JP2000282332A - 抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊維 - Google Patents
抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊維Info
- Publication number
- JP2000282332A JP2000282332A JP9245399A JP9245399A JP2000282332A JP 2000282332 A JP2000282332 A JP 2000282332A JP 9245399 A JP9245399 A JP 9245399A JP 9245399 A JP9245399 A JP 9245399A JP 2000282332 A JP2000282332 A JP 2000282332A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester
- fiber
- group
- melting point
- antibacterial
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
- Multicomponent Fibers (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐久性に優れた抗菌性を有するポリエステル
系バインダー繊維を安価に提供することを目的とする。 【解決手段】 高融点ポリエステルとそれよりも30℃
以上融点の低い低融点ポリエステルからなるポリエステ
ル系複合繊維であって、低融点ポリエステル側に下記一
般式(I)で示される亜リン酸エステル化合物の1種以
上を0.05〜10重量%添加され、その低融点ポリエ
ステルが繊維表面の少なくとも一部に露出してなること
を特徴とする抗菌性を有するポリエステル系バインダー
繊維。 【化9】
系バインダー繊維を安価に提供することを目的とする。 【解決手段】 高融点ポリエステルとそれよりも30℃
以上融点の低い低融点ポリエステルからなるポリエステ
ル系複合繊維であって、低融点ポリエステル側に下記一
般式(I)で示される亜リン酸エステル化合物の1種以
上を0.05〜10重量%添加され、その低融点ポリエ
ステルが繊維表面の少なくとも一部に露出してなること
を特徴とする抗菌性を有するポリエステル系バインダー
繊維。 【化9】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性が良好な抗
菌性を有するポリエステル系バインダー繊維に関する。
菌性を有するポリエステル系バインダー繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、衛生意識が高まり、雑菌の繁殖が
予想されるような生活資材への抗菌性付与は当たり前に
なりつつあり、抗菌性を付与する方法はこれまで多数提
案されている。
予想されるような生活資材への抗菌性付与は当たり前に
なりつつあり、抗菌性を付与する方法はこれまで多数提
案されている。
【0003】このような抗菌性製品には、各種の抗菌剤
が用いられており、製品への抗菌剤の複合処理も様々で
ある。例えば、抗菌性を示す金属又は金属化合物微粒子
を分散液として有機高分子材料と接触させ、有機高分子
表面に被覆付着する方法(特開平7−97769号公
報)が知られている。しかしながら、これらの抗菌性付
与方法では、表面に抗菌性金属が付着しているだけなの
で、洗濯耐久性が劣り好ましくない。又、抗菌剤をメラ
ミン樹脂で架橋構造化して表面を被覆させる方法(特開
平7−310284号公報、特開平10−110388
号公報など)が知られているが、この方法は、加工が容
易だが、洗濯耐久性に劣るので好ましくない。
が用いられており、製品への抗菌剤の複合処理も様々で
ある。例えば、抗菌性を示す金属又は金属化合物微粒子
を分散液として有機高分子材料と接触させ、有機高分子
表面に被覆付着する方法(特開平7−97769号公
報)が知られている。しかしながら、これらの抗菌性付
与方法では、表面に抗菌性金属が付着しているだけなの
で、洗濯耐久性が劣り好ましくない。又、抗菌剤をメラ
ミン樹脂で架橋構造化して表面を被覆させる方法(特開
平7−310284号公報、特開平10−110388
号公報など)が知られているが、この方法は、加工が容
易だが、洗濯耐久性に劣るので好ましくない。
【0004】銀ゼオライト系を代表する無機系金属系物
質を練り込む方法(特開平5−272008号公報、特
公昭63−54013号公報など)、銅や亜鉛などの金
属微粉末を添加する方法(特開昭55−130371号
公報)が提案されている。しかしながら、無機系の銀、
銅、亜鉛イオンを持つゼオライトや金属粉末は。担持量
が制限され、多量に配合すると組成物の物性を低下させ
るとともに、紡糸時のは威圧上昇が著しく生産性が低下
して好ましくない。凝集による背圧上昇を防止する為に
表面コーティングすると抗菌性や接着性が低下するなど
の問題があり好ましくない。又、金属イオンの溶出によ
り着色するなどの問題がある。他方、有機系抗菌剤を練
り込む方法として第4級アンモニウム塩系化合物(特開
昭62−69883号公報等)、天然化合物としての生
薬系抗菌剤(特開平7−216731号公報など)が提
案されているが、熱安定性が劣り、汎用性に劣る問題が
ある。その他の方法としてハロゲン系フェノール化合物
を混入する方法(特開昭60−252713号公報な
ど)が提案されているが、ハロゲン化フェノール類をパ
ラフィンに含有させるため汎用の熱可塑性樹脂に使用で
きない。
質を練り込む方法(特開平5−272008号公報、特
公昭63−54013号公報など)、銅や亜鉛などの金
属微粉末を添加する方法(特開昭55−130371号
公報)が提案されている。しかしながら、無機系の銀、
銅、亜鉛イオンを持つゼオライトや金属粉末は。担持量
が制限され、多量に配合すると組成物の物性を低下させ
るとともに、紡糸時のは威圧上昇が著しく生産性が低下
して好ましくない。凝集による背圧上昇を防止する為に
表面コーティングすると抗菌性や接着性が低下するなど
の問題があり好ましくない。又、金属イオンの溶出によ
り着色するなどの問題がある。他方、有機系抗菌剤を練
り込む方法として第4級アンモニウム塩系化合物(特開
昭62−69883号公報等)、天然化合物としての生
薬系抗菌剤(特開平7−216731号公報など)が提
案されているが、熱安定性が劣り、汎用性に劣る問題が
ある。その他の方法としてハロゲン系フェノール化合物
を混入する方法(特開昭60−252713号公報な
ど)が提案されているが、ハロゲン化フェノール類をパ
ラフィンに含有させるため汎用の熱可塑性樹脂に使用で
きない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主旨は、上記
問題を解決し、優れた耐久性を有する抗菌性と熱接着性
を有する抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊維
を提供することにある。
問題を解決し、優れた耐久性を有する抗菌性と熱接着性
を有する抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊維
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、単体ではほと
んど抗菌性を示さない化合物を有効成分として低融点ポ
リエステル系樹脂に溶融混練りすることによって、先記
目的である高耐久抗菌性を有するバインダー繊維を得る
ことを見出し、本発明を完成した。
を達成するために鋭意検討を行った結果、単体ではほと
んど抗菌性を示さない化合物を有効成分として低融点ポ
リエステル系樹脂に溶融混練りすることによって、先記
目的である高耐久抗菌性を有するバインダー繊維を得る
ことを見出し、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、第1の発明は、高融点ポ
リエステルとそれよりも30℃以上融点の低い低融点ポ
リエステルからなるポリエステル系複合繊維であって、
低融点ポリエステル側に下記一般式(I)で示される亜
リン酸エステル化合物の1種以上を0.05〜10重量
%添加され、その低融点ポリエステルが繊維表面の少な
くとも一部に露出してなることを特徴とする抗菌性を有
するポリエステル系バインダー繊維である。
リエステルとそれよりも30℃以上融点の低い低融点ポ
リエステルからなるポリエステル系複合繊維であって、
低融点ポリエステル側に下記一般式(I)で示される亜
リン酸エステル化合物の1種以上を0.05〜10重量
%添加され、その低融点ポリエステルが繊維表面の少な
くとも一部に露出してなることを特徴とする抗菌性を有
するポリエステル系バインダー繊維である。
【化5】 (上記式中、R1は炭素原子数4〜12の分岐のアルキ
ル基、シクロアルキル基またはアリールアルキル基を表
し、R2は水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル
基、シクロアルキル基またはアリールアリキル基を表
し、R3は水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル
基、シクロアルキル基、アリールアルキル基または−R
6COOR7はを表し、R6は炭素原子数1〜6のアルキ
レン基を表し、R7は炭素原子数1〜18のアルキル基
またはアリール基を表し、R4及びR5は各々独立に炭素
原子数1〜8のアルキル基、ヒドロキシ基で置換された
炭素原子数1〜4のアルキル基またはR4とR5が組み合
わされて下記構造(II)を有する基を表す。)
ル基、シクロアルキル基またはアリールアルキル基を表
し、R2は水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル
基、シクロアルキル基またはアリールアリキル基を表
し、R3は水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル
基、シクロアルキル基、アリールアルキル基または−R
6COOR7はを表し、R6は炭素原子数1〜6のアルキ
レン基を表し、R7は炭素原子数1〜18のアルキル基
またはアリール基を表し、R4及びR5は各々独立に炭素
原子数1〜8のアルキル基、ヒドロキシ基で置換された
炭素原子数1〜4のアルキル基またはR4とR5が組み合
わされて下記構造(II)を有する基を表す。)
【化6】 (上記式中、R1、R2およびR3は一般式(I)と同様
である。)
である。)
【0008】第2の発明は、上記一般式(I)の亜リン
酸エステル化合物が下記化合物(α)である第1の発明
に記載の抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊維
である。
酸エステル化合物が下記化合物(α)である第1の発明
に記載の抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊維
である。
【化7】
【0009】第3の発明は、上記一般式(I)の亜リン
酸エステル化合物が下記化合物(β)である第1の発明
に記載の抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊維
である。
酸エステル化合物が下記化合物(β)である第1の発明
に記載の抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊維
である。
【化8】
【0010】繊維の断面が芯鞘構造を成し、芯成分は、
鞘成分よりも30℃以上高い融点を有するポリエステル
系樹脂であって、鞘成分が亜リン酸エステル化合物が添
加された100〜225℃の融点を有するポリエステル
系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記
載の抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊維。
鞘成分よりも30℃以上高い融点を有するポリエステル
系樹脂であって、鞘成分が亜リン酸エステル化合物が添
加された100〜225℃の融点を有するポリエステル
系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記
載の抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊維。
【0011】第5の発明は、芯成分がポリエチレンテレ
フタレートであり、鞘成分が全酸成分に対してイソフタ
ル酸を10〜50mol%共重合したポリエチレンテレ
フタレートであることを特徴とする請求項4記載の抗菌
性を有するポリエステル系バインダー繊維である。
フタレートであり、鞘成分が全酸成分に対してイソフタ
ル酸を10〜50mol%共重合したポリエチレンテレ
フタレートであることを特徴とする請求項4記載の抗菌
性を有するポリエステル系バインダー繊維である。
【0012】
【発明の実施形態】以下に本発明を記述する。本発明に
おける先記一般式(I)に示す亜リン酸エステル化合物
は公知の化合物であって、酸化防止剤として従来から使
用されている。本発明者等は鋭意検討した結果、驚くべ
きことに、該化合物が熱溶融され、均一に熱可塑性樹脂
に混合されることによって、優れた抗菌性を示すことが
判った。該化合物が抗菌性を示す理由については良く分
かっていないが、該化合物が過酸化物を分解する効果を
示すことから、これが細菌の代謝等において何らかの阻
害を起こす物と考えられる。
おける先記一般式(I)に示す亜リン酸エステル化合物
は公知の化合物であって、酸化防止剤として従来から使
用されている。本発明者等は鋭意検討した結果、驚くべ
きことに、該化合物が熱溶融され、均一に熱可塑性樹脂
に混合されることによって、優れた抗菌性を示すことが
判った。該化合物が抗菌性を示す理由については良く分
かっていないが、該化合物が過酸化物を分解する効果を
示すことから、これが細菌の代謝等において何らかの阻
害を起こす物と考えられる。
【0013】上記亜リン酸エステル化合物を示す一般式
(I)において、R1で表される炭素原子数4〜12の
分岐アルキル基としては、例えば、第二ブチル、第三ブ
チル、第三アミル、第三オクチル、イソデシル、イソド
デシルなどが挙げられる。
(I)において、R1で表される炭素原子数4〜12の
分岐アルキル基としては、例えば、第二ブチル、第三ブ
チル、第三アミル、第三オクチル、イソデシル、イソド
デシルなどが挙げられる。
【0014】R2およびR3で表される炭素原子数1〜1
2のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミ
ル、第二アミル、第三アミル、オクチル、デシル、ドデ
シルなどが挙げられる。
2のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミ
ル、第二アミル、第三アミル、オクチル、デシル、ドデ
シルなどが挙げられる。
【0015】R1、R2及びR3で表されるアリールアル
キル基としては、例えば、ベンジル、クミルなどが挙げ
られる。同じくシクロアルキル基としては、シクロペン
チル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられ
る。
キル基としては、例えば、ベンジル、クミルなどが挙げ
られる。同じくシクロアルキル基としては、シクロペン
チル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられ
る。
【0016】R4およびR5で表される炭素原子数1〜8
のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミ
ル、第二アミル、第三アミル、オクチルなどが挙げら
れ、ヒドロキシ基で置換された炭素原子数1〜4のアル
キル基としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチ
ル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルなどが挙げ
られる。
のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミ
ル、第二アミル、第三アミル、オクチルなどが挙げら
れ、ヒドロキシ基で置換された炭素原子数1〜4のアル
キル基としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチ
ル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルなどが挙げ
られる。
【0017】R6で表される炭素原子数1〜6のアルキ
レン基としては、例えばメチレン、エチレン、プロピレ
ン、トリメチレン、テトラメチレン、イソブチレン、ペ
ンタメチレン、ヘキサメチレンなどが挙げられる。
レン基としては、例えばメチレン、エチレン、プロピレ
ン、トリメチレン、テトラメチレン、イソブチレン、ペ
ンタメチレン、ヘキサメチレンなどが挙げられる。
【0018】R7で表される炭素原子数1〜18のアル
キル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、
ペンチル、第三ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソ
ノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、
トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシ
ルなどが挙げられる。
キル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、
ペンチル、第三ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソ
ノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、
トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシ
ルなどが挙げられる。
【0019】本発明における亜リン酸エステル化合物と
は、先記一般式(I)に示す化合物であって、例えば、
2,4,6−トリ第三ブチルフェノールと2−ヒドロキ
シメチル−2−エチルヘキサノールのホスファイト、ビ
ス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4
−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジク
ミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス[2,6−ジ第三ブチル−4−(2−ブチルオキシ
カルボニルエチル)フェニル]ペンタエリスリトールホ
スファイトなどが挙げられ、好ましくは化合物(A)で
示されるビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが熱可塑性
樹脂との相溶性に優れ、熱安定性にも優れている等の点
で好ましい。
は、先記一般式(I)に示す化合物であって、例えば、
2,4,6−トリ第三ブチルフェノールと2−ヒドロキ
シメチル−2−エチルヘキサノールのホスファイト、ビ
ス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4
−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジク
ミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス[2,6−ジ第三ブチル−4−(2−ブチルオキシ
カルボニルエチル)フェニル]ペンタエリスリトールホ
スファイトなどが挙げられ、好ましくは化合物(A)で
示されるビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが熱可塑性
樹脂との相溶性に優れ、熱安定性にも優れている等の点
で好ましい。
【0020】化合物の融点は該化合物固有のものである
ので、本発明に含有される亜リン酸エステル化合物の融
点に関しても特に限定は無いが、低融点ポリエステル系
樹脂との相溶性が良好となる100〜240℃であるこ
とが好ましい。
ので、本発明に含有される亜リン酸エステル化合物の融
点に関しても特に限定は無いが、低融点ポリエステル系
樹脂との相溶性が良好となる100〜240℃であるこ
とが好ましい。
【0021】本発明における亜リン酸エステル化合物を
低融点ポリエステル系樹脂に含有せしめる場合、その含
有量は樹脂に対して0.05〜10重量%であるが、好
ましくは0.1〜5.0重量%、より好ましくは0.5
〜2.0重量%である。含有量が0.05重量%未満だ
と抗菌性が充分に発揮できなくなり、好ましくない。含
有量が10重量%を越えると、亜リン酸エステル化合物
がブリードアウトし、バインダー繊維の外観を損ね、ま
たコスト的にも好ましくない。
低融点ポリエステル系樹脂に含有せしめる場合、その含
有量は樹脂に対して0.05〜10重量%であるが、好
ましくは0.1〜5.0重量%、より好ましくは0.5
〜2.0重量%である。含有量が0.05重量%未満だ
と抗菌性が充分に発揮できなくなり、好ましくない。含
有量が10重量%を越えると、亜リン酸エステル化合物
がブリードアウトし、バインダー繊維の外観を損ね、ま
たコスト的にも好ましくない。
【0022】ポリエステル系樹脂としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン
酸、ナフタレン2,7−ジカルボン酸、ジフェニル4−
4‘ジカルボン酸等の芳香族カルボン酸、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸等の脂環族カルボン酸、コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジ
カルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などか
ら選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、エチレン
グリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレン
グリコール、ヘキサメチレングリコールなどの脂肪族ジ
オール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4
−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール、
またはこれらのエステル形成誘導体などから選ばれたジ
オール成分の少なくとも1種から構成されるブロック共
重合体である。また、これらの系に平均分子量が300
〜5000のポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレン
オキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるポリア
ルキレンジオールのうち少なくとも1種を共重合したポ
リエステルポリエーテルブロック共重合体でも良いし、
平均分子量が300〜5000のポリラクトン等のポリ
エステルジオールのうち少なくとも1種を共重合したポ
リエステルエステルブロック共重合体でも良い。高融点
ポリエステルとしたは、コスト、熱的寸法安定性からテ
レフタル酸とエチレングリコールの縮重合からなるポリ
エチレンテレフタレートが好ましい。低融点ポリエステ
ルとしては、コスト、融点の面から、ジカルボン酸成分
として、テレフタル酸を主体にイソフタル酸を共重合し
た共重合ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン
酸、ナフタレン2,7−ジカルボン酸、ジフェニル4−
4‘ジカルボン酸等の芳香族カルボン酸、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸等の脂環族カルボン酸、コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジ
カルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などか
ら選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、エチレン
グリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレン
グリコール、ヘキサメチレングリコールなどの脂肪族ジ
オール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4
−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール、
またはこれらのエステル形成誘導体などから選ばれたジ
オール成分の少なくとも1種から構成されるブロック共
重合体である。また、これらの系に平均分子量が300
〜5000のポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレン
オキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるポリア
ルキレンジオールのうち少なくとも1種を共重合したポ
リエステルポリエーテルブロック共重合体でも良いし、
平均分子量が300〜5000のポリラクトン等のポリ
エステルジオールのうち少なくとも1種を共重合したポ
リエステルエステルブロック共重合体でも良い。高融点
ポリエステルとしたは、コスト、熱的寸法安定性からテ
レフタル酸とエチレングリコールの縮重合からなるポリ
エチレンテレフタレートが好ましい。低融点ポリエステ
ルとしては、コスト、融点の面から、ジカルボン酸成分
として、テレフタル酸を主体にイソフタル酸を共重合し
た共重合ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0023】本発明の製造方法は、特に限定されない
が、(イ)所定量の亜リン酸エステル化合物を低融点ポリ
エステル系樹脂と混合後に溶融混練りして再ペレット化
した後、通常の複合繊維製造装置にて複合繊維化する方
法。(ロ)高濃度亜リン酸エステル化合物を低融点ポリエ
ステル系樹脂と混合後に溶融混練りして再ペレット化し
たペレットをマスターペレットとした後、低融点ポリエ
ステル系樹脂のペレットと混合した後、通常の複合繊維
製造装置にて複合繊維化する方法、(ハ)所定量の亜リン
酸エステル化合物を低融点ポリエステル系樹脂に計量し
ながら混合し、複合繊維製造装置にて複合繊維化する方
法などがある。
が、(イ)所定量の亜リン酸エステル化合物を低融点ポリ
エステル系樹脂と混合後に溶融混練りして再ペレット化
した後、通常の複合繊維製造装置にて複合繊維化する方
法。(ロ)高濃度亜リン酸エステル化合物を低融点ポリエ
ステル系樹脂と混合後に溶融混練りして再ペレット化し
たペレットをマスターペレットとした後、低融点ポリエ
ステル系樹脂のペレットと混合した後、通常の複合繊維
製造装置にて複合繊維化する方法、(ハ)所定量の亜リン
酸エステル化合物を低融点ポリエステル系樹脂に計量し
ながら混合し、複合繊維製造装置にて複合繊維化する方
法などがある。
【0024】(イ)の方法では、タンブラー型混合機等公
知のブレンダーを用いて低融点ポリエステル系樹脂と所
定量(0.01重量%以上10重量%以下)の亜リン酸
エステル化合物を添加して混合する。この時、好ましく
は先に加温して真空乾燥して水分除去すると、加水分解
や粘度変化を抑制出来るので好ましい。亜リン酸エステ
ル化合物は常温で真空乾燥し、水分を0.02重量%以
下にするのが好ましい。低融点ポリエステル系樹脂は4
0〜50℃で真空乾燥し、水分を0.01重量%以下に
しておき、窒素パージかで添加混合するのが好ましい。
混合時間は5〜30分程度混合するとほぼ均一にブレン
ドされる。次いでコンテナに取り出し、そのコンテナよ
り押し出し機に供給して溶融混練りする。押し出し機は
単軸スクリューもしくは2軸ないし3軸スクリューを用
いる。押し出し機のスクリュー形状は公知の混練り用ス
クリューが好ましく、より好ましくは2軸スクリューで
ベント付き押し出し機にて混練りする。このようなペレ
タイズ工程では異物の混入が懸念されるが、異物を除去
する為に好ましくはフィルターを用いる。フィルターの
仕様は目的の製品によって異なるが、20〜1200メ
ッシュを積層して用いたり、金属焼結フィルターを組み
合わせて使用する。押し出し機出口のダイスのオリフィ
ス孔径は、押し出し機の押し出し量で決定されるが、通
常は直径1〜3mmの孔径を持ったダイスを用いる。一般
的な混練り押し出し機は、計量送り装置を具備していな
い為押し出し圧量とスクリュー回転数及びストランドカ
ッターの引き取り速度から所望の大きさのペレットを得
る条件に押し出し量を設定する。ダイスから押し出され
たストランドは、冷却された後、ストランドカッターに
て所望の長さにカットされ、ペレットが得られる。得ら
れたペレットは、乾燥して水分を0.01重量%以下に
して後、押し出し機で溶融され、スピンパック内で別の
押し出し機から溶融吐出された高融点ポリエステルと複
合され、複数のオリフィスを持ったノズルより吐出され
る。複合繊維の重量比率は、計量ポンプの吐出量によっ
てコントロールされる。吐出された熱可塑性樹脂は、ノ
ズル直下で冷却され、繊維処理剤を付与された後、一旦
巻き取られた後に延伸されたり、直接延伸,熱処理され
た後巻き取られたり、一般的な製糸工程を経て繊維化さ
れる。巻き取られた糸条を束ねた後に、捲縮付与し所望
の長さにカットすれば捲縮短繊維となり、捲縮を付与せ
ずに所望の長さにカットすれば無捲縮短繊維となる。
知のブレンダーを用いて低融点ポリエステル系樹脂と所
定量(0.01重量%以上10重量%以下)の亜リン酸
エステル化合物を添加して混合する。この時、好ましく
は先に加温して真空乾燥して水分除去すると、加水分解
や粘度変化を抑制出来るので好ましい。亜リン酸エステ
ル化合物は常温で真空乾燥し、水分を0.02重量%以
下にするのが好ましい。低融点ポリエステル系樹脂は4
0〜50℃で真空乾燥し、水分を0.01重量%以下に
しておき、窒素パージかで添加混合するのが好ましい。
混合時間は5〜30分程度混合するとほぼ均一にブレン
ドされる。次いでコンテナに取り出し、そのコンテナよ
り押し出し機に供給して溶融混練りする。押し出し機は
単軸スクリューもしくは2軸ないし3軸スクリューを用
いる。押し出し機のスクリュー形状は公知の混練り用ス
クリューが好ましく、より好ましくは2軸スクリューで
ベント付き押し出し機にて混練りする。このようなペレ
タイズ工程では異物の混入が懸念されるが、異物を除去
する為に好ましくはフィルターを用いる。フィルターの
仕様は目的の製品によって異なるが、20〜1200メ
ッシュを積層して用いたり、金属焼結フィルターを組み
合わせて使用する。押し出し機出口のダイスのオリフィ
ス孔径は、押し出し機の押し出し量で決定されるが、通
常は直径1〜3mmの孔径を持ったダイスを用いる。一般
的な混練り押し出し機は、計量送り装置を具備していな
い為押し出し圧量とスクリュー回転数及びストランドカ
ッターの引き取り速度から所望の大きさのペレットを得
る条件に押し出し量を設定する。ダイスから押し出され
たストランドは、冷却された後、ストランドカッターに
て所望の長さにカットされ、ペレットが得られる。得ら
れたペレットは、乾燥して水分を0.01重量%以下に
して後、押し出し機で溶融され、スピンパック内で別の
押し出し機から溶融吐出された高融点ポリエステルと複
合され、複数のオリフィスを持ったノズルより吐出され
る。複合繊維の重量比率は、計量ポンプの吐出量によっ
てコントロールされる。吐出された熱可塑性樹脂は、ノ
ズル直下で冷却され、繊維処理剤を付与された後、一旦
巻き取られた後に延伸されたり、直接延伸,熱処理され
た後巻き取られたり、一般的な製糸工程を経て繊維化さ
れる。巻き取られた糸条を束ねた後に、捲縮付与し所望
の長さにカットすれば捲縮短繊維となり、捲縮を付与せ
ずに所望の長さにカットすれば無捲縮短繊維となる。
【0025】(ロ)の方法では、マスターバッチペレット
中の亜リン酸エステル化合物の添加量が繊維形成時の低
融点ポリエステル系樹脂中の亜リン酸エステル化合物が
所望の添加量になるように添加する以外は、(イ)の方法
と同一の手法で添加混合して溶融混練りを行いマスター
ペレットを作成する。マスターペレット中の亜リン酸エ
ステル化合物の濃度は次の紡糸工程での混合比率で決め
る。通常5重量%〜50重量%のマスターペレットと希
釈用の熱可塑性樹脂とを混合して用いる。紡糸機への供
給方法は、マスターペレットと希釈用の熱可塑性樹脂を
所定量ずつ混練り押し出し機に定量供給して(イ)と同様
にして繊維化する。紡糸機のスクリューは混練りタイプ
のものが好ましい。特に2軸スクリューが好ましい。
中の亜リン酸エステル化合物の添加量が繊維形成時の低
融点ポリエステル系樹脂中の亜リン酸エステル化合物が
所望の添加量になるように添加する以外は、(イ)の方法
と同一の手法で添加混合して溶融混練りを行いマスター
ペレットを作成する。マスターペレット中の亜リン酸エ
ステル化合物の濃度は次の紡糸工程での混合比率で決め
る。通常5重量%〜50重量%のマスターペレットと希
釈用の熱可塑性樹脂とを混合して用いる。紡糸機への供
給方法は、マスターペレットと希釈用の熱可塑性樹脂を
所定量ずつ混練り押し出し機に定量供給して(イ)と同様
にして繊維化する。紡糸機のスクリューは混練りタイプ
のものが好ましい。特に2軸スクリューが好ましい。
【0026】(ハ)の方法は、所定量の亜リン酸エステル
化合物と低融点ポリエステル系樹脂を一旦混合した後に
押し出し機に供給して溶融混練り後、ノズルオリフィス
から押し出す方法と、所定量の亜リン酸エステル化合物
と低融点ポリエステル系樹脂を別々に押し出し機に定量
供給して直接混合溶融混練り後、(イ)と同様の方法で繊
維化する方法がある。(ハ)の方法では紡糸機の押し出し
機のスクリューは、混練りタイプのものが好ましい。特
に2軸スクリューが好ましい。更には、糸条を紡出する
前に押し出し機のスクリュー以外に混練りする機構(例
えばスタティックミキサー等)を組み入れた紡糸機が好
ましい。
化合物と低融点ポリエステル系樹脂を一旦混合した後に
押し出し機に供給して溶融混練り後、ノズルオリフィス
から押し出す方法と、所定量の亜リン酸エステル化合物
と低融点ポリエステル系樹脂を別々に押し出し機に定量
供給して直接混合溶融混練り後、(イ)と同様の方法で繊
維化する方法がある。(ハ)の方法では紡糸機の押し出し
機のスクリューは、混練りタイプのものが好ましい。特
に2軸スクリューが好ましい。更には、糸条を紡出する
前に押し出し機のスクリュー以外に混練りする機構(例
えばスタティックミキサー等)を組み入れた紡糸機が好
ましい。
【0027】本発明の好ましい実施形態としては芯成分
の中央に中空部を有する中空芯鞘型複合繊維又は3葉、
5葉断面のような異形断面を選択することができる。中
空断面化するにはノズルオリフィスの孔形状が円形スリ
ットを1ブリッジもしくは3ブリッジで繋いだ形状のオ
リフィスを用いる。オリフィスの中空率は35〜70%
が選択できる。ノズルオリフィスの中空率が20%未満
であると、糸断面の中空率が5%未満となり、中空化効
果が得られ難く、70%を超えると繊維断面の中空率が
高すぎて、製糸工程や後加工工程において中空破裂が起
こる確率が高くなる為好ましくない。好ましいノズル中
空率は、35〜65%である。繊維断面の中空率として
は5〜40%が好ましい。繊維断面を異形化する方法と
しては、ノズルオリフィスを異形化する方法が一般的で
ある。異形断面としては、Y型、十字型、星形等所望の
用途に応じて選択できる。
の中央に中空部を有する中空芯鞘型複合繊維又は3葉、
5葉断面のような異形断面を選択することができる。中
空断面化するにはノズルオリフィスの孔形状が円形スリ
ットを1ブリッジもしくは3ブリッジで繋いだ形状のオ
リフィスを用いる。オリフィスの中空率は35〜70%
が選択できる。ノズルオリフィスの中空率が20%未満
であると、糸断面の中空率が5%未満となり、中空化効
果が得られ難く、70%を超えると繊維断面の中空率が
高すぎて、製糸工程や後加工工程において中空破裂が起
こる確率が高くなる為好ましくない。好ましいノズル中
空率は、35〜65%である。繊維断面の中空率として
は5〜40%が好ましい。繊維断面を異形化する方法と
しては、ノズルオリフィスを異形化する方法が一般的で
ある。異形断面としては、Y型、十字型、星形等所望の
用途に応じて選択できる。
【0028】本発明の好ましい実施形態としては芯成分
と鞘成分の比率を30:70〜70:30とすることが
できる。好ましくは、40:60〜60:40。さらに
好ましくは50:50である。芯成分比率が30未満の
場合、抗菌性は十分だが、繊維構造体とした時の機械的
特性が劣る為好ましくない。一方鞘成分比率が30未満
の場合も抗菌性は十分だが、接着性が不十分となる為、
好ましくない。
と鞘成分の比率を30:70〜70:30とすることが
できる。好ましくは、40:60〜60:40。さらに
好ましくは50:50である。芯成分比率が30未満の
場合、抗菌性は十分だが、繊維構造体とした時の機械的
特性が劣る為好ましくない。一方鞘成分比率が30未満
の場合も抗菌性は十分だが、接着性が不十分となる為、
好ましくない。
【0029】
【実施例】以下に実施例で本発明を詳述する。
【0030】なお、実施例中の評価は以下の方法で行っ
た。 (1)抗菌性の評価 繊維製品新機能評価評議会が制定した、繊維製品の定量
的抗菌性試験方法マニュアルに準拠した。すなわち、減
菌した1/20濃度のニュートリエントブロスに下記試
験菌1±0.3×105個/mlを0.4gの試料に均一に
接種し、37℃で18時間培養する。培養終了後、試験
菌を洗い出し、その液で混釈平板寒天培地を作製し、3
7℃で24〜48時間培養し生菌数を測定する。なお、
未加工品に関しては接種直後にも試験菌を洗い出し、そ
の液で混釈平板寒天培地を作製し、37℃で24〜48
時間培養することによって、接種した生菌数を測定す
る。抗菌性は下記式による静菌活性値で評価する。静菌
活性値の高いものほど抗菌性に優れている。なお、試験
菌として、黄色ブドウ球菌(Staphylococc
us aureus ATCC 6538P)を使用し
た。 静菌活性値=Log(B)−Log(C) 但し、試験成立条件: Log(B)−Log(A)>
1.5 を満たすこと。 A:未加工品の接種直後に回収した菌数の平均値 B:未加工品の18時間培養回収した菌数の平均値 C:加工品の18時間培養回収した菌数の平均値 (2)洗濯方法 繊維製品新機能評価協議会が制定している、洗濯方法マ
ニュアルに準拠した。すなわち、JIS L0217の
洗い方103に規定する家庭電気洗濯機を使用し、40
℃の水30リットルに対しJAFET標準洗剤(繊維製
品新機能評価協議会製)40ミリリットルを溶解し洗濯
液とし、この洗濯液に1kgの試料を入れる。5分間洗
濯、脱水、2分間濯ぎ洗い、脱水、2分間濯ぎ洗い、脱
水の工程を1回とし、50回の洗濯を行った。
た。 (1)抗菌性の評価 繊維製品新機能評価評議会が制定した、繊維製品の定量
的抗菌性試験方法マニュアルに準拠した。すなわち、減
菌した1/20濃度のニュートリエントブロスに下記試
験菌1±0.3×105個/mlを0.4gの試料に均一に
接種し、37℃で18時間培養する。培養終了後、試験
菌を洗い出し、その液で混釈平板寒天培地を作製し、3
7℃で24〜48時間培養し生菌数を測定する。なお、
未加工品に関しては接種直後にも試験菌を洗い出し、そ
の液で混釈平板寒天培地を作製し、37℃で24〜48
時間培養することによって、接種した生菌数を測定す
る。抗菌性は下記式による静菌活性値で評価する。静菌
活性値の高いものほど抗菌性に優れている。なお、試験
菌として、黄色ブドウ球菌(Staphylococc
us aureus ATCC 6538P)を使用し
た。 静菌活性値=Log(B)−Log(C) 但し、試験成立条件: Log(B)−Log(A)>
1.5 を満たすこと。 A:未加工品の接種直後に回収した菌数の平均値 B:未加工品の18時間培養回収した菌数の平均値 C:加工品の18時間培養回収した菌数の平均値 (2)洗濯方法 繊維製品新機能評価協議会が制定している、洗濯方法マ
ニュアルに準拠した。すなわち、JIS L0217の
洗い方103に規定する家庭電気洗濯機を使用し、40
℃の水30リットルに対しJAFET標準洗剤(繊維製
品新機能評価協議会製)40ミリリットルを溶解し洗濯
液とし、この洗濯液に1kgの試料を入れる。5分間洗
濯、脱水、2分間濯ぎ洗い、脱水、2分間濯ぎ洗い、脱
水の工程を1回とし、50回の洗濯を行った。
【0031】実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例
3 実施例、比較例には、表1に示すような割合でイソフタ
ル酸を共重合した低融点ポリエステルを用いた。
3 実施例、比較例には、表1に示すような割合でイソフタ
ル酸を共重合した低融点ポリエステルを用いた。
【0032】
【表1】
【0033】次いで上表の熱可塑性樹脂ペレットに、予
め30℃で48時間真空乾燥した亜リン酸エステル化合
物としてビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(以下BM
PPと略す)またはビス(2,6−ジ第三ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジフォスファイト(以下BH
PPと略す)を0.002〜15.0重量%添加して回
転式ブレンダーでドライブレンドし、溶融押し出し機に
て溶融混練りを行い、孔径1mmのダイスより吐出し、冷
却、切断し、ペレットを得た。次いで、50℃×48時
間真空乾燥し、抗菌性機能剤のブリードアウト状態を確
認した。乾燥後のポリマー表面のブリードアウトの状態
を表2に示す。
め30℃で48時間真空乾燥した亜リン酸エステル化合
物としてビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(以下BM
PPと略す)またはビス(2,6−ジ第三ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジフォスファイト(以下BH
PPと略す)を0.002〜15.0重量%添加して回
転式ブレンダーでドライブレンドし、溶融押し出し機に
て溶融混練りを行い、孔径1mmのダイスより吐出し、冷
却、切断し、ペレットを得た。次いで、50℃×48時
間真空乾燥し、抗菌性機能剤のブリードアウト状態を確
認した。乾燥後のポリマー表面のブリードアウトの状態
を表2に示す。
【0034】
【表2】 ○:良い △:まあまあ ×:悪い
【0035】得られた亜リン酸エステル化合物添加の低
融点ポリエステル樹脂を押し出し機で溶融押し出しし、
高融点ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(固
有粘度=0.63)を別の押し出し機で溶融押し出しし
た後、それぞれギアポンプで定量されて紡糸パック内に
押し出されて複合された後、複数のオリフィスを有する
ノズルより、吐出させる。吐出されたマルチフィラメン
トは、徐冷された後、巻き取られる。巻き取られた未延
伸糸は、繊度が2デニールとなるように延伸された後,
押し込み式捲縮付与装置で捲縮をかけられた後、所定の
繊維長にカットすることで芯鞘型複合短繊維を得た。
融点ポリエステル樹脂を押し出し機で溶融押し出しし、
高融点ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(固
有粘度=0.63)を別の押し出し機で溶融押し出しし
た後、それぞれギアポンプで定量されて紡糸パック内に
押し出されて複合された後、複数のオリフィスを有する
ノズルより、吐出させる。吐出されたマルチフィラメン
トは、徐冷された後、巻き取られる。巻き取られた未延
伸糸は、繊度が2デニールとなるように延伸された後,
押し込み式捲縮付与装置で捲縮をかけられた後、所定の
繊維長にカットすることで芯鞘型複合短繊維を得た。
【0036】得られた抗菌性短繊維は、2dのPET繊
維と50:50で混綿された後、カードでウェブとす
る。次にそのウェブを数枚積層させた後、ニドルパンチ
で繊維同士を交絡させ、低融点ポリエステル樹脂が溶融
接着するに充分な温度に加熱されたオーブンで熱処理す
ることで、50g/m2の不織布を得た。抗菌性の評価
は、上記不織布で行った。抗菌性の評価結果を表3に示
す。
維と50:50で混綿された後、カードでウェブとす
る。次にそのウェブを数枚積層させた後、ニドルパンチ
で繊維同士を交絡させ、低融点ポリエステル樹脂が溶融
接着するに充分な温度に加熱されたオーブンで熱処理す
ることで、50g/m2の不織布を得た。抗菌性の評価
は、上記不織布で行った。抗菌性の評価結果を表3に示
す。
【0037】
【表3】 ○:良い △:まあまあ ×:悪い 表中の≧は、数値以上を表す。
【0038】実施例1〜10は、抗菌性及びその耐久性
も優れ、且つ抗菌剤添加レジンのハンドリング性も良好
なことが表1及び2から判る。比較例1は、抗菌剤のブ
リードアウトは起こらないが、抗菌性が劣るため好まし
くない。比較例2は、抗菌性およびその耐久性は優れる
ものの、レジンのドライブレンド時に添加剤がブリード
アウトする為、好ましくない。比較例3は、抗菌性は優
れるものの、低融点と高融点ポリマーの融点差が小さい
為、繊維の収縮が大きく好ましくない。
も優れ、且つ抗菌剤添加レジンのハンドリング性も良好
なことが表1及び2から判る。比較例1は、抗菌剤のブ
リードアウトは起こらないが、抗菌性が劣るため好まし
くない。比較例2は、抗菌性およびその耐久性は優れる
ものの、レジンのドライブレンド時に添加剤がブリード
アウトする為、好ましくない。比較例3は、抗菌性は優
れるものの、低融点と高融点ポリマーの融点差が小さい
為、繊維の収縮が大きく好ましくない。
【0039】実施例11〜14、比較例3 ノズルオリフィス孔の形状を中空、異形断面とする以外
は、実施例3と同様の方法で抗菌性繊維を得た後、繊維
を束ね、押し込み式捲縮付与装置にて捲縮を与えた後、
ローター式カッターにてカットすることで捲縮短繊維
(原綿)を得た。
は、実施例3と同様の方法で抗菌性繊維を得た後、繊維
を束ね、押し込み式捲縮付与装置にて捲縮を与えた後、
ローター式カッターにてカットすることで捲縮短繊維
(原綿)を得た。
【0040】
【表4】 ◎:非常に良い ○:良い ×:悪い
【0041】実施例11〜14は、嵩高、軽量感が高
く、抗菌性も優れている。比較例4は、繊維の断面形状
が中空断面であるが、繊維中空率が45%以上あるた
め、中空つぶれが起こり、嵩高感も意外と低く、後加工
工程においては更に中空破裂が起こるため、中空断面の
効果は得られない。
く、抗菌性も優れている。比較例4は、繊維の断面形状
が中空断面であるが、繊維中空率が45%以上あるた
め、中空つぶれが起こり、嵩高感も意外と低く、後加工
工程においては更に中空破裂が起こるため、中空断面の
効果は得られない。
【0042】実施例15〜16、比較例5〜6 鞘、芯成分比率を変更する以外は、実施例3と同様の方
法で繊維を得、不織布を作成した。評価結果を表5に示
した。
法で繊維を得、不織布を作成した。評価結果を表5に示
した。
【0043】
【表5】 ◎:非常に良い ○:良い ×:悪い 実施例15、16は、接着性と不織布強度のバランスが
保たれている為、好ましい。比較例5、6は、抗菌性は
優れるものの、芯鞘構造が本発明の好適な範囲を外れ、
不織布の機械的特性が劣るため、好ましくない。
保たれている為、好ましい。比較例5、6は、抗菌性は
優れるものの、芯鞘構造が本発明の好適な範囲を外れ、
不織布の機械的特性が劣るため、好ましくない。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、従来熱劣化や着色防止
剤として使用され、単体では殆ど抗菌性を示さない亜リ
ン酸エステル化合物を低融点ポリエステル系樹脂に溶融
練り混みすることで、耐久性に優れた抗菌性を有するポ
リエステル系バインダー繊維を提供することが出来る。
剤として使用され、単体では殆ど抗菌性を示さない亜リ
ン酸エステル化合物を低融点ポリエステル系樹脂に溶融
練り混みすることで、耐久性に優れた抗菌性を有するポ
リエステル系バインダー繊維を提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉野 賢二 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H011 AA02 BA01 BB17 BC19 DA10 DC05 DH04 4L035 BB31 CC20 DD19 DD20 EE11 FF05 FF08 JJ25 4L041 AA07 BA02 BA05 BA21 BA33 BA41 BA49 BA59 BC10 BD04 BD11 CA06 CA12 CB19 CB28 DD01 DD05 DD15 DD21 4L047 AA21 AA27 AB02 AB10 BA03 BA09 BB06 BB09 CA19 CB01 CB10 CC16
Claims (5)
- 【請求項1】 高融点ポリエステルとそれよりも30℃
以上融点の低い低融点ポリエステルからなるポリエステ
ル系複合繊維であって、低融点ポリエステル側に下記一
般式(I)で示される亜リン酸エステル化合物の1種以
上を0.05〜10重量%添加され、その低融点ポリエ
ステルが繊維表面の少なくとも一部に露出してなること
を特徴とする抗菌性を有するポリエステル系バインダー
繊維。 【化1】 (上記式中、R1は炭素原子数4〜12の分岐のアルキ
ル基、シクロアルキル基またはアリールアルキル基を表
し、R2は水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル
基、シクロアルキル基またはアリールアリキル基を表
し、R3は水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル
基、シクロアルキル基、アリールアルキル基または−R
6COOR7はを表し、R6は炭素原子数1〜6のアルキ
レン基を表し、R7は炭素原子数1〜18のアルキル基
またはアリール基を表し、R4及びR5は各々独立に炭素
原子数1〜8のアルキル基、ヒドロキシ基で置換された
炭素原子数1〜4のアルキル基またはR4とR5が組み合
わされて下記構造(II)を有する基を表す。) 【化2】 (上記式中、R1、R2およびR3は一般式(I)と同様
である。) - 【請求項2】 上記一般式(I)の亜リン酸エステル化
合物が下記化合物(α)である請求項1記載の抗菌性を
有するポリエステル系バインダー繊維。 【化3】 - 【請求項3】 上記一般式(I)の亜リン酸エステル化
合物が下記化合物(β)である請求項1記載の抗菌性を
有するポリエステル系バインダー繊維。 【化4】 - 【請求項4】 繊維の断面が芯鞘構造を成し、芯成分
は、鞘成分よりも30℃以上高い融点を有するポリエス
テル系樹脂であって、鞘成分が、亜リン酸エステル化合
物が添加された100〜225℃の融点を有するポリエ
ステル系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3いず
れか記載の抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊
維。 - 【請求項5】 芯成分がポリエチレンテレフタレートで
あり、鞘成分が全酸成分に対してイソフタル酸を15〜
50mol%共重合したポリエチレンテレフタレートで
あることを特徴とする請求項4記載の抗菌性を有するポ
リエステル系バインダー繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9245399A JP2000282332A (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9245399A JP2000282332A (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000282332A true JP2000282332A (ja) | 2000-10-10 |
Family
ID=14054825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9245399A Pending JP2000282332A (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000282332A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1293239C (zh) * | 2001-11-19 | 2007-01-03 | 慈溪市大成经营公司 | 涤/涤复合热熔性短纤维生产工艺 |
JP2008223182A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-09-25 | Nippon Ester Co Ltd | 抗菌性を有する熱接着性ポリエステル長繊維 |
-
1999
- 1999-03-31 JP JP9245399A patent/JP2000282332A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1293239C (zh) * | 2001-11-19 | 2007-01-03 | 慈溪市大成经营公司 | 涤/涤复合热熔性短纤维生产工艺 |
JP2008223182A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-09-25 | Nippon Ester Co Ltd | 抗菌性を有する熱接着性ポリエステル長繊維 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5969026A (en) | Wettable polymer fibers | |
JP2503057B2 (ja) | 抗菌性成形物及びその製造法 | |
KR101314878B1 (ko) | 고권축성 2성분 섬유 | |
DE69926518T2 (de) | Neopentylglycol enthaltende polyester und daraus hergestellte fasern | |
MXPA04012281A (es) | Fibras bicomponentes de poli(tereftalato de trimetileno). | |
CN1662683B (zh) | 聚对苯二甲酸丙二醇酯双组分纤维工艺 | |
CN106702525B (zh) | 用于产制纤维的材料及由其所制得的纤维 | |
JP2000282332A (ja) | 抗菌性を有するポリエステル系バインダー繊維 | |
DE10296555T5 (de) | Zusammensetzungen für eine verbesserte thermische Bindung | |
JP4164713B2 (ja) | 抗菌性を有する耐熱性ポリエステル系バインダー繊維 | |
WO2008034477A1 (de) | Masterbatch und verfahren zur herstellung von kationisch anfärbbaren polyester/copolyester-filamenten oder -fasern sowie verwendung des verfahrens | |
JP2000345434A (ja) | 抗菌性を有する複合バインダー繊維 | |
JP2566610B2 (ja) | 抗菌性成形物及びその製造方法 | |
US6048613A (en) | Elastic polyurethane yarn and method of manufacturing the same | |
JP2593890B2 (ja) | 抗菌性成形物及びその製造法 | |
JP2000248488A (ja) | 抗菌性抄紙 | |
JP2000199123A (ja) | 抗菌性繊維 | |
JP2000248438A (ja) | 抗菌性紡績糸および抗菌性布帛 | |
CN112813530A (zh) | 一种亲水柔软聚乳酸纺丝复合材料及其制备方法 | |
JP2000345432A (ja) | 抗菌性詰め綿材およびそれを用いた布団 | |
JPH0130926B2 (ja) | ||
JPH0881624A (ja) | 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、及びポリイソシアネート組成物、並びにそれらを用いたポリウレタン弾性糸及びその製造方法 | |
JP2004360091A (ja) | 抗菌性ポリエステル繊維及びその製造方法 | |
JPS6212253B2 (ja) | ||
KR100539425B1 (ko) | 항균방취성이 우수한 섬유용 폴리에테르에스테르계 탄성사의제조방법 |