下記式: 1μm2あたりの無機抗菌粒子の存在割合(%)=10
0×(無機抗菌粒子の存在する区画数)/(測定した区
画数) により存在割合が算出される。無機抗菌粒子の存在割合
が70%未満の場合、無機抗菌剤を抗菌性樹脂成形品や
抗菌性繊維に配合する場合に、抗菌機能発現が不十分だ
ったり、または抗菌機能を発現するために基材樹脂への
添加量を増加させる必要があり、製造費用が増加する。
また、無機抗菌粒子の存在割合が70%未満の無機抗菌
剤を用いると、無機抗菌粒子の凝集により抗菌性樹脂成
形品および抗菌性繊維の変質などが起こり、抗菌性樹脂
成形品および抗菌性繊維の製造装置の摩耗が大きくな
る。なお、1μm2あたりの存在割合は80%以上であ
ることが好ましく、90%以上であることがより好まし
い。測定する区画数は少なくとも500区画は必要であ
り、1000区画以上であることが好ましい。
【0027】なお、本発明の無機抗菌剤においては、1
μm2あたりの無機抗菌粒子の存在割合が70%以上で
あることに加えて、形状係数SF2が200以下である
無機抗菌粒子の存在割合が80%以上であることが好ま
しい。存在割合が80%未満では、抗菌性能及び強度が
低下し、製造費用が増加する傾向がある。また、無機抗
菌粒子の凝集により抗菌性樹脂成形品および抗菌性繊維
の変質などが起こり、抗菌性樹脂成形品および抗菌性繊
維の製造装置の摩耗が大きくなる傾向がある。
【0028】上記無機抗菌剤において、1μm2あたり
の無機抗菌粒子の存在割合が70%以上であることに加
えて、2μm以上の粒径を持つ無機抗菌粒子の存在割合
が1%以下であり、かつSF2が200以下である無機
抗菌粒子の存在割合が80%以上であることが好まし
い。この場合、無機抗菌粒子の凝集が起こらず、さらに
極大粒子も存在しない。このため、製造装置の摩耗、抗
菌性樹脂成形品及び抗菌性繊維の強度や物性の低下を起
こさずに、効果的に抗菌機能を発現することができる。
加えて、この無機抗菌剤において、1μm2あたりの無
機抗菌粒子の存在割合が70%以上であるため、無機抗
菌粒子は、偏在のない均一な分散性を有する。従って、
同等の抗菌機能を有する樹脂製品等を安定的に継続して
製造することができる。
【0029】上記無機抗菌剤において、無機抗菌粒子の
平均体積粒径は、0.05〜0.5μmであることが好
ましい。平均体積粒径が0.05μm未満では、粒径が
小さすぎて無機抗菌粒子が舞い上がるなど、取扱いが困
難になる傾向がある。一方、平均体積粒径が0.5μm
を超えると、単位重量あたりの担体の表面積が低下する
ため、無機抗菌粒子が担持できる抗菌性金属の量が低下
するため、添加量を増やさざるを得ず、樹脂物性等に影
響を与える。
【0030】無機抗菌粒子は、抗菌性を有する金属(以
下、「抗菌性金属」と言う)と無機系担体よりなること
が好ましいが、かかる構成に限定されるものではなく、
抗菌性を有する金属単体で構成されてもよい。但し、無
機抗菌粒子が、抗菌性金属と無機系担体とで構成される
場合、抗菌性金属あるいはその化合物を使用する場合に
比べて金属の溶出が著しく少ないため、抗菌機能が維持
され、安全性も高く、また日光などによる変色も起こり
にくいという利点がある。
【0031】上記抗菌性金属としては、銀、銅、亜鉛、
金、白金又はニッケル等が代表例として挙げられる。こ
れらは1種類のみを使用することもできるが、2種以上
の金属を混合して用いてもよい。
【0032】上記抗菌性金属を用いる場合、無機系の担
体としては特に制限はないが、アルミナ、シリカ、ゼオ
ライト、リン酸塩系化合物、炭酸カルシウム、ケイ酸カ
ルシウム、ベントナイト、酸化チタンの少なくとも1つ
のセラミックを挙げることができる。これらのセラミッ
クは、人体に安全であり、金属及び/又は金属イオンを
固定する効果に優れているという利点がある。
【0033】上記抗菌性金属のうち、高い抗菌性を維持
することと、生産性及び製造コスト等を勘案すると、
銀、銅、亜鉛の使用が最も好ましい。これらの抗菌性金
属は単独で用いても良いが、複数種を混合しても良い。
一方、前記無機系担体のうち、イオン交換能が良好であ
ること及び担持した抗菌性金属の溶出量が低い物質であ
ることから、リン酸塩系化合物を使用することがより好
ましい。
【0034】前記リン酸塩系化合物の具体例としては、
リン酸三カルシウム〔Ca3(PO42〕、リン酸水素
カルシウム〔CaHPO4〕、ハイドロキシアパタイト
〔Ca 10(PO46(OH)2〕、ピロリン酸水素カル
シウム〔CaH227〕、ピロリン酸カルシウム〔C
227〕等のリン酸カルシウム系化合物、Ti(H
PO42等のリン酸チタン系化合物、Zr(HPO42
等のリン酸ジルコニウム系化合物、Mg8(PO42
のリン酸マグネシウム系化合物、AlPO4等のリン酸
アルミニウム系化合物、Mn3(PO42等のリン酸マ
ンガン系化合物及びFe8(PO42等のリン酸鉄系化
合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を挙げるこ
とができる。これらのリン酸塩系化合物を担体とした無
機抗菌剤は、特に金属イオンの溶出(脱離)が少なく、
抗菌効果の持続性がより高い。
【0035】なお、人体との親和性(生体親和性)が良
好であり、高い抗菌持続性、優れた安全性を有している
ことから、前述のリン酸塩系化合物のうち、特にリン酸
カルシウム系化合物の使用が最も好ましい。リン酸カル
シウム系化合物としては、前述したもの以外に、Ca10
(PO462(X=F,Cl)のハロゲン化アパタイ
ト及び非化学量論アパタイトCa10-Z(HPO4y(P
46-y2-y・zH2O(X=OH、F,Cl;y、z
は不定比量)であってもよい。
【0036】本発明の無機抗菌剤は、前述した担体とし
ての化合物、好ましくはリン酸塩系化合物、特にリン酸
カルシウム系化合物を担体として選択し、この担体に、
前述の抗菌性金属のうち、特に、銀、銅、亜鉛から選ば
れる少なくとも1種の抗菌性金属を担持させることが好
ましい。
【0037】無機抗菌粒子は、常法により上記抗菌性金
属を無機系担体に担持させることにより得ることができ
る。常法とは、物理的吸着、化学的吸着、イオン交換、
蒸着や表面薄膜形成、機械的担持方法などを含む。
【0038】無機抗菌剤中に含まれる無機抗菌粒子の含
有率は、所望の抗菌性能を付与できる限り特に制限はな
いが、10〜60重量%であることが好ましい。無機抗
菌粒子の含有率が10重量%未満であると、必要な抗菌
機能を発揮するためには、無機抗菌剤の基材樹脂への添
加量が増すため、抗菌性樹脂成形品の製造費用が増加す
る傾向がある。また無機抗菌粒子の含有量が60重量%
を超えると、無機抗菌粒子の凝集が起こりやすくなり、
また無機抗菌剤製造時の混練が困難になる傾向がある。
【0039】本発明の無機抗菌剤に含まれる熱可塑性樹
脂は特に制限はなく、かかる熱可塑性樹脂の例として
は、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、エポキシ、
シリコン、フッ素、又はこれらから誘導される樹脂等を
挙げることができる。無機抗菌粒子の配合のし易さや分
散性、汎用性を考慮すると、これらのうち特にポリエス
テル、ポリアミドが好適である。
【0040】ポリエステルの具体例としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リ(エチレンテレフタレート/イソフタレート)、ポリ
(エチレングリコール/シクロヘキサンジメタノール/
テレフタレート)、ポリカーボネート及びポリアリレー
トなどが挙げられる。
【0041】ポリアミドの具体例としては、ナイロン
4、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、ナイロ
ン610などが挙げられる。
【0042】本発明の無機抗菌剤においては、必要に応
じて、本発明の無機抗菌剤に影響を与えない範囲で公知
の添加剤を、1種または複数を組み合わせて配合するこ
とができる。例えば、難燃剤、難燃助剤、防腐剤、防黴
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、界面
活性剤、着色剤(染顔料)、分散剤、滑剤、分散助剤、
充填剤、結着剤、帯電制御剤等である。但し、一般的に
樹脂と無機抗菌粒子との相溶性を向上させるために汎用
される滑剤、分散剤、分散助剤等は、必ずしも必要では
ない。
【0043】本発明の無機抗菌剤は、熱可塑性樹脂と無
機抗菌粒子の特性を考慮したうえで、各種パラメータを
制御した溶融混練粉砕法により製造される。即ち、本発
明の無機抗菌剤は、熱可塑性樹脂と無機抗菌粒子とを溶
融混練する溶融混練工程と、この溶融混練工程で得られ
る混練物を粉砕する粉砕工程とを含む方法により製造さ
れる。
【0044】本発明の無機抗菌剤に使用する熱可塑性樹
脂や無機抗菌粒子は特に限定されるものではないが、粉
砕の難易に関わるガラス転移温度、軟化温度、融点、基
材粒子(繊維や成形品を構成する基材の粒子)との相溶
性に関わる酸価、水酸価、官能基、溶解速度、物理的特
性である粒径、粒度分布等に鑑みて選択される。例え
ば、熱可塑性樹脂の酸価が小さい場合は、無機抗菌剤の
分散性が悪くなりやすく、酸価が大きい場合は着色が起
きたり、基材樹脂への相溶性が悪くなりやすいので、こ
のような場合には、無機抗菌粒子の分散性を向上させる
ために、攪拌や混練装置を最適化したり、無機抗菌粒子
を適切に選択しなければならない。
【0045】上記溶融混練工程では、公知の方法によ
り、熱可塑性樹脂と無機抗菌粒子を溶融状態で混練す
る。ここで、熱可塑性樹脂における無機抗菌粒子の分散
性を向上させるためには、一軸又は多軸の押出機による
混練が好ましい。このとき、混練機のニーディングスク
リュウゾーン数、シリンダ設定温度、混練速度は、製造
する無機抗菌剤の物性に大きな影響を与えるため、これ
らを全て適切な値に設定し、制御する必要がある。例え
ば、熱可塑性樹脂の物性にあわせて樹脂温度が適切にな
るような装置制御が必要であり、また、十分な混練状態
を得るためにはニーディングスクリューゾーン数やシリ
ンダ設定温度等を総合的に決定しなければならない。ニ
ーディングスクリューゾーン数は1段よりも2段スクリ
ュー等多段ゾーンを用いた方がより効率的で確実な混練
状態が得られる。シリンダー設定温度は、樹脂の軟化温
度より決定し、通常軟化温度よりも−20〜+100℃
に設定するのが好ましい。この範囲を下回ると、十分な
混練分散が得られず、凝集が起こりやすくなり、上記範
囲を上回ると、混練に必要な圧力や力が樹脂に掛かり難
くなり、十分な分散が得られないばかりか、混練後の冷
却が困難となることがある。
【0046】上記粉砕工程では、上記溶融混練工程で溶
融混練された混練物が十分に冷却された後、ボールミ
ル、サンドミル、ハンマーミル等の機械的粉砕方法、気
流式粉砕方法等の公知の方法で粉砕される。常法での冷
却が十分にできない場合は、冷却又は凍結粉砕法を用い
てもよい。これも無機抗菌剤である被粉砕物の物性に適
した冷却方法と粉砕方法を選択し、冷却温度、粉砕圧
力、粉砕温度、気流速度等を最適化する必要がある。
【0047】なお、本発明の無機抗菌剤の製造にあたっ
ては、上記溶融混練工程に先立って、熱可塑性樹脂と無
機抗菌粒子を攪拌混合する攪拌混合工程が行われること
が好ましい。攪拌混合工程がないと、攪拌が不十分とな
り、無機抗菌粒子に偏在が起こりやすく、凝集も発生し
やすくなる傾向がある。この場合、熱可塑性樹脂と無機
抗菌粒子の攪拌混合は、ヘンシェルミキサー、スーパー
ミキサー等で行われる。このとき、攪拌機の容量、攪拌
機の羽根の回転速度、攪拌時間等を適宜選択しなければ
ならない。以下75リットルのヘンシェルミキサーにつ
いて例を挙げると、攪拌機の羽根の回転速度は、500
rpm以上であることが望ましい。これを下回ると、十
分な攪拌を得るためには長時間の攪拌が必要になり、作
業が非効率になる。回転速度の上限は、装置の性能、攪
拌時間、樹脂の特性に依存する。攪拌時間は、攪拌装置
の回転速度にも依存するが、15秒から15分間が好ま
しい。短すぎると、攪拌が不十分になり、抗菌粒子に偏
在が起こりやすく、凝集も発生しやすくなる。一方15
分以上攪拌しても効果は向上しないばかりか、再分離を
起こし効果を低下させることもある。更に温度上昇を招
き凝集を起こすことがある。
【0048】次に、本発明の抗菌性繊維の製造方法につ
いて説明する。
【0049】本発明の製造方法により得られる抗菌性繊
維は、上述した無機抗菌剤と、この無機抗菌剤を分散さ
せる基材樹脂とを含有する。この無機抗菌剤は、無機抗
菌粒子の凝集や偏在が十分に防止されたものであるた
め、抗菌性繊維においても、無機抗菌粒子の凝集や偏在
が十分に防止されることとなる。従って、抗菌性繊維の
抗菌性能及び強度が十分に向上する。
【0050】上記基材樹脂に、上記無機抗菌剤を配合す
る場合、上記基材樹脂に特に限定はなく、ナイロン6、
ナイロン66などのポリアミド、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン、アクリロニトリル、ポリビニルアルコール又はこれ
らの共重合体などの合成樹脂、アセテート、プロミック
スなどの半合成樹脂、レーヨン、キュプラなどの再生樹
脂を挙げることができる。
【0051】繊維用基材樹脂への無機抗菌剤の配合量
は、無機抗菌剤への無機抗菌粒子の配合量に依存し、無
機抗菌粒子が基材樹脂に対し0.01〜20重量%、好
ましくは0.01〜10重量%の割合で配合する。無機
抗菌剤の配合は、繊維樹脂の重合ポリマー、ポリマーペ
レット、若しくは紡糸原液に混合する等、常法によって
混合され、繊維化される。繊維用基材樹脂中の無機抗菌
粒子の含有量が0.01重量%未満のときは、抗菌性が
発現せず、20重量%を超えて配合しても抗菌性能の向
上は認められない。よって、抗菌性能を少ない費用で最
大限に発揮するためには、0.01〜20重量%が好ま
しい。
【0052】上記抗菌性繊維は、基材樹脂と無機抗菌剤
とを溶融して基材樹脂中に無機抗菌剤を分散させる溶融
工程と、溶融工程で得られる溶融物を紡糸する紡糸工程
とを含む方法により製造することができる。
【0053】この製造方法により、抗菌性能及び強度が
十分に向上した抗菌性繊維を得ることができる。また、
凝集や偏在の十分に防止された無機抗菌粒子を含む無機
抗菌剤が基材樹脂と溶融されるため、一定の抗菌性能を
発現するために無機抗菌剤を過度に添加する必要が無く
なり、製造費用を低減することができる。更に、本製造
方法によれば、無機抗菌剤において、すでに無機抗菌粒
子が均一に分散されているため、抗菌性繊維の製造時
に、分散剤や滑剤を添加しなくて済み、基材樹脂の物性
や風合いに悪影響を与えることが無い。また、無機抗菌
剤において無機抗菌粒子の凝集や偏在が十分に防止され
るため、無機抗菌剤と基材樹脂とを溶融させる場合に、
フィルターに目詰まりが発生したり、溶融紡糸装置にお
いて基材樹脂と接触する部分の摩耗の発生を十分に防止
することができる。
【0054】次に、本発明の抗菌性樹脂成形品の製造方
法について説明する。
【0055】本発明の製造方法により得られる抗菌性樹
脂成形品は、上記無機抗菌剤と、この無機抗菌剤を分散
させる基材樹脂とを含有する。この無機抗菌剤は、無機
抗菌粒子の凝集や偏在が十分に防止されたものであるた
め、抗菌性樹脂成形品においても、無機抗菌粒子の凝集
や偏在が十分に防止されることとなる。従って、抗菌性
樹脂成形品の抗菌性能及び強度が十分に向上する。
【0056】上記基材樹脂としては、特に限定はなく、
その選択は用途による。特に好適な樹脂は熱可塑性樹脂
であり、ポリスチレン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、フッ素樹脂等を
挙げることができる。これらの中でも、特に好適な樹脂
は、スチレン系樹脂、メタクリル系樹脂、オレフィン系
樹脂である。
【0057】成形品への無機抗菌剤の配合量は、無機抗
菌剤が含有する無機抗菌粒子量に依存し、成形品用基材
樹脂中の無機抗菌粒子濃度が0.01〜30重量%、好
ましくは0.05〜20重量%である。基材樹脂中の無
機抗菌粒子の含有量が0.01重量%未満のときは、抗
菌性が発現せず、30重量%を超えて配合しても、抗菌
性能の向上は認められない。よって、抗菌性能を少ない
費用で最大限に発揮するためには、0.01〜30重量
%であることが好ましい。
【0058】上記抗菌性樹脂成形品は、基材樹脂と無機
抗菌剤とを溶融混練して基材樹脂中に無機抗菌剤を分散
させる混練工程と、混練物を成形する成形工程とを含む
方法により製造することができる。
【0059】この製造方法により、抗菌性能及び強度が
十分に向上した抗菌性樹脂成形品を得ることができる。
また、凝集や偏在の十分に防止された無機抗菌粒子を含
む無機抗菌剤が基材樹脂と溶融されるため、一定の抗菌
機能を発現するために無機抗菌剤を過度に添加する必要
が無くなり、製造費用を低減することができる。更に、
本製造方法によれば、無機抗菌剤において、すでに無機
抗菌粒子が均一に分散されているため、抗菌性樹脂成形
品の製造時に、分散剤や滑剤を添加しなくて済み、基材
樹脂の物性や風合いに悪影響を与えることが無い。ま
た、無機抗菌剤において無機抗菌粒子の凝集や偏在が十
分に防止されるため、無機抗菌剤と基材樹脂とを溶融混
練したり、成形したりする場合に、フィルターに目詰ま
りが発生したり、溶融混練装置や成形機において基材樹
脂と接触する部分の摩耗の発生を十分に防止することが
できる。
【0060】なお、上記成形工程における成形方法とし
ては、例えば押出成形が挙げられるが、これに限らず、
射出成形やブロー成形、インフレーション成形、真空成
形などを用いてもよい。
【0061】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明の内
容をより具体的に説明する。実施例1〜3及び実施例5〜7 先ず以下の混練粉砕法により無機抗菌剤を製造した。
【0062】即ち、先ず熱可塑性樹脂として、重量平均
分子量Mw=22000、ガラス転移温度65℃の芳香
族系ポリエステル(テレフタル酸とビスフェノールAポ
リオキシエチレン2モル付加物の縮合物)を用い、無機
抗菌粒子として、平均体積粒径D50=0.1μmの銀
を担持したリン酸カルシウム粒子(アパサイダーZ、株
式会社サンギ製)を用い、これらを、攪拌機であるヘン
シェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機社製)
に投入して攪拌混合した。このときの攪拌機の設定条件
(攪拌混合の実施の有無、攪拌機の回転速度、攪拌時
間)を下記表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】次いで、上記無機抗菌粒子とポリエステル
との混合物を、混練機であるエクストルーダ(TEM4
8BS、東芝機械社製)を用いて溶融混練し、得られた
混練物を冷却してハンマーミルで粉砕した。こうして無
機抗菌剤を得た。なお、溶融混練時の混練速度、ニーデ
ィングスクリューゾーン数及びシリンダ設定温度は、上
記表1に示す値とした。
【0065】こうして製造された無機抗菌剤について、
以下のようにして、形状係数SF2が200以下の無機
抗菌粒子の存在割合、形状係数SF2が100〜150
である無機抗菌粒子の存在割合、2μm以上の粒径を持
つ無機抗菌粒子の存在割合、1μm2あたりの無機抗菌
粒子の存在割合を測定した。
【0066】即ち、形状係数SF2が200以下の無機
抗菌粒子の存在割合は、無機抗菌剤を5000倍の透過
型電子顕微鏡を用いて観察し、観察した画像を画像解析
装置(LUZEX III (株)ニレコ製)に取り込み、
画像解析プログラムを用いて1000個の無機抗菌粒子
について形状係数SF2を測定して求めた。形状係数S
F2が100〜150である無機抗菌粒子の存在割合に
ついても上記と同様にして求めた。
【0067】また、2μm以上の粒径を持つ無機抗菌粒
子の存在割合は、無機抗菌剤を3000倍の透過型電子
顕微鏡を用いて観察し、観察した画像を画像解析装置
(LUZEX III (株)ニレコ製)に取り込み、画像
解析プログラムを用いて1000個の無機抗菌粒子につ
いて最長径を測定して求めた。
【0068】1μm2あたりの無機抗菌粒子の存在割合
は、無機抗菌剤を3000倍の透過型電子顕微鏡を用い
て観察し、観察した画像を画像解析装置(LUZEX I
II(株)ニレコ製)に取り込み、画像解析プログラムを
用いて、1区画が1μm2になるように区画数を設定
し、1000区画について無機抗菌粒子の存在の有無を
調べて求めた。
【0069】次に、実施例1〜7及び比較例1の各無機
抗菌剤を使用した抗菌性樹脂成形品として、基材用の樹
脂ポリエステルに2.5重量%添加し、溶融混練押出成
形機によって抗菌樹脂プレートを作成した。また、繊維
形成用基材樹脂であるポリエチレンテレフタレートに5
重量%添加し、常法に従い、巻き取り速度1200m/
分で溶融紡糸し、スピンドル方式の延伸仮撚機で抗菌性
仮撚加工繊維を得た。 (1)抗菌性試験 前記のように作成した抗菌樹脂プレートと、抗菌性仮撚
加工繊維について、次のように抗菌性試験を実施した。 抗菌樹脂プレート 日本工業標準調査会の審議を経て作成された、抗菌加工
製品の抗菌性試験方法(JIS Z 2801)に準拠
して抗菌試験を行った。先ず、樹脂組成物の平板成形体
(厚さ2mm)を50mm×50mmに切り出し、エタ
ノールを染み込ませたガーゼで成形体表面をふき取り、
23℃、60%相対湿度雰囲気下で24時間放置し、抗
菌力試験検体とした。試験検体に菌液を0.5ml接種
し、45mm×45mmのポリエチレンフィルムを密着
させた後、37℃で保存し、保存開始時及び24時間後
にSCDLP培地(日本製薬(株)製)で生存菌を洗い
出した。この洗い出し液について菌数測定用標準寒天培
地(ニッスイ(株)製)を用いた寒天平板培養法(37
℃、24時間)により、生存菌数を測定し、検体1枚当
たりの生存菌数に換算した。結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】試験菌は、大腸菌(ISO3301)を使
用した。試験菌液を調製するため、まず、肉エキス5m
g、ペプトン10mg、及び塩化ナトリウム5mgを1
リットルの蒸留水に溶かした普通ブイヨン培地を調製し
た。次いで、前記ブイヨン培地を蒸留水にて更に500
倍に希釈した溶液を調製し、かかる溶液に大腸菌を懸濁
させ、1mlあたりの菌数が1×105個となるように
調製した。
【0072】なお、抗菌性樹脂プレートに対して、抗菌
性バラツキを検出するため、実施例1〜7、及び比較例
1の被検プレートを各10種類用意し実施した。バラツ
キは、各例における被検プレートの抗菌試験結果を相互
に比較することにより行った。
【0073】即ち、「抗菌性のバラツキ」=log(生
存菌数の最大値)−log(生存菌数の最小値) 各例の品質のバラツキは、前記「抗菌性のバラツキ」値
から、次のように評価した。結果を表2に示す。 A:「抗菌性のバラツキ」≦0.5 :品質にバラツキが無い。 B:0.5<「抗菌性のバラツキ」≦1.0 :品質のバラツキが少し見られる 。 C:1.0<「抗菌性のバラツキ」≦1.5 :品質のバラツキがある。 D:1.5<「抗菌性のバラツキ」 :品質のバラツキが多い。 抗菌性仮撚加工繊維 日本工業標準調査会の審議を経て作成された、繊維製品
の抗菌性試験方法(JIS L 1902)に準拠して
抗菌試験を行った。
【0074】すなわち、滅菌した1/20濃度のニュー
トンエントブロスに下記試験菌1.3×105個/mを
0.4gの試料に均一に接種し、37℃で18時間培養
する。培養終了後、試験菌を洗い出し、その液で混釈平
板寒天培地を作製し、37℃で24〜48時間培養し生
菌数を測定した。結果を表2に示す。なお、試験菌とし
て、黄色ブドウ球菌(Staphylococcue aureus ATCC
6538P)を使用した。 (2)紡糸断糸率 捲取速度1200m/分で紡糸し、紡糸繊維長106m
当たりの断糸回数で表した。結果を表2に示す。実施例4 無機抗菌粒子を、平均体積粒径D50=2.0μmのも
の(石塚硝子株式会社製、ホウケイ酸ガラス−銀系抗菌
剤;イオンピュア)に代えると共に、攪拌機による攪拌
混合の実施の有無、攪拌機の羽根の回転速度、攪拌時
間、混練速度、ニーディングスクリューゾーン数、シリ
ンダ設定温度を表1に示す値とした以外は実施例1と同
様にして、無機抗菌剤を製造した。そして、実施例1と
同様にして、形状係数SF2が200以下の無機抗菌粒
子の存在割合、形状係数SF2が100〜150である
無機抗菌粒子の存在割合、2μm以上の粒径を持つ無機
抗菌粒子の存在割合、1μm2あたりの無機抗菌粒子の
存在割合を測定した。結果を表1に示す。
【0075】また、上記のようにして得られた無機抗菌
剤を用い、実施例1と同様にして、抗菌性樹脂成形品及
び抗菌性繊維を得た。そして、実施例1と同様にして、
抗菌性能、抗菌性能のバラツキ、及び強度(紡糸断糸
率)を測定し、評価した。結果を表2に示す。比較例1 無機抗菌粒子を、平均体積粒径D50=2.0μmのも
の(石塚硝子株式会社製、ホウケイ酸ガラス−銀系抗菌
剤;イオンピュア)に代えると共に、攪拌機による攪拌
混合の実施の有無、攪拌機の羽根の回転速度、攪拌時
間、混練速度、ニーディングスクリューゾーン数、シリ
ンダ設定温度を表1に示す値とした以外は実施例1と同
様にして、無機抗菌剤を製造した。そして、実施例1と
同様にして、形状係数SF2が200以下の無機抗菌粒
子の存在割合、形状係数SF2が100〜150である
無機抗菌粒子の存在割合、2μm以上の粒径を持つ無機
抗菌粒子の存在割合、1μm2あたりの無機抗菌粒子の
存在割合を測定した。結果を表1に示す。
【0076】また、上記のようにして得られた無機抗菌
剤を用い、実施例1と同様にして、抗菌性樹脂成形品及
び抗菌性繊維を得た。そして、実施例1と同様にして、
抗菌性能、抗菌性能のバラツキ、及び強度(紡糸断糸
率)を測定し、評価した。結果を表2に示す。
【0077】上記実施例1〜7及び比較例1に示す結果
より、実施例1〜7の抗菌性樹脂成形品及び抗菌性繊維
は、抗菌性能が十分に高くなり、抗菌性能のバラツキも
少なく且つ強度も大きくなるのに対し、比較例1によれ
ば、抗菌性能が低下し、抗菌性能のバラツキも大きく且
つ強度も小さくなることが分かった。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明の無機抗菌剤
によれば、無機抗菌粒子が熱可塑性樹脂中に分散されて
いるため、抗菌性樹脂成形品及び抗菌性繊維の基材樹脂
中に無機抗菌剤を分散する場合に、基材樹脂中における
無機抗菌剤の分散性が向上する。しかも、無機抗菌剤に
おいては、熱可塑性樹脂中で無機抗菌粒子の凝集や偏在
が十分に防止されているため、基材樹脂中で無機抗菌粒
子が均一に分散される。従って、抗菌性樹脂成形品およ
び抗菌性繊維の抗菌性能及び強度を十分に向上させるこ
とができる。また、無機抗菌剤を必要以上に基材樹脂中
に配合する必要が無く、製造費用を節減できる。更に、
無機抗菌粒子の凝集による抗菌性樹脂成形品および抗菌
性繊維の変質などを抑制でき、抗菌性樹脂成形品および
抗菌性繊維の製造装置の摩耗を減少できる。
【0079】また、本発明の抗菌性繊維及び抗菌性樹脂
成形品の製造方法によれば、無機抗菌粒子の凝集や偏在
が十分に防止された無機抗菌剤を基材樹脂中に分散させ
るので、抗菌性繊維および抗菌性樹脂成形品において、
無機抗菌粒子の凝集や偏在が十分に防止される。従っ
て、抗菌性樹脂成形品および抗菌性繊維の抗菌性能及び
強度が十分に向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 保雄 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 青木 孝義 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 富永 悦夫 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 佐久間 周治 東京都中央区築地3丁目11番6号 株式会 社サンギ内 (72)発明者 斉藤 宗輝 東京都中央区築地3丁目11番6号 株式会 社サンギ内 Fターム(参考) 4H011 AA02 BA01 BB18 BC18 BC19 DA01 DA10 DH01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂と該樹脂中に分散される無
    機抗菌粒子とを含有する無機抗菌剤において、 形状係数SF2が200以下である無機抗菌粒子の存在
    割合が80%以上であることを特徴とする無機抗菌剤。
  2. 【請求項2】 形状係数SF2が100〜150である
    無機抗菌粒子の存在割合が60%以上であることを特徴
    とする請求項1に記載の無機抗菌剤。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂と該樹脂中に分散される無
    機抗菌粒子とを含有する無機抗菌剤において、 2μm以上の粒径を持つ無機抗菌粒子の存在割合が1%
    以下であることを特徴とする無機抗菌剤。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂と該樹脂中に分散される無
    機抗菌粒子とを含有する無機抗菌剤において、 1μm2あたりの無機抗菌粒子の存在割合が70%以上
    であることを特徴とする無機抗菌剤。
  5. 【請求項5】 形状係数SF2が200以下である無機
    抗菌粒子の存在割合が80%以上であることを特徴とす
    る請求項3又は4に記載の無機抗菌剤。
  6. 【請求項6】 前記無機抗菌粒子の平均体積粒径が0.
    05〜0.5μmであることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか一項に記載の無機抗菌剤。
  7. 【請求項7】 前記無機抗菌粒子が、抗菌性を有する金
    属と無機系担体とからなり、前記抗菌性を有する金属
    が、銀、銅、亜鉛、金、白金及びニッケルからなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種からなり、前記無機系担体
    が、アルミナ、シリカ、ゼオライト、リン酸塩系化合
    物、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ベントナイト
    及び酸化チタンからなる群より選ばれる少なくとも1種
    からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項
    に記載の無機抗菌剤。
  8. 【請求項8】 前記無機抗菌粒子が、リン酸カルシウム
    に、銀及び亜鉛又はこれらのいずれか一方を担持させた
    ものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一
    項に記載の無機抗菌剤。
  9. 【請求項9】 前記無機抗菌粒子を10〜60重量%含
    有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に
    記載の無機抗菌剤。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項に記載の
    無機抗菌剤を基材樹脂中に分散させる工程を含むことを
    特徴とする抗菌性繊維の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれか一項に記載の
    無機抗菌剤を基材樹脂に分散させる工程を含むことを特
    徴とする抗菌性樹脂成形品の製造方法。
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